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『理解できない』 10KB 愛で 考証 日常模様 飼いゆ 野良ゆ 独自設定 対話=ダイアローグ みたいな? このお話は以下のお話と関連があります。 anko4614 さぽーとするよ! anko4617 しあわせなけっこん ただし、読まなくても問題はありません。 「どぼじでなのぉぉおおおお!!」 「・・・・・・またなのかぜ・・・」 住宅街にある一軒家の庭。 銅バッジのまりさが住む小屋の前の部屋から 絶叫が響いた。 「・・・で、みごとにだまされちゃったわけなのかぜ?」 「うぐ。だって、無修正だって・・・超レアモノだって・・・ぐすん」 部屋の住人のお兄さんの愚痴を 呆れ返りながらも一言一句、ゆっくりの理解できる範囲で 最大限解釈して聞いてあげる。 「再生したら・・・ぐすっ 七○代のバァさんが・・・ 確かにレアだけど!違うでしょぉおお!?むしろ、お顔にモザイクかけるべきでしょぉおおおお!?」 「でも、ぬいちゃったのかぜ?からだには もざいくさんがなくてもよかったのかぜ?」 「うぐぅうぅ!?うわぁぁぁぁああん!!!」 部屋には開花したばかりの栗の花の香りが漂っていた。 銅まりさとお兄さんの関係は少し変わっている。 普段は餌と水を補充するだけで お互いにそれ以上を求めることはほとんどない。 ときたま、お兄さんの愚痴を聞いてあげたり お互いの気が向いた時に一緒に散歩をするくらいだ。 そして、銅まりさもお兄さんもそれでいいと思っている。 銅まりさは元々夜店の景品だった。 的屋のおじさんは今流行りで値段の安い子ゆっくりを仕入れて景品にしていただけで ゆっくりなどには興味もない。 まりさは何度となくお話をしようとしたけれど その度無視されるか睨まれた。 生まれてすぐ親から引き離され 最低限の躾を文字どおり体に仕込まれ 売られた先では誰とも会話することなく ケースの中でじっとしているだけ。 何も聞こえない箱のなかで 真っ暗な場所と 眩しくて、楽しそうな人間さんが一杯いて、でもまりさを一瞥もしない人ばかりの場所。 この二つを何度も何度も往復した。 そのうちまりさは自分を取り囲む世界の全てに興味を無くした。 それを数えきれないくらい繰り返したあと 初めて的屋のおじさん以外がケースを開ける日が来た。 開いたケースを覗きこむ男の子を見ても、まりさは何も感じなかった。 男の子は困ったような、それほど興味も無さそうな感じだったが 「えーっと・・・ゆっくりしていってね!・・・だっけか?」 このケースに入れられてから、初めてまりさに声をかけてくれた。 「ぐす・・・まりさひどい・・・」 「いいかげん がくしゅうしてほしいだけなのぜ。ゆっくりでも こんなになんども だまされないのぜ」 「いいもん、次はぜったい引っかからないから」 「だといいのぜ」 お兄さんはおバカだけれど、割とポジティブだと思う。 下らない事で騙されて大泣きし、七転八倒することはあっても いつまでもくよくよしていたり怒り狂っている姿は見たことがない。 そしてこういうことがあった日は必ず 「まりさ、散歩いこっか」 目的もなく、近所をぶらつくのだ。 男の子が、にこにこしながらじっとこちらを見つめている。 庭に置かれた歪んだ木のおうちで、まりさは視線のやり場に困っていた。 男の子のおうちに連れて行かれてから暫くは玄関で暮らしていた。 でも男の子のお父さんが邪魔だからと庭で飼うように言い 今日は朝から男の子と庭でふたりきり。 「よーし!りっぱなおうちを作ってやるからな!」 男の子はとっても楽しそうに、木のパーツと釘でおうちを作り始めた。 何度も手に金槌をぶつけて、その度痛そうに涙を浮かべながら、それでも真剣に。 まりさは分からない。 男の子と出会ってから、ほとんど会話らしい会話をした覚えがない。 勝手に話しかけられて、時たま相槌を打つだけ。 そんなまりさのために、とっても痛い思いをしてまでおうちを作ってくれている。 話し方をほとんど忘れてしまったまりさは 「どうして?」とだけ聞いた。 男の子はややあって「庭に住むなら、おうちがいるだろ?」とだけ答えた。 その時は、お互いそれで十分だった。 「・・・でさー、言ってやったんだよ。唐揚げには塩だろって」 お兄さんのお話に適当に相槌を打ちながら近所を散歩する。 お散歩の時はいつもそうだ。 まりさは相槌こそ適当だが、話は一言一句漏らさずに聞いている。 まりさが話し方を思い出せたのは、このお散歩のおかげだから。 まりさがお兄さんと対話できるようになったのも、このお散歩のおかげだから。 「にんげんさん!まってね!おねがいだから おはなしをきいてね!」 「ん?」 お兄さんが立ち止まって振り返る。 野良ゆっくりだ。 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!おちびちゃんがおびょうきで、くるしそうなんだよ!」 お兄さんが振り返ったことで、話を聞いてもらえると思ったのか 野良れいむが早口でまくし立てる。 頭の上には萎びた小茄子のようなれいむのおちびちゃんが乗っている。 お兄さんは、夫の故まりさとの出会いから語り始めるれいむの話を ふんふんと頷きながら聞いている。 まりさは気が気ではない。 「わかった、じゃあこれでよければあげるよ」 お兄さんがポケットから飴を取り出し 包みを破いて野良れいむに差し出す。 野良れいむはひったくるようにして飴を奪うと すかさずおちびちゃんのお口にねじ込んだ。 「あま・・・あま・・・ぺーりょ・・ぺーりょ・・・」 飴を口に入れるとすぐにおちびちゃんの顔色が良くなる。 容態が安定して落ち着いたのか、野良れいむがようやくお礼の口上を口にする。 「ありがとうだよ!にんげんさん!」 「いやいやどういたしまして。飴玉一個でいいなら楽なもんだしね」 「ゆ・・・!じゃ、じゃあ、れいむたちをかい・・・」 「うん?」 「飼いゆっくりにしてね!」そう言おうとする野良れいむを 銅まりさは睨みつける。 お兄さんの視界に入らぬよう、一歩下がって、殺意を込めて。 「な、なんでもないよ!ありがとう!さようならだよ、にんげんさん!」 どうやら怖気づいたか、多少の分別を持ち合わせていたのかは知らないが 野良れいむの方から引き下がってくれたようだ。 別にまりさは野良れいむが憎いわけでも、自分の地位が脅かされると思ったわけでもない。 人間とゆっくりでは、絶対に相容れることはない。 そう思っているからだ。 「ふーん?ゆっくりって、一々行動を口にしたり、お飾りを付けてないとゆっくりできないんだ。変なの」 男の子が不思議そうにまりさに言葉をかけてくる。 綺麗に光るバッジをおぼうしに付けてもらってから 男の子と一緒でなくても自由にお散歩に行っていいと言われた。 平日の昼間はお父さんとお母さんは"おしごとさん"に、男の子は"がっこうさん"に行っているため まりさは男の子が帰ってくるまで何もすることがなかったが 外出が許可されてからは、男の子と良く行く自然公園へ遊びに行くようになった。 自然公園には同族たちが沢山いる。 