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長月の菊 「」にて登場したNPC 菊 貫(つらぬき) 長月札 特徴:好青年 名前の由来:9月の別称「貫月(かんげつ)」から
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このページはこちらに移転しました 長月の葉 作詞/あくし 沈黙のせせらぎ 冷淡な風 日輪為(な)り 顰(ひそ)め在りて 白露輝きし 柔らかな午後 緑→赤(りょくからあか) 着飾りましょう? さざめく雑踏蹴散らし飾り 雲の綻びに瞠目 「え…ちょ…嘘だと言ってwww」 身を焼く視線燃える様に 赤くなるのを感じた 切なく顔を隠しながら そっと枝から離れた 「ちょwwwテラハズカシスwwwっうぇwwwっうぇwww」
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「長月の夜」 進行中のページです 進行状況 ; オケ版完成 オルゴール版作成中? 最新ファイル; http //www8.uploader.jp/dl/rs_mizuki/rs_mizuki_uljp00002.mp3.html(Mizuki版;オルゴール) 【タイトル】『長月の夜』 【作詞】 Julie氏 (2-575) 【作曲】 choiX氏 【アレンジ】 Kuro氏 【ボカロ】 Mizuki氏 (2-602氏 より改名) 【イラスト】 sena氏 【動画】 choiX氏 作品別スレ http //www2.atchs.jp/test/read.cgi/vocalogojokai/17/ 抱擁の後の 静かな時間 閉じたまぶたに おやすみのキス 夢の中でも 傍にいよう 君が そう望むなら 「ときどき怖い夢を見るの」 まどろみの中で つぶやく声が かすかな寝息に変わった今も 君は未だ 震えているの? はじまりの秋に 銀の月 優しく過ぎてゆく あおい夜 夢の中でも 傍にいよう 君が そう望むなら 「夢の中でも手をつないでね」 更新履歴 2007/12/26 (2-575)歌詞投下 (Julie) 2007/12/27 (2-581)メロ (choiX) http //www.yonosuke.net/u/7c/7c-27168.mid 2007/12/27 (2-583)オケ案 (kuro) http //www.yonosuke.net/u/7c/7c-27173.mp3 2007/12/28 (2-602)ボカロ参入 (2-602) http //www.yonosuke.net/u/7c/7c-27219.mp3 2007/12/30 (2-602)ボカロ http //www.yonosuke.net/u/7c/7c-27328.mp3 2007/12/30 (kuro)アレンジ http //www.yonosuke.net/u/7c/7c-27348.mp3 2007/12/31 (kuro)本線 http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-or1_2.mp3 別アレンジ(オルゴール版)http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-or1_2oli.mp3 2008/01/01アレンジ修正 http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-oks2-8.mp3 2008/01/03ミク声サンプル (2-206?2-602)http //www.yonosuke.net/u/8a/8a-27528.mp3 アレンジ修正 (kuro)http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-oks2-17.mp3 作業用カラオケ版http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-oks2-17-1.mp3 サンプル合成版http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-oks2-17-test1.mp3 2008/01/04ミク声修正版 (2-602 改め MIzuki)http //www8.uploader.jp/dl/rs_mizuki/rs_mizuki_uljp00001.mp3.html オルゴール版(MIzuki)http //www8.uploader.jp/dl/rs_mizuki/rs_mizuki_uljp00002.mp3.html 2008/01/05オケ版修正 (kuro)http //www.yonosuke.net/u/8a/8a-27652.mp3 再修正 (kuro)http //www.yonosuke.net/u/8a/8a-27684.mp3 2008/01/06修正 (kuro)http //www.yonosuke.net/u/8a/8a-27710.mp3 2008/01/08更に修正 (kuro)http //www.yonosuke.net/u/8a/8a-27829.mp3 2008/01/09ミク声修正 (Mizuki)http //www8.uploader.jp/dl/rs_mizuki/rs_mizuki_uljp00006.mp3.html バランスに関する提案 (Mizuki) http //www8.uploader.jp/dl/rs_mizuki/rs_mizuki_uljp00007.mp3.html 2008/01/14 (kuro)re-mix 音量修正版http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-re-mix1_16.mp3 2008/01/15 (kuro) とりあえずオケ↑のを3種類作ってみますた(;^_^A http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-re-mix1_22.mp3 http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-re-mix1_23.mp3 http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-re-mix1_24.mp3 2008/01/16 (kuro) 23と24のオケボリューム真ん中版です(;^_^A http //sbsd.hp.infoseek.co.jp/tukiyo-re-mix1_29.mp3 2008/01/17 (choiX) 長月動画に使う絵柄についての提案 (イラスト;sena) http //www6.uploader.jp/dl/choiX/choiX_uljp00024.jpg.html http //www6.uploader.jp/dl/choiX/choiX_uljp00025.jpg.html 2008/01/19 (choiX) フル版動画テスト(容量制限のため低画質) http //www6.uploader.jp/dl/choiX/choiX_uljp00029.flv.html 2008/01/20 (choiX) 窓枠付だと、こんなイメージですかね? http //www6.uploader.jp/dl/choiX/choiX_uljp00030.jpg.html 2008/1/29 FULL版をウp http //www.nicovideo.jp/watch/sm2167817
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長月のん 俺は神になることを望んだ 主は現世へ発現する器として俺を選んだ 俺は受け入れる 互いの願いは交差している 俺が望む全てではない だが確かに一点で交わっている そのために受け入れる 人から神と化すための儀式 偉大な力が必要であった その源こそが神である 「神は存在してはならぬ。」 神は言う。 「神は人に救いを与えず、また罰を与えることもあってはならぬ。」 確かに現世に神は存在していなかった。 人々は救いを求め神に祈り、苦痛の果てに力尽きる。 ならば問う。 「神はなぜ存在している?」 神は答える。 「私は存在ではない。私は、人々の意識が共有する核にすぎない。」 俺は言う。 「人々の意識が救いの象徴を築き上げるのなら、それはあるべきものとして存在せねばならない。 神が降臨することが人々の願い。そして俺が存在することこそがその証明だ。 神が降臨したとき不完全な神は人々の意識から、そしてここからも消えるだろう。 俺はもう行く。せいぜいお叱りの手紙でも出してこられよ。遺書として保管させておこう。」 俺は現世へと降り立った。 神(私がいうところの「不完全な神」)は人々の意識の集合体のようなものだ。 特に信仰心が強い一部のものは、その集合体に深く干渉し力を自在に操ることができると主は仰った。 俺は一人、歩き出した。
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長月の暦龍王 ジューゴジャヴァイヤー P 水/闇 (12) クリーチャー:カレンダース・ドラゴン/スピリット・クォーツ/デスパペット 12000 ■このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにある水と闇のカードのマナは2になる。 ■T・ブレイカー ■スレイヤー ■このクリーチャーを自分の墓地からコストを支払って召喚してもよい。 ■このクリーチャーが出た時、カードを3枚引く。 作者:翠猫 カレンダース・ドラゴン?とスピリット・クォーツとデスパペットを種族に持つ。 コスト12、パワー12000。召喚時水と闇のカードのマナを2にすることができる。そのため最低6コストで召喚できる。 墓地から召喚でき、登場時にカードを3枚ドローするスレイヤー。 元ネタは無論9月。モチーフは9月の誕生石「サファイア」。 フレーバーテキスト 慈愛、誠実、徳望を司る青色の龍。 関連 《睦月の暦龍王 キンガーネイド》 《如月の暦龍王 バレンジスト》 《弥生の暦龍王 アカマルギオン》 《卯月の暦龍王 ニューガイアモンド》 《皐月の暦龍王 エメラルタンゼク》 《水無月の暦龍王 バイムーン》 《文月の暦龍王 ルヴィーナヴァタ》 《葉月の暦龍王 ボリッド》 《長月の暦龍王 ジューゴジャヴァイヤー》 《神無月の暦龍王 ハロウパーリン》 《霜月の暦龍王 トパゴザン》 《師走の暦龍王 ラピスクロスラズ》 《9月》 評価 名前 コメント
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ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) ふたば系ゆっくりいじめ 400 あるゆっくりできない2匹の一生 ふたば系ゆっくりいじめ 441 てんこがゆっくりするSSさん ふたば系ゆっくりいじめ 457 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ ふたば系ゆっくりいじめ 476 ゆっくりを愛でてみた 「餡子ンペ09」 ふたば系ゆっくりいじめ 511 れいむと幸せを呼ぶ金バッジ 「餡子ンペ09」 ふたば系ゆっくりいじめ 528 としあき博士のれいぱーありす矯正計画 「餡子ンペ09」 ふたば系ゆっくりいじめ 624 あるてんこの一生 メスブタの群れ 絵 「餡子ンペ09」 ふたば系ゆっくりいじめ 653 あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) 「餡子ンペ09」 ふたば系ゆっくりいじめ 679 あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) 絵×2 「餡子ンペ09」 ふたば系ゆっくりいじめ 816 誰も救われない話 絵 ふたば系ゆっくりいじめ 904 あるババ・・お姉さんの結婚 ふたば系ゆっくりいじめ 939 もらうぞ ふたば系ゆっくりいじめ 1007 めすぶた祭り 絵 ふたば系ゆっくりいじめ 1103 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 絵×2 作者別ページに戻る トップページに戻る
