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「ズンチャッ♪ ズンチャッ♪」 ふりふり 「……」 「アッフン♪ アッフン♪」 ふ~りふりふり 「…………」 「あぴゅんっ♪ あぴゅんっ♪」 ふりっ ふりっ ふりりりっ 「…ご主人様! お尻を振りながら歩かないでください!」 「ほえ?」 ☆萌えっこもんすたぁ(HENTAI ver)☆ dai 2話「1番道路の罠」 「何を言うのです、来るべき戦いの時のために、こうして体を鍛えているのではないですか!」 「鍛えるならもっと他の方法もあるでしょ! 大体、戦うのは私達萌えもんじゃないですか!」 激しくぶつかり合う意見と意見、一方はかの少年・劣℃。 もう一方の相手は、彼のパートナーであるゼニガメだ。 「さすがにご主人様の変態行為にも慣れてきましたけど、これ以上意味の無い行動で私の心身を蝕まないでください!」 「むぅ、ヤム茶も物分りが悪いですなぁ…」 「そんな物分りの良さなんていりません! それと私をヤム茶と呼ぶのは止めてください!」 「アウチ……ママン、ヤム茶が反抗期に入ってしまったようです…」 「いい加減にしてくださいー!!」 さすがのゼニガメも、主人の相変わらずな対応に堪忍袋の尾が切れてしまったらしい。 「もう私、野生に戻ります!」 「ああ、行かないでヤム茶! ほら、メッ○ール買ってあげるから!」 「いりませんっっ!!」 頭から怒りの湯気を立ち上らせながら、いずこかへと去ろうとするゼニガメ。 それを必死にすがり付きながら引きとめ、メッコー○を差し出す主人。 奇妙な光景であった。 と、そこに ガサガサッ あっ 野生のコラッタが飛び出してきた! 「きゃっ ご、ご主人様! 野生の萌えもんです!」 「むむっ なんと!」 コラッタのしっぽをふる攻撃! ゼニガメの防御力が下がった! 「やぁっ 防御力がさがっちゃった…」 「なんの! こちらも反撃ですぞ!」 劣℃のおしりをふる攻撃! コラッタは恐怖におののいている! 「ちょっと、ご主人様! 何やってるんですか!」 「フフリ、早速鍛え上げたこの技を使うことが出来ましたな! さあ、まだまだ行きますぞ!」 劣℃のはさむ攻撃! コラッタは気絶した! 「ご主人様が戦ってどうするんですかー! っていうか、どこではさんでるんですか!?」 「もぉ~、ヤム茶は注文が多いですなぁ」 ぶつぶつと文句を言いながら、萌えもんボールを投げる劣℃。 完全にキマッてしまったコラッタは、抵抗することなく簡単に捕まった。 「フリーザ、ゲットだぜ!」 「それはコラッタです!」 コラッタを捕まえて、ルンルン気分で先を行く劣℃。 ゼニガメも渋々ながらその後を追う。 何故、ゼニガメは劣℃の元を去るのを止めたのか? それは単純な答えである、 (このまま放っておいて、何か問題起こした後で私の主人だったってばれたら、それこそ一生の恥だもんね…) 実に淡白な思考であった。 ガサガサッ 「むっ また何か現れましたぞ!」 あっ 野生のニドラン♂が飛び出してきた! 「フフフ…あなたも私の奥義の餌食となるのです! さあ、食らいなさい!」 「だから、何で自分で戦おうとするんですかー!」 劣℃のおしりをふる攻撃! 「もー! その技止めてください!」 「フォーーーウ!!(某ハードゲイのように激しく腰を振りつつ)」 しかし、ニドラン♂には効いていない! 「な、なんと! 私の奥義が効かないとは!」 ショックを受ける劣℃を横目に、ニドラン♂は、にこやかな笑顔浮かべてこう言った。 「…いいのかい? 俺はノンケでも構わないで食っちまう萌えもんなんだぜ?」 「「え」」 ニドラン♂のつのでつく攻撃! 「「アーーーーーーッ!!!」」 劣℃は目の前が真っ白になった! ゼニガメは巻き添えを食った! ニドラン♂を捕まえた! 「……そ、それでは、まず体力を回復しましょう」 「ふといのが…ふといのがくるの…」 「すごく…大きいです…」 その後、放心する1人と1匹に、萌えもんセンターのジョーイさんはとても手を焼いたという。 「腹ん中がパンパンだぜ」 ニドラン♂はとても元気だった。
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※ご注意 主人公のレッドが変態です。 オーキド博士も変態です。 主人公とライバルの名前の表記が変です。 ゼニガメが悲惨です。 夜中に書いたので、テンションが変です。 カオスです。 続きは書くかどうかわかりません。 それでも読んでくださるという、深いお心の持ち主は↓へスクロールしてどうぞ… これはマサラタウンに住む、 一人の少年の冒険の記録である! 少年の名は劣℃、後の萌えもんマスターと呼ばれる少年だ! ☆萌えっこもんすたぁ(HENTAI ver)☆ dai 1話「その少年・危険につき」 ジリリリン! 目覚ましが鳴った。 「させませぬぞ! とうっ」 一人の少年が、ベットからきりもみ回転しながら飛び起き、目覚ましを止める。 「ふむ、今日もいい天気ですな!」 少年の名は劣℃、マサラタウンに住むごく普通の少年である。 「このようないい天気の日は、フレンドリィショップの店員に お塩を投げつけて差し上げるのが定石。 さあ、レッツ&ゴー!」 劣℃はそのままスキップしつつ一階へと降りてゆく。 そして台所で洗い物をしている母親を見つけると、元気よく挨拶をする。 「マママさん! おこんばんなさい!」 「マが一つ多い…それと、朝はおはようございます、ね」 「了解ですぞ!」 的確なツッコミを入れるママさん。 「…劣℃、今日はどこかに行くの…?」 よく見れば、劣℃の格好は旅支度、ママさんは少し心配そうに劣℃に聞いた。 「はい、少々フレンドリィショップの店員に、お塩を投げつけに行きます!」 「そう…夕飯までには帰ってくるのよ」 「パピヨン!(了承しました)」 母親の了解を得た劣℃は、気分も軽く家を出る。 そして、そのままマサラの草むらに入ろうとする…が、 「おーい! まてぇ、待つんじゃぁー!」 「むむっ その声は、額から閃光を発射して仲間と会話するという、オーキド・ユキナリ氏の声ではないか!」 「わしをどこぞの怪物と一緒にするでない!」 建物の影から、激昂するオーキド博士が現れ、劣℃を引き止める。 「草むらでは野生の萌えもんが飛び出す!」 「オーキド氏が飛び出してくるのですか?」 「だから、わしは怪物ではないと言っておろうが!」 さらにヒートアップするオーキド氏。 「こちらも萌えもんを持っていれば対処できるのじゃが…そうじゃ、ちょっとわしについてきなさい!」 そう言うと、オーキド氏は劣℃の手を掴んで研究所まで引きずっていく。 と、前進するオーキド氏の目の前に一人の少年が現れた。 「…じーさん、何でレッドの奴がここに居るんだよ」 「おお、お前は愚理印! わしの孫にして、劣℃の幼馴染ではないか!」 「いや、そんな説明的なセリフを言われても…ってか、俺の名前はグリーン…」 「お前も来い! 見せたいものがある!」 「おわっ じーさん! ひっぱるな! 痛い、痛いって!」 オーキド氏は問答無用で劣℃と愚理印の手を引いて、研究所の中に連れ込んだ。 二人が連れてこられたのは、大きな長机の前。 机の上には三つのボールと、赤い機械のような物が二つが並んでいる。 「むむっ これは…噂に名高い パワーエサ というやつですな!」 「違うわい! これは萌えもんボール、中に萌えもんが入っておるんじゃ!」 オーキド氏は続ける。 「昔はわしも、一端の萌えもんトレーナーとして慣らしたもの! 夢を追いかけ、全ての萌えもんを図鑑に収めようと躍起になったものじゃ… しかし、寄る年波には勝てん! そこで、わしはお前達に 萌えもん図鑑の完成を頼みたいんじゃ!」 「ほほう、それは興味深い…」 「俺、話について行けねぇよ…」 オーキド氏の話に、目を輝かす劣℃。 隣の愚理印はげんなりとした顔でため息をついている。 「そこでじゃ、萌えもんを捕まえるにも、弱らせる必要がある、 だから、わしが用意したこの三匹の中から一匹選び、 それをパートナーとして、萌えもんたちと戦い、捕まえるのじゃ!」 「なるほどなるほど…」 オーキド氏の提案に劣℃は、しばしの間、腰をクネクネさせながら考え込んでいたが、 考えがまとまったのか、手を打って答えた。 「分かりました! やりましょう!」 「おお、やってくれるか! では、この三匹から一匹選ぶといい!」 劣℃は三つの萌えもんボールを見比べる。 「ふぅ~む……ヨガ~、ヨガ~、ファイア!」 ヨガのダンスを華麗に踊りつつ、おもむろにその中の一つに手を伸ばした。 「おお、劣℃は炎の萌えもん、ヒトカゲにするんじゃな!」 「…君には失望したよ」 そう言うと、劣℃はヒトカゲを元の場所に戻した。 そして、また別のボールに手を伸ばす。 「おお、劣℃は草の萌えもん、フシギダネにするんじゃな!」 「ふっ 旧タイプが…」 と言うと、やはり元の場所にフシギダネを戻す劣℃。 そして、最後のボールに手を伸ばす。 「おお、劣℃は水の萌えもん、ゼニガメにするんじゃな!」 「パピヨン!(そうです)」 ニックネームをつけますか? ニアはい いいえ 「命名! ゼニガメ、君は今日から『ヤム茶』だ!」 喜ばしげに、初めてのパートナーに命名する劣℃。 ボールの中から (何かとってもイヤ!) というゼニガメの叫びが聞こえたような気がしたが、気にしない。 それに続き、愚理印も 「このままここに放っておくのは可哀想だな…」 という理由で、一匹選ぶ。 選んだのはフシギダネである。 …と、ここで劣℃はゼニガメのボールを持ったまま、首をかしげる。 「…はて? このボールはどこに入れればいいのですかな?」 「…ポケットにでも入れればいいだろ」 呆れたように愚理印が答えた。 「むむ、それは名案!」 愚理印に助言をしてもらった劣℃は、嬉々として貰ったゼニガメをポケットに入れた。 ……股間のポケットに。 (イヤーーーーーー!!!?) 劣℃の股間から、この世の終わりを見たような、ゼニガメの悲鳴が響き渡る。 「ちょっ おまっ!」 愚理印は慌てて劣℃のズボンを下ろした。 「あぁん(はぁと)」 頬を赤らめる劣℃。 同時に、ボールが転がり落ち、光と共にゼニガメが出現する。 その顔は蒼白で、まるで地獄から生還したような者のように生気が無かった。 「お前、何考えてんだよ!」 そう問う愚理印に対して、劣℃は白い歯をキラリと光らせ一言、 「Nice Boat…!」 「意味分かんねぇから!」 「フフリ、愚理印もまだまだですな!」 勝ち誇ったような笑みを浮かべる劣℃。 …愚理印は何故か無性に腹が立った! 「…おい、レッド…俺と勝負しろ」 「むむっ いきなり交際の申し込みとは、愚理印も大胆な!」 プッツゥ~ン 「ゆけ! フシギダネ! レッドをコテンパンにしろ!」 愚理印少年(10歳)切れる。 「おぉ、早速萌えもんバトルとは、愚理印の奴も中々分かってきたようじゃのう…うむうむ」 隣で孫の成長に感動の涙を流すオーキド氏。 「ああぁぁぁ!! うぜぇー! みんな消えちまえー!」 フシギダネに命令して、そこら中の物を破壊させる愚理印。 その様子を見た劣℃は、ライバルの凶行を止めるべく、立ち上がった! 「愚理印! 止めなさい、私が相手になりますぞ! …さあ、ヤム茶! 貴方の力を見せてあげるのです!」 「……ぞぉ~さん……ぞぉ~さん……お~はなが……ながいのね……」 ゼニガメは放心していて動けない! 劣℃の手持ちには戦える萌えもんがいない! 劣℃は目の前が真っ暗になった! 「や、止めるんじゃ、愚理印! わしの研究がぁ~!!」 「あ~ははは! こんな研究、全部ぶっ壊してやる!」 「……そぉ~よ……かあ~さんも……ながいのよ~……」 その日、マサラは腐海に沈んだ。 …つ、つづく?
