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648 まだ間違いなんてなかったはず、きっとそうだ。 sage 2009/11/24(火) 10 58 08 ID hd1MWx2z 「お兄ちゃん、邪魔。どいて。」 『あぁ、ごめん……。』 「…………。」 これが俺と妹のとある一日の中での唯一の会話。妹は俺の事が嫌いだ。何故こんな冷めた関係になったのか。全く分からない……訳でもない……。 『はぁ、明日も大学かぁ。めんどくせ。一限、大したことないからサボるかな……。』 俺はベッドにねっころがり天井を見上げる。なんだか眠たくなってきた……。最近バイトやり過ぎてたからかなぁ。少し寝よ。 「お・兄・ちゃ・ん。お兄ちゃんも今から部活だったの?言ってくれれば一緒の電車乗れたのに~。」 コトン 『ん?あぁ美月か。そうだな、ごめん。』 俺しかいないバス停でバスを待っていると聞き慣れた妹の声が。俺に呼びかけてくると同時に自分の小さな頭を俺の背中に預 けてくる。俺と妹の通う高校へは家から電車とバスを併用しなくてはならない。だからうまい時間に電車に乗らないとバス停 でかなり待たされる場合がある。今だってそうだ。おそらく妹は俺の乗ってきた電車の二本後のやつだろう。そんな事を考え ていると、妹が後ろから俺の腰に手を回してきた。 『お、おい。止めろよ。……誰かに見られるだろ。』 「うふふ。大丈夫だよ~。今、私達しか並んでないし~。それに傍から見ればイチャイチャしてる恋人達にしか見えないんじ ゃない?」 確かに今バス停には俺達しかいない。このバス停に休日の昼過ぎに並んでいるのは学生くらいだろう。しかも部活がある生徒 くらいしか並ばないだろうから、今は俺達しかいないんだろう。近くを通り過ぎる人も疎らなので気にしすぎる必要もないの かもしれない。しかし問題はそんな事ではない。妹である美月が兄である俺に対してまるで恋人に対するかのような接し方だという事だ。 『そういう問題じゃねえよ。ほらべたべたすんな、離れろよ。』 「んもう!お兄ちゃん恥ずかしがり屋さんだなぁ。はいはい離れますよ。ギュッ」 離れたと思ったら今度は妹が俺の手を握ってきた。 『はぁ……。わあったわあった。手ぐらいなら繋いでやるよ……。』 649 まだ間違いなんてなかったはず、きっとそうだ。 sage 2009/11/24(火) 10 59 00 ID hd1MWx2z 「お兄ちゃん優しい~。うふふ。ラブラブぅ~。」 とか言いながら握り方を指と指が交差しあう恋人結びに切り替えてきたし……。 まだ小さかった頃、妹は割と引っ込み思案な子だった。何をするにもどこに行くにも俺の後に付いてきて俺の陰に隠れるよう にしていた。そんな引っ込み思案な妹ではあったが、俺にとってはかわいい妹だった。そうでない時もあったが……。妹も、 とても素直で兄である俺の言う事ならなんでも聞いた。そんな風だから俺もすっかり妹の事を甘やかしていたと思う。その成 れの果てが今の美月だ。 「あっ、バス来たよ。乗ろ?お兄ちゃん。」 俺は妹に手を引かれて、バスの一番後ろに乗る。最近寒くなってきたのもあって、座席の足元から流れてくる暖房の生暖かい 風が心地好い眠気を運んでくる。 『ふぁあ~あ~、眠いなぁ……。』 思わず欠伸が出てしまった。普段のバスの中ではこんな大きな欠伸はかけない。今日は俺達以外には老人2、3人くらいしか いないから大欠伸もできる。 「私もなんだか眠いぃ~。んにゃ~。」 妹が俺の右腕に自分の両腕を絡め、身体を預ける様に寄り掛かってくる。 『おい、止めろって……。』 「んふ、いいじゃ~ん。すりすりぃ~」 妹が歳にしては少々主張気味の胸を俺の右腕に押し付けてくる。それと同時に自分の太ももで俺の右手を挟み込んできた。制 服のスカート特有のサラサラとした生地の感触が俺のやり場に困った右手の甲に触れる。 『何してんだよ……。止めろって。おい!』 ガッチリとホールドされていた右腕を妹から離し、妹から20cm程離れる。 『お前、冗談も程々にしとけよ……。そんなんじゃ彼氏の一人もできないぞ……。』 「ふんっ。お兄ちゃん、こんなので恥ずかしがっちゃうの?情けな~い。それに彼氏なんていらないから!私にはお兄ちゃん がいるし。だから、ね?ムギュ」 懲りない妹はまた俺の右腕を手足でホールドしてくる。そう言って一度座り直す様に腰を上げた時に、少し自分のスカートを 上げていたのに俺は気付いた。さっきまでより短くなったスカートのせいで手に妹の太ももが直に触れる。あまり直視したく はないのだが、妹の太ももは程よい張りと艶があり若さに満ち溢れている。キメも細かくシルクのような肌触り。色も透明感 に満ちた白桃色で、歳相応以上の色香をも感じさせるものだ。同年代の男ならもうクラっとするレベルだろうが、俺はこいつ の兄だ。身体付きが良いとはいえ妹の身体に欲情などできない。あるのは気まずさと恥ずかしさだけだ。 650 まだ間違いなんてなかったはず、きっとそうだ。 sage 2009/11/24(火) 10 59 40 ID hd1MWx2z 『あ、おい。次だぞ。ボタン押せないから、な?美月、離してくれ。』 そう言ってなんとか妹に離してもらえた。バスに乗ってから15分くらい、ずっと妹に捕まっていたのだ。下手に手を動かせ ば妹の秘所に触れてしまう事さえできそうな状態にあったため、緊張していた右手が痺れていた。まぁしばらくほっとけば治るからいいが。 俺達はバスを降りた。バス停のすぐ向かいが俺達の高校だ。