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前へ 研究所の外を出ると、外はもう茜色に染まっていた。 ずいぶんと研究所の中にいたようだ。 もういないかもしれないがとりあえずのび太は、マサゴの浜へと足を進めた。 「ここがマサゴの浜...。」 海に夕日が映り綺麗だった。 目を凝らして見ると、ヒカリが浜辺に座っている。 こっちに気づいたのかヒカリは手招きをして呼んでいる。 のび太はヒカリの隣に腰を下ろし、手足をのばした。 「あァー、今日は色々あったなァ。あ、ヒカルは?」 「もう寝てるからあんまり大きな声出さないで。疲れてるみたいね。」 「ゴメン...。」 ヒカルはヒカリの膝でぐっすりと眠っていた。 まるで天使の様だ。 「可愛いね。ヒカル。」 「私より?」 突然の言葉に驚くのび太。なんと言い返せば分からない。 「アハハ。冗談よ冗談。・・・・・・・・。 あのさ...私ね、一ヶ月より前の事が何もわからないの。」 きたこの話だ――――――― 「私、前にキッサキシティに住んでいたの。 でも突然マニューラの群に襲われて...私の...私の大切な人を傷つけてしまった。」 「え?なんでヒカリがそのことを知っているの?」 のび太はあわてて口を塞ぐ。 しまった――――――― 「そうナナカマド博士に聞いたの。博士はいい人よ。 私を傷つけまいと、決してその事は言わなかった。でも...。でも私は覚えてるの。」 しばらく沈黙が続いた。 が、その沈黙を破ったのはのび太の方だった。 「その大切な人って...君の恋人か何か...?」 何聞いてるんだボクのバカ! だが内心心配で心配でたまらなかった。 もし恋人がいるのだとすればぼくは――――――― 「ううん、分からない。でも本当に大切な人なのは確かよ。」 涙を流すヒカリ。見てるだけでもつらい。 「あのさ...。ぼく、友達を捜すためにキッサキシティにも行くんだ。 もし良かったらヒカリも一緒に行かないかい?」 「え...?冗談でしょ?」 目をキョトンとするヒカリ。 「冗談じゃないよ。」 どうやら本当のようだ。のび太の顔はいたって真剣そのもの。 「ダメだよ...。私...おじいさんやヒカルにまだ恩返ししてないもの。」 ヒカリが話し終わった時、後ろからある人影が現れた。 「お、おじいさん!?」 「行っておいでヒカリ。」 おじいさんの顔はいつもとは全く違った。 「ダメだよ...。おじいさん、私は...!」 「いいから行ってきなさい!」 おじいさんは怒鳴った。声が震えている。 「私が...邪魔...なの...?」 おじいさんは首をよこに振った。 「そんなわけ...、そんなわけないだろう...!」 おじいさんはヒカリをぎゅっと抱きしめる。 「おじいさん...。」 ヒカリをおじいさんを見た。涙が出ている。 こんなおじいさんをみたのは初めてだ。 おじいさんは涙を拭きながらこう言う。 「私は...、もう十分にヒカリに恩返ししてもらったよ...。」 「私は、ひとりぼっちだった。」 おじいさんは語り出す。 「私もトレーナーとしてチャンピオンを目指していることもあった。 しかし...ギンガ団とかいう謎の組織によって私のポケモンが全て奪われ、目の前で殺された...。それ以来私は誰も信じられなくなり全てを拒んだ。 その時だよ...ヒカリ。おまえが来てくれたのが。おまえと暮らしているうちに私は閉ざされた心を再び開くことが出来た。」 のび太はおじいさんの話の中の ギンガ団 というところに注目した。 人のポケモンを奪って殺すなんて間違ってる...! おじいさんは話を続ける。 「ヒカルだってそうだ。いつも一人のヒカルをあんなに元気な子にしてくれたのはおまえ以外の何者でもない。私達はもう十分に恩返ししてもらったよ...。」 ヒカリの純粋な眼からワッと涙があふれ出した。 ヒカリはおじいさんを強く抱きしめ、泣き続けた。 のび太はそれを見ていた。 彼らの話には感動したがどうしてもギンガ団の存在が許せない。 歯ぎしりをし、拳を強く握りしめる。 その時のび太の心のなかに 憎しみ という感情が生まれた...。 朝日が上り、今日が始まる。 こんなに早く起きたのは久しぶりだ。 おじいさんの姿が見えなかったが、気にしないことにした。 朝食を急いで済ませ、僕たちは旅の支度を始めた。 ぼくは食べ物と生活用品をランドセルの中に入れた。 今、ランドセルに入っているのは 食料 教科書 懐中電灯 リコーダー マッチ お金 ぐらい。 他の物はヒカリに持ってもらった。 旅の支度を終え、ヒカリの家を出るとナナカマド博士が立っていた。 「博士...。」 ヒカリは博士の胸に飛び込む。 最後のお別れ、ということだ。 「ヒカリ...。これを持って行きなさい。」 博士は一つのモンスターボールを取り出した。 ボールから出てきたのはリーフィア。 「このリーフィアは...彼の最後の贈り物だ。」 「ありがとう...。」 ヒカリはリーフィアを抱きしめる。 とても温かくて心地がよい。 「そしてコレは私からのプレゼントだ。」 博士は二人にポケモン図鑑とポケッチを渡した。 「博士...ありがとう。」 二人は礼を言い、マサゴタウンの出口付近へと足を進めた。 そこには、村中の人々が集まっていた。 ヒカリ!がんばれよ!応援してるぞ! ヒカリおねえちゃんがんばってぇ~ ヒカリを応援する声がそこら中から聞こえる。 そこにはヒカルとおじいさんもいた。 ヒカリは笑顔でみんなに手を振り、のび太の腕をつかむ。 「行こ。のび太。これ以上笑顔でいられそうもないから。」 ヒカリはもう泣いている。それほど別れが悲しいんだろう。 「うん。さァ行こうか!」 こうしてのび太は仲間探しに、ヒカリは記憶探しの旅に出ていったのであった。 ハクタイの森 昼間なのに暗い森。 夜になっても暗い森。 それがここ、ハクタイの森。 その森で修行を続けている少年がいた。 重力に逆らっているその髪は、世にも奇妙な姿だった。 彼の名は骨川スネオ。 嫌らしい戦法を好み、ジワジワと攻めるのが得意。 そんな彼は相棒、ドンカラスの育成をしていた。 「へへへ...、これなら誰にも負けないぞ...!」 変な笑い方をしているスネオの頭上に大きく真っ黒な影が現れた。 スネオは上を見上げ、その影がリザードンの物であると確認した。 「リザードン。シンオウ地方にはいないはずだ。トレーナーがいるんだろ? ぼくと勝負しろよ。けちょんけちょんにしてやるよ。」 そう叫ぶとリザードンは地上に降りてきて、背中に乗せているトレーナー、煉獄を下ろした。 「貴様、てんかいのふえを持っているか?」 スネオは怖かった。 よく見るとリザードンは黒。 そしてこのトレーナーも黒いコートに身を包んでいる。 全ての闇をかき集めても足りないような漆黒の眼。 額から左眼を通り、頬にまでのびている弧状の大きな古傷があった。 その眼と同じくらい見事な黒髪。肩まで伸びている。 身長はだいたい175㎝ぐらい。 顔立ちはかなりいいが、その男からは負の感情しか読みとれる物がなかった。 「質問に答えろ。貴様はてんかいのふえを持っているか?」 スネオは横に首を振る。怖くて怖くてちびりそうだった。 「そうか。ならばいい。失せろ。」 スネオはこの言葉にカチンと来てその男、煉獄に向かってこう言った。 「ぼくが元々ここにいたんだオマエが失せろ!」 煉獄はその眼でスネオを睨み、ボールを取り出す。 「へっ!やる気か!いけっ、ドンカラス!オマエの力を見せてやれ!」 スネオはドンカラスを繰り出し、攻撃を命令する。 が、煉獄はまだボールからポケモンを繰り出していなかった。 ドンカラスは空高く昇り、煉獄に向かって急降下した。 上空からの勢いをつけたドンカラスはとてつもなく速く、とてつもなく危険だった。 そのくちばしに当たると何もかも破壊できるくらいの威力だった。 しかし煉獄は、ドンカラスの攻撃を軽くよけ腹部をおもいきり蹴った。 すさまじい音と共にドンカラスは倒れていた。 「雑魚が...。俺をなめるんじゃねぇ...!」 スネオは震えていた。 素手でポケモンを倒した...?そんなのあり得ない。 倒れたドンカラスがスネオの方を見ている。 スネオを信じきった目。次のスネオの命令を待っている。 スネオはすごいきずぐすりを飲ませ、ドンカラスに向かってこう命令する。 「すこし卑怯だが、この際仕方がない。ドンカラス、思い切り鳴けぇ!」 ドンカラスはそのたくましい身体から大きな声をだした。 空気が震えているのがわかる。その声は森中に響き渡った。 バサバサと羽音が聞こえる。 空を見るとヤミカラスの群が集まってきていた。 空は完全にヤミカラスに覆われ、全てが黒になっていた。 100...200...いや500はくだらないほどのヤミカラス達が集まり、煉獄を睨んでいる。 「このドンカラスは慕われていてね。この森のヤミカラス達の首領なんだよ!」 煉獄は 不敵に笑った。 「くだらん。数で勝負か?身の程しらずが!」 そう言うと煉獄はボールからサンダース、ブースター、シャワーズを繰り出した。 「サンダース、めざめるパワー炎。」 煉獄がこう命令するとサンダースはブースターに向かって攻撃を始めた。 「正気か?自分のポケモンを攻撃するなんて。」 スネオは煉獄の行為が全く理解できなかった。 500対3 この圧倒的な数の有利によりスネオは勝利を確信していた。 その時、短気なヤミカラスがサンダースに攻撃をしかけた。 「サンダース、めざめるパワー氷。」 ヤミカラスはサンダースの放っためざめるパワーにあたり即瀕死状態になる。 スネオは驚いた。 「バカな!めざめるパワーは1体1体によってタイプが決まっているはず...。 なぜ炎と氷の属性が同時に出せる!?」 やれやれと言った表情で煉獄は説明をし始める。 「この能力はコイツの生まれ持っての力だ。」 「俺のサンダースの特殊能力は属性変換。そしてブースターは火力補正。 シャワーズは水分拡散。この様にポケモンの中でもまれに特殊な力を秘めて生まれてくる者がいる。 が、大抵はそのまま気づかずに死んでいくケースが多い。 まだこの事は表向きにはには実証されてはいないが我々ギンガ団にとってはもう実証済みだ。」 スネオは彼に問う。 「ま、まさかオマエはギンガ団の...!」 煉獄は笑みをうかべてこう言う。 「そうだ...!おれはギンガ団の副団長、煉獄。アカギ様の信頼を最も受け、 アカギ様の考えを最もよく理解している。」 スネオは完全にビビっていた。 強大な組織ギンガ団の副団長。 ボクなんかがかなう相手じゃない。 「さァ...始めようじゃないか...愚かな少年の埋葬を!」 「シャワーズ、中心部にハイドロポンプ。」 シャワーズはヤミカラス達の中心にハイドロポンプを放つ。 数十羽のヤミカラス達がびちょびちょに濡れ、その周りがどんどん湿っていく。 「ククク...。シャワーズの特殊能力、水分拡散...。 一匹でも濡れれば周りにだんだんと水分が行き渡る。」 続いてサンダースの十万ボルトが炸裂した。 水に濡れたヤミカラス達は次々と地面に落下してくる。 その光景をスネオは見ていることしか出来なかった。 あまりにもレベルが違いすぎて命令も何もできない。 「あと約300羽。ブ-スター、とどめだ。オーバーヒート。」 サンダースのめざめるパワーによって炎の威力が上がったブ-スターは、 体内からとてつもなく強大な炎を繰り出す。 「サンダース、シャワーズ、まもる。」 サンダースとシャワーズは守りの体勢に入り、じっとその光景を見つめていた。 炎はヤミカラス達の近くで大きく爆発した。 爆風はすべてのヤミカラスを包み込み、叫び声をあげさせる。 「ククク...。いいぞォ。 この死の断末魔にあげる叫び声が、唯一俺の心に安らぎを与えてくれる。」 「全てのヤミカラス達が地面で倒れている。 生き残っているヤミカラスはどこにも見あたらない。 たくさんの命を奪った爆風が煉獄の長い髪をなびかせている。 「ククク...。水の電気分解で酸素と水素を分解させ、熱を加えて爆発させたんだ。子供にこの原理が理解できるか?」 スネオは立ち尽くしていた。 500羽のヤミカラスが3匹のポケモンにすぐに殺されてしまった。 その現実が理解できなかった。 スネオはたまらずドンカラスに飛び乗り、どこかへ逃げてしまった。 「コイツも持ってなかったか...。まァいい。プロジェクトはもう動いている。 シンオウ地方もあと少しの命だ...!」 煉獄の笑い声がハクタイの森を響かせる。 約500匹の遺体を越えて...。 注意 煉獄の「煉」は代用漢字使用(変換不可?) 202番道路 ギラギラと照りつける太陽がぼくを苦しめる。 目の前にいる短パン小僧、ユウタもかなり暑そうだ。 「負けたよ...。君のビッパ、ずいぶん打たれ強いね。」 そう、ぼくが初めて捕まえたポケモン、ビッパは身体が頑丈だ。 図鑑によるとこのビッパの性格はゆうかん。 特に防御も特防も上がりやすい性格ではない。 「のび太ァ。早く行こォ。」 木陰で休んでいるヒカリ。その傍らにはリーフィアとナエトルがたわむれていた。 