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紬「もし、世界があと10日で滅びるとしたら、梓ちゃんは何がしたい?」 梓「そうですね…」 梓「美味しい物も食べたいですし」 梓「遊びにも行きたいです」 紬「何か一つしかできないとしたら?」 梓「…結婚、してみたいですね」 紬「そう」 紬「それじゃあ」 紬「しよっか」 梓「…?」 紬「結婚」 紬「私と梓ちゃんの結婚」 梓「世界、滅びるんですか?」 紬「うん」 梓「どうして?」 紬「星が落ちてくるの」 梓「本当に?」 紬「嘘をつく理由がないわ」 梓「そんなことニュースでは…」 紬「36時間後にはどこの局でもやるでしょうね。確実に民間でも観測できるようになるから」 梓「…私達死ぬんですか?」 紬「ええ」 梓「シェルターとか…」 紬「地球二倍以上の質量をもった星が降ってくるの」 梓「地球、割れちゃいますね」 紬「たぶんね」 紬「じゃあ結婚の段取りしましょうか」 梓「本当にするんですか? 結婚」 紬「梓ちゃんはしたくない?」 梓「…したいです」 紬「はやくオランダ国籍をとらないと」 梓「えっ」 紬「日本国籍のままじゃ籍を入れられないもの」 梓「…わかりましたとことんお付き合いします」 紬「ええ。琴吹のバックアップがあるから」 梓「ムギ先輩のお父さんとお母さんは?」 紬「まだ国内にいるわ。最後はフィンランドで迎えるそうよ」 梓「そうなんですか」 紬「ニュースで発表されたら大騒ぎになるから早く行くわよ」 梓「役所が機能しなくなって、国籍や入籍どころじゃなくなりますからね」 紬「ええ」 梓「何を使って行くんですか」 紬「プライベートジェット。空港まではヘリで」 梓「ヘリ…ムギ先輩の家は本当になんでもありますね」 紬「ええ。琴吹に生まれたのをこれほど感謝したのは初めて」 梓「そうですか」 紬「着いたね」 梓「はい」 紬「もうオランダ国籍はとれてるわ」 梓「えっ?」 紬「飛行機に乗ってる間に斎藤が根回しをしてくれたの。暇を出したのに…」 梓「…いい執事さんですね」 紬「ええ、本当に…」 梓「じゃあ婚姻届を役所に持っていくだけですね」 紬「ええ。じゃあこれに判子を押して」 梓「はい」 紬「私も…」 梓「じゃあ役所に持っていきましょう」 紬「これで私達お嫁さん同士だね」 梓「琴吹梓ですね」 紬「実感ある?」 梓「まだありません」 紬「私もないわ」 梓「そうですよね」 紬「梓ちゃんのお父さんとお母さんに報告しに行かないと」 梓「事後報告になっちゃいますね」 紬「ええ、とりあえず帰国しましょ」 梓「はい」 ――― 紬「帰ってきたわね」 梓「はい」 紬「すごい騒ぎね」 梓「ええ。どうやら発表されたみたいですね、隕石」 紬「大人が何人も泣いてる…」 梓「泣くんですね、大人も」 紬「どうしようもなくなったら、人は泣くしかないんだね」 梓「そうですね」 紬「梓ちゃんのお父さんとお母さんはどうかしら」 梓「泣いていると思いますか?」 紬「そしたら、慰めてあげて、それからもう一度泣いてもらわないとね」 梓「いろんな意味で泣かれてしまいそうです」 紬「着いたね」 梓「ええ、ここが私の家です」 紬「お邪魔します」 梓「ただいまー」 梓母「梓! 良かった…無事だったのね」 梓「お母さん…」 梓父「あぁ、心配したんだぞ。…そのかたは?」 紬「琴吹紬と申します。本日は挨拶に参りました」 梓父「挨拶? 君の御両親も心配しているだろう。早く帰ってあげたほうがいいと思うが」 紬「…とても大切な挨拶ですから」 梓母「とりあえずあがってもらったら?」 梓「……私達結婚しました」 紬「はい。娘さんを私のお嫁さんにさせて頂きました」 紬「報告が遅れてしまい、申し訳ありません」 梓母「冗談よね?」 紬「冗談では御座いません」 紬「つい先程オランダ国籍を取得し、現地にて籍を入れさせて頂きました」 梓父「本当なのか?」 