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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/育児日記 うえでぃんぐ 第12学区のとある教会。 わざと魔術的記号が外されたそこに、近くのファミレスで昼食を終えた一同が揃った。 一同とは、真剣な表情の一方通行、打ち止め、番外個体、芳川、やる気のない上条、美琴、10032号、好奇心旺盛なインデックスである。 「いい、愛穂が『結婚しましょう』と言われたのは昨日の事」 今から最終決戦に挑むかのような黄泉川家の横で、上条達は浮かない表情だ。 なんでオレ達ついてきたの? 「まだ、あの書類に著名するまでは時間があるはず。反対、応援、どちらにするにせよ情報が足りないわ」 神妙にうなずく残りの黄泉川家。 なんでオレ達ついてきたのでせう? 「そのために、私たちはここに立っている。愛穂を見つけたら、全員に連絡すること!! 解散!!」 思い思いに散る黄泉川家。 なんでオレ達はついてきたのか!!? 「あー、トイレいってくる。インデックス頼む」 「あいよー」 上条が離れる。 残ったのは美琴と妹とインデックス。 そこで、以前から考えていたことをお願いしてみた。 「ねぇ、インデックスを抱っこしてみてくれない?」 「別に構いませんよ、とミサカは実はずっと抱っこしたかったという願望を隠し、ウキウキ了承します」 隠せてないって。と、いいながら美琴はインデックスを渡す。 さらに、 「ちょっとごめんよー」 と、いいながら、妹のゴーグルを拝借する。 そのまま気分で頭に着けてみた。 インデックスは終始キョトンとしていた。 ママが2人いて混乱しているのかもしれない。 美琴は2人を見る。 (まぁ、やっぱり親子には見えないよねぇ) 無理なのはわかっている。 でも、この子を抱いている自分が、この子の母に見えないのが、少し、悔しかった。 一方通行は黄泉川を発見。 彼女はレストランスペースで男性と話していた。 どでかい植木の裏に隠れ、 携帯を取り出す。 しかし、そこで彼の動きが止まった。 (……アイツ……) あんな顔、できたのか? いつもと違う、女性らしい和やかな服装。 靴はあれほど嫌っていたヒール。 髪もまとめていない。 うっすら化粧もしている。 いつもの豪快な笑みはなく、風で草木が揺れるような笑み。 いつもの黄泉川とは全く違う。 しかし、幸せそうな女性がそこにいた。 (……オレが行動するのは……) アイツにとっては幸福なのか? 美琴がちょっと落ち込んでいた時、上条はトイレから出てきた。 そして、ふむ、と一息ついた上条は、 てくてく歩み寄って ビシッ と美琴にチョップする。 「いった!!」 ゴーグルが妹に返された。 「悪ぃな御坂妹。うちのジャイアン女子バージョンが無理やり取ったんだろ?」 「なにおう!!?」 「そ、そうなんです、とミサカはここぞとばかりにお姉さまを落としにかかります」 「おいコラ!!」 「あんまり妹をいじめちゃだめだろ」 「……じゃあ、アンタが代わりに痛い目みる? スネ夫」 「髪の毛しか見てませんよね!! どちらかというとのび太ですよ!!」 「いばるな!!……ん?」 2人の近くに見知らぬおばさんが立っていた。 「さぁさぁ、お待たせしました。準備できましたよ。では行きましょう」 「「へ?」」 次の瞬間、妹とインデックスの前から2人は消えていた。 流石上条と美琴、トラブルに合うプロである。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/育児日記
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『甘やかした結果』 若草の萌える季節、桜も散った森の中を2mほどもある巨大なれいむが駆けていた。 頬は大きく膨らんでいて、そこに大量の食料が詰められていることが分かる。 明らかに巨大れいむ一人が食べきれる量ではなく、今は春なので冬篭りのための食料でもない。 この食料は娘のための食糧だった。 巨大れいむのおうちである広い洞窟の入口前で大小様々なゆっくりが遊んでいた。 巨大れいむが帰ってきたのに気づいた一匹の成体れいむが洞窟の中のゆっくりに「おひるごはんだよ!!」と呼びかける。 その声に洞窟の中でゆっくりしていたゆっくり達がゾロゾロと洞窟から出てきた。 それらはほとんどれいむ種で、まりさ種はれいむ種ほどではないがそれなりにいる。 成体のれいむ数匹は全て巨大れいむの娘だ。 成体のまりさは一匹だけだが、そのまりさが巨大れいむの娘たちに子種を与えたゆっくりだった。 まりさの子種を受けたれいむの産んだ子ゆっくりと赤ちゃんゆっくりが巨大れいむの孫ということになる。 巨大れいむが頬に貯めた食糧を地面に全部吐き出すと娘や孫たちは礼も言わずにガツガツと食事を始める。 「うっめ、めっちゃうっめ!!」 「はふはふ、ちょっとすくないけどしあわせー!」 「おかーしゃん、れいみゅもたべたい!!」 「れいむのごはんをわけてあげるね!」 「わーい、ありがちょう!!」 巨大れいむは自分などそっちのけで食事する娘たちを寂しげに見ていたが、やがておうちに戻ると深いため息をついた。 いつからこうなったのだろうか。 立派な成体ゆっくりの娘たちは未だに食糧調達に出かけようともせず独り立ちをする気配もない。 成体まりさも娘を孕ませたうえに半ば無理矢理おうちに住み着き、そのくせ一度も食糧調達には出かけていない。 これでも一緒に食べ物を探しに行こうと何度か誘った。 しかし「またこんどいくよ!」だとか「あかちゃんのせわでひまがないよ!」などと何かと理由付けて断られた。 赤ちゃんの世話と言うが、一番大変な食事集めの他に何があるのだろう。まりさは赤ちゃんと一緒に遊んでるだけだった。 孫の子ゆっくりや赤ちゃんゆっくりもそんな親に育てられたせいか、 食料は危険を冒して取りに行くものではなくて運ばれてくるものだと思ってる節がある。 そんな孫たちに教育しようとした時もあったのだが、 「れいむのかわいいこどもはれいむがそだてるよ!」 「おかーさんはそれよりもたべものとってきてね!!」 「おちびちゃんはこっちでゆっくりあそぼうね!!」 といった風に娘たちが邪魔してくるのだ。 孫たちも教育なんてつまらないことよりも娘の誘いに乗って遊びに行ってしまう。 そんなうちに孫たちはどこまでも甘えさせてくれるお母さんである娘に懐き、 何かと口うるさいお婆さんの自分に甘えるのは食事を持ち帰った時ぐらいのものだ。 それすらも最近は無くなったが。 おうちの入り口付近で駆け回ったり押し合いして遊ぶ娘達を見て巨大れいむは再びため息をついた。 巨大れいむは後悔していた。娘達を甘やかしすぎたことを。 産まれて間もない娘達の喜ぶ顔が見たい一心で巨大れいむは食料を集めていた。 甘えてくる娘達を受け止めて存分に甘やかした。 娘達が子ゆっくりに育っても、平均的なゆっくり家族のように子供と一緒に食べ物集めには行かなかった。 娘を危険な目に合わせるわけにはいかないと一人で食料を探しに出かけていたのだ。 娘達が成体と呼ばれるまで大きく育っても巨大れいむは娘を独り立ちさせずに世話をし続けた。 この時はまだ自分の育て方が悪いと思ってなかったし、事実として娘達はとてもゆっくり出来ていた。 そんなある日のこと、食料を集め終えておうちに帰ると一匹のまりさが娘達とゆっくりしていた。 巨大れいむは侵入者のまりさよりもまず、娘達の頭に茎が生えていたことに驚いた。 どの茎にもれいむ種とまりさ種の赤ちゃんが実っていた。 それはつまり、どこからともなく現れたまりさによって娘が孕まされたことを意味していた。 自分の居ない間におうちに侵入した上に、可愛い娘をも汚したこのまりさを許すわけにはいかない。 強い憤りを感じた巨大れいむはまりさをこの場で潰してやると身構えたが、 「このまりさはれいむたちをすっきりさせてくれたんだよ!」 「ゆっくりできるまりさだよ!!」 「おかあさんみてみて! あかちゃんができたんだよ!」 「まりさのおかげでゆっくりできるよ!!」 幸せそうに笑顔を浮かべて喜ぶ娘達を見ると、目の前でゆっくり殺しなど出来るわけもなかった。 かといってまりさに対する怒りが消えたわけではない。 怒鳴りつけたいのを抑え、極めて冷静にまりさへ話しかける。 「まりさ、こんなにたくさんのあかちゃんをうませたけどちゃんとそだてられるの?」 「もちろんそだてられるよ! だからきょうからここをおうちにするね!!」 「よろしくねまりさ!」「いっしょにあかちゃんそだてようね!!」 どうやら娘達とまりさの間ではこのおうちに住み着くことは決定済みらしい。 それは赤ちゃんを生やした娘のことを考えるとそれでいいのだが、 まりさの返答を聞く限りでは赤ちゃんの世話について深く考えておらず、何とかなるだろう程度にしか考えていないように見えた。 逆にそうでなければ「もちろんそだてられる」などと軽々しく即答できるわけが無い。 きっと後先考えず、性欲の赴くままに娘たちに子種を植え付けたのだろう。 そうしてまりさはおうちに住み着き、次の日には赤ちゃんゆっくりが産まれ落ちた。 娘全員から5~10匹産まれたので相当な数の赤ちゃんでおうちは満たされた。 窮屈に感じられたが、元々広い洞窟なので生活するのに不都合はなかった。 それでも跳ねるときは赤ちゃんを潰さないように細心の注意が必要になったが。 「おばーちゃんゆっくちしていっちぇね!」 「おばーちゃんいっしょにゆっくりちようね!!」 と身体を摺り寄せてくる孫はとても可愛くてゆっくりできていた。 だが同時に、この可愛い孫達のために大量の食べ物が必要だと思うと不安が募るばかりだった。 念のために貯蓄しておいた食べ物だって二日と持たないだろう。 なので巨大れいむはまりさに食べ物集めを手伝うようにお願いしたのだが、 「まりさはあかちゃんのせわするからむりだよ! またこんどね!」 と断られ、娘や孫達には 「おかーさん、あかちゃんのたべものおねがいね!」 「がんばってねおかーさん!」 「ゆっくりまってるよ!!」 「ほら、あかちゃんたちもおねがいしてね!」 「「「おばーちゃん、ゆっくちたべものちょーだいね!!」」」 「まりさのぶんもわすれないでね! おおめにね!」 と頼まれた巨大れいむは可愛い娘や孫達の頼みならば仕方ないと一匹で食料調達に出かけた。 最後のまりさの頼みにはイラっと来たが、怒りを露にして赤ちゃん達を怯えさせるのも良くないと思って我慢した。 明日には一緒に食べ物を集めてくれるだろう、そう信じて巨大れいむは食べ物を集めた。 しかし次の日も、また次の日も、そしていつまで経ってもまりさも娘達も食べ物集めを何かと理由付けて手伝ってくれなかった。 そうしている間に赤ちゃんゆっくりは子ゆっくりサイズにまで成長した。 