「さて次はナエトルを鍛えるかな。」 「よくやるわねぇ。この暑い中。」 今朝、のび太はナナカマド博士からナエトルをもらった。 どうやらヒコザルはもう他の人にもらわれたらしい。 一体誰だろうか? 太陽が頭上に昇り、そろそろお腹が減ってきた。 「のび太ァ。もう気が済んだァ?コトブキシティにご飯食べに行こ!」 ヒカリがあくびしながら言う。 やけに静かだと思っていたら今まで寝ていたらしい。 「わかった。でもその前に...勝負だヒカリ!」 勝つ自信はあった。 捕まえた頃と比べると見違えるほど強くなっている。 それは確かだ。 でも負けた。それほどヒカリのポッチャマは強い。 あの鍛えられ方はハンパではない。 気が付くと、もうコトブキシティに到着していた。 かなりの大都市だ。人工も多い。 「早くのび太ァ。」 のび太はヒカリに連れられポケモンセンターに入っていった。 「うわ!すごい人だ!」 中は人でごった返していてとてもボールを預けられる状態じゃなかった。 とりあえず食堂へと向かい食事をとることにした。 今日の昼食はスパゲティ。余談ではあるがポケモンセンターの料理は安くておいしい。 のび太はビッパ、ナエトルの育成をしたせいか、かなりのスピードで食べた。 「あれ?のび太。口の周りにミートソースついてるよ。」 ヒカリは側にある紙ナプキンを取り出しのび太の口を拭こうとした。 「ちょ、いいよ!恥ずかしいってば!」 のび太はあわてて窓ガラスの方を向く。 すると、ある人物が目に映った。 「ジャイアンだ...!」 のび太は思わず席を立った。 ヒカリが何か言っていたがそんなことはどうでもいい。 全速力でポケモンセンターを出、ジャイアンを探す。 だが、もう人混みに紛れたのかジャイアンの姿はなかった。 確かに見た。オレンジ色のシャツに紺色の半ズボン。 あれはジャイアン以外に考えられない。 「どうしたの?いきなり出ていったりして。」 ヒカリが息を切らして走ってきた。 「ジャイアンがいたんだ...。」 それからヒカリとぼくとで別行動を取ることになった。 どうやらヒカリは用事があるらしいので、ポッチャマを預かり噴水の前で遊んでいた。 いや、子守をさせられた、と言った方が正しい。 「ハァ...なんでオマエはそんなに強いんだ~?」 ポッチャマの頭を撫でてやると、笑って喜ぶ。こう見るとただのポッチャマだ。 その後、ポッチャマは噴水の中に入り水浴びを始めた。 「コラコラ。出てきなさい。」 すかさずボクは手をのばしポッチャマを引き戻そうとする。 ドン! すると何者かがぼくにぶつかり、噴水の中に頭をつっこんでしまった。 鼻の中に水が入り、苦しくなる。 いくら暑いとはいえ、いきなり水の中に顔をつっこませられると苦しい。 「お!悪ぃ悪ぃ。」 髪の毛が黄色の少年はそう言い残し立ち去っていった。 年はだいたいぼくと同じぐらい。薄手のマフラーを巻いている。 ヒカリの知り合いだろうか? ぼくはポッチャマをボールに戻し、その男の後をついていった。 ボクが後をつけて5分ほど後、少年はある建物の中に入っていった。 「トレーナーズスクール?」 その建物にはそう表記されていた。 ぼくはびしょぬれの状態なのにもかかわらず戸を開いた。 「おい!髪の黄色い少年!ポケモンバトルだ!」 自分でも何をいっているのか分からなかった。 ただ謝って欲しいだけなのに何でポケモンバトルなんて言っちゃったんだろう。 「お前はさっき突き飛ばしちまったやつじゃねぇか。ごめんな。おれはせっかちなもんでな。ポケモンバトルか?さぁやろうぜ!」 早口で話しているのであまり聞き取れなかったが、最後のところは聞こえた。 ぼくはボールを取り出し、ビッパを出す。 「いけ!ビッパ!ってあれ...?」 すでにビッパは疲れ果てていた。 そうだ。あの時ポケモンセンターで回復してもらってない! 「へ!なんかお前のビッパ疲れてるじゃねぇか。行け!ヒコザル!」 そう叫ぶとボールからヒコザルが飛び出した。 ヒコザル...!こいつもナナカマド博士にもらったのか!? 「さぁバトル開始だぜ!」 次へ
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キャラクターファイル目次 マーカーブラックマーカー レッドマーカー ネクロモーフ マーカー ブラックマーカー 出典:Dead Spaceシリーズ 登場作品:野比のび太のDead Space 原作Dead Space 200年前地球で発見された謎の物体。 異星人による建造物らしく、螺旋に絡まる四角錐のような外観で、大きさは数メートル。 全体に言語ともとれる記号が記されてあり、解読する事で得た情報から入手した遺伝子組換え技術を使うと、 死んだ細胞は再結合し組織は自己再生する、所謂ネクロモーフ細胞を作り出す事が出来た。 野比のび太のDead Space レッドマーカー 出典:Dead Spaceシリーズ 登場作品:野比のび太のDead Space 原作Dead Space The Black Markerを模して、Altman主導で政府によって作られた建造物。 The Black Markerとの違いは色だけとされている。 Markerの周辺には「Dead Space」場が作り出され、Hive Mindを抑制し、 遺伝子組換え技術による再結合を止めるのでnecromorphsも活動を停止する為この力場内には近づけない。 起動すると、音波から脳波にいたるまで幅広い周波数帯におよぶ複雑な律動的パターンを発する。 そのパターンは通信機器に微細な影響を与え、周辺の人間に対し、痴呆、抑鬱、不眠、幻覚の症状を引き起こす。 その幻覚症状として、その対象にとって大切な人物の幻覚を見せる事があり、 ゲーム内でもDr. KyneやIsaacは妻や恋人の姿を見ていた。 200年前実験のためAegis 7で起動し、同時にnecromorph細胞の研究も行われていたようである。 後にその致死性の有機体(necromorph細胞)による感染がおこり、イージス星系は丸ごと封鎖され、 同時に研究結果やRed Markerの所在についても闇に葬られる形となった。 本来はイージス星にある装置の上で力場を増幅させ、星にいるnecromorphsの活動を抑制するのが目的である。 その意志としてMarkerを所定の場所に戻す事を望んでいたようであるが、 同時にnecromorphsの増殖を促しているようにも見え、未だに謎が多い物体である。 オリジナルのMarkerが何故地球にあったのか、 そこに書かれている情報に何故死んだ細胞の再結合方法などが記されていたのか、 この存在の本来の目的は何か、人間に幻覚などを見せるのは何故なのか、 と様々な疑問のどれもが未だ憶測が飛び交うばかりである。 野比のび太のDead Space Chapter8のボスとして登場。正面に接近すると即死するため接近戦は非常に危険。 一発撃つとたちまちプレイヤーの近くにワープして突進攻撃を仕掛ける。ワープから攻撃開始、攻撃終了直後までしか隙がないので、プラズマカッターなどの弱い武器でワープを誘ったあと空振りさせ背後からマグナムなどを撃とう。 後半は二体の加勢がある。ただ、本体より足が速く見分けがつくし攻撃も弱めなので脅威ではないが、倒しても何度でも復活する上に本体にダメージを与えるのに非常に邪魔になる。なので後半は弾が貫通するラインガン使って確実本体の体力を減らそう。 ただ、加勢を倒すとアイテムを落とすので倒すのもアリかもしれない。 ネクロモーフ 出典:Dead Spaceシリーズ 登場作品:野比のび太のDead Space 原作Dead Space 生体再結合子(BIO-RECOMBINATORS)。 Markerから入手した遺伝子組換え技術により生まれた、細胞ともウィルスともとれるもの。 実態は、死体、すなわち死んだ細胞に取り付き同化し、新しい形に作り変えるという反復過程。 他の細胞に感染し、無性生殖によって1分間に20体に増殖する。 そうして生まれた存在は、ある物は死体に感染させるという唯一の目的を持ち、 別のものは感染するための死体を作り出す。 ※つまり、死体はスラッシャーにもインフェクターにもなりうるということ。 至る所で見かける壁や天井の有機組織はその一部で、ガスを出し生息環境を変化させる。 Dr. Kyneによってnecromorphs(死体を変質させると言う意味の造語)と名付けられた。 野比のび太のDead Space 本作におけるゾンビに相当するクリーチャー。 能力的には、他作品のゾンビと比べかなり素早く、攻撃力も高い。 特に動作の無駄がかなり減らされているので、2体程度でも狭い通路ならば非常に危険な存在。 ただのゾンビだと高を括っていると、しっぺ返しをくらうことになるだろう。 また、本作では難易度に比例して敵の攻撃力が上がるので、高難易度では更なる注意が必要。 キャラクターファイル目次
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テーマ曲 地上の星 「屈辱的な敗北」 「自分は弱すぎるという巨大な壁」 「手を差し伸べる人物―――ドラえもん」 「正直この作業面倒・・・」 「次々と捨てられる2V、3V」 「途方に暮れる男たち」 「遂に5V神登場」 「全ての力を振り絞り孵化作業」 「宿題、母の妨害」 「最終兵器しずかちゃんまで登場」 「ジャイアンとの全てを賭けた総力戦」 「僕の手持ちに集結する神達」 「遂に決戦の時―――」 「眠気との戦い 勝ち残った5V」 「想いはただ一回の対戦へ…戦いは続く…」 プロジェクトMAX ~ジャイアンとの決戦2週間をゲームに捧げる~ 「くそぉ!今度こそ!今度こそ勝ってやるからな!」 空き地に僕の怒鳴り声が響く。 数秒後、ジャイアンとスネオは大笑いを始めた。 「アハハハハ、お前には無理だよ!1億年掛かっても無理だな!」 ジャイアンは僕を指差しながら笑う。 最後に、スネオは一言付け足した。 「のび太はな!」 「お、覚えてろよぉ!」 僕は情け無い台詞を口走った後家に帰った。 途中ゴミ箱を転がしてしまったが気にしなかった。 今はジャイアンの野郎に勝つことが一番大事だったからだ。 予想外の早い帰宅だった。 僕は焦った。 ジャイアンに勝たなければ……!その時、押入れが開いた。 「のび太君…何やってるの!こんなに早くに帰ってくるなんて」 僕は答えることが出来なかった。 しかし僕の涙と手に握られたDSが全てを物語っていた。 僕を襲った最悪の状況、勝つしかない立場に立たされた僕は思った。 「この僕には……強さが足りないんだ」 「……でもどうすれば強くなれるんだろう……」 僕は寂しくぽつりと呟いた。 手には相棒(ゲームの中だけど)のドサイドンが居る。 スネオには「ダサイドンじゃねーかwww」とか言われた奴だ。 のび太は考えた。 「そうだ、プロに頼もう」 全てを賭けた一言だった。 プロ……それはドラえもんのことだった。 ドラえもんは所謂「廃人」とやらだそうだった。 「頼む、ドラえもん……僕を鍛えてくれ」 「ふん…暇つぶしには良いだろう……だがドラ焼きは高く付くぞ?」 「あ……あぁ、いいとも」 そしてプロジェクトは動き出す――― 「おらぁ!もっとテクニカルにレベルをあげろぉぉぉっぉおぉおお!」 ドラえもんとの修行は辛かった。 隣人の人から騒音ということで講義が来た。 しかし男たち(ロボット含)はやめなかった。 彼らの両手にポケモンの未来が掛かっていた。 試行錯誤を重ね、僕は遂に…遂にレベルアップはした。 バトルタワーも30連勝を記録。 プロジェクトは順調に動き出していた―――しかし D S 取 り 上 げ ら れ た 一瞬の出来事だった。 宿題を3度も連続で忘れていたのでママにこっ酷く叱られ、挙句の果てにはDSを取り上げられてしまったのだ。 僅かな不注意から、プロジェクトは崩壊の瀬戸際まで追い込まれた。 明日から――いや、今からいったいどうすればいいんだ! 狼狽する僕。プロジェクトは失敗かと思われたその時。 ドラえもんの差し伸べた手に握られた物を見て思いついた。 GBAからパルパークで連れてくればいいじゃないか…… その一言に僕は息を呑んだ。 震える手でポケモンエメラルドを差込み、電源を入れる。 新鮮だ。 DSのパールでは味わえない楽しさがそこにはあった。 これなら……充分に……ポケモンを育てることができる。 ―――いける 僕の表情に明るさが戻った…… あらすじ(詳しくは前スレ参照) 男たちは立ち上がった 「打倒 ジャイアン」 この目的のためだけに男たちは戦い続けた ジャイアンとダイパの対戦で負けた僕(のび太) 僕はリベンジを堅く決めるが自分には力が無い…… ずっと考え込んでいた時だった 「そうだ、プロに頼もう」 全てを賭けた一言だった 僕は全てをドラえもんと名乗る自称廃人に賭けた 成功だった 個体値――努力値――相性――読み 僕は全てをドラえもんから叩き込まれた プロジェクト半ば、男たちは壁にぶちあたることになる D S 取 り 上 げ ら れ た あまりのも残酷な結果にのび太はただ喚き、泣き、そして考えた その時だった ドラえもんの右手に握られたものはGBA 僕はこれを使いポケモンを育てることにした―――― 「あれがこうで……うん、これが一番落ち着く」 僕は白い紙に妄想PTを書いていく まさに夢を描いていくようだった (のび太君……これは少し……) ドラえもんは悩んだ 何しろのび太のパーティが今まで教えてきたことと何だか違う気がするからだ だがドラえもんは気にしなかった のび太の成長は目を見張るものがあったからだ 「よし、これで決まりだ!」 