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前書き 知ってる方はミステリーハンターのリポーターの娘方をイメージすると少し面白くなります、多分。 すいません、ちょっと…病気でした… -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 特集!サファリゾーン -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「みなさんこんにちは!今回はここ、セキチクシティのサファリゾーンまでやってきました。 本日の特集は"萌えもんたちの生態について"ということで、 自然界に棲む萌えもんたちの生態について、調査していきたいと思います! …それでは早速、行ってみたいと思います。」 ・ ・ ・ 「さぁ、サファリゾーンの中にやってまいりました!ご覧くださいこの広大な草原! 広さにしてもえもんセンター250個分の広さを誇る、サファリ大・草・原・でーーーす! それにしても圧巻です。都会の空気とは…ん~っ!違いますねやっぱり。新鮮です! これが映像では伝わらないのがとても残念です。しかしこのように、入り口から一歩踏み出せば、 もうそこは我々の知る世界とは全く違うことがお分かりいただけるでしょう! ……あっ、あっあっ!ご覧くださいあれ!左手のほう!…ちょっ、カメラ早く寄ってよバカ! わかりますでしょうかー!?サイホーンの群れの大移動です!!……わわわわっ!! す、すごい地響きです!あれほどの数になると最早地震規模です!!す、ごい!! 実はこのサイホーンたち、一匹でも高層ビルを体当たりで倒壊させるほどのパワーの持ち主なのです! これが首都圏のど真ん中に現れたらどうなってしまうのでしょうか!?……ちょっと想像したくありませんねぇ(笑)」 ・ ・ ・ 「続きましてサファリパークの第二エリアにやってきました!こちらはどうでしょうか! 先程の草原と打って変って緑の木々が生い茂っています!春は桜が、秋には紅葉が見られるということで シーズンでは季節を先取りする観光客で賑うベストスポットとなっています! ……あっと、さっそく遭遇しましたね!…わぁかわいい~!!見てくださいタマタマです!! 萌えもんのたまごが発見されてからというもののその生態系について多くの研究家が躍起に」 「…おい、ニンゲンの小娘!」 「んなっ!?こ…コム…あぁ"!?今なんていいやがったこの」 「おまえ、あたしのことタマタマと言っただろう!」 「…なによ、それがどうかしたの?」 「あたしのことを…あたしのことをタマタマってゆーなー!!」 「…なんでよ。タマタマじゃない」 「だーかーらータマタマってゆーなー!!もっとたまちゃんとか、たまちゃんとか、あとたまちゃんとか! もっとかわいい呼び方があるでしょー!?」 「なんでよ!?自分の萌えもんでもない野生の萌えもんをニックネームで呼ばなきゃいけないのよ!?」 「うぅ…ぐす…」 「はぁ~もうどうしたのよ?めんどくさい」 「めんどくさいってゆーな!!あのなぁ!あたしは悲しいぞ!」 「だからどうしたって言うのよ…。」 「この前もここにいっぱいニンゲンがやってきたけどなぁ…礼儀も知らんガキに あたしの名前を『あータマ↓タマ↓だー』『ホントだータマ♂タマ♂だー』(←被害妄想)って連呼されて、 からかわれたと思ったから怒ったんだ!!そうしたらどうだ!! そのガキ、『空気読めよwwwwこのキン○マ!!』って言って 石を投げて逃げていきやがった!ちくしょうくやしいよ!ぅわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「あ、ちょっと…!!…あーあ、行っちゃった。なんだったんだろ。 …えー…皆さん、萌えもんを苛めるような行為は絶対に許されません!そのような行為は 萌えもん愛護法に抵触する違法行為です!絶対に…え、素に戻ってた? あー…編集でそこら辺はうまくごまかしてもらうから心配ないでしょ?…尺が足りない? 私がしるかよそんなもん!次行くわよ次!!」 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「ねぇねぇ、ワタクシの萌えっこもんすたーと、勝負しな~い?↑」 「「「あんただ~れ?」」」 「いやぁ~ん♪♪♪♪」 ……… ――もんすたー全部で150種類! 通信ケーブルでもんすたーとりかえっ娘! スーパーゲームボーイならカラーでキレイ! 嫁がふえるロールプレイング! 萌えっこもんすたぁ!! [好評発売中] ――赤を買うか緑を買うか―― ちょっと違うYO☆ _________ ( N A N T E N D O ) ピコーン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「さて、ここは第二エリアの一角なのですが、なんとも微笑ましい映像を入手しました!」 「ニドく~ん!チュッチュしてあげる~♪」 「ね、ねぇやめようよランちゃん、ニンゲンがこっち見てるよ!!」 「やだぁ~!いいよぉ誰が見てたって!ニドくんが好きなんだもん!」 「ラ、ランちゃんってば!!」 「人間を警戒する様子も全くありません。完全に二人の世界に入り浸っています! このようにここサファリゾーンでは、自然界での萌えもんのカップルを間近で見ることができるのです! これはとても貴重な光景でもあり、これが重要文化財に指定されるほどの自然の保存状態を作り出している サファリのありのままの姿なのです! …おっと、あちらにもラブラブなカップルがいるようです!…こっそり覗いてみましょう!」 「なぁ…いいだろ?」 「だ…だめよ、誰かが見てるかもしれないじゃない!…こ、こんなところで…」 「いいじゃねぇか。お前見られてるほうが興奮するんだろ?」 「ご覧ください!ニドリーノとニドリーナのカップルです!それぞれ一固体の萌えもんでありながら、 それぞれオスとメスの固体しか確認されていない数少ない例外種です。近頃の研究報告では、 彼らはそれぞれ別固体ではなく、遺伝子に含まれる染色体情報の結合配列によって姿形と性別が決まる と発表されているそうです。すなわち元を辿れば、同固体としての認識が正しいのではないかと、 考古学的観点からも注目が集まっており――」 「や、やだ…そんな急に… !! ちょっと、ニンゲンよニンゲン!ニンゲンがこっち見てるわ!!」 「あん?ニンゲンだぁ?そんなのほっとけよ。むしろ好都合だ、へへ…見せ付けてやろうぜ。 きっと羨ましがってるだけだ。…なんか興奮してきたな。もう我慢できねぇ、いくぞ!!」 「えっ!?だ、ダメっ!そんな急には!!あ!!―――」 「………えーと、なにやら取り込み中のようなので、そろそろ次のエリアに移りましょう。 次はどんな萌えもんが私たちの前に姿を見せてくれるのでしょうか!?楽しみです!! …カメラ切った?うん、今のはちゃんと編集でぼかし入れといてね。尺が足りたら前半だけ、ええ――」 ・ ・ ・ 「う」 「ああっ!!…え、ちょっと!は、早くない?」 「!! …な、い、今のはちょっと、あれだ。ニンゲンが見てたからだよ!ちくしょう!!」 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「…さて、これまではサファリゾーンの人気スポットを紹介してまいりました。 しかし、自然というものは時に鋭利な刃物となって私達に襲い掛かってきます。 ここは、サファリの第三エリア。ご覧ください。辺り一面 闇の底に包まれたような不気味な空気を放った湿地帯です! ここでは、木々が太陽の光を遮るように空、一面を覆っております。 そのため、この辺りは太陽の光が届かず、昼間でも夜のような暗さと不気味さを放っております。 ここのエリアは特に危険な地域ということで、ボートなどによる移動が利用者には強制されていますが 今回は特別な許可をいただきまして、私、長靴をはいてこの湿地帯をリポートしたいと思いまーす! (がんばれ私、怖くない!プロ根性よプロ根性!!)」 ※管理者の特別な許可と万全の体制で撮影しております。危険なので絶対に真似しないでください。 「さて、第三エリアの奥地にやってきました!(フコー) このいったいは瘴気も濃いため、(フコー)お顔を失礼してガスマスクを装着させていただいてます。 この辺りの頭上には細心の注意を払わなければなりません。(フコー)ご覧ください。 頭上は常に、モルフォンの大群で覆われています!彼女らはりんぷんを撒き散らして飛行します。 (フコー)また地上のあまり湿り気のないところでは、あちら!(フコー) パラスたちがキノコを自身の背中や地面に植え付けて繁殖しています!(フコー) そうです!この辺りを包む強烈な瘴気の正体は、パラスのきのこのほうしとモルフォンのどくのこなが 交じり合って生成されているのです!(フコー)」 ※管理者の特別な許可と万全の体制で撮影しております。危険なので絶対に真似しないでください。 「うふふ、あら、ニンゲンだわ。珍しい。」 「ほ…本当だ!ねぇねぇ、ボクのきのことられないかな、かなぁ?」 「大丈夫よパラスちゃん。あなたの育てるキノコは、ニンゲンには食べられないの。 もし食べてしまったら最後、体の穴と言う穴からきのこが生えて、耐え難い全身の かゆみと苦痛に苦しめられながら悶死してしまうもの。うっふっふ♪」 「よ、よかったぁ。ボクらのきのこを横取りするやつは許さないんだから!」 「盗・ら・ね・ぇ・よ!!…ねぇ早くこんなとこ出ましょう!(フコー) じめじめしてるし何か怖いし菌に体を侵食されそうだし!!うぅぅ~~っ!!寒気が…」 「あらあら。無茶をするのは程々にしておきなさいな、ニンゲンの子らよ。 私たちもあなた方を苦しめたいが為にこんな瘴気を張っているのではないのだから。 そろそろあなた方の体を蝕み始めるころよ。早く立ち去ったほうがいいわ。」 「うう…い、言われなくてもそうするわよ!」 「ごきげんよう。生きて帰れることを願っているわ。」 「ばいばい、おねーちゃんたち♪」 ・ ・ ・ 「………さて、第二エリアに戻ってきました。 戻ってきたところで早々、最悪の状況に遭遇してしまいました。」 「ほんっと、優柔不断な人!何なの?私に何を求めてるわけ!?」 「うるせぇな、そういういちいち食って掛かる態度が気にいらねぇんだよ!」 「ニーナおねぇちゃん!やめようよ!ニーノお兄ちゃんも言い過ぎだって!」 「うわぁぁぁ~~ん!!お兄ちゃんが怖いよぉぉ!!」 「………またあんたらか。 一体、私たちが第三エリアに行っている間に何がおきたのでしょう?」 「おねぇちゃん、助けてよ!」 「あ、あら、えーっと…ニドくん、だったっけ?一体何があったの?」 「違うんだ!ニーナお姉ちゃんが好きって言って、ニーノお兄ちゃんにって言ったんだ! そうしたら照れくさくなって怒って我慢して早いだのゆうじょうぶんだんだの」 「お、お、落ち着いてね、話がうまく伝わってないわよ?あと友情分断じゃなくて優柔不断…」 「…んだよ、さっきのニンゲンどもじゃねぇか。俺は今機嫌が悪いんだ。 てめぇらさっさと俺の視界から消えろ!!」 「!…い、いや、私たちはね…」 「やめなさいよ!何ニンゲンに八つ当たりしてるの!?この人たちは関係ないでしょう!? ホント気が短くて優柔不断で…最低な男!」 「んな…!!なんだとこの女!!もういっぺん言ってみろ!!」 「何度でも言ってやるわよ!優柔不断で気が短い上に○○○も短いし調子に乗るし ○○○○はヘタクソだし!…(中略)…最低な男!早いし…」 「! ! ! て…めぇぇぇぇぇぇぇ!今日という今日は許さねぇ!覚悟しろ!」 「お兄ちゃんもお姉ちゃんも落ち着いてよ!ケンカはやめて!!」 ・ ・ ・ 「はー…はー…」 「ふぅー…ふぅー…」 「はぁはぁ、…女ってつええな。」 「ふぅ、ホント男ってバカ力で手加減を知らないんだから。」 「あのー…そろそろいいですか?」 「え?」「あ?」 「いや…お二人は、どうして喧嘩しているんですか?」 「そんなのニンゲンには関係ね」「聞いてよ!」 「この人ったら、『私のこと、好き?』って聞いたら、『ああ』っていうから じゃぁ、『愛してる』って、言ってみてって言ったの。そうしたら…」 「…そうしたら?」 「照れくさいから、って言って、言ってくれないの。」 「……………。」 「『じゃぁ愛してないんだ?』って聞いたら、『そんなことない』って言って! 『私のこと好きじゃないの?』って聞いたら、『お前が俺を好きな以上に好きだ』ですって! 私の『好き』のほうが大きいに決まってるわ!!」 「………うざー」 「…え?」 「…あっ、いやいや、喧嘩の理由はよくわかったわ。それで、どっちが相手の想いより上かってことで …論点ずれてるけど…話したら収拾つかなくなったと。」 「そうだ!この際ハッキリさせたい!ニンゲン!お前はどっちの『好き』な気持ちが大きいと思う?」 「そうね、白黒つけましょう。ねぇ、悪いけどあなたはどっちだと思う?答えて頂戴。」 「………。」 「「………。」」 「正直な話。」 「「!」」 「どっちの愛も、比べるものではないわ。」 「……な、なんだよそれ。」 「愛ってものは自分や他人に対して向けられる感情じゃない。感情って共有こそできるものだけど 比べるとなるとそれは間違った考え方なんじゃないかな。 だって、どっちの愛も、素敵だもの。少なくとも互いの向けられた愛の槍がお互いの胸を突き刺している。 それこそ共有できる二人だけに赦された喜びであって、大切にするべきことじゃないのかしら?私はそう思うけど。」 「……! そうよ…どうして、気づけなかったの?私……バカみたい…。」 