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きょうきでしょでしょ?【登録タグ き さなゑちゃん 初音ミク 曲】 作詞:さなゑちゃん 作曲:さなゑちゃん 編曲:さなゑちゃん 唄:初音ミク 曲紹介 愛してる 永遠に君だけよ さなゑちゃんのデビュー作はヤンデレ曲。 曲名はあれでもハルヒのOPとは関係ありません。 歌詞 一目見たときから ずっと ずっと 好きでした 他の誰にだって 君のこと 触らせない 無音の部屋 錆びた匂い 君の瞳には わたし以外 無色(モノクローム) ほら 優しい笑顔の君、死亡フラグなの 現世で昂る顔 見せたら そのまま目を閉じて 光景を反芻(リフレイン) 瞼には愛の印刻んで 言葉よりも尊い行為に 二人 堕ちて逝っちゃった 首筋 絡まる この鎖 甘え拍子 焼き焦がれる この想い 操舵不能(アンコントロール) 焦る欲情 ほら 虚ろな瞳の君、追加ルートなの 常世での 愚かな理由(わけ)は捨てて 拘束具は 神聖な変態(トランスフォーム) 指と指 離れないよう 絡ませ 胎児よりも 無垢な心 闇へと 沈んでっちゃった 愛してる 永遠に君だけよ 乱れきった吐息さえも わたしのもの 少しずつ 弱まっていく鼓動が 無に帰ったその瞬間(とき)こそ始まりの終幕(エンドロール)ね 現世で昂る顔 見せたら そのまま目を閉じて 光景を反芻(リフレイン) 瞼には愛の印刻んで 言葉よりも尊い行為 胎児よりも 無垢な心 運命(さだめ)よりも 甘い虚無へと 二人で 堕ちて逝っちゃった コメント タイトルでハルヒと思ったwww -- 名無しさん (2011-03-18 11 59 04) ↑関係ないと書いてあるだろ・・w 結構癖になるヤンデレソングだなー -- 名無しさん (2011-03-18 12 04 21) 3 -- 名無しさん (2011-03-18 18 52 13) 中毒が!! -- 名無しさん (2011-03-25 18 21 13) 名前 コメント
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先日俺は黒猫と付き合いだしたことをみんなに打ち明けた。まぁ、隠しておく理由もないしね。 桐乃「え?嘘でしょ?」 沙織「まぁ!黒猫氏と京介氏がお付き合いをなさることに!?それではぜひお祝いをしませんと」 京介「いいっていいって、そんなことでわざわざお祝いとかおかしいだろ」 沙織「断固拒否するでござる。せっかく瑠璃ちゃんと京介氏が大人の階段をのぼったというのにこれをお祝いせずにはいられますまい!」 京介「まだのぼってねえよ!」 沙織「フフフ、でもお祝いしたいのは本当なんですよ?私の親友のお二人がお付き合いすることになったんですから」 京介「グッ///…そうか、じゃあ素直に受け取っとくか。ありがとな」 沙織「いえいえ、では日程や場所はのちほどメールにてお知らせするでござる」 黒猫「///」 桐乃「…キモ……」 こんなやりとりの間も黒猫と桐乃は終始うつむき加減だった。黒猫は照れてるだけだろうが桐乃まで不機嫌にならなくてもいいのにな。別に俺が黒猫と付き合うことになったからって黒猫はお前と友達でいることはやめねえだろうよ。 で、今日がそのお祝いとやらの日なんだが… 沙織『今度の日曜日に以前のレンタルルームでお待ちしています』 以前のレンタルルームってのはあいつらが俺を励ます会を開いてくれたあそこのことだろう。 正直、あそこにあんまりいい思い出はなかったりするんだけどな…デレた桐乃は見られたけど。 京介「あんまり、気乗りしねえなぁ…」 俺が前回同様受付を終えて案内された部屋の前まで行くとそこにはこれまた前回同様看板がたっていた。そういえば前回の受付もこのお姉さんだったな。俺を見る目が不審者を見る目だったのは気のせいだと思いたい。 京介「でも今回はハーレムとか関係ないのになんであんな目を…」 『高坂京介様専属ハーレム御一行様』 ちくしょおおおおおお!使い回しか沙織いぃぃぃぃ!! げんなりしながらも扉を開くと沙織、黒猫、桐乃が座っていた。 沙織「遅かったでござるな京介氏」 黒猫「ふん、さっさと座りなさいな」 桐乃「自分のお祝いなのに遅れてくるとか馬鹿じゃないの?」 京介「いや、すまん。ちょっと寝坊してな」 と、ありがちな言い訳をしたところで沙織がこう切り出した 沙織「さて、全員そろったところで瑠璃ちゃん&京介氏大人の階段記念パーティーを始めたいと思います!」 黒猫「そのネーミングは何とかならなかったの?」 沙織「フフフ、照れなくてもよいのですよ?」 桐乃「私から見てもそのネーミングはどうかと思うけど…」 沙織「む?ではきりりん氏ならどういうネーミングならよいと言うのですかな?」 桐乃「えっ?それは…黒猫ビッチ化記念とか?」 京介「おい!なんてパーティーにするんだお前は!それに大人の階段はのぼってねえって言ってんだろ!!」 桐乃「チッ…なにマジになってんの?」 まったくなんて妹だ…。まぁ、こいつとしても黒猫と遊べる日が減るのは目に見えてるしイライラしちまってもしょうがないかもな。それに俺がデレデレしてんのは気に食わないとか言ってたし。 でも不可解なのは最近黒猫への態度もなんか冷たいように見えるんだよな。ここはストレートに聞いてみるか。 京介「お前この間から黒猫や俺に対して冷たくねえか?いや俺に冷たいのはいつも通りだが」 桐乃「はぁ?なにそれ?そんなことないし、もしそうだとしてそれ今関係あんの?」 京介「いや、関係はねえけどよ…」 沙織「まあまあお二人とも今日は祝いの席ですから…」 少し険悪な雰囲気が漂ってきたところですかさず沙織がわって入る。こいつはほんとにこういうところうまいよな。 黒猫「あなた達そのへんにしときなさい、さっきからまったく話が進まないわ。で、お祝いと言うけれど今日は何をしてくれるのかしら?」 沙織「よくぞ聞いてくれました黒猫氏!実はこれまた前回同様出し物をさせていただくでござる!」 京介「いやな予感しかしねぇ……」 沙織「さりげなくひどいこというでござるな京介氏…しかし、これをみてもそんな口がきけますかな!?」 沙織が自身満々にみせてきたものはシスカリαのディスクだった。おい、俺はもはやこのゲームはトラウマといっていいレベルで恐怖を感じるんだが…。 桐乃「あれ?シスカリαじゃん。まさかまたこいつの前でプレーさせるわけ?」 沙織「さすがに拙者もそんなミスはもう犯さないでござるよ。今回はこのディスクと拙者特製データをプレゼントでござる」 黒猫、桐乃「「特製データ?」」 黒猫と桐乃が興味津々で聞いている。やっぱりゲーマーとしては気になるんだろうな。 沙織「左様、以前はきりりん氏と黒猫氏のキャラを作りましたな。が!今回はなんと!京介氏のキャラを作ったでござる!!」 京介「ぶふぉ!」 思わず吹き出してしまった。なんてものを作ってくれてやがるんだ沙織!じゃああれか?負けると俺そっくりのキャラが触手にあれやこれやされちゃうの?嫌すぎるんだが。これは黒猫や桐乃のこと怒れんな、気持ち悪すぎるし何より見られたくねえ。そら俺をぶっとばすわ。 桐乃「あんた正気なの?」 黒猫「あなたがそこまでの変態だなんて思わなかったわ」 沙織「う…ひどいいわれようでござる。これでも結構頑張って作ったんですよ?約束の日まで時間もないし徹夜したりして……」 京介「ま…まぁ、そんな顔するなって。黒猫もあれで喜んでるって」 黒猫「!?誰が先輩なんかの裸で喜ぶのよ!恥を知りなさい俗物が!!」 京介「いやそういう意味で言ったんじゃねえよ!」 助けを求めて沙織を見てみると腹を抱えて笑っていた。さてはこうなるとわかってやがったな! 沙織「はぁはぁ、ようやく笑いも収まったところで…次はきりりん氏の出し物でござる。はりきってどうぞ!」 桐乃「……」 桐乃は無言で自分の鞄からお祝いの品であろう物を取り出すと黒猫に一つを渡し、俺の前まで来てもう一つを差し出した。 桐乃「ん」 京介「お守り?」 なんだまともじゃないかほっとしたぜ……と思ったが甘かった。お守りを裏返すとそこには安産祈願と綺麗な刺繍で書いてあった。 京介「……え?」 黒猫「…え、あ、あ……」 黒猫は真っ赤になって動揺している。これは俺が桐乃に聞かねばなるまい。 京介「桐乃…これは一体どういうことだ?」 桐乃「…はぁ?見ての通りお守りじゃん。あんたその歳でぼけだしたの?」 京介「いやそうじゃなくてだな…これ安産祈願のお守りなんだが……」 桐乃「えっ!?あたしが買ったのは学業成就のはずなんだけど!」 京介「ま、まぁ気持ちはありがたく受け取っとくよ。な、黒猫?」 黒猫「あ、え?これをありがたく?……!?何を考えてるのこの変態!!」 京介「ちょ…変な誤解をするんじゃない!ちゃんと人の話をきけって! 沙織はここでもまた腹を抱えて笑っていた。しかし桐乃なぜか不機嫌とも悲しいともとれる表情だった。そんな顔しなくてもお前の気持ちは俺にも黒猫にも伝わったと思うぞ? 京介「しかし、お祝いが学業成就って…お前のセンスはどうなってるんだ……」 桐乃「うっさい!だってあんた一応受験生なんだからそれでいいじゃない……」 京介「そうだな。ありがとな桐乃」 その後はゲームをしたりプロジェクタでアニメを見たりしてすごした。これなら俺ん家でもよかったんじゃないか?と思いつつもパーティーはつつがなく終了した。 どうもここ最近桐乃の元気がない気がする。どうもお祝いパーティーをした日から様子がおかしいようだ。かれこれ一週間になるか。 京介『最近桐乃元気ないみたいなんだがなんか心当たりないか?』 あやせ『ちょうどよかったです。学校でも桐乃元気ないみたいで、私も一度お兄さんに相談しようと思っていたんです』 京介『そうか、そりゃよかった』 あやせ『本当に桐乃には手を出してないんですね?』 京介『出さねえよ!それに俺にはもう…』 あやせ『…?もう、何ですか?』 京介『いや、とにかく頼むな』 あやせ『…まあいいです。何かあればまた連絡します』 京介『おう、それじゃあな』 彼女がいると言おうとして思わず言いよどんでしまった。黒猫という彼女がいながらも、マイラブリーエンジェルあやせたんルートが諦めきれないのだろうか…。 翌日下校中 あやせ「桐乃最近元気ないよね?どうかしたの?」 桐乃「えっ!?そんなことないけど…どうしたの?」 あやせ「だって最近ずっと何か考え事してるみたいだし、お兄さんの話もしないし。何かあったんなら相談してくれないかな?」 桐乃「うえぇっ!?考え事はともかく、兄貴の話云々はおかしくない!?」 あやせ「そんなことない。桐乃お兄さんの話してるときはいつも楽しそうだったじゃない…文句ばっかりだったけど」 桐乃「いや…でもそれとこれは……」 / / `゙==彡 / ,.