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それぞれの道行(1) ◆3ZewuHHQig D-1エリアに位置する病院の一室では、(事情が事情だけに仕方ないとはいえ)事もあろうに女性を襲う怪物に間違われたリュウタロスが当然の如く怒ってへそを曲げていた。間違えた慌て者の城戸真司と、同じく慌てた挙句に怪物の蛮行を阻止せんとして、生命線ともいえるアギトへの変身を無駄に消費してしまった津上翔一が、リュウタロスに対し平謝りに謝り倒していた。 「ほんっと、ごめん! ごめんなさい! 悪かった! でもさほら、分かんないだろパッと見!」 「真司ってさー、ほんとにそれで反省してるのー? ぜんっ……ぜん! 反省してなーい!」 すっかりむくれた様子のリュウタロスが、ぷいと横を向いたまま真司の謝罪を聞き流す。先程から似たようなものが何度か繰り返されているやりとりだった。 もう一人の当事者である翔一も最初のうちは真司と一緒に謝っていたのだが、暫くすると真司の斜め横に陣取って何故か神妙な顔をして腕を組み、両方の言い分に頷くだけになっていた。 「いや、ほんとに悪かったよ、反省してる。俺たち知らなかったんだ。イマジンっていうやつの名前も初めて聞いたしさ、こんな状況だからちょっと気が立っちゃってるっていうか……でもお前の事、ちゃんと見もしないで悪い怪物だなんて見た目だけで勝手に決めつけて、本当に悪かった、ごめん」 先程までは自己弁護も交えてやや真剣味の足りなかった真司に、急に真剣な目付きでじっと見つめられ頭を下げられて、さしものリュウタロスもそれ以上は強く言えなくなったのか、かすかに呻いてぷいと横を向いた。 「おっ、仲直りは終わりましたか? それじゃあ、皆さんにちょっといいものがあるんですけど……」 「というか翔一、お前も謝れ、真面目に反省しろよ! 大体にして、変身してリュウタロスに飛びかかったのは俺じゃないお前だろ! 何で俺だけ謝ってんだよ!」 「まぁまぁいいじゃないですか、過ぎた事をいつまで言ったって仕方ありませんし。リュウタロスがいいイマジンだって分かったからには、俺だってもう問答無用でいきなり飛びかかったりしません」 「そういう事じゃなくて……あーもうっ!」 「それに城戸さんだって、止められるのがあともうちょっと遅かったら変身してたでしょ? 城戸さんは変身に鏡が必要だけど俺はいらなかったってだけの差じゃないですか。だったら同じようなものじゃないです?」 「……そ、それは……そうだけど」 図星を指されて、翔一に反省を促していた筈の真司の方が反論の言葉に詰まり言い負かされてしまう。翔一は、良くも悪くも人を自分のペースに巻き込んで、周囲の人間は知らないうちについ乗せられてしまう。真司のような馬鹿正直で乗せられやすい男ならば尚更だった。 二人のやりとりを横目で眺めていたリュウタロスは、呆れ果てた様子で長く息を吐いた。 「いーよもう、なんかそいつ人の話あんま聞いてなさそうだしぃ……。怒ってたらお腹空いちゃったし、なーんかもう、どーでもいー……」 「でしょでしょ、お腹空いたでしょ? そういう事もあろうかと……じゃーん!」 自身に対する寸評通りに都合の悪い部分は聞き流しつつ、デイバックの中をまさぐっていた翔一が顔を上げて満面の笑みを浮かべ、取り出したものをリュウタロスに向けて掲げてみせた。 銀色のアルミ箔に包まれた手のひら大の円形の―― 「あっそれ、おにぎり!? おにぎりでしょそれっ!」 「当ったりー! はいこれ、正解のリュウタロスに。どうぞ」 「やったー! おにぎりっ、おにぎりっ! ねえねえこれ中何入ってんの?」 「ふっふっふ、それは……ズバリ、食べてからのお楽しみです!」 翔一からおにぎりを受け取ったリュウタロスは、両手で押し頂いて右に左に振り回す。携帯食ではないまともな食事など今の状況では望むべくもないと思っていたのだから、たかがおにぎり一つとはいえ意外さへの喜びを素直に表している。翔一への腹立ちと呆れもすっかり忘れ去ってしまった様子だった。 「あっ、三原さんもどうぞ」 「え……いいんですか?」 「俺と城戸さんはもうご飯食べてきましたから。食べないと力出ませんよ、はい」 「ありがとう、ございます……」 満面の笑顔と共に翔一から手渡されたおにぎりの包みを戸惑いつつも三原は受け取り、薄く笑い返した。 明るい。この殺し合いの場で今まで生き延びてきたとは俄かには信じがたいほど、津上翔一は明るい。三原とリュウタロスは、殺し合いが開始してから津上や城戸と出会うまで、サーキットの男と病院まで運んだ女の二人にしかまだ遭遇していないが、津上と城戸の二人ももしかしたら自分たち同様に殺し合いには今まであまり関与せずにきたのかもしれないと、ふと考える。 「はい、どうぞ」 「……」 続いて、ベッドの上で体を起こした女に翔一はおにぎりを差し出したが、警戒の色を強く浮かべた緊張した面持ちで翔一を見つめたきり、女は黙りこくった。 「あの、安心してください。俺たち……さっきはちょっと慌てちゃって乱暴な事しちゃったから、ちょーっと説得力弱いかもしれませんけど、悪者じゃありません。あなたのことを傷付けたりしないです。本当はもっとちゃんとした料理が作れればいいんですけど、持ち歩くにもこれが便利で美味しいですから。もしかして具合悪かったりしたら、あんまり食欲とかないかもしれないですけど、少しだけでも食べないと保たないですよ。食べられるだけでいいから食べておいてください」 ゆっくりと告げると翔一は、口角を上げてにっこりと笑ってみせた。 どこかで、違うけれども微かに似ているようなものを見た気がする。はっきりとしない既視感に襲われて女は目を見開いて二三度しばたき、思い出せぬ事に諦観と失望を軽く抱いて目を伏せてから、ゆるりと左手を上げて翔一の手からおにぎりを受け取った。 ――声が、聞こえる。 ――いつ、どこで聞いた、誰の声だったのだろう。心の奥深くから微かに、だが力強く響いてくる。 ――懐かしい声。 『頑張るんだ麗奈、負けちゃ駄目だ! 俺が側にいる、ずっと側にいるから!』 ――この声を、この言葉を聞いて私は、その時確かひどく安らいだのではなかったか? ――何に怯えていたのだろう? 何に負けようとしていたのだろう? ――今もまだ胸に渦巻くこの正体の分からない恐怖は、何に対するものなのだろう? 受け取ったおにぎりを包んだアルミホイルを半分ほど剥がして、女はおにぎりを一口頬張った。丁度いい塩気の利いた米を噛み締めると口の中にじわりと優しい甘みが広がった。 こんな食事の味も長いこと忘れていたような気がした。 あの人は誰だったのだろう。混沌とした記憶、大都会の雑踏のように誰かも分からぬ人影や声が巡り入り乱れる中で、優しい笑みを向け麗奈を守ると言ってくれた、あの男性は。 「つうか翔一、いつの間にこんなん作ってたんだよ」 「ついでだったんで、ちょっと多めにご飯を炊いてパパっと。早速役に立って良かったです」 「ねー翔一翔一っ、他に何かないのー? 一個じゃ足りないよー」 「ああはいはい、俺と城戸さんで二個ずつのつもりだったから、最後の一個。これはさっきのお詫びの印、って事で。いいですよね城戸さん?」 「いいよ。ほんとごめんなリュウタロス。これからよろしくな」 「しょうがないなー、許してあげるから、二人ともしっかり僕に感謝してよねー」 すぐ側で交わされる賑やかな談笑の声も女にはどこか遠く感じられた。 沈思するも、求める答えはどこからも降ってはこない。ほうと息をついてから、女はもう一口おにぎりを口に入れた。 ▼ △ ▼ △ ▼ 「金色と緑でカードを使う錫杖の人って……それって、まさか」 「間違いないだろうな」 簡単な食事も済み、一同はそのまま情報交換へと移っていた。三原が語る、サーキットで出会った男が変身した姿に真司が反応し、キバットが真司の言葉を首肯する。 「そいつに会ったんですか?」 「これは状況からの推測だが、その男は殺され、変身する為の道具は殺した者が奪ったようだ」 キバットの返答に三原とリュウタロスは言葉を失い、息を呑んだ。 如何に見も知らぬ他人、しかも殺し合いに乗り自分たちに襲いかかった危険人物とはいえ、会ったことのある人が殺されたと耳にするのは心地の良いものではない。 死んでほしいなどと、心の底から思う事が出来る筈がない。 「あの金と緑の奴に変身するための箱みたいなのに、持ってる人間が操られる力があるんだと思う。次になった奴は翔一と小沢さんが倒したんだけど、その箱を回収した小沢さんが、何かに操られてるみたいに金と緑の奴に変身して俺達に襲いかかってきて、どこかに逃げちゃったんだ……。それに俺、その金と緑の奴に、蜘蛛みたいなモンスターの姿が浮かび上がるのを何度か見た」 「それで俺たち、とりあえずは小沢さんを探す事にはしたんですけど、どこを探したらいいものか皆目見当も付きませんし……あの金と緑の奴は病院に集まる参加者を狙ってた感じがあったから、また同じ事をする可能性もあるかもしれないって事で、とりあえずこの病院に来てみて、それで三原さんと会ったんです」 なるほど、と返しつつも、真司と翔一の話の内容を聞き、押し込めていた筈の恐怖の感情が頭を擡げて三原の胸をちくりと刺した。 金と緑の鎧の男。戦う意志も持っていなかったのに、サーキットで一方的に打ちのめされ殺されかけた恐怖は、忘れたくても忘れられるものではない。 今の三原が何とか平静を保って殺す殺されるの話など出来ているのは、リュウタロスの前で無様な泣き言など言えないからだという理由による。