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『アイドル伝説』 オレの名前は、城久間ピリカ。ホッキョクグマの獣人。 そんなオレは、今人生最大のターニングポイントに立たされてる! 事の起こりはひと月前の事―― 「「お疲れ様でしたー!!」」 セットの上から大きな声で、スタッフに挨拶するオレたち。 向こうからも、次々、「お疲れー!」、「良かったよー!」なんて声がかかって、ちょっとにやけてしまう。 ここはとある音楽スタジオ。 たった今、オレたちの新曲のプロモの取りが終わった所。 あ、そうそう! 紹介が遅れたけど、隣にいる超キレイカッコイイ人はオレの尊敬する人で、名前は城久間ツヨシさん。同じホッキョクグマの獣人。 名字が一緒だけど、残念ながら血の繋がりとか全然無い。 有ったらツヨシさんみたく、背が高く――オレより頭二つ分大きい――て、超キレイカッコイイ感じになれたかなーなんて。 間違っても「超カワイイ~(ハート)」なんて言われないよな。 同じ中性的に生まれるなら、こんな気持ち悪い美少女顔じゃなくて、ツヨシさんみたいに鋭利な刃物みたいって言われるクールな美人になりたかったなー。 少しはツヨシさんに近づけないかと髪だけ真似して腰まで延ばしてみたけど全然だったし。 余計ロリっぽくなったって言われたから止めようと思ったんだけど、ツヨシさんが―― 「そんな綺麗な髪、切ったら勿体ないよ?」 ――な~んて、エヘヘ、言うからさ、切らないでいるんだけど。 おんなじホワイトヘアなのに何でこうも結果が違うのかな? おっとー、いつの間にか自分語りになってた、カッコわりぃ~。 オレたちは、自分で言うのもなんだけど今大人気絶頂の男性アイドルユニット。 グッズはバカ売れだし、この間の初コンサートのチケットの値段なんてオークションで10倍とかしたらしいんだよねー。 ファンのみんなに喜んでもらえるよう、尊敬するツヨシさんの足を引っ張らないように頑張らねば! 「って、あ、あれ?」 悦に浸ってガッツポーズしてたら、いつの間にかツヨシさんが行っちゃう。 いつもの様に誉めてくれないんすか? あの笑顔も無し? え? え? 行っちゃう行っちゃう~!? ======================================== 「オレ、何か間違ったかなー?」 でも、今まであんな声も掛けてくれないなんて無かった。 ツヨシさんは、見た目クールだけど気遣いの出来るオトナの人。そこら辺も見習わなくちゃと思ってるんだ。 そんなオトナのツヨシさんがスルーなんてよっぽど何か気に触ることがあったに違いない。 「やっべ、とにかくソッコー謝って何失敗したか聞かなくちゃ」 廊下に出たらダッシュかまして楽屋の前。 「おっと、ここ、ここぉ。ピリカでーす。ツヨシさん入っていいっすかー!」 ノックして待つ事暫し――けど返事が無い。 ここの楽屋はシャワー付きだからもしかしてシャワーかも? ここは意を決してドアを開ける。 「失礼しま……」 居た。ツヨシさん着替えもせずにテーブルに突っ伏してる。 「ツヨシさーん」 「んー」 起きてるみたいだけど、頭の耳が垂れてて、テンション激低ぅーい。 「ツヨシさん、どーしたんすか?」 「んー」 返事も尻下がり。 「マジ大丈夫っすか?」 「んー」 ちょっと普通じゃ無い感じ。こりゃ、やっぱオレがなんかやらかしたか? そんな事をとっさに思い付いたとき―― 「やっぱりこのままじゃ駄目だー」 なんて、ツヨシさんの口からすっげー爆弾発言が飛び出した。 「ナ、ナンスカ!? オレ、なんかやらかしました!?」 「ふぇ? な、何? ど、ちょ、ちょっと」 オレが急に詰め寄ったせいかツヨシさんが何時に無く慌ててるけど、そんな事気にしてられない。 「オレ頑張ります! ツヨシさんに付いてきますから、解散とか言わないで下さいよ!」 オレは必死だった。だってツヨシさんが居るからオレは頑張れる。ツヨシさんと一緒じゃなきゃ、オレ駄目なんだ! 「オレ何でもします! だから……ぐすっ、ぐすっ」 「う、うん」 「や、やったー! オ、オレ……ツヨシさ~ん……うわーん!!」 「!?」 ツヨシさんに許してもらった嬉しさのあまり、ツヨシさんに抱き着いて泣き出してしまったオレ。 そんなオレをツヨシさんは優しく抱き留めてくれた――と思う。だって顔は見えないけど頭を抱いてくれる手はすっごく優しかったから。 ツヨシさんの鼓動はちょっと早くてエイトビート? そんな事を考えてたら大分落ち着いた。 ちょっと泣いたのは恥ずかしかったけど、涙は青春の汗って言うし、見られたのはツヨシさんだから、ま、いっかー。 ツヨシさんの胸から顔を上げたオレ。照れ隠しにオレなりのグッドスマイルを作って見た。 そこで初めて気が付いたんだけど、ツヨシさんの顔がトマトみたいに真っ赤だった。 「どーしたんすか? ツヨシさん」 「え? い、いやなんでも」 「でも、顔赤いっすよ。熱でもあるんじゃないですか?」 「え? ひゃ!?」 「ほらチリチリじゃないっすかー」 ツヨシさんの両頬はオレの手が火傷しそうなほど熱い。 「どうっすか? オレの手。冷たいって結構評判なんすよー。所で、手ぇ冷たいと心が温かいってどうなんすかねー?」 「…………」 何か一人で喋ってるうちに、気が付いたらツヨシさんは目を瞑ってじっとしてたよ。 うっはー、閉じた睫毛がなげーって感心する。 ここは一つ俺も黙ってしばしこの時間を堪能する。 「…………」 ツヨシさんにこんな事出来るのも同じユニットである特権。 「……カ」 しやーわせな時間にうっとり。 「ピリカっ!」 「ハ、ハイっ!」 ちぇー、もう終わりか~。びっくりして手を引っ込めちゃったよ。 名残惜しくて自分の掌を見つめてわきわきと指なんか動かしてみたり。 それにしても―― 「まだ赤いっすねー」 「それはもういいから……それよりピリカ」 急に雰囲気が変わったヨシさんにちょっとドキッとした。 「な、なんすか? ツヨシさん」 「さっきなんでもするって言ったよね?」 ======================================== ツヨシさんの言われるまま、ドアに鍵を架けた。 「これでいいっすか?」 「ん。そうしたらこっちに来て座って」 「ハーイ」 なんでもこれから演技指導してくれるらしい。 こう言う事はよくある事。やっぱ今日なんかやらかしたんだな~オレ。 ツヨシさんの脇に正座する。 テーブルの上には飲みかけのお茶のペットボトルと、あれ? 「なんすか? そのカプセル」 「いいから」 「そうすか」 ツヨシさんが気にするなって言うんならいいか。 そのカプセルを口に含んで、お茶をあおるツヨシさん。 「ん、ん!」 「なんすか?」 手招きされたんで身を乗り出してツヨシさんに近付く。どうしたんだろ? そしたら頬っぺたをガッと両手で挟まれた。 「ふえっ?」 オレがとっさに出たのは変な声を出す事だけ。 次の瞬間ツヨシさんのドアップとともに―― 「「ん、ふっ」」 唇に柔らかい感触がして、次には口の中に舌が差し込まれる。 温かい舌はオレの舌の上をすっと滑り、オレの舌をそっと押さえ付ける。 すると今度は少し顎を上げさせられると、ツヨシさんの舌を伝って生暖かい液体――お茶が流し込まれた。 舌を押さえられているからか、お茶はオレの口の中には残らず喉の奥に滑り降りて行く。 上手く調節してくれていたからか器官に入って咽る事も、口から零す事も無くお茶を嚥下出来た。 お茶を飲み終わると、残りが無いか確かめるかのように、ツヨシさんの舌がオレの口の中を隅々まで丹念に探る。 そして最後にお茶がちゃんと飲めたご褒美の様に、優しく舌を絡められキュッと扱かれた。 「「ちゅぴっ」」 お互いの唇が離れると、どちらの唾液ともとれないものが二人の唇の間に銀糸の吊橋を作る。 思わず名残惜し気に舌を突き出しはしたないオレ。 「「はぁ……」」 どちらからとも無く溜息が漏れた。 オレなんか目が回って思わずツヨシさんにもたれちゃった。ハハ、どさくさにラッキー♪ 「……やっぱ……スゴイっすね……大人のキス」 前に演技指導でキスの仕方を教えてもらった時に、この『大人のキス』ってヤツも教えてもらった。 これはドラマとかじゃ使えないらしいが、確かにそうだと思う。だって一々こう動けなくなっては次の演技に支障が出る。 それにしても、キスは以前に教えて貰っているから、これは次の演技指導の前段階なんだろうな。 ここで挫けちゃ男が廃るってもんよ。 「……ふぁ。れ、この次があるんすよれ?」 あれ? 呂律が変だな。 「へー、説明どうりの効き目の早さだ」 何、何? ツヨシさん、それどー言う意味? それに体が急に熱くなってきたぞ。 それから、いつも以上にツヨシさんの手が気持ちいいのは気のせいか? 「はふっ♪」 背中を撫でられてゾクゾクっと来て思わず溜め息が出た。 なんかさっきのキスより溜め息が熱いような気が。 何だか変な感覚に戸惑っていると―― 「よっ」 「はれっ?」 気がついたら転がされてた。何時引いたんだろこの寝座布団。 上に乗って見下ろす格好のツヨシさんの顔は半分影になっていて、見えるのは鼻から下だけ。 唇はさっきのキスのせいで充血したのか口紅でもしたかのように真っ赤で、それが笑顔の形を作っている。 その唇がゆっくり割れると、其処から濡れた舌がちろっと出て唇をゆっくりと舐めた。 そのあまりのヤラシイ感じにちょっと見とれてしまうオレ。 「!?」 急に下半身に何か押し付けられるような感触。 これってツヨシさんの脚……ってヤバイヤバイ、マジでヤバイ。 急に気が付いたけどオレのアソコが大きくなってマジヤバイ。 しかもツヨシさんの脚に触ってるって。 「ツ、ツヨヒひゃん! ちょ、ちょっと」 急いで離れようとするけど体が思うように動かない。 ツヨシさんはまだ気付いていないのか、脚がさらに押し付けられてくる。 「ス、スンマヒェン、ツヨヒひゃん! あ、あひ、ヒュンマヒェン!」 呂律の回らない舌で何とかこれ以上失礼にならないように現状を伝えようと努力してるんだけど、ツヨシさんの脚の動きは止まら――いや、止まった。 思いが届いたのかと、いつの間にか目を瞑っていたオレがそっと目を開けるとドアップのツヨシさんと目が合う。 思わずゴクリと唾を飲み込むオレ。 「ツヨヒ……ひゃ……」 その瞳が顔ごとすっと移動すると耳元に熱い息が掛かる。 「ピリカが男の子だって確かめたかったんだ……よかった男の子で」 な、なぁ~んだ。ツヨシさん、そんな事心配してたのかぁ。 「何言ってんひゅか~。前からヒュヨヒひゃんと同じおろこだって言ったじゃないひゅかぁ~」 そっか~、そんな事心配してたんだツヨシさん。 オレたちホッキョクグマの獣人は男女の判別が特に難しいんだ。 体のラインは、男でも丸みがあるし、胸も少し膨らんでる。逆に、女だと、起伏が乏しいって言われるらしい。 顔は差こそあれみんな女顔だし、極めつけに男のシンボルは普段はお腹の中に隠れてしまうので判らない。 は~、すっかり安心してしまって気が抜けちゃったよ。 所でそれと演技指導と何の関係が? 「ボク? ボクはピリカと同じじゃないよ」 ======================================== 「へ?」 ツ、ツヨシさん、今なんとおっしゃいましたか? 「ボクは女なんだ……ごめんね黙ってて」 「えーーーーーーーーーっ!」 マ、マジっすか? 信じられねーんすけどぉ。 「今証明するね」 呆然とするオレを他所に刻々と状況は変化していく。 すっと体を離したツヨシさんはオレを跨ぐ様に立つと、衣装のズボンのベルトを外し、チャックをゆっくりと下げてゆく。 ツヨシさんの目は泣き出す寸前のようにウルウルとしたまま、こちらをじっと見つめて来ていて、オレはその視線と、視界に入る開きかけのチャックから目が放せないでいた。 大した幅も無いチャックが開く時間がこんなに長く感じたのは生まれて初めてだった。 チャック下ろし終えてしまうと、そこから濃い色の布――多分パンツ――がチラッと見える。 普段から見慣れてる筈のソレから目が放せないオレ。 これから起きる事を見逃すまいと瞬き一つせずそこを凝視してしまう。 ツヨシさんはそんなオレに躊躇する事無く一気に膝までズボンとパンツを下ろす。 「あ……」 オトナのツヨシさんのそこは髪と同じ毛で覆われていて、その茂みは濡れていて雫まで垂れててぐしょぐしょになっている。 そこにツヨシさんの両の指先が添えられる。 「んふっ」 ツヨシさんは小さく溜め息をひとつ付くと、その手をゆっくり左右に引くと、茂みがくぱぁーっと開くと、中からポタポタと雫が落ちる。 それをなんと表現すればいいのだろう。 一部影になってよく見えないけど中は真っ赤で……そして、とてもオレの心を刺激する。 「ふくっ」 オレの股間が開放しろって騒いでる。 今年15になるオレはまだ、女の人のそれなんて写真だって見たこと無い。 それが今目の前で、しかも生で、それが大好きなツヨシさんで、女の人だったなんて!? えっ? 今「ポタッ」って……。 「見て……もっとよく見て……」 「!!?」 いつの間にかズボンから脚を抜いたツヨシさんが、膝立ちでオレの顔を跨ぐ格好をしてて、目の前には―― 「ぅ……はぁ……」 さっきよりも良く見えるヌラヌラと光る赤いそれ。 一番外側の厚い肉の内側に花びらのようなひだ。赤い切れ目の一番上には男のシンボルを可愛くしたような突起。特に赤い割れ目の底には小さい穴と大きな穴が呼吸するようにひくっひくっと動いている。 その大きい方の穴からは、今も雫が糸を引きながらオレの顔に落ちてくる。 この状況にオレの股間はさらにヒートアップする。 このままじゃ、触らないでもアレが来るかも。 「ネ、見えてる……ん、んく……お、奥まで見えてるぅ?」 えっ、えっ? 何シテルンスカァァァァ!! ツヨシさん、大きな穴の方に指を掛けると、ぐいーって引っ張った。 すると洞窟のような奥に何か先端に穴の開いた何かが見えてぇぇぇ。 「ふっ! くっ! んくっ! くふっ!」 あ……オレ……触ってないのに出ちゃった。パンツの中がヌルヌルして気持ち悪い。 「ふえ? あ、あれ?」 ツヨシさんも素っ頓狂な声を出して――気が付いたみたい。 急に泣きたくなってきた。 「ふ、んふっ、んふっぅ……ぅわ~ん!!」 「え? ピ、ピリカ? え、ええ~!?」 え~い!! もうどうなってもいい。穴があったら飛び込んで二度と出てきたくない!! 「わ~ん!! もぉ~ヤラヤラヤラァ~!!」 「ご、ごめん。だから、泣き止んで。ねっ、ねっ」 「もぉ~ツヨヒひゃんなんか知らないろ~!! ピリカお家帰るのろ~!!」 自由になる首だけ振って駄々を捏ねるオレを必死に宥めようとするツヨシさん。 オレってキレると超幼児後退するんだね。 頭のどこか微かに残った部分が、その事に気付いてびっくりした。 「ね、もぉ、ほんと……え~い!」 「いや~!! い~や~らっ、う゛っ、むぅー!!」 思いっきり唇で口を塞がれた。 まともな判断の出来ないオレは急に息が出来なくなってパニクって、鼻ですりゃいいのに息を吸おうと頬をポコポコ膨らましたり萎ませたりを繰り返すが、新鮮な空気は一向に入ってくる気配も無い。 そのうち段々と意識が朦朧としてきて抵抗する気力が無くなって来た。 もうちょっとでぷつっと意識が切れる寸前に口が開放される。 「ふわはっ!! はっ! はあっ!」 一気に肺に空気が流れ込んで大きく膨らむ。 はー、こんなに空気って大切なんだ……。 「むぐ!?」 またキスですか? ツヨシさぁん!! 「「んふっ……ぴちゃ……ちゅ…んっ」」 聞こえるのはお互いの息遣いと、湿った水音だけ。 口の中に入ってきた舌は、縦横無尽にオレの口の中の感じる部分ばかり刺激する。 あんまり的確なのが悔しくて、オレも舌を突き出して反撃すると、軽く絡め取られツヨシさんの口の中に連れ込まれて、あらん限りの蹂躙を受ける。 その上ツヨシさん、オレの口の中に唾液を沢山流し込んでおいて、それを飲み込ませずにこね回すんだ。 「じゅぶっ、じゅぶっ……じゅるる……」 溜まったそれが口から零れてオレの頬を伝うのが少しくすぐったい。 思う様オレの口の中のかき回して満足したのか、ツヨシさんの顔がすっと離れる。 その頃にはすっかりオレは出来上がっていて、知らずに涙まで流していた。 「さ……飲んで」 「ん、んくっ、んく! ぷ、ふわぁ~」 「はい、良く出来ました」 零しながらも何とか唾液を飲み込んだオレの頭を優しく撫でるツヨシさん。 さっきまでの嫌な気分が嘘のように晴れて、ツヨシさんに誉められたのが素直に嬉しかったり。 「さ、それでは演技指導の続きをやろうか」 「ふえ?」 まだその話は続いてたんすか!? ======================================== 「今日の演技指導は……」 「ツヨヒひぁ~ん、それよりもっろ大ひなころあるでひょ~」 「何言ってんの? これはすっごく重要な事だよ」 「え~」 なんか異常にハイな感じが怖い。 「さ、今日の課題は『本番』!」 「ひょんびゃん?」 なんか嫌な響き。 「そ、キスの次は本番。判る?」 「あ、あんまりわひゃりたくらいっす」 「あ、なんか反抗的だねぇ~」 「ひ、ひは。しょんなこひょらいっふよ! 気のへいっふよ!」 「ヨシ! 決めた。シチュエーションは『逆レイプ』って事で決定!」 「ひゃあ?」 何、『逆レイプ』って言葉。超危険感じるんすけど! 「じゃあ早速始めるね♪」 「ひぇ、ひょっほ!」 マジ? んな!? ツヨシさん行動が早いって! あっという間にオレに背中を向けると、オレのズボンに手を掛けてるし。 「さぁ~、ご開帳ぉ~♪」 「ひゃわ!? ら、らにやってんひゅひ……ふえ!?」 ツ、ツヨシさん下半身丸出しじゃないすかぁ~。 綺麗なお尻と、その上にちょこんと乗っかった白い丸い尻尾が楽しそうにフリフリ揺れてる。 それに……う、うぅ……やっぱツヨシさん『男』じゃないんすねぇ~。 「フフフ、口では嫌がっても体は正直だなぁ」 「あぁー!!」 しまった! 気を取られている隙にズボンを脱がされ……。 「うわっ、すっごいぐちゃぐちゃ……臭いだけで逝っちゃいそう……気持ち悪いよね? ね? 今楽にしてあげるから」 「ひゃ! らめっ! 見ひゃらめっす!!」 そんなオレの叫びも虚しく下半身が涼しくなる。「にちゃ」っと微かに粘つく音がして辺りには独特の臭いがして。 「いっ!? ひゃー……ぐもむぐ!?」 「少し静かにしててね♪」 タオルで口を塞がれてしまった。 「さぁってー邪魔者も居なくなった事だし……」 オレ居ない事にされたらしい。そ、そんなぁ~。 「アッハ♪ もう我慢できない……じゅるじゅる……」 「ん゛ー!」 な、舐めてるぅ。オ、オレのセーエキ舐めてる。 「んん、んはっ……じゅる、んはっ……じゅる」 「んぶ! んぶ!」 もう何だかオレは大変な事になってますよ。 目なんか開けてられな位の刺激が下半身から怒涛の勢いで送り込まれる。 既に一回出していなかったら、もう達していただろう刺激ばかりだ。 「ふはぁ……ひゅごいぃ……想像してたより……」 ツヨシさんが壊れた! それと一体何を想像してたんだろうか? 兎に角怖い。 「……残滓でこれなら……搾りたては……」 オレのチ○ポにツヨシさんの手が触れて……。 「んびっ!」 「あれ? 剥けない……」 い、痛い。チ○ポ裂ける……。 「そうか……気が付かないでごめんね……んむっ」 「んびゃ!?」 「んん……んろぉ……れろ……」 んあ゛ぁぁぁ……皮の中に……舌がぁ。 「んぐっ! んぐっ!」 「ん゛はぁ……れるぅ……すっご……舌がびりびりするぅ」 「ん゛あ゛ー……」 もう……駄目、限……か……い……。 「さ、そろそろいいかな? 剥いただけで逝かないでね……って無理そうだね」 「む゛ー! む゛ー!」 振り返ってこっちを見ているツヨシさんに口がつかえないから首だけで状況を訴えるオレ。 もう止めまぁ……うわ……口の周りべたべたにして……エロすぎ。 「あ、こらっ! その顔は……勝手に逝こうったって……こうだっ!」 「むぐぅ!? ふっ! ふっ! ふぐ! ふぎっ!? ぎあ……」 オレのチ○ポが縛られたぁ!? 「ほらぁ~、これで逝っても出ないから安心だね!」 ひ、ひどい……痛いし……根元で逆流でもしたみたいで……死ぬ……死んじゃう。 「じゃ、いい声で鳴いてね♪ ハイ!」 「むぎっ! ふぐ! ふぐん! ふぐ……あ゛っ、ぎっぃ!!」 「アハハ、先っちょがパクパクしてるね。エサが欲しいのかなぁ~。親鳥ですよぉ……」 「ふきゅ! ふぐ! ふぐん! ふぐん! ふぎゅー!!」 「あらら……舌でお口突いたらまた逝っちゃった? 男って大変だねぇ」 涙と……鼻水と……セーエキの逆……流……苦し……い……。 「ますますカワユクなっちゃって……流石ボクが見込んだだけのことはあるね♪」 え……も……何も……判らな……すけ……ど。 「ま、この後も控えてるから、一回弾けとこうね♪ ボクも搾りたて飲みたいし」 「…………」 「トリップしちゃってるね。よろほごぉ……おごご……ごあ……」 「ぐがっ!? お゛っ! あ゛お゛っ」 ヌルヌルが、ヌルヌルが、ヌルヌルして、ヌルヌルで、ヌルヌぅ……。 「おご、お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 な!? 振ど……い!? 今……それ……解くとぉ……! 「あぎゃ! ふぐん! ふぐん! ふぐっ! ぐぅぅぅ……」 「ごぶっ!? お゛ぶっ! お゛ぶっ! ぐぷっ!」 あ゛あ゛あ゛……出てる……出てる……出てる……。 「いぎっ! いぎっ! ぎっ! ぎっい……」 「ごあ゛っ! お゛え゛っ! お゛え゛ぇぇ!!」 駄目……い……しき……。 「「…………」」 「ずずずずー、ずるずるずるずるー」 「…………」 「んぷ……すご……ずずっ。いヒホい良ひゅぎへ……はヒャから出ひゃったん、んぷっ……ずずっ」 「…………」 「想像以上っ!! 凄く良かっ……た……あぁ……ごめん……やりすぎちゃったね」 「…………」 「そうだ! 記念にそのカワイイ逝き顔写真とっとこうね♪」 ======================================== く、苦しい……息……息が……出来な……。 「んきゅ、ぷはぁ!」 「あっ、起きた起きた」 「はぁ、はぁ、は……何すんすかぁ!!」 「騒ぐとまた猿轡するよ」 「…………」 人の口と鼻塞いどいて何すかその言い草。ツヨシさんじゃ無かったら蹴り入れてる所っすよ。 「で、何すか今度は? オレもツヨシさんも裸じゃないすか」 違うのはオレの手足が縛られて身動き出来ないって所か。 「何だかなぁ~、すっかりスレちゃって。カワイイボクのピリカは何処行っちゃったんだろ?」 「男にカワイイとか止めてください。大体こうなったのはツヨシさんのせいじゃないっすか?」 「なぁ~にが~? 自分のエッチさをボクのせいにするって訳? じゃ、これどっかに転送しちゃおうっかな~」 「#$%&!!」 「こらこら大声出すなって……」 何でそんな写メとってるんすかぁ!! も……もう……。 「スン……ぐす……ぐすっ……」 「あっ……ごめん……泣かないで……ねっ」 「らぁー、ほの写メ消ひてくら……ふあーん!!」 「あ、こらっ、子供みたいに泣かないの……ごめん……ごめんて」 「らってぇ……エクッ。ツヨシひゃん。意地悪。ばっかして……フ……スン……」 もう訳判らん。兎に角この勢いでツヨシさんを責めよう。そうしよう。 「オレ。キライらんれひょ? だから。意地悪。すんれしょ……スン……スン……」 「ち、ちがっ! ピリカの事キライな訳無いでしょ!」 「ら、らって。こんな事。するし。お、女だって。言うヒ……ヒーーーン!」 「ボ、ボクが女じゃいけないの?」 「も、木ひょ。だった。のに。オレ。どうしたら……スン……」 そう、オレの目標はツヨシさんみたいな超キレイカッコイイ『男』になる事だったのに。 「そっか……だったらピリカも女の子になろっか?」 「っ!? や、やら~。女の子はやら~」 あ、あれ? いつの間にか幼児後退がデフォって来た感じ。 「何? 女の子の何が嫌なの?」 「ら、らって~、カワイイとか言われるし~」 「カワイイってそんなに悪いの? ボクはカワイイってのはキレイって言われるのと一緒だと思うけど?」 「え? え? で、でもぉ~」 な、なんか説得力ある言葉に押され気味っす。 「大体男なんて全っ然大した事無い! じゃ、試しにボクと勝負してみようか」 「しょ、勝負?」 頭の片隅で「論点がずれて来てるよ~!」って言ってるけどもう駄目かも。 「逝かせっこしてボクが負けたら男を認めてあげる。負けたらピリカは女の子」 「え? ええっ!?」 「逃げたら負けね。ハイ、じゃぁスタ~トぉ♪」 「は、嵌められた!?」 「何言ってんの? 嵌めるのはぁ、ピ・リ・カ(はーと)」 「な、何下ネタいってんす……わっ……はんん……」 あ、言葉使い治った……ってそんな場合じゃねぇ~。 流石に三度目だから直には逝かないけど、それでも咥えられて舌を這わされればギンギンになる節操の無いオレって。 「ん……じゅる……んふ。ネ、ボクのも準備してよ……」 うわ……準備の必要ないんじゃないっすか? とも言えないし、ツヨシさんには何回も口でしてもらってるから。 「……れろ」 「きゃん!?」 あ、面白い。味もまあまあイケるし。ツヨシさんに仕返し出来るかと思うとすっげ嬉しいし。 なので気合を入れて上から下まで一気に舐め上げる。 「ヒィ!? ぁ……ンン」 ん? 最初に何があったっけか。