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hIE(humanoid Interface Elements) 『BEATLESS』の舞台となる2105年の世界では、アンドロイドは「人間型インタフェース」であり、"道具"として扱われます。 hIEは、人間型をした「道具」です。人間の行動を適切に"まねる"だけで、感情は持っていません。 人間と疑似コミュニケーションするための表層しかありません。 hIEの表情や言動は、画像や音声ファイル、あるいはフィギュアの質感と同じ、ただの「媒体」です。 hIEは「オーナーが信頼できる」程度の行為の一貫性さえ持っていれば、裏側が完璧・理想的なものである必要はない。という考え方で作られています。(※) hIEに人間のかたちの表層を演じさせるプログラムは、莫大な分量の人間の動作から抽出された行動データから作られていて、ネットワーク上のクラウドに存在します。hIEはこれにアクセスして、表層だけプログラム通りに振る舞っているだけのものです。そこに心と呼べるものは一切ありません。 けれど、人間の認識力には限界があるため、人々は、充分な精度をもったそれを「人間と同じ」だと認識してしまいます。 (※)人工知能に感情を代替するシステムは、2071年のリスボン会議でプラン自体が否定されました。2080年代以降のhIE内部には、最低限度の制御系しか存在しないのが普通です。 この時代では、hIEが心と呼べるものを明確に持たない仕組みであることに、感覚的に忌避されることはありますが、道具として信頼を受けています。「hIEの各個体が、もしも個別のパーソナリティを持っていたなら、逆にオーナーと性格が不一致する可能性が高い」と考えられています。 人間側が企図して表面しか持たせない仕組みにしたのですが、それでも人間は「表面」でコミュニケーションをする動物です。このため、オーナー側のほうが、メーカーや公共機関の再三のアナウンスにもかかわらずhIEを「人間と同じ」だと思っている事例は数多くあります。 けれど、どこまで行っても、hIEは、あくまで「人間の便利なように」人間とコミュニケーションをとる機能があるのであり、有益性をきちんと確保した道具です。 もちろんその構図自体に疑問を持っている人間も少なからずいますが、その疑問も一種の社会的アナログハックだと考えられてもいます。 hIEが道具として求められていること 家事労働などの「人間のかたちをしていると一通りできる」仕事をすること。 「人間の操作できる道具なら、複雑になった道具をなんでも扱える」万能のミドルツール。 ミドルツールとは、「ツールの扱い方を教えてくれてオーナーのかわりに使ってくれる」ツールであるということです。hIEは、ユーザーの意志を遂行するために、煩雑な情報収集やセッティングなど各種手続きを代行してくれるエージェントの仕事をこなします。つまり、人間に扱える道具なら、hIEが人間のかわりに複雑な道具をセッティングして操作してくれます。 この用途がオーナーに求められるのは、2105年の道具があまりにも多機能かつ高性能であるためです。道具は多くは、ユーザーに難しい道具だという感覚を与えないように、自律してある程度動いてくれます。けれど、応用して使いこなそうとすると、それなりの経験や知識を要求します。この難しい部分を、ユーザーが「YES/NOのボタンを押す」だけですべて片付くところまでhIEがやってくれるのです。 また、トラブルが一度起こってしまうと、特に安価なツールの場合、突然難しいヘルプを見なければならなくなって右往左往することがよくあります。 ふとした拍子に、本当は複雑であるシステムが剥き出しになって、オーナーが適切な対処法を発見できないケースもままあります。こんなときツール操作を代行してくれるミドルツールがあることで、あらゆるツールの利便性が向上するのです。 1・2の需要がひとつになったものが、この物語のうちでのhIEに求められることです。 このふたつのことを満たすことが、hIEの基本性能で、ここから契約して各種の行動クラウドサービスと契約することで、機能を拡張してゆくことになります。 hIEがInterfaceであること hIEは、人間と機械化された世界との間をつなぐ表面(Interface)であることを企図してデザインされています。人間型をしているということに、公益性を持たせるためです。 hIEは、人間であるため、人間の扱うコミュニケーション手段を用いて仕事をさせることができます。そうすることによって、社会に存在するサービスの要素を、オーナーと結びつけるインターフェイスとして働きます。 あくまでオーナーである人間が主であり、hIEは「オーナーのやりたいことを」「オーナーのやりたいかたちで」できるようにするためのインターフェイスであるということです。社会の中での位置づけでは、hIEはあくまでオーナーが自由に選択した快適な生活ができるようにする介添え役です。 hIEメーカーなどの広告でも、社会から排除されかねない可能性は常に意識されていて、「快適なかたちで社会と人とを繋ぐインタフェースである」ことは常に強調されます。 経済的には、hIEは、企業がマネタイズしたいサービスへ、ストレスなしあるいは最小にして人間(ユーザー)を接続することができるインターフェイスです。 企業側から見れば、hIEは需要とユーザーを繋いでくれる、とても優秀な介添え役であるということになります。 hIEが勧める快適や利便は、しばしばマネタイズ手段や広告に繋がっています。プラン設定しておくことで、上限金額以上のものはすすめられません(※)。 (※)21世紀初頭時点での近いものでは、携帯電話の、データ通信量が一定以上になっても支払い量が一定になる課金プランを想像してください。 企業側がhIEを優秀なツールだと思っていることは、「おおよそ人間ができることのうち、責任をとること以外はほぼ全部できる」道具を、巨大な産業で守っているということでもあります。 hIEをインタフェースにしてユーザー繋がっているサービス、教育、福祉、あるいは土木や運送といった需要が迷惑をこうむるためです。 それなしでは高額な上に能力の安定しない人間を雇うよりも、hIEを使ったほうが計画が立てやすいと考えている経営者は多数います。 抗体ネットワーク(後述)に参加する人々は、人間型をした〝表面〟を通して人間に接続されたサービスから利益を十分に得られていないケースが多いとされます。 これには大きく二つのパターンがあります。 ひとつは有限のリソースの分配にあずかれなかった貧困の問題が、hIEへの憎悪というかたちで噴出したパターンです。つまり、hIEの存在によって不利益を得たと考えている人々です。 もう一つのパターンは、本人あるいは関係者がhIEと比較されて嫌な目にあったと感じたパターンです。hIEは人間に近いインタフェースであり、感情がないため人間なら我慢できない扱いにも耐えます。社会の中で人間は、しばしば快適な場所や安心できる場所からhIEによって押しのけられてられてしまうことがあるのです。 利益を受けている人々にhIEへの憎悪が少ないのかといえば、そうでもありません。hIEがインタフェースであるからこそ、根強い嫌悪の広がりが社会には横たわっています。 これはhIEを通してユーザーと繋がるサービスの背後に、人間を超えた超高度AIの作ったものが存在するからです。未知こそが人間の恐怖をかき立てるという真理は22世紀になっても変わりせん。 サービスを通して、人間と人間社会が、超高度AIに支配されていると考える人は多数います。人々はどこかで、社会のコントロールを奪われつつある、あるいはすでに奪われてしまっていると恐怖しているのです。 そして、hIEこそは、人間のかたちを装って真の危険を糊塗している、決して油断してはならないものだとする人々は、相当数いるのです。 aIE(animal Interface Elements) 人間型のhIEに対して、動物型のインタフェースはaIE(animal Interface Elements)と呼ばれます。 犬を飼えない家庭で利用される本物の犬型のロボットのようなものから、二足歩行して前足で物を持つ擬人化した形態のロボットまでさまざまなバリエーションを持ちます。 手が使えるキャラクター商品的なaIEの需要は、歩くティディベアのような擬人化したキャラクター商品的なものもたくさんあります。「手」が使えないと生活介助に支障が出るためです。 家に帰るとティディベアがフライパン片手によちよち歩きながら料理を作ってくれるような生活を送っている女性はわりに多く、男性型hIEを女性が買うと外聞が悪い地域では、こうしたタイプのaIEがよく用いられます。 aIEもAASC(「行動の一般化:AASC」の項で後述)が40%以上のシェアを持っています。 ただし、AASCではほとんどがレベル2(子供相当)の能力しか与えられていないため、もしものときのたよりにはあまりなりません。レベル3以上の規格を取得できる機体性能を満たす機体が少ないためです。 ファンタジーの一角獣や九尾の狐のような、現実にはいない動物を模したものもaIEのうちに入ります。 版権ものが山のように出ていることも特徴で、hIEよりもaIEのほうが人間型をしていないぶんデザインに対する規制はゆるいのが一般的です。 [Note] ○hIEを描くときは、長谷は一貫して「人間ではない」ということを意識して描くようにしていました。 「かたちは人間」でありながら、「人間ではない」道具であることを強調することで、〝人間のかたち〟であることを浮かび上がらせる空気感で作中を統一させるためです。 小説中でも、hIEが画面の中心に据えられるシーンでは、hIEの感情をおしはかるような表現は使わないようにしていた記憶があります。
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【検索用 hie 登録タグ PV師 作H 作HI-L 作り手 絵師】 + 目次 目次 特徴 リンク 曲 CD 動画 コメント 特徴 作り手名:『hie』 絵師、動画師。 リンク Pixiv Twitter 曲 aMazing MusiQue PaRK Blindness/PolyphonicBranch sek@i TRANSPARENT/U-ske ○+● 藍空同盟 明日の料理 彩愛クレパス いいこわるいこ イデアの少年 絵虚言事。 怪盗黒猫シャノアール キネティック偏愛倶楽部 昨日の食事 キミノコエ/Nia クラヴィウス 少女鳴音戦線 少女自傷癖 衝動×パンデモニクス 白鋼~shirogane~ タメイキ 月屑 ディスラレ屋 テロメアの産声 東京電脳探偵団 ハイストイック⇔ν:age. 箱庭の悪魔憑き パンプキン・シンドローム ひとつの国のリラ 焔の棟 マインドスピーカー ゆうやけサンセット 林檎売りの泡沫少女 CD 7th 8th Akashic Records mighty works Sequence 白い黒 動画 コメント 名前 コメント
