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anko3500 三日饅頭 【小ネタ】 anko3501 胴つきさんはゆっくりできるね! 【虐待】 anko3502 あみゃあみゃはあみゃあみゃだよこのきゅじゅ!! 【いじめ】 anko3503 じゃまもの 【考証】 anko3504 れみりゃと煙突 【いじめ】 anko3505 ゆっくり秋姉妹 【制裁】 anko3506 駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その1 anko3507 ゆんバーガー作ろう anko3508 まりさの素敵なゆん生 【制裁】 anko3509 ゆっくりいーたー 【パロディ】 anko3510 わさ種が胴付きになったら? 【愛で】【挿絵】 anko3511 ピタゆっくり作ろう anko3512 百ゆ゙っ回目のプロポーズ 【虐待】 anko3513 野良ゆっくりを可愛がってみた(主に相撲的な意味で) 【愛で】 anko3514 嘘? 【愛で】 anko3515 まりさの楽園 中編 【制裁】 anko3516 この世はゆっくりできない 【虐待】 anko3517 駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その2 【考証】 anko3518 雨のゆっくり遊び 【いじめ】 anko3519 孤独なれいむと森に住むぱちゅりー 【制裁】 anko3520 ゆん生のロープ 【制裁】 anko3521 ゆっくりつかいすてていってね! 【愛で】 anko3522 野性のゆっくりとゆっくりしてみた 【パロディ】 anko3523 どちらか選べ 【小ネタ】 anko3524 トンネルズアンドドスズ 【いじめ】 anko3525 笑ゆせぇるすまん 【いじめ】 anko3526 気持ち悪い! 【制裁】 anko3527 大臼歯 【小ネタ】 anko3528 悪いのは誰? 【制裁】 anko3529 てのりれいむと愉快?な仲間達 【愛で】 anko3530 ゆっくりに「どちらか選べ」と言ってみた 【虐待】 anko3532 工作ゆ虐 【虐待】 anko3533 笑ゆせぇるすまん 「おちびちゃんのいる風景」 【いじめ】 anko3534 ゆっくりしているゆっくり 【虐待】 anko3535 のどが渇く 【いじめ】 anko3536 ゆっくりに生まれた罪 【いじめ】 anko3537 野性のゆっくりとゆっくりしてみた2 【パロディ】 anko3538 ゆっくり108番勝負!!『まりさvs蟻』 anko3539 SHARPENS ゆー UP 【愛で】 anko3540 砂場さんはゆっくりできる? 【虐待】【挿絵】 anko3541 蜃気楼 【いじめ】 anko3542 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(前編) 【制裁】【挿絵】 anko3543 ちらんし寿司 anko3544 楽園 【観察】 anko3545 霊園の野良ゆ対策 【制裁】 anko3546 ちゅうしんゆら(前編) 【愛で】 anko3547 ちゅうしんゆら(中編) 【愛で】 anko3548 ちゅうしんゆら(後編) 【愛で】 anko3549 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(中編) 【愛で】【挿絵】 anko3550 ゆっくりつみをあがなうよ!(前編) 【制裁】 anko3551 ゆっくりつみをあがなうよ!(後編) 【制裁】 anko3552 風景 【いじめ】 anko3553 ゲスな胴付きを制裁 【制裁】 anko3554 人間はゆっくり出来ない 【いじめ】 anko3555 駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その3 【考証】 anko3556 ある見張り番との会話 【パロディ】 anko3557 非ゆっくり症 【小ネタ】 anko3558 ゆっくりできなかった、ゆっくりこいし 【観察】【挿絵】 anko3559 ある怖がりな群れの話 anko3560 とある沢での小騒動 【愛で】 anko3561 ゆっくりぱるすぃ 【愛で】 anko3562 ゆーファーミングシュミレーター2011 【制裁】 anko3563 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続・中編) 【制裁】 anko3564 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続々・中編) 【制裁】 anko3565 その厄誰の役? その役誰の厄? 【制裁】 anko3566 まっちょりーナイス・バルク! 【小ネタ】 anko3567 まりさの楽園 中編 その2 【制裁】 anko3568 まりさの楽園 中編 その3 【制裁】 anko3570 自画自賛 【いじめ】 anko3571 ゆうかの花壇(前) 【愛で】 anko3572 ズドドドドド 【愛で】 anko3573 身分が違いすぎた二匹のお話 anko3574 続・ゆっくりを食べる・・・ 【パロディ】 anko3575 n秒間 anko3576 おちびちゃんとゆっくりできたらいいな! 【虐待】 anko3577 たすけてね! 【いじめ】【挿絵】 anko3578 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(後編) 【制裁】 anko3579 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続・後編) 【制裁】 anko3580 おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続々・後編) 【制裁】 anko3581 肌色の花壇 【いじめ】 anko3582 親と子の契約 【考証】 anko3583 節ゆっくり 【いじめ】 anko3584 ゆかりんナイス・スメル! 【ギャグ】 anko3585 賢いゆっくり anko3586 ゆっくりしけんするよ 【愛で】 anko3587 酔漢 【虐待】 anko3588 受け入れられない 【いじめ】 anko3589 ゆっくり対土下座 【パロディ】 anko3590 声、そして沈黙 【小ネタ】 anko3591 浜辺にて 【いじめ】 anko3592 ゆっくり燃えつきろ 【制裁】 anko3594 ゆっくりの鳴き声 【いじめ】 anko3595 横暴 【小ネタ】 anko3597 声をきかせて 【小ネタ】 anko3598 檻の中のゆっくり外界を知らず 【いじめ】
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『自画自賛』 10KB いじめ 考証 自業自得 野良ゆ 子ゆ ゲス 加工場 現代 独自設定 えーと18作目……かな? 「れいみゅ、きゃわいくっちぇごめんにぇえ!」 「ゆっ!れいむのかわいいおちびちゃんをみてゆっくりできたでしょ!おれいとしてあまあまをよこしてね!すぐでいいよ!」 「しゃっしゃとよこちてにぇ!きょのぐじゅっ!!」 公園のベンチでのんびりタバコをふかしている俺の足元に、 これまた典型的なゲスでいぶとそのガキが現れて上記のセリフを吐いた。 ふむ。かわいい自分を見れたのだからお礼に甘い物をよこせ……か。 「無理だね。だってこの子れいみゅ可愛くないし、ゆっくりもできないし」 「どぼじてしょんなこちょいうにょぉぉぉぉぉっ!?」 「じじいはめがくさってるのぉぉぉっ!?おちびちゃんはでいぶににて、こーんなにぷりちーでしょぉぉぉぉっ!!?」 「ばーきゃばーきゃ!れいみゅはきゃわいいもんっ!ぴゅんぴゅん!」 ああやはりつまるところはそれか。ならてめーが可愛くないってことを証明してやろうじゃないか。 俺は身だしなみを整える為とこういう時の為にいつも持ち歩いている 携帯型の小さな手鏡を取り出すとれいみゅに見せて言った。 「いいか?こいつは鏡さんといってお前の姿を映し出してくれる道具だ」 「ばーきゃ!ばー……ゆっ?かがみしゃん……?」 「こいつで自分の姿を見て自分で判断しろ。本当に自分が可愛いかどうかをな」 「ゆーん!かがみしゃんには、きゃわいいれいみゅがうつるにきまっちぇるよ!じじいはびゃかにゃの?ちぬにょ?」 「そのとおりだよ!おちびちゃんはかがみさんでれいむにのかわいさをさいっかくにんっしてね!」 「あーはいはい。なら存分に可愛い自分の姿という奴を見ろ。ほれ……」 俺はかがみこんでわざわざれいみゅが見やすい位置に手鏡をもってってやった。 れいみゅは自信たっぷりのドヤ顔で手鏡に映った自分を見た。 親でいぶは「ゆゆーん!おちびちゃん、れいむにのかわいさによいしれてるよ~♪」とか抜かしている。 果たしてそうかな?俺にはあまりのショックに硬直しているようにしか見えないが……。 そしてたっぷり1分後……硬直が解けたれいみゅは絶叫した。 「にゃ、にゃ、にゃ……にゃんにゃのこりぇえええええええっ!?」 「ゆゆっ?」 「こ、こりぇ……?こりぇがれいみゅにゃの?う、うちょだよ!きょんなきちゃないにょれいみゅじゃないぃぃぃぃっ!!」 「な、なにいっでるのぉぉぉぉっ!?おちびじゃんはぎだなくないでじょぉぉぉぉっ!?」 やっぱりなあ。まあ予想通りというかなんというか…… こいつられいむ種は二言目には自分のことを「かわいいれいむ」と抜かすが、 飼いゆならともかく野良ゆは生まれてから自分で自分の姿を見ることなんてほとんどないはずだ。 自分の姿も正確に把握してないくせにかわいいもへったくれもあるか。 大抵は「可愛いれいみゅ」とやらを自分の脳内で妄想して、それが真実の自分だと思い込んでいるだけ。 現実を見せてやればこんなもんだ。 「まあ確かに汚いよな。あんよなんか地面にこすれて黒くなってるし」 「ゆぐぅ!」 「髪の毛はボサボサで肌はカサカサでさ」 「ゆぅぅぅぅっ!!」 「お飾りのリボンはなんかしらねーけどカピカピだし。どうせお手入れとか称して舌で舐めまくったんだろうが汚ねーなあ」 「ゆぐぅぅぅっ!き、きちゃな……きちゃなきゅなんきゃ……!」 「汚いかどうかは自分が一番よくわかってることだろ?で、どうよ?れいみゅはきゃわいいにょ?」 「ゆぎぎぎぎぎぃぃぃぃ!!ゆ、ゆ、ゆっくじぃぃぃ!ゆっくじできにゃいぃぃぃぃっ!!」 「おちびじゃぁぁぁんっ!?や、やべろぉぉぉっ!いじわるなぐぞじじいはでいぶにの かわいいおちびじゃんをいじめるなぁぁぁぁっ!じねぇっ!じじいはゆっくじじないでいまずぐじねぇぇぇぇっ!!」 もうれいみゅは大量に餡子を吐き出す寸前だ。かなり弱ってるからな。 親でいぶは狂ったように俺の足に体当たりをしてくる。 面倒くさいので俺は親でいぶを思っきり蹴り飛ばした。 親でいぶは「ゆげえ!」とか言いつつごろごろ地面を転がってそこの木の根元にぶつかって気絶した。 それにしてもれいむ似のかわいいおちびちゃんね……じゃあ次はそこを分からせてやるとしますか。 「おい不細工れいみゅ」 「れ、れいみゅ……ぶさいくじゃにゃいみょもん……」 「あのさ……可愛いなんつーのは他ゆんに言われて初めて価値が出る言葉なんだぞ? 自分で自分をかわいいかわいいと連呼しても全然意味ねーんだよ。そこんとこ理解できる?」 「……ゆ、ゆぅぅ」 「で、さ。お前生まれてから一度でも他ゆんかられいみゅは可愛いね!って言われたことがあるの?ねえあるの?」 「ゆっ?ちょ、ちょれは…………あ、あるよ!」 思い当たるふしがあったのか少しれいみゅは元気を取り戻したようだ。 さてその思い当たる他ゆんというのは…… 「おきゃあしゃんだよ!おきゃあしゃんはまいにち、れいみゅをきゃわいいっちぇいっちぇくれりゅよ!」 「お母さんってそこのでいぶか?お母さんだけ?お父さんはどうなんだ」 「おとうしゃんはゆっくちできにゃいくじゅだっちゃよ!れいみゅたちをおいちぇどっかいっちゃったよ!」 「愛想尽かして出ていったってとこか。まあ親子してゲスじゃ当然だろうが……」 「やっぴゃりまりしゃはゆっくちできないってほんとうりゃにぇえ!おなじまりしゃだったいもうちょも ゆっくちできにゃいくじゅだったもんにぇえ!」 「父親はまりさで妹もまりさ、か。その妹はどうした?父親と一緒に出ていったのか?」 「おきゃあしゃんがきゃわいくにゃい、ゆっくちできにゃいくじゅだといっちぇせいっしゃいしちゃよ!」 「れいむ種びいきね……まあでいぶにはよくある事とはいえ……で、れいみゅの考えとしてはどうなのよ? 妹のまりちゃは本当に可愛くない、ゆっくりできないと感じたのか?」 「ゆっ?も、もちりょんだよ!」 「本当か?親でいぶに遠慮することはないぞ?こいつ俺に蹴られてそこで気絶しているから」 「ゆっ……」 少しは思うところがあったのだろう。 れいみゅは親でいぶの方をちらちら見ると本音を言い出した。 「ほんちょういうちょ……いもうちょのまりちゃはきゃわいいち、ゆっくちちていちゃとれいみゅはおもうよ……」 「でも親でいぶがまりちゃはかわいくない、ゆっくりしていないと言うものだかられいみゅもそれに同調したわけだ」 「ゆぅ……」 「それはいいさ。下手に反論したられいみゅが不愉快になった親でいぶに潰されるかもしれないからな。 でもさ……おかしいと思わないか?れいむ種であるれいみゅはかわいい。まりさ種のまりちゃはかわいくない。 同じ親でいぶの子供なのに何故こうまで差別される?」 「ちょ、ちょんなこちょれいみゅわかんにゃいよ!」 「んじゃ教えてやる。れいみゅがかわいいと親でいぶに言われるのはお前が親でいぶと同じれいむ種だからだ」 「ゆっ?」 「さらに言うならば親でいぶはこう思っている。『おちびちゃんがかわいいのはでいぶににているからだよ!』とな」 「ゆっ?ゆゆっ?」 「さらに『でいぶはかわいいんだから、でいぶににたおちびちゃんがかわいいのはとうっぜんっだよ!』と思っている」 「や、やめちぇえぇぇ!?」 ゆっくりできない嫌な予感がしたのだろう。 れいみゅはこれ以上俺に言ってほしくないと目で懇願する……が、俺はかまわず結論を言い渡した。 「要するにぜんぶ親でいぶの自画自賛だってことだ。れいみゅがかわいいんじゃない、れいみゅに自分を重ねているんだ。 つまりれいみゅは親でいぶにとってただの鏡の代用品ってことさね。親でいぶがれいみゅをかわいいと言うのは とどのつまり自分で自分をかわいいと言ってるだけの事なのさ」 「ゆ、ゆんやあああああああああああああっっっ!!?」 子供がまりさ種じゃれいむ種の親でいぶは自画自賛できない。誉める対象が父親のまりさになるからな。 だからまりさ種のおちびちゃんは潰したり差別したりするんだろう。 でいぶのれいむ種びいきの真相はまあこんなところで間違いないと思う。 でいぶは自分さえゆっくりできればそれでいいのだ。 子供を物乞いの種に使ったり自分の可愛さを確認する為の鏡代わりにしたり、 とにかく自分だけがゆっくりする為の道具として子供を産み手元に置いているだけのことだ。 だから子供が気に入らなくなればすぐに潰したり見捨てたりする。 飽きるほど見てきたことだ。ゲスでいぶに本当の母性なんかあるわけがない。 れいみゅはあまりの事実に餡子を吐きかけている。 俺はトドメとばかりにれいみゅに言ってやった。 「れいみゅは可愛くないね!唯一かわいいと言った親でいぶはれいみゅの事なんてなーんにも見てなかったわけだし! 見ているのは自分だけ!俺が見てもれいみゅはかわいくないし、きっと他のゆっくりや人間も同じ意見だよ! そうだよ!れいみゅをかわいいと言う生き物はこの世にただの1人もいないよ!」 「ゆ、ゆぶううううううっっ!ゆげえええええええええっっっっ!!」 「あれ?あれぇ~~?なんで餡子吐くのかな~?きゃわいくにゃいれいみゅちゃ~ん?」 「ゆげえ!ゆげええええええっ!……も、もっちょ……ゆっくち………ちたかっ……ちゃ………」 こうしてれいみゅは自分の存在意義を根こそぎ否定されたストレスで身体中の餡子吐き出して死んだ。 まあかわいいというのがれいむ種にとってのステータスである以上、 そこを否定されたらゆっくりできなくなって死ぬ方を選ぶだろうなあ。 俺は携帯を取り出してどこかへ電話するとその場を立ち去った。暇つぶしは終わりだもうここに用はない。 「どぼじてでいぶのがわいいおじびじゃんがじんでるのぉぉぉぉっ!!?」 しばらくして背後から親でいぶの叫び声が聞こえてきた。 よく言うわ。俺がれいみゅにトドメを刺したときにはもう意識を取り戻していたのは知ってるんだぜ? 我が身可愛さに気絶した振りをし続けて子供を見殺しにしておいて、 今度は悲劇のヒロインを演じる道具として死んだれいみゅを利用するわけか。 とことん自分のことだけしか考えないナマモノなんだな、でいぶって奴は…… だがそれももう終わりだ。大根役者には舞台の袖にひっこんでいてもらおうか永遠にな。 「ゆぇぇぇぇん!でいぶはがわいぞうだよぉぉぉっ!じんぐるまざーじゃなぐなっじゃっだよぉぉぉぉっ!! ぐぞにんげんはがわいぞうなでいぶにやざじくじでね!あばあばをもっでぎでね!たくざんでいいよ! びゆっぐりはでいぶをなぐざめでね!ぞじてでいぶとゆっくじでぎるおちびじゃんをつくろうね! ぞじたらごはんさんをみついででいぶをゆっくじざぜでね!えいえんにでいいよ!?」 「お、いたいた。市民からの通報通りでいぶがいたぞ」 「うわー醜っスねー。涙と変な汁をまき散らしてるっスよ?しかもドヤ顔で……さっさと処分しちまいましょう」 「ゆっ!?ぞ、ぞのせいふくさんはっ!?や、やべろぉぉ!でいぶにちかづくなぁぁぁっ! ゆんやあああああああっ!!かこうじょさんはゆっくじでぎないぃぃぃぃっ!!」 さすが加工所、電話してから5分で到着とは救急車なみに出前迅速だな。 でいぶが泣き叫んで逃げようとしたようだがトングで挟まれて袋に入れられ、 高級車に乗せられて加工所へと丁重にエスコートされていった。 きっと加工所で開催される素敵なダンスパーティーにご招待されたのだろう。 あばよでいぶ。加工所のパーティーでその豚の鳴き声にも劣る美声とやらで職員をせいぜいゆっくりさせてやれや。 そんな事を考えながら俺はくわえていたタバコの火を消してゴミ箱に捨てたのだった。 後書き 別に別に名乗らなくてもいいかなあと名無しで今までだらだら書いてたけど一応けじめということで名乗ろうと思いました。 自分が書きたいと思ったSSを勝手気ままに書くという意味で気ままあきと名乗ります。 最後に名無しで書いてた作品の分を入れた作品リストを…… あまり名作とか長編とかには縁がない作風だけど、まあそんなわけでこれからもよろしくお願いします。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3479この世はでっかいゴミ捨て場 anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー anko3522野性のゆっくりとゆっくりしてみた anko3526気持ち悪い! anko3534ゆっくりしているゆっくり anko3537野性のゆっくりとゆっくりしてみた2 anko3545霊園の野良ゆ対策
