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注意:このページの内容は、2005年8月19日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 電子農法 電子農法とは、どんな農法ですか? 一時期かなりもてはやされていた状況に比べると、かなり下火になったような気はするのですが、それでも「電子農法」でググると、未だに結構なページ数がヒットします。 電子農法を実践されているらしき方々のホームページを参考に、共通点を探ってみると、 種子への電子チャージ 土壌への炭素の埋設及び混入 土壌への空気の送入 電子水の葉面への散布 というのが基本であるようです。(一部のみを実践されている方もいらっしゃるようです。) 検証1-地下に炭素(炭)を埋め込む効果とは? 時空船ガイアのホームページから、電子農法というのは、下記に示す植物波農法の一般的な呼称であると推察されます。 植物波農法では、植物を始めとするあらゆる生物の生育環境の改善のために、自然界の電場の作用を利用するという画期的な方法が明らかにされている。 その一つは大地に炭素を埋設し大地電位の調整を図るという方法である。 炭素の埋設による大地電位の調整は、その土地にある生物・無生物に限らずあらゆる物質の原子、分子の静電気的・静磁気的な結合を安定化させる。 炭素埋設は農業・畜産・水産での安定的な増収や工業面における品質の向上を図る技術として応用できる。 さらには公害防止、環境改善などエコロジー分野への利用も可能である。 まず、「自然界の電場の作用」と記述されています。 『電場』というのは、「電気の流れる場」のことでありますから、一見、植物に電気を流して生育に何らかの効果を与えることではないか、と推察します。 しかし、次に「大地電位の調整」と記述されています。 『大地電位』とは、大地の持つ「電気的エネルギー」のことですが、他から高電圧をかけでもしない限り安定しています(落雷並みの電気的エネルギーをかけても、電気が流れることで一時的に電位が上昇しますが、電気が流れ終われば、電位はまた元に戻る)から、電気的エネルギーを新たに加えない炭素を「埋設」しても、電位は調整されないと考えるのが自然だと思います。 さらに、「あらゆる物質の原子、分子の静電気的・静磁気的な結合を安定化」したのでは、肥料成分の分解、植物への移行吸収が阻害されて、作物の生育が遅れるのではないかと懸念してしまいます。 とはいえ、土壌に炭素(炭)を埋設することが有害かというと、そうではありません。炭はアルカリ資材ですから、土壌の酸度矯正の役割がありますし、孔隙が多く、土中でゆっくり分解することから、土壌の物理性改善の効果も期待できます。 検証2-電子水とは? 電子水がどうやって作られるのかについては、わかりやすい一次資料がなかなか見つからなかったので、 エレクトロンチャージャー研究所のホームページと、時空船ガイアのホームページを参考にしました。 エレクトロンチャージャー研究所によると、電子水は、 水道水を絶縁されたタンクやボトルに入れ、チャージします。 チャージとは?交流の高電圧を与えることです。 交流の高電圧とは?+プラスと-マイナスを交互に与えるということです。 エレクトロンチャージャー研究所の製品では、1秒間に50回から60回+プラスと-マイナスを繰り返し水道水に与えます。 するとそのたびに水分子自体が振動、回転させられます。 とのことです。 水分子が極性を持つのは確かですが、水そのものは全体として電気的に中性ですし、純粋な水は電気を通しませんから、仮に高電圧をかけたところで、水自体が何らかの変化をすることはありません。 (温度上昇はありえますが、それは水の性質の変化ではありません。温度の高い水が何らかの効果があるというのであれば、高電圧をかけなくても温度を高める方法はあります) また、電子水の特徴として、 弱アルカリ性(pH7.4前後、人間の体液と同じ)で体に優しい水 クラスターの小さい水 エネルギーの高い水 のどごしが良く、たくさん飲めて美味しい水 等の説明がうたわれていますが、人間の体液は弱酸性だし、(石鹸がぬるぬるするのは、アルカリ性の石鹸で弱酸性の体が溶かされているから)、水のクラスターは誤解の産物で、そもそもクラスターの大きさは測定されていないし(よく、17O-NMR測定結果をもってクラスターが小さいと説明しているが、17O -NMRは水のクラスターサイズを測定する方法ではないので、クラスターが小さいと論じることは出来ない)、エネルギーの高い水って、要するに温度の高い水だったりするしと、まともな説明でないものがほとんどです。 (美味しいかどうかは、含まれるミネラルの含量と個人の味覚によるので、コメントしかねます) そのほか、電子水を使った比較試験の写真が何点か載っていますが、試験の条件が全くわからない(きちんとブランクテストを行ったのか)うえ、上記の効能説明は当てにならないので、効果については疑問です。 電子水の効果として、信頼できなくもない記述は、 筑波大学応用生物化学系の向高祐邦助教授らは、高圧電流をかけて処理した水(電子水)に加水分解酵素の作用を高める効果のあることを確認した。 電子水中に、酵素とその酵素に反応する物質(基質)とを入れ、分解反応で確かめた。電子水だけで基質から目的の生成物を早く作り出せるため、食品や化学品製造の省力化手法として注目されそうだ。(1992年(平成4年)12月7日付けの日刊工業新聞) というものですが、仮にこの作用が正しいとしても、加水分解酵素の作用を高めることと、電子水の効能としてうたわれている、作物の生育促進、制菌効果、還元作用などとは、直接の因果関係がないものであり、説明としては不十分です。 従って、農業においては、単に水を散布する、あるいは水につけるだけの効果との比較がなされない以上、「効果がある」とは言い難いと考えられます。 検証3-その他及びまとめ 「土壌への空気の注入」については、耕盤破砕などのために、土壌中に圧縮空気を送り込む手法が取られることがあるなど、土壌の物理性改善には一定の効果が認められています。 「種子への電子チャージ」については、種子に高圧電流を流すというものであることから、種子内の組成に何らかの変化が起きる可能性があり、それによって生育促進が期待できたり、あるいは種子内の病原菌や害虫が死滅するなどの効果が期待できるのかもしれません。もしそのような効果を期待するのであれば、きちんとした比較試験を行って、データを示せばよいと思います。 まとめると、電子農法の各種手法は、土壌の物理性、化学性改善に一定の効果があるものの、電気処理による効果説明を行おうとするがために、結果的に矛盾のある説明に陥っているという印象を受けます。 (でも、電気処理をしないと電子農法とは言えないから、そこで自己否定するわけにはいかないのでしょう)
