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. ___ / || ̄ ̄|| ∧_∧ |.....||__|| ( ) どうしてこうなった・・・ | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ | | ( ./ / ___ / || ̄ ̄|| ∧_∧ |.....||__|| ( ^ω^ ) どうしてこうなった!? | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ | | ( ./ / ___ ♪ ∧__,∧.∩ / || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ どうしてこうなった! |.....||__|| └‐、 レ´`ヽ どうしてこうなった! | ̄ ̄\三 / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪ | | ( ./ / ___ ♪ ∩∧__,∧ / || ̄ ̄|| _ ヽ( ^ω^ )7 どうしてこうなった! |.....||__|| /`ヽJ ,‐┘ どうしてこうなった! | ̄ ̄\三 / ̄ ̄ ̄/ ´`ヽ、_ ノ | | ( ./ / `) ) ♪ どうしてこうなったとは、状況・状態が変化していく様子が、 自分の想定を超えるものであったときに使用される一種の呪文である。 この呪文を唱えると、その状況・状態は「どうしてこうなった(状態変化)」となる。 関連項目 どういうことなの・・・
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初出誌:大洋図書「CRAFT」Vol.31~Vol.36 単行本: どうしても触れたくない (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 26) 大洋図書 2009.09.01 630円 ISBN 978-4-8130-5147-3 1 どうしても触れたくない 初出誌:「CRAFT」Vol.31(2007年01月23日発売)34P 950円 950978-4-8130-1066-1 2 どうしても触れたくない 初出誌:「CRAFT」Vol.32(2007年04月19日発売)28P 950円 978-4-8130-5057-5 3 どうしても触れたくない 初出誌:「CRAFT」Vol.33(2007年07月19日発売)38P 950円 978-4-8130-5076-6 4 どうしても触れたくない 初出誌:「CRAFT」Vol.34(2007年10月17日発売)33P 950円 978-4-8130-5092-6 5 どうしても触れたくない 初出誌:「CRAFT」Vol.35(2008年01月19日発売)33P 950円 978-4-8130-5114-5 6 どうしても触れたくない 初出誌:「CRAFT」Vol.36(2008年04月19日発売) P 950円 978-4-8130-5125-1 【主な登場人物】 嶋 俊亜紀(しま としあき) 外川 陽介(とがわ ようすけ) 小野田 良(おのだ りょう) 【あらすじ】 無遠慮で図々しいように見えて、気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、傷ついた過去の経験から、一歩踏み出せずにいる。一方、忘れることのできない記憶を抱えながらも外川は傷つくことを恐れず、嶋を想う心を隠さない。好きだけど、素直にはなれない。嶋の想いの行方は---。 【コメント】 ヨネダコウ先生のデビュー一作目にして一冊目の単行本となる記念すべき作品。同人活動時代の「恋成」( REBORN! )発表時、最初に声を掛けられた出版社からのデビューとなった。単行本に収録されている短編3作「週末」「小野田課長は憂鬱」「夜明け前」は、単行本発表にあたり書き下ろされた作品。 「 俺に恋してどうすんだ 」次→
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___ / || ̄ ̄|| ∧_∧ |.....||__|| ( ) どうしてこうなった・・・ | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ | | ( ./ / ___ / || ̄ ̄|| ∧_∧ |.....||__|| ( ^ω^ ) どうしてこうなった!? | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ | | ( ./ / ___ ♪ ∧__,∧.∩ / || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ どうしてこうなった! |.....||__|| └‐、 レ´`ヽ どうしてこうなった! | ̄ ̄\三 / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪ | | ( ./ / ___ ♪ ∩∧__,∧ / || ̄ ̄|| _ ヽ( ^ω^ )7 どうしてこうなった! |.....||__|| /`ヽJ ,‐┘ どうしてこうなった! | ̄ ̄\三 / ̄ ̄ ̄/ ´`ヽ、_ ノ | | ( ./ / `) ) ♪ 優勢な勝負をひっくり返された時、相性ガン有利で負けた時など使い勝手は良い。 ただ、最近はあまりきかない。
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どうしてこうなった ttp //dl7.getuploader.com/g/patyuritowax/1515/patyuritowax_1515.gif 墓標ぬえ ___ |\ \ | | ̄ ̄''| | | ぬ |.._| | え ||\\i .|\\l二二二二二l ___ |\ \ ..∩|_..| ̄ ̄''| ヽ-..| ぬ | 7 .._| | え |┘ /`\\i .|\ ´`ヽ 二二二二二l ) ) ___ ./ /| .|'' ̄ ̄| _∩ .r. | ぬ |.._ノ └‐.| え | |_.. /|. i/レ´`ヽ l二二二二__ノ´` ( ( . ___ ..|\ \ _____| | ̄ ̄''| .o/.| | ぬ | /(.._| | え |. / . o|\\i .|\ / \l二二二二二l ( ∪ ∪ と__)__). どうしてこうなったセット .___ |\ \ | | ̄ ̄''| /| __ /| | | ぬ | , ´ ヽ _| | .え | (,( k どうしてこうなった |\\i .|\ (ハ /、 ,´`ヽ \l二二二二二l =r ,_ /-=,) (酒)r''- ==/ 'ァ_r'ァ_r'[] .___ |\ \ | | ̄ ̄''| /| __ /| | | ぬ | , ´てnフ ヽ _| | .え | ( (( ,ハハノノ k どうしてこうなった? |\\i .|\ ` (リ、ω^(ハ,´`ヽ \l二二二二二l クル =r ,_ /-=,) (酒)r''- ==/ 'ァ_r'ァ_r'[] .___ |\ \ | | ̄ ̄''| ♪ /| __ /| | | ぬ | , ´てnフ ヽ _| | .え | j (( ,ハハノノ∩=ァ どうしてこうなった♪ |\\i .|\ /´rハ) ^ω^ )ノ(酒) \l二二二二二l {=└‐ __i Hi_,レl´`ヽ '、==(ン'ゝ ´_ノ´` `ー[]`r- (´ ♪ `ー .___ |\ \∩ | | ̄ ̄''|,ノ ♪ /| __ /| r^ | | ぬ | , ´てnフ ヽ └‐| | .え レ´`ヽ j (( ,ハハノノ∩=ァ どうしてこうなった♪ |\\i ,|ノ´` /´rハ) ^ω^ )ノ(酒) \l二二二二二l {=└‐ __i Hi_,レl´`ヽ ( .(´ '、==(ン'ゝ ´_ノ´` `ー `ー[]`r- (´ ♪ `ー 何故殺した | i!i/ !l|r"-'"-i| i`i|‐、 i' |,イ|,,..r''"!l| i! |ヽi `i. ,./. / ,r'''! |i! ii | | |`i i . . // ', .,.r"/ i、 / ! ,,,,.i! l-ー|--i!、 .i / ./ 'i,'.,.,,.r'" /\ i \ /i ,,..r''" i! i. ! i! l .i ./ .;;ir''" / \ ! .\/ . i. | i ヾ、./ r''" / `' / . / .!|,,.rヾ、,,ノ /. 〈 . i i | ,,..-‐ ''"|i i. / ヾ; ヽ、i ! / /,,,,..... --''' "´ ヾ; i ! !|i !|/ヾ; ヾ i, |i. !|| i |i ,,.r"!| 〉 `i、 || |i i ||'" / .ヽ|| i|' i'ヽ ,ト、 _,,i)__,,.r''"!i ..|\ \ _____| | ̄ ̄''| .o/.| | ぬ | /(.._| | え |. / . o|\\i ゝ'゚ ≦ 三 / \l二二≧ 三 ==- ( ∪ -ァ, ≧=- 。 と__)≦`V`ヾ ヾ ≧ ,..、_ _ __ ..,,__ _,, ,,_ _ __ l ./====/ \| .l ,、| ./ , 、 \''゙ .| i=' `l ヽ\ _ 7 フ,、 / /.l`‐- ゙、| |=| .i- l ./= ,> /,_、.ノ| |.| !∧.| l' !、`'゙ _,,,..ゝ_,、. / |.| || | | |.|`' __'`ノi、l / / 二| /'゙∠,, = '゙l .| ゙7 .l ∠~_,,,,.) ~| |.| !! |.| .|.| | | .|ヽ. ./ .フ <'ヾフ / .| .| /!./ /_ ゙ | .|.!-'`二l .|| |._| .|/ `‐- /,、 |゙、ノ. '-┐、 `.-‐'' .// ./ ヾ‐---‐、 |_,,,| \_丿!-‐'>,.-'゙~`、/ ` |_,,l/-‐'゙‐、_| `‐- -‐' ヽ_/ `‐- - ‐'