それを見たドラえもんは苦悩した (何でそうなるんだよ……) もうめちゃくちゃだった 4時間後 プロジェクトはあっけなく終わりを迎える (その間にDSを返してもらった) 「のび太君…それで強くなったつもりなのか?」 「そんな……僕が負けるなんて」 全てを知り尽くしたドラえもんとの対戦 それは余りにもあっけ無いものだった 3タテ 今ののび太には乗越えることのできないような壁だった 男は一晩中泣き続けた 「一体何がいけないんだ…」 枕の横には疲れきったかのように赤色の光を出したDSがあった とりあえずPTを見直そう 僕はドラえもんを起こさないように充電器を取り出し、充電しながらゲームを続けた それは「学校」への反逆でもあった――― (まず僕のパーティはカバルドン、ドータクン、ドサイドン いわゆる…砂トリパだ…… ドラえもんに負けた理由はただ一つ、トリックルームの効果が切れたからだ トリックルームが切れた瞬間ドラえもんは一気に攻撃を始め、結果僕が負けてしまったのだ) 何故か心の中で独り言を呟いたのび太だった (つまりトリックルームが切れた場合どうするか?が問題だ ……でもどうすれば……) 男にあるひらめきが生まれた 元々速いポケモンを加えれば良いのだ 正に発想の逆転だった 男はすぐさまPT改良の道へと歩みだしたのだった 気が付けば朝 そして今日は月曜日だった 男たちはそれを無視し、ゲームを続けた 怒られた 泣いた また取り上げられた 正に驚きの連続だった 運命は僕に何か恨みでもあるのか…… そんな考えさえ頭に過ぎった だがもう男たちに成す術は無い あのGBAまでもが取り上げられたのだ 男たちはただひたすらに悩み、愚痴り、そしてまたポケモンについて語りだすのだった 遂にこの日が来た ジャイアンにリベンジする日だ のび太は緊張なんてものは忘れていた もう恐れるものは無かったからだ しかしその最後のプロジェクトを邪魔する者が居た―― ママだ――――
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いつも心の中で叫んでる ドラえもんへの想い どんなに大きな夢でも 叶えてくれる君がいるから 学校や勉強で疲れたとき いつもそばで笑ってくれる しあわせは分けあって増えるもの ドラえもん、ありがとう ねぇドラえもん、君がいてくれるから 夢は広がる 笑顔があるから 今日も頑張れる どんな未来が待っていても 君となら怖くない しあわせはいつも おすそわけ ドラえもん、ありがとう 説明 「しあわせのおすそわけ」という曲があります。それは、ドラえもんとのび太が、お互いに幸せを分け合う物語です。 のび太視点で歌詞を作るとしたら、こんな感じになるかもしれません。
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前へ 「誰ですの?あなたたち」 エリカが今しがた壁から入ってきた三人にきく。 「入り口は一階ですけど?」 「ああ、正面が混んでたんでな」 ハヤトは袴を払いながら平然と答える。 「それに急いでたからちょっとすっ飛ばしてきた」 「なるほど」 エリカは顔色一つ変えず肯定する。 「それより、ここからどうやって出るの?」 スズナがハヤトにきく。 ハヤトたちがいるところは牢屋の中。 相手との間は鉄格子がある。 「なーに、こんな鉄」 ハヤトはそう呟くと、「エアームド、エアカッター」 エアームドが鉄の翼を振る。 風の渦がヒュッ、と音を鳴らす。 粉砕音が響き、鉄格子が散る。 両者の間を隔てるものは無くなった。 「これで思い切りやれるわけだ。 エアームド!エアカッター!」 再び風が鳴る。 目的はモンジャラ。だが 「思い切りやれるのは」 イワークが壁となり、風は掻き消される。 「こっちも同じだよ」 ヒョウタは微笑みかけてきた。 鉄の壁、鉄の天井、鉄の床。 牢屋はそういうものなのだろう。 閉じ込められたものは冷酷に硬く、重い鉄により閉塞感を味わう。 人間味を感じさせない雰囲気は心の自由を奪う。 だけど、鉄は冷めやすいし、熱しやすい。 そう、今牢屋の階は熱かった。 「いわおとし!」 ヒョウタの命令と共に、天井が崩れ落ちる。 落下地点にいた三人は散り散りになる。 「ほら、スネ夫!」 のび太はスネ夫に手を伸ばす。 スネ夫は不意を突かれた。 「ど、どうしたんだよのびt」「上るよ。上まで」 「の、上るって……まさか最上階まで!?ちょ、ちょっと」 スネ夫の推測は正しかった。 のび太はスネ夫の腕をいやにがっしり掴み、階段へ向かう。 悪態をつくスネ夫を気にせず、のび太は上っていく。 埃から鉄までもが舞う部屋をあとにして。 「ユキカブリ、こなゆき!」 スズナの声のもと、ユキカブリはモンジャラを攻撃する。 震えるモンジャラの蔓が凍りだす。 「モンジャラ、そのままつるのムチです!」 つるのムチは氷をまとい、ユキカブリを襲う。 「ユキカブリ、はっぱカッターで氷を砕いて!」 ユキカブリの手から葉が飛び出し、氷の蔓を襲う。 氷はひび割れ、澄んだ音を立てて裂ける。 だがムチの攻撃は続いていた。 鋭い音が響き、ユキカブリは呻く。 「モンジャラ、続けなさい!」 「ユキカブリ、走りながらこなゆきをかけ続けて!」 モンジャラのムチが次々と降り注ぐ。 ユキカブリはそれの間を駆け抜け、こなゆきを出す。 ムチは氷を纏い、肥大していく。 モンジャラの攻撃は威力を増していった。 それでも、スズナの読みどおり。 「どうやらスピードが遅くなっているみたいね!」 エリカは一瞬顔を歪めるが、すぐに命令を続ける。 「もっと速く、モンジャラ!」 だが、モンジャラにとってその命令は厳しかった。 何故なら蔓の氷がすでに大きくなりすぎていたから。 モンジャラは再び、ユキカブリ目掛けて蔓を振り上げる。 だが、蔓が高く上ったとき、限界を超越した。 蔓は大きな氷とともに、モンジャラに落下する。 氷が落下すると、煙がもうもうと立ち込めた。 「くっ、戻りなさい」 エリカは煙の中にボールの光を出す。 だがなかなかモンジャラにあたらず、エリカは舌打ちする。 「結構慌てているようね」 ようやくモンジャラを収めると、スズナが挑発してきた。 「黙りなさい!」 エリカは淑やかさを忘れ、怒鳴りながらボールを取り出す。 「あっ!おい」 声をかけたのはヒョウタだったが、その声はエリカに届かなかった。 「いけタマタ……な!?」 エリカが繰り出したタマタマに突然菱形岩が降りかかる。 さっきのステルスロックだ。 「……ヒョウタ!!どうして言わなかった!?」 エリカが怒鳴ると、ヒョウタは反抗した。 「僕は止めたよ。でも君が気づかなかっただけだろ」 エリカは歯噛みして呻いていた。 「くぅっ!!タマタマ、ユキカブリを攻撃」 「あ、ゴメーン。凍らしといちゃったから」 スズナは氷付けにされたタマタマを示す。 ヒョウタは隣でくず折れているエリカを一瞥してすぐ戦闘に目を向ける。 「イワーク、がんせきふうじ」 エアームドを取り囲むように、落石が生じる。 落石はエアームドに直下するが 「こうそくいどう」 一瞬でエアームドは技を回避する。 落石は空を押しつぶした。 「くそ、速いな。ならイワーク、ロックカット!!」 イワークの皮膚である岩石が削れ落ちる。 削れ落ちた岩が立てる粉塵の中、イワークは一段と軽くなっていた。 「たたきつける!」 イワークはエアームドに突撃する。 速さは格段に上がっている。 でも、エアームドは上をいっていた。 「避けろ!」 ハヤトの鋭い声。 エアームドはイワークの鼻先から姿を消す。 イワークは壁に激突した。 部屋は衝撃で揺れ動く。 イワークは体制を持ち直す。 「イワークはまだ大丈夫だ。 そんなに柔な体じゃないんでね」 ヒョウタは笑いながら言う。 その様子がハヤトは気になった。 「ずいぶん楽しそうに話すな」 その質問に、ヒョウタは笑う。 「素晴らしい気分だからね! こんな風に戦ってるとすがすがしいんだ! さて、続けさせてもらうよ。イワーク!」 イワークは一声唸り、再びエアームド目掛ける。 何故だかイワークの速度は上がっていた。 トレーナーの気迫と呼応しているように。 ハヤトもその変化にきづいた。 「エアームド!こうそくいどう!」 ハヤトの素早い命令。 エアームドはそれをききとり、動こうとした。 でも少し遅れる。 イワークの体がエアームドの羽を掠める。 エアームドは高い叫び声を上げ、壁に叩きつけられる。 「イワーク、今だ!」 ここぞとばかりにイワークは突撃する。 エアームド目掛けて。 「エアームド!避け」 爆発的な衝撃音が、ハヤトの必死の叫びを掻き消す。 代わりにエアームドの叫び声と、突風―― 「な、まさか」 風を感じたハヤトはハッとする。 壁にぽっかりと穴が開いていた。 陽光が薄暗い階に差し込む。 光の中、ハヤトにはヒョウタの顔が見えた。 空虚な顔、やがて青ざめて口をあけ…… 「イワァ―ク!!」 ヒョウタは穴のそばに駆け寄った。 だが、足元の鉄片に躓き、ヒョウタの勢いは落ちることなく。 ハヤトは考えるより速く手を伸ばし、ヒョウタを掴んだ。 ヒョウタは顔だけ穴から出し、ゆれ留まる。 やがてゆっくりと建物内に押し戻された。 ハヤトは穴の下を覗く。 下にはイワークとエアームドが倒れていた。 二体の周りには民衆が集まっている。 「やれやれ、おいお前、イワークのボールを」 ハヤトはヒョウタを向いた。その時だった。 ハヤトはヒョウタの首飾りに気づいた。 ハガネールを模した銀のペンダントだ。 ハヤトは息を呑み、ヒョウタを掴む。 あまりの勢いにヒョウタは押し倒されそうになった。 「な、何だよ!」 ヒョウタは怒鳴るが、ハヤトは鋭く睨みつける。 「きかせてくれ。 ……そのペンダント。そうか。 お前はトウガンさんの息子なのか?」 ヒョウタは僅かばかり眉を上げ、顔を逸らす。 「あんた、親父のこと知ってるのか」 「ああ、知ってる!」 ヒョウタは力強く答えた。 「トウガンさんはお前のことを待って」「ここでは話さないでくれ!」 ヒョウタはそう言うと立ち上がる。 ハヤトはヒョウタの様子を見つめていた。 目の前にいるヒョウタは、イメージしていたヒョウタと違っていた。 というか、ロケット団員だなんて。 「ほら、終わったようだよ」 ヒョウタはハヤトに告げた。 ハヤトが見ると、崩れ折れるエリカと笑顔のスズナが目に映る。 「あんたはいきなよ。 僕が後始末しておく」 ヒョウタの言葉にハヤトは驚いて振り向く。 「お前」 「安心してくれ。これでも団の中じゃ有力なんだよ」 ハヤトはヒョウタの気持ちを察した。 「ご免」 ハヤトはそう言うとスズナに駆け寄った。 「馬鹿な奴らめ」 モテ夫はモニターで全て見ていた。 「あんなに簡単にまけるなんてまったくあれでも幹部の」 「モテ夫さま」 サカキが声を掛ける。 「なんだ?サカキ」 モテ夫は相変わらず振り返らずに言う。 「お客様をお連れしています」 「客?そんなもの」 モテ夫はそこで初めて振り返った。 「お、おまえ!」 モテ夫は息を呑む。 「モテ夫君。 そろそろ終わりだよ」 宣告がモテ夫の耳にこだまする。 「どういう意味だい……ドラえもん!」 モテ夫は恐怖を感じていた。 目の前の青いロボット――ドラえもんの言葉に。 ドラえもんは無表情のまま頷く。 「言葉どおりの意味だよ。モテ夫君。 君はもう十分楽しい思いをしただろう? さあ、僕らのところに帰るんだ」 「……いやだね」 モテ夫は強気に答える。 「サカキ、こいつを連れ出せ!」 モテ夫は怒鳴るが、サカキは動かない。 「モテ夫さま。 私はリーダーの指示をききます」 「リーダー?」 モテ夫は鼻で笑う。「それは僕だろう」 「違うよ」 入り口から誰かが否定する。 モテ夫の視線が入り口へ写る。 入り口の人物は優しげに告げる。 「そのリーダーは、僕さ」 出木杉がそこにいた。 「なあ……のび太」 スネ夫は階段を駆け上りながら、声をかける。 「ん?なんだい」 のび太は顔を向け、首を傾げる。 「あのさぁ、実は……し、しずちゃんが話あるって」 スネ夫は必死に取り繕った。 自分で言及することもできるが、それには危険が伴う。 なのでスネ夫はこのように、かかる危険を自分からしずかに移した。 「ふうん、しずかちゃんが」 のび太は事も無げにまた階段を上りだす。 (……本当にしずちゃんの言っていた通りだ。 でも、これだけじゃ無いよな) スネ夫はのび太の行動を監視する。 ジャイ子は最上階の一室で待っていた。 部屋の扉には『牢屋』と書かれている。 