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『おちびちゃんとゆっくりできたらいいな!』 26KB 虐待 番い ゆっくりしていってね!!! 初めましての方は初めまして 他作を見てくださった方はありがとうございます。 投稿者の九郎です。 単発作品三弾目。後半少々長くなりそうなんで分断です。 どうぞよろしく。 ――――某日、午後6時、路上―――― 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!でいぶだぢをがっでぐだざい!!」 「おぢびぢゃんがじにぞうなんでず!! ばりざのがわいいあがぢゃんがぜっだいにゆっぐりざぜでぐれまずがら!!」 今日も今日とて野良饅頭が人間相手に助けを求めている。 が、基本的に元々野良であるゆっくりが人間に頼みごとをする機会は少ない(命乞い除く)。 「おぢびぢゃんはずごぐゆっぐりじだごなんでず!! ぜめでおぢびぢゃんだげでもゆっぐりざぜであげでぐだざいいいい!!」 はっきり言っていくら切羽詰っても人間に頼み事をするのはかえって危険である。 ゆっくりはどうあがいても害獣だ。人間に接触すれば死あるのみ。 「ほほう、大変そうではないか。飼ってやろうか?」 とある人間が件のゆっくりに声を掛ける。 …ぶっちゃけ俺のことだが。 「…ゆ!?ほんどうに!?ほんどうでずが!?」 「ゆっぐりざぜでぐれまずが!? ばりざだぢをがいゆっぐりにじでぐれまずが!?」 「勿論だとも。うちに来てゆっくりするといい」 二匹の顔が明るくなる。 なるほど、見ただけで俺はこいつらの事情が大体理解できた。 まず、こいつらは野良にしては小奇麗だ。 「お前ら元飼いゆっくりだな?」 「ぞうでず!ばっじさんはもうないげどばりざだぢはぎん(銀)ばっじゆっぐりでじだ!!」 「でいぶはぎん(金)ばっじでじだ!! でぼごどもをづぐっだらがいぬじざんがあああああ!!! ゆんやああああ!!!ゆんやああああああああああ!!!」 ここぞとばかりの不幸アピール。 こいつらには等価交換の法則など通用しない。 人間側の利益を提供するような殊勝な心がけはないし そもそも自分達が可愛いから、自分達が可哀想だから飼ってくれとしか考えていないのだ。 「まあ、お前らの事情はさして問題にならない。 それより、お前らの子供だが…」 「ゆ!?そうだよ!!おちびぢゃんがしにそうなんだよ!! おねがいだがらはやくだずげで!!すぐでいいよ!!」 「おりびちゃんは『そだちざかり』なのにむーしゃむーしゃできなくて しにそうなです!!おでがいじばずうううううううううううう!!!」 「ほほう、それは分かったがお前らは一つ見落としていることがあるようだ」 俺は電柱の影に守るように押し込められたチビを指差す。 「どうでもいいよおおおおおおおおおおおおお!!!! おぢびぢゃんはいまにもじにぞうなんだよおおおおおおおおお!!?? いいかげんりがいじでね!!!」 「いや、そうじゃなくてだな」 「おぢびぢゃんをだずげでぐれるっでいっだでじょおおおおおおお!!?? もうぞんなごどもわずれだのおおおおおおおおおお!? ごのあんごのうーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 やれやれと思いながらそこにあった小さいクソ饅頭…いや 「もう死んでるんだが」 『クソ饅頭だった物www』を摘み上げた。 「「…………………………………………………」」 たっぷり30秒かけて俺の言った言葉を読み取った。 「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおお!?」」 しかし状況は理解していなかった。 「おぢびぢゃんはゆっぐりじでるよ!? おぢびぢゃんはがんばっでがばんじでだんだよ!? おぢびぢゃんはごんなにがわいいのにいいいいいいいいいい!!」 「おぢびぢゃんはじんでない!!おぢびぢゃんはじんでない!!! ばがなごどいうぐぞにんげんはじねえええええええええええええええ!!!」 ぼよんぼよんと突進(笑)してくる二匹のクソ饅頭。 靴とズボンを汚すのはいやなのでさっとかわした。 俺が立ってた位置で饅頭同士衝突する。 「ぶべしっ!!」 ぶつかり合ったクソ饅頭共はそのまま転がっていき 顔面を下にして止まった。 てっきりそのまま攻撃を続けるものだと思ったが そのままぶるぶると震えだしあらん限りの声で絶叫する。 「どぼじでえええええええええええ!!! どぼじでえええええええええええええええ!!!!」 「ごのよはりふじんだよおおおおおおおおおお!!! なんででいぶだぢはゆっぐりでぎないのおおおおおおおおお!!?? でいぶだぢはごんなにがわいぐでゆうしゅうで ぜがいいぢのゆっぐりなのにいいいいいいいいいいい!!!」 左右にごろんごろんと転がりながらもみ上げを揺らし 涙と涎と汗とその他様々な液体を撒き散らしながらこの世の無常さを嘆いた。 一応チビが死んだということは理解してたのね。 しかし、癇癪を起こしたクソ饅頭は人間の言葉などそうそう聞くことは無い。 俺は饅頭共を話半分にあしらいながら家に連れ帰った。 あああと一つだけ。 俺はチビを助けるなど一言も言っていない。 事実の捏造はこいつらの専売特許だ。 ――――同日、午後8時、自宅庭―――― ここは自宅の庭。 手入れが行き届いていないため洗濯物を干す場所以外は草がボーボー。 それでも自然に近い空間ではあるため野良ゆっくりにとっては比較的暮らしやすい環境である。 「ゆぐっ…ゆぐっ……おぢびぢゃん、でんごぐでゆっぐりじでいっでね………」 「ばりざぁ……ばりざぁ………」 なんとかクソ饅頭二匹をなだめすかし、チビの墓を庭に隅に作った。 割り箸が立てられていて、そこに平仮名で『おちびのはか』と書かれているのがなんともマヌケだ。 「ゆっ………でも、れいむたちはねんがんのかいゆっくりにもどれたんだよ!」 「そうだね!ゆっくりできなかったこのこのためにも これからいっぱいおちびちゃんをつくっていっぱいゆっくりしようね!」 「あーそのことだが飼いゆっくりになるに当たって一つ言っておくことがある」 「ゆ?なんなの?ゆっくりおしえてね!」 「れいむたちはばっじさんをもってたからゆうっしゅうっだよ!!」 最初に思っていたよりも賢いゆっくりのようだ。 それならば話は早い。 ならばこそ、と俺はバッジ付きならば知っていて当然のことを告げることにした。 「いいか、ここで好きなだけゆっくりしていくといい。 ただし『子供は絶対つくるな』よ?」 「「どぼじでえええええええええええ!!!」」 「どうしても何も、バッジ付きなら知っているよな? 飼い主に無断で子供を作るのは禁止だ。よろしいかね?」 「やだやだやだやだやだやだおぢびぢゃんほじいいいいいいいいいい!!!」 「どぼじでみんなおぢびぢゃんづぐるなっでいうのおおおお!? おぢびぢゃんはゆっぐりでぎるのにいいいいいい!!」 嗚呼醜い。 もうこれは間違いなく飼い主に子供を無断で作って捨てられたパターンだ。 「いいかね?ルールは簡単だ。『子供は絶対つくるな』。 他にお前らに求めることはない」 「ぞれじゃぜんぜんいみないよおおおおおおおおおお!!」 「おぢびぢゃんがいないどゆっぐりでぎないいいいい!!」 俺は二匹を軽く無視し、庭の引き戸を閉めた。 こうしてしまえばこの庭は一種の密閉空間になる。 ここはゆっくりプレイスなどではなく、ゆっくりの牢獄なのだ。 ――――同日、午後9時、リビング―――― 「「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ!!!」」 庭からクソ饅頭二匹の声が聞こえる。 「「すっきりいいいいいいいいいいいいいい!!!!」」 ああ、もう禁を破ったようだ。 もっともあんな言い方で我慢できるのであれば誰も苦労はしない。 「ゆゆー!!ゆっくりしたこたちだよ!!」 「おにいさんもおちびちゃんをみたらきっとかんがえがかわるよね!!」 もう俺の語彙ではこいつらの愚かさを表現するのは不可能だ。 どうせ同じことを言って前の飼い主に捨てられたのだろうが そのことから学ぶものは何も無かったようだ。 …が、今回はこれでいい。 元より我慢させる気など全くなかったし、今回はこれを利用した虐待だ。 しばらくしてクソ饅頭の寝息が聞こえ始めた頃に俺は立ち上がった。 ――――翌日、午前7時、庭―――― 「どぼじでおぢびぢゃんがいないのおおおおおおおおおおおお!!??」 「あんなにゆっぐりじでだいいごだっだのにいいいいいい!!!」 朝、クソ饅頭共の声が響き渡る。 目覚ましの音は不快なほど起こす効果は大きいが こいつらは目覚ましに不向きだろう。目覚まし時計と違って止められないし。 「おう、クソ饅頭共起きていたか」 「おにいざあああああああああああああああああん!! おぢびぢゃんがぎえぢゃっだよおおおおおおおお!!」 「どぼじでなのおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 「さあ、知らんな。夢でも見たんじゃないか?」 「ぞんなごどないよおおおおおおおおおおおお!!! だじがにおぢびぢゃんはいだよおおおおおおおおお!!」 「しかし、現にいないではないか。これは飯だ」 別にこいつらの言っていることが嘘だと言うわけではない。 単に俺が昨晩、こいつらが寝ているときに植物妊娠した茎を切り取っただけだ。 その証拠に、れいむの頭に生えていた茎の跡に円形脱毛症のようなハゲがある。 「ご、ごはんさん……ゆっぐりだべるよ……」 「おぢびぢゃんだぢどいっじょにだべるはずだっだのにぃぃぃ……」 「お前らの寝言に付き合っている時間はない。俺は仕事に行ってくる。じゃあな」 ――――同日、午後7時、庭―――― 「おにいさん、おかえりなさい!!」 「ゆっくりしたこがいっぱいできたよ!!」 嗚呼鬱陶しい。 俺は言っても無駄であろうことをあえて言う。 今回の虐待のキモである。 れいむの頭に生えていた茎をむんずと掴む。 前回に生えていた場所とは微妙にずれいていた。 「『子供は絶対つくるな』。そう言ったよな?」 「ゆ゙っ…………そ、それは、その、まりさがゆっくりせつめいするよ!!」 「ゆ゙っ!?……………れ、れい………ううん、そ、その…… おちびちゃんはゆっくりできるんだよ!!おにいさんもいっしょにゆっくりしようね!!」 「(^_^#)」 ブチ!! 俺は笑顔で茎を引っこ抜いた。 「「どぼじでええええええええええええええええ!!!!!」」 「『子供は絶対つくるな』。いいか何度でも言うぞ。『子供は絶対つくるな』」 「おにいざんはあぐまだよおおおおおおおおおおおおおお!!! どぼじでぞんなごどがでぎるのおおおおおおおおお!!!」 「『子供は絶対つくるな』」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!!!!」 「『子供は絶対つくるな』」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!!!!」 「『子供は絶対つくるな』」 「どぼじで……ぷくううううううううう!!!!」 同じことを繰り返しているとついにキレてこちらを威嚇してきた。 「こんなところじゃゆっくりできないよ!! ばかなじじいはもうしらないよ!!」 「そうだねれいむ!!まりさはもっといいかいぬしさんのところでゆっくりするよ!!」 「ほほう、じゃあこの飯はいらんのだな」 「「ゆ゙っ……………」」 ゆっくりフード入りの餌皿をちらつかせると騒ぎがぴたりと収まる。 大見栄をきったはいいが、あれだけ騒いでようやく飼いゆっくりになったのである。 外に出れば間違いなくゆっくりできないことに少なからず気付いていた。 「どぼじで…どぼじでぇぇぇぇぇ……」 「れいむぅぅぅ……おちびちゃぁぁぁぁん………」 「「ゆっくりできないぃぃぃぃ………」」 「『子供は絶対つくるな』いいな、それさえ守ればいくらでも飯をくれてやる。 では、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 例によって喚き散らすクソ饅頭を無視して引き戸を閉めた。 ――――同日、午後8時、リビング―――― 「「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ!」」 あの状況ではどうせ同じことの繰り返しだ。 だがそのことは百の承知。 「「すっきりー!!!」」 ――――翌日、午前7時、庭―――― 「どぼじでおぢびぢゃんがいないのおおおおおおおおおお!!??」 「どぼじでおぢびぢゃんがぎえじゃうのおおおおおおおお!!??」 例によって眠った隙に茎を引っこ抜いておいた。 子供のいなくなった二匹はあったはずの命(笑)を思い、嘆いた。 「よう、クソ饅頭共。元気か?」 「げんきなわけないでしょおおおおおおおおおおおおお!!!」 「どぼじでおちびぢゃんがきえたのおおおおおおおおお!!??」 「お前らまさか、子供を作ったのではないだろうな?」 「ぞうだよおおおおおおおおおおお!!!!」 「なのにいなぐなっでるんだよおおおおおおお!!!」 「『子供は絶対つくるな』。そう言ったよな?」 「ゆ゙っ…!」 れいむとまりさが固まる。だがそれも一瞬。 「おちびちゃんはゆっくりできるんだよおおおおおおお!!」 「どぼじでわかってくれないのおおおおおおお!!??」 「じゃあつくったんだな?」 「そうだっていってるでしょおおおおお!!??」 「なんどもいわせないでよね!!ばかなの!?しぬの!?」 お前らにだけは言われたくない。 「ルール違反のペナルティだ。今日は飯抜き」 「ゆゆっ!?」 「ごはんさんがないとゆっくりできないいいいいいいいいい!!!」 「いいか『子供絶対につくるな』。じゃあ仕事行ってくる」 「まって!まっでえええええええええ!!!」 「ぞうだよ!!まりざだぢこどもなんでづぐっでないよ!! だからごはんちょうだいね!!!」 「ゆ!?なにいってるのまりさ!?」 「まりさたちはすっきりー!してません!!だからごはんをくださいいいいい!」 ここは密閉空間だが草木は生えているし虫もいるだろう。 2、3日ゆっくりフードを与えなかったところで死にはしない。 ――――同日、午後7時、庭―――― 「よう、饅頭共。ゆっくりしてるか?」 「ゆっくりしてるよ!!」 まりさが元気よく返事をした。そこにれいむはいない。 「おや!れいむはどこへ行ったのかな!?ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 植木の後ろから声が聞こえた。 「れいむはちょっとおといれさんにいってるよ!! 「ごはさん!!ごはんさんだよ!!」 はやくごはんさんちょうだいね!!」 「おちびちゃん!!しずかにしてね!!」 「ほう、じゃあトイレから戻るまで待とうかね」 「おにゃかしゅいたよおおおおおおお!!!」 「どうでもいいからはやくごはんさんもってきてね!すぐでいいよ!」 「くささんはおいしくないよおおおおお!」 「そんなこと言って独り占めする気だろ?」 「ゆゆ!?おちょーちゃんがひとりじめしゅるきだよ!!」 「ぞんなごどじないよおおおおおお!!!はやぐもっでごいいいいいいい!!!」 「おちびちゃんでちゃだめだよ!」 もうグダグダである。馬鹿馬鹿しいとかそういうレベルではない。 俺はサンダルを履いてクソチビ共の前におどりでた。 「よう、クソチビ共」 「ゆゆっ!?おちょーちゃんをいじめてりゅくじゅがでてきちゃよ!!」 「ぷきゅー!はやくあみゃあみゃもってこいこのくじゅ!!」 「おちびちゃ…ぶぎゅ!!ぶぎゃ!!ひじゃひいいいいいいい!!!へいひゅのはひゃああああああ!!」 れいむを蹴っ飛ばす。壁に激突した衝撃で歯が折れたようだ。 「おかーちゃんをいじめりゅにゃあああああああああ!!!!」 「げしゅなにんげんはとっとちょちねえええええええええ!!!」 「これはどういうことだ?クソ饅頭まりさ。『子供は絶対つくるな』そう言ったな?今度も飯抜きか…」 「ゆゆっ!?こ、これは……そうだよ!!おそとからおちびちゃんがはいってきたんだよ!! このおちびちゃんたち、まりさはしらないよ!!」 「どぼじでじょんにゃごどいうおおおおおおおおおお!!??」 「じゃあ殺してもいいな」 「おしょりゃおちょんでゆぎぎゅううううううううううう!! いじゃいいじゃいじゃいよおおおおおおおおおお!!!」 「ゆひゅー!ゆひゅー!!おひひひゃんひへほひゃひゅひゃあああああ!!!」(おちびちゃんにてをだすな) 「知らない子達だと言ったよな?なら死んでも構わないだろ」 「ゆぐっ……!で、でもゆっくりごろしはゆっくりできないよ!! しかたがないからまりさたちがそだててあげるんだよ!!」 「ご飯を用意するのは誰かな?」 「ゆ!それはまr」「ちゅぶれりゅうううううううううううう!!!」「おにいさんです!!!」 「ここは誰のおうちかな?」 「ここはまりさのゆっくりぷれ」「ちゅぶれ…ちゅぶれ……!!!」「おにいさんのおうちです!!」 「こいつらは誰の子かな?」 「もちろんまりさのこだよ!!」 「じゃあ飯抜きな」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおお!!!!」 「こいつらは処分する。『子供は絶対つくるな』。その約束を破ったのだからな」 「ぢがうよ!!それはまりさのこじゃないよ!!おにいさん!!おにいさああああああああん!!!」 俺はチビ共を全て回収すると、クソ饅頭を無視して引き戸を閉めた。 ――――同日、午後8時、庭―――― 「ふぁひひゃぁぁぁぁ…ふぁふぃひぁぁぁぁ………」 「れいむ、れいむ、ゆっくりしていってね…。ぺーろぺーろ」 歯が折れたれいむはきちんと喋ることができなくなっていた。 それでもまりさにとっては最愛の妻だ。いたわるように舌を這わせる。 「ふぁひひゃぁぁぁぁ……おひひひゃんはぁぁぁぁぁ……」(まりさ、おちびちゃんが) 「れいむ、こんどこそおちびちゃんはまりさがまもるよ! だからこんどこそおちびちゃんたちとゆっくりしようね!」 「はひひゃぁぁぁぁ……」 「だいじょうぶだよ!こんどはまりさに『ひさく』があるよ! おちびちゃんさえみつからなければ あのゆっくりできないにんげんさんからごはんがもらえるよ! だいじょうぶ、あのばかなにんげんならかんたんにだませるよ!! その『ひさく』っていうのはね……」 ――――同日、同時刻、リビング―――― 「いや、まる聞こえなんだが…」 リビングでコーヒーを飲んでいる俺には話は筒抜けである。 俺は饅頭の『秘策www』を聞きながら次にどうするかを思案した。 ――――翌日、午前7時、庭―――― 「おにいさん!!おにいさん!!おちびちゃんなんてどこにもいないんだぜ!!!! だからはやくごはんよこすんだぜ!!!!」 「ひょうひゃいへ!!」「ちょーだいにぇ!!」「ごはんしゃんごはんしゃん!」 なにやられいむがモゴモゴやっている。 ついでに言えば地面においてあるまりさの帽子はずずず、と移動しているし 10cmほど掘られた穴には紅白のリボンが見え隠れしている。 「はぁ…」 「ゆゆ!?なにやってるんだぜ!!てんっさいっのまりさは あたまがいいからおにいさんとのやくそくもまもれたのぜ!!!」 「ひょーひゃひょ!!へいひゅはひゅっひひー!!ひへひゃひひょ!!」(そうだよ、れいむはすっきりーしてないよ) 「おちょーちゃんしゅごーい!!」「なにもみえにゃいよ!!まっくりゃはゆっきゅりできにゃいよ!!」 もう、なにから突っ込めばいいのやら。 自分の発想に自信を持ったのか、クソまりさが所謂『だぜ口調』になってるし。 