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人類の黄金時代とも呼ばれるスターリーグの時代は、2571年にインナースフィアの五大家がテラン・ヘゲモニーのキャメロン家と手を結び、スターリーグを創設したことから始まった。見事な外交と軍事的狡猾さの結果、スターリーグはインナースフィアの6大国家を1つの国家連合に統合した。しかし、スターリーグは大国間の戦争を終結させたものの、結成後最初に着手したのは、リーグに反抗する周辺諸国に宣戦布告することだった。 全人類をひとつの支配下に置くという理想に突き動かされたスターリーグ軍は、周辺諸王国との再統一戦争を開始した。最終的に勝利したスターリーグは、200年以上にわたって争うことなくすべての世界に君臨した。キャメロン家の指導とスターリーグ防衛軍(SLDF)の絶え間ない監視の下、スターリーグは比較的平和で繁栄した時代をもたらし、人類文明の頂点を極めた。 しかし、他の大帝国と同様、スターリーグもまた滅びる運命にあった...。
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Flash黄金時代 概要 FLA板が終わった事を認識し、1999-2007年ごろの、Flashが素人制作のウェブコンテンツとして有名だった頃を懐かしむ言葉。 ニコニコ動画で昔のFlashアニメがアップロードされる際、付けられたタグからこの言葉が生まれた。 黄金時代終焉の時期については、「のまネコ問題まで」や「ニコニコ動画開設まで」など諸説ある。 詳細はFLA板終わったなを参照。 2007年10月、ニコニコ動画にswfファイルをほぼそのままアップロードできるようになった。 これを受けて、カギ氏はFlashムービー制作者の時代が再び訪れるであろう事を予言しているが、それはFLASH製作者各自がどうにかしなければならない問題である事には違いない。他力本願などもってのほかだ。ポッケムキ!
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このサイトは下記の場所に移転しました。 http //www25.atwiki.jp/unno/(トップページ) http //www25.atwiki.jp/unno/101.html(ニューヨーク黄金時代)
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第一期黄金時代~Odyssea創成の物語~ 第一合唱 「Welcome to the changing world」 魔界第0番地区、通称「オーゼイユ街」 川から立ち上がる腐臭、急坂だらけの道筋、崩壊寸前の家並み、寡黙で無関心な住人が特徴の無法治安地帯。 そこで生まれた魔界人の少年「リタロウ」。ただ生きるだけの日常に退屈を感じたところから物語は始まった。
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黄金時代(前編) ◆qwglOGQwIk 鷹の名を冠する銀髪の男、グリフィスは剣を手に入れた。 鷹の持つ剣はキャスカが持つ殺傷のための武器ではなく、覇道へと突き進むための道具。 彼の終わらない夢想するのために存在するもの、それが鷹の団であり、その要であるキャスカ。 望むのは夕焼けの小道の空に浮び、そびえる高き高き城。 その場所に至るためには決して抗えない身分という壁が存在し、彼の手中に収まることを応としない王者の標。 鷹は自分の全てを賭け、夢をその手に掴むために飛び続けてきた。 それは今も変わらない。 甘美な果実に手を出したばかりに、決して消え去るはずが無かった大火傷を負ったこともあった。 その大火傷は鷹の翼を完膚なきまでに叩き折り、終わらない夢へ続く覇道への道を消し去った。 夢を失い、翼を失い、足を失い、空を失った鷹には何の価値も存在しないことを、鷹自身は自覚していた。 そして鷹は夢見ることを止め、自分を焼いた果実への思いをただ募らせるだけだった。 それよりも屈辱だったのは、自分に仕える仲間達が投げかける目線が、失望という名の嘲りだったから それが……それだけがどうしても我慢できなかった。 だが何の因果か、鷹は今ここにある。失ったはずの全てを取り戻すために 鷹は失った体を取り戻し、失った剣を取り戻し、そして今永遠に失われたはずだった夢への覇道を取り戻した。 全てが終わりかけた時は終わりを告げ、鷹は更なる全てを奪還するべく突き進む。 ずっとずっと忘れていたはずだった終わらない夢は、剣の輝きの中に埋もれていた。 「グリフィス……ホテルの中にガッツが居た」 「ガッツ…………」 それはなんともいえない魅力を持っていた玩具で、ただ目の前に転がっていたから拾っただけの物だった。 ただの玩具だったはずのガッツは時を経るにつれて日増しに輝きを増し、彼にとって無くてはならない存在になった。 彼の拾ったそれはただの玩具であろうとした事に肯とせず、手元から消え去ろうとしていた。 鷹が救い上げたそれはもう唯の玩具でなく、決して離すことの出来ない禁断の果実へと変化していた。 そして彼は甘い甘い林檎の味を忘れられず、終わらない夢を見ることを止めた。 「グリフィス、この剣を持っていってくれ。……ガッツは強い、あのときよりもずっとずっと強い」 そして彼の剣、キャスカから重厚な騎士剣が渡される。伝説となった王様の剣、エクスカリバー。 「キャスカ、ガッツのことは俺に任せろ。俺が何とかしてやる」 「ああ……、グリフィス……頼む」 ――ガッツ、ガッツ、俺の心を狂わせる友よ。俺はお前のことが………… 彼の手元を滑り落ちたガッツ、彼の心を焼き焦がした禁断の果実。 この心を、身を焼かれて今なお、求めて止めない存在。 それはもう決して彼の元へと戻らない。だから壊す、この手で壊す。壊して忘れる。無かったことにする。 鷹は騎士剣を手に携え、もう片方には短機関銃が手に取られる。 グリフィスはもういつ崩れ落ちるかも分からないホテルへと歩みを進める。 建物からは瓦礫の落ちるカラカラという音、建物を支える支柱が順番に崩れ落ちる音がする。 彼の選択は明らかな愚策ではあるが、友を自身の手で壊すという感情に突き動かされ進む。 ――大丈夫、もう二度と失敗はしないさ。俺の夢は唯一つなんだから………… 彼の歩みは唐突に止まった、後ろには甲高い金属音。 バタンという音がして、それきりホテルの胎動に飲み込まれて消えた。 後ろを見れば、そこにはキャスカが倒れていた。 左足の傷だけでなく、この一日が始まってからの戦いで蓄積し続けていた傷、疲れによって彼女は満身創痍であった。 あげく聖剣の真名を二度も解放したのだ、力の消耗に耐え切れずその場で死んでいても何もおかしくは無かった。 にもかかわらず彼女の意識を止め続けたものは、彼女が辛抱して止まない剣の主グリフィス。 鷹だけでなく彼女の心にも大きな存在を占めていたのはその男、ガッツ。 彼女が倒れることを拒み続けた二つの存在、ガッツとグリフィス。 心を支え続けた天秤の重りをグリフィスに預けた時、支えを失った体は倒れざるを得なかったのだ。 瓦礫の下に男は居た。ガッツが瓦礫に埋もれるのはこれで二度目である。 エクスカリバーの真名開放による破壊がガッツとともに建物を支える支柱を破壊した。 最強の聖剣はガッツの体を全て焼き払うだけの力は存在したが、今現在五体満足で彼が存在するのはキャスカの消耗ゆえだった。 顔、そして鎧に覆われていない手足の表面は聖剣による大火傷をもたらした。 ガッツの体を押し付ける瓦礫は先ほどよりも幾分少なく、彼の卓越した靭力ならばすぐにでも起き上がることも可能である。 彼がそれをできない、しない理由。それは彼の手元を離れていったキャスカであった。 男が拒まれたことはあった。陵辱されたキャスカにとっての男というのは恐怖するべき存在であった。 キャスカはグリフィスのことを慕っていた。キャスカだけではなく、鷹の団はグリフィスという存在があるから成り立っていた。 ガッツの心を打ち砕いたのは、彼の目に映った正気のキャスカがガッツを拒み、グリフィスの元へ舞い戻ることを選択したこと 彼女の慕い、みんなが慕い、眩しくて魅力的だったグリフィスはあの蝕の夜に全てを裏切っていったのに 鷹の団最後の生き残りであるガッツ、キャスカ、リッケルト。 誰よりも身を粉にして獅子奮迅の働きをして団長代理として鷹の団を支え続けたキャスカ。 ガッツにとってのキャスカは鷹の団の最後の旗印であり、帰るべき居場所であった。 帰るべき居場所は、彼の心を憎しみの暗黒に染め上げた鷹が浚って行った。 「ふざけんじゃ……ねえぞおおおおお」 怒声とともに瓦礫を跳ね飛ばし、大剣を手に男は立ち上がる。 立ち上がる男に呼応するかのごとくホテルは地鳴りを上げて、もう長くは持たないだろう事を告げる。 チッ……、もう長くは持たねえな。戻るか……、進むか。 みさえとの契約もあるし、様子を見てやらないとマズイな……。 が、戻ったらキャスカを見失っちまう。…今ならまだ間に合う。 どうする、どっちを選択する……? ――ガッツはキャスカの傍にいてあげるべきだよ。それで、一緒に暮らそうよ。 ……そんなこと言ってたのはリッケルトだったっけな。 また……、また俺は失ってから、手から零れ落ちてから無くなったものの大切さに気が付くんだよな。 あの時もそうだった。かけがえの無い居場所、鷹の団、切り込み隊のみんな、全てを失ってからその価値に気づいた。 次はキャスカか、救えねえ……。 なら、俺は今この場で手に入れたの居場所を失わないようにしなければいけないのか……? "あんたも、ちゃんと彼女と話し合いなさいよ。逃げてばっかじゃ何も解決しないんだから" ふいにみさえに怒鳴られたような気がした。当たりを見渡してみるがどこにもその姿は無かった。 逃げてばかりか……。一体俺は何を考えてるんだろうな。 まだ、まだキャスカは失われたと決まった訳ではない。あいつは確かに存在し、言葉を交わした。 たとえ裏切られたとしても、あいつは鷹の団の大事な旗印。黙って死体になるのを見過ごすわけにはいかない。 それにあいつは大怪我をしていた。あの状態で殺人者に会えば殺されてもおかしくは無い。 本当に失ってからではもう遅い。まだ、まだ今なら間に合う。 壊れてしまっても、裏切られてしまっても、それでもまだ何も終わっちゃいない。 待ってろよ……、キャスカ!! 崩壊の胎動を始めたホテルを急いで駆け下りながら、ガッツはキャスカを探す。 ホテルの2階、1階と可能な範囲で探すもののキャスカは見当たらず、ガッツはホテルの裏口を抜ける。 そしてガッツはキャスカを見つけた。決して見たくないキャスカを そこにキャスカは居た。彼に抱かれて そう、右目に焼きついて離れないあの光景と同じように、彼に抱かれていた。 「グゥリフィィィィィィス!!! 」 ガッツは復讐の刃をその男目掛けて振りかぶり、十メートルはあろうか間合いを一瞬で詰め、振り落とす。 だがその刃は彼の元へと向かわず、倒れるキャスカの横に亀裂を作っただけであった。 程なく銃声が響き、ガッツの体目掛けて銃撃が放たれる。 その一撃に全ての集中をしていたガッツの体に容赦ない銃弾が命中する。 その銃弾は致命傷にはならなかったが、崩壊寸前だった黒い鎧のプレートを打ち壊していった。 「ガッツ……」 一撃を交わし十分な間合いの向こう側で、グリフィスが呟く。 「グリフィス……会いたかったぜッ! 今すぐにブッ殺したいぐらいによぉ! 」 ホテルを通る道路を挟んで向かい側の歩道へと位置を移したグリフィス目掛けて、ガッツはもう一度刃を奮う。 グリフィスはその一撃を跳躍するように避けると、マイクロUZIをガッツ目掛けて放つ。 放たれるだろう銃弾を大剣の腹で受けながし、再び間合いを詰めて切り払う。 同じようにグリフィスは避けるも、二の太刀が跳躍する鷹を二つに切り裂かんと襲い掛かる。 鷹を切り裂くはずだった一撃は、障害に阻まれてその刃を鈍らせる。 大きな破壊音とともに、裏路地へと続く建物を構成するコンクリートが砕け散る。 絶対に折れず、曲がらず、刃こぼれしない剛剣といえども、建造物を構成するコンクリートを切り裂くためには多大な力を要する。 それは剣士の力を奪い、届くはずだった刃を届かないものにした。 「ガッツ、……それがお前の答えか」 二人の目が合う。夜闇を駆けるグリフィスの姿は、ガッツにとってはゴットハンド、闇の翼フェムトそのものに見えた。 全てを奪ったその男目掛けて、ガッツはもう一度大剣を振り上げる。 グリフィスはガッツの荒れ狂う太刀を狭い路地裏の地形を活かし、避け続ける。 ――勝てない……、オレがまた……? グリフィスの目に映るガッツの剣技は、あの雪の日の決闘をも更に三周りは上回るパワーとスピードを誇っていた。 彼の腰に掛けられた騎士剣は、ガッツの持つ大剣をも打ち合うだけの力はあるように思えた。 しかし、グリフィスはガッツと剣を打ち合わすことが出来なかった。 ガッツの太刀は単純に重い。ただ重いだけでなく、受けるだけで全ての力を殺ぎかねない圧倒的な剛力。 恐らく、一撃を受けるだけで剣を持つ手は使い物にならないほど痺れるだろう。 痺れるだけならともかく、それは握られた剣を腕ごとへし折るだけの力は十分にある。 ガッツの剣を受けることは自殺行為、それだけでなく間合いを詰められるだけで荒れ狂う太刀を回避することすら適わなくなるだろう。 狙うはカウンター、ガッツに生まれた隙を突き一撃で全てを終わらせる。 ゆえに闇に紛れ、剣線を限定する路地裏へと入り、逆襲を淡々と狙う。 路地裏に剣線を限定してなお、ガッツは少しずつグリフィスとの間合いを詰め始めていた。 今グリフィスが銃撃で反撃したとしても、一撃で仕留められなければ逆に大剣の一撃を受けて終わる。 グリフィスは残り少ない間合いを無駄にしないよう、あらかじめディパックから取り出しておいたロープを手に取る。 