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―長月の頃― 【9月8日 白露】 月が変わったとは言え、まだまだ残暑の厳しい9月の初め。 部屋の窓を全開にしても、吹き込んでくる風は、若い柔肌に汗を誘う。 エアコンのない柴崎家にあっては、尚のこと。 風の通りのよい二階に居ても、陽光照りつける日中は、決して涼しくはなかった。 「うぁ~。あっちぃですぅ~」 白露と言えば、二十四節気のひとつ。 いよいよ秋の気配が強くなり、野原にも露が降り始める頃を指している。 ――のだが。 「あーもう。暦の上じゃ秋なんですから、もちっと涼しくなりやがれってんですー」 「まぁた、無茶苦茶なことを」 だらしなく椅子にもたれて、ウチワで首筋を扇ぎながらブチブチ言う姉に、 蒼星石は溜息まじりの苦笑を漏らす。 そして、スーツケースに荷物を詰めていた手を休め、翠星石と目を合わせて続けた。 「キミは髪が長すぎるから、余計に暑く感じるんじゃないの? 思い切って、ボクみたいに短くしてみたらいいのに」 「やーですぅ。髪は女の子にとって、特別な意味を持つものなのですから。 切るとしても、それなりに踏ん切りのつけられる理由がなきゃダメですぅ」 「まあ……そうだよねぇ」 変身願望と言うものは、男女の別なく、誰もがココロに描く憧れである。 筋骨隆々とか、頭脳明晰とか、容姿端麗とか…… それは大概において、本人のコンプレックスの裏返しなのだが、では―― いざ、その夢を実現させるために、躊躇いなく行動できる人間は、何人いるだろうか? もしくは、夢かなうまでの長い努力を、不屈の精神で継続できる人間は、何人いる? おそらく、なんのキッカケも無しに動ける者は、殆ど居ないだろう。 なぜならば、誰しも自分を変えることには、多少なりとも抵抗を感じるからだ。 今まで形づくってきた自己の価値観とか、生活スタイルとか…… 慣れた人生に浸り、守りながら生きるほうが、よっぽど楽だと知っているから。 自分を変えてみたい欲求はある。でも、自業自得というリスクは背負いたくない。 だから、誰か――あるいは何か――の強い後押しを、ひっそりと待っているのだろう。 失敗しても、その責任を転嫁できる口実の登場を。 蒼星石にも、やはり、そんな口実を探していた時期があった。 それもこれも、翠星石の存在があったればこそだ。 いつも。いつでも。 この世に産まれ落ちる前から、彼女たちは2人で1人―― そそっかしいくて、泣き虫だけれど……ここ一番では頼りになるお姉ちゃん。 蒼星石にとって、翠星石はアイドルのような、憧れの存在だった。 だから、仕種も、容姿も、服装も、すべてにおいて翠星石の真似をして。 もう1人の翠星石を演じるだけで、蒼星石は満足だった。 その気持ちが揺らぎ始めたのは、中学生に上がって間もない頃。 蒼星石の身体に、女の子としての変化が表れだすにつれて、 彼女のココロにもまた、不可思議な感情が生まれていた。 それは奇妙な――そうとしか喩えようのない、胸のざわめき。 いままで心地よく思えていた姉の存在が、徐々に疎ましくなり始めて―― 姉と同じであることに、肌のざらつく気持ち悪さを感じるようになっていた。 何故、そんな風に思ったのか、いまの蒼星石には解っている。 姉に憧れながらも、姉とは違う存在になりたいと…… 翠星石の半身なんかじゃない、本当の自分自身になりたかったのだ、と。 自分のことを『ボク』と言うようになったのも。 姉と同じくらい長かった髪を、スッパリと短くしたのも。 すべては、あの思春期の頃に、蒼星石が望んで変えた姿だった。 「――うん。やっぱり、姉さんは、そのままの方がいいよ」 「ですぅ。ずぅっと伸ばしてきた、自慢の髪ですからねぇ。 今となっちゃあ、私のトレードマークみてぇなもんですぅ」 「確かにね。真紅や雪華綺晶たちみたいに、髪の長い娘は何人か知ってるけど、 姉さんほどは目立ってないかなぁ」 「ふふーん。自画自賛じゃねーですけど、これぞ究極の女の子ってヤツですかねぇ」 「いや、それ……まんま自画自賛でしょ」 やれやれ、と。 蒼星石は頭を振って、またスーツケースに服を詰め始めた。 彼女は明日、朝の便で、オディールと一緒に、留学先に戻る予定だ。 それが、もがいて、あがいた結果に、自分で選んだ道。 姉の半身ではない、蒼星石という、1人の女の子としての生き様だから。 黙々と旅支度を調える妹の横顔を、翠星石は眺めていた。 その眼差しは、やはり寂しげだ。 別れは、いつだってココロに空虚な穴を穿つ。 その隙間が埋まる分だけ、人は涙を流し、あるいは言葉を費やすのだろう。 「蒼星石――」 呼びかけた声は重く。 こんな滅入った気分ではダメだと、翠星石はウチワを放り投げて、破顔した。 「蒼星石だって、も少し髪を伸ばせば、カワイイ女の子になるですよ。 子供の頃は、私と同じくらい長くしてたじゃねーですか」 「小学校までは、ね」 双子の姉と同じことをする――それが、幼少の蒼星石には、当たり前のことだった。 彼女のことが大好きだったから。 翠星石のようになりたいと、本気で思っていたから。 でも……。 どんなに真似したって、蒼星石は、翠星石にはなれない。 鏡に写る姿は、夢の偶像。所詮、影は影。 「一度、ショートに慣れちゃうとさ、このほうが楽になっちゃって。 ロングにすることは、当分ないと思うなぁ」 「ふぅん……勿体ねぇですぅ」 「ま、気が向いたらね」 あらかた荷物をしまい終えると、蒼星石は両腕に体重を載せ、 二度、三度と押し込むようにスーツケースを閉じた。 「さて、と――こんなトコかな」 蒼星石は、汗の滲んだ額を手の甲で拭いながら、翠星石に笑顔を向けた。 「姉さん。ちょっと、散歩にでも行かない?」 「はぁっ? なに言い出すですか。この炎天下に、わざわざ……」 「だからこそ、だよ。日本の夏を、しっかり憶えておきたくてね」 勿論、それだけの目的ではない。 今朝方から、ずっと眉を曇らせっぱなしの翠星石を、元気づけたかったのだ。 それは、もうすぐ訪れる別れの時を、より残酷なものにするだけかも知れないけれど…… それでも―― やはり、この世でたった独りの、双子のお姉ちゃんだから。 手を差し伸べずには、いられなかった。 姉妹は、お揃いの麦わら帽子をかぶって、近所の公園へと向かった。 子供の頃からの、お決まりの遊び場だ。 9月というのに、焼けたアスファルトから陽炎が、ゆら、ゆら。 まっすぐに続く道の先に、逃げ水が見える。 でも、生き物たちは確実に、季節の移ろいを知っているらしい。 真夏には、夜中でも喧しく鳴いていたセミの声も、すっかり疎らだ。 代わって目に付くのが、トンボの群。 キラキラと光を跳ね返すマンホールを、水たまりと勘違いしているのか、 つがいのアキアカネが、頻りに尻尾でチョンチョンと突っついていた。 「なんだか、不思議な感じがするね」 蒼星石は立ち止まると、麦わら帽子のつばに指をかけて、まっすぐに前を見つめた。 隣を行く翠星石も、怪訝そうな面持ちながら、妹と同じ所作をする。 「なにが、です?」 「いや……この道って、こんなに狭かったかなぁって。 以前はもっと街全体が、広く感じられたものだけれど」 「うーん? 私は毎日のコトですから、代わり映えしないですけどぉ」 「気のせいなのかな。ボクには、世界が縮んだように感じられるよ」 どうして、そう思えるのだろうか。 海外で暮らすようになって、蒼星石の精神面も、世界規模に広がったから? それとも、ただ久しぶりだから、錯覚しているだけ? 考えてみても、よく解らない。 どちらとも言いきれないなら、多分、どちらも正解なのだろう。 