梓「うん」 梓母「でも、どうして」 紬「愛しあっているからです」 梓父「これは喜ぶべきなのかね、母さん」 梓母「地球が壊れる前に娘が結婚できるんだから、喜んでおくべきじゃないかしら」 梓父「しかし女の子同士だよ」 梓母「10日じゃ子供は生まれないんだから男でも女でも一緒よ」 梓父「それもそうか」 梓父「紬さんと言ったかね」 紬「はい」 梓父「梓は私達の大切な娘なんだ」 梓父「至らないところもあると思うし」 梓父「あと、一週間ちょっとの短い結婚生活でしかないだろうけど」 梓父「どうか、幸せにしてやって欲しい」 紬「はい。必ず」 梓母「私からもお願いします」 紬「はい。御母様」 梓父「…私のことも呼んでくれないか」 紬「御父様…」 梓父「ありがとう」 紬「それで、私達結婚式を挙げようと思ってるんです」 梓父「できるのかい? この混乱の中」 紬「家に教会があります。簡式なら準備もなんとかなります」 梓母「そう…私達も参加していいのかしら?」 紬「是非ともお願い致します」 梓父「それは楽しみだな」 紬「結婚式は明日。梓ちゃんは今日はこの家に泊まって」 梓「えっ……私も…」 梓父「そうだ。残り少ない時間なんだから二人は一緒にいるべきじゃないかい」 紬「結婚式の前日、新婦が実家で家族と過ごすのはしきたりです」 梓母「…そうね」 紬「式が終わったら、それから最後までの時間を全部頂きます。だから今は家族で過ごしてください」 梓「…それでは、また」 紬「ええ、また明日」 ――― 紬「もしもしりっちゃん?」 律「あぁ、ムギか」 紬「ええ、届いたみたいね」 律「いきなりケータイ送ってくるから驚いたよ」 紬「普通のケータイは使えなくなるってわかってたから」 律「用意周到だな」 紬「ええ、それでね。連絡をしておこうと思って」 律「なんの?」 紬「私と梓ちゃん、明日結婚式をするの?」 律「結婚式?」 紬「ええ、もう入籍もしたわ」 律「…ありといえばありか」 紬「りっちゃんもくる? 残り少ない時間だから、無理にとは言わないけど」 律「なぁ、ムギ」 紬「なぁに? りっちゃん」 律「友だちとしての最後のお願い、してもいいか?」 紬「いいよ」 律「一緒に私達の式もあげてくれないか?」 紬「澪ちゃんと?」 律「あぁ」 紬「でも、まだ付き合えてないんでしょ」 律「今から告白する」 紬「準備はしておくから…吉報を待ってる」 律「…ありがとう」 紬「友達の最後のお願いだもの」 ――― 紬「もしもし澪ちゃん?」 澪「む、ムギか?」 紬「ええ」 澪「私達、死ぬんだな」 紬「ええ」 澪「ムギの力でもどうしようもないんだな」 紬「ええ。人類は一人も生き残れないでしょうね」 澪「……私も」 澪「パパもママも聡も」 澪「唯もムギも梓も和も」 澪「律も」 澪「みんな死んじゃうんだな」 紬「ええ」 澪「仕方ないことなんだよな」 紬「ええ」 澪「体の震えが止まらないんだ止まらないんだ」 紬「そう」 澪「ムギ、私を助けてくれよ…」 紬「それは私の仕事じゃないわ」 澪「えっ」 紬「今お姫様がそっちに向かってから、しばらく待ってて」 澪「お姫様?」 紬「泣き虫ロミオを救うジュリエットのことよ」 澪「なんのことだ?」 紬「じゃあ切るね」 澪「ムギ! おいムギ! まだ切――」 ――― 紬「もしもし唯ちゃん?」 唯「あっ、ムギちゃんだ~」 紬「唯ちゃんは完全に平常運転なのね」 唯「うんうん。こういう時こそ落ち着かなくっちゃねー」 紬「実は梓ちゃんと結婚式をあげることになったの」 唯「あずにゃんと!? ムギちゃん、おめでと~」 紬「ええ、ありがとう。でねっ、式に参加してくれるかな?」 唯「もちろんだよ~」 唯「あっ、私からもお願いがあるんだけどいいかな?」 紬「なぁに?」 唯「私と憂の結婚式も一緒にあげてくれない」 紬「もちろんよ!」 唯「やった~。ムギちゃん大好き」 紬「うふふふ。その言葉は憂ちゃんに向けてあげなさい」 唯「は~い」 紬「それじゃあ電話切るね」 唯「ねぇ、ムギちゃん」 紬「どうかした?」 唯「死んだら人の魂はどこに行くのかな?」 紬「きっとどこにもいかないわ。灰に還るだけ」 唯「ムギちゃんはリアリストさんだね」 紬「そうかしら?」 