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非常灯で仄かに照らされた、病院の廊下。 その通路の真ん中に、少女は立っていた。 手のひらに、黄金の宝石がひとつ。 大きさは、ウズラの卵より大きく、ニワトリの卵よりやや小さい。 卵型の器の中で、金に近い黄色の輝きが灯火のように揺れていた。 魂の宝石、ソウルジェム。 その石の名の由来は、まさに『言葉通り』の意味、魂そのものである宝石。 もっとも、その事実を彼女は知らない。 しかし、その宝石を手にする意味と、その重圧なら知っている。 彼女――巴マミは、一度死ぬはずだった運命を覆すことで、その石を手に入れたのだから。 「状況は分からないけれど……『魔法少女』として対応すべき事件なのは間違いなさそうね」 ソウルジェムを空中でくるんと放り投げ、キャッチすると同時に変身。 ジェムが黄金の輝きを放ち、その光は足先から少女の体を包む。 姿が変じるのは一瞬。 丈の短いフレアスカートに、リボンとコルセットで過剰に装飾されたブラウス。羽根飾りのついた貴族風帽子。 お伽噺の住人のように華やかな衣装は、巴マミが“魔女を狩る者”である証。 しかしその表情は、決して明るいとは言えない。 「あの男は間違いなく人間だった……ソウルジェムが何の反応もしなかったから、魔法の力は持っていないはず。 それなのに、“結界”の中に立てこもった上に“魔女”の力を使って見せるなんて…… それとも、単に“ソウルジェム”の調子がおかしいだけかしら? テレパシーも使えなくなっているようだし」 巴マミの常識では、一般人を苦しめる存在が『魔女』であり、その魔女を狩る異能が『魔法少女』だ。 一般人を、魔女が食う。 その魔女を、魔法少女が狩る。 魔女を狩る過程で、一般人を助ける者と見殺しにする者がいる。 巴マミは前者だ。 魔法少女にとって、この構図は大前提。 魔女の形態が特殊だったり、魔法少女同士で対立するようなイレギュラーこそあれ、 “一般人が魔女を使役して魔法少女を拉致する”ような状況はあり得ない。 「キュゥべえがいれば心強いんだけど……テレパシーで居場所が分からないのは痛いわね。 これじゃあ、鹿目さんや美樹さんと合流することもままならない……」 これがいつもの魔法少女体験コースなら、テレパシーで二人の場所を補足して、すぐ助けに向かえる。 そう、彼女達は、マミの未来の後輩だ。 それに――数少ない、友人だ。 魔法少女稼業の為に、友達づきあいもままならず、また家族もいないマミにとって、とても大切な人間だ。 この殺し合いの現場にもしキュゥべえがいれば、最悪契約させてでも自衛させることはできるが、そんな都合よくはいかないだろう。 やはり、一般人の彼女らは一刻も早く合流して保護しなければ。 「あの子たち……特に美樹さんは、『私ならきっと何とかしてくれる』とか買いかぶってくれているかもね。 パニックになってるよりはマシな判断だけど……そんなこと無いのになぁ……」 いや。 そもそも、彼女たちを保護できたとして、それからどうすればいいのか。 魔法少女同士の間での縄張り抗争があることは知っているし、あまり縄張りに拘らないタイプのマミも、襲われた場合に備えて人を傷つける覚悟はある。 しかし、襲われた人間を殺すだけでは、事態は解決しない。 最後の一人しか生き残れないと、提示されてしまったのだから。 「……私、何も知らないんだわ。 この『魔女の口づけ』が、どういう仕組みなのかも。 そもそもコレが、『魔女』以外にどうにかなるモノなのかも。 キュゥべえが教えてくれたことしか知らない。ダメね」 心細さ、そして何より、莫大なプレッシャーがマミという少女にのしかかる。 そもそも、殺し合いに乗っている人間を殺せばいいという問題ではないのだ。 決して悪人ではなくとも、『殺し合い』という状況で我を失って、襲いかかってくる人もいるかもしれないのだから。 そういう相手を収めるにはどうすればよいか。 それは『呪い』を解いて、死の恐怖から解き放ってやるしかない。 それでなくとも、この実験自体を潰さなければ、複数人で生き残ることはできない。 そうなると、これはマミの力で解決できる範疇を、完全に越えている。 巴マミは、魔女の倒し方を知っている。 けれど、それ以外のことは、全く、何にも、全然、知らない。 魔法少女は、『魔女の口づけ』をなされた一般人を、助けなければいけない。 しかし、巴マミは、この状況を打開する方法がまるで分からない。 「まずは……この病院で誰か探しましょうか」 ぽつりと呟いて、マミは歩きだした。 コツン、コツン ブーツのかかとが、リノリウムの床と足音を鳴らす。 その手には、ソウルジェムではなく懐中電灯。 ソウルジェムは魔女探しには必要だが、灯りとしての役割ならば電灯の方がはるかに上だ。 灯りを左右に揺らしてルームプレートを確認し、そこが小児科の待合廊下なのだと確認。 しかし、それを確認したところで、次にどこに向かおうという案が浮かぶわけでない。 何とかしなければ、と思うから、足は動く。 しかし、何をすべきか分からないから、方向は定まらない。 (私は、どこへ行こうとしているのかしら……) 動かないわけにはいかない。魔法少女なのだから。 しかし動けない。どうしたらいいのか、分からないのだから。 それはある意味で逃避であったが、それを自覚するつもりはない。 逃避とは、直視すれば現実と向き合わされるからこその、逃避なのだ。 そして、現実と向き合う力がないからこその、逃避なのだ。 ゴポッ 雑音が耳を濁した。 ジジッ、と電気が繋がるような音と、ゴポ、とマイクを叩くような音。 中学校でも、校内放送の前兆として流れる、独特の音。 マミは、思わず周囲を見回す。 『小児科前にいらしゃるそこの貴女。至急、四階の放送室へとお越し願います。 繰り返します。至急、放送室へとお越し願います』 低く、ぼそぼそとした声の男性だった。 ガシャコン、と独特の電子音を残して、放送は途切れる。 「どうして私がいるって……いや、放送室なら、セキュリティカメラぐらいはありそうね」 放送から得られた情報は少なく不親切。 あまりコミュニケーション能力に長けた人物とは言い難い。 しかし、殺し合いに乗っている人間なら、こんな放送をしたりしないだろう。 こちらの居場所を一方的に把握しているのなら、待ち伏せした方が確実だ。どんな馬鹿でも、それぐらい分かる。 「行ってみましょうか……一般人男性が相手なら、遅れを取るはずもないし」 銃を向けられたらリボンで拘束しても良し。負傷してもある程度なら自力で治癒できる。 殺し合いに乗った人間を説得する言葉は持たないが、単に生き延びる為の方法ならいくらでも知っている。 ☆ ☆ ☆ 放送室を見つけるのに、しばらく手間がかかった。 院内案内図を見る限り、この病院の放送室はナースステーションとセキュリティルームの二か所に設置されているようだ。男が呼びつけたのは後者だ。 解錠されていたドアを開け、まず視界を圧倒したのは、大量のビデオ画面。 しかし、今のところ画面は暗いままで、監視映像のスイッチは入っていなかった。 そして、それら全てを眺望できる回転椅子の上に、体育座りで丸くなる男が一人。 「ご足労いただき、ありがとうございます」 きぃ、と回転椅子が周り、椅子ごと男が振り向く。 眼の下に大きな隈。 落ちくぼんだ瞳と痩せた体は、不健康を通り越して、逆に強い生命力を感じさせた。 「私はL。探偵です」 L。 あまりにも名前らしくない名前だが、しかし確かに名簿に書かれていた名前だ、 アルファベット一文字だったものだから、印象に残っていた。 「巴マミと言います」 礼儀として名乗り返すが、しかし油断は解かない。 瞬時にマスケット銃を精製して、男の頭に照準。 狙いは違わない。何十回何百回と手慣れた動作だ。 男は、空中から出現したマスケット銃に軽く目を見開いた。 「私は、殺し合いに乗るつもりはありません。その上で、あなたに聞きます。 あなたは、この殺し合いでどう行動するつもりですか。 そして、私をここに呼び出した意図は?」 Lはさしたる動揺も見せずに答えた。 「順番に答えますと……まず、巴さんを呼び出した理由は、仲間を求めていたからです。 お互いに協力関係を築ける仲間を」 「私が、あなたに危害を加えないと判断した理由は?」 「カメラに映った挙動から、貴女が殺し合いに乗っていない可能性は99%と推測しました。 しかし、もしもの時はこれを」 「お札……?」 男が手渡したのは、黄色みがかった古い符だった。 梵字というのだろうか。判読不能な行書の字が書かれている。 「私の支給品の一つです。他にも数種類、各二枚ずつのセットになっていました。 特定の呪文を読み上げることで、符に書かれた効果、その札の場合は、雷撃が発生するそうです。 実際に一枚で試してみましたが、効果は確かなものでした」 魔法のお札。魔法少女であるマミが言うのも何だが、信じがたい効果だ。 しかし、何より、 「今、私が銃を出すところを見たでしょう? 私は、そんなお札でも倒せないぐらいの強敵かもしれませんよ?」 実際、その通りなのだ。 その札の威力は分からないが、少なくともマミが大量に出現させたマスケットの一斉射撃には火力で劣るだろう。 「貴女は病院内を探索する際に、懐中電灯を使っていました」 「……それが?」 「つまり、少なくとも貴女の視力は普通の人間と同程度のものだということです。 加えて、あなたの視界は病院の暗さに慣れきっている」 「あ……」 ようやくマミにも合点がいった。 この闇の中で雷の閃光がさく裂すれば、いくら魔法少女でも視界を塞がれるだろう。 Lが監視映像を切っていた理由も、これで判明した。 どうやらこの男、正体の不明瞭なところはあるものの、確実に頭の切れる人物だと理解する。 「よって、私は貴女との接触を試みました。 そして、私のこの殺し合いに対するスタンスはというと『この殺し合いを停止させ、主催者を捕まえる』ということになります」 殺し合いの停止。 顔をはたかれたような気がした。 マミとて、それをしなければと思ってきたのだ。 しかし、見た所一般人に過ぎない青年のLが、それを言い出したことがマミを驚かせた。 魔女を狩り、多くの人間を魔女の手から助けてきたマミにとって、魔法少女でない一般人は、魔法の戦いにおいて全く無力な、戦う手段を持たない存在だった。 マミの豊富な戦闘経験の中では、そうだった。 魔法少女でなければ、魔女には勝てない。 魔法少女が勝てなければ、魔女を止められる者はいない。 それがマミにとっての常識だった。 それ故に、この「呪いを解いてみせる」と言い切る一般人――あまり一般的とは言えない容貌だが――は、ガリバーに突進する小人のように奇異に映った。 「あなたは――あんな訳の分からない力を持った主催者に、勝てると思っているんですか?」 思わず、そう聞いてしまった。 「はい、必ず勝てます」 即答だった。 ハッタリでも虚勢でもない、揺るぎの無い確信があった。 「この『儀式』を計画したキヨタカという男は、私たちと同じ人間であるからです」 「あの男は、大勢の人を突然拉致したり、『魔女の口づけ』を使ったりするんですよ。 そんな相手が、ただの人間だと思っているんですか?」 「ええ、思います。何故ならあの男は、この企画を『実験』と称したからです」 Lは計器盤の上に置かれた薬品つぼから、薬さじで白い粉をすくいとり、口に運んだ。 よく見ればそれは、砂糖壺だった。 「あの主催者は、神と名乗りました。 主催者がその言葉通りに『何でも願いを叶えることができる』ならば、そもそも『実験』など行う必要はない。 『実験』とは、『予測が困難な対象を測定する』ということなのですから。 あの男は確かに“神”と称するに足る、人知を超えた能力を有しているのかもしれない。 しかし、少なくともあの男は全知全能ではない。 そして、『実験』を開こうとするからには、何か彼一人の力では解決困難な問題を抱えている」 こじつけだと切り捨てることもできる、漠然とした考察だ。 しかし、そこにあるのは確かな確信と、論理だった。 「そして、全知全能でない人間のなすことには必ず綻びが生まれます。 ですから、この状況を打開する手段もどこかにあるということです」 Lの隈のできた瞳が、食い入るようにマミの眼を見た。 「そして巴さん、貴女も本当は信じたいのではないですか? だからこそ貴女は、大きな戦力を持ちながら、殺し合いに乗っていないのではないですか?」 この時、彼女は理解した。 マミがいなかったとしても、この男は一人で主催者と戦えるだけの力を持っている。 しかし、その事実が虚しいかというと、『否』だ。 この男は、偶像としての“正義の味方”ではなく、対等な“協力者”として、マミの力を要求している。 「私に、力を貸してくれるんですか?」 「私が、力を貸してほしいと言っています」 その瞬間、芽生えた感情は何だったのか。 (私は、人に頼ってもいいの? もう独りで戦わなくてもいいの――?) “安堵”と呼ぶには、まだあまりにも小さい、しかし確かな“希望”だった。 【D-2/病院/一日目深夜】 【L@DEATH NOTE】 [状態]健康 [装備]小狼の符(雷帝×2、火神×2、風華×1)@カードキャプターさくら [道具]基本支給品一式、不明支給品0~2、砂糖つぼ@現地調達 [思考]基本:実験の停止 1・巴マミに協力してもらう。情報交換。 2・夜神月は最大限に警戒 ※参戦時期は、少なくとも夜神月と知り合って以降。 【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]健康、ソウルジェム魔力満タン [装備]変身済み、マスケット銃一丁 [道具]基本支給品一式、不明支給品1~2 [思考]基本:『魔法少女』としてこの事態を解決する。 1・Lと情報交換。協力する。 2・Lを信じてみてもいいかもしれない… ※3話、病院へと向かう以前からの参戦です。 ※魔法で出現させた銃器は、巴マミ以外の人間が持つと30秒以内に消滅する仕様になっています。 【小狼の符@カードキャプターさくら】 李小狼が作中で仕様していた符。 火神、雷帝、風華など、特定の自然物を召喚する。 小狼の魔力が込められているので、一般人にも使用可能。 Back 030腹黒いヤツほど笑顔がキレイ 投下順で読む Next 032ダヴィッド同盟 GAME START 巴マミ Next GAME START L Next
