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~あなたといっしょに。~ 長 門 鉄 道 nagato railway 只今の運行状況 長門線:平常どおり運行しています。 古泉線:平常どおり運行しています。 学園線:平常どおり運行しています。 上条線:平常どおり運行しています。 初春線:平常どおり運行しています。 長門鉄道の生い立ち 長門鉄道 概要 長鉄の路線紹介 日々長鉄をご利用くださる皆様のご意見をおまちしております。 テスト登校 -- 長門電車区@310pc (2010-04-30 18 13 48) 名前 コメント
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部室の前に到着して、急いでドアノブを回そうとした自分の手を、俺はギリギリのところで思いとどめた。 そうだ。忘れるな。今ここはSOS団の部室なんかじゃない。そんな部活は存在しない。 ここは……文芸部の部室なんだ。 「ふう……」 一度ゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ちつかせてから、目の前のドアを見据え直す。 今回は……いきなり襲いかかるようなマネはしないようにしないと。 握りしめた拳の中で汗がジンワリと噴き出てくるのがわかった。 もう一度大きく深呼吸をする。 ……くそ…緊張するな…… だけどこんなところで立ち止まってるわけにはいかないんだ。 トントン 小さく二回、ノックする。返事はない。 だが俺はかまわずに金色の冷たいノブを回して、ドアを開いた。 「長門……」 「……」 長門はやっぱり、そこにいた。 パイプ椅子に座って、本をその両手に持って。いつも通りの格好で。 窓から射す夕日が反射して、うまく表情を見ることができない。だけど、どうやらメガネはかけているようだった。 「……」 その瞬間。半年前のあのできことが…… いや、あの時の長門の姿が、フラッシュバックのように鮮明な映像となって俺の頭の中で蘇った。 「……」 無理やり掴んだ俺の腕の中で、怯えるように震えていたあの時の表情。 顔を薄っすらと赤く染めながらも、ひたすら本を読み続けていたこと。 俺があいつの家から帰ろうとした時、服を掴んで引き止めてくれたこと。 白紙のまま返した入部届けを見て、泣き出しそうになっていた時の表情。 ……そして…… 一度も見たことのなかった、あの笑顔…… 「なが……」 俺がもう一度その名前を呼ぼうとした時、長門はすっと静かな動作で椅子から立ち上がった。 「な……」 「どうして……」 「……あなたが、ここに……」 そう言って長門が一歩前へと踏み出したおかげで、俺はようやく彼女の表情を確認することができた。 あの時と同じだ。口がわずかに半開き。そして、必至に冷静さを保とうとしているようだが、明らかに驚いているのがその顔に表れている。 こんな表情……本当の世界の、宇宙人のあいつなら、絶対に見せることはない。 それを見て確信した。間違いない。この長門は…… あいつのバグ……いや違う。そう、あいつの願望、本心が作り出した、あの時のあの世界の長門だ。 ホントにわずかな……たったの三日間だったけど、共に過ごした。 宇宙人でもなければ万能でもない、ちょっとシャイな、ごく一般的な文芸部員の女の子。 「……」 ……なぜだろう。胸が熱くなった。 たまらず涙が頬を伝った。 「……」 止まらなかった。 「くっ……ズズッ…」 拭っても拭っても、決壊したダムのような勢いで涙は勢いよく溢れ出てくる。 どうして……こんなに涙が出てくるんだ? 「…あ…ははは……ごっ、ごめん…」 ……そう。 懐かしかったから……いや、嬉しかったから。 俺は……もう一度会いたかったんだ。 長門に……いや、この子に。 あの時エンターキーを押して、俺は元の世界へ帰ることを願った。だけど…… また、会いたかったんだ…… 「グズッ……ズズッ…」 窓から差し込む夕日を後ろに背負う長門の姿が、ユラユラと霞んで見えた。 「……どうして……」 「え…」 「どうして泣いているの……」 「あっ、わ、悪い…」 俺は慌てて上を向き、目頭を親指と人差し指で押さえて、必死に零れ落ちる涙を抑えた。 「……」 …少しの間、オレンジ色に染められて幻想的な雰囲気をかもし出している部室の中に、沈黙が落ちた。 上を向いて嗚咽をこらえる男に、それをボンヤリ眺める女の子。はたから見れば、それはなんとも奇妙な光景だったことだろう。 「……ふうーっ……」 …どうやら、なんとか収まったようだった。 「……悪くない」 「え?」 「泣くこと……」 「あ……」 「別に……悪くない……」 長門がポツリと呟いたのをなんのことかと思ったが、どうやら30秒ほど前の俺の言葉への返事だったらしい。 「はは…」 それでまた少し嬉しくなった。なんとも長門らしい返答だ。 こっちの。 「あ、あのさ長門…」 「……」 「俺のこと…覚えてくれてるか?」 「……」 「……覚えてる」 「そ、そっか……」 「……」 「はあ……ははは。よかった。ちょっとだけ安心したよ」 べつに事態が好転したわけではない。帰るための手がかりが見つかったわけでもない。 だけど、それなのに……長門が覚えていると言ってくれたことは、地獄の淵にいた俺の手を、強く握って這い上げてくれたような気持ちにさせてくれた。 こいつには……なんの力もないのに…… それなのに、どんな時だって長門の言葉は、俺に勇気を与えてくれる…… それはこっちの世界だろうがあっちの世界だろうが、変わらない…… ドクン… 「……」 …なんなんだろう。この気持ちは。 わからない……けど、今は深く考えないことに…しておこう。 「……もう」 「?」 「もう……来ないかと思ってた」 「え? どうして?」 「……」 もう来ないって? どうしてそんなことを言うんだろう。 俺のことを知っているってことは、あの事件があってからこの半年あまりの間だって、俺は存在していたということになる。よな? そしてきっと、俺はあのエンターキーを押した瞬間に、こっちの自分に……そう、 こっちのやつらから見たらいつもの俺へと戻ったんだと思う。この世界が存在を続けているわけなのだから。 そしたらきっと、あの場にいたハルヒ達とまたSOS団を校外にだろうが作りあげて、苦労しながらも面白おかしくやっているんじゃないかと思っていた。 そしてそこには、きっとここにいる長門の姿もあるものだと…… 「な、なあ。なんでもう来ないと思ってたなんて言うんだ? 俺、もしかして、おまえと会ったの久し振りか?」 俺の言葉に長門は困惑したような、訳がわからないといったような表情をあの時と同じように見せていたが、 しばらくの間を置いてから、コクリと小さく頷いた。 「な、なんでだ? す、スマン。あの……できたら、去年の12月20日、あの日──」 「…あの、俺がお前に入部届けを返したあと、あの後、いったい何があったか、教えてくれないか…」 「……」 長門は…俺が元の世界へ帰った日から今日までのことを、ゆっくりと静かな口調で詳しく教えてくれた。 あの後、パソコンのエンターキーを押した途端、俺はまるで糸が切れた人形のように派手にぶっ倒れたらしい。 だが、しばらくしてから保健室の布団の中で目を覚ました。…どうやらそこまで運んでくれたのは長門のようなのだが… そして、キョロキョロと辺りを見回したあと、長門に一言礼を言って、恥ずかしそうに帰って行ったそうだ。 そしてそれからというもの、文芸部の部室へは顔すら出していないらしい。 ハルヒも、長門が俺を見舞い終わってから部室に帰ってきたら、どこにもいなかった。無論、古泉も、朝比奈さんも。 そいつらももうそれ以来やってくることはなかったそうだ。 なんじゃそりゃ。 「……」 ……何考えてんだよ……こっちの世界の俺は…… いや、ハルヒもだ。あれだけ大騒ぎしていたのに、ちょっと面倒なことになったから顔すら出さないってのか? ふざけんなよ。 くそっ。こんな寂しそうな長門を一人にして放っておくなんて……死ね、俺。 「……それから」 「それから?」 「…か…」 「……付き合っている人も、いるみたいだった……」 …… 「……は?」 「…付き合ってる人…」 「……」 「な、なんだって?」 「……」 ……つ…… ……付き合ってる人って……つまり…… ……彼女って、ことか…… 俺が? 「…えー……あー、うーん……」 「?」 「スマン。あの…なんか変な質問なんだが……いや、変な質問なのは最初っからだが…」 「…俺はいったい、誰と付き合っていたんだ?」 「……」 長門はなぜかうつむくと、消え入りそうなくらい小さな声で言った。 「…あたしの知らない人…」 「え?」 「元…8組の人…」 「……」 元……8組……? 誰だろう? 8組なんて一回も行ったことがないぞ。一人の名前も顔も思い出せない。 クラス構成は9組以外は特に変わってはなかったはず……ってことは、こっちの俺だって同じはずだ。 ちくしょう。それなのに俺はそんなクラスの子とうまくやったってことなのか。信じられん。 「……キレイな人だった……」 「……」 ……ますます信じられん。 このクソ野郎。長門のことを放っておいて何自分だけヨロシクやってやがんだ。 覚えのないことで自分自身に腹を立てるというのは何とも妙な感覚だったが、とにかく、むかついた。 「でも……」 「…今は、知らない」 …もうとっくに別れていることを、本気で望む。 じゃないと明日からますます面倒なことになってしまいそうだ。 ……しかし…… 「……」 ……自分自身のことを聞くなんて、まるで病院から抜け出してきた記憶喪失患者みたいにわけのわからないことを俺はしているのに…… それでも長門は…何も聞かないんだな…… それがとても不思議だった。 …もしかしたら。 こいつは…今までの、こっちの世界の俺と今ここにいる俺は別人で… そして、あの三日間をいっしょに過ごした俺こそが、今ここにいる俺と同一人物だと言うことに気付いているのかもしれない。 …気付くはずはない。 なぜなら、今ここにいる長門は、空間移動なんかとはまったく無縁の普通の女の子だからだ。 しかしそれでもこいつなら……長門なら、もしかすると感覚的に気付いてくれているのかもしれない。 長門なら。 ……もしホントにそうなら、大変助かるんだが…… 「あっそうだ!」 そこまで考えて、俺はようやく重大なことを思い出した。 ここに、この部室に俺がやって来たもう一つの理由。 現実の世界からの、長門の助け。 ガタッ! 俺は大きく飛び込むように踏み出して、窓際にたたずんでいた長門との距離を一気に縮めた。 「…!!」 …しまった。眼前の長門が怯えたような顔をしている。 またあの時のように襲われると思ったんだろうか。そんなつもりじゃないんだ。 「…長門」 「……」 「…パソコン、借りていいか?」 「え……」 「あ……うん……」 長門は思い出したように一度だけ頷いた。 「悪い」 相も変わらず古臭い旧型パソコンの電源を急いで入れる。 やっぱり変わってないな。SOS団の新型より、三世代ほど前の代物だ。 古泉がこれを見たときにアンティークものだと言っていたっけ。 ウイイイイイイイインン… パソコンはガタガタと嫌な音を上げながら、イライラする、まるで牧場にいる牛のようなのんびりとしたスピードで、ゆっくりゆっくりと起動を始めた。 俺を怒らせるためにわざとやっているんじゃないかと言いたくなってしまうような遅さだ。 「あっ待って」 ようやくパソコンが完全に立ち上がった時、俺が掴んでいたマウスを横から手を出してきた長門が奪った。 そしてパソコンとは正反対のもの凄いスピードで、デスクトップに出しっぱなしになっていたフォルダをマイボックスにしまいこんでいた。 「……」 …前も同じことやってたな。 「…何しまったんだ?」 「……」 「…自分で書いた小説?」 そう俺が言った瞬間、長門の顔がまるで勢いよく火がついたように、ボッと赤くなった。 「…違う」 少し荒い息を吐きながら、真っ赤な顔をして必死に否定する長門。 そりゃ、さすがにバレバレだよ。嘘を見抜くことは得意なんだ。 「嘘だ」 「…嘘じゃない」 「小説だろ?」 「…違う」 「嘘つけよ~」 「…嘘じゃない」 同じ言い訳を繰り返す長門を見て、ああ、やっぱりこっちの長門は普通の女の子なんだなと改めて思った。 それも、とびっきりにかわいい。 「なあ、今度読ませてくれよ。前から読んでみたかったんだ。頼む」 「……」 「…わかった」 「ホントか? 約束だぞ!?」 「約束する」 俺は笑った。長門も恥ずかしそうだったが、どこか嬉しそうな表情だった。 「!!」 その瞬間、視界の横で、起動していたパソコンの画面が急に真っ暗なものへと変わった。 停止した? …いや、違う。 この画面は。 何秒かの間があってから、その真っ暗な画面の中に白色の文字で、自動的にタイプが始まった。 YUKI・N> やっぱり…予想した通り。 長門。そっちでもおまえは見ていてくれたんだな。ホントに頼りになるヤツだ。 この画面と文字になるのも何度目のことだろう。俺にとってはすっかりお馴染みだから驚くこともない。 それにしてももうヒントなんて、今回は随分気前がいいじゃないか。 >そこはパラレルワールド 「パラレルワールド…?」 パラレルワールド。 ついさっき、耳にした言葉だった。さっきもさっき、今日の昼休みだ。 あっちの朝比奈さんがご飯を食べながらも、熱く語ってくれた。 >あの時あなたが、別のキーを選択した世界の未来。 「別のキー…」 別のキーってのはもしかして、脱出プログラム作動させる時の、エンターキーとは違うキーってことか。 …俺が選んだのとは別の、宇宙人も未来人も超能力者も、そして神様もどきみたいなヤツもいない、平穏な世界。 朝比奈さんの長い講釈をぼんやりと思いだした。 「キョン君にもありますよね? 二者択一の選択を迫られて、どちらかを選んだということが。 そしてその選択の結果を悔やんだこともありませんか? 間違ったーっとか、ああこうしていればなあ、とか。 そんな失敗や成功を経て辿り着いたのが今のわたしたちの世界というわけなんですけど、実は別の方を選んだ場合の未来も、ちゃんと存在してるんです」 「ほうほう」 「間違ったほうの世界、正しかったほうの世界。世界は、何通りも存在してるんです。あたしたちがいる世界だけが現実じゃない。わかりますか?」 …なるほどね。 ここは、俺がエンターキーを押さなかった世界。 どういうわけか押したはずの俺が、押さなかった方の世界に迷い込んじまったってわけか。 黙って考え込んでいると、再びスクリーンにタイプが始まった。 >さらにその世界の中でも、何通りにも枝分かれする未来の一つ。 「その世界で、何通りにも…?」 どういうことだろう。俺は考えた。 それは、俺がこの世界を選択するエンターキーを押した後から、その後の未来のことだろうか。 その後の世界も、何通りにも分かれているということだろうか。 つまりもしかしたら、平穏な中でも俺達はあの時集まったハルヒや古泉や朝比奈さん、そして長門たちと、SOS団を組んで活動していた未来もあるということだろうか。 たとえ神様や宇宙人や未来人や超能力者がいなくても。 そしてそれは、俺がエンターキーを押す直前に、泣き出しそうな表情の長門の見て、そうなって欲しいと強く願った未来だった。 そうだ。きっとあるはずだ。そんな未来だって。 今の一人ぼっちの長門は…あまりにも寂しすぎる。 こんな世界だけがたった一つの現実なんて、そんなことあっていいはずがない。朝比奈さんだって言っていたじゃないか。 「……」 横を向いて、長門の顔を見た。茫然とした、無垢な表情だった。 …そうだ。あるさ。きっと。 「…でも」 俺にはどうしてもわからなかった。 カタカタカタカタ >どうして俺は、こっちの世界にまたやってきちまたんだ? 直接キーボードを叩いて文字を入力した。これがこっちから自分の意思を長門に伝える唯一の連絡方法だ。 >前回はおまえの意思で俺をこの世界に送った。でも、今回は違うだろ? なぜだ? 何秒かしてから再び返信がくる。 >わたしにもわからない。 わからない…? おまえが作った世界じゃないか。 カタカタカタカタ >どういうことだ? >わからない。でも、帰還方法はある。 「…え…!?」 >あるのか!? 戻る方法が? >ある。ただし少し時間がかかる。 「時間…」 時間ってなんだ。まさか五年とか十年とか言うんじゃないだろうな。 >どれくらい? >一週間。その時またそこいて。あなたを連れ戻す。 「一週間…」 俺がそう小さく呟いた途端、今まで写し出されていた文字が画面の上から全て消えた。どうやら本当に電源が落ちてしまったらしい。 いくらキーボードを叩いても、スクリーンは真っ黒のままだった。 「一週間か…」 うん。 べつにたいした時間じゃない。この前だって、一瞬に感じたけど三日もここにいたんだから。 よかった。あいつが…長門が断言したんだ。絶対間違いはないだろう。今回は安心してもよさそうだ。 「YUKI・N…」 「?」 「…わたしの名前…」 横で長門が青い顔をしながら俺に聞いた。 「…どういうこと?」 「え、あ、ああ、うん。これにはその…もの凄ーい深い事情があって…」 「深い事情…?」 「ああ。深いっていうかめんどくさいっていうか…で、でも、もう大丈夫。全然なんてことなかったからさ。はははは」 「……」 そう言うと、それ以上長門は何も追求してこようとはしなかった。 そのサッパリしたところがこいつのいいところだ。こっちでも、あっちでも。 「さーて」 俺は緊張の解けた身体を、ゆっくりと椅子から持ち上げた。 窓からもう半分沈んだ夕日を眺め見る。辺りの色はいつのまにか紫色へと変わっていた。 「どーすっかなー」 うんと背伸びしてから、間抜けに言った。 一週間の猶予。俺はその時間を、いったいどうやって過ごすべきなのだろう。 どうやって過ごせと言うのだろう。 …決まってるさ。 「あ、あのさ長門」 一言言ってから、俺は長門の目を見つめた。 すると長門は、たったそれだけのことでまた薄っすらと頬を赤く染め、下を向いて黙り込んでしまった。 「あの…」 「…何?」 「…入部届け、あるか?」 「…!」 俺がそう言うと、うつむいていた顔を長門はゆっくりと上にあげた。 そして今度は向こうから、俺の目を力強く見つめてきた。 「…ある」 「悪い。また一枚、くんないかな?」 「待って」 そう言うと、勢いよく傍の机の中をあさり始めた。 その様子を眺めながらふと横の棚を見ると、白紙の入部届けの束がキレイに揃えて置かれているのを俺は見つけた。 「あ、長門。ここに…」 「あった」 顔を上げた長門がその手に持っていたのは、クシャクシャの、白紙の入部届けだった。 「…そんなに必死に探してくれたのは嬉しいけど、ここにほら、新しいやつがたくさん──」 「あなたの」 「…え?」 そう言って長門が俺の傍へとテコテコと駆け寄ってきた。そして、すっと俺にそのクシャクシャの入部届けを差し出した。 それを見て、俺の胸に衝撃が走った。 「…まさか、これ」 「あなたの」 …この入部届け… 「…あの時の…」 コクリ 「……」 信じられなかった。 半年も前の、何も書かれていない入部届け。 しかもあの時俺が乱暴にポケットにしまったから、それでこんなにクシャクシャになってしまっているんだろう。 そんなものを、今まで大事に取っておいてくれたなんて… 「…な…」 「長門…」 長門は再び、照れたような顔をして下を向いた。 ズキンッ その時、俺の胸に中に小さな、でも鋭く尖った痛みが走った。 俺を…こんな冷たい俺のことを、ずっとずっと待ってくれていた、目の前で俯うつむく小さな彼女。 …今すぐ抱きしめてしまいたい衝動に駆られる。 「……っ」 だけど俺は、自分の腕をを強く握って、ぐっとそれを抑え込んだ。 「…えと」 「?」 「あ、ありがと長門。