唯「そうだよ」 紬「じゃあ、こんどこそバイバイ。明日迎えの車が行くから」 唯「楽しみに待ってるよ~」 ――― 紬「もしもし和ちゃん?」 和「ムギ?」 紬「うん。和ちゃんは今何してる?」 和「妹と弟を慰めてる」 紬「そう…それは大変ね」 和「ううん。だいぶ落ち着いたから大丈夫よ。何のようかしら」 紬「実は明日私達の結婚式をやるの」 和「ムギと梓ちゃんの?」 紬「唯ちゃんと憂ちゃんの結婚式もやるわ。りっちゃんと澪ちゃんのもやるかも」 和「そうなんだ」 紬「驚かないのね」 和「ムギならそれくらいやりそうだもの」 紬「和ちゃんも誘おうと思ってたんだけど、忙しいなら別に‥」 和「私も行かせてもらうわ。唯と憂の晴れ姿を見ておかなきゃ死に切れないもの」 紬「そう? じゃあ明日、楽しみにしているわ」 ――― 紬「もしもし、純ちゃん?」 純「…琴吹先輩ですか?」 紬「ええ、突然電話を送ったりしてびっくりしたかしら」 純「はい、驚きました。私と先輩ってほとんど接点ないのに」 紬「実はね、私と梓ちゃんが結婚式をあげることになったの」 純「えっ! 先輩と梓が?」 紬「ええ」 純「本当ですか?」 紬「ええ」 純「梓のやつ…親友に相談もせず…」 紬「時間がなかったのよ」 純「それはわかってます。それで日時は」 紬「明日だけど、いいの? 残り少ない時間なのに」 純「親友の結婚式ですから。それに憂もくるんでしょ?」 紬「えぇ、憂ちゃんは唯ちゃんと結婚式をあげるわ」 純「げっ…結婚しないの私だけ?」 紬「純ちゃんはそういう相手いないの?」 純「いませんねー。こんなことなら作っておけば良かった」 紬「そう。それは残念」 純「でも、こんな状況で結婚するほうが変わり者だと思います」 紬「そうね。ねぇ、純ちゃん」 純「なんでしょうか?」 紬「結婚相手は用意できないけど、明日は沢山ドーナツを用意するから」 純「いいんですか?」 紬「ええ、それくらいしかできないもの。だから純ちゃんも楽しんで」 純「ありがとうございます」 紬「どういたしまして」 ――― 紬「もしもし、さわ子先生ですか?」 紬「…」 紬「繋がらない」 紬「そういえば先生、最近パートナーが出来たって言ってたような…」 紬「…お幸せに」 2
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紬「ただいま、菫」 菫「おかえり、お姉ちゃん」 紬「菫、ごめんね。突然いろいろ決めちゃって」 菫「いいよ。お姉ちゃんの幸せのためなら」 紬「だけど…」 菫「ねぇ、お姉ちゃん。私はお姉ちゃんが幸せになってくれるのが一番うれしいんだ」 菫「だって私はお姉ちゃんの侍女だから」 紬「菫…」 菫「だからね。明日の結婚式はめいいっぱいお祝いするから」 菫「お姉ちゃんが幸せになれますようにって」 紬「すみれっ…」 菫「もう…泣かないで」 紬「だって…」 菫「ふふ。お姉ちゃんが妹になっちゃったみたい」 紬「もう…」 紬「ところで、斎藤はどこかしら」 菫「お爺ちゃんなら教会で準備してるよ」 紬「そう。それにしても家の使用人が全然減ってないみたいだけど」 菫「みんなお姉ちゃんの晴れ姿を見るまでは帰れないって言ってるよ」 紬「みんな…」 菫「私は最後まで屋敷に残るよ。お父さんとお母さんはフィンランドへ行くけど、お爺ちゃんも残るって」 紬「いいの?」 菫「いいよ。帰るところのない人達も最後まで屋敷に残るし」 紬「菫、ほんとうに助かるわ」 菫「そう言ってくれると私も嬉しいよ」 紬「あっ、そうだ、菫、ドーナツって作れる?」 菫「作れるよ」 紬「明日、ドーナツ好きの子がくるの。もし暇だったらでいいんだけど…」 菫「任せてよ。やることなくて暇だったんだ」 紬「じゃあお願い」 紬父「紬、帰っていたのか」 紬母「おかえりなさい。どうだった?」 紬「御父様、御母様、紬は無事伴侶を得ました」 紬父「そうか……よかったな。