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ポタ子さんについて ポタ子さんは4m+経費で募集します。 基本的に土曜日に臨時募集。 もちろんそれ以前に募集してもOK。 でもたいてい来てくれるのは土曜…(´・ω・`) このページを見て、ポタ子やってもいいよ!と思った方は 募集広場での募集チャにポーンしてください。お願いします。 なお、お抱えポタ子さんも募集中です! 募集しなくても済むようにお抱えサン欲しいね。 募集する際には 経費の上限は1m 経費申告は青ジェム数だけではなく、zで 集合場所(プロ東宿屋1F左下) 集合時間(19時40分くらい) ベースブラギの有無(G内で出してくれる人がいるか否か) wikiを教え、ベースについて参照してもらう(これが絶対ではないがポタ出しはこの形固定で) 防衛職(EMC王葱、パラ、冠ジプ、リンカー、HP) 連絡を取りやすいようにG・PT・スカイプのいずれかに属してもらう 以上のことをしっかりと伝えるようにしてください。
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なんて絶望感 ◆aCs8nMeMRg あれ? なんだかおかしな感じがして、あたしは目を覚ました。 気がつくと、あたしは立っていた。 両足を地面について、普通に立っていた。 目を覚ましたら自分の体が地面に対して縦の状態だったなんて、多分かなり珍しい体験だと思う。 これは夢? どうだろう? 体の感覚は、ちょっと……いや、かなりだるい感じ。 頭は……こっちもなんだかぼんやりした感じだ。 やっぱり夢かな? さっきは目が覚めたと思ったけど、実は夢を見ているだけなのかな? でも、その割に周りの景色は妙に現実感がある。 どこかの教会の礼拝堂って感じ。 もし夢じゃないとしたら、なんであたしこんな所で突っ立っているんだろう? 考えてみよう。 まずはお約束、あたしは誰? 田井中律だ。 よし、自分のことは分かる。 それじゃあ、眠る前の事を思い出してみよう。 眠る前に、何があったんだっけ? 実は、さっきから思い出そうとしているんだけど、これがなかなか思い出せない。 でもまあ、さっきは他の事も考えながらだったし。 よし、ちょっと集中して思い出してみよう。 …………ぐらぐら? ………ふらふら? ……くるくる? …ふわふわ? くらくら? うーん、なんか眠る前のあたしの記憶ってそんな感覚の事ばかりだった気がする。 じゃあ、その前は? その前って、何があったんだっけ? 確か……先生だ。 どこかで教師をやってるって言う人に出会って……、それでどうしたんだっけ? あ、懐中電灯。 暗かったから、懐中電灯を点けたんだ。 それで……。 そこまで思い出して、あたしは背筋に冷たいものが走るのを感じた。 嫌だ! もういい! 思い出したくない! そう思ったけど、そこまで思い出してしまったあたしの脳みそは、その先も芋づる式に思い出していった。 それで……その先生の顔に……三つ目の目が出来て? それから…それから、別の男の人が来て。 そうだ、あたしはその男の人に無理矢理麻薬を飲まされたんだ。 それでおかしな気分になって……。 寒気がして、あたしは今までだらりと下がっていた腕で自分の体を抱いた。 「あら、お目覚めかしら?」 「ひっ!?」 そんなあたしに、後ろから声がかかった。 驚いて振り向くと、そこには濃い紫色の服を着た女の人が立ってた。 あたし、この人知ってる。 確か、麻薬を飲まされたあとに出会ったんだ。 もしかして、麻薬を飲まされておかしくなっちゃってたあたしを介抱してくれたのかな? そういえば、今はあのくらくらする感じが引いてる。 薬の効き目が切れたのかな? それで、この女の人だけど確か他にもう一人、男の人と一緒に居てその男の人に呼ばれてた名前は……。 「えっと、キャスター、さん?」 「覚えていてくれたのね。嬉しいわ」 その女の人──キャスターさんは唇の両端を持ち上げて答えた。 フードみたいなのを被っているからハッキリと表情は見えないけど、声も嬉しそうだったし笑ってるんだと思う。 「ごめんなさいね、寝ているあなたも可愛かったけど、もっといろいろな角度から見てみたくなって」 「えっと、あの……」 え? ってことはあたしが立った状態で目を覚ましたのは、この人が寝ていたあたしを立たせて観察していたから? 方法は分からないけど、今のキャスターさんの言葉を信じると、そういうことになるのかな? 「キャスター、さん?」 「ん、なに?」 それで思い出した。 眠る前にあたしが考えていた事。 『注文の多い料理店』。 色々きれいにされたあとで、猫に食べられる話、だったと思う。 あたし、この人に食べられちゃうんだって思ったんだ。 「あの……あたし……食べられちゃうん、ですか?」 「あら、うふふ」 こんな事を面と向かって訊いてしまうなんて、やっぱりあたし、まだ頭がぼんやりしてたみたいだ。 少し後悔したけど、一度口にしてしまった言葉を元に戻すことは出来ないし、仕方ない。 それを聞いたキャスターさんは、笑いながらあたしの方へ近寄って来た。 食べられる!? 逃げなきゃと思ったけど、足がすくんで動かなくて、結局あたしは身を固くするくらいしか出来なかった。 そんなあたしの横を、キャスターさんはすーっと通り過ぎていった。 …………助かった? やっぱり人が人を食べるなんて、そんなことある訳ないか。 そんな風に考えて、あたしは少し緊張を解いたんだけど、 その時を狙っていたように、キャスターさんが後ろからガバッと抱き付いてきた。 「…………ッ!?」 あたしはあまりの驚きに悲鳴すら上げられなかった。 人間、本当に驚くと、声出なくなるんだな。 と、一瞬遅れてあたしの中のどこか冷静な部分が他人事のように考えてた。 「もしかして、食べてほしいのかしら?」 「いえ、そういうわけじゃ……」 キャスターさんは、あたしの耳元でそう囁いた。 それと一緒に、自分で自分の身を抱いていたあたしの両腕を、後ろからほどいていった。 まだ体がだるくてロクに抵抗できないあたしは、せめて耳元で囁くキャスターさんの言葉を否定しようと口を開いたんだけど……。 ──さわさわ 「あぅぅ」 不意に身体を襲った変な感覚に、思わず何の意味もなさない声を上げてしまった。 ──さわさわ 分かった。 キャスターさんがあたしの胸を触ってるんだ。 不意打ちでビックリしたあたしは、しばらくそのままキャスターさんに胸を触られ続けてた。 そうしている内に、キャスターさんの手はあたしの体の下の方へと移動してきた。 お腹の上を通って、おヘソ、そしてその下の部分へと……。 「……ひゃ…うぅ」 情けない声が出た。 仲のいい女の子同士ならじゃれ合って胸に触れるくらいはあるけど、あの部分は他の人に触られることなんてまず無い。 あたしは今度こそ抵抗しようと思って、背中のキャスターさんに振り返ろうとしたんだけど、 その瞬間に、キャスターさんの指があたしの太ももをツーっとなぞったせいで、あたしは脚から力が抜けて膝がカクッと折れた。 それで、気付けばあたしがキャスターさんに寄り掛かる体勢になっていた。 