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~~~~~~~~~~~~~~~ 純「さあさあ詳しく聞かせなさい!」 梓「う、うん…」 私達は周りを気にしなくていいカラオケボックスに来ています 梓「なんか…部活終わったあと…話があるからって二人で残って…」 純「うんうんうん」 そういえばお姉ちゃん昨日帰りが15分くらい遅かったな 梓「好きだから…付き合ってって…」 純「ズコー!あっさりー!!」 梓「い、いいでしょ別に!」 純「だってレ…女同士なんだしもっとなんやかんやあるのかと…」 梓「んん…」 純「で?で?梓はなんて?」 梓「いいですよって…」 純「ズコー!ズッコー!!!ロマンのカケラもない!」 梓「唯先輩のあんなに真剣な顔初めて見たなぁ…」 どうして 純「で?唯先輩今日どんなだった?」 梓「別に…普通だったよ」 どうして 純「え~つまんなーい」 どうしてどうして 梓「やっぱりおもしろがってんじゃん…」 憂「どうして!!??」 梓純「!」ビクッ 憂「どうして私じゃなくて梓ちゃんなの!?」 純「う、うい…?」 憂「私はずっとお姉ちゃんが好きだった!!でも!!」ガシャン! あ、コップ割れちゃった 憂「叶わないことが分かってたから!姉妹だから!!」 梓「憂…?」 憂「だから私はお姉ちゃんに彼氏ができたらおめでとうって諦めるつもりだった!なのに!」 憂「なんで梓ちゃんはいいの!?女の子同士でしょ!?何でそんなアッサリ付き合えちゃうの!?女の子同士がいいなら姉妹…私でもいいでしょ!?」 憂「ねえ梓ちゃん」 梓「な、何?」ビクッ 憂「梓ちゃんはほんとにお姉ちゃんが好きなの?」 梓「え…」 憂「優しくて自分のことを好きって言ってくれたから付き合っただけじゃないの?女子校で男の人との出会いがないからって血迷っちゃっただけじゃないの?」 梓「ちが…」 憂「でも私は違う!!お姉ちゃんが好き!お姉ちゃんじゃなきゃ駄目なの!!」 ダンッ! 憂「どうしてぇ…ぐすっ…うぅ…」 純「憂…」 梓「…」 ~~~~~~~~~~~~~~ それから私達は何も話すことなく別れました 私は家に帰って、お姉ちゃんと顔を合わす前にお風呂に入りました お姉ちゃんに心配をかけたくありません 唯「あっ憂~帰ってすぐお風呂なんてどうしたの?」 憂「梓ちゃん達とバッティングセンターに行って汗かいちゃったんだー」 唯「そうなんだ~」 唯「早くご飯食べよ!待ってたんだよ~」ぐぅ 憂「ごめんね、早く食べよう」 唯「今日は~カレー♪」 お鍋からカレーが三口分減っていました きっとお姉ちゃんがつまみ食いしたのでしょう お腹ペコペコだったんでしょう それなのに私の帰りを待っていてくれたのです 憂「お姉ちゃんおまたせー」 唯「わ~い!」 ~~~~~~~~~~~~~~ 唯「おいし~♪」 お姉ちゃんは本当に美味しそうに私の作ったご飯を食べてくれます 私はこの笑顔を見るためにお料理をしていると言っても過言ではありません 唯「ねぇ憂」 憂「なあにお姉ちゃん」 唯「憂はさー…女の子同士が付き合うってどう思う?」 これを聞かれたのが昨日だったら、私は私がお姉ちゃんに告白されるのではないかと思っていたところです なんて答えようかな「女の子同士なんておかしいよ」って言えばお姉ちゃんは梓ちゃんと別れるのでしょうか 憂「うーん…本人達がよければいいんじゃないかな?」 やっぱり言えません そんなことを言うとお姉ちゃんが悲しむからです 唯「そっか!」パァ 次にお姉ちゃんが何を言うのかもう分かってます 唯「憂…実はね」 やめて、言わないで 全身の毛穴が広がってる気がします 心臓が痛いです 憂「あ、今日アイス買ってるよお姉ちゃん!」 唯「あ…そ、そうなんだ!わ~い!」 駄目です お姉ちゃんの口から聞いたら泣いてしまいます 泣いたらお姉ちゃんに心配をかけてしまいます 憂「お姉ちゃんお風呂入ってきなよ」 唯「う、うん、ごちそうさま!」カチャ 憂「ふぅ…」 ちゃらら~♪ 憂「…梓ちゃんからだ」 『今から○○公園に来れる?』 憂「…」 お姉ちゃんは今お風呂に入ったばかりだ あと30分は出てこない ○○公園までは自転車で三分 憂『15分くらいなら大丈夫。今から行くね』 音を立てないように玄関まで行き、急いで公園へ向かう 憂「梓ちゃん」 梓「憂…急にごめんね」 憂「ううん…」 梓「唯先輩、私のこと言ってた?」 憂「ううん、まだ」 梓「そっか」 憂「うん」 梓「憂は言ったよね『私が本当に唯先輩を好きなのかって』」 憂「…」 梓「大好きだよ」 梓「唯先輩の垂れた目も茶色くてふわふわした髪も声も笑顔も大好き」 梓「私、唯先輩じゃなきゃ駄目だよ」 憂「そっか…」 良かった 梓ちゃんが本当にお姉ちゃんのことを好きでいてくれて お姉ちゃんが傷つかないで良かった 憂「梓ちゃん…」 梓ちゃんになら、お姉ちゃ 梓「ごめんね、憂」ドスッ 憂「え…?」 梓「ごめんね、こうするしかないの、ごめんね…」ぐりっぐりっ え?え? 憂「あ…ずさちゃ…?」ドサッ 梓「私…唯先輩じゃなきゃ駄目なの」ポロポロ ごめんねお姉ちゃん 髪の毛乾かしてあげられないみたい ~~~~~~~~~~~~~~~ 梓「話ってなんですか?」 唯「あ…あのね…」 唯「あずにゃんは女の子同士が付き合うのってどう思う?」 梓「え…っ」ドキッ 唯「…」 梓「…」ドキドキ 梓「な、何で私にそんなこと聞くんですか?」 唯「え、えっと…」カアァ 梓「わ、私は…いいと思います、本人達がよければ」 唯「ほ、ほんと?」パァ 梓「はい…」ドキドキ 唯「じゃあ…家族同士が付き合うのはどうかな?」 梓「え…?」 唯「女の子同士で…その子が家族っていうのは…」 梓「…」 唯「あずにゃん…?」 梓「…い、いいんじゃないでしょうか」 唯「そ、そっか!」パァ 梓「…」 唯「あずにゃんありがと~!じゃ、帰ろ!」 梓「はい…」 ~~~~~~~~~~~~~~~ ガチャ 唯「ふ~あったまった~」 唯「アイス~♪アイス~♪」 唯「あれ?憂?トイレかな?」 唯「憂?うーいー?」 おわり ~~~~~~~~~~~~~~ 唯「うっ…うぁっ、うい、ういぃ…なんでぇ…うい…うっ、うぇ…」 紬「唯ちゃん…」 純「うわああああんっ!憂!憂のばかああぁぁ…っ」 澪「…っふ、ぐ…」ボロボロ 律「憂ちゃん…」 唯「憂…憂…嫌だよぉ…まだ何も言えてない…っうぁ…」 梓「唯先輩…」ギュッ 唯「あずにゃん…」 梓「私がいますから…」ナデナデ 唯「…っ、う、うあ゙っあ゙ずにゃああああん…っ!」ズビッ 梓「憂…ばいばい、唯先輩のことは任せてね」 戻る
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0190:どうして・・・? 正直、リンスレット・ウォーカーは、隣を歩く男との会話にうんざりしていた。 先ほど会った少女と別れてから、ずっと話しかけてくる。しかも大体が、自分の世界に関する質問。 文化やスポーツ、ファッションやコンピューター関連、そして自分の嗜好について。 一体、何でそんな興味を示すのか、よくわからない。 さっき、自分は男にこう言った。この世界は自分のいた世界の文明レベルに近いということ。 それと、もしかしたら自分が知らないだけで、自分の世界にもニホンという国が存在するのかもしれない。 そう言ってから、質問の量が途端に増えた。 まぁ、この男はキレ者っぽいし、話していく中で、何かしらこの世界からの脱出のヒントを探っているのかもしれない。 そんなことを考えながら、彼女はアビゲイルの相手をする。 アビゲイルは推理していた。自分がいるこの世界の真実を。 先ほど会った少女から、この世界は彼女のいた世界を縮小化したものだということを聞いた。 そして、自分が今まで読んできた書物の知識。他の十賢者たちから得た知識。 アビゲイルは推理する。 この世界のモチーフは、自分たちのいた時代から遥か昔の世界なのではないか。 すなわち、旧世界なのではないか。それが、自分の推理。 そして、隣には、旧世界と同じ文明レベルだというリンスレット。 旧世界の住民。十賢者のジジイ共とは違う、若い女性。今までに得た旧世界の知識とは別の知識を得られるかもしれない。それはただの自分の興味。 そんなことを考えながら、彼はリンスレットに話しかける。 そんな二人の会話を耳に入れず、後ろでブルマは考えていた。 先ほどの少女との会話から得られた情報、自分の仲間が近くにいるという可能性、自分の仲間がマーダーになっているという可能性、それらが頭の中を支配していた。 ――クリリン君がこの状況に乗ってしまって、人を殺しているなんて考えられないわ・・・ きっと、あの女の子の勘違いか何かだわ・・・多分 クリリン君は間違っても人を殺すようなことはしない・・・!! そう、クリリンは勇敢な戦士だった。悟空と一緒に成長していく様子を自分は見てきた。 彼は精神的にも十分強い。人を殺すことを好むようなタイプではないし、この状況に狂ってしまって、乗るなんて考えられない。 助けを求める人を守る、それがクリリンであるから。 そして、正義感の強い彼なら、きっとこの状況を打破するのに協力してくれるに違いないはずだ。自分を守ってくれるはずだ。 だからこそ、早く見つけなくちゃいけない。この世界から脱出する大切な仲間なのだから。 そう考えているブルマは、夜明け前からの泣き疲れ・歩き疲れで、あまり体力はないのだが、クリリン求め、西へと駆けていく――― そして、さつきがクリリンを目撃したという福井県に到着した。 福井県に到着した三人は、さらにもう西へと歩いてゆく。少し開けた場所に出る。 心なしか、辺りが一層静まっているような感じがする。嵐が通り過ぎた後の静けさのような。 寒風が吹く。一瞬の寒さに身を震わす。 しばらく歩くと、脇に黒い影をアビゲイルが見つけた。近くにある倒木とは違う別のいびつな形。三人は十分な警戒心を保ちながらそれに近づく。 「きゃああああぁぁぁ!!」 その影は嘗て防人衛だったモノ。下腹部から下が完全に胴体から離れていて二つに分断されている。 鮮やかなる胴体の断面からは、臓物が零れ落ちている。彼が寝ている地面は、大量の血液を吸い込んで、赤黒く輝いている。 これが三人にとって、この世界に放り込まれて初めて見た死体。 放送やさつきとの会話で死者が出ているということは知っていたのだが、こうして実際に死体を見ると、 改めて自分たちが、こんな悪趣味で不条理な殺人ゲームに参加させられているのだというのを認識させられる。 「ウッ・・・」 悲鳴の主のリンスレットは、泥棒請負業といったアウトローな仕事をしてはいるが、人の死に直接的な関わりを持つことはあまりなかった。 見慣れない死体、しかも酷い惨殺死体を見てしまい、免疫力に乏しい彼女の体は拒絶反応を示す。 朝からろくな物を食べてはいないのだが、嘔吐のため森の奥へと姿を消していった。 ブルマも吐き気はないものの視線を下に向け、死体を直視できない。 