あと…ついでに、何か書くもんあるかな?」 「ある」 そう言うと、長門は制服のポケットからゴソゴソと鉛筆を取り出して俺に渡してくれた。 「さ、サンキュ。えーっと、それじゃあ……はい、これ!」 「……」 「前に一回破棄しちゃったけど…今回はちゃんと正式に、文芸部に入部したい」 「……」 俺は一つ息を吐いてから、静かに続きの言葉を言った。 「許可して…」 「…くれますか?」 「……」 …一瞬の沈黙。 だけどすぐに、その沈黙を破って彼女は言ったんだ。 そう。ただ言ったわけじゃない。薄っすらとだったけど、あれは、確かに… 「認めましょう」 ──それは ずっと……俺が求めていたものだった。 エンターキーを押して、元の世界へ帰ってきて、たった一つ。ずっと、ずっと悔やんでいた。 もう一度だけ、見てみたかった。 長門の、優しい笑顔だった。 ──翌日。 「ふわぁ…」 重たい身体を布団から起こした俺は、眠い目を擦りながら自分の部屋の中をキョロキョロと見回してみた。 「……」 特に変わったところはない。 いつも通りの、何のおもしろみもない俺の部屋だ。 「…夢…」 …だったのか? もしかして。 だとしたら、随分リアルな夢もあったもんだ。こんなにリアルな夢はハルヒと閉鎖空間に閉じ込められた時くらいのもんだ。 まああれはどうやら夢じゃなかったようだが。 「おはよ~キョンくん~」 「ん…おはよ」 廊下で俺のことを滑るように追い抜いて行った妹が笑って朝の挨拶をした。 「…うーむ」 家族に特に変わった様子はない。猫のシャミにも別段変化はない。 前来た時もそうだったけど。 それにしても、これじゃ本当にまた別の世界にやってきてしまったのかよくわからないな… そう思っていたのが、焼けるような気温のなか教室にたどり着いくと、そんな甘い考えは通用しないのだとさっそく思い知らされた。 「あら、おはようキョン君」 「…おはよう」 ハルヒの代わりに朝倉がいるのだ。 「昨日もちょっと変なこと言ってたけど、今日は大丈夫?」 「大丈夫だよ」 …ふう。 こいつの顔を見ると、心底疲れる。 どうやら殺されかけたとかそういうのを抜きにしても、どうやらこいつとは根本から合わないようだ。 「しっかしよ~昨日の地震にはホントびっくりしたよなぁ」 横の席で谷口がいつものおちゃらけた口調で言った。本当にびっくりしたようにはとても思えない言い方だ。 だが…しかし。 「そう」 「?」 地震だ。 「……」 昨日学校から自宅に帰ってきたあとも、俺は眠らずにいろいろこの世界にやってきてしまった原因を考えた。 あの時長門が作り上げた世界の、その未来。このパラレルワールドへ俺が再び飛ばされた理由を。 やはり、あの地震が直接的な原因だとしか考えられない。 あの直後に俺は朝比奈さんにビンタで吹っ飛ばされ、教室からはハルヒが消えた。 そして代わりのポジションに朝倉がいて、長門はかわいらしい女の子になってしまっていた。 きっとあの時の巨大地震の影響で、世界が微妙におかしくなったんだ。 「うーん…」 「なんだキョンさっきからよぉ。便秘かぁ?」 「違げーよっ」 「昨日もなんかおかしかったもんねー。今日は大丈夫なの?」 「朝倉と同んなじセリフ言うな」 …ま、 考えてもしかたがないか。どうせ、どうやったって俺のこのチンケな出来の頭じゃ、理解できる範疇を超えた問題なんだろう。 それに、今回は前回と違って、考えたり悩んだりする必要も特にないんだ。 必ず迎えが来ると決まっているのだから。 「だけどあんだけでかい地震でよくこのボロ校舎がぶっ潰れなかったよな。ちょっと感心したぜ」 俺が考えたことと同じことを谷口は言った。どうやら思うことは皆一緒のようだ。 「というより、学校だけじゃなく他のどこでも物理的な被害はなかったみたいだよ。変な話だよね、いいことだけどさ」 「うーん不思議だなぁ」 確かにそりゃ不思議だ。 俺がこっちに飛ばされてきたことともしかしたら関係あるかもしれない。 …と思ったが、それ以上深く考え込んでしまう前に、自分の思考回路をストップさせることにた。 いいんだよ、そんなことは。どうでも。 キーンコーンカーンコーン 放課後の始まりを告げるチャイムが鳴った。 何も考えていなかったから、今日も授業が終わるのが大変早かった。 「…そ」 今の俺は、そんなことを考えてる余裕なんてどこにもないんだよ。 コンコン 見慣れた、いつもなら何の遠慮もなしに開けるはずのドアを、軽い力でノックする。 「はい」 中から小さな声で返事が返ってきた。 「俺だ。入っていいか?」 「…どうぞ」 「ん、それじゃ」 ガチャリ… 長門は、今日もいつも通りに窓際に置かれたパイプ椅子に腰掛け、分厚い本を読んでいた。 「…こんにちわ」 「…こんにちは」 俺がそう挨拶をすると、彼女はこっちを向いてから、やっぱり赤い顔でうつむいて、でも、どこか嬉しそうな声で、俺にも挨拶を返してくれた。 だけどたったそれだけのことで、俺の心は心底胸いっぱいになるほどの充実感で満たされた。 だって、俺がいた世界の長門がこんな風に優しく返事を返してくれるなどということは、どう間違ったってありえないから。 その挨拶の一つ一つが、俺にとっては信じられないくらいの希少価値があるものなんだ。 そうだ。 俺が今、何よりもしなくてはいけないこと。 それは、このたった一人の健気な文芸部員の心の隙間を、少しでもいいから埋めてやることだ。 寂しさを紛らわせてやることだ。 たったの一週間。本当にたったそれだけの短い間だ。けれど… それでもいい。 俺ができるだけのことは、全てやってやる。 「…あの」 「ん?」 長門は開いていた本に栞を挟んで閉じてから、それを机の上に置くと、モジモジとした様子で言った。 「今日…図書館に…」 「あ、ああ。図書館行くのか? うん、いいよ、行こう行こう」 「ええ」 長門の表情が、たったそれだけでパッと明るいものへと変わる。 …それを見て、俺はようやく本当のことに気付いた。 「……」 …長門のために、とか、寂しさを紛らわせてあげる、とか… かっこいいようなことを言っていたけど、本当は違うんだな。 俺はただ、こいつと、この世界の、普通の女の子の長門と、いっしょにいたいだけなんだ。 もう一度、いや何度だって、あの儚げで優しい笑顔を見てみたいと思っているんだ。 こいつの喜んでいるところが見たいんだ。 学校を出ると、陽は低くなり始めていたけれど、それでもじわっと肌に絡みつく蒸し熱い気温は未だに保たれたままだった。 そんな中を俺と長門とは二人並んで、例の地獄坂を、ゆっくりと歩て下っていく。 途中、二人の間にはまったくと言っていいほど会話はなかった。 だけど俺は、別にそんなことは別段気にもならなかった。なぜならそれは重苦しい、気まずいといった類の空気の沈黙ではなくて、 どこか落ち着いていて、なんと言ったらいいか、その場にいるだけで幸せを感じられるような沈黙だったからだ。 いっしょにいるだけで。 「…なに?」 「えっ? あ、いや、なんでも…」 い、いかん。ついうっとり見とれてしまっていた。 なんだがいっしょにいればいるほど、長門のことが可愛く見えてきてしまうような… なんなんだ、いったい。 一時間と少しほど歩いて、ようやく見覚えのある図書館の前に俺たちは到着した。 そう。本など滅多に読まない俺だが、この図書館にだけは前にも一度来たことがある。それはハルヒ達SOS団全員で不思議探しをするために町へと出たとき。 クジ引きで長門とペアになった俺が暇つぶしをさせてあげるために、この図書館へと連れてきてあげたのだ。 「ふうー…」 中に足を踏み入れた途端、ちょうどよい涼しさのエアコンの風がふんわりと俺の身体を包み込んだ。 まるで天国へやってきてしまったのかと錯覚してしまうほどの気持ちよさだった。 「閉館までまだけっこう時間あるみたいだから、長門、ちょっと休もう…」 そう言って横を向いた時には、すでにそこに長門の姿はなかった。 「あ、あれっ?」 慌てて辺りを見回して探すと、すぐに見つかった。 彼女はこことは少し離れた場所の棚の前で、目をキラキラと輝かせながら本を手当たり次第に物色していた。 「…熱心ですねぇ」 そう呟いた自分の口調が、なんとなく古泉のようになってしまっていることに俺は気がついて、ちょっと愕然とした。 くそ…いつの間に。やっぱりいつもいっしょにいて話しをしていると、知らぬ間に影響を受けてきてしまうものなのかもしれない。 あいつみたいなしゃべり方になっちまうのか……なら、前髪ももっと伸ばした方がいいのかな? だけど俺はなぜかそれが少しだけおかしくなって、ふふっと自嘲気味にかすかに笑ってしまった。 「しかたない…ちょっとソファで休んでるか…」 ツンツン 「ん…ムニャ…」 ツンツン 「んん…? あ…あ、あれっ?」 「起きて」 「おわっ!」 ふと気が付くと眼前に長門の顔があった。 「な、長門っおまえ何やって…!」 「もう閉館」 「え?」 そう言われて、慌てて振り向いて壁に掛けられている時計を見上げた。 本当だ。俺がソファに座ってからすでに一時間ほど経過してしまっている。いつの間にそんなに時間が経ったってんだ。 「す、すまん。ちょっと休むつもりがこんな熟睡しちゃって…」 「かまわない」 「もう、本はいいのか?」 「ええ」 そう言って、長門はその手に持っていた本をスッと俺の目の前に差し出してきた。 4冊の分厚い、なんとも難しそうなタイトルとカバーをした、まるで辞典のような本が俺の視界に飛び込んできた。
