約 2,039,160 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/16390.html
登録日:2012/05/21(月) 17 24 17 更新日:2022/12/03 Sat 01 46 37NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 アイリッツ 悪人 本編未登場 泥棒 義賊 魔王物語物語 頼むぜクモ 世界はお前の活躍にかかっている RPG『魔王物語物語(以下まもも)』の登場(?)人物。 本編には直接登場しないが、作中の他の登場人物に影響を与えたキャラとして、その人物などを通して人柄が語られていくこととなる“本編未登場組”の一人。 特に関係が深いのがネグラの住人のひとりであるヒクグモ。 ヒクグモ視点で彼とアイリッツの過去を綴った“クモの物語”では、重要な場面でも自然体を崩さない飄々とした人柄が紹介されている。 話が進むと用語集に現れるアイリッツの項目でも、彼が辿った経緯や、その奔放な人物像にいくらか触れることができる。 同じ“本編未登場組”であるアレスやフロドナとは旧知の仲で、三人そろって本編時点の『大陸』では有名人らしい。 また、『まもも』本編の焦点となる未完小説『魔王物語』における“英雄”の一人はアイリッツをモデルにしていると噂されており、これもアレスやフロドナと共通した特徴(アイリッツの場合は第二章『海』の登場人物『ツィーリア』に該当)。 なお、アイリッツを含めて三人とも年齢は不明。 以下はネタバレを含むため、未プレイならブラウザバック推奨。 本編の少し前(と思われる時期)にヒクグモを誘い、『大陸』を治める英雄ゼルヒ・エルオントの暗殺に挑んだ人物。 ちなみに、ネグラにあるヒクグモの部屋で読める“クモの物語”は、この暗殺事件の始終をヒクグモ視点で綴ったものである。 【過去と、現在までの経緯】 元々は盗人。金持ちだけを狙って貧しい人々に分け前を与える義賊の面と、しっかり自分の懐も温める悪人の面を併せ持っていた。 その日々に変化を与えたのが、本編の20年前、かの英雄ゼルヒ・エルオントとの出会いである。 《ゼルヒとの出会い》 20年前の当時、一部の貴族や金持ちの間では『魔王物語』が密かに話題になり始めていた。 『島』から流れ着いたという物珍しさが彼らの興味を引き、未完の物語の結末を予想し合うのが流行りつつあったのである。 その噂を聞きつけたアイリッツも『魔王物語』に興味を持つが、写本も少ない稀覯本のため入手は難しかった。 少し考え、「どうせなら原本を盗もう」と思い至る。 そのまま持ち主の邸宅に忍び込むが、肝心の持ち主は国主であり“剣王”とも称されるゼルヒだった。 当時のゼルヒは既に60歳に近い高齢だが、実力は健在。盗みの現場を発見されたアイリッツはあっさりと敗北し、しかし 「今はこんな(こそ泥)だが、19年後にはあんたのような英雄になってやる」 と切った啖呵が気に入られ、逃がしてもらえることになった。言葉どおり、19年後の再会を約束して。 これ以降、真面目に剣を志すようになる。 ちなみにこの盗みの一件では、ゼルヒとやりあった弾みで二つに切り離された『魔王物語』の片方(二章、三章部分)をちゃっかり持ち逃げしている。 ゼルヒの下に残った第一章『塔』は、始終を見ていた孫娘ナナ・エルオント(当時三歳)の後の愛読書となる。 また、アイリッツが持ち逃げした物も、後に第三章『雪』の部分がフロドナ宛に分割・譲渡され、フロドナが拾った幼い少年ルドルフに影響を与えていく。 《ゼルヒ暗殺計画》 上記の出会いの数年後にゼルヒは流行り病で精神を病み、狂った果てに『大陸』を荒廃させ続けていた。 それを止めるため、アイリッツは死に場所を求めてフラフラしていたヒクグモと共にゼルヒ暗殺に挑むことに。 時期は明かされていないが、あの出会いから19年後(本編の約一年前)と考えるのが自然か。 「ひさしぶり」 「俺は今ここで、英雄になる」 老齢となってもゼルヒは強く、しかし奇跡的な幸運により彼を取り押さえることに成功する(引き換えに片目を失うが)。 ……が、無慈悲に徹しきれず止めを躊躇ったため、ゼルヒが隠し持っていた短剣で刺されてしまう。 「力もあった」 「運も兼ね備えていた」 「しかし無慈悲がなかった」 そう狂王に言い放たれながら、ヒクグモに担がれて敗走。追手から逃れるために『島』へと渡る。 完全に敗北を喫しはしたものの懲りず、リベンジに燃えて傷を癒しつつ特訓を積んでいたのだが……。 《謎の失踪》 ある日、忽然とヒクグモの前から姿を消してしまう。 この原因はヒクグモやプレイヤーには明らかにされず、後に残ったものは、彼の手荷物の中に紛れる『魔王物語』第二章『海』くらいのものだった。 『まもも』本編時点での彼の消息は、依然として掴めていない。 ちなみに、前述のゼルヒの台詞を読むとヒクグモの戦闘スキル名の由来が分かるようになっている。 【人物について】 根っからの悪人ではなく、かといって善人とも呼べないどっちつかずな人物。ただし、ヒクグモの価値観では悪人とされる。 ヒクグモに接する態度からはノリの良さが見て取れる一方で、人を殺そうという場面でも平静を保つ精神性を持つ。 ただし非情に徹しきれない甘さも抱えており、それが災いしてゼルヒ暗殺に失敗している。 強さに関しては、ゼルヒとの初対面で「それほどの腕を持ちながら盗みを働くとは云々」と説教をされていることから、盗人時代でもそれなりの素養を持っていたと思われる。 現在の『大陸』でアレスらと共に有名とされるのは、剣士としての実力が一役買っているのかも。 彼に関わった人物は結構多い。特にルドルフ、エルオントナナ、ヒクグモの三名の手に『魔王物語』を行き渡らせるという意味で、彼が『まもも』に果たした役割は大きいといえる。 【愛剣・ゼニガラス】 『まもも』本編にて、アーロンアーロン(ネグラの住人参照)の店で買える武器。 説明文では「アイリッツ愛用の片刃剣」と書かれており、名前の響きやアイリッツがゼルヒの影響で剣の道に入った経緯から、一部プレイヤー間では刀の類と目されている。 威力は全武器中でも高めな方で、終盤の敵にも十分通用するレベル。やろうと思えば序盤に入手できるのも長所である(高額なので相当しんどいが)。 アーロン略がいつ、どこでパクって来たか、恩人の剣が売られているのをヒクグモがどう思うか……などは気になるところ。 【関連人物】 ○アレス 古くからの知り合い。『まもも』本編には登場しない。 アイリッツを「面白いヤツ」と評している。 ○フロドナ 古くからの知り合い。『まもも』本編には(ry ルドルフを拾って育てている頃にアイリッツと再会し、『魔王物語』の第三章部分を譲り受けている。 この時アイリッツに「剣を学んでいる」と聞かされると、「あの男が一つ事に励むとは……」と感心している。 ○ヒクグモ 「よう、暗殺しようぜ!!」的なノリで王の暗殺という一大事に巻き込まれた一般人。 『まもも』本編では一時期、ヒマリと行動を共にする。詳しくは項目参照。 ○ゼルヒ・エルオント 『まもも』本編(ry 誰もが認める“元”英雄。病により狂い、圧政を敷く暴君となる。 アイリッツと対面するのは二度だけだが、どちらの機会も濃い。 ○ルドルフ フロドナが拾った捨て子の少年。 内気な性格ながら、フロドナと再会したアイリッツには懐いていた。 ○ナナ・エルオント ゼルヒの孫娘。ゼルヒ邸へ盗みに入った時にちょっと顔を合わせた……という程度の間柄。 しかし暗殺の日の土壇場では、彼女の存在がアイリッツに「知り合いの肉親を殺す」ことを躊躇わせることとなった。 『まもも』本編ではエルオントナナという斬新すぎる偽名を名乗り、『島』を訪れている。 ○ミリラヌス ゼルヒの腹心の一人にして、自身も英雄と評される隻眼の武人。 アイリッツに剣を教えた人物(ゼルヒとの出会いの後、アイリッツが教えを求めて押しかけてきたため)。 後に、狂って圧政を敷くようになったゼルヒに反逆して敗北、全盲となる。 しかし志は折れることなく、まもも本編では『モール』を名乗って『島』に渡り修行に励んでいる。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/1679.html
魔王物語物語 part61-197~207,420~430 197 :ゲーム好き名無しさん:2012/06/08(金) 23 08 08.32 ID Iw09308N0 フリゲの「魔王物語物語」始めます 基本的にストーリー内で語られる物語はそれほど多くなく、断片的な情報を 繋ぎ合わせていくことで流れが見えてくるタイプですのでご容赦ください 《 》でくくった文章は出力される用語集やゲーム内のメモで判明する内容です 198 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 09 01.12 ID Iw09308N0 【魔王物語】 著者、ハロルド・ディスター。 3章からなる未完の物語。 【魔王物語物語】 「魔王物語」の結末を見つけるための物語。 199 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 10 33.43 ID Iw09308N0 どうか、この物語に終焉を。 私のイシを背負う貴女に、願いを託す。 <プロローグ> 赤髪の女性が「島」に降り立った。 彼女の名前はヒマリ。 洞窟を掘った簡単な住居、ネグラに島の住民は住んでいる。 ネグラへと向かうとレーラリラと名乗る清楚な女性が出迎えてくれる。 彼女によると「カワード」という危険人物が居るらしい。 物を盗んだり、物語を捨ててしまったりするのだとか。 カワードのせいで島からいなくなってしまった人もいるのだとか。 またネグラの通路をふと見ると巨大な横穴が開いている。 モールと名乗る男性がひたすら壁を掘り進んでいた。 話しかけても取り付く島もなくひたすら掘っている。 ネグラの一室にはアーロンアーロンと名乗る男性が店を構えていた。 島中から拾ったものを商品としている。 彼は「魔王物語」の研究をしているらしい。 ネグラの外に出ると川が流れている。 しかしかかっている橋を渡る資格は、ヒマリにはまだない。 200 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 11 52.26 ID Iw09308N0 【魔王城】 ネグラを出てしばらく歩くと城に辿り着いた。 魔王城という仰々しい名の割りに簡素な造り。 出てくるのはネズミばかり。 とはいえ油断しているとそのネズミに囲まれただけでも死んでしまうのだが。 魔王城と呼ばれるこの城は、元は島の原住民の城だったのだという。 だが城には人の気配などなく荒れ果てたままだ。 【原住民の廃都】 城を進んだ先に魔王が居る訳でもなく、辿り着いたのは廃墟となった街だった。 住民は凶暴な野生生物だけ。 原住民とは誰も出会わない。今島にいるのは皆「大陸」から来た人ばかりだ。 ヒマリだけは大陸出身者ではないようだが。 【雪花園】 廃都を抜けると一面の銀世界。 やはりというか人などいるはずもなく野生生物が手荒い歓迎をしてくれるだけ。 誰かの設定によると、この雪山には竜が住んでいるらしい。 現実にはいるはずもないが。 まっすぐ進むと雪景色を見渡せる見晴らしのよい山。 雪景色の端に地面にぽっかりと開いた巨大な穴がはっきりと見える。 ふもとには青髪の青年が立っていた。 201 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 12 55.38 ID Iw09308N0 1章<吹雪の奥に> ネグラの住民のひとり。言葉少なで感情表現の薄い青髪の青年、ルドルフ。 彼の部屋にはふたつの物語が置いてある。 ひとつは「魔王物語」の3章。 英雄ランドルフが竜を倒す英雄譚。 もうひとつはルドルフの育ての親、フロドナの日記。 『ある日偶然拾った赤子を拾って4年。体の弱い子のようだ。 白竜の話をしてやると喜んでくれる。 この話に出てくる竜を倒せるくらい強く育って欲しい』 『昔の友人、盗賊のアイリッツに本を貰った。 何でも俺に似合いの話だと。 しかしその本は一部しかない。ゴミを押し付けられたようだ』 『アイリッツから貰った本は竜を倒す英雄の話だった。 やけに白竜の話と似ている気がする。ルドルフも気に入っているようだ』 『村を飛び出して18年、里心が出てきた。 そろそろ村に戻り、ルドルフも連れて平和に暮らすのも悪くない』 しかし今、彼の傍らに育ての親はいない。 フロドナの言葉。 「竜を倒せるほど強くなれ」 彼はその思いを果たすため、雪花園の山に物語を描いた。 この雪山には竜が棲んでいる。そういう設定。 雪山のふもとにルドルフが立っていた。 彼はヒマリに「一緒に来る?」と尋ねた。 202 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 15 06.90 ID Iw09308N0 【山に棲む白竜】 ルドルフと共に雪山へと踏み出すと、静かな銀景色が一瞬にして猛吹雪に変わった。 そこは美しい景色の雪山ではなく恐ろしい化け物の棲家。 白竜の吐息が山のふもとにまで届きヒマリとルドルフに吹き付ける。 「君は、竜を信じる?」 