ただ、アビゲイルは、無表情で死体に近づいていき、断面に手をあて、観察する。 「ふむ。どうやら、これは剣などの斬撃によるものではないですね。 彼の肌が焦げています。 おそらく、雷撃系もしくは火炎系の精霊魔術あるいは私すら知らぬ秘法、古代語魔術の類でしょうか―― それをソドムのようにスライス状に加工し、彼の体を分断したのでしょう。 もしくはD・Sが所有する火炎魔人イーフリートが守護者の炎の剣によるものとも考えられますが、あちらをご覧ください。 本来の能力が制限されているこの世界では、おそらく炎の剣もその威力が弱まっていると考えられます。 あの硬そうな柱を切断するのは難しいでしょう。」 アビゲイルが示す方向に目を向けてみると、路地沿いにある電柱が一本倒れている。 その切断面は、死体と同様、黒く焦げている。 コンクリート製の電柱を刀で切るなんて、物質の呼吸を読むことのできる剣士でもない限り無理だろう。 「雷神剣が本来の力を発揮できているのなら、あの柱を切るなんて簡単なことでしょうが・・・ それでも、あのような断面にはならないでしょう。熱気を帯びたスライス状の魔法――私の世界とは異なる魔法体系によるものなのでしょう―― それが彼を殺害した者の能力でしょう。」 その言葉にブルマはハッとさせられる。そして、思い出す。 気円斬―――気を円盤状に練り上げることにより、対象を切断する能力に特化した気弾。 そして、それはクリリンの得意とする必殺技。 ブルマはそれを知っている。 ――もし、これがクリリン君の手によるものなら、さっきのあの娘の目撃証言と一致するわ。 あの娘は、クリリン君がいきなり自分を襲ってきたって言っていたわ。 何で、クリリン君の方から、私のようなか弱い女の子を襲うわけなの? ・・・・・・・・・・クリリン君、乗ってしまったのね・・・どうして・・・? 全ての状況を整理し、推測するにブルマは真実に辿り着いた。全ての事情を踏まえた上の最も論理的な答え。それは、最悪な答えだけど。 そしてブルマは防人衛の死体を見つめ、決意する。そこには、いつもの我が儘さは微塵もなく。 ――これ以上、クリリン君の手によって、犠牲者を作らせてはいけないわ! なんとしても早く見つけ出して、クリリン君を止めなくちゃ!! クリリンのような実力者、自分の力では止められないことなどブルマは分かっている。 しかし、自分とクリリンは長年の付き合い。悟空とともにクリリンは、自分にとっては、ちょっと手のかかる弟のような存在。 だから、自分が説得して、道を正すことができるはず。否、しなければならないのだ。この人のためにも。 ブルマは使命感を覚えた。クリリンを止めなければならない。大丈夫、きっとできる・・・ 「時にお嬢さん、気分が優れない中、すみませんが・・・」 ブルマの思考をアビゲイルが阻む。別に気分が優れていないというわけではないが、 死体を凝視し続けているその様をアビゲイルは心配したのだろう。 「彼の首元をご覧ください。首輪が着いていますが、いかがいたしましょうか?」 ブルマは視線を首元に移す。自分たちと同様、銀色の金属製の首輪が着けられている。 自分たちにはクリリンを探し出すこととは別に、もう一つ目的があった。 首輪の入手。ドラゴンレーダーを対首輪レーダーに改造するためにも、 そして、自分たちに着いている首輪を除去する手がかりを探るためにも、首輪が必要なのだ。 しかし、首輪を入手するために、死体の首元を切断しなければならない。 この人は、見ず知らずの地で(しかも自分の知り合いの手によって)命を落とし、さらに、首元を切断されようとしている。 死者への冒涜。許されることではないのはわかっている。 でも・・・・・ 「お願いするわ。」 ――生き残るため。首輪を除去するため。みんなを探すため。脱出のため。 そのためには首輪が必要なの。 アビゲイルは雷神剣を持ち替え振り下ろす。一瞬に、かつ正確に死体の首元を切断する。ブルマは思わず死体から目を逸らす。 自分は何もしていないのだが、なぜか罪悪感を覚える。 その時、横の草木がガサッとざわめく。心臓の鼓動が強くなる。 二人は急いで音の出所に目を向けると、一羽の野ウサギが姿を現す。一瞬の緊張が緩む。 少し血で濡れた首輪を拾い上げ、アビゲイルは首輪を観察する。 「この首輪、なかなか興味深いですね。 これはお嬢さんにプレゼント致しますが、個人的に私も分析したくなりました。 この辺りに、もう一体ほど死体はありませんかね。」 本人にはそのつもりないのだが、シャレにならない冗談を言いながら、血で濡れた首輪をローブで拭き、ブルマに手渡す。 ――ごめんなさい、でも、あなたの死は無駄にしないわ 首輪をバッグにしまいながら、ブルマはそうつぶやいた。 紫の髪を揺らし、やつれた顔をして、リンスレットは戻ってきた。 その足取りはぎこちない。ブルマに声をかける。 「ねぇ・・・・・あの人、埋葬してあげよ・・・・・・・うっ・・・」 首が切断されている死体を見てしまい、再び森の奥へとリンスレットは駆けていった。 走る。今さっき来た道を走り戻る。 走りながらも北大路さつきの思考は止まらない。 先ほど会った気味の悪い大男が、防人衛の首を切断する映像。 そのフィルムが頭の中を何度も強制再生される。 ―――――――防人さんが ――――――――――あの大男に殺された!!! 冷静に考えれば、自分が誤解していることに気づくかもしれない。 しかし、あの光景があまりにも強烈すぎて、それを許さない。 勘違いは、悪い方向へ、誤っている方向へと、加速していく。 どうして・・・? どうして、防人さんが殺されなければいけないの? あの人たち・・・・・・クリリンという人の仲間だって言っていた。 あの人たちも一緒なんだ。ゲームに乗っているんだ・・・・・・・・ 何度も映像は繰り返される。 剣を振り下ろすアビゲイル。首が切断される防人。 剣を振り下ろすアビゲイル。首が切断される防人。 剣を振り下ろすアビゲイル。首が切断される防人。 剣を振り下ろすアビゲイル。首が切断される防人。 剣を振り下ろすアビゲイル。首が切断される防人。 剣を振り下ろすアビゲイル。首が切断されるさつき―――――!? きっと、私も殺される・・・・・・・・・ 殺される前に――――― 木の根っこに躓き、倒れる。今まで考えていた思考が飛ぶ。左膝に痛みを感じる。 足は止まっても心拍数は高いまま。さつきは焦点の合わない眼で前を見つめる。顔は土に埋もれている。 防人さん 私は、どうしたらいいの・・・ 数分後、主催者たちの声が彼女の頭の中を流れる。 【福井県/昼、放送前】 【リンスレット・ウォーカー@BLACK CAT】 [状態]気分悪い [装備]ベレッタM92(残弾数、予備含め32発)(残弾数、予備含め32発) [道具]荷物一式 [思考]1、トレイン達、協力者を探す 2、ゲームを脱出 【ブルマ@DRAGON BALL】 [状態]健康 [道具]荷物一式、ドラゴンレーダー@DRAGON BALL、首輪 [思考]1、クリリンを探し出し、殺人を止めるよう説得 2、大きな都市に行って、ドライバーのような物を入手し、首輪を解析・ドラゴンレーダーを改造する 3、ゲームを脱出 【アビゲイル@BASTARD!! -暗黒の破壊神-】 [状態]健康 [装備]雷神剣@BASTARD!! ‐暗黒の破壊神‐ [道具]荷物一式 [思考]1、D・S達、協力者を探す 2、首輪を入手して分析したい 3、ゲームを脱出 ※防人衛の死体は埋葬しました。 【岐阜県/昼、放送前】 【北大路さつき@いちご100%】 [状態]肉体的・精神的に疲労、左膝怪我 [装備]ブラボーの上着 [道具]荷物一式(支給品未確認、食料少し減少) [思考]1、殺人鬼アビゲイル(思い込み)から逃げる。 2、東京へ向かい、カズキ・斗貴子・いちごキャラを探す 時系列順で読む Back 0187:読者諸君、待たせたね!それではそのつぶらな瞳をしっかりあけて僕のエレガントなバトルをしっかり堪能してくれたまえ!by趙公明 Next 0193:夢、幻の如く 投下順で読む Back 0189:第二放送[一日目12 00] Next 0191:大蛇vs妖狐 141 揺れる草葉と上着、そして動かざる思い リンス 237 リンスレット・ウォーカーの脳内手記 141 揺れる草葉と上着、そして動かざる思い ブルマ 237 リンスレット・ウォーカーの脳内手記 141 揺れる草葉と上着、そして動かざる思い アビゲイル 237 リンスレット・ウォーカーの脳内手記 141 揺れる草葉と上着、そして動かざる思い 北大路さつき 208 恐怖
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どうしてこうなったⅢ ◆jVERyrq1dU 「トキは訳の分からねえ力で志々雄とうさぎ女を倒した後、目覚めたカイトに殺された、ってこいつは言ってるぜ」 「こいつとは誰だ?」 「…………説明しないと駄目か?」 アレックスが当然のように頷く。左之助は面倒臭そうにして、なかなか説明を始めなかったが、 譲らないアレックスの態度を見て、渋々マッハキャリバーについて説明を始める。 アレックスは初めこそマッハキャリバーについて驚いていたが、 今まで主催などが持つ未知の技術に触れて免疫がついていたため、すぐに受け入れる事が出来た。 「嘘じゃないだろうな……」 「こんな嘘ついてどうするんだよ」 さも当然のように左之助は言った。まるで信じて当然という態度で接する左之助に対して、アレックスはほんの少し苛立ちが募った。 確かに、納得出来ない事はない。カイトはトキからの攻撃を受けて気絶したのだから、 気絶から目覚めた後にトキの事を敵と勘違いしたまま殺してしまうのも充分あり得る話だ。 あの時カイトは平静を失っていたのだから、恐怖と怒りのままトキを殺す事はいかにもありそうな話である。 むしろそうでない方が不思議なくらいだ。左之助の話はおそらく嘘ではない。真実だろう。 しかし、アレックスはカイトに話を聞くまで、トキを殺したのはカイトだと断定したくはなかった。 断定して、もし万が一左之助の話が偽りだった場合、カイトはまたも傷つくだろう。 もうカイトにこれ以上の苦難を味あわせたくはなかった。これ以上カイトを追い詰めると、きっと狂ってしまうだろう。 「そこの女は、お前の知り合いか?」 「ん? ああ、そうだな。おい起きろ」 左之助は地面に倒れている女を軽く蹴った。女性に対してそんな行動をとるのはどうかと思い、アレックスは顔を歪める。 何か一言言ってやろうかと思ったが、アレックスが口を開く前に左之助はマッハキャリバーに小言を言われていた。 「構うか。体中痛くてしゃがみ込むのが辛いんだよ。立ったまま蹴り起こすのが一番楽だ」 そう言ってまた蹴った。 