「その穴は何だ?」「れいみゅがゆっくちちてりゅあにゃだよ!!」 「あななんてないんだぜ!!おにいさんはめがくさってるの!?」 「そう、庭に穴なんて開いてないね」 「そうなんだぜ!!」 「子供もいないな?」 「いないんだぜ!!」 「よーし分かった」 俺はサンダルを履いて庭をドシドシと踏み鳴らす。 「ゆゆううううううううう!? こわいよおちょーちゃん!!ゆっきゅりできにゃいいいいいいいいいい!!」 「なにするのやめてね!!おちびちゃんがゆっくりできなでしょ!?」 「おちびちゃんなんていないよな?」 「ゆ……い、いないんだぜ!」 「れいみゅはここにいりゅよおおおおおおおおおおおお!!! どぼじでだずげでぐれにゃいにょおおおおおおおお!!??」 「そうだよな、ここには誰もいない」 ドスッと穴の真横に足を置く。 「ゆぴゅううううううううううううう!!!」 「おちっ……い、いや、そんなことよりはやくごはんもってくるんだぜ!!」 「ここには何もいない。嗚呼何もいない」 グリグリと足をひねる。 穴を縁取っている部分の土が崩れて徐々に穴が埋まっていく。 「もうやじゃあああああああああああ!!!」 そう言って赤れいむが飛び出してきた。 これで詰みだ、と思ったがまりさが意外な行動に出る。 「ゆぴゃ!!」 まりさが体当たりをして赤れいむを穴に押し込み、その上に乗っかってなんとか子供を隠す。 「おもちゃいおもちゃいおもちゃいいいいいいいいいい!!!!」 「は、はやくごはんをとりにもどるんだぜ!!! いいかげんにしないとまりさおこるんだぜ!!」 ジタバタしている子供を押さえつけるのは大変なのか、焦った様子で俺を追い出しにかかり始めた。 「おもちゃいいいいいいいいいいいいい」 「は、はやくいかないとぷくーするよ…! まりさのぷくーはせかいさいっきょうっなのぜ…!!」 冷や汗をかきながらじたばたする赤れいむを何とか押さえ込んでいる。 俺を脅しているつもりなのだろうが、はっきり言って滑稽以外の何物でもない。 「ほほう、じゃあそのぷくーとやらを見せてもらおうか」 「ゆ…ゆへへっ……まりさのぷくーをみたらこうかいするのぜ…。(小声で→)…おちび、あばれちゃだめなのぜ」 「ちゅぶれりゅ…ちゅぶれりゅ…………」 「ほらほら、早く『ぷくー』してみせろ。 もしかして出来ないのかな?ばかなの?死ぬの?」 「ゆうううううううううううううう!!!! もうおこったのぜ!ぷくううううううううううううう!!」 「ちゅぶれりゅうううううううううううううううううううぅぅぅぅぅ………ぷぴ!!」 小さな断末魔が聞こえた。 「……………………………ゆ?」 まりさが恐る恐る穴からどいてみると ぷくーによって膨張した体積に潰されたクソチビ饅頭がそこにいた。 「………………………ゆんやあああああああああああああああああああ!!! おちびいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 まりさの絶叫。それに伴い『秘策www』が次々と破られる。 「ゆうううううううううううう!!??にゃに!?にゃんにゃのおおおおおおおおお!!??」 まりさの帽子の下に隠れていた赤まりさが飛び上がって帽子を跳ね飛ばしてしまう。 「おひひひゃあああああああああああああああああん!!」(おちびちゃん) 「ゆべぇ!!ゆぎゃああああああああああ!!!いじゃいいいいいいいいいい!!!」 れいむの口に隠れていた赤れいむが親の絶叫により外に放り出されてしまった。 俺は現れた残りの二匹を回収する。 「じゃあ、こいつらは処分な」 「どぼじでえええええええええええええ!!!」 「ひゃえひひぇひぇ!!ほひひひゃんひょはへひへへ!!」(かえしてね、おちびちゃんをかえしてね) 「で、飯抜きな」 「やじゃああああああああああああああああ!!! くささんはゆっくりできないいいいいいいいいいいい!!!」 「ほうひゃひゃあああああああああああああああああああ!!!!」(もうやだ) ――――同日、午前9時、庭―――― れいむとまりさは憔悴していた。 子供をつくってもつくっても、二度と届かぬところへ連れて行かれてしまう。 頼んでも駄目だった。まりさの『秘策』も通用しなかった。 何をしても無駄。そういう思いから二匹は精神の袋小路に迷い込んでいる。 「まりひゃ………もうやじゃよぉ……」 れいむの歯は徐々に回復の兆しを見せていた。 多少のぎこちなさは残るが、喋ることも可能になったようである。 「どうして…?どうしておちびちゃんをつくっちゃいけないんだぜ…? おちびちゃんはゆっくりできるのにぃぃぃ…」 まりさもいつもの強気が失われていた。 思いついたことは全て試した。新しい手はもう何も思いつかない。 「「ゆっくりできないぃぃぃ………」」 二匹はついに子供をつくるのをやめた。 ――――同日、午後7時、庭―――― 「おう、クソ饅頭共。ゆっくりしてるか?」 「ゆっくりしてないよぉ…………」 「むーしゃむーしゃ、ふしあわせー………」 二匹の目には活力が見えない。初めて子供をつくらなかったのだ。 それは同時に希望を失っている証拠だった。 …そろそろ頃合か。 「今日はお前達を『しあわせー』にするいい知らせがある」 「…いいしらせ?」 「おちびちゃんいがいにしあわせーなんかないよ…」 正に廃ゆっくり寸前。このまま放置すれば近い将来本当の饅頭に成り果てるだろう。 俺はそんな状態の二匹に告げてやった。 「これからは、子供をつくってもいいぞ」 「………ほんとうううううううううううう!!??」 「やったんだぜ!!やったんだぜれいむ!!おちびちゃんとゆっくりできるんだぜ!!」 「ゆっくりー!!!」 おちびちゃん解禁宣言に狂喜乱舞する二匹。 「ただし、いいか?」 「まりさ!まりさ!やっとれいむたちにも『かぞく』ができるよ!! ねんがんのかぞくさんだよおおおおおおお!!!」 「やったんだぜ!まりさたちはついにやったんだぜ!! おちびとゆっくりするひとゆめみていきてきたかいがあったんだぜ!!」 「聞けよおい」 「ゆゆーん!きっととてもゆっくりしたおちびちゃんができて、みんなでいっしょにゆっくりして おちびちゃんがまたあたらしいおちびちゃんをつくって すごいよおおおおおお!!!おちびちゃんがいっぱいだよおおおおおおおお!!!」 「れいむ!いっぱいゆっくりするのぜ!おちびさえいればほかにはなにもいらないんだぜ!!」 「聞けっての!!」 「「ゆゆうううううううううううううう!!??」」 二匹を地面に押し付けるようにして頭を引っ掴んだ。 「なにするのぜ!!まりさたちはこれからゆっくりするんだぜ!!」 「れいむたちはこれからすっきりー!するよ!!じゃましないでね!!」 「それは勝手だが、言っておくことがある」 「なんなのぜ!?まりさたちはおまえとちがっていそがしいのぜ!! おまえのはなしなんかきいt…ゆびびっぶぶぶぶぶぶぶぶ!!!」 二匹を持ち替える。口を掴んで仰向け(?)で地面にかなり強く押し付ける。 クソ饅頭は軽くひょうたん型に変形してぶるんぶるんと暴れまわる。ぐにぐにした感触が気色悪い。 「ばびぶぶぼ!ばべべべ!ぶっぶびばべべべ!!」 「威勢のいいのは結構だが、俺に逆らうのはよしたほうがいいぞ? それともここで『おちびちゃん』とやらをつくらずに永遠のゆっくりするか?」 「「~~~~~~~~~~~~!!!」」 『おちびちゃん』という単語に反応して一度震え上がったあと大人しくなった。 その状態で俺は奴らに言ってやる。 「別に難しいことじゃあない。 ただ『おちびちゃん』の面倒はお前らで見ろと言いたかっただけだ」 「……!!~~~~~~~~!!!」 ガタガタと震えながらなにやらグネグネと俺の手の中で蠢いた。 肯定の意志だと思われる。 「いいか、何があっても俺は助けないからな。 便所も、食事も、言葉も、全てお前らで躾けるんだ。 ああ、餌だけは俺が用意してやろう。いいな?」 「ぶはっ……ゆ、ゆっくりりかいしたよ!!」 「げほっげほっ…!ば、ばりざにごんなごどじであどで…」 「後で何か?」 「ゆっ…びぃ……………な、なんでもないのぜ!」 そして俺はそいつらを残して家の中に入っていった。 ――――翌日、午前6時、庭―――― 休日の朝。 クソ饅頭共が家に来てから何度目かの朝である。 東の空から昇ってきた太陽の光が差し込んでくる。 そんなさわやかな陽気を浴びながら庭ではゴミ共の茶番が繰り広げられていた。 「うごいてるのぜ!!うごいてるのぜ!!」 「おちびちゃんがんばって!!」 「ゆ………ゆゆ……………」 「ゆっきゅち……うまれりゅよ…………」 茎の真下には黒いトンガリ帽子がさかさまでスタンバイされている。 この帽子がひっくり返された状態をあまり見ることはないが 野良はこれを物入れにも使うため実際はかなり汚い。 泥やら枯葉やら、中に入れたはいいが固まって取れなくなったガムまであった。 「ゆっきゅち………ゆっきゅり………!」 「おちびちゃんがんばって!おちびちゃん!!」 「まりさのかっこういいおぼうしがおちびをうけとめるのぜ!! あんっしんっしてうまれるのにしゅうちゅうするんだぜ!!」 「きゃわいいれいみゅが、ゆっきゅちうまれりゅよ……!」 ぐらぐらと本格的に実ゆっくりが震え始めた。 胎児の状態である実ゆっくりは目を開けることは出来ないがある程度喋ることはできる。 人間の場合は言葉を初めとした思想、理念、文化などは後天的に教えなければならないのだが ゆっくりにはこれがある程度初めから備わっている。 こんな脆弱な準生命体が絶滅しない理由のひとつであった。 「ゆっきゅち………ゆっきゅち……ゆっきゅち!!」 プチッ! ポト 「うまれたよ!うまれたよ!!」 「おちび!おちび!あいさつするのぜ!おとーさんとおかーさんなんだぜ!!」 「ゆ………ゆ………ゆっくちちていっちぇにぇ!!」 「「ゆうううううううううううううう!!!!」」 ついに先端にいた実ゆっくりが赤ゆっくりとしてこの世に生れ落ちた。 おとうさんとおかあさんと、すてきなつがいと、そしてあらたなおちびちゃんと 皆とたくさんゆっくりする将来を思いながら、両親に祝福された。 プチ!プチ!プチ! 「ゆっきゅちー!」 「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!!」 「ゆっきゅりちていっちぇね!!」 一匹を皮切りに次々と実ゆっくりが茎から落ちてゆく。 何事も問題なく、全員帽子の中で生まれて初めての挨拶をした。 「ゆわあああああ!!!すごくゆっくりしたこだよおおおおおお!!!」 「ついに!ついにまりさたちもこどもをさずかったんだぜえええええ!!」 今まで生まれた子供は都合の悪い記憶として銀河の彼方に置き去りにされたらしい。 『ゆっくり出来ないことは忘れる』というゆっくりの習性であった。 「おかーしゃ!!おかーしゃ!!おにゃかしゅいちゃ!!」 「まりちゃもー!!」 「ゆふふ、じゃあごはんさんにするね!!」 「れいむ、うごくんじゃないのぜ!いまくきをとってやるのぜ!!」 それでも初めての出産でないため手馴れたものである。 まりさはれいむの頭部から実ゆっくりの生えていた茎を抜き取ると子供達に与えた。 ちなみに、れいむの頭部は円形脱毛症に拍車がかかっていた。 あれだけ何度も茎が生えていたので仕方がないが。 「ゆっきゅち!!ゆっきゅち!!」 「むーちゃむーちゃ!!ちあわちぇー!!」 「むーちゃむーちゃ!!」 赤れいむ二匹、赤まりさ二匹。 初めて口にする最高の食事に舌鼓を打った。(表現と合うような上品な食事ではない) 「ゆっゆー!!さいっこうっにゆっくりしてるね!!」 「そうなんだぜ!!おちびちゃんには『かがやかしいみらい』があるのぜ!! これからかぞくでいっぱいいっぱいゆっくりするんだぜ!!」 そうだ、今までとは違う。 こそこそ隠れる必要も。 ごはんが無くてひもじい思いをする必要も。 ゆっくりできない人間にいじめられることも。 何もゆっくり出来ない要素はない。 自分達は最高のゆっくりプレイスにたどり着いたのだ。 そう思って疑わなかった。 「げぷぅ…!まんっぷくっだよ!!」 「ゆゆ!うんうんちたくなっちゃよ!!」 「れいみゅのしゅーぱーうんうんちゃいむはじまりゅよ!!」 「「「「ちゅっきりー!!」」」」 底部を正面に向けて体内から老廃物を含む餡子をひりだす。 行為自体は通常の動物でも同じだが 実際ゆっくりの排泄物とは一般のそれとは形態が違う。 ここで言う『老廃物』とはゆっくり出来ない記憶が主である。 要するに、ゆっくり出来なかった、ゆっくりしたかったというような 思い出したくも無い記憶を含んだ餡子を外に放り出して都合のいいことだけを覚えておくのである。 ゆっくり出来ないことは認めない、というある種こいつららしい習性であった。 さて、今回はこれが重要なキーである。 そもそも、俺が何をしようとしていたのか後に明らかとなる。 あとがき 多少品質にこだわってみた虐待作品ですが少々迷走中。 皆さんとゆっくり出来るようにがんばりたいです。 何だかんだ言って多数の感想を寄せられて嬉しく思います。 様々な意見が大変参考になりますので何でも言って下さい。 少々修正が入りました。ご迷惑をおかけしてすみません。 最後に、この作品を読んでくださった全ての方に無上の感謝を。
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『非ゆっくり症』 5KB 小ネタ 差別・格差 現代 独自設定 山ナシオチナシです 小ネタ。しかも盛り上がりも無く、得に落ちも無く。さらには虐待パートも無いです。 俺の家の裏庭から、小さな鳴き声が聞こえてくる。 どうやらゆっくりが住み着いたようだ、適当に追い出そうと、裏庭の隅においてあるダンボールを蹴る。 「ゆひぃっ!?に、にんげんさん……」 「ごごごごご、ごめんなさいなのぜえええええええ!!!すぐでていきまずがらああああああ!! もうまむまむさんやかないでええええええええ!!!」 「れいむたちはどうなってもいいです!ぎゃくたいもすきなだけうけます!!だから!おちびちゃんだけは!おちびちゃんだけはああああああああああああ!!」 「ごめんにゃしゃいいいいいいいいいいいい!!!」 ダンボールからすぐに這い出し、凄い勢いでゆっくり式土下座を繰り返す一家。 随分人間を恐れているようだ。 追い出すだけのつもりだったので、虐待する気はない。 とりあえず、二度と人間の家に住み着かない事を教えるために、まずは落ち着いてもらおう。 「あー、安心しろ。俺はお前らを虐待するつもりも殺すつもりもないからさ」 その言葉を聞いて、何を勘違いしたのか、ゆっくり達は顔を綻ばせる。 「よかったよぉ……」だの、「たすかったぜ」などと言いながら、涙を流し抱擁しあう。 「おっと、勘違いするな。ここからは出て行ってもらうぞ」 「ゆっ……ゆっくりりかいしたよ……」 「ごめんなさいなのぜ……」 「ところで、随分怪我をしてるみたいだけど、何かあったのか?」 素直に謝り、帰ろうとしていたゆっくりを引きとめる。 自らの不幸自慢でもしたかったのだろう、よくぞ聞いてくれたといわんばかりに口を開く。 公園の群れに生息していたが、食料が足りなくなってゆっくりできなくなってしまった。 群れの掟に背き、人間のゴミ捨て場を漁ってゆっくりしようとした。 人間に見つかり、子供を一匹残して潰され、子供を作れないように額とまむまむを焼かれた。 群れからは追放され、お飾りを少し破られた。 それからゆっくり達に虐められた。 事情はまぁこんな所だ。 群れに所属できて、子供が産めて、人間に悪事を見つかったのに殺されておらず、子供まで残されていて、制裁もかなり控えめ。 俺はなんて強運を持っているんだと感心したが、ゆっくり達は気づいていない。 ゆっくり達は「なんてかわいそう」「ふこうだ」だの悲劇のヒロインを演じている。 ゆっくり達は口々に「ゆっくりできない」「いきるのがつらい」「ゆっくりしたい」と喚いている。 一応同情はしておいてやろう、辛いのには変わらないだろうし。 「あー、うん、まぁ……。大変だったな……」 そして、俺はふと浮かび上がった疑問を口にした。 「良く『非ゆっくり症』にならないなお前ら」 その言葉を聞いて、ゆっくり達は皆目を丸くした。 どうやら初耳だったらしく、しってる?しらない と確認しあったのち、俺に尋ねた。 「なにそれ?」 「ゆっくりおしえてほしいんだぜ?」 「うーん、簡単に説明するとだな。ゆっくり出来ていないゆっくりが罹る、ゆっくりできなくなっちゃう病気だな。ゆっくりは死ぬ」 『非ゆっくり症』、それは、ゆっくりだけが罹る精神病のようなものだ。 簡単に説明するならば、ゆっくり達に説明したとおりだ。 ゆっくりできていないゆっくりが罹る病気で、ゆっくりしたい一心から現実逃避をし、自我が狂いながら無くなっていく。 過酷な生活の中で、心身ともに、どんなにポジティブに考えても絶望しかない状況のゆっくり。 メンタルが弱いものはもちろん、実は飼いゆっくりも飼い主をゆっくりさせたい、でも自分もゆっくりしたい、等の葛藤でこの病気になるものも多い。 『非ゆっくり症』がいかに恐ろしい病気かを懇切丁寧に説明し、終わる頃にはゆっくり達はガタガタと震えていた。 「いやだあああああああ!!ひゆっくりしょうはゆっくりできないいいいいいいいい!!」 「まりさたち、きっとかかっちゃうんだぜえええええええええ!!こわいんだぜええええええええ!!」 「ゆんやぁあああああ!きょわいよおおおおおおおおおおお!!」 どうやらこの家族は自分達はそのうち『非ゆっくり症』に罹ると確信しているようだ。 凄まじい大声を上げて泣き喚く。 やばいな、俺にそういう趣味はない。 このままじゃ俺が虐待鬼威惨としてご近所様から一線引かれた姿勢で接されてしまう。 急いでこいつらを宥めて外の道路に放り出そうと、ダンボールを拾い上げる。 「ま、まぁ、お前ら元気一杯だから、当分は罹らないんじゃない……かなぁ?」 そんな事を口走った途端、ゆっくり達はピタリと泣き声を止めた。 「ゆ?ひゆっくりしょうにならなかったし、げんきいっぱいってことは……」 「つまり、まりさたちはひゆっくりしょうになるゆっくりできてないゆっくりより……」 「ゆっくりしちぇりゅっちぇこちょ!?」 な、なんてポジティブシンキング……。 先ほどまでの絶望の表情が打って変わって、希望に溢れた顔になっている。 「そうだよ!れいむたちはゆっくりできてるんだよ!」 「そうだったのぜ!たいせつなことをわすれてたのぜ!もうおちびちゃんうめなくても、このおちびちゃんがいるのぜ! あんまりむーしゃむーしゃできなくても、もっともっとおなかをすかしているゆっくりもいるんだぜ! まりさたちは、そいつらにくらべたらとってもゆっくりしてるんだぜ!!」 「ゆぷぷ!ひゆっくちしょうになりゅなんちぇ、おぉかわいしょうかわいしょう!」 ゆっくりは他者を貶めることに秀でていて、他者を見下すことでゆっくりを得る。 つくづく人間の嫌な部分を集約した生き物だ。 ドン引きする俺を他所に、本ゆん達はとても楽しそうに、いかに自分達はゆっくりできているか、『非ゆっくり症』にかかるゆっくりはなんて無様なんだろう、等と笑っている。 「ゆふふ!ゆっくりできるれいむはゆっくりにんげんさんのおうちからでるよ!」 「そうだぜ!にんげんさん!わすれていたゆっくりをおもいださせてくれて、ゆっくりありがとうだぜ!!」 「まりちゃはとっちぇもゆっくりしちぇりゅんだじぇ!!」 そして、楽しそうに、大層ゆっくりとした表情で、三匹は道路に躍り出て跳ねていった。 汚らしいゴミやガラクタや排泄物が入ったダンボールを抱え、俺は静かな庭に出て一人ぽかんと立ち尽くす。 目線を上げると、隣に住む虐待鬼威惨の家の前の「ゆっくりはゆっくりさせないぜヒャッハー!」と、野良ゆっくりを潰しましょうと言う意味の看板が眼に入った。 あのゆっくりたちは、これから自分よりゆっくり出来ていないゆっくりを見つけては貶めて、自らのゆっくりを得る。 確かに、当分は『非ゆっくり症』にはかからないだろう。 「あれ?俺もしかして余計な事しちゃったかなぁ……」 終わり 最後まで読んでいただきありがとうございました。 今までの作品 anko2360 『馬鹿一家と賢いぱちゅりー』 anko2376 『ゆっくりショップの事情』 anko2654 『ゴキゆ』 anko3317 『さくらさんはゆっくりできる』 anko3348 『もコンロ』 anko3532 『工作ゆ虐』 anko3540 『砂場さんはゆっくりできる?』