蒼星石は、そう結論づけて、また歩き始めた。 公園に着くと、蒼星石の錯覚は、さらに増した。 ジャングルジムなどの遊具の数々、遊歩道の幅、公衆トイレなどの建物―― いずれも、記憶の中にあるものより、ずっと小ぶりだった。 そう感じるのは、周りの樹木が大きく育ったからだけではあるまい。 「蒼星石ぃ~。どこか、木陰のベンチで休むですぅ~」 間延びした声に振り返れば、汗をビッショリかいた翠星石の、恨めしそうな顔。 だから散歩なんてイヤだったのに! と、目が物語っている。 「わ、凄いね。姉さんって、そんなに汗っかきだったっけ?」 麦茶の飲み過ぎなんじゃないのと茶化しながら、蒼星石は自分のハンカチで、 翠星石の顔を拭いてあげた。 「公園のベンチだと、蚊がいるよ。 そうだ。あの喫茶店、まだやってるの? 久しぶりに行ってみたいんだけど」 「まだ潰れてないです。それじゃ、さっさと行くですよ!」 クーラーの効いた店内を思い浮かべたらしく、翠星石は蒼星石の手を掴むなり、 スカートの裾を翻しながら、勢いよく駆け出した。 その喫茶店は、2人が高校生の頃、よく寄り道した思い出の場所だった。 白崎というマスターとも、すっかり顔なじみで、よくサービスしてもらっていた。 ドアを開けば、カウベルの音が出迎えてくれる。 それを聞きつけて、カウンターの中に居た黒髪の青年が顔を上げ、にっこりと目を細めた。 この店のマスター、白崎だ。 「いらっしゃ……おや? これはこれは、珍しいお客さんだ」 「こんにちわ、マスター。ご無沙汰してます」 姉妹が窓辺のテーブルに着いてすぐに、白崎がお冷やのグラスを持ってきた。 グラスをお気がてら、彼は蒼星石を見て、ふむ……と唸った。 「暫く逢わない内に、すっかり大人びたねぇ」 「え? そう……かな?」 「見違えましたよ。どうです、留学先の居心地は?」 「相変わらず、言葉の壁には悩まされっぱなしですけど、やっと慣れてきたかなって感じで」 「いい経験だね。そういう苦労は、自由に立ち回れる若い内にこそ、しておくべきだよ」 などなど。白崎と蒼星石は、懐かしさもあってか、和やかに話を弾ませる。 面白くないのは、ひとり放っておかれている翠星石である。 そんな2人の会話に、イライラと口を挟んだ。 「世間話は、大概にするですよ! さっさと注文を訊きやがれってんです」 「おっと、これは失礼。お客が少なくて、暇してたものでね。 それでは、お嬢様がた。ご注文をどうぞ」 それから夕暮れまで、涼しい喫茶店で快適な時間を過ごして。 帰宅の途中、オレンジ色に染まる町を並んで歩きながら、翠星石は、 「さっきは、みっともない真似しちまったですね」 言って、右隣を行く妹の手を、ギュッと握った。 蒼星石は「ん?」という顔をして、翠星石の様子を窺う。 「それって、マスターに文句を言ったことかい?」 「――ですぅ」 「大して気にしてないと思うけど。あの人、かなり図太い神経してそうだし」 「……そうですけどぉ」 「今度また行ったときに、謝ればいいじゃない。さ、帰ろうよ」 「は、はいですぅ」 交わされた言葉は、それっきり。 2人は手を繋いだまま、夕日を背に受け、足元から伸びる長い影を眺めて歩いた。 子供の頃から、ずっと……そうしてきたように。 その夜には、蒼星石とオディールの送別会が、ささやかに催された。 若い娘が3人もいると、場の雰囲気も、自然と若々しくなる。 そこに、酔った祖父・元治がテンションの高い冗談を連発するものだから、 パーティーは笑顔(苦笑も含めた)の絶えない賑やかさだった。 でも―― やはり、その席でも、翠星石はココロから笑えずにいた。 時間は容赦なく過ぎていって、日付を変える。 明かりを消した部屋に、ごそごそと響く衣擦れ。 翠星石はベッドの上から、床に敷いた布団に横たわる人影に、囁きかけた。 「蒼星石……もう寝ちゃったですか?」 「……ううん、起きてるよ。なかなか眠れなくてね」 「私もです」 言うが早いか、翠星石は起き出して、蒼星石の隣に添い寝した。 そして、こつん……と、妹の右肩に額を当てる。 蒼星石は、掛けていたタオルケットを脇に除けて、寂しがりな姉と向き合った。 「やれやれ。ホントに甘えんぼだね、キミは」 「なっ! 子供扱いすんじゃねーですよ」 ムキになって言い返すものの、いつもの翠星石らしい勢いはない。 夜闇の中で、そっと伸ばした手を、蒼星石の手に重ねて。 お互いの鼻先がくっつくくらいの距離で、静かに、息を混ぜ合わせるように、囁く。 「仕方ないですよ。蒼星石が、また遠くに行ってしまうと思うと―― こうして触れ合えなくなると思うと、胸が切なくて、堪らなくなるです」 その声も、だんだんと嗚咽まじりになってゆく。 泣き虫で、怖がりで、すぐ妹の背に隠れてしまう女の子。 それなのに、ここぞという時は、迷わず蒼星石の腕を引っ張ってくれた、お姉ちゃん。 いつだって翠星石は、精神的に背伸びをしてまで、蒼星石のことを気にかけてくれていた。 まるで、亡くなった母親の代わりを、務めようとするかの如くに。 「蒼星石は、頑固で意地っ張りで……いつも独りで進んでいってしまうから。 こうして、いつも手を繋いでいないと見失ってしまいそうで……とても怖いのです」 翠星石は一度すすり上げて、妹の頬を、愛おしげに撫でた。 そんな姉の手の上に、さっきとは反対に、蒼星石の手が重ねられる。 「でも、私には、蒼星石を引き留めるコトはできないです。 だって――貴女は決して、自分で決めた道から逃げたりしないから。 そして、そんな蒼星石こそが、私の大好きな蒼星石なんですから」 大好き―― 翠星石の唇から紡がれるその一言が、いままで、どれほどの勇気を与えてくれたことか。 遠い異郷にあって、どれだけココロの支えになっていたことか。 不意に、目頭が熱くなるのを感じた蒼星石は…… 頬に触れていた姉の手を、壊れ物を扱うように優しく握り、そっと引き剥がした。 「ありがとう、姉さん。いつでも、ボクを信じてくれて」 「当たり前です。どんなことがあっても、私は蒼星石の味方ですよ」 「優しいね、キミは。大好きだよ……翠星石」 彼女のことを名前で呼んだのは、何年ぶりだろうか。 蒼星石は、自分でも驚くくらい素直な気持ちで、姉の名を口にして―― ――胸にこみ上げる想いに従って、翠星石の額に口づけていた。 「あ…………蒼星石……イヤ」 「イヤだった?」 「だって……その……おでこだけ……なんて」 尻すぼみな翠星石の声を聞いて、蒼星石は口元を綻ばせた。 恥ずかしがりながらも、大胆なことを言う彼女が、なんとも可愛らしい。 「じゃあ、次は――」 囁いて……蒼星石は、もう一度、顔を近づけた。 夜闇の中、ふたつの影が重なり合う。 今度は、翠星石が文句を言うことはなかった。 彼女の唇は、蒼星石によって、しっかりと塞がれていたから。 