それぞれ食べる量も多くなり、巨大れいむ一匹で集めた食料だけではもう足りなくなっていた。 なので娘達には子を連れて引越ししてもらおうと思ったが、その旨を伝えようとした矢先に娘達とまりさはまた次の赤ちゃんを産み出していた。 これ以上赤ちゃんが増えると食べ物が足りなくてゆっくり出来ないからすっきり禁止と伝えていたのにも関わらずだ。 当然巨大れいむは娘達を責めたが、 「かわいいあかちゃんをみるとゆっくりできるよ」 「すっきりをがまんしたらゆっくりできなかったよ。だからすっきりしたんだよ」 などと訳の分からない言い訳が返ってきた。要は自分勝手な理由で赤ちゃんを産んだのだ。 さすがの巨大れいむもこれには呆れるしかなかった。 娘達はまた可愛い赤ちゃんが産まれたと、孫は妹が出来たと喜んでいたが、巨大れいむは全く嬉しくなどなかった。 確かに目の前の赤ちゃん達はとてもゆっくりした赤ちゃんで愛らしい。 しかしながら巨大れいむにとって赤ちゃんはこの状況下において負担でしかないのだ。 それから三日経った今、巨大れいむはこうして溜息をついているわけである。 巨大れいむは二度目の赤ちゃんゆっくりが産まれてからはほとんど休まず食料調達に出かけた。 朝は日が昇る前から出かけ、 昼は娘達に集めた食べ物を渡すと十分ほど休んでまた出かけ、 日が暮れる前に戻って疲れを取るためにすぐ眠りに付く。 ゆっくりする暇なんてとてもじゃないが無かった。 しかし疲れが溜まっていたのだろう。 娘の育て方に後悔して溜息している間に巨大れいむは深い眠りについてしまったらしい。 目が覚めると夕暮れ時だった。 本来なら夕食を持ち帰ってきているはずの時間だ。 だが昼寝をしてしまったので当然食べ物などあるわけが無かった。 「ゆ…ゆっくりねたけっかがこれだよ…」 初めは焦った巨大れいむだったが、一食ぐらい抜いても大丈夫だよねと結論付けた。 何よりも今日まで毎日休まずに食べ物を探しに出たのだ。半日ぐらい休んだっていいはずだ。 ところが夕飯は運んでもらうのが当たり前の娘や孫達からすればそんなの勝手な理由でしかない。 巨大れいむはおうちに勢揃いした家族達に口々に文句を言われ、責められた。 「なにかんがえてるの! あかちゃんがおなかすいてるよ!!」 「れいむもいっぱいあそんでおなかすいてるんだよ!」 「これじゃゆっくりできないよ! おばーちゃんはゆっくりできないね!!」 「おなかちゅいたよ! おかーちゃんたべものはー?」 「ほら! おかーさんがさぼるからゆっくりできないよ!!」 「まりさはおこってるよ! やることやらずにゆっくりしないでよね!」 「ゆ"…」 なんでここまで怒られるのか全く分からなかった。 毎日ゆっくり遊んでるだけのくせにどうしてそんな事を言えるのだろう。 今までゆっくり出来たのは自分がゆっくりせずに頑張ってきたからだ。 それなのにちょっとゆっくりした結果がこの罵詈雑言の嵐である。 夕食を用意出来なかったのは確かに悪かったとは思ってる。 だがここまで言われるような悪い事をしたのだろうか。 何も一食抜いたぐらいで死にはしないし、我慢できなければ周囲の草木を食べれば十分のはずだ。 だからこそいつまでも続く娘や孫達からの罵倒に巨大れいむはイラつき始めていた。 「おかーさんはほんとつかえないね!」 「さいきんはたべものすくないし!」 「そうだよ! さいきんおなかいっぱいになれてないよ!!」 (それはあかちゃんをふやすからとりぶんがへったんだよ) 「こどもとあかちゃんがおなかすいてゆっくりできないよ!」 「たくさんたべものもってこないからだよ!!」 「おばーちゃん、おなかちゅいたよ!!」 「たべものもってこないおばーちゃんはきりゃいだよ!!」 (たべものもってるときだけあまえてくるおまえたちなんてれいむもすきじゃないよ) 「たべものもってくるぐらいちゃんとしてよね!」 「なんでそんなこともできないの!」 「れいむたちでもやればできることだよ!?」 (やったこともないくせにかんたんなんてよくいえるね) 「ほんとだめなおかーさんだね!」 「まりさもゆっくりしてないでなんかいってよ!!」 「ゆ! まりさはあたまいいからしってるよ! しごとしないならゆっくりするけんりはないんだよ!!」 (そうだよね。たしかにまりさのいうとおりだよ。 しごとしないならゆっくりするけんりなんてないよね) 「ゆんっ、こんなおおきいだけのむのうなれいむはしんでね!」 まりさがニヘラと笑顔を浮かべて体当たりしてきた。 まりさの頭の中では巨大れいむを吹き飛ばす光景が見えているのだろう。 巨大れいむは微動だにせず、可哀想なぐらい軽い体当たりを悠々と受け止めた。 そして間髪入れずにまりさに噛みつき、歯で締め上げた。 「ゆ"っ!? あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!」 まりさは巨大れいむの歯に挟まれ、痛みに悶える。 だが体に食い込むほど強く噛みついているのだから逃げられる訳もない。 出来ることと言ったら、外に出てる口で必死に悲鳴を上げるぐらいだ。 「なんでごんなごどずるのぉぉぉぉ!!!」 「まりざをはなじでえぇぇ!!」 「おがーさんひどいよぉぉぉぉ!!」 周りの娘達が何だか煩いのでまりさを離してやることにした。 ペッと唾を吐き出すのと同じ要領でまりさを地面に吐きだした。 「ゆぎっ! ゅ"、ゆ"ぅ"…」 地面に落とされたまりさは体をガクガクと震わせ、大粒の涙を流しながら這いつくばっていた。 歯形が残っているとはいえ普通のゆっくりならこの程度の痛みでここまで苦しむことはない。 だがゆっくりしすぎたまりさは痛みに慣れておらず、大袈裟なほど苦しんでいた。 つい数秒前まで生意気言っていたくせに今は惨めでしかなかった。 「まりさー!」 「ゆっくりだいじょうぶ?」 「いたいのゆっくりとんでってね!!」 「おかーさん! まりさになにするの!!」 まりさに駆け寄った娘たちはまりさを庇うように巨大れいむの前に立ちはだかった。 何で目先のゆっくりやすっきりしか見えないまりさを庇うのだろう。 元はと言えばこのまりさが娘たちをすっきりさせなければ食べ物に困らなかったし、 このまりさが食べ物集めを手伝ってくれれば食糧事情も少しは楽になったろうに。 いや、この娘たちはそんなの分かってないのだ。 娘たちはこのまりさと同じで目先のゆっくりしか見えていない。 そしてこんな娘に育てたのは他でもない自分だ。 ああ、そうか。 そこまで考えた所で巨大れいむはようやく理解した。 これまで娘たちを甘やかしていたからこそ自分がゆっくり出来てなかったということに。 娘たちが子供を連れて引っ越さないのも、 まりさがいつまで経っても食べ物集めを手伝わないのも、 自分が文句も言わず、叱りもしない結果だったんだ。 「あまやかしたけっかがこれだよ…」 「ゆ? なにいってるの!」 「そんなことよりまりさにあやまってよね!!」 「あとたべものもいまからでいいからとってきてよね!」 俯いていた巨大れいむは口の減らない娘たち、そして孫達を強い意思の宿った瞳で睨みつけた。 その強い視線に娘達も孫も、そして呻くだけのまりさも目を合わせられず黙り込んだ。 そして巨大れいむは娘達に告げる。 「ゆっ、きめたよ。 れいむはもうみんなのためにたべものをはこばないよ。 あしたからはじぶんでたべものさがしてね」 巨大れいむはようやく決心したのだ。 もう娘たちの世話はしない。 これからは娘たちに娘たちの家族を養わせる。 まりさには特に働いてもらおう。 何しろこれだけの子供や赤ちゃん達共通の親なのだから。 「たべもののおおいばしょはおしえてあげるからがんばってね」 「ゆっ! まってよ!!」 「そんなのなんでれいむたちがやらなきゃいけないの!!」 「そうだよ! たべものなんておかーさんがもってくればいいでしょ!!」 「さぼろうとするなんてゆっくりできてないね!!」 「やるきがないならおうちからでていってね。 しごとしないゆっくりはゆっくりするけんりはないよ」 「なにいってるの!」 「れいむはおこったよ! あかちゃんだっているんだよ!!」 「でてくならおかーさんがでてってね!!」 「とにかくきめたことだよ。 れいむはでていかないし、おまえたちがみんなのせわをすることもかわらないよ。 ゆっくりりかいしてね」 その後もゆーゆーと煩い娘たちだったが、 日が完全に暮れて真っ暗になると一匹、また一匹と眠りについていった。 まりさはその間もずっと痛みで泣いていた。異常なほど打たれ弱いまりさだ。 そこまで確認して巨大れいむも眠りについた。 翌朝。 日が昇り始めたころに巨大れいむは目を覚ました。 娘たちは今までかなりの遅起きだったようだがこれからはそうはさせない。 食糧調達に出かけてもらうまりさと娘たち、さらには子ゆっくり達を舌でつついて起こした。 「ゆぅ、なに? なんなの?」 「おばーちゃん、にゃんなの? じゃまちないでね…」 「まだおきるじかんじゃないよ。ゆっくりねさせてね」 「ねむりをじゃまするなんてゆっくりできないね!」 「たべものさがしにでかけてね」 「なにいってるの? ばかなの?」 「それはおかーさんのしごとで…ゆ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!?」 巨大れいむは一匹の娘に噛みつくとおうちの外へと投げ飛ばした。 そして他の娘たちも次々と投げ飛ばす。 「なにするの! まりさのれいむにらんぼうしないでね"っ!?」 もちろんまりさも投げ飛ばした。 娘たちよりも気持強めに噛みついておいた。 「い"だい"ぃ"ぃ"!! まりざにもらんぼうじないでぇぇぇ!!」 「いたいのがいやならたべものさがしにいってね」 まりさも娘たちも震えて泣きながら頷いた。 痛みに慣れてないのは娘たちも同じで、体罰はよく効いたようだ。 「あかちゃんはれいむがせわみてあげるからほかのみんなはたべものさがしてきてね」 赤ちゃんはまだ外に出すつもりはない。 赤ちゃんの仕事はゆっくり育つことなのだから。 しかしこれで面白くないのは赤ちゃんではない子ゆっくりだ。 「なんでれいむもいかなきゃいけないの!」 「いもうとはなんでいかなくていいの!?」 「そうだよ! おばーちゃんずるい!!」 妹である赤ちゃん達はゆっくりしていいのに姉である自分がダメなのか分からないらしい。 いや、この環境下で育った子供達が分からないのも当然か。 しかしだからといってここで甘やかしたら自分の娘のように働かないゆっくりに育ってしまうかも知れない。 巨大れいむとしては自分の犯した過ちを繰り返したくなかった。 といっても小さい孫に娘と同じような体罰は出来ない。 自然と外に行きたくなるよう説得することにした。 「ゆっ! だいじょうぶだよ。 おかあさんについていくだけだからゆっくりできるよ。 ゆっくりぴくにっくしてきてね」 「ゆ? ゆっくりできるの?」 