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農法全般 MOA自然農法 電子農法 波動農法 ナチュラル・ハーモニー 炭素循環農法 無肥料栽培 FFC農法 微生物資材 EM農法 BMW アーゼロン アガリエ菌 病害虫対策資材 HB-101 ニームオイル 木酢液 クララ(苦参) 無農薬「大地の元」 その他資材 ピロール農法 ムクダイ バイオクォーク(ハーモニーウォーター) トヨチュー 番外 「GMイネNG裁判」を読む。
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注意:このページの内容は、2006年6月14日時点の情報に基づいて記載しています。本文中の会社「有限会社 エムエスケイ」「有限会社実験工房」「道新物産株式会社」のページは、いずれもリンク切れとなっています(2010年11月30日現在)ので、ご注意願います。また、その他にも現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 波動農法 波動とは、何ですか? 科学を扱う上での「波動」という言葉の本来の意味は、wikipediaの「波動」の項目にも示されていますが、 何らかの物理量の周期的変化が空間方向に伝播する現象 というのが基本です。この定義による波動は、水面波、地震波、音波、電磁波(光波、電波)、重力波、津波等があります。 しかし、波動農法における「波動」とは、波動農法研究会を主宰する有限会社 エムエスケイによれば、 人間が微弱電流を持っているのはご存じですよね。その微弱電流を“波動”とも言い、例えば病気にかかったりするとそれが弱くなります。波動農法で作ったものを食べると、波動の測定値が上がるという検査結果が出ているんですよ。 と説明されています。 また、波動農法により生産されたとして紹介されている商品には、「波動水」を用いて生産しました、と説明しているものがいくつかあります。 この「波動水」とは何か、と思って検索したところ、有限会社実験工房というサイトがヒットしました。そのサイトによる波動の説明は、下記のようなものであり、さらに科学の領域からはかけ離れているようです。 波動 波動とは、宇宙を統合している物質以前の微弱エネルギーで、サトルエネルギーとも云います。 両手を肘の位置で曲げて、身体に肘をつけて、手の平を開いて、左右の間隔を10~15cm開くと、身体の中に電気が流れているのがお分かりいただけると思います。 気の回りをよくする よく「気の回りをよくする」といわれる、この気も波動です。病気の細胞の部分があると、この気の周りが停滞して、体調が悪くなります。 人間は栄養を十分に取ると同時に、この気の回りをよくするよう、身体の部分を+エネルギーにしておかないと、健康を保つことができません。 21世紀に脚光 波動は目でみることができないので、理解しにくい面があります。 しかし、21世紀に入って、いくつかの波動学会も設立され、波動測定器の開発で数値であらわすことができるようになって、最近では人間生活の各部に浸透していく情報部門となってきました。 量子物理学者の川又審一郎氏がいわれる「宇宙の発生の根源は創造エネルギーであった」といわれる言葉からも、われわれの健康管理の根本的配慮に、この波動を無視できないと考えられます。 即ち、波動農法で言うところの「波動」とは、科学における波動ではない、ということになります。 検証1:波動=微弱電流orエネルギー? 波動農法或いは波動水でいうところの「波動」とは、微弱電流或いは何らかの「エネルギー」であるというのが、かの方々の説明です。 そして、電流或いはエネルギーであれば、何らかの方法によって測定が可能ということになります。 しかし、「波動」を測定することが出来るのは「波動測定器」だけであり、その測定器によって示される値は一般的に「-21」から「+21」までの間しかないようです。 さらに、一般的な波動測定器は人体に接触させて何らかの数値を示すそうですが、有限会社実験工房によれば、波動は「毛髪を郵送してもらえば、その毛髪で測定できるとのことですから、生体電流を測定しているものではないようです。 では、波動測定器とはどのようなものかについては、ニセ科学入門のページ中ほど「5.波動」の項に示されていますが、 波動測定器の仕組みはほぼ解明されていて、どうやら測定者自身の電気抵抗を測っているらしい。 要するに、嘘発見器である。実際、熟練した測定者でないと正しい数値が出ないと言われており、測定対象の性質を客観的に表わすものでないことは明らかである。 とのことですから、「測定者自身の電気抵抗を測っている」が正しければ、波動測定器によって示される「波動」の数値は意味を持たないということになります。 そもそも、測定すると称しているサンプルからはなんらの影響を受けませんから、生体でなくてもいいのは自明のことでしょう。 検証2:波動農法と「波動水を使った波動農法」 有限会社エムエスケイのサイトでは、エムエスケイの代表取締役畑壽一氏と(おそらくタレントの)三波豊和氏の対談が掲載されています。その冒頭では、 三波豊和:こちらで指導している波動農法とは、どういったものなんですか? 畑壽一:現在多く行われている化成肥料と農薬を使うやり方では、土がカチカチに硬くなってしまいます。私共では土壌菌を含んだ有機物を土に混ぜ込んで土造りをします。土が発酵微生物の働きによって活性化すると、ふかふかの状態になっていきます。そういった土壌で植物を育てる事で根の張りがぐんと良くなり、微量栄養素を充分に吸収出来るようになるんです。 三波:いわゆる有機栽培とは少し違う感じなんですね。 とのやりとりがあります。 この部分だけを切り出せば、技術として特にヘンなところは見受けられません。(三波氏の「有機栽培」に関する知識は怪しいですが…) しかし、同じページの上部にある「波動農法とは…」のコラム中、『5.医食同源の農法です』の項にある、 使用資材は、ミネラル、微生物、アミノ酸、酵素、カルシウム、ヨモギ、どくだみ、ニンニク等人体に有益なものを使用しています。MRA(核磁気共鳴分析)や、LFTによって数値化してチェックしています。 との説明が謎です。 MRAとは、医療などで使われるMRI(磁気共鳴画像法)と語感が似ていますが、上記で示した「波動測定器」に他なりません。 また、LFTも同様に「波動測定器」の一種です。 数値化されても意味のない波動を「数値によりチェック」とは、何をチェックしていることになるのでしょうか? 一方で、「波動水を用いた波動農法」というのもあるそうですが(例えば「波動水」「波動米」でググるとトップに出てくる道新物産株式会社とか)、仮に波動水が有限会社実験工房で販売されている波動水のようなものだとしても、そもそも「波動水」と「そうでない水」の違いが何かが明らかにされていなかったり(波動測定器の数値の違いしか示されず、物性のデータがない)、実際に生産された農産物がどのような特性があるか不明だったりと、謎の部分が多いです。 