ガッツが剣を大きく振りかぶり、舗装された道路をその踏み込みで破壊しながらグリフィス目掛けて叩き落す。 その一撃は跳躍することさえ適わない距離から放たれ、切り裂く。 切り裂かれたのは、路地裏の暗闇。正面に見据えていたはずのグリフィスは目の前から一瞬で姿を消していた。 ガッツは地を叩き割った刃を引き抜き、刃を正面に携えてグリフィスの殺気を探る。 そしてすぐに消え去ったグリフィスの謎を解き明かす。 大通りの電灯、空に輝く星だけが光を照らす薄暗い路地裏の分岐点、グリフィスはとっさにそこへ転がり込んだのだ。 剛剣が鳴らす爆音が途切れ、カツカツと甲冑の揺れる音が分岐点の奥から聞こえてくる。 路地裏の分岐点の奥は、電灯の光さえ届かない真の夕闇。 今戦っている路地裏でさえ、月明かりが無ければ足元に置かれた青いゴミ箱さえ気が付かないほどに暗かった。 ニホンをモチーフにしたこの趣味の悪い殺戮の場所は、ミットランドとは違い夜闇の中でも絶え間なく電灯が点り道を照らしていた。 路地裏の分岐点に続く袋小路の奥はミットランドの密林のように、あるいはそれ以上に暗かった。 闇の奥から響いていた金属音は止み、目の前にはただ暗黒の空間があるだけであった。 ガッツにとって暗闇とは、使徒もどきの悪霊どもとの戦場であった。 闇夜が訪れても戦っていたはずの悪霊は無く、目の前に居るのは使徒達の頂点に立つ存在である闇の翼。 その姿はかつての姿そのものであったが、ガッツはその違いを知る由も無く、復讐を果たすために闇へと踏み込む。 カーンと甲高い音が鳴り、ガッツは突撃を仕掛けてきたグリフィスが踏み込んでくるだろう地点目掛けて剣を振り下ろす。 闇を切り裂いて現れたものは、大剣によって真っ二つになった黄色のヘルメット。 ガッツは剣を引き抜き奇襲を仕掛けてくるだろうグリフィスへと身構える。 ――上かっ! ターザンロープの力で空中に飛び上がったグリフィスは、頭上から機関銃の玉を浴びせる。 ガッツはとっさに急所である顔面を手で保護するも、銃弾は首周り、そして鎧の隙間を打ち抜き命を奪わんとする。 銃撃を辛うじて受けきったガッツは、空を駆けるグリフィスの終着点目掛けて剣を振りかぶる。 しかしグリフィスは地上へと着地することなく、路地裏の外壁を蹴ってその身を空中で方向転換する。 別方向へと加えられた力をターザンロープへと伝え、天を翔けるグリフィスは元いたホテルの方へと飛ぶ。 ガッツの一撃が再び外壁を破壊した時にはグリフィスは路地裏の外、ホテルを通る歩道へと着地していた。 再び開かれた間合いを詰めるべく、ガッツはグリフィスへと猛追する。 グリフィスは突撃するガッツを迎え撃つことはせず、その身を翻して遁走する。 ガッツが再びホテルの前に戻った時、グリフィスはホテルの近くにあったスーパーマーケットへと入るところだった。 "来いよ"とでも言いたげな挑発の表情とともに、グリフィスは自動ドアを潜り建物の中へ入る。 迷うことなくガッツはグリフィスを追撃しようとしていたが、気絶していたキャスカを再び見て足を止める。 ――どうして終わったりなくしてから、いつもそうだったと気づくんだ……。 目の前に倒れるキャスカは、安心しきった顔でその場に倒れていた。 ガッツはキャスカを抱きかかえ、一目に付かない場所にキャスカを休ませるべく移動をする。 …まだだ、まだ何も終わっちゃいねえ。復讐も、俺の居場所も…… キャスカ……俺は俺の決着を付けるからな。そこで待っていてくれ 全部、全部終わったら、今度はちゃんと話し合おう…… ガッツはこのままキャスカを連れて逃げることも出来た。全ての遺恨を忘れて二人で逃げることもできた。 彼がその選択をしないのは、ガッツ自身のケジメである復讐の旅にケリをつけるため。 鷹の団全てを捧げ、人ならざる者となったグリフィスを殺すため。 ガッツの心を動かすのは大きな憎しみだけだった。 憎悪が無ければ、それに覆いかぶされた大いなる悲しみがガッツの感情に支配をして、もう歩けなくなるから 袋小路に逃げ込んだグリフィス、大剣の動きを封じるにはうってつけの場所だが、路地裏で見せた空中移動のような機動力もまた制限される。 グリフィスが狙うのは間違いなく一撃必殺の状況。袋小路に自らを追い詰めたように見せかけ、逆襲する。 状況は互いに対等、罠があろうと無かろうと、ガッツは全てを踏み越えて突き進むだけであった。 夜闇の中であっても、窓ガラスの奥に移る店内は昼間のように明るかった。 そこにあるべき大量の食料品や雑貨は、がらんとした店内に合わせるかのように存在しなかった。 店内の様子を探るも、グリフィスの姿は棚に阻まれたのか、隠れたのか見えなくなっていた。 店内に潜むグリフィスは逃げ際に回収したキャスカのディパックの中身を拝見し終え、やがて踏み込むであろうガッツを待ち構えるべく行動する。 ガッツがすぐに追いかけてこようとはしなかった。そうなるようにわざとアプローチを取り、警戒心を煽った。 あのまま路地裏の地形を活かして戦い続けることも出来たが、それではガッツに地力に押し切られ敵わないと踏んだ。 故に自らを真の袋小路に追い詰め、激動の中で勝機を探ることとした。 グリフィスが持つ手札は、キャスカのディパックによって倍増していた。 暴風のごとき戦いを見せながらも、冷静な剣裁きでグリフィスを殺さんと追い詰めるガッツ。 一年前とはすっかり変わり果てた外見だった。 火傷に爛れ表情が半ば失われていようと、グリフィスは一目見てすぐにガッツだと分かった。 グリフィスを一目見たガッツも同じようだったが、ガッツは憎悪を込めて彼に襲い掛かった。 それは二人の始めての出会いのようであった。敵意を剥ぎだしにし、口より先に剣を振って進むガッツ。 この殺し合いの場でガッツにどれだけの変化があったかは推測することも困難であった。 しかしガッツは再び、あの雪の日のようにグリフィスと敵対することを望んだ。 ――――トクン グリフィスへの明確な殺意を向け、突き進むガッツは彼の心を乱し続けていた。 路地裏の戦いでは決定打となるべき手札が存在せず、奇襲を持って切り抜けることしか出来なかった。 キャスカから回収したディパックにはより強力な決定打、ハルコンネンが存在していた。 ガッツの持つ大剣にも負けず劣らず規格外のそれを両手で持ち上げ重量を確認し、用法を推測する。 グリフィスはハルコンネンがミットランドの大砲を、携帯するというには余りに馬鹿げたサイズで実現させたものであることを理解する。 反動を軽減するべく思案し、行動する。ディパックからターザンロープを取り出し、適当なサイズに切断する。 ハルコンネンをターザンロープを括り付け、それを空中固定砲台とする。 大砲と現代の化物兵器の相違に少々苦しんだとはいえ、グリフィスはハルコンネンに爆裂鉄鋼焼夷弾を装填することに成功する。 ハルコンネンの重量に相当する力をターザンロープに分担させ、グリフィスはガッツが侵入してくるであろう店の入り口に標準を合わせる。 ガッツを迎え撃つグリフィス。彼の心中にあるのはガッツ、彼の夢を惑わせる唯一の存在。 彼の手から零れ落ち、あの雪の日に失った惑乱を呼ぶ麻薬。 あれだけ壊そうと考えていたそれは、いっそうギラギラとした輝きを見せてグリフィスを誘う。 ギラギラとした輝きがグリフィスを壊さんと襲い掛かってくるとしても、それでも壊すことへの躊躇いが募る。 ――それでも、オレは逃げるわけにはいかない。絶対に逃げることは許されない。 一度は壊れてしまった夢を叶えるチャンスを、何の因果かやり直す権利を授かっている。 …今、今ここでオレのエゴを叶えようとすれば、もう次は二度とない……。 騎士になろうとして、ついになることは適わなかったあの少年。鷹の旗印の下に、殉職を遂げてきた仲間達。 今オレがこうして夢へ向かって進むのは、血塗られた夢の道程となり犠牲になった命を無駄にしないため。 だから、壊さなければいけない。この血塗られた舞台においても、全ての犠牲の上でオレの夢がある。 夢を忘れるだけの価値を持つかけがえの無い存在。オレはこの心の動揺を沈めなければいけない。 彼の前に立ちはだかるガッツは敵でありながら、彼の意味するところの友であった。 グリフィスは入り口と店内を結ぶ軌道上でガッツを待ち構えるが、ガッツは一向に侵入してこようとはしなかった。 (何か別の思案があるのか……? ) グリフィスは空中固定砲台の標準を合わせつつ、ガッツの思惑を再度考え直す。 その疑問は、ガッツの行動はその直後に訪れた破壊活動によって示される。 突如ガツーン、ガツーンと何かを打ち付ける音が響く。その行動によりガッツの真意を理解する。 (柱かッ……!) ガッツが打ち砕いたのは、建造物をたたえる殿、柱。 コンクリートに覆われた柱でさえも、ガッツとその剣なら打ち砕くことさえたやすいだろう。 そうして柱が砕かれれば、バランスを失った建造物はあのホテルと同じようにたやすく倒壊するだろう。 この建物が倒壊するならば建物の地の利を活かす活かさないといった話では無くなり、生き埋めになって死ぬ。 柱を打ち砕く音が途切れ、倒壊する前に決着をつける。 グリフィスはターザンロープを揺すり、空中固定されていたハルコンネンを回収する。 破壊活動が完全終了する前に、こちらから迎え撃つべくハルコンネンの射界をガッツの切り倒す柱の方へと移動する。 グリフィスが再度ハルコンネンの射撃準備を終えた段階で、既に柱は壊れかかっていた。 グリフィスは空中固定したハルコンネンを柱目掛けて放つ。 空中固定されたハルコンネンが反作用力でターザンロープを大きく揺らす。 彼はハルコンネンの反動を軽減することをせずその手から放棄し、地面に伏せる。 抗力を失ったハルコンネンの反動は軽く天井を打ち抜き壊し、破片が床へと散る。 天井を打ち抜いてなお、その反動力は止まらずにゆらゆらと壁にぶつかりながら力を消散し続ける。 グリフィスは空中固定した砲台を放棄し、まもなく崩壊するであろうスーパーマーケットからの脱出を試みる。 進む歩みはいつものように、ゆっくりでありながら速く速く。 その手に軽機関銃を構え、こちらに向かって切り込んでくるか、あるいは入り口で待ち構えるだろうガッツを警戒する。 ガッツはグリフィスを必ず仕留めに来る。そう判断した故にうかつに動かず、再びグリフィスへと戻った攻撃の機会を利用する。 待ち伏せは効果的であるがゆえに受動的、ゆえにその罠へと誘い込まれないよう選択の機会を最大限活かす。 グリフィスはガッツの潜むであろう位置を判断し、状況を切り抜ける対策を考え続けていた。 グリフィスが一歩一歩出口へと進む中、店内を灯す蛍光灯が、点滅を経てふっと消える。 店内は先ほどとは打って変わって暗闇に包まれる。 (しまった、……ガッツの狙いはそちらか) ガッツにとって柱は攻撃手段ではなく、副次的なものであった。 ガッツの真の狙いはグリフィスの目を奪うこと。 奇襲に備え、グリフィスは全集中力をガッツの迎撃へと削ぐ。 この暗視の中では飛び道具は意味を成さない、故に短機関銃をディパックにしまい、エクスカリバーをその手に構える。 電灯が消えてすぐ、破壊音とともにガッツが進入してきたのを察知する。 戦い慣れぬ暗闇の中であっても、グリフィスは冷静にガッツの位置を確認する。 左手から聞こえた破壊音より、ガッツが壁を叩き壊して侵入してきたことを判断。 一度位置関係が分かってしまえば奇襲は意味を成さない。伏兵はどこに潜むか分からないからこそ伏兵なのである。 ガッツは己の選択権を放棄し、戦いのカードは再びグリフィスの手に委ねられる はずだった。 轟音が店内に整然と並べられた常温棚を吹き飛ばし、それはまるでドミノ倒しのようにグリフィスの元へと迫ってゆく。 狭く沢山の常温棚が密集するスーパーでは、その密集具合ゆえに攻撃も、回避行動もまた困難となる。 火線を限定し、大剣の動きを封じるべき障害さえもガッツの剣は打ち砕いてしまった。 グリフィスは自分へと迫る常温棚の圧力から逃れるべく、回避運動を取り常温棚の圧力から逃れる。 彼が逃げのびた通路の後ろ、倒れた常温棚にはガッツが立っていた。 ガッツは今まさにグリフィスを一刀両断しようと、大剣を振りかぶっていた。 回避する間合いは無しと判断し、逆にガッツの元へと接近する。 ガッツの獲物を両の手のエクスカリバーでしっかりと受け止め、その剛力を受け流そうとする。 グリフィスは、ガッツの胴断ちを零距離で受けることに成功する。しかし剛力は打ち合わす剣ごと、人間をまるでボロ雑巾のように吹き飛ばす。 グリフィスは受身を取ることすらかなわず、圧倒的な力によって店外目掛けてゴロゴロと転がっていった。 辛うじてエクスカリバーでガッツの太刀を受けきったものの、その一撃は痺れによってグリフィスの握力を完全に失わせた。 ディパックから新たな武器を取り出すだけの握力はなく、封じられた握力では剣を振り回すことも敵わない。 体制を立て直そうと上半身を持ち上げたグリフィスの目の前には、ガッツが居た。 「お前の勝ちだ、負けたよガッツ……」 二度目の敗北を気に止むこととせず、ガッツに向かってグリフィスは微笑みかけた。 それは今グリフィスを打ち砕こうとした刃の動きを止める。 「グ…リ……フィス…………? 」 俺は、俺は今何をしているッ……!! 俺がグリフィスを大剣で吹き飛ばし、止めを刺さんとしたグリフィスの笑い。 月明かりに照らされたそれはまるであの時のままで、今までずっと相手にしていたのに忘れていた懐かしい顔。 その顔を見た俺の心にポッカリと穴が開く。 憎悪と怨恨、殺意が充満する心は、あいつの笑顔を見たときにフッと消え去ってしまった。 これを振り落とせば全てが終わる、終わるはずなのに終わらない。 剣を支える手が動かない。ピクリとも動かない。 それだけじゃない、何もかもがおかしい。 ずっとずっと望み続けたきた瞬間が訪れたにも関わらず、その先へと進めない。 プライドの塊のようだった、負けず嫌いのグリフィスが、今こうして負けを認めている……?