紬が女の子と結婚したいと言い出したときはどうかと思ったが」 紬「御父様…」 紬母「たとえ女の子同士だったとしても、娘の晴れ姿を見られるんですもの」 紬「御母様…ありがとうございます」 紬父「それで、その…その子は来ていないのか」 紬「はい、今日は実家に帰ってもらいました。親子水入らずの時間が必要だと思いますし…それに」 紬父「それに?」 紬「はい。私も御父様、御母様、そして菫達と一緒の時間が欲しかったから…」 紬母「そう。親想いな娘をもって私は幸せだわ」 紬「そんな…私なんて」 紬父「紬にはいろいろ不自由をさせてしまったな」 紬「その代りいろいろ便宜もはかって頂きました」 紬父「そう言ってくれると助かる。他に頼みはないのか?」 紬「ありません」 紬母「ほんとうに?」 紬「ええ、伴侶とともに私は最後を迎えます。これ以上の贅沢なんてありなませんから」 紬父「そうか…私たちは紬の晴れ姿を見た後、フィンランドへ飛ぶ」 紬母「ええ、琴吹発祥の地で私達は最後を迎えるわ。紬はどうする?」 紬「私達は最後までこの地に残ろうと思います」 紬父「そうか、寂しくなるが仕方ないな」 紬母「若い二人に私達がいても邪魔なだけでしょうからね」 紬「そうですね。邪魔なだけです」 紬父「こらっ!」 紬「うふふふ。御父様に叱った頂くのもこれが最後ですね」 紬母「ふふふ。紬ったら…」 ――― 紬「斎藤!」 斎藤「御嬢様! 帰っていらっしゃいましたか」 紬「ええ、斎藤のおかげで色々助かったわ。本当にありがとう」 斎藤「御嬢様の晴れ姿を見るのはわたくしの夢でございます」 斎藤「…星が落ちてくると聞いた時、その夢の実現はもう無理だと思っておりました」 斎藤「その夢が叶うのです。この斎藤、全身全霊をかけてお助けする所存」 紬「本当に助かるわ、斎藤」 紬「それでね、頼みが少し増えたんだけど、いいかしら」 斎藤「なんなりとお申し付けください」 紬「二組ほど一緒に結婚式を行いたいのだけど、可能かしら?」 斎藤「ご学友様でしょうか?」 紬「ええ」 斎藤「ふむ。ドレスの用意は簡単にできます。スリーサイズは御存知ですか?」 紬「ええ、このメモに書いてあるわ」 斎藤「ふむ。なんとかなりそうです。お二組から何か要望等は?」 紬「特になかったと思うわ」 斎藤「そうですか。畏まりました。最高の式…とまでいきませんが、最善を尽くしてみせます」 紬「…斎藤」 斎藤「なんでございますか、御嬢様」 紬「…」 斎藤「涙をお拭きになってください」 紬「本当にあなたにはいつもいつも助けられるわ」 斎藤「執事ですから」 紬「…御父様には失礼かもしれないけど、斎藤のことはもう一人の御父様だと思っています」 斎藤「…………もったいないお言葉、誠にありがとうございます」 紬「…ありがとう」 ―――― 梓「お父さん、お母さん…」 梓父「それにしてもあの梓が結婚するとはなぁ」 梓母「お父さんいつも言ってたもんね。梓が結婚相手を連れてきたら一発殴ってやるって」 梓父「相手が女の子じゃそういうわけにもいかないよ」 梓「もう、お父さん…」 梓父「そにれしても出来た子みたいだね、紬さん」 梓母「ええ、とっても礼儀正しい子で、お母さんびっくりしちゃった」 梓「ムギ先輩は御嬢様だから」 梓父「先輩なのかい?」 梓「うん」 梓母「でも結婚相手にその呼び方は余所余所しいんじゃないかしら?」 梓「確かに…」 梓父「それは紬さんとおいおい相談していけばいいんじゃないか?」 梓「うん」 梓母「お母さん、梓と紬さんの馴れ初めの話を聞きたいなぁ」 梓父「ああ、私もその話には興味あるかな」 梓「えっ…話すの」 梓母「お願いっ!」 梓「まぁ、いいか…」 梓「最初はムギ先輩にデートに誘われたの」 梓父「梓が誘われたのかい?」 梓「デートの誘いといっても、自転車に乗る練習をしたいって話だけど…」 梓「最初は補助輪付きの自転車に乗ってもらって」 梓「次は補助輪なしの自転車に乗ってもらったんだけど」 梓「意外とムギ先輩不器用で」 梓「何度も何度も転けて」 梓「擦り傷だらけになっちゃって」 梓「膝には大きなキズもできちゃっ手」 梓母「あの紬さんが…」 梓「うん。