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* 天谷 小雪 薙刀士 父:おぼろ幻八 母:紅映 * 出来ないものは仕方ないもんっ 読み方は、こゆき。 双子の姉の方。『人以外の血』が強く出たか…どちらかといえば、桂馬のように鬼的な特徴が出てきている。気性は激しく、子供っぽい面も。子供と付き合うという事が苦手で、自分の子供ですら訓練以外では、ほとんど顔を合わせることがなかった。 交神相手は鎮守ノ福郎太(二回目)。どうせ交神をするのであれば、優しくて大きい人がいい。という事で選択。それでも、きちんと儀式を済ませた後は…戦場に戻るべく、まっすぐ家に戻ったとか。 感情のコントロールがなかなか利かず、それをちゃんと理解してすべて受け止めてくれるのが妹の紗雪だったらしい。事あるごとに紗雪に食って掛かって…言い過ぎたと反省してしょんぼりしているという姿が良く見られている。 些細な事で揺らぐ自分の心に鬼を見出し、自分が心の鬼に取り込まれてしまう事を極端に恐れていた。 寂しくて、妹の手を握らないと眠れない方 交神相手 子供 性別 職業 鎮守ノ福郎太 誠太 男 薙刀士 遺言 もしも 私が死んで 鬼に変じるようなら 迷わず斬ってね。 お願いよ
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* 天谷 梓乃 九代目当主・槍使い 父:秀司 母:九尾吊りお紺 * ありゃりゃりゃりゃ… ありゃ? 読み方は、しの。 父の後を踏襲したのか、仏像顔(笑)。ただし、こちらは可愛い道祖神風味。 交神相手は嘗祭り 露彦。儀式完了後「所で、私って…性別どっちだっけ?」と、真剣に悩んだとか。いったい何があったんだ。 何度か討伐に行った際に、己たちの実力が『悲願達成にはまだまだ足りない』事を痛感。(その時点で、特定の人間が頭一つ突出しているような印象があった)六代目に倣い、術の充実や投資・育成などに力を入れ…天谷の基盤をより強固なものへと導いていく。 唯一の悩みは息子の千尋。実力などは申し分ないのだが…なんというか…父神に似なくていい所ばかり似てしまった。それでも、ありのままを受け入れ…結果、立派な男好きに… …ありゃー… 神社のお賽銭投げがやたらと上手い方 交神相手 子供 性別 職業 嘗祭り 露彦 千尋 男 槍使い 遺言 昨日は、眠るのが もったいないような 月夜だったネ…
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* 天谷 苑 薙刀士 父:大河 母:おぼろ夢子 * ドヤァ! 読み方は、その。 ワルガキでいろいろブイブイ言わせていた大河の性格が色濃く出ちゃった娘。おとなしそうな顔をして、騙される人間数知れず。 交神相手は崇良親王。ていうか、解放した翌月に交神。「あの時の笑い方が、なんだかいろいろ擽られたというかぁ…。キュン死しちゃったというかぁ…」ついでにいえば、氏神にまでなって追っかけちゃったんですよね。あーた。 イイにつけ悪いにつけ…何か一つあるたび、家人やイツ花に鼻息荒く逐一報告。もう、すっごいオープンすぎて、女であることを少々忘れ気味。ついには「それは報告しなくていい」と、ひとつひとつ対馬が釘を差していったほど。(余談だが…対馬も教育係だったころの大河の影響もあってか、苑の突飛な行動に対しては…さほど驚く様子はなかった。ある意味一番の理解者) 一応、自分が割と『アレ』な人という自覚はあったらしく、息子の鴇雄には「かーちゃんじゃなくて、対馬さんを参考にして生きるんだよ。」と言い聞かせていた。(でも、決して放任はしていない。ちゃんと彼女なりに息子を愛していたし、息子も母が大好きだった。かーちゃん、『アレ』だったけど。) 拳骨が口に入ってしまう方 交神相手 子供 性別 職業 崇良親王 鴇雄 男 薙刀士 遺言 あたし…何か残せたのかな… 死後…氏神・天谷天遊子として奉られる。