機嫌の悪そうな顔で美鈴は目を覚ました。蹴っている左之助と目が合い、恨めしそうな視線を送って見たが、 左之助は美鈴の恨みなど意に帰さず、飄々とした態度で「よう」と声をかけてきた。 「何がよう、ですか。もう少し別の起こし方があるでしょう?」 「まあいいじゃねえか。お互いまだ命がある事をまず喜ぼうぜ」 「そう言えば……お前達はどうしてここで気絶していたんだ? と言うより、ここで何があった?」 騒動を収めたトキをカイトが殺したという話は聞いている。しかし、分からないことだらけだった。 美鈴が全身の激痛に耐えながら立ち上がり、アレックスにじとりとした視線を送る。 左之助とアレックスを見比べ、すでに和解は済んだという事を理解する。それから美鈴は辺りを見回し、眉をひそめた。 トキが死んでいるのだ。頭を叩き割られている。てゐと、自分達を裏切った志々雄の姿はない。分からないことだらけだ。 さらに、すでに日が沈んでいる。主人であるフランとの待ち合わせ時間に遅刻してしまった。 アクシデントがあったとはいえ、なんということだ。美鈴は項垂れ落ち込んだ。 とにかく、今分かる事からはっきりさせていかなければならない。 「さて、本当に何があったんでしょうか……左之助さん。分からないことだらけです」 「まあ、そこら辺の心配はいらねえよ。マッキャリが全部見ていた」 「マッキャリ……?」 「ああ、本当はマッハキャリバーって言う無駄に長ったらしい名前なんだが……」 左之助は美鈴にも、マッハキャリバーの存在を説明する。今まで特に隠していたわけではないが、説明する暇がなかった。 左之助、美鈴、アレックスの三人はいずれも戦いの途中で気絶してしまい、事の顛末を知らない。 しかし、左之助が装備しているマッハキャリバーだけは最初から最後まで、戦いの全てを見ている。 「通りで奇妙な格好をしていたんですね。少し安心しました。それは左之助さんの趣味じゃないんですね」 どういう意味だ、と左之助は無駄にほっとしている美鈴に白い眼を向ける。 「まあ、そういう訳だからよ。説明頼むぜマッキャリ」 『……どうして突然略すんですか』 「略されたくなかったらもっと簡潔な名前に改名しろよ」 「…………」 アレックスと美鈴は、左之助とマッハキャリバーが語る騒動の真実に、熱心に耳を傾ける。 左之助が勘違いしてアレックスを殴り、気絶させた後、何者かからの狙撃があったらしい。 トキの説得によりメタナイトという仮面の一等身が狙撃手の撃退に向かったが、未だに帰ってきていない。 それからすぐ後に包帯男、志々雄が現れ、ウサ耳幼女、てゐと共に奇襲を仕掛けてきた。 左之助と美鈴は彼らによって重傷を負わされ、そこで意識を失った。 同じく重傷を負ったトキはそれでも果敢に志々雄達と戦ったが、まるで歯が立たなかった。 いよいよトキが殺されようとする時、少女、逢坂大河が現れ、トキの盾となり死亡した。 彼女は完全に燃やしつくされ、死体も灰としてしか残っていない。 彼女の死に激高したトキは『何かよく分からない力』によって突然覚醒し、圧倒的強さで志々雄とてゐを殺した。 その後トキは瀕死の肉体を引きずって、心肺が停止していた左之助と美鈴を蘇生させた。 殺人鬼二人が死んでから少し経った後、トキによって問答無用で気絶させられていたカイトが目覚め、 トキは悪人だという勘違いをしたまま、重傷だったトキをスケボーで滅多打ちにして殺した。 「とまあ、こんな感じらしい……ぜ」 「トキさん……大河さん……」 美鈴と左之助の顔色は重く暗かった。アレックスも例外ではないが、 美鈴と左之助と比べてカイトへの理解があるため、彼の悲しみは一層複雑なものだった。 「ついさっきこの辺りを適当にぶらついてみたら、肉片が沢山落ちていた。多分アレは志々雄かてゐのもんだな。 あそこの辺り、地面が黒ずんでいる場所は多分大河が死んだところだ」 「そしてトキさんの死体に、良く分からない謎の黒焦げ死体……ほとんど炭になっているようですね」 左之助が補足し、美鈴が確認するように言う。 「メタさんはどうなったんでしょうか……」 「…………」 二人の顔にまた影が差す。狙撃手の元へ向かったメタナイトが帰ってきていない。 撃墜は成功したのだろうか。それとも何かあったのだろうか。そもそもあの狙撃手はいったい誰なのだろうか。 十中八九、志々雄かてゐなような気がするが、そうと断定できる根拠はどこにもない。 「アレックス、お前も放送を聞き逃したらしいな」 「ああ……すまない」 一言カイトに尋ねていれば良かったものの、アレックスは後悔する。殺し合いが始まってから、ずっと後悔してばかりな気がする。 「ま、情報交換はこれくらいにして、これからどうするつもりだ?」 「俺はカイトを探したいんだが……」 「そうだな、そいつとメタナイトを探さないとな。で、どこに行ったんだよそいつらは」 それが分かれば苦労しない。途方に暮れる三人。 しばらく誰も口を開かなかったが、美鈴が思い出したかのように唐突に口を開く。 「あの黒焦げ死体はいったい誰なんでしょうか……見たところ、ついさっきまで燃えていた感がありますが……」 「あれは……」 アレックスの顔に影がさす。説明するのが恐ろしく憂鬱だった。出来れば話したくはない。 しかし、美鈴と左之助が意味深に黙り込むアレックスの顔を覗き込んできたため、話さざるを得なくなる。 「あの死体は、キーボードクラッシャーという男だ。────あれもカイトが殺した」 「……またカイトですか」 美鈴が呆れたように言った。カイトと言う男は、トキの死だけに関わっているわけではないらしい。 「カイトって奴は、本当に悪人じゃねえんだろうな。殺されたクラッシャーってのはどんな奴なんだ?」 「クラッシャーは、殺し合いに乗っていた奴なんだが……」 左之助と美鈴は拍子抜けしたように顔を見合わせる。 「それなら、まあ、クラッシャーの事に関しては何の問題もないですね」 「だな。トキまで殺してる事からしてかなり落ち着きのない野郎な気はするが……」 アレックスは勝手に納得している二人をほとんど恨めしげに睨んだ。睨まれている事に二人は気づいていない。 何も悪い事を言ったなどと考えていないからだ。殺し合いに乗っている者が殺されたところで何の感慨もわかず、 むしろ喜ぶ二人が、今のアレックスには別の生き物のように見えた。 「結局、カイトって人がトキさんを殺したのも勘違いかららしいですし……仕方がないんでしょうか」 「一発殴ってそれで終いにするしかねえだろ。トキって奴が、カイトと殺し合う事を望んでいるとは思えねえぜ」 「打算的な事を言うようでなんですけど、クラッシャーという人を殺したくらいなんですから頼りがいがありそうですしね…… ここで無暗に敵対するようではやっぱり、駄目ですよね……」 「お前ら、クラッシャーが死んだ事については何も思わないのか?」 アレックスの唐突な一言に、二人はぽかんとしている。 「クラッシャーは殺し合いに乗っているんだろ?」 「────事情があったんだよ……あいつは死んでいい男じゃなかった」 重々しくアレックスが言ったのを見て、美鈴は息をのんだ。左之助は特に何も反応していない。 クラッシャーの死はどうでも良くて、トキの死は大いに悲しむ。アレックスはどうしても納得出来なかった。 クラッシャーさえ生きていれば、和解出来ていればリンもカイトも……そしてハクも……! 事情があったと聞いて息をのんだ美鈴はまだ許せるが、それでも平然としている左之助に怒りが募る。 アレックスは思わず、感情に任せて言い散らかした。 「クラッシャーはただ単純に死にたくなかっただけなんだよ。主催者に立ち向かう勇気のないものは、 ルール通り殺し合いに乗って優勝を目指すか、何もせずに右往左往するしかないだろう? 殺し合いに乗っている奴全員が悪なわけがあるか。主催者に逆らうだけの勇気と力がなくて、 それでも死にたくなくて、元の日常に戻りたくて、ルールに従い優勝を目指す。 お前らはそんな奴がいるって事を想像した事があるか!? 死にたくなくて死にたくなくて、優勝目指したのがクラッシャーという男だ。 ────それすら出来ないのがカイトだ……」 美鈴は失言したと気づいたのか、沈痛な面持ちだ。しかし、左之助は違った。未だに平然としている。 「そんなもん知るか。殺し合いに乗った奴は、この世界では悪なんだよ」 「そんなぶっきら棒に決めつけていいのか!?」 猛るアレックスに左之助は冷たい目を送る。 「だったらお前は、やむを得ない事情があって殺し合いに乗ったカワイソーな奴に、大切な人を殺された時どうするつもりだ? 可哀想な殺人鬼に同情して許すってのか。馬鹿じゃねえのか」 アレックスは反論できず、口を閉ざす。 「お前はどう考えてるのか知らねえけどな。俺にとっては弱い奴を助ける事が最優先なんだよ。 殺さない奴を俺は殴らねえが、殺す奴は問答無用にぶん殴る。殺し合いが収まるのなら俺は何でもいいんだ。 それにな……極論言っちまえば、悪だとか正義だとかは後付けじゃねえか。その場の常識に従う奴が正義で、逆らう奴が悪だろ? 正義だった奴らも時代が変われば悪と罵られるかもしれねえ。赤報隊のようにな」 「…………やむを得ず殺し合いに乗った連中の、気持ちはどうなる……」 「どうにもならねえよ。仕方がない事だ。俺はそんな連中よりも殺し合いに乗っていない奴らの気持ちを優先してやりたいね。 まあ、殺し合いに乗っていない奴らとやむを得ない事情で殺し合いに乗ってる奴らのどっちを守りたいかって事だな」 「両方とも守ろうとは思わないのか!?お前達はそれなりに戦える力を持っているんだろう!?」 「俺は殺す奴から殺さない奴を守るだけだ」 睨みあい、一触即発の二人を美鈴が間に入って宥める。アレックスは見るからに怒っていたが、左之助は未だに冷静だった。 「お前、少し休んだ方がいいんじゃねえか?」 「そう、ですね。まあ、アレックスさんの気持ちは分かりますけど……もう少し落ち着いて……」 アレックスの考えをまるで理解しない二人の言葉。美鈴は、アレックスに哀れなものを見るような視線を向けてくる。 なるほど、俺は気がふれていると思われてしまったようだ。そうじゃない。俺は正気だ。 どうして理解してくれないんだ…… 「お前らは、クラッシャーの事情を何も知らないから、そんな事が言えるんだ…… クラッシャーだって、何をやっても悪い方向にしか転がらないカイトだって、きっと何とか生まれ変われたはずなんだ。 俺の手でなんとか生まれ変わらせて……やりたかった」 アレックスがぽつりと言った後、美鈴が「そうかもしれませんね」と気を使うように言った。 それがますますアレックスの琴線に触れたが、もう何も言わなかった。 俺がこいつらなら、手早くカイトとの関係を絶っていたのだろうか。 