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出雲覚 回避 出雲覚, やめとけ、っつーの! 回避 出雲覚, 怪我したらどうすんだっ! ダメージ小 出雲覚, ああ、しつこいったらありゃしねえ! 馬鹿ばっかかよ! ダメージ中 V-Sw, 『イタイノ』 攻撃 出雲覚, これから一度、この機殻剣を振る。――そして俺の勝ちだ 攻撃(出雲覚(第二形態)) 出雲覚, V-Sw、第三形態は無しだ。このまま行くぜ V-Sw, 『ノッテル?』 出雲覚, 当たり前だ 攻撃 V-Sw, 『ガンバルヨッ』 攻撃 出雲覚, ――出雲! 雲を呼ぶ風の名、そして今は全竜を望む者の名だ! 憶えておけ! 風見千里 回避 風見千里, 残念 回避 風見千里, 甘いわよ 回避(対ザコ) 風見千里, 実戦経験、足りないわね ダメージ小 風見千里, ええいもう面倒くさい! ダメージ中 風見千里, マズイ状況ね、これ ダメージ中 G-Sp2, 『オコマリサマ?』 風見千里, ええそーよG-Sp2。 ダメージ中 風見千里, どう思う? G-Sp2, 『ツヨイノ』 風見千里, アンタ10th-Gの概念核っていう自覚ある……? ダメージ中 G-Sp2, 『カザミ? ゲンキ?』 切り払い G-Sp2, 『チカラモチ』 風見千里, 女に言うことじゃないわよ 攻撃 風見千里, 食らう前に吹き飛ばせば勝ちよっ!
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第177話:己が使命、生きる意味 作:◆1UKGMaw/Nc 脳裏に響いていた、死亡者の名前と禁止エリアの発表が終わった。 「よかったぁ……みんな無事みたい」 大きく安堵の溜息をつく。 海岸に座礁している大きな難破船の一室に、その少女はいた。 ゆったりとしたローブを着た、幼い少女。 出雲・覚が見たら、アリュセと同じ服装、同じ顔立ちであることに驚いたことだろう。 違いといえば、アリュセがしっとりとした黒髪であるのに対し、この少女は鮮やかな金色の髪をしていることか。 少女の名は、リリア。 フェルハーン大神殿の誇る、ウルト・ヒケウと呼ばれる長命な大魔導師三人娘の一人である。 「うん、アリュセも王子もイルダーナフ様も、そう簡単にやられたりしないもんね」 今まで休んでいたベッドの上からぴょいと飛び降り、立てかけてあった長い金属製の槍に手を伸ばす。 その杖にはコンソールがあった。 リリアが手に取ると同時に、そのコンソール部に文字が表示される。 『オハヨウ』 「うん、おはよう。え~とぉ……、G-Sp2(ガスプツー)!」 『アタリ』 「えへへ、やっと覚えられた」 リリアの支給品として配られた、意思を持つ概念兵器。 対話のできるこの槍と一緒だったことで、皆と離れ離れになった今でも、不安に押しつぶされることはなかった。 自分の身長よりも長いG-Sp2に魔術を掛け、重さを軽減する。 肩に担いで何とかバランスを取ると、ドアを開けて廊下に出た。 色んなところにG-Sp2を引っかけながらも、外を目指す。 『カナシイノ』 「ごめんなさい、ちょっと我慢してね。そういえば、G-Sp2のご主人様? ……何だっけ?」 『チサト』 「そうそう、その人も無事みたい。一緒に探しに行きましょうね」 『ウレシイノ』 そうこうしているうちに、甲板に出た。 日は昇りかけているようだが、この甲板からではまだ太陽は見えない。 小さな入り江になっているこの海岸は、周りを低い崖で覆われており、周辺からは死角になっているのだ。 普段なら、日常的に使用している飛行魔術で崖の上までひとっ飛びなのだが、今は自前の足で坂道を歩くしかない。 「む~、王子がいれば抱っこしてもらえるのに……」 『メンドイ? メンドイ?』 崖の上に出ると、そこはかなり広い草原だった。 一気に視界が広がったが、見える範囲に人の姿はない。 