男の子はまりさに沢山話しかけてくれるが お話の内容はさっぱり分からない。 でもここならば、お互いにお話のできる存在が沢山いた。 男の子は、自分がいない間にまりさが何をしていたか気になるようで いつもお話を求められた。 まりさはその都度公園での出来事や思ったことを話すが いつも男の子は不思議そうだった。 まるで、まりさが男の子の話を聞いていた時のように。 「野良とか野生のゆっくりって、大変そうだよなー」 お兄さんが残りの飴を口に放り込みながら、先ほどのれいむの話をする。 ごはんも満足に食べられず、病気になればバタバタと死に 人間や動物にも簡単に殺される。 それがとても可哀想だと言うのだ。 そうだろうか、とまりさは思う。 一番野生に近いだろう、自然公園の野良の群れは お腹いっぱい食べられることはなくても 病気でおちびちゃんが死んでしまっても 皆やりくりに頭を悩ませ、悲しみを共有し合い、それでも楽しそうに生きている。 決して自分たちが可哀想などとは言わない。 人間さんだって同じはずだ。 誰もが毎日を幸せに、満足できる生活など送っていないじゃないか。 いや、「飼いゆっくり」は可哀想と言えるかもしれない。 ゆっくりを飼う人間さんたちは飼いゆっくりと一緒にゆっくりすると言う。 もっと割り切った人間さんは、飼いゆっくりが飼い主をゆっくりさせ 見返りにゆっくりをゆっくりさせてあげるんだと言うだろう。 でもどっちも真であり偽だ。 飼い主の望むゆっくりを飼いゆっくりが与え 人間が考えるゆっくりのゆっくりを飼い主が与える。 それがお互いに合致すればよいが、そうでなければギブ・アンド・テイクの関係すら成り立たない。 そうした関係の行き着く先は"その飼いゆっくりの破滅"でしかない。 その場で殺されなくとも、飼いゆっくりの体は草や虫を受け付けない。 徐々に慣らす余裕もなく、突然放り出されれば結局死が待っている。 這いつくばって生にしがみついたとして、自分のプライドも尊厳も全て売り払い 飼いゆっくり時代には決して味わうことのなかった死の恐怖に怯え続ける毎日しかない。 つまるところ、飼いゆっくりは生まれた時から 自分の生死すら人間の自由にされる奴隷契約書に勝手にサインされた状態なのだ。 そんな飼いゆっくりと元飼いゆっくりが可哀想でないとしたら この世に可哀想なゆっくりなど存在しないだろう。 そんな取り留めもないことを考えているうちに おうちに着いてしまった。 お兄さんは気難しそうな顔をしている銅まりさを不思議そうに見ている。 お兄さんはとっても優しいよ でもお兄さんにはまりさの考えていることは分からないだろうし まりさもお兄さんが考えていること、憶測はできても理解はできないんだよ。 お兄さんはお散歩で気が晴れたようで、その日はもう顔を合わせることも無かった。 今日のまりさは機嫌が悪い。 飼いゆっくりと野良ゆっくりの披露宴などという 茶番劇に付き合わされたからだ。 彼女らは披露宴が終わった後 飼い主に結婚の許可を貰いに行くと言っていた。 成功するはずがない。 奴隷が勝手に自分の意志で行動するなど、許されるはずが無い。 人間がお前たちの思いを理解することなんてありはしないんだ。 自分を連れ出したありすが 彼女らの幸せそうな姿を羨ましそうに見ている。 これから死地に送り出そうというのに! 彼女はそんなこと思ってもいないと知りつつ、つい辛くあたってしまう。 自分のそばから逃げるように去るありすを見送ると ふと幹部のちぇんがこちらを浮かない顔で見ているのに気づく。 どうやらこの群れの中で奴だけは結果を予想できているらしい。 なら、そう言ってやれよ! 自分は部外者だ、言っても空気を悪くするだけ。 幹部の重責を担っているなら、群れの構成員を守るという自分の責務を全うしろ! この場で言葉に出すことはできないため 視線に思いを込めて睨みつける。 奴は困ったような顔をして首を振るだけだった。 分かりきった事だった。 新郎新婦だった"もの"にすがりついて泣き叫ぶありす。 狂乱し、自失し、右往左往する群れの連中。 同情したのか、自分を重ね合わせたのか、涙を流す元飼い。 自分と同じく、幸せが踏みにじられた姿を狂喜する元飼い。 地獄絵図だ。 呆然と立っているだけの幹部ちぇんをおさげで張り飛ばす。 こうなった責任はお前にもある、幹部としてやるべきことをやれ。 それだけ言ってありすの元へ駆け寄る。 後ろから幹部ちぇんの指揮を執る声が聞こえた。 ありすを無理やり引き剥がし、おうちまで連れていく。 その間、ずっと幸せそうだった新郎と新婦の話をしていた。 家に着いてからも、帰ると言った時も、その後もずっと。 「おい、まりさ!」 朝、家を出ようとしたところでお兄さんに呼び止められる。 今度はなんだろう? あれから3日目、まだありすはおうちから出てこない。 今は、お兄さんの相手ができる気分じゃない。 できれば早めに切り上げたいが・・・ 「これ、持って行ってやれ」 お兄さんがゆっくり用のお菓子が入った袋を差し出してきた。 持って行って?なんで?まりさ、何も言ってないよ? お兄さんはぽんぽんっと銅まりさのおぼうしを叩くと すぐにおうちに入っていってしまった。 まりさには、人間さんの考えることが、理解できそうにない。 あとがき 作者の考えるゆっくり観はこんな感じです。 "しあわせなけっこん"の2つの手記もどちらも真でどちらも偽です。 お互い自分の望む姿が見えているだけ。 でもとりあえずゆっくりは無残に死んでね!すぐでいいよ! 過去作 anko4604 ミニゆっくりと遊ぼう! anko4606 ミニゆっくりと遊ぼう!2 anko4608 ミニゆっくりと遊ぼう!3 anko4614 さぽーとするよ! anko4615 ミニゆっくりと遊ぼう!4 anko4617 しあわせなけっこん
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夕暮れの街を、かがみと二人、並んで歩く。 駅へと伸びる大通り。 人通りは、皆無ではないけど多くもなく、代わりに交通量がそこそこ多い。かといって会話に 支障が出るほどの騒音もない。 これなら、かがみも文句はないと思う。 “――場所、変えない?” そう提案したのは私の方だった。 かがみはあのまま教室を使いたかったみたいだけど、さっきの白石君みたいにまた人が来る かも知れないと、そう言うと渋々納得してくれた。 言い訳だ。 本当は、嫌だった。 夕日の差し込む教室――そんな出来すぎの舞台でかがみと二人きりになるということが。 もし本当にアレが最終ステージだとすれば、その先にはエンディングしかないことになる。 つまり、私とかがみの間で何かが終わってしまう。 そんな気がした。 そんな気がして、嫌だった。怖かったんだ。 もちろん実際にそんなことがあるわけはないし、そもそも場所を変えたところでかがみの言う “話したいこと”の内容が変わるわけでもない。だから、要は気分の問題だ。 「人に聞かれたくない話は外を歩きながらってのが、私の持論でね」 「……ソレはアレか? つまり私はアンタに殺されるのか?」 