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2009年11月 作成 2010年5月 『季刊ミステリ』20号(2008年夏)「日本に紹介された韓国ミステリ」を参考にして増補 2011年11月26日 整理、ページ名変更 目次 単行本キム・ソンジョン(金聖鍾、1941年 - ) キム・ヨンハ(金英夏、1968年 - ) イ・ジョンミョン その他 アンソロジー 雑誌掲載ミステリマガジン(早川書房) ジャーロ(光文社) 金来成(キム・ネソン)の作品 単行本 キム・ソンジョン(金聖鍾、1941年 - ) 金聖鍾(キム・ソンジョン)『ソウル 逃亡の果てに』 (祖田律男訳、新風舎文庫、2005年4月)(原著刊行1981年、『나는 살고 싶다』→1996年版) 金聖鍾(キム・ソンジョン)『最後の証人』(上下巻) (祖田律男訳、論創社、2009年2月)(原著刊行1977年、『최후의 증인』→2003年版) キム・ヨンハ(金英夏、1968年 - ) キム・ヨンハ『光の帝国』 (宋美沙(ソン・ミサ)訳、二見書房、2008年12月)(原著刊行2006年、『빛의 제국』(→2010年版)) 金英夏(キム・ヨンハ)『阿娘(アラン)はなぜ』(森本由紀子訳、白帝社、2008年12月)(原著刊行2001年、『아랑은 왜』(→2010年版)) イ・ジョンミョン イ・ジョンミョン『風の絵師』(2分冊) (米津篤八訳、早川書房、2009年5-6月)(原著刊行2007年、『바람의 화원』) イ・ジョンミョン『景福宮(キョンボックン)の秘密コード』(上下巻) (裵淵弘(ベ・ヨンホン)訳、河出書房新社、2011年9月)(原著刊行2006年、『뿌리깊은 나무』) その他 李文烈(イ・ムニョル)『ひとの子 ――神に挑む者――』 (安宇植(アン・ウシク)訳、集英社、1996年4月)(原著刊行1979年、『사람의 아들』(→2004年版)) 朴商延(パク・サンヨン)『JSA 共同警備区域』 (金重明(キム・ジュンミョン)訳、文春文庫、2001年5月)(原著刊行1997年、『DMZ』) ※映画の原作小説(映画のノベライズ本ではない) 李垠(イ・ウン)『美術館の鼠』 (きむふな訳、講談社 アジア本格リーグ3、2009年11月)(原著刊行2007年、『미술관의 쥐』) イ・イナ『永遠なる帝国』 (武田康二訳、文芸社、2011年12月)(原著刊行1993年、『영원한 제국』(→2006年版)) アンソロジー 『コリアン・ミステリ 韓国推理小説傑作選』 (祖田律男ほか訳、バベル・プレス、2002年5月) 短編13編収録。韓国推理作家協会編、1998年版『今年の推理小説』の翻訳。「キム・ソンジョン」の漢字表記が、上記の単行本の時と微妙に異なる。 「本当の復讐」 黄世鳶(ファン・セヨン、1968年生) 「訪問者」 金楠 (キム・ナム、1944年生) 「平倉洞(ピョンチャンドン)の殺人陰謀」 崔鐘澈(チェ・ジョンチョル、1949年生) 「血統」 金容相(キム・ヨンサン、1942年生) 「疑心の代償」 黄美英(ファン・ミヨン、1957年生) 「失踪」 金聖鐘(キム・ソンジョン、1941年生) 「敵と同志」 柳禹提(ユ・ウジェ、1955年生) 「地獄への道行き」 李祥雨(イ・サンウ、1938年生) 「隠しカメラ」 李勝寧(イ・スンヨン、1963年生) 「標的」 林紗羅(イム・サラ、1963年生) 「いとしのシンディー・クロフォード」 金尚憲(キム・サンホン) (注:目次では「いとしのシンディ・クロフォード」) 「ブラック・レディ」 魯元(ノ・ウォン、1931年生) 「月夜の物語」 李秀光(イ・スグァン、1952年生) - 韓国推理作家協会会長(2011年現在) 雑誌掲載 ミステリマガジン(早川書房) 『ミステリマガジン』2000年10月号 (特集 コリアン・ミステリ・ナウ)「その夜は長かった」 李秀光(イ・スゴァン(「イ・スグァン」が普通)、1954年生)――霊魂となって現世を彷徨う男の悲哀 「天の定めた縁」 黄世鳶(ファン・セヨン、1968年生)――妻が盗み見た、殺人計画を綴った夫の小説 「精神病を引き起こす脱毛剤」 白恷(ベク・ヒュ(「ペク・ヒュ」が普通)、1960年生)――画期的新薬の恐るべき副作用とは!? 「妻を守るために」 李源斗(イ・ウォンズ(「イ・ウォンドゥ」が普通)、1938年生)――癌ノイローゼの男を待ち受ける皮肉な運命作品に付したあおり文句は目次より引用したもの。韓国推理作家協会が自ら翻訳した短編4作品が掲載されている。 『ハヤカワミステリマガジン』2009年1月号 (特集 世界のミステリ雑誌)「そして誰もいなくなった」 ソル・インヒョ(米津篤八訳)ソル・インヒョ(1975年生)。短編「催眠」で季刊ミステリ新人賞受賞(『季刊ミステリ』18号(2007年冬号)に掲載)。「そして誰もいなくなった」は2作目。10ページほどの非常に短い作品。名前は「ソル・イニョ」とも表記しうる。 『ハヤカワミステリマガジン』2012年2月号 (特集 アジア・ミステリへの招待)「親友」 ソン・シウ(米津篤八訳)ソン・シウ(1979年生、女性)。短編「親友」(좋은 친구)で季刊ミステリ新人賞受賞(『季刊ミステリ』22号(2008年冬号)に掲載)。ほかに短編「善きサマリア人の法」(착한 사마리아 인의 법)がある。 ジャーロ(光文社) 『ジャーロ』4号(2001年夏号)「帰ってきた死者」 金聖鍾(キム・ソンジョン)(金容権(キム・ヨングォン)訳) - 日本の読者に向けた書き下ろし 「わな」 金且愛(キム・チャエ)(鄭泰原(チョン・テウォン)訳) 金来成(キム・ネソン)の作品 韓国推理小説の草分け的存在である金来成(キム・ネソン)は1935年に日本の探偵雑誌でデビューしており、短編探偵小説2編とユーモア掌編1編を日本語で発表している。 楕円形の鏡(初出:『ぷろふいる』1935年3月号)『新作探偵小説選集』(1936年10月、ぷろふいる社) 『近代朝鮮文学日本語作品集 1901~1938 創作篇』(緑蔭書房、2004年6月、全5巻)の第3巻 探偵小説家の殺人(初出:『ぷろふいる』1935年12月号)『幻影城』第5号(1975年6月号) 『近代朝鮮文学日本語作品集 1901~1938 創作篇』(緑蔭書房、2004年6月、全5巻)の第3巻 綺譚・恋文往来(初出:『モダン日本』1935年9月号(第6巻第9号))当サイトで全文公開している。→「綺譚・恋文往来」 金来成が韓国語で発表した作品の邦訳はない。 「霧魔」(拙訳) 関連記事 台湾ミステリ 読書案内 中国ミステリ 読書案内 韓国ミステリ紹介 目次へ
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韓国推理作家協会編・発行 2005年8月 ●綾辻行人「館シリーズ」(관 시리즈)解釈 「館シリーズ」の二重構造とメタテキスト的技法 - 장경헌(チャン・キョンホン) 綾辻行人と「新本格」初期の風景 - 권일영(クォン・イリョン) 連続殺人犯罪の心理学的過程 II - 염건령(ヨム・コンリョン) ミステリ漫画 포도주 한 병 / 보든 딜 지음, 각색.그림 김종섭 推理小説外の風景 - 윤영천(ユン・ヨンチョン) 短編ミステリ 「포말」 - 현정 「다크 템플러」 - 김상윤 「악어의 눈물」 - 황미영 「자매의 전설」 - 하유상 科学捜査研究所ダイアリー 老婆R殺害事件 - 최상규 仮想インタビュー 스티븐 킹, 말하다 - 한이 海外ミステリ 사라진 기억 The Blind Spot - 배리 퍼론 그녀들의 쇼핑 - 筒井康隆 レビュー 퍼트리샤 콘웰의 케이 스카페타 시리즈 - 노블하우스 편집부 교고쿠 나츠히코의 우부메의 여름 - 손안의책 편집부 대통령은 어떻게 추리소설을 구상했을까 - 정태원 칼의 노래 , 이순신 열품 유감 - 박형상 콘웰 울리치의 Phantom Lady - 오리온 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000158804
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2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」より。 対象作品は奥付表記が2005年11月~2006年10月の広義のミステリー作品 投票者は6作品以内で順位をつけて投票すること 1位は10点、2位は9点~6位は5点で集計 各作品への1行コメント集 国内編/海外編 ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 48 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 00 54 32 ID AtJT+78d というわけで、2chが選ぶこのミステリーがすごい! 集計結果発表です このようになりました 1位 道尾秀介「シャドウ」56P 2位 三津田信三「厭魅の如き憑くもの」46P 3位 米澤穂信「夏期限定トロピカルパフェ事件」43P 4位 乙一「銃とチョコレート」37P 5位 道尾秀介「骸の爪」34P 6位 道尾秀介「向日葵の咲かない夏」28P 6位 海堂尊「チーム・バチスタの栄光」28P 8位 大山誠一郎「仮面幻双曲」27P 9位 宮部みゆき「名もなき毒」26P 10位 法月綸太郎「怪盗グリフィン、絶体絶命」24P 49 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 00 57 19 ID AtJT+78d 貫井徳郎「空白の叫び」23P 西尾維新「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」23P 香納諒一「贄の夜会」22P 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」20P 三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」19P 石持浅海「顔のない敵」15P 鳥飼否宇「激走 福岡国際マラソン」13P 島田荘司「UFO大通り」13P 50 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 00 58 12 ID AtJT+78d 9P 井上夢人「the TEAM」 劇団ひとり「陰日向に咲く」 北國浩二「夏の魔法」 8P 大倉崇裕「福家警部補の挨拶」 島田荘司「犬坊里美の冒険」 小川一水「天涯の砦」 7P 伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」 深谷忠記「毒」 田中啓文「落下する緑」 柳広司「トーキョー・プリズン」 51 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 01 00 51 ID AtJT+78d 6P 京極夏彦「邪魅の雫」 山本弘「アイの物語」 今邑彩「いつもの朝に」 5P 大岩正幸「ポワロック氏の事件簿 迷宮のレティーシア」 建倉圭介「デッドライン」 綾辻行人「びっくり館の殺人」 薬丸岳「闇の底」 辻村深月「ぼくのメジャースプーン」 我孫子武丸、他「気分は名探偵」 52 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 01 03 40 ID AtJT+78d 海外は票数の都合で点数のみ デイヴィッド・アレクサンダー「絞首人の一ダース」26P マージェリー・アリンガム「屍衣の流行」10P ジェイムズ・カルロス・ブレイク「荒らぶる血」10P ハーラン・コーベン「イノセント」9P ミルワード・ケネディ「スリープ村の殺人者」8P P.G. ウッドハウス「エムズワース卿の受難録」8P アダム・ファウアー「数学的にありえない」7P ジャック・リッチー「10ドルだって大変だ」7P リチャード・ハル「善意の殺人」7P ロジャー・スカーレット「ローリング邸の殺人」6P ラング・ルイス「死のバースデイ」6P リック・リオーダン「殺人鬼オーストゥンに帰る」6P リチャード・マシスン「不思議の森のアリス」5P クリフォード・ウィッティング「同窓会にて死す」5P リチャード・マシスン「奇術師の密室」5P
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2010年6月5日 最終更新:2015年5月1日 2012年10月19日:姉妹ページ「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル」を作成しました。 If you cannot read Japanese and can read English, jump to this page (The list of Japanese crime fiction in English translation), which I made in March 2014. 『姑獲鳥の夏』が昨年(2009年)に英訳されていた!という事実に衝撃を受けて、ほかにどんな日本のミステリが英訳されているか調べてみた。 気になるのは新しい作品がどれぐらい訳されているかということで、たとえば日本SFに関しては2009年夏から《Haikasoru》(「High Castle」を日本人ぽく発音した音らしい)というレーベルで翻訳が進められており、ほかにも数は少ないとはいえライトノベルもそれなりに英訳されている。では、ミステリはどうなのか? 乱歩の英訳(短篇集)は以前に買って持っているし、乱歩、横溝、あとは松本清張あたりはそこそこ訳されているだろうと予想できるが、一方で最近の作品はいったいどうなのか。乙一だとか、ライトノベルと隣接するあたりは訳されているかも……などと考えながら、amazon.comでいろいろ調べてみた。 調べ方 1.(2010年6月5日) 米国amazonでミステリ作家の名前で適当に検索し、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のところをたどっていく。 2.(2010年6月10日頃追加) 国際交流基金が作成している「日本文学翻訳書誌検索」を参考にして、赤川次郎2冊(国内で出版された英訳本)・陳舜臣1冊・西村京太郎1冊追加。 3.(2010年6月20日頃追加) 早川書房『ミステリマガジン』2007年6月号掲載の「ニッポン小説英訳本リスト」(早川書房編集部編)を参照し、佐々木譲1冊・船戸与一1冊追加。 ※見落としは少なからずあると思います。あくまでも、自分が見つけた分だけのリストということで。 (英国amazon、カナダamazonの方では調べていません) ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿した以下の記事も合わせてお読みください。 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第9回 日本のミステリー小説の英訳状況 (2013-11-14) 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第10回 アメリカのミステリー賞と日本ミステリー (2013-12-19) 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第12回 グーディス、密室、ボリウッド (2014-02-13) 『本格ミステリー・ワールド2015』(南雲堂、2014年12月)に「日本作家の英米進出の夢と『EQMM』誌」(pp.22-26)を寄稿しました。 Index あ赤川次郎 (Jiro Akagawa) 秋月涼介 (Ryosuke Akizuki) 芥川龍之介 (Ryunosuke Akutagawa) 芦辺拓 (Taku Ashibe) 阿刀田高 (Takashi Atoda) 阿部和重 (Kazushige Abe) 天樹征丸 (Seimaru Amagi) 綾辻行人 (Yukito Ayatsuji) 荒井曜 (Akira Arai) 泡坂妻夫 (Tsumao Awasaka) い・う・え池波正太郎 (Shotaro Ikenami) 伊坂幸太郎 (Kotaro Isaka) 石川智健 (Tomotake Ishikawa) 石田衣良 (Ira Ishida) 内田康夫 (Yasuo Uchida) シュウ・エジマ(江島周) (Shu Ejima) 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) お逢坂剛 (Go Osaka) 大阪圭吉 (Keikichi Osaka) 大沢在昌 (Arimasa Osawa) 岡崎大五 (Daigo Okazaki) 岡本綺堂 (Kido Okamoto) 奥田英朗 (Hideo Okuda) 乙一 (Otsuichi) 小野不由美 (Fuyumi Ono) か行木内一裕 (Kazuhiro Kiuchi) 貴志祐介 (Yusuke Kishi) 北方謙三 (Kenzo Kitakata) 京極夏彦 (Natsuhiko Kyogoku) 桐野夏生 (Natsuo Kirino) 栗本薫 (Kaoru Kurimoto) 小池真理子 (Mariko Koike) さ行桜庭一樹 (Kazuki Sakuraba) 佐々木譲 (Joh Sasaki) 佐藤春夫 (Haruo Sato) 佐藤友哉 (Yuya Sato) 島田荘司 (Soji Shimada) 清水義範 (Yoshinori Shimizu) 鈴木光司 (Koji Suzuki) 清涼院流水 (Ryusui Seiryoin) 瀬名秀明 (Hideaki Sena) 蘇部健一 (Kenichi Sobu) 曽野綾子 (Ayako Sono) た行高木彬光 (Akimitsu Takagi) 高嶋哲夫 (Tetsuo Takashima) 高田崇史 (Takafumi Takada) 高橋克彦 (Katsuhiko Takahashi) 高見広春 (Koushun Takami) 谷崎潤一郎 (Junichiro Tanizaki) 陳舜臣 (Shunshin Chin) 辻原登 (Noboru Tsujihara) 積木鏡介 (Kyosuke Tsumiki) 戸川昌子 (Masako Togawa) な行中井英夫 (Hideo Nakai) 中里友香 (Yuka Nakazato) 中村文則 (Fuminori Nakamura) 夏樹静子 (Shizuko Natsuki) 仁木悦子 (Etsuko Niki) 西尾維新 (NISIOISIN, Nisio Isin) 西村京太郎 (Kyotaro Nishimura) 乃南アサ (Asa Nonami) 法月綸太郎 (Rintaro Norizuki) は行浜尾四郎 (Shiro Hamao) 東野圭吾 (Keigo Higashino) 久生十蘭 (Juran Hisao) 平山夢明 (Yumeaki Hirayama) 船戸与一 (Yoichi Funado) ま行舞城王太郎 (Otaro Maijo) 松浦寿輝 (Hisaki Matsuura) 松本清張 (Seicho Matsumoto) 水上勉 (Tsutomu Mizukami, Tsutomu Minakami) 皆川博子 (Hiroko Minagawa) 湊かなえ (Kanae Minato) 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) 森晶麿 (Akimaro Mori) 森博嗣 (Hiroshi Mori / MORI Hiroshi) や行山田風太郎 (Futaro Yamada) 山田正紀 (Masaki Yamada) 山村美紗 (Misa Yamamura) 結城昌治 (Shoji Yuki) 夢野久作 (Kyusaku Yumeno) 横溝正史 (Seishi Yokomizo) 吉田修一 (Shuichi Yoshida) 米澤穂信 (Honobu Yonezawa) 米国EQMM掲載作品 ミステリアンソロジー 黒田藩プレスの非ミステリアンソロジー その他のアンソロジー リストの見方 ミステリ・サスペンスからホラーまで、広く関連するジャンルの作家を集めています。また、作家で選んでいるので、リストの中にはミステリではないものも含まれています。 英訳が短編のみの作家については見出し化していない場合があります。英訳短編の雑誌掲載やアンソロジー収録についてはページ下方をご覧ください。 ISBNをクリックすると米国amazonの該当ページが新規ウィンドウで開くようになっています。 当ページで示している英訳書の出版年は、あくまでもリンク先(amazon)の書籍の出版年を示しているにすぎません。たとえば、松本清張『点と線』の英訳"Points and Lines"(ISBN 0870114565)の出版年をこのページでは「1986年」としていますが、これはリンク先の英訳書が1986年に出版されたということを示しているだけであり、『点と線』が最初に英訳されたのが1986年だという意味ではありません。 それぞれの書籍が最初に英訳されたのはいつか、ということについてはいつか追加で調査します。 あ 赤川次郎 (Jiro Akagawa) 長編および短編集Midnight Suite / 『真夜中のための組曲』 ISBN 4061860054 (Gavin Frew[ギャビン・フルー]訳、講談社インターナショナル、《講談社英語文庫》5、1984年) Three Sisters Investigate / 『三姉妹探偵団』 ISBN 4061860097 (Gavin Frew[ギャビン・フルー]訳、講談社インターナショナル、《講談社英語文庫》9、1985年) 短編Beat Your Neighbor Out of Doors / 「沿線同盟」(Gavin Frew訳)米国『EQMM』1992年3月号 アンソロジー『The Deadliest Games Tales of Psychological Suspense from Ellery Queen s Mystery Magazine』(1993)に収録 +Midnight Suite 収録作 Midnight Suite 収録作 The Car Park 駐車場から愛をこめて The Wardrobe 我が愛しの洋服ダンス If I Were You 幸福な人生 The New Man 見知らぬ同僚 A Dangerous Petition 危険な署名 『真夜中のための組曲』と『三姉妹探偵団』の英訳は巻末に日本語による英文解説、単語解説を付した日本人向けの《講談社英語文庫》での刊行。日本の書店で販売された。英語圏の書店では流通していないと思われる。 秋月涼介 (Ryosuke Akizuki) The Giftedシリーズ「The Gifted Vol.1 - つきまとう女」(2013)/ The Gifted Vol.1 - The Haunting Woman (三萩野英次訳、The BBB、2013年3月) 「The Gifted Vol.2 - 帰ってくる死んだ仔猫」(2013)/ The Gifted Vol.2 - The Return of the Dead Kitten (三萩野英次訳、The BBB、2013年10月) 英語圏進出プロジェクト「The BBB」の書き下ろし作品。日本語版とその英訳版が電子書籍で販売されている。 芥川龍之介 (Ryunosuke Akutagawa) 『日本探偵小説全集第11巻 名作集1』に採られている「藪の中」や、『文豪ミステリー傑作選』(河出文庫、1985年5月)に採られている「開化の殺人」、山前譲編『文豪の探偵小説』(集英社文庫、2006年11月)に採られている「報恩記」などは英訳がある。 芦辺拓 (Taku Ashibe) 長編Murder in the Red Chamber / 『紅楼夢の殺人』(2004) ISBN 4902075385 (黒田藩プレス、2012年1月) 短編短編「五瓶劇場 戯場国邪神封陣(かぶきのくにクトゥルーたいじ)」の英訳が黒田藩プレスの英訳クトゥルー短編集『Inverted Kingdom Lairs of the Hidden Gods Vol. 2』に収録 黒田藩プレス公式サイトの英訳版『紅楼夢の殺人』紹介ページも参照のこと。2012年4月8日付のオンライン版『The Japan Times』にはDavid Cozy氏による『紅楼夢の殺人』の書評(英語)が掲載された(18th-century murder mystery still delivers)。 阿刀田高 (Takashi Atoda) 長編Prince of the Dark Yamihiko / 『闇彦』(2010) (Wayne P. Lammers訳、日本ペンクラブ、2010年)(2010年の国際ペン東京大会で海外からの来賓に配布された。非売品) 短編集Napoleon Crazy and other stories / 「ナポレオン狂」ほか、全10編 ISBN 4061860194 (Stanleigh H. Jones[スタンレー・H・ジョーンズ]訳、講談社インターナショナル、《講談社英語文庫》19、1986年3月) The Square Persimmon and other stories / 「四角い柿」ほか、全11編 ISBN 0804816441 (Charles E. Tuttle Co、1991年4月) 短編The Visitor / 「来訪者」 (米国『EQMM』1988年12月中旬号掲載、Gavin Frew訳) Napoleon Crazy / 「ナポレオン狂」 (米国『EQMM』1989年3月号掲載、翻訳者名記載なし) Woman With Hobby / 「趣味を持つ女」 (『New Mystery』第1期第1号、1991年、Gavin Frew訳) 「こちら」で公開されている +Napoleon Crazy and other stories 収録作 Napoleon Crazy and other stories 収録作 Napoleon Crazy 「ナポレオン狂」 短編集『ナポレオン狂』より My Friend in America 「アメリカの友人」 ショート・ショート集『食べられた男』より Welcome Aboard 「本日はようこそ」 ショート・ショート集『食べられた男』より The Visitor 「来訪者」 短編集『ナポレオン狂』より 1979年、第32回日本推理作家協会賞短編賞受賞作 The Wager of the Century 「笑顔でギャンブルを」 ショート・ショート集『食べられた男』より Innocence 「無邪気な女」 短編集『だれかに似た人』より The Perfect Gift 「すばらしい贈り物」 ショート・ショート集『食べられた男』より The Transparent Fish 「透明魚」 短編集『ナポレオン狂』より The man Who Was a Meal 「食べられた男」 ショート・ショート集『食べられた男』より Disaster 「凶事」 短編集『夢判断』より +The Square Persimmon and other stories 収録作 The Square Persimmon and other stories 収録作 The Mongolian spot 「モンゴル模様」 短編集『ガラスの肖像』より Paper doll 「紙人形」 短編集『風物語』より Dried fish and an electrical leak 「干魚と漏電」 短編集『夢判断』より The destiny of shoes 「靴の行方」 短編集『ガラスの肖像』より Of golf and its beginnings 「ゴルフ事始め」 短編集『ナポレオン狂』より The honey flower 「蜜の花」 短編集『迷い道』より The glow of lipstick 「紅(べに)の火」 短編集『ガラスの肖像』より Night flight 「夜間飛行」 短編集『ガラスの肖像』より A treatise on count St. German 「サン・ジェルマン伯爵考」 短編集『ナポレオン狂』より Floating lanterns 「精霊流し」 短編集『ガラスの肖像』より The square persimmon 「四角い柿」 短編集『ガラスの肖像』より 『The Square Persimmon and other stories』収録の「靴の行方」(The destiny of shoes)はアンソロジー『Japan A traveler s literary companion』(2006年)にも収録されている。(訳者・訳文が同一かは不明) 阿部和重 (Kazushige Abe) 文芸評論家の池上冬樹氏が「日本推理作家協会賞をとってもおかしくない群像ミステリの一大傑作」(リンク)と評した『シンセミア』が文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(JLPP)で英訳出版される予定。 『シンセミア』のミステリ、パルプ・ノワールとしての評価については講談社文庫版『シンセミア』(上下巻、2013年5月)巻末の池上冬樹氏による解説を参照のこと。 天樹征丸 (Seimaru Amagi) 漫画『金田一少年の事件簿』の原作者・天樹征丸による小説版が4作英訳されている。ただし講談社英語文庫および《Ruby books》での刊行なので、海外では流通していないと思われる。 