「おねぇちゃん!すごいや、この二人を言い包めちゃうなんて!」 「いや、わかってねーな。」 「!!」 「おれたち萌えもんの世界じゃ、愛だってサバイバルなんだぜ。誰かから奪い取ることだってあるし、 奪い取られることだってある。下手すりゃ命のやり取りになりかねない。そんな時大切なのは何だ? 誰にも奪われない愛の大きさってもんじゃねぇのかよ、ニンゲン。」 「それは…!でもこの人の言ってる事だって間違いじゃないわ!」 「あー間違いじゃねぇだろうよ、少なくともニンゲンの間じゃな。そうやって認識してるんだよ。 ニンゲンなんてものは支配されやすいからな。いともたやすく誰かに依存すりゃそれでハッピーエンドだ。 そんな甘ちょろいニンゲンの愛じゃ、俺らの愛を語ることはできないぜ。」 「……るさい。」 「………あ?」 「うるさいって、言ってんのよ!!!」 「な……!?」 「あんた何様のつもりなのよ!!萌えもん様がニンゲン様に愛についてお説教かよ!! 余計なお世話よ!!甘っちょろい愛で悪かったわね!!こっちにだっていろいろあんのよ!」 「あ、いや…なんだ、おめぇにもいろいろあんのはわかるけどよ…」 「易く同情なんかしてんじゃないわよぉぉぉぉぉぉ!!」 「あっ!」 「おねぇちゃん!」 「おい、どこいくんだ…」 「ちょっとあんた」 「あ?どうし――」 スパン!! 「ああっ!」 「!?」 「ってぇ…な。」 「もう意地を張るのはやめましょう。」 「何わけのわかんねぇことを…!!」 「殴りたいなら殴りなさいよ!!」 「……な…!」 「でも…せめて、私の話を聞いて頂戴。」 -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- 「なんか……カッとなって走ってきちゃったけど…ここどこだろう…」 『私達、このままじゃおしまいよ。』 『!? おい、何言ってるんだ、嘘だろ?』 「まだ第一エリアなのかしら…ずっと草原だし。はぁ…」 『あのね、ひょっとしたら私達、お互いの愛に溺れていただけかも…そう思ったの。』 『溺れるだと…?どうしちまったんだよ、らしくないぞお前。』 『愛はサバイバルだ…アナタは、愛は奪ったり奪われたりするものだって言ったわよね?』 「……あれ?あれってひょっとして…」 『確かに、奪いあう愛もあっていいと思うの。好きって気持ちを相手にぶつけるときはね。 でも、私はそれと同時に、愛って、守るものなんじゃないかなって、思ったの。』 「大変…これ、ガルーラの、赤ちゃんじゃない!」 『守るだと…?だからそれはニンゲンの愛だと』 『じゃぁアナタは私の心を愛の槍で抉る事しかできないの!?違うでしょ!? …いままではそれでもよかった。私もそれが心地よかったから。 でも、もう終わりにしましょう――』 『――!お、終わり…だと…』 『そう。もう終わり。だから…』 「おい、ニンゲン!」 「! ケ、ケンタロス!?」 「ねぇ、その子の親を探してほしいの!ガルーラの子供は親の袋の中にいないと死んでしまうの!」 「え、ミルタンク…まで?」 「大変です!大変なのです!」 「こ、今度はラッキー!?」 「どうしたんだ、らきさん。」 「この先の森でガルーラさんが倒木の下敷きになっているのです!きっとその子の親は……!」 「そんな…!」 「…行きましょう!」 「ニンゲン!?」 『これからは、守って!私とアナタの愛を守って!!もう攻める愛は必要ないのよ!お願い!』 『――俺とお前の愛を…守る…』 「ケンタロスは、カイロスとヘラクロス、あとストライクを呼んでくるのよ!この近くにいるのでしょう! 私は先にガルーラの元に急ぐわ!」 「ニンゲンさん……」 「…承知した。」 『さぁ、盾を持って!私と一緒に、守って生きましょう!!』 『………ニーナ!!』 ・ ・ ・ 「おら来たぜ!切り裂かれたい迷惑な倒木ってのはどこのどいつだ?」 「あんたが散らばした木片を片すのはあたしとカイロスの仕事なんだ、丁寧にやりな。」 「ガルーラの姉御!大丈夫か?今助けてやるからな!」 「俺も手伝おう。ミルタンク、ラッキーは救護の準備はできているな?」 「OKですよ。」 「いつでも大丈夫よ。」 「がんばってね…もう少しでお母さんの袋の中に戻れるからね。」 「う、ぐ…お、おまえたち……それに…ニンゲンか?」 「もう少しの辛抱よ、子供は無事!」 「ああ、無事か…そうか、よかった。すまないな、ニンゲンよ。礼を言う。」 「行くぜ、アタイが木を32本に分割する!その後の処理は頼んだ!せーのでいくぞ!」 「応!!」 「「「「せーーーーーーーーーーーーーーの!!!」」」」 ・ ・ ・ 「…さて、本日はサファリをリポートしてまいりました!みなさん、いかがだったでしょうか? 萌えもんたちの生態系は、今回ご紹介したものはそれのほんの一部にしかすぎません。 …しかし、それでも皆さんが萌えもんに対しての新たな知識を得られたのであれば幸いです。 萌えもんたちは人形なんかではありません。喜び、悲しみ、怒り、楽しみ、悪意と欲望、 そして愛――すべてを知っているし表現もします。人間と変わりありません。 私が皆さんに知ってもらいたかったことは、まさにそこにあります。 萌えもんとのよりよい関係を築き、共存していくことこそが、私たちの願いでもあり、幸せでもあるのです――」 「はーいカットー!!」 「お疲れ様でしたー!!」 「あー腹減ったな、シースー食い行く?」 「用語がいちいち古いっすよ……いまどき流行りませんって…」 ……。 ………。 「おい、俺らってこんなに近くで"きゃめら"なるものを見るのって初めてじゃないか?」 「うふふ、そうね。私たちももっとニンゲンのこと、よく知らなくちゃね!」 「……あのー、お二人はいつの間に仲直りされたのですか?」 「…あ?何言ってんだ、俺らはずっと"愛を超越した関係"だぜ?」 「んもぅ、調子に乗らないの!でもニンゲンさん、あなたのおかげよ。」 「へ? …??なんで、私?」 「ふっ、すまなかったな、ニンゲン。俺はニンゲンのことを少し見直したぜ。 こんなに素晴らしい愛を営めることには正直驚いた。感謝している。」 「そうそう、素直なのが大事よ♪」 「おかげで、こいつを一生守っていく覚悟ができた。」 「もう、人前で恥ずかしい事言うのやめてよ。」 「愛してるぜ。」 「もう調子付いちゃって…。…私も愛してる。」 (最後の最後までうぜぇカップルだな…) 「愛……か。ふぅ。」 ……。 ………。 ブルブルブルブル…ブルブルブルブル… (あ、メール…?げ、あいつからだ……) 件名: 本文:今すぐ話したい。 ………。 「もしもし?…うん、うん――うん。ううん、私も悪かった。――謝らないでよ。 ……うん、私のほうこそごめんなさい。…うん。うん、わかった。 じゃぁ、今夜行くね。うん、…うん。―――」 特集!サファリゾーン fin -+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+- あとがき ズバリ!テーマは「愛」です。 様々な愛について投げかけてみましたが、これが黒歴史にならないことを祈ります。
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リーグ挑戦直前の腕試しにトキワシティジムへと乗り込んだアキラ一行。 しかし、そこで待ち受けていたのはルール無用の謎の男と、鎧を纏う圧倒的な力を持つ萌えもんだった。 重傷を負い全滅する仲間達、さらに彼らの魔の手はアキラ自身にも襲い掛かる。 もうもはや打つ手無しかと思われたその時、美しき水の君が間に割って入ったのだった。 『紅の狂気と純真なる破壊者(後編)』 立ち上がって冷や汗を拭い、アキラは体の感覚を確かめながら状況を確認する。 スイクンと『μ2』はじりじりと睨み合いを続けている。 恐らくはお互いに隙を伺っているのだろう。 その間にアキラはフィールドに倒れ付す五人……デル・メリィ・ホウ・ゲン・サイホ。 彼らをボールへ戻し、既に先の戦闘で倒れていたリースを呼び出して元気の欠片を飲ませる。 「う、うう……わ、私は一体」 「起きたか、リース」 「マスター?……ひぃっ!」 アキラの後ろ、スイクンと対峙する『μ2』を見て体を竦ませるリース。 そんなリースの肩を掴み、しっかりと目を合わせてアキラは言った。 「いいかリース、今からお前にデル達のボールを預ける。そのままセンター行って、治療と報告を頼む」 「え、ええ……わかりましたわ。マスターは?」 「俺は……行くわけにもいかないだろ。スイクンを残しては」 そう言うと、アキラはリースに背を向ける。 丁度、アキラとスイクンの二人で扉を守るような形になった。 「早く行け!」 「り、了解ですわっ!」 「チッ、行かせるな『μ2』!」 ボールを抱え、開きっぱなしの扉からリースは外へと駆ける。 その背中に『μ2』の念が襲い掛かるも、それは分厚い水の壁に阻まれた。 「へぇ……この念を防ぎきるのか。中々手ごたえがありそうじゃないか」 「まーね。あたしだって伊達に伝説の名を背負ってる訳じゃ無いのよ?」 「おいおい、わざわざ自分から伝説ってバラすことも無いだろ」 「いいじゃない別にぃ」 「フッ、ハハハハッ!そうか、伝説の萌えもんか!」 面白い玩具でも見つけたかのように男は笑う。 「丁度いい、伝説がどの程度のものか……試させてもらおうか。やれ『μ2』!」 男の命令に従い『μ2』はスイクンに念を放つ。 しかしそれはまたしても水の壁によって阻まれる。 「その程度?だったら何度やっても無駄だよ」 「よし、これなら……いけるか?」 そうアキラが呟いた時、彼の頭にスイクンの声が直接響いてきた。 「(あー、主様ごめん。実は防ぐので精一杯)」 「うぇっ!?」 「(声に出さないで。返事は思うだけでいいから。正直なところ、あたしでもまともに貰うとマズイかも)」 「(……これでいいか?んで、どうするんだよ)」 「(うーん、何とか隙を突ければいいんだけど……布石に何かしようとするとそこ突かれそうってぇ!)」 念で会話する最中、それを隙と見た『μ2』の念がスイクンを襲う。 咄嗟に念話を打ち切り、スイクンは回避行動を取った。 「スイクン!」 「おいおい、ボーっとしてちゃ何もならんだろ」 「くっ……(考えろ……スイクンの特性を生かした上で攻撃を当てる方法を!)」 アキラの頭が回転を始める。 スイクンの特性は。 水の浄化。 水の操作。 そして高速移動。 「そうだ……これだ、スイクン!」 「……おっけー、お任せを!」 思いついた作戦を念じて教えると、スイクンは軽く笑って応じ……フッと姿を消した。 ……否。目視できないほどのスピードで動き回っていた。 「なるほどね……が、念は速ければ避けられるというものでもあるまい!」 「その前に先制だ!やれ、スイクン!」 アキラが言った瞬間、スタジアムの全方位から水弾が撃ち出された。 高速で動くスイクンからの、水の波動の乱射。 それは双方の視界を覆いつくし、スタジアムの中央には着弾によるクレーターをも生み出していく。 そして、それが止まった時。 「まじかよ……」 「……」 「ふん、まあ悪くない作戦だったな」 幾つものクレーターに囲まれずぶ濡れになりつつも、これといったダメージを受けた様子もなく『μ2』は立っていた。 そして彼女は、停止して姿を現したスイクンへサイコキネシスを放つ。 スイクンはその様子を悔しげな表情で睨みつけ、念の直撃を受け……水が弾け飛んだ。 「水で分身だと?」 「今だ、スイクン!」 「まっかせなさーい!」 アキラの指示でクレーターに溜まった水の中から本物のスイクンが飛び出し、ガラ開きの背中にハイドロポンプを打ち込む。 『μ2』は防壁を張って防ぐ……が。 「……ぅぐ、あぁっ!」 パァン、ドォッ!!! 「防壁を破っただと……まさか」 「ふふーん♪やっぱ水そのものは防げても、その衝撃までは防げなかったみたいね!」 「おいおい、考えたのは俺だろ」 「実行したのはあたしだもーん」 男は手に持っている小型の機械を操作し『μ2』を見る。 「脳のステータスに異常……なるほどな、軽く脳震盪を起こしたか」 「そういうことだ……これでもうまともに戦えないだろ」 「あたしたちの勝ち、ね」 「さてと……どういうつもりか、説明してもらえるか?」 壁際に崩れ落ちている『μ2』を一瞥し、二人は男に向き直る。 が、男は不敵な笑みを崩さない。 その様子をアキラが怪訝に思っていると、男は手元の機械を操作しながら話し始めた。 「フッ……ハハッ。確かに、流石は伝説だ。だが……この隙にトドメを刺さなかったお前の負けだ」 「何、負け惜しみを言って……」 と、その時。 アキラの隣に立っていたスイクンが、壁まで吹き飛ばされていた。 「があっ!!!」 「なっ、スイクン!?」 