「おかあさんとぴくにっく? ゆっくりできそう!」 「ゆーん! おかーさんゆっくりいこうね!」 「ゆ、ゆん…ゆっくりいこうね」 実の娘が自分とのピクニックを楽しみにする姿を見た娘たちは諦めがついたようだ。 むしろ子供の様子を見て外に出かけるのもいいかもと思ったのかもしれない。 「ゅー? れいみゅたちはどうしゅればいいの?」 「ゆっきゅりまってればいいの?」 「まりしゃもおかーしゃんといっしょにいきたいよ!」 「おちびちゃんたちはおるすばんだよ。 おかーさんがたべものもってきてくれるからあんしんしてね」 「ゅゅー! おかーしゃんがもってきちぇくれるの!」 「ゆっきゅりたのしみ!」 「いっぱいもってきちぇね!!」 「ゆ! わかったよれいむのあかちゃん!」 「ゆっくりまっててね!!」 赤ちゃんの声援のおかげで娘達はやる気が湧いてきたようだった。 これは良い傾向だ。 どうなるかと思って不安だった巨大れいむも今は胸のつかえが取れたような清々しさを感じていた。 その後は赤ちゃんと共に娘たちとその子供、それとまりさを見送った。 「おひるにはかえってきてね!」 「おかーしゃんまっちぇるよ!!」 「ゆっくりいっぱいもってきちぇね!!」 「ゆっ! あかちゃんのためにがんばるよ!!」 「ゆっくりまっててね!」 娘達は赤ちゃんの応援を受けて嬉しそうに駆けていった。 食べ物のある場所はすでに教えてある。 そう遠くは無いし、あそこは外敵もいないから大丈夫だろう。 ただひとつ心配なのはまりさがずっと乗り気ではなさそうだったことぐらいか。 だが今までゆっくりし続けていた娘たちは巨大れいむが思っていたよりもゆっくりしすぎていた。 お昼過ぎになっても帰ってこなかったのだ。 そうなれば当然赤ちゃん達はお腹を空かせて喚きだす。 「おばーちゃんおなかへっちゃよ!」 「おかーしゃんがかえってこないよ? どうちたのー?」 「おなかがへってちからがでにゃいよ!!」 「ゆぅ…」 一体どうしたというのだろうか。 お昼に戻るように確かに伝えたはずだ。 それに娘達は赤ちゃんのためにやる気を出していた。 もしや外敵に襲われたのだろうか? それとも何か事故でもあったのだろうか? 巨大れいむは娘の身に何かあったのかと大きな不安に襲われた。 良かれと思って娘達を外の世界に行かせたことは間違いだったのか。 しかし悩んでいても赤ちゃん達のお腹は膨れない。 仕方ないので赤ちゃんを連れておうちの周りにある草木を食べさせた。 非常食であり隠れ蓑でもあるのでなるべく食べたくないが、赤ちゃんをこれ以上飢えさせる訳にもいかなかった。 そうして赤ちゃんのお腹が膨れたが、その後も娘たちは帰ってこない。 赤ちゃん達が不安がって泣き出したりもしたので巨大れいむはその対応に追われた。 だが夕方になると娘達は巨大れいむの心配をよそに満足そうな顔して帰ってきた。 娘もその子供達もみんな無事のようだ。 巨大れいむは安心したが一応どうしたのか聞くことにした。 「ゆ! どうしてひるにかえってこなかったの? あかちゃんがおなかすかせてたいへんだったんだよ」 「ゆ、ゅー…」 何ともばつの悪そうな反応をする娘たち。 そういえば夕食のための食べ物を持っていないようだった。 「それにたべものはどうしたの? これじゃあきょうもゆうしょくぬきになるよ?」 途中で誰かに取られたのだろうか? それとも迷った? 巨大れいむはいくつかの答えを予測していたが、娘達の答えはその中でも一番最悪のパターンだった。 「ゆっ、ゆっくりわすれてたよ!」 「でも、でもしょうがないよね!! こどもたちとあそんでたんだよ!!」 「みんなでかけっこしてあそんだんだよ!!」 「そうだよ! それにれいむたちはたべものちゃんとたべてこれたんだよ!!」 「れいむたちはよるごはんをたべてきたからだいじょうぶだよ!」 「あかちゃんはゆっくりがまんしてね!!」 「ゅー! おかーしゃんおなかしゅいたよー!」 「にゃんでたべものもってきちぇないのぉぉ!!」 「これじゃゆっきゅりできないぃ!!」 「うるさいよ! おうちでゆっくりしてたあかちゃんはゆっくりだまってね!」 「おなかすいたならじぶんでとってきてよね!!」 ああ、何という。 何というバカ娘なのだろう。 巨大れいむは嘆くほかなかった。 言い訳ばかりで一番守るべき赤ちゃんに八つ当たりまでするなんて。 巨大れいむは口で叱るよりも前に娘達とまりさに対して次々とその巨体をぶつけていた。 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆぎぃっ!!」 「ゆぎゃ!」 「なにずるの…ぁ"ぅ"っ」 「ま、まりさはわるくないよ! わるいのはれいむうぅ"ぅ"ぎい"ぃ"ぃ"ぃ"っ!!!」 「おまえたちはおやとしてさいていのことをしたんだよ!! じぶんがゆっくりできればあかちゃんがゆっくりできなくてもいいの!?」 おうちに響く巨大れいむの怒声。 続くのは怒られた娘たちの、そして怒声に怯えた孫達の泣き声だった。 しばらくして娘達は泣きながら謝罪を始めた。 「ゆっくりごめんなざい"ぃ"!」 「あかじゃんごめんね"ぇ"ぇ"ぇ"!!」 「れいむだちがぜんぶわるいのぉぉ!!」 わんわん泣きながら娘は赤ちゃん達に謝った。 赤ちゃんも泣きながらお母さんに擦り寄っていた。 仲直りしたのはいいことだが赤ちゃん達の夕食が無いことに代わりはない。 どうしようかと巨大れいむが思案していたその時だった。 「ゆっ! もうこんなゆっくりできないところにいられないよ!! ゆっくりできないれいむたちはみんなしんでね!!!」 「ゆっ? どういうことまりさ!!」 「おまえたちのせわなんてかんべんだよ! まりさがゆっくりできないならこんなところにいてもしょうがないよ!!!」 ただ一匹謝らずに不貞腐れていたまりさがそんな叫びと共におうちを飛び出した。 巨大れいむはまりさを追う。 ただの癇癪なのかもしれないが、このまりさは妻と子供を見捨てようとしているのだ。 逃がすわけにはいかない。 まりさは逃げながら考えていた。 こんなはずじゃなかった。 まりさがあのおうちに忍び込んでれいむ姉妹と出会った時に聞いたのだ。 あの親の巨大れいむが全部の世話をしてくれる。食べ物も全部運んでくれるからゆっくり出来ると。 だからこそあのれいむ姉妹と乱交した後に立ち去らず、そのまま居残ったのだ。 妻や赤ちゃん達に囲まれて王様気分だったのに突然巨大れいむが食べ物集めろなんて変なこと言いだした。 なんで他のゆっくりのために働かなきゃいけないのか分からない。 赤ちゃんがどうとかあの巨大れいむは怒っていたが、赤ちゃんなんてまた作ればいいだけ。 所詮他のゆっくりは自分がゆっくり出来るための道具なんだ。 ああ、でももういいや。 もうあんなゆっくり出来ないゆっくり達とは別れてもっとゆっくり出来るパートナーを探すとしよ―――― まりさがれいむ家族との決別を決めたその瞬間。 まりさの背後から圧倒的な質量が圧し掛かってきた。 そして次の瞬間にはまりさの体は宙を飛んでいた。 (おそらをとんでるみたい) 吹き飛ばされたまりさはそんな危機感のないことを思いながら真っ直ぐ飛んでいく。 直後木の幹にぶつかってまりさの意識は途絶えた。 巨大れいむは気絶したまりさを咥えるとおうちへと持ち帰ることにした。 まりさに追いつくのは簡単だった。 体長の違いもそうだが、毎日娘や孫のためにあちこちを駆けていた巨大れいむとほとんど運動していなかったまりさとでは運動能力に差がありすぎた。 怒りにまかせてその場で潰してしまうことも考えたが、そんなんじゃ巨大れいむの気は収まらなかった。 おうちへ戻った巨大れいむはまりさをおうちの中央に置いた。 痙攣して気を失っているまりさを憎しみの篭った瞳で睨みつける娘と孫たち。 共通の夫、共通の親であるまりさが自分たち放って逃げようとしたのだ。恨まれて当然である。 巨大れいむはまりさの処罰について考えていた。 まりさをもし許したとしてもまたすぐに脱走を企てるに違いない。 許さないのは決定でいいとしてどうしたものだろう。 と、そこへ一匹の赤ちゃんが言葉を漏らした。 「おかーしゃんおなかしゅいたよ」 自分の空腹を自分の母親に伝えただけなのだろうが、巨大れいむはその言葉を聞いていいことを思い付いた。 この憎たらしいまりさに相応しい最後。それでいて実益のある処刑を。 食べ物を取ってこなかった罪、裏切った罪はその身で払ってもらえばいいのだ。 巨大れいむはうっすらと笑みを浮かべながら赤ちゃん達に話しかける。 「ねぇ、あかちゃん。たべものなら、あるよ」 「ゅ? どきょ?」 「ゆっきゅりたべものちょーだい!!」 「おばーちゃんだいちゅきー!!」 「たべものはね。これだよ」 巨大れいむは舌でまりさを示す。 頭の上に"?"を浮かべた家族だったが、 巨大れいむの考えが徐々に理解できた家族の顔が青ざめていく。 そして震えた声を出す。 「ゅ…でも、これ、まりさだよ?」 「まだ…いきてるよ。いきてる、まりさだよ…?」 「まりしゃおかーしゃんはたべものじゃないよ!」 「おかーさん…? なに、かんがえてるの…」 「まりさはたべものとってこなかったよ。だからまりさはたべものになってもらうよ」 「で、でも…」 「まりさをたすけたいの? このまりさはみんなをうらぎったんだよ? そんなまりさはたべられてとうぜんだよね?」 巨大れいむの真っ黒な瞳が娘たちを映した。 まるで捕食者に睨まれているような気分だった。 この提案を断ったら自分も食べ物にされるんじゃないかという恐怖が娘達を襲う。 「あ、あかちゃん。まりさを、まりさをたべてね!」 「ゅ? でもまりしゃおかーしゃんは…「いいからゆっくりしないでたべてね!!」 「ゅゅーっ! た、たべりゅよ!!」 母への恐怖が娘を突き動かした。 娘たちは怯えた声で赤ちゃんに親食いを命じた。 数十匹の赤ちゃんは親に従ってまりさの体に被さった。 そして小さな口で啄むようにまりさを食べていく。 少しずつ少しずつ食べられていく痛みにまりさは不幸にも目を覚ました。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!? い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!!!!」 全身至る所を噛み千切られる痛みに悲痛な叫びをあげる。 体を転がして痛みの原因を取りはらおうとするが、赤ちゃんが数十匹纏わりついているのだ。 力が弱く根性も無いこのまりさは身動き取れずにいた。 「なんでぇぇぇ!! なんでまりざをだべるのぉぉぉぉお!!!?」 「まりさはいったよね。 しごとしないならゆっくりするけんりはないって」 「ゆぎっ、ゆぎゅぶぉおぉおぉぉごおぉ!!!」 口を開いた結果、上唇も下唇も別の赤ちゃんに噛みつかれたようだ。 