のび太、スネ夫は必ずこの部屋に来るだろう。 「けれど……」 ジャイ子は牢を振り返る。 鉄格子の向こうにジャイアンが、石の床で座っている。 そして、そのすぐ脇のテーブルにはモンスターボールが三つとリュック一つ。 ここはジャイアンの荷物を隠した部屋だったのだ。 ジャイ子は一抹の不安を抱えていた。 「ジャイ子」 ジャイアンはだめもとで話しかけた。 「本当に改心してはくれないんだな」 「当然よ」 ジャイ子ははっきりと言う。 「アタシの気持ちは変わらないわ」 するとジャイアンは溜め息をついて、テーブルを見つめる。 (せめて俺のボールさえ取れれば……) ジャイアンは歯噛みしている。 その時だった。 「!!来たわ」 ジャイ子は立ち上がると、自分のボールに手を掛ける。 同時に、部屋の扉が開かれた。 「フフフ、今最高に活気付いているこの僕スネ夫さまただ今参じょ「行きなさい、ハクリュー」……え?」 言葉を折られた上にとんでもない化け物を見せられたスネ夫は呆然とした。 そこに息を荒げたのび太が到着する。 「?どうしたのスネ……!!」 のび太は部屋の中で広がる二つの生き物を見た。 いや、『二つの』ではない。『二つ分の』…… 「うわぁ……」 のび太は思わず声を漏らす。 双頭のハクリューだ。 青い鱗が煌びやかに照り、その異形を際立てる。 「こ、これも改造ポケモン!?」 スネ夫はぽかんとしながら叫ぶ。 「そうよ!」 ジャイ子は意地悪く笑いながら答える。 「さあ、行け!ハクリュー!!」 左首のハクリューが一声唸る。 「!!?」 スネ夫は突然体を強張らせる。 「スネ夫!?」 のび太はスネ夫に駆け寄ろうとするが 「来るな……ただのでんじは……来るぞ!!」 スネ夫の声で振り返るのび太。 右首のハクリューが大きく首を振り上げ―― 「たたきつけるだ!」 のび太は叫びながらスネ夫を抱えて、ハクリューの懐に飛び込む。 背後で首が空を切り、粉塵が巻き上がる。 「あ~あぶなか……」 溜め息をつくのび太の目に、牙をむく左首ハクリューの顔が―― のび太は声にならない叫びを上げ、スネ夫を抱えたままハクリューの右脇に逃げ込む。 なんとか落ち着くと、のび太はリュックからまひなおしを取り出し、スネ夫に与えた。 「おい、お前ら!!」 ジャイアンが怒鳴ってきた。 「こんな化けモンにびびってねえで、とっととポケモン出せ!!」 「……ふう、まったく無茶言うよ」 自由になったスネ夫が愚痴を漏らす。 「でも、言ってることはあってるよ」 のび太はボールを取り出しながら言う。 スネ夫は立ち上がり、頷く。 「のび太。出すのはハスボーだ」 急に語調を変えたスネ夫をのび太は見つめた。 「何かいい考えがうかんだの?」 「もちろん。怒鳴られてすっきりしたよ」 スネ夫はのび太に笑いかけてきた。 のび太も笑い返す。 ハクリューはゆっくりと、のび太とスネ夫の方へ向きを変えてきた。 「行くよ!ハスブレロ」「行け、チルット!」 二人のポケモンが繰り出される。 (お……おお!?) ジャイアンは誰にも気づかれないように喜んだ。 先ほどの右首ハクリューのたたきつける。 その衝撃で削れた石片が、手元にある。 鋭い石。硬い。 これをつかえば、もしかしたら…… (この縄を切れるかも!?) ジャイアンはジャイ子の様子を伺いながら作業を始めた。 「チルット、どっちでもいい。 首元を旋回するんだ!」 スネ夫は指示を出すと、のび太へ目を移す。 「のび太。僕が合図したら『しろいきり』だ。 合図するまで何もするなよ」 のび太は頷いた。 チルットは左首ハクリューの首元を回る。 ハクリューがいらいらした様子でその後をおう。 やがて左首ハクリューが唸り、大口を開け―― 「今だ!のび太!!」 「しろいきりだ、ハスブレロ!!」 丁度チルットが左首ハクリューの口に近づいた瞬間。 霧が一気に立ち込める。 辺りは白く包まれる。 視界はほんの少しだけ…… (……き、切れた!!) ジャイアンは縄を切り落とすと、見えないことをいいことに一人ガッツポーズする。 (おっと、こうしちゃいられねえ) ジャイアンは手探りでテーブルを探し出す。 やがてジャイアンはついに見つけた。 自分のボールを。 (おっしゃぁ!!これで戦え……) ジャイアンの思考は急に切り替わる。 霧が晴れてきた。 そして同時に、格子の向こうで気味の悪いものが見える。 「な……なんだよあれ」 ジャイアンは唖然とする。 「な、なに?」 ジャイ子は目の前の光景を見て呟く。 だらりと垂れる右首ハクリュー。 その首に巻きつく左首ハクリュー。 「よくやった、チルット」 スネ夫が手を伸ばすと、チルットは無事生還してきた。 ハクリューは右首から地面に倒れ、地響きを出す。 そして動かなくなった。 「ふふ、チルットを囮に使ったんだ」 スネ夫が呆然とするジャイ子に解説する。 左首ハクリューはチルットを追っていた。 そこに突然白い霧が巻かれ、視界が狭まる。 左首ハクリューの意識はチルットに集中した。 チルットは命令どおり右首ハクリューの首元を回る。 左首ハクリューはその後を追いかけ、知らないうちに 右 首 ハ ク リュ ー の 首 を 絞 め て い た。 「……これが、霧の中起こっていたことさ」 スネ夫は長々と説明していた。 「あ、あいつらすげえ……」 ジャイアンは口を開けながら驚嘆する。 (な、なんて驚いてる場合じゃねえ……) ジャイアンはボールをリュックにしまい始めた。 ジャイ子は舌打ちしながらも構える。 「まだよ……まだモテ夫さまから授かったバシャーモが」 「「もしも~し」」 突然、放送が鳴った。 その場の四人は顔を上げる。 「い、今の声は……!!」 スネ夫が息を呑み、呟く。 「出木杉……だったよな」 ジャイアンが言う。 「「あ~もう聞こえたかな? 簡単に言うよ。 茂手モテ夫は僕が倒した。もうここにはいない」」 出木杉は不気味に笑いながらマイクの前にいた。 「ロケット団の皆さん。 そして民衆の方々。 人探しはもういいです。 撤収してください」 「お……おいやめろ……」 出木杉の背後でモテ夫は呻く。 「ん~?」 出木杉はマイクから離れ、モテ夫の前に立つ。 「民衆は……ロケット団のことを……知らない。 そんなことばらしたら、大変なことに」 「ダーテング」 出木杉はモテ夫の台詞を無視して自分のポケモンを呼ぶ。 「や、やめろ」 モテ夫の必死の懇願は出木杉に踏みにじられる。 「じんつうりき」 「やめろおオォぉあァぁあァ!!」 モテ夫は頭を抱えて転げ周り、そして動かなくなる。 「ドラえもん、これでいいんだろ?」 出木杉は肩をすくめてきく。 「……いや、まだだ」 ドラえもんはきっぱり告げる。 「僕は君も止めなければならない。 なぜなら君もモテ君と同じく」 途端に出木杉は高笑いする。 「僕が?そいつと同じだって? ハハハ!! 月とすっぽんだよ。 そいつはこの世界の長には相応しくない。 真の天才はこの僕だけさ」 ドラえもんは首を横に振る。 「違う。君も彼と同じく、この道具で」 「ドラえもん。 今すぐ外で待っているサカキを呼んであげてもいいんんだよ?」 その言葉で、ドラえもんは黙り込む。 「せっかく二人になれたんだ。 話したいことは山ほどあった」 出木杉は椅子に座り、頬杖をつく。 「いったい何をだい?」 ドラえもんはまずきいた。 これが尋問の始まりだった。 次へ
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タイトル(コピペ用) ドラえもん2 のび太のトイズランド大冒険 ジャンル ACT このページを編集 海外タイトル 発売日 1993/12/17 動画を追加 シリーズ TASVideosForum 現行最速 -表示 その他 -表示 国内版 ここを編集 記録 40 27 追記回数 - Player gocha TASVideosページ - TASVideosStatus - 転載元 http //gocha.s151.xrea.com/ 分割リンク part2,part3,part4part5,part6,part7 マイリスト mylist/3871209 備考 Movieファイル 解説 過去最速 +表示
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出来杉はマサキの家前に居た 出来杉「此処がマサキの家だな・・僕以外には誰も来ていないな、ふふふ」 笑いながら家に入った マサキ「ひ、人だ!助かった」 出来杉(これがマサキか・・・) マサキ「この姿のわけは実はな、実験に失敗してポケモンと融合してもうたのや、すまんがそこのパソコンのスイッチ押してくれん?」 出来杉「わかった、元の姿に戻してあげるよ」 正直、出来杉はチケットのためとは言えこんなマヌケに関わるのには嫌気がさしていた 出来杉(できればこの辺で他の奴等と距離を引き離しておきたいのだが・・・) マサキ「準備ええで!スイッチ押してくれ」 ポチッ、スイッチを押した 数分後 マサキ「いや~助かったで、なんかお礼しなきゃいかんな」 出来杉「いや、そんなつもりで助けたわけじゃないさ」 あくまで善人を装う出来杉、現実世界と同じだ マサキ「ほら、このチケットやるで、これでサントアンヌ船に乗れるで」 出来杉「ありがとう、僕急いでるからそれじゃあね」 家を後にした出来杉 出来杉「計画どうり、これで僕の勝ちだ」 一方ジャイアンは ジャイアン「くそー!また負けた!」 ハナダジムに挑戦していたジャイアン、やはりリザード一匹では連戦連敗だった ジャイアン「やっぱり不利なタイプ一匹じゃきついか・・・」 しかたなくジム挑戦を一時止め、ポケモン探しをするこにした ジャイアン「ポッポ、ポッポ、ポッポ・・此処はポッポしか居ねーのかよ!」 探しに来たのは良いが現れるポケモンはポッポばかり、50匹程焼き鳥にしたところでもう諦めようとしたとき・・・ ジャイアン「む!ポッポとは違う気配!」 野生のマダツボミが現れた ジャイアン「草タイプか・・水タイプのカスミには打って付け、よし捕獲する」 唯一ひょろひょろとした体つきが気に入らなかったが贅沢は言えない、此処で足踏みをしている余裕はないのだ そしてあっけなくマダツボミを捕まえた ジャイアン「へへへ、リザードの敵じゃない、よしこいつを育てて今度こそバッチを貰う!」 マダツボミ育成が始まった しずか「此処がハナダシティね」 しずかはハナダに着いていた、すぐジムに挑戦するもと思ったが・・・ しずか「焦る必要はないわ、いつでもバッチをゲットできる戦力はあるんだから、それに新入りさんのレベル上げもしたいし」 そう言うと近くの草むらに向かった しずか「此処までくると野生のポケモンもそれなりに強くなってくるものね、さて出番よピッピ!」 このピッピはおつきみやま内部にて捕まえたばかりのポケモンだった しずか「この子がそれなりのレベルになれば私の戦力は無敵だわ」 しずかの野望が動き出した その頃のび太&ドラえもんは のび太「ふう~やっとおつきみやまを出れたぞ、長かったな~」 ドラえもん「それもこれものび太君がノロノロ歩いてるからだろ」 のび太「そんなこと言ったってさー」 いつもの調子の会話をしながらハナダを目指していたのだった ドラえもん「ん、近くに野生のポケモンが居るぞ・・こ、これは」 野生のサンドが現れた のび太「珍しいポケモンだ、捕まえておこう」 ドラえもん「手を出すな!あれは僕のもんだ!」 のび太「何そんなにムキになってるのさ」 ドラえもん「あの黄色い体、耳、まさに昔の僕そっくり!これは僕にサンドを捕まえよと言う神のお告げに違いない」 勝手な言葉を並べて説得するドラえもんに負けサンドを譲ることにした ドラえもん「よし、行くぞコラッタ!」 レベル差もあり、程なくサンドを捕まえた ドラえもん「よし!捕まえたぞ!」 のび太「おめでとう、ドラえもん、そうだサンドをポケモン図鑑で見てみよう・・えっ!」 ドラえもん「どうしたの?」 のび太「な、何でもないよ、先を急ごう」 皮肉にもドラえもんが求愛したサンドは「ねずみポケモン」だった ジャイアン「大分強くなったぞ・・これでカスミに勝てる!」 短かった時間での修行ながらマダツボミのレベルを上げ、自分の戦力にしたのだった 自信満々で早速ジムに向かった、しかしジムの前に一番会いたくなかった人物が居た しずか「あら、武さん」 ジャイアン「げっ、しずかちゃん!」 しずか「今からジムに挑戦するんでしょ?がんばってね」 ジャイアン「あ、うん・・ところでしずかちゃん・・・もしかしてバッチを・・」 しずか「これのこと?」 ジャイアンが言うのを遮ってバッチを見せた ジャイアン「!・・・」 しずか「私急いでるの、もう行くわ」 しずかは去った ジャイアン「ここ数日のんびりしすぎた、急がねーと!」 ジムへ急いだ 程なくブルーバッチを手に入れたジャイアン、次の進路をマサキの家に向けた ジャイアン「たしかサントアンヌ号に乗るにはチケットがいるんだよな・・・」 これからの進路を考えていたとき前から歩いてくる者がいた ジャイアン「出来杉!」 