俺が左之助や美鈴なら、カイトのあまりの駄目さと卑怯さに落胆し、あいつを見限るのだろうか。 もしかするとあまりのカイトの駄目さに嫌気がさし、殺してしまうかもしれない。 アレックスにとってはあり得ない事だが、やむを得ず殺し合いに乗るような者を否定する左之助ならば、 カイトを否定しても不思議ではないだろう。 アレックスは溜息をついた。左之助と美鈴の言い分は確かに理解出来る。 殺し合いを止めようとする人間が、殺し合いに乗った連中に同情してしまうなど、本末転倒もいいところだ。 きっぱりと割り切る必要があるのだが、アレックスにはどうやってもそんな気にはなれない。 駄目な奴だって悪事を働いた奴だって、それぞれに理由がある。彼らは彼らで苦しんでいる。 そして、道を正してやる事だってできる。ハクが立派になれたように、クラッシャーに改心の余地があったように…… だから、カイトもきっとやり直せるはずだ。俺が必ず、改心させる。カイトを一人前の男に成長させると誓う! 「気のせいですかね。何か悲鳴が聞こえませんか?」 唐突に美鈴が口を開く。耳を澄まして、ある一点を指差す。 確かにその方向から何かが近づいてきているような音が聞こえてくる。 「どうやら気のせいじゃないみたいだぜ。誰か知らないが、こちらに来てる……」 「カイトだ。この声はカイトだ……」 「自分でどこかに消えて自分でまた戻ってきたわけか。何がしたいんだ?」 事情を知らない左之助の言葉は、逐一アレックスの心を逆撫でる。 「あいつは本当に傷ついている。再会できなかったかもしれないんだ。戻って来てくれただけでも、御の字だ。 頼むから、暖かく迎えてやってくれないか?」 「……お前、嫌にあいつの肩を持つんだな」 「事情があるんだよ……話すと長いが……」 アレックスの沈痛な表情を、左之助はけろっとした顔で見ている。 「いくら事情があろうとな。トキを殺した落し前はつけさせて貰うぜ」 「…………」 左之助と美鈴は、トキの死体を悔しそうに凝視した。アレックスは何も言えなかった。 カイトの声が次第に大きくなっていく。どうやら錯乱しているようだ。 今度は何があった、と思い、アレックスはまた心を重くする。カイトを落ち着かせようと、アレックスは彼の名前を呼んだ。 カイトの喚き声が止み、一直線にこちらに向かってくる。闇の中からカイトが現れ、アレックス達三人の前で、力なく座り込んだ。 「カイト……今度はいったい何があったんだ」 「化け物が……化け物がいたんだよ。俺はまた逃げちまった……」 化け物という言葉に、左之助と美鈴は目敏く反応した。美鈴はすぐさまカイトがやって来た方向に意識を集中させる。 つい数時間前に感じた邪悪な威圧感が、さらに強くなって感じられた。いったい向こうに何がいるんだろう、 得体の知れない怪物への恐怖感から、美鈴は僅かに体を震わせる。 「化け物……か。トキを殺したようにそいつも殺そうとは思わなかったのか?」 左之助はカイトの胸倉を掴み、引き起こす。突然そんな事をされたカイトは、当然のように驚いている。 混乱して、目を白黒させながら左之助を見る。その顔には恐怖の色が浮かんでいた。 「ト、キ……? トキって誰なんだよ」 「やっぱり知らねえらしいな。お前がついさっき殺した白髪頭の野郎だ。どうしてあいつを殺したんだ?」 「どうしてって……あいつは悪人、だろ……? おい、まさか……」 カイトの顔が病人のように白んでいく。さすがのカイトも、真剣な表情の左之助を見て気がついた。トキは──── その瞬間、カイトの頬に電撃のような痛みが走った。左之助に殴られたのだ。 天地が逆転したかのような心地に陥り、カイトは正面から地面に倒れた。 「おいやめろ!何も知らなかったんだから────」 「知らねえからって許される事だと思っているのか?一発ぶん殴らねえと気が済まねえよ」 アレックスの言葉をすぐさま叩き斬る。左之助はぎらついた視線をアレックスに向ける。 「正直言って俺はこいつと……こいつの肩をやたらと持つお前が気に食わねえ」 「だ、だが、カイトの事情を知らないお前に、一方的に殴る権利なんてあるのか!?」 「権利なんて知らねえよ。気に入らねえから殴る。悪いか?」 左之助の発言に驚愕しているアレックス。こいつはただ暴れたいだけなんじゃないか? 気に入らないから殴ったなんて……信じられない。アレックスは縋るように美鈴に視線を移す。表面上は中立を保っている彼女も、 内心では、左之助がカイトを殴った事が嬉しいのだろう。顔が僅かに綻んでいた。 「怪物だかなんだか知らねえが、また逃げて来たってわけか」 左之助が倒れているカイトに言葉を浴びせる。 「どんな事情があるのか知らねえけどよ。お前はこのまま一生逃げるつもりなのか? もしそうだとしたら、さっさと俺の前から消えな。気に入らねえんだよ。守る価値もねぇ」 左之助の乱暴な扱いは、カイトの心をさらに抉った。そうだ。自分はまた逃げたのだ。 さらに、俺が殺したトキは実は悪い男ではなかったらしい。今回ばかりは完全に俺が悪い。 クラッシャーの時とは全く場合が違う。この俺が、クラッシャーのような奴ではなく、この俺が、 殺人鬼、クズ、ゴミ────悪……! 「お前に……お前のような奴に何が分かる。何も知らないお前が……俺はクズだから、仕方がないだろうが」 ふるふると震えながらカイトはぽつりと言った。その小さな小さな声は、左之助の耳には届かない。 はっきりとカイトは自覚した。自分はクズなのだ。この駄目な自分が、本当の自分であるようだ。 全て自分が悪いと、自分はクズなのだと自覚してしまった時、カイトの心の中で何かが弾けた。 今まで溜めに溜めた負の感情が、奔流のように心の中を疾走し、カイトを闇に染めていく。 もうどうしようもならなかった。もうどうやっても止める事が出来なかった。 どうやろうとも、クズな性質を治す事が出来ない。当然だ。今までの、極限状態の俺の有り様こそが、俺自身の本性だったのだ。 アレクは間違っている。あいつは俺の事を根は優しい奴だと言った。違う。それは間違いだ。 何故なら俺はクズだからだ。俺は今まで、全ての人間に劣る最低最悪の本性からひたすら目を背けて生きてきたらしい。 俺は正義だ、俺は悪くないと喚いて、クズな本性を誰にも悟られないように必死に押し隠し生きてきたのに過ぎないのだ。 アレクは言った根は優しい奴だと。リンは妙な印象を俺に抱いていた、俺は憧れの王子様なのだと。 ハクは期待していた、俺が勇気に目覚める事を。はっぱ隊員は俺に希望への話を持ちかけてくれた、そしてその後死んだ。 俺の本性を見抜けず、俺の人生を賭けた必死の擬態に欺かれた連中はみんなみんな不幸になった。 俺はクズの本性が出そうになった時、いつもいつも自分を偽って生きてきた。卑怯な行いも仕方ないのだ、俺は悪くない、 と懸命に本性から目を退けて生きてきた。 俺と行動を共にした連中は言う。 「お前は根はいい奴だと信じてる」 「カイトさんが来てくれて嬉しいです」 「カイト様!」 「これから頑張れば大丈夫だって。怖いのは誰だって同じだ」 馬鹿がてめえら……騙されやがって。俺の本性はクズだ!ゴミだ! ────俺の本性は悪なんだ!!! それなのにてめえらは俺の必死の演技に騙され、俺を信用して来たんだ。 どうしようもないクズの俺をな!!!!てめえらは自業自得だ!!クズの俺に騙されやがって!! 俺を勝手に信頼したお前らが悪いんだよ!!死んで当然、不幸になって当然だ!! 「おいカイト!大丈夫か!」 アレックスがカイトの体を揺する。いつまで経っても立ち上がらないカイトが心配で、 アレックスはいても経ってもいられなかった。きっといつか、カイトを勇気を持った強い人間に変えてみせる、 ついさっき決意したのだ。カイトにはこのまま死んでほしくなかった。 「おい、化け物ってのはどんな奴だった?」 左之助がカイトに声をかける。カイトは体を起こし、殴られた傷を痛そうに擦りながら、化け物の特徴を左之助と美鈴に伝える。 事細かに伝えていく内に、美鈴の顔が次第に深刻になっていく。 「それってもしかしてブロリー、ですか?」 名前は知らない、とカイトは返答した。美鈴はバクラ達から聞いた、ブロリーについての情報を思い出す。 カイトの言った化け物の特徴と、バクラの言ったブロリーの特徴が見事に一致している。 参加者の中で間違いなく最強クラス、そんな殺人鬼がすぐ傍に居るのだ。 「カイトさんの話だと、ブロリーは瀕死、なんですね?」 カイトは頷いた。持っている銃で撃っていれば、何とかなったかもしれない、と途方に暮れた顔で言った。 一々絶望するネガティブなカイトを放置して、美鈴は思考する。 ここは、今すぐにブロリーを殺すべきなのではないだろうか。カイトの話だと、今、ブロリーは瀕死。 危険人物を排除する絶好のチャンスだ。しかし、ブロリーを倒しに行く事はフランとの約束を破るという事だ。 美鈴は左之助の顔へと視線を移した。 「行くしかねえな。美鈴」 「そんな……行くと言っても……メタさんは、どうしましょうか」 未だに帰って来ないメタナイトが心配でたまらない。メタナイト以外にも、ご主人さま、フランの事も気にかかる。 はたして自分はメタナイトとフランを放置したままブロリーを倒しに行っていいのだろうか。 ブロリーが瀕死なら、確かに今が倒しどころなのだが……ブロリーを倒す事が出来れば、 フランの命の危険を軽減させる事が出来るのだが…… 「探したいなら探してきて構わねえぜ」 「うーん……そうしたら、左之助さん一人でブロリーと戦いに行くでしょ?」 「あー……心配するなって。多分何とかなる」 何とかなるとは思えなかった。ブロリーが瀕死とはいえ、同じように美鈴も左之助も重傷を負っている。 勝つか負けるかの激しい戦いになるだろう。死を覚悟しなければならない。 「メタさんがいれば、戦いも有利に進められるのに……」 一刻を争う事態だというのに、戦力が揃わない。 「丁度いい戦力ならそこに居るぜ?」 左之助がカイトとアレックスを指差す。カイトはびくりと反応した。 「俺は行かねえぞ……アレクも行かせない」 三人の目が、同時にカイトを捕らえた。カイトは卑屈な目をして、さらに言葉を紡ぐ。 「俺なんて戦力になりはしねえよ。アレクも同じだ。ついさっきリンに刺されたらしいじゃねえか…… 行かせられるか……アレクに死なれたら天国に行ったハクに申し訳が立たねえんだよ。 ハクへのせめてもの罪滅ぼしだ……アレクをみすみす死なせるような真似は絶対にしたくない」 確かにアレックスは、先ほどリンに刺されてからずっと顔に血の気がない。 見るからに苦しそうだし、喉が渇くのか、ひっきりなしに水を飲んでいる。 「カイト……俺は別に」 アレックスは所在なさげに美鈴と左之助を見た。 