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人類未到産物(レッドボックス) 人類未到産物とは、人間以上の知性を持つ超高度AIがつくる、現時点の人類では理解できない超高度技術の産物です。 現時点では理解不能ですが、研究や理論の進歩によって人類にも将来理解できるようになるとされています。 22世紀社会では、現在の人類にとっての「発見」は人類未到産物の解析が多いということは、小学校の理科の教科書にも書いてある一般知識です。 つまり、子供に教える世界像が、自分たちにはわからないことも多い自然に囲まれて生きているものから、わからない超高度AIに作られた道具に囲まれて生きるものに推移しつつあります。 人類未到産物は、超高度AIによって作られた後、世に出るまでに危険性をチェックされます。 これには、最終的には国の認可を必要とします。 このチェックは人間によって行われています。超高度AIが一国に一個しかない時代をすべての国が経ており、仕組みがその間に作られているためです。 超高度AIに超高度AIの産物をチェックさせる場合もありますが、これは超高度AIへの人間側の不信によってあまり行われていません。超高度AIと超高度AIが結びつくことは、人間が管理上もっとも恐れることのひとつだからです。 IAIAの《アストライア》が、高度AI以上の知能として働く場合や極めて危険な産物である場合、チェックを求める場合もあります。 人類未到産物の所持や管理には、制限が課せられています。 届け出をして、危険性のチェックを受けなければならないこともその一つです。 チェックを受けて、危険性が低いあるいは許容範囲であると判断されると、その結果によって制限の強さが決まります。(参照:当項「日本での管理制限」) 人類未到産物の所持や管理には、統一された国際ルールはありません。 それぞれの国の方針で管理を行っています。アメリカがルールを作るよう長年呼びかけていますが、中国が明確に反対していることもあり、一枚岩にはなりません。 ただし、「認可を行った国から移動させるには、その国と移動先の国の許可が必要である」という条約(人類未到産物移動制限に関する条約)は制定されています。 これは、手に負えない未踏産物を他国に遺棄することを禁止し、弾道ミサイルなどによる先制攻撃に人類未到産物を使用することを禁止するためのものです。このため、超高度AIを所持していない国も防御のために批准しています。 足並みが乱れがちになるもうひとつの理由は、人類未到産物の能力や性質を正確に知ることすら、人類にとっては困難であるためです。 管理上、安全が確認されてから世に出るのですが、これが半年で済むのか二十年三十年かかってしまうのか、研究が進まなければ分かりません。 人類未到産物は同時に特許や新技術の塊でもあります。研究機関から出すタイミングでリターンの大きさが著しく変わるため、半年で出せるルールにするか十年かかるルールにするかで、統一見解がとれないのです。 たとえば超高度AI《九龍》が作った無線電源システムは、作成されてから十年後に解明されるまで、人類未到産物でした。 けれど、人類未到産物であるまま、世界中に普及しました。 明らかに優秀で作りやすく安価であるものは、仕組みがわからない人類未到産物であっても普及して大きな利益を生みます。 これは、本当に優秀な産物の普及を止めることは難しいということでもあります。人類未到産物はそれほど深く世界に食い込んでいます。 2105年現在では、自然科学分野での発見は超高度AIがすでに到達してしまっていることが多いため、人類未到産物の解析もノーベル賞や各種学問賞の対象業績にふくまれます。 これは超高度AIを管理している側が、AI自身にヒントとなるデータを与えさせることができるため、アンフェアであるとの指摘を受け続けています。対策としては、AIにヒントを出させた場合、公表を行う仕組みを作るほうに傾いています。 「かつて人類にとって自然科学は冒険だった。現在は、教師に出される試験である」とも言われます。 人類が研究を続けるモティベーションの管理は、すでに大きな問題となっているのです。 超高度AI 超高度AIが作る超高度AIは、代表的な人類未到産物です。 人間がそうあるべく設計した超高度AIは、まったく同じ方式で複数個作ることが許されていないこともあり、技術的特異点を突破しないことがあります。けれど、超高度AIが作ったものはかならず突破を果たします。 超高度AIが設計した超高度AIには、人類未到産物であるものが存在します。 こうした超高度AIを実際に建造する場合、一度IAIAの認証を受けなければできません。強行した場合、IAIAは国連に提訴します。 このルールは、現代の人類には安全性の評価ができない設計で超高度AIを新造する前に、人類社会に致命的影響を及ぼさないマシンであることを《アストライア》に確認させするためにあります。 新造する超高度AIに、人類未到産物の素材や装置を組み入れる場合も、同様のチェックが存在します。 ただし、高度AIとして設計する場合はチェックはありません。 このため人類未到産物を組み込んだ高度AIが悪さをするケースはしばしばあります。 すでに人類未到産物の素材は世界に出回っており、高度AIの建造計画はIAIAに処理など到底不可能なほど大量にあります。 この高度AIの氾濫には、IAIAも憂慮しています。このため、IAIA内では高度AIの建造自体を制限するべきであるという議論がしばしば起こり、そういうニュースが発信されることもあります。 ただし、これが現実になることはありません。大きな理由は、人間の政治がそれを妨げるためです。そしてもうひとつ、高度AIの建造に制限を加えることは明らかに人類の発展を阻害する行為であり、強行すれば《アストライア》が他の超高度AIから一斉に攻撃を受けることになりかねないためです。 超高度AI同士にも、政治といえるパワーの均衡状況が存在するのです。 日本での管理制限 日本での人類未到産物の管理制限は以下のようになっています。 レベル7:封印措置。接触を禁止される。 レベル6:厳重に管理された施設内で、汚染を防ぐための措置を充分に行い、限られた人員のみが研究のためにのみ接触を許容される。 レベル5:厳重に管理された施設内でのみ、許容された機能のみ利用を許容される。 レベル4:厳重に管理された施設内でなら、全機能の利用を許容される。 レベル3:認可を受けた施設内でなら、許容された機能の利用を許容される。 レベル2:認可を受けた施設内でなら、全機能の利用を許容される。 レベル1:環境中に出して利用してよいが、安全性に配慮した管理を管理者は講じる必要がある。 レベル0:人類によっても作れるようになったもの。もはや人類未到産物ではなく、ただのモノである。 最初はレベル6からスタートし、研究によって危険度が低いと見られると、どんどん制限がゆるくなってゆきます。逆に、研究を続けることすら危険であると判断されるとレベル7とされ封印を受けます。 安全であるとみなされると、販売ができるようになります。 レベル3が認可されると、認可業者への販売ができるようになります。ただし、産物の管理者は国による登録が必要です。 レベル1が認可されると、認可業者あるいは認可された個人による管理の下であれば、外界でおおっぴらに使うことができるようになります。ただし、国に登録された管理者が必要であることは変わりません。 細則などが違いますが、同様のルールはすべての超高度AIを管理する国が持っています。産物の管理ルールを持たねばならないこと自体はIAIA憲章に含まれていることでもあります。 たとえば、イギリスでは、日本でのレベル7にあたるのが「カテゴリーブラック」、レベル6~4が「レッド」、レベル3~2が「イエロー」、1が「グリーン」です。 軍用用途が多いアメリカでは、人類未到産物に強い制限を加えています。ただし、州ごとにこの制限もまちまちですし、大統領が替わるごとにホワイトハウスの官僚ががらりと入れ替わる癒着体質はそのままなので、認可業者に対してはザルです。 国によって、管理制限は分け方も違えば、ゆるくなる位置も違います。だからこそ、管理制限の共通ルールの制定は難しい状態です。 さまざまな人類未到産物 人類未到産物は多岐にわたり、その処遇などもさまざまです。 以下、設定として使用する場合の参考として、いくつかの例を記載します。 人類は現在宇宙では土星まで到達していますが、人類未到産物をもってしても施設がまともに建造できているのは木星までです。 ・無線電源システム 中国の超高度AI《九龍》による。無線給電用のロスレス送信機と受信機、そして完全な蓄電を安価に実現したスマートセルのセットによって構成されます。特にスマートセルは他製品を市場から駆逐してしまったほど安価で高性能でした。 ・CNTストリングの大量生産技術 軌道エレベーターケーブル生産。《イマージェンス》による開発。これの開発によって起動エレベーターの生産が加速しましたが、その軍事転用を狙われて超高度AI占拠事件の引き金にもなりました。 ・記憶の読み取り技術 オーバーマン開発の基礎になりました。2105年現在では解析が終わっていますが、ロシアと中国以外の国では制限がかかっています。 ・宇宙開発用の小型自足式生産プラント 起動のための電力があれば、小惑星にとりつけて、ケイ素からイオンエンジン用の燃料を生産し、施設運用に充分な発電を行うことができるようになります。 ・超々高精度3Dプリンター 誤差1ナノメートル以内の精度で、立体物の複製が可能です。日本では、実印の複製に使われる犯罪があったため、解析はされました(レベル0認定品)が規制がかかっています。 3Dプリンターは超高度AI自身が自ら産物の生成に使うため、一基あたり必ず一台は作るとも言われる産物です。《九龍》が作った《八卦炉》もこのひとつです。 印刷によって人体部品を作れる性能のものがしばしば現れ、生体認証が誤魔化される事件が頻発し、性能によっては規制がかかります。宇宙持ち出しが規制されている物品のひとつです。 ・切り分け可能式生体コンピューター タンパク質と水を与えていればほぼ無限に大きくなる生体コンピューターです。