頂上に着いたルドルフの問いにヒマリが頷くと、白竜が実体を持って襲い掛かってきた。 (ただしなんか流木みたいなオバケが毒々しいガス吐いてる……何これ?吐く柳?) ヒマリとルドルフはふたりで白竜を討伐する。 白竜を倒し、ルドルフの物語はひとまず終わった。 彼は自分の物語の本を川へと流す。 そしてヒマリを振り返った。 「今度はぼくが手伝う番だね」 ヒマリはルドルフと共に物語の続きを紡ぐ。 《ある赤子が、祖父に恐れられたあまり浜辺に捨てられた。 その子はフロドナに拾われた。暫く名無しのままだったが、魔王物語のランドルフに あやかってルドルフと名づけられた》 《フロドナは体を壊したルドルフの為、荒れ果てた大陸を離れて島へとやってきた。 しかし彼はある日突然居なくなり、ルドルフは一人島に残された。 育ての親の期待に応えるべく、架空の怪物・白竜を討ちに行く。 ところで、竜とはどんな生き物なのだろうか。とりあえず、口から何か吐くらしい》 203 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 18 26.61 ID Iw09308N0 【カワード】 レーラリラが今では珍しいヒマリの花が咲いたのを教えてくれる。 しかしその後ヒマリの花はカワードによって踏み潰されたと彼女は楚々と泣いていた。 噂と犯行の後こそあれど見えてこない存在、カワード。 アーロンアーロンはカワードを罠にかけることをこっそりヒマリに提案する。 彼はカワードの正体が島の住民の誰かであることを状況から見抜いていた。 罠にかかったのはレーラリラだった。 追い詰めるアーロンアーロンにレーラリラは冷たく本性を表す。 「黙れチンポ野郎 お前らなんて永遠に自己満足の螺旋を回ってろ!」 レーラリラは逃げ出し、ネグラの隠し通路を抜けた先の大穴で対峙する。 その穴は彼女が盗んだ物語を捨てていたところのようだった。 襲い掛かってきたレーラリラを倒すと、彼女は足を滑らせて大穴に落ちてしまう。 《レーラリラには何をやらせても完璧な姉がいた。 ちなみにカワードであることはとっくに皆にばれていたらしい》 《文化的経緯のため大陸には殆ど花は残っていない。 島では稀に咲くこともある》 【モール】 彼はひたすらネグラで横穴を掘っていた。 実のところ穴を掘るのが目的ではなく、ひたすら壁に向かって自身の技を磨いていた。 だがある程度掘り進んだところで硬い壁に当たってしまい、掘り崩すことが出来ない。 ヒマリが請われて一緒に壁に力を加えると、壁は崩れて狭い空間が広がった。 誰かが住んでいた部屋のようだ。部屋には机の上に一枚のメモだけが残されていた。 『お前らが英雄と呼ばれるのなら、私は魔王となり全てを滅ぼそう』 モールは自身の技が一応の完成を見たとして、島を出て行くことを決めた。 真っ暗な横穴から出てきた彼は両目を失った盲人だった。 しかしそんなことを意に介した様子も見せず、彼はある人物の打倒の為に旅立っていった。 《モールは元は大陸の英雄の片腕として活躍していた人物。名前は偽名。 発狂した英雄を救う方法を考えた彼は、英雄に戦いを挑んだ。 彼はその結果片目を失い、島へと流れ着いた》 《英雄の側近の一人にミリラヌスという片目の剣士がいた》 204 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 21 47.49 ID Iw09308N0 【鐫録の砂】 雪花園を抜けると、砂に埋もれた街に辿り着く。 勿論というか廃墟となっており人の気配はこれっぽっちもない。 原住民の廃都を捨てた後に彼らはこの砂まみれの地に居を構えたようだった。 毒蠍の群れを抜けた先に辿り着いたのは石造りの櫓。 その下で青髪の女性がじっと上に続く階段を見つめていた。 2章<彼女の願い> ネグラの住人のひとり。おしとやかな雰囲気を持つ青髪の女性、エルオントナナ。 もっとも名前は偽名らしいが。 彼女の部屋にはふたつの物語が置いてある。 ひとつは「魔王物語」の1章。 塔に棲む悪魔を倒し、願いを叶える妖精に出会った英雄セラの話。 もうひとつはある少女の話。 『あるところにおじいちゃんっ子の女の子がいました。 おじいちゃんはとても優しくて、とても強い、素敵な人。 もうすぐ弟も生まれる予定で、幸せな生活が続いていました。 しかしある時おじいちゃんは病気になってしまいました。 そこで少女は、友達の少年と一緒に家にある塔に上ることにしました。 彼女が好きなお話の中では、塔には願いを叶える妖精がすんでいます。 塔に登ればきっとおじいちゃんの病気が治るはず。 塔の頂上で出会った悪魔はおじいちゃんの姿をしていました。 友達の少年を動かなくなるまで殴り続けました。 弟は生まれてきませんでした。 病気のせいで悪魔になってしまったおじいちゃんの言うことを少女は聞き続けました。 そうして何年もたったある日、友達の少年が生きていたことを知りました。 彼はおじいちゃんに立ち向かうレジスタンスのリーダーになっていました。 彼はおじいちゃんを倒すために協力して欲しいといいました。 生きていたことが嬉しくて、彼のためになりたくて、彼に償いがしたくて。 もう一度彼と一緒に笑いあいたくて。 かつて少女であった女性は、彼に背中を向けて走り出しました。 ふと見上げると、海の向こうの島に塔が建っているのが見えました。 あの塔に、のぼれば。 』 205 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 24 15.45 ID Iw09308N0 【天牢の塔】 エルオントナナと共に足を踏み出すと、雲の上まで続く階段を上っていた。 それは雲にかかるほどの高さを持つ塔。延々と続く階段とフロアを上っていく。 途中でエルオントナナはヒマリに語りかける。 島の住民は皆大陸から逃げてきた者たち。だからいずれは大陸に戻らねばならない。 ここは、ひと時の安らぎの場。 塔の最上階には、悪魔がいた。 双頭の悪魔。ナナの乗り越えるべき壁。 悪魔を倒したことでエルオントナナの物語は終わりを告げた。 「これでようやくナナ・エルオントの物語を始めることが出来ます。 貴女の物語が幸せな結末を迎えられますように」 彼女は自身の物語の本を川へ流し、橋を渡って島を去っていった。 《祖父の呪縛に打ち勝つために島へとやってきた。 彼女を縛り付けるのは、かつての優しい祖父との思い出》 《双頭の悪魔はナナが乗り越えたいと思っている心の障壁、祖父の象徴》 【水辺】 ネグラの近くの川を辿っていくと、浅瀬が広がる水辺。 (初期に来ようとすると水の流れに押された挙句に大量の魚に噛まれて1死) 川を辿り、浅瀬を抜ければ海に出る。 【広大な海】 と思いきや、海は海でも砂の海。 目の前に開けたのは砂と岩ばかりの荒野。 ふと広がった砂地を見渡すと、船の模型がぽつんと置いてある。 その周りは区画分けされており、奥には巨大な影。しかしそれだけで何もない。 だが、そこには不思議な仮面を被った男性が立っていた。 206 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 26 34.59 ID Iw09308N0 3章<白い獣> ネグラの住民のひとり。 新聞紙で作ったらしい不気味な仮面と手袋を欠かさない男性、ヒクグモ。 彼の部屋には謎の白い物体(うねうね動く)と、ふたつの物語がある。 ひとつは「魔王物語」の2章。 海の巨大鯨を倒す英雄ツィーリアの話。 もうひとつはヒクグモとその友人の悪の話。 『真面目に生きてきたはずの私。 何の因果か、ちゃらんぽらんなアイリッツに惹かれて彼と共に犯罪に 手を染めることになった。 人殺しだ。 殺すのは、かの大陸の英雄ゼルヒ・エルオント。 平原で待ち伏せをしていると、かつて英雄と呼ばれた老人は共を連れてやってきた。 アイリッツはゼルヒの前に躍り出て、なにやら話をし始めた。面識があるようだ。 ゼルヒの言葉は私の位置からは聞き取れない。 「いいや、なれなかったよ。だから今あんたを倒してなることにする」 アイリッツはそう返し、剣に手をかけた。 なんということだろうか。 地に伏せたのは英雄で、立っているのは私たちだった。幸運も味方した。 アイリッツがゼルヒの首に剣をかける。 「孫のことを頼む」「あんた、まさか……」 アイリッツが戸惑った、その一瞬。ゼルヒはアイリッツを切り裂いた。 「力もあった。運もあった。だが、無慈悲がなかった」 私は逃げた。アイリッツを背負い、舟をこぎ、島へと渡った。 私たちはどうにか生き延びた。そして再挑戦を誓い合った。 ある日、アイリッツは前触れもなく姿を消した。 彼の残した荷物の中に「魔王物語」の2章だけがあった。 あの日のアイリッツは「魔王物語」のツィーリアそのものだった。 ツィーリアは倒した巨大鯨に許しを与えて止めを刺さずに立ち去った。美しい結末だ。 しかし現実の結末は別のものだった。美しい物語を用意してはくれなかった。 私はアイリッツのイシを継ぐ。 その前にやるべきことがある。海の向こうの怪物を倒すのだ。 』 207 :魔王物語物語:2012/06/09(土) 01 22 36.34 ID DeaWpa7T0 ヒクグモは広大な海と呼ぶ荒野にひとり立っていた。 船の模型を目の前に、彼はヒマリに自身の物語への協力を依頼する。 強大な敵を打ち倒すために。 【レヴィアタン海域】 ヒクグモと共に船の模型の元へ向かうと、その瞬間、ヒマリは船に乗っていた。 周りは見渡す限り青い海。先ほどまで居た荒野など比べ物にならない広さ。 よくよく見てみると荒野の区画分けがそのまま縮尺を大きくして再現されている。 海を越え、港町を回り、出現するレヴィアタン(怪物)を撃破していく。 荒野の影があった場所に、その怪物は居た。 ゲイゼルガイゼル。白い鯨に羽が生えたような巨大な怪物。 ヒクグモはその怪物を倒し止めをさす。 ヒクグモの物語は終わった。 彼は自身の物語の本を川へと流す。 「『傷を癒す魔法は無く。星を落とす魔法は無く。 闇を切り裂く聖剣は無く。愛する者を蘇らせる秘術は無く。 そんな世界で生きているからこそ、俺達は物語を創っていくんだ』 私の恩人が言っていたことです」 そしてヒクグモは橋を渡り、島を後にする。 「次の物語では私は死ぬことになるだろう。しかしそれは無駄ではない」 ヒマリが自分の部屋に戻ると、ヒクグモの部屋にいた謎の白い物体が移動していた。 彼女が手に取ると、そのまま付いてくるようだ。それは、白いイシ。 420 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 44 09.75 ID ZgsyEpm80 【魔王城】 2 ネグラの裏手の崖に魔王城の裏口に繋がる道があった。 水路が続き、侵入者を阻む仕掛けが多く設置されている。 原住民の城だったという割にはえぐい仕掛けが多い気がする。 【流行り病】 城の地下を抜け上がると、森へとたどり着いた。流れる川の水は毒々しい。 そして一面に広がる墓石。森中にぎっしりと誰かの墓が作られていた。 歩いても歩いても、毒々しい色の水と多くの墓石が並ぶだけ。 出てくる野生生物は凶暴化して襲ってくるばかり。 特に蝶には野生生物だけでなくヒマリたちをも凶暴化させる力があるようだ。 悪夢のような森を抜けるとぼろぼろの小屋にたどり着いた。 生活の後がまだ残っている。前まで誰かが住んでいたのだろう。 そして小屋には、記憶のかけらが残されていた。 誰かの記憶。それを解放するためにはイシが必要だという。白いイシが。 ヒクグモの部屋にいた謎の白い物体を差し出す。 「 」が仲間になった。 ステータス画面のキャラ絵は真っ黒。名前は空欄。姿は無い。 バグかと思えばステータス自体はしっかりしている。 装備しているのは「闇を切り裂く聖剣」。 習得しているスキルは「傷を癒す魔法」「星を落とす魔法」。 小屋を出たらあっさり仲間から抜けてしまった。 421 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 45 18.27 ID ZgsyEpm80 【アーロンアーロン】 「魔王物語」は21年前にハロルド・ディスターという無名の人物が書いた物語。 しかしその物語は未完のまま終わっている。 この物語、実は大陸の海辺に流れ着いていたものだった。 結末の無い物語が何故本となり海に流されていたのか。 「何の目的で書かれたものなのか」「どんな結末を迎えるはずだったのか」 一部で話題となり、人々の注目をひそかに集めるようになっていた。 アーロンアーロンもまたその結末を追い求める者の一人であった。 彼は自身が調べ上げたことをメモにして残していく。 『「魔王物語」に出てくる英雄セラ、ツィーリア、ランドルフにはモデルがいる。 元となったアレス、アイリッツ、フロドナは今でこそ有名だが、21年前は皆無名の人物。 また彼らとハロルドとの接点も判明していない』 『そもそも「魔王物語」という題名にも関わらず「魔王」なる存在が出てきていない』 『21年前、ハロルドが物語を執筆したとされる「島」で事件があった。 大陸から来たという人間が、出産で苦しむ島の原住民の女性に花を渡したという。 疫病の蔓延は当時既に始まっており、疫病を媒介するネズミの主食である花狩りは 島でも進んでいた。 