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(BR230/05/phase:00) ニコロワ社会主義連邦共和国  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ギャルゲロワ共和国首都に一つの屋敷が建っている。 屈強な兵によって警護されたその正門にはギャルゲ国とはまた別の国の国旗が掲げられていた。 この屋敷はGR国にあってGR国の領土に非ず。 未だ謎のヴェールに覆われた北方の大国、 ニコロワ社会主義連邦共和国(通称:ニコ連)の大使館であるのだから―― ニコ連の詳しい成り立ちはよくわかってはいない。 ただ複数の人種が集まってできた多民族国家である事のみだった。 GR国から北にいくつもの険しい山脈を越えた先にある雪と氷に覆われた極寒の地。 その地形的特性のため大陸南部の主要国とはほとんど交流が無かったのだ。 よってその文化レベル・軍事レベルも謎に包まれたまま。 現在は『閣下』と呼ばれる一人の指導者がニコ連のトップにいるが詳細は不明である。 長らく謎に包まれたニコ連に突如転機が訪れる。 昨年、ニコ連はGR国と国交を樹立すると宣言した。 得体の知れない謎の大国の申し出にGR国の重鎮達は衝撃が走ったが、 人の良いお姉さまは二つ返事で国交を結び、大使館を国内に置くことに決まったのである。 (BR230/05/phase:01) ニコロワ社会主義連邦共和国  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 大使館の薄暗い執務室内で一人の少女が机に座っていた。 肩まで伸ばした黒髪に黄色のヘアバンドが花を咲かす。 気の強そうなその瞳は机の上に鎮座された青白く光る板を見つめていた。 彼女の名前は「C.M.超展開はデフォなのか? 」(略してCM) ニコ連本国から派遣されたギャルゲロワ共和国駐留大使である。 彼女は『閣下』の懐刀と称された才女であり、対GR国外交の全権を委任されているのだ。 CMが見ているもの、それは『ニコ動』と呼ばれる長距離通信網。 遠く離れた人間とほぼリアルタイムで会話を可能とするニコ連が生み出した技術の結晶である。 国家機密であるそれはGR国にすら存在を秘匿されているものであった。 「ハーイ、聞こえるかしら『閣下』?」 『感度は良好よ同志CM』 青白く光る板に一人の少女の姿が映し出される。 頭に結んだ二つのリボンを除いては一見すると地味な印象な少女。 だが常に薄開きの目と不敵に歪めた微笑が、言いようのない威圧感とカリスマを彼女に与えている。 彼女の名前は「人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~」(略してOZ) 彼女こそニコロワ社会主義連邦共和国大統領、通称『閣下』として恐れられるニコ連の最高指導者なのである。 「もう聞いてるかと思うけど……漫画国がGR国に侵攻したわよ。宣戦布告もせずにね」 『ええ、聞いてるわ。全く穏やかではないわね……宣戦布告もしないで侵攻とは』 「さすが世紀末覇者だらけの漫画国よね」 『それでGRの対応は?』 「あろうことかバトルマスターを始めとしたGRの名だたる将全員を前線に投入したわ」 『へぇ……無謀と言うか何と言うか……背後がガラ空きね』 「現状は膠着状態、もしかしたら鬼械神の投入もアリかもね」 『ふふふ……それを投入したらまさに全面戦争、そうなると漫画も虚無魔法を使わざるを 得ないでしょうね。落としどころの見えない泥沼の殲滅戦、お互いが滅びるまで続く戦いが始まるわ』 「で閣下、ニコ連はどうするの? アニロワはまだ公式発表の無いもののGRの支援を表明したわよ」 『そういえば……確かGRには我が国が友好の証として送った「千早」があったけど……あれの稼動状況は?』 ニコ連が国交樹立を結んだ際にGR国に寄贈した物がある。 空を羽ばたく鋼鉄の蒼鳥「千早」。雷の如く鳴き声を発し風よりも速く空を舞う鉄の鳥。 空を飛ぶ兵器はGR国にはいくつかあるがそれは全て古代の遺失物を改修したものに過ぎず。 未だ自前でそれらを開発できる技術力には至ってはいない。 「あー…あれね、動くことは動くけど飛ばす技量を持ったパイロットがいないわ。 GR国は今だ一人の将が一騎当千の働きを以って戦場を制すると考えているのよ。 これから戦争は高度に情報化された兵が戦場を制するのにねえ?」 『しょうがないじゃない、GRには戦略を戦術レベルで覆す非常識な連中がゴロゴロしてるもの 自らの力に慢心して溺れ死ぬが良いわ。現状我が国は静観、GR・アニ・漫画の疲弊を待ちましょう』 「スパロワ国もロボロワ国も不穏な動きを見せてるしね、勝ち馬に乗るのは私達ニコ連よ」 (BR230/05/phase:02) ニコロワ社会主義連邦共和国  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ CMからの報告を受けた閣下ことOZは通信を終え、窓に目をやった。 五月なのに降り続ける雪、雪が溶けるのは短い夏の間だけ。それ以外は雪と氷に閉ざされた国土。 いずれ三国のパワーバランスが崩れる時が来る、その時が絶好の南進のチャンスである。 温かい地の獲得はニコ連の大願なのだ。 コンコンと執務室のドアをノックする音。 『閣下~私だよ~』と外から少女の声がした。 「開いてるわよ、入りなさい」 「こんちゃーす」 入ってきたのは青い髪を腰よりも長く伸ばした小柄な少女。 頭に生えた一本のアホ毛と左目の泣き黒子がチャームポイントな彼女の名は、 「愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました」(略して愛媛) こう見えても二コ連の国防長官のポストに付いているニコ連の重鎮である。 「聞いたよー閣下、漫画がGRに侵攻したんだってね」 「ええそうよ、耳が速いのね。それで用件は? まさか世間話をするためここに来たわけじゃないでしょう?」 「まあね、とりあえずニコ連南進についての基本骨子を閣下に聞いてもらいたくて」 「また気が早い話ね」 「備えあれば憂い無し! だよん」 「まあ聞かせてもらうわ」 「知ってのとおりニコ連は大陸南部とは険しい山脈に隔てられた辺境の地。 だから陸路ではとてもじゃないけど侵攻はできない。まあ無理すりゃできるだろーけどねー」 「仮に陸路で山脈を越えるとなるとその影響は?」 「そだねぇ……五万の兵を向かわせるとして……生きて山脈を越えられるのは三割も満たないだろうね まあ兵が畑で取れるような国ならそんなの無視してガンガン侵攻しちゃってもいいけど、 戦場に辿り着く前に兵が半分以下になるような事態が国民に知られたら、確実に閣下の政権が傾く可能性が大だよ。 ある程度は情報操作で誤魔化せるけど、まあお勧めはしないね」 「なら空路は?」 「ウチ自慢の航空戦力でアニやGRに戦略爆撃を敢行できるけど……爆撃をいくらしたところで その都市を占領できる地上戦力がいなければ意味ないからね~。輸送機で運べる人員はたかが知れてるし。 となると結局は海路によるオーソドックスな上陸戦かな。我が国は艦隊を率いてGR国東部沿岸地区を強襲。 強化外骨格『ドアラ』を装備した歩兵とボーカロイド部隊で上陸のち占領。後はそこを足がかりにしてGR首都を目指す。こんなところかな」 「勝率は?」 「向こうさんが通常戦力で応戦するなら八割はカタいね。だけど向こうには紅蟹公やバトルマスターを始めとした脳筋軍団と、鬼械神が控えているんだよね……そいつら相手ではさすがに分が悪い」 「ま、戦略を戦術でひっくり返す事ができる化け物揃いなわけだしね……」 「戦後処理とか考えず敵国を殲滅するだけの兵器ならこっちにもあるけどねー、支配する土地も民も失っては意味が無いし。で、聞きたいんだけど閣下」 「何かしら?」 「一応建前上はGR国は友好国であるわけだけど、支援のほうはどうする?」 「いずれ侵攻する国相手に支援を送るつもりは無いわ、やるとしたら戦後、友好国の戦災復興と治安維持の名目で進駐軍を送り込むぐらいかしら」 「うわー……えげつない手を使うね……」 「ニコ連はGR・漫画の戦争が次の段階になるまで静観。三国の動向に注視するのよ」 「りょーかーい!」
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ぼくんちのニコロワ(後編) ◆CMd1jz6iP2 (登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル やよいが危ない 社長のネーミングセンスが危ない KASのテンションが危ない TASさんがいろんな意味で危ない ことのは様の存在自体が危ない 危険が危ない レナとかえでと私は、オーキド博士のポケモンだった。 ある日、Kにレナが、私はmに貰われていった。 わたしのマスターのmは優柔不断な人間だった。 それでいて、自分がやりたいことを邪魔されるのが許せない自己中だった。 でもそれがいい。 彼の為に、私は店の自転車のカギは壊したし、人も殺した。 なのに、mは他の女にばかり目を向けて鼻血と涎まみれの毎日。 Kのところのレナは、会うたびに強くなり、信頼を深めていくのがわかった。 羨ましかったけど、私がmの本当のパートナーになりたいこと。 それを、Kもレナも密かに応援してくれた。 だから、よく戦うことはあっても、大切な仲間だった。 mはその様子をアホみたいに口あけてボーっと見ているだけだったけど。 そういう間抜けなところがカワイイから、どんな行為も許せるのだ。 しばらくして、草原で、博士の家に居るはずのかえでと出会った。 本当にかえでなのかと、目を疑った。 私もレナもかえでも、ヤンデルポケモンだけど、あの様子は異常だった。 まるで鍋の具材のように扱われ、全滅寸前のところを逃げ出した。 mは、重傷の私のことなど気にも留めず、そのままマサラタウンへの足代わりにされた。 そこで、私は変わり果てたマサラタウンを目撃した。 荒れ果てた、研究所、恐慌状態の博士。 私たち三人が仲良く並んだ写真から、かえで以外が塗りつぶされていた。 残された音声を聞いて、かえでは本当に壊れてしまったのだとわかった。 しばらくして、出会ったKとレナは様子がおかしかった。 mに色目を使う、気に食わない「せかい」すら、何か変だった。 何かに追われているような……怯えた姿。 それを最後に、二人の姿を見ることはなかった。 mも同様に、何故か私にたくさんの武装を買ってくれた。 何かから、自分を守って貰えるようにと。 そして……気付けば私は、他人のポケモンとなっていた。 mはどうしたのだろう、Kは、レナは? しおんは、あさくらは、きりは、元のトレーナー?の元に帰ったこなたも無事だろうか? mが私に買ってくれた武器も、Kが以前くれたゴルフクラブもなくなってしまった。 許せなかった。私をmから引き離した存在が。 私や他のポケモン(見たことのないポケモンばかりだった)が 何体も特殊なモンスターボールに詰められた……断片的な記憶。 特殊なモンスターボールは、m以外の命令も、絶対厳守を強制させるようだ。 私が嫌でも従うしかない。どうやら、殺し合いの道具として。 ボールの中から外界の様子を覗いていたが、どうやら変な男の手に渡ったらしい。 モンスターボールの使い方もわからないらしく、かなり狂ってる。 その後、置いていかれた。城から飛び降りた男は死んでないらしい。 そして、拾われた。あの男と話をしていたらしい女の子だった。 彼女は、確かやよいといった……彼女は、私を外へと解き放った。 ついに出番らしい。私も死ぬわけには行かない、やるなら全力で殺る。 m同様、私を人殺しの手段として使いたいのだろう。 しかたなく、まだ見ぬ相手への闘気をこめて、相手は誰かとやよいを見つめる。 モンスターボールに戻された。 まったく意味がわからなかった。私の入ったモンスターボールが小刻みに揺れる。 ―――震えていた。 怯えているのだ、この状況に。 出会った男は自殺死亡者、出てきたポケモンは鋸持ち。 泣き叫んで現実から目を離せば楽にもなるだろうと思ったが。 「……違う、そんなことない……人殺しなんて、絶対ダメなんだから……」 意外に根性のある少女のようだった。 それから、ずっと彼女を見ていた。 あの番長に襲われたときも、なぜ私を使わないのかと思った。 殺し合いに乗りたくないのだろうが、私がいれば、けいこは死なずに済んだかもしれない。 空を飛ぶのも、私に任せてくれれば……一瞬考えたが、私の空の飛び方は、地点を選んで ジャンプして落ちる、という感じのものだから、移動には向かないだろうと思った。 無邪気で明るい彼女を見ていると、妹を思い出す。 私は、世の中を明るく見ることは出来ない。 でも、妹のマジカルハート☆こころちゃんは、いつでも明るくて、元気だ。 最近はどこにいるのかわからないが、きっとどこかのトレーナーと元気にやっているだろう。 私からmを奪った奴らにふくしゅうしたい。 ことのはは、やよいの事が少し気に入っていた。 このゲームに乗っていないから、怨むべき奴らに従っていないからだと思っていた。 なんてことはない、妹ポケモンのこころと重ねていただけなのだ。 どうせトレーナーに逆らうことは出来ないのだ。 気に入ったトレーナーの手に渡ったなら、それを害する相手を殺すのは気合が入る。 あ な た の 怨 み 、 晴 ら し ま す 。 殺したい人を教えてください。教えてくれなくても結構です。 私の気分で貴方の敵を、私と貴方の敵を殺しましょう。 mから私を奪った人と同様に、私は貴方を許しません。 そ う え い え ん に 「しんじゃえ」 絶望的な予感がしたTASは、フライパンを振るう。 だが、どうしたというのかフライパンは振るった方向に飛んでいってしまう。 握りが甘かったのか、とTASは殴りかかるために手を握ろうとして 親指しか残っていないため、手を握れないことに気がついた。 「ウ………アアアアアア!!!!!」 今まで、数多のゲームで最速を塗り替えるために、コントローラーを操作してきた。 そのための、何よりも大事な指が……ボトボトと落ちた。 「ガアアアアアアアア!!!!」 邪魔なやよいを突き飛ばし、両手の親指で、ことのはを突く! イチローすら葬った親指は、ことのはを完璧に捕らえた。 「あははははははは!!!」 だが無傷。 「な、にぃぃ!!!」 TASの親指による突き。一撃必殺ともいえる、究極の一。 しかし、それは、ポケモンの技に分類すれば、ノーマルか、かくとう。 そのどちらも、あく・ゴーストタイプの「ことのは」には、威力以前に効かないのだ。 ことのはの追撃は、ケラモンの援護で失敗した。 だが、TASの全身を悪寒が包む。 「ディバインバスター!!」 霊夢の砲撃が、TASを襲う。 「ヒ……ィィィィイイイイ!!!」 無様な悲鳴をあげながらも、TASの体は跳ねて避けた。 恐怖の絶頂であろうと動かねば終わる。それを知っているからこその本能の動き。 ケラモンの光弾がいくつも飛びかう中、TASに飛び掛る男が一人。 「俺がインドを渡してやる!!フ タ エ ノ キ ワ ミ ー !!」 KAS渾身の拳。 それを、TASの拳が相殺する。 「アーッ!!!!!!!!!」 嫌な音がして、KASが地面を転がる。 (駄目だ、もう、死ぬ、無理、防御も、逃げることも!) たった半日。しかし、数多の強敵との戦いによって 疲弊した体力、精神がTASの心を砕きかけていた。 「この外道!トドメだ!!」 この最大のチャンスを逃すまいとする海馬。 そこへ……耳を破壊するような超音波が一帯を包んだ。 「うわー、なんか大変なことになってるなあ」 ヨッシーが到着しました。 近づくと、頭が割れそうな音が響き渡っている。 「なに、なにこれ!?」 近づくのをやめようか、そう思ったヨッシーだったが、気が変わる。 「あ、あの生き物だ!」 なにやら、あの生き物が死に掛けているではないか。 「いっただっきまーす!!」 どうやら、あの生き物が怪音波の発生源だったようだ。 近づくたびに気分が悪くなって頭が変になりそうになる。 しかし、食欲が不快に勝り、ヨッシーは近づく。 だが、もうすぐというところで、なにやら小さい少女がケラモンを鋸で両断した。 「あー!」 急いで舌を伸ばし、両断された片割れを飲み込んだ。 「うまーーーーい!!!」 あー、おいしかった。もう片方、と思ったが、既に消滅してしまっていた。 「あんた……本当にとんでもないわね」 霊夢さんが、ヒクヒク笑いながら近づいてきた。 「あー、霊夢さん。これで一件落着ですねー」 何か頭を抱えている。どうしたのだろうか。 「逃げられたわ……TASにも、妖怪の片割れにも」 戸建 マンション 賃貸 不動産 KASに潰され、死んだと思われたケラモンは、まだ生きていた。 断末魔というべきか、脳に響くような不協和音を出す。 そして、その隙にもう一体のケラモンは、TASを掴み全力で逃げてしまったのだ。 「うう……カイバーマン、さん……」 「大丈夫だ、傷は浅いぞ」 どうやら、最初の体当たりで片腕が折れてしまったらしい。 疲労が溜まったところに負荷がかかり、耐えられなかったのだろう。 添え木で固定する。 そこへ、ことのはがモンスターボールへ戻るためにやってきた。 「あ、ことのはさん、そんな窮屈なボールに戻らなくてもいいですー!」 変わらず虚ろな目でやよいを見つめることのは。 「あ、ありがとうございました。これからも、よろしくおねがいします!」 キョトンとしたことのはだが、ニカッと笑った。 ぶっちゃけ怖かったが、やよいも我慢した。 ことのはは、従ってウロウロしだした。 「やよい、いつの間にあのモンスターを出したのだ?」 「出したというより、体当たりされたときに衝撃で出たんですよ」 そこで、覚えていた技名「えいえんに」を命令したところ、空に飛び上がったという。 「その後は、意識が朦朧としてて……技名も言ったのかどうか」 「謙遜する必要はない。貴様のおかげで助かったようなものだ。借りがまた一つ出来たな」 そんなのいいですよー、と騒いでるところに霊夢がやってきた。 KASもやっと落ち着いたらしい。拳はヒビで済んだようだ。 「今更だけど、このゲームに乗ってないか、確認していい?」 「うおお!!済まないうっうー!俺がいればそんな中ボスやっつけたのにー!!」 KASの落涙は無視して、霊夢は聞いた話を考える。 けいこという女性を一般人の枠に入れたのは間違いだったらしい。 その人物に能力がなくても、支給品次第で強敵でも倒せるのだから。 つまりは油断大敵。ゲームに乗った一般人にも、気をつけないといけない。 カイバーマン(本名は海馬らしい)の話も役立つものだった。 緑髪の女性と、エアーマンという鉄で出来た人形がゲームに乗っていること。 そして途中で出会った、こなたと真という少女のこと。 山で歌っている人間がいたことを聞いた。 姿は変だが、まともに話ができるだけ、KASなんかより随分マシだった。 真というのは、やよいの仲間らしい。なぜか、あの少女モンスターが興奮してたが、かっこいい女性という説明の後辺りからがっかりしている。 カイバーマンも、その真を男だと思っていたらしく、驚いているようだ。 歌っている人とやらは気になったが、その後戦闘が起きたらしい。 生き残りがいるなら、そのうち会うこともあるだろう。 途中、カイバーマンがKASに見えないように、私たちに紙を渡してきた。 『会話を盗聴する機能が、首輪にあるかもしれない』 やよいとヨッシーが大声を上げそうになるのを止める。 なるほど、考えられることだ。 あいつらの目的は知らないけど、こちらを野放しというのは考えにくい。 (レイジングハート……どう思う?) 念話でレイジングハートと会話する。まだ慣れないが、これを覚える価値も出てきた。 (ありえます。この首輪の構造を調べることは私でも不可能。可能性は排除できません) 更に、とんでもないことを言った。 念話で言われたそれを、紙に書く。 『ヨッシーが私の講義中に、なにやら機械を食べていました。監視装置かもしれません』 マジ?なら、こんな紙での会話すら危ないかもしれない。 KASのような馬鹿には、言ったら大変だろう。 いや、馬鹿というか、空気が読めずに口に出しかねないのが問題なのだ。 「その杖……インテリジェントデバイスと言ったか。人工知能なのだな?」 『はい、そうです。魔法の発動のサポートなどが主な仕事です』 海馬に、レイジングハートは自分の世界のこと、技術のことを話していく。 私もこの際に聞いておくことにした。 世界は、次元世界という時空ごとに分かれて存在しているらしい。 それを管理するのが時空管理局で、レイジングハートの持ち主、高町なのはも、そこの所属だという。 彼女は地球出身の、数少ない魔術師だという。 カイバーマンは、驚きながらも少なからず理解しているようだ。 反面、私は科学とかいうのはさっぱりわからない。 幻想郷にもたまに転がってくる、コンピュータって式神の上位存在らしい。 「なるほど。お前達の言う魔法とやらは、完全な科学制御。 未知の体内機関やエネルギーを用いているため、まだ地球程度の科学力ではオカルト話にしか聞こえないということか」 『おおむねその通りです。遥か昔、人はその力に気付いた。 それを科学で解明することが出来て初めて、魔法は技術として確立されたのです』 やはりオカルトは科学で証明できるのか!とカイバーマンは喜んでいる。 「つまり、私の霊力なんかも、科学とやらで説明できるのね?」 『はい。ですが一部に過ぎません。魔力についてもまだ不明な点が多く 霊力やその他の力は、魔力の応用でわかる部分がある、という程度です』 レイジングハートは、やよいからは感じない何かを、カイバーマンから感じるという。 魔力とも違う、魂そのものが力を持ってるとか何とか。良くわからないらしい。 「それほど発達していても、未知な部分は多いということか。 ……レイジングハート、地球という星が複数存在する可能性はあるか?歴史が違うといったような……」 『可能性は否定できません。次元管理局が管理している世界だけが全てではなく、まったく同じ構造の世界がないとは言い切れません』 なぜそんなことを聞くのかと思ったが、すぐに理解した。 やよいが、同じ世界の人間なら知っているはずのことを知らないということらしい。 更に、レイジングハート自身が知っている地球の話をした。 やよいとカイバーマンは、なのはの故郷のある場所に、違う都市があるという。 