「そのブロリーという奴が危険人物なら、俺は────」 「別に構わねえよ」 アレックスの台詞に割り込むようにして、左之助が口を開いた。 「お前だってついさっき言ってたじゃねえか。カイトを生まれ変わらせたいだとかなんとか。 丁度いいからここはカイトの言う事を聞いて引きな。俺がブロリーを殴っている間に、その馬鹿を更生させてやれよ」 それを聞いて、カイトの湿った視線がアレックスを捕らえた。 (アレク……そんな事を言っていたのか) 「確かに言ったが……」 アレックスは曖昧な態度をとっている。すぐ傍に倒すべき敵がいるのに、ここで背を向けていいものかと迷っているようだ。 「そうだな……お前らはメタナイトのような強い連中を探し出して、援軍を頼んでくれ。 ブロリーを倒すために、二手に別れる事にしようぜ。これならいいだろ?」 「それは……結構いい考えかも知れませんねぇ」 美鈴が大きく頷く。メタナイトの安否も確認できるし、彼らにフランを保護してやってくれと頼んでおけば、 ある程度彼女の安全も保障される。ブロリー打倒への仲間を集める事も出来る。一石二鳥どころの話ではない。 「そのついでに、さっき言ってたリンとか言う女も捕まえてやればいい」 「…………」 アレックスは沈黙している。 「アレク、そうしよう。俺はブロリーの所にまた戻るのは絶対に嫌だ」 「相棒もそう言ってるぜ」 アレックスは押し黙り、考え込んでいる。根拠はないが、何か嫌な予感がした。 勿論気のせいだろうが、全てが水泡に帰してしまうような悪い予感が、一瞬脳裏に走った。 「なあアレク」 「……そうだな。リンも放っておくわけにはいかないし」 「決まりだな」 左之助は嬉しそうに笑った。 最後に四人はそれぞれ持っている情報をなるべく細かく伝えあった。 美鈴は、フランという女の子を見つけたら、私は危険人物を排除にしに行く事になったと伝えて欲しい、 とアレックスに頼んだ。カイトは、他の三人が知らない放送の内容を伝えた。 トキ、てゐ、志々雄、大河の死が告げられた時、三人はそれぞれ複雑な表情を見せた。情報交換が終わり、いよいよ別れる時が来た。 カイトは結局、最後の最後まで、ブロリーがブレイバックルを身につけパワーアップしている事を、左之助と美鈴に伝えなかった。 「何か罰が当たりそうですが、トキさんの死体にメタさんへの伝言を張り付けておきましょう。 言っちゃ悪いですけどいい目印になりますからね。本当はすぐに埋葬してあげたいところですが……」 「埋葬している暇なんてないからな……」 トキの死体に紙を張り付ける。紙にはメタナイトへのメッセージが書き込まれている。 美鈴と左之助はブロリーを倒しに行ったという事、カイトとアレックスという者に増援を呼ぶよう頼んであるという事、 メタナイトがこの紙を見たら、すぐさま対ブロリーへの援軍に駆けつけて欲しい、しかし、無理なら来なくても構わない、 と言った事が紙に書かれている。 「すまないな……力になれなくて」 「いいですって。そんな事より、カイトさんを何とか立派にしてあげて下さいよ」 「その通りだな。どうも俺には出来そうもないが、細かい事ばっかり考えるお前ならなんとなくできそうだ」 アレックスと美鈴、左之助はそれぞれに言葉をかけ合い、別れを告げる。 カイトだけがその輪から離れ、幽霊のような覇気のない目で突っ立っている。 最後に落ちていたデイパックを拾い、各々に振り分ける。 アレックスとカイトはブロリー打倒への仲間を探しに、そして左之助と美鈴はブロリー打倒へ、それぞれ歩き始める。 二組はどうも互いにいがみ合ってばかりで、お世辞にも意気投合したとは言えない。 それでも、目標は同じ。バトルロワイアルを阻止する事。一人だけ、異端児が混じっているような気がしないでもないが…… 「アレクさん、何か不安ですね……色々背負いこみ過ぎてしまっているというか……」 美鈴は言う。左之助は何か考え込んでいるようで、返事を返さなかった。 (鳥頭の癖に何を考え込んでいるんでしょうか……) 美鈴はしばらく左之助を眺めた後、視線を前方に戻した。 結局、美鈴はブロリーの打倒へ向かう事にした。フランとの約束を破る行為だが、最強クラスの危険人物を排除できる、 折角の大チャンスを失いたくはない。生真面目なアレックスにフランを保護してくれと約束させたのだから、 きっと悪いようにはならない、はずだ。そうだと信じたい。 ともかく、今はブロリーだ。美鈴は前方を見据えて、気を引き締める。 アレクを見ていると、どうも剣心の事を思い出してしまう。何もかも自分で背負いこみ、単純明快な答えをなかなか出す事が出来ないあたり、 剣心とアレクは似ている。全部割り切ってしまえばいいのに。悩んでいて何か前進するのだろうか。 気に入らない奴は殴ればいいし、気に入った奴は助けてやればいい。それだけでいいじゃないか。 善悪なんて、状況によって変化するものだ。そんなものを突き詰めて考えたところで仕方がない。 (ちっ……むしゃくしゃしやがる……) あんな風に、己は絶対に正義だと信じ込もうとする奴を見ると、どうもイライラする。 絶対の正義なんてあるわけがない。気に入る奴と、気に入らない奴がいるだけだ。 政府に奉仕した赤報隊が悪と呼ばれたように、悪と正義の境なんて案外曖昧なものなんだ。 そんな事を考えても頭が痛くなるだけだ。だから俺は初めから考えない。ただ自分の思うように拳を振るうだけだぜ。 (アレックス、お前にとって俺は悪か?) 倒すべき志々雄はすでに倒され、自分が目覚めた時には戦いの全てが終わっていた。 左之助は力を持て余していた。イライラしている時には限界まで暴れてすっきりするのが一番いい。 ブロリーを思い切り殴って、全てのわだかまりを払拭させたい。 正義だとか悪だとか議論するよりも、目の前の『敵』を倒す事の方がずっと大事だ、と左之助は思う。 正直言って、カイトが、自分達はブロリーを倒しに行かないと言った時、左之助はしめたと思った。 アレックスのようないらない事を一々考えて悩む奴と共闘するのは煩わしくて嫌だった。 喧嘩というものはすっきりしているのが一番いい。悪だとか正義だとかの議論は、戦いが終わった後からいくらでもやればいいのに、 あいつは戦う前から悪だ正義だとか言って勝手に悩んでいる。悩む暇があったら、目の前の敵を倒すべきだ。 左之助は背後に目を向ける。アレックスとカイトの姿はもう見えない。 奴にとって、俺はさぞかし異端に見えただろうな、左之助は思う。 アレックス、お前にとって、単純な理由で拳を振るう俺は正義か?それとも悪か? (ま……俺を悪と呼んでくれても、別に構わねえぜ。 お前がそう呼んでいる間に、俺は一人でも多くの『気に入らねえ奴』を、殴り飛ばしてやるだけよ) 左之助の背中に書かれた『悪』の一文字が、風に吹かれてひらりと舞った。 【D-4 草原/1日目・夜】 【紅 美鈴@東方project】 [状態]頭部にダメージ(大)、右脚に銃痕、フランドールへの絶対的な忠誠 [装備]無し [道具]支給品一式、医療品一式、禁止エリア解除装置@オリジナル、スタポカード刺しクリップ@ Ragnarok Online、リボン@FFシリーズ [[思考・状況] 基本思考:参加者の救出及びゲームからの脱出 1:ブロリーを倒す 2:ブロリーを倒した後、映画館へ向かいフランドールと合流する。フランドールの意思を最優先 4:十六夜咲夜を警戒 5:知り合いの情報集め 6:殺し合いに反対する者を集める 7:ちゃんとした剣をメタさんに持たせたい。メタさんの安否が気になる 8:脱出方法を確立する [備考] ※主催が簡単に約束を守ってくれる、とは考えていないようです。 ※フランドールと情報交換をしました。 【相楽左之助@るろうに剣心~明治剣客浪漫譚~】 [状態]:肩から脇腹にかけて斬り傷と重度の火傷、左脚に銃痕 [装備]:マッハキャリバー(ローラースケート状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS リボルバーナックル@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1:これが俺だ。全部守って闘う。 2:ブロリーを倒す 4:二重の極みが打てない……だと……? 5:主催者相手に『喧嘩』する。 6:弱い奴は放って置けねぇ。 7:主催者になんとかたどり着く方法を模索する。 8:最悪の場合は殺す。でもそんな最悪の場合には絶対持ち込ませねぇ sm190 どうしてこうなったⅡ 時系列順 sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ 投下順 sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ 鏡音リン sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ ブロリー sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ 紅美鈴 sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ 相良左之助 sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ アレックス sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ sm190 どうしてこうなったⅡ KAITO sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~
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【登録タグ 曖昧さ回避】 曖昧さ回避のためのページ うどんゲルゲの曲どうしてこうなった/うどんゲルゲ ぶりるPの曲どうしてこうなった/ぶりるP 曖昧さ回避について 曖昧さ回避は、同名のページが複数存在してしまう場合にのみ行います。同名のページは同時に存在できないため、当該名は「曖昧さ回避」という入口にして個々のページはページ名を少し変えて両立させることになります。 【既存のページ】は「ページ名の変更」で移動してください。曖昧さ回避を【既存のページ】に上書きするのはやめてください。「〇〇」という曲のページを「〇〇/作り手」等に移動する場合にコピペはしないでください。 曖昧さ回避作成時は「曖昧さ回避の追加の仕方」を参照してください。 曖昧さ回避依頼はこちら→修正依頼/曖昧さ回避追加依頼
