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唯「ムギちゃんっ♪」 彼女が輝くような笑顔を向けるたびに、私の心は幸せな気持ちでいっぱいになる。 それはどうしてなのか、最初の頃はわからなかったけど…今は違う。 紬「…唯ちゃん♪」 唯ちゃんのことを見つめていると、こんなに胸が苦しくなって、悲しくなって、嬉しくなる。 ずっとそばにいれたらいいなって、そう思う。その理由は、とても単純なこと。 私は、唯ちゃんのことが好きなんだ。 律「なぁ唯ー!」 その日は、澪ちゃんと梓ちゃんの姿は軽音部の部室になかった。 新しい機材の購入を控えていて、その下見のために楽器屋に出かけたのだ。 唯「なあにー?」 律「このまま3人で延々とお菓子食っててもしょうがないしさぁ、どっか遊び行こうぜ?」 唯「いいねー♪行く行く!」 紬「あ…私今日はお財布家に忘れて来ちゃったから…」 律「あぁ、そっか!昼間言ってたもんな…じゃあ唯、二人で行こうぜ」 紬「え…?」そんな…待ってよ。なんで二人で出かけるの?私を置いて、どうして唯ちゃんを連れていくのよ。 だいたい、なんで遊びに行くなんて提案するの?他にも時間を潰す方法なんていくらでもあるのに… 唯「でもりっちゃん、ムギちゃんだけ置いてったらかわいそうだよ?ムギちゃん、おごってあげるから一緒に行こう?」 紬「え…い、いいの?じゃあ私…」 律「お前だって金欠だって言ってただろ?おごりは金に余裕がある奴がするの!」 唯「でも…」 律「ムギは電車の時間もあるしさ、また今度行こうぜ?」 唯「うぅ…ごめんねムギちゃん…」 紬「え…あ……」 律「そうだ唯、アイスおごってやるよ!澪と梓には内緒な?」 唯「ホント!?りっちゃん太っ腹ー♪」 律「へへ…んなことないって…」 紬「ま…待って!」 律「…なんだよムギ、まだなんか用あるのか?」 紬「そ…そういうわけじゃないけど…ほら、唯ちゃんの帰りが遅くなると憂ちゃんが心配するんじゃない?」 律「そんなのメール送っときゃいいだけの話だろ?なー唯」 唯「うん、ちゃんと連絡すれば大丈夫だと思うー」 律「てことで私らは先行くから戸締まりよろしくな。さ、行こうぜ唯。寒いからくっついてこーぜ♪」 唯「わわ、歩きにくいよりっちゃん!」 紬「……!」 りっちゃんは唯ちゃんの肩に手を回して歩き始めた。 その行為には躊躇した様子なんてかけらもなく、あまりに自然なものだった。 そう、まるで恋人同士がするように。 それを見て、私の心にどす黒い感情が濁流のように注ぎ始める。 …なんでりっちゃんはそんな簡単に唯ちゃんに触れるの。 普段は澪ちゃんとじゃれ合ってばかりいて、ろくに唯ちゃんのことなんて見てないくせに。 私がどれだけ唯ちゃんのことを見たり考えたりしてるか、そういうこと全然知らないくせに。 その肩は何も考えないで触れていいものなんかじゃないのよ。 それを触っていいのは、唯ちゃんのそばにいていいのは―― 律「…ムギ?」 気付くと、私はりっちゃんの手首を掴んでいた。 力いっぱいに、りっちゃんの体を唯ちゃんから引き離すように。 唯「ムギちゃん?どしたの…?」 紬「……」 律「な、なんだよ…離してくれよ」 紬「…唯ちゃんに触らないでよ」 律「は?何言って…」 紬「りっちゃんには、唯ちゃんに触っていい権利も、そばにいていい権利もないのよ」 唯「ム、ムギちゃん…?」 律「い…意味わかんねぇよ!」 紬「わからないならいいの。とにかく二度と唯ちゃんに近づかないで」 律「んなことなんでお前に言われなきゃなんないんだよ!いいから離し…痛っ!」 私はりっちゃんの手首に爪を立てて握っていた。 このまま握り続けたら折れてしまうんじゃないかってくらいに、強く握っていた。 律「い…いて…いてぇよ、ムギ……」 りっちゃんは、明らかな恐怖の色を浮かべて私を見つめている。その脈は、ドクンドクンと心拍数を増していく。 唯「ムギちゃん、りっちゃん痛がってるよ!?離してあげてよ!」 紬「……」 律「い……ぁう…い、い…うぁ……」 唯「ムギちゃん!」 いくら唯ちゃんの頼みでも、私はこの手を離すわけにはいかない。 唯ちゃんのためにも、ちゃんと誓ってもらわなくちゃ。 律「ム…ムギ…わ、わかったから…」 紬「わかったって?何がわかったの?」 律「ゆ、唯には…ち、近づかないから…」 紬「本当に?約束する?絶対にしないって誓ってくれる?」 律「する…!す、するから…だから離して…」 紬「…そう。ならいいわ。離してあげる」 律「うぁっ…」 離したりっちゃんの手首には、真っ赤な痕がついていた。 私の爪が立った部分からは、血がじわりと滲んでいる。…すごく、痛そうだ。 律「う…うぅ……ヒクッ…う…うえぇ……」 …りっちゃん、泣いちゃった。 でも、これで唯ちゃんには二度と近づかないのよね。 ちゃんと約束してくれたから、もうこんなことは… 唯「りっちゃん!」 横で呆然と立ち尽くしていた唯ちゃんは、うずくまったりっちゃんを弾かれたように抱きしめた。 …そんなこと、しないでいいのに。 唯「りっちゃん、大丈夫!?」 律「あ…うぅ…えぐっ…うっ…だ、大丈夫…いっ…!」 唯「こんなに血が出てる…保健室行って手当てしよう!」 紬「あ、あの…唯ちゃん…?」 唯「……っ!」バシッ 差しのべた私の手を払いのけて、唯ちゃんはキッと私を睨み付けた。 その目には、私が今まで見たことのない感情――明確な怒りが浮かんでいた。 唯「なんで…なんでこんなことするのムギちゃん!」 紬「なんでって…りっちゃんが唯ちゃんの肩に気安く触るから…」 唯「意味分かんないよ!りっちゃんが何悪いことしたの!?」 紬「悪いこと…?してるじゃない。たくさん」 唯「してないよ!私に触っただけで何が悪いって言うの!?それならムギちゃんだって同じじゃん!」 紬「同じ…?ううん、違うよ唯ちゃん。私はりっちゃん…皆とは違うよ」 唯「え…?」 紬「私はね、いつも唯ちゃんのこと考えてるのよ。朝起きた時から夜寝る前までずっと。 登下校してる時も、授業中も、部活中も、ご飯を食べてる時も、いつだって唯ちゃんのこと考えてる。すごく大切に思ってるの」 唯「え…?」 律「ムギ…」 私は唯ちゃんの頬に手を当てた。柔らかいぬくもりが、手のひらいっぱいに広がる。 紬「私ね、唯ちゃんを大切にする気持ちは誰にも負けてないと思うの。軽音部の皆や和ちゃん、もちろん憂ちゃんにも、唯ちゃんのご両親にも」 唯「……」 紬「だから…私以外の人が唯ちゃんをむやみに触れたりするのは許せないの。 唯ちゃんはとてもかわいくてあたたかいのに、それを汚そうとするのは許せないのよ」 唯「……」 私は唯ちゃんに顔を近づけた。 唯ちゃんはさっきと変わらない眼差しを私に向けている。 紬「だから…私が守ってあげる」 今なら…伝えられる気がする。ずっと秘めてきた、私の気持ちを。 紬「私…唯ちゃんのことが好きなの」 唯ちゃんはその言葉を聞いて、わずかに目を見開いた。 きっと、唯ちゃんは答えてくれる。私の気持ちを、ちゃんと受け入れてくれる… 唯「…ムギちゃん」 紬「な、なに…?」 唯「ムギちゃんがどんなに私のこと好きでいてくれても、全然嬉しくないよ」 紬「え……?」 唯「お友達にこんなひどいことしてまで私のこと、守ってくれなくたっていい。私のこと、好きでいてくれなくたっていいよ」 紬「え…唯ちゃん…?」 唯ちゃんは私の肩を押して引き離した。 それは決して強い力ではなかったけど、確かな拒絶の意思を感じさせるものだった。 唯「…最低だよ。今のムギちゃん、私は大っ嫌いだよ」 紬「……っ!」 紬「え…っと…ゆ…唯…ちゃん…?」 え…?だ…い…きら…い……?だれが…?ゆ…いちゃ…が…わた、わたしを…き、きらい?…な、なんで……? 唯「行こう、りっちゃん」 そんなの、おかしいよ…へんだよ…あ…そっか……ゆいちゃん、おかしくなっちゃったんだ……りっちゃんの…みんなの…せいで…おかしくなっちゃったんだ… 律「…唯、ごめん。私一人で行けるから」 唯「でも…」 律「大丈夫だからさ。とりあえずさわちゃん呼んでくるからここにいてくれ。…ムギのやつ、ちょっと変だから一人にしない方がいいだろ」 唯「だけど…」 律「大丈夫だから」 唯「…わかった。ちゃんと手当てしてもらってね」 律「…あぁ」 …なおしてあげなきゃ……ゆいちゃんはわたしのものなんだもん…ちゃんとなおしてあげれば、きっとわたしのことすきっていってくれる…… 唯「ムギちゃん、後でちゃんとりっちゃんに謝りなよ。ひどいことしてごめんって」 紬「うん…あやまる…」 唯「そっか。だったら大丈夫だよ。りっちゃんは優しくていい子だから、きっと許して…きゃ…ぁっ!?」 ガタァン! 唯「ム…ギちゃ…?」 紬「ねぇゆいちゃん…キスしてもいい…?」 唯「な…?や、やだよ…やめ…」 ガン!ガン!ガン! 唯「い…痛い…ムギちゃん、痛いよ……」 紬「ゆかって、あまりかたくないからだいじょうぶだよね…?ゆいちゃん…」 ガン!ガン!ガン!ガン!ガン! あたまをたたけば…きっともとにもどるよね。ゆいちゃん… 唯「ぃ…いたぃ…頭…いたいよぅ…」 だいじょうぶよゆいちゃん。わたしがもとにもどしてあげるから。 ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン! 唯「…ぁ……ぅ…む…ぎ……」 もとにもどったら、いっしょにおかしをたべましょう。きょうはゆいちゃんのすきなけーきをもってきたのよ? ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン! 唯「……カ……ゥ…」 そうだ、みるくてぃーとこうちゃはどっちがいいかしら?あ、ここあもあるわよ? ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタァン! 唯「………」 紬「はぁ、はぁ…あ…ゆいちゃん…そろそろもどった?」 唯「………」 紬「ゆいちゃん?」 唯「………」 紬「唯ちゃん?」 …… 職員室に続く薄暗い廊下を歩きながら、私は後悔していた。 なんでもっと早く、ムギに言えなかったんだろう。なんでもっと早く、ムギの気持ちに気付けなかったんだろう… 律「…痛っ……」 傷口に消毒液が染みて、思わず立ち止まってしまう。 …こんなもんじゃない。あいつの抱いてきた痛みは、こんなもんじゃなかったはずだ。 …だってムギは、私と同じ気持ちなんだから。私と同じように、唯のことが好きなんだから。 なぁムギ、私だってちゃんと唯のこと見てるんだぜ。ちゃんと考えて、大事にしてる。 でもそれはものすごく照れくさいから、全部澪の陰に隠れてしかできないんだ。 だから…私、ちゃんとお前に謝るよ。唯と意地でも二人きりになりたくて、あんな意地悪しちゃったんだ。 それでちゃんと仲直りできたら、二人で色々話そうぜ。唯のどういうとこが好きかとか、色々。 そしたら私もお前も、ずっと楽になれると思うから―― プルルルル… 律「…!…もしもし?」 紬『あ…りっちゃん?』 律「ムギ…」 紬『…ごめんなさい』 律「いや…いいんだよ。私もちょっと唯にべたべたしすぎて…」 紬『…ねぇりっちゃん、さっき約束したわよね。もう二度と唯ちゃんに近づかないって』 律「あ、あのさ…そのことなんだけど…実は私も唯のこと…」 紬『あの約束、もう守らなくていいわよ♪』 律「え…?」 紬『だって唯ちゃんは私だけのものになったんだもん♪もう私だけしか見ないし、私としかお話もしないのよ♪』 律「な…え?何言って…!!」 私はムギの言っていることが、なんとなく推測できてしまった。 でもそれを認めるのはあまりに恐ろしいことだった。 もし、もしそれが的中していたなら、私は壊れてしまう。だから―― 紬『だから謝るわね。唯ちゃんを私だけのものにしちゃて、ごめんなさい』 律「…ムギ。ちょっと唯と電話替わってくれ」 紬『うふふ、うふふふふ…♪ねぇ唯ちゃん、聞いててくれた?私ちゃんと謝ったわよ♪』 律「替われって!いいから早く唯と替われ!」 紬『……』 律「ムギ!」 紬『……』 律「おい…頼むから…うっ…頼む…から…ぁっ…ゆ…唯と……」 紬『ごめんなさい、それはできないの。だって…唯ちゃんは私だけのものだから』 プツッ…プー…プー… 最後に携帯から聞こえた泣き声。この分だと、りっちゃんはここで何が起きたのか気付いたのかな… でもねりっちゃん。気付いたところで何も変わらないのよ。あなたがどんなに唯ちゃんを想っても、私は唯ちゃんを絶対に渡さないんだから。 ――そう。唯ちゃんは私だけのものなんだから。 紬「…ねぇ唯ちゃん、私のこと好き?」 唯「………」 紬「えへへ…そっか♪じゃあ私も言うわね?」 唯「………」 これからは、唯ちゃんはいつだって私にまっすぐな瞳を向けてくれる。 いつだって私に好きだって言ってくれる… 唯「………」 紬「私もね…ゆっ…ゆい…ちゃ…の…こっ…ぁ…う……」 だから、私は唯ちゃんのことが大好きだ。 唯「………」 紬「…す、す…あ…い…いや……いやああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 唯「……」 たとえ、息をしていないとしても。 END 戻る 積極的なムギの場合…
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【妄想属性】妄想 【名前】中途半端な相手には負けない 【属性】概念 【大きさ】無 【攻撃力】無 【防御力】無 【素早さ】無 【特殊能力】対戦相手のテンプレに【属性】【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】【長所】【短所】のいずかの欄が存在しない対戦相手の場合、 どんな相手にでも無条件で勝利する。 【長所】【長所】【短所】がないテンプレは意外とあるかもしれない 【短所】やっぱりないかもしれない ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 326 名前:アリゲラα ◆jhlUsrQYEQ [sage] 投稿日:2010/01/10(日) 16 12 18 ID RuEnX/OH 中途半端な奴には負けない考察 △名前がない奴には負けない 同時に死亡 △しごいてます 分け ○○○○○ラッセル、議論スレシリーズ終了、不幸になります、おせっかいな気持ち、夢の果て 書き忘れ勝ち 以下めんどいので勝敗の詳細がある以外は略する △フォーニ、猿夢、あらゆる一切が不明、6スレ724、管理人だけが知っている、鬱、最強のイデア、「。」 ○○○( ゚д゚ )、どぅう゛ぇるげどばどぅぢゃはど、のちにしらのなしいのにすな・ △ぴ 、asbtnoer6lnz 、素直、ニューソクデ ヤル夫 ○赤くて小さい豆腐 △ちびしぃ、どこかで見た道具3、反逆する空気、関係しない神、李登輝、なんて=こった ○格付け板、1兆匹のカブトムシ、二次元の成人男性、只野文字 △むりやり様、くねくね ○ちいさなメダル △ところてんマン、でんでんウイルス、しかめっ面の大仏 △H・G・K 相討ち ○テレヤ・サン、TIMEMASTERハニワ、ムテキング、ボーナスステージ △ノイズ、ビ・ギン、魔王・ガイアス、俺、レナvsカタストロフィー、通行人A ○ジョン・スミス、とてもばっちいひと △存在そのもの ○○うんこ、スペシャルダイクー ×概念殺しの概念 こういう相手には勝てない △全ての中心 分け ×あんこ入りパラダイス こういう相手にも勝てない ○*6 鈍足丸~ちいさなサブヒロインd △ごとう幸一郎 △平仮名キラー 相討ち △↑↑~儚井弱太郎 ○*4 ココクゾウムシ~あり並み △悪い虫 ○モンシロチョウ △恒星、エルドナ、ハマー帆村 ○カラーひよこ △真・ランキングのTOPGX~時計マン、消しゴム、たてよみ ○○ハニワ、大きいカタツムリ △変態ストーカー、バケツマン ○ちいさなゾウ、オロチダニ △雄太~物理攻撃以外無効 ○あり △白子、アトミックヘラクレス、ハツカネズミ神 ○*4 むしきんぐ~雷鳥 △鋼の救世主、カメ君、ヤドカリ君 一応人類の壁は越えそう。続きは暇な時にする。 327 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/01/10(日) 19 45 10 ID hjYiBOUh 乙。