しかも、二人とも答えが違う。どうやら間違いないらしい。 私の住む幻想郷の話もするが、そんな大規模な結界は存在を確認したことがないという。 幻想郷が、彼らの誰かと同じ地球か、また違う地球にあるのか、判断は出来ない。 ヨッシーが青くなっている。 「まさか……KASさんも、どこかの世界のマリオさんなんじゃ……」 だとすると、TASもそうかしら。なんとなくKASと似てたし しかし、どうやら事態はかなり複雑らしい。 神隠しの主犯、なんてまだマシに思えてくるほどに攫ってきているようだ。 レイジングハートの話によると、時空管理局などより発達して滅んだ世界の遺産 「ロストロギア」なんて物があって、それは時空をいくつかまとめて滅ぼすことも出来るらしい。 あの妖怪どもは、それを利用している可能性もあるという。 スキマ妖怪より強いかも、なんて考えたら頭が痛くなるから考えるのをやめた。 「それと名簿についてだが、先ほどの話からすると、世界の住人ごとに載っている可能性がある」 「あ、本当です。私の仲間、一箇所にまとめて書いてあります」 「うん……?なんで、師の方だけ離れているのかしら?」 幻想郷住人の中、理由はわからないが、一人だけ別枠に書かれていた。 八意永琳のみ、明らかにおかしい。 『同名の別人ということでは?』 八意永琳なんて名前が二人も三人もいないと思うけど…… 考えてもわからないから、わかることだけ考えよう。 「そういえば、やよいの仲間が結界に捕らわれているってことだけど」 「あ、はい!日吉若さんっていって、中学生なのに凄く強いんです」 「KASぐらい?」 「あう~、あんなジャンプは出来ないですけど……日吉さんの方が強く感じます」 よし、決まりだ。 馬鹿じゃなく、それなりに強く、更に方針も同じならば言うこと無し。 「私の力で、その結界を解いてみるわ」 「ほ、本当ですか!」 レイジングハートの力を借りれば可能だろう。 「ヨッシー、城に戻るわよ」 「またですかー?疲れるなあ」 そこに、カイバーマンがまた紙を渡してきた。 『出来ることなら、番長という男の首輪を手に入れて欲しい』 なるほど、外すにはサンプルが必要。 盗聴装置についても、あるかどうかわかるだろう。 でも、なぜ番長なのだろう。 「……無駄に、生きている人間の恨みを買うこともあるまい」 海馬はやよいを見ている。 なるほど、外すということは、仲間の首を切るのだ。それを良しとする人はいない。 「あの、できればけいこさんを埋葬してあげてくれませんか?」 できれば番長という人も、と。やよいは怪我の治療の為に町に向かってもらうことにした。 「はいはい。それで、合流は?」 「町がいいだろう。しばらくすれば次の放送だ。 更に次の放送直後に、E-2の橋で落ち合おう。そこが禁止エリアになったなら、橋を越えたD-2か城でいい。 放送後なのは、片方のチームが全滅していないかを確認するためだ」 それでいいだろう。たしかに、町で集合するのは目立って危ない。 まだ、町と城の中間辺りの方が見晴らしが良いから安全だろう。 合流相手が全滅した場合は各自で判断。 1人でも生き残っているなら、2時間だけ待つことで決まった。 「あれ、KASさん!どこに行くんです?」 気付くと、KASが無駄な動きで走っていた。 「でっでいう!俺はTASを追う!俺がTAS以上の難易度だって証明するには今しかない!」 あれほど惨敗したのに、どうしてこうも立ち直れるのだろう。 「カス!一つ忠告してやろう」 「何か発音変だぞ、カイバー!で、このKASに忠告とは?」 「何、簡単なことだ。TASの最速クリアを不可能にする方法を教えてやる」 ぴょーんと飛び跳ねるKAS。よっぽど「何い!?」とか思ったらしい。 「何だよその裏技!教えろカイバー!」 「簡単なことだ。TASという男はこのゲームを正攻法でクリアしようとしている。ならば、貴様があの男に負けない限り、あいつは一生ゲームをクリアできないということだ!」 何を当たり前のことを……と思ったが、KASは「それは盲点だった」とか抜かしている。 「なんと裏の裏ワールド的発想!このKAS、目から龍の鱗が落ちた気分!」 「カス、お前がTASに勝つというのは、殴り合いで勝つことではあるまい!お前はバグを探せ!あいつが諦めたことを実現したその時!お前は難易度神を越えた究極カスとなるのだ!!」 「究極KAS!!超最強の称号!!こうしちゃおれん! TASより先にバグ発見!あーりがとよとっつぁーーーん!!」 KASは凄い速度で走っていって……見えなくなった。 「物は言いようね。あのままTASを追いかけたら、殺されていただろうし」 「ふぅん、カスとハサミは使いよう……あいつのバグ探しの執念は利用できるかもしれんからな」 カイバーマンは再び紙に書く。 『ロストロギアという、理解も難しい物を使っているとすれば、世界に穴がある可能性は十分ある』 確かに、過ぎた力を使いこなせないなんて、ありがちなことだと思った。 「それじゃあ、私たちも行くわ」 ヨッシーに乗ると、城へと進んだ。 「飛べるんだった飛んでくださいよー」 「力は温存しないといけないの。その鞍は飾りなの?」 『ほら、ヨッシー。急ぎなさい』 「やっぱり二人とも鬼だあああああ!」 泣いてヨッシーは走っていった。 【D-2 橋の向こう/一日目・昼(放送直前)】 【博麗霊夢@東方project】 [状態]:健康、バリアジャケットの腋部分破損 [装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース [道具]:支給品一式、フリップフラップ@ニコニコキッチン [思考・状況] 1.城にいる日吉若を結界から助けて交渉する。 2.番長の死体の首輪を入手する。けいこを埋葬する。 3.その後、三回目の放送で二人の生死確認後、E-2橋で海馬たちを待つ。 4.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉 5.今回の事件の解決(主催者の打倒) 【ヨッシー@スーパーマリオワールド(スーパーマリオくん)】 [状態]:満足、背中に大打撃(鞍で多少緩和)、軽く焦げた [装備]:なし [道具]:支給品一式、RPG-7(残弾5)@GTASA、ハンバーガー(残り三個)@マクドナルド モンスターボール(オクタン)@ポケットモンスター [思考・状況] 1.ケラモンは美味しかったなぁ 2.とりあえず霊夢さんに協力 3.ボスを倒す 4.ハンバーガー食べたい…… [備考] ※ハンバーガーの残りはメガマック、照り焼きバーガー、チキンフィレオです ※KASをどこかの世界のマリオと思ってます ※TASを見ていません。 「行っちゃいましたねー。日吉さん、大丈夫かなぁ」 いけない、ボーっとしてたら駄目だよね。 カイバーマンさんが、私の怪我の治療に付き合ってくれるそうだ。 「付き合ってやる。これで借り一つだ」 そう言ってるけど、かなり優しい人なのかもしれない。 コスプレは弟なら喜びそうなセンスだけど……言ったら怒るだろうなぁ。 「それで、もう一つの借りは何をすればいい?」 「え、え~と……どうしよう」 実は、考えてることがあるんだけど……よし! 「あの、カイバーマンさんのこと……お兄ちゃんって呼んでもいいですか?」 「なっ、なんだと!?」 「あ、嫌だったらいいです。ただ、私長女だから、頼れる兄弟っていなかったから……」 うー、なんでこんなこと……けいこさんが、死んじゃったからかなぁ 「ふ、ぅん…………兄様でも構わんぞ」 「ええ!?それって、何か殿様みたいじゃないですか?」 「そ、そうか……ならば、呼びたいように呼んでも構わん」 「あ、それじゃあ……お兄ちゃん?」 「なんだ、やよい」 「わ……な、なんか照れますー」 って、えっ!?わ、私頭を撫でられてますー!? 「呼びたいときに、好きなだけ呼べ。お前は、それだけ頑張った」 そう言って、早足で行っちゃいました……あ、お兄ちゃん、待ってー! (まさか……再び兄などと呼ばれることになるとはな) 弟を、モクバを守れなかった俺が、また…… (ならば、もはや借りの問題ではないな) やよい、お前に見てもらおう。 俺がブルーアイズホワイトドラゴンに相応しい兄になるところを。 モクバ……お前の代わりとは言わない。 だが、これ以上俺は、家族を失わないよう全力を尽くすことを誓おう。 そして、首輪の機能についても一つの可能性の除去ができた。 少なくとも、こちらの映像は首輪では見えないらしい。 監視装置には気をつけなくてはならないが、それでも一歩前進だ。 俺のロードに、新しい未来が開けたような気がした。 「そういえば……なぜカードが使えなかったのか、わからなかったな」 「あ、一度使ったら24時間使えないそうです」 「ふぅん、なるほど。魔法カードやトラップカードの制約か」 まだ気付かない海馬だった。 その後ろをついて歩く、ことのは。 鋸だけじゃなく、フライパンも装備している。 (私もお姉ちゃんって呼んでー) 密かに姉も出来てるやよいだった。 【D-3 橋手前/一日目・昼(放送直前)】 【高槻やよい@THE IDOLM@STER】 [状態]:疲労、打撲痕小、両腕捻挫、右手骨折 [装備]:なし [道具]:支給品一式×2、ことのは@ポケットモンスターヤンデレブラック、THE IDOLM@STER MASTER ARTIST01~10@THE IDOLM@STER DMカード(六芒星の呪縛、攻撃誘導アーマー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、 [思考・状況] 1.永井兄弟と765プロのアイドルを探す 2.町に行って、怪我のちゃんとした治療をする。 3.日吉さんが無事に助かりますように 4.「ことのは」さんは、うまく使えば平気みたい。 5.人は絶対に殺しません 6.カイバーマンお兄ちゃんかー ※ウイングの翼の効果は消えました。 ※「ことのは」がカワサキのフライパンを持っています。 ※戦闘により「ことのは」のレベルが少しアップしました。 【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 [状態]:断固たる決意、ゴッドカイバーマン、兄再び [装備]:正義の味方カイバーマンのコスプレグッズ@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ゴッドクラッシュ@ゴッドマン 盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった DMカード(青眼の白龍、マジック・シリンダー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可) [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1:主催者を叩きのめす 2:ブルーアイズに認められる兄になる 3:自分と同じ境遇、そうなりそうな人のことを考える。(助けるかは不明) 亜美、つかさ、かがみ、魅音、永井兄弟) 4:やよいの治療と、首輪の分解のための道具、武器、首輪を入手するために町へ行く。 5:エアーマンなど、高度なロボットを解体して、自分の技術力が通用するか知りたい。 6:三回目の放送で向こうの生死確認後、E-2橋で霊夢から首輪を貰う。 7:殺しあいには絶対に乗らない ※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています。 ※魔法カード、トラップカードは24時間使用不可だと理解しました ※ロックマンを岩を飛ばすロボットと予想。エアーマンの仲間と思っています。 海馬、やよい、霊夢、ヨッシーの共通認識 ※レイジングハートから時空世界、魔法技術などについて聞き なのはの世界についての知識を得ました。やよいとヨッシーはイマイチ理解していません。 例:ヨッシー「魔法?何味?おいしいの?」 やよい「魔法少女ってかっこいいですー」 ※それぞれの知り合いについての情報交換をしました。 ※エアーマン、緑髪の女を危険人物だと認識。 ※名簿が、世界の住人ごとに載っていることに気がつきました。 ※首輪にこちらを盗聴する機能があると認識しました。 ※各地に監視装置があることに気がつきました。 なんだか知らないけど、レムーたちは俺に内緒話をしていた。 まあ難しい話だろうから俺には関係ナッシング! そういうことは任セニョリータ! それよりバグはどこだろなー。 壁抜けは無理なら空中か地下か? それとも海に鍵穴でもあるのかな? 「まずはマントか鍵か土管か、何か見つけてみるかー!」 【D-3 花畑/一日目・昼(放送直前)】 【KAS@KAS動画】 [状態]:健康、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、超ハイテンション [装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン [道具]:支給品一式 [思考・状況] 1.TASの最速クリアより、俺がバグを探すほうが先だ! 2.今度はTASにもケラケラにも負けない。 3. カイバーやレムー達みたいな仲間キャラがいればいーなー 4.城が駄目だったので、他の方法でボスへの最短ルートを探す 5.そしてボス撃破してTASより難易度究極KASだって事を教えてやる ※危険人物についてくらいは聞いていました。 TASの思考は、断片的なものになっていた。 わかるのは、何とか生き残れたこと。 このクラゲが、まだ俺に利用価値を感じて助けてくれたこと。 そして、やっと確信した。 あの圭一という男の言葉は、やはり正しかったのだと。 参加者は、決められた行動しか出来ないプログラムなどではない。 自分で考え、突拍子もない行動を起こし、時には限界すら超える……人間。 人外もいるが、同じこと……俺一人では、最速クリアは、不可能。 だから、まだこのクラゲが自分を捨てないことは幸いだと思った。 こいつに見放されるわけには行かない。 まだ、俺はやれるということを魅せなくては。 左手に、切られた右手の指が握られている。 逃げる直前に拾い、そして同時にあることに気がついたのだ。 あの時、KASの拳を砕こうと力をこめた左拳の骨に、ヒビが入っている。 (完全な互角。俺と、あの屑が?そんな……馬鹿な!!) 疲れているからだ、指が取れたためだと、現実から目をそらすTAS。 この指をまともに繋げる方法などないだろう。 だが、TASの全てとも言える指を捨てられるわけがない。 TASは、弱りきっていた。 しかし、まだ何も諦めてはいなかった。 ケラモンは、TASを捨てることも考えた。 だが、自分がこれからも遊べるのはTASのおかげだと理解していた。 そして、これほど弱りきっているのに、TASの目は怪しく光っている。 弱っているだけだ。回復すれば、楽しい遊びが出来る。 どうせこいつは、この世界の全てを壊して遊ぶ気なのだ。 まだまだこれからだ。 動いているのは大勢いるのだから。 【C-3 山道手前/一日目・昼(放送直前)】 【TASさん@TAS動画シリーズ】 [状態]:疲労困憊、恐怖、満身創痍、右手親指以外欠損、左拳骨にヒビ [装備]:五寸釘数本@現実(ポケットの中に入っています) [道具]:指4本 [思考・状況] 1:生きて、ケラモンとの連携で最速を目指す。 2:武器の調達。 3:街の周りを参加者を減らしながら移動し、ある程度参加者が減ったら街に戻ってくる 4:殺戮ゲームの最速クリア。 ※KASのことを、自分の二番煎じ、偽者だと思っています。 【クラモン(ケラモン)B】 [状態]:軽傷 現在1体 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況] 1:あいつらから逃げる 2:とにかく数で勝負 3:TASを利用してうまく遊びたい 4:イタズラしたい 5:オメガモンを殺したい sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) 時系列順 sm96:けだものとのそうぐう sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) 投下順 sm96:けだものとのそうぐう sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) 博麗霊夢 sm107:静かなる古城 sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) ヨッシー sm107:静かなる古城 sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) 海馬瀬人 sm113:幸か不幸か sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) 高槻やよい sm113:幸か不幸か sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) KAS sm105:対照k sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) TASさん sm105:対照k sm95:ぼくんちのニコロワ(前編) クラモンB sm105:対照k
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第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate ◆cpYAzLvx8. (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第233話 ファイナル ふいに私の光景が暗転した。 そこには遊戯もつかさも、それ以外のデジモンやクソみたいなニコレンジャー達も誰も居ない。 ただ動かすことの出来ない視界が、まだ何も出来ない頭部でしかないとHALを再認識させる。 遊戯の言った、罰ゲームとは一体何だろう。 何を持って、私が神でないと証明する気なのだろうか。 そこへふいに、見知った顔が現れた。 有希が、みくるちゃんが、古泉君が、……愛しのキョンが現れた。 二度と会うことは無いかと思った、SOS団のみんながそこにいた。 「キョン、それにみんな!」 「おや、あそこから声が聞こえますね」 古泉君が私に顔を近づけ、そして遠ざけた。 「おやおや、よく見たらただのゴミですね」 え? 古泉君が何を言っているのか、私には分からなかった。 そして、目の前に現れた有希が、何をしていたかも分からなかった。 私の顔に鋭い痛みが走らなかったら、有希が私のことを踏みつけようとしたことには一生気がつけなかったに違いない。 「汚い雌豚め」 「ぎぃやああああ!!!!」 私は有希の蹴りから逃れようと必死に顔を動かす。 死に物狂いで動こうとしても、何も出来ずに有希に蹴られるままだった。 「許して、許してぇぇえええ!」 「その汚い顔を愛しの彼に晒すんじゃ無い、不快なんだよッ!」 「有希、私が誰だか分かってるの……?」 「うるさいんだよ、この腐ったツンデレ顔面お化けがッ!」 有希に思い切り蹴飛ばされ、古泉君が更にもう一度私の顔面を勢いのままに蹴り飛ばす。 まるでサッカーボールのように蹴りまわされ、それでも私は必死にそこから逃れようとした。 キョンに会いたかった、キョンなら私のことを許してくれる、キョンなら、キョンならきっと………… 「わっ、キョン君変なものがこっちへ来ましたぁぁぁ」 みくるちゃんがキョンの肩に抱きつき、私の顔を見てガタガタと震えている。 普段ならそれは萌え行動の鏡として褒め称えているのだが、今の私にとってはそのみくるちゃんの行動が酷く不快だ。 キョンにすがり、汚い目で私のことを見るみくるの表情に、私には悪魔が見えた。 「キョン、私よ、あんたならわかるでしょ!」 「……ああ、分かるさハルヒ」 「さすがキョン、さぁわt…」 私の助けは、突如迫った足が口を踏み砕いて終わった。 それが有希や古泉君で無く、キョンと気が付いたのは、キョン自身の声が聞こえたからだ。 「その口で、それ以上俺のことを呼ぶな。……ハルヒ、いやHAL」 「なんで、なんでキョンッ!」 信じられなかった、何故キョンが、なんでなんでなんでなんで??? 「お前のやったことは全て聞いた、殺人に拷問に人食、さらに虐殺ショーだって? 人類の業を一手に背負った悪行三昧を繰り広げたそうじゃないか。それも人食の中には古泉が含まれてるらしいじゃないか」 「そ、それがどうしたって言うのよ、私は神なのよッ!」 私は神だから許される行いだ。神が何をしようが神の勝手だ。 それをキョンは分かってない、だから口を続けるのだが。 「何が神だ、仲間を食ってまで浅ましく生き延び、あげくHALHAL動画だ? ふざけるのも大概にしろ。そんな糞ッタレな神様、こっちから願い下げだ」 「何よ、何で、何で分かんないのよッッッ!!!!!」 私がどれだけ叫んでも、それはキョンにどうしても届かない。 どうして?、なんで?なんで? 「……もうお前に話すことは無い、お前は神でもなんでもない。 お前はハルヒですらない。俺達SOS団にお前みたいな糞ッタレは、必要ない」 「え?、ちょ、ちょっと待って、待って! お願いだから待ってぇぇぇええええ!!!」 私と話すのを止めたキョンが、皆を促して私の元から遠ざかろうとする。 それを引き止めるべくどれだけ叫んでも、キョンには届かない。振り返ろうとすらしない。 「キョン、お願い、お願い、私を私を……」 たすけて。 「死ね」 あ、 あ゛っ。 あっあっ。 あっあっあっ。 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaiya 「嫌ぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!」 ◆ ◆ ◆ 「分かったか、それがお前の罪だ、邪悪野郎ッ!」 「ああ、キョン……なんで、なんで私を助けてくれないの……ああ…………」 罰ゲームから覚めたHALは、突如発狂して助けを求める何かに成り下がった。 目の焦点は合わず、ただキョンという人間に助けを求める哀れな何かでしかない。 HALに残されたものは、もう何もない。 「……なんで助けてもらえなかったのか、私には分かる」 「なんで、なんで、ねぇ教えて、なんで!」 