できる限りの明るい声で言う私に、かがみは冷たい声で返してくる。 「へ?」 「デスノでしょ。無理やり読まされたから知ってるわよ」 「……そっか」 無理やり、か。 わりと喜んでくれたと思ってたんだけどな。面白いって言ってくれたし。 でも――やっぱり――そうじゃなかったのか。 「? こなた?」 「あ……ごめん。なんでもない。――ごめん」 気遣わしげなかがみの声に、慌てて首を振る。 「それより、話ってなんなの?」 そして切り返す。 「あ……あぁ、うん……」 するとかがみは、目を逸らして押し黙ってしまった。 さっきからずっとこんな感だ。話があるって自分から言ってきたくせに、なかなか切り出そうと しない。教室を出たときからしきりに周りを気にしているし、よっぽど言いにくい、かつ人に 聞かれたくない話なんだろうか。だとすればそれはなんだろう。 ……もしかして。 そんな思考が浮かぶ。 二次元、というかフィクションに毒された私の脳が、とある馬鹿げた可能性を提示する。 そんなわけないのに。 かがみがそんなことを、言うはずがないのに。想ってるはずがないのに。 確かに、隣を歩く顔は、その頬には、薄っすらと朱が差しているように見える。 だけどそんなのは夕日のせいだ。そうに決まってる。 空も、街も、人も、車も、オレンジに染まっている。だからかがみも。そして、たぶん私も。 それだけの話だ。 ――でも。 もし。 仮に。 そうだとしたら。 私はどうするだろう。 どんな反応をするんだろう。どんな顔をするんだろう。どんな返事をするんだろう。 なんだか無責任な言い草だけど、自分でもさっぱりわからないんだから仕方がない。 本当に見当もつかないんだ。 仮にかがみにそれを言われたとしたら、私がどうなってしまうのか。 胸に手を当ててみる。 ――うわ。 なに、これ。なんか凄いドキドキ言ってるよ。 驚いて慌てて手を下ろす。 無駄だった。 痛いぐらいに暴れてる心臓が、まるで耳元にあるみたいに喧しい。 どうしよう。困る。こんなの、困る。こんなにうるさかったらかがみにまで音が届いちゃう。 ちらり、見上げた。 目が合った。 「――っ!?」 死ぬかと思った。 一瞬、本当に心臓が止まるかと。 だけどそんなのは、一瞬だけだった。次の瞬間には収まってしまった。代わりに灰色の何かが 心に満ちる。 かがみが、普通の顔をしていたから。 話の切り出し方について迷っているのか、私の挙動を不審に思っているのか、少しだけ眉が 寄っていたけど、それ以外は至って普通。ツンもデレもない、素のままの表情。 私の考えていたようなことを言おうとしてる人間が――他の人ならいざ知らず、かがみが―― こんな顔をしていられるわけがない。 頭がゆっくりと冷えていくのを感じた。 馬鹿みたいだ。 いや、馬鹿だ。 「……ねぇ、かがみ」 一つ、わかったよ。 「ん……?」 私が、かがみを好きだってことが。 「話があるんだよね?」 それが、いわゆる恋かどうかはわからないけど、少なくともかがみにも同じように想って欲しいと 望んでるってことが。 「……うん」 それがわかったら――なんだろうね。逆に落ち着いちゃったよ。 冷めた、っていうのか。 だから、もう面倒くさい。 なんだかわからないこの状況を、早く終わらせたい。 「それってさ、私に何かを言っておきたいの? それとも何か訊きたいの?」 「あー…………うん。両方、かな」 「それは、別々のこと?」 「え? ……いや、言った上で、聞きたい……んだけど」 「そか。じゃあ――つまり、私に何か知らせることがあって、それを私がどう思うか訊きたい、とか?」 「う、うん。そうね。そういうこと」 急に饒舌になった私に戸惑っているのか、かがみの声は上滑り気味だ。 そんな姿に、また一段と心が沈んでいく。 「勉強とか進路とか、そういう話?」 「え? あぁいや、そういうんじゃないの」 そういえば急に静かになったけど、心臓。動いてるよね。 胸に手を当てる……うん。動いてる。 「じゃあ、つかさやみゆきさんは関係ある?」 「え? いや、つ、つかさは――……いや、ううん。二人とも関係ない。私とあんたの問題よ」 「……」 足が止まる。 かがみも止まった。 「ってゆーか、ごめん。ちょっと待って」 「……何が?」 見上げると、かがみは両手をせわしなく動かして、焦っていた。 「いや、だから、話があるって言ったのは私なのに、こんな調子で。……ただ、その、ね? やっぱ 歩きながらじゃ喋りにくいってゆーかさ」 ぎこちない笑顔が、明らかに紅潮している。夕日のせいなんかじゃない。 でも、そうとわかっても心臓は静かなままだった。 「……どこか入る?」 「いや、だから人目は……」 「……」 鼻から小さく息を吐いて、視線を少しスライドさせる。 かがみの背後、やや斜め。道路を挟んで建っている中古車屋のさらに向こう側。 「確かアッチに、公園あったよね。そこでいい?」 「う、うん」 面倒くさいなぁ、もう。 「――はい」 「ありがと」 差し出されたミルクティーの缶を素直に受け取る。 奢ると言われた。いつもなら遠慮するところだけど、今日は素直にお言葉に甘えた。 それぐらいなら、いいよね。 「……ふぅ」 隣に座ったかがみは、自分の緑茶をさっそく開けて飲んでいる。 「こういう時ってさ」 私はまだ開けないで、成分表示なんかを眺めてみる。 「ん?」 「マンガやドラマだったら問答無用だよね。いきなり缶を差し出しながら、『コーラと烏龍茶、どっちに する?』とか、『ココアでよかった?』とか。普通買う前に訊くよね」 両手で挟んでローラーみたいに転がしてみると、缶についていた水滴が黒く濁った。 手が汚れてたみたいだ。 「……だから、買う前に訊いたじゃないの」 「そだね」 制服のスカートで拭う。 「――話って?」 「え? ――あ、ああ。うん」 訊くと、かがみはやっぱり辺りを見回す。 そう広い公園じゃない。 キャッチボールぐらいにしか使えそうにない広場と、ブランコと砂場。それと今私たちが使っている ベンチが一つ。全体を囲うように背の高い木が植えられているから人目にもつきにくいし、こうして 二人きりに、あるいは一人きりになりたいときには打ってつけの場所だ。隣接するビルに遮られて 夕日の赤が入ってこないのも、私としてはちょうどいい。 「――噂を聞いたのよ」 かがみが口を開いた。 顔を向ける。今度は目は合わない。 正面に戻す。 「どんな?」 「その……驚かないで聞いて欲しいんだけど……」 驚くようなことなのか。 私が援交してる、とかかな。 なるほど、そりゃ言いにくいし人にも聞かれたくないよね。馬鹿ばかしいけど。 「わかった」 うなずくと、視界の端でツインテールが小さく揺れた。 「その……ね?」 「うん」 「私とあんたが、付き合ってるんじゃないか――って」 「……」 風の音がした。 遠くからは車のエンジン音。姿は見えない。公園を囲う木に遮られて。 公園。広場。砂場。ベンチ。ブランコ。またエンジン音。背の高い木。緑の葉っぱ。風にざわめく。 灰色のビル。電柱。電線。暗く沈んだ空。手にしたミルクティーのひんやり感。 ミルクティー。 品名、紅茶飲料。原材料名、牛乳、砂糖、紅茶、クリーム、塩化……ナトリウム。