朝露に濡れた草の匂いが心地よい。 海風が草を揺らし、さわさわと音を立てていた。 (殺し合いが行われてるなんて、まるでウソみたい……) そう思えてしまうほどに、その風景は平和そのものだった。 だが、先ほどの放送で読み上げられた二十人以上もの名前は、確かにこの数時間足らずで失われた命があるという証なのだ。 胸いっぱいに朝の空気を吸い込み、気を落ち着けるように一度大きく深呼吸。 ウルト・ヒケウであることの意味。 来るべき災厄から人々を守る、そのために自分たちは生きてきたのだ。 そして、それはこの世界でも変わるまい。 心は決まった。 「さ、行こう。G-Sp2!」 『ガンバルノ』 【残り94人】 【B-8/海岸沿い/1日目・06 20】 【リリア】 [状態]:健康 [装備]:G-Sp2(ガスプツー) [道具]:デイパック(支給品一式) [思考]:できるだけ多くの人々と共にこの世界から脱出/アリュセ、カイルロッド、イルダーナフ、風見・千里を探す 出典:G-Sp2@終わりのクロニクル ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第176話 第177話 第178話 第253話 時系列順 第190話 第305話 リリア 第236話 第305話 G-Sp2 第236話
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#====Low-G========== 鹿島奈津 奈津, なつ, AHEAD_KashimaNatsu.bmp #==========概念核======= V-Sw V-Sw, ヴぃずぃ, AHEAD_V-Sw.bmp G-Sp2 G-Sp2, がすぷつー, AHEAD_G-Sp2.bmp
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第305話:そして偶然は少女を裏切る 作:◆1UKGMaw/Nc 「……本当に、人を殺して回ってる人がいるのね」 海岸沿いの道で、金色の髪の少女――リリアは目の前の少年の冥福を祈る。 ユージン。天色優とも呼ばれていたその少年は、首と胴を分かたれ事切れていた。 犯人は明らかに殺す気だったのだろう。でなければ、こんな無残な死体は出来上がらない。 ふと、少年のものと思われるデイバッグが目に映った。 ジッパーは閉まったままだ。殺人者は支給武器を奪うことはしなかったのか。 (死体漁りみたいで気が引けるけど……) この馬鹿げたゲームを終わらせるために役立つものが入っているかもしれない。 心の中で少年に謝罪し、デイバッグを開けた。 「これは、メガホンかしら?」 中に入っていた少年の支給武器。 見慣れない取っ手やボタン等がついているが、見た目はリリアが知っているそれと大差なかった。 不特定多数の人間に呼びかけたい時に、このアイテムは役立つだろう。 でも、と思う。 (今は駄目ね) へたをすると殺人者を呼び寄せてしまう。 空を飛べないことから、自身の魔術が制限されていることは承知している。 カイルロッドやイルダーナフと合流できているならまだしも、自分一人では高確率で返り討ちに遭うだろう。 無益な殺人を止めたいとは思う。思うが、今の自分がすべき事は仲間と合流することだ。 メガホンをデイバッグにしまうと、自分のデイバッグと一緒にG-Sp2に引っ掛ける。 「行きましょ、G-Sp2」 魔術で重さを軽減しているため、二つあっても軽いものだ。 よいしょ、と肩にG-Sp2を担ぎ、リリアはその場を後にした。 草原で、リリアはふと足を止めた。 暗くて見えにくいが、どうやら前方に人がいるようだ。 とっさに身を低くし、目立つG-Sp2を地面に横たえる。 (……女の人?) 遠目にも、その髪が燃えるような真紅であるのが見て取れる。 彼女ははたしてゲームに乗っているのだろうか。 