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第1幕 (皇帝の庭園上の平らなバルコニーの上) (その横には各部屋への入口が弱く照らし出されている) 乳母 (闇の中でうずくまりながら) 光が湖に・・・ 輝きながら消えて行く・・・ 鳥のように早く・・・! 夜の頂(いただき)が 上から明るくなっていく・・・ 火の手が あたしを捕まえに来る・・・ さては、ご主人さまですか? 御覧下さい! 私はお嬢様の面倒を見ております! こんな心労と苦痛の夜中でも。 使者 (暗闇から現れて、鎧をまとい、青い光に取り巻かれながら) 主ではないぞ。 カイコバート様ではない。 ただの使者だ! これまでも11人の使者が お前を訪れただろう。 月が替わるごと新たな使者が来たはずだ。 もはや12番目の月も落ちた・・・ だから12番目の使者が来たのだ。 乳母 (不安げに) あんたなんか見たことないわ。 使者 (厳しい口調で) よかろう。 来たからには、尋ねるぞ。 お嬢さまは、影をつくったか? なにっ、何てやつだ! 我々全員にとっても災いだ! 乳母 (勝ち誇ったように、しかしくぐもった声で) 影なんぞ!神々の名にかけて! 影なんぞ!影なんぞ! お嬢さまの体は 光が通り抜けて行く。 まるで、ガラスのようにね。 使者 (陰鬱に) お前を取り巻く孤独は、 あの子を守るためのもの。 黒い水が 小島を取り巻くように。 七つの月の峰が 湖畔を取り巻いている・・・ この雌犬め!それなのに、 宝を盗まれたままにしておくとは! 乳母 母親譲りよ! あの子の 人間になりたいという 激しい欲求は! 大失敗よ! 父親があの子に 変身する力をあげたのは! あたしが鳥を追って 飛べるわけ無いじゃない? あたしが、あのガゼルを 手で捕まえられるはずないじゃない!? 使者 お嬢さまに会わせてくれ! 乳母 (小声で) 独り身じゃないのよ・・・ あの男が、傍にいるわ。 この12か月の間、 あの男が、お嬢様を求めない日は 一夜たりと無かった! あの男は、狩人よ。 そして、恋に狂った男。 それ以外の何者だというの!? 最初の晩は、 恥ずかしそうに忍び出てきた。 でも、星がまたたく頃になると、 なんてこと!また戻って来たわ! あの男の夜が、お嬢様の昼で、 あの男の昼が、お嬢様の夜になったのよ・・・ 使者 (きわめて、きっぱりと) 12か月間、 あの男のものだったのだろう! だが、それもあと たった3日の話だ! 3日過ぎれば・・・ 父親の腕に 戻るほかない。 乳母 (嬉しさを押し隠すように) 私も一緒にまいります! ああ、きっといい日になるわ! でも、あの男はどうなるの? 使者 石にされるのさ! 乳母 石になる! さすがは、カイコバート様。 おおせに従います! 使者 (姿を消しながら) お嬢さまを守るのだ! あと3日だ!忘れるな! 皇帝 (部屋の扉に入りながら) 乳母よ!起きておるか? 乳母 起きて、控えておりまする。 雌犬のごとく、 お部屋の入口に! 皇帝 (部屋に入って来る。若い美男子。狩の衣裳で) (舞台はやや明るくなってくる) そのまま見張れ! 私が呼ぶまで! 姫は寝ている。 私は狩りに行く。 私が行くのは、 あの月の峰。 犬を放つぞ、 あの黒い水面に。 昔、私が、姫を見つけた所だ。 あの時、姫は、 白いガゼルのなりをして、 影もないのに、 私の心に火をつけた。 全ては神の思し召しだ・・・ 今日、私の赤い鷹を見つけられるかは! あの時、私のために愛する姫を捕まえてくれたのは あの鷹なのだ! あの時、姫は風のように、 私のもとから走り去り、 私を嘲り笑い、 私の愛馬も 音を上げようという時だった。 その時、あの鷹が 白いガゼルへ飛んで行き、 その眼光をかいくぐり、 あの可愛い目を 翼で打ったのだ! すると、ガゼルは、つんのめったので、 私は、槍をさっと抜き出し、 それを押さえた。 するとどうだ。恐怖に脅える 獣の体から千切れ出たかのように、 一人の女が 私の腕に絡みついてきた・・・! ああ、あの鷹にもう一度会いたいものだ! どんなに褒めてやりたいことか・・・! あの赤い鷹! それというのも、私は、あの鷹に罪深いことをした。 あの最初の陶酔のときだった。 ガゼルが妻になった時、 鷹への怒りが 私をとらえた。 あの鷹は、 姫の額に止まろうとし、 あの可愛い光る眼を 打とうとしたではないか! 激怒に駆られ、 私は短刀をつかむと あの鳥に放り投げた。 刀が当たると、 血が下にこぼれ落ちたのだ。 あの鷹の眼差し・・・忘れられない! 乳母 (様子をうかがいながら) 殿。さような狩りに 行かれるのなら・・・ さぞ、幾晩もご不在なのでしょうね? 皇帝 そうさな。 3日は戻って来ないかも知れぬ! お前は、姫をお守りし、 姫に伝えるがいい。私が狩りに出たことを・・・ 姫のためなのだ。 そう、姫のための狩りなのだ! 犬と鷹を駆って 私が捕えるもの・・・ 槍と弓矢により 私が手に入れるもの・・・ みんな姫のための獲物なのだ! そう・・・私の心にとって、 目にとって、 手にとって、 胸にとって、 私の狩の獲物は、 あの姫その人なのだ! 永遠に変わることなく! (急いで退場) (朝の薄明かりが次第に強まっていき、 鳥の歌声が聞こえて来る) 乳母 (それまでの間少しずつ皇帝の周りに集まって来ていた数名の侍従たちに) 出て行きなさい! 私は姫様と話すのです! お前たちが姫様の目に触れてはなりません! (侍従たちは立ち上がり、音も無く退場) 皇妃 (自分の部屋から出て来て) あなた・・・行ってしまうなら、 なぜ私をこんなに早く起こすのですか? まだ寝かせておいていただければ! もしかしたなら、 昔に帰る夢を見て、 小鳥の軽い体の中や、 若くて白いガゼルの気持ちに なっていたかもしれません! ああ!もう変身できないとは! ああ!お守りを失ってしまったとは・・・ あの最初の陶酔の瞬間に! よほど、あの時の かりそめの獣の姿でいたかったわ。 でも、あの人の鷹の群れが 襲いかかって・・・ああ! 頭上に群れて・・・ああ! そのうちの 一羽の鷹が ああ・・・飛び去って行ったわ! おお・・・見てよ。 あの赤い鷹・・・ 昔、私を 翼で打ったわ・・・ そうよ・・・あの鷹よ! おお、歓喜の昼間・・・ あの人と あたしのための昼間! あたしたちの おともだちの鷹。 ようこそ、 きれいな鳥・・・ 勇敢な狩人! あたしたちを許したなら、 戻っておいで。 ほら、御覧なさい、 あんなに胸をはって! あの枝の上にいるわ・・・ そんな目であたしを見つめて・・・ 翼からは 血のしずく。 目からは 涙がこぼれ出て! 鷹よ!鷹よ! なんでそんなに泣いてるの? 鷹の声 (嘆くように) どうして泣かずにおれましょう? どうして泣かずにおれましょう? 女は、影を地に投げず、 ミカドは、石にされるとは! 皇妃 最初の陶酔の時に、 あたしが失くした あのお守り。 そこには呪いが 刻まれていた・・・ 昔は解読できたのに、 今では忘れられている。 ああ、あの呪いが戻って来たのね・・・ 鷹の声 女は、影を地に投げず、 ミカドは、石にされるとは! どうして泣かずにおれましょう? 乳母 (声をくぐもらせながら繰り返す) 女は、影を地に投げず・・・! 皇妃 ミカドは、石にされるとは! (感情を爆発させて) 乳母よ。いったい どこで影を探せばいいの? 乳母 (声をくぐもらせて) あの殿は、不遜にも、 姫君を ご自分の同類にしようとしたのです・・・ ですが、それまでの 期限は切られておりました。 姫の心の結び目を あの方は、ほどくことができなかった。 ゆえに、姫君は、「まだ生まれぬ命」を お腹に宿さず、 影を投げることもありませんでした。 あの殿には当然の報いでございます! 皇妃 ひどいわ!お父さま! お父様の手は 子供の私に重たくのしかかる。 でも、他の子供よりも あたし、よっぽど強い女よ! 乳母よ。きっと お前は知ってるわよね。 そのための手段を。 お前が知らないことは何もなく、 何一つとして、困難は無い。 影をあたしに与えてよ! かわいい我が子に手を貸して! (乳母の前にひざまずく) 乳母 (厳しい口調で) 呪文がかけられ、 誓いはなされたのです。 いくら全能の者達の名を 証人に呼ぼうが、 それに従うのが あなたのつとめ! (皇妃の力強い視線に負けて、どもりながら) 影をつくるためには・・・ あるいは、ひょっとして、 影を付けることはできるかも・・・。 ご自分で、 取りに行かねばなりませんが。 それがどこであっても、知りたいのですか? 皇妃 どこであろうが、 そこへ行く道を教えなさい。 そして、お前も一緒に来なさい! 乳母 (小声で、身の毛もよだつように) 人間達のところですよ! ぞっとしませんか? 人いきれなんて、 あたしたちには、 死の空気ですよ。 この清浄な家でさえ、あたし達には、 さびた鉄のにおい、 こごった血のにおい、 古い死体のにおいがいたします! たとえ、この家が、 星座に向かってそびえ、 はじける噴水を吹き上げ、 天国のように豊かな 清浄さに包まれていようとも! なのに、ここから、 さらに深く下りて行くなんて! あいつらと交わり、 いっしょに住み、 いっしょに働き、 会話をかわし、 息と息をからめ、 その意に沿って動き、 あいつらの悪さを身につけ、 バカな奴らにぺこぺこし、 仕えたりしなけりゃならないなんて! ぞっとしないんですか? 皇妃 (きわめてきっぱりと、大声で) 影がほしいわ! (大きく跳躍して) 一日がはじまる! 連れてって・・・ 行きたいの! (ぼんやりとした明け方の光) 乳母 一日がはじまるわ・・・。 人間の一日が。 におってきませんか? もう震えてるんじゃないですか? あれが太陽・・・ あいつらは、あれで影を投げる! 風は、裏切り者・・・ 忍び足でやってきて、 あいつらの住みかへと 吹き寄せる。 あいつらの髪の毛を 逆立てながら! (徐々に、曙光が射し込む) (嘲りと軽蔑に満ちて) これが一日。 人間の一日・・・ ひどい大混乱、 がつがつと、意味も無く、 歓びも知らずに 永久に探し求めてばかり! (憎しみに満ちて、粗野に) 顔はたくさんあれど、 いい表情なんて、一つも無い・・・ 目は見えているけれど、 いい眼差しなんて、どこにもない・・・ バカづらをした、体の曲がった奴ら。 カエルみたいだわ。クモかしら・・・ あたしたちから見れば、 笑うべき生き物よ! あんな奴らのことを どうやって理解しろって言うんです? あいつらの家に入って、 その家の中で あいつらに悪さをする・・・ そんなことが、あたしの仕事でしょうか! あいつらの心は、泥棒の心よ・・・ ならば、あたしだって、 人の心を売ってやる! 詐欺師の中でも一番の 女詐欺師になってやるわ! おばちゃんとも、母ちゃんとも、 勝手に呼ぶがいい! 息子と娘を 養子にいっぱいもらってやる。 害虫みたいに、あたしに群がるがいいさ! さあ、お待ちあれ!楽しいものを見せるから! 皇妃 (乳母には気を留めずに) ああ、いやだわ。 何て気持ち悪い! どんな運命に 引きずり落とされていくの? 乳母 (体をぴったりと寄せて) 震えてるんですか? 願ったことを悔いてるんですか? やっぱりここにいようと言うんですか? 影なんかほうっておきましょうか? 皇妃 もちろん、身の毛もよだつほどよ。 それでも、 私の心では、 気持ちが、私に命ずるの。 心に恐れていることをなせ!と。 いまや、 そのほかのことは、 する価値のあることとは 思えない! 一緒に行くのよ! (曙の光が舞台全面を赤々と照らし出す) 乳母 それではご一緒に! よくぞ、案内人に私を お選びいただきました。 お嬢さま・・・可愛い方、 お待ちあれ、お待ちを! あいつらの屋根目がけ、 羽ばたく術を心得ておりますから。 煙突をくぐっていく道を 存じておりまする。 そして、あいつらの 曲がりくねった心の小道も、 桟道も、谷間も、 十分存じておりまする。 (二人は、人間界の深淵へと身を沈め、オーケストラがその地上への旅を描写する) (舞台のセカンドカーテンがさっと閉じられる) (舞台転換) (染物屋の家の中。がらんとした一室に、作業場と住まいがある。舞台左手後方にはベッドがあり、右手後方には出入り口のドアが一つだけある。舞台前方には、東洋風のみすぼらしいかまどがある。あちこちに、染められた布が竿に干されてぶらさがっている。長方形の水槽、大きな桶、鎖でぶらさがっているヤカン、大きな柄杓、攪拌用の竿、すりつぶし用の乳鉢、手回しのすりつぶし器が置いてある。 乾燥した草花は、束になってぶらさがっているかと思うと、別の所では壁に沿って積みあげられたりしている。黄褐色の地べたには、染料が水たまりのようになっており、部屋のあちらこちらに、濃い青や濃い黄色のしみがついている。) (幕が上がると、「片目の男」が「片腕の男」の首を絞めている。若い「腰の曲がった男」が「片目の男」を引き離そうとしている。染物屋バラクの妻が後ろからやって来て、全員に水をぶっかけようと大桶の方へと向かう) 片目の男 (組み伏せた男を殴りながら) 泥棒め!これでもくらえ! 満足するまで、くらいやがれ! 片腕の男 (下から、ぜいぜい言いながら) 誰かこいつを引き離してくれ! 犬っころめ!人殺し野郎! 腰の曲がった男 助けてくれ!誰か! 絞め殺しあっている! バラクの妻 (水をバシャッと振りかけて) 恥知らず達め! 犬ころみたいに野垂れ死ぬがいい! (三人兄弟は、バラクの妻の行動により、起き上がって離れ離れになる。そのあと地べたにしゃがみながら、バラクの妻をののしる) 片目の男 バカにするんじゃねえ!よそもの女め! 物乞いの娘め!何様だと言うんだ? 俺たちゃ13人兄弟の子供だったが、 やって来た貧乏人に出す料理は、 いつも脂が乗って、湯気を立てていたぜ! 腰の曲がった男 美人さんよ、何だって俺らに手出しするんだ。 それぐらいなら、もっと兄貴にいいことをしてやれよ! 片腕の男 ほっとけ、みんな、女ごときに! (ちょうどその時、染物師バラクがドアから入って来る) バラクの妻 こいつらを、この家から追い出して! ねえ、追い出してよ! さもなきゃ、あんたのとこなんか、もういられない! バラク (落ち着いて) お前ら、出て行ってくれ! すすがねばならない布が 10個のかごに一杯なんだ。 ここに何の用があるんだ? (3人兄弟は出て行く) (バラクは、色の付いた動物の皮を重ね合わせて、うず高く積み上げる) バラクの妻 あの男達を出入り禁止にして! 永久によ。 さもなくば、私が出て行くわ。 それで分かるわ。 あんたにとってのあたしの価値が。 バラク (作業し続けながら) ここにある食べ物で あいつらは飢えをいやしているんだ。 この父親ゆずりの家以外のどこに 泊まれると言うんだ? (妻は、怒って、黙りこむ) (バラクは、前と同じように目を上げずに) あいつらにも子供の時代があったんだ・・・ かがやく両眼、まっすぐな両腕、 しゃんとした背骨をしてたっけ。 あいつらの成長を見続けてきたんだ。 この父親ゆずりの家でな。 バラクの妻 (バラクを嘲って) 13人の子がいても、 料理は脂が乗って、 湯気を立てている・・・ もう一人、物乞いが来たとしても、 誰でも受け入れてやる、ですって! (両手で耳をふさいで) バラク (ロープを持ってきて、袋の口をしばると、作業を中断して妻を見る) 13人の食事とやらが 必要ならば、 この俺の手で 作ってやるよ! (立ち上がり、妻にぴったり寄り添いながら) 俺に子供を授けてくれないか? 夕食の食卓を囲む子供たちを。 誰にもお腹を空かせたりはさせないよ。 むしろ、その子たちの食欲を褒めてやるのさ。 そして、子供たちの空腹を満たすために、 俺が食事の注文を受けたことに、 心の底から礼を言うのさ。 (近付いてきて、そっと妻の体に触る) いつ、お前は、俺に 子供を産んでくれるんだい? (妻は後ろを向いていたが、バラクに触れられると、その手を振り払う) バラク (気を悪くしたりはせず、穏やかに) おい。ここにいるのは、お前の夫だぞ。 触れることすらできないのかい? バラクの妻 (バラクのほうを見ずに) ここにいるのは私の夫。そうよ、夫よ。 知っているわよ。どういうことか。 ここに売り払われたのも、それを思い知るためよ。 この家にかこわれて、 保護され、餌を与えられてるのも、 そのことを思い知るためよ。 でも、今日から、もうそんなこと思い知りたくない。 何にも言わないし、何にもしないわ! バラク おいおい!いつか親切な女達が、 素晴らしい預言をしただろう。 お前の体についての預言だった。 俺が、彼女らが祝福した食べ物を 7回食べ、 お前がいつもと違うおかしな行動を するようになったら・・・と言っていたな。 だから、俺は、お前がおかしな様子になったら、 喜んで、地面に頭を ぬかずくつもりさ。 その変化に感謝をするつもりさ! ああ、何という幸せだ。 胸に広がる期待と 歓喜! (仕事に戻ろうとしゃがみこむ) バラクの妻 あの、ただれ目の女達は、預言をしたけれど、 それは、あたしの体には 何の関係も無いことよ。 あんたが、夕方に何を食べたって、 あたしの心を変えさせることはできない。 (小声で) もう2年半、 あたしはあなたの妻だった・・・ だけど、あなたは、あたしから、 何の実りも得なかった。 あたしを 母にはできなかった。 そうなろうとすることを、 あたしの心は、 もう諦めたわ・・・ だから、あなたも、 そんな願いは持たないで。 そう思っていたいとしても・・・。 バラク (心から厳粛さと敬虔さをあふれさせて) お前の若い口から出て来るのは、 冷たい反抗的な 言葉ばかりだが、 祝福を受けさえすれば 取り消される言葉ばかりだ。 だから、俺は、怒らずに、 心楽しく、 待とう。 待っているよ。 いつかやって来る 素晴らしい子供たちを。 (バラクは巨大な袋の口を縛ると、それをいったんかまどの上に持ち上げる。そのあと、袋の上に屈み込んで、ひもの端っこを前に持ってくると、背中に背負い、そのまま立ち上がる) バラクの妻 (陰鬱に独りごちる) この家には、 誰一人新しい人間は来ないわ。 むしろ、この家からは、 さっさと出て行きたいぐらいよ。 (ほとんど声を出さずに) どのみちそうするんだから、 明日と言わず、今日そうしたいわ。 バラク (バラクは、最後の言葉は耳に入らず、善良そうに妻にうなずく。巨大な荷物を背負って、重たい足取りで進み、ドアに向かいながら独りごとを言う) 俺は、売り物を自分で市場に担いで行くのさ。 運んでくれるロバすらいやしない! (出て行ってしまう) (一人残された妻は、舞台前方の、包みのようなものの上に腰掛けている) (空中に、ふわりとした雲のような、薄明かりのような、きらっとした輝きのようなものが現れる) (乳母は白黒の継ぎはぎだらけの衣裳をし、皇妃は女中の身なりをして、その場に現れるが、二人ともドアから中には入ろうとしないでいる) バラクの妻 (いきなり立ち上がって) あんた方、何の用? どこから来たの? 乳母 (へりくだって、バラクの妻の足にキスをする) ああ!なんて類いなく美しい方! 稲妻が燃えているようなお方! 娘よ、ご覧!あたし達、どなた様の御前にいるんでしょうね? この奥方はどなたなの? お付きの女はどこにいるの? いったいどうして、こんなあばら家に一人でいるの? (うやうやしくバラクの妻の足下に屈んでいたが、身を起こす)質問してよろしゅうございますか?奥様? あの男は、あなた様のしもべの一人、 使者たちの一人ででもありましょうか? 袋を背負った体の大きな いかつい男。もう若くはなく、 ぱっくり開いた大きな口と下賤な額をした男ですよ。 バラクの妻 なによ、目をパチクリさせて。あんたなんか見たこともないし、どこから来たかもわからない・・・ でも、あたしはお見通しよ。ほんとは知っているくせに。 その染物師の男が、あたしの夫で、 あたしの住みかは、ここだということを。 乳母 (勢いよく立ち上がると、とてつもなく驚いたように) ああ、娘や!驚いたわ! このお方が、染物師バラクの妻なんて? おいで、娘や!お許しが出ましたよ・・・ このお方の、まつ毛と頬をよくご覧なさい。 若々しい椰子の木のように 華奢な体を見れば、思わず叫んでしまうでしょう。 ああ、なんてこと!・・・って。 皇妃 この方の影に口づけさせてほしいわ! 乳母 あわれ!このお人は、あの男に子供を作る定めなのに! ここで一人、朽ち果てる定めとは! ああ、目に見えぬ運命よ!偶然の悪巧みよ! バラクの妻 (不安げに乳母の前にやって来て) ひどいわ!あたしをからかいに来たのね! そんな話をして、じろじろ見つめて、 あたしを、神と人との目の前で バカな女として扱おうという魂胆ね。 (泣きだす) 乳母 (皇妃を前のほうに連れて来て、わざと驚いたふりをしながら) 娘よ、残念ですけど、もう行きましょう! この人はあたし達を追っ払うし、お仕えを受け入れてもくれないようだわ。きっと、もう秘密をご存知だから、相手にしてくれないのね。行きましょう! バラクの妻 (急に立ち上がって) いったい何の秘密よ? とても不思議な人ね! ねえ、口止めするなら、守るわ。 いったいどんな秘密があると言うの? 乳母 (深々と頭を垂れ) あなたが買ったものの秘密ですわ。 あなたに与えられたご褒美の秘密ですわ。 そのおかげで全てを手にすることができるんだもの。 バラクの妻 誓って言うけど、昔も今も、そんな買い物したことないし、そんな褒美をもらったことも無いわ! 乳母 あらあら、奥方さま。信じられるとお思いですか? あなたの影、この黒い「虚無」を、 あなたは背後の地面に投げている。 なのに、この名状しがたいものが、あなたの「売り」でないなんて・・・ ましてや、消え去ることの無い魅力、 際限の無い力を、 世の男達に対して発揮するものだというのに。 バラクの妻 (影を探して、ぐるりと振り返る) ありふれた女の 曲がった影よ! 誰が、こんなものに 一円たりと出すと言うのよ? 乳母 欲しがりの買い物客は、何でも出すわ、何でもよ。 ねえ、うらやましい奥方さま。 例えようもないあなたが、 影を脱ぎ捨て、こちらに差し出すだけでいいのよ! ほら!奴隷たちなら お望み次第で何人でも。 錦と絹の着物もあるから、 1時間ごとに着替えて楽しんでいいのよ。 らばもあげるし、家もあげるわ。 噴水もあれば、お庭もあげる。 夜ごとに恋人たちが訪ねて来るわ。 華やかな若い時代がずっと続くの。 測り知れないほど長い時間・・・ これが、みんな、あなたのものになるのよ。 さあ、女主人さま、 影を差し出してくださいな! (その時、空がぴかっと光り、そちらに手を伸ばすと、バラクの妻に、真珠と宝石をあしらった高価なヘアバンドを手渡す) バラクの妻 えっ、これをあたしの髪に? いい人ね、あなたって! だけど、あたしは貧しくて、 鏡を一つも持っていない! あそこの水槽で 髪を整えて来るわ! 乳母 お許しいただければ、 あたしが、つけて差し上げますわ! (乳母はバラクの妻の目に手をかざすと、そのままバラクの妻と一緒に姿を消してしまう。先ほどまで染物師の部屋があった所には壮麗な離宮が建ち、その中が見える。そこは貴族の婦人の居間である。 床には、綺麗な絨毯が敷きつめられており、色とりどりの服を着た女奴隷たちが控えている。彼女らは地べたから身をもたげると、ひざまずきながら後ろの方に耳を澄まし、鉄琴が響き交わすような甘い声で呼びかける) 侍女たち ああ、奥さま、やさしい奥さま!ああ! (乳母に連れられて舞台左手後方から部屋に入って来たバラクの妻は、マントに身を包んだ以外はほとんど何も身にまとわず、あたかも風呂上がりのような姿で、頭には真珠のヘアバンドを付けている。乳母とともに、ひざまずく女奴隷たちの間を通り抜け、舞台右手前方に置いてある楕円形の大きな金属製の鏡の前に進む。そこに腰を下ろすと、驚いて自分の姿を見つめる) 皇妃の声 この鏡像と引き換えよ。 うつろな影を手放さない? 少年の声 (まるでその声に答えるように) この鏡像のためならば、 心も命も惜しくない! バラクの妻 ああ、最高の世界!うつつに夢を見てるみたい! (だがバラクの妻が口を開くとともに、全ては色褪せ、消え行き始める) 侍女たち やだ!こんな早く! 奥さま!ああ、奥さま! (染物師の家が再び建っていて、前と同じように乳母がいて、皇妃は傍に立っている。着飾っていたものは消えてしまい、貧しい服を着た染物師の妻は、よろめいて乳母にしがみつく) (乳母と皇妃は目を見交わす) バラクの妻 (とても興奮して) あたし、すぐにも そうしたいわ・・・ あたし、どうやったら脱ぎ捨てられる? 投げ捨てられる・・・? 地面にはりついている あたしの影を。 ねえ、早く教えて! 善良な賢い人たち! ねえ、教えてよ、今すぐに! (乳母は周りを見渡し、あたかも証人を呼ぶかのように、皇妃に来るように合図する) (バラクの妻は、もはや苛立ちを抑えることができない) 乳母 血の涙を流す価値なんてあるかしら? あの横柄な男に、子供を作ってあげられなかったからって。 昼夜を問わず、渇望する意味なんぞあるかしら? 大勢の子ども染物師を、あなたの中から この世に送り出すことなんて。 体を軍勢の行軍路にして、 細い体を踏み荒らさせることなんて? 両の乳房をしおれさせ、 今の綺麗さを、さっさと捨ててしまうことなんて? バラクの妻 (小声で) 心の中では、もうあきあき。母親になるなんて・・・ 一度もそんな経験はないけれど。 この家に住んではいるけれど、 夫は、私のなかにやって来ないわ! だから、もう約束したの。 もう誓ったの。 心の中では。 乳母 ならば、母性を 捨て去りなさい! あなたの体から 永遠に! 差し出しなさい、 軽蔑をからだ全体で 表しながら・・・ その重たい者たちを。 産まれていない者たちを! 世にも稀なるお方! いと高き松明の光! 女主人さま!素晴らしい女性! 今はただ成り行きを見守るのです・・・ 全能の者達の 名にかけて 盟約が結ばれ、 命令が下されたのです! 3日間、 我らはあなたにお仕えします。 この家の中で、 この娘と私は。 そう取り決めました! 3日が過ぎれば、 その報酬として、 口から口へ、 手から手へ、 知恵のある手と 誓いを果たす口で あなたは影を 私達に差し出し、 歓喜に満ちた 生活を始めるのです! 男女の奴隷と 噴水と庭、 黄金のドームを楽しんでください・・・ バラクの妻 (急に話を遮って) 黙って、静かに・・・ 夫が帰って来たみたい! (暗い口調で) あの人、夕食をほしがるわ。 まだ準備をしてないのに。 きっと夜の添い寝もほしがるわ。 (ほとんど声を出さずに) でも、そんなことしたくない。 乳母 (急いで) あなた様は、もう一人ではございません・・・ 侍女がいるではないですか。 この子とあたしでございます。 朝から昼まで お仕えします・・・ 貧乏な親戚として 扱ってくれればいいのです。 ただし、あなたがお休みになる 真夜中だけは、 少しの間 ほっといてくださいませ。 それを知ることは、誰にも許されぬのです! さあ、急ぎましょう!するべきことをしなければ! (いきなり一陣の風が舞台に吹き込んで来て、舞台は次第に忍びよってくる薄暗がりの中に包まれていく) 乳母 (命令口調で) 桶から5匹の魚たち、 油の中へ飛んで行け。 フライパンよ、受け止めよ! 炎よ!起これ! こっちに来い!染物師バラクのベッド! 客たちよ、帰れ!もと来た所へ! (乳母は、命令するように、音も無く手を打ち鳴らす) (5匹の魚が、きらきら光りながら空中を飛んできて、フライパンの中に収まる。下のかまどの火が燃える。夫婦のベッドが半分に割れると、舞台のかなり前方の地面には、一人分の細長いベッドが現れる。 一方、舞台後方のバラクの妻のベッドは、カーテンで覆われたように見える。こうしたことが起こっている間に、乳母と皇妃は音も無く空中に消えて行く。炎の明かりは、薄暗くなっていく空間にちらちらと燃えている。 バラクの妻は一人で立ち尽くし、驚きのあまり身動きせずにいる。その時、突然、空中から、フライパンの中の魚の声でもあるかのように、不安げな5人の子供たちの声が響き始める) 子供たちの声 お母さん、お母さん、ぼくらを家に入れてよ! ドアに鍵がかかって、入れない。 真っ暗だよお!怖いよお! ああ、お母さん!悲しいよお! バラクの妻 (得体の知れないことへの恐怖にとらえられ、途方に暮れて、辺りを見渡す) ぞおっとするわ、何なのよ? 炎の中からすすり泣く声は? 子供たちの声 (ますます迫るように) 真っ暗だよお!怖いよお! お母さん、お母さん、ぼくらを家に入れてよ! でなけりゃ、お父さんを呼んでおくれよ・・・ 父さんなら、きっとドアを開けてくれるから! バラクの妻 (激しく恐怖して) ああ、水はないかしら? こんな炎は消してやる! (下のかまどの火の勢いは、みるみる弱くなっていく) 子供たちの声 (消え去って行くように) お母さん、何てひどい!何て冷たい心なの! (バラクの妻は舞台前方の包みに腰を下ろし、額から冷や汗をぬぐう) バラク (ぎゅうぎゅうづめの籠を担いで現れ、穏やかに独り言を言う) 俺は、売り物を自分で市場に担いで行くのさ。 運んでくれるロバすらいやしない! (バラクの妻は大儀そうに立ち上がると、舞台後方のベッドへと向かい、カーテンを開け、一言も口を利かない) バラク (舞台前方にやって来て) いいにおいだな。 油で魚を焼いてるな。 でも何で食べに来ないんだ? バラクの妻 (後ろから) あんたの食事はあるでしょ。 あたしは休みたいの。 今日からそれがあんたのベッドよ。 バラク (ベッドに気付くと、穏やかだが、いやそうに) これが俺のベッド?誰だ、こんなことしたのは? バラクの妻 (自分の居場所から) 明日から、親戚の女が二人ここで寝るわ。 だから、私は、その女達のために、 足もとに寝床を作ったの。 言った通りにするだけよ。 (カーテンを閉める) バラク (あきらめて服の中からパンを一切れ取り出して、それを食べると、地べたに腰を下ろす) 前に言われたっけなあ・・・ あいつの話がおかしくなって、 おかしな行動をするようになった時・・・と。 これが初めてのことだ。 だが、これを我慢するのもきついなあ。 飯が、まるで美味しくないぞ。 番人たちの声 この町に住む夫婦(めおと)たちよ。 そなたたち自身の命より、相手のことを愛し合え。 心せよ・・・そなたたちの命のために、 命の種を委ねられたのではないぞ。 さにあらず!そなたたちの愛のためなのだ! バラク (振り返りながら) なあ、おまえには、番人たちの声は聴こえるかい? (答えはない) 番人たちの声 愛の抱擁のうちに眠りにつく夫婦(めおと)たちよ。 そなたたちは、谷に掛けられた橋なのだ。 そこから死者が再び命に戻るためのかけ橋だ! 聖なるかな!そなたたちの愛の結晶よ! バラク (もう一度耳を澄まし、後ろを振り返るが、無駄である。深くため息をつくと、体を伸ばして眠りにつく) そうあってくれれば! ERSTER AUFZUG Auf einem flachen Dach über den kaiserlichen Gärten.Seitlich der Eingang in Gemächer matt erleuchtet AMME kauernd im Dunkel Licht überm See – ein fliessender Glanz – schnell wie ein Vogel! – Die Wipfel der Nacht von oben erhellt – eine Feuerhand will fassen nach mir – bist du es, Herr? Siehe, ich wache bei deinem Kinde, nächtlich in Sorge und Pein! BOTE tritt aus der Finsternis hervor, geharnischt, von blauem Licht umflossen Nicht der Gebieter, Keikobad nicht, aber sein Bote! Ihrer elf haben dich heimgesucht, ein neuer mit jedem schwindenden Mond. Der zwölfte Mond ist hinab der zwölfte Bote steht vor dir. AMME beklommen Dich hab ich nie gesehn. BOTE streng Genug ich kam und frage dich wirft sie einen Schatten? Dann wehe dir! Weh uns allen! AMME triumphierend, aber gedämpft Keinen! Bei den gewalt gen Namen! Keinen! Keinen! Durch ihren Leib wandelt das Licht, als wäre sie gläsern. BOTE finster Einsamkeit um dich, das Kind zu schützen. Vom schwarzen Wasser die Insel umflossen, Mondberge sieben gelagert um den See – und du liessest, du Hündin, das Kleinod dir stehlen! AMME Von der Mutter her war ihr ein Trieb übermächtig zu Menschen hin! Wehe, dass der Vater dem Kinde die Kraft gab, sich zu verwandeln! Konnt ich einem Vogel nach in die Luft? Sollt ich die Gazelle mit Händen halten? BOTE Lass mich sie sehn! AMME leise Sie ist nicht allein Er ist bei ihr. Die Nacht war nicht in zwölf Monden, dass er ihrer nicht hätte begehrt! Er ist ein Jäger und ein Verliebter, sonst ist er nichts! Im ersten Dämmer schleicht er von ihr, wenn Sterne einfallen, ist er wieder da! Seine Nächte sind ihr Tag, seine Tage sind ihre Nacht. – BOTE sehr bestimmt Zwölf lange Monde war sie sein! Jetzt hat er sie noch drei kurze Tage! Sind die vorbei – sie kehrt zurück in Vaters Arm. AMME mit gedämpftem Jubel Und ich mit ihr! O gesegneter Tag! Doch er? BOTE Er wird zu Stein! AMME Er wird zu Stein! Daran erkenn ich Keikobad und neige mich! BOTE verschwindend Wahre sie du! Drei Tage! Gedenk! KAISER tritt in die Tür des Gemaches Amme! Wachst du? AMME Wache und liege der Hündin gleich auf deiner Schwelle! KAISER tritt hervor, schön, jung, im Jagdharnisch.Es dämmert schwach. Bleib und wache, bis sie dich ruft! Die Herrin schläft. Ich geh zur Jagd. Heute streif ich bis an die Mondberge und schicke meine Hunde über das schwarze Wasser, wo ich meine Herrin fand, und sie hatte den Leib einer weissen Gazelle und warf keinen Schatten und entzündete mir das Herz. Wollte Gott, dass ich heute meinen roten Falken wiederfände, der mir damals meine Liebste fing! Denn als sie mir floh und war wie der Wind und höhnte meiner – und zusammenbrechen wollte mein Ross –, da flog er der weissen Gazelle zwischen die Lichter – und schlug mit den Schwingen ihre süssen Augen! Da stürzte sie hin und ich auf sie mit gezücktem Speer – da riss sich s in Ängsten aus dem Tierleib, und in meinen Armen rankte ein Weib! – O dass ich ihn wiederfände! Wie wollt ich ihn ehren! – Den roten Falken! Denn ich habe mich versündigt gegen ihn in der Trunkenheit der ersten Stunde denn als sie mein Weib geworden war, da stieg Zorn in mir auf gegen den Falken, dass er es gewagt hatte, auf ihrer Stirn zu sitzen und zu schlagen ihre süssen Lichter! Und in der Wut warf ich den Dolch gegen den Vogel und streifte ihn, und sein Blut tropfte nieder. – Seinen Blick vergesse ich nie! AMME lauernd Herr, wenn du anstellst ein solches Jagen – leicht bleibst du dann fern über Nacht? KAISER Kann sein, drei Tage komm ich nicht heim! Hüte du mir die Herrin und sag ihr wenn ich jage – es ist um sie und aber um sie! Und was ich erjage, mit Falke und Hund, und was mir fällt von Pfeil und Speer es ist anstatt ihrer! Denn meiner Seele und meinen Augen und meinen Händen und meinem Herzen ist sie die Beute aller Beuten ohn Ende! schnell abMorgendämmerung stärker,man hört Vogelstimmen AMME zu einigen Dienern, die sich allmählich um den Kaiser versammelt hatten Fort mit euch! Ich höre die Herrin! ihr Blick darf euch nicht sehn! die Diener auf und hinab, lautlos KAISERIN tritt aus dem Gemach Ist mein Liebster dahin, was weckst du mich früh? Lass mich noch liegen! Vielleicht träum ich mich zurück in eines Vogels leichten Leib oder einer jungen, weissen Gazelle! O dass ich mich nimmer verwandeln kann! O dass ich den Talisman verlieren musste in der Trunkenheit der ersten Stunde! Und wäre so gern das flüchtige Wild, das seine Falken schlagen – sieh! – Da droben, sieh! – Da hat sich einer von seinen Falken – sieh – verflogen! Oh, sieh doch hin, der rote Falke, der einst mich mit seinen Schwingen – ja, er ist s! O Tag der Freude für meinen Liebsten und für mich! Unser Falke, unser Freund! Sei mir gegrüsst, schöner Vogel, kühner Jäger! Er hat uns vergeben, er kehrt uns zurück. Oh, sieh hin, er bäumt auf! Dort auf dem Zweige – wie er mich ansieht – von seinem Fittich tropft ja Blut, aus seinen Augen rinnen ja Tränen! Falke! Falke! Warum weinst du? STIMME DES FALKEN klagend Wie soll ich denn nicht weinen? Wie soll ich denn nicht weinen? Die Frau wirft keinen Schatten, der Kaiser muss versteinen! KAISERIN Dem Talisman, den ich verlor in der Trunkenheit der ersten Stunde, ihm war ein Fluch eingegraben – gelesen einst, vergessen, ach! Nun kam es wieder – STIMME DES FALKEN Die Frau wirft keinen Schatten, der Kaiser muss versteinen! Wie soll ich da nicht weinen? AMME dumpf wiederholend Die Frau wirft keinen Schatten! KAISERIN Der Kaiser muss versteinen! ausbrechend Amme, um alles, wo find ich den Schatten? AMME dumpf Er hat sich vermessen, dass er dich mache zu seinesgleichen – eine Frist ward gesetzt, dass er es vollbringe. Deines Herzens Knoten hat er dir nicht gelöst, ein Ungebornes trägst du nicht im Schoss, Schatten wirfst du keinen. Des zahlt er den Preis! KAISERIN Weh, mein Vater! Schwer liegt deine Hand auf deinem Kind. Doch stärker als andre noch bin ich! – – – – – – – – Amme, um alles, du weisst die Wege, du kennst die Künste, nichts ist dir verborgen und nichts zu schwer. Schaff mir den Schatten! Hilf deinem Kind! Sie fällt vor ihr nieder AMME streng Ein Spruch ist getan und ein Vertrag! es sind angerufen gewaltige Namen, und es ist an dir, dass du dich fügest! unter der Gewalt ihres Blickes, stockend Den Schatten zu schaffen – – – – – – – – wüsst ich vielleicht, – – – – – – – – doch dass er dir haftet, müsstest du selber ihn dir holen. Und weisst du auch wo? KAISERIN Sei es wo immer, zeig mir den Weg, und geh ihn mit mir! AMME leise und schauerlich Bei den Menschen! Graust s dich nicht? Menschendunst ist uns Todesluft. Uns riecht ihre Reinheit nach rostigem Eisen und gestocktem Blut und nach alten Leichen! Dies Haus, getürmt den Sternen entgegen, emporgetrieben spielende Wasser buhlend um Reinheit der himmlischen Reiche! Und nun von hier noch tiefer hinab! Dich ihnen vermischen, hausen mit ihnen, handeln mit ihnen, Rede um Rede, Atem um Atem, erspähn ihr Belieben, ihrer Bosheit dich schmiegen, ihrer Dummheit dich bücken, ihnen dienen! Graust s dich nicht? KAISERIN sehr bestimmt und gross Ich will den Schatten! mit grossem Schwung Ein Tag bricht an! Führ mich zu ihnen ich will! fahles Morgenlicht AMME Ein Tag bricht an, ein Menschentag. Witterst du ihn? Schaudert s dich schon? Das ist ihre Sonne der werfen sie Schatten! Ein Verräter Wind schleicht sich heran, an ihren Häusern haucht er hin, an ihren Haaren reisst er sie auf! allmählich Morgenrot – – – – – – – – voll Hohn und Geringschätzung Der Tag ist da, der Menschentag – ein wildes Getümmel, gierig – sinnlos, ein ewiges Trachten ohne Freude! wild und hasserfüllt Tausend Gesichter, keine Mienen – Augen, die schauen, ohne zu blicken – Kielkröpfe, die gaffen, Lurche und Spinnen – uns sind sie zu schauen so lustig wie sie! – – – – – – – – Sie zu fassen verstünde ich schon – mich einzunisten – ihnen Streiche zu spielen im eigenen Haus – ist mein Element! Diebesseelen sind ihre Seelen – so verkauf ich einen dem andern! Eine Gaunerin bin ich unter Gaunern, Muhme nennen sie mich und Mutter gar! Ziehsöhne hab ich und Ziehtöchter viel, hocken wie Ungeziefer auf mir! Warte, du sollst was sehn! KAISERIN ohne auf die Amme zu achten Weh, was fasst mich grässlich an! Zu welchem Geschick reisst s mich hinab? AMME dicht an ihr Zitterst du? Reut dich dein Wünschen? Heissest uns bleiben? Lässest den Schatten dahin? KAISERIN Mich schaudert freilich, aber ein Mut ist in mir, der heisst mich tun, wovor mich schaudert! Und kein Geschäfte ausser diesem, das wert mir schiene besorgt zu werden! Hinab mit uns! Das Morgenrot flammt voll auf AMME Hinab denn mit uns! Die Geleiterin hast du dir gut gewählt, Töchterchen, liebes, warte nur, warte! Um ihre Dächer versteh ich zu flattern, durch den Rauchfang weiss ich den Weg, und ihrer Herzen verschlungene Pfade, Krümmen und Schlüfte, die kenne ich gut. Sie tauchen hinab in den Abgrund der Menschenwelt, das Orchester nimmt ihren Erdenflug auf.Der Zwischenvorhang schliesst sich rasch. Verwandlung Im Hause des Färbers. Ein kahler Raum, Werkstatt und Wohnung in einem. Hinten links das Bett, hinten rechts die einzige Ein- und Ausgangstür. Vorne die Feuerstätte, alles orientalisch-dürftig. Gefärbte Tücher an Stangen zum Trocknen aufgehängt da und dort; Tröge, Eimer Zuber, an Ketten hängende Kessel, grosse Schöpflöffel, Rührstangen, Stampfmörser, Handmühlen; Büschel getrockneter Blumen und Kräuter aufgehängt, anderes dergleichen an den Mauern aufgeschichtet, Farbmassen in Pfützen auf dem Lehmboden; dunkelblaue, dunkelgelbe Flecke da und dort.Beim Aufgehen des Vorhanges liegt der Einäugige auf dem Einarmigen, würgt ihn. Der Junge, Verwachsene sucht den Einäugigen wegzureissen. Die Färbersfrau kommt von rückwärts herzu, sucht nach einem Zuber, die Streitenden mit Wasser zu beschütten. EINÄUGIGER schlägt auf den unter ihm Liegenden Dieb! Da nimm! Unersättlicher Nehmer! EINARMIGER unten, röchelnd Reiss ihn nach hinten! Hund den! Mörder! BUCKLIGER Zu Hilfe, Bruder! Sie würgen einander! FRAU beschüttet sie Schamlose ihr! Eines Hundes Geschick über euch! Die drei Brüder, auf das Tun der Frau, auf und auseinander; fauchen, an der Erde hockend, gegen die Frau. EINÄUGIGER Willst du uns schmähen, Hergelaufene! Du Tochter von Bettlern, wer bist denn du? Unser waren dreizehn Kinder, aber für jeden Armen, der kam, standen die Schüsseln und dampften von Fett! BUCKLIGER Was hebst du die Hand gegen uns, du Schöne, bist doch unserm Bruder mit Lust zu Willen! EINARMIGER Lass sie, Bruder, was ist ein Weib! Barak, der Färber tritt eben in die Tür. FRAU Aus dem Haus mir mit diesen! Du, schaff sie mir fort! Oder es ist meines Bleibens nicht länger bei dir! BARAK gelassen Hinaus mit euch! Ist Zeug zum Schwemmen zehn Körbe voll, was lungert ihr hier? Die drei Brüder gehen ab.Barak schichtet gefärbte Tierhäute übereinander zu einem mächtigen Haufen. FRAU Sie aus dem Hause, und das für immer, oder ich. Daran will ich erkennen, was ich dir wert bin. BARAK weiter schaffend Hier steht die Schüssel, aus der sie sich stillen. Wo sollten sie herbergen, wenn nicht in Vaters Haus? {Frau schweigt böse. Barak wie vorher ohne aufzusehen} Kinder waren sie einmal, hatten blanke Augen, gerade Arme, einen glatten Rücken. Aufwachsen hab ich sie sehn in Vaters Haus. FRAU ihn höhnend Für dreizehn Kinder standen die Schüsseln dampfend vor Fett – kam noch ein Bettler, Platz war für jeden! Sie hält sich die Ohren zu. BARAK holt ein Tau, den Pack zu schnüren; hält inne, sieht sie an Speise für dreizehn, wenn es not tut, schaff ich auch mit diesen zwei Händen! hat sich aufgerichtet, steht dicht bei ihr Gib du mir Kinder, dass sie mir hocken um die Schüsseln zu Abend, es soll mir keines hungrig aufstehn. Und ich will preisen ihre Begierde und danksagen im Herzen, dass ich bestellt ward, damit ich sie stille. Er tritt näher rührt sie leise an. Wann gibst du mir die Kinder dazu? Die Frau hat sich abgekehrt; wie er sie anrührt, schüttelt sie s. BARAK arglos, behaglich Ei du, s ist dein Mann, der vor dir steht – soll dich der nicht anrühren dürfen? FRAU ohne ihn anzusehen Mein Mann steht vor mir! Ei ja, mein Mann, ich weiss, ei ja, ich weiss, was das heisst! Bin bezahlt und gekauft, es zu wissen, und gehalten im Haus und gehegt und gefüttert, damit ich es weiss, und will es von heut ab nicht wissen, verschwöre das Wort und das Ding! BARAK Heia! Die guten Gevatterinnen, haben sie nicht die schönen Sprüche gesprochen über deinen Leib, und ich hab siebenmal gegessen von dem, was sie gesegnet hatten, und wenn du seltsam bist und anders als sonst – ich preise die Seltsamkeit und neige mich zur Erde vor der Verwandlung! O Glück über mir und Erwartung und Freude im Herzen! Er kniet nieder zur Arbeit. FRAU Triefäugige Weiber, die Sprüche murmeln, haben nichts zu schaffen mit meinem Leib, und was du gegessen hast vor Nacht, hat keine Gewalt über meine Seele. leise Dritthalb Jahr bin ich dein Weib – und du hast keine Frucht gewonnen aus mir und mich nicht gemacht zu einer Mutter. Gelüsten danach hab ich abtun müssen von meiner Seele Nun ist es an dir, abzutun Gelüste, die dir lieb sind. BARAK mit ungezwungener Feierlichkeit und Frömmigkeit des Herzens Aus einem jungen Mund gehen harte Worte und trotzige Reden, aber sie sind gesegnet mit dem Segen der Widerruflichkeit. Ich zürne dir nicht und bin freudigen Herzens, und ich harre und erwarte die Gepriesenen, die da kommen. Barak hat den gewaltigen Pack zusammengeschnürt, hebt ihn auf den Herd und lädt ihn von da, indem er sich bückt und das Ende des Strickes vornüberzieht, auf seinen Rücken, beladen richtet er sich auf. FRAU finster vor sich Es kommen keine in dieses Haus, viel eher werden welche hinausgehn und schütteln den Staub von ihren Sohlen. fast tonlos Also geschehe es, lieber heute als morgen. BARAK nickt ihr gutmütig zu, ohne auf ihre letzten Worte zu hören; indem er unter der gewaltigen Last schwer gehend, den Weg zur Tür nimmt, für sich Trag ich die Ware mir selber zu Markt, spar ich den Esel, der sie mir schleppt! er geht. Die Frau, allein, hat sich auf ein Bündel oder einen Sack gesetzt, der vorne liegt.Ein Heranschweben, ein Dämmern, ein Aufblitzen in der Luft.Die Amme, in einem Gewand aus schwarzen und weissen Flicken, die Kaiserin, wie eine Magd gekleidet, stehen da, ohne dass sie zur Tür hereingekommen wären. FRAU ist jäh auf den Füssen Was wollt ihr hier? Wo kommt ihr her? AMME nähert sich demütig, ihr den Fuss zu küssen Ach! Schönheit ohnegleichen! Ein blitzendes Feuer! Oh! Oh! Meine Tochter, vor wem stehen wir? Wer ist diese Fürstin, wo bleibt ihr Gefolge? Wie kommt sie allein in diese Spelunke? Sie hebt sich furchtsam aus der fussfälligen Lage. Verstattest du die Frage, meine Herrin? War dieser einer von deinen Bedienten oder von deinen Botengängern, der Grosse mit einem Pack auf dem Rücken, solch ein Vierschrötiger, nicht mehr Junger, mit gespaltenem Maul und niedriger Stirne? FRAU Du Zwinkernde, die ich nie gesehn und weiss nicht, wo du hereingeschlüpft bist – dich durchschaue ich so weit Du weisst ganz wohl, dass dieser der Färber und mein Mann ist, und dass ich hier im Hause wohne. AMME springt auf die Füsse, wie in masslosem Erstaunen O meine Tochter, starre und staune! Die wäre das Weib des Färbers Barak? Heran, meine Tochter, es wird dir verstattet betrachte dir diese Wimpern und Wangen, betrachte dir diesen Leib in der Schlankheit des ganz jungen Palmbaums und schreie Wehe! KAISERIN Ich will den Schatten küssen, den sie wirft! AMME Wehe! Und das soll ihm Kinder gebären! Und das soll einsam hier verkümmern! O des blinden Geschicks und der Tücke des Zufalls! FRAU geht ängstlich vor ihr zurück Weh, dass du gekommen bist, meiner zu höhnen! Was redest du da und was starrst du auf mich und willst mich zu einer Närrin machen vor Gott und den Menschen. sie weint AMME mit gespieltem Erstaunen, indem sie die Kaiserin fortzieht Wehe, mein Kind, und fort mit uns! Diese weist uns von sich und will nicht unsere Dienste. Sie kennt das Geheimnis und will unser spotten, fort mit uns! FRAU steht jäh auf Welches Geheimnis, du Unsagbare du! Bei meiner Seele und deiner, welches Geheimnis? AMME neigt sich tief Das Geheimnis des Kaufs und das Geheimnis des Preises, um den du dir alles erkaufst. FRAU Bei meiner Seele und dem Jüngsten Tag, ich weiss von keinem Kauf, ich weiss von keinem Preis! AMME O meine Herrin, soll ich dir glauben, dass du deinen Schatten, dies schwarze Nichts hinter dir auf der Erde, dass dir dies Ding ohne Namen nicht feil ist – auch nicht um unvergänglichen Reiz und um Macht ohne Schranken über die Männer? FRAU dreht sich nach ihrem Schatten um Der gekrümmte Schatten eines Weibes, wie ich bin! Wer gäbe dafür auch nur den schmählichsten Preis? AMME Alles, du Benedeite, alles zahlen begierige Käufer, du Herrin, wenn eine Unnennbare deinesgleichen abtut ihren Schatten und gibt ihn dahin! Ei! Die Sklavinnen und die Sklaven, so viele ihrer du verlangest, und die Brokate und Seidengewänder, in denen du stündlich wechselnd prangest, und die Maultiere und die Häuser und die Springbrunnen und die Gärten und deiner Liebenden nächtlich Gedränge und dauernde Jugendherrlichkeit für ungemessene Zeit – dies alles ist dein, du Herrscherin, gibst du den Schatten dahin! Sie greift in die aufblitzende Luft und reicht der Frau ein köstliches Haarband aus Perlen und Edelsteinen. FRAU Dies in mein Haar? Du Liebe, du! – Doch ich armes Weib, ich hab keinen Spiegel! Dort überm Trog mach ich mein Haar! AMME Verstattest du, ich schmücke dich! Sie legt ihr die Hand auf die Augen; sogleich ist sie selbst samt der Frau verschwunden. An Stelle des Färbergemaches steht ein herrlicher Pavillon da, in dessen Inneres wir blicken es ist das Wohngemach einer Fürstin. Der Boden scheint mit einem Teppich in den schönsten Farben bedeckt, doch sind es Sklavinnen in bunten Gewändern. Sie heben sich nun von der Erde, lauschen kniend nach rückwärts, rufen mit süssen, wie ein Glockenspiel ineinanderklingenden Stimmen DIENERINNEN Ach, Herrin, süsse Herrin! Aah! Durch eine kleine Tür rückwärts, links, tritt die Frau, geführt von der Amme, in das Gemach. Sie ist fast nackt, in einen Mantel gehüllt, gleichsam aus dem Bade kommend, sie trägt das Perlenband ins Haar gewunden. Sie geht mit der Amme durch die knienden Sklavinnen quer durch, an einen grossen, ovalen Metallspiegel, der rechts vorne steht Dort setzt sie sich und sieht sich mit Staunen. STIMME DER KAISERIN Willst du um dies Spiegelbild nicht den hohlen Schatten geben? STIMME DES JÜNGLINGS gleichsam antwortend Gäb ich um dies Spiegelbild doch die Seele und mein Leben! FRAU O Welt in der Welt! O Traum im Wachen! Wie die Frau den Mund auftut, verbleicht alles und beginnt zu entschwinden. DIENERINNEN Weh! Zu früh! Herrin! Ach Herrin! Das Färberhaus steht wieder da, die Amme wie früher, die Kaiserin seitlich; die Färberin in ihrem ärmlichen Gewand – der Schmuck ist verschwunden – klammert sich taumelnd an die Amme.Die Amme und die Kaiserin wechseln einen Blick. FRAU sehr aufgeregt Und hätt ich gleich den Willen dazu – wie tät ich ihn ab und gäb ihn dahin – den an der Erde, ihn, meinen Schatten? Nein, sag doch schnell! du Kluge, du Gute! Jetzt sag es, schnell! Die Amme sieht sich um, winkt die Kaiserin heran, gleichsam als Zeugin.Die Frau kann ihre Ungeduld kaum bemeistern. AMME Hat es dich blutige Tränen gekostet, dass du dem Breitspurigen keine Kinder geboren hast? Und lechzt dein Herz darnach bei Tag und Nacht, dass viele kleine Färber durch dich eingehen sollen in diese Welt? Soll dein Leib eine Heerstrasse werden und deine Schlankheit ein zerstampfter Weg? Und sollen deine Brüste welken und ihre Herrlichkeit schnell dahin sein? FRAU leise Meine Seele ist satt worden der Mutterschaft, eh sie davon verkostet hat. Ich lebe hier im Haus, und der Mann kommt mir nicht nah! So ist es gesprochen und geschworen in meinem Innern. AMME Abzutun Mutterschaft auf ewige Zeiten von deinem Leibe! Dahinzugeben mit der Gebärde der Verachtung die Lästigen, die da nicht geboren sind! Du Seltene du! Du erhobene Fackel! O du Herrscherin, o du Gepriesene unter den Frauen, nun sollst du es sehn und es erleben angerufen werden gewaltige Namen und ein Bund geschlossen und gesetzt ein Bann! Tage drei dienen wir dir hier im Haus, diese und ich, dies ist gesetzt! Sind die vorbei, dem Dienst zum Lohn von Mund zu Mund, von Hand zu Hand mit wissender Hand und willigem Mund gibst du den Schatten uns dahin und gehest ein in der Freuden Beginn! Und die Sklavinnen und die Sklaven und die Springbrunnen und die Gärten und Gewölbe voll Tonnen Goldes – FRAU unterbricht sie jäh Still und verschwiegen ich höre meinen Mann, der wiederkommt! finster Nun wird er verlangen nach seinem Nachtmahl, das nicht bereit ist, und nach seinem Lager, fast tonlos das ich ihm nicht gewähren will. AMME hastig Du bist nicht allein Dienerinnen hast du, diese und mich. Morgen zu Mittag stehn wir dir in Dienst als arme Muhmen musst du uns grüssen, nach Mitternacht nur, indessen du ruhest, entlässest du uns für kurze Frist, das braucht niemand zu wissen! jetzt schnell, was nottut! Ein Windstoss durchfährt plötzlich den Raum, den die allmählich einsetzende Dämmerung in Halbdunkel getaucht hat. AMME befehlend Fischlein fünf aus Fischers Zuber, wandert ins Öl, und Pfanne empfang sie! Feuer, rühr dich! Hierher, du Bette des Färbers Barak! Und fort mit den Gästen, von wo sie kamen! Die Amme hat befehlend in die Hände geschlagen, lautlos.– Die Fischlein fliegen blinkend durch die Luft herein und landen in der Pfanne, das Feuer unteren Herd flammt auf, die Hälfte des ehelichen Lagers hat sich abgetrennt, und es ist ganz im Vordergrund eine schmälere Lagerstatt für einen einzelnen erschienen, indessen hinten das Lager der Frau durch einen Vorhang verhängt erscheint – und indes dies alles geschah, sind die Amme selbst und die Kaiserin lautlos durch die Luft verschwunden. Der Feuerschein flackert durch den dämmernden Raum. Die Frau steht allein und starr vor Staunen. Plötzlich ertönen aus der Luft, als wären es die Fischlein in der Pfanne, ängstlich fünf Kinderstimmen. KINDERSTIMMEN Mutter, Mutter, lass uns nach Hause! Die Tür ist verriegelt, wir finden nicht ein, wir sind im Dunkel und in der Furcht! Mutter, o weh! FRAU in höchster Angst über das Unbegreifliche, ratlos um sich blickend Was winselt so grässlich aus diesem Feuer? KINDERSTIMMEN dringender Wir sind im Dunkel und in der Furcht! Mutter, Mutter, lass uns ein! Oder ruf den lieben Vater, dass er uns die Tür auftu ! FRAU in grosser Angst O fänd ich Wasser, dies Feuer zu schweigen! Die Flamme unteren Herd wird zusehends schwächer. KINDERSTIMMEN verhauchend Mutter, o weh! Dein hartes Herz! Die Frau sinkt vorne auf ein Bündel, wischt sich den Angstschweiss von der Stirne. BARAK erscheint in der Tür mit einem vollgepackten Korb beladen; für sich, behaglich Trag ich die Ware mir selber zu Markt, spar ich den Esel, der sie mir schleppt. Die Frau hebt sich mühsam, geht nach hinten an ihr Lager, hebt den Vorhang und sagt nichts. BARAK kommt nach vorne Ein gepriesener Duft von Fischen und Öl. Was kommst du nicht essen? FRAU von rückwärts Hier ist dein Essen. Ich geh zur Ruh . Hier ist jetzt dein Lager. BARAK wird s gewahr, gemässigt unwillig Mein Bette hier? Wer hat das getan? FRAU von ihrer Stelle Von morgen ab schlafen zwei Muhmen hier, denen richt ich das Lager zu meinen Füssen als meinen Mägden. So ist es gesprochen, und so geschieht es. Sie zieht den Vorhang vor. BARAK indem er resigniert ein Stück Brot aus dem Gewand zieht, und, dieses essend, sich auf die Erde setzt Sie haben mir gesagt, dass ihre Rede seltsam sein wird und ihr Tun befremdlich die erste Zeit. Aber ich trage es hart, und das Essen will mir nicht schmecken. STIMMEN DER WÄCHTER Ihr Gatten in den Häusern dieser Stadt, liebet einander mehr als euer Leben und wisset nicht um eures Lebens willen ist euch die Saat des Lebens anvertraut, sondern allein um eurer Liebe willen! BARAK indem er sich umwendet Hörst du die Wächter, Kind, und ihren Ruf? Keine Antwort STIMMEN DER WÄCHTER Ihr Gatten, die ihr liebend euch in Armen liegt, ihr seid die Brücke, überm Abgrund ausgespannt, auf der die Toten wiederum ins Leben gehn! Geheiligt sei eurer Liebe Werk! BARAK horcht abermals, nach rückwärts gewendet, vergeblich; er seufzt tief auf und streckt sich zum Schlaf hin Sei s denn! この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Strauss,Richard/Die Frau ohne Schatten/II
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Angiomatosis retinae. als Teilerkrankung des von Hippel-Lindau-Syndroms Dieter Schmidt? Enzymes Tools and Targets (Advances in Clinical Enzymology, Vol 6) Germany) International Congress of Clinical Enzymology 1987 (Hannover?D. W. Moss?E. Schmidt?D. M. Goldberg?F. W. Schmidt? Natural Killer Cells Biology and Clinical Application Reinhold E. Schmidt? Bartonella and Afipia Species Emphasizing Bartonella Henselae (Contributions to Microbiology, Vol. 1) Axel Schmidt? Aspergillus Fumigatus Biology, Clinical Aspects and Molecular Approaches to Pathogenicity (Contributions to Microbiology, Vol. 2) Axel A. Brakhage?Bernhard Jahn?Axel Schmidt? Vericella-Zoster Virus Molecular Biology, Pathogenesis, and Clinical Aspects (Contributions to Microbiology, 3) Manfred H. Wolff?S. Schunemann?A. Schmidt? Animal Testing in Infectiology (Contributions to Microbiology, Vol. 9) Axel Schmidt?Olaf F. Weber? The Beatles Mixes Holger Schoeler?Thorsten Schmidt? Kultur in Nuernberg 1918-1933. Die Weimarer Moderne in der Provinz Alexander Schmidt? Kalifornien und Suedwesten USA Horst Schmidt-Bruemmer? Suedstaaten USA. 11 Reiseregionen - 17 Routen - Service von A - Z Horst Schmidt-Bruemmer? Route 66. Amerikas legendaerer Highway von Chicago nach Los Angeles Horst Schmidt-Bruemmer? Ostkueste USA. Capital Region Horst Schmidt-Bruemmer? Kalifornien und Suedwesten USA. 12 Reiseregionen - 24 Routen - Service von A-Z Horst Schmidt-Bruemmer? Route 66. Amerikas legendaerer Highway von Chicago nach Los Angeles Horst Schmidt-Bruemmer? Texas. 23 Routen durch den 'Lone Star State' Horst Schmidt-Bruemmer? Suedstaaten USA. 11 Reiseregionen - 17 Routen - Service von A - Z Horst Schmidt-Bruemmer? Kalifornien und Suedwesten USA. Reisefuehrer Horst Schmidt-Bruemmer? Suedwesten USA. Nevada, Utah, Colorado, New Mexico, Arizona Horst Schmidt-Bruemmer?Karl Teuschl? Go Vista Las Vegas. Mit Stadtplan- Highligts- Serviceplan- Sprachfueher Horst Schmidt-Bruemmer? Florida. Go Vista. Info Guide Horst Schmidt-Bruemmer? Suedstaaten USA. Tourplaner Horst Schmidt-Bruemmer? Ostkueste USA. Tourplaner Horst Schmidt-Bruemmer? Zwischen Riga und Locarno Hartmut Schmidt? Zwischen Riga und Locarno Hartmut Schmidt? Warum soll ich trauern? Gedenkstaettenbesuche vorbereiten und begleiten Helmut Ruppel?Ingrid Schmidt? Komponierte Kindheit Matthias Schmidt? Nick Knatterton. Jubilaeumsausgabe. Alle aufregenden Abenteuer des beruehmten Meisterdetektivs Manfred Schmidt? Alles wird gut Friedel Schmidt? Es war die uns von Gott gegebene Obrigkeit Hans-Guenter Schmidt? Signierte Wirklichkeit. Zum Spaetwerk Arno Schmidts Jan Frederik Bandel? Handbook of Competitive Cycling Training, Keep Fit, Tactics (Meyer Meyer Sport) Achim Schmidt? Freies Turnen am Trapez. Hoehenfluege leicht gemacht Juergen Schmidt-Sinns? Indoor Cycling Achim Schmidt? Handbuch fuer Radsport Achim Schmidt? Tipps fuer Radsport Achim Schmidt? Tipps fuer Mountainbiking Achim Schmidt? Trojanische Pferde Peter Schmidt? Buchenwald. Ein Konzentrationslager. Berichte, Bilder, Dokumente Emil Carlebach?Willy Schmidt?Ulrich Schneider? Deutsch-Russisches Wirtschaftsglossar. Grundbegriffe der Marktwirtschaft - kurz erklaert Marianne Heyer?Galina Danilina? Bilanzsteuerrecht. Mit Anwendungsbeispielen und Loesungen Andre Jacques Dicken? Lagerhaltung und Konjunkturentwicklung Albrecht F. Michler? Die Zukunftsperspektiven des deutschen Fachgrosshandels Karel Koster? Demographie konkret. Handlungsansaetze fuer die kommunale Praxis Andreas Esche?Kerstin Schmidt?Johannes Meier?Klaus Peter Strohmeier?Bernhard Mueller?Ad Reinert? Rebecca Horn Stuart Morgan?Germano Celant?Nancy Spector?Giuliana Bruno?Katharina Schmidt? Hans Kupelwieser. Trans- Formation Hans Kupelwieser?Robert Fleck?Burghart. Schmidt?Peter. Noever? Les Levine Art Can See Lee Levine?Johann-Karl Schmidt?Isabel Greshcat?Thomas McEvilley? Das kollektive Schweigen Barbara Heimannsberg?Christoph J. Schmidt? Trans-Alatau. OutdoorHandbuch. Von Alma-Ata zum Issyk-Kul. Der Weg ist das Ziel Wolfgang Schmidt? Oh, dieses Franzoesisch! Claudia Schmidt? Oh, dieses Norwegisch! Martin Schmidt? Minis machen's moeglich Ingrid Lange-Schmidt? Das zweite Jahrhundert des Automobils Weert Canzler?Gert Schmidt? Spanisch fuer Nicaragua. Wort fuer Wort. Kauderwelsch Veronika Schmidt? Giftige und gefaehrliche Spinnentiere Guenter Schmidt? Die Vogelspinnen Guenter Schmidt? Juedische Wurzeln unseres Glaubens. Die Begegnungszeiten Gottes - Vorschatten der Erloesung Rainer Schmidt? Family Of Man 1955-2001 A Reappraisal Of The Photo Exhibition By Edward Steichen Humanism And Postmodernism Jean Back?Viktoria Schmidt-linsenhoff? Die Freiheit der Anderen. Festschrift fuer Viktoria Schmidt-Linsenhoff Hinterlaender Mountainbiker. Geschichte erfahren-mit DVD. 7 Hessen-Touren mit GPS-Navigation Harald Becker?Joerg Krug?Siegfried Pitzer?Matthias Schmidt?Ulrich Weigel? Training FOS/BOS Physik. Wechselstromwiderstaende, Mechanische Schwingungen, Impuls Eberhard Lehmann?Friedrich Schmidt? Training FOS/BOS Physik. Gravitations-, elektrisches und magnetisches Feld. Grundlagen und Aufgaben mit Loesungen (Lernmaterialien) Eberhard Lehmann?Friedrich Schmidt? Training FOS/BOS Physik. Kinematik, Dynamik, Energie. (Lernmaterialien) Eberhard Lehmann?Friedrich Schmidt? Mathematik-Training. Mathematik 6. Klasse Alfred Mueller?Achim Schmidt? Besondere Leistungsfeststellung - Biologie - 10. Klasse / Thueringen Gym. (Lernmaterialien) Sabine Hild?Petra Schmidt? Memo-Check Schuldrecht BT. 333 Fragen und Antworten Klausur und Hausarbeit. Methodik der Fallbearbeitung fuer Studium und Examen Uwe Pense? Wertpapierrecht 2003. Mit klausurmaessigen Beispielen und Loesungen Guenter Raddatz? Einkommensteuerrecht Volker Kreft?Otto-Gerd Lippross? Pruefungsrecht Godo Brehsan?Thomas Gohrke?Christian Wagner? 20 Klausuren fuer die Zwischenpruefung Oeffentliches Recht Hans-Gerd Pieper? Grunderwerbsteuerrecht Georg Schnitter? Memo-Check Familien- und Erbrecht Erbschaftsteuerrecht Gerd Brueggemann?Ruettger Classen? OeR-Trainer. Verfassungsrecht. Staatsorganisationsrecht, Grundrechte Internationales Steuerrecht. 48 Faelle Klaus Gross-Boelting? Memo-Check Polizei- und Ordnungsrecht / Staatshaftung Holger Knemeyer? Vollstreckungsrecht 1. 103 Faelle Peter Becker? Vollstreckungsrecht 2. 46 Faelle Peter Becker? Bilanzsteuerrecht Heinrich Weber-Grellet? Die zivilrechtliche Anwaltsklausur im Assessorexamen Walter Baumfalk? Besonderes Ordnungsrecht Horst Wuestenbecker? Kriminologie, Jugendstrafrecht, Strafvollzug Bertram Schmitt? Introduction to English Civil Law - Vol. 1. For German-Speaking Lawerys and Law Students Rainer Woerlen? Strafrecht Besonderer Teil (BT) 1. Vermoegensdelikte. 56 Faelle Rolf Krueger? Verwaltungsrecht AT 2. Mit Staatshaftungsrecht Horst Wuestenbecker? Memo-Check Arbeitsrecht Joerg Holtmann? Schuldrecht AT 2 Franz Thomas Rossmann? Schuldrecht BT 4 . Unerlaubte Handlungen und Allgemeines Schadensrecht Claudia Haack? Sozialrecht 1 Heinz Schaefer?Ulrike Senger-Sparenberg? Sozialrecht 2. 27 Faelle Heinz Schaefer? Grundlagen Zivilrecht 2 . Schuldrecht fuer den kleinen Schein und die Zwischenpruefung Christoph Pechstein?Michael Baeumer? Introduction to the US-American Legal System - Vol. 1. For German-Speaking Lawerys and Law Students Alexander Doerrbecker?Oliver Rothe? Introduction to the US-American Legal System - Vol. 2. For German-Speaking Lawerys and Law Students Alexander Doerrbecker?Oliver Rothe? Introduction to English Civil Law - Vol. 2. For German-Speaking Lawerys and Law Students Rainer Woerlen? Umsatzsteuerrecht Wolfram Reiss? Schuldrecht BT 02 / Karteikarten (Alpmann Schmidt) Schuldrecht BT 3. Auftrag, GoA, Bereicherungsrecht Annegerd Alpmann-Pieper? Europarecht VwGO. Grundzuege des Verwaltungsprozessrechts 2006. 30 Faelle Horst Wuestenbecker? Beamtenrecht - Skript Hansjochen Duerr?Hella Duerr? Kommunalrecht nach dem Landesrecht von Nordrhein-Westfalen. 25 Faelle Memo-Check - Handels- und Gesellschaftsrecht Gerd Hufgard? Oeffentliches Baurecht Hans-Gerd Pieper? Handelsrecht Josef A. Alpmann? Polizei- und Allgemeines Ordnungsrecht Schuldrecht BT 1. Kaufrecht Das internationale Privatrecht Johannes Dilling?Oliver Munte? Die strafrechtliche Assessorklausur 3. Anwaltliche Aufgabenstellungen. 10 Faelle Rolf Krueger?Andre Neumann? Schuldrecht AT 1. Mit Schuldrechtsreform. 34 Faelle Schuldrecht BT 2 Christoph Pechstein? Der Rechtsanwalt. Grundlagen des Anwaltsberufs Christian Wagner?Frank Hansen? Sachenrecht 3. Allgemeine Lehren. 16 Faelle Josef A. Alpmann? Gesellschaftsrecht Josef A. Alpmann? Die strafrechtliche Assessorklausur 2 Rolf Krueger?Sascha Luebbersmann? Sachenrecht 2. Grundstuecksrecht Josef A. Alpmann? Mediation, Schlichtung, Verhandlungsmanagement. Formen konsensualer Streitbeilegung Nadja Alexander?Juliane Ade?Constantin Olbrisch? Kollektives Arbeitsrecht 1 Guenter Marschollek? Memo-Check Sachenrecht. 315 Fragen und Antworten Christoph Pechstein? Memo-Check Schuldrecht AT BGB AT 1 / 2006 Grundlagen Strafrecht Gerd Hufgard?Rolf Krueger? Memo-Check ZPO/ StPO Gerd Hufgard? Sachenrecht 1. Bewegliche Sachen. 2006 Josef A. Alpmann? Alpmann Cards Schuldrecht BT 01. Kaufrecht, Werkvertragsrecht, Mietrecht Die zivilgerichtliche Assessorklausur. Klausur-, Relations- und Urteilstechnik Walter Baumfalk? Strafrecht Allgemeiner Teil 1 / 2006. 49 Faelle BGB AT 2 Josef A. Alpmann? Schuldrecht BT 03. Karteikarte. Auftrag, GoA, Bereicherungsrecht Annegerd Alpmann-Pieper? Strafprozessordnung (StPO). Grundzuege des Strafverfahrensrechts. Ueberblick ueber das OWiG Frank Mueller? Insolvenzrecht und Anfechtungsrecht Wolfgang C. Fahlbusch? Arbeitsrecht 2006. 41 Faelle Guenter Marschollek? Strafrecht Allgemeiner Teil 2. 51 Faelle Rolf Krueger? Erbrecht. 26 Faelle Claudia Haack? Strafrecht / StPO. Aufbauschemata. Strafrecht, Strafprozessrecht Rolf Krueger?Sascha Luebbersmann? Memo-Check Bereicherungs- u. Deliktsrecht. 288 Fragen und Antworten Christoph Pechstein? Rechtsphilosophie ZPO (Zivilprozessordnung) 1/2. Karteikarten. Erkenntnisverfahren - Vollstreckungsrecht Alpmann-Cards BGB AT Die oeffentlich-rechtliche Assessorklausur 1. Verwaltungsbehoerdliche Entscheidungen Horst Wuestenbecker? Zivilprozess. Stagen und Examen Nordrhein Westfalen Polizei- und Ordnungsrecht Hans-Gerd Pieper? Alpmann Cards Oeffentliches Baurecht Hans-Gerd Pieper? Memo-Check Verwaltungsgerichtsordnung (VwGO). 333 Fragen und Antworten Holger Knemeyer? Memo-Check StGB BT Grundlagen Zivilrecht 1 Christoph Pechstein? Alpmann Cards Straf- und Strafrechtsverfahren 1 im Assessorexamen Alpmann Cards Straf- und Strafrechtsverfahren 2 im Assessorexamen Grundrechte Hans-Gerd Pieper? Schuldrecht BT 4.Karteikarten. Unerlaubte Handlungen und Allgemeines Schadensrecht Claudia Haack? Familien- und Erbrecht. Karteikarten Claudia Haack? Kommunalrecht Baden-Wuerttemberg Otto Haeusser?Andreas Nachbaur?Friedrich Voigt? Introduction au droit francais t. I Sybille Neumann?Francois-Xavier Licari? Definitionen Zivilrecht Strafrecht, Besonderer Teil 2. Hoechstpersoenliche Rechtsgueter Rechtsgeschichte Alpmann Cards Vollstreckungsrecht 1 Strafrecht, Besonderer Teil 3. Delikte gegen Gueter der Rechtsgemeinschaft. 46 Faelle Rolf Krueger? Alpmann Cards Vollstreckungsrecht 2 Grundlagen Faelle Strafrecht BT. Nichtvermoegensdelikte Sascha Luebbersmann? Grundlagen Wissen. Oeffentliches Recht. Grundrechte. Staatsorganisationsrecht Memo-Check Verwaltungsrecht AT. 312 Fragen und Antworten Holger Knemeyer? 100 beste Plakate 03. Deutschland - Oesterreich - Schweiz Definitionen Strafrecht. Alle wichtigen Begriffe fuer Studium, Pruefung, Rechtsalltag Rolf Krueger? Zivilrecht. Aufbauschemata. BGB, Zivilprozessrecht, Handelsrecht, Gesellschaftsrecht Die strafrechtliche Assessorklausur 1. Staatsanwaltliche Aufgabenstellungen Rolf Krueger?Rainer Kock?Sascha Luebbersmann? Definitionen Oeffentliches Recht Familienrecht Franz Thomas Rossmann? Leichter lernen. Lern- und Arbeitstools fuer Juristen Klaus Hellermann?Heidi Plehn-Hellermann? Memo-Check Verfassungsrecht / Grundrechte. 306 Fragen und Antworten Memo-Check Schuldrecht BT. 333 Fragen und Antworten Tanzgeschichte des 20. Jahrhunderts in einem Band. Mit 101 Choreografenportraits Jochen Schmidt? Kurt Huebner. Von der Leidenschaft eines Theatermenschen Dietmar M. Schmidt? Ein gefallener Engel und andere Geschichten Ruth Schmidt-Mumm? Mathcad in der Schule. Anleitung fuer Lehrer und Schueler zur Version 11. (Lernmaterialien) Reinhard Raake?Reinhard Schmidt? Physik Klasse 9 Arbeitsheft Gymnasium Thueringen. (Lernmaterialien) Guenter Kunert?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 10 Arbeitsheft Regelschule Thueringen. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 10 Arbeitsheft Berlin. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt?Reiner. Schmidt? Physik Klasse 8 Arbeitsheft Regelschule Thueringen. (Lernmaterialien) Guenter Kunert?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 8 Lehrbuch Regelschule Thueringen. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 10 Arbeitsheft Gymnasium Thueringen. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt?Reiner Schmidt? Physik Klasse 7 Arbeitsheft Regelschule Thueringen. (Lernmaterialien) Klaus Jupe?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 7 Arbeitsheft Sekundarschule Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Siegfried Albien?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 8 Arbeitsheft Sekundarschule Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Siegfried Albien?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 7 Arbeitsheft Gymnasium Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Guenter Kunert?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 8 Arbeitsheft Gymnasium Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Guenter Kunert?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 9 Arbeitsheft Regelschule Thueringen. (Lernmaterialien) Guenter Kunert?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik 9. Schuelerbuch. Sekundarschule Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik 9. Arbeitsheft. Sekundarschule Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Siegfried Albien?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik 10. Arbeitsheft. Sekundarschule Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Siegfried Albien?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Physik Klasse 9 Arbeitsheft Gymnasium Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt?Reiner Schmidt? Physik Klasse 10 Arbeitsheft Gymnasium Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt?Siegfried Albien? Die Apokalypse des Subjekts Christoph Schmidt? Intelligenztraining Gerhard Schmidt? Die Geschichte der 10. Infanterie-Division August Schmidt? Alles Tomate! Vegetarische Rezepte Claudia Schmidt? Brot und Broetchen. Vollwertige Backideen Claudia Schmidt? Die Goetter des Sirius. Kontakte mit dem Sternenreich K. O. Schmidt? Application Management Services Und Support Walter Linnartz?Barbara Kohlhoff?Benedikt Schmidt?Gertrud Heck? Die Buehnenrepublik. Theater in der DDR. Ein kurzer Abriss mit laengeren Interviews Thomas Irmer?Matthias Schmidt? Oldenburg. Bilder einer Grossstadt mit Kultur und Geschichte Heinrich Schmidt? Gottes- Kinder- Lieder. Songbuch. 40 neue religioese Kinderlieder Reinhard Horn?Alexander Schmidt? Praxis des Handels- und Kostenrechts Berthold C. Haferland?Holger Schmidt?Werner Tiedtke? Tussi di Mare. Erotische Geschichten Luise Schmidt? Peru / Bolivien Kai Ferreira Schmidt? Peru kompakt Katharina Nickoleit?Kai Ferreira Schmidt? Brasilien Kai Ferreira Schmidt?Edilma Ferreira Schmidt? Brasilien kompakt Rainer Heubeck?Kai Ferreira Schmidt? Pop - Sport- Kultur. Praxisformen koerperlicher Auffuehrungen Robert Schmidt? Liebesaffaeren zwischen Problem und Loesung. Hypnisystemisches Arbeiten in schwierigen Kontexten Gunther Schmidt? Einfuehrung in die hypnosystemische Therapie und Beratung Gunther Schmidt? Aufstellungsarbeit revisited... nach Hellinger? Systemaufstellungen mit einem Metakommentar von Varga von Kibed Gunthard Weber?Gunther Schmidt?Fritz B. Simon? Lernen, Wissen, Kompetenz, Kultur. Vorschlaege zur Bestimmung von vier Unbekannten Siegfried J. Schmidt? Rundwanderungen Noerdlicher Schwarzwald. Mit den schoensten Touren zwischen Pforzheim und Triberg Werner Schmidt? Grufties. Jugendkultur in Schwarz Doris Schmidt?Heinz Janalik? Schwarze Mode der Grufties. Didaktische Bausteine Doris Schmidt?Heinz Janalik? Rundwanderungen Schwaebische Alb. Oestlicher Teil. Vom Lenninger Tal bis zum Haertsfeld Werner Schmidt? Einfuehrung in die Textildidaktik Doris Schmidt? Rundwanderungen Schwaebische Alb. Westlicher Teil. Vom Lenninger Tal bis zum Donautal Werner Schmidt? Rundwanderungen Schwaebischer Wald und Schurwald Werner Schmidt? Geschichte der USA Gustav Schmidt? Privat oder gesetzlich versichert Andrea Schmidt?Mathias Beenken? Wandlitz Bodo Thoens?Claudia Schmidt-Rathjen? Kaufbeuren in vergangenen Tagen Heinz R. Schmidt? Als Telegrafenbauer in Deutsch-Suedwest Wilhelm R. Schmidt? Geheimdienst, Politik und Medien. Meinungsmache Undercover Erich Schmidt-Eenboom? PHP Design Patterns (Deutsche Ausgabe) Stephan Schmidt? Die Fahrzeuge der Polizei Achim Schmidt?Kai Schwarz? Kandinskys Physikalische Kreise. Kunst als Medium naturwissenschaftlicher Erkenntnis Christiane Schmidt? Fresken malen ohne Waende Frank Schmidt? Hinter Gittern. Der Frauenknast 28. Die Geschichte der Melanie Schmidt Adele Menn? Beraten mit Kontakt. Handbuch fuer Gemeinde- und Organisationsberatung Eva Renate Schmidt?Hans Georg Berg? Kaufmaennische Ausbildung handlungsorientiert. Ein Praxisbericht Barbara Schmidt? Bewerber/innen richtig trainieren. Eine Anleitung fuer das Bewerbungstraining Claudia Schmidt?Susanne Kiupel?Peter Artl? Das koloniale Algerien Bernhard Schmidt? Wenn die Partei das Volk entdeckt Birgit Schmidt? Kein Licht auf dem Galgen. Ein Beitrag zur Diskussion um KPD/SED und Antisemitismus Birgit Schmidt? Erinnerungskulturen im Dialog. Europaeische Perspektiven auf die NS-Vergangenheit Claudia Lenz?Jens Schmidt?Oliver von Wrochem? Sachsen-Anhalts beruehmte Frauen Sigrid Eleonore Schmidt? Wahre Geschichten um Preussens Adel Hanns H. F. Schmidt? Wahre Geschichten von der Ostseekueste Hanns H. F. Schmidt? Wahre Geschichten um Sachsen-Anhalts Eisenbahnen Hanns H. F. Schmidt? Sagen und Bilder aus Berlin-Brandenburg Hanns H. F. Schmidt? Pferdewissen kompakt. Pferdewissen von A bis Z Almut Schmidt? Pferdewissen kompakt. So bleibt dein Pferd gesund Almut Schmidt? Ukraine Entdecken Evelyn Scheer?Gert Schmidt? Die Ukraine entdecken. Zwischen den Karpaten und dem Schwarzen Meer Evelyn Scheer?Gert Schmidt? Ressourcen der helfenden Beziehung. Modelle dialogischer Praxis und ihre Deformationen Christoph J. Schmidt-Lellek? Whiskybuechlein Tom Schmidt? Lebenstrieb und Todestrieb. Libido und Lethe Cordelia Schmidt-Hellerau? Das neue Der Die Das. Ueber die Modernisierung des Sexuellen Gunter Schmidt? Seele und totalitaerer Staat. Zur psychischen Erbschaft der DDR Tomas Plaenkers?Ulrich Bahrke?Monika Baltzer?Ludwig Drees?Gerold Hiebsch?Marion Schmidt?Tautz? Der Grenzgaenger. Zur Psycho-Logik im Werk Robert Walsers Cordelia Schmidt-Hellerau? Physik Klassen 7/8 Arbeitsheft Gymnasium Mecklenburg-Vorpommern. Neubearbeitung. Fuer den Physikunterricht in der Sekundarstufe 1. (Lernmaterialien) Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt?Guenter Kunert?Barbara Gau? Physik 6. Schuelerbuch. Sekundarstufe 1. Sachsen-Anhalt. (Lernmaterialien) Barbara Gau?Lothar Meyer?Gerd-Dietrich Schmidt? Lexikon der Heilpflanzen Iris Schmidt? mySAP Product Lifecycle Management. Strategie - Technologie - Implementierung Gerd Hartmann?Ulrich Schmidt? Tabellenkalkulation mit OpenOffice.org 2.0 Calc Joerg Schmidt? I' am the Law . Recht, Ethik und Aesthetik im Western Kurt Bayertz?Margrit Froelich?Kurt W. Schmidt? Eigentlich wollte ich Staedtebauer werden Helmut Schmidt? Helmut Schmidt. Eine politische Biografie Martin Rupps? Ihr Hobby Makropoden - Paradiesfische Thomas Seehaus?Juergen Schmidt? PraxisRatgeber Saluki Iris Schmidt? MiniAtlas Aquarienpflanzen Juergen Schmidt? Faszination Skalare Juergen Schmidt? Faszination Betta-Schleierkampffische Juergen Schmidt? Faszination Aquarienpflanzen Juergen Schmidt? Faszination - Harnischwelse Juergen Schmidt? Faszination - L-Welse Juergen Schmidt? MiniAtlas Schlangen Dieter Schmidt? MiniAtlas Guppys Jens Bergner?Willi Kosa?Thomas Reiss?Juergen Schmidt? Der Tod kam immer montags. Verfolgt als Kriegsdienstverweigerer im Nationalsozialismus Horst Schmidt? Rassenschande vor Duesseldorfer Gerichten 1935-1945. Eine Dokumentation Herbert Schmidt? Jazz in Dortmund. Hot - Modern - Free - New Uta C. Schmidt?Andreas Mueller?Richard Ortmann? Belehrung - Propaganda - Vertrauensarbeit Anne Schmidt? Zorn und Trauer. Als politischer Gefangener in Zuchthaeusern der DDR Helmut Schmidt?Heinz Weischer? Pattern-oriented Software Architektur. Muster fuer nebenlaeufige und vernetzte Objekte. Douglas Schmidt?Michael Stal?Hans Rohnert?Frank Buschmann? Nick Knatterton Manfred Schmidt? Kursmanual Appetit auf Bewegung. Bewegungs- und Ernaehrungsprogramme fuer Grundschulkinder Klaus Boes?Anne Schmidt-Redemann?Susanne Bappert? Mountainbiketraining. Fuer Anfaenger und Profis Achim Schmidt? Zeno Cosini. 15 CDs. . Hoerempfehlung von Harald Schmidt Italo Svevo? Stille Berge Michael Schnabel?Thomas Schirmboeck?Juergen Palmer?Aurel Schmidt? Der Wortschatzsucher Otto Anton Schmidt? Der Steigerwald und sein Vorland. Wanderungen in die Erdgeschichte (13) Matthias Reimann?Hermann Schmidt-Kaler? Von der Frankenhoehe zum Fraenkischen Seenland. Wanderungen in die Erdgeschichte (14) Hermann Schmidt-Kaler? Das Walberla - Ein Weissjura-Zeugenberg Hermann Schmidt-Kaler? Die Hassberge und ihr Vorland. Wanderungen in die Erdgeschichte 20 Gerd Geyer?Hermann Schmidt-Kaler? Coburger Land und Heldburger Gangschar. Wanderungen in die Erdgeschichte 21 Gerd Geyer?Hermann Schmidt-Kaler? Atmosphaere - Kommunikationsmedium der gebauten Umwelt. Essener Forum Baukommunikation Jahrbuch 2005 J. Alexander Schmidt?Reinhard Jammers? Treue zum Stil. Die aufgefuehrte Gesellschaft Gunter Gebauer?Thomas Alkemeyer?Bernhard Boschert?Uwe Flick?Robert Schmidt? Platons Schauspiel der Ideen Ulf Schmidt? Festschrift Fur Peter Ulmer Zum 70. Geburtstag Am 2. Januar 2003 Herausgegeben Von Mathias Habersack?Peter Hommelhoff?Uwe Huffer?Karsten Schmidt? Besonderes Verwaltungsrecht (De Gruyter Lehrbuch) Eberhard Schmidt-Assmann? Besonderes Verwaltungsrecht (De Gruyter Lehrbuch) Eberhard Schmidt-Assmann? Strafgesetzbuch. Leipziger Kommentar 61-79b (Grosskommentare Der Praxis) Ernst-walter Hanack?Klaus Geppert?Wilhelm Schmidt? Rufe in der Nacht. Biografische Erzaehlungen Siegfried Schmidt? In 80 Tagen um die Welt - Loesungsbuch. Markus Mueller?Stefan Schmidt? Europa lieber sozial als neoliberal Anne Karrass?Ingo Schmidt?Hans-Juergen Bieling?Frank Deppe?Klaus Draeger?Joerg Huffschmid? Nachbarschaft in der Stadt Erich Schmidt? Das Handbuch fuer Luschen. Vom Weichei zum Mann Ausbilder Schmidt?