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代わりに俺が重たい本を持ってやってカウンターまで行き、役員にまとめて受け渡す。 横で長門がゴソゴソとポケットからサイフを取り出した。そして、その中からは青色の図書館の貸し出しカードが出てきた。 「覚えてる?」 「なにを?」 「これ…」 そう言って長門は指で挟んでいたそのカードを、ほんのわずかにヒラヒラと左右に振ってみせる。 それで俺は彼女が何を言いたいのかということにようやく思い当った。 そうか。そういえばカードは。 本当は本を読んだまま動こうとしない長門をどうにかするために俺が作ってやったものだけど、 おまえの中では違うんだったな。 今の俺にはその記憶はまったくないんだけれど。 「…悪い、覚えてないんだ」 「…そう」 「すまん」 「いいの」 嘘をついて覚えていると言ってやるのは簡単なことだったけれど、なぜかそれはやっちゃいけないことのような気がした。 それにきっと長門なら、俺の嘘なんかあっさりと簡単に見破るだろう。 そしたらもっと傷つけてしまうことになってしまうかもしれない。それはダメだ。 こいつにはできるだけ本音で接していたい。 ウイイイイン… 本を鞄にしまってから外へと出た。外はもう暗くなりかけていて、さっきまでの暑さも多少和らいでいる。風も心地よい。 上を見上げると、かすかにだけど星が見えていた。 「これからどうする?」 「戻る」 「え、戻るってまさか学校にか?」 「コクリ」 「おいおい嘘だろ? またあの学校までの坂を上るのってのか? そりゃ勘弁だ。今日のところはもう終わりにしておこうぜ」 「でも…」 「でも?」 「鍵」 「ああ。うーん、大丈夫だよきっと。特に取られるような物も置いてないしさ。本だって学校のやつだろ?」 「……」 その時突然、何の前触れもなしに正面を向いて歩いていた長門が立ち止まり、その足を動かすことを止めた。 そして石になったかのように固まったまま動かなくなってしまった。 「? どうした?」 「…あの人…」 「え、あの人? どこ? 誰?」 「……」 「…付き合ってた…人…」 …… 「…は!?」 「あれ…」 「あ、あれって…」 ガーーン 「長門…お、おまえ…」 付き合ってたヤツ…いるのか… 「……」 へこんだ。それも強烈に。 打ちのめされた。 昂ぶっていた気持ちが急速にしぼんでいくのがわかった。 奈落の底へと蹴り落とされてゴロゴロと転げ落ちていくた亡者のような気分だ。 こいつが男と付き合うなんてことは絶対ないと思っていた… そしてなんとなくだけど…それは勝手な妄想だったけれど、 長門は、俺のことを待っていてくれたんじゃないかというような気がしていた。 どうやら本当にただの思い上がりだったらしい。 「…どれ?」 「あそこ…」 …まあ、しかたないか。 これだけ可愛いくて性格のいい子なんだ。他の野郎どもだってそりゃあ放っておくはずもないだろう。当たり前だ。 そうして言い寄ってきた大勢の中の誰かが、長門の心を的確に射止めたのだとしても、それはおかしくも不思議なことでもなんでもない。 …うん。 よかった。そうだよ。よかったじゃないか。いいことじゃん。 一人ぼっちでずっと部室の中に籠っているのなんかよりは、そりゃ健康的でずっといいことだ。 たとえそれが俺の知らないやつなんだとしても、関係ないさ。 よかったな。おまえだって普通に人と付き合うことができるんだな。 …そう簡単に納得することはとてもできそうになかった。 くそ、どこのどいつだ長門をたぶらかしやがったのは。 一目その顔を見てやろうと思い、俺は長門が指差す方を獲物を探す獣のごとく形相で見回した。 「…んん?」 だが、見据えた視線の先、それらしい男の姿はどこにもない。 見えるのは長い黒髪を風になびかせて歩く女の後姿だけだ。 「…あそこ? 俺にはどう見ても女しかいないように…」 …はっ 「な、長門っおまえまさか…」 「あなたが」 「…あなたが…付き合ってた…」 「…え?」 お… 俺? その時ようやく、昨日の部室での長門との会話がふと、頭の中で蘇った。 「…付き合っている人も、いるみたいだった…」 思い出した。 俺が付き合っていた8組の女。あれがそいつのことか。 そうか。長門が誰かと付き合ってたというわけじゃなかったんだな。 横にいる長門にバレないように、俺は大きく安堵の息を吐いて胸を撫で下ろした。 俺達とは大きな道路を挟んだ向こう側の道をゆっくりとした足取りで歩く女。 まったく。この俺なんかと付き合おうってのはいったいどんな趣味の女なんだ。 「…く…」 …だけど… ちょっと顔見てみたい。 前まで付き合ってた女がいったいどんな顔をしているのか。 それくらい確かめてみたくなるのが人情ってもんだろう? やたらと背が高くて細いということだけはここから見ただけでもわかるのだが。 …こっち向け。振り向けっ。 そう何度も心の中で強く念じたが、その思いはどうやらむこうまでは届かなかったようだ。 一度もこっちに顔を見せることなく、その元俺の彼女とかいうやつは曲がり角も向こうへ消えて見えなくなってしまった。 …あーあ。 「…やっぱり…」 「?」 「今日は帰る」 「え? あ…そ、そうか。うん」 長門は無言でUターンして、今来た道を再び歩きだした。 「あ、ちょ、ちょっと長門」 しかたないので俺も慌ててそれを追いかける。 心なしか、前を歩く長門のスピードがさっきまでよりも少し足早な感じがした。 「……」 …無言。 な、なんか沈黙が重い… 重いというより、空気が肌に刺さってくると言ったほうがいいだろうか。 さっきまでは全然何も感じなかったのに。 物言わぬ長門が発している空気が、明らかにさっきまでの穏やかなものとは違っていた。 …お、怒ってんのかな、もしかして… 「じゃあ」 分かれ道に着くと、長門は俺が進もうとしている道とは別の、横道の方に向かって歩き出した。 おかしい。そっちはたしか長門のマンションがある方向じゃないぞ。まだ曲がるのところはけっこう先のはずだ。 なのにそっちに行くということは、やっぱり… 俺といっしょにはいたくないってことだろうな。 「…ああ。また明日な」 俺も、今日はもうこれ以上いっしょにいない方がいいような気がした。 暗くなった夜道を長門一人で歩かせるのは多少心配だっけど、もうあいつの家までいくらもないから、まあ問題はないだろう。 「じゃあなっ」 ポツリと点いた薄明かりの外灯の下の長門に向かって、もう一度声をかけてから大きく手を振った。 長門もその声に反応してこっちを振り向き、俺に小さく手を振り返した。 手を振ったと言うよりは、胸の辺りまで上げただけという感じだったが。 白色の明かりに照らし出された長門の顔は、どこかもの寂しそうだった。 「ふう…」 …明日には機嫌直しててくれればいいけど。 「おいっ!!」 翌朝、教室へ着いたばかりの俺のむなぐらを、谷口がいきなり凄い力で掴みあげた。 「な、なんだよ」 「おまえ昨日の放課後、6組の長門といっしょに歩いてたらしいな!!」 「あ…」 なんて噂が広まるのが早い学校だ。 こいつの情報網の広さが異常なだけかもしれないが。 「う、うん。まあな」 「がーーっ!! なんだおまえ!! もしかして付き合ってんのか!?」 「ちげーよ。俺、文芸部に入ったからさ。それでいっしょなんだよ」 「あ!?」 「おまえ文芸部って……たしかその長門一人しかいない部活じゃねえか」 「うん」 「なんだそりゃ! おまえそれ下心見え見えじゃねーかよ!」 「なっ…そんなつもりじゃねーよ!」 「じゃ、なんでいきなり文芸部なんかに入るんだよ」 「…本が読んでみたかったんだよ」 谷口の言葉に、俺は必死になって反論を展開した。 …あながち間違いというわけでもないから、どうにも言い訳臭くなってしまう。 「ふーん…ま、べつにいいけどよ。しかし、変な趣味してんなおまえ」 「え、なんで?」 「だってよ、メチャクチャ地味じゃねーかあいつ。顔が整ってんのは認めるけどよ。 なんか暗そうだし、いっしょにいてもつまんねーだろ? 俺には無理だなぁ」 「な、なんだとこらてめえ!!」 ガタンッ! 「わっ、な、なんだよ!」 「おまえなぁ、今のもういっぺん言ってみろ。ぶん殴るぞ!」 「わーっ、わかったわかった。悪かったっ」 「ふん」 谷口の肩を掴んでいた手を離して、俺は席に座りなおした。 「…ふふん。キョンよ。どうやらおまえ本気みたいだな」 「……」 「ケケケ、いいことじゃねえか。だけど意外だぜ、おまえにロリ属性があるなんてさ」 「あ?」 「だっておまえ、前によく言ってただろ。俺は年上か大人っぽい女しか無理だって。 あんな小さい子供みたいな女におまえが惚れるとはなー」 どうやらこっちの俺と今の俺では、人格まで微妙にずれてしまっているらしい。 年上の女がいいなんて……思ったことは何度もあるけど、別にそれだけと特定したことなど一度もない。 「ほら、おまえが前まで付き合ってた女、いるだろ。あれがおまえの理想系なんじゃなかったのか」 「!!」 そうか。 何でこんなことに気づかなかったんだ。 こいつに聞けばいいんじゃないか。 「た、谷口っ」 「ん?」 「あ、あのさ。なんかすごい変なこと言うんだけど…」 「…? なんだいきなり。告白か? 俺に」 「いや」 「悪いんだが、俺が付き合ってたっていう女のところまで…ちょっと連れて行ってくれないか」 「はあ?」 「ほら、あそこにいるだろ」 谷口が入り口の前から、教室の後方辺りを指差して言う。 だけど俺にはそれがどこを指しているのかさっぱり見当もつかない。 「え、どこ? どこだよ」 「そこだよそこっ! 窓際の後ろから三番目!! いるだろっ!!」 「……」 「ったく…最近のおまえはどうもおかしいな。自分の彼女の顔忘れるなんてよ。鳥か? おまえは」 窓際の、後ろから三番目… そして、あの長い黒髪… 見えた。 「…嘘だろ」 スラッと伸びた、白く長い足。 あの朝比奈さんに勝るとも劣らないような豊満な胸。 そして、どこか高校生離れしたような雰囲気をかもし出す、端整な顔立ち。 「絶対嘘だ」 あんなモデルみたいなのと俺が付き合っていただって? 冗談言うな。釣り合いが取れなさすぎる。 「嘘言ってどうすんだよ。おまえ当事者なんだから自分でわかるだろ」 「だっ、だっておまえ、あんな美人と俺じゃあまりにも…」 「なんだそりゃ? 新手の自慢か? くっそー腹立つなーテメーっ」 「……」 「まあ、たしかに美人だよなぁ」 「で、声かけていかなくていいのか」 「え?」 