ちなみに、有限会社実験工房が販売している「ガン予防波動水」は明らかに薬事法違反だと思いますが。 まとめと余談 エムエスケイがいうところの「波動農法」については、「波動を信じるかどうか」は別にして、少なくとも技術的に不当な内容が含まれない限り、それなりのものが出来るでしょう。 また「波動水を使う波動農法」についても、「(値段が)高い水を使っているな」という印象は受けますが、水自体に何か特別のもの(波動ではなく)が入っていない限り、こちらもそれなりのものが出来ると思います。 しかし、「波動」という概念のとらえ方については明らかに間違っていますから、具体的な効果を期待しないほうが賢明だと思います。 ちなみに、波動の非科学性については、上記の「ニセ科学入門」ほか、「水商売ウォッチング」の「波動」系水商売を斬るでも詳しくコメントされておりますので、参考にしていただきたいと思います。 なお、上記サイトで紹介されているように「水が何かを記憶する」という事実がないことは、素人でも明確にわかるのですが、なぜか「水に『ありがとう』という紙を貼るときれいな結晶が出来る(いわゆる「水伝」)」という話が、下火にならずに未だに盛り上がっているのは気になるところであります。 また、EM農法の説明にも「波動」が使われていますが、元ネタは同じ模様です。 (EMフェスタの要旨等から)
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注意:このページの内容は、2006年4月18日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 炭素循環農法 炭素循環農法とは、何ですか? 私は「炭素循環農法」という言葉は、たまたま「農法」をキーワードにしてググっていて見つけたのですが、「現代農業」という雑誌の2004年10月号に、「炭素循環農法の実際」という記事が掲載されていたようです。 この現代農業、私の実家でも昔購読していたことがあるのですが、いろいろな民間農法を体験談つきで紹介しており、農業技術に関しては常に先駆的?(笑)な情報発信を行っています。 (木酢液やEMが普及したのも、現代農業で繰り返し取りあげられたのが一助となっていると思われます。) 「炭素循環農法」の提唱者と思われる方のページ(管理者:Sr.アヒル殺し & Sr.百姓モドキ)を見ると、 地域・規模・技術力・経済力を問わない。省資源・省エネ・環境保全。無施肥・無防除による持続可能な有機・自然農法。 と定義されています。 これだけをみると、良くある「無施肥・無農薬」の自然農法の類かと思うのですが、炭素循環農法(概要)のページによれば、下記のとおり「自然農法」として一般に普及しているものとは一線を画した姿勢のようです。 「自然農法」は故岡田茂吉氏が説きました。また高炭素資材の利点を応用したのは「躍進微生物農法」の創始者、故島本覚也氏です。両氏の功績と先進性に敬意を表し、ここに明記しておきます。 しかし、理論的な解明が十分とは言えず、精神論に片寄りがちで難解であったり、施肥農法の枷から逃れられず、矛盾や無駄がみられます。 炭素循環農法は、これらと関係なく一百姓の実践の中から得られた農法です。しかし、単に経験だけに頼らない、理論に裏打ちされた一連の技術体系です。 また、 書籍やインターネットを幾ら調べてみても、こゝに書かれている基本的原理は見つかりません。見つからないからこそ、このホームページを立ち上げたのですから。詳細な仕組みは直接、作物や虫に教わっています。既存の知識は説明のためです。 ともありますので、氏まったくのオリジナルな理論だそうです。 検証1:サラダ農法 - 無肥料(堆肥やボカシも使わない)。 以降の引用は、「地球を壊さない有機自然農法の基本」のページからのものです。 生の有機物の投入により微生物を生かし、土を活かすサラダ農法が第一の基本です。 炭素固定のための雑草や緑肥作物を鋤き込みますが、これは微生物の餌であり肥料ではありません。作物の必要とする養分は手付かずの自然と同じように微生物に一切を任せ、たとえ堆肥やボカシでも作物の肥料になるものは一切与えません。与えてはいけません。 自然を見れば分かるように、微生物に餌を十分与え条件が整えば作物の必要とする養分を賄えるようにできています。 と紹介されています。つまりは、化学肥料のみならず、堆肥も投入しないで、緑肥や雑草を生で鋤き込んで、そこに栽培するというのが基本のようです。 氏の言う「手付かずの自然」がどういった環境のことを指しているのかはわかりませんが、植物と微生物のみが生存している環境って、非常に不自然じゃないかというツッコミはありでしょうか? まあ、そうでなくても農作物の生産の場合、少なくとも食用にする部分は圃場外に持ち出しているので、その分を補給しない限り、収支は均衡しないんじゃないかというのが、正直な感想です。 また、 生や未熟堆肥を使うと病虫害が発生しやすいと言われていますが、それは有用微生物(全て有用で無用なものなどない)が充分働ける環境が整っていない土壌にいきなり過負荷な仕事を課すからです。分解し切れず消化不良を起こし腐敗する結果起きる現象です。環境さえ整えば生の方が遥かに効率的(無駄ゼロ)で問題も起きません。 とありますが、未熟有機物による害は「大量投入」により、一気に分解が進んで、作物にとっての有害ガスが発生したり、窒素飢餓をおこすことが主であり、消化不良で腐敗が起こるわけではないと思うのですが。 (人間の体の仕組みと誤解してはいないでしょうか?) 検証2:自然流農法 - 連作をする。 無施肥で同じ土地に同じ作物を作り続け、しかもその作物から何代も種子を繰り返し採取し続けます(F1種は要再選抜。不可の場合もある)。 この無施肥に対する順化操作を行うと最初のうちは弱かった作物も次第に病虫害を受けなくなります。連作すると作物が土に適応し、本来の力を取り戻すと同時に、土を自分に合うように作り変え健康に育つようになるからです。 これは土(土壌微生物・細菌叢)も作物に対し順化するということです。 パテントで保護されていて自家採取してはいけない種類の作物では、当然無理ということですね。 という蛇足のツッコミはさておき、 施肥栽培では殆ど見られない現象ですが無施肥の場合、一度も作物を育てたことのない土では、養分があっても最初は殆ど育たない作物があります。作物の種類により、土壌微生物との共生度・相互依存度に強弱があるためと思われます。 無施肥で育たない作物があるとして、その理由が上記に言うようなものなのか、それとも本当に養分がなかったのかは、検証しようがないのでは? また、本文中で「イネが連作に強いというのはウソ」と言い、その理由として、 他の作物に比べ施肥に対する依存度は低く窒素吸収量の半分は地力窒素(微生物が供給源)です。 