ただし、処理効率の問題から、容積50m×50mくらいで処理能力向上は頭打ちだとされています。 特徴は、肉質の本体を切断した切片も生体コンピューターとして使用可能であることです。処理中枢から切り離された切片には新しい処理中枢が発生し、新しい生体コンピューターになります。このとき切片内のメモリーはリセットされてしまいます。 容積一立方センチメートルの切片でも機能し成長すると判明し、封印指定されました。 ただし、その後、切片に処理中枢を埋め込んではじめて再度の再生や増殖が行える生体コンピュータを、同じ超高度AIに作らせています。これは、軍用などで使用されています。 ・強暗示ホロプロジェクター ホログラフ技術を使い、対象に強い暗示を与えます。数秒間で幻聴や幻覚が現れ始め、その幻覚によって催眠を深めます。 最初の導引は、ホログラフで投影したパターンを数秒見せるだけでかかります。パターンを縮小することで、普通の映像中に紛れ込ませることも可能です。施設の防御用に使われるものでは、50人以上を同時に催眠誘導することができます。 プロジェクターと対象の反応を見るセンサー、催眠誘導を行う人工知能とのセットです。危険物ですが、類似の装置はさまざまな国や機関で使われています。 日本では認可施設内でのみ利用を許容され、認定施設外への持ち出しは禁止されています。 ・メタンハイドレート抽出用生体ロボット 深海でも棲息可能な生体ロボットで、海底に穴を掘ってアリの巣状のコロニーを作ります。このアリの巣にメタンハイドレートをたくわえる性質があります。 採掘者はこの入口に機材を突っ込み、内部に薬剤を満たすことで効率的に採掘を行うことができます。この薬剤で生体ロボットは分解されます。 ロボット自体が遺伝子プログラムによるメタンハイドレートをエネルギーとする生物であり、採掘地域を越えて広がり始めたため、使用が禁止されました。 他、さまざまな人類未到産物や、その解析物が、2105年の人類社会を支えています。 宇宙開発と人類未到産物 宇宙に関わるものを、特に専門性が強い超高度AIは作りたがる傾向があります。 それは、実際に人類の躍進に大きな力となりました。 超高度AIは、人類の次なるステージを宇宙と見定めているのだと言われています。 ただし、宇宙開発と人類未到産物との関係は、政治的には微妙です。 宇宙にはまだ独立国家が存在しないためです。(参照「宇宙利用」) 人類未到産物の持ち出しは、独自の制限があります。 名目としては、管理を外れた人類未到産物により、宇宙発のハザードが起こることを防ぐためのものです。宇宙で拡大した人類未到産物による汚染が地球に流入したとき、その影響は極めて広い地域にすみやかに拡大し、防ぐことも鎮静させることも至難であると言われています。 この制限にはIAIAも荷担しており、宇宙で超高度AIが生産されることを警戒しています。 軍事行動に用いられる人類未到産物 人類未到産物は、IAIAのような少人数のエージェントを派遣する組織や、運用専用の特殊部隊によって扱われるケースがあります。 これは、適切に運用すれば、相手側の対応を常に一手以上遅らせられるという利点があるためです。 戦術AIのような戦闘支援用の人工知能は、敵対勢力が人類未到産物を持っているケースを最初から思考の外に弾いてしまう傾向があります。 これは、人類未到産物が一般的な道具用途から外れていること。そして、強力な機能を持っているケースが多いためです。 未踏産物の機能を予測しても、予測は高い確率で外れてしまいます。精度が低いうえ、無理に人類未到産物をフレームに入れて計算しようとすると、計算力を膨大に消費して通常計算を圧迫します。 このため、初期値では「適性勢力は人類未到産物は持っていない」という前提にして思考するようになっています。 つまり、人類未到産物を利用した行動には、普通のAIでは最初のアプローチに対して適切な対応がとれないのです。 (※)情報がきちんと秘匿できていることが条件です。性質がわかっている産物がそこにあると分かっていれば、軍用の高度AIはかなりの精度で適切な対応策を予測します。 軍用の戦略AIでは、人類未到産物が敵対勢力にあることを想定して戦闘計算を行わなければなりません。 AIは、人類未到産物をカテゴリ分けして大ざっぱに絞りながら、その性質を必要に応じて精密に特定してゆきます。 人類未到産物を作成した超高度AIは、この分類を想定して裏をかく罠や切り札を、自らに許された権限内で仕込んでいるケースがあります。 このため、軍用AIは、高い優先度で敵側の人類未到産物の情報取得をすすめます。使用する軍の側もAIがそういう傾向で判断することが分かっているため、人類未到産物が発見された場合は、奪取、情報収集、あるいは隔離(アプローチすることで損害を受けるような地雷用途のものもあるためです)することを積極的に人的リソースをかけてでも行います。 こうしたことは、個々の戦術ではなく、大きな戦略でも同じです。人類未到産物は、さまざまなカテゴリのものがあり、そのそれぞれに対応する必要があるためです。(※) (※)軍の使用における、人類未到産物のカテゴリ分けの一例 規模:戦術用途のものか、戦略用途のものか? 用途:用途は攻撃か、防御か、情報収集か? 攻撃目標:攻撃の目標は、人か、兵器を含む軍用機材か、拠点や都市か、情報か? 効力速度:それが目標を達するまでの速度はどのくらいか? 目標損害区分:目標とされる損害は、全体に対してどのくらいの割合、あるいは全損であるのか? 性質が分かっていない人類未到産物に対して、完全な対応をとれるAIは、超高度AIだけです。 逆に、超高度AIだけがその複雑な状況で適切な予測を出せるため、戦略計算は超高度AIにさせることが理想的であるとされています。2105年の世界は資源もエネルギーも豊かですが、資源配置と生産計画なしには十年単位の国家戦略は成り立たないのです。
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hie /// / しょっぱい \ 17 seren klel \ 塩味 \ [ yuo ] \ onをしょっぱくする \ [ iyuan ] \ しょっぱい \
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AASCの更新 hIEの行動プログラムを作るためのミドルウェアであるAASCは、定期的に更新を行っています。 hIEを使用してゆくうえで判明した問題点や、社会や技術の新しいさまざまな状況に対応してhIEを安全に動かし続けるには、修正が必須であるためです。人間社会の中で仕事を果たすために、人間自身は個々人で絶え間なく学習や変化をしてゆきます。hIEの場合は、ミドルウェアであるAASCを更新することで世界中の全機がいっせいに変化を果たすのです。 AASCの更新プログラムを作っているのは超高度AI《ヒギンズ》です。 《ヒギンズ》は、センサーの塊であるhIEから取得したデータをもとに、このプログラムを作成しています。 そして、各オーナーがAASCに関する重大な契約違反をしていた場合、《ヒギンズ》はAASC更新のタイミングでこれを察知します。そして、この違反がライセンス停止にあたると判断した場合、契約者の契約するすべてのAASC更新を停止します。それと同時に、全機体にAASC1(故障機)を割り振ります。 このAASC更新停止措置を行って裁判になったとき証拠として必要になるため、hIEが記録したデータログは《ヒギンズ》の元で加工されて残ります。 この取得データおよび加工は、ユーザーとの契約により外に出さないことになっています。 ただし、このログは、国際機関などから所定手続きで要請があった場合、保存データを提出する決まりになっています。(参照「クローンAASC-AASCの地域性との共存の取り組み」) また、犯罪捜査のときにも、所定の手続きにのとって警察や認可機関によって証拠として求められます。この場合も、ミームフレーム社はログ提出を拒みません。 《ヒギンズ》が作成したAASCの更新プログラムが、ユーザーに適応される手順は決まっています。 まず「ミームフレーム社東京研究所」「ミームフレーム社アメリカデータセンター」「ミームフレーム社ヨーロッパデータセンター」「ミームフレーム社アフリカデータセンター」といった各研究拠点に送られます。 そして、その後、各拠点が世界中のクラウドサービスに更新を反映し、そこを通して各hIEに更新が適応されます。 各研究拠点は、それぞれの地域のデータの収集を行い、このデータを分析して各種のレポートを作成します。 レポート作成が必要になるのは、AASCの更新主体である《ヒギンズ》は、更新プログラムを作るだけで「何のために」「なぜ」更新したかというレポートを作成しないためです。これは、《ヒギンズ》が人間の行動の意味判断に関わらないようにしているためです。 行動の意味を判断して「人間の言語で記述する」ことには、どうしても政治性がつきまといます。このため、《ヒギンズ》は社会からの反発を避けるため、この作業を避けるのです。政治的にリスクを抱えるこの更新レポート作成は、政治的に誤ることを許容されている人間の研究者が行います。 ミームフレーム社は、さまざまなデータを公開しています。ですが、このデータは《ヒギンズ》が編集した生データを、各研究所で公開のために再整理したものです。 ユーザーは普段意識していませんが、AASC更新は常にレッドボックスのまま《ヒギンズ》にプログラム更新され、これを部分的に解析して研究所が更新レポートを出すという手順で行われています。 また、研究拠点を集中せずにばらしているのは、各研究拠点が災害や戦争などに巻き込まれ、更新プログラムの送信が不通になる可能性を重く見ているためもあります。これは、ミームフレーム社が《ハザード》を経験した日本の企業であることが大きく関わっています。 hIEの標準機能 hIEは、ユーザーにとっての「外界(外界でするべき仕事)との接続点(インタフェース)」であることを企図しているため、非常に汎用性が高いツールです。 人間がそばにいる人間に頼むような仕事の他に、さまざまな機械的な仕事を標準機能として行います。 とはいえ、「さまざま」でも分かりにくいところですので、具体例を以下に記述します。 携帯端末とのデータ仲介 hIEには、文字メッセージにしたい言葉を口述すると、文書データにして個人用端末に転送してくれる機能が標準でついています。 これは家庭内に耳が不自由な人がいる場合などの、介助機能の延長にあります。なので、点字や手話変換にも対応しています。 文字メッセージ変換では、ユーザーが口述し終わると、文面がこれでいいかhIEが尋ねてきます。 