イ{_ ‘, / / / / ー===―- _ ‘, ′ -―==ミ、 ヽ} / / `ヽ | ,’ / ´ // {> ? | / /, 〃ハ ,ィ==ミ、 | 〈 ー彡 、‘ノ `? | 嘘つかないで! ‘, 丶 / 〃ハ ‘ , | お願い、私桐乃の力になりたいの!! ‘, ー――‐ .. , l 、‘ノ , ./ ∧ ’. 、 . i / i ? 、 . / ? 人, / | ? {j ー― ’ /// | /”´ / 桐乃(う、これは逃げられない…) 桐乃「……実はね……」 _______________________________________________ あやせ「ええええ!?お兄さんに彼女があああ!????」 桐乃「そうなの。まぁ兄貴が誰と付き合おうと関係ないんだけどね。」 あやせ「ブツブツ……私には結婚してくれとか言っておきながら……ブツブツ」 桐乃「あ、あやせ?」 あやせ「ブツブツ……しかもお姉さんというものがありながら……ブツブツ」 桐乃「あやせってば!」 あやせ「え!あ、なんでもないのよ?大丈夫」 ____________________________________________________ あやせ「そっか、桐乃はお兄さんが取られたみたいで寂しいのね」 桐乃「そ、そんなことない!あんな奴の相手をする機会が減ってせいせいしてるくらいだってば!!」 あやせ「素直になったらいいのに。そんなんだとこれから構ってもらえなくなるよ?」 桐乃「だ、だからそんなじゃないってば!」 あやせ「ふふっ、じゃあ桐乃あたしこっちだから。また明日ね、バイバイ!」 桐乃「あ、うん。バイバイ……」 京介「ただいま?」 桐乃「ちょっと話があるんだけど。あたしの部屋に来て」 京介「え?今からか?」 桐乃「チッ…当たり前でしょ。さっさとしなさいよね」 京介「へいへい、わかったよ」 かわいくねぇなと思いつつも言うことを聞いてしまう俺。ちょっと昔はこんな妹の言動にいちいちいらついてたもんだが今となっては精々かわいくねぇ程度である。いかんな、下僕根性が染みつきつつある。駄目だ俺…早くなんとかしないと…… 京介「で、なんだ話ってのは」 桐乃「あんた、いい加減黒いのとあたしの前でイチャイチャするのやめてくれる?ぶっちゃけキモイしウザイんだけど」 京介「イチャイチャなんてしてねえよ!それにお前にそんなこと言われる筋合いもねえ!」 桐乃「はぁ?してんじゃん!!二人きりでベッドの上でイチャイチャしてたんでしょ!!それに兄さんとか呼ばせてさぁ」 京介「あれはゲーム作ってただけだって言ったろ!それにあれは黒猫が勝手に呼んでるだけだ!そもそも俺が黒猫に何て呼ばれようとお前には関係ないだろ!?」 桐乃「かん………い……る」 京介「あん?」 桐乃「関係あるって言ってんの!」 桐乃「あんたはあたしの兄貴でしょ!!それなのに他の奴ばっかり構ってイチャイチャデレデレして!!!」 桐乃「あたしも構ってくれないとやだ!せっかくまた話とかできるようになったのに…もう昔みたいに戻るのはいやなの!!」 京介「な……」 あまりの驚きに声が出なかった。桐乃がまさかそんなふうに思っていたなんて。しかし、驚くのは後でもできる。今は兄貴の義務を果たしてやらんとな。 ぽん、と頭に手を置き撫でてやる。そういえばつい先日もこんなシチュエーションがあったな 桐乃「う…うぇぇ……うわああああん」 京介「悪かったよ、お前がそんなふうに思ってたなんて全然気づかなかった」 俺はいつも桐乃を泣かせてばっかりだ、悪いなこんな兄貴で。でもお前のこと親父とおふくろの次くらいには大事にできる自信くらいはあるんだぜ? 桐乃「ぐす…ぐすっ……」 京介「俺は重度のシスコンみたいだからな、いつでも甘えて来いよ。人生相談だってこれから何回でもきいてやるさ」 桐乃「うん……ありがとお兄ちゃん」 おかしい。最近あの子と先輩との仲が良すぎる気がする。 今までも仲悪そうに見えてお互い内心デレデレなのは透けて見えていたけれど…何か今まで以上にデレデレしているように見えるわね。 黒猫「まさか…妹に浮気してるわけじゃないわよね先輩?」 京介「お前はいきなり何を言い出すんだ。確かに桐乃はかわいい妹だが浮気とかはねーよ」 やはりおかしい。以前なら「あんなかわいくねぇ妹と何かあるわけないだろ!」とか言って全力で否定しそうなものを……これは何かあったわね。 黒猫「そう…でもその割には最近やけにイチャイチャしてるようだけど?」 京介「イチャイチャなんてしてねえよ、どこをどう見たらイチャイチャしてるように見えるんだ?」 黒猫「ふん…どうかしらね」 京介「ははーん。さては嫉妬してるな」 黒猫「な!?誰が誰に嫉妬してるというの!妄想も大概になさいな!」 京介「はっはっは、そう照れるなよ。嫉妬してるお前もかわいいぞ」 このドヤ顔……どうやら完全にスイッチが入ってしまっているみたいね。 駄目だわこいつ…早くなんとかしないと…… 黒猫「ところで、今日はどこへ連れて行ってくれるのかしら」 京介「おう、そうだな黒猫はどこへ行きたいんだ?」 黒猫「私は先輩の行きたいところでいいわ」 京介「そっか…じゃあ植物園とかどうだ?」 植物園?なんておじさんくさいチョイスなのかしら…まぁ先輩が行きたいと言うのであればついていくけれど。 黒猫「わかったわ。でももうちょっとましなプランはなかったの?せっかくのデ、デートなのだから///」 京介「う///いや、すまん。」 普段の頼りになる先輩もいいけれど照れて赤くなった先輩もなかなか… しかし、自分まで赤くなっているようでは駄目ね。 黒猫「植物園に行くのはいいけれど植物園で何をするの?」 京介「えっ?そりゃあ植物園なんだから植物を見るんだろ」 黒猫「…それ楽しいのかしら?」 京介「…やっぱりゲーセンにしとくか」 京介「そういえばゲーセンに来るのも久しぶりだな。桐乃との偽装デート以来か」 それを聞いて思い出してしまった。二人で…プリクラを撮ってたわね、しかもカップル専用プリクラで…忌々しい。 黒猫「先輩?あ、あれ…い、いっしょに撮らない?」 京介「あ、あれとるのか?」 黒猫「妹とは撮れて私とは撮れないというの?」 京介「いや…そうじゃないが色々とよくない思い出がだな」 黒猫「兄さん、いっしょに撮りましょう?」 京介「呼び方の問題じゃねえ!それに兄さんはやめてくれせっかく付き合うようになったんだからさ!」 黒猫「ちょっと大声でなんてこと言ってるの!///」 京介「何か問題があるのか?お前は俺のかわいい彼女なんだからさぁ!」 京介「ふははは、俺はこの子と付き合ってるんだぜ羨ましいか!」 黒猫「っ??!!さっさと撮るわよ」 なんて恥ずかしい!なんなの?なんでこんなにスイッチ入りっぱなしなのよ!! う、嬉しくないといえば嘘だけれど、それはもっと雰囲気のあるところで二人っきりでというのが普通でしょうに! 黒猫「で、どうすればいいのかしら」 京介「まずは、ここに金を入れて…次にフレームを選ぶんだ」 黒猫「この中から選べばいいのね。……これにしましょう」 京介「え…?これか?これはちょっと……もっとこっちの黒猫らしいかんじのがいいんじゃないか?」 黒猫「…あの子とはこれで撮ったくせに」 京介「いやあれは桐乃が勝手にだな…」 出てきたプリクラを見てまた先輩の顔が妙に赤いことに気づく。ひょっとして…これは…… 黒猫「先輩、ひょっとして体調がよくないのかしら」 京介「ばれたか。ちょっと風邪気味でな」 黒猫「そんな…ごめんなさい。今日はもう帰りましょうか」 京介「いや、大丈夫だよ。ちょっと熱がある程度だからさ」 黒猫「駄目よ。今日はもう家でおとなしくしてなさいな」 ___________________________ 京介「で、何をしてるんだ黒猫?」 黒猫「見ての通り看病よ」 京介「いや、それはわかるが…」 黒猫「安心なさい。これでも妹の世話でなれているのよ」 京介「いや、でもうつしてしまっても困るしよ」 黒猫「いいから、先輩は寝てなさい」 全くこのお人よしは…こんな時くらい頼りにしてくれてもいいでしょうに…… 京介「悪いな、実はさっきから体が重くて動く気にならんかったんだ。助かるよ」 京介「う?ん?…いかん、寝ちまってた。黒猫?」 黒猫「」スヤスヤ 京介「黒猫も寝ちまってたのか。おい黒猫、そんなところで寝てたら風邪ひくぞ」 黒猫「」スヤスヤ 京介「起こすのもかわいそうか。体も楽になったし、汗もかいちまったしちょっとシャワー浴びてくるか」 京介「黒猫はベッドに移しておけばいいかな」 ___________________________ 黒猫「……?……!」ガバッ なぜ私はベッドで寝ているの?先輩は? 慌ててまわりを見渡すと信じられないものが目に飛び込んできた。 京介「げっ」 黒猫「きゃあああああああああああああ」 京介「違う違うんだ黒猫!落ち着いてくれ!誤解なんだ!!」 な…なにを裸になってるのこのけだものは!私が寝てるのをいいことに襲おうとするなんて!! はっ!心なしかスカートもめくられた形跡があるような…… 黒猫「なにが誤解よ!もはや言い逃れできないでしょう!!ええい寄るな変態っ!!」 京介「違う!話をきいてくれええええええ」 俺は何とか黒猫を落ち着かせ説得することに成功した。でもさっきの叫び声でご近所さんが通報してたらどうしよう…超心配なんですけど。 黒猫「で、シャワーを浴びたら着替えが部屋にしかないことに気づいてここで着替えていたと…そういうことね」 京介「おう。その通りだ」 黒猫「なんでちょっと自信あり気に答えてるのよ痴漢先輩」 京介「すいませんでした黒猫様。そのあだ名だけはやめてください」 黒猫「ふん、まあいいわ。そのかわり一つだけ私のいうことを聞きなさい」 京介「ははぁ、何なりとお申し付けください」 黒猫「じゃあ……その…///」モジモジ 京介「どうした?なんでもいいんだぞ?俺の名誉のためになんでも言ってくれ」 黒猫「……抱っこ……///」 京介「え?」 黒猫「何度も…言わせないでちょうだい」 そう言って黒猫は両手を広げて上目使いで甘えてくる。 やべぇ超かわいい…俺は自分の顔が風邪とは別の理由で赤くなるのを自覚しながらこう言った。 京介「おいで」 黒猫「…」 黒猫は無言で俺のあぐらの上に座り込んだ。そのまま抱きしめてやると、黒猫の体が俺の腕の中にすっぽりと収まった。 なるほどこれは抱っこといえるだろう。 黒猫「ありがとう、先輩」 京介「何がだ?それよりその先輩ってのやめないか?せっかく付き合ってるんだからよ」 黒猫「ええ、そうね…これからもよろしくね…きょ…京介」 京介「おう!これからもよろしくな瑠璃」 お兄さんに彼女ができたと聞いてからお兄さんのことばかり考えてしまう。ちょっと変態だけど基本は優しい人だしできてもおかしくはないけど… あやせ「それにしてもあのお兄さんに彼女が……どんな人なんだろう……」 あやせ「私には結婚してくれとか言っておいてあの人は…!」