「あーあ、行っちゃったのよー」 雛苺は、額に手を翳しながら、蒼穹の彼方へ消えゆく機影を見つめている。 その隣で、翠星石も同じポーズを取っていた。 旅立つ蒼星石とオディールを、空港まで見送りに来たのは、雛苺と翠星石だけ。 祖父母は時計店のことがあるし、友人たちも、なかなか都合がつかず。 それでも、友人たちは昨夜の内に電話で見送りに行けないことを謝ると同時に、 エールを送ってくれていた。 「翠ちゃん、またお正月まで寂しくなるけど、クヨクヨしてばかりじゃダメなのよ」 「クヨクヨなんて、するワケねーです」 「え~? 泣きたいときは、ガマンしなくてもいいのよ。 さあ! ヒナの胸に、どーんと飛び込んでこいなのっ!」 大まじめな顔で言う雛苺。対する、翠星石の返事は素っ気ない。 「おバカ苺。私は、おめーみたいな泣き虫とは違うですぅ」 「ふぅん。二度目ともなると、強くなるのね~。 去年はもう、周りの迷惑も気にしないで、泣きじゃくってたのに~」 「うっせーです」 むぎぎ……。 やおら、翠星石は雛苺の両の頬を摘んで、顔が変わるほど捻りあげた。 「ふ、ふいひゃん! いひゃい! いひゃい!」 「いーっひっひっひっ! おバカなこと言った罰ですぅ」 「ひゃ、ひゃめてなのーっ!」 「しゃーねぇですね。このくらいで勘弁してやるですか」 翠星石の魔手から解放されるや、涙目の雛苺が猛然と食ってかかってきたが、 そんなものは、どこ吹く風。 再び、晴れ渡った空を、振り仰いだ。 蒼星石を乗せた飛行機は、とっくに見えなくなってしまったけれど…… しかし、翠星石は悲しくなかった。 本当に想いが繋がっていれば、確かなものなど必要ない。 どれほどの時間、どれほどの距離が2人を引き離そうとも、信じていられる。 それが、解っていたのだから。 「蒼星石……次も、その次も……きっと元気に帰ってくるですよ。 私も、おじじ達も、みんなが待ってるですから」 祈るように呟いて、踵を返す。 ふくれっ面の雛苺が立ちふさがるが、キニシナイ。 たちまち彼女のアタマを小脇に挟み込んで、翠星石は歩き出した。 じゃれあう乙女たちの背中を、爽やかな風が、優しく押す。 それは仄かに、季節の変わり目を匂わせていた。
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夢をみた。 闇の中に佇む一人の少女がぼんやりと見える。 ねえ、何をしているの? 私? 私は・・・・ 「のんちゃんだよぉ」 「ハッ?!」 珍しく目覚まし時計よりも早く起きた。 いや、もう珍しいとは言えないかもしれない。 一昨日からだ。 健全な男子高校生であるはずの俺の夢が、あの謎の女に侵されはじめたのは。 最初はすすり泣く声が聞こえた。 どうしたの?大丈夫? 「寂しい・・・」 寂しい?友達は?家族は? 「いないの・・・ みんなアイツに・・・ アイツにトラレチャッタ」 次の日は笑っていた。 どうしたの?どうして笑ってるんだ? 「決まったの」 決まった?何が? 「お前・・・私の下僕になりなさい」 全く意味がわからなかった。 「夢に女の子がでてきて悩んでる」なんて他言した日には、変態のレッテルが貼られることは間違いない。 誰かに相談するわけにはいかない。 とにかく学校に行かなければ。 夢に日常が破壊されてたまるか。 俺は健全な男子高校生で、恐らく試験が近いストレスから変な夢を見ているにすぎない。 そうして俺は、いつものように学校へ向かった。 これが世界の終わりだと、どうして気がつかなかったんだろう。 「おーす、おはよう村田」 「よ、鈴木」 俺の名前はゾーマ村田。 いつも気安く挨拶してくるのがムドー鈴木だ。 なんだかんだで中学から同じクラスだしギター部ではいつもコンビを組んでいる。 腐れ縁というやつかな。 一緒に教室に向かうと、いつもより騒々しい空気を肌で感じた。 「あれ?今日なんかあるのか?」 「なんだ知らないのか。転校生だよ。しかも女の子らしいぜ!」 女の子か・・・ いかんいかん、俺は健全な男子高校生。 不健全な事を考えるな・・・ チャイムが鳴り席につく。 噂は本当だったらしく、いつも遅刻してくる担任が引き締まった顔で入ってきた。 「えー、今日は新しいクラスメイトを紹介する。どうぞ」 カタ・・・と静かに緊張した面持ちで教壇に上がった短髪で背の低い童顔の少女は、 どこか見覚えがあった。 小さい頃に会ったかな?幼馴染なんていないし・・・ 「はじめまして。長月といいます。よろしくおねがいします」 凛と澄んだ声で軽く自己紹介を済ませると、男子の一部から歓声が漏れ出た。 「かわいい・・・!」 「幼女じゃないのに・・・」 「これはありだな」 軽く礼すると、こっちに向かって歩いてきた。 「隣の席すわるね。よろしく、村田くん」 あれ?何で俺の名前を・・・ 「あ、ああ」 差し出された手を取る。 今時初対面の挨拶で握手はどうかと思うし、クラスの男子から殺気に似た視線を感じる。 「あの・・・離してもらっていいですか?」 「あっ!ごめんなさい!」 頬を赤らめ手を引っ込める姿に、不覚にも萌えてしまう。
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―長月の頃 その2― 【9月9日 重陽】 相も変わらずの強い日射しが、露わな乙女たちの柔肌を、容赦なく炙る。 その炎天下を、怠そうに並んで歩くのは、翠星石と雛苺。 乾く間もなく汗が滲み、濡れた薄手のシャツが、背中に貼り付いていた。 けれど、彼女たちの一挙一動が精彩を欠く理由は、暑さばかりではない。 なにより大きな影響を及ぼしていたのは、重たく沈んだココロ。 フランスに発つ蒼星石とオディールを見送った、その帰り道―― 翠星石は、足元の濃い影に目を落としつつ、時折、力の抜けきった息を吐く。 祭りの後にも似た空虚と、喪失感。 空元気さえ絞りだせないほど、彼女の気力は萎えていた。 雛苺もまた、そんな翠星石の心境が解ってしまうだけに、胸を痛めていた。 どうにかして元気づけてあげたい。でも、どうすれば喜んでもらえるのか。 乗り継ぐ電車の中でも、あれこれ話題を振ってはみたけれど、会話は弾まず。 雛苺の努力も虚しく、こうして、住み慣れた街へと戻ってきてしまった。 「うよ?」 それでも、根気よく話題を探し求めていた雛苺の瞳が、よさげなモノを捉える。 見ず知らずの民家。その広く日当たりのよい庭に並ぶ、いくつもの鉢植え。 青々とした葉の鮮やかさが、見る者の眼を奪う。 いずれの鉢にも丈の長く伸びた茎と、蕾らしきモノもついていた。 「ねえねえ、翠ちゃん。あれ、なーに?」 「……ん? どれですぅ?」 「お庭に、いーっぱい植木鉢が置いてあるのよ」 「ああ――」 雛苺が指差す先を見遣って、翠星石が得心顔をする。 「あれは、キクですよ。観賞用の、大輪の花が咲く種類です」 言って、翠星石は、今日が五節句のひとつ『重陽』であることを思い出した。 