あのムギ先輩が」 梓「でもムギ先輩は全然やめようとしなくて」 梓「最後は乗れるようになっちゃった」 梓「その時ムギ先輩が、私に言ってくれたの」 梓「ありがとう、って」 梓「梓ちゃんのおかげで乗れるようになったよ、って」 梓「私、ほとんど見てただけなのに…」 梓「そしたら私、急にムギ先輩のことが愛おしくなっちゃって」 梓「自分がムギ先輩のために何できるんだろうって思ったら」 梓「自然と告白してたの」 梓父「なるほどね」 梓母「いつ頃の話なのかしら?」 梓「一ヶ月ぐらい前の話」 梓父「まだ付き合って一ヶ月なのかい?」 梓「うん。でもそれからデートには結構行ったよ」 梓母「その話も聞きたいな」 梓父「ああ、全部聞かせて欲しいな」 梓「何から話そうかな――――」 ―――― 紬「……朝ね……あら甘い匂い」 紬「調理場からだわ」 紬「菫…と純ちゃん?」 菫「お姉ちゃんおはよー」 純「おはようございます琴吹先輩。お邪魔してます」 紬「純ちゃんどうしたの、こんな朝から」 純「実はドーナツの匂いが漂ってたから来ちゃったんです」 紬「えっ?」 純「あっ、もちろん嘘です」 純「さっきケータイに登録されてた執事さんに電話かけたら」 純「ドーナツ作ってるから来るか、って言われたんです」 紬「斎藤…相変わらずいい仕事をしてくれるわ」 紬「それで菫とドーナツ作ってたんだ」 純「ええ、スミーレってお菓子作りのセンスいいですね」 菫「…そんなことないよ」 紬「スミーレ?」 純「あぁ、渾名をつけさせてもらったんです」 紬「スミーレ…」 菫「…お姉ちゃんにはいつもどおり菫って呼んで欲しいな」 紬「そうね、菫」 菫「うんうん」 紬「でもこんな朝早くから…純ちゃんの御両親は心配してないかしら」 純「実はうちの両親、今南極にいるんです」 紬「えっ?」 純「星の観測が仕事でして…たぶん今も落ちてくる星を観測してるんじゃないかな」 紬「じゃあ帰ってこれないの?」 純「帰ってこないと思います」 菫「そんなことって…純さん…」 紬「…………」 純「あっ、あっ、私なら大丈夫です」 純「一人には慣れてますから……」 紬「…よかったら今日から家に泊まらない?」 純「えっ」 紬「使用人に暇を出したから、部屋が余ってるの」 純「いいんですか」 菫「私からもお願いします」 純「スミーレ?」 菫「お姉ちゃんが梓さんといちゃついてる間の話し相手が欲しかったから」 純「そう? ならお願いしちゃおうかな」 紬「ええ。歓迎するわ」 純「これからよろしく。ふたりとも」 菫「…あれ、玄関のほうが騒がしいね」 紬「みんながきたみたいね」 純「唯先輩、律先輩、澪先輩…後は憂?」 紬「そのご家族も来てるはずよ、和ちゃんも」 唯「ムギちゃん、きたよー」 紬「いらっしゃい唯ちゃん」 憂「今日ははお招きいただきありがとうございます、紬さん」 紬「憂ちゃんもいらっしゃい」 憂「あの…本当に迷惑じゃありませんか?」 憂「私達の結婚式まで一緒にだなんて」 紬「憂ちゃんは唯ちゃんと結婚したくないの?」 憂「…したいです」 紬「じゃあ遠慮は禁物よ」 紬「人間、最後くらい我儘を言うべきだと思うわ」 紬「特に、憂ちゃんのような出来た子の場合は」 唯「うーいっ、ムギちゃんもこう言ってるんだからさっ」 憂「…そうだね。紬さん、本当にありがとうございます」 紬「どういたしまして」 紬「あら、りっちゃんと澪ちゃん、そんな端っこのほうでどうしたの?」 律「うわっ、ムギ!」 紬「ふたりとも顔を真赤にしちゃって…」 紬「…その様子だと上手くいったみたいね」 律「あぁ、今日はよろしく頼むよ」 澪「…ムギ」 紬「どうしたの? 澪ちゃん」 澪「実はさ。私、まだ死ぬのが怖いんだ」 紬「私も怖いわ」 澪「ムギも?」 紬「ええ」 澪「ムギは怖いものなんてないのかと思ってたよ」 紬「それは買いかぶりすぎ」 澪「ちょっと話がそれたよ」 澪「私がいいたいのはさ」 澪「怖いことは怖いんだけど」 澪「これからの律との一週間を思うとさ」 澪「楽しみって感じもあるんだ」 紬「そう」 澪「あぁ、だからちょっとだけ前向きに考えてみようと思う」 紬「そう」 澪「なぁ、ムギ」 紬「どうしたの?」 