これが辛うじて連作を可能にしていますが、今以上に施肥量を増やせば、連作障害(倒伏、病虫害、不味い)を起こします。 と述べられています。 まず、「倒伏・病害虫・不味い」は多肥による弊害ではありますが、連作障害ではありません。 連作障害と呼ばれる現象の最たる原因は、土壌に棲み、作物に悪影響を及ぼす病害虫(=土壌病害虫)の増加によるものがほとんどです。 稲はもともと連作に弱いのは確かですが、それでも連作できるのは、稲は水田という「嫌気状態」の土壌でも生育できる一方で、稲の土壌病害虫が嫌気状態で生育できないからです。(畑で稲を栽培すると、連作にはすこぶる弱いです) もちろん、何十年と同じ作物を連作して、成果を挙げている方が数多くいらっしゃるのは事実ですし、土壌病害虫を含めた環境とうまくつき あってきたのであろうことは、想像に難くありません。 このケースにおいても、土壌中の微生物相における土壌病害虫が、作物の生育に害を及ぼさないレベルに収まっていれば、結果問題はないのでしょう。(氏言うところの「順化」によるものかどうかはわかりませんが) 検証3:手抜き農法 - 手間をかけない。経費をかけない。特殊なものは使わない。 人が土壌環境を整えることができるという思い上がりが、そもそもの間違いの元なのです。(中略)。但し微生物は無報酬では働きません。 そこで、生の有機物を入れます。現行有機農法で大きな問題となる堆肥やボカシを作る手間が大幅に省け、しかも少量の有機物資材で足ります。 とはあるのですが、 ジャガイモの例ですと、緑肥と、10a当たり僅か30kgの米糠(微生物の餌)で十分です。あとは極少量の活性化し増量した微生物群と糖蜜(微生物の弁当)、土地により少量の貝殻粉末等を必要に応じて使います。 と述べられている中の、「極少量の活性化し増量した微生物群」とは何を指しているのか、激しく謎です。これって「特殊な資材」じゃないんでしょうか?(最も、氏いわく「これらの資材は土ができれば必要ない」とのことですが) ちなみに、EM農法研究室でも述べたのですが、極少量の微生物(それが何であれ)を土に投入したとして、その微生物が何らかの効果を及ぼすという可能性は低いと考えられています。 なお、上記の検証1でも触れましたが、生の有機物の投入は問題を引き起こすことがあります。 ただし、この事例における投入量はそう多くはないと思うので、生の有機物であるがゆえの弊害は小さいと思います。 検証4:因果農法 - 勿論、化学肥料、農薬など論外です。 農薬使用は化学肥料や堆肥多用の結果に過ぎません。本来必要のないものです。 (中略)健康とは病気ではないということではなく、病害虫を一切受け付けない状態を健康と呼ぶのです。ですから予防をしなければならない状態では真に健康とはいえません。 化学肥料や農薬を多用した結果、生育が軟弱となり、病害虫の被害を受けやすくなるということは、これまでの歴史においてある意味真実です。 ただし、地域や年によって気象その他の条件は大きく変わるので、たとえある時期までは健全に育っていても、病害虫が多発する条件にあっては、被害を完全に防止することは非常に難しいと思います。(完全隔離され、気象条件をコントロールできる環境にあれば話は別ですが) そういう意味で、「病害虫を一切受け付けない状態を健康と呼ぶ」というのは、幸運にも病害虫の被害を受けなければ、結果健康だったと言えるかもしれませんが、毎年コンスタントに成果を挙げられるだろうか、という疑問があります。 検証5:活生農法 - 共生(僕らはみーんな生きている♪♪♪)。 木酢液、木炭、海草エキス、魚の発酵液、貝化石、岩石(ミネラル液)等も微生物に必要な微量要素を含んでいて、土壌中の微生物を爆発的に増やし活性化します。 木酢液や木炭は、土壌中の水溶性ミネラルや微量養分を木が長年かけ吸収蓄積した、エキスと結晶です。また海草エキス、魚の発酵液等は陸のミネラルが溶け込んだ海水を、魚や海草が濃縮したもののエキスです。そしてミネラルそのものの貝化石や岩石というわけです。 「木酢液=水溶性ミネラルや微量養分のエキス」という解釈は始めて聞きましたが、木酢液の主要成分は酢酸、アルコール類、フェノール類であり、ミネラルの含量を示した情報がないので、果たして微生物の生育に影響があるのかどうかわかりません。 それ以前に、酢酸の殺菌作用を期待して使用されている(効能を謳って販売すれば農薬取締法違反ですが)木酢液が、微生物を爆発的に増やすというのは、大いに矛盾するような気がするのですが。 「海草エキス」や「魚の発酵液」については、原料も精製方法も成分も示されていないので、どういうものかわかりませんからコメントいたしません。 まとめ 氏は主張のまとめとして、下記のとおり述べています。 自然の模倣が自然農法ではありません。また、有機物資材を使うから有機農法なのではありません。肝心な養分循環を自然(主に微生物)に任せ、自然の生物生存の原理による、有機的な繋がりの中で共に生きるための農法だから有機・自然農法なのです。進化の頂点に立つヒトは一番身近なもの(人も微生物の塊)である微生物を生かすことによって、他の全ての生物を生かし、活かすことができます。他を生かすことにより初めて人は生きられるのです。 最初の2文は確かにそのとおりとは思います。しかし、この主張中「肝心な養分循環を自然に任せ=外から全く栄養を持ち込まない」というのは、先に書いたとおり、食料として農作物を圃場外に持ち出す以上、永続する方法というのには疑問です。 (「進化の頂点に立つヒト」と「人も微生物の塊」という表現はスルーしておきます) 氏は別ページにおいて、硝酸体窒素蓄積の有害性についてコメントしています。 化学肥料や堆肥の多投による害としては、軟弱な成長となることから病害虫の害を受けやすいと上記に書きましたが、硝酸体窒素の蓄積もリスク要因であることは確かです。 だからこそ、生育状況や土壌の状態を見ながら適正な施肥を行うことが求められているわけですが、富栄養化した土壌においては、氏の主張するような方法も、一つの手段としては考えられなくもないと思います。 ただ、氏は本文中において、下記のとおり述べていますが(下線は筆者追加)、 確かに慣行農法からの移行期には、病虫害等で殆ど収穫できないこともないとは言えません。しかし、それは当たり前でしょう。瀕死の重病人にいきなり働けと言っても無理というものです。20年30年と化学肥料と農薬を使い続け土壌環境を無茶苦茶にしてしまっているのですから、その付けはキッチリ払わなければなりません。 元に戻るのに3~5年は覚悟した方がよいでしょう。しかし一旦土ができ上がれば手間もかからないし収量も慣行農法より増えます。 3~5年、ほとんど収穫できないことがある農法を取り入れることが出来るのは、よっぽど経済力があるか、農業にほとんど依存 していない農家であり、「経済力を問わない農法」であるという主張はどうなのでしょうか?