金田一少年の事件簿シリーズThe new Kindaichi files / 『金田一少年の事件簿 オペラ座館・新たなる殺人』(1994) (玉置百合子訳、講談社インターナショナル、《講談社英語文庫》129、1996年) The new Kindaichi files 2 Murder on-line / 『金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件』(1996) (玉置百合子訳、講談社インターナショナル、《講談社英語文庫》137、1998年) The new Kindaichi files 3 The Shanghai river demon s curse / 『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説殺人事件』(1997) (玉置百合子訳、講談社インターナショナル、《講談社英語文庫》144、1998年) The new Kindaichi files Deadly thunder / 『金田一少年の事件簿 雷祭殺人事件』(1998) (玉置百合子訳、講談社インターナショナル、《Ruby books》5、1999年) 《Ruby books》は日本の英語学習者向けの叢書で、本文中の難しい英単語に日本語でルビがふられている。 綾辻行人 (Yukito Ayatsuji) 長編Another, Vol. 1 / 『Another』(2009) Kindle版 (Yen Press、2013年3月) Another, Vol. 2 / 『Another』(2009) Kindle版 (Yen Press、2013年7月) 短編2012年12月刊行の日本SF英訳短編集『Speculative Japan 3』(黒田藩プレス書籍紹介ページ)に短編「心の闇」収録。 『Another』の英訳出版の決定を報じる英文記事→(Yen Press Adds 'Another' Horror Novel Manga, Junya Inoue's BTOOOM! Manga - News - Anime News Network、2012年7月13日)。 ちなみに『Another』はWikipediaでは2013年1月30日現在、日本語のほかに英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、ペルシャ語、インドネシア語、韓国語、中国語の計12言語で記事が作成されている。アニメ化の力、恐るべしである。(小説『Another』の英訳がきまったのも、アニメ化があったからこそだろう) 『Another』の英訳版は電子書籍のみの販売。英訳版の出版社のサイトによれば、電子版の売れ行きが良ければ紙版も販売するとのこと。 荒井曜 (Akira Arai) A Caring Man / 『慈しむ男』(2011) ISBN 1935654179 (Vertical、2011年7月) 日本・アメリカ・中国・韓国の出版社が共催し、世界に通用するエンターテインメント小説(日本語)を公募するゴールデン・エレファント賞の第1回大賞受賞作。2011年7月、日米同時刊行。(同回のもう1編の大賞受賞作、中村ふみ『裏閻魔』は日米のほかに中国・韓国でも刊行されている) 受賞作の英訳出版が確約されている新人賞には過去にランダムハウス講談社新人賞(2008-2009年)もあった。また、2012年募集開始のハヤカワSFコンテストは受賞作を英語および中国語に翻訳し電子書籍化することを約束している。 関連記事日本発の世界的ベストセラーを狙う、「GE賞」の可能性 (2012年4月18日、日経トレンディネット) 泡坂妻夫 (Tsumao Awasaka) かつて『11枚のとらんぷ』(1976)の英訳計画があったが、出版には至っていないと思われる。 『幻影城』1977年3月号の編集後記(「編集者断想」)には以下のように書かれている。 ■〈幻影城〉読者に、とっておきの嬉しいニュースをお知らせします。 〈幻影城〉から国際的作家現われる――泡坂妻夫氏の『11枚のとらんぷ』が遂にアメリカで英訳されることが決まりました。翻訳は映画『夜の大捜査線』でアカデミー賞を受賞したジョン・ポール氏と木琴奏者ナンバー1の平岡養一氏の異色コンビが当ります。 日本の長編探偵小説で英訳されたのは、在米の講談社から刊行された、松本清張氏の『点と線』に続いて『11枚のとらんぷ』が二冊目です。 上に引用した文中では「ポ」ールになっているが、ただしくはジョン・ボール(John Ball, 1911-1988)。アメリカのミステリ作家で、代表作は『夜の大捜査線』のタイトルで映画化された小説『夜の熱気の中で』。『ミステリマガジン』1966年11月号の扉ページには、ジョン・ボールが来日したとの記述がある。同誌1968年11月号にはジョン・ボール会見記が掲載されており、日本語を勉強しているとの情報がある。(ほかに1966年12月号、1976年4月号、1983年2月号にインタビュー等の記事、1980年2月号、1981年5月号に評論やアンケート) 『EQ』1979年1月号にアメリカのミステリイベントに参加した人物のレポートが載っているが、サインを求めるとジョン・ボールは英文とカタカナでサインをくれたという。同号に載っているジョン・ボールのコメント(p.160)「ごく一部の知識人を除いて、米国人は日本のミステリーのレベルを知らない。あれほどミステリーが愛読され、優れた日本のミステリーが存在することを知らされていない。残念なことですヨ。日本のEQ読者から優れた翻訳家(和文→英文)が出ること、世界で読まれるミステリーが一日も早く生まれることを心から望んでいます。」 『11枚のとらんぷ』の英訳はなぜ実現しなかったのだろう。平岡養一氏(1907-1981)がその頃に病気になっているらしくそれが原因だろうか。 大内茂男「推理小説界展望一九七六年」(『1977年版 推理小説年鑑 推理小説代表作選集』講談社、1977年) 「11枚のとらんぷ」は、久方ぶりに探偵小説独自の醍醐味を満喫させてくれる傑作として世評高く、すでに平岡養一とジョン・ボールによる共同英訳のアメリカにおける出版予定も伝えられている。 い・う・え 池波正太郎 (Shotaro Ikenami) 「和製ハードボイルド」とも評される仕掛人・藤枝梅安(ふじえだ ばいあん)シリーズ全7巻のうち最初の2巻が英訳されている。 仕掛人・藤枝梅安シリーズMaster Assassin Tales of Murder from the Shogun s City / 『殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安 一』 ISBN 4770015348 (講談社インターナショナル、1991年)Two wives (おんなごろし) The uncertain assassin (梅安迷い箸)※日本では第3巻の『梅安最合傘(ばいあんもやいがさ)』に収録 Four killers (殺しの四人) Autumn journey (秋風二人旅[しゅうふうににんたび]) Leave him to his fate (後は知らない) New Year s noodles (梅安晦日蕎麦)2000年に改題版『Ninja Justice Six Tales of Murder and Revenge』(講談社インターナショナル、ISBN 4770025378)が出ている Bridge of Darkness The Return of the Master Assassin / 『梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安 二』 ISBN 4770017286 (講談社インターナショナル、1993年)Spring snow (春雪仕掛針) Rabbit stew (梅安蟻地獄) Autumn rain (梅安初時雨) Bridge of darkness (闇の大川橋) 伊坂幸太郎 (Kotaro Isaka) 長編Remote Control / 『ゴールデンスランバー』(2007) ISBN 4770031084 (講談社USA、2011年3月) 短編The Precision of the Agent of Death / 「死神の精度」 (米国『EQMM』2006年7月号、「Passport to Crime」コーナー掲載)のちに同コーナーの掲載作をまとめたアンソロジー『Passport to Crime』(2007)に収録 現在、伊坂幸太郎の海外版権はエージェント会社「コルク」が扱っている。2013年5月11日にNHKで放送された週刊ニュース深読み、特集「世界に売り出せ! ニッポンの文学」にはコルクの社長の佐渡島庸平氏が登場。現在伊坂幸太郎の作品を村上春樹作品の英訳で知られるフィリップ・ガブリエル(Philip Gabriel)氏に訳してもらい、売り込み中とのこと。 石川智健 (Tomotake Ishikawa) Gray Men / 『グレイメン』(2012) ISBN 1935654500 (Vertical、2013年2月) 日本・アメリカ・中国・韓国の出版社が共催するゴールデン・エレファント賞の第2回大賞受賞作。 石田衣良 (Ira Ishida) 【短編】Ikebukuro West Gate Park / 「池袋ウエストゲートパーク」 (日本の21世紀の短編小説の英訳アンソロジー『Digital Geishas and Talking Frogs』[2011年2月]に収録) 【電子書籍 / 北米のSony Reader Storeのみでの販売】Call Boy / 『娼年』(2013年5月24日発売、特設サイト(英語)) 2013年5月23日、集英社が日本の小説の英訳の電子書籍販売を開始した。最初のラインナップは乙一『夏と花火と私の死体』(Summer, Fireworks, and My Corpse)、浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』(The Stationmaster)、そして石田衣良『娼年』(Call Boy)。このうち新たに訳されたものは『娼年』のみで、ほかの2作はすでに紙の書籍で英訳出版されていたものを電子書籍化したもの。販売は北米のSony Reader storeのみ。 Facebook「Shueisha English Edition」 http //www.facebook.com/ShueishaEnglishEdition乙一特設サイト http //otsuichi.com/ 浅田次郎特設サイト http //jiroasada.com/ 石田衣良『娼年』特設サイト http //callboynovel.com/ 2013/06/17「時事ドットコム:世界に売り込め日本の作家=石田衣良作品など英訳電子化-集英社」 その後、2013年8月29日に乙一『ZOO』、9月26日に乙一『暗黒童話』の販売が始まった(どちらもすでに英訳出版されていたもの)。上に貼った報道記事によれば、今後は矢野隆『鉄拳』(『蛇衆』で小説すばる新人賞を受賞した矢野隆によるゲーム「鉄拳」のノベライズ)、清水義範『迷宮』(1999)、高嶋哲夫『TSUNAMI』(2005)、嶽本野ばら『エミリー』、万城目学『偉大なる、しゅららぼん』など、年間10冊程度のペースで配信を続けていくとのこと。 内田康夫 (Yasuo Uchida) The Togakushi Legend Murders / 『戸隠伝説殺人事件』(1983) ISBN 0804835543 (Tuttle Publishing、2004年5月) 意外にも訳されているのは浅見光彦シリーズではなく、信濃のコロンボというシリーズの作品。 シュウ・エジマ(江島周) (Shu Ejima) Quick Draw / 『クイックドロウ』(2013) ISBN 1939130050 (Vertical、2014年4月)(とみさわ昭仁氏による日本語版のレビュー) 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) 英題 原題 ISBN 出版社、出版年 備考 Japanese Tales of Mystery Imagination (短編集) ISBN 0804803196 Tuttle Publishing、1989年12月 初版は1956年 The Boy Detectives Club 『少年探偵団』 ISBN 4061860372 講談社英語文庫、1988年8月 amazon.comになし The Black Lizard and Beast in the Shadows 『黒蜥蜴』と『陰獣』 ISBN 4902075210 黒田藩プレス、2006年1月 The Edogawa Rampo Reader (短編、エッセイ集) ISBN 4902075253 黒田藩プレス、2008年12月 Moju The Blind Beast 『盲獣』 ISBN 1840683007 Shinbaku Books、2009年5月 The Fiend with Twenty Faces 『怪人二十面相』 ISBN 4902075369 黒田藩プレス、2012年3月 Strange Tale of Panorama Island 『パノラマ島奇談』 ISBN 0824837037 ハワイ大学出版、2013年1月 +Japanese Tales of Mystery Imagination 収録作 Japanese Tales of Mystery Imagination 収録作 The Human Chair 人間椅子 The Psychological Test 心理試験 The Caterpillar 芋虫 The Cliff 断崖 The Hell Of Mirrors 鏡地獄 The Twins 双生児 The Red Chamber 赤い部屋 Two Crippled Men 二癈人 The Traveler With The Pasted Rag Picture 押絵と旅する男 +The Edogawa Rampo Reader 収録作 The Edogawa Rampo Reader 収録作(短編小説のみ示す。収録エッセイについては黒田藩プレスの「該当ページ」を参照のこと) The Daydream 白昼夢 The Martian Canals 火星の運河 The Appearance of Osei お勢登場 Poison Weeds 毒草 The Stalker in the Attic 屋根裏の散歩者 The Air Raid Shelter 防空壕 Doctor Mera’s Mysterious Crimes 目羅博士の不思議な犯罪 The Dancing Dwarf 踊る一寸法師 黒田藩プレスでは「D坂の殺人事件」と『パノラマ島奇談』の英訳も予定されていたが、そのうち『パノラマ島奇談』については中止になっている(英訳作業中に、ハワイ大学出版が同作の2012年末の英訳出版を発表したため)。少年探偵団シリーズは『怪人二十面相』以降も英訳版刊行予定。黒田藩プレス公式サイト参照。 1956年の英訳短編集『Japanese Tales of Mystery Imagination』の出版の経緯や原文と訳文の相違などについては、「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(番外編) 明智小五郎」を参照のこと。 お 逢坂剛 (Go Osaka) The Red Star of Cadiz / 『カディスの赤い星』(1986) ISBN 4902075245 (黒田藩プレス、2008年12月) 大阪圭吉 (Keikichi Osaka) 【短編】 A Ginza Ghost / 「銀座幽霊」(1936)(My Japanese bookshelf、2013年10月31日 ※個人のブログ) 大沢在昌 (Arimasa Osawa) Shinjuku Shark / 『新宿鮫』(1990) ISBN 1932234373 (Vertical、2008年1月) The Poison Ape A Shinjuku Shark Novel / 『毒猿 新宿鮫II』(1991) ISBN 1934287245 (Vertical、2008年12月) 岡崎大五 (Daigo Okazaki) Black Wave / 『黒い魎(みずは)』(Bento Books、201X年◆予定) 岡本綺堂 (Kido Okamoto) 短編集The Curious Casebook of Inspector Hanshichi Detective Stories of Old Edo / 半七捕物帳 ISBN 0824831004 (University of Hawaii Press、2007年1月)※14編収録(収録内容は光文社時代小説文庫版第1巻と同じ) 短編The Room Over the Bathhouse / 「湯屋の二階」(米国『アルフレッド・ヒッチコックス・ミステリ・マガジン』(AHMM)2008年5月号に掲載、情報源:The Alfred Hitchcock Wiki) その他戯曲「細川忠興の妻」の英訳"Lady Hosokawa"が宮森麻太郎『Tales of the Samurai and Lady Hosokawa』に収録されている。 +『The Curious Casebook of Inspector Hanshichi Detective Stories of Old Edo』収録作(光文社時代小説文庫版第1巻と同じ14編) 『The Curious Casebook of Inspector Hanshichi Detective Stories of Old Edo』収録作(光文社時代小説文庫版第1巻と同じ14編) The Ghost of Ofumi お文の魂 The Stone Lantern 石灯籠 The Death of Kampei 勘平の死 The Room Over the Bathhouse 湯屋の二階 The Dancer s Curse お化け師匠 The Mystery of the Fire Bell 半鐘の怪 The Daimyo s Maidservant 奥女中 The Haunted Sash Pond 帯取りの池 Snow Melting in Spring 春の雪解 Hiroshige and the River Otter 広重と河獺 The Mansion of Morning Glories 朝顔屋敷 A Cacophony of Cats 猫騒動 Benten s Daughter 弁天娘 The Mountain Party 山祝いの夜 半七捕物帳は文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)の第1回対象作品(2002年)に選ばれ、英訳出版された。同事業ではほかに『半七捕物帳』のフランス語訳も出版された。またその後、重訳かどうかは分からないが、おそらく英訳・仏訳の出版を契機として、イタリア語訳やスペイン語訳も出版されている。 奥田英朗 (Hideo Okuda) In the Pool / 『イン・ザ・プール』(2002) ISBN 4925080946 (Stone Bridge Press、2006年4月) Lala Pipo / 『ララピポ』(2005) ISBN 1934287210 (Vertical、2008年7月) 乙一 (Otsuichi) 英題 原題 ISBN 出版社、出版年 備考 Calling You 『きみにしか聞こえない―CALLING YOU』(2001) ISBN 1598168525 TokyoPop、2007年6月 GOTH 『GOTH―リストカット事件』(2002) ISBN 1427811377 TokyoPop、2008年10月 ZOO 『ZOO』(2003) ISBN 1421525879 VIZ Media LLC、2009年9月 Haikasoru Summer, Fireworks, and My Corpse 『夏と花火と私の死体』(1996) ISBN 1421536447 VIZ Media LLC、2010年9月 Haikasoru 『Summer, Fireworks, and My Corpse』は、『夏と花火と私の死体』(「夏と花火と私の死体」および「優子」)のほかに『暗黒童話』(Black Fairy Tale)も収録。 英訳版の『ZOO』は2009年度のシャーリイ・ジャクスン賞個人短編集部門ノミネート。 北米Sony Reader Storeにて電子書籍販売(Shueisha English Edition フェイスブック / 乙一特設サイト)2013年5月23日発売 Summer, Fireworks, and My Corpse / 『夏と花火と私の死体』(「優子」も収録) 2013年8月29日発売 ZOO / 『ZOO』 2013年9月26日発売 Black Fairy Tale / 『暗黒童話』 小野不由美 (Fuyumi Ono) 『十二国記』の初期4作が英訳されている。 詳細は「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル」を参照のこと。 か行 木内一裕 (Kazuhiro Kiuchi) A Dog in Water / 『水の中の犬』 ISBN 1939130034 (Vertical、2013年8月) 貴志祐介 (Yusuke Kishi) The Crimson Labyrinth / 『クリムゾンの迷宮』(1999) ISBN 193223411X (Vertical、2006年10月) 北方謙三 (Kenzo Kitakata) Ashes / 『棒の哀しみ』(1990) ISBN 1932234020 (Vertical、2003年6月) Winter Sleep / 『冬の眠り』(1996) ISBN 1932234136 (Vertical、2005年1月) The Cage / 『檻』(1983) ISBN 1932234241 (Vertical、2006年9月) City of Refuge / 『逃がれの街』(1982) ISBN 1934287121 (Vertical、2012年11月) 『City of Refuge』(逃がれの街)は遅くとも2010年春には米国amazonにデータが登録されていたが、(amazonのデータで見る限り)たびたび発売が延期になり、2012年11月にやっと発売された。 『檻』は文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)の第1回対象作品(2002年)に選ばれ、英訳出版された。 京極夏彦 (Natsuhiko Kyogoku) The Summer of the Ubume / 『姑獲鳥の夏』(1994) ISBN 1934287253 (Vertical、2009年8月) Loups-Garous / 『ルー=ガルー ― 忌避すべき狼』(2001) ISBN 1421532336 (VIZ Media LLC、2010年5月) - Haikasoru Why Don t You Just Die? / 『死ねばいいのに』(2010)(iPhone向けアプリ及びiPad向けアプリでの販売、講談社、2011年1月) 2011年1月、すでに販売されていたiPhone及びiPad向けアプリの『死ねばいいのに』がアップデートされ、英訳『Why Don t You Just Die?』(訳:Takami Nieda)が読めるようになった。下に貼った講談社が配信したPDFによれば、「世界同時配信開始」とのこと。 iPhone版アプリの説明文(日本語) / iPhone版アプリの説明文(英語) iPad版アプリの説明文(日本語) / iPad版アプリの説明文(英語) 関連リンク講談社BOOK倶楽部 『死ねばいいのに』特設サイト 講談社 PDF「京極夏彦×講談社 世界同時配信開始」 (報道)asahi.com 2011年1月16日「「死ねばいいのに」英語版」 桐野夏生 (Natsuo Kirino) 英題 ISBN 出版社、出版年 備考 Out 『OUT』(1997) ISBN 0099472287 (Paperback) Random House、2004年9月 同上 同上 ISBN 1400078377 (Paperback) Vintage、2005年1月 Grotesque 『グロテスク』(2003) ISBN 1400096596 Vintage、2008年2月 Real World 『リアルワールド』(2003) ISBN 0307387488 Vintage、2009年7月 Goddess Chronicle 『女神記』(2008) ISBN 1847673023 Canongate、2013年1月 In 『IN』(2009) ISBN 1846554241 Harvill Secker、2015年5月◆予定 ※英国amazonにリンク 英訳版『OUT』は2004年、アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)の1つであるエドガー賞最優秀長編賞にノミネートされた。(受賞したのはイアン・ランキン『甦る男』[2003年邦訳、ハヤカワ・ミステリ]) 栗本薫 (Kaoru Kurimoto) 《グイン・サーガ》の初期5作が英訳されている。 詳細は「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル」を参照のこと。 小池真理子 (Mariko Koike) The Cat In The Coffin / 『柩の中の猫』(1990) ISBN 1932234128 (Vertical、2009年6月) A Cappella / 『無伴奏』 ISBN 0857280449 (Thames River Press、2013年5月) さ行 桜庭一樹 (Kazuki Sakuraba) GOSICKVolume 1(2003) ISBN 1427805695 (TokyoPop、2008年4月) Volume 2(2004) ISBN 1427805709 (TokyoPop、2010年3月) 佐々木譲 (Joh Sasaki) Zero Over Berlin / 『ベルリン飛行指令』(1988) ISBN 1932234098 (Vertical、2004年7月) 佐藤春夫 (Haruo Sato) 『怪奇探偵小説名作選4 佐藤春夫集 夢を築く人々』(ちくま文庫、2002年)の収録作では、「西班牙犬の家」「指紋」「美しき町」の英訳がある。 佐藤友哉 (Yuya Sato) 【雑誌掲載】Gray-Colored Diet Coke / 「灰色のダイエットコカコーラ」(2002) ISBN 0345503570 (Del Rey、2009年6月、アメリカ版ファウスト2号に掲載) 島田荘司 (Soji Shimada) Tokyo Zodiac Murders Detective Mitarai s Casebook / 『占星術殺人事件』(1981) ISBN 4925080814 (IBC Books、2005年9月) 米国EQMMに中編「Pの密室」の英訳掲載(2013年8月号)。 『占星術殺人事件』は文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)の第1回対象作品(2002年)に選ばれ、英訳出版された。 清水義範 (Yoshinori Shimizu) 【電子書籍】Labyrinth / 『迷宮』(1999) 北米Sony Reader Store (Shueisha English Edition、2013年10月31日)(英訳版『迷宮』公式サイト) 鈴木光司 (Koji Suzuki) リング三部作と『バースデイ』および、『仄暗い水の底から』、『楽園』、『神々のプロムナード』、『エッジ』が英訳されている。 詳細は「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル」を参照のこと。 『リング』は世界中で翻訳出版されている。短編集『生と死の幻想』の英訳『Death and The Flower』(ISBN 1934287008)が近日刊行予定?? BOOK.asahi.com、2012年06月16日 「世界一怖いトイレットペーパー、海外へ 経産省が支援」 清涼院流水 (Ryusui Seiryoin) 日本の作家を英語圏へ進出させるためのプロジェクト「The BBB」を進めている(公式サイト 2012年12月1日公開 The BBB Breakthrough Bandwagon Books)。 自作の『キング・イン・ザ・ミラー』(PHP研究所、2010年10月)は自ら英訳し、2012年11月より電子書籍として販売している。このプロジェクトにはほかに、メフィスト賞作家の蘇部健一、積木鏡介、矢野龍王が参加している。 清涼院流水の小説の英訳は『キング・イン・ザ・ミラー』が初だが、小説以外では講談社の文芸誌『ファウスト』の北米版1号および2号に清涼院流水のコラム「ヤバ井でSHOW」の英訳が載っている。 関連記事『ハヤカワミステリマガジン』の杉江松恋氏の連載「ミステリちゃんが行く!」の第5回(2012年9月号)は清涼院流水インタビュー。「The BBB」について語っている。 【出版の新常識!?】(上)英語圏へ ロマンでなく必要条件 (MSN産経ニュース、2013年1月7日) - 「The BBB」が紹介されている 「日本のエンターテインメント(特にミステリー)小説は世界に通用する!」