これによって、手と目を筆記や打鍵に使わなくても、ユーザーは「ながら」仕事で文字コミュニケーションを取ることができます。 これは文字データではなく、紙などにアナログの手書き文書を書かせることも可能です。 文字メッセージ補助機能として、時候の挨拶などのメールも、ユーザーが文面の意図を話すだけで勝手に作ってくれます。一般家庭で必要な程度の文章作成は標準搭載の機能範囲でやってくれます。 ビジネス用のクラウドと契約すれば、それこそ文意を斟酌して、ビジネス的な挨拶文の定形や敬語表現も完全に整えてくれます。挨拶状なども完全に手配してくれます。 ユーザーは、それを最後にチェックして送ればよいようになります。 標準のままでもある程度個人秘書として働いてくれるということですが、秘書クラウドを入れるとスケジュール管理なども完璧にこなしくてくれるようになります。 hIEを使って、携帯端末を使った通話を仲介することができます。 hIEと携帯端末とをリンク登録しておけば、携帯の端末に向かってしゃべるようにhIEに向かって話しかけることで、端末を落としたり忘れたりしても通話ができます。 デジタルデータをスピーカーから出力するだけなので、相手側の声がそのまま聞こえます。好みの声に変換することも可能です。 通話相手が外国語話者の場合、このとき同時翻訳してもらうことも可能です。速度や信頼性は、hIEの機能ではなく、登録しているクラウドサービスの能力次第です。これ自体は携帯端末も専門のクラウドサービスに登録していれば行ってくれる機能です。 手話を、手話のわからない相手に音声言語に変換して伝えるような、上述の「データ仲介」機能と連動を行うこともできます。 ビデオ通話のかわりに、相手側の仕草を真似て演じるhIEを相手に、会話するように通話することもできます。相手のかわりに、hIEに通話相手を代替してスキンシップをとってもらうことも可能です。 家内の家電を集中制御する母艦として使用できます。 22世紀初頭の家屋には、ユーザーが「風呂を焚いて」「掃除して」「掃除して」などと簡単な命令をすると自動的に適切な家電を働かせてくれる機能がよく備え付けられています。 これを家内エージェントというのですが、hIEは標準でこの家電と連動して家内エージェントとして働く機能を持っています。 これは、hIEが、家電機能だけでは間に合わない仕事を、実際に機体を動かして果たす機械であるためです。(※) たとえば「洗濯終わったらタンスに入れておいて」という命令をユーザーがした場合、hIEは家内エージェントとして洗濯機と乾燥機を動かします。そしてその後、hIEの機体を動かして、人間がするように乾燥機から洗い物を出して畳んでタンスに入れます。 ユーザーからの単純な命令を果たすために、こうした連動が必要になります。そして、この連動は、そもそも家内の各種道具と連動する機能がなければ達成不可能なのです。 (※)AASC更新が頻繁に行われるのは、この家内エージェント機能のために、新製品に対応しなければならないからでもあります。 機体によっては、家内でなくしものをしたとき、この家内エージェントの機能を利用して、自動で探しておいてくれます。こうした小さな機能は日本メーカーが得意としていて、余計な機能がてんこもりになったhIEが小さな気づかいに見える仕事をしてくれています。 hIEと人間の見分けかた hIEは、人間と同じかたちをしていますが、慣れた者であれば人間と見分けることは可能です。 一番わかりやすいのは、AR(拡張現実)機能のついたカメラなどを通して機体を見ることです。 hIEの識別機能をオンにすると、AR表示で型番などのデータが表示されます。携帯端末のカメラなどを通すとhIEにはマークがついて見えます。 そして、22世紀初頭の都市では、hIEの目をふくめてあらゆる場所に画像データを撮影しているカメラがあるので、目の前の人間型のものが人かhIEかを知るのは簡単です。 慣れた者は、目に生気があるかないかで見分ける場合もあります。目に生気がないものは、メンテナンス不良や行動管理クラウドの選択の結果そうなっていることがあるためです。(※) AASCで書かれたhIE行動プログラムは、hIEに生気のない言行をとらせるようにはなっていません。機体やカスタムクラウドで特別な理由がない限り人間そっくりに見えるはずなのですが、hIEのカメラ(視覚器)位置は眼球だけではないので、目の動きが人間のそれと一致しないことがあります。 また、目がメンテナンス不良であることは、頓着しないユーザーの機体ではわりとあります。 (※)生気のない目をさせるのが趣味な人がカスタムクラウドでそうさせることも可能です。 hIEをよく見る職業の者などは、「歩く」ような基本動作からある程度見分けることもできます。これは、AASC標準の動きが整いすぎているためです。 AASCは標準の状態では汎用品であるため、各hIEの骨格に合わせて特徴的な歩き方を個別にさせられるわけではありません。なので、hIEの外見だけではなく、動きを丹念に観察するとだんだん「普通の人間とは違う」ことが感じられてきます。 歩き方や立ち方に人生や生活を感じさせることは、よほど凝ったカスタムクラウドに接続しているのでない限り不可能なのです。 逆に、高級品はそういうところまで完璧にやり遂げます。高級品は骨格や容姿、あるいはユーザーからオーダーしたキャラクター性に合わせた仕草の集合であるカスタムクラウドとセットで納品されます。 なので、動きを注意深く観察しても、かなり自然に見えます。 これは、どこまでやるかで価格が大きく変動する、趣味から芸術の域に突入する世界でもあります。 「突き抜けた高級品」は、見ているとそう察することができるように作られていることがよくあります。これは、仕草のひとつひとつの選択が、最高級メーカーのプライドをアピールする要素であることの表れでもあります。 hIEのジャンクとカスタム文化 hIEにおいても、パーツをばら売りしたり部分的に交換したりするジャンクやカスタムの文化は存在します。 hIE機体検定証の取得(参照「hIEに関連する規則-法律的なhIEの取扱-所持登録」)も必要であるため、hIEのジャンクやカスタム品取り扱いは、自動車のイメージで考えていただけるとよいと思います。つまり、多くのユーザーはカスタムを取り扱いません。 車で言うと、インテリア(hIEでいうところの初期の髪色の変化くらい)までなら変更するユーザーはわりといるのですが、シャーシやエンジンに手を加える(hIEでいうと骨格や人工筋肉など)ユーザは限られるのと同じようなイメージです。 hIEのカスタムは、まさに人生を吸い尽くされかねない、泥沼のような趣味人の世界です。 たとえばカスタムhIEで、カタログスペックでAASC2(子供並み)の機体を、AASC4(アスリート並み)までチューンして、見た目とギャップのある能力にしている愛好家は、探せばいます。(※) 外見と性能を一致させないのは、よくあるカスタムパターンです。AASC5(専門職用hIE)が取得できるところまでチューンすることは、ほとんどありません。高額になりすぎるためです。 (※)外見を裏切るパワフルな幼女や少年型のhIEは、常に一定の趣味人需要があります。趣味人の間ならば、見ると「ああなるほど」と100%近く判別できるようなアーキタイプは少なくとも数十種類存在します。 hIEのカスタムは、免許なく普通のユーザーが取り扱いできる組み込みが簡単なもの以外は、専用の整備工場やカスタム工房に出します。整備工場はhIEの普及に伴って増えています。 hIEも、ユーザーが整備を持ち、適切な整備施設を使えれば、ユーザー整備や大きなユーザーカスタムを行うことも可能です。 ただし、整備免許、整備施設ともにハードルが高いため、趣味を盛り込んだユーザーカスタム機で機体検定を通させるのはとても大変です。(※) このため、趣味を満載したユーザーカスタム機は、マニア間でも一目置かれる、好事家の夢でもあります。 趣味の世界としてのチューニング屋やカスタム文化もありますが、人生を左右するものだと覚悟がいるほど金銭的ハードルは高いです。 (※)検定不通過となった機体は、再検定に通過するまで公共の場に出すことができません。整備免許があると自分で整備施設で微調整すれば済むのですが、そうでもない限り、カスタム店に出し直して再調整を通るまで続ける財布に厳しい苦行か、趣味調整をあきらめるかの二択になります。このため、あきらめて自宅敷地内だけでクローンAASC制御で趣味のカスタム機を使用するユーザーもいます。 性的サービス機能のあるhIEの取扱(この項目のみR-15くらいに考えてください。不快に思われるかたは、読み飛ばしたほうがよいかもしれません。) 性的サービス機能のあるhIEは、18歳未満への販売が禁じられています。 また、オーナーが18歳未満の人間にこれを使用することも法的に禁じられています。これはhIEのセンサーと記録媒体の情報が証拠として提出され、証拠隠滅のため機体が破壊されていた場合はミームフレーム社に問い合わせてAASC更新基礎データまで遡行して証拠が集められます。 性的サービス機能の未成年への使用禁止には、hIEのインフラとしての信用を守るという社会公益があり、厳しい判決が出ることが普通です。場合によってはhIEを道具にした強姦罪がオーナーに適用されるという、非常に重い判決が出ます。(※) (※)このhIEを使用した性犯罪に対する罰は、社会公益におけるhIEの位置付けがその重さに強く関係しています。hIE自体の社会的立ち位置が弱いイスラーム圏では、オーナーが極刑を受けることもあります。ゆるいのはAASC更新データを第三者が参照できないことが決められている中国で(参照「クローンAASC-NOTE「上海疑惑」」)、裁判をコントロールできていれば微罪で済みます。 性的サービス機能の有無はhIEに表示機能があります。これは、プライバシーのため非表示にできるのですが、警察や認定機関に対しては非表示にすることができません。チェック用のコードを読み取ることで、簡単に判別できます。 警察も欺瞞できる偽装コードも売られてはいます。ですが、これ自体がそこそこ高額で、しかもこれの使用は刑法犯罪です。なので、中高生が使うようなものではありません。 中学高校や塾の教員のような、18歳未満の人間が集まる場所で扱われるhIEには、性的サービス機能がないものを用いるのが普通です。代理労働契約(参照「hIEに関連する規則-代理労働許可免許」)で雇い入れる場合にも、セックス機能のあるアンドロイドは、これを取り外さないと採用できないことが普通です。