「はっ、はぁっ……ぅう」 『何でも治し投与完了。スペシャルアップ及びスピーダー、限界まで投与完了』 「ふん、念のために装備させていた投薬装置だが……中々役に立つな」 「スイクン、大丈夫か?」 「ごめ……ぁたし、ゆだ……した……っあぐぅ!!!」 「くそっ、もうやめろ!勝負はついただろ!」 「何を言ってるんだお前。折角目の前に滅多にお目にかかれない『伝説』が居るんだ……どれほど耐えるか、調査させてもらおうか。やれ」 男の命令に従い『μ2』はスイクンにかける念の圧力を増していく。 「ぐ、あああああああああ……!!!!!!」 「くっ……この、止めろおっ!」 アキラは拳を振りかぶって男に向かって走り出す。 が、その拳は届く直前に空中で停止した。 無論『μ2』の念の捕まったのである。 「くそっ、この、離せよっ!」 「お前も中々しつこいな……ん?」 男は気付く。 すこし遠くから聞こえてくる、サイレンの音に。 「警察か……今やりあうのは早すぎる上に面倒だな」 「逃げるつもりか!?」 「俺が主役のステージにはまだ遠いんでな……お前たちはそこで寝てろ」 「何を……ぐはっ!!!」 スイクンの押しつけられていた壁に、アキラも勢い良く叩きつけられる。 「あ、主……様……」 「スイ、クン……無事、か?」 「あはは、なん、とか……でも、しばらく動けそうにない、や……」 体力の限界が来たのか、スイクンは眠るように意識を手放した。 アキラも全身の痛みで動くことが出来ず、その場に倒れ伏し。 「さて、目ぼしい資料やデータは既に回収……ジムの機能もほぼ停止させた。引き上げるぞ『μ2』」 「……(コク」 テレポートで何処かへと姿を消した二人を、ただ見逃すことしか出来なかった。 数日後。 アキラは、トキワシティ萌えもんセンターのロビーでただぼんやりと時間を過ごしていた。 腰につけているボールは一つ……最も怪我の軽かったリースだけ。 デルとメリィとホウは重傷のため入院。 ゲンは霊体のためすぐに体を修復したが、構成する量が不十分なため休養中。 そして、サイホは……意識不明となっていた。 『先生、サイホは……サイホはどうしちゃったんですか!?』 『わかりません……けれど、少し気になることがあります』 『気になる事?』 『ええ。サイホさんの体なんですが、ついこの前タマムシ大学に収容された萌えもん達と似たような異常が見られたんですよ』 『!?』 『憶測に過ぎませんが……サイホさんは何処かで彼らを変化させたのと同じ電波を浴び、規定値に達していなかったのが今回強力な念を浴びて進行してしまったのかもしれません』 『そんな……』 『もっとも、彼らも治療やリハビリで大分回復してきてはいます。が、個体によっては大きな障害が残っています……一応、覚悟はしておいてください』 「ふぅ……」 何度目かもわからないため息をつき、アキラは席を立ち病室へ向かった。 アキラが病室に入ると、車椅子に座ったデルがリンゴを剥いていた。 「あ、ご主人様。リンゴ剥いたんですけど、いかがですか?」 「ああ、一つ貰うよ」 かわいらしいウサギ状に切られたリンゴを受け取り、他のメンバーの様子を見る。 メリィはぼーっとテレビを見ている……両手に巻かれた包帯が痛々しい。 ホウはベッドで眠っている……が、時折うなされているようだった。 ゲンはホウの左手を握り、頭を撫でてやっている……心なしか、痩せたように見える。 そして……サイホは、ここには居ない。 「……俺の能力が足りないせい、か」 「ご主人様、今何か……?」 「ああ、なんでもない。独り言だ」 アキラは考えていた。 もし、皆に指示を出していたのが自分でなかったら。 そう、例えば……敬愛する兄であったなら。 こうも酷いことにはならなかったのではないか、と。 「やっぱり俺……才能、無いのかな」 窓際まで歩み、アキラは空を眺める。 どんよりと曇った空は、今のアキラの心情を写し出しているように見えた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き ども、毎度お馴染みの曹長です。 今回も引き続き、ゲストにストーム7氏からミュウツーとそのマスターをお借りしました。ありがとうございます。 まぁストーム7氏の作品を読んでいらっしゃる方々はある程度結末が見えていたかもしれませんが、スイクン負けちゃいました(ぇ そりゃ不意打ち(=クリティカル)で特殊攻撃六段階上昇なんぞそうそう耐えられる奴はいない罠。 とりあえず今回から暫く戦闘不能者が多発。 ……ってかメインメンバー6人中5人が戦線離脱って酷くね? この穴を埋めるため、久々にあの人が参戦する……かも(ぇ それでは次回予告。 ボロボロになった仲間を見て、無力感に打ちひしがれるアキラ。 そんな中、萌えもんリーグが開幕。 見知った顔も活躍する中、唐突に事件は起きる。 次回、萌えっこもんすたぁ Long long slope 『タビノオワリ(前編)』 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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「南の倉庫?」 リースが仲間になった翌日のこと。 ホウは朝食の席で、昨夜のことを話していた。 この場に居るのはアキラを始め、ホウ、ゲン、サイホ、リースの五人。 メリィは未だ部屋に篭っているデルを心配し、様子を見に行っていた。 「ん……夕べ、念で助けを呼ぶ声が聞こえた」 「そうか……リース、何か知らないか?」 「……知らないも何も、私はあそこから逃げてきたんですわ」 「何だって!?」 大げさに驚くゲン。 それを放置し、アキラは更に話を聞く。 「一体、何が?」 「……そりゃ、色々やってましたわ。萌えもんの身柄の売買、裏ルートの品物の管理、恐喝や強盗。 ……でも、そんなのはいつものことで、気にするほどの事でもありませんでしたわね」 「……(フルフル」 サイホは顔色を青くして震えていた。 以前のマスターも、似たようなことに彼女の母を使っていたのだろう。 「まぁその程度には……いわゆる悪事と言われる事には慣れたつもりでしたけど。流石の私でも……あんなことはねぇ」 「すまん、できれば具体的に頼む」 アキラがそう言うと、リースはため息をついて話を続けた。 「……スイクン、という伝説の萌えもんをご存知でしたかしら?」 「ああ。ジョウト地方で、ホウオウに仕えるとされている三人のうちの一人だっけ」 「……「カネの塔の火事を消し止めた雨」の力を持つ伝説、水を浄化する能力も持つ」 「そのとおりですわ。そして彼らは……彼女を捕らえ、浄水装置を作ったのですわ」 「……浄水装置だぁ?」 素っ頓狂な声を上げるゲン。 他の二人も、首をかしげている。 が、アキラは何があったのかを理解した。 「まさか、スイクンは」 「……浄水層の中央の柱に磔にされて、ひたすら汚水攻めを受け続けていましたわ。 体力が無くなれば、薬で強制的に回復をして……」 「何だと……っ、あいつら!」 「……酷い」 「……(クイクイ」 「サイホ?……ああ、勿論だ。助けに行かないとな」 「……!(コクン」 「リース、案内を頼めるか?」 「ええ、そのくらいならお安い御用ですわ」 「よし、それじゃ皆準備を……」 と、その時。 バン!と音を立てて扉を開き、メリィがアキラに飛びついて来た。 「た、大変!大変だよマスター!!!」 「うぉわ!ど、どうしたんだ!?」 「うぐっ、デルちゃんが、デルちゃんがぁっ……!」 アキラの胸に泣きつくメリィ。 そんな彼女を宥めながら、メリィが握り締めていた紙切れを受け取って読む。 そこには。 「……何でだ」 「うっ、うぅ……うあぁぁぁぁぁぁ……!」 「訳わかんねーよ……何を、お前がそんなに気に病む必要があるんだよ……!」 ただ『罪深い私を、どうかお許しください。さようなら』とだけ、書かれていた。 『囚われし水の君(前編)』 「……それで、今に至るというわけだね」 「…………」 黙りこむアキラ。 そんな彼に、ヨシタカ……偶然近くを通ったので寄ったらしい……は「これは重傷だな」と思いながら思考する。 部屋には二人のほかに、未だに泣き止まないメリィをヘルがあやしていた。 残りのメンバーは、それぞれ自室で待機している。 「……なんで」 「?」 「なんで、こんなことになったんだろう……俺の、せいなのか……?」 「アキラ……」 光の無い瞳で中空を見つめながら呟くアキラ。 そんな彼に。 パンッ! ヘルの平手打ちが飛んだ。 「……っ!?」 「ヘルお姉ちゃん!?」 「ヘル……」 「……少しは目、覚めたかしら?」 ヘルはアキラの隣に腰掛けると、彼の頭を掴んで自分の方へ向かせる。 「いででっ……」 「こっち向きなさい。それから、ちゃんとあたしの目を見る!」 「わ、わかったって」 そこでヘルは手を離す。 アキラはこめかみと頬をさすりながら彼女に向き合った。 その表情は弱弱しいながらも、僅かに瞳に光が戻っていた。 「よろしい。まず、あの子が家出した原因だっけ?あれは別にあんたのせいじゃないから気にしないでいいわ」 「え……?ヘル姉は、デルが出てった訳知ってるの!?」 「知ってるというか、あの子があんた絡みで思いつめて家出するなんて、アレ以外に思いつかないわ。ねぇ、ダーリン?」 「……ま、確かにね」 「兄さんも知って……!?」 「ああ……でもアキラ、お前とメリィは知らない……いや、覚えていないはずだよ」 「覚えていない、って」 「ヨシタカお兄ちゃん、それってどういうこと……?」 ヨシタカはその問いに一息つくと、逆にアキラに問い返した。 「アキラ。お前、デルと初めて会った時の事、覚えてるかい?」 「えーと、確か……」 少しアキラは考え込む。 そして、出た答えは。 「……メリィが家に来た後しばらくして、俺のメイドとして自己紹介してもらった時が最初だったよな」 「え……!?」 その答えに驚くメリィ。 何故ならそれは、彼女の記憶とは食い違っていたから。 「そうだね……それまでは、メイドとしての勉強をさせるために他所に預けていた……"そういうことになっていた"よね、ヘル」 「ええ……そうね」 「……ちょっと待ってくれよ、そういうことになっていたって、どういうことさ!?」 混乱して詰め寄るアキラ。 ヨシタカは「まぁ落ち着け」と彼を座らせると、話を始めた。 「メリィがさっき驚いてたことから分かると思うけれど……その記憶は間違いなんだ。本当の最初は……お前が、デルのタマゴを孵した時。彼女が生まれたときなんだ」 「そんな……嘘だろ、だって俺、その前のデルの記憶なんて」 「いいから聞いて。事の始まりは、メリィが家に来たことなのよ」 「私が?」 「そ。メリィは覚えてると思うけど、あの子って結構なお兄ちゃんっ子だったでしょ」 「う、うん……いつもマスターの後ろにくっついて『お兄ちゃん』って言ってた」 「……っ!?」 アキラは覚えの無い光景が脳裏にフラッシュバックし、頭を押さえる。 それに構うことなく、ヨシタカとヘルは話を続けた。 「ま、メリィの面倒をアキラに任せちゃった母さん達もいけないんでしょうけど……それまでアキラのこと独り占めにしてたデルが癇癪起こしちゃったのよね。 ……まさか、当時二つ三つくらいのあの子が『悪の波動』なんか使っちゃうなんて誰も思わなかったでしょうし」 「ま、さか……うっ!」 「ああ……デルは、メリィが居なくなればまたお前を独り占めできると考えて……メリィを、撃った」 「う、嘘だよね……デルちゃんが、そんなこと」 「ここからはメリィも覚えてないわよね。衝撃で気絶して、打ち所悪くて数ヶ月眠ったままだったし」 「そして、撃たれたメリィを庇った奴が居た……それがアキラ、お前だ」 「…………」 「その時のショックのせいなのかどうかは知らない……けれど数日眠った後目を覚ましたお前は『デルに関する記憶』だけを、一切合財無くしていたんだ」 「そん、な」 「ずっと黙ってたことは謝るわ……ごめんね」 「本当に、すまない」 ヨシタカとヘルは二人に頭を下げる。 「い、いや、兄さんやヘル姉が謝ることじゃないだろ」 「そうだよっ、それよりも……!」 「……そうだね。まずはデルのことが先決か」 そう言って、ヨシタカは話を仕切りなおした。 「とりあえず、最後に姿を確認したのは?」 「……帰ってきて部屋にボール置いたのが最後だな。その後は見てない」 「そうか……ベッドとかの状態は?」 「えーっと……寝てたんじゃないみたいだけど、使った形跡はあったよ」 「なるほど、じゃ居なくなったのは夕べの遅い時間帯ね。あの子のことだから、布団被って悩んでたりしたんでしょ」 「そ、そうかなぁ……」 「ってか、なんでそこまで解るのさ」 「当然でしょ、あたしを誰だと思ってんの?」 そう言ってふふんと胸を張るヘル。 