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『野良れいむ』 23KB 虐待 制裁 自業自得 野良ゆ 子ゆ 現代 小ネタ この街の人間は冷たい。 皆生きるのに必死で、他人のことに気を揉んでいる暇などないのだ。 そして生きるのに必死なのはどうやら、人間だけというわけでもないようだ。 「おでがいじばずぅぅぅ!!どうがでいぶをがいゆっぐじにじでぐだざいいぃぃぃいい!!!」 皆死んだような目でそれぞれ何処かへと行きかう大通り。 「おでがいじばずぅぅぅ!!」 一匹の汚らしい野良のゆっくりが、踏み潰されることすら厭わないかのように、人間に擦り寄るようにして懇願を叫んでいた。 大きさはバスケットボールを二回りほど大きくした程度だろうか、しかしどこと無く、 痩せていると表現したら良いだろうか、ハリの無い野良独特のみすぼらしさがあった。 「おでがいじばずぅぅぅ!!どうがぁぁ、どうがでいぶをがいゆっぐじにじでぐだざいいぃぃぃいい!!!」 まずい、そう思ったときには既に遅かった。 一瞬そいつと目が合ってしまったときに、すぐにそっぽを向いて素早く立ち去ればよかったのに、 気付けばそいつは俺の足元にやってきて、泥だらけの身体を俺の足元に擦り付けてきていた。 「おでがいぃぃ…じばずぅうっぅぅう」 鬱陶しい、素直にそう思ってしまう。 所詮こいつも何らかの理由で飼いから捨てられて野良になったか、同じような理由の野良の二世三世といったところだろう。 野生生活も出来ない、上手く生態系に寄生することも出来ないような生物がのうのうと生きていけるような甘い世の中ではないのだ。 「おねがいじばず!!!せめてっ!れいぶはいいでずから、せめておちびちゃんをっ!!!」 そいつは俺の前、俺が後一歩踏み出せば踏み殺してしまうような位置に立ちふさがって、頭を地面にこすり付けて俺に訴えている。 ゆっくり如きの戯言に耳を傾けるつもりなどさらさら無かったのだが、 子供のために自らを犠牲にするという内容に、わずかながら心を動かされてしまう。 少し迷ってから、俺はついにそいつと口をきいてしまった。 「お前の子供を飼って欲しいのか」 「はい!そうです!このままじゃれいむのかわいいおちびちゃんがしんじゃうんでずうぅぅう!!」 れいむは涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにしながら答えた。 「そいつはどこに居るんだ」 俺がそう尋ねると、れいむは身体を静かに揺さぶった、するとれいむのぼさぼさの髪の毛の中から、 一匹のゴルフボールより一回り大きいか、という程度の小さな子ゆっくりれいむが姿を現した。 しかしそのれいむは、ひどく衰弱しているようで、足元を眺める形になっている俺の位置からは、 生きているのか死んでいるのか、一瞬では判断出来ないほどだった。 俺は無造作にれいむの頭の上から子れいむを摘み上げて、手のひらにのせる。 「ゆぅ…う…」 すると子れいむは苦しそうに身をよじって、俺の手のひらの上で生きているということを主張した。 けれどやはりそれは酷くか弱く、俺の吐息一つで生命の炎が消えてしまいそうなほどに儚いものだ。 俺は親れいむを見下ろして、静かに言った。 「いいのか、俺がこいつを飼ったとして、もちろん努力はしてみるが、生かしてやれるかどうかはわからないぞ それに、お前とはもう二度と会えないということになる、お前かこいつが死のうが生きようが、一生だ、それでもいいのか」 俺の言葉を聞いて、れいむは涙をぼろぼろと流しながら頷いた。 「いいんでず…れいむにはもうどうずるごどもでぎまぜん…おぢびじゃんをどうかしあわぜにしてあげでくだざい……」 俺は内心驚いていた。 ゆっくりといえば、利己的で、無知で愚鈍でどうしようもない生き物だと思っていた。 けれどこいつは、あまり頭はよさそうではないけれど、子のことを思い自らを省みずに最善の選択をすることが出来たように思う。 そのことに感心した俺は、この子れいむを出来る限り面倒を見てやることを胸に誓った。 「わかった、任せておけ」 「ありがどうございます!!」 俺は小さな子れいむを両手で包み込むようにして、親れいむに背を向けて家路についた。 親れいむは、俺の背中が見えなくなるまで、いつまでもいつまでも俺の背中に感謝の言葉を投げかけ続けていた。 家に帰る途中、俺は小さなゆっくりペットショップに寄って、ゆっくりについて店員に聞いてみることにした。 野良の子だと説明すると、店員は始め困惑していたが、丁寧にゆっくりの初歩的な買い方や、習性について説明してくれた。 どうやら店員によると、この子れいむの衰弱ぶりは、ただの栄養失調らしい。 ついでにと、店員は予防接種を勧めてくれたので、俺は少々財布に痛手ではあったが、今後のことを考えて受けさせることにした。 医者に行って注射でも打つのかと思ったが、小さな錠剤を3粒ほど飲み込ませただけであっさりと終了してしまう。 俺は親切に対応にしてくれた礼に、成体になっても使える程度のゆっくり用のクッションハウスと、 栄養価の高い餌、一人遊び用の小さなおもちゃをそこで購入した。 それから数日、暇な時間を見つけてはれいむに付きっ切りで看病してやると、 すぐにれいむは年相応であろう、子ゆっくりらしい元気を取り戻してくれた。 「おにーさん!れいむとゆっくりあそんでね!」 れいむは俺のことをお兄さんと呼んで、ずいぶん懐いてくれていた。 生き物を飼ったことの無い俺だったが、会話の通じるゆっくりとの相性は悪くなかったようで、 多少のワガママや、融通の利かない部分はあれど、所詮子供かと思えばたいした苦にはならなかった。 一週間もすると、れいむは栄養の高い食事のおかげもあってか、すっかり大きくなって、 野球ボール大の大きさに成長し、元気に外を跳ね回ることが出来るようになった。 いわれなければ、誰もれいむを元野良と気付くことはないだろう、 肌はもちもち、髪の毛はさらさら、声にもハリがあり、すっかり俺の自慢の飼いゆっくりだ。 俺はこの頃、よくれいむと一緒に外を散歩した。 暖かい日差しが心地いい、れいむは俺の少し前をぴょんぴょんと跳ね、 色々なものに興味を惹かれては、あっちへふらふらこっちへふらふらと、ちっとも目が離せない。 けれど俺はそんな無邪気なれいむの姿に心を癒されていた。 しかし俺はこの時、間違いを犯していたことに気付いていなかったのだ。 それから数日後、夜になると家の庭からごそごそと物音がするようになった。 二・三日は気のせいかと思い放置していたのだが、あまりに続くので何事かと不振に思い確かめに行くと、 そこにいたのはあの時俺にれいむを預けた、親れいむだった。 「あ…」 れいむは俺と目があうと、気まずそうな顔をして縮こまった。 「何をしているんだ」 「あ…えと…れいむのおちびちゃんをおそとでみたから…げんきにしてるかなって…」 れいむは目を泳がせながらそんなことを言った。 散歩させていたときにどこからか見ていて、後をつけられたのだろう。 しかし今はそんなことはどうでもよかった、一刻も早くこいつには何処かへ行ってもらわなければならない。 「大丈夫だ、俺がきちんと世話をして幸せに暮らしている、すっかり元気で、もうなにも心配することはない」 「…」 「だからお前はどこかよそへ行け、もうここにはくるな」 「…」 れいむは顔を伏せたまま、庭から一歩も動こうとしなかった。 お互いの間に重たい沈黙が横たわっていた。 子れいむは部屋の奥でクッションベッドの中で寝息を立てていて、俺達のやり取りには気付いていない。 「これ以上居座るなら、野良駆除を依頼することにするぞ、俺が”庭に不振な野良ゆっくりが居るから駆除して欲しい”なんて電話の一つでもかければ 10分もしないうちに職員がやってきてお前を捕まえるだろうな、その後はきっとお前は殺されるだろう」 「…」 「最初に言ったよな、もう子供とは二度と会えないって、俺はもうお前とうちのれいむを会わせる気はない、 お前もそれを承知の上で俺にあいつを託したはずだ」 俺が努めて優しくそういうと、れいむも納得したのか、何も言わず静かにその場を立ち去った。 いま思うと、この時しっかりと駆除の依頼を出しておけばよかった。 たしかに俺は出会った時のれいむの親としての姿勢に共感はしたが、その後のれいむの一生を世話する気などさらさら無かったのだ。 それが一瞬でも甘さを見せてしまったがために、あのれいむにわずかな期待を持たせてしまった。 全てはけじめをつけなかった俺の責任だろう。 次の日、仕事からもどるとリビングの庭に面している窓に、びったりと親れいむが張り付いていた。 中からみるとそれはそれは醜い、汚らしい顔だった。 けれどそいつの子供である俺のれいむは、母親に再会できたことが嬉しいのか、涙を流しながら窓に頬ずりをしていた。 「おかーしゃんだ!おかーしゃん!ゆっくりしていってね!ゆっくり!」 俺が部屋に入っても、気付いていないように、お母さんお母さんと繰り返している。 「れいむ、ただいま」 俺がそういうと、やっと俺が帰ってきたことに気付いたのか、れいむはくるりとこちらを向いて、俺に笑顔を向けた。 「ゆっくりおかえりなさい!おにーさん!ねぇねぇ、おかーしゃんだよ!」 なにがお母さんだよ、なのだろう。 れいむの無知な無垢さに一瞬苛立ちを覚えたが、無理は無い。 母と別れた当時のれいむは死の淵に立たされていて、おそらく俺達の会話など記憶に残っていないのだろう。 れいむはただただ、生き別れた母との再会を喜ぶだけだった。 「ねえおにーさん!れいむ、おかーさんにあいたいよ!あっておはなしがしたい!」 「だめだ」 俺は間をおかずそう言い放った。 れいむにはかわいそうだが、すぐに駆除を依頼しよう、あれはお前の母親じゃない、他人の空似、勘違いだ、そう言い聞かせよう。 そう思いながら電話に手をかけるも、俺は電話番号をプッシュすることが出来なかった。 窓ガラスに必死にへばりついて、決して触れることの出来ない子供に、ほんの少しでも近づこうと思う母親の姿。 そしてそれを素直に喜び、そして自らも会いたいと望む子れいむの無垢な瞳に、俺の情がまたしても揺らいでしまう。 「…仕方ないな…一回だけだぞ」 なにが一回だけだというのだ、一回会わせてどうするというのだ。 俺はその後のことを、少しでも考えただろうか、再び親子を引き離す苦しみを考えたら、安易な決断など出来なかったはずだ。 けれど感動的なドラマに酔ってしまった俺は、子れいむに優しく微笑みかけながら、ゆっくりと窓についているドアを開けた。 「おかーしゃーん!」 子れいむが、元気よく母親に飛びつく。 母れいむは感動のあまりだろうか、無言で近寄り。 ぐじゅっ 「お…おか…おぎゃ…ゆ”っゆ”っ…っ!」 「まったく、れいむをさしおいてしあわせー!になるなんてげすながきだよ!」 俺は目の前で何が起こっているのかよくわからなかった。 「おまえさえいなければれいむはくろうしなくてすんだんだ!おまえがしあわせになってるのになんでれいむはしあわせになれないんだ! れいむはくろうしておまえをうんだのに!おまえをそだてたのに!れいむだってしあわせになるんだ!」 母れいむが、子れいむの上にのしかかり、全体重をかけている。 いくら健康体になった子れいむも、倍以上の体格の親れいむにのしかかられたらひとたまりも無い。 いまや子れいむは、親れいむの足元からはみだしているもみあげをビクリビクリと痙攣させる力しか残っていなかった。 「っ!!!!」 俺は逃避している思考をなんとか取り戻して、親れいむを全力で蹴り飛ばした。 「おそらっゆげぇぇ!!!!」 親れいむは宙を舞って、そのまま重力に引かれて地面にたたきつけられる。 全身を強かに打ちつけられたれいむは、口から餡子をはいて気絶したようだ。 「大丈夫かれいむ!!!!」 「ゆ”っ…ゆぎっ!…っ!ゆぴっ!!!」 子れいむは、身体はぺしゃんこになり、なんとか意識はあるものの、目の焦点はあってなく、 俺の声が果たして聞こえているのかどうか、わからなかった。 「まってろ、すぐに手当てしてやるからな!」 俺は子れいむを抱え上げ、窓を閉めて家に入り、大急ぎで傷の手当てをした。 結果からいうと、子れいむは一命を取り留めることに成功した。 けれどそれは、命を繋いだだけに過ぎず、子れいむは既に壊れてしまっていた。 「ゆぴっ!ゆぴぴぴぴっ!ぴゃうぅううぅ、あーーーーー」 れいむは涎をたらしながら明後日の方向を向いて、延々と意味の無い言語を発し続けていた。 体内の餡子をほとんど漏らしてしまったことももちろんあると思うが、最愛の母の裏切りに心が耐え切れなかったのだろうと思う。 俺はあの親れいむへの怒りよりも、馬鹿なことをした自分への呆れで、無気力状態になってしまっていた。 俺が庭先を見ると、気絶していたれいむはいつの間にか回復していたようで、再び窓に張り付いてきていた。 窓を開けてみると、れいむは何の遠慮もなしに俺の家の中に入り込んできた。 床は泥ですぐに汚れてしまう。 「ゆゆ!おにいさん!おちびがしんじゃったかられいむをかってね!いいでしょ? だってれいむのかわりにおちびをかってくれてたんだもん、おちびがいなくなったられいむをかってくれるよね!」 れいむの物言いに、俺は軽いめまいを覚えた。 やはりゆっくりという生き物は、わからない。 どうして異常なほどポジティブに、自分の都合のいいように捻じ曲げて物事を考えることが出来るのか。 どうしてあの時あんなに必死になっていたはずのわが子への愛を忘れることが出来るのか。 そして、そうやって無防備に入ってきて、俺に殺されることは考えなかったのだろうか。 俺の中の感情がギシギシと音を立てて歪んでいくのがわかるようだった。 この思い上がりも甚だしい糞饅頭に、どうやって思い知らせてやろうか。 「おうちのなかはゆっくりできるね!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!ゆっくり~ゆっくり~」 俺が黒い考えに身を落としているときも、れいむは全力で目の前にぶら下がっているだけの幸せを貪るのに必死だった。 「おい、れいむ、こいつを見てどう思う?」 俺はれいむの目の前に、子れいむをつきだしてやった。 「んみゃ~!まっ!ゆちちぃ!ちぃいいいぃい!!」 子れいむははしゃぎながら親れいむにすりよっていく。 跳ねるというよりは、転がるように、這いずるように不気味な動きで近づくそれを、親れいむはもみあげでなぎ払った。 子れいむはころころと転がって、十数センチ動いて失速し、上下反対の状態で静止する。 しかし子れいむはそれが面白かったのか、親に殴られたことに気付いていないのか、ご機嫌できゃっきゃとはしゃいでいた。 「なあに?こんなこれいむはしらないよ、そんなことよりれいむはおなかがへったよ!ぶべぇ!!」 俺はれいむに、れいむが子れいむにそうしたように、思い切り平手打ちを食らわしてやった。 「いだいでじょおぉぉぉおお!!?なにずるのぉぉぉぉぉおおおお!!!」 れいむはすぐに憤慨して、地団太を踏んで怒りをあらわにした。 俺は眉一つ動かさず、れいむに言い放った。 「そいつはお前の子供だよ、わかってるだろ?」 「ゆゆっ?そんなわけないよ、れいむはこんなへんなこしらないよ」 「そうか、別にそれでもいい、とにかくそれはお前の子だ、お前が育てろ」 「どうしてれいむがそんなことしなくちゃいけないのぉぉぉお!!!?」 「いいからやれ、そしてお前がちゃんとそいつを世話するなら、俺もお前を世話してやる」 「ゆゆゆ?なんだそんなことなの?そんなのかんったんっだよ!」 れいむはふふんと俺を小馬鹿にしたように笑って、言った。 俺達が会話をしている隙に、子れいむは親れいむにすりよって、頬をくっつけてぐりぐりと押し付けた。 「ばかはよらないでね!」 れいむは再び子れいむをもみあげではたき飛ばした。 俺はすかさず無言で。れいむが子れいむを殴ったところと同じところを、殴り飛ばしてやった。 「ゆげぇぇぇ!!」 「きゅぴぴぴぴ!」 子れいむがころころと転がる何倍もの速さでれいむは転がっていき、壁にぶつかって倒れこんだ。 「そうそう、言い忘れたけど、お前が子れいむにしたこと、俺はそのままそれをお前にしてやる だからちゃんと世話をすれば世話をしてやるし、そうじゃなければ…わかったな?」 「わがり…ばじだ…」 れいむは目に涙をたっぷりとためて、俺の言葉に返事をした。 子れいむはそのやりとりのことなどわかっていないのだろう、自分の世界に入り込み、いつまでも笑顔だった。 その夜、俺はれいむと子れいむとクッションハウスを外に放り出した。 「どぼぢでこんなごどずるのぉぉぉおお!?おうぢにいれでぇぇぇ!!!」 「お前は元々野良だろう?家なんか無くたって暮らせるはずさ、その子だって元々はそういう生活のはずだ そのクッションはくれてやるから、子供は入れてやれよ、お前は当然外で平気だよな?」 「ゆぎぎぎぎぎ!!!」 子れいむはそんなことはお構い無しに、狂ってしまっても生活リズムは覚えているのか、クッションハウスに入り込んで寝息を立てている。 俺はれいむ達に背を向け、自室で横になった。 次の日の朝、少し早めに起きて庭を覗くと、クッションハウスの中にぎちぎちに詰まって寝息を立てている親れいむと、 外で泣いている子れいむを発見した。 俺は無言でクッションハウスを持ち上げ、入り口を逆さまにしてれいむを地面に落とした。 「ゆべっ!」 クッションハウスは、大きなれいむが無理やり入ったことでよれよれになり、 さらにふわふわだったクッション部分は、れいむの汚れを吸着いてしまいほとんど使い物にならなくなってしまっていた。 餌をやっても、親れいむは目を離すと自分ががっつくばかりで、子れいむに与えようともしない。 俺が監視して、殴りつけてやると、こちらの顔色を伺いながらやっと与えるしまつだ。 その間も親れいむは、狂ってしまった子れいむをどうしても自分の子と認識できないのか、 それともあの日以来、もうれいむの中では子など居ないことになっているのか、子れいむを見る時はいつもしかめっ面で冷たい目をしていた。 3日もたつ頃には、親れいむはすっかり飼い用の餌で太り、 逆に子れいむはところどころに不自然な傷がつき、身体も痩せ、衰弱してしまっていた。 俺が目を離した隙に、乱暴でも働いたのだろう、子れいむはそれでも親れいむと一緒にいたいのか、 親れいむの隙をついては身体を寄せ、跳ね飛ばされていた。 そのころには俺の精神もすっかりやせ細り、子れいむに注いでいたはずの愛情もすっかり消えうせてしまっていた。 いや、正確に言うならば子れいむのことはいまだに好きだったが、もうこの醜いゆっくりという生き物を愛せなくなってしまっていた。 仕事が休みの日、俺は庭先に出て親れいむに再び尋ねた。 「なあお前、その子をどう思う?」 れいむは何の臆面もなしに、俺の目を真っ直ぐ見ていった。 「だかられいむはこんなこしらないよ!こんなへんなこはきらいだよ!」 「そうか、じゃあどうしたい?」 「いなくなってほしいよ!こんなへんなこはゆっくりできないよ!」 「そうか、じゃあやってみろよ」 れいむは俺の言ってることの意味がわからないようだった。 俺はれいむにゆっくりと説明してやる。 「お前がしたいようにすればいい、そいつを好きにすればいいさ」 れいむはすこし考えてから、子れいむに向き直った。 「ゆぴぴぃ!」 子れいむは、親れいむに見つめられて嬉しいのか、焦点の合っていない目を細めて、満面の笑顔で答えた。 ぼよんっ、ぶちり。 親れいむは軽やかに跳ね、そのまま子れいむの上に着地した。 ぼよんっ、ぐちゃ、ぼよんっぐちゃ、ぼよんっぐちゃっ。 何度も何度も、子れいむがただの餡子の塊になっても、何度も何度もれいむはその上でバウンドした。 「ふぅっ、すっきりー!ゆっくりできないこはせいっさいっ!したよ!これでゆっくりできるね!」 「お前は馬鹿だな、本当に」 子れいむが物言わぬ地面の染みになるのをただ見つめていた俺は、重たい腰を上げてれいむに近寄った。 「せいっさいっしたられいむはおなかがへったよ!はやくごはんをもってきてね!」 「はいはい」 「ゆげぇっ!ごぇっ!ぐぇぇ!!」 俺は何度も何度も、死なない程度にれいむの上に足を乗せて踏みつけた、 一通り踏みつけて気絶したの確認してから、俺は子れいむの亡骸を集めて、家に入った。 「おまたせ」 短くそういって、俺はれいむの目の前に餌箱を乱暴に置いた。 「ゆふふ!ちゃんともってきたね!わかればいいんだよ!むーしゃむーしゃするよ!」 れいむはさっき俺に踏まれたことを忘れたのか、俺におびえることも無く俺の差し出したご飯にがっついた。 「ゆゆ~ん、とってもあまあまでおいしいよ!むーしゃむーしゃしあわせ~!」 喋りながら食べるせいで、ぼろぼろと餌は地面にこぼれ、れいむの口の端には租借物がこびりつき、見るに耐えない。 全部食べ終わったのを確認して、俺はふぅとわざとらしいため息をついた。 「あーあ、れいむったらお馬鹿さんだねぇ、俺との約束を忘れたのかな」 「ゆゆ?」 れいむは俺の言葉に反応して、俺を見上げた、知性のかけらも無いすっとぼけた表情で俺を見つめる。 「あのさ、お前をここにおいてやるとき言ったよな、お前の子供にすることを、全部してやるって お前が子供を殺したから、本当は殺してやっても良かったけど、踏んづけるだけにしてやったのに…」 俺はそういいながら部屋に入って、用意してあった小さなシャベルと大き目のビニール袋、それとカッターナイフを持ってもう一度外に出た。 「お前、子供を食ったね」 「ゆゆ?なにいってるの?」 れいむはそういわれても、俺の言葉を理解できないようだった。 俺はさっき与えた餌の中に子れいむの死骸を混ぜていた。 れいむはそれに気付かずに、それも甘くて旨いなどといいながら、食いきった。 なので俺は約束通り、同じことをこいつにしてやらなくてはいけないのだ。 俺はれいむを捕まえて、カッターナイフでまぶたを切り落とした。 「いじゃあああああああ!!!!!」 ゆっくりは痛みに弱い、人間だって卒倒しそうなこの出来事に、 れいむはしーしーや涙や涎やら、とにかく全身から液体をまきちらしながら泣き叫んだ。 「あーあー、かわいそうに、餌だぜ、餌、お前は餌になるんだ」 声はオーバーに演技しながら、しかし表情を変化させずに、カッターでれいむの肌に無数の傷をつけていく。 「ゆがあああああ!!!やべろおおおおおおお!!!」 れいむは必死にもがくも、人間の俺の力に敵うはずも無く、なすすべなく亀裂からは餡子が次々と漏れ出してしまう。 俺は最後にれいむのあんよをそぎ落として、まとめてビニール袋にぶちこんだ。 「ゆ”…っ!ゆ”…っ!」 何度も痛みで気絶し、また痛みで意識を取り戻して、また気を失うのを何度も繰り返しているのか、 むき出しの目玉はぐりぐりと四方八方に視線を飛ばしている。 けれど死んではいない、ショック死されてしまうかとおもったが、期待通りれいむはちゃんと生きていてくれた。 「じゃ、いこうか」 俺はビニール袋の口を縛って、外に繰り出した。 数百メートル歩いたところに、自然公園がある。 ここは野良ゆっくりのたまり場になっていて、何度駆除しても必ず一定数はゆっくりが集まっていることで知られていた。 俺はその中心に立ち、ビニール袋の口をあけた。 すると中からむせ返りそうなほどの甘ったるい匂いが噴出してきて、辺りに漂い始める。 その匂いをかぎつけたのか、遠くにはちらほらと野良ゆっくりが何匹か顔を出してきた。 しかしまだ警戒しているのか、それ以上近寄ろうとはしてこない。 俺は無理やり笑顔を作って、大声でゆっくりに呼びかけた。 「おーい、こっちにおいで、お兄さんがあまあまをあげるよ!」 すると警戒を解いた何匹かのゆっくりが、俺の足元まで近づいてきた。 「あまあまっていったのぜ?はやくよこすのぜ!」 「おにいさん、ありすにもくれるかしら」 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!おちびちゃんのためにもれいむにいっぱいちょうだいね!」 群がるゆっくりたちの中に、ビニール袋の中身を少しちぎって、ひょいと投げ入れた。 俺が手を入れたビニール袋は、一々ぶるぶると震えるのだが、誰もそれを気にするものは居ない。 「むーしゃむーしゃ、ししししししあわせぇぇえ!!あまあまだぜ!!」 運よく最初のひとかけらにありつくことができたゆっくりが声を上げた。 すると遠くに居たゆっくりも急いでこちらにやってきて、近くにいたゆっくり達はよりいっそう瞳を輝かせて俺を見つめた。 ああなんて純粋で馬鹿で、そして醜いんだろう。 たぶんこのビニール袋の中身が、さっきまで同族だったなんて気付くやつは、一匹も居ないだろう。 「じゃ、これ全部あげるから、みんなでたのしんでね、ゆっくりしていってね」 『ゆっくりしていってね!』 俺の声に反応して、全員が元気よくそう答える。 俺はその中心に、ビニール袋ごとれいむを投げこんだ。 『!!!!!!!!!!!!!!』 怒号を発しながら、何十匹ものゆっくり達がそこに群がりだす。 もう中心は上も下も無い大騒ぎだ。 「ゆがああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」 れいむの声だ、俺にははっきりとわかったが、たぶんあいつらはあまあまに夢中で気付いていない。 「やべろおおおおお!!でいぶをたべるなああああ!!!ごっぢにぐるなあああああああああああああああああ!!!!!」 れいむの目はむき出しだ、おそらく自分を喰おうと群がってくる全てのゆっくり達の姿が、見たくなくても見えていることだろう。 俺はそれに背を向けて、ゆっくりと歩き出した。 「ぎいぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!!いやだああああ!!いやだああああああああああああ!!!!!」 俺の耳にだけ、れいむの断末魔の叫び声が、突き刺さる。 「いじゃあいいいいあいあいあいあいいい!!!!だずげで!だずげでええええ!!だずげろおおおおおおおおおお!!!」 あのすさまじい勢いなら、もうおそらく身体の半分以上はなくなっているだろう。 けれどれいむは必死に助けを求めて叫び続けていた。 「だれがああああああ!!!!!だれがあぁあぁっぁぁぁああああああ!!!!」 あの日と同じように、誰かの助けを求めて。 「ああああああぁあああっ!あぁああ……………」 けれど誰もそれに気付かない、れいむの声はどんどんか細くなっていき、ついに掻き消えた。 俺は一度も振り返らずに、公園を後にした。 おしまい。 ------------------------------------------------- あとがき。 最後まで読んでいただきありがとうございます。 思いつきで一気に書き上げたわりには意外と長めになってしまいました。 久しぶり?の虐待物だったので、少々忘れ気味で あれ?れいむってこういうしゃべりかただっけ…というようなところがちらほらあるようなないような なんだか最近勢いのある新しい人がたくさん活躍されてるみたいですね 自分も負けないようにがんばりますよ~! それではまた次回作で会いましょう。 ばや汁でした。 いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます! この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ 今までの作品 anko1748 かみさま anko1830-1831 とくべつ anko1837 ぼくのかわいいれいむちゃん anko1847 しろくろ anko1869 ぬくもり anko1896 いぢめて anko1906 どうぐ・おかえし anko1911 さくや・いぢめて おまけ anko1915 ゆなほ anko1939 たなばた anko1943 わけあり anko1959 続ゆなほ anko1965 わたしは anko1983 はこ anko2001 でぃーおー anko2007 ゆんりつせん anko2023 あるむれ anko2068 おしかけ anko2110 とおりま anko2111 おもちゃ anko2112 ぼくとペット anko2223 まちかどで anko2241 かいゆ anko2304 ぼうけん anko2332 とかいは anko2349 たたかい anko2369 ゆっくぢ anko2413 せんたく anko2427 ぶろてん anko2489 あこがれ 前編 anko2588 ひとりぼっちのまりさ anko2807 母の音 anko2887 僕とれいむと秘密基地 餡小話では消されてしまった作品も多数ありますので、過去作を読みたいと思っていただけた方は ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html をご活用ください。 挿絵:トラップあき 挿絵:さなあき 挿絵:車田あき