話しかけた巨大れいむの方に視線を向けているので一応聞いているのだろう。 「まりさはまいにちゆっくりばかりでしごとしなかったよ。 あかちゃんがふえてもゆっくりあそぶだけ。 きょうもたべものわすれてゆっくりあそんだんだよね?」 「おごおぉぉぉ!! ぼぎょっ、ぼごっ……!!」 まりさは涙をボロボロ流して巨大れいむに助けてとアイコンタクトで訴えかける。 開いた口から数匹の赤ちゃんが入りこんで、口の中からまりさは食べられていた。 歯茎の辺りなど美味しいのか剥がすように食われていた。 さらにまりさの片目は赤ちゃんの小さな口でちまちまと齧られている。 もう片方の目もそろそろ噛みつかれるだろう。 「でもまりさはさいごにこうしてしごとができたよね」 「………」 「たべものはもってこなかったけど、たべものになってくれたね」 「………」 まりさはもう口内をことごとく食い荒らされて喋れない。 眼球は瞳から食い破られ、中身を吸われるように食されてもう何も見ることが出来ない。 音だってもう聞こえないのかもしれない。 娘たちやその子供はおうちの隅で泣いて震えながらその惨状を見ていた。 巨大れいむもまた、心がすっきりするのを感じながら黙って見ていた。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!」 「まりしゃおかーしゃんおいちーね!!」 「ゅゅー、こっちもおいちーよ!!」 おうちの中には善悪の無い赤ちゃんによるまりさの味批評の声と咀嚼の音、あとは娘達のすすり泣く声だけが響いていた。 それから時間にして30分程度だろうか。 まりさは数十匹のプチトマトサイズの赤ちゃんに非常にゆっくりと食べられた。 ハーレムの王を気取っていたまりさは僅かな食べかすと帽子を遺してこの世からいなくなった。 赤ちゃん達は満腹になってスヤスヤとお休みモードだ。 罪悪感なんてないのだろう。とても満足そうな表情を浮かべている。 娘たちと子ゆっくり達はというとゆっくりの捕食シーンを目の当たりにして怯えていた。 何よりも巨大れいむに怯えていた。 確かにまりさが自分たちを見捨てようとしたのは許せない。 でもそれに対する罰は袋叩きにして追放する程度だと考えていた。 しかしお母さんである巨大れいむはどうだ。 お腹を空かせた赤ちゃんにまりさを食べさせたのだ。それも生きたままのまりさを。 そんなことをさせるお母さんが何よりも恐ろしく、身の危険すら感じていた。 対して巨大れいむはドス黒い快感にすっきりしていた。 あの憎いまりさが自分の赤ちゃんに食べられて体の崩れていく様はこの上なく興奮できた。 何だか物足りない気もしたが、これで赤ちゃんも満腹になれたし働かないまりさもいなくなった。 娘たちも反省しているようだし全てが上手くいったんだ。 巨大れいむはそれを確信し、幸せな気分のまま眠りについた。 翌朝、娘と子供達は昨日と同じように食糧調達に出かけた。 巨大れいむと赤ちゃん達は笑顔で見送ったが、娘達は二度と帰ってくることは無かった。 遊び呆けて赤ちゃんの世話を忘れた昨日とは違った。 恐ろしい母とはもう居られない。 生きていたまりさを食べ、同種の味を知った赤ちゃんも連れていきたくなかった。 それゆえに子を連れて旅立ったのだ。 こうして甘やかされた娘達は巨大れいむの意図しない形で独り立ちを果たした。 子と共に食糧調達に出かける楽しみを知った彼女たちはもう大丈夫だろう。 きっと野生に生きるゆっくりとして生き、野生に生きるゆっくりとして死ぬのだ。 一方おうちに残るのは巨大れいむ一匹になっていた。 辺りには孫の赤ちゃんの名残である飾りが散らばっている。 巨大れいむが食べ物を探しに出かけている間に赤ちゃんは共食いを始めた。 生きたまりさを食べさせたのが間違いだった。 同種の味を知っただけでなく、悪いことをしたゆっくりは食べ殺してもいいと勘違いしたのだ。 お腹の減った赤ちゃんは巨大れいむが出かけている間にちょっとしたことで姉妹を悪者に仕立て上げた。 それは「ぶつかってちょっといたかった」とか「じぶんのおもちゃ(小石)をとった」だとかほんの些細なことだ。 そしてお互いに悪いゆっくりを食べた。 そしておうちに戻った巨大れいむに最後に残った赤ちゃんが噛みついた。 巨大れいむはそれがまりさ種だと確認すると、自分の顎に食いつく赤ちゃんまりさをそのまま壁に押し付けて潰した。 巨大れいむは深い溜息をつく。 自分はどこで間違ったのだろうか。 甘やかした娘達を更生させようとした結果がこの孤独だ。 寄生虫のようなまりさは処刑してやった。 なのに娘達は食べ物を探しに行ったきり行方知れずになった。 そして孫達はどうしたことか共食いして全滅した。 ああ、なんということだろう。 結局自分は家族を崩壊させてしまっただけじゃないか。 取り返しのつかないことをしてしまったと巨大れいむは嘆いた。 だが巨大れいむは気付いていなかった。 娘達は形だけではなく本当の親としての第一歩をしっかりと踏み出せていた。 その点で言えば巨大れいむは間違ってなかったのかも知れない。 しかし巨大れいむがそのことに気づくことは永遠にない。 結局巨大れいむは死ぬ間際までどこで何を間違えたのかと後悔し続けた。 終 by ゆっくりしたい人 巨大れいむに運命の分岐点があるとすれば逃げたまりさに追いついた時。 このSSに感想を付ける
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『甘やかした結果』 若草の萌える季節、桜も散った森の中を2mほどもある巨大なれいむが駆けていた。 頬は大きく膨らんでいて、そこに大量の食料が詰められていることが分かる。 明らかに巨大れいむ一人が食べきれる量ではなく、今は春なので冬篭りのための食料でもない。 この食料は娘のための食糧だった。 巨大れいむのおうちである広い洞窟の入口前で大小様々なゆっくりが遊んでいた。 巨大れいむが帰ってきたのに気づいた一匹の成体れいむが洞窟の中のゆっくりに「おひるごはんだよ!!」と呼びかける。 その声に洞窟の中でゆっくりしていたゆっくり達がゾロゾロと洞窟から出てきた。 それらはほとんどれいむ種で、まりさ種はれいむ種ほどではないがそれなりにいる。 成体のれいむ数匹は全て巨大れいむの娘だ。 成体のまりさは一匹だけだが、そのまりさが巨大れいむの娘たちに子種を与えたゆっくりだった。 まりさの子種を受けたれいむの産んだ子ゆっくりと赤ちゃんゆっくりが巨大れいむの孫ということになる。 巨大れいむが頬に貯めた食糧を地面に全部吐き出すと娘や孫たちは礼も言わずにガツガツと食事を始める。 「うっめ、めっちゃうっめ!!」 「はふはふ、ちょっとすくないけどしあわせー!」 「おかーしゃん、れいみゅもたべたい!!」 「れいむのごはんをわけてあげるね!」 「わーい、ありがちょう!!」 巨大れいむは自分などそっちのけで食事する娘たちを寂しげに見ていたが、やがておうちに戻ると深いため息をついた。 いつからこうなったのだろうか。 立派な成体ゆっくりの娘たちは未だに食糧調達に出かけようともせず独り立ちをする気配もない。 成体まりさも娘を孕ませたうえに半ば無理矢理おうちに住み着き、そのくせ一度も食糧調達には出かけていない。 これでも一緒に食べ物を探しに行こうと何度か誘った。 しかし「またこんどいくよ!」だとか「あかちゃんのせわでひまがないよ!」などと何かと理由付けて断られた。 赤ちゃんの世話と言うが、一番大変な食事集めの他に何があるのだろう。まりさは赤ちゃんと一緒に遊んでるだけだった。 孫の子ゆっくりや赤ちゃんゆっくりもそんな親に育てられたせいか、 食料は危険を冒して取りに行くものではなくて運ばれてくるものだと思ってる節がある。 そんな孫たちに教育しようとした時もあったのだが、 「れいむのかわいいこどもはれいむがそだてるよ!」 「おかーさんはそれよりもたべものとってきてね!!」 「おちびちゃんはこっちでゆっくりあそぼうね!!」 といった風に娘たちが邪魔してくるのだ。 孫たちも教育なんてつまらないことよりも娘の誘いに乗って遊びに行ってしまう。 そんなうちに孫たちはどこまでも甘えさせてくれるお母さんである娘に懐き、 何かと口うるさいお婆さんの自分に甘えるのは食事を持ち帰った時ぐらいのものだ。 それすらも最近は無くなったが。 おうちの入り口付近で駆け回ったり押し合いして遊ぶ娘達を見て巨大れいむは再びため息をついた。 巨大れいむは後悔していた。娘達を甘やかしすぎたことを。 産まれて間もない娘達の喜ぶ顔が見たい一心で巨大れいむは食料を集めていた。 甘えてくる娘達を受け止めて存分に甘やかした。 娘達が子ゆっくりに育っても、平均的なゆっくり家族のように子供と一緒に食べ物集めには行かなかった。 娘を危険な目に合わせるわけにはいかないと一人で食料を探しに出かけていたのだ。 娘達が成体と呼ばれるまで大きく育っても巨大れいむは娘を独り立ちさせずに世話をし続けた。 この時はまだ自分の育て方が悪いと思ってなかったし、事実として娘達はとてもゆっくり出来ていた。 そんなある日のこと、食料を集め終えておうちに帰ると一匹のまりさが娘達とゆっくりしていた。 巨大れいむは侵入者のまりさよりもまず、娘達の頭に茎が生えていたことに驚いた。 どの茎にもれいむ種とまりさ種の赤ちゃんが実っていた。 それはつまり、どこからともなく現れたまりさによって娘が孕まされたことを意味していた。 自分の居ない間におうちに侵入した上に、可愛い娘をも汚したこのまりさを許すわけにはいかない。 強い憤りを感じた巨大れいむはまりさをこの場で潰してやると身構えたが、 「このまりさはれいむたちをすっきりさせてくれたんだよ!」 「ゆっくりできるまりさだよ!!」 「おかあさんみてみて! あかちゃんができたんだよ!」 「まりさのおかげでゆっくりできるよ!!」 幸せそうに笑顔を浮かべて喜ぶ娘達を見ると、目の前でゆっくり殺しなど出来るわけもなかった。 かといってまりさに対する怒りが消えたわけではない。 怒鳴りつけたいのを抑え、極めて冷静にまりさへ話しかける。 「まりさ、こんなにたくさんのあかちゃんをうませたけどちゃんとそだてられるの?」 「もちろんそだてられるよ! だからきょうからここをおうちにするね!!」 「よろしくねまりさ!」「いっしょにあかちゃんそだてようね!!」 どうやら娘達とまりさの間ではこのおうちに住み着くことは決定済みらしい。 それは赤ちゃんを生やした娘のことを考えるとそれでいいのだが、 まりさの返答を聞く限りでは赤ちゃんの世話について深く考えておらず、何とかなるだろう程度にしか考えていないように見えた。 逆にそうでなければ「もちろんそだてられる」などと軽々しく即答できるわけが無い。 きっと後先考えず、性欲の赴くままに娘たちに子種を植え付けたのだろう。 そうしてまりさはおうちに住み着き、次の日には赤ちゃんゆっくりが産まれ落ちた。 