ギリ あやせ「はっ!い…いけないこれじゃあまるで私が嫉妬してるみたいじゃない」 あやせ「違う違うそんなことない。これはお姉さんがかわいそうになっただけだよね」 桐乃「なんか、今度はあやせが元気なくなってない?」 あやせ「えっ?そんなことないよ。私は元気だよ?」 桐乃「嘘だ?、だって露骨に元気ないじゃん。いいからあたしに話してみなよ。相談するだけでも楽になるって」 あやせ「う…うん。実はね……」 桐乃「え?兄貴の彼女?」 あやせ「うん、どんな人なのかなって」 桐乃「ま…まさか……あやせまで………」 あやせ「そ、そんなんじゃないってば!単に気になっただけだってば!」 桐乃「そっか、そうだよね。あやせとあんな地味男とじゃ釣り合わないもんね」 あやせ「……」 桐乃「え?なんでちょっと怒ってるの?」 あやせ「え?そ、そんなことないよ?それよりどんな人なのか教えてよ」 桐乃「う?ん。そうだなぁ、一言で言うと邪気眼電波女」 あやせ「え?」 桐乃「常にゴスロリのかっこして痛いこと振りまいてる危ない感じのやつかなぁ…」 桐乃「まぁ…それなりに気をつかってくれたりするいい奴なんだけどさ」 あやせ「…うそうそ…お兄さんがそんな悪い人に引っかかってるなんて……」ブツブツ 桐乃「あやせ?」 あやせ「桐乃、ごめん!今日は用事があるから帰るね!」 桐乃「う、うん……わかった。また学校でね」 机の上に置いておいた携帯がなる。 京介「誰だよ。こっちは勉強中だってのに」 京介「あやせ!?お…俺なんかしたっけ…どうしよう俺なんもしてないよな…」 うろたえながらもメールを開く。ちくしょう、なんで女の子からのメールをこんなに怯えながら開かにゃならんのだ。 あやせ『お話があります。いつもの公園でまっています』 京介「お話…」ゴクリ 一体俺が何をしたというのだろうか。最近は桐乃とも仲良くやってるし…だがここで無視しようものなら俺は明日の朝日を拝むことはないかもしれん。行くしかないのか。 京介『わかった。すぐ行くよ』 京介「さて、行くと決まったら急がないとな」 あやせ「こんにちは、お待ちしてましたお兄さん」 京介「おう。で、話ってなんだ」 あやせ「率直にいいますが、彼女さんと別れてください」 京介「え?すまん、聞き違いかもしれないからもう一回いってくれるかなあやせさん」 あやせ「だから、彼女と別れてくださいと言ったんです」 京介「い、一体何を言い出すんだあやせ!そもそもなんでお前がそれを知っている!?」 あやせ「桐乃にききました。お兄さんが邪気眼電波女と付き合っていると!」 京介「桐乃め…なんていう紹介の仕方をするんだ……いや…まぁ、外れてはいないんだけどよ」 あやせ「私はお兄さんにこれ以上変態になってもっらうと困るんです!だからそんな人とは別れてください!!」 京介「お、落ち着けあやせ!お願いだからそんな大声で変態とか叫ばないで!すぐそこに交番もあるんだから!」 あやせ「じゃあ別れてくれますか?」ウルッ グッ…かわいいかわいいが、だからって黒猫と別れるわけにはいかん。そもそも俺がこれ以上変態になったからってあやせは困らないと思うんだが…ならないけどね。まずはその辺問いただしてみるか。 京介「落ち着けって。まずはわけを言えわけを。そもそもなんで俺が変態になると困るんだよ」 あやせ「え?それはだって…桐乃に手を出されたら困るし……」 京介「いや、それならむしろ彼女がいたほうが安心じゃないのか?」 あやせ「う……じゃ、じゃあお姉さんはどうするんですか!」 京介「真奈実か?あいつとはそんなんじゃねえって」 あやせ「……お兄さんってとんでもなく鈍いんですね…どこのそげぶですか…」 京介「そげぶ?」 あやせ「はぁ…いいです。わかりました、正直にいいます。」 あやせ「わ…私はお兄さんにか…構って欲しいんです///」 京介「あやせ!?」 あやせ「私一人っ子でずっと兄が欲しくて…桐乃が楽しそうにお兄さんの話するのをずっと羨ましく思ってたんです! あやせ「お兄さんのことが、す…好きかどうかはまだよくわからないですけど…」 あやせ「でもっ!お兄さんとお話しするのは楽しかったですし、人生相談に乗ってもらうのもうれしかったんです!」 京介「あやせ…お前そんな風に……」 あやせ「……ごめんなさい。いきなり別れてくれなんて迷惑ですよね」 京介「あやせ……お前の気持ちはよくわかった」 なんてこった。あやせがそんな風に思ってたなんて…どうやら俺は自分が思っていた以上に鈍いらしい。 あやせ「きゃっ」 ようやくわかったぜあやせ…ならば俺は義務を果たさねばなるまい!俺は兄貴なのだから!! 俺はあやせを抱き寄せながら力強くこう言い放った。 京介「俺にまかせろ!しっかりお前の兄貴になってやるぜ!」 あやせ「…はい?」 京介「すまない。今までお前のそんな気持ちに気づかなかったなんて…俺は兄貴失格だああああああ!」 あやせ「死ねえ!」ドスッ 京介「ぐぼ!」 あ…あやせ?お…俺が何をしたっていうんだ……かわいい妹を抱きしめてやっただけだろうに。 さすがの桐乃も地獄突きまではしなかったぞ? 桐乃「ちょっと!さっきから聞いてればなんなのよ!!」 京介「ゲホ……きり…の…?」 なんでこんなところに桐乃がいるんだ?いや今はそんなことはどうでもいい。まずい、さっきのを見られてたとすると殺される…… 京介「いや、違うんだ桐乃これはだな……」 最近言い訳ばっかりしてるな俺。なにこの修羅場っぽいかんじ、俺とは一番遠い世界だと思っていたのに。 桐乃「うっさい!前も言ったでしょ!あんたはあたしの兄貴なんだから、いくらあやせでも妹とか兄貴とか言ってんじゃない!!」 あやせ「はい?」 京介「お、落ち着け桐乃!ほんとの妹はおまえだけだ!」 ワァワァギャアギャア あやせ「…はぁ…………」クスリ 桐乃「私の兄貴でしょ!他の妹にデレデレしてんじゃない!」 京介「お前はエロゲのやりすぎだ!あやせとはあくまでも仮の兄妹としてだな!」 あやせ「じゃあ、私のことは遊びだったんですかお兄さん?ひどい!私(抱きしめられたの)初めてだったんですよ?」 京介「あやせ!?こんな時にシャレにならない発言をするんじゃない!」 桐乃「!?あ、あんた一体何したの!」 京介「違う!話をきけえええ!!」 あやせ「ふふっ、今はこれでいいです。でもお兄さんのこと諦めたわけじゃないですからね」 京介「…?あやせ何か言ったか?できれば桐乃の説得を手伝ってほしいんだが…って、いてぇ!!」
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警戒でしょでしょ? ◆4etfPW5xU6 「めぼしい物は特に無し。次はこっちですかねぇ」 既に太陽が昇り始め、陽光が一面を照らしている。 丁度、建物と建物の境目。 陽光をその身いっぱいに浴びながら一人の男が呟きを漏らす。 男の目の前には門。 侵入者を防ぐ意味合いがあろうそれも、今は役目を全うする事無く開いていた。 無用心だと思いつつも、男は門を抜け禄に整備もされていない土の上をゆっくりと進んでいく。 男――ゼロスはグルリと辺りを見回しながら、先程まで探索を行っていた建物について思考を巡らせる。 まず行ったのは一階の探索。 二階の校舎に着くまでは失念していたが、もし何者かが自分達より先に訪れていたとしたら。 物音に驚いて……或いは待ち伏せするためにどこかの部屋へ逃げた可能性がある。 自分が居ない隙にゲンキや妹さんが襲われたら。 負傷中のゲンキは勿論、妹さんもただの少女。 明確な殺意を持った、このゲームに乗った者に襲われれば死は免れないだろう。 ホリィのような何の役にも立たない存在なら気にする事は無い。 だが、ホリィと決定的に違うのはあの二人が力を持ったセイギノミカタだという事。 ゼロスの持つ原稿の文字を読める可能性も残っている。 今死なれるのは、惜しい。 ゼロスは一瞬困ったように、しかしすぐにいつもの軽薄な笑みを浮かべて上ったばかりの階段を下り始める。 とりあえずゲンキを治療できる部屋を探す際にいくつかの部屋を確認したが、人の気配を感じる事は無かった。 確認すべきはそれ以外、未確認の部屋。 一階へと戻り、未確認の部屋へ視線を向ける。 『1A』『1B』『1C』のようなプレートが突き出している、数字と英語の組み合わせで区別されている部屋を確認し始める。 最初に入ったのは『1A』 ガララ、と予想以上に響く音をたてながら扉を横滑りさせる。 ゼロスの目に飛び込んできたのは40余りの机と椅子。 続いて、前方に設置された黒い板と一際大きい机。 一切の列の乱れも無く、完璧な調和を示すそれらを眺めながら足を踏み入れる。 一般的に教室と呼ばれるそこを、合点がいったように頷きながら進む。 グルリと部屋中を見回してみるが誰かが居たような気配は無い。 大きな机の下やロッカーの中、窓の外等丁寧に痕跡を探すが、何も見つからず。 この部屋には誰も居ないと判断して次の部屋へとゼロスは向かう。 次は隣の『1B』へ。 先ほどと同じく扉を横滑りさせながら音を響かせ室内に足を踏み入れる。 ゼロスの目に飛び込んでくるのは隣と全く同じ光景。 机の数や一つの乱れも無い配列に多少首を傾げながらも、誰かが居た痕跡が無いかを見て回る。 暫く探してみるが何も見つからず、次の部屋へ。 何度かその行為を繰り返し、一階の全部屋を確認してから二階へと向かう。 二階へ到着。 一階と同じく、一部屋毎にプレートが突き出しており、プレートには『2A』『2B』『2C』……と書いてある。 一階が『1』二階が『2』と言うことはおそらく『2』が階数を、『A』や『B』がそれぞれの教室の区別をしているのだろう。 先ほどまでと同じ行動を繰り返し、一部屋一部屋丁寧に見て回ったが、一階と同じく人の気配や魔力のようなものも感じられなかった。 罠が無いかも探してみたが、結局見つかったのは使い古された布切れ一枚。 持ち歩く必要性が感じられず、その場に放置。 最後は三階。 階下と同じような繰り返し。 扉を開き、一部屋一部屋見て回る。 残り一部屋を残して、どこの部屋にも全く何の気配も感じられず。 とりあえずここに訪れたのは自分達が最初なのだろう、ゲンキや妹さんが自分の居ない隙に襲われる可能性は低くなる。 後は、外からの侵入者がここを訪れる前に自分が戻れば良い。 そう思いながら開けた最後の扉。 そこには、何度も繰り返した通り確かに人の気配は無かった。 ただ、ゼロスは何か奇妙な違和感を感じていた。 そこにあったのは一つの箱のような白いモノ。 ヴーンとよく判らない音を出している箱。 部屋の中央にある机の上に鎮座したその箱へゆっくりと近付いていく。 「これは……何かのマーク? いや……SOS? 誰かが助けを求めている?」 箱にある透明の画面。 そこには奇妙なモノが描かれていた。 水色や緑、紫に黄緑色で書かれた奇妙な円形の模様。 