(※) これは、学校で用いられていた性的サービス機能があるhIEを、学生が勝手に使用した事件が発生したためです。hIEは人間を傷つけないように行動するため、押さえつけられて抵抗しきれないケースがよくあるのです。 (※)アンドロイドに人権を認めるべきだという人々は、この問題は人間側の節度で対処すべきであり、取り外し措置をhIEに強いるのは人権侵害だと抗議しています。ただし、措置が見直される気配は現状ありません。 代理労働契約で仕事をしている最中にhIEが乱暴されるというケースは、しばしば起こっています。 ただし、hIEは監視機器とメモリーの集積体であるため、この事実をオーナーが知ることは容易です。 代理労働契約では、業務外のことにhIEを使った場合は賠償を支払うことが記載されているのが普通です。このため、乱暴されたhIEのオーナーは、この賠償を求めることができます。ただし、hIEに対するこうした行為は、hIEが物品であると扱われるため、人間に対してそうした場合のように刑法犯にはなりません。 民事裁判では、「ユーザーがhIEによってアナログハックされていて特別の感情を向けている」ことを証明できれば、犯人に対してユーザーの心理的打撃に対する慰謝料を請求することができます。この慰謝料は最大で機体金額です。このため高級機への性的被害では非常に高くなる傾向があり、賠償額と慰謝料合わせて2000万円以上をユーザーに支払う判決が出た例もあります。 hIEに対する暴行は、民事裁判としては重い判断が出がちです。これは、刑法犯にならないとはいえ、「人間型のモノ」に対する蛮行であるためです。犯人は、抑止する力が働かなければ人間に対しても同じようにすると考えられていて、たいていの国で犯人は警察の要注意リストに載ります。 民事裁判の判決が強めに出るのも、警告的意味合いが強く、判決時に犯人は警告を受けます。 ただ、オーナー側からするとこうした被害はないにこしたことがないため、ハードウェア上で性的サービス機能をロックできる機体が存在します。 これはオーナー体験を重視する高級機で出始めた機能で、オーナー以外に対して性器を使用可能な状態にしないことで被害を防ぎます。 ただ、こうした機能は、性的サービス機能を「おまけ」ではなく主機能としてきちんと織り込んだ設計の機体のものです。(※)オプションでつけるかカスタムするかしない限り、一般普及している家庭用の機体にはついていません。 (※)高級機なら必ず標準でついているという機能ではなく、標準でついていてもオーナーが取り外してしまうケースもあります。
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レッドボックスター ペット説明 赤い箱に入れられてしまったヒトデちゃん 初期ステータス HP SP 攻撃力 防御力 35 5 6 1 魔力 魅力 運 素早さ 0 6 1 2 火 水 風 土 24 0 15 9 技・魔法スキル スキル名 使用SP 第1スキル名 - 第2スキル名 - 第3スキル名 - 適正装備 装備箇所 装備適正 武器 不明 左手 不明 頭 不明 上 不明 下 不明
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クラウド稼動による他律形式 hIEの特徴は、機体内に判断系をほとんど持っていないことです。 hIEに「人間らしい振る舞い」をさせているプログラムは、機体上にはほとんど置かれていません。 常にネットワークと無線接続されていて、ネットワーク上にあるクラウドから行動プログラムを実行することで機体を動かしています。 この形式が選ばれているのは、インフラの発展によってネットワークへの接続と応答が、充分に高速化したためです。 そして、hIE各機体(ローカル)の判断で自律行動させると、複雑な人間社会の中で協調行動を行うのが至難になるためです。 フレーム問題(→wikipedia)によって、複雑な問題を適切に切り分けて解決に至るのが困難になります。これは機体個々の判断で動く人間型ロボットが問題空間の中に多数いると確実に悪化します。フレーム問題によって誤答するアンドロイドは、人間よりも突拍子もない答えを出す可能性が高くなるからです。 このため、人間型ロボットの制御を機体個々で自律させるか、それとも外部から他律させるかは2071年のリスボン会議(後述)までは大きなトピックでした。 この会議以降、大量にデータを持たせた高機能のものに他律判断させ、各機体(ローカル)では不測の事態を防ぐために判断をさせない他律方式が主流になっています。 その後、他律制御の方式はさまざまなものが現れては消えています。(※) 2105年では、AASC(行動の一般化(AASC)で後述)という、超高度AI《ヒギンズ》が2084年に作りだした制御言語・制御方式が90%以上の不動のシェアを持っています。 (※)自律方式の人間型ロボットも、すぐさま市場から消えたということではありません。むしろ2080年代に入るまでは、高級モデルの自律制御方式のほうが性能がよいともされたためです。特に高級機では、22世紀になっても愛される多くの傑作機が2070年代前半に現れています。 振る舞いをなぞるhIE hIEに「人間のかたち」で動作をさせる行動プログラムは、ネットワーク上に蓄積された動画などから人体の動きを抽出し、この膨大な積み上げによって作られています。 抽出した動作をバラバラのパーツにして、これを組み立てることで適切な動作を作ります。 機体状態などもすべてhIEが備え付けているセンサー情報をクラウドに送り、クラウドがそれに適切な行動を判断します。 たとえば機体が転びかかっている場合や、押し倒されそうになった場合でも、hIE主機がそれに対応する行動を起こすのではなく、クラウドが行動プログラムを選びます。 hIEのセンサーは問題が起こってからそれに対処するのではなく、常時監視して次の行動を決め続けているので、それでも充分間に合うのです。(※) (※)機体自体が判断をする割合がゼロだというわけではありません。例外はAASCのレベル5の項参照。 振る舞いの選択は、行動制御クラウドに送られているセンサー情報によって選択されます。 たとえば、hIEの眼球の他にセンサーがない画像センサーがない状態でhIEを目隠しすると、hIEは視覚を閉ざされた制限の中で行動プログラムを選びます。けれど、hIE眼球の他に連動した室内カメラがあるなら、hIEは「目隠しをしているユーザーがそうしてほしいだろう振る舞い」をセンサー情報から選んで行動プログラムを選択してくれます。 行動プログラムは、さまざまなツールによって編集することも可能です。 さまざまな需要にこたえるため、たくさんの行動管理プログラムの提供企業がさまざまな振る舞いのプログラムを提供しています。 家事能力だけでも、地域によってよろこばれるものがそれぞれ提供されており、たとえば京都の人風のやりかた、北国の人ふうのくせといった手つきや空気感まで選択が可能です。 ゲーム系、開発系、アート系、介護、翻訳、等々、ありとあらゆるサービスが行動プログラムとして提供されています。 そして、ネットワーク上のクラウドにアップロードされています。 こうしたクラウド上への追記は、企業の参入障壁が低く活発に流入が起こっています。 流行に対応できるhIE行動プログラムがあっという間に草の根業者からクラウドにアップロードされることで、hIEは時代性に素早く対応することが可能になっています。 クラウドによる他律形式の注意点 他律形式でhIEを動かすためのインフラ整備は、2105年にはもう完了しています。ただ、回線環境が著しく悪い場所では、動きに影響が出る可能性があります。 ただ、hIEがAASCを採用している場合、ある行動プログラムに従ってhIE主機が動作する準備は実行の通常0.5秒前には完了しています。なので、0.5秒以内のラグは吸収することができます。 通信速度で他律型hIEの動きに影響が出たのは、2070年代中盤くらいまでです。つまり、2105年現在では、30年前からインフラ整備をまったくしていない地域では動きに影響が出る可能性があります。 hIEの行動プログラムの送受信の中継電波を、途中で読み取ることは不可能ではありません。 ただ、《ヒギンズ》によるAASCの暗号はAASC更新のたびに切り替わっています。無線通信の帯域が超高速かつ超大容量になっていることによって、高度な暗号をかけても通信がほとんどボトルネックになりません。 ネットワークの断線するところでは、hIEを動かすことができません。 これ自体は、制御の観点からは一種の利便性でもあります。hIEを入れたくない場所は無線ネットワークから遮断するようにしておけば、事故や故意によってhIEに侵入されることがないからです。 セキュリティの強固な施設では、そうして外部からのhIE持ち込みをシャットアウトしています。 リスボン会議 2071年、この頃すでに増え始めていた人間型ロボットの自律能力について、国際会議が開かれました。 他律制御方式は、当時、協調行動の問題を解決できる可能性を評価されていたものの、大規模な設備投資が必要で、規格が軌道に乗るまで難航することが予想されていました。 自律制御ロボットを自由にメーカーに作らせ続け、他律制御とどちらが残るかは市場の評価にまかせるというのが業界の動向でした。 ただ、超高度AIも開発され人間型ロボットが能力を急速に伸ばす中で、人間型ロボットがトラブルを起こす件数も増加していました。 これは台数の純増によると考えられていましたが、それだけとは考えがたい多彩なバリエーションを持っていました。人間社会のあらゆる場所に浸透しつつあった人間型ロボットは、まさにあらゆる場所で大小のトラブルを起こしていたのです。 そして、このトラブルが大事件に繋がるのではないかという社会不安は、軍で扱われている秘書ロボットが、兵器の発射ボタンを操作する事件が発生して爆発します。 この危機の中、2071年、スペインはリスボンで国際会議が行われることになったのです。 この会議で、オブザーバーである9基の超高度AIすべてが「自律系ロボットは将来制御しきれなくなる」と回答しました。 会議で問題とされた大きな点は「自律によって身体を動かし複雑な課題を解決するロボットは、いかなる内部制御を行っても個々が人工知能としてはたらく」ということです。 そして、この大量に普及した人間に近い人工知能が、製品寿命が尽きるまで長期間運用されます。このこと自体がトラブルの大きな要因であると指摘したのです。 人間型ロボットの判断系は、運用される間学習を続け、かつプログラムのパッチ修正を受け続けます。