そのため当時においても花は大変珍しいものになっていた』 ここまでメモが進んだところで、アーロンアーロンの部屋に謎の青い物体(うねうね動く) がうろちょろするようになる。 ヒクグモの部屋にいた白い謎物体―白いイシと色こそ違うが同じもののようだ。 ある時を境に青い謎物体―青いイシは姿を消し、アーロンアーロンの様子が変わった。 「今の私なら、ハロルドの気持ちが分かる気がします」 そしてルドルフ、ナナ、ヒクグモの物語を手伝い終えた後にアーロンアーロンの元へ 向かうと、彼は最後の考察メモを残して姿を消していた。 『以上のことから「魔王物語」の結末を推測する。 その最終章は魔王が現れ、各章で活躍した英雄たちを惨殺する物語。 恐らく原住民の女性に渡された花はハロルドが育てたものであり、 アレス、アイリッツ、フロドナが彼から盗み出したものだったのだろう。 その復讐を物語の中でだけでも果たそうと「魔王物語」はつくられたのだ』 422 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 47 45.46 ID ZgsyEpm80 アーロンアーロンはルドルフたちの部屋から「魔王物語」を持ち出していた。 彼を探して部屋の奥へ向かうと、大量の書きかけの物語が散らばっている。 紙片の散らばる道を進むと、室内とは思えないほどの広大な花畑が広がった。 花畑の真ん中では、アーロンアーロンが全3章の「魔王物語」を携えて待っていた。 「3人揃っていないがやむをえない。今こそ私はこの物語を終わらせる。 約束を果たそう」 アーロンアーロンを叩きのめすと彼から青いイシが離れ、3つの「魔王物語」を 取り込み、ひとつの本へと姿を変えた。 そして逃げるようにその場を去っていく。ヒマリたちはそれを追いかける。 「魔王物語」がたどり着いたその先は、モールが掘り当てた小さな部屋だった。 魔王宣言のあるメモの残された部屋。「魔王物語」はその先に扉を作った。 ヒマリはルドルフと共にその扉の向こうへと足を踏み入れる。 《イシ:人間の背中に寄生する不思議なスライムっぽいうねうねした物体。 物に宿る記憶を宿主に与えたり、過去の宿主の記憶を受け継ぐことができるらしい。 島の地下で繁殖している場所がある》 《ハロルドは青いイシを背中に飼っていた》 《アーロンアーロンは物書きを目指していたが才に恵まれず、「魔王物語」の研究で 一山当てるつもりだった》 終章<終焉へ> 【妄想の果て】 小さな部屋の扉を抜けると、草原が広がっていた。 ふと気がつくと例の姿の見えない仲間もいつの間にかパーティに入っている。 (ちなみに妄想の果てを離れるとまた居なくなる) 草原に咲いている花に触れると不思議な空間に飛ばされる。 浮遊大陸の上、真っ白な空間、雲の上どころか空を歩けたかと思えば、荘厳な城の廊下に立っていたり。 様々な妄想の空間を渡っていく。 そしてそうした場所を渡っていくと同時に、誰かの記憶がヒマリたちの前に現れる。 それはかつて交わされたアレスとハロルドの会話の記憶だった。 423 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 48 46.80 ID ZgsyEpm80 『この花、本当に貰っていいの?花の絵を描いてたんじゃないの?』 『好きにしろ。気が変わったところだ』 『じゃあ有難く貰っていくよ』 『やあ。何か書いてるの?見せてよ』 『勝手にしろ』 『ぱらぱらっと』 『面白いだろ』 『うん。特にこの広がる白さが』 『今から書くんだよ。出てけよ』 『で、なんでこんな穴ぐらの中に住んでるのさ』 『出てけよ』 『やあまた来たよ。話の続きが気になって』 『白紙の続きがか』 『いいことを思いついたんだ。ぼくが話のネタを提供してあげよう』 『あいにく物語はすでに俺の中にある。他人の手を借りる余地はない』 『まず第1章は、そうだね。高いところを目指して登る話ってのはどう? ぼくをモデルにしていいよ』 『どんなずうずうしさなんだあんた』 『じゃあぼくの体験でも話そうか。あれはどこだったかなぁ。大陸の……』 『勝手に話せばいい。俺は聞かないが』 『やあ久しぶり。見せてよ』 『ほらよ』 『すごい。白くない。……塔に登る話にしたんだ』 『感想はいらない。俺は他人に見せるために物語を書いているのではない』 『じゃあ何のために物語を書くんだい』 『さあ、なんとなくかな』 『じゃあぼくが唯一の読者ってことか。それはそれで嬉しいかな。 今回も勝手に話していいかい』 『ああ、是非、勝手に話してくれ。俺は聞かないが』 『ぼくの知り合いでアイリッツという奴がいるんだ。 これがまた悪人だか善人だか分からないやつでさ……』 424 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 01 30.64 ID ZgsyEpm80 『やあ。何か痩せた?』 『べつに』 『2章は海の話にしたんだ。この話の主人公悪人系?てかアイリッツだよね』 『誰だ、それは』 『うわ、ずるい。敵は白い鯨かぁ。この鯨の白さは善を象徴してるとか、 それをダークな主人公が打ちのめす、人間のあり方を問うテーマなのかな』 『何か強そうな敵を、主人公が倒す。それだけだ。解釈は勝手だが』 『適当だなぁ。そういえば、赤ちゃん生まれたよ』 『おめでとう。誰の』 『前あんたから貰った花、安産祈願ですってそこの村の妊婦さんにあげたんだ。 女の子だって。赤ん坊にはあの花の名前をつけるそうだ』 『安産祈願の花だとは知らなかったな』 『ぼくもだよ』 『適当だな』 『勝手な解釈でも誰かが幸せになれればいいんだよ』 『そうだな』 『じゃあ今回も独り言で色々話していこうかな』 『ああ、そうしてくれ』 『僕の知り合いにフロドナってやつがいるんだ。 こいつが、それはそれは巨大で頑丈な奴で……』 『やあ、また来たよ。また痩せたね。3章は……あれ、まだ殆ど書けてないじゃん』 『悪いな。いまいち筆が進まなくてな』 『まあ無理は禁物だね』 『ただ問題があってな。俺の余命が幾ばくもない。もってあと10日かな』 『じゃあ無理しないとね。完成するの?』 『完成させる。残るは3章の竜の話。そして終章だ』 『終章はどんな話なんだい?』 『終章は……』 《「魔王物語」は大陸の海辺へと流れ着き、ゼルヒ・エルオントが拾い上げた。 その後謎の未完の物語としてささやかに一部の人に注目を集め、少数ながら出版された。 アイリッツは「魔王物語」に興味を持ち、ゼルヒの持つ原本を盗んでしまおうと考えた。 当時まだ病に伏せる前のゼルヒはアイリッツをあっさり退け、お説教に入ろうとする。 アイリッツは咄嗟に「今の俺はこんなだが、19年後には英雄になってみせる』と嘯いた。 (ゼルヒが英雄と呼ばれるまでには20年かかっている) ゼルヒはその言葉に愉快になって、19年後の再開を約束し、賊を見逃すことにした。 アイリッツはゼルヒが振った剣でふたつに裂かれた「魔王物語」の片方(2章・3章) を持ち去り、爽やかに去っていった。 もう片側の「魔王物語」(1章)はゼルヒの孫娘が拾い上げ、彼女のお気に入りとなった》 《ヒマリは黄色いイシを背負っている》 425 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 05 58.61 ID ZgsyEpm80 「魔王物語」は星空の中でヒマリたちを待っていた。 彼女達が近づくと、「魔王物語」は物語の敵役を呼び出してヒマリたちに立ち向かう。 第1章。「塔の悪魔」がヒマリたちを誘惑する。 第2章。「白鯨ゼルガイゼル」がヒマリたちを押し流そうとする。 第3章。「竜」がヒマリたちに容赦なくブレスを吹きかける。 その全てをヒマリたちが押しのけると「魔王物語」はついに魔王を顕現させた。 ヒマリは「魔王物語」に対峙し、己の物語を握り締めながら剣を向ける。 「あなたが魔王を名乗るのならば 我々は剣を取り、英雄を演じてみせましょう!」 「魔王ハーディス」に剣を向けているのはヒマリではなかった。 ヒマリは1章の英雄、セラを演じる。 ルドルフは2章の英雄、ランドルフを演じる。 姿の無い3人目は3章の英雄、ツィーリアを演じる。 ルドルフの持つフロドナの剣は伝説のドラゴンスレイヤーへと変わり、 姿の無かった3人目の姿は、まさに英雄の余裕を持つ笑みを浮かべた好青年へと変化した。 星を落とす魔法も、傷を治す魔法も、愛する人を蘇らせる魔法だって使える。 対する魔王ハーディスはラスボス特権か死亡・裏切り・恋愛フラグを勝手に立てて 回収しまくる無法ぶりに、ずっと俺のターン!までやってきたりと好き放題。 そして「魔王物語」の結末は…… 『終章は1章、2章、3章の英雄達が強大な魔王と戦う。 その強大な魔王というのは、俺だ』 『あんたかよ。でも、ワクワクするね。ぼくを含む3人と、あんたが戦う訳だ』 『お前らが英雄と呼ばれるのなら、俺は魔王を名乗り全てを滅ぼしてやろうじゃないか。 現実の俺はこんな体だが、空想の世界なら、お前らなんかひとひねりだ』 『じゃあ、残り少ない時間を邪魔しちゃ悪いから。10日後に、また来るよ』 『ということは、これで最後になるな』 『あ、そうだ。10日後の話だけど。きみの物語を「流し」てもいいかい』 『勝手にすればいい。ところで、何だ。「流す」って』 『川に流す、だけ』 『本はどうなるんだ、それ』 『さあ。途中で沈むかもしれない。大陸に辿り着いて、誰かに拾われるかもしれない』 『ああ、それは面白いな。どうなるか分からないあたりが面白い』 『気に入ったみたいだね。じゃあ10日後に。結末を、楽しみにしているよ』 『あっ、最後にひとつ。その物語の結末では、どっちが勝つんだい?』 『秘密だ。結末が分かった物語なんて、面白くもないだろ』 『それもそうだね。まあ終章でのぼく達の頑張りに期待するか』 『せいぜいあがけ』 『簡単には負けないよ』 『俺だって』 『絶対、完成させてよね』 『当たり前だ』 426 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 07 32.54 ID ZgsyEpm80 『ああそうだ、最後に。この物語の題名を教えてよ』 『ああ、まだ決めてない。折角だから、あんた考えてくれ』 『これは重大な役割を背負っちゃったな。 じゃあ、終章にちなんで、 「魔王物語」 ―― 』 英雄セラ、ランドルフ、ツィーリアは激戦の末、魔王ハーディスを撃破した。 これが「魔王物語」の結末。 ナナやヒクグモは島を離れ、自身のやるべきことへと立ち向かうのであろう。 ルドルフもまた島を離れ、大陸へと向かう。 ヒマリは先人達と同じように、己の物語を川へと流す。 物語は、ただそこにあった。 不幸の人に捧げるつもりも、誰かを勇気付ける意図もなく、ただそこにあった。 それはきっと誰かの心の岸辺にたどり着き、新たな物語を紡いでいく。 END 427 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 11 11.25 ID ZgsyEpm80 <人物まとめ> 【ヒマリ】(主人公) 21歳女性。島の原住民の血をひく。 彼女が生まれる際にアレスが彼女の母に送った花から名前がつけられた。 黄色いイシを背負っている。恐らくはアレスのもの。 (何故イシを背負っていたかは不明。託されたヒマリの花からイシを継いだとか?) セラのモデルであり、ハロルドの約束の相手であるアレスのイシを 背負っていたことから、セラを演じる役割を与えられたと思われる。 【ルドルフ】(ヒーロー) 18歳男性。捨て子だったのをフロドナに拾われた。 その名前は「魔王物語」のランドルフからつけられたが、ランドルフのモデルはフロドナ。 (本人達はあずかり知らぬ事だったが) このことからランドルフの役割を演じることを任されたのだと思われる。 また明言はされていないが恐らくはナナの弟であり、ゼルヒの孫息子。 彼の本当の物語は大陸に戻ってから始まるのかもしれない。 【 】 姿の無い存在。 名前もキャラ絵も空欄の為バグを疑われるがバグじゃない。 闇を切り裂く聖剣を持ち、傷を治す魔法と星を落とす魔法を習得している。 妄想の果てでのみ存在できる。物語が具現化した場所でないと具現化されないっぽい。 元はヒクグモがつれていたことや、彼の持つ剣や魔法はアイリッツ(=ヒクグモの恩人)の 発言から来るものであることから、白いイシはアイリッツのイシであることが伺える。 元がツィーリアのモデルとなったアイリッツのイシであるなら、最終戦でツィーリアを 演じるのに不足無し、ということかと。 (通称「3人目」「■」。物語後半にレベル1加入かつサポートよりの構成なので色々不遇) 【エルオントナナ】 24歳女性。本名はナナ・エルオント(レーラリラ曰く「斬新な偽名」)。 大陸の英雄ゼルヒ・エルオントの孫娘。お姫様みたいな扱いらしい。 祖父との優しい思い出を振り切った彼女は大陸に戻って幼馴染の彼に協力するのだろう。 尚重度のハッピーエンド至上主義者。ラスボス倒せば全部解決が理想。 でも彼女の物語にハッピーエンドは存在しない。大好きな祖父を倒さねばならないから。 【ヒクグモ】 年齢不詳おじさんな男性。アイリッツに助けられて以来彼の友人となる。 善が悪をくじけないことを悟った彼は、悪で悪をくじく「勧悪懲悪」を目指す。 