乳化剤、香料、 クエン酸ナトリウム、ビタミンC。内容量、280グラム。開缶前によく振ってください。開缶後はすぐ にお飲みください。スチール。空き缶はリサイクル。 「……」 プルタブを起こす。飲み口の黒い穴。甘いニオイ。スチールの歯ざわり。甘い味。粘つく砂糖の 舌ざわり。気持ち悪い。私もお茶にすればよかった。私とアンタが付き合ってるんじゃないか。 「…………え?」 首を回す。 かがみはしかめっ面で、少しだけ頬が赤かった。 「だ、だから――私とあんたが、そういう、関係なんじゃないか、って……」 そういう関係。 付き合ってる。 ウワサ。 なにそれ。 なにそれ。 なにそれ。 「誰がそんなこと言ったの?」 「だから、噂で――」 「ウワサを、誰から聞いたの?」 「いや……壁越しに話してるのを聞いただけだから、誰とかはわかんないわ。向こうも私に聞かれた とは知らないと思う。ただ、知らない声だった。男子だったけど」 目を逸らしながら早口で、かがみは答えた。妙に棒読みに聞こえた。台本を読んでるみたいな。 また正面に向き直る。 告白されるんじゃないか。 そう思った。 でも違った。 かといってぜんぜん外れてるわけでもなく、地味に掠ってて、だけどまるで逆だった。 だからこそ、たちが悪い。 好きなマンガが下手なキャストで実写化されてしまった、みたいな。 うん。ドラマ版金田一の明智警視は最悪だった。その後のアニメ版にどれだけ救われたことか。 手の中の缶を握り締める。 力を込めすぎたか、中身が少しこぼれて手にかかった。舌で舐め取る。 甘い。甘い。甘ったるい。 か細い息が口から漏れた。 「……それで?」 「それで、って……だから、どう思う?」 どう思う? って。 そんなの…… 「どう思えってのさ」 「ん……まぁ、そうね」 「そうねじゃないよ。なにそれ? なんでそんな――そんな話になるの? わけわかんないよ」 「それは――」 言いかけて、かがみは口をつぐむ。 だけど、目が。 逸らされることなく私を見据えていた目が、その続きを雄弁に語っていた。 ――あんたの、せいだ。 錯覚かも知れない。 被害――もしくは加害――妄想かも知れない。少なくともかがみは口に出しては言っていない。 しかし、状況が。記憶が。 これまで積み重ねてきた、かがみとの日常の風景が、そんな希望を否定する。 何かとかがみをからかう私。 何かとかがみに頼りきりな私。 かがみに抱きつき、擦り寄る私。 周りに人がいようがいまいがお構いなく。 そんなつもりはなかった。 ただ、面白かったから。楽だったから。ツンデレっぽいリアクションが萌えだったから。 ただ、それだけだった。 でも今にして思えば願望もあったのかも知れない。 それに、他人がどう思うかなんてことも考えたことなかった。 それに――それに。 かがみも嫌がってたのに。 やめろって、するなって、黙れって。毎回そう言っていたのに。 それなのに私は、「ツンデレですね、わかります」なんていって、決め付けて。 本当はそんなんじゃないのに。 考えてみれば私は、かがみがデレるところなんてほとんど見たことがないんだ。 憶えている範囲では今年のバレンタインにチョコをくれたことぐらいか。いくら「デレは脳内補完 するのが作法」っていっても少なすぎるだろう。しかも私だけでなくみゆきさんにもあげてたし。 それに、つかさ。 つかさが作っていたからついでにやっただけだと、かがみは言った。 いかにもツンデレらしいセリフだけど、それが強がりや照れ隠しじゃなく、真実だったとしたら? 誤解されるのを本気で嫌がっていたためにああいう言い方になっていたんだとしたら? そうだとしても、かがみの言動にまったく矛盾はない。その他の、普段のかがみの行動を色々と 思い返してみても、これといって理屈に合わない部分はない。 強いていうなら、なんだかんだ言っても最後には結局付き合ってくれるってことぐらいかな。 でもそれにだって説明はつけられる。 確かに、私とかがみ、二人の間だけで考えれば少し不自然だ。 だけどそこにもう一つ、別の要素を付け加えてみたらどうだろう。 私とかがみの関係を語る上で、欠かせない要素。二人を繋いでいるもの。 すなわち、つかさだ。 私の、高校に入って最初にできた親友で、かがみにとっては、きっと誰よりも大切に思っている 掛け替えのない半身。 そしてつかさにとって、私は、かがみを介することなく友だちになれた初めての相手。 はっきりそうと確かめたわけじゃないけど、会話の端々から想像するに、間違いじゃないと思う。 そんな相手を無下に扱うなんていう選択肢を、あの妹想いのかがみが自分に許すだろうか。 いや、しない。 きっとしないだろう。 だからかがみはなんだかんだ言いながらも私に付き合ってくれるし、渋々ながらも宿題も見せて くれる。すぐに赤くなるのは……まあ、そういう体質なのだろう。いわゆる赤面症だ。 それだけのことに過ぎない。 全ては私の、二次元に毒された馬鹿なオタクの幻想だった。 そして、その幻想に縋り続けてきた結果が、これだ。 「……こ、こなた?」 横方向から心配そうな声が降ってきた。 私はいつの間にかうつむいていた。 「あの……」 「……かがみは……」 「え?」 「かがみは、どう思ったの? そのウワサ」 我ながら力ない声だ。ちゃんとかがみに届くんだろうか。 いや、本当は届かせたくないのかも知れない。答えなんか聞きたくないのかも知れない。 だけどこれは、訊いておかなきゃいけないことだ。 言葉にして伝えるべきことを、伝えるべき相手に、手遅れになる前に。 そういうことなんだよね、峰岸さん。 まぁ、“夢の峰岸さん”だけど。 声は無事に届いたらしく、かがみが答えを返してくる。 「ムカついたわ」 あぁ。 やっぱり。 そうなのか。 「……だよね。――うん。私も、ちょっとイヤかな。そんなふうに思われるのは」 やっぱり場所なんて関係なかったな。 どこに移ろうがやっぱりこれは最終ステージで、その先にはやっぱり“終わり”しかないんだ。 「そ、そう」 うん……? かがみの声が、なんだか変だ。焦ってるみたいに聞こえる。 まぁ、いいや。 面倒くさい。 「珍しいよね」 「え?」 「かがみと私の意見が合うなんて、さ」 そう。 私たちはいつも正反対だった。私が夢中になることにはかがみはどうでもいいと言い、かがみが 真剣になることには私は興味をもてなかった。 「そ、そうだけど……ちょっと待ってよこなたっ」 「何を?」 「何って、だから――」 かがみが、その声が焦ってる。 何を待てというんだろう。もう答えは出ているのに。 「とっ、とにかくこなた! こっち見なさい! 私の目を見て話しなさいっ!」 面倒くさい、なぁ。 「……」 「っ……!」 ノロノロと見上げたその顔は、声と同様に焦っていて、何か驚いていて、そして心配してくれていた。 それは見慣れた色だった。 怒っているときも、呆れているときも、いつでもかがみは、その裏にこの色を滲ませていた。 好きだった。 どんなにだらしなくしてても、オタクな趣味にお金と時間を浪費しても、見捨てないでくれるんだって、 そんなふうに思えたから。そんなふうに、勘違いすることができたから。 