おお……そのぽっちっすね♪ でわ僭越ながら。 「ちゅむ」 「キハ!!」 イメージは何がイイっすかね……そだ! チューブ入りポリドリンクの凍らせたヤツ。お前に決めたぁ!! 「ちゅっ、ちゅっ、ちゅー」 「はひっ!? いやっ! やらぁ! らめぇ~」 うわっ! 穴からびゅっ、びゅって何か顔に吹き付けてくる。く、くそぉ負けるかぁぁぁ!! 「ちゅっ、ちゅむ、ちゅー」 「きひっ!? ひゃ! ひゃんん~!」 あ、腰が逃げてく。くっ!? この逃がすかぁぁぁ!! 「カリッ」 「#$%&!!」 「うぷっ!? ぷ、ぷはっ!」 うわっ!! 目が見えない。な、何これ? 「ドサッ!!」 「うぐっ!?」 え? 何? 目が沁みてよく見えないけど……。 「ひん……ひん……いひん……」 あ、あれ? ツヨシさんが倒れて……ぶるぶるって……。 「しゅわー……」 あ、お腹が温かい……あの、これ以上はツヨシさんプライドを傷付けるので言えません。 ======================================== 「あのー……ツヨシさーん……」 「何っ!!」 「これ解いてくれたら手伝いますよぉ」 「ぅ……うるさい! ピリカは後でおしおきっ!」 そ、そんな涙目で凄まなくても……。 でも涙目のツヨシさんもまた……こうそそられるっつか……ムラムラッと。 「なんかヤル気満々って感じだねピリカ」 半眼になるツヨシさん。 「そんなぁ……最初に始めたのはツヨシさんじゃないすかぁ~」 「またそんな事言うんだピリカ……あの時はとっても可愛かったのに」 「男がカワイイなんて言われても嬉しくありません……って何に話しかけてんすか!?」 「ピリカぁ……ハアハア……」 「へ、変態っすか? ツヨシさんがそんな人だなってしり……あっ……あっ……扱かないでくださいよぉ」 「ハアハア……ピリカが悪いんだよ……こんなイイ臭いさせて……」 「ぃぁ……それ……ぃぃ……言いがかりっ」 「も……初めて会ったときから狙ってたんだ……っから……」 「……頬擦り……ぃゃ……」 「んむ……キヒュ……教えてくれって言われた……時なんれ……じゅる……」 「はぁ……なめ……るか……喋るか……ひんん」 「……我慢……出来なくて……れろ……ちゅぴ……自分で処女膜……切っちゃって……」 「あ゛いぃ……体ぁ……大切にしへ……くらは……ひ……」 「んえ……ひおお……れろ……おお……おおおお……」 「お゛、お゛……咥えながら……喋……」 「んぷはぁ。もう我慢できない! ここに、ここにもらうからね!」 「ぇぁ……はっ! 自分の体は大事にって今……」 「「はぁん!(♪)」」 あ……暖かい……すっごい暖かくて……幸せな感じ。 「こ、これ……これが欲しかったのぉおお!」 「だ、駄目っすよ……すぐ……抜いて……」 「ヤダ! ヤダヤダヤダヤダヤダァー!!」 「無茶言わないで下さい。オレだって知ってるんすよ。このままじゃ赤ちゃん出来ちゃうんすよ」 「……赤ちゃん欲しい」 「はぁ?」 「ボク……ピリカとの赤ちゃん欲しい!」 「駄目っすよ……中学生のパパじゃ……ツヨシさんも子供も不幸になる……」 「ボクが不幸にしない!」 「その強気……どっから来るんすか?」 「赤ちゃんもピリカもボクが幸せにするんだ! ボクが決めたんだ! 今までボクがそう言って上手く行かなかった事あった?」 びっくりするよ。ホント、ツヨシさんの強気には……ああ、でも……だから『ツヨシ』さんなんだな。 性別とか関係無かった……この強気さ、まっすぐさにオレはこの人に付いて行こうと思ったんだ。 色々と在ったんで気付いたっつか、すっかり忘れてたっつか。 「その台詞は普通、男が女にするもんですよ。取らないで下さいよ台詞」 「へ?」 「判りました……判りましたよ……じゃ……ツヨシさんの人生、オレが頂きますから」 「は……はい」 腹をくくれば後は話が早い。 「ツヨシさん……手足……自由にしてくださいよ……」 「駄目」 「へ? 何で?」 「今のピリカ。カッコ良過ぎるから駄目」 「なっ!?」 何言ってんすかこの人は? 「じゃ、覚悟が決まったみたいだから気が変わらないうちに。レッツ、ゴー!」 「えっ? 何でこんな時くらいカッコ付けさせ……あぁ!! 凄っ……うねるぅぅ……」 凄い……四方八方からグネグネと圧力が掛かって……。 「んん……ピリカは……カワイイで丁度いい……」 「そ、そん……」 「お話は終わり……じゃ子種よろしく……」 「おあっ……! んん……! 凄っ! これ……! すぐ……!」 これは駄目だ……今までのどれよりスゴイ。こんなのを持ってる女に男が敵うはず無い。 「あんっ! ボクはっ! ひゃあ! い、いつでもぉ! おぉ!? お゛お゛っ!!」 「んんっ!? なっ! なんかっ! あた、当って!!」 な、何かがオレのチ○ポにセーエキを出せ出せってノックしてる。 「子きゅ! 子宮が! ごっ、ごっって!! き、来たぁぁ……」 「うあ……ゴリって……しま……る」 駄目だ……スゴイの来たぁ。 「「ああっ!!」」 「んっ! んふっ! ふくっ! ふくんっ! ふくんっ! ふくんっ!」 「あ゛あ゛ー……!! イッパイ来てる……流れ込んでくる……嬉し……い……」 幸せそうなツヨシさんはいいけど……オレ……止まんねえ。 「ふくんっ! ふくんっ! ふくんっ! くんっ! んくっ!」 「え? まだ来るの? はひっ! 幸せっ! イッパイだぁ!」 やべっ! 死ぬっ! 死んじゃう! 折角覚悟決めたのに……。 「んくっ! んくっ! ぐっ! ん゛ぐっ!」 「あぐっ! も、い……ゆる……ひ……ぃ……」 あ、もう駄目みたい……ごめんなさい……ツヨシさん……赤ちゃ……。 「「…………」」 ======================================== あの後、気を失ったオレたち二人はマネージャーさんのドアを叩く音で飛び起きた。 アレを誤魔化す為にひと芝居打ったんだが、お陰で楽屋がめちゃくちゃになった。 そのせいでマネージャーさんは、スタジオと社長からこっぴどく叱られた挙句に熱を出して寝込んでしまった。 後でお見舞いにお菓子を持って行ったら、マネージャーさんに酷く泣き付かれて困惑した。 兎に角、あの情事は誰にも知られることなく二人の胸のうちに仕舞われる事になった。 なので、オレたちも解散せずに今もアイドルユニットを続けている。 と、ここまでなら何とかハッピーエンドと言えるんだが、神様はそう甘く無いらしい。 問題は――そう、ツヨシさんとの関係だ! まず、いつの間にかオレは社員寮を出て、ツヨシさんの住んでるマンションで共同生活する事になっていた。 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえって感じで。 あの時覚悟を決めたオレだから、今更ジタバタしてたら世紀末が……ってどうでもいいか。 ま、今も変わらず憧れるツヨシさんと一緒に暮らせるなら嬉しい筈なのだが。 「――さ、じゃぁこれに着替えようか? レッツ、トラーイ♪」 「な、何で男のオレがゴスロリなんすか! しかもミニスカって変態すか……?」 「似合うからいいじゃなーい」 「自分でもそれが判ってるからヤなんす……え? 下着……ぶっ! ガ、ガーターベルトまで!?」 「良く知ってるねぇ♪ やっぱり着るなら揃えなきゃ。ねぇ~」 「ふ、ふざけんのも大概にして下さい! ならツヨシさんが着りゃいいでしょうが!」 「だってぇー、ボクが着たら風俗みたいじゃないかー。それに脱がされるより、脱がす方がスキ」 「んな!? 脱がすんなら着なくたっていいでしょ! って何時の間に!?」 い、いつの間にかオレのシャツが肌蹴て……ズ、ズボンまで!? 「こ、こんなスキル何処で手に入れたんすか!」 「教えなーい」 こ、このぉ……って、はっ!? 「ま、まさかこのスキルを他所で使って……」 「ぶっ!! ま、まさか。何言ってんのピリカ……はは~ん、もしかしてボクを疑ってたりなんかしたりして」 「んな!? そんな訳無い! だから……やめ……押し倒さ……」 「フフフ。着替える前に……おしおきが必要かなぁ」 うわっ! 腹ばいにさせられた! ま、まさか!? 「駄目っすよぉ!? まだ風呂入って無いんすからぁ~!!」 「何言ってんの? それがイイんじゃないのさぁ~」 腹に手を回されたぁ! 尻突き上げさせ……。 「さ、ご開帳ぉ♪」 「嫌ぁーーーーー!!」 み、見られた! 何てことすんだこの変態。 「なぁーんだ、騒ぐこと無いじゃん。フン、フン」 に、臭いかいだぁ……。 「フ……フン……スン……」 「まぁ~た、すぐ泣くんだから~。んちゅ!」 「ふぎゃ!?」 この人……人の尻の穴に……。 「ん~、っは! 泣き止んだ? じゃ……続き……んん……ろあ……」 「はぎっ! やべっ! お゛お゛っ! お゛がじぐなるがらっ! ゆるじ……」 おっと、話はここまで。これ以上はオレの名誉に関わるんで秘密にさせて頂く。 みんな、ここまでオレの愚痴を聞いてくれてありがとう。 ああ……子供が生まれるまで、オレが男でいられる様に祈っていてくれ。 「いられるんじゃない? 男として立ててあげてるじゃない色々と」 「うわっ!? 出た!」 「何に向かって喋ってんのさ? 夫婦の間に隠し事は禁物って……言ったよねぇ」 非常に不穏な空気を漂わせるツヨシさんに対し、後ずさって距離を取るオレ。 「あ……逃げるって事は罪を認めるんだぁ……あ、そう」 「え? 何? それ何の誘導尋問っすか?」 「さ、観念して。では、イぃ~ッツ、おしおきタぁ~イム♪」 -おわり-
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~あらすじ~ 人里で親をなくした子ゆっくり。 運良く人間に飼ってもらえることになったが そこは獰猛極まりない白き獣の巣だった! 果たしてれいむとまりさはゆっくりできるのか!? ゆっくりと小学校(後) 「ゆー・・・」 「おなかすいたね・・・」 とある小学校のウサギ小屋。 ソフトボール大のれいむとまりさが2匹、寄り添っていた。 「ゆ! うさぎさんがいけないんだよ!!」 「そうだよ! ゆっくりあやまってごはんもってきてね!!」 先程まで泣き叫んでいたことも忘れ立ち上がる(?)れいむとまりさ。 「Σ(・x・)」 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくりちんでね!!」 ぽすぽすと、ウサギに体当たりを仕掛けるが全く効いていない。 これが親ゆっくりだったら分からないが、子ゆっくりの体重ではダメージにならない。 ウサギは「(・x・)うわこいつらうぜえ」と思っているに違いない。 「ゆ! きいてるんだぜ!!」 ところで、ウサギは耳を触られるのを嫌がる。 「れいむたちのじゃまをしたばつだよ!!」 -がぶっ 自分の方が強いと勘違いし始めたれいむが、その耳に噛み付いた。 「!!(゜x゜メ)」 一瞬ロシアの死刑囚の顔面アップを幻視したが、気のせいだろう。 「はんせいしたらゆっくりごはんを(ガブ)ゆ゛・・・?」 「で、でいぶう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅぅ!!!」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!! でいぶのびはだがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 木の柱ですら噛み砕くその前歯は、れいむの薄い皮をあっさり貫通した。 れいむとまりさはショックと恐怖から白目を剥きガクガク震えている。 幸いなことにれいむの傷は浅く、ウサギもそれ以上の攻撃をしなかった。 2匹の子ゆっくりは、ウサギから出来るだけ離れるように小屋の角で寄り添う。 「ぺーろ、ぺーろ。いちゃいのいちゃいのとんでけー♪」 「ゆぅぅ・・・」 ウサギさんはゆっくりできない。 お姉さんに言って山に帰してもらうことも考えたが、 両親や姉妹が死んだときの経験から、外はもっとゆっくり出来ないと分かっていた。 れみりゃやふらんのような捕食種、 理性的な仮面を被ったレイパーありす、 何もしていないのに潰そうと追いかけてくる人間。 それに比べたらウサギさんは積極的に襲ってくる様子はないし、 お昼は食べられなかったけど、ここでは毎日おやさいさんを食べることができる。 2匹は話し合った結果、ウサギさんを刺激しないように もうしばらくこのおうちで暮らすことにしたのだった。 放課後。 「「むーしゃむーしゃ♪ しあわせぇぇぇぇ!!」」 飼育係がくれた野菜の他に、愛で派の生徒が持ってきた給食の残りなど 今まで殆ど食べる機会のなかった人間のご飯の味に、2匹はヘブン状態だった。 「おねえさん! とくべつにれいむとすりすりしてもいいよ!」 「よしよし♪」(なでなで) 「ゆゆーん♪」 頬の傷はすっかり治っていた。 「ここはゆっくりできるところだね!!」 「ゆっくりしようね!!」 「「すーりすーり♪」」 夜。生徒達が帰った後、子ゆっくりはこの上なくゆっくりしていた。 虐待派の人間が見たら小屋を蹴り飛ばしたくなる光景である。 「にんげんさんのごはんおいしかったね!!」 「おねーさんについてきたけっかがこれだよ!!」 「「ゆゆーん♪」」 ゆっくりたちの夜は、穏やかに更けて行く。 「しゃんはい、ビールもってきてー」 「しゃんはーい」 お風呂上りの愛子先生がテレビの電源を入れる。 ちょうどニュースをやっているようだ。 教師に情報収集は欠かせない。 体罰に対する世論、いじめや自殺にモンスターペアレント。 ゆっくりの餡子脳に耐えられずブリーターの道を挫折したが、教師も楽じゃない。 「しゃんはい!」 「ありがと、しゃんはい」 「しゃんはーい♪」 そういってしゃんはいから缶ビールを受け取る愛子。 この金髪に赤いリボンを結った胴付きゆっくりは、ゆっくりしゃんはいと呼ばれている。 言葉を操ること苦手だが、賢こさと器用さを持ち合わせ、主人と認めた者に従順。 その為、愛好家からの人気は非常に高く、現在では希少種中の希少種とされている。 愛子はブリーダー時代に所属していたある団体のコネで ゆっくりしゃんはいを入手し、以来ずっと一緒に暮らしている。 『ゆっくりんピースがゆっくり餡横領疑惑の証拠品として、 運送会社倉庫から荷物を無断で持ち出した事件について・・・』 「ブッ!?」 「しゃ、しゃんはい!?」 かつて愛子が所属していたゆっくり保護団体が、 運送会社からゆっくりの餡らしき荷を盗み食べたらしい。 「頭がおかしいとしか思えないわね・・・。抜けて良かった」 「しゃんはーい・・・」 『今回の調査の中で私達も食べる行為をしないといけなかったので、食べました。』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 その後も証拠品としての餡子やゆっくりのデスマスク等の映像が流れていた。 その頃、ウサギ小屋。 「ゆー。おなかすいたね」 夕方思う存分食べたが、食欲旺盛なゆっくりの中でも成長期の子ゆっくりの食欲は強い。 「おやつがたべたいね!」 放課後は大勢の生徒構ってもらえたが、夜の学校に生徒はいない。 さっさと寝てしまえば良さそうなものであるが、環境が変わった為か寝付けないでいた。 -モグモグモグ 「ゆ・・・?」 何やら音のする方を見ると、ウサギさんが何かを食べていた。 「ゆゆ! うさぎさんなにたべてるの!?」 「まりさたちにもわけでほしいんだぜ!!」 昼間の一件を覚えているようで、(これでも)控えめに分け前を要求する。 「(・x・)」もぐもぐもぐもぐ 無視。 「「ゆうぅぅ・・・」」 暴力に訴えればどうなるかは経験済みの為、それはしなかった。 「ゆ! よくみるんだぜれいむ!」 「ゆゆ?」 今ウサギが口に入れたものと同様のものが、いくつも転がっていた。 「ゆ! いっぱいあるよ!!」 「ひとりじめはよくないんだぜ!!」 そういって子ゆっくりは、その黒くて丸みをおびた塊を舌で掬い、口に運んだ。 それがどんな食べ物なのか知らなかったが、 ゆっくりは雑食性だし、何よりうさぎさんも食べているので深く考えなかった。 「「むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ♪」」 「「むーしゃ、むーしゃ、うーん、それなりー♪」」 おさやいより歯ごたえのあるそれをいくつか食べ、とりあえず満たされたようだ。 しかしゆっくりは見てしまう。 「ゆゆ、うさぎさん、うんうんならかくれてやってね!!」 「しゅうしちんがないの!? ばかなの!?」 ウサギの排泄シーンを。 それを見て何かに気づいたのか、れいむとまりさの顔が、徐々に青ざめて行く。 「ね、ねえまりさあれって・・・」 「・・・」 まりさは歯をむき出してガタガタ震えている。 そして、 「「う゛ん゛う゛ん゛たべぢゃったの゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!!!?」」 ゆっくり理解した。 ウサギは通常の食事では摂ることの出来ない養分を摂るため 盲腸フンと呼ばれる、特殊な糞を食べることが知られている。 もちろんゆっくりはそんなことは知らないし、 ウサギの糞が余り臭くないというのも判断を誤らせた原因である。 ちなみにゆっくりが食べたのはただの糞だった。 「おげえ゛え゛ぇえ゛ぇぇぇ!!」 「きちゃないよおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 慌てて吐き出そうとするが、もう遅い。 ゆっくりはまともな消化器官を持たず、 食物を嚥下した時点で餡子に変換する性質を持っている。 いまさら何をした所で、出てくるのはせいぜい命の源の餡子だけである。 「「きぼちわる゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ!!!」」 そして よ が あけた! 初日こそ様々なトラブルがあったが、 それからの生活は実にゆっくりとしたものだった。 外敵に襲われる心配がなく十分なエサがもらえるのは変わらない。 小屋でゆっくりするために必要なことを学び、 ウサギさんとの共同生活にも慣れて行った。 大家族の中で2匹だけ残った子ゆっくりは、元々優秀な個体だったのかもしれない。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ゆゆ、うさぎさん、きょうもゆっくりしてるね!」 「きょうのおやさいはなんだろうね!」 「(・x・)」 ウサギさんは相変わらず何も喋らないが、仲良くなれたと2匹は思っている。 2匹がウサギ小屋に来てから1ヶ月が経った。 れいむとまりさの体は、野生のゆっくりの数倍のスピードで大きくなった。 拾われた時にソフトボール大だった体は バスケットボール大にまでなり、子供がいてもおかしくない大きさだ。 大勢の生徒に甘やかされた結果がこれである。 「今日で飼育係も終わりか・・・」 「最初は嫌がってたのに、やっぱ寂しいんだ?」 「べ、別に寂しいわけじゃ・・・!」 「会いたくなったらいつでも行けばいいと思うよ~」 「う、うん・・・」 その夜。 「ねえ、まりさ」 「なあに? れいむ」 「れいむはまりさとゆっくりしたいよ。ずうっといっしょにゆっくりしたいよ」 「ゆゆ! まりさもおなじきもちだよ! れいむとゆっくりしたい!」 「「ゆっくりしようね!!」」 プロポーズが成功し、ここに一組のつがいが誕生した。 人間以外では、同じ親から生まれた子同士がつがいになることは珍しくない。 (ゆっくりにとっては)長い間他のゆっくりに会わない状況ではむしろ必然といえる。 「「すーりすーり♪」」 想いを確かめ合い、親愛の表現をするゆっくりとゆっくり。 そこに湿った音が混じり始めるのに、時間は掛からなかった。 ※都合により、番組を変更してお送りしています。 『凍らせたゆっくりゼリーを男児が喉に詰まらせた事故を受け、 製造元は同シリーズを製造中止にすることを明らかにしました』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 「「すっきりー!」」 「「すっきりー!!」」 「「すっきりー!!!」」」 「ゆっくりしていってね! ・・・ゆ?」 目がさめた時、まりさはまず体の不調を感じた。 「(ゆうべは・・・ゆゆ! れいむにプロポーズされて、それから・・・?)」 隣にいるれいむに目を向ける。 「ゆゆっ!?」 れいむの頭には5本の細長い蔓が生えていた。 それを見た途端、まりさの体を覆っていただるさは吹き飛んだ。 「れいむ! れいむ!」 「んゆ? ・・・ゆっくりしていっていってね!」 「ゆっくりしていってね! れいむ! あかちゃんができたよ!!」 「ゆ! まりさにもいっぱいはえてるよ!!」 「ゆゆ! そういえばなんだかあたまがおもいよ!」 違和感の正体に気づくまりさ。まりさにも5本の蔓が生えていた。 「れいむたちのあいのけっしょうだね!」 「ゆゆ! はずかしいよれいむぅ」 まだゆっくりの形にはなっていないが、それは紛れもなく妊娠の証だった。 れいむとまりさは"今が"まさに幸せの絶頂だった。 ゆっくりの餡子脳には言葉の使い方や赤ちゃんの作り方など、 子孫を残す上で重要な情報が生まれつき記録されている。 が、正しい性教育を受けていないこれが異常だということに気が付いていなかった。 数分後。 れいむとまりさはぐったりしていた。 「ゆぅ・・・」 「なんだかゆっくりできないよ・・・」 それきり2匹は黙り込んでしまった。 まりさは忘れていただるさが重みを増しながら圧し掛かかってくるのを感じていた。 先に原因に気づいたのはまりさだった。 まりさとれいむは、十分妊娠に耐えられる体を持っていた。 だからこそつがいになったし、すっきりもした。 問題はその数だ。 通常ゆっくりはつがいのうち1匹が1本だけ蔓を生やす。 そうしないと母体や赤ゆっくりのエサが確保できなくなる為だ。 しかし子ゆっくりの時から十分過ぎるエサをもらっていた2匹は 先のことを心配する必要がなく、思う存分すっきりした。 その結果がそれぞれ5本ずつ生やした蔓である。 このままでは蔓に命を吸われてゆっくりできなくなる。 すぐにれいむに蔓を噛み切ってもらえば助かるだろう。 しかしまりさの中には子供を犠牲にして自分だけ助かるという選択肢はなかった。 ではれいむはどうする? れいむだけでも助けるべきか? 子供を犠牲にして? まりさは葛藤していた。 長い沈黙を破ったのはれいむだった。 「まりさ・・・。れいむはうむよ。れいむがゆっくりできなくたって、うみたいよ」 「れいむ、そんなの・・・! でも、まりさもおんなじきもちだよ!」 ゆーん、ゆーんという泣き声が、朝のウサギ小屋に響く。 生徒達が登校するまでにはまだ時間がある。 ゆっくりたちの皮は徐々に黒ずみ、 それぞれの蔓にはゆっくりになるつぼみが付き始めていた。 「きっとすごくゆっくりしたあかちゃんだよ・・・」 「あかちゃんはおねえさんたちがそだててくれるよね・・・」 「てんごくでもゆっくりしようね・・・」 「(・x・)」 「ゆ、うさぎさん。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 何かを察知したウサギが、鼻をひくつかせながら2匹に近づいてきた。 ここに来た頃はあの鼻を見るだけでも目を回してたな、などとまりさは思い出に浸る。 「うさぎさん。れいむたちはもうすぐずっとゆっくりするよ・・・」 「まりさたちのあかちゃんとなかよくしいってね・・・」 2匹は確実に死に近づいて行った。 恐怖や苦痛がないと言えば嘘になる。 しかしたくさんのあかちゃんのため、ゆっくり死を受け入れていた。 -ガブ 「ゆ・・・?」 れいむの あたまの つるが うさぎに かまれた。 普段以上に思考の鈍っていたゆっくりは、目の前の事態に中々追いつけない。 「(・x・)」もむもむもむもむ... 「「ゆ゛!?」」 「うさぎさんなにするのぉ!?」 「やめて、やめてね! ゆっくりやめていってね!」 正気に返ったゆっくりが、必死に懇願する。 健康であれば力づくで勝てたかもしれないが 今は全身が黒く染まり、ひび割れ、はいずることもままならない。 「(・x・)」しゃくしゃくしゃくしゃく... 「やめてね! れいぶたちのあかちゃんたべないでね!? やめてええぇぇぇ!」 「それはおやさいさんじゃないよおぉぉぉ!? だいじなあかちゃんなのぉぉぉ!」 ウサギの勢いは止まらない。次々と蔓をかじられて行く。 ゆっくりの命の結晶ともいえる蔓は、とても栄養価の高い"食べ物"だった。 「(・x・)(はむっ! うっめ! これめっちゃうっめ!)」むしゃむしゃむしゃ... 「どぼじでごんな゛ごとするの゛お゛ぉぉぉぉ・・・・・・」 「ゆぎぃぃ! おともだちだとおもってだのにいぃぃぃぃ・・・・・・」 ウサギからしてみれば迷惑な同居人でしかなく、そもそも対等に見たことすらない。 「(・x・)」もきゅもきゅもきゅもきゅ... 「じにだぐな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛・・・・・・・・・」 「もっど・・・ゆっぐ・・・し・・・・・・・・・が・・・ま・・・」 静かになった小屋の中にはウサギが1匹と 水の入ったトレーに藁、 それと黒くてまるみをおびたかたまりだけが残っていた。 おしまい このSSに感想を付ける