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どうしてこうなった ◆h6KpN01cDg どのくらいの時間だっただろうか。 俺はひたすら、ライガーとやらの背中で揺られ続けていた。 速度は間違いなく人間より早いのだが―――少しずつ慣れてしまったのは、俺の感覚がおかしくなっているからか。 途中禁止エリアがあることは知っていたから、もしかしてそこに突っ込まれるのだろうかと思ったが、そんなことはなかった。奴はあの獣の命令を律儀に守り、禁止エリアを左に迂回し、進んで行った。 ……一瞬躊躇したように見えたのは、あれか、やっぱり内心俺を殺したかったのか。はははは。そりゃあそうだろうな。 しばらくどこかをうろうろしていたようだったが、正直どこだったのか分からない。 とりあえず参加者らしき奴とは一人も会わなかったから、あの獣の約束は果たすつもりなのだろう。俺のことが嫌いなのによくやるぜ。 ……あのデバイスに言われたことを思い出す。 ……ああそうだよ。もう言い返すつもりもない。はいはい俺はクズクズ。……だけどなあ、だからってあんなに言わなくたっていいだろう。 俺だってここに気さえしなけりゃ、まっとうな高校生だったんだ。そりゃ、神や未来人や宇宙人や超能力者はごろごろいたが、でも俺自身はまともだった、はずだ。 ……だめだ、考えるな、考えたくない。ハルヒのことも、朝比奈さんのことも、妹のことも、長門のことも――― 今は、生きることだけ考えるんだ。 他の余計なことを考えたら、おかしくなる。ただ、どこか安全なところに行くところだけ、考えよう。 俺がそうこう葛藤している間にも、ライガーは進み続ける。律儀だなあ、こいつ。 あの獣も信頼おいてたみたいだしな。……人間の俺よりこいつの方が信頼に値するってことか。はは、無理もないか。だって俺自身も俺を信用なんてできないんだからな。 俺は(ほぼ無意識に)視線を横に向ける。なかなか思ったように自分の体は動いてくれなかった。意識ははっきりしているんだが、体が付いていかないんだな。 ……何か見覚えのある場所だなあと思う。一瞬はデジャ・ビュかとも思ったがそんなことはなかった。それは当然のことだった。 そこは俺が来たことのある場所だったからだ。地図がないからはっきりしないが、おそらく間違いはないだろう。 ……何回目だよ、この辺に来るの。いや、確かに人はいないのかもしれないが。 つか今の今まで気がつかなかった俺もどうなんだ。人生まで投げてどうするんだよ。 また近くにあるであろうレストラン(だよな?)に行くのは複雑な気分だ。あまり嬉しくはない。しかし、一度来たことのある場所の方が、スバル達が再び来る可能性は低い。 あいつらはヴィヴィオちゃんを探していたわけで、それなら当然未開の地を進んで行くに決まっているからだ。 こいつだってスバルたちに俺を合わせたくないだろうし―――俺だって、あいつらにはもう会いたくない。 ハルヒの死体のある学校とは真逆だが、仕方ない。……俺に掘り返されても、ハルヒが喜ぶとも思えないしな、冷静に考えれば。 更に言うなら、こいつが今はちゃんと働いてくれているとはいえ、いつどこで放置されるかわかったもんじゃない。 こいつの気まぐれで適当な開けた道路に放り出されるよりは、どこか建物の中にでもいた方が安全ではないだろうか?ともまた、思う。 ……つうか、何無駄なこと考えてるんだ、俺。 今の俺には、もうどうでもいいことじゃないか。 あとは、こいつが向かう方にただ連れられて行くだけだ。死にたくはないが、今の俺には身を守る手段もない。どうにもならない。ああ、……もう、なるがままだ。運命に任せるんだ。 考えるのは、それからでいい。 そして、更にある程度の経過してからだろうか。俺はとある建物の前にたどりついた。 多分、レストラン。 ……雨蜘蛛のおっさんと出会い、拷問された場所である。 正直俺にとっては悪い思い出しかない。 しかし、何故だろうか。 「……ここでいい」 俺は、ふとそう口にしていた。 何故そう言ってしまったのか、分からない。 さっきまで、ここに行くのは嫌だと思っていたのにな。運命に任せるとかかっこいいこと言ったくせに、な。 いや、分かっているんだ、―――内心は。 俺はここで、雨蜘蛛のおっさんに出会った。もう少し離れたコテージでは、ナーガのおっさんにフルボッコにされもしたな。 そう、ここで俺は、人を殺す決意を固まらせられたんだ。 だから、ここにいればまた俺がどうすればいいのか導いてもらえるかもしれない―――そんな、甘い考えだった。 もちろん、もう人殺しなんてうんざりだ。もしここにおっさんがいて再び拷問を受けたら、そう考えたるだけでおぞましい。だがそれ以上に。 俺は、答えを求めていた。 俺に、この不幸な『殺し合い』で手を引いてくれる、『神』を、無意識に求めていたのだ。 もし、再び拷問されることで何か変わるのなら、俺は喜んで受けるかもしれない。 ……自分でも、ナーガやおっさんすら美化し始めたのは重症だと思う。それくらい、今の俺の心はまいっていた。第一、やっぱりそれでも傷つくのは嫌だ。 今さら神頼みとは皮肉だが、じゃあそれ以外にどうすればいい? 弱い俺は―――自分のすべきことすら分からなくなった俺はどうやって前に進めばいいんだ? どんな神様だろうと、それにすがりたい、そう思ってしまうのが間違っているのか? もう、誰でもよかった。誰か、俺に進むべき道を教えてくれさえすれば何でもよかった。ああ、そうさ。 それくらいに俺の頭は真っ白で空っぽだったんだ。 獣の野郎は相変わらず泣きながら、しかし周囲に全く人の姿がないことを確認して、素直に俺の言うことに従った。 ……こいつもさぞかし俺と離れたかったことだろう。 もう、こいつに嫌われようと心すら痛まない。何も考える気力がなかった。 ライガーは入口の前で俺を放り投げるように下ろす。腰を打ちつけた。痛い。心なしかライガーの野郎がざまあみろと言わんばかりに笑った気もしたが、よく分からなかった。 俺はふらふらと立ちあがり、ずきりと痛む腰を支える。おいおい、まだ腰痛には早いっつうの。高校一年生にして杖をついての生活か、さすがに勘弁だ。 きい、とドアを押しあける。ぼんやりとした視界の先には、見覚えのありすぎるフロアがあった。 なんとなく振りかえると、既にライガーの姿はなかった。……立つ鳥跡を濁さなすぎるだろう。まあ、あいつは俺と一刻も早く離れたかっただろうから、俺がここでいいと行った場所で降ろし立ち去るのは無理もない。十分すぎるほど頑張ったくらいだ。 ……ああ、そうだよな。 ここで、おっさんに会って、そして――― 考えるだけで、痛い。 心も身体も頭も、全てが、だ。 ……忘れよう。今は体を休めて生きることだけ考えるんだ。 殺し損ねたスバルのことも―――もう生き返るはずのないハルヒや朝比奈さんや妹のことも―――全部。 しかし、人間の脳はそんなに簡単にはできない。 一瞬でリセットができたらさぞ幸せだっただろう。しかし、そんなこと、不可能だ。 だいたい、もう現実逃避をするには、俺は疲れすぎていた。……現実に。 ……くそ、気を紛らわせよう。 「……何か、食うか……」 誰に言うでもなく呟いて、ふらふらとキッチンへ向かう。途中何もありやしないのにつまずきかけてしまった。もう駄目だ、こりゃ。自分で言うのも変な気分だが。 余計なことを考えないようにとそうしたのだが、言葉に反応してわずかに胃も悲鳴を上げた。 人間ってすごいな、精神的に気力がなくても肉体は生命を欲するらしい。律儀すぎて涙が出てくるぜ。 もう俺以外誰もいない―――何か口にしたっていいだろ。何もしたくないが、生きることだけはしたいんだから。 そんなことを考えながら俺はキッチンの巨大な冷蔵庫を開き―――そして、嘆息する。 「……はあ」 何もなかった。 見事に、すっからかんだった。 おいおい、ここはレストランだろ?何もないってありえないだろう。前来た時は―――確認してなかったな、そういや。確認しておくんだったか。 誰かが持って行ったのか?それとも元から入っていなかったのか? ……ああ、どうでもいい。面倒臭い。 なんだか、一気にやる気がうせてしまった。もう、不貞寝でもしてやろうか。 俺はそのままごろりとキッチンに寝転がった。汚れ?ああ、もうどうでもいいさ――― 何も見えない。 思考が定まらない。 俺の腕すら、まともに見えない。 ああ、もう知るかよ。もう―――死にさえしなければ何でもいい。 思い出したくもない。考えたくもない。このままただ、眠りについて、目覚めた時には全て終わっていたら―――どれほど幸せだろうか。 ああ、もう、誰か、俺を助けてくれ――― その時、かつんと何かが伸ばした右手に触れた。 金属のような冷たい感触。 「……」 無意識にそれを掴み、見える一まで持ち上げる。視線を向ける気力はなかった。 それは、アルミ缶。 なんてことはない、その辺のコンビニでも普通に売られている―――ビールだった。少しサイズは大きめだ。 てっきり何もないのかと思ったが―――1つだけ床に転がっていたらしい。 ということは、誰かがここに来て食料を持って行ったが、1つ落としたのか、それとも酒だったから必要ないと判断しわざと置いて行ったのか知らないが―――ビール缶が取り残されてしまった、と。 俺には関係のないことだし、知ったところでどうにもならない。俺に何を教えてくれるでもない。考えることすら億劫で、俺はそれ以上考えるのをやめた。 そして、俺の震える手に握られているのはビール缶1つ。 そう、『1つだけ』。 他は全部持っていかれてしまったのに―――たった1つだけ。 はっ、だからなんだってんだ。 じっと見つめる。正確に言うなら、ぼんやりとただビール缶の方向に視線を向けていただけで、ほとんど瞳には何も映ってやいなかったが。 やっぱり視界はかすんだままだ。これは俺の精神状態がやばいという証拠なのか。 追及する気もない。……そんなこと、知らない。 腹は減る。口に入れられそうなものなんか、これと水道水しかない。もちろんディパックは手元にない。しかし、何かしていないと静かに、静かに狂っていきそうで――― だから、なんだ。 俺の中で、何かが切れた。 ……知るかよ、もう。 どうして、俺が、『こんなことで迷わなきゃいけないんだよ!』 ああ、認めよう。俺はその時自棄になっていた。 俺はただ本能の赴くままに、そのビール缶のプルタブを開け―――一気に飲み干した。 ……苦い。これをうまいうまい言って飲む奴の気がしれない。ビールを呑んだのなんて生まれて初めてだ。当然だ、俺は未成年だぞ。 しばらくは、何と言うことはなかった。 吐き気がするということもない。体温が上がる感じもない。 しかし少し時間が立つと、妙な感覚に襲われた。 体温が上がり、頭がふらふらする。 しかし何だろう―――どこか、気持ちがいい。 「…………は、はは……」 口から笑いが漏れる。何だろう―――何か叫びたい気分だった。 