(執筆:清涼院流水) (翻訳ミステリー大賞シンジケート、2013年1月30日) なお杉江松恋氏も以前にブログで日本ミステリの英訳について書いている(「(8/18)異文化交流」、2009年8月18日)。 瀬名秀明 (Hideaki Sena) Parasite Eve / 『パラサイト・イヴ』(1995)ISBN 1932234195 (Vertical、2005年10月) ISBN 1932234209 (Vertical、2008年5月) 蘇部健一 (Kenichi Sobu) 短編「叶わぬ想い」(2005)/ The Hopeless Dream (清涼院流水訳、The BBB、2012年12月) 短編「きみがくれたメロディ」(2005)/ Your Melody (清涼院流水訳、The BBB、2014年3月) 『六とん2』(2005年)収録の短編SFミステリ「叶わぬ想い」が英語圏進出プロジェクト「The BBB」にて英訳され、電子書籍で販売されている。同短編集の「きみがくれたメロディ」も英訳される予定。 曽野綾子 (Ayako Sono) No Reason for Murder / 『天上の青』(1990) ISBN 4925080636 (UNKNO、2003年) 『天上の青』は文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)の第1回対象作品(2002年)に選ばれ、英訳出版された。 た行 高木彬光 (Akimitsu Takagi) The Tattoo Murder Case / 『刺青殺人事件』 ISBN 1569471568 (Soho Crime、2003年7月) Honeymoon to Nowhere / 『ゼロの蜜月』 ISBN 1569471541 (Soho Crime、2003年7月) ※『No Patent on Murder』という英題で出版されたこともある The Informer / 『密告者』 ISBN 156947155X (Soho Press、2003年7月) 高嶋哲夫 (Tetsuo Takashima) Fallout / 『メルトダウン』(2003) ISBN 1934287156 (Vertical、2013年1月) 【電子書籍】『TSUNAMI』(2005年)がShueisha English Editionより発売予定。 『Fallout』(メルトダウン)は遅くとも2010年春には米国amazonにデータが登録されていたが、(amazonのデータで見る限り)たびたび発売が延期になり、2013年1月にやっと発売された。 高田崇史 (Takafumi Takada) The BBBにて、「三人小坊主 千葉千波の事件日記」が英訳される予定。英訳者:清涼院流水。『試験に出るパズル 千葉千波の事件日記』に収録の短編「夏休み、または避暑地の怪」の改題か? 高橋克彦 (Katsuhiko Takahashi) The Case of the Sharaku Murders / 『写楽殺人事件』 ISBN 0857281291 (Thames River Press、2013年9月) 文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)で英訳出版された。 高見広春 (Koushun Takami) Battle Royale / 『バトル・ロワイアル』(1999)ISBN 156931778X (VIZ Media LLC、2003年2月) ISBN 0575080493 (Gollancz、2007年5月) ISBN 1421527723 (Haikasoru、2009年11月) - Haikasoru 谷崎潤一郎 (Junichiro Tanizaki) 「私」(創元推理文庫『日本探偵小説全集第11巻 名作集1』や集英社文庫『谷崎潤一郎犯罪小説集』に収録されている作品)The Thief (谷崎潤一郎『Seven Japanese tales』に収録、1963年) The Thief (アンソロジー『Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection』に収録、John L. Apostolou編、1987年6月) 「秘密」(ちくま文庫『明治探偵冒険小説集4 傑作短篇集 露伴から谷崎まで』に収録されている作品)The Secret (谷崎潤一郎『The gourmet club a sextet』に収録、講談社インターナショナル、2001年) 「柳湯の事件」(集英社文庫『谷崎潤一郎犯罪小説集』に収録されている作品)The Incident at Willow Bath House (『Studies in Modern Japanese Literature Essays and Translations in Honor of Edwin McClellan』に収録、1997年) 『日本探偵小説全集第11巻 名作集1』に「私」とともに収録されている「途上」はおそらく英訳されていない。集英社文庫『谷崎潤一郎犯罪小説集』には「柳湯の事件」、「途上」、「私」、「白昼鬼語」が収録されているが、「白昼鬼語」もおそらく英訳はない。 陳舜臣 (Shunshin Chin) Murder in a Peking Studio / 『北京悠々館』(1971) ISBN 0939252155 (Arizona State Univ Center for Asian、1986年4月) 辻原登 (Noboru Tsujihara) Jasmine / 『ジャスミン』(2004) ISBN 0857282506 (Thames River Press、2012年12月) 英国推理作家協会(CWA)のインターナショナル・ダガー賞(最優秀翻訳ミステリ賞)の選考委員であるKaren Meek氏がブログで公開している2013年度用の「ノミネート資格のある作品一覧」には『ジャスミン』も入っている。 『ジャスミン』は文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)の第2回対象作品(2005年)に選ばれ、英訳出版された。 積木鏡介 (Kyosuke Tsumiki) 都市伝説刑事シリーズ「都市伝説刑事 事件1 メリーさんのメール」(2013)/ Urban Legend Detectives Case 1 The Merry's Mail (清涼院流水訳、The BBB、2013年4月[2分冊]、2013年11月[合本]) 「都市伝説刑事 事件2 ひとりかくれんぼ」(2013)/ Urban Legend Detectives Case 2 Solitary Hide and Seek (清涼院流水訳、The BBB、2013年11月) 英語圏進出プロジェクト「The BBB」の書き下ろし作品。日本語版とその英訳版が電子書籍で販売されている。 戸川昌子 (Masako Togawa) 英題 ISBN 出版社、出版年 備考 The Master Key 『大いなる幻影』 B00235SX3Q Dodd, Mead Co.、1984年 表紙写真なし 同上 同上 ISBN 014007645X Penguin、1986年8月 Lady Killer 『猟人日記』 B002DITQNE Dodd, Mead Co.、1986年 表紙写真なし 同上 同上 ISBN 0345345487 Ballantine Books、1987年7月 A Kiss of Fire 『火の接吻』 ISBN 0345355806 Ballantine Books、1989年11月 Slow Fuse 『深い失速』 ISBN 0679418628 Pantheon、1995年10月 な行 中井英夫 (Hideo Nakai) 短編「地下街」の英訳「Underground City」が英語圏のウェブマガジン『Words without Borders』の2012年7月号に掲載された(リンク)。 中里友香 (Yuka Nakazato) Silver Wings of the Campanula / 『カンパニュラの銀翼』(第2回アガサ・クリスティー賞受賞作)(Bento Books、2014年11月◆予定) 中村文則 (Fuminori Nakamura) The Thief / 『掏摸(スリ)』(2009) ISBN 1616950218 (Soho Crime、2012年3月) The Rule of Evil and the Mask / 『悪と仮面のルール』(2010) ISBN 1616952121 (Soho Press、2013年6月) Last Winter, We Parted / 『去年の冬、きみと別れ』(2013) ISBN 1616954558 (Soho Press、2014年10月◆予定) 『掏摸(スリ)』は2009年の出版物を対象とする第4回大江健三郎賞の受賞作。大江健三郎賞は受賞作の英訳(またはフランス語訳・ドイツ語訳)の出版を約束している賞で、大江健三郎が1年間の出版物(小説に限らず、評論等も含まれる)から選出する。 『掏摸(スリ)』は日本ではあまりミステリとは見なされていないと思うが、松本清張『砂の器』や高木彬光『刺青殺人事件』を出版しているSoho Crimeからの出版であるのでリストに加えておく。米国amazonで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」を見てみると、東野圭吾『容疑者Xの献身』や北欧のミステリ作家(ユッシ・エーズラ・オールスン、オーサ・ラーソン、アンネ・ホルト、ジョー・ネスボ等々)の作品が並んでいるので、やはりアメリカでは「クライム・フィクション」として受容されているようである。 『掏摸(スリ)』は2013年1月にはフランス語訳"Pickpocket"も出版された。 毎日新聞2013年11月5日東京夕刊の記事「読書日記 著者のことば 中村文則さん」によれば、『去年の冬、きみと別れ』は「ゲラ段階で英訳の申し出があった」とのこと。 夏樹静子 (Shizuko Natsuki) 英題 ISBN 出版社、出版年 備考 Murder at Mt. Fuji 『Wの悲劇』 ISBN 0312552874 St Martins Pr、1984年5月 同上 同上 ISBN 0345337611 Ballantine Books、1987年1月 The Third Lady 『第三の女』 ISBN 0345337654 Ballantine Books、1987年5月 The Obituary Arrives at Two O Clock 『訃報は午後二時に届く』 ISBN 0345352378 Ballantine Books、1988年10月 Innocent Journey 『黒白の旅路』 ISBN 0345356454 Ballantine Books、1989年4月 Portal of the Wind 『風の扉』 ISBN 034536032X Ballantine Books、1990年6月 Death from the Clouds 『雲から贈る死』 ISBN 0345366670 Ballantine Books、1991年3月 1977年のエラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)初来日の際に夏樹静子は京都散策の案内役を務め、それ以来交流が続いた。(フレデリック・ダネイは1982年9月に死去) 『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen The Detective Story World in Japan』(エラリー・クイーン編、タトル商会、1978年)に収録 「断崖からの声」 / Cry from the Cliff 米国EQMM掲載 (11編訳載。日本の作家で最多。[次点の松本清張は4編]) タイトル 英題 掲載号 備考 「質屋の扉」 The Pawnshop Murder 1980年5月号 アンソロジー『Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection』(1987)に収録 「足の裏」 The Sole of the Foot 1981年9月号 アンソロジー『Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection』(1987)に収録アンソロジー『Murder Intercontinental Stories from Ellery Queen s Mystery Magazine and Alfred Hitchcock Mystery Magazine』(1996)に収録 「愛さずにはいられない」 I Can t Help Loving Him 1982年7月号 「階段」 The Stairs 1985年6月号 「狙われて」 A Very Careful Man 1987年1月号 「カビ」 The Taste of Cocoa 1988年3月号 「毒」(旧題・モーテルの毒) The Love Motel 1989年7月号 Robert B. Rohmer訳/アンソロジー『The Year s Best Mystery and Suspense Stories 1990』(1990)に収録 「艶やかな声」 The Woman on the Phone 1990年5月号 Robert B. Rohmer訳 「酷い天罰」 Divine Punishment 1991年3月号 Gavin Frew訳/アンソロジー『The Oxford Book of Detective Stories』(2000)に収録 「深夜の偶然」 A Midnight Coincidence 1992年5月号 Gavin Frew訳 「独り旅」 Solitary Journey 1994年6月号 Gavin Frew訳/アンソロジー『Women of Mystery III』(1998)に収録 ※「ひとり旅」は別作品 ※「モーテルの毒」は初出時のタイトル。1988年の短編集『湖・毒・夢』刊行時に「毒」に改題された。 ※1979年10月のエラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)夫妻の来日時、兄の五十嵐均がクイーンに夏樹静子の短編の英訳原稿を渡し、『EQMM』に載せてもらえないかと頼んでいる。クイーンは一読してすぐに掲載を決めたという(ローズ・ダネイ「エラリイ・クイーン夫妻最後の旅」[仙波有理訳]、「第5回 夏樹さんの短篇」『ミステリマガジン』1989年5月号)。これが1980年5月号に掲載された「質屋の扉」だろうか。 米国『Ellery Queen s Prime Crimes』掲載 タイトル 英題 掲載号 備考 「遠い秘密」 It s Best Not To Listen 3号(1985年秋号) 「遇わなかった男」 The Missing Alibi 4号(1986年) 『New Mystery』掲載 タイトル 英題 掲載号 備考 「死ぬより辛い」 Harder Than To Die 第1期第2号、1992-93年 「独り旅」か? Solitary Journey 第2期第2号、1994年 同時期に米国『EQMM』に載ったものと同一? 以上の掲載作のうち「足の裏」について、『夏樹静子のゴールデン12(ダズン)』(文藝春秋、1994年)巻末の鼎談(夏樹静子、五十嵐均、権田萬治)で夏樹静子の兄の五十嵐氏は以下のように語っている。 これは一九八二年にヨーロッパで、当年の最優秀短篇に選ばれて、イラスト入りで新聞掲載されたりもしました。アメリカのEQMM(エラリー・クイーンズ・ミステリーマガジン)に英文で載ったのが、フランス語やスウェーデン語に転訳されたのですが。 最優秀短編に選ばれたということについて、詳細は分からない。 『Wの悲劇』の英訳について マーク・シュライバー(高山真由美訳)「日本ミステリ英訳史――受容から創造へ」(『ミステリマガジン』2007年6月号)、p.21より引用 これはあまり知られていないことだが、翻訳小説のマーケティングにおいて、小説に大きく編集が加えられるだけでなく、欧米の読者に受け容れられやすいように物語自体が書き換えられることもある。夏樹静子の『Wの悲劇』が Murder at Mt. Fuji になったときにも、日本語版の原作には出てこないアメリカ人女性が主役のひとりとして新たに登場した。 夏樹静子は《トーキョー・ジャーナル》誌(一九八七年七月号)のインタヴューに答え、こう言っている。「その部分は翻訳用の原稿を送るまえに書きました。変更を加えれば、つまり、理解できる登場人物がひとりでもいれば、外国の読者にもより興味を持ってもらえると思ったのです」 一方、2002年のエッセイでは以下のように書かれている。 夏樹静子 エッセイ集『往ったり来たり』(光文社文庫、2008年)、pp.67-68 [初出:西日本新聞、2002年] 完成した『Wの悲劇』の英訳原稿を、エージェントのSさんがアメリカのいくつかの出版社に持ちこんでは断られた。やっとセント・マーチンズ・プレス社が承諾してくれたが、思いがけぬ要求を持ち出された――。 アメリカで無名の日本の女性作家の作品を出版するとなれば、物語の中にどこかわが国との接点がなければならないと、先方の編集者はいった。それに、なるべく日本情緒も加味してほしい――。 協議のうえ、私は『Wの悲劇』の探偵役で劇作家の卵の若い女性を、日本文学の勉強に留学中のアメリカ娘に変えることにした。日本情緒のほうは、舞台が山中湖畔で富士山がよく見えるから、そのムードを強調したいと先方が提案し、タイトルも変えることになった。私はやむをえず目をつぶって、とにかくまず出版にこぎつけたいと考えていた。 仁木悦子 (Etsuko Niki) 短編 The distant drawing / 「遠い絵図」(『The Kyoto collection stories from the Japanese』、1989年) 『宝石』1958年3月号に掲載された仁木悦子の短編「灰色の手袋」に付された江戸川乱歩のルーブリックは「"猫は知っていた"英訳のこと」と題されており、仁木悦子本人からの報告として、「仁木さんの一番上の姉さんは若いころアメリカに留学したことがあり、その当時の先生であったアメリカの学者が今東京のある文化団体の長をしておられ、"猫は知っていた"を読んで、姉さんを介して英訳出版のことを勧められ、アメリカ大出版社との連絡もすでに出来ている模様だというのである。結構なことだから承諾なさいと勧めておいた(以下略)」と書いている。ただ、この話は実現はしていないようである。乱歩は日本版『EQMM』1958年9月号でも「長篇では『猫は知っていた』が英訳されるという話もある」と書いている。 西尾維新 (NISIOISIN, Nisio Isin) 著者名英字表記は「NISIOISIN」。「Nisio Isin」、「Nisioisin」などとも表記。 戯言シリーズ / Zaregoto series (Del Rey)『クビキリサイクル』(2002)/ Zaregoto Book 1 The Kubikiri Cycle (2008年7月、ISBN 0345504275) 『クビシメロマンチスト』(2002)/ Zaregoto Book 2 The Kubishime Romanticist (2010年6月、ISBN 0345505786) その他『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(2006)/ Death Note Another Note (VIZ Media、2008年2月、ISBN 142151883X) 『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』(2006)/ xxxHOLiC AnotherHOLiC (Del Rey、2008年10月、ISBN 0345505182) 『xxxHOLiC アナザーホリック』の第1話の英訳は、日本の文芸誌『ファウスト』の北米版第1号(2008年8月)に先行掲載された。北米版『ファウスト』第2号(2009年6月)には「新本格魔法少女りすか 第一話 やさしい魔法はつかえない。」の英訳が掲載されている。 西村京太郎 (Kyotaro Nishimura) The Mystery Train Disappears / 『ミステリー列車が消えた』(1982) ISBN 0942637305 (Barricade Books、1990年12月) The Isle of South Kamui and Other Stories / 『南神威島(みなみかむいとう)』 ISBN 1783080116 (Thames River Press、2013年9月) 『南神威島』は文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature Publishing Project JLPP)で英訳出版された。 乃南アサ (Asa Nonami) The Hunter / 『凍える牙』(1996) ISBN 4770030258 (講談社インターナショナル、2006年12月) Now You re One of Us / 『暗鬼』(1993) ISBN 1934287032 (Vertical、2007年12月) Body / 『躯(からだ)』(1999) ISBN 1934287377 (Vertical、2012年12月) ※ホラー短編集 『Body』(躯)は遅くとも2010年春には米国amazonにデータが登録されていたが、(amazonのデータで見る限り)たびたび発売が延期になり、2012年12月にやっと発売された。 法月綸太郎 (Rintaro Norizuki) 【短編】 An Urban Legend Puzzle / 「都市伝説パズル」EQMM 2004年1月号 アンソロジー『Passport to Crime』(2007年1月)に収録 アンソロジー『The Mammoth Book of Best International Crime』(2009年)に収録 【短編】The Lure of the Green Door / 「緑の扉は危険」EQMM 2014年11月号 アンソロジー『The Mammoth Book of Best International Crime』は2013年にチェコ語訳『Světové krimipovídky』(ネット書店リンク)が出ている。「都市伝説パズル」のチェコ語訳題は「Záhada městské legendy」。 は行 浜尾四郎 (Shiro Hamao) The Devil s Disciple / 『悪魔の弟子』 ISBN 1843918579 (Hesperus Press、2011年9月)「The Devil s Disciple」(悪魔の弟子)と「Did He Kill Them?」(彼が殺したか)の2編を収録。どちらも1929年に雑誌『新青年』に掲載された短編である。 東野圭吾 (Keigo Higashino) ガリレオシリーズThe Devotion of Suspect X / 『容疑者Xの献身』(2005)Minotaur Books 2011年2月ハードカバー版、2012年2月ペーパーバック版 (アメリカ) Little, Brown 2011年7月ペーパーバック版 (イギリス) Thorndike Press 2011年5月ハードカバー版 (大活字版) Salvation of a Saint / 『聖女の救済』(2008)ISBN 0312600682 (Minotaur Books、2012年10月) A Midsummer s Equation / 『真夏の方程式』(2011)2015年冬◆予定 加賀恭一郎シリーズMalice / 『悪意』(1996)ISBN 1250035600 (Minotaur Books、2014年10月◆予定) その他Naoko / 『秘密』(1998)ISBN 1932234071 (Vertical、2004年8月) Journey Under the Midnight Sun / 『白夜行』Little, Brown、ペーパーバック版 ISBN 1408704110 (2015年10月◆予定) Little, Brown、Kindle版 (2015年10月◆予定) 『容疑者Xの献身』はアメリカ図書館協会(ALA)により2012年のミステリ部門最高推薦図書に選ばれたほか、エドガー賞最優秀長編賞、バリー賞最優秀新人賞の候補になった。エドガー賞ノミネート以前にも複数の言語に翻訳されていたが、エドガー賞ノミネート後はさらに翻訳が進み、『OUT』以来の日本ミステリの世界的大ヒット作となった。 参考:『容疑者Xの献身』の翻訳本(+各地のネット書店の該当ページへのリンク)(当サイト調査)アジア 韓国・韓国語 『용의자 X의 헌신』(2006年) 台湾・繁体字中国語 『嫌疑犯X的獻身』 (2006年)※リンク先は2010年版 タイ ・タイ語 รัก ลวง ตาย (2006年) 中国・簡体字中国語 『嫌疑人X的献身』(2008年版、2010年版) ベトナム・ベトナム語 Phía Sau Nghi Can X (2009年) 欧米 ロシア語訳 Жертва подозреваемого X (2007年) 英訳(アメリカ) The Devotion of Suspect X (2011年2月) 英訳(イギリス) The Devotion of Suspect X (2011年7月) カタルーニャ語訳 La devoció del sospitós X (2011年9月)(スペイン東部で話されている言語) スペイン語訳 La devoción del sospechoso X (2011年10月) フランス語訳 Le Dévouement du suspect X (2011年11月) オランダ語訳 De fatale toewijding van verdachte X (2012年5月) イタリア語訳 Il Sospettato X (2012年9月) ハンガリー語訳 X - A gyilkos ismeretlen (2012年10月) ドイツ語訳 Verdächtige Geliebte (2012年11月) チェコ語訳 Oddanost podezřelého X (2012年) ギリシャ語訳 Η αφοσίωση του υπόπτου Χ (2012年) 関連記事:東野圭吾『容疑者Xの献身』エドガー賞ノミネート関連記事一覧 久生十蘭 (Juran Hisao) 短編「母子像」の英訳がニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙主催、第2回(1953年)世界短編小説コンクール第一席入選。 (ブログ「久生十蘭オフィシャルサイト準備委員会」の2005年12月31日のエントリー「久生十蘭の仕事部屋から(16)」がこのことについて詳しい) 最近では、2012年6月頃に刊行された日本の怪奇小説の英訳アンソロジー『Kaiki Uncanny Tales from Japan』第3巻に短編「妖翳記」の英訳が収録された。 平山夢明 (Yumeaki Hirayama) 短編Summoned by the Shadows / 「或る彼岸の接近」(Lairs of the Hidden Gods 第2巻『Inverted Kingdom』、黒田藩プレス、2005年) 長編Diner / 『DINER(ダイナー)』(2009) 売れ行き不振によりレーベルが休刊、『DINER』も発売中止にイギリス版 ISBN 1909223840 (Exhibit A、2014年7月予定→発売中止) 北米版(アメリカ・カナダ版) ISBN 1909223859 (Exhibit A、2014年7月予定→発売中止) 電子版(英米共通) ISBN 1909223867 (Exhibit A、2014年7月予定→発売中止) 船戸与一 (Yoichi Funado) May in the Valley of the Rainbow / 『虹の谷の五月』 ISBN 1932234284 (Vertical、2006年12月) ま行 舞城王太郎 (Otaro Maijo) 【雑誌掲載】Drill Hole in My Brain / 「Drill Hole in My Brain」(2003) ISBN 034550206X (Del Rey、2008年8月、アメリカ版ファウスト1号に掲載) 文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(JLPP)で『阿修羅ガール』の英訳・仏訳の出版が予定されていたが、事業が2012年6月に「廃止」の判定を受けてしまったためどうなるのか不明。 松浦寿輝 (Hisaki Matsuura) Triangle / 『巴』 ISBN 162897026X (Dalkey Archive Press、2014年6月) 文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(JLPP)での刊行。「形而上学的推理小説」。 