何を意図するかさっぱりわからないその模様の真ん中にはかろうじてSOSと書かれているのがわかる。 ゼロスの持つ知識に当てはめてみれば、誰かが助けを求めていると取れる。 だが、誰がどこで助けを求めているのか、この模様からは全くそれを読み取る事が出来ない。 或いは、ゼロスの持つ知識以外の言葉……あの原稿を書いた人物と同じ世界の人物からのメッセージの可能性もある。 暫くそれを見てゼロスが出した結論は――保留。 わからないモノをいくら考えても仕方ない。 後でゲンキ達にでも聞いてから、それでも遅くは無いだろうと思い、その場に留まることなく、あっさりと元来た扉へ踵を返す。 そして今に至る。 校門を抜け陽光を浴びながら進むゼロス。 ふと気が付けば目の前には校舎の壁、そしてそこに大きく開いた穴があった。 (ここで戦闘でもあったんですかねぇ……それにしては、被害が少ないようですが……) そこらに飛び散った破片から壁は内側から破壊された事は容易に想像できる。 おそらくこの中で戦闘を行い、不利になった何者かが咄嗟に壁を破壊、逃走したのだろう。 だが、それにしては内部の破壊が少なすぎる。 破壊された壁以外の損傷は見つからず、蛍光灯や窓も割れてはいない。 どういう事だろうか? 穴の開いた壁を通りながらゼロスは首を傾げる。 ここで戦闘を行っていないなら、この壁を壊す必要はない。 外へ行きたいのなら、ちゃんと出口があるのだから。 なのにそれをしなかった理由は? 「元は……ばリョー…ちゃん………っ!!」 思考の海に沈みかけるゼロスを、不意に聞こえた声が引き上げる。 どうやら声はこの先の部屋から発せられたらしい。 さて……そこにいるのは、セイギノミカタかゲームに乗ったものか、はたまた何の力もない弱者なのか。 にこにこと邪悪な笑みを浮かべ、木造の床をギシリと鳴らしながら、ゼロスは件の教室へと歩を進める。 (セイギノミカタなら仲間に、ゲームに乗っている方ならここで始末、ただの足手まといなら……実験材料にでもなってもらいましょうかねぇ♪) +++ 『知り合いの捜索と言うなら、まずは中学校・図書館・小学校の順に訪れて行ってはどうでしょうか? Ms朝倉。 貴方の話では、Mr古泉、Ms朝比奈、そしてMsSisterのどれも学校の存在を知っています。 ならば、そこから捜索していくのが妥当だと思われますが』 「うーん、それもそうよね。メイちゃんのお姉ちゃんも小学校に来ているかもしれないし」 「グスン……超人選手生命が……独身で中年……」 『Ms草壁もそうですが、何も力を持たない一般人が訪れるのは学校か警察でしょう。 警察は勿論、学校は日常の象徴とも言える建物です。また、広さや設備等もありますし とりあえず学校を目指したとしてもなんら不思議ではありません』 「現に私やヴィヴィオちゃん、キン肉マンに……涼宮ハルヒにキョン君も学校に集まってきている。 他にも、日常を求める人やそれを探す人が来ても、おかしくはない……」 「えっと、元気出して? とってもだんでぃで似合ってるよ?」 『えぇ。ですから、まずは学校に関係する施設を。続いて警察署に向かうのが現状の最善かと思われます』 「なら――あぁもう、うじうじとうるさい。 なら、もうすぐ放送みたいだし少し待ってからの方が良いわね」 「えっと……とりあえず涙拭こ?」 「ヌワァー!ヴィヴィオー!!!」 『……少し、静かにしていただけませんか? Mrスグル。 時刻は11:30、放送まで確かにあと僅か。 ならば、もう少しここで待機していましょう』 「うん。それが最善……かしらね?」 「リョーコちゃんもクロスミラージュもしどい……」 「うぅ……えーっと、ほら! バルディッシュも慰めてあげよ!」 『…………………………………………………………』 「なんじゃその沈黙はーー!!!」 殺し合いの舞台に似つかわしくない、騒がしくて呑気な声が部屋中に響く。 声の主は四人――いや、三人と一機。 率先して話し合っていたのは、朝倉涼子。そしてクロスミラージュ。 一人と一機は、支給された地図と向き合いながら、今後の方針を話し合っていた。 まず優先して探すことになったのは、古泉一樹・朝比奈みくる・キョンの妹・草壁メイ・草壁サツキの五人。 クロスミラージュは、高町なのはやスバル・ナカジマとの合流も考えたが、自分達のいる北の施設を訪れる であろう確立は先の五人よりも低く、朝倉涼子・キン肉スグルの存在もあり優先順位が下がったため保留に。 放送を待ち、近い建物から順番に回り探し人を探索する事に決めていた。 そして、途中途中に邪魔をしていたのがキン肉スグル、ヴィヴィオの両名。 邪魔を、とは言えヴィヴィオは落ち込むスグルを慰めていただけなので罪は無い。 悪いのはいつまでも愚痴を溢すスグルだ! と、見事に気持ちがリンクしていたのか、時折放たれる辛辣な言葉は一人にしか向けられていなかった。 事の発端は朝倉のせいでスグルが年をとってしまったことなのだが、それは既に忘れられていて。 二人は呑気に落ち込み、慰め、怒り、宥め、また落ち込み、を繰り返していた。 落ち込むスグル、慰めるヴィヴィオ、諌めるクロスミラージュ、毒吐き朝倉。 それに無言のバルディッシュを加えた五者は、出会って間もないが、既にある程度の信頼を結んでいた。 クロスミラージュはスグルの優しさ、力強さ、そして懐の大きさを。 朝倉は、クロスミラージュの冷静さ、そして判断力を。 ヴィヴィオは、朝倉の温もり、芯の強さ、そして優しさを。 スグルは、ヴィヴィオの頑張り、想い、意志の強さを。 バルディッシュはそれらを寡黙に、ただ感じ取っている。 この殺し合いの舞台で、気の置ける仲間を得た彼らは、当面の活動指針である放送を待つ。 その間も、「元はと言えばリョーコちゃんがーっ!!」やら「今すぐ戻して? ――うん、それ無理」等、言い争いもあったのだが。 ――放送まで残り二十分。 突如それは訪れた。 『Alert』 今までに殆ど声を発しなかったバルディッシュが警告を発する。 『魔力を持った何者かがこの部屋に接近してきます』 ワンテンポ遅れてクロスミラージュが相手をサーチ。 慌てふためくスグルを手で制し、朝倉がクロスミラージュを構える。 「バルディッシュ……セット、アップ」 恐る恐るながらもしっかりと扉を見据え、ヴィヴィオもバルディッシュを構える。 臨戦準備完了。 朝倉はクロスミラージュを構えて一歩扉のほうへ。 その後ろでは、バルディッシュを構えたヴィヴィオと、力を衰えさせられながらもファイティングポーズをとるスグルが互いを守るようにしている。 少し警戒しすぎ。 もしかしたら自分達のような参加者がここを訪れたのかもしれない。 頭の中に浮かんだ考えを朝倉は頭を振って追い出す。 近付いてくる相手は魔力を持っている。 警戒するに越したことは無い。 ジリ……と張り詰めた緊張感が部屋中に現れる。 そして、その緊張を吹き飛ばすようにガラガラと扉が開かれる。 そこから現れたのはローブのような黒い服を着た若い男。 にこにこと笑いながらこちらの方を見ている。 その声も姿もただの一般人にしか思えない。 だが朝倉の、直感が告げていた。 これは人ではない、と。 朝倉の警戒を見抜いたかのように男は笑みを崩さないままに口を開く。 「そんなに警戒しないでくださいよ。 僕はゼロス、ただの謎の神官(プリースト)です♪」 +++ 「そんなに警戒しないでくださいよ。 僕はゼロス、ただの謎の神官(プリースト)です♪」 反応は中々。 目の前の相手を見て、ゼロスはそう思う。 外まで漏れる声で話すのは褒めがたいが、油断は無く。 きちんと警戒もしている。 その部屋に居たのは三人。 まず、後ろの二人を庇うように立っている少女。 立ち振る舞いにも脅えた様子はなく、警戒を解くことなく此方へ武器を向けている。 そして庇われている少女と中年の男。 互いを守るように構えてはいるが、少女の方は見るからに頼りなく、中年の方はとても戦えそうには見えない。 一見すれば一人のセイギノミカタと二人の足手纏いに見える。 だが、そう判断するのは焦燥。 にこにこと笑いながらゼロスはじっくりと三人を観察する。 果たして自分の役に立つのか立たないのか、ただそれを見極めるために。 【C-3 高校・宿直室/一日目・昼前】 【ゼロス@スレイヤーズREVOLUTION】 【状態】わずかな精神的疲労 【持ち物】デイパック×2、基本セット×2(地図一枚紛失)、不明支給品1~4 草壁タツオの原稿@となりのトトロ 【思考】 0.首輪を手に入れ解析するとともに、解除に役立つ人材を探す 1.当面はゲンキを保護。ゲンキが自力で動けるようになったら別れる 2.目の前の相手が使えるか判断。使えるなら仲間に、使えないなら実験材料に 3.ゲンキの力(ガッツ)に興味 4.セイギノミカタを増やす 5.見回りが終わったら原稿をゲンキとキョンの妹に読ませてみる 6.ついでに奇妙なマークについても確認してもらう 【備考】 ※簡単な漢字を少しずつ覚えていっています ※ウォーズマンの名前と容姿を覚えました。 ※中学校三階の部屋でSOS団のシンボルマークが表示されたPCを発見しました ※それが原作と同じ効果を及ぼすのか別の何かを起こすのかは次の書き手さんにお任せします 【名前】 朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱 【状態】 健康 【持ち物】ボウイナイフ、鬼娘専用変身銃@ケロロ軍曹、クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 不明支給品0~1(武器では無い) 、メイド服@涼宮ハルヒの憂鬱、 デイパック(支給品一式) 、新・夢成長促進銃@ケロロ軍曹 【思考】 0:キョンを殺す 1:長門有希を止める 2:古泉、みくる、キョンの妹、草壁姉妹を探すため北の施設(中学校・図書館・小学校の順)を回る 3:目の前の男に対処 4:基本的に殺し合いには乗らない 5: まともな服が欲しい 6:万太郎じゃなくてスグル? 7:できればゲーム脱出時、ハルヒの死体を回収したい ※長門有希が暴走していると考えています ※クロスミラージュを改変しました。元に戻せるかどうかは後の書き手さんにお任せします。 【名前】キン肉スグル@キン肉マン 【状態】両方の二の腕に火傷跡と切り傷、脇腹に中度の裂傷(処置済み)、老化(中年) 【持ち物】タリスマン@スレイヤーズREVOLUTION、ディパック(支給品一式×4) ホリィの短剣@モンスターファーム~円盤石の秘密~、 SOS団団長の腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、 金属バット@現実、100円玉@現実 不明支給品0or1 【思考】 0:選手生命が…… 1:目の前の男に対処 2:少女(ヴィヴィオ)は保護する。 3:朝倉に頼んでウォーズマンと再会したい 4:キン肉万太郎を探し出してとっちめる。 5:一般人を守り、悪魔将軍を倒す。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、疲労(小) 【持ち物】バルディッシュ・アサルト(6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 0:大人になり損ねちゃった……。 1:なのはママ、スバル、セイン、ノーヴェをさがす 2:なんか……不気味な人だな…… 【備考】 ※ヴィヴィオの力の詳細は、次回以降の書き手にお任せします。 時系列順で読む Back さらば愛しき中トトロ!! の巻 Next 少年少女よ大志を抱け 投下順で読む Back 新たなる戦いの予感 Next 第一印象がいい奴にロクな奴はいない 朝日とともに這い寄るモノ ゼロス 会議は笑う 麗しくも強き女王の駒 朝倉涼子 キン肉スグル ヴィヴィオ