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「……因果応報……!」 「…………ンアーッ!」 FATAL K.O. 人体が爆発四散した。 見事なまでに爆発四散した。 冷凍マグロに殴られ、爆発四散した。 その様子を見ていたロリ(エッチな下着姿)と青年がいた。 (背景キャラのようにしていれば……助かるはず!) (大丈夫なのか……この作戦……) (……アイツ、ロワの背景キャラをぶっ殺したキャラの姿してるけどね……) (それ、ダメじゃん!) つるぎのフレデリカuP(以下つるぎさん)と「換える者」キューオ・ザ・マスターグリーン(以下キューオ)である。 少々、時は遡る。 戦闘をしていて服を脱がしてしまったキューオ。 相手は女の子(ロリ)。襲ってきたとはいえ女の子(ロリ)。 不可抗力とはやってしまったことには責任を取る日本男児だから当然。 そこでキューオはつるぎさんに支給されたエッチな下着を着せてあげた。 紳士になるだろ! 男の子ならよ!! ともあれ、全裸よりも何か着ていたほうがいい!! で、あったのが彼に支給された『エッチな下着』であった。 なお、全裸よりも『エッチな下着』のほうが恥ずかしいかどうかは不明である!! 「すまないとは思ってるけど……仕方ないね」 「……私をこんな風にしたのは貴方が初めてよ……」 「わかったかい? 僕に手を出すとまた服が消し飛ぶことになるよ?」 「…………わかったわ」 これはハッタリ、フェイクである。 キューオの管理人権限は乱発はできない。 だからこそのハッタリである。 彼が求めたのは協力。彼女はロリだったから……ではなく、戦う力を持っている。 主催者を撃破するためには少しでも力がいる。○ロワの仲間の他にも違うロワでも対主催の仲間の力が必要である。 こうして、キューオはロリな仲間をゲットしたのであった。 そして、彼らがこのエリアから移動しよう時であった。 『デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー』 どっかで聞いたような開幕アナウンスが鳴り響いた。 今度はつるぎさんは襲ってこない。つまり、このエリアの近くで戦闘が行われているということだ。 「君と同じ新安価の書き手か」 「恐らくは……」 その直後である!! 「逃げるんだよォッ! カンリュウ!」 「おう!」 目の前から、台車で爆走するつるぎのおうとタケダ・カンリュウの姿が!!(AA募集中) 走っている!! そして、そのままキューオたちの横を走り去っていった。 【一日目・黎明/F-1】 【魔界塔士hq(◆hqLsjDR84w)@新安価ロワ】 【状態】健康 【外見】つるぎのおう 【装備】チェーンソー@現実、台車@現実 【所持品】基本支給品 【思考・行動】 基本:いや、だってクソゲーじゃんこれ。乗らねーよ、変なUSBメモリ埋まってるし。 1:ゲーセン行くよ、そりゃ俺新安価ロワ書き手だもん。 2:そら、逃げるわ。飛龍怖いし、死にたくないもん。 【金融編「観柳」(◆EDO/UWV/RY)@俺ODIOロワ】 【状態】健康 【外見】タケダ・カンリュウ(トレーダー)@メタルマックス2:リローデッド 【装備】ダース・シディアスのライトセーバー@川崎宗則ロワ、ディオのガトリング@俺ODIOロワ(呪われている) 【所持品】基本支給品、 【思考・行動】 基本:殺し合い? たまんねぇなぁ! 傍観だぁ! 1:魔界塔士hqについていく 「今のは一体……?」 「んっ、あれは……」 二人は台車が走ってきた先を方向を見る。 爪と眼帯の少女と忍者風の男が戦っていた。 しかし、それは戦いというより、一方的な暴力。 少女が男に冷凍マグロでフルボッコにされているのだ。 冒頭に戻る。 二人は息をひそめる。 静かに気づかれないように冷凍マグロを持った男を観察する。 (無差別マーダーだ) (あれとは関わらんないほうが、絶対いい) 幸い、冷凍マグロを持った男はこちらには気づいていない様子だった。 ただ静かに何かを考えているようだった。 恐らくはあの逃げた二人組を追うかどうか考えているのだろう。 「……………」 次の刹那、冷凍マグロを持った男の目が鋭くなった。 どうやら男はぐっと足に力を込める様子だった。 だが、次の瞬間、冷凍マグロを持った男が二人の視界から消えた。 いや、大きく跳ね上がったのだ。このようにして…… このへんにストライダーマグロ ↑ て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ { (" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii ,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-" "'-,, `-,,,,-'--''  ̄ ''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"  ̄"''-- _-'' " ̄ ;;;;----;;;;;;;; ` "'' ---,,_ __,,-''" ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;; ''-`-,, ,,-'' 二-''" .--i| .|i "- ;; `、 ._,-" /  ̄"''--- i| |i ヽ i .( { (i(____ i| .|i _,,-' / } `''-,_ヽ ''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''" ノ,,-' "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;; ---;;;;;;; --''"~  ̄ ̄"..i| .|i .i| |i i| |i .i| .|i .i| |i .i| ,,-、 、 |i i| ノ i トiヽ、_.|i _,, i|/"ヽ/ iヽ! ノ Λ ヽ|i__n、ト、 ,,/^ヽ,-''" i/ / |i/;;;;;;/ ;;;;ノ⌒ヽノ ヽ,_Λ ;;;;;; ;;;;;;;;;; ;;;;;;;; /;;;;;; ;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; ;;;; ヽ ↑ このへんから飛び上がった。 →こっちらへんに二人。 爆風にも似たエフェクトの跳躍で冷凍マグロを持った男はぶっ飛んで行った。 夜空を切り裂くかのような勢いで、空中を駆け上がるようにぶっ飛んで行った。 ツッコミ切れないだろうが、この事実だけは口にせざるを得なかった。 いや、これだけは言わせてくれ!! 「「アイエエエエ! ストライダー!? ストライダーナンデ!?」」 【一日目・黎明/F-1】 【つるぎのフレデリカuP(◆uPLvM1/uq6)@新安価ロワ】 【状態】羞恥 【外見】天樹院フレデリカ@PSYREN -サイレン- 【装備】エッチな下着@DQ2nd 【持物】基本支給品、不明支給品1~3 【思考】 1:キューオについていく 2:冷凍マグロを持った飛竜の姿の書き手を警戒 【「換える者」キューオ・ザ・マスターグリーン (◆OQO8oJA5SE)@○ロワ】 【状態】健康 【外見】小鳥遊宗太@WORKING!! 【装備】不明 【持物】基本支給品、不明支給品0~2 【思考】 基本:主催を撃破し、誰一人欠けることなく○ロワに戻る。 1:対主催の仲間を集める 2:あの台車の二人組はどうしようか……? ※管理者権限は非常に強い想いと覚悟を必要とするため、乱発出来ません。 【一日目・黎明/?-?・上空】 【ストライダーマグロ(◆100ZZ542nE)@新安価ロワ】 【状態】健康、飛翔中 【外見】ストライダー飛竜@ナムカプ 【装備】冷凍マグロ@新安価ロワ 【所持品】基本支給品、不明支給品×0~1 【思考・行動】 基本:参加者の殲滅 1 人の集まりそうな所を目指す 【備考】 ※冷凍マグロを外すと能力が落ちるそうです、 ※どのくらいの高さまで飛んだか不明です。 (もしかしたら会場から飛び出た可能性も……?) 092 当たり支給品……? ◆時系列順に読む 094 鯖味噌昇天 092 当たり支給品……? ◆投下順に読む 094 鯖味噌昇天 077 ドキッ☆書き手だらけの水着大会 つるぎのフレデリカuP 077 ドキッ☆書き手だらけの水着大会 「換える者」キューオ・ザ・マスターグリーン 068 それでも、台車は走り続ける 魔界塔士hq 068 それでも、台車は走り続ける 金融編「観柳」 068 それでも、台車は走り続ける ストライダーマグロ
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8/31㈭ 何か友達が文化祭でゲームを作るらしい 文化祭は9/9日 今から勉強して作ったら時間ない気がする もっと早くから始めろよ 8/30㈬ 月曜に1GB買ってきた もう250MBしかない(汗 動画入れ過ぎた・・・ そういえば最近ゲームしてない 8/20㈰ 友達と中古屋に行って1GBのメモリースティック欲しいなと思いつつ結局やめた。 てかアマゾンの方安かった。買わなくてよかった・・・ んで友達がどこでもいっしょthe best買ってた。 見てたら面白いね、あれ そいつが呪術やら解剖実験やら密室殺人やら危ない事教えててそしたら大呪術祭とか呪術室とか「解剖実験にご協力を」とか大密室殺人祭とか・・・大爆笑 しかもヒライケンジって教えたらヒライケンジポスターとか貰ってたし 8/18㈮ 2、3ヶ月ぐらいまえだけど涼宮ハルヒの憂鬱にハマり小説も8巻読破して最近MacでYoutubeから動画DL→音楽取り出すのに成功してPSPにハルヒ関係の歌をいれまくってる俺。 さてGジェネPを最近買った。 一撃離脱ならぬ一撃粉砕が好きのせいかまだほとんどの作品のステージ1で止まってたり・・・(汗 今、Ξガンダム、HIυガンダム、Sフリーダム、ゴット(馬)、ウィングゼロカスタムとかいるから実際もうほとんど一撃で倒せるんだけどね。1stとポケットの中の戦争(ステージ数1・・・)逆シャアはクリアしました。。 コメントアウトあり 7/28 ㈮ しばらく更新してなかった^^; 個人的な理由でいろいろ消したり修正したりはしたけど。。 ゲーム 二ヶ月前からずっとPSOばっかやってる PSOEP3も買ったしやっぱPSO楽しい でもオンラインやったことないorz やりたいのぅ・・・ いろいろ進んだので一応記録しておきます S Lv125 EVE(新キャラ) Lv80
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末期の嘆 タバレ R 闇文明 (3) 呪文クリーチャー:カース・マジック 2000 ■このカードを呪文として唱えた時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体選び、破壊する。 ■このクリーチャーが破壊された時、墓地にあるこの呪文を相手に唱えさせてもよい。そうした場合、このカードを自分の山札の一番下に置く。 作者:minmin フレーバーテキスト 世界を救った五英雄が民衆から尊敬を集める中、闇文明の英雄クロー・ブラックだけは違った。 見せしめのように獣文をいたぶり尽くし、恐怖で獣文と民衆を従わせたのだった。 評価 名前 コメント
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これより先怪人領域(後編) ◆LxH6hCs9JU ◇ ◇ ◇ 二人の少女の泣き声は耳に届かず、また入れる気もなく、恭介はトルタを引き連れて街に出る。 朝焼けの眩しい市街地は、微かに磯の香りが蔓延している。海から南風によって運ばれてきたのだろう。 「ちょ、ちょっと! いきなりどうしたのよ!? 恭介ってば!」 事態がまったく飲み込めていないのか、トルタは恭介に手を引かれるがままだった。 恭介は返答せず、千華留たちの残る平屋から十分な距離が取れるまで、街を練り歩く。 やがて業を煮やしたトルタは、恭介の手を乱暴に振り払い、ややむくれた顔で怒声を発した。 「もう! いきなりどうしたのかって聞いてるのよ! いったいどこに向かうつもり!?」 「別にどこにも行かないさ。俺はただ、一刻も早くあの家から離れたかっただけだよ」 トルタが怒っているのを承知の上で、恭介は飄々と語る。 怒気を潜め、キョトンとした顔を浮かべるトルタは、やはりまだ気づいていないようだ。 自分たちが犯してしまった、しかし好転させることも可能な、大きな失敗に。 「なぁトルタ。おまえ、ちゃんと放送聞いてたよな?」 「当たり前じゃない」 「そうか。それはそうと、あの神父のおっさんはなに食ってたんだろうなぁ。なんかスゲー美味そうに朝飯食ってたよなぁ」 「……なにが言いたいの、恭介? あんなの、私たちの精神を逆なでするための小芝居みたいなものでしょ?」 「ふむ……トルタはそう捉えたのか。ま、目のつけどころは悪くない。むしろ見事と言っておこう」 トルタを褒め称えながら、恭介は放送の末尾を思い出す。 放送担当者、言峰綺礼が付け加えるように宣言した『ディナーの約束』。 思わせぶりな咀嚼音から料理まで推測することはできないが、そこはどうでもいい。 重要なのは、言峰が食事をしていたという事実。その事実が、浮かれ気味だった恭介に警鐘を鳴らした。 「話は変わるが、トルタの作ってくれた朝飯は最高に美味かったぜ。それはもう、胃袋が絶叫するほどにな」 「え、あ……あ、ああありがとう」 続く称賛に、トルタは頭に疑問符を浮かべながら照れる。 その様子を見るに、まだ恭介の意図には気づき得ていないようだ。 「ああ、本当に美味かったなぁ。めちゃくちゃ美味かった。エクスタシー!と叫びたくなるほど美味かった」 「……恭介。それ、お世辞って見え見えだからさ」 「いやー、特に匂いが素晴らしかった。千華留とりのが寄って来たのもわかるってもんだ」 やたら饒舌な恭介に辟易しかけていたトルタだったが、その言葉でさすがに気づいた。 あ、と声を漏らし、したり顔の恭介を見つめる。 「あれほどの芳しい香りなら、きっと街中に広まっちまうな。そしたら、そう……腹を空かせた侍なんかも釣られて来るかもしれん」 語る途中で、恭介の表情が苦いものを食べたみたいに変化した。 宮沢謙吾……数時間前から知っていた、友人死亡の事実を胸の箪笥にしまい込みながら。 徐々に狼狽していくトルタを諭すように続ける。 「……俺が迂闊だった。もっと早く気づいておくべきだったんだ。千華留たちと出会ったあの時点で」 「違う……私だよ、それ。私のミス……。ううん、なんか変。ごめん、ちょっと浮かれてたのかもしれない」 トルタは顔を俯け、だんだんと声を潜めていく。恭介の口からは溜め息だけが漏れた。 別に咎めるつもりで連れ出したんじゃないんだけどな……とは言わず、ポケットからあるものを取り出す。 手の平にすっぽり収まるサイズのそれは、機械に分類されるであろう支給品の一種だ。 シンプルな長方形に一つだけ取り付けられたその『ボタン』を、恭介が押す…… ┏┓ ┏┓ ┏┓ ┏┓ ┏━━━┛┃┏┓ ┏━┛┗━┓ ┏┓ ┏┓ ┏┓┏━━┛┗┓┏┓┃┃ ┗━┓┏━╋┛┗━┳┳┳╋━┓┏━╋━┛┗┳━┛┗┳━┛┗╋━┓ ┏┻┛┗┫┃ ┃┃ ┗┓┏┓┃┃┃┣┓┃┃┏╋┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┛ ┃┃┃┏━┓┃┃ ┃┃ ┃┃┗╋┻┛┃┃┃┃┃┣┛┃┃┏┛┃┃┏┛┃┃┏━┛┃┣╋━┛┣┫ ┗┛ ┗┛ ┗━━┻┛┗┛┗┻━┻┛┗━┻┛┗━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛ ┏━━━━━━━━┓ ┏┓ ┏━━━━━━┓ ┏┓ ┏┳┓ ┃┏━━━━━━┓┃┏┓┏━┛┗━┓ ┃ ━━━━ ┃ ┏━━┛┗━━┓┃┃┃ ┃┃┏━┓┏━┓┃┃┃┃┗┓┏┓┏┛ ┃ ━━━━ ┃ ┗┳━━━━┳┛┃┃┃ ┃┃┗━┛┗━┛┃┣┫┣┳┛┃┃┗┓┏┻━━━━━━┻┓ ┃┏━━┓┃ ┃┃┃ ┃┃┏━━━━┓┃┃┃┃┣━┻┻━┻╋┳━━┳━━━┳┛ ┃┗━━┛┃ ┃┃┃ ┃┃┗━┓┏━┛┃┃┃┃┣┳━━┓┏┛┃ ━ ┣┳ ┏┛┏━┻━━━━┻━┫┃┃ ┃┃┏┓┃┃┏┓┃┃ ┃┃┏┓┃┃ ┃ ━ ┃┣ ┗┓┃┏┳━━━━┳┓┃┃┃ ┃┃┃┗┛┗┛┃┃┣━━┛┃┗┛┃┃┏┛ ━ ┣┛┏┓┃┃┃┃┏━━┓┃┃┣╋┫ ┃┃┗━━━━┛┃┃ ┗━┳┛┃┗━━┓┣━┛┃┗┫┃┃┗━━┛┃┃┃┃┃ ┗┛ ┗┛ ┗━┛ ┗┛ ┗━┻┛┗━━━━┛┗┻┻┛ ……ボタンが取り付けられた面の裏側はスピーカーになっているらしく、そこから聞き覚えのない男の声が漏れた。 それもなかなかの音量で、不意に耳を打たれたトルタは、びっくりして仰け反ってしまう。 「な、な、な……!」 お、おもしろい反応だな――と出そうになった感想を喉に押し戻し、恭介は『岡崎最高ボタン』をポケットにしまう。 