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『れいむとけいっやく!』 7KB パロディ 日常模様 野良ゆ 現代 本当にゆっくりと向き合えますか? 「にんげんさん!れいむとけいっやくしてね!いますぐでいいよ!!」 道を歩いていれば何処からか聞こえてくるゆっくりの『鳴き声』。 それが既に日常化している昨今では、誰もその声に反応する人はいない。 でも、少し珍しい『鳴き声』に僕はおもわず足を止めてしまった。 「やあ、れいむ。ゆっくりしていってね?」 「ゆ?にんげんさん、ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり。ところでれいむ、君が言っていた契約って何の事?」 僕が足を止めた理由、それはれいむの契約という言葉だった。 普通の野良であれば、『かいゆっくりにしてくださぃいいいーっ!』ってのが常套句なんだけど、このれいむは違った。 普通とは違う、知性ある言葉を用いた。それが僕の興味を惹いたのだ。 「ゆふん!にんげんさんはけいっやくのいみもしらないの?れいむみたいにちゃんとべんっきょうしないとだめだよ!」 「教える気がないなら、帰ってもいいんだけど?」 「ゆゆっ!?じょーくだよ!?れいむなりのおちゃめなじょーくだから、どこかにいかないでね!」 契約を求める相手に偉く高圧的な態度をとるれいむに僕の足が動きかけた。所詮は路上で変わったパフォーマンスに目がいく程度の興味なのだ。 慌てて弁解するれいむだったけど、言葉と一緒にバチンッ!と投げ掛けられた下手糞なウィンクにはどう応えたものだろう。 とりあえず、話しを促してみるとしよう。 「しかたないね、にんげんさんにもわかるようにせつめいしてあげるよ!れいむのけいっやく、それはね……」 「れいむをにんげんさんのかいゆっくりにするっていうものだよ!!」 …………あー、何だ。 「ただのテンプレ鳴き声か。期待して損した……」 「ゆっふっふ。にんげんさん、はやとちりさんはやめてね」 軽く落胆していると、野良れいむが何やら言っている。 まだ何か用なのだろうか? 「早とちりって?言っとくけど、君を飼う気なんて無いよ?」 「それがはやとちりさんなんだよ。れいむをかいゆっくりにするかどうかは、れいむのはなしをさいごまできいてからにしてね!」 少し驚いた。大抵のゆっくりは断られると喚き出すと言うのに。 僕はもう少しだけ、野良れいむの話を聞いてみる気になった。 「分かった、聞かせてくれ」 「ゆふっ、はなしのわかるにんげんさんだね!だからとくべつにはなしてあげるね! れいむたちのらゆっくりは、みんなかいゆっくりにあこがれてるよ。 だからまいにちにんげんさんにかいゆっくりにしてもらえるように、おうたをうたったり、こえをかけたりしてがんばってるんだよ」 それは誰でも知っている。ついでにその頑張りのせいで命を捨てていることもね。 「でも、ほとんどのゆっくりがせいっこうしなかったよ……。 しゅんっそくのまりさも、とかいはありすも、けんじゃなぱちゅりーも、だれもかいゆっくりにはなれなかったよ……。 れいむはどうやったらかいゆっくりになれるか、たくっさんかんがえたよ。 そうしたら、れいむのずのうが、うるとらすーぱーでらっくすなかんがえにいたったんだよ!」 「ふーん。で、その考えって?」 「ゆふん!のらゆっくりはみんな、じぶんのゆっくりしかかんがえていなかったからかいゆっくりになれなかったんだよ! だいじなのは、かいぬしのにんげんさんがゆっくりをかってゆっくりできるかっていうこと!つまり……、」 野良れいむは溜めを作りそのまま、 「ゆっくりがにんげんさんをゆっくりさせてあげれば、のらゆっくりはみんなかいゆっくりになれるんだよ!!」 自信満々の顔でそう言い切った。 僕はさっきよりも驚いていた。この野良れいむが言っていること、あながち間違いではない。 人々が野良ゆっくりを飼おうとしないのは衛生的な理由などもあるが、大概がゲスで、碌な目に遭わないからだ。 野良を飼う位なら、ゆっくりショップで金を払ってバッヂ付きを飼うと言う人がほとんどだろう。 しかし、もし野良が本当に人間をゆっくりさせるのなら?野良ゆっくりの状況は少なからず変わるはずだ。 まさかそこに野良、それもれいむが気付くとは思わなかった。 そんな僕の驚きの表情を見た野良れいむは、まるで鬼の首を取ったかのような顔と声で続ける。 「れいむはもちろんゆっくりできるとうれしいよ! でも、にんげんさんもいっしょにゆっくりしてくれればもっとうれしいよ! それはとってもゆっくりできるなって、れいむはおもったんだよ!」 本当にそう思っている顔で僕に告げる野良れいむ。 そして、次に言うであろう言葉が僕は何となく予想が着いた。 「だから、にんげんさんはれいむとけいっやくしてね!」 飼いゆっくりにする代わりに、僕をゆっくりさせる、か。 それは確かに普通の野良の物乞いのようなものとは違う。互いの利害を考えた上での提案、正に契約と行って差し支えないだろう。 だがしかし、ゆっくりに出来ることなんてたかが知れている。ましてや野良ゆっくりだ、僕が本当にゆっくりした思いになれるかも怪しい。 だから僕はれいむに言ってやるのだった。 「いいよ、れいむ。僕と契約しよう」 「……ゆぅっ!?」 まさか本当に僕が契約するとは思っていなかったんだろう、思わずといった感じに驚く野良もとい僕の飼いれいむ。 あの野良ゆっくりが人間に対等な条件を求めてきているのだ。面白いじゃないか、僕は乗るね。 「に、にんげんさん。ほんとうにれいむと、けいっやくしてくれるの……?」 「あれだけ自信ありげに契約を迫った奴の言う台詞か?何度でも言うよ。僕は、れいむと、契約するよ」 しっかりはっきりとれいむに言ってあげた。すると、れいむは身体を小刻みに揺らし始め、 「や、やったよぉおおおーっ!!れいむ、かいゆっくりになったんだよぉおおおおぉおおおおっ!!」 一気に喜びを爆発させた。うん、ウザい。 「最初に言っとくけど、僕の言う事はしっかり聞いて守るように」 「まっかせてね!れいむはかいっ!ゆっ!くりっ!だからね!おにいさんのいいつけはじゅんっしゅするよ!!」 そう力強く返事するれいむだけど、おそらく幸せの波に飲まれてすぐに忘れるだろう。僕も端から期待していない。 「かいゆっくりになったからには、れいむのいだいなけいっかく!をじっこうしなきゃね! おいしいあまあまをおなかいっぱいむーしゃむーしゃして、ふわっふわくっしょんさんですーやすーやして、びゆっくりまりさとおちびちゃんをたくっさんつくるんだよ! ゆーん!れいむ、しあわせすぎてごめんねぇえええーっ!かいゆっくりでごめんねぇええええぇえええええーっ!!」 口から妄想が駄々漏れなれいむ。多分もうこいつの餡子脳の中には自分がゆっくりすることしかないんだろうなあ。 それだけ分かっているのにどうしてこのれいむを拾ったかって疑問に思う人もいるだろう。 れいむは既にゲス化の兆候もあって、僕をゆっくりさせることなんて万に一つもありえないだろうしね。 「おいおい、れいむ。僕もちゃんとゆっくりさせてくれよ?」 「わかってるよ!れいむはかいゆっくりだからね!けいっやくはしっかりまもるよ!」 簡単なことだ。 れいむが僕をゆっくりさせてくれないのなら、れいむが僕をゆっくりさせるような状況を作ってしまえばいいんだ。 契約は絶対。もし破ろうとするのなら、ちょっとぐらい強硬な手段に出て抑止しても構わないはずだ。 「ゆ~ゆ~♪れいむはかいゆっくりっさ~♪」 さて、れいむ。今の君に後悔なんて、あるわけないよね? れいむと僕の邂逅からちょうど一月が経った。れいむは望み通り、飼いゆっくり生活を満喫している。 『自分や他のゆっくりのうんうんを』お腹一杯食べ、 『小さな棘がびっしりと敷かれた』クッションに包まれながら眠り、 『れいぱーありすとの間に』たくさんの子供をつくる毎日を送っている。 でも、全然ゆっくりはしていない。 僕はというと、 嗚咽を漏らしながら食事をするれいむに癒され、 声を上げながらころころとクッションの上を転げ回るれいむに和み、 涙を流しながら子供をつくり続けるれいむの母性(笑)に感動する毎日を送っている。 僕は確かにれいむにゆっくりさせられている。 僕とれいむのゆっくりの間には、明らかに差が生じていた。 でも、僕とれいむの間で飼わされた契約には何の矛盾も違反も起きてはいない。 ただ、れいむは知らなかったんだ。 契約というものが決して対等に行われるものではないという事を……。 「ごんなのぜっだいおがじいよぉおおおおぉおおおおおっ!!!!」 ゆっくりって、ほんとバカ。 後書き 安易な契約は身を滅ぼします。現実には助けてくれるほむほむはいません、ご注意を。 さて、前回はパロネタが意外に好評だったので、即興でもう一つパロ作品をあげました。 ただ単に他に書いてた物が行き詰まったから、という理由もありますが……。 某魔法少女たちと野良ゆっくり、果たしてどちらがマシな境遇でしょうかね? 今回も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございます。 書いた物 anko3049 賢いのは…… anko3065 まりさのお家 anko3092 田舎に帰ってゲスと戯れてみた 前編 anko3126 田舎に帰ってゲスと戯れてみた 中編 anko3172 田舎に帰ってゲスと戯れてみた 後編 anko3176 ゆっくりもこけーね anko3201 そんな都合の良い設定は……
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れいむ讃歌 駄文です 今回もジョジョパロが 最近、家の金バッチのちぇんの様子が変だ。どうやら近くの公園に住み着いている野良に餌を与えているようだ。ちぇんに一回その理由を尋ねたら 「れいむはすごいんだよ~。わかってね~。」と言われた。 これだけの内容じゃ状況が把握できないが、どうやら脅されているわけじゃないのはわかった。だったらどうして厳しい訓練を受けた金バッチのちぇんが野良と関わり合うんだろう…? このことを同じく金バッチのみょんを飼っている知り合いに相談したところ、 「お前のとこのちぇんもか。」 「俺のところのも…?」 「ああ…。うちのみょんもそうだが、ここらの金バッチの一部がその野良れいむに貢いでるみたいなんだ。」 「何で野良なんかに…。」 「お前どうせ暇だろ?明日にでもそのれいむが何者なのか調べてみてくれよ。」 「暇なことは否定はせんが、何かイラッとくる言い方だな…。」 こうして俺は、次の日その野良れいむが居るという公園まで足を運んだ。ちぇんの方は悪い影響があるかもしれないので家においてきた。 こじんまりとした公園には、小さな子や年寄りがちらほら居た。最悪野良れいむを始末するときは、目に付かないようにしよう。 ちぇんの話では、お目当ての野良れいむは、公園の隅にダンボールとブルーシートで野良としてはなかなかの家を作っているらしい。 「れいむゆっくりしていってねっ!これはすごくゆっくりできるあまあまだよ!!」と、言う声が聞こえたので、そちらの方に行ってみると金バッチのまりさが明らかに野良とわかるれいむにお菓子をあげていた。 お菓子を貰ったれいむはと言うと、「ゆふ~!ゆっくりできそうなあまあまだね!!ほめてつかわすよ!!」「ちゃちゅがれーみゅのおかーちゃんじゃね。」「「きゃわいきゅっちぇ、ぎょめんにぇー☆」」と、かなり上から目線でまりさに接していた。 「こいつが噂のれいむか…しかし子持ちとは聞いてなかたぞ。まあ、だからなんだって話なんだが…。」そんな独り言を言いながら俺は、少し離れたところから様子を見ていた。 観察してみてわかったことは、こいつがしんぐるまざーで子れいむが3匹、餌を持ってくるゆっくりはすべて金バッチだということだった。俺は、他のゆっくりが居なくなった事を確認してから野良れいむにファーストコンタクトをとった。 「やあれいむ。ゆっくりしていってね。」 「「「ゆゆっゆっくりしていってねっ!!」」」 「ちょっとれいむに聞きたいことがあるんだが…。」 「しょんにゃこちょよりにんげんはあまあまよこちぇ~!!」 「よこちぇ~♪」「あまあま、あまあま♪」 クッ、この糞赤ゆ共ぶっ潰してやろうか!!そう思っていると親のほうが、「そんなことよりにんげんさんは、にーとなの?にーとじゃないの?どっちなの?」と言ってきた。 (よし、潰そう。)その言葉に切れた俺は強い口調で、「ハァ~?てめえみたいな糞饅頭には、関係ねぇだろうがッ!!」と踏み潰そうとして足を上げるたすると、 「にーとじゃないなら、かえってねっ!にーといがいは、きょうみないよっ!!」言ってきた。 (あれ?こいつ俺を馬鹿にしたんじゃないの?と言うよりニートには用があるの?) 少し頭が冷めた俺はれいむに合わせて「うん。俺はニートだよ。だからちょっと話を聞かせてもらいたいんだが……」自分で言っといて悲しくなってきた。 「ゆ?にんげんさはにーとなの?なら、れいむにあまあまもってきてね!!これはめいれいだよっ!!」と言ってきた。 少し腹が立つが俺は、「何でニートだとれいむにあまあまを持ってこなくっちゃならないの?」と聞いた。 すると「ゆぷぷ!にんげんさんは、ばかだね!でもれいむはやさしいからおしえてあげるよっ!!れいむはにーとのかみさまなんだよ!!しんぐるまざーで、こどもをそだてないといけないのに、はたらかないんだよっ!!すごいんだよっ!!」 (…ある意味すごいが、しかし何でそんな事でこんない威張れるんだ?)そう思っているとさらにれいむは話を続けた。 「れいむさんかは、にーとのさんかっ!!れいむのすばらしさは、しんぐるまざーのすばらしさなんだよっ!!わかったらさっさともってきてね!!これでもわからないなら、しんぐるまざーおーばーどらいぶっをやっちゃうよ!!」 しんぐるまざーおーばどらいぶ~?その言葉に興味を持った俺は、「いいぞ。それやってみろよ!!おもしろかったらあまあまでも何でも持ってきてやるよっ!!」 「ゆっふっふっ、ばかだねにんげんさん。このわざは、れいむのいだいなきおくを、にんげんさんにみせるわざだよっ!!それをみればにんげんさんも、れいむのいだいさにひれふすよっ!!」 そう言ってれいむは俺の足元までやって来て、のーびのーびしたり、もみあげをぐるぐる回し始めた。 「ユーハーユーハーユコオオオォォォォ」 「何だそれ?」 「おーばーどらいぶっのためのとくべつなこきゅうほうだよっ!!かんたんにせつめいすればこきゅうであんこに、はもんをおこしているんだよっ!!」 そしてれいむは、もみあげを大きく振りかぶって、「ふるえるよ あんこっ!!あきれるほど にーーと!!きざむよ しんぐるまざーのびーと!!」 『しんぐるまざーおーばーどらいぶっ!!』 そう言って俺の脛に向かってもみあげで殴りつけてきた。すると本当にれいむの今までの記憶が流れ込んできた。 「ゆっふっふ…これで、れいむのいだいさがわかったね。みつぎものは、あまあまたくさんでいいよっ!!」 俺はすべてを理解した。なぜ金バッチの飼いゆっくりがこいつに餌を上げるのかを…。 こいつはゲスだ。どす黒いほどのゲスだ。しかし役に立つゲスだった。 こいつは普通の野良のゆっくりの間に生まれた。 普通のゆっくりは植物型妊娠をして3日後には生れ落ちる。そして3ヶ月後には独り立ちするのだ。 こいつは、生まれ付いてのニートだった。他の姉妹が巣立ちをしても、実家に居座り親に餌を持ってこさせ続けた。 しかしそれも長くは続かなかった。みんなが巣立ってから1ヶ月たたずに、両親は永遠にゆっくりしてしまったのだ。 しかたがないのでれいむはつがいをさがした。しかし、れいむは自分を客観的に見るかとができた。だから普通の方法ではつがい(パラサイト先)を見つけることができない。 そこである事をれいむは閃いた。そしてれいむはその作戦をすぐに実施した。 なんと!れいむはれいぱーが居るという公園でまむまむを広げて横にになったのだ。そしてれいぱーに見つかってしまった。 「んほおおぉぉぉ!!とかいはなれいむね!!いいわ、ありすがとかいはなあいをあげるわ~~っ!!」 後は火を見るより明らか、れいむはれいぱーに襲われ妊娠してしまった。しかしそれこそがれいむの奇策だったのだ。 「もっととかいはなあいをあげるわ~!!れいむぅ~!!」そんなことを言っているれいぱーに対して「なにいっているの?そんなことをしたらあかちゃんがしんじゃうでしょ?ばかなの?しぬの?」 しかしれいぱーはそんな言葉を無視して「んもぉ~!れいむはつんでれね!そんなこといわなくっても、ありすはわかっているわよ~!」 その言葉を聞いてれいむは「なにいってるのッッ~~!!!!とかいはなあいで、できたあかちゃんなんだから、ふたりでそだてるのが、とかいはのやくめにきまっているでしょーーッ!!そんなこともわからないのッ!?ばかなのっ!?いなかものなのっ??」と烈火のごとくわめき散らした。 ありすは、かなり驚いた様子だった。無理もない、今まで襲った連中は、『やべでぇ~!!』とか『ずっぎりじだくない~っ!!』とかツンツンしていても本音は喜んでいると思っていた。 しかし、れいむの言葉にはツンデレの要素がないことは、れいぱーにもわかった。その上、とかい派な愛でできた子供なのだから2人で育てるのが、とかい派だと言うのも納得してしまった。だがれいぱーは一筋縄ではいかなかった。 「ありすには、ほかのこにもとかいはなあいをあげなるという、じゅうだいなしめいがあるんだから、あかちゃんはれいむひとりでそだてるべきよっ!」そう反論した。 「そんなのあかちゃんが、すだってからでもできるでしょーーっっ!!それともありすは、あいてにあかちゃんをおしつけるむせきにんないなかものなのっ!?」 れいぱーにかかわらずありす種の根源には、『とかい派』と言う狂信的なものがある。れいぱーはそれが『とかい派な愛』に変わっただけで基本的には同じである。 いくられいむの罠だったとしても、れいむの言ってる事は大体あってるとありすも思っているので反論ができない。そもそも、田舎者という言葉は、聞き捨てならない。 「ゆぐぐぐぐっ!!」と、唸ったありすはしかたなくとかい派のプライドのためにれいむのつがいになった。 それから3ヶ月間れいぱーにとっては地獄だった。子供は全部れいむ種でかわいいとも思えないし、子育てで忙しいといって、自分は何もせずに、ありすにご飯からお家の確保、うんうんの片付けもさせた。 そして3ヵ月後 「「「「「おかーさん!おとーさん!れいむたちは、すだちするよっ!いままでそだててくれてありがとう!!」」」」」 ありすのぺにぺにはギンギンに起っていた。こいつらが居なくなったら、すぐにでもれいむを捨てて、他のゆっくりにとかい派な愛を与えに行こうと思っていた。 そして子供が巣立ち、れいむとありすしか居なくなった家で、れいむに別れを告げようと思って、口を開いた瞬間…。 「れいむ!!ありすは、とかいはなぎむをおえたから、このいえからでt「そんなこといいから、はやくまたあかちゃんつくってねっ!!」 そう言ってれいむはありすにまむまむを見せた。その瞬間ありすの中で何かが壊れた。この3ヶ月の悪夢が走馬灯のように頭をよぎったのだ。 さっきまでビンビンだったぺにぺにはふにゃふにゃ萎え、ありす自身もプルプル振るえ変な液体を体中から出している。 「すっきりはとかいはじゃないわ~~~っ!!!!」 そう言ってありすは家を飛び出した。もうありすはレイプすることができない。この事が原因でEDになってしまったのだ。 ━ありすは━ 2度とれいぱーには戻れなかった…。 とかい派と田舎ものの中間のゆっくりになり 永遠に町をさまようのだ。 そして すっきりーしたいと思ってもすっきりーできないので ━そのうちありすは ゆっくりするのをやめた。 「ゆふぅ~!!しょせんれいぱーだね!!でも、れいむはやさしいからゆるしてあげるよっ!!またあたらしいれいぱーを、みつけるだけだからねっ!!」 こうして、れいむはれいぱーにパラサイトしては、れいぱーを再起不能にする。恐怖のれいぱー食いになった。 このれいむの恐ろしいところは、妊娠した子供がすべてれいむ種の上、れいぱーにパラサイトする方法をちゃんと子育てで教えていたのだ。 今まで人間がいくらがんばっても出来なかったれいぱーの絶滅をこのれいむは出来るだろう。人間が最大の難関としていた繁殖力も同じゆっくりのうえ、妊娠する子供すべてれいむ種に出来るという力を持っているのでれいむの方が有利だ。 しかも、子供にありす種が居ないので、れいむの恐怖を餡子を通じて受け継ぐことが出来ないので、100%引っ掛かる。 「だから、金バッチたちはれいぱーを絶滅させることが出来るこのれいむに餌をあげていたのか~。」 れいむは自分がいかに可哀想かみせつけてるつもりだが、頭のいい金バッチたちは、れいむがしている事は自分たちを、身を挺して守っているように思えたようだ。 『さすがれいむ!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれはするが!あこがれないィ!』見たいな事を考えていたんだろうなぁ~。 ちなみにれいむの記憶によると、今シングルマザーなのは、前のありすが、ストレスに耐え切れず、すぐに死んでしまったからである。 「さっさとあまあまよこしてね!!きこえないの?ばかなの?」 俺はポケットから飴玉を出しれいむたちの方に投げた。 「ゆゆ~ん♪それでいいんだよ!こんどくるときは、もっともってきてねっ!!」 俺はれいむたちに何もせずに帰ることにした。確か自分の事しか考えないゲスだがみんなのやくにたっているのだから…・ 帰り道で「ああ言うのを、『ひつようあく』って、言うのかなぁ~。」そうポツリとつぶやいた。 おわり