「かがみは、優しいよね」 「な、何がよ」 あぁ、また赤くなった。 なのにぜんぜん嬉しくない。 「でもさ、もういいよ。そういうの」 また勘違いしちゃうから。性懲りもなく、都合のいい解釈をしちゃうから。 「私のことなんか、もう構わなくていいよ。私ももう、なるべく甘えないようにするからさ」 「なっ――」 なに、って。 「そしたらもう、ヘンなウワサ立てられることも、ないよね?」 「だっ――」 だ……だ? 「――誰がそんなこと言ってるってのよっ!」 かがみが突然立ち上がり、声を張り上げた。 ……なんで? 「だ、だって、イヤなんでしょ?」 「そんなこと言ってないわよっ!」 「い――言ったじゃん! ムカついたって!」 私も、座ったままで怒鳴り返す。 え? なにこれ? 「言ったけどっ……でも嫌だなんて言ってない!」 「なに言ってんの? イヤだからムカついたんでしょ!?」 「それはっ――とにかく違うのよ! そんなことが言いたいんじゃなくて、私は――」 視線が逸らされる。 歯を食いしばって、身体の両端で、握り締められたこぶしがぶるぶると震えてる。――怒ってる。 でも、何に? 私の言葉に? どの部分に? 私は何もおかしなことは言ってない。ヘンな噂を立てられるなら、どっちもそれが嫌だと思うなら、 そうならないようにしようと、そう言っただけ。 そうすれば私もかがみも……私と、かがみ? ――あ。 そうか…… 「――ごめん」 うつむく。 「え?」 「そうだよね……急にそんなふうになったら、つかさとみゆきさんがヘンに思うよね」 ホント、馬鹿だなぁ、私。 特につかさは、かがみの何よりも大切な存在なのに。かがみのことを考えるなら、つかさのことは 絶対に外せないって、わかってたはずなのに。 「そ――そうよ。変なこと言うな」 声のトーンが落ちた。 一安心……だけど困ったな。だったらどうすればいいんだろう。 もっともらしい理由でもあればいいんだけど、どんな理由ならつかさは納得してくれるだろう。 何を言ってもダメな気がする。ああ見えてけっこう頑固なとこあるから。 いや、ダメだ。諦めるな。 考えろ。 考えろ。 何か方法があるはずだ……って。マンガなんかじゃよく言うけど。 実際は、現実は、三次元では、そうとは限らないよね。二次元だったらご都合主義が働いて、 上手い具合に伏線が張られてたりするけど…… “――なんの伏線もなかったじゃんっ! そんな超展開私は認めないよ!?” 脳内に声が甦る。 私の声だ。 そうだね。あのときも、私の知らないところで物語が進行してて……って、そうだ。そうだよ! なんで忘れてたんだろう! 「かがみ」 顔を上げる。 見つけた。 つかさは納得しないかも知れないけど、そんなことは関係なく、とにかく噂を消す方法。 「な、なによ」 「アレさ、もう返事、した?」 「は? な、何がよ」 「決まってるでしょ。ラブレターだよ」 そう。 それがあった。 あったよ伏線。ははっ、なんだ。三次元もやればできる子だったんじゃん。 「……」 って、あれ? かがみ、なんで、そんな。嫌そうな顔? かと思ったら額に手を当てて、ため息なんかついたりして。 「もう断ったわよ、そんなの……」 「……」 「……」 「……なんで!?」 声が裏返る。 「いつ!? 昨日はまだって言ってたよね!?」 「だ、だからそれは……今日よ。今日の昼。そっち行かなかったでしょ」 腕を組んでそっぽを向くかがみ。 ああ、そっか。そーいやそーなのかなぁとは思った、けど。 「でも、なんで!? なんで断るのさ!」 「なんでって、そんなの……受ける理由がないからに決まってるでしょ。付き合いたいと思える相手 じゃなかったってゆーか……」 「なに言ってんの!? あるじゃん理由なら! 男子と付き合ったらヘンなウワサも晴れるじゃん!」 「なっ……そんな理由で付き合えるわけないでしょ! 相手にとっても失礼じゃない!」 「そんなの――」 そんなの、気にすること……あるのか。 かがみは優しいから。優しくて、真面目で、誠実なひとだから。 だけど、だからこそ、そんなかがみが私なんかのために貶められるのは許せない。 「……別に、いいじゃん、そんなの。始めなんかどうでも。付き合ってるうちに好きになれるかも しんないじゃん」 「それは……」 「そうだよ。それに、かがみいつも言ってるじゃん。カレシ欲しいって」 「――って! 言ってないわよ! 人を万年発情期みたいに言うな!」 なんで、怒るの? 言ってないよ。そんなつもりで言ってない。 「なんで、そんな、ムキになるの? もっと普通に、付き合ったらいいだけだよね? そしたらヘンな ウワサも消えるんだよ? そしたら、私だって自然に離れていけるし、そしたらもう宿題見せる必要 もなくなるんだよ? ゲマズにもムリしてついてこなくていいんだよ? 良いコトづくめじゃん」 「それのどこがいいことなのよ! できるわけないでしょそんなこと!」 「なんで? 大丈夫だよ。私、かがみがいなくても、大丈夫だよ」 「なっ――」 絶句。 なんで? やっぱり私、そんなに信用ない? 「……あんた、マジで言ってんの?」 「当たり前だよ。私、かがみが構ってくれなくても、つかさに冷たくしたりなんか……」 「何の話だよっ!? つかさのことなんか関係ないでしょ!」 関係、ない? 「なんで? つかさがいるから、つかさの友だちだから、かがみは私に……」 「なんでそうなるのよっ! あんた私を馬鹿にしてるのか?!」 「……」 なに、これ。 なんでこんなに、ぜんぜん通じないの? 相手はかがみなのに。 大好きなのに。 だから考えてるのに。 これ以上ないってぐらい、今までしてこなかった分も合わせて、真剣に思い遣ってるのに。 それなのに…… 「……してない。してないよ。馬鹿になんてしてない。むしろかがみが馬鹿にされないようにって、 ヘンな目で見られないようにって――そう思って言ってんじゃん!」 「それが余計なお世話なのよ! ……わかってない。あんたぜんっぜんわかってないっ!」 「わかんないよ……かがみが何を言ってるのか、ぜんぜんわかんないっ! 私とレズ友だなんて 言われて、それがムカつくんでしょ!?」 「れっ……!?」 ああ、なんて言葉だ。 なんでこんな言葉をかがみに言わなきゃなんないんだ。 「だから私は――」 「そんな言われ方されてない!!」 私の言葉を遮って、かがみはさらに声を張り上げる。 肩を怒らせて、両のこぶしを握り締める。ツインテールが跳ね上がる。 「私たちが凄く仲がいいって、そういうことをちょっと言ってただけよあいつらは!」 「はぁ!?」 だけど続けて言ってきたのは、まさに「はぁ?」だ。 もう、本当に、何がなんだかわからない。 「なにそれ? ぜんぜん違うじゃん」 「だ、だからそれは、言い間違いってゆーか……」 「言い間違いってレベルじゃないよ! ぜんぜん違うじゃん!」 視界の端で髪がチラチラ暴れてる。 私が上体と両手を振り回しながら喋ってるから、その勢いで。 いつの間にか私も立ち上がっている。 「だから、それは――わざと、でもあって……」 「なに、それ」 わかんない。ぜんぜんわかんない。 このひとが何を言いたいのか。