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「ゆ~♪むーしゃむーしゃ♪しあわせ~♪」 野生のゆっくりが味わえないご馳走を、まりさは口いっぱいに頬張る。 舌に広がる甘さは、自然界のどこでも手に入らないものだった。 まりさは涙を流して、自分の幸せを大事そうにかみ締める。 「ゆっゆ!!れいむにもちょうだいね!!ゆっゆ!!」 「はいはい、そう焦るなって」 「ゆっ!!むーしゃむーしゃ♪しあわせ~!!」 飼い主であるお兄さんは、まりさの隣にいるれいむにも同じように餌を与えた。 2匹が美味しそうに餌を貪り食う様子を見て、お兄さんも和やかな笑みを浮かべる。 食べかすを飛び散らしても、叱りつけるような事はしない。 どんなに食べ散らかしてもいいように、床には新聞紙が敷かれているのだ。 「「ゆっくりごちそうさま!!!」」 「沢山食べたね。そんなに美味しかったかい?」 「ゆっ!!とてもゆっくりできるたべものだったよ!!」 「あしたもたくさんよういしてね!!」 さすがゆっくり。お礼の言葉は無く、図々しい要求も忘れない。 お兄さんは苦笑いしながら、2枚の食器を台所へ運んでいく。その時だった。 ボソッ “また”だ。 部屋でゆっくりしているまりさの餡子脳に、何かが引っかかった。 お兄さんが小さな声で、何か言っているのが聞こえたのだ。 「ゆっ!おにーさん!!いまなにかいった!?」 「いいや、何も言ってないよ。まりさの聞き間違いじゃないか?」 「ゆぅ?……いわれてみればそうだったよ!ゆっくりごめんなさいだよ!!」 でも、確かに聞こえた。これは今に始まったことではない。 既に半日、まりさは同じような違和感を十数回感じた。偶然とは思えなかった。 ボソッ まただ。 どうやられいむは気づいていないらしく、遊具で遊んでいる。 気のせいなのだろうか。それとも、お兄さんが嘘をついているのだろうか。 でも、気のせいでないとしたら、それはお兄さんの口から発せられている声だ。 「ゆぅ……きっときのせいだね!!きにしないで、れいむとゆっくりするよ!!!」 まりさは、頭の中から不安感を拭い掃って、遊具で遊んでいるれいむのほうへ跳ねていく。 ボソッ その声は、今度はまりさには届かなかった。 「……まりさなんか死ねばいいのに」 「ある~ひ!!」 「「あるぅ~ひ♪」」 「もりのなか!!」 「「もりのなか♪」」 「くまさ~んに!!」 「「くまさ~んに♪」」 「であ~った!!」 「「であ~った♪」」 食事の片付けを終えたお兄さんが部屋に戻ってきて、まりさとれいむと遊んでくれることになった。 今は、お兄さんが歌う歌を真似して歌う遊びをしているところだ。 ぱんぱん手を叩いてお兄さんがリズムを取るのに従って、まりさとれいむは座布団の上でニコニコしながら歌っている。 「「「はなさくも~り~の~み~ち~♪♪くまさ~んに~で~あ~あった~♪♪」」」 歌い終えると、お兄さんはうまく歌えた2匹の頭を交互に撫でてやる。 「よーし、2人とも良く歌えたね」 「ゆゆっ!!たくさんれんしゅうしたもんね!!ゆっくりじょうずでしょ!」 「まりさもゆっくりれんしゅうしたよ!!ゆっくりほめてね!!」 お兄さんの指導の甲斐あって、2匹は人間が聞くに堪える歌を歌えるようになっていた。 そんな2匹も飼われ始めの頃は、不協和音を発してお兄さんを激怒させたものだった。 「さて、次は何を歌う?」 「ゆゆ~……まりさはおもいつかないよ!れいむは?」 「ゆんっ!!“だいちさんしょう”がいいよ!!とてもゆっくりしたうただよ!!」 大地讃頌。確かにゆっくりした歌ではあるが……きっと歌詞の意味は理解していないに違いない。 お兄さんは楽譜を開いて、歌う準備をする。ごほんと咳払いをすると、2匹の顔を交互に確認した。 「よし、それじゃ皆で歌うぞ」 ボソッ(まりさなんか死ねばいいのに) 「じゃあいくぞ。さん、はい!」 「ゆっ!!ゆっくりまってね!!!」 例の小さな声が聞こえた気がして、まりさは声を荒げた。 れいむとお兄さんは不機嫌そうな顔をして、まりさを見ている。 「どうしたんだよ。せっかくいい所だったのに」 「そうだよ!!ゆっくりじゃましないでね!!!」 「で、でも!なにかきこえたんだよ!!ゆっくりきこえたよ!!」 ぴょんぴょん大きく跳ねて、必死に自分の主張を理解してもらおうとするまりさ。 しかし、れいむとお兄さんには通じなかった。 「だから気のせいだって。さっきも言っただろう?」 ボソッ(まりさなんか死ねばいいのに) 「ゆゆっ!またきこえたよ!!きっとおにーさんだね!おにーさんなんていったの!?」 「僕は何も言ってないって。ったく……いい加減にしてくれよ」 お兄さんは、次第に苛立ちを露わにする。 その様子を見たまりさは、これ以上深入りするのは得策でないと感じ、何も言わなかった。 ボソッ(まりさなんか死ねばいいのに) 確かに、聞こえる。 そしてほぼ間違いなく、その声の主はお兄さんだ。 でも、お兄さん本人は“気のせいだ”“聞き間違いだ”と言って取り合わない。 「ははな~る~だいち~の~」「ふ~と~~こ~ろ~に~」 お兄さんやれいむと歌っている間も、その違和感は拭えなかった。 絶対に、お兄さんが何かを言っている。それは間違いない。 分からないのは“何を”言っているのかという点だ。 それがあまりにも気になって、歌い終わった後の遊び時間はあまりゆっくりできなかった。 ゆふぅ~とため息をついて、暗い顔のまま床を見つめるまりさ。 部屋の隅でぐったりしているまりさに、れいむが心配そうな声をかける。 「まりさ?…ゆっくりしてる?」 「ゆ…ゆゆっ?ゆっくりしているよ!!れいむもゆっくりしていってね!!」 ぴょんと飛び上がって、まりさは自分が元気であることをアピールする。 れいむに聞こえていないということは、きっと気のせいなんだ。 まりさはそう自分に言い聞かせて、就寝までの残った時間をゆっくり過ごすことにした。 でも、何故だろうか……とてもゆっくりしているはずなのに、心がゆっくり出来てない気がする。 「ゆぅ……なんだかゆっくりできないよ…」 きっと遊び疲れたんだ。そう結論付けたまりさは、ひとりで寝床へと向かった。 ボソッ 「まりさなんか死ねばいいのに」 夜。外は真っ暗。ゆっくりたちも眠る時間である。 まりさとれいむも例外ではなく、寝床でゆっくり眠る準備をしていた。 「まりさ!ゆっくりねむろうね!!」 「ゆ!!あしたもゆっくりしようね!!」 「よーし、電気消すぞー」 お兄さんがスイッチを押すと、室内の照明が落ちた。 まりさとれいむは、互いに寝床の藁を被せあい、ゆっくり目を瞑る。 「ゆぅ~ぐっすりぃ……」 「ゆっくりねむるよぉ……」 「おやすみ、2人とも」 お兄さんも、2匹の寝床のすぐ傍にあるベッドに潜り込む。 隣のれいむは既に眠り始めており、まりさも眠りに落ちるのは時間の問題だった。 「ゆぅ~すやすや~……あしたも、ゆっくりぃ…」 そうして、少しずつ意識が薄れていく……その時だった。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ゆゆっ!?そんなこといわないでね!!」 ぴょこっと身体を起こし、周囲を見回すまりさ。 今、明らかに聞こえた。とてもゆっくりできない言葉が、確実に聞こえた。 「ゆ?……ふたりともねむっているね!」 まりさが周囲を見回すと、れいむとお兄さんは寝息をたてていた。 れいむは藁の中に潜り込んでいるし、お兄さんも頭まで布団の中だ。 では一体誰が? 今まではお兄さんが小声で何か言っているのだと思ったが、そのお兄さんも今は眠っている。 やっぱり気のせいなのだろうか。 「ゆぅ…きっときのせいだね!ゆっくりねむるよ!!」 再び藁の中に潜り込み、目を瞑った時だった。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ゆゆっ!?だれなの!?そんなこといわないでねぇ!!」 先ほどよりも大きな声で、はっきりと聞こえた。 まったくゆっくり出来ない物騒な言葉を、誰かが言っている。 まりさは、何だか怖くなってぶるぶる震え始めた。 「ゆぅ…まりさ?ゆっくりねむってね?」 「おいおい、さっきからうるさいぞ?」 隣の藁から、もそもそっとれいむが顔を出す。同時に、ベッドの上のお兄さんもむくっと起き上がった。 まりさの大声で、れいむとお兄さんが起きてしまったようだ。 れいむはそれほどでもないが、お兄さんの方は眠りを妨げられてかなり苛立っている。 「ゆっ!!だ、だれかが、まままままりさがゆっくりできないことをいってたよ!!」 「はぁ?……お兄さんには全然聞こえなかったぞ?」 「ゆゆん!!れいむもきこえなかったよ!!ゆっくりねむっていたよ!!」 やっぱり。 れいむもお兄さんも、“そんな声は聞かなかった”の一点張り。 こうなると、やっぱりまりさの気のせいだったのでは、という気になってくる。 「ゆぅ…ゆっくりききまちがえちゃったのかな」 「たぶんそうだろう。……いい加減、そういうの止めてくれよな」 「ゆっくりねむるよ!!まりさはじゃましないでね!!」 お兄さんは少し低めの声でまりさに言い聞かせると、バサッと布団を被って寝転がった。 れいむも藁の中に潜り込んで、再び眠りにつく。 一人と一匹のその声にはどこか棘があって、“二度と起こしてくれるな”という気持ちが存分に篭っていた。 「ゆぅ…まりさもゆっくりねむるよ!」 れいむの後を追うように、まりさも藁の中へ潜り込んだ。 早くいい夢を見て、ゆっくり出来ない気分から逃れようという気持ちも、まりさの動作を速めていた。 遊び疲れていたので、ほんの数秒で意識が眠りの中へ落ちる。 「ゆぅ~…すやすや~……ぐっすり~……ゆぅ~」 「ゆぅ~……ゆぅ~……」 誰もが寝静まった部屋の中。 皆眠っているのに、誰かがこんな声を発している。 「まりさなんか死ねばいいのに」 しかし、とても小さな声なのでまりさを覚醒させるには至らない。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「まりさなんか死ねばいいのに」 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ゆぅ~……ゆぅ~……」 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ゆぅ~………う゛ぅん……」 呪文のように繰り返される言葉のせいなのか、まりさは時折寝苦しそうに身体を動かす。 それでも目を覚ますことはなく、まりさは眠り続ける。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ゆぅ~……ゆぅ~……う゛ぅぅぅ…」 「まりさなんか死ねばいいのに」 「まりさなんか死ねばいいのに」 低い声で、繰り返し、一定の間隔で、その声は発せられている。 それは、まりさが朝目覚める直前まで続いた。 ボソッ 「まりさなんか死ねばいいのに」 翌朝。 朝食を食べ終えた2匹は、ボールで遊んでいた。 まりさが顎の下でボールを蹴飛ばし、それをれいむが受け止めて同じように蹴飛ばす。 「ゆっくりぃ~!!」「ゆゆっ!!ゆっくりぃ~!!」 ぼいんぼいんと、弾力のある身体でボールを蹴飛ばしていく2匹。 その度にぶるんぶるん身体が震えて、発する声も微妙に震えるのだった。 「ゆふぅ~!ゆっくりつかれたね!!」「ゆっくりやすもうね!!」 ボールをたった4,5往復させただけなのに、まりさとれいむは疲労を感じているようだ。 これが野性だったら、おそらく真っ先に捕食種の餌食になるだろう。 2匹はゆふぅっと息を吐きながら、藁の上で並んでゆっくりしている。 その穏やかな顔は、抱きしめたくなるぐらい、あるいは握りつぶしたくなるぐらい、愛らしいものだった。 「ゆっくりたのしいね~!」「もっとゆっくりしようね~!」 互いに呼びかけあって、さらにゆっくりすることを約束する2匹。 しかし、まりさはれいむに黙ってはいるが、あまりゆっくり出来ない気分だった。 どうしてなのかわからない。わからないけど、心の中にもやもやがあって、それのせいでゆっくりできない気がするのだ。 それが一晩中聞かされ続けた“呪文”のせいであることに、まりさは気づいていなかった。 「ゆっ!!こんどはすべりだいでゆっくりしようね!!」 「ゆゆん!!いいかんがえだね!!れいむがさきにゆっくりすべるよ!!」 れいむに悟られないよう、努めて元気を出すまりさ。 そんなまりさを後ろから追い越して、れいむが滑り台の階段を一段ずつ跳ね登っていく。その時だった。 ボソッ(まりさなんか死ねばいいのに) 「ゆゆっ!?れいむ!!そんなこといわないでね!!」 「ゆ?まりさ?どうしたの!?」 声を荒げるまりさの元へ、れいむは滑り台を滑って降りていく。 事情が分からずぽかんとしているれいむに、まりさはぷんぷんと頬を膨らませながら詰め寄った。 「れいむ!!どうしてそんなことをいうの!?まりさがゆっくりできないよ!!」 「ゆゆ!?どうしたの!?れいむはなにもいってないよ!?」 そんなはずはない。今、確かに聞こえたのだから。 声はれいむのとはちょっと違う気もするけど、この場にれいむしかいないのだから、れいむ以外に考えられない。 「しねっていわないでね!!ゆっくりあやまってね!!まりさはゆっくりおこってるよ!!」 「ゆゆぅ!?わからないよ!?ゆっくりせつめいしてね!!」 れいむの方は、まるで状況が把握できていない。 そもそもれいむには、まりさが聞いたという声などまったく聞こえていないのだから。 それについて謝れといわれたところで、はいごめんなさい、と謝るほどれいむは呆けていない。 「ゆゆー!?あやまらないならゆるさないよ!!ゆっくりこらしめるよ!!」 「いいかげんにしてね!!れいむはなにもわるいことしてないよ!!」 一触触発の状態。ほんの些細なきっかけでも、2匹は取っ組み合いを始めてしまうだろう。 そこへ、騒ぎを聞きつけたお兄さんが朝食のカップラーメンを啜りながらやってきた。 「おいおい、さっきから騒がしいけどどうしたんだ?」 「ゆ!!れいむがゆっくりできないことをいったんだよ!!ゆっくりしかってね!!」 「れいむはそんなこといってないよ!!ゆっくりしてただけだよ!!」 2匹の言葉を聞くや否や、お兄さんは「またか」とため息をついてカップラーメンをテーブルの上に置いた。 割り箸だけを左手に握ったまま、まりさの目の前にお兄さんはしゃがみ込む。 「お兄さんに聞かせてみろ。お前はれいむが何て言ったと思ってるんだ?」 「ゆっ?!ゆゆゆ…“ゆっくりしね!!”っていってたよ!!すごくゆっくりできなかったよおっ!!」 「…………はぁ」 お兄さんは、がっくりとうな垂れて大きなため息をつく。 そして、テーブルの上に置いといたカップラーメンを手にとって、そのまま台所へ引き上げてしまった。 「ゆっ!?ゆっくりもどってきてね!!れいむをゆっくりしかってね!!」 「まりさ。何度でも言ってやろう。それはお前の聞き間違いだ。気のせいだ。OK?」 カップラーメンを全て食べつくし、ゆっくり2匹分の食器も持ってもう一度台所に向かうお兄さん。 まりさは自分の主張を受け入れてもらうべく、必死にお兄さんを追いかける。 「ゆ゛っ!ゆっぐりまっでね!!ま、まりざば…ほんどうにっ!!」 「はいはい、お前には聞こえたのかもな。僕とれいむには聞こえなかったけど」 「ゆ゛うぅぅぅぅ……!!!」 2枚の食器を洗いながら、お兄さんは抑揚のない声で頷く。 お兄さんがまったく信用していないことに気づいたまりさは、口をへの字に歪めながらじんわりと目を潤ませる。 そして、後からやってきたれいむにもう一度問い詰めるが、れいむは謝るどころかお兄さんに同調した。 「れいむはなにもきこえなかったよ!!きっとまりさがうそをついてるんだよ!!」 ぴょんぴょんと跳ねるれいむの隣で、まりさは「うそじゃないよ!」と反論しようとする。 しかし、それを遮るようにお兄さんは声のボリュームを上げた。 「この通り、そのゆっくり出来ない声とやらを聞いたのは、お前だけなんだ。 ということは……お前の気のせい、という結論以外ありえないんだよ」 ガチャっと、洗い終えた食器を重ねた、その瞬間。 ボソッ(まりさなんか死ねばいいのに) 「ゆ゛っ!!またきこえたよ!!!まりざなんかじね゛ばいいのに、ってぎごえ゛だよ゛お゛お゛ぉっ!!」 「はいはい、そうですか。まりさは誰かに嫌われるようなことでもしたのかな」 食器を拭き終えたお兄さんは、呆れかえった表情のまま米研ぎを始める。 まりさは「ゆ゛うううぅぅぅ!」と唸りながら、すりすりお兄さんの足元に顔を擦りつけ、必死に気を引こうとするが… お兄さんは、足元に押し付けられる軟らかい感触を完全に無視して、作業を続けた。 「どぼぢでむぢずるのおおおぉぉぉ!!!ほんどうにぎごえだんだよ゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!?」 「うーん、ちょっと多く研ぎすぎたかな……まぁいいか」 お兄さんからのお墨付きをもらって無罪となったれいむは、とっくにその場から離れて部屋でゆっくり遊んでいる。 まりさは何度も何度もお兄さんに向かって叫んだが、お兄さんが反応を返してくれることは、ついになかった。 「ゆううぅぅぅ……ごれじゃゆっぐり゛でぎないよ゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ……!」 叫び疲れたまりさは、ずりずりとお兄さんから離れてれいむのいる部屋に向かい……寝床の藁の中に潜り込む。 そしてぎゅっと目を瞑ると――― 「ゆ゛わぁ!!!ゆわ゛ぁ!!!なに゛もきこえ゛ない゛っ!!!ま゛りさはなにもきこえ゛ないよ゛っ!!」 いきなり大声で叫び始めた。こうすることで、例のゆっくり出来ない声を打ち消そうとしているのだ。 まりさには、耳を塞ぐ手も耳自体も存在しないから、音には音で対抗するしかない。 突然の大音量に驚いたれいむは、まりさに負けないぐらいの大音量で文句を言う。 「まりさ!!うるさいよ!!ゆっくりしずかにしてね!!」 「ぎごえないよぉ!!!まりざはなにもぎごえないよ!!!だれもはなしかげないでねっ!!!」 それでもれいむの抗議がまりさに伝わることはなく、まりさは喉を痛めるほどの音量で叫び続ける。 藁の中に潜り、目を瞑り、大声で叫び、何もかもを遮断して……そうまでして、まりさは“ゆっくり出来ない声”から逃れたいのだ。 だが、そんなまりさの努力はいとも簡単に打ち砕かれた。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ゆ゛っ!?ゆ゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅぅぅぅぅ!!??」 藁の中、自ら発する雑音を掻い潜り、その囁き声はもはや囁きではなく、確かな殺意としてまりさの心を傷つける。 他の誰も聞いていないのに、自分には聞こえる。聞こえているのに、お兄さんもれいむも信じてくれない。 挙句の果てに無視されて、まりさの存在すらも嘘だといわんばかりの扱い。 「ゆがぁっ!!!ぎごえないっ!!!ぎごえないよっ!!まりざのぎのぜいなんでしょ!!?だがらぎごえないよっ!!!」 聞こえるという事実を否定しようとするまりさだが、それは聞こえるという事実を認めているということに他ならない。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「まりさなんか死ねばいいのに」 「まりさなんか死ねばいいのに」 「ひっぐ……しにだぐない……まりざはじにだぐないぃ…ゆっぐぢじだいよ゛おぉ……!!」 誰か信じて。まりさは本当に聞こえるんだよ。 「まりさなんか死ねばいいのに」って誰かが言ってるのが、本当に聞こえるんだよ。 だから信じて。まりさの話を聞いて、ゆっくり出来ない声を聞こえなくして! お願いだよ。まりさを信じてね! まりさを無視しないでね!! 「まりさなんか死ねばいいのに」 まりさを…ゆっくりさせてね…… 「ゆ゛ぁっ……ゆ゛ぅっ……」 喉が潰れて叫び疲れたまりさは、気づかないうちに眠り始めていた。 昼食のときも藁の中から出てこず、夕食時にお兄さんに引っ張り出されるまで、まりさは眠り続けた。 それが、まりさにとって最後の安らぎだった。 「まりさなんか死ねばいいのに」 夕食。 「ゆ~♪もゅもゅ♪しあわせ~♪」 賞味期限が切れてから一ヶ月経ったお菓子を、とても幸せそうに頬張るれいむ。 その隣で、まりさはお菓子の山を見つめたまま、ずっとびくびく震えている。 いつ“あの声”が聞こえてくるのか分からない。それが怖くてゆっくりできない。 ゆっくりできない“あの声”が、まりさの心をここまで蝕んでいるのだ。 ボソッ(まりさなんか死ねばいいのに) 「びっ!?い゛や゛っ!!……ぎぎだぐない゛……ゆっぐりざぜでぇっ!!」 食事すらままならない状態。 声が怖い。声が聞こえてくるのが怖い。怖くて怖くて、ゆっくりする余裕がない。 まりさの両頬には既に涙の通り道が出来ており、それに沿って新たな涙が流れていく。 「ゆっぐりぃ……ゆっぐりでぎないいいぃぃ……!!」 好物のお菓子に口をつけることなく、まりさはその場ですすり泣いている。 れいむは心配そうなまなざしでまりさを見つめるが、すぐに視線をお菓子の山に戻す。 今のところ、興味は目の前のお菓子のほうに向いているようだ。 まりさの顔を見て若干表情を歪めたりしたが、すぐにむーしゃむーしゃと幸福を噛み締めながら微笑む。 「ったく、本当にどうしちゃったんだ?」 台所から、呆れ顔のお兄さんがやってきた。 れいむごとお菓子の山を部屋の隅に押しのけて、まりさの正面に腰を下ろす。 さっき無視したのがよくなかったのか、と心配しているのだ。 「なぁ、しっかりしろよ。きっと気のせいだって。まりs――― 「うわあああぁあぁああぁぁぁ!!!やめでやめでやめでぇぇぇ!!!ゆっぐじでぎないいいいいいぃいいいぃ!!!」 頭を撫でようとしたお兄さんの手を払いのけて、まりさは一目散に寝床へと跳ねていく。 そしてがくがく震える身体を藁の中にねじ込んで、完全に姿を隠してしまった。 「おーい、まりさー!!」 「いぎゃあああぁあっぁぁぁあ!!!まりざはまりざじゃないの!!!まりざじにだぐないいいぃいいぃぃ!!!」 その言葉の内容は、完全に支離滅裂。 だが、お兄さんには分かった。まりさは“まりさ”と呼ばれることをも恐れているのだと。 寝床の藁に潜り込み、帽子を深く被って、音という音を遮断しようとするまりさ。 それでもどうやら例の声が聞こえるらしく、びくびくっと震えながら泣いているのが藁の外からでも見てとれた。 “まりさなんか死ねばいいのに” もはや、まりさが恐れているのはこの言葉ではない。 “まりさ” 名前を呼ばれるだけで泣き叫ぶほど、まりさは心を病んでいた。 この調子で行けば、いずれは“ま”という声に怯えるようになり、最終的には聞こえてくる音全てに反応するようになるだろう。 音というのは、普通に生活していくうえでは絶対に遮断できないものである。 どんなに叫んでも、どんなに耳を塞いでも、音を完全に拒絶することは出来ない。 だから。 「まりさ」 「うがああじゃおあおあおあおあおあ!!!やべでおあおああおあおあおあお!!!」 暴れる。藁の中で、暴れる。 「まりさなんか」 「おにーざんだじゅげでえええぇぇぇええぇ!!!まりざなにもぎぎだぎゅないいいいぃいいぃぃ!!!」 とうとう寝床から飛び出し、出鱈目に跳ね回り始める。 「まりさなんか死ねば」 「うあああおああいううあおいあいおあいおあおいあ!!!うべええじぇおげじじえええおええじえいお!!!」 壁にぶつかっても、まりさは跳ね回るのを止めない。 「まりさなんか死ねばいいのに」 「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!ゆっぐじじゅぜでえいえいえおえ!!! じねっでいわないでええいえいえおえおえおえおえおえおえお!!!!!!」」 まりさは一生ゆっくりできない。 まりさは一生怯え続ける。 一生聞こえ続けるであろう、ゆっくりできない音に。 そして、壁に50回以上体当たりして……ついにまりさは気を失った。 「あぁ、こりゃもうダメかもしれないな」 「ゆゆっ!?おにーさん!!まりさがおかしいよ!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 お菓子の山を半分ほど残して、れいむがお兄さんの足元へ這ってくる。 まりさの変貌を見て、さすがに食事どころではなくなったのだろう。 お兄さんは、動かなくなったまりさの頬をつまみあげて、ぶらぶら揺すってみる。 頬の痛みにも、不気味な浮遊感にも、まりさは反応しない。 まりさが反応するのは音だ。意味を成さない声をあげて、その度に顔を歪ませている。 「ゆ゛っ!………ゆっぐっ!!……っび!?……」 意識は取り戻していたが、完全に壊れていた。 たった一つの言葉に、まりさの心は完全に壊されていた。 すりすりもすっきりも、きっと出来ないだろう。音が聞こえる限りは。 お兄さんは、ペットを心配する飼い主のような顔をして、れいむに告げる。 「まりさは病気になっちゃったんだよ。病院に連れて行ってあげよう」 「ゆっ!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 悲しそうに叫ぶれいむを背に、お兄さんはまりさを摘んだまま台所へと向かう。 