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売れるゆっくりを開発せよ!! まりさつむり量産計画Ⅱ 44KB 虐待-凄惨 制裁 観察 飾り 実験・改造 赤ゆ 子ゆ ゲス 透明な箱 加工場 現代 虐待人間 創作亜種 独自設定 うんしー 2部目 『売れるゆっくりを開発せよ!! まりさつむり量産計画Ⅱ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 1195 売れるゆっくりを開発せよ!! まりさつむり量産計画Ⅰ』の続きです 偽つむりが誕生して2週間が経った。 「ゅ………ゅ……」 「……ぃ…ぢゃ……ぃ……よぉ……」 「ゅ……っぐ……り……」 毎日毎日赤まりさ達は痛めつけられていた。メニューは毎日同じだった。 「も…もう………やぢゃぁ………こりょ……じぢぇぇ……」 驚くべきことに1匹として赤まりさは死んでいなかった。流石に帽子は皆既に無くなってはいたが。 傷だらけになったら砂糖水をかけてやれば復活するのだ。瀕死になったら濃度を濃くしてあげればいい。まさに地獄とはここのことだろう。 一方、隣のケースにいる偽つむり達はどうだろうか。 「ゆぷぷ!!ぜんぜんゆっくちできてにゃいね!!」 「おおあわりぇあわりぇ!!」 「やっぴゃりちゅむりしゃまはいちばんゆっくちできちぇりゅんだじぇ!!」 当初は隣のケースで赤まりさ達が痛めつけられているのを見ては目を背けたり可哀想だと同情したりおそろしーしーを漏らしたりしていた。 しかしそれが慣れてくると赤まりさ達が痛がっているのを眺めてはゲラゲラ笑ったり優越感に浸っているのだ。たった2週間でこのザマだ。 もう立派なゲスである。ゲスといえばもう1匹いる。 「ちゅむりはおにゃかがへっちゃんだじぇ!!!ゆっくちちにゃいであみゃあみゃもっちぇこい!!」 もう1つのケースにいる正真正銘のまりさつむりだ。ずっと甘やかされて生きてきたためゲスのお手本のようなゆっくりになってしまった。 生まれてからちゃんとした教育を受けていたのだがここでの生活ですっかり意味が無くなってしまった。 言葉使いも生まれたばかりの赤ゆっくりと全く変わらないレベルの赤ちゃん言葉に逆戻りしている。 「ぐじゅぐじゅししゅぎなんだじぇ!!!どれいはゆっくちちないぢぇおやちゅをおいちぇくんだじぇ!!」 これには職員達もイライラしているのだが研究開発の一環であるため我慢してきた。 「チーフ。もう偽つむりはつむりの方を見てませんよ」 退社時刻直前に1人の職員がこう切り出した。 「確かに見てないな。つむりを見るよりもまりさが痛めつけられてるのを見てるほうがゆっくりできるんだろう」 そもそもつむりを甘やかせてきたのは偽つむり達に"つむりはとてもゆっくりできる"と心の底から思わせるためだ。 つむりを見ないのであれば最早つむりの存在価値は無に等しい。 「正直俺はもうつむりの世話なんかしたくないですよ。もういいんじゃないですか?」 「ちゃんと記録が撮れているか確かめよう。記録が撮れているならつむりは排除するか」 つむりに何かトラブルが起こったとき、もしくはこの方法が上手く行き正式採用された場合を考えてつむりの映像を撮り続けていたのだ。 「この頃は…可愛かったですね」 「どうしてああなっちゃんただろう…」 「2週間でここまで悪化しますかね?普通」 記録映像を見ながら職員達は呟いた。2週間前の純粋なまりさつむりは一体どこへ行ってしまったのだろうか…。 「ちゃんと撮れてるよ。これで十分だろ」 「じゃあつむりは排除ですね」 「飼育部門に戻して再教育は無理か?」 「絶対無理ですよ。これじゃもう誰も買わないですよ」 「あ、出来れば俺にくれませんかね?ちゃんと始末しますから」 「別にいいぞ。俺はいらない」 「私もいいや」 「俺も」 言いだしっぺの青年職員がまりさつむりを得ることが出来た。 「じゃあ俺はここでつむりと遊ぶんで鍵は置いておいていいですよ。餌やりもしときますから」 「ちゃんと片付けとけよ」 「お疲れ様でした」 「じゃまた明日」 職員は次々と帰宅していった。研究室に残ったのは青年1人だけだ。 「さてっと…」 青年は色々と道具を揃えていた。 「つむりを虐待するなんて……もしかしたら俺が最初かもな」 確かに1匹10万円もするゆっくりを虐待する人はいない。そんな財力があるなら大量の通常のゆっくりを殺戮していくほうが遥かに楽しい。 つむりが量産化されれば虐待する人も増えるのだろうか。 「よっと」 彼はケースからつむりを持ち上げた。 「ゆっ!!おしょらをとんでりゅよ!!!」 ここに来て2週間、生まれてから約1ヶ月経過しているが大きさは赤ゆっくりに毛が生えた程度でしかない。 通常であれば既に子ゆっくりのサイズにはなっているはずだ。正真正銘のまりさつむりだからこそ小さいままなのだ。 ただ贅沢な暮らしをしてきたため若干太り気味ではある。見るからに可愛らしさというものは無くなっている。 「ゆ!!!じじいはだれなんだじぇ!!?きちゃないちぇでちゅむりしゃまにさわりゅんじゃないじぇ!!!」 2週間前であれば絶対に吐かなかったであろう汚らしい言葉使いだ。 「ちゅむりはとくべちゅなゆっくちなんだじぇ!!どうちちぇもっていうんにゃらどりぇいにしちぇやるのじぇ!!!」 早くも初対面の人間に対して奴隷扱いだ。青年はつむりを床から30cmくらいの所から落とした。 「ゆびぇ!!!!い…いぢゃい!!!いぢゃいぃぃぃ!!!!」 つむりは通常のゆっくりよりも痛みに弱い。床に叩き付けられたつむりは生まれて初めて味わう痛みに悲鳴を上げた。 「にゃにすりゅんだじぇ!!!!ちゅむりしゃまはとくびぇつなんだよ!!!あやばりゅんだじぇ!!!」 「………」 青年はニヤニヤしていた。 「ゆぁぁぁ!!!どりぇいのくしぇになまいきなんだじぇ!!!ちゅむりしゃまがせいしゃいしちぇあげりゅよ!!!!」 威勢は良いがのっそのっそと動いているだけだ。通常のゆっくりならば飛び掛っていることだろう。 「ゆぅぅぅ……ちゅかれたんだじぇ……ゆ!…うんうんしゅるよ!!……ちゅっきりー!!」 10数cm動いたところで急に止まりうんうんするまりさつむり。馬鹿な画である。 「ちゃっちゃとかたぢゅけるんだじぇ!!!ちゅむりしゃまのうんうんをかたぢゅけるなんちぇこうえいにおもうんだじぇ!!!」 「…………」 青年はつむりのもとへ歩いた。 「ゆ!!やっちょこうしゃんしたんだにぇ!!ちゅむりしゃまのどりぇいに………ゆぅぅ!!!!なにしゅんだじぇぇぇぇ!!!!?」 彼はつむりの貝殻を取り上げた。 「かえじぇ!!!ちゅむりしゃまのゆっくちちたかじゃりしゃん!!!!かえしゅんだじぇぇぇぇ!!!!」 彼はつむりから1m程離れた所に貝殻を置いた。当然つむりは貝殻を取り戻そうと動いた。 「ちゅむりのゆっぐぢぢだかざりしゃん!!!じじいなんきゃにあげにゃいよ!!!」 貝殻が無いせいか少し動きが良くなった。それでも通常のゆっくりに比べたらまだまだのろまだ。 「ゆぅぅ…ゆぅぅ…ゆぅぅ………。ぢゅかれぢゃぁぁ!!!くしょぢょれい!!!!かざりしゃんをもってくりゅんだじぇ!!!」 貝殻までの距離の半分も歩かないうちに疲れてしまい貝殻を奪った張本人に阿呆な要求をした。 「ゆ……ゆあぁぁぁ!!にゃにするんだじぇぇぇ!!!そっぢじゃにゃいぃぃ!!!」 青年は貝殻を更に遠くへ転がした。 「きゃざりをとりかえしちゃらじぇったいころちちぇあげるんだじぇ!!!!あやまっぢぇもおしょいんだじぇ!!!!」 つむりは一生懸命前に進んだ。ここまで動いたのは生まれて初めてだろう。 「ゆぅぅぅ!!!きゃ…きゃざりしゃん……とおしゅぎるんだじぇ……」 通常の赤ゆっくりならば5分もあれば余裕でたどり着くだろう。つむりは10分程経ってようやく貝殻の手前までたどり着いた。 「きゃ…きゃざりしゃん……ゆひぃ……も…もうしゅこち………ゆ!しょ…しょんなぁぁ!!!!きゃざりしゃんがぁぁぁ!!!」 つむりの視界から貝殻が消えてしまった。 「ほれほれ。ここにあるぞ」 貝殻は青年が持っていた。 「ど…どりぇいのくしぇにぃぃぃ!!!!かえしぇ!!!きゃざりしゃんかえしぇぇぇぇ!!!!」 つむりは青年の靴にぽこんぽこんと体当たりをした。あまりにも弱すぎて当たった感触すらなかった。 「しぇいっしゃいなんだじぇ!!いぢゃいでしょ!!ゆっくちちにゃいでこうしゃんしゅるんだじぇ!!!」 「ちょっと飽きてきたな…」 つむりはまだ体当たりを続けていた。 「こにょ!!こにょ!!ちゅむりしゃまはちゅよいんだじぇ!!!こにょ!!」 青年は足を退けた。つむりはずっこけた。 「ゆびぇっ!!!いぢゃ……ゆぅぅ!!まちゃういちぇるぅぅ!!!!」 彼はつむりを持ち上げた。そのまま先程つむりがうんうんをした所へ歩いた。 「うんうんはゆっくちできにゃいよ!!どりぇいはしゃっしゃとかたぢゅけるんだじぇ!!!!」 そのうんうんの山に貝殻を乗せた。予想していなかった事態につむりは悲鳴を上げた。 「ちゅむりのゆっくちちたきゃざりしゃんぎゃぁぁぁぁ!!!にゃにすりゅんだじぇぇぇ!!!きりぇいにしゅる……ゆ?」 うんうんの山がつむりの目の前まで迫ってきていたのだ。 「ゆわぁぁぁ!!!くちゃい!!!くちゃいんだじぇぇぇ!!!いや!!!ゆっぐぢでぎにゃいぃぃぃ!!!!」 青年はつむりをうんうんの山の寸前でぶら下げていた。余程匂うのかしきりに体を動かしていた。 「ゆわぁぁぁ!!!!ゆっくぢでぎにゃいぃぃ!!!!はやきゅかだぢゅけりょぉぉぉぉ!!!!…ゆびゅっ!!!!」 つむりがうんうんの山に顔からダイブした。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!っべっべ!!!ぐぢゃいぃ!!!!くじゃぐでゆっぐぢでぎないぃぃぃ!!!…ゆぎょぉぉっ!!!!」 彼の指がつむりをうんうんの山に押し付けていた。つむりはもがいたが顔はうんうんの山にうずめたままだった。 「ぎゅるじっ!!!!ゆぎぇぇぇ!!!やびぇ……ゆぎぃぃぃぃ………」 つむりの体はうんうんまみれになった。青年は指を退けた。 「ぐぢゃいぃ……ちゅむりの……きりぇいなきゃおがぁ………。ゆぎぃぃぃぃぃ!!!!はやきゅきりぇいにすりゅんだじぇ!!!」 青年はつむりを摘み3つのケースが置いてある場所へ移動した。 「きゃざりぃぃ!!!!ちゅぶりのかじゃりかえじぇぇぇぇ!!!おろちぇぇぇぇ!!!くしょどりぇいぃぃぃ!!!!」 つむりは偽つむり達がいるケースの蓋の上に降ろされた。 「ゆっぎゅ……ゆ?…きょきょにもちゅむりがいりゅよ!?」 つむりは下を向いた。偽つむりがいるケース自体はスピーカーを仕込んだただのケースだが蓋だけには細工がしてある。 蓋はマジックミラーになっており偽つむりが上を向いても外の様子は見えないのだ。 つむりはケースの中の様子を見ることが出来るが中にいる偽つむりは蓋の上に乗っているつむりを見ることが出来ない。 「これな~んだ?」 青年はさっきまでつむりがいたケースからクッションやボールを取り出した。 「しょれはちゅむりの!!!!ちゅむりのおもちゃだよ!!!しゃっしゃとかえしゅんだじぇ!!!!」 彼はつむりには返さず蓋に付いている小窓を開けるとクッションやボールを偽つむり達がいるケースの中に落とした。 「にゃにしゅるんだじぇぇぇぇ!!!!?か…かえしゅんだじぇ!!!ちゅむりの!!!ちゅむりのおもちゃぁぁぁ!!!!」 つむりはケースの中の偽つむり達に向かって叫んだ。 「にゃんだきゃうえがうりゅしゃいよ?」 「ゆ!?にゃにかおちてきちゃんだじぇ!」 ケースの中では偽つむり達が突然降ってきたクッションやボールに群がっていた。 「こりぇはなんだじぇ?」 「ゆ!?ゆぅ~!!ふきゃふきゃするよ!!」 「ゆぅ~ん!!ゆっくちできりゅにぇ!!」 「ゆ!!こりぇおもしりょ~い!!!」 「ちゅむりもあしょぶんだじぇ!!」 すぐにクッションに顔をうずめたりボールを転がしたりして遊びだした。 「ゆっくちできりゅんだじぇ!!!」 「やっぴゃりちゅむりはゆっくちのなきゃのゆっくちなんだじぇ!!」 この様子を見ていて面白くないのは蓋の上の正真正銘のまりさつむりだ。 「きゃえしぇ!!!!ちゅむりの…ちゅむりのおもぢゃにゃのにぃぃぃぃ!!!!ゆがぁぁぁ!!!!」 つむりは蓋の上で小刻みにジャンプしていた。地団太を踏んでいるつもりなのだろうか。 「じゃあ逝っておいで」 青年は小窓を開けつむりをケースの中に落とした。 「ゆびゅっ!!!」 つむりがケースの中に落ちた。偽つむり達の注目がつむりに注がれた。 「こんどはなんなんだじぇ!!?」 「ゆ!?にゃんだきゃくしゃいよ!!」 「こりぇゆっくちだよ!!ゆ!!ゆっくちできちぇにゃいんだじぇ!!」 つむりは自らのうんうんまみれで見るからに汚い。 「ゆぅぅ……い…いぢゃいぃぃ…いぢゃいよぉぉ!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!!!ゆあぁぁぁん!!!!」 つむりは泣き喚いていた。偽つむり達はゴミを見るかのようにつむりを眺めていた。 「ゆびぇぇぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇぇ……いぢゃっ!!!ゆ!?ちゅ…ちゅぶりのおもぢゃぁぁぁ!!!」 泣き喚いているつむりにボールが当たった。 「しょれはつみゅりのだよ!!!かえちちぇね!!!」 「きたにゃいゆっくちがさわりゅんじゃないのじぇ!!!」 ボールで遊んでいた偽つむり達がつむりに体当たりをした。 「いぢゃい!!!!にゃにすりゅんだじぇ!!!しょれはちゅむりのおもちゃだじぇ!!ゆぅぅ!!しょのふかふかしゃんもちゅむりのだじぇ!!!」 つむりはクッションに顔をうずめようとした。 「こりぇはつむりのだよ!!あっちいっちぇにぇ!!」 「ゆっくちできにゃいんだじぇ!!こにょ!!!」 つむりは偽つむり達に弾き飛ばされてしまった。 「ゆぎぃぃぃ!!ちゅむりは…ちゅむりはとくびぇつなゆっくちなんだよ!!じぇんぶちゅむりのだよ!!かえしゅんだじぇ!!!」 偽つむり達は一斉に嘲笑した。 「ゆぷぷぷ!!!!ちゅむりだっちぇ!!」 「かじゃりしゃんがにゃいのにちゅむりだっちぇ!!」 「つみゅりしゃまよりゆっくちちちぇいるゆっくちなんちぇいにゃいんだじぇ!!」 「きちゃにゃいからどっかいっちぇにぇ!!」 こうしてまりさつむりと偽つむりが同じケースにいると大きさの違いが良く分かる。 正真正銘のつむりは少し太り気味の赤ゆっくりといったところだが偽つむりは正体がまりさ種であるため小さめの子ゆっくりサイズになっている。 ケースの中の状況はぽっちゃりの小学生がたった1人で中学生グループに喧嘩を売っているようなものである。 「つみゅりしゃまにはゆっくちしちゃかじゃりさんがあるんだじぇ!!」 「きゃざりをもっちぇないにょにゆっくちできりゅわけないんだじぇ!!」 「ちゅむりだっちぇ!!おりょかおりょか!!」 ゲラゲラ笑われてつむりは怒り狂った。 「ゆがぁぁぁぁ!!!ちゅぶりじゃばは…ちゅぶりはえりゃいんだじぇ!!!しぇいっさいしちぇやりゅぅぅぅぅ!!!!」 つむりは偽つむりに飛び掛った。が、体力が無いため偽つむり達のかなり手前で着地してしまった。 「ゆぷぷぷぷぷ!!!!!にゃにしちぇるにょ?」 「しょれでこうぎぇきしちゃつみょり?」 「ばかなんだじぇ!!かじゃりもにゃいし。あしょんでやるのじぇ!!」 まず1匹の偽つむりがつむりを弾き飛ばした。 「ゆぎぃっ!!いぢゃい!!いぢゃいぃぃ!!」 偽つむりは正体が普通のまりさ種であるため貝殻を被っていてもつむりより遥かに体力がある。 「ゆ!!おみょしろいんだじぇ!!!」 「よくとぶんだじぇ!!しょれ!!」 つむりは偽つむり達にボールとして遊ばれてしまった。 「いぢゃい!!いぢゃいよぉぉぉ!!!だじゅ…ゆぎぃ!!いぢゃいぃぃぃ!!!」 「たのしいにぇ!!」 「うしょつきはゆっくちできないにぇ!!ゆっ!!」 「やびぇぢぇぇぇ!!!いぢゃい!!!ぶえっ!!ぼうやぢゃぁぁ!!!おうぢがえりゅぅぅぅ!!!!」 一方つむりをケースの中に落とした青年はというと餌の準備をしていた。毎日職員が交代で退社時間後偽つむり達に餌をあげているのだ。 「結構面白いものが見れそうだな。…これか」 青年はマイクの傍のボタンを押した。 『おちびちゃん!!!ご飯にしようね!!!』 録音しておいた音声がケースの中に響いた。マイクの傍にはいくつかのボタンが設置されている。 常時荒沢さんをマイクの前に拘束しておくわけにもいかない。予め様々な音声が録音されているのだ。 「ゆ!!ごはん!!!ごはん!!」 「おにゃかすいちゃね」 「あしょんでたらおにゃかぺこぺこなんだじぇ」 固形の餌がケースの中に降り注いだ。偽つむり達は餌に噛り付いた。 「「「むーちゃむーちゃ!!しあわしぇぇ!!」」」 「「おいちくちぇゆっくちできりゅにぇ!!」」 空腹なのはつむりも同じだ。美味しそうな匂いに誘われて傍に転がっている餌へ歩き出した。 「ちゅ……ちゅむりも……おにゃか……へっちゃ…よぉ……」 のそりのそりと餌に近付いた。 「い…いちゃぢゃ…きま…じゅ……」 つむりが口を開けた。 「ゆ!!!?しょれはつみゅりのごはんしゃんなんだじぇ!!!かっちぇにたべりゅんじゃないじぇ!!!!」 つむりに気付いた偽つむりがつむりを弾き飛ばした。 「ゆぎぇ!!にゃ…にゃんでぇ……ちゅむりだっちぇ…ちゅむりだっちぇおにゃかしゅいたよぉぉ!!」 偽つむり達はつむりにこう言い放った。 「うりゅしゃんだじぇ!!かじゃりのにゃいへんなゆっくちはちゅむりなんかじゃないよ!!」 「とくびぇちゅでごみぇんにぇ!!こりぇはつみゅりのごはんしゃんだよ!!」 「あちょであしょんでやりゅからしょこでまっちぇるんだじぇ!!」 餌はどんどん偽つむり達が平らげていった。 「ゆわぁぁぁぁん!!!おにゃかしゅいちゃぁぁぁ!!!ちゅむりにも!!!ちゅぶりにもぉぉぉ!!!」 つむりは泣きながら餌に飛び付こうとした。 「あっちいきゅんだじぇ!!」 「ゆびぇっ!!ど…どびょじぢぇ……ちゅぶりは…ちゅぶりはときゅべちゅなのにぃぃぃぃ!!!!」 とうとう餌は全て食い尽くされてしまった。偽つむり達は満足そうに転がっていた。 「しあわしぇぇ!!!」 「まんぷきゅなんだじぇ!!」 「ゆっくちできりゅよぉ」 「おいちかっちゃんだじぇ!!」 つむりは床を這いつくばって餌のカスを舐めていた。 「ぺぇ…ろ……ぺぇ…ろ………ふしあわしぇ……」 流石に偽つむり達は床に散らかったカスまで食べようとはしない。つむりに体当たりもしなかった。 「ゆぷぷ!!みじみぇだじぇ!!!」 「ときゅべちゅなゆっくちがしょんなこちょしゅるの?」 「あわりぇあわりぇ!!」 偽つむりが嘲り笑う。つむりは涙を流しながら床を舐めていた。 「ゆっ…ぎゅ………どびょじぢぇ……っぐ……ちゅむりが……っゆ……っゆ…」 わんわん泣いてしまうと偽つむりに笑われてしまうから、とプライドの高いつむりは涙を堪えていた。 だがそれが返って涙を目元に貯めてしまい大粒の涙がぽろぽろと零れていった。 「ゆ!!?おみじゅしゃんだ!!」 「のどかわいちゃよ!!」 「いちゃだくんだじぇ!!」 ケースの中にストローが数本上空から降りてきた。 「ちゅーちゅー!!」 「ごーきゅごーきゅ!!」 「ぷひゃぁ!!」 「ちゅぎはちゅむりなんだじぇ!!」 代わる代わる偽つむり達がストローを咥え水を飲んでいった。 「お…おみじゅ……のぢょ…きゃわいちゃよぉ……」 つむりも喉が渇いていた。ストローに向かってのそりのそりと歩いた。 「おみじゅしゃん……ちゅむりに…いじわりゅしにゃいでにぇ……」 あともう少しでストローを咥えられる所までやってきた。 「あ…あちょ…もう…しゅこしだよ…」 と、突然ストローがするすると上昇していった。まるでつむりが近くにやってきたのを見計らっていたかのようだ。 「にゃんぢぇ………ちゅむり……のぢょ…きゃらきゃらだよぉ……」 届かない高さまで上昇してしまったストローを眺めながら恨めしそうにつむりが呟いた。 「ぢょっ…まっぢぇぇぇぇ!!!!つみゅりはまだのんでにゃいよぉぉぉ!!!」 「どびょじでぇぇ!!!?ちゅぎはちゅむりだったにょにぃぃぃ!!!」 偽つむりの中でも水を飲めなかったのがいたようだ。 「こいちゅだよ!!こいちゅがいりゅかりゃおみじゅしゃんがかえっちゃったんだよ!!!」 「とんだげしゅだね!!!ちゅむりしゃまがせいっしゃいしゅるよ!!」 怒りの矛先はつむりに向けられた。水を飲めなかった偽つむりはつむりに罵詈雑言を浴びせかけた。 「にゃ…にゃんぢぇ…しょんなこちょ…いうにょぉぉ……ちゅむりだっちぇ……ちゅむりだっぢぇ……」 「うるしゃいよ!!くりゃえ!!」 「なみゃいきなんだじぇ!!ちにぇ!!」 「ゆびぇ!!!いぢゃい!!!やびぇで!!!やびぇでよぉぉぉ!!!ゆぎぇっ!!」 再びつむりは偽つむりから暴行を受けた。水を飲むことが出来た偽つむりも面白がってつむりを虐め始めた。 「もうやぢゃぁぁぁ!!!だじゅぎぇでよぉぉ!!!いぢゃいっ!!!!やぢゃ!!!ゆぎゃ!!!いぢゃいぃぃぃ!!!」 「ゆ!!?にゃんだきゃうんうんがしちゃくなっちぇきちゃよ」 「つみゅりも!」 食後に適度な運動をしていたせいか偽つむり達が次々と便意を催してきた。 「しょうだ!!このぎぇしゅにぴゅれじぇんとしちぇあぎぇるんだじぇ!!」 「うんうんしゅりゅよ!!おにゃかしゅいちぇるなりゃたべちぇもいいんだじぇ!!」 「ゆぎぇぇぇぇ!!!ぐぢゃい!!!ぐぢゃいよぉぉぉ!!!!ちゅぶりにかきぇにゃいぢぇぇぇぇ!!!」 ぐったりとしているつむりに偽つむり達が次々とうんうんをしていった。 「ちゅっきりー!!」 「とくびぇつなゆっくちのうんうんでみょたびぇりゅといいんだじぇ!!」 「ゆぇぇぇ……ぐぢゃいぃ……ゆ…っぐぢ…でぎにゃいぃ……」 つむりは偽つむりのうんうんに飲み込まれてしまった。 「ちーちーもすりゅよ!!」 「ちゅむりしゃまのちーちーをのむんだじぇ!!」 「しゅっきちー!!」 更にしーしーまでかけられてしまった。 「ゆびぇ……ぐぢゃい……にゃんぢぇぇ……ちゅむりは……とくびぇつなにょにぃ……」 出すものを出してすっきりした偽つむり達はゲラゲラ笑っていた。 「いいきみだじぇ!!」 「つみゅりしゃまはゆっくちできりゅんだじぇ!!」 「げしゅはそこでしにゅといいんだじぇ!!」 つむりはうんうんの山の中で泣いていた。 「ゆびぇぇぇぇん……ゆぇぇぇぇん……ゆっぐぢ…ゆっぐぢぢぢゃいよぉぉ……」 一部始終をケースの蓋から見ていた青年はようやくつむりをケースから救い出した。 「いいもん見せてもらったよ。偽者も結構やるねぇ…」 小さい頃からゆっくりの虐待シーンを見ているとゆっくりでもここまで頭が回るものなのだろうか。 「ゆっぐ……ゆっぐ……がえじぢぇよぉぉ……ちゅむりの……ぢゅぶりの…かじゃりしゃん……かえじぢぇ…」 机の上に乗せられたつむりは泣きじゃくりながらしきりに飾りを返せ返せと呟いていた。 「ほぉ…これか?これが欲しいのか?」 つむりの目の前に貝殻を置いた。つむりの表情が途端に明るくなった。 「きゃざり!!ちゅむりの!!きゃざりしゃん!!!まっちぇね!!いみゃいきゅよ!!」 つむりが貝殻に近づいた。 「きゃざりしゃん!!ちゅむりのかじゃりしゃ……ゆぴゃぁぁぁぁぁ!!!!」 突然大きな音がした。つむりはびっくりして目を瞑った。 「にゃ…にゃにが…あっちゃにょ?……ゆ?…ゆ?」 つむりは恐る恐る目を開けた。そして異変に気付いた。 「にゃ…にゃい!!にゃいよ!!ちゅむりの…かじゃりしゃんがきえぢゃっだぁぁぁ!!!」 確かにさっきまでつむりの目の前にあった貝殻が無くなってしまった。代わりにつむりの目の前には黒い円筒状のモノがそびえ立っていた。 「分かんないか?…どうだ?分かるか?」 青年は黒い円筒状のモノを退けた。 「にゃ…にゃにこりぇ?……ゆ!!?…ぅ…うしょでじょぉぉぉぉ!!!!!」 つむりが見たもの…それは割れてしまった自らの飾りであった。 「ちゅぶりのかじゃりじゃん!!!な…なおっちぇにぇ!!!なおっぢぇよぉぉぉ!!!!」 つむりは舌を伸ばし必死に貝殻の破片を舐めていた。舐めれば貝殻が元通りになると思い込んでいるのだ。 余談だがゆっくりは飾りが傷付くと飾りを舐めることが多い。実はこれで本当に修復することがあるのだと言う。 ゆっくりの飾りは小麦粉で出来ているため舐めることで小麦粉が溶けて傷を誤魔化せたり切れた部分がくっ付くことがあるのだ。 「にゃんぢぇなおっぢぇくりぇにゃいのぉぉぉ!!!!?ぺーろ!!ぺーろ!!…ゆあぁぁあぁぁあ!!!」 貝殻は割れたままだ。つむりは諦めずにまだぺろぺろ舐めていた。 「やぢゃぁぁぁ!!!!なおっぢぇよぉぉぉ!!!きゃざりがにゃいと…ゆっぐぢでぎにゃいよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 青年は金槌を手にニヤニヤしながらこの光景を眺めていた。 「ゆっぐ……ゆびぇぇぇぇぇん!!!いじわりゅじにゃいぢぇぇぇぇ!!!!ゆっぐぢさじぇでぇぇぇぇ!!!!」 泣きじゃくりながらぺろぺろぺろぺろ…。 「ゆびゃっ!!!い…いぢゃいよぉぉぉ!!!かじゃりじゃん!!ちゅぶりのごぢょきぢゃいになりゃにゃいぢぇぇぇぇ!!!」 どうやら破片の尖った部分がつむりの舌に刺さったようだ。 「特別なゆっくりを虐めるなんてゆっくりできないね!!お兄さんが制裁してあげるよ!!」 彼は金槌で貝殻の破片を叩いた。 「なにぢぢぇるにょぉぉぉ!!!?や…やびぇで!!!やびぇでぇぇぇ!!!ゆぴゃっ!!!…ゆぁぁぁあぁぁ!!!!!」 「安心してね!!つむりを虐める悪い飾りはお兄さんが制裁してあげるからね!」 「やびぇで!!ま…まっぢぇよぉぉぉ!!!いやぁぁぁ!!!かじゃりがぁ!!!ちゅぶりのかじゃりぎゃぁぁぁぁ!!!」 つむりは青年を止めようとした。 「ど…どうじぢぇ…どうじぢぇそんなごぢょずりゅのぉぉぉ!!!?ちゅぶりの…ちゅぶりのかざりじゃん!!!!」 「なぁ、お前の飾りって何のためにあると思う?」 青年の手が止まった。 「ゆ!!!しょ…しょれはにぇっ!!!ゆっくちできるきゃらだよ!!!」 つむりは青年が改心してくれたのかと笑顔で答えた。 「ふん…違うな!!!」 青年の手が再び動いた。 