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※俺設定 ※東方オリジナルの設定をほとんど無視します ※人間が出ます ※直接的な虐待はないです ゆっくりSSをれいむに読ませてみた ウチで飼っているれいむにゆっくりSSを読ませてみた。 と、言っても、れいむはひらがなしか読めない。 そんなんじゃあ、まず理解出来ない。 ということで、オレが声に出して聞かせてやった。 だから、実際には、れいむにゆっくりSSを聞かせてみた。 というのが正しい。 が、そんなことはどうでもいい。 とりあえず、やってみた。 れいむは最初、 「ゆ~!!!おはなしさんはゆっくりできるよぉ~!!!」 と喜んでいたが、どうだろうな。 大抵、オレが読んでいるゆっくりSSは大抵、ゆっくりがゆっくり出来ないゆ虐SSだからな。 れいむは多分、ゆっくり出来ないだろうな。 言い忘れていた。オレの飼っているれいむは、銀バッチだ。 そして、ゆっくりブリーダーから専門の躾を受け、 人間にしていいこと悪いことの区別がある、比較的に素行のよいゆっくりだ。 近所にあるゆっくりショップから飼ったれいむだ。 えさを上げると、すぐに喜び、ちょっといじめると怒ったり、泣いたりする、 可愛いやつだ。 ちなみに、オレは虐待鬼意山ではない。 ちょっとのぬるいじめが好きな愛でお兄さんだ。 ぬるいいじめというより、れいむをからかったりする程度のぬるいじめ。 いじめられて、喜怒哀楽をコロコロと変える様を見て楽しんでいるっていうか・・・。 笑ったり、怒ったり、泣いたり、驚いたりするれいむを見て、可愛いなぁって思うだけ。 そんなヤツがなんでゆ虐SSなんか読むんだって? 人間で例えるならば、アレだ。 変態プレイには興味があるけど、実際には怖くて出来ないから、 そういうエロビデオを見てるっていう感覚に近いかな? まあ、虐待みたいなハードないじめが嫌いなオレは、 さすがにウチのれいむを虐待しようとは思っていない。 ただ、「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに、 無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さっていうヤツかな? れいむがどういう反応取るのか楽しみなってきた。 オレがれいむに聞かせたのは、王道パターンの作品だ。 野良れいむと野良まりさの番が人間の家を荒らして、 おうち宣言⇒ゆ虐という、すごくシンプルな話だ。 基本形とも言える作品。 SSの野良れいむと野良まりさは、 この人間の家が気に入ったらしく、ここを自分たちのゆっくりプレイスにしようと、 声高々に叫んだところまで、ウチのれいむに聞かせた。 ウチのれいむは・・・ 「にんげんさんのおうちにかってにはいるなんて・・・ゆっくりできないゆっくりだね・・・」 と、何か哀しそうに言っていた。 話をSSに戻すが、 SSの野良れいむの頭には茎があり、今にも落ちてきそうな赤ゆっくりが5匹いた。 れいむが3匹とまりさが2匹。 そこへ、丁度、人間が帰ってきて、 お決まりの・・・。 「ゆっくりしていってね!!!」 をやった。 ウチのれいむも、ピョンピョン跳ねながら、笑顔で、 「ゆっくりしていってね!!!」 をやった。多分、条件反射なんだろうな。ゆっくりにとって、 「ゆっくりしていってね!!!」 って言い返すのは。 まあ、そこからは、ゆ虐SSを読んでる諸兄たちは、よ~く分かると思うが、 野良まりさがここは自分の家だと言って、野良れいむがゆっくり出来ない人間は出て行けと言って、 さらに野良まりさがお菓子を持って来いと叫び、野良れいむが人間を奴隷扱いし始める。 そんな、もうまるでゆ虐の歴史と共に使われてきたようなテンプレ通りの行動。 「ぷくー!!!そこはにんげんさんのおうちだよ!!!このれいむとまりさはまちがってるよ!!!」 頬を膨らせて、目を吊り上げて、なぜかオレを睨みつけるウチのれいむ。 ゆっくりブリーダーの教育がよかったのか、 人間の所有物は人間の所有物だということがちゃんと分かっている。 これがこのSSのような野良ゆっくりの場合、 人間の所有物はゆっくりの所有物だという、人間にはとても理解出来ないことを言い出すからな。 一応、オレを睨むなと軽く注意をし、 「ゆっ!?おにいさん!!!ゆっくりごめんなさい!!!」 と、ちょっと慌て気味に謝るウチのれいむ。 で、SSの方だが、 野良れいむの頭に付いている赤ゆっくりたちが、 ちょうど見計らったかのように、次々に床に落ちていく。 そして、親たちに向かって、 「「「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!!」」」」」 部屋中、割れんばかりの声で挨拶する赤ゆっくりたち。 親たちは生まれてきた赤ゆっくりに向かって、目をウルウルと潤わせながら、 挨拶し返す。 ウチのれいむもまた、新しい生命の誕生に感動したのだろうか、 SSの野良れいむと野良まりさのように、涙を瞼に溜めて、 「ゆっくりしていってね!!!」 と、叫んだ。 やっぱり、条件反射なんだな。ゆっくりの挨拶って。 その後、SSの赤ゆっくりたちは、人間に対して、自身のかわいさをアピールし始めた。 そして、親たちもまた、同じ行動をし始める。 「ゆゆ~ん!!!あかちゃんはゆっくりできるよ!!!」 と、ウチのれいむもモジモジしながらにやけていた。 いつかは自分も赤ちゃんがほしいみたいな顔をしていやがる。 黙っているけど、顔には正直に表われている。 が・・・。 SSの人間は、鬼の形相で、赤ゆっくりたちを踏み潰した。 れいむとまりさは、呆然として、理解するのにしばらく時間が必要だったらしく、 目の前で起きたことを頭の整理していた。 これはウチのれいむにも言えた事だった。 目が点になり、口も半開きで、一体何が起きたのか理解できていなかった。 しばらくして、ウチのれいむは、 SSのれいむとまりさが、この後、SSの人間に向かって叫ぶ台詞を知っていたのか? と、突っ込みたくなるような・・・まさにそんな感じだった。 「どぼぢでごんなごどずるのぉおぉおおっぉおおおぉおおおおおおぉおおおお!!!!!!」 ウチのれいむは、SSのゆっくりにシンクロするかのような叫び声を上げた。 その後は、まあ、SSを詳しく説明する必要はないだろう。 SSのれいむとまりさは、テンプレ通りの虐待を受ける。 その虐待の一部始終を聞かされる最中、恐怖のあまり、 耳をおさげで塞ぎ、目を出来る限り閉じ、ビクビクと体を震わせていた。 SSのクライマックス、あんよ焼きされたSSのれいむがアマギられるところで、 ウチのれいむは、限界だったのだろうか、 ブシャー!!!! 勢いよくしーしーを漏らしてしまった。 「ゆびぃいいぃいいいぃいいい!!!! きょわいよぉおおぉお!!!でいぶぅうぅ!! きょわいよぉおぉおお!!!!にんげんじゃんんん!!! きょわいよぉおぉおおお!!!!!だずげでぇえええ!!!! もうやだぁあああ!!!!おうちがえるぅうう!!!! おがぁあざんんんん!!!!だずげでぇええ!!!! でいぶぅうぅううう!!!!きょわいよぉおおお!!! おにいざんんんん!!!!きょわいよぉおおぉお!!!! でいぶぅぅううう!!!じにだぐないぃいい!!!! あんよざんんんん!!!!やがないでぇえええ!!!! いじゃいいいいよおぉおおぉお!!!!あじゅいいぃいいぃいいよぉおおお!!! あまぎりぃぃいい!!!ごわいよぉおおぉお!!!! ごごばあぁぁあああ!!!ゆっぐりでぎないぃいい!!!! でいぶぅうう!!!ゆっぐりじだぃいいい!!!! ゆっぐりぃいい!!!!ゆっぐりぃいいい!!!ゆっぐりぃいいい!!!! ぱぴぷぺぽぉぉおおぉお!!!ぱぴぷぺぽぉぉおぉおおお!!!! ぱぴゅぅぅぅぅううううぅぅううううう!!!!!!!」 今まで見たことないくらいの泣きっぷり。 涙、汗、涎・・・。 体液という体液を撒き散らし、ブルブルと震える。 もう皮が破けるんじゃないのかと思うくらい、辺りを暴れまくる。 飛び跳ねたり、体を地面に擦り付けたり、 隣近所からうるさいってクレームが来そうな位、叫んだり・・・。 異常なれいむの行動に、さすがにヤバイと思ったオレは、話を止めた。 その時には、もう遅かったのかもしれないと思った。 ウチのれいむは、白目を向き、 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 かすかに呻き声しか聞こえず、れいむのあにゃるからは、 自然に音もなくうんうんが漏れていた。 口からも餡子を吐いており、もう生きているのかさえ怪しくなって来た。 オレは全力疾走で、 近所にあるれいむを買ったゆっくりショップに、 れいむを持って行った。 数日後。 れいむは何とか元に戻った。 以前のように、ゆーゆー言いながら、遊んでいる。 いつ見ても可愛いれいむだ。 しかし、困ったことがある。 れいむがゆぴぃゆぴぃと寝息を立てて、穏やかに寝ていると思ったら、 「やべでぇええ!!!!!でいぶじだぐないぃいい!!! ゆんやぁぁああ!!!!ゆびぃいい!!!!」 と、いきなり叫ぶのだ。 おそらく、夢の中であのSSの虐待を思い出したのであろう。 それほどトラウマになっているようだ。 その時、体から出る物すべて、物凄い勢いで出す。 涙、汗、涎、しーしー、うんうん、餡子。 しばらくすると、精通でもしたのか、 大量の精子餡を出すようになった。 多分、あの夢を見る度に、生命の危機を感じたのか? 日に日に増して、量が増えてくる。 確か、生物っていうのは死に直面すると、 この世に自身の遺伝子を残そうとして、射精してしまうって聞いたが、 ゆっくりも同じなんだろうな。 しかも、その夢を見る回数も、増えていっているみたいで、 れいむが寝ている時に急に叫ぶことが多くなっていった。 れいむが起きると、いろんなモンが体にへばりついていて、 それを処理するのに、物凄い時間がかかる。 綺麗にしてあげないと、れいむは嫌がるから、 仕方がなく、やってあげている。 元はといえば、オレがいじわるでやったことだから、 悪いとは思っている。 だから、責任を持って、世話をしてやっているが・・・。 ホント、やるんじゃなかったと後悔している。 多分、治らないだろうな、れいむのトラウマは・・・。 終わり。 あとがき 直接、虐待しない話を書いてみた。 他の作品 ふたば系ゆっくりいじめ 149 鞭打 ふたば系ゆっくりいじめ 155 糞饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 159 ユグルイ その1 ふたば系ゆっくりいじめ 162 ユグルイ その2 ふたば系ゆっくりいじめ 168 ユグルイ その3 ふたば系ゆっくりいじめ 169 ゲス愛で派 ふたば系ゆっくりいじめ 173 ユグルイ その4 ふたば系ゆっくりいじめ 187 頭でなく心に訴える ふたば系ゆっくりいじめ 188 ユグルイ その5 ふたば系ゆっくりいじめ 192 長寿と繁栄を・・・前編 ふたば系ゆっくりいじめ 200 長寿と繁栄を・・・後編 ふたば系ゆっくりいじめ 221 FFR ふたば系ゆっくりいじめ 230 本気で勝てると思ってたのか? ふたば系ゆっくりいじめ 231 長寿と繁栄・・・完結編 ふたば系ゆっくりいじめ 236 ユグルイ その6 ふたば系ゆっくりいじめ 243 死すべき生物
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れいむ讃歌 10KB 自業自得 ゲス れいぱー これのジャンルがわからない れいむ讃歌 駄文です 今回もジョジョパロが 最近、家の金バッチのちぇんの様子が変だ。どうやら近くの公園に住み着いている野良に餌を与えているようだ。ちぇんに一回その理由を尋ねたら 「れいむはすごいんだよ~。わかってね~。」と言われた。 これだけの内容じゃ状況が把握できないが、どうやら脅されているわけじゃないのはわかった。だったらどうして厳しい訓練を受けた金バッチのちぇんが野良と関わり合うんだろう…? このことを同じく金バッチのみょんを飼っている知り合いに相談したところ、 「お前のとこのちぇんもか。」 「俺のところのも…?」 「ああ…。うちのみょんもそうだが、ここらの金バッチの一部がその野良れいむに貢いでるみたいなんだ。」 「何で野良なんかに…。」 「お前どうせ暇だろ?明日にでもそのれいむが何者なのか調べてみてくれよ。」 「暇なことは否定はせんが、何かイラッとくる言い方だな…。」 こうして俺は、次の日その野良れいむが居るという公園まで足を運んだ。ちぇんの方は悪い影響があるかもしれないので家においてきた。 こじんまりとした公園には、小さな子や年寄りがちらほら居た。最悪野良れいむを始末するときは、目に付かないようにしよう。 ちぇんの話では、お目当ての野良れいむは、公園の隅にダンボールとブルーシートで野良としてはなかなかの家を作っているらしい。 「れいむゆっくりしていってねっ!これはすごくゆっくりできるあまあまだよ!!」と、言う声が聞こえたので、そちらの方に行ってみると金バッチのまりさが明らかに野良とわかるれいむにお菓子をあげていた。 お菓子を貰ったれいむはと言うと、「ゆふ~!ゆっくりできそうなあまあまだね!!ほめてつかわすよ!!」「ちゃちゅがれーみゅのおかーちゃんじゃね。」「「きゃわいきゅっちぇ、ぎょめんにぇー☆」」と、かなり上から目線でまりさに接していた。 「こいつが噂のれいむか…しかし子持ちとは聞いてなかたぞ。まあ、だからなんだって話なんだが…。」そんな独り言を言いながら俺は、少し離れたところから様子を見ていた。 観察してみてわかったことは、こいつがしんぐるまざーで子れいむが3匹、餌を持ってくるゆっくりはすべて金バッチだということだった。俺は、他のゆっくりが居なくなった事を確認してから野良れいむにファーストコンタクトをとった。 「やあれいむ。ゆっくりしていってね。」 「「「ゆゆっゆっくりしていってねっ!!」」」 「ちょっとれいむに聞きたいことがあるんだが…。」 「しょんにゃこちょよりにんげんはあまあまよこちぇ~!!」 「よこちぇ~♪」「あまあま、あまあま♪」 クッ、この糞赤ゆ共ぶっ潰してやろうか!!そう思っていると親のほうが、「そんなことよりにんげんさんは、にーとなの?にーとじゃないの?どっちなの?」と言ってきた。 (よし、潰そう。)その言葉に切れた俺は強い口調で、「ハァ~?てめえみたいな糞饅頭には、関係ねぇだろうがッ!!」と踏み潰そうとして足を上げるたすると、 「にーとじゃないなら、かえってねっ!にーといがいは、きょうみないよっ!!」言ってきた。 (あれ?こいつ俺を馬鹿にしたんじゃないの?と言うよりニートには用があるの?) 少し頭が冷めた俺はれいむに合わせて「うん。俺はニートだよ。だからちょっと話を聞かせてもらいたいんだが……」自分で言っといて悲しくなってきた。 「ゆ?にんげんさはにーとなの?なら、れいむにあまあまもってきてね!!これはめいれいだよっ!!」と言ってきた。 少し腹が立つが俺は、「何でニートだとれいむにあまあまを持ってこなくっちゃならないの?」と聞いた。 すると「ゆぷぷ!にんげんさんは、ばかだね!でもれいむはやさしいからおしえてあげるよっ!!れいむはにーとのかみさまなんだよ!!しんぐるまざーで、こどもをそだてないといけないのに、はたらかないんだよっ!!すごいんだよっ!!」 (…ある意味すごいが、しかし何でそんな事でこんない威張れるんだ?)そう思っているとさらにれいむは話を続けた。 「れいむさんかは、にーとのさんかっ!!れいむのすばらしさは、しんぐるまざーのすばらしさなんだよっ!!わかったらさっさともってきてね!!これでもわからないなら、しんぐるまざーおーばーどらいぶっをやっちゃうよ!!」 しんぐるまざーおーばどらいぶ~?その言葉に興味を持った俺は、「いいぞ。それやってみろよ!!おもしろかったらあまあまでも何でも持ってきてやるよっ!!」 「ゆっふっふっ、ばかだねにんげんさん。このわざは、れいむのいだいなきおくを、にんげんさんにみせるわざだよっ!!それをみればにんげんさんも、れいむのいだいさにひれふすよっ!!」 そう言ってれいむは俺の足元までやって来て、のーびのーびしたり、もみあげをぐるぐる回し始めた。 「ユーハーユーハーユコオオオォォォォ」 「何だそれ?」 「おーばーどらいぶっのためのとくべつなこきゅうほうだよっ!!かんたんにせつめいすればこきゅうであんこに、はもんをおこしているんだよっ!!」 そしてれいむは、もみあげを大きく振りかぶって、「ふるえるよ あんこっ!!あきれるほど にーーと!!きざむよ しんぐるまざーのびーと!!」 『しんぐるまざーおーばーどらいぶっ!!』 そう言って俺の脛に向かってもみあげで殴りつけてきた。すると本当にれいむの今までの記憶が流れ込んできた。 「ゆっふっふ…これで、れいむのいだいさがわかったね。みつぎものは、あまあまたくさんでいいよっ!!」 俺はすべてを理解した。なぜ金バッチの飼いゆっくりがこいつに餌を上げるのかを…。 こいつはゲスだ。どす黒いほどのゲスだ。しかし役に立つゲスだった。 こいつは普通の野良のゆっくりの間に生まれた。 普通のゆっくりは植物型妊娠をして3日後には生れ落ちる。そして3ヶ月後には独り立ちするのだ。 こいつは、生まれ付いてのニートだった。他の姉妹が巣立ちをしても、実家に居座り親に餌を持ってこさせ続けた。 しかしそれも長くは続かなかった。みんなが巣立ってから1ヶ月たたずに、両親は永遠にゆっくりしてしまったのだ。 しかたがないのでれいむはつがいをさがした。しかし、れいむは自分を客観的に見るかとができた。だから普通の方法ではつがい(パラサイト先)を見つけることができない。 そこである事をれいむは閃いた。そしてれいむはその作戦をすぐに実施した。 なんと!れいむはれいぱーが居るという公園でまむまむを広げて横にになったのだ。そしてれいぱーに見つかってしまった。 「んほおおぉぉぉ!!とかいはなれいむね!!いいわ、ありすがとかいはなあいをあげるわ~~っ!!」 後は火を見るより明らか、れいむはれいぱーに襲われ妊娠してしまった。しかしそれこそがれいむの奇策だったのだ。 「もっととかいはなあいをあげるわ~!!れいむぅ~!!」そんなことを言っているれいぱーに対して「なにいっているの?そんなことをしたらあかちゃんがしんじゃうでしょ?ばかなの?しぬの?」 しかしれいぱーはそんな言葉を無視して「んもぉ~!れいむはつんでれね!そんなこといわなくっても、ありすはわかっているわよ~!」 その言葉を聞いてれいむは「なにいってるのッッ~~!!!!とかいはなあいで、できたあかちゃんなんだから、ふたりでそだてるのが、とかいはのやくめにきまっているでしょーーッ!!そんなこともわからないのッ!?ばかなのっ!?いなかものなのっ??」と烈火のごとくわめき散らした。 ありすは、かなり驚いた様子だった。無理もない、今まで襲った連中は、『やべでぇ~!!』とか『ずっぎりじだくない~っ!!』とかツンツンしていても本音は喜んでいると思っていた。 しかし、れいむの言葉にはツンデレの要素がないことは、れいぱーにもわかった。その上、とかい派な愛でできた子供なのだから2人で育てるのが、とかい派だと言うのも納得してしまった。だがれいぱーは一筋縄ではいかなかった。 「ありすには、ほかのこにもとかいはなあいをあげなるという、じゅうだいなしめいがあるんだから、あかちゃんはれいむひとりでそだてるべきよっ!」そう反論した。 「そんなのあかちゃんが、すだってからでもできるでしょーーっっ!!それともありすは、あいてにあかちゃんをおしつけるむせきにんないなかものなのっ!?」 れいぱーにかかわらずありす種の根源には、『とかい派』と言う狂信的なものがある。れいぱーはそれが『とかい派な愛』に変わっただけで基本的には同じである。 いくられいむの罠だったとしても、れいむの言ってる事は大体あってるとありすも思っているので反論ができない。そもそも、田舎者という言葉は、聞き捨てならない。 「ゆぐぐぐぐっ!!」と、唸ったありすはしかたなくとかい派のプライドのためにれいむのつがいになった。 それから3ヶ月間れいぱーにとっては地獄だった。子供は全部れいむ種でかわいいとも思えないし、子育てで忙しいといって、自分は何もせずに、ありすにご飯からお家の確保、うんうんの片付けもさせた。 そして3ヵ月後 「「「「「おかーさん!おとーさん!れいむたちは、すだちするよっ!いままでそだててくれてありがとう!!」」」」」 ありすのぺにぺにはギンギンに起っていた。こいつらが居なくなったら、すぐにでもれいむを捨てて、他のゆっくりにとかい派な愛を与えに行こうと思っていた。 そして子供が巣立ち、れいむとありすしか居なくなった家で、れいむに別れを告げようと思って、口を開いた瞬間…。 「れいむ!!ありすは、とかいはなぎむをおえたから、このいえからでt「そんなこといいから、はやくまたあかちゃんつくってねっ!!」 そう言ってれいむはありすにまむまむを見せた。その瞬間ありすの中で何かが壊れた。この3ヶ月の悪夢が走馬灯のように頭をよぎったのだ。 さっきまでビンビンだったぺにぺにはふにゃふにゃ萎え、ありす自身もプルプル振るえ変な液体を体中から出している。 「すっきりはとかいはじゃないわ~~~っ!!!!」 そう言ってありすは家を飛び出した。もうありすはレイプすることができない。この事が原因でEDになってしまったのだ。 ━ありすは━ 2度とれいぱーには戻れなかった…。 とかい派と田舎ものの中間のゆっくりになり 永遠に町をさまようのだ。 そして すっきりーしたいと思ってもすっきりーできないので ━そのうちありすは ゆっくりするのをやめた。 「ゆふぅ~!!しょせんれいぱーだね!!でも、れいむはやさしいからゆるしてあげるよっ!!またあたらしいれいぱーを、みつけるだけだからねっ!!」 こうして、れいむはれいぱーにパラサイトしては、れいぱーを再起不能にする。恐怖のれいぱー食いになった。 このれいむの恐ろしいところは、妊娠した子供がすべてれいむ種の上、れいぱーにパラサイトする方法をちゃんと子育てで教えていたのだ。 今まで人間がいくらがんばっても出来なかったれいぱーの絶滅をこのれいむは出来るだろう。人間が最大の難関としていた繁殖力も同じゆっくりのうえ、妊娠する子供すべてれいむ種に出来るという力を持っているのでれいむの方が有利だ。 しかも、子供にありす種が居ないので、れいむの恐怖を餡子を通じて受け継ぐことが出来ないので、100%引っ掛かる。 「だから、金バッチたちはれいぱーを絶滅させることが出来るこのれいむに餌をあげていたのか~。」 れいむは自分がいかに可哀想かみせつけてるつもりだが、頭のいい金バッチたちは、れいむがしている事は自分たちを、身を挺して守っているように思えたようだ。 『さすがれいむ!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれはするが!あこがれないィ!』見たいな事を考えていたんだろうなぁ~。 ちなみにれいむの記憶によると、今シングルマザーなのは、前のありすが、ストレスに耐え切れず、すぐに死んでしまったからである。 「さっさとあまあまよこしてね!!きこえないの?ばかなの?」 俺はポケットから飴玉を出しれいむたちの方に投げた。 「ゆゆ~ん♪それでいいんだよ!こんどくるときは、もっともってきてねっ!!」 俺はれいむたちに何もせずに帰ることにした。確か自分の事しか考えないゲスだがみんなのやくにたっているのだから…・ 帰り道で「ああ言うのを、『ひつようあく』って、言うのかなぁ~。」そうポツリとつぶやいた。 おわり トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る DIO「波紋疾走など、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」 ブロリー「あれ、波紋じゃ、ないだろ!!」 -- 2014-11-17 19 05 05 面白かった!発想が素晴らしい! でも施しを受けるようになったら、れいぱーに寄生するのをやめちゃうんじゃないかな? -- 2012-08-06 12 07 13 素晴らしい発想だな。面白い。 -- 2012-06-12 21 01 51 話は上手いがゲスでいぶが制裁されないので全くゆっくり出来ませんでした だだジョジョネタは最高でしたw -- 2010-12-17 02 37 19 アイディアが素晴らしいな。げすだが、本当に役に立つわ。 益虫、害虫も人間の都合で決めるし、これは益ゆっくりだなー -- 2010-10-13 22 24 10 その発想はなかったわ。作者は天才だな。 -- 2010-07-01 23 58 00 これはうまい -- 2010-06-07 22 27 53 ↓らしいですね。本能の赴くままに生きなおかつみんなを幸せにできるこのれいむはゆっくりの鏡ですね。でも自分ならこのれいむにあったらつぶしちゃいそう。 -- 2010-06-06 16 53 43 真の善人とは自分のやりたいようにやって万人を幸せにする者のことを言うらしい… -- 2010-05-30 23 46 19 確かにそうだなぁ -- 2010-03-09 18 01 29
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ゆっくりSSをれいむに読ませてみた 9KB ※俺設定 ※東方オリジナルの設定をほとんど無視します ※人間が出ます ※直接的な虐待はないです ゆっくりSSをれいむに読ませてみた ウチで飼っているれいむにゆっくりSSを読ませてみた。 と、言っても、れいむはひらがなしか読めない。 そんなんじゃあ、まず理解出来ない。 ということで、オレが声に出して聞かせてやった。 だから、実際には、れいむにゆっくりSSを聞かせてみた。 というのが正しい。 が、そんなことはどうでもいい。 とりあえず、やってみた。 れいむは最初、 「ゆ~!!!おはなしさんはゆっくりできるよぉ~!!!」 と喜んでいたが、どうだろうな。 大抵、オレが読んでいるゆっくりSSは大抵、ゆっくりがゆっくり出来ないゆ虐SSだからな。 れいむは多分、ゆっくり出来ないだろうな。 言い忘れていた。オレの飼っているれいむは、銀バッチだ。 そして、ゆっくりブリーダーから専門の躾を受け、 人間にしていいこと悪いことの区別がある、比較的に素行のよいゆっくりだ。 近所にあるゆっくりショップから飼ったれいむだ。 えさを上げると、すぐに喜び、ちょっといじめると怒ったり、泣いたりする、 可愛いやつだ。 ちなみに、オレは虐待鬼意山ではない。 ちょっとのぬるいじめが好きな愛でお兄さんだ。 ぬるいいじめというより、れいむをからかったりする程度のぬるいじめ。 いじめられて、喜怒哀楽をコロコロと変える様を見て楽しんでいるっていうか・・・。 笑ったり、怒ったり、泣いたり、驚いたりするれいむを見て、可愛いなぁって思うだけ。 そんなヤツがなんでゆ虐SSなんか読むんだって? 人間で例えるならば、アレだ。 変態プレイには興味があるけど、実際には怖くて出来ないから、 そういうエロビデオを見てるっていう感覚に近いかな? まあ、虐待みたいなハードないじめが嫌いなオレは、 さすがにウチのれいむを虐待しようとは思っていない。 ただ、「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに、 無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さっていうヤツかな? れいむがどういう反応取るのか楽しみなってきた。 オレがれいむに聞かせたのは、王道パターンの作品だ。 野良れいむと野良まりさの番が人間の家を荒らして、 おうち宣言⇒ゆ虐という、すごくシンプルな話だ。 基本形とも言える作品。 SSの野良れいむと野良まりさは、 この人間の家が気に入ったらしく、ここを自分たちのゆっくりプレイスにしようと、 声高々に叫んだところまで、ウチのれいむに聞かせた。 ウチのれいむは・・・ 「にんげんさんのおうちにかってにはいるなんて・・・ゆっくりできないゆっくりだね・・・」 と、何か哀しそうに言っていた。 話をSSに戻すが、 SSの野良れいむの頭には茎があり、今にも落ちてきそうな赤ゆっくりが5匹いた。 れいむが3匹とまりさが2匹。 そこへ、丁度、人間が帰ってきて、 お決まりの・・・。 「ゆっくりしていってね!!!」 をやった。 ウチのれいむも、ピョンピョン跳ねながら、笑顔で、 「ゆっくりしていってね!!!」 をやった。多分、条件反射なんだろうな。ゆっくりにとって、 「ゆっくりしていってね!!!」 って言い返すのは。 まあ、そこからは、ゆ虐SSを読んでる諸兄たちは、よ~く分かると思うが、 野良まりさがここは自分の家だと言って、野良れいむがゆっくり出来ない人間は出て行けと言って、 さらに野良まりさがお菓子を持って来いと叫び、野良れいむが人間を奴隷扱いし始める。 そんな、もうまるでゆ虐の歴史と共に使われてきたようなテンプレ通りの行動。 「ぷくー!!!そこはにんげんさんのおうちだよ!!!このれいむとまりさはまちがってるよ!!!」 頬を膨らせて、目を吊り上げて、なぜかオレを睨みつけるウチのれいむ。 ゆっくりブリーダーの教育がよかったのか、 人間の所有物は人間の所有物だということがちゃんと分かっている。 これがこのSSのような野良ゆっくりの場合、 人間の所有物はゆっくりの所有物だという、人間にはとても理解出来ないことを言い出すからな。 一応、オレを睨むなと軽く注意をし、 「ゆっ!?おにいさん!!!ゆっくりごめんなさい!!!」 と、ちょっと慌て気味に謝るウチのれいむ。 で、SSの方だが、 野良れいむの頭に付いている赤ゆっくりたちが、 ちょうど見計らったかのように、次々に床に落ちていく。 そして、親たちに向かって、 「「「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!!」」」」」 部屋中、割れんばかりの声で挨拶する赤ゆっくりたち。 親たちは生まれてきた赤ゆっくりに向かって、目をウルウルと潤わせながら、 挨拶し返す。 ウチのれいむもまた、新しい生命の誕生に感動したのだろうか、 SSの野良れいむと野良まりさのように、涙を瞼に溜めて、 「ゆっくりしていってね!!!」 と、叫んだ。 やっぱり、条件反射なんだな。ゆっくりの挨拶って。 その後、SSの赤ゆっくりたちは、人間に対して、自身のかわいさをアピールし始めた。 そして、親たちもまた、同じ行動をし始める。 「ゆゆ~ん!!!あかちゃんはゆっくりできるよ!!!」 と、ウチのれいむもモジモジしながらにやけていた。 いつかは自分も赤ちゃんがほしいみたいな顔をしていやがる。 黙っているけど、顔には正直に表われている。 