乗っているなら、いつ見つかるかもしれないこの場所にいるのは危険だ。 だが、乗っていないなら、現状打破のために力をあわせることが出来るかもしれない。 リリアが次の行動を決めかねていたその時―― 「――ミズー・ビアンカ!」 怒号と共に、一人の男が森から飛び出して来た。 ミズーと呼ばれた紅い髪の女も、男を迎え撃とうと駆ける。 それを見たリリアの反応は早かった。 G-Sp2を引っ掴むと、脱兎の如く走り出す。 『ニゲルノ?』 「そうよ! 今しかないわ!」 小声でG-Sp2に返答しながら全力で走る。 あの二人が互いに注意を向けている今なら、どちらに気づかれることもなくこの場を脱出できる。 名前を呼んで襲い掛かったということは、恐らく元いた世界で敵同士だったのだろう。 なし崩しに戦闘が始まってしまえば、もうゲームに乗った乗っていないを判断するのは困難だ。 ならば、ここは逃げの一手だとリリアは判断した。 と、 「あっ!」 リリアが声を上げる。 走っているうちに、少年のデイバッグがG-Sp2から外れて落ちたのだ。 一瞬逡巡するが、意を決してリリアはそのまま走り去った。 今は一刻も早くここから立ち去らねばならなかったし、メガホンも絶対に必要なものだとは思えなかったからだ。 (早く、早く皆と合流しなくっちゃ!) このゲームを止めるために。一人でも多くの者を救うために。 彼女はそれだけを考え、走り続けた。 もし、この世に偶然を司る神という者がいたならば。 その神は、彼女に一体どんな恨みがあったものか、ことごとくリリアを裏切っていた。 ――少年の死体のそばにもう少し留まっていれば、リリアはヒースロゥ・クリストフという目的を同じくする同志と出会えただろう。 ――あの二人の戦闘をもう少し傍観していれば、リリアはミズー・ビアンカがゲームに乗っていないことを知っただろう。 ――この後、難破船を発見するのがもう少し早ければ、リリアはカイルロッドとの再会を無事に果たすことができただろう。 だが、実際はそのどれもが果たされず、数時間後、彼女は残酷な運命を迎えることになる。 皮肉なことに、この時目撃した男が自らの死神となることなど、今の彼女には知る由もなかった。 【B-6/森近くの平原/1日目・03 10】 【リリア】 [状態]:健康 [装備]:G-Sp2(ガスプツー) [道具]:デイパック(支給品一式) [思考]:できるだけ多くの人々と共にこの世界から脱出/アリュセ、カイルロッド、イルダーナフ、風見・千里を探す 【ミズー・ビアンカ】 [状態]:疲労 [装備]:なし [道具]:デイバッグ(支給品入り) 、知覚眼鏡(クルーク・ブリレ) [思考]:フリウとの合流 【ウルペン】 [状態]:健康 [装備]:無手 [道具]:デイバッグ(支給品一式) [思考]:C-6へ移動。 蟲の紋章の剣の障壁を破れる武器を調達してくる。 備考:【136話.デュアル・ビースト(絡み合う運命)】の場面に遭遇しました。 重要事項:メガホンの入ったデイバッグは、放置されています。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第304話 第305話 第306話 第136話 時系列順 第140話 - リリア 第177話 - G-Sp2 第177話
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第350話:そして不死人は竜と飛ぶ 作:◆MXjjRBLcoQ 『……諸君らの健闘を祈る』 放送が終わった。 「風見」 BBが異常に気づいて声をかけた。 風見は答えない。鉛筆をもつ手が061で止まっている。瞳は宙に囚われ、口は半開き。 BBはこの表情を知っている。 「風見」 もう一度声をかけた。 ああ、とつぶやいて風見は手元に視線を落とす、そしてまた止まる。 「風見、放送の内容を告げる、メモの用意だ」 BBは一字一句正確に放送を再現する。 