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ここでは「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2」及びその完全版「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル」(いずれも判定は良作)を紹介する。 ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 概要 特徴・評価点 問題点 総評 ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル 概要 前作からの改善点 問題点(プロフェッショナル) 総評(プロフェッショナル) ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 【どらごんくえすともんすたーず じょーかーつー】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 ニンテンドーDS メディア 1024MbitDSカード 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 トーセ 発売日 2010年4月28日 定価 5,490円 廉価版 アルティメット ヒッツ2011年02月03日/2,800円(税別) 判定 良作 ドラゴンクエストシリーズ 概要 ポケモンのフォロワーとして人気を博した、ドラゴンクエストモンスターズ(DQM)シリーズの通算第5作目で、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』の続編。 後にドラクエ初の完全版となる『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』が発売。 特徴・評価点 荒削りだった前作に比べ、グラフィック・音楽・操作性などの質が向上。 グラフィック・BGMの質が大幅に向上した。 メニュー画面ではアイコン式のUIを採用し、より直感的な操作が可能に。 一部の場所を除けばアイテムなどを使用せずに、どこでもセーブが可能になった。 時間の概念の他に、シリーズ初となる天候の概念が登場。 出現するモンスターはもちろん、地形などの変化により行ける場所が変わったりする。 通常は晴れだが、雨や雪、霧などエリアによって変化する天候は異なる。 主人公の移動速度が速くなり、ルーラの性能も強化された。 任意のエリアに移動できるようになった上に、エリアごとに設置されたポイント(ボスの手前など)にワープできる「いざないルーラ」が登場。 メタル系のモンスターが序盤から登場。 序盤のマップではぷちメタルというモンスターが登場し、お供としての登場はもちろん、マップの特定の場所にシンボルが出現するので確実に会うことも出来る。 更にアイテムの『メタルチケット』を使えば一定時間『メタルエリア』に滞在して好きなだけメタルモンスターを狩れる。入手もあまり難しくない。クリア後には更に経験値を多くもらえるエリアも登場。 通常のモンスターから得られる経験値も前作に比べるとかなり増えている。 モンスターの数が300種類以上に増加。 一部のモンスターのランクや系統が入れ替わったり、配合の仕方が前作と明らかに異なるものもいる。 手持ちの2体分、3体分を占めてしまうM・Gサイズモンスターが登場。主な特徴は以下の通り。 2枠モンスター 特性『メガボディ』を持ち、Sサイズ(1枠)モンスター1体としかパーティを組めない。 ほとんどの特技の威力や回復量が1.2倍になり、レベルアップによる能力の上昇量が1.5倍になる。 3枠モンスター 特性『ギガボディ』を持ち、1体でしかパーティを組めない。 通常攻撃や物理攻撃系の特技で敵全体を攻撃可能な他、特技の威力や回復量が1.5倍になり、レベルアップによる能力の上昇量が2倍になる。 前作の神獣系の代わりに???系が再登場。前作に登場した神獣といくつかの大魔王が該当する。 すれちがいでは『IX』、『DS版VI』ともすれ違うことができ、その作品にちなんだモンスターが出現する。 シリーズで初めて能力値の上限が1000以上のモンスターが登場。HPに至っては2000以上になる事も。 問題点 前作と同様にモンスターの能力値に限界値が設定されており、好きなモンスターを強くすることが出来ないという問題が改善されていない。 明らかに前作より弱体化したモンスターも存在する。 期間限定でしか入手できないモンスターも相変わらず存在。 一部バランスを壊すスキル・特性の組合せがある(しっぷう・ゼロ、メタルボディみがわり等) 戦闘時のメッセージが最低限しか表示されなくなり、若干味気なくなった。 前作では画面下部にテキストが出ていたが、本作では画面上部に使用した技名などが表示されるのみである。 これにより戦闘のテンポが良くなったという訳でもない(モンスターのモーションの長さは変わっていない為)。 「火炎斬り」等の属性付き剣技が当たらなかった際、回避された場合も完全耐性で効かなかった場合も「ミス」という吹き出しが出るだけなので紛らわしい。特に対人戦では、スキルによって耐性を上げられている可能性もある為、余計に分かりづらくなる。 この作品からゾンビ系が謎の冷遇を受け始めている。 SSランクのモンスターが大量に追加されたのだが、ゾンビ系のみSSランクのモンスターが1体も追加されていない。 それどころか減っている。前作にはゾンビ系SSランクのモンスターが2体いたのだが、今作でその内の1体が???系に変更されてしまった為、 1体のみになってしまった。 その後も『テリーのワンダーランド3D』で1体追加されるのみと不遇が続き、『ジョーカー3』に至ってはモンスターのリストラや系統変更の影響でゾンビ系SSランクのモンスターが1体もいなくなるという更なる冷遇を受けてしまっている。 総評 前作の改善点を前面に押し出し、魅力的なモンスター、やり応えのアップなど、ドラクエファンなら納得の出来。 一方でチュートリアルもしっかりしているため、新規プレイヤーも手を出しやすい作品である。 ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル 【どらごんくえすともんすたーず じょーかーつー ぷろふぇっしょなる】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 ニンテンドーDS メディア 2048MbitDSカード 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 トーセ 発売日 2011年3月31日 定価 4,440円 判定 良作 概要 前作の要素はほぼそのままに追加要素を加えた、いわゆる「完全版」的なソフト。 