病院に着いてからは体を休める事が出来たので疲労は大分回復したが、またここで泣き言を言って特訓だなどと言い出されては敵わない。それより何よりリュウタロスの(イマジンなのでこの言葉が適当なのかは分からないが)人格はまだ子供のようなものなのだ。 無邪気で我儘だがいい事と悪い事はリュウタロスなりにきちんと判断できている。三原はリュウタロスの事が嫌いではなかった。であれば尚の事(多分)年上である自分の方がしっかりしなければという思いも、三原の中には生まれて少しずつ強くなってきていた。 だがしかし、三原が今放り込まれているのは世界を賭けた不毛な殺し合いの場だ。 ここにいる限りは逃げ場などどこにもないし、泣き言を言って愚図愚図していれば殺し合いに乗った連中の餌食になるだけだろう。現に参加者の三分の一が既に死に、今もどこかで誰かが殺されているのかもしれない。心をしっかり持って正しい判断しなければ死ぬ、それは十分に弁えているつもりだったが、それでも怖いものは怖い。決意を強く持ってみたつもりでも、元々怖いものが急に怖くなくなる筈もない。三原の喉から漏れる声は自然に細くなり微かに震えた。 「じゃあ……ここにこのまま居たら、その小沢さんを操ってる奴に狙われる可能性もある……って事かな」 「俺たちはそれを期待して来た、って言ったらなんか変ですけど、そういう可能性も高いかなと思って。でも、そちらの方の事を考えると……ちょっと危ないですよね。あっそうだ、お名前、教えてもらってもいいですか?」 翔一に呼びかけられて、ベッドで上半身を起こし座ったまま会話には参加していなかった女が一同に目線を向ける。少したじろいだものの、ゆっくりと女は口を開いた。 「間宮……麗奈、です」 「間宮麗奈さん……ああ、名簿の真ん中より下の方に確か書いてあったかな? 間宮さんは、倒れてるのを俺達が見つけてここまで運んできたんだけど……一体何があったんですか? 同じ世界の知り合いの人はここに来てます?」 三原の問いを受けて俯き考え込んだ後、麗奈は力弱くかぶりを振った。 「よく、思い出せないんです……」 「思い出せない、って……どういう……」 「私、ここに来るまでの事は名前以外の事、何も覚えていなくて……何でこんな所にいるのかも、よく分からなくて……」 記憶喪失。それであれば、何もかもに困惑して怯えきったような麗奈の態度にも合点が行く。文字通り何も分からないままでこんな場所に放り出された力のない女性がどれだけ恐ろしい思いをしているかなど、想像すら及ばない。 真司も三原もかける言葉を見つけられなかったが、翔一がふっと頬を緩めて目を細め、徐ろに口を開き始めた。 「間宮さんの気持ち、俺、よく分かります……。今はもう全部思い出したんですけど、俺も前、記憶喪失だったんです。過去の事は名前も何もかも思い出せなくなっちゃってて。そういうのって、すごく怖いですよね。自分がどこにもいられないような感じがして、世界のどこにも居場所がないような気がして……外の世界全部が怖くなっちゃって」 淡々とした穏やかな口調でゆっくりと翔一が語りかける。麗奈は少し目を細め、頷くでもなくただ聞き入っていた。 真司やキバットを含む他の者にとって、殺し合いの場に放り込まれた今の状況でも独特のペースで明るく振る舞う翔一にそんな過去があったとは俄かには信じがたい話だったが、一語一語を噛み締めるような話し振りには、話の調子を合わせた冗談の匂いは全く感じられなかった。 「でも、間宮さんの居場所は、元の世界で絶対どこかにあった筈です。こんな所には誰の居場所もないから、皆ちゃんと自分の居場所に帰らなくちゃいけないんです。勿論間宮さんもです。だから、それまでは俺たちが間宮さんの事を守ります」 「そうだよ、麗奈の事は僕が守ってあげる!」 翔一が言い終わるや間髪入れずに、小走りに麗奈へと駆け寄ってリュウタロスがそう宣言した。突然の事に麗奈や他の者も驚きを隠しきれずリュウタロスを見やる。 「麗奈、お姉ちゃんにちょっと似てるんだ。顔とかじゃなくって雰囲気とかがさ。僕だってこんな所いるのやだし、お姉ちゃんの所に早く戻りたいから、早く良太郎と会って、一緒に大ショッカーって奴をやっつけなきゃ。良太郎がもしここにいたら、絶対麗奈の事守るって言うもん。だから代わりに僕が守ってあげるから、安心して麗奈!」 「……ありがとう」 龍を象ったリュウタロスの黒い面は瞳に赤い光を宿し、どこか鬼の面も思わせる。そこに憐憫や思慕の情を映し出しはしない。ただ、声色にはまっすぐでひたむきな好意と、麗奈を気遣っているのだろう、控えめな明るさが滲んでいた。その幾分かの思いは声から伝わったのか、麗奈はようやく微かに笑ってみせた。 「リュウタってお姉さんいるの?」 「僕じゃなくて良太郎のお姉ちゃんだけど、良太郎のお姉ちゃんなら僕のお姉ちゃんも同じだし。それにねっ、麗奈も美人だけど、お姉ちゃんも負けないくらい綺麗なんだからっ!」 不思議そうに問うた三原に、当たり前の事のようにいつもの軽快な調子でリュウタロスが答える。 良太郎の姉・愛理は、ある事情から婚約者だった桜井侑斗に関する記憶が欠落していた。事態が収束した後も依然として愛理の記憶が失われたままなのかは判然としないが、自身が良太郎と共にカイ一派と戦っていた頃のどこかもの寂しく儚げな愛理の面影を、目の前の女性にリュウタロスは重ねていた。 そんな込み入った事情までは聞いていない三原は知る由もない。だが、善意も悪意もまっすぐにぶつけてくる幼い子供のようなリュウタロスの好意がか弱い女性に向けられている事は、歓迎すべき事態のように思われた。 「それであの、間宮さん、ここに来てからの事って全然覚えてません? 分かる範囲でいいんで話してもらえますか?」 三原の質問に、麗奈はこの世界に来てからの顛末を簡単に語った。最初はずっと隠れていたが、桐矢京介という青年に助けられた事。途中で照井・一条の両刑事と出会い四人で行動を共にしていたが、何者かに襲撃されて、その途中から記憶がない事。桐矢・一条・照井の簡単な背格好も話に上ったが、それを耳にした真司と翔一は驚いたように麗奈を見て、それから二人して悔しげに眉根を寄せ、目を伏せた。 照井竜の赤い革ジャケットに同色の革パンツの出で立ちは、翔一・真司・小沢が未確認と戦った際に付近に放置されていた惨殺死体のものと一致していた。そして名簿の下の方に記載されたその名前は、前回放送の死亡者の発表で読み上げられたものの内の一つでもあった。 「そう、ですか……。いつも先頭に立って私たちを守ってくれようとして、とても責任感の強い立派な方でした……」 照井の死を聞かされ、麗奈もやはり悲しげに俯く。堂々とした照井の立ち居振る舞いは頼もしく、寄る辺のない麗奈を少しばかり安心させてくれていた。今こうして他の参加者に助けられた事は幸運だったが、頼るべき照井がもういない事は不安を呼び起こしたし、(さして長い時間一緒にいたわけではないがそれでも)知っている人間の死という事実は重しとなって胸に伸し掛かり、強い恐怖や悲しみが滲み出した。 「でも、一条って人と桐矢って人は放送で呼ばれてないから、もしかしたら逃げ延びてて、そう遠くない所にいるかもしれない」 「うまい事合流したいけどなぁ……暗いうちは周りも警戒しづらいし、あんまり外うろうろしない方がいいよなぁ……。あ、そういえば翔一、さっき変身できてたよな」 「あっ、そういえばそうですね。夢中だったんであんまり考えてませんでしたけど、そういえば」 ふと思い出したのか唐突に真司が口にした言葉に、怪訝そうに首を傾げつつも翔一が頷いた。 「前に変身したのがえーと……何時位でしたっけ、一休みしてた時に時計見たら確か六時ちょっと前だったから、えーと、五時半位ですかね? それで、その後すぐは変身出来なかったけど、さっきは出来た」 「大体二時間位経ってるな。それ位時間が空けばまた変身出来るようになるって事かな……もう少し短いかもしれないし、何か他の条件が必要かもしれないけど。一回変身したら次に出来るようになるまでは、とにかくインターバルが必要って事だな。そうなると迂闊に変身は出来ないな……」 真司と翔一は頷き合って、三原とリュウタロスにも、変身直後に再度変身が出来なかった事、二時間程度間を置いた後変身が成功した事を伝えた。 「一時間でどうかとかは試してないんで、どれ位間を置けばいいのかはちょっとはっきりしませんけど。でもそう考えると、さすがにちょっと……さっき変身しちゃったのはまずかったかなぁ……」 「全くお前の軽率さには呆れ果てるな、翔一。もう少し考えて行動したらどうだ」 「それはそうなんだけど……でもさ、危ないって思ったら何か考えるより体の方が先に動いちゃうでしょ。キバットはそういうのない?」 「ないな」 「ふーん、そっかぁ……でも俺あんまりちゃんと考えるとか得意じゃないからなぁ……。あっ、じゃあさ、考えるのはキバット担当って事で!」 「人の話を聞け。自分で考えろと言っているんだ」 「まあそう言わないで、ほら、人には向き不向きがあるんだし。それにキバットのお陰で俺たち随分助かってるんだからさ。感謝してます」 キバットの(多分の呆れを含んだ)文句も翔一には馬耳東風といった趣で、却って邪気のない満面の笑みで感謝の言葉など返されてしまう。真司ならばともかく自分までペースを崩され翔一のペースに乗せられているような気がして、プライドの高いキバットにとってはなんとも面白くない。