出来杉「武君か」 ジャイアン「へへへ今日は色んな奴に会うな」 出来杉「今ハナダに着いたのかい?」 ジャイアン「冗談言うな!ジムに挑戦してただけだ!」 出来杉「そうかい」 ジャイアン「へ、ところで何でお前は先にジムに行かないんだ?まさか挑む自信がないわけじゃないだろうな?」 出来杉「バッチなんて好きなときに取れるよ、今はそれよりも大事な物を取りに行ってたのさ」 ジャイアン「バッチよりも大切な物?」 出来杉「これだよ」 そう言うとチケットを出した ジャイアン「これが大事な物?笑わせるな!その物こそ好きなときに手に入るよ!」 出来杉「相変わらず君は知能が足りないな」 ジャイアン「何だと!」 出来杉「このチケット・・・マサキが何枚も持ってると思うかい?」 ジャイアン「!」 出来杉「そう思って初めにマサキの家に行ったんだ、もっとも元の姿に戻った今他人にわざわざチケットを譲る理由はないわけだけどね」 ジャイアン「く・・・」 出来杉「何なら今から言ってみると良い、いくらポケモン世界とは言えそんなに単純物語は進まないよ」 ジャイアン「くそ!」 ジャイアンはそこまで話を聞くとマサキの家へ走り出した どん! マサキ「な、誰や!あんた」 ジャイアン「チケット!俺によこせ!有るんだろ?」 マサキ「?何のことや?早く出てってや、警察呼ぶで!」 ジャイアン「良いから早くしろ!おい!」 間もなく警察が駆けつけ、ジャイアンは捕まった 必死にわけを話し釈放してもらったがハナダにはこれ以上居ることはできなかった のび太「遂に着いた!」 ドラえもん「此処がハナダか~」 二人はやっとハナダへと着いていた のび太「とりあえずポケモンセンターに行こうよ」 洞窟での戦闘の疲れを癒すため二人はポケモンセンターへと向かった ドラえもん「あれ・・あそこに居るのは・・・」 のび太「ジャイアンじゃない?」 ジャイアン「何だお前等か・・・驚かせるなよ」 のび太「何でこそこそ隠れながら歩いてるのさ」 ジャイアン「ちょっと警察の世話になっちまってな、人前に堂々と出れないんだ」 ドラえもん「そんな軽い話じゃないぞ、でもなんでそんなことに?」 ジャイアン「実はな・・」 とりあえずこれまであったことを話した のび太「へぇ~でもなんでチケットないと困るの?」 ジャイアン「馬鹿!船に乗らないとジムにも行けないんだよ」 のび太「え~!じゃあ出来杉しかこれ以上進めないってこと?」 ドラえもん「そいうことになるね・・」 ジャイアン「なぁ、俺達組まないか?」 のび太「え?」 ジャイアン「どうせこのままじゃ出来杉以外異次元に消えるんだ、なら皆でどうにかするしかねーだろ」 ドラえもん「たしかにそうするしか助かる道はないね」 ジャイアン「そうだ、もう俺達に選択肢はねーんだよ」 こうしてのび太・ドラえもん・ジャイアンの同盟が成った 現在の状況 のび太 ギャラドス(レベル20)、ピカチュウ(レベル18) ドラえもん コラッタ(レベル19)、オニスズメ(レベル18) サンド(レベル15) ジャイアン リザード(レベル23)、マダツボミ(レベル18) スネオ カメール(レベル16)、イシツブテ(レベル11) しずか フシギソウ(レベル28)、プリン(レベル22)、ピッピ(レベル20) 出来杉 イーブイ(レベル20)、バタフリー(レベル19)、ケーシィ(レベル14)
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前へ ロケット団信者たちが、ポケモンリーグを乗っ取った・・・ 信じたくない・・・でも、目の前のテレビはそれが事実だということを告げている。 何度も同じ発言を繰り返すキャスターの声が、僕にはとても残酷に聞こえた。 その場に立ち尽くし、深く絶望している僕を呼ぶ者がいた・・・ 先程まで動く気配すら見せなかったドラえもんだ。 「出木杉、大変なことになっちゃったね・・・」 「ドラえもん、もう終わったんだよ!何もかも・・・」 僕の目的はこのゲームをクリアし、スネ夫を甦らせることだ。 だがこのゲームのクリア条件は、参加したプレイヤーの内、一番最初に“チャンピオンを倒すこと”だ。 チャンピオンのいるポケモンリーグが信者のものになったいま、チャンピオンに挑戦することは不可能となったのだ・・・ 「ゲームをクリアすることが出来ないし、この世界にずっといたらその内裏切り者に殺される!だからもう僕たちは終わったんだ・・・」 「そんな事ないよ!」 絶望する僕をドラえもんが元気づけようとする。 「これからみんなをここに集める、そこで僕の考えを話すよ。 その時になれば君もわかるさ、まだ道はあるということをね・・・」 一時間ほど経つと、メンバー全員が揃った。 みんなもうポケモンリーグ乗っ取り事件のことは知っているようで、青ざめた顔をしていた。 そんな場をドラえもんの言葉が刺激した。 「みんなもうゲームクリアは不可能だと諦めているみたいだけど、まだクリアの方法は残されているんだ。」 その一言でうるさくなった場を気にせずドラえもんが続けた。 「クリアの条件はあくまでチャンピオンを倒すこと・・・なら手段は一つしかない。 信者を倒してリーグに再びチャンピオンを戻し、そのチャンピオンを僕らが倒せばいいのさ。」 ドラえもんの言葉にだれも反論しようとはしなかった。 スネ夫を助けるために残された唯一の手段だ、僕らはそれを実行するしかない・・・例えそれが信者と戦う道だったとしても、だ。 僕らは覚悟を決め、信者と戦ってポケモンリーグを取り返すことを決意した 場面は変わって、ここはトキワシティポケモンセンター前。 いまから僕たち5人は別々の場所へ旅立とうとしていた。 現在の僕たちでは信者たちと戦うのはあまりにも無謀だ、だから10日間ポケモンを鍛え、10日後再びこの場所で会うことになった。 ジャイアンはトレーナー修行の定番と呼ばれるシロガネ山へ、山籠りとはいかにも彼らしい選択だ。 ドラえもんは禁断の場所と呼ばれるハナダの洞窟へ、あんな危険な場所に行く勇気は尊敬に値する。 のび太と静香、そして僕は辺境ナナシマへ行くことにした(ただし3人とも別行動)前述した2人に比べて比較的安全な選択だ。 「じゃあここでお別れだね。」とドラえもん 「みんな、元気でね。」と静香 「お互いがんばろう!」とのび太 「じゃあみんな、10日後もう一度会おうぜ!」 ジャイアンの一言でみんなはそれぞれの目的地へと飛び立って行った。 僕とのび太と静香はナナシマへ向かうことになっているから、ナナシマ行きの船が出ているクチバシティまでは一緒に行くことになる。 だが僕は先に済ましておきたい用があったので2人に別れを告げてヤマブキシティの方へ向かった。 ヤマブキに着いた僕は警察署へと向かった。 ナナシマで修行する前に、どうしてもやりたいことがあった・・・この10日間の間に裏切り者の正体を暴くことだ。 いま僕の推理には大きな謎が3つあった。 一つ目は、スネ夫の死体が消えたこと。 二つ目は、捕らわれていたのび太の前に現れた僕。 三つ目は、サカキが裏切り者を後継者に指名したということ。 ここに来たのは三つめの謎を解く鍵となる、サカキという人物について知るためだ。 この警察署の刑事とはスネ夫殺人事件の時に面識があるので、彼に協力してもらうことおうと思ったのだ。 刑事は快く僕を迎え入れてくれ、サカキの演説をこっそり録音したテープがあるという資料室に案内してくれた。 資料室の“ロケット団関係”と書かれた段にそのテープはあった。 だがそのテープより、その横に不自然なスペースがあるのが気になる。 「刑事さん、ここだけ開いているのが気になるんですけど、なにかここにあったんじゃあ・・・」 刑事は少し躊躇ってから返事をした。 「鋭いね・・・そう、そこにはそのテープと同じようにサカキの演説が収められたテープがあった。 だが、数日前にそのテープは何者かに盗み出されてしまったのさ・・・」 サカキの演説が録音されたテープが盗まれた・・・どうやら、この謎についてはなんとなく真実が見えたような気がした。 「刑事さん、やっぱりそのテープは結構です、もう必要ありませんから・・・・・・」 僕はそう告げると、警察署を出てクチバシティへ向かった。 のび太たち2人に遅れて、僕もナナシマの一つ、1の島に足を踏み入れることが出来た。 1の島には温泉と、伝説のポケモンファイヤーが住むと言われる灯火山がある。 願わくばファイヤーを手持ちに・・・と思って灯火山へ向かった。 灯火山へ向かう途中の火照りの道で、僕は意外な人物と会った。 禿げた頭に少し残った白髪、黒く怪しく光るサングラス・・・グレン島のジムリーダーであるカツラだ。 「やあ、えーと・・・出木杉君だったかな? こんなところへ何のようじゃ?」 「いや、ちょっと灯火山へ行ってみようと思いましてね。カツラさんは?」 「わしは温泉に疲れを癒しに来ただけじゃよ・・・そんなことより、いま灯火山は火山活動が活発だから危険じゃ、近づかないほうがいいぞ。」 僕はカツラの忠告を素直に聞き、彼に礼を告げてポケモンセンターへ引き返した。 1の島にはもう用はないので、次に4の島へ行くことにした。 4の島には高レベルなポケモンが生息するいでだきの洞窟がある、そこで何日か修行しようと考えたのだ。 だがそこに行くことは出来なかった、島と島を行き来するシーギャロップ号の船員いわく 「4の島はいま周辺に巨大な竜巻が発生して船が近づくことが出来ねえ。 おまけに電話による連絡も出来ない、4の島はいま完全に孤立しているのさ。」 とのことだ。 僕は4の島行きを諦め、同じく強力なポケモンがいる7の島へ向かうことにした。 たくさんのトレーナーが修行に訪れるといわれる7の島のしっぽう渓谷、そこで僕は意外な人物を目にした。 青い服を身にまとい、鞭を持った女性・・・現ポケモンリーグチャンピオン、ドラゴン使いのイブキの姿がそこにあった・・・・・・ ポケモンリーグチャンピオン、イブキ。 ポケモンリーグが信者のものとなったいま、何故彼女がこんなところにいるのだろうか? このまま立ち去るわけには行かない、僕は思い切ってイブキに訪ねてみた。 「あのー、チャンピオンのイブキさんですよね・・・ どうしてこんなところにいるんですか?」 僕のほうを向いたイブキは、イライラしながら答えた。 「ポケモンリーグが乗っ取られたとき、私はこの島に出かけてたのよ。 つまり・・・信者に私の不在を狙われたってこと、じゃあ修行の邪魔になるからどっか行ってくれない?」 なるほど・・・彼女がここにいる理由は分かった。 だが、何故彼女はここで修行をしているのだろうか・・・イラつくイブキに恐る恐る聞いてみた。 「本当なら今すぐにでもポケモンリーグを取り返しに行きたいんだけど、今の私の実力じゃあたぶんやられてしまう。 だからここでこっそり修行してるってわけよ。」 どうやら彼女は信者を倒すためにここに修行しているらしい、なら・・・ 「イブキさん、実は僕も信者を倒すために修行しているんです。 だから、僕とその仲間に協力してもらえませんか?」 チャンピオンである彼女の力が加われば戦いがかなり楽になる、思い切って頼んでみると、こんな返答が飛んできた。 「私に協力しろ、か・・・ なかなか面白いこと言うねえ。 目的は同じだから協力するのはかまわない、ただし・・・あなたに協力するだけの価値があればの話だけどね。」 イブキはどうやら僕の実力を試すつもりのようだ。 彼女を仲間に引き入れるためにも、ここは受けて経つしかない! それにしても、本来ならポケモンリーグで行われたであろうチャンピオン戦がこんな形で実現するとは・・・ お互いのモンスターボールからポケモンが放たれ、戦いの火蓋が切って落とされた。 数分後――― そこには地面に手をついて落ち込む僕と、それを無言で見ているイブキの姿があった。 僕と彼女のバトルはあっという間に決着がついてしまった。 僕はどうにか彼女のポケモンを一体倒すのが精一杯だった・・・つまり、圧倒的な実力差を見せつけられる結果となってしまったのだ。 あわよくば、チャンピオンに勝てるかも知れない・・・ そんな僕の甘い考えは、彼女のポケモン達の強力な技で打ち砕かれてしまった。 これでは彼女は僕に協力しようなどと考えないだろう・・・ しかし、彼女の口から意外すぎる言葉が放たれた。 「まあ、合格ね・・・ いいわ、あなたに協力してあげる。」 「本当ですか? 僕はボロ負けしたのに・・・・・・」 「たしかに、バトルは私の圧勝だった。 でも、あなたには素質がある・・・バトルの最中にそれに気付いたのよ。」 僕に素質がある、チャンピオンである彼女からそう言われたのはかなり嬉しかった。 「じゃあ10日後・・・にまた会いましょう。」 「待ちな、まだ帰らせるわけにはいかないよ。」 一度ポケモンセンターに戻ろうとした僕を彼女が引きとめ。こう言った。 「たしかに、あなたには素質がある・・・ でも、それがまだ開花していなくては意味がないのよ。 これから決戦の日まで私があなたをみっちり鍛えてあげるわ。」 彼女がそういった時、僕のもとに近づいて来る少年の姿があった。 