風見はのろのろとメモを再開した。 再放送も終わって、ひどく緩慢な動作で風見はメモを地図に書き込む。 001 物部景 線を引く。 ――馬鹿なやつ、私に誰かを重ねて見て、私を庇って死ぬなんて。 全竜交渉でも死者は出ている。風見とてただの小娘ではないし、戦場での死は初めてではない。 だが、今回は違う、と風見は考えている。景は私をかばって、つまり私のせいで死んだのだ、と。 彼に失礼だとは分かっていても、風見はその後悔を捨てることが出来ない。 自分は戦闘訓練を受けていた、というのも今思えば驕りでしかなかった。 新庄も、オドーでさえも死んでいるというのに。 まさしくいいとこなし、と言うやつである。 072 新庄・運切 線を引く。そう、新庄も死んだ。 風見は新庄の顔を思い出そうとするが、何も浮かんでこなかった。 すっかり余裕をなくしていることに苦笑する。笑みが自然と自嘲的になる。 水着を買いにいって、いざ試着のとき男だったなんてこともあった。 移動の際はいつも楽しそうにそして自慢げに旧式ゲームをしていた。 よく騙され、からかわれるくせに、佐山の誤魔化しに気づくこともある、警戒心の強いのか弱いのか分からないコ。 そうだ、新庄という人間はそういう娘だった。 かわいい、新しい後輩だった。 075 オドー 線を引く。 米国UCAT幹部というより歴戦の戦士だった。 自分が概念核を用いて対峙した機竜を、腕一本でねじ伏せる男。 BBは何も言わない。その気遣いが風見にはありがたい。 新庄、オドーはどんな死に様だったのか。誰に殺されたのだろうか。 相方が無言をいいことに、風見は自分の世界に沈み込む。 装備型のEx-Stはともかく、オドーの悪臭までは取り上げられてないだろう。 機竜を打ち砕くオドーすら倒れるこの島で銃ひとつ、その事実に風見は小さく震える。 やはり先にG-Sp2を探すべきだろうか。 戦闘とあらば文字通り飛んでくる相棒を思い浮かべ、風見は大切なことを忘れていることにようやく気づいた。 「そうだ、飛んでこれるんじゃない」 がっくりと肩を落とす風見。テンションが急激に下がり、底割れして一回り、結果いつもに戻る。 どうも今ひとつ調子が出ていない。 打撃してないのが原因ではあるまいか、と風見は半ば本気で考えた。 「まさかアンタをぶっ飛ばすわけにもいかないわよね、痛そうだし」 どうも自分にはガンガン突っ込めるタイプの相方が必要らしい。 「何がしたいかは分からないが、それが賢明だろうな」 律儀に答えるBB。悪いとまでは言わないが、こうもお堅いとさすがにフラストレーションがたまる。 風見は深呼吸して気を取り直した、G-Sp2がくればBBにも手を痛めずに突っ込める、調子も戻るだろうと考えて、 「さて、ちょっと上をチェックしといて、どこから飛んでくるのか分からないから」 怪訝な様子のBBを無視して、 「G-Sp2!」 声を張った。 一拍の間をおいて、東から飛来する衝撃音とそれにつづく風切音を二人は捕らえる。 そして風見は、また一つポカをしたことに気付いて頭を抱えた。 * * * 時刻は数分ほどさかのぼる。放送のメモを終えて子爵とハーヴェイは移動の準備に取り掛かった。 少女の遺体を野ざらしにしておくのは忍びなかったが、埋葬する時間はハーヴェイにない。 たまたま今回の放送に名前は無かったが、次の放送でキーリが呼ばれない保障はどこにもない。 最悪、今この瞬間にも彼女が死の危地に直面しているかもしれなのだ。 子爵もそれを察して、埋葬しようとは言わない。 「これで勘弁してくれ」 二人は少女の亡骸を木に寄りかからせて、目をそっと瞑らせた。 【さて、放送も終わった。私は流離いの一人旅に出たいと思うのだが、君はどうするかね。尋ね人がいるのなら、協力するのにはやぶさかではない。かような私だが言付を預かることぐらいはできるつもりだが?】 「いや、いい。