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第百十四話 俺には結局これしかない 投稿者:兄貴 投稿日:10/06/26-00 10 No.4363 「コロシテヤル・・・」 溢れだす、憎悪、憤怒、殺意。 これほどの禍々しい感情を溢れだすのは本当にあのネギなのか? あの誰からも愛された、愛くるしい少年の姿なのか? その異形に誰もが声を失っていた。 だが、少年は止まらない。 「殺すって、・・・君~、先生がそんなこと言っちゃダメでしょ~。子供だからじゃ許されないよ? ひはははは」 目の前の男を滅ぼすために。 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」 「!!」 正に一閃。 雷神のごとき速さに魔人の獰猛さを兼ね備えたネギの右の爪が、正面からユウサを引き裂き、吹き飛ばした。 「な、ネ・・・ネギ!?」 あまりにも暴力的な攻撃は、ユウサを南国の森林の奥深くまで吹き飛ばし、密林の木々がが激しく音を立てて倒れていく。 「・・・ひはは・・・あ~あ・・・」 遥か彼方まで吹き飛ばされたユウサは、頬に真っ赤に染まった爪痕を刻まれたまま、しかしニヤニヤとした笑みは崩さない。 「中々いい具合に染まってるじゃないの、ネギ君。俺がPTAの関係者ならクビだよ? 今は公務員の数が減らされて日本は大変なんだろ?」 「グウウ!」 密林から飄々と吹き飛ばされた道を戻ってきたユウサ。 その瞳には獣のような呻き声を上げて睨んでいるネギに、この状況に手が出せない少女たちが一歩下がって見ていた。 「ひはははは、光に愛された坊やだと思ってたが、中々腹黒い本性をお持ちのようで。こりゃあ~、君の親父とどっちが強いのかを確かめたくなったね~」 「ダマレ・・・」 「ん?」 「黙れと言っているんだァァ!!」 アスナを、エヴァを、仮に偽物とは言え目の前で血まみれにされたのだ。 その元凶たるこの男へ抱く負の感情は、もはや臨界点を遥かに超えていた。 「・・・ひははは・・・・おもしれえ!!」 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 ほんの挨拶と悪戯が目的だったのだが、・・・いや・・・この男の考えは分からない。 しかし、今は目の前に居る魔に落ちた少年に対して、ユウサはまるで新しい玩具を手に入れた子供のようにハシャイでいた。 「ま、まずいでネギ! 完全にヘルマンの時と同じや!」 「ああ、兄貴のやろう、怒りでオーバードライブしてやがる・・・さらに今回は闇の魔法のオマケ付きだ! 早く止めねえと!」 「・・・カモさん・・・しかし・・・止めるって・・・」 「・・・おい、桜咲! 先生を止めなくていいのかよ!? なあ、・・・龍宮!」 「・・・どうやってだい? とてもじゃないが手を出せる状況じゃない」 魔人と鬼人。 もはや神話ですら語れそうな領域の戦いに、どうやって手を出せばいいのか。 「炎熱地獄!!」 「ガアアアア!!」 ――雷天大壮!! 「ガアガア、ウルセエよ小僧!!」 天の怒りと、地獄の業火がぶつかり合う。 暴走状態での雷天大壮を使うネギは、まるで天よりの雷の如く舞い降り突進し、対するユウサは天に目掛けて燃え盛る炎を巻き上げた。 二つのエネルギーのぶつかり合いは、幻想空間にまるで天変地異を引き起こしたのではないかと感じさせるほどの影響を感じさせた。 だが・・・ 「ウガアアアアアアアアアア!!」 「ッ!?」 軍配が上がったのはネギ。 ――千磐破雷(チハヤブルイカヅチ)!! 周りが見えぬほど真っ直ぐしか見ない暴走状態のネギは、何と真っ直ぐなまま地獄の業火を突き抜けてユウサに突進し、正に天罰の雷を地獄の鬼に叩き込んだ。 「ぐっ・・ガハアッ!!」 ラカンやシモン。二人の強敵にしか使用しなかった大技を手加減なしで叩き込んだのだ。 この巨大な一撃はユウサに確かな爪あとを刻み込んだ。 だが・・・ 「ひははははは、やるね~、でも・・・・・・我を失ってこの程度かい? まだまだ親父には敵わねえかな?」 鬼の笑みは消えない。 鬼は死なず、倒れず、歪んだ狂気を振りまいた。 「ウガアアアアアアアアアアアアアア!!」 その狂気を引き裂かんとするネギの咆哮は、もはや人のそれではない。 底知れぬ不の感情を次から次へとあふれ出し、その姿はまるで・・・・ 「くっ・・・・ネギ坊主・・・」 「・・・ネギ君・・・」 彼を良く知る彼女たちですら、表情を強張らせるほどの・・・ 「あれ・・・本当にネギ君なの?」 ユウサと同じ、化物にしかみえなかった。 