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【名前】ifの俺 【属性】魔法使い。純潔体系魔術、純潔の化身(エターナルアバター)。根源の守護者 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】・スターライトブレイカー…惑星破壊ビーム 宝具…Fateに登場した武器全てを使える 永遠神剣…永遠神剣に登場した武器全てを使える 【防御力】・永遠純潔…純潔である限り、無限次多元宇宙全能より無限倍強い敵の攻撃で、箪笥の角に小指をぶつけた程度のダメージ また、如何なるテンプレ破壊や精神攻撃も通じない。【素早さ】純潔である限り、時間無視 素の身体能力は成人男性並 【特殊能力】・原型の化身(アーキタイプアバター)…相似体系魔術。距離関係無し敵の内臓を直接殴ったり、自分に似せて不整脈で殺す 黄金練成(アルスマグナ)…無限次多元宇宙全能より無限倍強い全能 天罰術式…戦闘開始前から敵テンプレ破壊 【長所】英雄 【短所】童貞 ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 665 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2008/11/01(土) 19 33 45 ifの俺 考察 戦闘開始前から敵テンプレ破壊か無限次多元宇宙全能の無限倍攻撃にたえる、テンプレ破壊と精神攻撃無効 △郷ひでき 相打ち ×旧支配者C お互いの攻撃通じないが考察人発狂で負け △テンプレの王 テンプレ改変無効だが無効も無効なので相打ち △もぶぁいる君 相打ち △もじ夫 相打ちかなあ △カリム・グラシア テンプレ破壊と消滅同時で相打ち ○毒島 テンプレ破壊勝ち ○ちん雄 能力自体は同時だが殺すまでに一秒かかるので勝ち ○改変ハニワ こっちのが速い テンプレ破壊勝ち ○ともだちのわ テンプレ破壊勝ち カリム・グラシア=ifの俺 683 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2008/11/02(日) 22 29 54 いまさらだけど ifの俺はカリム・グラシアに勝てるわ(精神耐性あるし) で一応上見たけどちょっと待ってよや川藤優(かわふじ すぐる) には勝てないから素直にひとつあがるだけ もじ夫=ifの俺
https://w.atwiki.jp/mousouyomi/pages/2819.html
【名前】ifの俺 【属性】魔法使い。純潔体系魔術、純潔の化身(エターナルアバター)。根源の守護者 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】・スターライトブレイカー…惑星破壊ビーム 宝具…Fateに登場した武器全てを使える 永遠神剣…永遠神剣に登場した武器全てを使える 【防御力】・永遠純潔…純潔である限り、無限次多元宇宙全能より無限倍強い敵の攻撃で、箪笥の角に小指をぶつけた程度のダメージ また、如何なるテンプレ破壊や精神攻撃も通じない。【素早さ】純潔である限り、時間無視 素の身体能力は成人男性並 【特殊能力】・原型の化身(アーキタイプアバター)…相似体系魔術。距離関係無し敵の内臓を直接殴ったり、自分に似せて不整脈で殺す 黄金練成(アルスマグナ)…無限次多元宇宙全能より無限倍強い全能 天罰術式…戦闘開始前から敵テンプレ破壊 【長所】英雄 【短所】童貞 665 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2008/11/01(土) 19 33 45 ifの俺 考察 戦闘開始前から敵テンプレ破壊か無限次多元宇宙全能の無限倍攻撃にたえる、テンプレ破壊と精神攻撃無効 △郷ひでき 相打ち ×旧支配者C お互いの攻撃通じないが考察人発狂で負け △テンプレの王 テンプレ改変無効だが無効も無効なので相打ち △もぶぁいる君 相打ち △もじ夫 相打ちかなあ △カリム・グラシア テンプレ破壊と消滅同時で相打ち ○毒島 テンプレ破壊勝ち ○ちん雄 能力自体は同時だが殺すまでに一秒かかるので勝ち ○改変ハニワ こっちのが速い テンプレ破壊勝ち ○ともだちのわ テンプレ破壊勝ち カリム・グラシア=ifの俺 683 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2008/11/02(日) 22 29 54 いまさらだけど ifの俺はカリム・グラシアに勝てるわ(精神耐性あるし) で一応上見たけどちょっと待ってよや川藤優(かわふじ すぐる) には勝てないから素直にひとつあがるだけ もじ夫=ifの俺
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オリメダロットif界とは? もしも…の世界。 「もしも…ウチの○○がこんなだったら~」 「もしも…ウチのキャラと○○が友達だったら~」 そんな妄想を描いていく為に存在する世界です。 参加方法 企画に参加させたいオリメダ、オリキャラを各自でこのWikiに登録してください。 あとは、自由に登録されているキャラ同士を交流させて、書いたり描いたりしたものを企画掲示板やカンパニ~の掲示板に投稿するしくみです。 投稿されたものは企画ログに保管されたりします。 字書きさんはオリメダ小説投稿板をご利用ください(各種掲示板と共用です) ピクシブでもOKです。【オリメダif】タグを付けてください。 投稿のきまり 参加用設定紹介投稿以外は特に決まりはありません。 画像は自作画像でお願いします。 (アナログ、CG、3D、ドットなどなんでもOK) サイズは500×500以下を目安にしてください。 内容は投稿例を参考にしてください。 注意事項 企画に参加されたオリメダ、オリキャラの権利は原案者のものです。企画の外に無断で持ち出すのはやめましょう。 企画に参加されたキャラ同士、自由に関係を作ることが出来ます。 企画に参加されてないキャラを無断で使用しないようにしましょう。 他人のキャラ設定を無断で改変するような行為はやめましょう。 他人のキャラを中傷するような行為はやめましょう
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まどかSS集・IFストーリ / ̄_\. / /⌒.| { / /. ∨ / / ∨/ | | | | | | | | | | | | .....-‐…‐-..... | |. ,.. ´,.-‐ニニ‐- 、 `ヽ | |. // 代´ `ヽ、 ヘ 、 \ . ! !. / i、 ヾ ヾ | l . | l ,' { | \ 代 }‐-| l } | |/彳 ;斗代 | \! ソ ヾ| ! Ⅵ | | .| | 从i | \ y ア抃.l l '; | l . 从 l. ア抃y⌒ヽ. 匕j .| l、 ', `ヽ . ! !./イ ソ、 匕jノ, `ー‐ ,' ! 〉 i ∧ . ! !. | ハ`¨´ _ -、 /イ |´_;_;_;l |_ | l_ l ,′i ヽ ノ .| l/ `ヽ丿 `ヽ / _| .| i /≧ョェ.....__......ィ/! ,' \ ', . / _´_〉.Ⅶl ,' ァ‐/ 〉-、/ l ,' / 丁j ',_ / -‐} Ⅵj / i 「二冂二〕 j/ l / ∨ } ヽ ..../ア /゙「 .∧! ∨ |! ; 〃!! ヘ l| / / iー-、 }__. ∧{ .ノl=| i l /| . || /∥ || ∧ jj /∨ ! 乂 ヽ. ///\_/)'_|=l_/ |/ ∧ .. . レ' |l\!i/ ∨ . / 〈; !  ̄\ } ヽ7///// / / ニヾ.、 ∧.. . . ||/!|ヽ / / |  ̄\8\ ノi\/// 厶.У,.-、 \ ./\.;-亠‐┴-、 / .i | ∨ `¨´ ノ ∨ //⊂ニ.、 ◇\__/ ◎ \,' |/ .| \ / ∨ ' |=|. \ ノ/ γ´^`ヽ. ∧ ̄ ̄ | [部分編集] 杏子「くうかい?」 杏子「くうかい?」 前編 04/03~04/07 杏子「くうかい?」 後編 04/08~04/12 2011/04/03~/04/12 長さは1(VIP)+1/3(ss速報)スレ。結構平然と嘘もつくほむら。 ほむら「まどか、あなたには悪いけど・・・・・・」 2011/04/10~04/12 ほむら「もう絶対に諦めない」 2011/04/19 「ネトゲ廃人」シリーズ 2011/05/01~/06/06 杏子「忘れない」 2011/05/14~/05/15 改変後の世界でさやか死後。 無くした未来の戻し方 〜まどかのまほう〜 《一》Beyond the time 2011/05/16 《二》変える為に変わる 《三》鹿目まどかと 《四》巴マミと打ち合わせ 《五》魔法少女と 《六》戦術と 《七》本格始動 05/23 《八》告白の行方 《九》四人の近景と 《十》接触。美樹さやかと 05/30 《十と一》少し苦くてとても甘いお菓子 《十と二》佐倉杏子と美樹さやかと 《十と三》魔法少女三人 06/06 《十と四》幕間劇? 《十と五》魔法少女の命と 06/13 《十と六》月に叢雲 《十と七》人の為の配慮 《十と八》抱擁力 06/20 《十と九》巴宅にて、その日の締め 《二十》鹿目家での御持て成し 06/23 《二十一》五人の近景と、其の一 06/27 《二十二》五人の近景と、其の二 07/04 《二十三》五人の近景と、其の三 07/11 《二十四》戦後の備え 07/13 《二十五》とても苦くて少し甘いキス 07/18 《二十六》まどかのまほう 〜前編〜 07/25 《二十七》まどかのまほう 〜後編〜 07/30 ここまでが本編。あとは番外×2とエピローグ エピローグ(未完) 《二十八》帰り道 12/05 《二十九》寄り道、買い物組 12/26 《三十》寄り道、荷物回収組 2012/04/04 《三十一》寄り道、おまけ 06/01 《三十二》おまけのおまけ 10/01 《三十三》忘れる手続きと。其の一 11/19 2011/05/16~2012/11/19 ほむまど&杏さやベース…だが、もっと複雑な関係。…カオス百合?基本シリアス。 ほむら「……魔法少女、狩り?」 2011/05/19~/07/17 ほむら「メモリーズウィズユー」 2011/05/20~05/22 魔法少女も魔女も居ない、ほのぼの日常もの ほむら「メモリーズウィズフレンズ」 2011/05/27~/05/28 続編 もしも「まどか☆マギカ」が2クールだったら 2011/06/12~/07/18 ほむら「幸せな明日を迎える為に」 ◆ 2011/06/15~/06/23 ほむら「全力でダラダラする」 ◆ 2011/07/06 これはひどいwwww、いい意味でwwww まどか「猫耳と尻尾の生えた夢で出会った女の子が転校してきた」 2011/07/26~07/28 ほむにゃん。 「魔法にゃんこ」シリーズ 2011/07/26~2012/02/23 キュゥべえとは違うマスコット「にゃんこ」を創り、共に過ごす。ほのぼの。 杏子「上条恭介を魅了してさやかの出方をみる」 2011/08/04 紅い策士 キュゥべえ「ボクを信じてくれ、暁美ほむら」 2011/08/08~/08/25 罹患者と呼ばれる心優しいキュゥべえとほむらの戦い。 ほむら「あ、5匹も捨て猫が……」ネコ「にゃーにゃー」 2011/08/13~/08/14 子猫が紡ぐ絆 まどか「ドジっこ不幸体質ほむらちゃん!!」 2011/08/27~08/28 ほむら「寝る時間なのだけど……」さやか「いやーそこをなんとか」 2011/08/31~/09/01 夏休みネタ。さやほむ。ほむらが可愛い…。 「もし☆マギ~もしもまどマギの登場人物が姉妹だったら~」シリーズ 2011/09/02~2012/05/21 魔法少女5人が姉妹だったら…という話。ほのぼの。魔法もキュゥべえもありません。 上から順に、マミ、杏子、さやか、ほむら、まどかで高2~中1の年子。 杏子「さすが台風!流木が大量だなー、これで豪邸が作れるぜええ!」 2011/09/22~/09/23 杏仁…いや仁杏か?原作ほむら以上の大規模戦力でワルプルギスと戦う話。 ほむら「ハッピバースデーまどかぁ・・・」 2011/10/03 まどか概念後。生存組。 ほむら「まどかにプレゼント……喜んでもらえたのかな……」 2011/10/03~/10/04 さやほむまど。まど誕ss。 杏子「変なグリーフシード拾った」 2011/10/18~/10/19 ワルプスギス戦以降。切ない物語…で終わらせたい人は後日談に注意。 