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注意:このページ及び付随するページは、2007.9.24時点の情報に基づいており、また、書きかけの内容が数多くあります。 ページの内容をお読みいただいて、不足情報や科学的な批判をどんどんお寄せいただければ幸いです。 頂いた情報を元に(自分でも情報収集しますが)、加筆訂正を随時行いたいと思います。 EM農法 EM農法とは EM農法とは、EM研究機構のページで紹介されているものが、おそらく公式見解ではないかと思われます。 EM研究機構のページによれば、 言葉としての「EM」は有用微生物群の英語名、Effective Microorganisms(エフェクティブ・マイクロオーガニズムス) の頭文字から付けられた造語であり、EMの開発者である琉球大学農学部比嘉照夫教授により名付けられた造語です。 EMに関する商標は、EM普及の中核を担うEM研究機構が管理しています。 とされており、次のような複数の概念に用いられています。 1.微生物資材としてのEM (ボトル詰めの容器で、農業資材などの店で販売されています) 2.EMを使用して作られた各種製品 (健康飲料、農産物、化粧品、食品類) 3.その他、EMを利用した資材 (EMぼかし、EMストチュー、EMセラミック等) 4.EMを活用した技術(と公称されているもの) (土木建築、食品加工、環境浄化、塩類集積対策、化学物質汚染対策等) EM農法については、当初発表されてから相当期間が経過し、主張内容が拡大している上、多くの派生サイトが発生しているので、全てを検証することは困難です。 また、EM以外にも複数の菌を共存させて保持し、土壌や作物に投与することで何らかの効果があると主張する資材も数多くあります。 外的に菌体を投与して、土壌あるいは作物に何らかの影響があるかということに関しては、日本土壌肥料学会が1996年8月23日に開催した公開シンポジウム「微生物を利用した農業資材の現状と将来」の序文に示されている内容を私は支持します。すなわち、 畑に微生物をパラパラと散布したら作物の生育が促進され、収穫が格段に増大するという夢は多くの人が考えることである。 しかし、作物生産という点では微生物は我々の期待するような奇跡をもたらさない。 作物生産に関する生理学的な研究が進むにつれ、作物生産における微生物の機能は間接的なものでしかないことも明らかにされている。 微生物が全く作物生産に関与していないわけではない。(しかし、)有用な微生物を土壌で機能させるための手法はまだ確立していない。 土壌には多くの微生物が環境に適応して生息しているので、人為的に繁殖させた微生物を土壌に添加してもその環境に順応するまでに大半死滅してしまうと予測される。(括弧書きは筆者による) そして、このシンポジウムにおいては、土壌に微生物を添加しても、添加した微生物は著しく減少した実験事例が示されているほか、有機物分解効果・作物の生育促進効果・土壌病害の抑制効果については、一部効果の認められる資材もあるものの、資材中の微生物そのものによる効果は一般的に小さいとの報告がされています。 現在まで、これらの報告に対する科学的な反証は行われていないので、(EM関連企業・団体以外の)専門家においては既に議論の対象となっていない可能性が高いです。 しかし、EM農法そのものは農業分野だけでなく、なぜか行政や教育方面にまで広まり、一部の学校や自治体で積極的に利用する姿がマスコミで取り上げられたりしています。 というわけで、「明らかに間違い。以上。」と放置してしまうのはやはりまずいと思うので、EM研究機構その他の発表情報について、逐一検証してみようと思います。 検証1 EMフェスタ2004での発表-専門分科会「EM基礎技術」 検証2 EMオープンワールド 07での比嘉氏の講演 その他(現在検討中)
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注意:このページの内容は、2007年12月9日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 FFC農法 FFC農法とは何か? 北海道の方から、「FFC農法の農家に会って『びっくり』したので、検証して欲しい」とのリクエストをメールでいただいたので、検証してみます。 FFC(農法)については、おそらくアカツカグループのサイトにおける説明が、正式なものと考えられます。 上記のページには、 FFCとはアカツカグループが「生物の機能を高める」と認めたものの総称です。 とあり、また、 FFCとは特殊な鉄分、Ferrous(フェラス)Ferric(フェリック)Chloride(クロライド)に由来しています。 生命の誕生や進化に関わった太古の水、植物の光合成、自然界で浄化される水の循環機構、土壌中の物質循環などの総合的な研究からFFCが生まれました。 と説明されています。 Ferrous(フェラス)Ferric(フェリック)Chloride(クロライド)(以下FFC)とありますが、Ferrous Chlorideは塩化鉄(Ⅱ)、Ferric Chlorideは塩化鉄(Ⅲ)のことです。どちらも自然界にごくありふれて存在しますし、「特殊な鉄分」とは言えないと思います。 また、「アカツカグループが認めたものの総称」と言いつつ、何を「認めた」のか明らかにされていません。 さらに、同じページには、FFCテクノロジーの3つの特徴として、 1 生物の機能や活性を高め、酸化や腐敗を抑制する。 2 水と土壌を改良し、自然界の物質循環を円滑にし、環境を改善する。 3 水を活性化し、ミネラルや栄養分の吸収を助ける。 との説明があります。 このうち、1番については明らかに矛盾があります。生物の機能や活性が高まるということは、普通は活動量が増えることを指しますから、必要なエネルギーも増加します。一般的な生物にとってのエネルギー獲得方法の多くは酸化反応ですから、酸化が抑制される環境ではエネルギー獲得が進まず、活性が高まるとは思えません。 FFC農法とは何か?-具体的な説明はあるのか? 上記のページだけでは、FFC農法とはどんな農法かについて判断することができないので、アカツカグループのサイト内にある別ページも見てみました。 関連がありそうなページについて、順に検証してみます。 1 FFC誕生物語 「第一部 FFCパイロゲン誕生秘話」と称して、パイロゲンなるものの生い立ちをマンガで紹介しています(第二部以降は見つけられませんでしたが)。その紹介によると、 1982年コスタリカから輸入したドラセナが腐りかけた時に、ある特殊な水を使い蘇らせることができました。そこから水の研究が始まり、1985年に超微量の鉄分の技術を確立。そして体に良い酢とビタミン等を配合し、FFCパイロゲンが誕生したのです。 とのことです。 また、マンガの説明中にも、「活性作用のある特殊な水(鉄分の働き)」とありますので、水に特殊性を求めているのがわかります。 しかし、どのように「特殊」なのかは相変わらず謎のままです。