「にゃ…にゃんぢぇぇぇぇ!!!?ゆっぐぢでぎりゅでじょぉぉぉ!!!!ちゅぶりは…ゆっぐぢ…でぎりゅよぉぉぉ!!!」 金槌を振り上げた青年につむりが叫んだ。 「飾りはな、壊すためにあるんだよ!!!」 「ゆびゃっ!!!!…ゆあぁぁぁあぁぁ!!!!も…もうやびぇぢぇぇぇぇ!!!」 金槌でガンガンガンガン叩かれた貝殻は最早原型を留めておらず文字通り粉々になってしまった。 「こりぇじゃぼう…ぼう…ゆっぐぢでぎにゃいよぉぉぉぉ!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!!!」 青年はと言うと金槌から針に装備品を変えていた。 「ゆびぇぇぇぇん!!!!ゆえぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇ…ゆぴゃっ!!!いぢゃい!!!にゃ…にゃに!!?」 彼は針を何度もつむりに刺して遊んでいた。針は赤ゆっくり虐めの必需品の1つだ。 「いぢゃい!!!いぢゃいぃぃ!!!ゆびぃぃぃ!!!いぢゃいよぉぉ!!!ど…どびょじで!!…ゆぎゃっ!!!」 彼は針先をつむりの目玉に向けた。 「お前の目玉は何のためにあると思う?」 「ゆ!?……い…いぢゃいのは…やびぇぢぇぇ……ゆぴゃっ!!!!ゆ…ゆぎぃ…ゆぎゃぁぁああぁ!!!」 「抉られるためにあるんだよ!!」 針はつむりの小さな目玉に突き刺さっていた。 「いぢゃい!!!!いぢゃいぃぃぃい!!!おびぇびぇぇ!!!!つびゅりのゆっぐじじだおびぇびぇがぁぁぁぁ!!!!」 針を持つ手がくるりと手前に力を入れながら回った。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!…び…びえにゃい……!!!!!!!?びえにゃいぃぃぃ!!!!」 つむりの小さな目玉はいとも簡単に抉り取られてしまった。針先に丸い目玉が串刺しになっていた。 「おびぇびぇがぁぁぁ!!!い…いぢゃい…いぢゃいぃぃ…ゆ!!!?い…いやぁぁぁ!!!ごにゃいぢぇ!!!ごっぢぐりゅなぁぁぁ!!!」 残った目玉で見えたのはこちらに向けられた針先だった。つむりは逃げようと後ずさりした。 「おうぢがえりゅぅぅぅ!!!おうぢがえじぢぇぇぇ!!!…ゆ!!!?お…おしょらをとんぢぇりゅぅぅ!!」 つむりは青年の手の中に捕まっていた。ほんの僅かだったがつむりが後ずさりしたのを彼は見逃していなかった。 逃げるつむりにゆっくりと迫って遊んでやるのも面白そうだがここは逃げられない恐怖で遊んでやろうと思ったのだ。 「にゃんぢぇ!!!!?にゃんぢぇぇぇ!!!お…おうぢにがえじぢぇよぉぉぉ!!!!」 つむりも自分がどこにいるのかが分かったようだ。 「つむりちゃん。今何が見えるかなぁ?」 アイスクリームを持つかのようにつむりを持ちじわりじわりと針先を目玉に近づけた。 「いやぢゃぁぁ!!!だじゅぎぇでぇぇ!!!だじゅぎぇでよぉぉ!!!ちゅぶりは…ちゅぶりはどぐびぇぢゅっで!!とぐびぇづっでぇぇぇ!!!」 つむりが必死に逃げ出そうとしているのは手から感じることが出来る。針先が目玉に触れた。青年もその感触が分かった。 「ゆ……ゆぇぇぇ……」 つむりは恐怖で白目を剥いて気絶してしまった。 「ちぇ。もう少し気張れよ」 一気に針を目玉に突き刺し早々に抉り取った。つむりの目玉はもう無い。目があった所からは餡子の溶けた黒い涙が流れていた。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!いぢゃいぃぃ!!!いぢゃいよぉぉぉ!!!!」 痛みで気絶から覚醒したようだ。 「…み…みえにゃい!!!!びえにゃいぃぃぃぃい!!!!まっぐりゃ!!!まっぐりゃだよぉぉぉ!!!!!」 赤ゆっくり虐めの定番コースを終え青年は満足していた。あとはこのままゆっくり専用のゴミ箱に入れてしまえばお終いだ。 「あ、そうだ。最近少し元気が足りてないよなぁ」 彼の目線はケースに向けられていた。 「ゆっぐ……ぐりゃいよぉ……みえにゃい……ぼう……ゆっぐぢなんがでぎにゃいぃぃ!!!ゆびぇぇぇぇええん!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!」 「ほら、今日からここがお前のおうちだ。達者で暮らせよ」 つむりは落下する感覚がした。 「ゆ…ゆぁぁぁ!!!…ゆびぇっ!!!!いぢゃいぃぃ!!!ど…どきょ!!?ここどきょぉぉ!!!ぐらぐぢぇ…ごわいよぉぉぉお!!!」 すると答えが返ってきた。 「ゆ………ゅ……」 「……だ…りぇ?……」 「ゅ…………ゆ……」 つむりを迎えてくれたのは瀕死の赤まりさ達だ。つむりは赤まりさ達がいるケースに落とされたのだ。 「だ…だりぇか…だりゃかいりゅの?…ちゅ…ちゅむりは…ここ…ぢゃょ……た…たじゅぎぇ…ぢぇぇ……」 赤まりさ達は自分のことで精一杯だ。つむりの相手をする余裕は無い。1匹もつむりに近づくことは無かった。 「にゃんぢぇぇぇ!!!にゃんでだじゅぎぇぢぇぐれにゃいにょぉぉぉ!!!!?ちゅぶりはとぐびぇづにゃのにぃぃ!!!」 飾りは壊され目玉は抉られ体中ボロボロになってもつむりはまだ自分のことを特別なゆっくりであると譲らなかった。 「ゆぷぷ!!にゃにかいっちぇるよ!!」 「ありぇはちゃっきのくじゅなんだじぇ!!」 「おりょかおりょか」 青年は既に退社していた。つむりを見ているのは隣のケースにいる偽つむり達だけだった。 更に1週間が経った。偽つむり達は順調に育っていた。 「チーフ、手っ取り早く成長促進剤を使ってさっさと成体にしませんか?」 「それダメだよ。流石にある程度時間かけないと"自分はつむりだ"って思い込まないだろう」 通常赤ゆっくりが子ゆっくりになるのに約2~3週間、成体ゆっくりになるのに約2ヶ月かかるという。 さて、育つといっても大きくなるのは体だけで肝心の貝殻は全く成長してくれない。勿論そんな事は端から承知している。 そこで偽つむりが成長するに従ってこっそりと貝殻を交換することにした。 予め様々な大きさのフェイクの貝殻を揃え偽つむりが眠っている隙に貝殻を取り替えるのだ。 まりさ種本来の飾りである帽子を捨てて全く愛着の無かった貝殻を選んだゆっくりだ。貝殻が変わっても何とも思わないのだ。 「せ…せまいんだじぇ……」 「これじゃつむりがゆっくちできないよ!」 「なにやってるんだじぇ!!さっさとひろいおうちをよういするんだじぇ!!」 子ゆっくりになり赤ちゃん言葉が抜けてきた頃からケースが少し狭くなってきた。偽つむり達は狭い狭いと文句を垂れ流すようになった。 まだ大丈夫だろうとケースを変えなかったがそろそろ限界だろう。 「そろそろ分けましょうよ」 「そうだな。半々に分けるか」 偽つむりが寝静まったのを確認してからつい最近までつむりが暮らしていたケースに偽つむりを半分移住させた。 「あの…今更なんですが。これで本当に洗脳できてるんですかね?」 「ゆっくりが命の次に大事にしている飾りを捨ててつむりを選んだんだぜ。杞憂だと思うぞ」 「いや、実はというと…俺も少し不安なんだがな」 結構な数の職員が少々の不安を抱えていたようだ。 「じゃ、試してみようか。こいつらが自分のことをつむりって思い込んでいるかどうか」 「どうするんですか?」 「虐め抜くんだよ。というか虐め殺すくらい強烈なのがいいか」 「それで分かるんですか?」 「俺に良い考えがあるよ。1匹犠牲になるけどいいかな?」 「まだ沢山いるからいいぞ。任せた」 「じゃあ一番大きい奴を頂きますね」 ケースの中から一番大きい偽つむりを取り出した。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 まだ眠ったままだ。偽つむりは研究室から違う部屋に運ばれていった。 「多分こいつ起きるの明日だよ」 「でしょうね。準備したら俺も帰りますよ」 そして次の日になった。 「ゆっくり…おき……ゆ!!?こ…ここはどこなんだぜ?」 何も無い空室で偽つむりが目を覚ました。一番大きかっただけあって既に赤ちゃん言葉は完全に抜けていた。 「つ…つむりはおきたんだぜ!!さっさとごはんもってくるんだぜ!!」 偽つむりが起きたのを確認し男性が部屋に入ってきた。 「だ…だれなんだぜ!!!?……ゆ!!わかったんだぜ!!つむりさまのどれいなんだぜ!!」 初対面の男性を早くも奴隷認定だ。言葉がはっきりしている分彼は少しカチンときていた。 「お前の名前は何だ?」 男性はそう聞いた。 「ゆ!!つむりさまをしらないのぜ?…つむりはつむりさまなんだぜ!!とくべつなゆっくりなんだぜ!!」 「つむり?お前はまりさだろ?」 「ゆぷぷぷ!!!まりさだって!!まりさはくずなゆっくりなんだぜ!!つむりさまはとってもゆっくりしたゆっくりなんだぜ!!」 「いやお前はまりさだろ。顔にそう書いてあるぞ」 「ゆがぁぁぁぁ!!!ちがうんだぜ!!!つむりはつむりさまなんだぜぇぇぇぇ!!!!」 偽つむりは怒っていた。 「わがっだらさっさとごはんもっでごいぃぃぃ!!!!どれいはつむりさまのいうこどをきけばいいんだぜぇぇぇぇ!!!!」 男性はゆっくりと偽つむりの前まで歩いた。 「な…なんなんだぜ!!!?つむりさまにさからうといたいめに…ゆぁ!!?な…なにするんだぜぇぇぇぇ!!!!?」 彼は偽つむりから貝殻を奪っていた。気付いた偽まりさは当然慌てた。 「それはつぶりのなんだぜぇぇぇぇ!!!!かえすんだぜ!!!いまならゆるしてやるのぜ!!!!」 「じゃあお前が奪い返してみろよ。無理だろうけど」 軽い挑発だ。 「ゆがぁぁぁあ!!!!おこったんだぜ!!!こうかいさせてあげるんだぜ!!!!このぉ!!!」 前回の本物のつむりとは違いこの偽つむりは子まりさ程度の体力がある。あくまで子まりさ程度だ。 「どうした?どこに行くつもりだい?」 飛び掛ってきた偽つむりを彼は軽くかわした。 「よ…よけるなぁぁぁ!!!くらえぇぇぇぇ!!!」 またもかわされた。 「ゆびゅ!!!…な…なかなかやるんだぜ!!!」 彼は何もしていない。 「じゃあ今度は俺からいくぞ」 彼は軽く偽つむりを蹴飛ばした。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!!い…いぢゃい!!いぢゃいよぉぉぉぉ!!!」 長らくゆっくりしていたせいかそれとも子まりさ自体がこの程度なのかかなり遅い彼の蹴りを避けることができなかった。 「いぢゃいぃぃ!!!かおがぁ!!!つぶりざばのうづぐじいおがおがぁぁぁ!!!」 「ほらほら。このままこれを貰っちゃうぞ」 泣きじゃくる偽つむりに貝殻を見せ付けた。 「ど…どれいのぐぜにぃぃぃ!!!ほんきをみぜでやるのぜぇぇぇぇ!!!!」 本気と言ってもさっきと攻撃方法もスピードもあまり変わっていない。 「じねぇぇぇぇ!!!!…ゆごっ!!!ゆぎぇ!!!!」 サッカーの要領で飛び上がった偽つむりを軽く足で合わせた。偽つむりは靴に激突し床に落下した。たったそれだけだ。 「いだいぃぃ!!!がおがぁ!!おがおがいだいぃぃ!!!ゆ…ぅ……ゆ…ゆえぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!」 偽つむりは大泣きしてしまった。さっきまでの威勢の良さはどこへ消えてしまったのだろう。 「あーかざりおとしちゃったー」 わざと貝殻を偽つむりの前に転がした。彼の右手にはバットが握られていた。 「ゆ!!か…かざりさん!!!つむりのかざりさん!!!」 偽つむりは泣くのをピタッと止め貝殻に駆け寄った。 「ゆ!!!も…もどったんだぜ!!!つむりのかざりさん!!!」 貝殻を頭に被り満足そうだ。 「ゆ!!?な…なにしてるんだぜ!!!?どれいはさっさとごはんをもってくるんだぜ!!!!」 飾りが戻ってまたさっきの威勢の良い台詞が蘇った。男性は素振りをしていた。 「つむりさまのかざりさんはとりかえしたんだぜ!!!もうどれいなんかこわくないんだ……ゆ!!!?」 突然大きな音がした。つむりは頭が軽くなったのを感じていた。続けて何かが床に落ちた音がした。 「な…なんなんだぜ!!?いまのは…いまなにがおこたんだぜ!!!?」 偽つむりは得体の知れない事態に慌てていた。 「後ろ見てみろよ」 「な…なんでかざりざんがぁぁぁ!!!どうなっでるんだぜぇぇぇ!!!?」 偽つむりの貝殻は後方に転がっていた。しかも貝殻は割れていた。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!つ…つぶりのかざりじゃんがぁぁぁ!!!!な…なおっでぇぇ!!!なおるんだぜぇぇぇ!!!!」 大慌てで偽つむりは貝殻のもとへ駆けた。 「ぺーろ!!…ぺーろ!!なおっでね!!なおっでぐれないど…ゆっぐりでぎないでじょぉぉぉぉぉ!!!!」 必死に割れた貝殻を舐めていた。 「直んねえよ!!!そらっ!!」 男性はバットで貝殻を叩いた。貝殻は更に細かく砕け散った。 「ゆあぁぁぁぁ!!!ゆあぁぁぁぁ!!!なにじでるんだぜぇぇぇぇ!!!!なおぜぇぇぇ!!!おばえがなおぜぇぇぇ!!!」 彼の足元に偽つむりが纏わりついた。 「五月蝿いよ。あっち行け」 パターゴルフの要領で軽くバットで偽つむりを打った。軽くでも良く飛んだ。 「ぶぇっ!!!!い…いぢゃいぃ……い…ゆ…ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!ぼう…ぼうやべろぉぉぉぉお!!!!」 五月蝿い偽つむりを追っ払っい彼は思いっきり貝殻をバットで叩いていた。ガキン!!ガキン!!と床も叩く音が聞こえた。 「やべでぇぇぇぇ!!!それがないど…それがないどゆっぐりでぎなぐなるぅぅぅう!!!」 偽つむりは彼の所へ駆けた。 「やべでぇぇぇぇ!!!ぼうやべでよぉぉぉぉ!!!!」 「いいぞ。ほれ。被ってみろよ」 「ゆ…ゆぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」 貝殻は粉々だった。まるで不器用な人が剥いたゆで卵の殻のようだった。 「なにごれぇぇぇぇぇ!!!!?かざりじゃん…かざりじゃん!!へんじじでぇぇぇ!!!!へんじじでよぉぉぉお!!!!」 勿論何も返ってこない。 「ゆわぁぁぁぁああぁぁん!!!!ごれじゃ…ぼうゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!つぶりなのにぃぃぃ!!!ゆっぐりじだいぃぃぃ!!!」 「じゃあこれ被ったら?」 男性は偽つむりの前に黒い帽子を落とした。 「ど……どぼじでごんなごどじだぁぁぁぁ!!!!?つぶりは…つぶりはとぐべづなゆっぐりなのにぃぃぃぃ!!!!」 「何でってお前はまりさだからだよ。ほれ、早くそれ被れよ」 偽つむりは目の前の帽子に気が付いた。 「ごんなのがぶれるわげないでじょぉぉぉぉ!!!!つぶりはつぶりなんだぜぇぇぇぇぇ!!!まりさなんがゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!」 彼は少し満足そうな顔をした。バットを床に転がし今度はハエ叩きを取り出した。ヒュンヒュンと振りながら偽つむりを持ち上げた。 「ぎだないででざわるなぁぁぁぁ!!!がえぜぇぇぇ!!!つぶりの…つぶりのゆっぐりじだかざりじゃんをなおすんだぜぇぇぇ!!!」 子ゆっくりと言っても一番大きな個体を選んだためハンドボールくらいの大きさはある。 「はなすんだぜ!!!はなぜぇぇぇ!!!」 偽つむりを持つ手に力が加わった。 「ゆぎぃぃぃぃ!!!あ…あんよがへんなんだぜぇぇぇ!!!!ゆ…ゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!は…はなぜぇぇぇ!!!!」 どうやら軍手の滑り止めが偽つむりの底部を刺激しているようだ。偽つむりは必死な形相で逃げ出そうとしている。 「逃げられるものなら逃げてみな」 彼はハエ叩きを振った。 「ゆびゅっ!!!ゆびぇっ!!!いだいぃぃ!!ほっべがいだいぃぃぃ!!!ゆぎぇっ!!!ぶぇっ!!!」 バチンバチンと偽つむりの顔が叩かれた。 「おがおがぁぁ!!!ゆびぇえっ!!!やべ…ゆびょっ!!!いだい!!!いだいのはやだぁぁ!!ゆびぇえ!!!!」 右頬左頬真正面。時には頭から叩かれた。 「ゆびぇっ!!!ぼういやぢゃぁぁぁぁ!!!おうぢがえ…ゆぎゃっ!!!がえじでぇぇぇ!!!!おうぢ!!!おうぢぃぃぃ!!!」 顔面は腫れ少し膨らんだ気がする。 「ゆごっ!!!ゆっ!!ぎぇぇぇぇぇぇ!!!ぎょえぇぇぇぇ……」 体の中の餡子が逆流し口から盛大に吐き出していた。 「ちょっと待ってろ」 男性は偽つむりを床に降ろすと部屋を出て行った。 「ど……どぼじ…ぢぇ………つ…つびゅ…りは……ゆっぐぢ……ゆっぐぢ…でぎる…んでじょぉ……」 偽つむりは早くこの部屋から逃げ出そうと体を動かしていた。のそりのそりと床を這いつくばっていた。 「で…でぐぢ……でぐ…ちは…どごぉ………だ…だれがぁ……だず…げろ…ぉ……」 偽つむりはドアから反対方向を彷徨っていた。 「よう!待たせたな」 男性が戻ってきた。水を張った水槽と薄い木の板、そして今の偽つむりと同じく飾りの無い子まりさを持っていた。 「にんげんさん!!もうかえしてよ!!まりさのおぼうし!!まりざのぉぉぉ!!!」 この子まりさはペットショップの在庫一掃セールで売れ残ったゆっくりだ。一応は知能がある方なのだが価値は無に等しい。 「ちょっと黙ってな」 「も…ごっ……む……ぅぅぅ……」 子まりさを手で覆い黙らせた。 「おい、最後の質問だ」 「も……かえ…じでぇ……おうぢ……おうぢがえ…りだいぃ……」 さっきよりは偽つむりの顔の形が少し元に戻ってきている。青年はさっき落とした帽子を再び偽つむりの前に落とした。 「お前はまりさだろ?帽子…被れよ」 偽つむりは帽子を被らなかった。 「ち…ぢがうぅ……つぶりは……つぶりだよぉ……ま…りざじゃ…ないぃ…」 「そうか。分かった」 部屋の外で少し歓声が上がっていた。偽つむりには全く聞こえていなかった。 「ほれ、返すぞ」 子まりさを解放した。 「ゆぅぅぅ!!まりさのぼうし!!!まりさのぼうしぃ!!ゆ!!ゆっくりできるよぉ!!」 偽つむりの前で子まりさは帽子を被った。 「……ゅ……ゅ………?」 偽つむりは何故か少し懐かしい感覚がした。 「ゆ!?おそらをとんでるよ?」 子まりさは男性に摘まれ薄い木の板に乗せられた。 「お前も」 偽つむりも板の上に乗せられた。 「付き合ってくれたお礼だ」 偽つむりにオレンジジュースがかけられた。 「ゆ……ゆひぃ………」 偽つむりの傷が癒されていった。 「そっとな…」 彼は2匹を乗せた薄い板を水に浮かべた。 「ゆ?」 「ゅ…ゅ?」 2匹は何があったのかとキョトンとしていた。板は少々バランスが悪いのかふらふらしている。 「じゃあな。これやるよ」 彼が木の板にそっと貝殻を乗せた。偽つむりのサイズにピッタリの大きさだ。 「つ…つぶりのかざりざん!!!!!!」 偽つむりは喜んで貝殻に飛び掛った。さて、水に浮く不安定な薄い板の上で急に動き出したらどうなるだろうか。 「ゆゆ!!?ゆ…ゆれるよぉぉ!!ど…どぼじでおみずさんのうえにいるのぉぉぉぉ!!!!?」 「ゆぎゃぁぁぁ!!!じずむ!!じずむぅぅぅ!!!!」 まず子まりさが板から落ちた。 「ゆぎぃぁぁぁ!!!!だじゅげ!!!ゆぼっ…ゆはぁぁ!!!じずむぅ!!!ゆぎゃぁぁぁ!!!!……ゆ!!そ…そうだ!!」 最初は溺れていたがすぐに帽子を脱ぎ舟の代わりにして浮かぶことが出来た。 「よ…よかったぁ……まりさ…びっくりしちゃったよ!」 一方偽つむりは板にしがみ付いていたが自身の重さでこのままでは確実に沈む。偽つむり自身もそれには気付いていた。 「つ…つむりだって!!つむりだっておよぐよ!」 子まりさの真似をした…つもりだった。 「ゆぎょっ!!!どぼっ…ゆぎぇ!!…っぷ…ゆぎゃぁぁぁ!!!!だず…がぼっ……」 脱いだ貝殻は水に浮かぶことなく沈んでいった。元々重量があるせいなのか、それとも向きが悪かったのだろうか。 「だじゅぎぇ!!!…ゆぼっ!!!!だじゅっ!!!げろぉぉぉ!!!!」 偽つむりは子まりさに助けを求めた。 「む…むりだよ……まりさは…まりさのことで…せいいっぱいだよぉ……」 子まりさはすまなそうに答えた。 「ど……どぼじ!!……ちゅ…ぶり…は!!どぐ……びぇ……ゆがっ!!…ゆぼっ!!!」 偽つむりは必死にもがいた。 「なんで…なんでまりさはまりさなのにおよげないの?おかしい…よ?」 帽子の上で子まりさが呟いた。ペットショップの店頭に並ぶゆっくりともなると飾りが無くても個体認識は可能なのだ。 「ちがっ!!!……がぼっ!!ゆ……んん……っぐ……ちゅぶ!!……は…まじっ!!!……さ……ゆごぉっ……」 ついに偽つむりは水没してしまった。 「お…おにいさん?おにいさん!!!ゆっくりしないでまりさをたすけて!こ…このままじゃぼうじがどげぢゃうぅぅ!!!」 1匹だけとなった子まりさは助けを求めた。しかし男性は既にこの部屋にはいなかった。 「どげるぅぅぅ!!!!ぼうじがどげぢゃっだらまりざがじんじゃうよぉぉぉぉ!!!」 店頭に並ぶ前に泳ぎ方を習ったときに長時間帽子を水に浸けると溶けてしまうことも習っていたのだ。 「ゆっぐぢじずぎだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!だずげでぇぇぇぇ!!!ゆ!?ゆ……ゆわぁぁぁぁぁ……」 子まりさは底部に冷たい感覚がした。恐る恐る足元を見ると水が帽子の中に浸水していた。 「いやぢゃ!!いやぢゃぁぁ!!まぢゃじにだぐにゃい!!!おでがい!!!だずげぢぇぇぇぇ!!!」 売れ残りのゆっくりに助けの手が差し伸べられるわけが無い。みるみるうちに帽子の中は水で一杯になった。 「じずぶ!!!じずぶぅぅぅ!!!やぢゃ!!!だずげで!!!!どげぢゃう!!!!どげぢゃうぅぅぅぅ!!!!」 結局子まりさも水没してしまった。 「おお。ちゃんと死んでるな。片付けてやるよ」 男性がこの部屋に戻ってきたのは退社時間前だった。もう既に偽つむりも子まりさもぐずぐずに溶けていた。 「ここはゆっくちできるんだじぇ!!」 「まえのおうちはせみゃくてゆっくりできなきゃったんだぜ!!」 一方その頃偽つむり達は広くなったケースの中でゆっくりとしていた。 「なんだか…かずがすくないきがするんだじぇ……いち…に……た…たくさん…」 「きのしぇいなんだぜ…」 数が半分になったこと、更に1匹が虐殺されていなくなったが偽つむり達が深く考えることは無かった。 更に1週間が経った。 「もうケースじゃ無理ですよ」 「そろそろ限界か。隣は空いてるよな?」 「前に虐待してから何も使ってませんよ」 「じゃあ今夜にでもそっちの部屋に移そう」 もう偽つむりはケースの中では収まりきれないくらい大きくなっていた。偽つむり達が寝静まってからこっそりと隣室に運び出した。 「ゆぶ……ゆぶぶぶ………」 「こ…こりぇで……ゆっくちできる…よ…」 「がぼっ……ま…まぢゃ…ゆっぐぢ……じぢぇないのにぃ……」 今まで偽つむり達の見世物になっていたまりさ達は処分されることとなった。抵抗らしい抵抗をすることなく水の中へ落ちていった。 「もういいでしょう。これなら沢山子供を生んでくれますよ」 「これなら耐えてくれそうだな。よし、こいつらを牧場に運ぶぞ」 偽つむりが生まれてから2ヶ月近く経った。もう立派な成体ゆっくりに成長していた。母体として申し分ない。 夜になって偽つむり達が眠りに付いた後、職員達は偽つむり達を地下の牧場へ運び出した。 「この部屋を使ってください。頼まれた設備や道具も揃えておきました」 牧場担当の職員が部屋に案内してくれた。 「ご苦労様。どんどん生ませるよ」 「期待してます」 職員が部屋を後にした。 「よし。じゃあ準備だ」 「数はどうします?半々ですか?」 「7 3…いや、8 2でいいんじゃないか。精子餡の供給なんてそれぐらいでいいよ」 「五月蝿くなるから耳栓でもしとけ」 10匹いた偽つむりのうち2匹は別室に運ばれていった。 「んじゃやるか」 職員達は各自1匹ずつ偽つむりを持ち上げた。 「………」 職員はナイフを持った。偽つむりはまだ眠っている。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!い…いだいいぃぃ!!!!?」 「な…なんなんだぜぇぇ!!!!あ…あんよがぁぁぁあ!!!!!」 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!!!!あじがいぢゃいぃぃぃぃ!!!!!」 偽つむりの底部が横一線に切られた。その痛みで偽つむり達は目を覚ました。 「なにずるんだぜ!!!?つむりざまになにをじだぁぁぁ!!!!!?」 「つむりざまのあんよになにじだんだぜぇぇ!!!!?このくぞどれい!!!」 早速偽つむり達は汚い言葉で職員達を罵った。だが耳栓を付けている彼らには聞こえていない。 「なにがごだえ……ゆびぇっ!!!」 「ゆぎゃっ!!!いだいぃ!!!!!!」 「ぶぎぇっ!!!」 途中で平手打ちを食らわせながら職員達は淡々と作業を続けた。 「ゆぎぃぃぃぃ!!!はなぜぇぇぇ!!!!つぶりざばをゆっぐぢざぜろぉぉぉぉ!!!!」 「ぎだないてでざわるんじゃないぜぇぇぇぇ!!!おろぜ!!!おろぜぇぇぇ!!!」 偽つむりの底部をある程度傷付けた後部屋に設置されている台の上に乗せられた。 「あ…あんよがうごがない!!!!どぼじでぇぇぇ!!!!」 「つぶりざばのあんよがぁぁぁ!!!!ぐぞどれい!!!!なおぜ!!!つぶりざばのあんよをなおすんだぜぇぇぇぇ!!!」 底部を傷付けられた偽つむりは満足に動くことが出来なくなっていた。 「な…なにずるんだぜ!!?ゆぎゃっ!!!いだっ!!!いだい!!!!あ…あんよがぁぁぁ!!!」 偽つむりの側面に針金が貫通した。 「ゆぎぃぃぃ!!!!やべろぉぉ!!!!」 「はなずんだぜぇぇぇ!!!つむりざまはゆっぐ………ゆぎぃあぁぁぁぁぁ!!!!」 ソロバンの珠のように長い針金に4匹の偽つむりが1列に繋がった。 「いだい!!!!いだいんだぜぇぇぇ!!!」 「どれいはだずげろぉぉぉ!!!!つぶりざばをたずげるんだぜぇぇぇ!!!!」 「ごんなごどじでただでずぶどおぼうなぁぁぁぁ!!!!あばあばもっでごいぃぃぃぃ!!!!」 