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まりさの誕生 4の続きです 春 今日も授業は続いている 今は歴史の時間だ、幻想郷の成立…は昨日やったから今は吸血鬼騒動の話だ その時あの変異まりさがいきなり立ち上がった(というより半分つぶれた恰好からしゃきんとした) 「みんな!!!いまこそゆっくりのときだよ!!!」 その瞬間、寺子屋を地震が襲ったような激しい震動 天井を突き破り、障子を突き破り、畳を突き破り、慧音のスカートの捲り、掛け軸の裏から壁を突き破り 変異まりさとほぼ同じ大きさのゆっくりまりさが教室に乱入した その数ゆうに10匹以上…! まりさたちは逃げ惑う子供たちを踏みつけ、口にくわえ、下でからめ取っていく 我に返った慧音が戦闘態勢をとった時にはほとんどの生徒がゆっくりにつかまり、迂闊に手が出せない状況だった 「くっ…まりさ!!これはどういう真似だ!!!」 「ゆっゆっゆっゆ…けーね、まりさはこのときをずっとまっていたんだよ!にんげんにふくしゅうするそのときを!!」 ゆっゆっゆっゆ…と10匹ものまりさが汚い笑い声をあげる 慧音の後ろに隠れていた二人の子供がおびえて慧音にしがみついた 人間に復讐?確かに初めてこのまりさがここに来た時はそんなことも言っていた だが人間には勝てないと悟り共存の道を探ろうとしていたんじゃないのか? くそ!何でこんな時に妹紅はあのニートと殺し合いなんてやっているんだ!! 「うごいちゃだめだよ、けーね、うごいたらこのこたち、ゆっくりできなくなるよ」 「「そこでゆっくりみていてね!!」」 子供が人質に取られては慧音には何もできない そんな慧音の心を知ってか知らずか、まりさのうちの一匹が踏みつけていた女の子の頭にかみついた 「なっ!!」 「い、いやぁぁ!!先生!!けーね先生!!助けて!!」 「やめろっ!!私はどうなってもいいから…子供達には手を出さないでくれ!!!」 まりさは一瞬で子供をほとんど丸呑みにしてしまった 膝から先だけは口からはみ出しており、その足が痙攣していることだけが少女がまだ生きていることを伝えた 「ぺーろぺーろゆっくりー!!」 時折足の痙攣が激しくなる、どうやら口の中で舐めまわしているらしい そしてついにその足まで口の中に消えてしまった 「あ、ああ…」 「これでゆっくりできるね!!」 「うん!ゆっくりー!!」 「き、貴様ぁ!!」 「い、いやだ!!僕は食べないで!!」 「助けて!先生助けて!!」 慧音は一気に飛び出そうとした 子供に怪我をさせてしまうかもしれない しかし今自分の目の前で人を食べたこいつらは何としても消さなければいけない しかし慧音の動きが止まった、さっき少女を食べたゆっくりがいきなり震えだしたのだ 「ゆっ、ゆぎゅう…ゆっゆっゆっゆっ…」 慧音と子供たちの間に笑顔が戻った、きっとスレ的にこのゆっくりの皮を突き破って食べられた少女が飛び出す そして笑顔でさっきまで自分が入っていたゆっくりの死骸を食べながら 「これおいしーよ!」 と、天使のような笑顔を慧音に向ける それからみんなで寺子屋大饅頭大会だ、ゲストで阿求を呼んでもいいかもしれない そんな慧音の機体は一瞬で裏切られた 「ゆっくりー!!」 「すっきりー!!」 なんとまりさの体からほとんど同じ大きさのまりさが飛び出してきたではないか!! その帽子や紙には食べられた少女の服の切れ端が付いている 「ゆゆっ、せんせー!みんなー!ゆっくりになるのってとってもゆっくりできてサイコーだよ!!」 「な、なんだって!?」 「これぞぜんゆっくりとぜんじんるいをすくうきゅうきょくのけいかく!!ぜんじんるいゆっくりけいかく!!」 「ゆっくりとにんげんのあらそいをなくすためににんげんをゆっくりにしようというけいかく!」 何が起こっているんだ!? 慧音の頭は混乱しっぱなしだった 全人類をゆっくりにする!?そんなバカな!!しかし今目の前にいるあのゆっくりはなんだ!? まさか本当にあのゆっくりがあの子だったというのか!? 「さあ!こうたくん!わたしがゆっくりにしてあげる!!」 「みんなもゆっくりになろうね!!」 ゆっくり達が一斉に子供たちを食べ始める 「いかん!!お前たち、逃げるんだ!!」 慧音は自分の後ろにいた二人に向って叫んだ 急いで寺子屋の外に向かって走る二つの背中、しかしそれは畳を突き破った二つの饅頭に呑まれて消えた そのあと、畳から4匹のゆっくりまりさが飛び出してきた 「あ、ああ…」 「さあ!あとはけーねひとりだよ!!」 「だいじょうぶだよせんせー!ゆっくりになっていっぱいゆっくりしようね!!」 「ぼくたちにまかせてね!せんせー!!」 「けーねせんせいのおっぱい、おっぱい…」 たくさんのゆっくりに囲まれる、しかし慧音は動けない ここで戦えば子どもたちも傷つけてしまう もうかれらは寺子屋の生徒ではないのに ゆっくりの舌が何本も伸びてくる 舌が体中を舐めまわしている 何匹かのゆっくりが発情している そして目の前に現れる一匹のゆっくり、それは最初にゆっくりになったあの少女だった 「や、やめてくれ…」 「せんせー、わたし(僕)(まりさ)のなかで」 「「「ゆっくりゆっくりになっていってね!!!」」」 「い、嫌だあぁぁぁぁ!!!!!」 毛布を蹴とばして飛び起きる ここまで怖い夢を見たのはたぶん生まれて初めてではないだろうか? ああ、なんて夢を見てしまったんだ しかもゆっくりになってしまうところまで見てしまった気がする 暗い暗い餡子の海で服を切り裂かれ、体の隅々まで舐めまわされ、あんこを浸みこまされる そして日出る国の天子のようにゆっくりから飛び出して… 忘れよう、この夢はなかったことにしよう まりさと生活をはじめて半年近くたった まりさは定期的に巣に戻っているらしい、最近森のゆっくり達が 「ゆっくり」「にんげん」各ゆっくり種の名前 をひらがなで読めるようになった事 まだ安定供給とまではいかないがなんとか農耕が軌道に乗り始めたこと そんなことを報告してくれた どうやらその森のゆっくりも知能はけた外れにいいらしい このまりさの慕うぱちゅりーの影響だろうか そういえば近頃子供たちがこのまりさを「ドスまりさ」と呼ぶようになった 理由を聞いてみたところ、ボウガンでゆっくり狩りをしている男が 「あの大きさじゃあドスまりさだな」 と話しているのを聞いたらしい まりさ自身もこの名前で呼ばれるのを気に行っているらしい これから慧音もドスまりさと呼ぶようになった ドスまりさは今日も定期報告のために森への道を走って行く 農作業をしているおじさんと挨拶してすれ違う (ゆっくりを虐めていたがみたいだが森のゆっくりじゃない屑だからスルー) 今回はありすに「名前」について教えよう それはゆっくりのゆっくりたるゆえんを破壊してしまうかもしれない でも、それでも人間は名前を使っている 森の仲間もきっと屑からの脱出をしてくれる 農作業はうまくいっただろうか? 進み具合によっては字が読めるゆっくりを連れて人里に行ってもいいかもしれない 人間のルール取得を兼ねて、お菓子屋さんで野菜とお菓子を交換してもらおう そこまで考えてドスまりさの動きが止まった おかしい、いつもならそろそろ見張りのゆっくりがいるはず ドスまりさはここをいいゆっくりの楽園とすると同時に屑なゆっくりから完全に隔離した 「ゆっくりふぉーとれす」 に改造しようとしていた もし外からの屑ゆっくりが入ってきたばあい、仲間との衝突は免れない 最悪発展途上中の仲間が屑になる そうなったらおしまいだ そのため、仲間の集落の付近に見張り用の巣と、その内部にほかの見張り巣につながるトンネルを掘らせた 3匹ひと組で見張りに当たり内部に侵入しようとした他のゆっくりには丁重にお引き取り願う そして集落の中心部からは見張り巣よりも外側まで続く脱出用トンネルも掘らせた 最悪の場合、ここから脱出したゆっくりが人里まで行き、自分に助けを求める 人間にあったときに「どすまりさにあわせてください!!!」と言えば大丈夫だと伝えておいた この脱出用トンネルは平時に外部からの侵入を防ぐため、開通寸前で工事をやめている 最終的には人里で見た「えあがん」とかいう道具をゆっくりで自作 見張り巣と、各防衛ラインとして掘った堀の内側に配備する これならゆっくりは殺せて人間は殺せない、いいゆっくりと人間が共存するに当たり、最適な武器になるはずだ だがこの武器の制作には自分も成功していない この計画が完成するのは自分が死んだ後だろうと思っていた ゆっくりふぉーとれすの中心部は地獄だった 巣穴はとことん埋められ、脱出用トンネルはあちこち陥没している ゆっくりせいてんとして慧音に書いてもらった人間のルールの本はびりびりに破かれている さらにみんなで収穫を楽しみにしていたはずの作物は根こそぎ取られ、代わりに原形をとどめていないゆっくりの死体が埋まっていた いったい何があったのだろうか? れみりゃの群れに襲われた? それはない、れみりゃに後れを取らないだけの知能をここのゆっくりは持っている じゃあゆふらんの群れ? その可能性も低い、だってみょんにはみょんによく似た人間を参考に木の棒の装備を義務付けた 敵に突き刺すことしかできないがれみりゃやふらん程度なら撃退できるはず 事実過去にも何度か撃退したという話を聞いていたじゃないか!! 「…」 その時畑の中の死体が動いた いや死体じゃない、まだ生きている 「どぉし゛た゛の!?どおじでごん゛なごとにな゛っ゛た゛の゛ぉ゛お゛!!」 そのゆっくりはぱちゅリーの後を継いだあのありすだった 「ま、まりさ…きてくれたんだね…でもすこし…ゆっくりしすぎだよぉ…」 ゆっくりしたことに文句を言うありす しかしその顔は怒っていない、死ぬ前に友達に会えたことを喜ぶ、とてもゆっくりした顔だった アリスの話によるとこうだ 見張り巣のローテーションは三日ごとに交代だった だが、三日たって交代のゆっくり達が見張り巣に向かったがどのゆっくりも見張り巣から帰ってこなかった なにかあったのだろうか、緊急事態だろうか 今すぐ見張り巣に誰かを向かわせるか それともふぉーとれす最強の「みょん・あさると・ちーむ」(以下MAT)の出動を要請するべきか その会議のために集落のゆっくりが集まったところで異変が起きた ツタと竹を組み合わせた罠が大きな音をたてた、侵入者だ 音が鳴りやまない、数が多い ついにツタが切れてしまったのか竹が地面に落ちた すぐに大人ゆっくりとみょん・あさると・ちーむがその方向に向かう 彼らが見たのはゆっくりの地獄だった 視界を埋めつくさんばかりの発情したゆっくりありす、それが草木をかき分けながらこっちに向かってくる 先頭集団が最終防衛ラインの堀に落ちた、この里のゆっくり以外なら上る方法も渡る方法も判らない そのはずなのにありすは止まらない 敵は堀に落ちた仲間を踏み台にしてこっちに迫っているのだ えらいことになってしまったとMATのリーダーは思った このみょんは木の棒で今まで4匹のれみりゃと2匹のふらんを葬った 木の棒でれみりゃに突撃し、自分が傷つくことなく木の棒で敵をえぐり、引き抜く そんな芸当のできるみょんすらをも恐怖させるありすの群れはすぐ目前まで迫っていた 「ちんっぽー!!ぜんいんとつげきー!!」 戦いの火ぶたは切って落とされた むしろ集団レイプといった方が正しかったのかもしれない 「ゆゆ!!れいむはみぎにいくよ!!みんなゆっくりがんばってね!!」 「まりさはひだりだね!!」 「ちぇんはみょんのうしろだね、わかるよー!!」 これはたいれみりゃ用戦術 MATが正面から突撃し、他の普通部隊はれみりゃが逃げないように左右をふさぐ ちぇんはMATの後方に位置し、MATを突破してれみりゃをせん滅する いままでこの方法でれみりゃに勝ってきた だがてきはありすだ、しかも数までこちらが不利 「ちんぽー!むげんえいこうつきー!!」 みょんが木の棒をくわえたままありすに体当たりする ありす三匹が串刺しになったがみょんもまた、離脱のタイミングを逃し串刺しになった そのみょんの死体を犯しながらありすが突き進む MATは接敵から30秒で全滅した 味方の怒声が中心部まで聞こえてきた どうやら敵の方が優勢らしい 「ゆっ!こうなったらわたしがしゅつげきするわ!!」 ありすが予備の部隊をひきつれて援軍に向かった 一方的だった 大人のゆっくりは全員犯され朽ち果てるか重傷を負った 敵はまりさをリーダーとするゆっくりの群れだった いろんな種が混じっていたが異常なのは通常群れにいることが少ないアリスが1000匹近くいたことだ そのありすもほとんどが敵のゆっくりに食われ今、敵の群れの規模は100匹近くになっている 生き残り、虐待され、ありすに侵されながらもありすはこの群れは心底屑だと思った その後敵の群れはフォートレスの生き残りを全滅させ 野菜が生えてこないことに腹を立て、死体を畑に埋めていずこかへ去っていったという ありすは言った 「きっと…だれかがここのことをあのまりさにおしえたのよ…」 だれだ、こんなことをした屑中の屑は、旅ゆっくりだろうか? たしかに数世代掛けて幻想今日中を回り歩く旅ゆっくりという変わり者はいる だが彼らには他の群れの情報は教えないというルールがあったはずだ 「まりさ…おねがい…ありすの…ありすのこ…」 そこまで言って、ありすは力尽きた どすまりさはついにゆっくりのなかままで失ってしまった 途方にくれながら人里に向かう 帰ろう、そして慧音に頼んで野生のゆっくりを皆殺しにしてもらおう そんなことを考えながら、ドスまりさは寺子屋に向かっていった そのころ寺子屋の生徒二人がドスまりさの悪口を言いながら橋を渡っていた 冬の雪崩で落ちてしまい、急遽かけたその場しのぎのものであるため子供は近づいてはいけないといわれていた 「いまごろどすまりさのやつどうしてるかな?」 「きっと「どおじでごん゛なごとにな゛っ゛た゛の゛ぉ゛お゛」とか言ってるよ」 「大体生意気なんだよあいつ、饅頭のくせに俺たちより頭がいいなんて」 そう、彼らがほかのゆっくりに 「あの森は最高のゆっくりぷれいすだ」 と吹き込んでいたのだ それがただのゆっくりだったら問題はなかっただろう たいてい無視するか、忘れるか、もし衝突してもふぉーとれす陥落という事態にはならなかったはずだ だが、その時情報を聞いたのはあの群れの中の一匹だった その群れはありすを道具にすることを思いついたまりさをリーダーとしていた 他のゆっくりの集落をアリスに襲わせ、奪い取る、増えすぎたアリスは間引きし、群れの仲間の餌にする そしてその集落周辺のえさを貪り尽くし、枯渇させ、次の集落へ向かう その群れはまず見張り巣のゆっくりを襲った 一匹の見張りから10匹以上の子供を産ませ、アリス種以外はありすの餌になった その結果集落本体を襲う時に1000匹単位のありすの大群になってしまったのだ ドスまりさは里に向かう途中、そんな二人組の子供を見つけた 声をかけようと近づく、その時二人のいた橋がミシリと音をたてた このままでは崩れる、でもあの二人は気付いていない はしれ、ドスまりさ これいじょう仲間を失うわけにはいかない いまは慧音と寺子屋の子供たちだけが仲間なのだから 「ゆっくりだめえぇぇぇぇ!!!」 バチーン!!という派手な音がして子供二人が吹っ飛ぶ 手加減したため、腰を強く打ったかもしれないが二人は無事だ その直後、橋が崩れた よかった…ドスまりさは安堵した だが、その光景を猟師が見ていた、それに気づいた子供たちがにやりと笑うと嘘泣きしながら駈け出した 「助けておじさん!!あのドスまりさに殺される!!」 ドスまりさは里の広場に連れて行かれ、村人たちに農具で叩かれていた 自分は悪いことはしていない、そう言いたかったが口をふさがれていたため声が出ない そして抵抗もしない、人間には勝てないからだ ドスまりさの視界の隅で寺子屋の子供たちが泣いていた、そしてそれを慧音がなだめていた 視界の中央では自分が助けた二人組が自分に石をぶつけていた 慧音と目があった、慧音は泣いていた それを見て、慧音は自分を信じていてくれていることに気づく (ありがとう、けいね、おかげでゆっくりできるよ) 慧音が里にいる限り、いつの日か人とゆっくりが一緒にゆっくりできるだろう (おとうさん、おかあさん、ふたりはくずだったけど、ふたりがいたからここまでおおきくなれたよ) あの両親が自らを犠牲にしなければ今ここに自分はいなかった (ぱちゅりー、こんどはまりさがまもってあげるからね) そしてあのぱちゅりーがいなければじぶんはどうなっていたか (でもおねえちゃんたち、おまえたちはゆっくりしね) ドスまりさは最期まであの姉たちの愚行を許せなかった 「おはようございます、黒く正しいきめぇ丸でございます」 「ああ、おはよう…やはり一面記事はこれか」 「まったく、がっかりですよあのゆっくりだけは私と対等のまともなゆっくりだと思ったのに」 それは誤解だと目の前で高速ステップを踏むきめぇ丸に言いたかったがやめた どうせ今行っても無駄なことだ きめぇ丸は残像を残しながら、唯一のゆっくりの友人の死を悼みながら新聞を配り続けた ありすの子供が脱出用トンネルから抜け出した その子孫が真のゆっくりフォートレスを作り出すのは博麗の巫女が4代代替わりした頃である むろん、それまでゆっくりが生存していればであるが 番外編へ あとがき 遂に完結しました なんかどんどんカオスになっていって最後異様に長くなったけど許してね!!! ドスまりさの最期 5 7月28日 2129 セイン このSSに感想を付ける