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321 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 04 59 ID gg1M/x3f 0/13 ゴールデン・エイジ・オブ・グロテスク 怪奇主義の黄金時代①322 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 00 ID gg1M/x3f 1/13 ハァ・・・ハァ・・・ ハァ・・・ハァ・・・323 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 01 ID gg1M/x3f 2/13324 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 02 ID gg1M/x3f 3/13 ∩_∩ ハァハァ…ハァハァ… (Д・;,,,,) ≡≡=- (ヽノ |つ ≡≡==- |x | ≡≡==- (,/' ヽ_っ ≡≡=-゛'゛″゛'`";"'゛`゛"'";`''゛;'゛゛`"'゛゛'゛";"''`゛'``"゛'"`゛`"゛゛';゛″""';`''`ぽろろ:(逃げないと…そうしないと…殺されるッ!)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アレは……325 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 03 ID gg1M/x3f 4/13ぽろろ:(アレは…そう、あの時あのおじさんに出会ってしまって……) ;; ;;λ ;;! ;; wヽ 从从 ;;;;;w;;; ;j;; ゝ ∩_∩ ;;; ;;;; ;; ;; ,;; ;;;;;/ (;・Д・,) ∧_∧ と つ ( ;;; ;;;; ) ∧ ∧ ,,∧ | x | Y つ つ ≫- ':"Д゚')д";;> U'⌒'U (_,、_ノ、_ノ ~(;; __ノ,,uuミ; ;;;v; ;;;w;;、; ;;w (;; ;) (; ;;) w ;v;; v;: ;w;;j ゛"`゛ ゛'""'``゛ (; ;;;;) (; ; ;) ,、、.,.w,,、,.,、., 丿; ; ;; ; ;;! ;、;;vゞ /;; ;;; w ;;; ; j;; ; ; ヽ ;; ; w;; w ,;; v ; ;i ;; w ヽ ; v;; ; 、 ;; ; w ,, 〕 ゚゛"``''゛"゛"" "`^ 〉 ; ;;;w ,, ;;;';; ; ; ^;;i /矢の男:もしかしたら、と思って撃ってみたが……やはり駄目だったか (ショセンヒギャクキャラダシナ)。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(驚いてついとっさに『能力』を……) ;; ;;λ ;;! ;; wヽ ;;;;;w;;; ;j;; ゝ ∩_∩ ;;; ;;;; ;; ;; ,;; ;;;;;/ (;・Д・,) ∧_∧ と つ Σ(;;; ; ;;;; ) ∧ ∧ ,,∧ | x | Y つ つ ≫- ':"Д゚')д";;> U'⌒'U (_,、_ノ、_ノ ~(;; __ノ,,uuミ; ;;;v; ;;;w;;、; ;;w (;; ;) (; ;;) w ;v;; v;: ;w;;j ゛"`゛ ゛'""'``゛ (; ;;;;) (; ; ;) ,、、.,.w,,、,.,、., 丿; ; ;; ; ;;! ;、;;vゞ /;; ;;; w ;;; ; j;; ; ; ヽ ;; ; w;; w ,;; v ; ;i ;; w ヽ ; v;; ; 、 ;; ; w ,, 〕 ゚゛"``''゛"゛"" "`^ 〉 ; ;;;w ,, ;;;';; ; ; ^;;i /矢の男:ムッ、貴様ッ!何時からそこにいたッ!!ぽろろ:えっ、あ、あのつい今…さっき…それより、おじさんそのちびギコ…… もしかして…矢の男:ああそうだ。私がやった。私自身の崇高なる目的のためになァ…! …そしてそれを見た貴様も同じ目に遭ってもらうッ!!!326 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 06 ID gg1M/x3f 5/13(出してしまったんだ……まさか…)━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃━━┛ ━━┛ ━━┛ ━━┛ ━━┛ '━━┛ ; ;;;;; ; ;;; ;;;;; ;; ; ;;; ; ;; ;;;;;;;; ;;;  ̄ ̄ ̄| | | | | | _ ,, ; ; ;;;; ; ; /  ̄| ̄ ヤ ア ア ア ア ;: ; ;;;;;;;;; ''; ; ;;; ;;;;; ;; /\  ̄| ̄ ノ '''^'` ,,....; ; ;;; ; / \ | ___─ ; ;;;;;;;;;; , ;;;;;;;;;;;;;;; 、,w,..,.i.λ.,, '''''' ' ;;;;;;;;;; ;; ;;λ ;;! ;; wヽ |||| |||| |||| |||| 从从 ;;;;;w;;; ;j;; ゝ ||| ||| ||| ||| ∩_∩ ;;; ;;;; ;; ;; ,;; ;;;;;/ Σ ∧_∧ て (;・Д・,) (;;;; ;;;;; ) と つ ( ;; ;;; 、 ヽ | x | | <‐',_,)‐≪∧,,∧ ,,,,,,∧,,∧ U'⌒'U (_(__) ;;#。 ,。)),,; ζ゚;Д ;; ;;;v; ;;;w;;、; ;;w (;; ;) (; ;;) w ;v;; v;: ;w;;j ゛"`゛ ゛'""'``゛ (; ;;;;) (; ; ;) ,、、.,.w,,、,.,、., 丿; ; ;; ; ;;! ;、;;vゞ /;; ;;; w ;;; ; j;; ; ; ヽ ;; ; w;; w ,;; v ; ;i ;; w ヽ ; v;; ; 、 ;; ; w ,, 〕 ゚゛"``''゛"゛"" "`^ 〉 ; ;;;w ,, ;;;';; ; ; ^;;i / ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃'━━┓┃┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ━━┛ ━━┛ ━━┛ ━━┛ ━━┛327 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 10 ID gg1M/x3f 5/13(すみません。「改行が多すぎる」というエラーメッセージが出た為5/13は二つに分けます)矢の男:こんなガキに見られちまうとはなァッ!自分が情けなくなってくるぜッ!! まあいい、どうせテメェはすぐにブッ殺されるんだからよォォォォッ!!!ぽろろ:!? その『能力』はッ!!まさか!矢の男:貴様にも『見える』のか?貴様もしかして…!ぽろろ:ゴールデン・エイジ・オブ・グロテスクッッッ!!! (ズギャァァァァン)矢の男:なっ!?……328 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 11 ID gg1M/x3f 6/13(僕以外にも、この呪われた『能力』を使う人がいたなんて……!!)  ̄ ̄ ̄| | | | | | _ /  ̄| ̄ ヤ ア ア ア ア /\  ̄| ̄ 丿 / \ | ___─ ; ;;;;; (\(ヽ从,.λ ; ;;; ;;;;; (\巛(ヽ′`゜`ヽ ;; ; ;;; (ヽζノ) ・/W,・ヾ ; ;; ;;;;;;;; ;;; (ノγ《 ,ノ从ゝノ ,, ; ; ;;;; ; ; (/ξ(ソ .,_,,,.ζ ;: ; ;;;;;;;;; ''; ; ;;; ;;;;; ;; (/ν´```^ '''^'` ,,....; ; ;;; ; |||| |||| |||| ; ;;;;;;;;;; , ;;;;;;;;;;;;;;; ||| ||| ||| 、,w,..,.i.λ.,, '''''' ' ;;;;;;;;;; ∥ ∥ ∥ ;; ;;λ ;;! ;; wヽ 从从从| ;;;;;w;;; ;j;; ゝ Σ∩_∩て;;; ;;;; ;; ;; ,;; ;;;;;/ Σ ∧_∧ (,,,・Д・,) (;;;; ;;;;; ; ) と つ ( ;; ;;; 、 ヽ | x | | <‐',_,)‐≪∧,,∧ ,,,,,,∧,,∧ U'⌒'U (_(__) ;;#。 ,。)),,; ζ゚;Д ;; ;;;v; ;;;w;;、; ;;w (;; ;) (; ;;) w ;v;; v;: ;w;;j ゛"`゛ ゛'""'``゛ (; ;;;;) (; ; ;) ,、、.,.w,,、,.,、., 丿; ; ;; ; ;;! ;、;;vゞ /;; ;;; w ;;; ; j;; ; ; ヽ ;; ; w;; w ,;; v ; ;i ;; w ヽ ; v;; ; 、 ;; ; w ,, 〕 ゚゛"``''゛"゛"" "`^ 〉 ; ;;;w ,, ;;;';; ; ; ^;;i /ぽろろ:…おじさんも使えたの?僕と同じ力。 でも、僕もそうだけどそれ以上にッ! とてもドス黒い『邪悪』なオーラを感じるッ!矢の男:……そうか。やはり貴様も『スタンド使い』ッ!! だがしかし!それがどうしたと云うのだ!? 依然私の勝利に変わりは無いからなァァァァァッ!!329 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 12 ID gg1M/x3f 7/13 ∩_∩ ハァハァ…ハァハァ… (Д・;,,,,) ≡≡=- (ヽノ |つ ≡≡==- |x | ≡≡==- (,/' ヽ_っ ≡≡=-゛'゛″゛'`";"'゛`゛"'";`''゛;'゛゛`"'゛゛'゛";"''`゛'``"゛'"`゛`"゛゛';゛″""';`''`ぽろろ:(僕だって十分『邪悪』な存在だ。『あの人』に会うまでは あのおじさんよりも邪悪だったかもしれない。 お腹が空いたら、相手が泣き喚いても何しても構わずに『喰らい尽くしていた』。 でも、だからこそ……330 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 13 ID gg1M/x3f 8/13(だからこそ…)三≡ 三 二=≡三 ≡≡三=二三三≡三 ≡二≡三三≡=≡三三=三二≡三 | ≡二≡二=三==三≡三 三二≡≡≡ | | | ─┼─ | |  ̄ ≡=二≡三 == ≡二三≡二≡ |\ ─┼─ ヤ ア ア ア ノ ==≡ ≡三 ≡三=≡二=三≡ 二 | │ __/ =≡三=二≡=≡三二 二三二 ≡=三 ,,-、 ∩_∩ il!| ≡三 (\(ヽ从,.λ 三 ≡= ヽ ヽ _ (~\,, ・Д) i|l| ≡≡ (\巛(ヽ′`゜`ヽ ;: 三≡= / ̄/ ̄_ / ノ ) ヽ ヽ il|l| ≡三 (ヽζノ) ` ´ /∴ ; ==≡= (_(__)ι ∨ | ヽ_i|i|l| ⌒) ;⌒)≡≡ (ノγ《 ,ノWWゝ て; . 三二 ≡ (ノ´`ヽ、) ⌒));:⌒)⌒)≡≡ (/ξ(ソ .,_,,,.ζヽ∵`三≡三 `,⌒))≡≡(/ν´```^ ─┼─┐| | ─ | |  ̄ / イ イ イ ツ | | __ノぽろろ:ぃぇぁッ!!矢の男:クッ!!(速いッ!)332 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 25 ID gg1M/x3f 9/13(おじさんの勝手な都合だけで殺されたちび達の為にも…)三≡ 三 二=≡三 ≡≡三=二三三≡三 ≡二≡三三≡=≡三三=三二≡三三二= ≡二三≡三 =三二≡≡≡二≡二=三==三≡三 三=≡=≡三二≡≡≡ 三二=二=三三=三二二 二=≡二三≡ 三 三≡二三= ≡=二≡三 == 三≡≡三=二=三 ≡二三≡二≡ ≡二≡=≡≡ 二=≡三 二= ≡===≡三=三三 ==≡ ≡三 ≡三=≡二=三≡ 二二≡三≡三三二 =≡ 二二==≡二三≡≡二=三≡ ≡ 二三≡三≡≡=二==≡三=二≡=≡三二 二三二 ≡=三二=====二≡二三≡≡二三三≡ 三≡ 三≡二三二=≡≡=二= (\(ヽ从,.λ 三三≡三二三=≡三 二=≡三二 ∩_∩ =二=≡(\(ヽ从,.λ 彡彡 ′`゜`ヽ .:` ==二 三=≡二≡≡三二 (,,,, ・Д) バッ!! 三≡二 (\巛(ヽ′`゜`ヽ 彡彡 ` ´ / ゜";,ミミミ ∧_∧ 三≡三≡二≡ (二´) =Ξ´) =二≡ (ヽζノ) ` ´ /;: ,彡 , ,ノWWゝ て .‘;ミミミ ( ;; ;;;; ;; ) 三二=≡二= | x ヽ 三=== (ノγ《 ,ノWWゝ て∵;、彡 _,,,.ζ ヽ^.`; ミミ と,.ヘ ;;;(`_) スタッ 三二≡ (ノ´`ヽ、) 三≡=≡ (/ξ(ソ .,_,,,.ζ ヽ.`.彡彡' ミミ,.λ ミ (_ヽ、__)そ 三二 二三≡(/ν´```^ ミミミミ `ヽ ;,∴、 ─┼─┐l | ─┼─ ─┼─┐l | ─┼─ ミミミミ ` ´ / ,`,;, | | ─┼─ イ | | ─┼─ イ ミ ,ノWWゝ て・:^ | | | | | | ミミξ(ソ .,_,,,.ζ ヽ '゛;,, ─┼─┐l | ─┼─ ミ(/ν´```^ | | ─┼─ イ | | |ぽろろ:ぃぇぁ!ぃぇぁ!ぃぇぁッ!矢の男:意外にやるな!クソッ! このままじゃラチがあかねェ…何とか隙を見つけてパンチをブチ込まねェとなあァーーッ!!333 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 25 ID gg1M/x3f 10/13三≡ 三 二=≡三 ≡≡三=二三三≡三 ≡二≡三三三≡ =二三≡≡=三三二= ≡二三≡三 =三二≡二≡二=三==三≡三 三=≡=≡三二≡≡≡ 三二=二=三三=三二二 二=≡二三≡ 三 三≡二≡ 二三 ≡=三三三= 三≡≡三=二=三 ≡二三≡二≡ ≡二≡=≡≡ 二=≡三 二= ≡===≡三 ==≡ ≡三 ≡三=三≡≡二=三≡ 二二≡三≡二 =≡ 二二==≡二三≡≡二=三≡ ≡ 二三≡三≡≡=≡三=三≡二三≡三≡≡≡ 三二=二=二≡ 二三≡≡二三三≡ 三≡ 三≡ w,.,.,,,,.ii.,...v,... .?w.,,三≡二三≡二三==二= 三≡三==≡三≡三 ≡二 三≡= =三 〔 ; ; i;;v;;;;;, ; !,; 三≡=二=三 ≡≡二 三≡===三≡三三 三二 三≡三二≡ (\(ヽ从,.λ ノ ; ; w;; ; .! ; ; v; ; v ∩_∩ 三≡二=三≡==三二二=三≡ 二≡ 三≡三≡二 (\巛(ヽ′`゜`ヽヾヘ^'''`ヘ´ソ ; v ; ; i;; (,,,, `Д) ババッ 三≡二=三三≡二三 ⌒)⌒)====≡三 (ヽζノ) ` ´ :`゚;;:∴ 〆; ! ;;;v;; │ =Ξ´)) 三≡ ≡三三 二= ⌒)^~⌒):⌒))≡二三≡= (ノγ《 ,ノWWゝ ∵: ,`゚;、 〉; ; ; ;;;;;; | xヽ 三≡二≡二≡=三 ;:゚⌒))~⌒)⌒)`,.=≡三二= (/ξ(ソ .,_,,,.ζ .'; ,.∴^、 ) ;;;w (ノ´`ヽ、) ⌒)⌒))`⌒). ∵ =二=三 (/ν´```^ ; .、.:″,、ゞ; i ;;;; ,; / ヽ | | / ̄ ̄/ | l 彡彡彡そ / ヽ / ./ ウ 彡彡彡彡 / ヽ / ( ̄( ̄`) バッ! ∧_∧ノ ノ ノ と(; ;;; ;;;; ) __ノ (,,ノぽろろ:ぃぇぁアァッッッッ!!!矢の男:(い…岩を難無く噛み砕きやがったッ!!しかもスピードも速いッ! 奴の攻撃を喰らうのは絶対にヤバイ!!どうやって切り込む!?……クソッ…!奴がスキを見せる 瞬間は無いのか!?)334 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 26 ID gg1M/x3f 11/13(逃げてないで…) w,.,.,,,,.ii.,...v,... .?w.,, ゲプッ 〔 ; ; i;;v;;;;;, ; !,; (\(ヽ从,.λ ノ ; ; w;; ; .! ; ; v; ; v ∩_∩ (\巛(ヽ′`゜`ヽヾヘ^'''`ヘ´ソ ; v ; ; i;; (,,,;・Д) バッバッ (ヽζノ) - -ゝ /丿ゞ ; 〆; ! ;;; │ =Ξ´)) (ノγ《 ,ノWWゝ=З . }ヽ/ ;ソ 〉; ; ; ;;;;;; | xヽ (/ξ(ソ .,_,,,.ζ ゞ 〈ヘ/ ) ;;;w (ノ´`ヽ、) (/ν´```^ ソ ;; 》ヘ,、ゞ; i ;;;; ,; ゛`´゛゛'゛゛′ ゛゛'゛''゛゛゛'゛'''゛'''゛` ∧_∧ ( ; ; )そ / ノ / ヽ (_丿〈_(_丿、__つ ゛゛'゛゛'´"""^`゛`^`゛矢の男:……ッてあれ?う…動きが止まった!?ぽろろ:あれッ?……何でもう『お腹いっぱい』になっちゃうの!?