あっけらかんとした恭介の態度が気に障ったのか、トルタはわなわなと声を震わせ、一歩足を強く踏み込む。 「きょ、お、す、けぇ……いきなりなんなのよ、びっくりしたじゃない!」 「ふっ……怒るなよトルタ。今日はヒトデ祭りだぜ?」 「意味わからないわよ! っていうか、それ私の支給品! いつの間にくすねたの!?」 「さっき。死亡者と禁止エリアをチェックするために荷物を広げてたとき」 先ほどの岡崎最高ボタンは、元はトルタに支給された物資の一つだ。 二人で一緒に支給品確認を済ませた際、『どこをどう工夫しても使い道なし』と断定した完全なるハズレ品。 それが今は、思わぬ機能を発揮している……なんでも捨てずに取っておくもんだな、と恭介は思った。 「あきれた……捨てちゃいましょうよ、そんなの。持ってたって仕方がないでしょ?」 「いや、そうとも言いきれないぜ。そうだな……ほら、見ようによっては首輪の起爆スイッチに見えたりしないか?」 再び岡崎最高ボタンを取り出し、翳してみせる恭介。トルタは両肩を落とし、わざとらしく溜め息をついた。 「見えないって……男の子って、無条件でそういうおもちゃが好きなものなの?」 「岡崎最高ボタンを馬鹿にするな。トルタは気づいてないみたいだが、これはちゃんと役に立ってるぞ」 言って恭介は、また岡崎最高ボタンを押した。浮かれた声が響き、トルタがあきれると同時に笑う。 ……もう、顔は俯いていない。声は疲れ気味だが抑揚がある。以前のトルタだ。 「……リセルシア・チェザリーニ」 ふと、恭介がその名を口に出す。 あう、と反応したトルタは、反射的にまた顔を伏せようとして、 「恭介チョォップ!」 「いたっ!?」 させるか! と、恭介の手刀がトルタの脳天を打つ。もちろん手加減はした。 頭を手で押さえながら、上目遣いで可愛らしく恭介を睨むトルタ。 恭介は嘲弄するような笑みで、自分より背の低いトルタを見下ろす。 「しっかりしてくれ、トルタ。知り合いが死んで胸にポッカリ穴が……って場合じゃないんだ、今は。 リセルシアとおまえの友好がどれだけ深かったのかなんて、俺にはわからない。 けどな、おまえにとっての要人はクリスただ一人のはずだ。なら、落ち込んでる場合じゃない。 唯一のクリスのために――リセのことは忘れるんだ。酷なこと言ってるが、頼む」 話を聞くに、トルタとリセルシア・チェザリーニの間柄は、それほど親しいものでもない。 だが事実として、トルタは放送から少ずっと元気がない。リセという知人の死に、少なからず動揺しているのだ。 恭介にだってそれくらいはわかる。昨日まで平和を生きていた庶民が、簡単に死に順応できるはずなどない。 本当に死んだのだろうか、という懐疑心が入り込む。どんな死に方をしたのだろうか、という想像が膨らむ。 ……誰が殺した、あの人は無事だろうか、自分は大丈夫だろうか、とドミノ倒しのように不安は加速する。 そうなってはいけない。だから恭介は、最悪の状況を迎える前に釘を刺した……トルタの抱える強さを信じて。 「……うん、大丈夫。ちょっと、動揺しただけだから。クリスが生きてるなら……私はまだ、頑張れる」 トルタの発した声は小さかったが、語気はしっかりとしていた。 恭介はフッと微笑み、先ほど手刀を喰らわせたトルタの頭に手を置く。 「え? あ、ちょ、恭介? く、くすぐったいってば」 「気にするな。気にしたらおまえの負けだぜ?」 「な、なんの勝負よ~?」 幼児を相手にするように、恭介はトルタの頭を甲斐甲斐しく撫でる。 トルタより幾ばくか大きい手の平は、彼女の表情に安堵を与えていた。 パートナーの再起に、恭介もまた満足気な笑みを浮かべる。 ――さぁ、ミッションはこれからが本番だ。 ゲームに乗った千羽烏月の情報を、友好的な同志であると作り変え、千華留たちに伝達。 千華留たちから得た情報は、また別の場所で悪評として吹聴する。 と、その前に料理を香りを嗅ぎつけた新たな来訪者が現れるとも限らない。 ゲームに乗っていない者なら問題ないが、ゲームに乗っている場合には……千華留とりのの二人に囮になってもらうほかないだろう。 (あの侍がゲームに乗っているかどうかはさすがに一目瞭然だが、どう伝えるかな……伝える必要もない、か? なんにせよ、数十分ほどは平屋の周辺で待ちだな。誰も来る気配もなければ、改めて千華留たちの下へ戻る。 危険人物……あの侍みたいなのが来るようなら、悪いが見捨てさせてもらう。いや、悪いなんて思っちゃ駄目か) 恭介たちがやろうとしているミッションの全容は、簡単に言えば『殺し合いの活性化』だ。 情報を錯綜させ、参加者たちの疑心を育み、自らは武器とする。潰し合わせる、と言い換えてもいいかもしれない。 なんにせよ、褒められたことでは絶対にないのだ。だからといって、罪悪感を覚えてはやってられない。 「よっしゃトルタ。落ち着いたなら説明するぞ。まず俺たちは――」 気持ちの切り替えを済ませ――恭介とトルタのミッションはこれから始まる、はずだった。 一発の弾丸を知らせる発砲音が鳴らなければ。 外野から掣肘が加えられなければ。 最悪の椿事を招かなければ。 始まった、はずなのに。 「…………な?」 こうやって、間の抜けた声を出すこともなかったのかもしれない。 だが、現実は降りかかる。 恭介は間の抜けた声を漏らし、ただそれを見下ろすことしかできない。 「え、あ、きょ、すけ…………あ」 「トルタ……トルタ、トルタァァァ!!」 スカートの裾下、むき出しにされたトルタの生足から、血風が舞う。 赤い濁点が見えたかと思えば、それは一瞬。次の刹那には、染みが拡大していた。 朝の深々と冷えたアスファルトの上を、赤の温もりが汚していく。 ああ、これは……恭介は理解して、既に絶叫を終えていた。 トルタの脚が、目の前で撃ち抜かれた。 「づ……っ、ああぁあぁあぁあああぁあぁああぁぁ!?」 不意のことだったため、本人の感覚も遅れたのか。 トルタは今さらのように悲鳴を上げ、地面に崩れ落ちた。 即座に恭介が駆け寄る。トルタの身を抱きかかえるように持ち上げ、声をかけた。 「しっかりしろトルタ! 気を失うんじゃないぞッ!」 「ぐっ……づ、があ、あぁぁ……」 声を漏らすまいと、懸命に歯を食いしばるトルタ。 よほど力を込めていたのか、唇から血が滲み出す。 (くっ……いきなりなんだってんだ、チクショウ!) 恭介はトルタに負担をかけぬよう身を支えながら、撃ち抜かれた脚部へと視線を転ずる。 傷は計三つ。右脚に二つ、左脚に一つ。場所はともに太腿。そして、轟いた銃声は一発のみ。 以上の点から、恭介はこの奇襲における結論を導き出す。 (右脚を狙った弾が貫通して、左脚にまで被弾……で、こっちは貫通していない。 ってことは、弾は左脚の中か!? 一発で脚二本打ち抜くなんて、どんなゴルゴだよ!) 咄嗟に周囲に目配りをするが、恭介とトルタ以外の人の姿は愚か、気配すら感じない。 謎の襲撃者への鬱憤は舌打ち一回で済ませ、恭介はすぐに避難行動に移った。 脚を負傷したトルタを両腕で抱え、いわゆるお姫様抱っこの形に持ち上げる。 過度な揺れも危険な状態だが、このまま捨て置くわけにはいかない。 恭介はトルタを連れてこの場を立ち去ろうと駆ける――そして、気づいた。 (――なにやってんだ、俺は!) 逡巡もなにもなく、極めて自然な動作で、トルタを救おうとしている自分がいた。 トルタを助ける……その危うすぎる選択肢を、恭介は無意識の内に選び取っていたのだ。 二人で協定を結ぶ際に定めた取り決めも、ティトゥス戦で背負った覚悟も――いや、だからこそなのかもしれない。 (俺は……俺はどうする? 敵はまだ近くにいる、トルタは歩けるような状態じゃない。なら――って、おいまさか) 恭介の脳裏に、改めて選択肢が提示された。 トルタを助ける。 トルタを見捨てて自分だけ逃げる。 二つの単純明快な行動選択。だが、恭介は直感する。 この選択肢こそ、狙撃手の目論む罠なのではないか、と。 (撃った奴は、どうして素直に頭を狙わなかった!? 正確に脚を撃ち抜ける腕前があるってのに! 答えは一つ。俺にトルタを助けさせるためだ! もしあそこでトルタを一発KOすれば、俺はすぐに逃げた! だから撃った奴は、俺に負傷したトルタっていう荷物を与えて、じわじわ嬲り殺せる状況を作ったんだ! なんてこった! どこのどいつだが知らないが、とんだ切れ者だぜ! どうする棗恭介ッ!?) 考えながらも疾駆するが、それでもやはり、トルタを手放さそうという気にはなれなかった。 これが強固になりすぎた仲間意識によるものか、単に不意打ちに動揺しているだけなのか、 もしくはメリットとデメリット及びリスクを計算した上での逡巡なのか、恭介自身も訳がわからない。 (どうする? 俺は――) 棗恭介は仲間を抱え、謎の狙撃者から逃げる――今は、まだ。 【G-4 市街地/1日目 朝】 【2人の共通方針】 1:電車の沿線を行動範囲に、線路近郊の施設を探索。 2:他の対主催のメンバーと接触。 3:そこから情報を得る。 4:自分に危害が出ないように、相手のプロファイリングを元に他の対主催の悪評、もしくは真実を伝える。 5:十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。もし理樹、クリスがいるメンバーなら合流。その後隠れながら邪魔な対主催メンバーを排除。 6:もし中々合流できない場合、もっとも安全だと思われるチームに合流。(戦力の面で、信頼関係も含め) 7:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。終盤は対主催の中心になりなるべくマーダー排除。のち疲労した対主催から狙う。 8:最悪クリス、理樹、鈴がどちらかが死亡した場合は片方のサポートに徹する。両方死亡した場合は互いに優勝を狙う。二人になった場合一騎打ち。 9:ただし完璧に脱出ができる状況になったらそのまま対主催に変更。 10:また、主催の動向や信憑性次第でも対主催に変更。 11:列車の沿線を行動範囲にしていることを信頼できる人間に託し、理樹、鈴、クリスに伝えてもらう。 12:脱出や首輪、主催者の目的についても真剣に考察する。 13;羽藤桂を見付けたら保護。但し残り人数が二桁を切った場合や、止むを得ない理由がある場合はその限りで無い。 【棗恭介@リトルバスターズ!】 【装備】SIG SAUER P226(7/15)@現実、ラジコンヘリ@現実、岡崎最高ボタン 【所持品】:支給品一式、SIG SAUER P226の予備弾45@現実、デジタルカメラ@リトルバスターズ! 【状態】:脇腹に浅い切り傷、胸部に軽い打撲、中度の肉体的疲労 【思考・行動】 基本方針:共通方針の通りに行動し理樹、鈴を優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。 0:トルタを――どうする? 1:とにかく謎の狙撃手から逃げる。 2:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。 3:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪についてトルタと考察する。 4:トルタの過去に興味。 5:『トルタの好意に気付いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。 6:できる限りトルタを見捨てない。 7:道中の地形を把握する。 【備考】: ※トルタを信頼し、共感を抱いてます。 ※トルタとの間に符丁をいくつか作りました。 『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。 (『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。 『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です) ※トルタとはぐれた場合の合言葉は『トルタの知り合い全員の名前』です。 ※参戦時期は鈴ルートの謙吾との野球対決後、リフレイン以前です。 故に、リトルバスターズメンバー、特に謙吾に申し訳なさを感じています。 ※羽藤桂、浅間サクヤ、神宮寺奏、プッチャンの細かい特徴を認識しています。 ※黒幕がいると思ってます。 ※参加者によっては連れてこられた時代が違うと思ってます。 【トルティニタ=フィーネ@シンフォニック=レイン】 【装備】:Sturm Ruger GP100(6/6)@現実 【所持品】:支給品一式、Sturm Ruger GP100の予備弾18@現実 【状態】:中度の肉体的疲労、右脚に貫通射創、左脚に盲管射創、意識朦朧 【思考・行動】 基本方針:共通方針の通りに行動し、クリスを優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。 0:痛い……! 1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。 2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪について恭介と考察する。 3:恭介の過去に興味。 4:『恭介に好意を抱いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。 5:できる限り恭介を見捨てない。 6:道中の地形を把握する。 【備考】: ※恭介を信頼し、共感してます。 ※恭介との間に符丁をいくつか作りました。 『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。 (『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。 『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です) ※恭介とはぐれた場合の合言葉は『恭介の知り合い全員の名前』です。 ※登場時期はアルルートのアルが復活した頃です。 ※羽藤桂、浅間サクヤ、神宮寺奏、プッチャンの細かい特徴を認識しています。 ※黒幕がいると思ってます。 ◇ ◇ ◇ 朝焼けの差し込める街中を、怪人が跋扈する。 寒気は厳しいが、暖を取るには過剰な厚手のトレンチコートを羽織り、僅かに露出した肌には白い包帯が巻かれていた。 髪型は坊主にも近いベリーショート。赤く濁った右目と、黒く淀んだ左目が異彩を放ちつつも人間であること証明する。 一昔前の都市伝説における透明人間のような風貌の男――いや、性別など外見からは判断がつかない。 支倉曜子だった怪人――は、思索する。 それは、大前提の話。 この世界における、『殺し』――とはなにか。 唯一の太一のため、この世界に存在する人間を全員残さず殺す。皆殺し。それはわかる。 話はもっと根本的なものだ。殺す。この行動の意味するものはなにか。そしてどうすれば殺せるか。 考えるのではない。これはあくまでも確認事項の一旦だ。思索というほどのものではない。 殺す――単純に言えば、相手を死に至らしめる。要は命を奪い、生命活動を停止させればいいのだ。 相手が死んだと確認でき、そしてそのきっかけが己となれば、それは殺したと言えるのだろう。 怪人が持つ殺傷兵器。H K_MARK23という名の拳銃。これを用いれば、人間を絶命させるのは容易だ。 人間であるならば。人間でなかったとしたらどうか。または、人間でありながらに人間を逸脱していたら。 特殊な技能を持つ者、人外の者、存在自体が反則と呼べる者、強力な兵器で武装した者、あらゆるパターンを仮定する。 怪人が相対したとして、殺せる相手はこの世界に何人いるか。 また殺せないにしても、試行錯誤して殺せるようにするにはどうすればいいのか。 