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「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする まりさの里に集うゆっくりたちが、今日もゆっくりとした無垢な笑顔で、背の高い木々をくぐり抜けていく 汚れをしらない餡子を包むのは白い色の皮 頭のリボンは乱さないように、被ったYUN帽は翻さないように、ゆっくりとはねるのがここでのたしなみ もちろん、野菜を盗んで逃げ回るなどといった、はしたないゆっくりなど存在していようはずもない まりさの里。ここはゆっくりプレイス 「きょうはかわでゆっくりするよ!」 「むきゅ。もうちょっとゆっくりうごいてほしいわ」 「とかいはのありすはかわあそびなんてしないけれど、どうしてもっていうならついていってあげるわ」 今日も多くのゆっくりが餌を集めに、あるいは遊びにと駆け回る 本来なら親ゆっくりが野犬などの野生生物や捕食種。そして何よりも人間への注意を呼びかける場面であるが この里のゆっくりは長でもある巨大まりさの教育により里へ近づくことは無く、それゆえ里からも放置されていた さらには野犬なども、定期的な山狩りが里人の手によって為され その際ゆっくりは野犬の住処を教えたりと、一部の人間とも友好的な関係を築いていた 結果、まりさの里は集まった全てのゆっくりがゆっくりできるゆっくりプレイスとなっていたのだ そんなある日、まりさはここ数日己の里の周辺に出没していた野犬を追い払うため、その住処を探し回っていた だがそんなまりさを野犬が黙って見過ごすはずは無かった 樹木は生い茂り、やや薄暗い森の中で身を潜める野犬を巨大な体で見つけられるはずも無く 不意をつかれ、まりさは背中に大きな傷を受けてしまった 「ゆぐっ! うごかないでね! いぬさんはもうちょっとゆっくりうごいてね!」 背中から餡子を漏らしつつ、飛び掛る隙を窺うまりさ しかし三匹の野犬は一定の距離を保ちながらドスまりさの周囲を回っており、まりさが一匹に飛び掛れば 即座に残りの二匹が背後を襲ってくるのは簡単に見て取れた 「ゆぎゅう……」 にらみ合ってる間にも背中から零れ落ち続ける餡子。恐らく野犬は餡子の大半がこぼれ落ちるのを待っているのだろう 気がつけば中天に差し掛かっていた太陽も傾きを増し、ドスまりさは最後の賭けに出る決意を固めた その次の瞬間―― 耳をつんざく轟音と共に、野犬の一匹が真横に跳ね飛ばされた 音の出所に目を向ければ、そこに立つのは一人の人間 構えた猟銃からは薄らとした硝煙がたなびいていた 「おうい。そこのゆっくり、大丈夫か」 「……ゆっ。おじさん」 男は山狩りの最中であった 度々起こる野犬や狸による家畜、作物への被害を防ぐため、目撃情報を集めにゆっくりの里へ向かう途中だったのだ 「……おじさん。まりさはもうだめだよ」 「そうか。何か群れに伝えることはあるか」 「それじゃあこれをとどけてね」 そういうと巨大まりさは体を小さく震わせ 白目を剥き、背から餡子を漏らしながらひとつの黒い球を吐き出した それは直径約10cm程のほぼ球形の結晶体で、不揃いな大きさの切子面を数多く備えていた 色はほぼ漆黒で、ところどころ赤い線が入っている 「……これは?」 「まりさのあんこだよ……それをたべるとまりさのちしきとけいけんがてにはいるの」 巨大なゆっくりは最初から巨大なわけではない ゆっくりは雑食であり食べたものを体内の餡子へと変換する。だがその効率はHIT太陽電池よりも低い そのため巨大になるゆっくりは、他者を支配し動くことなく大量の食事を得られる暴君か あるいは変換効率の良い食物……すなわち他のゆっくりの餡子そのものを食らうかであった この巨大ゆっくりは先代の長を。更に先代はそのまた先代の長を、と代々の餡子を受け継ぎ巨大化 そして森全体の食料分布を知っていたため、その大きさを保つことが出来たのだ それゆえ里のゆっくりをまとめ、人の強さを知り、平和な暮らしを得ることが出来ていたのだ 「まりさはもうだめだから……おじさんがさとにいって…これをわたしてちょうだいね」 「ああ、わかった。安心しろ」 「あり…がと……う……」 男が不気味な塊を受け取ってすぐ、巨大まりさは息を引き取った このSSに感想を付ける
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現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。 ここでは幻想の楽園のみなさんが自由に絵を書いて発表しあう所です。 また他の方の作品の評価をされる時は読み手が傷つくような内容はやめて下さい。
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―――いつか漫画にしようと思っていたけど、この形で 直接投下 まりさは今日もゆっくりしていた。 それは良いではないかと人は言う。ゆっくりなのだから―――とは言え、ゆっくりである以前に経理職なのだ。 人間が人間である以前に、選ばれたこの国という選ばれた民であり、定められた職に忠実である事が求められる今、 それをゆっくりに適応して何が悪い。 私が部屋を覗くと、タイプライターの上で――― .-" ` ..、ヽ `' .、 | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.___,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 「まりさ。また休憩か? 胴体もないくせに、煙草なんて吸って……」. rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 「大丈夫だよ その内本気出すよ」!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ 「その内その内…………いつになったら本気を出すんだい?こんなに支払書も溜まっているぞ?」`! !/レi'rr=-, r=;ァ レ'i ノ 「本気出せばあっという間だって」,' ノ !'  ̄  ̄ " i.レ' ( ,ハ 'ー=-' 人! ∬,.ヘ,)、 )>,、_____, .イ ハ =|л=・ ―――「そうやって、ずっとこのまま半端に生きるつもりかい?」――― _,,....,,_-''" `'''-,、ヽ '''ヽ,, | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.___,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ`! !/レi' rt;;;テ、 ,.t‐テ、 レ'i ノ ヘ・・・・・・・・・・・,' ノ !'"`⌒´ _ `⌒´"i .レ' ( ,ハ )-=' 人!,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ ` _,,....,,_ _ ぽいっ -''" `' 、 ヽ \ ――― | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ ´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、 ――― | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ 'r ´ ヽ、ン、 ―― _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 -‐'"´ ; ', `ヽ/`7 / rー''7コr-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ /!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ/`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ,' ノ !'" ,___, "' i .レ' / ( ,ハ ヽ _ン 人! /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ/ ...... ........ ;;;;;;; γ ⌒ ⌒ `ヘ イ,,,, "" ⌒ ヾ ヾ /゛゛゛( ⌒ . . ,, ヽ,,'' ..ノ )ヽ ( 、、 、 ’'', . . ノ ヾ ) .................ゞ (. . .,,,゛゛゛゛ノ. .ノ ) ,,.ノ........... ........ ( ノ( ^ゝ、、ゝ..,,,,, ,'ソノ ) .ソ ....... . (、;''Y ,,ノ.ノ ,,,^ ^,,,;;;ノ) .. ... ,,,, . . . . .('''yノ (''、,,,ノ)ノ ,,,,, ,,  ̄ ̄7〃  ̄ ̄ ̄|〃  ̄ ̄ ̄|〃 ,, . . . . . ( ( ,,,人、..ツ. ノ ) . /\ . | ... | ・・・・・・ . . . ,,,,, . . . '''(, イ")'"´ノ;; / \.___| ___| . . . . . . ,,,. . ,,, ( , ゛゛..(’_''/,,, ..ノ . . . ,, . . ((,⌒ノ,,,. ' ( (’''....ノ ソ ... . . ,,,,,,,,, . . (’’,,,/(~~ノ(’''''ソ . .,、,,,,,( . ノ..) y(、,,'''ノ(、、...,,,Y),,,ノ . )~~ノノ)”),,, . ,,,ソ 「――――オリハルコンか?」 「――――オリハルコンの帽子だよ!!!リボンは、ペダンニウムだね。重さは―――量ったこと無いけど」 更にまりさは、無言で髪を留めていたリボンも窓の外へ投げた ゞ (. ( .! l,; ) .ノ ノ ./ ....... ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´, ._-" ,.- ''ー''l"~ |'''ーヾ ヾ ( ( . | ! ) ) ヾ、 ⌒~'"| |'⌒~'"´ ノ ""'''ー-┤. |--~''"" | | j i ノ ,. , 、 , i,-、 ,..、 _,, ,. -/ ヽ ノ Λ ヽ -- 、ト、 「チルソナイトだよ」 「毎日つけていたのか!!?」 「お風呂以外では外さなかったよ。外出時、歩行する時は、さらにもう一つつける事を自分に課していたよ」 「―――――………」 「そんな生活を始めて、30年は経つね…… 久しぶりに体が軽くなったよ」 全身でやる気をアピールするように、グルグルとその場でムーンサルトを決めながら、まりさはタイプライターへと向かった ―――私は、彼女の本気を信じた そのまま、部屋を後にした ―――15分後――― ´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ`! !/レi'rr=-, r=;ァ レ'i ノ,' ノ !'  ̄  ̄ " i.レ' ( ,ハ 'ー=-' 人!,.ヘ,)、 )>,、_____, .イ ハ [ ̄]'E ) _人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_ >やっぱり 変 わ ら な い ね え じゃ ね え か !!!  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ペダンニウムとチルソナイトの出典はウルトラセブン? -- 名無しさん (2011-07-27 12 28 25) 名前 コメント