もうあたしは、ただでさえ、すごくだるかった体を自力で支えることが出来なくなってしまって、 そのままキャスターさんに、後ろから支えてもらうしか無かった。 「んっ」 キャスターさんは、そんなあたしの襟元に手を伸ばしてくると、 あたしの着ている服の襟をはだけてさせながら、ようやくさっきのあたしの質問に答えた。 「そうね、少し魔力を使っちゃったから、今のうちに補充しておくのも悪くないわね」 魔力? 補充? もしかして、キャスターさんは魔女とか吸血鬼とかそういう仲間なのかな? だとしたら、さっきあたしが目を覚ました時に立っていたのは、魔術とか妖術とかそういうので身体を操られていたせい? なんて考えてる間にキャスターさんは、はだけた服の襟をゆっくりと引っ張って、 露出したあたしの首と右肩の間あたりに、口を近づけてきた。 首筋にキャスターさんの息が当たって少しくすぐったい。 「あ……ぁ……」 続いて同じ場所に、何か固いものが当たる感触を感じた。 キャスターさんの歯が当たってるんだ。 きっとこの後、その歯があたしの皮膚を食い破って、それで血をたくさん吸われて、あたしの人生終わってしまうんだ。 あぁ……短い人生だったな。 死にたくないとは思う。 けど、きっと抵抗しても無駄だろうなとも思う。 今の体じゃあ、大した抵抗も出来ないし、 たとえ体が元気でも、この人が本当に吸血鬼とかなら抵抗しても無駄だろうし。 それに、もしこの場から逃げだせたとしても、あたしに麻薬を飲ませたあの男の人。 次にあの人に会ったら、きっとあたしは殺される。 カギ爪の男以外、全員殺せと言われたけど、一人も殺せてないし。 それに、多分あたしに人殺すなんて無理だし。 なんかもう、絶望的だ。 結局、あたしは死ぬしか無いのか。 それならいっそ、ここでひと思いに…………。 澪、ゴメン。せめて最後にもう一度会いたかったけど、無理みたい。 ………… …… …? 観念してギュッと目を閉じたあたしだったけど、いつまで経っても首筋に痛みは来なかった。 さっきから、キャスターさんの息が首筋にかかって、少しくすぐったいだけ。 「ふわ……ぁ……?」 あ、今のはたぶんキャスターさんに首筋を舐められたんだと思う。 濡れた首筋が空気に触れてひんやりする。 「安心して、まだ食べないわ。こんなに可愛いのに勿体無いじゃない」 キャスターさんが、また耳元で囁いた。 耳にキャスターさんの息が当たる。 くすぐったい。 「あぁ……ぁ…」 しかも、キャスターさんは囁きながら、さっき舐めたあたしの首筋に指を這わせている。 多分、本人はなでてるつもりなんだと思うけど。 「でも、もっと魔力が必要になったら、その時は遠慮なく頂くわね。いいかしら?」 「あ……はぃ……」 肯定してしまった。 だって、せっかく今は食べないって言ってくれたのに、ここでキャスターさんの機嫌を損ねて、やっぱり今食べる! なんて言われたら嫌だったから。 「フフッ、いい子ね」 その甲斐あってか、キャスターさんの声色はどこか満足気だ。 はだけてたあたしの服の襟を直して、その後頭までなでてきた。 「うぅ……」 何の解決にもなっていない気がするけど、とりあえず今は助かったみたい。 それが分かると、あたしは一気に緊張が解けてずるずると床に崩れ落ち、ペタンとお尻をついてしまった。 「あら、どうしたの?」 キャスターさんが少し心配そうに声をかけてきた。 いけない。 何とか立ち上がらなきゃと思うけど、脚がちっとも動いてくれない。 もしかして、腰が抜けちゃったのかな? 「あ……ごめんなさい。 脚に……力が……んっ………入らなくて」 仕方なく、あたしは正直に自分の状態をキャスターさんに告げた。 ここで嘘をついても仕方ないだろうし。 「あら、それは大変ね。そこで横になったらどうかしら?」 キャスターさんはそう言ってあたしに手を差しのべながら、もう片方の手で礼拝堂に並んでいる長椅子の一つを指さした。 「あ……はい」 断る理由も無いし、あたしはキャスターさんの手を借りてどうにか長椅子までたどり着くと、そこに腰かけた。 あたしに手を貸してくれたキャスターさんも、その横に並んで座った。 「さぁ、いらっしゃい」 「……え?」 そう言って、あたしの横に座ったキャスターさんが自分の膝のあたりをポンポンと叩いて何か誘っている。 なんだろう? 一瞬、キャスターさんの意図が分からなくて、あたしはキョトンとしちゃったんだけど、 続けて放たれたキャスターさんの言葉で、キャスターさんの行動の意味はすぐに分かった。 「ひ・ざ・ま・く・ら」 「あ……はい、ありがとう、ございます」 どこかウキウキした様子でそう言うキャスターさんの好意(?)を断ることは、今のあたしには出来なかった。 だって今、あたしの命はキャスターさん次第なわけだし、素直に言うこと聞くしかない。 普段のあたしなら、ゴロンとラフに寝っ転がるところだけど、今はなるべくキャスターさんに気に入られるように、 出来る限りお行儀良く横になって、キャスターさんの太ももの上に頭を乗せた。 それで、お腹の上で手を組んで、目を閉じて……どうだろう? ちょっとは可愛い感じになってるかな? なんて、そんな事を考えていたのもつかの間。 こんな状況だというのに目を閉じると猛烈な睡魔が襲ってきて、あたしはあっという間に眠りに落ちていった。 【C-5/神様に祈る場所/一日目/早朝】 【田井中律@けいおん!】 [状態]:睡眠中 膝枕されてる [服装]:ゴシックロリータ服 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(懐中電灯以外)、九字兼定@空の境界、その他不明0~2個 [思考] 基本:澪に会いたい。 1:………… ※二年生の文化祭演奏・アンコール途中から参戦。 ※レイの名前は知りません。 ※ブラッドチップ服用後。 ※ゴシックロリータ服はけいおん!第6話「学園祭!」の際にライブで着ていた服です(ただしカチューシャは外してある) 【キャスター@Fate/stay night】 [状態]:健康、魔力消費(小) 膝枕してる [服装]:魔女のローブ [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2個(確認済み) 、バトルロワイアル観光ガイド 、さわ子のコスプレセット@けいおん!、下着とシャツと濡れた制服 [思考] 基本:優勝し、葛木宗一郎の元へ生還する 0:可愛い子…… 1:奸計、策謀を尽くし、優勝を最優先に行動する 2:『神殿』を完成させ、拠点とする。 3:黒桐幹也が探索を終えたら『死者の眠る場所』へと探索に行かせる。 4:他の参加者と出会ったら余裕があれば洗脳。なければ殺す。 5:会場に掛けられた魔術を解き明かす 6:相性の悪い他サーヴァント(セイバー、アーチャー、ライダー、バーサーカー)との直接戦闘は極力避ける。 7:優勝したら可愛い子をつれて帰ってもいいかもしれない……。 [備考] ※18話「決戦」より参戦。 時系列順で読む Back こんな俺に世界を守る価値があるのか Next 夜明けのゼロ 投下順で読む Back 不幸 Next 夜明けのゼロ 091 こんなに近くで... キャスター 123 夢! 091 こんなに近くで... 田井中律 123 夢!