多分勝利の壁から下げてった方が早い気がする。無を倒せる奴は少ないから上でも分けばっかだろうし。 328 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/01/10(日) 21 01 13 ID 3h4SAjua 任意全能で止まるかと思ったけど全能一択キャラは項目足りない奴が多過ぎて微妙だった 496 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 21 15 14 ID C2SRSFNK 中途半端な相手には負けない 考察案 広範囲で考察していっても勝利と引き分けを繰り返すので 位置決めが難しいと思われる。 攻防速特が無で属性も概念なので、 454の1に分類するか。 △欝 分け ○ラトリーヴァ・セラ 【属性】が無い勝ち。こちらは13文字で消滅されない。 ○議論スレ終了 【長所】【短所】が無い勝ち。 欝 =中途半端な相手には負けない>ラトリーヴァ・セラ >議論スレ終了 812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/05/23(日) 10 30 40 ID hxl/P0J9 なるほど 大根マンではなくその他が議論中か ところで大根マンの下の「中途半端な相手には負けない」は大根マン&大根マンと=の赤くて小さい豆腐には勝てるわけだが (同じく大根マンと=のフォー二と勃起したちんぽには勝てない) その辺の結果を踏まえるとランキングはどうなる? 816 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/05/23(日) 15 44 42 ID mkThFH8T 812 「中途半端な相手には負けない」は、 敵のテンプレに特定の【項目】が無い場合に発動する概念のテンプレ。 ある程度まで少し上の連中と対戦させてくれた人がいたけど、 結局『広範囲で考察していっても勝利と引き分けを繰り返すので 位置決めが難しいと思われる。攻防速特が無で属性も概念』 ことで今の順位になっている。 今後ランキングで、その『特定の【項目】が無いテンプレ』が 固まっている所ができればそこに移るんだろうけど、 勝利できる方法が書き方の問題( 782みたいな)だけに再考察しても ランキングの変動でまた再考察が必要そう。とりあえずは今のまま。 ランキング 赤くて小さい豆腐=フォーニ =大根マン=勃起したちんぽ ←(存在の壁)(自滅の壁)で総当りが必要そうかな。 (存在の壁) 欝 =中途半端な相手には負けない 673 格無しさん 2011/07/12(火) 00 51 08.69 ID vEYoTNDd [1/1回発言] 中途半端な相手には負けない の再考察 以前の考察では 広範囲で考察していっても勝利と引き分けを繰り返すので 位置決めが難しいと思われる。 攻防速特が無で属性も概念なので、 454の1に分類するか。 △欝 分け ○ラトリーヴァ・セラ 【属性】が無い勝ち。こちらは13文字で消滅されない。 ○議論スレ終了 【長所】【短所】が無い勝ち。 欝 =中途半端な相手には負けない>ラトリーヴァ・セラ >議論スレ終了 だったが、ラトリーヴァ・セラには勝利系能力を反転させるアヌビスの天秤があるので 結果が入れ替わって ×ラトリーヴァ・セラ 【属性】が無い勝ち、天秤により反転されて負け 欝>ラトリーヴァ・セラ>中途半端な相手には負けない>議論スレ終了 481 : ◆rrvPPkQ0sA :2016/12/06(火) 12 22 03.02 ID YnK3cJ2S 中途半端な奴には負けない再考察 テンプレ不備のやつには勝ち、全能耐性がある奴には効かない、 概念を攻撃できないやつには引き分け、概念を攻撃できる奴には負け。 ……あまりにもどの壁を見ても勝敗が安定しないな…… 無限対応の壁以下は無限以下の攻撃力(概念破壊できない)キャラが多いので、 ここまでは勝ち越すとみなしてそこから上を見る。 △ヤマト ×設定変更男 設定変更負け ○テンプレさん ×不運なまとめ役 ほぼ全能には負けるか ×毒島葉月 △凡骨釜夫 △禍神 裕太 ○思考の落とし穴(小) ○ケンシロウ △日替りランチ △荻野 夏葉 概念は認識されないんじゃないか。 ×あらゆる全てより速い任意全能 全能負け △エアリアル ×試練の鏡 △また騙されてダム板 ×人気絶頂の無 攻撃手段を無効化したこと自体が人気絶頂の無の勝利だと屁理屈 ○ロック △゜ ×物売るっていうレベルじゃねぇぞ! 超設定変更級の攻撃力負け △割れたたまご △モナカ △TATARI 概念に悪夢はない ×シン・クープ △ベルクダール △リフレクティア △ガブリエル △海皇ポセイドン ○アストラナガン・インフィニティー △木原なのは △アスクレピオス △岸田メル △伊菜・バウアー △パワードゼットン+ 482 : ◆rrvPPkQ0sA :2016/12/06(火) 12 22 13.84 ID YnK3cJ2S ○暴走特急アイアン号/紫藤レベッカ/なまえ 長所なし △国生衛 ×機甲神 全能耐性+概念攻撃 ○武原仁&メイゼル △八王・ちょーさん △姫 ×機動六課オールスター 全能越え攻防 △ゲートキーパー ○天津 深 全能耐性はなさそう ×環/命/鈴 微妙だが混沌によって概念は消去されてしまうか △サイズ だいぶ負け越してるしこの辺でいいか サイズ=中途半端な奴には負けない
https://w.atwiki.jp/versesaver/pages/544.html
名前 そのもの紅衣を纏いて パラメータ上昇値 レアリティ ☆5 HP 8 メインスキル 単体3連撃 SP 0 AT 8 DF 0 IN 0 スカウト以外の入手法 -
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2873.html
あらすじ 俺「納豆サンド!!」 マイルズ「なんじゃこりゃーー!!」 マルセイユ「誰がまるぽっぽだ!!」 以上!! ~~翌日~~ 俺とマルセイユが凄まじい追いかけっこをした翌日。俺はと言うと・・・ 俺「zzz」 ぐっすりと寝ていた。いつもの迷彩服ではなく寝間着用に貰ったシャツと短パンを着ているのだ。俺は鼾をかきながら寝返りを打つ。 マイルズ「俺!!いい加減起きなさい!!」 すると、テントの外からマイルズの声が聞こえていた。どうやら珍しく起きるのが遅い俺を起こしにきたのだろう。俺はその声を聞いてムニャムニャと唸り、 俺「なんだよぽんぽん・・・今日は日曜日で仕事もないんだぜ?昨日はまるぽっぽとの追いかけっこで疲れてんだよ・・・餌なら真美ちゃんに貰えよな」 マイルズ「誰がぽんぽんよ!!第一なによ餌って!?あんたの中の私はいったいどんな設定になってんのよ!?あと今日は日曜日じゃないわよ!!」 俺「ぽんぽんたぬき。真美ちゃんは飼育員な」 ちなみに俺の中のメンバーは以下のようになっている。 マイルズ→ぽんぽん ケイ→お母さん マルセイユ→まるぽっぽ 真美→納豆飼育員 ライーサ→なんか餌付けされてる 三将軍→ギャグ要員 ムカァーー!!といいながらマイルズは俺のテントの入り口を開け、 マイルズ「ああもう相変わらずムカつく奴ね!!それよりもあんた今日は初任務があるんでしょうが早く起きなさい!!」 バッと中に入っていった・・・が マイルズ「は?」 急に感じる浮遊感。しかしマイルズは崖やらの段差のあるところから飛び降りた記憶はない・・・とすると マイルズ「きゃあああああっ!!!!} ズドンとそのまま下へと落ちていった。俺はボリボリと頭をかきながら 俺「ああ、そういえばそこ昨日まるぽっぽ対策で落とし穴掘っていたのすっかり忘れてたわ・・・しかも結構深め」 くわァと欠伸をしながら俺はいつもの迷彩服へと着替えた。 今日も爽やかな朝である。 マイルズ「ちょっと俺ーーーー!!早く引き上げなさいよーーーー!!!!」 俺「気が向いたらな~」 爽やかである。 ~~しばらくして~~ マイルズ「・・・」 あの後、着替え終えた俺に救出されたマイルズはかなりご機嫌斜めなのか、ムッスゥとした顔をしながら歩いていた。 俺「あんだよ~そんなに怒るなよ~マイルズ少佐よ~」 その後ろを頭の後ろで腕を組みながら歩いている俺。どうやらさすがにあれはやりすぎたとは思ってるようだ。 マイルズ「あれは普通に怒るわよ!!このバカチン!!というよりもさっさと助けなさいよね!!なに暢気に着替えなんかしてたのよ!!」 俺「気分だ!!それ以上でもそれ以下でもない!!」 マイルズの指摘にどーんと答える俺・・・まあ着替えに特に理由はないだろうが。 マイルズ「本っっっ当に頭に来る男ね!!ぶっ飛ばしてもいいわよね!?もう思いっきりぶっとばしてもいいわよね!?」 俺「ああん?なんだやるってのかこの野郎!!・・・ん?女に対しては野郎でもいいのか!?」 マイルズ「んなこと知らないわよ!!」 今にも喧嘩腰になる二人。ぐぬぬ・・・とにらみ合い続けるも・・・ マイルズ「はあ、止めたなんか馬鹿らしくなってきたわ」 俺「それもそうだな~」 ふうとため息を吐きスタスタと歩き出すマイルズ。俺はその後をまた頭の後ろで手を組んで続く。 俺「そういやなんだっけ?今日行くところ確か・・・ふぁ、ふぁ・・・ファルメル峠だっけ?」 マイルズ「ハルファヤ峠よ。何よファルメル峠って」 さあと答える俺。マイルズはふうとため息を吐く。 マイルズ「あんたね・・・少しは緊張したら?下手したらネウロイとまた戦うことになるかもしれないのよ?」 俺「あ~・・・そうかまたあいつとねぇ・・・」 俺はこちらに始めてきたときに出会ったあの巨大なゴキブリ・・・基ネウロイを思い出す。ビームを撃ってきて殺されそうになったが、すぐさまにスコップで撃退・・・ 正直あのときに自分の中で恐怖とは違う何かを感じていたのは俺もまだ覚えている。 俺「(あの感覚はともかく・・・)まあなんとかならァな。いざとなったらマイルズ少佐を盾にするから」 マイルズ「その前に私があんたのことを撃ち抜いてやるわよ!!」 がァと返しながら、マイルズはずんずんと進んでいく。俺はその後をのそのそと付いて歩く・・・なにやら一見風変わりな光景で、これはこれでなかなか面白い光景である。 ~~しばらくして~~ ライーサが真美にまた納豆メニューを食べさせられているのを他所に、朝食を終えた二人は歩行脚が並ぶハンガーに居た。 俺「相変わらずだが・・・これもまたシュールな光景だな」 俺は目の前に広がる歩行脚を見ながらそう呟く。写真などで戦車が横一列に並んでいるのは幾度が見たことがあるが、そのキャタピラ部分をまだ十代の女子が 履いて走る・・・シュールとしか言いようが無い。 俺「てか、もし俺がこれ履いてたらそれこそシュールじゃね?むしろグロいしキモイわ」 マイルズ「まあ確かね・・・男のパンツ姿なんか見たくないわよ私は」 マイルズは一瞬想像してしまったのか、うぷと口を押さえる。その話を聞いていた何人かの整備兵もうぷと口を押さえていた・・・一人だけなぜかハアハアと 興奮したような息を吐いていたのは気のせいだと思いたい。 俺「まあそれは置いといてだ・・・俺は移動はどうすりゃいいんだ?これはけないんだろ?」 俺はぽんぽんと近く似合った歩行脚・・・マチルダⅡだ。その横にはマチルダⅡの専用砲である40mm砲が置かれていた。マイルズは俺の質問に対して マイルズ「何いってんのよ?あなたは歩きよ?」 何を当たり前のことをとでもいいたいかのようにマイルズは答える。俺はその答えを聞いてきょとんとした顔になる。 俺「OH・・・へいマイルズ少佐。さすがにそれはジョークが過ぎるぜ?あれかブリタニアジョークかい?」 マイルズ「なにいってんのよ本気よ本気」 俺「・・・マジっすか?」 マイルズ「大マジよ」 マイルズの言葉を聞き、俺はすうと息をため、 俺「だれかーーー!!ここに人を一人砂漠を徒歩で横断させようとしている悪魔がいるぞーーー!!」 と大声で叫んだ。マイルズははあ!?と声をあげ、 マイルズ「ちょ、なにとんでもないこと言ってるのよあんな!!」 俺「うるせぇこの野郎!!砂漠のド真ん中を徒歩で横断させる人間は悪魔で十分だ今畜生!!」 マイルズ「そりゃ普通だったら出しょうが!!あんたは仮にも魔力があるウィッチだからちゃんと魔法力をまわせば問題ないわよ!!」 俺「あ?そうなの?ならはよ言えやこのぽんぽこりん」 するっと先ほどまで叫んでいたのはなんのやら、何時も通りに戻っていた。 マイルズ「何がぽんぽこりんよ!!第一、あんた座学の時間なにやってたのよ?」 はあとマイルズがため息を吐きながら頭を押さえる。一応、しっかりとウィッチの特性なども教えといたのだが・・・ 俺「残念だが、俺は座学が嫌いなんだ」 フッと、かっこつけるような格好で答える俺・・・マイルズはそれを見てハアとため息をさらに吐く。 マイルズ「まあちゃんと戦えるならそれでいいんだけどね・・・大丈夫かしら?」 一応、俺の実績はネウロイを一体・・・それだけでも十分な戦火だが、それでもやっぱり不安なものはあるのだろう。 マイルズ「ほら、さっさと準備をして。あと三十分後には出発よ」 俺「へいへ~い」 俺はボリボリと後頭部を掻き、出撃するにあたって必要な道具等を集めることにした。 ~~ハルファヤ峠~~ さて、俺が出撃の準備をしているとき。俺の目的地でもあるファルハヤ峠ではネウロイの襲撃もなく。一応は警戒態勢へと入っていた。 兵士1「しっかし、あのネウロイのカメ共こねぇな・・・昼寝でもしてんのか?」 ひょこりとネウロイがくるであろう方向に塹壕から頭を出しながら一人の兵士がそう呟いた。 兵士2「こねえならこねえでありがてぇもんだ。無駄な弾薬も使わなくていいからな」 兵士3「ああ、それに下手な死人が出る可能性もないからな」 その後ろの日陰で涼んでいた二人の兵士が兵士1の言葉に反応して笑いながら答える。 兵士1「まあそうなんだけどよ・・・こいつで早くあいつらのケツの穴にぶち込んでやりたいと思ってさ」 兵士1はそういいながらぽんぽんと隣にある鉄の塊・・・カールスラントが世界に誇る8.8ミリ高射砲。通称『アハトアハト』を叩く。射程が驚くほど 広いのと、従来の高射砲と違いはるかに強い破壊力を持ったこの砲は、多くの戦場で使われておりこのアフリカでも使われてる最高の高射砲である。 兵士1の言葉を聞いた二人の兵士は笑いながら答える。 兵士3「ははは!!んの前にお前のケツにビームぶち込まれるんじゃないか?」 兵士2「ちげぇねぇ!!ぎゃははははっ!!」 兵士1「な、なんだよ二人とも!!そんなに笑うこと無いだろ!!」 二人の言葉に兵士1は怒ったように反論するも、二人は相変わらず笑い続ける。するとそこにまた別の兵士が駆け込んできた。 兵士4「お、おいお前ら!!聞いたか!?あと数時間で俺らの守護天使達がここに来るらしいぜ!!」 息咳きって話すその兵士4の言葉に、そこにいた三人はおおとどよめく。 兵士2「マジかよ!?どこの守護天使だ!?」 兵士4「確かブリタニアの陸戦魔女だって話だ!!つまりあのマイルズ少佐とかがくるんだぜ!!楽しみだな!!」 兵士3「く~マジかよ!!おい、俺可笑しいところねえよな?」 兵士1「しいて言うなら顔そのものが可笑しいぜ?」 兵士3「んだと兵士1!!この野郎もう一片言ってみろ!!」 ドンドンガチャガチャと、これからくるであろう自分達の守護天使達のことを思いながら、兵士たちは喜びに浸っていた・・・ それも後一、2時間で終わると知らずに。 ~~砂漠のどっか~~ 俺「ふえ~アッチィ」 殺人光線のごとくさんさんと降りかかる太陽にうんざりとした顔つきになりながら、俺はスタスタと歩く。 マイルズ「文句言わないのまったく・・・第一こんなのまだ涼しいほうでしょうが。いい加減慣れなさいよ」 その横をマイルズがキュラキュラと歩行脚を鳴らしながら並走する。俺はふうとため息を吐きながら隣を走るマイルズに向かい、 俺「まあそうなんだけどよ・・・このスカーフと防止とゴーグルがどうもな・・・暑苦しくってしょうがないんだよ」 俺もマイルズもうそうだが、二人は帽子とスカーフ。