ほむら「最後の魔獣を倒したわ」 2011/11/11 人類が地球から去った所から開始。 ほむら「私が残したもの」 2011/11/13 原作未登場の時間軸の話。ホラー要素もあるけれど、切ない物語。 さやか「転校生さん!よろしくね!」 2011/11/17~/11/20 さやほむ。さやかがほむらの大親友になる。…ただし、その分のまどかが出番少ないので注意。 マミ「言ったでしょ!?これ以上魔法少女の勧誘をしないでっ!」 2011/11/19~/11/20 マミほむ要素が強い。 ほむら「そして夜が明ける」 2011/11/21 ほむら「さよならの季節に」 2011/11/24 まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」 2011/12/18 大長編。内容を一言で言うなら「ほむらのなく頃に 祭囃し編」。いや、いい話でした。 まどか「がんばったね、泣き虫ほむらちゃん」 2012/02/05 上記の後日談。 まどか「さやか」ほむら「さやかちゃん」さやか「!?」 2011/12/22~/12/23 ほむまど。でも主人公はさやか。クーまどが見れる。 まどか「勇気を」 2011/12/27~2012/01/12 まどかが主人公らしく活躍する物語。 ほむら「わたしが憧れたあなたへ」 2011/01/31~02/01 さやか「恭介にあげようと思って作ったけど……どうしよう」 2012/02/14~02/15 バレンタインのさやかと恭介の話。仁美と恭介の関係等、原作でうまくぼかされてた部分を作者なりの解釈で書かれたもの。さやかわいい。 ほむら「私は幸せ――」 2012/02/19 「取り憑かれた」シリーズ 2012/02/27~03/15 ほむらが仲間の幽霊に取り付かれる話。個々に独立しています。 まどか「あなたと私が夢みた世界」 2012/03/25~03/26 概念となったまどかが改変前の別世界のほむらを救う話。 まどか「コロッケ揚げたてだって」 ほむら「寄って行きましょうか」 2012/04/14 12話以降で、まどかとさやかが夢の中に出てきたら…という話。 まどか「JCです☆サポートしてくれるおじさま募集中☆…っと」 2012/04/15 このカオス感がww、>>1と、安価で頑張ったH.A.に拍手。 ほむら「私の中に、もう1人……!?」 2012/05/23~/05/24 まどか「さやかちゃんって、いつもその髪留めしてるよね」 2012/05/31 タイトルはまどかだけど、中身は恭さや物。さやかが普段つけてる髪留めのお話。魔法少女姿では髪留め消えてるという突っ込みは野暮ってもんですよ。 QB「まどか、僕と契約して暁美ほむらになってよ!」 2012/06/01~/06/02 初見とそれ以降で印象が変わる作品。常識?そんなものログアウトしました。 ほむら「帰ってきた友だち」 2012/06/22~/06/23 ごまどか マミ「長女が私、次女が佐倉さん、三女が暁美さん」 2012/08/26~/08/28 1人暮らし3人組が同居開始。 ほむら「もしまどかがちょっとだけ淡泊だったら」 2012/08/28~/08/29 「ちょっと」な傘目さん。 始まらなかった世界【魔法少女まどか☆マギカ】 2012/10/22~/10/24 もしも、ほむらが魔法少女にならなかったら… ほむら「さやか、あなた……まどかを殺すつもりね」 2012/11/18 織莉子「魔法少女の」キリカ「パンツ狩り」 2012/05/25~2012/06/06 クリームヒルト出現回避のために織莉子が取った手段とは・・・ ほむら「拳でワルプルギス倒す」 2012/03/21~2012/04/12 魔力の節約のために魔力に頼らない肉体強化と、銃火器に頼らない戦闘方法を模索するほむら 迷宮の時間軸 迷宮の時間軸【第一話】 2012/11/09 迷宮の時間軸【第二話】 2012/11/16 迷宮の時間軸【第三話】 2012/11/30 迷宮の時間軸【第四話】 2012/12/01 迷宮の時間軸【第五話】 2012/12/04 迷宮の時間軸【第六話】 2012/12/06 迷宮の時間軸【最終話】 2012/12/25 2012/11/09~2012/12/25 秀作MAD【劇場版予告】第0話【魔法少女まどか☆マギカ】に基づく三次創作、ほむら対メガほむら ほむら「捨てゲーするわ」 ほむら「捨てゲーするわ」 2012/12/27 ほむら「捨てゲーするわ」第二話 2013/01/25 ほむら「捨てゲーするわ」第三話 2013/01/26 ほむら「捨てゲーするわ」第四話 2013/02/08 ほむら「捨てゲーするわ」第五話 2013/02/22 ほむら「捨てゲーするわ」第六話 2013/03/01 ほむら「捨てゲーするわ」第七話 2013/03/15 ほむら「捨てゲーするわ」最終話前編 2013/04/26 ほむら「捨てゲーするわ」最終話完結編 2013/05/03 2012/12/27~2013/05/03 繰り返される周回の中で壊れかけたほむらは、とある少女が言っていた言葉を口にする ほむら「手段は択ばないわ」 2013/04/21~2013/04/29 背水の陣、ほむらの本気。 まどか「クールになりきれないほむらちゃん」 2013/11/06~2013/11/07 もう誰も頼らない・・・はずがなぜこうなった? なぎさ「マミの作ったチーズケーキが食べたいのです!」 2013/12/01 漫画
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関係演算子 x1 < x2 : ( x1 .lt. x2 ) x1 = x2 : ( x1 .le. x2 ) x1 > x2 : ( x1 .gt. x2 ) x1 = x2 : ( x1 .ge. x2 ) x1 = x2 : ( x1 .eq. x2 ) x1 ≠ x2 : ( x1 .ne. x2 ) ※ x1とx2の型が違う場合,広い型に変換してから比較される. 論理演算子 否定 : .not. ( condition1 )) condition1が真なら偽,偽なら真 論理積 : (( condition1) .and. ( condition2 )) condition1,condition2ともに真なら真,それ以外は偽 論理和 : (( condition1) .or. ( condition2 )) condition1,condition2ともに偽なら偽,それ以外は真 論理等価 : (( condition1) .eqv. ( condition2 )) condition1,condition2ともに真またはともに偽のとき真,それ以外は偽 論理非等価 : (( condition1) .neqv. ( condition2 )) condition1,condition2ともに真またはともに偽のとき偽,それ以外は真 使い方いろいろ endなしで使える.9999はstopのこと. if ( condition ) goto 9999 条件がひとつだけでいい場合. if ( condition ) then process endif 条件がいくつかある場合. if ( condition1 ) then process1 elseif ( condition2 ) then process2 endif それ以外という条件. if ( condition1 ) then process1 else process2 endif 条件がいくつか同時に指定したい場合. if ((condition1) .and. (condition1)) then process endif [PR] メールフォーム
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ミッケリ臨時空軍基地 夕方 いらんこ中隊の教室 エイラ「あ、エルマ中尉達が帰ってキタゾ」 俺「ん?」 補修訓練を終えて先に教室に戻っていた俺とエイラはいらんこ中隊面々が教室に入ってきた キャサリン「あらー?今日は二人とも訓練じゃなかったのかねー」 俺「ハッキネン少佐に今日はもう休めと言われてな」 エイラ「あれ?智子少尉はドウシタンダ?」 エルマ「えー…っと」 ウルスラ「…司令室」 エイラ「司令室?」 ビューリング「…今日は爆撃任務があったのは知ってるだろう?だが途中で爆弾を投下してしまってな それについてハッキネン少佐に今頃しぼられている頃だろう」 俺「失敗…」 俺とエイラの新人二人がこのいらんこ中隊に配属されてから負け戦ばかりが続いている それが新人軍曹達ではなく、少なくとも実戦経験のある数名と2人の精鋭が居るにも関わらずだ 俺(次は俺とエイラも作戦参加だけど…出来るのか?) キャサリン「何暗い顔してるねー、聞いたヨー?」 俺「何をですか?」 キャサリン「次から参加する事ねー」 俺「ああ…そうですね、よろしくお願いします」 生返事で上官に対して答えてしまうがキャサリンは気にせず笑っている 俺の表情を見て何かを思ったのかビューリングが口を開いた ビューリング「心配するな、初陣で冷静さを失わなかったお前達だ 無理をしなければ墜ちる事はない」 エイラ「で、でもダナ…ネウロイをやっつけられなかったンダゼ?」 ビューリング「…ふふ、お前達の装備でケファラスにダメージを与えられた方が奇跡に近い」 エイラ「けふぁらす?」 俺「ケファラスはたしか中型爆撃機型ネウロイの事ですね」 ビューリング「そうだ、そしてお前達の装備しているのは名前は確か…」 エルマ「スオミM1931ですね~」 ビューリング「そのスオミM1931は短機関銃で元々はラロス級またはそれ以下の小型ネウロイへの使用を目的とした武器だ それ以上の敵相手にはよほど接近して銃弾を浴びせなければ傷一つすら与えられないだろう」 エルマ「短機関銃は元々拳銃弾ですからねー」 キャサリン「ケファラスに傷を与えただけでも奇跡ねー、最初は耳を疑ったね」 ビューリング「私達は今でこそ爆撃任務だが、基本的にはラロス(戦闘機型)ネウロイを攻撃する制空部隊だ、基本的には問題ないが それより大型で頑丈なネウロイが今後押し寄せる可能性もある」 俺「そ、そんなぁ…じゃあ作戦に参加した時はどうすれば…」 ビューリング「心配するな、この中隊にいる各国へ新型ストライカーと武器の補充を依頼した。 まだ先だがいずれ届く、それまではその短機関銃で耐えてくれ」 エイラ「わ、私にも来るノカ!」 ビューリング「何が来るかはまだ分からないがユーティライネン軍曹の分も依頼してある、心配するな」 俺「カールスラントからの補給か…」ボソッ ウルスラ「…」 エイラが喜んでいる横目でエイラほどの身長と短い金髪にカールスラント空軍の軍服を着た ウルスラ・ハルトマン軍曹は眼鏡越しに何かを呟いた俺の事を開いた本から視線を上げて見ていた ミッケリ臨時空軍基地 夜 いらんこ中隊の教室 俺「私の首が体から離れ胴体を湖に捨てられるであります」 智子「…よろしい」 本日も何かしら怪しい行動をした場合俺がどうなるかを智子に復唱し それを確認した智子は先日よりも力なくベットへと滑り込んだ エイラ「むぅぅぅ…」 俺「どうしたエイラ?」 エイラ「本当にそこの位置じゃないとダメなのカ?」 俺「仕方ないだろ、穴吹少尉の指示なんだから」 エイラ「うううむうううゥゥゥゥ…」 先ほどからエイラが俺を睨んで唸りをあげている それが始まったのは智子がこの教室に戻ってすぐに俺に命令してからだった気がする 俺(ベットの位置を変えなさいって言われたあたりだったかなぁ…エイラが唸りだしたの) 昨日まで俺とエイラは教室の窓際端で隣同士だったが、智子の指示により配置は キャサリン、エルマ、ウルスラ、ビューリング、智子、俺、ハルカ、エイラ の順番になり、俺はハルカを挟んでエイラと離れてしまっていた 俺(壁端から離れたけどこれって信用されてるのか?) エルマ「け、消しますよー…」 エイラ「うぐぅ…」 まだ不安があるのか少し震えた声を出しながらエルマが教室の明かりを消す 消す前に立っていたら変に不安を与えるだけだろうと思いベットに潜り込んで横になりさっさと寝ようとするが… ハルカ「ともこしょぉぉぉいぃぃぃぃ…」 俺「…迫水ハルカ一等飛行兵曹、自分のベットに戻ってください」 ハルカ「うぅ…ううう…」ギュウゥゥゥゥ 俺「…痛いです」 信用されているというより、ハルカとの壁役をやらされている気がする… 自分のベットに戻らず、俺のベットから智子のベットを見つめ、俺の脇腹当たりを力強く両手で握られる 俺(昨日も暴れられたお陰で数箇所打撲によりあまり寝れなかったのに今日もなのか…ん?) 