「ひはははは、何を怒る? 偽姫様も偽エヴァちゃんも文字通り偽者よ! 目がさめたら消えるだけの幻に過ぎねえ! 架空の人物の死にブチ切れて人を殺そうとするなんざ、そこら辺の二次元オタクより始末がワリーぜ! キモイぜ!」 ユウサは快楽のために。 「ダアアアマアアアレエエエエエエ!!!!」 ネギは憤怒ゆえに。 「あっ、ひょっとしてお前あの二人も狙ってたのか? あ~、いいんだいいんだ君も男の子だもんな♪ でなけりゃ思念体や敵の女がやられたぐらいで憎悪なんて抱かねえだろ? つまり女を自分のものに出来なかった腹いせに俺を殺したいわけ~?」 「ダマレトイッテイルンダアアアア!!」 互いの胸に秘めた感情こそ違うが、とにかく抱くのは殺意だ。 ネギは確かに強くなった。それは誰もが認めなければならない。 だが、今の戦いを見ていると、恐怖を覚えるだけで、決してネギに感動を感じなかった。 だからこそまずい。 このままでは本当に自分たちの知るネギは居なくなってしまうかもしれない。 しかしどうやって止めればいい。 下手をすれば、自分たちの命も危ない。 どうやってネギを不の感情から解き放てるのか? するとそんな時・・・ 「う・・・・うう・・・わた・・・しは・・・」 ネギを止められる可能性を持つものが目を覚ました。 アスナに化けていた少女だ。 「はっ、気づいたん!? しっかりし! 大丈夫やから! せやからあんたも気合入れるんや!」 「・・・あなたは・・・・近衛木乃香・・・そうか・・・私は・・・ッ!? ゲホッ、ゲホッ」 「ああ、まだ寝てなあかん! 傷は深いんやから」 「そう・・・私は正体がバレて・・・それで・・・」 腹部に手をあてると、自分の身に起きたことを思い出したのか、少女は身震いした。 無理もない、普通ならショック死をしてもおかしくないほどの出来事だったのだ。 「おい・・・あんたはところで誰なんだ? フェイトの仲間なのか?」 目を覚ました少女に千雨が尋ねるが、少女は答えない。顔をプイッと横に背けた。 「おい!!」 「千雨ちゃん、今この子を責めたらアカン。まだ目を覚ましたばっかなんやから」 「でもよ!」 「それに今は・・・ネギ君の方が・・・・」 木乃香は少女の治療を続けたまま、浮かない表情で上空を見上げる。 「ネギ・・・さん? ネギさんがどうしたんですか!?」 「えっ?」 するとネギの名前に反応したのか、少女は急に取り乱したように木乃香の服にしがみついた。 「えっ? ・・・一体ネギさんに何が・・・・・・えっ!?」 少女の瞳に映ったのは、自分を半殺しにした男と、魔と化したネギが繰り広げる人外の戦いだった。 「なな・・・ネギさん・・・なんで?」 「ネギさんだ~? まあ、・・・簡単に言うと、ブチ切れちまったんだよ。目の前で神楽坂の姿をしたお前が傷つけられたからな」 「あっ・・・」 アスナの姿をした自分。 そういうことかと直ぐに納得できた。 「アスナ姫と・・・ネギさんは・・・お互い強い絆で結ばれているんですか?」 「あ・・・あ~?」 「・・・なんでそう思うん?」 「・・・・私の能力は、相手の人格や記憶を完全にトレースする究極の変装魔法・・・だから私には分かるんです・・・アスナ姫の感情が・・・とてもとても強い想いだと」 木乃香も千雨も、少女の言葉には納得できた。 そしてだからこそ、今のネギの怒りは仕方のないことなのだと思わずには居られなかった。 「おい、そいつは敵の娘だ。いつまでもゴチャゴチャ話していないで、今は先生をどうにかする方が先決だ」 「そうでござるな」 「しかし龍宮さん、どうやって・・・・とてもではありませんが介入した瞬間に巻き添えを喰らいますよ」 「くっ・・・・こんなとき・・・・シモンさんが居てくれれば・・・・」 今は敵の少女より、あのネギをどうするかだ。 しかしこれほどのレベルの暴走した殺し合いには、流石の龍宮たちでも簡単には介入できない。 「ひははははは、こりゃまた立派なケモノに育ったもんだな。親父も母親もさぞ鼻が高いだろうな」 「アガ?」 「世界を敵に回してまで愛を貫き、結ばれた二人の間に出来た子供が今じゃ立派なケモノの仲間入り。ひはははは、何が親父の意志を受け継ぐだ。殊勝なこと言って本音は血を見るのが大好きなんだろ? 分かるぜ~、なんてったって母親は災厄の女王様! 