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『賢いゆっくり』 20KB 日常模様 群れ 野良ゆ ゲス 現代 駄作凡作を積み重ねていつの間にか20作 気ままあき 「みんなゆっくりおはよう!きょうのおしごとさんをせつめいするからゆっくりきいてねっ!」 ここは住宅地の中にあるごくごく普通の児童公園。 こう公園には20~30匹程度の野良ゆっくりの群れがあった。 今その公園の片隅で群れの長と思われる若いまりさと、 長を取り囲むようにして話を聞いている群れの野良ゆたちがいる。 毎日毎朝行われている群れの朝礼である。 この群れは様々な理由で公園に流れ着いてきたゆっくり達で構成されている。 先祖代々の野良だったり、元飼いゆっくりだったり、郊外から来た野性ゆっくりだったりと色々だ。 そんな多種多様なゆっくり達で構成されているこの群れだが、全ゆんに共通していることが一つある。 それは人間に迷惑をかけようというゆっくりはただの一匹もいないということだ。 まず賢明といっていい群れであり人間の強さ、賢さ、団結力……その恐ろしさをみんなよく理解していた。 よってこの群れにはゲスなど一切いない。 人間に対してゲス行為をしようというゆっくりは群れの掟により即制裁である。 この群れの野良ゆっくり達は半年ほど前にさまざまな苦労の末、近所に住む人間たちと「協定」を結ぶ事に成功した。 その協定の内容に従って人間たちに課せられた「お仕事」を毎日する事で群れはこの公園に住む事が許されているのだ。 お仕事は公園のゴミ拾い、花壇の水撒き、空き缶集めや雑草取りなど様々である。 「ちぇんたちはごみひろいさんをしてね!はんいはぶらんこさんやすべりだいさんのまわりだよ!」 「ゆっくりりかいしたよー!」 「ありすたちはかだんさんにおみずをあげてね!ただしいちどにあげすぎないように、なんかいかにわけてあげてね!」 「とかいはにおはなさんにおみずさんをあげるわ!」 「のこりのみんなは、しばふのざっそうとりさんだよ!こんしゅうちゅうにはぜんぶおわらせようね!」 「「「「「ゆっくりりかいしたよっ!」」」」」 長であるまだ若いまりさが群れのゆっくりに号令をかける。 指示を受け取った群れのゆっくり達はそれぞれの持ち場へと散っていった。 と、そこへ年老いたぱちゅりーが長まりさの元へやってきた。 「むきゅきゅ。がんばっているようねまりさ」 「あ、おさ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね……それともうぱちゅはおさじゃないわ。おさのざはまりさにゆずったはずよ?」 「わかってるよ!でもまりさにとってぱちゅりーはいまだにそんけいするむれのおさだよ!」 「むきゅっありがとうまりさ」 実はこのぱちぇりー、この群れの先代の長である。 人間との協定をなんとか結び、群れの運営が軌道に乗りかけてきた三ヶ月前に長を辞任したのだ。 老齢で身体がきかなくなってきた。こんな老いぼれが群れのみんなを率いる事などできないというのが理由だ。 そして後釜の次期長として新進気鋭の若いまりさを抜擢した。 まりさはまだ若いが分別があり真面目で行動力に優れ、若いゆっくりの中心的存在で人気があるのが理由だ。 まりさは最初は断わっていたが群れのみんなにお願いされ、やがて推戴されて長に就任した。 就任したての当時はあぶなっかしい場面も度々あったが今では長としてよく群れをまとめている。 ぱちぇりーは密かに自分の目は確かだったとまりさの頑張りを嬉しく思っていた。 「さて……おさ?きょうぱちぇりーはどんなおしごとをすればいいのかしら?ゆっくりしじさんをちょうだい」 「ゆっ!お……ぱちぇりーはむれのおちびちゃんたちのきょうっいくっをたのむよ!いろいろなきまりをおしえて りっぱなむれのいちいんにそだててね!」 「ゆっくりりかいしたわおさ。それじゃさっそくおちびちゃんたちをむかえるじゅんびをしないと。またあとでねおさ」 「ゆっくりがんばってね!お…ぱちぇりー!」 先代ぱちぇりーも自分が担当する群れの学校へと向かった。 長まりさもおちびちゃん時代はぱちぇりーの学校に通っていろいろな事を教わったものだ。 教師としても長としても。まりさにとって先代ぱちぇりーは恩師ともいえるべき存在であった。 こうして公園の群れの一日が始まる。 成体の野良ゆっくり達はそれぞれ割り当てられた仕事をし、 おうちの留守を預かるゆっくりは家の掃除をしたりおちびちゃんの世話をしたり。 ある程度の大きさに育ったおちびちゃんは先代ぱちぇりーの学校で生きていく為の様々なことを学ぶ。 そうだここでは誰も彼もがのんべんだらりとだらだらゆっくりしようとはせず、なにかしら働いている。 山中で見かける野性ゆっくりの群れのような一つの社会形式をこの群れは形成しているのだ。 「おーす。頑張ってるか長ー」 「ゆっ!にんげんのおにーさん!ゆっくりしていってね!」 そして仕事もだいぶ進んだ午後1時頃。 半袖のシャツを来た若い男が棒アイスを舐めながら雑草とりをしている長まりさの所へ来た。 この男は公園の近所のアパートで一人暮らしをしている大学生である。 この群れとの協定の内容に従い近所の持ち回りで順番に、こうして群れの様子を見にくるのだ。 「おー。だいぶ芝生がきれいになってきたじゃないか?ちゃんと仕事してるようで安心したよ」 「ゆんっ!まりさたちはにんげんさんとのきょうていをきちんとまもってるよ!」 「ああたいしたもんだ。実際お前らほど聞き分けのいい賢いゆっくりを俺は他に知らんよ」 「ゆっ…」 「あーあ、お前らみたいにすべてのゆっくりが賢くなればいいのになー」 愚痴りながらアイスを食べている男を見て長まりさはわずかに顔をしかめた。 この男も過去におうち宣言だの物乞いだのと野良ゆっくりの被害にあっているのだろう。 野良ゆっくりそのものにはいい感情はもってないがこの群れのゆっくり達だけは一応認めているようだ。 そして男はまりさのそんな小さな変化には気付ず、手にもった袋を長まりさに見せて言った。 「あ、そうそう……これ近所のみんなから。いつも頑張ってるお前らにご褒美だとさ」 「……ゆっ?ゆわ~~っ!こ、これはもしかしてゆっくりふーどさん!?」 「全部やるよ。たまには群れのみんなに腹いっぱい食べさせてやれ」 「ありがとうにんげんさん!これでみんなゆっくりできるよっ!」 「まあいいってことよ」 厚くお礼を言うと長まりさは男から「ゆっくりフード・それなりー味」を受け取った。 協定を遵守して人間と良好な関係を維持していれば、たまにはこんなご褒美もある。 生きるためにゆっくりできないお仕事をし続ける日々もこれで少しは報われようというものだ。 長まりさがそんな事を考えていると、すこし離れた場所からゆっくりの怒鳴り声が聞こえてきた。 「おいっ!きこえているのぜこのくそどれい!?まりさはそのあまあまをよこしてねっていってるんだぜっ!」 「ぷぷぷっ!かわいそうにくそにんげんはことばがわからないほどていっのうっなんだね!ばかなの?しぬの?」 「くちょにんぎぇんはさいっきょうっのまりちゃちゅまにあみゃみゃをよこちぇー!」 「れいみゅ、きゃわいくっちぇぎょめんにぇえ~~♪」 声のする方向へ男と長まりさが顔を向けると…… いかにもゲスな野良ゆっくりの一家がベンチに座っておにぎりを食べている男にそれをよこせと恐喝をしていた。 ベンチの男は黙って食事しているが内心は相当キてるのだろう、青筋がピキィ!と浮き出していた。 その様子を見ていた大学生の男は呆れ顔。一方の長まりさは顔面蒼白になっていた。 「……なあ長。アレもお前の群れのゆっくりなのか?」 「し、しらないよ!あんなおやこ、まりさのむれにはあんなのいないよっ!し、しんじてね!? しんじてねにんげんさんっっ!!」 「ああわかってるよ。一応聞いてみただけだ……あの野良親子はあまりにも汚すぎるからな。 お前の群れにあそこまで汚い野良ゆはいない。大方そこへんの路地裏から抜け出してきた 群れに属していない野良親子だろうよ」 男の理解あるセリフに思わず安堵の溜息をつく長まりさ。 確かにあのゲス風の野良親子は公園の群れの一員ではない。 だが人間にとってはそんな区別などつくはずがないではないか。 関係のない野良ゆの行動でとばっちりを受けて群れが一勢駆除なんてことになったらたまったものではない。 だがゲス野良親子はそんな長まりさの思惑など知ったことじゃないとばかりに ベンチの男に対するゲス行為はますますエスカレートしていく…… 「いいかげんにあまあまをよこすんだぜ!おんこうなまりさでもがまんのげんっかいっなのぜ!」 「いいからもうせいっさいっしてね!れいむのまりさならこんなよわよわなくそにんげんなんていちげきだよ!」 「やっちゃうのじぇ!おとうしゃんならしゅんっさつっなのぜ!」 「くしょにんげんをきょろちたらあみゃあみゃをれいみゅにちょうらいにぇえ!ぜんびゅでいいよ!」 「この野郎……」 いよいよ剣呑な雰囲気になってきた。 ゲス野良親子の手前勝手な言い草に、男がいい加減イラだってきたのだ。 やがてフラリとベンチから立ち上がり…… 「まりさのさいっきょうのたっくるをくらって、ゆっくりしねぇぇぇぇっ!!」 「やかましい。てめーらが死ね」 「ぎゃんばれおちょうしゃ……ゆびゅっ!?」 「…………ゆっ?」 男は一歩踏み出し子まりちゃを一撃の下に踏み殺した。 親まりさに親れいむ、子れいみゅは何が起きたかすぐに理解できず固まっている。 きっかり30秒後……状況を把握した親れいむがとりあえず叫ぼうとしたが。 「ゆ、ゆんやああああっ!?どぼじでれいむのおちびじゃ…ぐべえっ!」 「うっせ。死ね糞どもが」 「ど、どぼじでごんなひどいごとずるのぉぉぉぉぉっ!?ばりざたちだっていぎているんだよぉぉぉおっ!?」 「やかましい!」 「ゆぎゃっ!?」 「ゆぇぇぇぇんっ!おちょうしゃぁぁぁぁんっ!おかあしゃぁぁぁぁんっ!!」 この後は男による一方的な暴力の嵐がやむ事なく延々と吹き荒れた。 まりさとれいむは蹴られ殴られ、顔中ボコボコにされながら命乞いをするが男は当然のごとく頑として聞き入れない。 そりゃそうだろう。殺意をもって相手を殺しにきた殺人未遂犯が返り討ちにあったとたん、 命は大切だとか詭弁を吐いて報復を逃れようとしているのだ。 こんなふざけた連中をどうしてを許せよう。 「ゆびぃ!も、もっと……ゆっくじ……」 「ば、ばりざぁぁぁっ!よ、よぐもれいぶのばりざをごろじだなぁぁぁっ!ゆるざないっ!ぜっだいにおばえを ゆるずもんがぁぁぁ!……ゆげごっ!?」 「お前らの許しなんぞ誰がいるかカス。さて後は……」 「ゆぴぃぃぃっ!ころちゃにゃいでにぇ!きゃわいいれいみゅをころちゃにゃいでにぇええええ!?」 「そうだなあ……まあ許してやってもいいが…」 「ほ、ほんちょ?……ゆふんっ!にゃらくしょにんげんはおわびとしてあみゃあみゃをもっちぇきちぇね! あとびゆっくちもよういちてれいみゅをゆっくちしゃしぇてにぇえ!しょしたらくしょにんげんはちんでにぇ!」 「やっぱ許すのやーめた」 「ゆびぇっ!?」 許してもらえると思ったとたん態度を豹変させたれいみゅを男はこともなげに踏み殺す。 そしてそのまま公園を出て行ってしまった。 その様子を見ていた大学生の男と長まりさはそれぞれ深い溜息をつく。 「まったくあの野郎……ゲスを潰すのはかまわないが最低限、自分で後始末はやれってんだ。 長……悪いんだけどあのゲス野良どもの死体の後始末を頼む。俺がやってもいいんだがその……協定だしな」 「ゆっくりりかいしているよにんげんさん……こうえんないのごみさんはできるかぎりむれでかたずける ……それがきょうていだからね」 「俺も午後の授業があるんでそろそろ行くわ。それじゃな長……がんばれよ」 「にんげんさんもゆっくりおべんきょうさんをがんばってね!」 男は長まりさにひらひら手を振りながら帰っていった。 長まりさはゴミ袋をひとつ持ってくると浮かない顔で潰されたゲス親子の屍の所へと向かった。 さてどう袋に詰めようか……とまりさが思っていると。 群れのゆっくり達が何匹かまりさに近付いてきた。 皆あの騒ぎを公園のあちこちで恐る恐る見ていたのだ。 長まりさの元へ来たのはまりさが信頼を寄せている群れの幹部ゆっくりたちである。 「またばかなゆっくりがにんげんさんにつぶされたんだねー。まったくそういうのはよそでやってほしいよー」 「ほんとね!もしありすたちまでまきぞえになってたらとおもうと餡子がぞーっとするわ! みのほどをしらないこいつらはほんとうにいなかものよ!」 「いまだににんげんさんとのちからのさがわからないなんて、みょんはしんじられないんだみょん!」 「おさ!ゆっくりできないししゅうさんがこうえんじゅうにひろまるまえになんとかしようね!」 「ゆっそうだね!れいむのいうとおりだよ!」 「むれのおちびちゃんに、こんないなかもののにおいはかがせられないわ!」 「ちょくせつさわるとししゅうさんがうつってゆっくりできないみょん!」 「じゃあこのこのえださんでつついてふくろさんにいれればいいんだねー!みんなめんどうだけどがんばろうねー!」 「「「「「ゆっゆっおー!」」」」」 こうして長まりさと四匹の幹部ゆっくりは口に加えた木の枝で潰されたゲス親子の屍を移動させ、 ゴミ袋の中へと全部押し込んだのだった。 ゆっくりが嫌がるゆっくりの死臭に晒されながらの重労働だ。 みな餡子を吐きたい気持ちを抑えて黙々と行う、まさに必死の作業であったろう。 みんなで力を合わせたおかげか30分後まりさ達はゲス親子の死体の片付けをどうにかやり遂げたのであった。 そして夕方…… 仕事を終えた野良ゆっくり達はダンボールのおうちが立ち並ぶ群れの本拠地へと帰ってきた。 長まりさは疲れた身体をひきずって一刻もはやく帰宅しようとする群れのゆっくり達を集め、 今日公園に訪れた大学生の男の話をした。 「きょうみまわりにきたにんげんさんがむれのみんなをほめていたよ! そしてごほうびにゆっくりふーどさんをこんなにくれたよ! みんなにこうへいにわけるから、こんやはおちびちゃんたちにおなかいっぱいたべさせてあげてね!」 「ゆわーい!ゆっくりできるよ!」 「ありがとう!おさはとってもとかいはね!」 「まりさはむれのほこりだみょん!」 「ちがうよっ!むれのみおんなでがんばったから、にんげんさんがごほうびをくれたんだよ!」 「まりちゃ、おおきくなっちゃらおしゃみたいなゆっくちになるんだじぇ!」 「おしゃはとてもゆっくちちてるにぇえ!れいみゅがおよめしゃんになっちぇあげちぇもいいよ!」 「ゆふふ!もうおちびちゃんたちったらおませさんね!」 思わぬサプライズに群れのあちこちから喜びの声が沸きあがった。 みんな珍しく美味しいごはんをお腹いっぱい食べられることにもうご機嫌だ。 長として群れのみんなが幸せーになってくれることほど嬉しいものはないだろう。 幹部ゆっくり達によってゆっくりフードは公平に同じ量づつ群れのみんなに渡されていく。 その光景を飽きることなく見続ける長まりさに寄り添うように。ゆっくりと近付くれいむがいた。 「ゆん……まりさ、きょうもおつかれさまだよ」 「れいむみてよ……みんなすごくゆっくりしているよ」 「ほんとだね!みんながゆっくりしててれいむもうれしいよ!」 このれいむは長まりさの番である。 まりさが長の仕事という激務を日々必死になってこなしている為に子作りする暇が作れず、 夫婦でありながらいまだにおちびちゃんはいないが…… このれいむは不平ひとつ言わずに誰よりもまりさを理解し支えている。 長まりさのよき理解者なのだ。 「……」 「うかないかおをしてるね……?まりさがなにをかんがえているのか、なんとなくれいむにはわかるよ。 ひるまにんげんさんにつぶされたあのおやこのことをかんがえているんでしょ?」 「あれは……あいつらがばかなだけだよ。まりさはきになんかしてないよ」 「ほんとうにそうおもってるの?」 「おもってるよ。ゆっくりのくせににんげんさんにけんかをうるなんて、ただのおおばかものだよ」 「そう……そうだね。れいむもそうおもうよ」 「……」 「……」 そしてその日の夜……午後11時。群れの全ゆんが寝静まる頃…… 長まりさとれいむが住むダンボールハウスではちょっとした異変が起きていた。 「ゆっ……ゆぐぐぐぐっ……ゆっくりぃ……!ゆっくりぃぃぃ……!」 「ゆう。まりさ……またうなされているんだね……」 まりさは眠りながらうなされ苦しんでいた。だがこの事態は今回が初めてではない 長になってから……いや長になる前から時々うなされて苦しんでいた。 なぜまりさは苦しむのだろうか?その理由は……そうゆっくりしていないから……であった。 (にんげんっ!にんげんっ!にんげんっ!まりさ、ほんとうはにんげんさんなんかだいっきらいだよっ!!) 長まりさは実は人間が大嫌いだった。まあ別にゆっくりの人間嫌いは珍しくもないだろう。 ゆっくりはこの世で一番偉くて尊い種族。 世界中の生き物はゆっくりがゆっくりできるように奉仕しなければならない。 まりさ達の本能に刻まれているゆっくりの有り様とはそういうものだ。 なのにこの世界の生き物……特に人間はゆっくりをまるでゆっくりさせてくれない! 人間はゆっくりできない。 なにがどうゆっくりできないかと問われれば具体的にこうだとは答えられないが とにかく人間を見てゆっくりがゆっくりすることはできない。 ゆっくりできない種である人間は蔑み憐れみの対象であり、 使い道のないクズである人間はせめて奴隷として有効に使ってやる。それが人間にとっての幸せというものだ。 それはすべてのゆっくりが当然のごとくもっている考え方であり常識である。 (でも……でもゆっくりはにんげんさんにはかなわないよ…!ちからも……あたまのよさも……なにもかもっ!) ゆっくりにとって、ゆっくりする事のみが至上命題である。 力が強いとか頭がいいとか、そんなものはゆっくりという種にとっては何の意味ももたない。 ゆっくりだ。ゆっくりさえしていればそれでよい。ゆっくりしている者はこの世で一番偉いのだ。 なのにいつもいつも……ゆっくりがゆっくりしようとすると下種な人間が邪魔しにくる。 住みやすそうなお家に引越ししたら恐ろしい人間がやってきて家族皆殺しにされた。 お野菜が勝手に生えてくるゆっくりプレイスを先に見つけたのに、これは全部俺のものだと独り占めをする。 いつもそうだ。力でゆっくりを屈服させようとする野蛮な生き物……それが人間なのだ。 そんなに力が強いのが自慢なのだろうか?まりさにはわからない。 力が強い事がゆっくりする事になんの関係がある? (くやしいよっ!くやしいよっ!