隣の、智子のベットに誰か滑り込んだのかもそもそとシーツが盛り上がった後、話し声が聞こえる 「話がある」 「な、何よいきなり…」 俺(ビューリング少尉か、というかまさか常識人だと思ったビューリング少尉も…というか脇腹がさっきにも増してイテェ) ここスオムスに来てから現在進行形で脇腹の痛みの原因である迫水ハルカ一等飛行兵曹のお陰で、スオムスにいる魔女は 特別な性癖を持っているんじゃないかと一種の偏見を持つ俺だったがその不安は次の言葉でふっと消えてしまった 「お前、私達が負けた理由が分かるか?」 「敵が強くなったからよ」 俺(…たしか今日は爆撃任務を失敗したんだよな、他はどうかは分からないがこの精鋭二人がいるのに) 「違う、我々の機体の性能が敵に差をつけられ始めたんだ」 機体の性能差、という言葉に智子の否定的な応答を聞き流しながら考えていた 俺(俺の使ってるBf109D型はアホネン大尉の居る第一中隊のBf109E型の一つ型遅れだったよな、確か) 俺だけではない、エイラが使っているバッファローもリベリオンの中では型遅れ、それ以外は分からないが ビューリング少尉が言っている事が正しければ全員が全員型遅れの機体を使っているのであろう 俺(あいつの機体も…メッサーシャルフの開発競争に負けた機体だったよな) 俺が連想したのは無類の本好きなのか明かりの消えた部屋でも本を読んでいるウルスラ・ハルトマン 彼女の機体He112も改良を加えられているとはいえBf109E型には性能は及ばない 俺(下手したら俺のD型よりも性能は低いのか…というか噛み付くな迫水ハルカいっぴ、いだだだだだ!?) 自分の分かる範囲でいらんこ中隊の所持するストライカーの分析をしていたが途中でシーツ越しにハルカに脇腹を噛み付かれて 考えていた事が一気に吹っ飛ぶ 俺「いい加減にしろ迫水一等飛行兵曹!」ガシッ ハルカ「ひっ!?」 シーツ越しに思いっきり噛みつかれていた俺はハルカの首根っこを掴み話したところでハルカは手足をバタバタしはじめ ハルカ「た、助けてください!助けてください智子しょーい!このままでは私身包みを○○されて、欲望という名の オオカミに○○されて○○されちゃいます!」 俺「だ、誰がんな事するか!大体お前が噛み付いて…」 エイラ「んぅー…みぐるみをはがされて、よくぼうというなのおおかみにりょうじょくされてはらまされるってどういう意味ナンダ?」 俺「寝ぼけ眼で復唱せんでいい!そして知らなくてもいいから!」 エイラ「んー…?」 キャサリン「今日は俺がうるさいねー」 ハルカに続いて俺まで大声をあげてしまった為に寝ていたメンバーも起きてしまったようだ エルマ「お、俺軍曹が…そ、そんな事を…」ガタガタガタ 中隊長のエルマは布団に包まり身を丸くし目だけ出してこちらを見て震えている 話し合いが終わったのかビューリングは何事も無かったかのように自分のベットに戻り 智子がベットから身を起こしハルカを掴んだ俺の前に立ち上がる 俺「あ、穴吹少尉…ごかんべんを…命だけは、命だけは…」 ベットの上でハルカを離し土下座する俺、その影に隠れたハルカを智子は掴み彼女のベットへ投げ捨てる 智子「…寝なさい」 気分ではなかったのか、真実を悟ったのかは分からないが彼女はそれだけ言って自分のベットに潜って深く シーツを被った ミッケリ臨時空軍基地 午前 ハルカ「あの…お話宜しいですか?」 俺「ん、俺にですか?」 ハルカ「はい、ここでは話し辛い事なので…」 元体育館の臨時ハンガーでBf109Dの整備をしていた俺に珍しく声をかけたハルカは 俺を元々図書館のような場所に連れて行く 俺「なんですか、話って?」 ハルカ「昨日のことです、俺軍曹にあんな事言って…」 俺「あー…」 先日の夜、少女の口から出したらいけないような単語を並べたアレか ハルカ「すみませんでした、智子少尉の気を引く為とは言っても言いすぎました」 俺「いや、気にしないで良いですよ」 俺(他の人は真に受けて無かったみたいだしな…というか穴吹少尉の前じゃなかったらこんなに普通な女の子なのか) エイラ「何を話してるんダ?」 俺「うお!?」 図書館の椅子にハルカと対面して座っていた俺の背後からエイラが急に出てきてひっくり返りそうになる 俺「なんだ、エイラか…」 ハルカ「いえ、昨日のことを」 エイラ「昨日のことー?」 ハルカ「はい…私が俺軍曹に狼という名の」 俺「ストップ迫水一等飛行兵曹!覚えてないなら忘却したままで良い、忘れろ」 エイラ「ェー…」 俺「とりあえず、特に気にしてないですし部隊に影響が無いわけですし…ん?」 不満そうに俺の隣の椅子に座るエイラのその背後、何か視線を感じると思い目を向けてみると エルマ「…」ジー 俺(ものすごく警戒してる目で壁から顔半分だしてコッチ見てる…というかエルマ中尉だけ真に受けてる?) そう思っていると視線が合って、エルマはびくっ!っと肩を震わせるが逃げる様子もない 俺「あー…エルマ中尉?何か御用でしょうか?」 エルマ「い、いいえ…そのぉ…あのぉ…」 エイラ「?」 エルマがしどろもどろに答え、俺が席を立ってエルマの元に歩いて行くと エルマ「ひ、ひぃ…!」ズザザザ 俺の歩数と同じくらい後ろに滑り、俺との距離を一定に保とうとする 先日のハルカの台詞を完全に真に受けてしまったようだ 俺「あの、エルマ中尉?先日の事は誤解で…」 エルマ「…」ガクガクブルブル 俺(聞こえてないのか、というか涙目…) 可哀想なほど震えるエルマに俺はどうしたもんかと考え、心を鬼にする事に決めた 俺「エイラ、エルマ中尉を確保して来い」 エイラ「え、イイノカ~?」 俺「ああ…流石にこのままだとらちが明かない」 俺の指示を聞いたエイラは悪戯そうな表情をして両手の指をワキワキと動かしている エルマ「や、やめてください~!」ズザザザ エイラ「悪く思うナヨ~」ニジリニジリ… 俺の台詞を聞いたエルマは走って逃げるかと思ったが足が震えている為か少しずつしか後進しないため 彼女は図書館の扉から数メートル離れた所であっさりとエイラに掴まった エルマ「は、離してくださいー!」 エイラ「捕まえてきたんダナ」 俺「よろしい、あとで好きな物を買ってやろう」 エイラ「借り一つだかんナー」カチャリ エルマの腰当たりを掴んで俺とハルカの居る図書館に引きずり込んで逃げないようとする配慮なのか 図書館の鍵を閉める エルマ「ど、どうして鍵を閉めるんですか…う…うう…」 俺「手荒なマネをしてすみません、でもこうでもしないと話を聞いてくれないとおもって」 エルマ「私はここで終わりなんですね…」 俺「だからそうじゃなくてデスネ…」 エルマ「…わかりました」 図書館の床にペタリと座って震えているエルマは意を決したように俺を見上げる エイラはドアの前で面白そうに笑みを浮かべている エルマ「せめて…せめてハルカさんは見逃してあげてください!」 俺「はぁ!?見逃すって」 エルマ「せ、せくしぃじゃないかも知れませんけど、私がハルカさんの代わりに…そのぉ…受け止めますから! だからハルカさんや中隊の人には手を…その代わり好きにしていいですから!」 俺「…あれ?ちょ、ちょっとまってエルマ中尉!?誤解ですって!迫水一等飛行兵曹、誤解を解いて」 ハルカ「ひっく…しょういぃ…」 俺「なんで泣いてるの!?」 エイラ「女泣かせなヤツダナ」 俺「ちーがーうー!どこでそんな言葉覚えるんだ!」 涙目で訴えるエルマ、面白そうに笑い続けるエイラ、静かだと思ったら泣いていたハルカ なんか…泥沼だ… その後誤解を解消するのに1時間程度かかった 説明するようにハルカに求めようとするとエルマが腰にすがって手を出さないでと叫ばれたりするし エイラは何もせずに終止笑ってるしでとにかく大変な1時間だった… エルマ・ハルカ「すみません…」 俺「分かれば宜しい、というかコレっきりにしてください…」 既に昼にさしかかろうととしていた時にようやく誤解が解けた 個人的にはエルマ中尉の提案は魅力的なものではあったが、流石にああいうのは受け付けない… エイラ「もーすこし面白くなるとおもったんだけどナ」 俺「面白くなる為に俺の肩身が狭くなるのはカンベンだ」 落ち着くために食堂からもらったコーヒーをテーブルに並べ、女性人3人同様に俺も座る エイラ「こういう時は紅茶じゃないカ?」ズズー 俺「無いから仕方ないだろ…はぁ」 暖かい物を飲んで落ち着いたのかエルマとハルカもゆっくりとコーヒーの入ったカップに口をつける 半分ほどカップの中身が無くなったところでハルカが切り出す ハルカ「智子少尉はビューリング少尉みたいな姉系の娘が好みなんですかね?」 俺「うぐっ?ごほっ、ごほっ…いきなり何を言うんですか」 ハルカ「だって昨日ビューリング少尉が智子少尉のベットに入って行ったじゃないですか…」 俺「いや、あれは相談してたみたいに見えたけど」 ハルカ「相談なら別の場所でも出来るじゃないですか!よりによってベットだなんて…何時の間に出来ていたのかしら…」 俺(そーいうんじゃ無いと思うんだけどなぁ…昨日の任務失敗の反省というかそんな会話だったし) 先日、俺とエイラが留守番を食らったいらんこ中隊の爆撃任務は智子が爆弾を途中で捨てさせて任務失敗 その事でハッキネン少佐に散々絞られた後、3日飛行停止になった ハルカ「私みたいなお子様じゃ相手にならないというのかしら…しょういぃぃ…」 エルマ「それではビューリング少尉みたいになったら良いんじゃないでしょうか?」 俺「エルマ中尉、それはさすがに…」 ハルカ「それです!」ガタン 泣き声をあげていたかと思えば急に立ち上がって大声を上げるハルカ ハルカ「ビューリング少尉みたいに…いえ、それ以上にクールになれば智子少尉もきっと振り向いてくれるはず!」 俺「それ以上クールに…」 エイラ「…ムリダナ」ボソリ ハルカ「こうしては居られません!私これからちょっとお酒を調達してきます!エルマ中尉、俺軍曹、エイラ軍曹 ありがとうございました!」 エイラの言葉すら聞こえていないハルカは勢いよく図書館の扉を開けて出て行ってしまった エルマ「ハルカさん元気が出てよかったですね~」 俺「確かに元気は出たけど…」 エルマ「どうなる事ヤラ」 さっきまで落ち込んでいたとは思えないハルカの行動に俺達は置いてけぼりを食らった心境を抱えながら 俺「昼飯…行きますか」 エルマ「そうですね~」 とりあえず昼になったのでご飯を食べに臨時食堂に食事を貰いに行く事にした 続く
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1940年1月カウハバ基地 ハンガー内 エルマ「全員せいれーつ!」 いらん子中隊と呼ばれるスオムス義勇軍独立飛行中隊の面々は隊長のエルマ中尉の号令の下 穴吹智子少尉以外軍人とは思えないバラバラな足取りでハンガー内に整列していた エイラ「なあ俺、あれは何をしてるンダ?」 俺「ん…?」 エイラの隣に整列していた俺はその中で一際異彩を放つ人物に目が移る 迫水ハルカ一等飛行兵曹だ 智子「…ハルカ一飛曹、何をやっているのかしら?」 ハルカ「智子少尉の臀部を撫でているであります…じゃなくて、智子少尉殿の臀部を左手で包み込むようにして触っているであります」 智子「陸式にすれば言いってものじゃないのよ!手を退けなさい」 ハルカ「智子少尉は嘘を付きました…あの時私を抱くって約束したのにアホネン大尉と入れ替わるだなんて…」 俺「ブーッ!?」 智子「そ、それは…」 エイラ「オレー、抱くってナンダー?」 今日もカウハバ基地は通常営業で飛ばしている中俺は昼ドラ真っ青なやり取りをする上官2名に横槍を投げる 俺「知らんでいい!あと智子少尉、ハルカ一等飛行兵曹そういうのは夜にコイツが居ない所でやってください!」 エイラ「?」 キャサリン「そうねー、イチャイチャは夜の個室でやるねー」 智子「イチャイチャじゃない!」 ハルカ「これは愛の営みです、イチャイチャとは違い神聖なもので…」 俺「だからそういうのはコイツの居ない所でやれと…!」 わーぎゃーわーぎゃーと軍隊らしからぬ言い合いをしている中、中隊長のエルマ中尉は震えながらその様子を見ながらも 両手を胸元に置き搾り出すような声で命令を伝える エルマ「あのぉ…、そのぉ…これからぁ…出撃でぇ…」 よく見たら涙目だ… 智子「は、はい、分かってます、中隊長殿!」 エルマ「わたしの命令を聞かなくてもいいんですけどぉ…智子少尉はエースですし…でも一応わたし中隊長ですしぃ…ぐす…」 俺(一応エルマ中尉のほうが階級は上だから中隊長なんだろうけど…というか泣き出したよ…) そんな様子に嫌悪感を抱く事も無く少し可愛いと思ってしまった邪な心を俺は捨て平常心を心がける ビューリング「智子、中隊長を泣かせるな」 智子「泣きたいのは私よ…」 ハルカ「わたしも泣きたいです…智子少尉がぜんぜんなびいてくれないから…」 俺(10歳ぐらいの子供を前にこんな会話をする中隊って…というか出撃前だよなコレ) 会話を聞かずその場を見ただけなら平和そのものなやり取りの中、ハンガー内に据え付けられたスピーカーから ハッキネン大尉の怒鳴り声が響いた ハッキネン<何時までやってるんですか!