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煙草はいつも私の胸に… なんでだろ あなたを選んだ私です 咳止まらない 肺癌確率7倍 だけど I need you 偽物じゃつまらないの I ll be sick マイルドセブン 一日に一箱 吸うよ 喫煙でしょでしょ 煙草が空に消える世界で 煙出るから煙くなるのよ 年のせいじゃない 右手を見てくださいっ 不自然な形の 左手は無視して☆ 明日過去になった今日のいまが奇跡 I believe need you... 戻れないとこまで 行ったら依存症 ねえ隠して 火のないとこから煙が出てる My delight 火元ごと握りこんだら My hand burn! 驚かせて驚いて火傷になろう 喫煙でしょでしょ!? 煙がシガに変わる世界で 私は昭和 他は平成 正直悲しいの 指先にゆれる副流煙の臭いが 服に付くのがイヤ 気がついたらいつもいつも肺の奥に 煙が… よく見えないのが宿命なら 演じる私は何ができる? 不思議?でも不思議じゃなくて… 感じるまま感じることだけをするよ 喫煙でしょでしょ!? マッチが花に変わる世界で 夢があるから強くなるのよ 誰の為じゃない 分煙でしょ禁煙なんでしょ!? 役所が場所を減らすみたいで 私の種目 存続が微妙 命が削れてく ニコチンとタールで 現実を超えて 明日過去になった今日のいまが奇跡 確かな未来を つかもう 煙を I believe you…
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答えはいつも私の夢に・・・ なんでだろ あなたを選んだ私です もう止まらない運命様から決められたけど I believe真似だけじゃつまらないの You’ll be right! 感じるまま感じることだけをするよ 冒険でしょでしょ!?ホントが嘘に変わる世界で 夢があるから強くなるのよ 誰の為じゃない 一緒に来てくださいっ どこまでも自由な私を見てよね 明日過去になった今日のいまが奇跡 I believe you・・・ 戻れないとこまで 行かなきゃつまんない さあ教えて 秘めてる願いを鏡に投げた My delight身体ごと受けとめたら You mind fly! 驚かせて驚いて笑顔になろう 始まりでしょでしょ!? キレイが闇を照らすみたいに 私のちからあなたの涙 どっちも正しいの 現実にゆれる繊細な心が 傷つくのはイヤ 思いましたいつもいつも胸の奥に 答えが・・・ 普通じゃないのが当然なら 答える私は何ができる? 普通でも普通じゃなくて 感じるまま感じることだけをするよ 冒険でしょでしょ!? ホントが嘘に変わる世界で 夢があるから強くなるのよ 誰の為じゃない 始まりでしょ始まりなんでしょ!? キレイが闇を照らすみたいに 私とあなた冒険の途中 一緒に進んでく どこまでも自由に 現実を超えて 明日過去になった今日のいまが奇跡 確かな未来を つかもう未来を I believe you・・・
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何それって何だ? ガルダーム加入イベントでのスヴェステェンの一言 何それって何だ?が何だよwww -- 名無しさん (2008-09-05 19 53 45) アルテナの一言に対応。本当にいい主従です。 -- (´・ω・`|∀・)っ|) (2009-02-13 22 59 52) 何それって何だ?って何だ? -- 名無しさん (2009-02-25 18 41 58) 何それって何だ?って何だ?って何だ? -- 名無しさん (2009-12-10 02 22 33) 無限ループって怖いね。 -- 名無しさん (2009-12-10 06 52 45) 「~?何それ?」という言い回しはKoeiの大航海時代のパロかもしれない -- 名無しさん (2011-10-16 16 28 07) アイスマンって何だ?の亜種ともいえる -- 名無しさん (2019-07-15 19 56 51) アルテナさんの名言「何それ?」へのツッコミ スヴェステェンとアルテナはこういうのが多い -- 名無しさん (2022-02-22 00 05 08) スヴェステェンの心の声 -- 名無しさん (2022-08-07 01 32 41) 名前 コメント
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だから言ったでしょ? だからいったでしょ?【登録タグ Easy Pop た ソロ 巡音ルカ 曲芸師】 nana-music.com 楽曲データ 作詞 Easy Pop? 作曲 Easy Pop? 編曲 Easy Pop? 唄 巡音ルカ? 歌唱キャラクター 曲芸師 歌詞 ほら Baby だから言ったでしょ? そう 追いついてつかまえてよ ねえ そんなんじゃ まだまだ足んないよ 未来見せて 心奪って 今夜 夢の中 Sneak 君の気持ち そっと Steal oh oh 気付いてほしい なんて 言わせないでよ! やっぱ無しで 届かないくらい 見せつけてよ 優しさ隠す ようなしぐさも フリックしてる その横顔 ねえ 君のことだってば! ほら Baby だから言ったでしょ? そう 追いついてつかまえてよ ねえ そんなんじゃ まだまだ足んないよ 未来見せて 心奪って
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たからいったてしょ【登録タグ #コンパス ライブアリーナ #コンパス 戦闘摂理解析システム Easy Pop VOCALOID Youtubeミリオン達成曲 た 巡音ルカ 曲 曲た 殿堂入り】 作詞:Easy Pop 作曲:Easy Pop 編曲:Easy Pop 唄:巡音ルカ 曲紹介 アプリゲーム『#コンパス』に登場するヒーロー「輝龍院きらら」のテーマソング。 動画を LON氏 が、イラストを apapico氏 が手掛ける。 2020年にはリミックス版「KIRARA 1st Anniversary mix」を発表した。 歌詞 (piaproより転載) ほら Baby だから言ったでしょ? そう 追いついてつかまえてよ ねえ そんなんじゃ まだまだ足んないよ 未来見せて 心奪って 今夜 夢の中 Sneak 君の気持ち そっと Steal oh oh 気付いてほしい なんて 言わせないでよ! やっぱ無しで 届かないくらい 見せつけてよ 優しさ隠す ようなしぐさも フリックしてる その横顔 ねえ 君のことだってば! ほら Baby だから言ったでしょ? そう 追いついてつかまえてよ ねえ そんなんじゃ まだまだ足んないよ 未来見せて 心奪って 一瞬の「隙」さえも ほんの少しの息遣いも 気を抜いたら THE END 君の前だと 「好き」だらけで 文字数にしたら足んないから 画面越しじゃ伝わんないでしょ? 気付いてるの?ねえ? その横顔 ねえ 君のことだってば!! ねえ だから さっき言ったでしょ? そう もう1回とか やめて ねえ そんなんで終わらせないで? 連れていって? 心溶かして? もうちょっと このままでいよ? ねえ みなまで言わせないで 私の心に忍び込んだ 罪は重いぞ? どうしてくれるの? ほら Baby だから言ったでしょ? そう 追いついてつかまえてよ ねえ そんなんじゃ まだまだ足んないよ 未来見せて 心奪って ねえ だから さっき言ったでしょ? そう もう1回とか やめて ねえ そんなんで終わらせないで? 連れていって? 心溶かして? コメント 新曲キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! -- 名無しさん (2018-10-06 21 05 26) え、めちゃくちゃ仕事早いですね!ありがとーございます! -- 名無しさん (2018-10-09 08 51 47) 曲とキャラデザインによってきらら中毒になりました。尊すぎる・・・ -- 名無しさん (2018-10-29 15 00 53) コンパスの中だと珍しい明るい曲…すこ!! -- 名無しさん (2019-01-18 07 35 38) 良すぎます!良すぎます! -- ソーン推し (2019-02-06 14 23 30) こういう人っているのかなー -- reo (2019-02-09 22 02 33) 名前 コメント