キバットは返事を返さず、翔一の目線を外れる為に真司の方へと移動した。 キバットが翔一に語った言葉には、事実と少々異なる点がある。 敬愛する美しいクイーン・真夜。彼女を苛む苦悩を晴らす為、あまり後先の事を考えずにキバットはキングを裏切り、真夜が愛した人間・紅音也に力を貸した。 本来ならば、キバットが力を貸した程度でたかが人間がキングを倒せる筈などない。絶望的なまでの力の開きがキングと音也の間にはあった。音也の息子、未来のキバが過去を訪れ音也と共闘する事がなければ、その結果は揺らぐ事はなかっただろう。謂わば奇跡の産物だった。 普段は(キバット族が仕えるファンガイアの)理に則り判断行動するキバットも、そのような理にそぐわぬ行動をとった事もあった。 あの時は、誰より美しい真夜が嘆き悲しむ事がひたすら哀れに思え、耐え難かった。キングの真夜に対する仕打ちは気に食わなかったし、紅音也は人間ながら面白い男だった。 もし翔一や真司が、見も知らぬ者に対してまでそのような心持ちを抱いてしまい、何か考える前に体が先に動くというのであれば、やはり人間とは、理にそぐわぬ感情を抱えた度し難い生き物としか言い様がない。その気持ちがキバットに本当に少しも分からないという訳ではないが、誰も彼もにそんな感情は抱かない。誰よりも気高く美しいクイーンの美しさを守る為であればこそ、キバットが力を尽くす意義もあったというものだ。紅音也にしても、愛する女の為なればこそ命を捨てられたのではないか。 キバットの理解の届かぬもの。真司と翔一、二人のお人好しに共通している行動理念は、理解が届かぬからこそ興味深くもあった。 自分の世界が勝ち残る為に利益になる事の他はしないし、いくら翔一と同道しているとはいえ助けてやる義理など持ち合わせていない。そうキバットは考えていた筈だったが、これまでを振り返ると(キバット自身の世界の関係者と一切関わりがなかった為もあるが)結果など度外視して、それこそ思わず、二人の危なっかしい道行に度々口出しをしていた。理屈抜きの所でどういうわけか向こうのペースに乗せられてしまっているようだった。 あまつさえ、この者たちが身を守る術を失った時にはどうすべきか、などとすら考え始めている。 それを決して不快には感じていない自身の心理もまた、キバットにとって解せぬ故に興味深いものと思われた。 以後も自身の世界のごく簡単なあらましや知り合い、それぞれの装備などについて情報交換が続いた。 「あっ、それ良太郎のだ!」 翔一が「使い道が分からないけど」と取り出した携帯電話型の端末を見たリュウタロスが声を上げた。 良太郎がその願いの力で作り上げた端末・ケータロス。イマジン四体憑依のクライマックスフォームおよび、良太郎自身のオーラで変身するライナーフォームへと電王をパワーアップさせる為のツールだった。 「そっか、これ良太郎さんのかぁ。じゃあリュウタロスが持ってた方がいいかな?」 「僕だけだと使えないから、早く良太郎に渡さなくっちゃ。これなかったら困ってるかもしんないし……」 ケータロスを翔一から受け取ったリュウタロスが、珍しくもしおらしく俯く一幕があったが、他の装備品はそれぞれ見覚えのないものばかりだった為、動きがあったのはケータロスのみとなった。 その後、名簿と照らしあわせつつ互いの知り合いについての話が続いた。 翔一の知り合いで生き残っているのは小沢澄子と葦原涼。 「どっちもちょーっと怖いけどすごく良い人ですから」との翔一の漠然とした説明で、とりあえず殺し合いに乗るような人物ではない事が(真司とキバット以外の者にも)知れるが、小沢澄子が今どこでどうしているのかは目下最大の懸案事項だった。 真司の知り合いで残っているのは秋山蓮と浅倉威。 「浅倉は絶対に殺し合いに乗ってる筈だ。元の世界でも殺人犯で、ライダー同士の戦いでもとにかく戦う事しか考えてなかった。話の通じるような相手じゃない。それと……蓮も、もしかしたら乗ってるかもしれない。でもあいつ悪い奴じゃないんだ。なんていうか、どうしようもない事情があって戦ってて……でも、もし乗ってるようなら、俺が絶対止めるから」 元々蓮は、自身の世界でも願いを叶える為にライダー同士の戦いに乗っていた。世界が消えてしまえば蓮の叶えたかった願いも潰える。あるいは死者すら蘇らせると嘯く大ショッカーの技術力を利用して願いを叶えようとするかもしれない。その可能性は十二分に有り得る事は真司も考えてはいた。 だが、ライダー同士の戦いに身を投じようとして、いざとなれば人を殺しきれぬ蓮の(本人は甘さと言って捨てたがる)優しさも真司は知っている。 友達や仲間だなんて甘ったるい言葉では表せない関係だが、それでも真司は蓮の身を案じていたし、どうすればいいのか分からないにしても力になってやりたかった。 今回どんなスタンスをとっているかは直接会う迄は分からないが、手遅れになっていない事を祈る他ない。 三原の知り合いで残っているのは乾巧と草加雅人、村上峡児の三人。 乾は、オルフェノクと呼ばれる人を超えた怪物にファイズのベルトを使って対抗している人物で、口は悪いが信頼できるらしい。一方の村上は、オルフェノクの首魁と目される人物だから警戒が必要らしい。三原自身もこの二人とはあまり関わりがないのでほぼ伝聞の情報しか知らず、よくは分からないとの事だった。 草加雅人については、流星塾という養護施設で幼少時代を共に過ごした仲間で、カイザのベルトを使いオルフェノクと戦っていた為、戦力的にもかなり期待できるという。しかし、想いを寄せていた園田真理が死んでしまった事もあり、(もしかしたら、とあくまで一つの可能性である事を三原は強調した上で)自分の世界を優勝させ真理を生き返らせる為に、なりふり構わずに他の世界の参加者を狙うかもしれない、と付け加えられた。 「話したらさ、分かってもらえないかな……? 大ショッカーがほんとに死人を蘇らせてくれるかなんて分からないんだしさ」 「会ってみないと分からないけど、どうだろう。結構、何考えてるのか分かんない所がある奴だったから……」 躊躇いがちな三原の口調は、幼馴染の草加を信じたい気持ちを滲ませていたが、迂闊には信用し切れない相手のようだった。 そして、リュウタロスの知り合いが野上良太郎と牙王。良太郎については「すっごく強い」という大雑把な説明ながら、今までリュウタロスの発言の端々に良太郎の名前が出てきた事からも深い信頼を寄せている事が窺い知れる。殺し合いに乗るような人物ではないし、恐らくは全力をもって阻止しようとするだろう。リュウタロスの為にも出来れば早くに合流したい相手の一人だった。 もう一人の牙王については、 「こいつすっごく悪い奴なんだけど、前に良太郎と僕たちでやっつけたのになー……なんでいるんだろ?」 リュウタロス自身も納得のいかない様子で首を傾げつつ告げる。翔一も(もう死者としてカウントされたが)死んだはずの木野が名簿に記載されている点が気にかかっていたし、同様の点は真司の知り合いの浅倉・東條にも言えたが、他にも例があるようだった。 「それなんだけど、俺も気になってたんですよね。俺の知り合いで、もうこっちでも亡くなったみたいなんだけど……木野さんって人が、亡くなった人なのに名簿に乗ってて。一体どういう事なんでしょうね?」 「大ショッカーに、もしかしたら本当に死人を生き返らせる方法があるんじゃないか?」 「あっ、それなんだけど……これは俺の想像なんだけど」 真司の意見に続いて三原が声を上げた。一同が一斉に三原を見やる。 「もしかしたら大ショッカーは、それぞれの世界のいろんな時間から参加者を連れてきてるんじゃないかな? それなら死んだ人でも生きてる時から連れてくればいいし、俺はデルタじゃないけどデルタのベルトが支給されてた。それって、俺が未来ではデルタに変身して戦ってるからなのかもしれない。城戸さんの装備もそれ、自分が元々使ってた奴なんだよね」 「うん、そうだ。完全ランダムなら確かに俺の手元に龍騎がたまたま、ってのは出来過ぎだよな。まあそういう可能性も全然ないわけじゃないけど……」 そのまま各自が可能性について考え込んでしまい、辺りを沈黙が包む。咳払いでその沈黙を破ったのはキバットだった。 「どちらにしても、そんな事を根拠もないまま推測してもどうにもならん。その内また何か分かる事もあるだろう」 「それもそっか……うーん。気にはなるけど、確かに俺たちの想像だけであれこれ考えたって正解なんて分かんないか」 「そういう事だ」 それで一旦この話は棚上げとなった。諸々の話が一巡した頃リュウタロスが、ドアの方へふいと首を向けた。 何せ子供と同じだから、長い話に飽きて気を散らせたのかもしれない。リュウタ、と三原が呼びかけるが、三原の声を無視してリュウタロスは立ち上がり、早足で廊下へと駆け出していった。 「リュウタ、どうしたんだよ、リュウタってば」 後を追った三原は、南に面した窓からリュウタロスと共に。他の面々はどうしたのかと身を乗り出して覗き込んだ、開け放たれたドアの向こうから。 闇夜を裂いて天へと向かい、太く高く屹立する火柱の赤々とした光を目撃した。 ▼ △ ▼ △ ▼ E-1エリアを離脱したカブトエクステンダーは、一路北を目指していた。 地図を見た記憶ではすぐ北のD-1エリアに病院がある筈だった。操縦者の名護にとって、この進路を選択する決断は一種の賭けだった。 