俺と妹の通う高校は都内の私立ではそこそこの進学校だ。とは言ってもうちの高校は難関都立の 併願校という立ち位置で、もちろん第一志望で入ってくる生徒もいるがおそらく入学者の30%くらいは難関都立に落ちて仕方な く入ってきた連中だろう。そういう俺も都立に落ち、名前しか知らない併願校のここに入って来た訳だ。しかし妹は違う。俺 の妹は頭も良く、勉強もできる。しきりに担任からは有名都立の進学校や、難関私立のお嬢様学校などを受験する様、言われ ていたみたいだが、その妹の担任曰く、 「自分の第一志望は兄と一緒の高校だけです。それ以外は受験しません。」 との一点張りだったそうだ。当然頭の良い妹の事だから、俺の通う高校に受かった。しかも特待生扱いになる上位3名のうち に。因みに順位は一位であった。兄としては妹に早々に追い抜かされた気分であまり純粋に喜べなかったのだが、妹は 「お兄ちゃん、また一緒に学校行けるね?うふふ。嬉しいなぁ~」 と喜んでいたので、嫌な顔もできなかった。入学式の新入生代表挨拶では当然、成績一位で受かった妹がした。妹の俺に対す る日頃の態度から入学式の代表挨拶でとんでもない事でも言うんじゃないかと心配していたのだが、単に俺の自惚れで済んだ ので安堵した記憶がある。しかし翌日からクラスの男友達や、そうでもない連中、果ては他学年の生徒までもが、前日の入学式 の代表挨拶をした妹の虜になり、その兄である俺の所にも、仲を取り持ってくれだの、紹介してくれだのうるさく付き纏って きたのであった。妹は顔立ちも良く、小さな顔にくりくりとして可愛らしい瞳をもち、ふっくらとした薄ピンクの唇は男達を 虜にするには充分過ぎる。さらには先に言ったように、胸も大きく、制服の上からもその大きさを見てとれる。すらっと延び た足にも関わらず、どこかあどけなさを演出するスカートから覗く太もも。きゅっとくびれた腰。極めつけは背中まで伸ばし たサラサラの黒髪。常に淡いシャンプーの香を漂わせるそれは、すれ違う者達を必ず振り返らせる。 651 まだ間違いなんてなかったはず、きっとそうだ。 sage 2009/11/24(火) 11 00 31 ID hd1MWx2z そんな完璧美少女の妹に 当然ながら有象無象は注目する。昔からそうだ、美少女で頭も良い妹は皆から可愛がられていた。小さい頃の俺はといえば、 そんな妹に子供なりの嫉妬心を抱き、一時、妹に対し辛く当たったり無視していた時があった。そんな事をしても自分が評価 されるという事は皆無と、当時の俺にもわかっていたはずだ。しかしともかく妹が妬ましかった。……あれはまだ年明け前だった か。そんなあるとき、夜中、妹が俺の部屋にやってきて 「おにいちゃん……いっしょにねてもいい……?きょう、さむいでしょ?だからね……わたしがおにいちゃんのこと……あた ためてあげたいの。だからいっしょにねても……いい……?」 辛く当たっていた妹が、暗くて見えなかったが、おそらく眼に涙を蓄えて精一杯の勇気を振り絞ったのだろう、俺に話し掛け てきた。しかしその時俺は、 『ふざけんな、お前なんかと一緒に寝るわけないだろ。お前なんか廊下で寝ろよ。』 と、辛い言葉を浴びせてしまった。 「……ごめんなさい。おにいちゃん、ごめんね……。わたしなんかいらないよね……おにいちゃんのきもちもかんがえられな いわるいいもうとなんて、いらないよね……。ごめんね。」 そう言って、トボトボと部屋から出ていった妹。内心、俺はその時、少し言い過ぎたかと思ったが、つまらない意地のせいで そのまま妹を放っておいた。二、三時間くらいだろうか、眠りが覚めてしまい水でも飲みに行こうとベッドから出て、部屋の ドアを開けると、廊下のすぐそこにパジャマ姿の妹が寝ていた。目には泣き腫らしたような跡があり、身体は寒さで震えていた。 あぁ、とんでもない事をしてしまったとその時初めて気付いた俺は、妹を起こした。 『おい、起きろよ……。お兄ちゃんが悪かったよ……ごめんな。ほら一緒に寝ような?』 妹はすくっと立ち上がり、俺の後に付いてベッドに入った。その時、妹が言った言葉は忘れられない。 「おにい……ちゃん……?ほら、わたしがあたためてあげるからね……?あ……だめだね、わたしこんなにつめたいもんね? ……だいすきな……おにいちゃんにかぜひかせちゃうかもしれない……。ごめんね……ごめんね……おにいちゃん。」 どうしようもなく妹がかわいそうになり、自分が情けなくなり、冷えきった妹を抱きしめた。 『ごめん……グスッ……ごめん……。』 ただただ妹にごめん、としか言えなかった。その一件以来、俺は妹をもう、決して悲しませないと、そう誓った。
https://w.atwiki.jp/teamj/pages/136.html