「つぶりざまはどくべづなんだぜぇぇ!!!いばずぐゆっぐりざぜろぉぉぉぉ!!!!」 針金の両端が台に固定された。これで偽つむり達は台から降りることが出来なくなった。 無理に逃げようとすれば体を貫通している針金が食い込む。更に無理をすれば針金が体を切断するからだ。 それ以前に底部をある程度傷付けている為満足に動けない。精々1、2歩歩くのがやっとだろう。 「ゆぎぎぎぎぎ!!!!いだいぃぃ!!にげられないぃぃぃ!!!」 「こごがらおろぜぇぇぇぇ!!!!つぶりをゆっぐりさぜろぉぉぉぉ!!!!」 「なにずるぎだぁぁぁ!!!!!ぜっだいごろじでやるぅぅぅぅ!!!!」 まずは偽つむりのセッティングが完了した。 「な…なんなんだぜ!!!?それは…ぞれはゆっぐりでぎないぎがずるんだぜぇぇぇ!!!!」 職員が手にしているのは小型バーナーだ。まりさつむりは胎生型妊娠でないと誕生しない。植物型妊娠では生まれないのだ。 そのため二度と植物型妊娠が出来ないように茎が生えてくる額を焦がしてしまうのだ。 「あづ!!!!あづい!!!やべろぉぉぉ!!!!」 炎が偽つむりの顔に近付いた。 「あづいのはゆっぐりでぎないぃぃぃぃ!!!ゆぎぃ!!!!ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 「あづい!!!!やべでぇぇぇぇ!!!!ゆぎゃぁぁぁああぁぁぁぁ!!!!!」 「じぬぅ!!!!じんじゃうぅぅぅ!!!!あぢぃぃぃぃ!!!!やべ!!!…ゆあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 青白い炎は偽つむり達の額を焦がした。中途半端に焦がしてしまうと治癒する可能性がある。徹底的に燃やされた。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!……あ………ぁ……ぁ……ぁ……」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!…………ゅ……ゅ……ゅ……」 部屋中に焦げ臭い匂いが充満するまで燃やされた。偽つむり達の額は炭になっていた。白目を剥いて痙攣している。 「もういいだろ。取りあえずは終了だ」 「あとは精子餡だけですね」 「こいつらどうします?白目剥いちゃってますけど。あ、餡子も出てるわ」 「ほっとけ。時間が経ったら目を覚ますさ。それまで俺達も寝とこうぜ」 「そうしましょう」 職員達は部屋を後にした。 一方残りの2匹はどうなっているのだろうか? 「はなぜぇぇぇぇ!!!!ここがらだすんだぜぇぇぇぇ!!!!」 「つぶりにこんなごどじでいいとおもっでるのかだぜぇぇぇぇ!!!!つぶりはとくべづなんだぜぇぇぇぇ!!!!」 2匹は別の部屋にいた。2匹は1匹ずつ透明なケースの中に入れられていた。 「じゃ、スイッチ入れて」 ケースはある装置の上に乗せられていた。職員は装置のボタンを押した。 「ゆ!!!!?ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!」 「ゆぶ!!ゆぶ!!ぶぶぶぶぶ!!!」 ケースの中の2匹は小刻みに震えていた。実はこの装置は振動を与えるための装置なのだ。 「ゆぅぅぅぅ!!!!な…なんなんだぜぇぇぇぇ!!ゆゆゆゆ!!!!」 「な…なんだか……すっぎじじだくなっでぎだんだぜぇぇぇ!!!」 ゆっくりは適度な振動を与えると発情する。要はこれは発情させるための装置だ。 「ゆゆゆゆゆゆ!!…ゆ!?とまった…んだぜ?」 「なにする…づもりだぁぁ……ゆぶ!!ゆぶぶぶぶ!!!!」 一定時間振動を与えると少し止まりまた振動を与える。この繰り返しだ。 「じゃ、戻ろう。最低でも朝まではこのままだ」 「さっさと帰って寝ましょう」 職員達は2匹を置いて部屋を出て行ってしまった。 「なにじでるんだぜぇぇぇぇ!!つぶりざばをごごがらだすんだぜぇぇぇぇ!!!!ゆぶぶぶぶぶぶ!!!!」 「なんがへんなんだぜぇぇぇ!!!!ゆぐ…ゆっぐりでぎないんだぜぇぇぇ!!!!」 職員達は研究室に戻るとすぐに就寝した。 続く by エルダーあき エルダーあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 研究系SSに何の捻りもない虐待要素が入ってると萎えるね -- 2014-02-14 14 48 57 「ごんなごどじでただでずぶどおぼうなぁぁぁぁ!!!!あばあばもっでごいぃぃぃぃ!!!!」 で不覚にも吹いた -- 2012-12-24 18 30 48 あばばばばばばばばばば -- 2012-09-22 18 49 16 はやくつづきをよみたいんだぜ! -- 2012-01-22 18 04 44 ↓ゆっくりってそういうもんだろ -- 2010-08-17 17 48 42 エクスクラメーションマークが多すぎ。 -- 2010-06-20 04 20 11
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1378043496/ 優希「……」 プリントの山「」 優希「ヤバいじぇ、プリント関係が全く終わってない……」 優希「どうしよう……」 優希「……」 ピッポッパッ…… 優希「もしもし、京太郎?」 京太郎「なんだよ優希……俺は今忙しいんだ、手短に頼む」 優希「宿題、終わったか?」 京太郎「そういうお前は……終わってる訳ないか」 優希「ううっ、言い返したいのに何も言い返せないじょ……」 京太郎「こっちは後プリント類だけだ。いつもは咲と一緒にやっちまうんだけど……ほら、あいつ今東京行ってるしさすがにな?」 優希「京太郎にもそういう気遣いが出来たのか!?」 京太郎「お前にだけは言われたくねえよ!で、どうしたんだよ、 どうせお前も終わってないんだろうけど和が教えてくれるんじゃないのか?」 優希「のどちゃんにはもう高校生なんだから自分でやらなきゃダメだって言われちゃったじぇ」 京太郎「あー……」 優希「……だからその、一緒にやらないか?」 京太郎「……そうするか」 ――須賀家 ピンポーン 京太郎「はーい、今行きますよっと」 優希「出迎えご苦労!」 京太郎「はいはい、いいから早く上がれよ。もう今日で最後なんだから気合い入れていくぞ」 優希「ほほぉ、ここが京太郎の家か……涼しいじょ」 京太郎「よし、とりあえず今開けてる冷蔵庫は閉じような」 優希「はーい」 京太郎「ったく……先に部屋行っててくれ。俺は飲み物用意してくから」 優希「タコスは?」 京太郎「そう言うと思って作ってある。部屋にあるから食べちゃっていいぞ」 優希「さすが京太郎!それでこそ私の婿だ!」 京太郎「遠慮させてください」 優希「なぜだ!?」 京太郎「今の流れで喜んでOKする奴がいたら見てみたいわ!」 ――京太郎の部屋 優希「タコス発見だじぇ、いただきまーす!」 優希「んぐっ、もぐっ……タコスうまー」ホワッ 優希「そういえば京太郎の部屋ってこんな感じなのか……初めて入ったけどなかなか綺麗に片付いてるじゃないか」 優希「……ふむ」 優希「男の部屋に入ったからには……やる事は一つだじぇ」キラン 京太郎「やっべえ、麦茶作っておくのすっかり忘れてた……氷入れたからそれなりに 冷えてるけど今度から誰か呼ぶ時には気をつけないとな……」 ガチャッ 京太郎「悪い、待たせたな優……」 優希「お、おぉ……こんな風にするのもアリなのか……」 京太郎「」 優希「こ、こんな所に入れちゃうのか!?未知の世界だじぇ……でも気持ちよさそうだな……」 京太郎「……おい」 優希「あっ、京太郎!私も寛容な方ではあるけどさすがにこんなプレイが好きだっていうのはどうかと思うぞ!」 京太郎「お前、何してんの?」ヒクヒク 優希「本を読んでたんだじょ。ベッドの下を探したらあったからな!」 京太郎「本当何してくれてんだよ!?」 1優希「痛いじぇ……」ウルウル 京太郎「家捜しするお前が悪い」 優希「むー……まぁ、京太郎がおっきなおっぱい以外にも色々好きなのはよーくわかったじぇ」 京太郎「その話まだ蒸し返す気か!?」 優希「えー、だってこんな話のどちゃんや咲ちゃんとは出来ないし……」 京太郎「お前少しは自分が女だって自覚持てよ……」 優希「なんだなんだ、ようやくこの優希ちゃんの魅力に気付いたのか?」 京太郎「反応に困るんだよ!ああ、もう、いいからさっさと宿題するぞ!」 優希「もう照れちゃってあ・な・た♪」 京太郎「あなたじゃねえから!」 京太郎「それでどんだけ終わってないんだ?」 優希「えーっと、これだけだじぇ」 プリントの山「」ドンッ! 京太郎「……お前これ、もらったプリント一枚もやってないじゃねえか!」 優希「他のやつは片付けたじょ!」 京太郎「自慢にならねえよ!最悪でも五枚程度だと思ってたのに、これ今日中に終わるのかよ……」 優希「まあ、なんとかなるだろ!」 京太郎「……優希、とりあえず俺の終わってるやつ全部写していいから手早くやってくれ」 優希「いいのか!?」 京太郎「そうしなきゃ終わらないんだよ!」 京太郎(つうかこれ、俺全く得してねえ!) 京太郎「……」カリカリ 優希「えーっと、これはこうで……」カリカリ 京太郎「……」カリカリ 優希「あー!解答欄ずれたじょー!」 京太郎「……」カリカリ 優希「ううっ、やり直しだじぇ……」 京太郎「……」カリカリ 優希「ああ、文字見てると頭痛くなってくるじぇー!」 京太郎「……」ピタッ 京太郎「優希」 優希「じょ?」 京太郎「頼むから静かにして手だけ動かしてくれ……」 優希「えっ、そんなにうるさくした覚えないじぇ」 京太郎「……早く終わったらタコス好きなだけ食わせてやるから」 優希「本当か!?よーし、それなら気合い入れていくじぇー!」ゴッ! 京太郎「!?」 シュババババババ!! 優希「はい、終わった!次行くじぇ!」 京太郎「……」 優希「どうした京太郎、手が止まってるじょ!」 京太郎「算数ドリルで躓くお前が清澄受かった理由がよくわかったよ……」 優希「うー……もう、ダメだじぇ……」ガクッ 京太郎「結局30分ももたないのかよ……それでも三枚プリント終わらせてるからましな方か?」 優希「つーかーれーたーじょー……」 京太郎「俺も丁度一枚終わったし休憩にするかー……」 優希「そうしようじぇー……それにしても暑いじょ」 京太郎「今日はかなり暑いらしいからな……最高記憶が確か37℃だったか?」 優希「うええ……」 京太郎「悪いな、エアコン壊れてるからさ。扇風機で我慢してくれ」 優希「……まあ、こうして助けてもらってるからそれくらいは我慢するじぇ」ヌギヌギ 京太郎「……は!?」 優希「どうした京太郎、変な声出して」 京太郎「いやいや、お前何してるんだよ!?」 優希「暑いから脱いでるだけだじぇ」 京太郎「お前少しは恥じらい持てよ!男の部屋でキャミソール一枚とか馬鹿じゃねえのか!?」 優希「別にいいじゃないか。ここには京太郎しかいないんだ、遠慮する必要はないじぇ」 京太郎「お前……いい加減にしないと襲うぞ!」ドンッ! 優希「京太郎に出来るのか?」 京太郎「なっ……」 優希「……」ジー 京太郎「……飲み物の換え、持ってくる!」 優希「ヘタレ」 京太郎「うるさい!」 バタンッ! 優希「……普段なら何しても相手にもしないくせに」 ―― 京太郎「……」カリカリ 優希「ふうっ、暑いじぇー……」パタパタ 京太郎「……」カリカリ 優希「えーっと、これで合ってるよな……よし、終わりだじぇ!」 京太郎「……」カリカリ 優希「数学はやってておかしくなりそうだじょ……でもこれもタコスのためタコスのため……」 京太郎「優希」 優希「ん?」 京太郎「肩紐」 優希「肩紐?ああ、落ちてたのか……教えてくれてありがとうだじぇ」 京太郎「……」カリカリ 優希「むー……京太郎」 京太郎「なんだよ?」 優希「ほれ」チラッ 京太郎「ぶっ!?」 優希「きゃはははは!どうした、ちょっとおっぱい見えかけただけだろう?」 京太郎「このやろっ……!」 優希「私がパンチラしても全然問題なかったんだからこれくらい大丈夫じゃないのかー?」 京太郎「ぐ、うっ……!」 優希「ほらほら、早く続きするじぇー」 京太郎「お前マジ覚えてろよ……!」 優希「覚えてたらなー」 京太郎「……」ギリギリ 優希「~~♪」 ―― 優希「終わったじぇー!」 京太郎「はっ!?」 優希「いやー、やろうと思えば出来るものなんだな!」 京太郎「あれだけ差があったのに、優希の方が早いとか……嘘だろ……」 優希「嘘だと思うなら見てみるじぇ!」 京太郎「……確かに、全然終わってるな。合ってるかどうかは別として」 優希「一言余計だじぇ!まあ、半分以上は京太郎の写しただけだから……助かったじょ」 京太郎「そうかよ」 優希「そうだじぇ」 京太郎「……じゃあもうわざわざ暑い家にいる意味もないだろ」 優希「それもそうなんだけどな……どうせだから京太郎が終わるまで待つじょ」 京太郎「……ならそこらへんにあるもので適当に時間つぶしててくれ。くれぐれも邪魔すんなよ」 優希「大丈夫、私を信じろ!」 京太郎「信じらんねえ……」 京太郎「……」カリカリ 優希「ドラ15!?なんだじぇ、この麻雀ゲーム!?」 京太郎「……」カリカリ 優希「このキャラ京太郎みたいだな……」 京太郎「……」カリカリ 優希「なんで卓に同じキャラ三人いるんだ!?ああ、自分同士で点数移動するなー!」 京太郎「……」カリカリ 優希「全く酷い目にあったじょ……でももしこんな風に京太郎が三人いたら……」 京太郎「……」ピタッ 優希「えへへ、そんなの天国過ぎておかしくなりそうだじぇー……!」ゴロゴロ 京太郎「優希」 優希「一人にはタコス作ってもらって、一人には膝に座らせてもらって、後一人には……うわわわわわ!」ゴロゴロゴロゴロ! 京太郎「優希」 優希「ふぇ!?きょ、京太郎どうした?」 京太郎「本当に頼むから静かにしてくれ。これ以上うるさくするなら出てってもらうぞ」 優希「えっ、あっ、ごめん……」 京太郎「……」カリカリ 優希「……」 京太郎「……」カリカリ 優希「……」ギュッ 優希(ちょっと、はしゃぎすぎちゃったじょ……) ―― 京太郎「やっと終わった……」 優希「!」ガバッ 京太郎「ふうっ、悪かったな優希」 優希「べ、別にいいじぇ……ちょっと京太郎を待つくらい私には苦じゃないからな!」 京太郎「いや、それもあるけど……なんつうか、ちょっとキツく言い過ぎた気もするしさ」 優希「それも、別に気にしてないじょ……はしゃぎすぎてたのは本当の事だし……」 京太郎「まあ確かにもう少し静かにしてくれないかとは思ったのも事実だけどな。 それでももうちょっと言い方ってものがあったと思うし……だからその、ごめんな」 優希「私も、うるさくしてごめんだじぇ……」 京太郎「……よし、この話題はこれで終わりだ!予想より全然早く終わったし夏休み最後の日を楽しもうぜ!」 優希「……そうだな!じゃあ楽しむためにタコスを用意してもらおうか!」 京太郎「そういや約束してたっけな……よし任せとけ!家にある材料全部使って作ってやるよ!」 優希「おぉ、それは楽しみだじぇ!」 京太郎「そうだ、どうせなら優希も作ってくれよ。お前の作ったタコス、本当に美味しかったからまた食べてみたい」 優希「……ふふん!よかろう、そんなに食べたいというのならこの私の本気のタコスを食べさせてやるじぇ!」 京太郎「じゃあキッチン行くか」 優希「おー!」 ―― 京太郎「いただきます」 優希「いただきまーす」 京太郎「うおっ、やっぱり美味いな!これ下手したらハギヨシさんより美味いんじゃないのか……?」 優希「ふっふっふっ、タコスに関して私に勝てるものなどいないのだ!」 京太郎「このタコスを食べたらその言葉も嘘じゃない気がしてくるな……」 優希「……そんなに美味しいのか?」 京太郎「おう、どんだけ食べても全然飽きが来ないし、これなら一生食べてたいくらいだな!」 優希「……!」 京太郎「いや、俺もいつかはこの境地に辿り着いてみたいもんだ……」 優希「一生……一生……」モジモジ 京太郎「ん?優希どうした?」 優希「京太郎、今一生私のタコス食べていたいって……」 京太郎「ああ、確かにそんな事は言ったけど……は!?」 京太郎(お、俺何言っちゃってんだよ!?これじゃあまるでプロポーズしたみたいじゃねえか!) 優希「えっとその、私の婿か嫁になるためにはタコスが作れないとダメなんだじぇ……」 京太郎「そ、そうなのか」 優希「きょ、京太郎は、クリアしてるな……」 京太郎「そ、そうだな」 優希「……京太郎」 京太郎「な、なんだ!?」 優希「さっき私が胸見せかけた時動揺したよな?」 京太郎「そ、それはだな……」 優希「私が今の格好になる時も動揺してたよな?」 京太郎「まあ、その、えっと……」 優希「……私を、襲うって言ってくれたよな……?」 京太郎「あれは!いや、だから……」 優希「京太郎……私、少しは期待してもいいのか?」 京太郎「……」 優希「わかってる、わかってるんだじょ……私は京太郎の好みとは全然かけ離れてるって事くらい」 京太郎「優希……」 優希「それでも私は……どうしても諦めきれないんだじぇ!だって、だって私は!」 . 優希「京太郎が好きだから!!」 . 京太郎「……!」 優希「本当に本気で困ってるならのどちゃんは宿題手伝ってくれたじぇ! 例え手伝ってくれなくても教えるくらいは絶対にしてくれた!」 京太郎「……」 優希「タコスだって!前に食べた時マズかった京太郎に作ってもらわなくても、 頼めばみんな作ってくれただろうし、買えばよかったし、どうしても欲しいなら自分で作ればよかった!」 京太郎「優希……」 優希「だけど私は京太郎に頼んだ!その理由がわかるか!?」 京太郎「……」 優希「私は、京太郎の作ったタコスが食べたかった…… 前みたいに勝負とか関係ない私のためだけに作ってくれたタコスを、食べたかったんだじぇ……」 京太郎「……」 優希「はあ、はあ……」 京太郎「……お前はさ」 優希「!」 京太郎「悪いけど、俺の好みのタイプとは全然違う。俺が好きなのは家庭的で、えっと、胸が大きい子だからな」 優希「……」ウルウル 京太郎「それに比べてお前は子供っぽいし俺をこき使うし胸はぺったんこだし お世辞にも家庭的とは言えねえし……まあ、俺のタイプとはかけ離れてる」 優希「ぐすっ、うっ……」 京太郎「でもなんでかね……」 優希「えっ……」 京太郎「今のお前見てるとそんなのどうでもよくなってくるんだよな」 優希「京太郎……それって」 京太郎「考えてみたら家庭的なのはこれからどうにでもなるし、胸だって……もしかしたら万が一にも希望があるかもしれない」 優希「そこまで言わなくてもいいじゃないか……いくらなんでも傷つくじょ」 京太郎「悪い、なんか上手く言えなくてさ……」 優希「いいじぇ……京太郎のデリカシーのなさはよくわかってるから」 京太郎「それはありがたい。あー、好みのタイプ云々も大事だけどさ、 俺のこういう部分受け入れてくれる子なんて早々見つからないよなあ……だからその」 優希「……ええい、まどろっこしいじぇ!」グイッ! 京太郎「うわっ!?」 優希「京太郎!お前は私の事どう思ってるんだ!?」 京太郎「……意識してるよ!優希は可愛い女の子だってな!」 . 優希「……」 京太郎「……」 優希「……そ、そうか」 京太郎「お、おう」 優希「じゃ、じゃあ、こういうのも今なら興奮しちゃうのか……?」チラッ 京太郎「ばっ、やめっ!」 優希「嫌なのか……」 京太郎「なあお前わざとだろ、わざとなんだろ!?」 優希「う、うるさいじぇ!わ、私だってな結構やってて恥ずかしいんだぞ!?」 京太郎「ならしなきゃいいだろうがよ!」 優希「なんだその言い草!私なりに京太郎を誘惑してるのにそんな言い方はないだろー!」 京太郎「おいこら暴れるな!肩紐落ちてきてるから!あっ、馬鹿見え……」 ストン…… 優希「あ」 京太郎「」 ―― 優希「うっ、うえっ、ひっく……」 京太郎「あー……優希?」 優希「見られた、見られた見られた……あんな形で見せるつもりはなかったのに……」 京太郎「いや、ああなる事くらい予想出来るだろ……お前は本当に頭があまりよくないというかなんというか……」 優希「うるさいじぇ……どうせ小さいとか思ったんだろこのおっぱいマニア!」 京太郎「お、おっぱいマニア……いや、確かに小さかったけどな」 優希「」 京太郎「まあ待て、最後まで聞け!小さかったけど、まあ……いいもの見せてもらったぜ優希!」 優希「……」プルプル 京太郎「ゆ、優希?」 優希「……きょ」 京太郎「きょ?」 優希「京太郎の馬鹿ー!」ドスッ! 京太郎「ぐほおっ!?」 優希「お前は!本当に!デリカシーが!足りないじぇ!」 京太郎「み、鳩尾に突っ込むなよ……」ヒクヒク 優希「……見せろ」 京太郎「は?」 優希「私のを見たんだ、京太郎も恥ずかしい部分見せろー!」 京太郎「はあ!?ちょっと待て、ふざけんな!お前の胸と俺のズボンの下じゃ等価交換にならねえって!」 優希「それは私が決める事だじぇ!さあ、見せろー!」 京太郎「やーめーろー!」 ガチャッ 咲「京ちゃん、鍵開いてたけどいるの?東京のお土産持ってきたんだけど……」 . 京太郎「ほああっ!?」 優希「あっ……」 咲「……えっ」 京太郎「さ、咲?ちょっと待て、落ち着け、落ち着くんだ……」←ズボンを半分脱がされている 優希「さ、咲ちゃん、これはだな……」←脱げかけた下着姿で京太郎のズボンを掴んでいる 咲「京ちゃん、優希ちゃん……」 京太郎「さ、咲……」 優希「咲ちゃん……」 咲「ご、ごめんね邪魔しちゃって!あっ、これ東京のお土産だからここに置いておくね! えっと、えっと、えっと……お、お邪魔しました!」 バタンッ! 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……なあ優希」 優希「なんだ京太郎……」 京太郎「明日には広まってる気がするの俺だけか?」 優希「奇遇だな、私も同じ意見だじぇ……」 京太郎「もうさ、咲から話聞き出した部長と染谷先輩のニヤニヤ笑いが透けて見えるんだよ……」 優希「私は怒りののどちゃんが見えるじょ……」 京太郎「明日から新学期だってのに……」 優希「……京太郎」 京太郎「んー……?」 優希「だったら、いっそのこと本当にしちゃう?」 京太郎「……本気かよ」 優希「ダメ?」 京太郎「そうだな……魅力的な提案ではあるけど。その前に……」スタスタ ガチャッ 咲「あ」 優希「さ、咲ちゃん!?」 京太郎「……ドアの陰に隠れて何してんのお前」 咲「じゃ、邪魔はしないから!だけど興味もあるからその、見学……ダメ、かな?」 優希「うえええっ!?」 京太郎「……」 咲「ううっ……」 京太郎「……咲」ニコッ 咲「京ちゃん!」パアッ 京太郎「いいわけねえだろうがよぉぉぉぉぉ!!」スパーン!! 咲「きゃううっ!?」 ――翌日 優希「おっはよーのどちゃん!」 和「おはようございますゆーき。ちゃんと宿題はやってきましたか?」 優希「ふふふ、もちろん全部終わらせてあるじぇ」 和「……今日は雨が降るんでしょうか?」 優希「のどちゃん酷い……あっ」 咲「お、おはよう……」 和「おはようございます咲さん。あら、どうかしたんですか?」 咲「えっと、昨日東京から帰ってきて家の近くに着いたあたりから記憶が飛んでて……」 和「だ、大丈夫なんですかそれ?」 咲「うーん……どうなんだろう……あれ?」 優希「じょ!?」 咲「なんだろ、優希ちゃんを見てるとなにか思い出しそうな……」 優希「き、気のせいじゃないかー?」 咲「うーん?」 優希(マズい、マズいじぇ……昨日の事色々バレたら間違いなく とんでもない事になるじぇ!ああ、京太郎が人が見てると思うと燃えるとか言うから……いや、私もノッちゃったけど!) 京太郎「おはようさん」 咲「あっ、京ちゃんおはよー」 和「おはようございます須賀君」 優希「……」ブツブツ 京太郎「……どうしたんだ優希の奴?」 咲「よくわからないんだけど……あっ、そうだ!京ちゃん、 私昨日東京から帰ってきてからの記憶が飛んでるんだけど何か知らない?」 京太郎「……」 咲「京ちゃん?」 京太郎「イヤシラネエヨ?サキハドジダカラドコカデコロンダンジャナイカ、アハハ」 咲「怪しい……」 和「怪しいですね……」 京太郎「いや、本当に知らねえんだよ!」 優希「そ、そうだじぇ!私達は咲ちゃんに会ってなんか……」 和「私達?ゆーき、昨日須賀君と一緒にいたんですか?」 優希「あっ……」 京太郎「ああ、馬鹿っ……!」 咲「確かに2人並んでるとさっきより何か思い出しそうだよ……!」 京太郎「き、気のせいだっての!そ、それより咲、東京土産サンキューな!」 咲「京ちゃん……昨日会ってないのになんで東京のお土産の事知ってるの?」 京太郎「……あ」 和「2人共、説明を求めます!」 優希「それは、その……」 京太郎「えっと、だな……」 咲「あっ、思い出した……」 京太郎「!?」 優希「……ううっ」 和「思い出したんですか咲さん!?」 咲「うん、昨日京ちゃんと優希ちゃんは……」 京太郎「さ、咲!頼むからやめ……」 優希「咲ちゃん……!」 咲「宿題やってたんだよ!」 京太郎「へっ?」 和「宿題、ですか?」 咲「うん、優希ちゃんが宿題終わってなかったから京ちゃんが手伝ってたんだよ」 優希「えっ、えっ……」 和「何かと思えばそんな事だったんですか……もうゆーき、自分でやったのなら私は怒りませんよ」 優希「う、うん……」 和「それじゃあ行きましょうか。立ち話をしていたせいか時間がありませんから」 京太郎「お、おう……さ、咲?」 咲「……」 京太郎「なんで、本当の事……」 咲「い、言えるわけないよ!だって、あんな事……うううっ」 京太郎「……そりゃ、そうか」 優希「た、助かったじぇ……」 咲「あっ、でも……」 京太郎「ん?」 咲「これからも邪魔はしないから見学させてね?」ニコッ 京太郎「」 優希「」 咲「ふふっ、行こう京ちゃん、優希ちゃん!」スタタッ 京太郎「……優希」 優希「なんだ京太郎……」 京太郎「二人きり、当分無理だ……あいつを説得しない限り……」 優希「咲ちゃんの説得とか大きすぎる宿題だじぇ……」 京太郎「この宿題はいつになったら終わるんだろうな……」 和「何してるんですか2人共ー!」 咲「京ちゃーん、優希ちゃーん!早く行こうよー!」 京太郎「はあ……」 優希「前途多難、だじぇ……」 カン!