そしてどうしても殺せない相手と相対した場合、太一のために怪人は殺し以外のなにができるのか。 思索する――――そして、終了する。 さて、活動を再開しよう。 怪人は現在、朝餉の匂いに釣られある民家を目指していた。 といっても、食欲に駆られての行動ではない。怪人としての実直な業務の一環だ。 つまり、殺す。怪人の取るべき行動らしい行動はそれだけで、それだけだからこそ、いい。 道中、発見したのは二人のうら若い男女だった。仲睦まじく手を繋ぎ、男が先導する形で歩いている。 数少ない記憶のデータベースから、二人の外見的特徴を索引。当然だが、該当者は出てこない。 結果など度外視だ。移すべき行動はやはり変わらない。何者であろうと、殺す。ただそれのみだ。 呼吸法を変え息を殺す。踏み締める地を選択し影に溶け込む。存在自体を幻に没する。 忍者、あるいは幽霊のように、誰にも気づかれぬよう気配を断つ――怪人の得意分野だ。 男女は道端で足を止め、なにやら口論らしき行為を始めた。時折機械で録音したような音声が混じるが、問題なし。 気づいていないのであれば、これから移る行動にも支障はなく、成功率は百をキープする。 建物と建物に挟まれた、車二台分はあろうかという開けた道だ。スナイプポイントも無数にある。 怪人は身を隠すことができ、標的の姿を目視し易い地点……はかなりあったが、適当に樹木を選んで移動する。 街の環境保全を狙ったのか、物陰とする樹木は大きく、怪人の姿をごっそり隠蔽してしまった。 改めて、怪人は射撃体勢に入る。標的に狙いを絞り、無感情に引き金を絞った。 銃弾が飛んでいく。コートのポケットに収まったパカップル反対腕章が、発砲の衝撃で微かに蠢いた。 女が悲鳴を上げ、男が絶叫。第二射は行わない。観察する。男は女を抱き、重い足取りで逃げ出した。 怪人は、すぐに近隣の民家へと場所を移す。入って早々二階のベランダへと駆け上り、街を見渡す。 道路の真ん中に、逃げる男の姿もあった。動く標的を狙い撃つには不十分な距離。 怪人はすぐさま家を出て、男を追った。もちろん、自身の存在は僅かな闇と同化させて。 ――さて。 ここに至るまでの道程で、『唯一の太一のために全てを殺す怪人』に矛盾はあっただろうか? ない。まったくない。全然ない。欠片もない。断言してもいいほどにない。あるほうがおかしい。 結果はパーフェクトだ。まだ完了していないため多少語弊があるが、それでもここまでは完璧と言っても過言ではない。 そもそも、殺しとはなにを成して殺したと言えるのか。これは先に結論付けたとおり、相手の命を奪うことに該当する。 しかし、それは一般論だ。世の中が定めた殺すという行為の意味でしかない。この世界においては、違う。 太一のために殺す世界。太一のために殺さなければならぬ世界。太一のために怪人として殺さなければならぬ世界。 どう立ち回るべきかと考えたところで、ただ漫然と命を奪うだけでは、怪人となった意味がない。 だからこそ、怪人は思索し、新たな結論を導き出した。己のスペックと機械的な性質を見つめ直し、動く。 取った行動は二つ。銃からサイレンサーを外し、照準を相手のこめかみから脚に変更。 脚もただ狙うのではない。先のツンツン頭の男との交戦経験を踏まえ、銃の大まかな威力を計測。 さらに狙撃する位置、標的が動く可能性、遮蔽物の有無、諸々を考慮し、相手の脚の完全破壊を企む。 完全破壊――ただ銃創を与えるのではなく、失うには致命的な筋組織を的確に狙い撃つ。 一本は貫通射創を与え、もう一本は銃弾が体内に残る盲管射創が望ましい。運動機能を奪い、苦痛を残すためだ。 別々に撃ってもいいが、相手が停止しているのならば好都合。限られた弾数を考慮し、一発で済ませる。 結果、完全破壊は成功した。即死はしなかったようだが、女にはほぼ怪人の目論みどおりの末路が訪れた。 まず、今後満足に歩行することは不可能。訓練された兵士や武術家ならともかく、一介の少女にそれほど立派な筋肉はない。 運が良ければ生き延びることも可能だろうが、このまま失血死か、両足の銃創による痛みでショック死か、この二つが濃厚。 なぜ、脳や心臓の破壊ではなく、両足の完全破壊を狙ったのか。答えは明瞭。変わらないからだ。 歩行手段を断たれるということは、この殺し合いの世界にとっては死も同義。 生命活動こそ停止していないが、動けず、殺せず、殺されるしかない境遇に身を置いて、それで生きていると言えるか否か。 答えは否だ。それはただ生きながらに死んでいるだけ。生きた死人。わざわざ労力を削ぐ必要性もない。 もちろん、最終的な願いを考慮するならば、素直に放送で呼ばれる名を一つ増やしても良かった。 が、機械的ではあるものの考える『人』である『怪人』は、女の傍らにいる男を見て、殺しに対する考え方を変えた。 命を奪うだけでは飽き足りない。命を――利用する。 利用の意は、殺す、と同義であると言える。現に、あの女は死んだも同然だ。 この時点であの女の死は確定的。では、まだ無傷のあの男はどうか。こちらにはなにも手を施していない。直接的には。 ただし、間接的にはこの男も半分殺したと言える。その理由は、死人同然となった女の存在だ。 あの女と男が友好関係、もしくは愛好関係にあるのは、見るからに明白。少なくとも敵同士ではない。 だとすれば、男は女の死に対してなにを思い、どう動くか。怪人が求めたのはそのリアクションだ。 動揺し立ち竦む、脇目も振らず逃げ出す、状況が理解できず呆ける――これらなら即ヘッドショット。 女を気にかけ、僅かでも助けるような素振りを見せたなら――すぐには撃たない。しばしの間放逐する。 男が負傷者を抱え込むことに対するリスクをどう捉えるか、それは問題ではない。 女への狙撃が成功した時点で、男は怪人の術中に嵌ったのだ。単独で抜け出す道は、皆無。 助けるか助けざるか、見捨てるか見せてざるか、葛藤に苦しむのも勝手。 ただ女を抱えた瞬間、男の役目は標的から餌へと転じた。 そう、餌だ。様子から察しても、あの二人が件の香り立ち込める家の住人であったのはわかる。 罠を仕掛けて立ち去ったのか、途中で過ちに気づき脱出を果たしたのか、経緯はやはりどうでもいい。 事実だけを考える。怪人がここにいる理由。街中に広がっていた香りの強さ。 そして、わざわざサイレンサーを外して撃った銃。鳴り響いた発砲音。二人の生餌。 寄って来る。まだまだ確実に、怪人の殺害対象である太一以外の人間が、わんさかと群がってくる。 そいつらを、殺す。どんな人間であろうと殺す。放送前に対峙した師弟であっても殺す。衛宮士郎であっても殺す。 動物であっても殺す。潜み、影から殺す。気づかれても殺す。反撃されても殺す。観念してでも殺す。 謝っても殺すし、謝らなくても殺す。命乞いをしようと殺して黙らせる。黙していようが殺す。 無感情で殺す。泣き叫ぶ仕草を歯牙にもかけず殺す。動くなら追いかけて殺す。逃げる相手も可能な範囲で殺す。 多少の手傷を負わされても殺す。命が危ういようなら一旦退いて後で殺し直す。結局は殺すのだからやはり殺す。 状況によっては見送るのもありだが、命を奪わないにしても機能的には殺す。死ぬように殺す。 生きてはいられないように殺す。放送で呼ばれるまで殺す。最終的にはあの二人も――殺す。 女は殺し合いに参加する参加者としては既に死人。男も生餌に変わり果てただけの死人。 仮にこの場を逃れたとしても、女は男にとっての重荷を脱却することはできない。 仮に男が女を廃棄する道を選んだとしても、女の死は覆らない。 客観論ではない。これは結論。殺す立場にいる者が定義した、揺ぎない現実。そう。 故に、怪人は断定する――――あの二人組は、いま死んだ。 【G-4 市街地/1日目 朝】 【支倉曜子@CROSS†CHANNEL ~to all people~】 【装備】:H K_MARK23(拳銃/弾数7/12発/予備12×1発)、全身に包帯、トレンチコート(男物) 【所持品】:支給品一式(食料-1)、斧、首輪(リセ)、医療品一式、バカップル反対腕章@CROSS†CHANNEL 【状態】:肉体疲労(中)、右半身大火傷(処置済み)、胸部に激痛(処置済み)、右目が充血(視力低下)、髪を切りました 【思考・行動】 基本方針:太一の為に、太一以外を皆殺し。 1:二人の男女(恭介とトルタ)を生餌とし、寄って来る者を殺す。最終的には二人の男女も殺す。 2:ゲームの参加者を見つけたら殺す。 3:人間でなくとも生きているなら殺す。 4:動いたら殺す。動かなくとも殺す。 5:話しかけてきても殺す。無言でも殺すし、叫んでも殺す。 6:泣いても殺す。怒っても殺す。笑っても殺す。 7:銃で殺す。なくなったら斧で殺す。殺したら相手の武器を奪ってそれでまた他の人間を殺す。 8:殺す。 10:(…………………………………………太一) 【備考】 ※登場時期は、いつかの週末。固定状態ではありません。 ※佐倉霧、山辺美希のいずれかが自分の噂を広めていると確信。 ※『H K MARK23』にはサイレンサーと、レーザーサイトが装着されています。 ※支倉曜子であることをやめました。 093 これより先怪人領域(前編) 投下順 094 記憶の水底 時系列順 095 アリス・イン・ナイトメア 076 KILLER MACHIN 支倉曜子 102 どうする? 093 これより先怪人領域(前編) 棗恭介 トルティニタ=フィーネ
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これより先怪人領域(前編) ◆LxH6hCs9JU 『手負蛇(ウーンデッドスネイク)』、と呼称される爆弾がある。 如月双七――いや武部涼一がかつて収容されていた、織咲病院を退院する際の決まりごとみたいなものだ。 織咲病院を退院する患者――即ち人妖は、首、右肘、左肘、右膝、左膝、計五箇所に爆弾を埋め込むことになる。 これが、ウーンデッドスネイク……手負いの蛇、と呼ばれる爆弾だ。 爆弾は一旦起動すると、織咲病院などの第参種人妖収容施設でしか解除することはできない。 そしてこの爆弾を装着された者は、人妖追跡機関によって常時監視されることになる。 この『手負蛇』は、言ってしまえば世間という枠に入り込むには危険極まりない亜種……人妖の行動を縛り付ける枷のようなのもの。 涼一が収容されていた織咲病院に限って言えば、『手負蛇』は単なる不良患者への懲罰の手段として使用されたりもした。 行動を覗き、監視する。行動を縛りつけ、いざとなったら爆弾を起爆して殺す。しかも体の内側から。 爆弾を人体に埋め込むという時点で人権問題など度外視した代物だが、双七はふと、この『手負蛇』を思い出してしまった。 ……違う。思い出さざるを得なかった。 派手に弾け飛び、血肉に変わり果てて、土に帰り、焼け焦げた残り香さえも雲散霧消してしまった、ボタンのことを思えば。 『……さて、諸君。ご機嫌はいかがかね』 主催陣営による最初の定時放送が流れても、双七はボタンが爆散した現場から動くことができなかった。 頬にこびりついたボタンの肉片や体毛を洗い流すまいと、無意識に運動を拒否していたのかもしれない。 体全身、そして涙腺すらも活動を停止。訪れた虚無に精神を委ね、長い長い放送を聞く。 死亡者は九人。九鬼含め、双七の知人計四名の名は呼ばれなかった。 発表された禁止エリアも頭にインプットした地図と照らし合わすが、今動かなくても特に支障はない位置だった。 二つの業務報告が終了した後、放送担当である神父が延々と喋るのは、本人の趣味を交えた四方山話。 なにやら心の琴線に触れるようなことを語っているが、深く考えることはできない。 左の耳から入り込んできた言霊の数々も、すぐに右の耳から抜け落ちてしまう。 双七が聞きたいのは、言峰綺礼の与太話などではなかった。 ただ一つの結果を、告げてほしかっただけだった。 なのに……放送は終わってしまった。 「あ……」 その瞬間、双七の肢体はガラガラと崩れ落ちた。 千以上のピースが組み合わさってできたジグソーパズルが、地に落ちて派手に弾け飛ぶような絶望感。 ダムの役割を果たしていた自我は悲しみに打ちのめされ、途端、双七の瞳から洪水のような涙が溢れ出した。 洗浄される。 頬に張りついていたボタンの名残が、失意の濁流によって洗い流されていく。 ボタンの頑張りが、ボタンとの繋がりが消えていく……そんな風にも思えて、双七の涙は水勢を強めた。 ――もう、君は本当に泣き虫さんだねぇ 織咲病院で過ごした幼少の十数年間。双七はことあるごとに泣きじゃくり、よくその様を森の狐に見られていた。 森の狐は今は如月すずと名を変え、双七にとって掛け替えのない存在になったが…… 長いつき合いが齎す不幸か、昔から見られていた泣き虫をからかわれることが、今でもしばしばある。 だが、その指摘はずばりだ。双七は自分がとても涙脆い性質であると、自覚している。 生き物の死に悲しみを覚え、他者の嘆きに共感し、悪事に憤怒を滾らせることができると、自身を正しく把握していた。 だからこそ、ボタンの死を前に涙を流さぬなど……不可能だと、そう悟った。 男の子として我慢しなくてはならない局面だったとしても、双七は己の感情に背くことができなかったのだ。 しかも、 「ぐっ、う……なんで、なんで呼んでくれないんだよ……!」 死者の名を告げるはずの放送。その中で呼ばれたのは名簿に記載された九名の参加者たちのみ。 双七の目の前で確かに死んだボタンの名は、言峰の口からは一切触れられなかった。 「見ていたんだろう……? 見えてたんだろう……なのに、どうして無視するんだ……!!」 双七の首に装着された輪、ボタンの足に嵌められていた輪、どちらも意味合いは同じはずだ。 行動を縛りつけ、監視し、起爆する。人妖に施す『手負蛇』とまったく変わらない。 ならば主催者たちは当然、双七ら参加者の生き様と死に様、そして同じく枷を強いられていた、ボタンの最後も知っているはずなのだ。 なのに……死を尊ぶべき存在であるはずの神父は、ボタンの名を呼んではくれなかった。 双七にはただ、それが悔しくてならない。 「…………ごめん。ごめんよ、ボタン」 悔恨に駆られながらも、双七は既に一つの結論を出していた。 言峰にとって、いやここにいるすべての参加者にとって。 ボタンは結局、単なるモノ――支給品に過ぎなかったのだ。 命の有無は問題ではない。ボタンは単に、『自立行動する爆弾つきの食料』程度の意味しか与えられなったのだ。 だからこそ、放送で取り上げるほどのものでもない。そういうことなのだろう。 なんて悲しい結論なのだろう。双七は断腸の思いを味わい、また泣いた。 ――涙を拭い、また泣き、また涙を拭い……そうやって歩いている内に、双七は林を抜け街へと足を踏み入れた。 人生の大半を病院と森しかない孤島で過ごし、街らしい街など神沢市くらいしか知らなかった双七にとって、駅近郊のその街がどれほど栄えていたかは判断が難しい。 ただ、建物のみを見た街並みのほどはともかくとして、人気という観点において言えば……廃れている、と断定せざるを得ない。 (結構、時間を棒に振るっちゃったからな……九鬼先生はどこだろう?) 師を捜し、街を徘徊する双七。脱力したその姿は、くたびれたサラリーマンのようだった。 独り言を呟きながら歩く趣味もなく、靴底が舗装道を叩く音だけが響き渡る。 (話し相手がいたら、ちょっとは違ったんだろうな……) 思う。思っても仕方がないことを思う。寂寥感を拒むように、騒音を欲する。 双七は元々、寂しがりやだ。孤独を嫌悪し、仲間を好く。昔からそうだった。 学園生活への憧れやすずへの依存心もまた、双七の少年らしい弱さ、もしくは甘えから来ていたのだろう。 たった数時間の絆とはいえ、ボタンの死をこんなにも重く引きずっているのもまた、双七の持つ優しさにも似た弱さだ。 (……あ、そういえば) ふと、思い出す。デイパックから飛び出したボタンと、思いもよらぬ足輪の仕掛けに驚かされていた数時間前。 