娘全員から5~10匹産まれたので相当な数の赤ちゃんでおうちは満たされた。 窮屈に感じられたが、元々広い洞窟なので生活するのに不都合はなかった。 それでも跳ねるときは赤ちゃんを潰さないように細心の注意が必要になったが。 「おばーちゃんゆっくちしていっちぇね!」 「おばーちゃんいっしょにゆっくりちようね!!」 と身体を摺り寄せてくる孫はとても可愛くてゆっくりできていた。 だが同時に、この可愛い孫達のために大量の食べ物が必要だと思うと不安が募るばかりだった。 念のために貯蓄しておいた食べ物だって二日と持たないだろう。 なので巨大れいむはまりさに食べ物集めを手伝うようにお願いしたのだが、 「まりさはあかちゃんのせわするからむりだよ! またこんどね!」 と断られ、娘や孫達には 「おかーさん、あかちゃんのたべものおねがいね!」 「がんばってねおかーさん!」 「ゆっくりまってるよ!!」 「ほら、あかちゃんたちもおねがいしてね!」 「「「おばーちゃん、ゆっくちたべものちょーだいね!!」」」 「まりさのぶんもわすれないでね! おおめにね!」 と頼まれた巨大れいむは可愛い娘や孫達の頼みならば仕方ないと一匹で食料調達に出かけた。 最後のまりさの頼みにはイラっと来たが、怒りを露にして赤ちゃん達を怯えさせるのも良くないと思って我慢した。 明日には一緒に食べ物を集めてくれるだろう、そう信じて巨大れいむは食べ物を集めた。 しかし次の日も、また次の日も、そしていつまで経ってもまりさも娘達も食べ物集めを何かと理由付けて手伝ってくれなかった。 そうしている間に赤ちゃんゆっくりは子ゆっくりサイズにまで成長した。 それぞれ食べる量も多くなり、巨大れいむ一匹で集めた食料だけではもう足りなくなっていた。 なので娘達には子を連れて引越ししてもらおうと思ったが、その旨を伝えようとした矢先に娘達とまりさはまた次の赤ちゃんを産み出していた。 これ以上赤ちゃんが増えると食べ物が足りなくてゆっくり出来ないからすっきり禁止と伝えていたのにも関わらずだ。 当然巨大れいむは娘達を責めたが、 「かわいいあかちゃんをみるとゆっくりできるよ」 「すっきりをがまんしたらゆっくりできなかったよ。だからすっきりしたんだよ」 などと訳の分からない言い訳が返ってきた。要は自分勝手な理由で赤ちゃんを産んだのだ。 さすがの巨大れいむもこれには呆れるしかなかった。 娘達はまた可愛い赤ちゃんが産まれたと、孫は妹が出来たと喜んでいたが、巨大れいむは全く嬉しくなどなかった。 確かに目の前の赤ちゃん達はとてもゆっくりした赤ちゃんで愛らしい。 しかしながら巨大れいむにとって赤ちゃんはこの状況下において負担でしかないのだ。 それから三日経った今、巨大れいむはこうして溜息をついているわけである。 巨大れいむは二度目の赤ちゃんゆっくりが産まれてからはほとんど休まず食料調達に出かけた。 朝は日が昇る前から出かけ、 昼は娘達に集めた食べ物を渡すと十分ほど休んでまた出かけ、 日が暮れる前に戻って疲れを取るためにすぐ眠りに付く。 ゆっくりする暇なんてとてもじゃないが無かった。 しかし疲れが溜まっていたのだろう。 娘の育て方に後悔して溜息している間に巨大れいむは深い眠りについてしまったらしい。 目が覚めると夕暮れ時だった。 本来なら夕食を持ち帰ってきているはずの時間だ。 だが昼寝をしてしまったので当然食べ物などあるわけが無かった。 「ゆ…ゆっくりねたけっかがこれだよ…」 初めは焦った巨大れいむだったが、一食ぐらい抜いても大丈夫だよねと結論付けた。 何よりも今日まで毎日休まずに食べ物を探しに出たのだ。半日ぐらい休んだっていいはずだ。 ところが夕飯は運んでもらうのが当たり前の娘や孫達からすればそんなの勝手な理由でしかない。 巨大れいむはおうちに勢揃いした家族達に口々に文句を言われ、責められた。 「なにかんがえてるの! あかちゃんがおなかすいてるよ!!」 「れいむもいっぱいあそんでおなかすいてるんだよ!」 「これじゃゆっくりできないよ! おばーちゃんはゆっくりできないね!!」 「おなかちゅいたよ! おかーちゃんたべものはー?」 「ほら! おかーさんがさぼるからゆっくりできないよ!!」 「まりさはおこってるよ! やることやらずにゆっくりしないでよね!」 「ゆ"…」 なんでここまで怒られるのか全く分からなかった。 毎日ゆっくり遊んでるだけのくせにどうしてそんな事を言えるのだろう。 今までゆっくり出来たのは自分がゆっくりせずに頑張ってきたからだ。 それなのにちょっとゆっくりした結果がこの罵詈雑言の嵐である。 夕食を用意出来なかったのは確かに悪かったとは思ってる。 だがここまで言われるような悪い事をしたのだろうか。 何も一食抜いたぐらいで死にはしないし、我慢できなければ周囲の草木を食べれば十分のはずだ。 だからこそいつまでも続く娘や孫達からの罵倒に巨大れいむはイラつき始めていた。 「おかーさんはほんとつかえないね!」 「さいきんはたべものすくないし!」 「そうだよ! さいきんおなかいっぱいになれてないよ!!」 (それはあかちゃんをふやすからとりぶんがへったんだよ) 「こどもとあかちゃんがおなかすいてゆっくりできないよ!」 「たくさんたべものもってこないからだよ!!」 「おばーちゃん、おなかちゅいたよ!!」 「たべものもってこないおばーちゃんはきりゃいだよ!!」 (たべものもってるときだけあまえてくるおまえたちなんてれいむもすきじゃないよ) 「たべものもってくるぐらいちゃんとしてよね!」 「なんでそんなこともできないの!」 「れいむたちでもやればできることだよ!?」 (やったこともないくせにかんたんなんてよくいえるね) 「ほんとだめなおかーさんだね!」 「まりさもゆっくりしてないでなんかいってよ!!」 「ゆ! まりさはあたまいいからしってるよ! しごとしないならゆっくりするけんりはないんだよ!!」 (そうだよね。たしかにまりさのいうとおりだよ。 しごとしないならゆっくりするけんりなんてないよね) 「ゆんっ、こんなおおきいだけのむのうなれいむはしんでね!」 まりさがニヘラと笑顔を浮かべて体当たりしてきた。 まりさの頭の中では巨大れいむを吹き飛ばす光景が見えているのだろう。 巨大れいむは微動だにせず、可哀想なぐらい軽い体当たりを悠々と受け止めた。 そして間髪入れずにまりさに噛みつき、歯で締め上げた。 「ゆ"っ!? あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!」 まりさは巨大れいむの歯に挟まれ、痛みに悶える。 だが体に食い込むほど強く噛みついているのだから逃げられる訳もない。 出来ることと言ったら、外に出てる口で必死に悲鳴を上げるぐらいだ。 「なんでごんなごどずるのぉぉぉぉ!!!」 「まりざをはなじでえぇぇ!!」 「おがーさんひどいよぉぉぉぉ!!」 周りの娘達が何だか煩いのでまりさを離してやることにした。 ペッと唾を吐き出すのと同じ要領でまりさを地面に吐きだした。 「ゆぎっ! ゅ"、ゆ"ぅ"…」 地面に落とされたまりさは体をガクガクと震わせ、大粒の涙を流しながら這いつくばっていた。 歯形が残っているとはいえ普通のゆっくりならこの程度の痛みでここまで苦しむことはない。 だがゆっくりしすぎたまりさは痛みに慣れておらず、大袈裟なほど苦しんでいた。 つい数秒前まで生意気言っていたくせに今は惨めでしかなかった。 「まりさー!」 「ゆっくりだいじょうぶ?」 「いたいのゆっくりとんでってね!!」 「おかーさん! まりさになにするの!!」 まりさに駆け寄った娘たちはまりさを庇うように巨大れいむの前に立ちはだかった。 何で目先のゆっくりやすっきりしか見えないまりさを庇うのだろう。 元はと言えばこのまりさが娘たちをすっきりさせなければ食べ物に困らなかったし、 このまりさが食べ物集めを手伝ってくれれば食糧事情も少しは楽になったろうに。 いや、この娘たちはそんなの分かってないのだ。 娘たちはこのまりさと同じで目先のゆっくりしか見えていない。 そしてこんな娘に育てたのは他でもない自分だ。 ああ、そうか。 そこまで考えた所で巨大れいむはようやく理解した。 これまで娘たちを甘やかしていたからこそ自分がゆっくり出来てなかったということに。 娘たちが子供を連れて引っ越さないのも、 まりさがいつまで経っても食べ物集めを手伝わないのも、 自分が文句も言わず、叱りもしない結果だったんだ。 「あまやかしたけっかがこれだよ…」 「ゆ? なにいってるの!」 「そんなことよりまりさにあやまってよね!!」 「あとたべものもいまからでいいからとってきてよね!」 俯いていた巨大れいむは口の減らない娘たち、そして孫達を強い意思の宿った瞳で睨みつけた。 その強い視線に娘達も孫も、そして呻くだけのまりさも目を合わせられず黙り込んだ。 そして巨大れいむは娘達に告げる。 「ゆっ、きめたよ。 れいむはもうみんなのためにたべものをはこばないよ。 あしたからはじぶんでたべものさがしてね」 巨大れいむはようやく決心したのだ。 もう娘たちの世話はしない。 これからは娘たちに娘たちの家族を養わせる。 まりさには特に働いてもらおう。 何しろこれだけの子供や赤ちゃん達共通の親なのだから。 「たべもののおおいばしょはおしえてあげるからがんばってね」 「ゆっ! まってよ!!」 「そんなのなんでれいむたちがやらなきゃいけないの!!」 「そうだよ! たべものなんておかーさんがもってくればいいでしょ!!」 「さぼろうとするなんてゆっくりできてないね!!」 「やるきがないならおうちからでていってね。 しごとしないゆっくりはゆっくりするけんりはないよ」 「なにいってるの!」 「れいむはおこったよ! あかちゃんだっているんだよ!!」 「でてくならおかーさんがでてってね!!」 「とにかくきめたことだよ。 れいむはでていかないし、おまえたちがみんなのせわをすることもかわらないよ。 ゆっくりりかいしてね」 その後もゆーゆーと煩い娘たちだったが、 日が完全に暮れて真っ暗になると一匹、また一匹と眠りについていった。 まりさはその間もずっと痛みで泣いていた。異常なほど打たれ弱いまりさだ。 そこまで確認して巨大れいむも眠りについた。 翌朝。 日が昇り始めたころに巨大れいむは目を覚ました。 娘たちは今までかなりの遅起きだったようだがこれからはそうはさせない。 食糧調達に出かけてもらうまりさと娘たち、さらには子ゆっくり達を舌でつついて起こした。 「ゆぅ、なに? なんなの?」 「おばーちゃん、にゃんなの? じゃまちないでね…」 「まだおきるじかんじゃないよ。ゆっくりねさせてね」 「ねむりをじゃまするなんてゆっくりできないね!」 「たべものさがしにでかけてね」 「なにいってるの? ばかなの?」 