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『売れるゆっくりを開発せよ!! まりさつむり量産計画Ⅱ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 1195 売れるゆっくりを開発せよ!! まりさつむり量産計画Ⅰ』の続きです 偽つむりが誕生して2週間が経った。 「ゅ………ゅ……」 「……ぃ…ぢゃ……ぃ……よぉ……」 「ゅ……っぐ……り……」 毎日毎日赤まりさ達は痛めつけられていた。メニューは毎日同じだった。 「も…もう………やぢゃぁ………こりょ……じぢぇぇ……」 驚くべきことに1匹として赤まりさは死んでいなかった。流石に帽子は皆既に無くなってはいたが。 傷だらけになったら砂糖水をかけてやれば復活するのだ。瀕死になったら濃度を濃くしてあげればいい。まさに地獄とはここのことだろう。 一方、隣のケースにいる偽つむり達はどうだろうか。 「ゆぷぷ!!ぜんぜんゆっくちできてにゃいね!!」 「おおあわりぇあわりぇ!!」 「やっぴゃりちゅむりしゃまはいちばんゆっくちできちぇりゅんだじぇ!!」 当初は隣のケースで赤まりさ達が痛めつけられているのを見ては目を背けたり可哀想だと同情したりおそろしーしーを漏らしたりしていた。 しかしそれが慣れてくると赤まりさ達が痛がっているのを眺めてはゲラゲラ笑ったり優越感に浸っているのだ。たった2週間でこのザマだ。 もう立派なゲスである。ゲスといえばもう1匹いる。 「ちゅむりはおにゃかがへっちゃんだじぇ!!!ゆっくちちにゃいであみゃあみゃもっちぇこい!!」 もう1つのケースにいる正真正銘のまりさつむりだ。ずっと甘やかされて生きてきたためゲスのお手本のようなゆっくりになってしまった。 生まれてからちゃんとした教育を受けていたのだがここでの生活ですっかり意味が無くなってしまった。 言葉使いも生まれたばかりの赤ゆっくりと全く変わらないレベルの赤ちゃん言葉に逆戻りしている。 「ぐじゅぐじゅししゅぎなんだじぇ!!!どれいはゆっくちちないぢぇおやちゅをおいちぇくんだじぇ!!」 これには職員達もイライラしているのだが研究開発の一環であるため我慢してきた。 「チーフ。もう偽つむりはつむりの方を見てませんよ」 退社時刻直前に1人の職員がこう切り出した。 「確かに見てないな。つむりを見るよりもまりさが痛めつけられてるのを見てるほうがゆっくりできるんだろう」 そもそもつむりを甘やかせてきたのは偽つむり達に"つむりはとてもゆっくりできる"と心の底から思わせるためだ。 つむりを見ないのであれば最早つむりの存在価値は無に等しい。 「正直俺はもうつむりの世話なんかしたくないですよ。もういいんじゃないですか?」 「ちゃんと記録が撮れているか確かめよう。記録が撮れているならつむりは排除するか」 つむりに何かトラブルが起こったとき、もしくはこの方法が上手く行き正式採用された場合を考えてつむりの映像を撮り続けていたのだ。 「この頃は…可愛かったですね」 「どうしてああなっちゃんただろう…」 「2週間でここまで悪化しますかね?普通」 記録映像を見ながら職員達は呟いた。2週間前の純粋なまりさつむりは一体どこへ行ってしまったのだろうか…。 「ちゃんと撮れてるよ。これで十分だろ」 「じゃあつむりは排除ですね」 「飼育部門に戻して再教育は無理か?」 「絶対無理ですよ。これじゃもう誰も買わないですよ」 「あ、出来れば俺にくれませんかね?ちゃんと始末しますから」 「別にいいぞ。俺はいらない」 「私もいいや」 「俺も」 言いだしっぺの青年職員がまりさつむりを得ることが出来た。 「じゃあ俺はここでつむりと遊ぶんで鍵は置いておいていいですよ。餌やりもしときますから」 「ちゃんと片付けとけよ」 「お疲れ様でした」 「じゃまた明日」 職員は次々と帰宅していった。研究室に残ったのは青年1人だけだ。 「さてっと…」 青年は色々と道具を揃えていた。 「つむりを虐待するなんて……もしかしたら俺が最初かもな」 確かに1匹10万円もするゆっくりを虐待する人はいない。そんな財力があるなら大量の通常のゆっくりを殺戮していくほうが遥かに楽しい。 つむりが量産化されれば虐待する人も増えるのだろうか。 「よっと」 彼はケースからつむりを持ち上げた。 「ゆっ!!おしょらをとんでりゅよ!!!」 ここに来て2週間、生まれてから約1ヶ月経過しているが大きさは赤ゆっくりに毛が生えた程度でしかない。 通常であれば既に子ゆっくりのサイズにはなっているはずだ。正真正銘のまりさつむりだからこそ小さいままなのだ。 ただ贅沢な暮らしをしてきたため若干太り気味ではある。見るからに可愛らしさというものは無くなっている。 「ゆ!!!じじいはだれなんだじぇ!!?きちゃないちぇでちゅむりしゃまにさわりゅんじゃないじぇ!!!」 2週間前であれば絶対に吐かなかったであろう汚らしい言葉使いだ。 「ちゅむりはとくべちゅなゆっくちなんだじぇ!!どうちちぇもっていうんにゃらどりぇいにしちぇやるのじぇ!!!」 早くも初対面の人間に対して奴隷扱いだ。青年はつむりを床から30cmくらいの所から落とした。 「ゆびぇ!!!!い…いぢゃい!!!いぢゃいぃぃぃ!!!!」 つむりは通常のゆっくりよりも痛みに弱い。床に叩き付けられたつむりは生まれて初めて味わう痛みに悲鳴を上げた。 「にゃにすりゅんだじぇ!!!!ちゅむりしゃまはとくびぇつなんだよ!!!あやばりゅんだじぇ!!!」 「………」 青年はニヤニヤしていた。 「ゆぁぁぁ!!!どりぇいのくしぇになまいきなんだじぇ!!!ちゅむりしゃまがせいしゃいしちぇあげりゅよ!!!!」 威勢は良いがのっそのっそと動いているだけだ。通常のゆっくりならば飛び掛っていることだろう。 「ゆぅぅぅ……ちゅかれたんだじぇ……ゆ!…うんうんしゅるよ!!……ちゅっきりー!!」 10数cm動いたところで急に止まりうんうんするまりさつむり。馬鹿な画である。 「ちゃっちゃとかたぢゅけるんだじぇ!!!ちゅむりしゃまのうんうんをかたぢゅけるなんちぇこうえいにおもうんだじぇ!!!」 「…………」 青年はつむりのもとへ歩いた。 「ゆ!!やっちょこうしゃんしたんだにぇ!!ちゅむりしゃまのどりぇいに………ゆぅぅ!!!!なにしゅんだじぇぇぇぇ!!!!?」 彼はつむりの貝殻を取り上げた。 「かえじぇ!!!ちゅむりしゃまのゆっくちちたかじゃりしゃん!!!!かえしゅんだじぇぇぇぇ!!!!」 彼はつむりから1m程離れた所に貝殻を置いた。当然つむりは貝殻を取り戻そうと動いた。 「ちゅむりのゆっぐぢぢだかざりしゃん!!!じじいなんきゃにあげにゃいよ!!!」 貝殻が無いせいか少し動きが良くなった。それでも通常のゆっくりに比べたらまだまだのろまだ。 「ゆぅぅ…ゆぅぅ…ゆぅぅ………。ぢゅかれぢゃぁぁ!!!くしょぢょれい!!!!かざりしゃんをもってくりゅんだじぇ!!!」 貝殻までの距離の半分も歩かないうちに疲れてしまい貝殻を奪った張本人に阿呆な要求をした。 「ゆ……ゆあぁぁぁ!!にゃにするんだじぇぇぇ!!!そっぢじゃにゃいぃぃ!!!」 青年は貝殻を更に遠くへ転がした。 「きゃざりをとりかえしちゃらじぇったいころちちぇあげるんだじぇ!!!!あやまっぢぇもおしょいんだじぇ!!!!」 つむりは一生懸命前に進んだ。ここまで動いたのは生まれて初めてだろう。 「ゆぅぅぅ!!!きゃ…きゃざりしゃん……とおしゅぎるんだじぇ……」 通常の赤ゆっくりならば5分もあれば余裕でたどり着くだろう。つむりは10分程経ってようやく貝殻の手前までたどり着いた。 「きゃ…きゃざりしゃん……ゆひぃ……も…もうしゅこち………ゆ!しょ…しょんなぁぁ!!!!きゃざりしゃんがぁぁぁ!!!」 つむりの視界から貝殻が消えてしまった。 「ほれほれ。ここにあるぞ」 貝殻は青年が持っていた。 「ど…どりぇいのくしぇにぃぃぃ!!!!かえしぇ!!!きゃざりしゃんかえしぇぇぇぇ!!!!」 つむりは青年の靴にぽこんぽこんと体当たりをした。あまりにも弱すぎて当たった感触すらなかった。 「しぇいっしゃいなんだじぇ!!いぢゃいでしょ!!ゆっくちちにゃいでこうしゃんしゅるんだじぇ!!!」 「ちょっと飽きてきたな…」 つむりはまだ体当たりを続けていた。 「こにょ!!こにょ!!ちゅむりしゃまはちゅよいんだじぇ!!!こにょ!!」 青年は足を退けた。つむりはずっこけた。 「ゆびぇっ!!!いぢゃ……ゆぅぅ!!まちゃういちぇるぅぅ!!!!」 彼はつむりを持ち上げた。そのまま先程つむりがうんうんをした所へ歩いた。 「うんうんはゆっくちできにゃいよ!!どりぇいはしゃっしゃとかたぢゅけるんだじぇ!!!!」 そのうんうんの山に貝殻を乗せた。予想していなかった事態につむりは悲鳴を上げた。 「ちゅむりのゆっくちちたきゃざりしゃんぎゃぁぁぁぁ!!!にゃにすりゅんだじぇぇぇ!!!きりぇいにしゅる……ゆ?」 うんうんの山がつむりの目の前まで迫ってきていたのだ。 「ゆわぁぁぁ!!!くちゃい!!!くちゃいんだじぇぇぇ!!!いや!!!ゆっぐぢでぎにゃいぃぃぃ!!!!」 青年はつむりをうんうんの山の寸前でぶら下げていた。余程匂うのかしきりに体を動かしていた。 「ゆわぁぁぁ!!!!ゆっくぢでぎにゃいぃぃ!!!!はやきゅかだぢゅけりょぉぉぉぉ!!!!…ゆびゅっ!!!!」 つむりがうんうんの山に顔からダイブした。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!っべっべ!!!ぐぢゃいぃ!!!!くじゃぐでゆっぐぢでぎないぃぃぃ!!!…ゆぎょぉぉっ!!!!」 彼の指がつむりをうんうんの山に押し付けていた。つむりはもがいたが顔はうんうんの山にうずめたままだった。 「ぎゅるじっ!!!!ゆぎぇぇぇ!!!やびぇ……ゆぎぃぃぃぃ………」 つむりの体はうんうんまみれになった。青年は指を退けた。 「ぐぢゃいぃ……ちゅむりの……きりぇいなきゃおがぁ………。ゆぎぃぃぃぃぃ!!!!はやきゅきりぇいにすりゅんだじぇ!!!」 青年はつむりを摘み3つのケースが置いてある場所へ移動した。 「きゃざりぃぃ!!!!ちゅぶりのかじゃりかえじぇぇぇぇ!!!おろちぇぇぇぇ!!!くしょどりぇいぃぃぃ!!!!」 つむりは偽つむり達がいるケースの蓋の上に降ろされた。 「ゆっぎゅ……ゆ?…きょきょにもちゅむりがいりゅよ!?」 つむりは下を向いた。偽つむりがいるケース自体はスピーカーを仕込んだただのケースだが蓋だけには細工がしてある。 蓋はマジックミラーになっており偽つむりが上を向いても外の様子は見えないのだ。 つむりはケースの中の様子を見ることが出来るが中にいる偽つむりは蓋の上に乗っているつむりを見ることが出来ない。 「これな~んだ?」 青年はさっきまでつむりがいたケースからクッションやボールを取り出した。 「しょれはちゅむりの!!!!ちゅむりのおもちゃだよ!!!しゃっしゃとかえしゅんだじぇ!!!!」 彼はつむりには返さず蓋に付いている小窓を開けるとクッションやボールを偽つむり達がいるケースの中に落とした。 「にゃにしゅるんだじぇぇぇぇ!!!!?か…かえしゅんだじぇ!!!ちゅむりの!!!ちゅむりのおもちゃぁぁぁ!!!!」 つむりはケースの中の偽つむり達に向かって叫んだ。 「にゃんだきゃうえがうりゅしゃいよ?」 「ゆ!?にゃにかおちてきちゃんだじぇ!」 ケースの中では偽つむり達が突然降ってきたクッションやボールに群がっていた。 「こりぇはなんだじぇ?」 「ゆ!?ゆぅ~!!ふきゃふきゃするよ!!」 「ゆぅ~ん!!ゆっくちできりゅにぇ!!」 「ゆ!!こりぇおもしりょ~い!!!」 「ちゅむりもあしょぶんだじぇ!!」 すぐにクッションに顔をうずめたりボールを転がしたりして遊びだした。 「ゆっくちできりゅんだじぇ!!!」 「やっぴゃりちゅむりはゆっくちのなきゃのゆっくちなんだじぇ!!」 この様子を見ていて面白くないのは蓋の上の正真正銘のまりさつむりだ。 「きゃえしぇ!!!!ちゅむりの…ちゅむりのおもぢゃにゃのにぃぃぃぃ!!!!ゆがぁぁぁ!!!!」 つむりは蓋の上で小刻みにジャンプしていた。地団太を踏んでいるつもりなのだろうか。 「じゃあ逝っておいで」 青年は小窓を開けつむりをケースの中に落とした。 「ゆびゅっ!!!」 つむりがケースの中に落ちた。偽つむり達の注目がつむりに注がれた。 「こんどはなんなんだじぇ!!?」 「ゆ!?にゃんだきゃくしゃいよ!!」 「こりぇゆっくちだよ!!ゆ!!ゆっくちできちぇにゃいんだじぇ!!」 つむりは自らのうんうんまみれで見るからに汚い。 「ゆぅぅ……い…いぢゃいぃぃ…いぢゃいよぉぉ!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!!!ゆあぁぁぁん!!!!」 つむりは泣き喚いていた。偽つむり達はゴミを見るかのようにつむりを眺めていた。 「ゆびぇぇぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇぇ……いぢゃっ!!!ゆ!?ちゅ…ちゅぶりのおもぢゃぁぁぁ!!!」 泣き喚いているつむりにボールが当たった。 「しょれはつみゅりのだよ!!!かえちちぇね!!!」 「きたにゃいゆっくちがさわりゅんじゃないのじぇ!!!」 ボールで遊んでいた偽つむり達がつむりに体当たりをした。 「いぢゃい!!!!にゃにすりゅんだじぇ!!!しょれはちゅむりのおもちゃだじぇ!!ゆぅぅ!!しょのふかふかしゃんもちゅむりのだじぇ!!!」 つむりはクッションに顔をうずめようとした。 「こりぇはつむりのだよ!!あっちいっちぇにぇ!!」 「ゆっくちできにゃいんだじぇ!!こにょ!!!」 つむりは偽つむり達に弾き飛ばされてしまった。 「ゆぎぃぃぃ!!ちゅむりは…ちゅむりはとくびぇつなゆっくちなんだよ!!じぇんぶちゅむりのだよ!!かえしゅんだじぇ!!!」 偽つむり達は一斉に嘲笑した。 「ゆぷぷぷ!!!!ちゅむりだっちぇ!!」 「かじゃりしゃんがにゃいのにちゅむりだっちぇ!!」 「つみゅりしゃまよりゆっくちちちぇいるゆっくちなんちぇいにゃいんだじぇ!!」 「きちゃにゃいからどっかいっちぇにぇ!!」 こうしてまりさつむりと偽つむりが同じケースにいると大きさの違いが良く分かる。 正真正銘のつむりは少し太り気味の赤ゆっくりといったところだが偽つむりは正体がまりさ種であるため小さめの子ゆっくりサイズになっている。 ケースの中の状況はぽっちゃりの小学生がたった1人で中学生グループに喧嘩を売っているようなものである。 「つみゅりしゃまにはゆっくちしちゃかじゃりさんがあるんだじぇ!!」 「きゃざりをもっちぇないにょにゆっくちできりゅわけないんだじぇ!!」 「ちゅむりだっちぇ!!おりょかおりょか!!」 ゲラゲラ笑われてつむりは怒り狂った。 「ゆがぁぁぁぁ!!!ちゅぶりじゃばは…ちゅぶりはえりゃいんだじぇ!!!しぇいっさいしちぇやりゅぅぅぅぅ!!!!」 つむりは偽つむりに飛び掛った。が、体力が無いため偽つむり達のかなり手前で着地してしまった。 「ゆぷぷぷぷぷ!!!!!にゃにしちぇるにょ?」 「しょれでこうぎぇきしちゃつみょり?」 「ばかなんだじぇ!!かじゃりもにゃいし。あしょんでやるのじぇ!!」 まず1匹の偽つむりがつむりを弾き飛ばした。 「ゆぎぃっ!!いぢゃい!!いぢゃいぃぃ!!」 偽つむりは正体が普通のまりさ種であるため貝殻を被っていてもつむりより遥かに体力がある。 「ゆ!!おみょしろいんだじぇ!!!」 「よくとぶんだじぇ!!しょれ!!」 つむりは偽つむり達にボールとして遊ばれてしまった。 「いぢゃい!!いぢゃいよぉぉぉ!!!だじゅ…ゆぎぃ!!いぢゃいぃぃぃ!!!」 「たのしいにぇ!!」 「うしょつきはゆっくちできないにぇ!!ゆっ!!」 「やびぇぢぇぇぇ!!!いぢゃい!!!ぶえっ!!ぼうやぢゃぁぁ!!!おうぢがえりゅぅぅぅ!!!!」 一方つむりをケースの中に落とした青年はというと餌の準備をしていた。毎日職員が交代で退社時間後偽つむり達に餌をあげているのだ。 「結構面白いものが見れそうだな。…これか」 青年はマイクの傍のボタンを押した。 『おちびちゃん!!!ご飯にしようね!!!』 録音しておいた音声がケースの中に響いた。マイクの傍にはいくつかのボタンが設置されている。 常時荒沢さんをマイクの前に拘束しておくわけにもいかない。予め様々な音声が録音されているのだ。 「ゆ!!ごはん!!!ごはん!!」 「おにゃかすいちゃね」 「あしょんでたらおにゃかぺこぺこなんだじぇ」 固形の餌がケースの中に降り注いだ。偽つむり達は餌に噛り付いた。 「「「むーちゃむーちゃ!!しあわしぇぇ!!」」」 「「おいちくちぇゆっくちできりゅにぇ!!」」 空腹なのはつむりも同じだ。美味しそうな匂いに誘われて傍に転がっている餌へ歩き出した。 「ちゅ……ちゅむりも……おにゃか……へっちゃ…よぉ……」 のそりのそりと餌に近付いた。 「い…いちゃぢゃ…きま…じゅ……」 つむりが口を開けた。 「ゆ!!!?しょれはつみゅりのごはんしゃんなんだじぇ!!!かっちぇにたべりゅんじゃないじぇ!!!!」 つむりに気付いた偽つむりがつむりを弾き飛ばした。 「ゆぎぇ!!にゃ…にゃんでぇ……ちゅむりだっちぇ…ちゅむりだっちぇおにゃかしゅいたよぉぉ!!」 偽つむり達はつむりにこう言い放った。 「うりゅしゃんだじぇ!!かじゃりのにゃいへんなゆっくちはちゅむりなんかじゃないよ!!」 「とくびぇちゅでごみぇんにぇ!!こりぇはつみゅりのごはんしゃんだよ!!」 「あちょであしょんでやりゅからしょこでまっちぇるんだじぇ!!」 餌はどんどん偽つむり達が平らげていった。 「ゆわぁぁぁぁん!!!おにゃかしゅいちゃぁぁぁ!!!ちゅむりにも!!!ちゅぶりにもぉぉぉ!!!」 つむりは泣きながら餌に飛び付こうとした。 「あっちいきゅんだじぇ!!」 「ゆびぇっ!!ど…どびょじぢぇ……ちゅぶりは…ちゅぶりはときゅべちゅなのにぃぃぃぃ!!!!」 とうとう餌は全て食い尽くされてしまった。偽つむり達は満足そうに転がっていた。 「しあわしぇぇ!!!」 「まんぷきゅなんだじぇ!!」 「ゆっくちできりゅよぉ」 「おいちかっちゃんだじぇ!!」 つむりは床を這いつくばって餌のカスを舐めていた。 「ぺぇ…ろ……ぺぇ…ろ………ふしあわしぇ……」 流石に偽つむり達は床に散らかったカスまで食べようとはしない。つむりに体当たりもしなかった。 「ゆぷぷ!!みじみぇだじぇ!!!」 「ときゅべちゅなゆっくちがしょんなこちょしゅるの?」 「あわりぇあわりぇ!!」 偽つむりが嘲り笑う。つむりは涙を流しながら床を舐めていた。 「ゆっ…ぎゅ………どびょじぢぇ……っぐ……ちゅむりが……っゆ……っゆ…」 わんわん泣いてしまうと偽つむりに笑われてしまうから、とプライドの高いつむりは涙を堪えていた。 だがそれが返って涙を目元に貯めてしまい大粒の涙がぽろぽろと零れていった。 「ゆ!!?おみじゅしゃんだ!!」 「のどかわいちゃよ!!」 「いちゃだくんだじぇ!!」 ケースの中にストローが数本上空から降りてきた。 「ちゅーちゅー!!」 「ごーきゅごーきゅ!!」 「ぷひゃぁ!!」 「ちゅぎはちゅむりなんだじぇ!!」 代わる代わる偽つむり達がストローを咥え水を飲んでいった。 「お…おみじゅ……のぢょ…きゃわいちゃよぉ……」 つむりも喉が渇いていた。ストローに向かってのそりのそりと歩いた。 「おみじゅしゃん……ちゅむりに…いじわりゅしにゃいでにぇ……」 あともう少しでストローを咥えられる所までやってきた。 「あ…あちょ…もう…しゅこしだよ…」 と、突然ストローがするすると上昇していった。まるでつむりが近くにやってきたのを見計らっていたかのようだ。 「にゃんぢぇ………ちゅむり……のぢょ…きゃらきゃらだよぉ……」 届かない高さまで上昇してしまったストローを眺めながら恨めしそうにつむりが呟いた。 「ぢょっ…まっぢぇぇぇぇ!!!!つみゅりはまだのんでにゃいよぉぉぉ!!!」 「どびょじでぇぇ!!!?ちゅぎはちゅむりだったにょにぃぃぃ!!!」 偽つむりの中でも水を飲めなかったのがいたようだ。 「こいちゅだよ!!こいちゅがいりゅかりゃおみじゅしゃんがかえっちゃったんだよ!!!」 「とんだげしゅだね!!!ちゅむりしゃまがせいっしゃいしゅるよ!!」 怒りの矛先はつむりに向けられた。水を飲めなかった偽つむりはつむりに罵詈雑言を浴びせかけた。 「にゃ…にゃんぢぇ…しょんなこちょ…いうにょぉぉ……ちゅむりだっちぇ……ちゅむりだっぢぇ……」 「うるしゃいよ!!くりゃえ!!」 「なみゃいきなんだじぇ!!ちにぇ!!」 「ゆびぇ!!!いぢゃい!!!やびぇで!!!やびぇでよぉぉぉ!!!ゆぎぇっ!!」 再びつむりは偽つむりから暴行を受けた。水を飲むことが出来た偽つむりも面白がってつむりを虐め始めた。 「もうやぢゃぁぁぁ!!!だじゅぎぇでよぉぉ!!!いぢゃいっ!!!!やぢゃ!!!ゆぎゃ!!!いぢゃいぃぃぃ!!!」 「ゆ!!?にゃんだきゃうんうんがしちゃくなっちぇきちゃよ」 「つみゅりも!」 食後に適度な運動をしていたせいか偽つむり達が次々と便意を催してきた。 「しょうだ!!このぎぇしゅにぴゅれじぇんとしちぇあぎぇるんだじぇ!!」 「うんうんしゅりゅよ!!おにゃかしゅいちぇるなりゃたべちぇもいいんだじぇ!!」 「ゆぎぇぇぇぇ!!!ぐぢゃい!!!ぐぢゃいよぉぉぉ!!!!ちゅぶりにかきぇにゃいぢぇぇぇぇ!!!」 ぐったりとしているつむりに偽つむり達が次々とうんうんをしていった。 「ちゅっきりー!!」 「とくびぇつなゆっくちのうんうんでみょたびぇりゅといいんだじぇ!!」 「ゆぇぇぇ……ぐぢゃいぃ……ゆ…っぐぢ…でぎにゃいぃ……」 つむりは偽つむりのうんうんに飲み込まれてしまった。 「ちーちーもすりゅよ!!」 「ちゅむりしゃまのちーちーをのむんだじぇ!!」 「しゅっきちー!!」 更にしーしーまでかけられてしまった。 「ゆびぇ……ぐぢゃい……にゃんぢぇぇ……ちゅむりは……とくびぇつなにょにぃ……」 出すものを出してすっきりした偽つむり達はゲラゲラ笑っていた。 「いいきみだじぇ!!」 「つみゅりしゃまはゆっくちできりゅんだじぇ!!」 「げしゅはそこでしにゅといいんだじぇ!!」 つむりはうんうんの山の中で泣いていた。 「ゆびぇぇぇぇん……ゆぇぇぇぇん……ゆっぐぢ…ゆっぐぢぢぢゃいよぉぉ……」 一部始終をケースの蓋から見ていた青年はようやくつむりをケースから救い出した。 「いいもん見せてもらったよ。偽者も結構やるねぇ…」 小さい頃からゆっくりの虐待シーンを見ているとゆっくりでもここまで頭が回るものなのだろうか。 「ゆっぐ……ゆっぐ……がえじぢぇよぉぉ……ちゅむりの……ぢゅぶりの…かじゃりしゃん……かえじぢぇ…」 机の上に乗せられたつむりは泣きじゃくりながらしきりに飾りを返せ返せと呟いていた。 「ほぉ…これか?これが欲しいのか?」 つむりの目の前に貝殻を置いた。つむりの表情が途端に明るくなった。 「きゃざり!!ちゅむりの!!きゃざりしゃん!!!まっちぇね!!いみゃいきゅよ!!」 つむりが貝殻に近づいた。 「きゃざりしゃん!!ちゅむりのかじゃりしゃ……ゆぴゃぁぁぁぁぁ!!!!」 突然大きな音がした。つむりはびっくりして目を瞑った。 「にゃ…にゃにが…あっちゃにょ?……ゆ?…ゆ?」 つむりは恐る恐る目を開けた。そして異変に気付いた。 「にゃ…にゃい!!にゃいよ!!ちゅむりの…かじゃりしゃんがきえぢゃっだぁぁぁ!!!」 確かにさっきまでつむりの目の前にあった貝殻が無くなってしまった。代わりにつむりの目の前には黒い円筒状のモノがそびえ立っていた。 「分かんないか?…どうだ?分かるか?」 青年は黒い円筒状のモノを退けた。 「にゃ…にゃにこりぇ?……ゆ!!?…ぅ…うしょでじょぉぉぉぉ!!!!!」 つむりが見たもの…それは割れてしまった自らの飾りであった。 「ちゅぶりのかじゃりじゃん!!!な…なおっちぇにぇ!!!なおっぢぇよぉぉぉ!!!!」 つむりは舌を伸ばし必死に貝殻の破片を舐めていた。舐めれば貝殻が元通りになると思い込んでいるのだ。 余談だがゆっくりは飾りが傷付くと飾りを舐めることが多い。実はこれで本当に修復することがあるのだと言う。 ゆっくりの飾りは小麦粉で出来ているため舐めることで小麦粉が溶けて傷を誤魔化せたり切れた部分がくっ付くことがあるのだ。 「にゃんぢぇなおっぢぇくりぇにゃいのぉぉぉ!!!!?ぺーろ!!ぺーろ!!…ゆあぁぁあぁぁあ!!!」 貝殻は割れたままだ。つむりは諦めずにまだぺろぺろ舐めていた。 「やぢゃぁぁぁ!!!!なおっぢぇよぉぉぉ!!!きゃざりがにゃいと…ゆっぐぢでぎにゃいよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 青年は金槌を手にニヤニヤしながらこの光景を眺めていた。 「ゆっぐ……ゆびぇぇぇぇぇん!!!いじわりゅじにゃいぢぇぇぇぇ!!!!ゆっぐぢさじぇでぇぇぇぇ!!!!」 泣きじゃくりながらぺろぺろぺろぺろ…。 「ゆびゃっ!!!い…いぢゃいよぉぉぉ!!!かじゃりじゃん!!ちゅぶりのごぢょきぢゃいになりゃにゃいぢぇぇぇぇ!!!」 どうやら破片の尖った部分がつむりの舌に刺さったようだ。 「特別なゆっくりを虐めるなんてゆっくりできないね!!お兄さんが制裁してあげるよ!!」 彼は金槌で貝殻の破片を叩いた。 「なにぢぢぇるにょぉぉぉ!!!?や…やびぇで!!!やびぇでぇぇぇ!!!ゆぴゃっ!!!…ゆぁぁぁあぁぁ!!!!!」 「安心してね!!つむりを虐める悪い飾りはお兄さんが制裁してあげるからね!」 「やびぇで!!ま…まっぢぇよぉぉぉ!!!いやぁぁぁ!!!かじゃりがぁ!!!ちゅぶりのかじゃりぎゃぁぁぁぁ!!!」 つむりは青年を止めようとした。 「ど…どうじぢぇ…どうじぢぇそんなごぢょずりゅのぉぉぉ!!!?ちゅぶりの…ちゅぶりのかざりじゃん!!!!」 「なぁ、お前の飾りって何のためにあると思う?」 青年の手が止まった。 「ゆ!!!しょ…しょれはにぇっ!!!ゆっくちできるきゃらだよ!!!」 つむりは青年が改心してくれたのかと笑顔で答えた。 「ふん…違うな!!!」 青年の手が再び動いた。 「にゃ…にゃんぢぇぇぇぇ!!!?ゆっぐぢでぎりゅでじょぉぉぉ!!!!ちゅぶりは…ゆっぐぢ…でぎりゅよぉぉぉ!!!」 金槌を振り上げた青年につむりが叫んだ。 「飾りはな、壊すためにあるんだよ!!!」 「ゆびゃっ!!!!…ゆあぁぁぁあぁぁ!!!!も…もうやびぇぢぇぇぇぇ!!!」 金槌でガンガンガンガン叩かれた貝殻は最早原型を留めておらず文字通り粉々になってしまった。 「こりぇじゃぼう…ぼう…ゆっぐぢでぎにゃいよぉぉぉぉ!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!!!」 青年はと言うと金槌から針に装備品を変えていた。 「ゆびぇぇぇぇん!!!!ゆえぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇ…ゆぴゃっ!!!いぢゃい!!!にゃ…にゃに!!?」 彼は針を何度もつむりに刺して遊んでいた。針は赤ゆっくり虐めの必需品の1つだ。 「いぢゃい!!!いぢゃいぃぃ!!!ゆびぃぃぃ!!!いぢゃいよぉぉ!!!ど…どびょじで!!…ゆぎゃっ!!!」 彼は針先をつむりの目玉に向けた。 「お前の目玉は何のためにあると思う?」 「ゆ!?……い…いぢゃいのは…やびぇぢぇぇ……ゆぴゃっ!!!!ゆ…ゆぎぃ…ゆぎゃぁぁああぁ!!!」 「抉られるためにあるんだよ!!」 針はつむりの小さな目玉に突き刺さっていた。 「いぢゃい!!!!いぢゃいぃぃぃい!!!おびぇびぇぇ!!!!つびゅりのゆっぐじじだおびぇびぇがぁぁぁぁ!!!!」 針を持つ手がくるりと手前に力を入れながら回った。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!…び…びえにゃい……!!!!!!!?びえにゃいぃぃぃ!!!!」 つむりの小さな目玉はいとも簡単に抉り取られてしまった。針先に丸い目玉が串刺しになっていた。 「おびぇびぇがぁぁぁ!!!い…いぢゃい…いぢゃいぃぃ…ゆ!!!?い…いやぁぁぁ!!!ごにゃいぢぇ!!!ごっぢぐりゅなぁぁぁ!!!」 残った目玉で見えたのはこちらに向けられた針先だった。つむりは逃げようと後ずさりした。 「おうぢがえりゅぅぅぅ!!!おうぢがえじぢぇぇぇ!!!…ゆ!!!?お…おしょらをとんぢぇりゅぅぅ!!」 つむりは青年の手の中に捕まっていた。ほんの僅かだったがつむりが後ずさりしたのを彼は見逃していなかった。 逃げるつむりにゆっくりと迫って遊んでやるのも面白そうだがここは逃げられない恐怖で遊んでやろうと思ったのだ。 「にゃんぢぇ!!!!?にゃんぢぇぇぇ!!!お…おうぢにがえじぢぇよぉぉぉ!!!!」 つむりも自分がどこにいるのかが分かったようだ。 「つむりちゃん。今何が見えるかなぁ?」 アイスクリームを持つかのようにつむりを持ちじわりじわりと針先を目玉に近づけた。 「いやぢゃぁぁ!!!だじゅぎぇでぇぇ!!!