松本清張 (Seicho Matsumoto) 長編Points and Lines / 『点と線』 ISBN 0870114565 (講談社アメリカ、1986年6月)(初刊は1970年) Inspector Imanishi Investigates / 『砂の器』 ISBN 1569470197 (Soho Crime、2003年7月) Pro Bono / 『霧の旗』 ISBN 1934287024 (Vertical、2012年7月) 短編集The Voice and Other Stories / 「声」ほか ISBN 4770019491 (講談社インターナショナル、1995年7月)(初刊は1989年)The Accomplice(共犯者) The Face(顔) The Serial(地方紙を買う女) Beyond All Suspicion(捜査圏外の条件) The Voice(声) The Woman Who Wrote Haiku(巻頭句の女) 米国EQMM掲載 タイトル 英題 掲載号 備考 「地方紙を買う女」 The Woman Who Took the Local Paper 1979年6月号 アンソロジー『Ellery Queen s crime cruise round the world 26 stories from Ellery Queen s mystery magazine』(1981)に収録アンソロジー『Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection』(1987)に収録 「証言」 The Secret Alibi 1980年11月号 アンソロジー『Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection』(1987)に収録 「百円硬貨」 The Humble Coin 1982年7月号 「捜査圏外の条件」 Beyond All Suspicion 1991年1月号 Adam Kabat訳(松本清張英訳短編集『The Voice and Other Stories』[1989]からの掲載) 「地方紙を買う女」(The Woman Who Took the Local Paper)は米国EQMMに掲載された最初の日本ミステリ。 その他の短編 「一年半待て」 / Just Eighteen Months または Wait a Year and a HalfJust Eighteen Months 『Japan Quarterly』1962年1号(9巻1号)、朝日新聞社、John Bester訳 ★松本清張作品の最初の英訳 Just Eighteen Months 『Ellery Queen s Prime Crimes』1号(Davis Publications、1983年) Wait a Year and a Half 『The Mother of Dreams and Other Short Stories』(Kodansha America、1986年) Wait a Year and a Half 『Japanese Short Stories』(Folio Society、2000年) 「証言」 / Evidence『Japan Quarterly』1962年1号(9巻1号)、朝日新聞社、John Bester訳 ★松本清張作品の最初の英訳 のちに「The Secret Alibi」というタイトルでEQMMに訳載 「奇妙な被告」 / The Cooperative Defendant『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen The Detective Story World in Japan』(エラリー・クイーン編、タトル商会、1978年) 『Classic Short Stories of Crime and Detection』(Garland、1983年) 『The Oxford Book of Detective Stories』(Oxford University Press、2000年) 「顔」 / The Face『Japan Quarterly』1980年4号(27巻4号)、朝日新聞社、David W. Wright訳 松本清張短編集『The Voice and Other Stories』1989年 「張込み」 / The Stakeout『Japan Echo』12号(1985年)、ジャパンエコー社、Daniel Zoll訳 『The Columbia Anthology of Modern Japanese Literature From 1945 to the Present』(2007年4月)(上記の訳文の再録) 北九州市立松本清張記念館 松本清張研究奨励事業研究報告書 松本清張研究奨励事業第8回(2008年) 短編集『隠花の飾り』英訳(収録短編11編のうち5編を英訳。なお、「隠花の飾り」というタイトルの短編は存在しない)Tabi socks(足袋) Woman s best friend(愛犬) Plumes of fire in the north(北の火箭) The departure(見送って) A case of misinterpretation(誤訳) 松本清張研究奨励事業第11回(2011年) 短編「黒地の絵」英訳Tattoo on the black soldier s breast(黒地の絵) また、長編『熱い絹』の日米同時発売の企画もあったらしい。(山村正夫『続々・推理文壇戦後史』、双葉社、1980年4月、p.203) 関連リンク:宮脇孝雄「松本清張作『砂の器』英語版で翻訳の楽しみを味わう」 水上勉 (Tsutomu Mizukami, Tsutomu Minakami) The Temple of the Wild Geese and Bamboo Dolls of Echizen / 『雁の寺』と『越前竹人形』 ISBN 1564784908 (Dalkey Archive Press、2008年3月) 皆川博子 (Hiroko Minagawa) 長編The Case of the Curious Cadaver in the Dissectorium of Dr. Daniel Burton / 『開かせていただき光栄です』 (Bento Books、201X年◆予定) 短編「文月の使者」 "The Midsummer Emissary" (『Kaiki Uncanny Tales from Japan 3』、黒田藩プレス、2012年) 「夕陽が沈む」 "Sunset" (『Speculative Japan 3』、黒田藩プレス、2012年) 早川書房の英訳プロジェクト「ハヤカワ・ワールドワイド」で、2012年の本格ミステリ大賞受賞作『開かせていただき光栄です』が英訳され、電子書籍として出版される予定。このプロジェクトでは、東野圭吾『容疑者Xの献身』や伊藤計劃『ハーモニー』の英訳者であるアレクサンダー・O・スミス氏らが創設したアメリカの翻訳出版社、BENTO BOOKSが作品選定と英訳を担当している。同プロジェクトではほかに森晶麿『黒猫の遊歩あるいは美学講義』、中里友香『カンパニュラの銀翼』、小川一水『天冥の標』、五代ゆう『アバタールチューナー』の英訳も進んでいる。 関連記事2013年5月31日「日本の小説、英訳し電子書籍に 早川書房、映画化を期待」(ブック・アサヒ・コム、朝日新聞デジタル) 2013年5月31日「SF、ミステリーを英訳電子化=ハリウッド映像化も視野に—早川書房」(ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版) 2013年6月26日「Bento Books Announces Translation and Publishing Tie-up With Hayakawa Publishing」 湊かなえ (Kanae Minato) Confessions / 『告白』(2008) ISBN 0316200921 (Mulholland Books、2014年8月) 2011年5月にイタリア語訳が出ている。 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) 英題 ISBN 出版社、出版年 備考 All She Was Worth 『火車』(1992) ISBN 0395966582 Mariner Books、1999年5月 Shadow Family 『R.P.G.』(2001) ISBN 4770030045 講談社USA、2006年1月 最初の刊行は2004年? Crossfire 『クロスファイア』(1998) ISBN 4770030681 講談社USA、2007年7月 最初の刊行は2006年? The Devil s Whisper 『魔術はささやく』(1989) ISBN 4770031173 講談社USA、2010年3月 The Sleeping Dragon 『龍は眠る』(1991) ISBN 4770031041 講談社USA、2010年4月 ファンタジー小説 Brave Story 『ブレイブ・ストーリー』(2003) ISBN 1421527731 VIZ Media LLC、2009年11月 Haikasoru The Book of Heroes 『英雄の書』(2009) ISBN 1421527758 VIZ Media LLC、2010年1月 Haikasoru ICO Castle in the Mist 『ICO 霧の城』(2004) ISBN 1421540630 VIZ Media LLC、2011年8月 Haikasoru Apparitions Ghosts of Old Edo / ホラー短編集『あやし』 Haikasoru、2013年11月 『ブレイブ・ストーリー』の英訳版は2008年1月、アメリカ図書館協会(ALA)の児童図書部門(Association for Library Service to Children, ALSC)が主催するバチェルダー賞(Batchelder Award)を受賞している。これは英訳された児童文学を対象とする賞である。1968年から続く賞で、日本の作品ではほかに、1983年に丸木俊『ひろしまのピカ』、1997年に湯本香樹実『夏の庭 The Friends』、2009年に上橋菜穂子『精霊の守り人』が受賞している。 森晶麿 (Akimaro Mori) The Black Cat Takes a Stroll / 『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(第1回アガサ・クリスティー賞受賞作)(Bento Books、2015年◆予定) 森博嗣 (Hiroshi Mori / MORI Hiroshi) 短編「小鳥の恩返し」(1999)/ The Girl Who Was the Little Bird (清涼院流水訳、The BBB、2013年12月) 短編「片方のピアス」(1999)/ A Pair of Hearts (清涼院流水訳、The BBB、2014年6月) 短編集『地球儀のスライス』(1999年)に収録の短編「小鳥の恩返し」が英語圏進出プロジェクト「The BBB」にて英訳され、電子書籍で販売されている。同短編集の「片方のピアス」も英訳される予定。 や行 山田風太郎 (Futaro Yamada) The Kouga Ninja Scrolls / 『甲賀忍法帖』(1959) ISBN 0345495101 (Del Rey、2006年12月) 山田正紀 (Masaki Yamada) 『アフロディーテ』(1980)と『イノセンス After The Long Goodbye』(2004)が英訳されている。 詳細は「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル」を参照のこと。 山村美紗 (Misa Yamamura) The Dark Ring of Murder / 『黒の環状線』(1976) ISBN 1561672475 (Noble House、1996年5月) 第18回(1972年)の江戸川乱歩賞候補作。この回の受賞作は和久峻三の『仮面法廷』。 結城昌治 (Shoji Yuki) I m not a dog / 『ぼく、イヌじゃないよ』(1985) ISBN 0907349412 (Spindlewood、1985年8月) 河出書房新社の叢書《メルヘンの森》(全6巻)の1冊として刊行された絵本。 夢野久作 (Kyusaku Yumeno) Love After Death / 「死後の恋」 (日本文学英訳アンソロジー『Modanizumu Modernist Fiction from Japan, 1913-1938』[2008年2月]に収録) Bottled Hell / 「瓶詰地獄」 amazon.comでKindle版(2011年8月)が販売されている ※日本の翻訳グループによる英訳 Hell in a Bottle / 「瓶詰地獄」 (日本近代文学英訳アンソロジー『Three-Dimensional Reading Stories of Time and Space in Japanese Modernist Fiction, 1911-1932』[2013年7月]に収録) ほかに随筆「恐ろしい東京」の英訳(Terrifying Tokyo)が『Tokyo Stories A Literary Stroll』(2002)に収録されている。 横溝正史 (Seishi Yokomizo) The Inugami Clan / 『犬神家の一族』(1951) ISBN 1933330317 (Stone Bridge Press、2007年9月) 横溝作品はフランス語訳は3冊刊行されている(『犬神家の一族』、『八墓村』、『悪魔の手毬唄』)。ドイツ語訳はなし。 吉田修一 (Shuichi Yoshida) Villain / 『悪人』(2007) ISBN 0307454940 (Vintage、2011年8月) Parade / 『パレード』(2002)ISBN 1846552370 (Harvill Secker、2014年3月) ※英国amazonにリンク ISBN 0307454932 (Vintage、2014年7月) 英国推理作家協会(CWA)のインターナショナル・ダガー賞(最優秀翻訳ミステリ賞)の選考委員であるKaren Meek氏がブログで公開している2011年度用の「ノミネート資格のある作品一覧」には『悪人』も入っている。サイト閲覧者が同リストに対して書き込んだコメントを見ると、『悪人』がノミネートされるのではないかと予想している人もいる。 2012年9月に、米国のミステリ編集者のオットー・ペンズラーが「面白くて歴史的意義のあるミステリ小説はすべて英語圏の作品であると言ってよい」と主張するエッセイを発表した(Why the Best Mysteries Are Written in English)。このエッセイでペンズラーは、「つい最近までアジアにはミステリ小説はほとんどなかった」(Until very recent years, there were very few Asian mystery stories)と書いている。当然ながら反論コメントが即座に複数ついたが、日本にもミステリがあると反論してくれた人が挙げた作品は吉田修一の『悪人』だった。この作品を日本の「クライム・フィクション」の代表作とみなしている人もいるようである。(記事に対するコメントは一定時間が経つと消えてしまうようで、現在は見られない) 米澤穂信 (Honobu Yonezawa) 『ボトルネック』(2006)の部分訳が米国タフツ大学の「Tufts Digital Library」にある(リンク)。 米国EQMM掲載作品 EQMM=エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン。米国のミステリ雑誌。1941年創刊。初代編集長はエラリー・クイーン(の1人であるフレデリック・ダネイ)。 1950年代前半、江戸川乱歩はエラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)と文通している。このとき乱歩は手紙と一緒にジェームス・ハリスに英訳してもらった自作5、6編を送って、EQMMに載せてほしいと頼んだが、この願いは叶わなかった。(「シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(番外編) 明智小五郎(1-2)乱歩の短編集の紹介が『クイーンの定員』(1951年)に載った経緯」参照) 早川書房『ミステリマガジン』の前身である日本版『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』でかつて、海外を視野に入れた「EQMM短篇探偵小説年次日本コンテスト」(1958~1963、全6回)が実施されている。第1回の告知は1958年9月号に掲載。短編探偵小説を募集し、入選作1編を英訳して米国『EQMM』に送り、掲載を狙うという賞だった。ただ、第1回の入選作、結城昌治「寒中水泳」の英訳「A Midwinter Swim」はクイーンから「今一歩」との評が日本側に届き、掲載はされなかった。第2回~第5回は入選作が出ていない。第6回は土井稔「会議は踊る」が入選第一席に選ばれているが、やはり米国『EQMM』には掲載されていない(英訳が米国編集部に送られたかどうかも不明)。 著者 タイトル 英題 掲載号 備考 谷崎潤一郎 「私」 The Thief 1967年10月号 谷崎潤一郎『Seven Japanese tales』(1963年刊)からの転載 松本清張 「地方紙を買う女」 The Woman Who Took the Local Paper 1979年6月号 『Ellery Queen s crime cruise round the world 26 stories from Ellery Queen s mystery magazine』(1981)に収録 夏樹静子 「質屋の扉」 The Pawnshop Murder 1980年5月号 松本清張 「証言」 The Secret Alibi 1980年11月号 夏樹静子 「足の裏」 The Sole of the Foot 1981年9月号 『Murder Intercontinental Stories from Ellery Queen s Mystery Magazine and Alfred Hitchcock Mystery Magazine』(1996)に収録 松本清張 「百円硬貨」 The Humble Coin 1982年7月号 夏樹静子 「愛さずにはいられない」 I Can t Help Loving Him 同上 エラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)死去(1982年9月) 夏樹静子 「階段」 The Stairs 1985年6月号 夏樹静子 「狙われて」 A Very Careful Man 1987年1月号 夏樹静子 「カビ」 The Taste of Cocoa 1988年3月号 阿刀田高 「来訪者」 The Visitor 1988年12月中旬号 阿刀田高 「ナポレオン狂」 Napoleon Crazy 1989年3月号 夏樹静子 「毒」(旧題・モーテルの毒) The Love Motel 1989年7月号 『The Year s Best Mystery and Suspense Stories 1990』(1990)に収録 夏樹静子 「艶やかな声」 The Woman on the Phone 1990年5月号 松本清張 「捜査圏外の条件」 Beyond All Suspicion 1991年1月号 松本清張英訳短編集『The Voice and Other Stories』(1989)からの掲載 夏樹静子 「酷い天罰」 Divine Punishment 1991年3月号 『The Oxford Book of Detective Stories』(2000)に収録 赤川次郎 「沿線同盟」 Beat Your Neighbor Out of Doors 1992年3月号 『The Deadliest Games Tales of Psychological Suspense from Ellery Queen s Mystery Magazine』(1993)に収録 夏樹静子 「深夜の偶然」 A Midnight Coincidence 1992年5月号 夏樹静子 「独り旅」 Solitary Journey 1994年6月号 『Women of Mystery III』(1998)に収録 ※「ひとり旅」は別作品 五十嵐均 「セコい誘拐」 What Goes Round Comes Round 1995年7月号 以下はEQMMのPassport to Crimeコーナーに掲載 法月綸太郎 「都市伝説パズル」 An Urban Legend Puzzle 2004年1月号 第55回(2002年)推協賞短編部門受賞作/『The Mammoth Book of Best International Crime』(2009)に収録 光原百合 「十八の夏」 Eighteenth Summer 2004年12月号 第55回(2002年)推協賞短編部門受賞作 伊坂幸太郎 「死神の精度」 The Precision of the Agent of Death 2006年7月号 第57回(2004年)推協賞短編部門受賞作 横山秀夫 「動機」 Motive 2008年5月号 第53回(2000年)推協賞短編部門受賞作 長岡弘樹 「傍聞き」 Heard at One Remove 2010年2月号 第61回(2008年)推協賞短編部門受賞作 永瀬隼介 「師匠」 Chief 2013年2月号 第63回(2010年)推協賞短編部門ノミネート作 島田荘司 「Pの密室」 The Locked House of Pythagoras 2013年8月号 『The Realm of the Impossible』(2017)に収録 法月綸太郎 「緑の扉は危険」 The Lure of the Green Door 2014年11月号 『The Realm of the Impossible』(2017)に収録 島田荘司 「発狂する重役」 The Executive Who Lost His Mind 2015年8月号 甲賀三郎 「蜘蛛」 The Spider 2015年12月号 大阪圭吉 「寒の夜晴れ」 The Cold Night s Clearing 2016年5月号 大阪圭吉英訳短編集『The Ginza Ghost』(2017)に収録 島田荘司 「疾走する死者」 The Running Dead 2017年11・12月号 我孫子武丸 「人形はテントで推理する」 A Smart Dummy in the Tent 2019年7・8月号 芦辺拓 「疾駆するジョーカー」 The Dashing Joker 2020年9・10月号 (このリストの作成にあたっては、「翻訳道楽」の宮澤洋司氏にご協力いただきました) ※谷崎潤一郎「私」は三門優祐氏からリスト漏れを指摘していただき、2015年2月25日に追加しました。 ※最初の5編(谷崎潤一郎「私」、松本清張「地方紙を買う女」、夏樹静子「質屋の扉」、松本清張「証言」、夏樹静子「足の裏」)は『Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection』(1987)に収録 ※法月綸太郎「都市伝説パズル」、光原百合「十八の夏」、伊坂幸太郎「死神の精度」の3編は『Passport to Crime』(2007)に収録 Passport to Crimeコーナー(2003年6月号~)について アメリカのミステリ雑誌『Ellery Queen s Mystery Magazine』の「Passport to Crime」コーナーは非英語圏の短編ミステリを英訳掲載するコーナーである(※ただしインドの作家が英語で書いた作品が掲載されたこともある)。2003年6月号より毎号掲載されており、日本の作品も何度か掲載されている。 「Passport to Crime」コーナーの初期の掲載作は『Passport to Crime』(2007年1月)というタイトルでまとめられて刊行されており、日本の作品では法月綸太郎、光原百合、伊坂幸太郎の作品が収録されている。 「十八の夏」は米国『EQMM』の読者投票で、掲載短編の年間第5位。(『ミステリマガジン』2007年6月号、p.39) 2013年1月、エドガー賞の候補作が発表され、2012年3・4月号の「Passport to Crime」コーナーで英訳紹介されたTeresa Solanaの"Still Life No. 41"が最優秀短編賞にノミネートされた。Teresa Solanaはカタルーニャ語(スペイン東部で使用される言語)で書くミステリ作家。「Passport to Crime」コーナー掲載作がエドガー賞にノミネートされたのはこれが初である。今後、日本の作品が同賞にノミネートされる日も来るだろうか? 『Ellery Queen s Prime Crimes』掲載作品(EQMMの増刊号のようなもの?) 著者 タイトル 英題 掲載号 備考 松本清張 「一年半待て」 Just Eighteen Months 1号(1983年冬号) 夏樹静子 「遠い秘密」 It s Best Not To Listen 3号(1985年秋号) 五十嵐均 「ビジター」 The Visitor 3号(1985年秋号) 本名の五十嵐鋼三(Kozo Igarashi)名義 夏樹静子 「遇わなかった男」 The Missing Alibi 4号(1986年) (このリストの作成にあたっては、「翻訳道楽」の宮澤洋司氏にご協力いただきました) 五十嵐均の「The Visitor」は日本でデビューする以前の掲載。日本でのデビュー作『ヴィオロンのため息の―高原のDデイ―』(角川書店、1994年5月)の著者略歴には『 85年EQMMに「ザ・ビジター」を執筆』とあるが、正確にはEQMMではなく『Ellery Queen s Prime Crimes』への掲載である。「The Visitor」の日本語版「ビジター」は日本推理作家協会編『ミステリー傑作選・特別編6 自選ショート・ミステリー2』(講談社文庫、2001年10月、pp.121-130)で読むことができる。 ミステリアンソロジー Ellery Queen s Japanese Golden Dozen The Detective Story World in Japan (エラリー・クイーン編、1978年5月) 石沢英太郎(Eitaro Ishizawa) 「噂を集め過ぎた男」 Too Much About Too Many 松本清張(Seicho Matsumoto) 「奇妙な被告」 The Cooperative Defendant のちにアンソロジー『Classic Short Stories of Crime and Detection』(1983)に収録のちにアンソロジー『The Oxford Book of Detective Stories』(2000)に収録 三好徹(Tohru Miyoshi) 「死者の便り」 A Letter from the Dead 森村誠一(Seiichi Morimura) 「魔少年」 Devil of a Boy 夏樹静子(Shizuko Natsuki) 「断崖からの声」 Cry from the Cliff 西村京太郎(Kyotaro Nishimura) 「優しい脅迫者」 The Kindly Blackmailer 佐野洋(Yoh Sano) 「証拠なし」 No Proof のちにアンソロジー『City Sleuths and Tough Guys』(1989)に収録 笹沢左保(Saho Sasazawa) 「海からの招待状」 Invitation from the Sea のちにアンソロジー『Murder on Deck!』(1998)に収録 草野唯雄(Tadao Sohno) 「復顔」 Facial Restoration 戸川昌子(Masako Togawa) 「黄色い吸血鬼」 The Vampire 土屋隆夫(Takao Tsuchiya) 「加えて、消した」 Write In, Rub Out 筒井康隆(Yasutaka Tsutsui) 「如菩薩団」 Perfectly Lovely Ladies Murder in Japan Japanese Stories of Crime and Detection (John L. Apostolou編、1987年6月) 江戸川乱歩 「心理試験」 The Psychological Test 「赤い部屋」 The Red Chamber 志賀直哉 「剃刀」 The Razor 「范の犯罪」 Han s Crime 谷崎潤一郎 「私」 The Thief 芥川龍之介 「藪の中」 In a Grove 石川達三 The Affair of the Arabesque Inlay 耕治人(こう はると) Black Market Blues 松本清張 「証言」 The Secret Alibi 「地方紙を買う女」 The Woman who Took the Local Paper 安岡章太郎 「雨」 Rain 安部公房 「夢の兵士」 The Dream Soldier 夏樹静子 「質屋の扉」 The Pawnshop Murder 「足の裏」 The Sole of the Foot 黒田藩プレスの非ミステリアンソロジー 以下のクトゥルーアンソロジー、怪奇小説アンソロジー、SF小説アンソロジーの収録内容は「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル>ホラーアンソロジー」、「英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル>日本SFアンソロジー」で示す。 クトゥルーアンソロジーLairs of the Hidden Gods (全4巻)東京創元社から刊行されたアンソロジー『秘神界』(歴史編および現代編の全2巻、2002年9月)の英訳。 怪奇小説アンソロジーKaiki Uncanny Tales from Japan 第1巻 (京極夏彦、宮部みゆき、岡本綺堂 etc) Kaiki Uncanny Tales from Japan 第2巻 (高橋克彦、日影丈吉 etc) Kaiki Uncanny Tales from Japan 第3巻 (村山槐多、江戸川乱歩、皆川博子、久生十蘭 etc) (2012年6月頃(?)刊行済み) SF小説アンソロジーSpeculative Japan 第1巻 Speculative Japan 第2巻 Speculative Japan 第3巻 (綾辻行人の短編「心の闇」などを収録) その他のアンソロジー The Columbia Anthology of Modern Japanese Literature From Restoration to Occupation, 1868-19452007年4月刊/全888ページ。1868年から1945年までの日本の短編小説・詩・エッセイ等の英訳を収録。ミステリ関連では、江戸川乱歩「人間椅子」、谷譲次「上海された男」。 The Columbia Anthology of Modern Japanese Literature From 1945 to the Present2007年4月刊/全864ページ。1945年から2007年までの日本の短編小説・詩・エッセイ等の英訳を収録。ミステリ関連では、松本清張「張込み」"The Stakeout"、星新一「おーい でてこーい」"He-y, Come on Ou-t!"。 Modanizumu Modernist Fiction from Japan, 1913-19382008年2月刊/全605ページ。1913年から1938年までの日本の短編小説。広義のミステリ関連は、村山槐多「美少年サライノの首」、橘外男「酒場ルーレット紛擾記」、江戸川乱歩「二銭銅貨」「押絵と旅する男」「芋虫」、谷譲次「上海された男」、夢野久作「死後の恋」。 amazon.co.jp内のリスト (2010年6月6日追加 表紙をざっと一覧するのに便利) 英訳された日本のミステリ著者名50音順あ行 著者名50音順か行 著者名50音順さ行 著者名50音順た行 著者名50音順な・は行 著者名50音順ま行 著者名50音順や~わ行+アンソロジー 関連ページ 英訳された日本のSF・ファンタジー・ホラー小説、ライトノベル 「日本ミステリの海外刊行」に戻る