硬直状態の亜人がメセ窓に向って叫んだセリフ。 当時は彼のメセ窓の調子が悪く、たびたび書き込みができなくなるエラーが起きていた。 しかし、他のメンバーはそのことに気付かず祭りをしていたため、 自棄になった亜人がメセ窓に向って届かない叫びを上げ続けていた(笑) 以下がそのログの一部である。(ログ提供:深嶺ユミア) YuNa うん、おkの汎用性 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした くそう! 深嶺ユミア wwwwwwwwwwww 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんおk 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした アハハ YuNa つや癒すすぎるだろう 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした アハハハハ YuNa 使い 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした もうこうなったらここで喋ってやる 深嶺ユミア 癒し YuNa つや癒してどうするw 深嶺ユミア wwwwwwwwwwwwwwwww tapa 艶を癒す・・・素晴らしいね!! うん、おk!! 深嶺ユミア あーもーこの会話ログ保存決定wwwwwwwwww YuNa うん、おk 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした wwww 深嶺ユミア wwwwwwwwwwwwwwwwww tapa うん、おk 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこ好きだなー 深嶺ユミア 返事ははいにしましょ!!ね!!ww YuNa (おおきくうなづいて)うん!おk! 深嶺ユミア wwwwwwwwwwwww YuNa みすった tapa wwww YuNa うなずくだ 深嶺ユミア でもどっちでも変換できるよ tapa 亜人が話してないとこを見ると 深嶺ユミア 辞書にもどっちも載ってるし YuNa まじだ YuNa やった 深嶺ユミア おk! YuNa あってたよおかーさーん 深嶺ユミア wwwwwwwwww 深嶺ユミア ゆなちーテンション高いなwwwwwww 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこ 深嶺ユミア 寝た方が良いよ( 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこうんこ 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこおおおお 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこ tapa またメッセに向かって叫んでるんだろうな うん、おk 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこ! 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした ああそうだお! 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした おれは叫んでるお! 次のメッセージはすべての送信先に配信されませんでした うんこおおおおおおおいい 今後このような悲惨な出来事が起こらないことを祈ってかどうかは分からないが、 このログの残りが大切に保管されている。 関連用語 うんおk
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1474.html
673 :1/2:2010/02/07(日) 17 48 23 ID ??? いつだったかのスレのなんだかっていうお題で一つ “三年”になる。 口に出してみれば1秒にも満たない短い言葉は、こんなにも重く、こんなにも黒く。 「あぁ。俺は薄情だよ。おまえとこんなになった理由さえ覚えていないんだ」 それはきっと、道端で石に躓いて転んだとか、冷蔵庫を開けたら目当ての飲み物が無かったとか、そんな風にくだらないことだった。 けれどどれだけくだらなくても、離れてしまえばあんなにも重い言葉だったとわかる。 ――……。 痛いぐらい耳に押し付けたワインレッド色の携帯の向こうからは、相変わらず何の音も聞こえない。 携帯だけ別の部屋に放置しているのかも知れないし、そもそも、もう繋がっていないのかも知れない。 灰色のアスファルトに目線を落として歩く俺は、そんなことさえわからなく、なっている。 「ばかみたいだ。おまえはこんなに苦しんでいて、俺はそのせいで苦しんでいて、まったく因果なものだけど」 ガタンガタン。 電車の走る音が耳元を駆けていく。 どこからどこに向かう、どこを通る電車だろう。 心の奥底で中途半端に眠りについた思い出が、けだるそうに、緩慢に、そのくせ待ってたかのようにさぁと鮮明になっていく。 電車の色は、確か黄色。 「はは、懐かしいな。……あ。……ごめんな、またかけるよ」 前触れも無く降り出した雨を見て、相手の返事も待たずに通話を終わる。 勝手だと思う。けど、そういう性分だ。 おまえにどんなに怒られたって変わってやるものか。 畳んだワインレッドの携帯をポケットの中に入れて、俺は群青色の大きな傘を広げる。 携帯を切ったのはそのためではない。 いつか見た光景が、ふっと目の前に蘇ったからだ。 「そのままじゃぬれますよ」 違うのは、あのときよりも少女の背丈が高いこと。 地毛だという絹みたいな茶髪も短かいし、フードを目深に被った上着の色は赤じゃなくて青だし。 「ありがとうご……――っ!?」 懐かしいといえば懐かしい。 おかしいのは、こちらを見上げた少女の顔に見覚えがあったことか。 灰色の空。 そんなに急がなくてもいいのにと思わせるぐらい、雨脚は凄まじい勢いで強くなっていく。 黒色の瞳。 傘を差し出してくれた少年の顔を見るなり、言葉を失って沈黙する少女は、やっぱり雨にぬれ、あのときと違って涙でも流しているみたいだ。 