だじゅぎぇでよぉぉ!!!ちゅぶりは…ちゅぶりはどぐびぇぢゅっで!!とぐびぇづっでぇぇぇ!!!」 つむりが必死に逃げ出そうとしているのは手から感じることが出来る。針先が目玉に触れた。青年もその感触が分かった。 「ゆ……ゆぇぇぇ……」 つむりは恐怖で白目を剥いて気絶してしまった。 「ちぇ。もう少し気張れよ」 一気に針を目玉に突き刺し早々に抉り取った。つむりの目玉はもう無い。目があった所からは餡子の溶けた黒い涙が流れていた。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!いぢゃいぃぃ!!!いぢゃいよぉぉぉ!!!!」 痛みで気絶から覚醒したようだ。 「…み…みえにゃい!!!!びえにゃいぃぃぃぃい!!!!まっぐりゃ!!!まっぐりゃだよぉぉぉ!!!!!」 赤ゆっくり虐めの定番コースを終え青年は満足していた。あとはこのままゆっくり専用のゴミ箱に入れてしまえばお終いだ。 「あ、そうだ。最近少し元気が足りてないよなぁ」 彼の目線はケースに向けられていた。 「ゆっぐ……ぐりゃいよぉ……みえにゃい……ぼう……ゆっぐぢなんがでぎにゃいぃぃ!!!ゆびぇぇぇぇええん!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!」 「ほら、今日からここがお前のおうちだ。達者で暮らせよ」 つむりは落下する感覚がした。 「ゆ…ゆぁぁぁ!!!…ゆびぇっ!!!!いぢゃいぃぃ!!!ど…どきょ!!?ここどきょぉぉ!!!ぐらぐぢぇ…ごわいよぉぉぉお!!!」 すると答えが返ってきた。 「ゆ………ゅ……」 「……だ…りぇ?……」 「ゅ…………ゆ……」 つむりを迎えてくれたのは瀕死の赤まりさ達だ。つむりは赤まりさ達がいるケースに落とされたのだ。 「だ…だりぇか…だりゃかいりゅの?…ちゅ…ちゅむりは…ここ…ぢゃょ……た…たじゅぎぇ…ぢぇぇ……」 赤まりさ達は自分のことで精一杯だ。つむりの相手をする余裕は無い。1匹もつむりに近づくことは無かった。 「にゃんぢぇぇぇ!!!にゃんでだじゅぎぇぢぇぐれにゃいにょぉぉぉ!!!!?ちゅぶりはとぐびぇづにゃのにぃぃ!!!」 飾りは壊され目玉は抉られ体中ボロボロになってもつむりはまだ自分のことを特別なゆっくりであると譲らなかった。 「ゆぷぷ!!にゃにかいっちぇるよ!!」 「ありぇはちゃっきのくじゅなんだじぇ!!」 「おりょかおりょか」 青年は既に退社していた。つむりを見ているのは隣のケースにいる偽つむり達だけだった。 更に1週間が経った。偽つむり達は順調に育っていた。 「チーフ、手っ取り早く成長促進剤を使ってさっさと成体にしませんか?」 「それダメだよ。流石にある程度時間かけないと"自分はつむりだ"って思い込まないだろう」 通常赤ゆっくりが子ゆっくりになるのに約2~3週間、成体ゆっくりになるのに約2ヶ月かかるという。 さて、育つといっても大きくなるのは体だけで肝心の貝殻は全く成長してくれない。勿論そんな事は端から承知している。 そこで偽つむりが成長するに従ってこっそりと貝殻を交換することにした。 予め様々な大きさのフェイクの貝殻を揃え偽つむりが眠っている隙に貝殻を取り替えるのだ。 まりさ種本来の飾りである帽子を捨てて全く愛着の無かった貝殻を選んだゆっくりだ。貝殻が変わっても何とも思わないのだ。 「せ…せまいんだじぇ……」 「これじゃつむりがゆっくちできないよ!」 「なにやってるんだじぇ!!さっさとひろいおうちをよういするんだじぇ!!」 子ゆっくりになり赤ちゃん言葉が抜けてきた頃からケースが少し狭くなってきた。偽つむり達は狭い狭いと文句を垂れ流すようになった。 まだ大丈夫だろうとケースを変えなかったがそろそろ限界だろう。 「そろそろ分けましょうよ」 「そうだな。半々に分けるか」 偽つむりが寝静まったのを確認してからつい最近までつむりが暮らしていたケースに偽つむりを半分移住させた。 「あの…今更なんですが。これで本当に洗脳できてるんですかね?」 「ゆっくりが命の次に大事にしている飾りを捨ててつむりを選んだんだぜ。杞憂だと思うぞ」 「いや、実はというと…俺も少し不安なんだがな」 結構な数の職員が少々の不安を抱えていたようだ。 「じゃ、試してみようか。こいつらが自分のことをつむりって思い込んでいるかどうか」 「どうするんですか?」 「虐め抜くんだよ。というか虐め殺すくらい強烈なのがいいか」 「それで分かるんですか?」 「俺に良い考えがあるよ。1匹犠牲になるけどいいかな?」 「まだ沢山いるからいいぞ。任せた」 「じゃあ一番大きい奴を頂きますね」 ケースの中から一番大きい偽つむりを取り出した。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 まだ眠ったままだ。偽つむりは研究室から違う部屋に運ばれていった。 「多分こいつ起きるの明日だよ」 「でしょうね。準備したら俺も帰りますよ」 そして次の日になった。 「ゆっくり…おき……ゆ!!?こ…ここはどこなんだぜ?」 何も無い空室で偽つむりが目を覚ました。一番大きかっただけあって既に赤ちゃん言葉は完全に抜けていた。 「つ…つむりはおきたんだぜ!!さっさとごはんもってくるんだぜ!!」 偽つむりが起きたのを確認し男性が部屋に入ってきた。 「だ…だれなんだぜ!!!?……ゆ!!わかったんだぜ!!つむりさまのどれいなんだぜ!!」 初対面の男性を早くも奴隷認定だ。言葉がはっきりしている分彼は少しカチンときていた。 「お前の名前は何だ?」 男性はそう聞いた。 「ゆ!!つむりさまをしらないのぜ?…つむりはつむりさまなんだぜ!!とくべつなゆっくりなんだぜ!!」 「つむり?お前はまりさだろ?」 「ゆぷぷぷ!!!まりさだって!!まりさはくずなゆっくりなんだぜ!!つむりさまはとってもゆっくりしたゆっくりなんだぜ!!」 「いやお前はまりさだろ。顔にそう書いてあるぞ」 「ゆがぁぁぁぁ!!!ちがうんだぜ!!!つむりはつむりさまなんだぜぇぇぇぇ!!!!」 偽つむりは怒っていた。 「わがっだらさっさとごはんもっでごいぃぃぃ!!!!どれいはつむりさまのいうこどをきけばいいんだぜぇぇぇぇ!!!!」 男性はゆっくりと偽つむりの前まで歩いた。 「な…なんなんだぜ!!!?つむりさまにさからうといたいめに…ゆぁ!!?な…なにするんだぜぇぇぇぇ!!!!?」 彼は偽つむりから貝殻を奪っていた。気付いた偽まりさは当然慌てた。 「それはつぶりのなんだぜぇぇぇぇ!!!!かえすんだぜ!!!いまならゆるしてやるのぜ!!!!」 「じゃあお前が奪い返してみろよ。無理だろうけど」 軽い挑発だ。 「ゆがぁぁぁあ!!!!おこったんだぜ!!!こうかいさせてあげるんだぜ!!!!このぉ!!!」 前回の本物のつむりとは違いこの偽つむりは子まりさ程度の体力がある。あくまで子まりさ程度だ。 「どうした?どこに行くつもりだい?」 飛び掛ってきた偽つむりを彼は軽くかわした。 「よ…よけるなぁぁぁ!!!くらえぇぇぇぇ!!!」 またもかわされた。 「ゆびゅ!!!…な…なかなかやるんだぜ!!!」 彼は何もしていない。 「じゃあ今度は俺からいくぞ」 彼は軽く偽つむりを蹴飛ばした。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!!い…いぢゃい!!いぢゃいよぉぉぉぉ!!!」 長らくゆっくりしていたせいかそれとも子まりさ自体がこの程度なのかかなり遅い彼の蹴りを避けることができなかった。 「いぢゃいぃぃ!!!かおがぁ!!!つぶりざばのうづぐじいおがおがぁぁぁ!!!」 「ほらほら。このままこれを貰っちゃうぞ」 泣きじゃくる偽つむりに貝殻を見せ付けた。 「ど…どれいのぐぜにぃぃぃ!!!ほんきをみぜでやるのぜぇぇぇぇ!!!!」 本気と言ってもさっきと攻撃方法もスピードもあまり変わっていない。 「じねぇぇぇぇ!!!!…ゆごっ!!!ゆぎぇ!!!!」 サッカーの要領で飛び上がった偽つむりを軽く足で合わせた。偽つむりは靴に激突し床に落下した。たったそれだけだ。 「いだいぃぃ!!!がおがぁ!!おがおがいだいぃぃ!!!ゆ…ぅ……ゆ…ゆえぇぇぇん!!!ゆびぇぇぇぇぇん!!」 偽つむりは大泣きしてしまった。さっきまでの威勢の良さはどこへ消えてしまったのだろう。 「あーかざりおとしちゃったー」 わざと貝殻を偽つむりの前に転がした。彼の右手にはバットが握られていた。 「ゆ!!か…かざりさん!!!つむりのかざりさん!!!」 偽つむりは泣くのをピタッと止め貝殻に駆け寄った。 「ゆ!!!も…もどったんだぜ!!!つむりのかざりさん!!!」 貝殻を頭に被り満足そうだ。 「ゆ!!?な…なにしてるんだぜ!!!?どれいはさっさとごはんをもってくるんだぜ!!!!」 飾りが戻ってまたさっきの威勢の良い台詞が蘇った。男性は素振りをしていた。 「つむりさまのかざりさんはとりかえしたんだぜ!!!もうどれいなんかこわくないんだ……ゆ!!!?」 突然大きな音がした。つむりは頭が軽くなったのを感じていた。続けて何かが床に落ちた音がした。 「な…なんなんだぜ!!?いまのは…いまなにがおこたんだぜ!!!?」 偽つむりは得体の知れない事態に慌てていた。 「後ろ見てみろよ」 「な…なんでかざりざんがぁぁぁ!!!どうなっでるんだぜぇぇぇ!!!?」 偽つむりの貝殻は後方に転がっていた。しかも貝殻は割れていた。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!つ…つぶりのかざりじゃんがぁぁぁ!!!!な…なおっでぇぇ!!!なおるんだぜぇぇぇ!!!!」 大慌てで偽つむりは貝殻のもとへ駆けた。 「ぺーろ!!…ぺーろ!!なおっでね!!なおっでぐれないど…ゆっぐりでぎないでじょぉぉぉぉぉ!!!!」 必死に割れた貝殻を舐めていた。 「直んねえよ!!!そらっ!!」 男性はバットで貝殻を叩いた。貝殻は更に細かく砕け散った。 「ゆあぁぁぁぁ!!!ゆあぁぁぁぁ!!!なにじでるんだぜぇぇぇぇ!!!!なおぜぇぇぇ!!!おばえがなおぜぇぇぇ!!!」 彼の足元に偽つむりが纏わりついた。 「五月蝿いよ。あっち行け」 パターゴルフの要領で軽くバットで偽つむりを打った。軽くでも良く飛んだ。 「ぶぇっ!!!!い…いぢゃいぃ……い…ゆ…ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!ぼう…ぼうやべろぉぉぉぉお!!!!」 五月蝿い偽つむりを追っ払っい彼は思いっきり貝殻をバットで叩いていた。ガキン!!ガキン!!と床も叩く音が聞こえた。 「やべでぇぇぇぇ!!!それがないど…それがないどゆっぐりでぎなぐなるぅぅぅう!!!」 偽つむりは彼の所へ駆けた。 「やべでぇぇぇぇ!!!ぼうやべでよぉぉぉぉ!!!!」 「いいぞ。ほれ。被ってみろよ」 「ゆ…ゆぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」 貝殻は粉々だった。まるで不器用な人が剥いたゆで卵の殻のようだった。 「なにごれぇぇぇぇぇ!!!!?かざりじゃん…かざりじゃん!!へんじじでぇぇぇ!!!!へんじじでよぉぉぉお!!!!」 勿論何も返ってこない。 「ゆわぁぁぁぁああぁぁん!!!!ごれじゃ…ぼうゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!つぶりなのにぃぃぃ!!!ゆっぐりじだいぃぃぃ!!!」 「じゃあこれ被ったら?」 男性は偽つむりの前に黒い帽子を落とした。 「ど……どぼじでごんなごどじだぁぁぁぁ!!!!?つぶりは…つぶりはとぐべづなゆっぐりなのにぃぃぃぃ!!!!」 「何でってお前はまりさだからだよ。ほれ、早くそれ被れよ」 偽つむりは目の前の帽子に気が付いた。 「ごんなのがぶれるわげないでじょぉぉぉぉ!!!!つぶりはつぶりなんだぜぇぇぇぇぇ!!!まりさなんがゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!」 彼は少し満足そうな顔をした。バットを床に転がし今度はハエ叩きを取り出した。ヒュンヒュンと振りながら偽つむりを持ち上げた。 「ぎだないででざわるなぁぁぁぁ!!!がえぜぇぇぇ!!!つぶりの…つぶりのゆっぐりじだかざりじゃんをなおすんだぜぇぇぇ!!!」 子ゆっくりと言っても一番大きな個体を選んだためハンドボールくらいの大きさはある。 「はなすんだぜ!!!はなぜぇぇぇ!!!」 偽つむりを持つ手に力が加わった。 「ゆぎぃぃぃぃ!!!あ…あんよがへんなんだぜぇぇぇ!!!!ゆ…ゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!は…はなぜぇぇぇ!!!!」 どうやら軍手の滑り止めが偽つむりの底部を刺激しているようだ。偽つむりは必死な形相で逃げ出そうとしている。 「逃げられるものなら逃げてみな」 彼はハエ叩きを振った。 「ゆびゅっ!!!ゆびぇっ!!!いだいぃぃ!!ほっべがいだいぃぃぃ!!!ゆぎぇっ!!!ぶぇっ!!!」 バチンバチンと偽つむりの顔が叩かれた。 「おがおがぁぁ!!!ゆびぇえっ!!!やべ…ゆびょっ!!!いだい!!!いだいのはやだぁぁ!!ゆびぇえ!!!!」 右頬左頬真正面。時には頭から叩かれた。 「ゆびぇっ!!!ぼういやぢゃぁぁぁぁ!!!おうぢがえ…ゆぎゃっ!!!がえじでぇぇぇ!!!!おうぢ!!!おうぢぃぃぃ!!!」 顔面は腫れ少し膨らんだ気がする。 「ゆごっ!!!ゆっ!!ぎぇぇぇぇぇぇ!!!ぎょえぇぇぇぇ……」 体の中の餡子が逆流し口から盛大に吐き出していた。 「ちょっと待ってろ」 男性は偽つむりを床に降ろすと部屋を出て行った。 「ど……どぼじ…ぢぇ………つ…つびゅ…りは……ゆっぐぢ……ゆっぐぢ…でぎる…んでじょぉ……」 偽つむりは早くこの部屋から逃げ出そうと体を動かしていた。のそりのそりと床を這いつくばっていた。 「で…でぐぢ……でぐ…ちは…どごぉ………だ…だれがぁ……だず…げろ…ぉ……」 偽つむりはドアから反対方向を彷徨っていた。 「よう!待たせたな」 男性が戻ってきた。水を張った水槽と薄い木の板、そして今の偽つむりと同じく飾りの無い子まりさを持っていた。 「にんげんさん!!もうかえしてよ!!まりさのおぼうし!!まりざのぉぉぉ!!!」 この子まりさはペットショップの在庫一掃セールで売れ残ったゆっくりだ。一応は知能がある方なのだが価値は無に等しい。 「ちょっと黙ってな」 「も…ごっ……む……ぅぅぅ……」 子まりさを手で覆い黙らせた。 「おい、最後の質問だ」 「も……かえ…じでぇ……おうぢ……おうぢがえ…りだいぃ……」 さっきよりは偽つむりの顔の形が少し元に戻ってきている。青年はさっき落とした帽子を再び偽つむりの前に落とした。 「お前はまりさだろ?帽子…被れよ」 偽つむりは帽子を被らなかった。 「ち…ぢがうぅ……つぶりは……つぶりだよぉ……ま…りざじゃ…ないぃ…」 「そうか。分かった」 部屋の外で少し歓声が上がっていた。偽つむりには全く聞こえていなかった。 「ほれ、返すぞ」 子まりさを解放した。 「ゆぅぅぅ!!まりさのぼうし!!!まりさのぼうしぃ!!ゆ!!ゆっくりできるよぉ!!」 偽つむりの前で子まりさは帽子を被った。 「……ゅ……ゅ………?」 偽つむりは何故か少し懐かしい感覚がした。 「ゆ!?おそらをとんでるよ?」 子まりさは男性に摘まれ薄い木の板に乗せられた。 「お前も」 偽つむりも板の上に乗せられた。 「付き合ってくれたお礼だ」 偽つむりにオレンジジュースがかけられた。 「ゆ……ゆひぃ………」 偽つむりの傷が癒されていった。 「そっとな…」 彼は2匹を乗せた薄い板を水に浮かべた。 「ゆ?」 「ゅ…ゅ?」 2匹は何があったのかとキョトンとしていた。板は少々バランスが悪いのかふらふらしている。 「じゃあな。これやるよ」 彼が木の板にそっと貝殻を乗せた。偽つむりのサイズにピッタリの大きさだ。 「つ…つぶりのかざりざん!!!!!!」 偽つむりは喜んで貝殻に飛び掛った。さて、水に浮く不安定な薄い板の上で急に動き出したらどうなるだろうか。 「ゆゆ!!?ゆ…ゆれるよぉぉ!!ど…どぼじでおみずさんのうえにいるのぉぉぉぉ!!!!?」 「ゆぎゃぁぁぁ!!!じずむ!!じずむぅぅぅ!!!!」 まず子まりさが板から落ちた。 「ゆぎぃぁぁぁ!!!!だじゅげ!!!ゆぼっ…ゆはぁぁ!!!じずむぅ!!!ゆぎゃぁぁぁ!!!!……ゆ!!そ…そうだ!!」 最初は溺れていたがすぐに帽子を脱ぎ舟の代わりにして浮かぶことが出来た。 「よ…よかったぁ……まりさ…びっくりしちゃったよ!」 一方偽つむりは板にしがみ付いていたが自身の重さでこのままでは確実に沈む。偽つむり自身もそれには気付いていた。 「つ…つむりだって!!つむりだっておよぐよ!」 子まりさの真似をした…つもりだった。 「ゆぎょっ!!!どぼっ…ゆぎぇ!!…っぷ…ゆぎゃぁぁぁ!!!!だず…がぼっ……」 脱いだ貝殻は水に浮かぶことなく沈んでいった。元々重量があるせいなのか、それとも向きが悪かったのだろうか。 「だじゅぎぇ!!!…ゆぼっ!!!!だじゅっ!!!げろぉぉぉ!!!!」 偽つむりは子まりさに助けを求めた。 「む…むりだよ……まりさは…まりさのことで…せいいっぱいだよぉ……」 子まりさはすまなそうに答えた。 「ど……どぼじ!!……ちゅ…ぶり…は!!どぐ……びぇ……ゆがっ!!…ゆぼっ!!!」 偽つむりは必死にもがいた。 「なんで…なんでまりさはまりさなのにおよげないの?おかしい…よ?」 帽子の上で子まりさが呟いた。ペットショップの店頭に並ぶゆっくりともなると飾りが無くても個体認識は可能なのだ。 「ちがっ!!!……がぼっ!!ゆ……んん……っぐ……ちゅぶ!!……は…まじっ!!!……さ……ゆごぉっ……」 ついに偽つむりは水没してしまった。 「お…おにいさん?おにいさん!!!ゆっくりしないでまりさをたすけて!こ…このままじゃぼうじがどげぢゃうぅぅ!!!」 1匹だけとなった子まりさは助けを求めた。しかし男性は既にこの部屋にはいなかった。 「どげるぅぅぅ!!!!ぼうじがどげぢゃっだらまりざがじんじゃうよぉぉぉぉ!!!」 店頭に並ぶ前に泳ぎ方を習ったときに長時間帽子を水に浸けると溶けてしまうことも習っていたのだ。 「ゆっぐぢじずぎだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!だずげでぇぇぇぇ!!!ゆ!?ゆ……ゆわぁぁぁぁぁ……」 子まりさは底部に冷たい感覚がした。恐る恐る足元を見ると水が帽子の中に浸水していた。 「いやぢゃ!!いやぢゃぁぁ!!まぢゃじにだぐにゃい!!!おでがい!!!だずげぢぇぇぇぇ!!!」 売れ残りのゆっくりに助けの手が差し伸べられるわけが無い。みるみるうちに帽子の中は水で一杯になった。 「じずぶ!!!じずぶぅぅぅ!!!やぢゃ!!!だずげで!!!!どげぢゃう!!!!どげぢゃうぅぅぅぅ!!!!」 結局子まりさも水没してしまった。 「おお。ちゃんと死んでるな。片付けてやるよ」 男性がこの部屋に戻ってきたのは退社時間前だった。もう既に偽つむりも子まりさもぐずぐずに溶けていた。 「ここはゆっくちできるんだじぇ!!」 「まえのおうちはせみゃくてゆっくりできなきゃったんだぜ!!」 一方その頃偽つむり達は広くなったケースの中でゆっくりとしていた。 「なんだか…かずがすくないきがするんだじぇ……いち…に……た…たくさん…」 「きのしぇいなんだぜ…」 数が半分になったこと、更に1匹が虐殺されていなくなったが偽つむり達が深く考えることは無かった。 更に1週間が経った。 「もうケースじゃ無理ですよ」 「そろそろ限界か。隣は空いてるよな?」 「前に虐待してから何も使ってませんよ」 「じゃあ今夜にでもそっちの部屋に移そう」 もう偽つむりはケースの中では収まりきれないくらい大きくなっていた。偽つむり達が寝静まってからこっそりと隣室に運び出した。 「ゆぶ……ゆぶぶぶ………」 「こ…こりぇで……ゆっくちできる…よ…」 「がぼっ……ま…まぢゃ…ゆっぐぢ……じぢぇないのにぃ……」 今まで偽つむり達の見世物になっていたまりさ達は処分されることとなった。抵抗らしい抵抗をすることなく水の中へ落ちていった。 「もういいでしょう。これなら沢山子供を生んでくれますよ」 「これなら耐えてくれそうだな。よし、こいつらを牧場に運ぶぞ」 偽つむりが生まれてから2ヶ月近く経った。もう立派な成体ゆっくりに成長していた。母体として申し分ない。 夜になって偽つむり達が眠りに付いた後、職員達は偽つむり達を地下の牧場へ運び出した。 「この部屋を使ってください。頼まれた設備や道具も揃えておきました」 牧場担当の職員が部屋に案内してくれた。 「ご苦労様。どんどん生ませるよ」 「期待してます」 職員が部屋を後にした。 「よし。じゃあ準備だ」 「数はどうします?半々ですか?」 「7 3…いや、8 2でいいんじゃないか。精子餡の供給なんてそれぐらいでいいよ」 「五月蝿くなるから耳栓でもしとけ」 10匹いた偽つむりのうち2匹は別室に運ばれていった。 「んじゃやるか」 職員達は各自1匹ずつ偽つむりを持ち上げた。 「………」 職員はナイフを持った。偽つむりはまだ眠っている。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!い…いだいいぃぃ!!!!?」 「な…なんなんだぜぇぇ!!!!あ…あんよがぁぁぁあ!!!!!」 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!!!!あじがいぢゃいぃぃぃぃ!!!!!」 偽つむりの底部が横一線に切られた。その痛みで偽つむり達は目を覚ました。 「なにずるんだぜ!!!?つむりざまになにをじだぁぁぁ!!!!!?」 「つむりざまのあんよになにじだんだぜぇぇ!!!!?このくぞどれい!!!」 早速偽つむり達は汚い言葉で職員達を罵った。だが耳栓を付けている彼らには聞こえていない。 「なにがごだえ……ゆびぇっ!!!」 「ゆぎゃっ!!!いだいぃ!!!!!!」 「ぶぎぇっ!!!」 途中で平手打ちを食らわせながら職員達は淡々と作業を続けた。 「ゆぎぃぃぃぃ!!!はなぜぇぇぇ!!!!つぶりざばをゆっぐぢざぜろぉぉぉぉ!!!!」 「ぎだないてでざわるんじゃないぜぇぇぇぇ!!!おろぜ!!!おろぜぇぇぇ!!!」 偽つむりの底部をある程度傷付けた後部屋に設置されている台の上に乗せられた。 「あ…あんよがうごがない!!!!どぼじでぇぇぇ!!!!」 「つぶりざばのあんよがぁぁぁ!!!!ぐぞどれい!!!!なおぜ!!!つぶりざばのあんよをなおすんだぜぇぇぇぇ!!!」 底部を傷付けられた偽つむりは満足に動くことが出来なくなっていた。 「な…なにずるんだぜ!!?ゆぎゃっ!!!いだっ!!!いだい!!!!あ…あんよがぁぁぁ!!!」 偽つむりの側面に針金が貫通した。 「ゆぎぃぃぃ!!!!やべろぉぉ!!!!」 「はなずんだぜぇぇぇ!!!つむりざまはゆっぐ………ゆぎぃあぁぁぁぁぁ!!!!」 ソロバンの珠のように長い針金に4匹の偽つむりが1列に繋がった。 「いだい!!!!いだいんだぜぇぇぇ!!!」 「どれいはだずげろぉぉぉ!!!!つぶりざばをたずげるんだぜぇぇぇ!!!!」 「ごんなごどじでただでずぶどおぼうなぁぁぁぁ!!!!あばあばもっでごいぃぃぃぃ!!!!」 「つぶりざまはどくべづなんだぜぇぇ!!!いばずぐゆっぐりざぜろぉぉぉぉ!!!!」 針金の両端が台に固定された。これで偽つむり達は台から降りることが出来なくなった。 無理に逃げようとすれば体を貫通している針金が食い込む。更に無理をすれば針金が体を切断するからだ。 それ以前に底部をある程度傷付けている為満足に動けない。精々1、2歩歩くのがやっとだろう。 「ゆぎぎぎぎぎ!!!!いだいぃぃ!!にげられないぃぃぃ!!!」 「こごがらおろぜぇぇぇぇ!!!!つぶりをゆっぐりさぜろぉぉぉぉ!!!!」 「なにずるぎだぁぁぁ!!!!!ぜっだいごろじでやるぅぅぅぅ!!!!」 まずは偽つむりのセッティングが完了した。 「な…なんなんだぜ!!!?それは…ぞれはゆっぐりでぎないぎがずるんだぜぇぇぇ!!!!」 職員が手にしているのは小型バーナーだ。まりさつむりは胎生型妊娠でないと誕生しない。植物型妊娠では生まれないのだ。 そのため二度と植物型妊娠が出来ないように茎が生えてくる額を焦がしてしまうのだ。 「あづ!!!!あづい!!!やべろぉぉぉ!!!!」 炎が偽つむりの顔に近付いた。 「あづいのはゆっぐりでぎないぃぃぃぃ!!!ゆぎぃ!!!!ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 「あづい!!!!やべでぇぇぇぇ!!!!ゆぎゃぁぁぁああぁぁぁぁ!!!!!」 「じぬぅ!!!!じんじゃうぅぅぅ!!!!あぢぃぃぃぃ!!!!やべ!!!…ゆあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 青白い炎は偽つむり達の額を焦がした。中途半端に焦がしてしまうと治癒する可能性がある。徹底的に燃やされた。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!……あ………ぁ……ぁ……ぁ……」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!…………ゅ……ゅ……ゅ……」 部屋中に焦げ臭い匂いが充満するまで燃やされた。偽つむり達の額は炭になっていた。白目を剥いて痙攣している。 「もういいだろ。取りあえずは終了だ」 「あとは精子餡だけですね」 「こいつらどうします?白目剥いちゃってますけど。あ、餡子も出てるわ」 「ほっとけ。時間が経ったら目を覚ますさ。それまで俺達も寝とこうぜ」 「そうしましょう」 職員達は部屋を後にした。 一方残りの2匹はどうなっているのだろうか? 「はなぜぇぇぇぇ!!!!ここがらだすんだぜぇぇぇぇ!!!!」 「つぶりにこんなごどじでいいとおもっでるのかだぜぇぇぇぇ!!!!つぶりはとくべづなんだぜぇぇぇぇ!!!!」 2匹は別の部屋にいた。2匹は1匹ずつ透明なケースの中に入れられていた。 「じゃ、スイッチ入れて」 ケースはある装置の上に乗せられていた。職員は装置のボタンを押した。 「ゆ!!!!?ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!」 「ゆぶ!!ゆぶ!!ぶぶぶぶぶ!!!」 ケースの中の2匹は小刻みに震えていた。実はこの装置は振動を与えるための装置なのだ。 「ゆぅぅぅぅ!!!!な…なんなんだぜぇぇぇぇ!!ゆゆゆゆ!!!!」 「な…なんだか……すっぎじじだくなっでぎだんだぜぇぇぇ!!!」 ゆっくりは適度な振動を与えると発情する。要はこれは発情させるための装置だ。 「ゆゆゆゆゆゆ!!…ゆ!?とまった…んだぜ?」 「なにする…づもりだぁぁ……ゆぶ!!ゆぶぶぶぶ!!!!」 一定時間振動を与えると少し止まりまた振動を与える。この繰り返しだ。 「じゃ、戻ろう。最低でも朝まではこのままだ」 「さっさと帰って寝ましょう」 職員達は2匹を置いて部屋を出て行ってしまった。 「なにじでるんだぜぇぇぇぇ!!つぶりざばをごごがらだすんだぜぇぇぇぇ!!!!ゆぶぶぶぶぶぶ!!!!」 「なんがへんなんだぜぇぇぇ!!!!ゆぐ…ゆっぐりでぎないんだぜぇぇぇ!!!!」 職員達は研究室に戻るとすぐに就寝した。 続く by エルダーあき