「超微量の鉄分の技術」とありますが、どのような鉄分が、どの程度入っているのかわからなければ、追試もできません。 なお、パイロゲンの製品情報は、パイロゲンを普及(販売?)しているFFC普及会のパイロゲンのページにあります。 他ページではモンドセレクション最高金賞受賞と紹介されているので、食品としての評価は高いと言えるでしょう。 ただ一方で、表記されている成分の最後に「その他天然ミネラルウォーター」とあるのですが、「活性作用のある特殊な水」はどこにいったのでしょう?この成分を見る限り、農林水産物の生育に関しては、一般的な食酢以上の効果がどの程度あるのか不明ですが。 2 その他のFFC資材 上記ページには、「業務用」と称しているFFC資材が紹介されています。内容は、 業務用元始活水器:大量の水を瞬時にFFCウォーターに。経済を潤す安全・安心な生産のために使用。さらに職場環境や自然環境までもが改善の方向に。 FFCセラミックスシステム:受水タンク設置タイプ。タンクの大きさや1日の使用量に応じて対応するFFCセラミックスシステム。大かがりな工事を必要としませんので簡単に導入可能です。 FFCエース:ありとあらゆる作物の土壌に少量混入し、灌水するだけで生命力あふれる土壌環境に蘇ります。 FFCミネラル:水産、畜産の飼料に少量混ぜて与えれば、魚や家畜が元気に育ちます。 となっています。 「FFCウォーター」という言葉が始めて出てきますが、「活水器あるいはセラミックスに通水した水」という意味であると思います。ただし、自然環境はともかく、活水器で改善する「職場環境」とはいったい何なのか、激しく謎ですが。 また、FFC普及会の元始活水器の紹介ページでは、 水道管の元に取り付けると、お使いになるすべての水は蘇生力が高められたFFCの情報をもった水に変わり、健康づくりや地球環境の改善に役立ちます。 と紹介されていますが、「蘇生力」とはどのような効果をもたらすか明らかにされていませんし、「情報をもった水」という表現も意味不明です。活水器を通水することにより、水に何らかの変化がもたらされるのであれば、最も有力なのは化学成分の増減だと思いますので、検証は可能と思いますが、それ以外のミラクルな効果をうたうのであれば、信憑性は著しく低下します。 結論 以上の情報から類推するに、FFC農法とは上記のいずれかの資材を利用、あるいはその組み合わせによる農法であると考えられます。「アカツカグループが認め」る限りにおいては、その定義で構わないと思います。 ただし、それぞれの資材の効果については、成分や使用方法、他資材との比較実験結果が明らかにされない限り、判断を保留します。少なくとも、現時点では「活水器」に関する説明が謎だらけです。 余談;FFCとパイウォーターの共通点? ところで、塩化鉄の特殊な効果をうたう活水器、あるいはその活水器によってつくった水というと、「パイウォーター」というものがあります。FFCとパイウォーターとの間に明確な関係が認められるわけではありませんが、水の効果の説明には似通っている部分(酸化を抑制等)がありますし、パイウォーターはFFCセラミックスを使用している(FFCの元始活水器にも使用)とのことですから、同等の効果が発現するものと考えられます。(もし明らかに異なる情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お知らせいただきたく存じます) パイウォーターに関する解説は、水商売ウォッチングのパイネットへのコメントが参考になると思います。 (すでに元サイトは閉鎖されてしまったようですが、主張内容が大きく変わっているわけではないと考えられます。)
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注意:このページの内容は、2006年2月13日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 ピロール農法 ピロール農法-ピロール資材とは、何から出来ている? ピロール農法とは、公式ページらしきもの(連絡先:ピロール農法研究所)によると、 「ピロール資材」というものを田や畑に散布することにより、らん藻を大量に繁殖させ、その働きにより、おいしくしかも栄養価の高い作物を収穫することができるのです。 とあります。 しかし、肝心の「ピロール資材」が何からできているものなのか、ということについては一切情報が掲載されておりません。 また、「ピロール資材」が「らん藻を大量に繁殖」させるメカニズムについても触れられていませんし、ピロール資材を施用した場合としない場合の比較データも示されていないので、「ピロール資材によりらん藻が繁殖するのかどうか」については、肯定も否定もできない状況です。 もっとも、ピロール農法研究所に問い合わせようにも、 農家(お客様)からは、田畑の土を送付していただき、弊社で試験(色素判定・目で確認できます。分析機器は、いっさい使わなくてよいのです。) それに応じたピロール資材をお送りしますから、農家(お客様)も効くか効かないかの心配がありません。 とありますので、「定まった成分のものはありません」とか「企業秘密なので教えられません」とかの回答が帰ってきそうですが。 検証1-らん藻はどんな効果があるのか? らん藻の効果については、下記の記述があります。 「らん藻」は光合成微生物であり、酸素と栄養素を根や他の微生物に与えるのと同時に、さらに、農薬やトリハロメタン、ダイオキシンをも分解する、といった働きもあります。 このため、ピロール作物は残留農薬が検出されないという特徴があります。 農薬は通常、使用基準を厳守していれば、作物から残留農薬が検出されることはないはずです。 ですから、作物から残留農薬が検出されないことをもって、ピロールの効果と言えるかどうかはわかりません。 よって、表記の効能を確認するのであれば、あえて残留する条件で農薬を使用し、かつ、らん藻のあるなしで対照試験を行う必要があると考えますが、それらの分析データについては触れられていないようです。 なお、らん藻が光合成微生物であることと、窒素固定を行うことができるので、他の作物や微生物に窒素栄養を与えることができるという記述は概ね正しいと考えられますが、らん藻が大量に繁殖するためには、湿気の多い環境が必要ですので、水田はともかく、必ずしも一般的な作物の生育に適した条件とは言い難いと考えられます。 検証2-ピロール作物の栄養価は高いのか? 続いて、ピロール作物の特徴の記述を見ると、 ピロール農作物にはビタミンB12が含まれます。 とあり、さらに ビタミンB12は、悪性貧血を予防することから発見された水溶性のビタミンで、「赤いビタミン」「造血ビタミン」「コバラミン」とも呼ばれます。 葉酸と一緒になってヘモグロビンの合成を助けてくれます。 また、葉酸はビタミンCが無いと体の中で利用されません。(葉酸はビタミンCによってテトラヒドロ葉酸という活性型になって始めて働くことができます。) とあります。 