「べつにケンカして別れたってわけじゃないんだから、一言くらい挨拶してやっていったらどうだ?」 「そうなのか?」 「だから俺に聞くなって!」 「……」 「…いや、いい。かけなくて」 名前も知らないしな。 「ふーん…そうか。まあいいけどよ。俺はてっきりおまえ、ヨリを戻しにきたのかと思っちゃったぜ。まったくこの外道め」 「おまえに言われたくねー」 …しかし。 本当に信じられん。 まさかこの俺があんな可愛い子とね… なんだ。やるじゃん、俺。 ガヤガヤガヤガヤ 「…ふう」 放課後、帰宅する生徒や部活へ足を急がせる生徒達でごった返しになっている廊下を、 俺は掻き分けるようにしてゆっくりと進んでいった。 あの時、去年の12月20日、エンターキーを押さなかった世界。 つまり、何の奇妙な出来事も起こらない、平穏な世界。 …古泉やハルヒ達とは、何の繋がりも関係もない世界。 そっちを選んでさえいれば、俺にもあんなに可愛い彼女ができたってことだよなぁ。 そんなことをボンヤリと頭の中で考えていると、いつのまにか文芸部の部室の前に立っていた。 「…何考えてんだよ」 失敗したとでも言う気なのか? おまえは。それとも羨ましいとでも? 「まさか」 そんなこと言えるはずがない。何が可愛い彼女だ。 そんなものよりもずっとずっと大切なものを、おまえは手に入れたんじゃないか。 「そうさ」 SOS団は俺の宝だ。 古泉に、朝比奈さんに、ハルヒに、そして長門。 俺にとってみんなは、何よりもかけがえの無い、一番大切な仲間なんだ。 そうじゃないんだ。 「……」 俺が…この世界を放棄した時の、一番の心残り。 いや。本当のところ、今でもまだ少し、迷ってる。 長門。 俺、おまえと別れたくない。 ずっといっしょににいたい。 いてやりたい。 可愛い彼女なんてどうでもいい。そんなことどうでもいいんだ。 「俺が好きなのは、長門なんだ」 「…え?」 い… 今… 「俺、何て言った?」 好きって…言ったのか? 長門のことを? 俺が。 「……」 …そうか。 そうだったんだな。 無意識に口から出てくれたおかげで、ようやくはっきりと気が付くことができたよ。 あいつのことを思って、時々胸に走る痛みや。 いっしょにいると、なんだか幸せで落ち着いた気分になれることや。 もっとあいつの喜んでいるところや、笑った顔を見てみたいなんて… 好きという感情以外の何ものでもない。 これを好きと言わずにいったい何を好きと言うんだ。 長門…俺。 おまえのことが好きだ。 トントン 「…はい」 ノックをすると、中からか細い声が聞こえてきた。 昨日よりもなんだか力の無い返事だった。 「俺だ。入っていいか?」 「…どうぞ」 一瞬だけ間があってから、もう一度返事が返ってきた。 「ん、それじゃ」 ガチャリ 扉を開けると、長門は昨日と同じ体勢でやはり本を読んでいた。 「よっ」 俺が軽いノリでそう声をかけると、長門はふっと顔を上げて一瞬だけこっちを見た。 そして一瞥だけしてまた持っている本に視線を落とした。
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モンスター チューナー 通常・効果モンスター 《長門有希》 《ネコミミ 長門》 《Xmasパーティ 長門》 《宇宙人 長門》 《魔法使い 長門》 《水着の長門》 《温泉の長門》 《眼鏡っ子 長門》 《待機モード 長門》 《ギタリスト 長門》 《クールガール 長門》 《無口キャラ 長門》 《チャイナドレスの長門》 《お花見 長門》 《情報統合思念体の端末 長門》 《おめかし 長門》 《夏祭りの長門》 融合モンスター シンクロモンスター エクシーズモンスター 魔法カード 通常魔法 《私のこと、あなたに教えておく》 速攻魔法 装備魔法 永続魔法 《長門は俺の嫁!》 《情報制御空間の死闘》 《残り二週間の夜》 フィールド魔法 《長門の情報操作空間》 罠 通常罠 《長門見参!》 永続罠 カウンター罠
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長門 この記事では、 アズールレーン クロスウェーブ(アズレンCW) の艦船「長門」の性能、ステータス、プロフィールなどの基本情報を紹介しています。 目次 長門の紹介 スキル 栄光の四代目連合艦隊旗艦 プロフィール サブストーリーでは・・・ 性能 原作では 長門の紹介 名前 長門(ナガト) CV 久野美咲 所属 重桜 艦種 戦艦 装甲 中装甲 種別 主力艦 必要Aポイント 1000 解放条件 1章開始時に開放 スキル 編成 スキル名 発動時間 効果(かっこ内はLv10時) 主力 御狐の祈り 45(35) 徹甲弾による「火力」依存の300(400)%の攻撃を行う 四代目連合艦隊旗艦 永続 味方重桜キャラクターの火力を5(50)%、装填を20%、重桜の空母キャラクターの与ダメージを10(30)%アップ 支援 四代目連合艦隊旗艦・支援 永続 味方重桜キャラクターの火力を35(80)%アップ 栄光の四代目連合艦隊旗艦 【重桜】の行く末を担う、最も重要な祭事を取り仕切っている御狐(みこ)。 赤城など大人たちにまだ政治力では敵わないことに焦りを抱いているが、同時に憧れの気持ちも持っている。 かの三笠から引き継いだ「連合艦隊旗艦」として厳格に指導されているものの、その甲斐もあってさらに実力を高めつつある。 合同大演習の開催は長門の意思でもあり、波乱の予感を抱えながら、長門もまた大きな試練に挑むことになる。 プロフィール 好きなもの1 陸奥(自分が言えないことを言ってくれる) 好きなもの2 偉大なる三笠様 苦手なもの1 陸奥(し、質問攻めには…) 苦手なもの2 聖壇 趣味 昼寝 長所/特技 タマシイ感知 CV 久野美咲 サブストーリーでは・・・ 「ビッグセブン」として取材を受けることになった長門。 取材慣れしていない長門は大弱り。 そんな彼女に助け舟を出したのは……? 性能 全KAN-SEN中で最も必要スカウトコストが高いKAN-SEN。 性能もそのコストに相応しいものに纏まっており、彼女自身の性能が高いだけではなく、編成するだけで重桜艦のステータスを大幅に強化することが可能。 原作と同じく、長門、赤城、加賀の編成はスキルの組み合わせがこれ以上ないほどに良く、圧倒的な攻撃速度で敵に重桜の威光を思い知らせることが可能だ、今作では更に支援艦隊に三笠大先輩を組み込むことが可能なため、是非試してみてほしい。 原作では 「余は長門・・・重桜の長門である!」 極めて強力な重桜バフスキルと特殊弾幕を持つSSR戦艦。 旗艦にすると重桜への陣営バフが発動するため、同じ陣営バフを持つ三笠と並び、多くの重桜編成の旗艦を任されている。 そして保有する特殊弾幕も中々に威力と制圧力にすぐれたものとなっており、総じて高い性能を誇るKAN-SENだ。 また前述した三笠とはそれぞれ戦艦と空母でバフ対象が異なるため、使い分けが可能。 原作ではイベントストーリーにて、幼くして権力を持たされてしまった重圧と、その権力をいいように利用されてしまうシリアスな物語が展開された。 大きな責任と高い地位とは裏腹に、彼女本人は見た目相応の物知らずで寂しがりやな女の子である。 指揮官のもとへやって来てからはそういった普通の女の子な一面もチラホラ顔を出すようになり、尊大な面とのギャップにやられた指揮官も多いことだろう。 ▲Topへ このページを編集する
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CV 佐倉綾音 Illustrator しずまよしのり 艦船ステータス 長門 No 改造チャート 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 速力 スロット 搭載 燃料 弾薬 射程 1 長門 →長門改 - 82 0 31 0 12 20 80 75 24 低速 4 12( 3, 3, 3, 3) 100 130 長 装備 41cm連装砲 14cm単装砲 零式水上偵察機 未装備 長門改 No 改造チャート 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 速力 スロット 搭載 燃料 弾薬 射程 1 長門→ 長門改 30 92 0 42 0 25 30 90 87 37 低速 4 12( 3, 3, 3, 3) 100 160 長 装備 41cm連装砲 41cm連装砲 零式水上偵察機 未装備 同型艦 長門 ― 陸奥 autolink ゲーム内において 艦娘データ(最終形のみ)ページより No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 速力 スロット 搭載 燃料 弾薬 熱+弾 1 長門改 30 99 0 99 0 49 30 90 95 69 低速 4 12( 3, 3, 3, 3) 100 160 260 運が高いので、夜戦でのカットインが狙えるため、他の戦艦と比べてアドバンテージが大きいと言える。 史実情報 1920年(大正9年) 10月27日 竣工前後の長門を写した、有名な一葉。 日本海軍の対米大規模海軍拡張計画、所謂「八・八艦隊計画」の第一弾として建造されたのが、長門である。 これまでに培われた造船ノウハウと、第一次大戦の戦訓を取り入れて設計された長門型は、従来の戦艦とは異なる、多くの新要素を盛り込んで開発された。 主砲は米戦艦を凌駕すべく、41センチ砲の採用を決定。41センチ砲戦艦は今だ例がなく、長門が世界に先駆ける形となった。 艦橋構造も大きく変更され、従来の三脚楼を廃し、太い主柱の周囲を六本の支柱で囲むように支え、各設備を段状に配する櫓檣(ろしょう)となった。 外見的特徴以外にも、防御装甲が第一次大戦の戦訓に基づいたものとなり、速力は27ノットに達した。 