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バレーボールサイズのれいむとまりさの両親。 子ゆっくりになりかけの、ごく標準の鶏卵と同じぐらいのサイズの赤まりさと赤れいむ が一匹ずつ。 計四匹のゆっくり一家が透明の箱に閉じ込められている。 箱は、とある民家の部屋の机上に置いてある。 「……」 そこへ一人の男が現れた。 「ゆひっ!」 と、ゆっくりたちは一斉に恐怖にまみれた声をもらしたが、親まりさとれいむが意を決 して呼びかけた。 「にんげんさん、ごべんなさい、もう二度と来ません。おうぢにかえらぜでぐださい」 必死に、体を前屈させて、いわば土下座のような姿勢で、許しを乞い続ける。 「だから、お前らが勝ったら逃がしてやる。あまあまもやるよ」 男は、そう言うと箱の蓋を開け、生ゴミを放り込み、ちらりと一家を一瞥すると、その まま何も言わずに出て行ってしまった。 一家は、先日、お引越しをした。 子供が二匹産まれてそれが成長し、それまでのおうちが手狭になったためだ。広くてゆ っくりできるおうちを探そうと森から出てきてすぐに見つけたのが人間の家だ。 周囲を巡って調べると、入り口があった。そこから入り込んで、 「ここをまりさたちのおうちにするよ!」 「れいむたちのおうちだよ!」 と、おうち宣言した。返事が無いことで、このおうちが自分たちのものになったことを 確信した一家は、早速ゆっくりし始めた。 「あ? ゆっくりか……」 そこへ、男が帰ってきた。男は、ゴミを捨てに行っていたのである。 「そういえば、ドアちゃんと閉めなかったかな」 忌々しげに呟いた。それは自分の迂闊さを恥じてのことだったが、それはそれとしてゆ っくりどもである。幸い、まだそれほどに部屋が荒らされていないのにほっとした男は、 さっさと出て行けと一家に言った。 「なにいってるの! ここはまりさたちのおうちだよ!」 「そうだよ! おうちをとろうとするのはゲスだよ!」 「ゆぴぃぃぃ、げしゅはこわいのじぇぇぇ」 「ゆわあああん」 「だいじょーぶだよ! おとうさんとおかあさんがついちぇるのじぇ! それにまりしゃ だっちぇ!」 と、怖がる妹たちに言ったのは、一家の長女である子まりさだった。野球のボールぐら いの大きさである。この子は同時に生まれた姉妹を全て失っており、二匹の妹たちにこと のほか愛情を持っていた。 「はいはい、だろーね」 男は、部屋から出て行った。それを見て、おうちを諦めたのであろうと思った一家は中 断されたゆっくりを再開するが、男はすぐに戻ってきた。その手に透明の箱を持って。 ひょいひょいと手近にいた子供たちを箱に入れる。 「れいむのおちびちゃんになにするのぉぉぉぉ!」 「おうちをあきらめないなら、まりさがせいっさいするよ!」 男は、はいはい、と馬鹿にしたように頷くと、いきなり前に出て、ぷくぅと膨らんでい た親まりさを蹴り飛ばした。 「い、いだぁぁぁい!」 「な、なにずるのぉ! まりさがいたがってるよ!」 「制裁するとか言っといて蹴られたらそれかよ。相変わらず暢気な生き物だよな」 男はそう言うと、今度は親れいむを蹴飛ばした。 「ゆぎっ! ど、どぼじでごんなごとするのぉぉぉ!」 どうしてさっさと箱に入れずに蹴飛ばしたかといえば、それはこの一家に自分たちと人 間との力の差を教えるためだ。そのために、男は一発で済まさず、致命傷を与えぬように 注意しながら両親を何度も蹴り付けた。 「ゆ……ゆ゛、せいっ、さいするよぉ」 「ゆっぐりでぎないにんげんは……じねえ」 もうこれ以上やったらオレンジジュース等での治療が必要だというぐらいに痛めつけた が、親まりさも親れいむも、敵意に満ちた目でにらみつけるのを止めなかった。 「ほう、けっこう根性あるじゃねえか。……いや、物分りが壮絶に悪いだけか」 男がにやりと笑う。 透明の箱を所持していることから察しがつこうが、この男、ゆっくり虐待を趣味にする 者であるが、最近は仕事が忙しいのと、虐待自体に飽き気味だったこともあって御無沙汰 であった。 しかし、こうして住居に侵入し、痛めつけても屈しないゆっくりを前に、持ち前の虐待 心が燃え上がっていた。 「ここからだしぇぇぇ! おとうしゃんとおかあしゃんをいじめるゲスはまりしゃがせい っさいしゅるのじぇぇぇ!」 箱の中から子まりさの叫び声が聞こえてきた。 「ようし、出してやる。制裁してもらおうじゃねえか」 男は、子まりさを摘み上げて床に置いた。 子まりさは選ばれてしまったのだ。 「ゆゆっ! まりしゃの体当たりをくらうんだじぇ!」 勇敢に男の足へ向かって飛ぶ子まりさは、一家に人間との力の差を思い知らせるための 「教材」として選ばれてしまったのだ。 ぽいん、と子まりさがぶつかった反動で後ろに飛んだ。 「ゆっ、もういっぱつなのじぇ!」 すぐさま体勢を立て直して体当たりを食らわせる。 「ゆふん!」 五回ほど立て続けに体当たりをした後に、子まりさは勝ち誇った顔で上を見た。そこに は激痛に歪んだゲス人間の顔があるはずであった。 「ほい」 しかし、子まりさの視界にあったのはにやけた男の顔であり、次の瞬間に視界を覆った のは男の足の裏であった。 「ゆぎゅ! ちゅぶれるぅ!」 思い切り踏まれて子まりさは潰れかかる。 「おし」 男は足の裏の感触で、子まりさが潰れる寸前に足を上げた。 「ゆ゛……ぎゅ……」 子まりさは少し餡子を吐いていた。目からこぼれる涙にうっすらと色がついている。血 涙ならぬ餡涙だ。 「おちびぢゃあああん!」 「やべでえ、ゆっぐりでぎないぃぃぃ!」 「おねえじゃんが、ちんじゃうよぉぉぉ!」 「ぎょわいよおおお、もうおうぢがえろうよぉぉぉ!」 ゆっくり一家は泣き叫ぶ。 「おうち? ここがお前らのおうちじゃなかったのか?」 男は言いつつ、赤ゆっくりの入った透明の箱に、両親も入れた。これで、子まりさ以外 は全て箱の中だ。 「さてと、時間がねえな」 男は時計を見つつ言った。仕事に行く時間が近付いている。 透明の箱を机の上に置き、その前に子まりさを置く。 机の引き出しを開けると、そこから剣山を取り出した。そこは、虐待に使う道具を入れ てある場所だった。 「これがいいな、動きも止められるし」 子まりさの底部を、剣山に押し付ける。 「ゆぎっ!」 子まりさが突如広範囲に生じた痛みに声を上げる。 「よっ!」 男が、ぐっ、と子まりさを掴んだ右手と、剣山を持った左手を胸の前で合わせて力を込 めた。 「ゆ゛っびぃぃぃ!」 底部にずぶりと剣山の針が刺さった。 「よし」 家族からよく見える位置にそれを置いて男は満足そうに頷いた。 子まりさのあんよに刺さった針は一本一本はそんなに太くないために、傷は小さく、さ らに刺さりっぱなしなので餡もほとんど流出しない。 これならば、激痛に苛まれながらも、夜までほうっておいても死にはしない。 「いぢゃいんだじぇぇぇぇ!」 子まりさは痛みに泣き叫ぶ、男はそれを尻目に着替えを済ませ朝食をとった。まだ今日 は食事をしていないらしく、それを見たゆっくり一家は涎を垂らしていた。 「まりさたちにも、ごはんちょうだいね!」 「そうだよ、一人だけむーしゃむーしゃしてずるいよ!」 「まりしゃもむーちゃむーちゃちたいのじぇ!」 「れいみゅだっちぇ!」 「あと、おちびちゃんをたすけてあげてね! 痛がってるよ!」 なんの効果も無い要求を大声で叫ぶ。力の差と、人間に逆らってはいけないことをまっ たく理解していないことを男に教えるだけの無駄な行為だ。 「おい、おねえさんとやら」 「ゆ゛ひぃぃぃ、ゆ?」 家を出る直前、男は子まりさに声をかけた。 「最初に言っておくけど、おれはお前を絶対に助けない。それどころか、仕事……まあ、 お前らにもわかりやすくいうとごはんを得るための狩りに行って帰ってきたら、いじめる だけいじめて殺してやろうと思っている」 「ゆ゛っっっ!」 「やめでね! そんなひどいごとじないでね!」 「そうだよ! おちびぢゃんがわいいでしょお! どぼじでそういうことするのぉ!」 「夜になるまでおれは仕事だ。ほれ、窓から外が見えるだろ。表が暗くなったらおれは帰 ってくる。そうしたら、お前は死ぬまで苦しい思いをして死ぬ。もうお前はゆっくりでき ない」 「ゆ゛びゃあああああ! やじゃああああ、まりじゃ、もっどゆっぐりしぢゃいのじぇえ えええ!」 ゆっくりにとっては、もう二度とゆっくりできない、という言葉は単純に殺すと言われ るよりも精神的にはダメージが大きい。 「たでゅけでえええ! おとうじゃん、おかあじゃん、たじゅげでええええ!」 「それだ!」 男が突然、子まりさを指差して大きな声を出した。 「おれは暗くなるまで仕事に行っていない。その間に、おとうさんとおかあさんに助けて もらえ」 「ゆ゛ゆ゛っ?」 「あいつらが、今お前を助けられないのは、そんなことしたらおれに蹴られるからだ。で も、おれがいなかったら、大丈夫だろ? な?」 と、男は両親に話を振った。 「ゆ、ゆゆゆっ! そ、そうだよ、ひどいことする人間さんがいないなら、大丈夫だよ!」 「ゆん! そうだね!」 「ゆっ、だいじょーぶらね!」 「おねえしゃん、だいじょーぶなんらね!」 男は、にやりと蔑みの笑みを漏らした。そこで、変に賢くて透明の箱に閉じ込められて いるのだから子まりさの救出は不可能だとか理解している連中ならばこの手は上手く行か なかったが、期待通りの馬鹿一家である。 「それじゃ、おれは行ってくるからな。おれが帰ってくるまでに助けてもらわないと、痛 くて苦しくてゆっくりできない思いをして死ぬことになるからな。でも、お前はおとうさ んとおかあさんに好かれてるし、大丈夫だよな! それじゃ、ゆっくり足掻いてね!」 「ゆ……いったね?」 「ゆゆっ……いったよ!」 男がドアを閉めてしばらく、ゆっくりたちは固唾を飲んでそのドアを見つめていたが、 男が戻って来ずに、本当に出かけてしまったようだと理解すると、ほっとしてゆっくりし た表情をした。 「ゆひぃ、はやぐ、だじゅげ、で……」 しかし、あんよの痛みで子まりさだけはゆっくりするというわけにはいかない。早速こ の痛みから救ってもらおうと両親に声をかける。 「ゆゆっ! それじゃゆっくりしないでおちびちゃんを助けるよ!」 「ゆん! まっててね、おちびちゃん!」 頼もしい両親の言葉に、子まりさは痛みに涙を流しながらも、安心した顔をした。 「ゆっ! ゆゆゆ!?」 「ゆっ! か、かべさんがあるよ! ゆっくりできないよ!」 「ゆゆゆ! ゆっ! いちゃいよぉ! まりしゃのたいあたりでもびくともしにゃいよ!」 「ゆん! ゆん! れ、れいみゅもらよ……」 「ゆーん、ゆーん、ゆーん……ゆぎぎぎぎ!」 「かべさんゆっくりこわれてね、邪魔しないでね!」 「ゆべっ! だ、だめだよ……かべさんどいてくれないよ……」 「まりさに、まかせてね! ゆべっ!」 そこで、ようやくこの透明の壁が自分たちではどうにもできぬと理解したゆっくりたち。 それでも一家の大黒柱の親まりさが何度も何度も体当たりをするが壁は微動だにしない。 このゆっくりを捕獲するために作られた透明の箱の強度は、ふらん種でも壊せないよう に設計されていて、いくらまりさ種の中で優れている個体でもとても歯が立つものではな い。さらに、初期の頃には中で何度も跳ねる度に少しずつ箱が移動して高いところに置い ておいた場合に落下してしまうという事例があったため、底の部分の重量を増してゆっく り程度の力では動かないようになっている。 「はやぐだじゅげでえええ! いぢゃいのじぇえええ!」 子まりさは、すぐにも助けてもらえると思っていたので、いつまでも家族が近付いても こないのに不安を覚えて泣き叫んだ。 「ご、ごべんね、おちびちゃん……かべさんがあって、そっちにいけないよ……」 「ゆぅぅぅ、まっててね! まりさが、このかべさんを!」 「ただいまー」 夜遅くになって男は帰ってきた。 「あれえ? まだ助けてないの?」 わざとらしく、透明の箱の中で疲労困憊している連中と、剣山の上でゆぐゆぐ泣いてい る子まりさに声をかける。 「おれが帰ってくるまでに助けないと、そいつ殺しちゃうよ、っておれ言ったよね? ね え、なんで助けなかったの?」 「ゆひぃ、ゆひぃ、だ、だって……」 「かべさんが邪魔して、おちびちゃんを助けにいげないよぉぉぉ!」 「ふぅーん、壁ねえ」 男は、持っていたビニール袋からペットボトルのオレンジジュースを取り出した。 「んぐんぐ、ふーっ、疲れてる時はこれだよな」 半分ぐらい飲んでから、子まりさに少しかけてやる。 「ゆ……ゆわわわわ、ゆっく、ち」 「おい、ちびまりさ。お前、助けてもらえなかったのか?」 「ゆ、ゆ、ゆ、か、かべさんのせいで、たじゅげでもらえな」 「ああ、そうなの。まあ、あんな壁を壊せない程度の愛情だったってことだな。お前…… 実はあいつらに嫌われてんじゃねえの?」 「そんなことないよ! へんなこといわないでね!」 「このかべをどかしてね! そうしたらすぐにおちびちゃんを助けられるよ!」 「んー、じゃ、もう一度チャンスをやろう」 男は、一度表に出ると、小さめの30センチ四方ぐらいの板と釘と金槌を持ってきた。 日中子まりさをどういじめてやろうかと考えていて、そういうものが物置にあったことを 思い出していたのだ。 板の上に、子まりさが刺さった剣山を乗せて、おもむろに帽子を取り上げた。 「ゆぴゃあああん! まりしゃのおぼうちかえすんだじぇえええ!」 「ほい」 子まりさの前に帽子が置かれる。 「ゆ゛っ……まり、じゃの、おぼ、うち……」 子まりさは舌を精一杯伸ばす。その舌先が帽子に触れたのを見て、男は帽子を子まりさ から遠ざかるようにずらした。 「ゆ゛うぅ!」 逃すまいと懸命に子まりさは舌を伸ばす。もう、限界まで伸びたであろうというところ で、男は帽子からは手を離し、その手に一本の釘を握った。 それを迷うことなく、子まりさの舌の先端に刺す。 「ゆ゛っ!」 舌の刺さった釘を板に突き立てて、もう片方の手で持っていた金槌で打ち込む。あっと いう間に、子まりさは舌をいっぱいに伸ばした状態で打ち付けられてしまった。 さらに、男は剣山を動かした。 「のーびのーび、さすがに限界かな」 ただでさえ伸びていた子まりさの舌は、これ以上無理に伸ばせば裂けてしまうという状 態になってしまった。 「いはぃぃぃぃ」 もう、まともに痛いと言うこともできなくなっている。 「さーてと、そんじゃ飯だ飯」 男はビニール袋から弁当を取り出す。ゆっくりたちに見せ付けるようにそれを食べる。 自分たちにも食べ物をよこせという要求はもちろん無視だ。 「んー、そんならこのちびには特別に少しやろうかな」 食事を終えた男は、子まりさの頭をぽむぽむと指でつつきながら言った。 「まりさだぢにもちょうだいね!」 「もうずっとむーしゃむーしゃじでないよ!」 「おねえしゃんばっかちずりゅい! まりしゃも!」 「れいみゅにもちょうだいね!」 男は醤油さしを手に取った。 伸びた子まりさの舌にそれを数滴垂らす。 「ゆ゛ぴ……ゆ゛っ!」 ゆっくりとっては毒にも等しい辛味に、子まりさは目をいっぱいに見開いて涙を流した。 吐き出そうにも舌を伸ばされた状態で舌も体も固定されているので不可能だ。少しでも痛 みを紛らわすために暴れようとしても、やはり体が剣山で固定されているので無理だ。 「ぎゃひゃい、ぎゃひゃぃぃぃぃぃ!」 どうやら辛い辛いと言っているらしい。 とめどなく涙が溢れ出す。釘が刺さった部分よりさらに先の、ほんの5ミリ程度の舌先 がうにうにと蠢いていた。そこぐらいしか動かせる場所がないのだ。 それを見て恐怖と悲しみに震える両親と妹は、二度と自分たちにもよこせとは言わなか った。 翌朝、男は子まりさの衰弱ぶりを見てオレンジジュースをかけた。 「じゃ、またおれは夜まで狩りに行って来るから、それまでにそいつ助けておくように… …今度こそ、本当に殺しちゃうよ」 「か、かべさんが邪魔でだずげられないよぉぉぉぉ!」 「このかべさんどかじでね! いじわるじないでね!」 「ゆぴゃあああん、おにゃかすいちゃよぉぉぉ」 「ちんじゃうよぉ、ゆぅ……ゆぅ……」 両親の訴えはどうでもよかったが、妹二匹のそれに男は足を止めてじっと二匹を観察し た。 「そろそろ限界か。餓死されちゃつまらん」 男は、冷蔵庫を物色していつ入れたのかも忘れてしまったような野菜を幾つか見つけ出 した。どうせ食わないで捨てるようなものだ。これ幸いとそれを少量、箱に入れていく。 「それじゃあな」 男が出て行くと、ゆっくりたちはまたじっとドアを見つめていた。 そして、男が戻ってこないようだと確信すると、一心不乱に野菜を食べ始めた。人間が 食べたら腹を壊しかねないがゆっくりにとってはご馳走だ。 「「むーしゃむーしゃ、し、しあわせー!」」 「「むーちゃむーちゃ、ち、ちあわちぇー!」」 久しぶりに食後の歓喜の声を上げてゆっくりする。 「ゆ゛ぴ……だ、ふげで……」 「ゆ゛っ!」 だが、そのしあわせーな気分も長くは続かない。子まりさがずっと苦しみ続けて助けて もらうのを待っているのだ。 「ゆゆっ! かべさん、どいてね!」 「まりさにまかせてね!」 「おとうしゃん、がんばりぇ!」 「おかあしゃん、がんばりぇ!」 はいはい餡子脳とでも言うべきか、昨日駄目だったのをすっかり忘れてしまったという わけでもないが、時間が経ったら、根拠もなく、今度こそはと思っているらしい両親たち は何度も何度も壁に体当たりした。 「ゆひぃ……ゆひぃ……」 「だ、だべだよ、やっぱりかべさんがどいでぐれないぃぃぃ」 で、昼頃にはようやく無理なのを再確認した。 「ただいまー」 そして、遂に男が帰ってきた。 「ゆ゛、れいぶ!」 「ま、まりざ!」 「ん?」 自分の顔を見た途端に親まりさとれいむが顔を見合わせるのを奇異に思った男が首を傾 げている間に、二匹はぐにっと体を前屈させて言った。 「ごべんなざい、まりざだちじゃおちびぢゃんをだずげられまぜん! にんげんざん、だ ずげでぐだざい!」 「ごべんなざい、れいぶたちをおうちにかえじでくだざい!」 「お、おねえじゃんをたじゅげでえ!」 「おうちにがえちちぇ!」 どうやら、ようやく自分たちの状況が「詰み」であることを悟り、男に許しを乞うこと にしたらしい。 「ああ、遅かったな。最初にそうしてくれてりゃな」 男は、ゆっくりたちが人間との力の差を理解したのに満足しつつも、そう言って笑った。 許すはずがない。 逃がすはずがない。 「お前らのおかげで、お前らを虐待する楽しさを思い出しちまったからなあ」 男の、自分たちをゴミ同然に思っている冷たい視線に射抜かれて、ゆっくりたちは身を 寄せ合って震え泣くばかりであった。 「やべひぇぇぇ!」 子まりさの舌の先端がうにうにしてるのを見た男は、ペンチを取り出して舌を打ち付け ている釘を抜いた。 「ゆ゛ひぃ、ゆ゛ひぃ」 助かったのか? 感じた瞬間、舌に激痛。男は釘を板からは抜いたものの、子まりさの 舌からは抜かずにそれを引っ張った。 「ゆ゛びぃぃぃぃ!」 男は姿勢を低くして、子まりさを横から水平に見て何かをはかっているようであった。 右手に釘を持ってそれを上下に調整しており、左手にはいつのまにか長い竹串があった。 「よし、ここだ」 男は、呟くと竹串の先端を、子まりさの舌の先端に刺し入れた。 「ゆ゛っっっ!?」 ずぶりと竹串が舌に侵入、やがてスムーズに入らなくなると、男は竹串を挟んだ人差し 指と親指をこすり合わせるようにして串を回転させて、さらにねじ込んだ。 そして、とうとう竹串は子まりさの舌を貫き、そのまま本体も抜けて、子まりさの背中 から突き出た。 舌を一杯に伸ばした状態でそこを竹串に貫通されてしまい、もはや先端をうにうにさせ ることすらできない。 「おい、痛いか。それなら舌を噛め」 「ゆひ?」 「舌噛んで死ねば楽になれるぞ」 「……ゆぅ、ゆぅ? ゆるひで……ゆるひで……」 しかし、人間ですら相当の覚悟を必要とする自決方法に、子ゆっくりが踏み切れるはず もない。 それに、これは男の罠でもあった。人間でも、舌を噛んだからといってそう簡単に死ぬ わけではない。ましてや無駄に生命力のあるゆっくりであるから、舌を噛んだ程度では中 枢餡に影響があるほどに餡は流出しないのですぐに死ぬことはない。 男は、子まりさが苦しみ、それを見て両親と妹が悲しむのをしばらく眺めていたが、や がて時計を見ると、 「はぁ……明日も仕事だ。ゆっくりできない」 と言って、部屋から出て行ってしまった。 「よし、もう一度だけチャンスをやろう。俺が帰るまでにこいつを助けたら逃がしてやる よ」 翌朝、男は仕事に行く前にまた言った。だが、もうこの透明の箱を突破して子まりさを 助けることなど不可能だと理解しきっている両親は、必死に謝り、許してくれるように懇 願した。 「まあ、がんばれー」 だが、男の返事はひたすら軽い。それらの態度からも、いよいよ男が自分たちの命など ゴミだと思っていることを突きつけられてゆっくりたちは絶望する。 「たっだいまー」 その日、夜遅くに男は上機嫌で帰ってきた。 「にんげんざん! もうゆるじでぐだざい!」 「おねがいじまず! おねがいじまず!」 「俺と勝負して勝ったら許してやるよ」 「「ゆ゛?」」 箱の中のゆっくりたちは、男の提案に警戒する。勝負と言っても、またハナっから自分 たちに勝ち目のないものではないかと疑ったのだ。 ちなみに子まりさはもう涙も枯れたのか、虚ろな目で竹串が貫通してぴんと伸びた自分 の舌を見ているだけで全く動かない。 「実は、お前らを全面的に駆除することになった」 「ゆ?」 「く、くじょ?」 「くじょってにゃあに?」 「にゃ、にゃんだかゆっくちできにゃいかんじらよ……」 「まあ、つまりはゆっくり……お前らの仲間をどんどんとっ捕まえて殺すんだ。人間とお 前らの戦争と言ってもいい」 男は、説明した。 ゆっくり害の拡大は既に社会問題になっていたが、このたび、とうとう国が大々的な駆 除を決定。ペットの飼いゆっくりや加工所などの商品となる産業ゆっくりや、野良でも愛 護団体の息がかかっているような半野良と言うべき存在を除く人間の管理下にない野良や 野生のゆっくりが対象になっていた。 「一週間で、ほぼ完了します」 と、このゆっくり殲滅作戦の担当者は事も無げに言ったそうだ。 「な、なにぞれえええええ!」 「ゆっぐりできないぃぃぃぃ!」 「ま、まりしゃたちも、くじょすりゅの?」 「ゆんやああああ、やじゃああああ、れいみゅ、ゆっくちちたいよぉぉぉ!」 「まあ、それでお前らが勝ったら、逃がしてやるよ。もう絶対に手は出さないし、それど ころか土産にあまあまをやるよ」 男の言う勝負とはそれであった。実のところ、仕事が忙しくて一週間ほど時間がとれそ うにない。その間、いちいち手を加えずとも放置することが虐待になるような方法をあれ これ考えていたのだが、そういえば大々的な駆除がもうすぐ始まると思い出し、それを利 用することにした。 もちろん、この「戦争」にゆっくりの勝ち目はないと男は確信している。 だが、囚われの一家は、その勝負を受けざるを得なかった。というか、受ける受けない を決められる立場にすらなかった。 しばらく、男は全く手を出さなくなった。 本当に仕事が追い込みで忙しくなり、家には寝に帰ってくるだけなのだ。だが、それで も寝る前に、ゆっくり駆除の様子を撮影した動画などを探してきて、それを一家に見せ付 けるぐらいのことはした。 「ゆ゛わあああああああ!」 「な゛、なにごれ……これ……ぜんぶ……う、うそだぁぁぁ! ゆっぐりでぎないよぉぉ ぉぉ!」 「ゆぴっ、……ゆ、ゆげえええ!」 「きょわいよぉ、きょわいよぉ、もうやじゃぁ……」 凄まじい数の同族が次々に右から左へと機械的に処理されていく映像、死体が山と積ま れた映像を見せられ、一家は恐怖した。 勝負に勝てば逃がしてもらえるどころかあまあまが貰える。 そう考えて、僅かの希望を抱いてゆっくりしないこともなかったのだが、それを見せら れて芥子粒ほどの希望すら打ち砕かれた。 あまり大きな数を認識できぬゆっくりたちにとって、積み上がったゆっくりたちはとに かくとてつもなくたくさん、だとしか思えず、もう自分たち以外の仲間は皆殺しにされて しまったのではないかと戦慄した。。 男が嬉々として、これなんかはまだごく一部で、もっとたくさんのゆっくりが同じ目に あっているのだと言うと赤ゆっくりの妹たちはともかく、成体の両親ゆっくりまでだらし なく失禁した。 そして、子まりさ――。 「ああ、お前にも見せてやるよ、ほれ」 映像を流しているノートパソコンが子まりさの位置からは見えにくいと気付いた男は、 子まりさを摘み上げて、移動させてやった。 「ゆ゛?」 最初、子まりさは何が何だか状況が飲み込めなかったようだった。延々と続く激痛に精 神が磨耗し、もはや家族や男の言葉などろくに聞こえていなかったようだ。 「ゆ゛ぅっ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ」 だが、とにかくそれが大量の仲間の死体なのだと気付くと、目を見開き枯れていた涙を 再び溢れさせた。 「……」 子まりさは、しばらくすると泣き止み、妙に落ち着いた表情になった。 「ゆ゛っっっ!」 口を大きく開けて、それを閉じる。 かちん、と上下の歯が打ち合わされる音。 とうとう、心底絶望しきった子まりさは、舌を噛んで死ぬ道を選んだのだ。 「い、いひゃああああ! ゆ゛びぃぁぁぁ!」 だが、そう簡単に死ねぬのは既に述べた通りである。さらには竹串が貫通しているため に、舌自体を噛み切っても切断面はくっついたままであった。 ここで、ゆっくりの中身が餡子であることが災いする。人間の血と比べて粘性な餡子は、 その状態ではあまり流れ出ないために、子まりさの苦しみは長引くことになった。 「お、おぢびぢゃん!」 「ど、どうじだの?」 「おねえじゃん、ゆっぐちちでえ!」 「もうやじゃ、もうやじゃ、もうやじゃああああ!」 突然痛がりだした子まりさに、家族は戸惑う。 それを見て、男は腹を抱えて笑っていた。 「あー、明日も仕事だ」 ひぃひぃと笑っていた男は、目尻の涙を指先で拭うと、晴れ晴れとした顔で部屋を出て 行った。 翌日の夜、男が帰ってくると、子まりさは死んでいた。 一家はゆんゆんと泣くばかり。 その悲しみに打ちひしがれる一家に、男はまた新たな映像を見せる。 人間とゆっくりの戦争の映像。 ただただひたすら殺されていくゆっくりたちの断末魔、死体の山。 翌日の一家の餌は、子まりさの死体だった。 男が竹串を掴んで無造作に箱に投げ入れて、 「今日はそれ食っとけ」 と言って、遅刻遅刻と呟きながら慌しく出て行ってしまった。 「おぢびぢゃああああん! ぺーろぺーろしてあげるがらね!」 「ぺーろぺーろ! ぺーろぺーろ! 目をあげでえ! ぺーろぺーろ!」 「おねえじゃん、しんじゃやじゃよぉ、まりしゃもぺーりょぺーりょすりゅよ!」 「やじゃよぉ……れいみゅ、もうやじゃ……やじゃぁ……」 既に死んでいるのを認めたくない両親と妹まりさは、必死に子まりさを舐めて治療しよ うとする。妹れいむは、既に精神が崩壊しかかっているようだ。 その日の夜は、特に男は疲れた表情で帰ってきた。シャワーを浴びると、ゆっくり一家 には構わずに寝ようとする。 それを呼び止めて、食べ物を要求するゆっくりたちだが、男は子まりさの死体がそのま まになっているのを見ると、 「それ食っとけって言ったろ。それ食わないうちは他の食い物はやんねえよ」 と言って、さっさと部屋を出て行ってしまった。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇぇぇ!」 翌朝、そんな幸せいっぱいの声に、両親と妹まりさは目を覚ました。 「「「ゆ?」」」 声は、妹れいむのものだ。すっかり弱っていた妹れいむのゆっくりした声に、一瞬とて もゆっくりしているね、と歓喜の声をあげそうになった両親は、妹れいむが何をしている のかを見て絶句する。 今、この箱の中にはむーしゃむーしゃできるものなど、一つしかないのだ。 「な、なにじでるのぉぉぉぉ!」 「やべでえええ! おぢびぢゃん、やべでえええ!」 「れ、れいみゅぅぅぅ! おねえじゃんをむーちゃむーちゃしちゃだめらよぉぉぉ!」 「むーちゃむーちゃ、むーちゃむーちゃ」 家族の制止など聞く耳持たずに、妹れいむは一心不乱に姉の死体を食い漁る。 「ちあわちぇぇぇぇ!」 何日かぶりのしあわせーな声をあげる。 やがて、妹まりさの喉がごくりと鳴った。 両親の喉が同じ音を立てるのにも時間はかからなかった。 そして、死んだ子まりさの分まで生きてゆっくりしよう、そのためにも……と理屈をつ けて、子の、姉の亡骸を喰らうのに、時間はかからなかった。 男はその後ろくに一家に構わなかった。帰ってくると、シャワーを浴びてベッドに直行 である。 そしてある日、苦虫を噛み潰したという表現がぴったりの表情で、男は帰ってきた。手 にはビニール袋を持っている。 既に懇願も哀願も無意味であることを悟った一家は、何も言わない。 「おい……」 男は、そんな一家に声をかける。びくりと震えた一家に、嫌で嫌でたまらないという顔 で搾り出すように言った。 「……お前らの勝ちだ」 はじめ、何を言われているのかわからなかった一家に、男は苛立った様子で説明した。 人間は、ゆっくりの大々的な駆除の終了を宣言した。 目的を達成したからではない。 いくら殺しても湧いてくるゆっくり、当初の予定期間を過ぎてもなお絶滅とは程遠いそ の繁殖力に、それを殺し続けることに要するコストを計算した結果の撤退であった。 つまり、ゆっくりは勝ったのだ。 「ゆ゛わああああああああ!」 「か、かっだ。まりさだぢが勝ったんだよ!」 「ゆわあああい、ゆっくりかっちゃよ!」 「ゆ? ゆ? おうち、おうちに、かえれりゅの?」 喜ぶ一家をさらに苦々しげに眺めていた男は、ええい、と一声叫ぶと、箱の蓋を開けて 一家を出してやった。 さらに、ビニール袋に入っていた大量の菓子を投げつけるようにくれてやった。 「ゆっ! それじゃおうちにかえろうね!」 「おうちであまあまをむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆわぁーい、ゆっくちできりゅよ!」 「ゆっゆっ! ゆっくちぃ!」 意気揚々と戦利品を持って家を出て行く一家を、舌打ちして見送った男は、冷蔵庫から ビールを取り出して飲み始めた。 今日は仕事が一段落してその後始末のためだけの出勤なので仕事は午前中で終わり、明 日から三日ほど有給休暇をとっているので、本当ならじっくりとゆっくり一家を虐待する 予定であった。 