そういえば、酒を飲むと記憶が飛ぶとはよく聞く話だ。 自分が何をしていたのかすら分からないくらい、幸せな気分になるとか。まあ、それもこれも全部アルコール成分が原因なんだが。 まるで、麻薬―――いや、実際に、酒なんてのは摂取量を間違えれば麻薬に匹敵する危険物だからな。 これ以上ないってくらい誰でも知っている話だ。 なんだ、俺にぴったりじゃないか。 今の、自分で考えることすらできやしない、この俺には。 「……はは、……ふふふ……はは……はっ……」 笑いが、零れた。 初めはほんの含み笑い、しかし俺は、それを徐々に制御できなくなる。 「…………は、ははははは、ふははははは!ひゃははははは!ひひほほっほはへ!」 おかしいな、うまく発音できないぞ。 ……そうか、酔い始めたか?ビール一本でここまでなるとは思わなかったが―――気にしない。 もう、どうなろうと関係ありゃしない。 「……はっ、ひっぽんしかなひのがほひいところだな……もっと酒持ってこひよ!」 ああ、たまらない。 気分が高揚して―――全てが楽しく見えてきやがった。 目の前にはSOS団の部室がある。そこにはいつも通りの光景が広がっている。 ハルヒ。長門。朝比奈さん。古泉。俺。 ハルヒが、また宇宙人を探しに行こうなどと言いだし、メイド服姿の朝比奈さんは泣きそうな顔で了承し、古泉はいつも同様にこやかに同意し、長門は無言でうなずく。 なんだ、―――酒って、最高だな! 「ひっく、長門お!見てるんだろお?お前気を利かせて酒の一本くらいほってほいよ!ほれが今まで何人ころひたとおもってる?はんにんだぞ、はんにん!ハルヒに、なまへもしらないこともに、なーがのへびやろーだ!な、なはとお、わかるだろ? ほのひょんさまにごほうひのひとつもくれねえのはよ?いばしょなんかろーれもいひんだよ!ころひあひをふふめてやったおれにはんしゃしていわうくらいひてくれよ…………うっ……うう……」 あれ、おかしいな、何で突然涙が止まらなくなったんだ? 俺自身が、自分の変化にさっぱりついていけない。 俺の理性と、俺の本能がせめぎ合い口論している。 俺最高に楽しいじゃないか。どうして泣いてるんだよ。 こんなとこで泣くとかかっこ悪いってレベルじゃ――― 「うう……うっ……もう、もう……もうひるかよ……おれはわるくない……おれはわるくねえんだよお…… ……おれはふふうのにんげんなのにい……ただながほにここにふれてこられたひがいひゃなのにい……ひっく、どうしてはんなきかいにせっきょうなんてされなきゃいけねえんだよこんちくしょう…… ……おれだって、ハルヒをころひたかったわけじゃないんだよお……いもうほをほろひたかったわけでもねえんだよお……なんで、なんでほれがこんなめにあわなひゃいけないんだよお……う、うう……なまいきなんだよきかいのくせによお!」 ビール缶を、床にたたきつける。 思ったよりあっさりと缶はぐちゃりと潰れた。脆いんだな。弱い弱い。 そう、弱い。俺と同じように。 「……は、ふふ、はは……」 ああ、もう考えるのはやめよう。 面倒臭い。知ったことじゃない。 酒は飲んでも呑まれるな、とはよく言われる言葉だが―――もう、酒でも何でもいいから俺を呑みこんでくれ! 「……ふはははははは、ははははは!」 「もうしるかよっ!すきにひろよ!おれをころひてみるならころひてみやがれってんだ!あひゃひゃひゃひゃひゃはははははははあっ!ひひひひひひひははははははは!すはるもなはともほいずみもはさふらもほうにでもなっちまえよおおおおおおお!」 もう嫌だ。 どうして、こうなってしまったんだ。 誰か、俺を助けてくれ。 そして俺を、この世界から解放してくれ。 この時の俺は、本当に酔っていたのだろうか。 もはや俺には、それを判断することすらかなわない。 いくらビールとは言え、所詮缶一本だ。俺がよほど体質的に弱い、とかでもない限り、こんな状態にはなりえないだろう。 ……普通の状態なら。 俺が『酔って忘れてしまいたい』と思ったから、俺の体がその通り働いたのか。 それとも―――俺の体が、この程度のアルコールにすら抵抗できないほど弱り切っていたのか。 どちらか、両方か。答えなんて、どうでもいい。 「おれはまだいきてる!いきてるんだよ!そう、おれは―――」 確かなことは。 俺は、まだ『死んでいない』、その事実。 だが、それに何の意味があるってんだ。 俺は、どうして生きてるんだ? 死にたくない。死にたくないから―――生きてる。 ああ、そうさ、その通りだ。 俺は、『死にたくないから生きているんだよ』。 ああ、くだらない理由だ。反吐が出る。自分でも俺がクズってことくらい分かってるさ。……他の奴から指摘されるのが嫌になるくらい。 ハルヒや妹や朝比奈さんは、きっとそんな下らない理由で生きたわけじゃない。 俺なんかより、ずっとずっとずっと高尚だ。 だが、不思議なことに、俺は今生きている。 誰よりも堕落して、誰よりもクズで、誰よりもどうしようもない俺が生きているんだ。 俺は―――『生きている』、ただそれだけの理由で、あいつらに『勝って』いる。 そうだろ?だって、命は戻らないのだから。 ……ふざけた話だ。 何の仕事もしてないくせに国民から税金をむしり取る政治家を笑えやしない。 俺は何も、何もまともなことはしちゃいないのに、生きている。―――なんて。 それなのに、死ぬことなんて考えもつかない。 生きている価値がないと自覚しながら、俺は、死ぬこともできない最低の負け犬だ。 だから、もう、いい。 今は、ただ、全てに俺という存在を任せてしまおうか。 「おれは……おれは……」 何故なら――― 俺は、ただ。 手段なんてどうでもいい。人殺しはしたくない。誰にも会いたくない。でも、誰かに導いて欲しい。 矛盾していると分かっていても、それでも。 自分でも、何を言っているのかさっぱり分からないが、しかし。 「……しにたく……死にたく……ないだけなんだよお……」 ああ。 もう、どうにでもなーれ。 【G-8 レストラン/一日目・深夜】 【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 【状態】ダメージ(中)、疲労(大) 無気力 泥酔で躁鬱が極端 【持ち物】デイパック(支給品一式入り) ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 【思考】 0:もうどうにでもなーれ☆ (1:―――死にたくない。) 【備考】 ※「全てが元通りになる」という考えを捨てました。 ※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。 ※ガイバーは使用不能になりました。以後使えるようになるかは後の書き手さんにお任せします。 ※現在は泥酔(?)しているため、正常な判断ができていません。正気に戻ったあとどうするかは次の書き手にお任せします。 【ミサトのビール@新世紀エヴァンゲリオン】 葛城ミサトが常に冷蔵庫に大量に保管しているビール。ペンペンも飲むよ! ※ どうせ俺の命は少ししか持たない。 あのキョンのところから飛び出したのは、あいつに消える瞬間を見せたくなかったからだ。 あの地の周辺には誰もいなかった。しばらく危険にさらされることもないだろう。だいたいあの男があそこでいいと言ったんだ。事実、あそこは人の気配も全くなかったしな。……これで俺の仕事は終わりのはずだ。 更に遠くまで安全な場所を探して―――なんて義務はない。本当は殺したかったのを我慢してちゃんと運んでやったんだから感謝して欲しいくらいだ。ご主人様にはそんなこと言わないが。 だからせめて、仕事を果たしたんだから死に場所くらい選ばせてくれ。ライガーの誇りってやつだな。あんな男の隣で死ぬなんてごめんだ。 ……ほんとは俺のご主人様、違う、我が友人の隣で消えたかった。だが間に合いはしないだろう。もう、俺はもたない。 だから、せめて―――かっこよく帰依させてくれよ。 あんな屑野郎を助けて消えるより---俺は友のことを思って死にたい。 砕けるような音。つんざくような眩暈。激痛。―――俺は、もうすぐ壊れちまうな。 ……わが友よ。お前だけは、どうか。 最後まで生き残ってくれ。……頼むぜ? 俺はもう、これ以じょ、 その瞬間、どこかで獣の鳴き声が聞こえたのは、気のせいだったろうか。 まるで、大切な友人の死を嘆くかのように―――高らかな咆哮が。 それが現実だったのかどうかは分からない。しかし、確実にその声は届いたはずだ。 彼の、大切な大切な友人に。 【ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 破壊確認】 ※エリアのどこかにライガーの円盤石が落ちています。どこかは他の書き手にお任せします。 時系列順で読む Back war war! stop it Next でこぼこカルテット(前編) 投下順で読む Back 寸善尺魔~憎魔れっ子が世に蔓延る(前編)~ Next でこぼこカルテット(前編) 鎧袖一触~鎧の端の心に触れろ~ キョン 魑魅魍魎~草の根分けるは鬼にあらず~
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どうしてほしいの?【登録タグ VOCALOID galaco かごめP と 曲 曲た 真己京子】 作詞:美音 作曲:美音 編曲:美音 唄:ギャラ子 曲紹介 雑誌「Sho-Comi」連載のマンガ『ボカロTRIANGLE』において、主人公の美音が作ったという設定の曲の2曲目。 イラストは原作者の真己京子。 ふたりの男の子の間でゆれるキモチを歌った歌となっている。 歌詞 (動画内歌詞より転載) どうしたらいいの そっと触れてくる 二つのぬくもりが なんか私をすごく 困らせてるんです 優しくクールな瞳で 私の心を離さない 「好き」だと言えないよ 臆病だから 「他の奴のこと考えるな」 なんてお願い言わないで 困らせたいワケじゃないけど 目が離せないよ ちょっと強引に 腕をつかまれたら キュンと締まり始めた 私の心臓が 二人の人に挟まれた 浮気な私が嫌いです 「好き」だと言わせてよ お願いだから 「他の奴のこと考えるな」 気安くあなたは言うけれど 大事なことも言わないで ズルくはないかな? どうかあなたの気持ちを 聞いていいですか? 今日はわたしもちょっと 言っていいですか? 「他の奴のこと考えるな」 気安くあなたは言うけれど 「好き」という言葉一つさえ 言わせてくれないよ どうかあなたの気持ちを 聞いていいですか? 今日はわたしもちょっと 言っていいですか? どうかあなたの名前を 聞いていいですか? 今日は少しだけ勇気 出していいですか? コメント 名前 コメント