流し台の横で、まりさをまな板の上に横たわらせる。 帽子をつまんで脱がせるが、『ぼうしをかえしてね!!』などと叫んだりしない。 ただただ震え、意味のない声を上げるだけだ。 「ゆっ………ゆゆっ!!…ゆぐぶ!……」 お兄さんは、まりさの帽子の中から小型の音楽プレーヤーを取り出した。 一度記録した音を、何度も何度も再生することの出来る、とても便利な機械である。 ちょうどお兄さんがプレーヤーをまりさに見せつけた時、それは音を発した。 まりさが今まで恐れ続けた、例の声を、はっきりと発した。 「―――まりさなんか死ねばいいのに」 「っ……!!!」 まりさは叫ばなかった。叫べなかった。 事の真相を頭では理解しても、身体がその声を恐れていた。 その結果、まりさの頭と身体は連携できず、暴れることも叫ぶことも出来ない。 「なぁ、今までこんなこと言われて、どんな気持ちだった?」 「いっ……ど……ぅ゛…じ………で……?」 「って、壊れた状態じゃ答えられないか、アハハハ」 まりさにできたのは、目の前の真相を、目の前の現実を、目に焼き付けて、“耳に焼き付ける”ことだけ。 何が原因なのか、誰が犯人なのか、それがわかっても……全ては手遅れだったのだ。 「お前の反応、すごく楽しかったよ。今までありがとう……そしてさようなら」 グジャッ!グシャッ!グシャッ! お兄さんはつまらなそうな顔をして、まりさを麺棒でぐちゃぐちゃに潰した。無表情のまま、淡々と潰し続けた。 原形を留めないぐらい潰して餡子と皮の残骸と化したところで、無造作にゴミ箱へと流し込む。 普通なら潰す過程も楽しめるものだが、反応がなくてつまらないので、さっさと終わらせてしまった。 その動作に、何の躊躇いもない。 壊れたおもちゃに、興味は微塵も湧かないから。 「まりさは病院に連れて行ってあげたよ。早く治るといいね!」 「ゆゆん……まりさとまたゆっくりしたいよ!!!ゆっくりなおってね!!!」 口の周りに食べかすをつけたまま、れいむは寂しそうに呟いた。 れいむは知らない。まりさがもう二度と戻ってこないことを。 まりさがどんな風に苦しみ、どんなことを思いながら、潰れ死んだかを。 そして、自分がまりさの後を追うことになるということを……れいむは知らない。 ボソッ 「ゆゆっ!?おにーさん!!いまなにかいった?」 「いいや、何も言ってないよ。れいむの気のせいじゃないか?」 「ゆゆゆ……ゆん!!いわれてみればそうだったよ!!れいむがゆっくりまちがえちゃったよ!!」 あはははと笑いあう一人と一匹。 れいむは、お兄さんが小さな声で呟いた気がしたのだが、すぐに気のせいだと思い込んだ。 それかられいむとお兄さんは、気が済むまで遊んだ。 まりさが居ない寂しさを紛らわしてあげるために、お兄さんはひたすら遊んであげた。 れいむはとても楽しかった。まりさが居ないのは寂しいけど、お兄さんが遊んでくれるから。 しかし…… ボソッ まただ。 どうやらお兄さんは気づいていないらしい。 気のせいなのだろうか。それとも、お兄さんも気づいていて嘘をついているのだろうか? れいむには確かに聞こえている。何だかゆっくりできない、心に引っかかる声。 お兄さんの声にとても良く似ている、ゆっくり出来ない声が……微かに聞こえるのだ。 「……ゆっ!きっときのせいだね!!れいむはおにーさんとゆっくりするよ!!」 れいむは、頭の中から不安感を拭い去って、お兄さんの懐へと飛び込んだ。 ボソッ その声は、今度はれいむには届かなかった。 「……れいむなんか死ねばいいのに」 作:避妊ありすの人 作者当てシリーズ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11995/1227272050/ このSSに感想を付ける
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~あらすじ~ 人里で親をなくした子ゆっくり。 運良く人間に飼ってもらえることになったが そこは獰猛極まりない白き獣の巣だった! 果たしてれいむとまりさはゆっくりできるのか!? ゆっくりと小学校(後) 「ゆー・・・」 「おなかすいたね・・・」 とある小学校のウサギ小屋。 ソフトボール大のれいむとまりさが2匹、寄り添っていた。 「ゆ! うさぎさんがいけないんだよ!!」 「そうだよ! ゆっくりあやまってごはんもってきてね!!」 先程まで泣き叫んでいたことも忘れ立ち上がる(?)れいむとまりさ。 「Σ(・x・)」 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくりちんでね!!」 ぽすぽすと、ウサギに体当たりを仕掛けるが全く効いていない。 これが親ゆっくりだったら分からないが、子ゆっくりの体重ではダメージにならない。 ウサギは「(・x・)うわこいつらうぜえ」と思っているに違いない。 「ゆ! きいてるんだぜ!!」 ところで、ウサギは耳を触られるのを嫌がる。 「れいむたちのじゃまをしたばつだよ!!」 -がぶっ 自分の方が強いと勘違いし始めたれいむが、その耳に噛み付いた。 「!!(゜x゜メ)」 一瞬ロシアの死刑囚の顔面アップを幻視したが、気のせいだろう。 「はんせいしたらゆっくりごはんを(ガブ)ゆ゛・・・?」 「で、でいぶう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅぅ!!!」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!! でいぶのびはだがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 木の柱ですら噛み砕くその前歯は、れいむの薄い皮をあっさり貫通した。 れいむとまりさはショックと恐怖から白目を剥きガクガク震えている。 幸いなことにれいむの傷は浅く、ウサギもそれ以上の攻撃をしなかった。 2匹の子ゆっくりは、ウサギから出来るだけ離れるように小屋の角で寄り添う。 「ぺーろ、ぺーろ。いちゃいのいちゃいのとんでけー♪」 「ゆぅぅ・・・」 ウサギさんはゆっくりできない。 お姉さんに言って山に帰してもらうことも考えたが、 両親や姉妹が死んだときの経験から、外はもっとゆっくり出来ないと分かっていた。 れみりゃやふらんのような捕食種、 理性的な仮面を被ったレイパーありす、 何もしていないのに潰そうと追いかけてくる人間。 それに比べたらウサギさんは積極的に襲ってくる様子はないし、 お昼は食べられなかったけど、ここでは毎日おやさいさんを食べることができる。 2匹は話し合った結果、ウサギさんを刺激しないように もうしばらくこのおうちで暮らすことにしたのだった。 放課後。 「「むーしゃむーしゃ♪ しあわせぇぇぇぇ!!」」 飼育係がくれた野菜の他に、愛で派の生徒が持ってきた給食の残りなど 今まで殆ど食べる機会のなかった人間のご飯の味に、2匹はヘブン状態だった。 「おねえさん! とくべつにれいむとすりすりしてもいいよ!」 「よしよし♪」(なでなで) 「ゆゆーん♪」 頬の傷はすっかり治っていた。 「ここはゆっくりできるところだね!!」 「ゆっくりしようね!!」 「「すーりすーり♪」」 夜。生徒達が帰った後、子ゆっくりはこの上なくゆっくりしていた。 虐待派の人間が見たら小屋を蹴り飛ばしたくなる光景である。 「にんげんさんのごはんおいしかったね!!」 「おねーさんについてきたけっかがこれだよ!!」 「「ゆゆーん♪」」 ゆっくりたちの夜は、穏やかに更けて行く。 「しゃんはい、ビールもってきてー」 「しゃんはーい」 お風呂上りの愛子先生がテレビの電源を入れる。 ちょうどニュースをやっているようだ。 教師に情報収集は欠かせない。 体罰に対する世論、いじめや自殺にモンスターペアレント。 ゆっくりの餡子脳に耐えられずブリーターの道を挫折したが、教師も楽じゃない。 「しゃんはい!」 「ありがと、しゃんはい」 「しゃんはーい♪」 そういってしゃんはいから缶ビールを受け取る愛子。 この金髪に赤いリボンを結った胴付きゆっくりは、ゆっくりしゃんはいと呼ばれている。 言葉を操ること苦手だが、賢こさと器用さを持ち合わせ、主人と認めた者に従順。 その為、愛好家からの人気は非常に高く、現在では希少種中の希少種とされている。 愛子はブリーダー時代に所属していたある団体のコネで ゆっくりしゃんはいを入手し、以来ずっと一緒に暮らしている。 『ゆっくりんピースがゆっくり餡横領疑惑の証拠品として、 運送会社倉庫から荷物を無断で持ち出した事件について・・・』 「ブッ!?」 「しゃ、しゃんはい!?」 かつて愛子が所属していたゆっくり保護団体が、 運送会社からゆっくりの餡らしき荷を盗み食べたらしい。 「頭がおかしいとしか思えないわね・・・。抜けて良かった」 「しゃんはーい・・・」 『今回の調査の中で私達も食べる行為をしないといけなかったので、食べました。』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 その後も証拠品としての餡子やゆっくりのデスマスク等の映像が流れていた。 その頃、ウサギ小屋。 「ゆー。おなかすいたね」 夕方思う存分食べたが、食欲旺盛なゆっくりの中でも成長期の子ゆっくりの食欲は強い。 「おやつがたべたいね!」 放課後は大勢の生徒構ってもらえたが、夜の学校に生徒はいない。 さっさと寝てしまえば良さそうなものであるが、環境が変わった為か寝付けないでいた。 -モグモグモグ 「ゆ・・・?」 何やら音のする方を見ると、ウサギさんが何かを食べていた。 「ゆゆ! うさぎさんなにたべてるの!?」 「まりさたちにもわけでほしいんだぜ!!」 昼間の一件を覚えているようで、(これでも)控えめに分け前を要求する。 「(・x・)」もぐもぐもぐもぐ 無視。 「「ゆうぅぅ・・・」」 暴力に訴えればどうなるかは経験済みの為、それはしなかった。 「ゆ! よくみるんだぜれいむ!」 「ゆゆ?」 今ウサギが口に入れたものと同様のものが、いくつも転がっていた。 「ゆ! いっぱいあるよ!!」 「ひとりじめはよくないんだぜ!!」 そういって子ゆっくりは、その黒くて丸みをおびた塊を舌で掬い、口に運んだ。 それがどんな食べ物なのか知らなかったが、 ゆっくりは雑食性だし、何よりうさぎさんも食べているので深く考えなかった。 「「むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ♪」」 「「むーしゃ、むーしゃ、うーん、それなりー♪」」 おさやいより歯ごたえのあるそれをいくつか食べ、とりあえず満たされたようだ。 しかしゆっくりは見てしまう。 「ゆゆ、うさぎさん、うんうんならかくれてやってね!!」 「しゅうしちんがないの!? ばかなの!?」 ウサギの排泄シーンを。 それを見て何かに気づいたのか、れいむとまりさの顔が、徐々に青ざめて行く。 「ね、ねえまりさあれって・・・」 「・・・」 まりさは歯をむき出してガタガタ震えている。 そして、 「「う゛ん゛う゛ん゛たべぢゃったの゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!!!?」」 ゆっくり理解した。 ウサギは通常の食事では摂ることの出来ない養分を摂るため 盲腸フンと呼ばれる、特殊な糞を食べることが知られている。 もちろんゆっくりはそんなことは知らないし、 ウサギの糞が余り臭くないというのも判断を誤らせた原因である。 ちなみにゆっくりが食べたのはただの糞だった。 「おげえ゛え゛ぇえ゛ぇぇぇ!!」 「きちゃないよおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 慌てて吐き出そうとするが、もう遅い。 ゆっくりはまともな消化器官を持たず、 食物を嚥下した時点で餡子に変換する性質を持っている。 いまさら何をした所で、出てくるのはせいぜい命の源の餡子だけである。 「「きぼちわる゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ!!!」」 そして よ が あけた! 初日こそ様々なトラブルがあったが、 それからの生活は実にゆっくりとしたものだった。 外敵に襲われる心配がなく十分なエサがもらえるのは変わらない。 小屋でゆっくりするために必要なことを学び、 ウサギさんとの共同生活にも慣れて行った。 大家族の中で2匹だけ残った子ゆっくりは、元々優秀な個体だったのかもしれない。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ゆゆ、うさぎさん、きょうもゆっくりしてるね!」 「きょうのおやさいはなんだろうね!」 「(・x・)」 ウサギさんは相変わらず何も喋らないが、仲良くなれたと2匹は思っている。 2匹がウサギ小屋に来てから1ヶ月が経った。 れいむとまりさの体は、野生のゆっくりの数倍のスピードで大きくなった。 拾われた時にソフトボール大だった体は バスケットボール大にまでなり、子供がいてもおかしくない大きさだ。 大勢の生徒に甘やかされた結果がこれである。 「今日で飼育係も終わりか・・・」 「最初は嫌がってたのに、やっぱ寂しいんだ?」 「べ、別に寂しいわけじゃ・・・!」 「会いたくなったらいつでも行けばいいと思うよ~」 「う、うん・・・」 その夜。 「ねえ、まりさ」 「なあに? れいむ」 「れいむはまりさとゆっくりしたいよ。ずうっといっしょにゆっくりしたいよ」 「ゆゆ! まりさもおなじきもちだよ! れいむとゆっくりしたい!」 「「ゆっくりしようね!!」」 プロポーズが成功し、ここに一組のつがいが誕生した。 人間以外では、同じ親から生まれた子同士がつがいになることは珍しくない。 (ゆっくりにとっては)長い間他のゆっくりに会わない状況ではむしろ必然といえる。 「「すーりすーり♪」」 想いを確かめ合い、親愛の表現をするゆっくりとゆっくり。 そこに湿った音が混じり始めるのに、時間は掛からなかった。 ※都合により、番組を変更してお送りしています。 『凍らせたゆっくりゼリーを男児が喉に詰まらせた事故を受け、 製造元は同シリーズを製造中止にすることを明らかにしました』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 「「すっきりー!」」 「「すっきりー!!」」 「「すっきりー!!!」」」 「ゆっくりしていってね! ・・・ゆ?」 目がさめた時、まりさはまず体の不調を感じた。 「(ゆうべは・・・ゆゆ! れいむにプロポーズされて、それから・・・?)」 隣にいるれいむに目を向ける。 「ゆゆっ!?」 れいむの頭には5本の細長い蔓が生えていた。 それを見た途端、まりさの体を覆っていただるさは吹き飛んだ。 「れいむ! れいむ!」 「んゆ? ・・・ゆっくりしていっていってね!」 「ゆっくりしていってね! れいむ! あかちゃんができたよ!!」 「ゆ! まりさにもいっぱいはえてるよ!!」 「ゆゆ! そういえばなんだかあたまがおもいよ!」 違和感の正体に気づくまりさ。まりさにも5本の蔓が生えていた。 「れいむたちのあいのけっしょうだね!」 「ゆゆ! はずかしいよれいむぅ」 まだゆっくりの形にはなっていないが、それは紛れもなく妊娠の証だった。 れいむとまりさは"今が"まさに幸せの絶頂だった。 ゆっくりの餡子脳には言葉の使い方や赤ちゃんの作り方など、 子孫を残す上で重要な情報が生まれつき記録されている。 が、正しい性教育を受けていないこれが異常だということに気が付いていなかった。 数分後。 れいむとまりさはぐったりしていた。 「ゆぅ・・・」 「なんだかゆっくりできないよ・・・」 それきり2匹は黙り込んでしまった。 まりさは忘れていただるさが重みを増しながら圧し掛かかってくるのを感じていた。 先に原因に気づいたのはまりさだった。 まりさとれいむは、十分妊娠に耐えられる体を持っていた。 だからこそつがいになったし、すっきりもした。 問題はその数だ。 通常ゆっくりはつがいのうち1匹が1本だけ蔓を生やす。 そうしないと母体や赤ゆっくりのエサが確保できなくなる為だ。 しかし子ゆっくりの時から十分過ぎるエサをもらっていた2匹は 先のことを心配する必要がなく、思う存分すっきりした。 その結果がそれぞれ5本ずつ生やした蔓である。 このままでは蔓に命を吸われてゆっくりできなくなる。 すぐにれいむに蔓を噛み切ってもらえば助かるだろう。 しかしまりさの中には子供を犠牲にして自分だけ助かるという選択肢はなかった。 ではれいむはどうする? れいむだけでも助けるべきか? 子供を犠牲にして? まりさは葛藤していた。 長い沈黙を破ったのはれいむだった。 「まりさ・・・。れいむはうむよ。れいむがゆっくりできなくたって、うみたいよ」 「れいむ、そんなの・・・! でも、まりさもおんなじきもちだよ!」 ゆーん、ゆーんという泣き声が、朝のウサギ小屋に響く。 生徒達が登校するまでにはまだ時間がある。 ゆっくりたちの皮は徐々に黒ずみ、 それぞれの蔓にはゆっくりになるつぼみが付き始めていた。 「きっとすごくゆっくりしたあかちゃんだよ・・・」 「あかちゃんはおねえさんたちがそだててくれるよね・・・」 「てんごくでもゆっくりしようね・・・」 「(・x・)」 「ゆ、うさぎさん。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 何かを察知したウサギが、鼻をひくつかせながら2匹に近づいてきた。 ここに来た頃はあの鼻を見るだけでも目を回してたな、などとまりさは思い出に浸る。 「うさぎさん。れいむたちはもうすぐずっとゆっくりするよ・・・」 「まりさたちのあかちゃんとなかよくしいってね・・・」 2匹は確実に死に近づいて行った。 恐怖や苦痛がないと言えば嘘になる。 しかしたくさんのあかちゃんのため、ゆっくり死を受け入れていた。 -ガブ 「ゆ・・・?」 れいむの あたまの つるが うさぎに かまれた。 普段以上に思考の鈍っていたゆっくりは、目の前の事態に中々追いつけない。 「(・x・)」もむもむもむもむ... 「「ゆ゛!?」」 「うさぎさんなにするのぉ!?」 「やめて、やめてね! ゆっくりやめていってね!」 正気に返ったゆっくりが、必死に懇願する。 健康であれば力づくで勝てたかもしれないが 今は全身が黒く染まり、ひび割れ、はいずることもままならない。 「(・x・)」しゃくしゃくしゃくしゃく... 「やめてね! れいぶたちのあかちゃんたべないでね!? やめてええぇぇぇ!」 「それはおやさいさんじゃないよおぉぉぉ!? だいじなあかちゃんなのぉぉぉ!」 ウサギの勢いは止まらない。次々と蔓をかじられて行く。 ゆっくりの命の結晶ともいえる蔓は、とても栄養価の高い"食べ物"だった。 「(・x・)(はむっ! うっめ! これめっちゃうっめ!)」むしゃむしゃむしゃ... 「どぼじでごんな゛ごとするの゛お゛ぉぉぉぉ・・・・・・」 「ゆぎぃぃ! おともだちだとおもってだのにいぃぃぃぃ・・・・・・」 ウサギからしてみれば迷惑な同居人でしかなく、そもそも対等に見たことすらない。 「(・x・)」もきゅもきゅもきゅもきゅ... 「じにだぐな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛・・・・・・・・・」 「もっど・・・ゆっぐ・・・し・・・・・・・・・が・・・ま・・・」 静かになった小屋の中にはウサギが1匹と 水の入ったトレーに藁、 それと黒くてまるみをおびたかたまりだけが残っていた。 おしまい このSSに感想を付ける
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~あらすじ~ 人里で親をなくした子ゆっくり。 運良く人間に飼ってもらえることになったが そこは獰猛極まりない白き獣の巣だった! 果たしてれいむとまりさはゆっくりできるのか!? ゆっくりと小学校(後) 「ゆー・・・」 「おなかすいたね・・・」 とある小学校のウサギ小屋。 ソフトボール大のれいむとまりさが2匹、寄り添っていた。 「ゆ! うさぎさんがいけないんだよ!!」 「そうだよ! ゆっくりあやまってごはんもってきてね!!」 先程まで泣き叫んでいたことも忘れ立ち上がる(?)れいむとまりさ。 「Σ(・x・)」 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくりちんでね!!」 ぽすぽすと、ウサギに体当たりを仕掛けるが全く効いていない。 これが親ゆっくりだったら分からないが、子ゆっくりの体重ではダメージにならない。 ウサギは「(・x・)うわこいつらうぜえ」と思っているに違いない。 「ゆ! きいてるんだぜ!!」 ところで、ウサギは耳を触られるのを嫌がる。 「れいむたちのじゃまをしたばつだよ!!」 -がぶっ 自分の方が強いと勘違いし始めたれいむが、その耳に噛み付いた。 「!!(゜x゜メ)」 一瞬ロシアの死刑囚の顔面アップを幻視したが、気のせいだろう。 「はんせいしたらゆっくりごはんを(ガブ)ゆ゛・・・?」 「で、でいぶう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅぅ!!!」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!! でいぶのびはだがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 木の柱ですら噛み砕くその前歯は、れいむの薄い皮をあっさり貫通した。 れいむとまりさはショックと恐怖から白目を剥きガクガク震えている。 幸いなことにれいむの傷は浅く、ウサギもそれ以上の攻撃をしなかった。 2匹の子ゆっくりは、ウサギから出来るだけ離れるように小屋の角で寄り添う。 「ぺーろ、ぺーろ。いちゃいのいちゃいのとんでけー♪」 「ゆぅぅ・・・」 ウサギさんはゆっくりできない。 お姉さんに言って山に帰してもらうことも考えたが、 両親や姉妹が死んだときの経験から、外はもっとゆっくり出来ないと分かっていた。 れみりゃやふらんのような捕食種、 理性的な仮面を被ったレイパーありす、 何もしていないのに潰そうと追いかけてくる人間。 それに比べたらウサギさんは積極的に襲ってくる様子はないし、 お昼は食べられなかったけど、ここでは毎日おやさいさんを食べることができる。 2匹は話し合った結果、ウサギさんを刺激しないように もうしばらくこのおうちで暮らすことにしたのだった。 放課後。 「「むーしゃむーしゃ♪ しあわせぇぇぇぇ!!」」 飼育係がくれた野菜の他に、愛で派の生徒が持ってきた給食の残りなど 今まで殆ど食べる機会のなかった人間のご飯の味に、2匹はヘブン状態だった。 「おねえさん! とくべつにれいむとすりすりしてもいいよ!」 「よしよし♪」(なでなで) 「ゆゆーん♪」 頬の傷はすっかり治っていた。 「ここはゆっくりできるところだね!!」 「ゆっくりしようね!!」 「「すーりすーり♪」」 夜。生徒達が帰った後、子ゆっくりはこの上なくゆっくりしていた。 虐待派の人間が見たら小屋を蹴り飛ばしたくなる光景である。 「にんげんさんのごはんおいしかったね!!」 「おねーさんについてきたけっかがこれだよ!!」 「「ゆゆーん♪」」 ゆっくりたちの夜は、穏やかに更けて行く。 「しゃんはい、ビールもってきてー」 「しゃんはーい」 お風呂上りの愛子先生がテレビの電源を入れる。 ちょうどニュースをやっているようだ。 教師に情報収集は欠かせない。 体罰に対する世論、いじめや自殺にモンスターペアレント。 ゆっくりの餡子脳に耐えられずブリーターの道を挫折したが、教師も楽じゃない。 「しゃんはい!」 「ありがと、しゃんはい」 「しゃんはーい♪」 そういってしゃんはいから缶ビールを受け取る愛子。 この金髪に赤いリボンを結った胴付きゆっくりは、ゆっくりしゃんはいと呼ばれている。 言葉を操ること苦手だが、賢こさと器用さを持ち合わせ、主人と認めた者に従順。 その為、愛好家からの人気は非常に高く、現在では希少種中の希少種とされている。 愛子はブリーダー時代に所属していたある団体のコネで ゆっくりしゃんはいを入手し、以来ずっと一緒に暮らしている。 『ゆっくりんピースがゆっくり餡横領疑惑の証拠品として、 運送会社倉庫から荷物を無断で持ち出した事件について・・・』 「ブッ!?」 「しゃ、しゃんはい!?」 かつて愛子が所属していたゆっくり保護団体が、 運送会社からゆっくりの餡らしき荷を盗み食べたらしい。 「頭がおかしいとしか思えないわね・・・。抜けて良かった」 「しゃんはーい・・・」 『今回の調査の中で私達も食べる行為をしないといけなかったので、食べました。』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 その後も証拠品としての餡子やゆっくりのデスマスク等の映像が流れていた。 その頃、ウサギ小屋。 「ゆー。おなかすいたね」 夕方思う存分食べたが、食欲旺盛なゆっくりの中でも成長期の子ゆっくりの食欲は強い。 「おやつがたべたいね!」 