第一中隊はとっくに出撃しましたよ!> エルマ「は、はい! では俺軍曹、エルマ軍曹の両名は補習教育が済んでないので基地内待機を ハッキネン大尉の指示があるまで待機してください」 俺・エイラ「了解」 エルマ中尉を先頭に『いらんこ中隊』の面々が滑走路から飛び出していく それを扉を開けっ放しのハンガーで見送った俺とエイラはハンガー隣にある待機室に足を運ぶ 俺「さみぃ…」 エイラ「俺はまだまだダナ、これくらいの寒さを耐えられないなんて」 俺「その割にオマエも震えてるのな」 エイラ「こ、これは違うンダナ!」 俺「はいはい…しかし出撃待機って暇だなぁ」 待機室にある背もたれの無いパイプ式の椅子に座った俺は出撃待機のわりには完全に猫背で 若干寒さで震えているがリラックスムードである エイラ「ずいぶん落ち着いてるナ…緊張とかしないノカ?」 俺「多少はするさ、多分空に上がればガッチガチに緊張するだろうぜ」 エイラ「そんな風には見えないけどナー…」 俺「エイラは緊張してるのか?」 その質問にエイラは黙ったまま、俺から視線を外す 俺(なんだかんだ言っても初陣もまだの新人ウィッチだもんな…って俺もそうだが無理も無いか) 少し昔、一ヶ月ほど前の事を思い出す カールスラントからここスオムスに派遣されてからの最初の基地を 俺(インモラ基地に俺が配属された時に新人ウィッチとして一緒にしごかれたもんなぁ…) エイラ「カールスラントは激戦だって聞いた…だから平気ナノカ?」 俺「ん…俺自体は戦闘飛行した事ないからなぁ」 飛ばせてもくれなかったしな 俺はそう心の中で自分の言葉に付け足した エイラ「それじゃあワタシと同じじゃないカー!」 俺「だからインモラ基地で一緒に訓練でしごかれたんだろ!」 エイラ「あ、それもソウカ 俺はワタシより早くウィッチになったのに今だ新人のヘタレナノカ」 俺「何故かオマエにだけは言われたくないな…」 エイラ「ドーイウコトダー!」 俺「あっはっはっはっは!」 ちびっこいエイラの怒る姿が面白くてつい声に出して笑ってしまう 少し時間が経ち俺の笑いとエイラの怒りが収まった所でエイラがぽつりと呟く エイラ「エルマ中尉達、大丈夫カナ」 俺「ふざけてる様に見えて智子少尉やビューリング少尉はかなりの腕前だからな、大丈夫だろ」 歳はも行かぬ少女の前で余りにも刺激的過ぎる会話をするような面子でもな、そう言いたそうな顔をしながら俺は エルマ中尉達が飛び立った空を待機室の窓から見上げる エイラ「他のメンバーはあえて言わないのナ…でも嫌な予感がするンダ」 俺「そんなの気のせいって事にしておけ、どのみち今の俺達には戦闘は出来ないし祈る事しか出来ないからな」 エイラ「…わかった」 そんな当てずっぽうな俺の期待は、カウハバ基地に耳障りなアラームが鳴り響く事によって泡となる 俺・エイラ「!?」 緊急事態を知らせるアラームを聞いた俺とエイラは反射的に立ち上がりハンガー内へと走って戻った カウハバ基地ハンガー内 俺「装備のチェック確認!」 エイラ「こっちは大丈夫ダ!」 俺はスオムスで『メルス』と呼ばれるメッサーシャルフD型に足を突っ込むように飛び乗り、両足と一体化した細身の機体の 魔道エンジンに火を付け、現地で配給されたスオミM1931短機関銃を確認する エイラはその背丈とはミスマッチな大型のリベリオン製F2Aバッファローを両足に装備し 俺と同じM1931短機関銃を点検している 俺「出撃は何時でも?」 エイラ「アア!」 ブオオオオオ っとハンガー内に2つのストライカーのエンジン音が響いてる為二人とも 大声で掛け合い、エイラの返事を聞いて俺は喉頭式(こうとうしき)マイクに指をかける 俺「こちら俺軍曹!司令室、俺軍曹およびユーティライネン軍曹の出撃準備完了 現状報告お願いします」 ハッキネン<こちら司令室、俺軍曹出撃は…っ!?> エイラ「うわっ!?」 ドオオオオオオオオオン という大きな爆発音がハッキネン大尉の無線をさえぎり、基地内が大きく揺れる それを皮切りに同じように大きな爆発音が続く 俺「くぅ…こちら俺軍曹!司令室現状報告と指示をお願いします!司令室!…」 何度か喉頭式マイクに叫び、ノイズの入った返答がようやく帰ってくる ハッキネン<こちら…令室!俺…現ざ…基地上空に爆撃機が…俺ぐ…ティライネン軍曹…出撃…!> 俺「了解、聞こえたなエイラ!」 エイラ「お、おう!」 俺「俺軍曹より司令室、俺軍曹およびユーティライネン軍曹出撃します!」 ハッキネン<…て、しゅつげk…> 再び帰ってきた司令室からの無線は基地の真上から聞こえた爆発音と共に途切れた 俺「エイラの正面の滑走路は穴だらけだ!悪いが俺の後ろから付いてきてくれ!」 エイラ「わ、わかった!」 エイラの返答を聞くと、俺はメッサーシャルフD型のエンジンの回転数を上げ 滑走路に出て離陸を開始した カウハバ基地上空 俺に続きエイラは滑走路を出て離陸をし上昇を始める 俺「基地の真上に居やがった…!」 エイラ「あれが…ネウロイなのカ…」 いまだ上空は100メートルも満たない所でエイラは後ろを振り向き、黒の装甲に覆われた両翼にエンジンの付いた 爆撃機型ネウロイを見る 幸い爆撃機型ネウロイは基地を挟んで反対側でこちらに尾翼を見せている、爆撃した後だろう 俺「エイラ!出来るだけ高度を取るんだ!もっと上がれぇ!」 エイラ「りょ、リョウカイ!」 空で緊張の塊のようにガチガチなエイラは俺に指示されてようやく機首を上げて高度を上げ始める 俺「こちら俺軍曹、司令室聞こえるか!誰か聞こえないか!」 何度か司令室に連絡を取ろうと喉頭式マイクに叫ぶがザー…というノイズのみしか聞こえない 俺(エルマ中尉達は確か国境付近に出撃したんだったよな…司令室には繋がらない…エイラは…) 自分の後ろを飛んでいる少女の表情を見ると目は俺の方向を見ているが焦点が合ってないのか 俺が振り向いてることに気がついてない 俺(俺より旨く飛べるはずだけど…どうする?) 俺<エイラ、大丈夫か?> エイラ<あ、アア!私が前に出れば…お、おれ!わ、私の後ろに…> いきなり振られた質問に何とか答えようと応答するがエイラの声がどもってしまい 俺はその声を聞いて自分を落ち着けようと一度だけゆっくりと深呼吸し、喉頭式マイクに向かって喋る 俺<ふぅ…階級は同じだけど任期は俺のほうが長い、俺の後ろに着けエイラ> エイラ<で、でもだな!> 俺<俺は射撃を正確に当てられない!> エイラ<は、ハァ!?こんな時に何を言って…> 俺<だから俺が前に出る、オマエなら後方からでも当たるだろ射撃を頼むぞ!> エイラ<そ、そんな事言ったって…> 俺<エルマ中尉達も戻ってるはずだ、時間を稼ぐだけだ威嚇射撃だっていいさ> 無線でエイラに中隊が戻るなんて事は言ったがそんな事は聞いてない けどこの状況では必死に戻ってるだろうし…少しでもエイラの精神安定になればと思ったが エイラ<りょ、了解!> 緊張こそしているがガチガチに固まっている状況よりはまだましな声だった 俺<高度1500!左旋回!敵の高度は思ったより低い、インモラ基地の訓練でやった一戦離脱戦法で行くぞ> エイラは無線で戦法まで確認し、俺に続いてゆっくりと左旋回し正面の遠くに基地を見据える その奥には黒い爆撃機の横腹が見え、エイラはM1932短機関銃を握り締めた 複数の爆撃機型ネウロイは再びカウハバ基地に空爆を仕掛ける 空爆を仕掛ける前は射程外だったが、空爆を終えて基地から離脱する所で俺とエイラはネウロイに追いつく 俺<一番最後のネウロイに攻撃を仕掛ける> エイラ<了解!…っ!俺!ネウロイから攻撃が来ルゾ!> 俺<ぐっ!>ブウウウウウウウン エイラの無線を受けて俺はネウロイを確認せずにすぐさま左にロール(横回転)し、空に腹を向けたところで機首を上げて 高度を落とす その数秒後にネウロイからの赤い閃光弾らしき物がいくつも俺の居た場所を通り過ぎる 俺<後方機銃か…?助かったぞエイラ!> エイラ<お、オオウ…ここはやっぱりお決まりの後で一杯奢r…うわあああああ!?> 俺<被弾したか!?> エイラ<弾が横切っただけでダイジョーブダ!> 俺<さっきなんて言いたかったんだ?> エイラ<な、何でもナインダナ!次来るゾ!> 俺<はぁ?ってうおおおお!> 俺とエイラの存在に気がついた爆撃機型ネウロイは基地を奇襲、爆撃する為に落としていた高度をゆっくり上げる エイラはそれでもネウロイよりも高い高度に居たが、俺は2度目の攻撃でネウロイよりも低い高度になってしまった 俺<俺より高い高度に行きやがった…って後方機銃が来ないな> エイラ<こっちは集中攻撃されてるぞオレエエエエエエ!> 俺<機体上部にしか後方機銃が無いのか…なら!> エイラはネウロイの後方機銃を何とか避けながらゆっくりと降下し始め 俺はエンジンをフルスロットルにしてネウロイの腹部へ後方から上昇しつつ接近する 万が一に備えてシールドを張りながら 俺「…700…600…500…400…300…200!あたれぇ!」 距離200m、その距離でも射撃があたるか怪しい俺の腕だったが祈りを込めてM1932短機関銃の引き金を引く ガガガガガガガ… 敵の胴体に火花が飛び散り金属と金属が激しくぶつかったような音はする物のネウロイは一向に弱った気配はない 数秒で71発も入ったM1931のドラム型弾倉を空にした俺はリロードする為に円状の弾倉を外し 予備の縦に長い弾倉を装着し、コッキングレバーを引いてM1931に新たな弾丸を再装填する 俺(こんなに早くドラムマガジンが空になるのかよ…胴体は利かないからエンジンに攻撃を集中させるしかないけど…) 着々と俺と爆撃機型ネウロイの距離は近づいて居るが接近し始めた頃より近づいてる速度が遅くなっている 一刻一刻と事態が進んでいく中、後方機銃を避ける為にネウロイより高度を落としていたエイラが俺の少し上部の 後方まで追いついてきた エイラ<俺、アイツの左エンジンを狙おう> 俺<…俺もエンジンを狙うのは考えてたけど…距離がまだ遠い> エイラ<牽制でもイインダロ?私も左エンジンを狙えばいくつか当たるダロ> 牽制でも良い、というのは張ったりで実際いつエルマ中尉達が戻るか分からない台詞だったんだけど 俺<…そうだな、それで行こう 射撃のタイミングはエイラに任せるどうせ俺は当たらない!お前の一番良い距離で頼む!> エイラ<偉そうに役立たず宣言するなヨナー…了解、それじゃあ…> 今はエイラの長機、全部が嘘という訳ではないが自分の発言を今更覆せないし覆してはいけないと思い腹を括る エイラは力の抜けるような俺の通信を受けつつもバッファローのエンジンのスロットルを全開にしてネウロイに接近する 俺もスロットルを全開にしているが、エイラより先に上昇を開始した為か中々速度が上がらない エイラが俺と並んだ所で エイラ<そろそろ行くぞ!> 俺<了解、号令宜しく> エイラ<3…2…1…撃てエエエエエエエ!> エイラの叫びと同時に爆撃機型ネウロイの左翼に付いているエンジンに エイラと俺の短機関銃の弾丸を送り込んだ いくつかハズレながらも最初よりも接近したとあって俺の弾丸がいくつか当たり エイラの弾丸は多少エンジンの周囲を掠める弾丸があったがほぼ当たっていた 精密であろう部分に集中攻撃をされた為か爆撃機型ネウロイの左エンジンから火が出る エイラ<倒したノカ!> 俺<いやまだだ…> 爆撃機型ネウロイの左エンジンは火を噴いたがかろうじでその反対にある右翼のエンジンで飛んでいる エイラ<だったらまた!> 俺<いや、ここで旋回、基地に戻ろう…> エイラ<何でダ!もう少しなのに> 俺<俺たちが攻撃してるのは最後尾の爆撃機、その前には複数敵が居る> エイラ<だったら尚更倒したほうがイイダロ!> 俺<今の飛んでる位置を見ろ> エイラ<あ…> 俺とエイラは敵を追うことばかり考えて基地からずいぶんと離れた場所まで来ていた 俺<…それにこいつら基地に旋回する様子もない、こっちの弾もそんなに多くない> エイラ<…> 考えたくは無いがこいつら、俺たちを… 俺<…戻ろう、深追いは禁物だと訓練で教えられたしな> エイラ<…了解> 俺たちは片方のエンジンから火を噴くネウロイを目前に旋回し周囲を警戒しながらカウハバ基地へと戻る その道中で俺はエイラに 俺<すまん…> 己の力の無さか、無能な指示か、無駄足を踏ませてしまった意味合いなのか… 多分全部だろうな、そんな気持ちを込めてエイラに謝罪し俺たちの初陣は 基地が大きな被害を受け、敵ネウロイの撃墜無しという結果で終わった 続く