「おーい、出来杉―!」 こちらへ近づいて来る少年を見て、状況が理解できないイブキは少々混乱していた。 「あ! 彼は僕の仲間です・・・ そうだ!修行なら彼も一緒に鍛えてあげてください。」 「あんまり戦力にはなりそうもないけど・・・まあいいわ。」 「あれ、出木杉・・・どうかしたの?」 事情も分からぬのび太を巻き込み、僕の地獄の修行が始まった・・・ 現在の状況 7の島 手持ち リザードンLV46、サーナイトLV43、ポリゴン2LV41、サンダースLV42、トドグラーLV41 バッジ 8個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ケッキング、キノガッサ、ダグトリオ、フーディン(7の島時) ドラえもん フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 静香 ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) ジャイアン エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) イブキは修行を始めると言い放った後、いきなり僕たちを島の北側へと連れて行った。 「あのー、どこまで行くんですか?」 「うるさい! もう少しだからおとなしくしろ・・・」 のび太の問いをあっさりと切り捨てたイブキは突然足を止めていった。 「さあ着いた、ここだよ。」 イブキが僕たちを連れて行った場所・・・そこには高い塔がそびえ立っていた。 この建物は知っている・・・しかし名前が出てこない。 「あのー、ここどこですか?」 僕のかわりにのび太が質問し、それにイブキが答えた。 「ここはトレーナータワーといって、トレーナーたちが力を高めるところだ。 トレーナーは一階から最上階まで途中にいる7人のトレーナーを倒しながら進み、その登る速さを競い合う・・・ それがトレーナータワーのルールだ。」 そうだ、ファイアレッドではたしかに7の島にそんな施設があった。 でもゲームでは結局入ったことがなかったのでどんなところかイマイチ分からない。 「で、僕たちにここを登って見ろということですか?」 「その通り! なかなか物分りがいいじゃないか。」 僕の質問が終わると、早速僕らはトレーナータワーを登ることになった。 中にいるトレーナーは自分の手持ちの最高レベルにレベルを合わせてくるのだが、使ってくるポケモン自体が弱いのでたいしたことはない。 だが、塔を速く登るためにはトレーナー自身が速く走らなければならない、その疲労が頭のカンを鈍らせ、ポケモンバトルへ影響を及ぼす。 結局、思ったよりバトルに時間をかけてしまったが、なかなか速く登ることができた。 一方のび太の方はというと、走ったことによる疲労で倒れて死人のように動かなくなっている。 イブキがその後タイムを教えてくれた・・・僕が7分30秒、のび太が8分25秒(走る速さによってこれだけの差がうまれた) まあまあかな・・・と満足していた僕に、イブキが衝撃の一言を放った。 「こりゃダメね、遅すぎるわ。」 遅すぎる?自分では結構いいタイムだと思っていたのに・・・ ショックを受ける僕に、イブキがとどめの一言を投げかけた。 「もしかして、あんなタイムで早いとか思っているんじゃないわよね・・・いいわ、現実を教えてあげる。 四天王のタイムは平均で5分30秒程度、ちなみに私は4分53秒よ。」 四天王は自分より2分も速く、チャンピオンのイブキに至ってはそれよりさらに30秒速い。 自分の目標がこんなに手の届かないところにあったことを知って、僕は絶望した。 そんな僕に、イブキはとんでもない試練を出した。 「落ち込んでいる場合じゃないよ! あなたたちにはこの10日間で、私と同じ4分台が出せるようになってもらうよ。」 4分台・・・最低でも今より2分30秒はタイムを縮めなければならない、のび太はさらにキツイ3分30秒程度だ。 そしてこの後、トレーナータワー4分台を目指して壮絶な修行が始まるのであった。 僕たちは次にしっぽう渓谷の南端まで連れて行かれた。 そしてそこにつくなり、なんといきなり手持ちのポケモンを全て取り上げられてしまった。 「このポケモンたちは私が鍛えといてあげる。 あんたたちはその間、この島の陸地部分を一周走っておいで。 日没までに帰ってこなかったら晩飯はなし、分かったらさっさと行って来な!」 反論する間もなく、僕たちはこの島内を走りに行かされた。 7の島はたしかに狭いが、走って一周となるととても大変だ。 脚がだんだん痛みを増し、息が荒くなってくる。 走り始めてどの位経っただろう・・・腕に巻かれたポケッチに表示された数字が僕を苦しめる。 まだ走り始めてから30分も経っていない、距離もまだ全然進んでいないようだ。 運動音痴ののび太のことがふと脳裏に浮かぶ、彼は大丈夫なのだろうか・・・ 後ろを見ると、そこには膝をついて止まっているのび太の姿があった。 「のび太君!大丈夫かい?」 心配した僕が駆け寄っていっても、のび太は何も言わない。 「立てられるかい? 手を貸してあげよう。」 「うるさいなあ、僕のことなんか放っておいてよ!」 僕が差し伸べた手を彼は払いのけ、邪険に振舞った。 これにはさすがにちょっとイラついたが、冷静に彼に告げた。 「しんどくてもここはがんばらなきゃ。さあ、早く立って一緒に走ろう。」 だがのび太は何も言わない、僕はとうとう彼を怒鳴りつけた。 「いい加減にしろよ!そんなんだから君は何をやってもダメなんだよ!」 「うるさい!大体何で僕がこんなしんどいことしなきゃいけないんだ! この修行だって訳が分からないうちに勝手に参加させられただけ、僕は1人でのんびり楽しくやるつもりだったのに。 それに僕が走って何になるんだよ!戦うのは僕たち人間じゃなくてポケモンだ、人間が体を鍛えてもバトルじゃあ何の役にも立たないのに・・・」 のび太はそう言うとその場に座り込み、顔を伏せて完全に塞ぎこんでしまった。 これ以上何を言っても無駄だろう、僕は彼を無視して再び走り始めた。 のび太のことを頭から振り払うかのように、僕は猛ダッシュで先へ進んでいった。 あれからだいぶ時間が経ち、僕はついに島の北端まで辿り着いた。 だがもう脚も心臓も限界である、やはり最初に飛ばしすぎたのが原因だろう。 だが日没まであと2時間を切ってしまった、ここで休んでいる暇は無い。 僕は悲鳴を上げる脚を再び動かし、残り半分となった距離を走り始めた。 だがそんな僕に空がとどめを差す、雨が降り始めたのだ・・・ 足場が悪くなり、走りにくくなったうえに転倒までしてしまった。 膝から血が出始め、その痛みが走りに影響を与え始める。 残りあと4分の1の地点まで来ると、僕は遂にその場に座り込んでしまった。 ふと、のび太の言葉が頭をよぎった・・・『戦うのは人間ではなくポケモン、人間が走って何のいみがあるのか』 そう、その通りだ・・・なんで僕はこんなしんどい思いをしてまでして走っているのだろうか、走っても何の意味があるかも分からないのに・・・ すっかりやる気をなくした僕に、遠くから走って来る1人の少年の言葉が聞こえてきた。 「何やってるんだよ出木杉!さっきあれだけ偉そうなこと言っておいて・・・」 「のび太・・・君?」 黄色のシャツに青い半ズボン、間違いなくそれはのび太の姿であった。 「どうして、また走り始めたの・・・」 「あの後、僕気付いたんだ・・・僕がここで立ち止まっていたら、スネ夫を救うことは出来ないって。 だから僕は走る、たとえその意味が分からなかったとしても・・・」 よく見ると、彼の足や腕のところどころに転んで擦り剥いた傷が残っている。 自分より何倍も傷つきながら、それでも彼は走っている・・・その姿に僕は感動を覚えられずにはいられなかった。 立ち上がり再び走り始めると、先程まで重かった脚が急に軽くなり、どこまでも走っていける気がした。 ―――1時間後、日没とともに僕らはイブキの下へと帰ってきた、 あの後、イブキは僕らのゴールしたタイミングが日没とほぼ同時だったことに少しケチをつけたが、一言、 「よく頑張ったな。」 と言い、ポケモンセンターで豪華な夕飯をご馳走してくれた。 食事の最中、僕はイブキに聞いてみた、先程の修行にはどんな意味があったのかと。 イブキはこう答えた。 「目的は体を鍛えることじゃないから、走ること自体には意味は無かったのさ。 私があんたたちに鍛えてもらいたかったのは“精神力”さ。」 「精神力?」 「そう、精神力・・・どんな状況でも決して諦めないという力さ。 あなたたちはあの状況でも、諦めずに日没までにゴールしてみせた。 あなたたちは今日の修行で、強い心を手に入れることが出来た・・・それはかならずポケモンバトルでも活きてくるわ。」 あの修行は僕たちの心を鍛えるためのものだった、イブキはそう言った。 たしかに僕は精神力を磨くことが出来ただろう・・・だが、僕が手にすることが出来たのは強い心だけじゃない・・・ 「ん、どうしたの出木杉?」 隣の席にいるのび太が僕に問う。 僕は一言、「なんでもないさ。」と言うと、彼に微笑みかけた・・・すると、彼も嬉しそうに微笑む。 この修行でもう一つ、僕は大切な物を得ることが出来た・・・そう、目の前にいるこの少年の笑顔が、何よりの証拠である・・・・・・ 現在の状況 7の島 手持ち リザードンLV47、サーナイトLV45、ポリゴン2LV43サンダースLV45、トドグラーLV43 バッジ 8個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ケッキング、キノガッサ、ダグトリオ、フーディン(7の島時) ドラえもん フシギソウ、ピジョン、ビリリダマ(タマムシシティ時) 静香 ロゼリア、他不明(セキチクシティ時) ジャイアン エビワラー、ニドキング(シオンタウン時) あのマラソンからの翌日、僕らは全身筋肉痛でとても動けるような状態ではなかった。 イブキはどうやらこうなることを予測していたようで、今日はセンター内でポケモンバトルの戦術を徹底的に叩き込まれた。 次の日、3日目からは再び修行が再開された。 だがその内容は、どんな状況でも冷静さを失わないための精神修行、ポケモンと意思の疎通を深めるためにポケモンと遊ぶなど、一風変わったものが多かった。 勿論、その一方できちんとしたレベル上げもしているのだが・・・ 修行期間が残り半分となった時、僕たちはイブキからモンスターボールを渡された。 「あのー、これは一体何ですか?」 「私からのプレゼントよ、中に入っているポケモンを出してごらん。」 イブキの指示に従って中を見ると、僕のボールにはタツベイ、のび太のボールにはミニリュウが入っていた。 「育てるのは難しいけど、最終形態まで育てればきっとかなりの戦力になる。 あなたたちならきっと育てられる、そう思ってこのポケモンを譲ることにしたわ。」 これで六匹、全てのメンバーが決まった。 頼れる相棒リザードン、積み技と強力な特殊技を使いこなすサーナイト、驚異的な素早さを誇るサンダース、残りのポケモンも進化すればかなり強くなる・・・でも、 「ポリゴン2を進化させるには怪しいパッチが必要なんだよな・・・」 僕が何気なく呟くと、イブキが突然僕のバッグを取り上げて言った。 「前から思ってたんだけどさ、何であんたこれを使わないの?」 そう言いながらイブキが取り出したのは、僕が昔地下通路で拾った黒い箱だ。 まさか、これが怪しいパッチだというのか・・・ こんな近くに新たな戦力を手に入れる鍵があったとは・・・ のび太の協力によって、ポケモン界最高級の特攻を持つ新たな戦力、ポリゴンZが誕生したのだった・・・ それからも様々な修行を経て、ついに最後の修行日を迎えた。 僕たちはいまトレーナータワーに向かっている・・・目標の5分台を達成するときが来たのだ。 トレーナータワーでの戦いは、以前よりかなり速く進めることができた。 進化やレベルアップをして強くなったポケモンたち、そして修行で鍛えた僕自身の力が最大限に発揮されたからだろう。 精神修行のおかげでいつも冷静に指示することができ、ポケモンとの親交を深めたことによってポケモンが僕の考えをうまく理解してくれる。 戦いだけでなく登るのもしんどかったが、一日目のあのマラソンに比べればたいしたことはない・・・そして最後まで諦めずに全力を尽くした。 塔を登り終え、疲れ果てていた僕らの前にイブキが来て、タイムを発表した。 「のび太は4分56秒!あんたバトルだけじゃなくて根性もかなりついたわね。 そして出木杉は4分47秒!まさか私の記録を上回るとは、たいしたものね。」 4分47秒・・・その記録を聞いた僕の心は達成感で満たされた。 だがもはや舞い上がる気力もない僕らは、倒れたまま腕だけ上げてガッツポーズをとって彼女に答えた。 「じゃあ、今日はもうポケモンセンターに戻ってゆっくり休みなさい。」 「え、まだ4時ですよ!」 「あなたたちは修行中、5、6時間しか寝てないからかなり疲れているはず・・・ さすがにそのボロボロの体で戦う訳にはいかないでしょ。」 