自分の膝に手を置いてかがんだ状態のまま、俺はふっと頬を緩めた。 「傘ぐらい、使ってくれてもいいだろ」 「うるさいバカ。バカ。バカ!」 あのときは罵声も無かった。 いや、初対面だったのに散々な態度はとられたかも知れない。 「バカ! 顔なんて見たくもない! あんたの顔なんか、あんたの顔なんか!」 ――――の、顔なんか! 674 :2/2:2010/02/07(日) 17 50 47 ID ??? よく聞こえなかった誰かの名前。 言って、俺から傘を奪う少女。 ガタン。雨の音がうるさい。ゴトン。電車の音がうるさい? 群青色の大きな傘は見るも無残にびしょぬれな少女を守って、雨粒を景気よくばしばし弾く。 「おまえは家にいるものだとばかり思っていたけれど」 少なくとも携帯からは雨の音はなかった。 どこからどこに向かう、いつを通るかもわからない電車の音はしたけれど。 その思い込みは嘘じゃない。 でも俺の言葉を少女がどれだけ信じているかは別問題。 昔から言っていた。あんたの話は半分真面目に聞くぐらいが丁度いいんだって。 ひどい話だ。まったく。 「でも、そっか。ここにいたんだ。嬉しいな。小躍りしようか、雨の中で」 ばか、と本日何度目かもわからない悪口が雨をかきわけてまっすぐに俺の心を刺す。 小躍りしたいのは本当だ。でも俺の言葉を少女がどれだけ信じているかは別問題。 昔から言っていた。あんたは思ったことを全部口にする正直(バカ)なやつだって。 ひどい話だ。ほんと。それじゃぁ俺はこれから風邪をひくことになる。 「そうだよばか。しんじゃえ。かぜひいて、おもくなって、しんじゃえばいいんだ」 看病になんか行ってやるもんかって、少女の声は雨に打たれる水溜りみたいに震えている。 道端の、雨の日は水溜りでばしゃばしゃするのが仕事みたいな子供にさえ見向きもされない惨めな水溜りみたいに。 「ひどいなまったく。ほんと、なんてひどい。ごめんな」 「知らないよ」 それは凄惨な光景だった。 ずぶぬれの少年がいて、傘の中で震える少女がいて、化かしあいみたいな会話ばっかりで、最後まで顔をあわせないで。 なるほど、何のことはない、二人は変わらず、生憎の天気だったというだけのくだらないワンシーン。 「帰ろう。送る……は、――っくしょん! ……よ」 「そう」 少女が歩き出す。俺も歩き出す。 傘に入った誰かと傘に入ってない誰かが縦に並んで住宅街を歩くなんて、奇妙な光景だろう。 けど、それが俺たちの関係で。 多分、ここからやり直す関係で。 「……そうだよな?」 答えはなかったけど、どうせ知らない、とかばか、とかしょうもなく容赦のない言葉が弾丸のように返ってきたことだろう。 それでいいんだ。 あの電車の見える安アパートで、俺たちはそうやっていがみあってきたんだから。
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シナリオ名:そうだ、国を作ろう。 システム:迷宮キングダム ペリッ、と音がした。 ペリペリッとそれは次第に大きくなり べりべりと世界が剥がれた。 サプライズかと思った。 信じたくなかった、が その期待は淡く脆く打ち砕かれる。 迷宮災厄だ。 世界が変わった。 この時から世界が迷宮というダンジョンとなった。 ある人は言った。 「なってしまったものは仕方がない。 国を作ろう。」 と。 補足というか備考: ふぁ!?→驚く→サプライズ prpr→ペリペリ バルス→国宝の名前 国っぽいものが出来上がったが何か足りない。 その状況下で国にするためにダンジョンを探索して国宝「バルス」を入手してください。 エネミーデータやクラスは迷宮キングダム準拠です。 PC間の関係の有無は問いませんが、これから仲良くすることを考慮しておくといいでしょう。
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ださ -- 名無しさん (2009-01-12 16 00 37) どこが?この絵のどこがださいわけ? -- あ (2009-01-12 16 03 15) すべて -- 名無しさん (2009-01-12 16 04 05) 名無しサイテ~!っじゃあいい絵書いてよ -- キノコ (2009-01-12 16 28 25) そうだよ!!ありがとう!!きのこさん!!! -- あ (2009-01-12 16 30 41) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ff3botu/pages/28.html
ドワーフの洞窟(ドワーフのつのを奪われた後) アルクゥ 「あの影がグツコーだったとは… やられちゃったね…」 ルーネス 「なんだよアルクゥ 他人事みたいな言い方してさ あの影あからさまに怪しかったじゃないか」 レフィア 「何よ ルーネス! 自分は悪くないっていうの!?」 アルクゥ 「そうだよ! ルーネスだって 気づかなかったのは一緒じゃないか!」 ルーネス 「…なんだって!?」 イングズ 「やめないか! 言い争って何になる? 今はグツコーのいる炎の洞窟へ急ごう」 ルーネス 「…」 次のページへ