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ミッケリ臨時空軍基地 ハンガー外 ハンガーの中から『いらんこ中隊』と暇を持て余した整備兵が見守る中 俺と穴吹智子は雪が若干吹雪き、新雪の積もった外で互いに距離を取ってそれぞれの剣を持って対峙している 俺「あのー穴吹少尉、ここ寒いんですけど…」 智子「あなたのその剣じゃ室内じゃ触れないでしょ」 俺「せめてストライカーを履いて空で戦った方が実践的じゃ…」 智子「そんな事したら俺軍曹が剣を一回も振れないで終わるけどいいかしら?」 俺「う…確かに」 智子「それに、これは俺軍曹が剣をどれだけ使えるか確かめるものなの、構えなさい!」 俺「了解しました、ただまともに持てないんで魔法力を使ってもいいですか?」 智子「なんでも構わないわ」 俺「お言葉に甘えて…」 俺は使い魔の狼の耳と尻尾を出現させて、2メートルもある剣を両手で持ち智子に剣先を向けて正面に構える 智子も軍刀を鞘から引き抜き俺と同じように構えた エルマ「だ、大丈夫でしょうか、怪我とかしないでしょうか…」 キャサリン「俺軍曹はだめねー、トモコのサムライソードでなます切りねー」 エルマ「あわわわわ…」 ビューリング「あんまり脅すな、どちらも互いに怪我をさせるつもりは無いだろう」 エルマ「そ、そうでしょうか…」 ウルスラ「…」 エイラ「オレー!絶対勝てヨー!」 いらんこ中隊の声は外で対峙している二人には聞こえず、吹雪の中ジリジリと俺と智子は間合いを詰めている 俺「…はぁ」 隙が無い、俺から見た刀を構えた智子に感じた正直な感想だ 俺(どう飛び込んでも全部いなされるだろうな、こっちはリーチがあるけれど…どうする、しかけるか?) 互いの距離はまだ4メートル 智子「…」ジリッ…ジリッ… 智子は呼吸をしているか判らないほど肩も動かさずに俺との間合いを詰める 智子(私と同じ構え…あの剣は2メートル前後の間合い、私の刀はどう頑張っても1メートルちょっと どう攻めてくるかしら) 互いの間合いは3メートルにまで詰められる 俺(いや…普通に駆け引きをしたら無理だろうな…) 俺は少し諦めたように一度息を吐いて、智子を見据えなおす 俺(…それならなぁ!) 俺「らあああああああぁああああああああああああああ!」 互いの距離が2,5メートルもう智子と俺の剣が触れる前に俺は智子の頭に向かって剣を最小限に振り上げて落とす ギィィィィ…! 智子は体を素早く左に一歩ずらし、軍刀を頭の上まで持ち上げて剣先を地面に向け、軍刀の白羽部分で俺の剣を滑らせ攻撃の軌道を 最小限にずらした 智子「ふっ…!」 俺の剣が智子の体を切れない軌道までずれたのを感じ取った智子は手の位置は頭の上にあるままで手首を使い 地面に向けた剣先を空の方向までくるりと回して持ち上げ、後は振り下ろしてしまえば俺の体を切れる大勢にまでになる 俺「させっかぁああああああああああ!」 智子「っ!」 自分の剣をずらされた俺は2メートルもある巨大な剣を力づくで無理やり横に払う 智子は一度後ろに飛び横になった俺の巨大な剣の腹踏み台にしてもう一度後ろに飛んで大きく後退した 横に払われた巨大な剣は地面に激突して新雪を空中へ大量に巻き上げている エルマ「あ、あの、俺軍曹が…さっきトモコ少尉の体を切ろうとしてましたよね…?」 キャサリン「あれがトモコじゃなくてミーだったら確実に体が真っ二つねー」 エルマ「お、俺軍曹は本当に本気でトモコ少尉を切ろうとしたんですか!?」 ビューリング「そうだろうな、勢いあまって地面に剣をぶつけるほどだ 寸止めは出来なかっただろう」 エルマ「えええええええっ!?と、止めてくださいぃぃぃ危ないですよー!」 キャサリン「あの間に入る勇気がユーにはあるかねー…?」 エルマはハンガーの中からキャサリンが指を刺す方向にいる二人を見る 俺は大声をあげながら巨大な剣を振り下ろし次々と雪煙をあげていく 智子はそれを剣先で軌道を変えながらいなして距離を測ろうとしている 智子はどうか分からないが、俺の攻撃は一度でも間違えば体の部位の何処かが確実に吹き飛ぶような代物だ エルマ「で、でもこれじゃあトモコ少尉が!?」 ビューリング「…まあトモコを信じてやれとしか言えないな」 エイラ「おおー!凄いぞオレー!」 エイラは相変わらず他のメンバーの話は聞かずに戦いに夢中になっている中、ビューリングはハンガーから数歩前に出て タバコに火を付けて観戦し始めた 俺「はぁ…はぁ…!」 智子「もう息が上がったのかしら?」 激しい打ち合いの末俺と智子は距離を離して再び剣を構えて対峙している 俺は肩で息をしているというのに智子は肩を揺らしすらしていない 俺「ば、化け物…」 智子「これくらいは扶桑では普通よ?」 俺「はぁ…はぁ…そうかい、じゃあもう少し粘らないとな!」 智子(へぇ…そうくるのね) 俺は左足を前に出して正面に構えていた巨大な剣を両手で持ち上げ、振り上げた状態で腕を固定し、剣先を少し右斜めにして空に 向けている 俺「ふぅー…」 智子「…」カチャリ 俺「っ!」 智子の剣先が俺の喉元から左斜めになろうとした所で俺は前に出していた左足を軸にして飛び出し、 振り上げていた剣を一気に智子の左肩を狙って振り下ろす 智子「ぐぅっ!」 ギイン! 短く響く金属音がスオムスの空に木霊する 智子の左肩を狙って放たれた剣戟(けんげき)を智子は身を低くし、軍刀で俺の剣の腹に叩き合わせて無理やり自分の右側へ剣筋がそれるようにいなす 俺「まだまだああっ!」 無理やり剣の軌道を変えられた俺は力任せに今度は反対側の右斜め上から、しゃがみこんで縮こまった智子に剣を振り下ろす バァァァアアアアアアン! 振り下ろされた剣先に智子は居らず新雪が積もる地面をえぐる えぐられたその部分は土が見え、その土も若干舞い上がっていた 後方に飛んで難を逃れた智子は一度だけ肩を上下させて深呼吸する 智子「今のはちょっと危なかったわ」 俺「ふぅー…」カチャリ 智子(今度も見た事ある構えね、剣は違うけれど…) 一度目を瞑り深呼吸した俺は智子を見据えながら、左足を再び前に出し両手に持ったツヴァイハンダーの剣先を 自分の後ろへ持って行った まるで鞘に収まった刀から放つ居合いの構えの様 ビューリング「また構えが変わったな」 キャサリン「ソードを持った俺は猟奇的ねー…そう思うかねーエルマ?あれ?」 同意を求めようとしてエルマの方向を向くキャサリンだったが 見えたのはガレージの中で倒れ意識が無い状態のエルマだった ウルスラ「…途中で気絶した」 キャサリン「ちょっと刺激が強すぎたかねー…」 エイラ「なぁなぁ!これからどうなるンダ?」 智子は剣先を俺に向けて構えなおし、両者互いにジリジリと間合いを詰めていく ビューリング「多分だが次で勝負が決まると思うぞ」 エイラ「そ、そうナノカ…私には分からないナ…」 ビューリング「トモコの構えは最初から変わってないが俺軍曹の構えはトモコからみたら剣の先が見えないだろうな」 エイラ「ムゥゥゥ…とりあえず次で決まるんダナ!がんばれオレー!」 俺と智子の間合いは2メートルより長いほどまでに詰められていた そこから両者は一歩も前進も交代もせずに立ち止まり、スオムスの吹雪が固まった二人になびく 俺「…」 智子「…」 互いに呼吸をしていないのではないかという程固まっている スオムスの冷たい空気が俺や智子の息を受け取りその温度差で出る白い息でやっと互いが呼吸をしているのが分かる程度だ まるで針の上に風船が乗っているような、いつ破裂するか分からないしばしの静寂 それはほんの一瞬で破られ 俺「シィッ!」 俺は俺自身の持つ魔法力全てを使い全力で後ろに構えていたツヴァイハンダーを振りぬき 智子「っ!」 ドォオオオオオン! 大きな音と大量の雪煙を上げ、一瞬で終わった 俺「はぁ…はぁ…」 智子「ふぅー…最初から最後まで私を本気で切り伏せるつもりだったのかしら、俺軍曹?」 ツヴァイハンダーは智子の立っていた場所から右側に反れて剣先が地面に刺さっており 智子はしゃがみこんで軍刀を俺の喉元に突き立てていた エイラ「ど、ドウナッタンダ?私には見えなかったゾ…」 ビューリング「簡単な事だ、トモコは早く振りぬいた俺軍曹の剣を避けたんだよ」 キャサリン「ミーの目にも見えなかったねー…やっぱり扶桑のサムライは恐ろしいねー!」 ウルスラ「…」 エルマ「トモコしょーいが…おれぐんそうが…仲良くしてくださいぃぃぃ…」 戦っている二人と気絶してうなされているエルマを除いていらんこ中隊のメンバーは緊張から解かれたように 息を吐き出し二人から視線を外して会話をしていた 智子「私って結構恨まれてたりするのかしら?」 俺「いえ、はぁ…はぁ…、信用していたんですよ」 智子「信用?」 俺「最初構えてた時から分かりましたから、少尉にはどんなに本気を出しても勝てないって…はぁー、ふぅー…」 智子「そう…なの、ねぇ」 俺「なんですか?」 智子「あなたの剣術は一体何処から教わったの?」 俺「趣味で覚えたんですよ、本ならカールスラントにもありましたしね」 智子「そう…とりあえず剣は振れるみたいだから空でそれを使っても良いわよ」 俺「了解、はぁーへとへとだ…」 智子「だらしないわね~」 「いやぁー、凄いものを見せてもらったよ。流石は『扶桑海の巴御前』、ほんとうに美人で驚いたけど剣術にも驚かされたよ」 パチパチパチ 拍手をしながら一人の男が俺と智子のところに歩み寄る 智子「こんな所に扶桑人…?」 「ぼくは中島飛行脚の糸川衛、新鋭機と一緒に来た技師なんだ」 智子「ずいぶんと遅くに到着したのね」 糸川「運び出すのに手間取ってね、説明の前に本体を見て欲しいんだけど良いかな?」 智子は地面に座り込んでまだ息が上がっている俺を見てから糸川に誘われるように 俺に背中を向けて歩いていく 糸川「いやぁ、映画より実物の方が三倍…」 智子(俺軍曹の構え、あれは全部扶桑の剣術よね、それに修練をしている程には…) 智子は糸川の口説き文句をスルーをしながら俺の事を考えていたが扶桑の新鋭機との出会いでその疑問が頭の中から消えていった ミッケリ臨時空軍基地 ハンガー内 俺「はぁー…つっかれたぁ」 キャサリン「おつかれねーオレ」 俺「ありがと、よいしょっと…」ドンッ 俺は持っていたツヴァイハンダーを整備を終えたフラックウルフA0の隣に置いた キャサリン「しかし扶桑のサムライは恐ろしいねー、こんなでっかいソード相手にあんな小さなソードで勝てるなんて」 俺「それだけ錬度が違うって事さ。あれ、エイラは?」 キャサリン「エイラならあそこねー」 キャサリンはエイラのストライカーがある場所を指し、彼女もまたそこに俺に背を向けて立っていた 俺「メッサーシャルフの整備がまだ終わってないの…かぁ!?」 エイラの視線の先であろう場所を目を細めて見るとその先にはアホネン大尉と大尉に後ろから抱かれる格好で立っている 迫水ハルカが、なにやらけしからん動きをしていた 俺はエイラの所まで走る ハルカ「た、大尉……、なにを……。やぁ……」 アホネン「ご褒美あげよっか?子猫ちゃん。ねぇ……」 アホネン大尉はハルカの薄い胸を、その細い指でまさぐっていた 俺「こいつの居る前で、っていうかこんな大衆の前で何をしてるんですかあんた達は!」 エイラ「あ!?な、何するんだオレ!」 俺はエイラのところにたどり着いて彼女の両目を両手で塞ぎながらけしからん二人組みに抗議する 智子「そそそそ、そうよ!神聖なハンガーでな、何をしとるかぁ!」 けしからん二人組みの奥で糸川に新型のストライカーの説明を受けていた智子も抗議の声を上げるが その顔は真っ赤になっており先ほどまで凛として軍刀を振るっていた威圧感は全く無い アホネン「ちょっと子猫ちゃんの新しい装備について教えてもらってただけよ?」 俺「教えてもらうだけで何でそうなるの!というか指を止めろ!」 エイラ「オレー前が真っ暗で見えないゾー」 俺「俺が良いというまで見ちゃいけません!」 エイラ「マタカヨー…」 アホネン「ふぅん」 アホネン大尉は俺に注意された指を止める事もせずに何やら怪しい笑みを浮かべる アホネン「そんなに必死になって…貴方もしかしてハルカさんに気があるのかしら?」 その言葉にエイラの体が一瞬だけビクっと振るえ固まる 俺「なんでそうなるんだよ。常識的に考えてあっちでやれ!」 アホネン「そうねぇ、貴方にはそこの可愛らしい子が居るものねぇ…もしかして幼女趣味でもあるのかしr」 俺「俺はロリコンじゃねぇ!!」 俺は声を大にしてアホネン大尉に幼女趣味を否定すると彼女はハルカにまとわりつかせていた手をハルカの肩に移動させた アホネン「そうなの、仕方ありませんわね。さあ怖いおサルさんがいるから、あっちに行きましょう子猫ちゃん?ふふ、ふふふふ」 アホネン大尉はハルカの肩を抱いたまま、ハンガーを出て行った 俺「はぁー…人前でもお構いなしなのはこの基地ではあたりまえなのか?いやありえんだろう…そう思いたい」 俺は一人自問自答しながら両肩を落としてため息を漏らすとエイラの目を塞いでいたままだったので手を離した 俺「あ、悪い、もう良いぞ」 エイラ「…」 エイラは無言で俺に振り返って彼の眼を見る エイラ「オレはハルカ一等飛行兵曹みたいなやつが良いのか?」 俺「お前も同じ事を、ん~…」 エイラに言われ俺は右手を顎にあて少し真剣に考える その間エイラは微動だにしない 俺「たしかに迫水一等飛行兵曹は可愛いと思う…けど」 エイラ「っ!」 