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No.1 Chor Europa steht! Und die Zeiten, die ewig schreiten, der Völker Chor, und die alten Jahrundert, sie schauen verwundert empor! Wer muß die Hehre sein, die, von dem Wunderschein der alten Götterwelt umzogen, herauf von Osten geht in einer Fürstin Majestät, und auf des Friedens Regenbogen? Viele entzückte Völker stehn, rufend zu der herrlichen, kronengeschmückten, lichtumflossenen Gestalt steh und halt! Gib der großen Volkerrunde auf den Anruf Red’ und Kunde. Viele entzückte Völker… Nr. 2 Rezitative und Chor FÜHRER DES VOLKES O seht sie nah und näher treten! Jetzt aus der Glanzflut hebt sich die Gestalt! Der Kaisermantels ist’s, der von dem Rücken der Kommenden zur erde nieder wallt! Sechs Kronen zeiget er den Blicken, an diesem hat den Busenschluß der Aar geheftet mit den gold’nen Spangen, und um des Leibes Faltenguß she’ ich des Isters Silbergürtel prangen. GENIUS Erkennst du nicht das heimische Gebild auf seinen Wappenschild erscheinet dir die Lerchenschar, der gothisch alte Turm, der Doppelaar der durch Gebräus und Sturm in tausendjähr’gem Flug sein Volk empor zu dieser Glorie trug? CHOR Vienna, Vienna, Vienna! Kronengeschmückte, Götterbeglückte, Herrscher bewirtende Bürgerin, sei gegrüßt von den Völkern allen und Zeiten, die an dir vorüber schreiten, den jetzt bist du der Städte Königin. Nr. 3 Rezitative und Arie mit Chor VIENNA O Himmel, Welch’ Entzücken! Welch Schauspiel zeigt sich meinen Blicken! Was nur die Erde hoch und hehres hat, in meinen Mauren hat es sich versammelt! Der Busen pocht! Die Zunge stammelt! Europa bin ich – nicht mehr eine Stadt. Der Heros, der den Fuß aufstellet auf den Wolkenschemel, den alten Kaukasus und dem Eismeer bis zur Memel ausbreitet seine Segenshand. Der Herrscher an der Spree strand, der, Als sein Land verloren, sein Reich geboren. Der König, der am fernen Belt das Vaterhaus und Szepter hält. Der Wittelsbacher, dessen Land und Schild ein Bild der Kraft sind und der Güte. Und der Gekrönte auch, der mit der Kraft der Babenberger wirkt und schafft in Deutschland Paradiese! Arie mit Chor VIENNA Alle die Herrscher darf ich grüßen, alle die Völker freundlich küssen! CHOR Heil dir, Vienna, Heil und Glück! Stolze Roma, trete zurück! VIENNA Und des Höchste seh ich geschehen und mein Volk wird Zeuge stehen, wenn ein gesprengter Weltteil wieder sich zum Ringe füget und schließt, und zum Bunde friedlicher Brüder sich die gelöste Menschheit küßt! CHOR Welt! Dein glorreicher Augenblick! VIENNA Und nach meines Kaisers Rechten greifen die Herrscherhände all, einen ewigen Ring zu flechten. Und auf meinen gesprengten Wall baut sich Europa wieder auf. CHOR Heil dir, Vienna, Heil und Glück! Fei’re den glorreichen Augenblick! Stolze Roma, trete zurück! Nr. 4 Rezitativ (und Kavatine mit Chor) SEHERIN Das Auge schaut, in dessen Wimperngleise die Sonnen auf- und niedergehn, die Stern‘ und Völker ihre Bahnen drehn, o seht es über jenem Kreis der Kronenträger glänzend stehn! Dies Aug‘, es ist das Weltgerich, das die zusammen hier gewunden, um derentwillen nicht Europa in dem Blutmeer ist versunken. O kniet, Völker, hin und betet zuerst zu dem, der euch gerettet! (Kavatine mit Chor) SEHERIN Dem die erste Zähre droben in dem Sonnenhaus, der schon in dem Stürme drauss‘ mit der Allmacht Hand Könige und Heere aneinander flocht und band. CHOR Gott die erste Zähre droben in dem Sonnenhaus, usw. Nr. 5 Rezitative und Quartett SEHERIN Der den Bund im Stürme festgehalten, er wird den Bau der neuen Welt der neuen Zeit auch fest gestalten, daß dran des Frevels Arm Zerschellt. VIENNA Ewig wird der Ötzweig grünen, den der Chor dieser, die den Bau jetzt gründen, um Europas Säulen winden. SEHERIN Denn es steht ein Herz davor FÜHRER DES VOLKES Und es ist ein Gott mit ihnen. GENIUS Und die alten Zeiten werden endlich wieder sein auf Erden. Quartett VIENNA In meinen Mauern bauen sich neue Zeiten auf und alle Völker schauen mit kindlichem Vertrauen und lautem Jubel drauf. GENIUS Sieh, wie die Fahnen alle der Herr zusammenband und sie auf deinen Walle, zur Schau dem Welten balle, hinaushängt in das Land VIENNA, GENIUS So ist auf meinem Mauerbogen Europas Haupt wach‘ aufgezogen. FÜHRER DES VOLKES O Volk, das groß getragen das Blutige Geschick, dir ist zu schönen Tagen die Pforte aufgeschlagen in diesem Augenblick. SEHERIN Dem Wort laß Jubel schallen das deine Burgwand trägt. Es hat in ihren Hallen ein Pfand nie zu verfallen der Ewige eingelegt. SEHERIN, FÜHRER DES VOLKES Europas Diademe Alle, GENIUS Erkern es, bete an! SEHERIN, FÜHRER DES VOLKES Auf einem eingeworfnen Walle, GENIUS das der Herr getan. VIENNA, SEHERIN, GENIUS, FÜHRER DES VOLKES Kein Aug‘ ist da das seinen Fürsten nicht begegnet, kein Herz ist nah, das nicht sein Landesvater segnet. Und diesen Glorien bogen hat Gott in unsrem Franz um eine ganze Welt gezogen. Nr. 6 Chor CHOR DER FRAUEN Es treten vor die Scharen der Frauen, den glänzenden Chor der Fürsten zu schauen, auf alle die Kronen den heiligen Segen der Mütter zu legen. CHOR DER KINDER Die Unschuld als Chor, sie wagt es zu kommen es treten hervor die Kinder, die frommen Herz, Himmel und Zepter mit Blumengewinden Zusammen zu binden CHOR DER MÄNNER Auch wir treten vor, die Mannen der Heere, ein krieg’rischer Chor mit Fahnen und Wehre und fühlen die höchste der Vaterlandwonnen sich also zu sonnen CHOR Vindobona, Heil und Glück Welt, dein großer Augenblick! No.1 Chor Europa steht! Und die Zeiten, die ewig schreiten, der Völker Chor, und die alten Jahrundert, sie schauen verwundert empor! Wer muß die Hehre sein, die, von dem Wunderschein der alten Götterwelt umzogen, herauf von Osten geht in einer Fürstin Majestät, und auf des Friedens Regenbogen? Viele entzückte Völker stehn, rufend zu der herrlichen, kronengeschmückten, lichtumflossenen Gestalt steh und halt! Gib der großen Volkerrunde auf den Anruf Red’ und Kunde. Viele entzückte Völker… Nr. 2 Rezitative und Chor FÜHRER DES VOLKES O seht sie nah und näher treten! Jetzt aus der Glanzflut hebt sich die Gestalt! Der Kaisermantels ist’s, der von dem Rücken der Kommenden zur erde nieder wallt! Sechs Kronen zeiget er den Blicken, an diesem hat den Busenschluß der Aar geheftet mit den gold’nen Spangen, und um des Leibes Faltenguß she’ ich des Isters Silbergürtel prangen. GENIUS Erkennst du nicht das heimische Gebild auf seinen Wappenschild erscheinet dir die Lerchenschar, der gothisch alte Turm, der Doppelaar der durch Gebräus und Sturm in tausendjähr’gem Flug sein Volk empor zu dieser Glorie trug? CHOR Vienna, Vienna, Vienna! Kronengeschmückte, Götterbeglückte, Herrscher bewirtende Bürgerin, sei gegrüßt von den Völkern allen und Zeiten, die an dir vorüber schreiten, den jetzt bist du der Städte Königin. Nr. 3 Rezitative und Arie mit Chor VIENNA O Himmel, Welch’ Entzücken! Welch Schauspiel zeigt sich meinen Blicken! Was nur die Erde hoch und hehres hat, in meinen Mauren hat es sich versammelt! Der Busen pocht! Die Zunge stammelt! Europa bin ich – nicht mehr eine Stadt. Der Heros, der den Fuß aufstellet auf den Wolkenschemel, den alten Kaukasus und dem Eismeer bis zur Memel ausbreitet seine Segenshand. Der Herrscher an der Spree strand, der, Als sein Land verloren, sein Reich geboren. Der König, der am fernen Belt das Vaterhaus und Szepter hält. Der Wittelsbacher, dessen Land und Schild ein Bild der Kraft sind und der Güte. Und der Gekrönte auch, der mit der Kraft der Babenberger wirkt und schafft in Deutschland Paradiese! Arie mit Chor VIENNA Alle die Herrscher darf ich grüßen, alle die Völker freundlich küssen! CHOR Heil dir, Vienna, Heil und Glück! Stolze Roma, trete zurück! VIENNA Und des Höchste seh ich geschehen und mein Volk wird Zeuge stehen, wenn ein gesprengter Weltteil wieder sich zum Ringe füget und schließt, und zum Bunde friedlicher Brüder sich die gelöste Menschheit küßt! CHOR Welt! Dein glorreicher Augenblick! VIENNA Und nach meines Kaisers Rechten greifen die Herrscherhände all, einen ewigen Ring zu flechten. Und auf meinen gesprengten Wall baut sich Europa wieder auf. CHOR Heil dir, Vienna, Heil und Glück! Fei’re den glorreichen Augenblick! Stolze Roma, trete zurück! Nr. 4 Rezitativ (und Kavatine mit Chor) SEHERIN Das Auge schaut, in dessen Wimperngleise die Sonnen auf- und niedergehn, die Stern‘ und Völker ihre Bahnen drehn, o seht es über jenem Kreis der Kronenträger glänzend stehn! Dies Aug‘, es ist das Weltgerich, das die zusammen hier gewunden, um derentwillen nicht Europa in dem Blutmeer ist versunken. O kniet, Völker, hin und betet zuerst zu dem, der euch gerettet! (Kavatine mit Chor) SEHERIN Dem die erste Zähre droben in dem Sonnenhaus, der schon in dem Stürme drauss‘ mit der Allmacht Hand Könige und Heere aneinander flocht und band. CHOR Gott die erste Zähre droben in dem Sonnenhaus, usw. Nr. 5 Rezitative und Quartett SEHERIN Der den Bund im Stürme festgehalten, er wird den Bau der neuen Welt der neuen Zeit auch fest gestalten, daß dran des Frevels Arm Zerschellt. VIENNA Ewig wird der Ötzweig grünen, den der Chor dieser, die den Bau jetzt gründen, um Europas Säulen winden. SEHERIN Denn es steht ein Herz davor FÜHRER DES VOLKES Und es ist ein Gott mit ihnen. GENIUS Und die alten Zeiten werden endlich wieder sein auf Erden. Quartett VIENNA In meinen Mauern bauen sich neue Zeiten auf und alle Völker schauen mit kindlichem Vertrauen und lautem Jubel drauf. GENIUS Sieh, wie die Fahnen alle der Herr zusammenband und sie auf deinen Walle, zur Schau dem Welten balle, hinaushängt in das Land VIENNA, GENIUS So ist auf meinem Mauerbogen Europas Haupt wach‘ aufgezogen. FÜHRER DES VOLKES O Volk, das groß getragen das Blutige Geschick, dir ist zu schönen Tagen die Pforte aufgeschlagen in diesem Augenblick. SEHERIN Dem Wort laß Jubel schallen das deine Burgwand trägt. Es hat in ihren Hallen ein Pfand nie zu verfallen der Ewige eingelegt. SEHERIN, FÜHRER DES VOLKES Europas Diademe Alle, GENIUS Erkern es, bete an! SEHERIN, FÜHRER DES VOLKES Auf einem eingeworfnen Walle, GENIUS das der Herr getan. VIENNA, SEHERIN, GENIUS, FÜHRER DES VOLKES Kein Aug‘ ist da das seinen Fürsten nicht begegnet, kein Herz ist nah, das nicht sein Landesvater segnet. Und diesen Glorien bogen hat Gott in unsrem Franz um eine ganze Welt gezogen. Nr. 6 Chor CHOR DER FRAUEN Es treten vor die Scharen der Frauen, den glänzenden Chor der Fürsten zu schauen, auf alle die Kronen den heiligen Segen der Mütter zu legen. CHOR DER KINDER Die Unschuld als Chor, sie wagt es zu kommen es treten hervor die Kinder, die frommen Herz, Himmel und Zepter mit Blumengewinden Zusammen zu binden CHOR DER MÄNNER Auch wir treten vor, die Mannen der Heere, ein krieg’rischer Chor mit Fahnen und Wehre und fühlen die höchste der Vaterlandwonnen sich also zu sonnen CHOR Vindobona, Heil und Glück Welt, dein großer Augenblick! Beethoven,Ludwig van/Der glorreiche Augenblick
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第1幕 (アイトラの宮殿の部屋。外に通じる出口は、後方の中央にではなく、右側にある。左側にテーブルがあり、二人分の食事がきちんと用意してある。王座のような椅子が二つ置かれている。中央の三脚椅子の上には‘全知の貝殻’がいる。右の壁側に玉座があり、アイトラが座っている。その前の低い腰掛に侍女がひとり座り、ハープを奏でている。外は夜。部屋は美しく灯りがともっている。) アイトラ (立ち上がり) 食事の用意はもうできて、 夜になってきているのに、 私の愛する人はどこにいるの? あの人は私をひとりぼっちにした。 私はあの人が来ないかと、ずっと待っているのにー 私は悲しみにくれています、あなたは、どこ? この若くて、不安でたまらない恋人を ああ、こんなに長く ひとりぼっちにしないで! 夜が深まってきています、 ポセイドンよ、あなたの恋人を 今日もまたひとりぼっちにしないで! どこにいるの、ポセイドン、 (優しく) どこにいるの? (いらいらして) いったいあの人はどこにいるの? 全知の貝殻 三羽の鳩が飛んでいます、 真珠のように輝いて 遥かかなたの海の上を。 鳩が貴女にポセイドンからの 挨拶を伝えます。 くうくう優しくささやいて 約束してくれます、 彼の愛を、 彼の誠を、 彼の憧れを、 いつも新たに! アイトラ この嘘つき!ある時は旅人、ある時はデルフォイのお告げ、今度は鳩! 全知の貝殻 彼の愛を、彼の誠を、 いつも新たに! アイトラ (激して) 回りくどい言い方をしないで答えて、ポセイドンはどこ? 全知の貝殻 (非常に厳かに) エチオピアに! アイトラ (怒って) エチオピアですって? 侍女 蓮汁の入った壜を取りに行ってきます。 アイトラ (悲しそうに) ああ、私は魔法使いなのに、もっと強い魔法使いにはまるで無力! 侍女 壜を取りに行ってきます! アイトラ いらない! 侍女 要ります! アイトラ いらない! 侍女 心が落ち着きます。 アイトラ いらない! 侍女 要ります! アイトラ いらない! 侍女 お飲みになれば、 体じゅうの痛みがなくなります! アイトラ いらない! 侍女 そうすれば 心の中のご不満もおさまります! アイトラ いらない! 侍女 (穏やかに非常にはっきりと) 半ば忘れると 優しい思い出になります。 心の中に 神のようなあの方が またおられるように感じられます。 (アイトラはテーブルに就く。無邪気な若い娘たちが爪先立ちで入って来て、彼女に仕える。) アイトラ 薬で気を紛らわすのはイヤ、気分転換するわ! 仲間がほしい! 嵐を引き起こし、船を座礁させる力が、 いったい何のために私にはあるのかしら! 全知の貝殻 あの男が立ち上がります。眠っていないのは、甲板にいるあの男だけ。 侍女 (頭を振りながら) “あの男が立ち上がります!”ですって。 貝殻さんは大勢の人が眠っている船を見ているのです。 全知の貝殻 その男は眠っている一人を起こしー 侍女 “眠っている一人を起こし” 全知の貝殻 その手に舵を渡しー 侍女 “その手に舵を渡し” 全知の貝殻 自分は船室に降りて行きます。 侍女 “自分は船室に降りて行きます。” アイトラ (食事を止めて) 誰のことを話しているの? 侍女 貝殻さんは大勢の人が眠っている船を見ているのです。 全知の貝殻 今、その男は船室にいます。眠っている女が体を動かします。その女は世界一の美女です! アイトラ なぜすぐに世界一の美女だと? 誰が決めるの? 全知の貝殻 男は身を屈め、彼女にキスしようとします! アイトラ 美しい女なら、いいわ! 侍女 船の上の男は、自分の妻である眠れる美女に、キスしようとしています。 アイトラ それで全部? 全知の貝殻 いいえ! 男が今、取りに行ったのはー アイトラ (あまり興味なさそうに) 男は何を取りに行ったの? 全知の貝殻 男は左手に布をつかみー 侍女 “布を” 全知の貝殻 それを女の顔の上に広げー 侍女 “女の顔の上に広げ” 全知の貝殻 それから右手に短剣を持ちー彼女を殺すつもりです。 侍女 彼は左手に布をつかみー 全知の貝殻 アイトラ様、助けてあげて! 男が妻を殺します! 侍女 アイトラ様、助けてあげて、船の男が妻を殺します! アイトラ (跳びあがって) どうしろって? 私に何をしろって? あの人たちはいったい誰なの? 全知の貝殻 ヘレナです。トロイアのヘレナ。そして男はメネラス。 早く!男が忍び寄る。 布で彼女の顔を覆えば、彼女はお終いです。 侍女 早く! 男が忍び寄る。もうすぐ彼女はお終いです! アイトラ 嵐よ、荒れ狂え! 稲妻のごとく飛べ! あの船めがけて! 何が見える? 全知の貝殻 嵐が船を捕えた! 船を捕えた! 船を捕えた! 帆が裂ける! 眠っている者たちは上へ下へよろめく。 ああ、難破する。 侍女 難破する! アイトラ そしてあの女は? あの男は? 男は、あの悪魔は女を殺したの? 全知の貝殻 二人は泳いでいる。あそこー男が女を抱えて。海に静まるようお命じを。二人とも助けてあげて! アイトラ 誰が誰を抱えているって? 波よ、静まれ! 全知の貝殻 メネラスが腕にヘレナを抱えています! 砕け散る波が彼に場所をあけ、彼は懸命に陸に向かいます。 アイトラ 嵐よ、私の命令に従え! 静かに! ーあの人達に道を示すように、松明を。 (侍女が松明を持って出て行く。嵐はすっかりおさまる。) 本当にヘレナなの? あの有名なヘレナ? それでトロイアは陥落した!その彼女をここで私が迎える?私の館で?彼女と話をする?トロイアのヘレナと!世界で一番有名で、一番危険で、一番すばらしい女と。 私たちが今見たのは、 私たちが夢に見ながら憧れていたもの。 それが夜間に、晴れがましくも、 思いがけず私が家に来る! (アイトラは右側の隣の小部屋へゆっくり行く。が、観客からはまだ見える。真ん中の部屋は一瞬、誰もいなくなる。それから侍女が、手前を灯りで照らしながらやって来る。侍女の後には軽く武装した美しい男が続く。男は曲がった短剣を口にくわえ、手で彼の後ろのとても美しい女を、連れているというより引きずっている。女の豊かな金髪が乱れている。侍女は姿を消す。ヘレナは鏡を見て、そちらに進み、遠慮なくその髪をまとめ上げる。メネラスは、まるで暗闇から明るい所に、死の危険から逃れて美しく照らされた部屋に来た人間のように当惑して、あたりを見回す。それから、もはや歯の間ではなく、手に持っているナイフを、三脚椅子の上に、貝殻の隣に置く。) メネラス ここはどこだ? どういう家だ? ヘレナ (すぐに状況に対応する。) 暖炉の火が燃えている。 食事の用意がしてあるわ。 主人は私と一緒に座って、食事をしないのかしら? メネラス (小声で不安げに) 神々は私に何を用意したのだ? ヘレナ 部屋は美しく輝いている。王座が二つ。 王様と王妃様がここで待たれていたのです。 座りましょう! メネラス (独白) 私達二人がともに食事をすることはもうないだろう。 ヘレナ 夫と妻は、食事も寝床も共にする、 ー私はそう教えられたわ。 メネラス お前の寝床は船室の中、 私の寝床はその上の星空の下、 10日間ずっと。 ヘレナ (微笑みながら) でもあなたは今夜それに耐えられなかった。 あなたは足音をひそめて降りて来てー メネラス (驚いて) 眠っていなかったのか? ヘレナ (情熱的に) 私が、あなたを眠らせなかったのではないの? メネラス (辛そうに) お前のせいだ! (傍白) 嵐がなかったら、私は彼女に何をしたか、 彼女はそれに気づいているのか? それとも彼女は全く無邪気なのか? (彼は彼女から離れる。) アイトラ 気味の悪い男! 美しいものを目にして あんな風に人に頼ませるなんて! ヘレナ どこへ行くの? また私から離れて行くの? あなた、でも何の役にも立たないわ。 アイトラ 理解できないわ! ヘレナ あなたは運命づけられているのよ、 私を見捨てることがないように。 そして私も定められている、 あなたの腕に 戻ることが。 そしてその通りになったわ! お願いだから、言って、 この何年間のうちに一時間だって あなたの心が私から 離れたことがあったかしら? (メネラスは下を向く。) 黙っているのね。分かった? ネメラス (苦しそうに) ヘレナ! ヘレナ (愛に満ちて) メネラス! (彼女は彼の方に進み、彼は慄くように下がる。ヘレナはテーブルに近寄る。華奢な、少女のような妖精が、テーブルの後ろにつま先立ちで現われ、壺から浅い杯に飲み物を入れて、ヘレナに差し出す。) ヘレナ (杯を受け取り、それを手にしてメネラスの方に進む。) あの夜、たった一度の純潔だった夜、 私たちを永遠にひとつにした、あの夜にかけて、 そしてあの恐ろしい幾つもの夜、 あなたが天幕の中で私に身を焦がした、あの幾夜にかけて、 またあの炎の夜、あなたは私を引き寄せながら 私にキスするのを固く拒んだ、あの炎の夜にかけて、 そして遂に今夜、やっとあなたが来てくれて、 唐突に優しくあらゆる恐怖から私を連れ出してくれた、 今夜にかけて、私をあなたに新たに与えてくれた、 今夜にかけて、ここから飲んで、私が口をつけたところから! (彼女は杯の縁に口をつけ、それからメネラスに渡す。) メネラス (陰鬱に) これよりも もっと甘いグラスだった、 もっと見事なグラスだった、 パリスが飲んだのは。 パリスが死んだ後は 彼の兄弟の多くも飲んだ。 (非常に苦々しく) お前は比類なき義妹だった。 ヘレナ でもあなたが一番の幸せ者、 だって彼らは皆死にーそしてあなたは私の夫! さあ 私が噛んで 跡をつけた イチジクをとって、 お楽しみを! (小さな娘が果物を渡して、踊るように去る。) メネラス (残酷に苦々しく) 余りに多くの人が味わった、ヘレナ、 お前が差し出した、 立派な果物を! ヘレナ でも誰かからお聞きになりまして、 それにもう飽きたと? メネラス 今夜 私はお前のもとに行った、 そこで、眠っているお前を 殺すために! ヘレナ (微笑みながら魅惑的に) 何故ならあなたはそのやり方だけを信じ 他のやり方で私の最後の秘密を 受け入れようとは思わないから。 そうしてあなたは 死に際でしかめた私の顔を 魅力的で可愛いと認めるおつもりなの? ああ、あなた、限りなく愛するあなた! メネラス (曲がった短剣を掴み、彼女の目の前に持っていく。) この曲がった武器を知っているか? ヘレナ (とても落ち着いて) パリスがあなたの前に横たわって 命乞いをした時に、 あなたは彼から その曲がった短剣を奪い取ったー その短剣ならよく知っていますー (堰を切ったように) そしてそのご自分の手にした武器で あなたは彼の喉を生きたまま掻き切った! (穏やかに) パリスがあなたの刀で死んだ時、 あの日あなたには再び分かった、 あなたが私のものだということを、 そして私はー私は今あなたのものです! メネラス (実行を固く決意して) ヘレナ! 最後に私の話を聴いてくれ! いいか、女は誰かのものだー 私は私の娘をそう育てるつもりだー ヘレナ (動揺せず) あなたの娘ですって? 私の娘だとも思うけれど! メネラス (惑わされず) 私は娘をそう育てるつもりだ 娘が母親のことを 恥ずかしく思わなくていいように! 死んだ女に赤面することはないから。 ヘレナ (無敵の力で) メネラス、最後に私の話を聴いてね! ひとりの女はひとりの男のものというなら、 私はあなたのもの! あなたを選んだのはー私 勇気があって、美しい 30人の求婚者の中から! ヘレナ 私の顔をよく見てー 過去のことはすべて忘れてー すべて、このこと以外はすべて 私があなたのものということ以外は! メネラス 私は一番の勇士ではなかった 二番でもなかったー ヘレナ いやな夢は忘れなさい、 妻のもとで目を覚まして! メネラス お前はなぜ私を選んだのだ この苦しみに? 私は夢でトロイアを焼き払ったのか? ヘレナ 過去のことは忘れて、もう一度私にキスして! メネラス (独白) 決して子供に会わせるものか! ヘレナ 腕を組んで故郷に連れて帰って! メネラス 天上の神々よ、私を汚れからお守りください! ヘレナ 地下の闇の世界の霊たちよ、この女をお助けください! メネラス なすべきことを私ができますように、お助けください! ヘレナ 地よ、夜よ、 月よ、海よ、 今こそ私をお助けください! メネラス 地よ、夜よ、 月よ、海よ、 消え去れ! ヘレナ・メネラス 地よ、夜よ、 月よ、海よ、 メネラス なすべきことを私ができますように、 お助けください! 天上の神々よ、 私を汚れからお守りください! なすべきことを私ができますように、 お助けください! ヘレナ 地下の闇の世界の霊たちよ、 この女をお助けください! 妻のもとで目を覚まして! あなたと腕を組んで故郷に連れて帰って! ヘレナ・メネラス 地よ、夜よ、 月よ、海よ、 ヘレナ 今こそ私をお助けください! メネラス 消え去れ! (灯りが暗くなり、月だけが外から差し込んでくる。一条の光がヘレナの顔を照らす。メネラスは短剣を、ヘレナの喉に向けて振りかざすが、ヘレナの美しさに魅了されたかのように止まる。武器を持った彼の腕が下がる。) アイトラ (呪文を唱えて呼びかけながら) 真っ白い顔に、緑の目の お前たち、 ずるそうに様子をうかがいながら、 ブツブツ言いながら仮面をかぶっている。 生きているものをものほしげに 自分たちに引き寄せる、 お前たち、夜の精よ。 この家の中に 格好の男がいる。 その乱暴者を、 厄介払いしておくれ! (アイトラの前にひとつ、またひとつと妖精が、あっという間に現れ、彼女の命令を受け取って、すばやく姿を消す。) 戦場のような騒音を立てて 奴の頭に襲いかかれ、 奴を大いに弄べ! 手に剣を持って、 20本の木まで 奴を突進させろ。 奴を引き回し、振り回せ! 目くばせして、おしゃべりしろ! 奴を引き回し、振り回せ! わめきたて、誘い掛けろ、 ぺちゃくちゃしゃべり、いきり立て、 怒鳴りまくり、がなりたてよ! 奴をやっつけろ! けしかけろ! 行け、行け、行け! (館の後ろの壁が透けて、妖精たちが騒ぎ立てるのが見える。その中の一部は戦士の格好をし、兜を被り、盾と槍を振り回している。) ヘレナ ためらうことなく いっそ私を殺して! メネラス こう身動きしながらもなお なんと愛らしい嘆きよ、 そのかわいい喉が 鋼に向かって 切望するかのように伸びている! (彼はもう一度跳びかかり、もう一度立ち止まったままだ。) ヘレナ 私に短剣を! 私に、あなた! 妖精たち (一部は見えない) 戦場のような騒音を立てて 奴の頭に襲いかかれ! メネラス 私はどうなったのだ? 妖精たち 怒鳴りまくり、がなりたてよ! メネラス 聞こえるのは何だ? 妖精たち パリスがここに! 戦場のような騒音を立てて 奴の頭に襲いかかれ! 彼をしっかり捕まえろ。 メネラス 誰が呼ぶのだ? 何という武器? 妖精たち パリスがここに! ここにパリスがいる! メネラス パリスがここに? ヘレナ (せかして) あなたの心が望むことを さあ私に早くして! メネラス (困惑して) 短剣を前にしてもお前はそんな風なのか? 短剣が首にささるというのに 優しげに? 妖精たち パリス! メネラス パリス? 妖精たち ここにパリスがいる! メネラス ここにパリスがいる? 戦場の叫び声が聞こえる! 死者たちがうろつき、叫ぶ もう一度うち殺されたいのか? 妖精たち (すぐ近くで) ヘレナをもう一度手に入れたい! メネラス ここにメネラスがいる お前の死神だ! 私の前に立て、亡霊よ! (彼は戸外へ突進する。) 妖精たち ハハハハハハハ、ハハハハ! パリスがここに! ハハハハハハハ、ハハハハ! (姿を消しながら) パリスがここに! ハハハハハハハ、ハハハハ! (ヘレナはすっかり疲れてアイトラの玉座にふらふらと歩き、座るというより倒れ込む。アイトラが進み出る。ヘレナはそれを見て立とうとする。) アイトラ そのままで!無理しないで! (彼女は低い肘掛椅子に座る。) ヘレナ 貴女は誰? ここは誰の館? アイトラ 貴女がいるのはポセイドンの館、ヘレナ、貴女はお客様よ! でも時間を一刻も無駄にしてはいけない! 私が貴女を助けてあげる、私はお友達よ! すぐにあの恐ろしい男が戻って来るわ。 ああ、あの男、大嫌い! ヘレナ (立ち上がり、あたりの様子を見ながら) ああ、私はどれほどあの人を愛しているか! 全知の貝殻 (笑う) メネラス!彼は気違いのように濃い霧を追っています、ヘレナだと思って! ヘレナ トロイアはなくなったー今、私は彼のもの! 妖精たち ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ! もう一度彼をけしかけろ! 同じ所をぐるぐる回らせろ! ヘレナはここ! パリスはそこ! ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ! アイトラ 貴女はずぶ濡れになって、 乾かしたいんでしょう、 火が要るかしら? 私の目の力で 乾かしてあげる! ヘレナ (アイトラを微笑みながら見つめて) なんて優しい暖かさが私の体にしみこむこと! アイトラ 愛らしいほっぺが 海の塩で こんなに醜くなっている! (彼女はヘレナの頬を撫でる。) ヘレナ 貴女の手のやさしいこと! アイトラ 髪に艶がないわ! 髪が貴女を輝かせるためには クリームとオイルが要るわ、 そう思うでしょう? (彼女はヘレナの髪を軽く撫でる。) ヘレナ (アイトラの合図で、若い娘たちが持ってきた鏡の前で) 何て私はキラキラしているの! アイトラ (うっとりして) この上なく美しい! ヘレナ 最高! 私をどうしたの? アイトラ 元の華麗な姿に戻ったのよ。 ヘレナ (もう一度、鏡の中の自分の姿に見とれて) 私をどうしたの? まるでメネラスが私を 花嫁の寝室に運んだ時みたい。 私はこんなに若くて死ぬ運命なの? アイトラ (杯を持って) 死なないわよ! 生きるの! 生きるの! さあ早く、飲んで! ヘレナ (杯を受け取って) 貴女は誰? 侍女 (小声で、ささやく) 半ば忘れると 優しい思い出になります。 ヘレナ この飲み物は何? 侍女 (小声で) 貴女様はご自身の中に感じるでしょう かつての無邪気な生活が また始まるのをー ヘレナ (小声で、独り言) いきなり私に何が起こったの? 私の不安はどこに消えたのかしら? 侍女 貴女様がお感じになる通りに 今から貴女様はなるのです! アイトラ 貴女の目から夜が消えたように! ヘレナ 貴女は誰? アイトラ 貴女のとるに足らない友達のアイトラ! ヘレナ 魔法使いさんね! アイトラ 絶世の美女! (二人は互いに手をとる。) アイトラ・ヘレナ 戦士より強く、王より豊かな 信頼しあう、二人の女! ヘレナ (もう一度鏡の前に進み、嬉々として振り返る。) この姿を見て、誰がヘレナを殺すかしら? (アイトラは感嘆して彼女を見ている。) 何て全てが簡単に起こること! アイトラ その通りです! 飲んで! 心配事は忘れて! (彼女はまた杯を渡す。) ヘレナ (それを飲んで、子供のように楽しげに) メネラス! いったい何故私を殺そうとするの? (ねぼけたようによろめき、少女達がかたまって彼女を支える。) 寝るわ!ー眠くなっちゃたー私の隣で寝るでしょう、あなた? アイトラ 彼女を救うために、私はどうしたらいいの? 貝殻さん、彼はどこにいるの? 全知の貝殻 すぐ近くに! ヘレナ 聞こえたわーもう半分寝てるけどー (子守唄のように) 私のすぐ近くで 無邪気な幸福が もう浮かんでいる! 気をつけて、私は気を失ってしまいそう! いいえ、そのままで、 もう意識が戻ってきた! (彼女は少女達に支えられて、目を閉じる。) 侍女 (ドアから外の様子をうかがいながら) あの男の前に霧がかかっています! こっちへ来ます! この館に向かって! あの男が剣を持って後ろから! やって来ます! 妖精たち ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ! 奴を大いに弄べ! ハ、ハ、ハ、ハ! 同じ所をぐるぐる回らせろ! アイトラ 彼女を私のベッドに寝かせて!そして寝ている間に私の一番きれいな衣装に着替えさせて!あのブルーの!さあ!みんな、さあ!(妖精達はヘレナを連れて左の部屋に動いて行く。メネラスは手に短剣を持ち、後を追っているかのように部屋に突進してくる。アイトラは飛び退き、カーテンの陰に身を隠して叫ぶ。) あっ! 妖精たち あっ! メネラス (取り乱して) 白い衣装にー乱れ髪ー なのに前より美しい あの時彼女は怖くて逃げ出したーそして美しい二つの腕を あのいまいましい姿に、絡めた! それは月明かりの下でパリスのように見えた。 私はあの二人にやはり一撃を振ったのだ! 私は呪われた男だ! 私は子供にも二度と会えないー おお 父も母もいない孤児(みなしご)よ! アイトラ (進み出て) スパルタの王よ、あなたは私の客人です! メネラス (すっかり取り乱し、血がついていると思って、短剣を急いでカーテンの後ろに隠そうとする。重苦しく独り言) 見知らぬ女ー恐怖の島 人殺しの館ー陰鬱な運命! アイトラ (侍女達に小声で) 蓮汁の壜を! この人には必要だわ。残酷な災いをすぐに忘れるために。 (侍女達はコップと壺を持ってきて、コップに注ぎ入れ、その飲物に壜から数滴垂らす。アイトラはメネラスに、座るように目くばせする。) メネラス 平和な客人として貴女の館でここに座れと?では貴女は、 貴女の館の敷居をまたいだのが誰か、ご存じないのか? アイトラ (もう一度目くばせし、メネラスは腰を下ろす。) 小さな声で! 絶世の美女の愛らしいまどろみを邪魔しないように。 奥でお休みです、 長旅でお疲れになって! メネラス 誰が! アイトラ 貴方の奥方が。 メネラス 誰のことを言っているのだ? アイトラ ヘレナに決まってるでしょう! 他に誰が? メネラス ヘレナが眠っているだって? (彼は跳び上がる。) アイトラ 奥の私のベッドで! ネメラス (独白) 心が引き裂かれる! 精神が錯乱する! 貴女の放った矢の レルナ(ギリシアのレルナ沼に住む七頭蛇)の毒が 体じゅうの血管に痛みを与える! ああ ほんの何時間か ほんの一瞬 その矢の先を 引き戻してくれ! 私にもう一度自分自身を 取り戻させてくれ 引き裂かれる前の 男としての幸せ! 神々よ、もう一度 もう一度自分自身を 哀れな私に 取り戻させてくれ! アイトラ (ためらいがちに言葉をはさんで) メネラスーあの日のことを覚えていますか、 3×3の9年前に、貴方は彼女を ほったらかしにしてー狩りに行ったことを? メネラス (彼女の言うことがよく分かり、腹を立て、暗い表情で) 貴女と言う人は! パリスとあの日のことは言わないでくれ! アイトラ お聞きなさい! 魔法にかけられたあの日から 貴方は一度もその目で奥方を見ていません! (メネラスは不意に両手を頭に上げる。) アイトラ (彼女も立ち上がり、メネラスのすぐ前に進む。) 気がつきなさい! あの若者があつかましくも大胆に 貴方の奥方に手を伸ばした時ー 神々は密かに貴方のことを気にかけていたのですー メネラス 気をつけろ、私が貴女に刑罰を加えないように! アイトラ 貴方の目つきはぞっとするわ、王様! このコップからお飲みなさい、 私と一緒に飲みましょう! (二人とも飲むが、アイトラはふりをするだけ。) 神々は密かに貴方のことを気にかけていたのです。 神々が彼の腕に抱かせたのは 幻影、おぼろげな亡霊、 神々はそうやって人間の男達をからかうのです! 妖精たち (目に見えない) 幻影、おぼろげな亡霊、 神々はそうやって人間の男達をからかう。 そう、そう、そう、そう! アイトラ その間、貴方の奥方を、あの無垢の美女を、 人里離れた場所に隠しました。 貴方から、世間から離れた所に! メネレス いかなる場所に? 口に出す前に 言葉には気をつけろ! (いっそう性急に) いかなる場所に? アイトラ アトラス山の麓にお城があります、 私の父がそこにいます。 強大な権力を持ち、恐れられている王です! 三人の娘がその城で成長しました、 三人とも魔法が使えます。 誇り高きサロメ、 美しいモルガーナ そして若きアイトラ! メネラス 用心しろ、女よ! アイトラ 私たちの館に貴方の奥方が連れて来られたのです! メネラス 用心しろ、女よ! アイトラ 貴方の腕に抱かれていると、思い込んで、 無邪気にまどろんで、 彼女は何年もその城に 私たちの所にいたのです。 その間、王座にいたのは 幻影です。 幻影が、プリアムスの娘たちの中の最高位となって 彼の立派な息子たちと情交を交わし 毎日毎日、世界の炎上を 英雄たちの死を楽しんでいたのです! メネラス ここで私の脅しに恐れなかったのはそれだというのか? アイトラ 幻影です! 妖精たち 幻影! アイトラ スズメバチです! 妖精たち スズメバチ!幻影!亡霊! メネラス ここに彼女は立っていた えもいわれぬ愛らしさで! アイトラ 幻影です! メネラス 幻影だって! アイトラ 亡霊です! メネラス 恐ろしい女だ! 貴女の言葉は恐ろしい、 そしてあらゆるトロイアの武器より強い! 貴女の微笑む口もとから出る 小刻みに震える息で、 貴女は私から彼女を完全に奪ってしまう! ああ、二度と彼女を見られないなんて、 私はなんて不幸な男だ! アイトラ (小声で) もし私が今、貴方の腕に彼女を抱かせたら、 貴方が彼女を失った 3×3の9年前に1年足して10年後に、 あのすばらしい聖女を、 あの永遠の処女を! メネラス もう一度彼女に会えるのか? アイトラ 彼女に会えます、 この目で! メネラス つまりあれは本当なのか、寂しい島の 洞窟に魔女たちが住んでいて、 そこにやって来た者には、 死んだ者の姿を見せてくれる! アイトラ 彼女に会えます! 準備はよろしいですか? メネラス (ひどく狼狽して) 私は何を見るのだろうか! 不幸な男よ! アイトラ 何を怖気づいているのですか? 準備はよろしいですね! メネラス 恐ろしい時間だ! アイトラ 準備はよろしいですね! メネラス 死者の国からー アイトラ 準備はよろしいですね! メネラス ぞっとする知らせ! アイトラ 準備はよろしいですね! メネラス 銅鑼の音が 鈍く響くのが聞こえる。 夜の霊たちが 死者たちを連れてくる! アイトラ 下で何が聴こえますか? 何かが貴方に新たに優しく魔法をかけるとでも? ご覧なさい、神々が貴方に用意してくれたものを! (彼女は目で合図する。部屋は暗くなり、左の部屋からだけ光が差し込む。カーテンが上り、大きなベッドの上で、光沢のあるブルーの衣装を着て、愛らしく眠り込んでいるヘレナの姿が見えるようになる。彼女は目を開ける。) 妖精たち (半数で) ああ、天使だ、 薄暗い中で動き回って、 奸策を弄する、哀れな我々妖精には まぶしすぎる! 妖精たち (残りの半数) ヒヒヒヒ、ヒヒヒヒ。 アイトラ (妖精たちに) お前たち、夜のろくでなしは お黙りなさい! 女主人の足元にひれ伏しなさい! (ヘレナはゆっくりベッドから起き上がり、輝くばかりの美しさで、眠りから覚める。) メネラス (目を向ける勇気がなく) 私は彼女を城に置き去りにして、 二度と思い出すことさえしなかった、 彼女は処女で、女王で、妻で、恋人だった! 彼方から明ける昼が、私の夜を明るくする! (ヘレナはベッドから降り、魅力的に驚いて周りを見回す。メネラスの横に立っていたアイトラは、音も立てずにヘレナに近寄る。彼女はメネラスに話すと見せかけて、実は彼女はヘレナに囁きかけている。) アイトラ アトラス山の麓に お城があります、 彼女はそこで眠っていましたー その間、王座にいたのは 幻影です。 スズメバチが 彼女と同じ姿になって プリアムスの城で 娘たちの中で 最高位に座っていましたー 三人の姉妹がヘレナの眠りを守っていました。 (その間にヘレナは完全にベッドから降り、メネラスの方に行くように見えるが、はにかみ、目を伏せ、足が鎖に繋がれているかのようだ。二人に向かって) 神々は選ばれた子供たちに思いがけないことをすることがあります! メネラス (震えながら) 彼女のことはずっと考えまいとしていた! ヘレナ (小声で、目を伏せて) 私は今でも以前のように望まれていまして? アイトラ (勝ち誇り、メネラスに向かって声をおさえて) 伏目がちのあの眼差しをご覧なさい! あの男に代償を払わせた 燃えるような瞳はどこ? 正直に彼女の虜になりなさい! 妖精たち おお 美女の中の美女ー (高らかに嘲りながら) それほど安易にお前は 神々と和解するのか? メネラス 何をしろと? 奴らは 私の心を粉々に引き裂く! 私をうっとりとさせ、 私を喜ばせ、 何をしろと? 奴らは私の心を二つに引き裂く! アイトラ (彼を彼女のほうに連れて行きながら) 聖女様です! メネラス 何をしろと? ヘレナ (心からはにかんで) あなたのものです! メネラス (痛々しげに) 何をしろと? 妖精たち (嘲りながら) おお 美女の中の美女ー アイトラ (せかして) 受け入れなさい! メネラス (胸苦しげに) 何をしろと? 妖精たち ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヘレナ (後ずさりして) 私はどうしたらいいの? アイトラ ためらわないで! メネラス 何を言えと? アイトラ 私たちは心を引き裂いたりしません! ヘレナ (心配そうに) 私は何て言えば? メネラス 奴らは私の心を二つに引き裂く! ヘレナ 彼の心を二つに引き裂く! 妖精たち 美女の中の美女ー それほど安易にお前は 神々と和解するのか? ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヘレナ (握っているアイトラの手を放して、脇に行って) あの人に構わないで!あの人は私を望んでいません! 妖精たち ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ メネラス お前は誰だ、永遠に若き女神のような そして私の妻に似た、生きもの? ヘレナ やめて! あの人は私を蔑んでいます。 (勝利の気持を隠して) あの人が愛しているのは別の人です! 妖精たち ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ メネラス (深く心を込めて、ヘレナに目を向けながら) お前の目に愛情を見るとはー 私はあの別の女のためにお前を捨てたのに? (ヘレナは彼に眼差しを向けて黙り込む。) アイトラ あんなに愛している彼に、応えてあげて! ヘレナ (心から) 私は、私を捨てた男なんて知りません、 私が知っているのは、 私が眠っている間、 私の夢の中で、 私を愛して、傍にいてくれた男だけ! メネラス お前は、お前を捨てた男を、 知らないというのかー お前が知っているのは、 お前を愛して、傍にいた男だけだと、 それはその男がお前を選んだから! ヘレナ (頭を彼の肩にもたせかけて) それはその方が私を選んだから! アイトラ 大急ぎで船の準備をして 二人を故郷に送りましょう! 妖精たち (からかいながら) 大急ぎで船の準備をして 二人を故郷に送りましょう! ハハハハ、ハハハハ! お芝居は終わりだ! (ヘレナはメネラスから離れると、アイトラの言葉に驚いて、アイトラの方に行く。) アイトラ (彼女の顔を見ながら) どうしたのー帰りたくないの? 妖精たち (間のびして尋ねる) どうしたのー帰りたくないの? ヘレナ (声をおさえて) あの館は怖いんです! 私は新しいものに惹かれ 古いものが怖いんです! 私を喜ばせてください、 私はあの人を引きとめておきたい! 妖精たち どうしたのー帰りたくないの? ヘレナ 誰も私達を知らない場所、 ヘレナの名が 鳥のさえずりのように ただの音にすぎず、 トロイアといっても 誰も耳にとめない場所、 ちょっとの間そこで 私たちは世間から身を隠す、 そんなこともおできになって? アイトラ (すばやく、声を抑えて) アトラス山の麓に オアシスがあります、 魔法の天幕を 私がそこに建ててあげますー ヘレナ どうやって行くの? アイトラ 私のベッドで あなた達が愛し合い 眠り込んだらー 私があなた達に マントを掛けてあげます! メネラス (歓喜と不安の中で、独白) 我々を動かし、 我々を喜ばせ、 彼女はその力で 我々の心を変える! アイトラ マントがあなた達を運びます、 そして明るく照らされた場所で、 あなた達は目を覚ますのです、 二人だけで! メネラス アトラス山の麓? 魔法の天幕? ヘレナ 愛しい魔法使いさん! 二人だけですって! メネラス (ヘレナをじっと見つめて) 突然現れた神々よ! 私に自分を取り戻させてください、 私に若さをください、 今すぐ返してください、 私がためらうことなく この突然の幸せを 享受できるように! アイトラ (ヘレナに) ごく必要なものだけ この長持に入れなさい、 一緒に送ってあげます! (小声で) とりわけこの壜、 甘い忘却の媚薬、 この蓮汁の壜には 感謝しなければいけません! もしかしたらもう数滴 必要になるかもしれません。 (意味深長に) 時として 彼の飲物にあるいは 貴女の飲物に数滴ー メネラス 彼女らの囁き合いの愛らしいこと! 魅惑的な女たちだ、 彼女らの眼差しの利発なこと! アイトラ ーそうして嫌なことは すっかり忘れて 明るい住まいの下で 静かに暮らすのです 永遠に! ヘレナ (祈りを唱えるように彼女と一緒に) そうして嫌なことは 地中の奥深く 明るい住まいの下に 葬られるのです 永遠に! メネラス (独白) おお 私の娘よ、 幸運な子よ! なんという母親を なんという姉を 私はお前に連れて帰ることか! (ヘレナは寝室に入り、そこからメネラスの方を見回す。メネラスは彼女の傍で、跪き、頭を彼女の膝に押し付ける。彼女は彼を引き上げる。寝室のカーテンが引かれて、彼らの姿が見えなくなる。中央の部屋に侍女が音をたてずに入っていく。アイトラは侍女に、灯りを消すように目くばせする。アイトラは、王座の前にある黒い魔法のマントを取る。中央の部屋の灯りが消え、寝室の灯りも消える。) 妖精たち (姿は見えず、静かに、しかし意地悪く) 永遠に! ハハハハ! 高貴な人間ども! 最高のものを隠すなんて、 ハハハハ、 そんなことはあってはならない! (アイトラは、マントを手にして、まだ躊躇しているように見える。彼女は月明かりでおぼろに照らされている。右隣の部屋は薄明りで侍女が見える。侍女は長持に衣服を入れる。最も貴重なものの中に、黄金の容器に密閉した、あの壜がある。) アイトラ (足を踏み鳴らし) もそろそろう静かにしたらどう? (アイトラは、全てが静まり返るまで、ひとしきり待つ。侍女も長持に鍵をかけると腕枕で眠ってしまう。アイトラはマントを揺すりながら、寝室の方に向かう。) (幕) ERSTER AUFZUG Gemach in Aithras Palast. Ein Ausgang ins Freie, nicht in der Mitte des Hintergrundes, sondern seitlich rechts. Zur Linken ein Tisch, schön gedeckt für zwei, zwei thronartige Stühle dabei. In der Mitte auf einem Dreifuss die alleswissende Muschel. An der rechten Seitenwand ein Thronsessel, auf dem Aithra sitzt - vor ihr auf einem niedrigen schemelartigen Stuhl die Dienerin, auf einer Harfe spielend. Draussen ist Nacht. Das Gemach ist schön erleuchtet AITHRA steht auf Das Mahl ist gerichtet, die Nacht schwebt nieder, wo ist mein Geliebter? Er lässt mich allein. Ich laure er kommt nicht - Ich traure wo. bist du? O lass nicht so lange die junge, die bange Geliebte allein! Die Nacht sinkt nieder, lass heute nicht wieder, Poseidon, die Freundin allein! Wo bist du, Poseidon, zart wo bist du? ungeduldig Wo ist er denn? MUSCHEL Drei Tauben schweben glänzend wie Perlen fern überm Meer. Sie grüssen dich von Poseidon und versichern mit sanftem Girren seine Liebe, seine Treue, seine Sehnsucht immer auf s neue! AITHRA O du Lügnerin! Einmal sind es Reisende, einmal Delphine, einmal Tauben! MUSCHEL Seine Liebe, seine Treue immer aufs neue! AITHRA heftig Antworte mir ohne Umschweife wo ist Poseidon? MUSCHEL sehr feierlich Bei den Äthiopen! AITHRA zornig Bei den Äthiopen? DIENERIN Ich laufe um das Fläschchen mit dem Lotossaft. AITHRA traurig Ach, eine Zauberin sein und so ohnmächtig gegen den stärkeren Zaubrer! DIENERIN Ich laufe und hole das Fläschchen! AITHRA Ich will nicht! DIENERIN Du brauchst es! AITHRA Ich will nicht! DIENERIN Es wird dich beruhigen. AITHRA Ich will nicht! DIENERIN Du brauchst es! AITHRA Ich will nicht! DIENERIN Dann wühlet kein Schmerz durch die Adern! AITHRA Ich will nicht! DIENERIN Dann stillet sich innen das Hadern! AITHRA Ich will nicht! DIENERIN leise und sehr deutlich Ein halbes Vergessen wird sanftes Erinnern; du fühlest im Innern dir wiedergegeben den göttlichen Mann! Aithra setzt sich zu Tisch, kindhaft junge Mädchen schweben auf den Fussspitzen herein und bedienen sie AITHRA Ich will nicht betäubt sein, ich will mich zerstreuen! Ich will Gesellschaft haben! Für was ist mir denn Gewalt gegeben, jeden Sturm zu entfesseln, jedes Schiff an die Klippen zu reissen! MUSCHEL Der Mann steht auf, er ist der einzige an Bord, der nicht schläft. DIENERIN kopfschüttelnd "Der Mann steht auf!"" Sie sieht ein Schiff mit schlafenden Leuten. MUSCHEL Er weckt einen von den Schläfern auf - DIENERIN von den Schläfern""" MUSCHEL und gibt dem das Steuer in die Hand - DIENERIN gibt dem das Steuer in die Hand MUSCHEL Er selber steigt hinunter in den Schiffsraum. DIENERIN Er steigt hinunter in den Schiffsraum. AITHRA hält im Essen inne Von wem erzählt sie? DIENERIN Sie sieht ein Schiff mit schlafenden Leuten. MUSCHEL Jetzt ist er unten. Die Schlafende regt sich. Die Schlafende ist von allen Frauen der Welt die Schönste! AITHRA Warum gleich die Schönste! Wer kann das entscheiden? MUSCHEL Er beugt,sich zu ihr, er will sie küssen! AITHRA Eine schöne Frau, gut! DIENERIN Der Mann auf dem Schiff will die Schlafende, die seine Frau ist, küssen. AITHRA Und das ist alles? MUSCHEL Nein! Jetzt holt er - AITHRA nicht sehr gespannt Was holt er? MUSCHEL Er greift mit der Linken ein Tuch - DIENERIN ein Tuch, MUSCHEL das will er über ihr Gesicht werfen - DIENERIN über ihr Gesicht MUSCHEL denn in der Rechten hält er einen Dolch - er will sie töten. DIENERIN Er greift mit der Linken ein Tuch - MUSCHEL Aithra, hilf doch! Der Mann ermordet die Frau! DIENERIN Aithra, hilf doch der Mann auf dem Schiff ermordet seine Frau! AITHRA aufspringend Wie denn? Was soll ich? Wer sind denn die Leute? MUSCHEL Helena ist es! Helena von Troja! Und er ist Menelas! Schnell! Er schleicht sich näher! Verdeckt er ihr mit dem Tuch das Gesicht, so ist sie verloren! DIENERIN Schnell! Er schleicht sich näher. Gleich ist sie verloren! AITHRA Sause hin, Sturm! Flieg hin wie der Blitz! Wirf dich auf das Schiff! Rede, was siehst du? MUSCHEL Der Sturm hat das Schiff! Er hat es! Er hat es! Die Masten splittern! Die Schlafenden taumeln drunter und drüber. Weh! Sie scheitern. DIENERIN Sie scheitern! AITHRA Und die Frau? Und der Mann? Hat er sie ermordet, der Teufel? MUSCHEL Sie schwimmen! Da - er trägt sie. Befiehl doch Ruhe, lass alle sich retten! AITHRA Wer trägt wen? Legt euch, Wellen! MUSCHEL Menelas trägt Helena hoch in den Armen! Die brandenden Wellen machen ihm Platz und er schwingt sich ans Land. AITHRA Leg dich, Sturm, zu meinen Füssen! Hier ganz still! ― Eine Fackel, ihnen den Weg zu zeigen. Die Dienerin packt eine Fackel, läuft hinaus. Der Sturm legt sich gänzlich Ist es wirklich Helena? Die berühmte? So ist denn Troja gefallen! Und ich soll hier sie empfangen? In meinem Haus? Mit ihr reden? Mit Helena von Troja! Mit der berühmtesten, der gefährlichsten, der herrlichsten Frau der Welt. Was wir sahen, da wir sehnten träumend uns aus uns hinaus, einmal kommt es, nächtig prächtig, unversehens uns ins Haus! Aithra zieht sich langsam zurück in ein Seitengemach nach rechts, wo sie aber dem Zuschauer sichtbar bleibt. Das Gemach bleibt einen Augenblick leer, dann kommt die Dienerin gelaufen, voran leuchtend, hinter ihr ein leicht gewappneter schöner Mann, der einen gekrümmten Dolch im Munde trägt und an der Hand eine sehr schöne Frau mehr hinter sich dreinreisst als führt, deren üppiges goldblondes Haar aufgegangen ist. Die Dienerin verschwindet. Helena erblickt einen Spiegel, geht hin und steckt unbefangen ihr Haar auf. Menelas sieht sich um, befangen wie ein Mensch, der aus Finsternis ans Licht und aus Todesgefahr in ein schön erleuchtetes Zimmer kommt; dann legt er den Dolch, der schon nicht mehr zwischen den Zähnen, sondern in seiner Hand ist, auf den Dreifuss nächst der Muschel hin MENELAS Wo bin ich? Was ist das für ein Haus? HELENA sofort Herrin der Lage Ein Feuer brennt. Ein Tisch ist gedeckt. Will nicht mein Gemahl mit mir sitzen und essen? MENELAS leise und beklommen Was haben die Götter mir zubereitet? HELENA Schön glänzt der Saal, zwei Throne stehen. Ein König und eine Königin sind hier erwartet. Setzen wir uns! MENELAS für sich Nie werden wir beide zusammen essen. HELENA Der Mann und die Frau - so ward ich gelehrt, teilen den Tisch und teilen das Lager. MENELAS Dein Lager war zuunterst im Schiff, meines war droben unter den Sternen zehn Nächte lang. HELENA lächelnd Doch heute nacht war dir das zur Last. Du kamst herab mit leisen Tritten - MENELAS erstaunt Du schliefest nicht? HELENA leidenschaftlich War ich s nicht, die dich nicht schlafen liess? MENELAS schmerzlich Du warst es! beiseite Ahnt sie, was ich ihr antat ohne den Sturm? Oder ist sie ganz arglos? Er tritt von ihr weg AITHRA Ein gräulicher Mann! Wie er sich bitten lässt zu etwas Schönem! HELENA Wohin trittst du? Willst du noch einmal von mir weggehn? Lieber, das fruchtet doch nichts. AITHRA Es ist nicht zu begreifen! HELENA Dir ist auferlegt, mich nicht zu verlassen, und mir ist verhängt, zurückzukehren in deine Arme, und so ist es geschehn! Sag doch, ob je in all diesen Jahren dein Wünschen gelassen hat von mir nur für eine Stunde? Menelas sieht zu Boden Du schweigest. Siehst du? MENELAS qualvoll Helena! HELENA mit voller Liebe Menelas! Sie tritt ihm entgegen, er weicht fast schaudernd zurück Helena ist dem Tisch näher getreten. Eine zarte, kindhafte Mädchengestalt schwebt auf Fussspitzen hinter dem Tisch hervor, füllt aus einem Mischkrug eine flache Trinkschale, bietet sie Helena dar HELENA ergreift die Schale, tritt mit ihr auf Menelas zu Bei jener Nacht, der keuschen einzig einen, die einmal kam, auf ewig uns zu einen; bei jenen fürchterlichen Nächten, da du im Zelte dich nach mir verzehrtest; bei jener Flammennacht, da du mich zu dir rissest und mich zu küssen doch dir hart verwehrtest, und bei der heutigen endlich, da du kamest, mich jäh und zart aus allem Schrecknis nahmest bei ihr, die mich aufs neu dir schenkt, trink hier, wo meine Lippe sich getränkt! Sie berührt mit den Lippen den Rand der Schale, reicht diese dann Menelas MENELAS finster Ein Becher war süsser als dieser, herrlich gebildet, aus dem trank Paris, und nach seinem Tod seiner Brüder viele. sehr bitter Du warst eine Schwägerin ohnegleichen! HELENA Aber du bist der Beglückte, denn sie alle sind tot - und du bist mein Herr! So nimm die Feige, darein ich drücke die Spur meiner Lippen, und freue dich! Das kleine Mädchen, das die Früchte gereicht hat, tanzt ab MENELAS grausam bitter Zu viele, Helena, haben gekostet von der herrlichen Frucht, die du anbietest! HELENA Hast du aber von einem gehört, der ihrer satt ward? MENELAS Heute nacht trat ich zu dir, dort, wo du schliefest, um dich zu itöten! HELENA lächelnd und bezaubernd Weil du nur so und nicht anders glaubst zu empf angen mein letztes Geheimnis darum meine Züge willst du gewahren zauberisch zärtlich im Tode verzerrt? O Liebender, du ohne Mass und Grenzen! MENELAS ergreift den gekrümmten Dolch und bringt ihn ihr vor die Augen Kennst du die gekrümmte Waffe? HELENA sehr ruhig Als Paris vor dir lag und fleht` um sein Leben, entrissest du ihm den krummen Dolch - ich kenn` ihn recht wohl - ausbrechend und mit der eignen Waffe durchschnittest du ihm die lebendige Kehle! leise Als Paris starb unter deinem Stahl, den Tag wusstest du wieder, dass du mir gehörtest, und ich - ich gehöre dir! MENELAS nun fest entschlossen zur Tat Helena! Merke zuletzt meine Rede! Merke Einem gehört ein Weib - und ich will meine Tochter so aufziehn - HELENA unerschüttert Deine? Ich denke, sie ist auch die meine! MENELAS ohne sich beirren zu lassen So auf ziehn will ich meine Tochter dass sie sich der Mutter nicht braucht zu schämen! Denn für eine Tote errötet man nicht. HELENA mit unbesiegbarer Kraft Menelas, merke zuletzt meine Rede! Einem gehört ein Weib und so bin ich die deine! Dich hab- ich gewählt aus dreissig Freiern, mutigen, schönen! HELENA Sieh mir ins Gesicht - und lass alles, was war, alles, alles, ausser diesem, dass ich dein bin! MENELAS Ich war nicht der erste der Helden und nicht der zweite - HELENA Vergiss den bösen Traum, wach auf bei deiner Frau! MENELAS Warum hast du mich gewählt zu solchem Leiden? Hab ich im Traum Troj a verbrannt? HELENA Lasse, was war, und küsse mich wieder! MENELAS für sich Nimmer darf das Kind sie sehn! HELENA In deinen Armen bring mich heim! MENELAS Bewahret mich rein, ihr oberen Götter! HELENA Helfet dem Weibe, ihr unteren dunklen! MENELAS Helfet, was sein muss, mir zu vollenden! HELENA Erde und Nacht, Mond und Meer, helf et mir jetzt! MENELAS Erde und Nacht, Mond und Meer, weichet hinweg! HELENA und MENELAS Erde und Nacht, Mond und Meer, MENELAS helfet, was sein muss, mir zu vollenden! Bewahret mich rein, ihr oberen Götter! Helfet, was sein muss, mir zu vollenden! HELENA Helfet dem Weibe, ihr unteren dunklen! Wach auf bei deiner Frau! In deinen Armen bringe mich heim! HELENA und MENELAS Erde und Nacht, Mond und Meer, HELENA helfet mir jetzt! MENELAS Weichet hinweg! Die Lichter verdunkeln sich, nur der Mond fällt von draussen herein. Ein Strahl trifft Helenas Antlitz. Menelas - den Dolch erhoben, sie in die Kehle zu treffen, steht wie gebannt vor ihrer Schönheit. Sein Arm mit der Waffe sinkt AITHRA beschwörend Ihr, grünen Augen im weissen Gesicht, die ihr lauernd listig euch pappelnd vermummt, Nachtelf en ihr, lüstern Lebendiges zu euch zu ziehn, ich hab hier im Haus einen heissen Kerl, einen rechten Raufbold, den schafft mir vom Leib! Vor Aithra erscheint flüchtig ein und der andre Elf, gleichsam um ihre Befehle entgegenzunehmen, und verschwindet ebenso rasch Mit Lärm einer Schlacht bestürmt ihm den Kopf, narret ihn fest! Lasst ihn anlaufen an zwanzig Bäume, sein Schwert in der Hand. Dreht ihn! Drillt ihn! Zwinkert und zwitschert! Dreht ihn! Drillt ihn! Belfert und balzt, schnattert und schnaubt, drommetet und trommelt! Hudelt ihn! Hetzt ihn! Flitz, flitz, flitz 1 Die Rückwand des Hauses wird durchsichtig, man erblickt das Treiben der Elfen, von denen einzelne sich als Krieger verkleiden, Helme aufsetzen, Schilde und Speere schwingen HELENA Ohne Zaudern töte mich denn! MENELAS Wie liebliches Weh noch in dieser Gebärde die süsse Kehle gedehnt wie dürstend dem Eisen entgegen! Abermals anspringend, hält er abermals inne HELENA Nimm mich ins Messer! Nimm mich, Liebster! DIE ELFEN teilweise unsichtbar Mit Lärm einer Schlacht bestürmt seinen Kopf! MENELAS Wie ist mir? DIE ELFEN Drommetet und trommelt! MENELAS Was hör ich? DIE ELFEN Paris hier! Mit Lärm einer Schlacht bestürmt seinen Kopf! Haltet ihn fest. MENELAS Wer ruft? Was für Waffen? DIE ELFEN Paris hier! Hier steht Paris! MENELAS Paris hier? HELENA dringender Was dein Herz begehrt, tu endlich mit mir! MENELAS verwirrt Auch ins Messer fällst du noch so? Auch der Stich in den Hals wird zärtlich sein? DIE ELFEN Paris! MENELAS Paris? DIE ELFEN Hier steht Paris! MENELAS Hier steht Paris? Den Feldruf hör ich! Gehn die Toten hier um und rufen und wollen noch einmal erschlagen sein? DIE ELFEN ganz nahe Helena will ich wieder gewinnen! MENELAS Hier steht Menelas und dein Tod! Steh mir, Gespenst! Er stürzt ab ins Freie DIE ELFEN Hahahahahahaha,hahahaha! Paris hier! Hahahahahahaha,hahahaha! verschwindend Paris hier! Hahahahahahaha,hahahaha! Helena wankt nun todmüde auf den Thron der Aithra und fällt dort mehr zusammen, als dass sie sich setzt. Aithra tritt hervor. Helena, bei ihrem Anblick, will aufstehen AITHRA Bleib sitzen! Schone dich! Sie setzt sich auf den niedrigen Sessel HELENA Wer bist du? Wem ist dies Haus? AITHRA Du bist in Poseidons Haus, Helena, und bist mein Gast! Doch lass uns keine Minute verlieren! Ich werde dich retten, ich bin deine Freundin! In wenigen Augenblicken kehrt der Fürchterliche zurück. Oh, wie ich ihn hasse! HELENA steht auf, späht hinaus Oh, wie ich ihn liebe! MUSCHEL lacht Menelas! Jetzt läuft er wie ein Toller einem Nebelschwaden nach, den er für Helena hält! HELENA Troja ist dahin - und jetzt gehöre ich ihm! DIE ELFEN Ha, ha, ha, ha, ha, ha, ha! Hetzt ihn auf s neu! Jagt ihn im Kreis um sich selber herum! Helena hier! Paris da! Ha, ha, ha, ha, ha, ha, ha! AITHRA Du bist durchnässt, meinst du zu trocknen bedarf es des Feuers? Ich trockne dich mit meinen Augen! HELENA sieht Aithra lächelnd an Wie sanfte Wärme mich durchdringt! AITHRA Die lieblichen Wangen so entstellt vom Salz des Meeres! Sie streicht ihr die Wange HELENA Wie du mich anrührst! AITHRA Ohne Glanz die Haare! Meinst du, ich brauche Salben und Öl, damit sie dir leuchten? Sie streift leicht über Helenas Haar HELENA vor dem Spiegel, den auf Aithras Wink die Mädchen herangebracht haben Wie ich erglänze! AITHRA entzückt Allerschönste! HELENA Beste! Was hast du aus mir gemacht? AITHRA Dein herrliches Wesen zurück dir gebracht. HELENA nachdem sie sich abermals an dem eigenen Spiegelbild geweidet Was machst du aus mir? So sah die aus, die Menelas in seine Brautkammer trug. Bin ich so jung und soll sterben? AITHRA mit der Trinkschale Nicht sterben! Leben! Leben! Schnell! Trinke! HELENA nimmt die Schale Wer bist du? DIENERIN ganz leise, nur hauchend Ein halbes Vergessen bringt sanftes Erinnern. HELENA Was ist das für ein Trank? DIENERIN leise Du fühlest im Innern dir wiedergegeben dein unschuldig Leben - HELENA für sich, leise Wie ist mir auf einmal? Wohin schwindet meine Angst? DIENERIN und wie du dich fühlest, so bist du fortan! AITHRA Wie die Nacht aus deinen Augen schwindet! HELENA Wer bist du? AITHRA Deine unbedeutende Freundin Aithra! HELENA Zauberin! AITHRA Schönste! Sie fassen einander bei den Händen AITHRA und HELENA Stärker als Krieger, reicher als Könige sind zwei Frauen, die sich vertrauen! HELENA tritt noch einmal vor den Spiegel, dann wendet sie sich beseligt Wer tötet Helena, wenn er sie ansieht? Aithra betrachtet sie voller Bewunderung Wie leicht wird alles! AITHRA Recht so! Trinke! Und vergiss deine Angst! Sie reicht ihr abermals die Schale HELENA nachdem sie getrunken, fröhlich wie ein Kind Menelas! Warum denn mich töten? Sie schwankt wie schlaftrunken, die kleinen Mädchen drücken sich an sie und stützen sie Schlafen! - Mich schläfert - Schläfst du neben mir, Liebster? AITHRA Wie stell ich‘s an, sie zu retten? Muschel, wo ist er? MUSCHEL Ganz nahe! HELENA Ich hab s gehört - schon in halben Schlaf hinein - wie ein Schlummerliedchen Ganz nahe schon schwebt