しかし、そのめでたいはずの日に飛び込んできたのが人間の敗北のニュースだ。 奴らにくれてやるお菓子を買って帰宅した。 まったく最高から最悪の気分へと、この落差は辛すぎた。 祝い酒が自棄酒になってしまい、男は沈んだ表情で酒盃を重ねる。 ゆっくりのことを侮りきっていた男は、人間が本気になってもゆっくりを駆除しきれな かったことにショックを受けていた。種として、男が思っていたよりもゆっくりは弱くは なかった。 なんだか、自分があの一家に本当に負けた気がした。錯覚といえば錯覚なのだが、そう 思ってしまった以上、約束通りに甘い菓子を持たせて帰すべきだと思ったのだ。 だが、しばらくすると段々と後悔してきた。人間に勝ったと大はしゃぎしていた連中の ゆっくりした顔を思い出す度にむかむかしてくる。 「よし、明日は……」 この憂さ晴らしには、ゆっくり狩りしかない。 「ゆっゆっゆ~っ、ゆっくりのひ~」 「すっきりのひ~」 「ゆっくちのひ~」 「すっきちのひ~」 おうちに帰還したゆっくり一家は、早速お菓子をむーしゃむーしゃしておうたを歌って いた。 「まりしゃたちはにんげんさんにかったんだじぇ!」 妹まりさは、だじぇ言葉で誇らしげに言った。 「ゆん、そうだね、まりさたちは勝ったんだよ」 「ゆゆぅ、ゆっくりできるね」 「ゆっくち! ゆっくち!」 で、喉元過ぎればなんとやら、一家はすっかり人間に勝利したことでこれで未来のゆっ くりが約束されたと思い込んでいた。 これは、あの男が意識せずに施した一家への虐待であるとも言えた。 男が、人間とゆっくりの戦争だの、お前らの勝ちだのと言うから、ゆっくりたちはそん な勘違いをしてしまった。 決して、人間はゆっくりに降参したわけではないのに、いや、むしろ全力を挙げて駆除 しきれなかったからこそ、やはり放っておいたら奴らは増える一方だという確信を抱かせ ているというのに、自分たちは人間に勝ったのだというつもりのゆっくりたちがどんな運 命を辿るかは明らかなことであった。 「まりしゃたちは、にんげんさんにかったんだじぇ!」 「ゆぅ……しんじられないよ、にんげんさんは強いよ」 翌日、妹まりさは、早速出会ったれいむに、自慢していた。しかし、ここ数日、仲間を 次々に殺されたれいむには、とても信じられる話ではない。 「ほんとうなんだじぇ! にんげんさんがはっきりいったんだじぇ! まりしゃたちの勝 ちだ、っちぇ!」 妹まりさがどんなに言っても、やはりれいむは信じなかった。 「おっ、ゆっくりがいるぜ」 そこへ、十二、三歳ぐらいの少年が三人通りかかって言った。 「ゆひぃぃぃぃぃ! に、にんげんざんだぁぁぁぁ!」 れいむは、それと気付くと悲鳴を上げて必死にぽよんぽよんと逃げ出した。しーしーを 垂れ流しながら逃げるれいむを指差して少年たちが笑う。 「どーする? 追っかける?」 「いや、いーや、もう飽きた」 「そうだな」 少年たちは、既に相当な数のゆっくりをいたぶり殺していた。あの駆除作戦後、人間た ちのゆっくりへの見方がやや変わった。それまでは殺すまではしなかった者でも、息の根 を止めるようになった。放っておいてはゆっくりが増えすぎてしまうという危機感が多く の人間たちに生じたためだ。 少年たちはそれに乗ってゆっくりを殺し始め、いつしかあの手この手でゆっくりを痛め つけて殺すのにハマってしまった。それでもさすがにやりすぎて、最近では飽きが来てい た。 「ん? あれ?」 一人が、言うと、他の二人はその視線の先を追って、そこにぷくぅと膨らんでいる小さ なまりさを発見した。 「あれ? あいつ逃げないのか?」 「怖くて体動かないんじゃない?」 「ちっちぇな、まだ生まれたばっかりかな」 「でも、怖がってるわりにはぷくぅってやってるぜ。あれ、ゆっくりの威嚇だろ?」 「……あれ、見てるとイライラしてくんだよな」 「よし、潰しとこうぜ」 一人が妹まりさに近付いていく。あれこれやる気にはなれないので踏み潰して一発で殺 す気だ。 「まりしゃはにんげんさんに勝ったんだじぇ! つよいんだじぇ!」 「んん?」 「なに言ってんだこの馬鹿」 「お前なんかが人間に勝てるわけないだろ」 こんな小さなまりさよりもずっと大きいゆっくりを何匹もなぶり殺した少年たちには、 ただの妄言としか思えない。 「勝ったんだじぇ! にんげんさんがじぶんで言ったんだじぇ! まりしゃたちの勝ちだ っちぇ!」 しかし、なにしろ人間自身がはっきりと敗北を認めたのだ。妹まりさの中ではその「事 実」は揺るぎようが無い。 「よーし、じゃ、おれと勝負だ」 一人がしゃがんで右手を妹まりさに伸ばす。 「ゆっ! ぜったいにまりしゃ勝つのじぇ! まりしゃが勝ったらあまあま、ゆび!」 まりさが言い切る前に、少年は指でまりさを弾いた。 「ゆ゛ひぃぃぃぃ、い、いぢゃいのじぇぇぇぇ!」 額が凹んだまりさは声を限りに泣き叫ぶ。 「そんなんでどうやって人間に勝つんだよ」 「なにをどうやって勘違いしたんだろうな」 「あー、あれじゃね? ゆっくり殺せない人っているらしいじゃん。それが絡まれてさ、 あーはいはい、おれの負け、お前らの勝ちだよ、って感じで」 「おー、ありそうだな、それ」 少年たちは、まりさのことはほったらかして、なんでこの脆弱極まりない生き物が人間 様より自分は強いのだと勘違いしたのかと考察し始めた。 「ゆひぃ、ゆひぃ……ゆっ、ゆっ、ゆわあーん!」 まりさは痛みと悔しさに泣いていた。 今の少年の攻撃は、凄まじい威力であり、一発でとても勝てないと思い知らされるに十 分であった。おかしい、まりしゃはにんげんさんに勝ったのに、強いのに、なぜ? 「にゃんなんだ、じぇ……どぼちて……」 「なんでもなにも当たり前だろーが」 「人間に勝てるだなんて、ばっかじゃねえの」 「よし、そんじゃ潰すぞ」 少年が足を上げる。その靴の底を見ながら、まりさは死の恐怖を身近に感じてびくりと 震えた。 「お、おとうしゃぁーん、おがあしゃぁーん! たぢゅげちぇぇぇ!」 迫り来る死になす術も無い赤ちゃんのまりさにできることは、両親の助けを求めること だけであった。 「ん? 親か」 足を上げていた少年がそれを下ろす。 「まあ、こんなちっちゃいのが一匹で遠出しないだろうから、すぐ近くに家族がいるんだ ろうな」 「おい、お前のおとうさんとおかあさんは強いのか?」 「ゆ゛っ……つ、つよいよ! に、にんげんさんにだって勝ったんだよ!」 「へえー、じゃ呼べよ」 「ゆゆ?」 「その強いおとうさんとおかあさん呼べよ、そいつらとも勝負してやる」 「ゆ゛……ゆっへっへ、ふ、ふたりはとても強いんだじぇ」 助かる。 まりさの中で急速に希望が膨れ上がる。 確かに、自分はこの人間たちに勝てなかった。でも、おとうさんとおかあさんならば勝 てる。考えてみれば、この前の人間さんに勝った時は家族が一緒にいた。さすがに小さな まりさだけでは人間には勝てないようだが、二人ならば……。 「おどうじゃあああん! おがあじゃあああん! だーぢゅーげーぢええええ!」 大きな声で叫ぶまりさ。しばらくそうやって叫んでいると、繁みの中から声が聞こえて きた。 「ゆっ! おちびちゃんの声だよ!」 「ゆん! ……こっちだよ!」 ガサガサと繁みが音を立てて、丸いのが二つ姿を見せる。言うまでもないが、両親のま りさとれいむだ。 「おちびちゃん、一人でおうちから離れちゃ駄目だよ」 「そうだよ、ゆっくりできな……ゆっ、に、にんげんさん」 「ゆぴゃあああん、このにんげんさんたちがいじめるのじぇぇぇ! やっちゅけてほしい のじぇぇぇ!」 「ゆゆゆゆっ! れいむのおちびちゃんをいじめないでね!」 「そんなわるい人間さんは、まりさたちがせいっさいするよ!」 「よし、じゃ勝負だ」 少年が一人前に出る。他の二人は動かない。 「れいむたちは、人間さんに勝ったことがあるんだよ! 強いんだよ! ぷくぅぅぅ!」 「そうだよ! あやまるならいまのうちだよ! ぷくぅぅぅ!」 「うわー、こえー」 完全棒読みで少年が言い、他の二人は笑う。 「こわいんならあやまってね! 今のうちだよ!」 「そうだよ! それに、勝負に負けたらあまあまちょうだいね! たくさんでいいよ!」 「ひいいー、こわいよー、人間に勝ったゆっくりはやっぱり迫力が違うよー」 「ぷぷ、そうだな、他の連中とは一味違うよな」 「くくく、おい、最初から全力で行けよ、でないとやられちゃうぞ」 ぷくぅぅぅと膨れた親まりさと親れいむは、少年が自分たちを恐れながらも退くつもり が無いと見て取ると、顔を見合わせて頷いた。 「今あやまればゆるしてあげようと思ってたのに……馬鹿な人間さんだよ」 「ゆん、かわいそうだけど、馬鹿は死ななきゃなおらないよ」 「おとうしゃんもおかあしゃんもかっこいいのじぇ! ふたりとケンカするにゃんてばか にゃの? しにちゃいの? まりしゃたちはにんげんさんに勝ったのじぇ、しょうりしゃ なのじぇ! ケンカじゃなくちぇぎゃくちゃいになっちゃうのじぇ! いたいいたいにさ れちぇひれ伏すがいいんだじぇ!」 「ゆっ、いくよ、まりさ!」 「ゆっ、わかったよ、れいむ!」 ぽよん、と親れいむと親まりさが跳ねた。このまま跳ねて行って必殺の体当たりを喰ら わせる気だ。あの身の程知らずな馬鹿人間はふっ飛ばされて餡子を吐くに違いない。 「ゆっひゃあ! ぎゃくちゃいなのじぇぇぇぇ!」 まりさは、両親の勝利を全く疑っていなかった。 「うわー、こえーよー」 少年は言うと、踏み込んで足を振り、親れいむの顔のど真ん中に爪先をめり込ませた。 「ひゃあー、やられるまえにやってやるー」 間髪入れずに、親まりさを真上から踏みつける。 「ゆ゛ぎゃああああ!」 「づ、づぶれるぅぅぅぅ!」 転がった親れいむは激痛に転がり回り、プレスされた親まりさは悲鳴を上げる。たった の一発でこれである。 「おらおらおらおら!」 足を上げて、何度も何度も親まりさを踏みつける。 「ゆぶっ!」 親まりさは、とうとう口から餡子を吐いた。 「それそれそれそれ!」 今度は親れいむの方を踏みつける。 「お、どう、しゃん……おがあ……」 呆然とそれを見ているまりさ。 「いい勝負だな」 「ああ、今のところはこっちが押してるけど、油断してたら逆転されるぞ」 「おお、あのまりさとれいむ、強そうだからな!」 観戦していた二人の少年が、まりさに聞こえよがしに言った。それを聞いて、まりさは 今一度戦う両親の勇姿を見る。 「ゆべ! いぢゃ! や、やべぢぇ! ふまないで! だ、だずげで……」 「ゆ゛ひぃぃぃ、ど、どぼじて、どぼじて……れいむだち、人間さんより……強いんだよ、 ホントだよ……どぼじてぇぇぇ……」 踏まれ続けてみっともない醜態をさらしている親まりさとれいむ。 だが、まりさの目にはそれは虎視眈々と逆襲の機会を狙っているように見えた。 「ゆふふふ、おとうしゃんもおかあしゃんもまだよゆうだじぇ!」 「うん、そうだねー」 「ゆっくりゆっくり」 少年二人も同意――まりさの中では――したので、いよいよまりさの勝利への自信は揺 るがないものになった。 少年が、二人に「飽きた」と言い、二人が「よし、やっちゃえ」と言い、その次の瞬間 に、親まりさが踏み抜かれる時までは……。 「お、どうしゃ、ん?」 「死んだ?」 「まだ生きてるみたい。棒かなんか無い? 靴汚れちゃうよ」 「んー、ああ、石があるぜ、よいしょ、っと」 少年が屈んで持ち上げたのは、大きな石だった。 「よし、おれがやるわ」 その少年は石を持ったまま、体の真ん中に穴があいた親まりさのところまでやってくる と、手を振って、他の二人を下がらせた。 「それっ」 石を上に放り上げて、バックステップで下がる。 「ゆぎゃっ!」 石は、親まりさに命中した。餡子が飛び散るが、後ろに飛んだために顔や服につくこと はなかった。 「もっど、ゆっぐ……り……じだ……った……」 「おし、中枢餡を潰したぞ!」 親まりさが絶命したのを見て、狙い通りに当たったことを確認した少年は小さくガッツ ポーズをとる。 「う、うしょだ……おとうしゃんが……負けるわけ、にゃいの、じぇ……」 「こっちのれいむはどーする?」 「あ、あれやろうぜ、ほら、この枝」 少年の一人が、木の枝を指差す。 その木の幹は太く、従って枝もそこそこの太さだ。 「おー、それならできるな」 「よし」 と、少年が息も絶え絶えの親れいむを持ち上げる。 「にげ……で……おちび、ぢゃん……にげ……で……」 さすがに自分たちが人間よりも強いなどという壮絶な勘違いを修正せざるを得なくなっ た親れいむは、必死に言った。 「ま、まりしゃたちは、にんげんさんに勝ったんだじぇ! つよいんだじぇ! ばかでよ わいにんげんさんは、まりしゃたちにひれ伏すんだじぇ! あまあまもよこしゅんだじぇ! 」 しかし、まりさは、親まりさが踏み抜かれた瞬間に芽生えた、やっぱり人間さんは自分 たちよりも強いのでは、という疑問を押さえ込んだ。 そこは、ゆっくりの防衛本能が働いていた。とにかく、ゆっくりすることだ。自分たち は強い、勝利者だと思うことでゆっくりできる、というより、もはやそう思い込むことで しかゆっくりできないのならば、ゆっくりは簡単に思い込むことができる。 「ゆ゛ぎぃぃぃぃ! や、やべぢぇぇぇぇぇ!」 親れいむは、木の枝に刺された。その際に中枢餡を貫かれて、死んだ。 「おし」 「あのちっちゃいのはどうしようか」 「そうだなあ……」 少年が、まりさを摘み上げる。 「まりしゃたちは、つよいんだじぇ、にんげんさんに勝ったんだじぇ、しょうりしゃなん だじぇ、ばかでよわいにんげんさんは、まりしゃにひれ伏すんだじぇ、あまあまもってく るんだじぇ、まりしゃたちは、つよいんだじぇ!」 少年は、まーだ言ってるよ、といった感じの苦笑を漏らして、まりさを強く握った。 人差し指と親指で作った輪の部分に、まりさの右目が来るようにして少しずつ下の方、 つまり小指の方から締め付けていく。 「ちゅ、ちゅぶれりゅんだじぇぇぇ! やめるんだじぇ! まりしゃは、しょうりしゃな んだじぇ!」 そんな声も、圧迫が口にまで及ぶと出せなくなった。 「ゆ゛ーっ、んーっ、んんんんーっ!」 ぷちゅ、とまりさの右目が飛び出した。 「ゆ゛ぴゃああああん、ま、まりじゃのおめめぎゃあああ!」 「こんな弱っちいのわざわざ殺すことないよ、死ぬ寸前まで痛めつけてほっとこうぜ」 「放置プレイってやつ?」 「ゆぎぎぎぎ、まりじゃは、ちゅよいんだじぇ! しょうりしゃなのじぇ!」 ぺち、と指で眼球を失ってただの穴になった右の眼窩を叩かれて、まりさは激痛に呻い て歯を食いしばってそれに耐えた。 「そら!」 いつのまにか少年はまりさと同じぐらいのサイズの石を手に持っていた。それで思い切 り叩かれたのだからたまらない。まりさの前歯は一辺に折れ、或いは砕けた。 「ま、まりじゃのはぎゃああああ! い、いひゃいのじぇぇぇぇ!」 「あと命に別状なさそうなのは……」 「片目は残しておいてやるとして……」 「ああ、髪の毛」 ぶちぶちと、髪の毛が引き抜かれる。 「お、おぼうちかえずのじぇぇぇぇ! ゆっぐちできにゃいのじぇぇぇぇ!」 「ん? あー、そうか、こいつら帽子とか取られるの嫌がるんだ」 抜かれた髪の毛よりも、髪の毛を抜くために取り上げた帽子にまりさが異常な執着を見 せるのを見て、少年の一人が帽子を持った少年に、それを貸せと言った。 「お、なんか思いついた?」 「ああ……こいつを」 帽子を受け取った少年は、数歩歩いてしゃがむ。そこには親まりさの死体があった。 一度、そっとまりさの帽子を地面に置くと、親まりさの帽子を取り上げた。それを右手 に被せるようにする。そうすると、そこそこの大きさがある親まりさの帽子は、十分手袋 の代用品になった。 左手に拾った棒を持ち、それで親まりさの崩れた死体の一部を押さえて、手袋代わりの 帽子をはめた右手で、親まりさの死体を集めて、固めていった。 「おーし、復活」 むろん、皮は破れ餡子も流出し、生きていた頃のように元通りとは行かなかったが、そ れでも親まりさはだいぶ復元されて生前に近い姿になった。 いったいなにをするつもりなのかわからない二人の少年は、黙ってそれを見守っていた。 「おい、そいつによーく見せとけ」 「ん、おう」 言われて、まりさを持っていた少年がその手を前に出す。 「ゆぴぃぃぃ、おどうじゃん……ゆ! おぼうち!」 凄まじい苦悶の表情で死んでいる親まりさの死体に恐怖しているまりさの目の前に、先 ほど奪われたお帽子が現れた。 「ほーれ、見とけよー」 帽子をひらひらと振った少年は、それを親まりさの死体の頭頂部に置いた。踏み抜かれ たところをくっつけたところなので、そこの皮は破れて窪んでいる。 「ゆ゛っ、な、なにずるんだじぇぇぇ!」 親まりさの帽子をはめた右手で、それを押し込んだのを見て、まりさは絶叫する。 ずぶ、ずぶ、とまりさの大事なお帽子が、おとうさんまりさの死体の中に入っていく。 右手が抜かれた時、そこにお帽子は無かった。おとうさんまりさの死体の中に置いてき たのだろう。 開いた頭頂の穴を塞ぐと、少年はにっと笑ってまりさに言った。 「ほれ、帽子欲しかったら、親の死体を掘ってみな」 「うわあー」 「マジ外道じゃん」 と、他の二人もその意図がわかってゲラゲラと笑い出す。 地面に下ろされたまりさは、ゆわゆわと震える。 「お、おぼうち、まりしゃの、おぼうち……」 ずーりずーりと這いずっていくのをもどかしく思った少年がまりさのまだ残っていた髪 の毛を掴んで持ち上げて、親まりさの死体の前まで連れていく。 「お、おぼうち……お、おどうじゃん、ご、ごめんなのじぇ、でも、おぼうちがにゃいと、 まりしゃ、ゆっぐちできにゃいのじぇ」 親の死体を損壊するのにさすがに気後れがするのか、まりさは少し躊躇いつつ、大事な お帽子を取り返すために親まりさの死体に噛み付いた。 「ゆ゛? ……ゆぴゃあああん、は、はが無いのじぇぇぇ!」 そこで、前歯が全て喪失している自分には、噛み付くことで死体を削るようなことはで きないのだと気付いて泣き喚く。 「おお、おれの前歯折りがここで活きた!」 まりさの前歯を折った少年が嬉しそうに叫ぶ。 「ゆ……ゆぅ、ぺーりょぺーりょ、ぺーりょぺーりょ!」 しょうがなく、まりさは親まりさの死体の傷口に舌を入れて舌で餡子をすくいだそうと するが、遅々としてはかどらない。 「ゆひぃ、ゆひぃ、べろさんつかれたのじぇ……ゆひぃ、な、なんじぇなのじぇ、まりし ゃはちゅよいのじぇ、にんげんさんに勝ったのじぇ、それがにゃんでこんな目にあうのじ ぇぇぇ……」 「うーし、そろそろ行こうぜー」 「おう、そんじゃゆっくちがんばっちぇにぇ!」 「あはははは!」 少年たちは、去っていった。 まりさは舌を休めると、また必死に餡子を舐め取り始める。少年が放り投げた親まりさ の帽子が間近に落ちたのにも気付かなかった。 「ま、まりじゃああああ! ゆぴゃああああん!」 繁みから、姉妹のれいむが飛び出してきた。 れいむは、両親に繁みの中で待っていろと言われてそうしていたところ、凄まじくゆっ くりしていない悲鳴が聞こえたので、急いでやってきた。 そして、そこで繰り広げられる凄惨な両親の死と、姉妹に振るわれる暴力を、賢明にも、 繁みの中に隠れて震えながら見ていた。 そして、人間たちが去ったのを見て出てきたのだ。 「れ、れいみゅぅぅぅ、まりしゃの、まりしゃのおぼうじぎゃあああ!」 「ゆ、ゆぅぅ、れ、れいみゅもてつぢゃうよ……」 れいむは、まりさと違って歯がある。それを使って削り取るように親まりさの死体を掘 り進むことが可能だ。 「ゆっ、ゆっ、ごべんなじゃい、おどうじゃん、ごべんなじゃい」 「ゆっ、ゆっ、ぺーりょぺーりょ……にゃ、にゃんで、にゃんでちじょうさいきょーのま りしゃがきょんな目にあうのじぇぇぇぇ……」 人間さんより強いから地上最強へ、ひどい目に合えば合うほど自分内ランキングがなぜ か上がるまりさであった。 「おーおー、いい感じに刺さっとるなあ」 その時、声が聞こえてきた。 「ゆっ!?」 「ゆゆゆ、に、にんげんさん!」 一人の男が、何時の間にかやってきて、木の枝に刺さっている親れいむの死体を眺めて いる。 「ついさっき死んだみたいだな」 指先でつんつん突付いている男に向かって、まりさは叫ぶ。 「やめるんだじぇぇぇ! おかあしゃんにきちゃない手でさわりゅにゃぁ!」 「んん? こいつの子供か」 と、まりさを見下ろしたその顔。 「ゆゆ!」 「ゆっ!」 あの人間だ。 とてもやさしくゆっくりしていた姉のまりさを殺して、その後、勝負に敗れて負けを認 めたあの人間だ。 「ゆふぅ……」 まりさは、拍子抜けした。この人間なら、もう自分たちよりも弱いことはわかっている し、人間自身もそれを認めている。 「だれかと思っちゃら、この間のにんげんなのじぇ、おかあしゃんにさわるんじゃないの じぇ、せいっしゃいするのじぇ!」 「あ? なんだその口の利き方は」 「そっちこそなんなのじぇぇぇ! まりしゃたちに負けたくせに、えらそーにするんじゃ ないのじぇ!」 「負けた? ……あー」 と、男は、まりさとその後ろに隠れるようにしているれいむ、そして枝に刺さった親れ いむと、地面の親まりさを見て頷いた。 「お前ら、こないだの奴らか」 「そうなんだじぇ! おまえに勝ったまりしゃしゃまなのじぇ!」 「……口悪くなったな、お前」 言いつつ、明らかに死んでいる親まりさと親れいむを見てニヤニヤと笑う。 男はあれから、やっぱりあいつら逃がしたりしないでぶっ殺してやりゃあよかったと一 晩後悔に後悔を重ね、翌日、その憂さ晴らしにゆっくり虐待をするために外に出た。 人間様が「全滅させてやろうとしたけど無理でした」と音を上げるだけあって、あれだ けの大規模駆除があった後だというのに、野良ゆっくりはけっこう簡単に見つけることが できた。 何匹かをその場で虐待して殺して、今は、その帰りなのだ。 久しぶりにやってみると、やはりゆっくり虐待は面白く、以前の飽きたと言っていた自 分に工夫が足りないこともわかった。まだまだやりようによっては色々と楽しめることが わかった。そうなると、ゆっくり駆除作戦が成功して、虐待のために食用ゆっくりや捕食 種の生餌用のゆっくりを購入するようなことにならないでよかったと思った。 「くくく、そうか、一日もたなかったか」 自分で手をくだせなかったのに一抹の悔しさはあるものの、人間に勝ったと浮かれてい た親まりさとれいむが、おそらくはそれによって人間を恐れなくなり、そのために殺され たのだと思うと、いささか溜飲が下がった。 死体の状態を見ても、あっさり殺されたのではなく、執拗に打撃を加えられたようだし、 まったくもって気分がいいというものだ。 さらに気分がいいのは、自分で手をくだせる獲物が二匹も残っているということだ。 「で、お前らよく助かったな。こいつら人間にやられたんだろ?」 「ゆ……しょれは……」 まりさはなにがあったかを話す。人間さん――男よりも小さかったというから子供であ ろう――がやってきておとうさんとおかあさんを殺してしまったこと、さらにまりさをい じめて、お帽子を奪っておとうさんの中に埋め込んでからどこかに行ってしまったことな ど。 「へえー、そんな手があったか」 親の死体に大事なお飾りを埋め込んで、子供に親の死体を損壊させることを強いるとは、 なかなか将来有望な子供たちだ。 「はやく、まりしゃのおぼうちを出すんだじぇ!」 「は? ……え? 俺が?」 何を言ってるのかよくわからずに男は尋ねる。 「あたりまえなのじぇ! まりしゃに負けたにんげんは、まりしゃの言うこときくんだじ ぇ! しょんなこともわからにゃいのじぇ!? まりしゃはしょうりしゃなのじぇ!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 男は頷いた。こいつの中では自分は敗者であり、勝利者であるまりさに従わないといけ ないらしい。 「うーん、でもさあ、お前ら、俺より小さい人間にやられちゃったんだろー」 思い切り、蔑むように言ってやる。 「ゆっ! なにいっちぇるのじぇ! まりしゃはお前には勝ったのじぇ!」 「いやいやいや、あん時は親がいたじゃん」 「まりしゃのほうがつよいのじぇ! まりしゃはしょうりしゃなのじぇ!」 「よし、じゃもう一度勝負!」 「ゆ?」 「だから、もう一度勝負だよ。まりしゃはつよいんだろ?」 「ゆっ! そうなんだじぇ! なんかいやってもまりしゃの勝ちなのじぇ!」 「……ホント、手軽に幸せになれる生き物だよな、お前ら。絶対なりたくないけど」 「うるさいのじぇぇぇ! まりしゃのたいあたりをくらうのじぇぇぇ! ぎゃくちゃいし てやるのじぇぇぇ!」 「そいや」 ぱん、と上から掌で叩いてやると、まりさはその一撃で餡子を吐いて泣き出した。 「弱えなあ、お前」 「しょ、しょんなはずないの、じぇ……まりしゃは、つよいの、じぇ……しょうりしゃ、 なのじぇ、さいきょー、なのじぇ……」 「ま、まりしゃぁ、ゆっくちちてえ」 まりさがやられたのを見たれいむが、ぽよぽよと跳ねて近付こうとする。おそらくはぺ ーろぺーろしてあげようとしているのだろう。 ぱん、と男の掌が今度はれいむを叩いた。 「ゆびっ! ……い、いぢゃぁぁぁい! ゆひぃぃぃぃ」 「ゆ゛っ! れ、れいみゅにひどいことすりゅにゃああああ! せいっしゃいするのじぇ ぇぇ!」 「うん、やれば」 男は、まりさの方を見もしないで、れいむを摘んで持ち上げた。 「よし、まりさとおそろいにしてやろうな」 にやりと笑うと、先ほど少年がまりさにしたように、右目の部分だけをさらして他の部 分を握って指で締め付ける。 「ゆ、ぎゅ……お、おめめぎゃ……やめちぇ……むぐ」 「や、やべるのじぇぇぇ!」 ぷちゅ、とれいむの右目もまた、まりさのそれと同じく、体から離れて宙に浮き上がっ た。 「れ、れいびゅのおべべぎゃああああ! まりじゃ、たぢゅげぢぇ!」 「やべるんだじぇ! せいっしゃいするのじぇ!」 「うん、だから、やりたきゃやれば? おれはれいむをお前とおそろいにしてるからさ」 「ゆひ!」 男の言った「おそろい」という言葉に、れいむは反応した。 「や、やべちぇ! れいみゅのはをとらにゃいでぇぇぇ!」 「は? ……は、って、歯か?」 それは、全く気付いていなかった男に、そのことを教えてやったようなものだった。 「お、ちょっと口開けろ、おら」 男は、空いている方の手でまりさを摘み上げると、指を口の中に突っ込んで無理矢理開 かせて、その前歯が悉く無いのを見た。 「そうか、さっきの子供にやられたんだな」 「まりしゃのおぼうちを、おとうしゃんからだしゅのに、れいみゅのはがにゃいとこまり ゅんだよ! だからやめぢぇ!」 なるほど、確かに前歯が無くては親まりさの死体を掘るのに苦労するだろう。 「そうか、わかった」 男は、石を拾い上げ、わかってくれたのだと希望に満ちた顔をしたれいむの口に、思い 切り叩き付けた。 「ゆびぃぃぃ、ゆ゛ああああ、はぎゃあああ、れいみゅの、はぎゃあああ!」 「よーし、これでおそろいだな」 「ゆっぎい! せいっしゃいするのじぇ! まりしゃをほんちょうに怒らせたのじぇ!」 「うん、だからやりたきゃやれって」 「ゆぐ、ゆぐ、れ、れいみゅ、まってるんだじぇ……れいみゅのことは、まりしゃが、ま もるの、じぇ……」 「はやくしないと死んじゃうぞ、こいつ」 ずーりずーりと這いずるまりさに見せ付けるように、男はれいむを踏みつけて徐々に徐 々に体重をかけていった。 「まりじゃぁ、たぢゅ、げ……ぢぇ……」 「いま、いぐよ……れいみゅは、まりしゃが、まも、るの、じぇ……」 「おう、がんばれー……待ってるからな」 「まりしゃ、は……つよいのじぇ……よわいにんげんはまりしゃに、ひれ伏すのじぇ…… まりしゃは、さいきょー、なのじぇ……」 「ちゅ、ちゅぶれりゅぅぅぅ、じにぢゃぐにゃい、れいみゅ、じにぢゃぐにゃいよぉ…… まりじゃ、はやぐ、はやぐ、だぢゅげぢぇ」 「ゆっ、ゆっ、まりしゃが、きたのじぇ、もう、だいじょーぶ、なのじぇ」 目の前に、まりさの姿を見出して、れいむはとてもゆっくりした笑顔になった。痛い苦 しい、でもまりさが来てくれた。もう大丈夫だ。 「ゆっぐちちで、ゆ゛っ!」 そこで、れいむの笑顔が爆ぜた。 餡子が、まりさの顔に降り注ぎ、れいむを安心させてやるために浮かべた笑顔を染める。 「れ、れい、びゅ?」 理解できない。 でも、れいむがそこにいる。あのおリボンは見間違えるはずがない。 「れ、れいびゅぅぅぅぅ! な、なんでなのじぇぇぇ! まりしゃは、まりしゃはつよい のに、さいきょーなのに!」 「この期に及んでそう思い込んでるのは本気で凄いと思うよ、うん」 「ゲ、ゲ、ゲスにんげんはせいっじゃいするのじぇぇぇぇ!」 「どうやって?」 「ゆ゛っ……ゆひぃぃぃ、どぼじで、どぼじでさいきょーのまりしゃが……ゆ゛ひぃ」 「さぁてと、そろそろ行くかな」 「ま、まづのじぇ! ま、まりじゃの、まりじゃのおぼうちぃぃぃ!」 「いや、お前が親の死体食って掘り起こせよそんなもん」 「まりじゃは、まりじゃはつよいのじぇ! だからいうこときくのじぇ! おばえは、お ばえはまりじゃに負けたんだじぇ!」 「またそれか、もう聞き飽きたから、それ」 「ばかでよわいにんげんは、さいきょーでしょうりしゃのまりじゃにひれ伏すのじぇ! めーれーをきくのじぇ! ひれ伏すのじぇ! ひれ伏すのじぇ! ひ、ひ、ひれ伏じでぐ だじゃぃぃぃ、まりじゃの、まりじゃのおぼうぢがえぢでえええ!」 「いや、ひれ伏してくださいって言われてひれ伏す奴はいねえだろ」 と、言いつつ、男は何気なく視界に入った木の枝に刺さった親れいむを見て閃いた。 「よし、ひれ伏しはしないけど、帽子を取り出してやるよ」 「ゆっ!? ほ、ほんちょなのじぇ?」 まりさは、いきなりすんなりと願いを聞いてくれると言った男にきょとんとしながらも、 目を輝かせた。 「ああ……そうか、手を汚さないために、親まりさの帽子を手袋代わりにしたのか」 餡子まみれの大きなまりさの帽子を見つけて、男は頷く。 男はさっきの少年のように、それを右手にはめてから親まりさの死体に手を突き入れ引 っ掻き回して、やがて、小さな帽子を発見して取り出した。 「ゆっ! ま、まりじゃのおぼうぢ! か、かえすのじぇ! まりじゃのめーれーをきい たから、ゆるじでやるのじぇ!」 男は、帽子を持ったまま立ち上がった。 「ゆ? おぼうぢ! おぼうぢかえずのじぇ!」 「よっ、と」 男は、右手を、枝に刺さっている親れいむに突き入れた。そこには、まりさの帽子が握 られている。 「……ゆ? ……ゆゆ? ……ゆわああああ! や、やべるのじぇぇぇぇぇぇ!」 いったい何をするのか悟ってしまったまりさが声を限りに絶叫する。 そう、男は、まりさの帽子を今度は親れいむの死体の中に埋め込んでしまったのだ。 「はい、ここに入ってるから、自分で取ってね。さいきょーなんだから簡単でしょ」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛……」 地面の親まりさの中ならば、時間をかければなんとかなっただろう。しかし、高いとこ ろにある親れいむの死体には全く触れる術が無い。 「そんじゃな」 「……ま、まづのじぇ! まづのじぇ! まりしゃの、まりしゃのおぼうぢがえずのじぇ ぇぇ!」 男は、まりさの声を無視して去っていった。 「……むーちゃむーちゃ、ごべんなのじぇ……」 数日後、まりさはまだあの場所にいた。 食事は、親まりさの死体を少しずつ食べていた。 そして、一日の大半を、潤んだ目で、親れいむの死体を見上げている。 なんの変化も無い、なんらなすことのない日々。それでも、大事な帽子がそこにある以 上、そこを離れるわけにはいかない。 そして、その日、変化が起きた。 「ゆ!?」 少し、親れいむの死体が動いたのだ。 「ゆゆゆ!?」 時間が経ち、さすがに重みによって死体が裂けていっているのだ。 まりさは、じーっと見ている。 その間に、少しずつ、少しずつ、親れいむの死体が近付いてくる。 「お、おぼうち! おぼうち! まりしゃの、おぼうち!」 まりさは、親れいむの死体を見上げながら叫んだ。 そして、遂に、親れいむの死体がぐらりと大きく動く。 落ちてくる! そう思ったまりさは、大事なお帽子を逃がすまいと真下に移動して受け止めようとする。 「おぼうち! まりしゃのおぼうち! これで、これでまたゆっくちできりゅよ! みん にゃのぶんまでゆっくちすりゅよ! だっちぇ……だっちぇまりしゃはつよいんだじぇ! さいきょーなんだじぇ!」 来る。 もうすぐにでも、お帽子が帰ってくる。 「ばかでよわくてゲスなにんげんは、まりしゃにひれ伏すんだじぇぇぇぇぇ!」 それがまりさの最期の言葉だった。 落ちてきた親れいむの死体に潰されて、死んだ。 終わり ようわからん話になったがぜよ(二回目) それにしてもだじぇまりしゃはかわいいのじぇ、このゴミが。 名前だけども、あれこれ考えたってしょうがねえから、前作のコメント欄にあった のるまあき、って名乗ろうと思うんだぜ。 つむりあき(仮)改め、のるまあき、なんだぜ。なんかゆっくりできない名前じゃ のう。