その言葉を聞いたエイラは無言で俺に背を向けてズカズカとハンガーから出て行こうとする 俺「あ、おいエイラ!何処に行くんだ?」 全身に力を入れてハンガーを出て行くエイラに俺はついていった ミッケリ臨時空軍基地 いらんこ中隊居室 ズカズカと歩いて居室に戻ったエイラは早々にベットのシーツに包まって横になっており 俺はそのベットに座ってどうしたもんかと微妙な顔をしていた エイラ「…」 俺「あのー、エイラさん?そこ俺のベットなんだけど」 エイラ「ソレガドウシタ?」 俺「魔法力を使い切ったから俺も横になりたいなーなんて…」 エイラ「アッチデ休メバイイダロ?」 俺「あっちって何処だよ…」 エイラ「ハルカ一等飛行平曹の所ダヨ」 俺「第一中隊のことか…?」 エイラは頭までシーツに包まり、俺の問いに答えず沈黙する 俺「なんで怒ってるんだよ」 エイラ「オコッテナイ」 俺「いや、明らかに不機嫌だろ…」 エイラ「オコッテナイったらオコッテナイ!」 顔も出さずにエイラは声を張り上げた 俺「はぁ…えーっと、迫水一等飛行兵曹みたいなのが良いかだっけか、さっきの質問」 エイラ「…」 俺「確かに可愛いとは言ったけどな、俺はノーマルだ」 エイラ「ノーマル?」 俺「普通の性癖だ、ああいいう特殊な性癖は持ち合わせていない」 エイラ「良く分からないナ…」 俺「とりあえず俺はハルカ一等飛行兵曹とは趣味が合わないって言えばわかるかな?」 エイラ「そ、そうなのカ…?」 もそもそとエイラはシーツから顔半分、鼻から上を出して俺の顔を覗く 俺「そういう事だ」 エイラ「何処にも行かないカ?」 俺「何処にもって何処に行けっていうんだよ?」 エイラ「第一中隊とか…」 俺「いや…いろんな意味で無理だろ」 俺は第一中隊の面々を想像してげんなりした顔になる エイラ「そ、そうだヨナ…」 俺「ああ、俺は此処しか居る場所がないからな 理解できたか?」 エイラ「半分くらいは…」 俺「半分かよ~…とりあえず俺は今の所エイラの所に居るぞって事だ」 エイラ「いまのところ~?」 エイラは更に顔を全てシーツから出して俺をじとーっと睨む 俺「悪いわるい、エイラの長機をこれからも続けていく所存であります」 俺は笑いながら訂正した エイラ「私達の長機はエルマ中尉だけドナ~」 俺「言わせておいて突っ込むのかよ…まあそういう事だ」 エイラ「そっか…」 それだけ呟いてエイラはシーツから出てベットの上、俺の隣に座る 俺「機嫌が良くなりましたかね?」 エイラ「イイエ」 俺「またベットを占領されるのはカンベンだぞ?」 エイラ「ならさ、コレ教えてくれよ」 そう言ってエイラは自分のポケットから17cmほどのスパナを取り出し俺に突きつける 俺「なにこれ?」 エイラ「剣の振り方ダヨ!あの時のオレはカッコよかったゾー、こうドドーンズバーンってダナ」 エイラはスパナを両手で握り締め、立ち上がって俺と智子の模擬戦を思い出しながらスパナを振るう しかしその動作はどこかぎこちない エイラ「アレ?やっぱり何か違うナ?コウカ?」 エイラは両手でスパナを振り上げて振り下ろすも納得の行かない様子なのか何度も繰り返している 俺「ああ、手が逆だよ」 俺はエイラの手を取ってスパナの下の方を左手に持たせ、上の方を右手に持たせる エイラ「な、何かこっちの方が手が逆な感じがスルナ」 俺「俺も最初はそんな気がしたよ。それでだな、振り上げたり振り下ろす時は左手だけを使って 振り下ろした瞬間だけ右手を握って力を入れるんだ」 エイラ「こ、コウカ?」ブンッブンッ エイラは言われたとおりにスパナを振るって見るもうまくいかない 俺「右手に最初から力が入りすぎてるぞ、まずは右手を離して…」 そう言って俺はエイラの背後に回り、そこから両手を伸ばしてエイラの両手を掴む エイラ(これ、さっきのアホネン大尉達みたいな格好に…~っ///) 第三者から見れば小さなエイラは俺に背後から抱かれるような形になっており エイラは何かを思い出したように顔を赤くする 俺「あ、右手に力入れるなって。こう離して、左手だけで振り上げて振り下ろす時に右手を握る」 俺はエイラの手を掴みながら振るう動作を教え続けるがエイラの顔は真っ赤になって聞いているのかも怪しい 俺「エイラ?聞いてるのか?」 エイラ「あ、ああ聞いてるぞ!」ブンッ 俺「あがっ!?」ガンッ エイラ「あ…」 ドサリ… エイラが思いっきり振り上げたスパナによって背後に立っていた俺の顔にそれが直撃し俺は倒れてしまった 俺「いてててて…」 エイラ「ご、ごめん。大丈夫カ?」 俺「ま、まあ当たったのが頬だったから…物を思いっきり振り回す時は回りに注意してな」 そう言って俺は立ち上がろうとした所に ドザザザザザザザザーーーーー! という外から雪の上を何かが激しく滑る音がして何事かと俺とエイラは窓から外を見る 俺「な、なんだ今の音?」 エイラ「あ、あそこに何かイルゾ!」 俺「ん~?」 エイラが飛行場の場所を指差したので俺は目を細めて見て見ると飛行場より奥の方の揺れている岸辺の木立の下に 雪に埋もれた智子を見つけた 俺「穴吹少尉?」 その足には俺が今まで見てきたキ27ではない別のストライカーが装着されていた エイラ「どうしたんだ!?行ってみるか?」 俺「そうだなぁ、一応行ってみるか…」 俺は疲れた体を引きずって雪に埋もれた智子の所まで走っていったが 到着する頃にはストライカーを脱ぎ、物凄い形相で大股でハンガーに戻っていく智子とすれ違い 結局駆けつけた意味はあまり無かった。 続く
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もし何かが違っていれば、違う選択肢を選んでいたら俺達はどうなっていただろう----- 1940年1月 スオムス内上空 「あーめーが振ってもきーにしーナイー」 木々が雪化粧を纏い、息が凍てつく程の寒さの中色素の薄い髪色の短髪をなびかせながら 小柄なウィッチが魔法シールドを張らずに訓練用のペイント弾を器用に回避していく 「かーぜーが振っても気ーにしーナイー」ババババババババ… シールドも張らずに回避行動を取るウィッチはその合間にペイント弾の入った スオミM1931と呼ばれる短機関銃で眼をつぶって彼女を攻撃して来たウィッチに反撃を行う 「やーりーが振っても気ーにしーn、うわあああぁぁぁあああ!?」ドカアアアアアア… 反撃されたウィッチは「はわはわ」と慌てて旋回し射程外に行ったにも関わらず 小柄なウィッチは何かに当たり撃墜されたように錐揉み回転しながら柔らかい雪の化粧を施した大地に墜落した キャサリン「またやってるネー…」 ビューリング「これで何回目だ?」 ウルスラ「…5回目」 エルマ「はわわわ…わ?」 ハルカ「か、勝ちました!勝ちましたよ智子しょーい!」 智子「はぁ…『扶桑1番』より『雪女』へ、訓練終了 補習教育中の新人二人は衝突の末墜落 両名を回収して帰等します」 赤く短い袴を着た巫女装束の穴吹智子がコールサイン『雪女』、基地の管制士官であるハッキネン大尉に任務終了の通信を喉頭式マイクで送るとコールサインの通りの冷たいような声色の返答が帰ってくる ハッキネン「了解『扶桑1番』二人を頼みましたよ」 智子「了解、じゃあエルマ中尉とウルスラ着いてきて、ユーティライネン軍曹達を回収しにいくわよ」 ハルカ「智子少尉!私もお供しますよ!」 新人ペアの一番機をただ追っているだけで撃墜した迫水ハルカ一等飛行兵曹が激しく声を上げて名乗り出る 智子「…あなたが来たら帰りが遅くなるでしょ、先に基地に帰ってなさい」 ハルカ「で、でも!智子少尉に男を触らせるなんて…!」 智子「女とか男とかじゃなくて仲間を助ける為なの、早く行って」 ハルカ「で、でもぉ…」 キャサリン「諦めるネーハルカ、午後から吹雪くみたいだから早く帰るねー」 ハルカ「わかりました…」 食いついてきた迫水ハルカ一等飛行兵曹がシュンとしながら智子に背を向けて基地に飛び出す それに合わせるかのようにエルマ・レイヴォネン中尉とウルスラ・ハルトマン曹長以外のメンバーがハルカに合わせて基地へ帰ってゆく エイラ「いったぁ…おい俺!なにすんだよマッタクー!」 俺「仕方ないだろ!この寒空と強風に煽られたらバランスを崩すって…」 エイラ「それでもカールスラント軍人なのカー?」 俺「所属に飛行能力と戦闘能力はあんまり関係ないと思うけど…」 エイラ「私はこれでもナ、お前が来るまでは撃墜どころか被弾すらしたことが無いンダ。その私を撃墜するなんてある意味才能ダゾ…」 俺「初陣もまだの新人軍曹にそれを言われてもなぁ…けどそれって褒められてる?」 エイラ「ウルサイッ!褒めるわけないダロー!さっさとドケー!」 俺「そうしたいけど雪が邪魔で俺も身動きが…」 新雪に埋もれた短髪で小柄な女の子の上に冴えない顔に高くも無い背丈の青年が覆いかぶさっており、下にいた女の子が声を荒げていると その上空から魔道エンジンの音が近づいてきて俺の体が引き上げられる ウルスラ「…おまたせ」 ストライカーユニット、He112の魔道エンジンと共に俺の体はウルスラに引き上げられる 俺「っ…手間かけさせて悪いな」 智子「全くね…スオムスでの飛行に慣れてないのは分かるけどここまで酷いと呆れるわ…」 エルマ「大丈夫ですか?ユーティライネン軍曹」 エイラ「アア…毎度の事でなれてきた気がするヨ…」 エイラと同じ軍服を着たエルマに手を差し伸べられ引き上げられる 智子「二人とも飛べる?」 エイラ「私は問題ないみたいダ」 俺「…無理です少尉」 エイラのストライカー、リベリオン製のバッファローは快調とは言いがたいがそれなりにエンジン音を上げて飛行を開始するが 俺の履いていた細身のカールスラント製Bf109-D型はうんともすんとも言わない 智子「今度やったら本当に置いて帰るわよ?ウルスラは右側を、私は左側を持つわ…それじゃあ帰るわよ」 俺「了解、オネガイシマス少尉殿…」 自分よりも多少小柄な女の子2人に担がれて回収メンバーはスオムス国内、カウハバ基地に帰ったのだが 智子が男を担いで帰った事に、基地で待っていた彼女の2番機であるハルカは激しく声を荒げていた カウハバ基地内 ミーティングルーム 智子「やっと部隊がまとまって来たと思ったらコレだものねぇ…」 ビューリング「俺の事か?」 各国の選りすぐりの人材を集めた…という建前でワケありで2級メンバーが集められた スオムス義勇独立飛行中隊、通称『いらんこ中隊』は午後の訓練の予定を吹雪の為変更して 警戒待機になりミーティングルームで俺とエイラを除いて各々好きに過ごしていた 智子「ええ…彼の存在にも驚かされたけど飛行にも驚かされるなんて…」 ビューリング「男のウィッチなんて私も初めて見たからな、驚くのも無理は無い…が」 紙巻のタバコを咥えて火を探している銀髪の長髪が眩しいエリザベス・F・ビューリング少尉は マッチを切らせているのを思い出して咥えていたタバコを箱に戻す 智子「カールスラント空軍とスオムスの新人が入ってくるって聞いて嫌な予感はしてたんだけどね…」 ビューリング「ユーティライネン軍曹は優秀だろう、だが…」 智子「俺軍曹は飛行自体が危ういと…しばらく訓練漬けにしてスオムスの空に慣れさせるしかないわねぇ ほんと、どうしてこうなったのかしら」 暢気にトランプタワーを作っているスオムス義勇独立飛行中隊隊長のエルマ・レイヴォネン中尉を目尻に 穴吹智子少尉はミーティングルームの椅子に座り、長い長髪に手を沿える形で頭を抱えながら少し前の事を振り返っていた 回想-------------- 数日前 カウハバ基地ミーティングルーム ハッキネン「お待たせしました」 スオムス義勇独立飛行中隊のメンバーが全員集められたミーティングルームの教卓のような机にハッキネン大尉が立ち 各々好きに過ごしていたメンバー達を見据える 智子「皆を集めてどうしたんですか?まさかまた大型ネウロイでも…」 ハッキネン「いや、ネウロイではありません。本日増援として2名の補充員が来る事になりました」 エルマ「急ですね~…」 ハッキネン「ええ、ですが戦力増加は嬉しい限りですよ 入ってください」 ハッキネン大尉の言葉に続いてミーティングルームの扉が開かれて2名の補充員が入ってくる 一人はエルマ中尉と同じく青い軍服を纏い、薄い色素の髪の短髪に小柄な体はそれこそエルマ中尉に似ているがその容姿は幼く、10~11歳程度に見える その姿に何か興奮しているエルマ中尉以外は普通に見ていたが、次に入ってきた人物に皆目を疑った 智子「え?」 ハルカ「なぁ!?」 キャサリン「あらー?」 ウルスラ「…男」 小さなウィッチの後に続いたのは高くない背に冴えない顔をした男だった ハッキネン「今日から配属された…」 智子「ちょ、ちょっと待って!一人男よね!?それ間違いなく男よね!?男装した女の子とかそういう事じゃなく…」 ビューリング「落ち着け智子」 キャサリン「どう見ても男ねー、男装少女に興味でもあるのかネー?」 