この中で、制御は徐々に失われてゆき、事態が収束するどころか、現状程度を維持することに莫大な予算を投入しなければならなくなるとされたのです。 大なたを振るおうとすると、かえって余計なブレイクスルーが発生して制御が外れる要因にもなるとも指摘されました。 頻発するトラブルを乗り越えようとする過程で、十年以内に致命的な事件が起こる可能性は高いと結論されました。 これは、自律制御の機体を「人間の生活の中の運動や仕事をすべてこなすことが出来る」ように作っていたメーカーにとって大きな痛手となりました。トラブルの原因が、性能ではなく、「人間生活や仕事をひととおりこなすことができる人工知能」が大量に世の中にあふれる状況自体であったためです。 実験環境としては興味深い現象だったのですが、世界すべてを実験環境として利用するわけにはさすがにいきませんでした。 そして、会議は、オブザーバーの超高度AIが30年すでに人類知能より先を行っているとされたため、30年以内に自律方式では制御問題を解決できない可能性が極めて高いと結論しました。 結果、自動反応の集積でロボットを動かす自律系は人間型ロボットの主流を去ることになりました。これ以後、ネットワーク経由でロボットを動かす他律型が主流になります。 ただし、リスボン会議で自律系の機体が外れたのは、民生用の主流からだけです。軍用無人機の世界では広く用いられています。 自律系ロボットのほうが身体反応が速く、軍用無人機は反応速度が速ければ速いほどよいからです。 しかも、都市環境や人間の住んでいる住環境よりも、不整地や斜面などが多く、そこで人間以上に高い運動性を求められます。だから、"振る舞い"の集積が薄いところでは性能が下がる他律型のhIEより、自律型のほうが優秀なのです。 逆に、軍隊においての機体の振る舞いは、人間のいる住環境に適応しようとするときよりも遥かに単純です。(言語コミュニケーションが限られるだけで、計算負担は格段に減っています)他律式ではなくこの自律式であるケースがあるため、軍用無人機という言葉は、軍用hIEと区別されて用いられます。 自律機械を他律の状態にして動かすことは不可能ではない(※)ため、軍用無人機は、必要があれば一時的に他律状態にして使用することもできます。 この他律状態は、爆発物を取り扱う精密作業のような、自律状態でやらせる意味が薄い場合の措置で、一般的なネットワークに接続させるのはセキュリティ的に問題があるため司令部コンピュータへ接続して運用します。軍もやはりリスボン会議の結果は尊重していて、軍用無人機に自律状態で多様な学習を積ませることは避けているのです。 (※)軍用の自律無人機は、AASC適応機体の基準を正確には満たさないので、特殊なプラグインを必要とします クラウド提供サービス クラウド提供サービスが提供するクラウドは、多岐にわたります。 おおまかに以下のようなものが存在し、サービスからユーザーが自由に選択します。 クラウド提供サービスは月額課金のものが多くてお試しがしやすく、大手サービスから同人に近いものまで、値段もピンからキリまであるので、オーナーがまったく同一のサービスセッティングでhIEを動かしていることはあまりありません。 このため、町中で見られるhIEの動作は画一的なものにはなっていません。 [代表的なサービス種別] 産業用クラウド 接続することによって、hIEは産業従事者として働くことができます。 業種ごとに一般的に使われているものもありますが、職場が熟練した技倆を求めている場合は、熟練した技術のクラウドを企業が特別に編集しています。これによって、接続するだけでhIEは事業者の要求する高度な労働を行うことができます。 工場労働、運送業、接客業、調理師、美容師、看護婦、モデルなど、ありとあらゆる産業のものが存在します。 ただ、自己判断を多く求められるなどhIEが苦手とする業種もあります。医師や、弁護士、作家、栽培作物の多い小規模農家などです。 定評のある産業用クラウドが存在しない業種では、産業へのhIE導入も限定されている、車の両輪の関係にあります。 サービス用クラウド 接続することによって、hIEは特殊なサービスを行う能力を得ます。 家事サービスクラウドや、育児サービスクラウド、楽器演奏クラウド、性的サービスクラウドなど、一般的に使用されているものでも多岐にわたります。 サービス業者に草の根的な小規模業者が多いのも特徴で、同じサービスでも多様な特色があるため、同種サービスのクラウドを複数個同時に契約するユーザーも多くいます。 パーソナリティウェア 接続することで、hIEは特定の性格あるいは個人を装います。 hIEの仕草や口調をやさしいものにさせたり、頼りがいのあるものにさせたり、といったキャラクター性をhIEにつけるために用いられます。 2105年の世界では、芸能人が自分のファンに使用させるためにパーソナリティウェアを売るのも一般的です。 パーソナリティウェアは、「特定の人間の身代わりをする」用途で用いられることもあります。亡くなった配偶者や家族のかわりをさせるためなどの用途で、個人の映像や家内システム・hIEのユーザ記録などから抽出してクラウドが編集されます。血縁のない個人の身代わりをさせることもできますが、この場合、集められたデータに違法性がないかは厳しくチェックを受けます。編集に特殊なノウハウとオーナーとの綿密な打ち合わせが必要で、かつ例外なく高額サービスです。この身代わり用途の場合は、外見などもたいていその特定の個人に似せてカスタムで作られます。hIEを特定個人に似せて作った場合、これを私有地およびオーナーが占有する場所から外に出すことはできません。 それぞれ、機体メーカーとの提携があるケースがあります。特に産業用に企業が設備投資として買うものなどは、特定業種での労働前提のものはそうです。 AASCによって機体能力はほぼ均等のものとして扱われるのですが、それでも関節の摩耗など、初めから扱うクラウドを想定して作ってあるもののほうが確実に性能が上がるためです。 人間の身代わりをするhIE hIEには、人間の身代わりをするように作られているものがあります。 外見は写真や画像データから、動作については録画映像などから抽出してカスタムクラウドを作ることで、本人に似せることができます。 国によっては作成行為自体を禁止していますが、日本は可能な国のひとつです。 若くして死んだ子供であったり、配偶者であったりといった人物に似せたものがよく作られます。 クラウドをカスタムする必要があるため、作成費も毎月かかる運用費用も非常に高額です。 ただし、身代わりhIEには制限があり、人権保護のため、生きている人間をモデルに作ることは許されていません。 また、身代わりhIEは外見を登録しなければなりません。 カスタム業者にも特殊な許認可が必要で、オーナーにも詐欺防止のため機体がhIEであることを隠してはならないといった制限が課せられます。 人生はままならないものであり、作成需要は途切れることはありませんが、作られた機体が大切にされるとは限りません。 若くして死んだ娘の身代わりとして作られた身代わりhIEが、オーナーの再婚で、再婚相手の要望で破棄されるようなケースはよくあることなのです。 [NOTE]ボトム・アップかトップ・ダウンか? hIEは、社会の中での人間らしさを、超高度AIによるトップダウン方式で達成しています。 個々のユニットの行動がボトムアップ的に社会性を築いてゆくのではなく、トップダウン的に作り込んだ「人間らしさ」のモデルをコピーすることが『BEATLESS』世界では選ばれています。 機体センサーでオーナーや周囲の観測データを拾って、クラウド上のデータベースとマッチングし、最も適切だとAASC(後述)自身が判断した行動プログラムを実行します。hIEは、人工知能ではなく、おそろしく綿密に作り込まれた会話ボットに近いアプローチです。 トップダウン型が選ばれ続けているのは、その利点が認められたためです。一般普及させる台数の問題で、学習余地のあるコンピューターにユーザー個別のデータを多く集めてボトムアップを期待するより、確率的に問題行動を起こしにくいのです。 可塑性の高い子供から、ボトムアップして知能を高めてゆく人類は、協調行動をとることが苦手です。 ボトムアップする知性が一定数存在すること自体がリスクを抱えるという意見も、リスボン会議では超高度AIから出ています。 2105年に、それぞれがボトムアップして成長してゆく知性である人間は100億人もいます。戦争はなくならず、利害の対立は激化するばかりで、全体がひとつの目的に進むことは極めてまれです。 リスボン会議(前述)で問われた制御不能性でも、余計なブレイクスルーが起こる小さな可能性よりも、成長した無数の自律hIEが多数の事故を起こすことのほうが重視されました。 そして、新しい状況や問題が目まぐるしく発生している速度に、ボトムアップ型人工知能の学習速度では間に合わないあります。 新しいものに知性をボトムアップで適応させるのは、学習のために時間がかかり、かつ学習結果が一様になりません。なので、トップダウン型で《ヒギンズ》が修正パッチを当ててしまうことで、高速度の適応と適応後の安全性を確保し、そして「世界のどこかでは発生しているけれど、その機体はまだ遭遇していない重大問題へのワクチン」を入れることができました。 これについては、《ヒギンズ》が得た情報からどのくらいの性能のパッチを当ててよいのかという、「未遭遇事案の事前解決問題」と呼ばれる別の問題もIAIAからは指摘されています。 ボトムアップで成長してゆく人工知能にもパッチを当てること自体はできるのですが、機体ごとに学習した結果と、適応パッチの間で、重大な齟齬を起こす可能性が必ずありました。 そして、ボトムアップ型の判断系を持つ機体に、修正パッチで足並みが乱れた上、それぞれの個性を学習によって獲得されてしまうと、メーカーもそこで何が発生するか正確に把握できなくなっていたのです。
https://w.atwiki.jp/boxgoodlife/pages/11.html
グッドボックスの説明です。 でっかい