岩しか食べて無いのに何でッ! ……しまった!例え『喰らいつく』のが空振りしてもそこの『空間』を食べちゃうからだッ!! それを入れた体積は…えっと『モナー2人分くらい』!お腹いっぱいになっちゃう量だよ…! どうしよう……矢の男:…そう云う事かッ!ならば貴様をブッ殺すチャンスが出来たと云う訳だッ!! 少してこずったが所詮ガキはガキ、大人しくしてれば楽に死ねたのによオオオッッ!! 徹底的に痛めつけて腹の中のビチグソぶちまけてやっからよオオオオッ!!!!!ぽろろ:(すごい殺気……逃げなきゃ…逃げなきゃ!!)335 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 27 ID gg1M/x3f 12/13 ∩_∩ ゼェ…ゼェ…(⌒ (Д-;,,) ゼェ…ゼェ…(⌒ | ∪| |x. | U⌒U゛'゛″゛'`";"'゛`゛"'";`''゛;'゛゛`"'゛゛'゛";"''`゛'``"゛'"`゛`"゛゛';゛″""';`''`゛゛" ;"ぽろろ:(『覚悟』を決めて戦わなきゃッ!)336 :怪奇主義の黄金時代① :03/08/26 05 28 ID gg1M/x3f 13/13 ∩_∩ (,,・Д・,,) と つ | x | U'⌒'U'""'""'""; """;""゛"'`゛""" ; ゛""`゛"゛´'"""゛゛'゛'゛゛゛";""";``^"""'; ゛""`'"゛"゛゛‘`''゜; '`゛"ぽろろ:ちび達の無念を晴らす為にもッ!!僕が戦わなきゃいけないんだッ!!! /|__________ TO BE CONTINUED… ||||||| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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216 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 01 ID ofP6IRdF ゴールデン・エイジ・オフ・゙グロテスク 怪奇主義の黄金時代②01/22──┐l | ──┐| | ──┐ l l ──┐l l ──┐| l ──┐| | ──┐l | .| | | | | | | ──┘ ──┘ ──┘ ──┘ ──┘ ──┘ ──┘ ∩_∩ (,;・Д・) w、.、,,、、,.,,,ii,.,、、,、.,, と つ 〉 ;;;;`; w ;; ; vゞ | x | ヾ;;i;;;;!! ;;;; ; w;;; ;;〔 U'⌒'U ソv; ;;;; ; ii , ;;; ノ 、、w,,,. iii,,,.v、,,;; !! ,, ,..;; ゛`'"゛゛'゛'"´ ヾ ,; ;;;w; ;;; ; ., .,, ;;;/ '゛゛"゛'``^`゛"'゚``゛""` ゛'"゚^~゛゛ ``'''゚゛゛`' ,...ヾソ ,,, v、.....,,, `゛"゛゛^`'´'`^` ∧_∧ ( .,;;;.;;;;; ) ,,,!i!、、,,,,. ,,v,,. ;、、,,,. / , ;;;;; ;) / ;;; ,., `iiii;;;;;´゛; 〔 (_-≪人 ヽ ,,,、.;,ゞ'ソ、,;...w、,,,., .;;;; w ;;;;,,,; ; ;!;;;;; ;;; ;,ヽ (__)(__) ``''""゜゛゛'゛゛'``^ '' √;;;、 ;;;;;v;;; ;; ,,;;;;;; ;;w;;;ヘ矢の男:……どうやら『覚悟』を決めたようだな……『死の覚悟を』!ぽろろ:違う。僕が決めた『覚悟』は…217 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 02 ID ofP6IRdF 02/22二=三三 三≡≡≡三三二= ≡二三≡三 =三二三= 三≡≡二三 ==二≡≡≡三二三≡二≡二=三==三≡三 三=≡=≡三二≡三≡=三 三≡三三 三三二二 二=≡二三≡ ≡=二≡三 == 三≡≡三=二=三 ≡≡三=二= ≡三三三≡二三≡三 =二≡三二≡ ==≡ ≡三 ≡三=≡二=三≡ 二二≡三≡三三二 =≡ 二二==≡二三≡≡二=三≡ ≡三三 二≡二=三≡三三 ≡=二≡三=≡≡二≡=≡≡二三三≡ ==二=三≡三≡ 三≡==≡三≡二≡二三 三≡二== /|/|==二 ==≡三二≡二≡二==≡≡ /|/ | /|/| /| lヽ__lヽ, ∧≡三二=≡三==二≡二二≡ /| , / |/|/ | | / | (;; ;,,;;; ) |==二≡ 二≡=二 /| / /|/// | /|//| と( つ / |/ / | / /| / / /| / /⌒' ∧ ∩_∩ l| / /| / /| / / //| / /| ./ (__) (~\,, `Д)l|l ,ヘ / //| | // |/|///|/ / / ./ | (_ /,/ ヽ ヽl||| / .// / |/ / |/ / | / /| / .| //'/ // // ⊂,,ノ`ヽヽl|ll| そ / / ,ヘ / | / | / .| / / |/ | |ヽ/|/|/ タン!! ゛゛''' |/V ゛"゛゛"´``゛"゜`′'```^`''゛"゛゛ Y\| ズボッ |/从 Vヽ| |/Y/ヽ从|/\/W\|V从V\| ___ l | | | ─ / ─┼─ 丿 /\ ─┼─ ヤ ア __/ / \ |ぽろろ:おじさんと戦いちび達の無念を晴らすための『覚悟』だッッッ!!! (ズギャァン)矢の男:切羽詰っての本体攻撃か!!…遅いッ!遅いぞッ!!(いけるッ!今ならいけるッ! やはり幸運は私に向いていた様だッ!)218 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 02 ID ofP6IRdF 03/22 ∥l|l| ∥l|l|| |ll||l l||| ll∥l|l| |ll|∥ l||ll| ∥ll|l||∥|l||l|| |ll |l|| l∥l /| ∥l||∥l|l|| ∥l| l|l| |ll∥ /| / | /| /| |l||∥ l|l ∥l |ll フッ ∩_∩ l|l∥l| / |/| |/ |/| |/| l|| ll l∥l|∥∥l (,,,, `Д) _─ |l∥l /| /|/| /| / | / | ∥l|l___=二___l|∥l l| l| l|l_ | =≡二三二=  ̄___./ / | / |/ /|/| ,/| ___≡三__二=∥∥l|l∥ ll_ノ ⊂,,ノ`ヽヽ )  ̄ ─- /|/ / ,,|' | / | /| | =≡二= ∥l| l|l||ll `"^" ゛"゛゛"´``゛"゜`′'```^`''゛"゛゛ ─ | | ─┼─ ─  ̄ / ヤ─┼─ イ イ イ / __/ | __ノぽろろ:(刺を避けて飛んだ所に刺の隙間から右手で突くッ!!) そこオッッッ!!! (ジャキィィィン)ぽろろ:(!?……手ごたえが無い?よけられたッ?そんな…!?)219 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 03 ID ofP6IRdF 04/22 从从 ∩_∩ ∩_∩ (・Д・;三;・Д・) _________シュルシュルシュルシュル | 二二二二 ,丿 =≡ =三 ≡二 | x |ヽ ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /| /| ,/| .U'⌒'U \\ /|/| /| /| |//| /| |/| `´`"゛'゛" ``^´" ゜゛"''`^ `'゛゛"゛`^`'゛""~'″'''ぽろろ:い、いない…何処に行ったんだ?…何処?何処だッ!?…ハッ!!221 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 04 ID ofP6IRdF 05/22 | l | / ̄/  ̄ ──フ |\ / / | |  ̄ / ヤ | ア ア ア ツ | / ツ──´ / ; э` ,,^; ; ;、`゚;;‘`''',、..、 ;; `.'^゛; ;¨; ,、,,;;`″;; ,, ;; '"、.ζ; ,.∴ ;^`;; .、. ; ; ;; ; 、,,ξ; 〟ρ ;; ''゚`;;;, ' ^ ;: '゛・,,;;. ,゛、 ; " ∵ ∩_.;`.゚;; 、 ・″; .;,; '; ※ :;;¨; `^' (, Д: ;∵δ.',",゚` ;'`゚`" と つ | x | . U'⌒'U "″'"`゛"`ぽろろ:ぃ゛ぇ゛ぁ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァァァッッッ!!!222 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 05 ID ofP6IRdF 06/22 | ──┐| | | ──┐| | ,、、,,_ | l | .| | l l ──┐l | | l | | | | l  ̄ ̄| | | [ ;;; ; ;;;〔 |\ ──┘ |\ | |\ ──┘ |\ | ソ; ; ;,.;;;;》 | | ──┘ | |  ̄ ̄ 〆; ;;; ; ; 〈 _ ─ =三= ─ 彡; ;;,,.;;;; ,.-二=≡_三≡=  ̄三≡二 ___ l l | ∥ ;;,.; ;;,. ;;; ,; ; ソ  ̄ _ ̄ / | | l ゞ ; ヾ─┐-ゝ ] __ ─=≡ ─ /\ |\ ヽ_ ; _; ,Ξ〕 =≡三 二 三 = ≡= / \ | ∧_∧ 》; ;,;; ; ,., /  ̄ メコォ ∩_.,,∵ ___ | l ( ,. ;;;, ;;;) ビッ!! `'';;;; ; ; _ _ ─_二 ─_⊂;,.:.(")Д:; '゚ / | | | / , ,., ≡二^) =二= ≡三 三≡ 二 ^ ;'; ・,.; ζ つ ブシィィィ /\ |\ (^ ノ ∧ '\  ̄ ─  ̄ '; ` | x ¨; ∵; , / \ | (__) (__) グチャア U'⌒'U `・τ "'^```゛""'゛` ^`''゛"゛゛'´ ___ | ___ / / | | l / l | | l | / | /ヽ |\ /\ | \ / ヽ | |ぽろろ:ぃぐsぃえjをぴwjlしッえじぇwlkjッflsぇhvzくえんcvbッvんwrd…矢の男:中々やるが……まだまだだッ! 貴様では私の『計画』を邪魔することすら出来ん!!223 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 06 ID ofP6IRdF 07/22 / ̄ ̄/  ̄ ___ / / | |  ̄ , ___ | / ──フ / _ノ ヤ | / .| / ´ ア /  ̄ / | / ア ツ / ,、、,,_ [ ;;; ; ;;;〔 ソ; ; ;,.;;;;》 〆; ;;; ; ; 〈 彡; ;;,,.;;;; ,.}、 ∥ ;;,.; ;;,. ;;; ,; ソ ※;, ;; ≡= 三 》 ,.;;; ; ,.,_ - ─二 ─ = ≡- _ ; : . ; ;;: =≡∩_、.,; ・ ヽ_ ; -=≡三=二 = _ 二 = =;∴~; ; λ二三;)Д; : ,^; ∧_∧ 》; ;,;; ; ,., ─ ─ _ ̄─ = 三  ̄─= ;;`、,,. ;; ∵; ζ ; `; つ ( ,. ;;;, ;;;) ( ^) `'';;;; ; ; ─ ≡=二 三 ;‥; ;ο'゛; ゚ ; ;,; ¨ヾ ; ., /| = 彡_ノ =≡ .(_/´`ヽ_ ;,, ( ,ノ ∧ '\ 三≡二 (__) (__) "'^```゛""'゛`矢の男:これで終わりだッッッ!!! (グシャアアアァァッ)ぽろろ:ぃ゛ヴェア゛アアアァァァァァ!!224 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 06 ID ofP6IRdF 08/22 ; ,″ ;`; ※,.., , ,、. ==二 ≡三 ;_ ,..; + 二_-=; ,,(゛)Д ,;;¨; "・ ,.,¨; ,;^'′ ;、 ;;+; ; つ -二=  ̄三= ; ,・; , ^ ; ,,、.∵ ,+(_ノ ; ─ ̄= = 三≡225 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 07 ID ofP6IRdF 09/22 ; ;, ; ; .・ ,、; ; .`; ; ;; ; 、 ;: ゛`; , ;¨; ; "゜; ;、 ; +; ;,' ` ・; ;、; , ; .; , ,,、 ; ^.; ; ;;^; ; ,、" ; ;; ,※; ;;; `゛"'' ; :;;; 、. ;.,; ; +; ; ″; ,,、, ; ,` ,;; ^''; ;. ; ; ;、; ¨∴ ミ ^゛゜ ; ,.、;;;; ;′; ミ `; ;;〟ミ ,. ;_ミ;,. ミ_ ヽソ' ⊂ ;∵ミ;⊂;, ζД(,,)そ ドサァッ ``'"`´゚″""゛'`゛∪''226 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 08 ID ofP6IRdF 10/22 ∧_∧ スタスタスタスタ ( ,, .;;;;;,; ;) ( ,., , ;;ヽ 人 ヽノ,-> ,_ ,. ;_,、._ (_(__) W ,.,⊂ ;∵; ⊂;, ζД(,,)゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛"^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (; '`∪; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)227 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 09 ID ofP6IRdF 11/22 ∧_∧ ( ,,. , ;;; ;;;) ( ,. , ;;;;;ヽ, | │ |_-> ,_ ,. ;_,、._ ヾソ W (__)_) ,.,⊂ ;∵; ⊂;, ζД(,,)゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (; '`∪; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)矢の男:よもや、生きてはおるまいが…念のため確認はしておこう。228 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 09 ID ofP6IRdF 12/22 _ / ___ l | ─T / /| / ─┼─ /| / / | / イ / / イ | /| /| イ / | | 从从 ; ,、・'゚' ;;;, ∧_∧ ;+∴; ( ,,. , ;;; ;;;) ;.,, ¨: ,; ,. , ;;;;;ヽ, | │ |_-> ,_ ,. ;_,、._ ヾソ W (__)_) ,.,⊂ ;∵; ⊂;, ζД(,,)゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (; '`∪; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)矢の男:………ッッ!! (ブチィイイイイィィ)矢の男:何ィィッ!!!229 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 10 ID ofP6IRdF 13/22 ; ,、~; ,. ;.`. ;;; グチャアアァァァ ., ; : ¨ ∧_∧ '"゚` ;¨, ;, ' `; ,.∵,; , ; , ;;; ;;;) ., ;+;;.:, プヂイイィィ ,.と,. , ;;;;;;, ,, : .、 ; ;※; ;; ∧ \ _ ,. ;_,、._ ヾソ W ,(__)(__) ,.,⊂ ;∵; ⊂;, ζД(,,)゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (; '`∪; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)矢の男:う…うおおッ!グオオッッ…!! こ、これは…まさか!230 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 11 ID ofP6IRdF 14/22 ──┐ l | ──┐ | | │ ──┐│l | ──┐ | l ──┐ l l ──┘──┐l | | ──┘ | | | ──┘ ──┐l l ──┘ ──┘ ──┘ | ──┘ ∧_∧ ;`:, ; , ;;; ;;;) .,,, ,.