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『まりさのお家』 4KB 小ネタ 不運 日常模様 野良ゆ 現代 虐待描写はありません 「にんげんさんはゆっくりしないでどっかいってね!」 私が休日の朝、そこに行くといきなりそう言われてしまった。野良のゆっくりまりさだった。 私としても相手にするのも面倒だしさっさと用を済ませたかったので、手早くそこから立ち退くようにまりさに言った。 でもそのまりさは、 「どうしてにんげんさんはいつもそういうの!?ここはまりさたちのおうちだよ! まりさがこのさむさいさむいのなか、ひっしでさがしまわってようやくみつけたゆっくりぷれいすなんだよ!?おうちせんげんだってちゃんとしたよ!? にんげんさんがなんていっても、ここはまりさのおうちでゆっくりぷれいすなんだよ!!」 そう私に向かって言い放った。 だが、どうしたことかその身体は傷だらけだったり、欠損が激しい。まりさ種特有のおさげが根元から千切れている。 私の話しの何かがまりさに触れるものがあったのか、まりさは自分の境遇を吐き捨てるかのように捲し立てた。 「まりさはね、もともとはこうえんさんにすんでたんだよ。ふゆさんがきてもえっとうのもんだいはぜんっぜんなかったよ。 でも、にんげんさんがそれをぜんぶだいなしにしたよ……! おうちをこわされたよ……!あつめてたごはんさんもすてられたよ……!からだをいたいいたいにされたよ……!れいむもおちびちゃんたちもころされちゃったよ……!」 身を震わせ、まりさの独白が続く。 「ねえ、どぼじで……!?どぼじでにんげんざんばぞんなひどいごどがでぎるの!? ばりざだぢのおうぢをうばっでおいで、ごごでもゆっぐりずるなっでいうの!?ぞんなのひどいよぉ!! ばりざだっで……!ばりざだっで……、ゆっぐりじだいんだよぉぉぉぉぉっ!!!」 まりさの叫び。それはおそらく心の底からのものなのだろう。 ゆっくりすることを至上とするゆっくりからすれば、きっと今の生活は地獄なのだろう。 そんなまりさの言葉に私の一つの感情が浮かんだ。 それは饅頭相手に抱くには上等過ぎるような気もしたが、わたしはそれを抱かずにはいられなかった。 私は身を屈め、まりさと視線を合わせる。 突然の私の行動に怯えるまりさ。そのまりさに私は言葉をかける。 「まりさ、ゆっくりしていってね……?」 私はどうしてもそう言わずにはいれなかった。 まりさは初めは私の言葉が理解出来ずきょとんとした顔をしていた。 「ゆ……?まりさ、ゆっくりしていいの?」 「ええ、いいわ」 「まりさ、ここにすんでおこられない?」 「ええ、おこらないわ?」 「にんげんさんはまりさをいじめない?」 「ええ、いじめたりなんてしないわ」 理解が追い付くとその顔は喜色に満たされていった。 今まで自己という存在を否定され続けていたそうだからその反動だろうか。 さっきまでの悲壮感溢れる姿とは打って変わって、本当に嬉しそうにするまりさ。 そんな姿に本来はこっちも少しでも喜びという感情を得るのだろうが、どうしてか私には後ろめたさしかなく、まりさに視線を合わせることが出来なかった。 そんな私の心の機微などまりさが分かる筈もなく、まりさは本当にゆっくりとした表情で言った。 「まりさはおねえさんがまりさのくろうをわかってくれてうれしいよ!おねえさん!ゆっくりしていってね!」 悪意なんて欠片も無い、純粋な笑顔。 きっとこの野良まりさは私を、人間という生物を信じ切ってしまったのだろう。 越冬の邪魔をされ、痛めつけられ、家族を殺されたというのに……。 たった一人の人間が自分達のゆっくりを祝福してくれた。たったそれだけのことで……。 「っ!」 私はその事実に愕然とし、手に持っていた物をその場に置いて逃げるように立ち去った。 後ろから『お姉さん?ゆっくりしていかないの?』という声が聞こえたような気もしたが、私には気にする余裕も無かった。 まりさがおうちとしていた場所。そこは人間でいうごみ捨て場だった。 世間では糞饅頭、ゴキブリ糞袋などとごみ同然に蔑まれているゆっくりという生物。 そんなゆっくりがごみ捨て場を家とし、そこでゆっくりすると言うのだから、何とも言えない程に滑稽だ。 あるべき所に収まったと言うのか……、皮肉が利いていると言うのか……。 それはあのまりも分かっていたのかもしれない。 でも、私が期待を持たせてしまった。本当につまらない偽善のおかげで……。 そんな圧倒的な現実に耐えられず、ただ私は一秒でも早く今の出来事を忘れる為、自分の家へと足を早めた。 その途中、何度もあの野良まりさの笑顔を思い出してしまった。 私は初めてゆっくりの無知さに恐怖を覚えたのだった。 ある女性が去った一時間ほど後、とあるごみ捨て場でゆっくりの悲鳴が上がった。 それなら別に珍しくも無い光景なのだが、『どうして……、どうして……』とただ呟く一匹のゆっくりの姿がひどく印象的だった。 業者はその様を不思議に思ったが、『饅頭の考える事なんて分からん』と結論づけ、ごみとゆっくりを積んだ車で次のごみ捨て場へと向かうのだった。 女性とまりさが出会ってしまった日、それはこの町の燃えるごみ収集日だった。 後書き 駄文失礼しました。 このお姉さんは捨てられている犬や猫を見て「可哀想」と思うだけで何もしないタイプの人です。なまじ期待を持たせた分、性質が悪いですね。 前作は多くの評価や感想をありがとうございました。やはりまだまだ詰めが甘いな、と再認識させられました。 今回も前回も虐待とかの描写が無いですが、次回あたりは溜めた虐待分を解放したいと思います。読んでいただきありがとうございます。 書いたもの anko3049 賢いのは…… 挿絵:
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『まりさの……』 35KB 戦闘 お家宣言 番い 野良ゆ 子ゆ 希少種 現代 虐待人間 独自設定 実験作 注意:チートゆっくりが出ます まりさの…… ※注意:チートゆっくりが出ます 0章.まりさの旅立ち 朝の日差しが森の中にも差し込む、人間が動き出すには早いこの時間に既に動き出している生き物が居る。 ゆっくりである、夜の闇を何より恐れる彼女らは日の出と共に起き出し、日の入りと共に家に帰る、そんな健康的な生活を送っていた。 「ゆぅ、まりさ!あさだよ、おきてね!」 「むにゅう、ゆっ!あさなのぜ!?」 しかしそんなゆっくりにも寝ぼすけは居る者で、とある木の下に作られたおうちではまりさが番のれいむに叩き起こされてた。 「そうだよ、あさだよ。おちびちゃんたちも、おはようっしてね!」 「ゆぴぃ、あちゃなの?」 「むきゅう、まりしゃもっちょしゅーやしゅーやしちゃいんだじぇ……」 お下げで眠い目を擦っているまりさの奥では、子供達がれいむによって起こされている。 「さぁはやくおきてね、あさのむーしゃむしゃするよ!」 そう言って昨日のうちに集めてあった草花を咥えてくるれいむ、家族の真ん中にそれが置かれる。 「ゆわぁ、おはなしゃんがあるんだじぇ!」 「れいみゅも、れいみゅもほちいよ!」 歓声を上げる子ゆっくり達、まりさとれいむの顔にも笑顔が生まれた。 「ゆ、それじゃあいただきますなのぜ!」 「「むーちゃむーちゃしあわせー!」」 「ゆぅ、おちびちゃん、ちゃんといただきますしなくちゃだめだよ!」 朝食が始まった、むーしゃむーしゃしあわせーと言う声がおうちの中に反響する。 「ゆぷぅ、おにゃかいっぴゃいなんだじぇ!」 「ゆっくちー、れいみゅもおにゃかいっぴゃい!」 「おちびちゃん、おくちのまわりについてるよ。ぺーろぺーろ」 「ゆぅ、きめたのぜ!」 子ゆっくりの口の周りを綺麗にしてあげているれいむに、先に食べ終わっていたまりさが大きな声で宣言する。 「ゆっ、まりさ!?きゅうにどうしたの?」 「れいむ、まりさはきめたのぜ。きょうこそにんげんさんのプレイスにせめこむのぜ!」 「ゆっ!」 まりさが言っているのは以前かられいむにだけ告げていた計画、この森から少し行った所にある人間さんにゆっくりプレイスをまりさ達の物にする事である。 人間さんは非常にゆっくりしていない生き物でお野菜と言う非常に美味しい草さんの生える場所や、大きな木のおうち、あまあまの湧き出す場所を独り占めしているのだ。 それだけでは無い、時にゆっくりのプレイスである森の中へ入ってきていきなりゆっくりを捕らえるという暴挙まで行っている。 人間さんに対する森のゆっくり達の怒りは高まって居たが、森のゆっくりの長にしえ古老であるぱちゅりーは人間への報復や人間さんのプレイスへの侵入を禁止していた。 しかし、まりさは諦められなかったのだ。いつの日か人間さんを倒しあのプレイスをゆっくりの物にする、常々妻であるれいむにはそう言ってきたのである。 「ゆぅ、まりさ……でもぱちゅりーがだめだって」 「だいじょうぶなのぜ、もうよぼよぼのぱちゅりーにはむりでも、このもりさいっきょうのまりさならいけるのぜ!」 まりさのこの言葉は真実であった。まりさはこの森のゆっくり達の中では最強の実力を持っており、狩りの腕前でも他のゆっくりとの戦いでも負け知らずであった。 「おちびたちもきくのぜ、おとうさんはきょうこそにんげんさんをせいっさいするのぜ!」 「そうしたら、あのプレイスはゆっくりのものになって、おやさいやあまあまがたべほうだいなのぜ!」 「ゆわぁ、しゅごいよおちょーしゃん!」 「れいみゅもおやしゃいしゃん、たべちゃい!」 「ゆふふふ、おとうさんにまかせておくのぜ!」 盛り上がり出す家族達にれいむも決意を固める。 「わかったよ、まりさをしんじるよ!」 「まかせておくのぜ、まりさがまけるわけないのぜ!」 こうして一家4匹は朝食を終えると、人間さんのプレイスへ行くため森の出口を目指した。 1章.まりさの戦い 「ゆわぁ!すごいよ!」 まりさ達が森を抜けると、その先には人間さんのプレイスが広がっている。 目の前にはお野菜が一列に並んでおり、赤や緑の光を放っている。その遥か先には人間さんのおうちが生えている。 「しゅごいよ、おちょうしゃん!」 歓声を上げる家族達、まりさもその風景に目を奪われたが、その体の中にはドロドロとした怒りが渦巻いていた。 こんなに沢山の美味しそうな草は、森の中を一日中探しても見つけることは出来ないだろう。 それが生えてくるプレイスを独り占めしている人間さん、それを止めようともしない森の仲間達。 やはり今日こそこの場所をまりさ達の、ゆっくりの物にするのだ、それでおあいこである。 「まりさぁ、はやくむーしゃむしゃしようよ!」 妻のれいむが急かしてくる、子供達も既に待ちきれないようで瞳を輝かせてお野菜さんの方を見ている。 「わかったのぜ……さぁみんなでむーしゃむしゃするのぜ!」 「ゆわぁい、おいししょうなのじぇ!」 「おかあしゃん、れいみゅあのあきゃのぎゃちゃべちゃい!」 「わかったよ、おちびちゃんいっしょにいこうね!」 れいむとおちびちゃん達は、赤い実の生っている背の高い草に向って走っていった。 まりさは目の前に生える草さんに目を向ける。地面から天に向って伸びている緑の草、その根元は白く膨らんでいる。 その白く輝く根元に齧り付く、固い歯ごたえ、それにまりさの歯が食い込むと瑞々しい感触と少し辛味のある味がお口の中で暴れまわった。 「むーしゃむしゃ、し、しあわせー!」 辛味に驚くが、体はそれに反して食べたものの旨みに声を上げさせる。 口の中でジャチジャリと噛み締めると、その度に味が口に中に広がった。 「むぐぅ、むぐ、おいしいのぜ!」 飲み込んで自分の齧り取った場所を見る、緑の草は倒れ地面には先ほど食べた根が埋まっているのか白い断面を曝していた。 「「むーちゃむちゃ、しあわしぇー!」」 奥からおちびちゃんの声がする、そちらに目をやると赤い実を口に入れて涙まで流して喜んでいるおちびちゃん。 横にはもみ上げで実を掴み、子供達の様子をゆっくりとした表情で見つめているれいむが居る。 「むーしゃむしゃ、しあわせー!ゆぅすごいあまあまだよ!」 「ゆっ!まりさ、これたべてみてね、あまあまだよ!」 まりさが近づくと、自分も口に赤い実を入れていたれいむが、それをまりさにも勧めて来る。 あまあま――森の中では滅多に手に入らないそれもここには生えているらしい。 「ありがとうなのぜ、れいむ!」 舌を伸ばしそれを取ろうとすると、 「おきゃーしゃん、まりしゃもっちょほちいよ!」 既に食べ終えたのか子まりさがその実に熱い視線を送っている。れいむがこちらを見てくる、まりさはそれに笑顔を返した。 「はい、おちびちゃん。きをつけてむーしゃむしゃするんだよ!」 れいむは苦笑して赤い実を渡してやると、赤い実の生っていた草の方を向き新しい実をもぎ取った。 「はい、まりさ!」 舌を伸ばしてそれを受け取り口の中に入れる。むーしゃむーしゃ、何故か味がしない。 「おいコラ、何やってやがる!」 その時大きな声が響き渡った。 まりさが声のした方を向くと、大きな影がこちらに近づいてくる。 あれは……人間さんだ、間違いない。なんてゆっくりしていない生き物なのだろうか。 「ちっ、またゆっくりが来やがったか……最近少なくなってたのに!」 この時まりさは自分の失敗に思い当たった。そうだおうち宣言を忘れていた、最初にそれをしなければいけなかったのに。 「ゆぅ、にんげんさん!れいむたちはむーしゃむしゃしているんだよ、じゃましないでね!」 れいむが早速人間に文句をつけている。 「まつのぜれいむ!にんげんさん、ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!」 れいむを止め忘れていたおうち宣言を行う。もしかしたら人間さんが反論してくるかもしれない。 おうち宣言は誰かの反論があれば不成立となる、その場合は戦いだ。 「はぁ、またかよ……まったく」 しかしまりさの予想に反して、反論は返ってこなかった。おうち宣言成功である、今この時からこのお野菜さんの生えるプレイス――畑さんはまりさの物になったのだ。 「にんげんさん、ここはまりさのゆっくりプレイスなのぜ、ゆっくりしないでさっさとでていくのぜ!」 どうやらまりさに恐れをなしたらしい。その勢いをかってこのプレイスから追い出そうとする。 その言葉に返ってきたのは、人間さんの振るう大きな棒であった。 「おら、今なら見逃してやるからさっさと帰れ!」 何を言っているのだろう、このプレイスは既にまりさの物になったのだ。プレイスの主ゆんが他ゆんに追い出される言われは無い。 あぁ、そうかあれはおうち宣言への反論なのだ。何も言わないから成立したと思っていたが、にんげんのトロさを頭に入れていなかった。 これは最初の考え通り戦うしかなさそうである。 「ゆぴぃ、きょわいよー!」 「おちょうしゃん、たしゅけちぇー!」 子ゆっくり達は今の棒を怖がっている、れいむが背で子供達をかばった。 「れいむ!さがっているのぜ、いまからこのにんげんさんをせいっさいするのぜ!」 「ま、まりさぁ!」 「「お、おちょうしゃーん!」」 まりさはお帽子から木の枝さんを取り出すと口に咥える。人間さんとれいむ達の間に割り込み木の枝を向けた。 「はぁ、まったく。しかたない、つぶすか……いや……」 「にんげんさん、いまならゆるしてやるのぜ、さっさとでていくのぜ!」 まりさは寛大にも降伏勧告を行った。これからまりさ達の物になるゆっくりプレイスである。汚い人間さん餡子で汚すわけにはいかない。 「チッ!」 手に持った棒を振るってくる。まりさは体をよじって回避する。 大きな音が立ちまりさの横の地面が抉れる、土が巻き上がった。中々の速さだがまりさにとっては避けるのは難しくない。 仕留めたと思い油断している人間さん、まりさは木の枝を咥えたままその足に向って突撃した。 「「おちょうしゃーん、がんばっちぇ!」」 子供達の声援がまりさを後押しする、鋭い動きで敵に迫る。 棒立ち状態の足に木の枝が突き刺さった。 「ぐわぁ!」 悲鳴が上がる、持っている棒を取り落としたのか、背後で大きな音がする。 まりさは突き刺さっている木の枝を離し、1度距離をとった。 「うぐぐぅ、やろぉ、何しやがる!」 足が痛むのかうずくまってうめいている、狙いを定めるとまりさは助走をつけて体当たりを放つ。 「くそっ、ぐわぁ!」 まりさの体当たりを手で振り払おうとするが、普通のゆっくりならばともかく森最強のまりさの体当たりである。 「うぎゃあ!」 人間さんが後ろに倒れこむ、 「ゆっ!にんげんさん、いのちだけはたすけてやるのぜ、さっさとうせるのぜ!」 まりさは再び降伏勧告を行った。人間さん体が痛むのかしばらく泣いていたが。 「ちくしょう、覚えてやがれ!」 捨て台詞を残して走り去った。 暫くは警戒を緩めず走り去った方向を見つめていると、背後から心配そうな視線が注がれた。 「れいむ、おちびちゃん、もうだいじょうぶなのぜ!」 「ゆぅ、ほんとうにだいじょうぶ?にんげんさんは……?」 「にんげんさんはまりさがせいっさいしたのぜ!」 心配そうに周囲を見回しているが、まりさの言葉を聞くと安心して笑顔になる。 「しゅぎょーい、おちょうしゃんにんぎぇんにかっちゃの?」 「もちろんなのぜ!」 「しゅごいよ、さしゅがもりさいきょうのおちょうしゃんだよ!」 子供達の賞賛にまりさの鼻が高く伸びる。 「「ここをまりさ(れいむ)たちのゆっくりプレイスにするよ!」」 再びのおうち宣言、今度は反対するものは居なかった。この場所はまりさ達のゆっくりプレイスになったのだ。 「れいむ、おちびちゃんこのままもっとおくまでいくのぜ!」 「ゆぅ、まりさおやさいさんはたべないの?」 「きくのぜれいむ、にんげんさんのおうちにはあまあまがいくらでもあるのぜ!」 「ほんちょ、れいみゅあみゃあみゃがほちいよ!」 