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登録日:2011/09/13(火) 19 06 33 更新日:2024/02/10 Sat 14 52 13NEW! 所要時間:約 13 分で読めます ▽タグ一覧 DP新規収録カード No.(遊戯王) エクシーズ ナンバーズ ハズレア ランク5 元ハズレア 恐竜族 水属性 海王 遊戯王 遊戯王OCG 遊戯王ZEXAL 一般論として、カードゲームにおいてレアカードは強い。 強力なカードをレアにすることで購買意欲を高めるのは、カードゲームで商売をする上での基本中の基本だからだ。 だが同時に、カードゲームに「ハズレア」はつきものだ。 高いレア度を持ちながら、それに見合わない低性能のカードであり、引き当ててしまった者を絶望の淵に叩き落とす。 そしてカードゲームはインフレする。 後発のカードは先発のカードよりも強く、かつて強力とされていたカードは後輩にどんどんその性能を抜かされていく。 いわんや最初から弱かったカードは、ますます弱くなっていく。 それゆえに、一度ハズレアとして世に出て、その評価を逆転させられる者は少ない。 1つのカードの話をしよう。 大ハズレアとして世に生まれ、そしてその評価を逆転させる事に成功した、数少ないカードの話を。 その名は No.(ナンバーズ)19 フリーザードン 序章:アニメでのフリーザードン フリーザードンが最初に我々の目の前に現れたのは、2011年6月20日、アニメ遊戯王ZEXAL第11話において。 メインキャラのアストラルの記憶が100枚のカードとなって砕け散ったナンバーズの一枚として登場した。 《No.19 フリーザードン》(アニメ) エクシーズ・効果モンスター ランク5/水属性/恐竜族/攻 2000/守 2500 レベル5モンスター×2 このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。 このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。 このカード以外のフィールド上に存在する モンスターエクシーズ1体をエクシーズ召喚した素材カードが墓地に存在する場合、その素材カードをそのモンスターのエクシーズ素材として元に戻す。 劇中では不良兄弟の弟・海王が使用。 兄・陸王が使用したNo.61 ヴォルカザウルスとは対になる存在であり、ヴォルカザウルスの攻撃的な効果に対してこのカードはヴォルカザウルスを補助する防御的な効果を持つ。 ヴォルカザウルスが炎の恐竜、フリーザードンが氷の恐竜とデザインも対になっており、ナンバーズの数字「19」をひっくり返すとヴォルカザウルスのナンバーである「61」となる。 劇中ではもっぱらヴォルカザウルスの素材を復活させる役割を担っており、そのヴォルカザウルスの非常に攻撃的な効果「マグマックス」が大活躍していたため、縁の下の活躍に終わった。 第1章 フリーザードン冬の時代 2011年10月、満を持してOCG(オフィシャルカードゲーム)化が決定。 性能は以下のものとなった。 《No.19 フリーザードン》 エクシーズ・効果モンスター ランク5/水属性/恐竜族/攻2000/守2500 レベル5モンスター×2 (1):1ターンに1度、自分のXモンスターがX素材を取り除いて効果を発動する場合、取り除くX素材1つをこのカードから取り除く事ができる。 効果は他のエクシーズモンスターのコストとなるエクシーズ素材を代替わりするもの。 不足コストはフリーザードンから確保! そしてその実用性は、極めて低かった。 コストを代替わりするカードというのはそもそも代替わりされる側より軽量でないと意味がない。 ブレイドラさんが不足コストを確保されてしょっちゅう砕け散るのはブレイドラがそもそも最軽量級のカードだからである。 一方フリーザードンを出すにはレベル5モンスターが2体必要。 遊戯王の基本ルールとしてレベル4以下はノーコストで出せるがレベル5以上のモンスターは他のモンスターをコストにしなければ出せないため、フリーザードンは明らかに重量級のカードなのである。 こんなのを出してコストを代替するくらいなら、コストの代替わり先のエクシーズモンスターをもう1体出したほうが絶対によろしい。 かくして、事前情報の時点でほぼ0点の評価であったフリーザードンは、2011年10月15日、「デュエリストパック遊馬編」に収録され発売された。 このカードを遊馬は所有してるだけで一度も使ってないのに「遊馬編」と銘打ったパックに入ってる事に疑問を懐きつつ、決闘者(デュエリスト)は「DP遊馬編」を続々と購入していく。 このパックには強力な新カード、《No.61 ヴォルカザウルス》が収録されていたからだ。 そう、アニメでの相棒であり、フリーザードンが甲斐甲斐しくサポートした、あのヴォルカザウルスである。 決闘者「3箱買って来たぞ!早速開封ビングだぁ!」 パリッ 決闘者「おっ、エクシーズだ。ヴォルカザウルスか……!?」 19「やぁ!」 19「うっす!」 19「よろしく!」 こいつは、とんでもない地雷だった 多くの決闘者の財布を絶対零度へ叩きこんだ原因……それは 凄まじい封入率の高さである 遊戯王OCGにおいて、通常のパックはカードの種類が80種類あり、1箱開封すればレアカードが何枚か当たるようになっている。 当然その中には強いものも弱いものもあるが、極端な大負けはまずないのが普通だ。 だが、デュエリストパック遊馬編はもともとカードの種類が30種類と少なく、最高レア度のウルトラレアは1BOX(15パック=2,250円)に1枚しか入っていない。 そしてもう1枚のウルトラレアは相手モンスターを爆☆殺してその攻撃力分のダメージで相手を直火焼きにする超有能カードNo.61 ヴォルカザウルス。 おまけにスーパーレアはことごとく微妙。 つまり遊馬編は、1/2の確率で黄金に輝く超強力カードが、1/2の確率でただ光ってるだけの紙が出るという、ギャンブルパックになってしまったのだ。 ついた渾名がヴォルカくじである。 1/2ということは 2ボックス買えば1/4の確率でダブルザードン\ザードン!/\ザードン!/ 3ボックス買っても1/8の確率でトリプルザードン\ザードン!/\ザードン!/\ザードン!/ が出るということである。 それどころか、4ボックス買っても1/16と、割と現実的な確率でクワトロザードンが出現してしまう。 というか、当時の掲示板には実際ヴォルカザウルス0でフリーザードン4枚を引き当てたという逆豪運の持ち主が降臨していた。 かくして、フリーザードンはヴォルカザウルス入手を試みた多くのプレイヤーに地獄を見せ、 無数の絶望と怨嗟の声を浴びながら自らはストレージの底へと沈んでいった。 少年、これが絶望だ。ターンエンド。 第2章 フリーザードン厳冬の時代 何勘違いしてるんだ? まだフリーザードン冬の時代は終了してないぜ! 生まれながらにしてハズレアの烙印を押されたフリーザードンであるが、その扱いはその後悪化の一途をたどった。 フリーザードンの登場以前、エクシーズモンスターの素材を代替したり、素材を回復したりする効果を持つカードはなく、フリーザードンは実用性はともかく唯一性はあるカードだった。 だが、その唯一性は脆くも崩れ去ることとなる。 まず、2011年11月19日に通常罠《エクシーズ・リボーン》が登場。 墓地のエクシーズモンスター1体を蘇生し、エクシーズ素材を1つ補充する効果を持っていた。 2012年2月18日、装備魔法《エクシーズ・ユニット》が登場。 エクシーズモンスター用の装備魔法であり、エクシーズ素材の代わりに取り除くことができる効果を持っていた。 