これは当時の戦艦の平均速力である23ノットを大きく上回るもので、日本海軍は長門の速度を秘匿し、23ノットと発表している。 ささいな事では、艦橋の高層化によりエレベーターが設置されたりしている。 こうして、長門は世界一の性能を持って設計され、完成した。 長門の完成直後、ワシントン海軍軍縮条約の締結により「八・八艦隊計画」は廃棄された。 長門は聯合艦隊旗艦に就任。日本海軍の顔として人々に愛された。 大正時代、少年雑誌付録のカルタに「陸奥と長門は日本の誇り」という札があったことも、長門型がいかに国民に愛されていたかを示している。 この頃、長門は煙突を大きく後方に湾曲させた。当初は造船関係者に冷笑される措置だったが段々と定着し、やがてはこの姿こそが美しいと人々の間に認知されていった。 また、艦隊決戦補助兵器『一号機雷』の廃案により、大正15年から昭和2年の間に艦首を従来のスプーンバウから、より凌波性の高いクリッパーバウに改修している。 関東大震災発生時は、出先の大連から全速力で東京湾へと急行。この途上英国巡洋艦(艦名諸説あり)に追跡され、長門の速力が知れることとなったが、諸外国からは特に反応がなかった。 その後海軍は寸断された鉄道網に代わり、艦艇による人員・物資の輸送を実施。東京湾に日本海軍の主力が勢ぞろいした様は、被災した人々を励ましたと言われる。 余談だが、大正末期に高松宮宣仁親王(昭和天皇の弟)が任官している。 当時の士官たちは字が上手いからと宮様に書類を代筆させた他、宮様のツケで宴会をしたり、かなり好き放題したらしい。幸い、宮様が不快な思いをすることはなかったようだが。 この宮様のツケで宴会をしたのが、後に「雷」艦長として英国兵を救助した工藤俊作である(元々、工藤は靴を貸したお礼にと宮様に奢って貰ったのを、周りが便乗して宴会にした)。 1936年(昭和11年) 1月下旬 近代化改装を完了しテスト中の姿 昭和9年には近代化を図る大規模な改装工事を実施し、それまでとは艦容を一変させる。 改装により排水量が増大したものの、長門の機関は戦艦の規定速力25ノットを発揮するに足りた為、特に増備交換はされなかった。 二・二六事件の際は、聯合艦隊旗艦として戦艦部隊を率い品川沖に展開。国会議事堂へと主砲を向け、海軍は断固叛乱に立ち向かう姿勢を示した。 太平洋戦争が始まると、かの有名な「ニイタカヤマノボレ 一二○八(Xデーを12月8日とする の意)」を聯合艦隊全艦艇に向けて発信する。 その後は大和と共に主力として温存されるが、戦艦対戦艦による大規模な艦隊戦など起こる事もなく、活躍の機会はなかった。 1943年6月には、柱島で停泊中に妹・陸奥が突如爆沈。当日は濃霧であったが、居合わせた長門は扶桑と共に救助活動を行った。 数少ない出撃はマリアナ沖海戦と、レイテ沖海戦の二つのみである。 マリアナ沖海戦では、大和姉妹と共に機動部隊の護衛として出撃。 隼鷹へ突進する敵雷撃機5機編隊に向け距離約1万5千メートルから主砲三式弾を発射し、初弾で全機撃墜を報告。 これが、長門の主砲が初めて敵へ火を噴いた瞬間だった。同海戦では敵艦載機の爆撃を受けるも、大きな損傷はなかった。 また、被弾大破した空母飛鷹の曳航を試みるも、果たせずにいる。 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (nagato5.JPG) レイテ沖海戦前 ブルネイ泊地での長門。前艦橋最頂部に21号電探、後艦橋に13号電探が追加されている。右舷奥に見えるのは大和(奥)と武蔵。 レイテ沖海戦では第一遊撃艦隊として出撃。途中爆弾数発を受けるも行動に支障はなく、サマール島沖海戦に参加。敵空母への砲撃を行ったが、 武蔵を失った大和の僚艦として行動していたため、大和が敵魚雷に挟まれ身動きが取れなくなった際も同行し、戦列から離れてしまっている。 この海戦で長門は敵機からの攻撃を複数回にわたって受けたが、避けきれなかった最初の魚雷は突如向きを変えて外れ、次の魚雷は近すぎたためか艦底を通過。 また命中した爆弾は薄い艦首部だったため炸裂せず貫通、被害を免れるなどの幸運に恵まれている。 レイテより帰還した長門だったが、国内の燃料事情から給油されず、横須賀に繋留されることになった。 年明けには榛名、伊勢、日向と共に浮き砲台となる事が決定し、煙突上部と後部マストを切断。副砲や電探など多くの装備を撤去し、迷彩塗装と浮島に偽装する工作をした。 この改装は、戦艦として行動することが不可能であることを意味していた。この時の姿を撮影した写真が多く残っているが、見るには少し忍びない。 7月末、迫る米空母艦載機の攻撃で艦橋を損傷し、艦長や砲術長が戦死。日本戦艦最後の艦長として、杉野修一大佐(“杉野は何処”で有名な杉野一等兵曹の長男。球磨の最後の艦長も務めた)が着任する。 そして、長門はそのまま終戦を迎えた。 終戦を迎えた横須賀で、米軍により撮影された長門。 終戦時、長門は日本の戦艦12隻の中で唯一水上に姿を留めていた。戦に敗れようとも、横須賀の海に浮かぶその姿はいまだ衰えておらず、偉容を失っていなかった。 翌月、長門は米軍に接収され、後部艦橋には軍艦旗に代わり星条旗が翻った。この時の様子はカラー映像で残っており、「なんでも鑑定団」に艦内時計が登場した折、紹介されている。 長門は研究資料として米国へ回航され、翌年ビキニの海にその姿を見せた。戦後初の核実験「クロスロード作戦」に標的として供されたもので、傍らには軽巡・酒匂(さかわ)の姿もあった。 同実験の標的艦配置図 実験は7月1日の空中実験と、25日に行われる水中実験の計2回だった。1日の実験では大型艦はほぼ無傷で、長門も例外ではなかった。 この実験の結果を聞いた当時の農商大臣の夫人は「英霊がみんなで船底から長門を支えてるんですよ」と言ったという(阿川弘之:軍艦長門の生涯 下巻 P368)。 25日の実験では、ほぼ爆心地の中心にあった戦艦アーカンソーが轟沈、空母サラトガが7時間後に沈没する中、長門は右に5度傾いたまま浮き続けていた。 実験直前、長門は真珠湾の意趣返しとばかりに艦首に穴が開けられ、艦体には機雷が設置されるなどした。しかし、1000以上に細かく分けられた水防区画が功を奏し、海上に留まり続けた。 当時の日本では、原爆実験の実施と「長門沈まず」が報じられ、日本造船の技術が確かだった証拠であると喧伝された。 だが、29日朝、長門の姿は忽然として海面から消えていた。28日深夜から29日の未明にかけて、静かに横転沈没したのだった。 長門沈没の瞬間を目撃した人間は、誰も居ない。 1946年7月25日 遠くからでも、日本戦艦の特徴ある艦影を確認できる。 こうした最期は、日本海軍の栄光と凋落を一身に背負った長門が意地を見せたのだと、多くの人が称している。 現在、長門の沈没地点はダイビングスポットになっており、海底に眠る姿を見ることが出来る。なお、ビッグ7の中で、唯一原型をとどめて残っている船でもある。 上下逆さまに着底したため、艦橋は折れているものの比較的形が残っている他、自慢の主砲塔も健在である。 余談だが、先に少し触れたとおり「なんでも鑑定団」に由来の品が登場している。 2003年8月26日の放送では艦内で使用されていた時計が登場。専門家により艦橋で使用されたものではないかとされ、20万の値が付いた。 2005年9月27日には、米国回航時に接収された軍艦旗が少将旗、先任旗と共に登場。軍艦旗には1000万円の鑑定額がつけられた。 この軍艦旗は、1年後に同番組の出演者・石坂浩二氏が1000万円で自費購入し、広島県呉市の呉市海事歴史科学館(通称:大和ミュージアム)に寄贈している。 この他にも、世界遺産の番組などでビキニ環礁が紹介された際には、必ずと言っていいほど紹介されているなど、比較的メディアに取り上げられている。 長門を題材とした作品に、阿川弘之の著書「軍艦長門の生涯」がある。長門の生涯を通じて、当時の日本を知ることが出来る作品であり、ファン必読である。 艦歴 大日本帝国海軍 発注 八八艦隊計画第1号艦 起工 1917年08月28日 於呉海軍工廠 進水 1919年11月09日 長門型戦艦一番艦“長門”と命名 竣工 1920年11月25日 横須賀鎮守府所属 1920年12月01日 第一艦隊第一戦隊旗艦となる 1921年12月01日 戦艦“伊勢”より連合艦隊旗艦を継承 1923年09月01日 関東大震災発生に伴う救援物資輸送を実施 1934年04月 近代化改装工事に着手 1936年01月31日 工事完了 1937年08月20日 第二次上海事変勃発に伴い陸軍第11師団(上海派遣軍)を上海へ輸送 1940年10月11日 紀元2600年特別観艦式に参加 1941年12月06日 連合艦隊旗艦としてハワイ攻撃支援を実施 1942年02月12日 連合艦隊旗艦機能を戦艦“大和”に継承 1942年06月05日 ミッドウェー作戦に参加 1942年07月14日 姉妹艦“陸奥”と共に第一艦隊第二戦隊へ編入 1943年06月08日 戦艦“陸奥”爆沈。救難作業にあたる 1943年08月17日 トラック島へ進出 1944年02月25日 第一艦隊廃止。第二艦隊第一戦隊へ編入し戦隊旗艦となる 1944年05月04日 戦隊旗艦を“大和”に継承 1944年06月18日 あ号作戦(マリアナ沖海戦)に参加 1944年10月23日 捷一号作戦(レイテ沖海戦)に参加 1944年11月15日 第二艦隊第三戦隊へ編入 1944年11月25日 雪風など第十七駆逐隊の護衛を受け横須賀港に入港 以後、燃料不足により終戦まで外洋航行不能 1945年01月01日 第三戦隊解隊。第二艦隊第一戦隊(僚艦“大和”“榛名”)へ編入 1945年02月10日 第一戦隊解隊。横須賀鎮守府警備艦へ編入 1945年04月20日 予備艦へ種別変更 1945年06月01日 特殊警備艦へ艦種変更。