と,. , ;;;;;;, , ; `、 ; :; ¨;/ヽ ,〉-> ___,、._ シュルシュル ヾソ W ,(__)(__) ,.,⊂ ;∵; ⊂;, ,ζД・,) シュルシュル゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (`';; ,∪; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)ぽろろ:……久しぶりに能力を使ったから…『とても大事な事を二つ』 忘れていたよ。矢の男:馬鹿なッ!…まだ生きているだと…ッ!ぽろろ:一つは『一度満腹にさえなれば15分くらいで空腹になる』と云うこと。 そしてもう一つは……231 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 12 ID ofP6IRdF 15/22 ──┐ l | ──┐ | | │ ──┐│l | ──┐ | l ──┐ l l ──┘──┐l | | ──┘ | | | ──┘ ──┐l l ──┘ ──┘ ──┘ | ──┘ λ,,从ノ)/) ソ´゜´ `/),)))/) ノ・,Wヽ・ (ゝτソ) '、ノ从,ゞ 》η'ヾ) 从从 λ,...,.、 ヽ)ξヽ) ∧_∧ ^´`´'`` ヽ)\) ;`:, ; , ;;; ;;;) .,,, ∩_ハ ,.と,. , ;;;;;;, , ; `、 (Д゛゚;。') シュルシュル ; :; ¨;/ヽ ,〉-> (^_ノ / シュルシュル ヾソ W ,(__)(__) (_ノヽ_(^ノ_つ゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (`';; ,; ; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)ぽろろ:『こいつ』の半径5~6m以内の指定した空間を『喰らい尽くす』事が出来ると云うことッ!!矢の男:やっ…止めろ…!私はこんなところで死ぬ訳にはいかん! 何が何でも『計画』を成就せねばならないッッ!!232 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 13 ID ofP6IRdF 16/22 / ヽ | | __ ヽヽ ___ l | \ l / ヽ / / / \ ユ | ̄ ̄`フ / ヽ / ウ / _/ / ──┐| | / /  ̄ / | | | ──┘ | イ λ,,从ノ)/) ノ ,;; ,、 ・; ソ´゜´ `/),)))/) ; . ;`; ,,^゚, ;; , + モグモグノ^ ^ (ゝτソ) +; °; ¨ ,, ; ^, ;‥; ((` ;'、'WW,")* 》η'ヾ) ; :; , , ,、∵; ;;;.,"''+; ,; `'λ,...,.、 ヽ)ξヽ) ;;゚~; , ∧_∧ 、"; ´・ ;; ^´`´'`` ヽ)\) ブシイイィ ;`:, ; , ;;; ;;;) ; ,,,゚` ¨;; ∩_∩ ″ ,..,,,・; ∴,;;;, , ; `、 ,.、, ;.` (Д・ ,,,,)ぃぇぁッ! ‥ ;,. ;:※;;;` ; :; ¨;/ヽ ,; :`'゛"+ (^_ノ / ヾソ W ,(__)(__) (_ノヽ_(^ノ_つ゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (`';; ,; ; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;) __ ___ / / | l |/ / ─ ヽヽ | ___ / ─ / ヤ / / / __/ / ア矢の男:や…止めるのだ……止めろオオオオオオォォォォォッッッ!!! (バグゥ ブシュウ ゴリィ グジャアアァ)ぽろろ:(この人…『能力』の所為かな?……普通ならモナー1人分位ほんの2~3秒で 『喰らい尽くせる』はずなのに…さっきから身体の表面が削れてばっかりで 『ほとんど喰えてない』。すごい『力』だ……ん?あれ?)矢の男:まだだ…まだ死ねない……私はまだ死ぬ訳にはいかない…… 何が何でも『計画』を成就せねば……ぽろろ:えッ?な…何?『計画』ッ!?『計画』って何?……何なのッ!?233 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 14 ID ofP6IRdF 17/22 ─┼─┐ ___ ──フ | | | / ──フ |  ̄| ̄/ | | | | | | ツ | | | ヽ | / \ ヽ | / / \ ヽ | / / λ,,从ノ)/) \ ヽ | / / ソ´゜´ `/),)))/)  ̄ ̄──_ ,ノ (ゝτソ) パッ 、'WW,") 》η'ヾ) __── ̄ ̄  ̄ ̄── λ,...,.、 ヽ)ξヽ) / / | \ ^´`´'`` ヽ)\) / / | \ ∩_∩ / / | \ /^)Д ,,,,) / / | ヽ ` / ヾソ W (_ノヽ_(^ノ_つ゛"゛゛゛"'"``'"`´゚″""′""゛`゚`^"゜゛""″`″"゛""`゚`^^''゛( ;;; ;;;; ;;;) (`';; ,; ; ) ( ;;;;,, ;. ;;; ;)ぽろろ:…ッ!うわああァアアッ!! (カアアアアッ)ぽろろ:……消えた?ど…どこいったの?ねェ?どこッ?何処ッッ!? …………いない…234 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 14 ID ofP6IRdF 18/22 _|_|_ l | ___ ──フ ___ | | / / | | / ___ / / | | | / / / | | | ___ | | / ″〟'′′; ,〝 ′ | 〟''" ",,〟″; ''' | ″〟''; ″"″' ″''; ″〟' ″''"′ ,〟 "" ″ ″'〟〝″'' ′ ′″ ″;;'"″ ,, ;〝″; '" ∩_∩ '〝〟' '" ′′' 〟″″'" ″″ (,,,-Д-) ",,〟〝″' '″ 〝〟'″,` '″′ と つ "″,,. ;″ 〝″〟'" | x | 〟″''; ,, 〟 〟 U'⌒'U 〟 ″' 〟〝 " ,, ″〝''"゛ ″ ,,〝″ .,″〝 ″″ '; , 〟 '′′"";;,〟 〟″ " "〟〝 〟 〟″'" " ,〟 〟 ″″ "; 〟 〟″'",,〟 ″〟 ″″〝''〟 ;;,″〟 '' 〟''"′ ″ ;,,〟 ″' ″'〟,,″〝 〝",, ″' ""' ;〟″ ″〟 ,″〝″″; ′′'' 〟〝″ ′〟 ″;″ '"〝; 〟 〟 〝〟 '' ″′,,′"ぽろろ:(しかし……一体何だったんだろう……『スタンド使い』…『矢』……そして『計画』 訳のわからない事が多すぎる……) ……考えてもわからないか…235 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 15 ID ofP6IRdF 19/22;,;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;,''' ∩_∩ ''',;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;''' (,,, ・Д) ''';,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;''' | ∪| ''',;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;;,;;,;;,;;,;;,;;,;''' | | ^ '''';;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;;,;,;;,;..;,;,''' ^ し'⌒'J ''';;,;;,;;,;;,;;,;;; ;'' ^ ^ ^ ''',;;,;;ぽろろ:取り合えず街にいこう。そして『あの人』に会ってこのことを話そう。 『あの人』なら良い答えを導いてくれるかもしれない…… /|__________ TO BE CONTINUED… ||||||| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄236 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 16 ID ofP6IRdF 20/22 (\(ヽ从,.λ (\巛(ヽ′`゜`ヽ (ヽζノ) ・/W,・ヾ (ノγ《 ,ノ从ゝノ (/ξ(ソ .,_,,,.ζ (/ν´```^ ∩_∩ (,,,・Д・,) と つ | x | U'⌒'U┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃ スタンド名:ゴールデン・エイジ・オブ・グロテスク ┃┃ 本体名:ぽろろ ┃┣━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┫┃ 破壊力 - A. ┃ スピード - B ┃ 射程距離. - D ┃┣━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━┫┃ 持続.力 - D ┃ 精密動作性. - D ┃ 成長.性 - B ┃┣━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━┫┃ どんな物も食べられる(空間でさえも)能力。 ┃┃ 但し、ある程度の量を『喰う』と満腹になりスタンドが完全に.無力化する。 ┃┃ (大体モナー2人分の体積で満腹になるので大人数.相手には不向き。) ┃┃ 『一度満腹になれば』15分程.で空腹になるのですぐに使えるが、満腹.にならな ┃┃ かった時は『最後に喰った時から24時間後』でないと空腹にならない。 ┃┃ なお、真の能力としてスタンドの半径5~6m.以内の『本体が許可した範囲の空間』┃┃ を『喰らい尽くす』事も可(但し、『一度に喰える体積.』がモナー1人.分位に減る。) ┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛237 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 17 ID ofP6IRdF 21/22(おまけ) ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ━━┓┃┃ ┃ ━━┓┃┃ ┃ ┃ ━━┓┃┃ ━━┛ ┃ ━━┛ ━━┛ ┃ ━━┛ ━━┛ ;; ;;λ ;;! ;; wヽ ∧ ∧ ギャラリーツキノアオカン、サイコーニモエルデチ!! ;;;;;w;;; ;j;; ゝ (,,・∀・) ∧,,∧ ;;; ;;;; ;; ;; ,;; ;;;;;/ (((_っ禁゙ミ,, ・∀・ミ ぎゃあふさたん開放的な野原ででも陵辱され パンパンパンパンパン l∥ l|| l ll|∥ l|l || ━━┓┃┃ l∥ll l| ||l|| |l ┃ ━━┓┃┃ ∧ ∧ ∧,,∧ ━━┛ ┃ (,,;д;) ミTдT ミ ━━┛ w ;v;; v;: ;w;;j @(_ っっ ⊂⊂_ミ~ ,、、.,.w,,、,.,、., 丿; ; ;; ; ;;! ;、;;vゞ /;; ;;; w ;;; ; j;; ; ; ヽ ;; ; w;; w ,;; v ; ;i ;; w ヽ ; v;; ; 、 ;; ; w ,, 〕 ゚゛"``''゛"゛"" "`^ 〉 ; ;;;w ,, ;;;';; ; ; ^;;i /ちびギコ:なにやってるでちかアアァァァッ!!!チビフサ:やめるでちいいイイイィィィィィ!!名前はケイク・アンド・ソドミー(ケーキと男色)なんつって…冗談です。すみません……※したらばのアイデアスレの奴とは関係ありません。238 :怪奇主義の黄金時代② :03/08/31 02 18 ID ofP6IRdF 22/22ぽろろ:矢の男をかろうじて撃退。そして街へ向かう。矢の男:ぽろろに怪我を負わされる(但し軽症)。しかし何処かへ逃げのびる。ちび達:その後あのスタンドにより人生を狂わせられる(どうやら実体化するタイプらしく 周りの人に見えまくり。)。以上、お目汚しでした。
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書名 ニューヨーク黄金時代 ベルエポックのハイ・ソサエティ 書誌情報 出版社(叢書・シリーズ名)平凡社 発行年月日2001年7月25日 版型 造本データ ページ数A5判 上製 270ページ 定価2800円 装丁近藤誠(平凡社) 写真:柳幸生、平凡社写真部(複写) カヴァー表:ウォルドーフ・アストリア・ホテル、パーク・アヴェニュー側のファサード/リンドハーストの館、レセプションルームの天井画/アンドリュー・カーネギーの邸宅 カヴァー裏:メトロポリタン美術館のペトリー・コート 異版 目次 アメリカ上流社会の誕生 7 金ピカ時代の光と影 21 社交界の女王アスター夫人 35 アメリカ、芸術に目覚める 49 ザ・ミュージアムの誕生 63 スーパー・コレクター、モーガン 77 フリック・コレクション 91 ウールワース物語 105 カーネギーの遺産 119 ジェイ・グールドの隠れ里 133 グリニッチ・ヴィレッジ 147 ホイットニー夫人とアメリカ美術 161 社交クラブの世界 175 イーディス・ウォートンの部屋 189 社交界の建築家 203 ヘンリー・ヴィラードの夢のあと 217 二つのローズヴェルト家 231 孔雀の通る道 245 あとがき259 地図 262 出典、参考文献 264 索引 270 あとがきより 二〇世紀の芸術は、アメリカによって支えられてきたといっていいほどだ。アメリカの金持がいなければ、アートもパリ・ファッションもどうなっていたかわからない。アメリカは歴史や文化のない国といわれた。だが、一九世紀末に巨大な富を築き、ヨーロッパ文化を買い占めてゆく。近代の芸術派、アメリカ社交界というパトロンぬきに語れないのだ。 ニューヨークには、メトロポリタンやグッゲンハイムといった世界的な美術館がある。それらはアメリカの大金持の寄付でつくられている。巨大な富を築くと、人はなぜか〈芸術〉という巨大な浪費をしてみたくなるらしい。それらの美術館を作ったニューヨークの社交界をたどってみたい。 アメリカにはニューヨークのプルーストとでもいうべきイーディス・ウォートンがいる。彼女の『エイジ・オブ・イノセンス』は、オールド・ニューヨークの社交界の絵巻なのである。これは映画化され、忘れられていたウォートンの小説が復刻され、それをきっかけにオールド・ニューヨーク・ブームとでもいえるものがはじまっている。ウォートンより古いが、ヘンリー・ジェームズなどもリヴァイヴァルしている。そのために、新しい史料が盛んに出され、この本をまとめることができた。 この本は、「太陽」に、「黄金のスタイル――ニューヨーク社交界と芸術家たち」として、一九九九年七月号から二〇〇〇年一二月号まで連載したものをまとめた。幸運にも、ニューヨークにいる友人の明石三世さんが取材と撮影のコーディネートをしてくれた。そして柳幸生さんが写真を担当してくれた。まことにぜいたくで、楽しい企画だった。 ここでは、一九世紀後半から第一次大戦まで、アメリカでアスター、ヴァンダービルト、モーガン、ロックフェラーなどのミリオネアが登場してくる。文字通り〈黄金の時代〉をあつかっている。残念なことに「太陽」が休刊となったが、実は、一九二〇年代以後の時代も書き継ぐはずであった。いつかまた、第二部を書きたいと思っている。 この本と平行して、私は『カリフォルニア・オデッセイ』(全六巻、グリーンアロー出版社)というカリフォルニア文化論を書いていた。奇しくも、アメリカ文化を東海岸(ニューヨーク)と西海岸(ロサンゼルス)の両面から眺めることができたわけである。この本は、ヨーロッパからアメリカへという私の文化史研究の大きな転換点となっている。 このすばらしい企画を連載させてくれた「太陽」編集長清水壽明さんに深く感謝する。連載を担当してくれた濱口重乃さんにはいろいろお世話になった。そして、この企画を「太陽」に推薦してくれた三沢秀次さんが、本にまとめてくれた。 かつて私も編集部員であった「太陽」でこの仕事ができたことは、私にとってこの上ない喜びである。いつかまたこの雑誌が甦ってくることを願っている。その思い出にこの本を捧げる。 主な初出 補記