澪「私に対してだけ、微妙に冷たくないか?」 紬「気のせいよ」 澪「そうか。ならいいんだ」 紬「和ちゃんもきてくれたのね」 唯「あっ、和ちゃんだ!」 憂「和ちゃん、元気だった?」 和「ええ、今日は二人の晴れ姿を目に焼付けさせてもらうわ」 和「唯、憂、おめでとう」 唯「和ちゃん!」 和「もう唯、抱き付かないの」 憂「和ちゃん!」 和「もう、憂まで…」 唯「和ちゃん、泣いてる?」 和「泣いてないわ…」 憂「……和ちゃん。私達のために泣いてくれてありがとう」 紬「…………ここは3人にしておきましょう」 3
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イメージ曲:誓いの言葉 http //www.youtube.com/watch?v=Gue7Jgyl_D4 戻る
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アドレーヌ~みんなきみがだいすきさ~ 歌詞 1番 あおいそらに まっしろなキャンバスや ゆめをえがく スケッチブック まっかなベレーに みどりのふくに くろかみなびかせて いつだってやさしく みんなとなかよし そんなきみがすきさ ADELEINE LOVE YOU 2番 けっしてくじけず さいごまであきらめない そんなつよい こころをもってる やさしいえがおに みんなメロメロ ぼくらもだいすきさ ときにはきびしく それでもやさしい いつまでもともだちさ ADELEINE LOVE YOU いつでもやさしく ともだちおもいの すてきなこだよ あかるくげんきで とってもすなおで にんきものだよね ADELEINE LOVE YOU いつだってやさしく みんなとなかよし そんなきみがすきさ ADELEINE WE LOVE YOU ADELEINE WE LOVE YOU ADELEINE WE LOVE YOU メモ 内容はアドレーヌの性格を歌ったもの(しかし一部そうは思えない部分がある)
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戻る 百合系 欝…なのか? だとしたら凄く前向きで清々しい鬱だ。 あと、申し訳ないけど頻出する誤字が気になった。 -- (名無しさん) 2012-07-26 22 28 58 菫まででているのに、直の出番はなしかw -- (名無しさん) 2012-07-26 22 52 38 他の2組の視点でも見てみたい・・・かな。 -- (けいおん!) 2012-07-27 16 10 03
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【登録タグ き でんの子P 曲 蒼姫ラピス】 作詞:でんの子P 作曲:でんの子P 編曲:でんの子P 唄:蒼姫ラピス 曲紹介 でんの子Pの29曲目。 校庭の片隅に居る意中の相手に寄せられる、少女の強い思いと葛藤を描いた楽曲。エンディングまで泣くんじゃない。 歌詞 (動画より書き起こし) あの校庭の隅に 今日も姿を確かめた。 名前も知らない。知ってしまうのもこわくて、眺めてた。 季節は巡りゆき 何度でも春は来る …なんて言うけど この場所にいられる 残りのカレンダー数えてる。 伝えずに後悔するなら伝えて後悔しなさい。 って、そんなに冷静だったなら とっくに諦めてるよ。 