そしてゴーグルと砂塵対策の格好をしており、一見身ではまるで誰かわからない・・・現代にいたら間違いなく 通報されてもおかしくない格好をしているのだ。 マイルズは俺の言葉を受けふうとため息を吐き、 マイルズ「我慢しなさい。それがないと砂で顔が凄いことになるのよ。服に隙間からも入るから洗濯するときが大変なのよ」 と答えた。といってもそれだけ重装備でも普通に砂が入るため防ぐというよりかは被害を少なくするといったほうがいいかもしれない。俺はその話を聞いてふうとため息を吐き、 俺「ったく・・・防寒冷却機能があるなら砂埃対策も取れないのかね魔力ってのは・・・」 マイルズ「確かにね・・・でもそこまで魔法力まわすと後々大変なのよね」 俺はふ~んと頷き、手に持っていた40ミリ砲を持ち直す。一応、射撃がそれなりに落ち着いたので、どうせだからということでケイが持たせたのだ。最初はもっと 別のでもいいかとも考えていたのだが、教えるマイルズのことを配慮した結果だろう。おれ自身も特に拘りがなかったためすぐにそれを受け取った。まあ、どうせすぐに 撃ち終わったらすぐに捨ててスコップで突撃してしまうだろうが・・・ちなみに彼の愛用しているスコップはいつもの腰のシースではなく、腰の前ベルトに挟まれている。 わかりやすいように言うとこんな感じ→http //blog-imgs-42.fc2.com/g/e/r/gerhard03/BE034864.jpg http //blog-imgs-42.fc2.com/g/e/r/gerhard03/vbhrjhfbgjh.jpg なぜ前ベルトに挟んでいるかというと、その方がいざとなったときの戦闘で即座に取り出せるからだ。実際上の写真のように差しておけばいちいちシースから取り出すよりも より早く取り出せ相手の頭をカチ割ることができるからだ。俺も以前そのようなことを何かの本に書いてあるのを思い出し、出撃のときにベルトに挟んでおいたのだ。しかも そのスコップの縁はギンギンに砥がれており、前以上の威力があるのは間違い無しだ。 俺「まあ魔法力のことはいまいちわからないことあるからそれはいいや」 マイルズ「わかってないの!?あんだけ勉強したのに!?」 俺の言葉に、マイルズはガビーンとショックを受けたように呻く。まあ勉強が苦手とは言っていたがまさかこれほどとは・・・マイルズは正直痛くなる頭を押さえていると、 ウィッチ1「・・・あ、マイルズ少佐!!『アフリカの星』です!!」 一人のウィッチが咳と共に空を指差しながら叫んだ。俺とマイルズはん?と空を向くと、 マルセイユ「・・・」 ブーンとレシプロ機独特の音をさせながら、マイルズたちと同じ進行方向に向かって飛んでいくのは紛れも無い、昨晩俺が巻いたアフリカの星ことハンナ・ユスティーナ・マルセイユだ。 俺「あ、まるぽっぽだ。お~い!!」 スカーフを首元までおろし、俺は右腕を振るう。他のウィッチも似たような行動をしていた・・・が、そのとき、 マルセイユ「ーーーー」 マルセイユが何かをいいながらひょいッと何かを落としてきた。ヒューとマルセイユから投げられたものは斜め下に綺麗に飛んで行き、 俺「ひでぶっ!!」 俺の後頭部に見事に直撃した。そこそこの高さから落とされた物体だったためか、俺はそのまま地面へと倒れこむ。 マイルズ「ちょ、俺!?大丈夫!?」 マイルズは倒れこんだ俺を見て慌てて屈む。 俺「おおぅ・・・あの野郎・・・何ぶつけたかしらねえけどこれ終わったら真美ちゃんに頼んであいつの飯三食納豆メニューにしてやる」 が、マイルズの心配はなんのその。俺は後頭部を押さえながら、西洋人にとっては地獄なようなことを言いながらぐぐぐっと立ち上がる。 マイルズ「やることえげついわね・・・てかあの高さから落とされたもの頭に直撃してなんであんたほぼ無傷なわけ?」 マイルズは呆れたように俺に聞く。マルセイユが飛んでいた高さは目算でも500mはあった・・・普通そんな高さから落とされた物頭に直撃したら死ぬのだが・・・ 俺「しらね。あれじゃねえの?魔力がやたら流れてるからじゃね?ポンテリング少佐」 マイルズ「相変わらずむちゃくちゃな理論ね・・・ってなによポンテリングって!?もはや原型すら留めてないわよ!?」 俺の言葉にはあとため息を吐きつつ、あまりにも自然な流れで新しいあだ名をつけた俺にツッコミを入れる。 俺「ああ?名に言ってんだよぽんぽん少佐。一文字合ってるじゃないか」 マイルズ「一文字じゃない!!しかもぽんぽんは私の名前じゃないわよ!!」 キーッと言いながらマイルズは両腕を振り上げる。本当は地団駄を踏みたいのだろうが、歩行脚が邪魔をしてそれができないのだろう。周りにいたウィッチはまたしている・・・と苦笑いを浮べる・・・そのとき、 俺「・・・ん?」 俺の目の端に、何かキラッと光るものを感じた。俺は目を細め、遠くのその光ったほうを見る。 マイルズ「?どうしたのよ俺?そんな急に目を細めて」 マイルズはそんな俺を怪訝な顔をして見て、 俺「マイルズ少佐・・・あそこ、なんか光るもん見えないか?」 俺は視線は先ほどの光っているものを睨みつけながら、マイルズに話しかける。マイルズも俺のいつに無く真剣な表情を読み取ったのか、そちらのほうを見る。 マイルズ「・・・!?あれって・・・!!」 マイルズはその光った物体を見て目を見開く。そしてすぐに目を鋭くし、背中にある双眼鏡を取り出し、それでその光の光源を見て、 マイルズ「!!敵ネウロイ発見!!総員戦闘準備!!」 周りのウィッチにそう告げた。そして、その言葉を合図にしたかのように、先ほどの光ったほうから ネウロイ「キュイイィッ!!!」 次々と、黒く四角い、四速歩行の戦車のような物体・・・ネウロイが次々と姿を現した。 ウィッチ2「敵ネウロイ3・・・6・・・10・・・次々と増えていきます!!」 曹長「少佐!!」 観測員でもあるウィッチ2の言葉を受け、副隊長を務める曹長がマイルズに呼びかける。マイルズもその呼びかけにコクリと頷く。 マイルズ「総員横隊を組み、前進する!!」 ウィッチs「「「「了解!!!!」」」」 マイルズの指示に、すばやく反応したウィッチたちは次々と横一列に並び、全身の体勢を取る。マイルズは横隊が完成したのを確認しコクリと頷き、 マイルズ「俺!!あなたは私の後ろから付いてきなさい!!」 俺「お、おう」 俺は今までにない気迫を出すマイルズに驚きつつその声に反応する。そんな俺を見てマイルズはクスリと笑い、 マイルズ「いい俺?あなたはこれが初の戦闘よ。でも気張る必要はないわ。あなたはとにかく戦闘に早くなれること・・・これが今の第一目標よ」 俺「ああ、わかった。わかったよマイルズ少佐」 マイルズの言葉に、俺はそう答える。俺はどことなく気張ってるようにも見えるが、むしろ興奮しているようにも見える・・・マイルズはいささか心配になりながらも、 俺の言葉を聞きコクリと頷き、 マイルズ「それではC中隊ーーー前進!!」 ウィッチs「「「「ヤー(了解)!!」」」」 俺「ヤーッ!!」 ウィッチと共に、答える。前進するなか、俺は心の中でふつふつと湧き上がる何かを感じながら、目の前に現れたネウロイへと歩みを進める。 ~~ハルファヤ峠~~ 俺とマイルズたちがネウロイに遭遇しているとき、ファルハヤ峠の兵士達は食事を摂っていた。 兵士6「つまり、だ!!俺達はピカデリーでデート相手を待つチェリーボーイみたいなもんさ!!」 一人の兵士が、飯盒の簡易皿に盛られたミートソースがかかったスパゲッティを食べながらそう話し出す。 兵士5「そうだな、それにネウロイが来たらウィッチが来てくれる・・・ああ、楽しみだなァ!!」 兵士7「どっちがだよ?」 兵士6「いずれにしろこのアハトアハトか俺のイチモツが火を吹くのさ!」 ハハハと、兵士の一人の言葉にその場にいた三人が笑う。 兵士5「ラッキーだぞ!!お前のドアノッカーはともかくこの化け物砲が近くにいるんだからな!!」 兵士7「ラッキーといえばこのパスタうめぇな!」 兵士6「ロマーニャの飯は世界最高だぜ!!」 兵士達はハハハと笑っていると、その後ろにふっと人影が現れた。一人の兵士がその影に気付き立ち上がり、 兵士5「アテンション!!」 ?「ああ、かまわないゆっくりしてくれ」 敬礼された影は右腕を振る。その人影はカールスラントのトレンチコートを身にまとっていた。その肩には階級章がつけられており、どうやら少佐のようだ。 ?「作業はどうかね諸君」 兵士5「ハッ、順調でありますバッハ少佐殿!!」 兵士5は敬礼の体勢のままバッハに敬礼をする。バッハはそれにうむと頷き、敬礼を返す。 バッハ「うむ、結構」 そういうとそのまま別のところへと向かう。 ?「士気は旺盛・・・悪くはないですな!」 その後ろについて歩く二人の兵士のうち、一人の男性・・・ブリタニア人で、サマーセーターを着た男がバッハに話しかける。だがバッハは男の言葉に顔を少し顰める。 バッハ「士気・・・か。彼らの多くはまだ十代のヤングボーイだ。ただ恐れを知らないだけだ。彼らを、分別のつく年頃まで行き伸ばせる事ーーーこれはまったく 骨の折れる仕事だよジンプソン君」 バッハの言葉に、シンプソンと呼ばれた男性は肩を竦めながら返す。 シンプソン「確かに歴史の期末考査を考えるよりも難しいかもしれませんな、先生」 兵士「先生?」 汗を流しながら、そう聞く兵士にシンプソンが返す。 シンプソン「言ってなかったかマルコ中尉。バッハ少佐は本職は教師さ。予備仕官って奴さ」 シンプソンがそう告げると、バッハは少し恥ずかしげな顔になるが、 キラッ バッハ/シンプソン「!?」 バッハとシンプソンの目の端に、何かが光る音がした。バッハはまさかと思いながら双眼鏡で見ると、 バッハ「警報!!総員配置に着け!!」 バッハの声と共に警報が鳴り響く。 バッハたちの視線の先に現れた存在・・・それは バッハ「ーーー敵襲!!」 人類すべての敵である存在・・・ネウロイである。
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あらすじ 俺「納豆サンド!!」 マイルズ「なんじゃこりゃーー!!」 マルセイユ「誰がまるぽっぽだ!!」 以上!! ~~翌日~~ 俺とマルセイユが凄まじい追いかけっこをした翌日。俺はと言うと・・・ 俺「zzz」 ぐっすりと寝ていた。いつもの迷彩服ではなく寝間着用に貰ったシャツと短パンを着ているのだ。俺は鼾をかきながら寝返りを打つ。 マイルズ「俺!!いい加減起きなさい!!」 すると、テントの外からマイルズの声が聞こえていた。どうやら珍しく起きるのが遅い俺を起こしにきたのだろう。俺はその声を聞いてムニャムニャと唸り、 俺「なんだよぽんぽん・・・今日は日曜日で仕事もないんだぜ?昨日はまるぽっぽとの追いかけっこで疲れてんだよ・・・餌なら真美ちゃんに貰えよな」 マイルズ「誰がぽんぽんよ!!第一なによ餌って!?あんたの中の私はいったいどんな設定になってんのよ!?あと今日は日曜日じゃないわよ!!」 俺「ぽんぽんたぬき。真美ちゃんは飼育員な」 ちなみに俺の中のメンバーは以下のようになっている。 マイルズ→ぽんぽん ケイ→お母さん マルセイユ→まるぽっぽ 真美→納豆飼育員 ライーサ→なんか餌付けされてる 三将軍→ギャグ要員 ムカァーー!!といいながらマイルズは俺のテントの入り口を開け、 マイルズ「ああもう相変わらずムカつく奴ね!!それよりもあんた今日は初任務があるんでしょうが早く起きなさい!!」 バッと中に入っていった・・・が マイルズ「は?」 急に感じる浮遊感。しかしマイルズは崖やらの段差のあるところから飛び降りた記憶はない・・・とすると マイルズ「きゃあああああっ!!!!} ズドンとそのまま下へと落ちていった。俺はボリボリと頭をかきながら 俺「ああ、そういえばそこ昨日まるぽっぽ対策で落とし穴掘っていたのすっかり忘れてたわ・・・しかも結構深め」 くわァと欠伸をしながら俺はいつもの迷彩服へと着替えた。 今日も爽やかな朝である。 マイルズ「ちょっと俺ーーーー!!早く引き上げなさいよーーーー!!!!」 俺「気が向いたらな~」 爽やかである。 ~~しばらくして~~ マイルズ「・・・」 あの後、着替え終えた俺に救出されたマイルズはかなりご機嫌斜めなのか、ムッスゥとした顔をしながら歩いていた。 俺「あんだよ~そんなに怒るなよ~マイルズ少佐よ~」 その後ろを頭の後ろで腕を組みながら歩いている俺。どうやらさすがにあれはやりすぎたとは思ってるようだ。 マイルズ「あれは普通に怒るわよ!!このバカチン!!というよりもさっさと助けなさいよね!!なに暢気に着替えなんかしてたのよ!!」 俺「気分だ!!それ以上でもそれ以下でもない!!」 マイルズの指摘にどーんと答える俺・・・まあ着替えに特に理由はないだろうが。 マイルズ「本っっっ当に頭に来る男ね!!ぶっ飛ばしてもいいわよね!?もう思いっきりぶっとばしてもいいわよね!?」 俺「ああん?なんだやるってのかこの野郎!!・・・ん?女に対しては野郎でもいいのか!?」 マイルズ「んなこと知らないわよ!!」 今にも喧嘩腰になる二人。ぐぬぬ・・・とにらみ合い続けるも・・・ マイルズ「はあ、止めたなんか馬鹿らしくなってきたわ」 俺「それもそうだな~」 ふうとため息を吐きスタスタと歩き出すマイルズ。俺はその後をまた頭の後ろで手を組んで続く。 俺「そういやなんだっけ?今日行くところ確か・・・ふぁ、ふぁ・・・ファルメル峠だっけ?」 マイルズ「ハルファヤ峠よ。何よファルメル峠って」 さあと答える俺。マイルズはふうとため息を吐く。 マイルズ「あんたね・・・少しは緊張したら?下手したらネウロイとまた戦うことになるかもしれないのよ?」 俺「あ~・・・そうかまたあいつとねぇ・・・」 俺はこちらに始めてきたときに出会ったあの巨大なゴキブリ・・・基ネウロイを思い出す。ビームを撃ってきて殺されそうになったが、すぐさまにスコップで撃退・・・ 正直あのときに自分の中で恐怖とは違う何かを感じていたのは俺もまだ覚えている。 俺「(あの感覚はともかく・・・)まあなんとかならァな。いざとなったらマイルズ少佐を盾にするから」 マイルズ「その前に私があんたのことを撃ち抜いてやるわよ!!」 がァと返しながら、マイルズはずんずんと進んでいく。俺はその後をのそのそと付いて歩く・・・なにやら一見風変わりな光景で、これはこれでなかなか面白い光景である。 ~~しばらくして~~ ライーサが真美にまた納豆メニューを食べさせられているのを他所に、朝食を終えた二人は歩行脚が並ぶハンガーに居た。 俺「相変わらずだが・・・これもまたシュールな光景だな」 俺は目の前に広がる歩行脚を見ながらそう呟く。写真などで戦車が横一列に並んでいるのは幾度が見たことがあるが、そのキャタピラ部分をまだ十代の女子が 履いて走る・・・シュールとしか言いようが無い。 俺「てか、もし俺がこれ履いてたらそれこそシュールじゃね?むしろグロいしキモイわ」 マイルズ「まあ確かね・・・男のパンツ姿なんか見たくないわよ私は」 マイルズは一瞬想像してしまったのか、うぷと口を押さえる。その話を聞いていた何人かの整備兵もうぷと口を押さえていた・・・一人だけなぜかハアハアと 興奮したような息を吐いていたのは気のせいだと思いたい。 俺「まあそれは置いといてだ・・・俺は移動はどうすりゃいいんだ?これはけないんだろ?」 俺はぽんぽんと近く似合った歩行脚・・・マチルダⅡだ。その横にはマチルダⅡの専用砲である40mm砲が置かれていた。マイルズは俺の質問に対して マイルズ「何いってんのよ?あなたは歩きよ?」 何を当たり前のことをとでもいいたいかのようにマイルズは答える。俺はその答えを聞いてきょとんとした顔になる。 俺「OH・・・へいマイルズ少佐。さすがにそれはジョークが過ぎるぜ?あれかブリタニアジョークかい?」 マイルズ「なにいってんのよ本気よ本気」 俺「・・・マジっすか?」 マイルズ「大マジよ」 マイルズの言葉を聞き、俺はすうと息をため、 俺「だれかーーー!!ここに人を一人砂漠を徒歩で横断させようとしている悪魔がいるぞーーー!!」 と大声で叫んだ。マイルズははあ!?と声をあげ、 マイルズ「ちょ、なにとんでもないこと言ってるのよあんな!!」 俺「うるせぇこの野郎!!砂漠のド真ん中を徒歩で横断させる人間は悪魔で十分だ今畜生!!」 マイルズ「そりゃ普通だったら出しょうが!!