何を考えてるのか。 いつもならすぐに見抜けるのに。少なくとも、そんな気になれてたのに。今は一ミリもわからない。 「た――試したかったのよ……」 搾り出すような、声。 視線は地面。 「試すって、何をさ」 「だから――私も最初は、付き合ってるんじゃないかって、さっき言ったみたいに言われたように 感じて、だから、つまり――」 だから、とか。 つまり、とか。 さっきからそればっかりだ。しかも言うたびに中身がコロコロ変わるし。 「――でも冷静になって考えたら、そうじゃないって、わかって……そうしたらわからなくなって…… 私とあんたって、なんなのかって……」 何を言っているんだろう。 本当に、このひとは、何が言いたいんだろう。 「……わかんない。わかんないよ。私、バカだから――私にもわかるようにちゃんと言ってよっ!」 「だからっ……!」 怒声を磨り潰し、腰の両側でこぶしを握り締めて、全身全霊で彼女はうつむく。 そうして“溜め”を聞かせた言葉を発しようと口を開いた――そのとき。 風が吹いた。 不意打ちのような突風に巻き上げられた私の髪が、そのうち一本が、目の中に。 文字通りに物理的に、飛び込んできた。 「っ!?」 とっさに手で押さえる。 そんな私の様子に気付いていないのか、彼女は口を動かし続ける。 「――私はっ――」 そして――言った。 風はすぐに止んだ。 だからはっきりと聞こえた。 そのひとの、その言葉は、一音も損なわれることなく、私の耳と脳に届いた。 閉じた目を見開く。 無事だった片方だけを。 そうして見た、世界は―― そこに立っていた人間は―― 遠近感が薄れて、妙にのっぺりと感じられる背景は―― 吊り目でツインテールの、セーラー服の女の子は―― 「え……?」 まるで、二次元の、ようだった。 コメントフォーム 名前 コメント 続編を全裸で待機させて頂きますwww -- 名無しさん (2008-10-12 07 06 42) 一言だけで申し訳ないッスが・・・GJとしか言えないです。 続き待ってますね。 -- kk (2008-10-12 00 41 55) また続きが待ち遠しくて仕方がない作品に巡り合ってしまった… -- 名無しさん (2008-10-09 06 48 53) 毎回楽しみにしております。すでに5回読み返していますが 何というか文章って凄え!と再認識 言葉の羅列なのにここまでの表現できるのかと -- 名無しさん (2008-10-08 21 47 52) タイトル見た時点でハラハラしながら読んでたら・・・ 期待していいのだろうかw とにかくGJ!! -- 名無しさん (2008-10-08 19 31 30)
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903 :NPCさん:2010/10/09(土) 23 08 47 ID ??? ちょっと前。愚痴スレ向きかもしれんが メガテンファンの友人4人で集まって、メガテンTRPG200xをやろうとしたときのこと 俺(GM)と困以外はTRPG初心者だったので、200xのデータ量とシステムをそのままいきなり取り入れるのはきついと思い 「最初は簡単なシステムとシナリオでやって、慣れたら新しいことをしよう」と俺が提案して 初心者の友人二人もサプリやルルブを見て、俺が基本的なことを簡単に説明して、その方向で決定したのだが 困は何故か自キャラ(20L、ファントムのサマナーでうんたらかんたら……)を持ち出してきて、それを使わせろと懇願 当然却下したのだが、そのあと困はサプリを持ち出して使用する予定のないシステムをどんどん入れようとする。 しかも説明が間違いまくりな上に漠然としていて、友人二人は全然理解できてない 場のテンションが下がってるのに気付かずに「このシステム入れたい入れたい!」と言い続ける困 「自分だけが理解できててもしょうがないでしょ」と言ったら、困は「みんながルールを理解できずにゲームできるわけないじゃん!」と言う もうわけがわからない さすがに呆れてその場は適当にあしらって終わらせたのだが さらに後日、いきなり「シナリオ考えてきたからこれ使って!」と紙を数枚渡された。 内容は明らかに初心者向けじゃない上に、作成したPCレベルを大幅に上回るGP もう我慢ならんと思い、プレイ日を困の来れない日に指定して、友人二人にもそれに合わせてもらった 困には「都合があまりつかなくて、もしかしたら中止になるかもしれん」と伝えてある 友人二人と、新しく入ったメガテニストの方と一緒に隠れてプレイしてるのは内緒 906 :NPCさん:2010/10/09(土) 23 17 27 ID ??? 903 困は放置。そのまま消えてくれることを祈ろう。 修羅場になったら、強くなった初心者達を仲間に戦え! 幸運を 祈る。 904 手短によろしく。 909 :NPCさん:2010/10/10(日) 05 22 38 ID ??? 903 ガンバレ うちは、真メガテン以前からやってる層(古典派)とペルソナ・デビサマ層の確執があるため原則できないんだよね 910 :NPCさん:2010/10/10(日) 06 37 30 ID ??? そういう場合はifを軸にすればいい スレ259
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anko4600 妙味 【いじめ】 anko4601 ふくしゅうするよ! 【いじめ】【挿絵】 anko4602 ゆっくり自殺してね!!! 【いじめ】 anko4603 まりちゃ復活 【虐待】 anko4604 ミニゆっくりとあそぼう! 【愛で】 anko4605 腐れ饅頭 【いじめ】 anko4606 ミニゆっくりとあそぼう!2 【愛で】 anko4607 こたつむりvs気まぐれ鬼威惨 【虐待】 anko4608 ミニゆっくりとあそぼう!3 【愛で】 anko4609 ゆたんぽふえる~一般向け~ 【いじめ】 anko4610 家畜ゆっくり 後編1 【虐待】 anko4611 理不尽 【いじめ】 anko4612 野菜は誰が為に 【制裁】 anko4613 福笑いゆっくり 【いじめ】 anko4614 さぽーとするよ! 【制裁】 anko4615 ミニゆっくりとあそぼう!4 【愛で】 anko4616 れいむがピアノを弾かなくなった理由 【愛で】 anko4617 しあわせなけっこん 【制裁】【挿絵】 anko4618 理解できない 【愛で】 anko4619 ある群れの末路 【いじめ】 anko4620 働く自宅警備員 【制裁】 anko4621 にんげんのいないまち 【観察】 anko4622 加工所怖い 【制裁】 anko4623 げすなゆっくり 【観察】 anko4624 ゴミ箱のゆっくり 【いじめ】【挿絵】 anko4625 生れ落ちたら 【虐待】 anko4626 とある群れの越冬 【制裁】 anko4627 続・希少種はゆっくりできないよ! - せーが頑張った編 - 【観察】【挿絵】 anko4628 お姉さんと anko4629 おかざりは誰がために 【制裁】 anko4631 鬼井俊明のゆっくり試験 【虐待】 anko4632 しあわせなかぞく 【制裁】 anko4633 幸せなまりさ 【観察】 anko4634 おかざりきり 【観察】 anko4635 ミニゆっくりとあそぼう!5 【愛で】 anko4636 ささやかなプレゼント 【虐待】 anko4637 差し伸べた手と代価 【いじめ】 anko4638 ゆっくり相撲でいぶ場所 【制裁】 anko4639 おかざりジャンケン 【いじめ】 anko4640 ゆっくりしてない? 