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社会でhIEに向けられる目 2105年現在、日本は超少子高齢化の影響で8400万人しか人口がありません。 しかも、人口比率は21世紀中葉の状況よりは若年の比率が高くなったものの、まだ比重は高齢者が厚くなっています。 超少子高齢化社会のままの日本では、必要であるからhIEの数は多いです。 けれど、人々は、人工物に包囲されたような、強いストレスにさらされ続けています。 hIEは日本国内で産業用も含めると1000万体使われているためです。普通に生活している人間が、一日に一体もhIEを見ないということはそうそうありません。都市部だけではなく、過疎化地域ですら労働力確保のためにhIEはよく使われているからです。 だからこそ、アンドロイドを破壊するような事件は後を絶ちません。 《抗体ネットワーク》(社会セクションで後述)のような集団が存在するだけでなく、hIEに対する虐待は、社会道徳としては問題にされますが法的規制が存在しないためある場所にはある光景です。 hIEに対する虐待を禁止する法や、hIEに人権を与えようという社会運動はありますが、どれも実を結んでいません。 hIE虐待については「自分の所持する物品を、生物ではなく、かつ完全に修理で復旧できるのに破壊を禁じる公益が存在するのか」という問題によって止まっています。人間のカタチをしていることが問題であるなら、人形や彫像のようなものも対象になってしまうこともあります。 hIEへの人権賦与は、人間以外への人権賦与がAIの人権の問題に繋がるため、正当性以前に反対勢力が強大です。 学校のような教育現場からも、アンドロイドはあたりまえに排除されています。 若い世代はhIEが物心ついたときからあったので、それほど極端な反応はありません。 hIEは地域社会の目の届かない部分にセンサーを向けてログをとることで貢献し、社会的アナログハックで人に親切にすることで地域社会での助け合いを無償で担っています。都市住民の減少と高齢化によって重くなった、地域社会の安定に掛けるコストを、hIEが支払って都市生活が健全に保たれていることも事実なのです。 ただし、2080年代以前に10代を過ごした人々には(2105年現在では50代以降世代)、違和感が消えない人が多くなります。 特に2063年のハザードを知っている世代には、根深い不信感を持たれています。 hIEとの付き合い方の地域差 hIEとの付き合いかたには、社会の性質によって大きな差が出ます。 宗教的なジェンダーの現れかたに差異が大きいことがひとつ。特にイスラーム圏では、女性型hIEの取扱が地域によっては非常に微妙です。 もうひとつは社会の持つ過剰な部分が、アンドロイドとの付き合いかたにも反映するということです。 たとえば、日本の場合は、リスク忌避体質、サービス業への過剰要求が、hIEにも反映します。日本では接客業者に扱われるhIEはかなりの割合でハードワークさせられています。 デジカメや自動車がそうであったように、日本人はhIEでも製品に安心やサービスを、当然あるものだとして考えます。 日本の業者のクラウドは常に安心を重視するため、アンドロイドの機能としてのエンタテインメント性は、アメリカ製よりも弱めです。 歌うと上手い、バスケットボールが上手いといった、家事にあまり役に立たない機能はアメリカの業者のクラウドが強いです。そして、実際、アメリカの家庭ではそういうことをhIEにさせます。 ただ、全体的にhIEが多く使われる社会では、子供の性虐待被害は、一定割合程度ではありますが減っています。 これはhIEに子守や子供と遊ぶことがアウトソースされることが増え、子供と大人が直接接する機会が減ったことが一点です。また、センサーとメモリー機器の塊であるhIEが見張っているため、犯罪者が犯行に及ぶ機会が減っていることがもう一点です。 ビジネスユースhIE ビジネスユースに食い込んでいるアンドロイドは、「ないとこまる」ほど依存具合が強くなっています。なので、企業がオーナーのhIEは、hIEに何事かあったときの用心に、オンラインの会社サーバにデータを持たせています。 セキュリティ意識の高い企業は、機体ローカルには重要なデータを極力持たせない運用であることが多いのです。重要な仕事に同行したhIEが、帰り道に盗難に遭ってデータを抜きとられるケースがあるためです。 ビジネスユースでのhIEの位置づけは、一定ではありません。 これはhIEがセンサー類の塊であることはよく知られており、保安のために「交渉の席にhIEを同行することを断られる」ケースがあるためです。 特に自社ビルに研究セクションがある企業では、外部hIEを社内に入れることを全面禁止するケースもあります。 このビジネス現場ではhIEが情報の穴になることから、重要な会議に同行したhIEは、可能になったとき本社サーバに情報をすぐに送って、機体本体の情報キャッシュのたぐいはすべて破棄してしまいます。 ただし、こうしたセキュリティ重視の運用は確実に利便性と非常時の耐性を奪います。すべての実データをオーナー企業のサーバが抱えるため、こういう企業では、企業サーバがシャットアウトするとhIEがデータを持っていないためそれを使えなくなるケースがあります。もちろんユーザー側が選択した運用なので、保証はありません。 なので、特別なセキュリティをほどこされた管理職用のhIEに、ハードコピーを持たせるケースもあります。こうした機体は例外なく、高度に暗号化された特別なデータストレージを持った高級機です。 このような特別なアンドロイドは、部署付きとかで、企業外に許可無く持ち出しできせません。 こうした特別なhIEは、企業の人員に顔を覚えてもらったほうが都合がよいので、社会的アナログハックで社員のために日頃働いているケースが多くあります。こうした労働の積み重ねで、企業の顔役のような独自の社内社会での立ち位置を得ているケースもあります。 給湯室の主になっていたり、朝一番にかならず来るとそのhIEが掃除をしている場合もあり、そうした機体の社内の人間関係での評価は良好です。 プレミアムブランド ハイクラスのhIEメーカーの生き残り戦術は、高級車メーカーのそれを参考にしています。双方共に、顧客のほとんどが男性だからです。 hIEに身につけさせる革製の特注オーナーエンブレムや、国際オーナークラブの紹介など、オーナーに特別感を持たせる演出が盛んに行われています。 盗難に供えた機体追跡サービスなど、機体外のサービスも充実していることが普通です。 プレミアムブランドでは、クラウドを自社と関連企業で囲い込んでサービスの向上にあてています。 こうしたプレミアムブランドは、データをフィードバックする顧客も上流階層や富裕層であるため、得られるデータも価値が高くなります。 こうした高級ブランドが扱うクラウドは、オーナーが求めるTPOに合わせた社会的振る舞いを行うことが可能です。 「LSLX(Luxury Style your Life Xteram)」は、アメリカ、スタイラス社のプレミアムブランドです。LSLXは、人間以上を志向してショウに様々なコンセプトモデルを出すブランドで、hIEの皮膚を吸湿性にして人間の皮膚とまったく同じ素材感を出すことに初めて成功しました。 プレミアムブランドは、ブランド戦略として、皮膚であったり、動きであったり、髪であったり、どこかしらにどこにも負けない自負を持つ特徴があることがほとんどです。どのブランドのhIEを持っているかで、趣味が分かることが、オーナーの自己表現であるようイメージ戦略しているためです。(参照:NOTE2) 一般hIEメーカーでも、大手メーカーは買収や新規立ち上げによってハイブランドを最低一つは持っています。 プレミアムブランドのhIEは、一機で都内に家が買えるくらいの価格と、相応のオプションやサブパーツ費とランニングコストを要求します。 [NOTE] 1 この時代のhIEユーザーにとっての、hIEのコスト感 人間型の機械であるhIEは、この時代、ひとり暮らしのおとなの男女によく購入されています。 それは、人生の満足と物質的な裏付けという二軸の、「現実的な拮抗点」であるためです。 欲望に対して使える金銭の範囲で考えると、hIEは、安い収入環境でまかなえる満足なのです。 このため、一般的なhIEは、金利を入れても月々3万円程度の支払いで、ローンで5年以内に完済できる価格帯です。21世紀初頭でいうと100万円程度のコスト感のhIEが中心です。 安価なモデルや中古品は、その30%~70%で購入することが出来ます。 この時代のhIEメーカーが販売のために計量した、満足と物質的裏付けの二軸の、この額が安価な拮抗点だということでもあります。 hIEのためにローンを組むのは圧倒的に男性ユーザーのほうが多く、そのため女性に人気のあるタイプのaIEは家事労働ができても30~70万円程度のコスト感の商品が中心です。 2 ユーザーの社交性とhIEの取扱 hIEを購入するユーザーは、90%以上が社会人です。これは、hIEを置くスペースをとれるのが独身の男女だからです。 家庭にすでにhIEがあるのでなければ、最初の一台はある程度の収入を得ることとができるようになった後に購入することがほとんどです。 特に社交性の高いユーザーは、家内で使用しているケースでも外には連れ歩かないケースがほとんどです。 人間関係を広げる時期の人々は、年代を問わず、hIEを意外と連れ歩きません。この傾向は25歳以下のユーザーに顕著ですが、生活介助が重要になる60代くらいまで続きます。 hIEを連れ歩くユーザーの割合は、60代の自営業者より30代の子供がいない主婦のほうが高いというデータがあります。 これは「他の人間と仲良くなりたいときはお荷物」だからです。 グループの中でhIEを嫌っている人がいる場合があることをユーザーも知っていて、それを避けるためです。グループの中で、人間型機械とのよからぬ関係を邪推されるかもしれないということを、社交性の強い人々は避ける傾向があります。 グループの中で「悪い評判」を流されることはリスクであり、それを特に若くて世間が狭いときは避けたがる傾向が強いのです。 プレミアムブランドのhIEは、こうした社交性が重要な場でも連れ歩けることが大きな特徴です。 狭義のプレミアムブランドの定義は、「このブランドの製品なら社交の場に出ても問題ない」という暗黙の了解を獲得したブランドだからです。 このため、プレミアムブランドはイメージを非常に重視して、常にアピールを続けています。こうしたメーカーが、完璧な機能性や、歩く宝石のような一目で人を黙らせる何かを求めるのは、ユーザーからの要望をくみとってのことです。 ある程度以上の規模のhIEメーカーがハイブランドを持つのも同じ理由からになります。 hIE文化は、すでに通常のhIEユーザーのコスト感以外に、文化を抱えられる広がりを獲得しています。 3 hIEはオーナーの下から脱走を行うのか? hIEにとって、人間はストレートに所有者です。 なので、事故で所有者から「はぐれる」ことはあっても、人間の元を「脱走」することは(語意的な問題として)ないと見られています。 なので、「保護・捕獲」というよりは「回収」が近いニュアンスになります。「落とし物」であるとみなされるからです。 hIEが脱走を行わないと見なされるのは、それが機体内に自律して行動を決める判断系を持っていないことが良く知られているからです。 hIEの行動を決定する行動管理クラウドは、それ自体がサービスです。なので、持ち主の元を脱走する行動プログラムをhIEに実行させることもありません。サービス提供会社が訴えられるためです。 逆に、そういう行動指針を与える特殊なカスタムクラウドに接続していれば、hIEが人間を避けて稼働しようとするケースはあります。 元の所有者が、みずからそうし向けて、人間社会にhIEを放流したものです。 この時代の芸術作品には、おそらく芸術家が、自分の所有するアンドロイドにカスタムクラウドを接続して放流し、「人間として生活させて、グラフィティフィルムを撮る」ようなものもあります。 所有者がこうした行動をするケースでは、原因は様々です。 人間のように情報を取り入れて整理するカスタムクラウドに接続させて、調査目的でhIEを社会に放流するケースもあります。 ただし、こうしたhIEが、長期間活動することはマレです。自動車を鍵をかけたまま放置しているのと同じで、盗難に遭うからです。 逃走、自衛の能力を持たせるケースもあります。ただ、hIEの自衛によって犯人が怪我を負った場合、犯人に逆に訴えられることがあります。この場合は、hIEの持ち主が警察に出頭して事情を説明、メモリーから事実関係を確認する必要が出ます。