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毎年恒例の本格ミステリのランキング本、原書房『2011 本格ミステリ・ベスト10』が刊行されました。アジアミステリーのベスト10入りを期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。とはいえ、アンケート回答者のそれぞれの回答内容を見ると、島田荘司推理小説賞を受賞した台湾の『虚擬街頭漂流記』も、講談社〈アジア本格リーグ〉の1冊として刊行された中国の『蝶の夢』も、それなりに多くの人に読まれており、多くの人が上位に挙げているように感じました。 『本格ミステリ・ベスト10』では、国内部門はベスト20までリストアップされていますが、海外部門はベスト10までしかリストアップされていません。アジアミステリーの正確な順位が知りたかったので、11位以下を自分で集計してみました。 結果は以下のようで、これは大健闘といってもいいのではないでしょうか。 対象:2009年11月1日~2010年10月31日(奥付)に発行された本格ミステリ小説。 回答者(作家、評論家、大学の推理小説研究会など)は順位をつけて5作品を選ぶ。1位:10点、2位:9点、3位:8点、4位:7点、5位:6点。 海外ランキングの有効回答者数:51 回答で挙がったタイトルの総数:57 (『ミステリマガジン』4月号含む)(『エラリー・クイーン論』除く) 作家名はWikipediaの記事にリンク。作品名はAmazon.co.jpにリンク。原書は初刊本ではなく、Amazon.co.jpで新刊が手に入り、かつ最も安いものに優先的にリンクしている(ただし、新刊では購入できないものも多い)。また、原書の書籍情報がAmazon.co.jpに登録されていない場合は、Amazon.com、Amazon.frなどを使用している。 順位 point(s) 投票者数 著者名 生年 タイトル Author Title 発表年 地域 1位 173 pts 20人 ピーター・アントニイ (兄、弟) *1 ベヴァリー・クラブ Peter Antony How Doth the Little Crocodile? 1952 UK 2位 168 pts 19人 ルイス・ベイヤード (???? - ) 陸軍士官学校の死 (上)、(下) Louis Bayard The Pale Blue Eye 2006 USA 3位 134 pts 17人 ウィリアム・ブリテン (1930 - ) ストラング先生の謎解き講義 William Brittain (Mr.Strang Gives a Lecture and Other Stories) 1967-1983 USA 4位 128 pts 17人 ルーパート・ペニー (1909 - 1970) 警官の証言 Rupert Penny Policeman's Evidence 1938 UK 5位 85 pts 11人 アントニイ・バークリー (1893 - 1971) パニック・パーティ Anthony Berkeley Panic Party 1934 UK 6位 81 pts 10人 パトリック・クェンティン *2 悪魔パズル Patrick Quentin A Puzzle for Fiends 1946 USA 11人 ポール・アルテ (1956 - ) 殺す手紙 Paul Halter La lettre qui tue 1992 France 8位 79 pts 9人 キャロル・オコンネル (1947 - ) 愛おしい骨 Carol O Connell *5 Bone by Bone 2008 USA 9位 78 pts 9人 ジェフリー・ディーヴァー (1950 - ) ロードサイド・クロス Jeffery Deaver Roadside Crosses 2009 USA 10位 65 pts 8人 F・W・クロフツ (1879 - 1957) フレンチ警部と毒蛇の謎 Freeman Wills Crofts Antidote to Venom 1938 UK 8人 ピーター・トレメイン (1943 - ) 修道女フィデルマの洞察 Peter Tremayne (Hemlock at Vespers and Other Stories from Hemlock at Vespers) 1993-1998 Ireland 12位 64 pts 8人 寵物先生(ミスターペッツ) (1980 - ) 虛擬街頭漂流記 寵物先生 虛擬街頭漂流記 (Xuni Jietou Piaoliuji) 2009 台湾 13位 63 pts 8人 エドワード・D・ホック (1930 - 2008) サム・ホーソーンの事件簿VI Edward D. Hoch (Diagnosis Impossible 6) 2002-2008 USA 14位 57 pts 7人 水天一色 (すいてんいっしき) (1981 - ) 蝶の夢 乱神館記 水天一色 乱神馆记系列之蝶梦 (Luanshenganji xilie zhi Diemeng) 2006 中国 15位 55 pts 7人 ヘレン・マクロイ (1904 - 1994) 殺す者と殺される者 Helen McCloy The Slayer and the Slain 1957 USA 16位 50 pts 6人 エラリー・クイーン *3 ミステリの女王の冒険 Ellery Queen (The Adventure of the Grand Old Lady and Other Television Adventures of Ellery Queen) 1975-1976 USA 17位 48 pts 6人 ジェイムズ・ヤッフェ (1927 - ) 不可能犯罪課の事件簿 James Yaffe (The Case Book of Department of Impossible Crimes) 1943-1956 USA 18位 41 pts 5人 カミ (1884 - 1958) 機械探偵クリク・ロボット Cami (Krik-Robot, Détective-à-moteur L'énigme des 5 Pavillons) 1945-1947 France 19位 31 pts 4人 レジナルド・ヒル (1936 - ) 死は万病を癒す薬 Reginald Hill A Cure for All Diseases 2008 UK 20位 26 pts 3人 ジョン・ハート (1965 - ) ラスト・チャイルド *4 John Hart The Last Child 2009 USA *1 兄弟の合作。兄:アンソニー・シェーファー (Anthony Shaffer, 1926 - 2001)、弟:ピーター・シェーファー (Peter Shaffer, 1926 - ) *2 4名の作家が関わるペンネーム。『悪魔パズル』はヒュー・キャリンガム・ウィーラー (Hugh Callingham Wheeler, 1912 – 1987)とリチャード・W・ウェッブ (Richard Wilson Webb, 1901 – 1966)の合作。 *3 従兄弟同士の合作。フレデリック・ダネイ (Frederic Dannay, 1905 - 1982)、マンフレッド・ベニントン・リー (Manfred Bennington Lee, 1905 - 1971) *4 文庫版(上)、(下)も同時刊行。 *5 「 」がアドレスに含まれているため、表の中でうまくリンクが貼れなかった。 http //en.wikipedia.org/wiki/Carol_O Connell 関連ページ 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧
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2013年7月22日 【注意点】 先月作成した「北欧ミステリ邦訳一覧」、「南欧ミステリ邦訳一覧」と同じように基本的に邦訳された順に並べていますが、1940年代までの作品についてはいつ邦訳されたかにかかわらず、「(1)18世紀・19世紀の古典犯罪小説・探偵小説」または「(2)20世紀前半のドイツ語圏探偵小説」に分類しています。 たとえば、フリードリヒ・グラウザーのシュトゥーダー刑事シリーズは邦訳が始まったのは1990年代ですが、1930年代に発表された作品であるため、「(7)1990年代~に邦訳された作家」ではなく「(2)20世紀前半のドイツ語圏探偵小説」に分類してあります。 ただし1950年代に伊東鍈太郎が訳した作品群については、発表年代にかかわらずすべて「(3)1950年代~に邦訳された作家」に分類しています。これは理由は単純で、伊東鍈太郎が訳した作品は発表年代がいつなのか(1940年代までの作品なのか1950年代以降の作品なのか)が分からないものが多いからです。 Index ドイツ語圏最初の探偵小説(邦訳なし) (1)18世紀・19世紀の古典犯罪小説・探偵小説 (2)20世紀前半のドイツ語圏探偵小説 (3)1950年代~に邦訳された作家 (4)1960年代~に邦訳された作家 (5)1970年代~に邦訳された作家 (6)1980年代~に邦訳された作家 (7)1990年代~に邦訳された作家 (8)2000年以降に邦訳された作家 (9)シーラッハ『犯罪』の邦訳(2011年6月)以降 短編のみ邦訳されている作家 未刊に終わったドイツ語圏古典ミステリ ドイツ語圏の少年少女向けミステリ 参考文献 更新履歴 ドイツ語圏最初の探偵小説(邦訳なし) ミステリ同人誌『ROM』117号(非英米ミステリ特集号、2003年3月)を最近国会図書館で読んで知ったのだが、ドイツ語圏の最初の探偵小説はドイツのアードルフ・ミュルナー(Adolf Müllner、1774-1829)が1828年に発表した中編小説「Der Kaliber」だとする説があるのだそうだ。1999年に刊行された草創期ドイツ語圏探偵小説の英訳アンソロジー『Early German and Austrian Detective Fiction』(米国amazon)の編者たちがそのように主張しているのだという。1828年ということは、ポーの「モルグ街の殺人」(1841年)より13年早い。さらに、1839年発表のオットー・ルートヴィヒ(Otto Ludwig、1802-1875)の中編「Der Tote von St. Annas Kapelle」もやはり「探偵小説」だそうだ。このオットー・ルートヴィヒは本名Emil Freiherr von Puttkammer。有名なドイツ作家で邦訳もあるオットー・ルートヴィヒ(1813-1865)とは別人なので注意。 『Early German and Austrian Detective Fiction』はモルグ街よりも早いこの2作を含む全6作を収録。『ROM』117号では主宰者のROM氏がこの本のレビューを書いている。収録作はどれも未邦訳である。 ドイツ語圏最初の探偵小説とされる「Der Kaliber」(1828)の作者のアードルフ・ミュルナーは戯曲「罪」が訳されている(深見茂訳、『ドイツ・ロマン派全集 第17巻 呪縛の宴 ドイツ運命劇集』、国書刊行会、1989年6月、pp.191-280)。原題は「Die Schuld」で、1812年の作品。 (1)18世紀・19世紀の古典犯罪小説・探偵小説 フリードリヒ・フォン・シラー Der Verbrecher aus verlorener Ehre (1786年)「太陽の亭主」(訳者不明、博文館 世界探偵小説全集 第1巻 田内長太郎・田中早苗編『古典探偵小説集』、1930年4月) 「誇りを汚された犯罪者」(浜田正秀訳、ポプラ社百年文庫70『野』、2011年3月) 一般的な説ではないと思うが、植田敏郎「ドイツの推理小説とその作家」(東京創元社《世界推理小説全集》第9回配本第9巻 クロフツ『樽』[1956年]、月報『推理』9)では、フリードリヒ・フォン・シラーの1786年のこの作品がドイツ最初の推理小説だとされている(「モルグ街の殺人」[1841]より55年早い!)。 E・T・A・ホフマン Das Fräulein von Scuderi (1819-1821年)『スキュデリー嬢』(吉田六郎訳、岩波文庫、1956年) 「マドモワゼル・ド・スキュデリ」(大島かおり訳、『黄金の壺 / マドモワゼル・ド・スキュデリ』に収録、光文社古典新訳文庫、2009年3月) 戦前から邦訳があるが、主なもののみ示した。ドイツではかつて、「モルグ街の殺人」より20年早いこの作品こそが世界最初の探偵小説だという主張がなされたことがあるという(日本独文学会2004年春季研究発表会 シンポジウム「ドイツ推理文学の諸相」発表要旨参照)。岩波書店のサイトではこの作品は、「サスペンスに富み,ふかく人生の機微をうがった本格的な推理小説」と紹介されている(岩波書店 ホフマン『スキュデリー嬢』)。 ヴィルヘルム・ハウフ Die Sängerin (1826年)『オペラの女優』(秋吉無声訳、内外出版協会、1912年)(オンラインで閲覧可能→国立国会図書館デジタル化資料) 「歌手」(木村信児訳、『世界短篇小説大系 探偵家庭小説篇』近代社、1926年3月) 「歌姫殺傷事件」(江馬寿訳、『探偵倶楽部』1958年2月号[9巻2号]、pp.258-302) 「歌姫殺傷事件」掲載号には江馬寿「ウイルヘルム・ハウフについて」が付されていて、以下のように紹介されている。 『歌姫殺傷事件』は、ウイルヘルム・ハウフが残した貴重な推理小説である。ハウフの名は、我国では多く、というよりもむしろ全部が、童話作家としてのみ知られて来た。【中略】ここに紹介した『歌姫』は、もちろん初めての邦語訳である。ハウフ生存の時代には、恰もかのドイツ文学界の鬼才として尊敬されたホフマンが、いう所の怪奇小説風のものを多く発表し、人々の注目をあびていたわけであるが、この『歌姫殺傷事件』もホフマン張りの豊富な想像力によって創り出され、当時のものとしては珍らしい推理小説の体裁をととのえているのである。しかも、ハウフ独特の穏やかな諷刺とユーモアが混じえられている点に、注目して頂きたい。訳者は、我国では未だ紹介されなかったこの作品を訳出することによって、推理小説と文学というものの脈絡を更に検討する一つのよすがになればと考えるものである。【改行は省略した】 1953年にドイツで刊行されたワルター・ゲルタイス(Walter Gerteis、1921-1999)の『名探偵は死なず その誕生と歴史』(邦訳1962年、弘文堂、前川道介訳)には、探偵小説史におけるヴィルヘルム・ハウフについて以下のような記述がある(邦訳書p.61)。 それはともかく、ドイツに対犯罪機関ができた時代に、童話の形式だったが、純粋に探(・)偵(・)小(・)説(・)的(・)な性格をもったものとしては、ドイツで一番早かったヴィルヘルム・ハウフの短篇「何も見なかったユダヤ人アブナー」(一八二七年)が出ている。散歩にいったアブナーは実物を見なかったにもかかわらず、逸走した馬と犬との特徴を詳しく述べることができた。するどい眼力をもった彼は、散歩途上の砂や木にあった痕跡から一部始終を読みとったのであった。筆者がこの作品をこれ以上強調しないのは、申すまでもなくこれには原作があるからで、すなわちヴォルテールがその小説の主人公ザディクにアブナーと同じ冒険をさせているのである。 ゲルタイスは探偵小説的な性格を持ったものでドイツで一番早かったのはハウフの短編「何も見なかったユダヤ人アブナー」(1827年)だといっている。ゲルタイスは探偵小説と犯罪小説を厳密に分けているので、1926年の「歌手」(「歌姫殺傷事件」)についてはおそらく「犯罪小説」との判定を下したのだろう。引用中で言及されている作品は、「なにも見なかったユダヤ人のアブネル」というタイトルでウィルヘルム=ハウフ『アレッサンドリア物語 ハウフ童話全集2』(塩谷太郎訳、偕成社文庫、1977年11月)に収録されている。2001年に刊行されたヴィルヘルム・ハウフ『冷たい心臓 ハウフ童話集』(乾侑美子訳、福音館書店)はハウフの童話集3冊の集成だが、「なにも見なかったユダヤ人のアブネル」はカットされているので注意。訳者あとがきによれば、ユダヤ人の描写のしかたに問題があるので収録を見合わせたとのこと。 「なにも見なかったユダヤ人のアブネル」のもとになったとされるヴォルテール『ザディグ』(1747年)(「ザディーグまたは運命」、ヴォルテール『カンディード 他五篇』[植田祐次訳、岩波文庫、2005年]に収録、pp.83-227)のエピソード「犬と馬」(または「王妃の犬と国王の馬」)は、エラリー・クイーン編『ミニ・ミステリ傑作選』(創元推理文庫、1975年)や『クイーンの定員 傑作短編で読むミステリー史』第1巻(光文社文庫、1992年3月)で読むことができる。なおストーリーの起源はヴォルテールよりもさらに以前にさかのぼるという。 ドロステ=ヒュルスホフ Die Judenbuche (1842年)『ユダヤ人のブナの木』(番匠谷英一訳、岩波文庫、1953年) 『ユダヤ人のブナの木』(アンネッテ・フォン・ドロステ-ヒュルスホフ著、曲肱楽聴訳、星湖舎、2007年9月)星湖舎のサイトより内容紹介「19世紀初頭、ドイツ・ヴェストファーレン地方の寒村で起こった事件。次々と惨殺されるユダヤ人、聡明なそして孤独な一青年の奇妙な行動、そして彼の失踪、28年後、問題のブナの木の下で、すべてが明らかになる。」(リンク) 前川道介「文化史的興趣も尽きない「犯罪小説」の佳作」(『翻訳の世界』1991年7月号)によれば、「十八世紀に英仏から犯罪実話集がドイツに入り、一般読者に大いに歓迎されたため、いわゆる純文学者のなかで犯罪小説に手を染める者がでてきた。その草分けが『失われた名誉のための犯罪者』を書いたシラーで、つづいて『決闘』のクライスト、『スキュデリー女史』のホフマン、ドロステ=ヒュルスホフの『ユダヤ人のブナの木』などの名作が書かれ、この伝統は今世紀のレオ・ペルッツまで脈々と受けつがれている」。 ちなみにこのエッセイ自体は、未訳の長編犯罪探偵小説、カール・フォン・ホルタイ(Karl von Holtei)『リガ殺人事件』(Der Mord in Riga)(1855年)を紹介したもの。 ヴィルヘルム・ラーベ(Wilhelm Raabe) Stopfkuchen (1891年)『ぶたマン 洋上殺人物語』(倉田勇治訳、人文書院、2005年9月)人文書院のサイトより内容紹介「翻訳不可能といわれた傑作長篇、世界初訳 / 19世紀ドイツで活躍した作家ラーべの晩年の傑作長篇小説が世界初訳。ある男が船の上で故郷の思い出を綴っているというシンプルな内容ながら、現在と過去、そのまたさらに過去、という時間軸をめまぐるしく変化させるその描き方は、19世紀の作家とは思えない斬新さ。昔の友人「ぶたマン」との再会、故郷の思い出、主人公の尊敬していた郵便配達人の死、そして過去の殺人事件の真相が……。」(リンク) 坂部護郎『世界探偵秘史』(星書房、1946年5月)の「探偵小説の先覚者達」(pp.311-317)ではヴィルヘルム・ラーベの名前が挙げられており、「ドイツの小説家。その探偵小説「ストップクーヘン」(Stopfkuchen)は一般に愛読せられた好著である」と紹介されている。その邦訳が『ぶたマン 洋上殺人物語』である。 ちなみにこの「探偵小説の先覚者達」では、ドイツのクリスティアーン・アウグスト・ヴルピウス(Christian August Vulpius)の『Rinaldo Rinaldini(リナルド・リナルディーニ)』(1799)(邦訳なし)が「探偵小説の濫觴と云われる」とされている。シラーの「誇りを汚された犯罪者」、ドロステ=ヒュルスホフの『ユダヤ人のブナの木』のタイトルも挙げられており、ほかにドイツの探偵小説としてはホフマンの『悪魔の霊酒』(1815-1816)(邦訳は深田甫訳、ちくま文庫、2006年4月 等)、テーオドア・フォンターネの『Quitt』(1890)(邦訳なし)、リカルダ・フーフ(Ricarda Huch)の『Der Fall Deruga(デルーガ事件)』(1917)(邦訳なし)も挙げられている。またクライストの項目では『ミヒャエル・コールハースの運命』(1810)(邦訳は吉田次郎訳、岩波文庫、1941年 等)が「探偵劇」とされている。 テーオドア・フォンターネの『Quitt』とリカルダ・フーフの『Der Fall Deruga(デルーガ事件)』は「ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年)」のクラシック・ミステリ編にランクインしている。 なお、ワルター・ゲルタイスは『名探偵は死なず その誕生と歴史』(邦訳1962年、弘文堂、前川道介訳)(原著1953年)で、ドイツには探偵小説の伝統はないが犯罪小説には立派な伝統があるとして、このページでも挙げたシラー「誇りを汚された犯罪者」、ホフマン『マドモワゼル・ド・スキュデリ』、ドロステ=ヒュルスホフ『ユダヤ人のブナの木』、ヴィルヘルム・ラーベ『ぶたマン 洋上殺人物語』のほか、19世紀の作品ではアヒム・フォン・アルニム「狂気の傷痍兵、ラトノオ砦の上に在り」(1818)(アヒム・フォン・アルニム『エジプトのイサベラ』[国書刊行会 世界幻想文学大系4、1975年]に収録、pp.9-48)、テーオドア・フォンターネ『Unterm Birnbaum(梨の木の下)』(1885)(邦訳なし)を挙げている。『梨の木の下』は「ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年)」のクラシック・ミステリ編にランクインしている。 またゲルタイスは20世紀の作品ではクララ・フィービヒ(Clara Viebig)「Absolve te」、リカルダ・フーフ「Der Fall Deruga」(デルーガ事件)、レルネット=ホレーニア『両シチリア連隊』(Beide Sizilien)*注、エルンスト・ペンツォルト(Ernst Penzoldt)「Die Perle(真珠)」を挙げているが、この4作は未邦訳。これらはゲルタイスに言わせれば「犯罪者や犯罪やそれらをテーマにした文学作品」であり、「たとえ警部が登場していても、決して探偵小説とは呼ばれないものである」とのこと(邦訳書p.151)。 注:レルネット=ホレーニア『両シチリア連隊』(Beide Sizilien)は垂野創一郎氏の訳で2014年9月に東京創元社より刊行予定。垂野氏はミステリ評論同人誌『ROM』135号(2010年10月)の「レルネット=ホレーニアの幻想ミステリ」でこの作品のレビューをしている(そこでは訳題は『両シシリア連隊』となっている)。 (2)20世紀前半のドイツ語圏探偵小説 ドイツ パウル・ローゼンハイン(Paul Rosenhayn、1877-1929)『新青年』に訳載されたジョー・ジェンキンズ・シリーズ(10編)「乾板上の三人」(鳥井零水[小酒井不木]訳、1923年5月号[4巻6号]、pp.202-239) 「ルイ十五世の煙草匣」(鳥井零水[小酒井不木]訳、1923年夏季増刊号[4巻10号]、pp.66-83) 「白い蘭」(鳥井零水[小酒井不木]訳、1924年新春増刊号[5巻2号]、pp.72-95) - 萌倉望氏の小酒井不木研究サイト「奈落の井戸」で翻刻されており、オンラインで読むことができる(トップページ>小酒井不木>翻刻ライブラリ(翻訳編)) 「共同出資者」(武村俊二訳、1927年夏季増刊号[8巻10号]、pp.140-158) 「模造宝石事件」(訳者記載なし、1930年夏季増刊号[11巻11号]、pp.160-179) 「午前三時」(訳者記載なし、1931年新春増刊号[12巻3号]、pp.66-78) 「映画試撮事件」(浅野玄府訳、1931年夏季増刊号[12巻11号]、pp.336-355) 「綱」(浅野玄府訳、1932年2月号[13巻2号]、pp.204-217) 「死者甦る時」(浅野玄府訳、1932年夏季増刊号[13巻10号]、pp.112-123) 「発明家と怪死体」(浅野玄府訳、1933年新春増刊号[14巻3号]、pp.404-426) その他「空中殺人団」(鶴毛寧夫訳、『中学世界』1925年9月号~10月号[28巻9号、10号] / 論創ミステリ叢書『小酒井不木探偵小説選』論創社、2004年)※ジェンキンズ物 「Razzia」(斎藤俊訳、『新青年』1926年11月号[7巻13号]、pp.231-239)※非ジェンキンズ物 フェルディナント・ルンケル(Ferdinand Runkel)「公爵の首」(鳥井零水[小酒井不木]訳、『新青年』1923年夏季増刊号[4巻10号]、pp.184-205、著者名表記「フェルヂナント・ルンケル」) ワルター・ハーリヒ(Walther Harich、1888-1931)『妖女ドレッテ』(稲木勝彦訳、『新青年』1934年2月増刊[15巻3号]、pp.65-171、著者名表記「ワルター・ハアリヒ」/ 1959年、同一訳者による改訳版が東京創元社《世界推理小説全集》63巻『妖女ドレッテ』として刊行)『新青年』1934年2月増刊、pp.172-173に江戸川乱歩「「ドレッテ」に就いて」あり。 『妖女エディト』(甲田寿太郎訳、『新青年』1938年2月増刊[19巻3号]、pp.452-495、著者名表記「ワルター・ハーリッヒ」) アレキサンダー・カステル(Alexander Castell、1883-1939)「或る変質者の死」 (千葉猪平訳、『新青年』1935年8月増刊[16巻10号]、pp.283-291) 「死の誤解」(H・W・ベレット『沈黙の環』[伊東鋭太郎訳、日本公論社、1937年]に併録) オスカール・エンゼン(Oskar Jensen)「沈黙の唇」(雨石矢兵訳、『新青年』1937年2月増刊号[18巻3号]、pp.484-507) H・W・ベレット(H. W. Berett)(ヴァルター・レドマン[Walther Redmann]とハンス・ベンツ[Hans Bentz、1902-1968]の合作筆名)『沈黙の環』 Ring des Schweigens (伊東鋭太郎訳、日本公論社、1937年、アレキサンダー・カステル「死の誤解」を併録)1940年に『武士の子』と改題刊行 ディートリッヒ・テーデン(Dietrich Theden、1857-1909)「巧に織った証拠」(平井喬訳、『宝石』1955年4月号、pp.210-222) エーリヒ・ケストナー(Erich Kästner、1899-1974)『消え失せた密画』(小松太郎訳、創元推理文庫、1970年2月 等) ユーモアミステリケストナーの作品は創元推理文庫ではほかに『雪の中の三人男』(小松太郎訳、1971年11月)と『一杯の珈琲から』(小松太郎訳、1975年9月)が出ている 『エーミールと探偵たち』(池田香代子訳、岩波少年文庫、2000年6月 等) 『エーミールと三人のふたご』(池田香代子訳、岩波少年文庫、2000年7月 等) ヤーコプ・ヴァッサーマン(Jakob Wassermann、1873-1934)『埋れた青春(うずもれたせいしゅん)』(ヤコブ・ヴァッサマン著、秘田余四郎訳、雄鶏社 おんどり・ぽけっと・ぶっく、1955年) Der Fall Maurizius (1928)この作品はフランスで映画化されている。