あの騒動のおかげですっかり忘却してしまっていたが、支給品の確認はまだ完了していない。 ルール説明によれば、参加者には一人三つまでの物資が支給されているはずだ。双七が確認したのは、まだボタンだけだった。 (へこたれてる場合じゃ……ない、よな。気持ちを切り替えていこう。うん) 双七は足を止め、同時に涙も止める。 デイパックを漁っているとボタンとの短いふれあいを思い出しそうになるが、それでももう、感傷には浸っていられない。 決意も新たに、デイパックに収められていた物品の数々を外に出していく。 食料、水、サバイバルグッズ、諸々の共通支給品が乱雑に散らばる中、双七の手は一振りの銅剣を抜き出した。 美術館にでも飾っていそうな年代物の剣。武器……というよりは、骨董品というイメージを受ける。 付属されていた説明書を読むと、どうやらこの銅剣の銘は『クサナギ』というらしい。 (うーん、俺には無用の長物、かなぁ?) 世界で二人しか扱う者がいない異端の拳法、九鬼流を戦いの主とする双七にとっては、刀剣の支給もあまり意味がない。 接近戦ならば刃で斬るより拳で殴ったほうが有効なダメージが与えられるだろうし、慣れない武器は足枷にも成り得る。 これが遠距離でも対応できる銃器だったならまた話は別だろうが、剣は双七にとってありがたみの薄い代物だった。 (と、これが二つ目とすると残りは……わ!?) 三つ目の支給品を求めて、デイパックの中を探る。すると、なにやらモシャっとした感触を掴み取った。 驚いた双七が一気に手を引くと、妙な感触の正体はずるずるとデイパックの口から姿を露出させていく。 手はモシャモシャの実態が鬣だと気づき、次いで視線が銀のように白い毛並みを捉え、さらに肩がその巨体と重量を知らせる。 それは、デイパックの中に収納されるには明らかに異質な体積。 物理法則云々をごっそり丸ごと地球の裏側へと蹴っ飛ばし、押し込められていた第三の支給品。 白銀、あるいは新雪にも似た荘厳なる白の体躯。 四つの脚部が支えるたくましくも流麗な曲線、そして長い首。 王者の風格を漂わせる艶のいい鬣は、存在の象徴として見惚れるほどの魅力を放つ。 双七は驚きのあまり瞠目し、唖然と口を開けた。 驚嘆のために唾を飲み、声を溜める。 なにせ、デイパックの中から飛び出したのは―― 「う、う、う……馬ぁ~っ!?」 眼前に置くのも見事な、一頭の美しい白馬だったのだから。 「待て。落ち着こう。確かにちょっと寂しいな、とは思った。けど、ボタンがあんなことになった途端に……こんな」 頭を抱えて苦悶――という名の混乱――する双七。 先刻のボタンとの出会いを思い出し、すぐ総身に怖気が走った。 まさか……ボタンだけではなく、この馬にも例の爆弾が取りつけられているのではないか。 最悪の予感に思い至った双七は右往左往、凛と構える白馬の周りを駆け回る。 前から、横から、後ろから舐めるように眺め回し、戒めの輪が装着されていないかどうか探った。 結果として、首にも足にも胴体にも、それらしきものは見当たらない。 胴体には衝撃保護のための腹帯、その上からブリティッシュの鞍が備え付けられ、 そこからプラスチック製の鐙(騎乗時に足をかける馬具の一種)が垂れ下がっていたが、 これはこの白馬が乗用馬であることを裏づける証拠だろう。 双七は安堵し、ホッと息をつく。そして、改めて目の前の白馬と相対した。 白馬は尊貴に満ちた風格で、取り乱すこともなく双七の姿を真摯に見つめている。 口にはボタンと同じく取り扱い説明書が咥えられており、双七は若干引け腰でそれを掴み取った。 「スターブライト……それがおまえの名前か。なんていうか……格好いいな」 双七の賛辞を受けてか否か、スターブライトが軽く会釈をする。 双七は和やかに笑い、ボタンのときほどはふざけていない文面の説明書を読み進めた。 スターブライト――聖スピカ女学院乗馬部に所属する白馬。 聖スピカ五年生、鳳天音の愛馬として周囲に認知され、その穏やかな物腰は彼女の貴賓溢れる姿を引き立てる。 誰もが認める名馬でもあり、人間への反骨精神も薄いが、礼儀を知らぬ粗忽者には蹄という名の制裁が下されることだろう。 「……その、すごい馬なんだな、おまえ」 双七の戸惑い混じりの称賛に、スターブライトは軽く鳴き、また会釈する。 女学生の乗馬に借り出される名馬ともなれば、人の心もある程度は理解できるのかもしれない。 双七はボタンのときとはまた違った種の感動を覚え、さてこの馬どうしよう……と途方に暮れた。 そんなときである――そう遠くはない地点より、乾いた銃声が届いてきたのは。 「――!?」 双七がギョッと後ろを振り向き、スターブライトが身震いする。 キョロキョロと周囲を見渡せど、そこに特筆すべき変化は見当たらない。 とはいえ、先ほどの発砲音は幻聴などではないだろう。 「……誰かが、近くで戦ってるのか……?」 そう、双七は結論付けた。 銃声の音量から推測して、おそらくはこの街のどこか。 聞こえてきた銃声が一発という点を鑑みれば、戦いではなく一方的な攻撃とも推測できる。 (なんにせよ、放っておくことなんてできやしない! もう、誰かが死ぬのはごめんだ) ボタンの死による苦い苦しみは、もう味わいたくもないし、誰かに味わってほしくもない。 結局のところ、悲しみに捉われてばかりの双七には『殺す覚悟』などまだできてはいなかったが……それでも。 (俺は――なっ) 逸る気持ちに急かされ、駆け出そうとした双七だったが、その正面に白馬が躍り出る。 銃声に我を取り乱すこともなく、悠然と佇むその目は、双七になにかを訴えかけているようでもあった。 「……落ち着け。そう言いたいのか、スターブライト」 馬であるスターブライトは答えない。ただ態度だけは変えず、双七の前に障壁として立ち塞がる。 生まれの良さを物語る尊大な貫禄。見ていると吸い込まれそうになるほどの円らな瞳。 本来の主の下を離れ、こんな舞台に放逐された白馬でさえこれなのだ――と、双七は我を見つめなおす。 「……うん。そうだな。そのとおりだよ、スターブライト。ごめん、ありがとう」 双七は己の頬をピシャンと叩き、渇を入れた。 気を急いてはいけない。精神を乱してはいけない。 ――手は綺麗に。 ――心は熱く。 ――頭は冷静に。 九鬼流の教えを胸中で反芻し、深呼吸。 師がどこで待っているかもわからない。が、ここで銃声を無視することはできない、と改めて自身に言い聞かせる。 焦りはしない。驕りもしない。 だが急ぐ。急いで駆けつける。 だから、どうか――! 「よし……いくぞ!」 双七は決心を固め、再び走り出そうと舗装道を強く蹴る。 しかしその行く手を、スターブライトの巨躯がまたもや塞いだ。 「ええー!? な、なんでさぁ……え? あ、ひょっとしておまえ……俺に乗れ、って言ってるのか?」 双七の問いかけに、スターブライトは首肯する。 見ず知らずの他人に対しても怯えることなく、このように意思疎通も図ろうとする。 なんて利口なお馬さんなのだろう、と双七は本気で感心した。 「うっ……重ね重ね、ありがとう!」 感激もほどほどにし、双七は鐙に足をかける。 馬術の心得はもちろん、乗馬の経験など皆無の双七だったが、このスターブライトとなら上手くやっていける。 そう思っていた……スターブライトの気性の穏やかさだけを根拠に。 鞍に跨り、鐙を履き、手綱を持つ。 アクセルもペダルもない乗り物に対し、双七はちぐはぐな知識だけで乗用を試みた。 気分はウエスタンカウボーイだ。両手に握った手綱を大きく振り上げ、音が鳴るほどの勢いで振り下ろす。 「ハイヨー! スターブ……と、とと、とおっ!?」 結果、スターブライトの前身部がウィリーのように持ち上がり、双七が大きくバランスを崩す。 不意の揺れ。満足に体重移動を行うこともできず、双七は自身の未熟さを呪いながら、滑稽に落馬した。 「い~~っ、て、ててぇ……ちょ、調子に乗るな、ってこと?」 ぶるるっ、とスターブライトが尊大に鼻を鳴らす。双七は弁解の仕様がなく、ははっ、と失笑。 この堆くも友好的な白馬は、双七が思っていたよりもずっと頭がいいようだ。 人間とコミュニケーションを図り、自己のプライドは崩さない……ふと、馬の妖怪っていたっけかな、などと思う。 「うん。反省する。もう一度乗ってもいいかな? ……ありがとう」 気を引き締め、双七は恐る恐るスターブライトに乗馬し直す。 相手も自分と同じ生き物なのだと、命なのだと再確認し、だからこその礼節を持って、丁寧に接する。 「行こう、スターブライト!」 白馬に乗った如月双七が、現地へと向かった―― 【G-4 駅近郊/1日目 朝】 【如月双七@あやかしびと -幻妖異聞録-】 【装備】:スターブライト@Strawberry Panic! 【所持品】:支給品一式、クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹 【状態】:後悔、肉体疲労(小)、精神疲労(中)、右膝と右肩に貫通射創 【思考・行動】 基本方針:仲間の確保と保護 1:スターブライトを駆り、銃声の下へ。 2:九鬼先生と合流する。 3:向かってくる敵は迎撃。殺す覚悟はまだ―― 【備考】 ※双七の能力の制限は不明。少なくとも金属を集める事ならば出来ます。 ※首輪装着者の行動は主催者に監視されていると思っています。 ◇ ◇ ◇ 芳しい香りが食欲をくすぐる、平凡な街々にあっても嗅覚が異端だと告げる、一件の平屋。 無人の都市において唯一、生活味を内包していたその民家には、今は四名の住人がいる。 棗恭介、トルティニタ・フィーネ、源千華留、そして蘭堂りの。 着く席はリビングという名の食卓。テーブルに並べられているのはミネストローネとリゾットが四人前。 だが、このときばかりは皆スプーンを止め、ごそごそと荷物を漁り出す。 取り出したのは名簿と地図、そしてメモ用紙とペンだった。 四人を包む空気が明らかに重くなる刹那、途方もないどこかから、壮年と思しき男性の声が響いてきた。 各々の脳内に、癖毛の印象的な神父の姿が思い浮かぶ。同時に、序幕の際の演説も。 訪れたのは――『第一回定時放送』。 現生存者に必要不可欠な情報を提示し、さらなるゲームの進捗を図る、主催者にとっての必須業務だ。 静聴者たる四人は食事も会話も中断し、告げられるであろう禁止エリア、そして死者の記載作業に移る。 放送担当者の思わせぶりな口ぶりと、なかなか突入しない本題。 四人は一抹の不安を覚えつつ、ただペンを握りながら待った。 そして―― 『リセルシア・チェザリーニ――』 ――それを聞いたトルタの口が、えっ、と開き。 『蒼井渚砂――』 ――それを聞いた千華留の筆が、ピタリと制止し。 『宮沢謙吾――』 ――それを聞いた恭介の眉根が、僅かに釣り上がる。 唯一――りのだけは平穏無事に心を保ち。 言峰綺礼による最悪の放送は、終わりを迎えた―― ◇ ◇ ◇ 「さて……これであらかたの情報は提供し終わったかな」 放送後――りの、千華留、恭介、トルタの四人は、感傷に浸る間もなく、予定どおり情報交換を終えた。 事務的に進められた会話に談合の要素は乏しく、聞く側はただ、語る側の話を粛々と聞いていただけ。 しかしその中でも一人――放送の影響か――上の空だった人間がいたことは、りのの目から見ても明らかだ。 「……千華留? おい、ちゃんと聞いてたのか千華留?」 「……え、ええ。問題なくてよ。お二人の友達……棗鈴さん、直枝理樹さん、来ヶ谷唯湖さん、 宮沢謙吾さん、井ノ原真人さん、クリス・ヴェルティンさん、ファルシータ・フォーセットさんは未知数で、 それからここで出会った千羽烏月さんというのが……羽藤桂さんを捜しつつ、各地を周旋してるのよね?」 千華留が確認のため問うと、恭介は若干の顰め面で、重い口を開いた。 「……謙吾はさっきの放送で呼ばれちまったよ。残念ながらな」 「あっ……ご、ごめんなさい」 お辞儀と共に謝罪を述べる千華留。その視線は、恭介の目を捉えてはいなかった。 「いや、いい。そっちは……神宮寺奏と浅間サクヤ、だったか?」 「あ、プッチャンもです」 「おっと、そうだったな。喋るパペット人形ね……本当にいるのか? そんなの」 「います! 絶対いますよ~!」 ほんのりと、場を和ませるつもりで明るく喋ってみるりの。 しかし『当人』の顔は暗く、見ているこっちが滅入ってしまいそうなほど、深く沈んでいた。 この空気が……たまらなく、辛い。 「とにかく、烏月は信頼できる奴だ。きっと助けになってくれると思うぜ」 「その人もサクヤさんと同じで、羽藤桂さんっていう人を捜してるんですよね? だったら心強いかも~」 「知り合いの知り合いの知り合いはまた知り合い……ってな。そうやって交友の輪は広まっていくのさ」 友達が死んだ――その事実を受けてなお明るく振舞える恭介を、りのは純粋に『強い』と思った。 だが、『彼女』が被っている仮面は……強さとはまた別種のものだ。 (きっと、私だったらへこたれちゃう。奏会長やプッチャンの名前が呼ばれたら……) 一挙に押し寄せてきた悪い想像を振り払うように、りのは首をぶんぶんと振った。 そして気づく。そういえば、さっきから恭介としか満足に言葉を交わしていない。 恭介とあれほどイチャイチャしていたトルタは、今はなりを潜めるように口を閉ざしていた。 りのの視線がトルタのほうに向いているのを見るや、恭介は密かに溜め息をついた。 「……と、悪い。まだ話したいことは山ほどあるんだが、ちょっと席を外させてもらう」 「え、どこへ行くんですか?」 「すまん、察してくれ。なるべく早く戻ってくるから、二人はここで待っていてほしい。行くぞ、トルタ」 「ふぇ? あ、ちょ、恭介っ」 そう言うと恭介はおもむろに立ち上がり、隣に座っていたトルタの手を引く。 やや強引にも思えるその行為は、きっと恭介なりのやさしさなんだろう、とりのは推測する。 放送で呼ばれたリセルシア・チェザリーニ……トルタもまた、知人の死に少なからずショックを受けていた。 あれだけアツアツなところを見せられては察するしかない。 恭介はボーイフレンドとして、落ち込むトルタを放っておけないのだろう。 うんうん、と自己完結するりのが勝手口へ向かう二人に目をやっていると、 不意に、ガシャン、という大きな音が鳴り響いた。 「おほほ……ごめんなさい。手が滑ってしまいましたわ」 三人が目をやると、そこには優雅に笑う千華留の姿があった。 彼女の足元には、ミネストローネの赤色がこびりついたプラスチック製皿が一枚。 どうやら、なにかの拍子に床に落としてしまったらしい。 大事ではないと把握した三人はホッと胸を撫で下ろし、恭介たちは再び勝手口へと歩を進める。 「後片付けは私とりのちゃんがやっておくから。お二人はどうぞ気兼ねなく」 「茶化すなよっ。ん……じゃあな」 失笑の後、恭介は呟くように一時の別れを告げ、トルタと共に外へと出て行った。 残されたりのと千華留はしばしその後姿を見つめ、やがて千華留が動き出す。 「さぁて、お片づけをしましょうねぇ~」 鼻歌など交えつつ、千華留はテーブルの上の皿やスプーンを集めていく。 寂寞とした民家内に、カチャカチャと食器を片付ける音が奏でられる。 ふんふんふーん、という拙いリズムは、無言で空気を悪くしないようにとの配慮だったのだろう。 千華留はりのに話しかけようとはせず、ただ黙々と後片付けに没頭……しているように見せていた。 「……どうしてですか?」 ボソッ、とりのが呟いた。 千華留は気づかない。あるいは気づいているのかもしれないが、気づいた素振りは見せない。 「どうして、そんなに無理をするんですか?」 食器と食器が重なる音に負けないようにと、りのは声量を上げて言った。 千華留からの反応はない。あくまでも後片付けに夢中、という風に見せようとしている。 「聞いてください……! どうして……千華留さん、今とっても辛いはずなのに!」 千華留は逃げている。