主砲以外の全兵装及びマスト・電探・煙突が撤去される 1945年07月18日 横須賀空襲にて艦橋に直撃弾。艦長以下艦橋要員が全員戦死 1945年08月15日 中破状態のまま終戦を迎える 1945年08月30日 米軍によって接収される 除籍 1945年09月15日 正式な除籍の後、米軍への引き渡しを実施 アメリカ合衆国海軍 1946年03月18日 クロスロード作戦の標的艦として軽巡洋艦“酒匂”と共に横須賀港を出港 1946年07月01日 第一実験(エイブル/空中爆発)、爆心地より1500m地点で被爆。損害軽微 1946年07月25日 第二実験(ベーカー/水中爆発)、爆心地より900m付近で被爆。右舷破孔の浸水により5度傾斜 沈没 1946年07月29日 第二実験による浸水が原因とされるも、沈没時の目撃者なし 参考動画 長門と陸奥は日本の誇り~長門 前篇~ http //www.nicovideo.jp/watch/sm22640425 長門と陸奥は日本の誇り~長門 後編~ http //www.nicovideo.jp/watch/sm22664864 台詞一覧 状況 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 自己紹介 私が戦艦長門だ、よろしく頼むぞ。敵戦艦との殴り合いなら任せておけ。 秘書クリック会話① なんだ? 秘書クリック会話② 私の顔に、何か付いているのか? 秘書クリック会話③ あまり艤装には触らないでもらいたいものだな 終戦直前、主砲以外の艤装を全て剥がされている 秘書クリック会話(クリスマス仕様①) これが…クリスマスか。ふぅん…そうか♪ 秘書クリック会話(クリスマス仕様②) 提督、いつもお疲れ様だな。今日くらいは一緒に呑もう。 秘書クリック会話(ケッコンカッコカリ)(反転) 大丈夫…私はあなたと共にある。 戦績表示時 司令部から連絡だ 編成選択時 戦艦長門、出撃する! 装備時① 近代化改修か。私には必要ないのだが… 近代化改修の際、機関を交換せずに25ノットを維持できたことに由来か 装備時② ありがたい。これなら奴とも戦えるな 他のビッグ7のことかもしれないが、昭和の大改装が元ネタだとすると、各国が条約明けを見越して作られた、ビスマルクのような当時の新型戦艦のことかもしれない 装備時③ いいだろう (マップ選択・資材発見・修復剤使用・装備開発と装備時③は共通) 補給時 そうだ。食えるときに食っておかねばな。 戦争末期には満足に動かす燃料もなかったためか ドック入り 少し整備は必要だな ドック入り(重傷) 艦隊決戦は、万全の状態で戦いたいからな。 建造時 新たな仲間が進水したようだ。楽しみだな 艦隊帰投時 作戦終了だ。艦隊が帰投したぞ 出撃時 第一戦隊、出撃するぞ! 第一戦隊は最強戦艦部隊だった 戦闘開始時 ビッグ7の力、侮るなよ 図鑑は「ビック7」だが「ビッグ7」が正解(現在は修正済)残りの6隻は「陸奥」、米コロラド型「コロラド」「メリーランド」「ウエストバージニア」、英ネルソン型「ネルソン」「ロドニー」 攻撃時 待ちに待った艦隊決戦か。胸が熱いな 一度も戦艦対戦艦の艦隊戦を迎えることなく終戦 夜戦開始時 よし!艦隊、この長門に続け! 夜戦攻撃時 全主砲、斉射。…てーい! MVP時 連合艦隊の旗艦を務めた栄光に比べれば微々たるものだが、貰っておこう…か 長門は聯合艦隊旗艦として国内外に知られた 被弾小破① フッ…効かぬわ! 被弾小破② 長門型の装甲は伊達ではないよ 欧米の新型戦艦をも上回る最大508mmの装甲を持っていた。これより厚いのは大和型だけ。 被弾カットイン くっ…敵艦隊も…なかなかやるな…! 撃沈時(反転) 戦いの中で沈むのだ……あの光ではなく…本望だな… 戦後、米軍の標的艦として核爆弾により沈没 その他 2014年か、胸が熱いな おそらく限定のセリフ その他2 謹賀新年か、胸が熱いな おそらく限定のセリフ ケッコンカッコカリ(反転) なんだろう? 記憶の彼方にある、あの光景は? 敵味方の艦たち、そしてあの巨大な光…。疲れているのか…な、提督。 長門最後の戦いとも言えるビキニ環礁で行われた核実験、クロスロード作戦の光景。日本(長門と酒匂)やドイツ(プリンツ・オイゲン)の船も使われたが、大多数は終戦に伴う軍縮により不要となったアメリカの船だった。 時間 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 放置時 ん…何?別に時間を持て余している訳ではないぞ。あーそうだ、忙しいなぁ。 史実では艦隊決戦の機会がなく、暇を持て余していたからか コメント 最新の30コメントを表示しています。 ん、なっ・・・! い、いや、嫌いではない・・・。 クリック会話追加されてるね -- (名無しさん) 2014-02-09 17 18 24 改のみか -- (名無しさん) 2014-02-09 17 19 56 初めて大型艦建造を最低限の資源でしてみたら、やっと長門が来た。開発をお願いしてみたら、初めて46CM砲を引いた。先生お願いします状態。 -- (名無しさん) 2014-02-11 16 26 46 青葉もそうだけど、この船にも後の総理大臣・中曽根康弘が乗艦していた事があるんだとか -- (名無しさん) 2014-02-13 15 36 16 結婚後秘書クリック会話追加「大丈夫・・・私はあなたとともにある」 -- (名無しさん) 2014-02-14 18 43 58 ↑結婚したの!? -- (名無しさん) 2014-02-15 19 38 28 ↑↑羨ましいな。まだお迎えしてない。艦これのサービス提供中にお迎えできる自信が無くなった… -- (名無しさん) 2014-02-16 02 28 56 あきつレシピで回したら3回目で出た -- (名無しさん) 2014-02-16 11 26 48 誰でもいいから戦艦お迎えしたくて戦艦レシピ回したらまさかの長門。絶対長門は来ないと思ってた -- (名無しさん) 2014-03-15 23 50 33 430/30/630/30でテキトーに回したら提督就任1週間の俺に長門様が・・・ -- (名無しさん) 2014-03-21 09 21 44 戦艦レシピ3 -- (名無しさん) 2014-03-23 11 19 11 ↑途中upですみません。戦艦レシピ3回目でのご登場。提督lv9の俺にどうしろと。ひとまず放置ですみません。 -- (名無しさん) 2014-03-23 11 22 59 一回でたらすぐにダブった -- (名無しさん) 2014-04-29 16 32 40 司令部Lv93でも、まだ我が鎮守府に長門はおらず。出る提督と出ない提督のLv落差が凄そう。 -- (名無しさん) 2014-05-11 02 06 44 やっとケッコンカッコカリまできたわ。ケッコン(ry)時のセリフは目頭が熱くなるな -- (名無しさん) 2014-05-18 16 31 10 空母なしの編成にも関わらず、相手艦載機を全て叩き落とした長門さんの史実再現に腰抜かした -- (名無しさん) 2014-05-19 15 27 06 400/130/600/30で17:40頃 司令部L51、秘書艦はっちゃんL21、伊58L23,伊168L21、水母2共にL6、北上L6・・・妹むっちゃんは400/30/600/30で司令部L25でした -- (名無しさん) 2014-05-23 00 11 22 なんつ〜か姐さんが似合う戦艦も、武蔵を除けばいないよなぁ、艦これ限定で(踏んでください震え) -- (名無しさん) 2014-06-17 22 22 14 長門改二早く出ないかな~ -- (名無しさん) 2014-07-27 21 16 06 2014.10.3 「んっなぁ!?・・・い、いや・・・嫌いではない」 -- (名無しさん) 2014-10-03 01 03 36 2014.10.3 「んっなぁ!?・・・い、いや・・・嫌いでは//ない」 -- (名無しさん) 2014-10-03 01 04 29 二度と離しはしない…絶対に! -- (名無しさん) 2014-10-27 23 24 26 陸奥は比較的楽にゲットできるが… -- (名無しさん) 2014-11-24 23 20 15 長門さんのためなら資材を全て回そう -- (名無しさん) 2014-11-27 20 08 16 師匠と一緒に全てを取り返しにいきます。 -- (名無しさん) 2015-01-03 14 57 32 大勲位は佐藤大輔の創作じゃなかったか? -- (名無しさん) 2015-04-03 18 15 16 司令部レベル100にもかかわらず未だに来てくれないんですが、本当に実装されてるんですか?? -- (名無しさん) 2017-07-27 21 19 20 戦艦レシピで一番最初に出てファッ⁉︎てなった -- (名無しさん) 2020-12-03 18 37 57 大型建造最低値で出てきた! -- (すいか) 2021-07-05 01 38 11 大和より朝日戦艦の方が20ミリ装甲が分厚い -- (名無しの権兵衛) 2021-08-08 07 24 03 名前 コメント すべてのコメントを見る +外部リンク 外部リンク Wikipedia:長門 ニコニコ大百科:長門 +タグクラウド タグクラウド 艦娘 駆逐艦 軽巡洋艦 重巡洋艦 戦艦 装備娘 軽空母 睦月型 建造 潜水艦 朝潮型 球磨型 長良型 正規空母 特型駆逐艦 開発 千歳型 妙高型 暁型 川内型 吹雪型 高雄型 最上型 金剛型 伊勢型 白露型 小口径主砲 大和型 阿賀野型 陽炎型 航空戦艦 翔鶴型 祥鳳型 期間限定海域 装備 天龍型 利根型 飛鷹型 青葉型 大口径主砲 水上機母艦 扶桑型 応急修理要員 長門型 古鷹型 艦上戦闘機 間違った報告を入力したので消去 巡潜3型 任務 遠征 イオナ 綾波型 霧 三式潜航輸送艇 巡潜乙型 家具 ぷらずま 海大Ⅵ型a 巡潜乙型改2 島風型 魚雷 天城型 夕張型 中口径主砲 誤ったコメ投稿をしたため削除 +関連ページ 関連ページ 長門/コメント 練習ページ 改造Lv早見表 基礎知識 雑学(艦名) 俗語辞典 飛鷹 艦娘データ/初期装備 艦娘データ/Lv99/戦艦・航戦 データ_艦船 愛宕 2013-11月_期間限定海域 Bismarck 艦船/一覧 武蔵 大和 伊勢改 妙高 球磨 榛名 加賀 日向 伊勢 陸奥 雑学 データ_艦船2 艦船/一覧/海外艦 41cm連装砲 解体 データ_艦船3 データ_艦船21 艦娘一覧 データ_艦船1-50 ▼wikiレンタル代価広告