あんたは仮にも魔力があるウィッチだからちゃんと魔法力をまわせば問題ないわよ!!」 俺「あ?そうなの?ならはよ言えやこのぽんぽこりん」 するっと先ほどまで叫んでいたのはなんのやら、何時も通りに戻っていた。 マイルズ「何がぽんぽこりんよ!!第一、あんた座学の時間なにやってたのよ?」 はあとマイルズがため息を吐きながら頭を押さえる。一応、しっかりとウィッチの特性なども教えといたのだが・・・ 俺「残念だが、俺は座学が嫌いなんだ」 フッと、かっこつけるような格好で答える俺・・・マイルズはそれを見てハアとため息をさらに吐く。 マイルズ「まあちゃんと戦えるならそれでいいんだけどね・・・大丈夫かしら?」 一応、俺の実績はネウロイを一体・・・それだけでも十分な戦火だが、それでもやっぱり不安なものはあるのだろう。 マイルズ「ほら、さっさと準備をして。あと三十分後には出発よ」 俺「へいへ~い」 俺はボリボリと後頭部を掻き、出撃するにあたって必要な道具等を集めることにした。 ~~ハルファヤ峠~~ さて、俺が出撃の準備をしているとき。俺の目的地でもあるファルハヤ峠ではネウロイの襲撃もなく。一応は警戒態勢へと入っていた。 兵士1「しっかし、あのネウロイのカメ共こねぇな・・・昼寝でもしてんのか?」 ひょこりとネウロイがくるであろう方向に塹壕から頭を出しながら一人の兵士がそう呟いた。 兵士2「こねえならこねえでありがてぇもんだ。無駄な弾薬も使わなくていいからな」 兵士3「ああ、それに下手な死人が出る可能性もないからな」 その後ろの日陰で涼んでいた二人の兵士が兵士1の言葉に反応して笑いながら答える。 兵士1「まあそうなんだけどよ・・・こいつで早くあいつらのケツの穴にぶち込んでやりたいと思ってさ」 兵士1はそういいながらぽんぽんと隣にある鉄の塊・・・カールスラントが世界に誇る8.8ミリ高射砲。通称『アハトアハト』を叩く。射程が驚くほど 広いのと、従来の高射砲と違いはるかに強い破壊力を持ったこの砲は、多くの戦場で使われておりこのアフリカでも使われてる最高の高射砲である。 兵士1の言葉を聞いた二人の兵士は笑いながら答える。 兵士3「ははは!!んの前にお前のケツにビームぶち込まれるんじゃないか?」 兵士2「ちげぇねぇ!!ぎゃははははっ!!」 兵士1「な、なんだよ二人とも!!そんなに笑うこと無いだろ!!」 二人の言葉に兵士1は怒ったように反論するも、二人は相変わらず笑い続ける。するとそこにまた別の兵士が駆け込んできた。 兵士4「お、おいお前ら!!聞いたか!?あと数時間で俺らの守護天使達がここに来るらしいぜ!!」 息咳きって話すその兵士4の言葉に、そこにいた三人はおおとどよめく。 兵士2「マジかよ!?どこの守護天使だ!?」 兵士4「確かブリタニアの陸戦魔女だって話だ!!つまりあのマイルズ少佐とかがくるんだぜ!!楽しみだな!!」 兵士3「く~マジかよ!!おい、俺可笑しいところねえよな?」 兵士1「しいて言うなら顔そのものが可笑しいぜ?」 兵士3「んだと兵士1!!この野郎もう一片言ってみろ!!」 ドンドンガチャガチャと、これからくるであろう自分達の守護天使達のことを思いながら、兵士たちは喜びに浸っていた・・・ それも後一、2時間で終わると知らずに。 ~~砂漠のどっか~~ 俺「ふえ~アッチィ」 殺人光線のごとくさんさんと降りかかる太陽にうんざりとした顔つきになりながら、俺はスタスタと歩く。 マイルズ「文句言わないのまったく・・・第一こんなのまだ涼しいほうでしょうが。いい加減慣れなさいよ」 その横をマイルズがキュラキュラと歩行脚を鳴らしながら並走する。俺はふうとため息を吐きながら隣を走るマイルズに向かい、 俺「まあそうなんだけどよ・・・このスカーフと防止とゴーグルがどうもな・・・暑苦しくってしょうがないんだよ」 俺もマイルズもうそうだが、二人は帽子とスカーフ。そしてゴーグルと砂塵対策の格好をしており、一見身ではまるで誰かわからない・・・現代にいたら間違いなく 通報されてもおかしくない格好をしているのだ。 マイルズは俺の言葉を受けふうとため息を吐き、 マイルズ「我慢しなさい。それがないと砂で顔が凄いことになるのよ。服に隙間からも入るから洗濯するときが大変なのよ」 と答えた。といってもそれだけ重装備でも普通に砂が入るため防ぐというよりかは被害を少なくするといったほうがいいかもしれない。俺はその話を聞いてふうとため息を吐き、 俺「ったく・・・防寒冷却機能があるなら砂埃対策も取れないのかね魔力ってのは・・・」 マイルズ「確かにね・・・でもそこまで魔法力まわすと後々大変なのよね」 俺はふ~んと頷き、手に持っていた40ミリ砲を持ち直す。一応、射撃がそれなりに落ち着いたので、どうせだからということでケイが持たせたのだ。最初はもっと 別のでもいいかとも考えていたのだが、教えるマイルズのことを配慮した結果だろう。おれ自身も特に拘りがなかったためすぐにそれを受け取った。まあ、どうせすぐに 撃ち終わったらすぐに捨ててスコップで突撃してしまうだろうが・・・ちなみに彼の愛用しているスコップはいつもの腰のシースではなく、腰の前ベルトに挟まれている。 わかりやすいように言うとこんな感じ→http //blog-imgs-42.fc2.com/g/e/r/gerhard03/BE034864.jpg http //blog-imgs-42.fc2.com/g/e/r/gerhard03/vbhrjhfbgjh.jpg なぜ前ベルトに挟んでいるかというと、その方がいざとなったときの戦闘で即座に取り出せるからだ。実際上の写真のように差しておけばいちいちシースから取り出すよりも より早く取り出せ相手の頭をカチ割ることができるからだ。俺も以前そのようなことを何かの本に書いてあるのを思い出し、出撃のときにベルトに挟んでおいたのだ。しかも そのスコップの縁はギンギンに砥がれており、前以上の威力があるのは間違い無しだ。 俺「まあ魔法力のことはいまいちわからないことあるからそれはいいや」 マイルズ「わかってないの!?あんだけ勉強したのに!?」 俺の言葉に、マイルズはガビーンとショックを受けたように呻く。まあ勉強が苦手とは言っていたがまさかこれほどとは・・・マイルズは正直痛くなる頭を押さえていると、 ウィッチ1「・・・あ、マイルズ少佐!!『アフリカの星』です!!」 一人のウィッチが咳と共に空を指差しながら叫んだ。俺とマイルズはん?と空を向くと、 マルセイユ「・・・」 ブーンとレシプロ機独特の音をさせながら、マイルズたちと同じ進行方向に向かって飛んでいくのは紛れも無い、昨晩俺が巻いたアフリカの星ことハンナ・ユスティーナ・マルセイユだ。 俺「あ、まるぽっぽだ。お~い!!」 スカーフを首元までおろし、俺は右腕を振るう。他のウィッチも似たような行動をしていた・・・が、そのとき、 マルセイユ「ーーーー」 マルセイユが何かをいいながらひょいッと何かを落としてきた。ヒューとマルセイユから投げられたものは斜め下に綺麗に飛んで行き、 俺「ひでぶっ!!」 俺の後頭部に見事に直撃した。そこそこの高さから落とされた物体だったためか、俺はそのまま地面へと倒れこむ。 マイルズ「ちょ、俺!?大丈夫!?」 マイルズは倒れこんだ俺を見て慌てて屈む。 俺「おおぅ・・・あの野郎・・・何ぶつけたかしらねえけどこれ終わったら真美ちゃんに頼んであいつの飯三食納豆メニューにしてやる」 が、マイルズの心配はなんのその。俺は後頭部を押さえながら、西洋人にとっては地獄なようなことを言いながらぐぐぐっと立ち上がる。 マイルズ「やることえげついわね・・・てかあの高さから落とされたもの頭に直撃してなんであんたほぼ無傷なわけ?」 マイルズは呆れたように俺に聞く。マルセイユが飛んでいた高さは目算でも500mはあった・・・普通そんな高さから落とされた物頭に直撃したら死ぬのだが・・・ 俺「しらね。あれじゃねえの?魔力がやたら流れてるからじゃね?ポンテリング少佐」 マイルズ「相変わらずむちゃくちゃな理論ね・・・ってなによポンテリングって!?もはや原型すら留めてないわよ!?」 俺の言葉にはあとため息を吐きつつ、あまりにも自然な流れで新しいあだ名をつけた俺にツッコミを入れる。 俺「ああ?名に言ってんだよぽんぽん少佐。一文字合ってるじゃないか」 マイルズ「一文字じゃない!!しかもぽんぽんは私の名前じゃないわよ!!」 キーッと言いながらマイルズは両腕を振り上げる。本当は地団駄を踏みたいのだろうが、歩行脚が邪魔をしてそれができないのだろう。周りにいたウィッチはまたしている・・・と苦笑いを浮べる・・・そのとき、 俺「・・・ん?」 俺の目の端に、何かキラッと光るものを感じた。俺は目を細め、遠くのその光ったほうを見る。 マイルズ「?どうしたのよ俺?そんな急に目を細めて」 マイルズはそんな俺を怪訝な顔をして見て、 俺「マイルズ少佐・・・あそこ、なんか光るもん見えないか?」 俺は視線は先ほどの光っているものを睨みつけながら、マイルズに話しかける。マイルズも俺のいつに無く真剣な表情を読み取ったのか、そちらのほうを見る。 マイルズ「・・・!?あれって・・・!!」 マイルズはその光った物体を見て目を見開く。そしてすぐに目を鋭くし、背中にある双眼鏡を取り出し、それでその光の光源を見て、 マイルズ「!!敵ネウロイ発見!!総員戦闘準備!!」 周りのウィッチにそう告げた。そして、その言葉を合図にしたかのように、先ほどの光ったほうから ネウロイ「キュイイィッ!!!」 次々と、黒く四角い、四速歩行の戦車のような物体・・・ネウロイが次々と姿を現した。 ウィッチ2「敵ネウロイ3・・・6・・・10・・・次々と増えていきます!!」 曹長「少佐!!」 観測員でもあるウィッチ2の言葉を受け、副隊長を務める曹長がマイルズに呼びかける。マイルズもその呼びかけにコクリと頷く。 マイルズ「総員横隊を組み、前進する!!」 ウィッチs「「「「了解!!!!」」」」 マイルズの指示に、すばやく反応したウィッチたちは次々と横一列に並び、全身の体勢を取る。マイルズは横隊が完成したのを確認しコクリと頷き、 マイルズ「俺!!あなたは私の後ろから付いてきなさい!!」 俺「お、おう」 俺は今までにない気迫を出すマイルズに驚きつつその声に反応する。そんな俺を見てマイルズはクスリと笑い、 マイルズ「いい俺?あなたはこれが初の戦闘よ。でも気張る必要はないわ。あなたはとにかく戦闘に早くなれること・・・これが今の第一目標よ」 俺「ああ、わかった。わかったよマイルズ少佐」 マイルズの言葉に、俺はそう答える。俺はどことなく気張ってるようにも見えるが、むしろ興奮しているようにも見える・・・マイルズはいささか心配になりながらも、 俺の言葉を聞きコクリと頷き、 マイルズ「それではC中隊ーーー前進!!」 ウィッチs「「「「ヤー(了解)!!」」」」 俺「ヤーッ!!」 ウィッチと共に、答える。前進するなか、俺は心の中でふつふつと湧き上がる何かを感じながら、目の前に現れたネウロイへと歩みを進める。 ~~ハルファヤ峠~~ 俺とマイルズたちがネウロイに遭遇しているとき、ファルハヤ峠の兵士達は食事を摂っていた。 兵士6「つまり、だ!!俺達はピカデリーでデート相手を待つチェリーボーイみたいなもんさ!!」 一人の兵士が、飯盒の簡易皿に盛られたミートソースがかかったスパゲッティを食べながらそう話し出す。 兵士5「そうだな、それにネウロイが来たらウィッチが来てくれる・・・ああ、楽しみだなァ!!」 兵士7「どっちがだよ?」 兵士6「いずれにしろこのアハトアハトか俺のイチモツが火を吹くのさ!」 ハハハと、兵士の一人の言葉にその場にいた三人が笑う。 兵士5「ラッキーだぞ!!お前のドアノッカーはともかくこの化け物砲が近くにいるんだからな!!」 兵士7「ラッキーといえばこのパスタうめぇな!」 兵士6「ロマーニャの飯は世界最高だぜ!!」 兵士達はハハハと笑っていると、その後ろにふっと人影が現れた。一人の兵士がその影に気付き立ち上がり、 兵士5「アテンション!!」 ?「ああ、かまわないゆっくりしてくれ」 敬礼された影は右腕を振る。その人影はカールスラントのトレンチコートを身にまとっていた。その肩には階級章がつけられており、どうやら少佐のようだ。 ?「作業はどうかね諸君」 兵士5「ハッ、順調でありますバッハ少佐殿!!」 兵士5は敬礼の体勢のままバッハに敬礼をする。バッハはそれにうむと頷き、敬礼を返す。 バッハ「うむ、結構」 そういうとそのまま別のところへと向かう。 ?「士気は旺盛・・・悪くはないですな!」 その後ろについて歩く二人の兵士のうち、一人の男性・・・ブリタニア人で、サマーセーターを着た男がバッハに話しかける。だがバッハは男の言葉に顔を少し顰める。 バッハ「士気・・・か。彼らの多くはまだ十代のヤングボーイだ。ただ恐れを知らないだけだ。彼らを、分別のつく年頃まで行き伸ばせる事ーーーこれはまったく 骨の折れる仕事だよジンプソン君」 バッハの言葉に、シンプソンと呼ばれた男性は肩を竦めながら返す。 シンプソン「確かに歴史の期末考査を考えるよりも難しいかもしれませんな、先生」 兵士「先生?」 汗を流しながら、そう聞く兵士にシンプソンが返す。 シンプソン「言ってなかったかマルコ中尉。バッハ少佐は本職は教師さ。予備仕官って奴さ」 シンプソンがそう告げると、バッハは少し恥ずかしげな顔になるが、 キラッ バッハ/シンプソン「!?」 バッハとシンプソンの目の端に、何かが光る音がした。バッハはまさかと思いながら双眼鏡で見ると、 バッハ「警報!!総員配置に着け!!」 バッハの声と共に警報が鳴り響く。 バッハたちの視線の先に現れた存在・・・それは バッハ「ーーー敵襲!!」 人類すべての敵である存在・・・ネウロイである。
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ネタ練りの途中で挫折したものや、書いている途中で書けなくなったり、練習用のものだったり……etc. ヤミ色のガラス玉 夢の夏祭り(改善前) -