途方もない悲しみから、源千華留という自己を安全な場所に逃がしている。 一目瞭然だった。お茶を啜る仕草も、スプーンを口に運ぶ手つきも、あの瞬間から一変していた。 あの瞬間――放送で、蒼井渚砂の名前が呼ばれてから。 聖ミアトル女学園四年生、蒼井渚砂。 千華留にとっては、姉妹校に所属する下級生程度の関係であるはず……と、りのは認識していた。 が、今となっては、言葉以上に渚砂の存在は千華留にとって大きいものだったのだと、理解せざるを得ない。 「……あのね、りのちゃん」 食器を流し台に移しながら、千華留は顔を向けず声を発する。 「自分で言うのもなんだけれど……私ね、これでも面倒見のいい生徒会長をやれてたと思うのよ」 すずろに語り出す千華留。 その内面は窺い知れず、しかしりのの心のざわめきは治まらなかった。 「ル・リムのみんなは、私のことを千華留お姉さまなんて言って慕ってくれた。 影じゃあ、『ル・リムの聖母』なんていう大げさなあだ名までつけられていてね。 ふふふっ、けど……うん。嫌じゃなかったわ。むしろ逆。嬉しかった。 みんなが私に好意を抱いてくれているのだと……誇りにも思ってしまったの」 千華留が蛇口を捻る。 勢いよく流れる水の音が、千華留の常時よりか細い声を、さらに潜める。 「そう……私は、みんなの聖母様でいなくちゃいけないのよ。 私が挫けてしまったら、大勢の妹たちが道を見失ってしまう」 蛇口から零れる濁流が、食器についた臭いの残滓を削ぎ落とす。 千華留は水には手を振れず、ただ眺めているだけだった。 「先駆者は道を照らさなくてはいけない。そうしなければ、みんなが先に進めなくなってしまうから。 ……損な役回りだと思う? いいえ。これは私の存在証明みたいなものだもの。言ってしまえば趣味。 みんなの心を明るく照らす聖母様でいたい。そしてみんなの微笑みに照らされたい。 それが私の望み。それが私の願い。私は私を、源千華留という人間をそう捉えている」 千華留の心と、蛇口から流れる水の勢いが、重なって見えた。 水は映し鏡のようなものだ。清純な煌きは、容赦なく前に立つ者を映し出す。 ――りのは思った。この人は、やせ我慢をしているんだ。 プライドとは別種の、気高い自尊心を保とうするがあまり、感情を殺している。 しぶとく起き上がってくる感情を、武装した理性で叩きのめして、まだ殺しきれてない。 そんなんだから、私なんかに気づかれる……思ったりのは、席から身を離した。 「だから、今はちょっぴり我慢。天国の渚砂ちゃんにも、笑われてしまうから――」 取り繕うのに時間がかかったのだろう。千華留は精一杯の笑顔を作り、りのに振り撒こうと首を捻った。 そうすればりのが安心する。千華留の優しさは、そう愚かにも分析して、行動を促した。 りのはそれが許せない。振り向いた千華留の笑顔を破壊せんと、右手のドリルを突き上げた。 ぷにゅっ、とさほど鋭利でもないドリルの先端が、千華留の鼻先をつつく。 りのの予想外の行動に虚を突かれた千華留は、ふえっ、と柄にもない間抜けな声を漏らした。 ドリルを突き刺すりのの顔は俯いている。が、すぐに持ち上げて、千華留の顔を睨むように見た。 その、潤んだ瞳で。 「千華留さんの……わからず屋! 自分勝手! わがままさん! え、えと、えと……あほんだら~!」 拙い口調で、思いついたかぎりの罵りを口にする。言われた千華留は、呆然としていて満足に反応も返せない。 間隙を縫い、りのが捲くし立てる。 「あ、あの、えっと、そのぉ……う、上手く言葉にできないけど、今の千華留さん、なんか間違ってます!」 捲くし立てる……ほどの言葉は出ず、りのは継ぎ接ぎの表現で千華留を否定した。 必死さだけは伝わる姿を見て、呆気に取られていた千華留は僅かに苦笑する。 「あ……クスッ。間違ってなんかいないわよ。りのちゃん、私は……」 「間違ってるったら間違ってるの! だって、千華留さん今すっごく悲しいはずなのに……すっごく我慢してる!」 気取ったセリフは思いつかないし、言葉もつっかえる。けれども、言いたいことは頭の中にたくさん溜まってる。 りのは饒舌な内面を外に発散させるため、訥々と口を開き続けた。 「だって、その、渚砂さんが……あう、そうじゃなくて。本当は、泣きたいくらい悲しいはずなのに。 私も奏会長の名前が呼ばれたら、それにプッチャンも! あ、そうでもなくてですね、んと、千華留さんは変! ああ、ごめんさない! 変じゃないけど、そういう変じゃなくて、ああうううう~」 満足に言いたいことも言えない自分に、りのは軽く自己嫌悪した。 こんなとき、プッチャンがいてくれたら……口下手なりのの代弁者になってくれたに違いない。 的確な言葉で、千華留の間違いを指摘し、諭してくれたと思う。だからこそ。 イメージするのはプッチャンの語りだ。それを頭に浮かべれば、自然と口は軽くなった。 「……我慢する必要なんてない。おまえは今、泣いていい。と……ドッチャンもそう言ってます……」 キザっぽいセリフを吐いてしまったことに羞恥を覚えたりのは、苦し紛れに右手のドリルを翳す。 今のはドリルのドッチャンが言ったんです、と誤魔化すことで、まだまだ千華留の正面に立つことができた。 「…………あ」 ポロッ、と。 千華留の目元を覆う蝶々型のアイマスクから、なにかが零れた。 「あ、あら?」 それは、真珠のような輝きを放つ一粒の小さな雫。 「あら、あれ、あ」 アイマスクの両端から流れ落ちる、悲しみの軌跡。 「え、あ、あらら?」 頬を伝わる違和感を、千華留が指でサッと取り除く。 「う、あ……あう」 しかし、雫は次々に、滝のように流れ落ちてくる。 「ちょっと、ちょっと待ってね。あ、あれ?」 たまらずアイマスクを取り外し、手の平で拭う。 頬の湿り気はそれだけでは除去できず、目元は真っ赤。 壊れた水道のように、止まることを知らない水の雫。 千華留はこれを知っている。 これが、悲しみから来る涙だと知っている。 「あ、うう……こんな、はずじゃ、ない、の。だから、ね、う、あ……」 りのが見ている。不安そうな顔で千華留の泣き顔を見つめている。 ああ、駄目だ。すぐに泣き止まないと。泣き止んで、りのを安心させてあげないと。 懸命に涙を押し殺そうとする姿を見て、りのは千華留の気持ちを察した。そして、また悲しくなった。 この人はなんて……なんて我慢強い人なんだろう。なんでこんなに悲しいことを、我慢できるのだろう。 もし私だったら、と仮定して、悲しみが増す。千華留の悲痛な想いが、りのの胸中に伝心される。 「ちが、う、の。これ、は、そのね、あれ、だから、ひぐっ、すぐに、ね。あぅ、す、ぐに」 千華留は、泣きながら微笑んでいる。目に一杯の涙を溜めて、頬に河川を引いて、口元だけで笑っていた。 全部、りのを思いやっての行動だ。本心は悲しみに打ちのめされて、今すぐにでも泣き崩れてしまいたいはずなのに。 「ごめん、ね。ごめん、なさい、ね。りの、ぢゃ、ん」 しっちゃかめっちゃかだった。 笑おうとする涙腺、泣こうとする頬、元気づけようとする心、悲しみに暮れる本能、対立し合い、混ざり合う。 母の手から離れ、迷子になってしまった子供のように……いや、子供のほうがまだ悲しみに没頭できる。 千華留は自身が母親の気質を備えていると自覚しているからこそ、子供のように泣きじゃくることができなかった。 むき出しになりつつある感情はミキサーで攪拌されたように、ぐるぐるになってなにがなんだかわけがわからない。 笑えばいいのか、泣けばいいのか、徐々に判然としなくなって、千華留の心は一旦立ち止まる。 迷い子を導くように、りのは潤んだ瞳を投げかける。ほんの少しの優しさを添えて。 「……私、千華留さんが我慢してたら安心できないです。だから、今はいっぱい泣いてください。 我慢しないで、いっぱい。いっぱい。いっぱい。気の済むまで泣いてください。……っ、わたし、も」 道を模索する千華留を、りのの小さな体が包み込む。 昔、お母さんが自分にそうしてくれたのを思い出して。 戸惑っていた自分にそうしてくれた千華留を思い出しながら……りのも、泣いた。 「……あ、あぁああぁあぁあぁぁ~……っ、りの、りのっ、ちゃん……! なぎさっ、ちゃんが……!」 「えっ、えうっ……ふぁ、あぁ、ふぁぅ……っ、が、っぐ、ひぐっ……う、うん。うん。……はいっ」 二人は少女としての体面をかなぐり捨てた。 恥ずかしい声を漏らすことも、みっともなく垂涎することも、化粧が剥がれることも構わず、泣いた。 「どっ……ん、どう、ひてっ、なぎさぁ……なぎさぢゃ、なぎさちゃん……がっ、えぐっ、あ、ふぇ、ぐ」 「……ふぇ、ぶっ、ふぇえぇぇぇあぁ……っ、ぐっ、ん、ふぁはぁぁ……ああぁあぁあ、あぁああぁあ」 涙に濡れた体を温め合うように、互いを抱擁し合うりのと千華留。 肌から肌に伝わる仄かな温もりが、冷え切った心を支えとなる。 悲しかった――ただひたすらに。 この世に、直視し難い現実はあるんだと、思い知らされた。 りのと千華留の二人はまだ少女だからこそ、現実に耐え切れない。 でも、いい。 今はこてんぱんに打ちのめされよう。 それがきっと、明日に繋がるから。 泣く。いっぱい泣く。悲しいから泣く。辛いから泣く。女の子だから泣く。恥ずかしいくらい泣く。 苦しいけど泣く。思い出して泣く。喉が枯れるほど泣く。目が痛くなるくらい泣く。二人一緒に泣く。 ……泣いて、泣き止んだ頃には、きっと、うん。 雨は、上がってるはずだから―――― 「うわ、あぁ――」 しかし、悲しみすらも唐突に奪われた――泣き声とは対局的な、乾いた銃声――紛れもない、現実の魔手によって。 【G-4 平屋/1日目 朝】 【源千華留@Strawberry Panic!】 【装備】:能美クドリャフカの帽子とマント@リトルバスターズ!、スプリングフィールドXD(9mm×19-残弾16/16) 【所持品】:支給品一式、エクスカリバーの鞘@Fate/stay night[Realta Nua]、怪盗のアイマスク@THE IDOLM@STER 【状態】:健康、深い悲しみ 【思考・行動】 基本:殺し合いはしない。りのちゃんを守る。 0:じゅう……せい? 1:りのちゃんと一緒に行動。 2:奏会長、プッチャン、桂ちゃん、クリス、リトルバスターズメンバーを探す。 【備考】 ※浅間サクヤと情報を交換しました。 ※第二回放送の頃に、【F-7】の駅に戻ってくる予定。 ※恭介からの誤情報で、千羽烏月を信用に足る人物だと誤解しています。 【蘭堂りの@極上生徒会】 【装備】:メルヘンメイド(やよいカラー)@THE IDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER 【所持品】:支給品一式、ギルガメッシュ叙事詩 【状態】:健康 【思考・行動】 基本:殺し合いはしない。ダメ、絶対。 0:え……? 1:千華留さんと一緒に行動。 2:奏会長、プッチャン、桂ちゃん、クリス、リトルバスターズメンバーを探す。 【備考】 ※浅間サクヤと情報を交換しました。 ※第二回放送の頃に、【F-7】の駅に戻ってくる予定。 ※恭介からの誤情報で、千羽烏月を信用に足る人物だと誤解しています。 092 doll(後編) 投下順 093 これより先怪人領域(後編) 090 悪鬼の泣く朝焼けに(後編) 時系列順 064 ときめきシンパシー 棗恭介 トルティニタ=フィーネ 源千華留 105 源千華留は大いに語り大いに推理を披露する 蘭堂りの 065 End Of All Hope 如月双七 113 Second Battle/少年少女たちの流儀(前編)
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右手にノートパソコンを抱え、速筆魔王LXは暗闇の中を歩く。 ノートパソコンの中にその意思を宿すギャグ将軍は、今は無言だ。 「一度一人でじっくりと考察したい」と本人は言っていたが、黙っている理由はそれだけではないだろうと魔王は思っていた。 静かなる~Chain-情~。孤高の黒き書き手。 共に新生クライシス帝国の一員であり、第三回の放送時点で生存が確認されていた書き手である。 だがコロンビーヌがもたらした情報は、この二人もすでに死亡しているというものであった。 孤高の黒き書き手は、コロンビーヌがその目で殺害された瞬間を確認している。 そして静かなる~Chain-情~も、彼女曰くその身から発せられていた強いラブオーラが、すでに完全に消滅してしまっているという。 つまり、新生クライシス帝国のメンバーで現在まで生き残っているのは、ギャグ将軍とコロンビーヌの二人だけになってしまったのである。 数多くいた部下の、そのほとんどを失ってしまった無念。察するに余りあるというものだ。 魔王によりKYの烙印を押されているみWikiも、さすがに今回は黙りこくっている。 「おや?」 そんなこんなでしばらく一言もしゃべらぬまま移動していた魔王だったが、ふいに声をあげる。 彼の目の前に広がっていたのは、おびただしい量の瓦礫の山だった。 「ここは…。市街地とビル街の境目だから、F-6か…。こんな状態になるなんて、いったい何があったんだ?」 「何があった、魔王よ。余にも見せるがいい。」 「ええ、わかりました。」 魔王はノートパソコンを開き、モニターを眼前の光景に向ける。 「なるほど、これはひどいのう…。昼間に余と部下達もこのあたりで戦闘を行ったが、そのときよりもさらに破壊が進んでおる。」 「さすがにこれでは通れませんね…。迂回するしか…。」 そう呟くみWikiだが、それに対し魔王は意外な答えを返す。 「いや、このまままっすぐ進むさ。」 ◇ ◇ ◇ 蟹座氏、バトルマスター、エロスの鐘の煩悩寺の三人は、廃墟と化したビル街から脱出すべくひたすら歩いていた。 しかし、その移動スピードははっきり言って遅い。 何せ、進めるルートを見つけるだけでも一苦労。 どうしても進めなくなり、みんなで瓦礫を切り崩して強行突破という場面も一度や二度ではない。 そんな状況だから、進んだ距離に比べ体力の消耗は激しくなる。 「ふや~…。」 「蟹座氏、大丈夫ですか?少し休憩しましょうか?」 「い、いや、大丈夫だよししょー!まだまだへっちゃらさ!」 自分を気遣うバトルマスターの言葉に、蟹座氏は元気よく返答をする。 だがそれが空元気だというのは、バトルマスターにはよくわかっていた。 バトルマスターと蟹座氏。共に先のジョーカー戦で大きく疲労し、ダメージもかなりのものを受けている。 本来ならばしばらく安静にいていなければならないような状態だ。 だが、そうゆっくりしているわけにはいかない。なぜなら、今はロワ終盤だからだ。 人数が少なくなった分一人あたりの描写が多くなる。それ故、何もしないでじっとしていることなどとうてい歓迎されない。 書き手としての悲しい本能が、彼らを無意識のうちに突き動かしているのである。 「ああっ!」 バトルマスターがそれでもあえて休憩を提案しようとしたそのとき、声をあげたのは煩悩寺だった。 「どうしました、煩悩寺さん!」 「あそこを見てください!人影みたいなものが!」 煩悩寺が指さしたのは、倒壊を免れた数少ないビルのひとつ。 その屋上に、月を背にして確かに誰かが立っていた。 その誰かは、ためらう様子をまったく見せることなく屋上から飛び降りる。 「うわっ!」 蟹座氏は、思わず声をあげる。その人影が飛び降りた高さは、どう考えても安全な高さではない。 影はそのまま、地面に突き刺さる。とどろく轟音。舞い上がる土煙。 「ふう…。さすがにあの高さからだと足が痺れるねえ…。」 しかし姿を現した男の反応は、至って平凡。まるでいすから落ちた程度にしか見えない。 それを見ていた三人は、明らかにリアクションに困っている。 まあ超人レベルの人ならノーダメージでも納得できるかもしれないけど、反応軽くない? 「ふむ、まあまあのボケだな。