映画版のあらすじは、「弁護士の息子エゼルは、18年前に父が担当した状況証拠のみで有罪となった、妻殺しの殺人事件に興味を持ち調査を始める。そこから分かった真実とは…!?」(amazon『埋もれた青春』DVD)。ヴァッサーマンはほかの作品の邦訳もあり。 アルフレート・デーブリーン(Alfred Döblin、1878-1957)『ベルリン・アレクサンダー広場』(早崎守俊訳、河出書房新社、1971年【上下巻】 / 復刻新版 河出書房新社、2012年6月) 1929年発表の前衛的犯罪小説 『二人の女と毒殺事件』(小島基訳、白水社、1989年5月) 実際に起こった事件を元にした実録小説ほかにも邦訳あり 稲木勝彦「欧洲の探偵文学」(『宝石』1958年3月号)に以下のような記述がある。 英米でも著名な作家が探偵小説を書いている。そしてわが国でもその傾向は同じであるが、ドイツでも純文学作家の中にちらほら探偵小説――厳密な意味に於ては犯罪心理小説かも知れない――を書く人が現われ、特に、ヨアヒム・マース「グフェー事件」エーリヒ・ケストナー「紛失したミニアチュア」ヤーコプ・ワッサーマン「マウリチウス事件」フリードリヒ・デュレンマット「判事と首切役人」等は所謂文学的探偵小説として一読に価する。 ここで挙げられている『紛失したミニアチュア』は『消え失せた密画』、『マウリチウス事件』は『埋れた青春(うずもれたせいしゅん)』、「判事と首切役人」は「裁判官と死刑執行人」(または「判事と死刑執行人」)のことである。ヨアヒム・マース『グフェー事件』(Joachim Maass, "Der Fall Gouffé")は未訳。 オーストリア アウグスト・ワイスル(August Weißl、1871-1922)『緑の自動車』(延原謙訳、『新青年』1926年8月号[7巻9号]~12月号[7巻14号]、全5回連載(8月増刊号[7巻10号]には掲載されていない) / 水谷準訳、春陽堂《探偵小説全集》22巻『緑の自動車』)連載の掲載ページは順に、8月号pp.2-29、9月号pp.184-215、10月号pp.326-363、11月号pp.248-286、12月号pp.244-287 バルドゥイン・グロラー(Balduin Groller、1848-1916)探偵ダゴベルトシリーズ『探偵ダゴベルトの功績と冒険』(垂野創一郎訳、創元推理文庫、2013年4月)「上等の葉巻」(「細い葉巻」『ROM』121号[2004年11月]、小林晋訳) 「大粒のルビー」(「紅玉(ルビー)事件」『新青年』1930年5月号[11巻6号]、訳者名記載なし) 「恐ろしい手紙」(「匿名の手紙」『ミステリマガジン』1975年6月号、山田辰夫訳) 「特別な事件」 「ダゴベルト休暇中の仕事」 「ある逮捕」 「公使夫人の首飾り」 「首相邸のレセプション」 「ダゴベルトの不本意な旅」 上記の本に未収録のダゴベルト物「奇妙な跡」(阿部主計訳、江戸川乱歩編『世界短編傑作集』第2巻[創元推理文庫、1960年] 等) 「六百の鍵穴がある小箱」(垂野創一郎訳、『ミステリーズ!』58号[2013年4月号]) 非ダゴベルト物「尼寺から出て来た女」(『新青年』1927年5月号[8巻6号]p.274-279、浅野玄府訳) ※非ミステリのユーモア作品 ローレンス・H・デスベリー(Lawrence H. Desberry、本名Hermynia zur Mühlen[ヘルミュニア・ツア・ミューレン]、1883-1951)『左翼探偵小説デスベリー全集1 電気椅子の蔭で』(川口浩訳、青陽社、1930年) Im Schatten des elektrischen Stuhls (1929)ほかの邦訳書に『真理の城』(ミユーレン著、林房雄訳、南宋書院 世界社会主義文学叢書、1928年)、プロレタリア童話集『小さいペーター』(ヘルミニヤ・ツール・ミユーレン著、林房雄訳、暁星閣、1927年)がある シュテファン・ツヴァイク(Stefan Zweig、1881-1942)「白薔薇」(木村毅訳、『探偵倶楽部』1955年12月号[6巻12号]、pp.314-350) - Brief einer Unbekannten (1922)ほかの訳題に「見知らぬ女の手紙」、「未知の女の手紙」 「アモック殺人者」(江馬寿訳、『探偵倶楽部』1956年9月号[7巻10号]、pp.294-342) - Der Amokläufer (1922)ほかの訳題に「アモク」、「情熱の海」、「愛慾の海 狂走者」、「狂走病患者」 シュテファン・ツヴァイクは普通「(広義の)ミステリ作家」として語られることはないと思うが、上記の2作は探偵雑誌に訳載され、「白薔薇」の方は「ロマンティック・スリラー」(表紙)、「アモック殺人者」の方は「愛慾スリラー」(裏表紙)、「怪奇愛慾のスリラー」(目次)と紹介されている。なお、須知文三「独逸探偵小説の二傾向」(『新青年』1938年夏期増刊号[19巻13号])でもツヴァイクに言及があり、そこでは中編小説「不安」(Angst)が「その心理描写から見て凄いもの」と紹介されている。 レオ・ペルッツ(Leo Perutz、1882-1957)『最後の審判の巨匠』(垂野創一郎訳、晶文社ミステリ、2005年3月) - 2006本格ミステリ・ベスト10 第9位ほかにも邦訳あり スイス フリードリヒ・グラウザー(Friedrich Glauser、1896-1938)シュトゥーダー刑事シリーズ長編『シュルンプ・エルヴィンの殺人事件――シュトゥーダー刑事』(種村季弘訳、フリードリヒ・グラウザー『老魔法使い』[国書刊行会、2008年6月]に収録、pp.161-356) 『狂気の王国』(種村季弘訳、作品社、1998年9月) - 2005年、英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞ノミネート 『クロック商会』(種村季弘訳、作品社、1999年7月) 『砂漠の千里眼』(種村季弘訳、作品社、2000年2月) 『シナ人』(種村季弘訳、フリードリヒ・グラウザー『老魔法使い』[国書刊行会、2008年6月]に収録、pp.357-538) シュトゥーダー刑事シリーズ短編フリードリヒ・グラウザー『老魔法使い』[国書刊行会、2008年6月]に収録の短編(この本はシュトゥーダー刑事シリーズの長編2編と短編12編を収録)「老魔法使い」「尋問」「犯罪学」「はぐれた恋人たち」「不運」「砂糖のキング」「死者の訴え」「ギシギシ鳴る靴」「世界没落」「千里眼伍長」「黒人の死」「殺人――外人部隊のある物語」「死者の訴え」の翻訳の初出は『別冊幻想文学 怪人タネラムネラ 種村季弘の箱』(アトリエOCTA、2002年4月) 「はぐれた恋人たち」は前川道介による邦訳もある。「シュトゥーダー刑事ともち去られた死体」(『ジャーロ』6号[2002年冬号] 、pp.106-109 ※目次にないので注意) ほかの邦訳に『外人部隊』(種村季弘訳、国書刊行会、2004年7月)がある ルクセンブルク ノルベルト・ジャック(Norbert Jacques、1880-1954)『ドクトル・マブゼ』(平井吉夫訳、ハヤカワ・ミステリ、2004年7月) ※1924年にも『怪魔王』(水田銀之助訳、博文館《探偵傑作叢書》27)として邦訳がある 関連書籍(非ドイツ語作品) キャメロン・マケイブ『編集室の床に落ちた顔』(熊井ひろ美訳、国書刊行会《世界探偵小説全集》14、1999年4月)1937年の作品。キャメロン・マケイブはドイツ人作家で、本名エルネスト・ボーネマン(Ernst Bornemann)。母語はドイツ語。『編集室の床に落ちた顔』はナチスの迫害から逃れるためにイギリスに渡ったボーネマンが数年で英語をマスターし、英語で執筆した作品である。 (3)1950年代~に邦訳された作家 アレクサンダー・レルネット=ホレーニア(オーストリア)(Alexander Lernet-Holenia、1897-1976)「姿なき殺人者」(伊東鍈太郎訳、『探偵倶楽部』1954年1月号[5巻1号]、pp.287-330、著者名表記「アレキサンダー・レルネット=ホレニア」) - Ich war Jack Mortimer (1933) 『両シチリア連隊』(垂野創一郎訳、東京創元社、2014年9月◆予定)ほかの邦訳に『白羊宮の火星』(福武文庫、1991年2月)、短編集『モナ・リーザ、バッゲ男爵 他』(創土社、1975年)など ハンス・ホイエル(Hans Heuer)「薔薇と毒薬」(伊東鍈太郎訳、『探偵倶楽部』1955年4月号[6巻4号]pp.187-202、1955年5月号[6巻5号]pp.174-199、全2回連載) シャーロット・カウフマン(Charlotte Kaufmann)「遺言書」(伊東鍈太郎訳、『探偵倶楽部』1955年7月号[6巻7号]、pp.261-290) 「諜報と激情」(伊東鍈太郎訳、『探偵倶楽部』1956年10月号[7巻11号]、pp.192-214) ワルター・トッド『香港No.5酒場(ほんこんごばんさかば)』(伊東鍈太郎訳、『探偵倶楽部』1955年11月号[6巻11号]~1956年2月号[7巻2号]、全4回連載) スパイ物の実録小説掲載ページは順に、pp.258-288、pp.230-247、pp.98-111、pp.128-146 伊東鍈太郎が『探偵倶楽部』で訳したその他のドイツ語圏ミステリ 1954年3月号 5巻3号 264-298 「二重生活者の悲劇」 オシップ・シュービン(チェコ)(Ossip Schubin、1854-1934) 1955年6月号 6巻6号 180-203 「怖ろしき一夜」 インゲボルク・フィーゲン(Ingeborg Fiegen) 1955年8月号 6巻8号 382-410 「塀の向側(むこうがわ)の二人の女」 R・A・ヴェーラア 1955年9月号 6巻9号 128-151 「私は告白する」 ハインツ・オットー・クイツ(Heinz Otto Quitz) 道本清一名義 156-186 「事件は終りぬ」 ウィルヘムス・スパイヤー&パウル・フランク 1955年10月号 6巻10号 146-182 「深夜の跫音」 ヘルムート・ザンデル(Helmut Sander) 1956年10月号 7巻11号 80-110 「もう一つの鍵」 H・バウムガルテン(Harald Baumgarten) 道本清一名義 1957年5月号 8巻4号 134-169 「追跡する女」 コリンナ・ライニング 1958年8月号 9巻10号 281-285 「知りすぎた男」 エルンスト・シュムッカア 道本清一名義 1958年10月号 9巻12号 92-95 「詐術」 ベルタ・ブリュックナア インゲボルク・フィーゲン「怖ろしき一夜」は"Eine unheimliche Nacht"か? 「事件は終りぬ」は「この中篇は、最近死去した、ドイツの一流作家スパイヤーの未完の遺作を、これも一流作家フランクが完成したことで評判の傑作です。」と書かれている。ウィルヘムス・スパイヤーはヴィルヘルム・シュパイヤー(Wilhelm Speyer、1887-1952)のことか? ミヒャエル・グラーフ・ゾルチコフ(ドイツ)(Michael Graf Soltikow、1902-1984)「新水爆殺人事件」(伊東鍈太郎訳、『宝石』1956年6月号[11巻8号]、pp.244-316)目次での内容紹介「水爆の秘密を握る博士の死と書類の行方は現代の最大スリル! スパイ小説にして明快な推理が勝つ日!!」 編集後記「田中氏のクリスティ物と対照して、伊東鍈太郎氏に独乙ものを煩わした。新水爆に対する恐怖とこれにまつわる本格的な謎の解明は二百五十枚の長さを感じないで一気に読みきる。」 「泥棒日記 ―エーリヒ・ベルガーの告白―」(伊東鍈太郎訳、『宝石』1956年7月号[11巻9号]、pp.144-151 / のちに『カインの末裔 他二篇』に収録) 「空中殺人事件」(伊東鍈太郎訳、『宝石』1956年9月号[11巻12号]、pp.88-123)目次での内容紹介「アルゼンチンからヨーロッパへ逃れてきた男装の麗人とテストパイロットの再会読者の興味津津!!」 「戦争花嫁事件」(伊東鍈太郎訳、『探偵倶楽部』1958年3月号[9巻3号]、pp.256-302) +「戦争花嫁事件」に付された訳者の伊東鍈太郎のコメント 「戦争花嫁事件」に付された訳者の伊東鍈太郎のコメント ゾルチコフについて 本篇の作者ミヒャエル・グラーフ・ゾルチコフは、現在西ドイツでもっとも人気のあるスリラー作家で、云わばフランスでシムノンが占めているような地位を西独で示していると云ってよいでしょう。 かれの作品は僕の下手なホンヤクでさきに「新水爆殺人事件」、「泥棒日記」「空中殺人事件」の三篇を紹介(いずれも宝石誌)したが、今度の「戦争花嫁事件」は日本人が登場している点でちょっと変った趣きをみせている。しかも、従来異邦作家の手になるコケシ人形然とした日本人とちがって、人物として相当に描き出されている点は認めてよいと思う。 かれの作品の特徴は、純然たるトリック、推理の方でなくて、やはりこれもシムノン型で、時局をひろく背景としてとりいれたサスペンス物やドキュメンタリーな物が多い。「ウロンスキーの騎兵大尉」(ポーランド参謀本部のスパイ将校)、「カナリス提督は何をしたか?」(ナチの諜報局長カナリスの反ヒトラー陰謀事件を扱ったもので、去年日本にこれの映画がきている)、「猫」(これは目下独仏合作の大作映画として両国で撮影中と伝えられる。その内容はやはり第二大戦争の女スパイ物)などがかれの代表的なものとされている。 マリー・ルイゼ・フィッシャー(ドイツ)(Marie Louise Fischer、1922-2005)『カインの末裔』(伊東鍈太郎訳、『宝石』1956年8月号[11巻11号]、pp.236-308 / 芸術社《推理選書》第7巻『カインの末裔 他二篇』[1956年]に収録 / 1960年に『女優邸殺人事件』と改題して銀河文庫で刊行?[現物未確認]) 『罪の影』(古市重郎訳、T.ワールド社、1989年2月、著者名表記「マリア・ルイス・フィッシャー」) 『女子寮物語』(古市重郎訳、トランスワールド社、1990年4月、著者名表記「マリー・ルイス・フィッシャー」) 『その時私は十七歳だった』(メーガー ミラー訳、現代図書、1997年7月、著者名表記「マリー ルイーゼ フィッシャー」)『カインの末裔』以外の作品がミステリなのかどうかは未調査 フランク・ブラウン(ドイツ)(Frank F. Braun、1895-1974? 79?)『夜の蝶』(伊東鍈太郎訳、『宝石』1957年1月号[12巻1号]pp.328-388、1957年2月号[12巻3号]pp.210-268、全2回連載) - 原題 Akte Korrenkamp 『夜の蝶』に付された「作者の経歴」では1920年生まれとされているが、ネット上のドイツミステリ作家事典(Lexikon der deutschen Krimi-Autoren)では1895年生まれとされている(リンク)。 稲木勝彦「欧洲の探偵文学」(『宝石』1958年3月号)では、稲木勝彦氏がドイツ語で読んだヨーロッパの探偵小説50冊ほどの中から「米英ものの水準に匹敵乃至はそれに近かいもの」が紹介されており、その中には『夜の蝶』(『コレンカンプ事件』)も含まれている。稲木氏は以下のように書いている。 「コレンカンプ事件」戦前のベルリンを舞台に自動車会社の社長が殺され、彼の甥が疑わしい。まだ若い未亡人にもかくした過去があり、その昔の恋人や自動車運転手も臭い。ベルリン警察署長が人情家で、腕利の探偵に捜査させながら段々未亡人に愛情を感じてゆく。本格もの。 伊東鍈太郎が『宝石』で訳したその他のドイツ語圏ミステリ 1956年3月号 11巻4号 269-315 「少年殺人犯」 ワルタア・エーベルト(ドイツ)(Walter Ebert、1907-????) のちに『カインの末裔 他二篇』に収録 1957年4月号 12巻5号 130-141 「夜の国境」 カール・ヒルシュフェルド 1957年7月号 12巻9号 40-73 「索溝」 フェリイ・ロッカー ワルタア・エーベルト(ヴァルター・エーベルト)は1953年にイギリスで制作された映画『二つの世界の男』(The Man Between)の原作『Gefährlicher Urlaub』の作者でもある。日本でも1954年に公開され、2011年にはDVD化された(amazon『二つの世界の男』DVD)。 フェリイ・ロッカー(Ferry Rocker)はドイツのジャーナリストのHardy Worm(1896-1973)のペンネーム。1950年代にこのペンネームで本格ミステリを数作発表したようだ。稲木勝彦「欧洲の探偵文学」(『宝石』1958年3月号)では以下のように紹介されている。 フェリー・ロッカー 巴里に住んでいたので、しばしばフランスを舞台にし、また作品の多くは英国を舞台にしている。既に五、六作あるが、そのうち「ラテン区の銃声」と「ジョン・ケネディーの客達」が良い。前者は巴里のラテン区にある本屋のおやじが殺され、その甥の青年に嫌疑がかかる。巴里警察の中老の探偵が人なつこい態度で調べているうちに被害者や彼を取巻く人々に関する意外な事実が次々に分ってくる。巴里の庶民的な気質と風物が巧みに描込まれている。本格物。「ケネディーの客達」は前者とは打って変って、英国の流行作家が十人の友人をロンドン郊外の別荘へ招いて週末を過そうとして、その夜殺される。作家を取巻く十人の人物が相当によく書別けられ、筋の運びも謎の伏せ方も、意外性もよく、米、英の古典的本格物を読むような気持を起させる。 「ラテン区の銃声」(Schüsse im Quartier Latin[カルチェ・ラタンの銃声])、「ジョン・ケネディーの客達」(John Kennedys Gäste)はどちらも未訳。 伊東鍈太郎編訳『カインの末裔 他二篇』(芸術社《推理選書》第7巻、1956年)長編 『カインの末裔』マリー・ルイゼ・フィッシャー 中編 「少年殺人犯」ワルタア・エーベルト 短編 「泥棒日記」M・G・ゾルチコフ(ミヒャエル・グラーフ・ゾルチコフ) 『探偵倶楽部』では同時期に伊東鍈太郎の訳で、スウェーデンのマリカ・スチールンステット(Marika Stiernstedt、1875-1954)の『占領軍将校殺人事件』(1953年10月号、道本清一郎名義)、ベルギーのジョルジュ・シムノンの『山峡の夜』(1954年12月号)、イギリスのネヴィル・シュートの『魔の夜間飛行』(1955年1月号)、オランダのA・デフレスネ(August Defresne、1893-1961)の『細菌培養土96号』(1956年2月号)などが掲載されている(『山峡の夜』は1936年に春秋社から刊行されたものの再録だと思われる)。また、『宝石』ではマリアンヌ・モン「古城の棲息者」(1956年1月号)を訳しているが、これがドイツ語圏の作品なのか否かは分からない。作者名はフランス的だが、作品の舞台はドイツである。翌々月号(1956年3月号)にはドイツのワルタア・エーベルトの「少年殺人犯」が訳載されたが、この号の編集後記には「久々の独逸物」との記述がある。ということは、やはりマリアンヌ・モン「古城の棲息者」はドイツ語圏の作品ではないのかもしれない。どの号のどの作品から勘定して「久々」なのかは分からない。 パウルス・ショッテ(オーストリア)(Paulus Schotte、本名 Paul Elbogen、1894-1987)「自分を追跡する男」(訳者名記載なし、『探偵倶楽部』1956年2月号[7巻2号]、pp.196-234) ハンス=オットー・マイスナー(ドイツ)(Hans-Otto Meissner、1909-1992)『スパイ・ゾルゲ』(大木坦訳、実業之日本社、1958年) 『アラスカ戦線』(松谷健二訳、早川書房、1970年 / ハヤカワ文庫NV、1972年) ハンス=オットー・マイスナーは外務省に勤務し、1936年から1939年まで大使館の書記官として東京で暮らした。戦後は作家活動に専念。父はドイツの政治家のオットー・マイスナー。 (4)1960年代~に邦訳された作家 フリードリヒ・デュレンマット(スイス)(Friedrich Dürrenmatt、1921-1990)『約束』(前川道介訳、ハヤカワ・ミステリ、1960年 / ハヤカワ・ミステリ文庫、2002年5月) 『嫌疑』(前川道介訳、ハヤカワ・ミステリ、1962年[「裁判官と死刑執行人」も収録] / 早川書房《世界ミステリ全集》第12巻、1972年) ※新訳 『判事と死刑執行人』(平尾浩三訳、同学社、2012年5月) 『失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選』(増本浩子訳、光文社古典新訳文庫、2012年7月) - 2013年版このミステリーがすごい! 第5位ほかにも邦訳あり ハンス・ヘルムート・キルスト(ドイツ)(Hans Hellmut Kirst、1914-1989)『将軍たちの夜』(桜井正寅訳、早川書房 ハヤカワ・ノヴェルズ、1965年 / 安岡万里・美村七海訳、角川文庫、2010年7月) - 1965年、エドガー賞最優秀長編賞ノミネート 『長いナイフの夜』(金森誠也訳、集英社、1979年12月 / 集英社文庫、1985年2月) 『軍の反乱』(松谷健二訳、角川文庫、1987年3月)ほかに『零八/一五』(全3巻、桜井和市・桜井正寅・藤村宏・城山良彦訳、三笠書房、1955年) 2013年現在までに、エドガー賞最優秀長編賞にノミネートされたドイツ語圏作品は『将軍たちの夜』のみ。ちなみに最優秀長編賞への非英語圏からのノミネートはこれが初だった。 (5)1970年代~に邦訳された作家 ヨハネス・マリオ・ジンメル(オーストリア)(Johannes Mario Simmel、1924-2009)『白い逃亡者』(中西和雄訳、祥伝社 ノン・ノベル、1975年) 『シーザーの暗号』【上下巻】(小菅正夫訳、番町書房 イフ・ノベルズ、1977年2月) 『白い国籍のスパイ』(中西和雄訳、祥伝社、1981年7月 / 祥伝社 ノン・ポシェット【上下巻】、1996年10月) 『白い壁の越境者』(中西和雄訳、祥伝社、1982年4月) 『白い影の脅迫者』【上下巻】(大崎隆彦訳、中央公論社、1984年10月・11月) 『白い殺意の異邦人』(平井吉夫訳、中央公論社、1985年7月) 『ニーナ・B事件』(中西和雄訳、中央公論社 中公文庫、1986年8月) 『白い悪夢の実験室』(平井吉夫訳、中央公論社、1988年10月) 『暗がりの奴らは見えっこないさ』【上下巻】(大崎隆彦訳、中央公論社、1991年8月) 『ひばりの歌はこの春かぎり』【上下巻】(平井吉夫訳、中央公論社、1992年12月) ペーター・ハイム(Peter Heim)『アンデスの狙撃者』(松谷健二訳、角川文庫、1978年11月) - Töte, Gringo (6)1980年代~に邦訳された作家 ミステリ・ファンにとってドイツという国はわからない国だ。というのはドイツ・ミステリという言葉がないためで、SFのローダン・シリーズみたいな看板ミステリがないせいだろう。(『ミステリマガジン』1980年7月号、海外ミステリ情報コーナー、p.111、執筆者署名なし) ハインツ・G・コンザリク(ドイツ)(Heinz G. Konsalik、1921-1999)雑誌連載『二時間の昼休み』(磐田廣躬訳、『サンデー毎日』1981年1月4・11日号~4月19日号連載、全15回) 『死の微笑』(畔上司訳、文春文庫、1997年6月) 『SOS発信!』(畔上司訳、文春文庫、1998年9月)ほかの邦訳に『第6軍の心臓』、『スタリングラートの医師』、『極限に生きる』(フジ出版社、1984年・1985年) ゲオルゲ・ハルバン(オーストリア)(George Halban、1915-1998)『狼マリク』(松谷健二訳、角川書店、1981年6月) パトリック・ジュースキント(ドイツ)(Patrick Süskind、1949- )『香水 ある人殺しの物語』(池内紀訳、文藝春秋、1988年12月 / 文春文庫、2003年6月)ほかにも邦訳あり ユルゲン・ペチュル(ドイツ)(Jürgen Petschull、1942- )『コマンド・フセインの復讐』(平井吉夫訳、新潮文庫、1989年12月) (7)1990年代~に邦訳された作家 ベルント・ジュルツァー(ドイツ)(Bernd Sülzer、1940- )『ハルツ紀行作戦』(平井吉夫訳、新潮文庫、1991年12月) アキフ・ピリンチ(トルコ / ドイツ)(Akif Pirinçci、1959- )『猫たちの聖夜』(池田香代子訳、早川書房、1994年6月 / ハヤカワ文庫NV、1997年11月) - 1995年版このミステリーがすごい! 第10位 『猫たちの森』(池田香代子訳、早川書房、1996年12月)ほかにアキフ・ピリンチ、ロルフ・デーゲン『猫のしくみ 雄猫フランシスに学ぶ動物行動学』(早川書房、2000年2月) ヨーゼフ・ハスリンガー(オーストリア)(Josef Haslinger、1955- )『オペラ座毒ガス殺人事件』(上田浩二 監訳、筑摩書房、1995年11月) イングリート・ノル(ドイツ)(Ingrid Noll、1935- )『女薬剤師』(平野卿子訳、集英社、1996年9月) 『特技は殺人』(平野卿子訳、集英社文庫、2000年7月) - 1992年、グラウザー賞長編賞ノミネート ヤーコプ・アルユーニ(ドイツ)(Jakob Arjouni、1964-2013)『殺るときは殺る』(渡辺広佐訳、パロル舎、1997年7月) - 1992年、ドイツ・ミステリ大賞第2位 『異郷の闇』(渡辺広佐訳、パロル舎、1998年11月) (8)2000年以降に邦訳された作家 2000年~ ホルスト・ボゼツキー(ドイツ)(Horst Bosetzky、1938- )(筆名「‐キー」 -ky )‐キー&コー『ストーカー』(有内嘉宏訳、第一出版[徳島の出版社]、2000年3月)原題 Die Klette。「コー」(Co.)こと心理学者のペーター・ハインリヒ(Peter Heinrich、1941- )との共著 アンソロジー『皇帝の魔剣』(小津薫訳、扶桑社 扶桑社ミステリー、2004年1月)に短編収録 アンソロジー『ベルリン・ノワール』(小津薫訳、扶桑社、2000年3月)「犬を連れたヴィーナス」テア・ドルン(Thea Dorn) → ほかにも邦訳あり 「ガードマンと娘」フランク・ゴイケ(Frank Goyke) 「廃虚のヘレン」ハイナー・ラウ(Heiner Lau) 「ブランコ」ベアベル・バルケ(Bärbel Balke) 「狂熱」カール・ヴィレ(Carl Wille) 2001年~ テア・ドルン(ドイツ)(Thea Dorn、1970- )『殺戮の女神』(小津薫訳、扶桑社、2001年2月) - 2000年、ドイツ・ミステリ大賞第1位 アンソロジー『ベルリン・ノワール』(扶桑社、2000年3月)に短編「犬を連れたヴィーナス」収録 水声社《現代ウィーン・ミステリー・シリーズ》(2001年・2002年)1 ペーター・R・ヴィーニンガー(Peter R. Wieninger、1966- )『『ケルズの書』のもとに』(松村國隆訳、2002年8月) 2 ロッテ・イングリッシュ(Lotte Ingrisch、1930- )『ペスト記念柱』(城田千鶴子訳、2001年5月) 3 ヘルムート・ツェンカー(Helmut Zenker、1949-2003)『マン嬢は死にました。彼女からよろしくとのこと』(上松美和子訳、2002年2月) 4 ヴォルフ・ハース(Wolf Haas、1960- )『きたれ、甘き死よ』(福本義憲訳、2001年5月) - 1999年、ドイツ・ミステリ大賞第1位 5 ユルゲン・ベンヴェヌーティ(Jürgen Benvenuti、1972- )『消えた心臓』(唐沢徹訳、2001年10月) 6 エルンスト・ヒンターベルガー(Ernst Hinterberger、1931-2012)『小さな花』(鈴木隆雄訳、2001年10月) 7 クルト・ブラハルツ(Kurt Bracharz、1947- )『カルトの影』(郷正文訳、2002年2月) 8 マルティン・アマンスハウザー(Martin Amanshauser、1968- )『病んだハイエナの胃のなかで』(須藤正美訳、2002年8月) 9 ミヒャエル・ホルヴァート編『血のバセーナ 8人の女性ミステリー作家による短篇集』(伊藤直子、須藤直子訳、2002年8月)「危険な読書の秋に」アンナ・ヘルコヴィッツ(Anna Hercovicz) 「母なるドナウ」エーディト・クナイフル(Edith Kneifl) 「いとしの君」ドド・クレッセ(Dodo Kresse) 「シンシア」ウルリケ・ライナー(Ulrike Rainer) 「引っ掻かれたベートーヴェン」ネーナ・ロート=アヴィレス(Nena Roth-Aviles) 「人形を憎んだ子」バルバラ・ビューヒナー(Barbara Büchner) → ほかにも邦訳あり 「エウリディケの死」ユーリア・マルティンス(Julia Martins) 「聞き込み」ヘルガ・アンデルレ(Helga Anderle) → ほかにも邦訳あり 2002年~ ベルンハルト・シュリンク(ドイツ)(Bernhard Schlink、1944- )『ゼルプの裁き』(岩淵達治 他訳、小学館、2002年6月)※ヴァルター・ポップとの共著 『ゼルプの欺瞞』(平野卿子訳、小学館、2002年10月) - 1993年、ドイツ・ミステリ大賞第1位 『ゼルプの殺人』(岩淵達治 他訳、小学館、2003年4月) 『ゴルディオスの結び目』(岩淵達治 他訳、小学館、2003年8月) - 1989年、グラウザー賞長編賞『朗読者』の邦訳は2000年。ほかにも邦訳あり。 