「いまこそ、にんげんさんのおうちにせめこんでまりさたちのおうちにするのぜ!」 まりさの宣言に家族から同意の声が上がる。意気揚々とまりさ達は人間さんのおうちが沢山生えている所に向った。 2章.まりさの出会い 「ゆっゆっゆぅ~♪」 「「ゆっゆっ~♪」」 のっしのっしと森の中とは感じの違う道を進む、背後からはご機嫌なのかれいむと子供たちの歌が聞こえる。 自信満々なまりさはそれを心地よく聞いていた、初めてきた場所なのに体が何もかも分かっているかのように進んでいる。 目指すはあまあまの生える人間さんのおうちだ。それを考えるとあんよに力が入る。思わずまりさも歌いたくなる。 その時反対側からこちらに向かってくる者が居る、人間さん?いやあれはゆっくりだ。 「むきゅ、まりさゆっくりしていってね!」 「あら、とかいはなまりさね。ゆっくりしていってね!」 声をかけて来たの2匹のゆっくりであった。1匹はぱちゅりー、肌は艶々、被っているお帽子は染み一つ無く、紫の髪は艶やかに輝きそこに結ばれたリボンは色鮮やかなまりさも初めて見るほどの美ゆっくりである。 もう1匹はありす、サラサラの金髪には枝毛一つ無く日差しを浴びて黄金色に輝きそこに載せられた真紅のカチューシャまでも輝いている、こちらも今まで見たことが無いほどの美ゆっくりであった。 その時光り輝く物に気が付く、ぱちゅりーのお帽子とありすのカチューシャにそれぞれ金色の物が付けられている。 「ぱちゅりー、ありす、ゆっくりしていってね!」 その美しさに一瞬ポーッとなるが慌てて足を止めて挨拶を返す、それを受けてぱちゅりーとありすが笑顔になる。 「むきゅ、まりさ。そんなにいそいでどうしたのかしら?」 「せっかくだからわたしたちとあそびましょうよ!?」 「そ、それはいいかんがえなのぜ!……いや、だめなのぜ!」 思わず頷きそうに成ったが自分の目的を思い出す、まりさはこれから人間さんのお家を奪いに行くのだ。 「まりさはこれからにんげんさんのおうちをうばいにいくのぜ!」 そう高らかに宣言する、 「そんなまりさ、そんなのはきけんよ!」 「そうよ、にんげんさんにかなうわけないわ!」 慌てて制止して来る2匹、しかしまりさの決心はそれぐらいでは揺るがない。まりさは既に人間さんに勝っているのだから。 「そんなことないのぜ、まりさはすでににんげんさんにかっておやさいさんをたべているのぜ!」 「にんげんさんはまりさのこうげっきでいちころだったのぜ!」 「むきゅ……そ、そんな」 まりさの力強い宣言を聞いて半信半疑のぱちゅりー。 「うそじゃないよ、まりさはにんげんさんをやっつけたんだよ!」 「しょうだよ、おちょうしゃんがやっちゅけちゃんだよ!」 「にんげんしゃんなんちぇ、いちきょろだったにぇ!」 その時後ろに居たれいむと子供たちが援護してくれる、それを受けた2匹は一度目を合わせると。 「すごいわまりさ、にんげんさんにかつなんて!」 「とかいはなまりさね、すごいわ!」 興奮した顔で見つめてくる、その視線に尊敬が含まれているのに気が付きまりさも気をよくする。 「つぎはにんげんさんのおうちなのぜ!あまあまがいくらでもあるおうちをまりさたちのものにしたら、つぎはこのプレイスすべてをゆっくりのものにするのぜ!」 「むきゅ、そうしたらわたしにもあまあまをもらえるかしら、まりさ!?」 「ありすはそうしたらまりさのおよめさんになってもいいわ!」 「ぱちゅりーもよ!」 頬を赤く染めて近づいてくる2匹、しかしれいむに遮られる。 「だめだよ、まりさはれいむのおむこさんなんだからね!」 あーだこーだと押し合っている3匹、それをやんわりと止める。 「やめるのぜ、とにかくまりさはいくのぜ。ぱちゅりー、ありす、まりさがにんげんさんのプレイスをせいふくしたらたずねてくるのぜ!」 そう、まりさは人間さんのプレイスをゆっくりの物にしてゆっくりの王になるのだ、そうしたら……れいむだけでなくぱちゅりーやありすもお嫁さんにしてあげよう。 「むきゅ、まりさ……やくそくよ!」 「まりさ、きたいしているわ!」 ゆっくり頑張ってねという2匹の声援に送られてまりさ達は人間さんのお家に近づいた。 3章.まりさの伝説 「ゆわぁ、まりさこれがにんげんさんのおうちなんだね!」 「ここにあみゃあまやがあるんじゃね!」 初めて見る人間さんにお家に興奮するれいむや子供たち、 「れいむ、おちびちゃんたち、そこじゃないのぜ!」 それだけでは無く奥には数え切れないほどの人間さんのお家がある程度の間隔を置いて並んでいる。 何故かまりさの感覚が目の前のお家を違うと感じたのだ、家族を促してどんどんと奥に進んでいく。 まるで体が知っているかのように進んでいくと目の前に大きな赤い物が現れた、まるで森にある木を短くして赤くした様なそれは高いところに口を開きまりさ達を見下ろしている。 「ゆぅ、ゆっくりしていってね!」 上を向いて挨拶をしてもそれが答える事は無い、開いた口を動かす事無くそこに佇んでいる。 「おちょうしゃん、こりぇにゃに?」 後ろの子れいむが聞いてくる、まりさも始めて居見るものだそれに挨拶を返さないとはゆっくりしていない生き物である。 「おちびちゃん、はなれるのぜ!それはゆっくりしていないのぜ!」 「「「ゆぅ!」」」 驚いて後ろに下がる家族を背中に庇いまりさはそれに相対する、するとそれは口から何かを吐き出して来る。 「ゆがぁ!」 「「お、おちょうしゃーん!!!」」 視界が遮られ、思わず声を上げてしまった。子供たちが悲鳴を上げる、大丈夫なのぜおちびちゃんそう返そうとして言葉を飲み込んだ。 先ずはこのゆっくり出来ない生き物を倒さなくてはならない、相変わらずまりさに向けて白いものを吐き出してくるがそんなものは効かない。 冷静に敵の隙を見計らう、その時吐き出す勢いが止まった。 「いまなのぜ、まりさすくりゅーたっくる!」 捻りを加えて強烈な体当たりをお見舞いする、相変わらずそれは何も喋らず悲鳴一つ上げないがゆっくりとぐらつき始め。 めきりという音を立てて倒れ付した。 「ゆっゆ、かったのぜ!」 「すごいよ!まりさ!」 「おちょうしゃんしゅごーい!」 背後からの歓声にえっへんと胸を張って答える。 ぴくりとも動かないそれに尻目に、悠々と立ち去ろうとするまりさ一家の前に再び大きな影が立ちふさがった。 「おい、例のゆっくりってのはこいつか?」 「そうだ、やけに強いゆっくりだから油断するなよ!」 立ちふさがるのは2人の人間さん、片方は先ほど畑さんで返り討ちにした相手である。 どちらも手には長い棒を構え憤怒の表情で立ちふさがっている。 「ゆゆ、にんげんさん!またきたのかぜ!?」 まりさは驚いた、あの時ゆっくり出来ない目に会わせてやったのに学習していないのだろうか。 せっかく見逃してやったのに命を捨てに来るとはお馬鹿な人間さんである。 「うるせぇ、てめぇにやられて黙っていられるか!」 「今度は2人居るんだ、ぐちゃぐちゃにしてやる!」 その言葉と共に1人が手に持った棒を振りかぶる、横に飛びのいてそれをかわす、抉られた地面の土が舞い上がってまりさの頬を叩いた。 「にんげんさん、やるきなのかぜ?まりさもこんどはてかげんできないのぜ!」 睨みつける、まりさの鋭い眼光に人間さん達は一度たじろぐが、決意したのか2人共棒を振りかぶった。 再び飛びのいてそれをかわす、目の前で棒が空を切る音がするがまりさにはかすりもしない。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ。にんげんさん、あそんでいるんじゃないのぜ!」 「うるせぇ!くらいやがれ!」 「くそ、よけるんじゃねぇ!」 しばらくかわし続けていると、人間さん達は肩で息をし始めた。 「はぁはぁ、くそ、ちょこまかとにげやがって!」 まりさにはまだ余裕があるがこのまま続けているのも面白く無い、ここで勝負を決めてやろう。 「おらぁ!」 棒を高く振りかぶり大降りになる、大きな隙が出来ているチャンスだ。 「くらうのぜ、ぶれいじんぐすたー!!!」 飛び跳ねるのでは無く、地を駆けてあんよにぶちかましを浴びせる。 「う、ぐわぁ!」 あまりの衝撃に耐え切れなかったのか倒れる人間さん、 「おい!大丈夫か?」 もう1人が棒も放り出してそれを助けに回る。 「ゆふぅ、にんげんさん。もういちどだけいってやるのぜ、ごめんなさいしてさっさとうせるのぜ!」 「そうすればまりさはかんだいにもゆるしてやるのぜ!」 唇を噛み締めているが、もう棒を握ろうとはしない。 そうだ、大人しくごめんなさいをして尻尾を巻いて逃げ帰るなら、もう追ったりはしない。 「……何言ってやがる!ゆっくりなんかに、負けられるかよ!」 「そうだせめてチビ共を!」 突如立ち上がると再び棒を握り締める、戦うことに決めたのだろうか。 いや、2人はまりさには向って来ない、目指している方にはおちびちゃん!離れてこちらを見ていたまりさの家族が居る。 くそ、なんて卑怯な人間さんなんだ。 「く、なにをするのぜ!やめるのぜ!」 「ふん、チビ共を永遠にゆっくりさせてやる!」 「ざまぁみやがれ!」 視線の先では驚愕の表情のれいむ、恐怖に動きを止めたおちびちゃん達。 許せない、まりさに敵わないからといってか弱いれいむとおちびちゃんを狙うなんて。 まりさの中で決めていた最後の一線が越えられる。 (にんげんさん、ゆるせないのぜ。だからこれをつかうのぜ、ゆるしてくれなんて……いわないのぜ!) あんよに力を入れて飛び跳ねる、れいむのおちびちゃん達の、家族の前に守るように。 ゆっくりと棒を振りかぶった人間さんが近づいてくる。 舌を伸ばしてお帽子に入れソレを掴み取る。 お口に入れてむーしゃむーしゃ、 (くらうのぜ、にんげんさん!!!) お口の中が熱くなってくる、段々と大きくなってくるそれを溜める様にぷくーっと堪える。 大きくなったソレが弾ける直前にお口を開く。 (どすすぱーくっ、なのぜ!!!) 目の前に広がる光の奔流、全てを埋め尽くすそれに飲み込まれていく人間さん達。 真っ白に染まる視界、遅れたように轟音が鳴り響いた。 あたり一面を包む煙、巻き上がったのだろうか空から砂利が落ちてきてお帽子に当たって音を立てる。 その後に広がる静寂、少しずつ晴れていく視界には一直線に抉れた地面以外何も残って居なかった。 「ゆ……ゲスなにんげんさんあいてとはいえ、かわいそうなことをしたのぜ」 「ゆ……ゆぅ。まりさ……なの!」 「れいむだいじょうぶだったのかぜ?」 あまりの事に硬直していた家族が、正気を取り戻し始める。子供たちもぽかーんと開いていた口をゆっくりと閉じた。 「ゆ、ゆ、おちょうしゃん。おちょうしゃんがやっちゃの!?」 「そうなのぜ、おちびちゃん。けがはなかったのぜ!」 「ゆぅ、だいじょうびゅだよ。しゅ、しゅごいよおちょうしゃん、ありぇまりしゃもできる!?」 興奮してぴょんぴょん飛び跳ねる子まりさを、何とか説得すると家族に宣言する。 「さあみんな!まりさたちのおうちをてにいれるのぜ!」 4章.まりさのお城 「ここにするのぜ!」 再びあんよの導くままに進んだまりさ達、とある人間さんのお家の前でまりさが宣言する。 特に変わったところも無い人間さんのお家だ、もちろん森のどんなゆっくりが持つ物より立派だしゆっくりしている。 何故かまりさにはこのお家だと言う確信があった。まるでまりさの意思では無くここに連れて来られた様なそんな感覚、餡子の指し示すままにこのお家に決めたのだ。 「ゆぅ、まりさここなの!?」 「おとうしゃん、あみゃあみゃは?あみゃあみゃはまだなの!?」 「まぁまつのぜ、すぐにあまあまもてにはいるのぜ!」 逸る子れいむに微笑みかけると、お家のけっかいに正対する。 人間さんのお家のけっかい――とびらさんは黒くとても硬そうであり、まるで大きな木の様にそびえ立って居る。 まりさは1度深呼吸をした、少し緊張する。ここを越えれば夢にまで見ていた人間さんのお家だ、ここでお家宣言を成立させて家族をゆっくりさせたら他の人間さんをせいっさいするのだ、今まで人間さんが独り占めしていた畑にお家、おやさいにあまあまをゆっくりの物に、人間さんのプレイスをゆっくりの物にするのだ。 未だかって如何なるゆっくりも成し遂げた事の無い偉業。森の長であったよぼよぼのぱちゅりーも、噂に聞く人間さんより大きいというドスも敵わない、とてもゆっくりとした行い、人間さんのプレイスの征服。 それを成し遂げまりさはゆっくりの王となるのだ、恐らくこれまでのまりさの旅は後に伝説としてゆっくりに語り継がれる事だろう、まりさの伝説として。 再び息を吸い込む、そして王として大きな声で正々堂々と宣告する、 「とびらさん、ゆっくりとひらいてね!!!」 一瞬の静寂の後、大きなとびらさんがゆっくりと開き始めた、まるで新しい王を迎え入れる様に。 「ゆわ~すごいよ!」 「ゆっ、こりぇなに!?」 まりさ達が踏み込んだ人間さんのお家は正にすばらしい物だった。 とびらさんを越えて入ると、最初に大きな段差が存在する、これがあれば雨のときでも中に水が入る心配は無い。 さらに進むと一面にふかふかとしたお布団が敷き詰められている、さらにお家の中だというのにお空に太陽が有るのだ。 今は明るいので意味は少ないが、これがあれば夜でもれみりゃが現れない。 森のまりさのお家よりも広い道が真っ直ぐに続いている、それを進むと更に素晴らしい物があった。 「しゅ、しゅごい……」 子まりさも言葉を失ってしまう、まりさも同じだ。 ふかふかのお布団が敷き詰められたお部屋、そこにはあまあまが山の様に積み上げられている。 赤、青、黄色、白、黒、茶色、目がちかちかするようなあまあまがあちらこちらに山を作っており、キラキラと光り輝いている。 その奥に有るのは畑さんだ、前に見た赤い実を生やした草さんが一列に並んで生えている。 その他にも透明に輝く石さんが並んでいる場所、おちびちゃんのお部屋に出来そうな小さなお家、幾らでもお水さんをごーくごく出来そうな大きな川が流れている。 「す、すごいのぜ」 思わず呟いてしまう、まりさの目の前では赤く光るものがあり近寄るとぽーかぽーかと温かい、これが有れば冬さんも怖くない。 「ゆっくりしていってね!」 まりさと同じ位の大きさの白くて丸い物がぱかりと開くと中から挨拶が飛び出した。 れいむとおちびちゃん達は笑顔でそれに答えている。 「ゆぅ、まりしゃもうがまんできにゃいよ!」 「れいみゅも、れいみゅも!」 「ゆ、おちびちゃんしかたがないねぇ、まりさ!」 どうやらおちびちゃん達は、あまあまが食べたくて食べたくて仕方が無いようだ。 ゆっくりとしたお口からよだれさんをだーらだーらと垂らしている。 そういえばまりさもお腹がすいてきた、畑さん以来むーしゃむーしゃしていないのだ口の中によだれさんが溜まる。 「ま、まつのぜ。まずはおうちせんげんをするのぜ!」 それを堪えて家族を引き止める、先ずはお家宣言をしてここを完全にまりさ達の物にしなければならない。 弱いとはいえ人間さんはまだまだ居る可能性があるのだ、何時邪魔をしに来るか分からない、それまでにお家宣言を成立させなければ。 「ゆ、そうだね」 れいむが同意して、あまあまに飛びつこうとしたおちびちゃん達をもみ上げで抑えている、不満そうだったおちびちゃん達も、すぐに終わるよと説得されてしぶしぶとお部屋の真ん中までやってきた。 れいむに目で合図をする、視線で答えてくるれいむ。 「「「「ここをまりさ(れいむ)たちのゆっくりプレイスにするのぜ(よ)!!!」」」」 まりさとれいむのお家宣言に合わせて子供たちも唱和してくれる、しばし黙るどこからも反論は無いこの瞬間お家宣言は成立しここはまりさ達家族のお家となったのだ。 「ゆわぁい、あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」 「まりしゃもいくんだじぇ!」 