放課後は大勢の生徒構ってもらえたが、夜の学校に生徒はいない。 さっさと寝てしまえば良さそうなものであるが、環境が変わった為か寝付けないでいた。 -モグモグモグ 「ゆ・・・?」 何やら音のする方を見ると、ウサギさんが何かを食べていた。 「ゆゆ! うさぎさんなにたべてるの!?」 「まりさたちにもわけでほしいんだぜ!!」 昼間の一件を覚えているようで、(これでも)控えめに分け前を要求する。 「(・x・)」もぐもぐもぐもぐ 無視。 「「ゆうぅぅ・・・」」 暴力に訴えればどうなるかは経験済みの為、それはしなかった。 「ゆ! よくみるんだぜれいむ!」 「ゆゆ?」 今ウサギが口に入れたものと同様のものが、いくつも転がっていた。 「ゆ! いっぱいあるよ!!」 「ひとりじめはよくないんだぜ!!」 そういって子ゆっくりは、その黒くて丸みをおびた塊を舌で掬い、口に運んだ。 それがどんな食べ物なのか知らなかったが、 ゆっくりは雑食性だし、何よりうさぎさんも食べているので深く考えなかった。 「「むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ♪」」 「「むーしゃ、むーしゃ、うーん、それなりー♪」」 おさやいより歯ごたえのあるそれをいくつか食べ、とりあえず満たされたようだ。 しかしゆっくりは見てしまう。 「ゆゆ、うさぎさん、うんうんならかくれてやってね!!」 「しゅうしちんがないの!? ばかなの!?」 ウサギの排泄シーンを。 それを見て何かに気づいたのか、れいむとまりさの顔が、徐々に青ざめて行く。 「ね、ねえまりさあれって・・・」 「・・・」 まりさは歯をむき出してガタガタ震えている。 そして、 「「う゛ん゛う゛ん゛たべぢゃったの゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!!!?」」 ゆっくり理解した。 ウサギは通常の食事では摂ることの出来ない養分を摂るため 盲腸フンと呼ばれる、特殊な糞を食べることが知られている。 もちろんゆっくりはそんなことは知らないし、 ウサギの糞が余り臭くないというのも判断を誤らせた原因である。 ちなみにゆっくりが食べたのはただの糞だった。 「おげえ゛え゛ぇえ゛ぇぇぇ!!」 「きちゃないよおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 慌てて吐き出そうとするが、もう遅い。 ゆっくりはまともな消化器官を持たず、 食物を嚥下した時点で餡子に変換する性質を持っている。 いまさら何をした所で、出てくるのはせいぜい命の源の餡子だけである。 「「きぼちわる゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ!!!」」 そして よ が あけた! 初日こそ様々なトラブルがあったが、 それからの生活は実にゆっくりとしたものだった。 外敵に襲われる心配がなく十分なエサがもらえるのは変わらない。 小屋でゆっくりするために必要なことを学び、 ウサギさんとの共同生活にも慣れて行った。 大家族の中で2匹だけ残った子ゆっくりは、元々優秀な個体だったのかもしれない。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ゆゆ、うさぎさん、きょうもゆっくりしてるね!」 「きょうのおやさいはなんだろうね!」 「(・x・)」 ウサギさんは相変わらず何も喋らないが、仲良くなれたと2匹は思っている。 2匹がウサギ小屋に来てから1ヶ月が経った。 れいむとまりさの体は、野生のゆっくりの数倍のスピードで大きくなった。 拾われた時にソフトボール大だった体は バスケットボール大にまでなり、子供がいてもおかしくない大きさだ。 大勢の生徒に甘やかされた結果がこれである。 「今日で飼育係も終わりか・・・」 「最初は嫌がってたのに、やっぱ寂しいんだ?」 「べ、別に寂しいわけじゃ・・・!」 「会いたくなったらいつでも行けばいいと思うよ~」 「う、うん・・・」 その夜。 「ねえ、まりさ」 「なあに? れいむ」 「れいむはまりさとゆっくりしたいよ。ずうっといっしょにゆっくりしたいよ」 「ゆゆ! まりさもおなじきもちだよ! れいむとゆっくりしたい!」 「「ゆっくりしようね!!」」 プロポーズが成功し、ここに一組のつがいが誕生した。 人間以外では、同じ親から生まれた子同士がつがいになることは珍しくない。 (ゆっくりにとっては)長い間他のゆっくりに会わない状況ではむしろ必然といえる。 「「すーりすーり♪」」 想いを確かめ合い、親愛の表現をするゆっくりとゆっくり。 そこに湿った音が混じり始めるのに、時間は掛からなかった。 ※都合により、番組を変更してお送りしています。 『凍らせたゆっくりゼリーを男児が喉に詰まらせた事故を受け、 製造元は同シリーズを製造中止にすることを明らかにしました』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 「「すっきりー!」」 「「すっきりー!!」」 「「すっきりー!!!」」」 「ゆっくりしていってね! ・・・ゆ?」 目がさめた時、まりさはまず体の不調を感じた。 「(ゆうべは・・・ゆゆ! れいむにプロポーズされて、それから・・・?)」 隣にいるれいむに目を向ける。 「ゆゆっ!?」 れいむの頭には5本の細長い蔓が生えていた。 それを見た途端、まりさの体を覆っていただるさは吹き飛んだ。 「れいむ! れいむ!」 「んゆ? ・・・ゆっくりしていっていってね!」 「ゆっくりしていってね! れいむ! あかちゃんができたよ!!」 「ゆ! まりさにもいっぱいはえてるよ!!」 「ゆゆ! そういえばなんだかあたまがおもいよ!」 違和感の正体に気づくまりさ。まりさにも5本の蔓が生えていた。 「れいむたちのあいのけっしょうだね!」 「ゆゆ! はずかしいよれいむぅ」 まだゆっくりの形にはなっていないが、それは紛れもなく妊娠の証だった。 れいむとまりさは"今が"まさに幸せの絶頂だった。 ゆっくりの餡子脳には言葉の使い方や赤ちゃんの作り方など、 子孫を残す上で重要な情報が生まれつき記録されている。 が、正しい性教育を受けていないこれが異常だということに気が付いていなかった。 数分後。 れいむとまりさはぐったりしていた。 「ゆぅ・・・」 「なんだかゆっくりできないよ・・・」 それきり2匹は黙り込んでしまった。 まりさは忘れていただるさが重みを増しながら圧し掛かかってくるのを感じていた。 先に原因に気づいたのはまりさだった。 まりさとれいむは、十分妊娠に耐えられる体を持っていた。 だからこそつがいになったし、すっきりもした。 問題はその数だ。 通常ゆっくりはつがいのうち1匹が1本だけ蔓を生やす。 そうしないと母体や赤ゆっくりのエサが確保できなくなる為だ。 しかし子ゆっくりの時から十分過ぎるエサをもらっていた2匹は 先のことを心配する必要がなく、思う存分すっきりした。 その結果がそれぞれ5本ずつ生やした蔓である。 このままでは蔓に命を吸われてゆっくりできなくなる。 すぐにれいむに蔓を噛み切ってもらえば助かるだろう。 しかしまりさの中には子供を犠牲にして自分だけ助かるという選択肢はなかった。 ではれいむはどうする? れいむだけでも助けるべきか? 子供を犠牲にして? まりさは葛藤していた。 長い沈黙を破ったのはれいむだった。 「まりさ・・・。れいむはうむよ。れいむがゆっくりできなくたって、うみたいよ」 「れいむ、そんなの・・・! でも、まりさもおんなじきもちだよ!」 ゆーん、ゆーんという泣き声が、朝のウサギ小屋に響く。 生徒達が登校するまでにはまだ時間がある。 ゆっくりたちの皮は徐々に黒ずみ、 それぞれの蔓にはゆっくりになるつぼみが付き始めていた。 「きっとすごくゆっくりしたあかちゃんだよ・・・」 「あかちゃんはおねえさんたちがそだててくれるよね・・・」 「てんごくでもゆっくりしようね・・・」 「(・x・)」 「ゆ、うさぎさん。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 何かを察知したウサギが、鼻をひくつかせながら2匹に近づいてきた。 ここに来た頃はあの鼻を見るだけでも目を回してたな、などとまりさは思い出に浸る。 「うさぎさん。れいむたちはもうすぐずっとゆっくりするよ・・・」 「まりさたちのあかちゃんとなかよくしいってね・・・」 2匹は確実に死に近づいて行った。 恐怖や苦痛がないと言えば嘘になる。 しかしたくさんのあかちゃんのため、ゆっくり死を受け入れていた。 -ガブ 「ゆ・・・?」 れいむの あたまの つるが うさぎに かまれた。 普段以上に思考の鈍っていたゆっくりは、目の前の事態に中々追いつけない。 「(・x・)」もむもむもむもむ... 「「ゆ゛!?」」 「うさぎさんなにするのぉ!?」 「やめて、やめてね! ゆっくりやめていってね!」 正気に返ったゆっくりが、必死に懇願する。 健康であれば力づくで勝てたかもしれないが 今は全身が黒く染まり、ひび割れ、はいずることもままならない。 「(・x・)」しゃくしゃくしゃくしゃく... 「やめてね! れいぶたちのあかちゃんたべないでね!? やめてええぇぇぇ!」 「それはおやさいさんじゃないよおぉぉぉ!? だいじなあかちゃんなのぉぉぉ!」 ウサギの勢いは止まらない。次々と蔓をかじられて行く。 ゆっくりの命の結晶ともいえる蔓は、とても栄養価の高い"食べ物"だった。 「(・x・)(はむっ! うっめ! これめっちゃうっめ!)」むしゃむしゃむしゃ... 「どぼじでごんな゛ごとするの゛お゛ぉぉぉぉ・・・・・・」 「ゆぎぃぃ! おともだちだとおもってだのにいぃぃぃぃ・・・・・・」 ウサギからしてみれば迷惑な同居人でしかなく、そもそも対等に見たことすらない。 「(・x・)」もきゅもきゅもきゅもきゅ... 「じにだぐな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛・・・・・・・・・」 「もっど・・・ゆっぐ・・・し・・・・・・・・・が・・・ま・・・」 静かになった小屋の中にはウサギが1匹と 水の入ったトレーに藁、 それと黒くてまるみをおびたかたまりだけが残っていた。 おしまい このSSに感想を付ける
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209 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/06/01(日) 10 39 03 ID 857i.ddo 投下します。 木曽アナル調教(和姦)で結構ハードめ。木曽はアナルファックのみ経験有。 210 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/06/01(日) 10 40 45 ID 857i.ddo 気の強い女は艦尾が弱い- 木曽「我々は最高の勝利を提督にもたらすためにここにいる、無様な戦いをするな!全艦陣形整え、前進!」 雲一つなく見渡す限り青一色の大海原――その只中を往く艦隊の僚艦へ、旗艦を務める木曽は凛とした声で命を下す。 彼方の海面に白い航跡を描く艦隊――それは深海棲艦と呼ばれる敵軍の所属軍艦達。 雷撃の航跡が浪間に刻まれ、追って砲音が立て続けに澄んだ大気に響き渡る――それが戦いの開始を告げる鐘の音となった。 提督「目立った損害はなし。任務を達成し戦果も上々、ですか。素晴らしい働きに感謝します、木曽さん。」 木曽「なに、礼には及ばん。俺はそのためにいるのだからな。それにお前の立てた作戦通りの結果なのだ、お前こそもっと誇るがいい。」 提督「はは、いえいえそんな。木曽さん、ありがとうございます。」 鎮守府の一角にある士官用の執務室、そこで木曽は先の戦果報告を自艦隊の提督に伝達している最中であった。 腰の低い提督の労いを泰然と受け流してどこか誇らしげに返礼する木曽。あまり意志の強そうに見えない男とは立場の上下が逆にすら見える。 実際二人の会話を平素傍で眺めている者達には、秘書艦の尻に敷かれた座布団提督――などと揶揄されるほどであった。 木曽「――報告はそんなところだ。質問は何かあるか?無ければ俺は……」 提督「いえ、どうもご苦労様です。ところで失礼――」 木曽「?」 提督「私的な用事なのですが……これからお時間はありますか、木曽?」 木曽「――!!」 唐突に呼び方の変わった問いかけに、直前まで堂々としていた木曽の心拍が突然に跳ね上がる。 先までと変わらず温和な表情を崩してはいないが、漂わす雰囲気は一変させている男。 男がこう問う時の用事がただ一つであると、木曽は熟知させられおり……それが、二人の強弱が逆転する合図であった。 木曽「その、お前とのスキンシップは大切だとは思ってるが……ほ、程ほどで頼むぞ?」 執務室の扉に鍵がかけられる音を耳にしながら、木曽は怖気にも似た疼きが背筋に走るのを奇妙な興奮と共に感じていた。 一時間ほどの時刻がすぎた執務室―― 室内には湿った淫らな空気が漂い、その空気を断続的に震わす蕩けた嬌声が部屋の雰囲気を殊更に背徳的なものにしていた。 木曽「うっ♥あはぁッ……んぐぅっ♥ほ、おぉっ……んおっ♥…………はぁ、はぁ……なぁ。」 提督「ぷはっ……どうしました?」 木曽「一体、いつまで舐めてるつもり……なんだ。その、いつもお前は……執拗すぎる、ぞ。」 提督「いや、それは失敬。木曽のお尻がどんどん蕩けていくのが愉しいもので、つい……あむっ、れろっ」 木曽「んおぉぉっ……♥だ、だからっ……!謝るくらいなら続けるなと……ほぉぉっ♥♥」 男が唐突に動きを再開すると思わずのけぞり、男に組み敷かれた少女のように喘いでしまう木曽……実際そうなのだが。 あれから一時間――書架に手を掛けた姿勢のまま尻を剥き出しにさせられた木曽は、延々と肛門を男の口に嬲られていたのだった。 吸われ、舐められ、舌をねじ入れられ、時に指も用いて徹底的に解された肛門は既に蕩け切っていた。 木曽「いつもいつもどうして、お前は……ふぐぅぅっ♥くっ、俺のその……尻ばかりをっ!んぎっ……へおぉぉッ♥♥」 男は木曽の発情を促すために口付けの最中に胸や秘所を撫でるようなことはするが、最終的に責めるのは必ず肛門であった。 これまで幾度となく性器のように嬲られて今もまた執拗に弄ばれた孔。そこはふやけて拡がり、真っ赤に充血した腸粘膜を晒していた。 眼帯のよく似合う凛々しい造作を今は快楽に発情させ、裏返った声で悲鳴を上げさせられ続ける木曽。 提督「ぷはっ、ふぅ……木曽のお尻は特別に敏感で反応がいいもので、責め手にも熱が入ります。……木曽は嫌ですか?」 木曽「そ、そんなことはない。そんなことはないが……その。なんで後ろばかりなんだ?だって、前はまだ一度も……」 自分が羞恥的な発言をしたことに気づいてか、頬を殊更に紅潮させて段々と声を落としてしまう木曽。 男とこういう関係になって以来それなりの月日が経ち、肛門では性交すらした経験すらあるのに木曽は未だ処女のままであった。 提督「恥ずかしながら小官は、婦人の菊にしか性欲を催さない性癖ですので。けれど、後ろの好きな木曽とは丁度相性がいいと思いませんか?」 木曽「だっ、誰がアナル好きだ!?俺にはそんな性癖は……」 提督「そうですか、それなら……コレは不要でしょうか?もう収まりがつかないのですが、仕方ないので自慰で処理を……」 木曽「――ッ!!」 軍服の下を下げた提督の股間――そこには気弱そうな顔つきからは想像しがたい、凶悪な威容を誇る赤黒く充血しきった肉柱がそそり立っていた。 熱く硬くエラの張った、女を狂わすための肉杭。それで蕩けきった腸肉を穿り回される感覚を想像した途端、木曽は思わず生唾を飲んでいた。 木曽「う、あ……その、あのな……」 提督「いえね、無理強いは性分ではないので……挿入を乞われでもしない限りは自分で処理しようかと。で……どうしました?」 木曽「ッ……!」 笑みに細められた男の目が、こちらの内心を見透かすように観察していることに気づいて言葉を詰まらせる木曽。 興奮と恥辱に震える手で自らの尻肉を割り開き、ヒクつく唾液まみれの肛門を晒しながら口を開いた。 木曽「お前のソレ……こ、ココに入れて欲しい。」 提督「ソレとかココとかわかりませんね……それに、入れるだけでよろしいので?」 木曽「~~~~ッ!!くっ……チンポだ!お前のチンポっ、俺の……俺のアナルにブチ込んでっ!ズボズボ穿ってくれぇっ!」 提督「色気が足りませんね……ま、いいでしょう。はい、どう……ぞっ!」 木曽「あ゛―――!?」 腸粘膜まで拡げられた穴といえど、あまりに径の違う異物を猛然と突き入れられる衝撃に木曽が目を見開き仰け反る。 ミチミチと伸び切る括約筋。肛門に限度一杯の負荷を強いながら、肉棒は根本まで木曽の体内に埋まっていた。 木曽「お゛っ、ほお゛ぉ……む、無茶しすぎ……アナっ、さけるぅ……んぎっ!」 急激かつ強烈な拡張感に、喘ぎ声の漏れる口から舌を宙に突出して身震いする木曽。必死で書架にすがりつき、体を支える――と。 木曽「んお゛ォォォォッ♥抜ける゛ぅっ、アナルひっこ抜かれる゛ぅぅぅッッ♥♥♥」 挿入と同じ勢いで引かれる肉杭につられ、そこに絡んだ腸壁までが体外に向かって移動する。 充血した粘膜を体外まで捲れ上がらせながら首まで抜ける陰茎。木曽の腸液でヌラヌラと滑り、特有の濁った臭気を放っていた。 提督「初めて挿入したときは拡張に耐えきれず気絶してましたっけ。それを思うと随分慣れたものです、ねっ!ふんっ!」 木曽「待っ……おごぉぉッ!?ふぎぃぃぃッ♥♥おぐう゛ぅッ!!へお゛ォォォン゛ッ♥♥おぶォッ……」 精力剤を盛られた種馬のような勢いで腰を振る提督。蕩け切った腸肉は乱暴な抽挿にも快楽を覚えて肉幹に絡みつく。 カリ太の肉傘で結腸に届く奥深くから肛門ギリギリまでを抉り抜く強烈なストロークに、背骨を引き抜かれるような声で啼き咽ぶ木曽。 提督「まったく、腸襞をこんなにネットリ絡みつかせて……木曽のアナルは食いしん坊ですね、ふぬっ!」 木曽「へお゛ォォォォッ♥♥それッ、やめろ゛ォォッ♥コワれる゛ッ♥アナルごわれる゛ぅぅぅッッ♥♥♥」 引き抜いた肉幹に絡んで体外に粘膜を捲れ上がらせた木曽の肛肉、それを輪を作った男の指が握り締め上げる。 肛門の締め付け以上に陰茎へ密着させられた肛粘膜が抽挿のたびに強烈に摩擦される、その鮮烈な刺激に正気を失って悶絶する木曽。 提督「木曽のケツ穴ッ、物凄いうねり方してますねっ……そんなに力入れるとっ、ケツ穴筋肉痛になりますよっ!ふんっ、ふんっ!」 木曽「お゛ォォン゛ッ♥へお゛ォォッ♥♥お゛ッ、おまえのもお゛ッ♥ビクンビクンてえ゛ッ♥はやくっ、だしへっ♥もお゛っ、キチガイにゃる゛ッ♥♥」 交尾中の獣のような理性ない喘ぎを上げて全身をガクガクと震わせ続ける木曽。腸管が快感の強さのあまりねじ切れんばかりに顫動している。 平素は剛毅な木曽を肛門調教でこれほど狂わせていることに興奮し、射精欲が耐え難いほど高まった肉棒が破裂寸前に脈打つ。 提督「出しますよっ、木曽のドマゾなケツ穴にっ!イキながら全部っ、この淫乱ハメ穴で飲み干しなさいっ……うおぉぉっ!!」 木曽「ひゃいっ♥はひぃぃッ♥じぇんぶっ、のみま……お゛ッ♥お゛っへェェッ♥♥ドクドクきたあ゛ぁぁぁぁぁぁッッ♥♥♥」 我慢が限界に達すると同時、木曽の尻を思い切り平手で打つ。丸い臀部に真っ赤な痕が刻まれると同時、木曽の腸が極限に収縮する。 理性が飛び、気づいた時には木曽の直腸に精液をブチ撒けていた。爆発的な勢いの粘液で腸を膨張させられながら絶頂する木曽。 その痙攣する腸管を射精最中の陰茎で摩擦し続けてやると、限界を突き抜けたイキ声を発して木曽は悶え狂った。 提督「うっ……おぉぉぉっ!ぐっ……はぁはぁっ、ふぅ……。やはり、性交は肛門に限りますね。」 木曽「お゛ッ……へお゛ぉ……ッ……あ゛~~~~~♥」 脊椎が折れんばかりに背を仰け反らせていた木曽が突如、糸の切れた操り人形のように崩れる。表情筋すら弛緩しきるほど全身が脱力していた。 だらしない喘ぎと共にアンモニア臭を伴って響く水音。嬉ションしながら失神した木曽は、この上なく幸福に満ちたような寝顔であった。 提督「ふふふ、幸せそうなアヘ寝顔をして……よっと。」 木曽「ッ……お゛ほぉ~~~~~~~♥♥」 射精を終えた陰茎が引き抜かれ、木曽の肛門が無防備に腸壁を晒す――と、直後。痙攣した孔が精液を噴いた。 凛々しいという表現とは正反対の間抜けな排泄音を立て、尻穴から精液を逆流させる木曽。失神したまま、足元に白濁した池を生み出す。 提督「ふふっ、木曽は本当に可愛らしいですね……よいしょ。」 木曽「う゛、ぁ……んあぁ……♥」 肛門から射精液を漏らし続ける木曽を抱き抱えて椅子に座り、膝の上に木曽を腰かけさせる男。 蕩けた貌で前後不覚に陥っている木曽に口付けし、呆けたように開いた口腔をここぞとばかりに舐る。 木曽「んぅ……む、はふ……ぷぁ♥ふ、む……ん……ッ―――!」 自身の肛門を舐り尽くした舌でされるがまま口腔を貪られる木曽……その背がビクリと跳ねる。 ヒクヒクと肛門絶頂の余韻に口を戦慄かせる木曽の孔、そこに提督が掌を無造作に突き込んだのだ。 木曽「お゛っ……♥んお゛ぉっ……♥へお゛っ……♥」 男の四指が木曽のアナルに捻じ込まれて腸管に溜まった精汁を掻き出すたび、意識を飛ばしたままの木曽が身を跳ねさせ喘ぐ。 精液の大半を穿り出し終えた頃には木曽の肛門はすっかり閉じなくなっており、腫れ上がった腸管を外気に覗かせていた。 提督「さて、もう一仕事お願いします……よっ、と!」 木曽「~~~~~~ッ!?おッ……んお゛あぁぁぁぁぁッ!?なにっ、なにひぃっ……?!」 親指まで揃えた提督の手がメリメリと木曽の肛門に沈み……極限を超えた瞬間、一気に手首までが埋まると同時に木曽が覚醒し叫んだ。 よもやアナルフィストで起床させられようとは予想もしていなかったらしく、肛門の拡張感に隻眼を白黒させている。 提督「先ので手仕舞いというのはあまりに侘しかったもので……ドッグの艦が修復を終えたらまた出撃でしょう?もう少し逢瀬を、とね。」 木曽「だ、だからってへぇ♥けちゅ穴と腕で触れ合う奴が……お゛ッ♥あ、あるかぁッ……んぎあ゛ぁぁぁぁぁッッ♥♥」 舐り続けられ交接に射精までされ、蕩け切った木曽の調教済み腸粘膜。その神経は男根より太く硬い異物の出し入れにも悦びを覚えて脳を快感で侵す。 ぐぽぐぽと卑猥な空気音を立てて男の拳が動き、関節の硬い凹凸が腸壁を擦るたびに悶え狂いかけているような喘ぎを上げる木曽。 提督「木曽のケツ穴、ほぐれてふやけ切ってますね……腸壁もこんなにズルッズル。これならもっと奥で無茶しても十分イけるでしょう。」 木曽「待てぇっ!?今より奥なんてッ……ぎっ、ひぎゅう゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ♥♥♥」 木曽の腸内で突き当りを小突いていた男の拳が向きを変え、大きく曲がった方向に続く腸管のより深くへ侵入を始めたのだ。 結腸という通常の肛虐では責めを免れ得る体内の深部まで異物に拡張蹂躙される感覚に、木曽は隻眼を見開いて全身を激しく痙攣させ身悶える。 提督「肛門切れちゃいますよ、木曽?力を抜いておきなさい……せー、のっ!」 木曽「ぃぎっ……ん゛ごお゛ォォォォォォォォッッ♥♥」 ぐぶう゛、と派手に異音を立てながら木曽の腹腔内を拉げさせた男の拳が腸の屈曲部を突き抜けて深々部にまで捻じ込まれた。 男の腕を肘まで受け入れた木曽の腸管は壊れたように腸壁をのたうたせ、凄まじい異物感に痙攣を起こしている。 木曽「お゛ッ……お゛おォッ、オ゛ッッ……お゛あ゛っ、あ゛ひぁ~~~♥♥」 切れ長の目の瞳を目一杯上反らせ、端をだらしない笑みの形に歪めた唇から舌を垂らして喘ぐ木曽。 ビクンビクンと身を断続的に引き攣らせつつ尿道から盛大に黄金色の噴水を放ち、床を小便臭く塗装していく。 提督「おやおや……貴女のこんな姿を駆逐艦達が見たら、一体どんな目を向けてくるんでしょうね。」 木曽「お゛ッ、お゛ま゛……おまへが、俺のけちゅっ……♥めちゃめちゃに゛っ……ひたんだっろ、がぁ……♥あ゛ッ、ぎぃっ……♥♥」 随喜の涙を零しながら肛門拡張の刺激の強さに震える唇で抗議の声を上げる木曽。 腸襞をネットリと腕に絡みつかせて括約筋をヒクつかせた状態で文句を言っても説得力が無いというものだが。 提督「まあ仰る通り……木曽のことを誰もが蔑む変態アナルマゾイキ中毒者堕ちさせ、結腸まで腕をねじ込んでアヘ顔絶頂させているのが私ですね。どう思います?」 木曽「こ、のぉ……少しは悪びれ、ろっ……!?お゛へえ゛ぇぇぇぇぇぇぇッ♥♥♥」 S字を描く腸管を抜けて下降結腸の天井に突き当たる男の拳。直後、男が腕を捻りながらその全長を引き抜きにかかる。 拘束するように締め付けてくる腸襞を絡ませたまま体外へ腕を逆流させる男。排泄行為を何十倍も増幅したような肛門快楽に木曽は悶絶させられる。 提督「木曽、アナルの力抜かないと肛門体外に裏返っちゃいますよ?……忠告しましたからね、そーれ。イチ、ニ、イチ、ニ!」 木曽「無理ッ、む゛り゛ぃっ……こーもんっ、おかひくなってるから゛っ!いうこときかなっ……んごお゛ォッ♥あ゛があ゛ッ♥ほごお゛ッ♥」 腸液にまみれて滑る腕を捻り回しながら規則的な長いストロークで木曽の腸内へと肘までを抜き挿しする男。 