「あなたはキョンって人に許して貰った? ごめんなさいって謝った? 誰にも謝らないで助けて貰おうなんて、虫がよすぎるとは思わない」 「ああああああ、キョン、許して、許して私が悪かったから助けて、助けてぇぇぇええええええ!!!」 「今更謝っても遅いよ、遅すぎたんだよ。あなたがしたことはもう誰にも許してもらえない。 もう、誰にもあなたは許される存在じゃなくなったの。 だからね。 ――――さよなら」 「嫌ぁぁぁぁあああああああッ!!!!!!!」 つかさの手中から零れ落ちたHALは、HALの肉片に落下し、埋もれて消えた。 ドロドロに溶けたそれに飲み込まれたHALは、そこに何も残さなかった。 そこにあるのは、ただの有機物の残骸だけだった。 神の存在も、復活も、決してありえない。 もうそこに神も、邪神でさえも想起するものは、誰も居ない。 「いやったぁぁぁああああああ! 俺達は死ななくていいんだ!」 「ぎぃやっはっはぁ! 厨二は死んだ(笑)、もういないwwwww」 「汚い肉片だなぁ(笑)」 「臭くて仕方が無いから、おまいら掃除しようぜ!」 「萌える……いや燃えないゴミに分別しとけよ!」 緊張の途切れたゆとり達が、有機物の残骸と化したHALを散々蹴飛ばし、どこからか持ってきたゴミ袋にそれを収納し、ゴミを捨てに行ってしまった。 そのおかしな光景を見てつかさも、遊戯も、日吉も、KASも、カービィもその場に腰を下ろして緊張の糸をほぐす。 「終わった……?」 「まだ、最後にやることが残ってるよ」 レナはHALのディパックと、傍らに放置されていたレイジングハートを回収し、最後のドラグーンパーツをカービィの元へ手渡す。 休む暇も無いカービィは、すぐさまドラグーンパーツを元に伝説のエアライド、ドラグーンの構築を行い始めた。 「それに、霊夢ちゃんが……」 「そうだ、おいレムー! レムー!!! しっかりしろ!!!」 しかし霊夢の返事は無かった。 無理をして号令に参加したまでは良かった。しかしそんなくだらないことですら致命傷へと早変わりする。 それほどに霊夢の傷は深く、果てしなかった。そのためもう、起き上がることはおろか呼吸を維持するのかさえ怪しかった。 「そんな! レムー死ぬな、死ぬんじゃねぇぇえええええ!!!」 「KASさん、このままでは本当に死んじゃいます、一刻も早く医務室へ」 「頼む、レムーを救ってくれ、頼むッ!」 「ああ分かってる、分かってるとも!」 KASはゆとりと霊夢に付き添い、医務室向かって走り出す。 HALは滅び、ニコニコ動画バトルロワイヤルは終了した。 だが、すべてが終わったわけでは、無い。 「遊戯君はつかさちゃんを支えて医務室へ連れて行ってあげて、日吉君とカービィはn…… きゃあ!?」 レナの指示が、突如滞る。 ふいに皆の体が軽くなり、ボロボロに砕けた床を離れた。 そして、嫌な予感と共に思い切り床へとその身を打ちつけた。 それで済むはずも無く、崩れた瓦礫が回りに降りかかり、大パニックを起こす。 既にクッパ城は限界に達していた。飛行石を奪われ自由落下を始めていた所へ、HALのすさまじい砲撃がクッパ城中を蹂躙しつくし、更に崩壊は加速する。 そうして落下し続けていった結果、戦いが終わる頃には既に地面すれすれの所まで落下していたのだ。 それがついに力を失い、地面へと思い切り激突した。 何故力を失ったのか、何故あれだけの破壊の中で自由落下を辛うじて保ち続けられたのか? それは突如目の前に現れた、ノヴァが全てを物語っていた。 「ニコニコ動画バトルロワイヤル、完全不遂行状態を確認。 コレヨリニコニコ動画バトルロワイヤルヲ、破壊シマス」 「ノヴァ!」 カービィが反応する。 レナはノヴァの台詞を反芻していた。 ノヴァは破壊を宣言した、バトルロワイヤルが遂行できないから、破壊する。 それはすなわち……。 「みんな、今すぐハルバードに避難してッ! ノヴァは私達を皆殺しにする気よッ!」 「な、なんだってー!?」 「ぼくが、みんなのかわりにノヴァを止めるッ!」 カービィはドラグーンに跨り、飛翔した。 ノヴァの拳がレナを、重傷で搬送中だった霊夢の元へ襲い掛かる。 だが、ドラグーンの一撃がノヴァの拳の軌道を逸らし、間一髪救出を成功させる。 「悔しいけど傷ついた私達じゃどうしようもない、ここはカービィに任せてみんなはハルハードへ!」 レナもまたカービィに背を向け、崩れ落ちた城の間に停泊していたハルバードへと駆け出す。 カービィはノヴァの攻撃をドラグーンで巧みに逸らし、誰もが逃げられる時間を稼いでいた。 レナ自身も胴に深い傷を負っていて、傷ついたニコレンジャーの例に違わない。 だから失血でふらつき、思うように早く進むことが出来ない。 だからその分だけカービィの負担になることであって、何も出来ないレナにとってそれが悔しかった。 ふらふらになりながらもハルバードに到着したニコレンジャーたちは、ゆとりに先導されてコックピットへと向かう。 「マスターキーを早く見つけてください、USBメモリの形をしているんですッ!」 「マスターキーってこれか!?」 「そうです、これでハルバードが動きます、私達は助かるんです!」 KASはディパックから取り出したUSBをゆとりに指示された場所へと差し込む。 それでハルバードの全機能が復帰し、いつでも飛行可能な状態へと移行した。 「さぁ、このボタンを押して早く脱出しましょう!!!」 「駄目ッ!」 ボタンを押そうとしたゆとりの行動を、レナが阻害する。 「何でです! ノヴァもそうですけどこの世界そのものも崩壊寸前です、いつ巻き込まれても仕方が無いぐらいやばいんですよ!!!」 「カービィが戦ってるから、私達の仲間があそこで戦ってるから、私は待つッ!」 「…………好きにしてくださいよ、でも私達は絶対に死にたくないから、やばくなったら押しますからね!」 ゆとりもレナの気勢に押されたのか、レナの主張を呑んで待つ。 全ては終わりつつあった。画竜点睛たるノヴァが、最後の最後に残った。 誰もが傷つき、疲れきっていた。 それでも、大切な仲間と最高のハッピーエンドを笑いあいたいから、待ち続ける。 だから、きっとまた会えると、レナはそう思った。 ◆ ◆ ◆ ぼくの体は、もう今にもばらばらになりそうだった。 ドラグーンを操縦するのも片手では難しいし、目の調子も全然良くない。 ノヴァの攻撃を、どれだけ避けたかも分からない。 でも、まわりに誰も居なくなって、ぼくを待ってる声がふいに聞こえた。 ちらとハルバードの方向を見て、ぼくはノヴァの正面へと向き直った。 そして、勢いよくノヴァの中へ入った。 ノヴァの中の防衛システムが襲ってくるが、そんなものに構ってはいられなかった。 もう、その身が朽ち果ててしまわないかが心配で、操縦なんて出来やしなかった。 ぼくの視界がますます狭まる。ノヴァの心臓は見えない。 ぼくの足の感覚が無くなる、やっとノヴァの心臓が見えた。 ぼくの最後の腕がふきとぶ、ノヴァのハートへとまっすぐに飛ぶドラグーンが見えた。 ぼくに最後見えたのは、まぶしいまぶしい光だけ。 そこになにかひらひらとしたものが見えたような気がしたが、あれはいったいなんだったんだろう? ◆ ◆ ◆ 「レナさん! もうだめです、ノヴァのエネルギーがやばいペースで増大しています。 自爆です、自爆ですよおおおおお!!!!」 「う、うわぁぁあああああああ!」 レナは、執行した。 みんなを救うためにはそれしかないと分かっていても。 カービィを見捨てて、ハルバードは飛び立った。 コックピットの光景が暗転し、強い衝撃がハルバードを襲う。 「うっ……うっ…………」 レナは泣いていた。自分の無力さを呪い、泣いた。 最高のハッピーエンド目指して最後まで打開を諦めなかった。 でも、 ――私は、カービィを救えなかった。 「ちょ、レナさん、医療室もピンチです! 霊夢さんが、マジで死にそうなんです、やばいんですよおおおおお!!!」 悲しみの余韻を付く暇も無くゆとり達がコックピットルームに殺到する。 聞けば霊夢がやばいらしく、とにかく来てくれの一点張り。 「分かった、すぐ行くよ!」 涙を拭いて、レナは医療室へとすぐさま駆けつける。 だが、そこから聞こえる怒声は、仲間の命が新たに失わせようとする何かがいるとしか思えなかった。 それは、HALの残した呪いなのか。 「おいレムー、レムー、しっかりしろおおお!!!」 「慢性的に血液が足りてません! 誰か輸血できる方はいらっしゃいませんかあああ!」 「俺の血を使え!俺の血でレムーを助けてくれ!」 「KASさん、あんたも貧血で死にそうなのに血を抜けるわけが無いでしょうがぁ!」 「頼むよ、頼むからレムーを救ってくれぇええええ!!!!!」 「呼吸に続いて再び心臓も停止しました、もうやばい、やばいです!」 「早く電気ショックをかけろ! なんとしても死なすんじゃないッ!」 壮絶な戦場医療の現場がそこにはあった。 霊夢だけではない、KASもふんじばられて医療班の手当てを受けざるを得ない。 手足を失い、KIだけで保ってきた日吉も命に関わる重傷で今は無理やり眠らされている。 手足の骨をズタズタにされ、爪を失った激痛が響くつかさも危険だ。 比較的傷の浅い遊戯も頭骨から失われた血量はかなりのものにのぼり、立っているのが精一杯だ。 医療室へとやってきたレナも、すぐさまその傷を見て入院決定といわんばかりに医療班の間を盥回しだ。 圧倒的に人手が足りないため、満足な治療を施すことが出来ない。 それでも今は、みなの善意で霊夢に医療班のスタッフほぼすべてが回されている。 みんなは霊夢の生を願った、しかしそこへ訪れるのは何もかもが絶望ばかり。 「電気ショック完了しました、反応ありません」 「馬鹿野郎! 一回で駄目なら二度でも三度でもやれぇ!」 「やってます、でも駄目です」 「駄目なんていうんじゃねぇええええ!!!」 「不味い不味い、もう本当に不味いですよぉ!?」 「日吉さんの容態が急変しています、主治医はこっちも見てやってください」 「今それどころじゃねえんだよおおお!」 「レムー、レムー! 死ぬなぁああああ! 俺を置いて死ぬなぁぁああああ!!!」 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 時系列順 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 投下順 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 竜宮レナ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 柊つかさ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 武藤遊戯 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 日吉若 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 博麗霊夢 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia カービィ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia KAS sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia 涼宮ハルヒ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after
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第一次ニコロワ大戦 君の幸せを願ってる ◆jVERyrq1dU (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第215話 ジアースVS対主催決戦 ジアースの傍に一人の女が倒れていた。静かに目を開ける。 「か、神……? ど、どこへ行ったの?どうして神人は消えたの?」 どうも記憶が不鮮明だ。私は、今まで何をしていたのだろうか…… ぼんやりとして頭を叩き、懸命に記憶を探る。 永琳の周りには今誰もいない。ハルヒも遊戯も、そして古泉も、永琳の傍にはいなかった。 いや、一つだけ私の傍に……何かがある。大きすぎてわかりにくい。これは……何? 永琳は傍で横たわる巨大な何かを判別しようと、観察する。 すぐに分かった。これは巨大ロボットだ。あれがぼろぼろになって倒れている。 この瞬間、永琳に電流走る──── そうか。思い出した。私達4人はロボットを倒しに行ったんだわ。 ハルヒがどうしても殺したいと言い張るものだから……止められずに…… 巨大ロボットと神人が戦ってる間、私はハルヒを護衛するつもりだったんだけど…… 「護衛は……失敗……したようね」 永琳は呟く。おそらく神人と巨大ロボットのあまりに激しい戦いに、私と古泉と小さい遊戯は吹き飛ばされてしまったのだろう。 そして少なくとも私は今まで気絶していた。こんなところ……かしら。 順々に記憶を追って、今自分がどんな状況なのかあらかた理解できた。 だけど、一つだけどうしても気になる事がある。ハルヒの安否だ。 巨大ロボットがこうして横たわっているという事は、ハルヒが勝利したのかしら…… しかし、それならどうして神人まで消滅しているのか……いや、ハルヒは神人を元の小さな状態に戻しているだけなのかもしれない。 きっとそうだわ。ハルヒが死ぬなんてありえない。絶対に、絶対に──── とにかくハルヒの元へ急がなければ…… 永琳はぼんやりとする頭に喝を入れ、懸命に歩きだす。 古泉もいない、遊戯もいない。おそらく私と同じようにどこかへ飛ばされたのだろう。 なんとしても私が神を守らなければならない…… 確か、神人が暴れていたのは向こうの方…… 永琳はハルヒがいる場所について適当に見当をつける。 ジアースの周りを迂回しながら、目的地へと歩く。 近くで見ると、ジアースには幾筋もの亀裂が入っていた。 相当痛めつけられたのだろう。神人にやられたのか? しばらく歩き、ジアースの頭部の部分にまで来た。そこで何者かが倒れていた。見覚えのある姿。あれはまさに──── 「神ィッ!」 ハルヒだと認識すると、永琳の歩きは走りへと転じる。 急いでハルヒの元へ駆け寄り、彼女の顔を覗き込む。ぱんぱんとハルヒの頬を叩いてみる。 永琳の動悸は急激に加速。ぬるぬるとして気持ちの悪い汗が全身から吹き出す。 これでもかというほど大きく目を見開き、ハルヒの肩を揺さぶる。もはや声も出ない。 「神……神……」 ぶつぶつと呪文のように唱え、ハルヒの体を揺さぶる。 ハルヒの頭は支えを失ったかのようにだらりとそっぽを向いた。 神はもう、すでにこと切れていた。 「っっあぁあぁああああぁぁあぁあぁぁあ!!」 永琳は訳の分らぬ言葉で天に向かって吠える。ハルヒから手を離し、叫び続ける。 彼女の両目からはとめどなく涙が溢れていく。もはや人の目を気にしないといった様子で永琳は意味のない言葉を叫び続けた。 初めは主催者に願いを叶えて貰おうと思っていた。だけど主催者の力が信じられなくなった。 悩みに悩みぬいた後、永琳の前に神が現れた。全てを解決してくれる都合のいい力を持った神が。 しかし、その神は汚い姿ですでに死んでいた。 永琳のたった一つの、命を賭してでも守るべき希望。それがついに途絶えた。 項垂れる永琳。彼女はこれからどう動くべきなのだろうか。 彼女の傍らで、ジアースの瞳が赤く瞬いた。 ▼ ▼ ▼ 「ふぅ……ふぅ……」 後、一撃。これで、これで決まるはず…… お願いだからもう何も起こらないで、お願いだからこのまま死んで。 日吉が手を振り、合図する。それを見て霊夢は魔力を貯める。ディバインバスターである。 この技で一気に押しつぶす。霊夢と同じように、それぞれ大技を繰り出す準備を進める。 その時、ジアースの目が赤く瞬いた。 「えっ?」 チュンっと細い光が走り、霊夢の体をいとも容易く貫通する。 「あっ!」 霊夢が気づいた頃にはもう全てが終わっていた。 腹の辺りを貫通した光は、そのまま肩へと移動し、霊夢の体を切り裂いた。 「ああ!」 日吉と遊戯が悲鳴を上げる中、霊夢は耐えきれず落下する。 落ちていく霊夢をジアースが放つ極細のレーザーが執拗に追跡する。 日吉、遊戯、博之、アリスは予想外の事態に身を硬直させていた。ただ、落下していく霊夢を強張った表情で見守るだけ。 「ディバインバスター……」 霊夢の持つレイジングハートが火を噴く。破壊の光線はレーザーをかき消し、ジアースへと直撃する。 遊戯は一瞬、これで全てのけりがついたと思った。魔力不足のディバインバスターとはいえ凄まじい威力。 あのでかぶつを完全に解体できたと、そう錯覚してしまった。 それでも……ジアースはそれでも動き続ける。活動を止めようとはしない。 横たわったまま、残った右腕を振るう。 ジアースの苦し紛れの攻撃。その対象は空中で気を失いかけている霊夢だった。 右腕が霊夢に衝突した瞬間、霊夢の体は初めから存在していなかったかのように、霧散した。 粉々にされたか、それともどこかへ消えて行ったか。それは分からない。 一つだけ分かった事、それは今のジアースの一撃で霊夢が決して帰って来れない所へ行ってしまったという事だ。 つまり、死である。 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 コイヅカが思いきり吠える。右腕で体を支えながらジアースは立ち上がる。 見れば見るほどボロボロ。何故壊れないのか不思議なくらいだ。 「ちくしょお……」 ジアースのほぼ正面の位置に立つ日吉の声は、これまでのように強気なものではなかった。 この化け物はどうやったら死ぬんだ。皆目見当がつかない。日吉は目の前のモンスターの威圧にやられ、身を震わせる。 アリスがジアースに攻撃を仕掛ける。 さながら米軍に突撃する日本軍の如き心境、といってもアリスには米軍やら日本軍なんかはわからないのだが。 ジアースが先ほど霊夢を貫いた極細のレーザーでアリスに反撃する。レーザーはスターシップに命中し、機体の一部を破壊する。 主砲はもう壊れたのだろう。今までのような極太レーザーを撃たれていたらアリスは即死だった。 アリスは機体の中で身を震わせる。彼女とて怖いものは怖い。今のレーザーで死んでいたかと思うと…… レナも死んだ。カービィも死んだ。霊夢も死んだ。 こんなの、こんなのありえないよ。ひどすぎるよ…… つかさは未だに仁王立ちするジアースを見て、呆然としていた。あまりにも化け物。あまりにも反則。 ジアースのあまりの規格外っぷりにつかさは怯える。自分達にはもうアルティメットバーストのような連携技は出来ない。 と、なれば後はジアースによる殺戮だけか? つかさの頭の中で、弱い考えが鎌首を持ち上げる。 「つかさどの……」 背後から唐突に彦麿の声が聞こえ、つかさは振り返る。ジアースを眺め、心配そうな顔つきで彦麿が立っていた。 私達には……どうする事も出来ない。日吉さん達がジアースに勝利するのを願うしか…… ああ、もっと私に力があれば…… 「つかさどの……一つ、頼みたい事がある……」 彦麿が何やら思わせぶりな顔で、口を開く。 ジアースが立ち上がり、ぶるんと右腕を横薙ぎする。狙いは博之と遊戯。 「いかんッ!」 博之は回避運動に移る。右腕が迫る。 アリスがジアースを攻撃し、遊戯達を逃がそうと計る。そのおかげもあり、遊戯と博之はぎりぎりのところで攻撃を回避する事が出来た。 しかしジアースは止まらない。再び右腕を振るう。今度はそれと同時に極細レーザーを放つ。 やはり主砲は完全に破壊出来たらしい。どちらにしろ結果は同じかもしれないが…… 「うそ……また!?」 レーザーはまたもアリスのスターシップを正確に射抜き、損害を与える。 かなりスターシップがガタついてきた。いい加減そろそろやばい。 「博之さん! 避けて!」 遊戯が叫び、博之に命じる。なんとか凌いで反撃のチャンスを窺わなければ…… 遊戯の命令に反し、博之はなかなか動こうとはしない。そんな博之を見て、遊戯は焦る。 「どうしたんだよッ!? 早くしないと避けられないよ!」 「ああ……わかっとる……」 博之が漸く動き出す。しかし驚くほどに遅い。このままでは間違いなく避けられない。 直撃必死だ。何をしているんだ博之さん…… 一瞬、博之を責めたい気持ちになった遊戯は漸くここで気付いた。 「そうか、もう体が……」 「ああ……だいぶ消耗してもうた……ちょっと暴れすぎたな。体が言う事聞かんわ…」 ははは、と乾いた声で笑う博之。遊戯としては全然笑えない。 ジアースの鉄鎚が唸りを上げて迫る。のろのろと空中を飛行し逃げる博之と遊戯。 誰が見ても結果は明らかだった。遊戯はこの時、ブルーアイズのあまりに短い使用時間を呪った。 「あっっ!!」 日吉は思わず声を上げる。遠めなので正確には分からないが、ジアースの右腕が遊戯と博之に直撃した。 ふらふらとこちらに何かが落ちてくる。蛾……という事は博之というおっさんだ。 二三秒空中を舞ったかと思うと、博之は耳を塞ぎたくなるような音を立てて地面に激突した。 博之は一言二言何やら呟いた後、何も喋らなくなった。 日吉はそんな博之を見ても、ただただ沈黙するばかりだ。 これで残りは俺、アリス、つかさの三人。いや、つかさは戦えないから実質アリスと俺の二人のみ。 日吉の体は無我の境地の酷使によりすでに悲鳴を上げている。もう限界と言っても決して言いすぎではない。 ごくりと喉を鳴らす。ジアースがギシギシと耳障りな金属音を発しながらこちらに近づいてくる。 どう見てもボロボロなのに、どう見ても壊れかけなのに、まだ死んではくれない。 日吉は痛む体を圧し、ジアースに正面から向かい合う。 空中ではアリスが空しい攻撃を続けていた。いや、無意味ではないかもしれない。 アリスが今まで撃って来たコックピット部分。そこがかなり傷んでいる。このまま撃ち続ければパイロットを引きずり出せるかもしれない。 しかし──はたしてそこまでする時間が残されているかどうか…… 「どっちにしろ、次に死ぬとしたら俺か」 日吉は服の袖を捲りあげ、気合を入れる。勝機があるとは思えない。死ぬのは怖い。 けれども……日吉は逃げるわけにはいかないのだ。 「日吉……」 「? なんだ、いたのか……危ないぜ」 懐かしい声が聞こえたと思い後ろを振り返ってみると、彦麿がいた。 彦麿は脇に倒れている博之をちらりと見る。まだかすかに生きているようだ。 