おちびちゃん達があまあまの山に飛びつく、お家宣言成立の余韻に浸っていたまりさとれいむは苦笑しながらそれを追いかける。 何やらぽかぽかとする場所を歩き、あまあまの山の前に行くと既におちびちゃん達は山にむしゃぶり付しあわしぇ~と叫んでいる。 それを見つめてゆっくりと微笑んでいるれいむ、無理も無い初めて食べるあまあまおちびちゃん達は満面の笑顔だ、それを見るとまりさもれいむもとてもゆっくり出来るのだ。 苦労が報われた瞬間である、れいむを突っついてやるとれいむは嬉し涙を脱ぐってあまあまに舌を伸ばす。 「むーしゃむしゃ、し、しあわせぇ~!」 まりさもそれに習う、山の様に積み上げられた赤く光るそれを口に入れる。 むーしゃむーしゃ、しあわせ~と叫ぼうとして違和感に気が付く、味がしない。何かの間違いだろうかもう一つ口に入れて見るがやはり味はしない。 不安になっておちびちゃん達やれいむを見るが皆幸せそうにあまあまをむーしゃむしゃしている、やはり何かの間違いだろう。 不安からか何だかあんよがヒリヒリとし始めた、それを振り払う様に青いあまあまを口に入れるがやはり味がしない、黄色の物も同じだ。 (なんなんぜ?なんでしあわせ~できないのぜ!!!) 苛立って黒いあまあまの山に舌を這わせるがやはり味はしない、じんじんとあんよに痛みが広がっていく。 いや痛みはどんどん大きくなっていく、そう痛くて耐えられないほど、思わず叫んでしまう程に。 だからまりさは大きな声で叫んでしまった。 5章.というお話ですか? 「ゆぎゃああああああああ!まりざのあんよがああああああああ!」 あんよを引き裂くような痛みがまりさを引き戻す。じゅううという音と共に甘い匂いが辺りに広がった。 しかしその匂いに意識を向ける暇は無い。まりさはあんよを、いや全身をのたうち回る痛みに身を捩った。 「いぎゃああああああああ!や、やべるのぜえええええええええ!」 上半身をぶんぶんと振るが、痛みが止む事は無い目の前には人間さん――いや1人のじじいが面白そうな顔でまりさを見つめている。 あんよは既に痛みがしなくなった、跳ねようとするがあんよに力が入らない、なんとか逃げようとのーびのーびをすると上から何かで押さえられる。 「な、なんなのぜぇ!?なんなのぜぇこれはぁ!?」 大声で疑問を口にするがそれに答える声は無い、必死に情報を手に入れようと辺りに目をやる。 人間さんのお家の中、まりさは何やら黒い物の中に入れられあんよを苛められている。 目の前にはゆっくり出来ないじじい、そういえばれいむ……おちびちゃん達、家族たちはどうしたのだろう。 「マリサー、タスケテネレイムヲタスケテネ!」 「オチョウシャンー!」 「ダリェカタスケチェー!」 じじいの後ろの籠の中かられいむ達の声が小さく聞こえる、おかしいどうしてこんな事に成った。このじじいは誰だ、何であまあまを食べていたれいむ達が籠に。 その瞬間、まりさの餡子に電流が流れる。おかしい……違う、分からない……違う、忘れていた……違う、そう夢を見ていたのだ。 じじいの手が伸びてきてまりさの頭を掴む、持ち上げられると黒くこげ硬くなったあんよが見て取れた。 そう、思い出したまりさは畑で人間さんに捕まって…… 適当に放られる、衝撃で体が痛むがそれどころでは無い、じじいは籠に手を伸ばすとれいむを掴み上げる。 「れいむをはなぜえええ、くそじじぃいい!ゆっ、まりさなにをしてるの、はやくれいむをたすけてね!」 こちらに気が付いたれいむが必死に助けを呼ぶが、まりさには何だかそれは現実感の無い、まるでそれも夢のように感じてしまう。 「ゆぎぃ!」 れいむが黒い物に入れられる、そう思い出したのだ。 今日の朝人間さんのプレイスを目指したまりさ達は、畑さんでのお家宣言に成功して、お野菜さんをむーしゃむしゃしていた時に人間さんに見つかって、 『ゆゆ、ここはまりさたちのゆっくりプレイスになったのぜ!さっさとでていくのぜ!』 『ゆっ!さからうきなのかぜ!?おうちせんげんをまもらないじじいはせいっさいなのぜ!』 『ゆぎぃ、ごべんなざぁい!ゆるじでください!あやばりますからぁ!』 そう、人間さんに戦いを挑んで……負けて捕らえられたのだ。 れいむとおちびちゃん達は人間さんが担いでいた籠に放り込まれ、まりさは頭を掴まれて人間さんに運ばれたのだ。 「ゆぎゃああああ、でいぶのあんよがああああ!やべてねぇはなじでねぇ!」 れいむの悲鳴が聞こえる、黒い物の中から出ようとのーびのーびをしているが人間さんに押さえられているのだ。 人間さんに運ばれていく途中、道で美ゆっくのぱちゅりーとありすにも会った。 『むきゅ、こんにちわ、にんげんさん!』 『こんにちわ、おしごとおつかれさま!』 『むきゅ、そのまりさはどうしたのかしら?』 『なんですって、はたけあらし!まったくいなかもののまりさね、どうりでうすよごれているとおもったわ!』 『まったく……もりのおさはしっかりやっているはずなのに、どうしてこういうゲスが』 『あらぱちゅりー、このまりさがどうしようもないってだけよ。ほら、みてみなさいみぐるしくあばれているわ!』 『そうね、あんなゆっくりしていないひょうじょうで……きたならしいわ』 お飾りに金色のバッジを付けた2匹に蔑んだ目で見られ、暴れるとそら見たことかと笑われたのだ。 人間さんのお家が並んでいるところに連れて行かれ、 『おう、何ゆっくりなんて引っつかんでるんだよ?』 『あぁ畑荒らしか、最近来なくなってたんだけどな、やっぱりあの長がもう年なのかもな』 『連れて帰ってお仕置きするだ?好きだねぇ、俺なら畑の肥やしにしちまうがね!』 逃げようともがいたら地面に叩きつけられて、人間さんが話している間近くにあった赤い筒を眺めていたっけ。 「ゆぎっ!」 まりさと同じ様にあんよを黒焦げにされたれいむが隣に置かれる。 その衝撃で再び現実に引き戻される、 「ゆっ、れいむだいじょうぶなのかぜ!」 ぷるぷると震えているれいむ、痛いのだろうか心配して覗き込むと。 「ふ、ふざけるなぁ!!!」 「ゆぐっ!?」 れいむが頭をかち上げて来た、 「れいむがいたいたいなのを、ぼーっとみていたくせにぃ!なんでたすけなかったんだぁ!!!」 憤怒の表情で睨みつけてくるれいむ、思わず仰け反る。 「おまえが「ゆわぁこわいんだじぇ!」「はなしちぇ、れいみゅをはなしちぇえ!」 怒鳴られそうに成るが、おちびちゃん達の声が動きを止める。 思わず振り向くと、人間さんがおちびちゃん達を掴んだ手をあの黒い物の上にかざしている。 「「や、やべでくだざぃい!!!」」 睨み合っていた2匹はこの時ばかりは協力して懇願する。あの中に入れられればどうなるか、既に身をもって体験したのだ。 人間さんはこちらを向くとにやりと笑った、手が動かされる。 「おねがいじまずぅ、れいむのかわいいおちびちゃんなんですぅ!」 「ちょっと何をやっているんですか!!!」 その時、大きな音を立てて扉が開かれた。 入ってきたのは1匹のゆっくり、赤い髪をなびかせためーりんである。 いや、ただのめーりんでは無い、まりさとれいむをはるか上空から見下ろす胴付きのめーりんである。 突然の乱入者に人間さんは少し慌てた表情になっている。 「いや、そのだな。これは……」 「ゆゅ、くずめーりんにしてはじょうできだよ、はやくおちびちゃんをとりかえしてね!」 めーりん、胴付きとは言えゆっくりの間では見下される存在に人間さんが怯んだ事に自信をつけたれいむが命令する。 それには少しも意識を傾けず、めーりんはずんずんと人間さんに近寄る。 「お兄さん!私の中華鍋で野良の足焼きをしないでくださいって、何度も言ったじゃ無いですか」 「いや、その……それ古い方だろ。ホットプレートを出すのがめんどくさくて……」 「まったく私が花壇の世話をしている間に、今夜はお兄さんの好きな青椒肉絲にするつもりだったのに、止めにしますよ!」 「ごめんめーりん、ちゃんと洗っておくからさ!」 ぷんぷんと怒っているめーりんに謝っている人間さん。 「ゆゅ、なにをやっているの?はやくそのにじじいをせいっさいしておちびちゃんをかえしてね!」 再度れいむが命令する。まりさは止めようとするがそれより早くこちらを向いためーりんおちびちゃんを奪うと、 「ゆゅ、そうだよ「いちゃああああ!」「やめちぇえええ!」 黒い物――中華鍋放り込んだ。 「ど、どぼじでえええ!!!」 「あちゅいい、うひぃ!」 「いやなのじぇえ!!!」 悲鳴が上がるそれを器用に振るうと、れいむの前に突き出す。ひっくり返されたそれから、 「ゆ、ゆ、ゆ……」 息も絶え絶えになり、あんよを茶色にされたおちびちゃん達が落とされた。 「お、おちびちゃああん!いまぺーろぺろするからねぇ!」 必死でれいむが舌を伸ばすが届かない、 「とにかく、これは私が洗いますからお兄さんはそれを連れて出て行ってください!」 そして再び籠に詰め込まれたまりさ達は、人間さんと共にそのお部屋から追い出された。 今まりさの見上げるお家の中では、人間さんとめーりんが楽しいそうに食事をしている。 あの後お家の外庭に置かれたまりさ達、既にあんよをやられている為逃げる事もできない、こうして地獄が始まった。 すきっ腹を抱えて目の前で美味しそうなご飯がむーしゃむしゃされているのを見なければ成らない、 「ちょうだいにぇ、れいみゅにもちょうだいにぇ!」 我慢できずに叫んだ子れいむは、縁側から出てきた人間さんに殴られると直ぐに怯えて縮こまってしまった。 「ゆぴぃ、ごめんなしゃあい!ぶちゃないでぇ、あやまりましゅからぁ!」 「ごべんなさいおにいさん!れいむがあやまりますからぁ!」 子まりさもその様子を見てしーしーを漏らしている。 唯一の救いは未だ永遠にゆっくりした家族が居ない事だが、それはまりさの救いにはならない。 「おまえのせいだぁ!おまえがにんげんさんのプレイスにせめこもうなんていうからぁ!」 「しょうじゃよ、おちょうしゃんじぇんじぇんよわきゃったよ!」 「れいみゅやまりしゃをたすけちぇくれにゃかったよ!」 一塊に置かれた家族だが、直ぐにまりさへの責任追及が始まった。 妻のれいむがおちびちゃん達がまりさを責める、空腹からのイライラだろうか、とうとう暴力にまで発展し人間さんがまりさだけ置く場所を変えたほどだ。 「だからおさがだめっていってたんだよ、ぐずのまりさにだまされたよ!」 「ありぇはだめゆっくりだじぇ!」 「あんにゃのはおちょうしゃんじゃないよ!」 暴言に思わず飛び掛りたくなるが、あんよは動かない。それに事実なのだ人間さんのプレイスに攻め込もうと言ったのもまりさなら、れいむとおちびちゃんが痛めつけられている間何も出来なかったのもまりさなのだ。 俯いているまりさに、れいむ達の暴言がヒートアップする。 「あんなうんうんみたいなまりさとけっこんっしたのはれいむのはじだよ!」 「ゲスなのはまりさだけだよ、にんげんさんにそれをいってれいむたちはもりへかえるよ!」 騒ぎに怒った人間さんが止めに来るかと思えば、縁側の人間さんは食事を終えたのかめーりんに運ばせたお茶を飲みながらニヤニヤとこちらを見ている。まりさは耐えるしかなかった。 日が完全に沈み、辺りが暗くなってもまりさ達はその場に置かれていた。 空腹からかれいむも既に静かになっており、目をつぶって俯いている。 状況が悪化したのは暗くなって暫くしてからであった、 「おかあしゃん、れいみゅ、ゆ、ゆぴぴぴぴ……」 「まり……じぇ……ゆ、ゆぴぴぴぴ」 空腹とゆっくり出来ない状況に置かれた子れいむと子まりさが、非ゆっくり症の症状を起こし始めたのだ。 その様子にれいむも飛び起きる。 「お、おちびちゃん!だめだよぉ、ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」 必死にすーりすーりぺーろぺーろするが症状は緩和しない、助けるには沢山のゆっくりが必要だ。 しかし暗い中、食料はなく、どんどん寒くなっていくゆっくりした状況など一つも無い。 「にんげんさん!おねがいします、おちびちゃんがたいへんなんです!!!」 大声を上げるれいむにまりさは肝を冷やす、人間さんが怒って出てくればまりさ達の命は無い。 「やめるのぜ、れいむ!にんげんさんがおこったら「うるざい!!!うんうんまりさはだまれぇ、おちびちゃんがたいへんなんだぁ!」 れいむの剣幕に押されてしまう、事実音を立てて人間さんが庭へ出てくる。 「おー、どうした?」 「おちびじゃんが、おちびじゃんがぁ!」 「あー非ゆっくり症か……で、どうしろっていうんだ?」 人間さんは泣きつくれいむを笑うと、聞いてくる。 「おねがします、おちびちゃんだけでもゆっくりさせてあげてください!」 「すこしだけでもいいんです、できればあまあまをむーしゃむしゃさせてあげてください!」 人間さんが笑う、 「ああ、いいよ」 そしてまりさを掴むと、反対側を向けてれいむの横に置いた。 「ゆっ、なんなのぜ!?」 目の前に誰も居なくなったまりさは疑問の声を上げる、その時背中を冷たいもので撫でられた様な気がした。 続いて鋭い痛みが背中に走った。 「ゆぎぃ、な、なんなのぜぇ!?」 振り向いて見たものは、まりさの背中にかじりつくれいむの姿だった。 「おばえが、おばえがしねばおじびちゃんが!」 れいむの歯が食い込み、まりさのお肌を齧り取る。 笑いながらお家の方に去っていく人間さん、再びれいむが齧りつく、全身に広がる痛みと共にまりさは倒れる。 仰向けに倒れたまりさ、最後に見たものは自分の頭に齧りつくれいむの歯と、お空にある丸く綺麗な月だった。 (これは夢なのぜ……まりさは……まりさはゆっくりの王様に) まりさの意識はそこで途絶えた。 公民あき 後書き 最後まで読んでいただきありがとうございました。 今回はある意味、創作界禁断のオチなのですが、皆さんどこら辺で気が付きましたか? もしよろしければ下記の感想掲示板で何章で気が付いたよ、と教えていただけるとありがたいです。 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1295715066/ 0章.まりさの旅立ち 古明地さんの関係者でしょうか。 1章.まりさの戦い ここで分かるのはかなり鋭いか、ゆっくりはゴミ、強い訳が無い主義の方でしょう。 一応食べた事の無い野菜の味はしません。 2章.まりさの出会い 飼いゆっくりの反応に違和感を感じた方、鋭いです。金ゲスかよと流した方、そういうパターンもあります。 3章.まりさの伝説 かなり分かりやすいと思います。まりさが普通にドススパークもどきを使っているのに納得した方、某シリーズのファンですね。 まりさが人間を追い越しているのに突っ込んだ方、正しい反応です。 4章.まりさのお城 かなりファンタジー、家の中にあまあまが山になっていたり、畑があったり川が流れていたりとみょんな物だらけです。 でも、もしかすると幻想郷ならそういう家も有るのかもしれません(某妖怪の賢者の家とか)。 5章.というお話ですか? ネタバレです、読んでいた方も多いと思います。ちなみに料理の出来る胴付めーりんは、チートゆっくりだと思います。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/2942.html
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/199.html