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【作品名】艦隊これくしょん -艦これ- 【ジャンル】オンラインゲーム 【世界観】「艦これ」ゲーム中には季節イベントがあり、それに合わせた艦娘達の着替えや発言がある。 (時間の推移はリアルと同じ) 「艦これ」ゲーム開始日は2013/4/23で、2017/4/23に「4周年」のイベントがあった。 (ゲーム中でも4年たっている) 2014/1/1に追加されたボイスで長門が「2014年か・・・胸が熱いな」と言っている (以上により、「艦これ」ゲーム中の年次は、リアルタイムと連動している。) 【名前】長門 【属性】艦娘 【年齢】80歳2ヶ月(2022.4.23現在) 【長所】ビッグ・セブン 【短所】一部でアナル弱そうとか言われてる 【備考1】艦これの年次は、リアルタイムと連動している(伊401参照) 【備考2】元ネタの戦艦の年齢を流用するのは不可。図鑑で「八八艦隊計画の第一号艦として生まれた、長門型戦艦のネームシップ、長門だ。 大和型が就役するまで、連合艦隊旗艦も務めていたさ。」と言っている。 大和型が連合艦隊旗艦に就役したのは1942/2/12以降で、 それまでの八八艦隊計画の第一号艦の長門型戦艦が就役していた1942/2/11にはいたことになる。 よって、艦娘長門の年齢は2022/4/23の時点で 2022/4/23-1942/2/11(生年カッコカリ)となり、 最低でも80歳2ヵ月。 vol.3 修正 vol.6 361 vol.6 414 vol.8 300 艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録 (カドカワデジタルコミックス) 艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録 弐 (カドカワデジタルコミックス) 艦隊これくしょん -艦これ- 電撃コミックアンソロジー改 佐世保鎮守府編21 はじめての鎮守府 艦隊これくしょん -艦これ- 佐世保鎮守府編 (電撃コミックスEX)
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基本データ 艦級:長門型戦艦1番艦 建造場所:呉海軍工廠 起工:1917年8月28日 進水:1919年11月9日 竣工:1920年11月25日 除籍:1945年9月15日 実装状況:サービス開始時点で実装済み長門・長門改 (外部リンク) 史実情報 オリジナル艦娘の状況 サービス開始時点で既に実装されていた艦である為か、2015年6月29日現在、それらしきイラストは確認できていない。 同型艦 長門型 長門 - 陸奥 関連項目 外部リンク Wikipediaにおける該当記事 名前
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長門じゃない長門 俺がいつものように部室へ行くと、見知らぬ人物がいた。 名前を訊くことにした。 俺「お前は誰だ」 ?「………長…」 俺「え?」 ?「…長門」 長門ぉぉぉぉぉぉ!?どう見てもあの知ってる長門じゃない。髪の色が血のような真っ赤な色で、長さは長門ぐらいか。そして眼が違う。 某アニメの死体みたいな感じだ。 有希「どうしてあなたがここにいるの」 古泉「いきなりいまして、びっくりですよ」 長門「逃げてきた」 古泉「ほう、それはなぜ?」 長門「僕は戦争が嫌い。たくさんの犠牲者を生み出す」 俺「でもよ、ここも危険だぜ。ハルヒという危険人物がいる」 ハルヒ「ちょ、それどういう意味!?」 俺「彼女は危険だ。だから、朝比奈さん、長門、古泉が側で観察してるんだ。いろいろあってね」 ハルヒ「あ、あたしはちがうわよ」 長門「ハルヒ……?それに、」 朝比奈さん「朝比奈でしゅ」 古泉「古泉一樹です」 有希「長門有希」 長門「長門……?」 俺「どうしたんだ、その血。すげえな。朝倉とでも戦ったのか」 長門「違う」 古泉「あの長門さん、どうしたのでしょうか」 有希「彼は、涼宮ハルヒと同じく、特殊な能力が備わっていると推測される。 特にあの眼、何かを感じる」 古泉「同意見です。あの輪のような形状の眼は、何かあるんでしょうか あの方は、戦争、争いごとが嫌いと言っていましたね。何かあったので しょう……」 有希「恐らく、友人関係の人間を亡くしたのが原因。戦争が起こらなかった ら、一般の人間だったと推測される」 ハルヒ「待って、まさか異世界人!?SOS団に入ってよ」 俺「そんなこと言ってる場合か」 ーーーーーここからキャラ崩壊注意ーーーーー 長門「時間…」 有希「現在17時29分52秒」 長門「19 30には帰らねばならない」 ハルヒ「ちょ…どうしてよ!」 長門「さっきお前が推測したとおり、異世界人」 朝比奈さん「じ、じゃあ明日は会えないのですか?」 長門「………………」 しばらくして、口を開く。 長門「ある番組に出なければならない。だから、さらば」 長門は朝倉のような消え方をしている。もう上半身しか見えない。 ハルヒや朝比奈さんは泣き出した。古泉や有希も哀しげな表情だ。こりゃめずらしい。 ハルヒ「んもう!せっかく男前の異世界人が来たというのにっ!」 朝比奈さん「グス……かっこよかったのに…お別れなんて…そんなn」 長門「涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹、長門有希、そして、キョン。悲しむな。放映物体で会えるだろう。涼宮ハルヒ、朝比奈みくる…泣くな……」 そう言い残すと、消えていった。放映物体って、テレビか? 家に帰ると、妹がテレビを見ていた。すると、彼、長門の姿が。 部室に来たときみたいに、血だらけだった。そして、笑顔を見せている。 その隣に、オレンジと青紫の髪の死体があった。 長門……… 自然と涙があふれていた。 みなさんは解りましたか? ーーーーーーーーー完ーーーーーーーーー
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長門じゃない長門 俺がいつものように部室へ行くと、見知らぬ人物がいた。 名前を訊くことにした。 俺「お前は誰だ」 ?「………長…」 俺「え?」 ?「…長門」 長門ぉぉぉぉぉぉ!?どう見てもあの知ってる長門じゃない。髪の色が血のような真っ赤な色で、長さは長門ぐらいか。そして眼が違う。 某アニメの死体みたいな感じだ。 有希「どうしてあなたがここにいるの」 古泉「いきなりいまして、びっくりですよ」 長門「逃げてきた」 古泉「ほう、それはなぜ?」 長門「僕は戦争が嫌い。たくさんの犠牲者を生み出す」 俺「でもよ、ここも危険だぜ。ハルヒという危険人物がいる」 ハルヒ「ちょ、それどういう意味!?」 俺「彼女は危険だ。だから、朝比奈さん、長門、古泉が側で観察してるんだ。いろいろあってね」 ハルヒ「あ、あたしはちがうわよ」 長門「ハルヒ……?それに、」 朝比奈さん「朝比奈でしゅ」 古泉「古泉一樹です」 有希「長門有希」 長門「長門……?」 俺「どうしたんだ、その血。すげえな。朝倉とでも戦ったのか」 長門「違う」 古泉「あの長門さん、どうしたのでしょうか」 有希「彼は、涼宮ハルヒと同じく、特殊な能力が備わっていると推測される。 特にあの眼、何かを感じる」 古泉「同意見です。あの輪のような形状の眼は、何かあるんでしょうか あの方は、戦争、争いごとが嫌いと言っていましたね。何かあったので しょう……」 有希「恐らく、友人関係の人間を亡くしたのが原因。戦争が起こらなかった ら、一般の人間だったと推測される」 ハルヒ「待って、まさか異世界人!?SOS団に入ってよ」 俺「そんなこと言ってる場合か」 ーーーーーここからキャラ崩壊注意ーーーーー 長門「時間…」 有希「現在17時29分52秒」 長門「19 30には帰らねばならない」 ハルヒ「ちょ…どうしてよ!」 長門「さっきお前が推測したとおり、異世界人」 朝比奈さん「じ、じゃあ明日は会えないのですか?」 長門「………………」 しばらくして、口を開く。 長門「ある番組に出なければならない。だから、さらば」 長門は朝倉のような消え方をしている。もう上半身しか見えない。 ハルヒや朝比奈さんは泣き出した。古泉や有希も哀しげな表情だ。こりゃめずらしい。 ハルヒ「んもう!せっかく男前の異世界人が来たというのにっ!」 朝比奈さん「グス……かっこよかったのに…お別れなんて…そんなn」 長門「涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹、長門有希、そして、キョン。悲しむな。放映物体で会えるだろう。涼宮ハルヒ、朝比奈みくる…泣くな……」 そう言い残すと、消えていった。放映物体って、テレビか? 家に帰ると、妹がテレビを見ていた。すると、彼、長門の姿が。 部室に来たときみたいに、血だらけだった。そして、笑顔を見せている。 その隣に、オレンジと青紫の髪の死体があった。 長門……… 自然と涙があふれていた。 みなさんは解りましたか? ーーーーーーーーー完ーーーーーーーーー