資質はバッチリだーーーッ! 草葉の陰から両親も涙を流して喜んでるぜ!!」 「!!!!」 だが時間はない。 「いいんだよ、誇れよ! 人間ってのは他人を傷つけることでしか存在価値を見出せねえ! 敵を作り、その中で正義や友情、平和を探し求めている! だから戦争は絶えねえんだよ! もしその敵が居なくなったら人はどうなる? 無気力で覇気のない奴らが世界に広がるだけだ! だから肯定するべきなんだよ! その姿こそお前が求めるものだってよ!」 このままではユウサの挑発はエスカレートし、ネギは本当に完全なる魔に身を落としてしまう。 それだけは絶対に出来ない。しかし手が出せない。 すると、何か手はないかと皆が頭を振りしぼっている中で・・・・ 「・・・・アスナ姫なら・・・止められるでしょうか?」 「「「「「「「?」」」」」」」 「アスナ姫ならネギさんを止められるでしょうか」 少女はまだ傷が深いにもかかわらず、無理やり体を起こした。 「ちょっ・・・まだ寝てな・・・」 「確かにアスナ殿なら・・・しかしどうやって?」 「この姿で無事を報告すれば・・・・ネギさんは止まってくれますね!」 「「「「「「「あっ!!!!」」」」」」」 少女は傷ついた体で再び能力を使い、アスナの姿になった。 少女の傷はそのまま請け負っているが、確かにアスナが目の前に居た。 「待て、危険だ! その傷で何ができる!」 「そうでござる。いくら木乃香殿の治癒呪文とはいえこんなに早くは・・・」 そう、楓の言うとおり、こんなに早く治るはずはない。 偽アスナは傷の痛みに耐えきれず膝をついてせき込んだ。 「うっ・・・うう・・・」 「ほら、無茶や! そんなん無茶して・・・・「でも!」 ・・・・アスナ?」 「私・・・約束しっちゃったから・・・・」 目の前に居るのはアスナではない。 しかし傷だらけでも無理やり見せるその笑顔・・・・ 「私・・・シモンさんと約束しちゃったのよ・・・・」 「・・・アスナさん・・・」 この想い・・・ 「道に迷ったネギをぶん殴ってやるのは私だって・・・約束したのよ・・・・だから・・・」 「神楽坂・・・」 「オチオチ寝てなんかいられないっての!」 やはりアスナだ。 いかに魔法で作られた偽物とはいえ、これはアスナだと誰もが思ってしまった。 「大丈夫! 必ず目を覚まさせてやるわよ、私を誰だと思ってんの!」 例え偽者でも本物でも、アスナはアスナなのだと、その力強い笑みが語っていた。 ――雷速瞬動!! 「ぐぬう!?」 「グオオオオオオオオオオオオオオ!!」 まるで暴風のように暴れまわる雷の拳足は、強靭な肉体を誇るユウサの肉体を容赦なく痛めつけていく。 ユウサの速度もシモンや瀬田と並ぶほどの速さを誇っている。 しかしその速さが鈍足に見えるほど、二人のスピード差は激しく、ネギの前にユウサは滅多打ちを食らっている。 (は・・・速え・・・) 怒り任せの攻撃ほど予測しやすいものはない。技も大振りでカウンターの餌食になりやすい。 にもかかわらず、この現状は何だ? (このガキ・・・速さの桁が違う) ユウサが手も足も出ないほど、今のネギの力は飛びぬけているのだった。 (戦闘経験や臨機応変さは冒険王・・・破壊力ならシモン君とジャック・ラカン・・・だが・・・この小僧は・・・性能において奴らを遥かに凌駕してやがる!) 接近戦では分が悪すぎる。 ユウサは距離を取るべく、全身から周囲360度方位、シモンのフルドリライズのように肉体に棘を生やし伸ばした。 「針山地獄!!」 「ガアアッ!?」 「ひははははは、距離とった!!」 暴走状態だが、ハリネズミのように針を全身から伸ばすユウサに攻撃することを本能で止めた。 その隙にユウサはネギと距離をとり、右腕に小さな渦巻きを作り、徐々にそれを巨大化させた。 「属性的に雷は・・・風に弱えんだろ!!」 「ガッ!?」 「竜巻地獄!!」 瀬田とシモンを血まみれに引き裂いた竜巻の渦がネギを包み、その風の刃が雷化したネギを容赦なく切り裂いていく。 「グガアアアア!?」 「ひははははは、天空で散開しな!!」 属性の相性として雷は風には弱い。そんなことは魔法に齧っているものならば誰でも知っている。 だが・・・ 「ヌググググウ」 「へっ?」 「グガガガガガ」 「・・・おいおい・・・ひははは・・・まじで? ひはははははははは、これほどとはな!」 