『まりさの写真』 デスラッチ09(終) ○○あき 作 独自設定満載です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 天候悪く、今にも降りそうな雲が空を覆う。 周囲には騒ぎ暴れる群衆、その中でカメラを構える男性。 男性は異国での、市街地占拠事件を取材にきていた。 テンション上がった民衆は、そのまま暴徒と化し治安部隊と衝突する。 どさくさに紛れて商店へ侵入する丸い生き物も・・・・・・・ 『Take it easy!』 状況を理解出来ていないのか、殺気立つ人に向かって喚き潰されていた。 国変われども、ゆっくりの愚かさには差がない。 『I cannot relax!!・・・・・・I seem to fly in the sky・・・』 暴徒の中からゆっくりに火をつけ、治安部隊へと放り投げる者まで現れだす。 火は炎と化し、周囲は一気に殺気と悪意に満ちていく。 「まずいなこれは・・・・でもまだ撤収てわけにはいかないよなぁ・・・・」 ぼやきながらも暴徒に巻き込まれぬ様、建物の影に入り撮影を続ける。 しかし暴動は拡大するばかりで、収拾する様子をみせない。 投石や火炎瓶での抵抗は、やがて銃器による対抗に蹂躙され始めた。 そして暴徒からも、銃弾の雨が治安部隊に返される。 やがて雨が降り出したが、それすらも事態を変化させる事は出来ない。 ファインダーを通して事態を観ると、遠い世界の様で現実である事を忘れさせる。 近くで撮ろうと建物の影から乗り出してしまう。 その時、大きな声が男性を呼んだ。 「Shirou!!Is danger; please withdraw immediately!」 知人のカメラマンが飛び出した男性の腕を掴む。 その時、男性のポケットから1枚の写真が零れ落ちる。 写真はそのまま、風に攫われ暴徒の渦へと飲み込まれていく。 「あぁ!しまった!」 思わず伸ばした手は失った写真を求める、その先に見えたのは男性へと向けられた銃口。 パァーーーーーーーーーーーーーーンンンン!! 乾いた音と共に崩れ落ちる身体、雨で濡れた地面を紅く染めていく。 「な・・・・・・?・・・・・・・・・あ・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・あ」 雨の冷たさすらも感じる事出来なくなり、そこで意識は途絶えた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今回の取材旅行に同行させてもらえず、まりさは自宅で留守番させられている。 だがこんな事は珍しくはない、海外取材の時は生物の持込手続きが面倒なのでよくある事。 いつも1~2週間程で帰国するお兄さん、だがまりさは何か落ちつかずゆっくりする事が出来ない。 『ゆゅ・・・おにいさんはまだかのだぜぇ?ゆゅ~ゆゅ~』 何度も玄関まで確認に行き、飼い主の帰宅を心配する。 いつもなら1週間程度ならば、まりさは気にもしない。 『むきゅ?まりさ?おにいさんがかえってくるまで、まだみっかさんあるわよ?』 『それはわかっているんだぜぇ、でもおそすぎるんだぜぇ・・・』 番のぱちゅりーの言葉にも、理解しながらも納得出来ない。 落ち着かず、家の中をウロウロするばかり。 その時、まりさのおさげを縛るリボンが切れ金髪がほどける。 『ゆゅ?ゆゆゆ!まりさのゆっくりしたおさげさんがぁぁぁ!』 『むきゅ?りぼんさんがかってにきれるなんて・・・』 痛んでいた訳でもないお飾りが、急に壊れた事にまりさは更に不安に駆られる。 すぐにでもお兄さんに会いたい、どうしても会って顔が見たかった。 しかしそれから2週間たっても、お兄さんは帰ってこない。 食べ物は万が一を想定して、1ヶ月分を用意してくれてあったので問題ない。 『おそいんだぜぇ・・・・・・』 だがまりさは、ひたすら玄関でお兄さんの帰りを待つ。 食事とトイレ以外は、寝る時さえ玄関で待ち続けた。 それから更に1週間たった頃、扉の鍵を開ける音が玄関に響く。 待望のお兄さんの帰宅と、まりさは喜びを露わにする。 『ゆゅ~おにいさんおかえりなんだぜぇ・・・・・・ゆゅ?』 そこに現れたのは、お兄さんではなく年配の女性の姿。 重く澱んだ表情で佇む。 『おにいさんのまま!おひさしぶりなんだぜぇ、おにいさんはいないけどゆっくりしていってね。』 訪れたのはお兄さんの母親、まりさもかつてはお兄さんの実家で飼われていた事も・・・・・・・ だがまりさの言葉に母親は反応しない、まりさはその雰囲気にゆっくり出来ない物を感じる。 『ゆゅ?なんだかゆっくりできないんだぜ?』 「まりさ・・・・まりさ・・・・あの子はね・・・・帰ってこれないのよ・・・・かえ・・・うぅ・・・ううううううう」 母親はそう言うと、まりさを抱きながら泣き崩れる。 まりさは状況が理解出来ず困惑するばかり。 泣き続けて母親が落ち着いた頃には、すっかり日も傾いていた。 「士郎はね・・・・もうこの家に戻って来れないのよ・・・・・」 夜を迎えてまりさ達に、ようやく事情が説明されだす。 ただ事ではないのは、まりさ達にも雰囲気で伝わっている。 『ゆゅ・・・・おにいさんは、まりさたちがきらいになったんだぜぇ?』 「いいえ・・・・それは違うわ。帰ってきたくても帰れなくなってしまったのよ・・・・・」 『おにいさんはまいごさんになったのかだぜぇ?だったらまりさがむかえにいってあげるんだぜぇ。』 「違うのよ・・・・まりさ・・・・・・士郎は・・・・今・・・病院にいるの・・・・ 頭に怪我をして生死を彷徨っているのよ・・・・もう駄目かもしれないってお医者様が・・・・・・」 「ゆゅ?」 まりさには事が重大過ぎて、全てを理解するのは難しかった。 分かった事は、おにいさんはもう戻ってこないという事。 母親は、きょとんとしているまりさ達が理解出来ていないのを察する。 翌日、まりさを病院へと連れて行った。 通常ならばペットを連れての見舞いは認められない、だが今回限りと特別に許可を貰い病室へ入る。 ベットと医療機器しかない簡素な部屋、中では機械が鳴らす音だけが規則正しく響いていた。 そこに寝ている男性、呼吸器や点滴の管がつけられて眠っている。 母親はまりさを抱えたまま、側に置いてある椅子に腰をかけた。 「士郎、まりさがお見舞いに来てくれたわよ。」 そこに眠っていたのはまりさのお兄さん。 取材中に頭部に銃撃を受け、奇跡的に命こそ助かったが意識不明の状態が続いている。 『おにいさんおきるのぜぇ、す~やす~やしてないでおうちにかえるのぜぇ。』 『はやくおきてほしいんだぜぇ』 『もぅわがままはいわないから、おめめさんをあけるんだぜ・・・・』 『おにいざん・・・おねがいなんだぜぇ・・・・おぎでぇ・・・おぎでぇほじいんだぜぇ・・・・・』 何度も懸命に声をかけるが、お兄さんは一行に反応はない。 母親はただ黙って、その様子を見守り続ける。 ようやくまりさは理解した、お兄さんはもう目を覚ます事はないのだと・・・・・ まりさ親子は以後、お兄さんの実家で再び飼われる。 ぱちゅりーや子ぱちゅりーは、困惑しながらも新生活に馴染んでいった。 だがまりさだけは、まだ馴染めないでいる。 母親が嫌いな訳ではなかったが、まりさにとって飼い主はもうお兄さん以外には考えられない。 「まりさーご飯よぉ~・・・・ってあれ?ぱちゅりーまりさは何処?」 『むっきゅ・・・ごめんなさい・・・まりさはおにいさんのところに・・・・・ ぱちゅはとめたんだけど、きょうこそおにいさんはおきたかもしれないって・・・・』 「まりさ・・・・・・」 まりさはお兄さんに会おうと家を飛び出す、しかし実家から病院までは5kmもある。 ゆっくりの移動距離としては遠過ぎる、それでもまりさは身体をボロボロにしながら訪れた。 しかし病院に辿り着いてもゆっくりは、院内へ入れてもらえない。 前回は保護者付き添いでの特例なのだから。 『いれでくだざいぃぃぃおにいさんにあわせてほしいんだぜぇぇぇぇ!』 飼い主が側にいなければ、まりさはただの玄関先で喚く饅頭でしかない。 院内へ入るどころか、相手にすらしてもらえなかった。 『おにいざんんーーーーーーまりさはここにいるんだぜぇぇぇぇぇぇ!まりざは・・・ぐへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』 言葉が急に途切れ、まりさは植木に吹っ飛ぶ。 通りがかった子供に蹴飛ばされたのだ。 「なんだこのゆっくりは?汚いくせに病院に入ろうっての?そこの躑躅にでも入ってろ!ばーか。」 それを見て、喚く饅頭を無視し続けていた病院の職員が出てきた。 こんな所でゆっくりを潰されては、衛生上問題がある 「こらー!そんなの相手にしてないで早く帰りなさい!まったく・・・・最近の子供は・・・・・・」 子供を追い払うと職員は、まりさの髪を掴み持ち上げる。 顔には蹴られた痕がつき、右目は破裂していた。 「お前もそんなとこで喚いているからこんな目にあうんだ・・・・・」 『ば・・・・ばり・・・・ざは・・・お・・・おにい・・ざんに・・・・・』 「ん?お兄さん?何言ってんだこいつ?まぁそんな事はどうでもいいよ、悪いが迷惑なんで処分させて貰うよ。 ・・・てお前飼いゆっくりか!・・・・飼い主に連絡しないとまずいかなぁ・・・・・』 職員はまりさを掴んだまま、処置に困って立ちつくす。 そこに偶然、893のお兄さんがお兄さんの見舞いに訪れる。 「そこのあんた、ちょっと待ってくれんか!そのゆっくりは風見んとこのまりさやないか?」 「え?あんたこのゆっくりの知り合い?じゃあこれ頼むよ、迷惑してるんだ・・・・・」 危うい所をまりさは、893のお兄さんに保護される。 「まりさ、お前怪我しとるやないか!誰にやられたんじゃ!?可哀そうにのぉ・・ほれオレンジジュースじゃ・・・」 オレンジジュースを飲ませてもらい、蹴られた怪我の痛みは引いていく。 しかし破裂した右目は元に戻らない。 『ありがとうなんだぜぇ、おにいさん・・・まりさはおにいさんにあいにきたんだけど、 びょういんさんにいれてもらえないんぜぇ・・・・』 「そうか・・・わかった!わしが頼んじゃるけぇ安心せぇ!」 そう言うと893のお兄さんは、何やら職員の男性を捕まえて話だす。 そして最終的には院長まで話をつけてくれた。 「・・・・・・って事でよろしゅう頼むわ、何かあったらわしが責任取るけぇ・・・・ おいまりさ!話はついたけぇ早よぉ風見に会ってこいや!」 入り口で消毒液で綺麗に拭いてもらい、まりさは院内へ入る事が許された。 病室には変わらず眠り続けているお兄さん。 部屋では、心音を示す機械の音だけが規則正しく響いている。 『おにいさん。むかえにきたからおきてほしいんだぜぇ』 まりさの言葉に反応はない、それでもまりさは話かける。 893のお兄さんはその様子がいたたまれず・・・・・・・ 「駄目じゃ・・・とてもじゃないが見ておられん・・・・・・目から汗が流れてしかたがないきぃ帰るわ・・・・・」 そう言い残し病室を出て行った。 まりさが病室に残れるように話をつけてくれていたので、久しぶりにその夜はお兄さんと過ごす事が出来た。 『まりさはひさしぶりに、おにいさんのゆっくりできないごはんさんがたべたいんだぜぇ。 おにいさんはほんとうに、ごはんさんをつくるのがへただったんだぜぇ・・・・・ おにいさんがおきてくれないと、まりさはゆっくりできないのぜぇ・・・・・おねがいなんだぜぇ・・・・・ おめめさんをあけてほしいのぜぇ・・・・またいろんなとこにつれていってほしいのぜぇ・・・・』 椅子に乗りポロポロと涙を流すまりさ、俯いた拍子にお帽子が床に落ちる。 涙でぼやける視界で、お帽子を拾う事なく眺めるまりさ。 様々な思い出がまりさの餡子を駆け抜ける中で、どんどん昔の事を思い出していく。 ゆっくりの記憶はそれほど古い事は覚えていない、それでも刻まれた事は身体が覚えている。 その記憶が、お帽子を見ていて呼び覚まされた・・・・・ 『まま・・・・・・わかったんだぜぇ・・・・・』 床に降りたまりさはお帽子からリボンを解く、通常まりさ種のお帽子についたリボンは白い。 しかしまりさのリボンは紅い色をしている。 それは亡き母のリボンと同じ色・・・・・・ 『りぼんさんはおにいさんにあげるんだぜぇ、だいじにしてほしいんだぜぇ!』 まりさは紅いリボンをお兄さんにかける、黒の単色となったお帽子は椅子上に置いた。 そして寝ているお兄さんのお腹の上に乗ると、カメラの方向を向きリモコンを咥える。 ゆっくりシャッターは切られた・・・・・ 『おにいさん・・・・・・ゆっくりしていってね!』 リボンから瘴気が上がり黒ずんでいく、そして同時にまりさも変化が現れだす。 自慢の金髪は白くなり、身体は赤く腫れてパンパンに膨らむ。 まりさは圧迫される苦しみの中で、静かに目を閉じその時を待つ。 やがてお帽子から青い炎があがり、内蔵されたデジカメを残して灰と化す。 『お・・おに・・いさ・・ん・・・・まりさは・・・おにい・・さんとであえて・・・とっても・・ゆっくりできたんだぜぇ・・ おちびちゃん・・とぱちゅりーのことを・・・たのむ・・んだぜぇ・・・・』 今度は腫れた身体が、足元から白く変質しだす。 全身が白く染まった時・・・・・・ まりさの身体はサラサラと砂の様に崩れ、空気中に溶けて消えてしまう。 後には黒く染まったリボンだけが残された。 まりさの消えた病室で変化が起きる。 「う・・・う・・・・・んん・・・・・・・・・・・・・・?」 まりさの願いが届いたのか、お兄さんが意識を回復させる。 目を覚ましたお兄さん、見えたのは見知らぬ天井、窓からは朝日が差し込んでいた。 意識不明になる前のまま、思考は停止したままだったので現状が理解できない。 「うぅ・・・ここは何処だ?・・・俺はたしか・・・・・・あれ?。」 繋がれた点滴や呼吸器で、ここが病院である事を知る。 意識を失う前の最後に見た銃口を思い出す・・・・・・ よく死ななかった物だと我ながら感心し、同時に恐ろしくも思う。 ふと周りを見渡して気がつく、身体の上にかけられた1本の黒いリボン。 誰の物なのか思い出せない、だが何か気にかかった。 「風見さん?先生ぇぇぇぇぇ風見さんが意識を回復させましたぁぁぁぁぁぁ!!!!」 リボンを眺めているお兄さんを見た看護師が、慌てて廊下を駆けていく。 医者もこの奇跡に驚く、頭部に被弾して意識を取り戻したのだから・・・・・・ 家族知人も集まり、お兄さんの回復を喜んでくれた。 「おぉ風見ぃ、よかったのぉ!そいでまりさはどこじゃ?一緒におったはずじゃろ?」 「・・・・・・・・・まりさ?」 まりさの起こした奇跡は、完璧とはいかなかった。 お兄さんの記憶から、まりさとの思い出が全て抜け落ちてしまう。 他は覚えているのに、まりさだけが思いだせない。 「・・・まりさ・・・何だろう・・・・思い出せないけど・・・何かその言葉を聞くと胸が熱い・・・・・」 まりさの残した黒いリボンを握り締めて、お兄さんは記憶を懸命に辿る。 お兄さんの母親は、1枚の写真を息子に差し出す。 それは海外で風に攫われたあの写真、暴徒に踏まれボロボロになっていた。 そこには朝日を眺めるまりさの姿、まりさを初めて出会った時に撮った物。 「これ何?・・・・・え?・・・・・なんで涙が?」 これが何かも理解出来ていなくても、お兄さんは涙を止める事が出来ない。 ポタポタと落ちる涙で写真は濡れていく。 誰もまりさが、病室から消え去った理由を知る事は出来ない。 ただ漠然とだがまりさが何かしてくれたから、お兄さんは意識を回復させたのかもしれないと思う。 まりさが母から受け継いだ奇跡は、母と同じくその身を引き換えに家族を守って終える。 最後に撮った写真には、まりさのとてもゆっくりした笑顔が写っていた。 それは世にも奇妙なゆっくりの物語。 終わり ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー デスラッチはこれで最後となります。後はぱちゅりーの外伝を1つ残すのみ。 最後は悩みましたが、最初に決めた通りの筋書きを守る事にしました。 設定を明かしますと、能力の秘密は帽子のリボンにあります。 