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俺「…うう……ここは…?…」 死んではいなかった かろうじて生きていた エイラ「起きたカ?」 バルクホルン「良かった…」 俺「……俺は…何してたんだっけ………はっ!!」 意識がはっきりしていくに比例して記憶も鮮明となった そうだ…!!俺はエイラを襲おうとして…大尉に殴られたんだっけ!! い、今すぐ謝らなければ!! 俺「す、すみません!!ユーティライネン中尉!!バルクホルン大尉!!」 エイラ「ユーティライネンって呼んでるって事は元の俺に戻ったナ。それにしても、あの時のオマエはなんだったんだヨ…」 バルクホルン「あ、謝らなくてもいい…私こそ…悪かったな」 俺「本当に悪かった!ふたりとも!!」 エイラ「イイッテ、イイッテ。それじゃ、私は自分の部屋に戻るヨ」 バルクホルン「私も部屋に戻る。それでは」 2人はそれぞれ自分の部屋に戻っていった 医務室には俺一人となった 俺「…はぁ…また、ちゃんと謝らなくちゃなぁ…申し訳ないことしちゃった…」 俺「……殴られたら、人格が変わる、か……論文発表出来そうだな……」 俺「………ホント、あの時のおれはどうして……」 俺「はぁ……本当に申し訳ないなぁ……」 俺「………」 俺「…晩飯まで時間はあるし……久々に医学書でも読み漁るか…」 継続は力なり 俺は医学書を毎日読み続けている 医療技術が日々進歩していくに比例して新たな病気も増えていく 医療に終わりは無い 辞書のような分厚い医学書は大抵カールスラント語で書いてあることが多い 俺たち医師にとってカールスラント語は必須である 俺「………なんか喉渇いたな……酒でも飲むか…」 俺はいつもワインを置いてあるところを漁ったが、一本も無い 俺「そっか……没収されたばかりだったんだっけ……」 落胆して再び医学書を読もうとしたとき、ドアが勢いよく開かれた エーリカ「『俺ー!!』居るー?」 俺「ノック、ノックを」 エーリカ「『俺』、また勉強手伝ってよ!」 俺「今日は随分と早い訪問ですね。いつもなら夜に来るのに」 エーリカ「今日は訓練無いからね」 俺「そっか…そこに座ってください」 俺は自分の隣にある椅子を指差し、ハルトマンを座らせた 俺「で、今日はどんな内容で?」 エーリカ「ここら辺かなー。ちょっと分かりにくくて」 ハルトマンの父が医者ということは、この前教えてもらった そして、ハルトマンの持っている医学書も父の物らしい 俺「…確かに、手術を経験しないと分からないかもしれませんね、ここら辺の内容は」 エーリカ「んー やっぱり、そうかー。文章を読んで、分からなくは無いんだけどねー」 俺「医者は知識も大切ですけど、それ以上に経験も大切ですからね」 エーリカ「…こういう事勉強して役に立ったなぁーって思ったことある?」 俺「役に立つ、と思ったことはあまりありませんでしたね」 俺「それよりも、実際にやってみて、「あっ、あの時に読んだ本の通りだ」と思う事の方が多かったです」 エーリカ「なるほど。それで、本で学んだ事が本当に正しいものなんだな、ってわかるんだ」 俺「そうですね。医学書とかで学ばなければ、このような発見もありませんから、やはり医学書での勉強は大切ですよ」 エーリカ「んー ”無免許”医者なだけあって、説得力があるねー」 俺「だから、なんで毎回トゲのある言い方なんですか…」 エーリカ「そうだねー じゃ、勉強しようっと!」 俺「頑張ってください」 エーリカ「………」ジーッ 俺「…な、なんか変な事言いましたか?」 エーリカ「なんでもないよ〜」 俺「………」ジーッ エーリカ「な、なに?」 俺「お返しです」 エーリカ「……」ニヤニヤ 俺「?」 エーリカ「にしし、顔真っ赤」ニヤニヤ 俺「!?」 エーリカ「『俺』は女の子に免疫が無いんだね。もしかして、ガールフレンドもいたこと無いでしょ?」 俺「大きなお世話だっ!それよりも勉強!!」 エーリカ「はいよー」 俺「………」 エーリカ「………」カキカキ フムフム 俺「………」 エーリカ「………」ヘェー ナルホドー 俺「………」 エーリカ「ホントにガールフレ『うるさい』」 エーリカ「……」 俺「………」 エーリカ「…かわいそう…」 俺「本当にうるさいっ!!それに、ガールフレンドはいたことあるっ!!」 エーリカ「へぇー!!いつ頃?」 俺「え!?ええっと…昨年…かな」キョロキョロ エーリカ「いつ頃?」 俺「昨年…」 エーリカ「…いつ頃?」 俺「……5歳の時」 エーリカ「5歳?へぇ〜確かに昨年だねぇ〜」ニヤニヤ 俺「……ぐぬぬ」 エーリカ「もちろんキスとかしたでしょ?」 俺「キス?し、しなかっよ!そんな事…」 エーリカ「それ、ただの仲の良い友達じゃん」 俺「……は、反論できない…」 エーリカ「まぁ、安心したからいいケド」 俺「なんで安心?」 エーリカ「私がキスしたことないのに、『俺』がキスした事ある、とかだったらショックだもん」 俺「……あっそ」 エーリカ「さてと、勉強!勉強っと!!」 エーリカ「♪〜」 俺「………」 俺「ハルトマン中尉って何歳でしたっけ?」 エーリカ「勉強邪魔しないでよー」 俺「す、すみませんっ!」 エーリカ「それに、階級抜きで呼んでいいよーって言ったじゃん」 俺「…そうですね…ハルトマン…さん」 エーリカ「なんで片言なのさ」 俺「…慣れなくて」 エーリカ「呼んでれば、そのうち慣れるよ。さ、呼んでみて—」 俺「ハルトマン…さん」 エーリカ「”さん”はいらないよ。さ、もう一回いってみよー」 俺「ハルト…」 エーリカ「顔真っ赤にしちゃって。苗字なんだからさ、そんなに恥ずかしがらなくても」 俺「ハルトマン…」 エーリカ「片言だな〜 もういっかいっ!」 俺「……ハ゛ル゛ト゛マ゛ン゛!」 エーリカ「ま、いっか。次からはちゃんと階級抜いてよねー」 俺「はいはい…」 エーリカ「あ、それと私17歳だから」 俺「え?案外、歳いってるんですね。てっきり、13,4歳ぐらいかと」 エーリカ「……これだもん。ガールフレンドができるはずが無いよねぇ…」 俺「?」 エーリカ「普通、女の人に歳いってるとか言わないでしょ」 俺「だって」 エーリカ「だってじゃない」 俺「…じゃ、なんて言えば?」 エーリカ「大人っぽいとか」 俺「HAHAHAHAHAHA!」 俺「ハルトマン中尉が大人っぽい?そりゃ無いですよ。どっちかといえば、可愛らしい、子供っぽいとかですよ」 エーリカ「ひどいっ!そういう『俺』は何歳なのさ!あと、また階級付けてる!!」 俺「おれですか?おれは、22歳ですよ」 エーリカ「うわっ…」 俺「う、うわって…流石に酷くないですか?」 エーリカ「さっき『俺』が私に言ったことと変わらないよ…」 俺「そ、そうですか?うぬぬ……それでも、うわっ、て…」 エーリカ「だって。22歳に見えないじゃん。30代ぐらいだと思ってた」 俺「……まぁ40代、50代って言われるよりはマシですけど…おれってそんなに老けてますか…?」 エーリカ「若くは見えないね」 俺「…まぁ…自分でも薄々感じてたけど…いざ、言われるとショック…」 エーリカ「それに背も低いし」 俺「それは勘弁してください。本当に気にしてるんですから」 エーリカ「ねぇねぇ、ちょっと背比べしてみようよ!」 俺「嫌ですっ!」 エーリカ「…ミーナに言いつけるよ。バカにされたって」 俺「ひ、卑怯だぞ!」 エーリカ「ふっふー。じゃぁ、背比べする?」 俺「…一回だけ…」 エーリカ「よしっ!さ、背中を合わせて……」 俺「………」 エーリカ「んー さすがに『俺』の方が背が高いね」 俺「………」 エーリカ「でも、ちょっと背伸びすれば…んしょっと!」 俺「………」 エーリカ「これで、だいたい同じ背丈だね!」 俺「………」 エーリカ「…そんなに落ち込まなくてもいいじゃん」 俺「………落ち込みますよ」 エーリカ「大丈夫、大丈夫。キスするなら、これぐらいの身長のバランスがベストだよ」 俺「……するならって…誰が?」 エーリカ「私が」 俺「誰と?」 エーリカ「無免許の人」 俺「……」 エーリカ「老けてる無免許の人」 俺「………か、からかうのはよしてくれ…」 エーリカ「すぐ顔真っ赤にするんだからー」 俺「中尉が悪いんですっ!!」 エーリカ「か・い・きゅ・う!階級っ!何度、言ったらわかるの〜?これ命令だからねー」 俺「ぐぬっ……」 エーリカ「………」カキカキ ヨミヨミ 俺「………」 エーリカ「……ん〜っ!今日は、ここまでにしようっと!」 俺「お疲れさまです。甘いお菓子でも食べますか?」 エーリカ「お菓子!?食べる、食べるっ!!」 俺「それと、紅茶かコーヒー、どっちがいいですか?」 エーリカ「コーヒーでお願い〜」 俺「了解です。あ、でもコーヒーはインスタントですけど…いいですか?」 エーリカ「いいよー」 俺「はい!では、直ぐに」 俺「どうぞ」 エーリカ「インスタントでも、結構良い香りするね」 俺「軍支給のやつですから、品質が良いんでしょう」 俺「あと、クッキーとチョコレートです。こっちのクッキーがバタークッキー。こっちがストロベリークッキーです」 エーリカ「おいしそう!いただきまーす!」 サクサク 俺「結構、美味しいでしょ?」 エーリカ「うん!美味しいね、コレ」 俺「そう言ってくれると、嬉しいです」 エーリカ「…こういうお菓子があるなら、毎日来ようかな?」 俺「そうだと、お菓子が足りなくなります」 エーリカ「じゃ、買っといてね〜」 俺「……ま、いいですケド」 エーリカ「ありがと〜っ!」 俺「いえいえ。医師になるための手助けだと思えば、お安いご用です」 エーリカ「さすが!”無免許”医師!!」 俺「………バカにしてるでしょ」 つづく
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(2007~2008) 「え? これってそういうゲームでしょ?」 この原稿は、「TRPGの遊び方」と銘打つつもりだったのですが、やはりそれは俺には難しいので、ゆっくり気長に行きましょう。 「TRPGとは何か?」 さて、この根本的な問題には、「TRPGとは何か?」という前提条件が必要です。そこで、今手元のルールブックから、定義づけっぽいところを抜き出していきたいと思います。つまり、そのルールを作った人はTRPGをどう捉えているか。重要ですよね。 そこでは、プレイヤー達は一人を除いて、全てがゲーム内の登場人物になり、主にファンタジー世界で一団となって思う存分活躍します。冒険で与えられた使命を果たすため、戦闘や謎解き、情報集めをしながら、ストーリーを進め、経験を得て、それぞれがレベルアップし、より強力な一団となって、様々な冒険を果たしていく。冒険人生の物語を楽しめる非常におもしろいゲームです。 (T&T第七版対応「傭兵剣士」 日本語版 前書き 安田均) TRPGは、すべての参加者によるコミュニケーションを通じて、架空のキャラクター達が織り成す物語、ドラマを創っていく創造的なゲームだ。(アルシャードガイア 「最初にお読みください」) TRPGとは、人と人とのコミュニケーションを通じて自分達だけの物語を構築し、その過程、そして結果を楽しむゲームである。これから語られるゲームシステムは、そのために存在するルールである。TRPGを楽しむ一時のためのツールなのである。 (トーキョーNOVA The Detonation 「TRPGという遊び」) 架空世界における冒険を空想の上で楽しむ、というスタイルのゲームです。そのために、あなたの代わりにその世界で冒険する「キャラクター」を設定して、そのキャラクターが置かれた架空の状況で色々と行動して楽しみます。(中略)RPGというのはキャンプのカレーと同じで、必ずしも結果(味)が完璧である必要はありません。みんなで作る(遊ぶ)過程が面白いのであって、多少のハプニングも楽しみのうちです。(中略)とにかく遊んでみてください。 (スクラップド・プリンセスRPG パート0 はじめに) …つまりTRPGはカレーだということなので、お好みのスパイスをかけて福神漬けやら紅生姜やら(俺はきらいです)を添えて楽しく食べましょう。 