同乗している総司は昏倒したまま意識がまだ戻らないし、その後ろで総司が振り落とされぬよう支えている左翔太郎は名護以上に満身創痍の状態で、カブトエクステンダーのスピードに煽られながらも意識を失わず総司を支え続ける精神力には感嘆する他ない。名護とて負った傷は深い、バイクの操縦にすら残り僅かの気力を振り絞らねばいつ意識が途切れてしまうか分からなかった。 双方が互いの持てる全ての力を出し尽くした、まさに激闘だった。敗れたとはいえガドルは、三人ともが生き残っているのが不思議な程迄に恐ろしい力を誇った強敵だった。 辛くも勝利したものの、敵に対抗する手段も体力も最早三人には残されていない。ここでもし新たな敵に遭遇すれば、大した反撃も許されずに一方的に嬲り殺しにされる他ないだろう。一刻も早い手当と休息が必要だった。 なればこそ病院を目指したのだが、これが賭けだった。傷病者が集まる事が予想される病院は、殺し合いに乗った者にとっては手軽に勝ち星を上げられる可能性の高い絶好のカモの溜まり場と映るだろう。もしそんな卑怯な輩が病院に陣取っていれば、名護たちは殺してくださいとわざわざ首を差し出しに行くような恰好となる。 名護自身の気力体力も限界を迎えようとしている今、他の選択は残されていないとはいえ、病院へ向かう事は苦渋の決断だった。 病院が無人か、出来うるならば友好的な人物がいてくれれば。都合のいい願望と知りつつも願わずにはいられなかった。そして、神とその名に於いて行われる正義は、自身が正義の仮面ライダーであり続ける限りは名護に味方する筈だった。 ヘッドライトが照らし出す前方の闇の彼方に、他よりも高い白亜の建造物がうっすらと浮かび上がり始める。目的の病院に漸く辿り着いた。名護の口元が安堵からふっと緩んだ。 減速しながら開け放たれた門を潜り、正面玄関と思しき自動ドアの手前でカブトエクステンダーを停車させる。気が緩んだのかふっと意識が途切れそうになるが、まだ倒れるわけにはいかない。自身を心中で叱咤し首を軽く左右に振ると、自動ドアが低く音を立てて中から開いた。 現れたのは二人の若者だった。一人はやや勝ち気そうな茶色の長髪、もう一人は大人しそうな雰囲気。油断は禁物だが、見た限り問答無用で襲いかかってくる相手ではなさそうだった。尤も、襲い掛かられたところで今の名護では抵抗もままならないが。 「……あんたたちは、殺し合いに、乗ってるのか……?」 茶色の長髪の方がおずおずと口を開き問いを投げてくる。 万一この場を離脱しなければならないような事態に備えてバイクからはまだ降りないまま、ゆっくりと名護は首を横に振った。 「馬鹿な事を言うのは、やめなさい……それより、君たちも、乗っていないん、だな」 「当たり前だろ。それよりあんたたち、どっから来たんだ? まさか南の方から?」 「……済まないが、それに答える前に、この二人を中に……運んで、くれないか。怪我を、しているんだ……」 名護が告げてから数拍の間を置いて、二人の青年が慌てた様子でバイクに駆け寄り、後ろに乗っている総司と翔太郎をバイクから下ろして肩を担ぎ歩き出す。 それを見届けてから、張り詰め通しだった緊張の糸が安心からかふっと途切れて、名護の意識は闇に沈んだ。 103 闇を齎す王の剣(6) 投下順 104 それぞれの道行(2) 時系列順 089 肩の荷は未だ降りず 津上翔一 城戸真司 三原修二 リュウタロス 間宮麗奈 102 G線上のアリア/リレーション・ウィル・ネバーエンド 名護啓介 左翔太郎 擬態天道
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それぞれの道行(2) ◆3ZewuHHQig 名護を深い眠りから呼び覚ましたのは、灼けるような傷の痛みだった。 ぼんやりとしていた視界が闇に慣れ、周囲の様子が青暗く映し出される。自身が病院のベッドに寝かされている事を漸く名護は認識した。 簡単ではあるが傷には絆創膏が貼りつけられ、或いは包帯が巻かれており、簡単な手当が施されていた。 部屋の灯りは落ちている。三人部屋のようで、両脇のベッドには翔太郎と総司がそれぞれ眠っていた。名護が動く気配で翔太郎も目を覚ました様子で、右左と周囲を見回した名護と窓側に寝かされた翔太郎の目線が合った。 「よう……ここは、どこだ? どこもかしこも……真っ白だけどよ、天国、ってんじゃない、だろうなまさか……」 「病院だ……中に人がいて、俺たちを、運んでくれたようだ」 「そっかよ……」 カーテン越しに窓から漏れる薄明かりの下で、にやりと口の端を上げて翔太郎が笑んだのが見えた。とりあえずは大丈夫なようだと名護は息を吐いた。 「全く、我ながら、だらしねえなぁ……探偵ってなぁ、ハードボイルドなんだ、タフさが、売りなんだよ……。俺だって、ちったぁタフさにゃ……自信があった、のによ……駄目だ、もう喋んのもだりぃ……」 「君はよく戦った。今は少し休みなさい」 「……済まねえなぁ」 告げると、翔太郎の苦しげな息遣いは止んで、暫くすると寝息が漏れ聞こえ始めた。 名護は読んだことはないが、伝え聞くところによるとハードボイルド小説の探偵は人並み外れたタフな肉体と精神を持つという。それならば左翔太郎も(真のハードボイルドなのか、はたまたただの気障なのかはさておいて)少しの休息を得れば再びタフに立ち上がるだろう。 先刻の戦いで負わされた裂傷や打撲はどうしようもないが、睡眠をとったお陰か全身に伸し掛かるような深い疲労感は幾分かだけ和らいでいた。ただ、傷が熱を帯びて体温が上がっている為、汗ばんで息苦しく不快だった。 どれだけの時間眠ってしまっていたのか分からないが、現在の状況はどうなっているのだろう。午前零時の放送はもう行われたのだろうか。 確認せねばならない事は多いが、体は思うように動かない。気怠さが少々抜けたとはいえ、名護も翔太郎も(ワームの限界、というものは分からないが)恐らく総司も、人間の限界を超えるような戦いぶりを見せた。致命傷には至らないとはいえ深い傷も多々受けている。試しに腕を動かすのにも、鉛のように重く自身の腕とは思えぬほど動かし難い。不本意だが今暫く体を休める必要があるようだった。 どうしたものかとあてもなく考えていると、外の廊下を歩きこちらへと近付いてくる足音が聞こえてきた。特に隠す風もなく、ゆったりと一定の速度で足音が刻まれ近付く。 名護たちの眠る部屋の前で足音が速度を一旦落とし、そっと中を窺ったのか暫し止んでから、部屋の中へと入ってきた。 病院入り口で出会った二人の若者は殺し合いに乗っていない様子だったが、名護は彼らと数言交わした直後に前後不覚に陥り、つい先程まで昏倒していたのだ。その間に何があってもおかしくはない、侵入者が血に飢えた殺人鬼でも、何の不思議もないのだ。 今ある力を振り絞り名護は、目一杯の力を腹にこめた。 「何者だ! 名を名乗りなさい!」 「うわぁっ!!」 素っ頓狂な名護の大声に驚いたのか、若い男の悲鳴に近い声が高く響いた。 機先を制すれば、疚しい心のある者は逃げ出す筈だ。今のように驚かせて恐慌状態に陥った人間の判断力は著しく鈍り、ささいな恐怖に囚われやすくなる。ガドルのような男が侵入者であれば効果の期待できない威嚇だが、そうでなければある程度の効果は見込めると思われた。 驚いた声を上げはしたものの、その場から慌てて立ち去る事はなく侵入者は、部屋の入口まで戻って壁にあるスイッチを押し、部屋の灯りを点した。 そこにいたのは、名護を正面玄関で出迎えた茶色の長髪の青年だった。名護の大声に余程驚いたのか青年は、恨めしげな表情で薮睨みに名護を見据えて胸に手を当て、深呼吸を繰り返していた。 「あーびっくりした……おいあんた、名前を聞く時は、自分から名乗るのが礼儀だろ」 「何を言う。立場が下の者が上の者に礼を尽くすのは当然の事だ。若いうちはそれでいいかもしれないが、そんな事では社会に出てから困るのは自分だ。今からでもいいから覚えておきなさい」 「いやまあそりゃそうなんだけど、俺もう一応社会人だし……って、何であんたが目上な事になってんだよ! 若い内ってあんた一体何歳なんだよ!」 文句を付けつつも、まあいいけど、と独りごちて青年は長く溜息を吐いた。 「俺は城戸真司。さっきも言ったけど殺し合いには乗ってない。ライダー同士の戦いなんて止めたいと思ってる。あんたは?」 「名護啓介だ。私も君同様にこんな馬鹿げた戦いは一刻も早く辞めさせたいと考えている。しかしそうか、君が城戸くんか」 重い体を漸く起こし、嬉しげに頬を綻ばせて名護はまじまじと真司を見つめた。 「えっ、俺の事知ってんの? 誰か俺の知り合いに会ったとか?」 「夕方頃、ヒビキという男に会って、君と小沢澄子なる人物が津上翔一を追って西のエリアに向かったと聞いた」 名護の言葉に、なるほどと真司が強く頷き返す。 「その後すぐに彼とは別れたが、君たちに伝えなければならない事がある。津上翔一と小沢澄子は君と一緒にいるのか?」 「翔一はいる。小沢さんは……ちょっと事情があって今はいない。話があるなら翔一呼んでくるから、ちょっと待っててくれ」 「いやいい、俺が行こう、案内してくれ」 言い残して真司はその場を離れようとするが、追いかけるように名護が体を起こそうとするのを見咎めて、慌てて駆け戻りベッドへと名護の体を戻そうとする。 「いいから寝てなって、あんたもそっちの人も酷い怪我じゃないか。動ける俺たちが動いて、あんたはちゃんと寝て少しでも体を休めるべきだろ」 「……そうだな、君の言う通りだ。済まないな」 名護はもとより無理をして起き上がろうとしていた。いつまでも寝てはいられないという焦燥の念があった。