智子「そういう事を言ってるんじゃないの!男の補充員って…整備…兵?」 ハッキネン「違います、彼もウィッチです、男性の」 ハルカ「ええええええ!?」 ハッキネン「ユーティライネン軍曹、俺軍曹、皆に紹介を」 ハッキネン大尉に促されて、幼く見える少女が先に身を一歩前に出て敬礼と共に自己紹介をする エイラ「エイラ・イルマタル・ユーティライネン、スオムス空軍軍曹ダ」 エルマ「今度こそ…今度こそ普通そうな子ですよね…特殊な趣味のない少女ですよね…」ブツブツ ハッキネン「どうしたんですかエルマ中尉?」 エルマ「いえっ!?何でもありません、すみません大尉…」 ぶつぶつと独り言を喋るエルマ中尉はハッキネン大尉の言葉に、身を縮こませてミーティングルームの椅子に座る それを確認してからハッキネンはエイラの隣に立っていた男のウィッチに手のひらを見せるようにして 次どうぞ という合図を送る その合図を見た男性ウィッチは一歩前に出て敬礼し自己紹介をする 俺「カールスラント空軍所属の俺軍曹です、歳は18、原隊はカールスラント空軍第27戦闘航空団です宜しくお願いします」 智子「カールスラントから?でもウルスラが居るし…まさか交代なんて言うんじゃ」 ハッキネン「その心配はありません、彼は純粋な増援としてカールスラントから派遣されてきました…というより ユーティライネン軍曹と俺軍曹はスオムスのインモラ基地からの異動です」 ビューリング「元々は別の基地への派遣員だったって訳か」 キャサリン「ウルスラー、27戦闘航空団ってどこねー?」 ウルスラ「…多分前線部隊」 智子「前線部隊にいたウィッチ…それは楽しみね、単純な戦力増加は嬉しい限りだわ!よろしくね二人とも!」 回想オワリ--------------- 再び現在に戻ってカウハバ基地ミーティングルーム 智子「前線部隊に居たって聞いて期待した私が馬鹿だったわ…補習教育も終わってない新人なんて… そうよね…ここに送られてくる子ってみんな…ふふふ」 ビューリング「お、おい、戻って来い智子…」 乾いた笑いを上げる智子に 常に冷静な声のビューリングが少しだけ焦りを纏った声で彼女に呼びかける 智子「それで、問題児は今どうしてるかしら?」 ビューリング「自分のストライカーを自分で壊したからって言ってハンガーで治してる最中だ」 智子「行動はまともなのに戦闘ではダメって扱い辛いわねぇ…」 ビューリング「そう言ってやるな、ようは慣れの問題だ。スオムスの空に慣れれば戦力になるだろう」 智子「そうかしら…」 カウハバ基地内 ハンガー内 俺「さみぃ…火気厳禁ってのは分かるけどこの中で整備し続けたら凍死するんじゃないか…?」 厚手の防寒服を手袋からハーフズボンまで完備し、自分で壊してしまったBf109のD型を治している 俺「壊れているって言っても多少曲ったりとかしただけだしなぁ…えーっと…あれ、マニュアル何処に行ったっけ」 エイラ「これダロ?」 暖房すら無くスオムスの肌が切れそうなほど寒い風が入らないように締め切られたハンガーの中、 俺の背後から防寒服を着込んだエイラがストライカーのマニュアルを彼に差し出した 俺「ありがと、どうしたんだこんな所で?」 エイラ「私を撃墜したその顔を恨めしそうに見てやろうかッテナ」 俺「見るのは良いけど邪魔はするなよ?」 エイラ「どうしよっかナ~」 俺「悪かったって…邪魔されたらこの寒すぎるガレージに引き篭もる事になるんだから…」 げんなりした顔で悪戯顔をしたエイラを見る俺の背中に甲高く嫌味たっぷりな声がかけられる 「貴方が噂の男性ウィッチなんですの?貧相な顔立ちですわね」 俺「ん?」 エイラ「ゲッ…」 「ウィッチと聞いてどれほどの物か見に来ましたがとんだ期待はずれですわね」 振り返る俺とエイラの目に映ったのはウィッチであろう少女達に囲まれ、ロールされた髪をなびかせた青い軍服を纏った少女 アホネン「申し送れました、私ミカ・アホネン大尉ですわ 私の第一中隊の足を引っ張らないようお願いしますね」 俺「アホ…ネン?…プッ…」 エイラ「どうした俺?」 俺「いや…なんでも…くく…」 小声で呟いた俺の声が聞こえなかったのかアホネンは俺が何故笑っているのかは分からないが 不快感を感じたのか最初から悪そうだった機嫌が更に悪くなる アホネン「上官に対して失礼ですわね!カールスラント軍人と聞きましたが躾はなってないのかしら?」 俺「いえ…くく…失礼しました大尉殿、俺軍曹です 隊に貢献できるよう精進します」 アホネン「そうね、新人のように何も無い所で墜落しないように頑張って頂戴 あと私の妹達に手を出したら…ただじゃおきませんわよ」 エイラ「妹達って…その後ろに居るノカ?」 アホネン「ええ、私の可愛い妹達…この神聖なウィッチ隊に殿方が加わるなんて我慢なりませんが命令では仕方ありませんからね」 エイラ「…俺が居るのは独立飛行中隊なんだケドナ」 アホネン「何か 言 い ま し て ?」 アホネンは複数のウィッチに囲まれながら手を腰に当て前のめりになりエイラに強く言い、その剣幕にエイラは少し下がる エイラ「な、なんでも無いんだナ…」 アホネン「よろしい事で、それでは行きますわよ私の可愛い妹達」 はい、お姉さま とそれぞれ声を上げて去ってゆくアホネンに着いていく彼女の取り巻き達 適度に去っていった所で俺はエイラにこう切り出した 俺「エイラ、スオムスではああいうのが主流なのか?」 エイラ「イヤ…アレはアホネン大尉の趣味ダロ…」 俺「そうか…」 自分をお姉さまと言い聞かせる人種を初めて見た俺はあまりの物珍しさに呆気に取られていたが すぐにBf109、メッサーシャルフD型の整備を思い出してアホネンを見てげんなりしていたエイラから マニュアルを取り上げて整備に取り掛かった カウハバ基地 下士官の部屋 夜 俺「ただいまっと…」 スオムスの雪が横殴りに吹雪く夜、俺は割り当てられた部屋へと戻る エイラ「オカエリー」 俺「なんだ居たのか」 エイラ「なんだはナイダロ…ここは私の部屋でもあるんだからナ」 俺「前のインモラ基地では部屋はバラバラだったのにな」 エイラ「この基地は何処の部屋も一杯みたいダナー」 俺「まあ俺がここに突っ込まれる位だからなぁ…」 俺に割り当てられた部屋は下士官が集団で寝泊りする部屋 つまり元々は迫水ハルカ一等飛行兵曹とウルスラ・ハルトマン曹長に割り当てられた部屋だったが 俺が来た事でハルカそれを理由には智子の部屋に滑り込み、ウルスラはキャサリンの部屋に連れて行かれ 今は俺とエイラだけが使っている エイラ「ハーレムじゃなくて残念ダッタナ」 俺「どこでそんな言葉を覚えるんだ…まだ子供だろうに…」 エイラ「ナ、ナンダトー!?」 子供という言葉に反応したのか、色素の薄い髪色の短髪が逆立つような勢いで今だ小さく幼い体をつま先まで ピンと伸ばして俺に抗議する 身長は低い方の俺だがそれより小さいエイラには背伸びしても追いつかない 俺「ハイハイ、怒らない怒らない」ナデナデ… エイラ「子ども扱いスンナー!」 俺「そうして欲しかったらもう少し成長するんだな~」 エイラ「ぐぬぬ…」 俺「そうだな、エルマ中尉位になったら大人だって認めてやっても良いぞ?」 エイラ「エルマ中尉くらい…」 俺よりは身長も低くエイラとしても追いつきやすそうな対象のエルマ中尉を想像して エイラ「アレくらいの胸が良いのか?」 俺「ぶっ!?」 身長や性格ではなく胸を対象にエイラは比べていた エイラ「意外とありそうだナ~」 俺「胸の話じゃねぇ!!」 エイラ「身長もソコソコでアレくらいのバランスなら丁度俺好みと…後でエルマ中尉に教えておいてヤルヨ」 俺「やめてくれ…俺のここでの肩身が狭くなってしまう…」 エイラ「私を子ども扱いしないって誓ったら良いぜ?」 俺「分かった、分かったから…子ども扱いしないよ」 エイラ「判ればよろしい」 エイラは勝ったとばかりに優越感に浸っているのか今だ成長が見えない胸を張って誇らしげだ 俺「今日も訓練でくたくたなのに余計な体力を使った気がする…」 エイラ「オツカレサマ」 俺「お前のせいだろ…もう寝るぞ」 飛行訓練にげんなりして、ハンガーでげんなりして、そして夜の自室でもげんなりした俺はよろよろと自分の寝床… とはいっても空いているハルカやウルスラが使ったベットを使うのに抵抗があったため、シーツに丸まって地面に寝転がる エイラはそんなの気にせずに彼女達どちらかが使っていたであろうベットに滑り込み部屋の明かりを消す 俺「…?」 部屋を消し、心なしか明かりを消す前よりも静かになった部屋に隣の部屋から声が聞こえる 「智…尉、約束通り…」 「いらっ…い、私…可愛いいも…」 ウギャー、アホネンタイイ!?ドウシテココニ! ソンナコマカイコトキニシナイノ ショーイ!ヤクソクガチガイマストモコショーイ----! 俺(一体何なんだこのカウハバ基地は…) 続く
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「これが例のウィッチですか…男ですよ」 ウィッチ?何のことだ? 「私のストライカーに触るな!」 なにも殴る事ないだろ… 「あいつが例の国籍の無いウィッチ?気味が悪いわね」 放っておいてくれ 「貴様のようなどこぞの馬とも分からない者に命を預けられるか」 好きでやってるんじゃねえよ!なんなんだよ!カールスラント軍人ってのは皆そうなのかよ! 「仲間を守る為だよ、軍曹」 わからねぇよ!なんで銃を向けられなくちゃならねぇんだよ! どうしてこうなったんだよ、教えてくれ!どうして、どうしてだ! 「今日からお前の上官のアドルフィーネ・ガランドだ、ようこそJG27へ お前は私の希望だ」 希望?なんのことだよ… 「大丈……私…仲間だからナ…」 …エイ…ラ? ミッケリ臨時空軍基地 深夜 いらんこ中隊居室 「うう…何の事だ…放っておいて…」 エイラ「んぅー…?」 翌日の出撃に備えていらんこ中隊の面々が寝ている中、エイラはうめき声に起こされたのか 目を擦りながら声のするほうを向く エイラ「…オレ?」 ハルカを挟んで隣にいる俺のところまで歩いて様子をみる エイラ「うなされてるノカ?」 エイラから見れば見た事の無い苦痛の表情で俺は低い声で唸っている エイラ「…」ゴソゴソ エイラは今だ覚醒していない頭で何かを考え、俺の布団に入る エイラ「悪い夢を見てるのかオレ?大丈夫ダゾ、私がいるからナ、大丈夫ダゾ…」ナデナデ 18歳の体格だけ見れば大人の俺に大人にも満たない幼いエイラに撫でられ、俺は少しだけ険しい顔が緩む エイラ「大丈夫ダゾ…私達は仲間だからナ…」 エイラ(初陣は頼りっぱなしだったカラナ…コレくらいはなんて事ナイカラナ、これで貸しはナシだから…ナ…zzz) 半覚醒状態から再びエイラは俺の顔を抱えて眠りに落ちた ミッケリ臨時空軍基地 早朝 いらんこ中隊居室 俺「んむぅ~ぅ…、なんか嫌な夢でも見た気がする。あのクソ猫の夢で…も…?」 目を開けたにも関わらず光が入ってこない事に違和感を覚えた俺は顔を後ろに下げる 俺「…エイラ?なんで俺のベットに?」 朝日が出そうなのか空が夜の黒から灰色になりかけた早朝の為いらんこ中隊の面々は未だに眠っている エイラに顔を抱かれる形で寝ていた俺は微妙にしつこくないが甘ったるい香りに再び眠りそうになる 俺「ってまずい、こんな所穴吹少尉に見られたら俺の首が吹っ飛ぶ…とりあえずエイラをベットに戻すか」 エイラ「んやぁ…」 俺のベットで一緒に寝ていたエイラを抱え、彼女を自分のベットに戻すために歩く その途中にハルカのベットがあったがハルカ本人はそこには居なかった 俺(昨日アホネン大尉に連れて行かれたままだっけか…何も無ければいいけど…よっと) エイラ「んん~…」 エイラをベットに戻し、シーツをかけてやる 俺「幸せそうな寝顔だ、けどどうして俺のベットに…?確か夢でエイラを…」 先ほどまで見ていた夢の事を考えていると首筋に冷たいものがあたる 智子「何をしてるのかなぁ~俺軍曹?」 俺「へっ?」 寝巻きに身を包んだ智子が俺の背後に立ち、そこから俺の右首筋に軍刀の白羽を当てていた 智子「変な事をすればどうなるかは知ってるでしょう?」 俺「し、知ってますが誤解デスヨ…?」 智子「ならどうしてユーティライネン軍曹のベットの隣にいるのかなぁ~、俺軍曹のベットはそっちでしょう?」 俺「こ、こいつのシーツがはだけてたからデスネ…も、戻したわけデスヨ!」 智子「ふぅ~ん」 俺(いつの間にか俺のベットに居たなんて言ったら…コロサレル!) 殺気に満ちた背後の人物に振り向かずに答えながら俺の両手は挙げられていた 智子「まあいいわ、でも変な事をすれば今度はこの刀を引くわよ?」 俺「りょ、了解でアリマス…」 それだけ言って智子が静かに自分のベットへ戻るのを確認した俺は力なく両手を下ろし安堵の息を吐く 俺「はぁ~…助かった…あれ?