が・・・。 SSの人間は、鬼の形相で、赤ゆっくりたちを踏み潰した。 れいむとまりさは、呆然として、理解するのにしばらく時間が必要だったらしく、 目の前で起きたことを頭の整理していた。 これはウチのれいむにも言えた事だった。 目が点になり、口も半開きで、一体何が起きたのか理解できていなかった。 しばらくして、ウチのれいむは、 SSのれいむとまりさが、この後、SSの人間に向かって叫ぶ台詞を知っていたのか? と、突っ込みたくなるような・・・まさにそんな感じだった。 「どぼぢでごんなごどずるのぉおぉおおっぉおおおぉおおおおおおぉおおおお!!!!!!」 ウチのれいむは、SSのゆっくりにシンクロするかのような叫び声を上げた。 その後は、まあ、SSを詳しく説明する必要はないだろう。 SSのれいむとまりさは、テンプレ通りの虐待を受ける。 その虐待の一部始終を聞かされる最中、恐怖のあまり、 耳をおさげで塞ぎ、目を出来る限り閉じ、ビクビクと体を震わせていた。 SSのクライマックス、あんよ焼きされたSSのれいむがアマギられるところで、 ウチのれいむは、限界だったのだろうか、 ブシャー!!!! 勢いよくしーしーを漏らしてしまった。 「ゆびぃいいぃいいいぃいいい!!!! きょわいよぉおおぉお!!!でいぶぅうぅ!! きょわいよぉおぉおお!!!!にんげんじゃんんん!!! きょわいよぉおぉおおお!!!!!だずげでぇえええ!!!! もうやだぁあああ!!!!おうちがえるぅうう!!!! おがぁあざんんんん!!!!だずげでぇええ!!!! でいぶぅうぅううう!!!!きょわいよぉおおお!!! おにいざんんんん!!!!きょわいよぉおおぉお!!!! でいぶぅぅううう!!!じにだぐないぃいい!!!! あんよざんんんん!!!!やがないでぇえええ!!!! いじゃいいいいよおぉおおぉお!!!!あじゅいいぃいいぃいいよぉおおお!!! あまぎりぃぃいい!!!ごわいよぉおおぉお!!!! ごごばあぁぁあああ!!!ゆっぐりでぎないぃいい!!!! でいぶぅうう!!!ゆっぐりじだぃいいい!!!! ゆっぐりぃいい!!!!ゆっぐりぃいいい!!!ゆっぐりぃいいい!!!! ぱぴぷぺぽぉぉおおぉお!!!ぱぴぷぺぽぉぉおぉおおお!!!! ぱぴゅぅぅぅぅううううぅぅううううう!!!!!!!」 今まで見たことないくらいの泣きっぷり。 涙、汗、涎・・・。 体液という体液を撒き散らし、ブルブルと震える。 もう皮が破けるんじゃないのかと思うくらい、辺りを暴れまくる。 飛び跳ねたり、体を地面に擦り付けたり、 隣近所からうるさいってクレームが来そうな位、叫んだり・・・。 異常なれいむの行動に、さすがにヤバイと思ったオレは、話を止めた。 その時には、もう遅かったのかもしれないと思った。 ウチのれいむは、白目を向き、 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 かすかに呻き声しか聞こえず、れいむのあにゃるからは、 自然に音もなくうんうんが漏れていた。 口からも餡子を吐いており、もう生きているのかさえ怪しくなって来た。 オレは全力疾走で、 近所にあるれいむを買ったゆっくりショップに、 れいむを持って行った。 数日後。 れいむは何とか元に戻った。 以前のように、ゆーゆー言いながら、遊んでいる。 いつ見ても可愛いれいむだ。 しかし、困ったことがある。 れいむがゆぴぃゆぴぃと寝息を立てて、穏やかに寝ていると思ったら、 「やべでぇええ!!!!!でいぶじだぐないぃいい!!! ゆんやぁぁああ!!!!ゆびぃいい!!!!」 と、いきなり叫ぶのだ。 おそらく、夢の中であのSSの虐待を思い出したのであろう。 それほどトラウマになっているようだ。 その時、体から出る物すべて、物凄い勢いで出す。 涙、汗、涎、しーしー、うんうん、餡子。 しばらくすると、精通でもしたのか、 大量の精子餡を出すようになった。 多分、あの夢を見る度に、生命の危機を感じたのか? 日に日に増して、量が増えてくる。 確か、生物っていうのは死に直面すると、 この世に自身の遺伝子を残そうとして、射精してしまうって聞いたが、 ゆっくりも同じなんだろうな。 しかも、その夢を見る回数も、増えていっているみたいで、 れいむが寝ている時に急に叫ぶことが多くなっていった。 れいむが起きると、いろんなモンが体にへばりついていて、 それを処理するのに、物凄い時間がかかる。 綺麗にしてあげないと、れいむは嫌がるから、 仕方がなく、やってあげている。 元はといえば、オレがいじわるでやったことだから、 悪いとは思っている。 だから、責任を持って、世話をしてやっているが・・・。 ホント、やるんじゃなかったと後悔している。 多分、治らないだろうな、れいむのトラウマは・・・。 終わり。 あとがき 直接、虐待しない話を書いてみた。 他の作品 ふたば系ゆっくりいじめ 149 鞭打 ふたば系ゆっくりいじめ 155 糞饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 159 ユグルイ その1 ふたば系ゆっくりいじめ 162 ユグルイ その2 ふたば系ゆっくりいじめ 168 ユグルイ その3 ふたば系ゆっくりいじめ 169 ゲス愛で派 ふたば系ゆっくりいじめ 173 ユグルイ その4 ふたば系ゆっくりいじめ 187 頭でなく心に訴える ふたば系ゆっくりいじめ 188 ユグルイ その5 ふたば系ゆっくりいじめ 192 長寿と繁栄を・・・前編 ふたば系ゆっくりいじめ 200 長寿と繁栄を・・・後編 ふたば系ゆっくりいじめ 221 FFR ふたば系ゆっくりいじめ 230 本気で勝てると思ってたのか? ふたば系ゆっくりいじめ 231 長寿と繁栄・・・完結編 ふたば系ゆっくりいじめ 236 ユグルイ その6 ふたば系ゆっくりいじめ 243 死すべき生物 ユグルイあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る れいむが純粋過ぎるな、新しい切り口で面白かったぜ -- 2012-12-17 19 17 21 お…お前…『「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに、 無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さ』って完全に幽☆遊☆白書の樹じゃねぇか… -- 2012-08-28 16 31 22 新しい発想 -- 2012-07-08 11 47 41 いがいなところから後悔は後から来るものだとこれを見てつくづく思った -- 2012-05-17 19 04 25 愛でSS読ましたら治るんじゃね でも面白かった -- 2012-03-03 18 23 56 うふふw -- 2011-10-15 14 49 44 作者は病気シリーズktkr -- 2011-02-13 08 47 25 俺は評価するw ↓ -- 2010-12-16 10 30 37 いいえ、ケフィアです。 -- 2010-11-02 19 17 33 作者は天才か? -- 2010-08-06 08 29 16
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『野良れいむはゆっくりしたい』 66KB 思いやり 不運 自業自得 日常模様 駆除 番い 群れ 野良ゆ 加工場 現代 独自設定 なんか迷走気味。 気ままあき 「ゆっ……ゆぅぅぅ……」 公園をずりずりと這っている汚い成体れいむがいる。 髪の毛や肌は言うに及ばずお飾りに至るまですべてがボロボロの野良れいむだ。 れいむは思う。なんでこのゆっくりはこんなにもゆっくりしていないのだろうか?と。 れいむは思う。なんでこの世のあらゆるものはゆっくりをゆっくりさせてくれないのだろうか?と。 れいむは思う。なんで人間さんはゆっくりに対してこんなに酷いことをするの? れいむはもっとゆっくりしたいよ。 誰でもいいかられいむをゆっくりさせてよ…… このれいむに親はいない。 気がついたら両親はれいむを残していなくなっていた。 唯一妹のまりちゃがいたが、幼い姉妹には食べる物も住むところもなかった。 親を探しにいこうとしたがすぐ疲れて歩けなくなった。 れいむは仕方なく人間に助けを求めた。 「ごはんさんをちょうだいね!あまあまでいいよ!」 「かわいそうなれいみゅにおうちをちょうだいね!ごうていっでいいよ!」 自分がそう言った時の人間の目は今でも忘れられない。 底冷えするような冷たい目。まるで汚物を見るかのような嫌悪の視線。 そして無関心。無視。幼いれいむのささやかな希望をかなえてくれる人間は1人もいなかった。 当然餓えた。ひもじかった。寒かった。心細かった。 そうこうしている内に妹のまりちゃが衰弱して死んだ。 幼いれいむは仕方なく死んだまりちゃの死骸を食べてその命を繋いだ。 まりちゃは確かにあまあまで美味しかった。 が……だがれいむの腹はふくれたが心には満足感なんて欠片もなかった。 同族喰いはゆっくりできないという本能ゆえだろうか? れいむはますますゆっくりできなくなり確実に弱っていった。 まだ自分は全然ゆっくりしていない。いやゆっくりさせてもらっていない。 それなのにもう死ぬのか?ここでなんの意味もなく野たれ死ぬのか? 嫌だ!もっとゆっくりしたい!もっともっともっと!……しかし意識はだんだん薄れていく。 もうれいむがここまでかと思った時… 「ゆっ?こんなところによわっているおちびがいるのぜ!」 「まりさ!このこをむれまではこんでちょうだい!」 「わかったのぜ!」 ……れいむは狩りにきていた公園の野良ゆっくりにその命を救われる。 れいむはただちに公園の群れに連れて行かれそこで治療を受け、ごはんさんを食べさせてもらいようやく元気になった。 そして身寄りのないれいむは公園の群れに入れてもらいそこで生きていくことになったのだ。 だがこの時れいむは周囲の大人たちがまだ幼い自分をゆっくりさせてくれると漠然と考えていた。 かすかに記憶にある両親が自分をゆっくりさせてくれたように、 群れの大人たちもかわいいれいむをゆっくりさせてくれるはずだと思っていた。だが…… 「きゃわいいれいみゅをゆっちちゃちぇてにぇえ!」 「ゆっ?なにいってるのぜこのおちびは?まりさたちがおまえをゆっくりさせるわけないのぜ」 「ど、どぼじてぞんなごというにょぉぉぉっ?れいみゅはまだきゃわいいあかちゃんなんりゃよ? ゆっくちしゃせてあげにゃいとだめでしょぉぉぉっ!?」 「あなたはありすのおちびちゃんじゃないもの。ゆっくりさせてあげるぎりなんてないわ」 「ゆぅぅっ!?」 「それよりれいむ。むれのいちいんになったいじょう、あなたもきちんとはたらいてもらうわ。むきゅ」 「むれにしょぞくしているいじょう、みんななにかしらのおしごとをしてるんだからとうぜんだみょん!」 「あ、あかちゃんのれいみゅにおしごとなんでむりにぎまっでるでしょぉぉぉぉっ!?」 「ちゃんとおちびにできるしごとをまわすからだいじょうぶなのぜ」 「おしごとをしないと、むれのおきてでせいさいっされるからさぼっちゃだめよ?」 「むれにでいぶをやしなうよゆうはないんだよー。ゆっくりしないでそくざにわかってねー!」 「ゆんやああああああっ!どぼじて?どぼじてだれもれいみゅをゆっくちちゃちぇてくれにゃいにょぉぉぉっ? ゆっくち!ゆっくちぃぃぃぃっ!みんにゃれいみゅをゆっくちちゃちぇてよぉぉぉぉぉっ!」 その日かられいむの群れでの日々が始まった。 ゆっくりできない群れでの強制労働……それはただ柔らかい芝生の雑草とりをしたり、 群れの一員として長ぱちゅりーから群れの掟や生き抜く為の知恵を勉強するだけのものであったが まだ赤ゆっくりであったれいむには耐えがたいほどにゆっくりできない事だらけであった。 なんでまだ赤ちゃんのれいむがこんな目に? もっと思う存分すーやすーやして思う存分お寝坊やお昼寝をしたい。 もっと美味しいものをたくさんむーしゃむーしゃしたい。 もっと遊びたい。おうたを歌ってゆっくりしたい。もっとゆっくりしたい。もっともっと…… だがこの群れは親がいない新参者にそんな自堕落なゆっくりなど許してくれなかった。 れいむの不満は日ごとにつのり……れいむが赤ゆっくりから子ゆっくりへと成長した頃、 いっそこんな群れなど出て行ってやろうかとれいむは本気で思って準備したことがあった。 群れの大人たちはそんなれいむの胸中を察したのだろうか、 ある日、群れ一番の狩りの名手と名高い野良まりさがれいむを狩りに同行させたことがあった。 「やべてえええええっ!」 「でいぶのなわばりをあらすなんて、とんだげすゆっくりどもだよ!」 「まりちゃはげすじゃにゃいもんんんんっ!ごはんしゃんをとりにきちゃだ……ゆぴぃ!」 「ゆんやあああっ!ありずのおじびちゃんがぁぁぁっ!どぼじてぇぇぇっ? ありすはなにもわるいごとじでないでしょぉぉぉ!」 「このごみすてばはおさでいぶのむれがしきっているかりばなんだねー!」 「ここのごはんさんをよこどりするやつはむれにけんかをうるげすなのぜぇっ!」 「ゆっくりりかいしたら、ゆっくりしないでしんでね!すぐでいいよ!」 「いやだぁぁぁぁっぞんないながものなしにがたじだぐないぃぃぃっ!ば、!ばりざぁぁぁっ!おちびじゃぁぁぁぁんっ! だれでもいいがらとかいばなありずをたずげてよぉぉぉぉっ!」 野良まりさに連れられたれいむは物陰からその様子を見た。いや野良まりさに見させられた。 食べられる物を手に入れようと路地裏のゴミ捨て場にちょっかいを出したが為に、 ゴミ捨て場をテリトリーとしている野良ゆっくりの群れに制裁される野良ありすの親子の……その末路を。 ほんの少し。ほんの少し生ゴミを頂戴しただけで片目を潰され、髪の毛は抜かれ、お飾りを没収され、 子供のまりちゃは潰されるというあまりにも残酷で容赦のない狂気の制裁を。 野良ありすがこれでもかと苦しみを与えられた末に殺された現場をれいむは見てしまった。 制裁の現場を初めて見たれいむはあまりの恐ろしさになにもしゃべることができなかった。 なんだこれは?同じゆっくりなのになんであのでいぶたちはあんなに楽しそうにこんな酷い仕打ちができるのだ? 分からない。いや分かりたくない。ただただ理解不能としか言いようがない光景だった。 れいむはおそろしーしーを盛大に漏らしながらガタガタ震えるしかなかった。 そこへ野良まりさが冷めた目でゴミ捨て場の制裁を見ながら、れいむに語りかけてきた。 「……みるがいいのぜ。あれがむれにはいっていないのらのまつろなのぜ」 「ど、どぼじて……?どぼじてご、ごんなごとをずるのぉぉぉっ……?」 「むれにとってかりばはせいめいせんっなのぜ。そこをあらすやつはそくざにせいさいっされるのぜ」 「だ、だからってこ、こんなひどい……」 「のらのせかいはきびしいからしかたないのぜ。だけど……れいむはべつなのぜ。 まちがってほかのむれのごみすてばにはいりこんだくらいならば、 よほどうんがわるくないかぎりまずせいさいっはされないとおもうのぜ」 「ゆっ?な、なんで…」 「れいむがこうえんさんのむれにしょぞくしているから、だぜ」 「……?」 「ほかのむれのゆっくりをかってにせいさいっしたら、むれどうしのぜんめんこうそうっにはってんしかねないのぜ だからそのばあいはこうえんのむれにくじょうをいいにきて、ごはんさんをちょろまかしたのなら そのぶんをべんしょうさせるぐらいでてうちしておわるのがふつうなんだぜ」 「ゆ、ゆう……」 「……うしろだてってやつなのぜ。むれというちからをはいけいにもったゆっくりにはてはだしずらいものなのぜ でもあそこのありすたちのようにむれという、うしろだてがないとかるくみられて……」 「……そ、そくざにせいさいっされる?」 「そうだぜ。それもたくさんのゆっくりでよってたかって……のらゆっくりだからいーらいーらもそうとうたまってるのぜ」 「……」 れいむはそんな群れ同士の関係など初めて聞いた。 野良ゆっくりの社会がそんな風に成り立っていたとは…… だがこれは別に群れ同士で協力しあったりとかしているわけではない。 街という野良が生きるには過酷な状況、そして過去に起きた様々な問題や悲劇から 野良ゆっくり達が痛い目にあいながらも少しづつ学んで自然と現在の状態に落ち着いたというだけのものだ。 「……れいむはむれがきらいかだぜ?」 「ゆっ!?そ、そんなこと……」 「かおにでてるんだぜ。むれのおしごとはぜんぜんゆっくりできないって。 でもれいむはむれのおしごとをしてるからこそ、そのむれにまもられてもいるのぜ?」 「……ゆう。まりさにはぜんぶおみとおし、なんだね」 「べつにたいしたことはないのぜ。そのていどのことならなんとなくふんいきでわかるものだぜ」 「たしかにむれのおしごとはゆっくりできないよ……れいむはもっとゆっくりしたいよ……」 「ゆっくりしててごはんさんやおうちさんがてにはいるなら、いくらでもゆっくりしていればいいのぜ。 でもげんじつにそんなことありえないんだぜ」 「……」 「まあそれでもむれがきらいならむりじいはしないのぜ? れいむがひとりでもいきぬくつよさがあるとおもうのならいつでもでていっていいのぜ」 それだけ言うと野良まりさはくるりと背を向けて公園へと帰っていく。 元々野良まりさは本当は狩りにきたわけではなく、れいむにこの野良の現実を教える為に公園の外にまで出てきたのだ。 もう用は済んだ。あとはこの野良ゆの現実をれいむが受け入れるかどうかであり、れいむ自身の問題である。 そのれいむは割り箸で身体中を串刺しにされた野良ありすの亡骸を、目に焼き付けるように悲しげに見ると…… 野良まりさの後を追って公園へと跳ねていったのだった。 そして結局れいむは公園の群れに残った。 あんなものを見せられた後では自分ひとりの力でゆっくりする自信など、とてもおこらなかったからだ。 れいむは公園で雑草とりや花壇の水やり等の仕事をしていく日々を選んだのである。 毎日の仕事さえきっちりやれば思う存分……とまではいかなくてもそこそこのゆっくりはできる。 それで満足するべきかもしれない。れいむは段々そう思い始めてきた……が。 そんなれいむの前に思う存分ゆっくりを享受している(ように見える)異質の存在が現れた。 ときどき公園に飼い主とともに遊びにくる飼いゆっくり達である。 「まりさー、ちぇんー、あまり遠くへいっちゃ駄目よー」 「わかってるよおねえさん!」 「ひさしぶりのこうえんさんなんだよー!おもうぞんぶんかけっこするんだねー!」 飼い主のお姉さんに連れられて公園に遊びにきた金バッジのまりさとちぇん。 れいむが生まれてはじめて見る飼いゆっくりは何から何まですべてがゆっくりしていた。 汚れなど何一つないもちもちの肌、綺麗な金髪に黒髪、お飾りに至るまで綺麗で輝いていて とにかくなにもかも。すべてがゆっくりしていた。 「ゆわぁぁぁっ……すごぉぉぉくゆっくりしているよぉぉぉぉっ……」 「なにをみてるのれいむ?」 「なにってありす、あのまりさたちみてよ!すごいよ……ふたりとも、ものすごいびゆっくりだよぉぉぉぉっ! それにそれにものすごぉぉぉぉくゆっくりしているよぉぉぉぉっ!」 「……だから?」 「だ、だから……?れいむもあんなふうにゆっくりしたいよ!どうすればああいうふうになれるの?ゆっくりおしえてね!」 「ふう~……れいむ?あれはありすたちにはてがとどかないせかいにすんでいるゆっくりよ。 そんなものにあこがれてはいけないわ」 「ゆっ?なにいってるの?おなじゆっくりでしょ?あのまりさたちがゆっくりできてるんだから れいむだっておなじようにゆっくりできるはずだよ!」 「……」 そうだ同じゆっくりじゃないか。れいむと何が違うというのだ? 住む世界が違う?なんだそれ?何を言っているのか分からない。 所詮野良ゆっくりであるありすじゃ聞いても埒があかない。そうだあのゆっくりとしたまりさ達に直接聞いてこよう。 どうすればれいむもまりさやちぇんのようにゆっくりできるのかを! そう思うなりれいむは飼いゆっくり達の元へと跳ねていった。 後方でありすが飼いゆっくりに関わってはいけない!行くな!と制止する声が聞こえたような気がするが、 れいむのようやくゆっくりできるかもしれないという逸る気持ちに打ち消された。 「ゆっくりしていってね!」 「……ゆっ?」 「なんなのーこのれいむー……?」 れいむはかけっこをして遊んでいる飼いゆっくりの二匹に渾身の挨拶をした。 が、金バッジをお飾りにつけたまりさとちぇんはどこか困惑気味だ。 まあ薄汚い野良れいむにいきなり話し掛けられたら誰だって迷惑そうな顔をするだろうが。 だが当のれいむはそんなことおかまいなしに飼いゆっくりの二匹に話しかけた。 「ねえ!まりさとちぇんはどうしてそんなにゆっくりしているの?れいむもゆっくりさせてね!すぐでいいよ!」 「ゆうっ?なんでまりさがれいむをゆっくりさせてあげないといけないの?」 「ゆっくりのひとりじめはいけないんだよ!ゆっくりはみんなでわけあわなきゃいけないんだよっ!」 「そんなこと、ちぇんたちにいわれてもこまるんだねー」 「まりさたちだって、おねえさんにおねがいしてようやくこうえんさんにゆっくりしにこれたのに……」 「ゆっ?おねえさん……?」 「あそこのべんちさんでごほんをよんでるにんげんさんのことだよー」 「まりさたちはあのおねえさんのかいゆっくりなんだよ」 「ゆっ!か、かいゆっくり!?かいゆっくりってごうていっなおうちにすんでいて、 まいにちあまあまたべほうだいっで、びゆっくりとすっきりーしほうだいで、にんげんをどれいにして、 かいってきにまいにちをおもうぞんぶんゆっくりしているあのかいゆっくり!?す、すごいよ! れいむもかいゆっくりにしてねっ!いますぐかいゆっくりにしてねっっ!はやくしてねぇぇぇぇっ!?」 飼いゆっくりと聞いてれいむは野良ゆっくりにありがちな理想(妄想)の飼いゆっくり像をぶちまけた。 人間を奴隷にして思う存分ゆっくりする。それは恐らくほとんどのゆっくりがもつ思考であり願望であろう。 だがそんなれいむの願望を聞かされた飼いゆっくりである当のまりさとちぇんはいきなり激高した。 「「ふ、ふ、ふ、ふざけないでねぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」」 「ゆゆゆっ!?」 「な、なにがにんげんさんをどれいになのぉぉぉぉっ!?ばかなこといわないでねぇぇぇぇぇっ! まりさとおねえさんはかぞくどうぜんっなんだよぉ!」 「あまあまたべほうだい?すっきりーしほうだい?ねごとはねてからいうんだねー!」 「ど、どぼじてふたりともいきなりおこってるのぉ!?ばかなのっ?しぬのぉぉぉっ?」 「ばかなのはれいむのほうでしょぉぉぉっ!かいゆっくりをなめているのはれいむのほうでしょぉぉぉぉっ!?」 「れ、れいむはなめてなんか……」 「かいゆっくりはたしかにのらよりおいしいものをたべてるよー!でもそれはちぇんたちが おしごとをしているからだよー!」 「お、おしごと!?かいゆっくりにもおしごとがあるの!?」 「そうだよ!かいぬしであるおねえさんをゆっくりさせているから、まりさたちもゆっくりさせてもらえるんだよ!」 「おねえさんにゆっくりしてもらうのはむずかしいんだねー!かいゆっくりもらくじゃないんだよー!」 「にんげんをゆっくりさせる……?ゆんっ!そんなのかんたんだよ!ぜんぜんむずかしくないよ!」 「……なにがどうむずかしくないっていうの?」 「だってゆっくりしているれいむをみれば、にんげんはとたんにめろめろになってゆっくりするはずだものっ! しゅっけつだいさーびすっでれいむのゆっくりしたおうたをきかせてあげればもうかんっぺきっだよ!」 「……」 「……」 自慢げにゆふんっとふんぞり返るれいむ。 そんなれいむに心底呆れ、冷めた視線でれいむをじとーっと見る金バッジまりさとちぇん。 これまた野良ゆっくりにありがちな短絡思考である。 何に対してゆっくりを感じるかは人間とゆっくりでそれぞれ違うというのに…… 人間とゆっくりの価値観の違いなど野良ゆっくりであるれいむには理解できないのだ。 「……れいむをみてもおねえさんはたぶんゆっくりしないよ」 「ゆっ?そんなわけないよ!れいむをみればぜったいにゆっくりするはずだよ!ゆぷぷっまりさはみぐるしいね! いくられいむがゆっくりしてるからってしっとしないでね!」 「じゃあきくけど、れいむをみてゆっくりできたよーっていったにんげんさんがいままでにひとりでもいたのー?」 「ゆうっ!?」 「そんなにれいむをみてゆっくりできるのなら、れいむはのらなんてやってないはずだよ」 「れいむがとくいなおうただって、おねえさんからみたらたんなるざつおんなんだよー。 そんなのじゃ、にんげんさんはだれもゆっくりなんてしてくれないんだよー。ゆっくりわかってねー」 「ど、どぼじてぞんなごというのぉぉぉぉぉっ!?」 だが確かにそうだ。 れいむを見てゆっくりできるという人間がいれば、れいむはとっくの昔に飼いゆっくりになれてたはずだ。 それどころか……ここでれいむはハッと昔を思い出した。 赤ゆっくりだった頃のれいむ……路上で妹まりちゃと餓えていたあの頃…… いくらゆっくりさせてね!とれいむが言っても人間達はれいむなど相手にもしなかった。 それどころか軽蔑するような冷たい目をされた。汚物を見てしまったとでも言いたそうな露骨な無視をされた。 今思えばあれらの目は揃いも揃ってこうれいむに言っていた気がする。 れいむ、お前は全然ゆっくりできない……と。 「ち……ちがうっ!ちがうぅぅぅぅっ!れいぶはゆっぐり!ゆっぐりでぎるんだぁぁぁぁっ!ゆんやあああああああっ!?」 「そのばそのばのくうきをよんで、おねえさんにゆっくりしてもらえるようにふるまうのはほんとうにたいへんなんだよ!」 「れいむがいうやりかたじゃ、おねえさんはうっとおしがってふゆかいにかんじるだけなんだよー! とてもくあないけどゆっくりなんてしてくれないんだねー!」 「そうだよ!おともだちなんてかいゆっくりどうしじゃないとだめだし!」 「すっきりー!なんてごんごどうだんっなんだねー!」 「あまあま?したがこえるからよほどとくべつなひじゃないかぎり、たべさせてなんてもらえないよ!」 「ぞ、ぞんなぁぁぁっ!?なにぞれぇぇぇぇっ!はなしがちがうでしょぉぉぉぉぉっ!?」 「はなしがちがう?まりさはれいむがいうような、おとぎばなしじみたもうっそうっをはなしたおぼえはないよ!」 「かってにひとりでそうだとおもいこんでいただけだよー。それをちぇんたちのせいにするなんてわからないよー!」 「だ、だって……かいゆっぐりはゆっぐりでぎるはずなのにぃぃぃぃぃっ……」 「それはれいむがこうだったらいいなっておもいこんでいるだけの、れいむにだけつごうがいいかいゆっくりでしょ!」 「にんげんさんにゆっくりさせてもらうじゃないんだねー!ちぇんたちががんばって にんげんさんにゆっくりしてもらって、そのあとにちぇんたちもごほうびとしてゆっくりさせてもらうんだよー」 「そうだよ!れいむがいってることはじゅんじょがぎゃくだよ!」 「ぎゃ、ぎゃく……?」 「まりさとちぇんはかいぬしのおねえさんとはかぞくどうぜんだよ!でもかぞくでもじょれつというものはあるんだよ!」 