無理をしているのは確かで、少しでも体を休め一刻も早く今より回復しなければならないというのがこの場合の道理だ。道理に従い名護は再びベッドに体を横たえた。 だが真司は、素直に大人しくなった名護をちらと見下ろすと、何を考え込んでいるのか目を伏せて眉根を僅かに寄せ、肩を竦めて息を長く吐いた。 「どうも、いつまでも寝ててもらえる状況じゃないっていうか……ここら辺ちょっとばかしやばいみたいだから。寝てられるうちはゆっくりしてた方がいいよ」 「……どういう事だ? 一体何があった」 「それも含めて、翔一を呼んできてから話した方が早いだろ。すぐ戻るからちゃんと寝てろよ」 告げると今度こそ真司は踵を返し、早足で駆けてその場から離れていった。 城戸に伴われて津上翔一が姿を見せると、互いに簡単に自己紹介を済ます。 そして名護は、自身が眠っている間に住宅街の南東の方で激しい戦闘が行われた気配があり、南東から北方向に向かって閃光が走り爆発が起こり、それらによると思われる衝撃波が住宅街北西に位置するこの病院をも揺らしたらしい、と聞かされた。 イクサの力を駆使する名護から見ても常識外れの、そんな人間離れした事が出来るのは一体何者なのか。 放送によると(恐らく太牙ではなく過去の)ファンガイアのキングも倒されている。名護が直接過去のキングと相対した事がある訳ではないが、キングを筆頭とするファンガイアの恐ろしい力はよく知っている。キングともなると例えばキバの鎧を用いれば「キバは一度世界を滅ぼしかけた」との伝聞の通りの力を発揮するのだろう。彼を打ち倒す力を持った者ならばあるいは、そんな恐ろしい力を発揮する事が出来るのかもしれない。 警戒は必要だろうが、いくら憶測を重ねたところで事実は分からない。気持ちを切り替え名護は、ヒビキと別れた後に出会った天道の提案を翔一と真司に語った。 E-5エリアを新たな集合地点に変更し、たとえ間に合わなくても待ち合わせの時間までに出来る限りその地点へと向かう。 伝えると翔一は、暫し目を伏せ何事かを考え込んでいたが、やがて顔を上げた。 「伝えるのがこんなに遅くなってしまって申し訳ないと思っている。今からでは待ち合わせの時間には到底間に合わないだろうが……」 「いえ、わざわざありがとうございます。俺たちがどこにいるのかも分からないのに探してくれるなんて、とても大変だったと思います」 名護の謝罪に対し生真面目に礼を言う津上翔一は、見た目の第一印象程は軽くはなく、礼儀正しい若者のように思われた。 「でも、折角伝えて頂いたんですけど、小沢さんが見つからないまま向かうわけにはいかないです。それに皆さんもまだ動ける状態じゃないみたいですし」 「それは違う。君たちは君たちの為すべき事をすべきだ。私たちを抱え込んだせいで君たちが動けなくなって共倒れになってしまっては本末転倒だ、元も子もない」 「それは……名護さんの言う通りだと思います。でも俺は、そんなの嫌です」 「そんな個人の感情云々の話をしている時ではないだろう。君は事態の重大さを理解していないのではないか? それにこの辺りでは夕方頃に、私たち三人が死力を尽くして倒した敵の他にも何者かが現れていて、紅音也という男の命を奪っているんだ。いつここに現れてもおかしくはない」 「待て、音也だと? お前は今、紅音也と言ったか」 名護の言葉に反応を示したのは翔一に着いてきていたキバットだった。 その声で漸く名護はキバットの存在に気付いた様子で、はっとして目線を向けた。 「君は……キバットの父君で闇のキバの……?」 「お前は俺の事を知っているのか」 「ああ知っている。ファンガイアのキング登太牙に闇のキバの力を与える、キバットの父君だろう」 「太牙……そうか。では未来では俺は、あの子供に力を与える事になるのか。名護と言ったな、名簿の位置から考えるとお前は俺と同じ世界の者のようだが、一体何者だ? もしかして音也の息子、紅渡と何らかの関わりがあるのか?」 「私は青空の会の戦士として、人命を脅かす悪しきファンガイアと日夜戦っていた。渡くんは共に戦う同志だ」 名護の返答を聞くと、そうか、と短く呟いてキバットは翔一へ向き直った。 「話の腰を折って悪かったな。しかし翔一、この男の言う通り、お前には今の状態がどれほど危険かという認識が足りないとしか思われない点が多々ある。死ぬ気はない、しかも他人の命まで守りたいというのであれば、もっと慎重に行動すべきだろう」 「さっきのはさすがの俺も反省してるし、敵だって強いんだし、十分注意しなきゃいけない事は分かってるつもりだよ。でもキバット、俺やっぱり名護さん達を置いてなんて行けないし、さっきみたいな事がもしまたあったら、やっぱりまた同じようにすると思う」 「お前は……」 「だって、誰を助けて誰を助けないなんて、一体どうやって決めるのさ。皆の為に一生懸命戦って、こんな酷い怪我をして動けなくなってる名護さん達を見捨てて、それで目的に近付いたって、そんなの俺やっぱり嫌だよ」 きっぱりと言い切った翔一の表情はいつもの柔和なものではないし、かといって戦うべき敵に鋭い目線を向ける時のものでもない。僅かに目を細め唇を引き結び、まっすぐに静かで強い目線をキバットに向けていた。 「そうだよな……俺も、そうだと思う。目の前に助けなきゃならない人がいたら、その人を見捨てたくなんてない。皆で助からなきゃ意味がないんだ。こんな所に放り込まれた事自体がそもそもおかしいんだからさ」 「……お前たちに道理を説いたところで通じそうもないな。ならば好きにしろ」 (予想はついたが)真司まで同調し、流石にキバットは呆れ果てて嘆息する。 「何言ってんのさ、そういうのはキバットに任せるって言ったじゃない。それにさ、ちょっと大袈裟だけど、困った人を助けるのって、なんていうの? 人の道、みたいなやつだと思うんだよね」 「人の……道?」 「そうそう。確かにキバットみたいに理屈で考えて少しでも利益がある方を選ぶのって、そりゃあ分かりやすいし賢いし上手くいくんだろうけどさ。全部そういう風に済ませちゃうのって、何か寂しいじゃない。でも、キバットの言ってる事ってすごく的確だし正しいと思う。どうしても譲れないってのはあっても、だから俺、キバットのことはすごく頼りにしてる」 頼るな、とは言いたかったし言うつもりだったが、翔一に毒気のないにこやかな笑顔を向けられるとその気も失せてしまい、己の心情に困惑しつつキバットは再び嘆息しそっぽを向いた。 「……私は人間などではない。人の道など分からないし、分かりたくもないな」 「そんな事ないって。キバットはちゃんと分かってるって、頭いいんだし」 冷たい言葉を向けても翔一は、気にする様子など全くなくにこやかに笑った。 そうだ、こいつは都合の悪い言葉は聞き流す悪癖があるのだった。 何を言っても暖簾に腕押しの心地がして、キバットはわざわざ聞こえるように大きく溜息を吐いてみせた。 「とにかく、名護さん達はここで少しでも休んでほしい。前に集合場所にしようとした所が禁止エリアになったみたいに、ここももしかしたら次の放送で禁止エリアにされちゃうかもしれないし……紅音也って人を殺した奴だって警戒しなくちゃならないんだから、ここにいつまでもはいられないけど。でもどうなるにしてもその時はその時だ、またその時に考えればいいさ」 「そうですよね城戸さん、俺も賛成です。俺たちでいつでもここを出られるように準備はしときますから、名護さん達はもう少しだけ体を休めていてください。ほら、肩の力を抜いてリラックスして」 「……名護だけに和んで、とかは言わないよな」 「えっ、何で分かったんですか!? まさか城戸さん、もしかしてやっぱりアギトなんじゃ……」 「いや違うから……もういいよ」 真司の指摘は当たっていたらしいが、それにしてもつまらない駄洒落だった。元から疲れていた所にどっと疲労感が押し寄せる。 理でなされた説得には翔一と真司の意思は揺るがないようだった。それが人の道だというのならば、それもまた一つの理ではあるだろう。何よりも、仮面ライダーの正義に場合によっては動けぬ者を見捨てるなどある筈がない。もし誰かの危機を見捨てざるをえないとしても、それは本当に他に採るべき道がなくなった末での、託された者が断腸の思いを抱えながら為す決断だ。まず最初に検討しなければならない可能性ではないし勿論正義などでもない。それならばきっと彼らもまた、名護と同じ正義の仮面ライダーなのだろう。 「とにかくだ。今は君たちの言葉に甘えて、休息を取らせてもらう事にしよう」 名護が頷きつつ告げると、翔一と真司は安心したように微笑んで力強く頷き返し、それから出入口へと向かった。部屋の電灯が消されて、おやすみなさい、と翔一の穏やかな声が出際に残された。 こんな人々が殺しあう為だけの場所で、人を助けたいだとか困っている人を見捨てられないという、人として当然持っている筈の優しさや思いやりを貫き通すのは容易ではないだろう。名護は自らが全ての人の範であるべき優れた人格者であると自負している、それらの思いやりは当然行われるべきだと考えているが、同時に(許し難い事だが)普通はそうではなく、自らと己の世界の安全さえ確保できればいいと考えるのが当たり前なのだとも知っている。 津上翔一と城戸真司は、当たり前だけれども難しい事をああして笑顔を忘れる事なく為そうとしている。それはとても尊く、何事にも代え難い有様のようにも思われた。 物思いに沈む間に、再び部屋を覆った夜の闇が一度は去った睡魔を連れてくる。