結腸の上端を突き上げ、肛肉が体外に捲れるほど引き抜く。排泄器に極限の負荷を強いる責めにすら開発されきった腸壁は快楽を覚えて木曽の脳髄を灼いた。 壊れているかのように四肢と声を震わせ、秘所より恥液を間欠泉の如く噴き散らして幾度も絶頂を迎える木曽。 提督「ケツアクメしまくりですね、前も物欲しげにパクパクしてますよ?男も知らないのに……処女のままどこまでいやらしくなるんですかねえ?」 木曽「しりゅかっ、バカあ……ん゛にぃぃぃぃッ♥♥けちゅゴリゴリしながりゃッ♥まえッ、コスるなあ゛ぁッ♥ん゛に゛ぃぃッ♥♥」 尻穴に埋めた腕を捻じり捏ね回しながら男が木曽の両脚を閉じ合させ、両腿と股ぐらの間の空間へと男根を突き込んだ。 肉の隘路を抉じ開けた陰茎の幹、それが内部から分泌された発情液で滑る秘唇を抉るように擦り立てる男のカリ首。 常軌を逸した奥深くまで菊座を穿り拡げられながら処女口にまで刺激を加えられ、正気を保ちがたい被虐の感覚に狂ったように木曽が喘ぐ。 提督「入口も興奮しているようですが、ナカはもっと凄いことになってますね……ここ、子宮ですよね?壁越しにビクンビクンしてるの伝わってますよ。」 木曽「ひぎゅあ゛ぁぁぁぁッッ♥♥そこっ♥さわりゅなあ゛ッ♥♥だいじなッ♥へやだからやめっ……あ゛びゃあ゛ぁぁぁぁッ♥♥」 腸壁ごと男が鷲掴みにした彼女の体内の小ぶりな器官、それが子宮――女の中枢であると本能的に察して必死の叫びを上げる木曽。 子宮の両脇に提がる小粒の球体……卵巣を捏ねられると木曽は最早心身ともに限界といった様で半ば白目を剥き悶絶する。 木曽「もお゛ッ♥ゆるじでえ゛ッ♥こわれり゛ゅッ♥アタマのナカッ♥ぷっつんしてッ……イキしんぢゃう゛ぅぅッッ♥」 提督「うっ……!私も、そろそろまたっ……木曽!トドメです、目一杯イキなさいっ……うおぉぉっ!」 極限に背を仰け反らせながら全身をガクガクと壊れそうに震わせ、乱れ狂い悶える木曽。 その肛門を挿入中の腕と逆の手で無理やり抉じ開けた男が自身の男根をねじ込む。次の瞬間、肉棒全体が激しく脈動しながら欲望の塊を爆発させた。 木曽「オ゛ッッ……んお゛お゛お゛お゛ッッ!!いぐう゛ッッ……ケツめちゃめちゃにされでイッぐう゛ぅぅぅ♥♥ん゛に゛あ゛ァァァァッッ♥♥♥」 解されきった腸管にマグマのような精液をブチ撒けられて断末魔のような叫びを上げ、知覚の限界を突き抜けた絶頂を迎える木曽。 尿管が壊れたような勢いで潮を噴きながら永遠にも思える長い全身の緊張を続け……突如まるで絶命したように崩れ落ちる。 木曽「ぅ゛、ぁ゛……あ、へぇ♥♥お゛、ん゛お゛~~~~……♥」 提督「お疲れさまです、木曽。さて……後片付けが大変ですね、こればかりは誰かに頼む訳にもいきませんし……はぁぁ。」 白痴のようなだらしない表情で完全に失神した木曽。本日幾度目になるか分からない小便を漏らして死んだような脱力の仕方で男の胸に身を預ける。 どこかやり遂げた満足げな表情をして木曽の頭を撫でた男は、互いの身と部屋の掃除の手間に意識を戻して自業自得の苦労に溜息を漏らすのだった。 216 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/06/01(日) 10 52 29 ID 857i.ddo 潮風香り波飛沫の散る大海原。航路の先を眼帯に覆われていない側の凛々しい目で見つめる木曽の姿がそこにあった。 しかし時折なにやら不調そうに腹を抑える彼女に、随伴艦の娘が心配そうに声をかける。 球磨「木曽、大丈夫クマ?なんだか出撃前に随分お腹辛そうにしてたけど……なんか悪いものでも食ったクマー?」 木曽「ああ、気にするな……あれは、その……筋肉痛みたいなものだ、激しい運動の後遺症というか……」 球磨「そうクマー?でも今もなんだか今も調子悪そうクマ。」 木曽「ッ……その、ちょっと重みがあるだけで……とにかく、心配するようなことじゃない。……ふぅ、まるでアイツのようだな。」 球磨「あはっ、提督は心配性だもんなクマ!気遣いすぎて時々木曽に怒られてるくらいクマ……でも、あまり冷たくしちゃダメだぞクマー♪」 木曽「なに、俺の勝利を疑う方が悪いのさ……それより、今日の食事当番はお前じゃなかったか?」 球磨「を゛ぉー!?そうだったクマ!じゃあ球磨は行くクマ……無理しちゃダメクマー?」 木曽「ああ……ッ……♥」 駆けてゆく球磨の背を見送って正面に向き直ろうとした木曽が、腹の内でゴリリと異物が擦れる感覚を認識して胴を押さえて呻く。 彼女以外の誰が知るだろう……凛々しく泰然と佇む彼女の肛門を自身の腕より太いアナルパールが貫いており、直腸を内部から責め立てていようなど。 木曽「問題ない、いつも通り勝利を届けてやるさ……」 震える唇を強引に笑みの形に吊り上げ笑う木曽。 彼女の気弱そうな主に勝利を持ち返ってやった後、どのような『ご褒美』を自身に施してくれるのか…… 期待と不安に密かに胸を高鳴らせながら木曽は大海原の先を見据えるのだった。 +後書き 217 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/06/01(日) 10 55 11 ID 857i.ddo 以上にてどうもお邪魔しました。アナル弱そうな艦娘は魅力的ですね、長門とかビスマルクとか。 その内また何か適当に書こうと思いますのでその際もお読み頂けましたら幸い。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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ウザいオリキャラ注意 善良な固体が酷い目に会います ゆっくりの性描写があります ぺにまむ注意 やぁ、ぼくは実験好きなお兄さん! 何で何の実験するのか、って? そりゃぁ決まってるじゃないか。 ゆっくりを用いたゆっくりの実験だよ。 と言っても何処かの竹林で行なわれてるようなお金のかかった凝った研究はできないけどね。 けどもシンプルだって捨てたもんじゃない。 シンプルイズベストと言う言葉があるように資金や特別な施設、機具がなくてもできるものさ。 …………手間隙は惜しまないけどね! さて、今回する実験は、『ゆっくりの遺伝について』だ! 特に性質に関するものを試そうと思う。 赤ゆっくりは両親の餡子を受け継いで産まれるために親の性質の引継ぎ率が高い。 人間の中ではとんびが鷹を産むなんて言葉もあるけど、ゆっくりではあまり聞かない言葉だね。 まぁ、人間の方も遺伝子学を真面目に語れば、とんびが鷹を産むも遺伝子の中に秘められていたものが発現しただけなんだけどね。 閑話休題。 ゆっくりの性質の遺伝で解りやすいのは、知能の高さ、性格の二つだ。 例えば、ぱちゅりー種から産まれたゆっくりは別種であってもぱちゅりー種の知能の高さに影響されて賢くなることがあるらしい。 尤ももう片方の親の影響を受けて体力が少々上がり知能が下がったぱちゅりーと言う使えないタイプもあるらしいけどね。 一つの性質に着目したのだとゲスの遺伝なんてのがあるね。 親のどっちかがゲスだと子どもはゲスが多いってのは良く聞く。 これは育成家庭でゲスは影響を与えやすいというのもあるだろうけどね。 あと親が何かのきっかけでゲス化するというケースだとゲスの資質を持ってると子にも脈々と因子が引き継がれるのか。 なんて研究テーマもあったりするくらいだ。 さてさて。 今回ぼくが試したいと思うのはレイパーありすに関してだ。 ゲスの遺伝はゆっくりの種類を問わないが、レイパーありす特有のレイプ気質を持った他種のゆっくりと言うのは聞いたことがない。 正確には改造などの人為的な処置を施されてない状態でのかな。 ありす種がレイパーの資質を受け継ぐのは非常に高く、レイパーの親から生まれた赤ありすは高い性欲を持ち、 発情しやすいので、振動でも与えてやると直ぐにレイパー化することが多い。 しかし、自然界であれだけ好き勝手暴れて子どももあちこちに散乱させてるのに 他種の場合でレイパーの性質を受け継いだと言うのは、前述した通り確認されてないのに不思議を覚えないかい? このレイパー遺伝は、ありす種にしか受け継がれない特有のものなのか。 それとも受け継いでも他種では発現しない因子なのか。 まぁ、レイパーありすが産ませた子どもは殆どまともに育てられず死んでしまうからなのかもしれない。 そこで人為的に何度も交配を重ねてみようと思い立った。 これならレイパーが産ませた子どもも育つし、その子どもを更にレイパーありすと掛け合わせ続けるのだ。 果たしてありす種以外のレイパーゆっくりは完成するのか? その問題に挑んでみたい。 まずそこらでレイパーありすを含めて適当にゆっくりを捕まえてくる。 森の中で 「とかいはなであいをさがすのよ!」 とか 「きょうもどこかでわたしのあいをまってるまりさのところにいくのよ!」 とか 「わたしはれいむがいいわ!」 とかありす種にしては変わった好みを持ったのもいた。 レイパーありすは探すのは大変なのだが、一度見つけると芋づる式だから見つけるまでが大変で後は楽だ。 知的な仮面を被ってひっそりとステルスしてるのもいるけど、大半は危険性をゆっくりに危惧され群れなどからあぶれる。 そしてより効率的にすっきるするためにあぶれたレイパーありす同士は徒党を組むことが多いんだよ。 そういった意味で今回直ぐに見つかったのは運がいいね。 頭の中がすっきりでいっぱいなこいつらを有無を言わさず麻袋に放り込もう! 幸先がいいね! 「とかいはなありすになにをするの!」 「いなかものなおじさんね!」 「だしなさい! くいーんありすになるわたしにこんなことしていいとおもってるの!?」 なんて口々に叫んでるが気にしない気にしない。 あとで好きなだけすっきりさせ続けてやるんだから有り難く思ってほしいね。 さて次は普通のゆっくりだ。 こっちは捕まえるのは簡単。 あいつらの巣は体型のせいで入り口が目立ちやすくカモフラージュしても不自然さが直ぐにわかる。 そして木の根元や段差など、そう言った場所に巣を作る。 モグラのように何処だろうが真っ直ぐに下に巣を掘ることはゆっくりはしない。 まぁ、雨で死んじゃうしね。 というわけでその辺にある不自然な草や木の集まりをかき回せば簡単に捕まえれるのだ。 さっそくこの目の前にあるあやしいのをどけてみよう。 ほらほら、異変に気づいて巣の入り口に一匹のゆっくりが顔を出してきたよ。 「ゆ! ここはまりさのゆっくりプレイスだよ! にんげんさんはでていってね!」 ほら、もう見つかった。 しかも成体のまりさ種だ。 どうやら巣の奥行きもここから見える程度、まだ番を見つける前の一人身だね。 実験に使うのに丁度いい。 それにありす種はまりさ種を本能で好む。 抜群だ。 さっきれいむを好むのもいたけど……。 レイパーありすと同じ袋に入れて実験前にすっきり殺されちゃかなわないから別の麻袋に放り込んでおくことにしよう。 「はなして! はなして! まりさはなにもわるいことしてないよ!」 あまり暴言がないね。 性格のいい固体なのかもしれない。 まぁ、気にせずこいつも麻袋へGOだ。 今日のところはこのまりさだけで十分だろう。 レイパーありすを捕まえるのは運に左右されるけど、そこらの野良なら別に何時だって捕まえれる。 いちいちキープしてたら保管場所も管理も必要で面倒だしね。 じゃ、素材も集ったし、さっそく実験に移るためにも家に帰ろうか! 家に着いたらまずレイパーありす達とまりさを麻袋からだし、それぞれをゆっくりご用達の透明な箱に入れて隔離する。 途中五月蝿い声が聞こえるが耳栓をすればOKだ。 では、いよいよ実験の手順に入ろう! まず箱の中から一匹のレイパーありすを取り出す。 「ゆ! なかなかみどころのあるおうちね! ありすのゆっくりぷれいすにしてあげてもよくてよ!」 耳栓をしてるのに何を言ってるか理解できるようになってきたら君も立派なゆっくりの一人者だ。 取り出したレイパーありすを火で熱したフライパンの上に乗せ、底部を焼き付ける。 「ゆ゛ぎゃああ゛ああ゛あがあああ゛あぁあ゛あがあ゛ああぁぁ゛ぁああ゛あぁあ゛!!!!!」 このありすは母体用に使用するつもりだ。 レイパーありすのすっきりにかける力は物凄い。 いちいちすっきるさせるたび、こいつを拘束するのも面倒だしね。 どうせ餌がきっちりあげるんだし、底部を焼き尽くし動き回れないようにすると楽だ。 丹念に丹念にまむまむの部分は焼かないように気をつけながらじっくりと黒焦げにするために炒める。 「あ゛づぃいい゛いい゛いいぃうあぃいいい!!! あ゛あ゛あ゛あああ゛りずのあでぃがあぁぁ゛ぁああ゛ああ゛あ!!!!」 口から舌をだし、すさまじい涎を垂らしながら目からは涙と取れる不気味な液体が溢れ出てる。 身体全体からはなんだか嫌な汁も出てる。 いつやっても底部を焼き付けるのは不快になるね。 あとでフライパンも手も綺麗に洗わなくちゃ。 「ゆぐっ……ゆっ、ゆっ、ゆっ……ゆっ、ゆっ……」 こうして処置が終わる頃には焼かれる激痛で大抵のゆっくりは意識を失ってしまう。 このレイパーありすも例に漏れず気を失ったね。 まぁ、こっちの方が次の作業に都合がいい。 次はこのありすの外見を整えてやる。 なんのためにだって? そりゃ勿論襲わせるゆっくりが一目見て気にいるように綺麗にしてやるのさ。 そのためにも醜い焼け跡である底部の処置をまずしよう。 ありす種は自分の美しさとかを最も気にする種だ。 焼け跡が残ってたら精神状態が悪化するかもしれないしね。 まず水で溶いて練った小麦粉で底部の焦げ跡を覆い尽くす。 そうやって作業を続ければ見た目は何も変わりない状態に戻る。 ま、足が焼かれてるから永遠に動けないけどね。 気絶してる間に体力回復と貼り付けた小麦粉の一体化のために再生を促させるオレンジジュースをかける。 そうしたら次はカスタードクリームを注射して、栄養状態の強化を図る。 ゆっくりにとっての魅力は栄養状態の良さも評価の一つらしいからね。 注射器を後頭部に刺した時、一瞬びくっと震えたけど気にせずぶちゅーっとカスタードクリームを挿入。 「ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 挿入に応じて びくっ!! びくっ!! びくっ!! と震えてるけどきちんと計算した分量のカスタードクリームだ。 体内に無理矢理挿入される痛みを無意識下で感じてるだけだろう。 大丈夫、これが終わればお前は美ゆっくりに成れるんだ。 最後はお湯で髪を洗い、飾りを磨き上げて綺麗に光るくらいにしてやり、身体の汚れを拭き落としてやる。 これで母体用のレイパーありすの完成だ。 完成したありすを箱の中に入れると小部屋へと向かい、そこに置いてやる。 さぁ、今度はまりさの出番だ。 透明な箱から震えてるまりさを出してやり耳栓を外す。 「おにいさん、まりさにひどいことするの?」 「いやいや、君に素敵なプレゼントをあげたいんだ」 「ゆっ! おにいさんほんとう?」 「あぁ、そうだとも。君もきっと喜ぶはずだよ」 そう言いながらまりさを抱かかえて、例のありすを置いてきた小部屋へと向かう。 勿論、目的は今からこのまりさを発情させ、ありすをにんっしんっさせるためだ。 「ゆー。とてもひろいおうちだね!」 「ま、まりさぁあ!?」 体力を回復させたのもあって箱の中のありすはもう目が覚めていたみたいだ。 部屋に入ってきたぼくに抱かかえられたまりさを見るとはぁはぁとした息遣いでまりさを凝視してる。 「ゆっ! すごい! まりさこんなきれいなゆっくりみたことないよ!」 「とかいはのみりょくがわかるなんてさすがわたしのまりさね!」 まりさの方もありすに気づいたようだ。 手入れしただけあって美ゆっくりと取ってくれた。 努力した甲斐があったね。 しかし、ありすの方は箱に入れられ底部も焼かれて身動きできないのを忘れてるようだ。 ただひたすらまりさへの性欲だけで意識が支配されてるみたいだね。 「あれがまりさへのプレゼントだよ」 「ゆっ? おにいさんどういうこと?」 発情させるために抱えていたまりさを揺すろう。 「ほーら、ぶるぶるさせるぞー」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ!? おにいさんやめて!」 ありす種ならこのくらいの振動で発情するのにしぶといね。 それともこのまりさがそれだけ理知的な個体だったってことかな? まぁ、人間だって望まない状態だと中々無理だしね。 よーし、ならパワーアップだ! ぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶん。 シェイクシェイクシェイクシェイク。 ちょっとノリノリ。 「ゆゆゆゆゆっ、ゆゆゆっ、ゆゆゆゆゆゆゆっ、ゆゆゆゆゆゆっ!!!!!」 いい感じにまりさの顔が紅潮してきた。 アヘ顔で涎を垂らしはじめ、まるでレイパーありすの戦闘状態 ……ちょっとやりすぎたかもしれない。 達しては困るのでここで振動を止めておこう。 「な゛んでやべる゛のおお゛おおお゛おおぉ゛お゛おお゛おぉおおぉおお!!!!! ずっぎりざぜてぇぇ゛ぇぇぇ゛え゛ええ゛えぇ゛ぇぇ゛ぇぇえ゛!!!!」 まさに臨戦態勢! これならいける! 「ほら、まりさ、綺麗なありすがいるぞ!」 戦闘準備OKなまりさの前にありすを箱から出して置いてやる。 「までぃざああぁぁああああぁぁぁぁあ!!!! いっしょにすっきりしましょおおおおおおおお!!!!」 さすがレイパーありす。 まりさの喘ぎ声を聞いていて既にこっちも臨戦態勢だ。 でもすっきりさせられるのはありすの方なんだけどね。 そのために足焼いたんだし。 「あでぃすうう!!! きれいなあでぃすすきだよおお゛おおぉぉお゛おお!!!! までぃさもあでぃすとすっきりしたいよおおぉ゛おおお゛おぉっぉおおぉ!!! んほおおおおぉぉおぉぉおおおぉぉおおおぉおおおおお!!!!!」 まりさがありすに向かって飛びかかった。 動けないありすはまりさに飛び掛られてなすがままだ。 うーん、しかし何時聞いても嫌な音だ。 行為が終わるまで耳栓をしていよう。 「いままり゛ざがすっきりさせてあげるか゛らねええぇぇ゛ぇえ゛えぇ゛ぇぇ゛ぇぇぇえ゛ええ゛え!!!!」 「やめでええ゛え゛ええぇぇええぇええ゛えええ゛ぇえ゛ええぇ゛ぇぇぇ゛ええ!!!!! ありすがまり゛さをすっきりせてあげだいのよぉぉぉ゛ぉぉお゛おお゛ぉぉ゛ぉ!!!!」 「だいじょうぶだよ゛!!! まりさのぺにぺにでちゃんとありすも゛すっきりさせてあげるよおお゛おぉおお゛おぉおお゛おお゛ぉお゛ぉ!!!!」 「いやぁああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「「んほぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉおおおぉおぉぉぉぉ!!!!」」 聞こえないとはいえ、ぐちゃぐちゃなんか飛び散る様子は相変わらずおぞましい行為だなぁとしみじみと思うよ。 「「すっきりー!!」 お。動かしてた体が止まってすっきりした顔つきを上へ向けたね。 同時にありすの方から蔦がにょきにょきと生えてきた。 どうやら終わったみたいだ。 「ありすぅぅう゛う゛!!! もうい゛っかい゛しようう゛うぉおお゛ぉおお゛お゛お!!!!」 「もういやあぁ゛ぁぁぁ゛ああ゛あ゛ああ゛あぁ゛ぁぁぁぁ゛ああ゛あ゛あ!!!!」 うーん、ちょっと揺らしすぎたかな。 なんかまりさの方はまた身体を擦り付け始めてるし。 母体を犯し殺されちゃ困るから、ここらで止めておこう。 「ゆべっ!」 軽く気絶させる程度にまりさを蹴り飛ばす。 壁にぶつかった時に口から少し餡子を出したみたいだけど、まぁあのくらいなら問題ないね。 ありすの方はカスタードクリームをまた注射しておく。 失った分のカスタードを補充させておかないとね。 「ゆぎいい゛ぃい゛いいぃぃい゛いぃ゛いい゛いい゛い!!!!」 なんか顔が物凄い。さっきは気絶させてたから良かったなぁ。 注射し終えたら箱の中にありすを戻しておく。 これで次の実験の間、餌は上げなくても何とかなるだろう。 さて、次はこのまりさに母体になってもらおう。 母体となった方の餡子を多く吸い上げることから、母体となった親の影響を受けやすいときがあるのは前述したね。 ありす母体を続けていく家系とまりさ母体を続けていく家系の二種類を用意してみようと思う。 前者はありすの性質を受け継ぎやすく、後者はまりさの性質を受け継ぎやすい。 果たしてどちらが先にレイパーまりさとなるのか。 前者のような気もするけどね。 実の形が判別つくようになったらありす種は生まれ落ちる前に切除しておく。 欲しいのはまりさ種だけだからね。 そして二匹が産んだまりさ種が育ったら、まりさ母体のまりさ種をレイパーありす一匹と掛け合わせ母体にする。 その後、同じレイパーありすの底部を焼き、今回の実験と同じようにありす母体のまりさ種と掛け合わせ母体となってもらう。 そして産まれたまりさ種が育てば、また別のレイパーありす一匹と掛け合わせる。 一度交配を重ねて子育てをさせた後のゆっくりにはもう用はない。 有り難く、そのゆっくりにとっての孫の餌になって貰おう。 経費節約だね。 あと近親相姦を重ねすぎるとそれによる変り種が生まれてしまうことがあるからね。 それでレイパーまりさができても近親相姦による変り種なのか解らない。 実験の主旨のために近親相姦による奇形もとい変り種は省かせてもらおう。 それと世代交代を早めるためでもあるね。 そうやって次々とサイクルの早い世代を重ねて、理論上レイパーの遺伝子をまりさ種の中で濃くしていくのだ。 レイパーまりさができることを祈って。 無駄にならないといいね! 続くかもしれない。 書いたもの 等価交換 ゲスを愛でる者 このSSに感想を付ける