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もう二年以上も通い続けた学校への道のり。 つまり何百回も行き来してきた通学路。 朝日が眩しかったり、しとしと雨が降っていたり、背中を押される強風の日もあったけど、どれもとりとめのない日常の一部。 今日も一足先に夏がやって来たようなあたたかい気候が気になるくらいでいつもの朝に変わりなかった。 駅前のバス停に並ぶ私とつかさ。同じ制服に身を包んだ学生の姿が多く目に着くようになった。 初めのうちは少々派手に思えた赤色のセーラー服も高校生活の思い出と共にいとおしい。 だけどその人だかりの中にあの子の姿は見えなかった。 「こなちゃん、遅いね」 手持ち無沙汰な妹が呟いた。 友達と談笑する者、遠くを見つめて佇む者。待ち時間の過ごし方は人それぞれ。 「そうね。ま、今日は月曜日だしね」 休み明けのあいつはしばしば遅れてやってくることがあった。 理由はやはり深夜アニメだとかネットゲームだとか、溜め息の出るものだけど。 宿題はやったのかと問い詰めればいつも私が助け船を出してやるはめになる。 「かがみぃ」と泣きついてくるこなたの声が聞こえた気がした。 「あ、来たよ」 「えっ」 つかさの一段高い声につられて振り向くと、人波の間からふよふよ浮かぶ一房の髪が目に入った。 縫うようにして近づいてくるそれ。相変わらず小柄なあいつの顔も姿も隠れたまま。 急に動いた人山に呑まれて小さな悲鳴が耳に届く。 「お、おはよぅ。かがみ、つかさ」 「こなちゃんおはよ」 生気の欠片もないような声と半開きの瞳。いつもの泉こなたがそこにいた。 「おっすこなた。相変わらず元気ないな」 ちょっとばかし気合いを入れてやろうとぽんぽん頭を叩く。 平均をはるかに下回るこなたの身長はこういうスキンシップがしやすくていい。 「むぅ。かがみ朝からテンション高いよ」 「普通よふつう。あんたがだらしなさすぎなだけよ。どうせ昨日も夜更かししてたんでしょ」 「うぐ、否定はしないけどさ」 とはいえほんの少しだけど気分が高揚していないでもなかった。 私の高校生活の大半はこいつやつかさとみゆきが中心だったのだから。 こなたとの関係は単なる友達なんて言葉じゃ片付けられないものなのだから。 頭に置いていた手をそのまま無頓着なぼさぼさの髪に下ろしていく。 「朝に弱いのはわかるけど髪くらい整えてきなさいよ」 「私の朝は戦争なのだよ」 どこまで本気なのかわからないが安易に否定するのは憚られた。 こなたに母親がいないことを知ったのはわずか一年ほど前のこと。 日頃からそういう様子をおくびにも出さないこいつの苦労は知る由もなかった。 家事の不得手な私が口出す話じゃないみたいで、仕方なく無造作に伸ばしているような長髪に指を滑らせていた。 不健康すぎる生活を送る割にほとんど痛んでいない髪。 少し手前でバスを待っているつかさがたまに振り向いては優しい笑みを浮かべた。 3年B組の前でいったんこなたたちと別れる。 隣の自分の教室に入って峰岸、日下部の二人と軽く挨拶をかわし鞄の席に置いたらまた隣のクラスへ。 私が顔を覗かせるとこなたとつかさと共に、みゆきが笑顔で迎えてくれた。 「おはようみゆき」 「おはようございます、かがみさん」 どんな時でもきちんとしていて崩さない親友はやはり私たちの中では別格だ。 勉強に運動もできて多少妬まないでもなかったが良いお手本がいるのだと思える。 それにこんな優れた友がいることこそが私にとって誇りでもあるのだ。 「こなた、宿題はちゃんとやってきた?」 土日を挟むと必ず宿題を課すのが教師というものらしい。 ちなみにつかさは私の助力を借りながらきちんと昨晩までに終わらせている。 「残念だけど今日はちゃんとやってあるんだよねー」 「へぇ、珍しいこともあるのね。今日は雪でも降るのかしら」 「何を言う。もう受験生なんだよ」 「普通の受験生は夜遅くまでゲームなんてしないわよ」 本当に最初のころは心配してやったりもしたのだがこのくらいが私たちには合っている。 ある程度言ってやるとこなたがぷくっと頬を膨らませてぶつくさ言うのがオチだ。 まったく、子どもだな。 まぁそういうやりとりを笑って見つめるみゆき、つかさがいて微笑ましいというものだ。 「で、結局どういった風の吹きまわしなのよ」 つい一週間前に「受験するのかなぁ」と呟いたこいつが。 「まぁ、その、かがみに迷惑かけたくなかったから……」 散々頼ってきて今さらかよ、とつっこんでやりたかったんだけど。 珍しく照れているみたいのこなたに私までなんだか恥ずかしくなってすぐ声が出なかった。 一呼吸間を置いて出た言葉は、 「それがずっと続けばいいけどね」 と、そっけないものだった。 幸いにしてこの微妙な空気につかさもみゆきも何も言わなかったけれど。 少し口数の減った私たちはみゆきが語り出した情報に無言で頷いているだけだった。 確かに高鳴った鼓動を感じながら。 あどけなさの残る外見とか、同級生の中で一段と小さな彼女にかわいらしさを感じなかったわけじゃない。 でもそんな感情も口を開けばすぐに薄れてしまっていた。 いわゆるオタクで、しかも人目を憚らずに平然と話してのける彼女。 放課後の付き合いだとか休日に出かけるところも全部そういうところばかり。 あまりにも熱意がこもっていると正直理解に苦しんだ。 それでも決して避けようとは思わなかったのは彼女自身がとても楽しそうだったから。 その笑顔を見る度に私の心の中であたたかい何かを感じていたから。 それに一見自由奔放に見えて細かな気遣いができるのは彼女にしかない敏感さだと私は知っていた。 率直な物言いで人を傷つけてしまいがちな私から離れずにいてくれた。 いつもやる気のない表情で、でも本当は何でもこなす器用さがあった。 表面だけでは気づけなかったことをこの二年間の間で知ることができた。 知れば知るほど私は泉こなたに惹かれていった。 それがいつしか心の内に収まりきらないほど大きくなっていた。 大きく膨らんだ好きという感情。 今にして名づけられたその恋というものはいつから始まっていたのだろうか。 泉家に初めて招待してもらった去年の秋だったのかもしれない。 三年連続で違うクラスになった寂しさに枕に顔を埋めた新学期のあの時かもしれない。 もしかしたらつかさに紹介されて一目見たときからだったのかもしれない。 だけど大切なのはいつから想い続けたのかじゃなくてどれくらい想っているかなのだ。 そもそも始まってしまったことはしょうがないし、むしろ終わらせ方のほうが難しい。 この気持ちを伝えるか、伝えないか。 普通の恋だったらこの二択だけで簡単だと思う。 どちらも勇気のいることには変わりないけど。 でも私の場合は違う。泉こなたは女の子なのだ。 勘違いだとか、気持ち悪いとか、まず応援されるものではないのだとわかっていた。 一番正しいのはこの気持ちを捨てることじゃなかったのかと思う。 だけどこの感情はそんな単純なものじゃなくて。 何より私が過ごしている毎日の幸せや充実感はこなたがいるからなのだから。 こなたが隣にいてくれることで私は笑っていられる。 大事にしたい日常は胸の中の気持ちと向き合ってこそ守られていくのだと。 もし万が一告白したとしても私はこなたのいない世界は見たくないと。 自覚してから数日間誰にも相談しなかった。否、できなかった。 つかさとみゆきと一緒に過ごす時間をも壊すわけにはいかなかったから。 好きの意味は異なれど大切な家族、親友。 その二人に間違っていると言われるのが怖かった。 でも心というのは不思議なもので、好きだと気づいたら常にその気持ちが浮かびあがってしまう。 例えばこなたが私に触れたとき。 いつもみたいにオタトークをしているときの楽しそうな表情とか。 隣を歩いている、私を気遣ってくれている、ただそれだけで。 触れたいという気持ち、彼女がほしいという欲望がうめきだす。 耐えられるはずがなかった。 私のことを気の置けない友達だと屈託なく笑うこなた。 女の子同士だからいいじゃないと身を寄せてくるこなた。 マイペースすぎて客人の前でも安心しきった寝顔を見せるこなた。 私たちの関係は密接で、特別なものだった。 ほんの少し、あと一歩だけ踏み出してしまえばよかったのだ。 中学生の頃からずっとクラスが一緒だという日下部、峰岸に一言告げて自分のクラスを後にする。 たまにはこっちでという顔をされることもあったが今ではまたかという呆れ顔をされるだけ。 お昼休み。通常の休み時間よりはるかに長い自由時間。 そんなときだからこそ向こうのクラスに行くのは当然だと思う。 「おーっす」 ガラリ扉を開けつつ手を振って入れば、B組の面々は一瞬だけ私に視線を向けた。 でもすぐに元に戻り残るのは三人の笑顔となる。 彼らの反応を見るとだいぶ私のことは認知されたことと思う。 二つの机と四つの椅子で囲んだ昼食。 みゆき、つかさ、こなたの三角形に私が加わることでスクウェアの出来上がり。 「なんであんたはいつもコロネなんだ。栄養偏るじゃない」 「だって弁当作るの面倒だし、私チョココロネ好きだし」 「別に料理自体は苦でもないくせに」 こなた自身の問題なので私が何を言っても聞く様子は全くなかった。 そもそも菓子パン一つで充分だというのが許せん。 今日はつかさ作の美味しい弁当をいただきながら見つめてもどこ吹く風。 両手に挟んだコロネをはもはもするこなたは一口かじって飲み込んだ後。 「そうだ、かがみが代わりにお弁当作ってきてくれない?」 「はぁ!? なんでよ」 「かがみの愛妻弁当だったら私喜んで食べるよ」 「上手い下手じゃなくてネ、愛情がこもってればいいんだヨ」とかなんとか続けたこなた。 完全に私の料理ベタをからかっているだろう、わかっている。 強く言ってやりたいのに、私は顔を赤く染め言葉が喉につっかえてしまうのだった。 今まで散々言われてきた冗談の中に、軽く流せないことが含まれてたせいで。 「ねぇ、かがみぃ?」 「……嫌よ。自分の分は自分で作りなさい」 どうにか出てきた返事は見事なフラグクラッシュだと思う。 そりゃ私だってこなたにお弁当を食べてほしいと思わないはずがないけど。 理想を言うなら私はこなたが作ったお弁当が食べたいのだ。 ただその辺は素直になれないためちょっと残念そうにしつつ食を再開したこなたを見ているだけ。 せわしなく動く口もとにまたしても心臓が跳ねた。 「おねえちゃん」 「へっ?」 「どうしたの? ちょっと焦げちゃってたりしたかな」 「ないない。つかさのお弁当はいつだって美味しいわよ」 「かがみの時は当たり外れあるけどね」 うるさいよ。 口を開けばよくもまあ尽きないほど憎まれ口を叩くこなた。 いつまでも振り回されっぱなしじゃ将来的にも不安だ。 「ところでこなた」 「ん」 「今日の放課後って空いてる? いや、空けときなさいよ、絶対に」 「拒否権はなしですか」 今決めたのよ、文句ある? 思い立ったが吉日ってものよ。 毎度毎度付き合わされてるんだからこれくらいは許されてしかるべきだと思う。 そうと決まったらもう考える必要もないのでお昼を手早く済ませる。 最後に小さくなったハンバーグの欠片を口に入れたら、 「というわけでつかさ、みゆき、悪いけど先に帰っててね」 みゆきはいつものように微笑を浮かべながら頷く。 なぜかつかさは「わかった!」と大きな返事をして、私に向けてガッツポーズなどしていた。 その日、私は一人で泉家を訪れていた。 つかさは急用が入ったと言っていたが何をしていたかはよく知らない。 いつも一緒にいる妹と親友がいないだけで、こなたの家で遊ぶというのは当り前にもなってきていた。 だから私自身普通に休日を楽しむつもりだった。 「今日はお父さんもゆーちゃんも出かけちゃってるんだよね」 ただそれだけ。期せずして二人きりになったことに慌てる私じゃない。 こなたはいつものようにやりかけのゲームをし始める。 私はこなたの部屋にある無数の漫画から数冊拝借して読みふける。 たまに喉乾かない? と聞いたり聞かれたり。トイレに立ちあがったり。 ほとんど私たちの会話は聞こえない静けさの中にあっても、つまらないなんて思ったりしなかった。 話がしたいと思えば本当に些細なあれこれにも声を大にして盛り上がることがある。 だから何も言わなくてもそばにいられるだけで楽しいと思える時間がある。 「ふぃー、ちょっときゅうけい」 どのくらい時間が経ったか覚えてないがこなたが言った。 私の真横に腰掛けて。 「休憩って、勉強してたならまだしも今遊んでたじゃない」 「テレビってずっと見てると目が疲れてくるんだよ」 そりゃそうだ。でも、私にもたれかかってくるのは納得いかない。 「いいじゃん、こっちのほうがなんか安らぐ気がするし」 重いだなんて全く感じない軽さ、そう心地良い重みが私の右肩にかかってくる。 ぎし、とこなたのベッドが軋んだ。 「なっ、ちょ、こな……っ!」 それだけ安心できる存在だということが嬉しくて、嬉しすぎて。 言葉にならない抵抗、おそらく本能のざわめきだろうか、をしつつも。 そのまま眠り入ろうとするこなたのことをどかそうとはしない私がいた。 抱き締めようとしていたのか、もうすでに抱き締めたからなのかは覚えていない。 普段ならあり得ないほど近くにいたこなたが、戸惑いの表情で私を見つめていたのが最後。 何が正しいのか判別がつかなくなってしまって、言った。 こなたが好きなのだと。我慢できないのだと。 何か言われる前に全てをぶつけようと思った。 全部言わせてほしい、そのあとでこなたがどう思うかは仕方のないこと。 たとえ突発的なものであっても中途半端なまま終わりたくはなかった。 こなたはどこにも行かずずっと私の隣で聞いてくれた。 嗚咽混じりでまとまりもないものだったからきちんと伝わっていないと思うけど。 なにせ、私の心のことだから。 同性の親友を好きになってしまった気持ちを簡単に理解は、納得はできないだろう。 そう、思っていた。 「私は、かがみのこと──」 夏が近づいてきた放課後には黄昏時という言葉が当てはまるはずもなく。 ピークからもう一月以上も経ってしまった桜は今では緑に染まってしまっている。 ま、身を大きく見せるほどに青々と生えた木々もこれはこれで。 しかしいつか隣のこいつが言ったように長袖は相応しくないかもしれない。 肌寒さもいつしか心地良い涼やかなものに変わり始めた午後の一時を、私はこなたと二人で過ごしていた。 「ねぇ、かがみ、どこ行くの?」 「別に、ただの散歩よ」 「ふーん」 ほぼ毎日のようによくも飽きずに本屋巡りをするこいつとは違う。 学校から通学路を逸れてちょっと歩いてみる、本当に寄り道だ。 まだ日も浅いから私たちの学校の生徒をはじめとする人影がよく目に着く。 少しだけ不満そうにしながらも歩調は合わせてくれている、私の隣を歩くこなた。 それだけで私は嬉しくなれる。 「あのさこなた」 「なに」 「……やっぱいいや」 「えーなにさ、気になるじゃん」 「気にしない気にしない。そうだ、ちょっとそこの公園に入ろう?」 ちらっと視界に入れた小さな手のひらを握るのはものすごく大変なことなのだ。 これは素直になれない私の性格云々じゃないと思う。 互いの気持ちを知ったばかりの二人の── 「飲み物買ってくるから。ちょっと待ってて」 思いつき、いや、一分でも長くこの時間が続いてほしくて立ち寄った公園。 人気が少なく申し訳程度に設置されていたベンチの一つに私たちは腰掛けた。 すぐ近くに座っただけなのに速くなる鼓動、喉も渇き始める。 二人きりを望む気持ちと、それ以上にこなたを強く求める気持ちが私を落ち着かなくさせた。 ──お姉ちゃん、頑張ってね つかさが私の気持ちに気づいているかどうか、今の私たちの関係を知っているかはわからない。 ただ生まれた時から常に一緒で誰よりも私のことを知っているつかさなのだ。 私が姉らしく強くあろうと、事実そんな生き方ができたのは妹のおかげ。 何にもできないはずなんてない。いつも私を支えてくれている。 私が自分自身と同じくらいに信じているから。 だから、ちょっとだけ勇気を出してみようと思う。 「お待たせこなた。ミルクティーだけどよかったかな」 「んーん、なんでもいいよ」 缶ジュースを受け取り早速両手で包んでくぴくぴ飲むこなた。 反則なくらいにかわいい。 こなたにならい私も自分の分もゆっくりと口にする。 飲料の冷たさが火照りかけの体にちょうどよかった。 「ねえ、こなた」 「んくっ。なに、かがみ」 自分の分を飲み干しようやく本題に入る。 空になった缶を離したこなたの口元にかすかに光るものが見えた。 もしかして、こぼしたのだろうか。 「っと、その前に、こぼしてるわよ」 「ふえっ?」 目に映るそれに指を伸ばし拭う。 湿った感触と柔らかい肌の感触を指先に感じた。 「か、かがみっ!?」 「なによ」 「な、なにと申しますと、その……」 スカートのポケットからハンカチを取り出して指を拭いていると、妙に焦っているような声が耳に届いた。 ハンカチをしまって顔を上げると、うっすらと上気しているこなたの顔があった。 今までに一度も……本当に一回だけ、あの時に初めて見た表情。 ──私は、かがみのことが……好き、なのかも 曖昧にだけどちゃんと答えを出してくれたこなた。 その時ほどじゃないけど、すごく愛しくて離したくないという気持ちが私の心を埋めていく。 どうにも止まることのできない私は、やっと想いを口にする。 告白を受け入れてくれた時以上に真っ赤に染まりながら、こなたは小さく頷いてくれた。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-09-20 16 10 54) よんでいるこっちまでがワクワクして、よかったです。 続きが気になります -- プリン (2010-02-08 18 36 24) ほんわか心が温かくなる内容が最高です(ノ△T) -- 名無しさん (2010-01-20 10 29 34) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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「どうだい? あたしの体、見事なもんだろう」 そう言って誇らしげに裸体を晒すドレッサから、マイクは目が離せなかった。 「ほ、本当に……若い女の体になっちまったのか」 マイクは震える声で言うと、長年連れ添った妻の肌に触れた。しなやかな肢体にはほどよく筋肉がつき、若さゆえの弾力が感じられた。本来のドレッサの体ではありえない感覚だ。 