「それはおかーさんのしごとで…ゆ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!?」 巨大れいむは一匹の娘に噛みつくとおうちの外へと投げ飛ばした。 そして他の娘たちも次々と投げ飛ばす。 「なにするの! まりさのれいむにらんぼうしないでね"っ!?」 もちろんまりさも投げ飛ばした。 娘たちよりも気持強めに噛みついておいた。 「い"だい"ぃ"ぃ"!! まりざにもらんぼうじないでぇぇぇ!!」 「いたいのがいやならたべものさがしにいってね」 まりさも娘たちも震えて泣きながら頷いた。 痛みに慣れてないのは娘たちも同じで、体罰はよく効いたようだ。 「あかちゃんはれいむがせわみてあげるからほかのみんなはたべものさがしてきてね」 赤ちゃんはまだ外に出すつもりはない。 赤ちゃんの仕事はゆっくり育つことなのだから。 しかしこれで面白くないのは赤ちゃんではない子ゆっくりだ。 「なんでれいむもいかなきゃいけないの!」 「いもうとはなんでいかなくていいの!?」 「そうだよ! おばーちゃんずるい!!」 妹である赤ちゃん達はゆっくりしていいのに姉である自分がダメなのか分からないらしい。 いや、この環境下で育った子供達が分からないのも当然か。 しかしだからといってここで甘やかしたら自分の娘のように働かないゆっくりに育ってしまうかも知れない。 巨大れいむとしては自分の犯した過ちを繰り返したくなかった。 といっても小さい孫に娘と同じような体罰は出来ない。 自然と外に行きたくなるよう説得することにした。 「ゆっ! だいじょうぶだよ。 おかあさんについていくだけだからゆっくりできるよ。 ゆっくりぴくにっくしてきてね」 「ゆ? ゆっくりできるの?」 「おかあさんとぴくにっく? ゆっくりできそう!」 「ゆーん! おかーさんゆっくりいこうね!」 「ゆ、ゆん…ゆっくりいこうね」 実の娘が自分とのピクニックを楽しみにする姿を見た娘たちは諦めがついたようだ。 むしろ子供の様子を見て外に出かけるのもいいかもと思ったのかもしれない。 「ゅー? れいみゅたちはどうしゅればいいの?」 「ゆっきゅりまってればいいの?」 「まりしゃもおかーしゃんといっしょにいきたいよ!」 「おちびちゃんたちはおるすばんだよ。 おかーさんがたべものもってきてくれるからあんしんしてね」 「ゅゅー! おかーしゃんがもってきちぇくれるの!」 「ゆっきゅりたのしみ!」 「いっぱいもってきちぇね!!」 「ゆ! わかったよれいむのあかちゃん!」 「ゆっくりまっててね!!」 赤ちゃんの声援のおかげで娘達はやる気が湧いてきたようだった。 これは良い傾向だ。 どうなるかと思って不安だった巨大れいむも今は胸のつかえが取れたような清々しさを感じていた。 その後は赤ちゃんと共に娘たちとその子供、それとまりさを見送った。 「おひるにはかえってきてね!」 「おかーしゃんまっちぇるよ!!」 「ゆっくりいっぱいもってきちぇね!!」 「ゆっ! あかちゃんのためにがんばるよ!!」 「ゆっくりまっててね!」 娘達は赤ちゃんの応援を受けて嬉しそうに駆けていった。 食べ物のある場所はすでに教えてある。 そう遠くは無いし、あそこは外敵もいないから大丈夫だろう。 ただひとつ心配なのはまりさがずっと乗り気ではなさそうだったことぐらいか。 だが今までゆっくりし続けていた娘たちは巨大れいむが思っていたよりもゆっくりしすぎていた。 お昼過ぎになっても帰ってこなかったのだ。 そうなれば当然赤ちゃん達はお腹を空かせて喚きだす。 「おばーちゃんおなかへっちゃよ!」 「おかーしゃんがかえってこないよ? どうちたのー?」 「おなかがへってちからがでにゃいよ!!」 「ゆぅ…」 一体どうしたというのだろうか。 お昼に戻るように確かに伝えたはずだ。 それに娘達は赤ちゃんのためにやる気を出していた。 もしや外敵に襲われたのだろうか? それとも何か事故でもあったのだろうか? 巨大れいむは娘の身に何かあったのかと大きな不安に襲われた。 良かれと思って娘達を外の世界に行かせたことは間違いだったのか。 しかし悩んでいても赤ちゃん達のお腹は膨れない。 仕方ないので赤ちゃんを連れておうちの周りにある草木を食べさせた。 非常食であり隠れ蓑でもあるのでなるべく食べたくないが、赤ちゃんをこれ以上飢えさせる訳にもいかなかった。 そうして赤ちゃんのお腹が膨れたが、その後も娘たちは帰ってこない。 赤ちゃん達が不安がって泣き出したりもしたので巨大れいむはその対応に追われた。 だが夕方になると娘達は巨大れいむの心配をよそに満足そうな顔して帰ってきた。 娘もその子供達もみんな無事のようだ。 巨大れいむは安心したが一応どうしたのか聞くことにした。 「ゆ! どうしてひるにかえってこなかったの? あかちゃんがおなかすかせてたいへんだったんだよ」 「ゆ、ゅー…」 何ともばつの悪そうな反応をする娘たち。 そういえば夕食のための食べ物を持っていないようだった。 「それにたべものはどうしたの? これじゃあきょうもゆうしょくぬきになるよ?」 途中で誰かに取られたのだろうか? それとも迷った? 巨大れいむはいくつかの答えを予測していたが、娘達の答えはその中でも一番最悪のパターンだった。 「ゆっ、ゆっくりわすれてたよ!」 「でも、でもしょうがないよね!! こどもたちとあそんでたんだよ!!」 「みんなでかけっこしてあそんだんだよ!!」 「そうだよ! それにれいむたちはたべものちゃんとたべてこれたんだよ!!」 「れいむたちはよるごはんをたべてきたからだいじょうぶだよ!」 「あかちゃんはゆっくりがまんしてね!!」 「ゅー! おかーしゃんおなかしゅいたよー!」 「にゃんでたべものもってきちぇないのぉぉ!!」 「これじゃゆっきゅりできないぃ!!」 「うるさいよ! おうちでゆっくりしてたあかちゃんはゆっくりだまってね!」 「おなかすいたならじぶんでとってきてよね!!」 ああ、何という。 何というバカ娘なのだろう。 巨大れいむは嘆くほかなかった。 言い訳ばかりで一番守るべき赤ちゃんに八つ当たりまでするなんて。 巨大れいむは口で叱るよりも前に娘達とまりさに対して次々とその巨体をぶつけていた。 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆぎぃっ!!」 「ゆぎゃ!」 「なにずるの…ぁ"ぅ"っ」 「ま、まりさはわるくないよ! わるいのはれいむうぅ"ぅ"ぎい"ぃ"ぃ"ぃ"っ!!!」 「おまえたちはおやとしてさいていのことをしたんだよ!! じぶんがゆっくりできればあかちゃんがゆっくりできなくてもいいの!?」 おうちに響く巨大れいむの怒声。 続くのは怒られた娘たちの、そして怒声に怯えた孫達の泣き声だった。 しばらくして娘達は泣きながら謝罪を始めた。 「ゆっくりごめんなざい"ぃ"!」 「あかじゃんごめんね"ぇ"ぇ"ぇ"!!」 「れいむだちがぜんぶわるいのぉぉ!!」 わんわん泣きながら娘は赤ちゃん達に謝った。 赤ちゃんも泣きながらお母さんに擦り寄っていた。 仲直りしたのはいいことだが赤ちゃん達の夕食が無いことに代わりはない。 どうしようかと巨大れいむが思案していたその時だった。 「ゆっ! もうこんなゆっくりできないところにいられないよ!! ゆっくりできないれいむたちはみんなしんでね!!!」 「ゆっ? どういうことまりさ!!」 「おまえたちのせわなんてかんべんだよ! まりさがゆっくりできないならこんなところにいてもしょうがないよ!!!」 ただ一匹謝らずに不貞腐れていたまりさがそんな叫びと共におうちを飛び出した。 巨大れいむはまりさを追う。 ただの癇癪なのかもしれないが、このまりさは妻と子供を見捨てようとしているのだ。 逃がすわけにはいかない。 まりさは逃げながら考えていた。 こんなはずじゃなかった。 まりさがあのおうちに忍び込んでれいむ姉妹と出会った時に聞いたのだ。 あの親の巨大れいむが全部の世話をしてくれる。食べ物も全部運んでくれるからゆっくり出来ると。 だからこそあのれいむ姉妹と乱交した後に立ち去らず、そのまま居残ったのだ。 妻や赤ちゃん達に囲まれて王様気分だったのに突然巨大れいむが食べ物集めろなんて変なこと言いだした。 なんで他のゆっくりのために働かなきゃいけないのか分からない。 赤ちゃんがどうとかあの巨大れいむは怒っていたが、赤ちゃんなんてまた作ればいいだけ。 所詮他のゆっくりは自分がゆっくり出来るための道具なんだ。 ああ、でももういいや。 もうあんなゆっくり出来ないゆっくり達とは別れてもっとゆっくり出来るパートナーを探すとしよ―――― まりさがれいむ家族との決別を決めたその瞬間。 まりさの背後から圧倒的な質量が圧し掛かってきた。 そして次の瞬間にはまりさの体は宙を飛んでいた。 (おそらをとんでるみたい) 吹き飛ばされたまりさはそんな危機感のないことを思いながら真っ直ぐ飛んでいく。 直後木の幹にぶつかってまりさの意識は途絶えた。 巨大れいむは気絶したまりさを咥えるとおうちへと持ち帰ることにした。 まりさに追いつくのは簡単だった。 体長の違いもそうだが、毎日娘や孫のためにあちこちを駆けていた巨大れいむとほとんど運動していなかったまりさとでは運動能力に差がありすぎた。 怒りにまかせてその場で潰してしまうことも考えたが、そんなんじゃ巨大れいむの気は収まらなかった。 おうちへ戻った巨大れいむはまりさをおうちの中央に置いた。 痙攣して気を失っているまりさを憎しみの篭った瞳で睨みつける娘と孫たち。 共通の夫、共通の親であるまりさが自分たち放って逃げようとしたのだ。恨まれて当然である。 巨大れいむはまりさの処罰について考えていた。 まりさをもし許したとしてもまたすぐに脱走を企てるに違いない。 許さないのは決定でいいとしてどうしたものだろう。 と、そこへ一匹の赤ちゃんが言葉を漏らした。 「おかーしゃんおなかしゅいたよ」 自分の空腹を自分の母親に伝えただけなのだろうが、巨大れいむはその言葉を聞いていいことを思い付いた。 この憎たらしいまりさに相応しい最後。それでいて実益のある処刑を。 食べ物を取ってこなかった罪、裏切った罪はその身で払ってもらえばいいのだ。 巨大れいむはうっすらと笑みを浮かべながら赤ちゃん達に話しかける。 「ねぇ、あかちゃん。たべものなら、あるよ」 「ゅ? どきょ?」 「ゆっきゅりたべものちょーだい!!」 「おばーちゃんだいちゅきー!!」 「たべものはね。これだよ」 巨大れいむは舌でまりさを示す。 頭の上に"?"を浮かべた家族だったが、 巨大れいむの考えが徐々に理解できた家族の顔が青ざめていく。 そして震えた声を出す。 「ゅ…でも、これ、まりさだよ?」 「まだ…いきてるよ。いきてる、まりさだよ…?」 「まりしゃおかーしゃんはたべものじゃないよ!」 「おかーさん…? なに、かんがえてるの…」 「まりさはたべものとってこなかったよ。