イブキの予想外の言葉を受けて、のび太は両手を上げて喜びながらポケモンセンターへと帰っていった。 僕も速く眠りたいので、のび太の後を追ってセンターへ向かった。 のび太は、5時までに夕飯を終えると、センター内のベッドで死んだように眠り始めた。 今の時刻は7時、ちょっと早いけど僕ももう眠ることにしよう・・・ 僕は今までの疲れを癒すため寝室へと向かった。 夢の世界が遠のいていき、目を見開けば再び現実の世界へと引き戻される。 先程から寝たり起きたりを繰り返していた、もうこれで二度寝どころか五度寝くらいだ。 枕元の時計は現在の時刻が午後9時であることを示している・・・隣のベッドで寝息を立てながら心地よさそうに寝ているのび太はもう4時間寝ている計算になる。 一度外の空気でも吸ってリフレッシュすれば、のび太のように眠れるかもしれない・・・ そう考えた僕は、ポケモンセンターの外へ出て周辺を散歩し始めた。 ふと、地面に座って星を見ているイブキの姿が目に入った。 「なんだ、まだ寝てなかったのか・・・明日の決戦のためにも早く寝たほうがいいぞ。」 僕の姿を見るなり彼女はそう言った。 僕がうまく眠れないことを告げると、彼女は僕に隣で一緒に星を見ようと誘ってきた。 現実の世界では決して見られない満天の星空を見ながら、僕はあることを考えて彼女に言った。 「ねえイブキさん・・・寝る前にバトルしませんか?」 彼女は無言で頷き、モンスターボールを取り出した。 ―――それから30分程度経過した、お互い3匹のポケモンが倒れてここまでは互角だ。 僕が今出ているポケモンに指示を与えようとすると、突然イブキはポケモンをボールに戻した。 「もうやめよう。この続きは今度・・・そう、信者を倒してポケモンリーグを取り返したときに・・・」 どうやら彼女はかなり疲れているようだった、無理もないだろう。 この間の戦いで四天王の内シバは重傷を負い、カンナは行方不明、キョウとイツキは死亡した。 イブキは仲間を失い、必死で修行している上に僕たちの修行の面倒まで見てくれたのだから。 僕は無言でポケモンをボールに戻し、彼女に頭を下げてセンターへと戻っていった。 ベッドに入った途端物凄い眠気が僕を襲ってきた・・・抵抗する間もなく、僕は夢の世界へとおちていった。 ―――夢を見た、スネ夫も含めた僕たち空き地で楽しく遊んでいる夢だ・・・ 僕はこの戦いに勝って、あの世界に戻らなければならない・・・・・・ 場所は変わって、ここはトキワシティポケモンセンター前。 僕たちがここに来た頃には、もう他の全員が集まっていた。 「遅いぞのび太、出木杉! ・・・ん?その人は?」 「この人はポケモンリーグチャンピオンのイブキさん!凄いでしょ。」 ジャイアンたちにのび太がイブキが仲間になってくれた経緯を説明する。 僕はと言うと、今日の戦いについてドラえもん、イブキと話し合っていた。 「とりあえず全員の戦力を確認しよう、じゃないと作戦は立てられない。」 僕の提案に皆が賛成してくれ、早速それぞれの手持ちを披露しあった。 ドラえもんと静香のポケモンは均等に育っている。 それに対してジャイアンは、強いポケモンと弱いポケモンのレベル差が激しいが、一番強いギャラドスはなんと64レベルである。 のび太とイブキの手持ちは一緒に修行しただけあってよく知っている。 全員のポケモン確認が終わったところで、早速ポケモンリーグへ行く手順を話し合った。 ポケモンリーグの近くは信者が多すぎて近づくことができない、結局チャンピオンロードから近づいていくことになった。 「おい、何だよこれ・・・」 チャンピオンロードに入った瞬間、ジャイアンがそう口を開いた。 作戦では守りが手薄だったはずのチャンピオンロードには、すでに300人程度の信者が待ち構えていた。 「落ち着けみんな! ここは私がこいつらと戦う、お前らはポケモンリーグへ向かうんだ。」 イブキが叫び、信者たちの輪に飛び込んでいった。 「戻ってくださいイブキさん、1人じゃ無茶です。」 「なーに、大丈夫! 私の実力は一緒に修行したあんたが一番良く知っているだろう。」 その通りだ・・・彼女なら1人でもこの信者たちと戦うことができるだろう。 僕たちは彼女のおかげで、無事この信者の軍勢を切り抜けることができた。 あの信者の軍勢を切り抜けると、全くと言っていいほど敵がいなかった。 おそらくあの場所に信者を仕向けたのは裏切り者だ、あそこで僕たちの戦力を削るつもりだったのだろう。 だが、僕たちがイブキという強力な戦力を加入させたので、裏切り者の作戦は脆く崩れ去ったことになる。 裏切り者といえば、結局いまだにその正体がつかめないままだ。 修行期間はイブキの指示したメニューをこなすのが精一杯だったので、あまり考える余裕がなかったのだ。 結局、この中途半端な状況のままでチャンピオンロードを抜けてしまった。 ポケモンリーグの入り口付近には、何故か信者が1人もいなかった。 まるで裏切り者が僕たちを待ち構えている、そんな感じがした。 「ついに、ここまでやって来たね。」 入り口の前に立ち、ドラえもんが言った。 「この世界のためにも・・・」 「スネ夫さんのためにも・・・」 「絶対に、負けられない!」 ドラえもんに続き、ジャイアン、静香、のび太の三人が発言する。 僕はと言うと、いまだに信者の正体をしつこく考えていた。 他人とそっくりに姿を変えられる道具でもあれば、2人目の僕の謎は解けるのにな・・・ 「ねえのび太君、他の人とそっくりに姿を変えられる道具、なんてものはないの?」 半分投げやりな気持ちでのび太に訪ねてみると、予想外の答えが返ってきた。 「そんな道具はないけど、姿を消せる“透明マント”っていう道具ならあるよ。 というか何で今そんな話をするの? 戦いに集中しなきゃ・・・」 姿を消す道具、透明マント・・・この道具の存在を知った瞬間、頭の中でバラバラになっていた全てのピースが次々と繋がっていった。 『そして僕は辿り着いた、裏切り者の正体に・・・』 僕は知るべきではなかったのかも知れない・・・苦悶する僕のことなど知らずに他のみんなは戦いへの決意を固めている。 様々な思いが交差する中、遂に僕たちはポケモンリーグへ足を踏み入れた。 現在の状況 ポケモンリーグ 手持ち リザードンLV61、サーナイトLV58、ポリゴンZLV56 サンダースLV59、トドゼルガLV55、ボーマンダLV60 バッジ 8個 出木杉メモ 名前 手持ち のび太 ケッキング、キノガッサ、ダグトリオ、フーディン、カイリュー(最終決戦時) ドラえもん フシギバナ、ピジョット、マルマイン、ペルシアン、ジュゴン(最終決戦時) 静香 カメックス、ライチュウ、ウインディ、ロズレイド、ハピナス(最終決戦時) ジャイアン エビワラー、ニドキング、ケンタロス、ギャラドス(最終決戦時) 次へ
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前へ ドーム控え室。 「待ってよ!出木杉!」 無言で立ち去る出木杉を心配し、追いかけるのび太。 「うるさい!来るな!」 出木杉が大きな声で怒鳴る。 いつも温厚な出木杉にしては珍しかった。 「さっさと出ていってくれ!目障りだ!」 立ち尽くしているのび太を他所に、続ける出木杉。 彼は今、凄まじいほどの屈辱に襲われていた。 『なんで僕が……野比君に……』 出木杉は現実世界で何においてものび太より上だった。 勉強も、スポーツも、何もかも。 だが、あろうことか全てが自分より下回っているのび太に負けたのだ。 『なんで……なんで……』 のび太が手を差し出そうとするが、出木杉はありったけの力で振り払った。 「いいから……さっさと出てけよ!」 出木杉が怒鳴るのはこれで3度目になる。 のび太はしぶしぶ部屋を出ていった。 ドーム観客席。 「あ、のび太さん」 遠くから走ってくるのび太を見て、しずかが言った。 「はぁ……はぁ……」 全速力で走ったのか、ゼエゼエと息をつくのび太。 「のび太、しずかちゃん。スネ夫の試合が始まるぜ」 ジャイアンが首で促した。 ドーム闘技場。 「話はのび太から聞いた。お前は僕がここで倒すさ」 試合開始前から挑発するスネ夫。 「口だけなら何とでも言えるわ……本当に私を倒せるのかしら?」 リンは何事も無いように言い返した。 「これから証明してあげるよ。そんな口がきけなくなるようにね……」 「じゃあ、楽しみにしてるわね」 両者言い終えると、それぞれの位置についた。 『対策は万全。勝つのは僕だ!』 『あの威勢……いつまで持つのか楽しみね』 それぞれの思いを抱えながら、ボールを構える二人。 そして、試合開始のホイッスルが吹かれた。 「それでは、準決勝第二試合、始め!」 両者からボールが放たれる。 スネ夫はテッカニン、リンはファイヤーだ。 「身代わり!」 ボールから出てくるやいなや、テッカニンが身代わりを作り出す。 「火炎放射」 テッカニンの身代わりが破壊される。 その後も同じような光景が繰り返されていた。 『そろそろだな』 「テッカニン!」 頭の中で計算を済ませたスネ夫が叫ぶ。 すると、テッカニンが輝き始めた。 「チイラの実の効力さ。そして……バトンタッチ!」 そう、スネ夫の目的はバトンタッチで補助効果を引き継がせる事だったのだ。 「戻れテッカニン……そしていけ、ナマズン!」 満を辞して登場したのはナマズン。 それも数回の加速とチイラの実により、素早さと攻撃力が数段アップしている。 『このナマズンで一気に押し切ってやるさ』 次の指示で、ナマズンのがんせきふうじがファイヤーをとらえた。 「出てきなさい、フリーザー」 煌びやかに光る両翼を羽ばたかせ、フリーザーが現れる。 「一撃で散ってもらう!がんせきふうじ!」 ナマズンが先手を取って攻撃する。 だが、がんせきふうじはフリーザーを捕えきれていなかった。 「くそ、外したか!」 がんせきふうじの命中率は80パーセント。 リンのフリーザーにとっては危惧すべき技なのだが、リンは全く動じていない。 『どういうことだ……』 スネ夫が怪しく思ってフリーザーを見ると、案の定キラキラと光る粉が見つかった。 『光の粉か……。だけど、次は外さないさ』 「フリーザー、心の目!」 フリーザーがナマズンに照準を合わせる。 『心の目から絶対零度か……ここで外せば、間違い無くやられる!』 少し戸惑うスネ夫。 だが、すぐに指示を出した。 「何をしたのか知らないけど……決めなさい!絶対零度!」 突如、猛吹雪が発生する。 「さあ、終わりよ」 吹雪はナマズンを完全に捕えていた―― 「フン……甘いんだよ」 猛吹雪で姿が隠れているスネ夫が、嘲笑うかのように言い放った。 「これは……まだ倒れてないのね」 ナマズンはまだピンピンしている。 その周囲は青い防御壁で囲われていた。 「まもる、だよ」 吹雪が止み、うっすらとスネ夫の姿が現れた。 スネ夫は絶対零度が放たれる直前に、ナマズンにまもるを指示。 そして、見事に攻撃を避けたというワケだ。 「トドメだ!がんせきふうじ!」 二発目は当たり、フリーザーを一撃の下に降した。 ドーム観客席。 「スネ夫、すげえ……こんなに強かったのか」 驚きの声をあげるジャイアン。 それにのび太が反論する。 「ジャイアンはスネ夫と戦っただろ?今更言うことじゃないんじゃない?」 対して、ジャイアンはいつになく真面目な顔で答えた。 「いや、俺と戦った時よりも強い……これは、勝てるかも知れないぜ!」 「そうね……このペースなら、勝てる可能性は十分にあるわ」 しずかもジャイアンに賛同する。 だが、のび太はイマイチそんな気がしなかった。 『確かに、スネ夫は強いけど……アイツはまだ切り札を隠してる、そんな感じがする』 言うなれば、真っ暗闇の奥に何かがある……そんな感じだ。 一抹の不安を抱えながら闘技場を見つめるのび太だった。 「さあ、次は何を出す?」 試合の流れが自分に向いているからか、余裕のスネ夫。 対して、リンは顔色一つ変えずにボールを放った。 「ミュウツー!」 繰り出されたのは破壊神、ミュウツー。 「あなたもすぐに葬ってあげるわ……あの御曹司のようにね」 ナマズンが地震を起こすも、ミュウツーの体力は残ってしまう。 「サイコキネシス!」 ミュウツーから強力な念波が放たれる。 だが、これも同様に体力を奪いきることは出来なかった。 「もう一度、地震だっ!」 スネ夫が二回目の地震を指示する。 『これで倒れてくれ……』 だが、スネ夫の願いも虚しくミュウツーの体力は残っていた。 そのままミュウツーがサイコキネシスを放ち、遂にナマズンが倒れてしまう。 「ふふ、あなたの手持ちにミュウツーを倒せるポケモンはいるのかしら?」 ナマズンを倒したことにより、勝ち誇ったような笑みを浮かべるリン。 ミュウツーは絶対に倒されない――彼女はそんな雰囲気を醸し出していた。 ――だがこの男、スネ夫は違った。 『いくら強いミュウツーでも、僕の前では無力さ』 「いけぇっ!」 スネ夫が次なるモンスターボールを放った。 繰り出されたのは、モンスターボールさながらのポケモン。 