風に囚われぬほどの憤怒が・・・・ 「グアガアアアアアアアアアアアアアア!!!」 地獄の竜巻などを吹き飛ばした。 「かかか、もう完全に化け物じゃないの。力に魅入られて手にした力。ひははは、君も満足だろ」 今のネギを阻めるものなど何もない。 属性も、戦力もクソもない。 ただの性能だけのぶつかり合い。 しかしその性能だけで最早無敵に近い力を得ていた。 だが、鬼は笑う。 (ひはは・・・だが、今のうちに俺を痛めつけておきな・・・・最後の最後で真っ逆さま・・・阿鼻地獄に落としてやるさ!) 鬼は機をうかがっていた。 一発逆転を繰り出す最悪の地獄を隠していた。 シモンにすら見せた地獄に、今僅か十歳の少年をその地獄に叩き落そうとしている。 竜巻を吹き飛ばし、ネギが目指すはユウサのみ。 一直線上にユウサ目掛けてネギは突進する。その存在を完全消滅させるために。 だが、ユウサはその瞬間待っていたとばかりに右腕でネギに掴みかかろうとする。 「ガアアアアアアアアアアアアアア!!」 「ひはははは、落ちろ! 阿鼻地獄にな!!」 ネギが速ければ、この一撃でユウサは倒せるかもしれない。 だが、ユウサが先に掴んでしまえば、これまで蓄積されたユウサの痛みをそのままネギが請け負うことになる。 そうなれば悲惨な結末しか予想できない。 だが、その二人のぶつかり合いは・・・ 「ネギィ!!」 「!?」 「ア?」 熱き思いを宿した少女によって妨げられた。 聞き覚えのある声。 アスナの声だ。 幻聴か? いや・・・ 「ネギィ、歯ァ喰いしばんなさああああああああああああい!!」 違う! 確かに聞こえる。 「・・・・・・ア・・・スナ・・・サン?」 ユウサも思わず動作を止め、暴走化したはずのネギもその言葉に動きを止め、視線をそらした。 すると思いっきり拳を振り上げたアスナが、ぐんぐん迫ってネギにぶち当てた。 「!?」 大きな音を立てて拳がネギの顔面に直撃し、その威力でネギが空中から落下してしまった。 たかが女の拳で殴られただけだ。 なのに、痛みを感じる。 顔面に直撃した衝撃はとてもとても痛かった。 だが、その痛み、思いはどこか懐かしく、暴走したはずのネギの意識を取り戻した。 「ア・・・アスナさん」 地上に落下したネギは顔を見上げる。 すると同時に着地したアスナが堂々とした姿でそこにいた。 血を流しながらも、天に向かって力強く指さすアスナが居た。 「ネギ! あんたは自分を誰だと思ってんの!」 「・・・えっ?」 「あんたの魔法は、勇気と奇跡を引き起こす魔法でしょ! そんな変態にゴチャゴチャ言われたぐらいで何取り乱してんの! どんな時でも、私たちも一緒に居る!! 何も不安なんかないでしょうがああああ!!」 アスナが本物か偽者か、その定義を考えれば目の前に居るアスナは偽者に当たる。 「一人で悩んでんじゃないわよ! 一人でいじけてんじゃないわよ! 仲間がいたり、シモンさんとかラカンさんとか、色々な人と出会ったりして、あんたも強くなったんでしょうが! だったらこんなときも一人で居るんじゃないわよ! だが、この想いは何だ? ネギは感じる。 「アスナさん・・・・・僕は・・・・・」 負の感情で覆いつくされたはずのネギの心の内から燃え上がるようなこの気持ちは。 負けるなと、自分自身の闇などに負けるなと心が叫んでいる。 思い出す。自分のこれまで積み上げてきた想いを。育んできたものを。 「大丈夫!! 自分を信じなさい!! あんたが信じる、あんたを信じなさい!!」 ネギも、そしてクラスメートの少女たちも感じた。 このアスナは偽者でも、この想いは本物だと。 「あっ・・・あっ・・・・」 ならば自分はその想いにどう応える。 「は・・・・はいッ!!」 未来を見据えて希望に満ちたネギ。 敵の少女のものなのか、それとも偽アスナのものなのか、それは分からない。 だが、偽者とは到底言えぬほどの大きな想いを受け取ったネギは、自分を取り戻した。 「なにッ!? 戻ったア!? おいおいおいおいおい! 人がせっかく仕込みをしたのに何だそりゃア!?」 負の感情を消し、闇を調伏したネギの瞳は、ユウサの理想をかけ離れ、地獄の底に住む鬼には目を覆いたくなるほどまぶしく見えた。 「ネギ・・・やりゃあ・・・できるんじゃ・・・な・・・い・・・」 「アスナさん!?」 