その姿にメリィは僅かに羨望の眼差しを向け、アキラは苦笑いをした。 「まぁヘル姉は置いとくとして」 「あ、アキラそれは酷くない?」 「ヘル、話が進まないから少し我慢しよう?」 「む~」 「兎に角、まだ朝も早いから船に乗ったということは無いだろうね。恐らくだけど、5の島……それも、このリゾートエリアに居ると思う」 「それじゃ、早く探しに……!」 「まぁ待って。アキラ、お前達は本島に渡って事件を解決して来るんだ。デルは僕とヘルで連れ戻す」 「な……なんでさ!デルは俺の……!」 「落ち着いて」 いきり立つアキラを再び押さえるヨシタカ。 アキラは納得が行かないながら、しぶしぶと腰を下ろす。 「ちゃんとした理由はあるんだ。一つは、お前達よりも僕達のほうがこの島について詳しいということ」 「う……それは、確かに」 「二つ。お前の手持ちでは、逃げるデルに追いつけない。種族の平均で言えばヘルガー族よりもゲンガー族の方が速いけれど、その中ではデルは速い方だしゲンは遅い方だろう?」 「……いや、そうだけどそれを何故兄さんが知ってるのさ」 そう問うアキラに、ヨシタカは不思議そうな顔で言う。 「見ればわかるよ?」 「ん な わ け あ る か」 「えぇー、ダーリンすごいのよ?この前なんか見ただけであたしのスリーサイズを……」 「……もういいや、なんか兄さんならなんでもやってのけそうな気がするし」 「ん、もういいのかい?あと十数個くらい理由はあったんだけれど」 「そんなにあるのかよっ!?」 「いや、流石に冗談だけど……兎に角、わかってくれたかい?」 「わかったよ……兄さんとヘル姉なら、絶対に何とかしてくれるよな」 「当然じゃない。あの子はあたしの可愛い妹なんだから」 「そうだね。デルは僕にとっても妻の妹であり、弟の嫁なんだ。他人事で首を突っ込むのとは訳が違う」 「そゆこと。大船に乗ったつもりで、あんたたちはロケット団を蹴散らしてきなさい♪」 「二人とも……ありがとう、行ってくる。メリィ!」 「え、あ、うんっ!」 アキラはメリィの手を引き、部屋から出て行く。 その場に残されたヨシタカとヘルは、その様子を笑顔で見送った。 「ということで、倉庫の前まで来たわけだが……」 ここまでに居た見張りの団員は、全員眠っている。 言わなくてもわかるかも知れないが、ホウ・ゲン・リースの催眠によるものだ。 アキラは目の前の鋼鉄の扉を見上げ、思案する。 「何か問題でもあんのかよ?」 「いや、鍵が閉まっててな」 「ならそこらで寝こけてる連中シメて奪おうぜ」 「うーん、折角気づかれずにここまで来たのに勿体無いな……デルが居ればこのくらいの鉄扉、溶かせると思うんだけど」 「ねぇ、マスター」 「ん、どうしたメリィ」 「私なら、もしかしたらなんとかできるかも」 「何とかって……電撃じゃ厳しくないか?」 「んーとね、ちょっと危ないから離れてて」 そう言ってメリィは扉の前に立つ。 数秒集中した後、彼女は右腕を燃え上がらせた。 「炎のパンチ……でも、火力足りるのか?」 「これだけじゃ……ない、よっ!」 と、次にメリィは左腕に電撃を纏わせる。 そして、左右の手をゆっくりと組むと、炎と電撃が混じりあい眩い光が彼女の拳を包み込んだ。 「っくぅ……やっぱり、キツ……!」 「メリィ!?」 「大丈夫……いっけええええええ!」 メリィは組んだ拳を大きく振りかぶると、鋼鉄の扉の鍵の部分に真っ直ぐ叩きつけた。 そして、扉は。 ジュゥゥゥゥゥッ! 鍵のあった場所とその周辺が、見事に融解していた。 「っは、はぁ、はぁ、はぁ……これで、どうかな?」 「……メリィ」 「?」 「今の、絶対に生き物相手に使うなよ……?」 「う、うん。当たり前だよ!」 「っつーか、どこでこんな技覚えたんだオメー」 「えっとね、この前やってたアニメで二種類の力を混ぜると強くなるって。ほんとは雷じゃなくて冷凍パンチのほうがいいみたいなんだけど」 「……まぁ、とりあえず行こうか」 「はーいっ」 この時、その場に居たメンバーが思っていたことは見事に一致していた。 「メリィを本気で怒らせたら、命は無い」と。 ……一方その少し前。 倉庫の一番奥にある巨大な機械の前で、二人の団員がそれを操作していた。 機械の中の水槽では、青い美しい萌えもん……スイクンが猿轡をかまされ、柱に磔になっている。 団員の片方がスイッチを入れると、水槽の中は黒茶色に濁った水で満たされていく。 その様子を眺めながら、もう片方の団員はスイクンにマイクで話しかけた。 「さーさー、ちゃっちゃと浄化しないと……またあっという間に頭まで浸かっちゃうよ~?」 『ふぅ……んぐぅ……!』 その無慈悲な宣告に、泣きながら力を使うスイクン。 すると、濁っていた水が彼女に触れている部分からみるみるうちに澄んでいく。 そして入れられた汚水を全て浄化しきったと同時に、スイクンは気絶した。 だが、そんな彼女を彼らが休ませるはずも無かった。 「チッ、もう限界か……おい、快復の薬を投与だ!」 「あいよー……しかしアレだな、横流しされた薬とはいえタダ同然のシロモノでとんでもねぇ儲けが出るんだよなぁ」 「正に水商売ってかww」 「だれうまwww」 そう盛り上がる二人を睨む事もできず、無理やり回復されたスイクンはいつ終わるとも知れない悪夢に再び涙を流す。 (もう嫌……誰か…誰か助け…て……) そう思う間にも再び浴びせかけられる汚水。 スイクンはひたすらそれを浄化しながら、期待の出来ない助けを求め続ける。 倉庫の警報装置が鳴り響いたのは、そのほんの数分後であった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き どもこんばんわ、曹長です。 約二ヶ月ぶり。漸く本編が進んだ……さて、次は後編だ。 それにしても、デルやアキラの過去を軽く触るだけであんだけ長くなるのは想定外だったかも…… 詳しく何があったかは、また後のお話で。 そしてスイクン式浄水装置(マテ。 え、R団これで何してるかって? 「スイクンの美味しい水」として販売して(ry 流石R団外道だな、外道だなR団。 さて、次回予告。 警報が鳴り響くR団倉庫。 迫り来る敵の萌えもんを薙ぎ倒して進むが、何故か催眠術が効かず様子もおかしい。 そして最深部手前で待ち受ける凶悪な罠。 彼らは、スイクンを救い出すことができるのか。 次回、萌えっこもんすたぁ Long long slope 『囚われし水の君(後編)』 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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暗い部屋。 その中央に、一体の萌えもんが立っていた。 「…………」 紫がかった白銀の髪。 日の光を知らぬような白磁の肌。 薄く開かれた瞼から覗く、暗黒色の瞳。 それらを覆うように、所によっては強調するように、身に着けられた鈍色の鎧。 ガチャリ 扉が開き、男が一人入ってくる。 背が高く、目つきの悪い男。 「気分はどうだ?」 「……悪くは、無い」 「クック、そうか……」 男は喉だけで笑う。 「まずは慣らしだ。お前も、マトモに戦うのは久しぶりだろう」 「……何をすれば、いい?」 「壊せ。俺の命じた通りに、な」 「わかった……」 「よし……行くぞ」 「……お父様達、は」 「ん?」 「褒めて、くれる……かな」 「クク……最後まで上手くやれば、きっと褒めてくれるだろうよ」 「……そう」 そんなやりとりを交わし、彼女はヘルメットを身に着ける。 バイザーに隠れた彼女の瞳は……その姿にそぐわない程、幼く、そして純真だった。 『紅の狂気と純真なる破壊者(前編)』 トキワシティ。 マサラタウンの隣、そしてセキエイ高原の麓に位置し、駆け出しのトレーナーからリーグ挑戦者まで幅広い層のトレーナーが集う町。 ナナシマ諸島での療養と修行を終え、アキラ一行はリーグの出場登録と……もう一つ、リーグバッジを得るためにこの街を訪れていた。 「で、トキワのジムに挑戦すんのかよ?」 「まあな。一応カントーまで来た目的の一つは修行な訳だし……ここいらで、カントー最強のジムを突破しとくのも悪くないだろ」 「かぁ~……ったく、面倒なこって」 「そう言うなって」 面倒くさそうにぽりぽりと頭をかくゲン。 だが、その表情はこころなしか楽しげに見える。 「ゲン……頬が緩んでる」 「何だかんだ言って、ゲンくんも楽しみなんじゃないの?」 「うっせーぞお前ら……まぁそーだけどよ。腕が鳴るぜ」 そんなゲンの横では、スイクンが頬を膨らませていた。 「むぅ~、なんであたしは一緒に行っちゃダメなの?」 「あのなぁ……公式戦でホイホイ伝説の存在を露にするわけにもいかないだろ」 「まぁ主様の事情もわかるけどぉ……」 「だからな?その辺で待機しててくれ。頼む」 「しょうがないなぁ……じゃ、適当にその辺走ってるね」 そう言ってしぶしぶながら引き下がり、一瞬で姿を消した。 恐らく、もう見えないところまで走っていったのであろう。 「……ふと疑問に思ったのですけれど、普通では捕らえきれないような速度で走る彼女が何故ロケット団に捕まったのでしょう?」 「餌に釣られて、罠にかかったのですわ。あの時は私も驚きましたわ」 デルとリースはスイクンについて話をしている。 一応催眠のことで一発平手を食らわせたデルだったが「お陰で心の靄も晴れました」とのことでそれ以上はお咎めなしであった。 と、そんなこんなでジムの前まで到着する。 「よし、着いたぞ……皆、ボールに戻ってくれ」 全員をボールに戻し、アキラはジムの門をくぐった。 電気の殆どついていない、妙に寂れた廊下を進む。 そして辿り着いた先のスタジアムに、長身で目つきの悪い男が待っていた。 「ようこそトキワシティジムへ……と、言っておこうか」 「あんたがこのジムのリーダーか……この趣味の悪い薄暗さもあんたの趣味か?」 「ククッ、まあそんな所だ……それより、そんな問答をしにここに来た訳じゃないんだろう?」 「まあな。んじゃ、早速始めさせてもらうぞ」 そう言い、フィールドの端にあるジャッジマシンをチラっと見てボールを構えるアキラ。 それに対し、男は両手をポケットに突っ込んだまま動こうとしない。 「……何だ、始めるんじゃないのか?」 「いいや、俺の手持ちはそこのゲートで待機してるんでね……さあ、遠慮せずに始めればいい」 「余裕綽綽だなおい……まあいいか。頼むぞ、リース!」 「はいはい、頼まれましたわぁ」 一番手はリース。 アキラは弱点が比較的少なく、芸達者な彼女でとりあえず様子を見ることにした。 そして、対するは。 「来い、『μ2』」 ゴゥン、と。 重厚な音を立てて開いた扉の向こうに、一体の萌えもんが立っていた。 シャープなフォルムの鈍色の鎧を身に纏い。 ヘルメットから溢れた紫がかった銀髪を風に揺らし。 生気の感じられないほど白い肌を装甲の隙間から晒しながら。 『彼女』は、ゆっくりとフィールドに降り立つ。 「じゃ、始めよう。ルールは……どんな手を使ってでも、相手を先に全滅させた方が勝利だ」 「何だって……?」 と、そこでアキラはリースの様子がおかしいことに気付く。 ……リースは、震えていた。 いつもの余裕たっぷりの表情は消え、青い顔で目を見開いている。 「こ、こんな……嘘、ですわ……」 「お、おいリース。一体どうした!」 「ほぉ……あんたのスリーパー、中々相手の力量を見る目はあるようだな」 「くっ……惑わされるな、リース!サイコキネシスだ!」 「うう……あああああああああああ!!!」 半ば悲鳴を上げるような声と共に、リースの念力が『μ2』と呼ばれた萌えもんに向かって襲い掛かる。 だが、それは。 「やれ『μ2』」 「……」 ブンッ 彼女の腕の一薙ぎで打ち消され。 ゴッ ゴバァン! 「がふっ……!」 その余波で、リースをスタジアムの壁面にめり込ませるほど吹き飛ばした。 「リースっ!?」 「……フン、ここに挑戦しにやってくる程だから少しは耐えるかと思ったが、一般じゃ所詮この程度か」 「何だと……!?」 「もういい……お前、残りの手持ち全員でかかってこいよ。話にならん」 「おい、そりゃ流石に公式戦のルールとして……!」 「……ああ、そこのジャッジマシンを気にしてるのか。くだらんな、あんなポンコツなど……やれ」 次の瞬間、リースの戦闘不能を示していたマシンがバラバラに吹き飛ぶ。 どうやら彼女の念力で破壊したようである。 「問答無用って訳か……後で吠え面かくんじゃないぞ!」 アキラは嫌な汗をかきつつも、リースを戻して残る五人を全員ボールから開放する。 「皆、奴のサイコキネシスはとんでもなく威力が高い!相殺の余波でリースが落ちるほどだ!絶対にまともに食らうなよ!」 「わ、わかったよ!」 「了解いたしました!」 