「ちぇんたちをかってくれているおねえさんがうえ!ちぇんたちがした!なんだねー」 「やしなってもらっているおちびちゃんがおやよりえらいなんてありえないのとおんなじだよ!」 「それなのに……ちぇんたちをかってくれるおねえさんがどれいなんてとんでもないんだねー!」 「ゆ、ゆうぅぅぅぅぅ………」 「それにいくらかぞくでも、これだけはやっちゃだめっていうのがどうしてもあるよ! それはゆっくりのかぞくもにんげんさんのかぞくもおなじことだよ!」 「かってにのらをつれこんで、おちびちゃんをつくるとかねー!もしそんなことをしたらどうなるかしってるー?」 「ゆっ……?お、おちびちゃんはかわいくてゆっぐりできるんだがら、うまれたおちびちゃんもとうぜん…」 「かってなんかくれないよー!それどころかおやこともどもすぐにすてられちゃうんだねー!」 「ゆ、ゆううううううううっ!?な、なにぞれぇぇぇぇぇぇっ!?」 公園の群れに掟というルールがあるように、飼いゆっくりには飼いゆっくりのルールがある。 金バッジまりさ達からそのルールの数々を聞かされたれいむは驚きと愕然の連続だった。 こんなにゆっくりしている(ように見える)飼いゆっくりの生活がこんなにゆっくりできないものだったとは! 飼いゆっくりはれいむが毎日やらされているゆっくりできないお仕事とは無縁の存在だと思ってたのに。 れいむは次第に裏切られたような気分になっていった。 「かいゆっくりのざはあんたいっじゃないんだよ!かいぬしさんのきぶんしだいであっというまに のらのなかまいりをしちゃうことだってあるんだよ!」 「かいゆっくりはのらゆっくりとつねにとなりあわせなんだねー!ちぇんたちはそのぷれっしゃーさんにたえながら まいにちまいにち、けんめいにおねえさんをゆっくりさせようとどりょくしてるんだよー!」 「まりさたちがほんとうにゆっくりできるのは、きょうみたいにごほうびでこうえんさんに あそびにつれてってもらうことくらいだよ!」 「かいゆっくりはれいむがおもってるほどらくしょうなそんざいじゃないんだねー。わかってねー!」 「ゆっ……ゆゆゆっ……」 「ゆんっもういいよ!ちぇん、あっちのすなばさんのほうにあそびにいこう!こんなれいむにつきあっていたら まりさたちがゆっくりあそぶじかんがなくなるよ!」 「そうだねー!じゃあねれいむー。かいゆっくりになればゆっくりできるなんてばかなゆめはもうみないでねー!」 そう言って砂場の方へ去っていく金バッジまりさとちぇん。 れいむはふたりに言われたことがあまりにもショックで追いかけることも、その場を動くこともできなかった。 飼いゆっくりは野良と違い衣食住が保証されているとはいえ、それは未来永劫続く保証ではない。 飼い主の気分、飼いゆっくりの態度次第であっというまにすべてを失いかねない砂上の楼閣なのだ。 そのことを充分自覚しながら飼いゆっくりは飼い主をゆっくりさせる為に努力しなければならない。 そう飼いゆっくりには野良ゆっくりとは別の苦労や悩みがあるのだ。 れいむはそれらの事情を知らなかった。そして知ってしまった。 一見この上なくゆっくりしているように見える飼いゆっくりですら毎日やらなきゃいけないお仕事があり、 そして人間を奴隷にして思う存分ゆっくりするなど到底できないという現実に。 こうしていつか自分も飼いゆっくりに……と密かに思っていたれいむの願望は粉々に砕け散ってしまったのだった。 「れいむ!まりさとずっといっしょにゆっくりするのぜ!」 「ゆゆ~ん!れいむ、まりさとずっといっしょにゆっくりするよ!」 飼いゆっくりとの出会いと別れからまたしばらく時間がたって…… 野良ゆっくりにしては珍しく成体にまで成長したれいむは群れの若いまりさと番になった。 そう……れいむは遂に現実に妥協したのだ。 野良の厳しさを知った今のれいむには、群れを出て思う存分ゆっくりできる理想のゆっくりプレイスを ひとりで探しに行く覚悟や力、自信はなかった。 さらに飼いゆっくりの現実と実態を知ってしまった以上、 自分のゆっくりを犠牲にして他者をゆっくりさせることに血道を上げる飼いゆっくりになりたいとも思わなくなった。 まあ、それ以前に野良が飼いゆっくりになるなどまず不可能なことなのだが。 だったらこの群れでそこそこのゆっくりを享受して生きていくしかないのではないか? れいむは成体になるまで現実と妥協して生きる選択を選ぶことをためらっていた。 だが遂にれいむは決断した。野良ゆっくりとして僅かなゆっくりを糧にこの群れで生きていくことを。 「じゃあれいむ……さっそくすっきりー!をしておちびちゃんをつくるのぜ?」 「ゆゆ~ん♪まりさったらせっかちすぎだよぉ~~♪」 「ゆふんっゆっゆっゆっ……」 「ゆゆんっゆゆっ……ゆっゆっ……」 「む、むほぉぉぉっ!むほほほぉぉぉっ!いいのぜれいむぅ!れいむのまむまむはごくじょうっなのぜぇぇぇぇっ!」 「ゆほぉ!ゆほぉ!ゆほぉぉぉっ!ぎ、ぎてえばりさぁぁぁ!ゆほほおぉぉぉぉっ!?」 「「すっきり―――――っ!」」 ……とまあ、こうして番になったその日の夜に見てて気持ちが悪くなるすっきりー!に及んだれいむとまりさ。 すっきりー!が終わった直後にたちまちの内にれいむの額に茎が伸び…… れいむはれいみゅ2まりちゃ1、計3体の赤ゆっくりを授かったのだった。 「それじゃあきょうのおしごとにいってくるのぜ!」 「ゆっくりいってらっしゃいまりさ!ごはんさんをたくさんとってきてね!」 「まりさにまかせるのぜっ!」 妊娠したれいむは動けなくなる為、群れの仕事を一時的に免除される。 代わりに番のまりさがれいむの分まで群れの仕事に従事することになるのだ。 そして今れいむはこれ以上ないくらいに幸せだった。 なぜならこの群れに来てからはじめてと言っていい程のゆっくりを思う存分味わっているからだ。 ゆっくりできないお仕事をせずに一日中おうちでのんびりしてていいだなんて夢のようだ。 しかも目の前にはこの上なくゆっくりできる自分のおちびちゃんが茎から垂れ下がっている。 おちびちゃんの安らかな寝顔を見ているだけでれいむはさらにさらにゆっくりできた。 おちびちゃんを作れない飼いゆっくりなんか問題にならない。 今この時こそが本当のゆっくりだとれいむは確信した。 これでこのゆっくりとしたおちびちゃん達が生まれたら、れいむはさらにゆっくりできるだろう。 おちびちゃんたちが産まれた時のことを考えるとれいむは今から笑いが止まらない。 そしてれいむが妊娠してから数日がすぎ……いよいよおちびちゃんが生まれる日が来た。 「ゆゆっ!そろそろおちびちゃんがくきさんからはなれそうだよ!まりさはおちびちゃんをうけとめてあげてね!」 「くきさんのしたにまりさのおぼうしをゆっくりおくのぜ!」 「ゆゆ~ん♪これでじゅんびっばんたんっだよ!おちびちゃんたち、ゆっくりうまれていってね!」 れいむの頭の茎にぶら下がった赤ゆっくり達がゆらゆらを揺れている。 茎から赤ゆっくりが落ちる前兆だ。 れいむとまりさが期待に満ちた顔でしばらく見守っていると……ぷちっと音がして茎の一番先にあるれいみゅが落ちた。 「きゃわいいれいみゅがゆっくちうまれりゅよ!………ゆぴっ!」 「お、おちび!?だいじょうぶなのかぜぇぇぇぇっ!」 「ゆっ、ゆぅぅぅぅ……ゆっ!(キリッ)ゆっくりしていっちぇにぇえ!」 「ゆゆ~~ん!とっ~~てもゆっくりとしたおちびちゃんだよぉぉぉぉっ!」 「おちび!まりさはまりさなのぜ!りりしいおちびのおとうさんなのぜ!」」 「れいむはれいむだよ!ゆっくりしているおちびちゃんの、ゆっくりしているおかあさんだよぉぉぉ!」 「ゆんっ!おとうしゃん……おかあしゃん!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 れいむはもう最初のれいみゅ一号が産まれただけでかなりの浮かれ気味だったが、 まりさが次のおちびちゃんも生まれそうなことに気が付いたこともあって残り二匹もなんとか無事に産み落とした。 そして出産の後に待っているのは多忙な子育ての日々。 だがれいむにとって、ゆっくりできない重労働であるはずの子育ては苦痛ではなかった。 むしろかけがえのない宝物を大事に育てているという思いに身も心もこの上なくゆっくりできたのである。 頼りがいのある番のまりさ。かわいいおちびちゃん達。それらに囲まれてこれ以上ないほどにれいむは幸せであった。 「むーちゃむーちゃ!ちあわちぇぇぇぇっ!」 「ゆっ!おなかぽんぽんになったら、うんうんをちたくなったのじぇ!」 「ゆゆ~ん!しゅっきりー!」 「ゆーん!おちびちゃんたち、と~ってもゆっくりしているよぉ~♪おちびちゃんのためにも おかあさんはこそだてさんをがんばるよぉぉぉっ!」 そしてさらに少しの時が流れて……れいむの子供が赤ゆっくりから子ゆっくりに成長しつつあったとある日。 その日れいむ一家はその日のお仕事を終えた後、公園をみんなで散歩することになった。 ちょうどよく晴れたうららかな陽射しの散歩日和だったので、れいむの子供たちは大喜びである。 れいむとまりさは木陰でのんびりうたた寝をし、子供達はおいかけっこ等をして遊んでいるそんな穏やかな時間…… そんなゆっくりとした時間は唐突に終わりを告げた。 「ゆんやああああっ!ゆんやああああああっ!」 「……ゆ、ゆゆっ!?」 「お、おちびちゃんのこえがきこえたよ!いったいどこから………ゆああああああああっ!?」 我が子の悲鳴にれいむとまりさは夢の世界から現実の世界へと呼び戻された。 寝ぼけまなこで慌てて我が子を探し……そしてあまりの光景に思わず叫んだ。 なぜなら人間の子供がれいむのおちびちゃんたちを足蹴にしているという身の毛もよだつ光景だったからである。 「やめちぇぇぇぇっ!れいみゅにいたいこちょちないでよぉぉぉぉぉっ!」 「いもうちょにひどいことしゅるくそにんげんはまりちゃがぷくーでせいさいっちてや……ゆべぇ!?」 「やべちぇよぉぉぉっ!まりちゃをけりゃないでよぉぉぉっ!どぼじでこんにゃひどいこちょしゅるにょぉぉぉぉっ!?」 「何故って……お前らが俺の焼き芋をよこせなんて言うからだろ。 俺は嫌だって断わったのにいつまでもつきまとってさ……終いにはあまあまよこさないゲスは制裁するよ!とか言って お前らの方から俺の足に体当たりかましてきたじゃないか。だから俺もやり返しただけだ文句あっか?」 そう事実はすべてこの少年の言うとおりであった。 屋台で石焼き芋を買った少年が公園のベンチに座って食べようとしたら 赤れいみゅたちが焼き芋の匂いにつられてのこのこやってきて 「そのあみゃあみゃしゃんをちょうりゃいね!」と言ってきたのだ。 ただでさえなけなしの小遣いで買った焼き芋だ、野良に餌付けする趣味がない少年は当然「嫌だよ」と断わった。 そしてぎゃーぎゃ騒ぎ立てる赤れいみゅ達を無視して焼き芋を黙々と食べ始めたのだ。 普通は拒否された時点で諦めるものだが……そこは諦めが悪い上に逆恨みが得意なゆっくり。 いつの間にかれいみゅ達の頭の中で少年は「れいみゅのあまあまを横取りするゲス人間」になっていた。 そして逆切れによる制裁が開始される。少年の足に体当たりを始めるれいみゅたち。 黙々と食べていた少年は赤れいみゅたちの言動行動にだんだん腹がたってきた。 せっかくいい陽気だから奮発して美味しそうな焼き芋を買って 公園で食べながら久しぶりにのんびりしようと思っていたのに、 なんでこんな野良ゆっくりに罵詈雑言を浴びせられた上に暴力を受けなければならないのだ? 野良ゆっくりが邪魔でうるさくて、せっかくの焼き芋が全然美味しく感じない。 お前らいい加減にしろ!……という経緯で現在に至るわけである。 「あ、ああ……に、にんげんさんにばりざの……ばりざのおちびだちがいじめられでるぅぅぅぅっ!?」 「や、やべろぉぉぉぉっ!それいじょうれいぶのがわいいおちびじゃんたちをいじべるなぁぁぁぁぁっ! ばりざぁぁぁぁっ!あれっ!あれをかせえっ!いますぐがぜえぇぇぇぇぇっ!」 「ゆっ!れ、れいぶ!?ぞ、ぞれはだめなんだぜっ!ぞれはぁぁぁっ!」 「ゆがあああああああああああっっ!」 「れ、れいぶぅぅぅっ!」 だがそんな事情など木陰で昼寝ぶっこいていたれいむとまりさが知るはずがない。 知っていればれいむもまりさも公園の群れに所属している野良ゆっくり、 人間の怖さは嫌というくらいに知り尽くしているから、ただひたすら少年に平身低頭して謝ってすませたかもしれない。 だがれいむとまりさ……特にれいむは寝ぼけて混乱していた。最愛の子供の危機に気が動転していた。 「ゆぴぃ……も、もうやらぁぁぁっ……」 「お、おうち…おうちかえりゅぅぅぅぅ………!」 「……はあ、もういいや。いいかお前らこのくらいで勘弁してやる。これで懲りたら二度と人間に食い物をねだるんじゃ…」 「れいぶのおちびじゃんをいじべるくぞにんげんはゆっぐじじないでじねぇぇぇぇっっ!」 「え…」 まりさの帽子の中には以前公園で拾ったという所々錆びている果物ナイフが忍ばせてあった。 このナイフはまりさといえどよほどの事がない限り使わない、まさに切り札中の切り札である。 我が子の危機に逆上したれいむはまりさの帽子の中のナイフを強奪すると、 ナイフを口にくわえて少年目掛けて突進したのである! れいむのゆん生最大最後の火事場の馬鹿力+後ろから突進してくるれいむに気付かない少年……その結果は? 「ゆ、ゆぐおおおおおおおおおっ!ゆんぎゅおおおおおおおおおおっっっ!!」 「痛っ……!?な、なんだよこれ……痛てええええええっ!?」 れいむの果物ナイフは運良く……いや運悪く少年のズボンとスニーカーの間の隙間、すなわち靴下に直接突き刺さった。 突き刺しただけでは飽き足らず、れいむは渾身の力で少しでもナイフを深く刺そうと踏ん張る。 そして逆上したれいむの火事場の馬鹿力によって果物ナイフは少年の足になんと1cm強も刺さった。 少年はいきなり足を刺されたことによる激痛で遂にうずくまってしまう。 れいむに刺された足の靴下は血でまっ赤なっていく…… まさか少年も野良ゆっくりごときにこんな怪我を負わせられるとは思ってもいなかっただろう。 「ゆふぅー!ゆふぅぅぅー!ゆふぅぅぅぅぅ―――っ…………!」 「ゆえーん!おきゃあしゃぁぁぁぁんっ!」 「まりちゃこわかったのじぇぇぇぇぇっ!」 「れいみゅもきょわかっちぇよぉぉぉぉっ!」 「ゆふぅぅぅぅー……ゆふぅぅー……お、おちびじゃんだち……も、もうだいじょうぶ……だよ……ゆっ!」 そして力を使い果たしたのか、れいむは果物ナイフを口から離した。 とたんにれいむの口からナイフを齧ってた部分の前歯と下歯が砕けたものがボロボロと地面に落ちる。 歯が砕けるのもかまわずに果物ナイフを噛み締めていたのだ。 なんとも無駄にご立派な母性パワーである。 「い、いてぇぇぇぇ……!いてえぇぇぇ!なんだよこれ……っ!な、なんで俺がこんな目にぃ!」 「ゆわぁぁぁい!れいみゅのあみゃあみゃをよこどりちた、げすにんげんがくるしがっちゃるよぉぉぉぉっ!」 「ちゅよーいおきゃーしゃんにしぇいしゃいされて、いいきみなのじぇぇっ!」 「にぇえくやちい?ねえいみゃどんなきもちぃ?ねえねえどんなきもちぃ~~~~?」 「ち、ちくしょう……おまえら……!おまえらぁぁぁっ!」 「「「おおっきょわいきょわいっ!げしゅにんげんはゆっくちくるしんでいっちぇにぇぇぇっ!げらげらげらぁぁぁっ!」」」 「ゆふぅぅぅー、ゆふぅぅー、ゆふふぅぅぅー………ゆっ!?ゆっ……ゆゆゆゆゆゆゆっ!?」 傷ついて動けなくなった少年の姿を見たとたん、いい気になって勝ち誇るれいむの子供たち。 足を刺された痛みにうずくまって涙目で悔しがる少年。 そして放心状態で息を整えていたれいむは……はっと我に返った。 人間を傷つけたという自分がしでかした事の重大さに愕然となる。 重大さを自覚したとたん、れいむの身体がガタガタと震えだしてきた。 れいむはあまりにも無我夢中で全然気がつかなかったのだ……人間に手を出すという事の恐ろしさを。 さらに人間を傷つけるのは確か群れの掟で禁止されていた。もし破ったら制裁…… と、そこへようやく番のまりさが駆けつけてきた。 「れいぶぅぅぅっ!」 「ま、まりざぁぁぁぁっ!?」 「はやぐにげるのぜぇぇぇっ!おちびたちっ!おとうさんのおぼうしのなかにはいるのぜっ!」 「ゆっ?にゃにいっちぇるにょ?こりぇからこのげすにんげんをれいみゅがゆっくちしぇいしゃい……」 「ゆがああああっ!いいからはやくなかにはいるのぜえぇぇぇっ!」 「ゆっ?ゆゆゆっ?」 「れいみゅ、おしゅらとんでるみちゃい!」 「ゆわーい!まりちゃ、おとうしゃんのあたまのうえでこーりょこーりょしゅるのじぇえ!」 「ついてくるのぜれいむ!ゆっくりしないではやくにげるのぜぇぇぇぇぇっ!」 「わ、わがっだよぉぉぉっ!」 まりさは調子に乗って少年を制裁しようとするおちびどもを強引に三つ編みで掴んで帽子の中に放り込むと、 少年が地面に落とした焼き芋も抜け目なく拾って一目散におうちへ向かって逃げ出した。 れいむも慌ててまりさの後を追って跳ねていく。 少年から一刻も早く離れんが為に。この場から一秒でも早く逃げ出すために。 幼少の頃から人間の強さ恐ろしさをよく知っているれいむとまりさは人間に勝てるなんて欠片も思わなかった。 だからとにかくひたすら死ぬ思いで逃げていった。 「ちくしょう……ちくしょうっ……!い、痛っ……足が、足がいたいよぉぉぉぉっ……!」 「おい君……どうした?」 「え?あ、足が…足がちょ、ちょっと痛くて……」 「足……?た、大変だ!君こんなに血が出ているじゃないか!まってなさいっ!いま携帯で救急車を呼ぶから!」 「す、すいません…」 「それにしてもどうしたんだいこんな酷い刺し傷……通り魔にでもやられたのか?」 「え?えっと……」 れいむに足を刺された少年は、運良く公園に犬の散歩に来ていた初老の男性によってすぐに助けられた。 刺し傷の経緯を聞かれて一瞬沈黙する少年……正直に言っていいものかどうかと。 しかし考えるうちにその脳裏にあのゆっくりどもの姿が思い浮かんでくる…… 自分の足を錆びた果物ナイフで刺した、あの薄汚れて目が血走った野良れいむ。 苦しんでいる自分をムカつく顔であざ笑った赤ゆっくり達。 食い物を強請られ、逆切れされ、軽く痛めつけて追い返そうとしただけなのに、刺されて怪我を負い、 苦しんでいるのに追い討ちとばかりにバカにされ、おまけに焼き芋も奪われた。 ……まったく思い出すだけで腹がたってくる。あんな野良どもにかける慈悲などないっ! 少年はためらうことなく今起きた事実をありのまま初老の男に伝えたのだった。 「……………ここに住んでいるらしい野良ゆっくりにやられました」 この瞬間。数年に渡って人間に迷惑をかけず賢明に暮らしていた公園の群れ……その命運は尽きた。 「むーちゃむーちゃ!ち、ちあわちぇぇぇぇぇっ!」 「くしょにんげんきゃらとりかえちた、あみゃあみゃのあじはかくべつっなんだじぇぇぇぇっ!」 「やきいもさんはとてもゆっくちできりゅにぇえ!むーちゃむーちゃぁぁぁぁっ!」 公園の片隅……群れのおうちが並ぶ場所にある、 とある横倒しのダンボール箱の中から赤ゆっくり達の歓喜の声が聞こえる。 言うまでもなくここはれいむとまりさのおうちである。 少年から無事に逃げ切ったれいむ達は、腹がへったとぐずるおちびちゃん達にとりあえず焼き芋を与えた。 れいむのおちびちゃん達は生まれて初めて食べるほくほくの焼き芋の味に幸せいっぱいだったが、 れいむとまりさの顔は晴れなかった……普段ならおちびちゃんの喜ぶ姿を目を細めて喜ぶはずなのに。 「ゆう……れいむ。やってしまったものはもうしょうがないのぜ」 「で、でもまりさぁ……このことがむれのみんなにしられたらせいさいっされるよぉぉぉ……?」 「たぶん……だいじょうぶなのぜ」 「ゆっ?」 「まりさはれいむのところへいくまえにしゅういをみわたしてみたのぜ。 群れからはなれたばしょだったせいか、まわりにむれのゆっくりはだれもいなかったのぜ」 「じゃあ……れいむたちがだまっていれば……」 「そうだぜ。だれにもばれないのぜ……ばれなければとうぜん、せいさいっもされないのぜ」 「そう…うまくいくかな?」 「だいじょうぶなのぜ!それに……ゆっくりのこうげきなんてにんげんさんにしたらかすりきずにもならないのぜ。 だからあのにんげんさんもたいしたけがじゃないはずなのぜ!おおごとになんてなるわけないのぜ! れいむがしんぱいすることはなにもないのぜ!」 「…・…ゆん。そうだね……そうだよね!」 れいむとまりさは自分の心の平穏を取り戻す為に、「たいした事じゃない。大丈夫」だと必死に自分に言い聞かす。 確かに幸運にもれいむが少年を襲った現場を目撃した群れのゆっくりはいなかった。 人間にとって野良ゆっくりの攻撃など普通ならば命に関わるものではないはず。 ならば大丈夫……大丈夫のはずだ。あと不安材料があるとするならばそれは…… 「ゆげーぷっ!くっちゃ!くっちゃ!なのじぇ~~っ♪」 「ゆー♪れいみゅおにゃかぽんぽんだよぉ~♪」 「ゆっくちー!にぇえにぇえおきゃあしゃん!」 「……ゆっ?な、なあにおちびちゃん?」 「やきいもしゃんはとてもゆっくちできりゃよ!れいみゅまたやきいもしゃんをたべちゃいよ!」 「そ、それはよかったね!やきいもさんはれいむおかあさんがいつかまた…」 「おきゃあしゃん!またあみゃあみゃをひとりじめにちゅるげしゅにんげんをしゃいしぇいちてね! そちたらまたやきいもしゃんをれいみゅにけんじょうっしゃせちぇね!」 「ゆゆゆっ!?」 「……まずいのぜこれは……」 これだ。れいむのおちびちゃん達はいま「強いお母さんがゲス人間を制裁した」と思い込んで調子にのっている。 無理もない、圧倒的な力で少年に虐められていた(と思い込んでいる)赤れいみゅ達にとって 少年を痛がらせて自分達を救ったれいむはヒーローであり英ゆんなのだ。 もしれいむとまりさもバカでゲスだったら、赤れいみゅ達と同じ考え方をしていい気になったはずである。 そして人間を奴隷にするとか息巻いた挙句、人間に挑んで潰されるか虐待されるかして終わっただろう。 が、あいにく二匹ともゲス気質は多少あるもののバカではなかった。 バカだったら街という過酷な状況にあって、野良の分際で成体になるまで生き延びられるわけはない。 人間の子供を傷つけたとはいえ幼少の頃よりさんざん思い知らされている人間の恐ろしさと強さ、 掟破りの重大さはよくよく理解しているのだ。 しかし事態は重大だ。 かつてのれいむがそうであったように、このおちびちゃん達は野良社会のしがらみや現実などまだ知らないのだ。 当然悪いことをした、大変な事をしてしまったという自覚も教養もない。 その上ゆっくりはすぐに自慢したがるナマモノだ。 このままでは赤れいみゅ達の口から人間を傷つけた事が群れ中に広まって、 やがてれいむ一家は掟破りの名の元に群れから制裁されるに違いない。 だから赤れいみゅ達に口止めをしなくてはならないのだ。それもいますぐ! 「お、おちびちゃんたち……?きょうのことはだれにもいっちゃだめだよ?これはかぞくだけのひみつっだからね!」 「ゆゆっ?どうちておきゃあしゃんのぶゆうでんっをはなしちゃいけにゃいの?」 「おきゃあしゃんはえいゆんっなのじぇ!むれでししそんそんかたりつがれるべき、れじぇんどっなのじぇえ!」 「れいみゅ、おともだちにおきゃあしゃんのゆうしをじまんちたいよ!せんぼうっのまなざしでみられちゃいよ! にゃにょにどうしていっちゃだめなんていうにょ?ばきゃなの?ち…」 「ないしょにしないとゆっくりできなくなるよっっ!」 「ゆぴぃ!?」 「ゆ……ゆっくち……できにゃくにゃるのじぇ?」 「ど、どぼじてぞんなごというにょぉぉ………?」 「いまのおちびたちにはむずかしい、おとなのはなしなのぜ。でもいつかかならずそのりゆうをせつめいしてあげるのぜ」 「だからだれにもいわないでね!みんなゆっくりできなくなるのはいやでしょ?」 「う、うん……わかっちゃ…」 「まりちゃ、ゆっくちできなくにゃるのはいやなのじぇ……」 「ゆぅぅぅ……れいみゅ、みんなにじまんちたいにょにぃぃぃ…!」 れいむの一喝でおちびちゃん達はそれぞれ不満たらたらではあったが今日の一件を内緒にする事には同意した。 とりあえずほっと一安心するれいむとまりさだが……ゆっくりは都合の悪い記憶ほどすぐ忘れるものだ。 このままではいつか緘口令を忘れたれいみゅ達の口から一家の秘密が群れに漏洩するだろう。 そうならないように手間はかかるが、こうなったら毎日毎日おちびちゃん達に言い聞かせるしかない。 と、これからの事を考えると少し憂鬱になるれいむとまりさであった。 ……が、結果から言うとその心配は杞憂に終わった。 何故なられいむのおちびちゃん達が口を滑らすよりも早く、群れの破滅がやってきたからである。 そして……れいむが少年の足を刺した日から3日後。 その日は朝からなにか妙であった。いつもと違う朝……そんな違和感がずっとしていた。 はじめにその違和感に気付いたのは群れのありすであった。 「ゆっ……?へんね……こうえんさんに、にんげんさんがひとりもいないわ……? いつもならこのじかん、にんげんさんたちがさんぽやじょぎんぐにくるはずなのに……」 そして午前9時きっかりになると30人ほどの人間が一勢に公園に足を踏み入れた。 群れのゆっくり達はいつもと違う人間達のその様子になんだろうと首をかしげるばかりだ。 野良たちが不思議がってる間にも人間は群れのおうちがある場所へとやってくる。 と、そこへ人なつっこくて公園に遊びにくる子供達の人気者だったちぇんが、挨拶しようと人間達の前に笑顔で出てきた。 「ゆーっ!にんげんさんたちゆっくりしていて」 グシャッ! ……その瞬間、群れの野良ゆっくり達の時間が止まった。 男が挨拶しようとしたちぇんを踏み潰したのだ。あっさりと……なんの警告もなく無言で。 そしてちぇんの死骸から足をどけると男たちは全員一勢に帽子を被った。 よく見ると人間達はみんな手にゴミ袋やトングをもっている。それを見た野良ゆっくり達に戦慄が走るっ! すべての野良がこの手の種類の人間をよーく知っているからだ。そうこの人間たちは…… 「か、か、か、か……かこうじょだぁぁぁぁぁぁっ!?」 「い、いっせいくじょよぉぉぉぉぉぉっ!?」 「どぼじでええええええっ!?れいぶたちなにもわるいごとじでないでしょぉぉぉぉぉっ!?」 「ゆんやぁぁぁぁっ!?くじょはいやだぁぁぁっ!かこうじょはゆっくりできないぃぃぃぃぃっ!」 そう加工所による一勢駆除の始まりである。 瞬く間に公園に住んでいる野良ゆっくり達は、加工所駆除班によって残らず潰されてゴミ袋に死骸を放り込まれていく。 おうちは壊され、溜め込んだごはんなどはゴミ袋に詰められてゴミ収集車に放り込まれる。 野良ゆっくりが加工所職員に抗議したり命乞いをしても無駄だ。 駆除班の面々は野良の言葉になど一切耳を貸さず、ただ黙々と作業を遂行するだけである。 野良ゆっくり達は揃いも揃って理解したくないのに全員ゆっくり理解してしまった。 この人間たちは一切の容赦なく自分達を皆殺しにしようとしている、と。 こうなってはもう野良ゆっくりにできる手段はただひとつしかない。 とにかく一勢駆除から逃げるという手段しか。 「ゆんやああああっ!じにだくないっ!ばりざまだじにたくないよぉぉぉぉっ!」 「にげるよぉっ!でいぶはゆっぐりじないでこうえんざんがらにげるよぉぉぉっ!」 