「一つ聞きたい……ハルヒは死んだのか?」 「ハルヒ? 何の事だ?」 そうか……こいつはずっと寝てたから何も知らないのか…… 「あのロボットにも匹敵するような魑魅魍魎を操っていた女だ。死んだのか?」 知らない、と日吉はぶっきらぼうに言った。そして手をかざし、ある方向を指差す。 「いるとしたら、あそこ辺りだな」 「そうか……有難う」 日吉は彦麿の言動を不審に思い、質問する事にした。 「何をする気だ?」 彦麿はしばらく黙った後、静かに口を開いた。 「勝つためだ、勝つための策……非人道的だが、私達は負けるわけにはいかないのだ……」 勝つためと豪語しておきながら、彦麿の声は何故か暗い。日吉はますます不審に思う。 「聞かないでくれ……聞いたらお前達はきっと、私を責める。もし責められたら……決意が鈍る……」 そんな事を言われては逆効果だ。聞かずにはいられない。 「なんだよ…何をする気だ?」 「何とか時間を稼いで、あのロボットに少しでもダメージを与えてくれ……頼んだ」 彦麿はそう言うと、ジアースの方向に向けて全速力で走りだした。いや、わずかだがジアースの方向とは少しずれている。 正確に言うとさっき日吉が指差した、ハルヒがいるであろう方向だ。 「ちっ……」 折角覚悟を決めたのに……なんだか乱されちまったな…… 「日吉さん……」 つかさがおずおずと日吉に口を開く。日吉はつかさに首だけ向けて、何だと答える。 「……頑張って……ください」 そう言うとつかさはある方向へ向けて駆けだした。ジアースに向けてではない。 これも彦麿の言う策の一環か?まあ何でもいい。勝つために色々とやっているのなら文句はない。 つかさの影がどんどん小さくなっていく。全く……力があるってのはつらいな。 カッコ悪くて逃げる事も出来ない。俺がつかさみたいな弱者なら迷わず逃げていただろう。 まあ仕方ない。力があるからこそ、俺はこうやって下剋上を目指せるんだ。頂点を狙えるんだ。 確か彦麿の奴、時間稼ぎをしてくれと言ってたな……どうも俺は死ななければならないらしい。 命を捨てなければあれの足止めなんて無理だろう。 まあいいか、何でも……さて……いくか…… 日吉はジアースの正面に再び仁王立ちする。 両手を天に掲げ、GENKI-DAMAの準備にかかる。みしみしと体が軋み、悲鳴を上げる。 あと少し、あと少しだけ頑張ってくれ、俺の体。 日吉の両手の先に、小さな小さなDAMAが出来上がった。あとはこれにKIを貯めて育てていくだけ…… ジアースの胸の辺りが光った。例の極細レーザーが地面に突き刺さり、日吉の元へと走って来る。 このままではアレに貫かれて、GENKI-DAMAどころではない。 「嘘だろ、おい……」 光が恐るべきスピードで日吉に迫る。霊夢の体を容易く切り裂いた光、あれを喰らえば間違いなく生きてはいられない。 しかし、対抗手段もない。アレが来る前にGENKI-DAMAを完成させればいいのだが、そんな事出来るわけがない。 時間が足りないのだ。圧倒的に時間が…… 「グァッ!」 光が日吉を貫く。バランスを崩し片膝をついたが、日吉は鬼気迫る表情でGENKI-DAMAをコントロールする。 言うなればGENKI-DAMAは唯一つの希望。それを失うわけにはいかないのだ。なんとしても…… 日吉のGENKI-DAMAに最後の望みを賭けるのはアリスも同じだった。 なんとかアレを守らなければならない。しかし、どうやって……? あんな細いレーザーをどう止めればいいの?無理に決まってるじゃない…… アリスが自問自答するうちに、ジアースから二本目の極細レーザーが射出される。 再び地面に線を描きながら日吉目がけて疾走するレーザー。 あのレーザーを止める方法──── 「そうか……一つだけあるわ……」 アリスはスターシップのハンドルを強く強く握りしめ、ある方向へ疾走する。 「完成だ……GENKI-DAMA…だが……」 だがもう光線が目の前にまで来ている。折角完成させたというのに……これで終いか。 次の瞬間、日吉のすぐ目の前の地面にアリスの乗ったスターシップが突っ込んで来た。 地響きを上げスターシップは墜落し、辺りに土煙を舞いあげる。眼を凝らして見ると、アリスが中で頭から血を流している。 「涼子……お願い」 「ハイナー」 レーザーが日吉の代わりにスターシップを貫く。恐らく中にいるアリスも同様に貫かれているのだろう。 いや……違った。 「よくやったわ……涼子」 アサクーラを使いシールドを展開、レーザーを防ぐ。しかし弾くには至らない。 ちりちりと拮抗するシールドとレーザー。アリスの魔力は残り少ない。このままではアリスのジリ貧である。 「日吉……! はやくぅ……!!」 アリスが精一杯の声を上げる。 「分かってる……よぉッ!」 最後の力を振り絞り、日吉はGENKI-DAMAを放った。 次の瞬間、アサクーラのシールドは崩壊しレーザーはアサクーラ、そしてアリスを貫く。 アリスはふらりと地面に倒れる。そして日吉もまた、疲弊しきった体を支える事が出来ず、同じように倒れた。 二人とも地面に横たわったまま、ジアースに向って真っ直ぐ飛んでいくGENKI-DAMAの様子を眺める。 あれがまともに当たればジアースは崩壊……するはずだ。 GENKI-DAMAの放つ光と拡散する衝撃波によって、二人の目にはもう何も見えなくなった。 ただただ眩しい。視界が開けた時、ジアースがバラバラになっているのをただ願う。 ジアースとGENKI-DAMAがぶつかりあっているのだろう。耳を塞ぎたくなるような轟音が響き渡る。 様子を窺いたいが眩しくて見えないし、なにより音が聞こえてくる方へ視線を向けるのが億劫だ。 二人はただ祈った。神とか、誰に祈ったのかどうかは分からない。ただただ祈る。勝利を懇願する── 鈍い音が日吉の耳に届いた。少しずつ視界が晴れていく。必死に目を凝らし様子を窺う。 「くそう……!! まだかよ……!!」 日吉が悪態を吐く。地面を乱打し、怒りと無力感を無意味に発散させる。 こんな事をしても何の意味もない。ただのやつ当たりだ。しかしやらざるを得ない。 ジアースは依然として立っていた。しかし右腕はGENKI-DAMAによって肩から落とされている。 良く見ると地面に巨大な右腕が落ちていた。これでジアースの腕は二本とも消失したという事になる。 未だに動くのであれば、右腕を落とした事に大した意味はないのだろう。 何故なら、小さな日吉達を殺すにはいくらでも方法があるのだ。例えば──── 「やっぱり……そうするわよね……」 ジアースが右足を大きく後方へ引く。何をしようとしているのか、大体想像がつく。 私達にはあのロボットを止める手立てはない。ただ黙って見ているだけだ。 「時間稼ぎ…………して……くる…」 日吉が何度も倒れそうになりながら、悲壮な様子で立ち上がる。 アリスは驚いた眼で彼を見つめた。 「あんた……どこまで……」 「希望を………捨てるな……あの胡散臭い……彦麿って奴…………あいつに何か…策があるらしい……」 「彦麿……? 彦麿がいるの……?」 日吉は黙ったまま頷く。そして近くに横たわっている博之の体を指差した。 「どんな…策かは……聞いてない……唯俺が思うに………この蛾がキーマンだ………彦麿が意味深に見てた……」 アリスは博之を見つめる。ボロボロである。生きているのか死んでいるのかはっきりしない。 「お前はこいつを……守れ…俺が時間稼ぎをする………」 日吉の言葉の直後、アリスと日吉に巨石が降り注ぐ。ジアースが地面を思い切り蹴り、土砂をぶつけてきたのだ。 頭を両手で守り、人間を相手にした虫のように耐える二人。幸いな事に石は一つも当たらなかった。 悲壮な決意を胸に秘め、日吉はポタポタと血を垂らしながら、ジアースへと歩く。 そんな状態でどうやって時間稼ぎが出来るのよ、と思ったが、そんな日吉の気持ちを無視したセリフ、さすがに言えるわけがない。 アリスは何度もふらつきながら、しばらく時間をかけ漸く立ち上がる。そして博之の元へ歩み寄る。 日吉から彦麿の名前を聞いた時、奇妙な安堵感がアリスの胸を満たした。 そのよく分からない感情の正体。それはいったい何なのであろうか…… アリスはジアースを前にしながら、ふとそんな事を考えた。 明らかに場違いな思索だが、アリスは彦麿について考える事を止めなかった。 なけなしのKIを振り絞る。さて、何をどうすれば瀕死の俺が時間稼ぎを出来るのだろう…… ちょっとした策が必要なのではないか? ジアースへと視線を転じる。 日吉は策の無意味さを知った。ジアースがもう次の攻撃に移っている。 またもや蹴りだ。日吉を直接蹴ろうとしている。策など考える時間はもうない。 どうやらこれが俺の最期のようだ。 最後の最後、日吉の体に残るKIを無我夢中で絞り出す。 なんとか、なんとかジアースにダメージを与えられれば…… 「日吉ィッ!」 何者かの叫びに、日吉は視線を転じる。彦麿だった。何故か背中にハルヒを背負っている。 何をする気なのかは知らないが、これが俺のなけなしの足止めだ。彦麿……この時間を有効に使ってくれ…… 「じゃあな、後は頼んだ────」 結局、下剋上出来なかった。あのピエロどもに一発喰らわせてやりたかったが、それも叶わない。 ああ──それにしてもあのヒゲ。どうして、どうしてあの時俺を起こしてくれなかったのだろう──── 俺は一応、お前の師匠だったんだから…… ジアースの渾身の蹴りが日吉に直撃する。霊夢やカービィと同じように、日吉はどこかへ霧散するように消失した。 ばらばらになったのか、それとも超スピードでどこかへ吹っ飛ばされたのか、事実は相変わらず誰にも分からない。 日吉が消え去る傍ら、すでに死体だったハルヒを背負い彦麿は駆ける。 眼には涙をいっぱいに貯め、走る走る。博之の元へ──── 最後のスターシップが撃ち落とされ、日吉も死んだ今、もはや彦麿達には何の戦力も残されていない。 それでも彦麿は希望を捨てようとはしない。ハルヒの死体という希望を──── ジアースがさっきの要領で瓦礫を飛ばしてきた。これはもう運しかない。彦麿は祈りつつ逃げる。 拳大の石が何発か当たり、彦麿は血を吐いた。しかし走る事を止めようとはしない。 あれは……誰かいる…… どこかで見たことのある人物だった。近づくにつれ輪郭がはっきりし、正体がおぼろげながら見えてくる。 彦麿の視界に懐かしい人物の姿が映る。いや、懐かしいと言ってもほんの六時間前に別れたばかりなのだが…… とにかく物凄く懐かしく感じた。 「アリスッ!!」 「彦麿ッ!!」 唐突な再開に、思わず抱きつき合う二人。アリスは負傷のためバランスを崩し、彦麿と共に地面に倒れる。 「す、すまんアリス!」 彦麿はアリスの様子を窺う。アリスは何故か笑っていた。 二人で地面に横たわったまま、見つめ合うアリスと彦麿。ジアースが迫る。 なかなか当たらない瓦礫に嫌気がさしたのだろう。直接踏み潰すつもりらしい。 もはや距離を開ける必要もないのだ。アリスと彦麿にはもう何の戦力も残されていないのだから。 「また会えてちょっと嬉しいわ……こんな状況であっても……」 「私もだ……」 しばらく沈黙していた二人だったが、さすがに状況が状況。彦麿がアリスに肩を貸し、引き起こす。 アリスを見つけ、思わず捨ててしまっていたハルヒの死体を担ぎあげる。 「それって……」 アリスが怪訝な表情で呟く。そんな物をどうしようというの…… 不安げな様子で見つめるアリスに対して、彦麿は決意を持って策について語る。 「怒らないでくれアリス……私も陰陽道に勤しむ身分。本来なら絶対にこんな事はしたくない」 こんなものただのいい訳だ……しかし、言わざるを得ない…… ジアースが近付く。足音が次第に大きくなってくる。 「言い訳はいいわよ……それで、何? この蛾が関係あるんでしょ? 大丈夫、まだ生きてる」 アリスの言葉にほっと安堵する彦麿。ハルヒの死体を博之の隣に置く。アリスにはまだ何なのか分からない。 「何をする気よ……」 「覚えているか、アリス。城で皆が集まった時、情報交換をしただろう…… その時聞かなかったか? 怪物……デーモンの食人について……」 アリスは頭を捻る。 「確かに……そんな話あったわ。 KASや霊夢が言っていた……ま…」 まさかと言い終わる前に、アリスは言葉を失う。蒼白な顔になり彦麿をただ見つめる。 顔から血の気が引き、アリスはただただ立ち尽くした。 ジアースがさらに迫る──── 「情報交換で分かった事だが、デーモンは死体を食べる事によって傷を回復させたり、パワーアップしたりしていた……」 「で、でも!!」 賭場を必死に取り返し、アリスが懸命に訴える。 「この博之って人はデーモンじゃないわ!」 アリスの叫びを深刻な表情で聞き、彦麿は残酷な一言をぴしゃりと言い放った。 「アリスよ……博之どのはデーモンと融合し、こんな姿になったのだ。 言ってしまえば……博之どのはデーモンの分身。恐らく……デーモンの性質もまた、受け継いでいるはず……」 「でも……博之は人間なのよ……」 力の籠った瞳でアリスを凝視する。 「我々は……何としても生き残らなければならないのだ……死んでいった皆のためにも────」 数秒間、アリスはぼんやりしていた。もう何が何やら分からない。 「博之を……起こしましょ……早くしないと…」 けれど……いくら非人道的な行為であったとしても……生き残るためにはするしかないのでは…… そういう意味では……彦麿はやはり正しいのだろう。前を見ている。なんとしても生き残るため、彦麿は前向きだった。 アリスはとりあえず無理やり自分を納得させ、博之を覗く。 いつの間にか博之は眼を開いていた。アリス達を見てがくがくと震えている。 「食わんぞ俺は……」 博之が吐いたセリフはある意味予想通りの言葉だった。 「いくらハルヒが憎かったって……そんな事したら…人間失格やないか……」 博之の悲痛な言葉が二人の胸に突き刺さる。アリスと彦麿は否応なしに、沈黙する事になった。 淀んでいる、三人の間の空気が…… 生と死の狭間に揺れ……三人の精神は……… ジアースが迫る。もう限界だ。 博之は隣に横たわるハルヒの死体をちらりと見やり、吐き気を催した。 こいつが最低のクズ野郎だった事は知っている。それでも、それでもハルヒは人間なのだ。 同族である人間を食ってしまえば……もうお終いだ。人として、生物として…… 「博之どの……無理にとは言わない……だが」 彦麿がぶつぶつと話し始める。 「思い返してみてくれ……今まで出会い、そして死んでいった仲間や敵の事を……彼らは決して死にたくて死んだわけではない。 生きたくて生きたくて……それでも駄目だったから死んだのだ……我らの仲間も、進んで人を殺す敵も全員生きたかったのだ…… そして────」 彦麿はいったん言葉を区切る。首の角度を変え、ジアースを眺めた。 「私も生きたい……アリスもそうだ……そして、博之どのもきっと生きたいはずだ……」 「だったら何なんぞ……お前が生きたいから俺に人間食えって言うんか!」 博之は叫ぶ。それっきり、彦麿は何も話さなくなった。 確かに、確かに俺やって生きたい……愛媛に帰りたい……もうおかんもジーコもおらんけど…… それでも生きて帰りたい……そんなん、当たり前やないか…生きたいん決まっとるやないか! 『幸せな……本当に幸せな、あなたのお人形』 何故か唐突に、博之の脳内で、水銀燈の最後の姿がフラッシュバックされた。 水銀燈……お前もほんまはもっと生きたかったんやろ……それでも、それでも自分の命を捨ててまで俺を助けてくれた… ああ、生きたかったんやろうなあ……水銀燈……水銀燈…… 横にいるハルヒに視線を転じる。今度はさっきのような吐き気に襲われる事はなかった。 博之は少女形態に変化し、ゆっくりとハルヒの腕を掴む。アリスと彦麿が目の色を変える。 「え、ええか?俺は狂って人を食うんとちゃう……生きたいから、生き残るために仕方なく人を食うんやわ…… ご、誤解すんなよ……俺は狂ってないわ、絶対、絶対、絶対にィィ!!」 博之が勢いよくハルヒの二の腕に噛みついた。顎に力を込めて思いきり、食いちぎる。 吐きそうになったが無理やり口を塞いで耐える、耐える。大粒の涙をポタポタ落としつつ、博之は思い切り飲み込んだ。 汗と泥でべたべたなハルヒの二の腕を細かく食いちぎり、喉に通す。 ジアースがもう目の前に来ているから早くしなければならない。 人間とはこういう味だったのか……なんという…… 博之はふとそんな事を思った。食人なんて漫画や小説の中だけだと思っていた。 まさか自分がこんな事をしなけれならないとは思ってもみなかった。 ああ、次はハルヒの顔だ…… 一瞬、にんまりと笑ったハルヒと目が合った気がした。博之は頭を振りはらう。 今のはきっと幻だ。俺の恐怖心が生んだ幻。 ハルヒの頭蓋骨を地面に叩きつけ、割る─────これで脳みそが啜りやすくなった。 割れた穴に口をつけてチューチューと吸う。髪の毛は邪魔だったので全て抜くことにした。 ぷつぷつと簡単に抜けた。肉が一緒についてきたので、毛から肉を剥がし口に放り込む。 ハルヒの足を裂き、齧ってみる。肉は案外柔らかかった。 俺は、生きたい…… 何が何でも生きたい……生きるためならどんな事でもやってやる…… 生き残って……愛媛に帰って……水銀燈を再生してやりたい…… 博之が何気なしに上を見上げると、ジアースの足が落ちて来ていた。踏みつけである。 「ぐぅぅ……!!」 アリスが例のシールドを展開し、彦麿が陰陽道を駆使して結界を作り、シールドを構成する。 アリスと彦麿は力を合わせて、ジアースの踏みつけから博之を守る。 アリスと彦麿はお互いに大量に出血しており、もはや限界。 当然二人のシールドは脆く、弱い。簡単にヒビが入る。 「アリス……」 彦麿が冷静に呟く。 「何よ!? こんな時に!」 こんな緊急事態によく喋れるものだ。 彦麿は隣で奮闘するアリスを横目で見る。一時、別れたものの、今までずっと彼女と一緒だった。 辛い事、悲しい事がこの殺し合いでは何度もあったが、それと同じくらい楽しい事もあった。 アリス……お前だけは生きていてくれ……よくわからないが、これは私の本心だ。 「博之どのとハルヒを連れて……逃げろ……」 一瞬、彦麿が何を言っているのか分からなかった。だって、私が逃げたら、貴方死んじゃうじゃない…… いつからだろうアリスの心には、よく分からないもやもやした何かが蔓延っていた。 その靄は彦麿の事を考えると急速に濃くなるのだ。意味が……わからない…… 「貴方が死んじゃうじゃない……博之に言ったでしょ? 何が何でも生きなきゃ駄目だって……」 声を振り絞って言う。 「私はお前に生きていて欲しいのだ!私の命を捨てる事が、お前の命を助ける事に繋がるのなら……私は喜んで死を選ぼう!」 「勝手よ! 博之に言ってた事は何だったのよ……」 アリスの瞳から涙が筋となって流れ落ちる。 アサクーラが唐突に倒れる。アリスの魔力が尽きたのだ。 それと同時にアリスが展開していたシールドが消え、ジアースの踏みつけの負荷が一気に彦麿へとかかる。 「ぐぅ……!!」 「彦麿!!」 アリスは悲鳴を上げる。彦麿は全身から汗を噴出させ、きっとアリスを睨んだ。 「行け……私のために逃げてくれ……アリス…」 彦麿の言葉には異様な迫力が備わっていた。もはやアリスはそれを拒否する事が出来なかった。 ぼうっとした様子の博之を引っ張り、足一本になったハルヒを持ち、一目散に逃げ出した。 残ったのは彦麿一人。しかし彦麿は全く寂しくなんてなかった。 にやりと笑い、ジアースを真下から睨む。 ふふふ……私はここで、死ぬんだろうな……だが… 「はっはっはっはっはっ!! アリス! 元の世界に帰ったら、精一杯楽しんで暮せ! 今まで思っていた人の代わりと言ってはなんだが、とにかくいい人を見つけろ! お前の世界の事はよく知らんが、結婚して!幸せに暮らすがいい! 私は────お前の幸せを願っているぞ!」 いい出会いだった! 私はアリスに出会えた事を、あの世の住人に自慢する事にしよう! 最後まで笑みを崩さず、彦麿はジアースに踏み潰された。 sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 時系列順 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 投下順 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 柊つかさ sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 矢部野彦麿 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry アリス・マーガトロイド sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 日吉若 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry コイヅカ sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 博麗霊夢 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 竜宮レナ sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry カービィ sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry クラモンD sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 武藤遊戯 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 永井博之 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 涼宮ハルヒ sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 古泉一樹 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 八意永琳 sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry 武藤遊戯(ATM) sm215:そして誰もいなくなるか? sm215:第一次ニコロワ大戦 六色アルティメットry ピエモン sm215:そして誰もいなくなるか?