「……無理難題を言う」 「ハッ、やってやろうじゃねぇか!」 「……(キッ」 「サイホは穴掘って潜行、デルとゲンは懐に潜り込んで引っ掻き回せ!」 「……っ!」 「はい!」 「おうよ!」 「メリィとホウは中距離から支援、回避優先で立ち回れ!」 「おっけー!」 「ん……!」 アキラの指示を受け、散開する五人。 メリィとゲンは左右に跳び、ホウは頭上へと舞い上がる。 サイホは地中へ身を潜め、デルは正面から突撃する。 まっすぐ向かってきたデルを、『μ2』は念力で弾き飛ばそうとする……が。 「超能力は……私には通用しませんっ!」 「……!」 拳に悪の波動を纏わせ、そのまま振りぬくデル。 間一髪、それは腕の装甲で防がれる。 その後ろから、ゲンが同じように殴りかかっていた。 「お……ラァッ!」 「……っ」 跳躍してかわす『μ2』。 そこにホウのエアスラッシュの弾幕が襲い掛かるが、リフレクターを展開されて無効化される。 だが、本命はそれではない。 「あとはよろしく……メリィ」 「了解だよっ……いっけぇーっ!!!」 ガードに気をとられている彼女に、充電を済ませたメリィの雷が放たれる。 が、しかし。 危機を感じたか、エアスラッシュへのガードを薄くして新たに張られた光の壁に雷は完全に弾かれた。 「嘘ぉっ!?」 「……これは、驚き」 メリィとホウはその光景に冷や汗を垂らしていた。 抜群ではないとはいえ、メリィの充電雷はチームで最高の威力である。 それをいとも容易く弾かれるということは、遠隔攻撃は本当に足止めにしかならないということだった。 打つ手なしか、と二人が思ったとき。 彼女が地上に降り立つ直前に、アキラは指示を飛ばした。 「ゲン、あいつに組み付け!動きを止めるんだ!」 「お、おう!」 「……っ?」 ゲンは後ろから彼女を羽交い絞めにし、言われた通りに動きを止める。 そしてその直後。 「サイホ、角ドリルだ!」 二人の目の前の地面が盛り上がり、サイホが飛び出した。 『μ2』はそれに反応しきれず、ゲンごとその鎧に覆われていない腹部を貫かれた。 「ぐ、ふっ……」 「……やったか?」 喀血し、膝を着く『μ2』。 しかし。 「へぇ……手加減してやったにしては中々やる」 「手加減だって?」 「ああそうさ……まさかあいつに、本気で勝てるとでも思っていたのか?」 「……手加減されてようが勝ちは勝ちだろ。さっさとバッジを貰えないか?」 「お前は二つ勘違いをしている」 「……何だよ」 「まず一つ、俺はまだ負けていない……『μ2』、自己再生!」 「は……っぁ」 「なっ……!?」 その命令が飛んだ瞬間、彼女の腹部に開いた風穴が見る見るうちに塞がっていき……最後には傷跡すら残さずに修復されていた。 「再生、完了……」 「そしてもう一つ……最初のスリーパーを弾き飛ばした念、アレはサイコキネシスではない。ただの『念力』だ」 「なん、だって」 「そして……サイコキネシスとは、こういうものだ。『μ2』、あのガキを『潰せ』」 「えっ」 「……」 そしてアキラがサイホの方を向いた瞬間。 フッ ゴシャァッ! 「ごぶっ……」 目にも止まらぬスピードで壁に叩きつけられ、サイホは血を吐き、声を無くしたはずの喉から音が捻り出された。 それでも念力は止まらず、サイホの骨をへし折ろうとギリギリと圧迫していく。 「も、戻れサイ……」 「おおっとそれはさせないぞ、金縛りだ」 「んがぁっ!?」 アキラはボールに手をかけた格好のまま固められてしまう。 そして男は大仰に腕を開き、言った。 「――――さあ、惨劇の始まりだ」 ……そこからは、正に一方的な『狩り』だった。 サイホを助けようと間に割って入ったデルは、両足を折られた。 メリィは恐慌状態に陥り暴れたが、奮戦空しく左右の拳を砕かれた。 ホウは体が竦み、ほぼ無抵抗のまま肩を壊された。 ゲンはホウを守りきれなかったことで逆上し、無謀にも突貫して下半身を吹き飛ばされた。 アキラは……それをただ、見守るしかできなかった。 (みんな……!) 「さて、俺の勝ちだ……何だ、その目は」 (こんちくしょう……せめて、体さえ動けば皆を助けられるのに!) 「気に入らないな……やれ、『μ2』」 「わかった……」 「ぐぅっ……!!!」 念力で空中に持ち上げられ、首を絞められるアキラ。 (やっば……これ……死ぬかも) 「ふん、いいザマだな」 (くそ、こんなことになるんだったら……!) 酸素不足になり、体に力が入らなくなってくる。 そして、ついに意識まで失いそうになったその時。 ドザァッ! アキラの入ってきた扉から鉄砲水が『μ2』に襲い掛かり、彼女はガードのためにアキラを解放した。 「げはっ!……いででで、た、助かったのか?」 「水、だと……貴様、一体どんな隠し玉を」 そして、鉄砲水が止まった時。 「主様、無事?生きてる?」 「ああ、お陰さまでな……スイクン」 アクアブルーの装甲付きドレスとクリスタルのティアラを身に纏い、青水晶の剣を構えた美しい萌えもんが。 伝説と呼ばれる水の守護者たる萌えもんの一人であるスイクンが、アキラを護るように立ち塞がっていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き ども、毎度お馴染みの曹長です。 ……うっは、また前後編分割になってもーたww これでも結構尺短くしたんだけれどなぁ……修行が足りない。 今回からはついに舞台をカントー本島へと移し、トキワ編です。 ……と言いましても、ほっとんど活躍できてませんが。 まぁ、相手が悪かったということで。 さて、今回の敵役ですが。 『μ2』と呼ばれている萌えもん、まぁ彼女はご存知の通りミュウツーです。 そして彼女を使役している男、こちらのほうはご存じない方も多いでしょうが……詳しくはストーム7氏のSSをどうぞ。 ええ、ゴーグルシリーズでミュウツー連れて登場する彼と同一人物です。今回の話は、その前日譚の位置づけになります。 毎度のことですが、クロスオーバーさせていただいているストーム7氏に、この場を借りてお礼を申し上げます。 もっと色々と語りたいこともありますが、それはまた後編のお楽しみと言うことで。 それでは次回予告。 謎の萌えもんの前に、パーティ壊滅に陥るアキラ。 寸でのところで助けに入ったスイクンと共に奮戦するも、苦戦を強いられる。 果たして、男の目的は何なのか。そしてアキラとスイクンは『μ2』を打ち倒すことができるのか。 次回、萌えっこもんすたぁ Long long slope 『紅の狂気と純真なる破壊者(後編)』 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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スリーパーの催眠にかかったデルとメリィ。 二人は、最愛の人であるはずのアキラに容赦なく攻撃を繰り出す。 怯えるサイホを庇いながも、打つ手なしのところまで追いつめられるアキラ。 ……救いの手は、突然の竜巻とともに現われたのだった。 『深林の追跡者(後編)』 デルとメリィの動向に気をつけつつ、ゲンはアキラに状況を聞く。 「とりあえず、何があったんだこりゃ」 「俺にもわからない……ちょっと二人が席を外して、戻ってきたら襲ってきたんだ」 「……(コクコク」 「……アキラ君」 「ん、どうした?」 「二人とも……催眠術にかかってる」 「うお……マジかよ」 「何だって!? 催眠術って、眠らせる技じゃ……?」 驚くアキラに、ホウはほんの少しだけ眉を歪ませて更に説明する。 「ボクやゲンの使う催眠術と原理は同じ……ただ、意識を混濁させた後に強力な暗示をかけるとこうなる」 「ま、フツーはんなことできねーけどよ……暗示かけて操るなんざ、よっぽど強えぇエスパーか特別な才能があるかだな」 「……ちなみに、ボクもやろうとすればできる」 「何だとぉっ!?」 「ボクの念力は、どちらかというと精神に働きかけるのが得意だから……」 「……ぜってーやんじゃねーぞ」 「ん……」 「ホウ、二人を元に戻すにはどうすればいい?」 「……基本的に催眠術と同じ。つまり、意識を覚醒させるか気絶させる」 「ってことは、眠気覚ましや何でも治しでいいのか」 「ん、そういう事……!」 「チッ、ゆっくりおしゃべりはさせてくれねーか!」 デルが放ってきた火炎を、ホウはリフレクターを展開して防ぐ。 ゲンはシャドーボールを投げつけるが、デルは軽く回避する。 「おいアキラ!」 「……すまん、今日は傷薬くらいしか持ってきてなかった。戦闘する予定じゃなかったし」 「んなアホなぁっ!?」 「……なら、木の実を探して。カゴの実かラムの実」 「そっか、この森なら……サイホ、行くぞ!」 「……!(コク」 二人は広場を離れ、木々の中へと走っていく。 その背に火炎が襲いかかるも、またしてもリフレクターに阻まれた。 「さーて……倒して気絶させちまっても良いわけだが」 「……そう簡単に行くとも思えない」 「まーな……行くぜ、ホウ!」 「ん……!」 「目標……変更……」 「あはははははははははっ♪」 ゲンのシャドーボールが。 ホウのエアスラッシュが。 デルの火炎放射が。 メリィの10万ボルトが。 広場の中央で激突した。 「これはオレンの実……これはチーゴの実……くっ、早く見つけないと」 「……(キョロキョロ」 背後から聞こえる戦闘音をBGMに、二人は木の実を探していた。 「これも違う……くそ、何でカゴの実だけこう見つからない……!」 「……(くいくい」 「ん、どうしたサイホ」 「……!」 サイホの指差した木。 そこには、お目当ての青い木の実が一つ生っていた。 「カゴの木……よし、でかしたサイホ!」 早速アキラは木から実を採る。 そうして元の広場に戻ろうとした時。 「……あらあら、行かせませんわよ」 「なっ……!?」 行く先を塞ぐように、スリーパーが姿を現した……鼻にちり紙を詰めて。 「……まさかとは思うが、デルとメリィに催眠かけたのは」 「うふふふ……勿論わたくしですわ」 「一体何が目的だ、こんなことをして!」 「目的? そうねぇ……」 少し考えるようなそぶりを見せるスリーパー。 「目的は……可愛らしい女の子に、とびっきり可愛い服を着せて……可愛がること、かしら」 「……(フルフル」 「うふふっ、あの二人は既にわたくしの玩具……最後はその子ですわ♪」 「……!(ビクッ」 「くっ……そうはいくか! 逃げるぞ、サイホ!」 「逃がしませんわよ……!」 「んなっ……!?」 逃げようとするアキラに、スリーパーは金縛りをかける。 走っている最中に突然体が動かなくなり、アキラは派手に転倒した。 その音に、サイホは思わず足を止めてしまう。 「……!」 「止、ま……るな、逃、げろ……木、の実、頼ん、だ、ぞ……!」 「……っ!(タタタッ」 「っ、まさか、木の実を持たせて!?」 「へっ……これ、で、カ、タが……つく……!」 「くぅ……待ちなさい!」 動けないアキラを放置し、スリーパーはサイホを追う……だが、遅かった。 十数秒遅れて、彼女が広場へ飛び込んだ時には。 「デルちゃん、ごめん!」 「っがあ……!」 正気に戻ったメリィが、デルに電撃を浴びせて気絶させた所であった。 そして。 「……ねぇ、そこのオバサン?」 「オ、オバ……!?」 突然のオバサン発言にムっと来たスリーパであったが、メリィを見て言葉が出なくなった。 メリィは、とても優しそうな柔らかな笑顔を浮かべている。 ……が、彼女の体はほぼ全身で放電現象が起きていた。 額と尻尾の珠も、眩しいほどに光っている。 そして何より、目が笑っていなかった。 そしてメリィは、優しい声でスリーパーに声をかけた。 「私たちをお人形にするって……どういうことなのかな?」 「…………」 「言えないの? じゃぁ……私たちを操って、マスターを攻撃するって……何のつもりだったのかな?」 「…………(汗」 「……少し、頭冷やそうか」 「ひっ……」 最後だけ異様に冷たい声で言い放つと、メリィは右手を空にかざす。 スリーパーはその場から退散しようと、背を向けて走り出した。 「……逃がさないよ」 その背中に向けて、メリィは手を振りおろす。 ドォンッ……! 「がは…………!?」 遙か上空から落ちてきた雷にその身を焼かれ、スリーパーは体の所々から煙を吹いて気絶した。 「……ホウ、アレほんとにメリィか?」 「……メリィは怒らせると一番怖い」 「オレも気をつけよう……」 そんなこんなで、アキラ達一行は事件の元凶を断つことに成功したのであった。 攫われていた少女たちも、観念したスリーパーが白状した住処に全員無事で見つかった……多少、服装が派手可愛らしくなっていたが。 そして今、彼らは連絡船で別荘へと戻るところであった。 「……なぁ、アキラ」 「どうした?」 