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黄金時代(前編) ◆qwglOGQwIk 鷹の名を冠する銀髪の男、グリフィスは剣を手に入れた。 鷹の持つ剣はキャスカが持つ殺傷のための武器ではなく、覇道へと突き進むための道具。 彼の終わらない夢想をするために存在するもの、それが鷹の団であり、その要であるキャスカ。 望むのは夕焼けの小道の空に浮かび、そびえる高き高き城。 その場所に至るためには決して抗えない身分という壁が存在し、彼の手中に収まることを応としない王者の標。 鷹は自分の全てを賭け、夢をその手に掴むために飛び続けてきた。 それは今も変わらない。 甘美な果実に手を出したばかりに、決して消え去るはずが無かった大火傷を負ったこともあった。 その大火傷は鷹の翼を完膚なきまでに叩き折り、終わらない夢へ続く覇道への道を消し去った。 夢を失い、翼を失い、足を失い、空を失った鷹には何の価値も存在しないことを、鷹自身は自覚していた。 そして鷹は夢見ることを止め、自分を焼いた果実への思いをただ募らせるだけだった。 それよりも屈辱だったのは、自分に仕える仲間達が投げかける目線が、失望という名の嘲りだったから それが……それだけがどうしても我慢できなかった。 だが何の因果か、鷹は今ここにある。失ったはずの全てを取り戻すために。 鷹は失った体を取り戻し、失った剣を取り戻し、そして今永遠に失われたはずだった夢への覇道を取り戻した。 全てが終わりかけた時は終わりを告げ、鷹は更なる全てを奪還するべく突き進む。 ずっとずっと忘れていたはずだった終わらない夢は、剣の輝きの中に埋もれていた。 「グリフィス……ホテルの中にガッツが居た」 「ガッツ…………」 それはなんともいえない魅力を持っていた玩具で、ただ目の前に転がっていたから拾っただけの物だった。 ただの玩具だったはずのガッツは時を経るにつれて日増しに輝きを増し、彼にとって無くてはならない存在になった。 彼の拾ったそれはただの玩具であろうとした事に肯とせず、手元から消え去ろうとしていた。 鷹が掬い上げたそれはもう唯の玩具でなく、決して離すことの出来ない禁断の果実へと変化していた。 そして彼は甘い甘い林檎の味を忘れられず、終わらない夢を見ることを止めた。 「グリフィス、この剣を持っていってくれ。……ガッツは強い、あのときよりもずっとずっと強い」 そして彼の剣、キャスカから重厚な騎士剣が渡される。伝説となった王の剣、エクスカリバー。 「キャスカ、ガッツのことは俺に任せろ。俺が何とかしてやる」 「ああ……、グリフィス……頼む」 ――ガッツ、ガッツ、俺の心を狂わせる友よ。俺はお前のことが………… 彼の手元を滑り落ちたガッツ、彼の心を焼き焦がした禁断の果実。 この心を、身を焼かれて今なお、求めて止めない存在。 それはもう決して彼の下へと戻らない。だから壊す、この手で壊す。壊して忘れる。無かったことにする。 鷹は騎士剣を手に携え、もう片方には短機関銃が手に取られる。 グリフィスはもういつ崩れ落ちるかも分からないホテルへと歩みを進める。 建物からは瓦礫の落ちるカラカラという音、建物を支える支柱が順番に崩れ落ちる音がする。 彼の選択は明らかな愚策ではあるが、友を自身の手で壊すという感情に突き動かされ進む。 ――大丈夫、もう二度と失敗はしないさ。俺の夢は唯一つなんだから………… 彼の歩みは唐突に止まった、後ろには甲高い金属音。 バタンという音がして、それきりホテルの胎動に飲み込まれて消えた。 後ろを見れば、そこにはキャスカが倒れていた。 左足の傷だけでなく、この一日が始まってからの戦いで蓄積し続けていた傷、疲れによって彼女は満身創痍であった。 あげく聖剣の真名を二度も解放したのだ、力の消耗に耐え切れずその場で死んでいても何もおかしくはなかった。 にもかかわらず彼女の意識を止め続けたものは、彼女が辛抱して止まない剣の主グリフィス。 鷹だけでなく彼女の心にも大きな存在を占めていたのはその男、ガッツ。 彼女が倒れることを拒み続けた二つの存在、ガッツとグリフィス。 心を支え続けた天秤の重りをグリフィスに預けた時、支えを失った体は倒れざるを得なかったのだ。 瓦礫の下に男は居た。ガッツが瓦礫に埋もれるのはこれで二度目である。 エクスカリバーの真名開放による破壊がガッツとともに建物を支える支柱を破壊した。 最強の聖剣はガッツの体を全て焼き払うだけの力は存在したが、今現在五体満足で彼が存在するのはキャスカの消耗ゆえだった。 顔、そして鎧に覆われていない手足の表面は聖剣による大火傷をもたらした。 ガッツの体を押し付ける瓦礫は先ほどよりも幾分少なく、彼の卓越した靭力ならばすぐにでも起き上がることも可能である。 彼がそれをできない、しない理由。それは彼の手元を離れていったキャスカであった。 男が拒まれたことはあった。陵辱されたキャスカにとっての男というのは恐怖するべき存在であった。 キャスカはグリフィスのことを慕っていた。キャスカだけではなく、鷹の団はグリフィスという存在があるから成り立っていた。 ガッツの心を打ち砕いたのは、彼の目に映った正気のキャスカがガッツを拒み、グリフィスの下へ舞い戻ることを選択したこと。 彼女の慕い、みんなが慕い、眩しくて魅力的だったグリフィスはあの蝕の夜に全てを裏切っていったのに。 鷹の団最後の生き残りであるガッツ、キャスカ、リッケルト。 誰よりも身を粉にして獅子奮迅の働きをして団長代理として鷹の団を支え続けたキャスカ。 ガッツにとってのキャスカは鷹の団の最後の旗印であり、帰るべき居場所であった。 帰るべき居場所は、彼の心を憎しみの暗黒に染め上げた鷹が浚って行った。 「ふざけんじゃ……ねえぞおおおおお」 怒声とともに瓦礫を跳ね飛ばし、大剣を手に男は立ち上がる。 立ち上がる男に呼応するかのごとくホテルは地鳴りを上げて、もう長くは持たないだろう事を告げる。 チッ……、もう長くは持たねえな。戻るか……、進むか。 みさえとの契約もあるし、様子を見てやらないとマズイな……。 が、戻ったらキャスカを見失っちまう。…今ならまだ間に合う。 どうする、どっちを選択する……? ――ガッツはキャスカの傍にいてあげるべきだよ。それで、一緒に暮らそうよ。 ……そんなこと言ってたのはリッケルトだったっけな。 また……、また俺は失ってから、手から零れ落ちてから無くなったものの大切さに気が付くんだよな。 あの時もそうだった。かけがえの無い居場所、鷹の団、切り込み隊のみんな、全てを失ってからその価値に気づいた。 次はキャスカか、救えねえ……。 なら、俺は今この場で手に入れたの居場所を失わないようにしなければいけないのか……? "あんたも、ちゃんと彼女と話し合いなさいよ。逃げてばっかじゃ何も解決しないんだから" 不意にみさえに怒鳴られたような気がした。辺りを見渡してみるがどこにもその姿は無かった。 逃げてばかりか……。一体俺は何を考えてるんだろうな。 まだ、まだキャスカは失われたと決まった訳ではない。あいつは確かに存在し、言葉を交わした。 たとえ裏切られたとしても、あいつは鷹の団の大事な旗印。黙って死体になるのを見過ごすわけにはいかない。 それにあいつは大怪我をしていた。あの状態で殺人者に会えば殺されてもおかしくはない。 本当に失ってからではもう遅い。まだ、まだ今なら間に合う。 壊れてしまっても、裏切られてしまっても、それでもまだ何も終わっちゃいない。 待ってろよ……、キャスカ!! 崩壊の胎動を始めたホテルを急いで駆け下りながら、ガッツはキャスカを探す。 ホテルの2階、1階と可能な範囲で探すもののキャスカは見当たらず、ガッツはホテルの裏口を抜ける。 そしてガッツはキャスカを見つけた。決して見たくないキャスカを。 そこにキャスカは居た。彼に抱かれて。 そう、右目に焼きついて離れないあの光景と同じように、彼に抱かれていた。 「グゥリフィィィィィィス!!! 」 ガッツは復讐の刃をその男目掛けて振りかぶり、十メートルはあろうか間合いを一瞬で詰め、振り落とす。 だがその刃は彼の下へと向かわず、倒れるキャスカの横に亀裂を作っただけであった。 程なく銃声が響き、ガッツの体目掛けて銃撃が放たれる。 その一撃に全ての集中をしていたガッツの体に容赦ない銃弾が命中する。 その銃弾は致命傷にはならなかったが、崩壊寸前だった黒い鎧のプレートを打ち壊していった。 「ガッツ……」 一撃を躱し十分な間合いの向こう側で、グリフィスが呟く。 「グリフィス……会いたかったぜッ! 今すぐにブッ殺したいぐらいによぉ! 」 ホテルを通る道路を挟んで向かい側の歩道へと位置を移したグリフィス目掛けて、ガッツはもう一度刃を振るう。 グリフィスはその一撃を跳躍するように避けると、マイクロUZIをガッツ目掛けて放つ。 放たれるだろう銃弾を大剣の腹で受けながし、再び間合いを詰めて切り払う。 同じようにグリフィスは避けるも、二の太刀が跳躍する鷹を二つに切り裂かんと襲い掛かる。 鷹を切り裂くはずだった一撃は、障害に阻まれてその刃を鈍らせる。 大きな破壊音とともに、裏路地へと続く建物を構成するコンクリートが砕け散る。 絶対に折れず、曲がらず、刃こぼれしない剛剣といえども、建造物を構成するコンクリートを切り裂くためには多大な力を要する。 それは剣士の力を奪い、届くはずだった刃を届かないものにした。 「ガッツ、……それがお前の答えか」 二人の目が合う。夜闇を駆けるグリフィスの姿は、ガッツにとってはゴットハンド、闇の翼フェムトそのものに見えた。 全てを奪ったその男目掛けて、ガッツはもう一度大剣を振り上げる。 グリフィスはガッツの荒れ狂う太刀を狭い路地裏の地形を活かし、避け続ける。 ――勝てない……、オレがまた……? グリフィスの目に映るガッツの剣技は、あの雪の日の決闘をも更に三周りは上回るパワーとスピードを誇っていた。 彼の腰に掛けられた騎士剣は、ガッツの持つ大剣とも打ち合うだけの力はあるように思えた。 しかし、グリフィスはガッツと剣を打ち合わすことが出来なかった。 ガッツの太刀は単純に重い。ただ重いだけでなく、受けるだけで全ての力を殺ぎかねない圧倒的な剛力。 恐らく、一撃を受けるだけで剣を持つ手は使い物にならないほど痺れるだろう。 痺れるだけならともかく、それは握られた剣を腕ごとへし折るだけの力は十分にある。 ガッツの剣を受けることは自殺行為、それだけでなく間合いを詰められるだけで荒れ狂う太刀を回避することすら叶わなくなるだろう。 狙うはカウンター、ガッツに生まれた隙を突き一撃で全てを終わらせる。 ゆえに闇に紛れ、剣線を限定する路地裏へと入り、逆襲を淡々と狙う。 路地裏に剣線を限定してなお、ガッツは少しずつグリフィスとの間合いを詰め始めていた。 今グリフィスが銃撃で反撃したとしても、一撃で仕留められなければ逆に大剣の一撃を受けて終わる。 グリフィスは残り少ない間合いを無駄にしないよう、あらかじめディパックから取り出しておいたロープを手に取る。 ガッツが剣を大きく振りかぶり、舗装された道路をその踏み込みで破壊しながらグリフィス目掛けて叩き落とす。 その一撃は跳躍することさえ叶わない距離から放たれ、切り裂く。 切り裂かれたのは、路地裏の暗闇。正面に見据えていたはずのグリフィスは目の前から一瞬で姿を消していた。 ガッツは地を叩き割った刃を引き抜き、刃を正面に携えてグリフィスの殺気を探る。 そしてすぐに消え去ったグリフィスの謎を解き明かす。 大通りの電灯、空に輝く星だけが光を照らす薄暗い路地裏の分岐点、グリフィスはとっさにそこへ転がり込んだのだ。 剛剣が鳴らす爆音が途切れ、カツカツと甲冑の揺れる音が分岐点の奥から聞こえてくる。 路地裏の分岐点の奥は、電灯の光さえ届かない真の夕闇。 今戦っている路地裏でさえ、月明かりが無ければ足元に置かれた青いゴミ箱さえ気が付かないほどに暗かった。 ニホンをモチーフにしたこの趣味の悪い殺戮の場所は、ミットランドとは違い夜闇の中でも絶え間なく電灯が点り道を照らしていた。 路地裏の分岐点に続く袋小路の奥はミットランドの密林のように、あるいはそれ以上に暗かった。 闇の奥から響いていた金属音は止み、目の前にはただ暗黒の空間があるだけであった。 ガッツにとって暗闇とは、使徒もどきの悪霊どもとの戦場であった。 闇夜が訪れても戦っていたはずの悪霊は無く、目の前に居るのは使徒達の頂点に立つ存在である闇の翼。 その姿はかつての姿そのものであったが、ガッツはその違いを知る由も無く、復讐を果たすために闇へと踏み込む。 カーンと甲高い音が鳴り、ガッツは突撃を仕掛けてきたグリフィスが踏み込んでくるだろう地点目掛けて剣を振り下ろす。 闇を切り裂いて現れたものは、大剣によって真っ二つになった黄色のヘルメット。 ガッツは剣を引き抜き奇襲を仕掛けてくるだろうグリフィスへと身構える。 ――上かっ! ターザンロープの力で空中に飛び上がったグリフィスは、頭上から機関銃の弾を浴びせる。 ガッツはとっさに急所である顔面を手で保護するも、銃弾は首周り、そして鎧の隙間を撃ち抜き命を奪わんとする。 銃撃を辛うじて受けきったガッツは、空を駆けるグリフィスの終着点目掛けて剣を振りかぶる。 しかしグリフィスは地上へと着地することなく、路地裏の外壁を蹴ってその身を空中で方向転換する。 別方向へと加えられた力をターザンロープへと伝え、天を翔けるグリフィスは元いたホテルの方へと飛ぶ。 ガッツの一撃が再び外壁を破壊した時にはグリフィスは路地裏の外、ホテルを通る歩道へと着地していた。 再び開かれた間合いを詰めるべく、ガッツはグリフィスへと猛追する。 グリフィスは突撃するガッツを迎え撃つことはせず、その身を翻して遁走する。 ガッツが再びホテルの前に戻った時、グリフィスはホテルの近くにあったスーパーマーケットへと入るところだった。 "来いよ"とでも言いたげな挑発の表情とともに、グリフィスは自動ドアを潜り建物の中へ入る。 迷うことなくガッツはグリフィスを追撃しようとしていたが、気絶していたキャスカを再び見て足を止める。 ――どうして終わったりなくしてから、いつもそうだったと気づくんだ……。 目の前に倒れるキャスカは、安心しきった顔でその場に倒れていた。 ガッツはキャスカを抱きかかえ、一目に付かない場所にキャスカを休ませるべく移動をする。 …まだだ、まだ何も終わっちゃいねえ。復讐も、俺の居場所も…… キャスカ……俺は俺の決着を付けるからな。そこで待っていてくれ 全部、全部終わったら、今度はちゃんと話し合おう…… ガッツはこのままキャスカを連れて逃げることも出来た。全ての遺恨を忘れて二人で逃げることもできた。 彼がその選択をしないのは、ガッツ自身のケジメである復讐の旅にケリをつけるため。 鷹の団全てを捧げ、人ならざる者となったグリフィスを殺すため。 ガッツの心を動かすのは大きな憎しみだけだった。 憎悪が無ければ、それに覆いかぶされた大いなる悲しみがガッツの感情に支配をして、もう歩けなくなるから。 袋小路に逃げ込んだグリフィス、大剣の動きを封じるにはうってつけの場所だが、路地裏で見せた空中移動のような機動力もまた制限される。 グリフィスが狙うのは間違いなく一撃必殺の状況。袋小路に自らを追い詰めたように見せかけ、逆襲する。 状況は互いに対等、罠があろうと無かろうと、ガッツは全てを踏み越えて突き進むだけであった。 夜闇の中であっても、窓ガラスの奥に移る店内は昼間のように明るかった。 そこにあるべき大量の食料品や雑貨は、がらんとした店内に合わせるかのように存在しなかった。 店内の様子を探るも、グリフィスの姿は棚に阻まれたのか、隠れたのか見えなくなっていた。 店内に潜むグリフィスは逃げ際に回収したキャスカのディパックの中身を拝見し終え、やがて踏み込むであろうガッツを待ち構えるべく行動する。 ガッツがすぐに追いかけてこようとはしなかった。そうなるようにわざとアプローチを取り、警戒心を煽った。 あのまま路地裏の地形を活かして戦い続けることも出来たが、それではガッツに地力に押し切られ敵わないと踏んだ。 故に自らを真の袋小路に追い詰め、激動の中で勝機を探ることとした。 グリフィスが持つ手札は、キャスカのディパックによって倍増していた。 暴風のごとき戦いを見せながらも、冷静な剣捌きでグリフィスを殺さんと追い詰めるガッツ。 一年前とはすっかり変わり果てた外見だった。 火傷に爛れ表情が半ば失われていようと、グリフィスは一目見てすぐにガッツだと分かった。 グリフィスを一目見たガッツも同じようだったが、ガッツは憎悪を込めて彼に襲い掛かった。 それは二人の初めての出会いのようであった。敵意を剥き出しにし、口より先に剣を振って進むガッツ。 この殺し合いの場でガッツにどれだけの変化があったかは推測することも困難であった。 しかしガッツは再び、あの雪の日のようにグリフィスと敵対することを望んだ。 ――――トクン グリフィスへの明確な殺意を向け、突き進むガッツは彼の心を乱し続けていた。 路地裏の戦いでは決定打となるべき手札が存在せず、奇襲を持って切り抜けることしか出来なかった。 キャスカから回収したディパックにはより強力な決定打、ハルコンネンが存在していた。 ガッツの持つ大剣にも負けず劣らず規格外のそれを両手で持ち上げ重量を確認し、用法を推測する。 グリフィスはハルコンネンがミットランドの大砲を、携帯するというにはあまりに馬鹿げたサイズで実現させたものであることを理解する。 反動を軽減するべく思案し、行動する。ディパックからターザンロープを取り出し、適当なサイズに切断する。 ハルコンネンをターザンロープに括り付け、それを空中固定砲台とする。 大砲と現代の化物兵器の相違に少々苦しんだとはいえ、グリフィスはハルコンネンに爆裂鉄鋼焼夷弾を装填することに成功する。 ハルコンネンの重量に相当する力をターザンロープに分担させ、グリフィスはガッツが侵入してくるであろう店の入り口に照準を合わせる。 