mir ein unschuldig Glück. Gebt acht ich entschwinde! Nein, lasset ich finde schon wieder zurück! Sie schliesst, auf die Kleinen gestützt, die Augen. DIENERIN an der Tür hinausspähend Der Nebelstreif flattert vor ihm! Hierher zu! Auf das Haus! Er mit dem Schwert hinterdrein! Er kommt! DIE ELFEN Ha, ha, ha, ha, ha, ha, ha, Narret ihn fest, Ha, ha, ha, ha, jagt ihn im Kreis um sich selber herum! AITHRA Leget sie auf mein Bett! Und kleidet sie im Schlaf in mein schönstes Kleid! In das blaue! Fort! Alle fort! Die Kinder schweben mit Helena ab ins linke Gemach. Menelas, den Dolch in der Faust, kommt von aussen hereingestürzt als ein Verfolgender. Aithra springt ihm aus dem Weg, birgt sich in den Vorhängen und schreit Ai! DIE ELFEN Ai! MENELAS verstört vor sich hin Im weissen Gewand - zerrüttet das Haar - und doch schöner als je flüchtete sie in Angst - und warf zwei herrliche Arme - um eine verfluchte Gestalt, die im Mondlicht aussah wie Paris! Mit einem Streich doch traf ich die beiden! Ich Verfluchter! Auch mein Kind seh ich nicht wieder - O Waise ohne Vater und Mutter! AITHRA tritt hervor Fürst von Sparta, du bist mein Gast! MENELAS völlig verstört, sucht eilig den, wie er meint, blutigen Dolch unter dem Vorhang zu verbergen. Dumpf und vor sich hin Fremdes Weib - Insel der Schrecken! Mörderisch Haus! - Graues Geschick! AITHRA leise zu den Dienerinnen Das Lotosfläschchen! Er hat es nötig! Schnelles Vergessen grässlichen Übels! Die Dienerinnen bringen den Becher und den Mischkrug, giessen ein, träufeln aus dem Fläschchen in den Trank. Aithra winkt Menelas, den niedrigen Sitz einzunehmen MENELAS Hier sitzen bei dir als ein friedlicher Gast? So weisst du nicht, wer deine Schwelle betrat? AITHRA winkt ihm nochmals, er setzt sich Leise! Nicht störe den lieblichen Schlummer der schönsten Frau sie schläft da innen ermüdet von einer langen Reise! MENELAS Wer? AITHRA Deine Frau. MENELAS Du redest von wem? AITHRA Von Helena doch! Von wem denn sonst? MENELAS Die schliefe? Er springt auf AITHRA Da innen auf meinem Lager! MENELAS für sich Zerspalten das Herz! Zerrüttet der Sinn! Weh in den Adern, weh eurer Pfeile lernäisches Gift! Ach nur für Stunden, für wenige Augenblicke ziehet die Spitzen der Pfeile zurück! Gebt mir mich selber, mein einig Wesen der unzerspaltenen Mannheit Glück! O gebt, ihr Götter, o gebt mir mich selber, gebet mir Armen mich selber zurück! AITHRA zögernd einsetzend Menelas - gedenkst du des Tages vor dreimal drei Jahren, da du sie verliessest - und zogest zur Jagd? MENELAS sie völlig verstehend, mit zornig verfinsterter Miene Du! Sprich nicht von Paris und jenem Tage! AITHRA Höre! Seit jenem verwunschenen Tage hast du deine Frau mit Augen nicht wieder gesehn! Menelas hebt jäh die Hände über seinen Kopf AITHRA steht auch auf, tritt dicht vor ihn Merke! Als jener frech und verwegen ausreckte die Hand nach deinem Weibe - heimlich sorgten die Götter um dich - MENELAS Hüte dich Weib, dass ich dich nicht strafe! AITHRA Furchtbar sind deine Blicke, Fürst! Trinke hier aus diesem Becher, trinke mit mir! Sie trinken beide, Aithra nur zum Schein Heimlich sorgten die Götter um dich In die Arme legten sie ihm ein Luftgebild, ein duftig Gespenst, womit sie narren die sterblichen Männer! DIE ELFEN unsichtbar Ein Luftgebild, ein duftig Gespenst, womit Götter narren die sterblichen Männer, ja ja, ja ja, ja ja, ja ja! AITHRA Dein Weib indessen, die schuldlose Schöne, verbargen sie an entlegenem Ort vor dir und der Welt! MENELAS An welcher Stätte? Achte die Worte, bevor du sie redest! noch dringender An welcher Stätte? AITHRA Am Hang des Atlas steht eine Burg, mein Vater sitzt dort ein gewaltiger Herr und gefürchteter König! Drei Töchter wuchsen im Hause auf, zauberkundig alle drei Salome, die stolze, die schöne Morgana und Aithra, die junge! MENELAS Hüte dich, Weib! AITHRA Zu uns ins Haus brachten sie schwebend deine Frau! MENELAS Hüte dich, Weib! AITHRA Schuldlos schlummernd, wähnend, sie liege in deinen Armen, lag sie bei uns die Jahre im Haus. Dieweilen thronte das Luftgespenst zuoberst unter Priamus Töchtern und buhlte mit seinen herrlichen Söhnen und freute sich am Brande der Welt und am Tc de der Helden Tag f ür Tag! MENELAS Die, welche hier meinem Drohen trotzte? AITHRA Ein Luftgebild! DIE ELFEN Ein Luftgebild! AITHRA Die Wespe die! DIE ELFEN Die Wespe,die! Ein Luftgebild! Ein Gespenst! MENELAS Hier noch stand sie unsagbar lieblich! AITHRA Ein Luftgebild! MENELAS Ein Luftgebild! AITHRA Ein Gespenst! MENELAS Furchtbares Weib! Deine Worte sind furchtbar und stärker als alle trojanischen Waffen! Du raubst sie mir völlig mit zitterndem Hauch aus lächelndem Munde! weh, nun erblick ich sie nimmer wieder, ich ganz unseliger Mann! AITHRA leise Wenn ich sie nun in die Arme dir lege, die du verloren vor dreimal drei Jahren und einem Jahre - Die herrliche Reine, die Unberührte! MENELAS Ich werde sie sehn? AITHRA Du wirst sie sehn, mit diesen Augen! MENELAS So ist es wahr es wohnen in Höhlen auf einsamer Insel Zauberinnen, die zeigendem, der zu ihnen dringt, die Bilder der Toten! AITHRA Du wirst sie sehn! Bereite dich! MENELAS in grösster Verwirrung Was werde ich sehn! Unseliger Mann! AITHRA Was ficht dich an? Bereite,dich! MENELAS O furchtbare Stunde! AITHRA Bereite dich! MENELAS Vom Reiche der Toten - AITHRA Bereite dich! MENELAS grässliche Kunde! AITHRA Bereiteclich! MENELAS Ich höre Becken dumpf geschlagen, Nachtgeister bringen die Tote getragen! AITHRA Was horchst du hinunter? Zärtlich verzaubert dich was denn aufs neue? Sieh hin, was dir die Götter bereiten! Sie winkt. Das Hauptgemach verfinstert sich, und nur aus dem Gemach zur Linken dringt eine Helle hervor. Die Vorhänge heben sich, und auf einem breiten Lager wird Helena sichtbar, lieblich entschlummert, in einem strahlend blauen Gewand. Sie öffnet die Augen ELFEN 1. Hälfte O Engel, für Elfen arglistig arme, die zwinkern im Zwielicht - allzu herrlich! ELFEN 2. Hälfte Hi hi hi hi, hi hi hi hi. AITHRA zu den Elfen Ihr Nachtgesindel schweigt nun schon! Schmiegt euch zuFüssen der Herrin! Helena hebt sich langsam vom Lager, vom Schlaf erquickt, in strahlender Schönheit MENELAS der kaum wagt, hinzusehen Die ich zurückliess auf meinem Berge, die ich zu denken nie gewagt, die Jungfrau, die Fürstin, die Gattin, die Freundin! O Tag aus dem jenseits, der nächtlich mir tagt! Helena steigt vom Lager herab, mit reizendem Staunen blickt sie um sich. Aithra, die neben Menelas stand, gleitet lautlos zu Helena hinüber; was sie sagt, ist zum Schein zu Menelas gesprochen, in der Tat flüstert sie es Helena ein AITHRA Am Hang des Atlas steht eine Burg, da lag sie und schlief - dieweilen thronte das Luftgespenst, ihr gleichgebildet, die Wespe die, auf Priamus Burg und sag zu oberst unter den Töchtern - drei Schwestern hüteten Helenas Schlaf. Helena ist währenddem vollends herabgestiegen. Es scheint, als ginge sie auf Menelas zu, aber scheu, mit gesenktem Blick und wie mit gefesselten Füssen. Zu beiden Nie Erahntes bereiten die Götter ihren erwählten herrlichen Kindern! MENELAS bebend Die zu denken ich mir verwehrte! HELENA leise, mit gesenkten Augen Bin ich noch immer die einstens Begehrte? AITHRA triumphierend und halblaut zu Menelas Sieh doch den Blick zur Erde gesenkt! Wo ist nun das brennende Auge jener, die vom Manne gekostet? Wage doch endlich bezaubert zu sein! DIE ELFEN O Schönste der Schönen - Ganz hoch, höhnend so billig willst du die Götter versöhnen? MENELAS Was tun? Sie reissen das Herz mir in Stücken! Mit ihrem Entrücken, mit ihrem Beglücken was tun? Sie reissen das Herz mir entzwei! AITHRA ihm Helena zuführend Die Reine! MENELAS Was tun? HELENA innig scheu Die Deine! MENELAS leidvoll Was tun? DIE ELFEN höhnend O Schönste der Schönen - AITHRA dringender Empfange! MENELAS beklommen Was tun? ELFEN chi chi chi chi chi chi chi chi HELENA zurückweichend Wie darf ich? AITHRA Nicht zage! MENELAS Was sagen? AITHRA Wir reissen das Herz nicht entzwei! HELENA angstvoll Was sag ich? MENELAS Sie reissen das Herz mir entzwei! HELENA Und reisse das Herz ihm entzwei! DIE ELFEN O Schönste der Schönen - so billig willst du die Götter versöhnen? chi chi chi chi chi chi chi chi chi chi HELENA zur Seite tretend, sich von Aithra, die ihre Hand ergriffen hat, lösend Lass ihn! Er will mich nicht! ELFEN chi chi chi chi chi chi chi chi chi chi MENELAS Wer bist du, Wesen, das einer ewig jungen Göttin gleicht - und meiner Frau? HELENA Lass ab! Er verschmäht mich. mit verhohlenem Triumph Er liebt jene andre! ELFEN chi chi chi chi chi chi chi chi MENELAS die Augen zu Helena hebend, mit tiefster Innigkeit Wie gewänne ich Gunst in deinen Augen - da ich um jener willen dich verliess? Helena wirft ihm einen Blick zu und schweigt AITHRA Antworte ihm, der so liebt! HELENA sehr innig Ich weiss von keinem, der mich verliess, nur von einem, der liebend bei mir war in meinen Träumen, indessen ich schlief! MENELAS So weisst du von keinem, der dich verliess - nur von einem, der liebend bei dir war, weil er dich erwählte! HELENA drückt ihren Kopf an seine Schulter Weil er mich erwählte! AITHRA Schnell nun rüst ich das Schiff und schicke euch heim! DIE ELFEN spottend Nun rüstet das Schiff und schicket sie heim! ha ha ha ha, ha ha ha ha! Das Spiel ist aus! Nachdem Helena sich von Menelas gelöst hat, geht sie, erschrocken über Aithras Wort, auf diese zu AITHRA ihr ins Gesicht sehend Wie - oder nicht? DIE ELFEN sehr gedehnt fragend Wie - oder nicht? HELENA halblaut Mir bangt vor dem Haus! Verzaubert im Neuen mir bangt vor dem Alten! Lass mich mich freuen, lass mich ihn halten! ELFEN Wie - oder nicht? HELENA Wo niemand uns kennt, wo Helenas Name ein leerer Hauch wie Vogellaut, wo von Troja nie kein Ohr vernahm, dort birg uns der Welt für kurze Frist, vermagst du das auch? AITHRA schnell, halblaut Zu Füssen des Atlas liegt eine Oase ein zauberisch Zelt bau ich euch dort - HELENA Und wie die Fahrt? AITHRA Auf meinem Bette ihr legt euch liebend und schlummert ein - den Mantel werf ich über euch! MENELAS für sich, zwischen Jubel und Beklommenheit Mit ihrem Entrücken, mit ihrem Beglücken sie wenden mit Händen das Herz in der Brust! AITHRA Der Mantel trägt euch, und ihr erwacht am erleuchteten Ort zu zweien allein! MENELAS Zu Füssen des Atlas? Ein zauberisch Zelt? HELENA Zauberin! Liebste, zu zweien allein! MENELAS mit den Augen an Helena hängend Ihr jähen Götter! nun gebt mir mich selber, nun gebt mir die Jugend, schnell gebt sie zurück, damit ohne Zagen ich wage zu tragen dies jähe Glück! AITHRA zu Helena Das Nötigste nur in eine Truhe, ich schicke es mit! leise Das Fläschchen vor allem, Lotos, der liebliche Trank des Vergessens, dem alles wir danken! Vielleicht bedarf es etlicher Tropfen bedeutungsvoll von Zeit zu Zeit in seinem Trank oder in deinen - MENELAS Wie lieblich sie flüstern, die reizenden Frauen, wie klug sie blicken! AITHRA ― damit das Böse vergessen bleibe und ruhe unter der lichten Schwelle auf ewige Zeit! HELENA mit ihr wie ein Gebet Damit das Böse darunten bleibe vergraben unter der lichten Schwelle auf ewige Zeit! MENELAS für sich O meine Tochter, glückliches Kind! Welch eine Mutter, welch eine Schwester bring ich dir heim! Helena tritt auf die Schwelle vom Schlafgemach und blickt von dort nach Menelas um. Menelas ist bei ihr, kniet nieder, drüclct den Kopf an ihr Knie. Sie zieht ihn zu sich empor. Der Vorhang zum Schlafgemach entzieht sie den Blicken. Im Hauptgemaah ist lautlos die Dienerin eingetreten. Aithra winkt ihr, die Lichter zu löschen. Sie ergreift den schwarzen Zaubermantel, der vor ihrem Thron liegt. Im Hauptgemach erlöschen die Lichter, so auch im Schlafgemach DIE ELFEN unsichtbar, leise, aber boshaft Auf ewige Zeit! hahahaha! Die teuren Seelen! Das Beste verhehlen, hahahaha, das darf nicht sein! Aithra, den Mantel haltend, scheint noch zu zögern, sie ist vom Mondlicht unsicher beleuchtet. Im Nebengemach rechts wird bei schwachem Licht die Dienerin sichtbar; sie legt Gewänder in eine Truhe, zu oberst Kostbarkeiten, darunter das Fläschchen, das sie in einen goldenen Behälter verschliesst AITHRA stampft auf Wollt ihr jetzt schweigen? Aithra wartet noch eine Weile, bis alles still ist. Auch die Dienerin hat die Truhe verschlossen und ist auf ihren Armen eingeschlafen. Aithra wendet sich jetzt, den Mantel schwingend, dem Schlafgemach zu Vorhang この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio Strauss,Richard/Die ägyptische Helena/II
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第3幕 (地中のドーム。舞台を斜めに横切る厚い壁で、二つの部屋に仕切られている。右の部屋にはバラクが、暗い物思いにふけりつつ固い石の上に座っているのが見える。左手には髪を乱したバラクの妻が、涙にかきくれている。 二人は互いのことに気付いていないし、互いの声も聞こえない。バラクの妻は、びくっと身震いする) (オーケストラは、第1幕における「生まれていない子供たちの声」の音楽を演奏する) バラクの妻 そんな声を、立てないで! あたしは、しなかったのよ! バラク、あなた、 ああ、あたしの声を聞いて! 死ぬ前に一度でいいから、 あたしを信じてほしいの! あたしは、あなたを捨てようとした。 ああ、ほんとうは今まで一度も あなたを見たことがなかったの! あなたを忘れようとしたわ。 あなたの目の前から去ろうとした・・・ でも、あなたの目は やっぱり戻って来たわ・・・ ああ、あたしの声を聞いて! ああ、あたしを信じて・・・ 不幸せな私が 永遠に失ってしまった あなたの目・・・戻って来て。 あなたを忘れようとしたの。 なのに、思い出さずにはいられなかった・・・ 行ってはならない道を どんなに進もうとも、 どんなにそこから 逃れようとしても、 あなたの目は、また戻ってきて、 あたしを見つけようとするの。 心が、事をなす前に! 見知らぬ男を あたしは部屋に入れ、 その男は、あたしのすぐそばにいた・・・ でも、すべてが終わったわけではない・・・ バラク、バラク、 あなたを目覚ますことはできないの? 知らないの?このことを・・・ バラク (独り言で) 今、俺の手に委ねられたこと・・・ それは、あの人を抱きしめることだ・・・ あの人を 両手にとらえ、 あの人のことを思い、 その若い心を やわらげることだ! バラクの妻 (一部バラクと声を合わせて) あなたへの愛に尽くすことができれば・・・ あなたに会いたい! 呼吸したいの、生きたいの! 良い子供たちをあなたに授けたいの・・・! バラク 今、俺の手に委ねられたこと・・・ (地面によろめき倒れる) 俺の手にかかると思って死ぬほど怖がっていた! 俺はいったい何てことを! ああ、もう一度だけ会って、こう言えれば・・・ 怖がらないでくれって。 (静寂) 声 (天上から、バラクへと) さあ、天に来なさい!道は開かれています! (声と同時に、一条の光線が天井からバラクの地下牢に落ちて来る。すると、らせん階段の踏み段が岩山に穿たれているのが見えて来る) (バラクは立ち上がり、その階段を登りはじめる) バラクの妻 バラク、あなた! 厳しい裁き手、 尊敬する夫よ! 剣をあたしに 振り下ろすとしても、 その閃光の中で 死にながら、もう一度だけ あなたに会いたい! (天から一条の光がバラクの妻の地下牢に落ちる。バラクの空っぽの部屋の光は消えてしまっている) 声 (舞台左手で) あなたも、天に来なさい! 道が開かれたのですから。 (バラクの妻も急いで上に登っていく) 舞台転換 (地中のドームは沈む。雲が湧き出し、千切れると、岩山のテラスが見えて来るが、これは「皇妃の夢の場面(第2幕)」で見えていた風景と同じである。水の湧きだしている所から、石段が上につながっており、大きな寺院の門につながるが、この門は山の内部に続いている。黒い水が、岩山の地面を切り取るようにして、こちらに流れ込んでくる) (舞台中央寄りにある入口の扉が開く。その最上段には、「使者」が待ち構えている。左右には、手下の精霊たちが控えている) (小舟が水の上を流れて来るが、漕ぎ手はいない。皇妃はその中でまどろみ、乳母はその脇にひざまずき、皇妃に腕を巻き付け、小舟がどこに行くのか気にしながら辺りを見渡している) (使者は小舟が近付くのを待ち構えていたが、小舟は止まる) 手下の精霊たち 来ましたぞ! 使者 去れ! (使者は、精霊たちと一緒に山中に引っ込み、金属製の扉が背後で閉じる) (皇妃は目を覚ます) (乳母は皇妃を押しとどめようとし、空いている方の手で小舟を岸から突き放そうとするが、うまくいかない) (一帯は明るくなってくる) (皇妃は立ち上がり、辺りを見渡し、陸に上がろうとする) 乳母 (あわてて興奮して、皇妃を押さえつけようとする) 早くここから去りましょう! この岩山から舟を発たせますから、 手を貸してください! (小声で) 超自然の力が 働いておりますわ! こんなぞっとするような所には・・・ (強情に) 木偶(でく)の坊しか やってまいりません! 私をないがしろにするお積り? どうしようというのです!? 皇妃 舟はずっとここに置いておくのよ・・・ わからないの? あの階段は、何なの!? 乳母 (舟を岸から離すのを諦め、熱に浮かされたようにせわしなく、あちこち歩き回る) じゃあ、舟はいいですよ! さっさとここから 行きましょう! 道なら分かっておりますとも。 七つの月の峰が ございますが、 この山は、その最高峰でございます。 一番ひどい所ですよ! 着物をはしょって、 足を早めてくださいませ・・・ 下界にお連れ申し上げます。 早く行きましょう! 皇妃 (階段のほうに向かいながら) この扉は! (考えこみ、探りを入れながら) 前に一度、 この扉を見たわ! (ラッパの響きが、山の中から聞こえて来る) この音が聞こえて? 裁きのお触れよ! (小声で、やや不安げに) お父さんなの? カイコバート?ねえ? 久しく、お父様を見なかったけど、 あたしには分かるわ・・・ お父様は、 ソロモンのように玉座に座り、 闇を払うのが お好きだった。 玉座は高く、 想いは底知れぬほど深い・・・ そして、清らかで気高い方。 そうよ、あたしは、その子だもの・・・ おそれはしないわ。 (乳母は不安げに脇の方を見やり、出口が見つからないか探す) (ラッパが、先ほどより大きな音で、また鳴る) 皇妃 (両手を上げて、恐怖にみちて) あたしの愛するお父さま! あなたは、あの人を 裁くのですか・・・ この、あたしゆえに! でも、あの人を縛り付けているもの・・・ それは、あたしをも縛っています。 あの人の苦しみ。それを、あたしも苦しんでいます。 あたしは、あの人の中にいて、 あの人は、あたしの中にいます! あたしたちは、ひとつです。 あの方のもとに参ります。 (上に行こうと、向きを変える) 乳母 (不安に満ちて) こんな所は去りましょう! あたしが影を手配します! そう約束し、 誓ったはずじゃありませんか! あなたは、今も昔のまま。 大事なお嬢様・・・ 今でも、あなたの体の中は 光が突き抜けて行く・・・ でも、あの女の 悲しい影は、 あなたに貼りつき、 かかとにくっついている! だから今、 あなたは、あの女のようであって、 しかも、そうではないのです・・・ まだ、あなたは、定められたことを 果たすことができるのですよ! (皇妃に取り入るように) さあ、愛するお人を 胸に抱きしめて下さい! あたしが手伝って差し上げますよ。 あたしも、きっと辛抱しますわ・・・ あなたが、あの男の 腕に抱かれるのを目にし、 何年間も 雌犬のように あの家にとどまろうとも! (諦めて、ため息をつくと、もはや熱を込めずに) なんてこった! (きわめて力強く) ここからは去りましょう! この戸口からは。 こんな戸口をまたぐなんて 死より辛いこと! 皇妃 ならば、この戸口を知っているのね? この扉がどこに向かっているかも 知っているんでしょう? 答えなさい! 乳母 (低い声で) 命の水へと。 皇妃 答えなさい! (突然ぱっとひらめいて) 死の戸口へ! 叫び声はそう言ってたわ。 話しなさい! お前は、秘められた 事情を知っているはず。 答えなさい! (乳母は黙ったまま) 皇妃 意地悪をして黙っていようというの? そんなにも、あたしの心を くもらせようとと言うの? あたし、わかっているのよ! 見えているのよ! (情熱を込めて) あたしは、あの人のもとへ行かねばならない! 命の水を 感じ取り、 あの人に降り注がねばならない・・・ 命の水・・・? それは、もしや、この血管を 流れる血のことかしら? 血よ、流れゆけ! あの人を目覚めさせるために! (決然と、入口の方へ向かって行く) 乳母 (皇妃の前に身を投げ、服をつかんで) 後生ですから! つかまっちゃいますよ・・・ 幾千ものクモの巣と ひどいぺてんと まやかしだらけです! 命の水なぞ、 ひどいまやかしなのです・・・ あたしの血をみんな 差し出さねばなりません・・・ あなた様の こころも魂も あきらめねばなりません! たしかに、山中には 水が湧き出ています。 きらめく噴水が 地中から吹き上げ、 金の柱となっています・・・ 命の水ですって!? 我らが、それに 口をつけると・・・ 霊界の住人たる 我らは・・・ 死ぬよりもひどいことになります。 言いようもない ひどい災いを 我らの中に吸い込むことになり、 もはや救われることはないのです。 (しかし、皇妃は最上段に足を踏み入れる) 乳母 (この上ない恐怖にみちて) 聞こえないの? カイコバート様は 怖ろしい方ですよ! あの方のことを知っておいでですか! あなたは、あの方の子供なのに、 人間の手に 自分を引き渡し、 死に行く定めの人間の一人に こころを無駄に捧げようとは! あなたは、あの方から 怖ろしい罰を受けますよ・・・ あの方の手に落ちた暁には。 なぜなら、あの方にとって、 こんな怖ろしいことは前代未聞なのだから。 一族の誰かが 醜い者たちと交わって、 呪われた者の 一員になるなんてことは! ああ、呪われよ! あなたを産んだ人・・・ そして、あなたの血を流れる 人間への憧れ! ああ、呪われろ! 皇妃 (浄化された面持ちで、きっぱりと) 我らの行いゆえに 裁きは下るの! 我らの心ゆえに ラッパが鳴ったの。 出廷を求められているんだわ! (決然と乳母に手を差し伸ばし、命令する) 乳母よ、もう永久に 会うことは無いわ。 人間の求めるものを あなたは余りに知らなさすぎた。 心に抱く秘密が どの方向を指していたか、 あなたにはまるで分からなかった。 (きわめて荘厳に、威厳を込めて) いかなる代償を 払っても、 重き罪から よみがえり、 不死鳥のように、 永久の死から、 永久の生へと、 どんどん高みを指して登って行くのよ・・・ 夢にも見たことのない高みを指して・・・ あなたには決してわからないわ。 あたしは、もはや彼ら人間の一族。 (力強く) あなたなど、もはや役には立たない! (皇妃が扉に進むと、扉は音も無く開き、中に入ると、扉が閉まる) 乳母 (後を追おうとするが、どうしてもその場所に踏み込めず、階段の上で絶望する) 人間の求めるものですって? あいつらの欲するものは 騙し合いじゃないか。 詐欺ばっかりだ! 人間どもよ、呪われろ! 果てしない探索、 虚無への前進、 不安混じりの 欲望じみた狂気・・・ そんなものが、あたしの可愛いお嬢さまの 水晶のように透き通った心に 入るとは! 人間どもよ、呪われよ! (暗くなり、赤い霧が立ち込めてくる) バラクの声 (風の中で) ああ! バラクの妻の声 (反対側から) ああ! バラクの声 会いたいのに! バラクの妻の声 (泣きながら) ああ、大好きなひと! バラクの声 おそれないで! こっちだよ、こっちだ! バラクの妻の声 (声を合わせて) 見つけて。 殺して! 二人 ああ、ダメだ、ああ! 乳母 人間め!人間め! 憎ったらしい! うなぎのようにうようよし、 鷲のように、つんざき声を上げ、 大地を我が物のようにしやがって! みんな死んじまえ! バラク (霧の中を、舞台の右側から入って来る) いくら探しても、逃げて行ってしまう。 (乳母に気付き、恐怖に満ち、抑えた声で、ほとんど呻き声のように)妻を見なかったか・・・ おお、女中よ? 乳母 (左上を指しながら) あっちに行ったわ! あの上のほうよ! あんたのことを、死ねと ののしっていたわ! 罰を与えなさい・・・ 報復しなさい・・・ 早く! バラク (舞台左手の上のほうへ退場) あの人のもとへ! バラクの妻 (舞台左手の、ずっと下の方から現れて) ああ・・・あなた・・・どこなの?・・・あなた・・・ あなたのもとに行きたい! 乳母 (舞台右手を指し) あっちだよ! 夫の手で 殺されるわよ。 逃げなさい、 さあ! バラクの妻 (舞台右手の風と霧の中に駆け去って行き、荒々しく、きっぱりと) バラク!ここよ! 剣を振るって。 あたしを殺して。 さあ、早く! (舞台右手に消えると、舞台は暗くなる) 乳母 おお、お嬢さま、 敵の手中に引き渡されて、 眼の前にあるものは、 まやかしばかり。 足の前には、 落し穴と罠ばかり! 行ってしまった! 飲むのですか!? 金色の災いの液が 唇に跳ね、 体内深く落ちて行きますよ! すると、お嬢さまの顔は、 ピクリとふるえ、 傷ついた喉からは 人間の叫び声が あふれ出て来ますよ! お嬢さまを助けねば! 私も死なねば! カイコバート様! (乳母自身も扉に行こうとする) 使者 (扉の中から出て来て、冷たく) 主の名を呼ぶのか? 雌犬め!誰に向かって 物を言うのだ? この戸口から 去るがいい! 永久に消え失せろ! 乳母 (興奮のあまり狂ったように) あたしの役目は・・・ おお、使者よ! この3日間! あたしは、お嬢さまをお守りしたわ。 そして言い争った・・・ ですが、お嬢さまは、あたしを拒み、 もう言うことを聞いてくれない・・・ カイコバート様! あたしの言うことをお聞きください! (使者の脇を通り過ぎようとする) 使者 (行く手をさえぎって、冷たく) お嬢さまは、もう御前に立っているのだ! 誰が、お前なぞ必要だと言うのだ? いらぬわ。 自分の道を見つけるがいい! 乳母 カイコバート様! 下女が 叫んでおるのです・・・ 罰するというのならともかく、 こんな前代未聞の 追放はしないでください! あなたの手に委ねられれば、 申し開きをいたします! カイコバート様! (霧が入って来て、厚い雷雲と嵐はますます激しくなって行く。辺りはどんどん暗くなって行く。 嵐の中に、染物師たちの声が響いて来て、むだに互いに呼び掛け合っている。使者は、その声と合わせるようにして) 使者 (力を込めて、嘲りの色を込めて) 何様のつもりだ、お前は? あの方に呼びかけるとは? いったい何を知っていると言うのだ? あの方の意図と、 お嬢さまを試した 真意について・・・。 あの方が、お前に お嬢さまを守るよう命じた時、 誰がお前に言っただろうか? お嬢さまがお前の手から離れることを 望んでいないなどと・・・。 (ますます恐ろしさを増していき) もはやお前は 永久に追放の身・・・ もう、お嬢さまを 守る事もできない! バラク (目には見えない) ああ、お前! バラクの妻 (目には見えない) ああ、あなた! バラク どこにいるの? バラクの妻 どこにいるの? バラク 逃げないで! バラクの妻 見つけてよ! バラク ここにお出で! バラクの妻 ここに来て! バラク 会いたい・・・呼吸をして、生きたいんだ! バラクの妻 かわいい子供を、あなたにあげたい! バラク ああ、おしまいだ! バラクの妻 ああ、もうダメだわ! バラク この両手を・・・! バラクの妻 ああ、こんな若いのに! バラク 自分をゆるし、元気になってくれ! バラクの妻 この身をあなたへの愛に尽くせれば! バラク ああ、おしまいだ! バラクの妻 お願いよ! バラク 死ぬのか!死ぬ! バラクの妻 ああ、みじめな! バラク 私の役目は、 あなたを抱きしめ、 あなたを両手に かき抱くことだ。 乳母 あの方の怒りが あたしに向かうとは! お嬢さまの所に行くわよ! 使者 あの方の怒りは お前に向けられている。 お前は、お嬢さまのお顔を もう二度と見られまい! 乳母 ああ、お嬢さま! あたしは、もうだめだ! 呪われよ、破滅せよ、 人間ども・・・ お前らの体よ、 炎に食いつくされよ! 使者 (嘲りを込めて) その人間どもの間を うろつくことが、 お前の運命だ! お前の憎しみの相手達と いっしょに住まい、 そいつらの息に まざりあうのさ。 毎日、新たにな! 乳母 (我を失ったかのように) 憎しんでやまない奴らと いっしょに住まい、 そいつらの吐く息に まざりあうですって? 毎日、新たに! (乳母は使者の方に迫り、その脇をすり抜けようとする) 使者 (荒々しく乳母をつかまえると、階段から突き落とす) さあ、舟よ。 この女を乗せて 月の峰を下り、 人間達のもとへ向かえ! 乳母 お前らの体よ、 炎に食いつくされよ! (乳母が小舟に倒れ込むと、小舟は岸を離れて激しく川を下って行く。乳母の叫び声は突き抜けるように響いてくるが、それも次第にやむ) 使者 (冷たく) 滅びるがいい! お前は、 掟に逆らったのだから! (稲妻、雷鳴、ラッパの響き) 舞台転換 (幕が開いたままの舞台転換。寺院風の舞台は、次第に明るくなって来るが、まだ完全には明るくならない。舞台中央の壁の穴にはカーテンがかかっている。皇妃は、ただ一人、下から登って来る。部下の霊たちが、松明を持って、皇妃を迎えるが、その姿はまだ闇の中にある) 第一の霊 うやまえ! 第二の霊 勇気を出して! 第三の霊 運命を成就せよ! (霊たちは消えてしまう) 人間達の声 (外から響いてくるが、その声は、あたかも扉が閉まったかのように、どんどん弱くなって行く) 皇妃 (カーテンのかかった壁の穴へと向かう) お父様、あなたなの? 暗闇から 脅しつけるつもりね? さあ、あなたの子供が参りました! 献身を 学ぶことはできたけど、 影を 手に入れることは できませんでした。 あたしの居場所を教えて下さい。 影を投げる者達の間で、 あたしにふさわしい 場所はどこ? (黄金の噴水が、きらきらと輝きながら、地面から水を吹き上げる) 皇妃 (一歩、後じさりしながら) 金色の水、 命の水で この身を強める 必要はない! あたしの中には、愛があり、 愛は、どんなものにも勝るのだから。 一人の声 (天上から) 愛する者よ、この水を飲みなさい! 飲めば、あの女のものだった影は、お前のもの。 お前は、あの女のようになるのです。 皇妃 ですが、あの女はどうなるのです? バラクの妻の声 バラク! バラクの声 どこなんだ? バラクの妻の声 ああ、どこなの? バラクの声 お出で、ここへ! バラクの妻の声 ああ、ダメだわ! バラクの声 ああ!おしまいだ! 皇妃 バラクの声! バラクの眼差し! あたしの罪よ、 ここも、かしこも、 かしこも、ここも! (水は、ゆっくりと沈んで行く) (身ぶるいしながら) 星たちの名を あたしは呼んで願うわ。 人間の罪から きれいなままでいさせてほしいと! あの水には血が付いている。 だから、あたしは飲まないの! (水は完全に沈み切ってしまう) でも、あたしは逃げたりしない! あたしの居場所は、この世界。 ここに、あたしは罪があり、 あたしは、ここの一員だもの。 あなたがどんな暗闇に 隠れていても、 あたしの胸には 光があって、 あなたの闇を掃います! あたしのことを裁いてちょうだい! 出て来て、お父様! 裁き手よ、現れて! (カーテンの後ろの光はどんどん強まっていき、ついにその明るさが最高潮に達した時、カーテンは透明なヴェールに変わる。 光を放っている穴の中には、石造りの玉座があり、そこに皇帝が座っている。 皇帝は固まって、石になっており、両眼だけが生きているように見える) 皇妃 (語り) ああ!つらいわ! あの人が、固まってしまった! 自分の体の中に 生き埋めにされている! 呪いが現実のものに! あたしという存在が 知らずに犯した罪が あの人に下されたのだわ。 なぜなら、あの人は あたしの秘密をことのほか愛し、あたしを その秘密のゆえに妻に選んだのだから・・・ 無慈悲に、 そして夢中になって、 あの人は、あたしの秘密に 恋の心を捧げてしまった! でも、あたしの心の結び目は、 人の手なんかじゃ ほどけない・・・ 今や、その手も固まっている・・・ 心をほどけなかった手は。 心臓も石になったのね、 あたしの心の冷たさゆえに! あたしの運命こそ、 あの人の罪! あたしの罪こそ、 あの人の運命! ああ、星たちよ。 この人をこうしたのは、 あなたたちよ! (絶望したまま、石になった皇帝に近寄って行く) あなたと死ぬわ。 起きて!起きてよ! 目には目、 口には口、 あなたと一緒に 死なせて下さい! (石になった皇帝を抱きしめるために出て来るが、そうする勇気が出ない。自分に向けられる視線から恐怖のあまり目を背けても、皇帝の両眼は皇妃をずっと追いかけて来る) (この上ない苦しみを感じつつ) その眼差しはやめて! あたしには助けられないの。 どうしようもないの! (崩れ落ちるように倒れ、手で目を覆う) (石像は強い光を受けて赤々と輝き、その両眼は物言わぬまま哀願するように王妃に向けられている) この世ならざる声 (深淵からのように、こもった音でどよめいて来る) 女は、影を地に投げず、 ミカドは、石にされるとは! (石像は鉛のように黒くなっていく。王妃の足下から、以前と同様に、金色の水がきらきら輝きながら高く吹き上がる) 声 (天上から) 言えばいいのです・・・そうします!と。 そうすれば、あの女の影は、お前のものです! この男は立ち上がって生き返り、 お前とともに帰れるのです! そのしるしとして、身を投げ出して、飲むのです! 皇妃 (恐ろしい内心の葛藤の中で地面に横たわっている。語りで) あたしを試さないでください。 カイコバートよ! あたしは、あなたの子供です! あたしを死なせて・・・ あたしが屈服する前に! バラクの声 もう助けられないのか! バラクの妻の声 ああ、死ぬんだわ! 皇妃 (ひざまずいて上体を起こすと、その口元からは、苦しみに満ちた、呻くような叫び声がこぼれ出て、その合間に言葉が出る・・・) そうは・・・しない・・・わ・・・! (この言葉が聞こえると、すぐに水は下に沈み、舞台はいったん暗闇になった後で、上から明るくなってくる。気を失いながら床から身をもたげた皇妃からは、輪郭のくっきりした「影」が、舞台を横切って伸びて行く・・・。皇帝は玉座から立ち上がり、階段を降りていく) 皇帝 「水晶の、心が壊れて 叫び出し、 生まれていない者たちが、 星の光のように落ちて来る時・・・ 夫を見つめる妻の 腰まわりと頭と毛髪から、 この世の影が落ちてくる時・・・ その時、死者は、 肉の墓場から起き上がり、 天の御使い達すらも 空の上から飛んでくる!」 私には、そんな歌が聞こえていたのだ・・・ 死んでいた間じゅう、ずっと。 今や、私は、生き返ったのだ! 聖霊たちも、すぐに来る。 歌を歌いつつ、ただよってくる・・・ (丸天井から落ちる光は、どんどん強まって行く。天上からは、「生まれていない者達」の声が落ちて来る) 生まれていない者達の声 (数人) さあ、みんなで言おう・・・お父さん! (別の数人) さあ、みんなで呼ぼう・・・お母さん! (さらに数人) 登っておいで! (また別の数人) やだよ、降りてこいよ! どの階段も、ぼくらの所につながっているから! 皇妃 (上を指して) 声を上げているのは、 天使たちかしら? 皇帝 (階段の最下段から) まだ生まれていない者達だ。 今や、彼らも生を得て、 日の出のような赤い翼で、危うく破滅しかけた 私たちのもとに降りて来るのだ・・・ この強き子供たちも、星の光に乗って 私たちのもとにやって来る。 あなたは自分に打ち勝った。 天の御使いが授けてくれたのだ・・・ 子供達と、その父親とを。 生まれていない者達は、いまや自由になったのだ! 彼らは、我らを見出だして、 今や勇んで降りて来る! (皇帝は、階段の最後の段からも降りる。皇妃は、それを迎えに行こうとし、天を指し示すと、そこからはますます明るい光が降り注いで来て、銀色の鈴の音が「生まれていない者達の歌」の前奏となる。皇妃はひざまずく。皇帝は皇妃と向かい合い、同じようにひざまずく。生まれていない者達が歌い始める。皇妃と皇帝は、お互いに顔を手にうずめ合う) 生まれていない者達の声 (天上から) さあ、あなた方に命じるよ・・・ 輪になって踊って、抱きしめ合おう。 ぼくらの生が 楽しいものになるように! 試練をけなげに 耐えたから きらきら光る冠が ぼくらのために造られたんだ! (皇帝と皇妃は、感極まって上の方を見つめながら、立ち上がる) 皇妃 (皇帝の手と自分の手とを触れ合わせながら) 天使たちが、自分たちのことを歌っているわ! 歌の力が、あたし達をとらえるわ! 錨も持たず、行くあてもなく、 生まれずに捨てられていた子供たち・・・ あの子たちが、呼びかけながら、二人の周りを 飛び交えば、あたしは、あたしは、あなたのものよ! 皇帝 どこにも休む場所は無く、 錨も無ければ、港も無くて、 どこにも休めず・・・ただ飛んでいく。 一つの場所から、別の場所へと。 あの子たちが、呼びかけながら、二人の周りを 飛び交えば、あなたは、あなたは、私のものだ! (二人はしっかと抱きしめ合ったままでいる。明るい雲が二人を取り巻く) 舞台転換 (険しい登り坂になっている綺麗な風景が出現する。中央には、金色の滝が、大地の裂け目を流れ落ちている。皇帝と皇妃が滝の上にいて、その高い所から降りて来るのが見える) バラクの妻 (舞台左手の細い歩道を通って) あの人の愛が与えられないなら、 あたしに裁きをくだしてください・・・ そうよ、あの人の剣で! (谷の脇のところまで舞台前方に走って来る) バラク (舞台の反対側にいて) 待つんだ。見つけたよ。 ずっと、あなたを守るから。 永遠の伴侶よ! (バラクの妻がバラクを見つけ、手を差し出すと、谷を横切って、バラクの妻の影が射す) バラク (歓喜して) 影だよ、あなたの影だ。 影が、あなたのもとへと連れて行ってくれる。 バラクの妻 妻があなたのもとへ参ります! あたしの大切な人! 生まれていない者達の声 お母さん、あなたの影だ! ああ、何て美しい! あなたの夫が あなたのもとへ! (その瞬間、影のある場所には、谷を横切って金色の橋が掛けられる) (バラクとバラクの妻は橋の上を通り、互いの腕と腕を重ね合わせる) (皇帝と皇妃は、上のほうで、断崖の縁まで進み出て来る。彼らは下の方に目をやり、別のもう二人は、上の方に目をやる) バラク 今、私は誰も味わったことの無い歓喜を味わおうとしている。誰もしたことのない事をしようとしている。 私の中に、両手が伸びていく。 かがやく両眼、子供のような口、 聖なる力のおかげで、 私は戸口を踏み破ったのだ! 皇帝 (下の二人を指差し、さらに下の人間界をも指差して) 遠くから響いてくるのは、 不安と混乱・・・ だが、良く耳を傾けるのだ・・・ この音の、なんと人間的なことか! なんと心を揺さぶる音か・・・ この音を、お前の中に受け入れるのだ、 兄弟たちよ、親しき友よ! 合唱 (見えないところから、舞台に歓声を上げて) 兄弟たちよ、親しき友よ! 皇妃とバラクの妻 影を投げることが あたしたち二人に許されたわ・・・ 試練の炎に 鍛えられたわ。 死の瀬戸際にまで行き、あやうく 殺し殺されるところだったけれど、 いまや、幸せな子供たちの 母親になったのです! (ヴェールが舞台前方に垂れ、登場人物と風景を覆い隠す) 生まれていない者達の声 (オーケストラの中で) とうさま、怖れはしないでね。 かあさま、悩みはもうないよ。 二人を、怖がらせていたものは、 ほうら、もうすぐ消えて行く。 いつか、祭りがあるときは、 きっと、ひそかに、こうなるよ・・・ 招待客のぼくたちこそが、 ほんとは祭りの主催者なのさ! DRITTER AUFZUG Unterirdische Gewölbe, durch eine querlaufende dicke Mauer in zwei Kammern geteilt. In der rechten wird Barak sichtbar in düsterem Brüten auf dem harten Stein sitzend, zur Linken die Frau, in Tränen, mit aufgelöstem Haar. Sie wissen nicht voneinander, hören einander nicht. Die Frau zuckt zusammen.Im Orchester ertönen die Stimmen der ungeborenen Kinder wie im ersten Aufzug. FRAU Schweiget doch, ihr Stimmen! Ich hab es nicht getan! – – – – – – – – Barak, mein Mann, oh, dass du mich hörtest, dass du mir glaubtest vor meinem Tode! – – – – – – – – Dich wollt ich verlassen, o du, den zuvor niemals ich sah! Dich wollt ich vergessen und meinte zu fliehen dein Angesicht dein Angesicht, es kam zu mir – O dass du mich hörtest, o dass du mir glaubtest. – dein Angesicht, daß ich Unselge für immer verlor. Dich wollt ich vergessen – da musste ich dich denken und wo ich ging verbotene Wege, und meinte zu fliehen dein Angesicht... es kam zu mir und suchte mich zuvor die Seele die Tat getan! Ein fremder Mann, ich zog ihn her, er war mir nah – aber nicht völlig – Barak, Barak, dich weckt ich doch, weisst du es nicht? BARAK für sich Mir anvertraut, dass ich sie hege, dass ich sie trage auf diesen Händen und ihrer achte und ihrer schone um ihres jungen Herzens willen! FRAU teilweise zusammen mit ihm Dienend, liebend dir mich bücken dich zu sehen! atmen, leben! Kinder, Guter, dir zu geben! – BARAK Mir anvertraut – und taumelt zur Erde in Todesangst vor meiner Hand! Weh mir! Dass ich sie einmal noch sähe und zu ihr spräche Fürchte dich nicht. Stille. EINE STIMME von oben, auf Baraks Seite Auf, geh nach oben, Mann, der Weg ist frei! Es fällt zugleich mit der Stimme ein Lichtstrahl von oben in Baraks Verlies; die Stufen einer Wendeltreppe, in den Fels gehauen, werden sichtbar.Barak richtet sich auf und beginnt hinaufzusteigen. FRAU Barak, mein Mann! Strenger Richter, hoher Gatte! Schwängest du auch dein Schwert über mir, in seinem Blitzen sterbend noch sähe ich dich! Ein Lichtstrahl fällt von oben in ihr Verlies, der Schein in Baraks leerer Kammer ist erloschen. EINE STIMME auf der Linken Frau, geh nach oben, denn der Weg ist frei. Die Frau eilt nach oben. Verwandlung Das Gewölbe versinkt. Wolken treten vor, teilen sich, enthüllen eine Felsterrasse, jener gleich, die während des Schlafes der Kaiserin sichtbar wurde. Steinerne Stufen führen vom Wasser aufwärts zu einem mächtigen tempelartigen Eingang ins Berginnere. Ein dunkles Wasser, in den Felsgrund eingeschnitten, fliessend gegenüber.Die Tür zum mittleren Eingang offen. Auf der obersten Stufe der Bote, wartend. Dienende Geister rechts und links.Ein Kahn kommt auf dem Wasser geschwommen, ohne Lenker. Die Kaiserin liegt darin, schlummernd, die Amme kniet neben ihr hält sie umschlungen, bewegt um sich schauend, wohin der Kahn treibe.Der Bote hat das Herankommen des Kahnes abgewartet. Der Kahn hält an. DIENENDE GEISTER Sie kommen! BOTE Hinweg! Er tritt ins Innere zurück, die Geister zugleich, die eherne Tür schliesst sich hinter ihnen.Die Kaiserin erwacht.Die Amme sucht sie zurückzuhalten, mit dem freien Arm den Kahn vom Ufer wegzustossen, vergeblich.Die Gegend erhellt sich.Die Kaiserin erhebt sich, blickt um sich, will ans Land. AMME drückt sie nieder hastig, aufgeregt Fort von hier! Hilf mir vom Fels lösen den Kahn! leise Übermächte spielen mit uns! Zum greulichsten Ort eigenwillig strebt das Gemächte aus bösem Holz! Wär ich nicht gewitzigt, was würde aus dir! KAISERIN Der Kahn will bleiben – siehst du denn nicht? Die Treppe, schau! AMME gibt s auf den Kahn vom Ufer zu stossen, treibend, mit fieberhafter Ungeduld So lass den Kahn! Nun fort von hier! Ich weiss den Weg, Mondberge sieben sind gelagert, dies ist der höchste ein böser Bereich! Geschürzt dein Kleid und hurtig die Füsse ich führ dich hinunter, ich finde hinaus! KAISERIN ist auf die Treppe hinausgetreten Hier ist ein Tor! sinnend, suchend Einmal vordem sah ich dies Tor! Posaunenruf wie aus dem Innern des Berges Hörst du den Ton? Der läd t zu Gericht! leise, etwas beklommen Mein Vater, ja? Keikobad? Sag? Lang sah ich ihn nicht, doch weiss ich wohl er liebt es zu thronen wie Salomo und aufzulösen, was dunkel ist. Hoch ist sein Stuhl und abgründig sein Sinn – rein und mutig doch, ich bin sein Kind ich fürchte mich nicht. Amme ängstlich, späht nach der Seite, ob sich ein Ausweg finden liesse.Die Posaune ruft abermals, stärker. KAISERIN die Hände erhoben, angstvoll Mein Herr und Geliebter! Sie halten Gericht über ihn um meinetwillen! Was ihn bindet, bindet mich. Was er leidet, will ich leiden, ich bin in ihm, er ist in mir! Wir sind eins. Ich will zu ihm. wendet sich, hinaufzuschreiten AMME angstvoll Fort mit uns! Ich schaff dir den Schatten! So ist es gesetzt und so beschworen! Du bleibst die gleiche, Töchterchen, liebes, und durch deinen Leib gleitet das Licht – allein des Weibes trauriger Schatten, dir verfallen, haftet der Ferse! Ihresgleichen scheinst du dann und bist es nicht doch du erfüllst, was bedungen war! schmeichelnd So hab deinen Liebsten und herze ihn! Ich helf dir ihn finden, ich will es tragen, dass ich ihn sehe in deinen Armen auf Jahr und Tag und bleibe die Hündin in seinem Hause! resigniert seufzend, nicht heftig Wehe mir! sehr stark Nur fort von hier! Fort von der Schwelle, sie zu betreten, ist mehr als Tod! KAISERIN So kennst du die Schwelle? So weisst du, wohin dies Tor sich öffnet? Antworte mir! AMME dumpf Zum Wasser des Lebens. KAISERIN Antworte mir! plötzlich erleuchtet Zur Schwelle des Todes! So scholl der Ruf. Steh mir Rede! Du weisst das Geheime und kennst die Bewandtnis. Antworte mir! Die Amme schweigt. KAISERIN Schweigst du tückisch? Willst du mit Fleiss den Sinn mir verdunkeln? Hell ist in mir! Hell ist vor mir! leidenschaftlich Ich muss zu ihm! Wasser des Lebens, ich muss es erspüren, ihn besprengen – Wasser des Lebens – ist es das Blut aus diesen Adern? Fliesse es hin, dass ich ihn wecke! Sie wendet sich entschieden dem Eingang zu. AMME wirft sich vor sie hin, fasst sie am Gewand Hab Erbarmen! Du verfängst dich tausend Netze, Gaukelspiel, greulicher Trug! Wasser des Lebens, greuliches Blendwerk – müsst ich darüber mein Blut hingeben –, halte ich ab von deiner Seele und deinem Herzen! Ein Wasser springt wirklich im Berge. Leuchtend steigt es, goldene Säule, aus dem Grund Wasser des Lebens! Wer daran die Lippen legte – einer der unsern, von Geistern stammend – mehr als Tod, greulich unsagbar teuflisches Unheil schlürft er in sich rettungslos. Die Kaiserin ist auf die oberste Stufe getreten. AMME in höchster Angst Hörst du mich nicht? Fürchterlich ist Keikobad! Was weisst du von ihm! Du bist sein Kind und hast dich gegeben in Menschenhand und dein Herz vergeudet an einen von den Verwesenden! Fürchterlich straft er dich, wenn du fällst in seine Hand. Denn er kennt kein Greuel über diesem, dass eines spiele mit den Verhassten und sich mische mit den Verfluchten! Weh über sie, die dich gebar, und Menschensehnsucht dir flösste ins Blut! Weh über dich! KAISERIN verklärt, entschlossen Aus unsern Taten steigt ein Gericht! Aus unserm Herzen ruft die Posaune, die uns lädt. – entschieden, die Hand gegen sie ausstreckend, gebietend Amme, auf immer scheid ich mich von dir. Was Menschen bedürfen, du weisst es zu wenig, worauf ihrer Herzen Geheimnis zielet, dir ist es verborgen. sehr feierlich und gross Mit welchem Preis sie alles zahlen, aus schwerer Schuld sich wieder erneuern, dem Phönix gleich, aus ewigem Tode zu ewigem Leben sich immer erhöhen – kaum ahnen sie s selber – dir kommt es nicht nah. Ich gehöre zu ihnen, mächtig du taugst nicht zu mir! Sie tritt ans Tor das sich lautlos öffnet, sie tritt hinein, das Tor schliesst sich. AMME will ihr nach, wagt sich nicht in den Bereich, verzweifelnd auf der Treppe Was Menschen bedürfen? Betrug ist die Speise, nach der sie gieren. Betrüger sie selber! Fluch über sie! Das ewige Trachten, Vorwärts ins Leere, der angstvermischte gierige Wahnsinn – hinübergeträufelt in meines Kindes kristallene Seele! Fluch über sie! Es dunkelt, rötlicher Nebel tritt herein. DIE STIMME BARAKS im Wind Ah! DIE STIMME DER FRAU von der anderen Seite Ah! DIE STIMME BARAKS Dass ich dich fände! DIE STIMME DER FRAU klagend O mein Geliebter! DIE STIMME BARAKS Fürchte nichts! Sieh, o sieh! DIE STIMME DER FRAU zugleich Finde mich, töte mich! BEIDE Weh, weh, o weh! AMME Menschen! Menschen! Wie ich sie hasse! Wimmelnd wie Aale, schreiend wie Adler, schindend die Erde! Tod über sie! BARAK im Nebel herein, von rechts Ich suche meine Frau, die vor mir flieht. erkennt die Amme, angstvoll, gepresst, fast stöhnend Hast du sie nicht gesehn – O meine Muhme? AMME zeigt nach links aufwärts Dort hinüber! Dort hinauf! Sie verflucht dich in den Tod! Strafe sie – räche dich – schnell! BARAK ab nach links aufwärts Zu ihr! Zu ihr! FRAU erscheint von links weiter unten O du – o du – wo ist mein Mann? O du – ich will zu ihm! AMME zeigt nach rechts Dort hinüber! Dich zu töten mit seinen Händen. Rette dich, flieh! FRAU eilt nach rechts in den Wind und Nebel, wild entschlossen Barak! Hier! Schwinge dein Schwert. Töte mich schnell! verschwindet rechts; es dunkelt AMME Wehe, mein Kind, ausgeliefert, Gaukelspiel vor ihren Augen, Fallen und Stricke vor ihrem Fuss! Sie ist hinein! Sie trinkt! Das goldne, flüssige Unheil springt auf die Lippen, wühlt sich hinab! Ihr Gesicht greulich zuckt, ein menschlicher Schrei ringt sich aus der wunden Kehle! Ihr zu Hilfe! Müsste ich sterben! Keikobad! Sie will ans Tor BOTE tritt aus dem Tor, ehern Den Namen des Herrn? Hündin, zu wem hebst du die Stimme? Fort mit dir von der Schwelle! Pack dich, für immer! AMME wie wahnsinnig vor Erregung Mir anvertraut – du selber, Bote! Drei Tage lang! Ich hab sie gehütet, ich rang mit ihr – sie stiess mich von sich – sie kennt mich nicht mehr – Keikobad! Er muss mich hören! will an ihm vorbei BOTE vertritt ihr den Weg; ehern Sie ist vor ihm! Wer bedarf deiner? Niemand. Such dir den Weg! AMME Keikobad! Deine Dienerin schreit zu dir – Strafe sie, aber verwirf sie nicht ungehört! Mir übergeben, ich steh dir Rede! Keikobad! Der Nebel tritt herein, wird immer dichter Gewitter und Sturm nehmen zu an Heftigkeit. Es dunkelt mehr und mehr. Im Sturm tönen die Stimmen der Färbersleute, die einander vergeblich rufen und suchen. Zugleich. BOTE gewaltig, mit einem Anflug von Hohn Wer bist du, dass du ihn rufest? Was weisst du von seinem Willen und wie er verhängt hat ihr die Prüfung? Wenn er dich hiess des Kindes hüten, wer heisst dich raten, ob er nicht wollte, dass sie dir entliefe? immer schrecklicher Und trotzdem dich verwirft auf ewig dass du nicht vermochtest, ihrer zu hüten! BARAK unsichtbar O du! FRAU unsichtbar O du! BARAK Wo bist du? FRAU Wo bist du? BARAK Fliehe nicht! FRAU Finde mich! BARAK Komm zu mir! FRAU Komm zu mir! BARAK Dich zu sehen – atmen, leben! FRAU Kinder, Guter, dir zu geben! BARAK Weh, verloren! FRAU Weh, vertan! BARAK Diese Hände –! FRAU Weh, so jung! BARAK Dir vergeben, dich erquicken! FRAU Liebend, dienend dir mich bücken! BARAK Weh, verloren! FRAU Hab Erbarmen! BARAK Sterben! Sterben! FRAU Weh, uns Armen! BARAK Mir anvertraut, dass ich dich hege und dich trage auf diesen Händen. AMME Schlage er mich mit seinem Zorn! Ich will zu ihr! BOTE Mit seinem Zorn schlägt er dich, dass du ihr Antlitz nicht wiedersiehst! AMME Weh, mein Kind! Mir verloren! Fluch und Verderben über die Menschen – fressendes Feuer in ihr Gebein! BOTE mit Hohn Unter den Menschen umherzuirren, ist dein Los! Die du hassest, mit ihnen zu hausen, ihrem Atem dich zu vermischen immer aufs neu ! AMME wie von Sinnen Die ich hasse, mit ihnen zu hausen, ihrem Atem mich zu vermischen immer aufs neu ! Sie drängt sich dicht an den Boten, will an ihm vorbei. BOTE fasst sie gewaltig und stösst sie die Treppe hinab Auf, du Kahn, trage dies Weib Mondberge hinab den Menschen zu! AMME Fressendes Feuer in ihr Gebein! Die Amme stürzt im Kahn zusammen, der Kahn löst sich und treibt jäh hinab. Ihr Schrei, durchdringend, verhallt. BOTE ehern Verzehre dich! Dir widerfährt nach dem Gesetz! Blitz, Donner, Posaune Verwandlung Offene Verwandlung. Allmählich erhellt sich, aber noch nicht zu völliger Klarheit, das Innere eines tempelartigen Raumes. – Eine Nische, die mittelste, ist verhängt. Die Kaiserin, allein, steigt von unten empor. Dienende Geister, fackeltragend, ihr entgegen, noch im Dunkel. ERSTER GEIST Hab Ehrfurcht! ZWEITER GEIST Mut! DRITTER GEIST Erfülle dein Geschick! sie verschwinden MENSCHENSTIMMEN tönen von draussen herein, doch schwächer und schwächer, als wären Türen zugefallen KAISERIN geht auf die verhängte Nische zu Vater, bist du s? Drohest du mir aus dem Dunkel her? Hier siehe dein Kind! Mich hinzugeben, hab ich gelernt, aber Schatten hab ich keinen mir erhandelt. Nun zeig mir den Platz, der mir gebührt inmitten derer, die Schatten werfen. Ein Springquell goldenen Wassers steigt leuchtend aus dem Boden auf. KAISERIN einen Schritt zurückgehend Goldenen Trank, Wasser des Lebens, mich zu stärken, bedarf ich nicht! Liebe ist in mir, die ist mehr. EINE STIMME von oben So trink, du Liebende, von diesem Wasser! Trink, und der Schatten, der des Weibes war, wird deiner sein, und du wirst sein wie sie. KAISERIN Jedoch was wird aus ihr? DIE STIMME DER FRAU Barak! DIE STIMME BARAKS Wo bist du? DIE STIMME DER FRAU Wehe, wo? DIE STIMME BARAKS Herzu mir! DIE STIMME DER FRAU Ach, vergebens! DIE STIMME BARAKS Weh! Verloren! KAISERIN Baraks Stimme! Baraks Blick! Meine Schuld hier wie dort, dort wie hier! {Das Wasser fällt langsam. schaudernd} Sternennamen rief ich an, rein zu bleiben von Menschenschuld! Blut ist in dem Wasser, ich trinke nicht! Das Wasser versinkt gänzlich. Doch weich ich nicht! Mein Platz ist hier in dieser Welt. Hier ward ich schuldig, hierher gehör ich. Wo immer du dich birgst im Dunkel – in meinem Herzen ist ein Licht, dich zu enthüllen! Ich will mein Gericht! Zeige dich, Vater! Mein Richter, hervor! Das Licht hinter dem Vorhang wird stärker und stärker, endlich ist seine Kraft so gross, dass der Vorhang zum durchsichtigen Schleier wird. In der strahlend erhellen Nische sitzt auf steinernem Thron der Kaiser. Er ist starr und steinern, nur seine Augen scheinen zu leben. KAISERIN gesprochen Ach! Weh mir! Mein Liebster starr! Lebendig begraben im eigenen Leib! Erfüllt der Fluch! Meines Wesens unschuldige Schuld an ihm gestraft, weil er zu sehr mein Geheimnis geliebt, um das er mich wählte – erbarmungslos, dahingeopfert, meinem Geheimnis sein liebendes Herz! Ungelöst meiner Seele Knoten von Menschenhand – Starr nun die Hand, die ihn nicht löste – Versteinert sein Herz von meiner Härte! Mein Geschick seine Schuld! Meine Schuld sein Geschick! Weh, ihr Sterne, also tut ihr an den Menschen! Sie nähert sich in Verzweiflung dem Versteinerten. Mit dir sterben, auf, wach auf! Aug in Aug , Mund an Mund mit dir vereint, lass mich sterben! Sie will hervor, den Versteinerten zu umschlingen, und wagt es nicht. Wie sie in Angst vor dem auf sie gerichteten Blick nach der Seite zurückgeht, folgen ihr die Augen des Kaisers nach.in höchster Qual Nicht diesen Blick! Ich kann nicht helfen, ich kann nicht! Sie fällt zusammen, bedeckt die Augen mit den Händen.Die Statue glüht im stärksten Licht, die Augen mit stummer Bitte auf die Kaiserin gerichtet. UNIRDISCHE STIMMEN dumpfdröhnend wie aus Abgründen Die Frau wirft keinen Schatten, der Kaiser muss versteinen! Die Statue verdunkelt sich wie Blei. Vor ihren Füssen hebt sich wie früher das goldene Wasser leuchtend empor. EINE STIMME von oben Sprich aus Ich will! Und jenes Weibes Schatten wird dein! Und dieser stehet auf und wird lebendig und geht mit dir! Und des zum Zeichen neige dich und trink! KAISERIN in furchtbarem Kampfe auf dem Boden liegend, gesprochen Versuch mich nicht, Keikobad! Ich bin dein Kind! Lass mich sterben, eh ich erliege! DIE STIMME BARAKS Nirgend Hilfe! DIE STIMME DER FRAU Wehe, sterben! Die KAISERIN erhebt sich auf die Knie, ihren Lippen entringt sich ein qualvoller, stöhnender Schrei, in dessen Intervallen die Worte – Ich – will – nicht! – hörbar sind. – Sogleich, wie diese Worte hörbar werden, sinkt das Wasser hinab, der Raum, nach einer kurzen Dunkelheit, erhellt sich von oben. – Von der Kaiserin, die sich wie unbewusst vom Boden erhoben hat, fällt ein scharfer Schatten quer über den Boden des Raumes. – Der Kaiser erhebt sich von seinem Thron und schickt sich an, die Stufen hinabzusteigen. KAISER »Wenn das Herz aus Kristall zerbricht in einem Schrei, die Ungebornen eilen wie Sternenglanz herbei. Die Gattin blickt zum Gatten, ihr fällt ein irdischer Schatten von Hüfte, Haupt und Haar. Der Tote darf sich heben aus eignen Leibes Gruft – die Himmelsboten eilen hernieder aus der Luft!« So ward mir zugesungen, da ich im Sterben war. Nun darf ich wieder leben! Schon kommt die heil ge Schar mit Singen und mit Schweben – Das Licht von der Kuppel herab ist stärker und stärker geworden. Nun dringen, von oben her die Stimmen der Ungeborenen hernieder. STIMMEN DER UNGEBORENEN (EINZELNE) Hört, wir wollen sagen Vater! (ANDERE) Hört, wir wollen Mutter rufen! (EINIGE) Steiget auf! (ANDERE) Nein, kommt herunter! Zu uns führen alle Stufen! KAISERIN deutet nach oben Sind das die Cherubim, die ihre Stimmen heben? KAISER von der untersten Stufe Das sind die Nichtgeborenen, nun stürzen sie ins Leben mit morgenroten Flügeln zu uns, den fast Verlorenen; uns eilen diese Starken wie Sternenglanz herbei. Du hast dich überwunden. Nun geben Himmelsboten den Vater und die Kinder die Ungebornen frei! Sie haben uns gefunden, nun eilen sie herbei! Er ist von der untersten Stufe herabgestiegen. Die Kaiserin will ihm entgegen, deutet nach oben, von wo ein immer hellerer Schein herabdringt, ein silbernes Klingen dem Gesang der Ungeborenen präludiert, sie sinkt in die Knie. Der Kaiser, der Kaiserin gegenüber fällt gleichfalls auf die Knie. Die Ungeborenen fangen an zu singen. Die Kaiserin und der Kaiser bergen jedes ihr Gesicht in den Händen. DIE STIMMEN DER UNGEBORENEN von oben Hört, wir gebieten euch ringet und traget, dass unser Lebenstag herrlich uns taget! Was ihr an Prüfungen standhaft durchleidet, uns ist s zu strahlenden Kronen geschmeidet! Der Kaiser und die Kaiserin haben sich, mit Entzücken aufwärtsblickend, erhoben. KAISERIN indem ihre und des Kaisers Hände sich berühren Engel sind s, die von sich sagen! Ihre Stärke will uns tragen! Ungeboren, preisgegeben, ohne Anker, ohne Ziel! Wie sie rufend uns umschweben, bin ich, bin ich dir gegeben! KAISER Nirgend Ruhe, still zu liegen, nirgend Anker, nirgend Port, nichts ist da – nur aufzufliegen ist ein Ort an jedem Ort, wie sie rufend uns umschweben bist du, bist du mir gegeben! Sie halten einander umschlungen. Helles Gewölk umschliesst sie. Verwandlung Eine schöne Landschaft, steil aufsteigend, hebt sich heraus. Inmitten ein goldener Wasserfall, durch eine Kluft abstürzend. Kaiser und Kaiserin werden über dem Wasserfall sichtbar von der Höhe herabsteigend. FRAU von links auf schmalem Fusspfad Trifft mich sein Lieben nicht, treffe mich das Gericht, er mit dem Schwerte! eilt vor bis an den Abgrund BARAK auf der gegenüberliegenden Seite Steh nur, ich finde dich. Schützend umwinde dich, ewig Gefährte! Indem sie ihn gewahr wird, ihm die Arme entgegenstreckt, fällt ihr Schatten quer über den Abgrund. BARAK jubelt Schatten, dein Schatten, er trägt mich zu dir! FRAU Gattin zum Gatten! Einziger mir! DIE STIMMEN DER UNGEBORENEN Mutter, dein Schatten! Sieh, wie schön! Sieh deinen Gatten zu dir gehn! Im Augenblick fällt an Stelle des Schattens eine goldene Brücke quer über dem Abgrund.Barak und die Frau betreten die Brücke, liegen einander in den Armen.Der Kaiser und die Kaiserin sind oben dicht an den Rand des Absturzes herausgetreten. Sie wenden sich nach abwärts, die beiden anderen blicken zu ihnen empor. BARAK Nun will ich jubeln, wie keiner gejubelt, nun will ich schaffen, wie keiner geschafft, denn durch mich hin strecken sich Hände, blitzende Augen, kindische Münder, und ich zerschwelle vor heiliger Kraft! KAISER weist hinunter auf die beiden, weiter hinunter auf die Menschenwelt Nur aus der Ferne war es verworren bang, hör es nun ganz genau, menschlich ist dieser Klang! Rührende Laute – nimmst du sie ganz in dich, Brüder, Vertraute! CHOR unsichtbar, hineinjauchzend Brüder! Vertraute! KAISERIN und FRAU Schatten zu werfen, beide erwählt, beide in prüfenden Flammen gestählt. Schwelle des Todes nah, gemordet zu morden, seligen Kindern Mütter geworden! Schleier vorfallend, die Gestalten und die Landschaft einhüllend DIE STIMMEN DER UNGEBORENEN im Orchester Vater, dir drohet nichts, siehe, es schwindet schon, Mutter, das Ängstliche, das euch beirrte. Wäre denn je ein Fest, wären nicht insgeheim wir die Geladenen, wir auch die Wirte! (libretto Hugo von Hofmannsthal) この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Strauss,Richard/Die Frau ohne Schatten