なんでゆっくりはにんげんさんのいいなりにならなければいけないのっ!?) ゆっくりできない下等種である人間に上位種であるゆっくりが媚びへつらう! これほどの屈辱が他にあるだろうか? 今日貰ったゆっくりフードだってそうだ。「しあわせー味」でも「まじぱねぇ味」でもなく「それなりー味」である。 人間は群れのゆっくりの舌が肥えすぎないように配慮してわざと味のランクが落ちるものを選んだのだ。 気を利かせたのかもしれない。だがそれはゆっくりにとって屈辱以外の何者でもなかった。 食事の味まで人間ごときにいちいち管理されているなんて! 大学生の男はアイスを食べてゆっくりしていたが、ああいう光景を見るだけで長まりさは不愉快になる。 自分達ゆっくりがこんなにゆっくりできてないのに人間がゆっくりするなんて間違ってる! (ゆう……ほんとうは……ほんとうはまりさ、あのげすおやこがうらやましかったよっ……!) 人間につっかかってあっさり潰されたあのゲス親子。 他ゆんが見たら愚かと言うかもしれない。まさに馬鹿者……大馬鹿者の犬死と言うかもしれない。 だがまりさの見方はまるで違っていた。 人間の男を見下し、あまあまを要求したあの瞬間……あの親子は誰よりもゆっくりしていた。そう見えた。 まさに至高のゆっくりと言っていいほどのゆっくりっぷりだった。 あそこまでゆっくりできれば直後に惨殺されたとしても恐らく悔いなどないのではないか?そう思うほどに…… (まりさも……できることならあのげすおやこのように、おもううままにゆっくりしたいよっ!) ゲスが羨ましい!無能が羨ましい!バカが羨ましい! 自分も頭が悪ければどれほど気を楽にしてゆっくりできたことか! だがしかしぱちゅりー門下の秀才である長まりさは賢かった。 不運な事に賢いゆっくりであった。 賢いからこそ自分がそんな無責任な行動をしたらどんな結果になるかがすぐに予測できた。 長として群れのみんなをゆっくりさせなければならない。 ゆっくりさせるには生きなければならない。 生きる為にはおうちやごはんさんが必要だ。 それらを手に入れる為に群れのゆっくりは屈辱に耐えて人間と協定を結び、 この公園というゆっくりプレイスを手に入れたのではないか! ごはんさんを手に入れる為に人間が定めたお仕事を毎日しているのではないか! そう身勝手は許されない。 長であるまりさはもう自分だけゆっくりできればそれでいいという考えが許される立場ではない。 そんなことはまりさ自身が痛いほどによく理解している。 だが屈辱は屈辱なのだ。人間にお情けをもらっているという現状は身悶えするほどゆっくりできない。 だから……長まりさは時々こうして苦しむのだ。 理想と現実、自由と責任、理性と本能、その狭間に苦しみ続ける。 ゆっくりとしてはいささか賢すぎるゆえに…… 「ゆっ……」 「まりさ?ゆっくりしていってね……?」 「ありがとぉぉ……れいむぅ……」 泣きながら汗だくでうなされていた長まりさが突然目を覚ました。 そのままよれよれとダンボールのおうちを出て行った。 れいむには分かっていた……まりさはこのどうしようもない感情を発散させる為に外へ泣きにいったのだと。 「……」 長まりさはよろよろと公園の公衆便所の裏へと来た。 群れから少し離れた場所にあるここならば少しぐらいの物音をたてたって群れのみんなに聞こえることはない。 何故わざわざこんな所に来たのかというと理由はひとつしかない。 長たる者が泣くところなんてみっともなくて群れのみんなには見せられないからだ。 だが意外なことにこの場所には先客がいた。 ありす、ちぇん、みょん、れいむ……幹部ゆっくりの面々である。先代ぱちぇりーもいた。 「ゆぐっ……ゆぐっ……とかいば……とかいばになりだいぃぃぃっ」 「わきゃらにゃいぃぃ……わきゃらないよー…わきゃらないぃぃ……」 「みょぉぉぉぉん……みょぉぉぉんっ……!」 「ゆっくじ……ゆっくじぃぃぃぃっ……」 「むきゅぅぅぅぅぅっ……むきゅきゅぅぅぅぅぅ……」 泣いていた。みんな泣いていた。 昼間のゲス親子を見てみんな長まりさと同じことを感じたのだろう。 みんな苦しんでいたのだ。群れのみんなに尊敬のまなざしで見られている幹部である彼女たちが苦しんでいる。 いや生き延びる為にみんなして先代ぱちゅりーの元で共に学んだ仲なのだ。 幹部に選ばれるほどに賢い連中である。むしろ当然と言うべきか…… 「ゆぇぇぇぇ……!ゆぇぇぇぇぇぇんっ!!」 まりさも泣いた。声を押し殺して泣いた。 本当は大声で「どぼじで!どぼじでぇぇぇっ!」と泣き喚いて地面に転がりたかった。 だがここは住宅地の中にある児童公園だ。大声で泣くとうるさいと付近の人間が怒鳴り込んでくるだろう。 下手をしたら問答無用で一勢駆除の対象にされるかもしれない。 泣くことすら人間をはばかって自分の思うようにできない。 その情けない現実を思ってまりさはさらに声を押し殺して泣きに泣いた。 「みんなゆっくりおはよう!きょうのおしごとさんをせつめいするからゆっくりきいてねっ!」 そして今日も群れの一日が始まる。 ゆっくりプレイスを維持していくため、群れのみんなをゆっくりさせるために。 今日も長まりさと幹部ゆっくり達は内心の自分を、ゆっくりしたいという願望を押し殺して人間に服従する。 それが野良ゆっくりが街で公園で「賢く」生きる道なのだ。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3479この世はでっかいゴミ捨て場 anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー anko3522野性のゆっくりとゆっくりしてみた anko3526気持ち悪い! anko3534ゆっくりしているゆっくり anko3537野性のゆっくりとゆっくりしてみた2 anko3545霊園の野良ゆ対策 anko3570自画自賛 anko3582親と子の契約
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『じゃまもの』 11KB 考証 自業自得 駆除 野良ゆ 加工場 現代 なんとなくの思いつき 「ゆっへっへっ!くそにんげんはさいっきょうっのまりささまに、さっさとあまあまを」 「うるせえ!邪魔だ!」 「ゆげえ!?」 「くそ、先方との約束の時間に間に合えばいいんだが……いきなり飛び出してくんじゃねえよっこの糞饅頭ッ!」 いつものことだ。 急いで駅に向かって歩いているサラリーマンの前に、 ドヤ顔の野良まりさが恐喝目的で出てきてあっさり蹴り飛ばされた。 まったく、ゆっくりという生き物は一部の虐待好きを除いたほとんどの人間にとっては本当に邪魔者でしかない。 道を歩けば恐喝や強盗をしようと出てくるし、公園で食事をすればそいつをよこせとやってくる。 自宅に帰れば不法侵入したゆっくりどもがおうち宣言と抜かして家を荒らすし、 駅前に行けばおうたとかいう騒音を出してるし、ゴミを捨てにいけばゴミ捨て場を荒らしている。 人間にとってゆっくりと出会うという事はイコール不快な目にあうということなのだ。 まったく迷惑な事この上ない……ゴキブリやネズミと同類、いやそれ以上に嫌な連中だ。 だからほとんどの人間はこう思う。ゆっくりは自分たちの生活をいちいち邪魔する害獣だ。 ゆっくりなんてこの世からいなくなればいいのに、と。 「ゆぐぐぐぐ……ぐぞにんげんべぇぇぇ……どぼじてばりざがごんなめにぃぃぃぃ……!」 一方、先ほど男に蹴られた野良まりさは奇跡的に生きていた。 どうして自分がこんな目にあうのかさっぱりわからない。 まりさは様この世で一番ゆっくりしているゆっくりだ。 だからゆっくりしていない糞人間はゆっくりしているまりさ様にあまあまもゆっくりプレイスも差し出すべきなのだ。 なのに人間は強欲にもゆっくりできるすべてのモノを独り占めにしている。 ふざけるな!どうして糞人間はいつもいつもゆっくりがゆっくりするのを邪魔するのだ! いくら糞人間がゆっくりしていないからって、ゆっくりしているまりさ様に嫉妬するのもいい加減にしろ! まったく糞人間さえこの世にいなければこの世界はもっとゆっくりできるようになるのに! 本当に人間という害獣は邪魔だ!人間なんてこの世から全部いなくなれっ! 「……ゆぅ。ぐちってもしかたないんだぜ。くそにんげんのせいで あまあまはてにはいらなかったけどしかたないのぜ。こうえんさんのむれにかえるのぜ……」 野良まりさは一通り騒ぎ立てて気が済んだのか、痛みが残る体をひきずってのそのそと公園に帰っていく。 公園には野良ゆっくりの群れがある。まりさはその群れに所属していの野良ゆっくりだ。 その群れに番の愛するれいむとおちびちゃんも住んでいる。 今頃お腹をすかせて、おうちでまりさの帰りを待ちわびているだろう。 人間からあまあまは取り返せなかったが、帽子の中には生ゴミだの草だのが入っている。 戦果としてはとりあえず申し分ないはずだ。 しかし最近、妙に生きにくくなったと帰りながら野良まりさは思っていた。 なぜか美味しい草さんや虫さんを見かけなくなった。 ゴミ捨て場は野良ゆっくり同士で壮絶な餌の取り合いになっている。 その争いで野良ゆっくりが死ぬことも今では珍しくない。 さらにおうちを奪おうとするゲスが増えている。群れ全体で警戒しているが ゲスどもは少しでも油断するとおうちに入り込んでおうち宣言をかまそうとするのだ。 糞人間のことだけでも大変なのに、ごはんがとれにくいわゲスがたくさん現れるわ。 一体どうなっているんだ……と思いつつ公園に帰りついたそのとき。 公園からいくつもの絶叫が上がった。その声に野良まりさはハッと我にかえり……そして見た。 「やべでええええ!でいぶのおうちさんをつぶさないでええええっ!!」 「ぐぞじじいはちぇんのおちびちゃんをかえせよぉぉぉ!わか……や、やめてねー! ちぇんはそのふくろさんにはいりたくな…」 「いいかげんにしないとまりさぷくー!するのぜ!ぷ(ぐしゃっ!)」 「み、みんなにげでえええええっ! 「いっせいくじょはゆっくりでぎないいいいいいっ!!」 公園内は阿鼻叫喚の地獄と化していた。 加工所による公園の一勢駆除だ。おうちであるダンボール箱が潰され、かたっぱしからゴミ収集車に放り込まれる。 野良ゆっくりはトングで挟んでゴミ袋いきか、潰してからゴミ袋いきかのどちらかだ。 野良まりさは群れの仲間たちが次々と殺され捕まえられるのを何もせずに唖然として見ていた。 何が現実におきているのか、すぐに理解できなかったからだ。 たっぷり三分後……まりさは絶叫した。 「な……なにごれぇぇぇぇぇぇっっ!!?」 「……ん?こいつも群れの野良か?」 「ど、どぼじでごんなごとずるのおおおおおっ!?……はっ!れ、れいぶは?おちびはどうしたんだぜ!?」 「ゆー!ゆぅぅぅぅ!?ば、ばりざだぁぁ!ばりざぁぁぁぁぁっ!でいぶはごごだよぉぉぉ!」 「おちょうしゃんちゃしゅけちぇぇぇぇぇ!!」 「なんだ?ゴミ袋から……?」 野良まりさの近くにいた駆除作業員がもっているゴミ袋の中から まりさの姿をみつけた野良れいむと野良れいみゅが助けを求める声をあげた。 どうやら生きながらゴミ袋に放り込まれたらしい。 「ゆぅぅぅぅ!ぶ、ぶじだったんだねれいぶぅぅぅぅ!おちびぃぃぃっ!まっててね!いまたすけて…」 「あーもう面倒くせーな。潰しとくか」 「ぶぎゅ!」 「ゆべっ!?」 「………ゆっ?」 作業員はゴミ袋を地面に置くと、袋ごと中のれいむとれいみゅをあっさりと踏み殺した。 ゴミ袋は透明だから野良まりさが外から見ても一発でわかる。 れいぶとれいみゅがぐちゃぐちゃの餡子と小麦粉の皮だけになってしまったことに。 「ゆ…………ゆああああああああああああっ!!?」 「さーてと、もう野良は残ってないかな?ゆっくりしていってね!…………うん反応なしだ」 「ゆっくりし……ふ、ふざげるなああああ!ぐぞにんげんっ!どぼじでまりざのれいぶとおちびをごろじだああああ!!」 「ん?お前らの為に殺したんだよ。見てわかんないの?馬鹿なの?死ぬの?」 「ゆっ!???」 ゴミ袋の口を締めながら無造作に言ってのけた作業員に思わず絶句する野良まりさ。 あまりにも答えが斜め上の予想外なものなので、すぐには理解できないのだ。 まりさの為にれいむとおちびを殺した?何を言っているんだこいつは!? 「……お前さ。不思議に思わなかったか?餌をとるにも家を確保するにも最近何故か競争率が激しくなったってことに」 「ゆっ……?ぞ、ぞれがどうしたのぜ!ばりざがききたいのはそんなごとじゃ」 「まあ聞けよ。その理由はな……この辺り一帯の野良ゆっくりが増えすぎたからだ」 「ゆゆっ!?」 「野良ゆが数を増やせば餌も家も足りなくなる。当然だこの世のすべてのモノは数に限りがあるからな」 「ぞ、ぞれが」 「だからさ。俺たち加工所がわざわざ駆除して野良ゆの数を減らしてやろうっていうんだ。 そうすれば少しはお前らも過ごしやすくなるんじゃねえの?」 「ゆっ?ゆゆっ??ゆゆゆゆゆゆっ……!?」 確かに最近生活しにくいのは事実だ。だが……だがその為にゆっくりを殺していいはずがないではないか! しかもまりさのれいむとおちびをころすなんて! 「ゆっくりも増えすぎると同族からも邪魔者扱いされるからなー」 「ふ、ふざけるんじゃないのぜぇぇぇ!だっだらほがのゆっぐりをごろぜばいいのぜ!? どぼじてばりざざまのむれを、かぞくをごろずのぜぇぇぇぇ!!」 「どのみち他の群れも順番に駆除するさ。今回はたまたまこの公園が駆除の対象だったってだけの話だ」 「ゆぅぅぅぅっ!?ゆぐぅぅぅぅぅっ!!」 「さて……邪魔な野良にはそろそろご退場願おうか」 「ゆがぁぁぁ!ばりざはじゃまじゃないぃぃぃぃ!じゃまなのはおばえだちだぐぞにんげんんん! いつもいつも、ばりざざまたちのゆっぐりをじゃまじやがっでぇぇぇ!じねえ!ゆっぐじじねえぇぇぇぇっ!!」 「まあそういうことはさ。あちらさんにでも言ってくれや。じゃあな」 「やべろぉぉぉ!ばりざざまをふくろざんにいれるなぁぁぁっ!じね!ぐぞにんげんはじ……ね……?」 作業員は新しいゴミ袋をだすと野良まりさをトングで挟んで袋にいれた。 じたばたと見苦しく抵抗する野良まりさだったが、ある方向をふと見て暴れるのをやめる。 そこには他の群れの野良と思われるゆっくりが数匹いた……連中は笑いながら駆除されている公園内を見ている。 「むきゅきゅきゅきゅ!ここのむれもようやくくじょされたようね!」 「これでごはんさんのとりぶんがふえるみょん!」 「くそにんげんどもがいなくなったら、ここもまりささまたちのゆっくりぷれいすにするのぜ!」 「まったくここのむれは、ゆっくりできないじゃまでいなかものたちだったわ!」 「でいぶのごはんさんをよこどりするげすなむれはくじょされてとうぜんだよ!」 「ほんと、とっととしんでくれてよかったみょん!」 「「「「「げらげらげらげらげらっ!!」」」」」 ……公園のゆっくりたちが殺されているというのに、それを笑って見ている野良ゆっくり。 邪魔だと。ゲスだと。死んでくれてよかったと同族に好き勝手にいわれるのを聞いてまりさの心はへし折れた。 自分たちは生きているだけで常に誰かにとって邪魔な存在でしかないのだと気付いてしまった。 世界から祝福されて生まれたとか、世界中の生き物が喜んでゆっくりをゆっくりさせてくれるなんて妄想だ。 本当はゆっくりという種族はどいつもこいつも人間どころか同族からも憎まれ疎まれ 邪魔っけにされるやっかい者でしかないのだ…… 作業員の男はトングをしまい、死んだような目でブツブツ言っているまりさが入ったゴミ袋をもち、 げらげら笑っているよその公園の野良ゆを見て……仲間のところへ戻っていった。 どうせ1週間後にはあの馬鹿笑いしているゲスどもの群れも駆除する予定なのだ。 せいぜい今のうちだけでもいい気にさせてやろうじゃないか。優しくてごめんね! ……さて。もし野良まりさが思ったようにこの世から人間がいなくなったとしたらどうなるのだろうか。 ゆっくりは本当にゆっくりと生きることができるのだろうか? すべての人間、人間が作った街や道路、文明の痕跡をすべて消して自然のままの地球にゆっくりが住み着いたら……? ……恐らくなにも変わらないだろう。野良から野性に立場が変わるだけだ。 厳しい自然環境と他生物そして捕食種の脅威に晒されて ゆっくりは小さい繁栄と破滅、自滅を繰り返すというスパイラルが延々と続く。 しかしゆっくりという種族は繁殖力だけは折紙つき。 ゆっくりできない状況になればなるほどゆっくりできる子孫を増やそうとするのだ。 がむしゃらに作ったその子孫のほとんどが様々な理由で死ぬだろうが…… だがもしかしたら。いつかはその繁殖力が自然や他生物の脅威を上回る日がくるかもしれない。 すなわち……地球上が増えすぎたゆっくりによって埋め尽くされるというラグナロク。 その時になってようやく能天気なゆっくりどもは事の重大さに気付くだろう。 「どぼじてくささんもむしさんもいないのぉぉぉぉぉ!?」 「にんげんがひとりじめしていたあまあまさんはどこにあるのぜぇぇぇぇっ!?」 「おやさいさん!はやくかってにはえてきなさい!はえてこないと、とかいはじゃないわっっ!」 「ぐわぁぁぁぁ!せまいぃぃぃ!おばえらどっがいげぇぇぇぇっ!!」 「もうすめるところなんてどこにもないんだみょん!」 「どこのおうちもうんうんだらけでゆっくりできないんだねー!わかれよぉ――――!」 「おながずいだぁぁぁ!」 「じねええええ!おばえらぜんゆんじねえええええ!」 「んほぉぉぉぉ!!」 「れいぱーだぁぁぁぁ!」 「うっめ!これめっちゃうめ!まじぱねえ!」 「ゆっぐりをたべるげずはゆっくりしねぇぇぇぇ!」 「きゃわいいれいみゅに、しゃっしゃとあみゃあみゃもっちぇきょい!くずおや!」 「どぼじてぞんなごというのぉぉぉぉぉっ!?げすなちびはゆっくじじないでいますぐじねぇ!」 増えすぎたゆっくりのやる事といえば共食いして数を減らすことぐらいだろう。 そうすれば少しは数が減るだろうが。だがゆっくりによってさんざん荒らされた自然環境は容易には回復しない。 共食いの果てに……自滅という形でゆっくりは滅びる。他の生き物や地球そのものを道連れにして。 ……だからゆっくりは邪魔者だというのだ。滅びるのなら自分たちだけ滅びればいいものを。 ゆっくりは人間にとって邪魔。増えすぎれば同族にとっても邪魔。他の野生動物からみても邪魔だし地球にとっても邪魔。 人間と同じかそれ以上にこの星を蝕むゆっくりは地球にとっての天敵といえる。 だから……人間はゆっくりを駆除するのかもしれない。 人間は地球を守るなんて愁傷な心がけで駆除しているわけじゃない。自分たちの為だけに駆除しているのだ。 だがその行為は結果的にゆっくりを適度に間引いて、ゆっくりという種の存続に一役買っているのではないか? それが自然界において人間がゆっくりの天敵として課せられた役目なのかもしれない。 なにせゆっくりの絶滅だけはどうしてもできないのだ。 人間がゆっくりを計画的に駆除して数を減らさなければ他に誰がやるというのだ? ゆっくりを捕獲しても不潔な野良ゆじゃ再利用なんてほとんどできない。 駆除にかける労力、予算、道具、全部人間の持ち出しばかりで丸損だ。得することなんてほとんどない。 しかしそれでも人間は何かに導かれるようにゆっくりを駆除したり虐待したりする。 そしてそれが他の野性生物や自然環境のためになる。 邪魔者で使い道のないゆっくり。宇宙船地球号に密航したこのゴミ虫を始末するのが 地球号に乗らせてもらっている人間の役割という奴なのかもしれない。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね!