そしてアスナが力尽きたように倒れこんだ。 無理もない、先ほどまでどれほど重度な状態だったのかはこの目にしっかりとやきついているのだから。 ネギは慌てて駆け寄り、アスナの体を抱き起こす。 すると少女の体が再び光に包まれ、変装が解けた。 ネギの腕の中には、アスナではなく見知らぬ少女。 「あなたは・・・」 「・・・・・・・・・・・・ルーナ・・・・・・」 ようやくその名を告げた少女。 傷で痛んだ体に力は無く、そして複雑な表情を浮かべた。 「ネギ・・・さん・・・」 少女、ルーナは一体何を思ってあんな行動を起こしたのかは分からない。 しかし、名を告げた瞬間、再び口を閉ざした。 「ルーナさん・・・・・本物のアスナさんは?」 ネギは抱きかかえたルーナに丁寧な口調で尋ねる。 「・・・・・本物のアスナ姫は墓守の宮殿に居ます・・・・・」 ルーナを抱きかかえているネギには分かる。 ルーナの体は震えていた。その震えは恐れかもしれない。 無理も無い。ネギの大切な人を攫うのに手を貸し、あまつさえずっと偽り続けてきたのだ。 責められても、罵倒されても仕方が無い。 だがネギは・・・ 「そうですか・・・・・・・ありがとうございます。ルーナさん。おかげで助かりました」 「え・・・・」 「もう・・・僕は大丈夫です」 いい意味でも悪い意味でも、底なしに甘いが、その分優しい心を持っている。 ネギは許す許さないではなく、最初からルーナを責めたりなどしない。 むしろ負の闇に囚われていた自分にここまでしてくれたルーナに対して感謝していた。 だからこそ・・・ 「今度は僕が応える番です。アスナさんと・・・そしてルーナさんの想いに対して」 その想いを胸に、ネギは再び、いや、今度こそネギ・スプリングフィールドとしてユウサと向き合ったのだった。 「おいおいおいおい・・・なんだよそれ・・・そんなつまんね~フラグが何で立つんだ~? これはあれだ。レベルをMAXまで上げて、クラスチェンジもして最強に育てたキャラをセーブし忘れて最初からみたいなガッカリ度だぜ! あ~あ、せっかく面白かったのによ。一度やったことをもう一度繰り返すことほどつまらねえもんはねえ!」 そんなネギに対してユウサは非常に不機嫌そうに落ち込んでいた。 先ほどまで闇に落ちかけたネギにランランとしていた姿はもう無かった。 「とにかく・・・・・」 「ネギ君、後ろや!?」 「えっ!?」 「その出来損ないのムカつく幻を無に返してやろうじゃねえか!!」 即座に背後に回りこみ、鋭い鬼の爪を光らせて、ネギごとルーナを貫こうとした。 だが、そんな時・・・ 「捨て駒の癖に俺の遊びを邪魔するんじゃ・・・・・むっ!?」 銃声が響いた。 突如発砲された弾丸がユウサに迫る。 辛うじて交わすと、弾丸の飛んできた先には龍宮が構えていた。 「黙れ、外道。鉛玉をケツの穴からブチ込むぞ」 もう彼女たちも許しはしない。 ユウサが飽きようが飽きまいが、彼女たちはユウサに、そして自分たちの無力さが許せず、さらに敵の少女の根性に突き動かされ、恐れを捨ててユウサを取り囲んでいた。 龍宮が弾丸を飛ばし、ユウサの頬を掠めさせた。 辛うじて交わしたユウサだが、頬から血が流れ、殺意を一気に龍宮に向ける。 だが、龍宮は怯まない。 それどころか・・・ 「悪いが・・・ここまで怒りを覚えたのは拙者も初めてでござるよ」 「覚悟せえよ・・・鬼野郎!」 「神鳴流の名に賭けて・・・・」 「神の・・・いえ、グレン団の旗に誓って」 「敵の女にあんだけ気合見せられたら、兄貴が居なくっても・・・・」 楓、小太郎、刹那、シャークティ、美空も、戦う意志を胸に宿し・・・ 「「「「「「ここで貴様をぶったお(す)(すでござる)(します)(すよ)!!」」」」」」 ユウサを打倒することを叫んだ。 その言葉を聞いてユウサの額に青筋が浮き出た。 「ア゛ア゛? やって・・・みろよ、クソ餓鬼共。地獄に落ちたければな!!」 ネギに代わり、次に憤怒が湧き上がったのはユウサの方だ。 身勝手で一方的な怒りだが、遊びをやめて悪意を越えた殺意を少女たちに向け、その殺意に今度は白き翼たちが迎え撃つ。 「やってやるさ」 「へっ・・・くだらねえ! 地獄のあらゆる辛苦を扱うこの俺が! 大量生産の鉛玉ごときでヤレるとでも・・・」 「どうかな。神によって与えられた禁断の知識。その知識の中で人類の歴史を大きく変えて創り上げてきたもの、それが武器だ」