そちもわかってきたではないか、魔王よ。」 「ありがとうございます、将軍。でも、ぼけたつもりはないんですが。」 今度はノートパソコンと話し始める、謎の男。その光景を見て、バトルマスターはようやく我に返る。 「あの、あなたはいったいどちら様で…。それから、そのパソコンは意思持ち支給品ですか?」 「ああ、失礼。僕はアニロワ2ndの書き手、速筆魔王LXです。」 その名前を聞いたバトルマスターと蟹座氏の脳裏には何故か「パヤパヤ」というフレーズが浮かんだが、それはひとまずおいておく。 「そしてこっちが…。」 「余はライダーロワ書き手にして新生クライシス帝国初代大統領、ギャグ将軍である。」 魔王が三人に向けたノートパソコンの画面内で、金色の怪人が尊大に名乗る。 「ギャグ将軍…。たしか名簿にも載っている、れっきとした参加者のはずですが…。いったい、何故このような姿に?」 「まあ、その辺についてはおいおい話していくとして…。まずはそちらの名前を伺いましょうか。こちらだけ名乗るのは不公平でしょう。」 「それもそうですね…。僕はギャルゲロワのバトルマスター。こっちは僕と同郷の蟹座氏です。そして…。おや、どうしました?」 「い、いえ!なんでもありません!」 心配するバトルマスターにそう答え、彼女は顔中に冷や汗を浮かべながら名乗る。 「お二人とも、『初めまして』。アニロワ2ndの書き手、エロスの鐘の煩悩寺です。」 「初めまして…?」 「むう?」 (やばいやばいやばい、めっちゃ疑われてるー!!) 二人の視線を受けて、煩悩寺の顔にさらなる冷や汗が浮かぶ。何せ、この二人と彼女は一度遭遇しているのである。 それならバトルマスターも同じじゃないか、と思うかもしれないが、そうではない。 バトルマスターはその名の通り、特殊能力は戦闘に特化している。それ以外は普通の青年だ。 だから、多少の疑念を持ちつつもあっさり術中にはまった。 しかし、この二人は違う。なんというか、人間としての格が違う。 どんなに完璧な偽装も、あっさり見破られそうな気がしてならない。 特にギャグ将軍。この男(?)は底が知れない。何が飛び出すかわかったもんじゃない。 「ちょっと、二人とも!女の子をじろじろ見るのは失礼ですよ!」 煩悩寺に対して助け船を出す格好になったのは、蟹座氏だった。 もちろん彼女は煩悩寺の正体を知っているわけでもなければ、共犯者でもない。 男二人の煩悩寺への視線を、別の意味に勘違いしただけである。 「おっと、失礼。それではお互い名乗ったことですし、情報交換といきませんか?」 若干納得のいかないような表情を見せながら、魔王はこう切り出す。 バトルマスターはそれを快く受け入れ、二組の情報交換が始まった。 とは言っても、お互いまとめwikiの存在を知っていたため、共有する情報は多かった。 そのため主な論点となるのは、放送以降のお互いの行動である。 「なるほど…。ジョーカーに敗れた結果、将軍さんはその姿に、と…。」 「うむ。そちらにもジョーカーの介入があったようだな。」 「ふむ、なるほどなるほど…。」 情報が飛び交う中、魔王はその脳内でそれを的確に整理してゆく。 「そっちを襲ってきたジョーカーの目的は、時間稼ぎだった。おそらく、僕たちとの合流を遅らせるのが目的だろうね。 こっちも結果的に将軍がこんなことになったとはいえ、積極的に殺しに来てる感じじゃなかった。 殺すのが目的なら、もっと他にいくらでも方法があるはずだからね。」 その場にいる面々を見渡しながら、魔王は言葉を続ける。 「wikiから得た動向を見ても、ジョーカー達は人数を減らすために動いてるわけじゃなさそうだ。 僕やお姉さまと戦ったジョーカー…nanasinnは殺す気満々だったけど、あの人はあくまでイレギュラーだったらしいしね。」 「彼らの目的は、ロワの展開を自分たちに有利な方向へ導くこと…。参加者を殺すことではない、というわけですね。」 「うん。そういう意味では、彼らは本来の意味のジョーカーとは違う存在と言えるかもしれない。 まあwikiでもジョーカーで統一されてるみたいだし、今更新しい呼び名を考えるのも面倒だからそのままジョーカーって呼ぶけどね。」 バトルマスターの言葉を肯定し、魔王はなおも語り続ける。 「まあ向こうがどういうつもりにしろ、主催者打倒エンドを達成するには彼らを倒すしかない。 向こうの戦力は『ジョーカー』が7人。それに加えて戦力は未知数のwiki管理人、読み手、プー太氏…。 そしてかなりの実力を持つスタンド使いであることが予想される、感電氏…。 『真の対主催』を名乗る彼が、果たしてどちら側につくか…。こっちの味方になってくれれば言うことなしなんだけど…。」 「何を言うか、魔王!!」 突如として上がる怒声。それはこれまでおとなしく話を聞いていた、ギャグ将軍のものだった。 「奴は我が部下である焦ったドラえもんの体を乗っ取り、あろう事か殺戮の道具として使ったのだぞ! その上、戦友であるうっかり侍とフラグビルドまでその手にかけさせたのだ! そんな奴と手を組むことなど出来るか!必ずや、余がこの手で討ち取ってくれるわ!」 「気持ちはわかりますが…。少し頭冷やしましょう、将軍。 我々の目的は主催打倒によるロワ完結です。もはや対主催の参加者も十人ちょっと。 今後の展開次第では、さらに人数が減るでしょう。戦力になりうるものは、少しでも多く確保しなければならないんですよ。」 「知ったことか!!奴だけは…奴だけは許せぬ!!」 「だから落ち着いてください、将軍。だいたい、向こうのスタンドは物理無効、電撃吸収のレッドホットチリペッパーですよ? 元に戻れたとしても将軍のスペック上、相性最悪じゃないですか。」 「ぐ…。だがそれでも…。」 なおも食い下がろうとする将軍だが、さすがに痛いところをつかれ勢いは弱まっている。 それを確かめた上で、魔王は再び他のメンバーに向かって話す。 「とにかく、戦力の強化は最重要課題ってことになる。そこで、君たちの話を聞いて思いついたんだけど…。」 ◇ ◇ ◇ 「しかし、この終盤で単独行動は…。」 「むしろ、大集団で移動する方が死亡フラグ…。」 「でも…。」 煩悩寺は、周りの話をまったく聞いていなかった。彼女の注意は、ひたすら将軍が宿るノートパソコンに向けられている。 とにかく、自分の正体を隠す上で一番やっかいなのがあれだ。 ギャグ将軍だけでも警戒すべき存在だというのに、あのパソコンには参加者の顔写真付き名簿も入っているという。 おそらくそれにも自分の術の効果が及んでいるはずなので、今すぐ自分の正体がばれることはないだろう。 しかし、自分の情報が少しでも存在しているからには警戒を緩めるわけにはいかない。 幸いなのが、相手がノートパソコンだということだ。 上手く機会を見つければ、事故を装って簡単に破壊できるだろう。いや、壊さずとも強い衝撃を与えるだけで十分かもしれない。 (とはいっても、どうしようか…。魔王さんに色仕掛けは通用しそうにないし…。) 「…さん。煩悩寺さーん。」 「あ、はい!なんでしょう!」 すっかり自分の世界に入り込んでいた煩悩寺だったが、蟹座氏の呼びかけでようやく現実に帰還する。 「大丈夫ですか?やっぱりどこか悪いんじゃ…。」 「いや、そんなことは!?ちゃんと全身問題なしなのですよ!」 焦って口調がおかしくなるが、とりあえず蟹座氏はそれ以上追求するつもりはないようだ。 「とにかく、今出た結論に従って行動してくださいね?」 「結論?」 「やだなあ、聞いてなかったんですか?私とししょー、それに将軍さんは病院に向かいます。 煩悩寺さんは魔王さんと一緒に、F-3のホテルに向かってください。」 「はあ…。って、ええええ!?」 予想外の展開に、煩悩寺は思わず素っ頓狂な声をあげる。 「な、なんだってそんな話に!そもそも病院はともかく、ホテルなんてどこから出てきたんですか!」 「えーと、私たちの話を聞いた魔王さんが、ホテルに自分の強化フラグがあるかもしれないと言い出しまして…。 最初は魔王さん一人で行くと言っていたんですが、さすがにそれは危険だろうと。 それで、同じアニロワ2ndの書き手である煩悩寺さんがパートナーとして適任じゃないか、ということになったんです。」 「ええ!?ちょっと、なんで私の同意も得ずにそんな話に…。」 「いや…それでいいかって聞いた時、うなずいてたじゃないですか、煩悩寺さん。」 「………。」 絶句する煩悩寺。そういえば、適当に相槌を打っていた気がする。 「まあそういうことだから、よろしくね。」 ふいに、誰かが煩悩寺の肩をポンと叩く。振り向くと、そこには魔王の笑顔があった。 このとき、煩悩寺にはそれが、天使のような悪魔の笑顔に見えたという…。 ◇ ◇ ◇ 数十分後、一行はどうにかこうにか、ビルの迷路からの脱出に成功していた。 「それではしばしの別れである。またあとで会おう、魔王よ。」 「ええ。用が済んだら、こっちもすぐに追いかけますから。」 別れの挨拶を交わす、将軍と魔王。その表情に、悲壮さはない。お互い、再会できることを確信しているのである。 「ああ、そうだ。これを忘れるところだった。」 「どうしました?」 「これ持っていってよ、バトルマスターくん。」 魔王は無造作に、デイパックから取り出した何かをバトルマスターに投げ渡す。 キャッチしたバトルマスターが確認すると、それは一冊の本だった。 そう、さっきからすっかり空気になっていたみWikiである。 「もしこなたかかがみの姿をした参加者に会ったら、それを渡してもらえるかな? 具体的なことはわからないけど、何かが起こるらしいんだ。」 「わかりました、お預かりします。」 「よろしくお願いしますね、バトルマスターさんに蟹座のお嬢さん。」 「蟹座じゃないもん…って、しゃべった!しゃべるの、この本!?」 バトルマスターの傍らで、蟹座氏が目を丸くして驚く。 「驚きすぎですよ、蟹座氏。ロワじゃ意思持ち支給品なんて珍しくないでしょう。」 「いや、それはそうだけど…。むしろししょーが落ち着きすぎなんですよ!」 「そうですか?まあ何はともあれ、よろしくおねがいしますね。えーと…。」 「あ、みWikiと申します。」 「みWikiさんですね。改めてよろしく。」 「いえいえ、こちらこそ。」 お互いに笑顔で(みWikiは声からのイメージだが)挨拶を交わす、バトルマスターとみWiki。 蟹座氏はそれを見て、バトルマスターへの敬意が増したようなそうでもないような複雑な気持ちになった。 「それじゃあ、今度こそお別れだね。また生きて会おう!」 そう言い残し、魔王は不服そうな表情の煩悩寺を担いで去っていった。 「さて、我々も行くとしようか。」 「そうですね。」 ぐんぐん小さくなっていく魔王の姿を見送ると、バトルマスター達も移動を始める。 目的地は「孤城の主」の舞台、病院だ。 まだ戦いが続いているようなら、当然対主催側の助太刀に入る。 戦いが終わっていたとしても、生存者との接触は無駄にならないはずだ。 そもそも、もはや対主催の集団がいるのは病院しかないのだから、そこを目指すほかに選択肢はないのである。 「ねえ、ししょー…。」 「どうしました、蟹座氏。」 道すがら、蟹座氏はバトルマスターに話しかける。その表情は、どこか憂いを帯びているように見えた。 「ボク、あの魔王さんと初めて会った気がしないんだ…。いや、実際前に一度会ってるんだけど…。 それ以上に親しい関係だったような…。それに、こっちの将軍さんとも…。」 「何を言っておる。余のことを忘れたか、我が娘よ。」 「はああああ!?娘ぇ!?」 バトルマスターの代わりに蟹座氏の言葉に応えたのは、ギャグ将軍だった。 その返答に、蟹座氏は年頃の乙女としてちょっとどうかという声を出してしまう。 こんな金ぴか禿げに娘と呼ばれたら、普通は即座にそれを否定するだろう。 だが蟹座氏の中で、徐々に妙な感覚が目覚めてくる。 確かに自分は、この金ぴか禿げを「お母さん」と呼んでいた気がする。 それに、自分には優しいことこの上ない「兄様」もいた気が…。 おかしい、おかしい。遺伝子学的に考えて、自分と将軍に血のつながりなんてあるわけがない。 自分に兄だっていなかったはずだ。 おかしいといえば、お姉さまのことももそうだ。 ライバルというのはいい。だが、親友?自分とお姉さまは、そこまで親密な関係だったか? だが、お姉さまが死んだと知った時、彼女のことを「ライバルにして親友」と思ったことも事実なのだ。 おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。 何がおかしい?どこがおかしい?全部おかしい?それとも、何もおかしくない? 蟹座氏は、苦悩する。バトルマスターは、その様子を眉間にしわを寄せて見守っていた。 (中途半端になりきりから抜け出してしまいましたか、蟹座氏…。 助け船を出してあげたいところですが、あいにく私にもどうするのがベストなのかわかっていません…。 なりきりを捨てるべきなのか、それともなりきりを貫き通すべきなのか、ね…。 答えはあなたが出さなければならないのですよ、蟹座氏。) 走る、走る、二人は走る。背後から、自分たちの命を狙う悲しき自動人形が迫っているのを知らぬまま。 【真夜中】【F-7・市街地】 【バトルマスター@ギャルゲロワ】 【状態】:健康、キュレイ種のような身体、首輪解除 魔術回路にダメージ 【装備】:永遠神剣「冥加」、ゲイボルグ@アニロワ2nd、孔明の令呪(残り五画) 【道具】:支給品一式×2、コイン、名簿、孔明のメモ、スタンガン@アニロワ1st、 首輪(まとめキング)、みWiki@らき☆すた?、ノートパソコン、不明支給品×2 【思考】: 基本:コインの表が出た――だから徹底的に抗う。 0:仲間と協力して主催者を打倒!! 1:病院へ向かい、残った対主催の参加者と合流。 2:対主催として仲間を探し、殺し合いに乗った輩を倒す。 3:こなたかかがみの姿をした参加者にあったら、みWikiを渡す。 ※容姿は前原圭一@ひぐらしのなく頃にです。 ※自身の精神が、キャラの影響を受けている事に気付きました。 ※【闘争制覇者-Battle Master】 発動させることで、決して『バトル』に負けない固有結界を張る事ができます。 【闘争制覇者-Battle Master アイン・ソフ・オウル】 バトルマスターが生涯描きうるありとあらゆるバトルの世界に敵を放り込む技。 物語内のキャラの攻撃を全部くらわせます。 この技が発動した時点で、敵味方の全行動が『バトル』として定義されます。 故に、発動すればどんな状況でも、バトルマスターは不敗です。 ※影の繋ぎ師からディーの話を聞きました。 ※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。 ※孔明のメモにはこのロワに関する孔明の知り得る限りの情報が記載されています。 ※孔明の令呪を使うことで魔力を補充することが出来ます。二画以上まとめて使うことでアインソフオウルを使用可能。 ただし、全ての令呪を使い切ると……? ※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます 【蟹座氏@ギャルゲロワ】 【状態】:蟹見沢症候群発症(ただいま沈静中)、へこみLv2、顎部に痒み、 『蟹座じゃないもん』覚醒、大程度の疲労、若干錯乱、首輪解除 左手首に傷 【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』 【道具】:支給品一式×2、蟹座の黄金聖闘衣、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、 閃光弾、まふうじの杖、 バッド・カニパニーの甲羅 【思考】: 基本:ししょーと共に! 0:ししょーと共に対主催。 1:私の記憶、どこかおかしい? 2:『あいつ』に逢ったら殺す。 