善の象徴である白鯨を倒して内なる善を乗り越えた彼は、大陸に渡ってゼルヒにまた 挑戦するのだろう。死ぬことを覚悟の上で。 しかしこの人「白鯨ゼルガイゼル」を「白ゲイゼルガイゼル」って読んでるんだよね。 428 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 14 47.62 ID ZgsyEpm80 【アレス】 ヒマリにイシを託した存在。女性であることが他所で明言されている。 つまりぼくっ娘。ハロルドの友人?で、ヒマリの母へ安産祈願にヒマリの花を渡した。 「魔王物語」1章のセラのモデル。 【アイリッツ】 義賊っぽいことをやっていた悪人とも善人とも言い難い人。 ヒクグモの恩人にして友人。フロドナやアレスともある程度の親交がある。 かつてゼルヒと英雄となる約束を交わし、「魔王物語」を持ち去った。 いつの間にか姿を消している。 「魔王物語」2章のツィーリアのモデル。 【フロドナ】 ルドルフを拾った人。高山地帯の出身者で、冒険家。 アイリッツから「魔王物語」の一部を受け取っている。 いつの間にか姿を消している。 「魔王物語」3章のランドルフのモデル。 【ゼルヒ・エルオント】 かつて英雄と呼ばれた人物。大陸の支配者。 流された「魔王物語」を拾い上げた最初の人。 病によって気が触れてしまったものの、大陸最強の彼を止められる者はいない。 現在の大陸は狂王による恐怖政治で荒れ果てているらしい。 【ハロルド・ディスター】 「魔王物語」の著者。アレスとの約束は果たせず、物語は未完のまま息絶える。 彼の飼っていた青いイシは物語の終焉を追い求め、アーロン(略)にとりついた。 [イシ] 島の地下で繁殖している謎の物体。 人間の背中に寄生し、人の記憶を見せたり宿したりできるようだ。 ヒマリは背にアレスのイシを背負い、魔王物語の終焉を求めた。 ハロルドのイシはアーロン(略)ひいては魔王物語そのものに宿り、終焉を求めた。 [病] ネズミを介して大陸や島に蔓延した流行病。 ネズミの主食の花は大陸や島から根絶され、ネズミもまた殆どいなくなった。 (ただしハロルドが花を育成していたこともあるのか、島には花が稀に咲くこともある) 病の蔓延のせいで島の住民は島を放棄した。 発病すると発狂し凶暴になってしまうようだ。 大陸の英雄であるゼルヒもまた感染し、発狂してしまっている。 フロドナやアイリッツの行方は一切触れられていません。 島の変な力でイシにされてしまった説を個人的には支持しています。 フロドナのイシは出てきてませんが、ルドルフが「背中から見守ってくれている」 という発言をしていることから彼がイシを背負っている可能性あり。 アレスが何してるのかは謎。生きてはいるらしい。大陸編で出るらしいし。 429 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 16 41.67 ID ZgsyEpm80 【1レスまとめ】 ハロルド・ディスターが書き残した物語、「魔王物語」。 3章まで書き上げることが出来たものの、ついに終章を書くことが出来ぬまま ハロルドは息絶えた。 完成した物語を読むアレスとの約束は果たされなかった。 物語の結末を求め、アレスのイシはヒマリに終焉への願いを託した。 ヒマリの使命は「魔王物語」の結末を見つけること。 島には「魔王物語」に影響を受けて自分の物語を紡ぐためにやってきた人々がいた。 ルドルフの物語は育ての親の願いを果たすためのもの。 「竜を倒せるほど強くなれ」との言葉を胸に、雪山に棲む竜を倒す。 ナナの物語はかつての祖父との思い出を乗り越えるためのもの。 祖父は英雄ゼルヒと呼ばれた存在だったが、病に倒れ正気を失った。 気が触れた祖父の治世で大陸は荒れ果てている。 塔の頂上に棲む悪魔を倒し、祖父との思い出にけじめをつける。 ヒクグモの物語は悪を乗り越えるための悪となるためのもの。 海に棲む白鯨を倒し、悪を持って英雄ゼルヒを打ち倒す覚悟を持つ。 ハロルドのイシもまた執念のまま結末を追い求めた。 3つに分かれていた「魔王物語」をひとつの場所へ集めることが出来たことで 魔王物語とハロルドのイシが融合し、語られなかった最終章の魔王として姿を現す。 対するヒマリとルドルフ、そして魔王物語のモデルとなった人物のイシが集まったことで、 「魔王物語」の英雄たちを演じるに足る素材が集まった。 かくして「魔王物語」の最終章が作り上げられた。 結末は、ヒマリたち演じる英雄の勝利に終わった。 「魔王物語」は結末を迎えることが出来、ヒマリの使命は果たされた。 「魔王物語」の結末とは別に、島で自身の物語を終えた人々は、 大陸にて自分の運命と向き合っていくことだろう。 【3行+α】 志半ばで著者の死により未完の物語となった「魔王物語」の結末を求めてうろうろ 著者の残留思念と、物語の英雄のモデルとなった人のイシを継いだ主人公達とでバトル 代理戦争で物語の結末は魔王の撃破として描かれましたとさ。めでたしめでたし (ただし現実世界の問題は何一つ解決していないとさ) 430 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 24 05.58 ID ZgsyEpm80 以上で終わりです 少ない演出で色々妄想を掻き立てられる良ストーリーだと思う ゲームそのものはちょっと難易度高めだけどフリーだし気が向いたらやってみて欲しいな 続編の大陸編が出るのを俺はずっと待ってる
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1707.html
魔王物語物語 part61-197~207,420~430 197 :ゲーム好き名無しさん:2012/06/08(金) 23 08 08.32 ID Iw09308N0 フリゲの「魔王物語物語」始めます 基本的にストーリー内で語られる物語はそれほど多くなく、断片的な情報を 繋ぎ合わせていくことで流れが見えてくるタイプですのでご容赦ください 《 》でくくった文章は出力される用語集やゲーム内のメモで判明する内容です 198 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 09 01.12 ID Iw09308N0 【魔王物語】 著者、ハロルド・ディスター。 3章からなる未完の物語。 【魔王物語物語】 「魔王物語」の結末を見つけるための物語。 199 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 10 33.43 ID Iw09308N0 どうか、この物語に終焉を。 私のイシを背負う貴女に、願いを託す。 <プロローグ> 赤髪の女性が「島」に降り立った。 彼女の名前はヒマリ。 洞窟を掘った簡単な住居、ネグラに島の住民は住んでいる。 ネグラへと向かうとレーラリラと名乗る清楚な女性が出迎えてくれる。 彼女によると「カワード」という危険人物が居るらしい。 物を盗んだり、物語を捨ててしまったりするのだとか。 カワードのせいで島からいなくなってしまった人もいるのだとか。 またネグラの通路をふと見ると巨大な横穴が開いている。 モールと名乗る男性がひたすら壁を掘り進んでいた。 話しかけても取り付く島もなくひたすら掘っている。 ネグラの一室にはアーロンアーロンと名乗る男性が店を構えていた。 島中から拾ったものを商品としている。 彼は「魔王物語」の研究をしているらしい。 ネグラの外に出ると川が流れている。 しかしかかっている橋を渡る資格は、ヒマリにはまだない。 200 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 11 52.26 ID Iw09308N0 【魔王城】 ネグラを出てしばらく歩くと城に辿り着いた。 魔王城という仰々しい名の割りに簡素な造り。 出てくるのはネズミばかり。 とはいえ油断しているとそのネズミに囲まれただけでも死んでしまうのだが。 魔王城と呼ばれるこの城は、元は島の原住民の城だったのだという。 だが城には人の気配などなく荒れ果てたままだ。 【原住民の廃都】 城を進んだ先に魔王が居る訳でもなく、辿り着いたのは廃墟となった街だった。 住民は凶暴な野生生物だけ。 原住民とは誰も出会わない。今島にいるのは皆「大陸」から来た人ばかりだ。 ヒマリだけは大陸出身者ではないようだが。 【雪花園】 廃都を抜けると一面の銀世界。 やはりというか人などいるはずもなく野生生物が手荒い歓迎をしてくれるだけ。 誰かの設定によると、この雪山には竜が住んでいるらしい。 現実にはいるはずもないが。 まっすぐ進むと雪景色を見渡せる見晴らしのよい山。 雪景色の端に地面にぽっかりと開いた巨大な穴がはっきりと見える。 ふもとには青髪の青年が立っていた。 201 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 12 55.38 ID Iw09308N0 1章<吹雪の奥に> ネグラの住民のひとり。言葉少なで感情表現の薄い青髪の青年、ルドルフ。 彼の部屋にはふたつの物語が置いてある。 ひとつは「魔王物語」の3章。 英雄ランドルフが竜を倒す英雄譚。 もうひとつはルドルフの育ての親、フロドナの日記。 『ある日偶然拾った赤子を拾って4年。体の弱い子のようだ。 白竜の話をしてやると喜んでくれる。 この話に出てくる竜を倒せるくらい強く育って欲しい』 『昔の友人、盗賊のアイリッツに本を貰った。 何でも俺に似合いの話だと。 しかしその本は一部しかない。ゴミを押し付けられたようだ』 『アイリッツから貰った本は竜を倒す英雄の話だった。 やけに白竜の話と似ている気がする。ルドルフも気に入っているようだ』 『村を飛び出して18年、里心が出てきた。 そろそろ村に戻り、ルドルフも連れて平和に暮らすのも悪くない』 しかし今、彼の傍らに育ての親はいない。 フロドナの言葉。 「竜を倒せるほど強くなれ」 彼はその思いを果たすため、雪花園の山に物語を描いた。 この雪山には竜が棲んでいる。そういう設定。 雪山のふもとにルドルフが立っていた。 彼はヒマリに「一緒に来る?」と尋ねた。 202 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 15 06.90 ID Iw09308N0 【山に棲む白竜】 ルドルフと共に雪山へと踏み出すと、静かな銀景色が一瞬にして猛吹雪に変わった。 そこは美しい景色の雪山ではなく恐ろしい化け物の棲家。 白竜の吐息が山のふもとにまで届きヒマリとルドルフに吹き付ける。 「君は、竜を信じる?」 頂上に着いたルドルフの問いにヒマリが頷くと、白竜が実体を持って襲い掛かってきた。 (ただしなんか流木みたいなオバケが毒々しいガス吐いてる……何これ?吐く柳?) ヒマリとルドルフはふたりで白竜を討伐する。 白竜を倒し、ルドルフの物語はひとまず終わった。 彼は自分の物語の本を川へと流す。 そしてヒマリを振り返った。 「今度はぼくが手伝う番だね」 ヒマリはルドルフと共に物語の続きを紡ぐ。 《ある赤子が、祖父に恐れられたあまり浜辺に捨てられた。 その子はフロドナに拾われた。暫く名無しのままだったが、魔王物語のランドルフに あやかってルドルフと名づけられた》 《フロドナは体を壊したルドルフの為、荒れ果てた大陸を離れて島へとやってきた。 しかし彼はある日突然居なくなり、ルドルフは一人島に残された。 育ての親の期待に応えるべく、架空の怪物・白竜を討ちに行く。 ところで、竜とはどんな生き物なのだろうか。とりあえず、口から何か吐くらしい》 203 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 18 26.61 ID Iw09308N0 【カワード】 レーラリラが今では珍しいヒマリの花が咲いたのを教えてくれる。 しかしその後ヒマリの花はカワードによって踏み潰されたと彼女は楚々と泣いていた。 噂と犯行の後こそあれど見えてこない存在、カワード。 アーロンアーロンはカワードを罠にかけることをこっそりヒマリに提案する。 彼はカワードの正体が島の住民の誰かであることを状況から見抜いていた。 罠にかかったのはレーラリラだった。 追い詰めるアーロンアーロンにレーラリラは冷たく本性を表す。 「黙れチンポ野郎 お前らなんて永遠に自己満足の螺旋を回ってろ!」 レーラリラは逃げ出し、ネグラの隠し通路を抜けた先の大穴で対峙する。 その穴は彼女が盗んだ物語を捨てていたところのようだった。 襲い掛かってきたレーラリラを倒すと、彼女は足を滑らせて大穴に落ちてしまう。 《レーラリラには何をやらせても完璧な姉がいた。 ちなみにカワードであることはとっくに皆にばれていたらしい》 《文化的経緯のため大陸には殆ど花は残っていない。 島では稀に咲くこともある》 【モール】 彼はひたすらネグラで横穴を掘っていた。 実のところ穴を掘るのが目的ではなく、ひたすら壁に向かって自身の技を磨いていた。 だがある程度掘り進んだところで硬い壁に当たってしまい、掘り崩すことが出来ない。 ヒマリが請われて一緒に壁に力を加えると、壁は崩れて狭い空間が広がった。 誰かが住んでいた部屋のようだ。