同一のハードで追加要素を加えたソフトが発売されたのは、モンスターズのみならずドラゴンクエストシリーズでも初のことである。 前作との通信交換やすれちがい通信にも対応している。 ただし、前作との通信交換ではレベルや能力値が初期化される。 以降のシリーズにおけるデータ引き継ぎ(引っ越し)とは異なり、モンスターは送信元から消えてしまうことに注意。 本作から前作にモンスターを送ることも可能。当然、プロフェッショナル版にしかいないモンスターを送ることはできない。 すれちがい通信は、前作のデータを受け取るのみという一方通行となる。Aランクまでという制限が加わったがそのままのステータスでスカウト可能。 前作からの改善点 前作よりシナリオや新規モンスターが多数追加された。 過去のシリーズで人気があったが出演できなかったモンスターのほか、『キャラバンハート』や『ドラゴンクエストソード』のラスボスなど、マニアックなモンスターも多数追加。 これにより、出演モンスター数は421(*1)と過去最高になった。 既存のエリアでもモンスターの追加や変更が多く、前作プレイヤーを飽きさせない。 前作のデータがある場合でも最初からプレイしなければならないが、新鮮な気持ちで遊べるように工夫されている。 雪山など、わずらわしかったイベントがいくらか簡略化されている。 前作では一部のモンスターにしか存在していなかった強モンスター、最強モンスターがAランク以下モンスター全てに登場した(*2)。これにより前作までに指摘されていた好きなモンスターを強くすることができないといった問題がある程度解消され、同時にモンスターごとの個性を生かしやすくなった。また、前作では両親の両方が一定のレベルに達していないと強・最強化できなかったが、今回は片方のみでも可能。 バランス調整も行われ、前作でWi-Fi対戦等で猛威を振るってたスキルやモンスターはマイナススキルが付くなどして弱体化した。 前作とは全く違う裏シナリオが追加。 前作の裏ダンジョン・裏ラスボスもそのまま続投しているが、それらは本作の裏シナリオの通過点という位置付けになった。 前作及び本作の登場人物に関わる話になっているほか、『ジョーカー1』の神獣が再登場している(*3)。 前作はすれちがい通信ですれ違う度に通信を中断しなければならなかったが一度につき3人まですれ違え、8人まで保存して後から挑戦することができるようになった。 Wi-Fi対戦の切断対策もされており、切断された場合は切断した側は敗北になり、切断された側は相手がAIに切り替わり対戦続行できるようになった。 問題点(プロフェッショナル) 全体的に前作と比較して通信環境の依存度が上昇した。 Wi-FiのジョーカーズGPに1度はつながないとゲーム中でモンスターのタマゴを買うことができないほか、ゲーム中で通常入手不可な配信限定のモンスターもかなり多い。おまけにそれらのモンスターを素材にする必要のある配合パターンも存在。近くにDSステーションがない等、通信環境が殆どない人にとってはできることがかなり限られてしまう。 DSのWi-Fiコネクションそのものが終了した現在では、いくつかの要素は全くプレイすることができない。 すれちがい対戦では前作と違い、Aランクまでしかスカウトすることができなくなった。 おそらく前作は割と楽に高ランクモンスターが入手しやすかった為だからか入手条件に制限をかけたものだと思われる。発売からあまり時間が経ってない頃はあまり問題にはならなかったが発売から時間が経った頃にはSランク以上のパーティにしか遭遇しないことも…。勝利数を稼ぐのも難しくなるのも含め、高ステータス及びSランク以上オンリーのパーティの配布は嫌われるようになり、むしろ低ランク、低レベルのパーティの方が歓迎されるということに。(*4) 期間限定だけならともかく、特定の地域のみしか配信されなかったモンスターも存在した。おまけに配布されなかった地域に対してのフォローもなかった。また、前作からの引継もAランクまでのモンスターしか転送できない(*5)。 とはいえ、(いくら使用は個人の自由とはいえ)すれちがいでお手軽に強いモンスターが手に入り、ゲームバランスが易化し過ぎるのもそれはそれで問題。 メタル系モンスターのスカウトが前作と比べてやや面倒になった。 前作において序盤で遭遇できるぷちメタルをスカウトをできなくなった為で、おそらくメタル系の入手に制限をかけたものだと思われる。(*6) Aランク以下のモンスターに全て強モンスター、最強モンスターが付いたことの弊害からかモンスターのコンプリートのハードルが一気に上昇した。(*7) Dランク以下のモンスターを最強化するには同じモンスターを最低でも4体用意しなければならない。そのため、すれちがい通信を一定回数行うと現れる盗賊団に勝つともらえるDランクのモンスター、カンダタこぶんなどハードルが高いモンスターもおり、他には密林の主であるタイラントワームや断崖のレティスといった3枠のモンスターは一度に1体ずつしかスカウトできない為、通信環境は必須である。 無印版同様に戦闘時のメッセージが最低限しか表示されないのだが、無印版での問題点に加えて以下の問題点が増えている。 「敵1体にランダムで何らかのマイナス効果をかける」という効果の特技が登場したが、命中した際にメッセージが一切表示されない。この為、次のターンまで効果を確認できない場合が殆ど。 ほぼ全ての回復、蘇生系特技の消費MPが大幅にアップしている。(*8)そのため、ラスボスなど後半のボス敵の難易度が上がっている。 これについては本作以降発売されたモンスターズシリーズでも引き継がれている。 一方でアイテムは販売条件が緩和されたり、追加エリアでより強力なものが買えるようになった。 総評(プロフェッショナル) 前作の問題点も解消され、対戦の駆け引きもさらに向上した。回復、蘇生系特技におけるピーキーな調整は看過できないが、それ以外は完全版として相応しい出来といえる。 2012年5月に発売された3DS『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』はこの作品をベースにしたシステムとなっている。
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