ひなのリボンが、まりさのリボンと入れ替る事で能力を身につけました。 最後の被写体はまりさ自身と決めていたので、この様な最後になったのです。 独自設定が強いSSとなってしまいましたが、ここまでお付き合い頂きありがとうございます。 また子ぱちゅりーで何か書くかもしれません、その時はよしなに御願いいたします。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板 http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/ ○○あきのSS感想はこちらへ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1275503703/ 誤字・脱字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 anko1218 ゆ虐ツアー anko1232 ゆ虐ツアー お宅訪問編 anko1243 ゆヤンワーク anko1495 ゆ虐にも補助金を anko1785 ゆうかにゃんはアイドル anko1237 デスラッチ01 雪原のまりさ anko1250 デスラッチ02 まりさの思い出 anko1274 デスラッチ03 まりさとつむり anko1282 デスラッチ04 まりさとおにいさん anko1314 デスラッチ05 まりさとおちびちゃん anko1337 デスラッチ06 まりさとリボン anko1341 デスラッチ07 まりさと春 anko1711 デスラッチ08 まりさの子ぱちゅりー anko1296 デスラッチ外伝01 まりさとまま anko1505 デスラッチ外伝02 まりさとめぐりあい anko1276 ゆっくり種 anko1278 ゆっくり種2 anko1291 ゆっくり種3 anko1310 ゆっくり種4 anko1331 ゆっくり種5 anko1350 ゆっくり種6 anko1391 ゆっくり種7 anko1482 ゆっくり種8(終) anko1362 ケーキ anko1527 極上 anko1612 砂の世界 anko1768 永遠の命 anko1779 塗りゆ anko1863 れみりあが愛したおちびちゃん anko1872 疾風ゆっくリーガー _T)エーン ↓
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まりさの勲章 1KB 虐待 小ネタ 野良ゆ 都会 虐待人間 武勇伝 この傷はれみりゃを追い返したときの傷だぜ!こっちのはふらんにやられたんだぜ! これは腹を減らしたおちびにおたべなさい!したときのなんだぜ…。ゆふふ、どれもこれも 体の傷はまりさのくんっしょうっ!なんだぜ!まりさが勝ち抜いてきた証なんだぜ! 「オレンジジュースだばぁ」 ゆひ!?つめたいっ…うめっこれむっちゃうめっ!ぺーろぺーろ…あるぇー? まりさの傷がなくなってるんだぜ?すっかりきれーになってるのぜ!やったーー!! すてきな美まりさに元通りなんだぜー!!にんげんっさんもまりさのツルツルお肌に めろっめろっなんだぜ?もっと貢いでもいいのぜぇ? 「じゃあ、にんげんをやっつけたときの素敵な勲章をあげよう。」 ゆっふっふ!金バッジさんだね!!これでもまりさも飼いゆっぎゅるっぽあーーー!!! おめめがあああああ!!まりさのおめめがお空を飛んでるーーー!!いだいよおおお!! ひぎぃいい!!ほっぺさんひっぱりゅなぁああ!!ちぎりぇりゅううぶぶぶぶっ!!! あああぁあ…餡子でちゃう…まりさのだいじな中身でちゃうぅ……っ!?熱っ!!! 火さん近づけないでぇえええげげげええええ!!餡子固まるぅぅぐっぐつっぐつぅっ…! 「わぁー立派な傷跡だね!これでみんなに自慢できるぞー?」 by 4byte
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『まりさの思い出』 虐待普通 俺設定満載です 『雪原のまりさ』の続きです 『まりさもおにいさんみたいにおもいでさんをとりたいんだぜ』 撮影旅行を終え帰宅して何を思ったのかまりさが突然こんな事を言い出した。 しかし自称プロのカメラマンの飼いゆであるのだから写真に興味を持ってもらう事は嬉しかった。 ゆっくりの視点での写真にも興味が湧いたので実験的に撮らしてみる事にする。 『ぐぎぃ・・・・ゆゅ・・・おもいん・・・だぜ』 判っていた事ではあるがデジタル一眼レフはゆっくりには重すぎた。 通販で購入したペン型のデジカメを改良する事にする。 まずはレンズの場所だが視点を再現するにはまりさの目の付近につけないとならない、これは帽子の縁に固定する事にした。 レンズが帽子についた時点で本体は帽子の中に入れて固定、リモコンスイッチはおさげに括りつけて咬む事でシャッターを切る。 試作であり耐久性は後日の課題としてまりさにテスト撮影をしてくるように言うと喜んで散歩に出ていった。 「さてはて・・・・どんな物を撮ってくるのやら・・・・楽しみのような不安のような」 まりさはとりあえず何時もの散歩コースを回る事にした。 まずは近くに居ついているありすに出会う。 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 『ありすをまりさのかめらさんでとらしてほしいんだぜ』 『かめらさん?』 人の道具の知識は無い野良であるありすは首を傾げる。 『おもいでさんをかみさんにのこすどうぐなんだぜ』 『とかいはねおねがいするわ』 『まかせるんだぜ』 大雑把な説明であるが同じゆっくりだからか何故か通じる。 『ちーずなんだぜ』 ブロォォォォォー ぶちゅ ォォォォォォォォ カシャ 『ゆ”ゆゅゅ!ありすぅぅぅぅっぅぅ!!!』 道路で撮影回なぞをしたが為にありすは車に轢かれてしまった。 気を取り直し散歩を再開する。 今度はここれでは見た事のないれいむを見つけた。 今度は離れた場所から撮影する事に・・・・ 『じじぃはきゃわいぃれいむのどれいにしてあげるよかんしゃしてね』 「・・・・・・・・。」 『ぐずはきらいだよ!はやくあまあま「死ね!」ゆ”ゅゅゅゅ!!!』 カシャ れいむは鬼井山に潰されてしまった。 『まただめだったんだぜ・・・・』 どうも上手く撮影に成功しない、落ち着いて撮れるようにこの時期はまだ人のあまり来ない河川敷で頑張る事にしてみる。 まだ冷たい風が吹くためか人はまったくいなかった。 川端まで行くと水面にプカプカと浮かんで野良まりさが水草を取っている。 ここなら鬼井山も居ないし自動車も来ない、これなら!とまりさは野良まりさを被写体にする。 『まりさ~ゆっくりしていってねぇ~』 『ゆゅ?ゆっくり・・・ゆ”ゅゅ!!おーるさんゆっくりもどって・・・』 ドポン カシャ まりさの知り合いのいつも元気一杯のちぇんが撮影しようとしていたまりさを見つけ元気に挨拶する。 これを野良まりさが反応してしまいオールを落としてしまい慌てて川に落ちてしまった。 『ゆゅ・・・またしっぱいなんだぜ・・・』 『まりさはなにやってるの?わからないよ~』 『ゆ?まりさはおもいでさんをあつめているんだぜ』 『おもいでさん?わからないよ~』 やはり野良には道具に対する知識が無いと言うかまりさの説明のしかたが雑だった。 その後、雰囲気で理解したのかちぇんも撮影する事になった。 今度は普通に河川敷に設置してあるベンチの上でちぇんを撮る。 『うごかないでほしんだぜ』 『わかったよ~』 『ちーずなんだぜ』 バサバサバサ カプ バサバサバサバサ~ カシャ 『わがないよぉぉぉ~』 撮影する瞬間にちぇんは烏に攫われていった。 『ゆ”ゆ”!じぇーーーーーーーーーん』 何度やっても撮影に成功しないどころか仲間を何匹も失っていく、まりさは少し落ち込んでいた。 落ち着くためにいつもの公園で休憩する事に・・・・・ 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね・・・』 公園には野良が沢山住み着いてはいたが大半は知り合いである。 まりさを見かけた仲間は皆まりさに声をかけてくれる。 流石に今日は友達2匹を亡くし、見知らぬとは言え他のゆっくりが永遠にゆっくりしてしまう瞬間を目撃してしまったのだから元気がなかった。 『むきゅん?どうしたのまりさ?』 ぱちゅりがまりさに元気がないのを気にかけてくれた。 『まりさにはおもいでさんをのこすしかくがないんだぜ・・・・』 『むきゅうぅぅぅ・・・・』 また経緯をすっ飛ばした返答をするまりさ でもまりさが落ち込んでいるのは分かってはくれたようだ。 『まりさはわるくないとぱちゅはおもうわ』 『でもみんなえいえんにゆっくりしちゃったんだぜ・・・・』 詳しい事情を聞いたぱちゅりーはまりさを慰めてくれた。 『むきゅん!ちぇんたちはうんさんがなかっただけよ。うたがうのならぱちゅをおもいでさんにしてみて』 ぱちゅりーはまりさに自ら被写体になる事を申し入れる。 まりさはぱちゅりーの厚意が嬉しかった。 『わかったんだぜ!おねがいするんだぜ』 ぱちゅりーを撮る事で名誉挽回のチャンスを貰う事にした。 まりさは今度こそカメラにおもいでさんを残すべく安全で確実な場所を探す。 考えに考えぬいた結果、ぱちゅりーをまりさの家に連れて行きおにいさんに手伝って貰う事にした。 『まりさのおうちまできてほしいんだぜ』 『むきゅん。わかったわ』 こうして二匹してポインポインと跳ねて帰宅した。 自宅につくと撮影した写真の整理をしていたお兄さんに説明し手伝って欲しい事をお願いする。 まりさのカメラに写っていたものを確認したお兄さんは思わず呟く 「お前は決定的瞬間を撮る才能が有るなぁ~」 写っていたのは・・・・・ タイヤに身体の半部を踏まれ顔が限界まで中身のカスタードで膨れて弾ける瞬間のありす 鬼井山に真上から踏み抜かれて餡が目口から噴水の如く吹き出ているれいむ 半身を水面に突っ込み沈む瞬間のまりさ 烏の嘴に咥えられる瞬間のちぇん どれも人でもピンポイントでは撮れない写真ばかりだった。 しかしこんな事でまりさの自信を無くしたくはないのでお兄さんはまりさの撮影を手伝う事にする。 まずはお兄さんの静物撮影用の作業代にぱちゅりーを乗せる。 そしてまりさが撮りやすいように丁度良い高さに撮影の台を作ってやった。 「これならどうだ?」 『ゆぅぅ~ありがとうおにいさん。これならおもいでさんをこんどこそのこせるんだぜ』 感謝の言葉を述べるまりさ、今度こそ撮影に成功しそうだ。 「ぱちゅりーは動くなよ、悪いなまりさにつきあわせてしまって」 『むきゅん!いいのよおにいいさん、ぱちゅはまりさのおともだちだもの』 『ゆゆゅ~ありがとうなんだぜ~』 こうして準備が整いカシャカシャと何度もシャッターを押すまりさ。 できた写真をすぐにプリントアウトしてやりまりさのベットの側に張ってやった。 『ゆゅ~ありがとうなんだぜおにいいさん。ゆっくりできるんだぜ~』 『むきゅん!とてもゆっくりしてるわ~』 どうやらぱちゅりーもまりさも満足できたようだ。 撮影も無事終わりお兄さんはまりさに尋ねる。 「でまりさはこのままぱちゅりーに帰ってもらう気か?」 『ゆゆ?』 理解できない様子のまりさ 「なんならぱちゅりーも置いてやってもいいぞ、なかなか賢そうだし撮影旅行に行っても留守番くらいできるだろ」 お兄さんの提案に驚き喜ぶまりさに対しぱちゅりーは困惑した様子で尋ねる。 『ぱちゅはのらなのよ?いいのおにいさん?』 「あぁ面倒みるのが一匹からに二匹になった所で手間は大して変わらないし、これだけまりさを事を思ってくれる友達だ大事にしてやらんとな」 こうしてぱちゅりーも愛でたく飼いゆとなる事となった。 予想どうりこのぱちゅりーは賢く少々の撮影旅行で家を空けてもしっかり留守番をちゃんとこなしてくれた。 そのうちまりさとの間に子供もできるだろう、そうなれば出かけても寂しくもなくなる。 まりさの最初の作品は被写体と共にまりさの宝物となった。 雑誌の裏に載っていた通販のペン型カメラを見て思いつきで書きました。ゆ虐がないとゆっくりできなとあったのでどうにか加えられないかと思案した結果こう言う形になりました。 あいかわらず可笑しな文章ですがご了承ください。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク 挿絵:儚いあき
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(編注:楽園?まりさの場合(1)というタイトルに改名) ※いろいろと俺設定です presented by [498] 「みんなよく聞いてね!今度楽園入りする子が決まったよ!」 広場に集めたゆっくり達にそう宣言したのはこの群の長、ドスまりさだった。ドスの宣言を聞いた途端、ゆっくり達が騒ぎ始める。 ―――楽園入り。この群に住むゆっくりなら、それを知らない者は居ない。 何日かに一度、複数のゆっくりがドスに連れられて何処かに引越しをする。そこは非常にゆっくりとした場所で、ゆっくりにとって楽しい事や嬉しい事だけで作られた世界だと言われている。 楽園入りしたゆっくりは群へは戻って来ない。楽園でのゆっくりとした生活が気に入り、離れようとしないのだという。 家族で楽園入りするゆっくりも居れば、家族と引き離され、独りで楽園入りするゆっくりも居る。それなのに家族恋しと群へ戻るゆっくりが居ないのは、楽園が想像を絶するゆっくりプレイスだからだろう。 だからドスが楽園入りのゆっくりを発表する日は、ゆっくり達にとって至福の時間である。例え自分が選ばれなくても、選ばれる事を想像するだけでしあわせーな気分になれるからだ。 「発表するよ!今日楽園入りが決まったのは……保育副長のまりさ。それと、まりさの妻のれいむだよ!おめでとう!」 「ゆ!?」 「れいむ!やったよれいむぅっ!ふたりでらくえんいりできるんだよっ!!」 選ばれた事を驚き、喜ぶ二匹のゆっくり。このれいむとまりさはつがいだった。 半年前の春に生涯のゆっくりを誓い合った二匹だったが、当時ドスが「個体数調整の為だよ」とすっきり制限を設けた為、未だに二匹の間に子は居なかった。 同じ時期につがいになった他のゆっくりが我が子と幸せそうに頬擦りをしているのを見る度、二匹は言い様の無い寂しさに胸を苦しめていた。特にまりさは保育副長の任に選ばれている、必然的に可愛い盛りの子ゆっくりや赤ゆっくりを相手にする為、れいむ以上に子の授かれない苦しみを感じていた。 「むきゅ、ふたりはまえからこどもがほしいっていってたのよ、やっとねがいがかなうわね」 「おくれてきたしあわせってやつだねー、わかるよー」 「べ、べつにうらやましくなんかないんだから!なんならいわってあげてもよくってよ!」 「ぺーにすっ、でかまらっ!」 「れいむ、まりさ、今まで子供を作らせてあげられなくてごめんね…でも楽園入りしたらそんな事は気にせずにいっぱい赤ちゃんが作れる よ!向こうに行ってもゆっくりしていってね!」 「ゆゆゆ…みんな゛、あ゛り゛がどお゛お゛お゛お゛お゛お」 「ゆっ…ぐ、れいぶ、な゛いてるばあいじゃないよ゛!おうちにもどっておひっこしのじゅんびじようね゛!」 「う゛ん!ゆっぐりわがったよ!」 周囲から祝福の声が上がる中、二匹は喜びの涙を流しながら巣へ戻っていく。楽園入りが決まったら家財道具を纏めなければならない、といっても、虫の抜け殻や綺麗な小石等、所謂『たからもの』が殆どであるが。 荷物を纏める二匹の表情はとても明るかった。長年暮してきたおうちや旧い友達に別れを告げるのは少し寂しかったが、それ以上に楽園での生活に心躍らせていた。 準備は半日とかからなかった。