部屋には机の上に一枚のメモだけが残されていた。 『お前らが英雄と呼ばれるのなら、私は魔王となり全てを滅ぼそう』 モールは自身の技が一応の完成を見たとして、島を出て行くことを決めた。 真っ暗な横穴から出てきた彼は両目を失った盲人だった。 しかしそんなことを意に介した様子も見せず、彼はある人物の打倒の為に旅立っていった。 《モールは元は大陸の英雄の片腕として活躍していた人物。名前は偽名。 発狂した英雄を救う方法を考えた彼は、英雄に戦いを挑んだ。 彼はその結果片目を失い、島へと流れ着いた》 《英雄の側近の一人にミリラヌスという片目の剣士がいた》 204 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 21 47.49 ID Iw09308N0 【鐫録の砂】 雪花園を抜けると、砂に埋もれた街に辿り着く。 勿論というか廃墟となっており人の気配はこれっぽっちもない。 原住民の廃都を捨てた後に彼らはこの砂まみれの地に居を構えたようだった。 毒蠍の群れを抜けた先に辿り着いたのは石造りの櫓。 その下で青髪の女性がじっと上に続く階段を見つめていた。 2章<彼女の願い> ネグラの住人のひとり。おしとやかな雰囲気を持つ青髪の女性、エルオントナナ。 もっとも名前は偽名らしいが。 彼女の部屋にはふたつの物語が置いてある。 ひとつは「魔王物語」の1章。 塔に棲む悪魔を倒し、願いを叶える妖精に出会った英雄セラの話。 もうひとつはある少女の話。 『あるところにおじいちゃんっ子の女の子がいました。 おじいちゃんはとても優しくて、とても強い、素敵な人。 もうすぐ弟も生まれる予定で、幸せな生活が続いていました。 しかしある時おじいちゃんは病気になってしまいました。 そこで少女は、友達の少年と一緒に家にある塔に上ることにしました。 彼女が好きなお話の中では、塔には願いを叶える妖精がすんでいます。 塔に登ればきっとおじいちゃんの病気が治るはず。 塔の頂上で出会った悪魔はおじいちゃんの姿をしていました。 友達の少年を動かなくなるまで殴り続けました。 弟は生まれてきませんでした。 病気のせいで悪魔になってしまったおじいちゃんの言うことを少女は聞き続けました。 そうして何年もたったある日、友達の少年が生きていたことを知りました。 彼はおじいちゃんに立ち向かうレジスタンスのリーダーになっていました。 彼はおじいちゃんを倒すために協力して欲しいといいました。 生きていたことが嬉しくて、彼のためになりたくて、彼に償いがしたくて。 もう一度彼と一緒に笑いあいたくて。 かつて少女であった女性は、彼に背中を向けて走り出しました。 ふと見上げると、海の向こうの島に塔が建っているのが見えました。 あの塔に、のぼれば。 』 205 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 24 15.45 ID Iw09308N0 【天牢の塔】 エルオントナナと共に足を踏み出すと、雲の上まで続く階段を上っていた。 それは雲にかかるほどの高さを持つ塔。延々と続く階段とフロアを上っていく。 途中でエルオントナナはヒマリに語りかける。 島の住民は皆大陸から逃げてきた者たち。だからいずれは大陸に戻らねばならない。 ここは、ひと時の安らぎの場。 塔の最上階には、悪魔がいた。 双頭の悪魔。ナナの乗り越えるべき壁。 悪魔を倒したことでエルオントナナの物語は終わりを告げた。 「これでようやくナナ・エルオントの物語を始めることが出来ます。 貴女の物語が幸せな結末を迎えられますように」 彼女は自身の物語の本を川へ流し、橋を渡って島を去っていった。 《祖父の呪縛に打ち勝つために島へとやってきた。 彼女を縛り付けるのは、かつての優しい祖父との思い出》 《双頭の悪魔はナナが乗り越えたいと思っている心の障壁、祖父の象徴》 【水辺】 ネグラの近くの川を辿っていくと、浅瀬が広がる水辺。 (初期に来ようとすると水の流れに押された挙句に大量の魚に噛まれて1死) 川を辿り、浅瀬を抜ければ海に出る。 【広大な海】 と思いきや、海は海でも砂の海。 目の前に開けたのは砂と岩ばかりの荒野。 ふと広がった砂地を見渡すと、船の模型がぽつんと置いてある。 その周りは区画分けされており、奥には巨大な影。しかしそれだけで何もない。 だが、そこには不思議な仮面を被った男性が立っていた。 206 :魔王物語物語:2012/06/08(金) 23 26 34.59 ID Iw09308N0 3章<白い獣> ネグラの住民のひとり。 新聞紙で作ったらしい不気味な仮面と手袋を欠かさない男性、ヒクグモ。 彼の部屋には謎の白い物体(うねうね動く)と、ふたつの物語がある。 ひとつは「魔王物語」の2章。 海の巨大鯨を倒す英雄ツィーリアの話。 もうひとつはヒクグモとその友人の悪の話。 『真面目に生きてきたはずの私。 何の因果か、ちゃらんぽらんなアイリッツに惹かれて彼と共に犯罪に 手を染めることになった。 人殺しだ。 殺すのは、かの大陸の英雄ゼルヒ・エルオント。 平原で待ち伏せをしていると、かつて英雄と呼ばれた老人は共を連れてやってきた。 アイリッツはゼルヒの前に躍り出て、なにやら話をし始めた。面識があるようだ。 ゼルヒの言葉は私の位置からは聞き取れない。 「いいや、なれなかったよ。だから今あんたを倒してなることにする」 アイリッツはそう返し、剣に手をかけた。 なんということだろうか。 地に伏せたのは英雄で、立っているのは私たちだった。幸運も味方した。 アイリッツがゼルヒの首に剣をかける。 「孫のことを頼む」「あんた、まさか……」 アイリッツが戸惑った、その一瞬。ゼルヒはアイリッツを切り裂いた。 「力もあった。運もあった。だが、無慈悲がなかった」 私は逃げた。アイリッツを背負い、舟をこぎ、島へと渡った。 私たちはどうにか生き延びた。そして再挑戦を誓い合った。 ある日、アイリッツは前触れもなく姿を消した。 彼の残した荷物の中に「魔王物語」の2章だけがあった。 あの日のアイリッツは「魔王物語」のツィーリアそのものだった。 ツィーリアは倒した巨大鯨に許しを与えて止めを刺さずに立ち去った。美しい結末だ。 しかし現実の結末は別のものだった。美しい物語を用意してはくれなかった。 私はアイリッツのイシを継ぐ。 その前にやるべきことがある。海の向こうの怪物を倒すのだ。 』 207 :魔王物語物語:2012/06/09(土) 01 22 36.34 ID DeaWpa7T0 ヒクグモは広大な海と呼ぶ荒野にひとり立っていた。 船の模型を目の前に、彼はヒマリに自身の物語への協力を依頼する。 強大な敵を打ち倒すために。 【レヴィアタン海域】 ヒクグモと共に船の模型の元へ向かうと、その瞬間、ヒマリは船に乗っていた。 周りは見渡す限り青い海。先ほどまで居た荒野など比べ物にならない広さ。 よくよく見てみると荒野の区画分けがそのまま縮尺を大きくして再現されている。 海を越え、港町を回り、出現するレヴィアタン(怪物)を撃破していく。 荒野の影があった場所に、その怪物は居た。 ゲイゼルガイゼル。白い鯨に羽が生えたような巨大な怪物。 ヒクグモはその怪物を倒し止めをさす。 ヒクグモの物語は終わった。 彼は自身の物語の本を川へと流す。 「『傷を癒す魔法は無く。星を落とす魔法は無く。 闇を切り裂く聖剣は無く。愛する者を蘇らせる秘術は無く。 そんな世界で生きているからこそ、俺達は物語を創っていくんだ』 私の恩人が言っていたことです」 そしてヒクグモは橋を渡り、島を後にする。 「次の物語では私は死ぬことになるだろう。しかしそれは無駄ではない」 ヒマリが自分の部屋に戻ると、ヒクグモの部屋にいた謎の白い物体が移動していた。 彼女が手に取ると、そのまま付いてくるようだ。それは、白いイシ。 420 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 44 09.75 ID ZgsyEpm80 【魔王城】 2 ネグラの裏手の崖に魔王城の裏口に繋がる道があった。 水路が続き、侵入者を阻む仕掛けが多く設置されている。 原住民の城だったという割にはえぐい仕掛けが多い気がする。 【流行り病】 城の地下を抜け上がると、森へとたどり着いた。流れる川の水は毒々しい。 そして一面に広がる墓石。森中にぎっしりと誰かの墓が作られていた。 歩いても歩いても、毒々しい色の水と多くの墓石が並ぶだけ。 出てくる野生生物は凶暴化して襲ってくるばかり。 特に蝶には野生生物だけでなくヒマリたちをも凶暴化させる力があるようだ。 悪夢のような森を抜けるとぼろぼろの小屋にたどり着いた。 生活の後がまだ残っている。前まで誰かが住んでいたのだろう。 そして小屋には、記憶のかけらが残されていた。 誰かの記憶。それを解放するためにはイシが必要だという。白いイシが。 ヒクグモの部屋にいた謎の白い物体を差し出す。 「 」が仲間になった。 ステータス画面のキャラ絵は真っ黒。名前は空欄。姿は無い。 バグかと思えばステータス自体はしっかりしている。 装備しているのは「闇を切り裂く聖剣」。 習得しているスキルは「傷を癒す魔法」「星を落とす魔法」。 小屋を出たらあっさり仲間から抜けてしまった。 421 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 45 18.27 ID ZgsyEpm80 【アーロンアーロン】 「魔王物語」は21年前にハロルド・ディスターという無名の人物が書いた物語。 しかしその物語は未完のまま終わっている。 この物語、実は大陸の海辺に流れ着いていたものだった。 結末の無い物語が何故本となり海に流されていたのか。 「何の目的で書かれたものなのか」「どんな結末を迎えるはずだったのか」 一部で話題となり、人々の注目をひそかに集めるようになっていた。 アーロンアーロンもまたその結末を追い求める者の一人であった。 彼は自身が調べ上げたことをメモにして残していく。 『「魔王物語」に出てくる英雄セラ、ツィーリア、ランドルフにはモデルがいる。 元となったアレス、アイリッツ、フロドナは今でこそ有名だが、21年前は皆無名の人物。 また彼らとハロルドとの接点も判明していない』 『そもそも「魔王物語」という題名にも関わらず「魔王」なる存在が出てきていない』 『21年前、ハロルドが物語を執筆したとされる「島」で事件があった。 大陸から来たという人間が、出産で苦しむ島の原住民の女性に花を渡したという。 疫病の蔓延は当時既に始まっており、疫病を媒介するネズミの主食である花狩りは 島でも進んでいた。 そのため当時においても花は大変珍しいものになっていた』 ここまでメモが進んだところで、アーロンアーロンの部屋に謎の青い物体(うねうね動く) がうろちょろするようになる。 ヒクグモの部屋にいた白い謎物体―白いイシと色こそ違うが同じもののようだ。 ある時を境に青い謎物体―青いイシは姿を消し、アーロンアーロンの様子が変わった。 「今の私なら、ハロルドの気持ちが分かる気がします」 そしてルドルフ、ナナ、ヒクグモの物語を手伝い終えた後にアーロンアーロンの元へ 向かうと、彼は最後の考察メモを残して姿を消していた。 『以上のことから「魔王物語」の結末を推測する。 その最終章は魔王が現れ、各章で活躍した英雄たちを惨殺する物語。 恐らく原住民の女性に渡された花はハロルドが育てたものであり、 アレス、アイリッツ、フロドナが彼から盗み出したものだったのだろう。 その復讐を物語の中でだけでも果たそうと「魔王物語」はつくられたのだ』 422 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 47 45.46 ID ZgsyEpm80 アーロンアーロンはルドルフたちの部屋から「魔王物語」を持ち出していた。 彼を探して部屋の奥へ向かうと、大量の書きかけの物語が散らばっている。 紙片の散らばる道を進むと、室内とは思えないほどの広大な花畑が広がった。 花畑の真ん中では、アーロンアーロンが全3章の「魔王物語」を携えて待っていた。 「3人揃っていないがやむをえない。今こそ私はこの物語を終わらせる。 約束を果たそう」 アーロンアーロンを叩きのめすと彼から青いイシが離れ、3つの「魔王物語」を 取り込み、ひとつの本へと姿を変えた。 そして逃げるようにその場を去っていく。ヒマリたちはそれを追いかける。 「魔王物語」がたどり着いたその先は、モールが掘り当てた小さな部屋だった。 魔王宣言のあるメモの残された部屋。「魔王物語」はその先に扉を作った。 ヒマリはルドルフと共にその扉の向こうへと足を踏み入れる。 《イシ:人間の背中に寄生する不思議なスライムっぽいうねうねした物体。 物に宿る記憶を宿主に与えたり、過去の宿主の記憶を受け継ぐことができるらしい。 島の地下で繁殖している場所がある》 《ハロルドは青いイシを背中に飼っていた》 《アーロンアーロンは物書きを目指していたが才に恵まれず、「魔王物語」の研究で 一山当てるつもりだった》 終章<終焉へ> 【妄想の果て】 小さな部屋の扉を抜けると、草原が広がっていた。 ふと気がつくと例の姿の見えない仲間もいつの間にかパーティに入っている。 (ちなみに妄想の果てを離れるとまた居なくなる) 草原に咲いている花に触れると不思議な空間に飛ばされる。 