【小ネタ】 anko4641 さとれるお兄さんとさとれないさとり 1 【愛で】 anko4642 おこたみかんは至高 異論は認める 【いじめ】 anko4643 ゆっくり試し斬りしていってね! 【小ネタ】 anko4644 ゆっくり実験 【考証】 anko4645 さとれるお兄さんとさとれないさとり 2 【愛で】 anko4646 ゆっくりのごみばこ 【小ネタ】 anko4647 「ゆっくりの解剖と性格の変化について」 【観察】 anko4648 窓を開ければ 【いじめ】 anko4649 ゆんごくにいちばんちかいばしょ 【観察】 anko4650 ベンチにて饅頭と遭遇 【いじめ】 anko4651 ゆっくり牧場のまりちゃの記録 【虐待】 anko4652 正義の行方 前編 【制裁】 anko4653 ゆっくり剛力絆創膏 【制裁】 anko4654 西暦2999年のゆ虐 【虐待】 anko4655 日常風景 【観察】 anko4656 Fー9番のゲスまりさ 【いじめ】 anko4657 ちぇん&おじさんwithまりさ 【ギャグ】【挿絵】 anko4658 ぱちぇと一緒に加工所見学 【愛で】 anko4659 たまたまりさ 【虐待】 anko4660 ゆっくり鉢 【いじめ】 anko4661 おうちが壊されてゆん生が終わる 【虐待】 anko4662 ゆっくり村に春が来る anko4663 ものれいむ 【いじめ】 anko4664 せーがvs楽しいゆっくり一家 【虐待】 anko4665 選ばれし走りゆたちの祭典 【いじめ】 anko4666 巻き戻し、再生。 【制裁】
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明るくなった病院の前に立つ2人の男。 「おいおい…銃声がしたと思ってこっちの方に来たら…」 倒れている男に駆け寄る07。 (パフェ…何でこんなとこで死んでるんだ) 「知ってる奴なのか?」 その後ろから雷電が問いかける。 「ああ…こいつは俺と同じ軍の仲間でな…」 “軍”と言う言葉に少し疑問を感じる雷電。 が、それはあえて聞かずに話を進める。 「そうか…」 07はもう冷たくなっているパフェニーの体をその場に寝かし、病院へ向かって行った。 (…ん?これは…) 雷電は地面に転がっているデイパックから何かがのぞいている。 それを拾い上げ、まじまじと見つめる。 (爆弾?まあいい、貰っておこう) 少しデイパックの中を調べてみたが、起爆装置のような物は見当たらなかった。 「…おい!雷電、ちょっと来てくれ」 07が病院の中から呼びかける。 「ああ、今行く」 「ここでも人が死んでいるのか…」 ロビーに転がっている死体を見下ろし呟く雷電。 「プリンじゃないか…何でこうも知ってる奴が多いんだ…」 07が小声で呟く。 (頭を撃ち抜かれてるな…この分だと即死か。まあ苦しむよりまだいいか) よく◆PURIN//46Eの死体を見る。 体に触れてみると、まだ暖かく死んでからそれ程経っていないことが分かる。 「…やめよう。調べても、何の解決にもならない」 雷電が07に呼びかける。 「ああ…そうだな」 辺りをうかがうが、人の気配は無い。 (殺した奴はもう何処かに行ったか…) 【一日目/黎明/E-7:病院ロビー】 【07@板対抗BR】 [状態]健康 [装備]:デザートイーグル@現実 [所持品]:支給品一式、ロア全集@その他 [思考・行動]: 1:パフェニーを殺害した人間を捜索? 2:なぜこうも知っている人間が… 【雷電@メタルギアソリッドシリーズ】 [状態]:健康 [装備]:ねぎ(武器)@板対抗BR [所持品]:支給品一式、不明支給武器 [思考・行動]: 1:…。 2:ま と も な ぶ き が ほ し い Back 全盛期のイチローでも 時系列順で読む Next Back 全盛期のイチローでも 投下順で読む Next Back 静かに朝を迎えられない 07 Next Back 静かに朝を迎えられない 雷電 Next
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未だに原理が理解できないもの 1 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 07.06 ID 5rUyQEUp0 飛行機が飛ぶ仕組み 2 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 41.43 ID wPZbNyCk0 物が燃える 3 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 07.06 ID 5rUyQEUp0 マイナスにマイナスかけたらプラス 4 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 41.43 ID wPZbNyCk0 アニメキャラの髪型、そして頭の形 5 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 48 05.23 ID 7uP3p25XO 重力 6 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 49 42.66 ID vWr5hHoI0 冷蔵庫とかクーラーが冷える仕組み。 電力消費して冷えるとかマジで脅威なんだが。 7 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 50 02.46 ID 9HzAs0Rz0 飛行機が飛ぶ仕組みと船が浮く仕組み 9 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 51 37.20 ID 8V1nuqNO0 俺が死なずになんとか生きようとしてること 11 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 52 26.03 ID quahTZN80 テレビとかなんで映るのか理解できない PCとかも 12 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 52 47.65 ID VE9x4YizO 写真の原理 13 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 52 50.88 ID FZmuthJU0 年金も国債もネズミ講と同じようなもんだよな それを理解した上で国がやってるからたちが悪い 14 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 52 55.63 ID GP/p8YhAO スタンガン 電源は乾電池だろ? 