「もうすぐでぐちだみょん!ここをでれば……ゆゆゆっ!?」 数ヶ所ある公園の出入り口にはすべて前もってバリケードが設置されていた。 たかが1mほどの板が公園の出入り口すべてに立てかけられているだけのものだがこれで充分。 ゆっくりのジャンプ力でこの板は決して飛び越えられないし、体当たりして突き崩すことも不可能だからだ。 公園の周囲はコンクリートの壁や、植え込みで完全に囲まれている。 出入り口さえ封鎖しておけばこの公園から野良ゆっくりが逃げ出す事は完全にできないというわけだ。 「ゆっ!ゆっ!いたさんはゆっくりどいでね!でないとでいぶがかこうじょにつかまっちゃうでしょぉぉぉぉっ!」 「ごのっ!ごのっ!ありずのとかいはなたいあたりでたおれなさい!ごのいながものっ!いながものぉぉぉぉっ!」 「ちぇんたちがこれだけたいあたりしてもびくともじないよぉー!わがらないよぉぉぉっ!?」 「ゆ、ゆんやああああ!かごうじょのにんげんざんはごっちごないでね!ごっちごないでねぇぇぇぇっ!?」 「どぼじでごっちぐるのぉぉぉ……ゆっ!?でいぶおそらをとんでいるみた……や、やだぁぁぁぁっ! ぞのふぐろざんはいやだぁぁぁっ!ふぐろざんにいれないでぇぇっ!なんがゆっぐじでぎないにおいがずるぅぅぅっ!」 完全に脱出不可能となった公園を逃げ回る野良ゆっくり達。 だが加工所職員たちは別段慌てることもなく順調に野良ゆっくり達を始末していく。 もう群れの全滅は時間の問題と言えた。 そして群れが壊滅していく様子をただ一匹、呆然と見ている者がいた……この群れの長をやっているぱちゅりーである。 「ど、どぼいうごとなの……?なんでぱちゅのじまんのむれが……いきなりこんな……」 吐きたい気持ちを懸命に抑えつつ唖然と群れの崩壊を傍観する長ぱちゅりー。 今のぱちゅりーには潰されていく群れのゆっくり達を助けようという気はまったく起きなかった。 いや助けようにもあまりに恐ろしい光景にあんよがすくんで身動きがとれないと言う方が正しいか。 なんだこの非日常的な光景は? 加工所による一勢駆除? なんで?駆除対象にならないよう、ぱちゅりーは毎日必死に群れを治めてきたはずだ。 群れのみんなも毎日毎日、人間さんに課せられたゆっくりできないお仕事を頑張ったはずだ。 公園を訪れる人間さん達の評判も上々だったはずだ。 なのになぜ?なぜ?なぜ……… 「……おい。お前がこの群れの長をやっているぱちゅりーだな?」 「………」 「おいっ!」 「……むきゅきゅっ!?に、にんげんさん!?ど、どぼじてごんなっ!?み、みんなをはやっ!はやぐたすげっ!」 「助けるも何も、もうほとんど終わったよ」 「……むきゅ?」 長ぱちゅりーが我に返ると、確かに群れの駆除そのほとんどは終了していた。 群れのゆっくりのほとんどは潰されてゴミ袋に詰められ、おうちであるダンボール等も残らず徹去されている。 この公園にかつて野良ゆっくりの群れがあったという痕跡、そのすべてが加工所職員によって跡形もなく消されていた。 なんの前触れもなくやってきた加工所駆除班による、あまりといえばあまりに酷いこの仕打ち…… 長ぱちゅりーは吐きそうになるのを堪えつつ、自分に話し掛けてきた職員に聞かざるをえなかった。 「な、なんで……?どぼじてごんなごと……ずるの……?」 「残念だよ。俺たち加工所としてもこの群れの駆除はできればやりたくなかったのだが……」 「む、むきゅ……?ざ、ざんねんって…」 「別にこのままなんも説明せずに全部駆除してもいいんだが、ここは長い間人間の言うことをよく聞く 都合のいい……いや優秀な群れでい続けたからな。最後に長であるお前にだけは教えてやるよ。 なぜこの公園の群れが一勢駆除の対象になったのかを」 「ど、どういうごと……?」 「お前知ってるか?3日前……この公園で人間の子供が野良ゆっくりに足を刃物で刺されるという事件が起きた事を」 「し、しらないわ!そんなおはなし、はつみみよぉぉぉっ!」 「その子供の話によるとな。この公園に住んでいる野良ゆっくりに刺されたらしいとのことだ。 犯人はまりさとれいむの番で、なんでもれいむの方に果物ナイフでグサッとやられたんだと。 あとその番にはガキが2~3匹いたって話だが、それについても何か心当たりはないか?」 「む、むきゅ……まりさとれいむのつがいはむれにもたくさんいるから……それだけじゃわからない、わ」 「……そうか。それでな足を刺された子供の両親がひどく怒ってな……運良く子供の足に障害は残らなかったらしいが なんであんな危険な野良の群れを公園に放置しとくんだって、自治体や保健所に抗議しまくってな」 「で、でぼっ!でぼそのにんげんさんをさしだのは、ぱちゅのむれのこじゃないのがもじれないわ! にんげんさんだって……にんげんざんだっでこのむれのごとはっ!」 「ああ。よ~く知ってるよ。この群れの連中が安易にそんなバカなことするはずがないってな」 「だ、だっだら…」 「だがな本当に残念な事に……お前達は運が悪すぎた」 「む、むきゅっ?」 「運悪く事件をマスコミが嗅ぎ付けてなぁ。テレビのニュースでこの事件が全国放送されちまったんだよ」 「ど、どういうごとなの……?」 「多くの人間が『この公園の野良ゆっくりに子供が刺された』という事件を知ってしまったってことだ。 そしてとてつもない世論が巻き起こった。公園の群れを今すぐ駆除しろっていう世論がな。 あの群れに限ってそんな事あるはずがないって反論しても、とても世間が聞き入れてくれるような状況じゃなかった。 ニュース放送後、加工所には24時間ひっきりなしに駆除要請の電話がきたんだわ」 「………」 「すまん。一勢駆除を中止するよう俺たちも努力したんだが結局、上司の鶴の一声で公園の駆除が決定しちまった」 「……」 「残念だなあ……この群れは2年半も続いた奇跡的な群れだったのに」 「…」 「長……?おい俺の話を聞いているのか?おーい」 長ぱちゅりーはもう何も聞きたくなかった。考えたくもなかった。 子供を刺した野良ゆっくり親子がこの群れの子であろうとなかろうと 事件がこの公園で起きた以上、この群れの滅びは必然だという事を理解してしまったからだ。 現実感がなかった。長年さんざんゆっくりしないで積み上げてきた群れがこうも簡単にあっさりと崩れるというのか? 今まで自分の、そして群れのみんなの苦労はなんだったのだろう? みんなでゆっくりできる群れを作っていこうと懸命に頑張ってきたというのに…… ……長ぱちゅりーの家系は代々この群れの長をしてきた。 ぱちゅりーのお母さんもそのまたお母さんも、そのまたまたお母さんも……みんなこの群れの長をしてきた。 代々の長ぱちゅりーはひたすらに自分はゆっくりなどせず群れの存続に全力を傾けてきた。 そんな先代の長である母に幼いぱちゅりーはある日聞いたことがある。 「むきゅっ!どうしておかあさんはもっとゆっくりしないのかしら?もっとゆっくりしたらいいのに……」 「おかあさんはおちびちゃんたちがゆっくりしているのをみているだけで、とてもゆっくりできるわ! つぎも、そのつぎも、ずーっとおちびちゃんたちがゆっくりしていけるむれをつくることが おかあさんにとってのゆっくりなのよ!むきゅっ」 「……?」 その時は先代の母ぱちゅりーが何を言っているのかさっぱり分からなかった……が、 自分が長となり群れを仕切るようになって、ようやく死んだ母の言葉が理解できるようになった。 ただ自分だけがのんべんだらりとゆっくりするよりも、 群れのみんながゆっくりできる群れの維持に努める方が何倍もゆっくりできるという事に。 長という仕事に対するやりがい……とでも言うのであろうか?生きがいといってもいいのかもしれない。 しかしそれにしても人間の街における野良ゆっくりの地位は非常に低い。 生存権を人間に公認してもらうどころか黙認してもらうことすら野良にとっては大変なことだ。 何代にも渡って人間に認めてもらおうと努力をし、時には蹴られ殺されながらも話し合い、一生懸命みんなで頑張って、 その困難な問題点を少しづつ、少しづつ解決していく達成感は長として何事にも替え難い喜びであった。 すべては群れのおちびちゃん達の為に。 おちびちゃん達のおちびちゃんの為に。 まだ見ぬずっと未来のおちびちゃん達の為に。 群れという財産を先代たちから引継ぎ、今を犠牲にしてぱちゅりー以下、 群れの全員は代々ゆっくりできないお仕事に従事してきた。群れを未来に引き継ぐ為に。 そしてようやく人間さんに認められつつあったのに……すべては水泡に帰した。 この日唐突にぱちゅりーは全部失った。群れも。仲間も。公園と言うゆっくりプレイスも。過去も未来も現在もすべて。 長ぱちゅりーにはもう自分の命しか残ってない。だが仮に命だけ助かって何になるというのか。だから 「む、むきゅ……むきゅきゅきゅきゅ……っ!え、エレエレエレエレ……!」 「……長ぱちゅりー。今までご苦労様」 「エレエレエレ……!い……いまま…・・ありが……ど……に、にんげ……さ………………」 長ぱちゅりーは致死量の生クリームを吐き出すと、そのまま静かに息を引き取った。 絶望の中で自ら選んだ自殺だというのに、なぜかその死に顔は安らかなものに見える。 長の最後を看取った職員は溜め息をつきながら群れとその長の死を悼んだ。 「死ぬ間際の断末魔がもっとゆっくりしたかった…じゃなくて今までありがとう、か。 本当にお前は群れのことを誰よりも考えていたんだな……ぱちゅりー……」 こうして公園の群れは加工所による一勢駆除によって跡形もなく滅んだ……が、 そういえばあのれいむとその家族はどうなったのであろうか? 群れの仲間たちと共に駆除されたのであろうか? 実はれいむ一家はまだ揃いも揃ってピンピンしていた。 ちょうどこの日、れいむ一家に割り当てられたお仕事は公園の周囲のゴミ拾いだった。 そのお仕事にれいむがおちびちゃん達の社会見学もかねて一家総出でお仕事に行くことを提案、 まりさがその提案を受け入れ一家全ゆんが公園の外に出ていたのだ。 「ゆんっ!ゆっくりこうえんさんにかえってきたんだぜ!」 「おしごとするつもりがついあそんじゃったね!」 「でみょ、こうえんしゃんのそとをいっぱいみれちぇ、れいみゅはたのちかっちゃよ!」 「またおそとをみんなでぼうけんっするのじぇ!」 「しょろしょろおうちかえりょうにぇえ!れいみゅおうちでゆっくちちたいよ!」 要するに当初、公園の周囲のゴミ拾いをするはずだったのだが おちびちゃんどもにせがまれて持ち場を離れ、公園から少し離れた所まで遊びにいってしまったという訳だ。 だがそのせいで一勢駆除をまぬがれたのだから無駄に運がいいと言えよう。 もっとも……その悪運も本日この時までなのだが。 「……ゆっ?こうえんさんのいりぐちにだれかいるのぜ?」 「にんげんさんがおおぜいいるねまりさ。でもあのにんげんさんのかっこうはどこかで…………ゆぁぁぁぁぁっ!?」 「あ、あ、あれはか、かこうじょなんだぜぇぇぇぇぇっ!?」 「な、なんでぇぇぇ?なんでこうえんざんにかごうじょのにんげんがあるのぉぉぉぉぉっ!?」 「ん?なんだあの野良……もしかして公園の生き残りか?」 「れいむとまりさの番だぞ。ガキもいる……もしかしたら!」 「ああっ!こいつらは絶対駆除しないとっ」 驚愕したれいむとまりさの大声でれいむ一家の存在に気付いた加工所の職員たち。 れいむ達を駆除しようと道具を手に近付いてくる。 なんで?どうして?公園に加工所が?いやだ!加工所はゆっくりできない! 野良にとって最大の恐怖対象である加工所職員との遭遇にパニくるれいむ達であったが、 命の危険が迫っている以上いつまでも錯乱していられない。 「れ、れいぶぅぅぅっ!おちびをつれでにげるんだぜぇぇぇぇっ!」 「ゆっ!?わ、わがっだよまりざぁぁぁっ!お、おちびちゃんだちはれいぶのあたまにしっかりつかまっででね!」 「お、おちょうしゃんもおかあしゃんもいったいどうしたんだじぇ?」 「あんなくちょにんげんどもにゃんきゃ、このあいだみたいにゆっくちしぇいしゃいしゅれば……」 「ゆああああああっ!にげるよぉぉぉぉっ!」 人間を制裁?この期に及んでなにを言っているんだこの糞ちびどもは! 冗談じゃない!人間になんか勝てるわけがない!この間のアレはまぐれもいいとこだ! 人間の強さを知らない無知で恐れを知らない子供はこれだから嫌なんだ! ともあれ今はとにかく逃げなければならない。 加工所の人間がなぜ公園にいるのかという疑問はどうでもいい、とにかく逃げ切ることだ! 逃げなければ駆除されてしまう! 「ゆんっ!ゆんっ!ゆ……ばりざおそらとんでいるみだ……ゆああああああああっ!は、はなぜぇ!はなぜぇぇぇぇっ!」 「どぼじておちょうしゃんがつかまっちぇるのじぇぇぇぇっ!?」 「ゆ、ゆぅっ!?」」 お帽子の中に次女まりちゃを入れて、れいむの後ろを懸命に跳ねていたまりさが加工所職員に捕まった。 逃げられないように両手で持ち上げられている。 まりさはじたばたと足掻くがとても人間の手からはとても逃れられそうになかった。 そしてまりさ達の悲鳴を聞いて二匹が捕まったと知ったれいむは思わず逃げるのをやめて振り返ろうとしたが…… 「おきゃあしゃぁぁぁんっ!きゃわいいまりちゃをゆっくちたしゅけ」 「れいむぅぅぅっ!ばりざだちにかまわずいくのぜぇぇぇぇっ!ばりざたちはもうだめなのぜっ! だからっ!だがらせめてれいむたちだけでもにげきるのぜぇぇぇっ!」 「ば、ばりざぁぁぁっ!?」 「にゃ、にゃにいっちぇるのじぇおとうしゃんんんんっ!?きゃわいいまりちゃをおいてっちゃらだめなのじぇぇぇぇ? きゃわいいまりちゃはゆっくちたすけなきゃだめでしょぉぉぉぉぉっ!」 「うるざいっこのちびぃぃぃっ!じょうきょうみてものをかんがえろぉ!ばりざだちはもうだめなんだぁぁぁっ!」 「どぼちてしょんなきょちょいうのじぇぇぇぇっ!?」 「いげぇっ!いげぇぇぇぇっ!れいぶぅぅぅぅぅっ!!」 「……っ!」 一瞬躊躇したれいむだったが、捕まった自分達を切り捨てて逃げろというまりさの叫びが届いたのか、 れいむはまりさ達に背を向けて再び逃げ出した。 まりさと次女まりちゃを置いて逃げるのはれいむにとってもまさに断腸の思いである。 頭の上のれいみゅ達はそれでもぎゃーぎゃー言ってたが、逃げるのに必死なれいむには聞いてる暇はなかった。 さらに運もれいむに味方した。 れいむは無我夢中で人間が入りづらい細い路地から細い路地へと逃げ回り追手を振り切る事に成功。 番のまりさと子供のまりちゃを見殺しにするという手痛い犠牲を払いつつも一勢駆除から逃げ切ったのであった。 「おでがいじますぅぅぅぅっ!かわいぞうなれいぶのおちびちゃんをたすけてくだざいぃぃぃぃぃっ!」 「ゆっ……ゆっ……ゆっくち……ゆっくちぃぃ……」 数日後。とある路上でれいむが通行人に対して泣きながら物乞いをしていた。 加工所からはどうにか逃げ切ったれいむ達だったが、公園というおうちを失ったため当然のごとく貧窮した。 れいむは最初、どこか別の群れに入れてもらおうと思ったのだが…… だがれいむは幼少の頃、群れのまりさに見せられた別の群れによる凄惨な制裁の光景がトラウマとなっていた。 よその群れに接触する勇気がどうしてももてなかったのだ。 よって必然的に残された家族だけで他の野良ゆっくりが住んでいない薄汚い路地裏等で暮らすこととなる。 家族だけで野良暮らしをするという事はこれからは自分達だけで食料を調達しなければならいという事だ。 が、野良ゆっくりができる食料の調達方法など限られている。 その中でもゴミ捨て場を荒らせばどうなるのか……はれいむは嫌というほどに知っているので、 れいむ一家の食事はそこいらから抜いてきた苦い雑草がほとんどになった。 当然ゆっくりできない日々が続く。 れいむはおうたを歌ったりしておちびちゃん達を少しでもゆっくりさせようとするが、 れいみゅ達は次第に衰弱していった。そして…… 「おにゃか……すいちゃ……やきいもしゃん……たべちゃいぃぃ………ゆっくちぃぃ……」 「おちびじゃぁぁぁんっ!じっがりぃ!じっがりじでよぉぉぉぉっ!」 「お……おきゃーしゃぁぁぁん……」 「ゆっ!お、おかあさんはここだよ!おちびちゃんはなしたいことがあるのなら、ゆっくりおかあさんにはなしてね!」 「おきゃーしゃん……どぼじて……どぼじてれいみゅをゆっくちちゃちぇて……くれにゃいにょ……?」 「ゆ……ゆぅぅぅっ!?」 「あみゃあみゃ……たべちゃいよ……くしょにんげんを……しぇいしゃいちて……れいみゅにあみゃあみゃ……」 「ご、ごべんねっ!ごべんねぇぇぇっ!にんげんをせいさいっするなんでおかあさんにはむりだよぉぉぉっ!」 「しょん……にゃあ……も、もっと……ゆっくち……」 「お、おちびじゃぁぁぁぁぁんっ!」 一番上の子供。れいむが初めて産んだ長女れいみゅはこうして餓死した。 お母さんは強い、いざとなったら糞人間を制裁してあまあまを持ってきてくれるはずとれいみゅは無邪気に信じていた。 その思い込みが当の母親であるれいむに否定された時、心の支えを失った長女れいみゅの心は折れた。 心が死を受け入れた。死を拒絶できる体力はもうれいみゅにはなかったのだ。 「お、おちびじゃん……れいむのおちびちゃんがぁぁぁぁっ!」 「ゆっ……ゆぅぅぅっ……」 「ゆうっ!?」 だが悲しみに暮れる暇はなかった。何故なら三女れいみゅもまた飢餓によって死に瀕していたからだ。 それも危篤状態でありすぐに姉の後を追いかねない。 もうこうなっては苦手だのなんだのと言ってられなくなった。 れいむに思いつく我が子を助ける手段はもうただひとつしかなかった。 その手段とは……人間に泣きつくことである。 「おねがいじまずっ!えいえんにゆっくりしそうな、れいぶのがわいいあがちゃんをたずげてぐださいっ! おびじちゃんはおなかがすいてしにそうなんです!がわいぞうなんですっ! あばあばじゃなぐてもいいです!にんげんざんのたべものならなんでもいいんでずっ! ぜいだくいいまぜんっ!だがらなにかたべるものをれいむにっ!かわいぞうなおちびじゃんにめぐんでぐだざいっ! おちびちゃんがしんじゃっだられいむはゆっくじでぎまぜんっ!だがらおねがいじまず!おでがいじまずぅぅぅぅっ!」 れいむは泣きながら必死に叫ぶ。 道行く通行人たちに我が子の救済を訴える。咽が潰れてもかまわないくらいの勢いで大声を絞り出して。 だが人間は誰一人として振り向かない。誰もれいむ親子を見ようともしない。完全なる無関心。露骨なまでの無視。 こんなにおちびちゃんが苦しんでいるというのに。れいむが平身低頭して頼んでいるというのに。 なんで人間はこんなにも冷たくて不人情なんだ。 れいむはすでに大泣きしているくせに泣きたくなってきた。 そしてれいむは物乞いしているうちに思い出す。今のこの状況はあの時とまったく同じだと。 あの時……赤ゆっくり時代の自分。妹のまりちゃと凍えながら道行く人間に助けを求めた。 しかし人間は汚物を見たとでも言いたげな不快な目をするだけで一向にれいむと妹を助けようとはしなかった。 なぜ人間はこうまでれいむ達に対して冷淡だったのか?その理由は今ならわかる。 野良ゆっくりが人間にこれ以上ないほどに嫌われているという現実を知った今の自分ならば。 じゃあやはり駄目なのか? 野良であるれいむのおちびちゃんなど人間は助けてくれないのか? (そ、そんなのいやだよ!だっておちびちゃんがいなくなったら、れいむはひとりぼっちになっちゃうんだよ!?) (ひとりぼっちはゆっくりできないよ!でもおちびちゃんがひとりでもいれば!れいむはゆっくりできるよ!) (だかられいむのためにおちびちゃんをたすけてね!れいむがゆっくりするためにおちびちゃんをしなせないでね!) ゆっくりというのは根が正直にできている。 いくら心の中で思ってるだけでも言葉尻にそれとなく本心が現れてしまうものなのだ。 もともと野良の子など助ける気がない通行人だが、 れいむの言葉の端々に独りよがりなゲスっ気を感じるとさらに無視するようになっていった。 人間は野良ゆっくりの何が嫌って、こういう自分のゆっくりの事しか考えてない所が一番嫌いなのだ。 「ゆっ…・・ゆっ……も、もっちょ……ゆ………」 「おでがいじまずっ!れいむをゆっぐじざぜで!おちびじゃんをたずげてれいぶをゆっぐじざぜてぇぇぇぇっ! ゆんやあああああっ!どぼじでだれもれいぶをゆっぐじさぜでくれないのぉぉぉぉぉっ!?」 「…………」 ゆっくりしたい。ゆっくりさせてとただひたすらに人間に懇願し泣き喚くれいむ。 そうしてる間にれいむの隣りでは三女れいみゅが静かに息を引き取ったのだが…… おちびちゃんの為と言いながらもその実、自分のゆっくりの事に夢中なれいむはまったく気がつかなかった。 れいむが三女れいみゅの死に気付いたのは30分もたった後のことである。 「ゆっ……ゆぅぅっ……ゆぅぅぅぅ………」 さらに数日後……れいむはまだかろうじて生きていた。 子供達が永遠にゆっくりした後どこをどう彷徨ったのだろうか…… 肌は蹴られたと思われる打撲痕がいくつもあり髪の毛も荒れ果て、もみあげは片方なくなっている。 左眼の視力も失っていてお飾りである紅白リボンもボロボロだ。もう生きているのが不思議なくらいの姿である。 「ゆっくりしだい……ゆっくり……ゆっくりぃぃぃぃぃ……っ!」 れいむは彷徨ううちにいつの間にか公園へと舞い戻っていた。 無意識にれいむがそのゆん生でもっともゆっくりできた場所である公園へとあんよが向いたのであろうか。 しかしれいむには故郷に戻ってきた感傷などなにもなかった。 ただひたすらゆっくりしたい、ゆっくりしたいという思いばかりが頭の中をぐるぐる回っていた。 「……ゆっ?」 そんなれいむがふと顔を上げると、公園のベンチで男が焼き芋を食べている。 ベンチに楽に腰掛けて美味しいものを食べてゆっくりしている人間の姿を見てるとれいむの目に涙がどんどん溢れてきた。 普通こいういう場合、嫉妬した野良ゆっくりが人間に対して食べ物を恐喝するものだが 今のれいむは少し違っていた。ただ悲しかった。どうしてこうも世界はゆっくりにだけ厳しいのだ。理不尽すぎる。 れいむはよれよれとその男の前にいくと、不審な顔をする男に対して問いかけてきた。 「どうじて……?どうじてにんげんさんばかり……いつもおいしいものたべているの……? いいおうちにすんでいつもゆっぐりじているの?なんでれいぶにはゆっくりできるものがなにもないの……? のらだがら……?れいむがのらゆっぐりだからみんなじていじわるずるの……? でものらでもれいぶこんなにがんばっだよ……なのにもうれいぶにはもうなにもないよ。 ばりざもおちびちゃんもなにもないよ……れいぶはただゆっぐりじだがっただけなのに…… れいぶ……れいぶゆっぐりじだい……ゆっぐり……ゆっぐりぃぃぃぃ……」 「お前……まさか……?」 男に対して弱々しく抗議するれいむ。 ゆっくりさせてくれ。とにかく自分をゆっくりさせてくれとひたすら繰り返す。 突然現れたれいむに男は少し驚いたふうだったが…… れいむが投げかけた疑問に男はしばらく考えこむとやがてれいむに話しかけてきた。 「れいむ……人間だって最初はお前達ゆっくりと同じだったんだ」 「……ゆっ?」 「人間も大昔は洞穴に住んでいて毎日ド貧乏だったのさ。そして毎日生きるか死ぬかの狩りをして 必死に生きていたんだよ」 「う、うぞだよ……にんげんざんはおおきなおうちをいくつももっでるよ……あまあまだって……」 「それは昔の人間達が頑張ったからさ。自分はゆっくりしないで子供や家族、群れ、村、国の為に代々必死に頑張った。 だから子孫である俺たちが現在快適なおうちに住んだり、美味しいものを食べたりできるようになったんだ」 「じ、じぶんは……ゆっぐりじながったの……?ぞ、ぞんなの……」 「……ゆっくりできないって?」 「ぞ、ぞうだよ……ばかだよぞんなの……じぶんがゆっぐりでぎながっだらいみないよ……」 「……だからお前はゆっくりできないんだよ」 「ゆっ!?」 「自分は他者をゆっくりさせようとはしないのに、自分だけ一方的にゆっくりさせてもらおうなんて……ないだろ」 「ぞ、ぞんないいがたっで……」 「お前さ。一度でも誰かを本気でゆっくりさせてあげようと思ったこと、ある?」 「ゆっ!?」 ……なかった。考えてみればれいむは誰かにゆっくりさせてもらおうという事ばかり考えていて、 誰かをゆっくりさせてあげようなんて本気で考えたことなど一度もなかった。 群れの共同作業は苦痛でしかなかった。自ら進んで他ゆんのお仕事を手伝ったことなどただの一度もない。 いつも自分の分のお仕事が終わればさっさとおうちに帰ってゆっくりしていた。 番のまりさはれいむが妊娠中や子育てで忙しい時に、二匹分のお仕事を頑張ってたくさんごはんをもってきてくれた。 れいむはまりさの献身に見合うだけのゆっくりをさせてあげただろうか? おちびちゃんに至っては単に自分やまりさに似ててかわいくてゆっくりできるから産んだだけのことだ。 子供のお世話を頑張ったのも、れいむが自分は良妻賢母だね!と自画自賛してゆっくりする為だ。 「ゆ、ゆゆゆゆゆぅぅぅ……っ!」 「図星か……どうやら思い当たる節は山ほどあるみたいだな」 「ち、ちがうぅぅぅぅ……!れ、れいぶは……れいぶはぁぁぁぁっ!」 「なあ。もう一つ聞くがれいむは親や大人のゆっくり達からなにか受け継いだものがあるか?」 「ど、どおいうごとぉ……?」 「れいむの親はれいむに命を授けたわけだよな。でも命だけだ。命以外に親から受け継いだものはあるのか? 人間は色々なものを親や先祖から受け継いでいるぞ。歴史、文化、技術、知識、住居、インフラ…… 数え上げればきりがない財産を受け継いでいる。だから現在人間はゆっくりできるんだ」 「ゆっ?ゆゆ……っ?」 「じゃあゆっくりはどうだ?ほとんどの野良ゆっくりが残したのは ゆっくりが人間にこれ以上ないというくらい嫌われている、ゆっくりが暮らしにくい世界だけじゃないのか?」 「……っ!?」 「自らなにも生み出そうとせず、真におちびちゃんの将来のことなど考えず、その日暮しに甘んじて、 ただその時だけ自分がゆっくりできればいい……そうやってひたすら自分のゆっくりばかり考えてきたんだろうよ。 そしてれいむ、お前もそうだ。お前も自分のゆっくりしか考えてこなかったんだ」 「ぞ、ぞんなっ……!ぞんなごとないっ!」 「じゃあお前は自分のおちびちゃんに何か与えたのか?命以外の何かを?」 「ゆ、ゆううううっ」 「おちびちゃんが安心して暮らしていける環境をれいむは作ろうとしたのか?おちびの未来を本当に思っていたのなら…」 「や、やべて……っぞれいじょういわないでぇぇぇぇ……っ!」 ゆっくりしたい。ゆっくりさせて。 れいむが赤ゆっくりの頃から今までずーっと求めてきたのはただそれだけだった。 自分のことだけ。自分のゆっくりだけを追い求めてきた。 男の言うとおり真の意味でおちびちゃんの将来などこれっぽっちも考えてこなかった。 「自分のことしか考えられない奴はいずれすべてを失うんだよ」 「れいぶは……れいぶはぁぁぁ……!」 「だからな。れいむは自分のゆっくりしか考えなかったから、ゆっくりできるものはなにも残らなかったんだ」 「あ……あああ………っ!」 れいむは何故か思い出した。あの時のことを…… そうだあの時……あの少年の足ににナイフを突き刺したあの時。 