だけど き、き、き、き、き、き きみがすき きもちつたえるとき? きずつくゆうき なき なき きょうも、 き、き、き、き、き、き きみがすき (何度も何度も書いては また消してすてたラブレター めちゃめちゃ膨らむ妄想シナリオ) きもちつたえるべき? (ちょっと期待をしてしまう たとえば あの角を曲がったらそこにいるんじゃないかとか) きりかえるべき? (なんならそのまま急接近で急展開だとか) どき どき (あるわけないのに また今日もいつも通り) き、 平凡な人生の平凡な青春なんです だけど 今 変われるんじゃないか なんてちょっと思ったり たまには主役になってもいいじゃない だから今日だけ 少しだけ 強い心をください 何千回のリハーサル シミュレーションは完璧のはず なのに 震える 進め お願い かみさま もう飛び込むしかない 木 木が好き その葉 その枝 その幹 その力強い姿 その実 その花 ぜんぶ好き その葉 その枝 その幹 その力強い姿 その実 その花 ぜんぶ好き き、き、きがすき コメント ボカロがメインのブレイクコア初めて聞いたよ -- 名無しさん (2017-03-12 17 37 19) きになるきょく。、。 -- 283 (2017-11-06 20 34 32) 名前 コメント
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めらんこにっくあいろにー【登録タグ 2021年 DeepVocal たくまる め 曲 空詩音レミ】 作詞:たくまる 作曲:たくまる 唄:空詩音レミ 曲紹介 レミくんが片想いをしているようです。 DeepVocalによる「空詩音レミ」を使用した楽曲。 歌詞 ひとりっきりの からっぽな夜 耳もときみの声 欲しくなるよ 午前2時半 眠れない日は じっと孤独を抱きしめてるんだ 世界中から 全ての音が 消え去って 暗闇がはじまって ぼくはひとりだ ぼくはひとりだ ねえどうして きみはいないの? 真新しいシーツにくるまれて 見ているよ きみの夢を Tシャツの裾 きみの残り香 そっと手繰り寄せ さみしい こんなに切ない気持ちなら 恋なんてしなきゃよかったな でも心が動いてしまったから 止まれない nanana・・・ 通話のボタン 指でなぞって ためらって押せない ぼくがいるんだ たった一言 きみの言葉が 欲しいだけ それなのにダメなの ぼくの気持ちが ぼくの想いが もしもきみを苦しめているなら ねえいっそのこと 終わらせちゃって 友達に戻れればいいのにね そんなのはイヤだなんて わがままな気持ちが抑えられない きみがすきだよ だいすきなんだよ もどかしくて 泣いちゃうから 抱きしめてよ キスをしてやさしく ねえ いつものきみの魔法で きみがすきだ きみがすきなんだよ もう戻れない もしも願いが叶うのならば きみを独り占めしたい この星空のどこかで きみは今日も息をして 僕のことなんて忘れて 笑っている それが悲しいよ きみの心の隙間に ほんの少しだけ 居させて コメント 名前 コメント
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【検索用 みるくここあにこいをする 登録タグ VOCALOID minimumcarter まかぎ み 初音ミク 曲 曲ま】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ミニマムカーター 作曲:ミニマムカーター 絵:まかぎ 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『ミルクココアに恋をする』(みるくここあにこいをする) 『まかぎ祭』参加作品。 歌詞 (動画作者コメントより転載) ポケットの中で握ってる缶コーヒーが あったかくて寂しくなった 繋いだきみの手のように かじかんだ手を包んできたから ため息 白く残った朝 心配してほしかった ぼんやりしちゃってる頭で どっか期待してしまってた 「大丈夫?会いに行くよ」って 友達の彼氏は言うんだって 比べちゃいけないのわかってても 羨ましく思っちゃった ねえねえ あったかい格好する気になれない あったかいごはん作る気になれないの あったかいきみのそばにいられたら、なんて そんな事ばっかり ポケットの中で握りしめてる缶コーヒー さっきまであったはずの温もり ああ 本当は分かっていた こうなる前から知っていた いつかくるおわりのこと 1番になんてなれないこと 微熱になって鼻が詰まる 後悔ばっかで胸が詰まる きみと見たかった景色に 雪が積もっていく ねえ あったかい格好する気になれないよ ポケットの中の缶コーヒー 冷えきってしまった缶コーヒー にがいだけ くるしいだけの缶コーヒー きみがすきだった缶コーヒー きみがすきだった缶コーヒー きみがすきだった。 ぜんぶ飲みほした コメント 名前 コメント