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第2幕 第1場 (同じ部屋、翌日の午後) モロズス (銀筋のはいったズボンをはき、上着は未だ身に付けておらず、家政婦に手伝ってもらって、盛装の身支度をしている) 金モールの大礼装! 家政婦 (着るのに手を貸しながら) はい、閣下!ですが一言ご忠告申し上げると… モロズス (無視して) ボタンの付いた三角帽! 家政婦 もう用意してあります。ああ、少し私に耳を貸してくれたら… モロズス (先程と同様に) 国王陛下拝領の剣! 家政婦 (一心に) はいはい、ここに、きれいに、ぴかぴかに、磨いてあります…ああ、胸がつぶれそう、旦那様!どうしてそんなにお急ぎで、あの理髪師のせいだわ、 (憤慨して) あのいまいましい、呪わしい悪魔の刷毛もちがちょっと喋っただけで… モロズス 金の握りのステッキ! 家政婦 はいはい、閣下…でも、よく考えてみてください、ああ、お気をつけて…あいつらは意地悪い企みであなたを弄ぼうとしています! モロズス (相変わらず彼女を無視して) ちゃんと正装できたかな?抜けはないか?皺はないか?堂々として見えるか? 家政婦 ああ、イエス様、旦那様が立派に見えないなんてことがありましょうか!聖母マリア様、こんなに品があって、善良で、高貴なお方を、あの泡立て屋がからかおうだなんて、ああ、胸が張り裂けそう! モロズス 近所の靴屋に修理に出して、ついでにその口にも紐をかけてもらったらいい!一息つく間くらい黙ることができんのか?有難いことに、もうすぐこのお喋り婆さんから解放される… 家政婦 解放ですって?いいえ、シチューにされ、フライにされるんです。あの悪魔のコックに羽をむしられ、コショウをかけられるんです!(跪いて) ああ旦那様、忠実な召使の言うことを信じてください、あいつらはあなた様をバカにしようとしてるんです。熊みたいに首輪をつけて引っぱり回そうとしてるんです。私はドアの傍で何もかも聞きました。 モロズス (激怒して) 何だと、お前はドアにへばりついていたのか?一度そこでお前の鼻を挟んでやりたいものだ!さあ行け、床屋が娘を連れてくるまで、玄関で待っていろ! 家政婦 へぇ、うまく誑し込まれるでしょう、海千山千の、あの取り持ち屋が若い娘のことで旦那様に何を吹き込んだか… モロズス 出て行け、くそ婆あ! (ノックの音) ああ、やって来た! (家政婦に) 堂々としてるか?ちゃんとしてるか? 家政婦 お召し物はええ、でもお頭(つむ)のほうは、閣下… モロズス (彼女に飛びかかろうとするー家政婦は逃げ出すーひとり、鏡の前に行き、自分の姿を見つめ、ちょっと気取った歩き方をしてみる) 第2場 (理髪師が入って来る、媒酌人のように、やはり盛装している) 理髪師 閣下の従順な僕(しもべ)でござーい! モロズス さあ、見つかったたか?娘を連れて来たか? 理髪師 一人じゃなくて、三人もですよ、旦那。 モロズス 三人?私はトルコ人か?一人でも多いのに。しかし大騒ぎをしたりしないだろうね。私は昨日からずっと耳が痛んでいるのだ。無口で、もの静かだろうね? 理髪師 それぞれ、この全伯爵領で一番もの静かで、一番無口な娘です。旦那はかつてパリスが女神たちにしたように、その中から選んだらいい。両親と後見人の同意はもうとってあります。ああ、なんて娘たちだ、堅気の初心な小娘たち!俺だって結婚してなきゃね、嘆かわしいが、19年来結婚してましてね、俺が自分で選べたらなあ、あんなにもの静かで、優しくて、鳩みたいに穏やか! モロズス それで牧師は、公証人は? 理髪師 分かってます、分かってます、羊皮紙もきちんと書いてあります。名前が空けてあるだけで、あとは閣下の署名があれば手続き完了。 モロズス 素晴らしい!私は甥っ子の咽喉に栓を詰めて、歌なんか歌うのを止めさせてやる。連れてこい! 理髪師 ただいま、閣下! (彼は玄関の方に行くが、もう一度振り向いて戻って来る) モロズス (いらいらして) どうした?さっさとしろ! 理髪師 (モロズスに近づいて、小声で、内密に、心配そうに演技して) ひとつだけ お願いが、 あまり激しく 掴みかからないように! 行儀のいい 娘たちです、 まだ年端のいかぬ 子供みたいなもの、 繊細で臆病で 経験もないー 男に近寄られたことが ないのです。 最初の言葉に 詰まったり、 怖気づいたり、もじもじして、 自由に ものが言えなかったりしても、 困って恥じらうのを 笑ったりしないように。 冗談を言えば 顔を赤らめ、 揶揄いは 彼女らを追い返してしまう。 繊細なものは 繊細に扱わねばなりません、 ああ、娘心は 臆病なのです、 ただ信頼だけが 変えてくれます、 すると娘に 愛が芽生え、 打ち解け、心を開き始め 愛に素直に なってきます。 ですからもう一度 お願いします、 あまり激しく 掴みかからないように! 行儀のいい 娘たちです、 まだ年端のいかぬ 子供みたいなもの、 繊細で臆病で 経験もなくー 男が 怖くてたまらないのです。 モロズス くそっ、とって食ったりはしない!お前が未だ髭と羽ぼうきの区別ができなかった頃から、私は女の扱いを知っているんだ!急いでくれ、私には時間がないんだ。 第3場 (理髪師は玄関に行って、カルロッタ、イゾッタ、アミンタを中に入れる。三人とも変装し、髪型を変えているので誰と容易に分からない。カルロッタは、けばけばしい靴下、派手な胴衣を着た田舎娘のなりで登場し、麦わら帽子を手に、もじもじしている。イゾッタは若い貴婦人の格好をして、やや気取った装い。アミンタは貧しい庶民の娘のような質素な身なりをしている。全員恭しく、深くお辞儀をする) 理髪師 (彼女たちに情熱的に) さあさあ、頭を低く下げて、 高貴な方の、お屋敷だからな。 待っているのは、お偉いお方、 預かるのは、大きな名誉、 どえらい運命が 呼んでいる。 (モロズスを指して) このお方は、高貴なお生まれ、 高名で、無敵の 国王陛下の 提督、 サー・モロズス様、 世界の海に 名を轟かし、 世界中の港で 尊敬されている! この方に恐縮するのは、恥ずべきことではない、 大胆不敵な 男といえども、 トルコ人、スペイン人、海賊といえども その戦旗の前で 縮み上がり、 サーベルの前で 震え上がったのだ。 お辞儀をするのだ、頭が床につくまで。 恐れ多い お方なのだ。 モロズス (優雅に) お嬢さん方、ようこそ! 名誉なことだ、かたじけない! 若さには 大きな権利がある、 美しさは どんな家をも高貴にする。 理髪師 失礼ながら、旦那、お嬢さん方の紹介だが、その内気さ故に俺が代わりご説明を。 (カルロッタを連れてくる) カルロッタ (田舎娘風に驚くふりをしながら) ええっ、こわー!こんな偉え人ん前じゃ怖気づくわ! 理髪師 この娘は田舎の出で 根っから素朴、 つつましい農家の一人娘で、 世の手練手管を知らず、 嘘偽りとは無縁で、 野原や、牧草地で おとなしい羊たちに囲まれて 野の花のように育ちました。 モロズス 名前は何という? 理髪師 (彼女に代わって答えて) カタリーナ カルロッタ (がさつに) 違う!何を嘘言ってるだ、この野郎!いつもみんなカティって呼んでる。 (黙れという合図をしている理髪師に対して) そうだってば!こんな立派な旦那をだましたりできねえ! モロズス もっと近くにおいで! カルロッタ えっ!私に何の用だ?うちの村でユダヤ人がお腹の大きな豚見るみてえに私を見て。私に何の用だ?あっ、足がすくむ! モロズス (腹を立てて理髪師に) 子牛たちの中で自分も子牛になったみたいな娘だな。連れて行け! 理髪師 (肘でカルロッタをつついて) カルロッタ (おずおずと) もう行ってええんかい? モロズス (怒って) そうだ、行ってええ! 理髪師 (イゾッタを連れて来て) こちらは貧しいですが、 身分のある両親のお譲さん。 昼も夜も部屋の中で どんな遊び事にも目もくれず 精神に力を与えてくれる 立派な芸術をお勉強。 (カトリックの連祷を唱えるように、早口で) ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語、アラメア語を母国語のように話し、詩やシャレード(言葉遊び)を作り、絵を描き、刺繍をし、聖書の注釈や長老たちの法典を前からでも後ろからでもそらんじることができます。天文学、占星術、三角法、手相術が分かり、ペルシャ人のようにチェスをし、リュートを奏で… モロズス (びっくりして) リュートを奏で?? 理髪師 いえ、いえ、私が言おうとしたのは、彼女はタブラチュア楽譜が読めて、通奏低音と対位法を熟知してはいますが、理論だけで、実際にではありません。更に… モロズス もういい、十分だ! (イゾッタに) もっと近くへ、お嬢さん、怖がらなくていい! イゾッタ (軽快に早口で) どうして恐れたりしましょう、だって人相学の知識があなた様の星の動きを私に教えてくれますもの。お顔つきから見て取れるのは、あなた様が火星の下に生まれ、多血質で、激怒すると男たちには怖いけれど、女性には好意的で、心を砕いてきたということ。その体格は寛容を示し、額の弧は決意の堅固さを、黒い瞳は男らしい活力を示し、好感の持てる雰囲気を放っています。どうして信頼できないなんてことがありえましょう。手は…手を見せていただいてよろしいかしら… (彼女は彼の手をつかむ) モロズス (すっかり狼狽して、抵抗できない) お嬢さん! イゾッタ 何と幸運な手相ですこと!運命線がまっすぐ、心臓のルーネ文字、メンザリスが、何の障害もなく太陽線を越えていますが、それはコクレニウスによればヴィーナスのあらゆる冒険において幸運な印を意味しています!あなた様はお望みになるだけで、欲するものを手に入れます。それは手相学でネッテスハイムのアグリッパを意味しています。生命線は強い枝を示しています、ああ、素晴らしい、素晴らしい、割れ目がなく、分岐もない。あなたには跡取りはいませんが、長生きされる!はっきりした四角形の中に活力の根源が、ああ、何と卓越した手をお持ちだこと、モロズス卿、何と高貴で、表情豊かな手… モロズス (不安になって不機嫌になり、手を引っ込めて、汗をふきながら) あなたのご立派な所見に謝意を表しますよ、お嬢さん。 (理髪師に) 彼女を厄介払いしてくれ、あのお喋りで殺されそうだ。 理髪師 (イゾッタに) 後でまたその知識を存分に披露してくれれば、モロズス卿は感謝されるでしょう。 (モロズスに) もう一人こちらの高貴な娘さんを紹介してよろしいでしょうか! モロズス卿 (アミンタに、機嫌よく) 近くにおいで、お嬢さん! アミンタ (自然のままにはにかんで) よろしければ… モロズス 名前は? アミンタ ティミーダ。 理髪師 (小声で口をはさんで) ティモテウス(聖人テモテ)とは関係なく、ラテン語でして…内気という意味でして、彼女が控えめなので信心深い修道女たちがそう名付けました。 モロズス 美しい名だ!彼女の優美さに相応しい名だ!私の傍に坐らないかい? アミンタ ああご主人様、正直言って、 そうしたいのですが、 ああ、あなた様に後で後悔させたくないのです 時間を無駄にしたと、あなた様がご立腹するのではないかと。 私にあなた様を恐れ敬う気持ちがないのではなく、 でもお分かりください、私は言葉を交わすのが 本当に不器用なんです。 他の人が気楽に話したりおしゃべりしたりするのを聞くと、 私は落ち込んでしまいます、 他の人はいっぱいお話なさるのに、私はほんのわずか。 (人なつっこく) もっとも、私はいつもひとりでした、 両親もなく、遊び友達もなく育ちました、 親しく話をする人がいなかったら、 誰に対しても人見知りしてしまうのです、 知らない方が私に親切に言葉をかけてくれると、 いつもばかみたいに顔が真っ赤になるんです。 モロズス (理髪師に) 何て素直だ!何て純情だ!愛らしい子だ! (アミンタに) そんなに一日中ずっとひとりなのか? アミンタ ああご主人様、他にどうしようもありません、 家では敬虔なシスターたちと一緒で、 時にはまる一週間外を見ることすらなく、 でももうそれには慣れています。 通りで叫び声や騒ぎがあると怖くなります、 一日中、裁縫机に静かに黙って 座っているのが一番好きです。 私の夢を全部その 丸くて白い枠の中に刺繍します。 すると突然そこに、花や、星や、 優しい緑色が浮かび上がり、 まるで新しいイメージが色鮮やかな灯りとともに 私に湧き出たみたいで、嬉しくなります。 すると突然、私は心が広くなります。 世界も時間も感じません、 私はまるで、 花咲く野原を歩いているような気分です、 外では鳥の鳴き声が聞こえ 空の青が揺れ動いているみたい (突如、中断して) あら、ご免なさい、 私、自分のくだらないことばかり話して、 こんな子供っぽいお喋り、あなた様にはつまらないですね。 モロズス (理髪師に) なんと慎ましい!魅力的だ、魅力的だ! (アミンタに) だが日曜日くらいはその狭い部屋を出るのだろう! アミンタ ああご主人様、そんなにはっきり訊かれると、 私は罪を感じ、ひどく気おくれします、 だって私のしていることは、結局は大きな罪、 神様に対する 驕りかもしれません。 でもあなた様には 正直に言いますわ。 他の方々と一緒に教会に行くのは 好きではありません。 いえ、私は 自分の義務を忘れ 懺悔やミサを 怠っているのではありません。 私はひとりで 神様といるのが好きなのです。 鐘の音が 鳴りやんで 他の人たちが外に出て、声が聞こえなくなると、 ようやく私は 教会に忍び込み、 静かにぽつんと 腰掛けて 神様に 愛と感謝を述べて 全てをお許しになり 分かってくださることを願います。 それが私の 驕りや罪なら、お許し下さるでしょう。 モロズス (すっかりく興奮して理髪師に) 彼女だ!この娘だ、この娘しかいない! アミンタ (驚きを示して) ああ神様、ばかなことを話しました、ご主人様がお腹立ちなのが分かります。私が至らないなら、お許しください。 モロズス (理髪師に) 彼女に言ってくれ!お前が仲人だ。義務を果たせ! 理髪師 (アミンタに慎重に) あんたはモロズス卿の気に障ってない、 その反対だよ、お譲ちゃん、 ここに居た女性たち全部の中から、 あの方が選んだのはあんただ。 胸に手を当ててよく聞くんだ、 大いなる名誉があんたの前にある。 モロズス卿は、自分が貴族の身分にもかかわらず、 俺を通じて、あんたの心と手を求めておられるのだ。 アミンタ (驚いたふりをしながら) ああ主よ、私がどんな悪いことをしたというのでしょう、私のことを嘲笑し、こんな哀れな娘をからかうなんて? モロズス 違う、彼の言っているのは本当のことだ。お前に訊くが、ティミーダ、お前は神と人々の前で私の妻になってくれるか? アミンタ (畏敬の念に身震いするかのように、跪いて) ああ、何たる名誉! 私がそれに値すると、神様が望まれるなら! カルロッタ ああ、見てみろ。あのあばずれ女!まんまと言いくるめて。結婚するだと。あきれた。 イゾッタ こんな教養のない女が。でもこの女が手に入れたのは、鯨油とブランデーの臭いのする武骨者。私ならこっちからお断り。 カルロッタ この後どうなるか、見ものだわさ。行こう。 イゾッタ ええ、こんな家にはもう関係ないわ。 (二人は見るからに怒って出て行く) モロズス (理髪師に) さあ、では牧師と公証人だ。 理髪師 只今、只今、それに花嫁と、証人としての俺。すべてよどみなく。見てください、理髪師は目が利き、腕が確か。 (去る) (モロズスはアミンタをテーブルの方に連れて行き、アミンタは腰掛け、そこに慎ましく言葉もなく座っている。モロズスは長い間彼女を見つめ、動き出す) 第4場 モロズス (ゆっくり彼女に近づいて) そんなに黙りこくって、お譲ちゃん、 まだ恥ずかしいのかい? 私たちが結ばれる、この場に及んで、 君の楽しそうな顔が見たい。 アミンタ (役を演じながら) お許しください、ご主人様、私の愚かな振る舞いを、 私はまだ気が動転して、ぼうっとしてます。 夢にだって、考えたことありません、 神様が私にこれほどの名誉を贈ってくださるなんて。 モロズス お譲ちゃん、思い違いをするのはよしなさい、 君を呼んでいるのは名誉ではない、 大いなる犠牲の前に君はいるのだ! いいかい、お譲ちゃん、 初めは私も、君と同じように簡単に思っていた。 ただの遊びか気晴らしの相手に、 若い娘を選ぶのだと、考えていた。 そして、私の妻、配偶者と呼ぶことで、 その娘は幸せになるに違いないと思った。 だが今、君を見ていると、可愛い君、 君はたった今花開いたばかりだ、神の恵みの花、 そして私は心が乱れ、手が震える。 私が、こんな気難しい年寄りが こんなに無垢な若い娘に求婚などしていいものか? そう、私はますます気が重くなる、お譲ちゃん、 私たち二人はやはり余りに不釣合ではないかと。 アミンタ (誠実なふりをして) ああご主人様、そんなこと私、よく分かっています。 私がもう少し年をとっていて、貴族の礼儀をもっとよく 弁えていたら、あなた様には良かったでしょうに。 でも私、あなた様の名声を世間に辱めることのないよう、 心から気をつけるつもりです。 モロズス お譲ちゃん!君はひどく思い違いしてるよ。 私は、君と幸せになるのが、いかに簡単か、 それを疑っているんじゃない、そうじゃない、 しかし君は、しかし君は、 君は後悔するのではないかな? 考えて見てごらん、私は年寄りだ。 アミンタ (相変わらず役を演じて) そんなこと何でもありません、 だって素晴らしいじゃないですか、 年齢は名声、賞讃、名誉をもたらします! モロズス だが若い者たちときたら 年寄りのことを、 必要もない、重みもないものみたいに話す! お譲ちゃん、よくお聞き! 年寄りというのは 半人前でしかない、 年寄りには 半分しか時間がないからだ、 一番良かった時は 過去のものだ。 その目はもう飽き飽きするほど ものを見てきた、 その心臓は疲れて、高らかに音をたてることもない。 血液は 奥深いところで凍てつき まさしく生気を 萎えさせる、 自分が頑固で 冷淡なものだから、 周囲をすっかり 老けさせてしまう。 陽気になることもなく、笑うこともない、 他人を楽しませ 喜ばせることもない 若い者よりたったひとつ 優れているのは たったひとつだけだが、お譲ちゃん、唯一 年寄りは より感謝することができるということだ。 (彼は彼女の手を握りしめて優しく見つめる。アミンタは彼の眼差しに自分の意志に反して恥ずかしくなり心動かされる) 考えてもみてごらん、 年寄りは 自分の人生を楽しむのに、 大したことを 必要としていない! 静かな一日、それでもう幸せなのだ、 たった一言、微笑みひとつで楽しくなる。 誰かが優しく 見つめるだけで、 それだけで年寄りは もう嬉しくなる。 いや、お譲ちゃん、大したことは もう望んでいない、 愛だの、情熱だの、熱情だのはもういい、 君が私を お荷物だと感じなくて、 少し私に 親切にしてくれたら、 それでもう幸せだ!それは君に望み過ぎだろうか? アミンタ (率直に心打たれて) ああご主人様、聖なる秘跡に誓って、 私はあなた様に愛を捧げることができると…思います モロズス (大喜びして) おお ティミーダ! アミンタ (自分が役を忘れたことに気がつき、急いで気を引き締めて) この世で最愛のものを 贈って下さった お父様を敬虔に愛し 敬うように。 私がすることは、 初めは変で 逆らっているように思われるかもしれませんが、 あなた様にお誓いします、 私はただあなた様に良かれとだけ 思っています、 そして私があなた様の不機嫌を とり除くことができたら、 私はこの世で一番 幸せな女になることでしょう。 モロズス おお、お譲ちゃん、君は私をなんと幸福にしてくれることか! 愛が奇跡を 起こしたとしても、 それはまだ怒りっぽくて 弱いものだった。、 年寄りで、冷淡な男、 その私の中で 今、幸福が花開く この幸せは すべて君のお蔭だ! (彼は優しく彼女に近づき、感動して、彼女の額にキスする) 第5場 (理髪師が物音をたてずに入って来る) 理髪師 おやおや、秘薬の効果はてきめんだ!お見かけするところ、あの娘(こ)はあんたの血のめぐりを良くし、目を開かせたようですね。昨日までのふさぎこんだモロズス卿ではない。牧師や公証人の前で、いつものあんたと同じ方だと正直に証言などできないくらいだ。しかし尊敬すべき紳士方はもう階段を昇っておられる。ですから敬意を払って、懇ろなオタノシミはお控え願います。結婚後は憚ることなくオタノシミいただけますし、それどころか敬虔な夫婦の義務でもあります。結婚はケーキの中のレーズン以上に味のあるものです。 第6場 (牧師の変装をしたヴァヌッチと眼鏡をかけて公証人の格好をしたモルビオが、家政婦と一緒に入って来る。理髪師がドアの所で迎える) 理髪師 では失礼ながら私めが、尊敬すべき紳士方よ、結婚を望んでおられるお二人を紹介させていただきます。高名なるモロズス卿、国王陛下の臣下で、かつて軍艦の司令官を務めておられました。そして美徳の誉れ高きティミーダ嬢、二人とも独身で、あなた様と天のお力添えで神聖なる結婚生活に入ることを望んでおられます。牧師様、公証人殿、お役目を執り行ってください。 ヴァヌッチ (牧師を演じて、荘重に) 不和や戦争の多い この世の中で 愛し合う二人を 神の御前で 結び合わせるほど 牧師にとって すばらしい役目は ありません。 モルビオ (公証人を演じて) 死亡の場合や 遺言では 手数料は もう少し多めです。 法律家は争いで 生計をたてているのです。 しかし喜んで 愛の証人にもなります。 もちろんそれは 正式のものでなければならず、 良俗に反した 破廉恥な快楽であってはなりません。 愛は 結婚という形でのみ 有効と 認められるのです。 秩序こそが 法律家の世界であり、 どこでもそれを 守ることが 法律家の 一番の役目なのです。 (二人に) それでは秩序に従ってお尋ねします。 (大変早口で) 教会法及び国王陛下の法律に従い、この契約書に記された方々の有効且つ厳粛な結婚に必要な、種々の条件はすべて満たされておりますかな?更に、ここに挙げられた方々と、その署名が一致することを証言する、尊敬すべき証人はおられるかな?ケッコンノショウガイ、ドイツ語にすると、この結婚成立に対する教会的並びに世俗的障害はありませんか?まず第一に… ヴァヌッチ (牧師として割り込んで) 思うに、先生、手続きを簡単にしてはどうで。モロズス卿の名声は世にあまねく知られていますし、ティミーダ嬢のことは床屋の親方とあのご立派な未亡人のツィンマーラインさんが保証してくれます。新郎新婦が望み、証人が先ず契約書に署名してくれればそれで規則は十分です。 モロズス (前に出て署名する) 理髪師 (読み上げて) サー・モロズス、司令官… アミンタ (署名する) 理髪師 (同様に) ティミーダ… 家政婦 (署名する) 理髪師 テオドージア・ツィンマーライン、未亡人。そしてこの俺、パンクラツィウス・シュナイデバルト。 (署名する) ヴァヌッチ (牧師を、大変崇高に演じて) では私の神聖なる役目、結婚ノ秘跡を執り行います。あなたたちは、神の御前、並びに現世のこの二人の証人の前で、神聖なる結婚生活に入る決心ができていますか? モロズス (即座に) はい。 アミンタ (ためらい、狼狽して、黙っている) モロズス ティミーダ、黙っているのか? モルビオ 娘の気高い恥じらいを尊重しなさい!彼女の恥じらいが揺るぎない美徳をあなたに約束してくれます。 理髪師 (アミンタをつついて、小声で) サア! アミンタ (弱々しい声で) はい。 ヴァヌッチ ではお二人を結び合わせましょう、死すべき人間である私がひとつにしたものを分かつのは死だけでありますように! (非常に不明瞭に早口で) 父ト子ト聖霊ノ御名ニオイテ… (後ろへ下がり、打ち解けた声で) さて私がまず最初に、お二人におめでとうと申し上げましょう。 モロズス ありがとう、牧師さん、そしてあなた、公証人殿、そして証人の方々、我が人生の秋にかくも身に余る幸せをお与えくださったことに、神に感謝します。 (家政婦に身ぶりで合図する) 皆さん、我々と一緒にささやかな食事でもいかがでしょう? (家政婦はグラスに酒をついで持ってくる、皆、口々に) ヴァヌッチ (牧師を演じて) ではほんの 少しばかり、 お二人の邪魔に ならないように、 愛は本当は 分かち合うのを好みません、 二人だけで 幸せでいたいのです。 モルビオ (公証人を演じて) ではグラス一杯だけ 頂きます、 新婚さんには よく邪魔が入る、 二人きりに なれない時間が、 無限に長く 思われる。 モロズス (アミンタを見つめて) あの娘(こ)を見ているのは、素晴らしい、 なんと恥じらいがちで 控えめな眼差し。 一番もの静かで、可愛い女性を、 神様は私の胸に 与えてくれた! アミンタ ああ、この人たちが ずっといてくれたら、 だって二人きりに なってしまったら、 この人はその愛で 私に迫ってくる、 そしたら私 ひどいことをしないと。 理髪師 では、爆弾が 破裂する前に 速やかに姿を 消しましょう。 旦那は今はまだ 天国にいる気分だが、 明日になれば 病気は治る。 家政婦 私にはさっぱり 分からない、 誰も本当の顔を 見せてくれない。 半分本気で 半分冗談 でも何だか しっくりこない。 ヴァヌッチ (牧師を演じて) いい感じの集まりでした、おめでとう、この幸せに感謝します。新婚さん万歳、生キ、花開キ、育タンコトヲ! (全員乾杯し、グラスを鳴らし、飲み干す。静寂) モロズス 私には、この静けさの中、まるで天使が飛び回っているかのように聞こえる… 第7場 (玄関で物凄い音が聞こえる。大きな足音を立てて階段を昇って来る、ドアがばたんと開き、全員、ヴァヌッチの仲間によって演じられる下品な船乗りたちの一団がひっかけ錨、棍棒、ラッパ、太鼓、バグパイプを持って押し入ってくる。先頭の、ファルファッロ扮する赤ら顔の酔っぱらった老水夫が、手にした銛を振り上げる) ファルファッロ (老水夫を演じて) こん畜生、老いぼれ娼婦が言ったことは、今度は嘘じゃなかった。若い娘っ子をもらうとよ、あの爺いのモロズス艦長が!しかしあんたの思うようにこっそり、獲物を港に引き込むわけにはいかねーぞ!俺らの艦隊の司令官が祝砲なしに結婚式を挙げるなんざ、船乗り全員の恥ってもんさ。名誉には、それに相応しい名誉ってもんだ! モロズス 君らは多分勘違いしている。私は君らを知らん。私の部下じゃなかった。 ファルファッロ 嘘ぬかすな!上甲板の霧があんまり濃いんで、トム・フェクサーが、デブのジョニーが、あんたのフリゲート艦のならず者どもが分からんのだろう!しかし俺らは老モロズスを知っている、そして今日はタールを塗らずにキャビンに潜り込ませたりはしないぞ。 (他の者たちに) 前へ進め、勇敢な仲間たちよ、 我らが老提督は、 俺らを、婚礼と祝宴に 招いては くれなかった、 しかしセレナードの ひとつくらい 届けても 断りはしまい! 前へ進め!敬意を表してファンファーレを! 太鼓をを元気よく 打ち鳴らせ 歌の皆は、明るく大きな声で、 万歳、万歳、モロズス卿! 万歳、万歳、その嫁さん! (彼らは太鼓を叩き、バグパイプを演奏し、ラッパを吹き、喚き立てる) モロズス (気が狂ったように飛び出して) お前らの足、痛風にでもかかってしまえ、この大嘘つきめ、静かにしろ、さもないと私が九つの尻尾のある猫と一緒に鞭で叩いて追っぱらうぞ!悪魔と、その婆さんの所へでも失せやがれ! (他の者たちは彼を押しとどめる) アミンタ ああ、あなた、 みんな悪気はないんです。 ヴァヌッチ (牧師を演じて、驚いた様子で) しかし閣下、こういう時に あなたの口からそんなひどい悪態をつくとは! モルビオ (公証人を演じて) 気をつけて、気をつけて、名誉棄損になります、裁判沙汰になりますぞ! ファルファッロ (船乗りを演じて、激怒したふりをする) 何だと?あんたは昔の仲間をそんな風に迎えるのか、でぶでぶの陸(おか)ねずみは?このお人形さんの前で恥ずかしいって、俺らが下品で不作法だと?それとも白髪になってその太鼓腹を、年代物のラム酒でなく、若い姉ちゃんの血で温めるのが恥ずかしいのか?しかし皆が知らなきゃな、街じゅうが! (彼は急に窓を引き上げて外に叫ぶ) おーい、ご近所さん、おーい、皆さん、 みんな、こっち、みんな、上がって来い。 モロズス卿が 今日はお呼びだ、 あんたら皆を 招待するとさ。 さあ行け、鐘を鳴らせ、 さあ行け、礼砲を撃て、 さあこっちに来て、拝ましてもらえ! 皆、こっちに来て ようこそと言うんだ、 モロズス卿と 若い嫁さんに! モロズス (怒り狂うが、他の人に抑えられる) 私のピストル、このペテン師に一発喰らわしてやる!一番高いマストにお前を吊るしてやる、一番上の帆桁に、この悪党め…この…この…この… 他の人たち (彼を抑えて) 気をつけて…落ち着いて…今日はあなたの結婚式です、神経を静めてください… 第8場 (街の人や近所の人が押し寄せて来る。男性と女性が交互に合唱) 男たち 本当か、モロズス卿が? この偽善者を見てご覧よ。 女たち 女には我慢できないって 何千回も断言してたのに。 男たち こいつ、他人が楽しんでいる時は、 ひどく憤慨して毒づいていたくせに。 女たち その間に白髪頭が 若い小猫ちゃんに言い寄ってた。 全員 (交互に) なんたる偽善者!なんたる悪知恵! 年寄り狐!卑怯者! こっそり女を 連れ込んで! 年寄り狐、捕まえたぞ! モロズス (相変わらず取り囲まれ、抑えられている) 放せ!出て行け、ならず者め、私の家から出て行け! ヘンリー (合唱の指導者の格好をして) 花婿のあなたを 見たいという 我々の楽しみを 拒むのですか? いいえ、それはいけません! すぐに 忘れることのない、 祭の夜に なりますよ。 さあ、鐘を 鳴らしてくれ! 礼砲開始、ファンファーレ、 声を揃えて 万歳だ、 そーれ、はい、老いぼれ婿さん! そーれ、はい、若い嫁さん! 全員 (騒々しく、交互に) そーれ、はい、老いぼれ婿さん! そーれ、はい、若い嫁さん! (彼らは大声をあげ、叫び、笑い、ラッパを吹いたり、太鼓を打ったり、大騒ぎする。外から鐘の音と礼砲が聞こえ、ものすごい騒音) モロズス (怒りで顔が真っ青になり、すっかり憔悴して安楽椅子にへたり込む) 水だ!空気だ!息が!奴らに殺される! (理髪師に) 息がつまる!身銭を切っていい!後生だから奴らをこの家から追い出してくれ! 理髪師 (他の人たちに、丁寧にお辞儀して) ご来賓の皆様、並びに紳士淑女の皆様、モロズス卿は深く感動して感謝されておられます… 声1 ぶちのめされてだろ。ハハ! 理髪師 この結婚式に大変なご好意で参加いただき、喜びのあまり感激して言葉が出ないようで、代わって私に言えとのことです。角の右手の飲み屋でフランドルビールを三樽開けますんで、祝って飲んでくれとのことで。 ファルファッロ (船乗りを演じて) なかなか いい挨拶だ、 そうこなくっちゃ、老いぼれ婿さん、 いつまでも 覚えておけよ、 誰かが楽しく なる時は、 皆で喜びを 分かち合う、 そうしないと 幸せも半分。 さあ、今から 祝杯だ! だがその前に 明るく大きな声で、 もう一度、輪になって モロズス万歳、嫁さん万歳! 全員 (しかしもうさほど騒々しくはない) モロズス万歳、嫁さん万歳! (お辞儀をして笑いながら去っていく、船乗りたちも) モロズス (息をついて) もう行ったか?私の耳、私のこめかみ、すっかり傷ついた。ああ、まるで火あぶりにされる聖ラウレンティスのようだ。水!水をくれ! アミンタ (コップを持ってくる) ヴァヌッチ (牧師を演じて、モルビオの公証人と共にモロズスに近寄る) あまり厳しく お考えにならぬように、 少々喧しかったが、好意からでたこと。 庶民というものは、機嫌がいいと、 すぐに行儀を 忘れてしまう。 だが、そろそろお暇しなければ、私の役目が呼んでおります、あなたも多分奥様と二人だけのほうがいいでしょう。 モロズス (ぐったりして) 牧師さん、ありがとうございました。! ヴァヌッチ どういたしまして、 お子様の洗礼式にまたお目にかかりたく存じます。 モルビオ (公証人を演じて) お暇いたします、 こういう機会に来られてよかった、 いつか手助けや助言が必要な時は、 いつでもお役に立てるよう準備しております。 理髪師 (アミンタに小声で) さあ思いっ切りやるんだ、アミンタ!無口な女ががなり立て吹きまくるのを見せてやれ! アミンタ ああ、こんなお芝居、他の人にやってもらえばかった!あの方が気の毒、お可哀想ないい方なのに! 理髪師 まさにそれだよ!あの愚かさを酢と塩をきかせて治すんだ。では、では彼をたっぷり肉汁につけて、それで一丁出来上り。 ヴァヌッチ (牧師を演じて、彼女に近づき) 奥様、お休みなさいませ。 (小声で) 羽が全部飛び散るまで、奴をむしり取って、ほぐしてやれ! モルビオ (公証人を演じて) それではお暇いたします! (小声で) 我々の芸術に恥をかかせるんじゃないよ!奴が血の汗流すまで、つねっていじめてやれ! アミンタ (ひとりごと) ああ、神様、今までこんなに難しいことはなかったわ! 早くみんな終わってくれたらいいのに。 (ヴァヌッチ、モルビオ、理髪師が出て行き、ドアのところでもう一度アミンタに頑張れと合図する) 第9場 (モロズスとアミンタ二人だけ、階段を降りる人々の足音、それからドアを閉める音が聞こえる。深い静寂。アミンタはすっかり気が滅入ってテーブルの傍に座り、大きく溜息をつく。モロズスは、彼を見ようとしないで黙り込んでいる女に、優しく心配そうに近寄る) モロズス 君はそんなに大人しくて気が滅入っているみたいだね?ああ、分かるよ!多分あのひどい地獄のような大騒ぎに疲れたんだね? アミンタ ああ、いいえ、そうじゃありません。 (溜息をつく) モロズス (彼女の傍によって) 溜息をついているのか?後悔しているのか? アミンタ (本当に激しく) ああ、優しいお方、後生ですから、訊かないで、訊かないで! モロズス (優しく) しかし訊かないわけにはいかないよ、君!私たちは神の前で今やひとつではないか、ひとつの心、ひとつの人生?君の心配事は私の心配事ではないか?私に打ち明けてくれ、何でそんなに塞ぎ込んでいるのか? アミンタ (傍白) この人がもっと乱暴で厳しかったら、もっと気が楽なのに! (大声で) 何も、何も、私を責めないで! モロズス いや、言ってくれ、君、私に打ち明けてくれ。 アミンタ もう一度、ご主人様、切にお願いします、私を責めないで! モロズス 君が暗い顔をしているのを見るのは、自分のことのように辛い。君を幸せにしたいと思っているのに…私のティミーダ、何でそんなに塞ぎ込んでいるのか? アミンタ (真っ青になり緊張して) 旦那様、ご主人様、後生だから責めないで…少し休息が必要なんです… (小さく独り言) もう一言、あの人が言ったら、始めよう… モロズス (独り言) 乙女の恥じらいの何と可愛いこと! (彼女に近寄り手を取って) いいかい、私のティミーダ… アミンタ (足を踏みならし、激怒したふりをして叫ぶ) 静かに!そう言ったでしょう!!! モロズス (びっくりして仰向けに倒れて) ああああああ! アミンタ (突然激しい口調で) 静かにしていたいの、 静かに、静かに、静かに、静かに! 質問されたくありません、 煩わされたくありません! 困らせないで、尋問しないで、 自分のことは自分で分かってます、 何が気に入り、役に立つかは、一番分かってます、 いまいましい、私の邪魔をする奴め! モロズス (この変貌ぶりに唖然とし、しょぼんとして) しかしティミーダ…私はただ… アミンタ (足を踏み鳴らして) しかしじゃない!しかしはお終い! お願いはいや、話しもいや、、 ここでは、私がしたいようにします、 私が、私が、私が、私が。 ここでは誰も質問しない、 ここでは誰も要求しない、 私がする以外は、私が、私が。 モロズス しかしティミーダ…君の大人しさはどこにいった…私には君が分からない…私はただ… アミンタ (激怒している様子で、行ったり来たりしながら) あなたは、買ったとでも思ってるんでしょう、 もの静かでぺこぺこして、言うことをきき、 料理と家事を してくれる もの物言わぬ、ばかな小娘を。 大間違い!大外れ! 私が誰か、今のうちに覚えておきなさい! 黙ってこの壁の中に 閉じ込められ、 悲しみのうちに 一生を暮らすために あなたと一緒になったと、思ってるの? いえ、いえ、いえ、いいえ! いいえ、私は邪魔させない、 私は自分の 思いのままにする! 私は若い、私は生きたい、 私は若い、私は楽しみたい! 私は冗談を言って、笑いたい、 喜びたい、喜ばせたい、 人々の中で 陽気でいたい、 若くて、楽しくて、生き生きとした、 私の血をたぎらせてくれる 人々の中で。 私がこの家に いるとならば、 賑やかで 愉快でなければ! モロズス (すっかり絶望して、あちこち歩き回りながら) ああ、バカだった、この罰当たりめ、 もの静かな女が いるなんて、 あいつの戯言を 信じたばかりに。 ああ、バカだった、バカ、バカだった、 白髪頭 ひっさげて 今さら 嫁捜しなんかして、 まるで愚かな 若僧みたいに 自分の罠に 引っ掛かるとは! ああ、バカだった、バカだった、もう遅い 自分のバカさ加減が よく分かった! アミンタ (行ったり来たりしながら) ここで全てを 変えなければ、 若さには その権利がある! 私が欲しいのは、馬車、しかも三頭立て、 ドレス、真珠、ダイヤモンド、 召使い、お小姓、従僕、 オウムと それに九官鳥、 どれもレディに ぴったりでしょ。 いつも最高の ドレスを着て、 ミサに行ったり、温泉に出かけたり。 そして家では いつでも音楽、 フルート、バイオリン、そしてリュート、 チェンバロに クラブサン、 歌手、ダンサーに カストラート。 いつもいつも 音楽、音楽! 私自身も 歌を習うの 音楽、音楽、最高の楽しみ! だってその喜びは 高らかと このワクワクした胸に 押し寄せてくるの! モロズス (同様に、あちこち歩き回りながら) ああ、バカだった、この古狸! このマヌケときたら あんな魔女に 引っかかって、情けない! あの叫び声、ああ、あのがなり声、 あの歓声、あの鳴り響く声! 私の耳!私の耳! ああ神様、私はもう破滅です、 あんな風にずっと 騒がれたら。 (二人ともあっちこっち歩き回りながら、言い争う) アミンタ (女主人のように) 私が行くのを 邪魔しないで! 私がここを行くの、他の人ではなく! 私がここで話すの、私だけが、 私が、私が、私が、私が! 白髪頭は 隅っこで、 角(かど)っこでじっと していなさい、 私は若くて、スペースが要るの! モロズス (隅っこに逃げ込んで、拳で壁を叩きながら) ああ、このマヌケ、ああ、このとんま、 女を信用 するなんて! バカ、バカ、バカ、バカ、 私はバカだ、バカだった! 地獄より ひどい! 死よりも ひどい! アミンタ (いっそう激しく) ここで全てを 変えなければ、 窓を広く、壁を明るく 金襴緞子で 輝くばかりに、 机とテーブルは 新しく豪華に、 たくさんの鏡、たくさんの灯り、 絵画、花、椅子もいくつも、 ダンスの部屋、音楽の部屋! (彼女は見回して、テーブルクロスと、窓に掛かっているカーテンを、音をたてて引きちぎり、杖を取って、モロズスの貴重品をさんざん叩く。彼の魚の骨格や、パイプスタンド、天文学の道具などはすべて音をたてて床に落ちてしまう) 古臭いガラクタは 捨てましょう、 教会の墓地の ゴミ、虫喰い! 武器はポイ、ピストルも、 この色褪せた 魚の骨格も、 死を思わせるものは、ぜーんぶ、 恐怖を与えるものは、ぜーんぶ! 時代遅れの かび臭いもの、 辛気臭いものは ぜーんぶポイ、 タバコ臭いものは ぜーんぶポイ、 この年寄りの ふけの臭いも! パキン、ポキン、もっと、も一度 寂れた道具は ぜーんぶポイ! モロズス (すっかり絶望して、自分の道具を救い出そうと、彼女の邪魔をして) 私のパイプ!私の望遠鏡! アミンタ (彼に杖を振り上げて) どいて、でないと あなたも叩かれるわよ! 気をつけて!今、私は夢中なの、 ここの腐った、かび臭いものを、 一度徹底的に 掃除しようと。 (彼女は更に叩く) それもポイ!これもポイ! パキン、ポキン、もっと、も一度1 ひとかけらも 残らなくなるまで、 このあばら家を 片付けてやる。 第10場 (玄関のドアが急に開いて、ヘンリー・モロズスが普段の服装で現れる) ヘンリー ここで何が起きたんですか? トルコ人でも家に入って来たんですか? モロズス (彼に駆け寄り、膝をついて) ヘンリー、ヘンリー、後生だから、この悪魔から私を助けてくれ、助けてくれ!あいつは私を病気にする、私は殺される、私を気違いにする、私の耳を引き裂く、私の心臓を踏みつぶす、ヘンリー、ヘンリー、私をあいつから救ってくれ、でなければ破滅だ! ヘンリー (彼を起こして) おじ上、落ち着いて! (アミンタに) 僕のおじ上に何てことをするんだ? アミンタ (横柄に) あなたに言う必要なんかないわ。さっさとドアを外から閉めてよ。ここでは私が主人、他の誰でもない。夫婦喧嘩の仲裁も、覗き見も無用。出て行って! ヘンリー 僕が君を送り返してやる、速達でな!僕が君に礼儀作法というものを教えてやる、このあま! アミンタ はは?私を送り返すって!私はここの主人、判を押した契約書があるわよ。住居侵入だわ!警察を呼ぶわ!この無礼者が私の結婚の邪魔をする。 ヘンリー 静かに、部屋に引っ込んでろ! アミンタ ここでは私はしたいようにするわ。 ヘンリー 部屋に引っ込め、でないとお前をぶん殴るぞ! アミンタ 私を殴るですって? あなたは女性を殴るおつもり? ヘンリー 夫を敬わないような女は、藁くずみたいにぶっ叩かれて当然だ。はばかる仕事じゃない。さあ、部屋に引っ込んで、静かにしてろ! アミンタ 女の私を (地団駄を踏んで) いや、いや、いや、いや! ヘンリー さっさと行け! (彼は彼女の手首をつかむ) アミンタ 指がつぶれる、 (大声で叫びながら) 手首が折れる、…それなら私は、警察よ、警察…裁判よ…裁判よ! ヘンリー さあ行くね? アミンタ (親指をねじられて呻きながら) ええ、ええ、ええ。 ヘンリー (彼女を放して) ほんの小手試しだ!二度とするな!さあ、中へ入れ! アミンタ ああ…ああ…ああ…手が砕ける… (呻きながら部屋に入る) でもー明日、警察に行ってやる…ああ…ああ…ああ。 (呻きながら彼女は隣の部屋に消える) 第11場 ヘンリー (振り向いて) いいですか、おじ上、これが無口な女の然るべき扱い方です、女が大人しくしていない時の。 モロズス ヘンリー、ヘンリー、お前には何と感謝していいか?おお、神よ、あなた様は何て女をお創りになったのだ、おお、神よ!ヘンリー、知ってるだろう、私は決して臆病な男ではなかった、17回戦場に出たし、暴風雨の時は自分で帆を縮めた。しかしあいつには太刀打ちできない。あいつは私を無茶苦茶にする。ヘンリー、こんな悪魔と暮らすなんて、どうして我慢できよう!水に跳び込むほうがましだ!テムズ川に跳び込むほうが! ヘンリー 大丈夫!実際、ばかなことをしましたね、危ないところでしたよ、でも心配しないで、僕が全部元通りにします。明日、判事さんと弁護士さんを呼びましょう、そしておじさんは結婚を解消するんです。 モロズス (大喜びして) おお、それができたら。教会に銀の燭台を二つと、孤児院にベッドを十、寄付しよう。ヘンリー、ヘンリー、私はお前を邪険に扱ってしまった、しかし今お前が私を助けてくれたら、私が持っているものは全部、お前のものだ、全部だ、全部だ、私には生きて行くのにもう何も要らない、欲しいのは静けさだけだ、静けさ、静けさだけだ! ヘンリー 全部僕に任せてください、明日になったらおじ上は自由です。 (宥めながら) さあベッドに行って、おじ上、すっかりお疲れのご様子ですよ。 モロズス ああ、もうぼろぼろだ、あいつは私をヒラメみたいにぺちゃんこにした、あいつは私をとろとろ蒸してじりじり焙った、ああ、思ってもみなかった、私のようなちゃんとした男が、惨めな犬みたいになるなんて。 ヘンリー ぐっすりお休みください、明日になったら全て片づきます! モロズス あいつの隣でどうやったら眠れるんだ!火薬庫でパイプに火をつける方がましだーいやだ、怖いんだ…怖いんだ。 ヘンリー 怖がらないで!落ち着いて自分の部屋に行って、閂をかけておきなさい、ドアの前で僕が、あいつが部屋に押し入らないように見張っています。あいつはもう僕の腕力を知ってるから、来ませんよ。 モロズス ああ、お前は何ていいやつだ!ドアの前にいてくれよ、そしたら眠れるかもしれない。ああ、私は疲れた、くたくたで、目はくらくらし、身体は空っぽ、ああ、休まなくちゃ、休まなくちゃ。 ヘンリー (彼の腕の下を掴んで、連れて行く) ぐっすり休んで心配しないで、僕が朝までドアの前でしっかり見張ってますよ、朝になったら判事さんを呼びに行きましょう。今は、ゆっくりお休みください! モロズス (ドアの所でよろめくように入りながら) ありがとう、私のヘンリー、ああ…寝るのだ…寝るのだ…寝るのだ… 第12場 (部屋の中から閂をかけ、鍵を回す音がする。ヘンリーは耳をすませて、モロズス卿が寝付くまで待っている。それから足音を立てずに三歩はずむように別のドアに行く) ヘンリー (小声で) アミンタ、アミンタ! アミンタ (そっと部屋から出て来て、二人は抱き合う) ヘンリー 可愛い天使、何て見事な君の小悪魔ぶり!おじさんはもう蠟みたいにへなへなで、明日には一丁上がりだ。 アミンタ ああ、神様、可哀想なお年寄り、 私、あの方にあんな酷いことしたくなかった! 悪魔のような大騒ぎをしながらも あの方に親切にしてあげたいと、ずっと思っていた。 (溜息をついて) 全てが上手くおさまって、 本当にみんなの前であの方が好きだと言えたらいいのに。 ヘンリー なんて君は善良で、心が豊かなんだ。 なんてすべてを優しくやったことか! いや、心配しなくていい!今夜だけまだ 君はモロズス夫人、 でもその後はずっと僕のもの、ずっと僕のもの! アミンタ このお芝居や策略全部が憎らしいわ、 からかったり、騙したりは、悪いことだわー けれどあなたのためなら何でもします、 私とひとつであり、すべてであるあなたのためなら! ヘンリー ああ、君、なんて僕を幸せにしてくれるんだ! (二人は互いに抱き合う。深い静寂。突然、寝室からモロズスの声が聞こえる、深くて暗い声) モロズスの声 ヘンリー、ヘンリー!見張っているか? ヘンリー ええ、おじ上、夜じゅうずっと! モロズスの声 あいつは大人しくしてるか? ヘンリー (抱いているアミンタの髪を撫でながら) ええ、静かですよ、 一言も、一息だって彼女の口から出てきません 手も静か、胸も静かにしています、 黒闇の中で息も感じられません、 身動きすることも、もがくこともできず まるで子供みたいに黙って眠っています。 モロズスの声 私は眠っていいのだな? しっかりあいつを捕まえているな? ヘンリー (アミンタをいっそう自分に引き寄せながら) ご心配はありません! 鉄の取っ手みたいに、火のついた紐みたいに しっかり捕まえています、 身動きすることも、もがくこともできず これからの人生をどうするか、 承知の上で今、僕に委ねられています! モロズスの声 (低く、穏やかに) ああ…ああ…これで安心して眠れる。すべてお前のお蔭だ、ありがとう! ヘンリー いつまでもあなたの甥っ子ですよ。 アミンタ (幸せそうにヘンリーを見ながら) すべてあなたのお蔭!ありがとう! ZWEITER AUFZUG ERSTE SZENE Gleiches Zimmer. Nachmittag des nächsten Tages MOROSUS in silberseidenen Hosen, noch ohne Rock, richtet sich unter Hilfe der Haushälterin in grossen Staat zusammen Den Paraderock mit den vergoldeten Schnüren! HAUSHÄLTERIN ihm hineinhelfend Hier, Euer Gnaden! Doch lasst Euch nur raten… MOROSUS über sie hinweg Den Dreispitz mit den Knüpfen! HAUSHÄLTERIN Er ist schon bereit. Ach, wollt mich nur hören… MOROSUS wie vordem Den Ehrendegen Seiner Königlichen Majestät! HAUSHÄLTERIN eifrig Zur Stelle, zur Stelle, frisch, blank und gescheuert… Oh, es drückt mir die Seele, gnädigster Herr! Wie könnt Ihr so eilen, nur weil dieser Bader, grimmig dieser verfluchte, vermaledeite Pinselhalter des Teufels Euch zuschwatzt… MOROSUS Den Stock mit dem goldenen Knauf! HAUSHÄLTERIN Hier, hier, Euer Gnaden … Oft wollt doch bedenken, oh, lasst Euch warnen… Sie spielen mit Euch ein tückisches Spiel! MOROSUS noch immer über sie hinweg Bin ich nun ordentlich angetan? Keinen Fehler? Keine Falten? Sehe ich stattlich aus? HAUSHÄLTERIN Oh Jesus, wie könnten Euer Gnaden anders aussehn denn vortrefflich! Madonna Maria, dass so ein vornehmer, so ein gütiger, edler Mann zum Spott wird für einen Schaumschläger, oh, - es zerreisst mir die Seele! MOROSUS Lass sie flicken beim nächsten Schuster und dir gleich Pechdraht durch den Mund ziehn! Kannst du nicht schweigen einen Atemzug lang? Gott sei Dank, bald werd ich erlöst sein von diesem Gesabber… HAUSHÄLTERIN Erlöst? Nein, geschmort und gebraten, gerupft und gepfeffert von diesem Erzkoch des Teufels! In die Knie fallend Oh Herr, glaubt einer treuen Dienerin, sie treiben ein Narrenspiel mit Euch, sie führen Euch wie einen Bären am Halfter. Ich habe allerlei gehört an den Türen, ich… MOROSUS wütend Was, an den Türen klebst du? Dass ich dir dort einmal die Nase einklemmen könnte! Fort jetzt und am Tore gewartet, bis der Bader kommt mit dem Mädchen! HAUSHÄLTERIN Ha, das wird gut gebadert sein und mit allen Wassern gewaschen, was dieser Preiskuppler Euch als Jungfer zuschwätzt… MOROSUS Hinaus, Kanaille! Es pocht Ach, - da ist er schon! Zur Haushälterin Bin ich stattlich? Ist alles in Ordnung? HAUSHÄLTERIN Das Kleid schon, aber der Kopf, Euer Gnaden… MOROSUS stürzt auf sie zu - die Haushälterin flüchtet hinaus - allein, tritt vor den Spiegel, sieht sich an, macht einige feste Schritte ZWEITE SZENE Der Barbier tritt ein, gleichfalls feierlich angetan, wie ein Brautwerber BARBIER Euer Gnaden gehorsamster Diener! MOROSUS Nun, hast du sie gefunden? Hast du das Mädchen gebracht? BARBIER Nicht nur eine, sondern drei, mein gnädigster Herr. MOROSUS Drei ? Bin ich ein Türke? Schon eine ist vielleicht zu viel. Aber werden sie keinen Lärm machen, mir schmerzen die Ohren noch von gestern. Sind sie schweigsam und still? BARBIER Das Stillste, das Schweigsamste der ganzen Grafschaft, jede auf ihre Art. Ihr könnt wählen unter ihnen wie weiland Paris unter den Göttinnen, und den Consensus der Eltern und des Vormunds hab ich bereits in der Tasche. Ach, was für Mädchen, was für knusprige, keusche Dinger! Wäre ich nicht vermählt, Gott sei s geklagt, vermählt seit neunzehn Jahren, ich hätte mir selber eine ausgesucht, so still sind sie, so sanft und taubenhaft! MOROSUS Und den Pfarrer, den Notarius? BARBIER Verständigt, verständigt und die Pergamente sauber ausgeschrieben. Nur der Name fehlt noch und Euer Gnaden giltiges Signum. MOROSUS Vortrefflich! Ich will meinem Neveu einen Pfropf in die Kehle stecken, dass er das Singen verlernt. Führ sie herein! BARBIER Sogleich, Euer Liebden! Er geht zur Tür, wendet sich noch einmal um und kommt zurück MOROSUS schon ungeduldig Was soll s? Keine Federlesen! BARBIER tritt an ihn heran, leise, vertraulich, mit gespielter Besorgnis Nur das eine lasst Euch bitten, Fasst sie nicht zu stürmisch an! Mädchen sind s von feinen Sitten, Kinder fast noch nach den Jahren, Zart und scheu und unerfahren - Keiner nahte je ein Mann. Wenn sie stocken, wenn sie schaudern, Spröde tun beim ersten Wort, Nicht vermögen frei zu plaudern, Lächelt nicht der Scham in Nöten, Denn ein Scherz macht sie erröten Und ein Spott scheuchte sie fort. Zart muss man mit Zartem handeln. Ach, ein Mädchenherz ist scheu, Nur Vertrauen kann es wandeln, Dass es sacht beginnt zu spriessen, Sich zu öffnen, zu erschliessen Und der Liebe offen sei. Darum lasst Euch nochmals bitten, Fasst sie nicht zu stürmisch an. Mädchen sind s von feinen Sitten, Kinder fast noch nach den Jahren, Zart und scheu und unerfahren - Und voll Angst vor jedem Mann. MOROSUS Zum Teufel, ich werde sie nicht fressen! Ich wusste schon mit Weibern umzugehn, als du noch einen Bart nicht unterscheiden konntest von einem Flederwisch! Presto jetzt, ich habe keine Zeit. DRITTE SZENE Der Barbier geht zur Türe und führt Carlotta, Isotta und Aminta herein, die alle verkleidet sind, durch veränderte Haartracht nicht leicht erkennbar. Carlotta kommt als Landmädchen mit grellen Strümpfen, buntem Mieder, einem Strohhut, den sie verlegen in der Hand hält, Isotta ist als junge Edeldame etwas affektiert angezogen, Aminta ganz einfach wie ein armes Bürgermädchen. Alle verneigen sich tief und demütig BARBIER pathetisch zu ihnen Wohl tut ihr, das Haupt zu neigen, Denn ihr weilt in edlem Haus, Gross ist der Herr, der euch erwartet, Gross die Ehre, die euch teil wird, Gross das Schicksal, das euch ruft. Auf Morosus deutend Dieses ist der hochgeborne, Hochberühmte, unbesiegte Sir Morosus, Admiral Seiner Majestät des Königs, Wohlbekannt auf allen Meeren, Hochgeehrt an allen Höfen! Schämt euch nicht, vor ihm zu zagen, Denn auch unerschrockne Männer, Türken, Spanier und Piraten Schauerten vor seiner Flagge, Zitterten vor seinem Schwert. Neigt nur, neigt das Haupt zur Erde Dieser Mann ist Ehrfurcht wert. MOROSUS galant Werte Damen, seid willkommen! Mein die Ehre, mein die Ehrfurcht! Jugend hat das höh re Anrecht, Schönheit adelt jedes Haus. BARBIER Gestattet, hochedler Herr, Euch die Damen zu präsentieren und das Wort für ihre Schüchternheit zu nehmen. Er führt Carlotta heran CARLOTTA bäuerisches Entsetzen heuchelnd Ui je, i hab an Angst! I fürcht mi tamisch vor so an noblen Herrn! BARBIER Dies Mädchen reiner Unschuld Stammt vom Lande, Schlichter Bauern einzig Kind, Unbelehrt in allen Künsten, Fremd der Lüge, der Verstellung, Wuchs sie zwischen sanften Lämmern Auf den Wiesen, auf den Weiden Selbst wie eine Blume auf. MOROSUS Und wie heisst du? BARBIER für sie antwortend Katharina CARLOTTA grob Ka Spur! Was lügst denn, Bazi! Kathi rufen s mich alleweil. zum Barbier, der ihr Zeichen macht, still zu sein No, weil s wahr is! I wer doch net mogeln vor so ein aufputzten Herrn! MOROSUS Tritt nur näher! CARLOTTA Oh mei! Was will er denn von mir? Wie der mi anglurt genau wie bei uns der Jud die trächtige Sau. Was wiil er denn von mir? Ah mei, da geh i net zu! MOROSUS ärgerlich zum Barbier Die ist bei ihren Kälbern selbst zum Kalb geworden. Schaff sie weg! BARBIER schiebt Carlotta mit dem Ellenbogen an CARLOTTA blöd Derf i scho wieder gehn? MOROSUS zornig Ja, du derfst! BARBIER Isotta heranführend Dieses ist ein junges Fräulein, Arm, doch edel ihre Eltern. Tag und Nacht in ihrer Kammer, Abgewandt von allen Spielen ernte sie die hohen Künste, Die dem Geiste Macht verleihn. Wie eine Litanei, rasch Sie kann Latein, Griechisch, Hebräisch, Aramäisch wie ihre Muttersprache, sie macht Verse, Charaden, sie zeichnet und stickt Tapisserien, sie liest auswendig von vorn und rückwärts die Kommentare zur Heiligen Schrift und die Pandekten der Kirchenväter, sie versteht Astronomie, Astrologie, Trigonometrie, Chiromantie, sie spielt Schach wie ein Perser und schlägt die Laute… MOROSUS aufschreckend Schlägt die Laute?? BARBIER Nein, nein, ich meine, sie liest die Tabulatur, beherrscht den Generalbass und den Kontrapunkt, aber nur in der Theorie, nie in der practica. Sie weiss ferners… MOROSUS Schon gut und genug! Zu Isotta Tretet nur näher, edles Fräulein, habt keine Angst! ISOTTA leicht und geschwind Wie soll ich Scheu haben, da meine Kenntnis der Physiognomia mir Eure Sternenbeschattung kenntlich macht. Ihr seid, ich ersehe es aus Eurer Komplexion, im Zeichen des Mars geboren, sanguinischen Bluts, gefährlich den Männern im Zorn, doch wohlgeneigt den Frauen und gerne von ihnen gelitten. Eure Leibeshaltung zeigt Grossmut, der Bogen der Stirne Festigkeit des Entschlusses, die dunkle Pupille männische Kraft, eine sympathische Aura strahlt von ihr aus, wie sollte man da nicht Zutrauen haben, die Hand… erlaubt mir Eure Hand… sie fasst nach seiner Hand MOROSUS ganz betroffen, kann sich nicht wehren Mein Fräulein! ISOTTA Welch glücksel ge Formation! Der Fortuna Linie ungebrochen, die Rune des Herzens, die Mensalis, frei überschnitten von der Linie der Sonne, das besagt nach Coclenius glücksel ge Signatur in allen Abenteuern der Venus! Ihr braucht nur wollen und Ihr habt, was Ihr begehrt, so deutet s Agrippa von Nettesheim in seiner Chirosophia. Die Lebenslinie weist starken Ast, ah, vortrefflich, vortrefflich, kein Spalt, keine Abzweigung. Ihr habt keine Nachfahren und werdet lange leben! In klarer Quadrangel die Wurzeln der Temperamente, ach, was für eine treffliche Hand Ihr habt, Sir Morosus, was für eine edle, sprechende Hand… MOROSUS ängstlich verärgert die Hand zurückziehend, sich den Schweiss abwischend Sehr erkenntlich für Eure gute Meinung, mein Fräulein. zum Barbier Schaff sie mir vom Hals, sonst schwätzt sie mich tot. BARBIER Zu lsotta Sir Morosus wird Euch dankbar sein, wenn Ihr ihm später Eure Kenntnisse ausführlich erläutert. Zu Morosus Gestattet, dass ich Euch noch dieses edle Fräulein präsentiere! MOROSUS zu Aminta, mit Wohlgefallen Tretet näher, edles Fräulein! AMINTA natürlich scheu Wenn s erlaubt ist… MOROSUS Euer Name? AMINTA Timida. BARBIER leise dazwischen Das kommt nicht von Timotheus, sondern ist Latein, . . heisst die Schüchterne, so nannten die frommen Schwestern sie um ihrer Bescheidenheit willen. MOROSUS Ein schöner Name! Er macht Eurer Anmut Ehre! Wollt Ihr Euch nicht an meine Seite setzen? AMINTA Ach Herr, dass ich es offen sag , Ich tät es nur zu gern. Aber ich möchte nicht, dass es Euch später gereut Und Ihr Euch ärgert über die verlorene Zeit; Nicht dass mir s an Ehrfurcht vor Euch gebricht, Aber versteht, ich fühl mich recht ungeschickt, Die Worte zu setzen, Und hör ich andere plaudern und schwätzen, So spür ich bedrückt, Wie wenig ich weiss und die andern wie viel. Zutraulich Freilich, ich war immer allein, Wuchs auf ohne Eltern und ohne Gespiel, Hatt niemand, mit ihm vertraulich zu reden, So blieb nun die Scheu vor allem und jedem, Werd allemal töricht und roten Gesichts, Wenn ein Fremder gütig die Red an mich richt . MOROSUS zum Barbier Wie offen! Wie rein! - Ein liebliches Kind! Zu Aminta Und so seid Ihr tagsüber immer allein? AMINTA Ach Herr, wie sollt es denn anders sein, Leb doch bei den frommen Schwestern im Haus, Seh oft wochenlang nicht auf die Strasse hinaus, Aber ich trag es schon so. Mich erschreckt der Gassen Geschrei und Gesumm, Am liebsten sitze ich still und stumm An meinem Nähtisch den ganzen Tag, Sticke mir all meine Träumerei n In den runden weissen Rahmen hinein. Und plötzlich hebt es dort an zu blühn Von Blumen, von Sternen, von zartem Grün, Und ich freu mich, wie das neue Gebild Mit buntem Geleucht mir entgegenquillt. Da wird mir plötzlich die Seele weit. Ich spür nicht die Welt, ich spür nicht die Zeit, Und mir ist, Als ging ich über blüh nde Wiesen hin Und hörte aussen die Vögel singen Und das Blau des Himmels sich niederschwingen plötzlich sich unterbrechend Doch verzeiht, Ich spreche zuviel von mir törichtem Ding, Solch kindischer Schwatz ist für Euch zu gering. MOROSUS zum Barbier Wie bescheiden! Bezaubernd ist sie, bezaubernd! Zu Aminta Doch Sonntags wenigstens verlasst Ihr Eure enge Stube! AMINTA Ach Herr, da Ihr mich so offen fragt, Fühl ich mich schuldig und arg verzagt, Denn am Ende mag s grosse Sünde sein, Was ich tu, und Hochmut vor Gott dem Herrn. Aber ich will s Euch offen gestehn Ich lieb s nicht, mit den andern zur Kirche zu gehn. Nicht, dass ich je meine Pflicht vergesse, Die Beichte versäum und die heilige Messe. Am liebsten bin ich mit Gott allein. Hat erst die Glocke sich ausgeschwungen, Sind die andern fort und die Stimmen verklungen, Dann erst schleich ich in die Kirche mich ein, Setz still mich auf eine einsame Bank Und sag meinem Herrgott Liebe und Dank Und hoffe, der alles verzeiht und ermisst, Wird mir verzeihn, Wenn dies Hochmut von mir oder Sünde ist. MOROSUS ganz wild zum Barbier Sie ist die Rechte! Diese, diese und nur sie allein! AMINTA sich erschrocken stellend Oh Gott, ich habe wohl töricht gesprochen, ich sehe, der gnädige Herr ist erregt. Verzeiht mir, Sir, wenn ich gefehlt habe. MOROSUS zum Barbier Sag es ihr! Dich habe ich zum Werber bestellt. Tu deine Pflicht! BARBIER behutsam zu Aminta Mitnichten hast du Sir Morosus missfallen, Im Gegenteil, Kind, Von allen Frauen, die hier sind, Ist seine Wahl auf dich gefallen. Tu auf dein Herz und öffne dein Ohr, Grosse Ehre steht dir bevor Sir Morosus, ob zwar von adligem Stand, Wirbt durch mich bei dir um dein Herz und deine Hand. AMINTA Erschrecken heuchelnd Oh Herr, was hab ich denn Böses getan, dass Ihr meiner spottet und Scherz treibt mit einem armen Mädchen ? MOROSUS Nein, er hat die Wahrheit gesprochen. Ich frage dich, Timida, willst meine Gattin werden vor Gott und den Menschen ? AMINTA wie vor Ehrfurcht schauernd, in die Knie sinkend Oh hohe Ehr! Wollte Gott, dass ich ihrer auch würdig wär! CARLOTTA Ah, da schaugts her. So a Luder! Wie die ihn umkriegt hat. Heiraten tut ers. Dös wann i gewusst hätt. ISOTTA Eine so ungebildete Person. Aber sie kriegt einen Rüpel, der nach Tran stinkt und Branntwein. Mich hätt er nicht bekommen. CARLOTTA Schau ma, dass ma weiter kommen. I geh ham. ISOTTA Ja, in einem solchen Hause habe ich nichts zu schaffen. Beide scheinbar zornig ab MOROSUS zum Barbier Und jetzt den Pfarrer, den Notar. BARBIER Gleich, gleich, und die Jungfer und mich als Zeugen. Alles geht wie am Schnürchen. Seht, ein Barbier hat den besten Blick und die sicherste Hand. Ab Morosus führt Aminta zum Tisch, sie setzt sich nieder und bleibt dort bescheiden und wortlos sitzen, Morosus betrachtet sie lang und bewegt VIERTE SZENE MOROSUS nähert sich ihr langsam So stumm, mein Kind, Und noch immer so scheu? In dieser Stunde, die uns verbindet, Hätte ich dich lieber froh gesehn, AMINTA in ihrer Rolle Verzeiht mir, Herr, meine törichte Art, Bin noch bestürzt und ganz benommen, Hätte nie gewagt, nur im Traum zu denken Gott wolle mich mit soviel Ehre beschenken. MOROSUS Kind, gib dich keiner Täuschung hin, Dich ruft keine Ehr , Vor ein grosses Opfer bist du gestellt! Sieh, Kind, Erst sah ich s selbst so leicht wie du. Ich dacht nimmst dir ein junges Weib, Als gält s bloss Spiel und Zeitvertreib, Und meint, eine jede müsst glücklich sich preisen, Meine Ehefrau und Gemahlin zu heissen. Doch blick ich dich jetzt, du Liebliche, an, Du halb erst erschlossne, du Gottesblüte, So bebt mir die Seele, so bebt mir die Hand Wie darf ich alter grämlicher Mann Um soviel sorglose Jugend werben? Ja, immer schwerer drückt es mich, mein Kind, Ob wir beide nicht doch zu ungleich sind. AMINTA mit gespielter Treuherzigkeit Ach Herr, ich weiss es nur selbst zu sehr Wär besser für Euch, wenn ich älter wär Und mehr schon verständ von adliger Art. Doch ich will mich von Herzen zusammennehmen, Euer Ansehn nicht vor der Welt zu beschämen. MOROSUS Du Kind! Wie sehr du mich missverstehst. Ich zweifle doch nicht, ich zweifle nicht, nein, Wie leicht es wär, mit dir glücklich zu sein, Aber du, aber du, Wird es dich nicht gereu n? Bedenk, ich bin ein alter Mann. AMINTA noch immer in der Rolle Das macht doch nichts, Das ist doch schön Alter bringt Ansehn, Ruhm und Ehr ! MOROSUS Wie Jugend doch vom Alter spricht, Als war s nicht Not und schwer Gewicht! Kind, hör mich an! Ein alter Mann ist nur ein halber Mann, Denn halb bloss steht er in der Zeit, Sein best Teil ist Vergangenheit. Sein Aug hat längst sich satt geschaut, Sein Herz geht müd und schlägt nicht laut. Ein Frost sitzt ihm zutiefst im Blut Und lähmt den rechten Lebensmut, Und weil er selber starr und kalt, Macht er die ganze Umwelt alt. Er kann nicht munter sein, nicht lachen, Nicht andre froh und freudig machen - Nur eins hat er der Jugend vor Nur eins, mein Kind, kann er allein Ein alter Mann kann besser dankbar sein. Er fasst sie an der Hand und sieht sie zärtlich an. Aminta wird wider ihren Willen beschämt und bewegt unter seinem Blick Denn denk, Wie wenig braucht ein alter Mann, Um seines Lebens sich zu freu n! Ein stiller Tag ist ihm schon Glück, Ein Wort, ein Lächeln macht ihn froh, Und blickt ihn einer milde an, So hat er ihm schon wohlgetan. Nein, Kind, nichts Grosses will ich mehr, Nicht Liebe, Glut und Leidenschaft, Wär glücklich schon, Wenn du mich nicht als Last empfändst Und mir ein wenig gut sein könntst! Wär das zuviel von dir begehrt? AMINTA ehrlich ergriffen Oh Herr, ich schwöre beim heil gen Sakrament Ich fühl , dass ich Euch redlich liebhaben könnt… MOROSUS beglückt Oh Timida! AMINTA merkend, dass sie aus ihrer Rolle gefallen und rasch sich fassend …So wie man einen Vater fromm liebt und verehrt, Der einem das Liebste im Leben geschenkt. Was ich auch tu, Mag s auch Euch erst fremd und feindlich anmuten, Ich schwör Euch zu Ich mein es einzig zu Eurem Guten, Und kann ich Euch von Missmut befrein, So werd ich die glücklichste Frau auf Erden sein. MOROSUS Oh Kind, wie tief du mich beglückst! Was Liebe doch für Wunder wirkt - War eben noch erbost und schwach, Ein alter Mann, ein kalter Mann, Und nun blüht s selig auf in mir Und all dies Glück verdank ich dir! Er nähert sich ihr zärtlich und ergriffen und küsst sie auf die Stirn FÜNFTE SZENE Der Barbier tritt leise ein BARBIER Ei, ei, wie rasch das Arkanum wirkt! Ich sehe, sie hat Euch das Blut flink gemacht und die Augen hell, ich erkenne den düsteren Sir Morosus von gestern kaum und kann beinah nicht mehr redlich Zeugenschaft ablegen vor Pfarrer und Notar, dass Ihr derselbe seid wie allesonst. Aber sie sind schon auf der Treppe, die ehrwürdigen Herren, haltet also um des Respektes willen ante copulationem zurück mit aller Zärtlichkeit, die post copulationem ein wohlerlaubtes Vergnügen und sogar Pflicht frommer Ehegatten ist und jede Ehe besser würzt als Rosinen den Kuchen. SECHSTE SZENE Es treten ein Vanuzzi als Priester verkleidet, Morbio mit Brillen als Notar kostümiert, mit ihnen die Haushälterin. Barbier empfängt sie an der Tür BARBIER Anhiero gestatte ich mir, hochverehrliche Herren, Ihnen die beiden Brautwilligen zu präsentieren, den hochberühmten Sir Morosus, Lord Seiner Majestät und weiland Kommandeur seines