2012年4月14日には通常魔法《オーバーレイ・リジェネレート》が登場。 《オーバーレイ・リジェネレート》自身をエクシーズモンスターのエクシーズ素材とする効果を有している。 もちろん、いずれもノーコストであり、明らかにフリーザードンより軽い。 フリーザードンの個性は、見る見るうちに凡庸なものに成り下がってしまった。 ついでに言えば、これらのカードがさほどエクシーズデッキで重宝されたという話もない。 「より使いやすいエクシーズ素材補充カード」に出番がない時点で、「使いにくいエクシーズ素材補充カード」であるフリーザードンの居場所は、この世のどこにもなかったのである。 残酷な追い打ちとして、フリーザードンが後輩に次々と追い抜かれている間に、ヴォルカザウルスは新カードの力でさらなるパワーアップを果たしていた。 ランク5・6のエクシーズモンスターに重ねて出せる《迅雷の騎士ガイアドラグーン》の登場である。 ヴォルカザウルスには「相手モンスター爆破効果を使ったターン直接攻撃できない」というデメリットがある。 だが「ヴォルカザウルスで相手モンスターを爆殺」⇒ヴォルカザウルスの上にガイアドラグーンを重ねる⇒「ガイアドラグーンはヴォルカザウルスとは別人なので直接攻撃可能」というデメリット踏み倒しコンボにより、この弱点を克服し殺意を増したのである。 かくして、もとよりゼロだったフリーザードンの評価は氷点下へと下がり、 元々高かったヴォルカザウルスの評価は天井知らずに上がっていった。 余談だが、アニメのWDC決勝、遊馬vsトロン戦でのナンバーズ総力戦において、ネタ仲間のNo.10、No.34、No.56は揃って登場したのにこいつはハブられてしまうという事態が起きてしまった。 ………しかし。 第3章 フリーザードン春の時代 冬来たりなば春遠からじ。 永遠に続くかと思われたフリーザードン冬の時代は突如終わりを告げた。 2013年10月19日、このカードが現れたのである。 《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》 エクシーズ・効果モンスター ランク6/水属性/戦士族/攻2200/守1600 水属性レベル6モンスター×3 このカードは自分フィールド上の水属性・ランク5のエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。 このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。 フィールド上のこのカードが破壊される場合、代わりにこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事ができる。 また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。 相手フィールド上の全てのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。 注目すべくは、このカードは水属性・ランク5のエクシーズモンスターに重ねて出せるという点である。 水属性のランク5は当時5体存在したが、うち3体はエクシーズ素材に属性や種族の縛りがあり、1体はエクシーズ素材が3体必要で重かった。 エクシーズ素材2体で出せ、しかも素材にレベル以外の指定が一切ないカードは、たった1枚しか存在しなかった。 その名は《No.19 フリーザードン》。 フリーザードンは目覚めた。 かつてのフリーザードンは、2000という微妙な攻撃力と、役立つ場面の限られまくった効果を持つ、絵に書いたようなハズレアであった。 覚醒せしFA(フルアーマード)-フリーザードンはこうだ。 基本攻撃力3700! 攻撃力を500下げる事で3回まであらゆる破壊に耐えられる!! 攻撃力を500下げることで相手モンスター全ての効果を無効化!!! 強い!絶対に強い! (実質)ランク5で攻撃力3700は破格だ。元のフリーザードンの攻撃力2000は優に超え、より攻撃的なヴォルカザウルスの攻撃力2500すら一捻りにできる。 破壊耐性も強い。聖なるバリア −ミラーフォース−なども強引に突破できる。 モンスター効果無効化はちょっと使いみちが限られるが、永続効果の無力化など使い所は十分にある。 フリーザードンは一夜にして、ランク5最強クラスの一角にその立場を変えたのである。 このカードの登場に多くのフリーザードンファンは涙を流して喜んだと言う。 そしてFA-フリーザードンは、自らがハズレア扱いを受ける元凶となったヴォルカザウルスを否定しなかった。 FA-フリーザードンは相手モンスターを戦闘で破壊することでしか倒せないので、ヴォルカザウルスの方がダメージ量と相手モンスターを確実に倒せる点では勝っている。 だが、「効果で破壊できない」「効果の対象に選択できない」耐性を持つモンスターは、ヴォルカザウルスの爆破効果で破壊できない。 FA-フリーザードンは、相手モンスター全ての効果を無効にする能力により、これらの耐性を無効にし、ヴォルカザウルスの効果を通すお膳立てが可能なのである。 弟フリーザードンは、兄ヴォルカザウルスを助ける。姿かたちは変わっても、彼はそれを忘れなかったのだ。 ―もっとも、強いのはあくまで《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》の方であって、フリーザードン本体はただの下敷きにすぎないのだが。 なお、人気カードであり価格が高騰していたヴォルカザウルスは2014年に「ゴールドシリーズ2014」で再録されている。 だが、フリーザードンは単体での性能が極端に低かったために再録の機会がなく、2021年発売の全てのナンバーズが収録されたコレクター商品「No. COMPLETE FILE」まで再録されたことがなかった。 このため、中古市場ではヴォルカザウルスが飽和する一方でフリーザードンの需要はクリスタル・ゼロ・ランサーで高まり、時としてフリーザードンの中古価格はヴォルカザウルスのそれを上回っていた。 当初の圧倒的ハズレア扱いを思えば、フリーザードンがこれほどの評価を得たのは快挙と言うほかないだろう。 第4章 恐竜時代の終わり―さらばフリーザードン 《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》の下敷きの仕事を得たフリーザードンだが、その立場は決して盤石ではなく、むしろ薄氷の上に立っていた。 フリーザードンの価値はあくまで「素材2体・素材に縛りなし・水属性・ランク5」という4条件を同時に満たすカードがフリーザードンしか居ないという点にのみあった。 したがって、この条件を満たしつつ、フリーザードンより有用な効果を持つカードが出れば、その地位は瞬時に失墜する事は《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》の登場当初から指摘されていた。 指摘されながらも、その日はなかなか訪れなかった。1年が過ぎ、2年が過ぎ、様々なカードが環境に現れては消えていった。 そして、6年が過ぎた。 時は2019年12月。 2020年1月11日発売となるETERNITY CODE(エターニティ・コード)の発売に先駆けて、同パックに収録されるカードの先行公開が行われていた。 その中の1つにこんなカードが存在した。 《ヴァリアント・シャーク・ランサー》 エクシーズ・効果モンスター ランク5/水属性/獣戦士族/攻2500/守1600 レベル5モンスター×2 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 自分フィールドのX素材を1つ取り除き、対象のモンスターを破壊する。 