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『バトル』 11KB 虐待 小ネタ 戦闘 子ゆ 思いつき小ネタ 『ゆっくりしていってね!』 きらきらのお日様の光に誘われて、ぱちりと目をあけた二つの愛らしいゆっくり。 片方はれいむ、もう片方はまりさ、まだ小さな子供だ。 彼らは眠ったときとは違う場所に居ることに気付き、きょろきょろとあたりを見回した。 「ゆゆ~ん?ここはどこなのぜ?」 「まりさ!れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっ!?まりさはまりさなのぜ、ゆっくりしていってね!」 自分が置かれている状況を気にしようとするのもつかの間、すぐにお互いを認識しあい挨拶したおかげでゆっくりが始まってしまい、 もう自分が置かれた状況がどうなっているかなんていうことは気にならなくなってしまったようだ。 彼らが居るのは冷たい青い床、どこまでも伸びる青い壁、上を見上げるとお空にはさんさんと太陽が輝いている。 「ゆ~、ゆ~、ゆっくり~♪」 「のぜのぜの~ぜー」 ふいに何かが空をさえぎり、あたりが暗くなる。 しかし二匹は目を閉じて肌をすりよせゆっくりしていたため、それに気がつかなかった。 直後二匹は別々に軽い浮遊感に襲われる。 『おそらをとんでるみたい!』 二匹同時に浮遊感への反射的な言葉が口をつく。 「ゆ?ここはどこなのぜ?まっくらなのぜ?」 「ゆーん、まりさどこー、れいむこわいよー」 この時二匹はそれぞれ目隠しをされていたのだが、頭の弱い子ゆっくりに目隠しをされているか 真っ暗な空間にいるかどうかを見分けることは出来なかった。 『いちゃいっ!』 またも二匹同時に悲鳴。 「いっ、いたいのぜ、まりさのあんよがちくっとしたのぜぇぇ!?」 「あーーーーーーーーん!!!!れいみゅのほっぺがあああああ!!」 すぐさまわんわんと声を出して泣き始めるれいむとまりさ。 直後あんよにひんやりとした感触が触れると、再び視界に光が溢れる。 すると目を開けたお互いの目の前に居たのは、さっきまでいたゆっくり出来るお友達ではなかった。 「ゆあ~ん?なんなのぜ?おかざりのないこはゆっくりできないのぜ?」 「ゆふふ、おかざりのないゆっくりできないこがいるよ、はやくあっちにいってね!」 二匹の頭の上には、当初あった黒い帽子と赤いリボンが乗っておらず、二匹はお互いをゆっくりできない子として認識してしまっていた。 当然目の前に居るのが、さっきまで一緒にゆっくりしていた存在だということには気付かない。 まりさはにらみつけるような視線を、れいむはあざ笑うような視線をお互いに向けている。 先に動いたのはまりさだ。 「ゆっくりできないやつはせいっさいっだぜ!」 不敵な笑みを浮かべながられいむに飛び掛る。 闘争心に火のついたまりさには、あんよについた小さな傷程度はすぐに忘れられるものだった。 「いちゃい!いちゃいい!れいむのうえにのっからないでぇ!いちゃいいい!ゆっくりできないい!」 まりさはれいむの上に飛び乗りその場で何度も跳ね、れいむを自らの体重で押しつぶそうとする。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりできないこはまりさのすばらしいせかいにはふようなのぜ!」 「ゆんやあああ!!やじゃやじゃやじゃ!しにたくないいい!」 上からの攻撃から逃れようと、れいむが身をよじって必死の抵抗をする。 まりさはぺちりぺちりとお腹に当たるれいむのもみあげをもろともせず攻撃を続けるも、 やがて丸みのあるれいむの上からバランスを崩し、転げ落ちてしまった。 「いちゃい!ゆぅぅ、なまいきなのぜ!」 すっかり闘争の興奮に酔いしれているまりさは再びれいむをキッと睨み付ける。 しかし今度はれいむも黙ってやられるのを待ってはいなかった。 「いたいいたいするこはゆっくりできないよ!ぷくううう!!」 れいむは涙目になりながら、頬を膨らませてまりさを精一杯威嚇した。 「ゆひっ!?そ、そんなのこわがるまりさじゃないのぜ!」 口ではそういいながらもれいむの膨張率に一瞬同様するまりさ、れいむはその隙を見逃さなかった。 「わるいこはせいっさいっだよ!れいむおこったからね!」 頬を膨らませたまま器用に声をだし、ごろごろと転がってまりさに体当たりをする。 「ゆぎっ!いたいのぜ!」 「いちゃいい!!」 れいむの予想に反して、二匹は同時に痛みの悲鳴をあげることになる。 「どうしてほっぺがいたいの…?ぺーりょぺーりょ…」 れいむは膨らませていた頬をしぼませて、大きな舌を器用に伸ばして痛みの原因を探った。 痛みの原因は先ほど目隠しをされていた時に傷つけられた頬の傷だった。 まりさから受ける暴行の痛みで忘れていたものの、頬の傷を思い出し、れいむは目の端に涙を浮かべてゆんやぁゆんやぁと泣き始める。 少しすると痛みを紛らわせるためにぺろぺろと頬を舐めていたれいむに、ある変化が訪れた。 「ゆ?ゆゆ?なんだかあまあまだよ?」 れいむの頬の傷のそばには、同じくあんよを傷つけられていたまりさの中身の餡子が付着していた。 ゆっくりは、傷ついた自分や同族をぺーろぺーろと舌で舐めて癒すという習性を持っている。 そのため自分や、血縁の近いゆっくりの中身、すなわち餡子を大好物である甘みと認識することは、殆どない。 しかしそれはあくまで近しいもの同士の話であり、れいむやまりさの中身である餡子は、本来ゆっくりの大好物で『あるあま』あまそのものだ。 「ゆゆ?なんなのぜ?」 突然目を輝かせるれいむに、まりさは怪訝そうな表情を浮かべ、何をされるか分からずその場から動くのを躊躇ってしまう。 れいむは自らの頬、そして身体の別の部分の『あまあま』を舐め、そしてそのにおいが点々と青い床を汚していることに気付く。 「あまあま!あまあま!」 すぐにそれを舐め上げて味を確かめると、れいむの口の中に幸せな甘みが広がっていった。 れいむはそのあまあまの大元を探ろうと目をギラギラとさせながらあたりを見回す。 そしてすぐにまりさのあんよから微かに漏れている『あまあま』を発見した。 「あまあまぁああ!」 傷ついたストレスから逃れようとする欲求、そしてれいむ種特有の強い食欲から、れいむはあまあまを求める怪物と化す。 「な、なんなのぜ!!?」 突如勢い良く襲い掛かってきたれいむにまりさは怯えて逃げの体制に入る。 しかし数回跳ねたところで、硬い床によってあんよについた傷がわずかに広がり、 その痛みでまりさはあんよをもつれさせ、べちりと顔面からつっぷしてしまう。 「い、いたいのぜえええ!あんよもおかおもいたいのぜええ!!!」 既に恐怖に支配されてしまったまりさに、傷の痛みを忘れることなど出来なかった。 「あまあま…」 まりさの背後に、ゆっくりとれいむがにじりよる。 床に横たわるまりさに向けられた視線は、もはやゆっくりできる同族を見る目でも、ゆっくりできない哀れな子を見下ろすものでもなく、 ただの美味しい食べ物の塊を見つめるそれだった。 がぶり、れいむの歯がまりさのあんよの傷に齧りつく。 「ゆぎゃああああああああああああ!!!!」 雄たけびにも似た悲鳴がまりさの口から迸る。 しかし食欲の権化と化したれいむがそのような細かいことを気にするはずはなかった。 ものの数分もしないうちに悲鳴は聞こえなくなり、やがてそこには満足そうな顔で寝息を立てる太ったれいむがいるだけとなった。 時間は少し前に戻る。 「おい、あれやろうぜ!」 「いいけどこの前お小遣い削られちゃってさ…」 「わかったわかった、今回は俺が出すからさ、な!」 「まあそれなら、やろう!」 いかにもやんちゃそうな少年二人が、お互いにあれやこれやと喋りながら、おもちゃ屋の前にくりだしていった。 二人が目当てにしていたのは、『がちゃがちゃゆっくり』とポップな字体で書かれたシートが張ってある箱。 少年の一人がそれを前にしてポケットから百円玉を数枚取り出し、箱の中ほどにあるダイヤルの上に挿入し、固めのダイヤルを数回まわす。 するとプラスチックのダイヤルの慣らす小気味良い音と共に取り出し口とかかれた扉の奥に、不透明なプラスチックのカプセルが現れた。 「それお前のな、次は俺!」 そういって少年は扉の中からカプセルを取り出しもう一人に渡す。 少年はもう一度同じようにダイヤルを回し、次に出てきたカプセルを自分のものにした。 「なあ、今日はどうする?」 「最初はとりあえず普通にいこうよ、で、無理そうだったらいつもので」 「いいね~」 二人は手に入ったカプセルを大事そうに抱えながら、一旦片方の自宅へと向かった。 家に着くと一人が中に入り、小さな青いバケツを持って出てくる。 二人は庭に行きバケツを置いて、顔を見合わせた。 「じゃあ、せーのだぞ」 『せーの!』 二人が同時にカプセルをバケツの上で割り開いた。 カプセルの中からカプセルよりふた周り小さい程度の塊が一つずつ、バケツの中に落ちていく。 「俺のはまりさか」 「俺のはれいむ、この二匹じゃ無理っぽいかもね」 少年達はバケツを覗き込みながら、肩を寄せ合い声を潜めて会話をした。 やがてバケツの中ではカプセルから出てきた小さなれいむとまりさが目を覚まし、身体をよせあってゆっくりし始める。 「やっぱりだめだったね、じゃ、アレで」 「オッケー」 二人は二匹に気付かれないようバケツに手を入れて、それぞれ自分のゆっくりを取り出し、 指で目隠しをした状態でゆっくりのおかざりを取り、そして身体の一箇所に小さな傷をつけた。 「あとは、どうなるかな」 「れいむがまりさに勝つわけないって、俺の勝ちだな」 「ジュースかけるか?」 「いいとも」 二人は小さな声でやり取りをしてニヤリと笑いあい、それぞれのゆっくりをそっとバケツの中に戻した。 「うっわキチクー、へへっ、でも俺の勝ちー」 「うっそだろマジかー、あ~…」 「ジュースな、約束だろ?」 「はいはいわかってるよ!」 勝敗が決し、れいむの持ち主だった少年は嬉々とし、まりさの持ち主の少年はがっくりと肩を落としている。 この二人が行ったのは、『がちゃゆっくり対戦』と呼ばれるゲームだった。 ルールは簡単、二人または複数でがちゃがちゃゆっくりを購入し、それを小さな箱の中などの決闘上に入れ、 あとはことの成り行きを観察し、最後に残ったゆっくりの持ち主が勝者となる。 基本的には持ち主の接触一切無しのルールだが、その場合相性が良いゆっくり、たとえばまりさとれいむなど番になりやすいゆっくりだった場合、 殺し合いに発展しづらくなり決闘が無駄に長引いてしまうことがある。 そのときは、今回少年達がやったように、おかざりのないゆっくりを攻撃しあう習性を利用する方法や、 初めから弱点を作っておくなどの措置を取るなどの工夫がされることが多い。 また、最初からゆっくりを起こして互いに状況説明や戦闘方法の指導をしてから戦わせたり、野次を飛ばしながらの対戦、 一体多数、多数対多数の戦いなども楽しまれている。 カプセルには、中に入る程度の子ゆっくり、そして低価格な基本種が入っているが、 その中でもたとえば初めからお飾りがない者、知能や身体能力に欠陥あるいは優秀さがあるものなど様々なゆっくりが入っていて、なかなか奥が深い。 そのシンプルさと安価さ、そして後付けの豊富さから、今大人から子供まで一部の間で密かなブームとなっているのが、 この『がちゃゆっくり対戦』だ。 あなたも是非、一度プレイしてみてはいかがだろうか。 …ちなみに生き残ったゆっくりは当然勝者の所有物になる。 飼ってもよし、殺してもよし、中には食べるという奇特なプレイヤーも居るようだ。 今回の生き残りであるれいむは、勝者の少年が飼うことにしたが、 三日後外に放置して餌をやり忘れたことに気付いた少年がバケツの中を覗いたところ、 壁をよじ登ろうとしていたのか、壁面に顔面を押し付けたまま干からびて死んでいたそうだ、合掌。 終わり -------------------------------------------- 今回は思いつき小ネタでした、ネタ被りがあるとは思いますがあまり気にしない方向で… それでは次の作品でお会いしましょう。 ばや汁でした。 いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます! この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ anko1748 かみさま anko1830-1831 とくべつ anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん anko1847 しろくろ anko1869 ぬくもり anko1896 いぢめて anko1906 どうぐ・おかえし anko1911 さくや・いぢめて おまけ anko1915 ゆなほ anko1939 たなばた anko1943 わけあり anko1959 続ゆなほ anko1965 わたしは anko1983 はこ anko2001 でぃーおー anko2007 ゆんりつせん anko2023 あるむれ anko2068 おしかけ anko2110 とおりま anko2111 おもちゃ anko2112 ぼくとペット anko2223 まちかどで anko2241 かいゆ anko2304 ぼうけん anko2332 とかいは anko2349 たたかい anko2369 ゆっくぢ anko2413 せんたく anko2427 ぶろてん anko2489 あこがれ 前編 anko2588 ひとりぼっちのまりさ anko2807 母の音 anko2887 僕とれいむと秘密基地 anko2949 野良れいむ anko3047 ぶろてん おまけ anko3058 実験01 クッキーボタン anko3067 わけあり おまけ anko3078 げすまりさ anko3090 てのりれいむ anko3096 雨 anko3107 ゆかりん anko3114 命の価値 anko3125 ちるの時々まりさ anko3129 はるですよ anko3452 れいむが愛したれいむ anko3529 てのりれいむと愉快?な仲間達 anko3625 陽射しの中の… 餡小話では消えてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html をご活用ください。
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『風景』 29KB いじめ 観察 日常模様 妊娠 赤ゆ 独自設定 久々に。盛り上がりには欠ける話なので注意 リハビリに表現の描写を過剰気味に一発書いてみた *注 ・ヤマなしオチなしの淡々モノ ・テンプレ乙 ・ゆっくり視点 ・殆ど喋らない ・ゆっくりの性描写あり ・独自設定あり れいむの目には壁が映っていた。 いや、正確には壁『だけ』が映っていた。 れいむと壁の間には何も無く、誰もいない。ただガランと広がっているだけなのだ。 「・・・・・・・・」(ゆぅぅ・・・・・) だがしかし、れいむはその壁を見続けていた。 れいむはどこかに跳ねて行こうともしない。 ―――――――― 当然だ。れいむのあんよは真っ黒に焼き潰されており、移動することなど出来ない。 れいむは別の場所を見ようともしない。 ―――――――― 当たり前だ。れいむの周囲は前を除いてがっちりと別の壁で固められており、正面以外を向くことなどできない。 れいむは何も喋ろうとしない。 ―――――――― 出来るはずがない。れいむの口は溶かされて肌と一体化しており、話すどころか存在すらしていないのだから。 れいむはただ、目の前の風景を見続けていた。 『風景』 れいむはずっと昔から、現在の風景を見てきていた。 それはもう、ゆっくりの少ない記憶領域では思い出せないくらい昔からずっとだ。 「・・・・・・・・」(ひまだよ・・・・) れいむの日常は刺激というものが存在していない。 まず自分自身で何かする、ということが出来ない。 あんよが焼けているため動くことが出来ず、周囲を固められているので身じろぎも難しく、口が無くなっているため独り言すら言えない。 そして外部から何かされる、ということも無い。 何もなく誰も居ないこの場所では音が鳴ることなど殆ど無く、見える景色は壁ばかり。明かりも蛍光灯なため、光の変化すら乏しい。 ぽかぽか太陽も無ければ涼しい風も吹かないこの場所は、温度でさえ一定である。 「・・・・・・・・」(とっっっっても・・・・ひまだよ・・・・) れいむには食事でむ~しゃむしゃする楽しみも、うんうんを出してすっきりー!する解放感も無い。 れいむの後頭部には二本の管が刺さっており、それぞれ食事代わりの栄養補給と排泄を無くす為の吸引を行っているからだ。 「・・・・・・・・」(つまんないよ・・・ひますぎてゆっくりできないよ・・・れいむ、もっとなにかしたいよ・・・) れいむはそんな、変化という刺激が無い時間をただ延々ジッとし続けなければならない。起きてから眠るまで、ゆっくりからすれば長い時間を常にだ。 それはゆっくりすることを何よりも好むゆっくりにとっても望ましくない事だ。退屈とゆっくりは違うということである。 この生活においてれいむが出来ることは2つだけ。目の前を見続けること、胡乱な餡子脳で考えを巡らせること、それだけだ。 「・・・・・・・・・・・・・」(・・・しかたないよ・・・・きょうはもう、れいむはす~やす~やするよ) 一日中ただ目の前にある壁を見続けるだけ、それ以外は一切何も無し。ひたすら退屈なだけで、考えるようなことなど何もない。 だからいつも、れいむは早々に眠りにつく。 「・・・・・・・・・・・・・」(めがさめちゃったよ・・・でも、もうれいむす~やすやはできないよ・・・) だがその眠りは長くは続かない。 全く動いていないため疲労が少なく、体が眠りを欲していないのだ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(つまらないよ・・・つまらないよぉ・・・・) 眠ることが出来なくなると、途端に一日が長くなる。 というより起きてから寝るまでを一日としているだけで、そもそもの時間の経過が分からない。 子供が大人に成長するほどの月日が流れたのか、日が昇りそして沈む程度の時間が経ったのか、それともまだ1分もしていないのか、全く把握できていない。 れいむの日常とは、そんな退屈との戦いの日々である。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(ひまだよぉ・・・・ぴょんぴょんしたいよ・・・・こ~ろころやの~びのびがしたいよぉ・・・・) 次の日、れいむは退屈の中で叶わぬ想いを抱きながら一日を過ごした。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(だれかといっしょにゆっくりしたいよぉ・・・れいむ、ひとりぼっちはイヤだよぉ・・・) そのまた次の日、れいむは誰かが傍にいればいいのにと想いながら、一匹だけで何も無い一日を過ごした。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくりできない・・・これじゃゆっくりできないよぉぉぉ!ゆっくりしたい!ゆっくり!ゆっくりぃぃぃ!!) さらに次の日、れいむはゆっくりできないと心の中で癇癪を起しながら、しかしやっぱりそれまでと変わらぬ一日を過ごした。 次の日も何もなかった。 次の次の日も何も出来なかった。 次の次の次の日もやはり何も起きない。 次の次の次の次の日も何も出来ず何も起きない。 次の次の次の次の次の日もやっぱり何も無く、誰も居ない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(だれかぁ・・・・ゆぅぅぅ・・・・れいむに・・・・なにか・・ れいむを・・・・ れいむが・・・) 次の日も、 その次の日も、 さらに次の日も、 そのまた次の日も、 さらにその次の日も、 さらにさらに次の日も、 ゆっくりできることも、ゆっくりできないことも、何も無かった。 「・・・ ・・・・・・ ・・・・・ ・ ・・・ ・・・」(だ…かれいむの…こ…にきて…ぉ…れみりゃ…もいい……、れ…むとい…しょに… ) 何も出来ず何も起きない時間が長く続く、それは徐々に精神を蝕んでいく遅行性の毒のようなものだ。 その毒はゆっくりと全身を巡っていき、やがて心が死ぬことになるだろう。 そうなればれいむはれいむで無くなり、ただの一匹の狂った廃ゆんと化すことになる。 「 ・・ ・ ・ ・ ・・ ・・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・・・」 (あ ? いむ、い ?うな て んだ ?れい ?だれ ? ? らない ・ ・?) れいむも次第に心が、精神が、壊れていっていた。思考が怪しくなり、自分が生きているのかすら分からなくなっていく。 れいむの現状は人ですら辛いと感じるもの、ゆっくりである身で耐えきれるようなレベルではない。 だかられいむが今まで死なずに生きてこれたのは、決して心が特別に強いからなどではない。 ガチャ 「・・・・・!!!」(ゆぴっ!!?) ただ単純に、れいむが壊れきる前にやってくる『非日常』による刺激を与えられていた、それだけだ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 音が響く。 それまで無音だった日々に、たった一つだけ音が響き始めていた。 コツ コツ コツ それは何かが固い床を叩く音。 音はまるでリズムをとっているかのように、一定の間隔をもってれいむの居る空間に響いている。 「・・・!?・・・・?」(ゆ!?ゆゆゅ!?・・・あ、あれ?れいむは・・・ゆ?・・・・このおと、は?) そしてその音という刺激に、れいむの意識は急速に回復していった。 そのまま、れいむは急に響きだした音に頭が混乱しながらも、意識を音へと向ける。 コツ コツ コツ コツ コツ コツ 「・・・?・・・・・・・??」(ゆ?・・・・ゆゆゆゆゆ?・・・・これ・・・このおと・・・たしか・・・) 一定の間隔で聞こえてくるこの音。それにれいむは聞き覚えがあった。 精神が壊れかける日常を過ごしても尚れいむの記憶に残っているこの音、その正体は ―― コツ コツ コツ 「・・・・・・・・!?!?」(この・・・このおとは・・・!にんげんさんのっ!?) 人間が歩いてくる音である。れいむは人間の靴が床を叩く音を、それまでの度重なる経験によって記憶に刻みこんでいた。 そして同時にこの音が聞こえる時はれいむへの『行為』が迫っているのだということも、否応なくれいむは思い出していた。 コツ コツ コツ コツ コツ コツ 「・・・・・ッ!・・・・・・ッ!」(きてるっ!