こんな状況で待ち合わせやら伝言やらを頼むのにはアンタにも俺達にも危険だからな」 ハーヴェイは真っ赤な自称吸血鬼のスライムにキーリの特徴、ウルペンの危険性、炭化銃の性質を教えてお別れを言った。 【それでは君の健闘と君の友人の無事を祈っている】 子爵が赤い触手のようなものを伸ばしてきた、握手のつもりなのだろうと、彼は判断し、それを生身の手で握り返した。 ほんのちょっぴり後悔した。 子爵は液体となって流れるように去っていく。彼は気取られないようにそっと手を拭きながら見送った。 「武器はこれだけか」 その後、ハーヴェイは生き残りの手段を求めてウルペンが置き捨てた長槍を手に取った。 奇妙な形状、用途不明の突起、不可解な装甲。これも非常識な物体なのかと首をひねる。 直後、コンソールに緑色の光がともった。 『コンニチワ!』 「ああ、こんにちわ」 淡々と返すハーヴェイ。 『ビックリシタ?』 「もう慣れた」 槍は穂首をがっくりと落とした。ハーヴェイがリアクションに困っていると今度は辺りをきょろきょろと眺め始める。 『ヨンダ?』 ハーヴェイもそれに倣って辺りを探るが気配すらない。 「いや。誰もいないし、というか声すら聞こえなかったぞ」 『キコエタノ! カザミダヨ!』 疑問符を浮かべて槍を見るハーヴェイ。 『ハナシテ』 言われるままに手を離してから、猛烈にいやな予感を覚えた。 『イマイクヨ!』 「ちょっと待て!」 くるりと長槍が身を翻した。義手がとっさにその柄をつかむ。 風船を破る、というよりアドバルーンを破るような音がして、ハーヴェイが気が付いたときには、その身ははるか上空を飛んでいた。 さすがのハーヴェイも眩暈を覚えた。 「……どこに行く気だよ」 すさまじい慣性がハーヴェイを後方に引きずる。 地上を眼下に見下ろしながら、振り落とされないようしがみつくハーヴェイ。 ほんの数秒の飛行後、ハーヴェイは自分が危機的状況にあるのに気が付いた。 だんだんとハーヴェイにかかる慣性が消えていく、眼下の景色も地上からだんだんと水平線へ移っていく。 「おいおい、マジか」 冷や汗が流れる。 「落ちてるぞ……」 衝撃。そして暗転。 * * * 二人は流れ星が墜落するのを呆然と見ていた。 「取りに行くか?」 「冗談、あんな大騒ぎになりそうなとこ行ったら幾つ命があっても足りないわ」 千里は腕組みして鼻を鳴らした。ショックはそれなりに、少なくとも表面上は吹っ飛んでいる。 「G-Sp2には悪いけど、あの子がいないと死ぬわけでもないし……寂しいけど当初の予定通り行きましょ」 「結局悩みの種が一つ増えただけだったな」 風見は返す拳もない。 「まったくよ」 いまだけはBBの装甲が恨めしかった。 * * * 暖かい日差しに目を覚ましたハーヴェイが最初に見たのは、天井に開いた穴とそこからのぞく青い空だった。 もう、どこまでもブルーである。 「なんだったんだ、今のは」 全ての原因はG-Sp2に施された個人識別解除処理のためだが、そんなもの風見もハーヴェイもG-Sp2も知るわけがない。 とりあえずハーヴェイは全身をチェック、一箇所を除いて傷らしいものも異常は見られなかった。 その代償はぼろ雑巾と成り果てた左腕。 腕一本ですんだのは僥倖と言えた。かばった腕はしばらく使い物にはならないが、行動不能よりはましである。 しばらくの黙考の後、ハーヴェイは手元に長槍がないことに気が付き、とりあえず穴から上へよじ登った。 集合住宅の屋上らしき場所、ざっと見渡して確認できるものは、血痕のあと、ディバック、メガホン、そしてコンクリートに横たわる槍。人影は死体のみ。 『シクシク』 コンソールだけで器用に泣くG-Sp2。 ハーヴェイはやるせない気持ちで、それを眺めていた。 【残り85人】 【D-4/森の中/1日目・12:10】 【蒼い殺戮者(ブルー・ブレイカー)】 [状態]:少々の弾痕はあるが、異常なし。 [装備]:梳牙(くしけずるきば) [道具]:無し(地図、名簿は記録装置にデータ保存) [思考]:風見と協力して、しずく・火乃香・パイフウを捜索。