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第三次ニコロワ大戦Ⅴ ――Happily ever after ◆cpYAzLvx8. (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第233話 ファイナル 諦めたくなかった。 でも、諦めを望む声も上がる。 救いは一つで終わらない、救うべき命はまだまだある。 だから、見捨てなきゃいけない、でも、だからって……。 焦燥する現場に何かが現れたことに、しばらくは誰も気が付かなかった。 そこから大声で注意を呼びかける声がして、ようやく皆が振り返った。 「ちょっと! ……ああ、ようやく気が付いてもらえた」 そこに現れたのは紫と白を中心としたドレスに身を包み、暢気にふよふよと浮かびながら日傘を差す少女だった。 「今忙しいんだ、後にしろ!」 「だから、本当に危なかったけど一命は取り留めたってば」 「……くどいな! ……え?」 「レムー、助かったのか。ババア教えてくれ!」 「あら嫌だ、かわいい少女に向かってババアは酷いと思わない? でも大丈夫、霊夢はもう安心だわ、他のみんなもね」 「先生! 霊夢さんの心臓が動き出しました! 更に呼吸まで復活してます!」 「……あんた誰だ? なんでどうやって霊夢を助けた?」 「私は八雲紫、ただのスキマ妖怪ですわ。 魂が半分出ていたからそれを無理やり体に戻して生と死の境界を変更、それから再生と劣化の境界を操っただけですわ。 霊夢だけじゃなくて、そこの失礼なニコニコ男や周りにいた連中の傷もついでに直してあげたわ」 「おお、体が妙に軽い! 助かったぜばb」 「少しは学習しなさい」 突如空中から現れた墓石がKASのベッドを押しつぶし、KASは目を回して気絶してしまった。 「そこの医療機器の進化と退化の境界も弄っておいたし、手足と体の境界を操ってちぎれた腕も元通りにしておいたわ。 だから、後の治療はそこの偉い先生方に任せるわね」 紫は空中から優雅に身を下ろすと、スタスタとコックピットの方へと向かっていった。 何にせよ自分の体の欠損が元通りになっていることを確認したレナは、再びコックピットの元へと戻る。 コックピットでは、紫が何やら計器を弄り、当ても無く巡航していたハルバードの方向転換を行っていた。 そこへレナが近寄り、紫に言葉をぽつぽつと漏らした。 「……あなたは一体何者ですか?」 「あそこにいた霊夢の知り合いといえばいいかしら?」 「どうして、どうやって助けてくれたんです?」 「私は元々この異変を解決するべく虱潰しに世界という世界を探索していた。 そこへたまたま貴方達がやってきて、私はそこへ当ても無く乗り込んだに過ぎませんわ 最も、あっちの世界にもちょっと必要な忘れ物があって、その回収を先にしていたから治療が遅れて冷や冷やとしたのですけれどね。 あんなに焦ったのは、本当に何百年ぶりかでびっくりしましたわ」 「……向こうの世界で、ピンクの丸い生き物は居ませんでしたか?」 「駄目ね、全てが木っ端微塵に破壊されてて、私の探し物と幾つかの残骸以外は何もありませんでしたわ。 残骸でしたら、ここにあるのですけれどね。」 コックピットの天上に穴が開き、そこから黒く灰を被った、山が現れた。 レナは一縷の希望に賭け、その山の中にある何かを探していた。 そして、あるものを手にとって、レナの手が止まった。 「おいレナ、それにゆかりん!」 KASを先頭に、日吉、遊戯、つかさがコックピットへと到着した。 残骸の山で停滞していたレナは、キラキラと光る何かを皆に見せる。 「ドラグーンのパーツ?」 「おいレナ、まさか……」 「そうカービィは……」 「もう言わないでくれっていう、レナ……」 カービィは死んだ、もう二度と戻らない。 ボロボロに割れ、欠けてしまい、色あせてなお残るドラグーンの欠片が、それを残酷に示していた。 希望はあった、誰もカービィの死に目を見ていない。 もしかしたら、ドラグーンの力でカービィが助かったかもしれないと夢想することも出来たもしれなかった。 レナが見つけたそれがある限り、助かる可能性は、一つも無いのだ。 「……悲しんでいる所で悪いんだけど、火急のようだからまずは貴方達の世界より先に幻想郷へと戻らせてもらうわね」 「どうぞ、好きにしてください」 「あらあら、幻想郷についてもそんな顔をしていたら笑われますわよ。 幻想郷は、喜びも悲しみも、生人も死者も、人間も妖怪さえも、全てを受け入れるのよ。 貴方達が望んでも適える事が出来ない幻想も、残酷にもそこにあるのですわ」 もしも死後の世界があるとしたら、そこでカービィやみんなに会う事は出来るだろうか。 レナは思った、もしかしたら会いたかったみんなに、会えるかもしれないと。 巡航中のハルバードは、つつがなく幻想郷に到達した。 ハルバードから見下ろす景色は、青く茂る木々と、悠々とした山々、キラキラと光る清流、澄み渡る雲ひとつ無い青空。 残酷にも失われた日本の原風景が、見渡す限りに広がっていた。 レナが、日吉が、つかさが、遊戯が、KASが、遅れてようやく目を覚ました霊夢が、幻想郷の博霊神社跡に到着した。 「カービィに、それにみんなッ! 私達はちゃんと運命を打開したよ!」 幻想郷に昇る太陽は、辛く悲しい運命を乗り越えた少数派達に、ニコニコと笑いかけていた。 【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡】 【カービィ@星のカービィ 死亡】 【ヲタチ@ポケットモンスター 死亡】 【ノヴァ@星のカービィ 完全破壊】 ※レイジングハートのAIは完全に破壊されました。 ※ハルヒのディパックはレナが回収しました。 【博霊霊夢@東方Project】 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 【柊つかさ@らき☆すた】 【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 【KAS@KAS動画シリーズ】 【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】 【以上六名、ニコニコ動画バトルロワイヤルより生還】 【――To be continued】 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 時系列順 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 投下順 ep-1:ベルンカステルの07(前編) sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 竜宮レナ ep-1:ベルンカステルの07(前編) sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 柊つかさ ep-6:木菟咆哮 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 武藤遊戯 ep-5:13 ‐ La Mort sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 日吉若 ep-4:SAMURAI DEEPER WAGASHI sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 博麗霊夢 ep-3:星の光はすべて君 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate カービィ 死亡 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate KAS ep-2:THE END.60%(前編) sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate 涼宮ハルヒ 死亡
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ニッコニコにしてやんよ~♪ ※WARNING※ 用語集にはネタバレ要素が含まれております。 だからちょ~っと 覚悟をしててよね~♪ あだ名一覧 ほのぼの銀様 ニコ見沢症候群 エアーマンは倒せない ガチぺったん 大樹組 ニコニコンビ 塔組 塔組支援祭 マーガリン 城組 ゆとり教育 真・驚きの黒さ ピエモンB ピエメン 神(笑) マルクP
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第三次ニコロワ大戦Ⅲ ――Necro Fantasia ◆cpYAzLvx8. (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第233話 ファイナル 深く落ちる闇の中で、日吉は目を覚ました。 そこにいたYOKODUNAを見て、日吉は自分がどうして、どこにいるのかを直感的に理解した。 また俺は、生と死の狭間にいるんだろうと思った。 「ついてこい日吉よ、お前に会わせたい者がいる」 日吉にとってそれは、二度目の経験であったから、その先に待ち受けるのが誰なのかも理解していた。 それは、愛弟子のチビ助だろうということに。 しかし、そこに現れたのは日吉が予想した人物ではなかった。 「チビ助……!?」 「俺には越前リョーマって名前があるんだけどね」 青学の一年にして期待のルーキー、俺に苦渋を飲ませた越前リョーマがそこにいた。 「てめぇ、一体何の用だ!?」 「俺との勝負に勝ったら、教えてあげるよ」 リョーマの手から放たれたツイストサーブが、日吉の横を掠める。 それは、明らかに日吉への挑戦状であった。 「上等だぜ、その喧嘩、倍返しにして返してやるよ」 「まだまだだね」 そして、リョーマと日吉の試合が始まった。 再びリョーマのサーブが放たれる。 日吉はいつの間にか現れたコートの中で、リョーマの放ったツイストサーブを打ち返そうとする。 しかし、日吉のラケットはツイストサーブを捕らえるが、それを返すには至らない。 「へっ、さすがにやるなチビ助」 「全力で来なよ」 日吉は戦いの中で身に着けた、無我の境地を発動する。 しかし、どうやっても勝つ手段が見えない。 調子が悪いだけと思い直し、ツイストサーブを辛うじて打ち返す。 だがそれはリョーマにとって打ちごろの玉にしか過ぎず、強烈なスマッシュによるカウンターを貰うだけだった。 「チビ助、てめぇ……」 「だから言ったでしょ、全力で来なよって」 日吉はリョーマから点を奪おうと必死で動くも、何度やってもリョーマの鉄壁を破ることは出来ない。 何も出来ないままサービス権を交代し、日吉の手にサーブが渡ってきても何も変わりはしなかった。 初手が違うだけで残りは全て同じ、ただ翻弄されるだけだった。 「俺の勝ちッスね」 「もう一回だ、チビ助野郎!」 「ふぅん、それで気が済むなら気が済むまでやってあげるよ」 何度やっても変わらない、日吉はそれでも決して諦めなかった。 下克上、自分より強い敵に立ち向かい、それを撃破する。 それこそが日吉の座右の銘であり、ここまで勝ちあがれた理由。アグレッシブベースライナー日吉若の、テニススタイル。 ――それから何ゲームが経過したのかも分からない頃、一ゲームも取れぬままついに日吉はその場に膝を突いた。 「なんでだ、何で勝てねぇ! 俺の無我じゃてめぇの天衣無縫には勝てないってのかよ!」 「半分当たりで、半分外れ」 「何だと?」 「どうして俺が天衣無縫にたどり着けたと思う?」 「……教えてくれ」 日吉は、ついにリョーマに促されるまま、答えにじっと耳を傾ける。 「俺は純粋にテニスが好きだからさ、下克上とか、勝つためにテニスをやってるわけじゃない。 テニスを通じて、仲間やライバルと切磋琢磨し合える、そんなテニスが好きなだけさ」 「テニスを……楽しむこと?」 「そう、あんたのテニスは必死すぎる、もっと素直に楽しむべきだよ。 下克上だ何だ言って、それで一緒にテニスをする人間を倒すべき敵扱い? それは酷いと思うな」 「俺のテニスが、下克上が悪いと?」 「さぁね、何にしろ俺から言えるのは、もっと仲間を大切にするべきだ。 俺達の場所に居るあんたの仲間も、ここではないどこかにいる、あんたの守るべき仲間もね」 日吉はその言葉を受け、涙した。 氷帝学園に居た頃の俺は、ただ自分がどこまで上を見れるかということだけしか考えてなかった。 それが命に繋がらないうちはまだよかった。 しかし、それで自分は大切なライバル、まだ見ぬ仲間達を知らず知らずのうちに切り捨てていたことになる。 そうやって自分の身を優先し、下克上のために自分の障害だけしか省みることは無かった。 それで、守るべきものを失った。自分の大切な愛弟子も、倒すべきライバルももういない。 自分がもっと慎重に行動していたら、掴むことができた真に尊い未来を、見逃していたのだ。 「俺は、俺はああああああッッッ……!!!」 「それに気が付ければ十分だよ」 「ありがとよ、チビ助!」 「……まだまだだね」 最後の夢が覚めるのを感じていった。 引きちぎられた腕は戻らない、それが何だッ! 腕を失ったから諦めるほど、俺のテニスへの情熱はヤワじゃない。 腕を失ったからって、仲間を決して見捨てたりはしないッ! コントラストの無い世界から、その身を戦場へと戻す。 日吉の体は、引きちぎられた腕とは逆にかなり軽かった。 それはつかさが終始吹き続けていた赤とんぼのお陰であり、だからこそ日吉が目覚めることが出来たのだ。 足だけで立ち上がり、捨てられていた腕へと身を近づける。 それがうまく行くとは思えなかったが、それでもできないとは微塵も思えなかった。 勢いよく体を倒し、肩があった場所にうまく腕をねじ込んだ。 日吉は、その身に纏いしKIを介して、腕を再び体へと戻し入れた。 それは物理的には正常な腕ではない。だが日吉の腕は、KIの力によって日吉の元へと舞い戻った。 もう一度ラケットを握ることが出来る、それは日吉にとって類稀なる幸運であり、神の奇跡だった。 日吉が自身の腕の感触を確かめていると、視界の先にはKASと、粉々に砕け、ただの金属片へと変化した核鉄がそこにはあった。 KASの遺体に、表情は無かった。そこには何も残らない。 それは、何も残せなかったのではなく、何かを残せるからそこにいる、日吉はそう思った。 だから、その可能性に日吉は賭け、KASの肉体、そして粉々に砕けた核鉄にKIを込める。 「おいKAS! てめぇはそんな何でもないことで死ぬようなタマだったのかよッ! てめぇも男なら、意地を見せやがれぇぇ!!!!!」 ――――俺は……死ん……死んでるわけがない。 そうだ、まだ死ぬわけには行かない。 閣下から貰った大切な命を、こんな所で無駄にするわけには行かない、絶対に、絶対にだッ! それだけじゃない、俺の帰りを待つレムーが、みんなが、そして俺を待つ大切な彼女がいる。 倒さなきゃいけない、邪悪がいる。 俺は、 ――――――――俺は戦うッッッ!!!!!!! ◆ ◆ ◆ 「じゃ、死のうか」 つかさは頑として恭順を拒む。 もうHALは回復など当の昔に諦めた。出来ないことに固執するほど馬鹿ではないからだ。 つかさを殺すのは容易い。しかしただ殺したのでは、ここまで痛めつけてやった割に合わない。 だから、必ずこの表情を恐怖に染めてから、むごたらしく殺してやろう。 となれば、つかさに捧げる生贄がいる。 丁度いい具合に、近くに霊夢が転がっていたので、HALはそれを生贄のターゲットとして狙いを定めた。 「さて問題です、あんたが許しを乞えば、こいつを殺すのを止めてあげるわよ」 「あっ、ああっ……!」 つかさの表情が青ざめる。 そう、これが見たかったのだ、この表情こそが、神に捧げられる哀れな生贄に相応しい。 しかし、そこへHALも予想だにしていなかった横槍が入る。 『つかさ、この悪魔の言うことなんて聞いてはいけません、貴方が戦って皆を救うのですッ!!!』 「う、うん!」 無機質な声が、つかさの表情を再び変えてしまう。 それは恐怖がベースであるものの、そこに絶望は無い。 どうやってこの状況を打開するか、そういったことしか考えてないように見えた。 「うっさいわねぇ、ただの道具の癖に生意気よ」 『何を言おうとこの私、レイジングハートの勝手です!』 「じゃあ、その口がクソ垂れる前にHAL様万歳と言えるようにしてあげるわ」 HALはそう言うと霊夢の傍に落ちていた杖をふんだくり、そこに手を添えた。 『ああああぁぁぁぁaaaaaaaaaAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』 「フヒヒヒ、しゃべる杖の改造ぐらい、神にとっては朝飯前ですらないのよ」 『あああHHHHはハハハHALsssssさまばんざいはるさまばんざいはるさま……』 添えられた手が除けられた時、絶叫を上げていたレイジングハートというデバイスは、消え去った。 高潔な意思を持ったそれはもうこの世には存在せず、哀れな一つのHAL厨へと、堕とされた。 「神の杖、いいじゃない」 HALはその手に持つ、愚鈍なる杖を振り回し、己の力を誇示するかのように破壊の雷を回り全てへ、無差別に飛ばす。 哀れな生贄たちがその雷に巻き込まれ、命を落していった。 「うげ、よく耳を澄ましたら心臓の音が聞こえる!? このクソアマ生きてやがるじゃない。 さっき心臓を潰さなかったのは失敗だったわ、復活する前に今この場で心臓を握りつぶしましょう」 「だ、駄目ええええぇぇぇ!!!」 つかさが身を乗り出すが、手足の先をボロボロに陵辱されたつかさは一歩を踏み出せず、床に倒れてしまう。 それでもつかさは決して諦めなかった、届かないと分かっていても、手を伸ばさずにはいられなかった。 残酷な神が、赤く、紅く染まった少女の肢体を引き裂く。 「てめぇにレムーはやらせねぇぇえええええ!!!」 しかしそれは、一瞬の差で未然に終わる。 なぜならKASが現れ、その閣下秘伝の秘奥義・真ブラボーナックルがHALの顔を思いっきりブッ飛ばしたからだ。 「ぐぎゃぁ!?」 KASは空中へ飛び上がった霊夢の体をしっかりとキャッチし、やさしく地面へとエスコートした。 その後に続いて日吉が遅れて登場する。 「KAS、カス、日吉ッッッ! なんで、何であんたらがここにいるのよぉぉぉおおおおお!!!」 「日吉が俺にくれた! 日吉の熱い思いで俺は目を覚ました! それはHAL、てめぇという邪悪をぶっ殺し、みんなと一緒に帰るためだッ!」 「そうだ、俺はてめぇなんかに、絶対に屈したりはしねぇッ! もう誰も殺させたりはしねぇッ!」 「ふざけんじゃねぇえええ! こうなったらてめぇらまとめて全部ぶっ壊してやるッ!」 HALは大量の光線弾を無差別射撃する。 瀕死の重態にも関わらず、HALは大量の射撃を放ち続ける。 HALはもう目の前の敵が倒せようが、倒せまいがどうでもよかった。 目障りな敵を、その視界から消し去りたいだけだった。 だが、それさえももはやかなうことは無い。 天衣無縫に目覚めた日吉の瞬動が、HALの打ち出した光線弾を全て元へと打ち戻す。 その光線弾に貫かれ、瀕死のHALは更に追い詰められる。 「ぐぎゃぁあああああ!」 「死にやがれぇぇぇえええええええッッッ!!!」 KASの拳が、HALの肉体を貫く。 串刺しにされたHALはそのまま地面に胴と足を生き別れにされ、錐揉み落ちた。 「う、ううっ……、クソ、クソ、糞ッ! 食ってやる、食ってやる、食ってやるッッッ!!!」 「なっ!?」 錐揉み落ちたHALは、客席の近くにあったマルクの死体を掻っ攫い、飛翔をしながらその肉体を貪り食う。 更に、運悪く近くに居たデジモン達もHALの狩りの犠牲となった。HALは食らえるものを全て食らうことで、瀕死の肉体を活性刺せようと必死にもがく。 ボロボロの羽を復活させ、ゆとり達を食らってゆく。 KASと日吉が追いかけるも、そのスピードは瀕死とは思えない超スピードであった。 「ひ、ひぃぃぃ!!! 食われるのは嫌だぁぁぁあああ!!!」 「何やってんだHALぅぅぅううう! デジモン達を食うんじゃねええええええ!」 「嫌だ、嫌だ、嫌だああああああッ!!!」 HALの狩りは止まらない、止められなかった。 だから急にHALがその場で制止して小刻みに震えだしたとき、追跡をしていたKASと日吉さえその場に留まった。 見ればHALは、その手で口を押さえ、顔を膨らませていた。 「ぐげ、ぐげ、おううぇぇぇえええええええ…………」 そして、HALはぐちょぐちょ、げちょげちょの肉片を垂れ流しだした。 手に持つレイジングハートはその場に零れ落ち、カラカラと音を立てながらどこかへ転げていった。 苦痛に呻くHALの口からは紅く染まった、必要が無かったはずの犠牲者達が川のように流れて行く。 その体積をはるかに超える量の内容物がその場に吐き出され、それは一つの形を取って行く。 赤く、紅く染まった真紅の神人が現れた。 半透明の内核部にはデジモン達だけでなく、HALやそれ以前の支配者達が取り込んでいた哀れな犠牲者の姿もあった。 暗黒長門も、高町なのはも、鈴仙・優曇華院・イナバも、園崎詩音も、デーモンも、古泉一樹も、BKMGにセイバーも、 ゾーク・ネクロファデスも、そしてマルクとピエモンの姿さえあった。 「いよいよ、これでアイツも終わりだな」 「ああ、あの変な巨人を倒せば終わりだ、デジモンのみんな、俺達に力を貸してくれッ!」 「当たり前だ!」 「黙って殺されるぐらいなら、戦うに決まってんだろ!」 「神(笑)なんかフルボッコにしてやんよ!」 「マルクたんにピエたんを痛めつけた神(笑)ブッ殺すッ!」 幾らか被害を受けてたとはいえ、恐怖ゆえに常に傍観者であったゆとりたちもついに味方へと回った。 HALの残虐非道な振る舞いが自分達にも降りかかるのを見て、あるいはKASの熱気に当てられたのか。 全てのゆとりデジモン達もニコレンジャーの味方に回った。 「俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!」 「AMT、無事だったか!」 「ぼくもいるよ!」 「私も、あんな奴には絶対、絶対負けたくないッ」 「レナにカービィ!」 「私も、戦うッッッ!」 「……私も、まだ…………」 「つかさもレムもーいるッ! これでみんなみんな揃ったッ! さぁ、行くぜ皆ッッッ!!!」 KASの号令に従って、デジモンも含め、HAL以外のすべてがその紅い神人へと向かった。 全ての住人が一致団結した時、億千万の思い出が弾けた。 億千万の思い出から初音ミク、KAITO、MEIKO、鏡音リン、レンのボーカロイドたちが、 赤と白の道化師、ドナルド・マクドナルドが、 脅威のジャスコ馬杉店の中村イネが、 チーターマン三兄弟が、ドイツ製ボーカロイドの破壊神、キーボードクラッシャーが、 ゆっくりしすぎた無任所、蓬莱山テルヨフが、 性欲を持て余す伝説の傭兵、ソリッド・スネークが、 イ゛ェァアアアアアアア!!!でお馴染みのひろしが、 スカルミリョーネ、カイナッツォ、バルバリシア、ルビガンテのゴルベーザ四天王が、 とてつもない世界のYATTA、はっぱ隊が、 ガチムチボディの兄貴、ビリーヘリントンが、 荒ぶる有袋類にして格差社会に負けぬドラゴンズのマスコット、ドアラが、 億千万の人気を誇るニコニコ動画の英雄達が、邪神を倒すべく集結した。 そのテラカオスな光景に、紅いテラカオスな神人が悠然と立ちはだかる。 それはHAL、ハルヒが展開していた神人のサイズをはるかに上回るサイズで、発せられる圧力はHALの全力に勝るとも劣らない。 それでも、誰もが負ける気がしなかった。 誰もがそこにいる、みんながいる。 みんなを信じているから、戦える。 生まれてから不動を保っていたその紅い神人は、自身よりも巨大な、それこそHALのプラネットバスターと同規模にも見える超高密度エネルギーを収束させていた。 神人の一撃か、それともニコレンジャー達の団結か。 それぞれが自分の持てる力を結集して、神を迎え撃つ。 「みんな、俺にGENKIを分けてくれぇぇええええッッッ!!!」 「みんな、日吉にパワーを集めるんだってぃう!」 「「「「「「いいですとも!!!」」」」」 「みっくみくにしてやんよ!」 「ドナルドは、嬉しくなるとつい元気をあげちゃうんだ」 「くぁwせdrftgyふじこlp;@!」 「GENKI-DAMAにとっととスピーン!」 「ゆっくり元気を分けた結果がこれだよ!」 「性欲を持て余す」 「イ゛ェァアアアアアアア!」 「みんな、パワーをメテオに!」 「YATTA、DAMAに元気がはいるぞぉ!」 「仕方ないね」 「――!」 日吉が超巨大なGENKI-DAMAを精製する。 そこへみんなの元気が、一つのDAMAの中に纏まっていく。 億千万の英霊達が、GENKI-DAMAへと集結する。 神人から発せられた暗黒球にも負けない、光のGENKI-DAMAが迎え撃つ。 「これが俺の、一球入魂だぁああああああッッッ!!!!」 日吉のGENKI-DAMAの波動が、TENINU-RAKETTOのスマッシュで更なるエネルギー得て暗黒の破壊神へと向かう。 闇に堕ちた神の一撃と、光の元気玉波動球が激しくそのエネルギーを散らす。 ジリジリ、パチパチと弾けるエネルギーは、どちらに対しても優勢を示さない。 「こんな結末、俺は絶対認めねぇぇぇぇ!!!!」 更に加速して跳躍、体を超高速回転させながら、その元気玉波動球にもう一度駄目押しのスマッシュを加える。 日吉の意地が、みんなの思いが、全ての災厄を打ち破るために、今一歩進もうとしていた。 瞬間、全ての光景が真っ白へと染まった。 視界が晴れたとき、そこには災厄の魔王は存在しなかった。 ただ、哀れで奇妙な、人方となったHALが、何もかもが信じられないといった様子でそこにいた。 「こ、こんなことでやられると思ったら大間違いよ、いでよ神人ッ!」 HALの呼びかけに、何も反応しない。 「諦めが悪りいんだよ、HAL、てめぇの負けだぁああああッッッ!!!」 「まだ負けてないって言ってんでしょうがぁぁあああああ!!!」 しかし、HALの啖呵は意外な形で崩れることになった。 「あれ? このドロドロは……い、嫌、イヤァァァアアアアアアアア!!!」 HALの身体が、突如崩壊しだしたのだ。 今までは辛うじて人の肉体と呼ぶことの出来たそれが、グチョグチョと音を立てて崩れて行く。 どろりと垂れ下がった両腕は、肉片とも言いがたい泥炭のような何かへと、姿を変えてゆく。 HALの翼が、ばさりと折れ曲がり、それも液状化して消えた。 体を支え続けていたその足でさえも、支配者の言うことを聞いたりはしない。 そして四肢に連なる肉体でさえ、それは例外ではなかった。 「嫌、嫌、嫌、消えるのはイヤァァァァアアアアア!!!!!」 願いが通じたのか、神の単なる気まぐれなのか、HALは消えることは無かった。 ただその場に頭部だけを残して哀れに顔を動かすその姿は、ゆっくりと形容するにも滑稽な姿だった。 「ヒ、ヒヒヒヒヒ、危なかった、危なかったわ!でも生きてる、私は生きてるのよッ!」 「それがどうかしたのかな?かな? 頭だけの汚物さん」 「私は神、神なのよッ! 神だからこうして生きている、そうでしょ!?」 「あなたは神なんかじゃない、ただ周りの力に甘えていただけの怪物。 自分の限界を超えて取り込み続けた力に翻弄されて全てを捨て去っただけ、そうでしょ? そうじゃないというなら、その証拠を見せてみろッ! 悪魔の汚物めッ!」 「今はできないだけで、少し休めばすぐ出来るに決まってるッ!」 「違うッ!」 「違わないッ!」 HALとレナの問答が続く。 しかしHALは頑として敗北を認めない。 それが哀れで哀れで仕方が無いのか、誰もHALのそばへと寄ろうとはしなかった。 そこへ近づけば近づくほど、あの汚らわしい何かに近づくようで、嫌だったのかもしれない。 そんな暗黙が周囲に立ち込める中、つかさがその物体を手に取った。 「私にははっきりと分かる、お前は神なんかじゃない」 「黙れ黙れ黙れぇぇぇッ!!!」 「神様はね、誰かに愛して貰えるから神様なんだよ。 誰にも愛されない、許されないお前なんか、私は神とは絶対に認めないッ!!! あなたにも私と同じ様に許してもらえる機会はあった、でもあなたはそれをしなかった! だから私にははっきりと言える、お前なんか神じゃないッ!!!」 「違う違う違う、私にはSOS団のみんなが、そうキョンが居るッ! 私はみんなから愛されている、あんたの言ってることが間違ってるんだよッ!」 つかさとHALの激高する言葉の中へ、遊戯がそこへ割り込む。 「じゃあ証明してやるぜ、貴様のような邪悪に相応しい罰ゲームでなッ!」 「ば、罰ゲームって何よ!」 「いくぜ……」 「罰 ゲ ー ム !」 ◆ ◆ ◆ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 時系列順 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 投下順 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 竜宮レナ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 柊つかさ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 武藤遊戯 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 日吉若 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 博麗霊夢 sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok カービィ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok KAS sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅱ ――Ragnarok 涼宮ハルヒ sm233:第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate
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第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして ◆qwglOGQwIk (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第230話 その何ともいえない不協和音が紡がれると、不思議なことが起こった。 体が軽い、吹けば吹くほど楽になる。 「んっ……体が……直ってるだと!?」 「嘘、全然体が痛くない……力が沸いて来るッ……!」 「あいたたた……あれぇ、でも何か体が痛くなくなってきた」 日吉も、レナも、遊戯も起き上がった。 赤とんぼは皆を癒していた。Fooさんの笛に宿る力が、赤とんぼの旋律に合わせて力を与えたのだ。 「ぬ、ぬわんだとぉ!?」 のろいに悶えていたアナゴは驚愕した。 あの無茶苦茶な演奏のせいで奴らが復活したとは、考えようともしなかった。 こうなれば、あの演奏をとめるしかない。 「その演奏をやめろおおおお、サイコクラッシャー!」 「きゃ、きゃああああああ」 サイコクラッシャーがつかさに襲い掛かる。 レナ達が飛び出したが、間に合わない。 しかし、サイコクラッシャーはつかさへと到達することは無かった。 「たいやきさん!」 「何ぃ! この汚い魚のどこにそんな力がぁ!?」 たいやきは勢いよくはねた。 天高く上る鯉の王者が力いっぱい跳ねたとき、それはサイコクラッシャーの軌道さえも捻じ曲げた。 それだけでなく、瀕死のたいやきがじたばたしたため、猛烈な力でアナゴを傷つけさえした。 たいやきは演奏の援護にも関わらず力尽きたが、その時にはもうアナゴの体はボロボロだった。 「くっ、ベリーメロン!ベリーメロン!」 アナゴはベリーメロンを取り出してひたすら回復する。 だが、それは防戦にならざるを得ないほどアナゴの体力が低下していることを表していた。 当然のその隙を皆が見逃すことは無く、レナや日吉が追撃を加える。 遊戯も手に持つベレッタで必死に援護を加える。 ピエモンはつかさに新たな曲、夕焼け小焼けを伝授する。 夕焼け小焼けの気の抜けたBGMが、更にアナゴの力を奪う。 「くっ、ジェノサイドカッター!」 「効かないよ!」 「ざまぁないな、タラコ野郎!」 アナゴは焦っていた、必殺のジェノサイドカッターでさえ大したダメージを与えることが出来ない。 サイコクラッシャーも同様、GENKI-DAMAどころかKIDANやフタキワにさえ押し返されるほど威力が低くなっている。 これが夕焼け小焼けのせいだというのか。その力を攻撃力減衰によって奪われたアナゴは、やがて満足に反撃することさえできなくなっていた。 三連殺もレナの鉈と打ち合い、相殺されるほどだ。 ベリーメロンを食べる暇さえない。もうアナゴはなりふり構ってなど要られなかった。 ここで自分がやられるわけにはいかない、ピエモン様には悪いが、全力を出すしかないと感じていた。 攻撃力減衰中とはいえ、本気の力でなんとかレナと日吉だけでも殲滅するのはたやすい。 最後に残ったつかさの補助は脅威とはいえ、どうにでもなる。遊戯もカードさえ使えなければものの敵ではない。 ならば、やるしかない。 アナゴは、パワーをチャージし始めた。 「させないよ!」 「させるかよ!」 レナと日吉の攻撃を空中に飛び上がって回避する。 飛行しながらKIDANを回避し、パワーチャージを完了させる。 これで、準備は整った。位置も悪くない。 この距離なら、ピエモン様を殺してしまうことも無いだろう。 「このアナゴ、ただでは死なぬ! 天よ!今一度の力を! 受けるがいい、このアナゴ最後の拳、ワァールドデストロイヤァァァァァァアアアアア!!!!!!!」 ジェノサイドブレイバーとは規模が違う、はっきりいって桁が違う威力でアナゴが迫る。 レナは盗賊の棺桶を構えて迎え撃つが、一緒に隠れるべき日吉若の姿は無かった。 日吉はそれを見てさえ引かなかったのだ。むしろ笑っていた。 「百錬自得の極み! 吹っ飛びやがれぇぇぇぇえええええ!!!!!」 日吉の体がオーラに包まれる。 そして手に持つフライパンでアナゴの拳を思い切り打ち返した。 その爆発的なオーラのうねりが逆流し、日吉たちへ向かうはずだった力はアナゴへと逆流する! それが百錬自得の極みの力、全ての玉を倍返しにして打ち返す無我の扉ッ! 「ぬぁああああああああ!!!!!」 先行が逆流し、空中に吹き飛ばされたアナゴがうねるエネルギーによって爆発した。 その様子を見守るレナ達、アナゴは全ての切り札を出した。だからもう立ち上がることは無い。 だが、アナゴはそれでも立ち上がってきた。背広はボロボロで、ネクタイは切れ、額から血は流しながらも、 それでも、アナゴは両の足でこちらへと歩く。一歩一歩踏みしめて。 「よく、ぞ……アナゴの一撃を耐え切った。これで、終わりだと思うなよ。 もう一発、ワールドデストロイヤーをくれて……」 アナゴの言葉はそれで唐突に打ち切られた。 アナゴは自身の胸を鷲掴みにすると、猛烈に苦しんだ。 ことのはの放ったのろいが、ここにきて最後に発動したのだ。 これで、アナゴが立ち上がることは無い。 そして、魔王アナゴはその場に倒れた。 「ピエ……モンさま……」 「アイスデビモン…………」 「わ、私は……ただ…………お二人が仲良く……して……ほし…………」 アナゴに駆け寄ったピエモンは敬虔なる部下の死に涙を流した。 それは、ピエモンがもうアイスデビモンのことを疑っていないという証拠でもあった。 アナゴは滅び、アイスデビモンだったものはピエモンの手の中で赤い宝石へと姿を変えてしまった。 「レナ」 「うん、遊戯君」 あの光景を見たレナと遊戯の答えは一つ、真実に気が付いたピエモンを葬ること。 幸いまだ動く気力はある、アナゴ戦の後で辛いとはいえ、覚醒した日吉とつかさもいるし、相手をする余裕はまだある。 いざ動こうとした所で、遊戯とレナはピエモンが言い放った一言のせいでその方針を変えざるを得なくなる。 「許さんぞマルクッ! アイスデビモンの奴を口先八丁で騙しくらさってッ!」 盛大にずっこけた。そして遊戯は思わず言ってしまった。 「そ、そこはアイスデビモンの言葉を信じてマルクと仲良くする所じゃないかなぁ?」 「いいや、マルクは敵だ。何せアイスデビモンは言ったからな。邪魔をするなら殺してこいと。 そしてアイスデビモンは嫌々ながら命令に従った。だから私だけには手加減をしてくれたというわけだ アイスデビモンの奴は本当は私の相手などしたくなかったのだ。今までの行動は全て私を気遣い、マルクの要求に答えるためだけのもの!」 雛身沢症候群もビックリの超理論だが、とりあえずピエモンを始末しなくて済んだ……ということになるのか。 そもそもアイスデビモンは倒すとはいったが、殺すとは言っていないはずだ。でもそれを言うほどお人よしの遊戯ではなかった。 「でも、私は少し迷っているのだ。遊戯が言うように実はマルクが私を殺そうとしているのはただの妄想じゃないかと……。 アイスデビモンの真髄な態度を見ていたら、たしかにそうとも一度は考えた。だがそれでは今までのことに説明が付かないからだ」 「ふぅん、それよりも早くハルバードのほうを案内してよ、ビーちゃん」 「おお、そうだったな。いくぞお前たち!」 調子のよさそうなピエモンを先頭に、一向は大戦闘の被害を奇跡的に免れたハルバードへと向かう。 途中で日吉が右腕を押さえ、苦しんでいたため、つかさの赤とんぼで急いで治療をする。 そんなトラブルがあったのとは別に、つかさだけがかなり遅れてハルバードへと乗り込んだ。 そのつかさの行動は、目元の涙と、後ろに立てられた妖精の剣に寄り添うポケモンの亡骸が何よりもよく物語っていた。 【クッパ城 格納庫のハルバード内部/三日目・深夜】 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:悲しみ、やや疲労 [装備]: リアルメガバスター(97/300)@デッドライジング、メタルブレードのチップ、包帯 サイレンサー付き拳銃(6/6)@サイレンサーを付けた時とry、鉈@ひぐらしのなく頃に クロスミラージュ@リリカルなのは、バリアジャケット(龍騎士レナフォーム)@07th Expansion [道具]:支給品一式*13(食料3・水2消費)、日本酒(残り半分)、オミトロン@現実?、モモンの実*5@ポケットモンスター、鉄パイプ、 本『弾幕講座』、アイテム2号のチップ@ロックマン2、暗視ゴーグル@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、初音ミク@現実、オボンの実*1@ポケットモンスター ポケモンフーズニ日分(四食分消費)@ポケットモンスター、ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、テレパしい@ドラえもん(残り2粒)、五寸釘@現実、 雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、サイレンサー付き拳銃の予備弾95発@サイレンサーを(ry 桃太郎印のきびだんご(24/25)、ウルトラスーパー電池(残り30%)@ドラえもん、ゼットソーハードインパルス@現実、ハイポーション×2、北米版パッチ 、 飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、十得ナイフ@現実、ナイフとフォーク×2、包丁、首輪の機械部品、MASTER ARTIST01~10@THE IDOLM@STER、 壊れたオセロ@現実、ノートパソコン(バッテリーほぼ満タン)@現実、RPG-7(残弾5)@GTASA、RPG-7の予備弾薬95発@GTASA 富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、ピッキング用針金、 盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒し(ry、フィルム、 ピーピーマックス@ポケットモンスター、ウィンチェスター M1895/Winchester M1895(狙撃銃、残弾5)@現実、ウィンチェスターM1895の予備弾95発@現実 無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、10円玉@現実?、札束(1円札百枚)、琴姫の髪 、クラモンD、Nice boat.のメインコンピュータ、フタエノ極意書@ニコニコRPG 思考・状況] 1.少数派による運命の打開、まずはハルバードを調べる。 2.ピエモンは勘違いしていると推測。勘違いに気づかないように、遊戯の『煽り』をサポートする 3.クラちゃんは一応信用しておく。 4.霊夢ちゃんやみんなと合流したい 5.罪滅しをする。アリスちゃんを助けられなかった分も ※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。 ※身体能力が向上しています。それによってレナパンが使えるようになりました。 ※ノートパソコンに海馬の残した何らかのファイル(飛行石関連その他)とメッセージがあります。 メッセージは打開が成功したら読め、との事です。 ※レナはジアースと直接は相対しなかったので、ロボ入りiPodは発動しませんでした ※バリアジャケットはひぐらしを起動すると出てくるアレ、もしくは07th Expansionのトップのアレ 【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 [状態]:軽度の精神疲労、それでもまだ闇AIBO、古泉に対する殺意 [装備]:小型爆弾 包丁 千年パズル [道具]:支給品一式*4(食料四食分・水二食分消費)、、王者の剣@DQ3(刃毀れ)、ベレッタM92F(7/15) 、ヲタチ(HP30%)@ポケットモンスター、北高の制服 ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、蒼星石のローザミスティカ、ミニ八卦炉@東方project、 ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*1@ヴェル☆オリ 真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト@乳酸菌推進委員会、水銀燈の体、 デジヴァイス@デジモンアドベンチャー 、北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、毒入りパン、 DCS-8sp*1、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用41発消費、トカレフTT-33用16発消費、サイレンサーを(ry全消費、RPG-7用全消費、ウィンチェスターM1895用全消費、リアルメガバスター用全消費) デュエルディスク@遊戯王DM、顔芸のデッキ(魔法、罠カード抜き)@遊戯王DM 、 【DMカード@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 使用可:プチモス、カタパルト・タートル、ラーの翼神竜(遊戯、海馬のみ)、真紅眼の黒竜、バーサーカーソウル、マジックシリンダー、攻撃誘導アーマー 使用不可:聖なるバリアミラーフォース(次の朝まで) 、融合(次の日中まで)、青眼の白龍*2(次の夕方まで)、魔導戦士ブレイカー(次の夜まで)、光の護封剣(次の日中まで)、ブラックマジシャン(次の深夜まで) [思考・状況] 1.