にんげんさんがれいむのほうにきてるよぉぉぉ!!?) れいむの目に映っているのは相変わらず壁だけだ。 だがそこにたった一つ音という要素が加わるだけで、全く違ったものへと変化していた。 音が響く度にれいむの目に映る壁はぐにゃりぐにゃりと歪み、隆起と沈降を繰り返して生き物のように蠢きだす。 音が少しずつ大きくなる毎に壁についていた汚れや傷が大きくなっていき、まるで魔物のように恐ろしいモノへとなっていく。 れいむに見える風景は、そんなゆっくりとは程遠いものへと成り果てようとしていた。 もちろん実際にはそんな変貌を遂げているのではない。 だがそのようにれいむには見えてしまうのだ。心を締め付ける『恐怖』という感情によって。 そう、れいむはこの後の『行為』を心底から恐れていた。例えそれのお蔭で変化の無い日常を生きてこれたのだとしても。 コツ コツ コツ コツ コツ コ 「・・・・!!・・・・・・・・ッ」(ゆひっ!と、とまったよ・・・で、でも) 途中で音が止まる。だがそのことがれいむに安堵をもたらすことはない。 いつだって必ず途中で音は止まるのだ。そして少し経ったら再び聞こえ始めるようになる。 停止と再開を繰り返す音のリズムはれいむの心に多大な重圧を掛けており、じっとりとした汗がれいむの肌に浮かんでいく。 コツ コツ コツ 「・・・・・っ!」(れいむのあんよさん、うごいてよ!!にんげんさんがれいむのところにきちゃうよ!ゆんやぁぁぁぁ!うごいてよぉぉぉ!!) ここから今すぐに逃げ出したい ―――― 焦げたあんよはぴくりとも動かない コツ コツ コ 「・・・!・・・っっ!」(いやだよ!れいむ、もういやだよ!もうあんなこといやなんだよぉ!) 少しでも此方に来る人間から離れたい ―――― れいむの周りを固めている壁が身じろぎすら許さない コツ コツ コツ 「・・・・!・・・!・・・!!」(やだよ!やだよやだよやだよ!やだやだやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!) 泣き叫んでこの重圧を少しでも紛らわせたい ―――― 溶けて消えた口が音を出すことは決してない コツ コツ コ その後もれいむの焦燥など関係ないとばかりに音は停止と再開を繰り返し、そして コツ コツ コ ガタッ 「・・・・・・・・!!!!!」(あ・・・あぁ・・・・・に、にんげん、さん・・・・!!) れいむの目に、人間が映りこんだ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ カチャ カチャ 「・・・・ッ!・・・・・ッ!・・・・・ッ!」 (や、やめてね?・・・にんげんさん、そんなことしてないでゆっくりしてね?れいむといっしょにゆっくりしてね?) れいむの目に映りこんだ人間はそのまま、れいむの目の前で『行為』の準備を始めた。 これも記憶にある光景。人間はいつも見せつけるかのようにれいむによく見える位置で準備をしていく。 自分への道具を用意していく様を見せつけられるこの時間は、れいむが最も嫌いでゆっくりできないと感じるモノである。 カチッ ピッ 「ッ!!!」(ゆっ!!) だがその時間は長くは無い。すぐに準備は整い、れいむへの『行為』が始まるからだ。 人間がれいむのあんよ近くにあるスイッチを押すと同時に、れいむへの『行為』は始まる。 ヴィィィイィィィィイィィィ 「ーーー!ーーーーー!!」(ゆぁぁぁぁぁぁ!!?や、やめてぇぇぇぇぇぇ!!?) 最初の『行為』、それは強制的な発情である。 れいむの乗っている床が、身じろぎ出来ない程に密着している周囲の壁が、ブルブルととても細かく振動する。 その揺れは当然れいむへと伝わり、体を激しく揺さぶっていく。 ヴィイィィィィィイィッ 「ーーーーっ!ーーーーーーーーーーっ!!!」(ゆぅぅぅぅ!!れいむすっきりしたくないよぉぉぉぉ!!やぁぁぁぁ!!) ゆっくりは振動によって発情する。れいむも揺さぶられることによって、体内の奥底から否応なく快楽を引き出されていく。 だがその気持ちよさとは裏腹に、その行為に対して感じるものはゆっくりしたものから程遠い。 相手のことなどお構いなしに無理やり与えられる快楽は、叩きつけるかのような衝撃をれいむの精神に与えており、むしろ暴力に近しい。 ヴィィィイィィィイィィィイィィ 「ーーッ!!ーーーーーーーっ!!ーーーーーーーーーーーっ!!!!」 (ゆっぐぅぅぅ!!ぎ、ぎぼちいいげどぎぼぢわるい”ぃぃぃぃ!!やべでぇぇぇぇぇぇぇ!!) 与えられ続ける振動は温もりに欠け、れいぱーだって少しはマシだろう最悪なすっきり行為となる。 だがそれでも込み上げてくる快楽に抗うことは出来ず、れいむの体は心とは無関係に高みへと上り詰めていく。 次第に嵐のような振動に見える景色が白濁し、殴りつけるような快楽に体が散り散りになったような幻覚を覚える。すっきりへと至る前兆だ。 ヴィィイイィィィ 「 ! !!!!!!」(ずずずずっぎり”ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?) そして数瞬後、れいむの体は予想通りにすっきりへと至った。 ゆっくりでは実現不可能な凄まじい振動によってもたらされる極大の快楽と、どこまでも無機質に行われた行為に対する最低最悪な心地がない交ぜとなり、れいむの意識が飛ぶ。 そして同時に、れいむの意識が混沌と化すのを狙って人間が動いた。 プスッ 人間はいつの間にかその手に注射器を持っていた。その針先をれいむの額付近へと差し込むと、素早く中身を注いでいく。 注射器の中身、それは他のゆっくりから採取された精子餡だ。それをれいむのすっきりと同時に流し込むことで、疑似的な交尾を再現したのだ。 にょきにょきにょきっ 「・・・・・!・・・・・・!!」 (ゆぁ・・・ぁ・・・おちびちゃん・・・・しょうらい、れいむのすてきなだんなさんと・・・・いっしょにつくろうとおもってたのに・・・・) そんなことをされれば当然のようにゆっくりはにんっしんする。れいむも注射器を刺された所から植物型にんっしん特有の茎が勢いよく生えてきた。 そして茎の途中に小さな蕾が出来ていき、直ぐにちっちゃなゆっくりの形を成し、赤ゆの前身であるつぼみゆっくりとなり ―― ぶちっ 「っ!!!」(ゆぁぁぁぁぁっ!!?れいむのかわいいおちびちゃんがぁぁぁぁぁ!!!?) その段階で人間の手によってれいむの額から茎が毟り取られた。 無理やりで出来たとはいえ自分の餡子を分けた子供が顔も見ぬうちに奪われていく。それは母性の強いれいむからすれば心を引き裂かれる所業だ。 だがそのことをれいむが悲しむ暇はない。 カチッ ピッ ヴィィィィィイィィィイィィ 「~~~~~~~~っ!!~~~~~~~っっ!!!」(ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?ゆらさないでぇぇぇぇ!!?やべてぇぇぇぇぇぇぇ!!) れいむの『行為』は、一回では終わらないのだから。 再度始まった振動による快楽の強制が、れいむの意識を再び漂白していった。 ・ ・ ・ しばし後、れいむは何度目になるのか分からないほどの回数、すっきりを強制させられていた。 ヴィイイィィィィィィィイイイィィィィィ 「 !!! っ!!!! !っ!!」(かひゅっ!?すっぎりぃ!?こっ!?) プスッ 一回だけでも心身共に負担の大きいすっきりを複数回である。その意識はすでに彼方へと飛び曖昧と化している。 そんなれいむの額にはすっきりの回数だけ生えて毟られた茎の跡が痛々しく残っている。 にょきにょきにょきっ ぶちっ カチッ ピッ ヴィィイィィィイィィィィィイ 「ーーー!!!~~~~~~!!!!―――――――――――――!!!!」(ゆぎっ!!びゅっ!ゆごががががが!?) 人間はまるで機械のように同じ行為を繰り返す。れいむを発情させ、すっきりと同時に注射し、生えてきた茎を毟る。 淡々と、淡々と、繰り返し、繰り返し、リピートし続ける。人間の行為が止まるのが先か、れいむが壊れるのが先か、といった具合だ。 ヴィィィィィイィィィィィイイィィィィ 「 !!!」(っっっすずずっきぎきりりりり”ぃぃいぃぃ!!!?) プスッ そして再びれいむの体がすっきりへと至る。同時に死に際のように痙攣するれいむの額に注射器が刺さり、中身がたっぷりと注がれていく。 すぐさま刺された所から毟り取られた茎の跡をかき分けるように、今回のすっきりによって出来た茎が新しく生えてきた。 にょきにょきにょきっ ぶちっ カチッ ピッ ヴィィイィィィイィィィィィイ 「!!!?ーー!?!?!?!?―――――――――――――!!!!??」(ゆ”っ!!ゆ”ゅ”ゅ”ゅ”ゅ”ゅ”っ!ゆ”びゅぼぼぼぼっぼ!?) そしてやはり即座に茎は毟り取られ、次のすっきりが始まる。だがれいむにそのことを正確に認識する余裕はない。 あるのはただ繰り返される快楽の暴力による精神的苦痛と、着実に近寄ってくるすっきり死の予感だけだ。 ヴィィィィィイィィィィィイイィィィィ 「 !?!!?」(っす”ずっぎきり”り”り”り”ぃ”ぃ”い”ぃ”!!!?) プスッ れいむがすっきりに至ると同時に注射器が刺さり中身が注がれる。 にょきにょきにょき 「ーーーーーーーーー!!」(っ!?ゆぼっ!?びぃ!!) 刺された所から茎が急速に生え、それは同時にれいむの体力をゴッソリと削っていく。それによってより死の気配が濃厚になる。 れいむに残された体力からすればこの茎が限界だった。あと一度でも茎を生やせば、そのまま黒ずんで死ぬことになる。 ガタッ コツ コツ コツ コツ 「――――――――――――」(ゆげっ・・・げっ・・・ゆぶふぉ・・・ゆ”・・・・ゆ・・・・ゅ・・・・) だが今回、その茎は毟り取られることはなかった。ここで唐突に、人間がそれまで繰り返してきた行為を止めたのだ。 人間はれいむの額から茎がしっかりと生えたことを確認すると、そのまま立ち去っていく。 コツ コツ コツ コツ コツ コツ コツ コツ 「 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・」(ゅ・・・・ゆ”・・・・れい、む・・・まだいぎで・・・る・・・の?) 人間の歩く音が次第に遠ざかり、やがて消える。 これがれいむの『行為』が終わった合図だ。いつもいつも、こうして最後の時だけは子供はすぐには奪われない。 ボンヤリとした頭でれいむは、今回も何とか生き残ったことを理解した。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ れいむの目には壁が映っている。 いつも見ている正面の壁、だがそこには以前と異なり、壁以外に別のモノも映っている。 「・・・・・・・・」(れいむの・・・おちびちゃんたち・・・) 「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」 それは前回の『行為』によって出来たおちびちゃん達だ。 額から生えた茎に実ったおちびちゃん達は、まだつぼみゆっくりであるが故に声も出せなければ身じろぎも殆どしない。 だがその存在は確かなゆっくりを与えるものであり、れいむの殺風景な景色に彩りを加えている。 「・・・・・・・・」(おちびちゃんはかわいいのに・・・・ゆっくりできるのに・・・・) しかしれいむの表情はどこか晴れないものだ。その目は悲しみに満ちており、さらに何とも言えない複雑な感情を表している。 それはおちびちゃん達の将来を知っているが故であり、さらにおちびちゃん達が『どんなゆっくりなのか分からない』が故である。 そう、れいむは今茎に実っている我が子がどんな種のゆっくりであるのかが全く分からないでいた。 通常であれば茎に実っているゆっくりの種類はれいむ種と番の種族だ。 だが直接注射で出来た茎では、その元となる精子餡が誰のものなのかなど欠片も知ることができない。 ゆっくりできるおちびちゃん達のことを愛しく思いながらも、そのおちびちゃんが誰なのかさっぱり分からない。 その事実はれいむの心にシコリを作っており、おちびちゃん達から感じるゆっくりに影を落としていた。 「・・・・・・・・」(おちびちゃん・・・・れいむの・・かわいいおちびちゃんたち・・・) 「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」 子供を身ごもったゆっくりとしては異様な静けさのまま、れいむの日々は過ぎていく。 ・ ・ ・ すこし後、れいむの茎に実ったつぼみゆっくり達は成長し、赤ゆっくりと呼べるサイズにまで大きくなっていた。 ここまでの日々、れいむは多少影を感じていたものの以前とは比べ物にならない程のゆっくりを感じてきた。 日に日に大きくなっていくおちびちゃん達、その成長という変化を感じられる毎日の楽しさは、前の何も起きない時とは雲泥の差があった。 「・・・・・・・・」(ゆぅ・・・おちびちゃんたち、とってもゆっくりしているよぉ・・・・・・・) 「…ュッ…」「……」「…ゅ」「……(ピクッ)」「……」「ゅ…」「……」「……(プルッ)」 今ではおちびちゃん達は偶に小さな声を出したり、僅かに体をピクピクさせたりしており、自分から外界へと働きかける動きを取っている。 小さな命の揺りかご達が懸命に生まれる準備を整えていくその様子、それは何よりも尊いものだとれいむは感じていた。 だがしかし ―― 「・・・・・・・・」(おちびちゃんたちがゆっくりそだっているのに・・・れいむは・・・れいむは・・・!) それらに対してれいむが何か手伝ってやることはできない。何かするにはれいむの状態が致命的に悪い。 消された口ではおちびちゃん達に話しかけることは当然できないし、身じろぎすら殆ど出来ない状況では何か行動することは困難だ。 「・・・・っ!・・・・・・」 (れいむ、おかあさんなのに・・・おちびちゃんたちをゆっくりさせる、おかあさんなのにっ・・・おうたもうたってあげられないなんてっ!) 「……」「…ゅ…」「…ゅっ…」「……」「……(プルプル)」「ゅ…」「…ゅぅ…」「……」 お歌でおちびちゃん達をゆっくり安らかな気持ちにさせることも出来ない。 体を軽く動かして茎を揺らし、上下左右にゆ~らゆらさせて楽しませることも出来ない。 れいむに出来ることはただおちびちゃん達を見続けること、それだけなのだ。 それは母性が強く子育てが何よりも上手だと思っているれいむからすると、何とも落ち着かない歯がゆい想いを湧き立たせることだ。 「・・・・・・・・・・・っ!!っ!!」 (そもそもれいむのおちびちゃんたちはれいむとおなじれいむなのかな?それともまりさ?ありす?ぱちゅりー?みょん?ちぇん?それとも・・・・? ・・・ゆぅぅぅ・・・わからないよぉぉ・・・おかあさんなのにっ!れいむはおちびちゃんたちのおかあさんなのにぃぃぃ!!) さらに言うと、れいむは未だにおちびちゃん達の種別が分からないでいた。 何故なられいむからはおちびちゃん達の髪の毛やお飾りといった、種別を判断できるようなものが見えないためだ。 なぜ見えないのかと言うと、理由は茎の伸び方が通常とは異なっているためである。 前回の『行為』で最後の方、茎はそれまでに毟られた茎の跡をかき分けるように生えてきていた。 その影響なのか、普通なら横方向に伸びるはずの茎が、れいむの場合は縦方向へと伸びてしまったのだ。 そのためおちびちゃん達は普通よりも高い位置に実っており、れいむはおちびちゃん達を真下から見上げる形になっていた。 だかられいむから見えるのはおちびちゃんのあんよ部分のみ、それもおちびちゃんが茎の外向きに実ることから後ろ側が主になる。 あんよの後ろ側、そこはつまるところお尻である。お尻を見て種別を判断できるような特殊技術を、当然れいむは持ち合わせていなかった。 「・・・・・・・・・・!!」(ごめんねぇ!れいむダメなおかあさんでごめんねぇぇっ!ゆえぇぇぇん!) 「…ゅっ!…ゅっ!ゅゅっ!」 「・・・・・・・・・っ!!」(ゆぇぇん!ゆぅぅぅん!ゆぅぅぅぅん!ゆぇぇぇ・・・・ゆ?) 「ゅっゅっ!…ゅっ!ゅゅっ」 「・・・・・・・・・・!!」(おちびちゃん?・・・・もしかしてれいむをはげまそうと・・・?) 「ゅっ!」 「・・・・・・・・・!!!」(ゆぅぅぅ!やっぱりそうなんだね!おちびちゃんは『まえも』そうやってくれたね!!やさしいおちびちゃんだよぉぉ!!) だがしかし、れいむはおちびちゃん達の種別は分からなくても、それぞれを見分けることは出来ていた。 今も一匹のおちびちゃんがれいむを励ますかのように声を出しているのを聞いて、さらにその子が以前も同じような事をしたおちびちゃんであることを認識していた。 (余談だが、励ましの声はれいむの思い込みである。単に件のおちびちゃんが割かし声を頻繁に出す個体なだけだ。) 「…ゅっ!…」「……ゅゅ(プリンッ)」「……ゅっ」「ゅ、ゅ……」「…ゅ~…」「ゅ…」「…ゅ!」「……ゅぅ」 「・・・・・・・・・・・♪」(ほかのおちびちゃんたちも!・・・ゆふふ、そうだね、みんなゆっくりしたおちびちゃんだものね!) ゆっくりは通常、お飾りによって個体を見分ける。逆に言うと、お飾りさえついていれば唯の石ですら我が子に見える。 そんな中、れいむはお飾りが見えないにも関わらずそれぞれの個体を見分けている。それは中々に凄いことのように思えるだろう。 がしかし、それは決して『茎を通して繋がった親子の絆で分かる~』などといった感動的なものでは無い。もっと単純だ。 「・・・・・♪♪♪」 (あにゃるさんがきゅっとしまったあのおちびちゃんはきっとたくましいゆっくりになるよ! ちっちゃくてきゅうとなあにゃるさんのおちびちゃんはきっとびゆっくりになるよ! あにゃあるさんがおおきいあのおちびちゃんはドスみたいにおおきくそだつにきまってるよ! ほかのおちびちゃんたちだって、みんなとってもゆっくりしたあにゃるさんだよ!! そんなあなにゃるさんをもつおちびちゃんたちは、とってもゆっくりしたおちびちゃんだよ!!!) そう、れいむは自分のおちびちゃん達をそのお尻についているあにゃるによって見分けていた。 れいむから見えているのは一直線に並んだ尻、尻、尻。その光景はさながら尻の大名行列だ。自然、そこにある差異が目立つことになるという訳だ。 「ゅゅ……」「……っ」「……」「……ゅ、」「……」「ゅっ…」「……」「ゅ~…」 「・・・♪♪♪♪♪」 (おちびちゃんたちのあにゃるさんをみているだけで、れいむはゆっくりできるよ!おちびちゃんのあにゃるさんはれいむにとって、てんしのあにゃるさんだよぉ!) れいむにとっておちびちゃん達の顔とはあにゃるの形であり、おちびちゃん達の個性とはあにゃるの特徴である。 あにゃるから感じ取ったそれぞれのおちびちゃん達の情報(思い込み)を、れいむは餡子脳内で形にすることでこれまでゆっくりを感じてきていた。 無論、種別も分からない状況なので脳内のおちびちゃん達はどれも薄ボンヤリとした像にしかならない。 だがれいむにとってはそれだけでも十分なゆっくりだった。 「・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪」(おちびちゃんたち!ゆっくりしていってね!!) 現に今、れいむはそんな尻とあにゃるしか見えないおちびちゃん達によって、嘗てでは考えられない程に生き生きとした日々を送ることが出来ている。 おちびちゃんが小さな声を挙げる度に心が癒され、微かに体をプルプルさせるのを見る度に体の奥がほっこりと温かい気持ちになっていく。 あにゃるをヒクヒクさせるおちびちゃんを見るれいむの目からは感動の余り涙がポロポロと溢れ出しており、誰が見ても幸せそうな表情に見えるだろう。 おちびちゃんの存在はれいむの毎日を満たしてくれる、そんな掛け替えのないモノであった。 ガチャッ 「・・・・・!?!」(ゆ”っ!!?) だがそんなれいむの幸せな『非日常』に、再びあの音が響き渡った。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ コツ コツ コツ 音が響く。 れいむの所に再び人間がやってきた、その証である音が。 「・・・・・・!」(ゆぁ・・・ゆああぁぁ・・・!) そしてその音を聞いたれいむは、目の前が真っ暗になるような絶望を感じていた。 なぜなられいむは知っているからだ。かつてれいむに非日常の始まりを告げたこの音が再び聞こえる時、一体何が起こるのかを。 「・・・!・・・!!」(や、やだよ!とられたくない!れいむはもうおちびちゃんをとられたくないよぉぉ!) この音が再び聞こえる時、それはれいむの非日常の終わり。つまりおちびちゃん達が奪われるということであった。 だかられいむはおちびちゃん達が実って直ぐの頃、悲しみに満ちた目をしていたのだ。いつかこの子達も奪われるのだ、と。 だがれいむはそうと知っていながらもおちびちゃん達にしっかりと情が湧いていた。ただ苦しみが増すだけだというのに。 そうしている間も音が響く。 れいむの心情など関係無く、ただ無機質に冷たく、かつてと同じように。 コツ コツ コツ 「・・・・・っ!!」(にげないと!おちびちゃんをまもるためににげないと!にげないといけないのにぃぃぃ!!!) 逃げ隠れておちびちゃん達を守りたい ―――― 真っ黒に焼けたあんよは決して動かない コツ コツ コ 「・・・っ!・・・っ!」(にげてぇぇ!おちびちゃんんんんん!!) せめておちびちゃん達だけでも振り落すことで逃がしたい ―――― 固定された体は微動だにしない コツ コツ コツ 「・・・・!・・・っっ!・・・!!」(ゆんやぁぁぁ!!!だめだよぉぉ!!ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!) 何としてでもおちびちゃん達を守りたい ―――― 口の無いれいむではお口の中に隠すことは勿論、声で威嚇することも、ぷくーすることもできない どう足掻こうとも、れいむは何も出来ない。ただ次第に大きくなってくる音に絶望を膨らませるだけ。 そして、 コツ コツ コ ガタッ 「・・・・・・・・!!!!!」(ゆあ・・・ゆあ、あああ・・・ああぁぁぁ!!) かつてと同じように、れいむの目に人間が映りこんだ。 ・ ・ ・ カチャ カタッ カタッ 「・・・・・!・・・・・!!」(とらないでね!にんげんさん、おねがいだからとらないでね!れいむのおちびちゃんをとらないでね!) れいむは目の前の人間に必死になっておちびちゃんを奪わないように訴えかけようとしていた。 唯一自由に動く目を使い、人間とおちびちゃん達の間で視線を行き来させ、何とか伝えようとする。 だが人間はれいむの方など見ず、ただ茎の様子を確認しながら手元に持っている紙に何やら書き続けている。 「・・・・!・・・!」(ほら!おちびちゃんたちはゆっくりしてるでしょ!?かわいいでしょ!?