脱出のために必要な行動は全て行う心積もり。 【風見・千里】 [状態]:表面上は問題ないが精神的に傷がある恐れあり、肉体的には異常無し。 [装備]:グロック19(全弾装填済み・予備マガジン無し)、頑丈な腕時計。 [道具]:支給品一式、缶詰四個、ロープ、救急箱、朝食入りのタッパー、弾薬セット。 [思考]:BBと協力する。地下を探索。仲間と合流。景を埋葬したい。とりあえずシバく対象が欲しい。 【C-8/移動中/1日目・12 05】 【ゲルハルト・フォン・バルシュタイン(子爵)】 [状態]:健康状態 [装備]:なし [道具]:デイパック一式、 「教育シリーズ 日本の歴史DVD 全12巻セット」 アメリアのデイパック(支給品一式) [思考]:アメリアの仲間達に彼女の最後を伝え、形見の品を渡す/祐巳がどうなったか気にしている 。 [補足]:祐巳がアメリアを殺したことに気づいていません。 この時点で子爵はアメリアの名前を知りません。 キーリの特徴(虚空に向かってしゃべりだす等)を知っています。 【C-6/住宅街/1日目・12 10】 【ハーヴェイ】 [状態]:生身の腕大破、他は完治。(回復には数時間必要) [装備]:G-Sp2(ガスプツー) [道具]:支給品一式 [思考]:まともな武器を調達しつつキーリを探す。ゲームに乗った奴を野放しに出来ない。特にウルペン。 [備考]:服が自分の血で汚れてます。 鳥羽茉理とカザミを勘違いしています。 【C-8】から【C-6】に向けてG-Sp2が飛びました。音に気づき、場合によっては目撃したものがいると思われます。 放送によりウルペンがハーヴェイの生存に気づいた可能性があります。 個人識別解除処理が施されているため、G-Sp2は誰にでも使用できますが、呼びかけない限り風見に気づけません。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第349話 第350話 第351話 第346話 時系列順 第352話 第313話 ハーヴェイ 第388話 第297話 BB 第425話 第297話 風見・千里 第425話 第313話 子爵 第435話 第259話 G-Sp2 第388話
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第236話:彷徨う不死者 作:◆1UKGMaw/Nc 「……本当に殺し合いやってるんだな」 目の前の死体を見つめながら、ハーヴェイはぼそりと呟いた。 港町で見つけた二つの死体。 片方が少女だったように見えたので急いで駆けつけたが、その少女は彼が探している人物ではなかった。 死体はすでに硬直している。 何時間前に死亡したのかは分からないが、犯人はもうこの辺りにはいないだろう。 だが、胸部を銃で撃ち抜かれたこの死体は、ゲームに乗った者が確かにいるということを雄弁に語っていた。 「判断、ミスったかもな」 あの時聞こえたテレサの悲鳴。 キーリを探すことを優先してベルガーに任せてしまったが、自分も駆けつけるべきだったかもしれない。 放送で名前が呼ばれなかったので一応無事であるとは思うが、もし呼ばれていたら自己嫌悪で鬱になっていたかもしれない。 今にして思えば、キーリを探すにしても、三人で行動したほうが安全性も高かったのではないだろうか。 もう一人の死体を見る。 こちらは男で、胸にナイフが刺さっていた。ただし刃の部分のみ。 少女の死体のそばには、ナイフの柄だけが転がっている。 (不良品? いや、発射式のナイフか) しばし考える。自分の手持ちは炭化銃一丁のみ。 対不死人用のこの銃の威力は嫌になるほど知っているが、接近戦で使用できる得物も欲しいところだった。 「……すまない」 一言謝ってナイフを掴む。 何度か力を込めて引くと、ゴリッという音と共に胸から引き抜かれる。 