正確には、旧暦の9月9日――現在の暦では、10月中旬から後半頃にあたる。 キクの開花する時分と重なることから、キクの節句とも呼ばれてきた。 「大輪って、どのくらい? いつ咲くなのー?」 「ん~。品種にもよるですけどぉ……だいたい、このくらい……ですかねぇ」 と、翠星石は両手で、直径10センチほどの円を形づくって見せた。 「咲くのは、あと一ヶ月ほど後ですぅ」 こと草花に関する翠星石の造詣は、博士号を与えてもいいくらいである。 円転自在。植物について語るときの表情は溌剌として、実に愉しげだ。 好きこそものの上手なれ、と言うように、好きだからこそ蘊蓄も深まるのだろう。 やっと、いつもの彼女らしさを見られて、雛苺も嬉しくなった。 「わぁ楽しみ。そんなに大きなお花だったら、きっと食べ応えがあるのよー」 「はあ? おめーは、ホントに食い意地が張ってるですねぇ」 気をよくし過ぎて、翠星石に呆れられるのは、毎度のこと。 「食用のキクは、また品種が違うです。きっと、品評会とかに出品するですよ」 「ほえ~、そうなんだぁ。にゃははは……知らなかったなの」 「来月の今頃に来れば、ちらほら咲き始めてるかもです」 「なんかヒナ、わくわくしてきたのよー」 「また見に来ればいいです。ほれ、もう行くですよ」 ずっと日なたに突っ立っていたら暑い。翠星石は言下に、歩きだした。 あまり長く余所の家の庭を覗いて、あらぬ誤解を招くのも嫌だったのだろう。 語られなかった翠星石の心境を如才なく察して、雛苺も素直に従った。 それから暫くは、また無言で歩く2人。 雛苺は肩に掛けたポシェットから携帯電話を抜きだすと、メールのチェックを始めた。 いい加減、翠星石を気遣いながら話しかけることに、疲れたのかも知れない。 だが、急に黙られてしまうと、それはそれで奇妙な胸苦しさを感じるもので。 なにか喋らなければ……。意味もなく、逸る心持ちにさせられる。 雛苺の様子を横目に伺いながら、翠星石が話しかけるタイミングを計っていると―― 「あっとゆーま、あっとゆーま、あっとゆーまー♪」 彼女より先に、雛苺が歌を口ずさみだした。 なにが、『あっとゆーま』なのか。翠星石は片眉をあげて、首を傾げた。 キクの開花までの一ヶ月を、すぐのコトだと笑い飛ばしているとか? それとも、大した思慮もなく独りごちただけなのか。 翠星石が考え込んでいる間も、雛苺の『あっとゆーま』は途絶えなかった。 「なんです、その歌は?」 あんまり、同じ部分だけ繰り返すものだから、翠星石も鬱陶しくなり訊ねた。 喋らせれば、ひとまずは歌うのを止めさせられる。そんな意図からだ。 果たして翠星石の思惑どおり、雛苺は歌を区切って、説明を始めた。 「これ、テレビ番組『アッー! とUMA』のテーマソングなのよ」 雛苺の語るには、未確認生物(UMA)を探すスペシャル番組なのだとか。 聞きながら、翠星石は『ホニャララひろし探検隊』を想像していた。 「でねっ、でねっ、ヘンなもの見つけたら『おったどー!』って叫ぶのよー」 「……へえ」 「すっごい人気で、視聴者からの目撃情報も、いっぱい寄せられてるなの」 「ふぅん。そですか」 元より、あまり興味もなかったから、翠星石の受け答えは素っ気ない。 それに気づいて、雛苺が口を噤んだ。 だが、申し訳なさそうな顔をしたかと言えば、答えは否。 むしろ逆で、雛苺はニタリと眼を細め、いやらしい笑みを作った。 「もしかして……知らなかったの? わぁ、遅れてるのよ~」 「な、なに言うです」 よもや、バカにされるとは思っていなかったようで。 一瞬ムッと柳眉を逆立てたものの、翠星石は澄まし顔を作って、鼻を鳴らした。 「知ってるですよ、そのくらい」 「えー? ホントぉ~?」 「あまりにも調子っぱずれで音痴だったから、すぐに解らなかっただけですぅ」 「ぶー。ヒナ、音痴じゃないもん」 「音痴なヤツほど、そう言うですよ。音感が狂ってるから、自覚できねぇのです」 「違うのっ! 音痴じゃないなのー!」 暫し、音痴か否かで不毛な応酬が続けられて―― 「――はふぅ。今日は、このくらいで勘弁してやるです」 優勢のうちに逃げ切り勝ちを掴むべく放たれた、翠星石の台詞。 ところが、彼女の目論見どおりに、事が収まるかと思われた矢先。 がさっ! ぞるっ! 民家と民家を隔てる植え込みから届く、茂みを揺らす音が、2人の会話を切った。 一斉に、物音のした方へと顔を向ける娘たち。 ツツジの枝が、ゆらーりゆらり……招くように揺れている。 「うよ? 今のなーに?」 「わからんです。ニャンコかワンコか、鳥ですかね?」 「違うと思う。もっと、おっきい感じだったのよ」 雛苺の意見には、翠星石も頷くより他になかった。 聞こえたのは確かに、重たくて、そこそこ体積もある物体を引きずった感じの音。 犬猫や野鳥ならば、ツツジの枝を揺らしたりしないだろう。 では、いったい何なのか? 考えること、数秒。雛苺が、やおら手を打ち鳴らした。 「解ったなのっ! きっとUMAなのよ」 おバカ。翠星石が即座に、冷たく突き放す。 「そんな簡単に確認できるなら、UMAとは呼ばねーです」 「えー? でもでもっ、分かんないのよー」 「おめーの頭のほうが、よっぽどワカランチンのトンチンカンですよ。 論より証拠。目ん玉かっぽじって、よぉ~く見てるですぅ」 言うが早いか、翠星石は近くに落ちていた棒きれを拾って、藪を突っつきだした。 「ほぉーれ、出てこいやーですぅ」 「す、翠ちゃん……止めたほうがいいのよ。危ないなの」 「この手のヤツは大概、脅かせば逃げてくですよ。退いたら負けですぅ」 翠星石は調子に乗って、なお一層、激しく藪をかき回す。 ――が、次の瞬間、棒きれはビクとも動かせなくなり、彼女の手から奪い取られた。 なにが起きたのか解らず、声を出すことさえ忘れて、立ち尽くす翠星石。 雛苺も、ただならぬ様子を敏感に察知して、身を強ばらせた。 2人に訪れる、なんだかよく分からない急展開。 茂みのざわめきが、翠星石たちへと近づいてきた。しかも、意外な速さで。 ソレは植え込みの枝葉を折りながら、ヌッ! と、翠星石の足元に顔を覗かせた。 「ヒィッ?!」 「ぴゃっ!?」 喉を鳴らし、カカシのように立ち竦む翠星石と、雛苺。 さもありなん。彼女たちの眼前には、動物園にしか存在しないはずの生物が、居た。 「わ……わわ……ワニ、ですぅ」 どう見ても、ワニ。紛れもなく、ワニ。近すぎちゃって、どうしよう。 頭から尻尾の先まで、少なく見積もっても、3メートルはあろうか。 どこかの無責任者が、大きくなりすぎて飼えなくなったペットを、捨てたのかも知れない。 「き、きっと人喰いワニなのよ。これがホントのワーニングなの」 「ダジャレなんか言ってる場合かですぅ!」 極度の緊張から、ついつい声を荒げた翠星石が、獲物と認識されたのか。 