瞼を閉じかけると、廊下側に置かれたベッドから身動ぎの音が微かに漏れてきた。 「名護……さん?」 廊下側に目を向けると、目を覚ましたのか総司が名護を見つめていた。ぼんやりと緩く開いた目と目が合う。名護は口元を緩め、ふっと微笑んだ。 「総司くん……気がついたのか、体は大丈夫か?」 「僕より、名護さんと翔太郎の方が酷かったじゃないか、大丈夫なの?」 「俺を誰だと思っている。君の師匠、名護啓介だぞ。翔太郎くんはまだ寝ているが、先程一度目を覚まして少し喋っていた、恐らく心配ないだろう」 「そう……」 総司の喉から穏やかに緩くほうと息が漏れる。翔太郎がとりあえずは無事そうである事にきっと安心してくれたのだろう。 「君ももう少し、眠っていなさい。しっかり休息を取る事も戦士の務めだ」 「はい……僕ちょっと、まだ、眠い……」 「ゆっくり休みなさい、おやすみ」 「おやすみ……なさい…………」 総司が瞼を閉じ、ややあって寝息が漏れ聞こえ始めた。 彼はきっともう大丈夫だ、己の往くべき道を見つけたのだから。ならば己は、戦士としての道、人の道を師匠として彼に示し続けていかなければならないだろう。少なくとも、この悪夢のような戦場から無事脱出するまでは。 だが、それは目覚めてからの事だ。今はまだ、次なる戦いの為に体を休めなければならない。 それから程なくして、名護も再び眠りに落ちた。 【1日目 真夜中】 【D-1 病院】 【城戸真司@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】劇場版 霧島とお好み焼を食べた後 【状態】強い決意 【装備】龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。 1:翔一と共に誰かを守る為に戦う。 2:モンスターから小沢を助け出す。 3:いつでも現在地から移動できるよう準備を整える 4:名護と他二人が目を覚ましたら情報交換したい 5:蓮にアビスのことを伝える。 6:ヒビキと合流したいが、今は小沢の救出を優先する 7:南のエリアで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい 【備考】 ※支給品のトランプを使えるライダーが居る事に気付きました。 ※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解しています。 ※アギトの世界についての基本的な情報を知りました。 ※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) ※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました 【津上翔一@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編終了後 【状態】強い決意 【装備】なし 【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、キバットバットⅡ世@仮面ライダーキバ、医療箱@現実 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの居場所を守る為に戦う。 1:城戸さんと一緒に誰かを守る為に戦う。 2:モンスターから小沢さんを助け出す。 3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触。 4:木野さんと北条さんの分まで生きて、自分達でみんなの居場所を守ってみせる。 5:いつでも現在地から移動できるよう準備を整える 6:ヒビキと合流したいが、今は小沢の救出を優先する 7:南のエリアで起こったらしき戦闘、紅音也を殺した犯人への警戒 8:名護と他二人の体調が心配 【備考】 ※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。 ※響鬼の世界についての基本的な情報を得ました。 ※龍騎の世界についての基本的な情報を得ました。 ※医療箱の中には、飲み薬、塗り薬、抗生物質、包帯、消毒薬、ギブスと様々な道具が入っています。 ※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) ※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました 【名護啓介@仮面ライダーキバ】 【時間軸】本編終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、仮面ライダーイクサに50分変身不可 【装備】ガイアメモリ(スイーツ)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×2(名護、ガドル)、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 基本行動方針:悪魔の集団 大ショッカー……その命、神に返しなさい! 0:就寝中(可能な限り睡眠をとり少しでも疲労を軽減する方針) 1:直也君の正義は絶対に忘れてはならない。 2:総司君のコーチになる。 3:首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間と接触する。 4:目が覚めた後、津上翔一・城戸真司と更に詳細な情報交換をしたい 【備考】 ※時間軸的にもライジングイクサに変身できますが、変身中は消費時間が倍になります。 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※海堂直也の犠牲に、深い罪悪感を覚えると同時に、海堂の強い正義感に複雑な感情を抱いています。 ※剣崎一真を殺したのは擬態天道だと知りました。 ※天道総司から制限について詳細を聞いているかは後続の書き手さんにお任せします。 【左翔太郎@仮面ライダーW】 【時間軸】本編終了後 【状態】ダメージ(極大)、疲労(大)、仮面ライダーイクサに45分変身不可 【装備】ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW、イクサナックル(ver.XI)@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式×2(翔太郎、木場)、トライアルメモリ@仮面ライダーW、木場の不明支給品(0~2) 、ゼクトバックル(パンチホッパー)@仮面ライダーカブト、首輪(木場) 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、世界の破壊を止める。 0:就寝中 1:名護と総司と共に戦う。 2:出来れば相川始と協力したい。 3:カリス(名前を知らない)、浅倉(名前を知らない)、ダグバ(名前を知らない)を絶対に倒す。 4:フィリップ達と合流し、木場のような仲間を集める。 5:『ファイズの世界』の住民に、木場の死を伝える。(ただし、村上は警戒) 6:ミュージアムの幹部達を警戒。 7:もしも始が殺し合いに乗っているのなら、全力で止める。 8:もし、照井からアクセルを受け継いだ者がいるなら、特訓してトライアルのマキシマムを使えるようにさせる。 9:総司(擬態天道)と天道の関係が少しだけ気がかり。 【備考】 ※木場のいた世界の仮面ライダー(ファイズ)は悪だと認識しています。 ※555の世界について、木場の主観による詳細を知りました。 ※オルフェノクはドーパントに近いものだと思っています(人類が直接変貌したものだと思っていない)。 ※ミュージアムの幹部達は、ネクロオーバーとなって蘇ったと推測しています。 ※また、大ショッカーと財団Xに何らかの繋がりがあると考えています。 ※ホッパーゼクターに認められていません(なおホッパーゼクターは、おそらくダグバ戦を見てはいません)。 ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 【擬態天道総司(ダークカブト)@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第47話 カブトとの戦闘前(三島に自分の真実を聞いてはいません) 【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、仮面ライダーダークカブトに40分変身不可、ワーム態に42分変身不可、仮面ライダーレイに45分変身不可、仮面ライダーカブトに50分変身不可 【装備】ライダーベルト(ダークカブト)+カブトゼクター@仮面ライダーカブト、ハイパーゼクター@仮面ライダーカブト、レイキバット@劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王 【道具】支給品一式×2、ネガタロスの不明支給品×1(変身道具ではない)、デンオウベルト+ライダーパス@仮面ライダー電王、753Tシャツセット@仮面ライダーキバ、ザンバットソード(ザンバットバット付属)@仮面ライダーキバ、魔皇龍タツロット@仮面ライダーキバ 【思考・状況】 基本行動方針:天の道を継ぎ、正義の仮面ライダーとして生きる。 0:就寝中 1:剣崎と海堂、天道の分まで生きる。 