だからまりさはたべものになってもらうよ」 「で、でも…」 「まりさをたすけたいの? このまりさはみんなをうらぎったんだよ? そんなまりさはたべられてとうぜんだよね?」 巨大れいむの真っ黒な瞳が娘たちを映した。 まるで捕食者に睨まれているような気分だった。 この提案を断ったら自分も食べ物にされるんじゃないかという恐怖が娘達を襲う。 「あ、あかちゃん。まりさを、まりさをたべてね!」 「ゅ? でもまりしゃおかーしゃんは…「いいからゆっくりしないでたべてね!!」 「ゅゅーっ! た、たべりゅよ!!」 母への恐怖が娘を突き動かした。 娘たちは怯えた声で赤ちゃんに親食いを命じた。 数十匹の赤ちゃんは親に従ってまりさの体に被さった。 そして小さな口で啄むようにまりさを食べていく。 少しずつ少しずつ食べられていく痛みにまりさは不幸にも目を覚ました。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!? い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!!!!」 全身至る所を噛み千切られる痛みに悲痛な叫びをあげる。 体を転がして痛みの原因を取りはらおうとするが、赤ちゃんが数十匹纏わりついているのだ。 力が弱く根性も無いこのまりさは身動き取れずにいた。 「なんでぇぇぇ!! なんでまりざをだべるのぉぉぉぉお!!!?」 「まりさはいったよね。 しごとしないならゆっくりするけんりはないって」 「ゆぎっ、ゆぎゅぶぉおぉおぉぉごおぉ!!!」 口を開いた結果、上唇も下唇も別の赤ちゃんに噛みつかれたようだ。 話しかけた巨大れいむの方に視線を向けているので一応聞いているのだろう。 「まりさはまいにちゆっくりばかりでしごとしなかったよ。 あかちゃんがふえてもゆっくりあそぶだけ。 きょうもたべものわすれてゆっくりあそんだんだよね?」 「おごおぉぉぉ!! ぼぎょっ、ぼごっ……!!」 まりさは涙をボロボロ流して巨大れいむに助けてとアイコンタクトで訴えかける。 開いた口から数匹の赤ちゃんが入りこんで、口の中からまりさは食べられていた。 歯茎の辺りなど美味しいのか剥がすように食われていた。 さらにまりさの片目は赤ちゃんの小さな口でちまちまと齧られている。 もう片方の目もそろそろ噛みつかれるだろう。 「でもまりさはさいごにこうしてしごとができたよね」 「………」 「たべものはもってこなかったけど、たべものになってくれたね」 「………」 まりさはもう口内をことごとく食い荒らされて喋れない。 眼球は瞳から食い破られ、中身を吸われるように食されてもう何も見ることが出来ない。 音だってもう聞こえないのかもしれない。 娘たちやその子供はおうちの隅で泣いて震えながらその惨状を見ていた。 巨大れいむもまた、心がすっきりするのを感じながら黙って見ていた。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!」 「まりしゃおかーしゃんおいちーね!!」 「ゅゅー、こっちもおいちーよ!!」 おうちの中には善悪の無い赤ちゃんによるまりさの味批評の声と咀嚼の音、あとは娘達のすすり泣く声だけが響いていた。 それから時間にして30分程度だろうか。 まりさは数十匹のプチトマトサイズの赤ちゃんに非常にゆっくりと食べられた。 ハーレムの王を気取っていたまりさは僅かな食べかすと帽子を遺してこの世からいなくなった。 赤ちゃん達は満腹になってスヤスヤとお休みモードだ。 罪悪感なんてないのだろう。とても満足そうな表情を浮かべている。 娘たちと子ゆっくり達はというとゆっくりの捕食シーンを目の当たりにして怯えていた。 何よりも巨大れいむに怯えていた。 確かにまりさが自分たちを見捨てようとしたのは許せない。 でもそれに対する罰は袋叩きにして追放する程度だと考えていた。 しかしお母さんである巨大れいむはどうだ。 お腹を空かせた赤ちゃんにまりさを食べさせたのだ。それも生きたままのまりさを。 そんなことをさせるお母さんが何よりも恐ろしく、身の危険すら感じていた。 対して巨大れいむはドス黒い快感にすっきりしていた。 あの憎いまりさが自分の赤ちゃんに食べられて体の崩れていく様はこの上なく興奮できた。 何だか物足りない気もしたが、これで赤ちゃんも満腹になれたし働かないまりさもいなくなった。 娘たちも反省しているようだし全てが上手くいったんだ。 巨大れいむはそれを確信し、幸せな気分のまま眠りについた。 翌朝、娘と子供達は昨日と同じように食糧調達に出かけた。 巨大れいむと赤ちゃん達は笑顔で見送ったが、娘達は二度と帰ってくることは無かった。 遊び呆けて赤ちゃんの世話を忘れた昨日とは違った。 恐ろしい母とはもう居られない。 生きていたまりさを食べ、同種の味を知った赤ちゃんも連れていきたくなかった。 それゆえに子を連れて旅立ったのだ。 こうして甘やかされた娘達は巨大れいむの意図しない形で独り立ちを果たした。 子と共に食糧調達に出かける楽しみを知った彼女たちはもう大丈夫だろう。 きっと野生に生きるゆっくりとして生き、野生に生きるゆっくりとして死ぬのだ。 一方おうちに残るのは巨大れいむ一匹になっていた。 辺りには孫の赤ちゃんの名残である飾りが散らばっている。 巨大れいむが食べ物を探しに出かけている間に赤ちゃんは共食いを始めた。 生きたまりさを食べさせたのが間違いだった。 同種の味を知っただけでなく、悪いことをしたゆっくりは食べ殺してもいいと勘違いしたのだ。 お腹の減った赤ちゃんは巨大れいむが出かけている間にちょっとしたことで姉妹を悪者に仕立て上げた。 それは「ぶつかってちょっといたかった」とか「じぶんのおもちゃ(小石)をとった」だとかほんの些細なことだ。 そしてお互いに悪いゆっくりを食べた。 そしておうちに戻った巨大れいむに最後に残った赤ちゃんが噛みついた。 巨大れいむはそれがまりさ種だと確認すると、自分の顎に食いつく赤ちゃんまりさをそのまま壁に押し付けて潰した。 巨大れいむは深い溜息をつく。 自分はどこで間違ったのだろうか。 甘やかした娘達を更生させようとした結果がこの孤独だ。 寄生虫のようなまりさは処刑してやった。 なのに娘達は食べ物を探しに行ったきり行方知れずになった。 そして孫達はどうしたことか共食いして全滅した。 ああ、なんということだろう。 結局自分は家族を崩壊させてしまっただけじゃないか。 取り返しのつかないことをしてしまったと巨大れいむは嘆いた。 だが巨大れいむは気付いていなかった。 娘達は形だけではなく本当の親としての第一歩をしっかりと踏み出せていた。 その点で言えば巨大れいむは間違ってなかったのかも知れない。 しかし巨大れいむがそのことに気づくことは永遠にない。 結局巨大れいむは死ぬ間際までどこで何を間違えたのかと後悔し続けた。 終 by ゆっくりしたい人 巨大れいむに運命の分岐点があるとすれば逃げたまりさに追いついた時。 このSSに感想を付ける
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 「月」 月見里(12-676)氏 ▲ 月見里(12-676)氏 四月朔日 四月朔日―その後― 歌を歌ってみない? 1 ―その1― 歌を歌ってみない? 2 ―その2― 歌を歌ってみない? 3 ―その3― とある姫と勇者のRPG 1 小ネタ 嫁?婿? 小ネタ とある科学のレールガンちゃん とある姫と勇者のRPG 2 聖日目録―クリスマス― とある姫と勇者のRPG 3 とある姫と勇者のRPG 3 甘さは気持ち 小ネタ ○○○疑惑 とある科学のレールガンちゃん 《起承転結のない日》 オレンジデー 1 オレンジデー 2 小ネタ 強まる疑惑 スレチガイ とある科学のレールガンちゃん 《がんばれレールガンちゃん》 いちゃいちゃ……? 洒涙雨 1 ―前編― 洒涙雨 2 ―中編― 洒涙雨 3 ―後編― ふたり 居場所 1 美琴サイド 居場所 2 上条サイド 居場所 3 上条サイド・その後 居場所 4 クリスマス・プロローグ編 ▲ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 Back
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 「小」 小ネタ豚(13-961)氏 ▲ 小ネタ豚(13-961)氏 小ネタ 苗字 小ネタ 苗字ver2/他の女/願いと誓い ――ふたり―― 1 変化を兆す初詣[誓う守り] ――ふたり―― 2 変化を兆す初詣[誓う守り] ――ふたり―― 3 変化を兆す初詣[誓う守り] 番外編 ――ふたり―― 4 想定外の邂逅[二つの世界] ――ふたり―― 5 想定外の邂逅[二つの世界] ――ふたり―― 6 想定外の邂逅[二つの世界] ――ふたり―― 7 生き方、在り方、考え方[ふたりの道] ――ふたり―― 8 生き方、在り方、考え方[ふたりの道] ――ふたり―― 9 生き方、在り方、考え方[ふたりの道] ――ふたり―― 10 生き方、在り方、考え方[ふたりの道] ――ふたり―― 11 生き方、在り方、考え方[ふたりの道] ▲ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 Back
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セリフ集 場面 セリフ 備考 プロフィール …乾杯を…しにきてみました。お邪魔かとも思ったのですが、せっかくのパーティーなので。アイドルは…自分から、なにかをするもの…。ささやかではありますが、成長の証を… 親愛度 ここで「しばしご歓談を」だそうです、○○さん。私とのお話ですみませんが、少しでも英気の足しにしてもらえたら……。 親愛度100 ……古典文学では、パーティーはいつも運命の分かれ目でした。知り合った、かけがえのない人はやがて旅立ち、帰ってこない……。しかし、アイドルのパーティーは別物と思っています。ひとつの出会いをきっかけに皆が集まり、さらなる出会いへとつながっていく……。……その最初のひとつが見つけられなかった私ですが救ってくれた恩人に、乾杯を。たとえ、○○さんが旅立っても、私……待っています。 親愛度200 ホーム …こんな優雅な集い、恐れ多いです。なかなか経験できるものでは… …あらためて知りました。人生には…予期せぬ、きらびやかな章があると …マンダリン系ノンアルコール。周子さんが、私にと味を調えてくれて… 博識で社交的。それでも、美波さんの真の魅力は…品位なのだと思います …よかった。○○さんに…直接おめでとうを伝えられて 親愛度MAX あの…今日は○○さんの横で、学ばせてもらえたら… …暗い夜を模したドレス。多くの詩人が見上げてきた、星空のようです タップ時のみ …グラス越しに見つめ合うなら…恥じらいも覆い隠せるかもしれません …そっと、肩に腕を。なるほど。そのようにやるのですね。…なるほど …そのような凝視に値するものでは、ありませんよ?ないと思います …聞けると思いませんでした。○○さんからそんな言葉 タップ時のみ親愛度MAX 手の添え方は…こう?では…歩きましょう、○○さん ルーム …落ち着かない気分を隠すには…読書がいちばんですね …この部屋がいつもの装いだと、ただただ落ち着きます このような司書がいたら、さぞ驚かれるでしょうね 社交場…。私も絢爛の中で、悲喜こもごもを味わうひとりなのですね 強引な○○さん…。無理矢理、美しくされてしまって… 親愛度MAX ダンスホールの中央…。○○さん、どうか踊る勇気を… …そうですね。純白のストールは落とさないように… タップ時のみ ビュッフェ形式…。せっかくですから、ひと口だけ…。…ん …パーティー作法の本…見つくろっていただけませんか? …うつむいてはいません。…照れていただけで …わかりました、○○さん。ドレス姿でも、行動的に… タップ時のみ親愛度MAX ○○さんの大切な方に、ご紹介していただけたら…