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唯「………」ぼー 和「…ゆいちゃん?」 唯「……なーに?」ぼー 和「お空になにかあるの?」 唯「…なにもないよー?」 和「…へんなの」 … 唯「うんたん♪うんたん♪」 先生「唯ちゃん上手ねぇ~」 唯「えへへ…」 和「…うんたん」 唯「あー!」 和「っ!?」ビクッ 唯「私のまねしてるー!」 和「…真似しちゃだめなの?」 唯「いいよ!一緒にやろう♪うんたん♪」 和「…やっぱりへんなの」 唯「のどかちゃんあそぼー!」 和「いいよ。なにしてあそぶ?」 唯「う~ん…いっしょにお空みよう!」 和「いいよ」 唯「………」ぼー 和「………」 唯「………」ぼー 和「…ねぇ」 唯「…なーに?」 和「…楽しい?」 唯「たのしい!」 ピンポーン 唯「はーい のどかちゃん!」 和「こんにちはゆいちゃん」 唯「どうぞあがって!ママ―!のどかちゃんきたー!」 唯母「あらあら いらっしゃい」 和「おじゃまします」ペコ 唯母「ずいぶん礼儀正しい子ね」 唯「のどかちゃーん!はやくはやく!」 唯母「まったく…うちの唯ときたら…」 唯「みてのどかちゃん!」 和「わぁ!かわいいねぇ。ゆいちゃんの妹?」 唯「そうだよ!ういっていうの♪」 憂「はじめまして。ひらさわういです」 和「よしよし。私はまなべのどかです」 唯「わたしはひらさわゆいだよ!」 和「しってるよ」 和「それじゃぁ私そろそろかえるね」 唯「えー!?もうかえっちゃうの?もっといてよ!」 和「でも、もう5時だし…」 唯「いやだのどかちゃん!かえらないで!」 唯母「唯!わがまま言わないの。和ちゃんのお母さんが心配しちゃうでしょ?」 唯「うう…ぐす…」 和「ごめんねゆいちゃん…またあそぼうね?」 唯「やくそくだよ?」 和「うん やくそく」 … 和「ゆいちゃんかぜでおやすみか…」 和「………」 和「………」 和「…お空でもみてよう」 和「………」ぼー 和「………」ぼー 和「…つまんないの」 唯「のどかちゃ~ん!」 和「ゆいちゃん!かぜはだいじょうぶ?」 唯「もう平気だよ~」 和「そっか…よかった」 唯「えへへ!心配かけてごめんね?」 和「いいよ」にこ 唯「わたしね。のどかちゃんがだいすきだよ♪」 和「わたしもだよゆいちゃん。ずっとなかよしでいようね」 唯「ねー♪」 … 唯「わたしたち明日で卒園なんだよね」 和「そうだよ」 唯「わたしたち同じ小学校にいくんだよね」 和「そうだよ」 唯「じゃあまた小学校でもなかよくしようね♪」 和「うん!よろしくね唯」 唯「のどかちゃーん!」 和「唯!やったね!私達同じクラスだよ!」 唯「クラス?クラスってなあに?」 和「同じおへやで勉強するってことだよ」 唯「ほんと!?やったー!」 和「やったー!」 … 唯「のどかちゃん いっしょに給食たべよ♪」 和「いいよ」 唯「~♪」 和「ごきげんだね なにかいいことあったの?」 唯「えへへ、今日の給食はカレーなんだよ~♪」 和「ああ…そういうことね」 唯「のどかちゃーん…」 和「唯?どうしたの?」 唯「しゅくだい教えて…」 和「また?少しは自分の力でやったほうがいいよ?」 唯「そこをなんとか!」 和「もう…しょうがないんだから」 唯「おお!ありがとうのどかちゃん!大好き♪」 和「はいはい…」 唯「…あ!あった!」 和「…どうやら私達別々のクラスになったみたいね」 唯「そんなぁ…寂しいよのどかちゃん…」 和「こればっかりはしょうがないわよ唯…」 唯「…のどかちゃんは私と離れるの寂しくないの?」 和「なにいってるの…。寂しいに決まってるじゃない」 唯「ほんと?嘘じゃない?」 和「嘘じゃないよ」 唯「の…のどかちゃーん!」 和「まぁこれを機会に自分の力で勉強することを覚えなさい」 唯「うぅ…はーい」 和「よろしい」 がら 唯「和ちゃーん!宿題教えてー!」 和「…嫌」 唯「えぇ!?なんで!?」 和「唯…たまには自分の力でやろうと思わないの?」 唯「いつも思うんですけど…その…忘れてしまいまして…」 和「はぁ…唯らしいわね」 唯「えへへ…めんぼくない」 和「大体家に帰ったらすぐに宿題をやる習慣をつければいいのよ」 唯「はい…ごもっともです」 和「まったく…いつもは家で何をしているの? 唯「えへへん!よくぞ聞いてくれました!」 唯「実は私、家でギターの練習をしているのです!」 和「…唯がギター?」 唯「そう!だからまったく勉強も宿題もしてません!」 和「いばって言うことじゃないわよ…でもなんでギターなんか…?」 唯「かっこいいから!」 和「…え?それだけの理由?」 唯「そうだよ。十分な理由だよ」 和「まぁ…唯らしいっちゃ唯らしいわね…」 ピンポーン がちゃ 唯「はーい。和ちゃん!」 和「こんにちわ唯。遊びに来たわよ」 唯「どうぞ上がって♪」 唯母「あら、こんにちわ和ちゃん」 和「こんにちわ。お邪魔してます」ペコ 唯母「相変らず和ちゃんは礼儀正しいわねぇ」 唯「和ちゃん!じゃ~ん!」 和「おお。ギターだ」 唯「えへへ…かっこいいでしょ!」 和「かっこいいよ。何か弾いて見せてよ」 唯「うん!~♪」ジャカジャカ ジャン 和「………」 唯「えへへ…どうだった?」 和「…すごく上手だわ。すごいじゃない唯!」 唯「ありがとう♪勉強しないで頑張ったかいがあったよ!」 和「勉強もちゃんとしなさい」 唯「…はーい」 唯「………」ぼー 和「…なにぼーっとしてるのよ」 唯「あ。和ちゃん」 和「私達来月から中学生なのよ?もっとしっかりしなきゃ」 唯「えへへ…そうだね」 和「まったく…唯は昔から変わんないね」 唯「和ちゃんもだね。なんだか私のお姉ちゃんみたい」 和「お姉ちゃんか…その通りかもね」 唯「うん!…ねえ和ちゃん」 和「なに?」 唯「中学校でも私と仲良くしてくれる?」 和「…当たり前じゃない。これからもよろしくね」 唯「うん!」 唯「和ちゃ~ん…」 和「唯…また宿題?」 唯「なんでわかったの!?」 