自分フィールドに他の水属性Xモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。 (2):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分フィールドの他の水属性Xモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。 デッキから魔法カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。 ランク5・水属性・素材縛りなし。 久しく出ていなかった「クリスタル・ゼロ・ランサーの下敷きにできる素材2体で素材縛りのないカード」であった。 おまけにフリーザードンに比べて攻撃力は上、効果の能動的に発動できる除去能力と圧倒的に勝っている。 フリーザードンから「クリゼロの下敷きになれる中では唯一の素材2体・素材縛りのないカード」という称号が奪われた瞬間であった。 しかもほとんどバニラのこちらに対して、向こうは優秀な能力持ち。 「ランク5デッキでクリゼロ出したいならこいつ入れるしか無いけど、エクストラデッキの圧迫がきついなあ」という悩みももはや過去のことである。 同時にフリーザードンの存在も過去のものになったが。 一応、フリーザードンの方が守備力が高いなど差別化できる点もなくはないが、あえて優先するには効果を活かせるデッキ構築でないと厳しいだろう。 とはいえクリゼロ登場の2013年10月から6年以上も存在価値を保ち続けたのはすごい。その間にたくさんのカードが過去のカードとなっていったのだ。 あの《No.101 S・H・Ark Knight》もインフレの波に飲まれていった中で(X素材化効果自体は現在でも弱いわけではないが)、唯一のアイデンティティを保ち続けたこのカードはもっと評価されるべきではないだろうか。 追記修正は絶対零度でお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 役立たずの過去、そして重ねることでゼロランサーに進化したことでついたあだ名が下敷き。 -- 名無しさん (2015-01-18 13 34 34) バニラとそう変わらない扱い。というか効果無い方がよかった気がする。効果活かせる場面はあっただろうか -- 名無しさん (2015-02-05 09 24 25) まぁ氷系に相応しい不様な待遇 -- 名無しさん (2015-02-05 10 41 47) ↑ゼロ・ランサー&No.21 CNo.103「アンタ、凍らすよ」 -- 名無しさん (2015-02-05 20 50 05) せめてアニメ版効果のままならば… -- 名無しさん (2015-04-26 00 34 06) 産廃タグ消してもいいのでは?仕事先があるんだしさ -- 名無しさん (2015-09-07 20 27 54) 使用価値がありゃ産廃じゃないぞ -- 名無しさん (2015-11-12 01 35 04) タイプはほのお/こおり/ひこうだな -- 名無しさん (2015-11-12 01 52 46) ↑名前がフリーザー+リザードンだもんな -- 名無しさん (2015-11-25 21 54 45) ↑2 岩石封じですら即死しそう、エッジや雪崩は言わずもがな。 -- 名無しさん (2016-04-04 22 28 52) お願いですから縛り無し、水属性のランク5を出さないでください。フリーザードンの居場所が無くなります。 -- 名無しさん (2016-11-02 08 41 22) せめてシャークが使ってくれてたら -- 名無しさん (2017-10-02 21 01 35) 《ヴァリアント・シャーク・ランサー》登場で下敷きとしての価値もほぼ消滅 -- 名無しさん (2019-12-25 15 26 39) フリーザードン、貴様はよく戦った。眠りにつくがいい… まぁクリスタルの登場から7~8年は唯一の勝ちがあったしよくやったよ -- 名無しさん (2019-12-26 03 05 52) TCGでそんだけの期間独自性保てたのならよくやったほうだと思うよ -- 名無しさん (2019-12-26 03 16 13) 追記したでござる -- 名無しさん (2020-01-06 15 47 23) ヴォルカの対ならモンスター蘇生させてライフゲインにでもしてあげればまだマシだったかもしれない -- 名無しさん (2021-11-18 13 05 19) マスターデュエルでURポイントが足りないときにRで作れるので間に合わせとしては評価できる -- 名無しさん (2022-03-19 02 35 20) MDでもヴォルカよりこっちのほうがレアリティは高いのな -- 名無しさん (2022-03-19 09 55 27) 守備力に関しても、今では同じランク・属性・素材でより高いN・As・H Knightがいるという -- 名無しさん (2024-01-21 23 56 44) リンクスでもまだ唯一の下敷きとして活躍できるがナッシュが来たらすぐ紙やMDと同じになる -- 名無しさん (2024-02-10 14 49 23) 名前 コメント
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クラスチェンジ条件 アラインメント…N、MP…1500以上、HIT…S以上 補正…防-2 避-2 命+2 魔法攻撃強化 人形使い。強靭な防御力を持つゴーレムやアンデッドとの相性が良い。 まずはゴーストの補正を見てほしいんだ。 うん、絶望だね。 (09/02/28)
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段階思考とは、「流れを順序立てていったん書きあげ、それから整理する」という方法です。 具体的な勉強法の提示や、指導の指針を定めるときに活用していただければと思います。 実際はかなり複雑な場合も多いが、目的によっては思い切って単純化してもよいです。 これは主に数学や理科などの段階をふんで、論理的に解答するときなどにも活用できます。 解答するときはもちろんですが、指導するときにも役に立ちます。 応用して、国語や英語・社会などの科目でも活用できます。 もちろん、これは一種の思考の仕方なので、これが絶対ではないことを忘れないでください。 基本的には最初に示している通り、具体的な勉強法の提示や、指導の指針を定めるときに使ってください。 もちろん段階思考が使えない場面のあるかと思います。 そういう場合は少し先生なりのアレンジを加えて使ってあげるといいと思います。 たまに無理やりやろうとしますが、無理やりやるくらいなら別の思考を使った方がいいです。