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* 天谷 希美 十六代当主・剣士 父:氷ノ皇子 母:縫 * 流石に、大根で仏像彫った日には叱られたなぁ… 読み方は、のぞみ。 氷ノ皇子の熱き心が前面に出まくって生まれちゃった娘。あの二人のどこをどうやると褐色・赤目・赤髪になるのだ… 交神相手は、日光天トキ。純粋に、能力を補いたいという理由から選択。(本当は、トキよりも氷ノ皇子の方がそういう点ではよかったのだが…流石に実父に交神をお願いするのはちょっと気が退けたらしい。特に希美の場合はファザコンという訳でもなかったし。)儀式完了後、それとなーく昼子の事について聞いてはみたものの…「昼子さまは、我々にとっては…そう、当主である貴女みたいな立場。それだけですよ。」と、爽やかにスルーされてしまったとか。 向上心がやたらと高く、可能な限り討伐に立ち…己を極限まで鍛え上げる。そして、その結果…『己の成長の限界』に到達。もう、何をやっても強くならないという現実を突き付けられる。その時の寂しげな笑顔は、息子の平造の心に深く刻まれることとなる。 羽柴が言っていた「昼子の気になる事」について激しく興味を抱く。言葉の足りない羽柴に、あれやこれや質問や自分の解釈を投げかけ、どうにか形にすることに成功。『黄川人も言っていたが… 昼子は、今でこそこちらの味方という立場だが… もし、全てが片付いたとき…呪いが解け、能力がひとのそれを超えた自分たちをどう扱う気なのか。』羽「ほっといてくれるなら、それが一番。…復活は始祖という前提で、消されたり…飼い殺しにされるのはまっぴらだな。」…この言葉は、羽柴と希美の胸の内に留められることとなる。 米に面相筆で観音像を描きこめる方 交神相手 子供 性別 職業 日光天トキ 平造 男 剣士 遺言 あ~ぁ、あんまり寝てると かえって 疲れちまうんだよね… 死後…氏神・天谷太陽母として奉られる。
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* 天谷 右京 二代目当主・弓使い 父:陰陽児 中 母:飛鳥 * その来世はどうなんだ? 読み方は、うきょう。(スクリーンショットは、当主就任後のため本名ではない) 父と母のアレな部分が色濃く出てしまった、とてもアレな息子。 交神相手は椿姫ノ花連。能力より、おっぱいで選んだろ。お前… 片っ端から奥地に進み、中ボス撃破しまくっていたが…一度バックアタックでばっさりやられたときに「ああ、戦いって辛いんだなぁ」と、初めて自覚したとか。 とりあえず…その謎の存在感を理由に、当主に就任させられる。 猫に話しかけるときに、ついつい幼児語になってしまう方 交神相手 子供 性別 職業 椿姫ノ花連 詠路 男 弓使い 遺言 戦うのが辛くてしかたなかったのに、戦えなくなるのも辛いな
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* 天谷 久我 弓使い 父:やたノ黒蠅 母:音和 * 「はい」は一回でよろしい! 読み方は、けいま。 角の生えた子供として、鬼打倒に躍起になる京の街に降り立つ。だが、家人以外から…その容貌を指し「呪われた子」と陰で言われ、一度は心を閉ざす事となる。そんな桂馬を引っ張りあげたのは、歳の近い祈更と久我のふたり。そして、イツ花の底抜けな明るさだった。 交神相手は、芭蕉天 嵐子。どちらかといえば鬼っぽい容姿の自分に対し、あっけらかんとした態度の嵐子に「ああ、気にしなくてもいい細かい事に縛られていたのは俺の方か」という事に気が付く。帰宅後、「やはり彼らは…神様なんだな」としみじみとして家人に言ったとか。 交神を経る前は、その角がコンプレックスで…家人に対しても斜に構えて見てしまう傾向があった。だが、子を授かりすっかりと性格は丸くなったらしいが…口癖だけは最後まで直らなかった。 坊主頭は、当初は世間への反抗。交神を経てからは、有りのままの自分をさらけ出すという意味合いから。また、鬼朱点打倒時の隊に居たことから…世間の目は変わり、彼を鬼だと言うものは居なくなった。 くしゃみの後に「っちくしょうめぇ!」と言っちゃう方 交神相手 子供 性別 職業 芭蕉天 嵐子 左近 男 弓使い 遺言 桂馬:死んだ瞬間。おまえらのこと、すっかり忘れちまうとしたら 何の意味も ねえな