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第二十七話:(まやかしに囚われて) ペ「お前は・・・、この前のブースター!」 「へえ、覚えててくれたんだ。そうよ、あたしはブースターのサラ、名前も覚えといて」 ペ「いったい何のようだ!」 サ「・・・あんた達みたいな、恋だの何だの言ってるような奴らの目を覚まさせに来たの」 歩「何ですって!?」 サ「愛や恋なんてくだらない。それなのに世の中の連中は、そうゆう物が大切だと思ってる」 歩「だってそうじゃない!」 サ「あたしは知ってる、そんなもの、一時の気の迷い、口先だけの甘い言葉にすぎない」 ペ「サラ・・・、君は何でそこまで愛や恋のことを否定する?」 サ「・・・あたしはトレーナーに飼われていた。二人の兄と一緒にね。ある時、あたしの主人はとある人に恋した。主人はその人と付き合い始めた。主人は幸せそうだった、ある日、目が覚めてみると主人がいない、いるのは主人の恋人だけ、主人の恋人は、あたしの主人はもういないと言った。最初はどうゆう意味かわからなかったけど、ふとそいつの後ろに目をやったら、主人が倒れていた。血まみれで全く動かない。これがどうゆう事かわかるでしょ?」 歩「殺された・・・」 サ「そうよ。あいつはあたしと兄さん達が欲しいがために、あたしの主人を殺した。あたし達はそいつから逃げた。そのうち小さな森の中へあたし達は入っていった。そこで何日か過ごしていたら、ある日、ブースターが森の中へ入ってきた。その人は優しく勇敢でかっこよかった。あたしはその人のことが好きになり、彼のためなら何でもしてあげられると思った。そしてその人があたしを呼び出した。付いて行ってみるとそこにはあたしの主人を殺したあいつがいた。どうしてなのか彼に聞いたら、 「この人が俺の主人だ。俺は主人に命令されてお前を捕まえに来た。お前に好意があるようにしたのはただの芝居だ。お前なんて好きでも何でもない。ただの獲物にしかすぎない」 ってあたしを嘲笑うように言ってきたわ。そう、あたし達はまだ狙われていた。あたし達はまた逃げた。兄さんの一人が囮になってあたし達は散り散りになった。そこでやっとわかったの。恋なんてまやかし、そんな物は、はなから存在していない」 ペ「・・・君は間違っている」 サ「何が間違っているもんですか!あたしは決めたのよ、愛や恋なんて物の犠牲者を増やさないためにみんなの目を覚まさせるって!」 ペ「君はただ心に空いた傷口をその行為で埋めようとしているだけだ」 サ「黙りなさい!!!さあ、あんた達の目を覚まさせてあげる。食らいなさい・・・」(ボッ!) ペ「君の考えが間違っていると言うことを、僕が証明してみせる。歩美、僕の後ろに!」 歩「ペレンネ!!そんな事したら・・・」 ペ「いいんだ。僕は君を愛してる。そのことがまやかしなんかじゃないと、サラに見せつけてやる」 歩「・・・・」 ペ「さあ来い!」 ボォ! ヒュン! 「うわああああ!!!」 ボッ! バシン!! ペ「な!?進!!」 進「うぐっ・・・かっこつけるのは・・・・かまわない・・・だけどな・・ぐっ・・・それで死んじまったら・・・もともこも・・・ないだろ・・・」 歩「兄ちゃん・・・」 進「ペレンネ・・・俺がこんな・・・野暮な事したのは・・・お前と歩美のことが・・・・大切だからだ・・・・」 ペ「・・・聞いてたのか・・・」 進「ああ・・・・最初から・・最後までな・・・」 サ「何で邪魔をするの?めざわりよ。燃え尽きなさい!!」(ゴォォォォォ!!!!!) 進「ぐおおおおお!!!!!」 ペ「進!!!そんな・・・、あの夢と同じだ・・・・」 進「・・・・・」 歩「兄ちゃん!!!兄ちゃーーん!!!!」 進はもう返事をしなかった。 まだ炎をあげて燃えている。 サ「さあ、これで邪魔者はいなくなったわ」 ペ「・・・・」 サ「どうしたの?やっぱり恋なんて物が幻だってわかった?」 ペ「・・・黙れ」 サ「そのイーブイもバカよね。この前あたしが黒こげにしてあげたのに、懲りずにまたあたしの炎に突っ込んでくるなんて」 ペ「黙れ!!!!」 サ「何?何でそんなにムキになるの?」 ペ「お前は・・・、お前は進を燃やした!!!関係の無い進を!!!!」 サ「だから?」 ペ「僕はお前を許さない!!絶対に許さない!!!」 サ「恋だの何だの言ってる奴を目覚めさせるのは、少し犠牲が必要よ」 ぺ「ふざけるな!!!!」(ヒュンヒュンヒュン!!) サ「フン(サッ)どうしてそんなに怒るの?物事に犠牲はつきものよ」 ペ「何が犠牲だ!!!お前は自分の境遇が嫌になった!!!!だからといって関係のない進を燃やして良いと思っているのか!!!!愛や恋を信じる前にそんなこと語るな!!!!」(シュババババ!!!!) サ「よっと(ヒュ)あたしだって信じたかったわよ!!!あたしだって恋や愛のことを信じたかった!!!でももう信じられない。あんな悲惨な目に遭うのはあたしだけで充分よ!!!」 ペ「お前はそのことをみんなに示すために、あんな事をしても良いと思っているのか!!お前があんな事をする度に別のことで悲しむ人達がいるんだぞ!!!」 サ「うるさい!!!!」(ゴォォォォ!!!!) 歩「ペレンネ!!危ない!!!」 ゴォォォォ!!!パァン!!!! サ「な!?あたしの炎が!!」 「関係なくはないぜ、ペレンネ」 歩・ペ「!!!」 進から上がる炎の中から声が聞こえる。 「俺は、お前等の大切な人だろ?」 炎が吹き飛んだ。 進「愛の戦士・進、ただいま参上!!!な~んちゃってな」 ≫第二十六話へ ≫第二十八話へ
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 「SsSs」 saku(17-163)氏 sanaeight(9-513)氏 SAS(2-763)氏 Silver(8-346)氏 ▲ saku(17-163)氏 小ネタ ●Rec ▲ sanaeight(9-513)氏 上条当麻の失恋物語 運命の出会い 1 運命の出会い 2 白紙の未来設計図 1 第一章『月曜日』 白紙の未来設計図 2 第二章『Break the Ice』 白紙の未来設計図 3 第三章『火曜日~Celui qui apporte la guerre~』 白紙の未来設計図 4 第四章『水曜日 ~Le Messager~』 白紙の未来設計図 5 第四章『水曜日 ~Le Messager~』 ▲ SAS(2-763)氏 俺の名を言ってみろ! 1 俺の名を言ってみろ! 2 小ネタ 好き好きセニョール(?) ▲ Silver(8-346)氏 小ネタ 「YOU」 小ネタ 片翼の鳥 ▲ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 Back
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 「ただタダタ」 たくみ(18-126)氏 だめだこりゃ(13-688)氏 ダニエル(19-956)氏 ▲ たくみ(18-126)氏 何かのプロローグ 1 何かのプロローグ 2 ▲ だめだこりゃ(13-688)氏 とある男の本気告白 1 第1話「プロローグ」 とある男の本気告白 2 第2話「日常」 とある男の本気告白 3 第3話「似た者同士」 とある男の本気告白 4 第4話「すれ違い」 とある男の本気告白 5 第5話「決戦前夜」 とある男の本気告白 6 第6話「決戦当日」 とある男の本気告白 7 第7話「決戦」 とある男の本気告白 8 最終話「変わる日常」 プロポーズ? とある男の本気告白 9 不安と嫉妬 ▲ ダニエル(19-956)氏 とある少年の教育実習 1 能力? とある少年の教育実習 2 耐心補強 とある少年の教育実習 3 上条さんのアルバイト 看護師バージョン とある少年の教育実習 4 ▲ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 Back
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 「風」 風花(19-114)氏 ▲ 風花(19-114)氏 小ネタ ココロはいつも。 小ネタ 伝えたいコトバ。 少女の願い、少年の想い。part 1 涙を流す、キミの言葉 小ネタ appli s story white s story Natural story Natural story ~君だけの、回復薬~ 暖かい春の日には。 1 暖かい春の日には。 2 小ネタ Night story Fine story Fine story 後日談 みこにゃんの日常 いちっ! 2つの糸 2つの糸―After story― みこにゃんの日常 にっ! とある秋の衣替え みこにゃんの日常 さんっ! 季節の変わり目注意報っ! Summer story You look like a sweet cake. みこにゃんの日常 よんっ! ほら、そろそろ冬じゃにゃぃ? みこにゃんの日常 ごっ! 25日の夜にも? みこにゃんの日常 ろくっ! 掃除機にゃんて大っ嫌いっ みこにゃんの日常 ななっ! それは一種の… みこにゃんの日常 はちっ! 2年前の… みこにゃんの日常 きゅうっ! 定期検診っ! みこにゃんの日常 じゅうっ! ショッピング? みこにゃんの日常 じゅういちっ! はじめての…!? みこにゃんの日常 じゅうにっ! 能力覚醒!ぴんちにぱんちっ ▲ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 Back