浮遊大陸の上、真っ白な空間、雲の上どころか空を歩けたかと思えば、荘厳な城の廊下に立っていたり。 様々な妄想の空間を渡っていく。 そしてそうした場所を渡っていくと同時に、誰かの記憶がヒマリたちの前に現れる。 それはかつて交わされたアレスとハロルドの会話の記憶だった。 423 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 02 48 46.80 ID ZgsyEpm80 『この花、本当に貰っていいの?花の絵を描いてたんじゃないの?』 『好きにしろ。気が変わったところだ』 『じゃあ有難く貰っていくよ』 『やあ。何か書いてるの?見せてよ』 『勝手にしろ』 『ぱらぱらっと』 『面白いだろ』 『うん。特にこの広がる白さが』 『今から書くんだよ。出てけよ』 『で、なんでこんな穴ぐらの中に住んでるのさ』 『出てけよ』 『やあまた来たよ。話の続きが気になって』 『白紙の続きがか』 『いいことを思いついたんだ。ぼくが話のネタを提供してあげよう』 『あいにく物語はすでに俺の中にある。他人の手を借りる余地はない』 『まず第1章は、そうだね。高いところを目指して登る話ってのはどう? ぼくをモデルにしていいよ』 『どんなずうずうしさなんだあんた』 『じゃあぼくの体験でも話そうか。あれはどこだったかなぁ。大陸の……』 『勝手に話せばいい。俺は聞かないが』 『やあ久しぶり。見せてよ』 『ほらよ』 『すごい。白くない。……塔に登る話にしたんだ』 『感想はいらない。俺は他人に見せるために物語を書いているのではない』 『じゃあ何のために物語を書くんだい』 『さあ、なんとなくかな』 『じゃあぼくが唯一の読者ってことか。それはそれで嬉しいかな。 今回も勝手に話していいかい』 『ああ、是非、勝手に話してくれ。俺は聞かないが』 『ぼくの知り合いでアイリッツという奴がいるんだ。 これがまた悪人だか善人だか分からないやつでさ……』 424 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 01 30.64 ID ZgsyEpm80 『やあ。何か痩せた?』 『べつに』 『2章は海の話にしたんだ。この話の主人公悪人系?てかアイリッツだよね』 『誰だ、それは』 『うわ、ずるい。敵は白い鯨かぁ。この鯨の白さは善を象徴してるとか、 それをダークな主人公が打ちのめす、人間のあり方を問うテーマなのかな』 『何か強そうな敵を、主人公が倒す。それだけだ。解釈は勝手だが』 『適当だなぁ。そういえば、赤ちゃん生まれたよ』 『おめでとう。誰の』 『前あんたから貰った花、安産祈願ですってそこの村の妊婦さんにあげたんだ。 女の子だって。赤ん坊にはあの花の名前をつけるそうだ』 『安産祈願の花だとは知らなかったな』 『ぼくもだよ』 『適当だな』 『勝手な解釈でも誰かが幸せになれればいいんだよ』 『そうだな』 『じゃあ今回も独り言で色々話していこうかな』 『ああ、そうしてくれ』 『僕の知り合いにフロドナってやつがいるんだ。 こいつが、それはそれは巨大で頑丈な奴で……』 『やあ、また来たよ。また痩せたね。3章は……あれ、まだ殆ど書けてないじゃん』 『悪いな。いまいち筆が進まなくてな』 『まあ無理は禁物だね』 『ただ問題があってな。俺の余命が幾ばくもない。もってあと10日かな』 『じゃあ無理しないとね。完成するの?』 『完成させる。残るは3章の竜の話。そして終章だ』 『終章はどんな話なんだい?』 『終章は……』 《「魔王物語」は大陸の海辺へと流れ着き、ゼルヒ・エルオントが拾い上げた。 その後謎の未完の物語としてささやかに一部の人に注目を集め、少数ながら出版された。 アイリッツは「魔王物語」に興味を持ち、ゼルヒの持つ原本を盗んでしまおうと考えた。 当時まだ病に伏せる前のゼルヒはアイリッツをあっさり退け、お説教に入ろうとする。 アイリッツは咄嗟に「今の俺はこんなだが、19年後には英雄になってみせる』と嘯いた。 (ゼルヒが英雄と呼ばれるまでには20年かかっている) ゼルヒはその言葉に愉快になって、19年後の再開を約束し、賊を見逃すことにした。 アイリッツはゼルヒが振った剣でふたつに裂かれた「魔王物語」の片方(2章・3章) を持ち去り、爽やかに去っていった。 もう片側の「魔王物語」(1章)はゼルヒの孫娘が拾い上げ、彼女のお気に入りとなった》 《ヒマリは黄色いイシを背負っている》 425 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 05 58.61 ID ZgsyEpm80 「魔王物語」は星空の中でヒマリたちを待っていた。 彼女達が近づくと、「魔王物語」は物語の敵役を呼び出してヒマリたちに立ち向かう。 第1章。「塔の悪魔」がヒマリたちを誘惑する。 第2章。「白鯨ゼルガイゼル」がヒマリたちを押し流そうとする。 第3章。「竜」がヒマリたちに容赦なくブレスを吹きかける。 その全てをヒマリたちが押しのけると「魔王物語」はついに魔王を顕現させた。 ヒマリは「魔王物語」に対峙し、己の物語を握り締めながら剣を向ける。 「あなたが魔王を名乗るのならば 我々は剣を取り、英雄を演じてみせましょう!」 「魔王ハーディス」に剣を向けているのはヒマリではなかった。 ヒマリは1章の英雄、セラを演じる。 ルドルフは2章の英雄、ランドルフを演じる。 姿の無い3人目は3章の英雄、ツィーリアを演じる。 ルドルフの持つフロドナの剣は伝説のドラゴンスレイヤーへと変わり、 姿の無かった3人目の姿は、まさに英雄の余裕を持つ笑みを浮かべた好青年へと変化した。 星を落とす魔法も、傷を治す魔法も、愛する人を蘇らせる魔法だって使える。 対する魔王ハーディスはラスボス特権か死亡・裏切り・恋愛フラグを勝手に立てて 回収しまくる無法ぶりに、ずっと俺のターン!までやってきたりと好き放題。 そして「魔王物語」の結末は…… 『終章は1章、2章、3章の英雄達が強大な魔王と戦う。 その強大な魔王というのは、俺だ』 『あんたかよ。でも、ワクワクするね。ぼくを含む3人と、あんたが戦う訳だ』 『お前らが英雄と呼ばれるのなら、俺は魔王を名乗り全てを滅ぼしてやろうじゃないか。 現実の俺はこんな体だが、空想の世界なら、お前らなんかひとひねりだ』 『じゃあ、残り少ない時間を邪魔しちゃ悪いから。10日後に、また来るよ』 『ということは、これで最後になるな』 『あ、そうだ。10日後の話だけど。きみの物語を「流し」てもいいかい』 『勝手にすればいい。ところで、何だ。「流す」って』 『川に流す、だけ』 『本はどうなるんだ、それ』 『さあ。途中で沈むかもしれない。大陸に辿り着いて、誰かに拾われるかもしれない』 『ああ、それは面白いな。どうなるか分からないあたりが面白い』 『気に入ったみたいだね。じゃあ10日後に。結末を、楽しみにしているよ』 『あっ、最後にひとつ。その物語の結末では、どっちが勝つんだい?』 『秘密だ。結末が分かった物語なんて、面白くもないだろ』 『それもそうだね。まあ終章でのぼく達の頑張りに期待するか』 『せいぜいあがけ』 『簡単には負けないよ』 『俺だって』 『絶対、完成させてよね』 『当たり前だ』 426 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 07 32.54 ID ZgsyEpm80 『ああそうだ、最後に。この物語の題名を教えてよ』 『ああ、まだ決めてない。折角だから、あんた考えてくれ』 『これは重大な役割を背負っちゃったな。 じゃあ、終章にちなんで、 「魔王物語」 ―― 』 英雄セラ、ランドルフ、ツィーリアは激戦の末、魔王ハーディスを撃破した。 これが「魔王物語」の結末。 ナナやヒクグモは島を離れ、自身のやるべきことへと立ち向かうのであろう。 ルドルフもまた島を離れ、大陸へと向かう。 ヒマリは先人達と同じように、己の物語を川へと流す。 物語は、ただそこにあった。 不幸の人に捧げるつもりも、誰かを勇気付ける意図もなく、ただそこにあった。 それはきっと誰かの心の岸辺にたどり着き、新たな物語を紡いでいく。 END 427 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 11 11.25 ID ZgsyEpm80 <人物まとめ> 【ヒマリ】(主人公) 21歳女性。島の原住民の血をひく。 彼女が生まれる際にアレスが彼女の母に送った花から名前がつけられた。 黄色いイシを背負っている。恐らくはアレスのもの。 (何故イシを背負っていたかは不明。託されたヒマリの花からイシを継いだとか?) セラのモデルであり、ハロルドの約束の相手であるアレスのイシを 背負っていたことから、セラを演じる役割を与えられたと思われる。 【ルドルフ】(ヒーロー) 18歳男性。捨て子だったのをフロドナに拾われた。 その名前は「魔王物語」のランドルフからつけられたが、ランドルフのモデルはフロドナ。 (本人達はあずかり知らぬ事だったが) このことからランドルフの役割を演じることを任されたのだと思われる。 また明言はされていないが恐らくはナナの弟であり、ゼルヒの孫息子。 彼の本当の物語は大陸に戻ってから始まるのかもしれない。 【 】 姿の無い存在。 名前もキャラ絵も空欄の為バグを疑われるがバグじゃない。 闇を切り裂く聖剣を持ち、傷を治す魔法と星を落とす魔法を習得している。 妄想の果てでのみ存在できる。物語が具現化した場所でないと具現化されないっぽい。 元はヒクグモがつれていたことや、彼の持つ剣や魔法はアイリッツ(=ヒクグモの恩人)の 発言から来るものであることから、白いイシはアイリッツのイシであることが伺える。 元がツィーリアのモデルとなったアイリッツのイシであるなら、最終戦でツィーリアを 演じるのに不足無し、ということかと。 (通称「3人目」「■」。物語後半にレベル1加入かつサポートよりの構成なので色々不遇) 【エルオントナナ】 24歳女性。本名はナナ・エルオント(レーラリラ曰く「斬新な偽名」)。 大陸の英雄ゼルヒ・エルオントの孫娘。お姫様みたいな扱いらしい。 祖父との優しい思い出を振り切った彼女は大陸に戻って幼馴染の彼に協力するのだろう。 尚重度のハッピーエンド至上主義者。ラスボス倒せば全部解決が理想。 でも彼女の物語にハッピーエンドは存在しない。大好きな祖父を倒さねばならないから。 【ヒクグモ】 年齢不詳おじさんな男性。アイリッツに助けられて以来彼の友人となる。 善が悪をくじけないことを悟った彼は、悪で悪をくじく「勧悪懲悪」を目指す。 善の象徴である白鯨を倒して内なる善を乗り越えた彼は、大陸に渡ってゼルヒにまた 挑戦するのだろう。死ぬことを覚悟の上で。 しかしこの人「白鯨ゼルガイゼル」を「白ゲイゼルガイゼル」って読んでるんだよね。 428 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 14 47.62 ID ZgsyEpm80 【アレス】 ヒマリにイシを託した存在。女性であることが他所で明言されている。 つまりぼくっ娘。ハロルドの友人?で、ヒマリの母へ安産祈願にヒマリの花を渡した。 「魔王物語」1章のセラのモデル。 【アイリッツ】 義賊っぽいことをやっていた悪人とも善人とも言い難い人。 ヒクグモの恩人にして友人。フロドナやアレスともある程度の親交がある。 かつてゼルヒと英雄となる約束を交わし、「魔王物語」を持ち去った。 いつの間にか姿を消している。 「魔王物語」2章のツィーリアのモデル。 【フロドナ】 ルドルフを拾った人。高山地帯の出身者で、冒険家。 アイリッツから「魔王物語」の一部を受け取っている。 いつの間にか姿を消している。 「魔王物語」3章のランドルフのモデル。 【ゼルヒ・エルオント】 かつて英雄と呼ばれた人物。大陸の支配者。 流された「魔王物語」を拾い上げた最初の人。 病によって気が触れてしまったものの、大陸最強の彼を止められる者はいない。 現在の大陸は狂王による恐怖政治で荒れ果てているらしい。 【ハロルド・ディスター】 「魔王物語」の著者。アレスとの約束は果たせず、物語は未完のまま息絶える。 彼の飼っていた青いイシは物語の終焉を追い求め、アーロン(略)にとりついた。 [イシ] 島の地下で繁殖している謎の物体。 人間の背中に寄生し、人の記憶を見せたり宿したりできるようだ。 ヒマリは背にアレスのイシを背負い、魔王物語の終焉を求めた。 ハロルドのイシはアーロン(略)ひいては魔王物語そのものに宿り、終焉を求めた。 [病] ネズミを介して大陸や島に蔓延した流行病。 ネズミの主食の花は大陸や島から根絶され、ネズミもまた殆どいなくなった。 (ただしハロルドが花を育成していたこともあるのか、島には花が稀に咲くこともある) 病の蔓延のせいで島の住民は島を放棄した。 発病すると発狂し凶暴になってしまうようだ。 大陸の英雄であるゼルヒもまた感染し、発狂してしまっている。 フロドナやアイリッツの行方は一切触れられていません。 島の変な力でイシにされてしまった説を個人的には支持しています。 フロドナのイシは出てきてませんが、ルドルフが「背中から見守ってくれている」 という発言をしていることから彼がイシを背負っている可能性あり。 