マイクは動揺を抑えるために呼吸を整えると、再び妻の姿に目をやった。そこにあるのは、不健康に肥え太った中年女の体ではない。細い手足と腰を備えた、十代後半の少女の身体だった。 その瑞々しい娘の体に、ドレッサの丸顔の頭部だけが載っているのだ。何度見ても信じられない光景だが、間違いなくこれは現実だった。 「あんた、大変だよ。あたし、こんな体になっちまった」 夕方、花売りの商いを終えて帰宅したドレッサは、そう言って、自分が着ている派手な赤い衣をマイクに見せつけた。 明らかに市井の庶民が身に着ける服ではなかった。マイクは記憶の引き出しの中から、それに似た衣装を探し出した。王侯貴族に仕える魔術師の衣だ。 「なんだ、お前、その格好は……」 変貌したのは服装だけではなかった。マイクに匹敵するほど肥えていたドレッサの体は、今や別人のように細く、きゃしゃになっていた。 五十女の顔に不釣り合いなしなやかさと瑞々しさを持ったその肢体は、宮廷魔術師カリオストロの娘、ジェシカのものだった。 肉体交換の魔術が暴走したせいで、ドレッサの頭部は胴体を離れ、代わりにジェシカの体と結合してしまったのである。 「花売りの商売が終わって帰ろうとしたら、お城勤めの女魔術師があたしの前にやってきてね。それからのことはよく覚えてないけど、気がついたら、あたしゃ、この体になってたんだ。この体、きっとあの女のものに違いないよ。ひょっとしたら、魔法で首から下を取り替えたんじゃないかね? だって、この細い腕も腰も、服装だって、あたしのものとは全然違うんだからさ」 ドレッサの話は、マイクにとってとても信じがたい内容だったが、こうして女魔術師の体になった妻の姿を目の当たりにすれば、信用するほかない。 ドレッサの体は、若く闊達な少女のものになってしまったのだ。 「体が入れ替わった、と言われてもな……。その魔法使いの姉ちゃん、どうしてお前なんかにその体を寄越したんだ?」 「さあ、知らないねえ。やけに慌ててたみたいだけどさ。それより、あんた……」 にわかに赤い衣を脱ぎだした妻の姿に、マイクは度肝を抜かれた。 「お、お前、何する気だ !?」 「何って、決まってんじゃないのさ。こんなに若くて綺麗な体になったんだ。いろいろ試してみなきゃ、損ってもんじゃないかね」 ドレッサは悪びれる様子もなく、全ての衣類を脱ぎ捨て素裸になった。 「ほら、あたしの体をよくご覧よ。なかなかだと思わないかい? この綺麗な体があたしのものなんだよ。とってもいい気分さね」 細い腰に手を当て、マイクに色目を使うドレッサ。彼女は事態の原因や解決よりも、新しい自分の体の方に興味があるようだった。 「やめろよ。妙な気分になっちまうだろう」 「ふふふ、さすが若い女の体だよ。もうおったててる。こんなに元気なあんたを見るの、何十年ぶりだろうね」 にやにや笑うと、ドレッサは夫の股間に手を伸ばした。こんな異常な状況にも関わらず、マイクのものは既に硬くなっていた。 「おい。いいのかよ……よくわかんねえけど、それ、ひとの体なんだろ?」 「構やしないさ。あの女、見るからに高慢ちきでいけ好かなかったからね。あの女の体をあたしが好き勝手に動かしてるって思うと、笑いが止まらないよ」 自らの胸を両手でまさぐり、ジェシカをせせら笑うドレッサ。自分たちを襲ったアクシデントを楽しんでいるようだった。 「へへへ……まあ、いいか。据え膳喰わぬは何とやらって言うしな。それにしても、この体、とびきりの上玉じゃねえか。なんてついてるんだ、俺は」 形のいい乳房をわしづかみにして、マイクは下卑た笑い声をあげた。彼もドレッサが譲り受けたジェシカの体に興味津々だった。 本来ならば彼が近づくことすらかなわない、地位も才能もある女魔術師の体。その体は今、マイクの妻である中年女の所有物となって、思うがままに弄ばれていた。 「ああ、いい心地だよ。肌も張りがあって、あたしのとは全然違うね」 「まったくだ。いい乳だぜ。もうちょっとデカい方が、俺の好みだけどよ」 などと勝手な感想を述べると、ドレッサを粗末なベッドに押し倒す。 少女の清い体は自ら腕を広げ、出会ったばかりの中年男を抱きしめた。 狭い部屋の中に明かりはなく、街灯の光が窓からわずかに差し込んでくるだけだ。そんな暗い室内で、マイクは久方ぶりに妻を愛撫し、乙女の性感帯を開発した。 「この肌、シミひとつねえじゃねえか。くうっ、たまんねえ」 ドレッサの肌を舐め回し、各所に唾を塗りたくるマイク。健康な十七歳の少女の体は、父親ほども歳の離れた男の餌食と化していた。 「ひひひ、だんだん気持ちよくなってきたよ。あんまり経験がないみたいだね、この体は」 夫に陰部を見せつけながら、ドレッサが元の身体の持ち主を嘲弄した。他人の体で淫らな行為にふけることで、倒錯的な興奮を覚えているのだ。 「そうか、良くなってきたか。それじゃ、そろそろお待ちかねだぜ」 マイクも高揚した声で言った。顔は確かに中年の妻のものだが、その首から下は華やかな乙女の体である。醜い妻ではなく若い美女を抱いている気分だった。 ドレッサの細い腰を背後から抱え、犬のように四つん這いにする。 大きく膨れた一物をドレッサの尻にあてがうと、未だ開いたことのない女の扉をこじ開けにかかった。 たび重なる前戯で、入り口は既に充分な湿り気を帯びていたが、それでも処女の内部が窮屈なことに変わりはない。ジェシカのものだった膣は、初めての侵入者を強く拒んだが、それもはじめだけだった。マイクがぐいと押し込むと、やがて圧力に負け、しぶしぶ彼のものを受け入れた。 「う、ううん……い、痛い。やっぱり生娘だね。ここんところがジンジンするよ」 「うへへ、狭いな。おっ、見ろよ、血が出てやがる」 結合部から一筋の赤い雫が垂れているのを見て、マイクは歓声をあげた。 十七年間ジェシカが守り続けた処女は、あっさりと失われた。 ジェシカの代わりに二度目の破瓜を体験したドレッサは、身を縮めて痛みに耐える。 処女だからといって、興奮しきったマイクは容赦しなかった。限界まで入れたところで戻り、規則正しい抜き差しを開始する。硬度も活力も欠いた中年男のペニスが、若い膣内を蹂躙した。 「へへっ、この締めつけ、たまんねえな。食い千切られそうだ」 「あ、あんた、もうちょっとゆっくり……ひいっ、激しいっ」 「何を言ってやがる。こんなにいい女の体を犯してるんだぞ。我慢なんかできるかよ」 すっかり有頂天になったマイクは、執拗にドレッサの中を往復して愉悦に浸った。ドレッサが抗議してもお構いなしだ。獣さながらの荒々しさで妻を犯した。 一方のドレッサは、はじめこそ大げさに苦しんでいたものの、マイクの強引さに観念したのか、途中から夫に素直に身を委ねるようになった。痛みに慣れてきたのかもしれない。 「ああっ、いい、いいよ。だんだん良くなってきた。おっ、おおっ」 「なんだ、さっきまで生娘だったくせに、もう感じてやがるのか? ふしだらな女だぜ」 ドレッサの尻を押さえて激しく突くと、女魔術師の細い腰がくねり、マイクを誘惑する。親子ほども歳の離れた少女の体が見せる痴態に、ますます気分が高揚した。 やがて、下腹に湧き上がった衝動に、マイクは己の限界を悟った。 「もう我慢できねえ。おい、お前、出すぞ」 「え? あ、ああ……」 ドレッサは承諾とも拒絶ともつかない声で応えた。余裕を無くした妻の体を力いっぱい押さえ、マイクは牡の欲望を解き放つ。 「うお、うおおっ、出るっ」 久方ぶりの射精だった。マイクの先端から噴き出した熱い樹液が、膣内に打ちつけられた。 「ああっ、出てる。中に染みる……」 「ふう……たっぷり出た。最高だったぜ」 マイクは大きく息を吐き、満足してその場に横になった。 ペニスが引き抜かれたドレッサの膣口から、血と体液の混合物がこぼれてきた。ジェシカのものだった身体は元の所有者が気づかぬうちに純潔を散らされ、見知らぬ中年男の子種を植えつけられたのだ。 ひょっとしたら、妊娠してしまうかもしれない。 だが、ドレッサもマイクも、子供ができる可能性などまったく気にしていなかった。 「す、すごかったよ、あんた。こんなに激しいのは初めてさ」 上気したドレッサが、マイクにすがりついてきた。新しい身体で味わう性交は、彼女にとっても満足のいくものだったようだ。 「おう、お前も楽しめたか。そりゃ良かったな」 「ああ、はじめはちょっとばかし痛かったけど、慣れたらなかなかだね。これなら、あんたをもっと喜ばせてやれそうだ。気に入ったよ、この体」 「そうか。その体をくれた姉ちゃんに、感謝しなくちゃいけねえな。へへへ……」 火照ったドレッサの肌を馴れ馴れしく撫で回し、マイクは下品な笑声をあげた。 歳をとった妻を相手に、このような素晴らしい体験ができるとは、夢にも思わなかった。何度も何度もドレッサの艶やかな肌に口づけながら、彼は神に感謝した。今まで信仰心など欠片もなかったが、これからは毎日教会に行き、ひざまずいて感謝の祈りを捧げてもいいと思った。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 作業の手を止めて外を見やると、もう暗くなっていた。もう店じまいの時間だ。ロイは修理の終わった靴を片付け、店を閉めようと外に出た。 夕暮れどきの冷たい風が頬を撫で、鼻をくすぐる。昼間は随分と暖かかったが、日没と共に急に冷えた。 「ステファニー、どうしたんだろう。やけに遅いな」 ロイは愛する妻の名を口にして、自分の店の前の通りを見渡した。 彼の妻であるステファニーは昼過ぎ、市場まで買い物に出かけた。 出産も近い妊婦がひとりで外出したり、家事に勤しんだりするのを、ロイはかねてから快く思っていなかったが、ステファニーは働き者だ。家でじっとしているのが嫌だと言って、妊娠する前と変わらない扱いを要求した。 そんな二歳下の新妻のわがままを、ロイは仕方なく聞き入れ、いつものように外出を許した。 だが、今日はどうしたことか、いまだステファニーは帰ってこない。普段ならば、とうに帰宅して夕食の支度をしている時間だった。 「心配だな。何ごともなかったらいいんだけど……」 妻思いのロイは不安を募らせ、何度も店を出ては、暗い通りに目をこらした。ぼんやりした魔術の灯りが照らす街角には、人の姿はない。 肌寒い夜の街を見張りながら、ロイはひたすら新妻の身を案じた。 「大丈夫だろうか、ステファニー。早く帰ってきてくれ」 神に妻の身の安全を祈っていると、曲がり角の向こうから白い人影が現れた。 「あれは、ステファニー……じゃないな。あんな格好じゃない」 ロイは遠目にその人影を観察したが、どうやらステファニーではないようだ。人影は随分と小柄で、袖や裾の長い、白いドレスに身を包んでいた。 どこかの令嬢なのだろう。成人の体格ではない。まだ幼い少女のようだった。 明らかに妻ではない。ロイはうつむいて嘆息した。身重の妻のことが心配で仕方なかった。 「ああ、ステファニー。どこに行ってしまったんだ? 早く帰ってきておくれ」 「ロイ……」 「ステファニー !?」 すぐ近くから自分の名を呼ぶ声に、靴屋の倅は飛び上がった。顔を上げると、先ほどの白いドレスの少女が、ロイの目の前に立っていた。 ロイは驚愕し、ついで弾けるような笑顔になった。眼前の白いドレスの女の顔は、彼の妻、ステファニーのものだったからだ。 「おかえり、ステファニー! 遅かったじゃないか、心配したよ! 今までどこに行ってたんだい? そのドレスはどうしたの? とにかく、寒いから中に入ろう。お腹もぺこぺこだよ」 感激して夫が次々と浴びせかける言葉に、ステファニーは応えない。じっとその場に立ち尽くしていたかと思うと、突然、火がついたように泣き出した。 「ロイ、私、私……うわあああんっ」 「どうしたの、ステファニー。何かあったの?」 「ごめんなさい。私、あなたの赤ちゃんをなくしちゃった。うわあああん……」 涙を流してすがりついてくるステファニーの背丈は、子供のように小さい。ロイは疑問に思った。ステファニーの身長は、もっと大きかったはずだ。 それに、白いドレスを身に着けた妻の体は、とても妊婦のものには見えなかった。抱きついてくる妻の腹をそっと撫でる。出かける前は大きく膨らんでいたはずのステファニーの腹部は、明らかに平らになっていた。 「このお腹、それにこの服……ステファニーの体、どうしちゃったの?」 「ご、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい……」 ステファニーは青ざめた顔で、謝罪と号泣を繰り返す。赤子のように泣き続ける妻の姿は、もうじき母親になる二十歳の新妻のものとは思えないほど幼かった。 「それで……いったい、何があったんだい?」 店の奥にある寝室で、ロイはステファニーに訊ねた。 下を向いて立ちすくんだ妻の背丈は、ロイより頭二つ分も小さい。本来ならば、もっと上背があるはずだった。 新たな命を宿した孕み腹はおろか、長い脚や豊満な乳房も何処かへ消え失せ、どう見ても子供の体格になっていた。それも、白いドレスの令嬢だ。 きゃしゃで小柄な体型とは裏腹に、顔や髪は日頃のステファニーそのままだった。 まるでステファニーの首から下の身体だけが、子供になってしまったかのようだ。 夫の問いに、ステファニーは心底困り果てた様子だった。 「それが、私にもさっぱりわからないの。買い物をして帰ってきたら、途中、白いドレスの犬が私に飛びかかってきて、気がついたらこんな格好に……」 「ドレスの犬? 犬が人間のドレスを着てたっていうのかい。そんな馬鹿な」 ロイは呆れて首を振った。とても信じられない荒唐無稽な話だった。 「でも、本当なの。茶色い顔の犬が、人間みたいにドレスを着ていたの。手足だって人そっくりだったわ。ああ、そういえばあの犬の格好、今の私によく似てたわ。あの犬、本当に犬だったのかしら……」 「よくわからないけど、とんでもない事件に巻き込まれたみたいだね。でも、僕は嬉しいよ。君がちゃんと帰ってきてくれたから」 「ごめんなさい、ロイ。何が何だかさっぱりわからないけど、私、大事な赤ちゃんをなくしちゃった。もう、私の体に赤ちゃんはいないわ……」 ドレスの上から己の平坦な腹を撫で回し、再び涙を流す妻を、ロイは強く抱きしめた。 「いいよ、ステファニー、気にしないで。僕はただ、君が無事に帰ってこれただけで満足してるんだ。赤ちゃんがいなくなっちゃったのは寂しいけど、大丈夫。また産めばいいさ」 「ロイ……ううっ」 ステファニーは夫の腹に顔を埋め、嗚咽した。 「明日、日が昇ったら、父さんたちでもお役人でもいいから、相談に行こう。きっと何とかなるよ。だからもう泣かないで、僕の可愛いステファニー」 「ロイ……お願いがあるの。聞いてくれる?」 ステファニーはロイの体から離れると、夫の顔を見上げて訊ねた。互いの身長差を実感しながら、ロイは「何?」と訊き返す。 「今の私の体を、よく調べてくれないかしら。私、自分の身に何が起こったのか知りたいの。そうしないと、死んだ赤ちゃんだって可哀想よ」 と言って、ドレスの袖から腕を引き抜くステファニー。いかにも高価そうなドレスだが、ところどころ泥にまみれ、黒く汚れてしまっていた。 「いいよ、僕が調べてあげる。それに、脱ぐのも手伝わないとね。そのドレス、どうやら一人じゃ着たり脱いだりできないみたいだから」 「それにしても、どうして私がこんな高級なドレスを着ているのかしら? このネックレスの宝石だって、すごく大きいわ。きっと本物よ、これ」 「まるでお姫様みたいだね。よかったじゃないか。君は子供の頃から、お姫様に憧れていただろう?」 「もう、冗談はよして。私はもう子供じゃないわ」 ステファニーはロイに抗議したあと、ようやく笑顔を見せた。ロイはそんな妻のドレスを脱がせ、露になった裸体をじっくりと観察した。 「うーん……やっぱり、いつものステファニーとは全然違うね。まるで小さな女の子みたいな体だ」 ドレスの中から現れたのは、明らかに二十歳の妊婦の体ではなかった。せいぜい十二、三歳の少女の肢体だ。腰は細く、乳房の膨らみは非常に乏しい。 子供の頃の妻の姿を思い出し、ロイは目を細めた。 「でも、顔は元の私のままなのよね?」 「うん、そうだよ。顔はそのままなのに、首から下だけが子供みたいに縮んじゃってる」 「いったい私の体、どうなってしまったのかしら……」 ステファニーは途方に暮れたが、いくら考え込んでも答えは出ない。