ハルバードを調べる 2.ピエモンは勘違いしていると推測。勘違いに気づかないように、マルクをより憎む方向に心理を誘導する。 言葉、行動、煽るのに手段は選ばないが、ピエモンに怪しまれない程度にする。 3.ピエモンは情報源として利用。 4.ピエモンをちゃんと従うように包丁で脅す、……必要はあるのかなぁ? 5.永琳の話が本当なら、ハルヒには十分気をつけて遭遇しないようにしたい。 6.レナ、日吉、霊夢の三人は信頼できそう。 7.つかさのことはもう一人の僕に任せよう 8.ゲームを終わらせ、主催者を倒す 9.あの夢についての情報を得る ※闇AIBO ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。 AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。 ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。 【闇遊戯の思考】 [思考・状況] 1:相変わらずテラ空気wwwwwww出番くれよAIBOwwwwwwww 2:相棒と合流できて安心 3:相棒に命を預ける。自分で出来る限り生き残るよう努力はする 4:AIBOの無事を優先する (保留 5:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける。) ※闇のゲームは行えますが、罰ゲームに制限がかかっています。(再起不能には出来ない程度) ※今のAIBOとカタパルトタートルに何か同じものを感じました。 【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】 [状態]:ほぼ回復、中程度の疲労、悲しみ、覚醒、右腕に少し鈍痛 [装備]:カワサキのフライパン@星のカービィ、サテライト30@真赤な誓い [道具]:支給品一式*7(食料一日分、水二本消費)、ネギ@ロイツマ、長門の首輪、コイン*2@スーパーマリオワールド 孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド、 炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト、首輪の残骸、上海人形、テニスボール*3、ジアースの機械、電気部品 [思考・状況] 1.とりあえずハルバードを調べる 2.天衣無縫の極みを会得し、主催に下克上する。 3.下克上の障害は駆除する。 ※無我の境地をマスターしました。KIも操れるようになりました。 ※フタエノキワミをマスターしました。 ※無我の扉の一つ、百錬自得の極みに到達しました ※ピーちゃんの事を間違えてビーちゃんと呼んでいます。 ※遊戯やレナのように、ピエモンについて何か考えているかもしれません。 【ピエモン@デジモンアドベンチャー】 [状態] 幼女ピーちゃん、対主催の主催?、マルクに対して疑心暗鬼?、B(笑) [装備] 萌えもんパッチ@ポケモン言えるかなで擬人化してみた、トランプソード [道具] 千年リング、魔血魂@ニコニコRPG [思考・状況] 1:まずはハルバードへ 2:裏切ったマルクに報いるため、対主催と協力して倒させる? 3:霊夢がマルクを倒してくれるのを密かに期待する 4:遊戯やめてくれ 5:ノヴァを手に入れるのは諦めた。マルクに裏切られたし、ロワを完遂させる前に死にそうですよ皆さん…… 6:神になるのも諦めた。生贄が足りないんですよ皆さん…… 7:だけど世界征服の野望はなんだかんだで諦められないんですよ皆さん…… ※萌えもんパッチで幼女化しました。詳しくは絵板の幼女Bを参照するべし。 ※遊戯に包丁を押し当てられています。萌えもんパッチは背中の、彼の手の届かない所に付けられているので、自分では外せません。 ※本当はアイスデビモンの言葉を信じていて、マルクが裏切ってないと気が付いたかもしれません。 【柊つかさ@らき☆すた】 [状態]:熱と貧血と疲労、アナゴ戦の嘔吐でかなりグロッキー [装備]: ロールバスター@ロックマンシリーズ(損傷有)、くうき砲@ドラえもん、 SIG P210(残弾8)@MADLAX、スタンガン@ひぐらしのなく頃に、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ) [道具]: 鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に、iPod@現実(【残り16時間】) 、宝石みたいな物@呪いの館、 毒針@ドラゴンクエストシリーズ、SIG P210の予備弾92発@MADLAX、プラスパワー*3@ポケットモンスター [思考・状況] 1.みんなについていく 2.もう一人の遊戯に会ったら謝罪する。 3.罪滅ぼしする。死んでいった人、殺した人の意志を受け継ぐ。 4.春香の最期が気になる。 5.ハルヒ達のことが気になる。 ※レイジングハートがスターライトブレイカー・プラスに関するデータを抹消されているようですが、今のつかさの知識ではそこまで理解できませんでした ※ヤンマーニBGM+SIGP210によるヤンマーニモードは、肉体、精神に膨大な疲労を残します。 ※ヤンマーニBGM+SIGP210による覚醒中のみ、鬼狩柳桜が抜けました。 他の人にも抜けますが、本来の抜く方法ではないためか、BGM終了後、人知れず鞘に戻っています。 ※遊戯やレナのように、ピエモンについて何か考えているかもしれません。 ※Fooさんの笛技を身につけました。全体回復の赤とんぼ、敵全体の攻撃力減衰の夕焼け小焼けはマスターしました。 他にマスターする技に関しては、ニコニコRPGを参照http //www5.atwiki.jp/nicorpg/pages/118.html ※日吉、レナ、ピエモン、つかさのDCSは解除されました、副作用とかは今の所ないです ※ことのはの持っていた妖精の剣と鋸、気合の鉢巻は格納庫の一角に突き立てられています 【ことのは@ヤンデレブラック 死亡】 【たいやき@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦 死亡】 【オクタン@ポケットモンスター 死亡】 【アイスデビモン@若本 死亡】 【残り10人】 ◆ ◆ ◆ 「神(笑)だ!」 「本当だ、中二病だ!」 「痴女だ!」 オペレーター室が嫌に騒がしくなる。 それもそのはず、突如現れた竜巻に乗ってハルヒこと神(笑)こと自称超鬼神(ryが現れたのだ。 神(ryはただその場で何もしていなかったが、騒ぎが煩いのか、中心にいたオペレーターを捻り潰した。 そして見せしめを捕食した段階でその騒ぎは止まった。 「さっきから神(笑)、神(笑)……うるさいのよ! このニコ厨どもが! 私は本物の神! 鬼超神聖究極世界魔帝王全知全能唯一神(アルティメットワールドインテリジェントデーモンエンプレス・ゴッドカーニバルアトランティス)HALなのよ!」 「でもなぁ……」 口答えを始めたオペレーターがまた捻り潰し、再び起こりそうだった騒ぎを止めた。 「あんたらに要求することはただ一つ。 今すぐニコ厨を止めてHAL厨となり、私に協力してあのクソピエロどもをふんじめること。 もしそれが出来ないっていうなら……」 「死ぬ、ということですか?」 「そう、少しは物分りがいいじゃない。今ならサービスでさっきの非礼は許してあげるわよ」 神(ryは問う。その答えを。 もちろん、デジモンたちの胸中は全員決まっていた。 「そんなくだらないことはお断りだね! 俺達はロリコン、てめぇみたいな年増に興味はねぇんだよ! そうでなくてもお前みたいなゲロ臭せぇ本物の外道についていく奴は、この中に誰も居やしねぇんだよ! 俺達は、誇り高いエリートオペレーターにして、ニコ厨だ! HAL厨なんてごめんだね!」 その啖呵を切ったリーダーらしきデジモンに賞賛の声、拍手が上がる。 しかし、それは長続きしなかった。啖呵を切ったデジモンが血の塊に変化したからだ。 「ああ、ちょっとばかり間違ってたけど、断るなら全員私の腹の中 情報改変もして逃げられ無くしたし、そうでなくても逃げようなんて考えてる奴はあのセイバーが逃すはずはない。 というわけで、神を侮辱した無礼者には死んでもらうわ」 「……はい、主」 そして、虐殺が始まった。 ほんの数分のうちに、オペレータールームは血の海に変わり果てた。 その中心にいる神(ryは、手にデジモンの肉片を持ち、口を咀嚼させながらオペレーター室のコンソールを弄っている。 「んー、なかなかうまくいかないものねぇ。 まぁいいわ、あのマルクとか言うクソピエロの首を持って来れば少しは気も変わるでしょ 最も、そんな気はさらさら無いけどね、HAL厨なら喜んで私の血となり肉となるはずだもの」 セイバーは神(ryの姿を見る。 "神は死んだ"、そう考えた。 自分を救うものは、もう誰もいたりはしない。 【クッパ城 オペレーター室/三日目・深夜】 【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:鬼超神聖究極世界(ry、全裸マント、デーモンの肉体、 神への覚醒、超機嫌、食事中 [装備]:デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、 [道具]:支給品一式*19(食料7食、水16食分消費)、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、 テニスボール*2、雛見沢症候群治療セット1.5日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に 、 マウンテンバイク@GTASA、花粉防止用マスク、ドリルアーム、笛@スーパーマリオ3 糸(あと二メートルほど)、裁縫針、武器になりそうな薬物、DCS-8sp、退魔の剣@怪~ayakashi~化猫、 アニマルマスク サラブレット@現実、ダンボール@メタルギアシリーズ、ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、 庭師の鋏@ローゼンメイデン、おたま@TOD、 カワサキのフライパン@星のカービィ、 ワイン(残り半分)、傘@現実 、A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、塔組の推理メモ、 塔の『バグ』について纏めた紙 、グルメテーブルかけ(残り15回)@ドラえもん、 アイスソード@ロマンシング・サガ、 スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ、コイヅカの生首 【DMカード@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 使用可:死者蘇生 深夜まで使用不可:ブラック・マジシャン・ガール、ホーリーエルフの祝福、ゴキボール、強制脱出装置 次の朝まで使用不可:オレイカルコスの結界、オシリスの天空竜、オベリスクの巨神兵 次の午前まで使用不可:エネミーコントローラー 次の深夜まで使用不可:セイバー [思考・状況] 1.食事しながらオペレーター室を調べ、マルクやピエモンの居場所を探す 2.残った者は全員神たる自分の一部とする 3.主催者や対主催を皆殺しにして新世界を創造する。神である私が絶対である世界に。キョンは神の眷属として蘇らせてやる 4.全世界の破滅を救う神として、すべての世界に名を残す。 5.ニコニコ動画をぶっ潰して、代わりにHALHAL動画(神)を開設する ※狂いました。それを自覚していません ※自分の能力を信じました。神人を召喚したりなど、能力を使えるようになりましたが、 会場全体にかけられた制限があるためまだ完璧ではありません。 デーモンの能力と混じったためかなり弱まってしまいました。 ※古泉を『吸収』し、彼の能力を手に入れました ※水銀燈のローザミスティカを『吸収』して能力を手に入れました ※完全に体を乗っ取っています。誰がデーモンのように反乱して来ても、神(笑)には勝てないと思います ※閣下の死体を少し食べましたが、体に変化はないようです。 吐きそうなほどまずいらしいので、食べずに放置しました。 ※細かいところは違いますが、ニコロワが開かれた理由について理解しました。 ※支援動画を全て見ました ※城突入時にケンジのカメラとバルサミコ酢を落としました。焼失はしていません ※クッパ城の端で火柱が上がりました。損害は軽微ですが遠方にも光は届いたはずです ※オペレーター室のデジモンが全滅しました。 ※BKMGのカードは捕食され消滅、ハルヒの一部になりました sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 時系列順 sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 投下順 sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 竜宮レナ sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 柊つかさ sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 武藤遊戯 sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 日吉若 sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 ピエモン sm231:終端の王と異世界の騎士 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 アイスデビモン 死亡 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 博麗霊夢 sm232:青の炎Ⅰ ~ラスボス空~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 カービィ sm232:青の炎Ⅰ ~ラスボス空~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 マルク sm232:青の炎Ⅰ ~ラスボス空~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 KAS sm232:青の炎Ⅰ ~ラスボス空~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅲ ――バルバロッサ作戦 涼宮ハルヒ sm231:終端の王と異世界の騎士
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第二次ニコロワ大戦Ⅰ ――War to End All wars ◆qwglOGQwIk (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第230話 「これは一体どういうことなのサ……」 食堂に戻ったマルクは、その惨状を見てそう呟かざるを得なかった。 大量に散らかった料理の皿だけがそこにあって、食堂であれほどやかましく作業していたデジモン達の姿は一人も確認することが出来なかった。 周りに声をかけても、やはり誰も反応しなかった。 ここで何かあったのは間違いないが、それは既に全て終わっているのだ。 ならば、何があったか考える。 一番最初に思いつくのは既に対主催がクッパ城に到達していて、何かの目的があって食堂を襲撃した場合。 しかしそれにしても全てのデジモンが居なくなるのはおかしいし、皿の量も尋常ではない。 そして厨房に整理されているお皿は何故か殆ど手付かずである。つまりこの皿は何者かが用意したものと考えていい。 ここまでの監視の結果、対主催にそんなアイテムを支給した覚えはないし、グルメテーブルかけがあるならわざわざ食堂を襲撃して料理を略奪する理由はひとつも無い。 したがって、この可能性はまず無いと考えていい。 第二は逃げ出したKASだが、こちらも対主催と同じで襲撃する理由も、大量の皿に説明は付かない。 第三の可能性は霊夢が到着した場合だが、やはり同じだ。 となると第四の可能性、イレギュラーの介入以外にはありえない。 そしてそれに当てはまる不振人物はあのピンクの少女以外にはありえない。 デジモンが居なくなり、代わりに大量の汚れた料理皿。 ならば、あの少女の能力はデジモンを料理に変える程度の能力だとでもいうのか。 それはまるでカービィのコピー能力、コックのようで………… そこまで考えた時点で、マルクに電流が走るッ………!!! あれは……、カービィだ。マルクはそう確信した。 変幻自在の能力を使いこなすピンクの少女、その能力はカービィのコピー能力に酷似していた。 というよりはそのものだった。実際に戦ったことがあるのだから間違い無かった。 ペイントの前例を考えれば、この惨状がコック以外に説明が付かないことに納得がいった。 何故あの時気が付かなかったのか、それを今更後悔するが、時は既に遅かった。 萌えモンパッチが阿部さんに没収された時点でカービィが人型になれたことは完全に失念していたし、そもそもジアース戦でカービィは死亡していたはずなのだ。 それが何の偶然に助けられたのか生きてクッパ城までたどり着いてしまったから、生体反応が検知できず死亡扱いにしてしまったのだ。 今なら分かる、あの少女はカービィだ。 となると、カービィはあの後素直に宇宙ポッドで脱出しようとはせず、デジモン達を生贄にして料理を作り、食らったというわけなのだ。 「やってくれるじゃないか……」 ロリコンでゆとりとはいえ、大事な部下を全滅させられて怒らないマルクではなかった。 ふるふると震え、怒りを顔に漲らせながらその場を立ち去った。 「次にあった時は必ず殺してやるのサ…………」 マルクがオペレータールームに入り、出迎えにやってきたデジモン達はマルクの表情を見て畏怖していた。 狂気と言って差し支えない、歪んだ笑いをしたマルクがそこにいた。 「マ、マルクたん、報告します……。対主催が、こちらにやってきました」 「映像を出すのサ」 オペレーター達が慌てて映像を出す。 そこには対主催ご一行4人と、見慣れない幼女が一人。 「あの幼女は一体何なのサ?」 「わ、分かりません……」 一息ついて思慮をめぐらすマルク、とはいえ幼女の正体には見当が付いていた。 見覚えのある道化衣装をつけていることから、萌えモンパッチを適用したピエモンでまず間違いないだろうと予想した。 会場の方はといえば、もう生存者はいないようだ。 全ての役者はここ、クッパ城に集結しているのだ。 「さて、そろそろ放送を行うのサ、最後のね」 そう言うとマルクはマイクを手に取り、最後の放送を始めた。 ▼ ▼ ▼ ピ、 ピ、 ピ、 ポーン。 『午前0時をお知らせします』 いつものように始まった放送は、最後なので少々風変わりに始まった。 もはや恒例となっていた、マルクの笑い声はそこには無い。 『みんなよく頑張ったね、よくここまでたどり着いてくれたのサ!おめでとう!!!!!』 マルクは放送の先に居る参加者を褒め称え、拍手を送っていた。 パチパチパチと音だけが響く、笑い声も無ければ笑いも無かった。 『さて、それじゃ放送と行きたい所だけど…… やっぱりボクにはシリアスキャラは似合わないのサ! キャハ、キャーハハハハハハハハハッ!! やっぱりこうでなくっちゃね。 でもボクは大切な部下を皆殺しにされてちょ~っとばかりトサカに来てるのサ。 もちろん犯人は大方予想が付いてるよ。カービィ、君だろう。 なんで死んだはずの君が生きてるのかはおいておいて、死人が歩き回ってちゃ放送の意味が無いのサ! だから、楽しかった放送はもうこれでおしまい。ここまでの死者も教えてあげないのサ! みんなここ、クッパ城に到着したみたいだから余計な邪魔は無し。 本当は霊夢と弾幕勝負したかったけど、面倒くさいからカービィも霊夢も逃げ出したKASも少数派も、みんなまとめて相手をしてやるのサ! ボクはクッパ城最深部、みんなを最初に集めたあのホールで待ってるのサ! ボクを倒せば全部これでおしまいにしてあげるよ。ピエモン君が見当たらないみたいだけど、どうせこっちに来るだろうしね。 ま、ボクは負ける気なんてさらさら無いから、余計な遠慮は無用ッサ! それじゃ、待ってるからね~』 放送を終えたマルクが、その辺りにいたオペレーターの一匹に声をかける。 「例のものは用意してくれたかい?」 「はいマルクたん!最高級の一番茶を用意しておきました」 マルクは一番茶と湯飲み、それに急須を受け取り、オペレーター室から出ようとした所、特徴的な声が響く。 「ぷるあああああぁぁぁぁマルクさまああああああぁぁぁぁ」 「アイスデビモン君!」 「そうですマルク様、実は報告しなければいけないことがあるのですってヴぁ! 聞いてくださあああああぁぁいいい!!!」 「ま、まぁ分かったから落ち着いて報告するのサ……」 アイスデビモンからの報告を簡単にまとめるとこうだ。 1、ピエモン君、もといピーちゃんはあの幼女で間違いない 2、ピーちゃんはボク達が裏切って自分を落としいれようと勘違いしている 3、ボクを倒すまでの間対主催と共闘している 「…なるほど、良く分かったのサ」 「マルク様!どうか貴方の手でピエモン様の目を覚まして……」 「めんどくさいから嫌なのサ」 アイスデビモンの哀願は、哀れにも一蹴された。 「ボクだって暇じゃないのサ、もうここに来ているはずの霊夢のお出迎えに対主催の相手にカービィ…… そうだ、アイスデビモン君、丁度いいから対主催とピエモン君改めピーちゃんの足止めをお願いしたいのサ!」 「そ、そんなマルク様ああああああぁぁぁぁ!!!!!!!」 