ペトラ・エルカー(ドイツ)(Petra Oelker、1947- )『ある貴婦人の肖像』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2002年10月) アンソロジー『皇帝の魔剣』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2004年1月)に短編収録 ヴォルフラム・フライシュハウアー(ドイツ)(Wolfram Fleischhauer、1961- )『殺戮のタンゴ』(平井吉夫訳、早川書房、2002年10月) 『消滅した国の刑事』(北川和代訳、創元推理文庫、2013年6月)ほかにファンタジー小説『ファンタージエン 反逆の天使』の邦訳あり ペトラ・ハメスファール(ドイツ)(Petra Hammesfahr、1951- )『記憶を埋める女』(畔上司訳、学習研究社、2002年11月) - 2000年、グラウザー賞長編賞ノミネート 2003年~ バルバラ・ビューヒナー(オーストリア)(Barbara Büchner、1950- )『17歳の悪夢 ブラックボックス』(山崎恒裕訳、ポプラ社、2003年5月)※ティーン向けミステリ アンソロジー『血のバセーナ』(水声社、2002年8月)に短編「人形を憎んだ子」収録 2004年~ ヘニング・ボエティウス(ドイツ)(Henning Boëtius、1939- )『ヒンデンブルク炎上』【上下巻】(天沼春樹訳、新潮文庫、2004年8月) アンソロジー『皇帝の魔剣』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2004年1月)第一話「カール大帝が呪われた短剣を世に送りだし、その見返りとして象を受けとった話」ローベルト・ゴルディアン(Robert Gordian、1938- ) 第二話「聴罪司祭の墜落と、短剣が聖遺物に高められなかった話」ヨハンネス・レーマン(Johannes Lehmann、1929- ) 第三話「信仰を失った十字軍騎士が、偽りの友を刺殺した話」ハンス・クナイフル(Hanns Kneifel、1936- )(ハンス・クナイフェル) 第四話「聖堂騎士の血なまぐさい使命と、皇帝の短剣が大聖堂の運命を決めた話」トーマス・R・P・ミールケ(Thomas R. P. Mielke、1940- )(「トーマス・B・P・ミールケ」と誤植されている箇所あり) 第五話「偽ヴァルデマール事件、ブランデンブルク辺境伯領での、短剣の七突きの話」ホルスト・ボゼツキー 第六話「手をインクで汚した大罪人と、活版印刷の真の考案者の話」クリスティーネ・レーマン(Christine Lehmann、1958- ) 第七話「不滅への夢がこわれ、帝国議会のあるアウグスブルクで短剣が見つかった話」アネッテ・デブリッヒ(Annette Döbrich、1949- ) 第八話「風変わりな嫁入り道具が、湿原の島で不気味は効果を発揮した話」ペトラ・エルカー 第九話「不運な家具職人の夢見た城が、じつは砂上楼閣だった話」ジークフリート・オーバーマイヤー(Siegfried Obermeier、1936-2011)(『皇帝の魔剣』巻末の著者紹介では1969年生まれとされている) 第十話「ロシアの誇り、ナポレオンの屈辱、そして、無謀なフェルディナントの話」シャルロッテ・リンク 第十一話「恋ゆえに心臓を一突きした皇帝の短剣が、眠りについた場所の話」ヴァージニア・ドイル(Virginia Doyle) 2005年~ ベルンハルト・ヤウマン(ドイツ)(Bernhard Jaumann、1957- )『死を招く料理店(トラットリア)』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2005年2月) - 2003年、グラウザー賞長編賞 マルティン・ズーター(スイス)(Martin Suter、1948- )『プリオンの迷宮』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2005年9月) - 2003年、ドイツ・ミステリ大賞第2位 『縮みゆく記憶』(シドラ房子訳、ランダムハウス講談社、2008年8月) 『絵画鑑定家』(シドラ房子訳、ランダムハウス講談社、2010年1月) 2006年~ アストリット・パプロッタ(ドイツ)(Astrid Paprotta、1957- )『死体絵画』(小津薫訳、講談社文庫、2006年3月) - 2005年、ドイツ・ミステリ大賞第1位 2007年~ レオニー・スヴァン(ドイツ)(Leonie Swann、1975- )『ひつじ探偵団』(小津薫訳、早川書房、2007年1月) - 2006年、グラウザー賞新人賞 アンネ・シャプレ(ドイツ)(Anne Chaplet、1951- )『カルーソーという悲劇』(平井吉夫訳、創元推理文庫、2007年5月) セバスチャン・フィツェック(ドイツ)(Sebastian Fitzek、1971- )『治療島』(赤根洋子訳、柏書房、2007年7月) - 2007年、グラウザー賞新人賞ノミネート 『ラジオ・キラー』(赤根洋子訳、柏書房、2008年1月) 『前世療法』(赤根洋子訳、柏書房、2008年6月) 『サイコブレイカー』(赤根洋子訳、柏書房、2009年7月) 『アイ・コレクター』(小津薫訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年4月) アンドレア・M・シェンケル(ドイツ)(Andrea M. Schenkel、1962- )『凍える森』(平野卿子訳、集英社文庫、2007年10月) - 2007年、ドイツ・ミステリ大賞第1位、グラウザー賞新人賞、2008年、スウェーデン推理作家アカデミー最優秀翻訳ミステリ賞 クリスティアーネ・マルティーニ(ドイツ)(Christiane Martini、1967- )『猫探偵カルーソー』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2007年12月) 2008年~ ザビーネ・ティースラー(ドイツ)(Sabine Thiesler、1957- )『チャイルド・コレクター』【上下巻】(小津薫訳、ハヤカワ文庫NV、2008年1月) フランク・シェッツィング(ドイツ)(Frank Schätzing、1957- )『グルメ警部キュッパー』(熊河浩訳、ランダムハウス講談社、2008年2月) 『深海のYrr(イール)』【上中下巻】(北川和代訳、ハヤカワ文庫NV、2008年4月) - 2005年ドイツ・ミステリ大賞第2位、『ミステリが読みたい!』5位、文春9位 『黒のトイフェル』【上下巻】(北川和代訳、ハヤカワ文庫NV、2009年2月) - 1996年、グラウザー賞長編賞ノミネート 『砂漠のゲシュペンスト』【上下巻】(北川和代訳、ハヤカワ文庫NV、2009年8月) 『LIMIT(リミット)』【全4巻】(北川和代訳、ハヤカワ文庫NV、2010年6月・7月) 『沈黙への三日間』【上下巻】(北川和代訳、ハヤカワ文庫NV、2011年3月)小説より先に、ノンフィクション『知られざる宇宙 海の中のタイムトラベル』が邦訳された(大月書店、2007年8月) ラルフ・イーザウ(ドイツ)(Ralf Isau、1956- )『銀の感覚』【上下巻】(酒寄進一訳、長崎出版、2008年7月) 『緋色の楽譜』【上下巻】(酒寄進一訳、東京創元社、2011年10月)イーザウの邦訳のうち、訳者の酒寄進一氏がサスペンスに分類しているのが以上の2作(『緋色の楽譜』訳者あとがき)。ほかにファンタジー作品の邦訳も多数。 クリストフ・シュピールベルク(ドイツ)(Christoph Spielberg、1947- )『陰謀病棟』(松本みどり訳、扶桑社ミステリー、2008年10月) - 2002年、グラウザー賞新人賞 ペーター・ブレント(ドイツ)(Peter Brendt、1964- )『Uボート決死の航海』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2008年11月) 2009年~ ユーリ・ツェー(ドイツ)(Juli Zeh、1974- )『シルフ警視と宇宙の謎』(浅井晶子訳、ハヤカワepiブック・プラネット、2009年8月) 2010年~ ピエール・フライ(ドイツ)(Pierre Frei、1930- )『占領都市ベルリン、生贄たちも夢を見る』(浅井晶子訳、長崎出版、2010年1月) シャルロッテ・リンク(ドイツ)(Charlotte Link、1963- )『姉妹の家』【上下巻】(園田みどり訳、集英社文庫、2010年3月) 『沈黙の果て』【上下巻】(浅井晶子訳、創元推理文庫、2014年9月◆予定) Am Ende des Schweigens (2003) アンソロジー『皇帝の魔剣』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2004年1月)に短編収録 2011年~ フレドゥン・キアンプール(ドイツ)(Fredun Kianpour、1973- )『この世の涯てまで、よろしく』(酒寄進一訳、東京創元社、2011年5月) (9)シーラッハ『犯罪』の邦訳(2011年6月)以降 2011年~ フェルディナント・フォン・シーラッハ(ドイツ)(Ferdinand von Schirach、1964- )『犯罪』(酒寄進一訳、東京創元社、2011年6月) - このミス2位、文春2位、『ミステリが読みたい!』2位、2012年版『東西ミステリーベスト100』52位 短編「パン屋の主人」(酒寄進一訳、『ミステリーズ!』51号[2012年2月号]) 『罪悪』(酒寄進一訳、東京創元社、2012年2月) - 文春9位、『ミステリが読みたい!』10位 『コリーニ事件』(酒寄進一訳、東京創元社、2013年4月) - 2013年、英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞ノミネート ゾラン・ドヴェンカー(ドイツ)(Zoran Drvenkar、1967- )『謝罪代行社』(小津薫訳、ハヤカワ・ミステリ、2011年8月 ※ハヤカワ・ミステリ文庫版【上下巻】同時刊行) - 2010年、グラウザー賞長編賞ほかに少年少女向けミステリ《半ズボン隊》シリーズ(邦訳2作)や、児童書『トリ・サムサ・ヘッチャラ あるペンギンのだいそれた陰謀』の邦訳がある 2012年~ ネレ・ノイハウス(ドイツ)(Nele Neuhaus、1967- )『深い疵(きず)』(酒寄進一訳、創元推理文庫、2012年6月) 『白雪姫には死んでもらう』(酒寄進一訳、創元推理文庫、2013年5月) マルク・エルスベルグ(オーストリア)(Marc Elsberg、1967- )『ブラックアウト』【上下巻】(猪股和夫・竹之内悦子訳、角川文庫、2012年7月) フォルカー・クッチャー(ドイツ)(Volker Kutscher、1962- )『濡れた魚』【上下巻】(酒寄進一訳、創元推理文庫、2012年8月) 『死者の声なき声』【上下巻】(酒寄進一訳、創元推理文庫、2013年8月) 『ゴールドスティン』【上下巻】(酒寄進一訳、創元推理文庫、2014年7月) オリヴァー・ペチュ(ドイツ)(Oliver Pötzsch、1970- )『首斬り人の娘』(猪股和夫訳、ハヤカワ・ミステリ、2012年10月) - 2009年、グラウザー賞新人賞ノミネート 2012年2月発売の『ミステリーズ!』vol.51はドイツミステリ特集となっている。『ミステリマガジン』でも過去にドイツミステリが特集されたことはなく、日本のミステリ雑誌でドイツミステリが特集されるのはおそらくこれが初めてである。 2013年~ アンドレアス・グルーバー(オーストリア)(Andreas Gruber、1968- )短編「ゴーストライター」(酒寄進一訳、『ミステリーズ!』57号[2013年2月号]) 短編「メスメリズムの実験」(酒寄進一訳、『ミステリーズ!』57号[2013年2月号]) 『夏を殺す少女』(酒寄進一訳、創元推理文庫、2013年2月) 『黒のクイーン』(酒寄進一訳、創元推理文庫、2014年1月) イザベル・アベディ(ドイツ)(Isabel Abedi、1967- )『日記は囁く』(酒寄進一訳、東京創元社、2013年10月) レーナ・アヴァンツィーニ(オーストリア)(Lena Avanzini)『インスブルック葬送曲』(小津薫訳、扶桑社ミステリー、2013年11月) - 2012年、グラウザー賞新人賞 マックス・ベントー(ドイツ)(Max Bentow、1966- )『羽男』(猪股和夫訳、角川文庫、2013年11月) セバスティアン・クナウアー(ドイツ)(Sebastian Knauer、1949- )『バッハ 死のカンタータ』(藤田伊織・帯純子訳、大成出版社、2013年12月) 2014年~ メヒティルト・ボルマン(ドイツ)(Mechtild Borrmann、1960- )『沈黙を破る者』(赤坂桃子訳、河出書房新社、2014年5月) Wer das Schweigen bricht (2011) ライナー・レフラー(Rainer Löffler)『血塗られた夏』 Blutsommer (2012) ◆東京創元社より刊行予定 短編のみ邦訳されている作家 ハンスイエルク・マルティーン(ドイツ)(Hansjörg Martin、1920-1999)「後家づくり」(前川道介訳、『ミステリマガジン』1980年12月号、pp.127-132) - Die Witwenmacher ピーケ・ビーアマン(ドイツ)(Pieke Biermann、1950- )「まなざしの法則」(池田香代子訳、『ニュー・ミステリ ジャンルを越えた世界の作家42人』ジェローム・チャーリン編、早川書房、1995年10月) 「7.62」(菅沼裕乃訳、『ウーマンズ・ケース』下巻、サラ・パレツキー編、ハヤカワ・ミステリ文庫、1998年2月) ヘルガ・アンデルレ(オーストリア)(Helga Anderle)「サタデー・ナイト・フィーバー」(菅沼裕乃訳、『ウーマンズ・ケース』下巻、サラ・パレツキー編、ハヤカワ・ミステリ文庫、1998年2月) 「カナイマへようこそ」(務台夏子訳、『ミステリマガジン』2000年1月号、pp.210-221) 「聞き込み」(須藤直子訳、『血のバセーナ 8人の女性ミステリー作家による短篇集』水声社、2002年8月) ビルギット・ヘルシャー(ドイツ)(Birgit Hölscher、1958- )「料理とわが姉、宿命」(篠田淳子訳、『ジャーロ』10号[2003年冬号])) 未刊に終わったドイツ語圏古典ミステリ 世界傑作探偵小説集(未来社、1946年)W・シャイダー『ウィーンで再会した女』 《世界傑作探偵小説集》は1946年11月のエツィオ・デリコ(イタリア)『悪魔を見た処女』(江杉寛訳)、シュニツレル(アルトゥル・シュニッツラー、オーストリア)『愛慾の輪舞』(末吉寛訳)の2冊しか刊行されなかった(江戸川乱歩は『探偵小説四十年』や『幻影城』巻末の「探偵小説叢書目録」で『愛慾の輪舞』を未刊行としている)。『愛慾の輪舞』は不倫を扱った戯曲で、1950年代には『輪舞』というタイトルで岩波文庫、新潮文庫、角川文庫などに収録されている。 この叢書ではW・シャイダー『ウィーンで再会した女』が予告されていた。ヴィルヘルム・シャイダー(Wilhelm Scheider)の"Urlaub in Wien"(ウィーンの休日)のことだろうか。ヴィルヘルム・シャイダーは須知文三「独逸探偵小説の二傾向」(『新青年』1938年夏期増刊号[19巻13号])でも名前が挙げられており、そこでは『快走艇カチンカ号』(Die Yacht Katinka)が「心理派」に対しての「正統派」の作品とされている(これ以上の言及はない)。 欧洲大陸探偵小説シリーズ(新東京社、1946年) S・エルヴェスタード(スヴェン・エルヴェスタ、ノルウェー)『怪盗』(荒井詩夢訳、1946年12月)しか刊行されなかった。巻末の予告では、「サスペンスと怪奇の雰囲気につつまれたオーストリアのペルツ、芸術味豊かに犯罪への心理をあばく巨匠ワッサーマン【中略】等の諸作家の未紹介作品を順次刊行の予定である」と書かれている。 おそらく「ペルツ」はオーストリアのレオ・ペルッツ、「ワッサーマン」はドイツのヤーコプ・ヴァッサーマンのことだろう。ペルッツの『最後の審判の巨匠』やヴァッサーマンの『埋もれた青春(うずもれたせいしゅん)』が刊行される予定だったのかもしれない。 現代欧米探偵小説傑作選集(オリエント書房、1947年)(スイス)レナート・ウエリング(Renate Welling)『死の跳躍』(Der Todessprung) (スイス)ルドルフ・ホーホグレンド(Rudolf Hochglend)『郵便私書函八四号』(Postfach 84) 《現代欧米探偵小説傑作選集》は全30巻のラインナップが予告されていたが、カルロ・アンダーセン(デンマーク)の『遺書の誓ひ』(吉良運平訳、1947年1月)の1冊のみで中絶した。ドイツ語圏の作品は上記の2冊が刊行される予定だった。(著者名のカタカナ表記は当時の表記に従う) ドイツ語圏の少年少女向けミステリ ドイツ エーリヒ・ケストナー(Erich Kästner、1899-1974)『エーミールと探偵たち』(池田香代子訳、岩波少年文庫、2000年6月 等) 『エーミールと三人のふたご』(池田香代子訳、岩波少年文庫、2000年7月 等) ヘンリー・ウィンターフェルト(Henry Winterfeld、1901-1990)『カイウスはばかだ』 Caius ist ein Dummkopf (1953)関楠生訳、学習研究社 少年少女学研文庫、1968年 関楠生訳、福武文庫、1990年10月 関楠生訳、岩波少年文庫、2011年6月 『カイウスはひらめいた』 Caius geht ein Licht auf (1969)関楠生訳、学習研究社 少年少女学研文庫、1970年 シリーズは全3作あり、そのうち第3作『Caius in der Klemme』(1976)は邦訳はない。 ヴォルフガング・エッケ(Wolfgang Ecke、1927-1983)《エッケ探偵教室》シリーズ(各務三郎編、旺文社、1981年11月、全6巻) - 推理クイズ集『黄金の鼻』 『おばけギャング団』 『消えた花びん』 『クローバー同盟』 『指名手配書』 『スリの女王』 ステファン・ボルフ(Stefan Wolf、1938-2007)《こちらB組探偵団》シリーズ(偕成社 Kノベルス)1 『名画を追え』(若林ひとみ訳、1988年12月) 2 『サーカスの警報』(佐々木田鶴子訳、1988年12月) 3 『クラスメート誘拐』(若林ひとみ訳、1989年2月) 4 『赤ちゃんが消えた』(佐々木田鶴子訳、1989年4月) 5 『深夜の幽霊ドライバー』(佐々木田鶴子訳、1989年7月) 6 『SOS!こちら学校』(佐々木田鶴子訳、1989年10月) 7 『虎よ、にげろ』(池田香代子訳、1990年1月) 8 『悪魔のトンネル』(佐々木田鶴子訳、1990年4月) 9 『2ペンス切手のゆくえ』(池田香代子訳、1990年5月) 10 『放火魔のくる夜』(若林ひとみ訳、1990年12月) 11 『エジプト秘宝をまもれ』(佐々木田鶴子訳、1991年3月) 12 『ようこそ、幽霊くん』(池田香代子訳、1991年5月) ヨアヒム・フリードリヒ(Joachim Friedrich、1953- )《4と1/2探偵局》シリーズ(鈴木仁子訳、ポプラ社)1『宝の地図のひみつ』(2004年8月) 2『消えた先生のなぞ』(2004年9月) 3『天使の追跡大作戦』(2004年11月) 4『名探偵の10か条』(2005年1月) 5『探偵犬、がんばる!』(2005年4月) 《ひみつたんていダイアリー》シリーズ(はたさわゆうこ訳、徳間書店)1『オイボレ発明家をすくえ!』(2010年10月) 2『金庫をやぶったのは、だれ?』(2010年10月) 3『おしゃべりオウムがきえちゃった!』(2010年11月) 4『宝の地図をとりもどせ!』(2010年12月) その他『アナ=ラウラのタンゴ パパの謎を追って』(平野卿子訳、ポプラ社 ポプラ・ウイング・ブックス、2004年8月) キルステン・ボイエ(Kirsten Boie、1950- )『メドレヴィング 地底からの小さな訪問者』(長谷川弘子訳、三修社、2006年5月)2005年のドイツ語圏推理作家協会ハンスイェルク・マルティーン賞(児童ミステリ賞)ノミネート作だが、邦訳書の帯によれば「冒険ファンタジー」。この作家の邦訳はほかに児童書『パパは専業主夫』がある。 《少年探偵団ザ・スリー》(加納教孝訳、草土文化、2008年・2009年、全8巻)1~7巻はウルフ・ブランク(Ulf Blanck、1962- )作、8巻はボリス・プファイファ(Boris Pfeiffer、1964- )作1『幽霊船』(2008年6月) 2『アトランティスを救え!』(2008年6月) 3『魔術師の魔力』(2008年7月) 4『魔法の噴水』(2008年9月) 5『インターネット海賊』(2008年10月) 6『密輸業者の島』(2008年12月) 7『ゴースト・ハンターズ』(2009年4月) 8『よみがえった恐竜たち』(2009年4月) ゾラン・ドヴェンカー(Zoran Drvenkar、1967- )《半ズボン隊》シリーズ(木本栄訳、岩波書店)『走れ!半ズボン隊』(2008年6月) 『帰ってきた半ズボン隊 上 事件編』『下 解決編』(2009年10月) オーストリア トーマス・ブレツィナ(Thomas Brezina、1963- )《タイガーチーム事件簿》(中野京子訳、さ・え・ら書房、1998年、全3巻)1『火山島のなぞ』(1998年3月) 2『消えたメカ・モンスター』(1998年5月) 3『ファラオの呪い』(1998年5月) 《男の子おことわり、魔女オンリー》(松沢あさか訳、さ・え・ら書房、2006年、全4巻) ※非ミステリ1『きのうの敵は今日も敵?』(2006年3月) 2『兄貴をカエルにかえる?』(2006年3月) 3『いちばんすてきなママはだれ?』(2006年4月) 4『うちはハッピーファミリー?』(2006年4月) 《冒険ふしぎ美術館》1『ダ・ヴィンチのひみつをさぐれ! ねらわれた宝と7つの暗号』(越前敏弥、熊谷淳子訳、朝日出版社、2006年5月) 2『ゴッホの宝をすくいだせ! 色いろ怪人と魔法の虫めがね』(越前敏弥、田中亜希子訳、朝日出版社、2007年5月) 3『ミケランジェロの封印をとけ!』(越前敏弥、生方頼子訳、英治出版、2008年6月) 参考文献 戦前から1950年代までの日本におけるドイツ語圏ミステリの邦訳状況については、以下の文献を参考にした。 長谷部史親「ドイツ文化圏の作家たち」(長谷部史親『欧米推理小説翻訳史』本の雑誌社、1992年5月 / 双葉社 双葉文庫、2007年6月、pp.184-201) 長谷部史親「ローレンス・H・デスベリーの『電気椅子の蔭で』」(長谷部史親『ミステリの辺境を歩く』アーツアンドクラフツ、2002年12月、pp.172-179) 新保博久「ミステリ再入門」第26回 ドイツから退屈をこめて (『ミステリマガジン』2002年6月号、pp.138-141) 第27回 あるスパイ小説家の墓碑銘 (『ミステリマガジン』2002年7月号、pp.88-91) 第28回 スイスの刑事、ドイツの探偵 (『ミステリマガジン』2002年8月号、pp.150-153) 第29回 ウィンナ・コーヒーはほろ苦い (『ミステリマガジン』2002年9月号、pp.84-87) 垂野創一郎「レルネット=ホレーニアの幻想ミステリ」(『ROM』135号[2010年10月]、pp.62-75) また雑誌掲載作を探すにあたっては以下の目録を利用した。 山前譲編、ミステリー文学資料館監修『探偵雑誌目次総覧』(日外アソシエーツ、2009年6月) 山前譲編「「新青年」作者別作品リスト」(ミステリー文学資料館編『幻の探偵雑誌10 「新青年」傑作選』光文社文庫、2002年2月) 更新履歴 2013年7月28日:「(1)18世紀・19世紀の古典犯罪小説・探偵小説」にヴィルヘルム・ハウフについての記述を追加。 2013年7月28日:「(2)20世紀前半のドイツ語圏探偵小説」にシュテファン・ツヴァイクについての記述を追加。オスカール・エンゼン「沈黙の唇」追加。 2013年7月28日:「(3)1950年代~に邦訳された作家」で、伊東鍈太郎の『探偵倶楽部』および『宝石』における訳業を大幅加筆。パウルス・ショッテ「自分を追跡する男」追加。 2013年8月1日:「(1)18世紀・19世紀の古典犯罪小説・探偵小説」の末尾に、ワルター・ゲルタイスが『名探偵は死なず その誕生と歴史』で挙げている犯罪小説について加筆。 2014年9月14日:「ドイツ語圏の少年少女向けミステリ」にヘンリー・ウィンターフェルト『カイウスはばかだ』、『カイウスはひらめいた』追加。 2014年10月27日:「ドイツ語圏の少年少女向けミステリ」にステファン・ボルフ《こちらB組探偵団》シリーズ追加。 ※更新履歴は見落としていた作品を追加した場合にのみ記録しています。新刊は随時追加していますが、ここでは示しません。 関連ページ ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年) ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年) シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(1) ドイツ語圏編 ドイツ語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ ヨーロッパの推理小説#ドイツ語圏 - ドイツ語圏ミステリを知るための日本語文献一覧 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 非英語圏ミステリ各種リスト1北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 非英語圏ミステリ各種リスト2フランスのミステリ賞受賞作の邦訳一覧 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスミステリベスト100 非英語圏ミステリ各種リスト3ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 ハヤカワ・ミステリ文庫非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧
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ここでいう「中国ミステリ」とは、「中国の作家が書いたオリジナルミステリ」のことであって、「中国を舞台にしたミステリ」のことではありません。 1.中国ミステリ概観 中国ミステリ史 『中国ミステリ史 第一章』(19世紀末~1910年代) 『中国ミステリ史 第二章』(1910年代~1940年代) 『中国ミステリ史 第三章』(1940年代末~1970年代) 『中国ミステリ史 第四章』(1970年代末~1990年代) 『中国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭) 『中国ミステリ史 第六章』(現代) 中国ミステリを知るための日本語文献 中国ミステリについて知るための資料リスト - 文献リスト+解説。最近は更新していません。 中国ミステリ史 参考文献 - 中国推理小説120年の歴史 2.実際に中国ミステリを読んでみたい方へ 邦訳 中国ミステリ 読書案内 東方のホームズが活躍する中国の短編探偵小説、張慶霖「無名飛盗」 原書 中国のミステリ作家・御手洗熊猫の長編推理小説『島田流殺人事件』 中国で刊行されているミステリ雑誌の、各号の内容紹介ページへのリンク中国のミステリ雑誌『歳月・推理』 公式サイト各号へのリンク集 中国のミステリ雑誌『推理世界』 公式サイト各号へのリンク集 3.日本ミステリ in 中国 2009年に中国で刊行された日本の推理小説 (2008年・2009年の中国のミステリ刊行状況 含む) 4.その他 この推理小説を邦訳してほしい! (中国ミステリ編) 台湾ミステリ紹介 目次へ 韓国ミステリ紹介 目次へ
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2014年9月3日 ※作成中 Index トルコ イスラエル(1)ヘブライ語作家 (2)ヘブライ語/英語作家 レバノン エジプト アルジェリア トルコ オルハン・パムク『わたしの名は赤』【上下巻】(宮下遼訳、早川書房 ハヤカワepi文庫、2012年1月)旧訳:『わたしの名は紅(あか)』(和久井路子訳、藤原書店、2004年11月) 関連記事 トルコの古典探偵小説と現代ミステリ (Togetter) イスラエル (1)ヘブライ語作家 バチヤ・グール『精神分析ゲーム』(秋津信訳、イースト・プレス、1994年12月) 『教授たちの殺人ゲーム』(堀たほ子訳、イースト・プレス、1996年2月) シュラミット・ラピッド『「地の塩」殺人事件 女記者リジー・バドゥヒ』(母袋夏生訳、マガジンハウス、1997年9月) (2)ヘブライ語/英語作家 マイケル・バー=ゾウハーヘブライ語作品『過去からの狙撃者』 『二度死んだ男』 英語/ヘブライ語作品『エニグマ奇襲指令』 『パンドラ抹殺文書』 『ファントム謀略ルート』 『復讐のダブル・クロス』 『真冬に来たスパイ』 『無名戦士の神話』 『悪魔のスパイ』 『影の兄弟』 『ベルリン・コンスピラシー』 関連記事 A short history of crime fiction in Israel, Part I (Detectives Beyond Borders) A short history of crime fiction in Israel, Part 2 (Detectives Beyond Borders) レバノン エドワード・アタイヤ『細い線』(文村潤訳、ハヤカワ・ミステリ、1954年 / ハヤカワ・ミステリ文庫、1977年5月) ※英語作品 エジプト タウフィーク・アル・ハキーム(1898-1987)『田舎検事の手記』(堀内勝訳、アジア経済研究所《中東総合研究資料 no.2》、1975年) ※アラビア語作品 関連記事 アラビア語圏のミステリー小説! (Togetter) アルジェリア ヤスミナ・カドラ『テロル』(藤本優子訳、早川書房、2007年3月) ※フランス語作品 関連ページ 北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 非英語圏ミステリ各種リスト