ワニが、のしのしと接近してきた。彼我の距離、およそ50センチ。 慌てて飛び退こうとした翠星石だが、「きゃぅっ!」 髪が脚に絡みついて縺れ、尻餅をついてしまった。 雛苺も咄嗟に、そんな翠星石を助け起こそうとしたけれど、ワニのひと睨みで硬直。 「あわわわ…………は、は……早く……たた、た、助けるです」 「う、うぃ。そ、そ~っと、そぉ~っと」 ワニを刺激しないように、忍び足で接近を試みるも――がふり! 噛みつく素振りで威嚇されて、失敗。雛苺は怯んで、弾かれたように後ずさった。 「す、翠ちゃん。うと……あの、ね」 「なな、なんです。ヘンに言い淀むなです」 「じゃあ」 雛苺は決意のこもった眼差しを、翠星石に注いだ。 そして―― 「迷わず成仏してなのー!」 踵を返すや、百メートル10秒を切りそうな勢いで走り去った。 冗談じゃないと慌てたのは、翠星石である。 「あぁーっ! 待てやコラぁ! 私を置いて逃げるなですぅ!」 怒鳴って追いかけ……たかったが、抜けた腰と、萎えた脚では、それも儘ならず。 ガタガタ震えながら、両腕とお尻で後ずさることしか、できなかった。 そんな翠星石の悪あがきを嘲笑うかのごとく、ズンズンズンと近づいてくるワニ。 「ここ、こっち来んなです! 蹴飛ばすですよっ!」 がなりたてても、所詮は虚勢。翠星石の両脚は脱力しきって、立つことさえ無理。 むしろ、彼女の怯えが、ワニの闘争本能を刺激してしまったらしく…… グァバァ――! いっぱいに開かれたワニのあぎとが、翠星石に迫る。 このままでは、鋸を彷彿させる牙の列で、アタマから痛快丸かじり。 それが解っていても、翠星石に許された行動は、両腕を前に翳すことだけだった。 「はひぃ!」 蒼星石っ! 思わず、妹の名を胸裡で叫んでいた。 ほんの数時間前に別れたばかり。あれが、今生の別れになってしまうだなんて。 もっと話したかったのに……もっと、たくさん。 目頭が熱くなり、翠星石は双眸から、ブワッと涙を溢れさせた。 元より涙もろい質だったが、蒼星石にもう逢えないと思えば、尚のこと。 噴きだす悲しい想いは、留めようがなかった。 ――ところが。 「……は、れ?」 いつまで経っても、ワニは食いついてこない。大口を開けたまま停まっている。 どうなっている? 怖々と両腕を降ろした翠星石の頭上から、 「ここで、ネタばらしー」 やたら軽い口振りが降ってきた。 涙の残る双眸で、ぐるり見回すと……看板を右手に持った娘が背後に立っていた。 「おっす、翠ちゃん。少しは、涼しくなった?」 「……ば、ばら……」 「うん、ばらしーだよ。これ、なにか分かる? ミキプルーンの苗」 言って、薔薇水晶は左手に持ったラジコンと思しいプロポを、掲げて見せる。 と同時に、右手に持つ看板を、翠星石の鼻先に突きつけた。 そこにプリンターで印字されていたのは―― 『どっきりビデオ』 カメラは、あっち。 薔薇水晶が指差すほうを見遣れば……電柱の陰に見え隠れする、雪華綺晶の姿が! ハンディカムのレンズを翠星石に向けて、ニタニタと歯を見せていた。 「な、な、な……」 たちまち混乱する、翠星石の思考。二の句を継ぐどころか、ほぼフリーズ状態。 薔薇水晶は、そんな彼女を心配するでもなく、プロポを弄くる。 すると、ワニの顎は閉ざされ、置物のように動かなくなった。 ニセモノか。そうと判れば、翠星石の恐慌状態も、じわじわと消えていった。 「これ……どうしたです?」 「お父さまが造った、ワニ型ロボット。本物そっくりに動く。 他にも、サメとか恐竜とか、ゾンビとか……映画の撮影に使われたのもある」 「ふぇ? 人形師だって、聞いてたですけど――」 「ロボットも、広義に解釈すれば、自動人形と呼べるのではないかしら?」 横から掛けられた声に振り向けば、すぐ傍らに雪華綺晶の微笑。 いつ接近していたのか、彼女はカメラを構えたまま、翠星石の脇に屈み込んでいた。 「お父さまは、その道のプロですのよ。俗に言う、サイバネティクスでしょうか」 「サイバ……バ?」 トボケた翠星石の脳天を、薔薇水晶のまさかりチョップが撃つ。 それも、かなり本気モードで。「お父さまを……愚弄しないで」 一度は引っ込んだ翠星石の涙が、またぞろ溢れてきた。 「ぐぬぬ……い、痛いですぅ」 「あらまあ、可哀想に。よしよし、痛いの痛いの飛んでけー」 雪華綺晶は雪華綺晶で、撲たれた箇所を撫でるのかと思いきや、ペチペチ叩く始末。 口は災いの元。まったくもって、先人は巧いことを言ったものだ。 翠星石は、シッシッと雪華綺晶の手を払い除けて、憤然と立ち上がった。 「ろくでもねぇイタズラしやがる姉妹ですぅ! 死ぬほど驚いたですよ!」 「私たちも、正直……予想外」 「雛苺さんの協力あっての大成功ですわねぇ」 いま、雪華綺晶の口から、聞き捨てならない台詞が漏れた。 協力? 雛苺が? 「ちょぉっと待ったです! まさか、雛苺も仕掛人だったですか」 「うん。メールで……シナリオを伝えといた」 メール。翠星石は、ついさっきのコトを思いだした。 雛苺が携帯電話を弄りながら、調子はずれな歌を口ずさんだのは、つまり―― あのときに、薔薇水晶からの指示を受けていたと言うのか。 ならば、翠星石を見捨てて逃げたのも納得できる。すべてが布石だったのだ。 「……おぉ~のぉ~れぇ~、おバカ苺ぉ~。 ぜったい許さんです! ぜったい許さんです! ぜったい許さんです!」 仕返ししなければ、とても怒りが収まりそうにない。 拳を握り締めて翠星石が言うと、薔薇水晶と雪華綺晶は顔を見合わせ、ニマリ。 「でしたら、私に妙案が。どっきりで意趣返し大作戦というのは、いかが?」 「私たちも……全力で手伝う。見返りは、撮影で」 「確かに、名案ですね。きしししっ……面白くなってきたですぅ」 ~ ~ ~ マナーモードにしてある携帯電話が、小刻みに震えた。 メールの着信。薔薇水晶からだ。ドッキリ大成功の報告だろう。 雛苺は、慌てふためく翠星石を回想して、申し訳なく思いつつも、小さく笑った。 どんな仕返しをされるのかを思えば、ちょっと怖いけれど―― 基本、翠星石は優しいから、きちんと謝って誠意を示せば、許してくれるだろう。 楽観的に構えつつ、新着メールを開くと、ディスプレイには、 『どうしよう。非常事態。ワニ本物』 極めて簡潔な文字の列。意表を突かれて、雛苺は「ほよ?」と呟いていた。 非常事態? ワニ本物? それって、つまり…… 「た、大変なのっ?! 翠ちゃんが」 大慌てで、転がるように取って返す。現場までは百メートルほど。 十字路を左折して真正面が、ワニとの遭遇ポイントだった。 直後、雛苺は、人生において最もショッキングな映像を目撃した。 路面に、ふてぶてしく身を乗り出して、くつろぎモードっぽいワニ。 その閉じられた顎からは、異物がはみ出していた。 どう見ても、人間の足首。 