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学校から帰ってきて、私は自分の部屋のベッドでもぞもぞ。 身体が熱い……なんだ、熱でも出てるんじゃないのか? いや、でも学校では何ともなかったし…… そうだ、これは家に帰って来てからだ。家に帰ってきて── 「思い出したぞ、カナのバカを見てからおかしくなったんだ」 そう言えば確か前にも同じような事があったな。 あの時も今日もカナのバカは下着姿でうろうろしてて…… その前は風呂上がりにタオル巻いてうろうろしてたっけ。 なんだ? カナがだらしない格好しているせいで私は苦しんでいるのか? だとしたら早急にあのバカをなんとかしないと。 「おい、カナ! ちょっと来い」 「んー? 何だチアキ、呼んだかー?」 「……っ! やっぱりお前のせいか!!」 「へ?」 相変わらず下着姿のまま私の部屋へやってきたカナ。 そして私の身体はさらに熱くなって胸が苦しくなる。 やっぱり原因はこのダラしないカナのせいだったのか…… 「カナ、いくら熱いからってその格好はダラしなさ過ぎだろ」 「何を言う! いいか、チアキ? これはエアコンを使わない事でエコをだな――」 「リモコンの電池が無いからだろ。さっさと服着て電池買ってこい、バカ野郎」 「いやいや、外は暑いから!」 あれ? なんだか身体が……ムズムズする……? なんでこんな所が…… ――くちゅっ…… 「…っ!?」 「なんだ? どうかしたか?」 「い、いや、別に……」 なんだこれ……もしかして、おしっこ……? ど、どうしよう、なんかいっぱい出てきちゃったぞ…… こんな事、カナのバカに知られたら大変な事に── 「大丈夫か? なんか顔が赤いぞ? どれ、ちょっとおでこを拝借」 「や、やめっ……んっ!」 「チアキ?」 「もう良いから、お前が近くに来ると……調子が悪くなるんだよ」 「悪いくなるって、どんな感じに?」 「身体が熱くなって……動悸、息切れ、その他諸症状だよ」 手が、止まらない。足も震えてきた。 だめだ、このままじゃ……私、変になりそうだ…… 早くこのバカを部屋から追い出さないと。 「もしかして……お前、百合属性でもあるんじゃないの?」 「……?」 どうして急に花の話しをし出すんだ? 百合ってあの花の百合の事だよな? 「チアキ、学校で好きな男子とかいるか?」 「いや、特にいないけど……って言うか、もう出て行けよ」 そう言ってもカナは部屋から出ていかない。 いや、それどころかこっちをジッと見て……なんなんだいったい。 「よし、チアキ。キスしてみるか」 「おい、なんでそうなるんだよ!」 私の話しも聞かず、カナのバカはどんどん顔を近づけてくる。 くそ……いつもなら抵抗するのに……手が濡れてて、布団の中から出せない…… 「んっ、んんー! ん、ん……っ」 「どうしたチアキ、今日は抵抗しないのか?」 「う、うるさい、このバカ野郎……っ」 「それとも……抵抗できない理由があったりして」 「!!」 ──パサッ 全部知っていたような顔で私の掛け布団を捲るカナ。 慌ててその場から手を放したものの…… 「チアキ、どうして布団の中でズボンと下着を膝まで下ろしてるんだ?」 「…………」 「そんなにベッドの中でもぞもぞしてたらバレバレだぞ?」 この状況、足を内股にして手で隠す。それくらいしか私には出来なかった。 でもカナはその手を退け、股を開き、私がさっきまでさわっていたそこを、ゆっくりと触り始める。 「なぁっ……やめ、ろ……バカ……」 「声、震えてるぞ?」 「ハァ、ハァ……んっ」 もう、だめだ……腰が浮いて……力が…… なんか、きちゃいそうだ…… 「はい、おわり」 「……え?」 その何かが来る直前、カナはそう言って私のそこから手をどけてしまった。 さっきまで止めろと言っていたのに、止めたとたんに残念そうな声を出した自分が恥かしい。 「さっき言った百合ってのはな、女が女を好きになる事を言うんだよ」 「……そう」 何をイライラしてるんだ……。 私はそっけない返事をすると、カナに背を向けて布団をかぶった。 「それにしても、まさかチアキも百合属性があったなんてな」 「うるさいよ、バカ野郎…………ん?」 も? 『も』ってなんだ? それじゃまるで私以外にも―― 「やっぱり姉妹なだけあるよ」 「ちょ、ちょっと待て、じゃあもしかしてカナも――――」 「ああ、私もハルカもそうだぞ? ほら、ハルカなんて男の告白は全部断ってるだろ?」 知らなかった……そうだったのか。ハルカ姉さままで…… あれ? じゃあコレって別に恥ずかしい事じゃないんじゃないのか? いや、むしろ同じって言うならカナのバカだって…… 「じゃあ私はトイレ行くから――」 「おいカナ、ちょっと待て」 「な、なんだよ……? わわっ、ちょ、ちょっと、チアキ!? どこ触って……」 やっぱり……カナだって同じないか。 「カナ、その下着、濡れてると風邪とかひいちゃうから……」 「……でも脱いだら脱いだで風邪ひいちゃうだろ?」 「私のベッドに入ればいいよ。一人じゃ広いくらいだし」 そう言って、私はカナをベッドの中へと誘った。 もちろん寒さを凌ぐ為じゃない。この身体を冷ますために、私はカナと──── 「ただいまー」 「ハルカ姉さま?」 「……なぁチアキ、このベッド3人はいるかな?」 「まぁ……大丈夫じゃないか?」 そんなみなみけ。 いいねいいねー -- 名無しさん (2010-06-20 10 06 20) 名前 コメント 10-205氏 10スレ目 保管庫
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注:例のごとく知能指数が高いゆっくりが出ます。 ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 709 五体のおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 713 最後に聞く言葉 ふたば系ゆっくりいじめ 722 育て親への説教 nue052 にんげんをたおして ふたば系ゆっくりいじめ 787 ふたりなら ふたば系ゆっくりいじめ 800 TAKE IT EASY! ふたば系ゆっくりいじめ 852 よくしゃべるものたち nue069 大異変前 作者:ハンダゴテあき 「どうして このていどしか たべものさん よういできないの! まりさは ほんとうに くずで のろまだね! こんなつがいをもって れいむは はずかしいよ! れいむは しゅっさん あとだし おちびちゃんたちは せいちょうきなんだよ! わかっているの? こんなに すくなかったら ゆっくりできるわけないでしょ! すこしは ないあたまでも かんがえてね!」 「ゆぷぷ こんなりょうじゃ おとーしゃん こんばんも たべものさんぬき だじぇ! ゆっくちりかいしてにぇ! まりしゃが ゆっくりできちゃら うれちいんでしょ? そうにゃんでしょ?」 「きゃわいい きゃわいい れいむは やしゃしいから うんうんを たべりゅ けんりを あたえるよ! ありがちゃくおもっちぇね!」 朝から夕方までの狩りから帰ってきたまりさに、家族の投げかけた言葉はそのような内容だった。 食べ物の入った三角帽子をれいむに取られ、その中で食べかすを散らかしながら食事をするまりさの家族。 まりさが近づいただけで怒声をあげるれいむ。優しさや敬いをまるで見せない子供たち。 洞穴の隅にうんうんが溜まっていた。 これを捨てるのが、何時の間にか狩りから帰ってきてからのまりさのすることになっていた。 うんうんは葉の上に一つも載せられていなかった。 わざわざまりさにうんうんを咥えさせるためとしか思えなかった。 まりさは身体の横を使ってうんうんを転がし葉の上に載せた。後は引き摺って外へ運び捨てるだけだった。 ドン 背後からの突然の衝撃に、まりさはバランスを崩して、うんうんに顔を埋めてしまった。 臭いこそ消えているものの、まりさにとって、うんうんはうんうんだった。不快でしかない。 まりさは後ろを振り返った。家族たちは笑っていた。 まりさは顔にうんうんをつけたまま、無言で潰れたうんうんを外へ運び、捨てた。 近くにあった葉で顔についたうんうんを取り除いた。 洞穴に戻ると、新たなうんうんが出来ていた。まりさの帽子にそれらはあった。 排出されたばかりのうんうんはとてつもなく臭かった。 まりさは臭いが移りきってしまう前にと、急いで帽子を咥え、外に出た。 その光景が無様だったのか、再び笑い声が聞こえた。 うんうんを捨て、こびりついたうんうんを拭き取り、まりさは帽子を被った。 ゆっくりできない臭いがする。 まりさはそう感じた。 「くさいから ちかよらないでね! おちびちゃんたちに そんな ゆっくりできない においが うつったら いやだからね!」 「おとーしゃん くちゃちゅぎるじぇ! もっと まりしゃたちから はにゃれてね! なんにゃら おしょとでも いいじぇ!」 「たべものも ろくに とれにゃくて きちゃなくて くしゃくて ぐじゅで のろみゃなんて ゆきゃきゃ! ほんとうに つかえにゃい おとーしゃんだね!」 洞穴の一番温かいところにまりさの家族はいた。まりさはそこに近づけてもらえなかった。 出入り口の寒いところで、まりさは身体を休めた。洞穴の奥から「ゆぴーゆぴー」と幸せそうな鼾が響いた。 まりさはそっと結界を外し、洞穴から出た。 振り返り、誰も追ってきていないことを確認する。 まりさは近くにあった小石とを咥え、洞穴の右横の壁に傷をつけた。 縦に走っている白い線はちょうど三十本あった。十本ずつ三列に並べられている。 ――じゅう が みっつ 昔パチュリーに教わった、三以上の数字をまりさは数える。 間違っていないか、まりさは数え直す。 ――じゅう が みっつ ある まちがっていない まりさは近くにあった枝で、土を掘った。 一か月前に掘り、埋めなおした為、掘り返すのは容易かった。 土の中から出てきた白いビニール袋を二つ口に咥え、洞穴の中へ入れる。 出入り口に結界を張り直す。隙間が少なくなるよう、入念に、且つ音をたてずに枝や葉を嵌める。 結界を張り終え、まりさは後ろを振り返った。 洞穴の奥でまりさの家族たちは涎を垂らしながら眠っていた。 まりさはフッと頬笑み、ビニール袋から先の尖った木の枝を口に咥え、れいむの右目に突き刺した。 「……い いだいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 れいむの無様な叫び声に、まりさは笑みを深くした。 まりさはれいむの右目から錐を抜き取った。眼球がれいむから枝の先端へと移る。 まりさはそれを壁に払い投げ、今度はあんよに突き刺した。 「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! やめでやめでよぉぉぉぉぉぉぉ!」 「ゆぅん…… おきゃーしゃん うるしゃいじぇ! もっと しじゅかに するんだじぇ! きゃわいい まりしゃが ねているにょに さわぎゅなんて じょうっしきを うたがうん…だ…じぇ…」 「お、おきゃーしゃん?!」 目覚めた子供たちに、まりさはそれぞれのあんよに枝を突き刺した。 「い、いだいんだじぇぇぇぇぇ! なんで ごんなごど するんだじぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「ゆわぁぁぁぁぁぁぁん! いだいよ! いだいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! きゃわいい れいむの あんよが……あんよがうごきゃにゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 予想通りの言葉をあげる家族たちに、まりさは幸せを感じていた。 「まりざぁぁぁぁぁぁ! ごんなごとじで ただで ずむど おもっでいるのぉぉぉぉぉぉぉ!」 「おもっているよ」 鬼のような形相をしたれいむの怒声に、まりさは笑みを浮かべながらそう答えた。 「まりさは あんよを さしたんだよ れいむ もう うごけないんでしょ? たとえ うごけたとしても かりをしたことのない けがもしている れいむが まりさに かてると おもっているの?」 「うるざい うるざいぃぃぃぃぃぃぃ! れいむたちの どれいのぐぜに なまいき いうなぁぁぁぁぁぁ!」 「つごうが わるくなると すぐ はなしを そらすんだね あと まりさは れいむたちの どれい になったつもりは ないよ」 「なにいってるのぉぉぉぉぉ! ぐずで のろまな まりさを れいむは やさしいから どれいに してあげたんでしょぉぉぉぉぉ!」 「せっきゃく いまの いままで つきゃって あげちゃのに こんにゃのって にゃいじぇ! どれいは きゃわいい まりしゃを みて ゆっくり していたくしぇに!」 「どれいは どれいりゃしく れいみゅたちに したぎゃって いれびゃいいんだよ! なんで そんにゃことも わきゃらないの? ばかにゃの? しにゅの?」 「そんなふうに おもっていたんだ まりさは れいむのつがいに なっただけで どれいに なったつもりは ないよ かんちがいも ほどほどに してね」 まりさはれいむの右頬に枝を突き刺した。 「うがぁぁぁぁぁぁ! ごめんなざい ごめんなざい! れいむだちが わるがっだでず! だがら ゆるじでぐだざいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 「ま まりしゃも はんしぇい しちぇるじぇ! だから もう やめるんだじぇ!」 「れいみゅも あやみゃるよ! ごめんなしゃい! ほら あやまっちぇるでしょ! だきゃら はやく ゆるちてね!」 れいむが謝ったのを皮切りに、子供たちが謝っていく。 まりさはそれらを聞きながら、一つのことを伝えた。 「べつに まりさは あやまってほしくて こんなことを しているわけじゃないよ」 「じゃあ なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! わげの わがらないごど いわないでねぇぇぇぇぇぇ! れいむと おぢびぢゃんが あやまっでいるんだよぉぉぉぉぉぉぉ! どうじで ゆるじで ぐれないのぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 まりさの言葉にれいむは激昂する。 まりさは笑みを浮かべ、それに答えた。 「ゆるすも なにも べつに まりさは おこってないよ だから あやまる ひつようなんて なにも ないんだよ ないあたまで ゆっくり りかいしてね」 「だっだら なんで ごんなごど ずるのぉぉぉぉぉぉぉぉ! おごっでないのに ごんなごど するなんで あだま おがじいでしょぉぉぉぉぉぉぉ!」 「おこっちぇないのに まりしゃたちを きじゅつける にゃんて どうかしちぇるじぇ! ほんとうに ゆっくり できにゃい どれいだじぇ!」 「どれいは やっぴゃり どれいだね! きゃわいそうな あたまを しちぇるきゃら こんにゃこと しちゃうんだね!」 「そうだよ まりさは あたまが おかしいんだよ」 洞穴がシンと静まり返る。 「おちびちゃんの いうとおり まりさは どうかしてるし かわいそうな あたまを しているよ だって まりさは ゆっくりを ころすことで ゆっくりを かんじる ゆっくりだから」 まりさは話を続ける。 「いままで たくさんの ゆっくりを ころしてきたよ ほぼ まいにち ころしまわったよ れいむ まりさ ありす ぱちゅりー めーりん ちぇん ようむ ゆうか さなえ かなこ すわこ らん みんな ころして あげたよ ぜんぶが ぜんぶ ざんぎゃくな ほうほうで ころしてあげたよ ああ ほしょくしゅも ころしたことが あるよ れみりゃに ふらんも きのえだで めったざしに したことが あるよ すごく たのしかったよ たのしすぎて なんども すっきり しちゃうことが あったよ」 まりさは枝を地面に置き、れいむの顔のすれすれまで身体を近づけた。 「でもね さいきんは そうでも なくなってきたんだよ ゆっくりを ころしても すっきり できなくなって しまったんだよ たぶん なれてきたから だろうね しあわせそうな いっかを ざんさつしても なにも かんじなかったんだよ まりさは かんがえたよ どうしたらいいかって そこで まりさは おもいついたんだよ がまん してみようかなって いままで ほとんど まいにち ゆっくりを ころしてきたけど すこし かんかくを あけてみようかなって がまんして がまんして ためこんだ おもいを はっさんしたら すっきりできるかも しれないって」 まりさはれいむに息を吹きかける。れいむは顔を青褪めながら震える。子供たちもまた、そうだった。 「れいむを えらんだのは そのためだよ れいむは みるから げす だったね げすさが にじみでていて だれも そばに よりつかなかったね でも まりさにとっては つごうが よかったよ げすと くらしたかったから なるべく きつめに がまんを したかったからね れいむに おとなしく したがったのは そのためだよ でも それも きょうで おしまいだよ じゅうが みっつに なってね きょう ためそうと おもうよ れいむたちを さしたとき しあわせを かんじたから ころせば きっと すっきり できるだろうね」 まりさは舌でれいむの顔をベロリと舐める。れいむたちの震えはより一層強くなった。 「はなしは これで おわりだよ いいかんじに おびえてきたね そういう ひょうじょう まりさは すごく すきだよ これから たくさん いたみつけて いたみつけてから ころしてあげるね らくには ころさないよ ふたつの ふくろには かたほうに まりさの あつめた ぎゃくたいどうぐ もうかたほうには ほぞんしょくが はいっているよ ながい ながい じかん くつうを あじわい つづけてね まりさを たくさん たくさん よろこばせてね すっきりを いっぱい させてね そうだね もし まりさに つぐないたいのなら それが つぐないに なるよ ごめんね まりさ ほんとうは つぐなって ほしかったんだね さっきは うそいって ごめんね ゆふふ それじゃあ はじめるよ? ゆっくりしていってね!」 真夜中、洞穴に三匹の嬌声が響き渡る。 まりさはひたすられいむたちに暴力を振るい続けた。 そしてまりさはその最中、すっきりを果たした。 初めてゆっくりを殺したときに味わった、それに似ていた。 ・あとがき 毎日自慰するよりも間隔あけてした方が気持ちいいよって話。 虐待パート書けな過ぎてこうなった。 あと読み辛いとのことなので、改行したり、いろいろ試してみたんですけど、 読みやすくなったでしょうか。 最後まで読んでくださった方ありがとうございます。 挿絵:M1 挿絵:M1
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夕日が差し込む放課後の教室。 藤岡が自分の席に座っている。その膝の上に、ケイコは横座りで腰を下ろしていた。 上半身は藤岡の胸元に預けている。 「…ねぇ藤岡君」 「なんだい、ケイコちゃん」 藤岡はケイコの髪に指を遊ばせながら問い返す。 「私の事…好き?」 すっ、と藤岡の手が髪から抜かれケイコの腰に回された。さらにケイコの身体を引き寄せる。 そして耳元で囁く。 「もちろんだよ」 「でも貴方は…」 「いいんだ」ケイコの言葉を遮ると藤岡は続けた。 「今の僕には君しか見えない」 「なら証明して。わ私のす、全て、を…」 「カ~ット!!」 カナがツカツカと二人に歩みよる。 「な~んだよケイコ、なんで肝心の所で噛むかな~」 「そう言われても…」 「私が監督する以上、完璧な映画にするんだ、いやしてみせる! 目指せゴールデンラズベリー賞!」 「それってダメなんじゃ…そもそもなんで映画なの?」 「私は何にでもなれる可能性を秘めている!」 意味が分からない。ケイコは心の中でため息をつくと抵抗を試みる。 「やっぱり私には向いてないよ。リコに頼んだら? 喜んでやってくれると思うけど…」 「ああリコは無理だ。試しにやらせてみたんだけど、シナリオを無視してフランス書院かマドンナメイトな展開になったので降りてもらった」 今さらりと、とんでもない発言が聞こえた様な… 「と、とにかく私には無理!他の人に変えてちょうだい!」 「なんでだよ~、やってくれよ~」 困り果てたケイコはふと妙案を思い付いた。 「ならカナがお手本見せてよ、藤岡君と」 「わ、私!?」 夏奈の顔色が変わった。 「そ、藤岡君とカナの絡みを見て参考にするから」 「む、無理無理、私は監督だし~」 ぶんぶんと手を振り必死に拒否する。 そんな夏奈にケイコは追い討ちをかける。 「カナは何にでもなれる可能性を秘めているんでしょう? それに演技指導は監督の仕事でしょう?」 「ふ、藤岡、座るぞ?」 「ど、どうぞ南」 藤岡の膝にチョコンと座る夏奈。まるで借りてきた猫の様だ。 そしておずおずと藤岡の胸元に身体を預ける。 それに合わせ藤岡が夏奈の髪の生え際に指を這わせる。 「ひゃんっ!!」 夏奈の口から、素っ頓狂かつかわいらしい声が聞こえた。 「ご、ごめん南」 慌てて謝る藤岡に噛み付く夏奈。 「おまえな~、いきなり触られたら、その…びっくりするじゃないか」 首筋まで真っ赤になりながら抗議するが、藤岡と目が合うと慌てて逸らしまたチラチラと見る。 藤岡の顔も真っ赤だ。 「ミミミ ミナミ!」 「フフフ フジオカ…」 どこのFINAL ATTACKRIDEよ…ケイコは心中で突っ込みを入れつつ、これでいいんだと思った。 (こうでもしないと、いつまでたっても進展しそうにないもの…カナもそろそろ自分の本音と向き合うべきだわ) そして、自分の髪を撫でた藤岡の指の感触を思い出し、ほのかに芽生えていた一つの感情を押し殺した。 ぽつりと「これでいいんだよね」 自分の感情よりも親友の事を優先してしまう少女は呟いた。 「なんだろう、この光景…今なら口から2キロ位砂糖吐けそう」 ビデオカメラを構えたままアキラは呟いた。 つづくわけがない 名前 コメント 10スレ目 4989氏 保管庫
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焼き橙│和(駿州)│果部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi3/maki-7329.htm
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「まりちゃはちゅよいんだじぇ!まりちゃはどしゅなんだじぇー!」 ………なんだよこいつ? へへっ!面白いだろ?この赤まりさ、自分の事ドスだと思ってるんだぜ! 「やい、くちょにんげん!まりちゃはあまあまがたべたいんだじぇー!はやくもってくるんだじぇ!」 ドスっていうより、ドゲスじゃないのか? ってか、何でこいつはこんなに得意そうなんだよ? ただでさえ、うぜぇ赤まりさなのに、うざさが上がってる気がするけど? 馬鹿だなー。 それが良いんだろ? 勘違いさせて調子に乗らせてから、地獄に落としてやるのが良いんだよ! 「にゃにぐじゅぐじゅしてるんだじぇ!はやくちないちょ、どしゅしゅぱーくをおみまいしゅるのじぇ?」 ほら、面白いだろ?ドススパーク撃てる気になってるんだぞ? こいつがいくら頑張っても、精々出るのはうんうんかしーしーするくらいなもんだろ? ほら、撃ってもかまわないぞ?やってみろよ? 「ゆうぅぅぅ!まりちゃ、おこっちゃよぉぉぉ?!どしゅ、しゅぱーきゅ! ………どうなんだじぇ?いちゃい?あやまっちぇもおしょいよ!」 あーだめだ。 俺、こういうのはすぐ潰したくなる。 俺には合わないわ… そうか?じゃあ、そろそろ潰しちゃおうか? いや、どうせ殺すなら苛めようか? 「ゆう?どうちゃんだじぇ?まりちゃのどれいになるきに………」 「ゆびゃぁぁぁん!いちゃいんじぇぇぇぇぇ!やめるんだじぇぇぇぇ!どしゅしゅぱーくうちゅんだじぇぇぇ?!」 はははっ!出てるのはドスしーしーだろ?まりちゃは強いんじゃなかったの? ドスなんでしょ?ドスなら人間さんをやっつけてよー。 「やめちぇぇぇぇ!まりちゃのおしゃげしゃんひっぱらないでぇぇぇ!ゆびゃぁぁぁん!おぼうしかえしちぇぇぇ!!」 ドスだったら、自分で何とかしてみろよ! ったく、ドスがそんなに泣くなんて、まりちゃは弱ドスだなー。 「まりちゃはちゅよいんだじぇー!だからいじめにゃいでぇぇぇ!いちゃいのいやなんだじぇぇぇぇ!!」 ほらほら、雑魚ドスまりちゃちゃん。 頑張って抵抗しないと潰しちゃうよ? 「やめちぇぇぇぇぇ!きょわいんだじぇぇぇぇ!おきゃーしゃ、たしゅけちぇぇぇぇぇ!!」 ドスがお母さんだってさ。 可愛いドスでしゅねー、まりちゃちゃん。 「ゆびぇぇぇぇん!まりちゃ、どしゅやめるんだじぇぇぇぇぇ!だからもうやめちぇぇぇぇぇ!!」 完 徒然あき