何の夢見てたんだっけ」 う~ん、と考えていたが思い出せるものでも無いので 俺「ま、いっか」 とりあえず開き直り再びベットに入って睡眠をとることにした ミッケリ臨時空軍基地 臨時滑走路 俺「おーい、エイラ、大丈夫か?」 エイラ「ムムム、ムリダナ…」プルプルプル… キャサリン「まるで生まれたての子鹿ねー…」 凍った湖の臨時滑走路でバッファローを装備したエイラは 60キロ級の爆弾を抱えてプルプルと震えている ミッケリ臨時空軍基地にいる全隊員はスラッセンに駐屯しているネウロイへの爆撃任務の為に 各々の部隊で出撃準備を取っていた エイラ「ど、どうして爆弾をもつ必要があるンダ!?爆撃中隊も居るノニ」プルプル ハッキネン「少しでも投下する鉄量を増やすためです」 俺「シュツーカ部隊は120キロ級の爆弾、かたやこっちは60キロ級ですよ?」 キャサリン「爆撃効果はあまり望めないねー」 ハッキネン「我々の目的は敵航空兵器を撃墜する事ではありません敵地上部隊を撃滅する 事が市場名目です。わずかな可能性にも懸ける必要があります」 エルマ「で、でも!」 ハッキネン少佐に食い下がるいらんこ中隊のメンバーを智子は遮った 智子「わかりました、でも一つだけ条件をください」 ハッキネン「条件とは?」 智子「新人もいます、これ以上爆弾を抱えてたら危険だとわたしが判断した場合の 爆弾投機許可です。」 ハッキネン「…わかりました。わたしだって貴重な機械化歩兵をこれ以上飛行停止処分に したくは無いですからね 任務と新人達を宜しくお願いします」 俺「…爆弾装備は必須らしいな」 エイラ「ムーリーダーナァああああああ!」 エルマ「見た目だけ見ればユーティライネン軍曹のストライカーのほうが力があり そうなんですけどね~…」 キャサリン「逆にオレのストライカーが細すぎるねー、交換したほうがいいんじゃないかねー?」 俺「う~ん…言われてみれば」 エイラのストライカー、バッファローはキャサリンのグラマラスなふとともにはぴったりだが エイラの細い足では隙間でもあるのではないかというほどにミスマッチだ それに比べて俺のストライカーBf109Dに入っている俺の脚は窮屈そうに見える ビューリング「今交換して慣れない機体で飛ばれても困るからな」 エイラ「うううぅ…」プルプルプル… 俺「そういえば昨日から迫水一等飛行兵曹が見えないけど…」 そう思ったのは智子も同じだったようで、彼女が先にハルカを見つけて声をかけていた 智子「ハルカ、何してるの?こっちに来なさい」 だが智子の呼びかけにハルカは答えず、代わりにBf109E型を履いたアホネン大尉が 歩いてきて答える アホネン「ハルカさんは私の中隊に頂く事にしてよ」 智子「んな、なんですって!」 俺(昨日居室に戻ってこなかったのはアホネン大尉が離さなかったからか…) アホネン「あなた、ハルカさんにこういったそうですね、私の列機失格だわ、なんて」 智子「そりゃ言ったけど、それはやる気を出させる為というか…」 俺「…本気ではなかったのか」 少しだけ安心する アホネン「おだまり。そんな冷たい分隊長に、こんな妖精みたいに可愛らしいハルカさんを 任せられませんわ。したがってわたしが預かります、いいわね?」 アホネン大尉に肩を抱かれ連れられてくハルカ 彼女は一瞬だけ立ち止まって気まずそうに智子を見つめた 先日図書館でアホネン大尉に連れられた時の顔と同じだ… 俺「良いんですか?迫水一等飛行兵曹も多分もど…」 智子「あっちのほうが頼りになるから行ったんでしょ!好きにさせるわ! ほら新人二人早く爆弾持って!出撃よ」 俺「本当に良いのですかねぇ…」ボソッ 智子「何か言った?」 俺「何でもありません、了解 俺軍曹出撃準備に入ります」 キャサリン「あ、オレー、これ渡しておくねー」 俺「なんですコレ?」 キャサリン「私からのプレゼントねー」 俺「はぁ…どうも」 爆弾を装備した俺の腰にキャサリンに何か巻きつけられるが 流石に爆弾をもったままでは確認する余裕が無かったので感謝だけしてエルマ中尉に続いて離陸を始めた スオムス上空 エルマ「俺軍曹、大丈夫ですかー?」 俺「こっちは大丈夫ですエルマ中尉」 エルマ「ユーティライネン軍曹は…」 エイラ「ムムムム…」 俺「通訳すると大丈夫らしいです」 エルマ「そうですか~」 エイラ「ムリダナって行ってるだろオレエエエエエエエエ!」 俺とエイラはいらんこ中隊の隊長であるエルマ中尉の後ろに入り三機編隊(ケッテ) キャサリン「がんばるねー!」 ウルスラ「…」 キャサリンの後ろにウルスラが飛ぶ形で二機編隊(ロッテ) ビューリング「トモコ、不安なのか?」 智子「作戦どおりにやれば大丈夫よ」 智子の後ろにビューリングが飛ぶ形で二機編隊(ロッテ) ビューリングの問いに智子は親指を立てながら答えていらんこ中隊は高度5千第一中隊の後方、シュツーカ部隊の前方の中間で雲の下からスラッセン上空目指して進行している しばらく飛んでいると先頭を飛んでいた第一中隊から無線が入る アホネン「敵機発見、これより攻撃にうつりますわ」 中隊に緊張が走る 駄々をこねていたエイラも黙り込み前方を見る 智子「距離はまだ先だけどあの形…ラロス改(戦闘機型)が20ね…」 俺「ラロス…改?」 エルマ「最近出没した新型のネウロイですね、普通のラロスよりも速度、旋回性能も高くて防弾装甲まで持っているんです…」 俺「そんなのが20も…」 護衛任務でいらんこ中隊の先頭を飛んでいた第一中隊は上昇を開始して攻撃態勢に移ろうとしている その様子を見てアホネン大尉達が全機撃墜するのを祈るのみだと思った矢先 智子<扶桑1番、先行します!> 智子は自分のコールサインを無線で名乗りながら魔道エンジンを吹かして第一中隊の前に出る エルマ<き、危険です智子少尉!> 智子<エルマ中尉!僭越ながら指揮をとらせて頂きます、全機わたしについてきて> 俺「マジかよ…カールスラント2番了解」 エイラ「す、スオムス2番リョウカイ!」 智子<中隊、緩降下!> 智子がラロス改編隊20機とすれ違う所で緩効果を開始し、いらんこ中隊もそれにならう ブゥウウウウウウウン 俺の上をラロス改が通り過ぎ、少し遅れて風が爆弾を持った彼の体を揺さぶる 俺「あぶねぇ!…というかこんなふらふら飛んだ状況じゃ」 エルマ「ぜ、全部こっちに向かってます!きゃあ!きゃあああああ!」 智子「いいのよ!このまま低空に逃げます、編隊を崩さないで!」 ラロス改20機が背後で旋回する中、いらんこ中隊は大雪に覆われた地上スレスレまで高度を一気に落とす キャサリン「このままじゃ全滅ねー!」 キャサリンが言うのが早いかラロス改編隊は距離300まで迫り牽制射撃を開始する 智子「高度15メートル…ラロスをもう少し引き付けて…もっと来なさい」 エイラ「うおおおおぉぉ!?当たりそうになっタゾ!」 一番ふらふらとしているエイラに射撃を集中しようとラロス編隊はより接近した所で 無線で指示が入る 智子<中隊!爆弾投下!> 智子の指示で、やっと重しと別れる事が出来る、そんな気持ちで俺は地面に爆弾を 投げつけた エイラは何も考える余裕が無かったのか爆弾をただ離す ボウン!ボウン!ボウン! 中隊の人数分だけ爆発が上がりエイラを狙っていた敵編隊は爆発に巻き込まれ その後ろにいた敵は爆風でバランスを崩しいくつかが積もっていた雪をえぐり地面に衝突する 智子<私とビューリング、キャサリン、ウルスラは左旋回 エルマ中尉の小隊は右旋回!> エルマ「りょ、了解!」 爆弾が爆発した事によって雪煙が背後で舞い上がりながらエルマは右旋回行動に移る エイラ「し、心臓に悪いンダナ…」 俺「それは俺も同意だな…くっ!」 先頭を飛ぶエルマについていこうとする俺だが完全にエルマのルートをトレース出来ずに 若干コースから膨らむ 俺(頼りなくても流石先任ってだけはあるのか…エルマ中尉の反応が早い…いや俺が遅いだけか?) エイラ「まだ残りがイルゾーここからどうするんだエルマ中尉ー!」 ] エルマ「さっき渡した拳銃をつかってくださいー!」 エイラ「リョーカイ!」 雪煙でいらんこ中隊を見失ったのか残った敵編隊は反応が遅れて背後を取られ 攻守の立場が逆転する 俺「さっき?俺は何にも…」 キャサリン<オレー、さっきミーがプレゼントしたのを使うねー> 俺「さっき?たしか出撃前に」 目の前に3機のラロス改を捕らえたエルマ小隊は俺を除いて9mm拳銃を至近距離から 撃ち始めている中 無線でキャサリンに言われて俺は腰に手を回す 俺「拳銃か!?ありがとよ、キャサリン少尉!」 キャサリン<ノ~プロブレ~ム~♪> キャサリンから出撃前にプレゼントされた腰のホルダーから銃を取り出し咄嗟にトリガーを引く バオオオオオン! 俺は銃の反動で転げそうになった 俺「いってぇ・・・!ってこれリボルバーかよ!」 俺が手にしていたのは6連装の45口径リボルバー、中身はマグナム弾らしく 拳銃には似合わない反動が俺の手を未だに痺れさせる 俺「っていってもコレしかないし…」 エルマ「一機撃墜しましたー!」 エイラ「こっちも一機撃墜ダ、やったぞオレー!」 俺「エイラまで!?まじかよ…逃がすか!」 エルマとエイラは各々ラロス改を1機づつ撃墜し、旋回して逃げようとする残った一機を同じく旋回して追う その最中、後方雲の下あたりを飛んでいたシュツーカ部隊の先頭、ルーデルと目が合った 俺(…常に見てるってか) 『軍曹が変な動きをすれば貴校をためらい無く撃つ、それだけは忘れるな』 ルーデルの言葉が脳裏を過ぎり、両手で45口径リボルヴァーを構え連射する 俺「…いいぜ、見てろよ!」 野太い銃声が5発続いた所でそれは鳴り止む ラロス改には3発の弾痕が左翼に残っているが未だに飛び続けて、機体を水平に保とうとしている 再び上昇されればスペックの差で逃げ切られてしまう そう考え俺は空になったリボルヴァーを腰のホルダーに戻し、Bf109Dのスロットルを開けてありったけの魔力を注ぎ込んだ 俺「逃がさねぇよ!うぉおおおおおおおおおおおおお」 バンッ! 俺のBf109Dの翼下にある排気口から鋭い爆発音と共に一気に加速する 低空でのダッシュ力は重いラロス改よりも軽いBf109Dに軍配が上がり、ラロス改との距離を0距離まで積め 俺「おおおおおおぉぉぁああああああ、ぶっっっこわれろおおおおおおおおお!」 ガァオオオオオオオオン! 俺は弾痕の残るラロス改の左翼に思い切り右拳を叩きつけ、防弾装甲を施している敵の翼は折れ、ラロス改は回転しながら地面に叩きつけられ爆散した キャサリン「ほわーつ…オレが拳でラロスを撃退したねー」 エルマ「ええええええ!?」 ウルスラ「…」 俺「はぁはぁ…一応これで俺も撃墜1って事で良いんですかね?エルマ中尉」 エルマ「た、多分そうだと思います!」 エイラ「やったなオレ!私達の初勝利ダゾー!」 エルマ小隊とは別行動だった智子小隊とキャサリン小隊が合流して高度15メートルから徐々に高度を上げる ビューリング「まさか拳でネウロイを倒すとはな…」 智子「出来れば銃で倒してくれれば安全なんだけどね…とりあえず作戦はうまく行ったわね!」 ビューリング「ああ」 いらんこ中隊は勝利に高揚とした気分を感じながら進路を基地へと向ける 俺「これでも俺を撃つのかよ、ルーデル大尉」 俺は撤退進路を進みながらラロス改を撃墜した右拳をルーデルへ向けた ルーデル「アーテルハイド、あの連中やるじゃないか」 隣を飛ぶ彼女の薔薇を凍らせたような美貌を持つ有能な副官に言った アーテルハイド「驚くに値しません、カールスラント戦線で扶桑皇国の義勇兵達は カールスラント空軍軍人に劣らぬ戦果を上げております」 ルーデル「知っている、私は肌の色で能力を判断する習慣は持ち合わせていない」 アーテルハイド「ではなぜアナブキ少尉にあのような事を?」 ルーデル「沸点を知りたかったのだ。機械化歩兵には冷静な判断力が大切だ 少し沸点は低いようなので心配したが面白い事をやってくれるな、あの少尉は」 アーテルハイド「しかしあの中隊の中には男の機械化歩兵が居ると聞きます」 ルーデル「それがどうした?」 アーテルハイド「男の機械化歩兵は国籍を持たない者だと部隊の皆は噂しています」 ルーデル「アーテルハイド、前線での根拠のない噂は際限が無い 気にするな」 アーテルハイド「ですが彼はカールスラントの軍服を」 ルーデル「実際にそうだとして奴はここスオムスに居る、カールスラントに影響は無い 貴官は噂を気にしすぎだ あの男の戦いぶりは見ただろう」 アーテルハイド「拳を敵に叩きつける、正気の沙汰とは思えません」 ルーデルはこちらに右拳を突きつける男の機械化歩兵をみて微笑を浮かべる ルーデル「馬鹿なんだよアレは、馬鹿に器用な事など出来はしないさ」 アーテルハイド「その言葉には同意します」 ルーデル「とにかく、あの連中は見事に自分の仕事を果たしてのけた。さて、 我々の仕事をしようじゃないか」 アーテルハイド「了解しました」 ルーデル「よろしい、シュツーカ中隊、私に続け!」 ルーデル率いるシュツーカ中隊ははV字編隊を維持したままスラッセンの街に侵入し爆撃を開始した 続く