と、その拍子に男の懐から何かが転がり落ちた。 「? なんだ、これ」 それは四つの宝玉からなる、装飾品――タリスマンであった。 魔力を持つものが見れば、このタリスマンの力に気づいたかもしれないが、あいにくハーヴェイにはただの装飾品にしか見えなかった。 (こんな状況で高価なもの持っててもな) 荷物になるだけと判断し、これは放置することに決めた。 柄と刃を合わせてみるとカチッと音がして固定された。 近くに落ちていたデイバッグの中からプラスチック製の鞘を見つけ、ナイフを腰の後ろに装着する。 デイバッグの中には他に武器の類は入っていなかったが、食料と水は残っていた。 少し考えて、それらを自分のデイバッグに移す。 「さて、こんなもんか」 ナイフが手に入ったのは収穫だった。 キーリもまだ生きていることは先ほどの放送で分かっている。 早く探してやらなければ。 そう思い、この場を立ち去ろうと腰を上げかけたところで――ハーヴェイの耳が微かに物音を捉えた。 「――!!」 とっさに横に転がり、身を起こしざまに炭化銃を背後に向けて構える。 だが、見える範囲に何者かの姿はない。 (……気のせいだったのか?) 構えを解きかけたところで、また物音と、今度は言い争う声。 (やっぱり誰かいる!) ここからは少し離れたところだろう。 片方の声は若い女のようだった。 まさか、という思いがハーヴェイの中に湧き起こる。 いつでも撃てる心構えで炭化銃を構え直し、ハーヴェイは声の聞こえたほうへと駆け出した。 「きゃあっ!?」 小柄な、まだ幼いと言っていい少女の身体が宙に舞い、重力に従って地面に叩きつけられた。 それを冷めた目で見つめる男。 その手には少女が持っていた長槍――G-Sp2が握られている。 「ふむ、使い勝手は悪そうだが無手よりはマシか。これは俺がいただくぞ、娘。 フリウ・ハリスコーと会う前に、武器を調達しておきたかったのでな」 黒髪をオールバックにした隻眼の男――ウルペンだ。 地面に倒れた金髪の少女――リリアは、ウルペンに何か言い返そうと口を開いたが、やがてがくりと頭を垂れた。 「気を失ったか、悪く思うな。年の割には、お前はよくやった」 ミズー・ビアンカとの決着の邪魔をしたあの娘とは違い、装備に頼らずに念糸を迎撃された。 あまつさえ、面妖な術で反撃に転じさえしてきた。 そこでウルペンは念糸を囮にして接敵し、接近戦で蹴り飛ばしたのだ。 体術は専門外だったのか、決着はそこでついた。 「このような場所では、いずれ誰かに消されるだろう。せめてもの情け、痛みも恐怖も感じぬまま送ってやる」 リリアに近づき、長槍を振り上げる。 コンソールに『ヤメテ! ヤメテ!』と文字が表示されるが、歯牙にもかけない。 狙いは心臓。 そして、そのままウルペンは――突如身を翻し、飛び退った。 同時に、鈍い銃声。 一瞬前までウルペンのいた位置を銃弾が貫通し、着弾した背後の樹木の一部を炭と化す。 「……なにやってる」 押し殺した低い声。 油断なくそちらを見据えたウルペンの目に、銃を構えた右手が義手の青年が映る。 ハーヴェイが、そこに立っていた。 【残り90人】 【C-8/港町/1日目・08 00】 【ハーヴェイ】 [状態]:健康 [装備]:炭化銃/スペツナズナイフ [道具]:デイパック(支給品一式/食料・水×2) [思考]:キーリを探す 【ウルペン】 [状態]:健康 [装備]:G-Sp2(ガスプツー) [道具]:デイバッグ(支給品一式) [思考]:蟲の紋章の剣を破るためにフリウを探す。 【リリア】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:デイパック(支給品一式) [思考]:気絶中 備考:ヤン・ウェンリーの死体のそばにタリスマンが落ちています。 出典:タリスマン@スレイヤーズ (効果:魔力増幅効果。ただし、起動に呪文を唱える必要あり) ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第235話 第236話 第237話 第234話 時系列順 第237話 第186話 ウルペン 第259話 第046話 ハーヴェイ 第259話 第177話 リリア 第259話 第177話 G-Sp2 第259話