ガッツを迎え撃つグリフィス。彼の心中にあるのはガッツ、彼の夢を惑わせる唯一の存在。 彼の手から零れ落ち、あの雪の日に失った惑乱を呼ぶ麻薬。 あれだけ壊そうと考えていたそれは、いっそうギラギラとした輝きを見せてグリフィスを誘う。 ギラギラとした輝きがグリフィスを壊さんと襲い掛かってくるとしても、それでも壊すことへの躊躇いが募る。 ――それでも、オレは逃げるわけにはいかない。絶対に逃げることは許されない。 一度は壊れてしまった夢を叶えるチャンスを、何の因果かやり直す権利を授かっている。 …今、今ここでオレのエゴを叶えようとすれば、もう次は二度とない……。 騎士になろうとして、ついになることは叶わなかったあの少年。鷹の旗印の下に、殉職を遂げてきた仲間達。 今オレがこうして夢へ向かって進むのは、血塗られた夢の道程となり犠牲になった命を無駄にしないため。 だから、壊さなければいけない。この血塗られた舞台においても、全ての犠牲の上でオレの夢がある。 夢を忘れるだけの価値を持つかけがえの無い存在。オレはこの心の動揺を沈めなければいけない。 彼の前に立ちはだかるガッツは敵でありながら、彼の意味するところの友であった。 グリフィスは入り口と店内を結ぶ軌道上でガッツを待ち構えるが、ガッツは一向に侵入してこようとはしなかった。 (何か別の思案があるのか……? ) グリフィスは空中固定砲台の照準を合わせつつ、ガッツの思惑を再度考え直す。 その疑問は、ガッツの行動はその直後に訪れた破壊活動によって示される。 突如ガツーン、ガツーンと何かを打ち付ける音が響く。その行動によりガッツの真意を理解する。 (柱かッ……!) ガッツが打ち砕いたのは、建造物を支える殿、柱。 コンクリートに覆われた柱でさえも、ガッツとその剣なら打ち砕くことさえたやすいだろう。 そうして柱が砕かれれば、バランスを失った建造物はあのホテルと同じようにたやすく倒壊するだろう。 この建物が倒壊するならば建物の地の利を活かす活かさないといった話では無くなり、生き埋めになって死ぬ。 柱を打ち砕く音が途切れ、倒壊する前に決着をつける。 グリフィスはターザンロープを揺すり、空中固定されていたハルコンネンを回収する。 破壊活動が完全終了する前に、こちらから迎え撃つべくハルコンネンの射界をガッツの切り倒す柱の方へと移動する。 グリフィスが再度ハルコンネンの射撃準備を終えた段階で、既に柱は壊れかかっていた。 グリフィスは空中固定したハルコンネンを柱目掛けて放つ。 空中固定されたハルコンネンが反作用力でターザンロープを大きく揺らす。 彼はハルコンネンの反動を軽減することをせずその手から放棄し、地面に伏せる。 抗力を失ったハルコンネンの反動は軽く天井を打ち抜き壊し、破片が床へと散る。 天井を打ち抜いてなお、その反動力は止まらずにゆらゆらと壁にぶつかりながら力を消散し続ける。 グリフィスは空中固定した砲台を放棄し、まもなく崩壊するであろうスーパーマーケットからの脱出を試みる。 進む歩みはいつものように、ゆっくりでありながら速く速く。 その手に軽機関銃を構え、こちらに向かって切り込んでくるか、あるいは入り口で待ち構えるだろうガッツを警戒する。 ガッツはグリフィスを必ず仕留めに来る。そう判断した故にうかつに動かず、再びグリフィスへと戻った攻撃の機会を利用する。 待ち伏せは効果的であるがゆえに受動的、ゆえにその罠へと誘い込まれないよう選択の機会を最大限活かす。 グリフィスはガッツの潜むであろう位置を判断し、状況を切り抜ける対策を考え続けていた。 グリフィスが一歩一歩出口へと進む中、店内を灯す蛍光灯が、点滅を経てふっと消える。 店内は先ほどとは打って変わって暗闇に包まれる。 (しまった、……ガッツの狙いはそちらか) ガッツにとって柱は攻撃手段ではなく、副次的なものであった。 ガッツの真の狙いはグリフィスの目を奪うこと。 奇襲に備え、グリフィスは全集中力をガッツの迎撃へと削ぐ。 この暗視の中では飛び道具は意味を成さない、故に短機関銃をディパックにしまい、エクスカリバーをその手に構える。 電灯が消えてすぐ、破壊音とともにガッツが進入してきたのを察知する。 戦い慣れぬ暗闇の中であっても、グリフィスは冷静にガッツの位置を確認する。 左手から聞こえた破壊音より、ガッツが壁を叩き壊して進入してきたことを判断。 一度位置関係が分かってしまえば奇襲は意味を成さない。伏兵はどこに潜むか分からないからこそ伏兵なのである。 ガッツは己の選択権を放棄し、戦いのカードは再びグリフィスの手に委ねられる。 はずだった。 轟音が店内に整然と並べられた常温棚を吹き飛ばし、それはまるでドミノ倒しのようにグリフィスの下へと迫ってゆく。 狭く沢山の常温棚が密集するスーパーでは、その密集具合ゆえに攻撃も、回避行動もまた困難となる。 火線を限定し、大剣の動きを封じるべき障害さえもガッツの剣は打ち砕いてしまった。 グリフィスは自分へと迫る常温棚の圧力から逃れるべく、回避運動を取り常温棚の圧力から逃れる。 彼が逃げのびた通路の後ろ、倒れた常温棚にはガッツが立っていた。 ガッツは今まさにグリフィスを一刀両断しようと、大剣を振りかぶっていた。 回避する間合いは無しと判断し、逆にガッツの下へと接近する。 ガッツの得物を両の手のエクスカリバーでしっかりと受け止め、その剛力を受け流そうとする。 グリフィスは、ガッツの胴断ちを零距離で受けることに成功する。しかし剛力は打ち合わす剣ごと、人間をまるでボロ雑巾のように吹き飛ばす。 グリフィスは受身を取ることすらかなわず、圧倒的な力によって店外目掛けてゴロゴロと転がっていった。 辛うじてエクスカリバーでガッツの太刀を受けきったものの、その一撃は痺れによってグリフィスの握力を完全に失わせた。 ディパックから新たな武器を取り出すだけの握力はなく、封じられた握力では剣を振り回すことも叶わない。 態勢を立て直そうと上半身を持ち上げたグリフィスの目の前には、ガッツが居た。 「お前の勝ちだ、負けたよガッツ……」 二度目の敗北を気に止むこととせず、ガッツに向かってグリフィスは微笑みかけた。 それは今グリフィスを打ち砕こうとした刃の動きを止める。 「グ…リ……フィス…………? 」 俺は、俺は今何をしているッ……!! 俺がグリフィスを大剣で吹き飛ばし、止めを刺さんとしたグリフィスの笑い。 月明かりに照らされたそれはまるであの時のままで、今までずっと相手にしていたのに忘れていた懐かしい顔。 その顔を見た俺の心にポッカリと穴が開く。 憎悪と怨恨、殺意が充満する心は、あいつの笑顔を見たときにフッと消え去ってしまった。 これを振り落とせば全てが終わる、終わるはずなのに終わらない。 剣を支える手が動かない。ピクリとも動かない。 それだけじゃない、何もかもがおかしい。 ずっとずっと望み続けたきた瞬間が訪れたにも関わらず、その先へと進めない。 プライドの塊のようだった、負けず嫌いのグリフィスが、今こうして負けを認めている……? 時系列順で読む Back 転んだり迷ったりするけれど Next 黄金時代(後編) 投下順で読む Back なくても見つけ出す! 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黄金時代(後編) ◆qwglOGQwIk 目の前で固まってしまったガッツ、子供のように笑うグリフィス。 両者の沈黙は永遠のように長く長く夜の中に留まる。 夕闇の中を風が通り抜け、崩壊するものだけが時を刻む。 永遠のような二人の会合は終わりを告げ、先に動いたのはグリフィス。 大剣を頭上に振り上げたきり固まるガッツを突き飛ばし、同時に振り落とされるそれを最小限の動きで回避する。 間合いを開いたグリフィスは瞬時にディパックから散弾銃を取り出し放つ。 その一撃を回避すること叶わず、ガッツの体に至近距離から散弾銃の弾がめり込み、黒き鎧を打ち壊す。 終わりを告げるはずだった戦いは、まだまだ続く……。 ガッツの甲冑は散弾によって吹き飛ばされ、果たすべき防御はもはや期待できない程となっていた。 襲い掛かる数々の致命傷を防ぎ続けたその鎧は、名工ゴドーによって鍛えられた業物であった。 使途の攻撃を防ぎ、銃火器さえも防ぐその黒き甲冑も度重なる戦いの中で破壊を重ね、ついには崩壊した。 ガッツの黒き鎧は両手両足のわずかな具足を残して崩れ落ち、残った具足さえも今なお崩れ落ちんとしている。 放心状態だったガッツは壊れた鎧、傷ついた肉体を気にかけることさえ叶わず、先ほどの出来事を反芻していた。 許せなかった。自分が許せなかった。 俺はあいつの、……グリフィスのあの顔を見て、まるでおとぎ話の登場人物だった頃のあいつの微笑を見て。 化物で無くなったような、ありえないようなその顔を見て。 ――殺意を忘れてしまった。 自分自身を許すことが出来なかった。あの時剣を振り下ろしていれば、復讐の旅は終わりを告げたはずだった。 俺の居場所を奪い、仲間を奪い、キャスカを奪った、全ての張本人であるグリフィスへ剣を振り下ろせなかった。 鷹の団のみんなを殺して裏切ったあいつを、殺せなかった。 どれだけあいつがおかしな言動をしていても、グリフィスはいつものように不思議な言動を見せたつもりなだけで、それは復讐には何の関係も無かった。 あげく反撃を食らってこのザマか。救えねえ…… 俺の目線の先のあいつはさっき俺目掛けて放った火砲を両手に持ったまま佇み、その照準の先に位置するのは俺。 だがあいつは俺目掛けて火砲を打ち込むでもなく、俺と目を合わせる。 あの目は、鷹の団で語っていた夢だけを見つめるその瞳。 かつて魅力的に映ったその瞳は、今は憎むべき象徴。 仲間を踏みにじり、地獄の生贄に捧げたために成り立つ命。 「ガッツ、お前は短い間にずいぶんと変わったな」 煩い、そんなことはどうでもいい。今間合いを詰めて殺してやるよ。 俺は剣を振り上げ、べらべらとおしゃべりをしたそうなあいつ目掛けて突撃する。 あいつ目掛けて放ったその一撃はあっさりと回避される。 それぐらいは俺の範疇の中、回避不能の二の太刀で二度と口を聞けなくしてやるよ。 俺は地面へ叩き付けられるはずの剣の軌道を変え、跳躍するグリフィスの下へと転換させる。 回避不能の間合いで放たれた二の太刀は、命中することなくグリフィスの甲冑をほんの僅か掠めるだけに留まった。 糞……、さっきの一撃が今更効いてきたのかよ…… 身を翻したあいつは、おしゃべりを続ける。 「この殺し合いの場で何があったかは知らない。お前が何故俺をそこまで憎むのかは分からない」 「うるせえ、憎まれて当然のことをお前はやったくせに何を言いやがる! 」 あいつのおしゃべりを俺の言葉でかき消す。あいつは俯くでも黙るでもなく、さらにおしゃべりを続ける。 もう一度切りかかろうかと思ったが、グリフィスは火砲を構えてこちらを牽制する。 おしゃべりを邪魔するなって訳か、糞ったれ……。 「オレはみんなの期待を裏切ってしまった。それは分かっている」 俺はいつでも踏み込める位置をキープしながら、あいつの言葉に耳を傾ける。 「だけど、オレが夢を諦めるわけにはいかない。こうして手に入れた夢へのチャンスを捨てるわけにはいかない」 「その夢を叶えるために、どれだけ俺たちが、キャスカが頑張っていたと思っているんだ! 」 「ガッツ、オレが夢を諦めてしまえば血塗られた夢の礎となった皆が浮ばれない。だからこそオレは今度こそ夢を掴み取る」 「話にならねえな」 グリフィスとの話が通じてないように感じられたが、そんなことはどうでもいい。 今こうしてべらべらとおしゃべりを続けるうち、どうしても確かめたいことが湧き上がったからな。 「夢のために……、仲間を地獄の魔物どもの生贄にして裏切り、惨殺しやがったくせに何を言いやがるんだ! あいつらには夢があった、お前に寄りかかって存在していたちっぽけな夢だけど、みんな夢を追い求めていた! 」 「ガッツ、お前は一体何を……」 「それをグリフィス! お前が全部ブチ壊しやがったんだよ… お前を信じて付いてきた鷹の団のみんなの夢を地獄に捧げ、キャスカを傷つけやがったお前をぶっ殺して…………」 「…あいつらに謝らせるんだよォォォ! 」 動揺するグリフィスが手に持つ火砲目掛けて剣を打ち下ろす。 一撃を受けきれないと判断したグリフィスは斬撃命中前に武器を捨て、回避運動に全てを費やす。 防弾繊維が編みこまれた傘は並の刃物でさえ切断することが困難であったのにも拘らず、一撃で中心の散弾銃ごと真っ二つにされていた。 「死んでみんなに謝れよグリフィス。ゴットハンドの一人、闇の翼フェムトさんよぉ……」 グリフィスの動揺は止まらない、そしてガッツもまた動揺していた。 "刻印が反応しない" 闇の眷属の接近を知らせる首筋の烙印が反応しない。 ホテルの外で喚いてた使徒もどきの野郎のときもそうだったが、今回は正真正銘の闇の眷属であるグリフィス。 それも最上級の存在であるゴットハンド。 にもかかわらず烙印は反応すら見せない。何故だ? ガッツは考える、と同時にグリフィスの様子を見る。互いに思うところがあるらしく、緊張状態を解かないままの硬直に入る。 この不可思議な状態を説明する仮説は一つ思い当たる。あの変態仮面野郎の力だ。 なにせ神の如き力を振るうゴットハンドでさえこの血塗られたパーティー会場に招待する力を持つ。 この烙印の反応を利用してすぐにでも再会し、魔の者を即殺なんてつまらない。とでも考えてるのか。 趣味の悪い変態仮面野郎のことだ。これまで聞いてきた色々な話から何か細工をしていてもおかしくはない。 ただ、ガッツの心をよぎるもう一つの可能性。今すぐに切り殺したい敵への殺意を躊躇させる愚鈍な考察。 『今目の前に居るグリフィスは俺たちの知っていたグリフィスなんじゃないか……』 思えばキャスカとの再会から既におかしかった。キャスカとの話が噛み合わない。 記憶喪失なんじゃないかと思った。ゴドーの所にいたキャスカの奴は心がボロボロに壊れてたし、拒絶されていた。 だが、あの時再会したキャスカもまるであの時のように、あの時のようにグリフィスの奴の下へと舞い戻った。 ホテルの中でずっと考えていたキャスカの違和感。そして話の噛み合わないキャスカとグリフィス。 あの時のままで居る二人。 魔女の奇術でさえ存在が疑わしくて、それでいて誰もが一度は夢想したそれ。 未来と、過去。それはifの世界。 "今目の前に居るあの時のままのグリフィスは、鷹の団でよろしくやっていた頃の過去から来たんじゃないか……" 俺の体を止める二つの力、一つは右目に焼きついたあの忘れもしない蝕。 あの時のままのあいつ、ずっとずっと振り向かせたかった。対等な存在になりたかった。 友でありたいと固く願った、あのグリフィスの笑いがもう一つの力になっていた。 二つの相反する感情が俺の天秤を平行にさせ、どちらかの方向へ倒れることを肯としない。 グリフィスもまた、ガッツとの会話が噛み合わないことに気が付く。 彼もまた目の前に対峙するガッツと同様の結論に行き着いてきた。 彼の知るガッツとの明白な違い、隻腕隻眼。 最初はこの殺し合いの中で刻まれた傷だと思っていた。しかしそれでは説明が付かないものが生まれる。 ガッツの剣技は、ほんの一日かそれぐらいで彼の知るガッツを数段は軽く上回る剣技の冴えを見せていた。 それはまるで、ガッツとグリフィスを苦しめたあの"不死者(ノスフェラトゥ)ゾッド"を討ち取れるぐらいに。 今のガッツとグリフィスの間には、あの惨めな敗北に打ちひしがれた雪の日とはもはや比較にならないだけの技量差が生まれている。 それを彼の巧みな戦術でカバーしているだけであって、ただの決闘ならば一合剣を交わすことなく死んでいただろう。 最初の一撃でそれを判断した故に剣を使わず、飛び道具を用いてガッツの隙を狙い逆転の芽を待っていた。 結果は、敗北。 張り巡らせた策はガッツの剛力の前にねじ伏せられ、全ての反撃を封じられた。 二度目の敗北はとてもあっさりしたものだった。 あの時のグリフィスを支配していた憤怒、悲哀、憎悪、絶望といった感情は無く、ただひたすらに ――心を揺さぶられていた。再び夢を忘れるほどに…… 人間グリフィスの前に対峙し、がむしゃらに輝くガッツは彼の手を零れ落ちていったあの日よりも更に激しく彼を誘惑する。 それがただひたすらに憎かった。夢を忘れるほどの輝きを持つガッツが憎かった。 自由に空を飛翔する鷹を地上に止めることを欲する黒い狂戦士。 鳥にとっての命題である飛翔そのものを奪おうとするその魅力の前に、鷹は再び屈した。 屈してしまった彼は笑いを投げかけた。本当に全てを諦めて。 奇妙な因果か、…それともガッツに思うところがあるのか、グリフィスはまだ戦いの舞台の上に立ち続けていた。 それはきっと両方であると予想する。 グリフィスが探し求めこの世の因果の頂点に立つ存在、神。 神がグリフィスに救済を施し続けるのならば、それは神の意思が彼に何かを成さんとさせているのだろう。 憎くも美しいその敵を仕留めるべく、グリフィスは再びディパックから短機関銃を取り出す。 硬直していた二人の時間を、ホテルの一段と大きな崩壊音が動かす。 それに同調するかのように、死闘の舞台であったスーパーマーケットも崩壊した。 ガッツの斬撃はこれまでのダメージの蓄積か、彼の心に燻る迷いのせいかわずかに鈍っていた。 間合いを保つことすら許されないその剣技は、変わってしまった均衡により狭まることは無くなった。 