アレスが何してるのかは謎。生きてはいるらしい。大陸編で出るらしいし。 429 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 16 41.67 ID ZgsyEpm80 【1レスまとめ】 ハロルド・ディスターが書き残した物語、「魔王物語」。 3章まで書き上げることが出来たものの、ついに終章を書くことが出来ぬまま ハロルドは息絶えた。 完成した物語を読むアレスとの約束は果たされなかった。 物語の結末を求め、アレスのイシはヒマリに終焉への願いを託した。 ヒマリの使命は「魔王物語」の結末を見つけること。 島には「魔王物語」に影響を受けて自分の物語を紡ぐためにやってきた人々がいた。 ルドルフの物語は育ての親の願いを果たすためのもの。 「竜を倒せるほど強くなれ」との言葉を胸に、雪山に棲む竜を倒す。 ナナの物語はかつての祖父との思い出を乗り越えるためのもの。 祖父は英雄ゼルヒと呼ばれた存在だったが、病に倒れ正気を失った。 気が触れた祖父の治世で大陸は荒れ果てている。 塔の頂上に棲む悪魔を倒し、祖父との思い出にけじめをつける。 ヒクグモの物語は悪を乗り越えるための悪となるためのもの。 海に棲む白鯨を倒し、悪を持って英雄ゼルヒを打ち倒す覚悟を持つ。 ハロルドのイシもまた執念のまま結末を追い求めた。 3つに分かれていた「魔王物語」をひとつの場所へ集めることが出来たことで 魔王物語とハロルドのイシが融合し、語られなかった最終章の魔王として姿を現す。 対するヒマリとルドルフ、そして魔王物語のモデルとなった人物のイシが集まったことで、 「魔王物語」の英雄たちを演じるに足る素材が集まった。 かくして「魔王物語」の最終章が作り上げられた。 結末は、ヒマリたち演じる英雄の勝利に終わった。 「魔王物語」は結末を迎えることが出来、ヒマリの使命は果たされた。 「魔王物語」の結末とは別に、島で自身の物語を終えた人々は、 大陸にて自分の運命と向き合っていくことだろう。 【3行+α】 志半ばで著者の死により未完の物語となった「魔王物語」の結末を求めてうろうろ 著者の残留思念と、物語の英雄のモデルとなった人のイシを継いだ主人公達とでバトル 代理戦争で物語の結末は魔王の撃破として描かれましたとさ。めでたしめでたし (ただし現実世界の問題は何一つ解決していないとさ) 430 :魔王物語物語:2012/07/03(火) 03 24 05.58 ID ZgsyEpm80 以上で終わりです 少ない演出で色々妄想を掻き立てられる良ストーリーだと思う ゲームそのものはちょっと難易度高めだけどフリーだし気が向いたらやってみて欲しいな 続編の大陸編が出るのを俺はずっと待ってる
https://w.atwiki.jp/ohurodekitayo/pages/83.html
魔王物語物語 感想 RPGツクールVXで制作された作品。 フィールドの敵キャラに接触した方角が敵配置となる、 これまた新鮮なゲームシステムでした。 ゲームの進め方もプレイヤーにゆだねたり、隠し要素、やりこみ要素など 自由度の高い作りになっていたもの高評価ですね。 ちょっと踏み込んでいくととんでもない強敵がいたりとw 個人的におもしろかったのが3スロット分の何でも装備関連。 これによりキャラクターのカスタマイズ制が高まり、さらに熟練度によって 伸ばすこともできるあたり、僕にとってはストライクゾーンど真ん中のシステムでしたw 好きなんですよ、熟練度関連のシステムw 総合的に見てほんとに高評価であるゲームといえますね~。 自信を持っておススメできる作品です! コメント 魔王物語物語 第1章 魔王物語物語 第2章 魔王物語物語 第3章 魔王物語物語 第4章 魔王物語物語 第5章 魔王物語物語 第6章 魔王物語物語 第7章 魔王物語物語 第8章 魔王物語物語 第9章 魔王物語物語 第10章 魔王物語物語 第11章 魔王物語物語 第12章 魔王物語物語 第13章 魔王物語物語 第14章 魔王物語物語 第15章 魔王物語物語 第16章 魔王物語物語 第17章 魔王物語物語 第18章 魔王物語物語 第19章 魔王物語物語 第20章 魔王物語物語 第21章 魔王物語物語 第22章 魔王物語物語 第23章 魔王物語物語 第24章 魔王物語物語 第25章 魔王物語物語 第26章 魔王物語物語 第27章 魔王物語物語 第28章 魔王物語物語 第29章 魔王物語物語 第30章 魔王物語物語 第31章 魔王物語物語 第32章 魔王物語物語 第33章 魔王物語物語 第34章 魔王物語物語 第35章 魔王物語物語 第36章 魔王物語物語 第37章 魔王物語物語 第38章 魔王物語物語 第39章 魔王物語物語 第40章 魔王物語物語 第41章 魔王物語物語 第42章 魔王物語物語 第43章 魔王物語物語 第44章 魔王物語物語 第45章 魔王物語物語 第46章 魔王物語物語 第47章 魔王物語物語 第48章 (最終話) -
https://w.atwiki.jp/freetkool/pages/19.html
タグ RTP不要 XP やりこみ カタテマ ファンタジー 中編 紹介動画 ま~も 基本情報 ランタイム:ランタイム不要 作品DL: ver.1.11 作者サイト: カタテマ 専用ページ: 魔王物語物語 攻略ページ 魔王物語物語(まもも)攻略 、 魔王物語物語まとめ レビュー 魔王物語物語 - ゲームレビュー - Vector GAMES プレイ動画など ニコニコ動画タグ検索 名前 コメント がんばれ -- あああ (2011-08-05 16 04 41)
https://w.atwiki.jp/irisu_syndrome/pages/75.html
「魔王物語」という本がありました。 その本には結末が書かれていませんでした。 ページ一覧 概要・ストーリー まももシステム詳解 マップ 武器 防具 アイテム 敵 まもも小ネタ まもも考察 まもも攻略 登場人物(ネタバレあり) まもも短時間クリア リンク ゲーム攻略地帯 - 魔王物語物語攻略 各ダンジョンのマップやアイテムデータなど、非常に大量のまももの攻略情報が掲載されているサイトです。 魔王物語物語まとめ まももの攻略情報や、ストーリー考察が掲載されています。 1年程前から音沙汰無し ABのフリーゲーム"仮"やり込み部屋 - 魔王物語物語 縛り条件付き攻略やタイムアタックをされているサイトです。 通常攻略の参考になる部分も多いかと
https://w.atwiki.jp/zayin/pages/2069.html
部隊名:魔王物語物語 総合力 ★★☆☆☆ 連携力 ★★★☆☆ 所属人数 初心者育成 厨房度 勝ち馬属性 無し 問題児 タグ すーぱー半歩部隊 半歩マクロ使用疑惑 注・半歩のマクロやツールを使うことはBAN対象 そしてBANされた
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/16378.html
登録日:2010/07/09(金) 12 45 09 更新日:2023/12/25 Mon 23 48 45NEW! 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 RPG RPGツクールXP まもも カタテマ ゲーム フリーゲーム 名作 探索ゲーム 高難易度 魔王 魔王物語物語 「魔王物語」という本がありました。 その本には結末が書かれていませんでした。 『魔王物語物語』は、同人サークル『カタテマ』で製作されたフリーゲームである。 使用されたツールはRPGツクールXP。 キャッチコピーは「シンプルで楽しいRPG」。 よく『まもも』と略称される。 【概要】 有名フリゲ『ネフェシエル』や『イストワール』と同系統の“探索型RPG”に分類される作品。 この手の作品の性質として、決まった順番でストーリーイベントをこなす一般的なRPGとは違い、クリアに至る道順にそれなりの自由度が設けられているのが大きな特徴である。 まあ「あちこち探ってれば何かが起きるから、行ける範囲で適当に冒険してみてね」というゲームだと考えておk。 全体的に難度が高いことでプレイヤーをたびたび泣かせつつ、 装備により自在にキャラ特性や戦術を変えていける戦闘バランス 一風変わったシステムの数々 理解が進むにつれて奥深さを増していく世界観etc…… などが相まって独特の中毒性を醸し出し、多くのプレイヤーを魅了してもいる。 現在でも「面白いフリゲ」という話題では名前が挙げられることが多い。 市販のRPGに飽きて、少し変わった刺激を求める人は手を出してみてはいかがだろうか。 【主な登場人物】 ネグラの住人の項目を参照。 【システムとかいろいろ】 ・なんでも装備システム 仲間に加わるキャラのうち、主人公のヒマリを含むメインキャラに適用されているシステム。 『武器』『防具』の装備欄が一つずつある他、ゲストキャラにはない三つの『なんでも』欄が設けられており、ここに道中で手に入るアイテムを文字通りなんでも装備できる、というもの。 本作ではキャラ性能に対して各人の素の能力値以上に装備が大きく影響するため、これらをどう組み合わせるかが重要になってくる。 武器や防具を『なんでも』欄に回すこともできるが、このときは能力の増減値や得られる特性が変化する。元は防具なのに攻撃関連の能力だけ上がったり、下手すると被ダメが増えたり。色々と試してみよう。 ・熟練度 一定回数(20回、50回、100回)の戦闘をこなすごとに、装備しているアイテムの性能にボーナスが加算されるシステム。 基本的に初期値の20%ずつ加算され、最終的には1.6倍程度にまで性能が上昇する(例外アリ)。 注意点は、武器と防具はそれぞれ武器欄と防具欄に着けなければ熟練度が上がらないこと。 また、あるキャラで仮に熟練度を最大まで稼いだとしても、他のキャラに持たせた際にはそれが反映されないことにも注意。 ・ビンの数だけしか回復アイテム持てないシステム 冒険の途中で手に入る『ガラスのビン』の数量分だけ、各地にある回復ポイントから 『体力回復(HP全快)』 『気力回復(HP小回復、一部ステータス異常回復、SP全快)』 などのアイテムを補充、持ち運べるシステム。 本作ではまともな回復アイテムはほとんどこの二つに限られるため、ビンが少ない序盤は無理をしないほうがいいかも。 ・家具のようなものシステム ヒマリの行動拠点となる部屋に、鏡やキッチンなどといった小物や家具類を購入・設置できるというもの。 どれも何かしらの恩恵を得られるので、(物によっては無茶苦茶高いが)購入推奨。 ・料理システム 家具の一つである『キッチン』の購入後に、ヒマリの部屋で行えるコマンド。 道中で手に入る『レシピ』に従い、特定のアイテムを組み合わせてここ限定のアイテムが入手できる。 材料自体も一つか二つしか手に入らないレア物だったりするので、実際に料理するかどうかはプレイヤー次第。 ・おもしろエンカウントシステム 過去作品で開発されたシステムの応用版。 敵シンボルに「接触する」のではなく、「ある程度接近する」ことで戦闘開始条件が満たされるというもの。 また、戦闘が始まるまでに数秒間の猶予時間が設定されており、この間に他の敵シンボルに接近するとソイツとも戦わなければならなくなる。 猶予時間になるや、ヒマリ目指して高速で飛んでくる厄介な敵もいる。 接敵時のヒマリと敵との位置関係も重要なポイントとなっていて、同じ「敵二体と戦う」状況にしても 二体とも「近い角度」でエンカウント ⇒ 一体を攻撃したとき、もう一方も巻き込める 一体は右、もう一体とは左下など「角度が離れた」状態で接敵 ⇒ 一度にはどちらか片方にしか攻撃が届かない ……といった戦況の変化が生じていく。 これを利用して複数の敵を一撃で殲滅するのもいい(敵の数が多いほど経験値やアイテムドロップ率にボーナスが付く)が、位置取りをしくじって包囲された時には相応の損害を覚悟しよう。 余談だが、戦闘が終了するごとにHPとSP(他作品でいうMP)がわずかに自動回復するようになっている。 ただし時間経過で少しずつ回復する仕様なので、回復しきる前に他の敵とエンカウント……なんてことにならないよう注意が必要。 ・戦闘スキル関連 各キャラクターが習得する戦闘スキルの中には、体力が一定の割合まで減らないと使えないものが多い。 このため、リスクを承知で体力を減らしたまま進むか、体力を回復し堅実に戦うかを常に迫られることになる。 ひどいものだとHPが40%を切らないと使えなかったり。 【本作の難しさについて】 先に少し触れたが、概ね『まもも』は二つの意味で“難しい”作品と認知されている。 1:攻略難度の高さ 開始早々、最弱レベルの敵にあっさり殺られたりするレベル。 何の前情報も無しにゲームを始めたプレイヤーは大抵の場合、ただのネズミ相手に屍を晒すことでこれに気づくこととなる。 で、いくらか慣れた頃に『殺人ネズミ』に殺られるのもお約束。 また本作の「決まった攻略ルートが提示されない」性質上、推奨レベルからかけ離れて敵が強いエリアに踏み込んでもすぐには気づけない。 しかも「戦闘が始まれば逃走不可」という仕様なので強敵にエンカウントしてから後悔しても時すでに遅く、死んで初めて「あ、まだここに来るの早かったんだ……」とプレイヤーは理解していくのだ。 