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「「ゆっくりしていってね!」」 ハッキリと、大きな声が畑の近くで聞こえた。声のする方へ近づいてみるとそれは二体の生き物だった。 畑の脇の道にいた二体は人語を話してはいるがどうみても人間やオウムの類ではなかった。 二体に共通する特徴は、バスケットボールほどの大きさの饅頭であるということだろう。 饅頭が生物なのが矛盾しているが、そうとしか言いようのない形であり、また中身も餡子なのでこれが適切だと思う。 左の方の饅頭は、黒のとんがり帽子と長い金髪を持ち、右の方は赤を基調としたリボンを付けていた。 私たちは彼女たちの総称を便宜上、「ゆっくり種」と呼んでいる。由来は先ほどの挨拶だ。 そしてこの二体はそのゆっくりの中でもポピュラーな種類である。左が「まりさ」で右が「れいむ」だ。 自分たちでそう名乗っている以上そうなのだろう。 「やあこんにちは。ゆっくりしてるよ。君たちもゆっくりしてるかい?」 「「ゆっくりしてるよ!!!」」 元気そうに跳ねる二体。私は持ってきたチョコを彼らにプレゼントした。ゆっくりは総じて甘い物が大好きなのだ。 「「ゆー!ゆっくりたべるよ!・・・ゆっくりー!」」 嬉しそうに頬張る二体。するとどこからか別のゆっくりがやってきた。 「チーンポ!」 「とかいはなありすとゆっくりしていってね!!!」 「うー♪うー♪おやつー!」 チョコの匂いに釣られてやってきたのは、みょん、ありす、れみりゃの三体だった。 れみりゃは他のゆっくりと違い人の体に近い体格をしている。 周りに幽霊のような物が浮かんでいるのがみょん。金髪にカチューシャを付けているのがありすだ。 「君達の分もあるよ。はいどうぞ。」 そういって残っていたチョコを渡した。これ以上増えたら流石に足りなかったが増えなかったので安心した。 食後、彼女たちは近くの野原に移動して遊んでいた。 ありすは、花を千切って髪飾りを作っているようだ。細かい作業を口でこなせるのが不思議である。 みょんとまりさは斜面を転がったり登ったりしていた。生首が転がっているようで、結構不気味でもあるが 本人たちの顔は幸せそうである。 れいむはれみりゃに抱っこされながら空を飛んでいた。 「ゆー、おそらをとんでるみたいー!」と楽しそうにしていた。 近くの森には結構な数のゆっくりが居るようだが、たいして問題にはなっていなかった。 別に作物を荒らすわけでもなく、森の食べ物を食いつくこともなく、何故か野生動物にいっさい襲われない彼女たちを 無下に扱う村人はいなかった。 それどころか、彼女たちは畑の雑草を刈ったり、老人の話相手や子供たちと遊んでいたりと、友好的な関係を築いていた。 私も初めてみた時から彼女らの虜になっていた。語彙こそ少ないが、彼らは的確に自らの思いを口にし、 仲間同士で仲良くしている姿は愛らしい子供のようだった。 夕方すぎになり私も家に帰ることにした。 「「ゆっくりさようならだね!!!」」 れいむとまりさ達はそういって森へ帰って行った。私も夕食のメニューを考えながら帰路についた。 それが彼女たちとの最後の会話だとも知らずに。 夜の森、そのど真ん中でゆっくり達は寝ていた。数は数十匹ほどだろうか。 毛布代わりに葉っぱをかけているだけで全く無防備である。 だが彼女たちは他の生き物に襲われることはない。正確に言えば、見た目と違い襲ってくる野生動物を撃退できる程度の力を有しているからだ。 しかしそんな彼女たちにも魔の手が迫っていた。その手は彼女たちを掴むと、そのまま袋に入れていった。 そうして全員を入れ終えた後、その人影はどこかへ消え去っていった。 郊外にひっそりと建てられたとある施設。そこはとある会社の倉庫だった。 元々は別な目的で作られたようであるが、紆余曲折あって今はとある金持ちの所有物となっていた。 そこへ先ほどのゆっくり達が運ばれてきた。彼女たちは数ある倉庫の一つへ連れてこられると、そこへ無造作に放り込まれた。 流石に振動で目を覚ましたようで、彼女たちはキョロキョロと辺りを見回していた。 そこへ何人かの若者が入ってきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 そう言ってその男たちはポヨンポヨンと近づくゆっくり達。男たちはそのうちの二体を掴みあげた。 「ゆ?ゆっくりもちあげられたよ!」 どうやら抱きかかえられたと思ったらしい。れいむは喜んでいた。 掴みあげた男は、れいむを観察するとそのまま床に叩きつけた。 ベチィ!っと床に叩きつけられたれいむは、何が起きたのかわからずただただ、泣き続けていた。 「ゆー!ゆっくりできないよ!ゆっくりいたむよ!」 「「「「ひどいことはゆっくりやめてね!!!」」」」 他のゆっくり達から抗議の大合唱を受けたが、特に気にせず男たちは話していた。 「饅頭のくせに潰れないのはおかしいだろ。常識的に考えて・・・」 「ていうかこいつら生き物なら、どうやって個体を増やしてるんだ?生殖器なんぞ見当たらないが」 「そもそも食った物はどこへ行ったんだ?」 「ていうか甘いものが好きなら、共食いしそうだぞ。饅頭だし。」 「とりあえず実験してみようぜ。なにせ数は多いんだ。気を使わなくて済む。」 男たちはそれぞれの実験のためにゆっくり達をそれぞれ連れて行った。 ある男はゆっくりの繁殖について実験していた。当初は分裂でもするかと思ったが流石にそれはないと判断した。 しかし体のどこにも繁殖に使われそうな物はなかった。仕方がないので体を無理やり触れさせてみた。 「いたいよ!ゆっくりやめてね!」 「ありすもいたいわ!ゆっくりやめてね!」 男の手でゴシゴシと二人はすり合わされていた。まりさの後ろからありすを押し続けていた。 かれこれ30分は経過した。一向に変化はない (やはり他の動物みたいな生殖器はないのか・・・隠れてる説も考えてみたが無駄だったようだな。) 男は諦めて次の実験をしようとした瞬間、突如、ありすから男性器に似た物が文字通り生えてきた。 「ゆー!なにこれ?わからないわ!」 まりさの方を見てみると何か穴が開いていた。どちらも先ほどまではなかったものだ。もしやと思い無理やりそこへねじ込んでみた。 「ゆー!ゆっくりできない!ゆっくりさせて!」 「ゆ!ゆ!・・・ゆっくりー!」 入れてすぐにありすは絶頂に達したようだ。 しかしそれだけで何も起きなかった。しかし男の眼は輝いていた。 (妊娠はしなかったが・・・生殖活動を行える事がわかっただけでも大きな進歩だ。次は妊娠の方法だな。) 男は今の出来事を記すためにパソコンに向かい合った。 別な男はゆっくりの食事について調べていた。基本雑食であるが、特に甘い物が大好きなのがゆっくりである。 ならば辛い物はどうなのだろうか。甘党な連中のことだ。辛さは苦手だろう。 ためしに一匹のちぇんにキムチを食べさせてみた。 「からいんだよーたべれないよー!」 予想通り苦手なようだ。しかし大した変化もなく、男はつまらなそうな顔をした。 (せめて辛さにのたうち回って死ぬとかしたら面白いのにな) そう思いながらもう一回キムチを食べさせてみた。すると 「からいよー!ゆっくりできないよー!たすけてー!」 そういって暴れ出した。手から落ちたちぇんがそのままのたうち回って死んでしまった。その顔はまるで窒息死でもしたかのような顔だった。 先ほどまではただ嫌がってただけなのに何故・・・考えてもわからないのでとりあえず別な実験をすることにした。 甘いもの好きなら共食いはするのだろうか。 手始めに適当なゆっくりをテーブルに置いた。まりさだった。 「ゆっくりしていってね!!!」 純粋無垢な目をこちらに向けていた。 俺はそのまりさをいったん放置して、近くのれみりゃを抱きかかえて椅子に戻った。 「う~♪だっこー!」 嬉しそうにこちらにひっつくれみりゃ。俺はそのれみりゃに対して 「お腹すいてる?甘いのでも食べる?」 と聞いた。すぐさま 「うー!たべるー!」と返事をしたので、れみりゃは床に下ろしてテーブルの上のまりさを持った。 「あーんして。ただし眼は瞑るんだよ。」 「うーーーーーん」 大きく口を開けたれみりゃの口の中にまりさを入れる。そして 「はいとじる。」 グシャっという音が響き渡った。どうやらまりさは即死のようだ。断末魔さえあげなかった。 「うー!おやつ・・・うー!まりさがくちにいるー!どうしてー?」 どうやら事態を把握できてないようだ。まあそれならそれでいい。 餡子の味を覚えたなら、おそらく他のゆっくりも遠慮なく食える気がする。いやまあ普通に考えれば仲間を自発的に食ったりはしないだろうが なのでこれは俺の希望にしかすぎないのだが。 「れみりゃ?饅頭はおいしかったかい?」 「うー!おいしかったー!」 「そうか。ならあそこにいる饅頭も食べていいよ。」 さあどうでる。多分食わないだろうが、個人的には食べた方が面白い。 「うー・・・・?」 迷っているのか、それとも何も考えてないのか。表情からはいまいち読み取れない。だが次の瞬間 「うー!おやつたべるー!」 近くにいたれいむを掴んでかじった。 「ゆっくりやめてねれみりゃ!ゆっくりできないから!」 れいむの訴えもむなしく食べられてしまった。 結局このゆっくり達はれみりゃに全員食べられてしまった。しかしなんでこいつらは逃げなかったのだろうか。 結局この倉庫では全滅するまで若者たちは思い思いの実験を楽しんだ。そのあとも若者たちは実験を繰り返し それらをブログ等で発表。たちまち話題となり、全員捕まった。森への不法侵入である。 そしてその発表がネットで広まると、ゆっくりに対して様々な情報が飛び交った ゆっくりは野生動物と同じくゴミ箱を荒らすだの ゆっくりの排泄物も餡子だの ゆっくりは植物のように繁殖するだの 車に似た物に乗って高速道路で100kmを出しただの。 優しそうに見えて実は口が悪いだの 根拠のない情報が飛び交った。しかしその情報は数日後に現実になった。 それから数年後、今はゆっくりは害獣の代名詞のような扱いだった。 畑を荒らし、ゴミ箱をあさり、他人の家にかってに住み込んでおうち宣言を行い あげく住人には暴言を吐く。なまじ知能と言葉を持ってるが故にそこいらの動物などとは 比べ物にならないほどタチが悪かった。 私はそんな状況を哀しんでいた。どうしてゆっくりはこうなったのか。ふと一軒家を覗いてみると、そこにはれいむとまりさ そしてその子供たちが数体居た。彼らは住人であろう男に向かって 「ここはれいむたちのおうちだよ!ゆっくりできないおにーさんはでていってね!!!」 「おやつをもってくるならいるのをゆるしてあげるんだぜ!!!」 男はため息をつくと、傍に居た犬の首輪をはずした。 「食べていいぞ。」 すぐさま犬はゆっくり達に襲いかかった。まずはまりさの帽子が奪われた。 「なにするんだぜ!ゆっくりできないばかいぬはとっといぎゃああああああああああ!!!」 頭から噛まれたまりさは、そのまま二三回地面に叩きつけられた。金髪の髪が餡子で汚れていた。 「やべるんだぜぐぞいぬ!!!!ぐぞじじい゛ぼびでないでどっどどだづげろ゛お゛お゛お゛!!!」 「まりさ!しっかりしてね!いまたすけるよ!」 「おとーしゃんいまたちゅけるよ!」 他の家族が必死に犬へ体当たりをする。しかし効果は全くない。 そうこうしてるうちに子供まりさの一匹が「そろーり、そろーり」と言いながら庭から出て行こうとしていた。 しかしそれに気付いた親れいむが止めようとする。 「どうじでがぞぐをみづででに゛げよ゛う゛どじでるのお゛お゛お゛!!!」 「うるちゃいんだぜ!まぬけなおとーさんがわるいんだぜ!」 そういって逃げようとしたまりさ。しかし何者かに上から押さえつけられてそれは失敗に終わった。 「ゆ?・・・れ、れみりゃだああああああああああ!!!!ばりざはおいじくないィ!」 命乞いをする暇もなく、半分にされたまりさ。それを美味しそうに食べるれみりゃ。 口の周りを汚しながら 「う~♪あまあまおいしいどぉ~♪おぜうさまにはえれがんとなちょうしょくがひつようだどぉ~♪」 そう言いながら次々とゆっくりを食していった。 「でびりゃはゆっぐじできないいいいいいい!!!!」 「ばりざをだづげるんだぜええええ!!!!」 「でいぶをゆっぐじざぜないおぎゃーじゃんだぢはじねええええええええ!!!!」 別のところでは学校の花壇の花を食している家族が居た 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「ときゃいはおはなさんね!ありちゅがゆっきゅりたべちゃあげるわ!」 そこへ学生達が近づいた。 「ヒャッハー!虐待だー!」 そのあとは見てない。 今ではよく見られる光景であった。 私はとある大学へ来た。そこには世界でも有名なゆっくり研究の第一人者がいる。彼の発見とやらを取材しに来たのだ。 研究室へ入ると初老の男が出迎えてくれた。 挨拶もそこそこに、私は今回の発見を聞くことにした。大学時代の恩師の友人である彼は、未だ発表されてない発見を 私だけに教えてくれるそうだ。しばらくは記事にしないという条件だが。 「これを見て下さい。」 男が指をさした方には、二つのケースがあった。そこには二体のれいむがそれぞれ入れられていた。 「右は野生のゆっくりを捕まえたものです。左は研究所で外には一切触れずに育てたものです。左と会話してみてください。」 右のれいむはこちらに気づくと 「ゆ!れいむはおなかすいたよ!ばかなじじいはとっととごはんをもってきてね!!!」 と言ってきた。対して左はと言うと。 「ゆっくりしていってね!!!」 今では滅多に聞けない、あの挨拶をしてきた。だがそれだけである。 「しかしこれが何か?挨拶だけなら、ブリーダーの育てたゆっくりなら・・・」 「では、ちょっと中身を見てみましょうか。」 そういって教授は左のれいむの顔を少し引きちぎった。」 「ゆ!はかったねおじーさん!」などと言いながら引きちぎられたれいむ。私は餡子が漏れるとばかり思っていたが 傷口からは何も起きなかった。 「よく見てください。」 私は傷口をみた。そこには餡子はおろか何もなかった。ただ白いだけだった。 なんだこれは?全く訳がわからない。どうして餡子がないのだ。 「隣へいきましょう。」 そういって教授は左のれいむだけをケースから取り出し。隣の部屋へ向かって言った。 右のれいむは「はやくここからだせ!ださないとれいむがゆっくりできなくさせるよ!!!」と言っていた。 そこは今まで見たこともないゆっくりだらけだった。 いやれいむやまりさは見たことがある。 しかし私の知っている彼女たちではなかった。 まりさは滑るように移動しながら院生に餃子を無理やり食べさせていた。れいむはひたすら何かを運んでいた。 れみりゃは「うー!」と言いながら手から何やら不思議な弾を出し、きめえ丸はもはやなんだかわからない生き物になっていた。 「どうですか?ついでにあのまりさとれいむは銃弾でもビクともしませんよ」」 「どうですかと言われても・・・このゆっくり達は一体?」 「元は野生の赤ゆっくりでしたよみんな。育て方も普通の育て方をしたまでです。ただしちょっとした事をしましたが」 「ちょっとした事?」 「正確には思っただけですね。たとえばあのれいむ。世話をする人間は、あのれいむと接する時必ず、『これは理解不能の不思議生物だ』 と思いながら接するように命じました。」 「思う・・・ってホントに思っただけですか?」 思わず聞き返した。 「ええ。そうやって何回か試したうちに一つわかりました。・・・おそらくゆっくりは人間の望みどおりに変化するのではないかと。」 「へ・・・変化ですか?」 「例えば、『このれいむは1m上から落ちただけで死ぬ』と思いながら育てるとしましょう。世間一般で普通と言われているれいむならば 1mからでは死にません。しかしそう思いながら育てていったれいむは、本当に1m上から落とされただけで死ぬんですよ。 これなら、未だにゆっくりの生態に関する情報が乱立してる事も説明がつきます。人の『こうなってほしい』という思いに 影響を受けるのならば、一人一人違うゆっくりが生まれるのですから。口の悪くて脆弱なゆっくりも、礼儀正しいゆっくりも その人しだいということでしょう。」 教授の言ってることは最早あらゆる法則から外れていた。しかしそう言われるとそうかも知れない。 「今の世間の一般認識はゆっくり=害獣という認識が強いです。おそらくそれによって大多数のゆっくりがあのようなのになったのでしょう。 思い込みしだいでは饅頭ですらなくなると言うのに。」 ふと数年前の記憶が蘇った。あの頃の私はゆっくりが饅頭であり、生物であり、甘い物が大好きだと思っていた。 いや、思っていたからこそそうなったのか。 「ここに来た記念にこれを差し上げましょう。」 帰り際、そういって教授から箱を手渡された。中を覗いてみると、小さなれいむとまりさが眠っていた。 スヤスヤと寝息を立てている姿は可愛らしかった。 「貴方も体験してみるといい。彼女たちがどういう風になるかは、貴方しだいなのですから。」 そういって教授は研究室へ戻っていった。 私は箱を見ながら、あの野原の事を思い出した。 ふと、二人が目を覚ましたのがわかった。私はこういった。 「ゆっくりしていってね!!!」 【あとがき】 色々とアレな設定ですが。まあ適当に読んでください byバスケの人 過去作 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 お兄さんとドスれいむ 鬼意屋敷殺人事件 どすの加工所 幻想樹の迷宮 幻想樹の迷宮Ⅱ 徹夜でゆっくりしようぜ! 徹夜でゆっくりしようぜ!2 地震 ゆーうーかい ゆーうーかい 解決編 ゆーうーかい番外編 ~ゆっくりプレイス~ ゆっくりパニック れみりゃをむーしゃむしゃー 帽子のないれみりゃ ゆっくりプレイスを求めて 水上レース このSSに感想を付ける
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ある日、私こと東風谷早苗は普段家に居る諏訪子様と神奈子様にやぼ用ということで神社のお留守番を頼まれました。 とは言っても普段からお留守番しているようなものだし、取り分けすることの無い私はただいつもの様に境内の掃除に励んでいただけでした。…そうです! 倉庫に向かい雪掻きを手に取り、軽い調子で辺りの雪を除雪していたら『こいつ』はいきなり現れたのです! 「ゆっくりしていってね!!!」 「…」 除雪もそこそこ済んだし、一休みしようと縁側に歩んだ結果がこれでした。縁側には、何やら奇妙な『れーむはれーむだよ!!!』うっさい! まあ、れーむ? こいつが大胆不敵にのさばっていたというわけです。 そういえば最近里の方から噂で『ゆっくり』と言われる饅頭が現れたと耳に挟んだ記憶があるのですが、こいつですかね…。 『ゆっくりしていってね!』とか叫んでたし、こいつで間違い無いんでしょうね。 パッと見を言葉で表すと、もっちりとしたきめ細かい肌つきに、何を根拠にか全部私に任せなさいと言わんばかりのふてぶてしい表情と態度。しかし体が付いていない! 生首だけでぴょんぴょん動いています、本当に饅頭か? 何よりも髪型がどうみても知り合いの『霊夢』にしか見えない…、そういえばこいつ自身が『れーむはれーむだ』とか言ってたっけ。 まさか、本人!? 「おねーさん、どうしたの? そんなに見つめちゃって…。食べたいの?」 目をトロンとさせ頬を赤らめ、身をよじりながら私に問いかけて来ました。 お前は何を言っているのか? 「ゆうぅん、おねーさん、ツンデレねぇ~」 何をどう解釈したらそんな発想に辿りつくのか今の私には理解しがたいですが、雪が降り積もりべらぼうに寒い中雪掻きを片手に唖然としてばかりも入られないので縁側から家の中へ入ることにしました。 ゆっくり言ってるこいつもぴょんぴょん跳ねながら嬉しそうに私の後を付いてきます。もしかして淋しいのかな? ちょっと意地悪しようと思い、私が障子を開け居間に入ると同時にこいつを入れさせないように障子をピシャリと閉め、こいつを居間前の渡り廊下に放置させます。 障子からはこいつのシルエットがくっきりと写っているのですが、ピクリとも動かなくなったことに気付きました。 いや、左右に小刻みに動いているというか、何かを堪えているような、…まさか!? 「ゆ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ん゛!゛!゛!゛ お゛ね゛ー゛さ゛ん゛か゛い゛し゛め゛る゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!゛!゛!゛」 しまった、遅かったかと思いつつ大急ぎで障子を開けてこいつの側に寄ります。 「ご、ごめんね! もういじわるしないから! 中に入っていいから! ね!?」 「ゆ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ん゛!゛!゛!゛」 悪い予感だけは何故か当たるもので、私の度が過ぎた意地悪のせいでこいつを泣かせてしまいました…。 泣いているこいつの目からは体内の水分が無くなってカラカラに干からびてしまうのではないかと心配してしまうほど涙が溢れています。そもそも体の造りどうなってるんだ? 「ゆ゛う゛う゛う゛、おねーさん、もういじわるしない?」 「ええ、しないわ。ごめんね、お詫びと言っては何だけど一緒におやつを食べない? 今日のおやつ、楽しみにしてたカスタードプリンなんだ」 まあ巷で饅頭と言われてるくらいだし、甘いものは大丈夫でしょう。 「ゆっ、いいの? よっ、おねーさん太っ腹!」 本来なら誉め言葉なのでしょうが、さっきの泣いている状態とは打ってかわって得意気な表情でぴょんぴょん跳ねてるこいつに言われてムカついたから頭を軽くコツンと叩いてやりました。 今からおやつを取ってくるから居間で待っていてと告げたのですが、こいつは嫌々いって居間にすら入ろうとしません。 やはり、さっきの障子のせいか又いじわるされると思っているのでしょうね、反省します。 もう、仕方ないわねと呟きつつこいつを抱えておやつを取りに行こうとしたその時です。 なんと、こいつが泣いていた場所が大洪水と言わんばかりにびしょ濡れになっているではないですか! 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」 お前は何を言っているのですか! この渡り廊下掃除するの私ですよ、冬だからめっちゃ冷えてるんですよ!? 「これだよ、これが結果だよ…」 かっこよくクールに言っても駄目です! 駄目! 顔をダンディズム溢れる表情にしても駄目! 「ご覧の有り様だよ!!!」 開き直らないでください!! その通りです! ご覧の有り様ですよ!! 嗚呼、嗚呼、なんという…。 私は冬の廊下の冷たさを想像して涙目になりながら、こいつを一旦下ろして雑巾を取りに行くため至急台所に向かおうとしました。 しかし、居間から離れようとするたびにこいつが『た゛め゛ー゛ー゛ー゛ー゛ー゛ー゛ー゛!゛!゛!゛』と叫びつつぴょんぴょん跳ねて通せんぼしてくるので、仕方なくこいつを抱えながら台所まで雑巾を取りに行き、こいつのしでかした尻拭いをするハメになりました。ぬああ、手がしもやける…! どうでもいいですが、少しでも離れると騒がれるからこいつを腋や胸に挟みつつ掃除をすることになったのですが、いやあ。いいですね! 触感が! フニフニと言うかプニプニと言うか、もうこのモチモチ感がたまりませんね! 日頃のクッションに最適! こいつ自身もなんだか眉を強めて誇らしげにして頬を赤らめてるし、満更でも無いみたいです。 あー、世の中の元から胸が大きい人っていつでもこの感触を味わってるのかな…。 …。 「ゆっ? どうしたのおねーさん? なんだか顔がヒョードルを前にしたチェホンマンみたいになってるよ?」 うるさい!!! ☆ それにしてもこいつ、なかなか出来ます 私がこいつを見ている時は食べる素振りを見せないのですが、私が目線を一瞬そらして改めてプリンに注目すると何故か容器に入っているプリンがまるでスプーンで掬ったかのように一口食べられているのです。 あの丸っこい体でどのようにすればあんなに器用に食べられるのでしょうか。 くやしいから腹いせにほっぺをつついてやります。ぷにり。 「ゆっ! お姉さん、くすぐったいよ! 欲情したの?」 するか! …さっきまでこいつのことを『こいつ』だとか『お前』と呼んでいましたが、流石にこのままずっと素っ気ない呼び方をするのはどうかなと考えました。そこで、こいつにあだ名を考えてやる事にしました。 隣から『うめえ! めっちゃうめえ!』と叫びながらどういった理屈で食べているのかわからないけどカスタードプリンを綺麗に…、!? よ、容器にもう既に何も無いだと!? 私の分も! …すぐ側には口周りにカスタードプリンをつけて目を細め光悦の表情で『へヴン状態!!!』と叫んでいるこいつがいました。心なしかプルプル震えていて背後には虹色のオーラが見えます。 「…くぉらあああああああ!!! わ、私、私のプリン! どうしてくれるんですかああああああ!」 「ゆ、ゆ! おねーさん、れ、れーむは知らないよ!」 知らないよとか言いながら口で器用に私が食べるはずだったカップを片付けている時点で故意犯です。 怒りが収まらない私はこいつを抱き締めてふにふにの刑に処してやることにしました。 「ほら、お前が、食べたんですよね、その口に付いてるカスタードプリンは欲張った証拠ですよね!」 ふにふにふにふにふにふにふにふに! 「ゆうっ! ち、ちがうよ! れーむは、あふぅ、何も食べてないよ!」 「まだ言うか! それなら、こうだっ!」 ふにふにふにふにふにゅぷにぷにぷにっ! 「ゆふううう…! わ、悪かったよおねーさん! れーむが悪かったから、許して!」 「…分かればよろしいです」 私はせわしなく動かしていた手を止めてこいつを床に下ろします。 余程くすぐったかったのか、床に下ろしてからべちゃりと垂れて『ゆふー、ゆふー』と苦しげに息を調えています。 私が何をしていたかを詳しく描写するとすれば、主にこいつの胸と思わしき(?)部分を中心に揉むようにくすぐったと言うことですかね。 ただ、こいつ自身が顔だけなので、適当に顔でいう顎の部分を揉んでいただけですが。 いやあ、気持ちよかったです! 最初はお仕置きのためにやっていたのですが、その内自分がやりたいからやると目的がシフトしてしまうのも自然の説利と言う物です! 仕方の無いことですよ! 「…おほん! これに懲りたら、次から人のおやつを強奪しないこと! いいですね?」 果たして次があるのかさえ不明ですが、今度も又同じ目にあったら堪ったもんじゃないですのであらかじめ釘を刺して置きます。 すると、こいつが真ん丸よりもぺたんとした顔でこう言いました。 「ゆう…。おねーさんが、構ってくれるかなと思って。ごめんなさい」 どっストライイイイイイイイイイイクッッッ! 余りの可愛さに一瞬意識失いましたよ!? ねえ!? 何なんですか! 今の聞きましたか、『構ってくれるかな』ですっつ『構って』って! んくわいいいいいいいいい!!! 「お前! ちょっと私に頬擦りされなさい!」 「ゆっ! いきなり!?」 戸惑うこいつを気にもせずに手に抱えて、そのままこいつの頬を私の頬へと近付かさせて頬と頬を擦り付けます。 「ん、ちゅりちゅりぃ~」 最初は嫌がる素振りを少し見せていたものの、何だ間だいってこいつも目を細めて気持ちよさそうに頬を動かしています。このツンデレめ! 「そうだ!」 元はと言えばこいつのあだ名を決める為に呼び掛けたのにいつの間にか頬擦りになってしまったでは無いですか! いやあ迂濶でした、ゆっくりした結果がこれですよ! 私は頬擦りをするために掲げている腕を降ろす事なく、そのまま頬擦りを続行しながらこいつに問掛けます。 「お前、このままずっとお前をお前と呼ぶのは忍びなく思ったから何かあだ名を考えることにしました。何か呼んでほしい名前はありますか?」 「ゆっ? れーむは元々れーむだからあだ名なんていらないよ!」 …そう言えばそうでした。最初会ったときにこいつが『れーむはれーむだよ』とか言っていて、疑問にも思いましたがその後すぐにこいつがとんでもない事を言い出すからそのまま忘れていたんだっけ。 それにしてもこの髪型と名前…。どうしてもある人物が思い浮かんでしまうのは悪い事なのでしょうか。 いや、逆にその人物がいたずらを仕掛けて来ている可能性も…。無いか。 そんなことをする位だったらお饅頭の材料食べちゃいますよね。 「…ゆっ! もし、おねーさんがあだ名を決めるとしたらどんな名前を付けてくれたの?」 こいつ、いや。れーむが私に話しかけて来たのでこう答えました。 「そうですね…。『いいちこ』、とか?」 れーむは物難しそうな、言うなればヒョードルに立ち向かうチェホンマンの様な表情を隠す素振りも無く表しました。 ☆ 時間にして夕飯時よりも少し早めくらいでしょうか。 