陰毛すら生えていない自分の股間を見下ろし、暗い顔で嘆息した。 「やっぱり、私たちの赤ちゃんはいなくなっちゃったのね。最近はお腹の中で暴れるくらい、大きく元気になっていたのに」 「でも、流産にしては変だよ。ただの流産だったら、君の体がこんな風になるわけない。それに、血もいっぱい出るんじゃないかな」 「そうね。ああ、どうしたらいいの? こんな子供みたいな体になってしまったら、あなたの赤ちゃんを産めないわ……」 「落ち着いて、ステファニー。ほら、泣かないで」 目を潤ませるステファニーを、ロイは優しくなだめた。 「昔から君は泣き虫だったね。お母さんに叱られたとか、友達と喧嘩したとかいっては、泣きながら僕のところにやってきたものだったっけ」 「う……子供の頃の話はやめてって言ったでしょう」 「でも、今の君の姿を見てると、あの頃を思い出すよ。泣き虫の君のことを、僕はいつも、こうして慰めていたよね」 微笑みを浮かべて、ロイはステファニーの身体に触れた。 「ああっ、そんなところ……」 一本の筋にしか見えない股間の割れ目を指でなぞると、繊細な肌が震えた。二度、三度と入り口をくすぐり、膨らみかけのささやかな乳房に手を伸ばした。 「駄目よ、ロイ。こんなときに……あっ、あっ」 「敏感だね。こんな非常時だっていうのに、感じてるんだ」 ロイはステファニーをベッドに寝かせ、王女のように無垢な妻の裸体を愛撫しはじめる。彼女が妊娠してからは控えていた、夫婦の営みだった。 つんと硬くなった乳首に歯を立てると、ステファニーは熱い息を吐いた。 「ああっ、あなた……駄目って言ってるのに」 「せっかく子供の頃みたいに小さくなってるんだから、昔の呼び方で呼んでよ、ステファニー。その方が嬉しいな」 ロイが笑いかけると、二つ下の新妻は夫の意図を理解し、耳まで赤くして恥らった。 「だ、駄目よ。私たち、もう夫婦なんだから……」 「まあ、いいじゃないか。ね? 頼むよ、ステファニー」 「だ、駄目ったら駄目なの……」 はじめのうちは嫌がっていたステファニーだが、幼い頃から自分を可愛がってくれたロイには決して逆らえない。しぶしぶ、夫の提案を受け入れた。 「わ、わかりました。でも、今日だけだからね。お兄ちゃん……」 「そう、それだ。ステファニーちゃんはとってもいい子だね。お兄ちゃんは嬉しいよ」 「お、お兄ちゃんのバカ……あっ、ああっ」 赤面して頬を膨らませるステファニーの股間に顔を埋め、陰唇に舌を這わせるロイ。毛の生えていない割れ目を彼の舌がなぞるたび、艶やかな嬌声があがった。 「ああっ、お兄ちゃん、お兄ちゃんっ」 「いやらしい子だね、ステファニー。つるつるの子供マンコからエッチなおつゆがどんどん溢れてくる」 ぴったり閉じた女の扉から、生温かい雫がこぼれ落ちてきた。二十歳の妻ではなく、年端もいかぬ少女を相手にしている気分だった。 ロイは音をたててステファニーの汁をすすり、愛する妻を散々に泣かせた。 「ダ、ダメ、お兄ちゃん。そんなことされたら、おかしくなっちゃう」 「おかしくなってもいいよ。久しぶりだろ、こういうことをするのは。僕も我慢できなくなっちゃいそうだ。見てよ、これ」 ロイはズボンの中から雄々しくそそり立った一物を取り出した。表面に血管が浮き出た、たくましい牡の象徴に、ステファニーは息をのんだ。 「すごい、そんなに大きくなってるなんて。お口でしてあげようか?」 「いや、いいよ。それより、こっちを味わいたいな。久しぶりだし」 「きゃっ!」 ベッドの上に押し倒され、ステファニーは悲鳴をあげた。 充分に湿り気を帯びた女陰に、黒い肉の槍が突きつけられる。腹側にそり返った硬いペニスの穂先から、先走りの汁が漏れ出していた。 「あ……入れちゃうの?」 「駄目かい?」 「ううん、いいよ。もう一度、お兄ちゃんの赤ちゃんを孕ませてほしい」 その返事を聞いて、ロイは妻の髪を撫でて微笑した。 「いい子だね、僕の可愛いステファニー。でも、今はやめておこう。君のここは、とっても狭くてきつそうだ。僕の大きなものを入れたら壊れちゃうよ」 「そんな……」 「だから、今夜はこれで我慢して。また今度、ちゃんと楽しませてあげるから」 言うなり、ロイはペニスの先端でステファニーの割れ目をぬるりと擦った。小さくなった妻の身体が大きく跳ねた。 「あっ、こんな……ダ、ダメ、こんなの」 「そうかい? その顔は、嫌だって言ってないように見えるけど」 ロイは相手の細い腰をかかえ、女の入り口を亀頭で執拗に摩擦した。女性器の中には決して手をつけず、幼い身体ならではの肌の柔らかさを堪能した。 「あっ、ああっ、あんっ。お、お兄ちゃん……」 「こういうのも気持ちいいだろ、ステファニー。ほら、ほら」 「ああっ、それ以上は……あっ、ああっ、あーっ」 わずかに顔を出した肉の豆をペニスの先で押し潰すと、ステファニーは体が折れてしまいそうなほど背中を反らし、絶頂に達した。 細い身体が痙攣し、先走りの汁を塗りたくられた割れ目から体液が噴き出した。 「良かったよ、ステファニー。僕もイっちゃいそうだ。それ、出すよっ」 妻の昇天に誘われ、ロイも終点に到着する。絶頂を迎えたステファニーにペニスの先を向けると、煮えたぎる欲望を吐き出した。 プリンセスのように清らかな幼い体に白い雫が降り注ぎ、牡の臭いが染み込んだ。 「ああっ……お兄ちゃん、お兄ちゃん……」 半ば意識を失ったステファニーが、虚ろな瞳でロイを見つめていた。 肌のあちこちを白濁液で汚した子供のステファニーを、彼はとても美しいと思った。 薄暗い部屋の隅には高価な絹のドレスが脱ぎ捨てられ、その上に置かれたネックレスの宝石が、月の光を浴びて妖しい輝きを放っていた。
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1301391825/359-375 『るりのもの』(後編) 千葉の堕天聖である私は今、 私の中に秘められた魔力を全て解放していた。 そうしなければならない理由があったからだ。 田村先輩―――いえ、悪魔ベルフェゴールからの 強力な攻撃に、耐えなければならなかったのだ。 『本当にごめんね、五更さん』 「………」 電話越しのその女の声は、 その声質だけを取れば極めて無害な響きを持っている。 しかし――― 「先輩、謝ることなんて何もないわ。 つまるところ、京介と田村先輩の間には何もなかったのでしょう?」 『ううん、謝らせて、五更さん。 きょうちゃんが、すごく興奮していたのは事実だから』 ――ほら、本性を現してきたわね。 夏の終わり、あっさりあなたが身を引いた時は拍子抜けしたのだけど。 やはりベルフェゴールたる本質は、親友から聞いた通りだったわ。 この窮地、絶対に乗り切ってみせる。 『きょうちゃん、私のおっぱい凝視してたし………』 「………」 『ほら、きょうちゃんは巨乳で眼鏡の子が好きみたいだから』 「……な、なぜあなたがそんなことを知っているの」 『え?だって、子どもの頃からずーっと一緒だもん』 「………ふん。分かっているでしょうけれど、京介の―――」 『もちろん!きょうちゃんの彼女は五更さんだよ!』 「わ、分かっているならいいのだけど」 『私はただちょっと、五更さんよりもきょうちゃんのこと知ってるってだけ』 「……ふ、ふっ、それはどうかしら?」 『で、でも別に五更さんからきょうちゃんを奪おうとか考えてないんだからね?』 ぜ、絶対考えているじゃない。奪う気まんまんにしか聞こえないわ。 想定していなかったわけではないけれど、こんなに黒かったなんて。 数ヶ月前の田村先輩とはまるで別人ね。 『それに、ちょっと心配してるんだよ、私は』 「あら、あなたに心配される筋合いはないわ」 『きょうちゃんは胸が大きい女の子が好きだけど………』 「……何が言いたいの?」 『五更さん、きょうちゃんを満足させてあげられてるの?』 「―――っ!?」 『きょうちゃん、私のおっぱいにあんな釘付けになるなんて』 「………」 『おちんちんも、すごくおっきくなってたし』 「……黙りなさい」 口を閉じた方がいいわ。 それ以上何か言ったら泣くことになるわよ。 ……私が。 「でも、勃起させても襲ってもらえないなんて。 先輩は、女としての魅力によほど欠けているのではないですか?」 『うーん、なんかだかなぁ… 私の魅力とは全く別の、何かの理由がある気がするんだけど』 ドキッ 私には思い当たる節があった。 おそらく、京介がズボンを下ろさなかった理由は『アレ』だろう。 「さ、さぁ、知らないわね。 とにかく私もあまり暇ではありませんので、この辺で失礼します」 『そっか、やっぱり何か理由があったんだね。 それじゃあ、最後に一つだけ聞かせて?』 「………何かしら」 『五更さん、きょうちゃんを幸せにする自信はある?』 「……失礼します」 電話を切ると、どっと疲れが襲ってきたようだ。 自分で意識することなく、自然とため息が口から漏れ出る。 「はぁー……危なかったわ」 アレがなければ、京介はそのままあの女と体を重ねていたかもしれない。 そう考えただけで鳥肌が立ち、寒気がする。 『五更さん、きょうちゃんを満足させてあげられてるの?』 私は自分の胸を触り、再びため息をついた。 『女としての魅力によほど欠けているのではないですか?』 あのセリフは、田村先輩に向けたものではない。 断じて違う。 彼が浮気をしなかったのは、私への愛情とは全く別の問題だ。 私は、彼の心をつなぎとめることすらできないこの体を呪った。 ◇ ◇ ◇ 相手を追い込む場合は、自分のホームグラウンドでやる方がやりやすい。 前に沙織がニヤニヤしながら言っていたことだ。 沙織の場合は、しつこい求婚者を断る時に秋葉原で立ち回ったそうだが。 私は私のホームグラウンドを選んだ。 「る…瑠璃………さん?」 今いるココは私の部屋。 私は仁王立ちの状態で、正座している彼―――京介を見つめる。 「私に何か、言うことはある?」 「な、何だっつーんだよ!俺にはさっぱり……」 「私に言う事があると思うのだけど」 「…………………な、何を根拠に」 「田村先輩から謝罪されたわ」 「ごめんなさい」 私は最低のヘタレの顔を見下す。 ……はぁ、まったく、この男は。 「あ、あの、でもな、あれはお酒が―――」 「酔っ払ってたら何をやっても良いと? じゃあ私がお酒を飲んであなたを殺しても文句ないわね」 「いやちょ、でも結局なにもしてないし…」 「おっぱい押し付けられて勃起してた男が何を今更」 「いやまぁそれはその……男の生理というか」 「あらあら、ようやく自分が最低の雄だと自覚したのかしら」 私は彼を見つめ、心の中でため息をつく。 本当は、こんなに責め立てるつもりではなかったのだけど。 浮気といっても未遂だ。彼の言う通り、結局何もしていないのだから。 今後、あの女と二人で会わないという約束を取り付けられればいい。 そう思っていたのだけど――― 「だいたい、最後までしなかった理由は『アレ』でしょう?」 「……『アレ』って?」 「あなたのペニスに書かれた―――」 「あ、あぁ……」 彼は立ち上がると、ズボンを下ろした。 私は少し身をかがめ、彼のモノを見つめる。 「これな……風呂で洗っても全然落ちねぇんだ」 彼のペニスには、妹の字で『るりのもの』と書いてあった。 先日、私と彼が部屋で寝ているときに、下の妹の珠希が書いたものだ。 最近あの子は『所有物に持ち主の名称を書く』というのを覚えて――― 彼のペニスにまで書いてあるのを発見したときは、腹筋が壊れるほど笑ったわ。 当然その後、もう私の部屋を覗くのは禁止だと、きつく言い渡したのだけど。 人生、何が幸いするか分からないものね。 「確かにこれは、俺が人前でズボンを下ろせない理由の一つではある」 「そうね……だから田村先輩の誘いも断ったのでしょう?」 「……違うよ」 彼は私を抱きしめた。 いつもなら、私の心臓は高鳴るはずだった。 ―――はずだったのに。 なぜだろう、私は彼の腕から何も感じることができない。 「……離して」 「違うんだ、瑠璃。俺が麻奈実を断ったのは―――」 「私が好きだから、とでも言うつもり?」 「――そうだ」 「離して!」 私は彼の腕を振りほどき、彼から目をそらす。 彼はズボンを半脱ぎの情けない格好で固まっていた。 「早くズボンを履いたらどう?」 私の言葉に、彼はおずおずとズボンをずり上げる。 まったく情けない男。 情けなくて、変態で、ヘタレで、察しが悪くて。 それでも彼の優しさだけは、信じていたのに。 「私はもう、あなたが分からない」 「瑠璃………」 「あなたの腕から、何も感じられない」 「………」 「信じることができない」 「……ま、待ってくれよ」 田村先輩ほど胸が大きいわけではない。 私の貧弱な体では、この人だって満足しないのだろう。 今となっては、なぜこの人が私を恋人にしてくれたのかすら、 私にはさっぱりわからない。 私はこの人が好きだ。 私の人生は、この人と出会った事で初めて輝きだしたのだから。 それでも――― 「………もう、終わりにしましょう」 なぜだろう。 話し出す前は、こんな話をするつもりなどなかったのに。 『五更さん、きょうちゃんを幸せにする自信はある?』 ベルフェゴールの最後の言葉。 あれが呪いとなって私に突き刺さっているのかもしれない。 「私には、あなたと付き合っていく自信がないわ。」 「瑠璃………」 「こんな貧相な胸で、体で、あなたは興奮しないでしょう」 「ちょ、ちょっと待てよ」 「私より田村先輩の方があなたのことを知っているのでしょう」 「おい、待てよ」 「私なんかより、こんな私より―――」 「いい加減にしろお前!!!」 ―――っ!? 初めてだった。 この人からこんなに本気で怒鳴られるのは。 私はびっくりして、一瞬言葉を失ってしまった。 「俺が浮気をしなかったのは、お前のことが好きだからだよ」 あまりにも真っ直ぐな言葉に、私は少し動揺してしまう。 「何勝手に決め付けてんだよ。 俺が一緒にいたいって、そう思ってんのはお前しかいないんだ」 「………ウソよ」 「ウソじゃねぇよ」 「だって私はこんな―――」 「――お前の太ももが大好きだ!!!」 な、何っ!? と、突然何を言い出すのあなたは? 「 俺 は お 前 の 白 い 太 も も が 大 好 き な ん だ よ ! ! ! 細身の体だってすげー欲情するんだぜ!!!」 「な、何よ突然……」 「だ、だからよ、お前の体で興奮しないとか、ありえねぇって」 「……た、ただのセクハラじゃない………」 「そう取ってもらって結構だ。それと………」 そう言うと、彼は少しためらってから言った。 私は彼の口から出てくる言葉を聞き逃すまいと、身を硬くしていた。 「俺と一緒に暮らさないか、瑠璃」 「―――えっ」 それはあまりにも突然で。 どんな言葉が来ても対処するつもりだったのに。 私の頭は真っ白になったまま、何の言葉も生み出せずにいた。 「ほ、ホントはさ。大学決まってから、切り出すつもりだったんだ」 「京介……」 「大学は家から通える距離なんだけど、 やっぱ一度はさ、親元から離れるのも必要だと思ってよ」 「………」 「で、お前も家の事とかあるし、完全に同棲は無理だろうけど。 その、週の半分くらいは俺の家で寝泊りして、一緒に生活できないかなって、さ」 「………」 「だ………ダメか?」 ダメじゃない。 ダメじゃないに決まっているじゃない。 嬉しい。 「お、おい、泣くなって。ってかなんか答えろよ」 好き。 大好き。 京介………私。 「その、俺、本気でお前のこと―――」 「……し、しつこいわね。 何度も言われなくても、もう分かったわ」 やっと分かった。莫迦な女ね、私。 ベルフェゴールのあんな言葉を真に受けたりして。 私が見るべきだったのは、目の前のこの人だけでよかったのに。 「それで、返事は?」 「ふん。どうしてもと言うのなら、考えてあげなくもないわ」 「そっか……ありがとう。楽しみだな」 そんな見透かしたような目で見ないで頂戴。 恥ずかしいじゃない。 「ようやく普段の調子に戻ってくれたみたいだな」 「あら、どの口がそんなこと言うのかしら」 「………この口だ」 彼は突然私にキスをする。 私の頭の中は、とろけそうになってしまう。 嫉妬、喜び、感謝、愛情、憤怒――― すべてが混ざり、溶け合って。 そのすべてが私を構成していた。 