2:名護に対する自身の執着への疑問。 【備考】 ※天の道を継ぎ、総てを司る男として生きる為、天道総司の名を借りるて戦って行くつもりです。 ※参戦時期ではまだ自分がワームだと認識していませんが、名簿の名前を見て『自分がワームにされた人間』だったことを思い出しました。詳しい過去は覚えていません。 ※カブトゼクターとハイパーゼクターに天道総司を継ぐ所有者として認められました。 ※タツロットはザンバットソードを収納しています。 ▼ △ ▼ △ ▼ 天をも焦がす程の火柱。闇夜を裂き夜を昼のように塗り替えた閃光と、離れたこの病院にまで届いた衝撃波。 人知を超えた力が現在地から程遠くない場所で発揮されたのを目の当たりにし、三原はすっかり怯えきっていた。 リュウタロスの手前もあり、己に出来る範囲の事はしようとは決意したものの、あんな常識はずれの力に弱い自身がどうやって対抗できるというだろうか。 廊下の窓から二度目の閃光を目撃して後、三原は麗奈の眠るベッドの側で座ったきり動かなかった。翔一と真司は、いつでもすぐにここを離れられるようにと病院内を回って持ち運びに不便のない医療用具などを纏め、支度を進めていたが、それを手伝う気にもなれなかった。 スマートブレイン製のベルトの力で変身するファイズ・カイザ・デルタの力も確かに人間よりは遥かに優れている。だが、今三原が目撃したような規模の破壊が引き起こせる程とは思えない。 ――あんなの、どうするんだ。何をしたって敵いっこないじゃないか。 ――元々俺は戦いたくないのに、あんな勝てるわけない力を持ってるような奴に向かっていったって、殺されるだけじゃないか……。 ――死ぬのは嫌だ、怖いのも嫌だ……。もう、帰りたい……。 リュウタロスも昼から気を張り詰めで疲れてしまったのか、麗奈の隣のベッドで眠っていた。何かあれば起こすから三原も放送まで眠っていてもいいと真司から言われたが、とても眠る気になどなれなかった。 あんな恐ろしい力を持った輩がいつここに現れてもおかしくないのだ。寝ているうちに殺されてしまうかもしれないと妄想すると、恐ろしさに睡魔など吹き飛んでしまった。 今は真司と翔一を頼りにする他ないが、あの二人はのんびりしすぎていて危機感が足りないように見えた。戦っている所を見たわけでもないので、どの程度頼りになるのかも実際の所は分からない。 勝てもしないような戦いの為に頑張るのは、ただの無駄じゃないか。そんな風にすら思えた。 「誰か……助けてよ…………俺、帰りたいよ……うちに帰りたい」 喉から搾り出された声は、だが誰にも届かぬほど微かに掠れて、病室を覆う蒼い闇に溶け紛れた。 【三原修二@仮面ライダー555】 【時間軸】初めてデルタに変身する以前 【状態】強い恐怖心 【装備】デルタドライバー、デルタフォン、デルタムーバー@仮面ライダー555 【道具】なし 1:巨大な火柱、閃光と轟音を目撃し強く恐怖を抱く。逃げ出したい。 2:巧、良太郎と合流したい。草加、村上、牙王、浅倉、蓮を警戒。 3:オルフェノク等の中にも信用出来る者はいるのか? 4:戦いたくないが、とにかくやれるだけのことはやりたい。けど…… 5:リュウタロスはまだ子供なんだから、自分がしっかりしなくては 【備考】 ※リュウタロスに憑依されていても変身カウントは三原自身のものです。 ※同一世界の仲間達であっても異なる時間軸から連れて来られている可能性に気付きました。同時に後の時間軸において自分がデルタギアを使っている可能性に気付きました。 ※巧がオルフェノクの可能性に気付いたもののある程度信用しています。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) 【リュウタロス@仮面ライダー電王】 【時間軸】本編終了後 【状態】健康 【装備】リュウボルバー@仮面ライダー電王 【道具】支給品一式、ファイズブラスター@仮面ライダー555、ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト 、デンカメンソード@仮面ライダー電王、 ケータロス@仮面ライダー電王 0:就寝中 1:良太郎に会いたい 2:麗奈はぼくが守る! 3:大ショッカーは倒す。 4;モモタロスの分まで頑張る。 【備考】 ※人間への憑依は可能ですが対象に拒否されると強制的に追い出されます。 ※ドレイクゼクターがリュウタロスを認めているかは現状不明です。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) 【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第40話終了後 【状態】人間不信 ワームの記憶喪失、混乱状態 【装備】ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW 【思考・状況】 0:就寝中 1:周りにいた津上・城戸・三原とリュウタロスは悪い人ではないようなのでとりあえず安心だが、完全には心は許せない 2:照井が死んだのは悲しい。一条と京介は無事? どこへ行ったのか知りたい。 3:他人が怖い。 4:殺さなければ殺される……。 5:あの人(影山)は一体……? 【備考】 ※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 ※一時的にウカワームの記憶を取り戻しましたが、再び失いました。 ※ただし、何か強いショックがあれば取り戻すかもしれません。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) 104 それぞれの道行(1) 投下順 105 やがて訪れる始まりへ 時系列順 106 君のままで変われば良い(1) 津上翔一 城戸真司 三原修二 リュウタロス 間宮麗奈 名護啓介 左翔太郎 擬態天道
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櫻の国東部に有る道場。剣術を主に教えているが、刀のみでは無く使えるものは全て使うという実戦形式の技の為“剣術”ではなく“戦術”の名を冠している。 教えている技の一覧は下記のリンク先に。 花鳥風月流戦闘術:花城 六輝 門弟の人数は大凡140名。 現在は創始者である開祖花城 六輝が流浪の旅に出ているため孫娘の花城 火煉が道場主の座を預っている。 近所の土産屋で道場の紋を焼き入れた饅頭を売っており、之が人気であり道場の運営費用に成っている。 花鳥風月、桜花饅頭6個入り¥700で販売中。 主な施設 道場 300名は収容できる広大な道場。 最近花城が戦闘で破壊したため復旧作業中。 母屋 内弟子達も共に過ごす生活空間。 2階建ての日本家屋である。
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週刊少年ジャンプで連載の漫画。作 比良賀みん地! 用語集 観世中学校 五老海錬磨が通う学校。 キャラクター 中学3年 五老海錬磨 進路不明のパーリーピーポー 中学3年 三木檍人 錬磨を引き連れ街中へい
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黒単ズィリーラ=ヴァルラ キャラクター 32枚 4 エンジェルメイド 4 カメレオンメイド 4 ドラゴンパピー 3 間欠泉ドラグーン 4 スター・トランスポーター 2 壷振り 3 山子 4 エンジェルウェイトレス 2 戦士 2 飛刀族 ブレイク 19枚 4 グレイドラグーン“ズィリーラ=ヴァルラ” 2 マイエンジェル“真代 詠” 2 妹天使“真代 詠” 4 サンダードラグーン 4 アークエンジェル 3 ウィングスラスターロイド パーマネント 3枚 3 ステルスコート プロジェクト 4枚 4 パニッシュメント・アサルト ファスト 2枚 2 精鋭天使 解説 早いターンにパニッシュメント・アサルトまたはグレイドラグーン“ズィリーラ=ヴァルラ”で場を制圧するデッキ。 パニッシュメント・アサルトはこのデッキの必殺技。 11枚入っている軽ブレイクで加速して相手が動き出す前に更地にしてあげよう。 イレイザー対決では無駄カードになると思われがちだが、「パニッシュ黒が打てて一人前」という言葉があるように お互いの手札や場の状況から総合的に判断して、打った後に有利を取れるなら躊躇なく自分の場ごと吹き飛ばそう。 ただし精鋭天使を握られているとこちらの場だけ吹き飛ぶので注意。 パニッシュメント・アサルトの弱点は高コストなため、十字祓などでカウンターされると一気に厳しくなる。 そういった時の裏の手がグレイドラグーン“ズィリーラ=ヴァルラ”。 ブレイク元にパワーカードが必要なため実質5F6C(X=2の場合)となってしまうが、相手はファクターを2つ削られたうえで 5/7/5に対処しなければならなくなる。 メインファクター以外にも天敵であるレジスト黒持ちの飛刀族やダークサイドウォッチャーを除去したり、タッチ十字祓 デッキに対しては赤ファクターを除去することで次のターンのパニッシュメント・アサルトを確定で通すことができる。 重ねブレイクをすれば最大5体まで除去できるが、そこまでやるのはオーバーキルだろう。 妹天使“真代 詠”はサブアタッカーでもあり、ミラーマッチ対策。 相手に妹天使“真代 詠”を出されるとバインド2のせいで突破できなくなるため、1ターンでも早く出すために マイエンジェル“真代 詠”と散らしている。 精鋭天使は守りの要。 このデッキは高コストカードが主軸のため、準備が整う前にアタックされると非常に厳しい。 精鋭天使でバインドを付与することによりファクターを維持しつつ相手の攻勢を止めることができ、特にイニシアチブ 持ちのアタッカーに対する数少ない対抗手段となる。 このデッキは高コストカードをメインにしているため序盤はあまりアタックにいかないが、黒は高い攻撃力を生かした ビートダウン性能も優秀。 デッキに慣れてくればパニッシュメント・アサルトに頼らない戦いをすることで、プレイングに幅が生まれるだろう。