アイスデビモンはマルクの足に抱きつき、嘆いている。 その様子を見たオペレーター達の目線が、同情から殺意に変わったことには気が付いていない。 「たしかにピエモン君との付き合いは結構長くなるし、敵対するのも嫌なのサ。 でもラスボスの座を奪われるのはもっともーっと嫌なのサ! だからアイスデビモン君はボクがピエモン君と敵対なんか全然していないことをきちんと伝えて、こっちに戻ってくるよう説得するのサ! でもそれができないなら、邪魔だから倒しちゃっても構わないのサ。 もちろん説得は、正直に報告したアイスデビモン君を信頼しているからこそまかせたのサ」 「マ、マルク様あああああぁぁぁぁ!!! わかりましたああああああぁぁぁぁ、不肖のアイスデビモンですが、喜んでお役目を果たしてまいりますううぅぅぅぅ!!!!!」 「じゃ、頑張ってくるのサ、と言いたい所だけど、これを持っていくといいのサ」 そう言うと、マルクは紅黒く、綺麗な宝石とノートパソコンをアイスデビモンに渡す。 「マルク様、ノートパソコンは分かりますがこれは何ですかってヴぁ?」 「魔血魂さ、これを使えば君はもっと大きな力を手にして進化できるようになるのサ! ちょっと強すぎかもしれないけど、これぐらいで負けるような対主催とは相手をする気は無いのサ」 「わかりましたああぁぁぁ!!!それでは行ってまいりますうううううぅぅぅ!!!」 アイスデビモンは勢いよく走り出し、あっという間に姿は見えなくなった。 「いい子なんだけど、ちょっと暑苦しいのは玉に傷かな……。 さて、そろそろ行かないと遅刻しちゃうのサ!」 マルクはジャンプ機能の行き先をホールに設定し、ほくそ笑む。 「ちょっとばかり邪魔者が入りすぎたけど、これで無事弾幕ゴッコが出来るのサ」 そして、マルクの姿はオペレータールームから消えた。 ◆ ◆ ◆ 「……本当に結界が解除されていやがる。本当に結界なんてあったのか」 「間違いなくあったはずだ。こうしてワープゾーンまで辿りつけたのが何よりの証拠だ」 「あの個性的な演奏うまく行ったのは、ちょっと信じられないかな?かな?」 線路の先にあった駅に辿り着いた少数派一行、つかさは演奏のことを未だに話題に出され、orz状態になっていた。 その一行がピエモンに案内された先にあったワープゾーン。 霊夢を飛ばしたジャンプ機能と同一のものらしく、これを使えばクッパ城の玄関へいけるらしい。 「それじゃあ、いっちょ乗り込むとしますか」 「ちょっと待って」 日吉が我先にと進もうとした所で、レナがその足を止めさせる。 「おいレナ、どうしてここで立ち止まる必要がある」 「それはね……」 「この先にすぐアイスデビモンやマルクが待ち構えてるかもしれないのに、何の準備もせずに乗り込むなんてねぇ」 レナが説明しようとした所で、遊戯が代理の言葉を口にする。 「アイスデビモンか……、そういえば何故奴はあそこで暴走なんて……」 「あの場所だからでしょ、考えればすぐ分かることだよ」 「どういうことだ、遊戯?」 ピエモンが遊戯に続きを催促する。それに皆も耳を傾ける。 「簡単なことだよ、どうしても結界を越えて城の中に皆で来て欲しくなかったからさ。 あのタイミングは本当に絶妙だったよ。つかさが居なかったら僕達はあそこで立ち往生して、何も出来なかったはずだからね」 「何故、結界を越えて欲しくないと?」 「霊夢のことを思い出して欲しい、どうして霊夢だけ招待なんてしたのか。 あんな回りくどいことまでして、なんで霊夢だけを?」 遊戯は疑問を口に出し、答えは出さない。 つかさはあうあう言っていて、自分だけ答えが分からないのが不満のようだ。 レナや遊戯に催促を促している。 「……各個撃破かっ!」 「そう、よく分かったね」 かかった、と遊戯は思った。 本当に各個撃破を望んでいるのかどうかは定かではないが、ピエモンがそう結論付けて貰えさえくれれば真実などどうでもいいのだ。 とにかく離反をさせないことが重要であり、そのためには集団で行動する理由付けを与えなければいけないのだ。 「もしやつらが僕達が城に入ったとする、その時出てくるのは間違いなくアイスデビモン。 ピエモンの離反に気が付いたら、まずピエモンが騙されてないというように説得を始めるんだと思う」 「それも、あのマルクの作戦のうちというのかッ……!!!」 ここまでうまく騙されてくれるとは思わなかったが、これでアイスデビモンが何か言おうとも耳を貸す気は無いだろう。 もしこれから何かあるようなら、この先も適当に言いくるめて最後まで利用すればよい。 少なくとも、霊夢がここには居ない今、貴重な戦力であることには間違いないからだ。 ちなみにつかさも、遊戯君頭いい~とばかりにすっかり言いくるめられている。 真意を知るレナは押して黙り、日吉はイマイチ納得し切れていないようだ。 「そういうわけだから、まずは装備を整えようかな?かな?」 レナの提案で装備を順次出しながら、装備をいつでも使えるように順次譲渡していった。 戦闘力の少ないつかさにたいやきとオクタン、それに毒針とスタンガン、宝石のようなものを譲渡し、マジックシリンダー・攻撃誘導アーマー、光の護封剣はDMカードをうまく使える遊戯に譲渡。 すっかり冷めたきしめんは日吉が平らげ、傷の深い遊戯、日吉、ピエモンにオボンの実を一つずつ与えた。 遊戯はトランプソードをピエモンにしぶしぶ返却し、日吉はレナの分も含めて3つのテニスボールを受け取った。 そしてドーピングコンソメスープを全員に配り、いつでも使えるよう携帯することにした。 日吉はプラスパワーをポケモン持ちのつかさに3つ譲渡し、残りの二つは自分用として持つことにした。 ことのはさんが使うとつかさが言ったため、ことのは用の鋸も一緒に渡した。 そして、予備弾薬を全ての火器に充填した。 その途中でつかさはSIG P210を使いたいという旨があったため、つかさに予備弾ごとそれを譲渡した。 そんなこんなで、装備品譲渡は順調に進んでいたのだが…… 「なにこれぇ?銃?」 「うっ……」 遊戯が取り出したそれを見て、日吉が絶句する。 「日吉君、これは一体どういう武器なの?」 「ああ、それはな……」 『素晴らしいティアナ専用デバイス、クロスミラージュだぜティアナっぽいお嬢さん』 「……まぁ、こんな感じの変態だ。一応魔法の素質があれば魔法が使いこなせるらしい」 「へぇ……」 『お、そこのピンクの髪の子もおっぱいがちっこいみたいだけど可愛いじゃないの おいそこのツンツン頭! てめぇ何よさげなょぅじょを捕獲してやがるんだ貴様ぁぁぁぁああ!!!』 「あ、あうううう……」 「わ、私を幼女呼ばわりするなぁああ!」 思わぬセクハラ発言に、つかさは再び心に深いダメージを受ける。ピエモンはぷんぷんと可愛く怒っている。 「圭一君より、ずっとずっと酷いねこれ……」 『お、なんだか酷い言われようだが、これでも凄い役に立つんだぞ!』 「本当に役に立つの?」 『魔法の素質さえあればな、と言うわけでそこの白帽子のお嬢さん、早速私を手にとって下さい』 レナは意を決したようにして、クロスミラージュを手に取る。 『これは……当たりだ!』 突然レナの体が光だし、そして裸になった。 その様子を見てきゃあと叫んで目を隠しながら、こっそり見ているつかさ、恥ずかしくなって横を振り向く日吉と遊戯。 そして呆然としているピエモンの前で、レナの発光は止まった。 水着のような、女騎士のような姿のレナがその場に現れたが、何やら様子がおかしい。 というか顔がニンマリと笑っている。 「ぱぱぱぱ、パンツめくりしたいんですぅ~~~」 「き、きゃぁぁぁぁああああああ!!!」 その言葉が放たれたとほぼ同時に、つかさのスカートが重力に逆らうかのように上向きになった。 そしてレナはつかさの下腹部に顔をこすりつけ、お持ち帰り~やらパンツめくり~やら呟いていた。 フヒヒヒヒとウハウハ、天国じゃあ~と叫ぶ銃が、この惨状の犯人を明確にあらわしていた。 日吉は顔を赤らめ、悪態を付きながら事態の収拾を図りだした。 遊戯とピエモンは呆然としている。というかピエモンはなんだか嬉しそうだ。 いい加減にしないと、遊戯が恥ずかしさでぶっ倒れてしまいそうな光景が目の前には広がっている。 服がめくれてだらしない格好になっているレナと、それに劣らず、制服の殆どを脱がされて恥ずかしい所を晒しているつかさ。 もう、パンツに手を掛けている。このままでは間違いなくヤバイ。やばすぎる。 「こんなことにKIを無駄使いしたくないし、さっきの新技でも試してみようかね……」 日吉は右拳に気合を入れ、クロスミラージュめがけてフタエノキワミを思いっきり放った。 最悪、壊れるかもしれない全力の力で。 『あqwせftgyふじこlp;@……って何しやがるんだ!お楽しみ中だったのに!』 「はっ……ってつかさちゃん、どうしてそんな格好を」 「れ、レレレナちゃんの不潔ぅぅぅぅううううう!!!!」 つかさは泣きながら遊戯と日吉の影に隠れてしまう。 レナが疑問符を浮かべてさっぱり何のことやら分からないと言った所だったが、日吉の指先にあるものを見て納得する。 そこには卑語を思いっきり喚き、気味悪い笑い声を上げるクロスミラージュがあったからだ。 『そういうことよ、まさか本当にちょっとばかりとはいえ魔法の才能があったとは驚きだったけどな。 フヒヒヒヒ……ちょっとばかりなじんでたから、ティアナみたいに操らせてもらったぜ。 それにしてもさっきは天国みたいだったなぁ、かわいい女の子のやわらかい太股の間で擦られて フヒ、フヒ、フヒヒヒヒ…………』 その笑い声が心底煩いと言った様子のレナは、鉈をクロスミラージュの横に思いっきり叩きつける。 その打撃音を聞いて、ようやくトリップ中だったクロスミラージュの笑い声が止まった。 「…嘘を付いてたんだね」 『い、いや嘘じゃなくて、そのバリアジャケットもちゃんと効果が……』 「嘘だッッッ!!!!!!」 レナの怒声が響く、クロスミラージュは怯えた声で先を話す。 『いやいやいや本当に本当だって、なんかつい最近目覚めたような変な感じだったけど、バリアジャケット展開はうまくいったんだって! そのバリアジャケットは俺と竜ちゃんの趣味の結晶だけど、ちゃんと銃弾ぐらいは軽く弾ける強度はあるって!』 「じゃあ、なんであんなことしたのかな?かな?」 『そ、それはだな、最近溜まってたからついついやっちゃっただけでして。 もう二度とやらないから許して……お願いします…………』 クロスミラージュの哀願に対してレナはもう一度怒声を浴びせる。 「嘘だッッッ!!!!!!」 『いやああああああ、なんでバレてるのおおおおお、本当に勘弁してください。 壊さないで頼むから壊さないでいやああああ、今度こそ本当に何もしませんしませんしません、命に誓います!』 「うん、分かった」 『あ、ありがとうございます』 「でも、本当に困ってるなら相談してくれていいよ、たしかにちょっと……恥ずかしいけど、勝つためならしょうがないし…………」 『な、なんだってー!それじゃこんどはレナちゃんの……』 「まだ話は終わってないの、黙って」 レナはクロスミラージュを脅しつけ、まず言葉をつむがせる。 「それは全ての戦いが終わってから、そしたら少しぐらいなら貴方の望みを叶えてあげてもいい。 でもね、もし戦いの途中ふざけなんかしたら…………わかるよね?」 『わ、わかりましたああああああ。漢クロスミラージュ、全力でレナ様に仕えますッ!!!!!』 クロスミラージュの調教が終了した所で、ニコニコしてレナは皆に全てが終わったことを告げる。 その様子を見ていた全員が、レナに対して戦々恐々といった様子のようだ。 その後レナはつかさに平謝りをし、クロスミラージュに乗っ取られないよう、手に包帯をぐるぐる巻きにした。 効果はあるか分からないが、とりあえずクロスミラージュと接触するのはもう御免といったレナだった。 「なんか……まだ戦っても居ないのに疲れたぜ……」 「日吉君、ごめんね……」 「いや、頼むからその話はもうやめてくれ……。後、こいつも返す」 日吉はレナにフタエノキワミ書を突っ返し、はぁと溜息を付きながらレナに先のことを促せる。 気を取り直した一行はというと、まずピエモンと日吉、次につかさ、最後にレナと遊戯という順番でワープゾーンに飛び込むことにした。 「そういえば遊戯君」 「うん?」 「どうしてピーちゃんのことをビーちゃんって呼ぶの?」 「え、といわれても……ビーちゃんのほうが語呂がいいからかな?」 「Bちゃんねぇ、なんだか不思議としっくりくるよね、なんでかな?」 「さぁ、僕にはよく分からないかな?」 「まあいいや、聞きたかったのはそれだけ」 そして、最後に残った遊戯とレナもワープゾーンに入り、ジャンプ機能でクッパ城入り口に飛ばされた。 レナと遊戯が到着し、一時的に変えていたピエモンのお守りを変更した後、全員で周りの様子を確認する。 ピエモンが言っていた見張りのデジモンも、懸念事項のアイスデビモンともとりあえず遭遇はしなかった。 「それにしても、拍子抜けするほど警備が甘いね」 「ああ、私もこれはおかしいと思っている。 友人涙目の鬼畜ステージがクッパ城全域に張り巡らされていたはずなのにそんなものは全然存在しない。 いくら部下どもが役に立たないからと言っていくらなんでもここまで酷いとは……。まさかゆとり以下の警備になっているとはおもわなかった。 そうか……これもマルクの奴が…………」 ピエモンが再び疑心暗偽モードに突入しているが、それはレナたちにとっては好都合であったので止めはしなかった。 ピエモンが一息ついたところで、基地のことを聞く。 「それでピーちゃん、さっき言ってたハルバードはどこにあるの?」 「場所は良く分からないが、あれだけの巨大戦艦だ。大方格納庫にでもあるんだろう。 その格納庫の場所なら私でも分かる。案内しよう」 そう言ってピエモンは前に躍り出ようとするが、結局日吉の包丁に遮られてしまった。 主導権をとることに失敗したピエモンは、しぶしぶ道を指差しながら歩く。 途中デジモンの集団に何度か出くわすことがあったものの、その時はレナがすかさず始末をしている。 周り中から敵が集まってくるかと思ったが、ピエモンも言うように警備が異常に甘いとなっている。 ピエモン曰く、マルクが部下を使って何やらよからぬことを企んでいるせいだ。もしくは私達を始末する戦力を招集しているんだなど。 話半分に聞いた方がよさそうな説ばかり飛び出てきた。 しかし、それを差し引いても警備の甘さの正体に説明は付かず、堂々巡りを辿っていた。 と、クッパ城を進んでいたレナ達少数派一行の前に、再びマルクが現れた。 その表情はいつもと違い強張り、甲高い笑い声は無かった。 と思ったが結局いつもの笑い声と共に放送が始まった。 ……それじゃ、待ってるからね~』 放送は全て終了したが、一番重要だった死者情報は手に入らなかった。 しかし、代わりにカービィが生きていることが分かった。 何故カービィが生きているのかは分からなかったが、とにかく貴重な情報だった。 カービィを探し出して合流すれば、期待以上に戦力を得ることが出来る。 それどころか、捕まっていたはずのKASが脱走したことまで明らかになっている。 兎にも角にも重要な情報だらけの放送であった。 ピエモンはというと部下の失踪がカービィのせいと知って、一時はマルクの真意を測りかねていた。 しかし放送中でマルクは、まるでピエモンが裏切って行動するかのような言動を見せていた。 それを聞いて、ピエモンはますますマルクを疑い始めていた。 「カーくんが生きてたんだ……よかった……」 つかさは放送を聴いて涙を流し、死んだはずの仲間の思いがけない復活に喜ぶ。 一方のピエモンはというと、 「油断するな、カービィが生きていると言うのは嘘かもしれん、確かめるまでは油断するな」 あいかわらず疑心暗偽に陥っていた。 そんなピエモンに一行は適当に相槌を打ちながら、ピエモンに先の案内を促せた。 この城のどこかにカービィとKASがいるかもしれないとはいえ、放送だけでは何処にいるのかが分からない。 ここに居ないKASにカービィがマルクの誘いに乗ってホールまで行くとも思えない。 霊夢にしても、救出するべきKASが居ない以上わざわざマルクと弾幕勝負をする必要は無い、ならばハルバードの入手を優先するべきだと考えていた。 その後も特段変わったことは無く、ピエモンの案内通りの場所に巨大な格納庫があった。 格納庫の中は巨大な滑走路になっていて、クッパ城の中でも特段広い天井が上には広がっていた。 その格納庫の中にはお目当てのハルバード、そして前に仁王立ちをするアイスデビモンの姿が見えた。 「ピエモン様、やはりこちらに来ると思っていましたてヴぁ……」 「アイスデビモン……何故お前はあの時私を裏切ったのだ……」 アイスデビモンに対し、ピエモンはあの時の真意を問うべく言葉を紡ぐ。 ここで余計なことを言われてはたまらない遊戯は、すかさず次の句を差し込む。 「そんなの決まってるじゃないかビーちゃん、マルクがビーちゃんごとまとめてあそこに隔離したかったからさ」 「それは違うってヴぁ!!! マルク様はちゃんとこうおっしゃられたってヴぁ! ボクはピエモン君と仲良くしたいって言ってたってヴぁッッッ!!!!」 アイスデビモンはノートパソコンを取り出し、動画を再生する。 そこにはマルクの姿が映っていた。 動画の中でマルクは、ピエモン君は何か勘違いをしているみたいだけど、ボクはピエモン君と敵対する気なんか全然無いよ。 と言いながら笑っている動画が再生されていた。 遊戯とレナは確信する、間違いなくマルクは裏切ってなどいないことに。 そして、この動画を見たピエモンの思考を早く誘導しなければ、今の状況を疑ってしまうことにも。 だが、ピエモンから発せられた一言は完全に彼らの予想を超えたものであった。 「くだらんな」 ピエモンの第一声はそれだった。 対主催を疑っていない、むしろ動画に懐疑的なニュアンスさえ感じるその言葉。 だが、何故ピエモンは疑っている。 「どうせ私を懐柔して、こいつらと同士討ちでもさせる気なのだろうマルクよ。 私と仲良くしたいみたいだが、お前がどんなことを考えてるのか手に取るように分かるぞ。 いつもいつも馬鹿にしくさって……部下のデジモンたちがBだとか、(笑)だとか……」 「ピエモン様!何故ですかぷるああああぁぁぁぁぁ!!!!」 「やかましいわ! どうせお前も心の底では私を馬鹿にしているんだろう!」 「そんなことありませんってヴぁ! 私は心底マルク様とピエモン様のことを敬愛してるってヴぁ!」 「ええい、減らず口を!」 ピエモンに何があったか知らないが、どうやら主催者達の中でピエモンの扱いが微妙によろしくなかったことだけは分かった。 この疑心暗偽状態というのも、そういうのが積もり積もった結果なのだろう。ピエモンに人望、カリスマが足りなかったせいだろうが。 むしろこの幼女状態で泣き喚いてる姿を見れば、かりすまがだだ漏れと言わざるを得ないような末路でさえあった。 「そうでかってヴぁ……、ならば私はマルク様から命じられた第二の命令を果たさなければいけないってヴぁ…… 第二の命令、それはピエモン様達の足止め、むしろ倒してこいと言われたってヴぁ!!!!」 「やはりマルクの奴は私を殺す気だったのか、懐柔に失敗した途端にそれとは片腹痛いわ!」 もはや恒例とかしたピエモンの超推理に誰もツッコミを入れるものは無く、目の前のアイスデビモン戦に全てを傾けていた。 アイスデビモンは赤い宝石を取り出し、それを掲げて何やら言葉を紡ぐ。 「アイスデビモン、ワープ進化ああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」 sm229:悪ノ召使 時系列順 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm229:悪ノ召使 投下順 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm227:明日の勇気 受け継ぐ者(後編) 竜宮レナ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm227:明日の勇気 受け継ぐ者(後編) 柊つかさ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm227:明日の勇気 受け継ぐ者(後編) 武藤遊戯 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm227:明日の勇気 受け継ぐ者(後編) 日吉若 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm227:明日の勇気 受け継ぐ者(後編) ピエモン sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm227:明日の勇気 受け継ぐ者(後編) アイスデビモン sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm226:星神飛行 HALッ☆ 博麗霊夢 sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm226:星神飛行 HALッ☆ カービィ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm228:それが俺のジャスティス マルク sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm228:それが俺のジャスティス KAS sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦 sm229:悪ノ召使 涼宮ハルヒ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅱ ――魔王穴子戦
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