「いや……ソイツ、このまま連れてくのかよ?」 ゲンの視線の先には、アキラのボールホルダーに新しく増えているモンスターボール。 中には事件を起こしたスリーパー……リースが捕獲されている。 怪訝な表情で聞くゲンに、メリィも同意した。 「マスター、私もちょっとどうかなーって思うよ……」 「まぁ、確かに今回犯罪じみた……ってか犯罪行為をやってた訳だけどさ。 でも、話聞いてて根っからの悪い奴って訳でもなさそうだったし。 コイツ、幼い頃からロケット団で育ってきて、常識とかがズレてるだけみたいなんだ。 どうも最近悪事についていけずに脱走して、あの森に住み着いたらしいんだけど」 「つまり何だ、オレ達で矯正しようってワケか?」 「そこまでは言わないけど、野良でいて事件起こされるよりは俺たちと一緒にいたほうがいいんじゃないかと思ってさ。 それにほら、戦闘能力も高いみたいだし」 「……まぁ、マスターがそう言うならいっか。これからは仲間になるんだったら、仲良くしないといけないね」 メリィはそう言うと、リースの入っているボールを見て微笑んだ。 アキラは何故か、腰のボールが震えているような気がした。 「そういや、デルはどうしたんだよ。いつもなら外に出て話に参加してねーか?」 「いや、俺にも訳がわからん。メリィと二人で出ていく前まではいつもどおりだったんだけど」 今ボールから出ているのはメリィとゲンの二人だけであった。 ちなみにサイホは疲れきって、ホウは単純に楽だからという理由でボールの中である。 ……デルは気絶から回復するなり、ボールの中に引きこもってしまっていた。 「もしかして、リースさんが何かしたのかな?」 「だからって、何故に俺を避けて引きこもるんだか……メリィみたいに怒るんならまだ解らないでもないけど」 首をひねる三人。 デルのトラウマになった事件を覚えている、若しくは知っている者は、この場には居ない。 当然、デルが何故こうなったのかを推測するのはほぼ不可能であった。 「まぁ、考えてもわからないものは仕方ないさ。今の俺たちには、待つことしかできない……無理に問い詰めても、傷つけるだけだ」 「だぁな……ま、いくらなんでもメシ時になりゃ腹減って出てくっだろ」 「そ、そういうものでもないと思うけど……じゃ、私が今夜はご飯作るね」 「おう、楽しみにしてるぞ」 と、そこで船は5の島に到着し、彼らは別荘へと戻った。 別荘へ戻ったアキラは、今はそっとしとくべきだと思い、デルのボールを彼女の部屋に置いて自室へと戻る。 ……だが彼女はその夜、夕飯の席に顔を出すことはなかった。 その日の夜。 「……んぅ」 「……う゛ぁー……(げっそり」 ホウは、自室でゲン(搾り滓)を抱き枕にしてベッドでまどろんでいた。 ちなみに毎晩こうしていてはゲンの体がもたないので、三日に一度程度である……搾り滓になるのは。 と、そんな時。 (……て……誰……、……けて……) 「……?」 頭の中にノイズ混じりで聞こえてくる声に気づき、ホウはそれに意識を集中させる。 (……けて……誰か……助けて……) 「これ……」 ホウは念が飛んできた方角に顔を向ける。 その方向は丁度南。場所には最近噂になっていた、私有地に勝手に建てられていたというR印の大型倉庫。 ホウの頭の中で、いくつかの想像が繋がっていく。 「明日、リースに聞こ……」 そう呟くと、再びゲンに抱きついて眠りにつくのであった。 同じ頃、デルの部屋。 デルは、ベッドの上で膝を抱えて座っていた。 「そうでした……私には……」 虚ろな瞳のまま、彼女はぽつぽつと呟く。 「お兄ちゃんの……ご主人様の傍に居る資格なんて……無い……」 幼き日の彼女の思い出。 大切な人に執着するあまり、大切な人を失いそうになった記憶。 「また私は……同じ、過ちを……ご主人様を……やはり、私は……」 デルはベッドから降り、窓を開けて月を見上げる。 その瞳には、悲しい決意が浮かんでいた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き どもこんばんわ、今回はちょいとばかし早めにできました曹長です。 ……なんでこうテストが近づいてくると筆が進むんだろうか(ぇ ということで、今度こそは解決編こと後編をお送りいたしました。 ……うん、解決どころかまたしても問題がry ってかこの程度の長さで済むんだったらまとめた方が良かったかのぅ。 とまあそんなことは置いといて(ぇ、またしても新しい仲間が増えました。 今度は年上のオバs……お姉さんだよ! ・リース(スリーパー♀) 木の実の森に住み着いて悪さをしていたスリーパー。人間の年齢にして29歳相当。 森林浴に来ていたデル、メリィ、サイホを気に入って攫おうとするが失敗し、アキラに捕獲された。 幼い頃からロケット団に所属していたせいか、倫理観や常識が多少ズレている。 ただし根っからの悪人ではなく、預けられた先での幹部の悪逆非道に付き合いきれずに逃げてきたという一面も。 筋金入りのロリコン・ショタコンであり、かわいい子にかわいい服を作って着せるのが趣味。 ・外見的特長 身長168cm バストサイズ:C 3サイズ:89・67・90 身長高め、ただしヘル姉とかと比べてスタイルは控えめ。 最近腰周りがふにふにしてきたのが気になるらしい。 金髪黒目で、服装はふわふわの襟巻きのついた黄色のワンピース。 さて、思いつめるあまりアキラを避けるデル。 そして、ホウの受信した謎のSOS。 一人では手の回らないアキラに、最強の助っ人が手を差し伸べる。 次回、萌えっこもんすたぁ Long long slope 『囚われし水の君(前編)(仮)』 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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ここは萌えっ娘もんすたぁ掲示板の萌えもんでSSに投下されたSSを保管するところです。 読んで感想をもった人は現行スレにでも書き込んであげましょう。 現行スレ 【お前の愛を】萌えもんでSS その5【書かないか】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/40372/1201306339/l50 4スレ 【今この瞬間は】萌えもんでSS その4【嫁こそが全てだ!】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/40372/1199862335/l50 3スレ 【カイリュー】萌えもんでSS その3【はかいこうせんだ】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/40372/1197714694/l50 2スレ 【151の嫁】萌えもんでSS その2【無限大の婿】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/40372/1197300061/l50 1スレ 萌えもんでSS http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/40372/1196863891/l50 萌えもんとは何か、については本家wikiを参照 編集する前に編集ガイドライン(仮)をご覧ください。 スレッド内でリレーSSが展開されています。詳しくはこちら チャットもできました。 2008/10/1付をもちまして、引越しいたしました! 旧チャットは使用できなくなったので、ブックマークをされている方は変更をお願いします。 いままで - 人の方が妄想の世界へ旅立たれ 今日来た - 人の方は帰ってきませんでした コメント 更新履歴やら雑談やらにお使いください 小ネタのページが縦に長く、見づらかったので#contentsを試験的に実装してみました。 -- (A) 2008-08-14 14 25 03 小ネタまとめ2が容量限界に達したので3を作成しました。以後追加はそちらに。あと一度レイアウトの関係で失敗したので、そちらのページには触れないようお願いします。申し訳ありません。 -- (A) 2008-09-09 23 23 35 チャットの方を10/1付をもちまして引越しいたしました。上記にも促しておきましたが、改めてブックマークの変更等宜しくお願いいたします。 -- (チャット管理人) 2008-09-30 22 28 54 これよりまた、管理業務を再開したいと思います。此処最近全く来れず、沢山の人に迷惑をかけてしまい申し訳御座いませんでした。 -- (保管庫管理人) 2008-10-18 19 55 56 ジャンル別まとめの1スレ分の纏めを行いました。まだ作者などの情報を入力していないので、後日入力したいと思っています -- (名無しさん) 2009-03-12 20 32 45 追記 ジャンル分けの方法は個人的に見た感想なので、訂正などをしてくれるとありがたいです。 -- (名無しさん) 2009-03-12 20 33 47 ・ページ作成失敗しました。 866 870 871 872 の頭に5スレが抜けてしまってます。編集できる方修正お願いします。 -- (名無しさん) 2010-12-15 00 34 16 とりあえず新規ページで名称が正しいのを作成しました。削除できる方間違えたほうの削除お願いします。 -- (名無しさん) 2010-12-15 00 44 52 ページ作成ミスりました。5スレ 887-1、5スレ 887-2ですが正しくは5スレ 888-2、5スレ 888-2でした。 -- (名無しさん) 2011-05-01 23 55 13 正しいものは作成しますので誤りの887の二つを削除願います。 -- (名無しさん) 2011-05-01 23 55 47 名前 コメント すべてのコメントを見る
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セキエイ高原。 カントーとジョウトの間に位置する、二つの地方のジムを統括する萌えもんリーグ本部が存在する地。 そこでは今、今年度の萌えもんリーグ本戦が開催されている。 そしてアキラ達はその様子を、トキワシティの萌えもんセンターからテレビで観戦していた。 『タビノオワリ(前編)』 『皆様、健闘した二人のトレーナーに、大きな拍手を!』 「あー、アカリちゃん負けちゃった……」 「仕方ありませんよ、彼女は元々燈台守の萌えもんなんですし。クリムさんのところの方々とは実戦経験が違います」 「それにしてもクリムの奴、ヤマブキの時から比べて明らかに腕を上げたな」 「ん……今ボク達が戦ったら負けるかも」 四者四様の感想を抱きつつ、惰性で次の試合も観戦する四人。 ここはセンター付属の病棟の一室。 重傷を負ったまま旅をするのも危険なため、アキラは最低限回復の目処が立っている三人が完治するまで、トキワに留まる事を決めていた。 なお、ゲンは既に回復して今は買い物……主にホウのおやつ……に出かけている。 リースは個人的な買出し、スイクンは気晴らしにカントーを回ってくると言い残して失踪。 そして…… コンコン 「失礼します」 「あ、ユキメさん。すみません、お仕事も忙しいでしょうに」 シオンタウン警察に所属するユキメノコ族のユキメ。 彼女はアキラの連絡を受け、助っ人としてはるばるトキワまでやってきたのだった。 「いいえ、構いませんわ。それよりも……お三方のお怪我の具合は如何ですか?」 「幸い、後遺症が残るような怪我じゃありませんよ。ただ……」 「何か、あったのですか?」 「ええ……ちょっと、別の子が」 そこで言葉を切るアキラ。 ユキメはそれで何となく事情を察したようで、それ以上は何も聞かなかった。 と、そこで再び扉が開く。 「しっ、しつれいしますっ!」 「ん、君は……?」 そこに立っていたのは、クリーム色のTシャツにモスグリーンのサファリパンツをあわせ、大き目のグリーンのベレー帽を被った小柄な少女……否、少年だった。 「え、ええと……先日、タマムシ大学病院を退院して、ここに向かうように言われたんですけど」 「……ああ!じゃあ、君がリースに保護されたキノガッサの」 「はい!助けていただいてありがとうございました!」 「いいって、気にするな」 元気良く挨拶するキノガッサの少年。 心の中で「俺が助けた訳じゃないんだけどなー……」と思いつつ、アキラは少々複雑そうな顔で頭をなでる。 「あ、そういや名前まだつけてなかったな」 「そういえばそうですね。顔を合わせるのは初めてなので当たり前かもですが」 「んー……じゃあ、ノッサ。お前の名前は、ノッサだ」 「はい!ありがとうございます、マスター!」 