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きっと俺は、あるのかわからない目に見えない力を信じていた。 友情なんて物は簡単に壊れる。 SOS団の活動を通じて徐々に人付き合いを学んでいったハルヒは、その容姿と頭脳も合わさってクラスの人気者の地位を獲得していた。 そんな矢先、俺はひょんな事からハルヒに嫌われてしまった。 きっかけは馬鹿らしくて思い出すことすらできない些細な事。 こちらから謝る気にもならず、その内なんとかなるだろうと希望的観測を抱いていた。 だがクラスの人気者に嫌われる、というのは学生生活においてもっとも恐ろしい事だと俺は思い知る事になる。 要するに、いじめを受けるようになったのだ。 最初は無視や机に落書き程度だったいじめは加速度的に悪意を膨らませていき、殴られるのが日常となるまでそう時間はかからなかった。 なにより辛いのは友達だと信じていた谷口や国木田までいじめに加担していること。 肉体よりも精神が悲鳴をあげる。 今日の昼休みにも二人に連れ出され、俺は校舎裏で鉄の味を噛み締めながら空を眺めていた。 午後の授業の始まりを知らせるチャイムが聞こえたが立ち上がる気力が湧かない。 俺は不思議なくらいさみしい青空に手を伸ばした。 指の隙間から漏れだすように降る光を眺めながら思考の海に埋没していく。 SOS団に顔を出す事はハルヒに禁じられた。 またハルヒを観察するのに打ってつけである環境を守るため、団員達に反論する者もいない。 最後に皆と話したのはいつだったか。 古泉は 「申し訳ありませんが涼宮さんのご機嫌を損ねるような行動は謹みたいので」 と、悪怯れた風もなくいつものにやけ面で言っていた。 あいつにしてみれば俺は疫病神なのだから仕方ないのかもしれない。 今回のことでまた閉鎖空間の対策に追われるのはあいつ自身なのだから。 朝比奈さんは涙を流しながらごめんなさいと言い続けていた。 朝比奈さんを泣かせたやつは誰だ!出てこい!と一人芝居をしていると、泣き笑いの顔で俺の事をぎゅっと抱き締めてくれた。 この先どうなるのか教えて欲しかったが、禁則事項に触れそうなのでやめた。 それでも教えてくれたかもしれないがこれ以上朝比奈さんに負担をかけたくなかった。 長門はこの件の後見ていない。 最後に見たのはいつものように部室で分厚いハードカバーを読んでいる姿だ。 俺はそれでいいと思っている。 空気と混ざって希薄していくかのように頭がぼんやりとしていく。 打ち所が悪かったのかもしれない。 誰かが見つけてくれるまで寝ているのも悪くないかもしれない。 誰か教えてくれないか? あの魔法のような幸せな日々がどこに行ってしまったのか。 ハルヒに振り回され、朝比奈さんのいれたお茶を飲んで、長門と図書館に行って、ついでに古泉とボードゲームを楽しむような毎日が。 次に目が覚めたら願いが叶っておかしくなれるような日々が戻って来ているだろうか。 俺は一人、絶望の丘で立ち尽くす。
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このページはこちらに移転しました 絶望死期 作詞/λ 歌詞も分からない英語の歌を聴く 右手左手それぞれ別のことする 明日は晴れかな?窓をみる やつれた俺の顔 桜吹雪いても俺に春は来ない 向日葵の花咲いても夏は俺にはない あまり知られていない漫画を読み続ける 心とからだそれぞれ別のこと思う 喉が渇いたかな?布団から出る 動かない俺の体 どんなに時すぎても秋は来ない 夢見た世界の先には冬などない (このページは旧wikiから転載されました)
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  「お前たちにも匂うだろう?恐怖と絶望だ。」 "Do you smell that, friends? Fear and despair." イニストラード:真夜中の狩り 【M TG Wiki】 名前
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新説ガンダムドルダ 第十一話 絶望の光 「そうでしたか…」 ルナリアンは紅茶のカップを置くと、目を瞑る。 全ての真実を語り終えたクランは、ある意味清々しく思っていた。 全員静かに、ルナリアンの次の言葉を待つ。 「それで、あなた方はこれからどう動くおつもりなので?」 ゆっくりと目を開き、再び全てを見透かすような瞳で、クランを見つめる。 「少し、前置きが長くなりますが…私個人は、こう考えています」 クランが続ける。 「先日の私達の調査の一件、そして『半月崩落事変』。火星コロニー圏の人々が剣を手に取った。 地球圏の生まれである私は、火星圏コロニーでの人々の生活をこれまで目の当たりにしてきて、本当に心が痛くなりました。 何も知らずに、地球で幸せに暮らしていた自分を、恥ずかしくさえ思いました。 …ご存じの通りの、『舞姫の殺劇』で私は家族を失いました。…けれど今では、それで世界の声を耳にすることが出来たのだと思っています」 ルナリアンは目を細める。 「あなたはお強いのですね…『舞姫の殺劇』、あれは酷い事件でした…」 続けて下さい、ルナリアンが言う。 「世界の声を聞くことで、どうしようもない人のうねり、というものがあるのだと気付きました。地球圏の人々にも言い分がある、けれど火星圏の人々にも言い分がある。 どちらもそれぞれの正義の名の下に、今を生きています。 けれど、だからといってこれを武力で解決していい理由にはなりません」 ルナリアンは黙って聞いている。無言で続きを促す。 最早クランの瞳にあるのは、自らの過去の痛みだけではなかった。 痛みを乗り越えて、人と歩み寄る未来を信じること…それが、今を生きるクランに出来ること。 痛みを知り、儚さを知り、そして世界の声を耳にしたクランは、未来の為に戦うことを決意していた。 絶望がもたらす光を、育てていかなければならない、と。 「世の中には誰一人として潔白な人間などいない。それは自明です。 毎日こうすれば、ああすれば、のジレンマに板挟みになって、そういう歪みが重なって。 …世界の全てを救えない、そんなことはわかっています。 けれど、その歪みの原因を解決することで、信じる未来が訪れるというのなら私はそのすべてを解決していきたい、と考えています」 真剣な眼差しのクラン。 ギデオン、ヴァイスにミランダは目を丸くしている。 「…そうですか、あなたのお気持ちは良くわかりました。しかし、あと一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」 ルナリアンはにこやかに微笑むと、続ける。 「あなたは、シンシアさんと、ガンダムドルダを通して、何を見つめていくおつもりなのですか?」 「……」 ルナリアンは、自分が本当に聞いておきたい問いは絶対に問うておかねばならないと、思っているようだ。 クランが口を開く。 「あの機体、ドルダが何処からもたらされたモノなのか…そしてこの世界に何をもたらすのかは、わかりません。 ただ、私は…詭弁ですが、シンシアとの触れ合いの中で、ドルダをあるべき道へと導かなければ、と考えています」 「あなたの導く先に、必ずしも正しい答えがあるとは、限りませんよ?」 「わかっています。けれど、あの娘が、ドルダと共にいた、シンシアが進むべき道を示してくれる、と信じています」 強い決意を灯した瞳は、ルナリアンの澄んだ瞳を真っ直ぐに捉える。 絶望の光…クランの瞳に宿った光。 「…わかりました。ドルダとシンシアさんが実験対象にならないように、上層部の方には、私の方で対処しておきます」 「しかし、それではあなたが…」 ギデオンが口を挟む。 「私は、見てみたいのです。貴女が…クランさんが信じた未来を、私も見てみたい」 ルナリアンが静かに言う。 「それに、大丈夫ですよ。私には、ライセンスがありますので」 またしてもにっこり微笑えむ。 「さ、おかわりを。おつぎいたしますわ」 そう言うと、ルナリアンは席を立ち、一同に紅茶のお代わりを並々と注いでいった。 包囲してビームライフルを放つローズ。 先行したマイケルとディランが、ビームサーベルによる接近戦を試みるものの、ドルチェの圧倒的なパワーの前に気圧されていたのだった。 「どう?気は済んだかしら?」 エリスが冷たく、高慢に言い放つ。 放たれたビームの全ては、ドルチェのシールドファンネルによって阻まれ、舞姫の身体に触れることすら叶わなかったのだった。 「…参ったね、どうも」 マイケルは舌を出し、ペロリと唇を舐める。 しかし、その口調とは裏腹に、相当焦っていた。 「ねえねえ、弱っちいんだからさ、早く帰りなよ。