あの時れいむは本当におちびちゃんのことを思って少年を攻撃したのだろうか? いや、おそらくは違う……れいむはただおちびちゃんという「ゆっくり」を失うことに怯えただけだ。 今までさんざんゆっくりできなかったれいむ。 そしてようやく手に入れた「おちびちゃん」というゆっくり。 ゆっくりできるおちびちゃんを失うかもしれないと思ったとたん、れいむは冷静に物を考えられなくなったのだ。 「でも一口に野良ゆっくりと言っても前にここにあった公園の群れ、あれだけは他の野良と違ってたなあ」 「………ゆっ?」 「この間一勢駆除されちまったけど、ここの公園の群れは自分のゆっくりを我慢して人間社会に適応しようと 懸命に努力してたっけ……ああいう群れこそ生き残るべきだったのにな」 「こ、こうえんさんのむれが……いっせいくじょ!?な、なんで?ど、どぼじてぞんな……っ!」 「あーなんでもこの公園で、野良ゆっくりの親子が人間の子供の足を刺した事件が起きたらしくてな……」 「……ゆっ!?」 「群れはそのとばっちりを受けて駆除されちまったんだと。俺もたまに公園で群れの連中に会ったけど、 愛想がよくて野良にしておくには惜しいほど気のいい野良ゆっくりどもだったのにな……それだけに残念だ」 「ゆっ……ゆぁぁぁぁぁ………っ!」 れいむはその説明だけですべてをゆっくり理解した。 人間の子供に危害を加えたのは間違いなくれいむだ。 れいむのせいで群れのみんなが駆除された!? れいむが自分のゆっくりだけを守ることばかり考えて、その他の事は一切考えようとしなかったせいで…… 『自分のことしか考えられない奴はいずれすべてを失うんだよ』 「ゆっゆっゆっ……・…ゆべろおえぇぇぇぇぇぇっ!?」 「う、うわっ?どうしたお前いきなり餡子吐き出してっ!」 「ゆげろぼえぉぉぉぉぉっ!ゆべぇぇぇぇっ!ゆぶぅぅぅぅぅぅっ!」 止まらない。 止まらない吐き気。 自分のゆっくりどころか、群れのみんなのゆっくりを奪った原因が他ならぬれいむ本人だという罪悪感。 その圧倒的ストレスに今の衰弱したれいむの心と身体は耐え切れなかった。 吐く。吐く。ただひたすら餡子を口から吐き続けるれいむ。 気がつけばれいむはもう体内の餡子の大部分を吐き出し終えていた。 ほとんど皮だけの状態でピクピクするばかりである。 「……べん…・・なざ……」 「ん?どうしたれいむ?お前何か言いたいのか……?」 「ごべ……んなざ……い……ごべん……なざい……れ、れいぶ……じぶんの……ゆっ……ゆっぐりじか…… か、かんが…えで……まぜんでじだ……ば…ばりざぁ……おじびちゃ……み、みんなぁぁぁ…… ごべんな……ざい……ごべんなざい……れいぶをゆるじで……ゆるじ…………も……もっど……ゆっぐり………」 れいむは息を引き取る最後の瞬間まで謝り続けていた。 番のまりさに。おちびちゃん達に。そして群れの仲間たちに。 死の淵で悔恨と罪悪感と失意と絶望に包まれて……れいむはゆっくりと永遠にゆっくりした。 その最後を男は見届けた。そしてれいむが動かなくなると小さな溜め息をした。 そして死んだれいむに近付き、紅白リボンの裏を確認すると寂しげに呟く。 「まさか……俺がこいつの最後を見届ける羽目になるとはな」 実はこの男はれいむのことを以前から知っていた。 このれいむは昔、男の家でおうち宣言して殺された一家の最後の生き残りなのだ。 男は親と子ゆっくりは潰したが、まだ赤ゆっくりであったれいむとその妹のまりちゃの命だけは助けた。 生きられるものなら生き抜いてみろという気持ちから出た、ただのきまぐれであったが…… 「ここでお前を偶然見かけたときは正直目を疑ったぞ?ゆっくり違いかと思ったが本ゆんに間違いなかった。 何故ならリボンの裏の目立たない所に、れいむ自身も気がついてない小さな染み汚れがあったからな」 男はその後、暇ができると時々公園へ足を運んでれいむの様子をそれとなく観察していた。 観察はただの好奇心だが……かすかに期待もあった。 「いい群れに拾われたのをきっかけに、お前が親や姉妹とは別の生き方をするんじゃないかと期待してたんだ。 親の罪を背負って厳しい現実に翻弄されつつも、善良なゆっくりになって全うに生きていくのではないかとな…… ま、結局ゲスにはならなかったものの自分本位である所は変わらなかったな」 そう言うと男はゴミ箱に備え付けられている箒とちりとりを持ってくると、 れいむが吐き出した餡子をきれいに箒で集めてチリトリに入れてゴミ箱に捨てた。 最後に皮だけになったれいむの亡骸を摘み上げると… 「まったく……親がバカだと子も浮かばれないよな」 なんの躊躇いもなく男はゴミ箱にれいむの死骸を放り捨てた。 そして男は餞別だとばかりに食い残しの焼き芋もゴミ箱に投げ込むとそのまま公園を去っていったのだった。 終生自分のゆっくりのみを追いかけ続けたれいむの死に顔は、 安らかだとはとてもいえない醜く歪んだ苦悶に満ちたものであったという…… あとがき 前作の勝手な再投稿は正直すまんかった…… そしてなんか書いてるうちに気がついたらanko3379の続きっぽい内容に。 無駄に長く書く癖がつきそうなので次回はもっと短く書きたいです。
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『ゆっくりウォーキング』 7KB 小ネタ 自業自得 野良ゆ ゲス 気ままあき 「……増えてる」 私は体重計の上で思わず溜め息をついた。 たしかにここのところ仕事が忙しくて食事はいい加減だったし、運動も不足気味だったけど…… まさかここまで体重が増えていたとは…… 「運動……するしかないかあ」 運動といっても激しい奴や疲れる奴は嫌。 ならもっともお手軽で疲れない運動を……というわけで今日から毎日ウォーキングをすることにした。 まあ近所をだらだら歩いてくるだけだけど……私は太ったといってもそんなにピザってわけでもないし、 少し歩けば元に戻るはずだ……たぶん。 「じゃ、いってきまーす」 私は適当に運動しやすい服に着替えてスニーカーを履くと家を出た。 しかしダイエットなんて飽きっぽい私にできるのだろうか? 正直三日坊主で終わる可能性が高いような…… 「おいっまつのぜくそばばあ!このみちをとおりたかったら、まりさにあまあまをよこすんだぜ!」 「かいゆっくりにしてくれてもいいよ!れいむかわいくてごめーんね!」 「ごみぇーんにぇぇぇぇぇっ!」 歩き出した私の前に野良ゆっくりの一家が飛び出してきた。 人間と見るや強盗まがいのゆすりたかりという、典型的なアホ野良だ。 いかにも頭が悪そうな自信過剰の野良まりさ。 自分がかわいいと勘違いしてバチコーンと不気味なウィンク決めてる野良れいむと子れいみゅ。 まったくうっとおしい……しかし私は歩みを止めたくないのでそのまま… 「なにしてるの!はやくあまあまよこしてね!ばかなの!し……ゆべぇっ!?」 野良れいむを蹴飛ばしつつ歩き続けた。 私の前方をゴロゴロ転がる薄汚い野良れいむ。 「………ゆっ?」 「おきゃあしゃん?どきょいっちゃにょ?」 野良まりさと子れいみゅは、まったく立ち止まらずノータイムで横を通り過ぎた私の動きを認識できなかったようだ。 そのまま私は前方でのた打ち回ってる野良れいむの所までたどり着くと。 「い、いだぁぁぁぁいっ!おぼにおがおがいだ……ゆぼぉっ!?」 その野良れいむをさらに蹴った。 そのままドリブルの要領で野良れいむを蹴り続けながら歩く私。 「ゆばぁ!どぼじ…ゆげぇ!で、でいぶが…ゆごぉ!ごんな…ゆびぃ!めにぃぃぃぃぃっ!?」 野良れいむは私に蹴られまくってひたすらアスファルトの道路を転がっていく。 トレードマークである紅白リボンはビリビリになり、髪の毛も徐々に削げ落ち、土埃と小石まみれになってもうボロボロ。 これいいかも。成体の野良ゆっくりを蹴りながら歩くのってなんか足腰鍛えるのにいいかもしれない。 とはいえボール……もとい野良れいむに死なれたら困るので力を加減しながら蹴る私。 と、その時になってようやく…… 「ゆ、ゆああああああああっ!?く、くそばばあぁぁぁぁっ!まりざのはにーになにじでるのぜぇぇぇぇっ!?」 「おきゃーしゃぁぁぁぁん!れいみゅをおいてどこいきゅにょぉぉぉぉぉっ!?」 ようやく遥か後方の野良まりさと子れいみゅが現状を認識したらしい。 何気なく振り向いたら私と私に蹴られている野良れいむの姿が見えたんだもの、叫びたくもなろうというもの。 「ご、ごのくそばばあぁぁぁぁぁっ!まりざのれいぶにひどいことをするげすはゆるざないのぜっ! いますぐまりざがいってせいさいっしでやるのぜぇぇぇぇっ!」 「れいみゅもしぇーしゃいしゅるよ!ゆっくちぴゅんぴゅんりゃよっ!」 「ぞこをうごくなばばあぁぁぁぁっ!さいきょうっのまりざがれいぶをたすげに、いますぐそこへいくのぜぇぇぇぇぇっ!」 「きゃわいいれいみゅがぴゅきゅーしゅるよ!ぴゅきゅぅぅぅぅぅっ!」 そう言ってその場で頬を膨らませる子れいみゅ。 悪いけど……私もあなたの両親もみんな見てないわよ?まあ言葉と音でなんとなく分かるけどね。 それにほら危ないわよ? 「ぷしゅるるるぅぅぅぅ~~……どう!れいみゅのぴゅきゅー、きょわかっちゃでしょ! きょわいきょわいでおそろちーちーりゃよにぇえ!? れいみゅのぴゅきゅーをくりゃいたくなきゃったら、しゃっしゃとあみゃあ……ゆぴっ!」 ほら後ろからきた車に轢かれた。 道の真ん中でぷくーなんかしてるから轢かれるのよ?あの世でゆっくり理解してね。 そんな道路の染みになった子れいみゅを完全にほったらかしにして、ぽよんぽよんと飛び跳ねて私の後を追う野良まりさ。 ほんと、ゆっくりって短絡思考で注意力がないわね。すぐそこで我が子が事故死したというのに気づかないなんて。 まあいいけどね……私はマイペースで野良れいむを蹴飛ばしつつ歩いていく。 「ゆぎゃっ!ゆべっ!ば、ばりざ……だ、だずげ……ゆぼぁぁぁぁっ!」 「れいぶぅぅぅぅっ!いまばりざがれいぶをたすけにいくんだぜ!ゆっくりじないでいそぐんだぜぇぇぇぇっ!」 でも野良まりさがいくら必死に飛び跳ねても私に追いつけない。ゆっくりの移動速度って本当にとろいから だから私は時々わざと歩くスピードを遅くしたりする。 もう少しで追いつけると思わせるように。あんまり距離が離れすぎると野良まりさが追うのを諦めちゃうからね。 「ゆっ!ゆっ!も、もうずぐなんだぜっ!もうずぐなんだぜっ!もうすぐばばあにおいつくんだぜ! ぞじたられいぶをたずけてっ!ばばあをせいさいっじで!ばばあをどれいにしてみんなでゆっぐりするんだぜっ!」 野良まりさの希望を断っちゃいけない……! 焼かれながらもゆっくりは……そこに希望があればついてくる……! と前に読んだ漫画に描いてあった気がする。 「ゆぶぅ!も、もう……ゆばぁぁぁ!い、いや………ゆびぃ!?ゆっゆっゆっゆっ………!」 「ゆんっ!ゆんっっ!で、でいぶぅぅぅっ!あともうずごじのしんぼうっなのぜ! もうすぐばりざがくそばばあをせいさいっずるのぜ!ぞれまでがんばるのぜぇぇぇぇぇっ!」 まあいいけど……あともうしばらくは私を楽しませてよねあんた達。 「ゆへっ……ゆべへぇぇぇぇ………ど、どぼじて……どぼじておいつげないのぉぉぉぉぉ………?」 野良まりさは疲れ果てて道にへたりこんでいた。 もう跳ねる体力は微塵も残っていない。完全にグロッキーである。 「ぐぞぉぉぉぉ……あともうちょっどでおいつけぞうなのに、なぜかおいつげないんだぜぇぇぇ…… きっとあのくそばばあが、なにかひきょうっなてをつかってるにちがいないのぜぇぇぇぇ……っ!」 まあ、まりさ種のこの手の負け惜しみは毎度のことである。 卑怯なババアのやり口に憤慨しつつまりさがふと顔を上げると……その先に見慣れた物体が転がっていた。 汚い体、薄汚れた紅白リボン、それはまさに…… 「れ、れいぶぅぅぅぅっ!?」 それはまさに野良まりさの番である野良れいむであった。 野良まりさは疲れた体を引きづるようにずーりずーりと這ってれいむに近づいていく。 れいむの身体は所々に蹴られた事による打撲跡があり、髪も削り取られて紅白リボンもボロボロだったが まりさはそんなの関係ないとばかりに嬉々としてれいむのそばまでいくと話しかけた。 「よ、よがっだんだぜっ!ぶじだったんだぜっ!れいぶ、まりざといっしょにゆっぐり……」 「……ゆっゆっゆっ……」 「れ、れいぶ……?」 「も………もっど……ゆっぐりじだが……」 そう呟くとれいむはこてっと力尽きて死んだ。 まりさはしばらく唖然としていたが……やがて現実を認識すると泣きながら叫ぶ。 「ど………どぼじてぇぇぇぇぇぇっ!?どぼじでごんなぁぁぁぁぁっ!り、りふじんっなのぜぇぇぇぇぇぇぇっ! あまりにりふじんすぎるのぜぇぇぇぇぇぇっ!ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ゆぎゃっ!」 叫んでいる途中にいきなり痛みと衝撃がまりさを襲う。 「いいゆっくりめーっけ!しばらく俺のジョギングに付き合ってね!永遠にゆっくりするまででいいよっ!」 「な、なんでべっ!ばりざ……ゆぼぉ!ごんなめにぃぃぃぃぃっ!ゆぎぃ!」 こうして野良まりさはれいむの死を悲しむ時間すら与えられず…… ジョギング中の青年によってボール代わりにドリブルされていきましたとさ。 我が家にとうちゃーく! ふう結講いい運動になったわね……なにより野良ゆっくりを蹴飛ばしながら歩くというのは楽しくていいかもしんない。 ……でも野良ゆっくりは潰したらゴミ箱へ捨てるのがマナーなのよねえ。 さすがにそれは面倒くさいから一応死ぬ直前で蹴るのをやめて道に置いてきたけど、さすがにちょっとまずかったかしら? 半殺しくらいで解放しておくべきだったかしら…… うーん歩きながら野良ゆっくりを蹴るコツとか加減とか身に付けないとダメね。 ともあれこれなら飽きっぽい私でも無理なくウォーキングを続けられそう! 野良ゆっくりなんてどこにでもいるから蹴飛ばすのに困らないしね♪ よーし明日もがんばるぞっ!
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とある日曜の昼下がり、春の足音はすでにそこまで来ているらしく、狭いながらも立派な我が家の庭にも春の息吹が感じられる。 どこからやってきたのかわからないがタンポポの種が芽を出し土筆が生えていたなと思ったらもう咲いている。 草花を愛でる趣味は無いが、去年コンビニで買ったジュースのおまけとして貼り付けてあったコスモスの種を適当に庭に撒いていたのが たくましく淡いピンクの花を付けている。 「これはこれでいいけど、そのうち全部刈らないとなぁ」 なんて独り言を呟きながらリビングのソファで昼寝を始めた。 心地よいまどろみから深い眠りに入りかけた矢先、突然リビングの窓がカチカチと音を立てた。 リビングの窓に視線を移すとそこには一匹のゆっくりが石を咥えて窓を小突いている。 うっすら灰色でいろんな色の染みだらけな体、煤けたリボンやら髪飾り、口の周りはひび割れしていて生気が無い、目は焦点が定まって ないのか空を見つめている。 ん?れいむのゆっくりか...その咥えた石で窓を叩き割り、うわさの「おうち宣言」てのをやるのかな? そう思いながら俺はガラスの向こうの薄汚いれいむを眺めていた。 カチカチ れいむは何度も口に咥えた石で窓を小突く。 カチカチ 相当弱っているらしく力無く繰り返す。 カチカチ 割ったら最後、とっ捕まえて包丁でなます切りにしてやる。 カチカチ 割ったら? ガラスを?! おいおい!!! 俺はまだ寝ぼけていたのだ、なんで悠長にガラス割られるのを待つんだ?! 俺は焦ってソファから跳ね起き窓に向かった。 すると窓の向こうの薄汚い野良れいむが窓越しに何か言っている。 「....おにいざん..どうが..どうがごごをあげでぐだざい...おねがいじまず...。」 俺はガラスを割られたら大損害と思いサッと窓を開け 「お願いされなくても開けるわっ!お前ガラスが割れなかったからって今度は俺に開けろって?バカか?!」 いきなりの俺の怒声に面食らって野良れいむは咥えていた石を落とし硬直していた。少しの間を空けて野良れいむが 「ずびばぜんずびばぜん...れいむはれいむはぞんなおぞろじいごどでぎまぜん。おにいざんにみでほじがっだだげでず!」 なんだなんだ?てっきりこいつらお得意の「ゆっくりしていってね!さっさとあまあまよこしてね!」とか言いやがると思ったら いきなり謝りだしたぞ?特にれいむ種は大体高飛車で常に命令口調で喋るのが普通なのに....はは~ん元飼いゆっくりか? 「お前捨てゆっくりか?」 「...ばい」 野良れいむは一言返事して押し黙っている。 「用が無いのならさっさとどっか行け!歩くのが面倒なら今から塀の向こうにぶん投げてやるぞ!」 「まっでくだざい!」 そう言うと野良れいむは大きく伸びたと思ったら器用に腰?を折り額を窓の下に置いてある石で出来た足台に額を押し付け 「おねがいじまず!おねがいじまず!れいむばれいむばにんげんざんのだめにばだらぎまず!おうだもうだいまず!がんばっで にんげんざんをゆっぐりざぜまず!おながいじばずがらあああ!れいむをがっでぐだざい!.........れいむのおながにば..... あがじゃんが.....」 おいおい...子持ちかよ...。 だがそんなデメリットを負いながらその野良れいむに対して興味が沸いてきた。 まず一つは見てのとおり野良期間が長いことを伺える薄汚れた外見だがゲス化が進んでいない。ゲスの代名詞であるれいむ種なのに 暴言の一つも吐かない。虐待の工程の中では度々平身低頭になることがあるが大概は痛めつけられた後だ。だが、この野良れいむは 最初からこんな調子なので興味が尽きない。 一体どんな事があってこいつは捨てられたのだろう?気になる....。 次に大抵のゆっくりは「す~りすりっ」の段階で体の表面から分泌した精子餡が含まれた粘液で妊娠をして額から蔓を伸ばして子を宿す 「植物性妊娠」なのだが、この野良ゆっくりは違った。原種に近いのか、もしくは人によってキチンと性交渉の方法を教えられて、 正式な方法である「まむまむ」に「ぺにぺに」を挿入してからの体内受精によって妊娠する「胎生妊娠」なのだ。 母性が強いれいむ種であり母子の絆がもっとも深い胎生妊娠で生まれた赤ゆっくりは、額から伸びた蔓から生まれる「植物性妊娠」の 赤ゆっくりとは違い、母親の胎内でゆっくりと母の愛情の塊である「ゆん水」に包まれ、植物性妊娠で生まれた赤ゆっくりより深い絆で 結ばれている。 そんな赤ゆっくりの目の前で親ゆっくりを虐め殺したらどんなに素敵な悲鳴が聞けるのだろう?いや、逆もありきだ、わくわくが止まらない...。 そう、俺は隠れ虐待おにーさんなのだ! 「よし!わかった。お前がそこまで言うのなら飼ってやってもいいが住むのは外だぞ!おまえらの家は用意してやる。ご飯は死なない 程度に食わせてやろう!」 「ああああ!あじがどうございまず!あじがどうございまず!にんげんざんのめいわぐにならないようにじまず!なんでもいうごとを ぎぎまずのでがっでぐだざい。」 だから飼ってやると言ってるのにバカか?こいつは。 「とにかくお前は臭いし汚いからちょっとこっち来い!」 いつまでも窓の下の足台に額をこすり付けている野良れいむの髪の毛を掴み、顔を背け体に接触しないように風呂場に持って行った。 「お?おじょら?」と定番の台詞を吐いている野良れいむを風呂の洗い場に転がしシャワーの温度を調節した。 そのまま洗濯機に洗剤と一緒にぶち込んでも良かったが、こいつらは長時間濡れているとグズグズになって溶け出すので面倒だ。 野良ゆっくりごときにシャンプーだの、ボディソープだのと洗う部分によって洗剤を変えるのは面倒なので頭からシャンプーをぶっ掛けた。 「ぎぃやあああああ!!おべべがおべべが!でいぶのすきとおるようなおべべがぁぁ!」 「うっせぇなぁ~ちょっと黙ってろよ!」 「...ずびばぜん。」 目にシャンプーの原液が入ったらしくビッタンビッタンと暴れる野良れいむを押さえつけて一言言ったら体を痙攣させつつも大人しく なった。頭の髪飾りも髪の毛も体も全部一緒くたに手早く洗ってタオルで水分を拭き取りドライヤーで乾かしてやったら結構綺麗になった。 どす黒く汚れたリボンは鮮やかな紅白と黒の柄を取り戻し、よく観察すると針穴が開いていた。多分元はバッジ付だったことが伺える。 髪の毛はベタベタで所々固まっていたが、いまは艶のある綺麗な黒髪がサラリと光沢の輪を光らせている。 薄汚れた体は残飯や生ごみを漁っていた時に付いたらしく黄色や茶色の染みだらけだったが、今は真っ白でその名の通り「もち肌」で、 すべすべしている。 「いよぉーし綺麗になったぞ!」 「...にんげんざん...でいぶをぎれいにじでぐれであじがどうございまず!」 「次はお前の家を庭に置いてやるから、その間これでも食っとけ!」 俺はリビングに敷いたバスタオルの上に綺麗になった野良れいむと皿に盛った昨晩の残り飯にオレンジジュースぶっかけた気持ち悪い餌を 置いて野良れいむの寝床作りに取り掛かった。 窓の下の足台横辺りに、かなり昔に飼っていた犬の犬小屋を置いてのその中に着なくなったトレーナーとかTシャツを大量に放り込んで 野良れいむ、いや元野良れいむの家を完成とした。 「にんげんさん、おいしいごはんさんありがとうございます。れいむはしあわせ~です。とってもゆっくりできました。」 家を完成させてリビングに戻った俺を迎えた声は鈴の音のような綺麗な音で感謝の気持ちを唱えていた。 「おい!お前その声はどうした?」 「はい、れいむはすてられてからいろんなものをたべました。きたないもの、くさいもの、かたいもの、とげとげなもの....きがついたら ずっとおくちのなかがいたくてたいへんでした。でも、にんげんさんのおいしいごはんさんをたべたらいたくなくなりました。」 ほ~そうか、あの聞き取りづらい声は口の中が怪我をしていたせいだったのか 俺はとりあえず落ち着いてタバコに火を点け、元野良れいむ改め、俺の飼いゆっくり「れいむ」と会話をして教育レベルを計りつつ 素性を聞くことにした。 「お前はどうして捨てられたんだ?」 「はい、まずはまえのごしゅじんさま「おねーさん」のはなしからはなします......。」 「おねーさんはとってもゆっくりしていて、いつもれいむとなかまのれいむたちをあたたかいおうちのなかでゆっくりさせてくれました。」 「れいむ達って他にもゆっくりが居たのか?」 「はい、れいむのほかにれいむが、いち、に、さん、し、ご、いました。」 「おまえ3より先を数えられるのか?!」 「はい、れいむはぎんばっじさんでした。なかまのれいむもみんなばっじさんでした。」 「他のゆっくりは居なかったのか?まりさとか、ぱちゅりとか、ありすとか?」 「いなかったです。みんなれいむでした。」 はは~ん「れいむ種」を専属に飼っているゆっくり愛好家だったのかぁ 「で、なんでそんなにゆっくりしたおねーさんがお前を捨てたのよ?お前全然ゲスじゃないだろ?バッジも付いているし。」 「...うぅ。...ぜんぶあのおっきなれいむがわるいんです。」 「大きなれいむ?なんじゃそら?」 「あるひ、おねーさんとれいむのゆっくりぷれいすに、しらないにんげんさんがやってきました。しらないにんげんさんはとってもおおきな れいむをつれてきました。ひとりでどあさんもあけられるおおきなれいむでした。」 「一人でドアって随分大きなれいむだな。」 「はい、おっきなれいむはれいむのことをおなかで「ぽよんぽよん」してあそんでくれました。あそんでいたらおおきなれいむが、 なかよくおはなしをしている、おねーさんとしらないにんげんさんに「でいぶはでいぶはおなかがすいたわ!おにーさんむ~ちゃむちゃ したいよう」といいました。」 「そんで?」 「するとおねーさんが「あらあらお腹がすいたんでちゅか~?今用意するから待っててね」といって、しらないにんげんさんとなかよく ゆっくりしながらごはんさんをとりにむこうにいってしまいました。そうしたら.....。」 「そうしたら?」 「....そうしたら....うっ...むぐっ」 「おいおい、こんな所で餡子吐くなよ、あ~あ~泣くなよ床が汚れる!」 「ずびばぜん...ずずっ....。ぞうじたら、おおきなれいむはこういいました「こんどはれいむがれいむに「ぽよんぽよん」するばんだよ」 といって、れいむのうえにのってきました。「れいむはおおきいかられいむつぶれちゃうよ」といってもやめてくれませんでした。 こんどはれいむの「まむまむ」に「ぺにぺに」をいれようとしてきたので「れいむぜんぜんすっきりしたくないよ、はやくやめてね」と いったけどおおきなれいむはやめてくでません。「んほっはずかしがることはないわ!れいむがやさしくしてあげる」といって、れいむの 「まむまむ」に「ぺにぺに」をいれて「ずんずん」してきました。」 「おねーさんに助けてと言えば良かったのに」 「はい。れいむはおおきなこえで「おねーさんたすけてー」といいました、するとおねーさんがやってきて「キャーなにやってんの! 早くれいむから退きなさいよ!!」といってれいむをたすけようとしましたが「んほほほほほっほっほ~....ずっぎりいいいい!!ちょっと おそかったわね!とってもきもちよかったわ、こ・の・こ!」といってれいむは...にんっしんっしちゃったのです。」 「ほう、それで捨てられたのか。」 「はなしはまだあります。おねーさんはとってもおこって、しらないにんげんさんに「あんた!どうしてくれるの!責任取りなさいよ!」 とどなりました。そうしたら、しらないにんげんさんが「しょ~がねぇ~だろ。ゆっくり共のする事なんだから。一々怒るなよ!」といって れいむののことをつかんで「お望み通り責任って奴をとってやるよ!ほらバッヂ返しとくぜ!責任取ってこいつを嫁に貰ってくぞ」といい れいむのばっじさんをとって、おねーさんになげつけて、れいむをつれだしました。」 「へぇ。それでお前の飼い主は黙ってたのかい?」 「いいえ、おねーさんは、れいむをかえせとたすけようとしてくれましたが「なんだ?しつけーなー!金か?金が欲しいんだな! ほら、やるぞ!こんな銀バッヂゆっくりなんぞこの程度で十分だろ」と、いっぱいのきらきらさんをおねーさんにぶつけて、れいむを つれだしました。」 「すげぇ話だな。銀バッジを小銭でか?それでお前はそこで飼われたのか?」 「いいえ、それでれいむは、おおきなれいむといっしょに、にんげんさんの「すぃー」にのせられました。おおきなれいむは「ゆほほほっ れいむせんぞくのすっきりちゃんがきたよ~」といって、また「すっきり」しようとしてきました。れいむはまたすっきりしてしまうと おねーさんがなくので、いっぱい「ていっこう」をしました。 「...んで?」 「そうしたら「うるせーゆっくりだな!あの女そっくりで反吐がでるぜ!やっぱお前なんかいらない!」といって、にんげんさんの 「すぃー」のなかからそとに「おしょら~」されました。 「そこで捨てられたのかアハハ!」 「れいむはいっぱいあるきました。なんどもおひさまがあがってしずみました。おなかがいつもすいてなんでもたべました。あるひ「ごーく ごく」したくてこうえんさんにいったら、しらないゆっくりに「ばんばん」されました。おなかがすいてかりをしていたらしらないにんげんさん に「ばんばん」されました。それでもれいむは、おねーさんとれいむの「ゆっくりぷれいす」にかえりたくてあるきました。