本当に嬉しそうに、少年……ノッサはにこにこ顔で礼を言う。 ……と、そこで後ろで様子を伺っていた女性陣が身を乗り出してきた。 「あ、この子がリースさんが気に入って攫ってきちゃった子なんだ」 「確かに、女の子みたいな可愛らしさですね……」 「……おいしそう」 「ホウちゃん?」 「冗談……」 「え、え、え、えーと……」 女三人寄れば何とやら。 ノッサに興味津々の彼女らに囲まれ、彼は軽く縮こまっていた。 それがまた興味をそそり……以下略。 結局このループは、目を回しだしたノッサを見かねたアキラが止めるまで終わることは無かったのだった。 それから数日の間、リーグは何事も無く試合を消化していき、ついに激戦を勝ち抜いた四人のトレーナーが、四天王に挑戦する日がやってきた。 そして始まる第一試合、カンナVSクリム。 その最中、事件は起きた。 突如爆発するフィールド。 それによる土煙が収まった後に映し出される二つの影と、上がる雄叫び。 『―――――――ッ!!!』 何事かとロビーのテレビに群がる他のセンター利用客。 次の瞬間、カメラが破壊されたのか砂嵐になる画面。 そんな中、アキラは息を呑んで固まっていた。 「まさか……あいつは」 「ご主人様、あれはこの前の……!」 「あ、あ、ああっ……」 「……怖ろしい」 「クソッ……思い出すだけで手が震えてきやがる!」 「み、皆様……アキラ様、一体何があったのですか?」 先日の悪夢を知らないユキメは、疑問を投げかける。 その問いに、アキラは。 「奴は……奴は、悪魔だ……!」 そう、搾り出すようにして答えるのがやっとだった。 十数分後。 未だにざわつきの収まらないセンターの自室で、アキラは一人テレビのチャンネルを回していた。 どのチャンネルでも、セキエイで起きたテロ(?)の件で持ちきりである。 しかしそのどれもが、事件が起きたということのみで続報が入ってこない。 そのまま時間だけが過ぎていき、諦めてテレビの電源を落とした時だった。 外から、人の悲鳴が聞こえてきたのは。 「きゃあーっ!!!」 「うわあー!!!」 「た、助けてくれえええええ!」 「な、何だ!?」 「アキラ様!」 「ユキメさん?一体何が」 「それが……兎に角外へ。百聞は一見にしかずと言います。ご覧になってください」 「わ、わかりました」 そしてそのまま、センターの正面玄関から外へ出ると。 「なっ……」 そこは、地獄だった。 空はスピアーの群れが飛び交い、陸はピカチュウやコラッタ、ニドランが血走った目で人間に襲い掛かっている。 臆病なポッポや無力なキャタピー達でさえ、視界に入った人間に攻撃を加えていた。 「つい先ほどから、野生の萌えもん達が手当たり次第に人間を襲い始めたのです」 「くそっ、何がどうなってるんだ」 「今、ゲン様とリース様に手伝って頂きながら近隣の避難施設へ住民を誘導しておりますわ」 「ユキメさんは? こんなところで俺とのんびり話してる場合じゃ……」 「アキラ様には、私とノッサ様と一緒に逃げ遅れた住民の救助をお願い致します。よろしいでしょうか?」 「……ああ、任せろ! 行くぞ!」 「ま、待ってマスター!」 アキラがいざ外へ向かおうとしたその時。 それぞれの部屋からデル・メリィ・ホウの三人が飛び出してきた。 「マスター、私達も戦うよ!」 「ユキメさんとノッサさんだけでは危険です、私達も!」 「お前ら……ダメだ、連れてはいけない」 「どうして? 戦力は多いほうがいいよ!」 「バカ、よく考えろ! お前らその重傷でどうやって戦うつもりだ!」 「車椅子でも、炎は出せます!」 「私だって、手が使えなくても電気は出るもん!」 「ボクも……空は飛べないけど、壁を張るくらいなら」 そう言って食い下がる三人に、アキラはゆっくりと首を振った。 「……ダメだ、連れては行けない。今のお前達じゃ足手まといだ」 「そんな……マスター、酷いよ」 「じゃあ、それじゃ私達はここで指を咥えて見て居ろと仰るのですか!?」 「違う、よく聞け。どうしても戦うって言うなら……お前達はここ、萌えもんセンターの防衛を頼む。ここを抜かれたら後は無い……頼めるな?」 「……アキラ君」 「ご主人様……わかりました。仰せのままに!」 「うん、マスター……酷いって言って、ゴメンね」 「良いって、わかってくれれば……それじゃ皆、頼んだぞ!」 三人の頭をそれぞれ撫で、アキラは立ち上がってノッサを呼び出す。 「じゃ、行きましょう」 「ええ……!」 「ノッサも、いいな?」 「は、はい!」 こうして、三人は怒号飛び交う市街地へと走り出していったのだった。 その後、粗方救助を終えた三人は別に動いていたゲンやリースと合流。 町の入り口に防衛線を張るため、有志のトレーナー達……といっても、殆どが現地の少年少女である……と共に戦っていた。 「はっ、とぅっ、せいっ!」 ノッサは最前線で跳び回り、小柄な体に似合わぬパワーで敵を駆逐し。 「北風よ……舞う者全てを凍て付かせたまえ!」 ユキメは空に群れている敵を纏めて凍りつかせ。 「全くっ、おちおちカワイイ子探しもできやしませんわっ!」 リースはぶつくさ文句を言いながらも念力で味方のフォローをし。 「ここから先を通りたけりゃ、このオレを倒してから行きやがれえええええええっ!!!」 ゲンは鬼気迫る勢いで、向かってくる敵をなぎ倒していた。 そしてアキラは一騎当千の働きをする四人を好きに戦わせ、有志のトレーナー達を指揮していた。 「うわああああっ!」 「も、もう持たない!」 「くっ、無理するな! 戦える手持ちが一人になったら引け!」 「でも、引いたら街が……」 「そこの穴埋めはどうとでもなる! だけど、トレーナーがやられたら取り返しはつかないんだ!」 「うっ……わ、わかりました」 アキラの気迫に圧され、少年は気絶した手持ちを戻してセンターへと駆けていく。 それと入れ替わるように、センターから別の少年が出てきて参戦した。 「アキラさん、戻りました!」 「よし、それじゃさっきの彼が抜けた所に入ってくれ」 「はい。ところで、戦況はどんな感じなんです?」 「それがあんまり芳しくないんだ。この辺……西側では押してるけど、南と北が徐々に押されてる」 アキラの手持ちが暴れている西側の入り口では、もう街の外まで押し返す勢いで戦線が上がっていた。 しかし、北側はトキワジム付近、南側はセンターのほぼ目の前まで戦線が下がってきている。 しかも南側の戦線がそこで止まっているのは、怪我を負ったままのデル達の活躍による所が大きい。 普段はトレーナーハウスに居る腕自慢たちは、皆セキエイへ行ってしまっている。 残っていた子供達では、圧倒的に戦力が足りていなかった。 どうにかしなければ、とアキラが考えた時だった。 「マスター、一人抜けて……!」 「えっ?」 リースの声に振り向いた時、アキラの視界に写った物。 それは、巨大な針を構えて一直線に降下してくる一人のスピアーだった。 その不意打ちじみた攻撃に、一瞬体が竦む。 「アアアアアアアッッッッッ!!!!!」 「しまっ……!」 避けられない、そう思ったアキラは咄嗟に腕で防御する。 が、アキラに攻撃が届くことは無かった。 「……ラプラス、冷凍ビーム!」 「はい!」 「ガァッ……!?」 何処からとも無く撃ち込まれた冷凍ビームによって、スピアーは弾き飛ばされ氷の彫像と化した。 そして、現れる二人の人影。 それは。 「あなたは……まさか」 「久しぶりね、アキラ君。貴方が去年のリーグに挑戦して以来かしら?」 「カンナさん!?」 萌えもんリーグ四天王の一人、氷のカンナとパートナーのラプラスであった。 その後、面制圧を得意とするカンナの手持ち達が北と南の戦列に加わり、戦線は街の外まで押し上げられ、日の入りと同時に野生の萌えもん達は撤退。 それでも、街の外周から中部付近にある建物の被害は甚大であり、中心部はさながら難民キャンプの様相を呈していた。 アキラは手持ち達をセンターに預けると、人ごみから外れた所にある瓦礫に腰を下ろし、夜空を見上げた。 途中で買ってきた温かい缶コーヒーを開け、一息つく。 「ふぅ……」 「……隣、いいかしら?」 「え……ああ、カンナさん。どうぞ」 少しだけ離れた場所に、ありがとうと言いつつ腰を下ろすカンナ。 そのまま、数分の間お互いに何も言葉を交わさずに時間だけが過ぎていく。 ……先に口を開いたのは、カンナの方だった。 「去年私と戦った時と比べて、随分と腕を上げたようね」 「……そんなこと、無いですよ」 「あら、謙遜は良くないわ。日中だって、よく周りを見て指示ができていたじゃない」 「カンナさん程じゃないです」 「そうかしら? もうそろそろ、私といい勝負ができそうだと思っていたのだけれど」 「……買いかぶりすぎですよ。俺には……四天王程の才能は無いっすから」 そう言って、アキラは飲み終わったコーヒーの缶をゴミ箱へと投げ捨て、話を続ける。 「俺に才能があれば……デル達に、あんな怪我させなくて済んだんだ。俺の力が足りないせいで……」 「……アキラ君、ちょっといいかしら」 「はい……?」 なんと無しにカンナの方を向いたアキラ。 その頬に、彼女の平手が飛んでいた。 パンッ 「……っ! 何すんですか!」 「貴方……私のことを愚弄してるのかしら?」 「一体何を……」 「貴方と『奴』の戦い……見せてもらったわ。証拠品として提出されていた、バトルレコーダーの記録でね」 「……それが、どうかしたんですか」 「貴方は、一戦は手加減されていたとはいえ『奴』を二度も戦闘不能の状態まで追い込んだのよね」 「……」 「確かに、二度とも最後の詰めが甘くて復活を許している……けれど、競技者たる萌えもんトレーナーとして、これは仕方の無いこと」 「仕方の無いことって……!」 「そうではなくて? この場合、貴方に欠けているのは『戦士』としての才能……あんな化け物を二度も倒しておいてトレーナーの才能が無いなんて、馬鹿げてるわ」 「そんなこと言われても……」 「そもそも、これで貴方にトレーナーの才能が無かったのなら……『奴』に為す術も無く全滅させられた、私や彼はとんだ無能ということになるわね」 「そんな事言ってな……って、四天王でも倒せなかったんですか!?」 「一応、ワタルのお陰で撤退はさせられた……いいえ、見逃してもらったようなものか」 「それじゃ、奴はまだ」 「健在よ……今夜辺り、討伐のためにトレーナーを送るって言ってたわ。これでケリがつけば、次の襲撃は無いわね……ともかく」 カンナは立ち上がり、数歩歩いて振り返って言った。 「才能無い訳じゃないのだから、力不足だと感じたなら努力なさい。そうね……どこか、ジムにでも入ってみるのをお勧めするわ」 「ジム、ですか」 「そうよ。旅をして見聞を広めながら力をつけるのも良いけれど、貴方は一度腰を据えて戦い方を学ぶべきね。競技ではなく『実戦で勝つ』ための戦い方を」 「『実戦で勝つ』ための、戦い方……」 「……それじゃ、一足先に休ませてもらうわ。貴方も……明日襲撃があるといけないから、早く休みなさい」 そう言い残し、カンナはその場を立ち去った。 残されたアキラは、再び空を仰ぐ。 西の方から、炎を纏った萌えもんが夜空を切り裂いて消えていった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き ども、毎度お馴染みの曹長です。 今回の話はストーム7氏のゴーグルシリーズ『Rast Revenge 5』の裏側のエピソードです。 それにしてもサブタイトルがとんでもないネタバレである(ぇー さて、助っ人で参戦のユキメに加え、新たに女性陣の玩具(違)ノッサが登場。 待望(?)のショタっ子枠、彼は今後どう活躍するのか!? ・ノッサ(キノガッサ♂) ロケット団に売り物として捕らえられていたキノガッサの少年。人間の年齢にして10歳相当。 強制進化装置と洗脳装置の実験台とされ、延々と胞子を撒いていた所をリースに攫われた(ぇ 素直で活発な性格。実年齢よりは大人びているが、まだまだ子供。 強制進化による障害として、ポイズンヒール発動による性格反転と体の成長の停止という問題を抱えている。 ・外見的特長 身長139cm 年齢相応だが、ぱっと見少女に見間違える程華奢かつ女顔。 肌も白く、全体的に中性的を通り越して女っぽい。 茶髪緑目、服装はクリーム色のTシャツにモスグリーンのサファリパンツ、大き目のグリーンのベレー帽。 それでは次回予告。 復興していくトキワシティ。 時を同じくして、徐々に快復していく仲間たち。 カンナの言葉と彼らの想いを受け、アキラは一つの決心をする。 次回、萌えっこもんすたぁ Long long slope 『タビノオワリ(後編)』 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。