履いている靴は、翠星石のものに間違いない。 早い話が―― 「す、翠ちゃんが……ワニに……食べ……ら」 そこからは、もうワケが解らなかった。 混乱した雛苺は、絹を裂くような悲鳴をあげて、脱兎の如く逃げだした。 振り返ったりしない。少しでも遠くに離れることしか、念頭になかった。 その様子を物陰から窺い、ニヤニヤしている3人娘の存在には、気づきもせずに。 走って、走って、周りの景色さえ分からないほど無我夢中に走り続けて―― 雛苺は息も絶え絶えになりながら、自宅の玄関に飛び込んだ。 どんなルートで帰ってきたのか、思い出せない。依然、思考は混乱したままだ。 けれど、嗅ぎ慣れた自宅の空気が、雛苺の狼狽を、わずかだが和らげてくれた。 安堵の息を吐き、脱力したのもつかの間。 やおら携帯電話が震えだして、小柄な彼女を、5センチほど空中浮遊させた。 点滅するLEDの色が、メールの受信を報せていた。 「だ、誰なの? ばらしー?」 表示された情報は……違った。 送信者の名前は、翠星石。 「あ、よ……よかったのよー。無事だったのね」 そう思いたいばかりに独りごちた声は、不自然に固かった。 ワニが銜えていた足首と靴が、どうしても、雛苺の脳裏から離れない。 たまたま同じ靴を履いていた誰か――という可能性も、否定はできないのに、 あれは翠星石だと、頭から信じ切っていた。 祈るような気持ちで、メールを開く。 そこには、いかにも翠星石らしい、気っ風のいい文面があった。 『よくも私を置き去りにしやがったですね! これからヤキ入れに行くから、ガクブルしながら待ってろです』 怒り心頭に達する、といったところか。 しかし、モノは考えようだ。怒ったり、メールを打てるほどには無事なのだろう。 雛苺は猛烈な脱力感に襲われて、ドアに背を預けたまま、その場に座り込んだ。 ほどなく、玄関先に人の気配を感じて、またもや、新着メールが届いた。 今度も、翠星石から。 『着いたですよ。ちゃっちゃとドアを開けるです』 インターホンを鳴らせば済むのに、逐一、メールを送ってくるのは、何故? 奇妙に思いつつも、雛苺はドアを開け、恐る恐る、顔を出した。 ――が、誰もいない。確かに、人の気配がしたのに。 「……うよ?」 小首を傾げ、なにげなく目線を下げた雛苺は、その直後、卒倒しそうになった。 そこには、人間の両脚――膝から下の部分が、ちょこんと揃えられていたのだ。 靴は、翠星石のもの。食いちぎられたような断面は、生々しく濡れている。 『お~バ~カ~苺ぉ~』 足首の辺りから、さも恨めしそうな翠星石の声が、話しかけてきた。 『私、食べられちまったですぅ。おめーが見捨てたせいでぇ……こんな姿にぃ』 とは言われても、雛苺だって、こんな展開は予想だにしていなかった。 気を紛らせてあげたくて、薔薇水晶からの誘いに乗った。それだけだ。 あくまで、軽い気持ちで……イタズラの範疇に留めるつもりだったのに。 「ごめんなさい、なの」 雛苺は、その場に跪いて、しゃくり上げ始めた。 「こんなコトになるなんて……ヒナ……思ってなくて……だから」 『――後悔してるですぅ?』 「してる、なの」 『じゃあ償いに、今日一日、私の言うことを、なんでも聞くですか?』 「……うい。ジャンピング土下座して、靴だって舐めてキレイキレイするのよ」 『そこまで思い詰めなくても、ほんのイタズ……あわわ。も、もういいですぅ!』 なんだか、死霊にしては元気がいいと言うか、口やかましいと言うか。 流石に、ナニか様子が変だと気づいて、雛苺が頭を上げると、そこには…… 「ここで、ネタばらしーですぅ!」 門扉の陰から、『どっきりビデオ』の看板を手にした翠星石が、賑々しく姿を見せた。 正しくは、薔薇水晶におんぶされた翠星石が、である。 その後ろに従う雪華綺晶は、相も変わらず、ハンディカムで撮影を続けていた。 雛苺はと言えば、完全無欠の放心状態。 へたりこんだまま、涙も拭わず、いやらしく嗤う3人娘を呆然と眺めていた。 悪質なイタズラをされたのに、怒ることさえ、忘れてしまったかのようだ。 「気の抜けた顔してやがるですね。いっちょ、目ぇ醒まさせてやるです。 こいつで――ポチッとな」 翠星石が、薔薇水晶から預かっていたリモコンのボタンを押す。 すると、雛苺の前にある足首のモックアップが、怪しく微振動して……パンッ! 生々しい断面から、色鮮やかな火花と煙を噴きだした。 こんな仕掛けまで、内蔵されていたとは。 雛苺はもちろん、事情をよく知らない翠星石も、この小爆発には肝を縮めた。 ビクン! と身震いした様子も、雪華綺晶がバッチリ録画。 「も、もぉー。こんなのヒドイのっ!」 今になって我に返り、沸々と怒りが込み上げてきたらしく、雛苺が頬を膨らませる。 けれど、翠星石は、そんな憤りなどキニシナイ。 「おめーが言うなですぅ。ほれ、約束どおり、今日一日、私に服従するですよ。 手始めに、その靴を持ってきて、履かせやがれです」 お互いさまと言われたら、返す言葉もない。 薔薇水晶たちに誘われたとは申せ、先に悪ノリしたのは、雛苺のほうだ。 むくれながらも、雛苺はモックアップから靴を脱がせて、翠星石の足に履かせた。 「ンッン――実に清々しい。歌でもひとつ歌いたい気分ですぅ」ご満悦の翠星石。 「人を驚かせるのは、なかなか愉快ですね。きししっ、病みつきになりますぅ」 ニコニコしながら、「次のターゲットは、銀ちゃんにするです」だなんて。 おかしな趣味に目覚めてしまったらしく、すっかり、やる気満々。 さっきまで、鬱々と暗い顔をしていたのがウソのようだ。 「銀ちゃん……面白そう。ふふ……みwwwなwwwぎっwwwてwwwきたwww」 「あの気丈な人が、あられもなく狼狽える姿……これは必見の価値アリですわね」 おまけに、薔薇水晶、雪華綺晶もノリノリである。 雛苺だけでは、彼女たちを思い留まらせることなど、できなかった。 結局、翠星石との約束もあって、雛苺も手伝わされる羽目となり、 水銀燈の立ったまま気絶、金糸雀のパンチラ、めぐの臨死体験、などなど―― 来週は以上の3本でお送りしまーす、な勢いで。 どっきり失敗により、真紅の厳しい説教を食らうまで、被害者を増やし続けたのだった。 ちなみに。 この『どっきりビデオ』は、薔薇水晶によって『ドキドキ動画』にアップロードされ、 再生数は100万を越えたとか、なんとか……。
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名前:長月のん 能力:地球を滅ぼす程度の能力 年齢:16歳 性別:女 種族:魔王 趣味:昼寝 役目とか:地球を滅ぼすためにやってきました 解説↓ 身長は151cm 体重は kg 勇者との長い戦いの末、敗れた長月のんは封印の眠りにつくことになる ゾーマ村田を利用して再び現世に蘇り、世界を支配する計画を企てるが・・・