ビタミンB12は動物性食品にしか含まれないというのが通説ですが、ピロール茶には多く含まれるそうです。 しかしながら、酒井理化学研究所(福井県;ピロール農法関係の書物を発刊している酒井弥氏主宰)の分析結果によると、ピロール茶のビタミンB12の含有量は0.01μg/100gとのこと。 お茶はティースプーン1杯で約2.5g。成人男女の一日所要量が2.4μgと言われますから、仮に1日100杯お茶を飲んでも、所要量の1%にも足りません。 この程度で「多く含まれる」と表現するのはいかがなものかと思います。 ちなみに、ビタミンB12は、通常はよっぽどの偏食(例えば完全菜食主義、海藻なし)でもしない限り不足することはないそうです。 あと、この際葉酸とビタミンCの記述は全く関連性が無いように感じられます。 また、 ピロール農法で作られた作物は、従来含まれなかった成分まで含まれるという画期的なものです。 たとえば、普通のタマネギ・ジャガイモにはビタミンAは含まれませんが、ピロールタマネギ・ジャガイモには、ビタミンAが含まれるのです! とうたっていますが、こちらの分析表も、タマネギで1.0μg/100g、ジャガイモで0.001μg/100g(単位間違ってないか?)だそうで すから、成人男性で600μgRE、成人女性で540μgRE(REはレチノール当量)と言われるので、こちらも全く足りません。 ちなみに、植物に含まれるのは、正確には「カロテン」であり、体内に吸収されてからビタミンAに変換されるものなので、「植物のビタミンAを測定」が何を指しているのかはわかりかねます。 このほか、 土の中のミネラルをいっぱい吸収しているので、昔ながらの甘みのある栄養価の高い作物です。しかも、ミネラルの人体への吸収率が高いのです。 →ミネラルの含量については、分析結果を見る限り有意差なし。そもそも甘みとミネラル含量とは相関関係にない。 ピロール作物は弱アルカリ性食品です。健康的なサラサラした強い血液を作ります。(弱アルカリ性体質) →弱アルカリ性食品って、梅干しとか?栄養学的には根拠のない分類(燃やした水溶液が酸性かアルカリ性かの違い)だし、食品が人体に与える影響は、含まれている元素の問題ではなく、含まれている化合物の問題。 オメガ3系列の脂肪酸(EPA、DHA、αリノレン酸)が豊富に含まれますのでガン、アレルギーなど現代病対応食品となります。 →それって、背の青い魚(サバとか)に含まれているやつでしょ。何でもかんでも脂肪酸が含まれたら、栄養バランスが偏ってしょうがない。 などなど、科学的な記述とはいえない表現(=ツッコミどころ)が豊富であります。 「ピロール作物」であることをうたって販売されている商品は数多くありますし、作物そのものが体に悪いというわけではありませんが、情報を見る限りでは、過剰な期待をかけないほうがよろしいと思います。
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注意:このページの内容は、2007年2月17日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 MOA自然農法とは MOA自然農法とは、MOA自然農法文化事業団のサイトによると、 岡田茂吉師の創唱による永続的かつ体系的な農業生産方式をいいます。 とあり、また具体的には MOA自然農法ガイドラインに従って土本来の力を発揮させる生産方法です。 とあります。 2007年2月に大幅な改定が行われ、以前の考察がガイドラインと整合性が取れなくなったのですが、関西在住の方から「最新版についても考察してほしい」とのリクエストを頂きましたので、改めて考察してみたいと思います。 「MOA自然農法ガイドライン」の位置づけ MOA自然農法はhttp //www.moaagri.or.jp/gazo/guidline-honbun.pdfに従って生産することとされています。 ただし、2007年2月版のガイドラインの前書きでは、 改訂に当たっては従来の規制的な表現を改め、自然農法の真髄を一人でも多くの人に理解していただけるよう、その栽培を進める上での生産者の心得を示すようにした。 とされ、また、「1.自然農法を実践するにあたって」の中で、 自然農法の栽培には基本はあっても画一的なマニュアルはない。生産者はほ場の土壌の状態や環境の条件、作物の生育の状況を捉え、そのほ場に合った栽培を創意工夫することが大切である。 と述べられており、マニュアル的な位置づけというよりも、心構えを示す意味が強まったようです。 規制の内容については後ほど考察しますが、「心得」については個人の思想に関わる問題ですから科学的な考察のしようがないですし、仮に心得が立派でも、正しい知識と具体的な技術が伴わないと、生産物の品質は保証されないので、今回の考察からは除きたいと思います。 なお、順番は前後しますが、前書きにて、 自然農法が単に安全な農産物の生産にとどまらず、食生活を豊かにする、心身の病が癒され健康を回復する、土・水・大気・緑などの自然環境を守る、人と人との交流を生み地域の文化や経済を活性化するなど、現代社会の抱えるさまざまな問題の解決につながっている事実が認められた。 とありますが、自然農法の取り組みを「通じて」そのような事実が「結果的に」発生することはあるかもしれませんが、それらの問題解決が「目的」の場合、自然農法「だけ」に過度な期待をすることは避けたほうが良いと思います。 具体的な考察 1.禁止されている資材 ガイドライン用語解説によると、次のものは使用が禁止されているとのことです。 中には一般的な「有機農産物」で使用可能なものもありますので、両者の違いには注意が必要です。 (「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」(グリーンジャパン提供)を参考のこと) 化学的に処理された土壌改良資材と化学的に合成された物質を含む各種資材 化学農薬 すべての除草剤 すべての化学肥料と化学肥料が混入された堆肥 重金属、放射能が多量に残留した資材と土壌 下水汚泥、都市汚泥 植物成長調整剤 製造工程で化学的な処理がされている資材 化学農薬がしみ込んだ誘引資材と忌避資材 抗生物質 クロム処理された資材(皮革粉) その他の生態系に強い影響を与える動植物 人間に対する毒性の高い可能性がある植物由来の資材 BT剤 例えばフェロモン剤(9.)や天敵の類(12.)、木酢液(13.)等は、この文章を読んだだけでは禁止資材に該当しそうですが、正確には個別に問い合わせる必要があると思います(ガイドラインは細則も定められるようですが、残念ながらネット上で確認できません。)。 2.連作の奨励 本文「4.実践のあり方 (1)土壌を生かす」の中で、 自然農法の実施当初は土壌は作物を育てる力が弱っていることが多いので、作物の根伸びを良くするよう、土壌に合わせて堆肥などを活用する。 また、作物はマメ科やイネ科などの科の違う作物を組み合わせ、できるかぎり休閑せず栽培する。 自然農法を継続することで土の偉力は発揮され、土壌中の生き物の種類と数は豊かになり、作物は多くの根を張るようになるなど、栽培がしやすくなっていく。