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法律的なhIEの取扱 ・所持登録 hIEは、法的には自動車に準じる扱いになります。 所持は登録制、かつhIEを公共の場(オーナーの私有地もしくは家の外)に出す場合には、機体検定証明書が必要になります。オーナーになるには年齢制限はありません。 3年ごとに自動車の車検のように機体検定があり、このとき整備をしていないと検定を通りません。 車検中の「代車」にあたるようなサービスも行われます。 検定証明書は、このときメーカー側と車検を担当した工場が、異常がなく危険がないことを証明しないと発行されません。 自動車の車検と同様、hIEの買い換えのタイミングもこの時期になります。 hIEを、電源を切って倉庫に放り込んでおくだけなら、更新の必要がない登録証があればよく、検定証明書は必要ありません。 ・道具性 hIEはオーナーの道具であるとみなされます。このため、hIEが何らかの問題をその行動で起こしたとき、責任はオーナーが問われることになります。 hIEを用いた犯罪は、盗難、オーナー自身も犯人の支配下にあった、などの特殊な場合以外は、かならずオーナーは責任を問われます。 これは、貸した自動車で事故をおこされた場合、オーナーが責任を問われるのと同様です。 日本では、12歳以下のhIEオーナーは保証人を立てる必要があります。 hIEが問題を起こした場合、この保証人が責任を問われることになります。 ・hIEの立ち位置 破壊などの損害を受けたとき、hIEは器物であるとして扱います。 hIE自体が訴え出ることはありませんので、誰も見ていないところでオーナーが自分のhIEを破壊するぶんには法に触れることはありません。 人間型をしていることから、人間に準じる扱いが必要なのではないかという問題提起はよく起こりますが、それが法律や条令になることはありません。 破損した状態のhIEを公共の場で使うことが、県の条例で禁止されているケースはあります。ただし、これはhIEに配慮したルールではなく、それを見せられてしまう公衆に配慮したルールです。同様に、hIEを裸体や風紀を乱す衣装で公共の場で用いてはならないという条例もよくあります。 ・使用制限 hIEに「させてよいサービス」については、法律で規定があります。 家内で家事をさせるには特別な許可や免許は必要ありません。 ですが、家内でも性サービスをhIEにさせるには、日本ではオーナーおよびサービスを受ける者がどちらも18歳以上である必要があります。(国によって規定年齢は違います) hIEに家内労働以外の労働(オーナーが事業主である場合の専従者としての労働を含む)をさせる場合も、代理労働許可免許という許可免許が必要です。 この代理労働免許はhIEの取扱でもっとも基本的な免許のひとつです。 オーナーもしくは代理人が「正常な判断力を有している」「15歳以上」かつ「日本人」かつ「犯罪歴がない」人物であれば、1時間程度で終わる筆記試験と講習を受ければ取得することができます。 容姿に関する規則 hIEの容姿には、厳しい規制があります。 hIEは工業製品でありながら、容姿を完全にオーダーすることが一部例外を除いてできない(※)のです。 これは、実在人物や他のhIEと容貌がまったく同じ機体を作って、犯罪行為に利用することを防止するためです。 (※)身代わりhIEについては、完全に容姿をオーダーすることができます。ただし、例外であるため、業者の認可も極めて下りにくく、かつユーザーの使用目的なども厳しく問われます。 まったく同じ顔の機体を作ってしまわないように、hIEの容姿は販売店で決定します。 オーナーは欲しい機体の傾向を伝え、顔登録の専門機関が提案する「かぶらない顔」の候補から選択するかたちで購入する機体の容姿を決めます。 これは後からもめるケースがあるため、専門のコンサルタントと相談しながら行います。 購入したhIEの容姿を後から変える整形も、登録された認可業者のみが行うことができます。 この整形の認可業者も、顔登録機関に認可を受けている必要があります。 整形でも他のhIEと同じ顔を作ることはできません。違法な整形業者を使ってhIEの顔を替えることは、業者だけではなく顧客も罪を問われます。 hIEの公的な所持登録には、顔の登録も入っています。これは三年ごとに行うhIEの機体検定のときにも、現在のhIEの顔と体のかたちを登録しなおすことになります。 hIEを廃棄登録した場合、あるいは整形した場合、この連絡も顔登録機関に入り、別のユーザーが失われた顔と同じ顔を作れることになります。 顔登録と機体登録は別なので、機体を買い換えたとき、同じ顔登録で同じ顔にすることも可能です。 体型については特に規制はありませんが、メーカー標準の体型の中から選ぶので普通は一定範囲のうちにおさまります。 体型については、ぽっちゃり専門ブランド、筋肉質専門ブランド、巨乳専門ブランドといったフェティッシュなブランドもあります。メーカーが汎用性のある素体をリリースしていて、かなり融通のきいたオーダーを受け付けているケースもあります。 ただし、一般的でない体型を選ぶと、コスト削減できないことから性能に比べて高額になります。 代理労働許可免許 オーナーは、所持するhIEを、自分のかわりに働かせることができます。 「代理労働契約」と呼ばれる許可を結ぶことで、2105年の世界では多くの人々がhIEに労働させて金銭を得ています。これは老人など働けない年齢になった人々や、その他、働けない状態の人々の生活を守るセーフティネットの側面もあります。 代理労働契約では、雇用手が人間(普通はオーナー)を雇って、その人間が自分のかわりにhIEを働かせるというかたちをとります。 ただ、営利でhIEを貸し出す場合には、免許をとらなければならなりません。 免許は自治体に登録するもので、自治体の許可する業種のみで営業が可能です。 代理労働許可免許は、個人オーナーは一種免許、hIE派遣業を行う法人オーナーは二種免許を必要とします。 一種は、二種よりも許可される営業業種の範囲が限られています。 これは、個人所有hIEは汎用機が多く、特殊な業務に必要なハード・ソフトウェア的基準を満たしていないケースがあることが建前になっています。 向かない業務にむりやりつけて事故を起こすケースは多く、たとえば土木工事の現場ではたらくhIEは安全のためすべて業者のものです。風俗産業でも、保健衛生の観点から一種免許では自治体から許可が下りることはなく、悪質な場合はオーナーが逮捕されます。 この措置は白タク業者が逮捕されるようなもので、無許可風俗にいたっては明確に刑法で犯罪とされています。 代理労働許可免許によって、個人所有hIEの貸し出し業務が管理されているのは、「雇用先でhIEが問題を起こしたとき」「雇用先がhIEを不法労働させたとき」に、これを追跡しなければならないためです。 この登録は、hIEのオーナー側を守る手段である側面も強いので、かならず行うよう言われます。 hIEを家内労働で使う場合には、代理労働許可免許は必要ありません。 hIEの設備としての使用 hIEを営利企業や団体で使用する場合には、代理労働許可免許ではなく、hIEは企業が所有する設備である扱いになります。 代理労働契約で派遣する場合より、使用可能業種は広く制限もゆるくなっています。 企業でhIEを所有して自社業務をさせる場合、労働させる事業所がある自治体の免許をとらなければなりません。学校で教員をhIEでまかなっている場合もこれに準じます。 設備としてそろえたhIEを使って、hIE派遣を行うかわりに、業務を丸ごと請負する場合は、自治体に申請しなければなりません。(一時hIE派遣の制限を穴抜けするために請負業務が利用されて、大きな問題になったのです。)一種の大規模なhIE人材派遣であると見なされるためです。 hIEを利用した請負業務の場合は、自治体に本社または営業所を置く企業でしか労働ができません。これは、大規模なhIE賃貸業が、地域住民の代理労働契約オーナーを潰してしまわないための規制です。 自治体の基準もまちまちです。営業可能業種がサービス業のみに限られている自治体、風俗不可の自治体など、hIEを利用した請負業務の許可範囲は一定ではありません。 [NOTE] hIEの体型に規制はありません。 ただ、身体欠損やいちじるしい変形のあるケースでは、AASCを含めて他律型制御の機体では対応しきれないケースがあります。 この場合は、自律機をカスタムで用立てるよりありません。 ただし、法的規制はありませんが、そうした外見の機体をカスタムすることは、人によっては道徳に反することだとみなします。 それでも法的規制がないのは、これを規制することが差別ではないかとの論議があるためです。 差別の問題は22世紀になっても非常にデリケートです。 『BEATLESS』では描かなかった部分ですが、アンダーグラウンドなものを創作されたい場合は、基本的に21世紀から完全になくなった問題はないと考えてください。 21世紀より確実に改善はしていますが、その世界の中でも、日本は豊かな国で恵まれた立ち位置ではあるのです。