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JIG-SAW 本店:北海道札幌市北区北八条西三丁目32番 【商号履歴】 JIG-SAW株式会社(2016年5月1日~) ジグソー株式会社(2008年8月~2016年5月1日) アイピー・テレコム株式会社(2001年11月1日~2008年8月) 【株式上場履歴】 <東証マザーズ>2015年4月28日~ 【沿革】 当社は、平成13年11月北海道札幌市においてソフトウエアの自社開発、受託開発を目的とする会社として、現在のジグソー株式会社の前身である「アイピー・テレコム株式会社」を創業いたしました。その後、平成20年8月にシステムの監視、障害対応及びフルマネジメントから成る運用サービスを事業目的とする会社に改め、商号も「ジグソー株式会社」に変更しております。また、平成20年9月にユニキド・ホールディングス株式会社、スーパーエディション株式会社と当社を存続会社として合併し、現在に至っております。 平成13年11月 北海道札幌市北区七条西五丁目において、LinuxのOSの自社開発及びその他ソフトウエアの受託開発を目的として、アイピー・テレコム㈱(現 当社)[資本金 10,000千円]を設立。 平成16年2月 北海道札幌市北区北九条西二丁目に本社を移転。 平成19年2月 北海道札幌市北区北九条西四丁目に本社を移転。 平成20年8月 「アイピー・テレコム㈱」から、「ジグソー㈱」に商号変更。システムの監視、障害対応及びフルマネジメントから成る運用サービスを事業目的とする。 平成20年9月 「ジグソー㈱」、「ユニキド・ホールディングス㈱」及び「スーパーエディション㈱」がジグソー㈱を存続会社として合併。システムの監視、障害対応及びフルマネジメントから成る運用サービスを事業目的とする。 平成21年1月 物理サーバ向けマネジメントサービス開始。 平成26年3月 東京都港区に東京事務所を設立。 平成26年4月 クラウドインフラ向けマネジメントサービス開始。 平成26年6月 オートディレクションプラットフォーム「puzzle」をリリースし、自動運用サービスを開始。 平成26年7月 「クラウドの窓口」「セキュリティの窓口」スタート。 平成26年10月 北海道札幌市北区北八条西三丁目に本社を移転。SCC(札幌コントロールセンター)開設。 平成27年1月 日本初の民間月面探査プロジェクト「HAKUTO」を運営する㈱ispaceとの間でIoTデータマネジメント・パートナー契約を締結。月面探査等に関する共同研究を開始。 平成27年2月 Kudan Limitedとビッグデータ分析及び技術パートナー及び各種共同研究に係るパートナー契約締結。
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《TG-SB1》 カウンター罠 自分フィールド上に存在する「TG」と名のついたシンクロモンスターを対象にする カードの効果を無効にし破壊する。 または、自分フィールド上に存在する「TG」と名のついたシンクロモンスター1体が 攻撃対象になった時に発動する。 その攻撃を無効にする。
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イカsp2 秋の浜 -15m
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ホヤsp2 秋の浜 -15m