乾電池って1.5Vだろ? 何故武器になるんだ? 乾電池触ってもなんともないのに。 15 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 53 18.53 ID /ZDr40NfO 俺に彼女が出来ない理由 16 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 54 15.56 ID xCsN0zt00 正直殆どの電化製品の仕組みが分からん 17 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 54 28.03 ID u+nHibW3O CDとかDVDとか ほんとどうなってんのかね 18 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 54 30.69 ID NZLRhhNm0 なぜ太陽系の星々が誕生し得たのか 19 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 55 33.23 ID 8V1nuqNO0 パワプロのオリジナル選手のパスワードの仕組み 20 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 55 41.11 ID a3m/r1nk0 抜いた後の罪悪感と虚しさ 21 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 55 50.26 ID aIlnpD9/0 寝る瞬間の切りかわり。 22 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 57 28.75 ID JasSelz6O なぜ建造物の高さには限界があるのか 23 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 57 38.13 ID Ge6A/dp3O 炎が赤い理由 なんで色がつくんだよ 24 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 58 38.41 ID UuSpkuTNO 笑うツボ 25 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 59 58.35 ID k+J5+NfhO 雰囲気の作り方 なんとなく、こんな風景、こんなBGM、こんな匂いで~っていうのは想像できるけど なぜムードというのができるのかわからない 26 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 07.06 ID 5rUyQEUp0 どんな物にしても最初に考えたやつはすごいよな 27 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 41.43 ID wPZbNyCk0 動物が考え、行動できること 30 :名無しさん :2006/05/01(月) 10 43 07.06 ID 5rUyQEUp0 陰毛は性器を目立たせてるのか隠してるのかわからない
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書籍情報 あらすじ 既刊一覧 書籍情報 タイトル 理系伯爵は女心が理解できない 著者 花粉症 イラスト 甘塩コメコ 出版社 ハーパーコリンズ・ ジャパン レーベル アンジェリカ Nコード N4221CP(ムーンライトノベルズ) 連載開始 2015年 04月02日 あらすじ 名目だけの夫・トマスがいきなり「申し訳ないが、僕とセッ……あー、白い結婚の件を無かったことにしてほしい」って、本気!? 結婚したとき一方的に別居を宣言してきたくせに!! けれど子どもの頃から彼に惹かれていたトレイシーはついOKしてしまう。あれよあれよで始まった、すれ違い夫婦の甘い(はずの)蜜月。ロマンス小説を愛読する妄想ぎみの伯爵夫人と、融通の利かない年下伯爵、果たして二人は理解し合えるのか? 新感覚のネオヒストリカル! 既刊一覧 タイトル 発売日 分類 ISBN 値段 詳細ページ ストア ランキングデータ 理系伯爵は女心が理解できない 2016年 05月01日 一般書 978-4-596-76606-9 1,200円 アンジェリカ Amazon B☆W 書籍データ
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729 名前: NPCさん 04/10/21 22 46 10 ID ??? なんかアリアンロッドはイタイのが多いな・・・ わしが会ったのはコンベのゲームの卓振りにて・・・ マスター希望者「今日はアリアンロッドをやりたいと思います」 マスター希望者「ゲームはラグナロク・オンラインを想像するといいです」 質問者「ラグナロク・オンラインってどんな感じのゲームですか?」 マスター希望者「ラグナロク・オンラインはやったことが無いので判りません」 コンベ参加者 (;´Д`) <こいつナニ言ってやがるんだ・・・ 当然卓は立ちませんでした。 スレ37
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852 陽気な名無しさん New! 2011/05/03(火) 23 57 08.41 ID oOzVw7E80 良い曲ね。 あたしも長く付き合っているパートナーがいるからその相手を 思い浮かべて聞くと結構グっとくるわ。 聖子世代ならば子供もそろそろ独立する人もいるでしょう。 そんな世代に突入した穏やかな夫婦を思い起こさせるわね。 そういった永遠のパートナーも存在せず、優しく微笑みあえる関係を想像もできない まさに 糞みたいな人生 を送って来た糞人間には理解できないでしょうね。
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大衆は高尚なものが理解できない 俺の芸術センスが分からない奴は死ねよ 生きてる価値なし 高尚なものが上 だが人は安い方に流れる 低俗なものに金を落とす 民主主義資本主義は衆愚政治を招いてこのザマだ 高尚な俺を崇め奉り、「すみませんすみません低俗で」とへこたれながら生きよ 高尚な俺様を敬ってすまなそうに端っこで生きてろ。士農工商であろうが! 武士は食わねど高楊枝が一番偉いんだよ。汚い銭稼いでる大衆向け商人がでかいビル生意気に構えてんじゃねー。すまなそうにしてろカス