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2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」より。 対象は奥付表記で2007年11月~2008年10月の期間内に発行された広義のミステリー作品。 6作品以内で順位をつけて投票すること。 1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。 各作品への1行コメント集 国内編/海外編 ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 355 :名無しのオプ:2009/02/01(日) 00 17 24 ID FZYB+DGv 2chが選ぶこのミステリーがすごい!2009年版 国内編 【23票】 272,277,285,286,288,289,293,301,306,312 316,318,322,325,330,335,338,339,343,345 346,349,354 1 位 (119pt) 『山魔の如き笑うもの』 三津田信三 2 位 (96pt) 『ラットマン』 道尾秀介 3 位 (67pt) 『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則 4 位 (64pt) 『完全恋愛』 牧薩次 5 位 (44pt) 『造花の蜜』 連城三紀彦 6 位 (37pt) 『エコール・ド・パリ殺人事件』 深水黎一郎 7 位 (35pt) 『新世界より』 貴志祐介 8 位 (34pt) 『少女ノイズ』 三雲岳斗 9 位 (31pt) 『告白』 湊かなえ 9 位 (31pt) 『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎 11位 (30pt) 『官能的 四つの狂気』 鳥飼否宇 11位 (30pt) 『退出ゲーム』 初野晴 13位 (29pt) 『聖女の救済』 東野圭吾 14位 (27pt) 『1/2の騎士 harujion』 初野晴 15位 (25pt) 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎 16位 (24pt) 『ジョーカー・ゲーム』 柳広司 17位 (22pt) 『カラスの親指』 道尾秀介 18位 (21pt) 『狐火の家』 貴志祐介 19位 (20pt) 『遠海事件』 詠坂雄二 20位 (19pt) 『君の望む死に方』 石持浅海 356 :名無しのオプ:2009/02/01(日) 00 18 03 ID FZYB+DGv 21位 (15pt) 『黒百合』 多島斗志之 22位 (14pt) 『青銅の悲劇 瀕死の王』 笠井潔 23位 (13pt) 『十三回忌』 小島正樹 24位 (12pt) 『裁判員法廷』 芦辺拓 25位 (10pt) 『もう誘拐なんてしない』 東川篤也 26位 ( 9pt) 『弥勒世』 馳星周 26位 ( 9pt) 『倒立する塔の殺人』 皆川博子 26位 ( 9pt) 『ドリーミング・オブ・ホーム&マザー』 打海文三 26位 ( 9pt) 『肺魚楼の夜』 谺健二 26位 ( 9pt) 『流星の絆』 東野圭吾 31位 ( 8pt) 『七つの海を照らす星』 七河迦南 32位 ( 7pt) 『名前探しの放課後』 辻村深月 32位 ( 7pt) 『みなさん、さようなら』 久保寺健彦 32位 ( 7pt) 『耳をふさいで夜を走る』 石持浅海 32位 ( 7pt) 『傍聞き』 長岡弘樹 36位 ( 6pt) 『妃は船を沈める』 有栖川有栖 36位 ( 6pt) 『賢者の贈り物』 石持浅海 36位 ( 6pt) 『芝浜謎噺』 愛川晶 36位 ( 6pt) 『トスカの接吻』 深水黎一郎 36位 ( 6pt) 『ようこそ無目的室へ』 在原竹広 41位 ( 5pt) 『きのうの世界』 恩田陸 41位 ( 5pt) 『しらみつぶしの時計』 法月綸太郎 41位 ( 5pt) 『ペガサスと一角獣薬局』 柄刀一 41位 ( 5pt) 『とある飛空士への追憶』 犬村小六 41位 ( 5pt) 『ファイナル・ゲーム』 黒武洋 41位 ( 5pt) 『モザイク事件帳』 小林泰三 41位 ( 5pt) 『モダンタイムス』 伊坂幸太郎 357 :名無しのオプ:2009/02/01(日) 00 18 34 ID FZYB+DGv 2chが選ぶこのミステリーがすごい!2009年版 海外編 【8票】 282,287,312,331,344,346,351,352 1 位 (24pt) 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス 2 位 (20pt) 『冬そして夜』 S・J・ローザン 3 位 (18pt) 『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド 4 位 (17pt) 『ウォリス家の殺人』 D.M.ディヴァイン 5 位 (16pt) 『紫雲の怪』 ロバート・ファン・ヒューリック 6 位 (15pt) 『検死審問-インクエスト』 パーシヴァル・ワイルド 7 位 (14pt) 『運命の日』 デニス・ルへイン 7 位 (14pt) 『タンゴステップ』 へニング・マンケル 9 位 (12pt) 『ダルジールの死』 レジナルド・ヒル 10位 (11pt) 『アトラスの使徒』 サム・ボーン 11位 (10pt) 『ラジオ・キラー』 セバスチャン・フィツェック 11位 (10pt) 『ランポール弁護に立つ』 ジョン・モーティマー 11位 (10pt) 『ルイザと女相続人の謎』 アンナ・マクリーン 11位 (10pt) 『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』 ギルバート・アデア 358 :名無しのオプ:2009/02/01(日) 00 19 04 ID FZYB+DGv 15位 ( 9pt) 『極限捜査』 オレン・スタインハウワー 15位 ( 9pt) 『道化の死』 ナイオ・マーシュ 15位 ( 9pt) 『七番目の仮説』 ポール・アルテ 15位 ( 9pt) 『ナポレオン剃刀の冒険』 エラリー・クイーン 19位 ( 8pt) 『赤き死の香り』 ジョナサン・ラティマー 19位 ( 8pt) 『教会の悪魔』 ポール・ドハティ 19位 ( 8pt) 『グリーンサークル事件』 エリック・アンブラー 19位 ( 8pt) 『荒野のホームズ』 スティーヴ・ホッケンスミス 19位 ( 8pt) 『不思議なミッキー・フィン』 エリオット・ポール 24位 ( 7pt) 『踊るドルイド』 グラディス・ミッチェル 24位 ( 7pt) 『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル 24位 ( 7pt) 『ロミオ』 ロバート・エリス 27位 ( 6pt) 『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ 27位 ( 6pt) 『サファリ殺人事件』 エルスペス・ハクスリー 27位 ( 6pt) 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング 27位 ( 6pt) 『ナツメグの味』 ジョン・コリア 31位 ( 5pt) 『スリーピング・ドール』 ジェフリー・ディーヴァー 31位 ( 5pt) 『タナスグ湖の怪物』 グラディス・ミッチェル 31位 ( 5pt) 『夜ふかし屋敷のしのび足』 コニス・リトル
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2012年2月2日 韓国のミステリ情報サイト「ハウミステリ」(How Mystery)で実施されたミステリランキングの結果を紹介する。 2011年に韓国で出版されたミステリを対象とするランキングで、韓国国内作品・翻訳作品の両方を含む。 関連記事:韓国のWebサイト「日本ミステリを楽しむ」で実施された2011年日本ミステリランキング (2012年2月17日) 2011年 하우미스터리 선정, 2011년 올해의 추리소설!!! (2012-02-02)対象:2011年に韓国で刊行されたミステリ小説。韓国オリジナル作品と翻訳作品の両方を含む。 投票参加者:63名。それぞれが順位を付けずに3作品を選ぶ。 結果発表:2012年2月2日 順位 得票数 タイトル 作者 国 年 韓国語タイトル 備考 1位 25票 奇想、天を動かす 島田荘司 日本 1989年 기발한 발상, 하늘을 움직이다 2位 19票 死んだギャレ氏 ジョルジュ・シムノン ベルギー 1931年 갈레 씨, 홀로 죽다 邦訳1961年、創元推理文庫、等 19票 ラスト・チャイルド ジョン・ハート アメリカ 2009年 라스트 차일드 邦訳2010年、早川書房 4位 18票 パイは小さな秘密を運ぶ アラン・ブラッドリー カナダ 2009年 파이 바닥의 달콤함 邦訳2009年、創元推理文庫 5位 11票 精神自殺(*仮) ト・ジンギ(都振棋) 韓国 2011年 정신자살 闇の弁護士シリーズ3 6位 8票 フランス白粉の謎 エラリー・クイーン アメリカ 1930年 프랑스 파우더 미스터리 7位 7票 山魔の如き嗤うもの 三津田信三 日本 2008年 산마처럼 비웃는 것 8位 5票 白雪姫には死んでもらう(*仮) ネレ・ノイハウス ドイツ 2010年 백설공주에게 죽음을 9位 4票 弁護側の証人 小泉喜美子 日本 1963年 변호 측 증인 4票 戻り川心中 連城三紀彦 日本 1980年 회귀천 정사 4票 シャーロック・ホームズのライヴァルたち チョン・テウォン編訳 英米 - 셜록 홈스의 라이벌들 19世紀末~20世紀初頭の作品を収録 8位:Nele Neuhaus, Schneewittchen muss sterben +12位以下の作品 - クリックで展開 第12位(得票数3) - 4作品 日本作品小栗虫太郎『黒死館殺人事件』 欧米作品オースチン・フリーマン『赤い拇指紋』 ピーター・ラヴゼイ『最後の刑事』 ドナート・カッリージ(イタリア)『六人目の少女』(韓国語タイトルの直訳は『囁く者』) 第16位(得票数2) - 12作品 日本作品綾辻行人『Another』 貴志祐介『悪の教典』 小林泰三『密室・殺人』 筒井康隆『ロートレック荘事件』 法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』 馳星周『不夜城』(19禁のためリンク不能) 松本清張『ゼロの焦点』 欧米作品エラリー・クイーン『ローマ帽子の謎』 ジョン・コナリー『死せるものすべてに』 ルース・レンデル『ロウフィールド館の惨劇』 邦訳なし ジェス・ウォルター The Financial Lives of the Poets(韓国語タイトルを直訳すると『詩人たちの孤軍奮闘生活記』) 韓国作品ハン・ドンジン(韓東珍)『血の絆 京城探偵録2』 得票数1 - 29作品 日本作品蒼井上鷹『4ページミステリー』 乙一『銃とチョコレート』 折原一『異人たちの館』 京極夏彦『続 巷説百物語』 倉知淳『星降り山荘の殺人』 辻村深月『ツナグ』 筒井康隆『富豪刑事』 東川篤哉『密室の鍵貸します』 道尾秀介『カササギたちの四季』 夢野久作『少女地獄』 米澤穂信『追想五断章』 欧米作品エラリー・クイーン『オランダ靴の謎』 マイクル・コナリー『ラスト・コヨーテ』 マイクル・コナリー『トランク・ミュージック』 ジョセフィン・テイ『フランチャイズ事件』 イアン・フレミング『007 わたしを愛したスパイ』 ルイーズ・ペニー『スリー・パインズ村の不思議な事件』 ロバート・R・マキャモン『少年時代』 マーガレット・ミラー『狙った獣』 ジョルジュ・シムノン(ベルギー)『港の酒場で』 スティーグ・ラーソン(スウェーデン)《ミレニアムシリーズ》 欧米作品(未邦訳)ジョン・カッツェンバック Hart s War(韓) ダグラス・プレストン リンカーン・チャイルド Still Life with Crows(韓) ルイス・ベイヤード The Black Tower(韓) アンソニー・ホロヴィッツ The House of Silk(韓) Paulus Hochgatterer(オーストリア), Die Süße des Lebens(韓) 『ヒッチコック・ミステリ・マガジン傑作選』 - Alfred Hitchcock s Mystery Magazine Presents Fifty Years of Crime and Suspense の翻訳原典は短編を34編収録。韓国版ではMartin Limón, Pusan Nights とLoren D. Estleman, Saturday Night at the Mikado Massage が収録されていない。 韓国作品チェ・ジェフン『七つの猫の眼』 チョン・ユジョン『7年の夜』 ベスト3は日本の作品、フランス語圏の古典的作品、アメリカの最新の作品が争うという面白いことになった。1位の栄誉に輝いたのは島田荘司『奇想、天を動かす』である。島田荘司作品は台湾や中国では翻訳がかなり進んでいるが、韓国ではまだ8作品が翻訳出版されたのみである。『本格ミステリー・ワールド2012』によれば、近いうちに島田荘司の韓国での初のサイン会が行われる予定だという。今後、韓国でも島田荘司の人気が上がっていくかもしれない。 ジョン・ハート『ラスト・チャイルド』は言わずと知れた、2010年末の日本のミステリランキングを席捲した作品である。『ミステリが読みたい!』で第1位、週刊文春のミステリーベスト10で第1位、『このミステリーがすごい!』で第5位と好成績を収めた。『ラスト・チャイルド』と同じ得票数で第2位につけたジョルジュ・シムノン『死んだギャレ氏』については、寡聞にして日本でどのような評価を受けている作品なのか分からない。韓国ではメグレ初登場から80年を記念して、2011年5月に叢書《メグレシリーズ》の出版が開始された。月2冊刊行で、全75巻が予定されている。 韓国では日本のミステリ小説が年間100タイトルほどのペースで翻訳されている。もっともそれはここ4、5年のことであって、2006年には年間で32タイトルしか翻訳されていなかった。それが2007年には一気に倍以上の72タイトルとなり、2008年には96タイトルと、急激な伸びを見せたのである。かつては日本の最新のミステリ小説の翻訳が多かったが、翻訳数が増えるに従って日本の過去の名作が翻訳されることも多くなった。昨年のランキングでは5位に鮎川哲也『りら荘事件』が入ったが、今年のランキングでは小泉喜美子『弁護側の証人』と連城三紀彦『戻り川心中』がランクインしている。小泉喜美子が翻訳されたことに関しては、日本で2009年に復刊されているというのも大きいだろう。日本の最新作からは、三津田信三『山魔の如き嗤うもの』が第7位にランクインした。 韓国のオリジナル作品では、ト・ジンギ(都振棋)の本格ミステリ小説、闇の弁護士シリーズ第3弾『精神自殺』が第5位にランクインした。ト・ジンギは現役裁判官のミステリ作家で、2010年にデビューして、すでに長編3作品を刊行している。もともとミステリ好きだったが、2009年になってから通勤時間を利用して半年ほどで日本の作品を中心に新たにミステリを100冊以上読破。2009年11月に創作を開始し、2010年6月、短編ミステリ「選択」で『季刊ミステリ』新人賞を受賞してデビューした。愛好する作家に江戸川乱歩、島田荘司、東野圭吾らを挙げている。 第4位にランクインしたカナダのアラン・ブラッドリーは2007年の英国推理作家協会(CWA)デビュー・ダガー賞受賞者。なんと受賞時には70歳だったという(東京創元社公式サイトの紹介記事参照)。第8位にランクインしたドイツのネレ・ノイハウスは2009年にデビューし、早くも「ドイツミステリの女王」と呼ばれている作家(翻訳ミステリー大賞シンジケート記事、酒寄進一「ドイツミステリへの招待状 その2」参照)。ノイハウスの『白雪姫には死んでもらう』は日本では酒寄進一氏の翻訳で刊行される予定。 第6位にエラリー・クイーンの国名シリーズ第2作、『フランス白粉の謎』がランクインした。これは2011年12月に韓国で刊行が始まった叢書《エラリー・クイーン・コレクション》の1冊である。第1シリーズとして国名シリーズ全9作の刊行が予定されており、それ以降も第3シリーズまで順次刊行予定。なお、『フランス白粉の謎』と同時刊行だった『ローマ帽子の謎』はこのランキングでは第16位だった。第9位にランクインした『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』は、オースチン・フリーマンやバロネス・オルツィ、ジャック・フットレルらが創造した“ホームズのライヴァルたち”が活躍する短編に、コナン・ドイルの非ホームズ物5編を併せた計30編を収録のアンソロジー。下に収録作の原題(英題)を示しておく。 +『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』収録作 英題一覧 - クリックで展開 『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』収録作 英題一覧 チョン・テウォン(鄭泰原)編訳。30編収録。 19世紀末~20世紀初頭の“ホームズのライヴァルたち”が活躍する作品を収録。 Sir Arthur Conan Doyle / コナン・ドイルThe Story of the Lost Special The Story of the Jew’s Breast-Plate The Story of the Black Doctor The Story of the Man with the Watches Catherine Louisa Pirkis / C・L・パーキスThe Black Bag Left on a Door-step Arthur Morrison / アーサー・モリスンThe Loss of Sammy Crockett The Case of Mr. Foggatt The Case of the Dixon Torpedo The Stanway Cameo Mystery Grant Allen / グラント・アレンThe Episode of the Mexican Seer The Episode of the Diamond Links Baroness Emmuska Orczy / バロネス・オルツィThe York Mystery The Liverpool Mystery The Brighton Mystery The Edinburgh Mystery The Dublin Mystery Arnold Bennett / アーノルド・ベネットThe Fire of London Clifford Ashdown / クリフォード・アッシュダウン (=オースチン・フリーマン)The Silkworms of Florence The Submarine Boat Jacques Heath Futrelle / ジャック・フットレルThe Problem of ‘Dressing Room A.’ The Missing Necklace The Green-Eyed Monster The Phantom Motor Car The Problem of the Motor-Boat Bret Harte / ブレット・ハートThe Stolen Cigar-Case Ernest William Hornung / E・W・ホーナングThe Ides of March Gentlemen And Players Nine Points of the Law The Return Match The Gift of the Emperor 過去の結果 2010年 하우미스터리 선정, 2010년 올해의 추리소설!!! (2011-02-06)対象:2010年に韓国で刊行されたミステリ小説。韓国オリジナル作品と翻訳作品の両方を含む。 投票参加者:46名。それぞれが順位を付けずに3作品を選ぶ。 結果発表:2011年2月6日 順位 得票数 タイトル 作者 国 年 韓国語タイトル 備考 1位 24票 ユダの窓 ジョン・ディクスン・カー アメリカ 1938年 유다의 창 2位 9票 密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午 日本 2007年 밀실살인게임-왕수비차잡기 9票 名探偵の掟 東野圭吾 日本 1996年 명탐정의 규칙 9票 《闇の弁護士シリーズ》(*仮) ト・ジンギ(都振棋) 韓国 2010年 어둠의 변호사 (1)、(2) 闇の弁護士シリーズ1と2 5位 7票 りら荘事件 鮎川哲也 日本 1958年 리라장 사건 7票 首無の如き祟るもの 三津田信三 日本 2007年 잘린머리처럼 불길한 것 7位 6票 赤い右手 ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ アメリカ 1945年 붉은 오른손 邦訳1997年、国書刊行会 8位 5票 極大射程 スティーブン・ハンター アメリカ 1993年 탄착점 邦訳1998年、新潮文庫 9位 4票 そして名探偵は生まれた 歌野晶午 日本 2005年 그리고 명탐정이 태어났다 3編収録 4票 マークスの山 高村薫 日本 1993年 마크스의 산 4票 永遠の仔 天童荒太 日本 1999年 영원의 아이 《闇の弁護士シリーズ》は第1巻『赤い家の殺人』、第2巻『椿姫(ラ・トラヴィアータ)の肖像』が同時刊行だった。投票対象としてシリーズを挙げる人もおり、ここでは得票数が合算されている。 歌野晶午『そして名探偵は生まれた』の韓国版は日本の単行本版(2005年)と同じく「そして名探偵は生まれた」、「生存者、一名」、「館という名の楽園で」の3編を収録。なお、日本で刊行された文庫版(2009年)は「夏の雪、冬のサンバ」が追加されて計4編収録となっている。『生存者、一名』は2000年に、『館という名の楽園で』は2002年に、それぞれ祥伝社の《400円文庫》の1冊として刊行されている。 +12位以下の作品 - クリックで展開 第12位(得票数3) - 2作品 今野敏『果断: 隠蔽捜査2』 キム・ネソン(金来成)『恋文綺譚』 第14位(得票数2) - 10作品 日本作品折原一『冤罪者』 恩田陸『ドミノ』 法月綸太郎『生首に聞いてみろ』 欧米作品ウィリアム・アイリッシュ『黒衣の花嫁』 ドナルド・E・ウェストレイク『ホット・ロック』 ジョン・ディクスン・カー『緑のカプセルの謎』 ジェフリー・ディーヴァー『青い虚空』 タナ・フレンチ『悪意の森』 ニコラス・メイヤー『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険 ワトスン博士の未発表手記による』 邦訳なし C・J・サンソム Dark Fire(韓) 得票数1 - 24作品 日本作品赤川次郎『三毛猫ホームズの怪談』 有栖川有栖『双頭の悪魔』 池井戸潤『空飛ぶタイヤ』 岡本綺堂『半七捕物帳』(オリジナル編集)収録作:「お文の魂」、「石灯籠」、「津の国屋」、「三河万歳」、「槍突き」、「狐と僧」、「冬の金魚」、「むらさき鯉」、「一つ目小僧」、「かむろ蛇」、「二人女房」 恩田陸『夏の名残りの薔薇』 貴志祐介『狐火の家』 桐野夏生『顔に降りかかる雨』 佐々木譲『廃墟に乞う』 高村薫『李歐』 貫井徳郎『愚行録』 東野圭吾『探偵倶楽部』 東野圭吾『ダイイング・アイ』 宮部みゆき『我らが隣人の犯罪』 横溝正史『女王蜂』 若竹七海『ヴィラ・マグノリアの殺人』 若竹七海『古書店アゼリアの死体』 欧米作品ジョン・ディクスン・カー『不可能犯罪捜査課』 マイクル・コナリー『ナイト・ホークス』 ドロシー・L・セイヤーズ『雲なす証言』 ジェフリー・ディーヴァー『スリーピング・ドール』 ダグラス・プレストン リンカーン・チャイルド『殺人者の陳列棚』 邦訳なし スティーヴン・セイラー Roma Sub Rosa 3 Catilina s Riddle(韓) 韓国作品パク・ウヌ『月と影 1596年イ・スンシン暗殺事件』 ソ・ミエ『待ち遠しい殺人者』 2009年 하우미스터리선정, 2009년 올해의 추리소설! (2010-02-03)対象:2009年に韓国で刊行されたミステリ小説。韓国オリジナル作品と翻訳作品の両方を含む。 投票参加者:36名。それぞれが順位を付けずに3作品を選ぶ。 結果発表:2010年2月3日 順位 得票数 タイトル 作者 国 年 韓国語タイトル 備考 1位 15票 チャイルド44 トム・ロブ・スミス イギリス 2008年 차일드44 邦訳2008年、新潮文庫 2位 9票 シンプル・プラン スコット・スミス アメリカ 1993年 심플 플랜 邦訳1994年、扶桑社ミステリー 3位 8票 生ける屍の死 山口雅也 日本 1989年 살아 있는 시체의 죽음 このミス 89 第8位 4位 6票 京城(けいじょう)探偵録(*仮) ハン・ドンジン(韓東珍) 韓国 2009年 경성탐정록 ホームズ物の(広義の)パスティーシュ 6票 告白 湊かなえ 日本 2008年 고백 6位 5票 魔人(*仮) キム・ネソン(金来成) 韓国 1939年 마인 5票 私が殺した少女 原尞 日本 1989年 내가 죽인 소녀 このミス 89 第1位 8位 4票 曲った蝶番 ジョン・ディクスン・カー アメリカ 1938年 구부러진 경첩 4票 緑は危険 クリスチアナ・ブランド イギリス 1944年 녹색은 위험 10位 3票 松本清張傑作短篇コレクション 上巻 松本清張(宮部みゆき編) 日本 - 마쓰모토 세이초 걸작 단편 컬렉션 (상) 2004年に文春文庫で刊行されたものの翻訳 3票 夜は千の目を持つ ウィリアム・アイリッシュ アメリカ 1945年 밤은 천 개의 눈을 가지고 있다 以前に作った『京城探偵録』の紹介ページ:「1930年代の朝鮮京城を舞台にしたシャーロック・ホームズパスティーシュ『京城探偵録』」 『魔人』の作者のキム・ネソン(金来成)は1935年に日本の探偵雑誌『ぷろふいる』でデビュー。1936年に朝鮮半島に戻ってからは朝鮮語(韓国語)で探偵小説を発表し人気を博した。 宮部みゆき編『松本清張傑作短篇コレクション』上巻の収録作は日本・韓国とも、「或る「小倉日記」伝」、「恐喝者」、「一年半待て」、「地方紙を買う女」、「理外の理」、「削除の復元」、「捜査圏外の条件」、「真贋の森」、「昭和史発掘――二・二六事件」、「追放とレッド・パージ――「日本の黒い霧」より」 +12位以下の作品 - クリックで展開 第12位(得票数2) - 6作品 日本作品今野敏『隠蔽捜査』 島田荘司『斜め屋敷の犯罪』 欧米作品ジョン・ディクスン・カー『カブト虫殺人事件 / ウインター殺人事件』 マイクル・コナリー『ザ・ポエット』 マイクル・コナリー『わが心臓の痛み』 デニス・レヘイン『闇よ、我が手を取りたまえ』 得票数1 - 25作品 日本作品有栖川有栖『46番目の密室』 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』 江戸川乱歩『江戸川乱歩全短篇 2』収録作:「湖畔亭事件」、「鬼」、「屋根裏の散歩者」、「何者」、「月と手袋」、「堀越捜査一課長殿」、「陰獣」 大崎梢『配達あかずきん: 成風堂書店事件メモ』 大沢在昌『新宿鮫』 ※1993年にも翻訳されている 奥田英朗『邪魔』 恩田陸『きのうの世界』 木下半太『悪夢の観覧車』 近藤史恵『サクリファイス』 佐々木譲『警官の血』 津原泰水《ルピナス探偵団シリーズ》(当惑、憂愁) 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』 松本清張『黒い画集』(全3巻) 薬丸岳『天使のナイフ』 若竹七海『死んでも治らない: 大道寺圭の事件簿』 欧米作品ジョン・ディクスン・カー『アラビアンナイトの殺人』 ジョン・ディクスン・カー『ビロードの悪魔』 マイケル・コックス『夜の真義を』 マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』 アントニー・バークリー『第二の銃声』 ローレンス・ブロック『獣たちの墓』 ロス・マクドナルド『ウィーチャリー家の女』 邦訳なし ロバート・リテル Legends(韓) 邦訳なし コナン・ドイル(Leslie S. Klinger 編)『新註釈つきシャーロック・ホームズ全集』第2巻 - The New Annotated Sherlock Holmes(2004年)の翻訳『シャーロック・ホームズの帰還』、『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』、『シャーロック・ホームズの事件簿』を収録 邦訳なし アーナルデュル・インドリダソン(アイスランド) Röddin(韓国語タイトルを直訳すると『声』)