その夢のような世界へと溶け出してしまいそうな私を、 現世につなぎとめているのは、彼の唇の感触ただ一つだけ。 彼の唇から、私の中に暖かいものが伝わってくる。 唇を離すと、私は彼に問いかけた。 「……許してほしい?」 「あぁ…許してくれ」 「……許して『くれ』?」 「…ゆ、許して下さい瑠璃様」 「…ふ、ふん。仕方ないわね」 もう大丈夫。 今のやりとりは、いつもの会話だ。 ここにいるのは、いつもの京介だ。 やっと帰ってきた。 かけがえのない私の恋人。 「一つだけ、約束して」 「ん?なんだ?」 「あ…あの女ともう、お酒は飲まないで」 「…あ、あぁ。こんなことがあったしな。 もう飲まないよ」 そして、私たちは再びキスをする。 ◇ ◇ ◇ 「ほーら、これでどう?」 「る、瑠璃………うっ」 布団の上に裸で寝ている京介。 私は彼のペニスを、足でしごいている。 「ふふふ。とんだ変態ね。この足が好きなのでしょう?」 「す、すげぇ気持ちいい………」 今まで手や口でしたことはあったけれど、 こういう風に足を使ってするのは初めてだ。 ……というか、こんなプレイもあるのね。 彼の変態ぶりもたいしたものよ。 「はぁ……はぁ……なぁ瑠璃」 「どうしたのかしら、変態さん」 「舐めてもいいか?」 「―――えっ?」 私が答えるより先に、京介は私の足を舐め始める。 「―――ひゃんっ!」 へ、変な声が出てしまったじゃない。 彼の舌は私の足のつま先から、ふくらはぎへと移動した。 そのまま私の足の間に入り、太ももの内側を舐める。 「はぁん………舐めてもいいとは………あぁん……言ってないわ」 「……ふん、じゃあやめちまうか?」 「………意地悪なこと言わないで頂戴」 私の反応に満足したのか、彼は再び私の太ももを舐め始める。 そして、私の中心に向かって、じらすように少しずつ移動してくる。 「はぁん……はぁ……あぁ………京介ぇ………はぁ」 もう少し。 もう少しで私の秘所に彼の舌が――― 「ふふ、まだおあずけだよ」 彼の舌は反対側の足に移動する。 ―――そ、そんなに焦らされたら私。 「あ、あんまり焦らさないで。早く入れて頂戴」 「とんだエロ猫さんだな」 「言ってなさい」 私は反撃とばかりに、彼のペニスを口に含んだ。 「んっ………んふっ………はんっ……っぷぁ…」 「くっ……ぁ…お、お前ホント上手くなったよな」 「んはぁ………わ、私の魔力を持ってすれば、簡単なことよ」 「ふふっ、そういうことにしといて………うぅっ…ふ、不意打ちだぞ」 「ぴちゃっ………レロ……ふふふ、かわいいこと」 彼のペニスには妹の書いた文字が残っている。 『るりのもの』―――そう、私のもの。 絶対誰にも渡さない。 大切な、私だけの、恋人。 「ねぇ、入れて頂戴」 「あぁ、入るぞ、瑠璃」 んんっ……… 何度繰り返しても、この快感は飽きることがない。 大好きな人が自分と一つになる感覚。 それに、今日は格別だった。 心のずっと奥底で、私は不安だったのだろう。 私のこの体が、女としての魅力に欠けているのではないかと。 「あぁ……あぁん…あん…は、激しいわ」 それが、彼はこんなにも激しく私を貫いてくれる。 思えば、今までだってそうだったのだけど。 彼の妹もとても魅力的な体をしているし、 彼の幼馴染だって女らしい体をしている。 沙織にしたって、服装はともかく体型は……… それに比べて私はどうだろう。 こんな貧相な体。健康的ではない白い肌。 ずっと鏡で見ては、コンプレックスを抱いてきた。 「好きだ、瑠璃………あぁ、すげぇエロいぜ……」 「んぁ……ば、莫迦……んん」 そんな私に彼は言った。太ももが大好きだ、と。 そして、一緒に暮らしたいと。 私は、私の体を恥じることを、しなくてもいい。 一緒にいることで、彼を幸せにすることが出来る。 彼は何度も何度も私を貫く。 イきそうになっては体位を変え、できるだけ長く繋がろうとする。 そして、いろいろな角度の私を愛してくれる。 「瑠璃っ……はぁ…はぁ……もう我慢できなそうだ……」 「……んん……はぁん……き、今日は中に出してもいいわよ」 「………ん……はぁ………あ、安全日なの?」 「……あぁん……む、むしろ危険なのだけど」 「……せ…責任取れってことかよ」 「………んはぁん……あぁ…その覚悟もないと?」 「…………バカ……覚悟とかじゃねぇだろ」 あぁ、私だって頭では分かっているわ。 今子供が出来てしまっても困るじゃない。 頭では、分かっているつもりよ。 彼の腰の動きが加速していく。 「はぁ…あぁ…あぁ…あ…ダメ、私…あぁ…」 「くっ…お、俺も……うっ」 今はいい。子供を作るのなんてもっと先の話でいい。 彼にその覚悟と準備ができるまで、私はいつまででも待てるもの。 「……はぁ…瑠璃っ、もうイクっ」 「…京介ーっ!」 ドクンっ ドクンっ 彼は、ペニスを抜かなかった。 私の中の、一番奥深くで、ためらいもせずに、精を放出した。 「はぁ、はぁ……瑠璃………」 「京介………」 私は彼を見つめる。 あれ? 彼の顔がぼやけて見えてしまう。 「ばかやろう、何泣いてんだ」 「だ、だって」 私は彼の気持ちが嬉しくて、嬉しくて仕方ない。 「あなたのコレは、私のものよ」 いつかのように、私は彼のモノを握る。 「コレだけじゃないだろ?」 彼は表情を崩し、私の頭に手を置きながら言った。 「俺の体は、全部お前のものだよ」 ………莫迦。 私が涙を流しすぎて魔力を失ってしまったら、それはきっとあなたのせいよ。 ◇ ◇ ◇ 「ききましたか?日向おねぇちゃん」 妹が話しかけてきた。 んふふー、しっかり聞いてたもんね。 にしても、今日も瑠璃姉と高坂君のエッチ、すごかったなぁ。 私はまだよくわかんないけど、大人になったらあーゆーことするんだよね。 いやー、瑠璃姉もすっかり『大人の女』って感じ? 「はい、これもってきましたよ!」 妹からマジックを受け取って、と。 この前、珠希が高坂君のおちんちんに名前を書いたのは面白かったけど。 結局あのあと瑠璃姉に怒られてたからなぁ。 でもさ、面白そうだから私もやってみたかったんだよね。 おちんちんに名前書くの!ぷぷぷ。 しかも今回は…… 「日向おねぇちゃん、がんばりましょうね」 「うん、今回は大掛かりになりそうだからね」 なんてったって今回は、おちんちんだけじゃないもんね。 高坂君言ってたもん。 『俺の体は、全部お前のものだよ』 さーて………ぷぷっ………よし、やっちゃうぞーーー! おわり
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唯「ムギちゃんっ♪」 彼女が輝くような笑顔を向けるたびに、私の心は幸せな気持ちでいっぱいになる。 それはどうしてなのか、最初の頃はわからなかったけど…今は違う。 紬「…唯ちゃん♪」 唯ちゃんのことを見つめていると、こんなに胸が苦しくなって、悲しくなって、嬉しくなる。 ずっとそばにいれたらいいなって、そう思う。その理由は、とても単純なこと。 私は、唯ちゃんのことが好きなんだ。 律「なぁ唯ー!」 その日は、澪ちゃんと梓ちゃんの姿は軽音部の部室になかった。 新しい機材の購入を控えていて、その下見のために楽器屋に出かけたのだ。 唯「なあにー?」 律「このまま3人で延々とお菓子食っててもしょうがないしさぁ、どっか遊び行こうぜ?」 唯「いいねー♪行く行く!」 紬「あ…私今日はお財布家に忘れて来ちゃったから…」 律「あぁ、そっか!昼間言ってたもんな…じゃあ唯、二人で行こうぜ」 紬「え…?」 そんな…待ってよ。なんで二人で出かけるの?私を置いて、どうして唯ちゃんを連れていくのよ。 だいたい、なんで遊びに行くなんて提案するの?他にも時間を潰す方法なんていくらでもあるのに… 唯「でもりっちゃん、ムギちゃんだけ置いてったらかわいそうだよ?ムギちゃん、おごってあげるから一緒に行こう?」 紬「え…い、いいの?じゃあ私…」 律「お前だって金欠だって言ってただろ?おごりは金に余裕がある奴がするの!」 唯「でも…」 律「ムギは電車の時間もあるしさ、また今度行こうぜ?」 唯「うぅ…ごめんねムギちゃん…」 紬「え…あ……」 律「そうだ唯、アイスおごってやるよ!澪と梓には内緒な?」 唯「ホント!?りっちゃん太っ腹ー♪」 律「へへ…んなことないって…」 紬「ま…待って!」 律「…なんだよムギ、まだなんか用あるのか?」 紬「そ…そういうわけじゃないけど…ほら、唯ちゃんの帰りが遅くなると憂ちゃんが心配するんじゃない?」 律「そんなのメール送っときゃいいだけの話だろ?なー唯」 唯「うん、ちゃんと連絡すれば大丈夫だと思うー」 律「てことで私らは先行くから戸締まりよろしくな。さ、行こうぜ唯。寒いからくっついてこーぜ♪」 唯「わわ、歩きにくいよりっちゃん!」 紬「……!」 りっちゃんは唯ちゃんの肩に手を回して歩き始めた。 その行為には躊躇した様子なんてかけらもなく、あまりに自然なものだった。 そう、まるで恋人同士がするように。 紬「ま…待って!」ギュッ 私は唯ちゃんの腕に自分の腕を絡めた。できるだけ胸が当たるように密着させて。 唯「ふわ…ム、ムギちゃん…?」 紬「私も…私も一緒に行く!」 律「な…お、お前金ないって…」 紬「お金がなくても遊べるじゃない!ねぇ唯ちゃん?」 唯「う…うん…あ、あのムギちゃん、む、胸が…」 紬「え?なあに?」 唯「うぅ…////」 律「こ…こんにゃろー!」ギュッ りっちゃんも負けじと唯ちゃんに抱きついた。 …が、唯ちゃんは私の胸の感触に夢中のようで、まったく気にする様子はない。 律「お、おい!唯!?」 唯「ムギちゃんって…意外に胸おっきいんだね…」 紬「そ、そうかしら…も…もし唯ちゃんが触りたかったら、触ってもいいのよ?」 唯「うぇっ!?な、なに言ってんのもう!ムギちゃんたら!」 律「わ…私もおもいっきり当ててんだけど…」 唯「んむぅ、りっちゃんのはゴツゴツしてて痛いよ!」 律「ゴツッ…」 そして私たちは部室を後にした。 この時、りっちゃんに対する嫉妬はなかったわけじゃない。 でもりっちゃんに負の感情をぶつけてしまうよりは、自分に正直に、まっすぐに唯ちゃんにアタックするべき…そう、思ったんだ。 唯「あ…あのぅ、二人ともそんなにくっついたら歩きにくいよ…」 私たちは3人でくっついて歩いていた。 両サイドから腕を抱かれて、まるで唯ちゃんは捕獲された宇宙人状態。 紬「りっちゃん、唯ちゃんがそう言ってることだし離してあげたら?」 律「ムギが離したらどうなんだ?お前の足が太いからぶつかって歩きにくいんだろ?ぷっ!」 紬「り…りっちゃんはあまりに胸が小さいから唯ちゃんが痛がってるわよ?ゴツゴツするのよ、ゴツゴツ!」 紬律「……」 唯「い、板挟み…」 そのまま街を闊歩していても仕方ないので、いつも寄るケーキ屋さんに入った。 席についても、3人ぴったりくっついてぎゅうぎゅう詰め。 少し苦しいけど…りっちゃんに負けるわけにはいかないわ! 律「唯、何か食べたいものないか?おごってやるよ」 唯「ホントにいいの!?ありがと、りっちゃん大好き!」 律「へへ…そ、そうか?」 あぁ…唯ちゃんが極上の笑顔をりっちゃんに…うぅ、私もお金さえあれば…はっ!! 私もしかして…唯ちゃんへの愛をお金で量ろうとしてた…?あぁもうバカ、私ったら最低! お金がなくたって、できることはたくさんあるはず! 店員「ご注文お決まりでしょうか?」 律「えっと、チョコレートケーキ2つにミルクティー2つ!あとこちらの子にお冷や追加で!キンッキンに冷えたやつね!」 紬「……クス」 律「!?」 私の余裕たっぷりの微笑みに恐れおののくりっちゃん…せいぜい見てて、私の秘策を! 唯「それじゃいただきま…」 紬「待って唯ちゃん、フォーク貸して?」 唯「え?なんで…?」 紬「いいからいいから…うふふ♪」 私は唯ちゃんからフォークを受けとると、ケーキを一口取った。そしてそれを… 紬「もぐもぐ…」 律「お前が食うんかい!」 唯「うー…ムギちゃん?」 紬「あら、私ったらつい癖で…ごめんなさいね?お礼に…はい、全部食べさせてあげる」 律「なっ…?」 …そう、これぞ名付けて『恋の故意死球(ビーンボール)作戦』! 唯「い、いいよそんな!一口くらい別に…」 紬「いいから…はい、あーんして?」 律「あぁ、ちょっ…!」 唯「あーん…もぐもぐ…」 紬「うふふ…♪美味しい?」 唯「…うん、おいち……」 紬「まぁ、おいちいんだ♪」 舌足らずのかわいい唯ちゃん。すかさずその頭を撫でると…その顔は真っ赤に染まるのだった。 唯「……/////」 紬「うふふ…♪」 律「くっ…うぬぬ……」 律「ほ、ほれ唯!ミルクティー飲め!うまいぞ!」 唯「い、いやいいよそんな…んごご…ぶぁちっ!!」 律「あぁっ!唯ー!」 全てにおいて二番煎じのりっちゃん…うふふ、絶対に唯ちゃんは渡さないんだから… 唯「ごちそうさま…ふぅ」 紬「お腹、いっぱいになった?」 唯「うん、いっぱいだよー♪」 律「よし、それじゃ…」スッ 唯「…ムギちゃん」ギュッ 律「あう…」 りっちゃんを身をよじるようにして避けて、唯ちゃんは私に抱きついた。 何かを求めるような眼差しに、私は思わずドキッとしてしまう。 紬「な…なあに?」 唯「わ…私ね…?」 紬「……」 律「ずいぶんがっかりしてるな?まさか、コクられるとか思ったり?」 紬「そ…そうじゃないわよ…」 あの後唯ちゃんが言ったセリフは『トイレ行きたいからどいてくれる?』だった。 口では強がりながら、私は地味に凹んでいたのだった。 律「ふ、まぁこれからの私の逆襲にお前は…ん、梓から電話だ…もしもし?…うん…え…澪が…?うん…うん…あ…そうか…わかった…うん……」 紬「なんて?」 律「…澪のやつ、またレフティ症候群にかかったらしい…ちくしょう!」 (レフティ症候群…11話参照) 紬「うふふ、残念ね♪それじゃあ行ってらっしゃい♪」 律「20分…いや、15分で戻る!だから絶対ここから動くなよ!絶対だからな!」 紬「うん♪いくらライバルだからって、りっちゃんを裏切ったりしないわ♪」 律「く…南無三!」 こうしてりっちゃんはいなくなった。その1分後… 唯「あれ、りっちゃんは?」 紬「急用ができて帰ったわ!これから二人で出掛けましょう♪」 店を出ると、辺りは薄暗くなっていた。 私は唯ちゃんの手を強く握って、寄り添うように歩き出した。 唯ちゃんはうつ向きながら、ほのかに頬を赤らめている。 唯「…どこ行く?」 紬「うーん…唯ちゃんは行きたいところある?」 唯「特にはないかなぁ。もうお金ないし…どっか公園にでも行こうか」 しばらく行くと、人気のない公園に着いた。 そのままベンチに腰かけたはいいけど…は、話すことがない。 考えてみたら、さっきまでのは全部りっちゃんありきでの行動だった… ど、どうしよう、急に緊張してきちゃった… 唯「…ムギちゃん」 紬「な…なに?」 唯ちゃんはとろんとした瞳を私に向けた。 そして…手を自分の胸に押し当てて、苦しそうに言う。 唯「わ、私ね…今すごくドキドキするの」 紬「ドキ…ドキ…?」 唯「りっちゃんといる時は普通だったのに…ムギちゃんの顔見て、こうやってそばにいるだけで…なんか、すごくドキドキするの」 紬「それって…?」 唯ちゃんは不意に私に顔を近づけた。 少し首を動かしたら、口づけが簡単にできてしまうような、そんな距離まで。 唯「なんでかな…ムギちゃん、わかる…?」 紬「え…えっと…ね……」 唯ちゃんの瞳や唇、上気した頬、私の胸に重なる柔らかい感触、私の太ももに絡む足のタイツ越しのぬくもり… その全てが、扇情的に私の目の前で熱を放つ。ど、どうしよう、私… 唯「ムギちゃん…?」 紬「たっ、多分…だけどね……?」 唯「うん…」 紬「…わ、私のことを…す…好きだから…じゃないかな?」 唯「すき…?」 紬「だって私も…同じだから。唯ちゃんのことが好きだから、すごくドキドキするの…」 唯「私が…ムギちゃんを…?」 って何言ってるの私!?今さらっと唯ちゃんに、こ、ここ、告白を…! 紬「ごめんなさい唯ちゃん!今の忘れて…!」 唯「…ムギちゃん」 紬「はいっ!?」 唯「触ってもらったら、分かるかな」 紬「え…何を…?」 唯「だからね…?ムギちゃんが私のこと好きなら、私も同じくらいドキドキしてるってことだよね?」 紬「う…うん…?」 唯「だから…触ってみて?」 紬「な、何を!?」 唯「…私の胸」 紬「……えっ!?」 続き