Flaggenschiffs, und die tugendhafte Jungfrau Timida, beide ledigen Standes, doch gewillt, mit Eurer und des Himmels Hilfe in den heiligen Ehestand zu treten. Ich bitte Euch, hochedle Herren, waltet Eures Amtes. VANUZZI als Pfarrer, feierlich Kein schöner Amt der Priester kennt In dieser Welt voll Zwist und Streit Als zwei, die sich in Liebe finden, Vor Gottes Antlitz zu verbinden. MORBIO als Notar Zwar Todesfall und Testament Dem Anwalt mehr an Sporteln rafft, Er lebt vom Streit, doch gerne stellt Er auch für Liebe Zeugenschaft. Freilich muss sie geregelt sein, Nicht freche Wollust ohne Zucht. Die Liebe nur im Ehestand Wird von ihm als giltig anerkannt, Denn Ordnung ist des Anwalts Welt, Dass allerorts sie innehält, Ist er vom hohen Amt bestellt. Zu beiden So frag nach Ordnung ich zuvor! Sehr rasch Sind alle die verschiedenen Conditiones erfüllt, die nach den Gesetzen der Kirche und den Gesetzen der königlichen Majestät notwendig sind zu einer giltigen und feierlichen Eheschliessung der hier im Pakt bezeichneten Personen? Sind ferners ehrenwerte Zeugen zur Stelle, die Identitas oben genannter Personen mit ihrem Signum zu bezeugen? Bestehen keine obstacula matrimonii, zu deutsch, keine ekklesiastischen oder profanen Hindernisse der Eheschliessung, als da sind, primo… VANUZZI als Pfarrer unterbrechend Ich glaube, Herr Kollega, wir kürzen die Formalitäten. Die Fama des Sir Morosus ist zu weltbekannt, und für Jungfer Timida bürgen Meister Schneidebart und die ehrsame Wittib Zimmerlein. Wollen die Braut willigen und die Zeugen vorerst noch den Pactus signieren, damit der Regula Genüge geschehen. MOROSUS tritt vor und unterschreibt BARBIER mitlesend Sir Morosus, Kommandeur. . AMINTA unterschreibt BARBIER ebenso Timida… HAUSHÄLTERIN unterschreibt BARBIER Theodosia Zimmerlein, Wittib. Und nun ich selber Pankrazius Schneidebart. unterschreibt VANUZZI als Pfarrer, sehr pathetisch So walt ich meines heil gen Amtes, das Sacramentum matrimonii zu vollziehen. Seid ihr beide entschlossen, vor Gottes Antlitz und in irdischer Zeugenschaft dieser beiden in den heiligen Ehestand zu treten ? MOROSUS rasch Ich bin s. AMINTA zögert, verwirrt sich, schweigt MOROSUS Timida - du schweigst? MORBIO Ehrt des Mädchens edle Scheu! Ihre Scham verheisst Euch unberührte Tugend. BARBIER gibt Aminta einen Stoss, leise Avanti ! AMINTA schwach Ich bin s. VANUZZI So verbinde ich euch, und möge der Tod nur lösen, was ich sterblicher Mensch vereine! Sehr undeutlich und rasch Sponseo vos in nomine patris, filii et sancti spiriti… zurücktretend, mit aufgelockerter Stimme Und nun lasst mich den Ersten sein, der euch beiden Glück wünscht für immerdar. MOROSUS Ich dank Euch, ehrwürdiger, und Euch, hochgelehrter Herr, und den ehrenwerten Zeugen, und ich danke Gott, dass er mir so viel unverdientes Glück im Herbst meiner Jahre noch zugeteilt hat. Macht eine Geste zur Haushälterin Darf ich die ehrenwerten Herren nun bitten, einen kleinen Imbiss mit uns zu nehmen? Die Haushälterin bringt gefüllte Gläser; alle abwechselnd VANUZZI als Pfarrer Nur ein wenig will ich weilen, Um Euch nicht zur Last zu sein, Liebe liebt ja nicht zu teilen, Glückliche sind gern allein. MORBIO als Notar Nur ein Gläschen will ich munden, Junge Eh ist leicht gestört, Endlos scheint da jede Stunde, Die ihr nicht allein gehört. MOROSUS Aminta anblickend Wunderbar, sie anzuschauen, Wie sie scheu und zaghaft blickt-. Stillste, süsseste der Frauen, Die mir Gott ans Herz gedrückt! AMINTA Ach, wenn sie nur länger blieben, Denn kaum sind wir allein, Drängt er mich mit seiner Liebe, Und ich muss zu ihm hässlich sein. BARBIER Nun heisst s, baldigst sich verkrümeln Eh die Bombe explodiert. Noch schwimmt er in allen Himmeln, Morgen ist er auskuriert. HAUSHÄLTERIN Kann mir keinen Reim da machen, Keiner zeigt sein wahr Gesicht. Halber Ernst und halbes Lachen Irgend etwas stimmt da nicht. VANUZZI als Pfarrer Da wir so guter Art versammelt sind, lasst uns Glück wünschen, denen wir dieses Glück danken. Es lebe das junge Paar, vivat, floreat, crescat! Alle stossen an, die Gläser klingen, sie trinken aus. Stille MOROSUS Mir ist, als hörte ich einen Engel schweben durch diese Stille… SIEBENTE SZENE Furchtbares Gepolter vom Eingang her. Die Treppe stürmen laute Schritte herauf, die Tür wird aufgerissen, herein bricht eine Schar ordinärer Seemänner, die alle von Vanuzzis Truppe dargestellt werden, mit Enterhaken, Kolben, Fanfaren, Trommeln, Dudelsäcken, als erster einrotgeschminkter trunkener alter Matrose, den Farfallo spielt, der eine Harpune in der Hand schwingt FARFALLO als alter Matrose Potz Deubel, so hat die alte Hur diesmal doch nicht geflunkert; er hat sich ein Mädel geentert, der alte Kaptän Morosus! Aber so still, wie du denkst, wirst du deine Prise doch nicht in den Hafen hineinbugsieren! Wär eine Schmach für das ganze Seemannsvolk, sollt ohne Salut der Kommandant von unserer Flotte Hochzeit halten. Ehre, dem Ehre gebührt! MOROSUS Ihr irrt Euch wohl! Ich kenne Euch nicht. Seid keiner von meiner Mannschaft gewesen. FARFALLO Mach keinen Stunk! Hast wohl Nebel im Oberdeck, dass du Tom Fexer nicht kennst und den dicken Jonny und die ganze Schwefelbande von deiner Fregatte! Aber wir kennen unsern alten Morosus, und ungeteert sollst du heute nicht in deine Kombüse kriechen. Zu den andern Vorwärts, brave Kameraden, Unser alter Admiral Hat uns zwar nicht eingeladen Zu dem Fest und Hochzeitsmahl, Kann s uns aber nicht verwehren, Dass wir ihm ein Ständchen bringen! Vorwärts! Tusch zu seinen Ehren! Lasset die Trommeln frisch erklingen Und im Reigen, hell und laut Vivat, vivat, Sir Morosus! Vivat, vivat, seine Braut! Sie trommeln, spielen auf Dudelsäcken, trompeten und brüllen MOROSUS wie ein Rasender aufspringend Dass euch die Gicht in die Beine fahr , ihr Lügenbrut! Ruhe, oder ich karbatsche euch hinaus mit der neunschwänzigen Katze! Schert euch zum Teufel und seiner Grossmutter! Die andern haben sich ihm entgegengeworfen AMINTA O teurer Mann, Sie meinen s doch nur gut. VANUZZI als Pfarrer, wie erschreckt Aber Sir, in solcher Stunde Solch unheil ger Fluch aus Eurem Munde! MORBIO als Notar Vorsicht, Vorsicht, nur keine Injurias, es könnt ein Prozessus daraus resultieren! FARFALLO als Matrose, sich wütend stellend Was? So empfängst du deine alten Kameraden, du ausgemästete Landratte? Schämst dich wohl ihrer vor deinem Püppchen, sind dir wohl zu roh, zu ungeschlacht? Oder schämst dich, dass du mit deinem grauen Haar dir noch den Wanst wärmen willst an jungem Blut statt an altem Rum? Aber alle sollen s wissen, die ganze Stadt! Er reisst die Fenster auf und schreit hinaus Heda Nachbarn, heda Leute, Alle her; alle herauf Sir Morosus heuert heute, Hat euch alle eingeladen. Vorwärts, lasst die Glocken läuten, Vorwärts, lasst die Böller krachen, Vorwärts her und kommt und schaut! Kommt ihm alle Willkomm sagen, Ihm und seiner jungen Braut! MOROSUS wutschnaubend und von den andern festgehalten Meine Pistolen, dass ich diesem Gaukler ein Loch in den Pelz brenne! An den höchsten Mastbaum gehörst du, an die oberste Raa, du Schurke du… du… du… DIE ANDERN ihn festhaltend O schont Euch… o beruhigt Euch… Es ist Euer Hochzeitstag… zähmt doch Eure Nerven… ACHTE SZENE Die Leute und Nachbarn sind hereingeströmt. Abwechselnde Chöre. Frauen und Männer MÄNNER Ist es möglich, Sir Morosus? Seht euch nur den Heuchler an. FRAUEN Er der tausendmal geschworen, Dass er Frau n nicht leiden kann. MÄNNER Der, wenn andere sich vergnügten, Grimmig Gift und Galle speit. FRAUEN Und derweilen grauen Haares Sich ein junges Kätzchen freit. ALLE durcheinander So ein Heuchler! So ein Schlauer! Alter Fuchs! Duckmäuserich! Heimlich holst du dir die Frauen! Alter Fuchs, wir haben dich! MOROSUS noch immer umringt und festgehalten Lasst mich los! Hinaus, Gesindel, hinaus aus meinem Haus! HENRY verkleidet als Führer des Chors Willst uns wohl den Spass verwehren, Dich als Freiersmann zu schau n? Nein, das soll dir nicht gelingen! Du sollst eine Fastnacht haben, Die du nicht so schnell vergisst. Vorwärts, lasst die Glocken schwingen! Los die Salven, die Fanfaren, Und ein Vivat angestimmt Holla hoh der alte Knabe! Holla hoh die junge Braut! ALLE tumultuarisch durcheinander Holla hoh der alte Knabe! Holla hoh die junge Braut! Sie brüllen, schreien, lachen, trompeten, trommeln, spektakulieren. Von draussen hört man die Glocken und eine Artilleriesalve. Furchtbarster Lärm MOROSUS blau im Gesicht vor Zorn, wird ganz vernichtet zu einem Sessel hingeführt Wasser! Luft! Atem! Sie haben mich hingemacht! Zum Barbier Ich ersticke! Lass mir zur Ader! Und schaff sie mir aus dem Haus um Gottes Gnade willen! BARBIER zu den anderen, sich höflich verneigend Hochansehnliche Brautgesellschaft, illustre Damen und respektable Herrn, Sir Morosus dankt euch tiefgerührt … EINE STIMME Schlaggerührt. Haha! BARBIER …für die unschätzbar gütige Teilnahme an seinem Hochzeitsfest. Da er vor freudiger Erregung das Wort nicht findet, bittet er euch durch mich, im Wirtshause rechts um die Ecke auf seine Kosten drei Fässer vlämisches Bier anschlagen zu lassen und auf sein Wohl zu leeren. FARFALLO als Matrose Das ist eine bess re Rede, So ist s recht, du alter Knabe, Und merk dir s für alle Zeit Wo sich einer will erlaben, Sollen alle Freude haben, Sonst ist s halbe Seligkeit. Vorwärts jetzt zum Ehrentrunke! Doch zuvor noch hell und laut, Einmal noch in voller Runde Hoch Morosus, hoch die Braut! ALLE aber nicht mehr so lärmhaft Hoch Morosus, hoch die Braut! Verziehen sich jetzt mit Bücklingen und Gelächter, auch die Seeleute MOROSUS aufatmend Sind sie jetzt weg? Meine Ohren, meine Schläfen, alles ist wund. Oh, mir war wie Sankt Laurentius am Rost. Wasser! Gib mir Wasser! AMINTA bringt ein Glas VANUZZI als Pfarrer, nähert sich Morosus mit Morbio-Notar Nehmt s nicht so streng, als es erscheint, War etwas laut, doch gutgemeint. Das Volk, wenn es in Laune ist, Leicht alle Würdigkeit vergisst. Doch nun gestattet, Sir, mich zu empfehlen, mich ruft mein Amt und auch Ihr seid wohl lieber mit Eurer Frau allein. MOROSUS matt Ehrwürd ge Herrn, nehmt meinen Dank! VANUZZI Ist gern geschehn. Hoff , bei der Kindstauf Euch wiederzusehn. MORBIO als Notar Empfehl mich sehr, Kam gern zu solchem Anlass her, Und braucht Ihr jemals Hilf und Rat, Bin allzeit zu Eurem Dienste parat. BARBIER leise zu Aminta Nun aber kräftig losgepfiffen, Aminta! Zeig, was eine schweigsame Frau zetern und posaunieren kann! AMINTA Ach, hättet Ihr doch lieber eine andre ausgesucht zu solchem Spiel! Er tut mir ja so leid, der arme, gute Mann! BARBIER Eben darum! Nur mit Essig und Salz ist seine Narrheit zu kurieren. Also bring ihn wacker in Saft, wir werden s dann schon auskochen. VANUZZI als Pfarrer, sich ihr nähernd Hochedle Frau, wir wünschen gute Nacht. Leise Rupf ihn, zupf ihn, dass alle Federn fliegen! MORBIO als Notar Ich halte mich Euer Gnaden bestens empfohlen! Leise Mach unsrer Kunst keine Schande! Zwick ihn, zwack ihn, bis er Blut schwitzt! AMINTA zu sich Ach Gott, nie war mir was so schwer! Wollt schon, dass alles vorüber wär. Vanuzzi, Morbio, der Barbier gehen, machen bei der Tür noch einmal ermunternde Zeichen zu Aminta NEUNTE SZENE Morosus und Aminta sind allein, man hört die Schritte der Fortgehenden auf der Treppe und dann das Tor zuschlagen. Tiefe Stille. Aminta hat sich ganz bedrückt an den Tisch gesetzt und seufzt laut auf. Morosus nähert sich der Schweigenden, die ihn nicht anblickt, zärtlich und besorgt MOROSUS Du bist so still und scheinst bedrückt? Oh, ich versteh s! Dieser wüste infernalische Lärm hat dich wohl müd gemacht? AMINTA Ach nein, das nicht. Sie seufzt MOROSUS sich ihr nähernd Du seufzst? Drückt dich ein Gram? AMINTA ehrlich erregt Ach güt ger Herr, um aller Heil gen willen, fragt mich nicht, fragt mich nicht! MOROSUS zärtlich Ich muss dich aber fragen, Kind! Sind wir nicht eine Sache jetzt vor Gott, ein Herz, ein Leben? Muss deine Sorge nicht auch die meine sein? Vertrau mir s an was drückt dich so ? AMINTA zur Seite Wenn er nur grob wäre und hart, dann ging nur s leichter! Laut Nichts, nichts, drängt nicht in mich! MOROSUS Nein, sag es, Kind, vertrau mir s an. AMINTA Noch einmal, Herr, flehentlich bitt ich Euch drängt nicht in mich! MOROSUS Aber es tut mir weh wie eig ner Schmerz, dich umdüstert zu sehn, dich, die ich glücklich haben möchte… meine Timida, was drückt dich so? AMINTA ganz blass und gespannt Herr, gnädigster Herr, um Euretwillen drängt jetzt nicht… ich brauche noch ein wenig Ruhe… leise für sich Ein Wort noch, wenn er spricht, und ich fange an… MOROSUS für sich Wie hold ist eines Mädchens Scham! Zu ihr heran und sie anfassend Hör , meine Timida… AMINTA aufstampfend und in geheucheltem Zorn schreiend Ruhe! Hab ich dir gesagt!!! MOROSUS vor Schreck auf den Rücken fallend Aaaaaah! AMINTA losbrechend Meine Ruh will ich haben, Ruhe, Ruhe, Ruhe, Ruhe! Will nicht gefragt sein, Will nicht geplagt sein! Lass mich nicht quälen, nicht inquirieren, Weiss meine Sachen selber zu führen, Weiss am besten, was mir mundet und frommt, Und verdammt, wer mir da in die Quere kommt! MOROSUS ganz verblüfft über die Verwandlung, kleinlaut Aber Timida…. ich wollte doch nur… AMINTA stampfend Gar kein Aber! Ausgeabert! Nichts zu wünschen, nichts zu reden, Hier geschieht nur, was ich will, Ich und ich und ich und ich. Niemand hat hier was zu fragen, Niemand hat hier was zu wollen, Ausser ich und ich und ich. MOROSUS Aber Timida… Wo ist deine Sanftmut… ich erkenne dich gar nicht… ich meinte… AMINTA scheinbar wütend auf- und ablaufend Hast gemeint, du kaufst dir eine, Die still buckelt und pariert, Eine stumme, dumme Kleine, Die dir Herd und Haushalt führt. Fehlgeraten! Fehlgeschossen! Merk s beizeiten, wer ich bin! Glaubst, ich habe dich genommen, Hier mich schweigsam einzumauern Und mein Leben zu vertrauern? Nein und nein und nein und nein! Nein, ich lass mich nicht verstören, Selber will ich mir gehören! Ich bin jung und ich will leben, Ich bin jung und will mich freu n! Ich will spassen, ich will lachen, Freude haben, Freude machen, Munter unter Menschen sein, Unter jungen, frohen, frischen, Die mir warm das Blut aufmischen - Soll ich hier im Hause bleiben, Muss es laut und lustig sein! MOROSUS ganz verzweifelt auf- und abrennend Oh, ich Narr, ich gottgeschlagener, Der in seinem Wahn geglaubt, Eine Frau könnt stille sein. Oh, ich Narr, ich Narr, ich Narr, Der mit seinen grauen Haaren Noch einmal zur Freite ging Und sich wie ein dummer Bube In dem eignen Netze fing! Oh, ich Narr, ich Narr, zu spät jetzt Seh ich meine Narrheit ein! AMINTA auf und ab Alles muss hier anders werden, Jugend hat ihr eigen Recht! Wagen will ich und drei Pferde, Kleider, Perlen, Diamanten, Diener, Pagen, Lakaien, Papagei und Kakadu, Wie es einer Lady ziemt. In die Messe, in die Bäder, Immer in den schönsten Kleidern Und zu Hause stets Musik, Bläser, Geiger, Lautenschläger, Cembalo und Clavecin, Sänger, Tänzer und Kastraten. Immerdar Musik, Musik! Selber will ich singen, lernen Musik, Musik, die grösste Lust! Denn zu laut drängt mir die Freude In der aufgespannten Brust! MOROSUS gleichfalls auf- und abrennend Oh, ich Narr, ich ausgepichter! Weh an welche Teufelin Bin ich Tölpel da geraten! Wie sie schreit , oh, wie sie zetert, Wie sie jubelt, wie sie schmettert! Meine Ohren! Meine Ohren! Ach Gott, ich bin verloren, Wenn sie lang so weitertobt! Beide sind im Hin- und Hergehen aneinandergeraten AMINTA herrisch Renn mir da nicht in die Quere! Ich geh hier und niemand andrer! Ich red hier und ich allein; Ich und ich und ich und ich! In den Winkel, in die Ecken Geh dein graues Haar verstecken, Ich bin jung und brauche Raum! MOROSUS ist in die Ecke geflüchtet, schlägt mit den Fäusten an dieWand Oh, ich Tölpel, oh, ich Esel, Der an eine Frau geglaubt! Narr und Narr und Narr und Narr, Der ich bin und der ich war! Das ist ärger als die Hölle! Das ist ärger als der Tod! AMINTA immer heftiger Alles muss hier anders werden Breit die Fenster, hell die Wände Und erleuchtet von Brokat, Tisch und Tafel neu und üppig, Viele Spiegel, viele Lichter, Bilder, Blumen und Gestühle, Raum für Tanz, Raum für Musik! Sie sieht sich um, reisst die Decken und Vorhänge, welche die Fenster verhängen, polternd herab, nimmt einen Stock und drischt in die Kostbarkeiten des Morosus hinein, seine Fischgerippe, Pfeifenständer, astronornischen Instrumente, dass alles zu Boden klirrt und fällt Fort mit diesem alten Plunder Kirchhofsdung und Mottenfrass! Weg die Waffen, die Pistolen, Diese bleichen Fischgerippe, Alles, was an Tod erinnert, Alles, was an Furcht gemahnt! Weg mit all dem Muff und Moder Einer abgelebten Zeit, Weg mit all dem Stank von Toback, Diesem Grind von Greisenheit! Krach und klirr und noch und nochmals Weg mit all dem toten Zeug! MOROSUS ganz verzweifelt, um seine Habseligkeiten zu retten, ihr in den Weg gesprungen Meine Pfeife! Mein Teleskop! AMINTA den Stock gegen ihn hebend Weg, sonst kriegst du auch noch Dresche! Hüte dich! Ich bin im Schwung, Einmal gründlich auszuräumen, Was hier morsch und muffig ist. Sie drischt weiter zu Weg mit dem da! Weg mit diesem! Krach und klirr und noch und nochmals! Ich will diese Bude säubern, Dass kein Stück mehr übrigbleibt. ZEHNTE SZENE Die Eingangstür wird aufgerissen. Es erscheint Henry Morosus in seinem gewöhnlichen Aufzug HENRY Was geht hier vor? Sind die Türken im Haus? MOROSUS auf ihn zu und vor ihm auf die Knie stürzend Henry, Henry, um aller Heiligen willen, rette mich vor diesem Satanas, rette mich, rette mich! Sie macht mich krank, sie macht mich tot, sie macht mich wahnsinnig, sie zerreisst mir die Ohren, sie zertrampelt mir das Herz, Henry, Henry, errette mich vor ihr oder ich geh vor die Hunde! HENRY ihn aufhebend Mein gütiger Ohm, beruhigt Euch! Zu Aminta Was erlaubt Ihr Euch gegen meinen Oheim? AMINTA frech Bin Euch keine Auskunft schuldig. Und macht schleunigst wieder die Tür von aussen zu. Hier bin ich Herrin und niemand andrer. Brauch keine Ehehelfer und Hausgucker. Expediert Euch hinaus! HENRY Euch werd ich hinausexpedieren und mit der flinkesten Post! Ich will dir, Weibsbild, Manieren lehren! AMINTA Haha? Mich hinaus! Bin die Herrin hier mit Siegel und Pakt. Das ist Hausfriedensbruch! Den Sheriff! Dieser Lümmel stört meine Ehe. HENRY Ruhe und hinein in dein Zimmer! AMINTA Hier tu ich, was ich will. HENRY In dein Zimmer, oder ich prügle dich zusammen! AMINTA Mich schlagen? Eine Frau willst du schlagen? HENRY Eine Frau, die ihren Mann nicht ehrt, gehört zerdroschen wie Häcksel ich scheu diese Arbeit nicht. Vorwärts, hinein, in dein Zimmer und Ruhe gehalten! AMINTA Mich eine Frau - aufstampfend Nein, nein, nein, nein! HENRY Marsch! Er packt sie am Handgelenk AMINTA Er hat mir die Finger gequetscht, aufschreiend er hat mir die Gelenke gebrochen… Aber ich, ich geh züm Sheriff, zum Sheriff… Justiz… Justiz! HENRY Wirst du jetzt gehen? AMINTA unter der Daumenschraube heulend Ja, ja, ja. HENRY sie loslassend Das war meine erste Probe! Versuch s nicht weiter! Und jetzt vorwärts hinein! AMINTA Oh… oh… oh… er hat mir die Hand zerquetscht… heulend ins Zimmer gehend aber ich - ich geh zum Sheriff morgen… oh… oh… oh. Sie verschwindet heulend in dem Nebenzimmer ELFTE SZENE HENRY sich umwendend Siehst du, Ohrn, das ist die richtige Art, mit schweigsamen Frauen umzugehn, wenn sie nicht schweigsam sind. MOROSUS Henry Henry, wie soll ich dir danken? O Gott, welch ein Weib hast du da erschaffen, o Gott! Henry, du weisst, ich war nie ein feiger Mann, in siebzehn Schlachten hab ich gestanden und hab im Orkan mir selber die Segel gerefft, aber gegen die komm ich nicht auf. Die macht mich hin. Henry, wie soll ich s ertragen, mit solchem Teufel zu leben! Lieber ins Wasser! Lieber in die Themse! HENRY Keine Not! Habt zwar eine Eselei begangen, höher als ein Mastbaum, aber sorgt Euch nicht, ich werde alles schon einrenken. Morgen bestell ich den Richter und Advokaten, und Ihr löst die Ehe wieder auf. MOROSUS ganz beglückt Oh, wenn das möglich wär zwei silberne Kandelaber würd ich stiften für die Kirche, zehn Betten fürs Armenhaus! Henry, Henry, wie hundsföttisch hab ich gegen dich gehandelt, aber jetzt, wenn du mich rettest, soll alles dir gehören, was ich habe, alles, alles ich brauch ja nichts mehr im Leben, meine Ruhe will ich haben, meine Ruhe, Rnhe! HENRY Lasst mich nur alles besorgen, morgen seid Ihr ein freier Mann. Begütigend Aber nun geht zu Bette, Ohm, Ihr seht recht ermüdet aus. MOROSUS Ja, ganz zerbrochen fühl ich mich, sie hat mich platt gedrückt wie einen Schellfisch, sie hat mich geschmort, geröstet, ach, nie hätt ich gedacht, dass ein rechtschaffner Mann so ein armer Hund werden könnte, wie ich es bin. HENRY Überschlaft s nur, und morgen ist alles vorüber! MOROSUS Wie soll ich schlafen können mit der nebenan! Lieber mit der brennenden Pfeife auf einem Pulverfass - nein, ich fürchte mich… ich fürchte mich. HENRY Fürchtet Euch nicht! Geht ruhig in Euer Zimmer, riegelt es ab, und vor der Tür halt ich Wacht, dass sie nicht bei Euch einbricht sie hat meine Faust schon gespürt, die kommt nicht mehr. MOROSUS Oh, wie gut du bist! ja, bleib da vor der Tür, vielleicht kann ich schlafen. Oh, ich bin so müde, so zerschlagen, mir schwindelt s vor den Augen, ganz leer ist mir im Leib, ja, ich muss ruhen, ich muss ruh n. HENRY ihn unterm Arme fassend und geleitend Geht nun zur Ruhe und seid unbesorgt, ich halte treue Wacht vor Eurer Tür bis zum Morgen, dann geh ich den Richter holen. Und jetzt schlaft wohl! MOROSUS bei der Tür hineinwankend Dank dir, mein Henry, ah… schlafen… schlafen…schlafen… ZWÖLFTE SZENE Man hört den Riegel von innen zuschieben und den Schlüssel sich im Schlosse drehen. Henry lauscht - wartet, bis Sir Morosus zur Ruhe gegangen ist, dann mit drei Sprüngen leise hinüber zur andern Tür HENRY leise Aminta, Amintal AMINTA kommt leise heraus, beide umarmen sich HENRY Du süssester Engel, wie herrlich hast du geteufelt! Schon ist er weich wie Wachs, morgen wird der Braten gar. AMINTA Ach Gott, der arme alte Mann, Wie ungern hab ich ihm wehgetan! Hatt mitten in meinen Teufelei n Immer Lust, mit ihm recht gütig zu sein, Seufzt Wär alles nur schon beim rechten End , Dass ich ihn ehrlich und offen liebhaben könnt! HENRY Wie gut du bist und voll Gefühl. Wie ganz zum Zärtlichsein gemacht! Nein, sorg dich nicht! Nur diese Nacht noch Musst du Frau Morosus sein, Dann immer mein, dann immer mein! AMINTA Wie hass ich all die Spiel und Schlich , Dies Bösetun mit Spott und List - Und doch, was tät ich nicht für dich, Der du mir eins und alles bist! HENRY Oh, Kind, wie glücklich machst du mich! Sie halten einander umschlungen. Tiefe Stille. Plötzlich die Stimme des Morosus aus dem Schlafgemach, tief und dunkel STIMME DES MOROSUS Henry, Henry! Hältst du noch Wacht? HENRY Ja, mein Ohm, die ganze Nacht! STIMME DES MOROSUS Und ist sie jetzt still? HENRY Aminta, die er umfangen hält, über das Haar streifend Ja, sie ist still, Kein Wort, kein Hauch fliesst ihr von der Lippe, Still ruht ihre Hand, still ruht ihre Brust, Ihr Atem ist kaum im Dunkel zu spuren, Sie kann sich nicht regen, sie kann sich nicht rühren, Stumm ruht sie wie ein schlafendes Kind. STIMME DES MOROSUS So kann ich nun schlafen? Hältst du sie fest? HENRY Aminta noch enger an sich ziehend Ihr braucht nicht zu bangen! Wie mit eisernem Griff, wie mit brennenden Schnüren Halt ich sie gefangen, Sie kann sich nicht regen, sie kann sich nicht rühren, Mit Willen und Wissen ihr ganzes Leben Mir nun für immer anheimgegeben! STIMME DES MOROSUS tief, warm Aah… aah… So kann ich beruhigt schlafen. Dank dir für alles, Dank dir, o Dank! HENR Immer dein, immer dein! AMINTA selig zu Henry aufschauend Dank dir für alles! Dank dir, Dank! この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio Strauss,Richard/Die schweigsame Frau/III
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第2幕 (染物師の家。兄弟たちは荷を背負い、ドアの所から室内を覗いている。染物師も荷を背負い、皇妃が女中として、その手伝いをしている) 乳母 (ドアに走り寄り、染物師の前に土下座して) ご主人様。すぐ戻ってきて下さいね。 奥様は、あなたがいなければ、 こがれ死んでしまいますよ! (バラクはそのまま行ってしまう。乳母はバラクの妻のほうへ駆け寄る)(小声で) きれいな空気。かけがえのない時間! あの男に呼びかけましょうか? やってくるはずですわ。 (バラクの妻は腰を下ろし、頭に巻き付けた布を取ると、その髪には真珠の飾りが結えつけられている。皇妃は、その前にひざまずき、鏡を立てる) ああ・・・今日から、あなた様を奥様と仰ぎます。 何かお言葉を! 何か必要なものは? 間に合っておりますか? それとも、やはりあの男を? 呼び声は、あこがれを込めて? それとも、朗らかな声で呼びましょうか? バラクの妻 (金切り声で) 男って、一体だれのことよ? 乳母 (小声で) あの男ですよ。奥様の胸はそのことでいっぱい。 だから、そんなに、きれいな格好をしたくせに! バラクの妻 (落ち着いた声で) 心の中は空っぽ。誰もいないわ。 着飾ったのは、 鏡に映してみたかっただけ。 乳母 (ずるがしこそうに) 聞かなくてもわかりますって。 ねえ、そうでしょう、奥様! 私が言っているのは、あの憧れに燃えた男のこと。 その男は、あなたの髪が風に流れるのを、 夢には見ても、うつつには見られないので、 憔悴しきって、膝をガクガクさせているのです・・・ お許し下されば、あの男を呼んでまいります! 憧憬と成就の戸口に連れてまいります! バラクの妻 (立ち上がって) そんな男は知らないわ。 たった今、この家から出て行った人以外にはね。 乳母 (ぴったり寄り添って) ああ、夢の中のその瞳! たった一目見ただけなのに、心ひそかに憧れて、 眼を閉じていても見えちゃうんでしょう・・・。 そんなに心を捉えられているのなら、 その男に言葉をかけてあげれば、 ようございましょう! バラクの妻 (真っ赤になって、取り乱して) 何なのよ、あんたは? あたしを何だと思ってるの? 乳母 (勝ち誇ったように、早口で) それでは連れてまいります。 たった今の 真っ赤なお顔で、 あなた様のお考えはようく分かりました! バラクの妻 ふん、 とんだお笑い草だわ! 言ったじゃない・・・ 道ばたで そんな男に会ったことなんてないし、 街角で 名前を聴いたことすらないわ! 乳母 さあ、眼を閉じて、 呼んでください! 眼を開ければ、 そこにいますよ! バラクの妻 (物思いにふけるように) 人でごった返す 橋を渡る時、 誰かが向こうからやって来る。 子どもみたいな若い男だった。 でも、あたしなんかに気を留めたりしなかったわ・・・ 乳母 (こそこそと床から、藁で編んだ箒を取り上げると) 箒よ、姿を貸しなさい! やかんよ、声を貸しなさい! 皇妃 (乳母に) やだわ!眼の前で こんなことするなんて? 乳母 (小声で) いい取引ですよ。 あなた様のためにするのです。 (バラクの妻に忍び足で近寄り、背中に藁ぼうきを隠す) 眼は閉じていてください。 だけど、心は開くのです。 ほんと、かわいい方ですこと! (藁ぼうきをバラクの妻の上に放り投げる。すると舞台がピカッと光り、その後は、別の色の照明に照らし出される) 皇妃 (バラクの妻がぶつぶつ呟きながら考えにふける傍らで、独り言をささやく) 人間なんて、こんなものなの? こんなやすやすと、心を売り渡すものなの? 乳母 ご覧あれ! こいつらは、陽気なだけが取り柄の カエルやイモリでございますよ。 バラクの妻 (眼を閉じ、モノローグを続けながら) ・・・あたしのことなんか気に留めなかった男の人。 プライドの強そうな眼をしていたわ・・・ あたし、その人を時々ひそかに 思い出したわ・・・ せめて夢の中で会えないかって! 乳母 (きっぱりと) 時は来た。 やって来い、恋人よ! (手をパチンと打ち鳴らす。魂を失くしたような少年が立っている) (二つの小さな姿が少年を支えているが、すぐに消え去ってしまう) バラクの妻 (眼を開けて) まさに、この少年だわ! でも、だめ! 乳母 (次第に生気づいてくる少年にぴったり寄り添って) あんた、あのお方のために 来たんでしょ。 ずっと想われていた人だものね! (バラクの妻に駆け寄って) さあ、これから先は どんな気分なんでしょう? 久しく 会ってなかったんでしょうから。 バラクの妻 もう行くわ。 穴があったら入りたい! (少年は首をうなだれて立っている) (バラクの妻は、体が勝手に動いてしまうかのように、少年に手を伸ばす) 乳母 (バラクの妻と少年の間に入り) さあ、早く、ご主人様! 勇気出して!奥様! こんな幸せは、 あっと言う間に消えちゃうものよ! 合唱 (空中から) さあ、早く、ご主人様! 勇気出して!奥様! この幸せは、 あっと言う間に消えちゃうよ! (乳母は皇妃に駆け寄り、舞台後方に引っ張って行く) 皇妃 (乳母から身を振りほどき、聴き耳を立てる) ああ!大変よ!二人が出くわしちゃうわ。 家の主人と、泥棒が! 心ある者と、無い者が! 乳母 (舞台前方に走って行き) 離れてください! あの娘は 地獄耳なのです。 (乳母は通告する) 染物師のお帰りよ! (少年に自分のマントをかけると、舞台は急に暗くなる。再び明るくなった時には、少年の姿は消えている。乳母は、足下に転がっている藁ぼうきを取り上げ、壁のすき間に隠す) (ドアが開き、バラクが入って来る。その腕には、とても大きな銅製の椀を一つ抱えている。バラクに先立って、片目の男が入って来て、バグパイプを演奏している。腰の曲がった男は、花輪を頭に乗せ、大きなワイン樽を引きずって来る。片腕の男は、バラクに比べると小さな椀を持って来る。家の無い子供たちがドアから大挙して入って来る) バラク (誇り高く、幸せそうに、妻に向かって) 何か言葉は無いのかい? うちの王女さま。 夕食前だよ。 好き嫌いの激しい人だね。 (バラクの妻はバラクに背を向ける) バラクの弟たち (舞台右手に整列して) ああ、幸せな昼、恵みの夜! いい買い物をしてきたぞ! 切り分けようぜ、切り分け係! 子牛の肉を!子羊の肉を!雄鶏も持って来い! 焼肉係!串を持って来い! パン焼き係は、焼いたパンを・・・。 お前はどこの馬の骨だ?ワインを持って来い! 俺たち、今日はいい買い物したぜ! ああ、幸せな昼、恵みの夜! 家なき子たち (合唱に加わって) ああ、幸せな昼、恵みの夜! バラクの妻 (バラクをまともに見ずに) まったく・・・繊細な心を 踏みつけるのがお得意なようね。 鈍感な人が、我が物顔をするなんて。 パンが欲しいなら、 石でもあげたらどう!? 人がお椀のように深い夢を見ているというのに、 そこに獣のように踏み入って、 幸せ者の食卓に つっかえ棒を差し出すとは。 そんな人は、どこに行こうと、 何にも得られないわ。 得られるものは、どこに行っても涙だけ! これが、あたしの言いたかったことよ。 何て脳天気なバラク! (涙がボロボロとこぼれ落ち、舞台の脇に腰掛けると、顔を手で覆う) バラク (お椀を床に置き、あきらめに満ちた沈黙のあとで) 食べようぜ、兄弟たち、気持ち良くやってくれ! あいつはひどく口が悪く、機嫌が悪いが、 決して悪い女じゃないんだ・・・ 祝福を受けさえすれば 取り消される言葉ばかりだ。 その清らかな心と 若さのゆえに。 (兄弟たちは床に横になり、お椀の中の料理をがっつく。家なき子たちも、その周りに集まって来る。バラクは、子供たちの口に食べ物を突っ込んでやる。ドアのところには、隣人たちも集まって来て、齢を取って体の不自由な女達や、ますます大勢の子供たち、更には犬までが集まって来る) (バラクは女中に合図をする) お出で。物静かな親戚のお嬢さん、 これは、あなたのだよ! 妻に聞いてみておくれ・・・ 砂糖のお菓子は欲しくないかって。 シナモン入りのジャムでもいいよって。 (皇妃は、バラクの妻のほうへ行こうとする) バラクの妻 (怒って立ち上がって) スリッパを顔に当ててほしいのかい。 こそどろ女め! あたしが食べたいのは、 苦いものよ。砂糖なんかじゃないわ! シナモンなんかいらないわよ! こんなに怒りに燃えているのに! ひどい悪巧みと あたしの、情けない運命のためにね! バラクの弟たち (食べながら口々に) 誰が、あんな女の 叫び声なんか気にするものか? それにしても、兄ちゃんは寛大だなあ・・・ 昔からそうだったよなあ! 女に対して、 ほんとに心が広いよ! 善人だよ! 気前がいいよ! 兄ちゃんはそういう男だよ! ああ、兄ちゃんと俺たちを生んだお父さん! ああ、幸せな昼、 ああ、恵みの夜よ! (頭を下げ、半ば酔っ払って、バラクの前の地面に口づけする) バラク (妻や彼らの声といっしょに。 敬虔に、たくまざる荘重さで) ここは善き人々の集う場所。 気持ち良くやってくれ、 兄弟たちよ。 生活を 楽しんでくれ! お前らさえ快適に暮らせれば、 それで十分 子供の代わりさ! 家なき子たち (バラクに頭を下げて) ああ、一番の染物師! ぼくらみんなのお父さん! ああ、幸せな昼、 ああ、恵みの夜よ! 舞台転換 (森の中にポツッと建っている皇帝の鷹匠の小屋。木々の合間から月光が射し込む。皇帝は馬に乗って現れるが、静かに馬から降りると、音も立てずに近寄って行き、一本の木の陰に隠れる。そこから皇帝は、小屋の入口と窓を目にする。扉は閉まっている) 皇帝 鷹よ、鷹・・・お前をやっと見つけたぞ・・・ 賢い鳥よ、私をどこに連れて行く? 「森にたたずむ鷹匠の小屋に、 私は三日住まいます・・・ 乳母のほかには誰もいません。 人里離れ、浮き世を離れ・・・」 こんな皇妃の手紙だった。使いに託した手紙には、 手ずから髪飾りが縫い込んであった。 あなたは、私に山河を越えて、 この道をたどるようにさせたのだ。奇妙なひとだ・・・ 私は、こうしていつも狩人として、 身を潜めていなければならぬのか? 私が呼ばれたのはそのためなのか? 姫は眠っているのか?だが、留守のように思える! 鷹よ、鷹・・・私はどうしてしまったのだ? こんな夜中に、飼い主の女人はどこにいるのだ? 鷹よ、お前は、何と変な時間に 俺を連れて来たのだ。 (聞き耳を立てる) しいっ、鷹よ、いっしょに耳を澄ませ! 近付いてきた、やってきたぞ・・・ あれこそ、あの日お前が羽で打った獲物ではないのか? しいっ・・・ (乳母と、それに続いて皇妃が、木々の合間を抜けてやって来て、立ち止まる。そして、忍び足で戸口にたたずむと、乳母が戸を開け、二人はするりと小屋の中に入る。小屋の中からは灯りがこぼれて来る) 皇帝 何と!鷹よ、何てことだ! どこから来たんだ!ああ、何てことだ! 人のにおいが、しているではないか。 人の息が追いかけて来るではないか。 嘘をついたな!何たることだ・・・ ひどすぎる!姫は死なねばならない! (えびらから矢を取り出すと) 矢よ、姫を殺すのは、お前だ! 私の白いガゼルだったあの姫を! なにっ!お前が傷つけたために、ガゼルは人間の女になったのだと・・・!? だとすれば、お前には殺せないな。 (矢をえびらに戻し、今度は刀を鞘から引き抜く) 刀よ、刀、姫を討つのはお前だ! なんと!お前は帯を解いたことがあるというのか・・・ だとすれば、お前にも殺せないな! (刀を鞘におさめる) ならば素手でか!?何てことだ! 私の手にかけることなどできない! ひどいぞ、ひどすぎる! 行くぞ、馬よ、さあ、鷹よ! 私をこの地から去らせてくれ。 お前の陰険な心の命ずるままに、どこでも連れて行ってくれ。人っ気の無い岩の割れ目の間でいいのだ。 そこならば、私の嘆きを、人も獣も聞くことはあるまい! ひどい!ああ、ひどすぎる! 舞台転換 (染物師の住まい。バラクは仕事をしている。バラクの妻と乳母は、いらいらしているように視線を交わす) バラクの妻 (やや声を抑えて、ぶつぶつと) まだ時間に余裕があると言っても、 市の立つ時間が過ぎてしまえば、 どうやって取引に間に合うっていうのよ。 バラク (妻に顔を向けて) もう行くさ。暑いな。 今日は朝から辛い仕事だった割に、あんまり進まなかったな。 なあ、飲み物をくれ! バラクの妻 (振り向きもせずに) 女中がいるじゃない。 (乳母は飲み物を注ぎながら、そこにこっそり液体を混ぜる) バラク (乳母のほうは見ずに) お前がくれるんじゃないのか? (乳母は、皇妃に器を渡す。バラクの妻は、手を伸ばし、夫に持って行くよう皇妃に命じる) (皇妃は、その器を差し出す) バラク (飲む) 眠くなってきた。暑いな。 バラクの妻 (いらいらして、嘲って独り言のように歌う) 行くぞ、と言って、座ったままか! やるぞ、と言って、ほったらかし! それなら、あたしが、この家の主! そういうことなら、あたしのものよ! 家も家畜も、ベッドも女中も! バラク (怒らずに) とても眠い。なあ、ここで寝るぞ。 夕方・・・には・・・市場に運ぶから。 (薬草の袋の上に座ったまま眠りこんでしまう) バラクの妻 (嘲るように粗野に歌いながら) 運ぶロバすらいやしない! 運ぶロバすらいやしない! 乳母 (静かに駆け寄りながら) 奥様、叫んだり怒ったりはおやめください! 眠り薬を入れたのでございますから! バラクの妻 誰がそんなことをしろと言ったのよ? (恐怖に駆られて) バラク!バラク! (バラクの方に行き、眠っているバラクを見つめる) 乳母 (バラクの妻を引き離して) 朝までぐっすりです。命に別状ありません。 奥様。たっぷり楽しい時間が過ごせますよ。 バラクの妻 楽しい時間?あんたに、何でそんなことがわかるの? もう行くわ!あんたは、さがっていて。 あんたの術中になんかはまらないわ。 あたしの心に秘めたことを 勝手に探ろうとしないでよ! 黒白まだらの年寄りヘビめ! 乳母 奥様、あの男をお求めではないのですか? あなたの合図を待っているというのに? お許しとあらば、すぐに御前に連れてきますよ・・・ おっしゃられませ・・・これへ参れ!と。 バラクの妻 (とげとげしく、きつい口調で) どうでもいいバカ話も、 あんたとだと、バカ話でなくなる。 来たっていいわ。あの男は・・・ でも、あんたの手配なら、 来てはだめよ。 だから来やしないわ。 (次第に口調を変えて) あんたに関係ないなら 来たっていいわ。 あんたに関係あるなら 来てはだめよ。 (夢見るように、憧れを込めて) 決して踏み入っては ならない砂浜・・・ 踏み入っていいのは あの世界から来た人だけ・・・ その人にだけは、 壁もないし、鍵もかけない。 乳母 (急いで) あの男をお呼びいたします! (暗転。稲妻。乳母は、手を引いて、少年の幻を連れて来る) バラクの妻 ヘビみたいな女ね。 あんたとなんか関係ないわ。 あなたが 連れて来る者ともね! 少年 (亡霊のような高い声で) 誰だ、こんなことをするのは! こんなに急に、 奥様の前に立たねばならぬとは! なんと強い力だ! なんと急激な力だ! (体を覆われたまま、ひざまずく) バラクの妻 (わざと厳しい口調で、少年に目もくれずに) 誰よ?この老婆に、知らなくてもいいことを 知るようにすることを命じたのは? (わざとらしい軽蔑の身振りで、ちらっとコケティッシュな眼差しを少年に向けながら) 襟巻を持ってきてよ! あたし、外に出るわ。川に行って、涼みたいの。 (まるで出て行こうとするかのように) 乳母 (バラクの妻の足に手を巻き付けながら、迫るように、激しく)痛ましくも、甘い苛立ちが あなたを追い立てるのでございましょう。 あなたの望みは、 今この場で 甘い楽しみにふけることではないのですか! (まるで炎を煽るかのように、取り持ち女のようにデモーニッシュな大仰さで) 愛の歓びにあずかるものは、 死すら怖れぬものでございますよ。 この男は、永遠の歓びを知ったのでございます。 されど、一たび去ってしまえば、 そんなことは忘れられてしまいます! 少年 遠く離れていても、あなたの近くにいることが、 ぼくの心をかき乱すのです。 あなたの前にいるというのに、あなたに近付くことができず、遠い存在のままでいるならば、ぼくは死んでしまいますよ。 (気絶したように、背中から仰向けに倒れる) バラクの妻 (まるで無意識のうちに) 夢に見たことがあったわ。あなたのもとへ飛んでいき、 雛にエサをやる鳩のように、 絶え間なく、あなたにキスする夢を・・・ でも、その夢が、あなたを殺してしまったの! (少年の上に屈み、穏やかに手を少年の顔から離す。すると、少年の眼差しが、バラクの妻をとらえ、その手は、彼女の手をつかもうとしてピクッと動く。バラクの妻は、叫び声をあげて後じさりする)(乳母は皇妃を連れて、ドアから出て行こうとする) (突然、様子を変えて) 何よ、どこ行くの! 裏切り者たちめ! こちらにお出で! 死者が、生きて動くのなら、 眠っている者達は死んじゃうじゃない! 起きて!あなた! 男が、家に潜んでいるわ! ねえ!起きて!あたしよ! (バラクのもとへ走って行って、バラクを揺さぶり、顔に水をかける。皇妃は、その隣で手伝う) 乳母 (自分のマントを少年に掛けて) あのバカ女が!我が身を守らねば! 安心しな! 風向きはすぐ変わるものだよ。 そしたら、また、あんたを呼ぶわ! バラク (昏睡状態から目覚めて、体を起こす) 何で、こんなに良く寝てたんだろう? だれが起こしてくれたんだ? バラクの妻 真っ昼間から寝るなんて! 泥棒や強盗が来ないよう 良く見張り、 あたしの面倒をみなさいよ! あんたの面前で、 もう一度同じようなことが起きたなら、 あたし、もう この家にはいないわよ! ねえ、聞こえてる? バラク (しゃんと立ち上がると、激しく辺りを見回す) 強盗だって?ハンマーがあったな! 兄弟たちよ!やって来てくれ! バラクの妻 (バラクの手からハンマーを奪い) よしなさい! 叫んだり、間抜けな振舞いをするのは! 仕事中にバタンと倒れ、あたしのことなど 忘れてしまい、よそ者みたいにしゃべるのは。 つまらないやり方で、なぜあたしを驚かせるの? そんなに、あたしのことがどうでもいいの? 乳母 (舞台の脇のほうで) 叱りつけたり、 馬具をつけて駆りたてたり・・・ 何とも良くできた奥様だこと! バラク (ゆっくりと) お前は良い妻だもの。 もちろん気に掛けているさ! だから、戻って来たんじゃないか! バラクの妻 (嘲って) 戻って来た!そんなのたくさんよ! 戻って来た!あらまあ、楽しいこと! 戻って来ただってさ! バラク (仕事道具を拾い集めながら) 俺にはまるでわからないものが、おれの邪魔をし、 暗闇の中で、俺をつかまえているようだ・・・ (目の前をじっと見つめながら) 俺の大事にしていた乳鉢も粉々だ・・・ 俺は腕利きの職人のままでいられるだろうか? バラクの妻 (バラクをじっと見つめながら) 腕利きの職人なんかじゃないわ。 どだい初めから、そうじゃなかったのよ。 だから、あんた自身のことや 乳鉢のことなんか、もう言わないで。 起こったことは、起こったことよ。 あんたの心は弱すぎるのよ。 あんたは、手を上げるのにも、 足を踏み出すのにも、びくびくする人なんだわ。 自分の大事な人のためでもね。 そんな態度が、大事な人を滅茶苦茶にするのよ。 (吐き気を催したかのように) ラバはラバらしく、 崖っぷちをうろついていなさいよ。 深い秘密なんか 知らなくっていいわ! バラク (自分の傍らで仕事道具を床から拾い集めている女中にも語りかけるように) 何を言われても、聞こえもしないし、理解もできない。 倒れた時に、糊もこぼしてしまったようだ・・・ 俺の仕事はどうしよう。 このままじゃ、俺の手に委ねられた者たちを 食わせられなくなってしまう。 バラクの妻 食わせるなんて 気にしなくていいわ! あたしが襟巻を巻いて 出て行くのをご覧なさいよ。 (バラクの妻は襟巻を取り、二人の女中がそれを手伝う) 川を下って行こうかしら? 庭園の横をすぎて行こうかしら? それとも、気の向くままにどこへでも・・・? 一晩、あんたのとこに戻らないことだって あるかもね・・・ だって、今日から、あんたはあたしの声を聞かないし、 あんたももう思い出したりしないはず。 遠くに行っちゃうのよ。すぐ近くにいると思っていた女が・・・ 家で飼っていた 小鳥だと思っていた女・・・ あんたの女がね・・・ 二束三文で 市場で買って来た女がね・・・ これからは、どこか別のところで別の暮らしをするわ。 (バラクの妻は出かけようとし、乳母にはついて来るよう、皇妃には残るよう合図する。バラクは驚いて、暗い顔でぼんやり前を見ている) (バラクの妻と乳母はドアから出て行く。皇妃は、バラクの傍に膝をつき、地面に散らばった仕事道具をかき集める) バラク (ようやく一人きりでないことに気付き) だれだ? 皇妃 (バラクを見上げながら) あたしです。ご主人様、あなたの女中です! 舞台転換 (鷹匠の小屋の中にある皇妃の寝室。皇妃はベッドに寝ているが、ぐっすり眠れないでいる。乳母はマントに身をくるみ、そのベッドの脇の床でまどろんでいる) 皇妃 (眠りながら、眼は開かずに) ねえ・・・乳母よ・・・ねえ 男の眼が・・・。苦しいわ! (夢を見ているように、荘重に) 天使よ!そんな眼をして 見つめないで! (一瞬静かになった後、いきなりはね起きて、両手を大きく広げて) バラク・・・あなたに・・・あたしは罪を犯したわ! (倒れると、前よりもぐっすり眠り始めたような気配である。部屋の壁が消えて無くなると、巨大な穴が現れる。その穴は壁の裂け目を通して、屋外につながっている) (あちこちに置いてある薄暗いランプは、玄武岩を彫って作られた古代の墓地を弱々しく照らし出す。舞台右手には金属製のドアがあって、山の中へとつながっている。鷹の鳴き声が聞こえて来る。皇帝が鷹を追って来たかのように突進して来て、両手で前を手さぐりしながら、裂け目をくぐって穴の中に入る) (皇妃は眠ったまま体を動かし、一度だけ弱くうめき声を立てる) (皇帝は墓地用のランプを一つ手に持つので、その手だけが明るく輝いている。金属製のドアに気付くが、そこからは、滝のように煙が雪崩れ込んで来る) 合唱 (山の中から、誘うように) 命の水へ! (脅すように) 死の敷居をまたげ! (誘うように) こちらへ! さあ、やれ! (脅すように) あぶないぞ! やめとけ! (皇帝はドアに向かう。鷹は、皇帝の周りを飛び回り、やめろというようなかすかな鳴き声を発する。だが、皇帝がドアをたたくと、ドアは開き、皇帝を中に入れた後、また閉じる) 鷹の声 女は、影を地に投げず、 ミカドは、石にされるとは! (洞穴は消え、寝室の灯りがますます明るく輝く) 皇妃 (叫び声を上げて、眠りから起き上がる) ああ!あなた! どこへ行くの! どこへ! あたしの罪のためね! ドアが閉まった。 お墓みたいに。 出てきたくても、 もう出られないわ。 足は止まり、 体は固まる。 声は出ない。 眼だけで、 助けを呼んでいる! ああ、乳母よ、よく寝てられるわね! あれもこれも、 すべて あたしの罪なのに・・・。 あの人を助けられない・・・ そして、もう一人の破滅も・・・ バラク・・・ああ! あたしが近寄ったばかりに、 殺すことになるなんて! だめなあたし! あたし自身が 石になるべきなのよ! 舞台転換 (染物師の住まい。舞台は夕暮れであり、どんどん暗くなって行く) バラク (地べたに座って) 暗いな。目が見えねば仕事できない。 正午のはずだが。 (3人兄弟が頭を垂れてドアから入って来る。外も暗い) バラクの弟たち 何だ、こりゃ。何が何だかわからない。 ああ、兄さん! 真昼なのに、太陽がどっかに行っちまい、 川は止まって、もう流れない。 ああ、兄さん! 何かが俺たちの邪魔をする。なのに、何かは分からない。 (兄弟達の声は、長く引き伸ばされた叫びになる) 乳母 (皇妃ともども舞台の脇で) 超自然の力が働いておりますわ。 ああ、姫君。 我らは何かに 脅かされても、 全能の者達の 名を呼べば、 思うがままに なるのです! 皇妃 (独りごちる) ああ、アダムの息子たちの世界に何が起こったの! 何てこと!あたしが来たのは、彼らの悲しみを増し、 喜びを消し去るためだったというの! だけど、称えあれ!あまたの者達の中でも この男を見出ださせてくれた者よ! この男は、あたしに人間とは何かをわからせてくれた。 この人のためなら、あたしは人間にまざって、 人の呼吸を、この身に吸い込み、 人の重荷を、この身に背負おう! バラク (独り言で) 俺の両手は、まるで縛られているようだ。 俺の胸には、石が乗っているようだ。 俺の心には、永劫の夜が立ち込めている。 讃えられよ!この暗闇を知らぬ者、 その眼の決して閉じない者よ。 あまたの者のうちの、ただ一人の者よ! バラクの妻 (舞台の脇の地べたにいて、独り言で) こんな家にいられるものか。 もう、けりをつけよう・・・ 真昼だというのに、真っ暗になり、 犬どもが脅えて吠えている。 誰も追い出すことすら出来やしない! (いきなり立ち上がる。怒りの目をバラクに向けた後、もうバラクには目もくれず、あちこち動き回る) いつも冷静なままの人がいるわ。 何が起ころうと、顔色一つ変えるところを 見たことがない。 来る日も来る日も 家畜のように、 食っちゃ寝て、 食っちゃ寝て、 何が起こったかもわかっていないし、 何を言われたかもわかっちゃいない。 (稲妻がぎらっと光り、兄弟たちは大声で泣き出す。バラクの妻は怒りのあまり地団太を踏む) (そのまま言葉を続ける) そんなことだから、 さげすまれ、バカにされるのよ。 こんな奴らの仲間になって、 そんな奴らに使われているから。 でも、あたしは、あんたのものなんかじゃないわよ。 聞いているの?バラク? あなたが出かけていた時、 市場に品物を持って行った時、 あたしは男を部屋に入れたのよ、 よそ者の中のよそ者をね。 あたしがあんたの目を覚ました時、 あたしは、そいつに抱かれていたのよ! (稲妻。兄弟たちは泣き声を上げる) 聞いているの?バラク? こいつらを黙らせなさい! あたしの言葉が聞こえるように! あんたが、みんなの物笑いになることを 望んでいるんじゃないわ! そうじゃなく、知らせたいだけ! 3日間、あたしは 家でそんなことばかりしていたのよ・・・ でも、その喜びは、台無しにされた。 だって、あなたのことを考えちゃうのよ・・・ 忘れようとしているのに! あなたの顔が浮かんできたのよ・・・ 探してなんかいないのに! でも、ついにその時が来たわ。 あたしは、あなたのもとを去り、 あなたを心から捨て去るわ。 今、どうすりゃいいか分かったわ! (バラクはいきなり立ち上がり、兄弟たちはふらふらと舞台の脇へ倒れ込む)(バラクの妻は怖がらずに) あたしの体は、子供を捨てたわ。 まだ生まれてない子供たちを。 あたしのお腹からはもう産まれない。 あなたの子供も、誰の子も。 あたしは、夜風に 身を差し出したから、 ここにいながら、別世界の者になった。 そのしるしには、 あたしは影を売り払った・・・ 喜んで買う人達がいるのよ! 買い値は、とてつもない高値! 比べるものもないほどよ! バラク (この上なく興奮して) 妻が狂った。 火をともせ。 顔をよく見てみたいんだ! (炎が燃え上がる) バラクの弟たち あいつ、影がないぞ。 まさに、言っていた通りだ! 影を売りつけ、 産まれる前の者たちが 体から出るのを 阻んだのだ! あいつは影を失くしたんだ。 「影なし」だ。 この呪われの女め! 乳母 (皇妃に向かって) さあ、行くのです! 影を手に入れて、 あなた様のものにするのです! あの女が、今、 物知り顔の口で言ったではないですか。 もう終わりです! 星々の裁きだとしたって、 この取引を台無しにすることはできません! バラク (おそろしい勢いで怒鳴り出す) お前は、そんなふしだらな顔で、 媚を売るように、のぞき込み、 恥じることすらしないのか? さあ、兄弟たち、袋を持って、 中に石を詰め込むんだ。 俺は、この女を 俺のこの手で、 川に沈めて溺れさせてやる! (自分の妻に飛びかかろうとする) バラクの弟たち (バラクにしがみつく) 兄ちゃん!手を血で汚しちゃダメだ! さあ、あいつを家から追い出そう。 どぶの中なり、穴なりで、 雌犬のような境遇を送らせればいいのさ! バラク (妻につかみかかろうとし、同時に歌う) 目の前が真っ暗だ。 兄弟たちよ、手を貸してくれ! 袋を出して、 石を詰め込め! 溺れさせるぞ、 俺の手で! バラクの弟たち (バラクにしがみつきながら、同時に歌う) 兄ちゃん!手を血で汚しちゃダメだ! 手を汚すんじゃない、ああ、父さんがいれば! バラク (同時に歌う) 手を貸さぬなら、お前らなんぞ 踏みつぶしてやる! 俺の心は、もうとうに 罰を与えたのだ。 あとは、この手で 執行するのみ! (誓いをするかのように右手を高く伸ばすと、きらめく剣が空中から彼の手に降りて来る。兄弟達が力を合わせるが、もう止めることはできない) 乳母 (舞台後方で皇妃と一緒に、目を背けずに、悪魔のような喜びを感じつつ、まじまじと事の成り行きを見守っている。バラクと兄弟たちと一緒に) 血を流そうと叫んでも、 剣すら持っていなかったから、 あたしらが 手に入れてやったのさ! さあ、どくどく流れろ、 黒い血よ。 あたしらは影さえ手に入れりゃ、 それでもう十分なのさ! 皇妃 (乳母から身をもぎ離し、天に目を向けると、独り言だが、他の者達の声と混ざり合う) あたし、影なんて、ほしくないわ・・・ その影には、血が付いている。 つかまえることなんてできないわ。 あたしは両手を 天に伸ばそう。 人の血からは きれいでいたい。 名のある星は、 呼んだあたしの そばに来て! この女を助けて! 言う通りにして! バラクの妻 (自分の冒涜的な言葉の結果に口が利けないほど驚いて、舞台左手の方に逃げていたが、次第に彼女の姿は物凄い変化をしていき、死人のように蒼ざめてはいるが、浄化された面持ちとなる。かつてしたことのないような表情で、バラクと、バラクの振り上げた死の剣に身を差し出し、同時に、台詞のところどころを強調して) バラク。私は そうしていないのよ! まだ、そうしてはいないのよ! 聞いてよ、バラク! あたしの口は うそをついたわ。 でも、その前に、 心の中では、そうしてしまった! だから、私は死なねばならない。 あなたの目の前で 死なねばならない。 起きなかったことのために・・・ ああ、ほんとうは今まで一度も あなたを見たことがなかったの! 強いバラク、 厳しい裁き手、 尊敬する夫・・・ バラク、あたしを殺して、 さあ、早く! (バラクが剣を振り上げると、剣はその手の中で火花を散らし、稲妻を発する。その稲妻のせいで、火が弱まったために暗くなっていた部屋は、ぴかっと明るくなる) バラクの弟たち (最後の力を振り絞ってバラクにしがみつき、声を合わせて) あいつらが、あんたを鎖でしばり、 あんたを殺そうとしているんだ。 あの剣の鋭い刃で。 ああ、俺たちのことを考えてくれ。ああ、父さん! (バラクが剣を振り下ろす態勢に入ると、火花を散らしていた剣は急に光を発しなくなり、バラクの手から奪われたかのように見える。すると、こもったゴーッという音がドームを震えさせ、地面が割れ、割れた側壁からは水が出て来る。