その周りでは電気がバチバチと音を立てていた。 「これは……マルマインね」 リンが苦い表情をする。 「ふふ……先手を取って倒させてもらうよ」 マルマインのスピードはミュウツーのそれを上回っている。 スネ夫は、ミュウツーに攻撃される前に倒してしまおうというのだ。 『急ピッチで育てた甲斐があったってもんだよ……』 二日前―― 『ミュウツーか……どうやって倒そう』 先程のダイゴとリンの試合で、ミュウツーの圧倒的な強さを見せられたスネ夫。 彼は今、ミュウツーの対策法を考えていたのである。 『今のポケモンじゃ、間違い無く勝てないな』 ミュウツーは凄まじい破壊力に加えて、素早さも高い。 覚える技も豊富なので、弱点を突かれて一撃死ということも十分に考えられる。 『仕方ない……アイツを使おう』 スネ夫が考え出した対策法は、至極単純なものだった。 『こっちが先手の一撃で倒せばいいんだ。それをやるにはアイツしかいない』 スネ夫は大急ぎでビリリダマを捕まえ、育て始めたのだった。 舞台は戻る。 『今のミュウツーなら、大爆発を使わなくても倒せるな』 「マルマイン、十万ボルト!」 強力な電撃がミュウツーの体力を奪った。 無言でミュウツーをボールに戻すリン。 その顔は屈辱で歪んでいる。 さすがの彼女も、ミュウツーが倒されたことには動揺を隠せないようだ。 「……サンダー!」 リンが次に選んだのはサンダーだ。 甲高い咆哮をあげ、スネ夫を威圧する。 『サンダーならマルマインにあまりダメージは与えられないハズ……どういうことだ?』 スネ夫は疑問を抱く。 だが、既に彼の腹は決まっていた。 「マルマイン、大爆発!」 マルマインの体に光が集まっていく―― そして、次の瞬間……それは一気に弾けた。 「やったか!」 目をこらし、爆発のあった所を見るスネ夫。 彼の目は期待に満ちていた。だが…… 「……残念ね」 不意に、リンの声が聞こえてくる。 スネ夫は更に目をこらし、勝敗の行方を確かめる。 「これは……しまった!」 スネ夫が見たのは元気に羽ばたいているサンダーと、力尽きて倒れているマルマインだった。 落胆するスネ夫を嘲るかのように、空中を旋回するサンダー。 「あなたが大爆発を指示する前に、見切りをさせたのよ」 見切り……守ると同じく、相手の攻撃を無効化できる技だ。 「……くそ!」 自らの判断ミスを恨むスネ夫。 何せ、冷静になっていれば簡単に予測できた事なのだ。 「ふふ、勝負を焦りすぎたわね……」 リンがほくそ笑む。 ドーム観客席。 「ああっ!スネ夫のバカ!」 顔を真っ赤にしながら地団駄を踏むジャイアン。 それに、すかさずしずかがフォローを入れる。 「でも、スネ夫さんの優勢は変わらないわ。あっちは3匹も消耗しているんですもの」 舞台は闘技場へ。 「いけ、ユレイドルッ!」 大爆発の不発によって落胆したスネ夫だったが、落ち着きを取り戻してボールを放つ。 「鋼の翼よ」 サンダーの翼がユレイドルを切り裂く。 「負けるなユレイドル!原始の力!」 今度はユレイドルが反撃する。 その後、もう一度同じ光景が繰り返され、サンダーが先に倒れた。 「やったぞ、ユレイドル!」 歓喜の叫びをあげるスネ夫。 リンは愚者を見るような目でサンダーを見つめていた。 「戻りなさい、サンダー……」 サンダーをボールに戻し、ため息をつくリン。 そのままボールを取り出し、放り投げた。 「レックウザ!」 レックウザ……これまた伝説のポケモンだ。 「ドラゴンクロー」 即座に指示が降され、レックウザの鋭い爪がユレイドルを襲う。 先程の蓄積ダメージもあり、ユレイドルは耐えることが出来なかった。 「こうなったら……フライゴン!」 ボールからフライゴンが出現し、すぐさまレックウザに一撃を与える。 「ドラゴンクローね……なら、こっちもよ!」 レックウザも反撃する。 食らったダメージはフライゴンの方が大きかった。 「フライゴン、もう一度!」 またもやフライゴンが攻撃し、レックウザの反撃が待ち受ける。 フライゴンが次の攻撃を受け切るのは不可能だった―― 『敵のレックウザはかなり消耗している……ならば!』 今なら一撃でレックウザを倒せると悟ったスネ夫。 無造作にボールを取り出し、それを放った。 「ジュカイン!」 繰り出されたのは幾度と無くスネ夫のピンチを救ってきた相棒、ジュカイン。 即座にレックウザに飛びつき、必殺のドラゴンクローを浴びせる。 「どんなもんだい!」 思わずガッツポーズを決めるスネ夫。 だが、レックウザをボールに戻すリンの顔からは余裕さえ感じられた。 『奴の手持ちは残り1匹……こっちは体力全快のジュカインと、残り体力が僅かなテッカニンだ』 数では勝っているが、テッカニンは相手に一発当てるのが限度。 ジュカインでなるべく相手の体力を減らさねばならない。 「……もう、終わりね」 冷たい表情で最後のボールを取り出すリン。 その雰囲気から見るに、自分が負けるとは思っていないようだ。 「出てきなさい……」 リンがふんわりとそのボールを投げる。 「こ、これは……!」 繰り出されたポケモンを目の当たりにして、絶句するスネ夫。 現れたのは、赤と緑で彩られたなんとも奇妙な生き物だった。 その肩と思われる部分からは触手のようなモノが伸びていて、その異形をより引き立てている―― ――そんな異様な姿を露にしたそのポケモンの名は、デオキシスという。 「デオキシス……だって?」 口をポカンと開けたまま、立ち尽くすスネ夫。 その存在は知っていたが、まさか使うトレーナーがいたとは……。 「まさか、あなた如きに切り札を出す事になるとはね」 驚くスネ夫を他所に、嫌らしい笑みを浮かべるリン。 「冷凍ビーム」 「させない、見切りだ!」 デオキシスから氷の光線が放たれるも、ジュカインはそれを避ける。 だがこの時、スネ夫は悟っていた。 『ジュカインじゃデオキシスには勝てない……』 例え一撃目を避けたとしても、次なる攻撃が待ち構えている。 「冷凍ビーム」 スネ夫は見切りを指示したが、やはり失敗。 ジュカインはまともに冷凍ビームを受け、倒れた。 「お疲れ、ジュカイン」 ジュカインをボールに戻すスネ夫。 『後は……残り体力僅かのテッカニンだけか』 だが、スネ夫は安堵した。 『テッカニンのスピードは、デオキシスよりも上!この勝負、勝った!』 デオキシスの耐久力ならば、先制の一撃で倒せるだろう。 スネ夫は余裕の表情で最後のボールを放った。 「いけ、テッカニン!」 ブンブンと羽を羽ばたかせ、テッカニンが姿を現す。 依然無表情のままのリンを見て、スネ夫が口を開いた。 「僕の……勝ちだよ」 だが、リンは全く動じていない。 どこかスネ夫を哀れむような、そんな雰囲気を醸し出していた。 「何言ってるの?あなた」 挑発気味に言い放つリン。 それを聞いたスネ夫は、余裕をかまして言った。 「デオキシスなら、テッカニンは確実に先手を取れる。そして、デオキシスの防御力は極端に低い。これがどういうことかわかる?」 リンは鬱陶しそうにスネ夫の方を見ている。 その態度が気に食わなかったのか、スネ夫はテッカニンに指示を出した。 「それは……お前が負けるってことなんだよ!テッカニン、シャドーボール!」 テッカニンが漆黒の玉を作り出す。 そして、それをデオキシス向かって放ち―― 「どうしたんだ!テッカニン!」 テッカニンは黒い玉を作り出したまま、動かない。 先程ののび太と出木杉の試合を観戦していたスネ夫は、ようやくこの事態を悟った。 「テッカニンの方が遅いということは、まさか……先制技かっ!」 そう、スネ夫はデオキシスが覚える唯一の先制技の存在を失念していたのだ。 そして―― 「残念だったわね。先に動くのはデオキシスよ」 首を振って目の前の光景を否定するスネ夫を嘲笑うかのように、リンが囁いた。 「しんそくっ!」 リンの命令と共に、デオキシスが姿を消す。 「あ、あ、あ……」 依然首を横に振ったまま、狼狽するスネ夫。 焦点の定まっていないその目で、必死にデオキシスの行く手を探る。 そして―― 「デオキシス!」 リンの声が響き渡る。 その瞬間、デオキシスの姿で太陽が隠れた。 「テ、テッカニン!」 テッカニンの姿が、デオキシスの暗い影に覆われる。 だが、それと同時に闘技場全体――いや、観客席までもが暗くなっていた。 刹那、轟音を伴って雷鳴が轟く。 それは丁度デオキシスとテッカニンの居る位置を捕え、その周囲を照らす。 「決めなさい!」 眩い光を伴いながら、テッカニン向かってフルパワーで突進するデオキシス。 次の瞬間には衝撃音が聞こえ、テッカニンは鈍い音を立てて倒れた。 「勝者、リン選手!」 審判の声を聞くと、リンは満足げな表情で闘技場を出る。 「そ、そんな……」 テッカニンをボールに戻さず、天を仰ぐスネ夫。 その時、彼の顔に一滴の雫が落ちた。 「ああ……」 土砂降りの雨に打たれながら、ただただ立ち尽くすスネ夫だった。 「というワケで、決勝戦は明後日となります」 司会の声が会場に響く。 そして、それを神妙な顔で聞いていた少年が一人。 「明後日、か……」 その顔はいつものふぬけた顔ではなく、強い決意が表れている顔だった。 雨に打たれ、真剣な眼差しで司会を見つめている。 「そして、決勝戦に進めるのはこの二名です!」 観客席の上の方にあるボードに、決勝戦に出場する選手の名前が映される。 野比のび太 ― リン・サブラス それを見ると、少年は少し安堵したような表情を見せる。 すると少年は闘技場に背を向け、観客席と下の階を繋ぐ廊下を進む。 聞こえるのは、切なく響くトン、トンという足音だけだ。 少年は廊下を渡り終え、階段を下りていく。 明かりが全くついていない、暗い階段。 そして最後の一段を踏みしめた時、一階の明かりによって少年の顔が照らし出される。 その少年――野比のび太は真っ直ぐ扉を見据え、会場を後にした。 トクサネシティの宿。 のび太がここに戻って数時間、まだ雨は降り続いていた。 何のためらいも無く寝転ぶのび太だったが、彼には一つ気がかりな事があった。 『ドラえもん……』 そう、リンに奪われたであろうドラえもんの事だ。 ダイゴの日記にそう記してあったから、おそらく間違いはないだろう。 『そうだ!』 拳で手のひらを叩くのび太。 どうやら何かを閃いたらしい。 のび太は急いでレインコートを羽織り、宿を出てペリッパーに乗る。 その行き先は――サイユウシティ。 「はぁ……はぁ……」 ペリッパーから降りるやいなや、ドームへ向かって走り出すのび太。 そのままドームの扉を開け、中に入った。 「よし、行こう」 ゼエゼエと荒い息をつきながらも、のび太は走る。 彼が足を止めたのは、闘技場だった。 「やっぱり……」 のび太は数日前の事を思い出していた。 ここ、闘技場でリンに会った日の事だ。 そして、今も数日前と同じ――闘技場にリンが立っていたのだ。 「あら、あなたなの」 リンは、以前と同じ冷たい表情でのび太を見つめた。 のび太はゆっくりと口を開いた。 「ドラえもんをどうした」 その声は小さいものだったが、妙な威圧感が混じっていた。 リンは依然表情を変えない。 「ああ、あのロボットのことね」 まるで「忘れていた」とでも言いたげな感じだ。 「あのロボットは、御曹司さんが見つけたものを私が貰ったのよ」 「それは知ってる。そこからを知りたいんだ」 今の事は、ダイゴの日記に記してあった事と同じ。 のび太はその先を知りたいのだ。 「大丈夫よ。壊しはしてないわ」 「じゃあ、どうしたんだ」 間髪入れず、鋭く問うのび太。 「ただ……ポケットの道具を取っただけよ。ついでにそのポケットもね」 その言葉を聞くと、のび太は安堵した。 ドラえもんはまだ生きている、ということがわかったからだ。 「わかった。だけど、これで終わりじゃない」 のび太が、今度はハッキリと聞こえる声で言った。 「何?まだ何か用なの?」 鬱陶しそうに聞くリン。 それをのび太は厳しい表情で見据え、口を開いた。 「ドラえもんを……返せ!」 のび太の声が響き、リンが静まる。 だが、それも束の間だった。 「……アハハ!そんなにあのロボットを返してほしいの……」 「ああ、そうだ」 のび太が言い終えると、リンは意地の悪そうな笑みを浮かべた。 「ダメよ」 一瞬、その場が静まり返った。 そして、数秒が経つとのび太が沈黙を破った。 「何で!何でだ!」 「だって、面白くないもの。その代わり……私に勝ったら返してあげるわ」 のび太は悟った。 もう、バトルで勝つしかない。 それ以外にドラえもんを取り返す手段は皆無なのだ。 しかも、のび太が負けたらリンの望みが叶ってしまう。 世界が滅ぶなんて事になったら、最早ドラえもんどころの騒ぎじゃない。 「ああ、受けて立ってやる」 そう言うと、のび太はボールからペリッパーを出した。 「勝負は明後日……その時にケリをつけてやる!」 ペリッパーに乗り、雨に打たれながら飛び立つのび太。 彼は闘技場の方を振り向かずに、サイユウシティを後にした。 次へ
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