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* 天谷 詠路 三代目当主・弓使い 父:右京 母:椿姫ノ花連 * 父の歌う「子守唄」は苦手でした。(聞くに堪えない歌詞な上に、無駄に上手くて…) 読み方は、えいじ 恐ろしい位に父に似てしまったため、幼少時よりコワモテ。怯えられないように、ニコニコと笑顔で過ごすことが多かった。また、色々とアレな父は、彼の中では相当な反面教師になったらしい…(特に遺言では、自分の来世は野良犬と言っていた父の影響が大きく出ている。) 交神相手は春野 鈴女。能力を補うという意味で選択したらしい。が、いざ会ったら可愛らしい人だったので、心の中でガッツポーズしたとか。 イツ花にちょっとした弱みを握られている。「イツ花さん、ホントーにお願いですから…結構大きくなるまでおねしょが治らなかったのは内密に…」 世渡り上手。「討伐するにしても、周りに顔を売っておいた方が何かと都合がイイだろう。」という事で…投資や御前試合には積極的に参加。でも、『豊年ムキムキ祭』の復活は、流石に詠路も口をあんぐりとせざるを得なかった。 シャケは身より皮が旨いと言い張る方 交神相手 子供 性別 職業 春野 鈴女 音和 女 弓使い 遺言 次に 生まれてくるときも 俺は天谷の家に 生まれたい
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* 天谷 聡介 剣士 父:武闘神天谷(紘志) 母:紗雪 * 巨大なのは、顔の大きさと比例したから…? 読み方は、そうすけ。 ものすごい厳つい顔と大きな体躯の持ち主だが、人柄と言えば兎に角人懐っこい。愛想のない誠太と比較し、「聡介さんのそういう所が、もう少しあればいいんですけどねぇ」と、イツ花がこぼしていたとか。 交神相手は吉焼天 摩利。すごまれて(摩利は、そういうつもりではなかったのだが)、軽くビビる(笑)。儀式が終わった後、「まるで、母ちゃんみたいだな。あんた。」と摩利に告げて、卍固めを食らった。その後、性格の気持ちよさとか、優しいところとか…そういう意味だと説明し、やっと許してもらえたらしい。リアルなら典型的な尻敷かれタイプ。 誠太とは、実の兄弟のような間柄。事あるごとに誠太のもとに行っては色々相談に乗って貰ったり、時に一緒に出歩いたりしていたようだ。 ものすごい子煩悩。娘を授かった時に、「剣福に、わが子出生を記念して剣を一振り!!」と、その時の当主(梓乃)に直談判しに行ったとか。その後も…娘の事や、他の家族の授かった子供たちの事を気にかけつつ、その優しい生涯を終えることになる。 鴨居におでこをぶつけて悶絶している方 交神相手 子供 性別 職業 吉焼天 摩利 晴香 女 剣士 遺言 人生なんて お天気と同じさ 悪態ついて 止む雨はないし お世辞で 差す光なんてないんだよ
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* 天谷 治 薙刀士 父:根来ノ双角 母:宇月 * 神の血を引くサプライズ・ソルジャーとは俺のこと!(メンナク風) 読み方は、おさむ。 見た目は思いっきり母親似の息子。だが…父の双角の素顔を誰も知らないので、もしかしたら父似という可能性も…(あるのか?) 交神相手は陽炎ノ由良。後に聞いたら「思いつかなかったから、一番いい女選んだ」とのこと。正直者め。 幼少時…食卓で極限まで気配を殺し、みんなが揃った頃を見計らって気配を思いっきり出したら、伯母(逸月)が思いっきり驚き…なおかつその勢いで一発ぶん殴られ、うっかり呪いの成就前にあの世へ旅立ちそうになった。 見た目によらず、ワイルドで俺様。あと、『きゅぴーん』とか『ドヤッ』とか、謎の形容詞的擬音がちょくちょく入る。 スイカの種は吐き出さずそのまま食べてしまう方 交神相手 子供 性別 職業 陽炎ノ由良 奏 女 薙刀士 遺言 こっちで鬼を斬るたびに あの世の鬼が 増えてるとしたら… へッ また斬るだけよ…