だから、だから!!) れいむの行動はマルッと無視されているのだが、れいむは構わずその行動を続けていた。 元よりそのような事しかできないし、だからといってただ奪われるのをじっと待つこともできないのだ。 以前の行為の際のように朦朧とした意識の中で奪われるのではない上に、おちびちゃん達には大きな愛情を感じている。 放っておくなど出来なかった。 カタッ カチャ カタ 「・・・・!~~~~~!!」(とらないでねっ!!れいむのおちびちゃんたちを!あにゃるてんしさんたちをとらないでねっ!!) 「ゅ~?」「ゅっ!」「……??」「……?」「ゅっ…ゅっ…」「ゅっゅゅ!」「ゅゅゅ~!」「ゅ?ゅ?」 だがそれも無駄なこと。 れいむは涙を流しながら訴えかけ、おちびちゃん達は初めて見る人間に興味を示し、人間はれいむ達を無視して書き続ける。 誰もかれもが相手のことなど考慮せずに自分中心の行為をしているのみ。意思疎通など叶うはずがない。 故にれいむの想いが通じることも、れいむの願いが叶うことも決して無い。 スッ 「ーーーーーーーーーーー!!!!」(あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁ!!!だめっ!や”べでぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!!) 「…!!」「…ゅ?」「ゅ~!」「ゅっ?」「ゅ!」「ゅゅ?」「…??」「ゅゅ~!」 書き終えた人間の手がれいむの茎へと伸びる。 非日常を終わらせる手が、れいむからおちびちゃんを奪っていく手が、しっかりと茎を握り 「ーーーーーー!!!------!!!!」(ゆ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!!) 「ゅ♪」「ゅ?」「ゅ~♪」「ゅっ?」「??」「ゅ~」「ゅゅっ?」「ゅゅ~♪」 ブチッ れいむは結局おちびちゃん達の顔を一度も見ることなく、永遠の離別をさせられたのだった。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ れいむの目には壁が映っている。 何も無く、誰もいない、そんな壁だけが映っている。 「・・・・・・・・」(・・・・・) 以前はそこに、少しずつ大きくなっていく命の輝きが、天使のようなおちびちゃん達がいた。 だが今は居らず、そのことがれいむの心にぽっかりと穴を空けていた。 おちびちゃん達を奪われたれいむは心に大ダメージを受けており、放心状態で日々を過ごしている。 「・・・・っ!」(・・・・・おちび・・・ちゃん・・・っ!) れいむの脳内には時折おちびちゃん達と過ごした楽しい頃の記憶が過る。 だがそれはゆっくりを感じさせることなどではなく、むしろ現状との落差を、最早感じることが叶わぬ楽しき日々を痛みとして伝えてくる。 「・・・っ・・・っ・・・っ」(どうじで・・れいむがこんなめにぃぃ・・・ゆえええぇぇぇぇぇ・・・) そんな想い出が脳裏を掠める度にれいむの目から悲しみの涙が零れ落ちる。 なぜ自分がこんな目に合わなければならないのか、どうしてこんなゆっくりできない思いをしなければならないのか、と。 悲しくて苦しくて、体が張り裂けそうな想いで一杯であった。もし口さえあれば、即座に自殺のための『お食べなさい』をしていただろう。 だがしかし、れいむの悲しみの深さとは裏腹に、その想いは急速に消えていくことになる。 れいむの後頭部に刺さった二本の管、食事と排泄を肩代わりするそれが強制的にれいむの中身を循環させ、ゆっくりできる想い出も今の感情もすべて押し流していくからだ。 結果、すぐにれいむは今の記憶を忘れ、退屈な日常へと埋没していくことになる。 もし思い出すときが来るとすれば、それは次の非日常が始まるその時だ。 れいむはただ日常と非日常を繰り返し続ける。 いつか死ぬ、あるいは解放されるまでずっと。 れいむはただ、目の前の風景を見続けていた。 ~終~ 後書き ええ、そうです。ただあにゃるを連呼させたかっただけです、はい。 次は話そのものに盛り上がりを持たせたのを書こうかなぁ 過去の作品 anko2643 ある変わったれいむのお話 anko2658 もの好きなゆっくりの日常 anko2677 アグレッシブてるよ anko2682 オーソドックスなものたち anko2704 アクティブこまち anko2711 妖精たちの幻想郷 anko2716 足りないものが多いぱちゅりー anko2823 愛するが故に anko2840 ポジティブぱるすぃ anko2858・anko2859 スカーレット・チャレンジャー 前編 後編 anko2872・anko2891 ゆ食世界の風景・朝食 昼食 anko3072~anko3074 にんっしんと赤ゆのそれぞれ・植物型 動物型 卵生型 anko3215 トラブルしょう anko3296 野菜を得たまりさ
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『気持ち悪い!』 14KB 制裁 駆除 群れ 野良ゆ 現代 独自設定 ネタ被ってるかも もし台所でゴキブリを見かけたら?普通は気持ち悪いと感じて駆除しようとするだろう。 もし天井裏でねずみがちゅーちゅー鳴きながら走り回る音が頻繁に聞こえたら? 普通は気持ち悪いと感じて駆除しようとするだろう。 じゃあもし家の中で家ゆを見かけたら……? 「おじびじゃぁぁぁんっ!にげるんだぜぇぇぇぇっ!!」 「ゆんやぁぁぁっ!おちょうしゃんもいっしょににげようよぉぉぉっ!?」 「おじびじゃんはばりざがまもるんだぜっ!こんっしんっのぷくーでぐぞにんげんは ゆっくりしないでじんでね!ぷくぅぅぅぅっ!!」 とある民家の台所。家の住人である女の子に見つかった家ゆのまりさ親子は見苦しくうろたえていた。 家ゆとは人間の住居に侵入して住み着きやすくする為に進化したゆっくり種の事である。 体が成体でも普通のゆっくりの子ゆっくりと同じ程度かそれ以下のサイズなのが特長だ。 その小ささゆえに人間に見つからずに家具の隙間や冷蔵庫の後ろ等に人知れず巣を作り、 家の中のものを好き勝手に拝借して繁殖する事が可能なのだ。 それと家ゆが普通のゆっくりに比べて違う点がある。それは人間を極度に恐れているということだ。 理由は二つ。一つは身体が小さい家ゆに進化するという事はそれだけゆっくりどもの餡子に 人間への恐怖が深く刻まれているという事実に他ならないということだ。 不法侵入しておうち宣言で人間の住居を乗っとろうとしたり力で奪おうとして結果は失敗続き…… 際限なく潰され続けて、それでも人間の住居への未練を捨てきれないからこそ家ゆへ進化したといえる。 二つめは頭部の大きさでゆっくりは自身より強いか弱いかを測るという事だ。 ならば自分の体が小さくなった家ゆが大きな頭部をもつ人間を恐れるのも無理のない事といえる。 ……といっても、あれだこれだと屁理屈つけて腹の中では人間を見下しているだろうが。 ともあれそういう訳で家ゆのまりさ親子は人間に見つかったとたんに恐慌状態に陥って こうして泣き叫んでいるというわけだ。 だがそれよりも心中穏やかでないのが…… 「き……気持ち悪い!なにこれっ!?家ゆ!?な、なんでこんなのがうちに……!とにかくスプレー!駆除しないとっ!」 その家に住んでいると思われる女の子は顔をまっ青にして家ゆ撃退用のトウガラシスプレーを探し出すと いまだに泣き喚いている家ゆ親子にさっと吹きかけた。 「おちょうしゃぁぁ……ゆぐっ!?ゆげえええええええっ!!?も、もっちょ……ゆっくじ……」 「お、おちびぃぃぃ!く、くぞにんげんんんっ!よぐもさいっあいっのばりざにのおちびを」 「キモい!キモい!はやく死んでっ!!」 「ゆげっ!……も、もっと……ゆ………」 スプレー1発で子まりさは即死。親まりさは女の子にスリッパで叩かれて 間もなく最愛のおちびとやらの後を追った。 「ううー嫌だなあ……死んでも気持ち悪いよこいつらー……ティッシュ越しでも触りたくないよ……」 女の子は後始末のことを考えると軽く鬱になったが……ふと思い出す。 家ゆは一匹見かけたら百匹いると思え!とどこかで聞いた事があることに。 「ま、まさか家中に……?もしかして私の部屋にも!?じょ、冗談じゃないわよ! 確か……そうアレ買ってあったよね?前に家族一緒に買い物いったときお母さんが念のためにって 買っておいた……えーと……あった!」 慌てて洗面台の戸棚をしばらくごそごそしていたが、どうやら目当てのモノが出てきたようだ。 家ゆ退治用のお徳用5個セットゆるサン……まさかこれを使う日がこようとは。 女の子はしばらく考えていたが… 「……よし五個全部使おう。居間とお風呂場と台所と和室に2階の部屋……家中に設置するっ!家ゆがあれだけで 他にいないのならそれでいいけど……もし家ゆがあちこちに巣を作ってたらと思うともう夜も眠れなくなるわ!」 女の子は家中を閉めきって鍵をかけ、ゆるサンを各部屋に置くと蓋をこすって次々と始動させる。 もうすぐ煙が出てきて家ゆを一勢駆除するはずだ。 すべてが終わると既に外出の準備を完了していた女の子は玄関の鍵を閉めて外へ出た。 どうせ家族はまだこの時間帰ってはこないのだ一時間ほどで終わるというし問題ないだろう。 「……ゆっ?ゆゆっ?だいじょうぶだよみんな!くそばばあはでかけたみたいだよ!」 女の子が出て行ったとたんに台所の至るところから家ゆがぞろぞろ出てきた。 数はざっと六十匹……人間が見たら身の毛もよだつ光景であろう。 「ひどいみょん……またむれのゆっくりがえいえんにゆっくりしちゃったみょん……」 「わかるよーにんげんはおにだからようしゃないんだねー」 「どぼじてごんなごとするの……?れいむたちはにんげんさんにめいわくをかけないでゆっくりしてただけなのに!」 「むきゅ。しかたないのよ……にんげんはごうよくでひとりじめばかりするかとうせいぶつだから……」 「それでもすこしくらい、ありすたちにゆっくりぷれいすをわけてもくれてもいいのにね!」 「ぜったいにゆっくりとわけあおうとはしないんだねー。けちなんだねーわかるよー!」 「まりささまたちはくそにんげんのかおをたてて、おとなしくすみっこでくらしてやってるというのに! まったくかんしゃのきもちがたりないんだぜ!」 「ほんとうならおうちせんげんして、このいえぜんぶをぱちぇたちのものにするところなのに!むきゅ!」 「にんげんはくじゅにゃにょ?おんちらずにゃの?」 「にんげんはいなかものだからね!とかいはなありすたちのこころづかいがりかいできないのよ!」 「くじゅ!にんげんはくじゅなんりゃじぇ!」 「ばーきゃ!くちょにんげんのばーきゃ!」 「ゆっくりしね!おんしらずのくそばばあはゆっくりしないでいますぐしね!」 女の子が外出したとたんに好き勝手言い始める家ゆたち。 もちろんこんなのは単なる負け惜しみ、負け犬の遠吠えという奴だ。 口で偉そうに吠えて少しでもゆっくりしようという空しい行為。 だってこいつら本当はまりさ親子が殺されているのを冷蔵庫の下や食器棚の陰から見てたのに 誰ひとり助けにいかず泣きながらガタガタ震えて見殺しにしていたのだ。 要するに自分が屑だと認めたくない為に人間を悪者にしているだけの話なのだ。 だがそんな家ゆどもの勝手な戯言ももう終わり。 ゆるサンから煙が出てくる。ゆっくりの死臭成分と辛味成分がブレンドされた死の煙が…… 「……ゆっ?なんだぜ?なんだかゆっくりできないかんじなのぜ?」 「わかるよー。けむりさんがでてきたんだねー」 「けみゅりしゃんはさいっきょうっのまりちゃがせいしゃいし……げふっ!げふっ!……ゆべえええええっ!?」 「ゆんやああああ!?れいぶのおちびちゃんがぁぁぁぁ!?」 「あ、あんこはいてえいえんにゆっくりしちゃったんだみょん!?」 「なんでぇぇぇぇ!?どぼじでぇぇぇぇぇっ!?」 「……むきゅっ!?みんなこのけむりさんをすってはいけないわ!このゆっくりしていないけむりさんが れいむのおちびちゃんをえいえんにゆっくりされたのよ!」 「なんだとぉぉぉぉっ!じね!ゆっくりしていないけむりざんにゆっくじじな……ゆげええええええっ!!?」 「れ、れいぶうううううううっ!?」 「みんな!いそいでおうちにひなんするのよ!たなさんやれいぞうこさんのうしろまでは けむりさんはこないはずだわ!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたよっ!」 まりちゃに続いて親れいむもゆるサンの煙を吸い込んだとたんに餡子を吐いて死んだ。 残った家ゆはおうちである物陰に隠れて煙から避難しようとする。 考え方は悪くないが惜しい、家ゆ駆除専用は伊達じゃないのだ。 ゆるサンは部屋の隅々まで煙が行き届くようになっている。そう時間をかけてゆっくりと…… 「ゆふ~~!これでもうあんっしんっなのぜ!」 「とかいはなありすのおうちにまではけむりさんはこないわ!」 「けむりさんがなくなるまでれいぶはすーやすーやす……ゆんやああああっ!けむりさんがくるぅぅぅ!」 「やべちぇね!ゆっくじできないけむりさんはむこうへい……ゆげえっ!?ゆげええええっ!?」 「お、おちびちゃぁぁぁんっ!?」 まずは耐性がなくすぐに死ぬ赤ゆっくりや子ゆっくりから。 一気に吸わなければ成体なら少しは耐えられる。あくまで少しだけだが…… 「む、むきゅ……エレエレエレエレ……!も、もっと……むっきゅり……」 「ゆんやああああ!ぱちぇりーがしんじゃっだぁぁぁっ!」 「も、もうごんなぐざいとごろにはいられないよっ!れいぶはだいどころさんのむれをぬげて いまさんのむれにいぐよっ!」 ……ん?今れいむは気になることを言った。 台所の群れを抜けて、居間の群れにいく……?どういう意味だろうか? それはとりあえず置いておくとして、れいむの考えに賛同したらしい台所の家ゆどもが全部表へぞろぞろと出てきた。 その数、大小合わせて100匹超!人間に見つからずによくぞこれほどの数まで増やしたと関心するべきなのだろうか。 とりあえず果てしなくキモい光景であることだけは確かだ。 しかし物陰に隠れてやりすごそうとしていたのに表に出てきたらどうなるか。 そうたちまちゆるサンの餌食である。そして実際に多くの家ゆが餡子を吐き出して死んでいく。 まあ中には台所中央に置いてあるゆるサンに向かうバカな家ゆもいるのだが…… 「けむりさんはゆっくりしないででるのをゆっくりやめてね!」 「やめてくれないとまりさぷくーするのぜ!ぷく―――………ゆべええええええっ!」 「ゆっくりやめるみょん!ゆっくりしないでやめるみょん!やめないとせいさいす……ゆぶううううっ!?」 ぷくーとやらでゆるサンが止まると本気で思っているらしいバカな家ゆがゆるサンの周囲で次々と死んでいく。 もう台所は多数の家ゆの死骸で足の踏み場もないくらいだ。 そんな中、台所脱出に成功したれいむとまりさ、ありすが居間に向かって懸命に跳ねていた。 「だいどころさんはもうおしまいなんだぜ!いまさんのありすのむれにいれてもらうんだぜ!」 「あそこならけむりさんはとどかないはずよ!それにあのむれのおさありすはとってもとかいはだしね!」 「もうずぐだよ!もうすぐいまさんにとうっちゃくっす……ゆっ?」 「ゆ……うっ……」 「ゆっ?あれはありすのむれのまりさなんだぜ!」 「ちょうどよかったわ!ありすをあなたたちのむれにいれてちょうだいっ!」 「に、にげ……るんだ……ぜ」 「ゆゆっ!?」 「い、いまさんに……ゆっぐりできないけむりざん……が……ゆげええええっ!!」 「「「ゆううううううううっ!?」」」 言い切ったとたんに居間のまりさは餡子吐き出して永遠にゆっくりした。 居間まりさの後ろをよく見ると居間の中からもうもうと煙が出ているのがわかった。 それと聞こえてくる。居間の群れのものと思われる家ゆたちの悲鳴が…… 「い、いまさんはだめよ!けむりさんでだいどころさんとおなじじょうきょうになってるわっ!」 「じゃ、じゃあどこにいけばいいんだぜ?げんかんさん?わしつさん?どこもけむりさんだらけなのぜええええっ!!」 「ゆううううっ!げむりざんはどっかいげえ!れいぶをゆっくじざぜろおおおおおっ!!」 気がついた時にはもう手遅れで家中がゆるサンの煙に包まれていた。 女の子はご丁寧にも押し入れや洋服タンス等もすべて開けっぱなしにしておいたので それらに住んでいた家ゆは苦しさのあまり表に出てきて……そして力尽きて死んだ。 それにしても恐ろしいことで家ゆは本当に一匹見つけたら百匹はいるものだ。 あまりにも数が多くて家の中であるにも関わらずいくつかの群れがあるほどに。 まず台所にぱちゅりーが長をする百匹前後の群れがある。食料が豊富にとれるから数が多いのだろう 居間にはタンスの後ろなどを巣にしているありすを長とする八十匹前後の群れが。 玄関にもちぇんが長をする三十匹ほどの群れが靴箱を住みかに生息しているし、 和室の押し入れ等ににはだぜまりさを長とする七十匹ほどの群れがある。 さすがにトイレにはいないようだ。基本的に使ったらドアを閉めきってるからだろう ともあれそれらがゆるサンによって苦しさのあまりぞろぞろと巣から出てきて盛大に餡子吐き出して死んでいく。 げに恐るべき光景といえよう。なんというか後片付けが大変そうだ。 あ、後もうひとつ群れがある。勇者の群れと呼ばれる特別な群れが…… 「ぞうだよ!にかいのゆうじゃのむれにたすけてもらえばいいんだよ!」 「ゆうしゃってあのちぇんとみょんのむれのことなのぜ?」 「そ、そうよ!くそにんげんのにもつにかくれてにかいさんへいじゅうした、あのちぇんならたすけてくれるわ!」 そう以前女の子のお母さんが洗濯物を干そうと二階に上がったとき、 洗濯物が入った洗濯籠の中に隠れて2階へいくことに成功したちぇんとその番のみょんがいた。 連中は二階の部屋に住み着き、子供をあっという間に産んで増やして群れを作ったという。 一階の家ゆたちから勇者の群れと呼ばれて尊敬されている連中だ。 そいつらに助けてもらえばいいと台所の家ゆどもは階段の前にくると大声で二階に向けて叫ぶのだった。 「たずげてね!ちぇんたちはれいぶをたずげでね!」 「けむりざんでみんなたいへんなんだぜ!ちぇんにみょんはゆっくじじないでばりざざまたちをたずけるんだぜ!」 「……ごっ!……べっ!」 「なにじでるのおおおおっ!ざっざとたずげなざ……」 「……べっ!……ゆべえっ!」 「ゆぎゃっ!」 「も、もっど……ゆっぐじ……」 「……ゆっ……?」 「か、かいだんさんからちぇんにみょんたちがころがりおちてきたの……ぜ?」 「たずげでねー……ちぇんのむれ……が……ゆぶぶううううう……!」 「ど、どぼいうごとおおおおおおおっっ!!?」 階段から多数のちぇんとみょんの家ゆが転がり落ちてきた。 二階の部屋にも同様に女の子によってゆるサンが焚かれたからだ。 二階の群れのちぇんとみょんも一階の家ゆ同様、右往左往した挙句に次々と死んいく。 まだかろうじて生きてるちぇんとみょんたちは部屋から飛び出して、 狂乱して考えなしにあちこち逃げ回った末に階段から大量投身したというわけだ。 大抵は階段の途中で潰れて餡子の染みになるのだがまれに成体が一階にまで到達することがあった。 とはいえすぐに死ぬことに変わりはないのだが。 この調子だと二階の家ゆも全滅だろう。 「ゆうううううっ!どぼじでごんな……げほっ!ごほっ!?」 「げ、げむりざんがとうとうここまできちゃっだわ!?」 「いやだあああっ!じにだぐないぃぃぃ!ばりざはごんなどころでじんでいいゆっくりじゃないんだぁぁぁぁっ!!」 「じね!くぞけむりはゆっくじじないでじねえぇぇぇっ!!」 「ごんなのとかいばじゃないわああああっ!うっ……!?ゆぶぶぶっ……!」 「うぶぶぶぶっ!」 「うげろえおおおおおおおおおおおっっ!!?」 「「「も、もっとゆっくり……したかっ……」」」 最後の最後まで見苦しく足掻いた3匹が一勢に餡子吐き出してペラペラの皮だけになった。 これにて駆除は完了だ。ゆるサンはの煙はあと20分もすれば消えるであろう。 だがしかしこれは……家中に数百という数の家ゆが所狭しと死んでいる光景は家ゆでなくとも吐き気がする光景であろう。 まこと後片付けが大変そうである。死んでも迷惑をかけるのがゆっくりという奴とはいえ…… そしてゆるサンの効果が切れてからしばらくして……帰ってきた女の子が自宅の前にいた。 だがなぜかなかなか家に入ろうとはしない。 「うーん……どうしよう。思い切って……いやでもなあ~」 「お前……門柱から我が家を覗き込んでなにしてるんだ?」 「あ、お兄ちゃん」 「なんだ?また母さんに怒られでもしたのか?」 「違うよ!いやその……家の中にアレがいてね。で、アレ焚いて帰ってきたんだけど家の中に入る勇気がなくて……」 「はあ?ちっとも言いたいことが理解できんぞ。もうちょっと分かりやすく言えよな」 「うーつまり……」 女の子は部活から帰ってきた中学生の兄に事情を説明した。 まあ要するに、もし家の中で家ゆが大量に死んでたらと思うと怖くて入れないとかそういう事だ。 「なんだお前~来年はもう中学生になるというのにいまだにゆっくりが怖いのかよ!?」 「怖いというよりキモいじゃない!あんなの見るだけでも嫌だよ!」 「はっはっはっ。まだまだお子様だなあ……じゃあ俺と一緒に家の中に入ろうぜ。2人なら怖くないだろ?」 「それは……まあ」 「それじゃ入るぞー。まったくお前はいつまでたっても怖がりな……ん……だか……ら…………?」 「……え?」 ……兄妹が見たものは。家中で黒くなって死んでいるたくさん……とにかくたくさんの家ゆの死骸。 足の踏み場もないくらいに家ゆの死骸が床に転がっている。足元の玄関にも…… 玄関で呆然と立ち尽くしてしばらくそれらを見て黙っていた兄妹だったが…… やがて、うぞぞぞぞっと鳥肌を立てて顔を青くして…… 「うぎゃああああああああああああっっ!?」 「い、いやあああああああああああああっっ!?」 とりあえず絶叫した。 その後、家中の家ゆの死骸を集めてゴミ袋にいれて捨てにいくという苦行を兄は泣く泣くやらされることになる。 妹ちゃんは自分の部屋だけ、これまた泣く泣くちぇんやみょんの死骸を片付けたとか。 これに懲りたらこの家では以後、戸締りを厳重にして家ゆを侵入させないようにしたり 禁避剤を設置したり定期的にゆるサンを焚くなどの家ゆ対策をするようになるだろう。 家ゆはいつ、どこからやってきて、どこにどれだけ家の中にいるのか分かったもんじゃないのだ。 笑い事じゃありませんよ?そこのあなた…… あなたの家は大丈夫ですか?油断しているとほら……あなたのすぐ後ろに家ゆが…… 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね! anko3503じゃまもの anko3509ゆっくりいーたー
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