兄弟たちが助かろうとドアを出て逃げて行く間、バラクと、気を失ったかのように横たわっているバラクの妻は、それぞれ別々に沈んでいくのが見える) (乳母は皇妃をドームの壁のそばの小高い場所に引きずり上げて、皇妃の姿を自分のマントで覆い隠していたが、やがて全てを覆いつくす暗闇の中から、乳母の声だけが聞こえて来る) 乳母 究極の力の饗宴だわ! こちらへおいで! ZWEITER AUFZUG Des Färbers Wohnung. – Die Brüder blicken zur Tür herein, bepackt. Der Färber belädt sich, die Kaiserin, als Magd, hilft ihm dabei. AMME läuft an die Tür neigt sich bis zur Erde vor dem Färber Komm bald wieder nach Haus, mein Gebieter, denn meine Herrin verzehrt sich vor Sehnsucht, wenn du nicht da bist! Barak geht. Die Amme läuft zur Frau hinüberleise Die Luft ist rein und kostbar die Zeit! Wie ruf ich den, der nun herein soll? Die Frau hat sich gesetzt und das Tuch, mit dem ihr Kopf umwunden war, gelöst, ihr Haar ist mit Perlschnüren durchflochten. Die Kaiserin kniet vor ihr, hält ihr den Spiegel. Oh, du meine Herrin seit diesem Tage, gib mir doch Antwort! Wie sind deine Bräuche? Soll diese laufen? Oder ruf ich ihn? Mit einem sehnsüchtigen Ruf? Oder einem fröhlichen? FRAU scharf Auf wen geht die Rede? AMME leise Auf den, der thronet in deinem Herzen, und für den du dich schmückest! FRAU ruhig Im leeren Herzen wohnet keiner, und geschmückt hab ich mich für den Spiegel. AMME verschlagen Hören ist Verstehen, o meine Herrin! So sprech ich von dem Sehnsuchtsverzehrten, dem deines offenen Haares Wehen – in Träumen geahnt, doch niemals gesehen – die Knie löst vor Furcht und Bangen verstatte, dass ich diesen rufe zur Schwelle der Sehnsucht und der Erhörung! FRAU steht auf Ich weiss von keinem Manne ausser ihm, der aus dem Hause ging. AMME dicht an ihr O du Augapfel meiner Träume! Den flüchtig Begegneten, heimlich Ersehnten, den du mit niedergeschlagenen Augen dennoch ansahest – und warst ihm zu Willen in deinen Gedanken – erbarme dich seiner! FRAU errötend, verwirrt Wer bist denn du? Wie nimmst du mich denn? AMME schnell, triumphierend Wir bringen ihn dir, zu dem du jetzt eben mit süssem Erröten dein Denken geschickt! FRAU Lachen muss ich über dich! – – – – – – – – Wenn ich dir sage ich weiss kaum die Gasse, wo ich ihn traf, nicht das Viertel der Stadt noch seinen Namen! AMME Nun schliess deine Augen und ruf ihn dir! Und schlägst du sie auf, steht er vor dir! FRAU ihren Gedanken nachhängend Nur, dass ich auf einer Brücke ging unter vielen Menschen, als einer mir entgegenkam, ein Knabe fast, der meiner nicht achtete – AMME nimmt verstohlen einen Strohwisch vom Boden Du Besen, leih mir die Gestalt! Und Kessel du, leih mir deine Stimme! KAISERIN zur Amme Weh! Muss dies geschehen vor meinen Augen? AMME leise Zu gutem Handel und dir zu Gewinn. Sie gleitet zur Frau hin, birgt den Strohwisch hinterm Rücken. Geschlossen dein Aug und geöffnet dein Herz, du Liebliche, du! Sie wirft den Strohwisch über die Frau. Es blitzt auf und nachher bleibt das Licht verändert. KAISERIN vor sich, flüsternd, währenddem die Frau laut denkt Sind so die Menschen? So feil ihr Herz? AMME Kielkröpfe und Molche sind zu schauen so lustig als sie! FRAU mit geschlossenen Augen, monologisch fortlaufend – Der meiner nicht achtete mit hochmütigem Blick – – – – – – – – – und des ich gedachte heimlich, zuweilen, um Träumens willen! AMME entschieden Es ist an der Zeit, herbei, mein Gebieter! Sie klatscht in die Hände. Es steht ein Jüngling da, wie entseelt.Zwei kleine dunkle Gestalten stützen ihn, die sogleich verschwinden. FRAU mit offenen Augen Er und der gleiche! Und doch nicht! AMME dicht bei dem Jüngling, der allmählich sich belebt Um ihretwillen bist du hier, du Vielersehnter! läuft zur Frau hinüber Wie ist dir um jede Stunde, da du diesen nicht gekannt hast? FRAU Ich will hinweg und mich verbergen! Der Jüngling steht gesenkten Kopfes.Die Frau hebt unwillkürlich die Hände gegen ihn. AMME zwischen beiden Sei schnell, mein Gebieter! Und kühn, du Herrin! Unsagbar fliehend ist solches Glück! CHOR aus der Luft Sei schnell, mein Gebieter! Und kühn, du Herrin! Unsagbar fliehend ist das Glück! Die Amme läuft zur Kaiserin hin, zieht sie nach rückwärts. KAISERIN macht sich jäh los, horcht hinaus Ach! Wehe! Dass sie sich treffen müssen, der Dieb und der, dem das Haus gehört, der mit dem Herzen und der ohne Herz! AMME läuft nach vorne Voneinander! Ihr ist gegeben, zu hören, was fern ist, sie meldet der Färber kehrt nach Hause! Sie wirft ihren Mantel über den Jüngling, der Raum verdunkelt sich jäh, und als es wieder hell wird, ist der Knabe verschwunden. Zu der Amme Füssen liegt der Strohwisch, den sie aufnimmt und in einer Mauernische verbirgt.Die Tür geht auf, Barak tritt ein, eine riesengrosse kupferne Schüssel auf den Armen tragend, ihm voraus der Einäugige, den Dudelsack spielend, der Bucklige, bekränzt und ein grosses Weingefäss schleppend, der Einarmige, mit noch einer kleineren Schüssel, Bettelkinder drängen sich ihnen nach zur Tür herein. BARAK stolz und glücklich auf die Frau zu Was ist nun deine Rede, du Prinzessin, vor dieser Mahlzeit, du Wählerische? Die Frau kehrt ihm den Rücken. DIE BRÜDER haben sich rechts in eine Reihe gestellt O Tag des Glücks, o Abend der Gnade! Das war ein Einkauf! Schlag ab, du Schlachter, ab vom Kalbe und ab vom Hammel! Und her mit dem Hahn! Du Bratenbrater, heraus mit dem Spiess! Heran, du Bäcker, mit dem Gebackenen und du, Verdächtiger, her mit dem Wein! Wenn wir einkaufen, das ist ein Einkauf! O Tag des Glücks, o Abend der Gnade! BETTELKINDER fallen ein O Tag des Glücks, o Abend der Gnade! FRAU ohne Barak voll anzusehen Wahrlich, es ist angelegt aufs Zertreten des Zarten, und es siegt das Plumpe, und dem, der Brot will, wird ein Stein gegeben! Und wer von der Schüssel der Träume kostete, zu dem treten Tiere und halten ihm den Wegwurf hin vom Tisch des Glücklichen, und er hat nichts, wohin er sich flüchte, als in seine Tränen! Das ist meine Rede, du glückseliger Barak! Die Tränen überwältigen sie, sie setzt sich abseits und verbirgt ihr Gesicht in den Händen. BARAK hat seine Schüssel auf die Erde gestellt, nach einer Pause der Resignation Esset, ihr Brüder, und lasset euch wohl sein! Ihre Zunge ist spitz, und ihr Sinn ist launisch, aber nicht schlimm – und ihre Reden sind gesegnet mit dem Segen der Widerruflichkeit um ihres reinen Herzens willen und ihrer Jugend. Die Brüder lagern auf der Erde und haben sich über die Schüsseln hergemacht, die Bettelkinder um sie; Barak stopft den Kindern gute Bissen in den Mund. In der Tür sammeln sich Nachbarn, alte Weiber Krüppel, noch mehr Kinder an, auch Hunde.Barak winkt die Magd heran. Komm her, du stillgehende Muhme, da ist für dich! Und geh hin zu der Frau ob sie nicht will vom Zuckerwerk oder vom Eingemachten mit Zimmet. Die Kaiserin schickt sich an, zu der Frau hinüberzugehen. FRAU fährt auf Meinen Pantoffel in dein Gesicht, du Schleichende! Bitternis will ich tragen im Mund und nicht sie verzuckern! Was brauch ich Gewürze, der Gram verbrennt mich! Um der grausamen Tücke willen und des erbärmlichen Geschickes! DIE BRÜDER unter dem Essen durcheinander Wer achtet ein Weib und Geschrei eines Weibes? Aber der Langmütige, der bist du von je! Und der Grossmütige vom Mutterleib! Und der Wohltätige! Und der Freigebige! Das bist du! Oh, unser aller Vater! O Tag des Glücks, o Abend der Gnade! neigen sich, halbtrunken, küssen die Erde vor Barak BARAK zugleich mit ihr und ihnen; fromm, mit ungesuchter Feierlichkeit Hier ist vom Guten, lasset euch wohl sein, meine Brüder, und freuet euch, dass ihr lebt! Es ist euch gegönnt, und ihr seid mir anstatt der Kinder! BETTELKINDER neigen sich vor Barak Oh, du Färber unter den Färbern und unser aller Vater! O Tag des Glücks, o Abend der Gnade! Verwandlung Das kaiserliche Falknerhaus, einsam im Walde. Mondlicht zwischen den Bäumen. Der Kaiser kommt geritten, steigt leise vom Pferde, nähert sich lautlos, bleibt hinter einem Baum verborgen, von wo er den Eingang und das eine Fenster des kleinen Hauses vor Augen hat. Die Tür ist geschlossen. KAISER Falke, Falke, du wiedergefundener – wo führst du mich hin, kluger Vogel? »Das Falknerhaus, einsam im Walde, soll die drei Tage mir Wohnung sein – niemand um mich als die Amme allein, ferne den Menschen, verborgen der Welt –« So schrieb meine Frau – sie gab s dem Boten, künstlich ihr Haarband umflocht den Brief. Nun führst du mich über Berg und Fluss hierher den Weg, Seltsamer du – Soll ich mich bergen hier im Schatten als ihr Jäger immerdar? Hast du darum mich hergeführt? Schläft sie? Mich dünkt, das Haus ist leer! Falke, mein Falke, was ist mir das? Wo ist deine Herrin zu nächtiger Zeit? Falke, mir ist zur unrechten Stunde hast du mich hierhergeführt. er lauscht Still, mein Falke, und horch mit mir! Es kommt gegangen, es kommt geschwebt – ist das die Beute, die du mir schlägst? Stille – Die Amme, hinter ihr die Kaiserin, kommen zwischen den Bäumen herangeschwebt und stehen zwischen den Bäumen; sie sind mit wenigen lautlosen Schritten auf der Schwelle, die Amme öffnet, sie schlüpfen ins Haus, das sich von innen erleuchtet. KAISER O weh, Falke, o weh! Wo kommt sie her! Wehe, o weh! Menschendunst hängt an ihr, Menschenatem folgt ihr nach, wehe, dass sie mir lügen kann – wehe, dass sie nun sterben muss! Er zieht einen Pfeil aus dem Köcher Pfeil, mein Pfeil, du musst sie töten, die meine weisse Gazelle war! Weh! Da du sie ritztest, ward sie ein Weib! – Du bist nicht, der sie töten darf. Er stösst den Pfeil wieder in den Köcher, zieht das Schwert halb aus der Scheide. Schwert, mein Schwert, du musst auf sie! Weh, ihren Gürtel hast du gelöst – du bist nicht, der sie töten darf! Er stösst das Schwert wieder in die Scheide. – Und meine nackten Hände! Weh! Meine Hände vermögen es nicht! Wehe, o weh! Auf, mein Pferd, und du, Falke, voran! Und führ mich hinweg von diesem Ort, wohin dein tückisches Herz dich heisst, führ mich ins öde Felsengeklüft, wo kein Mensch und kein Tier meine Klagen hört! Wehe, o weh! Verwandlung Des Färbers Wohnung. – Barak schafft. – Die Frau und die Amme tauschen ungeduldige Blicke. FRAU halblaut vor sich hin Es gibt deren, die haben immer Zeit, und ist der Markt vorbei, so kommen sie auch noch zurecht. BARAK wendet den Kopf nach ihr Schon geh ich. Es ist heiss. Ich habe schwer geschafft seit diesem Morgen, und nicht viel vor mich gebracht. Gib mir zu trinken, Frau! FRAU ohne sich zu wenden Sind Mägde da. Die Amme giesst ein, tut verstohlen einen Saft in den Trunk. BARAK ohne hinzusehen Gibst du mir nicht? Die Amme gibt der Kaiserin das Gefäss. Die Frau, mit ausgestrecktem Arm, heisst sie, es dem Herrn zu bringen.Die Kaiserin bringt es hin. BARAK trinkt Mich schläfert. Es ist heiss. FRAU vor Ungeduld, singt höhnisch vor sich hin Sag ich geh – und bleibe sitzen! Sag ich tu – und lass es sein! Bin ich doch der Herr im Haus! Hab es halt, so ist es mein, Haus und Herd und Bett und Weib! BARAK ohne Zorn Mich schläfert sehr. Ich muss hier liegen, Frau. Zu Abend – dann – – trag ich – die Ware zu Markt. schläft auf einem Sack Kräuter ein FRAU höhnisch wild singend Und sparst den Esel, der sie dir schleppt! Sparst den Esel, der dir sie schleppt! AMME läuft zu ihr leise Herrin, halt inne mit Schreien und Zürnen! Ich hab ihm einen Schlaftrunk eingeschüttet! FRAU Wer hiess dich das tun? ängstlich Barak! Barak! Sie geht hinüber sieht den Schlafenden an. AMME zieht sie weg Er schläft bis an den Morgen. Ihm ist wohl. Viel schöne Stunden, Herrin, sind vor dir. FRAU Wer hat dich gelehrt, welche Stunde mir schön heisst? Ich will ausgehen! Du bleib dahinten. Ich will nicht in deinen Händen sein, und dass du ausspähest all mein Verborgenes, du alte weiss und schwarz gefleckte Schlange! AMME Willst du den in der Ferne suchen, Herrin, der deiner harret und deines Winkes? Gewähre ich breit ihn vor deine Füsse – und sprich es aus er darf heran! FRAU spitz und scharf Spräch ich es aus und spräche einerlei Rede mit dir, es wäre einerlei Rede nicht. Der darf wohl heran, der, den ich meine – doch eben von dir darf nichts heran darum auch er nicht. allmählich in verändertem Ton Von ihm darf heran, was du nie wahrnimmst was nie an deiner Hand sich mir naht. träumerisch, sehnsüchtig Von wo der Strand nie betreten wurde, beträte ihn einer von dort her, dem wehrte keine Mauer und kein Riegel. AMME schnell Ich ruf ihn! Ein Dunkelwerden, ein Blitz. Die Amme führt an ihrer Hand die Erscheinung des Jünglings heran. FRAU Schlange, was hab ich mit dir zu schaffen! und solchen, die du bringest! JÜNGLING mit geisterhafter hoher Stimme Wer tut mir das, dass ich jäh muss stehen vor meiner Herrin! Der Macht ist zu viel! Zu jäh die Gewalt! kniet nieder verhüllt sich FRAU mit verstellter Härte, ohne den Jüngling eines Blickes zu würdigen Wer heisst eine alte Vettel wissen, was ihr zu wissen nicht getan ist? mit gespielter Verachtung, indem sie den Jüngling mit einem koketten Blick streift Meine Tücher her! Ich war gewillt, ins Freie und auf dem Fluss zu fahren in der Kühle. als wollte sie fort AMME zu ihr, umschlingt ihre Füsse; dringend, feurig Peinvoll süsse Unruh treibt dich umher. Gewillt bist du zu nichts, als zu Süssem gewillt zu sein jetzt und hier! gleichsam ins Feuer blasend, nicht ohne kupplerisch-dämonische Grösse Wer teilhaftig ist der Wonne, der fürchtet auch den Tod nicht, denn er hat gekostet von der Ewigkeit, aber wie er dahin gelangt ist, das ist ihm vergessen! JÜNGLING Bin ich dir ferne, so ist s deine Nähe, die mich zerbricht, bin ich vor dir, so wirst du unnahbar, und deine Ferne ist s, die mich tötet! Er fällt nach rückwärts wie ein Ohnmächtiger. FRAU wie unbewusst Ich habe geträumt, dass ich zu dir fliege mit unablässigen Küssen wie eine Taube, die ihr Junges füttert – und mein Traum hat dich getötet! Sie beugt sich über ihn, will sanft die Hände von seinem Gesicht lösen; sein Blick trifft sie, seine Hand zuckt, die ihrig festzuhalten. Sie fährt mit einem Schrei zurück.Die Amme will die Kaiserin mit sich ziehen, zur Türe hinaus.jäh verwandelt Weh mir, wohin! Verräterinnen! Hierher! Zu mir! Sind die Toten lebendig, so sind wohl die Schlafenden tot! Wach auf, mein Mann! Ein Mann ist im Haus! Ich will! Wach auf! Zu mir! Sie eilt zu Barak hin, rüttelt ihn, bespritzt ihn mit Wasser, die Kaiserin ist bei ihr, hilft ihr AMME wirft ihren Mantel über den Jüngling Gott schütz uns vor einer jungen Närrin! Sei du getrost! Schnell dreht sich der Wind, und wir rufen dich wieder! BARAK erwacht aus der Betäubung, richtet sich auf Was schlief ich so schwer? Wer rüttelt mich auf? FRAU Du sollst nicht schlafen am hellen Tag! Sollst wahren dein Haus vor Dieben und Räubern und meiner achten! Geschieht mir dergleichen vor dir noch einmal, so ist meines Bleibens hier nicht länger! Verstehst du mich? BARAK steht aufrecht, blickt wild um sich Sind Räuber hier? Den Hammer dort! Ihr Brüder her! Zum Bruder her! FRAU windet ihm den Hammer aus der Hand Lass du dein Schreien und tölpisch Gehaben! Unter der Arbeit schlägst du mir hin, kommst mir von Sinnen, redest fremd. Hast du die Sucht, oder schiert s dich so wenig, mich zu erschrecken täppisch und roh! AMME beiseite Wie sie ihn sich hernimmt und sattelt und aufzäumt, die Prächtige die! BARAK langsam War dir bange um mich, du Gute! Bin ja wieder bei dir! FRAU spöttisch Wieder bei mir! Das ist ja recht viel! Er ist wieder bei mir! Ei, grosse Freude! Wieder bei mir! BARAK sucht sein Arbeitszeug zusammen Es widerfährt mir, was ich nicht kenne, und ist eine Gewalt über mir im Dunkeln – starrt vor sich hin Mein bester Mörser ist mir zersprungen – Versteh ich mein Handwerk nicht mehr? FRAU sieht ihn starr an Ein Handwerk verstehst du sicher nicht, wie du s von Anfang nicht verstanden, sonst sprächest du jetzt nicht von dir und diesem Mörser. Geschah dir das, was dir eben geschah, dein Herz müsste schwellen vor Zartheit, und es müsste dir bangen, die Hand zu heben und deinen Fuss vor dich zu setzen, um des Köstlichen willen, das du zerstören könntest. fast mit Ekel Aber es geht ein Maulesel am Abgrund hin, und es ficht ihn nicht an die Tiefe und das Geheimnis! BARAK halb zu der Magd, die bei ihm ist, ihm hilft, sein Handwerkszeug vom Boden aufzunehmen Ich höre und weiss nicht, was eines redet, und habe vergossen den Leim, da ich hinfiel – und mir ist bange um mein Handwerk, und dass ich nicht werde nähren können, die meinen Händen anvertraut sind. FRAU Um Nahrung für mich gräme dich nicht! Und wenn du mich siehst meine Tücher nehmen, sie tut s, die beiden Mägde sind ihr behilflich vielleicht zu fahren auf dem Flusse, vielleicht zu wandeln neben den Gärten oder was immer die Lust mich wird heissen – kann sein, dann komme ich eines Abends nicht wieder heim zu dir. – Denn es ist nicht von heute, dass du meine Stimme hörest und fassest sie nicht in deinem Sinn, und ist dir ferne, die du nahe glaubst, und wähnest, du hättest sie im Gehäuse wie einen gefangenen Vogel, der dein ist, um wenig Münze gekauft auf dem Markt die doch anderswo, anders daheim. Die Frau schickt sich an, zu gehen, winkt der Amme, sie zu begleiten, der Kaiserin, zurückzubleiben. Barak sieht bestürzt und trübe vor sich hin.Die Frau und die Amme sind zur Tür hinaus. Die Kaiserin, auf den Knien in Baraks Nähe, sucht auf der Erde verstreutes Handwerkszeug zusammen. BARAK wird erst jetzt gewahr dass er nicht allein ist Wer da? KAISERIN sieht zu ihm auf Ich, mein Gebieter, deine Dienerin! Verwandlung Der Kaiserin Schlafgemach im Falknerhaus. Die Kaiserin liegt auf dem Bett in unruhigem Schlaf. Die Amme schlummert, in ihren Mantel gewickelt, zu Füssen des Bettes. KAISERIN aus dem Schlaf, ohne die Augen aufzutun Sieh – Amme – sieh des Mannes Aug , wie es sich quält! traumhaft, feierlich Vor solchen Blicken liegen Cherubim auf ihrem Angesicht! – – – – – – – – nach einer Stille, jäh auffahrend, mit ausgebreiteten Armen Dir – Barak – bin ich mich schuldig! Sie sinkt hin und scheint nun fester einzuschlafen. Die Wand des Gemaches schwindet, und man sieht in eine gewaltige Höhle, die durch einen Spalt ins Freie mündet.Düstere Lampen, da und dort, erleuchten matt uralte, in den Basalt gehauene Grabstätten. Zur Rechten gewahrt man eine eherne Tür, ins Innere des Berges führend. Des Falken Ruf wird hörbar. Dann dringt der Kaiser, als folge er dem Falken nach, mit den Händen sich vorwärts tastend, durch den Spalt in die Höhle.Die Kaiserin bewegt sich im Schlaf stöhnt einmal leise auf.Der Kaiser nimmt eine der Grablampen; in seiner Hand leuchtet sie hell auf, er wird die eherne Tür gewahr. Ein Rauschen dringt durch diese wie von fallendem Wasser. CHOR aus dem Innern des Berges, lockend Zum Lebenswasser! drohend Zur Schwelle des Todes! lockend Nahe! Wage! drohend Wehe! Zage! Der Kaiser geht gegen die Tür. Der Falke umschwirrt ihn, stösst klägliche, abmahnende Rufe aus. Der Kaiser pocht an die Tür, die sich öffnet und ihn einlässt, dann wieder schliesst. STIMME DES FALKEN Die Frau wirft keinen Schatten, der Kaiser muss versteinen! Die Höhle verschwindet, die Lampen im Schlafgemach leuchten stärker auf. KAISERIN fährt mit einem Schrei aus dem Schlummer empor Wehe, mein Mann! Welchen Weg! Wohin? Durch meine Schuld! Die Tür fiel zu, als wär s ein Grab. Er will heraus und kann nicht mehr. Ihm stockt der Fuss, sein Leib erstarrt. Die Stimme erstickt. Sein Auge nur schreit um Hilfe! Weh, Amme, kannst du schlafen! Da und dort alles ist meine Schuld – Ihm keine Hilfe, dem andern Verderben – Barak, wehe! Was ich berühre, töte ich! Weh mir! Würde ich lieber selber zu Stein! Verwandlung Des Färbers Wohnung. Es dämmert in dem Raum, wird allmählich dunkler und dunkler BARAK sitzt an der Erde Es dunkelt, dass ich nicht sehe zur Arbeit mitten am Tage. Die drei Brüder kommen zur Tür herein mit gesenkten Köpfen. Auch draussen ist es dunkel. DIE BRÜDER Es ist etwas, und wir wissen nicht, was es ist, o mein Bruder! Die Sonne geht aus mitten am Tage, und der Fluss bleibt stehen und will nicht mehr fliessen, o mein Bruder! Es widerfährt uns, und wir wissen nicht, was uns widerfährt! Sie brechen in ein langgezogenes Geheul aus. AMME mit der Kaiserin seitwärts Es sind Übermächte im Spiel, o meine Herrin, und ein Etwas bedroht uns, aber wir werden anrufen gewaltige Namen, und dir wird werden, worauf du deinen Sinn gesetzt hast! KAISERIN für sich Wehe, womit ist die Weit der Söhne Adams erfüllt! Und wehe, dass ich hereinkam, ihren Gram zu vermehren und ihre Freude zu versehren! Gepriesen sei, der mich diesen Mann finden liess unter den Männern, denn er zeigt mir, was ein Mensch ist, und um seinetwillen will ich bleiben unter den Menschen und atmen ihren Atem und tragen ihre Beschwerden! BARAK für sich Meine Hände sind, als ob sie gebunden wären, und mein Herz, als läge ein Stein darauf, und auf meiner Seele ein Stück der ewigen Nacht. Gepriesen, der die Finsternis nicht kennt und dessen Auge niemals zufällt. Einer unter allen! FRAU für sich, an der Erde seitwärts Wie ertrag ich dies Haus und mache kein Ende – wo es finster ist mitten am Tage, und die Hunde heulen vor Furcht, und niemand weist sie hinaus! ist jäh aufgestanden; sie heftet einen bösen Blick auf Barak, dann geht sie auf und nieder ohne ihn anzusehen Es gibt derer, die bleiben immer gelassen, und geschähe, was will, es wird keiner jemals ihr Gesicht verändert sehen. Tagaus, tagein gehen sie wie das Vieh von Lager zu Frass, von Frass zu Lager und wissen nicht, was geschehen ist, und nicht, wie es gemeint war. Ein greller Blitz, die Brüder heulen auf. Die Frau stampft zornig auf.fährt fort Darüber müssen sie verachtet werden und verlacht, wer zu ihnen gehört und ist in die Hand eines solchen gegeben. Aber ich bin nicht in deiner Hand, hörst du mich, Barak? Und wenn du ausgegangen warst und trugest dir selber die Ware zu Markt, so habe ich meinen Freund empfangen, einen Fremdling unter den Fremdlingen, und wenn ich dich weckte aus deinem Schlaf, so kam ich aus seiner Umarmung! Blitz, die Brüder heulen auf. Hörst du mich, Barak? Schweige doch diese, damit du mich verstehen kannst! Ich will nicht, dass du ein Gelächter sein müssest unter den Deinen, sondern du sollst wissen! Dies alles tat ich hier im Hause drei Tage lang aber die Freude war mir vergällt, denn ich musste dich denken, wo ich dich hätte vergessen wollen, und dein Gesicht kam hin, wo es nichts zu suchen hatte! Aber es ist mir zugekommen, wie ich dir entgehe und dich ausreisse aus mir, und jetzt weiss ich den Weg! Barak steht jäh auf, die Brüder taumeln zur Seite.Frau ohne Furcht. Abtu ich von meinem Leibe die Kinder, die nicht gebornen, und mein Schoss wird dir nicht fruchtbar und keinem andern, sondern ich habe mich gegeben den Winden und der Nachtluft und bin hier daheim und wo anders, und des zum Zeichen habe ich meinen Schatten verhandelt und es sind die Käufer willig, und der Kaufpreis ist herrlich und ohnegleichen! BARAK in höchster Erregung Das Weib ist irre, zündet ein Feuer an, damit ich ihr Gesicht sehe! Das Feuer flammt auf. DIE BRÜDER Sie wirft keinen Schatten. Es ist, wie sie redet! Sie hat ihn verkauft und abgehalten die Ungeborenen von ihrem Leibe! Der Schatten ist abgefallen von ihr, und sie ist ohne, die Verfluchte! AMME zur Kaiserin Auf und hin, nimm den Schatten, reiss ihn an dich! Sie hat es gesprochen mit wissendem Mund, so ist es getan! Und nicht der Sterne Gericht macht diesen Handel zunicht! BARAK furchtbar losbrechend Hat sie solch eine Hurenstirn und sieht lieblich darein und schämt sich nicht? Heran, ihr Brüder, einen Sack herbei und hinein von den Steinen, dass ich dies Weib ertränke im Fluss mit meinen Händen! will auf die Frau los DIE BRÜDER hängen sich an Barak Kein Blut auf deine Hände, mein Bruder! Auf und jage sie aus dem Hause, einer Hündin Geschick über sie in Gosse und Graben! BARAK will auf die Frau los; zugleich Mein Aug ist verdunkelt, helft mir, ihr Brüder! Herbei einen Sack und Steine hinein, dass ich sie ertränke mit meinen Händen! DIE BRÜDER hängen sich an ihn; zugleich Kein Blut auf deine Hände, mein Bruder, halte dich rein, o unser Vater! BARAK zugleich Helft ihr mir nicht, tret ich euch nieder! Ich hab es verhängt in meiner Seele und will es vollziehen mit meinen Händen! Wie er gleichsam zum Schwur die Rechte nach oben reckt, stürzt ihm aus der Luft ein blitzendes Schwert in die Hand. Die Brüder haben vereint kaum die Kraft, ihn zu halten. – AMME rückwärts mit der Kaiserin, ihr Auge unverwandt mit dämonischer Lust auf den Vorgang geheftet, zugleich mit Barak und den Brüdern Wer schreit nach Blut und hat kein Schwert, dem wird von uns die Hand bewehrt! Und fliesst nur schnell das dunkle Blut, wir haben den Schatten, und uns ist gut! KAISERIN reisst sich von ihr los, wendet den Blick nach oben, für sich, aber zugleich mit den andern Ich will nicht den Schatten auf ihm ist Blut, ich fass ihn nicht an. Meine Hände reck ich in die Luft, rein zu bleiben von Menschenblut! Sternennamen ruf ich an gegen mich, diese zu retten, geschehe, was will! FRAU ist in sprachlosem Schreck über die Wirkung ihrer frevelhaften Rede nach links hinübergeflüchtet, allmählich geht in ihr eine ungeheure Veränderung vor; leichenbleich, aber verklärt, mit einem Ausdruck, wie sie ihn nie zuvor gehabt hat, trägt sie sich Barak und dem tödlichen Schwertstreich entgegen; zugleich, stellenweise dominierend Barak, ich hab es nicht getan! Noch nicht getan! Höre mich, Barak! Verräter ward mein Mund an mir, zuvor die Seele die Tat getan! Muss ich sterben vor deinem Angesicht, muss ich sterben, um was nicht geschah, o du, den zuvor ich niemals sah, mächtiger Barak, strenger Richter, hoher Gatte – Barak, so töte mich, schnell! Barak hebt das Schwert, das in seinen Händen funkelt und von dem Blitze ausgehen, die den dunklen Raum – denn das Feuer ist zusammengesunken – zuckend erleuchten. DIE BRÜDER hängen sich mit letzter Kraft an ihn; zugleich Sie werden dich behängen mit Ketten und dich erschlagen mit der Schärfe des Schwertes, erbarme dich unser, o unser Vater! Indem Barak zum Streich ausholt, erlischt das funkelnde Schwert plötzlich und scheint ihm aus der Hand gewunden – ein dumpfes Dröhnen macht das Gewölbe erzittern, die Erde öffnet sich, und durch die geborstene Seitenmauer tritt der Fluss herein. Indes die Brüder, ihr Leben zu retten, zur Tür hinausflüchten, sieht man Barak und die willenlos vor ihm liegende Frau, aber jedes für sich, versinken.Die Amme hat die Kaiserin mit sich auf einen erhöhten Platz an der Mauer des Gewölbes emporgerissen und deckt sie mit ihrem Mantel. Man hört aus dem Dunkel, das alles verhüllt, ihre Stimme. AMME Übermächte sind im Spiel! Herzu mir! この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@wagnerianchan Strauss,Richard/Die Frau ohne Schatten/III
https://w.atwiki.jp/oper/pages/698.html
第1幕 第1場 (モロズス卿の部屋。広い部屋に幾つもの船の模型、旗、銃、錨、魚の骨、索具など多くのものがごちゃごちゃと置かれていて、ここに住んでいる人はかつて船乗りだったと分かる。とりわけ目につくのは、ドアがすべて分厚いカーテンや袋で覆われていることだ。) (午前中) 家政婦 (テーブルの埃を払い、部屋を片付けている。ノックの音) 家政婦 (ドアを開けて、理髪師を招き入れる) まあ、どうも、どうも!シュナイデバルト(髭を切るの意味)さん、いつも早いお越しで、いつも時間ぴったり。さあ、どうぞ、どうぞ、ちょっとお待ちになってね!旦那様はまだお休みで、よかった、まだお休みで、静かなんです。だからお話ができます、まだ少しおしゃべりができます。 理髪師 お取次ぎを! 家政婦 言ったでしょう、まだお休みだと、まだお休みなんです、よかったわ。それでお話ができるっていうのに、私の口ときたら凍りついたみたい。動かしていいのに、だってまあ、だってまあ、お目覚めになったら、お終いですもの。つまり身を屈めて、黙々とするのです。上履きを履いて音を立てないように動くの、黙って静かに、口もきかず、息の音も、足音も物音も立てず、ただ沈黙、沈黙、息苦しくなるまでの沈黙!ああ、床屋さん! 理髪師 お取次ぎを! 家政婦 只今、只今、あなたにご説明しておかないと、もう私我慢できません。旦那様は、ご存じの通り、とても厳しい方、でもご存じの通り、とてもいい方。お助けしてあげたい、お世話してあげたい、労をいとわず、骨を折り、旦那様のことだけを考えるの。なんて哀れ、ひとりぼっちで、寂しいお方!息子さんも甥御さんもなく、ご友人もご親戚もなく、とりわけ、とりわけ、ああ、奥様がいないなんて!しっかりして貞節で、ちゃんとした本当の奥様、律儀で、健気で、気のつく奥様がいないなんて… 理髪師 こん畜生、お取次ぎを! 家政婦 只今、只今、お分かりでしょう、厚かましくて軽率な女はダメ、浮気なすれっからしはダメ、若いのはダメ、そう、若くて青くさいのはダメ、お砂糖とロウでできたお人形さんみたいなのはダメ。ちゃんとして、経験があり、働き者で、もの静かで無口で、そこそこの年齢の女ーそう私みたいにーきちんとして落ち着いて、倹約はするけれど手際よく、短気にならず、しかも陽気、そんな女性が…貞節で善良な、そんな女性がいい…と思うけど。 理髪師 こん畜生、時間を無駄にした!何をぶつぶつ、ぺちゃくちゃ喋ってるんだ!お取次ぎを! 家政婦 只今、只今、私はただ…お分かりでしょう、ご存じですよね、旦那様をよくご存じでしょう…、あなたは旦那様に信頼され、旦那様とお話ができる。だから思ったんです、あなたならこっそりできるんじゃないかと… 理髪師 いまいましい、俺は髭剃りに呼ばれたんだ。 家政婦 只今、只今、私はただ…ああ、でも聞いてくださいな、思うに… 理髪師 泡立て(=ほらを吹く)なら自分でする、何をぶつぶつ言ってんだ!お取次ぎを! 家政婦 あとこれだけ、あなたならおできになる…私はただ…お礼はちゃんとします…私はただ、あなたなら旦那様に言える…分かってください、お礼はちゃんとします…あなたなら旦那様に言える…お分かりでしょう、お礼はちゃんとします…旦那様ときたらずっと何をお探しになる必要があって…私をここで、もう17年もお試しになったのに… 理髪師 まるで教会の芝居みたいにあんたは朝から晩までぶつぶつぺちゃくちゃー 家政婦 あなたなら助言できるでしょう… 理髪師 (激怒して) とっとと消え失せろ、おしゃべりのしわくちゃ婆あ! 家政婦 (叫び声をあげて) まあ! 理髪師 あんたの首より、聖パンクラスの教会の鐘にぶら下がるほうがましだ!あんたとベッドに行くくらいなら、イラクサの原っぱに裸で寝るほうがましだ! 家政婦 (金切声で) まあ! 理髪師 牧師の前で「はい」と言うくらいなら、奥歯を一列全部抜くほうがましだ! 家政婦 この無礼者、あんたって人は… 理髪師 あんたと結託するくらいなら、気違い草でも注射してもらうほうがましだ! 家政婦 まっとうな未亡人に対してなんて失礼な?文句があるの!あんたみたいな、みすぼらしい床屋が、独り者のくせに子供作って、取りもち屋で、何にでも首を突っ込んで、とんずらしたろくでなし、海千山千の、追っ払われた悪魔のダンス教師かい?この家から出て行け!即刻、失せろ!出て行け! 理髪師 黙れ、くそ婆あ、ぶっ叩いて木端微塵にしてやるぞ! 家政婦 (耳をつんざくような声で) 私をぶっ叩く、お前みたいな犬の骨が?私をぶっ叩く、まっとうな未亡人を?出て行け、この家から出て行け… 第2場 モロズス卿 (寝室から跳び出てくる。ガウンを着て、長いトルコ風のパイプを手にしている。その長い柄をパイプの頭からもぎ取り、仰天している家政婦に振り上げる。殴りかかって) そこの策具に隠れている奴、虫食いだらけのボロ船!お前に騒ぎの起こし方を教えてやる。そこはまだ舷側だ、そこも、そこも!私の船を乗っ取ろうというのか?錆びだらけの錨の鈎(かぎ)め?私を分捕ろうというのか、朽ちたガレー船よ?大ぼら吹いて、お前を悪魔の所へ吹き飛ばしてやる。失せろ、自分のキャビンに行け、二度と出て来るな!失せろ、音を立てるな、さもないと… 家政婦 (ドアから逃げ出す) 理髪師 (モロズス卿を押しとどめ、落ち着かせて) そうカッカとしないで、旦那、肝臓を刺激しますよ。血が汚れる。静かに!唾を吐く値打ちもない女です。静かに!静かに! モロズス (腹を立てて、理髪椅子に腰かけながら) 静かにだと?何故私が静かにしないといけないんだ?何故この私が?何故この喧しい悪魔の大鍋の中で私が?誰が私を静かにしておいてくれる? 理髪師 (モロズスに布を広げ、石鹸を泡立て、丁寧に、理髪師らしく) 恐れながら、閣下はよく眠れなかったようで。 モロズス 眠るだと?いつも騒ぎ立てる奴らが起きているのに、どうやって眠れるのか?いったいこの街のほかの人は眠れるのか?ひとりの平和な市民を眠らせてくれるのか?否、通りを走り回り、酒場で荒れ狂い、忌々しい大騒ぎをして、夜中じゅう反吐を吐く!おお、神よ、この人間というバカな種族は、ごたごたを起こすことにかけてはなんと発明の才の豊かなこと! バイオリンを弾く、フルートを吹く、 笛を吹く、トランペットを鳴らす、 ブルンブルンだの、ブンブンだの 取っ組みあうだの、酔っぱらうだの、 へっぽこギターに、下手くそピアノ、 一度だって止むことがない、 通りでも家でも静かになることはない! 理髪師 (てきぱきした理髪師らしく、ひたすら石鹸を塗りながら) なるほど、なるほど、面汚しですな、国王陛下や市当局の厳しいお達しがこの街ではそれほど軽視されている。しかし庶民というのはポケットに金がある限り、飲みたがる。飲んだら次は、取っ組み合い、やれやれ、いつだって喚き声がつきものだ。となると静けさを好む市民は自分もビールを一杯飲みに出掛けて、夜警が通りを一掃してくれるまで居酒屋で待つしか、なす術がない。真夜中になれば静かになるというものです! モロズス (怒りで理髪師をはねのけて) 静かになるだって?真夜中は静かだって?それではあの鐘は?あの忌々しい、呪わしい鐘は?いつになったら静かになるんだ? ああ、鐘の奴らめ、 塔の上に意地悪く、黒々と鎮座して、 教会の椅子の間に姿を隠して黙ってうずくまり その時を、あの果てしない時を窺っている! そして突如、雷鳴のような一撃とともに、 襲いかかるのだ。 ピン、パン、 揺れる、揺れた、 何時間も、 大きな鐘、重たい鐘が、 轟き渡り、鳴り響く。 小さな鐘、薄っぺらい鐘まで、 がなり立て、喚きちらす。 いつまでもいつまでも 奴らは騒音を 部屋に投げ続ける。 日が暮れようが、夜が明けようが、 夜だろうと昼だろうと、 いつまでもいつまでも このおぞましい、獰猛な、時を告げる鐘! おお、鐘の奴め、 恐るべき 鐘の音ときたら、 教会に来いと、すぐに喚き立てる。 誰かがくたばる時、 誰かが生まれる時、 どこかの馬鹿が 女と結婚を誓う時、 泥棒が 絞首台に送られる時、 いつだって、いつだって、 いつだって 鐘が鳴らされるのだ! 理髪師 (右側を剃りながら) まさにその通り、閣下、奴らときたら堅物の職人たちみたいに日曜日に仕事を休んだりはしません。しかし鐘は司教区の支配下にあって、役所の管轄下ではありません。だからちゃんと睡眠をとりたい人は誰だって、この腹立たしい騒音には鎧戸をしっかり閉めて、家で静けさを手にするしかないのです。 モロズス (もう一度理髪師をはねのけて) 家で静けさだって?いつ家に静けさがあるんだ?18度のモンスーンよりも大きな音を立てるあの女がいないとでもいうのか?あのお喋り女ときたら、国王陛下の最強の戦艦が一時間一斉射撃するよりも、一分間でもっと多く言葉を放つ。今、部屋の掃除をしていたかと思うと、もう、ドアを叩き、ノックしたかと思うとぱたぱた音を立て、お喋りするかと思うとぺちゃくちゃ、絶えず恐ろしく元気で、決して、一度も黙ることがない。 理髪師 そんな疫病神は俺が閣下に代わって箱詰して、どっかコショウが生える遠い所に送っておきましょう、代わりに若い娘をこの家に入れる、もの静かで従順な、感じのいい娘っ子、大人しい小鳩ちゃん、思いやりがあって優しくて、気晴らしになる娘ー親切で、こぎれいな、無口な女! モロズス は!無口な女だって?塩のない海か?鼠のいない船か?お喋りしない女だって?私は7回喜望峰を回って、北氷洋からアッフェンランド(猿ヶ島)まで航海したが、64年間そんな女に一度もお目にかかったことがない。無口な女、そんなものがいるのは修道院の中庭か十字架の墓石の下だけだ。 理髪師 (髭剃りを終えて、パウダーをはたき、鬘にヘアアイロンをする用意をしている) 閣下は誇張するのがお好きのようで。それほど稀というものでもありません、もの静かな小鳩ちゃんは飛び回わったりはせず、父と母の傍で鳩小屋に大人しく従順に座り、教会の椅子以外で男の人を見ることはありません。閣下のようにご立派な、尊敬すべき大地主の旦那のお世話をするのを幸せだと思うような娘を、俺は各々の指ごとに12人くらい知ってますよ。しかも結婚せず、結婚させられず、ああ、百マイルも逃げてる娘たち、というのもちゃんとした男は稀ですから、それに… モロズス 君は私をバカにしているのかね?若いご婦人を家にだなんて、それはつまり3週間後には私が棺桶に入るということだ! 理髪師 断じて、断じて!閣下はロイヤル・アカデミーのどの医者よりも7倍も世に長けた、経験豊かな床屋を信用できないと言うんですか。血液を温かく保つのに若いご婦人ほどいい薬はありません。眠りをいざない、胆汁を抑え、機嫌を良くし、気持ちを明るくし、精神を穏やかにしてくれます。ああ、若くて優しい婦人ほど年をとった男の心を幸せにする秘薬はありません。その眼差しには電子が宿り、それは男の持つあらゆる力を引き出し、実り豊かなものにしてくれます。それはまさにフィルターにかけた太陽で、心に再び花開かせます。考えてもみてください。 日が暮れる、暖炉は冷たいまま、 寂しさを感じる、老いを感じる、 悲しくなりぞっとする、恐ろしいほどの沈黙、 まるで死がこの部屋に 居座っているみたい。 そこに彼女が入って来る、 一条の 生き生きとした陽光が、 助けを惜しまない手と、朗らかな顔で、 暖かさと開花をもたらし、善と光をもたらす。 そしてあらゆる恐怖は 追い払われる。 手を取りあって、見つめあったり、 おしゃべりしたり、黙って、微笑みかけたり、 言葉を交わたりし、冗談を言い合い、夢を見て 眠りに就く。 いいじゃないですか? モロズス (突然考え込む。すっかり夢を見ているように、ひとりで) 確かに、いいかもしれん!不安もなく、空虚さもなく、死のような孤独もなく 毎日、毎晩、ひとりでいるより。 息子もなく、跡取りもなく、甥っ子もなく、友達もない、 心から思ってくれる人は、この世にひとりもいない。 確かに、それはいいかもしれん! 誰かを 知るというのは、その人のためにそこにいて、 親切にしてくれて、身近にいてくれて、 不安が胸が、締めつける時には、 共に息をし、共に考えてくれる。 誰か、 その人のために生き、その人のために死ぬ、 体が冷たくなった時に、ひとりがまだそこにいて、 瞼を閉じ、手を組ませてくれる、 (深く息をして) 確かに、それはいいかもしれん。 理髪師 (早口に) それでは閣下、少々あたってみますのでお許しを、俺は17マイル以内の母親、父親、おばさん、娘さんたちを全部知ってます。俺が閣下に、この伯爵領で一番きれいで、一番もの静かで、一番可愛いい、一番大人しいのを連れてきましょう。 モロズス ナンセンスだ、冗談はよせ!どこの娘が私を選ぶというのか、こんな年寄りの、意地悪で、皮肉屋の爺さんを?若い者は、若いのが好きだ、そうだろう!ダメだ、ダメだ、私は年をとりすぎている、年をとりすぎている! 理髪師 おお、閣下は勘違いしておられる。そういう女もいます、若い娘の中にはそういうのもいるし、全くそうでないのもいます。バカなのも賢いのもいて、賢いのはよく知っています、年寄りは親切だが、若いのは厚かましい、美しさは儚いが、お金は一生ものということを。そういう娘は役立たずより品位と名声のある人を千倍も喜んで選びます。 (理髪師はヘアアイロンを手に、巻毛にカールをつけたりゆるめたりしながら、カンツォーネを歌う) 世間知らずの 娘たちは、 見た目だけで 惑わされる。 身分でなく、年齢だけで、 男の価値を はかるのです。 どんな男も がさつということはない、 だって娘が ひたすら求めるのは 愛においては ただ若さだけ、 男においては ただ外観。 モロズス その通り、もうよく分かっている、 その通り、ああ、私は年をとりすぎている。 理髪師 しかしそうでない 女もいます、 力と成熟が 彼女たちを惹きつける、 安心して 信頼できる人だけを、 あるべき夫と 敬うのです。 精神と中身を 感じれば喜んで、 女たちは身を屈し、服従します。 若さだけを求める者は 騙されると、 賢い女たちには じきに分かるでしょう。 モロズス 私には、分かっている、君が言うのは嘘だ、 ダメだ、ああダメだ、私は年をとりすぎている。 理髪師 愛する者もいれば、熱をあげるだけの者もいる、 まさに相応しい人を選び出してください。 モロズス ダメだ、どっちにしろ、いつでも騒ぎたてる、 私がこの家に欲しいのは、静けさだ! 第3場 (突然、玄関のドアを外側から激しくノックする音) モロズス (弾に当たったかのように跳び上がって) ああ! 理髪師 (吃驚してヘアアイロンを落とす) 旦那! (またドアを力いっぱい叩く音) モロズス ああ、私の杖!私の杖はどこだ?ごろつきの頭をかち割ってやる! 理髪師 (彼を抑えながら) 閣下、抑えて抑えて!そんなにかっかすると、能卒中を起こしかねません。 モロズス (彼を振り払いながら) 静けさだ!この家には誰も要らん!私が欲しいのは静けさだ! 家政婦の声 (姿は見えず、外から) どなたもダメです!モロズス卿はどなたにもお会いになりません。 ヘンリー・モロズスの声 (姿は見えない) でも話があるんです。 家政婦の声 話はできません。 ヘンリーの声 話をしないといけないんです。 家政婦の声 ダメです! ヘンリーの声 どうしても! 家政婦の声 ダメです! ヘンリーの声 どうしても! モロズス ああ、このうすのろ!私が打ちのめしてやる! 家政婦の声 何です、力づくで? ヘンリーの声 (まだ外にいる) 中に入らないと。 家政婦の声 (外で) 放してください。 モロズス (部屋の中で理髪師に向かって) 放してくれ、こん畜生! (モロズスは振り払い、自分の杖のほうに駆けて行き、その杖を振り上げて玄関のドアの方に向かう) 家政婦 (その瞬間、ドアが開けられて家政婦は地面に倒れ、彼女の後ろにヘンリーがいる) ヘンリー 僕の邪魔をするとどうなるか、目にもの見せてやろう! モロズス ああ… (ヘンリーに殴りかかろうと、杖を振り上げた途端、硬直して、振り上げたまま杖を揺らせながら、尋ねる) ヘンリー? ヘンリー おじ上! モロズス (大感激して、確信して) ヘンリー?本当にヘンリー? ヘンリー そう、おじ上の最も誠実な甥っ子! モロズス ヘンリー! (杖を落とし、彼を抱く。優しく彼を中に招きながら) 生きてたのか? ヘンリー 生きてます。 モロズス 死んではいないのか? ヘンリー 知ってる限りは死んでません。 モロズス 死ななかったのか? ヘンリー 憶えてる限りは死んでません。 モロズス しかしお前はパヴィアの大学から姿を消した。誰もその後の消息を私に知らせてくれなかった。 ヘンリー ああ、おじ上、許してください。書物は僕には退屈だったんです。法学は吐き気がする、くだらない紙ばっかりで僕は大嫌いだ。だから逃げ出したんです。 モロズス (鷹揚に笑いながら) は!逃げ出した?さっさとそこから?ブラボー、ブラボー!モロズスだよ、本物のモロズスだよ、正真正銘、弟の息子だ!我々はそうなんだ、じっとしているのがいや、縛られるのがいや、いつも冒険を求める。まさにそうして40年前に私も親父の農園を出て、死と悪魔と格闘するため、船に乗り込んだ。本物のモロズスだ!我々の血だ、我々の気質だ!しかしお前が今ここに? ヘンリー お許しいただけるなら、おじ上。実は… モロズス (理髪師に) あいつがここにいる。聞いたか?この家はあいつのものだ、私の遺産は!全部あいつのものだ!それなら嫁は要らん、女房は要らん、娘っ子は要らん、もの静かで無口な女など要らん。そんな女は靴屋か商売人とでも結婚したらいい。祝ってやるぞ、今、あいつが戻って来たんだ、私の跡取り、私の息子。あいつの髭を剃ってやれ。 (家政婦に) あいつの世話をしてくれ!上の部屋をあいつに!全部あいつに!さあ、私のヘンリー、何のために生きているのか、今分かった。さあ、コートを脱いで、座って、抱かせてくれ、勇敢な若者よ、さあ、お前の話が聞きたくてうずうずする。 ヘンリー ええ、喜んで、喜んで…でもまず… モロズス 好きなようにしろ!お前の家も同然だ!風呂の用意をしようか?食事にするか?飲むか?ともかくこっちへ来て、座れ、若者よ、お前に会えて嬉しいよ! ヘンリー (落ちつかない様子で) ええ、でも…どう説明したらいいのか…僕はひとりじゃないんです。 モロズス ひとりじゃない? ヘンリー 一緒なんです…皆と…下で待ってるんです…つまり…つまり (躊躇しながら) 僕の仲間が… モロズス (勘違いして、興奮しながら) お前の仲間?連れて来たのか、兵隊たちを?ああ、そうだと思ったよ、モロズスは書物にへばりついてはおらん、冒険がひきつける。でかしたでかした!本物のモロズス、熱血漢だ!モロズスと共に戦った者は、我が友、我が客だ!兵隊たちを連れて来い!皆、上がれ! (窓から下に呼びかけて) 上がって来い!皆、上がって来い!皆、招待してやるぞ。 (再びヘンリーに) やつらに会いたい、お前の部下に、奴らからお前の武勇伝を聞かせてもらいたい、年寄りの船乗りは戦闘や戦争の話を聞くのが何より好きなのだ! (家政婦に) ワインを持ってこい!カラフェとグラスを。ああ、なんて嬉しいんだ、私のヘンリー、お前の仲間をもてなすとは、主の最良の息子たちだ、兵隊たちは。そして私も昔はその一人だった。 (ちょっとしたユーモラスな行進曲。チェーザレ・ヴァヌッチのオペラ一座登場。まずチェーザレ・ヴァヌッチ、身なりはひどいが、仰々しく勿体ぶっている。カルロ・モルビオ、ジョゼッペ・ファルファッロ、三人の女性歌手、アミンタ、イゾッタ、カルロッタ、その後にある程度のちょとした合唱をする2〜4人の歌手が続く。皆、勿体ぶって入って来て、女性たちは恭しく宮廷風のお辞儀をする) モロズス (吃驚して言葉もなく一行をみつめ、それから不機嫌になって、怒りをつのらせながら) これがお前の仲間?兵隊たち? ヘンリー (おずおずと) まあ…そうです…僕の仲間…かの高名なマエストロ・チェーザレ・ヴァヌッチのカンパニー… (気を落ちつけて) 紹介させていただきます、おじ上。チェーザレ・ヴァヌッチ氏、我々のオペラの座長で、黄金の拍車の騎士、イタリアのアポロ…その神聖さで大人気、立派な宮廷に賓客として招かれています… ヴァヌッチ (お辞儀をしながら) そして閣下の忠実な下僕であります。 ヘンリー こちらがカルロ・モルビオ、彼のオルフェオは評判なんです、こちらがジョゼッペ・ファルファッロ、ボローニャの人気者、こちらがアミンタ、こちらがイゾッタ、こちらがカルロッタ、とほかの仲間たち。 モロズス (疑い深そうに) まさかお前まで歌うとは、言わないだろうな? ヘンリー 成功が期待できないときは、あまりやりません。 ヴァヌッチ そう謙遜しなくても!若き名歌手ですよ、閣下!誓ッテ、サン・カルロとサンタ・カペッラでは大喝采でした。 モロズス まさか人前で歌うのではないだろう? ヘンリー ええまあ。数ヶ月前からは。 モロズス 金のために?モロズスが?金を払ってもらうのか? ヘンリー 正直言って、今はまだあまりもらってはいませんが。 モロズス それで何しに…何しにお前は仲間を引き連れてイギリスに?ここで何を? ヘンリー ヴァヌッチ氏の名声は我が祖国にまで及んでいます。ある興行主が彼を呼んだんです、ハイマーケット劇場で彼の有名なオペラをいくつか上演するために。女王陛下のお気に召して、観客の人気を博すことを願っています。 モロズス たとえ天使たちが合唱を歌うとしても、私は聴く気はないぞ。当世流行のオペラとかいうものに行って耳を酷使するくらいなら、ガレー船に乗るほうがましだ!奴らは喉頭が破裂するまで、声を震わせるなり、喚くなりしたらいい、。私が望むのはただ、モロズスたる者、お前までがこの国で奴らと一緒にやって、私に恥をかかせたりしないことだ。 ヘンリー ヴァヌッチ氏は僕に主役のテノールのパートをくれようとしてるんです。僕は神話を題材としたオペラでオルランドを歌うんです… モロズス お前は歌ってはだめだ! ヘンリー 僕は歌います! モロズス お前は歌ってはだめだ! ヘンリー 僕は歌います! モロズス 私が禁ずる。私はそんな恥辱には我慢できない。我が由緒ある家名!我が名門の家!モロズスたる者がカストラートやペテン師みたいなこと!モロズスたる者が!禁止だ!禁止だ! ヘンリー 聞いてください、おじ上! モロズス 聞く気はない。私が欲しいのは静けさ、静けさだ!歌を歌うような奴は、モロズスではない!即刻この仲間と別れろ! ヘンリー 仲間と別れるなんてできません。僕と仲間は一心同体です!僕の言葉、僕の名誉、そして (彼はためらっているアミンタを引き寄せる) 僕の愛と共に。すぐには言い出せませんでしたが、おじ上。このアミンタは僕の妻です。 モロズス お前の妻?歌うたいが?その女が私の家に?騒音をたて、耳を傷めつける女、コメディエンヌ、女ペテン師が、… ヘンリー あんまりです!彼女を歓迎してくれないなら、僕が彼女と出て行きます。 モロズス 役者ふぜいが3人!役者ふぜいが6人!私の家にまるごとオペラ?お前は気でも狂ったのか?皆を追い出せ、さもないと、勘当だ! ヘンリー 僕の優しいおじ上! モロズス (ますます荒々しくなって) 勘当だ!1ポンドも1シリングも遣らん!ネズミに遣るほうがましだ!海に捨てるほうがましだ!ああ、何たる恥辱!モロズスたる者がこんな悪党たちと、こんなならず者と、こんな浮浪者たちと、乞食歌手たちと… ヴァヌッチ (爆発して) ああ、アンマリダ!私に向かって!黄金の拍車の騎士に対して! (皆が交互に、モロズスに悪口雑言のひとつずつに口をはさみ、ますます激しく、辛辣になり、遂に大混乱になる) モロズス この鞭打ちの刑のならず者め!どこの馬の骨とも分からん奴らめ! モルビオ 無礼ダ!なんてことを言うのか! ファルファッロ ナント傲慢!法皇様の御前で歌ったこともある、この私に対して! ヘンリー おじ上、お願いだから、少し抑えて! モロズス 淫売女に可愛い子ぶりっ子… イゾッタ なんてことを言うの! カルロッタ なんて失礼な! モロズス 10ソルド(イタリアの通貨)のために唾を吞み込み、ブラボーに平身低頭し、金貨1枚のために喚いて体を売るような、こんな寄せ集めのゲスどもと一緒になって…皆を追い出せ、さもないと勘当だ! ヘンリー あんまりです!我慢できません。僕の妻を侮辱してます! ヴァヌッチ 私の剣を!私の剣を!正義の裁きを!奴は我々を侮辱した!奴の耳を切り取ってやる! モルビオ 正義の裁きを!正義の裁きを!奴は我々を侮辱した!奴は我々を誹謗した!謝罪シロ! ファルファッロ 正義の裁きを!奴は我々を侮辱した!奴は我々を誹謗した!謝罪シロ! イゾッタ 私の名誉!私の名誉!彼を告訴します!正義の裁きを! カルロッタ 飲んだくれ!大酒飲み!自分の言ってることが分かってない!なんてことを言うの? 他の合唱の人たち 謝罪シロ!奴は我々を誹謗した!謝罪シロ!正義の裁きを! モロズス (杖を握り、それを振り回しながら机を叩く。皆ごちゃごちゃに逃げ回り、黙り込む) 静かに!この家では静かに!ここでは私が主人だ、主人は私だけだ。 (ヘンリーに) もうお前のことなんか知らん。私にとってはお前は死んだも同然。歌を歌うモロズスなんぞモロズスじゃない。さあ話はついた。 (理髪師に) 明日、連れて来てくれ、もの静かで無口な女を、そして牧師と公証人も一緒に!すぐに結婚式を挙げる、明日のうちに、すぐに、全てが彼女のものになる、全て!明日だ、分かったか? ヘンリー しかし、優しいおじ上!聴いてください! ファルファッロ (傍で) ナント傲慢!無礼ダ! ヴァヌッチ 黄金の拍車の騎士である、この私に対して! モルビオ 法皇様の御前で歌った、この私に対して! モロズス (激怒して) 私はお人よしじゃない!私はもうお前のおじさんじゃない!この家の敷居を二度とまたぐな!ゲスどもと出て行け! (理髪師に) 明日、その女を連れて来い、孤児院の出でもいい!ただ静かなこと、それだけだ、歌を歌うのはだめだ、分かったか!ともかく、金切り声をあげず、喚かず、耳にうるさい音を立てない誰かだ。私が欲しいのは静けさ、静けさだ!ともかく静かに! (他の人には不愛想に) 皆くたばっちまえ! (部屋を出て行き、後ろ手にドアをバタンと閉める) 最終場面 ヘンリー (すっかり当惑して) ああ、神様、ひどい歓迎ぶりだ! アミンタ ああ、あなた、そんなことではないかとずっと思っていたわ、私を好きになってくれない、私たちを追い返した!今やあなたは私のせいで全てを失った、全て私のせいよ。故郷も、家も、遺産も、おじ上も! ファルファッロ 大いなる損失だ!なんたる不作法者!なんたる俗物!罵詈雑言の大バカ野郎! モルビオ なんたる不作法者!罵詈雑言の大バカ野郎!なんたる俗物! ヴァヌッチ 私のことを乞食楽師だと!このチェーザレ・ヴァヌッチを!ああ、悪者め! イゾッタ 罵詈雑言の大バカ野郎!なんたる俗物! カルロッタ なんたる俗物!私が淫売女ですって!300ドゥカーテン(金貨の単位)とダイヤモンド時計にも屈せず、グアスタッラの王子と寝ようとしなかった私を! モルビオ なんたる俗物!耳を切り落として、ドアに釘付けにしてやる! ファルファッロ 僕ノコトヲ何ダッテ?二度と悪口が言えないように、歯を全部引っこ抜いてやる、このがみがみ親爺! イゾッタ この家に火をつけてやる! ヴァヌッチ あいつは芸術を冒涜した、我々の芸術を侮辱した、謝罪すべきだ。毎晩この家の前でどんちゃん騒ぎしてやろう。毎晩、大きなティンパニとトロンボーンで、あいつが撤回するまで毎晩だ。 合唱 どんちゃん騒ぎだ!そう、そう!毎晩。あいつが撤回するまで! 理髪師 (割り込んで) 落ちついて、落ちついて、ご立派な紳士方!この国にはちゃんとした市民の夜の安眠を保護する法律があります。それ故、失礼ながら、あんた方がモロズス氏にしようとしていることは不当です。 ヘンリー 不当だって?おじさんは僕を勘当したんだ! アミンタ 不当ですって?私を追っ払ったわ! モルビオ 不当だって?我々を罵倒した! カルロッタ 私を侮辱した! イゾッタ 私を傷つけた! 合唱 不当だって?我々にくたばれと言った!くたばれと! 理髪師 静かに、静かに!言っときますが、あの方は馬鹿正直な方です。全伯爵領の中で一番と言ってもいい、愛想がよくて気前がよく、魂は蝋のように溶けやすく、心は金。ただ耳だけが問題で、可哀想にあの方は騒音が絶対にダメなんです、あの方の耳は、まるで他の人が足の裏をくすぐられた時みたいにむずむずと感じるのです。あの方は以前、ガレオン船の火薬庫もろとも空中に吹っ飛ばされましてね。その大爆発は40マイル離れていても聞こえ、教会の塔がそのために壊れたくらいです。半焦げで海水から引き上げられると、なんという奇跡、生きてました。ただ鼓膜が何千回も振り回されて無くなった。それ以来、分かるでしょう、如何なる騒音もダメなんです、自分がたてる音以外は。 アミンタ ああ、可哀想な方!そうと知っていたら! 理髪師 (ヘンリーに) あんたについてだが、若旦那、そうカリカリするな!その遺産がどこかに渡る前に、何か手を打とう。現ナマはアザミみたいにあっという間に生えてはこないし、あのご老体はイギリスの大酒飲みどころではない。あの方はスペインの銀を積んだ船を2隻ぶんどったし、その他にも戦利品をまめに持ち帰ってきた。 下の地下室にはありとあらゆる種類の箱があり、叩くとカチャカチャ、ガチャガチャ、チャリンチャリンと、黄金の音楽だ。俺は鼻が利くんだ。ミツバチが蜂蜜の匂いを嗅ぐように、百歩離れていても木と鉄を通して黄金の匂いがする。この家の敷居をまたぐ度に、俺はくしゃみをせずにはいられない。俺は鼻がムズムズする。何故かは、俺の鼻が知っている、地下室だけで6万ポンド、いや7万ポンドが金の延べ棒や丸いドゥカーテン金貨で眠っている。 全員 (畏敬の念に満ちて仰天し、繰り返す) 6、6…7…7…6万…万…万…万ポンド。 理髪師 伯爵家の遺産、ともかくこれで、若旦那、個人でオペラ団を維持するのには充分でしょう。加えてヴァヌッチ氏に(敬意を持って)宮廷楽師になってもらう、そのためには軽率になってはダメ、そんなに気位が高いのもダメ、でないとのに、若旦那、明日にはもう見ず知らずの小猫ちゃんがあんたの席に安穏と座ってますよ。 ヘンリー 僕は何をすれば?僕には、おじの愚かさために我らがアミンタを見捨てるなんてできない! 合唱 (ますます仰天して、小声で口々に) 6…7…万…万…万…6…7…そんな大金、この世に二度とない…6、7…万…万… アミンタ (ヘンリーに近づいて) 私のことはいいの、あなた、 自分のことを、自分のことだけ考えて! あなたを信じて この身を捧げるだけで 私はもう この上もなく幸せでした。 そんな幸福が いつまでも続くなんて ありえないと ずっと思っていました。 神様の手から 贈られたものに 私は毎日 感謝していました。 ヘンリー (彼女に) 君を見捨てる?君なしで済ます、 僕とひとつであり、全てである君を? できないよ、君、この地下室が たとえ黄金で いっぱいでも そのドアが金で、錠前が金で、 その屋根が金で、倉庫が金で、 それらを支える、壁が金だとしても。 僕が欲しいのは、ただ一房の髪、 君の可愛い 顔を飾る、 細いブロンドの 髪の毛、 君の睫毛の たった一本、 君の唇の 微笑み その微笑みの つくる影 その影の つくる影 それと交換だなんて、絶対いやだ! アミンタ 最後の日が 来たのですね、 この幸福も 本当に終わるのね あなたが私を選んだ時のように、愛をこめて あなたをあなた自身に お返しします! お幸せに! 嘆きの言葉は 私の口からはもう 漏らしません、 私は喜んで どんなことにも耐えます、 あなたがお幸せなのを 見さえすれば。 ヘンリー 君を見捨てる?君なしで済ます? できない、僕が生きている限り、 ずっと君のもの、ずっとずっと! 僕が愛する所に、僕の人生はあり、 君が息をする所が、僕の世界だ! (彼は彼女を抱きしめ、それから他の人に) できない、僕は君たちを見捨てはしない、 おじさんは好きなだけ、罵ったらいい。 君たちは僕を 仲間に入れてくれた、 若くて愚かだった、こんな僕を、 君たちは 僕の心を広げて 音楽で 祝福してくれた! できるなら君たちに お返ししたかった、 が今や僕は あの頃と同様に貧乏だ、 君たちの友情と、僕たちを幸福にしてくれる あの芸術以外、何も持っていない、 だがこれらの宝物は 僕にとって お金よりも地上の黄金よりも 価値がある。 ヴァヌッチ 立派な若者! モルビオ 愛する兄弟! ファルファッロ 抱かせてくれ! イゾッタ キスさせて! カルロッタ これからもずっと! アミンタ ありがとう、あなた! 合唱 ずっと、ずっと我々は一緒、ずっと兄弟、友達、仲間だ! 全員 (感激して互いに相互に抱き合う) 理髪師 (その間に帽子を被り、理髪道具を片づけて) 全く正しいお考えで、若旦那、しかしこの世間で正しいことが大抵はすべて愚行というのは、残念ですな。だってあんた方は大金を放棄するんですよ!俺が600年毎日60人の髭を剃っても、俺は6万ポンドにもならない、それをあんた方は、汚れたシャボン玉の泡みたいに、流して捨てようとする。ああ、人生は厳しくて、何グロッシェンか稼ぐのだって大変なのに!今となっては俺は明日までに旦那のために無口な娘を見つけなければ!旦那が思っているほど、簡単じゃないんだ。確かに俺はあらゆるタイプの女を知っていて、やり方も分かっている、でも明日までですよ、明日までに、どこで見つけろって、その女を? (カルロッタとイゾッタに) そうだ、お嬢さん方、どちらか6万ポンドに立候補する気はありませんか?よく考えてください、お嬢ちゃん、こんな金のなるリンゴの木はイギリスでも滅多にありません。 (イゾッタに) どうですか、小鳩ちゃん、モロズス卿のお傍で慎ましく、何よりもの静かで無口でやってみませんか? イゾッタ (踊るように) 私は笑うわ 朝から晩まで。 ずっと笑って 悪戯をするの、 あの人が文句を言う気が なくなるまで。 私が、教えてあげるわ、 笑いが私を守ってくれるってこと! さんざん冗談を言って、 活発に陽気に、 からかってやるわ、 つついて、つかんで、 つねって、つまんで、 あの人が私の一日を 台無しにしたりしないように! そんな風に 好きなようにしていけないなら、 心のままに 楽しんでいけないなら、 あの人のお金が何だっていうの? 理髪師 ああ、それでは我がモロズス卿には向いていませんな! (カルロッタに) それで君はどう、小羊ちゃん? カルロッタ (踊るように) 私は歌うわ 朝から晩まで ずっと歌って この胸を揺らせる、 あの人が文句を言う気が なくなるまで。 あの人は好きなように したらいい。 喚こうと、罵ろうと、 ガラス窓をぶち割ろうと、 私は静かになんかしていない。 呪うがいいわ、 吠えるなと、荒れ狂うなと、 お好きなように! 歌っている時だけ、 生きていると実感する、 歌っている時だけ、 ワクワクする、 歌っている時だけ、 私は世界を抱きしめる! アミンタ ああ ひどい侮辱、 ああ 苦い祝福! 私の愛する人よ、 私はあなたのお傍に忠実でいます。 この先、何が起こっても、 私はあなたを放しません。 あなたが私を見捨てない限り、 私はずっとこの上なく幸せです! 理髪師 ああ ひどい、これではモロズス卿の胃に良くない!これでは結婚届のインクがまだ乾かないうちに、離婚を請求することになる (突然、中断して、大声で笑い出す) は! 全員 (怪訝そうに彼の周りに集まる) どうしたんだ? 理髪師 (意味深長に厳かに) 思いついた! 全員 (恭しく) 静粛ニ!静粛ニ!床屋殿が何か思いついたと! 理髪師 (大きく息をついて) いいことを思いついた! 全員 静かに!静かに!床屋殿が何か思いついた! 理髪師 誰かがモロズス卿と結婚するというのはどうだろう、だがしかし、彼は結婚したと思っているが、本当は結婚していなくて、彼が結婚したというのは、それは彼が結婚したと自分で思っているだけで、本当は結婚していない。そこで実は効力のないこの結婚を無効にし、その結果、あんたがまた彼の相続人になる、というのは? 全員 (途方にくれて) 分かった?分かった?…中国語を話しているのか…一言も分からない。 理髪師 辛抱してお聞きを!人類の壮大なる思想は決してすぐには理解できない。ただ俺に任せてくれたらいい、すごいプランだ。 (ヴァヌッチに) 必要とあらばあんたを牧師だと信じ込ませることができますか? ヴァヌッチ (彼の芸術家としての誇りを傷つけられて) 牧師ですって?50通りでも100通りでも。カトリックでも、ルター派でも、プロテスタントでも、何でも望み通りに。司教だって、大司教だって、餓えた乞食坊主だって・・ 理髪師 十分、十分! (モルビオに) そしてあんた公証人の役は? モルビオ 無味乾燥なのでも、情熱的なのでも?ねずみみたいな奴、デモステネス風の雄弁な奴だって、お望みのままに。 理髪師 (ファルファッロに) そしてあんたも同様に? ファルファッロ やりますよ! 理髪師 (カルロッタに) 君は、どんくさい純朴な田舎娘、ごみ溜めのガチョウのようなの、できる? カルロッタ (身ぶりと声を真似て) でける、でける、旦那あ!うめぇことやりまさぁ。 理髪師 (イゾッタに) 君は上品で、かわいいコケットな娘、できる? イゾッタ (すぐにポーズをとり、媚びるようにお辞儀をしながら) かような高貴な騎士様に愛をこめてお仕えできるとは、光栄ですこと。 理髪師 (アミンタに) そしてあんたは、優雅で控え目で、魅力的な娘… (中断して) いや、あんたは演技しなくていい、それでいい。そのままでいい、そのままで素敵だ! (全員に) では俺が言ったように変装して、俺が望む通りにやってくれ。これで俺たちがモロズス卿の結婚についての好みを即刻変えることができず、あんたの相続財産を取り戻せなかったら、俺はよほど奇妙な間違いをおかしていたということになる。が、上手くいけば当然のことだが、俺にも分け前を少々、なにしろあの方に石鹸を塗り込んで誤魔化し、あの大バカ者の髪を切り落とすのは、今度ばかりは結構大変なことだ。準備はいいですか? ヘンリー ええ、僕らは やりますよ、 各々自分の役を やりましょう! おじ上に 分からせてやろう、 巧みさと思いつきで 何ができるか。 僕らの芸術を おじさんはけなした、 辛辣さには辛辣さで、厳しさには厳しさで! 同じもので 報いを受けるのだ、 バカな者は、バカにされる! 理髪師 では始め、まずは変装、 ちゃんと計画すれば、半ば成功。 モロズス卿だって 分かるだろう、 巧みさと思いつきで 何ができるか。 (ヴァヌッチに) あんたは牧師! ヴァヌッチ (聖職者の身ぶりで) 私は牧師! 理髪師 (モルビオに) 公証人! モルビオ (同様に) 公証人! 理髪師 (アミンタに) もの静かな女性! アミンタ もの静かな女性! 理髪師 (カルロッタに) あんたは田舎娘 カルロッタ 私は田舎娘! 理髪師 (イゾッタに) あんたは才気煥発! イゾッタ 私は才気煥発! 理髪師 他の人たちは、俺の言うように、 やってくれ、俺が台詞をつける通りに! 喋りすぎるな、まくしたてるな、 ぐずぐずするな、むだ口きくな、 そしたらきっと 上手く行く! 楽しみは全部 この芝居に蓄えてくれ! 全員 そしたらきっと 上手く行く! 万歳、床屋の親方! 合唱 (ヘンリーに) きっと、彼は撤回してくれる、 君に遺産を遣らないと 言ったことを。 ファルファッロ そして彼を 治療してやろう、 もう悪口雑言を 吐かないように。 モルビオ (冗長に、大声で、陽気に) そして髭を そってやろう、 髭がむずむず しないように。 ヴァヌッチ 私は彼に 接ぎ木しててやろう、 からす麦の代わりに 藁を食べないよう、 生涯けっして 忘れない、 結婚式を あげてやろう。 モルビオ この武骨者に 知らせてやろう、 真の芸術家が どういうものか。 そう、撤回してもらおう、 君に遺産を遣らないと 言ったことを。 ヘンリー そう、撤回してもらおう、 僕に遺産を遣らないと 言ったことを。 アミンタ (優しく) ああ、私はあの方の 心を動かしたい、 私たちの幸せを 許してくださるよう。 カルロッタ (踊りながら) バカな男を 騙すのは 娘にとっては 難しくない、 誰も研究する 必要なんてない、 誰にだって 初めからできること。 イゾッタ (同様に) しっかり気取って、かまととぶって、 やさしく男に まとわりつく、 娘が本気で 誘惑すると、 男はみんな バカになる。 合唱 (全部で10〜12人、陽気で、大声になる) このバカ者を 治療するのは、 特別興行の お楽しみ、 それを立派に やり遂げよう、 芸術と策略を 惜しまないで。 そう、私たちは やってみよう、 万歳、床屋の親方! 理髪師 (騒ぎを静めて) 静かに、静かに!小声で、小声で! カッカしないで!繊細でやさしく 先ずはあの方を 取り囲む、 冗談だと 気づかれないよう! 上手く隠して、抜き足さし足 こっそり 忍び寄り、 奴さんを 網にかけよう、 こけにして、それから… 全員 (大笑いしながら) 髭をそって (=騙して)やろう、 バカを治療 してやろう、 言い寄って、いっぱいくわせ、 困らせ、苦しめ、 接ぎ木したり、求婚したり、 さんざん なぶりものにして、 いじめて、からかってやろう。 理髪師 (同時に) では始めよう、ぐずぐずするな、 ほらを吹くな、むだ口をきくな、 各々が 自分の役割をする、 そして旦那を 降参させよう! 