T&Tを除けば「GMとPLによって物語を織り成していく」遊びで「織り成す過程(ハプニング=サイコロ系)及び出来上がった結果(物語)」を楽しむものだそうです。まあリプレイ売ってる会社だしなぁ。 ここで興味深いのは、T&Tでは全体的、包括的な言い回しを避けてわざわざ洞窟の話に限定して話していることです。基本的に、全体的且つ抽象的な言い方を具体的にするメリットというのは、分かりやすくするためです。つまり、「物語を生成する面白み」では分からない人が居る。と言うよりは単純に、T&Tには「冒険人生を楽しめ」はしても「物語を生成する面白み」がないのかも知れない。 いずれにせよ、日常を基盤とする現代物であるアルシャードガイアや多少ハードボイルド向けのNOVAで「冒険人生」を楽しめるかどうかは疑問に思うので、惜しいところで共通性が切れているとします。 実は上の四冊、SNE(スクラップドはSNEです)とFEARのルールブックしか使っていません。しかしこういう基本的なことは意外とマイナーなルールで発見があるかもしれないので、SNEとFEAR以外からの意見も徴収しましょう。スザク・ゲームズです。 非常に小規模の作戦活動を再現する格闘級シミュレーション・ゲーム。このゲームに勝利するには、チームの役割分担と迅速で冷静な判断が必要とされる。さらに加えるならば、詳細な情報の収集分析検討は不可欠であることは言うまでもない。(シュープリーム) 冒険活劇を再現する役割分担式の状況対応と決断のゲームである。過酷な環境のなかで、いかに生きるかが人として問われるのだ。(龍三合) RPGこそがあらゆるゲームを凌駕するストーリー生成システムであり、神の啓示を学ぶ良い機会である。ゲームマスターとなることは導師の立場を学ぶ良い機会といえる。(セレスティアル・ゲート) あまり統一性がありません。むしろそれぞれが好き勝手に、そして都合のいいような解釈を基に主張をしているように見えます。それもそのはず、この三つの組織はあらゆる事件の陰で超古代文明の遺産を巡って対立しているのです!(→ルールは「ブルーローズ」です。) しかし、個人的にはこれが真実だと思うわけです。 すなわち、何でもいい。 偽者「あーあ。今ので半分以上の読者が本閉じちゃったよ」 で、まあ上の「何でもいい」というのは、システムによって違うということです。これはつまり、「TRPGだからといって全てのシステムにおけるTRPGが同じ意味であるわけでは無い」ということです。 ここ、この文章のキモです。つまり、「TRPG」というくくり方そのものには、これといった遊び方の定義がなされていないのです! 冷静に考えてみれば、英語で一口に「ゲーム」といっても「モノポリー」「ドラゴンクエスト」「将棋」「囲碁」「カタン」「野球」「すごろく」「かるた」「レクチャーゲーム」などがあり、屋外か屋内かで「スポーツ」、使うものなどで「ボードゲーム」「コンピューターゲーム」などに分かれます。しかしこれらは外側から見て、また使う道具を見て機械的に分類したに過ぎません。 また一見、内容を見て分類しているように見える「シミュレーション・ゲーム」「アクションゲーム」とは言っても、「電車でGO!」と「ファミコンウォーズ」、「METAL GEAR SOLID」と「マリオブラザーズ」がそれぞれ一部を除きほとんど似ていないと思います。 で、RPGだって、いまでは「ファイナルファンタジー」と「バイオレンス!」と「ラグナロクオンライン」が同時に存在する素晴らしく混沌としたものになっています。 RPGとTRPGの違いは、ただ単にT、すなわち「Table Talk」がついただけ、つまり定義的には外見だけの違いしかありません。 極端な話、例えばポケモンのダメージ計算とか固体値とかのデータを全て紙に起こして、ポケモンを完全アナログでやったとしましょう。多分、周りからは「ボードゲーム」または「TRPG」と呼ばれます。彼らには違いが分からないからです。というか、TRPGと違うものになるかどうかすら分かりません。 ちなみに筆者は「ポケットモンスターボードゲーム」は持っています。四天王誰か一人を倒したら勝ちです。あれ面白いんだよなぁ。「ポケットモンスタープラコロタクティクス」より楽しいですよ。 これで、本来TRPGの一般的な「楽しみ方」を語る上で重要な、全体的な意味での「TRPGとは何か?」という問いを、「一般的にRPGと呼ばれる色々混ざったジャンルの中で、卓上で行われるもの」とまで追い詰めることが出来ました。つまり「一般的な楽しみ方」なんてものの前提である「そもそも何をするのか」が「不明」です。 全体的に見てもTRPGそれ自体が何をすることなのか分からないという前提の上で、その得体の知れない「何かの行動」の面白さを追及する。これほど意味の分からない原稿を書くのは初めてです。最後の原稿に相応しい。かも、知れません。 「TRPGの楽しみ方」 こんな題は難しすぎるので、またもや話を変えていこうと思います。 面白さを追及する上で、個人的に非常に参考になると思うのは「迷宮キングダム(以下「マヨキン」)」と「テラ=ザ=ガンスリンガー(以下「テラガン」)」の二冊です。後者は最新作として「天羅WAR」が出ましたが、個人的にはこちらの方が好きです。 この二冊が個人的に参考になると思うところは、TRPGとは何かという問いに対してこれらのシステムがはっきりとした答えを出しているような気がするからです。 なのでシステムレビューをいたします。あ、某原稿のようなネタ要素はそれなりに排除するので面白くは無いはずです。 「迷宮キングダム」 五段階評価です。 総合評価:5(素晴らしい) 外見:4(外側にTRPGという文字が無い) システム:100(完成されている) 自由度:3(遊び方とルールの結びつきが強く動かしづらい) 初心者向け度:5(ルールの守備範囲が多くGM・PL共にやりやすい) 玄人向け度:4(長期的に響いてくるデータが多い) 準備費用;4(ルールブック3700円程度。6面体のため揃えやすい。が、全体的にシートが多くコピー代がかさむ) 既に多くの部員の原稿にも登場したこのルールは、現部員に強力な影響を与え、この部の頂点に君臨してしまっています。 自分達はランドメイカーとなって、初期で国民50人+αを持っていて、一つのマップを支配しています。そして、違うマップに攻め込んだりして領土を増やし、国民を増やすことで、自分達も強くなっていくという感じです。 また通常のMPとは異なり、「希望」というシステムがあります。これは特技使用のコストとなったり、サイコロを振り足したり出来るのですが、初期値0のこれをためる方法が ・ 判定の際に6の目を出目から取り除く(デメリット) ・ クリティカルをする(偶然) ・ 「お酒」を消費する(アイテム必要) ・ ランダムイベント等特殊な条件を満たす となっています。また、「希望」として使える「民の声」というものもあり、こちらは初期値が10なのですが、減れば減るほど探索後の国の生死を分ける「収支報告」での収入が減り、また一定値を割ると王国そのものに災厄が降りかかり、王国が弱体化します。 また、冒険に「配下」を連れてくれば、隣の部屋の情報収集などが出来ますが、「配下」(エキストラ)が死ねば国民は減り、結果として王国が弱ってPLの成長が止まってしまうという現象が起こります。 このように、マヨキンには、一部の熟練が楽しめるような「長期的な利益を狙うか、今この場を切り抜けるか」などの絶妙なシステム的ジレンマが存在します。さらに、ダンジョンに王国経営を足すことで、「単にクリアする」でも「領土は要らないから維持費がかからないように行く」「出来るだけ成長できるように行く」などの方法が存在します。成長し敵が強くなるだけのキャンペーンより奥が深くなっていくわけです。 では初心者にはどうかと言うと、他のルールよりやりやすいと思います。何故なら、ルールに 「卓の進行方法」が具体的に明記されています。 ソードワールドでは PL:うーむ。結局何をすればいいんだろう。むしろ何が出来るんだろう?GM! GM:あいよ。じゃあ情報を整理しようか となるところが、マヨキンでは PL:うーむ。予算配分は終わった。次は何をしようか。 PL2:(ルールブックを読む)「次は行動の処理。皆さん、散策か施設使用かアイテム合成を選んでください。」 となるわけです。 GM:君達はダンジョンについた。一番右上の部屋ね。 PL:ところで何が出来るんだっけ。俺のキャラクター? PL2:忍者だろ。部屋の探索頼むよ。 PL1:あいよ。GM、目標値は? PL2:キャラクターシートに書いてあるぜ。この卓は三人だから目標値は10だ。 PL1:PLの人数が増えると達成値あがるんかいな PL2:その代わり多人数だと色々と楽になるからね。 分かります? 迷宮内で取れる行動、罠発見の目標値、希望と配下の効果、戦闘時に取れる行動、状態異常の効果、気絶・死亡の処理、人間関係ルール。全て「キャラ紙の右側」に書いてあります。 また、「このゲームの流れ」「多彩なトラップのデータ」「多彩な敵のデータ」がルールブックに明記されています。 つまり、「何をするゲームなのか」「どういうように動けばいいのか」「何が出来るのか」と言った、初心者PL・GMが理解しづらい部分を 「全て『迷宮キングダム』がフォローする」という訳です。 げんなり君はある日、教室に「パラノイアカードゲーム」を持っていきました。そして、友達と楽しくプレイしました。すると、これまで「GURPS」に見向きもしなかった同級生が寄ってきて、たちまちのうちに「パラノイアカードゲーム」はクラスの一部に広まっていきました。 これは何故か、と聞かれれば、「パラノイアカードゲーム」はTRPGでは無いから、専門的な知識や思想が必要無いからでしょう。どういうゲームかは本人が説明できるし、ルールブックに明記されています。勝利条件もなにもかも。 つまり、「こういうことをすればいいんだよ」てなことをはっきり(ひとつかふたつに)定めてしまったほうが、初心者には分かりやすいこともあるのです。特に男には。例えば俺とか俺とか。 ここまで主に『ゲーム要素』の話をしてきましたが、物語が出来ないかというと、そうでもありません。が、『GM及びPLが思い描いた』物語は出来ません。何故なら、イベント及びハプニングが全てランダムで決まり、それがデータ的な意味を持つからです。 これはつまり、ランダム性とデータ的効果を持たせることで、『イベントもシステムのゲーム的要素』に含んでいるといえます。こういうことをすれば、こうやって関係が進展するかも知れず、逆に破局するかもしれない、とか。魔物がいて、中立的だ。話しかければ、相手の機嫌がよければ交渉や交易が出来るが、悪ければ襲ってくるかもしれない、とか。 