というか全滅するたび『全滅履歴』なんて記録がつけられていくあたり、この「死んで覚える」スタイルは作者が狙っているものっぽい。 敵との遭遇はシンボルエンカウントに近い形式(先述のおもしろエンカウントを参照)なので、上手く敵を避けてお宝を漁る……なんてことも狙えなくはない。 実際には絶対避けられない位置に敵が配置されていることも多いため、あまり通用しないが。 他にも様々な高難易度要素がある。 敵の判定が広く、避けて進むのは難しい。逃げられないことも相まって、下手に動くと囲まれて即死することも HPがシビアなのに敵がクリティカルを出す。計算が狂って死ぬ 「HPが減っていないと使えないスキルがある」「戦闘後、自動回復する」の組み合わせで、集めてスキルで殲滅する速攻戦術がやりにくい。装備の調整でわざとHPを減らす手はあるが裏技の類 以上のようによく死ぬのに、回復・ショートカット・セーブポイントがそれぞれバラバラな上にまばらに配置されてるため、死ぬとかなり戻されることもしばしば 取り逃がすと入手できない有用アイテムなど時限要素が結構ある これらの不条理な点はソウルライクがこの世に生まれ、「難易度が高いが面白いゲーム」のノウハウが貯まる前の作品なので仕方ないが、今からプレイするなら覚悟が必要だろう。 2:ストーリーの理解そのものの難しさ 要するに、「どんな話なのか分かり難い」ということ。 端的に説明するため、本作のあらすじを紹介してみると……。 ~あらすじ~ 主人公ヒマリは魔王物語の結末を求め、島にやってきました。 マジでこれだけ。 実際にニューゲームを始めても、オープニングデモやそれに関するイベントなどほぼ皆無。 どうして魔王物語とやらの結末を求めているのか、 ヒマリという女性は何者なのか、 この島というのはどんな場所なのか、 それ以前に魔王物語って何なのか、とか、そういった一切の説明を放置して冒険に放り出されるのだ。 その後においても、親切に攻略の指針を示してくれる“村人役”の存在など期待できない。 探索先で会う『ネグラの住人』たちには言葉のキャッチボールをする気などさらさらなく、おのおの好き勝手なことを呟くばかり。 そもそもヒマリ自身が一言も会話に参加しない始末である。 そんな状況なので、作中の世界観や設定、ストーリーを知るには、シナリオ進行に従って増える用語集などの断片的な情報を元にプレイヤー自身が内容を噛み砕いて理解していかなければならない。 ぶっちゃけ、ラスボスを倒しても「結局どんな話だったの?」なんてことが十分にあり得る。……というか、一度クリアしたくらいだと理解しきれないプレイヤーの方が多いかもしれない。 まあそのぶん、物語の骨組みがある程度「掴めて」きたときの嬉しさや楽しさもひとしおなのだが。 そうした仕様上、ネタバレはこのゲームの魅力を大きく削ぐ。 結末や大筋を知ってしまった物語に何の価値があるだろうか 。 攻略を見ないと見逃しやすいアイテムなどは多いが、幸いにも二度ととれないアイテムは少ないので初回プレイは是非ノーヒントでエンディングまで辿り着いてほしい。 以下、初プレイにありがちなこと ネズミに殺される 最初のネズミの被害を忘れた頃に殺人ネズミに遭遇 一匹ずつなら……うわあああああ ものすごいネズミに殺される 鋭魚に撫でられただけで死ぬ サソリにリンチされる デフォーミティにホームラン 溺死 あいきゃんふらい 白……竜……? クビキリの弱さに失望 黙れちんぽ野郎 横斬り技は火属性 ↑アホくさ 【関連作品】 有志がカワードのその後を描いた『レレレ物語』 本作を製作する中での裏話などをまとめた『魔王物語物語のつくりかた』 『大陸編イラスト集』と同梱で販売されている『愛と勇気とかしわもちかい(何故かry』 ファンからは続編の要望が多数寄せられているが、現時点では「続編を作るかどうかは未定」とのこと。 主人公アニヲタはwiki物語の追記・修正を求め、島にやってきました。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] がっつり内容を追記したいんだけどやってもいいだろうか -- 名無しさん (2013-06-10 05 25 25) ヤッチマイナァ! -- オーレン石井 (2013-06-10 08 48 37) ↑ヤッチマッタ。おかしいとこあったら誰か追記・修正お願い -- 名無しさん (2013-06-10 09 27 14) 文庫版が楽しみすぎる。島の世界観やら設定がどう書かれるのかとか -- 名無しさん (2014-09-06 22 39 44) この作品のエンカウントシステムは商業作品のMOTHER2あたりの先例を考慮に入れてもかなり斬新だとおもう とはいえ有名作品だけども、エンカウトのシステムを真似する追従作品みたいなのが今のところ出てこないのはどう作っても難易度調整が難航することが目に見えているだろうからか -- 名無しさん (2022-02-23 22 07 43) は是非ノーヒントでエンディングまで辿り着いてほしい -- 名無しさん (2023-12-18 00 17 53) コピペ途中で送っちゃったが、初回でノーヒントクリア推奨は厳しすぎない? 気力回復剤の説明とかないし -- 名無しさん (2023-12-18 00 20 06) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/16392.html
登録日:2013/06/10 (月) 02 01 33 更新日:2022/11/07 Mon 21 30 45NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 フロドナ 冒険者 巨漢 本編未登場 魔王物語物語 強く育ってほしい RPG『魔王物語物語(以下、まもも)』の作中にて、その存在が語られる人物。 アレスやアイリッツと同様、主人公であるヒマリと絡まない……どころか本編中に全く姿を見せないという変わった位置づけのキャラクター。 本編への関わりも間接的なもので、ルドルフとの会話、ルドルフの部屋にある日記、それと用語集に登録されるフロドナの項などを通してその人物像が語られていくことになる。 作中に存在する小説である『魔王物語』の登場人物のモデルらしい、ということもアレスやアイリッツと共通した特徴。 フロドナは第三章『雪』の主人公である『ランドルフ』にそっくりなのだとか。 以下、ネタバレとかいろいろ。 【人物像】 頑丈な巨体を持つ腕利きの冒険者。『島』で入手する彼の愛用武器から、大剣を得物としていたと分かる。 まもも本編の時点ではアレスやアイリッツと並んで『大陸』にその名が広く知られる人物となっており、両名とは古い知り合いでもある。 ネグラの住人の一人であるヒクグモがアイリッツから聞いたところによると、「表情が見分けられるようになると面白い」タイプらしい。要するにムッツリしているということか。 先述したように、ネグラにあるルドルフの部屋ではフロドナ本人が記した日記を読める。 日記の内容は、後に『ルドルフ』と名付けられる拾い子との生活が中心。文体からはどことなく飾りっ気の無さそうな性格が見て取れるかも。 【過去から現在までの経緯】 《出生など》 『大陸』の北部に位置する、寒さの厳しい山岳部出身者。 生まれた村では、不用意に山に踏み込んで遭難しないように『白竜』という怪物の話を聞かされて育った。 ……のだが、フロドナの場合はむしろ竜という存在に興味を持つようになった。 とはいえ現実には『竜』という生き物は存在しない。それを知り、代わりに自らの好奇心を満たすものを求めて冒険者となる。 《ルドルフとの出会い》 そうするうちに彼は一人の子供を拾い、その子と共に過ごすように。 また、数年後に再会したアイリッツから『魔王物語』の一部である第三章『雪』を受け取ると、それが地元の言い伝えと似ていたこともあり、拾い子に度々この物語を読んでやるようにもなった。 「竜を倒せるくらい強くなれ」 との願いをこめて。 物語の英雄にあやかって拾い子に『ルドルフ』と名付けたのはこの時期。 《『島』への移住》 数年が経ってもルドルフの身体は弱いままで、何よりもゼルヒの下で荒廃し続けていく『大陸』では食べ物が得られなかった。 そのため、約十年前に彼はルドルフと共に自然豊かな『島』に渡る事を決意する(このときルドルフは八歳)。 そのかいあってか、ルドルフはなんとか健やかに成長していった。 《突然の失踪》 しかし彼は約八年前、『魔王物語』原本の一部などといったわずかな物品を残して謎の失踪を遂げる。 この際にはルドルフに何も告げておらず、しかも当時の彼の日記には「里心がついた。ルドルフを連れて帰郷するのもいいかもしれない」となどと書き記されている。 このことから、本人にとってもこの失踪は不意の出来事であったと思われるのだが……? なお、現在も彼の消息は掴めていない。 【愛用武器・ラットスレイヤー】 ネグラとは別の、過去にフロドナとルドルフが暮らしていたと思われる場所で発見・入手できる大剣。 説明文からフロドナの愛用品だったと分かる。 フロドナが失踪すると、彼に生活の全てを依存していたルドルフは何もできないまま餓死寸前に追い込まれた。 ある日、そんな彼の前に一匹のネズミが現れるのだが、偶然にも壁に立てかけていたこの剣が倒れてネズミに当たり、気絶させる出来事が起こる。 ルドルフはネズミを喰らって命を繋ぎ、これを契機に『島』で生き抜くことを、また、フロドナが常々言っていたように「強くなる」ことを決意するのだった―― ――とまあこのように、現在の“超アウトドア派”なルドルフを形づくったと言える一品。 仮に『ラットスレイヤー』が先の一件を元にした後付けの名前だとすると、本来の名前が他にあったりするのだろうか? 序盤のマップで手に入ることもあってか、アレスやアイリッツに縁のある『ロングソード』や『ゼニガラス』と比べて武器性能は低い。 ただしこの剣、特定状況下で『ドラゴンスレイヤー』なる武器に変化する隠し要素を秘めており、こうなると全武器中でもトップレベルの攻撃力を持つようになる。 強力な攻撃スキル『竜殺し』を使えるルドルフとは性能面でも色々と相性がよく、肝心な場面では彼に持たせておくと盛り上がるかもしれない。 【関連人物】 ○アレス 旧知の仲。 ○アイリッツ 旧知の仲。 ○ルドルフ 捨てられていた子供。いつも無表情だが、『白竜』の話だけを聞くときだけは目を輝かせていたらしい。 しかしフロドナは、肝心の『白竜』の姿がどういったものなのかをすっかり説明し忘れていた。 その結果は、まもも本編でルドルフが立ち向かう敵を見れば明らかになる。いやマジでどうしてああなった。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/1537.html
魔王物語物語 機種:PC 公開元:カタテマ 公開年:2007年 概要 RPGツクールXP製のフリーゲーム。通称「まもも」。 「おもしろエンカウントシステム」という、特殊なエンカウントシステムが特徴。 収録曲の多くはフリー素材が使われている。 →公式サイト 収録曲 曲名 備考 作曲者 順位 Finalize (void's romantix mix) ラスボス戦1 void (原曲 akihito) 第3回544位第9回961位第10回989位第1回フリゲ8位第2回フリゲ5位パソコンゲーム235位RPGバトル263位第2回ラストバトル171位 雨よ降れ 水辺 煉獄庭園 Voice 天牢の塔 第2回フリゲ41位ダンジョン210位 時の架け橋 鐫録の砂 月下我想君 流行り病 八乙女葦菜 第2回フリゲ30位パソコンゲーム242位癒し130位ダンジョン87位ピアノ82位 lart 地底大空洞最深部 須田佳典 oo39_ys018 原住民の廃都 yh@ 第2回フリゲ10位第2回ゲームソング377位ダンジョン449位 真珠の故郷 雪花園 リイ reiy_ar reiy reiy_nana エルオントナナの物語 reiy_op オープニング reiy_rudolf ルドルフの物語 reiy_title タイトル画面 reiy_go ゲームオーバー Dilemma 魔王城 多夢(TAM) 勿忘草 ネグラ 第2回フリゲ194位和風258位 bird Fanfare Trial The Decisive Battle ボス戦 第5回916位第7回419位第8回282位第9回401位第10回817位第11回912位第12回986位第13回411位第1回フリゲ3位第2回フリゲ1位掘り出し15位パソコンゲーム48位RPGバトル59位 遠き日の歌 エンディング 天空城 レヴィヤタン海域 The Final Cross ラスボス戦2 第1回フリゲ4位第2回フリゲ6位 悠久の刻 広大な海 ペイン 通常戦闘 第1回フリゲ21位第2回フリゲ121位 Risoluto I ラストダンジョン 0078 ヒクグモの物語 akihito (原曲 white) 第2回フリゲ177位 akihito_rpg_azbattle01 akihito akihito_rpg_azdungeon02 地底大空洞 3rd eye 草薙考司 Laughter Fairy Tale YAMAHA 第2回フリゲ209位