全員 万歳、床屋の親方! (全員が理髪師に抱きつき、それから互いに抱き合う) ERSTER AUFZUG ERSTE SZENE Zimmer des Sir Morosus. Weiter, unordentlich gehaltener Raum mit vielen Zeichen, die erkennen lassen, dass hier ein ehemaliger Seemann haust Schiffsmodelle, Fahnen, Gewehre, Anker, Fischgerippe, Takelwerk. Besonders auffällig, dass alle Türen mit dichten Vorhängen oder Säcken geschützt sind. Vormittagsstunde DIE HAUSHÄLTERIN fegt den Staub vom Tische, macht Ordnung. Es klopft DIE HAUSHÄLTERIN öffnet, lässt den Barbier herein Ei, die Ehre, die Ehre! Der Herr Schneidebart, immer zeitig, immer zur Zeit. Komm Er nur, komm Er nur weiter und wart Er ein wenig! Er schläft noch, der Herr, er schläft Gott sei Dank, da haben wir Ruhe. Da kann man was reden, da kann man noch plaudern. BARBIER Meld Sie mich an! DIE HAUSHÄLTERIN Ich sag s doch, er schläft noch, er schläft, Gott sei Dank. Da kann man noch reden, mir friert schon der Mund. Da darf man sich rühren, denn mein Gott, denn mein Gott, wenn er erwacht, dann ist es zu Ende, Da heisst es sich ducken, ganz stumm tun, und leise herum in Pantoffeln, ganz stumm und ganz leise, kein Wort und kein Atem, kein Schritt und kein Ton, nur schweigen und schweigen, schweigen bis man erstickt! Ach, liebster Herr Bader! BARBIER Meld Sie mich an! DIE HAUSHÄLTERIN Gleich, gleich, ich muss Ihm s erklären, ich halt es nicht aus. Der Herr, Er weiss ja, der Herr ist so streng, und doch, Er weiss ja, der Herr ist so gut. Man will ihm doch helfen, man will ihn doch pflegen, man müht sich, man plagt sich, man denkt nur für ihn, - wie arm und verlassen ist so ein einsamer Mann! Kein Sohn und kein Neffe, kein Freund und kein Schwäher und vor allem, und vor allem, ach ja, keine Frau! Keine brave, keine treue, keine rechte und echte, keine ehrliche, redliche, sorgliche Frau… BARBIER Zum Teufel, meld Sie mich an! DIE HAUSHÄLTERIN Gleich, gleich - Versteht sich, nicht eine, die frech ist und windig, nicht so ein verbuhltes, ludriges Ding… Keine junge, oh nein, keine junge, keine grüne, nicht so ein Püppchen aus Zucker und Wachs, nein, nein, eine rechte, erfahren und fleissig, sehr still und sehr schweigsam, schon reif in den Jahren - so etwa in meinen - genau und gelassen, zwar sparsam, doch flink, nicht hitzig, doch munter, so eine, so eine… ich meine, die treu ist und gut. BARBIER Zum Teufel, ich hab meine Zeit nicht gestohlen! Was schwätzt Sie und schwatzt Sie! Meld Sie mich an! DIE HAUSHÄLTERIN Gleich, gleich, ich meine nur… Er weiss doch, Er kennt doch, Er kennt doch den gnädigen Herrn . . ; Er hat sein Vertrauen, Er plaudert mit ihm. Da dacht ich, Er könnt doch verstohlen … BARBIER Potz Kreuz, ich bin zum Barbieren bestellt. AUSHÄLTERIN Gleich, gleich, ich meine nur… . ach hört doch, ich denke… BARBIER Den Schaum schlag ich selber, was schwätzt Sie? Meld Sie mich an! DIE HAUSHÄLTERIN Nur dies noch. . Er könnte doch… ich meine… ich zahlt es Ihm gut… ich meine, Er könnte dem Herren doch sagen… versteht sich, ich zahlt es Ihm gut… Er könnt Ihm doch sagen…. Er begreift mich, ich zahlt es Ihm gut… Was braucht er lang suchen, der gnädige Herr… Mich hat er erprobt. Seit siebzehn Jahren… BARBIER Schwätzt Sie und schwatzt Sie allein wie ein Kirchenspiel von morgens bis abends - DIE HAUSHÄLTERIN Er könnt Ihm doch raten… BARBIER ausbrechend Euch zum Henker zu jagen, Euch altes, verschwatztes, verwittertes Weib! DIE HAUSHÄLTERIN aufschreiend Ai! BARBIER Eh an den Glockenklöppel von Sankt Pankraz sich hängen als an Euren Hals! Eh sich nackt in ein Nesselfeld legen, als mit Euch ins Bett! DIE HAUSHÄLTERIN schriller Ai! BARBIER Eh sich alle Backenzähne reihenweis ausziehn zu lassen, als ein Ja" vor dem Pfarrer! DIE HAUSHÄLTERIN Er Grobian, - Er… Er… BARBIER Eh sich inokulieren zu lassen mit Narrenkraut, als Euch zu sponsieren! DIE HAUSHÄLTERIN Was erlaubt Er sich gegen eine ehrsame Wittib? Er will reden! Er, Er elender Bartschaber, Er lediger Kindermacher, Er Kuppelmajor und Mixturenmischer, Er ausgeflogener Galgenvogel, Er ausgepichter, ausgejagter Tanzmeister des Teufels? Hinaus aus dem Haus! Marschier Er sofort! Hinaus! BARBIER Ruhig, alter Scherben, oder ich schlag dich in Trümmer! DIE HAUSHÄLTERIN sehr grell Mich schlagen, du Hundsknochen? Mich schlagen, eine ehrsame Wittib? Hinaus mit Ihm, hinaus aus dem Haus… ZWEITE SZENE SIR MOROSUS stürzt aus dem Schlafzimmer hervor. Er ist im Morgenrock, hält eine lange türkische Pfeife in der Hand, deren langen Stiel er vom Pfeifenkopf wegreisst und gegen die erschrockene Haushälterin schwingt. Losdreschend Da eine in deine Takelage, du altes wurmstichiges Wrack! Ich will dich lehren, Lärm machen. Da noch eine Breitseite und noch eine und noch eine! Mich willst du entern, du rostiger Ankerhaken ? Mich willst du als Prise nehmen, du morsche Galeere? Ich werde dir Wind machen, dass du zum Satan fährst. Marsch, in deine Koje und nicht wieder heraus! Marsch und keinen Ton mehr oder… DIE HAUSHÄLTERIN ist durch die Tür entflohen BARBIER Morosus unterbrechend und beruhigend Nur nicht so cholerisch, gnädiger Herr, es schlägt sich auf die Leber und macht schwarzes Blut. Nur Ruhe! Sie ist die Spucke nicht wert. Nur Ruhe, nur Ruhe! MOROSUS ärgerlich auf den Barbiersessel sich niederlassend Ruhe? Warum soll ich Ruhe halten? Warum gerade ich? Warum ich allein in diesem Lärmkessel des Teufels? Wer lässt mir Ruhe? BARBIER ihm das Tuch umbindend und den Schaum schlagend, höflich, friseurhaft Euer Liebden haben, ich fürchte, schlecht geschlafen. MOROSUS Schlafen? Wie kann man schlafen, wenn immer eine ganze Herde von Brüllhälsen wach ist? Schlafen denn die andern Menschen in der Stadt? Und lassen sie einen friedsamen Bürger schlafen? Nein, sie rennen auf die Strasse, sie toben in den Schenken, sie kotzen die Nacht voll mit ihrem vermaledeiten Lärm! Oh Gott, wie ist dieses Eselsgeschlecht der Menschen erfindungsreich im Spektakulieren! Das fiedelt und flötet, das pfeift und trompetet, das brummt und das schrummt, das rauft und besauft sich, das klimpert und stümpert und setzt niemals aus, nie, nie wird s hier still in Gasse und Haus! BARBIER ihn beflissen einseifend, nach hurtiger Friseursart Wohl, wohl, eine Schande ists, wie die gestrengen Verordnungen seiner Majestät des Königs und des löblichen Magistrats missachtet werden in dieser Stadt. Aber solange das Volk Geld in der Tasche hat, will es saufen, und wenn es gesoffen hat, dann geht s ans Raufen, und leider, leider, das ist jederzeit mit Geschrei verbunden. Da hilft nichts, als dass ein ruheliebender Bürger selber sein Gläschen Ale trinken geht und im Wirtshaus abwartet, bis die Scharwache die Gassen reinfegt. Um Mitternacht wird s dann schon still! MOROSUS ihn wegstossend vor Zorn Still? Um Mitternacht still? Und die Glocken? Die verfluchten, vermaledeiten Glocken? Wann werden die jemals still? Oh diese Glocken, Die bös und schwarz auf den Türmen hocken, Unsichtbar stumm im Gestühle kauern Und die Zeit, die unendliche Zeit belauern! Und plötzlich mit einem donnernden Stoss, Fahren sie los Ping, pang, Schwing, schwang, Stundenlang, Die grossen, die schweren, Die donnern und dröhnen, Die kleinen, die dünnen, Die plärren und stöhnen, Immer und immer Schmeissen sie einem Lärm ins Zimmer; Ob es dunkelt, ob s dämmert, Bei Nacht und bei Tag, Immer und immer Dieser grässliche, grausame Stundenschlag! Oh, die Glocken, Die entsetzlichen Glocken, Bald gröhlen sie, um in die Kirche zu locken, Wenn einer krepiert, Wenn einer geboren, Wenn ein Narr einem Weib sich zur Ehe verschworen, Wenn ein Dieb zum Galgen befördert wird, Immer, immer, Immer werden die Glocken gerührt! BARBIER die rechte Seite rasierend Sehr wahr, Euer Liebden, nicht einmal Sonntag feiern sie wie sonst jeder ehrsame Handwerksmann. Aber die Glocken unterstehen der Diözese und nicht der Judikatur des Magistrats. So tut jeder Bürger, dem sein ehrlicher Schlaf lieb ist, wohl, seine Läden gut zu schliessen gegen dieses ärgerliche Gelärm und er hat Ruh im Haus. MOROSUS ihn wieder wegstossend Ruhe im Haus? Wann hab ich Ruhe im Haus? Ist dieses Weib nicht da, das mehr Lärm macht als ein achtzehngräd ger Monsun? Ah, dieses Plappermaul, das mehr Worte in einer Minute abschiesst als seiner Majestät bestes Kriegsschiff Salven in einer Stunde. jetzt fegt sie die Zimmer, jetzt schlägt sie die Türen, bald klopft sie und knattert, bald schwatzt sie und schnattert, beständig zeigt sie sich höllisch lebendig und nie, niemals schweigt sie. BARBIER Einen solchen Drachen würde ich an Eurer Gnaden Stelle per Stückfracht dahin spedieren, wo der Pfeffer wächst und nähme mir dafür eine junge ins Haus, still und gefügig, ein schmuckes Weibchen, ein sanftes Täubchen, ein zartes, zärtliches Zeitvertreibchen - eine nette, adrette, schweigsame Frau! MOROSUS Ha! Eine schweigsame Frau? Ein Meer ohne Salz? Ein Schiff ohne Ratten ? Eine Frau, die nicht schnattert? Siebenmal bin ich ums Kap gesegelt und vom Eismeer bis ins Affenland und habe vierundsechzig Jahre keine begegnet! Eine schweigsame Frau, die findet man nur auf Kirchhöfen und unterm steinernen Kreuz! BARBIER hat das Rasieren beendet, stäubt ihn mit Puder ein und bereitet die Brennscheren vor für die Perücke Euer Gnaden belieben zu übertreiben. Sind nicht so rar, die stillen Täubchen, flattern nur nicht aus, sitzen brav gehorsam im Taubenschlag bei Vater und Mutter, und ausser im Kirchstuhl sieht sie kein Mann. Ein Dutzend an jedem Finger wüsst ich, die sich glücklich schätzten, einen so respektablen, hochehrenswerten Squire wie Euer Gnaden betreuen zu dürfen. Und gar heiraten, geheiratet werden, ach, sie liefen hundert Meilen weit, denn die ehrsamen Männer sind rar geworden und … MOROSUS Will Er mich zum Narren haben? Eine junge Frau ins Haus, das hiesse mich drei Wochen später auf der Bahre! BARBIER Mit nichten, mit nichten! Glauben Euer Gnaden einem geprüften Bader, der siebenmal mehr weiss als jeder Medikus von der Royal Academy es gibt kein besseres Remedium, um das Blut warm zu halten, als eine junge Frau! Das schmeidigt den Schlaf, das schmächtigt die Galle und sänftigt die Laune, das heitert den Sinn, das vergütigt die Seele. Ach, kein Arcanum tut einem ältlichen Herzen so wohl als eine junge, zärtliche Frau. Es ist ein Elektron in ihrem Blick, das alle guten Kräfte im Mann aufziehet und fruchtbar macht. Es ist wie gefilterte Sonne, die das Herz wieder zum Blühen bringt. Denkt Euch s nur aus Es wird Abend, der Ofen friert kalt, Man fühlt sich verlassen, man fühlt sich uralt. - Es wird traurig und schaurig, wird so furchtbar stumm, Als sässe der Tod in der Stube herum. Da tritt sie herein, Ein Stück lebendiger Sonnenschein, Bringt Wärme und Blüte, bringt Güte und Licht Mit hilfreichen Händen, mit frohem Gesicht, Und alles Grauen ist fortgetan. Man hält sich die Hände, man blickt sich an, Man plaudert, man schweigt, man lächelt sich zu, Man spricht sich, man scherzt sich und träumt sich Zur Ruh. - Wär das nicht schön? MOROSUS plötzlich nachdenklich werdend. Ganz träumerisch vor sich hin Ja, das wär schön! Nicht so bang, - nicht so leer, -- nicht so sterbensallein Jeden Tag, jede Nacht mit sich selber zu sein. Kein Sohn, kein Erbe, kein Neffe, kein Freund, Kein Mensch auf der Welt, der es herzlich meint. ja, das wär schön! - Irgendwen Zu wissen, für den man da ist, Der einem gut, - der einem nah ist, Mit dem man atmet, mit dem man denkt. Wenn einem die Angst in die Kehle drängt. Irgendwen, Für den man lebt und dem man stirbt, Und dass einer da ist, wenn man erkaltet, Der einem die Augen zudrückt und die Hände faltet, tief atmend Ja, das wär schön. - BARBIER schnell Also verstatten Euer Gnaden, ein wenig Umschau zu halten, ich kenne alle Mütter und Väter und Tanten und Töchter im Umkreis von siebzehn Meilen, ich brächte Euch das Feinste, das Stillste, das Lieblichste, das Leiseste aus der ganzen Grafschaft… MOROSUS Unsinn, mach keinen Scherz! Welches Mädchen sollte mich nehmen wollen, mich alten, bösen, bissigen Mann? Was jung ist, liebt die Jugend, und recht so! Nein, nein, ich bin zu alt, ich bin zu alt ! BARBIER Oh, Euer Gnaden tun sich selber Unrecht. Es gibt solche und solche bei den Jungfern, und solche, die gar keine sind. Es gibt törichte und kluge, und die Klugen wissen, dass das Alter gütig ist und die Jugend frech, die Schönheit vergänglich und das Geld beständig, und sie wählen tausendmal lieber einen Mann mit Würde und Ehre, als einen Tunichtgut. Er hat die Brennschere in der Hand und singt, während er die Locken aufwickelt und einrollt, die Kanzone Mädchen nur, die nichts erfahren, Sind vom blossen Blick betört, Nicht nach Rang, nur nach den Jahren Messen sie des Mannes Wert. Keiner kann da grob genung sein, Denn sie suchen ohne Halt In der Liebe nur das Jungsein, In dem Mann nur die Gestalt. MOROSUS Ja, ich bin mir längst im klaren, Ja, ach ja, ich bin zu alt. BARBIER Anders aber lieben Frauen, Kraft und Reife zieht sie an, Nur wem sie getrost vertrauen, Ehren sie als rechten Mann. Gern beugt jede sich und fügt sich, Wo sie Geist spürt und Gehalt. Wer nur Jugend sucht betrügt sich, Jede Kluge weiss das bald. MOROSUS Ich, ich sehe, Er belügt mich, Nein, ach nein, ich bin zu alt. - BARBIER Diese lieben, jene schwärmen, Sucht Euch nur die Rechte aus. MOROSUS Nein, sie werden beide immer lärmen, Ruhe will ich, Ruh im Haus! DRITTE SZENE Ein plötzlicher harter Schlag mit dem Klopfer an die äussere Türe MOROSUS aufspringend wie von einer Kugel getroffen Ah! BARBIER hat die Brennschere fallen gelassen vor Schreck Gnädiger Herr! Neues kräftiges Pochen MOROSUS Ah! Mein Stock! Wo ist mein Stock? Ich muss diesem Schurken den Schädel eindreschen! BARBIER ihn haltend Euer Gnaden, temperiert Euch! Es kann ein Schlagfluss resultieren, wenn Euer Gnaden sich so echauffieren. MOROSUS mit ihm ringend Meine Ruhe! Ich will keine Menschen im Haus! Meine Ruhe will ich! STIMME DER HAUSHÄLTERIN draussen, unsichtbar Für niemanden! Sir Morosus empfängt niemanden. STIMME DES HENRY MOROSUS unsichtbar Ich muss ihn aber sprechen. STIMME DER HAUSHÄLTERIN Ist nicht zu sprechen. STIMME HENRYS Muss zu sprechen sein! STIMME DER HAUSHÄLTERIN Nein! STIMME HENRYS Doch! STIMME DER HAUSHÄLTERIN Nein! STIMME HENRYS Doch! MOROSUS Ah, du Kröte! Ich werde dich breitschlagen! STIMME DER HAUSHÄLTERIN Was, mit Gewalt? STIMME HENRYS noch draussen Ich muss herein. STIMME DER HAUSHÄLTERIN draussen Lasst mich los. MOROSUS innen zum Barbier Lass mich los, Verfluchter! Morosus hat sich losgerissen, rennt nach seinem Prügel und stürzt mit dem geschwungenen Stock nach der Tür HAUSHÄLTERIN fliegt in diesem Augenblick durch die aufgerissene Tür herein und zu Boden, hinter ihr Henry HENRY ich werde dir zeigen, mir den Weg zu sperren! MOROSUS Ah… Er schwingt den Stock, um auf Henry loszuschlagen. Plötzlich lässt er den Stock starr erhoben schweben, fragend Henry? HENRY Mein teuerster Ohm! MOROSUS begeisterter, sicherer Henry? Wirklich Henry? HENRY Und meines Oheims allergetreuester Neffe! MOROSUS Henry! Er lässt den Stock fallen und umarmt ihn. Zärtlich ihn nach vorn führend Du lebst? HENRY Ich lebe. MOROSUS Du bist nicht tot ? HENRY Nicht dass ich wüsste. MOROSUS Du bist nicht gestorben? HENRY Nicht dass ich dessen mich erinnerte. MOROSUS Aber du warst verschwunden von der Universität Pavia; niemand konnte mir Nachricht geben. HENRY Ach, Ohm, verzeiht mir s. Mich langweilten die Bücher, mich ekelte die Jurisprudenz, mich widerte der ganze papierene Kram. So lief ich davon. MOROSUS breit lachend Ha! Liefst davon? Einfach davon? Bravo, bravo! Ein Morosus, ein echter Morosus, mein wahrer Bruder Sohn! So sind wir, nicht zu halten, nicht zu binden, immer dem Abenteuer nach. Genau so entlief ich vor vierzig Jahren vom Gut meines Vaters zur Flotte, mich herumzuschlagen mit Tod und Teufel. Ein echter Morosus! Unser Blut, unser Sinn! Aber nun bleibst du hier? HENRY Wenn Ihr s verstattet, mein gütigster Ohm. Doch… MOROSUS zum Barbier Er bleibt hier. Habt ihr s gehört? Ihm dies Haus, ihm mein Erbe! Alles ihm! jetzt brauch ich keine Braut, keine Frau, keine Mädchen, keine stummen und schweigsamen sie sollen einen Schuster heiraten oder einen Krämer und ich geb meinen Segen, jetzt ist er da, mein Erbe, mein Sohn. Du wirst ihn rasieren. zur Haushälterin Du wirst ihn betreuen! Die oberen Zimmer für ihn! Alles für ihn! Ab, mein Henry, jetzt weiss ich wieder, wozu man lebt. Komm, leg ab, setz dich her, komm in meine Arme, wackrer junge, komm, ich bin hundeneugierig, von dir zu hören. HENRY Ja, gerne, gerne… doch möcht ich erst… MOROSUS Ganz - was dir beliebt! Du bist bei dir zu Hause! Soll man dir ein Bad rüsten? Willst du essen? Willst du trinken ? Nur setz dich, setz dich her, mein junge, lass mich freuen an dir! HENRY unruhig Ja, es ist nur… wie soll ich s Euch erklären… ich bin nicht allein. MOROSUS Nicht allein? HENRY Ich bin mit ihnen… sie sind mit mir… sie warten unten… nämlich… nämlich zögernd meine Truppe… MOROSUS falsch verstehend, begeistert Deine Truppen? Du hast sie mitgebracht, deine Soldaten? Ha, ich dacht es gleich, ein Morosus klebt nicht bei Büchern, den lockt s ins Abenteuer. Wacker, wacker! Ein echter Morosus, das gute, feurige Blut! Wer mit einem Morosus gefochten, ist mein Freund, mein Gast! Her mit deinen Soldaten! Alle herauf! Zum Fenster hinunterrufend Herauf! alle herauf! Ihr seid alle geladen. Wieder zu Henry Ich will sie sehen, deine jungen, sie sollen mir erzählen von deinen Heldentaten, ein alter Seemann hört nichts lieber als von Schlachten und Kriegen! Zur Haushälterin Wein her! Krüge und Becher! Ah, wie freu ich mich, mein Henry, deine Kameraden zu bewirten, es sind doch des Herrgotts beste Söhne, die Soldaten, und ich war auch einer von ihnen. Kleiner humoristischer Marsch. Es tritt auf die Operntruppe Cesare Vanuzzis zuerst Cesare Vanuzzi, schlecht angezogen, aber pathetisch und gravitätisch. Carlo Morbio, Giuseppe Farfallo, drei Sängerinnen Aminta, Isotta und Carlotta, hinter ihnen zwei bis vier andere Sänger, die gewissermassen den kleinen Chor bilden. Sie treten gravitätisch ein, die Frauen machen devote Kratzfüsse MOROSUS hat überrascht und sprachlos dem Aufzug zugesehen, dann indigniert, mit erwachendem Zorn Das deine Truppen? Deine Soldaten? HENRY ängstlich Allerdings… jawohl… unsere Truppe… Die hochberühmte Compagnia Maestro Cesare Vanuzzis… sich fassend gestattet, Ohm, Euch zu präsentieren Cavaliere Cesare Vanuzzi, der Principal unserer Opera, Ritter des goldenen Sporens, der Apoll Italiens… hochbeliebt bei Seiner Heiligkeit, Gast der illustresten Höfe… VANUZZI sich verbeugend und Euer Gnaden ergebenster servitore. HENRY Dies Carlo Morbio, gefeiert für seinen Orfeo, dies Giuseppe Farfallo, der Liebling Bolognas, - dies Aminta, dies Isotta, dies Carlotta, dies die andern Kameraden. MOROSUS misstrauisch Du willst doch nicht sagen, dass du gleichfalls singst ? HENRY Ich habe mich nicht ohne Erfolg darum bemüht. VANUZZI Nicht so bescheiden! Ein junger Meister, Euer Gnaden! Parola d onore, das Entzücken von San Carlo und Santa Capella. MOROSUS Doch nicht in publico singst? HENRY Allerdings. Seit einigen Monden. MOROSUS Für Geld? Ein Morosus? Du lässt dich bezahlen? HENRY Ich darf zu meinen Gunsten vorbringen, dass ich bisher sehr schlecht bezahlt wurde. MOROSUS Und wozu… wozu schleppst du all die mit nach England? Was soll das da? HENRY Cavaliere Vanuzzis Ruhm ist bis in unser Vaterland gedrungen. Ein Impresario hat ihn gewonnen, im Haymarket-Theater einige seiner berühmten Operas zu produzieren, wir hoffen auf den geneigten Beifall Ihrer Majestäten und die Gunst des Publikums. MOROSUS Und wenn dazu im Chorus die himmlischen Heerscharen singen wollten, ich hör mir s nicht an. Eher auf die Galeeren als zu diesem neumodischen Ohrengeschinde, das man Operas nennt! Mögen sie trillern und brüllen, bis ihnen der Kehlkopf platzt. Ich hoffe nur, du, ein Morosus, machst mir nicht die Schande, dich hierzulanden mit ihnen zu zeigen. HENRY Cavaliere Vanuzzi hat mir den Part des Primo Tenore zugedacht. Ich werde den Orlando singen in der Opera des göttlichen… MOROSUS Du wirst nicht singen! HENRY Ich werde singen! MOROSUS Du wirst nicht singen! HENRY Ich werde singen! MOROSUS Ich verbiete es. Ich dulde die Schande nicht. Unser ehrlicher Name! Unser angeseh nes Haus! Ein Morosus neben Kastraten und Gauklern! Ein Morosus! Ich verbiete es! Ich verbiete es! HENRY Hört mich an, gütigster Ohm! MOROSUS Ich will nichts hören. Ruhe will ich, Ruhe! Ein Morosus, der singt, ist kein Morosus! Sofort verlässt du diese Truppe! HENRY Ich kann sie nicht verlassen. Ich bin gebunden an sie! Mit meinem Wort, mit meiner Ehre, mit - er zieht die zögernde Aminta heran meiner Liebe. Ich wagt es Euch nicht gleich zu gestehen, Ohm. Diese, Aminta, ist meine Frau. MOROSUS Deine Frau? Eine Sängerin? Und sie soll in mein Haus? Eine Lärmmacherin, eine Ohrenschinderin, eine Komödiantin, eine Gauklerin, eine… HENRY Genug und zu viel! Wenn sie Euch nicht willkommen ist, dann gehe ich mit ihr. MOROSUS Drei Komödianten! Sechs Komödianten! Eine ganze Opera in meinem Haus? Bist du toll? Fort mit denen allen, oder - ich enterbe dich! HENRY Mein gütigster Ohm! MOROSUS immer wilder Ich enterbe dich! Kein Pfund und keinen Schilling! Lieber vor die Ratten! Lieber ins Wasser! Oh diese Schande! Ein Morosus mit solchen Kujonen, solchem Galgenholz, mit solchen Strassenläufern, Bettelsängern… VANUZZI ausbrechend Ah! C è troppo! Das mir! Einem Ritter vom goldenen Sporn! Alle durcheinander zusammen und auf die einzelnen Invektiven Morosus einsetzend, immer stärker, erbitterter, schliesslich zum Tumult werdend MOROSUS Solchen ausgestäupten Halunken! Solchen Weissnichtwohers! MORBIO Impertinenza! Was erlaubt er sich! FARFALLO Che arroganza! Mich, der vor dem Papst gesungen! HENRY Ohm, ich beschwöre Euch, moderier Er sich! MOROSUS Mit Dirnen und Hübschlerinnen… ISOTTA Was erlaubt Er sich! CARLOTTA Was erfrecht Er sich! MOROSUS Mit solchem zusammengelesenen Pack, das für zehn Soldi Speichel frisst, das für jedes Bravo buckelt, das für ein Goldstück heult und hurt… Fort mit denen allen, oder ich enterbe dich! HENRY Das ist zuviel! Das duld ich nicht. Ihr beleidigt meine Frau! VANUZZI Meinen Degen! Meinen Degen! Vor die Justiz! Er hat uns beleidigt! Ich muss ihm die Ohren abschneiden! MORBIO Vor die Justiz! Vor die Justiz! Er hat uns beleidigt! Er hat uns beschimpft! Soddisfazione! FARFALLO Vor die Justiz! Er hat uns beleidigt! Er hat mich beschimpft! Soddisfazione! ISOTTA Meine Ehre! Meine Ehre! Ich klage ihn an! Vor die Justiz! CARLOTTA Ein Saufbold! Ein Weinfass! Er weiss nicht, was er spricht! Was erlaubt er sich! CHORUS DER ANDERN Soddisfazione! Er hat uns beleidigt. Soddisfazione! Vor die Justiz! MOROSUS hat den Stock ergriffen, schlägt damit schmetternd auf denTisch. Alles flieht auseinander und schweigt Ruhe! Ruhe in meinem Haus! Hier bin ich der Herr und ich allein. Zu Henry Ich kenne dich nicht mehr. Du bist gestorben für mich. Ein Morosus, der singt, ist kein Morosus. jetzt wird reiner Tisch gemacht. Zum Barbier Morgen bringst du mir eine Frau, eine stille, schweigsame Frau, und gleich auch Pfarrer und Notar! Sofort wird geheiratet, morgen noch, sofort, alles soll ihr gehören, alles! Morgen, verstanden ? HENRY Aber gütigster Ohm! Hört mich an! FARFALLO beiseite Che arroganza! Impertinenza! VANUZZI Mich, einen Ritter vom goldenen Sporn! MORBIO Mich, der vorm Papst gesungen! MOROSUS wütend Ich bin nicht gütig! Ich bin nicht mehr dein Ohm! Kein Schritt mehr über die Schwelle! Fort mit deinem Pack! Zum Barbier Und morgen die Frau her, und käm sie aus dem Armenhaus! Nur still muss sie sein, nur still, nicht singen darf sie, verstanden! Endlich jemand, der nicht schreit und nicht zetert, der einem nicht Lärm in die Ohren schmettert. Meine Ruhe will ich, meine Ruhe! Endlich einmal Ruhe! brüsk zu den andern Hol euch alle der Henker! läuft hinaus und schmettert die Tür hinter sich zu LETZTE SZENE HENRY ganz konsterniert Oh Gott, war das ein saurer Empfang! AMINTA Ach, Liebster, ich hatte es immer geahnt, er wird mich nicht mögen, er stösst uns von sich! jetzt hast du alles durch mich verloren, alles durch meine Schuld die Heimat, das Haus, das Erbe, den Ohm! FARFALLO Grosser Verlust! Ein solcher Grobian! Ein solcher Banause! Ein solcher Sack voll Gift und Galle! MORBIO Ein solcher Grobian! Ein solcher Sack voll Gift und Galle! Ein solcher Banause! VANUZZI Mich einen Bettelmusikanten! Mich, Cesare Vanuzzi! Oh, canaglia! ISOTTA Ein solcher Sack voll Gift und Galle! Ein solcher Banause! CARLOTTA Ein solcher Banause! Eine Dirne mich! Mich, die mit dem Prinzen von Guastalla nicht schlafen wollte für dreihundert Dukaten und eine diamantene Uhr! MORBIO Ein solcher Banause! Die Ohren sollte man ihm abschneiden und an die Tür nageln! FARFALLO Che sono io? Die Zähne ausreissen, dass er nicht mehr schimpfieren kann, dieser Schreihals! ISOTTA Ihm das Haus anzünden! VANUZZI Aber die Kunst hat er gelästert, unsere Kunst hat er geschmäht, das soll er büssen. Ein Katzenkonzert jeden Abend vor seiner Tür. Grossi Timpani e Tromboni jeden Abend, jeden Abend, bis er revoziert. CHORUS Ein Katzenkonzert! ja, ja! jeden Abend. Bis er revoziert! BARBIER dazwischentretend Sachte, sachte, illustre Herren! Es gibt hierzulande Gesetze, welche die Nachtruhe jedes ehrsamen Bürgers beschirmen. Und dann, mit Verlaub, ihr tut Sir Morosus unrecht. HENRY Unrecht? Er hat mich enterbt! AMINTA Unrecht? Er hat mich verstossen! MORBIO Unrecht? Er hat uns beschimpft! CARLOTTA Er hat mich beleidigt. ISOTTA Er hat mich gekränkt! CHORUS Unrecht? Zum Henker hat er uns geschickt! Zum Henker! BARBIER Piano, piano! Und ich sage euch, er ist ein kreuzbraver Kerl, der Beste in der ganzen Grafschaft, er ist leutselig und freigebig, eine Seele aus Wachs, ein Herz von Gold. Nur mit den Ohren hapert s bei ihm, der Arme kann Lärm partout nicht vertragen, an den Ohren ist er so kitzlig wie andere unter der Sohle. Er ist einmal mit der Pulverkammer seiner Galione in die Luft geflogen, den Krach hat man vierzig Meilen weit gehört, ein Kirchturm ist drüber eingestürzt halbgeröstet haben sie ihn aus dem Wasser gefischt, er war - ein Wunder - lebendig. Nur das Trommelfell ist in tausend Winde gegangen. Seitdem, versteht ihr s, kann er keine Art von Lärm ertragen, ausser den er selber macht. AMINTA Ach der Arme! Hätten wir das doch geahnt! BARBIER zu Henry Und was Euch anbelangt, junger Herr - nicht so hitzig! Ich würde mir den Handel doch noch überlegen, eh ich solche Erbschaft fahren liesse. Bares Geld wächst nicht so flink wie die Disteln, und der alte Herr da hat mehr davon als England Trunkenbolde. Er hat zwei spanische Silberschiffe gekapert und auch sonst fleissig Prisen heimgebracht. Da unten im Keller stehen allerhand Kisten, wenn man die anstösst, dann klirrt s und klimpert s und klingt s von goldener Musik, ich hab eine Nase dafür, ich rieche Gold durch Holz und Eisen auf hundert Schritt wie die Biene den Honig. jedesmal, wenn ich hier über die Schwelle trete, muss ich niesen, so kitzelt s mich in der Nase, und meine Nase weiss warum es mögen da im Keller allein ihre sechzigtausend Pfund liegen oder siebzigtausend in guten Barren und runden Dukaten. ALLE in ehrfurchtsvollem Staunen wiederholend Sechzig, sechzig… siebzig … siebzig… sechzig-tausend… tausend… tausend… tausend Pfund. BARBIER Ein fürstliches Erbe und genug jedenfalls, junger Herr, Euch privatissime eine Opera zu halten und (bei allem Respekt) Signor Vanuzzi als Hofmusikus dazu. Darum nicht so voreilig, nicht so stolz, junger Mann, sonst setzt morgen schon in Eurer Wolle ein fremdes Kätzchen sich fest. HENRY Was soll ich tun? Ich kann doch unsre Aminta nicht lassen um seiner Narrheit willen! CHORUS noch immer staunend leise durcheinander Sechzig… Siebzig… tausend… tausend… tau-send… sechzig… siebzig… soviel Geld… gibt s nicht wieder auf der Welt… sechzig, siebzig… tausend … tausend… AMINTA sich Henry nähernd Nicht an mich, Geliebter, denke, Nur an dich, an dich allein! Gläubig mich dir hinzuschenken War für mich schon Seligsein. Immer schien mir zu gering ich, Dass solch Glück mir dauern mag. Wie aus Gottes Hand empfing ich Dankbar jeden neuen Tag. HENRY auf sie zu Dich verlassen ? Dich entbehren, Die mir eins und alles ist? Nein, Geliebte, wären diese Keller auch gefüllt mit Gold Gold die Türen, Gold die Schlösser, Gold das Dach und Gold die Speicher, Gold die Mauern, die sie tragen, Und ich sollt nur eine Strähne, Eine dünne blonde Strähne, Die dein liebes Antlitz ründet, Nur ein Haar von deinen Wimpern, Nur ein Lächeln deiner Lippen Und den Schatten dieses Lächelns Und den Schatten dieses Schattens Dafür tauschen - nie und nimmer! AMINTA Ist der Letzte nun gekommen, Endet wirklich so viel Glück Liebend, wie du mich genommen, Geb ich dich dir selbst zurück! Sei gesegnet! Keine Klage Soll von meinen Lippen gehn, Alles will ich gern ertragen, Kann ich dich nur glücklich sehn. HENRY Dich verlassen? Dich entbehren? Nein, solang ich lebe, Immer dein und immer mehr! Wo ich liebe, ist mein Leben, Wo du atmest, meine Welt! Er umarmt sie, dann zu den andern Nein, ich werde euch nicht lassen, Mag er wettern, wie er will. Ihr habt mich zu euch genommen, Jung und töricht wie ich war, Habt das Herz mir aufgeweitet Und gesegnet mit Musik! Gerne hätt ich s euch entgolten, - Doch nun bin ich arm wie damals, Habe nichts als eure Freundschaft Und die Kunst, die uns beseligt, Doch kein Geld, kein Gold der Erde Wiegt mir diese Schätze auf. VANUZZI Wackerer Junge! MORBIO Teurer Bruder! FARFALLO Sei umfangen! ISOTTA Lass dich küssen! CARLOTTA Heut und immer! AMINTA Dank, Geliebter! CHORUS Immer, immer wollen wir verbunden bleiben, immer Brüder, Freunde, Kameraden! ALLE umarmen sich begeistert untereinander BARBIER hat sich unterdessen die Mütze aufgesetzt und sein Barbierzeug zusammengerichtet Sehr rechtschaffen gedacht, junger Herr, aber wie schade, dass alles Rechtschaffensein auf dieser Welt meist eine Dummheit ist, denn Ihr lasst ein schönes Stück Geld wegschwimmen! Wenn ich jetzt sechshundert Jahre lang täglich sechzig Leute balbiere, so schabte ich mir nicht die sechzigtausend Pfund zusammen, die Ihr da wegwischt, als wär s schmutziger Seifenschaum. Ach, das Leben ist schwer und die paar Groschen sauer verdient! jetzt soll ich noch bis morgen für den Herrn sein schweigsames Fräulein finden! Ist nicht so leicht, wie er meint. Ich kenn ja allerhand Weibszeug und weiss meine Wege, aber bis morgen, bis morgen, wo find ich da eine, die Rechte? Zu Carlotta und Isotta Nun, meine Schätzchen, hätte nicht eine von euch Lust, sechzigtausend Pfund zu sponsieren ? Überlegt s euch, meine Kinder, solche goldene Äpfel wachsen selten in England. Zu Isotta Wie wär s, mein Täubchen, würdest du bei Herrn Morosus auch schön bescheiden und vor allem still und schweigsam sein? ISOTTA tanzhaft Ich würde lachen Von früh bis spät. Immer nur lachen, Schabernack machen, Bis ihm die Lust Am Schimpfieren vergeht. Ich würd ihn lehren, Das Lachen mir wehren! Mit hundert Scherzen, Hurtig und heiter, Würd ich ihn necken, Picken und packen, Zwicken und zwacken, Dass er nicht weiter Den Tag mir vergällt! Darf ich nicht so sein, Wie s mir gefällt, Darf ich nicht froh sein Nach meinem Herzen, Was soll mir sein Geld ? BARBIER Oh, das wär schon gar nichts für meinen Herrn Morosus! zu Carlotta Und du, mein Lämmchen? CARLOTTA tanzhaft Ich würde singen, Von früh bis spät Immer nur singen, Die Brust mir ausschwingen, Bis ihm die Lust Am Schimpfieren vergeht. Und mag er versuchen, Was er auch will, Zetern und wettern, Die Scheiben zerschmettern, Ich bleibe nicht still. Mag er nur fluchen, Brüllen und toben, Wie s ihm gefällt! - Nur wenn ich singe, Spür ich mich leben, Nur wenn ich singe, Fühl ich mich schweben, Nur wenn ich singe, Umfass ich die Welt! AMINTA O herbe Schmach, O bittre Seligkeit! Geliebter mein, Ich bleibe treu bei dir. Was auch die Zukunft bringen mag, Ich halte fest zu dir. So lange du nicht lässt von mir, Beseligt will ich immer sein! BARBIER O weh, das wäre eine harte Kost für den Magen des Herrn Morosus! Da würde er, eh noch die Tinte trocken ist auf dem Heiratsbrief, schon nach dem Scheidungskontrakt verlan - - er stockt plötzlich und lacht laut Ha! ALLE besorgt um ihn herum Was ist? BARBIER bedeutsam feierlich Mir fällt etwas ein! ALLE ehrfürchtig Silentium! Silentium! Herrn Schneidebart fällt etwas ein! BARBIER aufatmend Mir ist etwas eingefallen! ALLE Ruhe! Ruhe! Herrn Schneidebart ist etwas eingefallen! BARBIER Wie wär es, wenn man Herrn Morosus verheiratete, aber so, dass er meint, dass er verheiratet sei, aber er gar nicht verheiratet wäre, und dann, wenn er verheiratet ist, das heisst, wenn er meint, verheiratet zu sein, während er gar nicht verheiratet ist, diese Heirat, die gar nicht giltig ist, ungiltig zu machen, so dass Ihr wiederum sein Erbe werdet? ALLE ratlos Verstehst du das? Verstehst du das?… Er redet chinesisch… ich verstehe kein Wort. BARBIER Nur Geduld! Die grossen Gedanken waren der Menschheit niemals sofort verständlich. Lasst mich nur machen, ich habe einen bedeutenden Plan. Zu Vanuzzi Ihr könnt notfalls einen Pfarrer glaubhaft darstellen ? VANUZZI in seinem Künstlerstolz gekränkt Einen Pfarrer? Fünfzig, hundert. Einen katholischen, einen lutheranischen, einen protestantischen, alles, was Er begehrt. Einen Bischof, einen Erzbischof, einen verhungerten Landpfarrer, einen - - BARBIER Genug, genug! Zu Morbio Und Ihr einen Notar? MORBIO Einen papiernen, einen feurigen? Einen mausigen oder demosthenischen, ganz wie Ihr wollt. BARBIER zu Farfallo Und Ihr gleichfalls? FARFALLO Das will ich meinen! BARBIER zu Carlotta Und du ein dummes, schlichtes Landmädchen, eine rechte Gans vom Misthaufen her? CARLOTTA imitatorisch in Haltung und Stimme Woll, woll, gnä Herr! Dös wer ma scho könna. BARBIER zu Isotta Und du eine zierliche, kleine Kokette? ISOTTA sofort in Pose, schmachtend mit Knix Glücklich, einem so edlen Kavalier amorosest zu Diensten zu sein. BARBIER zu Aminta Und Ihr ein rührendes Mädchen voll Anmut und Bescheidenheit…. sich unterbrechend Nein, Ihr braucht nicht zu spielen, Ihr seid es ja. Ihr müsst nur sein, wie Ihr seid und werdet vortrefflich sein! zu allen Nun kostümiert euch, wie ich es euch sage, tut alles, was ich verlange. Und ich müsste mich kuriosest irren, wenn wir nicht Herrn Morosus den Geschmack an der Ehe schleunigst abgewöhnten und Euch Euer Erbe wieder zubrächten, wobei ich allerdings auch auf ein Scherflein rechne, denn es wird allerhand Mühe kosten, ihn gründlich einzuseifen und ihm den Schopf seiner Narrheit ein für allemal abzuschneiden. Seid ihr bereit? HENRY Ja, das wollen wir probieren, Jeder stelle seinen Mann! Mein Herr Oheim soll verspüren, Was Geschick und Laune kann. Er hat unsere Kunst gescholten, Scharf auf scharf jetzt, hart auf hart! Gleiches sei mit Gleich vergolten, Und wer Narr ist, sei genarrt! BARBIER Also fort, Euch kostümieren, Gut geplant, ist halb getan. Herr Morosus soll verspüren, Was Geschick und Laune kann. Zu Vanuzzi Du den Pfarrer! VANUZZI mit illustrativer Geste Ich den Pfarrer! BARBIER zu Morbio Den Notarius! MORBIO ebenso Den Notarius! BARBIER zu Aminta Ihr die Stille! AMINTA Ich die Stille! BARBIER zu Carlotta Du die Grobe CARLOTTA Ich die Grobe! BARBIER zu Isotta Ihr die Scharfe! ISOTTA Ich die Scharfe! BARBIER Und ihr andern, was ich sage, Tut nur, was ich euch souffliere! Nicht viel schwätzen, nicht parlieren, Nicht lang zaudern, nicht viel plaudern, Und wir werden reüssieren! Alle Lust dem Spiel gespart! ALLE Und wir werden reüssieren, Vivat, Meister Schneidebart! CHORUS zu Henry Ja, er muss es revozieren, Dass er dir dein Erbe raubt. FARFALLO Und ich werde ihn kurieren, Dass er nicht mehr Galle spuckt. MORBIO breit, voll, lustig Und ich werd ihn balbieren, Dass der Bart ihn nicht mehr juckt. VANUZZI Ich werd ihn kopulieren, Dass er Stroh für Hafer frisst, Eine Hochzeit zelebrieren, die er lebens nicht vergisst. MORBIO Dieser Rüpel soll es spüren, Was ein wahrer Künstler ist. Ja, er muss es revozieren, dass er dir dein Erbe raubt. HENRY Ja, er muss es revozieren, Dass er mir die Ehre raubt. AMINTA zart Ach, ich möcht ihn lieber rühren, Dass er unser Glück erlaubt. CARLOTTA tanzend Einen Narren riaszuführen, Das fällt keinem Mädchen schwer, Das braucht keine erst studieren, Jede kann s von Anfang her. ISOTTA ebenfalls Fest sich spreizen, keusch sich zieren, Sachte wickelt man ihn um, Will ein Mädchen sie verführen, Werden alle Männer dumm. CHORUS im ganzen also zehn oder zwölf Stimmen, übermütig und ganz laut werdend Diesen Narren zu kurieren, Wird ein Spass besonderer Art, Ihn vollendet durchzuführen, Sei nicht Kunst und List gespart. Ja, wir wollen es probieren, Vivat, Meister Schneidebart! BARBIER den Tumult beschwichtigend Sachte, sachte! Leise, leise! Nur nicht hitzig! Fein und zart Müssen wir ihn erst umkreisen, Dass er nicht den Spass gewahrt! Gut verhüllt, auf leisen Zehen Pürschen wir uns still heran, Ihn ins Netz hineinzunähen Und zu narren, aber dann… ALLE losbrechend Wollen wir ihn gut balbieren, Ihn von der Narrheit auskurieren, Scharmuzieren, intrigieren, Drangsalieren und vexieren, Kopulieren und sponsieren, Wacker an der Nase führen, Kujonieren, intrigieren. BARBIER gleichzeitig Also vorwärts, nicht gezaudert, Nicht geflunkert, nicht geplaudert, Jeder spiele seinen Part, Und er wird kapitulieren! ALLE Vivat, Meister Schneidebart! Alle umarmen den Barbier, dann sich untereinander この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio Strauss,Richard/Die schweigsame Frau/II
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≪ In den Tagen einer Sache von TRPG / winter ≫ ....(Prinzenöl) Es ist die letzte Hälfte von 1990….Ein großer König der Angst kam plötzlich in die TRPG-Industrie herunter….Es gab TRPG-Spielern starken Druck und Ruhe, als ob ich großen König Advent der 1999 Angst vorschlug, daß der berühmter vorausgesagter Nostradamus.Ich hatte Angst und schauderte mit der großen Kühle, die kam und schauderte, und sie näherten sich, appellierte für Wörter von Gott…. In der Welt …Zünden Sie das an! Guten Tag aus irgendeinem Grund.Es ist Prinzenöl.Es wird schon man, das bald vertraut wurde, viel geben.Übrigens scheint es, daß die ehemaligen Studenten dann durch dieses wie für dieses Thema durchkamen; aber ist in den Tagen der Szene des Blutvergießens der TRPG-Geschichte Maximum, eine Sache des TRPG-Winters ; ist eine Geschichte.Ach, ich lebte nicht als ein TRPG-Spieler in der Zeit, und das Kind des Amateurs kommt immer noch mehr alberne Rede eine um einen zu Liste, aber vergibt es bitte. TRPG vor Kapitel 1 Winter Zuerst ist es 1970, daß TRPG für Japan kam.Dann schritt Medien-Fortschritt von TRPG ständig fort, und es wurde bei letzt eine Theaterversion als Tsunogawa Film drifting legend Chris Tania im Fernsehen übertragen.TRPG, der angefangen hat, in der Klasse der Studenten durch Massen Freilassung eines rulebook für Bibliothek populär zu werden.Ich sollte der Popularität hinzugefügt haben, treiben Sie mehr durch die Macht an….In der letzten Hälfte von 1990 passierte der Fall. Das Kapitel 2 Winter -Ankunft! In den Tagen einer Sache des TRPG-Winters über der Zeit.Im allgemeinen wird die Öffnung als die letzte Hälfte von 1990 betrachtet.Andererseits verstehe ich in dieser Zeit das Ende nicht eindeutig.Es wird seit 2000 Beginnen gesagt, auch wenn es in Winter vorbei war, auch wenn ich 2003 es werde, und bei letzt war fähig, hinter sich Sie zu lassen.Außerdem, nach das eine weitere Sicht, die Stimme, die die japanische TRPG-Industrie den Zeiten des Winters noch nicht loswerden kann, scheint auszubrechen.In einer Definition wird es nicht definitiv auf diese Art für die Periode von den Zeiten des Winters entschieden.Auch wenn es in letzt Jahr bei zeigt, daß ist die Zeit, als Shinnyu-Mitglied nicht in der Tat in die Zeiten des Winters unserer Abteilung eingab. Von der letzten Hälfte von 1990, die Anzahl der Veröffentlichungen des TRPG-verwandten Buches-/ Veröffentlichungensabnahmen scharf, und die Bevölkerung, um TRPG damit zu spielen, verfolgt die Pfade, von 1 abzunehmen.Ein TRPG-verwandter Artikel wurde von jeder Medien-Zeitschrift weg gefegt, und ein miserabler Staat, um sich zur Zeitschrift der neuen Generationsmedien-Spezialität (ein Kartenspiel und ein Fernseher-Spiel) zu verändern, der TRPG spezialisierte sich, Zeitschrift wurde Suspendierung von Veröffentlichungsdauer oder TRPG, und davon stattzufinden, setzte fort.Außerdem, die Jugendgeneration, als sie fähig waren, daß um TRPG nur bei einer Buchhandlung zu berühren sich dann TRPG-Ladenkasse berühren konnte, und ich wurde von der Vereinigung (ob sie sagen, Mangel an der Farbe) der Regel mehr ermüdet, und viel TRPG-Spieler scheinen TRPG verlassen zu haben, weil sie zum Kistenthema vom Gegenstand (hauptsächlich, Magian Usu) für Bibliothek umkehrten.Es wird berücksichtigt, daß ein Diagramm die Abnahme davon rief, das. Spielbevölkerung, die eine Übertragung zur nächst Generation nicht machte, hat Enden dagegen gebracht, sich dadurch zu treffen. Ich folge in dem Winter , als Kapitel 3 lang ist Und ich folge in Winter. Die Anzahl der Veröffentlichungen setzte fort, in einem Moment abzunehmen, und die Spielbevölkerung nahm scharf ab, und, außerdem, nur die Sache, daß das Spiel der Standard war, verschwand, und niedrige Qualität wurde es.In dieser Situation scheinen viel TRPG-Spieler ein Gefühl bevorstehender Krise empfunden zu haben, ob ich schlecht bin, aber machen schon. zu Zeit.TRPG wurde nur auf von der Welle der Zeiten geschluckt, und, nein, der kognitive Grad von der Welt wurde, erkennen Sie als nur die Sache, die einen Herbst war, einige Enthusiasten der kleineren Klasse, als es ging. Ein Zeichen des Kapitels 4 Frühling(?) Aber war ich fähig, das Zeichen des Frühlings zu sehen.Wenn 2000 Beginne ein mutiger Ruf der TRPG-Wiederbelebung anfängt, für Übersetzung neuer Publikation dungeon Dragons und der Freilassung des Himmels Luo verschiedene Formen und Wiedergewinnung (auch wenn ich sage, leichte Sache) der Spielbevölkerung zugesagt zu werden, die zu dem gleichen Zeitpunkt träge waren, daß Junichi Inoue neuen Jahrhundertstandard erklärt, der in dem Winter mit Ankündigung das Ende davon ist , ...... und die Wiederbelebung von der Zeitschrift, der Zunahme der Veröffentlichungsnummer.Und ich erlange Macht wieder, und Hitoshi Yasuda der repräsentativen Gruppe SNE führt nur langsam 2003 RPG Wiederbelebungserklärung über einen großen Maßstab auf. Eine Gesellschaft spielte eine Hauptrolle, und R weckte die TRPG-Industrie, und E zog Eine Gruppe SNE und F.Zuerst schwankt R, einige Leute riefen Nachtzauberer der Gesellschaft Ein E F einen lebhaften Cartoon des TRPG-Systemes, und das Phänomen wird gegeben, das einen großen Schock versetzte, wenn ich bis hier späte Jahre eine berühmte Sache für ein Beispiel des Medien-Fortschrittes von TRPG ernenne.Die TRPG-Industrie setzt es dem Beschleunigen wieder und Reichweiten beim Geschenk fort. Es ist ... zu Kapitel 5 und der Zukunft Die TRPG-Industrie setzt das Entwickeln jetzt fort.Sie glauben vielleicht, daß Sie sich in die Welt verändern, wo Sie abhängen, während Sie wenig Forderung sind, weil die Verlagswesengesellschaftsseite dem TRPG-Spieler leicht einen Artikel anbot, und können eine TRPG genannte Sache berühren.Ein Veröffentlichungsfleck, Spielbevölkerungszunahme eindeutig zusammen im Vergleich zu dem Winter und wird in einem Bedingung TRPG sein sehr wieder in der Welt erkannt zu werden, wenn es das Entwickeln fortsetzt, wie es ist.Ich denke so einen Staat, für die TRPG-Industrie sehr vorzuziehen zu sein. Aber sind jetzt vorgeschlagene Daten nicht immer nur gute Daten.Zum Beispiel, daß die Anzahl von Kreisen, die komischen Marktabnahmen Teilnahme vorschlugen, merkwürdigerweise gegeben wird.Die Anzahl der Teilnahmenkreise des komischen Marktes ist ganz weniger als die Zeit des Winters. Es wird nicht dieses trotz eines guten Zeichens geben. In solchen Zeiten, ....., es ist von Flamme von TRPG ein TRPG-Spieler wie wir als wichtig betroffen worden.Ich bin mächtig, und, künftig flattert jedes vielleicht in der Zukunft wie für die ganze TRPG-Industrie, daß wir herrliche Kultur behalten, rief diesen TRPG und und strömt es entlang zu kommenden Altern, wenn ich es habe und es binden kann. Ich glaube noch nicht, daß Winter vollkommen vorbei war, aber.Wie für TRPG wird sogar Anerkennung direkt noch nicht in kleiner Existenz gemacht, der Welt für die Welt.Es ist was für ein Fortschritt, von dem Sie jetzt darauf schaffen, wichtig.TRPG beschleunigt immer noch mehr und glaubt, daß ich Macht ausdehne.Deshalb überdenkt ein TRPG-Spieler diese gegenwärtigen Bedingungen, und wird es nicht wichtig für eine Handlung sein, sich in Verbindung zu setzen? Wenn dieser Satz eine Gelegenheit wäre, über eine ideale Methode von TRPG nachzudenken, bin ich froh.Dann… Ich bin Ruhm der in TRPG! ! #%)?$. O, \ \- O $?(% #!