また、同じほ場に同じ作物を栽培し続けると、その作物に適した土壌となり、生育はさらによくなる。 とあります。たぶん混作や輪作、草生栽培を前提としているので、「同じほ場に同じ作物」という表現なのだと思いたいです。 単純に連作を奨励しているのだと捉えると、特に野菜類では連作に由来する病虫害の発生も懸念されますから、栽培管理に相当の注意を必要とすると考えられます。 3.土壌診断と土壌改良資材・施肥 本文「4.実践のあり方 (1)土壌を生かす」の冒頭にて、 作物や草の生育状況や土壌診断などで、土壌の状態を知る 根伸びを良くするため、暗渠、明渠などの排水改善や堆肥や客土などの適切な方法で、土壌の化学性、物理性、生物性を改善する。 とあります。(一般的な農作物栽培であっても基本のことではあります。)農業は結果的に土地から生産物を収奪しますから、外部から何らかの形でミネラルや肥料分を土壌に補給しなければなりません。 自然農法では落ち葉や草等を原料にした自然堆肥を基本的に使用することとして、土壌改良資材や家畜糞堆肥は使用を制限していますが、日本の多くの圃場は肥料分・ミネラルが過剰傾向にありますから、バランスを取りつつスポット的に投与するだけでも、一定の収穫は見込めそうです。 と、ここまで書いていて気づいたのですが、用語解説「3.栽培の基本『土壌を汚さず、活性化させ=清浄な土壌』」との記述では、 創始者が目標とした「清浄な土壌」とは、有害な物質を含まず、養分の過不足がなく、自然に近い種類と量の生物が土壌中に存在し、自然界の土に似た構造と生命力を有する土壌と考えられる。 また、創始者は土壌を清浄に保つために、土壌に入れて良いものは土そのもの(客土)か、草や落ち葉を用いた対比であると説いている。 としているものの、用語解説「4.実践のあり方『有機質資材』」の中では、 分解の早い有機物には米ぬか、油かす、大豆かす、魚かすなどがある。 と記述しています。 「分解の早い有機物」というのは言うまでもなく「肥料」としての効果を期待して投入するものであり、よくよく見れば本文及び用語解説のどこにも「肥料」の投入を禁止するとは書いていませんでした。 ※もちろん、肥料の投入をもって自然農法を非難するつもりはありません。自然農法では「土壌診断等に基づいた適切な使用」を原則としているわけですし。ただ、自然農法では有機物も自然農法由来を奨励するそうですから、その絶対量が少ないのと、「魚かす」はそもそも自然農法とは関係ないだろうなあ、という問題がありますが。 全体的な感想 冒頭で示したとおり、マニュアルというよりも「生産者の心得」として捉えるのが正確な理解になると思います。用語解説に示された有機物の活用方法など、正確で参考になる記述もあります。 ただ、生産者に創意工夫を求め、しかも自然農法への転換期間にはリスクもあることが示されていますから、生産に当たってはある程度の技術的なハードルがあると見た方がよさそうです。 さらに気になるのは、巷にあるいわゆる「土壌改良資材」の名を借りた無登録農薬、及びそのグレーゾーンの資材に対して、どの程度厳密に(あるいは寛容に)取り扱っているかという点です。事業団としての崇高な理念が末端まできちんと行き渡り、変な資材は排除されていれば、全くの杞憂ということになりますが。 なお蛇足ですが、上記のガイドラインはPDFファイルであり、しかもコピー・印刷が出来ない仕様になっています。印刷物を入手したい場合は事業団に申し込むようにとのことですが、自宅のパソコン上で印刷できたほうがコスト削減にもなるし、便利だと思います。
https://w.atwiki.jp/runnerinkaibutu/pages/83.html
チーム名 一 二 三 四 五 六 七 八 九 計 H E 山田 0 3 1 1 0 0 0 1 0 6 11 0 米子農芸 0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 9 0 詳細結果 【バッテリー】 山:榛名 ― 大村 米:板根 ― 杉山 【本塁打】※打者右のカッコ内は高校通算 山:龍ヶ崎(3) 米: 【二塁打】 山:三村大 米: 【三塁打】 山:西岡 米: スターティングメンバー 打順 守備位置 選手名 学年 一番 二塁 嘉村恭平 3年 二番 中堅 三村耕平 3年 三番 右翼 龍ヶ崎達也 2年 四番 一塁 三村大輔 3年 五番 三塁 中村修一 3年 六番 投手 榛名亮輔 2年 七番 遊撃 西岡琢朗 2年 八番 左翼 青木鉄平 3年 九番 捕手 大村誉 3年 イニング成績 打順 選手名 一回 二回 三回 四回 五回 六回 七回 八回 九回 一番 嘉村 死球 左安① 中安① 左飛 遊飛 二番 三村耕 一飛 ニゴ 遊ゴ 中安.盗 三ゴ 三番 龍ヶ崎 三飛 左本① 遊飛 三ゴ 四球 四番 三村大 遊ゴ 四球 中2 中安① 左飛 五番 中村 中安 三併 三飛 遊飛 六番 榛名 投犠 遊飛 ニゴ 一ゴ 七番 西岡 右3① 中安 遊ゴ 中安 八番 青木 中安① 投犠 三ゴ 遊飛 九番 大村 三犠 捕犠 左飛 遊直 各選手成績 打撃成績 選手名 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 三振 四球 死球 犠打 犠飛 盗塁 嘉村 4 2 0 0 0 2 0 0 1 0 0 0 三村耕 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 龍ヶ崎 5 1 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 三村大 4 2 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 中村 4 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 榛名 3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 西岡 4 3 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 青木 3 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 大村 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 投球成績 選手名 投球回 被安打 被本塁打 与四球 与死球 奪三振 失点 自責点 榛名 9回 9 0 3 0 6 2 2
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農業 ● 生物多様性を取り戻す。シネコカルチャーに学ぶ協生農法とは?【ウェルビーイング特集 #12 再生】 「IDEAS FOR GOOD(6月 23, 2021)」より ■ 農薬・肥料使わず、土も耕さない、多様な作物を育てる「協生農法」の可能性とは【報道特集】 ■ 協生農法 - Playlist .