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【検索用 LIFETIME 登録タグ CD CDL KEICD】 + 目次 目次 CD紹介 曲目 リンク コメント 前作 本作 次作 TOY LIFETIME - KEI 流通 即売 通販 発売 2017年4月30日 2017年5月7日 価格 ¥1,000(税込) ¥1,620(税込) サークル HOMING ECHO CD紹介 CD名:『LIFETIME』 「絵師じゃないKEI」こと KEI氏 の 7th アルバム。 先行リリースされた「きみがすき」「ぬいぐるみのうた」など、全て新曲で全10曲を収録。 THE VOC@LOiD 超 M@STER 37(超ボーマス)にてリリース。通販もあり。 曲目 Lifetime feat. 初音ミク G.N.B.Y feat. Fukase Repêchage feat. 初音ミク 旅立つときがきた feat. 初音ミク エキストライフ feat. Fukase 孤立無援の戦場 feat. IA 鉄格子の中で feat. 初音ミク ぬいぐるみのうた feat. 初音ミク きみがすき feat. Fukase Daylight feat. 初音ミク リンク HOMING ECHO(作者ホームページ) コメント 超会議で買ってやる! -- 名無しさん (2017-04-28 23 16 12) Fukase 3曲!! -- 名無しさん (2017-12-12 00 35 08) え、欲しい -- 暇人# (2018-01-21 07 30 34) 欲しいなぁ… -- 彩 (2020-03-15 18 20 19) 名前 コメント
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ゆめのなみだ【登録タグ JellyPanda ゆ 初音ミク 曲】 作詞:JellyPanda 作曲:JellyPanda 編曲:JellyPanda 唄:初音ミク 曲紹介 JellyPanda氏 の2作目。 好きな人を諦めきれない歌です。(作者コメ転載) イラストは あさか氏 が手掛ける。 歌詞 たとえばわたしが 想いを伝えて 君に届くなら 幸せかな? 答えは聞けない 聞いたら壊れちゃいそうなの ほんとうは知ってる だけど 夢にまで見る君を どうしてもほしかったの 君の視線は逆なのにね この想いを閉じ込めたら 優しい君の言葉も 涙と消えちゃう気がするの 覚えてるのに薄れていく 「きみがすき」 すがりついた夢の中 遠くに見えてる背中は わたしの知らない 誰かと並んで歩く 夢にまで見る君は わたしだけを見ててさ 痛いくらいに期待させるの この涙が枯れるころには 優しい君の言葉を残さず 忘れてしまえるの? 思い出すたび つらくなるのに 「きみがすき」 嘘にしたい一言ね ねえ お願い もうわたしを見ないで 嘘 わたしだけをいつでも見ててよ ねえ お願い もう期待をさせないで ああ 君は こっちを向いてくれないの 眠れないほど 君を想う 涙の粒 枕を濡らしてって 真夜中 彩った 泣き続けてたわたしに 今 さよならだ この涙が 流してった コメント 追加おつ! -- 名無しさん (2013-11-27 18 45 25) 綺麗な曲! -- 名無しさん (2013-11-30 15 59 01) 今の私に最高の曲発見!!! -- りんご味 (2014-06-06 21 38 46) いい曲 -- 名無しさん (2015-11-25 08 38 59) 名前 コメント