和「いつも通りだからよ…はい」 唯「おお!ありがとう和ちゃん!」 和「まったく…いつになったら自分でやってくるのかしら」 和「そう言えば唯…」 唯「んー?なーに?」 和「まだ家でギターの練習してるの?」 唯「してるよ!腕もだいぶ上達したよ!」 和「そうなんだ。今度聞かせてね」 唯「いいよ!楽しみにしててね」 ピンポーン がちゃ 憂「はーい。あ、和さん!」 和「久しぶりね憂ちゃん。唯はいる?」 憂「ちょっと待っててください。おねえちゃーん!」 憂「………」 唯「…部屋にいると思うので勝手に上がってください」 和「ありがとう。お邪魔するわね」 こんこん 和「唯ー。遊びにきたわよ」 「……」 和「唯ー?部屋に入るからね」 がちゃ 唯「すぅ…すぅ…」zzzz 和「…寝てる」 唯「う~ん……っは!?」 和「…おはよう」 唯「和ちゃん…いらっしゃい」 和「…でももう帰る時間」 唯「えっ?今何時?」 和「夕方の6時だよ」 唯「そんな…ごめんね和ちゃん」 和「いいよ…また今度遊びに来るから」 唯「そうだ!一曲だけでも聞いていってよ!」 和「まぁ一曲くらいなら…」 唯「やった!それじゃあ…」 唯「~~~♪」ジャカジャカ ジャン 和「す…すごい!うまくなったね唯!」 唯「へへ~ん!プロになれるかな?」 和「…プロになりたいの?」 唯「うん!目指すは武道館!」 和「そっか…応援するわ」 唯「うん!ありがとう♪もし私が武道館で演奏する時は絶対見に来てね!」 和「わかったわ。約束する」 唯「うん!約束」 和「…じゃぁ私そろそろ帰るわね」 唯「うん。また明日ね~」 和「それじゃあお邪魔しました」 …… 先生『えー…みんなに残念なお知らせがある…』 先生『平沢唯がな…昨日、事故にあって…』 先生『…亡くなったそうだ』 ~ 和「………」 和「………」 和「…唯の嘘つき…プロになるんじゃなかったの? …武道館はどうするの…?」 和「……嘘つき…」 それからの中学校生活はあっという間だった。 唯がいないだけでこんなにも毎日がつまらなくなるなんて 私にとって、それだけ唯はとても大きな存在だったんだ。 和「今日から私は高校生だよ。唯」 2
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曲Data Lv BPM TOTAL NOTES 平均密度 Φ5 192-192 662662 5.35Notes/s5.35Notes/s 譜面構成・攻略 中速だが部分的にΦ7~9相当の難所がある局所難片手譜面。後半にかけて忙しい配置が増え、ハードクリアはΦ5の中でも群を抜いて難しい。 冒頭にある上下に分けられた長複合は、2回ずつカカドド→ドカカド→カドドカ→ドドカカと繰り返されている。 20小節は縁の直後に1打の風船が続いているが、連打判定がその後のノーツの位置まであるため風船を割らないと不可になってしまう。8分間隔でカドカドと叩くなどして割るのを忘れないようにしよう。 29~44小節は見た目BPMが384と非常に速い。前半では大音符の配色がすべて上下で逆になっている。後半にある16分(見た目8分)は片手トリルまたは順手の同時押しを駆使して捌きたい。 62、96小節に見られる3打が挟まった複合は4keyの移植配置である。片手でも可能だが出張により楽になる場合がある。その直後に続く小節では縁の大音符が高HSで飛んでくるが、一方の縁と同時であることを覚えておこう。 63~71小節はこの譜面最大の難所であり、配色が異なる片手トリルが連発する。運指に自信があれば重なったトリルは同時押しを狙うことを推奨する。その後すぐの72~77小節では重い出張、78小節は運指推奨と気が抜けない。 88~91小節は1Pの縁小音符に合わせて2Pに縁大音符が流れてくるギミックになっている。ラストの8打を忘れないように注意。 このように対策必須かつ難易度の高い譜面であるため、他のΦ5に触れて地力を上げてから挑戦してみよう。 譜面画像
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前へ 「「……………」」 あまりの事に二人とも言葉が出なかった。それほどまでに強烈過ぎた。 と同時に身近にもいる事を思い出した。 「まぁさん」 「佐紀ちゃん」 「……似てるね」 「……根本が違うのは分かるんだけどね」 生徒会室に訪れたその人は一言で表すと我が強過ぎる人だった。 今まで会ってきた人達の中で最高クラス。だって寮生全員が振り回されてるんだから。 「でも、お嬢様楽しそうだよね」 「そうだけどさぁ」 これじゃ仕事にならない。 仕方ない。急ぎの分だけは二人で片付けるか。 それにしても…… 川;´・_・リ<対岸の火事ですむと思う? 从;゚ー゚从<飛火すると思うとゆいたい保全 次へ TOP