きっと、その方がいいわ」 エリスが拡声器を通してローズ全機に呼びかける。 「!女…!?」 ディランが呟きながら、ドルチェの隙をうかがう。 マイケルも、敵の酔狂な警告を耳にして何を思ったのか、エリスに言葉を返す。 「悪いけど、そういうわけにもいかないんだ。キミを連れ帰るか、破壊するか。それが僕達の仕事だからね。 それに、機体の性能差が必ずしも勝敗に繋がるとは限らないさ」 再びマイケルのローズがサーベルを抜き、ドルチェに立ち向かう。 「ダメよ、お兄さん。そんな仕事人間になったら。あなたの彼女、きっと泣いてるわ」 ドルチェはビームスコップを軽く振りまわし、いなすように受け止める。 両手を使いすべての力を込めたマイケル機の斬撃を、片手で軽く止めるドルチェ。 「ディラン!」 マイケルが叫ぶ。 「分かっている!」 ディラン機がビームサーベルを構え、マイケルの剣を受けている方と反対側に踊り出る。 「はああぁぁぁ!」 通常のローズよりも遥かに速い速度で、ビームサーベルでドルチェの脇腹を薙ぐようにして向かう。 「なんとかの一つ覚えってね!」 エリスは目にもとまらぬ速度で、左手でビームレイピアを抜刀すると、ディランの渾身の一撃を静かに受け止める。 「ターニャ!タオ、マオ!」 今度はディランが声を荒げると、三機のローズのライフルからは、カーボンネットが放たれる。 ドルチェを滷獲するつもりなのだろう。 「強引なトコは好きよ。誰かさんにも、見習って欲しいくらい」 エリスは動じることなく、落ち着き払った動作で、全力のディランとマイケルを軽く弾き飛ばすと、二刀流でカーボンネットを切り裂く。 「…!いつでも出来ましたよ…ってことかい?ソレ」 「そういうこと♪」 勢いを殺しつつ体勢を立て直すマイケルに、エリスが言う。 「マイケル、プラン移行を推奨する。密集隊形で取り囲むぞ」 「分かった、ディラン」 すると、五機のローズは陣形を組み、五角形の形になると、そのまま左右に動きつつ、ドルチェの方へと向かう。 「狙い撃つぜ!…ってね」 ロングレンジビームライフルを取り出したエリスは、出力をマシンガンモードに調節し、ローズに照準を定める。 「来たよ!」 マイケルが言うと、襲い来るビームマシンガンの速射を、一斉に陣形を広げることで回避、次に縦列に並ぶ。 続くビームマシンガンの雨を、縦列から、マイケルを中心とし、逆の扇型になるよう横列に移動、一斉にビームライフルを放つ。 「なんとか至近距離まで近づいて、ライフルが放てればね…」 マイケルが言い、ライフルを撃つ。 「ちょこまかちょこまか…あぁ~もう!」 エリスが言うと、ライフルの出力を上げ、速射モードから通常のビームライフルモードに切り替える。 「…!やっとマシンガンのリズムを掴んだところで…!」 ターニャが舌打ちをする。 「けどね!もう覚えたよ、あんたのクセ!」 ターニャが言う。 「私のクセ、ね。可愛らしく髪をかきあげてしまうことかしら?」 エリスが再び笑うと、ロングレンジライフルからは、ビームマシンガンとビームライフルがランダムに放たれた。 「クッ…!」 ディランの目が鋭くなる。 「あんなこともできるのか…けどね!」 マイケルがスラスターをグン!と踏み込むと、一瞬のうちにドルチェの後方へと回り込む。 「これで、終わりさ!」 マイケルのローズが至近距離でビームライフルを構える。 「ところがぎっちょん!…ってね」 背部に搭載された、追尾型のビームファトランクスがマイケルを襲う。 「気をつけてね。追っかけてくる上、出力も結構キツイから!」 サーベルとライフルを構えた四機のローズを前に、ドルチェは機体を転身させる。 タオとマオの連携の取れたライフルの全てを紙一重で避け、ディランとターニャのサーベルを、武器を素早く持ち替えることで対応する。 「なかなかやるじゃん♪ここまで食らいついたのって、そうそういないよ」 実際、マイケル・ミッチェル隊のこの五人は、相当優秀なパイロットであった。 中でも、マイケルとディランは、ドル・デーパイロットの最終候補者だったのだ。 戦闘力も平均的なローズパイロットとは比べ物にならないほど高い。 「この…!バカにするんじゃないよ!」 ターニャがサーベルを持つ手に一層力を込める。 刹那、タオとマオが、ビームライフルを撃ちつつも、ビームサーベルそのものを投擲してきた。 「!」 エリスの目が見開かれる。しかしすぐに笑うと、目を細めて呟く。 「あら、大胆だこと…」 「クソッ!俺の出番って言いてえんだろ、どうせ」 「分かってるじゃない、デイヴ」 デイヴは理不尽な戦闘に巻き込まれた怒りから、今はエリスにではなくマイケル隊の面々に対して敵意を抱いていた。 それもそうだ。今のデイヴにとって、この五人はただのお邪魔な名無しパイロットにしか過ぎないのだから。 「そこを、どけェ!」 言うと、シールドファンネルが再び宙でシールドを形成し、不意をついたタオとマオのサーベルを弾き返す。 「「!」」 咄嗟に返されたサーベルを避け、体勢を立て直す二人。 線対称になるようにして、それぞれが、ディランとターニャの加勢に向かう。 四本の太刀を受けてもなお、超然としているドルチェ。 「…これはさすがにちょっと、キツイかもね」 舌舐めずりをしながら言うエリス。 と、そこに… 「僕を忘れて貰っては、困るな!」 ビームから逃げ切ったマイケルが、ドルチェにビームライフルを放つ。 「至近距離で放てば!へんなシールドも使えないだろ?」 マイケルの放ったライフルを食らうドルチェ。 「仕上げだ!ディラン!」 言うと、ディランのローズがビームサーベルをもう一本構え、ドルチェの顔面を穿とうと突きを繰り出す。 「はああぁぁぁ!」 鬼気迫るディランと、したり顔のマイケル。 「!」 驚愕に目を見開くエリス。 ガンダムドルチェは、五人の精鋭が駆るローズによって、今まさに天使の羽をもがれようとしていた。 「わぁ~、さすが月支社。噂には聞いていましたけど、やっぱりすごいです!」 モモ・マレーンと謎の少女シンシアは、二人で仲良く月支社の内部を探検中だった。 「…よくわからないけど、私も初めて見るものばかり」 二人がいるのは月支社の医療部門研究室。 医療隊員であり、将来本格的に医療を志しているモモが、シンシアの手を引っ張って強引に連れてきたのだった。 研究室の中には入ることが出来ないので、ひょこっと頭を出し、外部のガラス張りから研究員の作業の様子を見ていたのだった。 「う~ん。医療部門は本社より、だいぶ進んでいますね…」 モモが唸る。シンシアは、「ほぇ~」と感心したように見つめている。 「早速メモメモ…」 モモは取り出した携帯端末に、今目にしている情報を書き込もうとしていた。 と、そこに。 「なんだ。どこのいたずら鼠かと思ったら、可愛いお客さんじゃないか」 研究員と思しき人物。白衣を身に纏っている。 ただ他の研究員と異なる特徴があるとすれば、彼女は白衣に帽子をかぶり、ポッキーと言う地球圏のお菓子を食べていたことだった。 「あ…す、すいませんでしたぁ!」 モモが急いで頭を下げる。 「いーのいーの。気にしなくても。…実は私もココで何やってるかよく分かってないんだ」 すると、研究員がポッキーをモモに差し出しながら、ニッコリと笑ってみせた。 「あ、ありがとうございます!」 ポッキーを受け取り、頭を下げるモモ。 対照的にシンシアは、もう既にポッキーを目にしてどうやって食べていいのか四苦八苦している。 「ああ、いいよ、もう。そんな」 「あ、あの…研究員の方ですよね!?ここで何の研究をやってるか見学させてください!」 再び深々と頭を下げる。 「そ。私は伊吹・アダルベルト。一応ココの研究員…なんだけど、最近ココに来たばっかで、よく分んなくてさ」 タハハ、と笑う伊吹。 「専門がコンピュータプログラミングなんだけど、ちょっとココでその力を貸してくれないか~なんて言われちゃって。 