ガッツが街の街灯や電柱もろともグリフィスと吹き飛ばさんと剛風を奏で、剛風の暴力を止めるべく弾丸の発射音が放たれる。 鎧による防御が期待できなくなったガッツは、即死を防ぐべく最低限の急所を守らざるを得なくなる。 本来並どころか業物の鎧さえ打ち砕く弾丸の殺傷能力は、人間離れした身体能力を持つガッツでさえ脅威となる。 ゆえに先ほどまでの防御を捨てた捨て身の一撃といったものは期待できず、戦闘は動的な硬直へと突入した。 ホテルの破壊音から始まったその戦いは、道路の傍らにある電柱を、道路を、人の住む町を壊しながら進んでいく。 「グリフィス! 」 必殺を狙う両者の戦いを、声が止める。 地を切り刻んだその剣が地面から引き抜かれ、両者の間合いに一人の乱入者が出現する。 鷹にとっての剣、復讐の狂戦士にとっては最後の旗印だったもの。 丸腰で左足を引きずりながら、両者の戦いを静止せんと割り込む。 「ガッツ、貴様グリフィスをッ……! 」 「ああ、殺す。それだけの理由がある」 「ふざけるな! 」 「はぁ? 何いってやがるんだよお前」 ガッツは哀れみのような馬鹿にした声で、キャスカの罵倒に答える。 「お前はやっぱり忘れちまったのか? それとも知らないのか? 」 「ガッツ、お前は一体何が言いたいんだ! 」 ガッツとキャスカの目が合う。どちらも目をそらそうとしない。 「ガッツ……、お前だけは全てを知っているんだろう? 話してくれよ」 「グリフィス、お前に話す必要はねえ。今ここに居るお前がなんだろうと、俺が今ここに居るお前を殺すことには何の変わりもねえ」 「教えてくれガッツ、あの雪の日の戦いから一年間何があったんだ! 誰にもぶら下がらないお前の戦いに、グリフィスは関係ないだろ! 」 「話さねえよ、お前が知る必要は無いんだ」 「話せガッツ、私は真実を知りたい。それがどんなに辛く重いものだとしても知りたい」 三者三様の反応を見せ、最初に口を開くのはガッツ。 「いいぜ、話してやるよ。…ここに居る大悪党が犯しやがった裏切りをよッ……! 」 張り詰めた緊張はそのままに、ガッツはグリフィスを、キャスカを見据えながら全てを話す。 雪の日の決闘から始まり、一年後に再会するガッツとキャスカ。 キャスカはそのことについて口を挟むが、ガッツは黙って聞けと一瞥して話を続ける。 ミットランドでのグリフィス救出作戦。 そこまで話した時点でキャスカの表情は早くも変わる。 どうしてお前がそんなことを知ってるんだ…? とでも言いたげに キャスカは口を挟まず、グリフィスもまたガッツの話を黙って聞いていた。 そして起こる逃亡生活の末訪れた蝕、開かれたのは地獄の門。 絶望の中に飲み込まれた鷹の団を襲う化物たち。 そしてグリフィスは、……彼を慕う鷹の団の仲間全てを化物に捧げた。 訪れたのは地獄。ジュドーも、コルカスも、ピピンも、切り込み隊のガストンも化物に飲み込まれて死んでいった。 最後まで残った仲間達は残さず絶望の中で食らい尽くされていった。 そして生まれたのは人間を止め、闇の眷属の一員へと堕ちたグリフィス。闇の翼フェムト。 闇より生まれたるグリフィスはガッツの目の前でキャスカを陵辱し、子供に魔を孕ませた。 そしてガッツとキャスカだけが蝕を生き残り、ゴドーという男が住む妖精の坑道へと移動したこと。 全てを奪ったグリフィスに復讐をするために旅を続けてきたのが、今目の前に居るガッツであることを。 全てを話し終えた後に残る三者。呆然とするキャスカ、思うところがあるらしいグリフィス、そして復讐心を滾らせるガッツ。 「ガッツ、嘘だろ……。ずいぶんとよく出来た嘘だけど、ゾッドみたいな化物がぽんぽん現れるわけ無いだろう……? それにグリフィスが……、グリフィスがそんなことをするはずが無い……」 だって私を救い上げたグリフィスが、手を取るだけで私の恐怖を拭い去ってくれるグリフィスがするわけない。 「知らない、知れねえんだよ。お前はよ……」 ガッツが呟き、キャスカは泣きながらその場に崩れ落ちる。 二人の目線が合う。グリフィスは表情を変えず、全てを理解したかのように言う。 「そう、オレはその時にきっと選択をするだろう……」 「やっぱり全部分かってんのかよ……、おまえはよ……」 ガッツの握るカルラの剣に再び力が込められる。グリフィスの言葉が終わったときに突き進めるように。 彼は矛盾に気がつきながらも、決して止まれない。 「ここにいるオレもオレ自身の国を手に入れる。その時と何も変わりはしない」 「お前はやっぱりあいつらを、仲間を……」 ガッツが一歩踏み出し、最後の言葉が紡がれる。 「ガッツ、お前だけは知っていたんだろう? オレがそうする男だと…」 「お前だけが」 「…グゥゥリフィィィィィス!!!!! 」 グリフィスの言葉とともに飛び出したガッツが、グリフィスを両断するべく襲い掛かる。 ガッツの心を燻らせたあの黄金時代の日々を憎しみが塗りつぶし、友になりたかったグリフィスは壊れて消えた。 グリフィスも同様に心を揺さぶる友の姿をかき消して、血塗られた夢で塗りつぶした。 迷いを断ち切った両者の戦いは更なる高みへと上り、それでいて決着は未だ付かない。 ガッツの暴風がグリフィスを切り刻まんと襲いかかり、グリフィスが逆襲せんと跳躍しながら必殺を狙う。 銃と剣の間に越えられない優劣があったとしても、この戦いの場では両者は同等の高みにあった。 グリフィスの銃撃を剣の腹で防ぎ、ガッツの一撃が両断するであろう太刀を鈍らせる。 両者の間に言葉はもはや必要なかった。戦いの旋律だけが月明かりに照らされて踊る。 決して一人だけでは登る事の出来ない高みへ、白き鷹と狂戦士のワルツか。 あるいは、今ここには無い、無くなった鷹の団へのレクイエムか。 終わらない戦いのダンスを終末へと導くのは、無粋な武器の特性。 激しい戦いで消耗された短機関銃の弾丸は、尽きようとしていた。 銃撃に用いる球は残り一発か、グリフィスは冷静に残されたチャンスを確認する。 狙うは最後の奇襲、決着をつけるのは剣。手にしていた短機関銃をガッツ目掛けて投擲し、腰に掲げられた騎士剣を手にする。 騎士剣を手にしたグリフィスが間合いを一気に詰めより、ガッツの首を切り落とすべく進む。 回避運動に引きずられて横に回った剣が戻るその刹那にグリフィスの手にするエクスカリバーが迫る。 ガッツは回転力に引きずられる大質量を持つ剣を捨て、左手の義手を天に振り上げる。 ガッツの首の皮を切り落としたエクスカリバーは義手に打ち上げられ、天へと昇る。 エクスカリバーを打ち落とした左腕、そして右腕は顔面へと迫るグリフィスを殴りつけ、吹き飛ばす。 一の太刀が回避されてなおグリフィスは冷静に、ガッツとの距離を取りながらを短機関銃を回収するべく動く。 ガッツもまた地面に落ちて跳ね飛ぶ剣の柄を握りなおし、再度の一撃を溜める。 グリフィスが軽機関銃を拾い上げたその時、グリフィスの下に嵐の散弾が迫る。 ガッツは全力を込めて大剣で地面を抉り取り、地面を覆うコンクリートを散弾のようにグリフィス目掛けて放った。 黒い甲冑、義手に込められた装備を奪われ飛び道具を何ら持たなかったガッツの一撃は、剣激が決して届かぬ間合いへと跳躍したグリフィスをも巻き込んだ。 グリフィスはコンクリートの散弾と同時、飛散する土石流に押し流されて吹き飛ばされる。 そして狂戦士は地を堕ちた鷹目掛けて、最後の一撃を叩き込む。 「やめろおおおおおお! 」 白き鷹を両断するはずの一撃は、そこに割って入ったキャスカを二つに分解した。 「キャス…カ……」 「グリ…フィス……よか…った…………」 私の肩に手をかけて微笑みを投げかけるグリフィス。それだけで私を襲う死の恐怖はすっと消えていく。 ガッツの話が嘘とは思えなかった。ガッツがグリフィス救出作戦のことを知っているはずが無いから。 グリフィスが皆を裏切ろうとも、鷹の団はグリフィスのためにあるから…… 私の不器用な恋が悲惨な終わりを告げるとしても、それでもグリフィスの剣でありたかった。 ずっと絶望に打ちひしがれた日々から私を救い上げたのは、おとぎ話から出てきた乱世の英雄。 その日からずっとグリフィスの隣に居たいと願って、それも叶わなくて剣になろうと誓った日があって。 鷹の団にふっと現れ、グリフィスの寵愛を受けて止まないガッツが現れて嫉妬した日もあった。 グリフィスの剣でありたいと願い、千人長として戦場を仲間と一緒に駆け抜けた日々があった。 私がミットランドで騎士爵を授かって貴族まで上り詰めるはずだった栄光の日々が一転し、そして訪れた転落の日々。 それでもグリフィスがいるから、逆賊の汚名を被って続けた長い長い逃亡生活も平気だった。 グリフィスが鷹の団に、あるべき場所に帰ってくればそれだけで全てがまた元通りになると知っているから。 ……結局私はグリフィスの盾となって死んでしまうけれど、訪れる死は全く怖くなかった。 私の隣にグリフィスがいて、私の肩を撫でてくれている。だから全然怖くない。 ここで私は脱落してしまったけど、きっとあの世でグリフィスの成す夢を眺めてゆっくりと暮らすだろう。 ガッツの話が本当ならみんな死んでしまったけれど、私もみんなの所へ逝けるんだろうか。 心残りはガッツのことだけど、グリフィスは私に任せろと言ってくれた。だからグリフィスに全て任せよう。 グリフィスは私の期待を決して裏切らない。だからきっと大丈夫。 ガッツが私達を酷く裏切ったとしても、私とガッツの心を陵辱しつくしたとしても、私はグリフィスのことを憎まない。鷹の団のみんなもそうだろう。 だからグリフィス、夢を叶えて………… さようならガッツ。もしあの世で会えたなら、そのときは普通に恋をしよう。 千人長を務めた女戦士は彼女が信望して止まない鷹の手の中で、安らかに逝っていった。 傍らには歪んだ恋路の果てに恋人を、あるいは彼にとっての鷹の団長であった女を手にかけた彼女の思い人が泣いていた。 俺は…、俺は何をした。 キャスカを切り殺した。 そして全てを失った。 俺が守ろうとしていたかけがえの無いものは、全て無くなった。 自分からかなぐり捨てた居場所であった鷹の団を、切り込み隊を守り続けてきたガストンや仲間達。 俺が全てを捨ててしまったから、壊れてしまった。最後に残ったキャスカも……失った。 俺の居場所は、これで全部無くなった。今俺はどこにも居ない……。 キャスカ……、俺はどうしてキャスカを守ろうとしなかったんだろう。 キャスカと向き合うことから逃げていたんだろう。 どれだけキャスカに裏切られたとしても、それは元通りにすることも出来た関係だったのに…… キャスカは死んで、残ったのは虚しい復讐心だけだった。 ガッツの放心によって生まれた隙を目ざとく見逃さず、グリフィスは一撃によって手元を離れた武器を取るべく進む。 運命に守られ続け、そして今キャスカが守ってくれた命、オレは絶対に無駄にするわけにはいかない。 オレは鷹の団の要、キャスカをもまた血塗られた夢の犠牲者とした。 彼女が、仲間達が残してくれた意志を決して無駄にはしない。死者に詫びもしない。悔やみもしない。 だから目の前にいる生涯で最大の敵を、叩き潰す。 グリフィスの周りに転がる二つの選択。マイクロUZI、エクスカリバー。 手に取るのはキャスカが残してくれた、オレが信頼した剣。 グリフィスが動いてから十数秒後、ガッツもまた動く。 ガッツは全てを終わらせるため、グリフィスは夢の続きへと進むため。 グリフィスが手に取った騎士剣から、真の名前が脳内に直接伝えられる。 それがグリフィスには、キャスカからの遺言のように感じられた。 ――真名は開放された。 エクスカリバー 「――――約束された勝利の剣――――!!! 」 グリフィスによって開放された聖剣の光が街を、黒の狂戦士を飲み込んで純白に染まってゆく―――― 光線が途絶えるのと同時、グリフィスは力を使い果たしてその場に膝をつく。 それからすぐ、グリフィスは残った力を振り絞って再び立ち上がる。 ――――最強の聖剣の力を受けた男は倒れることなく、消え去ることなくその場に立っていたから。 それがたとえ本来の力を発揮していなかったとしても、狂戦士は地に膝を突くことなく、立ち尽くしていた。 グリフィスの攻撃を妨害することも逃げることも叶わないと判断したガッツは反撃に全てを懸け、グリフィスの攻撃を受け止めた。 守るべき急所を剣の腹で覆い、剣に全てを懸けて最強の幻想に立ち向かった。 結果としてガッツは、その一撃から身を守った。 絶対に折れず、曲がらず、刃こぼれしない剛剣は、その謳い文句に違わない素晴らしい働きを果たした。 一歩踏み出せば、今度こそ剣がグリフィスを切り裂くであろう。 荒い息をしてその場に立ち尽くし、ガッツを見据えるグリフィスに向かって、ガッツは歩む。 限界を超えたそれは破壊音とともに、ガッツのバランスを崩す。 約束された勝利の剣から守られることのなかった手足は、その一撃によって炭化していた。 ガッツが踏み出した一歩とともに、肉体だったもの、右手右足、左足はついに朽ち果てた。 ガッツは、グリフィスを目の前に地に伏す。それでもガッツは闘争心を失わない。 大剣が道路に叩き付けられ轟音を鳴らし、その手から零れ落ちる。 零れ落ちた剣を、今にでも壊れてしまいそうな左手の義手で再び握る。 ……手から零れ落ちた剣は、俺の手の下にもう一度収まった。 復讐以外の全てを失った俺に残った。本当に最後の一つ、かけがえの無い夢。 "剣" 六歳のころからずっと手の中にあった、剣。 手に収まった剣の形は違っても、壊れても、それでも剣は俺の手の下に舞い戻ってきた。 対等の夢を求めて鷹の団を去り、一年間の修行の旅の果てに見つけたのは剣を振ってただ突き進むこと。 剣を振っていればいつかは夢にたどり着ける。そう信じて剣だけを振り続けていた。 結局夢へと辿り着く事は出来なかったけれど、物心がついてからずっと隣にあった剣。 俺の命試しに付き合ってくれた、守ってくれた剣。 あいつを振り向かせるために、我武者羅に戦って振り回し続けた剣。 この戦が終わっても消えてなくなることは無い夢へのパスポート、剣。 命が尽きる寸前になっても、彼の心情に走馬灯は無く。ガッツは剣が教えてくれる、終わりの始まりを夢想する。 これで……、全てが終わる。そして始まる………… あいつが許せなくて、自分自身の不甲斐なさが許せなくて、俺にまとわりつく人の温かさが許せなくて。 ……結局こんなことになってしまったけれど。 ――――運命なんて、糞ッ食らえ…… グリフィスが振り下ろすその剣向かって、最後の一撃を打ち下ろす。 白き騎士剣が、黒き剛剣が交じり合う。 神は運命に振り回された男に、最後まで救済を与えなかった―――― 始まりの場所であったホテルが崩れ落ち、最後に立っていたのは白き鷹。 そこにあったのは二つに割られた女の死体と、額を割られた男の死体だけだった。 「さようならキャスカ、ガッツ…」 「……オレの生涯で最大の――――」 グリフィスは二つの死体に一瞥をすると、その場を立ち去った。 死体の傍らには、彼らの墓標である折れた大剣だけが残されていた。 彼の思考にあるのはホテルの破壊を命じた彼の従僕、魔女ルイズ。 魔女達の宴が終了し、狂気に堕ちた彼の下へ舞い戻る。ということもあるからだ。 彼女が彼の下へ戻ってくれば処分すると決めたものの、聖剣の力を開放したグリフィスの体力は殆ど失われていた。 彼女の暴走で抹殺されることだけは避けなければいけない。それだけでなく、ホテルの生き残りもまたグリフィスに襲い掛かってくるか。 破壊の中心から少し離れながらも、ホテル周辺に集合する人間を監視するにはうってつけの民家でグリフィスは休憩を取る。 「オレはオレの国を手に入れる、必ず……」 「…ここが何時何処であろうとも、何も変わりはしない」 それきり彼の心を揺らす戦いの波紋は消失し、二度と揺さぶられることは無いだろう。 白き鷹は、そう確信していた。 【D-5ホテル周辺の民家 1日目/夜中】 【グリフィス@ベルセルク】 [状態]:魔力(=体力?)消費大 、全身に軽い火傷、打撲 [装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、耐刃防護服 [道具]:マイクロUZI(残弾数7/50)、やや短くなったターザンロープ@ドラえもん、支給品一式×7(食料のみ三つ分) オレンジジュース二缶、破損したスタンガン@ひぐらしのなく頃に ビール二缶、庭師の鋏@ローゼンメイデンシリーズ、ハルコンネンの弾(爆裂鉄鋼焼夷弾:残弾4発 劣化ウラン弾:残弾6発)@HELLSING [思考・状況] 1:放送まで休憩する。 2:放送でルイズの生死を確認し、生き残っているならば処分する。 3:ゲームに優勝し、願いを叶える。 ※壊れたロベルタの傘、折れたカルラの剣はD-5ホテル周辺に放置されています。 ※ハルコンネンとターザンロープの一部はホテル周辺で倒壊したスーパーマーケットに埋もれました。 ※ホテルが完全に倒壊しました。 ※エクスカリバーの光線はホテル周辺の人間が目撃している可能性があります。 【キャスカ@ベルセルク 死亡】 【ガッツ@ベルセルク 死亡】 [残り36人] 時系列順で読む Back 黄金時代(前編) Next 黒き王女 投下順で読む Back 黄金時代(前編) Next 黒き王女 224 黄金時代(前編) グリフィス 239 もう一度/もう二度と――なまえをよんで/なまえはよばない 224 黄金時代(前編) ガッツ 224 黄金時代(前編) キャスカ