友人達に別れの挨拶を済ませ、ドスの待つ巣の入り口へと向かうまりさとれいむ。 「ゆ、早かったね、二人とも。もうお別れは済んだ?」 「うんっ!にもつもまとめたよ!」 「どす、らくえんまでゆっくりつれていってね!」 「わかったよ。荷物は後でうーぱっくに届けさせるから、二人はドスの帽子の中に入ってね!」 「「ゆっくりおねがいするね!」」 「楽園までは長いから二人とも帽子の中でゆっくりしていってね!」 ドスはそう言うと強めのゆっくりオーラを出し始めた。オーラに中てられたまりさとれいむは強い眠気に襲われる。 「「ゆぴ?、ゆぴ?……」」 「ふふふ、ゆっくりお休み。目が覚めたらそこはもう楽園だよ…」 「………ゅっ?」 底部に感じるひんやりとした感覚に目を覚ますまりさ、目を開けるとそこはコンクリートに囲まれた5m四方の部屋だった。入り口は正面にしか無く、窓のような物も無い。周りには今まで見たことのない道具が並んでる。 ここは何処だろう?そんな事を考えていると、目に前の扉から人間が現れ、まりさに話しかけてきた。 「やあ、おはよう、まりさ。随分良く眠ってたみたいだね。」 「…ゆぅ?ここは何処?」 「ドスに連れてきて貰ったんだろう?ここが何処だか分からない?」 「ゆっ!ここがらくえんなの?そういえばれいむがいないよ!どこにいるの!?」 「ああ、君のパートナーなら別の場所でゆっくりしているよ。心配しなくても後で連れて来てあげるから、とりあえずお菓子でも食べながらお話しして待ってようね」 「ゆゆぅ?♪おかしくれるの?はやくちょうだいね♪」 傍にれいむが居ないのが不安だったが、楽園に着いた事と、お菓子に釣られたまりさはすっかり男に気を許し、ここに来るまでの暮らしがどうだったかを語り始めた。 最愛のパートナー、れいむとの出会った事。 ふたりでずっとゆっくりしようと言って受け入れられた事。 子供が好きな自分に保育副長の任が与えられた事。 その直後の群の固体数調整ですっきりが禁じられた事。 子供が出来ない中、他の子供や赤ん坊の世話をするのが辛かった事。 楽園入りが決まって、これでやっと子供が作れる。と夫婦で喜んだ事。 満面の笑みで語るまりさに、男も笑顔で耳を傾けていた。 「くくく……いつもながらいい仕事だ、注文通りに仕上げてある……。」 「それでね!…ゆ?いまなにかいった?」 「いや、なんでもないよ。……そろそろれいむの準備が整っている頃だね、連れてきてあげるよ。」 「ゆ、じゅんび?なんでもいいからはやくあわせてね!」 ゆっくり待っててね。男はそう言うと部屋から出て行った。 まりさは浮かれていた。念願の楽園に来る事が出来たのだ、少々殺風景だが、人間さんもいい人だし、聞いてた通りここは素晴らしい場所に違いない!まずはれいむとこれからの事を話さなければ……。 明るい未来予想図を描きながら緩みきった顔で伴侶を待つまりさ。2分程経っただろうか、再び扉が開き、れいむを抱えた男が姿を現した。男はれいむをその場に下ろすと、まりさの下へ行くよう促していた。 しかしれいむはその場から動こうとしなかった。そればかりか、まりさからはよく見えないが、なにやらふるふると震えているようだった。不審に思ったまりさはれいむの下へ跳ねて行く。 「れいむ!くるしそうだけどどうしたの!?だいじょうぶ!?」 「ゆ゛っぐ……ばりざあぁぁぁ……」 「おちついてね!どうしたのかゆっくりおしえてね!」 「れいぶの゛……れいぶの゛あ゛んよ゛がう゛ごがな゛い゛の゛お゛お゛お゛!!」 「ゆ゛ゆ゛!?どぼぢでえ゛え゛え゛!!?」 慌ててれいむのあんよを調べるまりさだったが、これといって異常は見当たらない。強いて言うなられいむの体温が普段より高かった事だが、ゆっくりの体に異常をきたす程の高さではなかった。 どういう事だろう?特におかしい所は見つからない…そうだ!人間さんなら何か分かるかも知れない!そう思ったまりさは、男にれいむの症状を調べて欲しい、と頼んだ。 「ああそれね、低温で底部を長時間熱して冷やしてを繰り返したから皮が凝固したんだ。速めに這うくらいは出来るはずだよ、もっとも、もう跳ねる事は出来ないだろうけどね。」 「「…………ゆ?」」 「ああ、分かり辛かったかな? れいむはあんよがかたくなっちゃったから、ずーりずーりはできるけど、ぴょんぴょんはにどとできないからだになったんだよ! ゆっくり理解出来たかな?」 「「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!?」」 「れいむ、熱してる間ずっと寝てたもんな。苦しいどころか夢見心地だったろ?そこらへんの調整が難しかったんだが…うん、上手くいって何よりだ。」 男の行った処置によって、れいむの底部はその伸縮性を殆ど失っていた。男の言葉通り、力を入れて皮を伸ばせば這うくらいは出来そうだが、波打たせて跳ねるといった事は出来なくなっていた。 おうたよりかけっこの方が得意だったれいむは、その自慢のあんよで我が子に野を駆ける楽しさを教える事が夢だった。 夢は夢のまま終わった。 「「どぼぢてごんなごどずるの゛お゛お゛お゛ぉぉぉっ!!?」」 「まあまあ、全然動けないわけじゃないんだし、ね?」 「いいわけないでしょおおおぉぉぉっ!!?」 「ゆっぐりでぎないおじざんはれいむのきれいなあんよをもとにもどじてねっ!!!」 「はいはいゆっくりゆっくり(笑)じゃあ次はれいむに赤ちゃん産めなくなってもらおうね。」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 言うが速いか男はれいむを掴み上げ、鉄製の長い台に乗せる。 足元ではまりさが必死に男の足に体当たりしている。台の上からは『子供を産めなくする』と言われ、泣き叫ぶれいむの声が聞こえた。 「ばりざあ゛あ゛あ゛!!!だずげでね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゆがあああっ!!!れいむをはなせえええぇぇぇっ!!!」 「おおこわいこわい、んじゃその気迫に免じてまりさには特等席を用意してあげよう」 男は思うように動けないれいむをそのままに、今度はまりさを掴み、台の端で河童製ゆっくり用拘束具を付けた。まりさの視線がれいむに向くよう調節し、手に取ったナイフをれいむに見せ付ける。 れいむは初めて見るナイフに何かゆっくり出来ない雰囲気を感じ取り、いやいやと身をよじりながら台の上を逃げ惑うが、底部の皮が硬化している為、動きは普段にも増してゆっくりだった。 自分では敵わない事を悟ったまりさは、なんとかれいむを助けて貰おうと男に懇願し始めた。 「おねがいだがらやべであげでね゛っ、あがぢゃんつぐれな゛ぐなっだらゆっぐりでぎない゛よ゛っ!!!」 「……そんなに子供が欲しいのかい?」 「ゆ゛!?」 「そうだな、子供作るのまりさの夢だったもんな?楽園入りしてやっとすっきり出来るって喜んでたもんな?」 「う゛んっ!うんっ!まりさとれいむのあかちゃんだからきっとかわいいこがうまれるよ!とってもとってもゆっくりしたあかちゃんだよ!そしたらおにいさんにもすーりすーりさせてあg「だが」」 さくっ 「断る」 すっ… 「……ゆぅ?」 おなかのあたりから感じる違和感に視線を下げるれいむ、そこには直径2cm程の穴が空いていて、どろどろと餡を垂れ流していた。 周囲の皮ごと切り取ったれいむの産道兼陰茎をまりさの目の前にべちゃり、と捨てやる。遅れてきた激痛に絶叫するれいむと、パートナーの身に起きた惨事に悲鳴を上げるまりさ。 「い゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 「でい゛ぶの゛ま゛む゛ま゛む゛どべに゛べに゛があ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!!!」 「はーい、痛いのは分かるけど次行こうねー。」 「「ぼう゛や゛べでね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」」 失餡死されても困るので、男はオレンジジュースと水溶き小麦粉でれいむ応急処置をした。数分後、穴の空いた場所は少し色の違う皮で塞がれ、まむまむはそこから跡形も無く消え去っていた。 男は穴が塞がったのを確認すると、今度は溶き小麦粉をれいむの肌に満遍なく塗り込んでいく。乾いては塗り、を数回繰り返したところで男の手は止まった。溶き小麦粉はすっかりれいむの肌に馴染んでいる。 てっきりまた痛い事をされるものだと思っていたれいむは不思議そうな顔をしている。まりさはというと、れいむが酷い目に遭わずに済んで安堵の溜息を吐いている。 『処置』を終えた男はまりさの拘束具を外し、何を思ったのか二匹を掴んで強く揺さぶり始めた。 「「ゆっゆっゆっゆっ…ゆゆゆゆ……っ!」」 次第に艶を帯びた声を出し始める二匹、瞳が潤んでき始めたところで男は二匹を放した。 ねっとりと絡みつくような視線で互いを見つめるまりさとれいむ。ハアハアと息を荒げ、どちらともなくすーりすーりをし始め、時間を置かずに二匹の体からねちょねちょと音を立てて粘性のある体液が出てきた。そして 「んふぅぅっ、れいむぅぅぅっ!まりさのかわいいあかちゃんうんでねええぇぇっ!!!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、いいぃよおぉぉぉっ!いっしょにすっきりしようねええぇぇっ!!!」 「「んほおおおぉぉぉっ!すっきりーっ!!!」」 「ゆふーっ、ゆふーっ、……あかちゃんっ!あかちゃんはっ!?」 子供を望んで已まなかったまりさ、初めてのすっきりだったというのにその余韻も何処へやら、直ぐにれいむの頭を確認する。が、暫く待ってみたものの、一向に茎が生えてくる気配は無い。間違えて自分が孕んだのかと思い、れいむに見て貰うが、自分の頭にも茎は生えていない。 そんな二匹をみて笑う男が一人。 「くっ…くくく……駄目だ、まだ笑うな……しかし…。」 「な、なにをわらってるの?まりさたちをみてわらうのはやめてね!」 「ハーーッハァ!もう駄目だ堪えきれねえっ!お前等バカ?ねえバカ?あんだけの事しといて今更小麦粉塗って終わりな訳ねーだろがこのヌケサクがぁっ!っはははははははははははははは!!!」 「「ゆっ!?」」 「はぁ、はぁ…はーーーーっ………いや、失礼したね、あんまりにも予想通りな反応なもんでちょっとテンションが高くなりすぎてしまったよ。」 男がれいむに塗った小麦粉は辛味成分『カプサイシン』を精製して作った液体で溶かれていた。ゆっくりにとっては毒である辛味を小麦粉に溶いて肌に馴染ませる事で、精子餡が肌を通る際、子種を殺傷してしまうようにしたのだ。 これによりれいむは他のゆっくりから子種を受け入れる事も、自身が雄役になってゆっくりを孕ませる事も出来なくなった。男はその事実をゆっくりと、優しく、諭すように、二匹が理解するまで何度も教えた。まず子作りのメカニズムから説明しなければならなかったので、二匹が状況を完全に理解するのにたっぷり2時間はかかった。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!も゛どに゛ぼどちでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 「ん?っ、無理。」 「どぼちでえ゛え゛え゛え゛え゛!!?あがぢゃんほじがっだのだ に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「ばりざごべんでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!あがぢゃんう゛んであ゛げれな゛ぐでごべんでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「まあまあそう悲観的になりなさんなって、ちょっと待ってな」 男は部屋の隅に置いてあった布の架かった箱のようなものを二匹の前に置いた。箱のような物の中からは時折ぬちぬちと粘っこい音が聞こえてくる。 今までの出来事もあってかゆっくり出来そうにない雰囲気を感じ取った二匹は咄嗟に距離を取ろうとするが、れいむが思うように動けないのでまりさもその場を離れられずにいた。 男は布を掴むと勢い良くそれを取り払う。中から出てきたのは正方形のケージに閉じ込められたありすだった。 「ゆっ!ありす!?」 「あのありす、れいむたちのまえのまえにらくえんいりしたこだよ!」 「ぷひゅーっ、ぷひゅーっ……」 「ゆゆ!?ありすくるしそうだよ!だいじょーぶ!?」 「心配は要らないよ、そのありすは別に苦しんでるわけじゃあない。よっ、と。」 開放されるケージ、ずりずりと這い出てくるありす。そんな様子に心配になったのか、まりさがありすに近づいて声をかけようとする。 が、なにか様子がおかしい。いや様子がおかしいのは分かっていたのだが、それはまりさが想定していたものとはまったく別モノだった。 頬は赤く染まり、目と口は吊り上り、肌は異常なほど湿り気を帯びていた。これではまるで……そう思った時にはもう遅かった。発情したありすの身体能力は捕食種すら凌駕すると言われている、群の中でも保育担当であったまりさの力では到底敵うはずもない。 まりさが抵抗しなくなるとありすはすーりすーりをし始めた、無論、交尾である。動けないれいむは顔見知りにまりさがレイプされる様を見せ付けられて絶叫している。 「れいむが産めないならまりさが産めばいいじゃないか。」 「そういうもんだいじゃないでしょおおおおおお!!?」 「まままままりさああああ!!たっぷりすっきりしまじょうねええええええええ!!!いっぱいはらまぜてあげるううううううううう!! さっきのれいむとのじょうじみておあずけされてたからんほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!すっきりー!」 「あ゛あ゛あ゛でぃずや゛べでね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!すっきりー!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?でいぶのばり゛ざぐゎあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!あ゛でぃずどぼじでずっぎりじじゃっだの゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「はーい盛り上がってるとこ悪いんだけどちくっとな?」 「ゆ゛ぐっ!」 「それとありすはステイ。」 「っ!わ、わがったわぁ……。」 三者三様に絶叫する中、男はまりさに注射器を刺して中身を注入する。するとまりさの頭部から通常ではありえない速度で茎が成長していき、あっという間に実った赤ゆっくりの顔が判別出来るまでになった、八意先生お手製のゆっくり用成長促進剤である。 茎の急激な成長に一気に体内の餡子を失い、黒ずみかけるまりさ。が、すかさず男が二本目の注射を打つ。こちらはただのオレンジジュースだ。 三本目の注射が終わったところでまりさの体に張りが戻る。なんとか一命を取り留めたまりさだが、息も絶え々々といった様子でぐったりとしている。 れいむは動けないながら、その場でありすに向かって鬼の形相で怒鳴り散らしている。 「おやおや、れいむはここで折れると思ったけど、なかなかどうして……まあそうでなくちゃ面白くないんだけどね。」 男の口が先程のありす以上に醜く吊り上る。まりさとれいむにとって、本当の地獄はここからだった。 to be continued...⇒