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――――執務室―――― 「つまり、私が運転手を?」 「ええ、貴方にとっても悪くない話だと思うけど?」 執務室で直立不動の姿勢を貫いたまま、男は顔にありありと困惑を浮かべる。朝食の終了直後にミーナに執務室へ来るように呼び出され、男が何かやらかしたかと記憶をたどり、ありもしない心配によって額を汗で湿らせる中で紡がれた言葉は、彼にとっては拍子抜けするようなものであった。 基地の消耗品その他を補給するために、運転をしてくれないかというのだ。確かに、彼は免許も一応持っているし、まだロマーニャの街に出たことの無い彼にとっては歓迎するべきことではある。だが、腑に落ちない点があるのだ。 「……なぜイェーガー大尉に依頼しないのですか? 彼女ならば私よりも運転技術が優れていると思いますが?」 「あぁ、それは……その、彼女はスピードが好きでしょう?」 その言葉に、男は数日ほど前の様子を思い出す。レーザーを撃って魔法力切れで墜落した翌日、彼女達は街に補給に行っていたようだった。そして、宮藤とペリーヌは心ここにあらずという様子だったではないか。おそらく、絶叫マシンもびっくりの運転をされたのだろう。 「了解しました。ただ道が分からないので、ルッキーニ少尉を案内に連れて行ってもよろしいですか?」 「ええ、かまわないわよ。ペリーヌさんは連れて行かなくて良いのかしら?」 ミーナはウィンクをしながら悪戯っぽく言う。つくづく、彼女には強く出られない。 「な、が……さ、さすがに軍用トラックで行くわけにも行かないでしょう? ええ、それに、これは慰安ではなく補給任務です。つまりその……あの……そういう私的な目的では……」 しどろもどろといった男の様子に、たまらずミーナは噴出す。普段は年齢に見合わないくらいに冷静で冷徹なのに、この事になるととたんに年相応、いや、それ以下に成り果てるのだから。 「はいはい。じゃあお願いね、俺大尉。必要な物はこのリストに載せているわ。そうそう、他の皆にも必要なものが無いか聞いてくれるかしら?」 「了解、中佐殿。中佐は何か必要なものはありますか?」 「え? いえ、良いわ」 その言葉に男は敬礼を行い、踵を返すと部屋を後にする。ミーナは一つだけため息を落とすと、大きく伸びをした。 ――――談話室―――― 「……と言うわけで、何か必要なものがあれば買ってくるつもりだ。もちろん積載量に問題はあるが、考慮はしよう」 まるで作戦開始前のように、男は仁王立ちで言葉を紡ぐ。どうやらこの男、気を抜くべき場面で気を抜かないようだ。 「じゃあお菓子」 「ハルトマン中尉、君が自分で部屋を片付けられるようになった暁にはダンボールごと買い与えてやる」 すぐさまそう宣言したハルトマンに、ぴしゃりと男の言葉が突き刺さる。バルクホルンの報告では、掃除した部屋は六時間ほどで再び魔窟になったそうだ。ハルトマンの固有魔法は風ではなく、エントロピーの増大なのかもしれない。まるで賽の河原で石を積んだような徒労感が、男を襲う。 「私は特に無いかナー。サーニャはどうダ?」 「私も、特には無いわ」 短く問答を交わした二人は、必要ない由を男へ伝える。 「リネット曹長や宮藤軍曹は?」 「あ、私達は一緒に付いて行きますよ。何でも、『ロマーニャに不慣れな人だから先導してあげて』、だそうです」 宮藤の言葉に、男は深く眉間に皺を刻む。そして、それを隠すように指で皺を隠した。 「……中佐の指示か?」 「はい、ミーナ中佐の」 つくづく、彼女には強く出られない。どうやら買い物を手早く済ませて基地に帰還し、残りの清掃箇所を片付けるというわけにはいかないようだ。 そして、ソファに腰掛けて紅茶を飲んでいるペリーヌへも質問を行う。 「ペリーヌ、君は――」 「結構ですわ」 なぜか、ツンツンしている。ガリア復興財団に理由があるのだが、男には理由が分からない。 「ふむ、シャーロット大尉とバルクホルン大尉、それと、坂本少佐は?」 「私も大丈夫かな。エンジンを買ってこさせるわけにも行かないし」 「私も間に合っている。もとよりこの基地の備品だけである程度の事は出来るからな」 「私も必要ないぞ。まあ、何か良さそうな本でもあれば公共物として置いても良いだろう」 ふむ、と男は頷き、リストに「本」という走り書きの単語を加える。 「では、行こうか。ルッキーニ少尉、道案内を頼んだぞ」 「オッケーイ! じゃあいこっか!」 ルッキーニは車両のある場所まで駆ける。男はそれに追いつくように、大股に、足早に、彼女を追いかける。その後ろからは、宮藤とリーネが小走りに追っていた。 ――――市街への道―――― いつもと変わることの無い風が吹きぬける。ただこの車に乗っている集団で、眼に見えて変化があるのは男ただ一人であろう。いつものダークグリーンのロングコートに加え、アフリカ戦線用の規格帽で頭をすっぽりと覆っている。帽子の鍔のせいで、前が見えているのか怪しいものだ。 「俺さんって免許持ってるんですね」 「意外か?」 「いえ、てっきりストライカー一筋かと思ってました」 勤めて安全運転で、車両は街への距離を詰める。最初はおっかなびっくりと言った様子のリーネであったが、シャーリーほど無茶な運転をしないと悟ったのか、だいぶリラックスしているようだ。 「ねーねー俺! ジャンプ! ジャンプ!!」 「どういう意味だ?」 ルッキーニが目の前の崖を指差して叫んでいるが、男には意味が分からない。宮藤とリーネは苦笑いを浮かべ、青い顔をした。 「シャーリーはこの崖をぎゅーんって跳んでギャギャギャギャって着地したんだよ! 男もやってよ!」 「無理だな」 「あ、エイラさんの真似ですか?」 「え?」 「あはは、無理ダナ」 三人の少女の笑い声が響く中、車はカーブを曲がる。男には、この会話の意味がまるで理解出来てはいない。宮藤とリーネ、そしてルッキーニは指をクロスさせ、無理だな、と言っている。そして、男はひらめいたように笑みを浮かべた。 「なるほど、ユーティライネン中尉のしぐさか」 「今気付いたんですか!?」 宮藤の鋭いツッコミに、また笑いが巻き起こる。男も穏やかに笑みを浮かべ、大きく息を吐く。 「考えられなかったな、こんなに平和な気分を持つことが出来るようになるなんて」 「そういえば、俺さんは激戦区を転属されてましたよね。