まあしかし、TRPGなんですから「思い通りに物語ができない」なんて日常茶飯事なんですねこれが。そう割り切ると、結構吹っ切れます。てか私の周囲の環境ではそうしないとやっていけな(銃声) まさにマヨキンは、『壮大なゲームとしてのTRPG』というスタンスを提示しているのです。 ところで、上記の話はマヨキンが二版になってからの話です。第一版のマヨキンは、二版とまあ似たようなものなのですが、実際にやると雰囲気が違います。 第一版では、PCの役職(大臣や騎士など)毎に、「それぞれが何の決定権を持つか」と言ったことがでかでかと書かれており、例えば大臣は財政、騎士は戦闘、神官は「民の声」など、役職にあったものの決定権を持ちます。つまり、「PCの関係をPLに持ち込む事でロールプレイを促進する」という素晴らしいシステムがありました。警戒度のルールと共に二版では消えてしまったのが個人的には残念です。 「TERRA THE GUNSLINGER」 五段階評価です。 総合評価:5(個人的に好き) 外見:3(井上純一の中では比較的マシ) システム:4(どんなに格好いい敵もミンチになります) 自由度:5(アメリカは自由の国だ!) 初心者向け度:1(間違っても初体験卓でこれはやめてください) 玄人向け度:5(初心者に向いてない分「玄人向け」感が強い) 準備費用;3(ルールブック4200円程度。トランプ使用のため揃えやすい。が、付属のパワーチップは数が少ない上に使いづらいので315円ぐらいの玩具の一ドル札100枚を買うか、ドミノのカラフルなチップを使いましょう。東急ハンズパーティー用品売り場近くで売っています。) マヨキンのトータルポイントは125です。こちらは26で、しかも評価に個人的な願望が多く入っているため、なんともいえない部分がありますが、レビューします。ちなみに部ではこのルール、忘れ去られています。ダブルクロスなんかよりよっぽど奥の深い1999倍良いルールだというのに! 舞台は西部劇。…ってこれ、あんまし関係ありませんね。 このゲームでなんといっても重要なのが「パワーチップ」です。これは、キャラクターがトランプのマークに対応した4つの能力値、「魂」「希望」「欲望」「冷静」それぞれに対応して、そこに設定した性格や信念、目的などを演技などによって表現することで、システム的に非常に便利な「パワーチップ」と呼ばれるものを手に入れます。世界観的にはこれは「人間の強い願いや感情に呼応し、それに力を与える『マナ』という空気中に漂ってる物質が吸い寄せられた」としています。まあどうでもいいですね。 これにより、データ的な「制限」や「強制力」、もしくは「戦闘用強化ツール」にしかならなかったPLの性格や信念、目的などを卓中に簡単に表現することが認められ、それによって恩恵を得られるわけです。 つまり、システム的に「PCにスポットライトを当てる」ことが出来るわけです。 こんなルールは、ありそうでそんなにありません。例えば、アルシャードもNOVAも、「物語を作ること」をTRPGの楽しみの一つに設定していますが、物語のひとつの要素である「感情」といったものについては、あまり物語を前面には出していないはずのソードワールドと同じぐらいノータッチです。 それは何故か?といえば、物語の要素としての「感情」は人間味あふれるものでなくてはならず、感情をルールとして規定してしまうと其処に流れる人情が否定されるという考え方からでしょう。 しかし、ルール的にサポートのないままでは、「キャラクタープレイ」はただの、刺身のつまのようなものなのです。それは、時間が無い時に削られ、ミレニアさんには「うざい」といわれ、昔の俺には「邪魔だ」とけなされ、いろんな人から「話を進めろ!」と突っ込まれる行為でしかないのです。俺とその周囲にとっては。 しかしテラガンは違います。キャラクターの性格、目的を表明させてくれます。更にこれによって、物事の判断時にはキャラクター的な信念が優先され、そのキャラクターのそれらしい見せ場を作り出すと同時に、シナリオが円滑に進みます。 さらにもうひとつの目玉、「シーンプレイヤーカード&カラミティ・ルージュ」があります。 シーンプレイヤーカードは、まあ他のゲームと同じように、いわゆるその場面でスポットライトが当たる主人公に渡されます。しかし、先ほど述べたような「キャラクタープレイ」によって「パワーチップ」を得ると、なんと同じシーンにいる別のPCのPLにカードが移ります! これは革新的です。つまり、一人の人がでしゃばろうとしても、一回みんなにスポットライトが当たらない限り、二回目のスポットライトはまわってきません。これにより、ロールプレイ重視でありがちな「全てのシーンに出てきて出番をかっさらう奴」(←普通いません)を撲滅出来るばかりか、出番(と言うより見せ場)が比較的平等であるというシステムです。 「カラミティ・ルージュ」は、珍しいルールです。GMはいつでもこれをPLに渡すことが出来、これを渡されたPLのキャラクターに何か災難がかかることを示します。シナリオ上では主に、PC①が誘拐されるシーンなどを作りたいときなどに、誘拐されるPC①にカラミティ・ルージュを渡すことで、一時的に「誘拐される」というイベントとして扱われるように(=その場では抵抗できない)なります。演出は自由なので、後ろから(気付く判定を行えない)殴られて気絶したり、銃を突きつけられて脅されたりなどという演出になります。 また、これは正当な判定や簡単な行動、そしてシナリオを終わらせてしまうような行動など、本来ならば阻害されないことでも、GMが強制的に「失敗」にさせることが出来ます。 (例:ボスに発砲しようとしたら弾が詰まっていた、小麦粉が舞っているので火をつけようとしたらマッチが湿気ていた、等。) これは多くのルールの場合「ゴールデンルール」として「GMは、その方が良いと感じた場合、ルールを無視しても良い」という原則の下に行われていますが、このゲームではそれをルール化しています。つまり、普通のルールより、そういった行為が認められやすいということです。 で、悪いことばかりのカラミティですが、なんと!これを渡されたプレイヤーは、そのシーンの終了時に「パワーチップ」を三枚ももらえるのです! PL:よし、敵が10人で押しかけてきたんだな?じゃあ俺のキャラクターは外にいるから、棚の上の小麦粉を打ち抜いて小麦粉がばら撒かれた後、外からマッチを投げ入れる! GM:却下。てかにげろよおまえ。 PL:せっかく良い案だと思ったのに。ぶつぶつ。 じゃなくて PL:よし、敵が10人で押しかけてきたんだな?じゃあ俺のキャラクターは外にいるから、棚の上の小麦粉を打ち抜いて小麦粉をばら撒いた後、外からマッチを投げ入れる! GM:カラミティ・ルージュ!君は銃を撃とうとしたが、銃が弾詰まりを起こしている!このシーン中銃は使えない! PL:ちっ。せっかく良い案だと思ったのに。 まあパワーチップ貰ったから五分五分かな。 つまり、「シナリオの都合を壊さずに、PLの創意工夫の意欲をあまり減らさない」という意図があるわけです。 ちなみにこのゲーム、ラスボス戦とかガチガチじゃないほうが面白いです。PC達の集団の総合的な力が強くても問題ないというか、敵と比べても多少強いほうが、雰囲気が出る気がしなくも無いです。「貴族」以外。 つまり、テラガンは 「シナリオの中に生きるキャラクターの為のTRPG」 という話になるわけです。 システムレビューはここまで。 迷宮キングダムはシステムが「思い通りの物語」を要求しない、むしろランダムさとゲーム性による面白さを重視しているのに対し、テラガンは「ある物語」のなかで「自分のキャラクターはどう生きるのか」に焦点を当てているという、なんとも正反対なコンセプトによって成り立っているんですね。 これは、両者のシステムの全体的な特徴にも現れていて、迷宮キングダムが「始めに沢山『資源』があって、それを減らしながら冒険を進めていく」という印象が強いのですが、テラガンは「来るべきクライマックス(見せ場)に向けて、パワーチップを溜め手札を整える」といった印象を受けます。前者は「資源を有効利用すること」が大切であり、後者は「見せ場で思いっきり暴れまくること」が大切です。 また、マヨキン系のルールに見られる特徴としては「クラス毎に役割があり、それに従うのが一番良い」のですが、テラガン系では「クラス毎に理想的な見せ場のイメージはあるが、戦おうと思えば誰でも戦える」といったものが多いです。 更にいえば、マヨキン系ルールでは「最適解を求める」ことこそが求められます。いかに効率を上げるか。資本主義ですね。結果として、極稀に良心を失って死体から荷物を剥ぐ、人を「便利なアイテム」扱いする、人情味のかけらを紛失する、疑り深くなるといった副作用がでます。 逆にテラガン系ルールでは、「キャラクターの演出」および「キャラクターの気持ち」が重視されるので、これまた極稀に、考えが浅くなる、仲間割れする、シナリオが進まなくなる、過剰に演出する、なぜか現実の人間関係に問題が波及する、などの副作用がでます。 俺は両方とも発症したことがあります。気をつけたいものです。 「まとめ」 なぜ今まで、TRPGとは何かと聞かれて答えられないか。比較的「真の」TRPGですら、こんなに目的、およびそれに伴う楽しみ方が違うのです。てか、ボードゲームに「モノポリー」と「双六」があるようなもので、どっちが劣っているとかじゃなくて「TRPG」でくくって離さないからなのですね。 テラガンは「キャラクターによる物語への介入」を、マヨキンは「素晴らしいゲーム」を目的にして作られています。この二つは一緒にしようとしてもなるものではありません。 片方をやっていてもう片方がくっついてくることはあっても、同じと言い切れるほど近いわけではないのです。 ちなみにT&TやD&D等、初期のTRPGはGAMEを強く意識していて、その結果としてマヨキンの流れの方に属すると思います。つまり古参のかたにはテラガンは異質なものであり、そのため「TRPGではない」という話になるわけです。 でも、これだけ違えばマヨキン系のゲームと違うと感じるのも当たり前、むしろ新しい名称がいるんじゃないかと思うぐらいです。共通点は同じ道具、にたようなルールを使っていることのみじゃあないですか。 TRPGには「マヨキン」と「テラガン」の二種類がある。「マヨキン」は純粋なボードゲームの一種として、テラガンはみんなでキャラクターを操り、物語を疑似体験する遊びの一種として存在する。こうすれば、TRPGの面白さを伝えるのは簡単です。 ところで、どっちにも当てはまらないものがあります。「りゅうたま」です。これについては研究が進んでいませんのでなんともいえませんが、ルール的に「どちらにも対応できる」ように出来ているそうです。