普段は学生やってるんだけど、ちょうど長期休暇中だしね。だから私、医療部門のことはよく分らないんだ」 すると、モモは何かに気づいたように、慌て出す。自己紹介をしていなかったのだ。 「あ…私、モモ・マレーンです!公社の第一次火星調査隊の、医療隊員です!」 「第一次火星調査隊!?凄いね、モモちゃん。ところで、そっちの娘は?」 聞かれてまたもや慌て出すモモ。シンシアはマイペースなのか、人見知りなのか、自己紹介をしようとはしなかった。 「シンシアちゃん。私の、友達です!」 「そっか、ヨロシクね。…あ、そうだ。今ちょうど私休憩中だからさ、談話室でお話しない?お菓子とか、ツマミながら」 お菓子、という言葉に反応を見せる二人。 「あはは。じゃ、行こう?」 シンシアとモモの二人は、伊吹に連れられて談話室へとその足を運んで行った。 「邪魔」 不意に、エリスがひどく冷たく言い放つと、ドルチェが四機のローズを吹っ飛ばす。 いや、力で押したというわけではない。それが出来るならとうにしている。 いくらドルチェといえど、四機のローズに両腕を塞がれたまま攻められてはたまったものではない。 何か、圧縮されたエネルギーのようなものがローズを吹っ飛ばしたのだった。 「くっ…ああああぁぁ!」 叫ぶターニャとディラン。 「ねぇ、ゴミの癖にさぁ?調子に乗らないでって、ワタシ言ったよね?」 不意に目にもとまらぬ速度で、ビームスコップとビームレイピアを抜刀し、マイケルのローズの両腕を切り裂く。 「!」 咄嗟に回避しようとしたマイケル。しかし、なす術もなく両腕を持っていかれた。 「Doll-ceシステム、解放。アンタらなんか、ワタシの奴隷にも相応しくないわ」 ドルチェの純白の機体が、より一層…いや、白銀に輝く。 「そうね…この世界から、消してあげよっか?」 嗜虐心を隠そうともしない表情で、少女は一切の武装をしまう。 「なん…だ!?」 マイケルが言い終わらないうちに、ドルチェの全身からビーム状の波動が放たれる。 「こ、これはッ!?くああああ!」 放たれた波動は、徐々にローズの装甲を削り取っていく。 「アッハハハハハ!苦しんで、死ね!」 輝きを失った瞳で、少女が冷たく笑う。 「クッ…!一時、撤退だ!!」 フラフラと逃げていく五機のローズ。 「ターニャ、テレウスに、連絡をッ…!」 ぐああああ!叫ぶマイケルの全身からも血が溢れ出す。パイロットスーツには亀裂が走る。 しかし、その美しい容姿とは裏腹に、それを黙って見逃す程、少女は甘くなかった。 冷たく輝きを失った瞳で、しかし激情をその心に秘めながら。 その可憐な唇からは、普段の彼女からは想像も出来ないような言葉を紡ぎ出す。 「…下等種が。見苦しいから、サッサと消えて」 ロングレンジビームライフルから放たれるは、特大のビームキャノン。 五機のローズは、絶望の光に飲み込まれていったのだった… 「!」 同時に目を見開くはエステル。座っていた椅子を蹴飛ばすようにして立ち上がる。 「今…」 冷や汗をかいている。呼吸も荒い。 「どうしたんじゃ、エステル」 粒子の研究を進めながらも、助手を気遣うティモール。 「いえ、なんでもありません。博士」 「…少し休憩にするといい。お前さんも疲れておるじゃろ」 「…ええ。すいません」 研究室を後にするエステル。 ティモールは顕微鏡を覗きながらも、片手をあげ、助手を見送った。 フラフラと、薄暗い廊下を歩くエステル。 (絶望の、光…) 唇を噛むと、そのまま廊下にうずくまる。 (まさか、あのチカラを…!?) エステルは天を仰ぐようにして、縋るような目つきで、暗い天井を見つめ続けた。 「…結局、なんだったんだろな。あの人は」 ルナリアンとの会談を終え、会議室を後にする一同。 歩きながら、ヴァイスがそう呟いた。 「なんだった、というと?」 答えるのはミランダ。 「いや、なんつーか…不思議な雰囲気だったよな。何でもかんでもお見通し、みたいなさ」 「まあ、それはそうですけど」 「オマケにコイツがとんでもないコト言い出したのにはビビったけどな」 ヴァイスは、自らの前を歩くクランの方を顎で指す。 「…ええ」 頷きながら、寂しそうにクランを見つめるミランダ。 (夢物語だわ、クランさん…) 俯きながら、その足を進める。 (けれど、私も…私も、彼女と同じ世界が見たい…) 絶望の光…ミランダの瞳に宿った光。 「…どうかしたのか?」 「いえ、大丈夫です」 ミランダ・ウォンは、第一次調査隊の一員として、自らに何が出来るのかを今一度自らの心に問い、決意を新たにしたのだった。 伊吹・アダルベルトとのささやかなお茶会が終わり、クラン達と合流すべくモモとシンシアは会議室へと足を運ぶ。 ドアを開きかけると、そこで会議はもう行われてはおらず、ルナリアンが何者かと回線で話をしていたのだった。 (なんだか、まずいです…) 咄嗟に隠れてしまうモモとシンシア。 ルナリアンはにこやかに話をしていた。 「…ええ。彼らの個人データは、後日お送りいたしますわ。それで、そちらの方は…」 頷きながら相手の話に耳を傾けるルナリアンを見て、モモは怪しく思う。 (個人データの転送って…!やっぱり、あの人は怪しいです!) ええ、ええ。相槌が聴こえる。 「了解いたしましたわ。それでは、良い夢を。ジム」 気になる回線の相手。それは、先日フィリア・シュード達と出会っていた、ジャイアントマンこと、ジム・ストライカーであった。 不意に、シンシアがひょこっと顔を覗かせてしまう。 (!ああ、もうお終いです…) 何がお終いかはモモのみぞ知る所ではあるが、とにかくその時彼女はそう思った。 「あら?あなた達は…」 「あの…会議の方は、もう終わったのですか?」 シンシアが尋ねる。 「ええ。もう終わりましたよ。あなたのお姉さんなら、一階のレセプションホールにいらっしゃると思いますわ」 にこやかに答えるルナリアン。 「ありがとうございます、早速行ってみま…」 「あ、あの…なんだかすいませんでした!モモ達、別に盗み聞きとか、そんなつもりじゃ…」 お礼を言うシンシアを阻み、またもやモモが頭を下げる。 ルナリアンは目を丸くすると、再び微笑えむ。 「…いえ、構いませんわ。取るに足らない会話ですもの。それより、お連れの方々がきっとお待ちしていますわ」 モモは再び自らの顔が赤くなるのを感じた。 「し、失礼します!」 「ええ。また、お会いできるといいですわね」 足早に去っていくモモとシンシアを見送り、ルナリアンは静かに呟いたのだった。 「指定ポイントに到着。月地区標準時刻一四○○を以て、任務を開始する。マルス ムスペルヘイム、目標を溶解する」 そう言ってアレスが手に持つビームバズーカの銃口を向けたのは、コロニー軍ルナリアン駐屯部隊の基地。 そして重厚なフォルムを持つ機体…マルス ムスペルヘイムの横には、宗谷陽光の駆るドル・デーの姿があった。 「ローズ部隊は二手に分かれ、片方はルナリアンへと向かえ。ドルダをおびき出すのだ!もう片方はここで、まず駐留軍を叩く!」 陽光が言うと同時に、十機程のローズが、二手に分かれていく。 「うわああああ、敵襲ー!」 マルスの銃口から放たれたビームバズーカの、絶望の光が、駐留軍基地を蹂躙していく。 「おのれ、火星義勇軍か…!出撃出来るMSは全機、直ちに出撃せよ!」 駐屯基地の司令官が命令を下すと同時に、二十機ほどのグワッシュ・ドグッシュの混成部隊、ガーランド十機が一斉に出撃する。 「ここまで来たら、もう戻れぬのだよ…」 陽光は、紅き戦神を駆る少年が心を痛めてやしないかと心配しつつ、そして、自らを鼓舞する為に呟き、静かにビーム刀を抜いたのだった。 「ドル・デー!敵部隊を一掃する!」 絶望の光…陽光の瞳に宿った光。 陽光の描くビーム刀の軌跡が、その光を強く強く、映し出した。 十一話 終 十二話に続く