どんな感じなんですか、激戦区って」 宮藤の言葉に、リーネは小さく制止を行う。しかし、男は顔色一つ変えずに応えた。 「まるでこの世の地獄だ。少なくとも、オストマルクとカールスラントは地獄だった。まあ、君達も似たようなものだろう?」 軍事に疎い宮藤とて、その二つの国の名は知っている。ネウロイによって一番目と二番目に陥落した国、そして、今もなお占領され続けている国。彼の言う地獄がどれほどの物なのか、宮藤は想像することすらできない。 「宮藤軍曹は戦争が嫌いか?」 突飛にも思えるその問いに、宮藤はすぐさま答える。 「当然です」 強い意思を秘めた言葉に、男はふふ、と笑みを漏らす。だが、彼の口からはそれと正反対の言葉が紡がれた。 「私は戦争が好きだ。もう失うものが無いから、きっと感覚がバカになってしまったんだろうな。間近でいろいろなものを失い続けたというのに、まだ私が空に飛べることを望んでいるのだから」 人間性すらも疑わせる言葉を、男は紡ぐ。運転は決して乱れる事は無く。車は道路をなぞる。 「君達はどうして空を飛ぶんだ? ウィッチとしての適正があったとて、拒否をする事は出来たはずだ。人並みの生活を追うことも出来たはずだ。なぜこんな世界に君達は足を踏み入れた? なぜこんな世界に、足を踏み入れてしまったのだ?」 「守りたいから、です」 再び強い意思を秘めた声が、空気を揺らす。それは宮藤のその声であった。そして、その言葉に賛同するように、他の二人も言葉を紡ぐ。 そうなのだ。この男と彼女らが飛ぶ目的は、根本的に異なっているのだ。この男は自らの復讐のために空を飛び、彼女らは守るために空を飛んでいる。それが、大きな違いだった。 「……そう、か。ああ、すばらしい。やはり君達は、素晴らしい」 彼方にロマーニャの市街が霞む。車はスピードを落とす事は無く、道路を走り抜ける。陰鬱な空気は微塵も残らないまま、車はロマーニャの市街へと向かう。 ――――ロマーニャ市街―――― 「とうちゃーく!」 勢い良くルッキーニは地面に降り立つ。続いて宮藤とリーネが降り、男がドアに鍵をかける。そして買い物のリストを上から眺め、おおよその見当を付ける。 「食料や燃料類は基地へ輸送してもらうとして、問題はその他雑貨か。ルッキーニ少尉、案内を任せた」 「了解ー。んじゃ、付いてきてねー」 小走りにルッキーニは駆けだす。男は大股に彼女の後を追う。 「ルッキーニちゃん! 待って!」 「早いって! ルッキーニちゃん!」 とてとてと駆けだす二人を視界の端に捕らえると、男は歩幅をほんの少しだけ小さくする。迷わないように、という彼なりの気遣いだろうか。それでも、年端もいかない一人の少女を大柄な男が大股に追うと言う光景は、異常を通り越して危険なものであるのだが、男はそれに気付く様子は無い。 「ここ! ここなら食べ物は一通り揃うと思うよ!」 ルッキーニは大きな声で叫びながら食料品店の看板が掲げられている店を指差す。男はちらりと後方を確認し、宮藤とリーネが迷子になっていないことを確認すると、ルッキーニの隣へと並ぶ。 「活気のある街だな」 「でしょ!? ロマーニャは元気の国だからね!」 身長差は優に二倍、規格帽で顔が隠れているため、親子にも見えそうな二人ではある。 「っていうか、俺ってそんな帽子持ってたんだね」 「アフリカの……私がいた隊の正式装備だ。ゴーグルが配給されなかったから砂の酷い日はこんなものでもありがたかったよ」 砂を防ぐための帽子の鍔を軽く撫で、男は空を見つめる。快晴の空は、今が戦時中だとは思えないほどに平和の気運を与えている。 人波の向こう側から宮藤とリーネがへろへろになりながら現れ、肩で息をする。 「うぅ……やっと追いついた」 ほんの数百メートルの距離だというのに、時間がかかりすぎである。もっとも、男と違い普通の少女に見えるために人波は遠慮をすることが無かったと言うのが主な原因である。 「ご苦労、宮藤軍曹、リネット曹長。さて、では状況を開始しようか」 背筋を伸ばした男はルッキーニに軽く視線を遣る。ルッキーニもその視線に対して満面の笑みを浮かべ、店内に駆け出す。男はさりげなく買い物籠を手に持つと、ルッキーニの後を追いかける。宮藤とリーネの悲痛な声は、今度は届かなかったらしい。 「リストは君が管理すると良い。それと、宮藤軍曹とリネット曹長が疲れている、少し落ち着いたほうが良い」 「はーい」 しぶしぶ、と言ったようにルッキーニは返事をする。素直に忠告を聞くのはすばらしいことだ、と男は考える。自らが彼女くらいの年頃は、一体どうだったであろうか。そして、くく、と笑みを漏らした。 十二の頃の彼はまだ戦争なんてラジオの向こう側の世界くらいにしか考えていなかったのだから。あの頃の彼は、ガリアが陥落することなんて想像だにしていなかったのだから。 「何笑ってるのさ?」 「いや、君の年くらいの私は、君よりも子供だったと思っていただけだ。あの頃の私は酷く愚かで、酷く楽観的だった」 「でも、今の俺はすごく大人っぽいよ?」 「背伸びをして背伸びをして、背伸びをし続けたら普通に立てなくなってしまったんだ。何事も身の丈にあったものが一番だな」 ルッキーニには例えが難しかったのか、頭にいくつもの疑問符を浮かべる。そんなやり取りをしているうちに、宮藤とリーネは合流を果たす。 「俺さんも早いですって!」 「大尉は歩幅が大きいですよね……」 心底疲れたように二人は言う。わずかにばつの悪そうな表情をして、男はぽりぽりと頬を掻いた。 「ああ、留意させてもらう」 第十五話、不器用な羞恥と器用な好意