やぼ用と言って出ていった諏訪子様と神奈子様がまだ帰ってこないので、する事の無い私とれーむは縁側で夕暮れの太陽に毛布にくるまりながらたそがれ、ゆっくりしていました。 「…あー、雪掻き終わってないや。明日やろう」 明日になっても一週間後になっても実行出来なくなる魔の呪文を唱えてしまったのですが、温いんだから仕方が無いです。 寝室から毛布を持って来ておいて良かった、ぬくぬく。 「ゆぅ~。このふかふかは、とてもゆっくり出来るねおねーさん!」 れーむが毛布を被りつつころんと転がって仰向けになって言いました。 何で毛布被ってるのに仰向けになったことが分かるんだと言うと、単純にれーむが私のお腹の上でゆっくりしているからです。 いやあ、れーむのモチモチした肌触りが私のお腹とフィットするんですよ! 「ゆっ」 するとれーむは私のお腹からもぞもぞと動き出して、毛布から半分顔を出しました。うーん、心地好いお腹の世界だったのに。残念。 「どうしたのですか、れーむ? 暑かったのですか?」 「ゆうっ。このままおねーさんのお腹にいると、眠くなっちゃうもん」 れーむが床に体を擦り付けながら言います。 「別に、寝ていてもいいのですよ?」 「嫌だよ! れーむ、もっとおねーさんと一緒にいたいもん!」 一緒にいたいと言ってくれるのは嬉しいですが、果たして寝てしまうことといなくなることがどの様に関係するのでしょうか。 「れーむ、何か寝てしまうとここにはいられなくなってしまったりするので」 『早苗~! 帰ったよ『早苗ええええええええええええええええッッッ! 悪い虫にたぶらかせられていないかっ、大丈夫かああああああああああああッ!?』』 瞬間、玄関からとんでもない音量のあなたはここを道場と間違えてるのではないですかと疑問を持たざるを得ない声が聞こえて来たので、まどろんでいた私は思わずグッと体を起こしてしまいました。 れーむを大変驚いたようで、思いきり跳ね上がりそのまま縁側から外へところころと転がって行き、しまいには落ちてしまいました。 れーむが落ちてしまったときに出した『ゆぐっ』と言う声がこれまた可愛かった事はれーむには言わないでおくことにしましょう。 「ゆ、ゆっ!? ちべたい! じゃなくて、今の声は何!?」 「…私の両親です。あの大きな声は、神奈子様のものです」 本当はオンバシラと言われる象徴の様なものなのですが、あながち間違ってもいないし説明が楽な親だということでれーむに言いました。 「ゆくっ、あれが親…? れーむ、ご愁傷様」 れーむが残念そうに体を揺らして目を瞑っています。手でも重ねてるつもりでしょうか。 確かに四六時中あんな風に叫ばれては身が持たないでしょうが、私は神奈子様が本当に私のことを心配してくれている事を知っているし、何より叫ばれる事の方が稀だということを知っています。 れーむには、誤解されてしまった様ですがね。 「はーい、今向かいます~」 私はまだ睡眠を欲してる体に鞭を打つため、軽くけのびをしました。れーむを胸に抱えて立ち上がり、そのまま玄関に向かいます。 「おかえりなさい、諏訪子様、神奈子様」 「ほうら! 早苗は私の方を先に呼んでくれたじゃないか! 神奈子の心配性はわかるが、やりすぎなんだよ!」 「う、うむぅ…。反省する」 二人が何やら変な会話をしていますが、気にせずに玄関へと向かいます。 「改めて、おかえりなさい! 今日は新しい友達が遊びに来たんです!」 私はそう言ってれーむをお二人に紹介します。しかし、当のれーむは先程の声のせいかプルプルと震えて目を伏せて怖がっています。 「お、ゆっくりじゃないか。どこかで拾ったのか? 怖がっているようだが、早苗が何かしたんじゃないか?」 「気が付いたら家にいたんです。脅えている訳は、先程の声に怖がっているのですよ神奈子様」 「…むむぅ~」 神奈子様はおかしいな~と言わんばかりに唇を尖らせます。その様子がおかしく、思わず私はクスリと笑ってしまいました。 私はれーむにその様子を教えます。 「ほら、霊夢。あのたこみたいな顔をしている人がさっきの大声を出していた人です。怖くなんか、ないですよ」 「…ゆぅ~。あの二人は、ゆっくりできる人?」 「ええ、できますよ。ほら、自己紹介をどうぞ」 「ゆう、れーむはれーむだよ! ゆっくりしていってね!!!」 「ああ、ゆっくりしていくさ」 「私ちょっと空気じゃない?」 「ゆっ!」 れーむは嬉しそうに私の胸の中でぽよんぽよんと跳ねています。私達は夕飯を食べる為にそれぞれ居間と台所に向かいました。 ☆ 今日のおかずは里芋の煮っ転がしとだし汁に漬けておいた大根のお浸しです。れーむがいるので、いつもより多めに作っています。 「お、何だか嬉しそうだね~早苗。あのれーむって子がいるからかい?」 一緒に夕飯を作っている神奈子様が話しかけて来たので、その質問に素直に答えました。 「はい、そうです。れーむの反応が楽しみで」 「そうか、それは良かった。うきうきしている早苗を見ると安心するよ」 「…えっと」 「幻想郷に馴染めた様で安心したよってこと。さあ、料理運ぼっか」 私は自分の頬が赤らんでいく事がわかったので、返事はせず神奈子様に表情を悟られ無いように鍋掴みを手に纏い、煮っ転がしの入った鍋を手に持ちました。 そのまま、神奈子様の背中を追うように居間へと向かいます。 …―しかし、居間で諏訪子様と一緒に待っているはずのれーむは居ませんでした。その代わり下手くそな、一生懸命書いたのであろう字の置き手紙がちゃぶ台の上にありました。 『おかあさんかさんぱいするので、かえります。また、あそぼうね れいむ』 「…『れいむ』、じゃあどっちがどっちかわからないじゃない」 私は呆れながら煮っ転がしの入った鍋をちゃぶ台に置き、手紙を折り畳んで近くのたんすの上に置いておきます。 れーむが言っていた寝ると居れなくなると言うのは、単純なことだったんですね。『親が心配するから帰らないといけない』ということです。 「多めに作った意味が無くなっちゃいましたね、どうしましょうか」 「まあ、保存しとけば明日にでも食べられるし。いいんじゃあないかな」 「それもそうですね。…字を教えたの、諏訪子様ですよね。『が』の文字が『か』になっていますよ。『ち』だって反対になってますし。そもそも『さ』ですらありません、『し』ですよ」 「ケロ~…! そこまで揚げ足を取らなくたっていいじゃないか! 日本語むつかしいアルよ!」 「それじゃあ中国人ですよ」 アハハ、という笑い声が神社内に響きます。私は、神奈子様が持って来てくれたお皿に煮っ転がしを一通り盛りながら考えます。 次は、いつ会えるかな。 ☆ 澄みきった、色の薄い青空が裸の枝の上に広がっていた日のことです。雪掻きをしていて、休憩しようと縁側へと向かい、気が付いたらそいつはまたいきなり私の前に現れたのです。 「友達を連れてきたよ! ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっ! ゆっくりしていくがいいんだぜ! ゆっくりしていってね!!!」 増えてる…。 個人的に好きなタイプの話でしたw 早苗さんキャラが女子高生っぽいところとか。 未知の生物との邂逅って感じがするところとか。 あとなんといってもゆっくりが「欲情したの?」みたいな台詞を言う小賢しいところとか悶える。 AAであったにやりとした顔が思い浮かびました。 -- 名無しさん (2009-02-24 21 58 41) 早苗さんにゆっくり霊夢・・・・う~ん、似合いすぎる!! -- 名無しさん (2013-08-25 19 31 55) 名前 コメント
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「「ゆっくりしていってね!」」 ハッキリと、大きな声が畑の近くで聞こえた。声のする方へ近づいてみるとそれは二体の生き物だった。 畑の脇の道にいた二体は人語を話してはいるがどうみても人間やオウムの類ではなかった。 二体に共通する特徴は、バスケットボールほどの大きさの饅頭であるということだろう。 饅頭が生物なのが矛盾しているが、そうとしか言いようのない形であり、また中身も餡子なのでこれが適切だと思う。 左の方の饅頭は、黒のとんがり帽子と長い金髪を持ち、右の方は赤を基調としたリボンを付けていた。 私たちは彼女たちの総称を便宜上、「ゆっくり種」と呼んでいる。由来は先ほどの挨拶だ。 そしてこの二体はそのゆっくりの中でもポピュラーな種類である。左が「まりさ」で右が「れいむ」だ。 自分たちでそう名乗っている以上そうなのだろう。 「やあこんにちは。ゆっくりしてるよ。君たちもゆっくりしてるかい?」 「「ゆっくりしてるよ!!!」」 元気そうに跳ねる二体。私は持ってきたチョコを彼らにプレゼントした。ゆっくりは総じて甘い物が大好きなのだ。 「「ゆー!ゆっくりたべるよ!・・・ゆっくりー!」」 嬉しそうに頬張る二体。するとどこからか別のゆっくりがやってきた。 「チーンポ!」 「とかいはなありすとゆっくりしていってね!!!」 「うー♪うー♪おやつー!」 チョコの匂いに釣られてやってきたのは、みょん、ありす、れみりゃの三体だった。 れみりゃは他のゆっくりと違い人の体に近い体格をしている。 周りに幽霊のような物が浮かんでいるのがみょん。金髪にカチューシャを付けているのがありすだ。 「君達の分もあるよ。はいどうぞ。」 そういって残っていたチョコを渡した。これ以上増えたら流石に足りなかったが増えなかったので安心した。 食後、彼女たちは近くの野原に移動して遊んでいた。 ありすは、花を千切って髪飾りを作っているようだ。細かい作業を口でこなせるのが不思議である。 みょんとまりさは斜面を転がったり登ったりしていた。生首が転がっているようで、結構不気味でもあるが 本人たちの顔は幸せそうである。 れいむはれみりゃに抱っこされながら空を飛んでいた。 「ゆー、おそらをとんでるみたいー!」と楽しそうにしていた。 近くの森には結構な数のゆっくりが居るようだが、たいして問題にはなっていなかった。 別に作物を荒らすわけでもなく、森の食べ物を食いつくこともなく、何故か野生動物にいっさい襲われない彼女たちを 無下に扱う村人はいなかった。 それどころか、彼女たちは畑の雑草を刈ったり、老人の話相手や子供たちと遊んでいたりと、友好的な関係を築いていた。 私も初めてみた時から彼女らの虜になっていた。語彙こそ少ないが、彼らは的確に自らの思いを口にし、 仲間同士で仲良くしている姿は愛らしい子供のようだった。 夕方すぎになり私も家に帰ることにした。 「「ゆっくりさようならだね!!!」」 れいむとまりさ達はそういって森へ帰って行った。私も夕食のメニューを考えながら帰路についた。 それが彼女たちとの最後の会話だとも知らずに。 夜の森、そのど真ん中でゆっくり達は寝ていた。数は数十匹ほどだろうか。 毛布代わりに葉っぱをかけているだけで全く無防備である。 だが彼女たちは他の生き物に襲われることはない。正確に言えば、見た目と違い襲ってくる野生動物を撃退できる程度の力を有しているからだ。 しかしそんな彼女たちにも魔の手が迫っていた。その手は彼女たちを掴むと、そのまま袋に入れていった。 そうして全員を入れ終えた後、その人影はどこかへ消え去っていった。 郊外にひっそりと建てられたとある施設。そこはとある会社の倉庫だった。 元々は別な目的で作られたようであるが、紆余曲折あって今はとある金持ちの所有物となっていた。 そこへ先ほどのゆっくり達が運ばれてきた。彼女たちは数ある倉庫の一つへ連れてこられると、そこへ無造作に放り込まれた。 流石に振動で目を覚ましたようで、彼女たちはキョロキョロと辺りを見回していた。 そこへ何人かの若者が入ってきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 そう言ってその男たちはポヨンポヨンと近づくゆっくり達。男たちはそのうちの二体を掴みあげた。 「ゆ?ゆっくりもちあげられたよ!」 どうやら抱きかかえられたと思ったらしい。れいむは喜んでいた。 掴みあげた男は、れいむを観察するとそのまま床に叩きつけた。 ベチィ!っと床に叩きつけられたれいむは、何が起きたのかわからずただただ、泣き続けていた。 「ゆー!ゆっくりできないよ!ゆっくりいたむよ!」 「「「「ひどいことはゆっくりやめてね!!!」」」」 他のゆっくり達から抗議の大合唱を受けたが、特に気にせず男たちは話していた。 「饅頭のくせに潰れないのはおかしいだろ。常識的に考えて・・・」 「ていうかこいつら生き物なら、どうやって個体を増やしてるんだ?生殖器なんぞ見当たらないが」 「そもそも食った物はどこへ行ったんだ?」 「ていうか甘いものが好きなら、共食いしそうだぞ。饅頭だし。」 「とりあえず実験してみようぜ。なにせ数は多いんだ。気を使わなくて済む。」 男たちはそれぞれの実験のためにゆっくり達をそれぞれ連れて行った。 ある男はゆっくりの繁殖について実験していた。当初は分裂でもするかと思ったが流石にそれはないと判断した。 しかし体のどこにも繁殖に使われそうな物はなかった。仕方がないので体を無理やり触れさせてみた。 「いたいよ!ゆっくりやめてね!」 「ありすもいたいわ!ゆっくりやめてね!」 男の手でゴシゴシと二人はすり合わされていた。まりさの後ろからありすを押し続けていた。 かれこれ30分は経過した。一向に変化はない (やはり他の動物みたいな生殖器はないのか・・・隠れてる説も考えてみたが無駄だったようだな。) 男は諦めて次の実験をしようとした瞬間、突如、ありすから男性器に似た物が文字通り生えてきた。 「ゆー!なにこれ?わからないわ!」 まりさの方を見てみると何か穴が開いていた。どちらも先ほどまではなかったものだ。もしやと思い無理やりそこへねじ込んでみた。 「ゆー!ゆっくりできない!ゆっくりさせて!」 「ゆ!ゆ!・・・ゆっくりー!」 入れてすぐにありすは絶頂に達したようだ。 しかしそれだけで何も起きなかった。しかし男の眼は輝いていた。 (妊娠はしなかったが・・・生殖活動を行える事がわかっただけでも大きな進歩だ。次は妊娠の方法だな。) 男は今の出来事を記すためにパソコンに向かい合った。 別な男はゆっくりの食事について調べていた。基本雑食であるが、特に甘い物が大好きなのがゆっくりである。 ならば辛い物はどうなのだろうか。甘党な連中のことだ。辛さは苦手だろう。 ためしに一匹のちぇんにキムチを食べさせてみた。 「からいんだよーたべれないよー!」 予想通り苦手なようだ。しかし大した変化もなく、男はつまらなそうな顔をした。 (せめて辛さにのたうち回って死ぬとかしたら面白いのにな) そう思いながらもう一回キムチを食べさせてみた。すると 「からいよー!ゆっくりできないよー!たすけてー!」 そういって暴れ出した。手から落ちたちぇんがそのままのたうち回って死んでしまった。その顔はまるで窒息死でもしたかのような顔だった。 先ほどまではただ嫌がってただけなのに何故・・・考えてもわからないのでとりあえず別な実験をすることにした。 甘いもの好きなら共食いはするのだろうか。 手始めに適当なゆっくりをテーブルに置いた。まりさだった。 「ゆっくりしていってね!!!」 純粋無垢な目をこちらに向けていた。 俺はそのまりさをいったん放置して、近くのれみりゃを抱きかかえて椅子に戻った。 「う~♪だっこー!」 嬉しそうにこちらにひっつくれみりゃ。俺はそのれみりゃに対して 「お腹すいてる?甘いのでも食べる?」 と聞いた。すぐさま 「うー!たべるー!」と返事をしたので、れみりゃは床に下ろしてテーブルの上のまりさを持った。 「あーんして。ただし眼は瞑るんだよ。」 「うーーーーーん」 大きく口を開けたれみりゃの口の中にまりさを入れる。そして 「はいとじる。」 グシャっという音が響き渡った。どうやらまりさは即死のようだ。断末魔さえあげなかった。 「うー!おやつ・・・うー!まりさがくちにいるー!どうしてー?」 どうやら事態を把握できてないようだ。まあそれならそれでいい。 餡子の味を覚えたなら、おそらく他のゆっくりも遠慮なく食える気がする。いやまあ普通に考えれば仲間を自発的に食ったりはしないだろうが なのでこれは俺の希望にしかすぎないのだが。 「れみりゃ?饅頭はおいしかったかい?」 「うー!おいしかったー!」 「そうか。ならあそこにいる饅頭も食べていいよ。」 さあどうでる。多分食わないだろうが、個人的には食べた方が面白い。 「うー・・・・?」 迷っているのか、それとも何も考えてないのか。表情からはいまいち読み取れない。だが次の瞬間 「うー!おやつたべるー!」 近くにいたれいむを掴んでかじった。 「ゆっくりやめてねれみりゃ!ゆっくりできないから!」 れいむの訴えもむなしく食べられてしまった。 結局このゆっくり達はれみりゃに全員食べられてしまった。しかしなんでこいつらは逃げなかったのだろうか。 結局この倉庫では全滅するまで若者たちは思い思いの実験を楽しんだ。そのあとも若者たちは実験を繰り返し それらをブログ等で発表。たちまち話題となり、全員捕まった。森への不法侵入である。 そしてその発表がネットで広まると、ゆっくりに対して様々な情報が飛び交った ゆっくりは野生動物と同じくゴミ箱を荒らすだの ゆっくりの排泄物も餡子だの ゆっくりは植物のように繁殖するだの 車に似た物に乗って高速道路で100kmを出しただの。 優しそうに見えて実は口が悪いだの 根拠のない情報が飛び交った。しかしその情報は数日後に現実になった。 それから数年後、今はゆっくりは害獣の代名詞のような扱いだった。 畑を荒らし、ゴミ箱をあさり、他人の家にかってに住み込んでおうち宣言を行い あげく住人には暴言を吐く。なまじ知能と言葉を持ってるが故にそこいらの動物などとは 比べ物にならないほどタチが悪かった。 私はそんな状況を哀しんでいた。どうしてゆっくりはこうなったのか。ふと一軒家を覗いてみると、そこにはれいむとまりさ そしてその子供たちが数体居た。彼らは住人であろう男に向かって 「ここはれいむたちのおうちだよ!ゆっくりできないおにーさんはでていってね!!!」 「おやつをもってくるならいるのをゆるしてあげるんだぜ!!!」 男はため息をつくと、傍に居た犬の首輪をはずした。 「食べていいぞ。」 すぐさま犬はゆっくり達に襲いかかった。まずはまりさの帽子が奪われた。 「なにするんだぜ!ゆっくりできないばかいぬはとっといぎゃああああああああああ!!!」 頭から噛まれたまりさは、そのまま二三回地面に叩きつけられた。金髪の髪が餡子で汚れていた。 「やべるんだぜぐぞいぬ!!!!ぐぞじじい゛ぼびでないでどっどどだづげろ゛お゛お゛お゛!!!」 「まりさ!しっかりしてね!いまたすけるよ!」 「おとーしゃんいまたちゅけるよ!」 他の家族が必死に犬へ体当たりをする。しかし効果は全くない。 そうこうしてるうちに子供まりさの一匹が「そろーり、そろーり」と言いながら庭から出て行こうとしていた。 しかしそれに気付いた親れいむが止めようとする。 「どうじでがぞぐをみづででに゛げよ゛う゛どじでるのお゛お゛お゛!!!」 「うるちゃいんだぜ!まぬけなおとーさんがわるいんだぜ!」 そういって逃げようとしたまりさ。しかし何者かに上から押さえつけられてそれは失敗に終わった。 「ゆ?・・・れ、れみりゃだああああああああああ!!!!ばりざはおいじくないィ!」 命乞いをする暇もなく、半分にされたまりさ。それを美味しそうに食べるれみりゃ。 口の周りを汚しながら 「う~♪あまあまおいしいどぉ~♪おぜうさまにはえれがんとなちょうしょくがひつようだどぉ~♪」 そう言いながら次々とゆっくりを食していった。 「でびりゃはゆっぐじできないいいいいいい!!!!」 「ばりざをだづげるんだぜええええ!!!!」 「でいぶをゆっぐじざぜないおぎゃーじゃんだぢはじねええええええええ!!!!」 別のところでは学校の花壇の花を食している家族が居た 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「ときゃいはおはなさんね!ありちゅがゆっきゅりたべちゃあげるわ!」 そこへ学生達が近づいた。 「ヒャッハー!虐待だー!」 そのあとは見てない。 今ではよく見られる光景であった。 私はとある大学へ来た。そこには世界でも有名なゆっくり研究の第一人者がいる。彼の発見とやらを取材しに来たのだ。 研究室へ入ると初老の男が出迎えてくれた。 挨拶もそこそこに、私は今回の発見を聞くことにした。大学時代の恩師の友人である彼は、未だ発表されてない発見を 私だけに教えてくれるそうだ。しばらくは記事にしないという条件だが。 「これを見て下さい。」 男が指をさした方には、二つのケースがあった。そこには二体のれいむがそれぞれ入れられていた。 「右は野生のゆっくりを捕まえたものです。左は研究所で外には一切触れずに育てたものです。左と会話してみてください。」 右のれいむはこちらに気づくと 「ゆ!れいむはおなかすいたよ!ばかなじじいはとっととごはんをもってきてね!!!」 と言ってきた。対して左はと言うと。 「ゆっくりしていってね!!!」 今では滅多に聞けない、あの挨拶をしてきた。だがそれだけである。 「しかしこれが何か?挨拶だけなら、ブリーダーの育てたゆっくりなら・・・」 「では、ちょっと中身を見てみましょうか。」 そういって教授は左のれいむの顔を少し引きちぎった。」 「ゆ!はかったねおじーさん!」などと言いながら引きちぎられたれいむ。私は餡子が漏れるとばかり思っていたが 傷口からは何も起きなかった。 「よく見てください。」 私は傷口をみた。そこには餡子はおろか何もなかった。ただ白いだけだった。 なんだこれは?全く訳がわからない。どうして餡子がないのだ。 「隣へいきましょう。」 そういって教授は左のれいむだけをケースから取り出し。隣の部屋へ向かって言った。 右のれいむは「はやくここからだせ!ださないとれいむがゆっくりできなくさせるよ!!!」と言っていた。 そこは今まで見たこともないゆっくりだらけだった。 いやれいむやまりさは見たことがある。 しかし私の知っている彼女たちではなかった。 まりさは滑るように移動しながら院生に餃子を無理やり食べさせていた。れいむはひたすら何かを運んでいた。 れみりゃは「うー!」と言いながら手から何やら不思議な弾を出し、きめえ丸はもはやなんだかわからない生き物になっていた。 「どうですか?ついでにあのまりさとれいむは銃弾でもビクともしませんよ」」 「どうですかと言われても・・・このゆっくり達は一体?」 「元は野生の赤ゆっくりでしたよみんな。育て方も普通の育て方をしたまでです。ただしちょっとした事をしましたが」 「ちょっとした事?」 「正確には思っただけですね。たとえばあのれいむ。世話をする人間は、あのれいむと接する時必ず、『これは理解不能の不思議生物だ』 と思いながら接するように命じました。」 「思う・・・ってホントに思っただけですか?」 思わず聞き返した。 「ええ。そうやって何回か試したうちに一つわかりました。・・・おそらくゆっくりは人間の望みどおりに変化するのではないかと。」 「へ・・・変化ですか?」 「例えば、『このれいむは1m上から落ちただけで死ぬ』と思いながら育てるとしましょう。世間一般で普通と言われているれいむならば 1mからでは死にません。しかしそう思いながら育てていったれいむは、本当に1m上から落とされただけで死ぬんですよ。 これなら、未だにゆっくりの生態に関する情報が乱立してる事も説明がつきます。人の『こうなってほしい』という思いに 影響を受けるのならば、一人一人違うゆっくりが生まれるのですから。口の悪くて脆弱なゆっくりも、礼儀正しいゆっくりも その人しだいということでしょう。」 教授の言ってることは最早あらゆる法則から外れていた。しかしそう言われるとそうかも知れない。 「今の世間の一般認識はゆっくり=害獣という認識が強いです。おそらくそれによって大多数のゆっくりがあのようなのになったのでしょう。 思い込みしだいでは饅頭ですらなくなると言うのに。」 ふと数年前の記憶が蘇った。あの頃の私はゆっくりが饅頭であり、生物であり、甘い物が大好きだと思っていた。 いや、思っていたからこそそうなったのか。 「ここに来た記念にこれを差し上げましょう。」 帰り際、そういって教授から箱を手渡された。中を覗いてみると、小さなれいむとまりさが眠っていた。 スヤスヤと寝息を立てている姿は可愛らしかった。 「貴方も体験してみるといい。彼女たちがどういう風になるかは、貴方しだいなのですから。」 そういって教授は研究室へ戻っていった。 私は箱を見ながら、あの野原の事を思い出した。 ふと、二人が目を覚ましたのがわかった。私はこういった。 「ゆっくりしていってね!!!」 【あとがき】 色々とアレな設定ですが。まあ適当に読んでください byバスケの人 過去作 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 お兄さんとドスれいむ 鬼意屋敷殺人事件 どすの加工所 幻想樹の迷宮 幻想樹の迷宮Ⅱ 徹夜でゆっくりしようぜ! 徹夜でゆっくりしようぜ!2 地震 ゆーうーかい ゆーうーかい 解決編 ゆーうーかい番外編 ~ゆっくりプレイス~ ゆっくりパニック れみりゃをむーしゃむしゃー 帽子のないれみりゃ ゆっくりプレイスを求めて 水上レース このSSに感想を付ける