でも、どんどん あるけなくなりました。おなかのあかちゃんがおおきくなって「ず~りずり」しかできなくなりました。あるひ、おねーさんとれいむの「ゆ っくりぷれいす」とそっくりなおにわさんをみつけました。」 「そこが俺ん家だったのか?」 「はい、おねーさんはいなかったけど、にんげんさんがねていました。しらないにんげんさんのおにわにはいると「ばんばん」されるのは わかっていました。けれども、もうあるけません。でも、れいむがいっしょうけんめいおねがいしたらかってくれるかとおもって「おにー さん」をおこしました。 「おにーさんって...お前...。」 「おねがいじばず!おねがいじばず!れいむを、れいむをがっでぐだざいぃぃぃ!ぜめで、あがじゃんがおおぎぐなるまででいいでず!」 「だから飼うって言っただろ!本当にお前、元銀バッヂだったのか?」 「....ばい。」 「んで、その赤ちゃんはいつ生まれるのよ?」 「おひさまがあがったらうまれるかもしれません。」 「随分と話がはええな。まぁ今夜だけは家の中で寝ろ。俺ももう寝るから。あ、あと「うんうん」と「ちーちー」そこの箱だからな!」 「はい、れいむはちゃんとおといれできます。」 「はいはい、早く寝ろ」 ~~~翌朝~~~ 「だぁあああああ遅刻遅刻ぅ!!」 昨晩遅くまで、れいむと話し込んでたから寝坊した。 「あ、おにーさん。おはようございます。ゆっくりしていってね!」 「うるせーゆっくりなんかしてらんねぇよ!遅刻なんだよ!バカ!」 「ゆ..ゆぅ。....あの...おにーさん。そろそろ赤ちゃんが生まれそう...。」 「そんなもん後回しだ!じゃぁな!」 「お、おにーさん!まってぇ~!あがぢゃんが!あがじゃんが!!......。あがじゃんはひとりでうめないの...あがじゃんは 「ぽーん」とうまれるから、だれかがうけとめてあげないと、しん..じゃ...っう!」 「おにーざんばやぐがえっでぎでねぇ....いぎぎぎ...」 「おにーさんはまだかしら.....れいむの赤ちゃんはまだゆっくりしていてね.....おなかがいたいよ。おにーさん。」 「おにーさん、おねがいだからはやぐがえっでぎてぇ~おひさまもゆっくりとおちたよ....おにーざあぁん」 俺は会社帰りに本屋に寄って「胎生妊娠したゆっくり」の事を立ち読みで調べてからコンビニで買い物を済ませ帰宅した。 帰宅早々俺を迎えたのはこの世の者と思えない奇声だった。 「んぎぎぎいぎ~うばれる!うばれる!ぎいいいいいい!!おっおっおに~ざああん!」 「なんだまだ生んでなかったのか?」 「おっおっおにいざん!どごいっでだの?!れいむあがぢゃんがうばれぞうなんだよ!いっだよね!ぞういっだよね!」 「んだよ!なんかカチンときたぞ」 「ずいぶばぜんずびばぜん!れいぶあがぢゃんがうばれぞうでおがしがっだです。」 「何を取り乱してんだこの野郎!」 「ずびばぜん...いまがらあがぢゃんが出てぐるので、おにーさん.....うげどめでぇえええええ!!!」 「は?!」 れいむの口の下にちょこんと穴があるだけの「まむまむ」がメリメリと音立てながら広がっていく。中から強烈な力で押し出されるように 目を瞑った赤ゆっくりが顔を覗かせた。 「あああああああ!!!!!れいぶのあがぢゃん!!!!ゆ...ゆっくりうばれでねー!」 そう絶叫したと思ったら勢いよく先ほどの赤ゆっくりが飛び出してきた。俺は反射的になんだかよくわからない粘液まみれのそれを受け止めた。 「おにーさんありがとう。あぁれいむのはじめてのあかちゃん...ゆっくりしていってね!」 「おかーしゃん?おかーしゃんなの?ゆ?ゆ?こっちがおとーしゃんなの?」 「そうよ~れいむはおかーさんだよ」 「おかーしゃん!ゆっくちしていっちぇね!」 「はい、ゆっくりしていってね!」 「おとーしゃんもゆっくちしちゅえちぇにぇ!」 「おいおい!勝手に父親にすんなよ!やめてくれよ」 「ゆぅぐ..おきゃーしゃん...おとーしゃんがゆっくちしちぇきゅれない...」 「おちびちゃんあのね、そのひとはおにーさんといって.....ゆ?!ゆ?!ゆぐぅっっ!..........まだうばれる!」 「まだ生まれんのか?いい加減にしてくれよ」 俺がそう言いかけたかどうかで2匹目が勢い良く飛び出してきた。あいかわらず粘液まみれだ....せっかくのスーツが台無しだ。 「おい!いい加減にしろよ!これ以上生んだら潰すからな!」 「ずびばぜん...たぶんもう、うばれません。おなかがすっきりしました。」 「.....ったく頼むぜ」 「にゃんだかゆっくりしちぇないおやだね!ゆっきゅりしへねってね!.........おへんじゅはまだなの?」 「.....おい!酷いな、この2匹目は?!」 「ちゃんときゅこえなきゃったの?おみみしゃんきこえないの?おとーしゃん!」 「....潰すか。」 「まって!まってください、おにーさん!おちびちゃん!れいむがおかーさんだよ。ゆっくりしていってね!」 「おきゃーしゃん!ゆぅ~ゆぅ~♪ゆっきゅしちぇいっちね!」 「おちびちゃん。ちゃんときいてね。おにーさんはとってもえらいんだよ!だからちゃんとあやまってね!」 「ゆぇ~ん、れいむはわるくないもん!あのぐじゅがちゃっちゃとおへんじしないからわるいんだもん!」 「やっぱ潰す....。」 「ずびばぜん!ずびばせん!おちびちゃんはちゃんとれいむが「しつけ」をするのでゆるしてぐだちい。」 れいむは初めて出会った時のように床に額を擦り付けて謝罪している。その周りでは生まれたばかりの赤ゆっくりが暢気にコロコロと 転がっていて。先に生まれた方の赤ゆっくりは母親の髪の毛の中でガタガタと震えて息を潜めている。 「お前はいつもそれだな。まぁいい、ちゃんと「しつけ」できなかったら即潰すからな!」 「ありがとうございますありがとうございます。れいむはちゃんとやります。」 「家の中に居られるのも今晩限りだぞ!明日の朝には庭に住むんだからな!」 「はいいいいい!わかりました!れいむちゃんと、おにわにいきます。」 「スーツはベタベタだし、今朝は遅刻するし。なんだか疲れたからもう寝る!お前ら大人しくしてれよ!」 「おにーさんおやすみなさい。.....あの....。」 「なんだよ!はっきり言えよ!」 「ねるまえにごはんさんを....。」 「あー飯ね。これでも食っとけ」 俺はいつぞやの結婚式の引き出物で貰ったバウムクーヘンを一本丸まま投げてやった。 「ありがとうございます。こんなにいっぱいありがとうございます。」 「は?何言ってるの?それは今日の分だけじゃなくて今週の分だぞ!足りない分は自分で外で探せ」 不意を付いた言葉に凍りつくれいむは間を置いてからこう言った 「おにーさん。こんしゅうって、あと6かいもおひさまあるよね....。」 「不満か?」 「いえ、ふまんじゃないです。おにーさん、ごはんさんありがとうございます。」 「じゃあな!俺はもう寝る」 次回、野外編に続く。
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とある日曜の昼下がり、春の足音はすでにそこまで来ているらしく、狭いながらも立派な我が家の庭にも春の息吹が感じられる。 どこからやってきたのかわからないがタンポポの種が芽を出し土筆が生えていたなと思ったらもう咲いている。 草花を愛でる趣味は無いが、去年コンビニで買ったジュースのおまけとして貼り付けてあったコスモスの種を適当に庭に撒いていたのが たくましく淡いピンクの花を付けている。 「これはこれでいいけど、そのうち全部刈らないとなぁ」 なんて独り言を呟きながらリビングのソファで昼寝を始めた。 心地よいまどろみから深い眠りに入りかけた矢先、突然リビングの窓がカチカチと音を立てた。 リビングの窓に視線を移すとそこには一匹のゆっくりが石を咥えて窓を小突いている。 うっすら灰色でいろんな色の染みだらけな体、煤けたリボンやら髪飾り、口の周りはひび割れしていて生気が無い、目は焦点が定まって ないのか空を見つめている。 ん?れいむのゆっくりか...その咥えた石で窓を叩き割り、うわさの「おうち宣言」てのをやるのかな? そう思いながら俺はガラスの向こうの薄汚いれいむを眺めていた。 カチカチ れいむは何度も口に咥えた石で窓を小突く。 カチカチ 相当弱っているらしく力無く繰り返す。 カチカチ 割ったら最後、とっ捕まえて包丁でなます切りにしてやる。 カチカチ 割ったら? ガラスを?! おいおい!!! 俺はまだ寝ぼけていたのだ、なんで悠長にガラス割られるのを待つんだ?! 俺は焦ってソファから跳ね起き窓に向かった。 すると窓の向こうの薄汚い野良れいむが窓越しに何か言っている。 「....おにいざん..どうが..どうがごごをあげでぐだざい...おねがいじまず...。」 俺はガラスを割られたら大損害と思いサッと窓を開け 「お願いされなくても開けるわっ!お前ガラスが割れなかったからって今度は俺に開けろって?バカか?!」 いきなりの俺の怒声に面食らって野良れいむは咥えていた石を落とし硬直していた。少しの間を空けて野良れいむが 「ずびばぜんずびばぜん...れいむはれいむはぞんなおぞろじいごどでぎまぜん。おにいざんにみでほじがっだだげでず!」 なんだなんだ?てっきりこいつらお得意の「ゆっくりしていってね!さっさとあまあまよこしてね!」とか言いやがると思ったら いきなり謝りだしたぞ?特にれいむ種は大体高飛車で常に命令口調で喋るのが普通なのに....はは~ん元飼いゆっくりか? 「お前捨てゆっくりか?」 「...ばい」 野良れいむは一言返事して押し黙っている。 「用が無いのならさっさとどっか行け!歩くのが面倒なら今から塀の向こうにぶん投げてやるぞ!」 「まっでくだざい!」 そう言うと野良れいむは大きく伸びたと思ったら器用に腰?を折り額を窓の下に置いてある石で出来た足台に額を押し付け 「おねがいじまず!おねがいじまず!れいむばれいむばにんげんざんのだめにばだらぎまず!おうだもうだいまず!がんばっで にんげんざんをゆっぐりざぜまず!おながいじばずがらあああ!れいむをがっでぐだざい!.........れいむのおながにば..... あがじゃんが.....」 おいおい...子持ちかよ...。 だがそんなデメリットを負いながらその野良れいむに対して興味が沸いてきた。 まず一つは見てのとおり野良期間が長いことを伺える薄汚れた外見だがゲス化が進んでいない。ゲスの代名詞であるれいむ種なのに 暴言の一つも吐かない。虐待の工程の中では度々平身低頭になることがあるが大概は痛めつけられた後だ。だが、この野良れいむは 最初からこんな調子なので興味が尽きない。 一体どんな事があってこいつは捨てられたのだろう?気になる....。 次に大抵のゆっくりは「す~りすりっ」の段階で体の表面から分泌した精子餡が含まれた粘液で妊娠をして額から蔓を伸ばして子を宿す 「植物性妊娠」なのだが、この野良ゆっくりは違った。原種に近いのか、もしくは人によってキチンと性交渉の方法を教えられて、 正式な方法である「まむまむ」に「ぺにぺに」を挿入してからの体内受精によって妊娠する「胎生妊娠」なのだ。 母性が強いれいむ種であり母子の絆がもっとも深い胎生妊娠で生まれた赤ゆっくりは、額から伸びた蔓から生まれる「植物性妊娠」の 赤ゆっくりとは違い、母親の胎内でゆっくりと母の愛情の塊である「ゆん水」に包まれ、植物性妊娠で生まれた赤ゆっくりより深い絆で 結ばれている。 そんな赤ゆっくりの目の前で親ゆっくりを虐め殺したらどんなに素敵な悲鳴が聞けるのだろう?いや、逆もありきだ、わくわくが止まらない...。 そう、俺は隠れ虐待おにーさんなのだ! 「よし!わかった。お前がそこまで言うのなら飼ってやってもいいが住むのは外だぞ!おまえらの家は用意してやる。ご飯は死なない 程度に食わせてやろう!」 「ああああ!あじがどうございまず!あじがどうございまず!にんげんざんのめいわぐにならないようにじまず!なんでもいうごとを ぎぎまずのでがっでぐだざい。」 だから飼ってやると言ってるのにバカか?こいつは。 「とにかくお前は臭いし汚いからちょっとこっち来い!」 いつまでも窓の下の足台に額をこすり付けている野良れいむの髪の毛を掴み、顔を背け体に接触しないように風呂場に持って行った。 「お?おじょら?」と定番の台詞を吐いている野良れいむを風呂の洗い場に転がしシャワーの温度を調節した。 そのまま洗濯機に洗剤と一緒にぶち込んでも良かったが、こいつらは長時間濡れているとグズグズになって溶け出すので面倒だ。 野良ゆっくりごときにシャンプーだの、ボディソープだのと洗う部分によって洗剤を変えるのは面倒なので頭からシャンプーをぶっ掛けた。 「ぎぃやあああああ!!おべべがおべべが!でいぶのすきとおるようなおべべがぁぁ!」 「うっせぇなぁ~ちょっと黙ってろよ!」 「...ずびばぜん。」 目にシャンプーの原液が入ったらしくビッタンビッタンと暴れる野良れいむを押さえつけて一言言ったら体を痙攣させつつも大人しく なった。頭の髪飾りも髪の毛も体も全部一緒くたに手早く洗ってタオルで水分を拭き取りドライヤーで乾かしてやったら結構綺麗になった。 どす黒く汚れたリボンは鮮やかな紅白と黒の柄を取り戻し、よく観察すると針穴が開いていた。多分元はバッジ付だったことが伺える。 髪の毛はベタベタで所々固まっていたが、いまは艶のある綺麗な黒髪がサラリと光沢の輪を光らせている。 薄汚れた体は残飯や生ごみを漁っていた時に付いたらしく黄色や茶色の染みだらけだったが、今は真っ白でその名の通り「もち肌」で、 すべすべしている。 「いよぉーし綺麗になったぞ!」 「...にんげんざん...でいぶをぎれいにじでぐれであじがどうございまず!」 「次はお前の家を庭に置いてやるから、その間これでも食っとけ!」 俺はリビングに敷いたバスタオルの上に綺麗になった野良れいむと皿に盛った昨晩の残り飯にオレンジジュースぶっかけた気持ち悪い餌を 置いて野良れいむの寝床作りに取り掛かった。 窓の下の足台横辺りに、かなり昔に飼っていた犬の犬小屋を置いてのその中に着なくなったトレーナーとかTシャツを大量に放り込んで 野良れいむ、いや元野良れいむの家を完成とした。 「にんげんさん、おいしいごはんさんありがとうございます。れいむはしあわせ~です。とってもゆっくりできました。」 家を完成させてリビングに戻った俺を迎えた声は鈴の音のような綺麗な音で感謝の気持ちを唱えていた。 「おい!お前その声はどうした?」 「はい、れいむはすてられてからいろんなものをたべました。きたないもの、くさいもの、かたいもの、とげとげなもの....きがついたら ずっとおくちのなかがいたくてたいへんでした。でも、にんげんさんのおいしいごはんさんをたべたらいたくなくなりました。」 ほ~そうか、あの聞き取りづらい声は口の中が怪我をしていたせいだったのか 俺はとりあえず落ち着いてタバコに火を点け、元野良れいむ改め、俺の飼いゆっくり「れいむ」と会話をして教育レベルを計りつつ 素性を聞くことにした。 「お前はどうして捨てられたんだ?」 「はい、まずはまえのごしゅじんさま「おねーさん」のはなしからはなします......。」 「おねーさんはとってもゆっくりしていて、いつもれいむとなかまのれいむたちをあたたかいおうちのなかでゆっくりさせてくれました。」 「れいむ達って他にもゆっくりが居たのか?」 「はい、れいむのほかにれいむが、いち、に、さん、し、ご、いました。」 「おまえ3より先を数えられるのか?!」 「はい、れいむはぎんばっじさんでした。なかまのれいむもみんなばっじさんでした。」 「他のゆっくりは居なかったのか?まりさとか、ぱちゅりとか、ありすとか?」 「いなかったです。みんなれいむでした。」 はは~ん「れいむ種」を専属に飼っているゆっくり愛好家だったのかぁ 「で、なんでそんなにゆっくりしたおねーさんがお前を捨てたのよ?お前全然ゲスじゃないだろ?バッジも付いているし。」 「...うぅ。...ぜんぶあのおっきなれいむがわるいんです。」 「大きなれいむ?なんじゃそら?」 「あるひ、おねーさんとれいむのゆっくりぷれいすに、しらないにんげんさんがやってきました。しらないにんげんさんはとってもおおきな れいむをつれてきました。ひとりでどあさんもあけられるおおきなれいむでした。」 「一人でドアって随分大きなれいむだな。」 「はい、おっきなれいむはれいむのことをおなかで「ぽよんぽよん」してあそんでくれました。あそんでいたらおおきなれいむが、 なかよくおはなしをしている、おねーさんとしらないにんげんさんに「でいぶはでいぶはおなかがすいたわ!おにーさんむ~ちゃむちゃ したいよう」といいました。」 「そんで?」 「するとおねーさんが「あらあらお腹がすいたんでちゅか~?今用意するから待っててね」といって、しらないにんげんさんとなかよく ゆっくりしながらごはんさんをとりにむこうにいってしまいました。そうしたら.....。」 「そうしたら?」 「....そうしたら....うっ...むぐっ」 「おいおい、こんな所で餡子吐くなよ、あ~あ~泣くなよ床が汚れる!」 「ずびばぜん...ずずっ....。ぞうじたら、おおきなれいむはこういいました「こんどはれいむがれいむに「ぽよんぽよん」するばんだよ」 といって、れいむのうえにのってきました。「れいむはおおきいかられいむつぶれちゃうよ」といってもやめてくれませんでした。 こんどはれいむの「まむまむ」に「ぺにぺに」をいれようとしてきたので「れいむぜんぜんすっきりしたくないよ、はやくやめてね」と いったけどおおきなれいむはやめてくでません。「んほっはずかしがることはないわ!れいむがやさしくしてあげる」といって、れいむの 「まむまむ」に「ぺにぺに」をいれて「ずんずん」してきました。」 「おねーさんに助けてと言えば良かったのに」 「はい。れいむはおおきなこえで「おねーさんたすけてー」といいました、するとおねーさんがやってきて「キャーなにやってんの! 早くれいむから退きなさいよ!!」といってれいむをたすけようとしましたが「んほほほほほっほっほ~....ずっぎりいいいい!!ちょっと おそかったわね!とってもきもちよかったわ、こ・の・こ!」といってれいむは...にんっしんっしちゃったのです。」 「ほう、それで捨てられたのか。」 「はなしはまだあります。おねーさんはとってもおこって、しらないにんげんさんに「あんた!どうしてくれるの!責任取りなさいよ!」 とどなりました。そうしたら、しらないにんげんさんが「しょ~がねぇ~だろ。ゆっくり共のする事なんだから。一々怒るなよ!」といって れいむののことをつかんで「お望み通り責任って奴をとってやるよ!ほらバッヂ返しとくぜ!責任取ってこいつを嫁に貰ってくぞ」といい れいむのばっじさんをとって、おねーさんになげつけて、れいむをつれだしました。」 「へぇ。それでお前の飼い主は黙ってたのかい?」 「いいえ、おねーさんは、れいむをかえせとたすけようとしてくれましたが「なんだ?しつけーなー!金か?金が欲しいんだな! ほら、やるぞ!こんな銀バッヂゆっくりなんぞこの程度で十分だろ」と、いっぱいのきらきらさんをおねーさんにぶつけて、れいむを つれだしました。」 「すげぇ話だな。銀バッジを小銭でか?それでお前はそこで飼われたのか?」 「いいえ、それでれいむは、おおきなれいむといっしょに、にんげんさんの「すぃー」にのせられました。おおきなれいむは「ゆほほほっ れいむせんぞくのすっきりちゃんがきたよ~」といって、また「すっきり」しようとしてきました。れいむはまたすっきりしてしまうと おねーさんがなくので、いっぱい「ていっこう」をしました。 「...んで?」 「そうしたら「うるせーゆっくりだな!あの女そっくりで反吐がでるぜ!やっぱお前なんかいらない!」といって、にんげんさんの 「すぃー」のなかからそとに「おしょら~」されました。 「そこで捨てられたのかアハハ!」 「れいむはいっぱいあるきました。なんどもおひさまがあがってしずみました。おなかがいつもすいてなんでもたべました。あるひ「ごーく ごく」したくてこうえんさんにいったら、しらないゆっくりに「ばんばん」されました。おなかがすいてかりをしていたらしらないにんげんさん に「ばんばん」されました。それでもれいむは、おねーさんとれいむの「ゆっくりぷれいす」にかえりたくてあるきました。でも、どんどん あるけなくなりました。おなかのあかちゃんがおおきくなって「ず~りずり」しかできなくなりました。あるひ、おねーさんとれいむの「ゆ っくりぷれいす」とそっくりなおにわさんをみつけました。」 「そこが俺ん家だったのか?」 「はい、おねーさんはいなかったけど、にんげんさんがねていました。しらないにんげんさんのおにわにはいると「ばんばん」されるのは わかっていました。けれども、もうあるけません。でも、れいむがいっしょうけんめいおねがいしたらかってくれるかとおもって「おにー さん」をおこしました。 「おにーさんって...お前...。」 「おねがいじばず!おねがいじばず!れいむを、れいむをがっでぐだざいぃぃぃ!ぜめで、あがじゃんがおおぎぐなるまででいいでず!」 「だから飼うって言っただろ!本当にお前、元銀バッヂだったのか?」 「....ばい。」 「んで、その赤ちゃんはいつ生まれるのよ?」 「おひさまがあがったらうまれるかもしれません。」 「随分と話がはええな。まぁ今夜だけは家の中で寝ろ。俺ももう寝るから。あ、あと「うんうん」と「ちーちー」そこの箱だからな!」 「はい、れいむはちゃんとおといれできます。」 「はいはい、早く寝ろ」 ~~~翌朝~~~ 「だぁあああああ遅刻遅刻ぅ!!」 昨晩遅くまで、れいむと話し込んでたから寝坊した。 「あ、おにーさん。おはようございます。ゆっくりしていってね!」 「うるせーゆっくりなんかしてらんねぇよ!遅刻なんだよ!バカ!」 「ゆ..ゆぅ。....あの...おにーさん。そろそろ赤ちゃんが生まれそう...。」 「そんなもん後回しだ!じゃぁな!」 「お、おにーさん!まってぇ~!あがぢゃんが!あがじゃんが!!......。あがじゃんはひとりでうめないの...あがじゃんは 「ぽーん」とうまれるから、だれかがうけとめてあげないと、しん..じゃ...っう!」 「おにーざんばやぐがえっでぎでねぇ....いぎぎぎ...」 「おにーさんはまだかしら.....れいむの赤ちゃんはまだゆっくりしていてね.....おなかがいたいよ。おにーさん。」 「おにーさん、おねがいだからはやぐがえっでぎてぇ~おひさまもゆっくりとおちたよ....おにーざあぁん」 俺は会社帰りに本屋に寄って「胎生妊娠したゆっくり」の事を立ち読みで調べてからコンビニで買い物を済ませ帰宅した。 帰宅早々俺を迎えたのはこの世の者と思えない奇声だった。 「んぎぎぎいぎ~うばれる!うばれる!ぎいいいいいい!!おっおっおに~ざああん!」 「なんだまだ生んでなかったのか?」 「おっおっおにいざん!どごいっでだの?!れいむあがぢゃんがうばれぞうなんだよ!いっだよね!ぞういっだよね!」 「んだよ!なんかカチンときたぞ」 「ずいぶばぜんずびばぜん!れいぶあがぢゃんがうばれぞうでおがしがっだです。」 「何を取り乱してんだこの野郎!」 「ずびばぜん...いまがらあがぢゃんが出てぐるので、おにーさん.....うげどめでぇえええええ!!!」 「は?!」 れいむの口の下にちょこんと穴があるだけの「まむまむ」がメリメリと音立てながら広がっていく。中から強烈な力で押し出されるように 目を瞑った赤ゆっくりが顔を覗かせた。 「あああああああ!!!!!れいぶのあがぢゃん!!!!ゆ...ゆっくりうばれでねー!」 そう絶叫したと思ったら勢いよく先ほどの赤ゆっくりが飛び出してきた。俺は反射的になんだかよくわからない粘液まみれのそれを受け止めた。 「おにーさんありがとう。あぁれいむのはじめてのあかちゃん...ゆっくりしていってね!」 「おかーしゃん?おかーしゃんなの?ゆ?ゆ?こっちがおとーしゃんなの?」 「そうよ~れいむはおかーさんだよ」 「おかーしゃん!ゆっくちしていっちぇね!」 「はい、ゆっくりしていってね!」 「おとーしゃんもゆっくちしちゅえちぇにぇ!」 「おいおい!勝手に父親にすんなよ!やめてくれよ」 「ゆぅぐ..おきゃーしゃん...おとーしゃんがゆっくちしちぇきゅれない...」 「おちびちゃんあのね、そのひとはおにーさんといって.....ゆ?!ゆ?!ゆぐぅっっ!..........まだうばれる!」 「まだ生まれんのか?いい加減にしてくれよ」 俺がそう言いかけたかどうかで2匹目が勢い良く飛び出してきた。あいかわらず粘液まみれだ....せっかくのスーツが台無しだ。 「おい!いい加減にしろよ!これ以上生んだら潰すからな!」 「ずびばぜん...たぶんもう、うばれません。おなかがすっきりしました。」 「.....ったく頼むぜ」 「にゃんだかゆっくりしちぇないおやだね!ゆっきゅりしへねってね!.........おへんじゅはまだなの?」 「.....おい!酷いな、この2匹目は?!」 「ちゃんときゅこえなきゃったの?おみみしゃんきこえないの?おとーしゃん!」 「....潰すか。」 「まって!まってください、おにーさん!おちびちゃん!れいむがおかーさんだよ。ゆっくりしていってね!」 「おきゃーしゃん!ゆぅ~ゆぅ~♪ゆっきゅしちぇいっちね!」 「おちびちゃん。ちゃんときいてね。おにーさんはとってもえらいんだよ!だからちゃんとあやまってね!」 「ゆぇ~ん、れいむはわるくないもん!あのぐじゅがちゃっちゃとおへんじしないからわるいんだもん!」 「やっぱ潰す....。」 「ずびばぜん!ずびばせん!おちびちゃんはちゃんとれいむが「しつけ」をするのでゆるしてぐだちい。」 れいむは初めて出会った時のように床に額を擦り付けて謝罪している。その周りでは生まれたばかりの赤ゆっくりが暢気にコロコロと 転がっていて。先に生まれた方の赤ゆっくりは母親の髪の毛の中でガタガタと震えて息を潜めている。 「お前はいつもそれだな。まぁいい、ちゃんと「しつけ」できなかったら即潰すからな!」 「ありがとうございますありがとうございます。れいむはちゃんとやります。」 「家の中に居られるのも今晩限りだぞ!明日の朝には庭に住むんだからな!」 「はいいいいい!わかりました!れいむちゃんと、おにわにいきます。」 「スーツはベタベタだし、今朝は遅刻するし。なんだか疲れたからもう寝る!お前ら大人しくしてれよ!」 「おにーさんおやすみなさい。.....あの....。」 「なんだよ!はっきり言えよ!」 「ねるまえにごはんさんを....。」 「あー飯ね。これでも食っとけ」 俺はいつぞやの結婚式の引き出物で貰ったバウムクーヘンを一本丸まま投げてやった。 「ありがとうございます。こんなにいっぱいありがとうございます。」 「は?何言ってるの?それは今日の分だけじゃなくて今週の分だぞ!足りない分は自分で外で探せ」 不意を付いた言葉に凍りつくれいむは間を置いてからこう言った 「おにーさん。こんしゅうって、あと6かいもおひさまあるよね....。」 「不満か?」 「いえ、ふまんじゃないです。おにーさん、ごはんさんありがとうございます。」 「じゃあな!俺はもう寝る」 次回、野外編に続く。