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第2幕 (アトラス山の背後に、棕櫚の聖なる森があり、それに面して天幕の館が見える。天幕への左側の入口に、豪華な黄金の留め金具のついた長持がある。ヘレナはそこから黄金の鏡を取り出し、紐状の真珠を髪に編み込んでいる。メネラスは彼女の足元の大きなクッションの上で眠っている。) ヘレナ (髪をアップして留めながら) 二度目の花嫁の夜! 魔法にかけられたような夜、 とても長かった! それはあちらで始まり、 ここで終わった。 神々の手が 岩の割れ目の奥深くまで 朝の灯りを照らしていた。 つい先ほど急に あの山の上に 陽が昇った! 海の真珠、 夜の星々が その明かりでこの体に 香油を塗ってくれた。 戦いの中で育ったこの心は その力に 圧倒され 子供のように慄いた! 英雄の目からの 少年のような眼差しが 私を魅了し 娘に変えてしまった。 私自身が奇跡になり、 奇跡が私を抱いた。 けれど 恋する白鳥たちの戦いで 神の白鳥の子が 死すべき人間に勝利した! その翼の下で 彼は眠ってしまった。 私は私の宝物として その人を守ります、 その人は黄金の天幕の中で 太陽が照らす世界より輝いている。 メネラス (目を覚まして) この館はどこにあるのだ? (驚いてあたりを見回す。) あの魔法使いの女はどこだ? (激しく) お前は誰だ? (彼は突如、自分の身に起こったことを思い出す。) ああ! 私が知らないなんてあろうか? あの女は私からヘレナの血をすっかり洗い落とし、 お前の所に連れて来て、お前を私によこした! (訝って考え込んだ響きでずっと) しかし私は如何なる飲物を飲まされたのか? どのようにそれは突如、私の怒りを静めたのか? まるで勇気が湧いたかのように、新たに気持ちを高め、 お前を受け入れる力を、私はどのように見出したのか? ヘレナ もう一度、あなたに飲んでいただかなければなりません、 それは不思議にあなたの血を静めてくれますー あなたの寝床に休んでいる女を、 決して見知らぬ女などと言って傷つけてはいけません。 (彼女は長持の方に向かって行く。) メネラス (前と同様におずおずと尋ねながら) どうしてお前は私に近寄って来るのか、 この孤独な、身寄りのない男の所に? お前がどこからか登るのを、私は見たのだろうか? どうやって私はお前を引き寄せたのだろうか? ヘレネ (もう一度彼の方に体を向けて) あなたの永遠の女だと気がついて、お願い! 私たちの婚礼の日があなたには近づいて来ないの? そのやわらかな光の中で気がついて、 気がついて、ここにいるのはヘレナよ! メネラス あの婚礼の日が私には 幻のように思える。 あのニンフは死すべき 人間の男を選んだ。 (不安に苛まれて尋ねながら) 目も耳もそっくりの あの見事な姿、 あの女はいかなる国から 生まれ出たのか? ヘレナ この魔法の国で 妻を抱くという、 ここでのこの貴重な経験を 先ずやってください! 杯を手にして (彼女は長持の方を向き、杯を包んでいる美しい布をそこから取り出す。彼女が布を持ち上げている時に、メネラスの曲がった剣もまた覆いから、彼女の足元に滑り落ちる。) この歓喜の国に あなたを永遠に捉える あの飲物をすぐに持って来ます! メネラス (跳び上がって剣を握り、彼女を押しのけて) 杯はそこに置け! これはあの剣だ! これは、私があの女を殺した剣だ! 世界中のすべての呪われたものの中で この剣と私ほど、あの女に近しいものはない! (戦慄をおぼえるかのようにヘレナに眼差しを向けて) 魅惑的なお前はー 鏡に映った像だ、 フルートのような声、 私の前から消え失せろ! この目覚めた男が、お前を追い立てる前に! 不幸なものたちを刺激すると 危険なことが起こるから! ヘレナ それならあなたからそのヘレナを追い出したらいいでしょう、 太陽の下で怪物みたいなあなた! メネラス おお きらめく太陽から 創られた 偽りの喜びをもたらす 可愛い絵姿よ、 大気の精よ! 近寄るな! 腕を伸ばすな! 私を掴もうとするな! 恐怖の中に 生きる者には、 冒険をすることなど ありえないのだ! (彼は向きを変え、剣を胸に押し当て、彼女を前にして未知の世界へ逃げるかのようである。) ヘレナ (薬の壜の入った黄金の容器を、杯と一緒に長持に戻しながら) 無力の飲物は、もういらない! お前は間違った男と女を結婚させたのだ! 炎と死とをくぐり抜けて私を探し求めた男は、 私から離れて砂漠に行ってしまう! 揺らめく静寂を破って、稲妻よ、撃て! 闇の力よ、襲いかかれ! 見せかけの和解なんて、引き裂かれたらいい! 私たちはその運命のいたずらに屈したりはしない、 その反対に頭(こうべ)を高くしてやろう! (突如、暴風が来るかのような、騎馬隊が近づく音が聞こえる。) メネラス 揺らめく静寂から 何が近づいてくるのか? 赤い土埃の間から 槍が光っている! ヘレナ メネラス! こちらへ! あなたのものである私を、守って! (鎖帷子を身に着けた砂漠の戦士達が急いでやって来て、天幕の外の小さな森に整列する。伝令達が入って来て、ヘレナの前に平伏する。この山の領主であり、漆黒の髪をした王者のような男、アルタイルが登場。旗手が隣に立っている。アルタイルはヘレナの前に跪き、片手で地面に触れ、それからその手で額を触る。伝令達が立ち上がり、後ろに居並ぶ槍を持った兵士達の前に並ぶ。アルタイルはヘレナの優美な合図で立ち上がり、従者達に目くばせする。伝令は出て行く。二人の黒人奴隷が進み出て、ヘレナの足元に金を織り込んだ絨毯を広げる。ヘレナは微笑んで、長持の上に座る。長持には黄金の留め具がついて王座のようである。メネラスは、抜身の剣を手にして、ヘレナの後ろに進む。アルタイルは絨毯の外に立っている。ヘレナは、絨毯の上に来るように、優雅な身ぶりで目くばせする。アルタイルは、絨毯の端でもう一度跪いて、絨毯の上に進む。ヘレナはメネラスの方を見て、彼女の隣に座るように目くばせする。それから顎をアルタイルの方に上げて、話をするようにと合図する。) アルタイル (目を伏せたまま) 私は命令を受けました。 この国を貴女様の足もとに差し出すようにと、 おお お名前を存じ上げぬお方! ヘレナ (微笑みながら) 誰がそのようにすてきな命令をされたのですか? アルタイル アイトラ様の御意志です、 モルガーナ様の御意志です、 サロメ様もそのようにお命じです! 私は、この三人の 女王様たちから この土地を領地として 委ねられているのですー (彼は頭を上げてヘレナを見る) 昇る太陽のように お美しい、女神様 聖なる戦いに向かう まばゆいばかりの軍隊にも似て 強大な権力をお持ちのお方、 私は貴女様の御前に平身低頭いたします! ヘレナ 山の領主殿、挨拶申し上げ、感謝いたします! (従者達が引き下がると、視界が広がり道が見える。舞台後方では黒人達の手で大きな長持が、天幕の入口に向かって運び入れられている。ヘレナは立ち上がり、アルタイルの方に進む。メネラスも同様に立ち上がる。ヘレナが向きを変えると、目までベールで顔を隠した三人の娘が彼女の足元に屈み込む。娘達はすぐに起き上がって去り、その後にまだ少年といってもいいくらいの、ほっそりした若者達の群れがやって来て、ヘレナの前で頭を下げて跪く。その中にダ・ウドがいる。) アルタイル (これらすべてを身振りで命じて指図しているが、目は情熱的にヘレナに向けている。) 貴女様の恐ろしい唇から出る 息吹きには値しませんが、 大急ぎで集めた贈り物です! お命じくだされば、この若者達は 戦いの場で血を流します。 貴女様の黄金の睫毛から ちょっと目くばせを送るだけで 歓声を上げて、血を流すのです! (彼も彼女の前に跪き、彼女の衣装の裾を唇に押し当てる。) メネラス (これらすべてを見て、苦悩に満ちながらも恍惚として) おお なんという鏡像よ! そんな風に私の妻は立っていた、 トロイアの胸壁の上に! 王達はそんなふうに 情熱を燃やした。 ああ!老人達までもが 彼女を見ると こぞって叫び声をあげた。 若者達とアルタイル (立ち上がり、剣を鞘から出して、天に向かって突きながら、荒々しく叫ぶ。) 私達に砂漠で死ねとお命じを、 貴女様の閉ざされた唇から出る ほんの一息のために! ダ・ウド (若者の心は最高潮に感動して、一歩前に出て) 何故ならこのお方のために 戦って、戦場で死ぬことは 正しいことだからー 何故なら地上で一番の美女だから! (彼は衣で身を隠して後ろに下がる。) メネラス (放心状態から急に、ダ・ウドをじっと見つめて) パリスがいる! またパリスだ! 大胆に向こう見ずにあの男は腕を伸ばす、 私の妻に! 私の剣はどこだ? (アルタイルが目くばせすると、若者達は抜身の剣をかざして、後方に下がり、姿を消す。) ヘレナ (目でメネラスを探し、彼の方に進む。) あなた、どうしたの? 私の傍にいて! あなたの目つきは私を不安にさせる! メネラス あの若者が私を不安にさせる、美しい女神よ! 彼は余りに若く、余りに純粋だ。 ヘレナ あなたは私から逃げるおつもり! (彼女は彼に抱きつく。) あなたは私を捨てるおつもり? アルタイル (独白) あの美男のお供には、身に余るほどの寵愛だ! メネラス (彼女から離れて) お前はどうしてこのあの哀れなお供が要るのだ! 一晩かけてやって来た、この名も知らぬ女に、 このよそ者の女に彼らは跪き、剣を抜いて叫ぶー 若者達の声 (外の見えない所で) 戦いの場でお命じください 私達の血管を流れる血を流せと、 貴女の恐ろしい目から出る 稲妻のような輝きために! アルタイル (独白、怒って) 見るに耐えない芝居だ!- (ヘレナに) 貴女様の寵児殿は何にお怒りかな? 天幕の中にはあの方にも贈り物が用意してあります! (舞台の後ろで狩猟用角笛の音。彼は手をたたく。メネラスに) 数々の美しい武器! もしかして気に入られたか、 女神の恋人殿、そこからお選びを! (黒人達が、狩猟用と戦争用の武器を持って、登場。) メネラス (今や完全に意識が戻り、威厳のある眼差しで、アルタイルに堂々と真剣に) 戦場でも炎上する街路でも 私はすばらしい武器を携えていました。 アルタイル (軽視する気持を殆ど隠さず) 狩りもまた勇者を楽しませてくれます、 貴方に敬意を表して、私は今から狩りを行います。 狩りのお供はダ・ウドにします、 ヘレナに激しい眼差しを向けるあの若者です。 その獲物は狩人に値するものと、 私は期待しています! (ダ・ウドはアルタイルの合図で棕櫚の木の後ろから前に出て、メネラスにお辞儀をし、手を胸に置く。) メネラス (二人に注意を払わず、天幕の支柱に掛けてある、彼の剣を見つめる。) その獲物は狩人に値するものと 私は期待しています!だと (アルタイルはメネラスに軽蔑の眼差しを投げかけ、ダ・ウドに留まるよう合図を送り、出て行く。メネラスはダ・ウドを見つめる。) 何が私を不安にさせるのか? 見知らぬ若者! 見知らぬ女! 見知らぬ土地! 冒険! 色鮮やかな夢! そして角笛が狩りに招く。 (三人の黒人が登場して、狩猟用の槍、狩猟用角笛、それに軽い銀の兜を差し出す。メネラスが、天幕の中に入ると、そこでは別の黒人達が準備をしていて、長い上着の代わりに短い上着を彼に渡す準備をしていた。メネラスは天幕の中に入り、ちょっとの間、見えなくなる。ヘレナはダ・ウドをじっと見る。) ダ・ウド (彼女の眼差しに心がとろかされ、目を上げることができない。それから突如思い切って) 僕が貴女の隣で、馬に乗ります! 僕だけです! あの男はだめです、 貴女のお供に! 彼ではいけません! ヘレナ (笑って) 坊や、情熱の火に用心しなさい、 さもないとロウのように溶けてしまうわよ。 ダ・ウド (燃えるような眼差しを彼女に向けて) 淡黄色の髪をした、西欧の、 国を持たない王様のふところで、 貴女様は火を恐れることを学ばなかった! 彼自身がそのことを知らないからです! 彼は月の光の国の生まれです。 貴女様はしかし、太陽の国々の 支配者としてお生まれになったお方、 そして私は貴女様の下僕として 生まれました、 死に至るまで! そのように書かれています、 そして実際そのようになるでしょう。 (彼はヘレナの前に身を屈め、彼女の足に額をつける。それから電光石火で立ち上がって姿を消す。) (ヘレナは笑いながら彼に背を向ける。メネラスは狩猟服を着ているが、まだ武器は持たずに、天幕の隣の部屋から入って来る。ヘレナは奴隷から兜を受け取って、メネラスに渡す。) メネラス そのように美しく世話をやく、 お前、魅惑のニンフよ、 以前にも私は 狩りに出掛けた! (ヘレナは微笑む。) 次の朝 私が家に戻るとー 我が家は空っぽだった! 妻はいなくなり 二度と戻って来なかった。 これが死んだ女の歌だ! お前の名前は何という、美しい人よ? 昨日の夜 私は混乱していて、 名前をしっかり聞かなかった。 ヘレナ 私の名前ですって? ああ 気が変になったの、あなた! あなたはその名を呼んで、 あなたの魂に 魂に息を吹き込むのです! メネラス (ぼんやりした眼差しで) お前の話し方は、愛らしい、 美しいセイレーンよ! 私は夕べまで佇んで お前の鈴のような声に 耳を傾けていたいものだ! しかしこの剣が 狩りに行きたがり、 角笛が私を呼んでいる! (彼は剣を取り、胸に押し付ける。) ヘレナ ガゼル(鹿の一種)狩りに使う 恐ろしい武器! (彼女は彼の手から剣を取ろうとする。) そんなものは捨てて! 天幕の中に置いて! メネラス (彼女にそれをさせず) 許せ、女神よ、剣と私は 一心同体なのだ。 この天幕も たくさんの宝物もお前のものー 私は、難破して、 異国の地をさまよう、 悩み苦しむ王。 私に残されたのは、 この剣だけ、 それには触るな! (彼は剣に口づけして帯に差す。) ヘレナ あの人の目が 私を見て また分かりますように! メネラス そのような眼差しは この哀れな心には 余りに高いものにつく! 実りは余りに少ない。 何故なら狩りに出掛けて 妻の元に帰るとー その妻がそこにいるかどうかが、 分からないからだ! (最後の出発の角笛が響く。彼は剣を帯に差すと、急いで行く。彼の後に続く奴隷達が、狩猟用の武器を渡す。一人は弓と箙、もう一人は軽い投げ槍ー彼は投げ槍を二つ掴んで、姿を消す。) ヘレナ メネラス、待って! 行ってしまった! そして戻ってきたらーどうやって彼を魔力から解放しよう? ニンフのふりは、彼には余りに子供っぽく、 その目の眼差しは、幼すぎ無邪気すぎて、 彼の心には余りによそよそしい! (三人の女奴隷が、まるで兜を被っているみたいに、金の装飾品で顔を隠し、様子をうかがいながら天幕の中から出てくる。ヘレナは彼女たちに注意をはらうことなく、物思いに沈んで) 魔術が私たちを引きずり込むー 元に戻るのはーそれは手練手管だ! アイトラの秘薬は強すぎてー メネラスの心には利かなかった! (三人の女がヘレナの後ろで、舞台の反対側に行く。真ん中の女の合図で二人は長持に急いで行き、開けて何かを探す。真ん中の女、アイトラは、黄金の兜をずらして、顔を見せる。) ヘレナ (嬉しそうに) アイトラ! 愛すべきすてきな方! ああ 魔法使いさん! 早耳さん! アイトラ 静かに! 貴女を助けるためにここに飛んで来たの! (彼女は長持をひっかき回している二人を、緊張した面持ちで見る。) 侍女1 (黄金の容器を高く上げて) 壜はどちらも手つかずのままです! アイトラ (嬉しそうに) おお 手つかずのまま! 喜んで貴女にキスします、 ー貴女は助かった! どうして私が大急ぎで貴女の所に来たか、 聞いてください! ヘレナ (暗い響きで) その秘薬のためなら 貴女は急いで来る必要はなかったのです! 私は欲しくありません! 要りません! アイトラ お願いだから私のいうことを理解して、可愛い人よ! あそこの怠け者の小娘達が、 黄金の容器を長持に入れたのですがー 眠くなってしまって、 中に入っている二本の壜を、見てごらんなさい、 どのくらい間違えやすいか! ヘレナ (真剣に) それでもう一つには何が入っているの? アイトラ 記憶です! あの忌まわしい記憶です、 私の最後の一息で、その忌まわしい記憶が あなたの唇にはいらないようを守ってあげる! ヘレナ (厳粛に) 記憶ですって! アイトラ (彼女の声の調子を気にかけず) 神々ですら、天上の方々ですら、その前から逃げる タルタロスの毒のような あの地獄の秘薬! ヘレナ (その壜に手を伸ばして) これがそうなのー アイトラ (彼女からそれを奪って、高く上げ) 私に阻止できる限りは、 匂いだって嗅がせない! ヘレナ (非常にきっぱりと) これこそ、私に必要な秘薬だわ! 記憶! アイトラ 貴女はその言葉を、何の不安も抱かず 銀鈴のような響きで言うけれど、 それが貴女の唇を濡らすと、 貴女は生きる屍となってしまいます。 ヘレナ 貴女の秘薬は私を今夜 死んだも同然の生者にしました! アイトラ その薬が貴女を救ったのよ、可愛い人、 あの男は貴女を剣で殺す寸前でした! 落ちつかされてあの男はぐっすり眠り込み、 そして貴女がヘレナだと分かり、 汚れなきものであるかのように貴女にキスしました! ヘレナ あの人は私を異国の女だと思っています、 貴女が夜にあの人に供した女だと、 そしてあの人は私と一緒にヘレナを裏切ったと信じ込んでいます。 ヘレナは死んだと、あの人は信じ込んでいますー アイトラ (静かに) 幸福な人よ、あなたはいつもそうです、 いつもいつも勝利するのです! ヘレナ そんな空しい喜びなんて行ってしまえ! 私が今日勝つか、永遠に勝てないか、 勝つとすれば、ここにあるこの秘薬の力で! (彼女はアイトラの抵抗を無視して壜を掴む。) (ヘレナの合図で二人の侍女が天幕の中から三本脚の容器を持ってくる。その中には秘薬を混ぜた壺と、ワインの入った二つの壺がある。以下を歌う間に、ヘレナと侍女達は秘薬を混ぜ、壜から香油を垂らす。) アイトラ 三倍もおバカさん! あの無比の香油を、 神々の秘薬を 貴女は私に蔑むのか! ヘレナ 言うことを聞いて、混ぜなさい。 私の狩人さんがこの天幕に 私のもとに戻って来た時に、 唯一、私の役に立つものを。 アイトラ (苦悩に満ちて) 三倍もおバカさん! ヘレナ (混ぜて、移し替えている女たちに) もっと、もっと! 暗い秘薬が 記憶が 十分じゃない! アイトラ あの無比の香油を! ヘレナ 昔の苦しみの 炎が燃え上がる。 その炎でこの地は 荒涼として鈍色になるでしょう! アイトラ (せかして) 甘い忘却! ヘレナ でも過ぎ去ったものが、 暗い門を通って 霊力をもって 現われる! アイトラ (絶望して) 貴女は私を無視するの? ヘレナ 奈落から再び やってくるものだけが、 あの勇者の役に立つ 唯一のもの。 ヘレナと侍女たち もっと、もっと! 魔法の秘薬が 記憶が 十分じゃない! アイトラ (黄金の装飾された兜を顔の前でさっと落として) 気をつけなさい! (アルタイルは、棕櫚の木の間から、天幕に近づく。) ヘレナ 誰が来るの? (彼女は侍女たちに、急いで用具を持って天幕の中に入るように合図する。) アルタイル (立ち止まり) 腕のいい鳥刺しです。 世界で最もすばらしい鳥が 羽をはばたかせてその網に飛んできました! ヘレナ 比類なきご主人ですこと! 何というご挨拶! アルタイル (彼女に一歩近づき) これは、恋する男に相応しい挨拶でしょう! ヘレナ 何という足どりでそんなに近づくの? アルタイル 雌鹿に近づく猟師の歩みです。 ヘレナ 何という目つき? アルタイル じきに貴女様と親密になる者です! 太鼓の音が聞こえますか? (ヘレナは微笑む。) 貴女様に敬意を表して祝宴を開きます、 比類なき、夜の饗宴です。 (彼女のすぐ近くで) 私の饗宴は危険ですぞ 国を失った、さすらいの領主にはー しかし私は美を敬う術は知っております! 何もご存じない貴女様でも、 そのくらいはお分かりでしょう、 無邪気に彷徨うお方よ! (ヘレナはもっと激しく笑う。) 笑わないでください、女主人殿! 貴女様はあまり経験されていない。放浪する男の、内気で 辛抱強い女奴隷として、不毛の土地に足を踏み入れただけです。 (激しく) しかし領土もなく、従者もいないような君主は 世界の光明をずだ袋に入れて持ち歩いてはいけません。 というのは光明は彼より強く、夜には天幕を燃やしてしまうからです。 侍女たち (その間に道具も持たずに出て来て、狩を目で追う。) わあ、ガゼル! 侍女1 鷹がガゼルをくわえています! 侍女2 ガゼルが倒れました! 侍女1 勇敢な騎士たちが 二人とも同時に 突進してきます! 二人 すばらしい狩りですこと! アルタイル 貴女様は地上で一番の美女だ。 貴女様の眼差しを求めて 思い焦がれて悪あがきするのは、 若い者に任せましょう! 私には他のやり方があります! ヘレナ 気をつけて、領主様! 燃えやすいお方! (威厳をもって) あの客人のことは 神々が見守っています、 そして神々は ひとりひとりを 運命という雲に 包むのです! アイトラ (天幕のカーテンに半ば身を隠し、ヘレナに呼びかける。) ヘレナ、私は笑っているの! 貴女の苦境はすべて、 ああ、貴女の痛みは 貴女の美しさの なせるものー それらはいつでも その黄金の母に 似ているのです! そう、紫や金に輝くのです! アルタイル (最初、彼女の美しさのとりこになったように) 貴女を奪いとるために要るのは 花の首飾りではなく 炎と武器! 崩壊する町から 燃えさかる上に 支配者の天幕の バルコニーが高くそびえる。 そして絶世の美女は 最も強い者と一緒になる! (ヘレナに一歩一歩近寄り、ヘレナは彼を避ける。) それで何万人が 死んでしまおうと、 彼らのため息など 夜の風が吹き払ってくれる、 死の呻き声など吹き払ってくれる! 若者達の声 (舞台の外の、近いところから) 砂の中で私は呪われてやつれ果てる、 貴女を見ながら手に入れられない! 二人の侍女 (明るく笑い声をあげながら) 二人が同時に 槍を投げます! 二つとも命中します! すばらしい狩りですこと! 侍女1 けれど今、何が起きているの? ヘレナ、見てください! 侍女2 (驚いて) 武器を構えています! 侍女1 あの剣を持っているのは! メネラス! 侍女2 防戦のために、 槍を持っているのは! 二人の侍女 二人が戦っています。 (甲高い声で) あれっ! 侍女1 ダ・ウドが黒馬の 向きを変えました! 侍女2 メネラスが 彼を追います! 侍女1 黒馬のほうが早く 丘を登ります! 侍女2 メネラスが追い駆けます! 侍女1 追いつきました! アイトラ (侍女たちのほうに後ろに振り向いて) あ! 丘の向こうは 絶壁が! 気をつけて! 二人の侍女 (叫びながら) あれっ! アイトラと侍女たち あ! 彼が倒れる! ああ、ダ・ウドが! ああ、ダ・ウドが! (舞台の後ろで、角笛が激しく鳴って狩りの中止を告げる。) アルタイル (恍惚としてヘレナを見つめて) 若者が倒れた! 倒れるがいい! 箙には矢が、 天幕の中には息子たちが 私にはたっぷりある! 太鼓の音が聞こえますか? 今夜 貴女と私だけで 他には誰も入れず 祝宴を開きましょう! (黒人達が後方から絨毯の上に死んだダ・ウドを載せて運んで来て、中央に下ろす。アルタイルは一歩一歩下がり、今や天幕の一番外側のカーテンの後ろにまで来る。アイトラと侍女達は死者に近寄る。奴隷達はすぐに去る。ヘレナは、ダ・ウドの世話をしている女達の右に立っている。メネラスは、手に抜身の曲がった剣を持って、右側にやって来る。彼の目は、彼の前から一歩一歩退く敵を追うかのように凝視し恐ろしい。そうやって彼は目の前のダ・ウドの姿に引き寄せられるかのように、重い足取りで真ん中まで押し進むが、ダ・ウドを全く見ていない。アイトラと侍女達はその近付いてくる姿に気づき、驚いて跳びのき、彼の方に両手を伸ばして防御する。メネラスは夢遊病者のように、死者の前に立ち止まる。) ヘレナ (彼の方に進み、優しく呼びかけながら) あなた! メネラス! メネラス (突然、目が覚めたかのように、自然にヘレナに微笑みかけて) ヘレナ、お前? どうやってここに来たのだ? おお 幻影か! ヘレナ 武器は、そこに、 その恐ろしいものを、渡して! (彼女は彼の手から優しく剣を奪い取る。) メネラス (微笑みながら) この武器ーどうして私がこれを? (彼は剣を彼女に渡したままである。) ヘレナ あの若者に、 お客人をもてなすために あなたと一緒に狩りに行った人に、 あなたはその武器で致命的な一撃を与えたのです! メネラス 私が彼に武器を向けたと? だが何故? アルタイル (左手の天幕のカーテンの後ろから様子を窺いながら) あの美女の夫は 剣を振り上げるだろう。 そう書かれているー もっと強い剣に出会うまで! ヘレナ あなたは、この若者にトロイアのパリスを見て、 もう一度死ぬことを望んだのです。 メネラス (驚いて両手で頭を抱え) そう、彼は大胆に厚かましく (彼は考え込む。) 腕を伸ばした- ヘレナ というのもそれが近づく唯一の道だから 誰に近づくの? メネラス、言って。 メネラス 死んだ彼女に、 そして感謝もされずに私のために 命を落とした全ての人に! ヘレナ 生きている彼女に、あなたの心が 唯一、傍にいることを求めている彼女に。 あなたは私を拒否している。 だって彼女こそが、私ではなく彼女こそがー あなたの妻だから! メネラス (ぎょっとした表情で彼女を見つめ、それからゆっくり過去のことを記憶から思い起こそうとするかのように手で額をなでる。悲しそうに死んだダ・ウドの方を向く。黒人達がダ・ウドを地面から起こして、抱きかかえて動かずにいる。) 閉じられた瞼の下で 死に行く君の目が私を罰する! しかし友よー君を送った所にー 同じ道をメネラスもすぐに行く。 ヘレナ でもあなたには 聖なる飲物が必要です、 ものすごく強い飲物が! 私はそれを天幕の中に持っています! (ヘレナは侍女達に合図し、侍女達は混合用の壺と少し小さい壺を持って歩み寄り、恐ろしいほどの真剣さで、厳しく命じられた通りの態度で、中断された飲物の用意の続きを手伝う。侍女達がリズミカルに繰り返しながらヘレナに混ぜた壺を渡すと、ヘレナは壜から秘薬をこれに滴らす。) アイトラ (ヘレナに) 危険が貴女を囲んでいます! 今その飲物を使うのはおやめなさい、 今はその時ではありません、 用心なさい! 侍女1 (仕事から目を上げて、後ろに耳をそばだて) ご主人様、ご用心ください、 太鼓の音が聞こえますか? アルタイルの祝宴は 危険です! 侍女2 彼の宦官たちが 女の衣装の下に 鎧としなやかな刀を 隠し持っています! アイトラ 用心なさい! ヘレナ (飲物の調合を終えている。) アイトラ、黙って! 今、ここで ヘレナの祝宴が始まるのよ! (左側で調合の儀式が行われている間に、右側では黒人達がメネラスを取り囲み、その鎧を外し、頭にきらきら輝くティアラを載せる。その間に天幕の周囲は暗くなり、外から月が上る前の薄明りが差し込む。左側では女奴隷達が灯りを照らし、右側では黒人奴隷達が両方の儀式を照らす。祝宴に招く太鼓がその間に近づいて来るようだ。人々がやって来て、祝宴への出迎えが見え始める。外では行列の先端が見える。華美な衣装の人々、男か女か分からない。顔半分をベールで隠し、黒人も白人も混ざっている。何人かは手に槍を持っている。行列の後方で幟(のぼり)が見え、太鼓の音がとどろく。) 奴隷達 (天幕の前に跪いて) 我々は貴女を祝宴にお招きします。 その使いの者を、慈悲をもって受け入れてください! 歓喜の国から 引き離され、 愛の奴隷達は ひどい運命です! アイトラ 危険が近い! 私たちは身を守らなければ! 私たちの全神経を 今、必要としています! 飲物は放っておきなさい! 奴隷達 至福の時間の番人である、 我々は思いもよらない悲しみにくれています! 我々の女のような口から出る 恋する者の叫び声を聞いてください。 砂の中で私は呪われてやつれ果てる、 貴女を見ながらて手に入れられない! (静かに、遠くで雷鳴が聞こえる。) アイトラ (侍女1に) 耳を地面につけてごらん! 何が聞こえます? ポセイドン、聞こえて! アイトラが呼んでいるのよ! ヘレナ (奴隷達の方に進んで) 下がって、 平伏して待ってて、 呼ばれるまで。 (奴隷達は平伏する。ヘレナの合図で侍女達は天幕のカーテンを閉める。) 侍女1 (アイトラに) 海の波のうねる音が 聞こえます。 まるで洪水が内陸に 押し寄せるみたいに。 ヘレナ (侍女2に) 王様の剣を! アイトラ その海の波は私のもの! ヘレナ、聞こえて? 海の力から生まれた 馬や騎士、 あの立派な軍隊は ポセイドンが私に送ってくれたの! ヘレナ メネラス、あなたの剣を見て! (口のきけない侍女の一人が天幕の中に行って剣を持ってくる。ヘレナは彼女に、高く掲げるように合図する。その際、その女奴隷は頭をベールで覆う。これに続いて彼女は、別の女奴隷が渡した杯を見せる。) メネラス 私が見ているのは、お前が持ってきた杯だ! 奴隷達 (外で) 戦いに敗れて、 涙を流す者達に、災いあれ! 生命の饗宴から 除外された者達に、災いあれ! ああ わあ ああ わあ ああ わあ! ヘレナ (その間に杯を差し出して小さいほうの壺からなみなみと注がせる。) 私の邪魔をしないで! アイトラ 危険が近い! 救済もまた近い! 命を守りなさい、 貴女はやりすぎです! ヘレナ 今こそ私は敢えてすべてをするのです! アイトラ まろやかな蓮からとった 1杯の杯、 今日も昨日のように いつも新たに 幸福に生きられますように! メネラス (前に進み出て) 女よ、下がれ! 近寄りがたい時間が 今、始まるのだ! (アイトラと侍女達は右方にうずくまって下がり、身を隠す。ヘレナの前に出て) ヘレナーいや私はお前を他にどう呼んでもいいのだがー、 魔法の姿よ、お前は私に地上で最後の挨拶をするために送られた、私を慰めるために、お前はここに、この島にやって来た。 恐ろしい武器で、自分の運命の伴侶である妻を、合法とはいえ、残酷に殺した男、自分を見失ったその男に、お前は優しく腕をからませー彼に一夜を与えた。 浄化する女! そしてお前は今、私の前に立ち、私に杯を渡す。 その秘薬が私の血管を流れると、私は死者となる。 ヘレナ そのことで何故笑うの? まるで少年のようにあなたは微笑んでいる! メネラス 何故なら、死が夫婦を分かつものでないと思うからだ、女王様! ヘレナ それほどあなたは完全にあの女のもの? メネラス 何故お前はそこで震えているのだ? ヘレナ 私は永遠にあなたを失うことになるの? メネラス お前が一度でも私を所有したと? 私を死んだ女のもとにやり、お前は生きろ! (ヘレナは杯を唇に持っていく。) 唇を潤してはだめだ、 それは私のものだ! ヘレナ あなたは他の女のために飲むー 私はあなたと共に飲みます! (彼女は飲み、それから杯を高く上げる。) メネラス 私に死の酒を! でなければ私は この剣で死ぬ! ヘレナ (彼に酒を供しながら) あの夜、たった一度の純潔だった夜、 私たちを永遠にひとつにした、あの夜にかけてー そしてあの恐ろしい幾つもの夜、 あなたが天幕の中で私に身を焦がした、あの幾夜にかけて、 メネラス (独白) 何という言葉が この口から出ることか! 気が触れてはいない、 永遠の神々よ、 私の精神が変にならないようにしてくれ! ヘレナ またあの炎の夜、あなたは私を引き寄せながら 私にキスすることを固く拒んだ、あの炎の夜にかけてー そして遂に今夜、やっとあなたが来て、 私の手から叡智の酒を受け取ってくれた。 (高揚して) 私をあなたに新たに与えてくれた、今夜にかけて、 ここから飲んで、私が口をつけたところから。 メネラス (杯を飲み干してから、突然、叫び声を上げて) 私の前にいるのは誰だ? (彼は剣に手を伸ばす。) ヘレナ (微笑みながら) アイトラ! あの人は私を殺すわ! アイトラ (舞台に走って来て) ヘレナ! 生きて!彼らが貴女の子供を連れて来ます! メネラス (剣を下ろし、ヘレナを見つめて) 死んでいるのにー生きている女! 生きているのにー死んでいる女! 今、私にはお前が 死すべき人間の男がかつて 見たこともない妻のように見える! (彼は剣を投げ捨て、彼女の方に両手を伸ばす、影に向かって伸ばすように。ヘレナはじっと彼を見つめる。) この眼差しで 永遠に選ばれたのだ! 完全に結婚したのだ、 大いなる運命よ! ああ、近寄りがたく思えたものが どれほど近くにあり、 二人がひとつに お前と一体となる。 すばらしいお前! 不実な女、 永遠にひとりの 永遠に新しい! 永遠に愛しい女! 唯一の身近な女! どのように私はお前を捕え、 どのように私はお前のうちに消えるのか! アイトラ この苦しみがなかったら、 貴方はどうなっていたのかしら、 この二人の すばらしい存在がなかったら? 貴方の 不実の、 永遠にひとりの、 永遠に新しい女がいなかったら? ヘレナ あなたの、あなたの 不実の女は 後悔の野を 漂っています! アルタイル (ナイフを振りかざした奴隷たちと一緒に、天幕の横のカーテンから突然跳び込んで来て) その女を私によこせ! その男は鎖に繋げ! 奴は客人のわきまえを破った、 奴の命を奪え! (奴隷達はヘレナとメネラスを取り押さえて、二人を引き離す。天幕の後ろでガタガタする音がおぼろげに起こり、鉄でできた森を嵐が揺らすかのように、次第に激しくなる。) アイトラ (歓声をあげながら) 彼らはー私の庇護のもとにあるのです! ヘレナー万歳! (アイトラは天幕のカーテンを引く。外は満月で、青い鋼鉄の甲冑を身に着けた一団が壁のように立っている。顔は兜の面貌で覆われ、腕は抜身の剣の柄の上で十字に組まれ、剣を地面に立てている。彼らが作る半円陣の真ん中に、白い馬に乗った子供のヘルミオーネがいて、全身に黄金の衣を身に着けている。) 武装した戦士達 (身動きせず、非常に重々しく) 平身低頭しろ! 震えながら逃げて行け! さもなくば我々は稲妻のように お前らを襲う! アイトラ (中央で、顔の覆いを取って) ここにいるのはアイトラです! 邪悪な部下! 命令に従わない 粗暴な家来! アルタイル (自分の部下と共に平身低頭して) アイトラ様! ああ何たること! ああ何たること! アルタイルとしたことが! アイトラ ヘレナ! ご覧なさい! 貴女の子を連れて来ています! (その子ヘルミオーネは二人の戦士に馬から降ろされて、前に進み出る。) ヘルミオーネ (アイトラの合図で中央に立ち止まる。満月が彼女を照らし、黄金の衣を身に着けて、金髪の彼女はまるで小さな女神である。) お父様、私の美しいお母様はどこ? メネラス (陶然と目をヘレナに釘付けにして) お前は新たに 夜を輝きで満たし、 空に浮かぶ新月がまるで お前の美を補うかのようだ! (彼は子供の方を向いて) おお わが娘よ、 幸福な子! なんという母親を 私はお前に連れて帰ることか! (二人の戦士はヘルミオーネを再び馬の鞍に乗せる。同時にメネラスとヘレナのために、立派な手綱をつけた二頭の馬が連れて来られる。) ヘレナとメネラス やさしいそよ風よ、私たちを連れて帰っておくれ、 祝福を与える聖なる星々よ! 高くそびえる宮殿の不変の扉よ、 この永遠なる夫婦のために、音高らかに開け! (ヘレナとメネラスが馬に乗ろうとするところで、幕が下りる。) ZWEITER AUFZUG Ein Gezelt, weit geöffnet auf einem Palmenhain, hinter dem das Atlasgebirge sichtbar wird. Zur Linken Eingang in den inneren Raum des Gezeltes. Hier steht eine Truhe mit reichen vergoldeten Beschlägen. Helena entnimmt dieser einen goldenen Spiegel und flicht Perlenschnüre in ihr Haar. Menelas schläft zu ihren Füssen auf einem Pfühl HELENA indem sie ihr Haar aufsteckt Zweite Brautnacht! Zaubernacht, überlange! Dort begonnen, hier beendet Götterhände hielten das Frühlicht nieder in Klüften; spät erst jäh auf flog die Sonne dort überm Berg! Perlen des Meeres, Sterne der Nacht salbten mit Licht diesen Leib. Überblendet von der Gewalt wie eines Kindes bebte das schlachterzogene Herz! Knabenblicke aus Heldenaugen zauberten mich zum Mädchen um, zum Wunder ward ich mir selbst, zum Wunder, der mich umschlang. Aber im Nahkampf der liebenden Schwäne des göttlichen Schwanen Kind siegte über den sterblichen Mann! Unter dem Fittich schlief er mir ein. Als meinen Schatz hüte ich ihn funkelnd im goldnen Gezelt über der leuchtenden Welt. MENELAS erwacht Wo ist das Haus? blickt mit Staunen um sich Die Zauberin wo? heftig Wer bist du? er besinnt sich des jäh Erlebten Ach! Wüsst ich das nicht? Sie wusch mich rein von Helenas Blut, her führte sie dich und gab dich mir! immer mit einem Beiklang des erstaunten Nachsinnens Doch welch ein Trank ward mir gegeben? Wie sänftigt jäh er meine Wut? Wie fand ich Kraft, mich neu zu heben, dich zu empfangen wie den Mut? HELENA Aufs neu von ihm muss ich dich tränken, er sänftigt wunderbar dein Blut - nie darfst du sie als Fremde kränken, die dir auf deinem Lager ruht! Sie geht gegen die Truhe MENELAS immer in der gleichen fragenden Befangenheit Wie kamest du, dich mir zu neigen dem einsamen verwaisten Mann? Von wo sah ich empor dich steigen? Wie zog ich dich zu mir heran? HELENA sich abermals ihm voll zuwendend Erkenne doch die ewig Deine! Tritt dir nicht unser Brauttag nah? Erkenn in seinem sanften Scheine, erkenne dies ist Helena! MENELAS Der Brauttag rühret mich geisterhaft an Die Nymphe erküret den sterblichen Mann. fast angstvoll gequält fragend Aus welchen Reichen steigt sie hervor ein herrlich Gleichen dem Aug‘ und dem Ohr? HELENA O lass zu dir dringen das köstliche Hier, der Gattin Umschlingen im Zauberrevier! Den Becher zur Hand Sie wendet sich der Truhe zu, entnimmt ihr ein schönes Gewebe, worin der Becher eingehüllt, indem sie dies emporhebt, gleitet auch Menelas krummes Schwert aus der Hülle und fällt ihr vor die Füsse ich bring ihn gleich, der ewig dich bannt ins Freudenbereich! MENELAS springt hin und fasst das Schwert, sie wegdrängend Dahin der Becher! Dies ist das Schwert! Dies ist das Schwert, mit dem ich sie schlug! Von allen unseligen Wesen der Welt kam keines ihr nah - wie dies Schwert und ich! wendet den Blick fast mit Grauen auf Helena Reizende du - Spiegelbild, flötende Stimme, fliehe vor mir! Dass der Erwachte dich nicht jage! Denn die Unglücklichen sind gefährlich, wenn man sie reizet! HELENA Von dir jage die Helena denn, du Ungeheurer unter der Sonne! MENELAS O süsses Gebild zu trüglicher Wonne gesponnen aus der flirrenden Sonne - Luftsirene! Nicht nahe dich! Den Arm nicht dehne! Nicht fahe mich! Wem ungeheuer Grausen tagt, dem Abenteuer bleibt er versagt! Er wendet sich, das Schwert an die Brust gedrückt, als wolle er vor ihr ins Ungewisse fliehen HELENA indem sie das goldene Gehäuse, worin das Fläschchen mitsamt dem Becher in die Truhe zurückwirft Ohnmächtiger Trank, fahre dahin! Dem Falschen die Falsche hast du vermählt! Der mich gesucht durch Flammen und Tod, er flieht vor mir in die Wüste hinaus! Aus flirrender Stille schlage der Blitz! Dunkle Gewalt breche herein! Was scheinversöhnet entzweie sich neu! Wir ducken uns nicht unter dem Streich, entgegen recken wir unser Haupt! Das Annahen einer Reiterschar, jäh wie ein Sturmwind, wird hörbar MENELAS Aus flirrender Stille was naht heran? Durch rötlichen Staub funkeln die Lanzen! HELENA Menelas! Her! Schütze, was dein ist! Krieger der Wüste in Kettenpanzern eilen heran und nehmen im Hain ausserhalb des Zeltes Stellung. Läufer stürmen herein, werfen sich vor Helena nieder. - Altair, der Fürst der Berge, ein königlicher Mann mit rabenschwarzem Haar, tritt heran, Bannerträger ihm zur Seite. Er lässt sich auf einem Knie vor Helena nieder, indem er mit der Hand die Erde, dann die Stirn berührt. Die Läufer erheben sich und stellen sich im Hintergrund vor die Lanzenträger. Altair erhebt sich auf ein gnädiges Zeichen von Helena und winkt seinem Gefolge. Die Läufer treten auseinander. Zwei schwarze Sklaven laufen hervor und breiten vor Helenas Füssen einen golddurchwirkten Teppich. Helena lächelt und setzt sich auf die Truhe, die mit ihren goldenen Beschlägen einem Thronsitz gleicht. Menelas, das blosse Schwert in der Hand, tritt hinter Helena. Altair steht ausserhalb des Teppichs. Helena winkt ihm mit anmutiger Herablassung, den Teppich zu betreten. Altair tut es, indem er am Rande des Teppichs noch einmal die Knie zur Erde beugt. Helena sieht sich nach Menelas um und winkt ihm, sich neben sie zu setzen. Dann bedeutet sie Altair, indem sie ihr Kinn gegen ihn hebt, zu sprechen ALTAIR mit gesenktem Antlitz Mir ist befohlen ich breite dies Land, o Ungenannte, vor deinen Fuss! HELENA lächelt Wer gab so schönen Befehl? ALTAIR So will es Aithra, so will es Morgana, und Salome gebietet es so! Der ich dies Land zu Lehen trage von ihnen dreien Königinnen - er hebt den Kopf und erblickt Helena Du Göttin, die schön ist wie steigende Sonne, gewaltig gleich einem Heer, das funkelnd in heiligen Kampf zieht, ich neige mich dir in den Staub! HELENA Fürst der Berge, wir grüssen und danken! Das Gefolge tritt auseinander und gibt dem Blick eine Gasse frei. Hinten werden von Schwarzen grosse Truhen vorbeigetragen, so, als nähmen sie die Richtung auf den rückwärtigen Zelteingang. Helena steht auf und tritt auf Altair zu; Menelas ist gleichfalls aufgestanden. Indem sich Helena wendet, stürzen drei bis auf die Augen verhüllte Mädchen zu ihren Füssen. Die Mädchen sind schnell aufgesprungen, und ihre Stelle hat eine kleine Schar von schlanken Jünglingen eingenommen, fast noch Knaben - unter ihnen Da-ud, die sich vor Helena mit gesenkten Häuptern auf die Knie werfen ALTAIR dies alles mit gebietender Gebärde beherrschend, aber den Blick leidenschaftlich auf Helena gerichtet Eilig zusammengeraffte Gaben, unwert des Hauchs deiner furchtbaren Lippen! Befiehl, und im spielenden Kampfe fliesset das Blut dieser Knaben, jauchzend vergossen für einen einzigen Blick aus deinen goldenen Wimpern! Er wirft sich auch vor ihr nieder und drückt den Saum ihres Gewandes an die Lippen MENELAS auf dies alles hinblickend, leidvoll entrückt O Spiegelbild! So stand meine Frau auf den Zinnen von Troja! Lodernd so brannten die Könige auf, ach! und die Greise bei ihrem Anblick und alle riefen DIE JÜNGLINGE und ALTAIR springen auf, und indem sie ihre Schwerter aus der Scheide reissen und gegen Himmel stossen, rufen sie wild Heisse uns sterben im Sande für einen einzigen Hauch von deinen verschlossenen Lippen! DA-UD mit höchst gesteigerter Ergriffenheit eines jungen Herzens, einen Schritt hervortretend Denn es ist recht, dass wir kämpfen und dass wir sterben im Blachfeld um dieser willen - denn sie ist die Schönste auf Erden! Er verhüllt sich und tritt hinweg MENELAS aus seinen Gedanken auffahrend und Da-ud anstarrend Paris ist da! Paris aufs neue! Frech und verwegen reckt er die Arme nach meiner Frau! - Wo ist mein Schwert? Altair winkt, und die Jünglinge, ihre blanken Schwerter gehoben, treten nach rückwärts und sind verschwunden HELENA sucht mit dem Blick Menelas und tritt zu ihm Liebster, was ist dir? Bleib mir zur Seite! Mich ängstigt dein Blick! MENELAS Mich ängstigt der deine, schöne Göttin! Er ist mir zu jung und zu wenig umnachtet. HELENA Du willst mir fliehn! sie umschlingt ihn Du willst mich lassen? ALTAIR für sich Vermessene Gunst dem schönen Begleiter! MENELAS löst sich von ihr Was bedarf st du des armen Begleiters! Der Namenlosen, der Fremdlingin, die über Nacht kam, knien sie hin und zücken die Schwerter und rufen - Die STIMMEN der JÜNGLINGE ausserhalb, unsichtbar Heisse in spielendem Kampfe fliessen das Blut unserer Adern für einen funkelnden Blitz aus deinen furchtbaren Augen! ALTAIR für sich, zornig Unerträgliches Spiel! - zu Helena Worüber zürnet dein Günstling? Auch für ihn sind Geschenke im Zelt! Jagdhörner hinter der Szene. Er klatscht in die Hände. Zu Menelas Schöne Waffen! Vielleicht gefällt dirs, Liebling der Göttin, aus ihnen zu wählen! Schwarze, Jagd- und Kriegswaffen tragend, treten hervor MENELAS misst Altair mit einem hoheitsvollen Blick, nun völlig seiner selbst bewusst, stolz und ernst Herrliche Waffen hab ich geführt auf blachem Feld und in flammenden Gassen. ALTAIR mit kaum verhohlener Geringschätzung Auch die Jagd kann Tapfre ergetzen; dir zu Ehren stell` ich ein Jagen jetzt an Der Jagd zum Begleiter gab ich Da-ud mit einem wilden Blick auf Helena und das Wild, ich hoff es, wird des Jägers wert sein! Da-ud tritt auf den Wink Altairs hinter einer Palme hervor und neigt sich vor Menelas, die Hand aufs Herz gelegt MENELAS die beiden nicht beachtend, blickt sein Schwert an, das bei der Zeltstange hängt Das Wild, ich hoff es, wird des Jägers wert sein! Altair wirft Menelas einen Blick der Verachtung zu, gebietet Da-ud durch einen Wink, zu bleiben und geht. Menelas blickt Da-ud an Was ficht mich an? Ein fremder Knabe! Ein fremdes Weib! Ein fremdes Land! Ein Abenteuer! Ein bunter Traum! Und Hörner laden zur Jagd. Die drei Schwarzen treten heran, Jagdspeere und ein Hifthorn, auch einen leichten silbernen Helm darbietend. Menelas, indem er gegen das Zeltinnere tritt, wo andere Schwarze bereitstehen und sich anschicken, ihm statt des langen Oberkleides ein kurzes zu reichen, tritt ins Zelt und wird für eine kurze Zeit unsichtbar. Helena betrachtet Da-ud DA-UD schmilzt unter ihrem Blick und wagt nicht die Augen zu heben. Dann mit plötzlicher Kühnheit Ich werde neben dir reiten! Ich allein! jener nicht, dein Begleiter! Er darf nicht! HELENA lacht Knabe, hüte dich vor dem Feuer, oder du schmilzest wie Wachs. DA-UD den brennenden Blick zu ihr hebend In den Armen des landlosen Königs, des Abendländers mit falbem Haar, hast du das Feuer nicht fürchten gelernt! Er kennt es selber nicht! Er kommt aus dem Mondscheinland. Du aber, du bist geboren zur Herrin über die Länder der Sonne - und ich bin geboren zu deinem Knechte bis in den Tod! So steht es geschrieben, und so wird es geschehn. Er sinkt vor Helena hin, die Stirn auf ihrem Fuss. Dann erhebt er sich blitzschnell und verschwindet. Helena wendet sich lachend von ihm. Menelas, zur Jagd gekleidet, aber noch nicht gewaffnet, tritt aus dem Nebenraum des Zeltes. Helena nimmt dem Sklaven den Helm ab und reicht ihn Menelas MENELAS So schön bedient, du reizende Nymphe, zog ich schon einmal hinaus zur Jagd! Helena lächelt Am nächsten Morgen dann kam ich nach Haus - leer das Nest! Fort war das Weibchen und kam nicht wieder. Das ist ein Lied von einer Toten! Wie ist dein Name, schönes Wesen? Gestern zur Nacht war ich verwirrt ich hab ihn nicht richtig gehört. HELENA Meinen Namen? O du Verstörter! Deiner Seele Seele hauchst du von dir, wenn du ihn rufest! MENELAS mit zerstreutem Blick Was du redest, ist lieblich, schöne Sirene! Gerne stünd ich und lauschte bis an den Abend der silbernen Stimme! Aber dies Schwert will fort auf die Jagd, und Hörner rufen nach mir! Er nimmt das Schwert und drückt es an sich HELENA Zur Jagd auf Gazellen die furchtbare Waffe! sie will ihm das Schwert aus der Hand nehmen Fort mit ihr! Ins Zelt hinein! MENELAS entzieht ihr s Vergib mir, Göttin dies Schwert und ich, wir beide gehören zusammen. Dein ist dies Zelt und viele Schätze - Schiffbrüchig irr ich, ein gramvoller König, in fremdem Bereich. Dies Schwert ist alles, das mir geblieben, nicht rühre daran! Er küsst das Schwert und steckt es in den Gürtel HELENA Mit einem Blick der sehenden Augen erkenne mich wieder! MENELAS Solche Blicke kosten zu viel dem armen Herzen! Und sie fruchten zu wenig. Denn wer wegging zur Jagd und kehrt heim zu seinem Weibe - er kann nie wissen, ob er die gleiche wiederfindet! Die Hörner rufen mit Entschiedenheit. Er eilt weg, nachdem er das Schwert in seinen Gurt gesteckt hat. Die ihm nacheilenden Sklaven bieten ihm Jagdwaffen dar der eine Bogen und Köcher, der andere leichte Spiesse - von diesen ergreift er zwei und verschwindet HELENA Menelas, steh! Er ist dahin! Und kehrt er zurück - wie ihn entzaubern? Zu kindlich ist ihm die Miene der Nymphe, zu jung und arglos des Auges Blick und zu fremd seinem Herzen! Drei Sklavinnen, die Gesichter hinter Goldschmuck verborgen wie hinter einem Visier, kommen spähend aus dem Zeltinnern hervor. Helena ohne ihrer zu achten, vor sich hinsinnend Zaubergerät zieht uns hinüber - zurückzukehren - dies ist die Kunst! Aithras Becher war zu stark - und nicht stark genug für Menelas Herz! Die drei Frauen haben in Helenas Rücken die andere Seite der Bühne gewonnen. Auf einen Wink der Mittelsten eilen die beiden anderen zur Truhe hin, öffnen sie und suchen nach etwas. Die Mittelste, Aithra, schiebt das goldene Visier auseinander und enthüllt sich HELENA freudig Aithra! Liebe Herrliche! O Zauberin! Schnellhörende! AITHRA Schweig! Dich zu retten flog ich her! Sie blickt mit Spannung auf die beiden, welche die Truhe durchwühlen ERSTE DIENERIN das goldene Gehäuse emporhebend Die Fläschchen beide unberührt! AITHRA freudig O unberührt! Nun küss ich dich vor Freude - du Gerettete! O hör, was mich in wilder Hast herjagt zu dir! HELENA dunklen Tones Nicht um den Trank bedarf es, dass du fliegend eilst! Ich will ihn nicht! Ich brauch ihn nicht! AITHRA Versteh mich doch, du Liebliche! Die Dirne dort, die lässige, ihr schläferte, so legte sie das Goldgehäuse in die Truh- - zwei Fläschchen hält es siehe die, wie leicht du die verwechseltest! HELENA ernst Und was enthält das andre dann? AITHRA Erinnerung! Die grässliche, von der mit meinem letzten Hauch ich deine Lippen wahren will! HELENA feierlich Erinnerung! AITHRA ohne ihren Ton zu achten Der Höllentrank, vor dem wie Gift des Tartarus die Götter fliehn, die Seligen! HELENA greift nach dem Fläschchen Dies ist - AITHRA entzieht ihr s, hebt s hoch empor O nicht den Duft davon, solang ich dir es wehren kann! HELENA sehr bestimmt Dies ist der Trank, den ich bedarf! Erinnerung! AITHRA Du rufst das Wort, du Ahnungslose, silbern hin und schaffst, wenn dirs die Lippe netzt, dich zur Lebendig-Toten um! HELENA Zur Tot-Lebendigen hat dein Trank mich umgeschaff en diese Nacht! AITHRA Gerettet, Liebste, hat er dich vom nahen Tode durch sein Schwert! Besänftigt herrlich schlief er ein und kannte dich für Helena und küsste dich für unberührt! HELENA Er kennt mich für ein fremdes Weib, das du zur Nacht ihm zugeführt, und wähnt, dass er mit mir betrog die Helena, die tot er wähnt - AITHRA leise Du Selige, so bist doch du s, die immer wieder siegt und siegt! HELENA Die eitle Freude lass dahin! Ich siege heute oder nie und hier durch diesen Trank allein! Sie ergreift das Fläschchen ungeachtet Aithras Widerstand Auf Helenas Wink haben die beiden Dienerinnen aus dem Zeltinnern einen Dreifuss gebracht, darin ein Mischkrug sowie zwei andere Krüge, worin Wein. Unter dem folgenden geschieht das Mischen des Trankes und das Einträufeln des Balsams aus dem Fläschchen von ihnen und Helena zusammen AITHRA O dreifache Törin! Den einzigen Balsam, den Trank der Götter verschmähest du mir! HELENA Gehorchet und mischet, was einzig mir f rommt, wenn heiss mein Jäger zum Zelte mir kommt! AITHRA schmerzvoll O dreifache Törin! HELENA zu den Mischenden und Umgiessenden Und noch und noch! Und nicht genug vom dunklen Trank Erinnerung! AITHRA Den einzigen Balsam! HELENA Auf zuckt die Flamme alter Qual vor ihr das Hier wird öd und fahl! AITHRA dringend Das süsse Vergessen! HELENA Doch was dahin, das tritt hervor geistmächtig aus dem dunklen Tor! AITHRA verzweifelt Verschmähest du mir? HELENA Und was von drunten wieder kommt, ist einzig, was dem Helden frommt. HELENA und DIENERINNEN Und noch und noch! Und nicht genug vom Zaubertrank Erinnerung! AITHRA indem sie schnell das goldene Schmuckvisier vor ihr Gesicht fallen lässt Habet acht! Altair nähert sich dem Zelt, zwischen den Palmen hervortretend HELENA Wer kommt? Sie winkt den Dienerinnen, schnell mit den Geräten ins Zeltinnere zu verschwinden ALTAIR stehenbleibend Der begnadete Vogelsteller, dem der herrlichste Vogel der Welt mit rauschendem Fittich flog in sein Netz! HELENA O Wirt ohnegleichen! Welche Rede! ALTAIR einen Schritt auf sie zu Diese, die dem Liebenden ziemet! HELENA Mit was für Schritten wagst du zu nahn? ALTAIR Mit denen des Jägers, naht er der Hindin. HELENA Was für ein Blick? ALTAIR Bald dir der vertraute! Hörst du die Pauken? Helena lächelt Dir zu Ehren geb ich ein Fest, ein nächtliches Gastmahl ohnegleichen! dicht bei ihr Meine Gastmähler sind gefährlich für landlose wandernde Fürsten - aber die Schönheit weiss ich zu ehren! Das wirst du erkennen, du Ahnungslose, du pilgernde Unschuld! Helena lacht stärker Lache nicht, Herrin! Du hast wenig erlebt, und dürftiges Land nur betreten als eines fahrenden Mannes scheue geduldige Sklavin. heftig Aber ein Ohne-Land, solch ein Herr ohne Knechte darf nicht die Fackel der Welt in seinem Bettelsack tragen denn sie ist stärker als er und zündet ihm nachts das Gezelt an. DIENERINNEN sind unterdessen ohne die Geräte wieder herausgetreten und folgen mit den Augen der Jagd Hei! Die Gazelle! ERSTE DIENERIN Der Falke hat sie! ZWEITE DIENERIN Sie bricht zusammen! ERSTE DIENERIN Beide zugleich die kühnen Reiter stürmen dahin! BEIDE Herrliche Jagd! ALTAIR Du bist die Schönste auf Erden um einen Blick deiner Augen schmachtend im Sande verderben, das überlass ich den Knaben! Denn ich weiss anders zu werben! HELENA Hüte dich, Fürst, du Schnellentflammter! hoheitsvoll Über dem Gast wachen die Götter, und einen jeden gleich einer Wolke hüllen sie ein in sein Geschick! AITHRA zwischen den Zeltvorhängen halbverborgen, Helena zurufend Helena, ich lache! Deine Bedrängnisse alle, ach deine Schmerzen sind die Kinder deiner Schönheit - und sie gleichen doch immer wieder ihrer goldenen Mutter! ja, sie glänzen wie Purpur und Gold! ALTAIR anfangs wie gebannt von ihrer Schönheit Flammen und Waffen statt Blumenketten dich zu erraffen! Aus stürzenden Städten über dem Brande hoch der Altan - des Herrschers Zelt und die Schönste dem Stärksten gesellt! Helena Schritt für Schritt folgend, indessen sie vor ihm zurückweicht Und stürben darüber Zehntausende hin, verwehe ihr Seufzen der nächtige Wind, verwehe ihr sterbendes Stöhnen! Die STIMMEN der JÜNGLINGE ausserhalb, sehr nahe Im Sande verschmacht ich als ein Verfluchter, der dich gesehn und nicht besessen! Die BEIDEN DIENERINNEN lachen hell auf Beide zugleich werfen den Spiess! Beide treffen! Herrliche Jagd! ERSTE DIENERIN Aber was jetzt? Helena, sieh! ZWEITE DIENERIN voll Staunen Sie heben die Waffen! ERSTE DIENERIN Der das Schwert! Menelas! ZWEITE DIENERIN Der den Spiess, sich zu wehren! BEIDE Gegeneinander gellend Elelelei! ERSTE DIENERIN Den Rappen herum wirft Da-ud! ZWEITE DIENERIN Menelas jagt hinter ihm her! ERSTE DIENERIN Der Rappe ist schneller den Hügel hinan! ZWEITE DIENERIN Er fliegt ihm nach! ERSTE DIENERIN Er holt ihn ein! AITHRA hat sich nach rückwärts zu den Dienerinnen gewendet Ha! Der Abgrund hinterm Hügel! Achte dein Leben! BEIDE DIENERINNEN schreiend Elelelei! AITHRA und DIENERINNEN Ah! Er stürzt! Weh, Da-ud! Weh, Da-ud! Die Hörner hinter der Szene, heftig, blasen die Jagd ab ALTAIR den trunkenen Blick auf Helena Der Knabe stürzt! Stürze er hin! Pfeile im Köcher, Söhne im Zelt hab ich genug! Hörst du die Pauken? Heute nacht dir und mir und keinem dritten bereit ich ein Fest! Schwarze bringen von rückwärts auf einem Teppich den toten Da-ud getragen und legen ihn in der Mitte nieder. Altair ist Schritt für Schritt zurück-gewichen und tritt jetzt hinter den äussersten Vorhang des Zeltes. Aithra und die Dienerinnen nähern sich dem Toten. Die Sklaven sind sogleich verschwunden. Helena steht rechts von den sich um Da-ud mühenden Frauen. Menelas, das blosse Krummschwert in der Hand, tritt rechts hervor. Sein Auge ist starr und furchtbar, als verfolge er einen Schritt für Schritt vor ihm zurückweichenden Feind. So dringt er mit schweren Schritten bis gegen die Mitte vor, wie angezogen von Da-uds Gegenwart, aber ohne ihn eigentlich zu sehen. Aithra und die Dienerinnen werden den Herannahenden gewahr und springen erschrocken auf, ihm die Hände in Abwehr entgegenstreckend. Menelas bleibt wie ein Mondsüchtiger vor dem Toten stehen HELENA ihm entgegentretend, ihn sanft anrufend Mein Geliebter! Menelas! MENELAS wird mit einem Schlage wach und lächelt sie unbefangen an Helena, du? Wie kamst du her? O Traumgebild! HELENA Die Waffe da, die furchtbare, gib! Sie windet ihm sanft das Schwert aus der Hand MENELAS lächelnd Die Waffe hier - was sollte sie mir? Er lässt ihr das Schwert. HELENA Gegen den Knaben, Gegen den Gastfreund, der mit dir jagte, hobest du sie zu tödlichem Streich! MENELAS Gegen ihn erhob ich die Waffe? Warum nur? ALTAIR links hinter dem Zeltvorhang hervorspähend Sein Schwert wird schwingen der Mann der Schönsten - so steht es geschrieben - bis ihn erreichet das stärkere Schwert! HELENA Du wolltest, dag in diesem Knaben Paris von Troja noch einmal stürbe. MENELAS liebt erschrocken die Hände überm Kopf Ja, er reckte frech und verwegen er sinnt nach seine Arme nach - HELENA denn dies ist der einzige Weg nahezukommen - Menelas - sage mir wem? MENELAS ihr, die tot ist und allen Toten, die um mich starben unbedankt! HELENA Ihr, die lebt und bei der zu bleiben einzig trachtet dein Herz, mich verschmähend - denn sie und nicht ich - sie ist deine Frau! MENELAS starrt sie mit dem Ausdruck höchsten Entsetzens an, dann fährt er langsam mit der Hand über die Stirn, wie um Vergangenes sich aus dem Gedächtnis zu streichen und wendet sich traurig zu dem toten Da-ud, den Schwarze von der Erde gehoben und nun ihn haltend, regungslos dastehen Unter geschlossenem Lid straft mich dein brechendes Auge! Aber mein Freund - dahin er dich sandte - den gleichen Weg gehet nun Menelas auch. HELENA Du aber bedarfst einen heiligen Trank, einen gewaltig starken! Den hab ich im Zelt! Helena winkt den Dienerinnen, die mit dem Mischkrug und den kleineren Krügen herantreten und mit fürchterlichem Ernst unter streng vorgeschriebenen Gebärden und Handreichungen das unterbrochene Werk der Bereitung des Trankes fortsetzen. Indem die Dienerinnen in rhythmisch wiederkehrenden Abständen Helena den Mischkrug reichen, träufelt diese aus dem Fläschchen den Zaubersaft hinein AITHRA zu Helena Gefahr umgibt dich! Nicht jetzt den Trank, es ist nicht die Stunde ich warne dich! ERSTE DIENERIN von der Arbeit aufsehend, nach hinten horchend Wahre dich, Herrin, hörst du die Pauke? Altairs Feste sind gefährlich! ZWEITE DIENERIN Seine verschnittenen Knechte unter dem weibischen Kleid tragen sie Panzer und schmeidige Klingen! AITHRA Ich warne dich! HELENA ist mit dem Mischen des Trankes fertig Aithra, schweige! Jetzt und hier beginnet Helenas Fest! Während links die Zeremonie des Mischens vor sich geht, haben rechts Schwarze Menelas umgeben, ihm den Panzer abgeschnallt, setzen ihm eine funkelnde Tiara auf. Es ist indessen im Bereich des Zeltes dunkel geworden, von draussen her naht Halbhelle vor Mondaufgang. Links leuchten Sklavinnen, rechts schwarze Sklaven zu den beiden Zeremonien. Die zum Fest ladende Pauke scheint sich indessen zu nähern. Das Annahen von Menschen, die Einholung zum Fest wird fühlbar. Draussen wird die Spitze des Zuges sichtbar. Gestalten in prächtigen Gewändern, mannweibisch, die Hälfte des Gesichtes verhüllt, Schwarze und Weisse vermischt. Etliche tragen Lanzen in den Händen. Hinten im Zug werden Banner sichtbar sowie die dröhnende Pauke DIE SKLAVEN vor dem Zelt auf den Knien Die wir zum Feste dich laden, empfange die Boten in Gnaden!. Liebessklaven - o rasende Schickung, qualgeschieden vom Reich der Entzückung! AITHRA Gefahr ist nah! Wir müssen uns wahren! All unserer Sinne bedürfen wir jetzt! Lass den Trank! DIE SKLAVEN Wächter der seligen Stunde, wir unausdenklich Betrübten! Aus unserem weibischen Munde höre den Schrei des Verliebten Im Sande verschmacht ich als Verfluchter, der dich gesehen und nicht besessen! leises, fernes Donnern AITHRA zur ersten Dienerin Das Ohr an den Boden! Was erhorchst du? Poseidon, höre! Aithra ruft! HELENA tritt zu den Sklaven Zurück und harret an der Erde, bis man euch ruft. Die Sklaven werfen sich nieder, die Stirnen in den Staub. Auf einen Wink Helenas ziehen die Dienerinnen den Zeltvorhang zu ERSTE DIENERIN zu Aithra Ein Rollen hör ich von Meereswogen, als stürze Springflut ins innere Land. HELENA zur zweiten Dienerin Des Königs Schwert! AITHRA Das sind die Meinen! Helena, hörst du? Rosse und Reiter aus der Kraft des Meeres Poseidon schickt mir die herrliche Schar! HELENA Menelas, siehe dein Schwert! Eine der stummen Sklavinnen geht ins Zeltinnere und bringt das Schwert. Helena winkt ihr, es über sich zu halten, wobei die Sklavin ihr Haupt verhüllt. Hierauf enthüllt sie den Becher, den eine andere der Sklavinnen ihr gereicht hat MENELAS Den Becher seh ich, den du mir bringst! DIE SKLAVEN aussen Weh dem Unterliegenden, den die Träne nässte! Weh dem Ausgeschlossenen vom Lebensfeste! Ah-hu! Ah-hu! Ah-hu! HELENA indem sie den Becher hinhält und ihn aus dem kleinen Kruge füllen lässt Störe mich nicht! AITHRA Gefahr ist nahe! Rettung auch! Wahre dein Leben, du wagst zuviel! HELENA Alles wage ich jetzt! AITHRA Vom lieblichen Lotos einen Becher und lebet selig heute wie gestern immer aufs neu! MENELAS vortretend Weib, tritt hinweg! Unnahbare Stunde hebt jetzt an! Aithra und ihre Dienerinnen kauern rechts hin, verhüllen sich. vor Helena hintretend Helena - oder wie ich sonst dich nenne -, Zaubergebild, mir zum letzten Gruss auf Erden gesendet, mich zu trösten bist du dort auf die Insel gekommen. Um den verlorenen Mann, der mit der furchtbaren Waffe rechtmässig grausam seines Schicksals Gefährtin ermordet, schlangest du sanft deinen Arm - für eine Nacht ihm gegeben. Reinigerin! Und nun stehst du vor mir und reichst mir den Becher und wenn der Trank mir die Adern durchfliessen wird, bin ich ein Toter. HELENA Warum macht dich dies lächeln? Du lächeltest jetzt wie ein Knabe! MENELAS Weil ich gedenke, dass Ehegatten der Tod nicht scheidet, o Herrin! HELENA So völlig gehörest du jener? MENELAS Warum zitterst du da? HELENA Soll ich dich auf immer verlieren? MENELAS Hast du mich jemals besessen?. Lag mich der Toten und lebe! Helena führt den Becher an die Lippen Nicht netze die Lippen, mir ist er bestimmt! HELENA Du trinkst es der andern - ich trinke mit dir! Sie trinkt und hält dann den Becher empor MENELAS Den Todestrank mir! oder ich sterbe durch dieses Schwert! HELENA ihm den Trank bietend Bei jener Nacht, der keuschen einzig einen, die einmal kam, auf ewig uns zu einen - bei jenen fürchterlichen Nächten, da du im Zelte dich nach mir verzehrtest MENELAS für sich Welche Worte aus diesem Munde! Unverrückt, ihr ewigen Götter, lasst meinen Sinn! HELENA Bei jener Flammennacht, da du mich zu dir rissest und mich zu küssen strenge dir verwehrtest - und bei der heutigen endlich, da du kamest, aus meiner Hand den Trank des Wissens nahmest mit grosser Erhebung bei ihr, die mich auf s neu dir schenkt, trink hier, wo meine Lippe sich getränkt. MENELAS nachdem er den Becher geleert, in einem jähen Aufschrei Wer steht vor mir? Er greift nach dem Schwert. HELENA lächelnd Aithra! Er wird mich töten! AITHRA springt auf die Bühne Helena! Lebe! Sie bringen dein Kind! MENELAS lässt das Schwert sinken und starrt Helena an Tot-Lebendige! Lebendig-Tote! Dich seh ich, wie nie ein sterblicher Mann sein Weib noch sah! Er wirft das Schwert weg und streckt die Arme nach ihr wie nach einem Schatten. Helena blickt ihn voll an Ewig erwählt von diesem Blick! Vollvermählt, o grosses Geschick! Oh, wie nahe Unnahbare scheinest, beide zu einer nun dich vereinest Herrliche du! Ungetreue, ewig eine ewig neue! Ewig Geliebte! Einzige Nähe! Wie ich dich fasse, wie ich in dir vergehe! AITHRA Ohne die Leiden, was wärst du gewesen, ohne die beiden herrlichen Wesen? Ohne die deine Ungetreue, ewig eine ewig neue? HELENA Deine, deine Ungetreue schwebend überm Gefilde der Reue! ALTAIR mit seinen Sklaven, welche Dolche schwingen, dringt durch die seitlichen Zeltvorhänge jäh herein Zu mir das Weib! In Ketten den Mann! Er brach das Gastrecht raffet ihn hin! Die Sklaven bemächtigen sich Helenas und Menelas und reissen sie auseinander. Hinter dem Zelt erhebt sich ein dumpfes Klirren, immer gewaltiger, als schüttle ein Sturm einen Wald von Eisen AITHRA jubelnd Das sind die- Meinen! Helena - Heil! Aithra reisst den Zeltvorhang zurück. Draussen im vollen Mond steht wie eine Mauer eine Schar Gepanzerter in blauem Stahl, die Gesichter vom Visier verhüllt, die Arme über den Heft des blossen Schwertes gekreuzt, die Schwerter auf den Boden gestützt. Im Halbkreis, den sie bilden, mittelst auf einem weissen Ross das Kind Hermione, völlig in Goldstoff gekleidet DIE GEPANZERTEN höchst gewichtig, ohne sich zu regen Nieder in Staub! Zitternd entfleuch! Oder wir stürzen wie Blitze auf euch! AITHRA in der Mitte, ihr Antlitz enthüllend Aithra ist da! Böser Knecht! Unbotmässiger wilder Vasall! ALTAIR mit den Seinen sich in den Staub werfend Aithra! Wehe! Weh! Altair! AITHRA Helena! Siehe! Sie bringen dein Kind! Das Kind Hermione wird von zwei Gewappneten vom Pferde gehoben und tritt heran HERMIONE bleibt in der Mitte auf einen Wink Aithras stehen, das volle Licht fällt auf sie, in ihrem goldenen Gewand und goldenem Haar gleicht sie einer kleinen Göttin Vater, wo ist meine schöne Mutter? MENELAS den Blick trunken auf Helena geheftet Wie du auf s neue die Nacht durchglänzest, wie junger Mond dich schwebend ergänzest! er wendet sich gegen das Kind O meine Tochter, glückliches Kind! Welch eine Mutter bring ich dir heim! Zwei der Gepanzerten heben Hermione wieder in den Sattel. Zugleich werden die für Menelas und Helena bestimmten beiden herrlich gezäumten Pferde vorgeführt HELENA und MENELAS Gewogene Lüfte, führt uns zurück heiliger Sterne segnende Schar! Hohen Palastes dauerndes Tor öffne sich tönend dem ewigen Paar! Indem sich Helena und Menelas anschicken, die Pferde zu besteigen, fällt der Vorhang この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio Strauss,Richard/Die ägyptische Helena