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合計: - 今日: - 昨日: - 氏名 所属 職種 社会人経験年数 五瀬道行 東芝インフォメーションシステムズ株式会社 アプリケーションスペシャリスト 4年目 業務内容 現在は、バージョンアップに伴う、サーバの切り替え作業を中心に顧客のデータベース環境の構築を担当している。 やりがい 顧客の要求をより良い形でシステム上に実現できたときには、やりがいを感じる。作業に関する重要なファクターを算出するロジックを提案し、それが採用されたときは嬉しく感じた。 仕事への姿勢/考え方 顧客としっかり意思の疎通をはかることを大切にしている。顧客の要望に対し、「どうしてその機能が必要なのですか?」などの問いかけによって、顧客の意図を把握できるよう心がけている。 私生活 土日のうち、だいたい1日はまったりと過ごし、もう1日は出かけることが多い。計画的に有休をとって、リフレッシュするようにしている。 今後の目標 データベースに関する問い合わせに対し、すべて自分で対応できるレベルになり、システムを提案できるようIT技術、業務知識、コミュニケーション能力などを高めたい。 参考URL:http //www.toshiba-tsis.co.jp/tsis/recruit/interview04.html 感想 システムに関わる業務に携わるには、やはりコミュニケーション力がものを言うのだと感じました。プログラマーを極めるという道もないわけではないのだと思うのですが、より使いやすくするための機能の追加や無駄な機能の削除といった仕事の増減についても顧客の方と密に話し合うことで決めることができるため、よりやりがいを感じるためにはコミュニケーションをとることが不可欠だと感じます。また、仕事ができる人はONとOFFを使い分けるという話をよく聞くのですが、五瀬氏も計画的に休暇をとり、リフレッシュを図っています。IT職種は休みがない、残業時間が多いという印象がありますが、最近では、休む時には休み、やるときにはやる傾向にあるように感じます。 【登録タグ 1~5年 APS コミュニケーション能力 スキルアップ 東芝インフォメーションシステムズ】 選択肢 投票 この人材像に憧れる (0) この人材像に共感する (0) この記事が役に立った (1) システム設計者と依頼者のコンピュータについての知識の差は大きい。その差分を埋める意味でも、コミュニケーション能力はとても大事だと感じた。 -- 名無しさん (2011-01-21 15 39 07) 顧客の要望を受ける側としては、自ら積極的に問いかけることでシステム構築に必要な情報を引き出していく会話が必要なのだろうか。相手の考えを理解して、それをシステムに反映できるよう整理する能力が特に求められている職種のように思われる。 -- 名無しさん (2011-01-21 15 40 52) コミュニケーション能力もさることながら、自分のスケジュールを管理する能力もまた同時に求められている、そのような印象を受けた -- 名無しさん (2011-01-21 15 43 44) 名前 コメント
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2013年8月9日発売。 WIZ-DOM 極星帝国 イレイザー ビジュアルフレーム WIZ-DOM PP163 エンジェル・ウェイトレス 極星帝国 PP164 鎖天使 PP165 エンジェルスレイブ イレイザー PP151 キューピッド PP152 間欠泉ドラグーン PP153 イレイザー・士官 PP154 ポッドレーサー・エンジェル PP155 ダークリザード・エンジェル PP156 アンドロイドコンデンサー PP157 ポストエンジェル PP158 アルケー PP159 エンジェルフ PP160 エンジェルメイド PP161 PSI・エンジェル PP162 ドーンエンジェル PP166 アークエンジェル PP167 デュナメイス PP168 妹天使“真代 詠” PP169 奏天使“ヘルメシエル” PP170 雫天使“マトリエル” PP171 七大天使“ウリエル” PP172 ギガンティックイレイザー“ルニァ” PP173 ステルスコート PP174 パニッシュメント・アサルト PP175 精鋭天使 ビジュアルフレーム PP176 妹天使“真代 詠” PP177 奏天使“ヘルメシエル” PP178 雫天使“マトリエル” PP179 七大天使“ウリエル” PP180 ギガンティックイレイザー“ルニァ”
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キャラクター 4壷振り 3龍気拳士 3羅盤師 2道場主 2エンジェルウェイトレス 4トライ・オブザーバー 4間欠泉ドラグーン 4フォトンウィング 2ドラゴンパピー 4エンジェルメイド 2カメレオンメイド ブレイク 2女師範 2隻眼忍者 2アークエンジェル 2サンダードラグーン 2カバーリングファイアボーグ 2妹天使“真代 詠” 2マイエンジェル“真代 詠” パーマネント 1ステルスコート プロジェクト 2天使軍の降臨 ファスト 2煉気術 1精鋭天使 レビュー ギャラクシースタイル対応の構築済みデッキ。
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1 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 03 49.48 ID 5ah/UwVu 山本モナ解禁? 2 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 04 27.98 ID gyD8G4/P 離婚してからね 3 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 04 44.26 ID INojmYcM ススキノ行き放題や!!!111 4 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 04 45.75 ID Ftht5Tu1 二岡って結婚してるんだぜ 5 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 05 01.76 ID gHQ1k/Mr アッー!に目覚めろ 7 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 24 50.21 ID VJ0Zv+tc 用稲<寒いから単身赴任でお願い 9 :村田おやつ ◆tVUfcWwaEc :2008/11/11(火) 20 26 08.75 ID ARHOYuWt 二岡、多田野、BBが夢の共演! 15 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 50 41.24 ID AuByAog7 TDNと9800円 16 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 20 52 59.57 ID Np285jM8 北海道に飛ばされるって酷いよな普通に 19 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 21 03 50.85 ID Uc54UsI0 鎌ヶ谷ファイターズの4番として頑張ってください 20 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 21 06 56.18 ID ZSHDbXIW 二岡、凍死する 21 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 21 10 44.80 ID pfR8CnxX ススキノでは当然二岡Welcomの歓迎イベントがあるんだよね? 23 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/11(火) 21 17 10.37 ID m2uXoOOW 二度と女子アナと不祥事を起こさないよう TDN君に二岡の教育係になってもらおう
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【出典】 『白峯寺縁起』 【補記】 西行詠にこの歌に多少異なる「まつ山のなみにながれてこしふねのやがてむなしく成りにけるかな」(山家集、西行法師家集、宮河歌合)がある。