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。 ※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。 ※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも? ※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。 ※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。 ※蟹見沢症候群について。 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。 ※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、 『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。 ※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。 ※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。 【パソコンの中&iPodの中】 【ギャグ将軍@ライダーロワ】 【状態】:首輪解除 腹部にダメージ(治療中) 電脳空間に幽閉 心機一転 増えた 上機嫌 【装備】:電脳空間なのでない、はずですが…… 【道具】:顔写真付き参加者名簿 支給品一覧(パスワードによりロック中) 地図 書き手ロワ2SS一部 【思考】: 基本:新生クライシス帝国の結成。 1:閉じ込められたついでに電脳世界を征服してくれよう! 2:主催者なり真の対主催なりの目的やらなんやら考察してみせよう! 3:熱血怪人の遺志を継ぎ、熱血王子を救う! 4:『白猫』を探し出してくれよう! 5:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける 6:ついでに飲み友達を集める。 7:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。 8:紅茶を飲むかどうかは保留。 9:対主催の仲間を集める ※ポケモンの物まねによる影響が各地で現れたかもしれません。ただ、将軍のギャグ補正により悪い結果は導きません。 ※なんか増えました。すべてのコピーが同じ能力を持っているのか、実体化出来るのかは不明です。姿は変えれるようです。 ※一時的に実体(きぐるみ)を失っているため、キャラに何らかの変化があるかもしれません。 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。 本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。 ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。 真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。 今回の発動はあくまで電脳空間でのなりきり変化の鍵としての解放であって、本来の解放の効果は不明です。 ※ノリと思い込みで電脳空間内でかなりの無茶が可能になったようです。またものによっては現実の方が将軍に合わせて動きます。 例:ピカピカ鳴くとラピュタの雷が勝手に発動します。 ※固有結界「コーヒーブレイク」 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。 それ以上の効果は確かめられていません。 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。 ※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。 また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく? ※書き手ロワ2ndに存在するすべての「アドレス」に向けて、データ化されたギャグ将軍が送信されました ※パソコンから『柿テロ猥・R2‐ND』のチャットに出入り可能になりました。 ※コロンビーヌと情報交換しました。 ※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報もそろっています。 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せ。 ※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。 ◇ ◇ ◇ 走れ、走れ、もっと速く。そう、飛ぶが如く! 弾丸のごとき速さで、暗闇の街を魔王が駆ける。なりきりの力は、将軍が身をもって教えてくれた。 今の自分は、何よりも速い。なぜなら自分は「速筆魔王」なのだから。 今の自分なら、かつての盟友DIE/SOULにだって速さで勝てる! 「あばばばばばばば!!」 気の毒なのは、煩悩寺である。人間を超えたスピードで走る魔王に抱えられ、前後左右に激しく揺さぶられている。 まんま、アニロワ1stでクーガーにおんぶされたセラスの再現である。 「まああああああ!ちょ、とまああああ!!」 なんとか魔王を止めようとしても、風圧のせいでまともにしゃべれない。 力ずくで止めるなど論外である。彼女の細腕では、魔王の体力にかなうはずがない。 結局、魔王はノンストップで目的地であるホテルにたどり着いてしまった。 「あ~う~…。」 ホテルに着くやいなや、煩悩寺は地面に倒れ込む。もう顔面は真っ青である。 ふと空を見上げると何故かお月様が見えなくなっていたが、今の彼女にはどうでもいい変化である。 まさかもう一人の自分が宇宙を崩壊させ、その後死んだなどとは夢にも思わない。 そんな煩悩寺を放置して、魔王は廃墟と化したホテルを歩く。 彼が求めるのは、さらなる強さ。 なりきりの力をコントロールできるようになり、彼の戦闘力はもはや人類最強と言ってもいい。 だが、それでも足りない。エンディングまで生き抜くには、なりきりの限界をさらに天元突破しなければならない。 これより先は人類の域を超えた強者達の戦場…怪物領域なのだから。 「ああ、いたいた。」 まるで最初から場所がわかっていたかのように、魔王はあっさりと一人の少女を見つけ出す。 「やっと会えたね、もう一人の僕。」 少女の名は、美形元帥。今や無惨な亡骸と化した、魔王の半身である。 「早速で悪いけど…。わけてもらうよ、君の力。」 魔王はそう言うと、無造作に美形元帥の白濁した眼球に手を伸ばした。 ためらいなくそれをえぐり取ると、自分の口の中に放り込む。 噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。 噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。 噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。 噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。 そして、飲み込む。 今の煩悩寺がこの光景を見たら、そのグロテスクな行動に嘔吐していたかもしれない。 幸いなことに彼女はあさっての方向を向いており、魔王の行動を見てはいなかった。 しかし、それでも声は彼女の耳に届く。 「…………るる。」 (え…?まさかこれって…。) 「るるるるるるるるるるるるるるるるるるるる。」 アニロワを知る者なら、誰でもその心に刻んでいるそのフレーズ。それが煩悩寺の鼓膜を叩く。 (まさか…。るるるのルイズゥーッ!?) おそるおそる、魔王を見る煩悩寺。魔王は、ゆっくりとこちらへ向かってきている。 その瞳は、虚ろ。何も写らぬ、虚無。 (やばいやばいやばいやばいやばい!!) 煩悩寺の防衛本能が、全力で警報を鳴らす。ただでさえいろいろやばい魔王が、ルイズの狂気に浸食されてしまったら…。 なんかもう、とにかく恐ろしい。一刻も早く逃げたいが、すっかり体がすくんでしまって動くに動けない。 そうこうしているうちに、魔王は煩悩寺の眼前まで歩いてくる。 「いやあああぁぁぁぁ!!」 「なーんちゃって。」 「へ?」 「ごめんごめん、ちょっとした悪ふざけだったんだけど…。そこまで怯えるとは思わなくてさ。」 笑顔で謝罪する魔王。要するに、るるる化は単なる演技である。 「お…驚かさないでくださいよぉぉぉぉぉ!!」 涙目で、魔王に非難の視線を向ける煩悩寺。スカートの真ん中あたりが濡れているような気がするが、気にしない。 きっと汗だ。というか汗ということにしておいてくださいお願いします。 「いやあ、だからごめんって。」 「とにかく、もう用事は済んだんですよね?早くバトルマスターさん達と合流しましょう。」 「いや、ちょっと待ってくれるかな。もう一つやりたいことがあるんだ。」 「え?」 予想外の返答にきょとんとする煩悩寺を尻目に、魔王はUターンして美形元帥の遺体の元へ引き返す。 そして、彼女の周りに散らばっている破片を集め出した。 それはグラーフアイゼン。美形元帥に支給されたデバイスである。 「うーん、やっぱり修理するにはパーツが足りないか…。そうだ、たしかトウカリョウくんの死体もこの辺にあるはず…。」 程なくして、魔王はトウカリョウの死体を発見した。そして、その体内に埋め込まれたテッククリスタルをつかみ出す。 「これにグラーフアイゼンのパーツを埋め込んで…。足りない分は焦ったドラえもんくんのデイパックに入ってたがらくたを使えば…。」 技術手袋を使い、魔王は手際よく作業を進めていく。異なる技術の融合もいいところだが、そのあたりは気にしたら負けかなと思っている。 「出来たー!」 数分の時間を費やした後、魔王は嬉しそうに叫ぶ。魔王オリジナル、デバイスクリスタルの完成である。 「じゃあ、早速試してみようかな…。テックセッター!」 意気揚々とクリスタルを掲げ、魔王は叫ぶ。その瞬間、彼をまばゆい光が包んだ。 「うおっ、まぶし!」 暗闇に慣れてきたところに強烈な光を浴びせられ、たまらず目をつぶる煩悩寺。 しばらくして目を開けると、そこには姿を大きく変えた魔王が立っていた。 「テッカ…マン…。」 半ば無意識に、煩悩寺は呟く。 「テッカマンエビル…。いや…テッカマンデモン…ってところかな。」 自らの姿を確認し、魔王は満足げに呟いた。 【真夜中】【F-3 ホテル跡】 【速筆魔王LX@アニロワ2nd】 【状態】健康 首輪解除 この魔王ノリノリである 【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st、デバイスクリスタル、バリアジャケット(テッカマン風) 【道具】支給品一式×8、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド) 首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、 ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6) 銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも 【思考・行動】 1:パワーアップも出来たし、将軍達の後を追う 2:道中主催者や真の対主催について考察 3:熱血怪人の遺志を継ぐ 4:iPodとノートパソコンの中身を分析する 5:将軍の電子戦にある意味期待 6:『白猫』って誰? あと『黒猫』? 7:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。 8:あの連中には借りを返す ※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。 ※首輪の構造を理解しました。 ※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。 ※『柿テロ猥・R2‐ND』掲載の情報を一部入手しました。 新生クライシス帝国に因縁のある相手――主催者・ジョーカーと真の対主催がメインです。 影の繋ぎ師の情報もそろっています。 反面『黒猫』の情報を初め、不完全な部分もあります。お任せ。 ※孤城の主のコロンビーヌ視点の情報を得ました。 ※彼が何を見たのかは、全力で忘れろ! ※美形元帥が持っていた、膨大な量の魔力を吸収しました。 ※バリアジャケットのデザインは、テッカマンエビルをさらに禍々しくしたような感じです。 テッカマンの能力が再現されているかどうかなど、詳細は後続の書き手さんにお任せです。 【エロスの鐘の煩悩寺@アニロワ2nd】 【状態】:精気満々、魔力全快、体力全快、激しい乗り物酔い、首輪解除 【装備】:エロスの鐘、ミニ・サスペリア(欝) クロスミラージュ@ニコロワ 不明支給品(0~1) 【道具】:竜宮レナのセーラー服 【思考】: 基本:エロスの限りを尽くす 0:気持ち悪い…。あと、魔王怖い。 1:なんとか対主催に取り入る 2:やばそうになったらエロでごまかす 3:ノートパソコンは破壊したい。 ※容姿はティアナ・ランスター@なのはstsです。 【エロスの鐘】 大人向けデバイス。魔法妖女デザイア・ベルへの変身アイテムでもある。 その音色を聞かせた者が隠し持っている欲望を引き出し、暴走させてしまう。 暴走した欲望からエロスを吸い取ることで相手の精気を自分のものにできる。 【ミニ・サスペリア】 掌サイズのメイドさん。闇のメイド・サスペリア@アニロワ2ndの姿をしている。 魔女っ娘に必要なマスコットキャラで、ご主人様に色々とアドバイスをしてくれる。 WIKI管理人の端末だった。主催陣と交信できる。ほぼ謹慎状態で今は鬱病気味。 ※幻術『M・Yデザイアベルはティアナ・ランスターなのか?』によって地上の参加者全員に、 『エロスの鐘の煩悩寺≠魔法妖女デザイア・ベル』という認識が植えつけられました。 変身シーンを見られるまでは判定が続きます。但し、自分よりランクの高い存在に対する効果は不明。 今のところ、速筆魔王LXとギャグ将軍にも効いています。 263 地獄紳士は大変な××を盗んでいきました(後編) 投下順に読む 265 私たちの行方(前編) 263 地獄紳士は大変な××を盗んでいきました(後編) 時系列順に読む 265 私たちの行方(前編) 260 貫き通すは『ギャグ』と『愛』 速筆魔王LX 270 Take a shot 260 貫き通すは『ギャグ』と『愛』 ギャグ将軍 265 私たちの行方(前編) 254 なのDeath☆(後編) バトルマスター 265 私たちの行方(前編) 254 なのDeath☆(後編) 蟹座氏 265 私たちの行方(前編) 254 なのDeath☆(後編) エロスの鐘の煩悩寺 270 Take a shot
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4/18日の頂上で、末期の茶席の時間わかるじゃんわーい。とか思ってたら北野肩衝持ってたわw - 名無しさん 2013-04-18 22 33 18
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【これより!】やる夫転生■【調教を開始する!】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1292158746/