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『出口がない』 『俺の艦隊がこんなに狂信的なわけがない』 『雲外鏡』 『慢心ダメ絶対』 『ブロンドVSブルネット』 『ラバウル基地の艦娘たち』 『吹雪篇』 +同作者別SS ・『長門と朝寝』 ・『長門と白い服』 コメント 最新の30コメントを表示しています。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9) book_bunko_img09.png 著者/伏見つかさ イラスト/かんざきひろ 定価 578円 今度の『俺の妹』は“それぞれの視点”で描かれる特別編! さらには意外なコラボも!? あのルリ姉に──好きな人ぉ? どーせ脳内彼氏でしょ? (8)巻の顛末を黒猫の妹・日向の視点から描いた『あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使』。腐女子の妹を「世界一可愛い」と豪語する、もうひとつの“残念な兄妹”の物語『俺の妹はこんなに可愛い』。いくつもの“顔”を持つ沙織・バジーナの“ルーツ”に迫る『カメレオンドーター』。桐乃に“トラウマ”を植えつけた瀬菜の恐るべき行動とは?『突撃 乙女ロード!』。お兄さんが彼女と別れたのって、もしかして……私のせい? あやせのフクザツな乙女心と、加奈子のライブ楽屋裏の一幕『過ちのダークエンジェル』。ほか『真夜中のガールズトーク』『妹のウエディングドレス』2本を収録! さらにはアニメOP主題歌を担当した「ClariS」とのコラボが実現! 原作の主題歌『nexus』の発売や、作中に「ClariS」の二人が登場するなど驚き満載の特別編!!
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(10) book_bunko_img10.png 著者 伏見つかさ イラスト/作画 かんざきひろ 価格 本体590円 + 税30円 好評発売中(2012年4月10日発売) ISBN 978-4-04-886519-7 判型 A6判 ページ数 360 黒猫vsあやせ!? 意外な組み合せに注目な人気シリーズ最新刊! あのバカがしばらく一人暮らしをすることになった。受験勉強に集中するためってのと、あとひとつ、お母さんが最近あたしと京介の仲がよすぎることを変に疑ってるらしい……。あたしと京介がそんな関係に──なんて、あるわけないじゃん! で、まあ、責任の一端は、ちょっとだけあたしに……あるみたいだし、あいつもどうせコンビニのお弁当とかばっか食べそうだし、仕方ないから、あたしが面倒見てあげようかと思ったんだけど……。 ちょっとあんたたち、なに勝手に京介の家で引越し祝いパーティ開こうとしてんの!? 発案者の地味子はいいとして、黒いのに沙織に、あやせに……加奈子まで! ていうか、あんたたち知り合いだったの!? えっ? 地味子と仲直り? そんなのあとあと! あーもー、ひなちゃんは言うこと聞かないし! こんなんじゃ京介が勉強に集中できないじゃん!
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) book_bunko_img11.png 著者/伏見つかさイラスト/かんざきひろ 定価 620円 TVアニメ第2期製作決定! 大人気ドラマチックコメディ、待望の第11弾! 「あの頃のあたし───お、お兄ちゃんっ子だったの」 引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた俺と桐乃。話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていって…… 「仕方ないことなんかなぁ、この世に一個だってねーんだよ!」「学校に行ったら負けだと思っている」「その謎のペットボトルは……まさか……おまえ禁断の行為を……!」 『凄いお兄ちゃん』なんて、最初からいなかったんだよ」「そんなことで、お兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃん」 「だから。あたしは、あんたのことが嫌いになったんだよ」 兄妹冷戦の真相が、ついに明かされる。重要エピソード満載の最新刊!!
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ここが加奈子の部屋かー マンガなんかではよくある初めて上京した地方人のように 周りを見渡しては、その新鮮さにハァ…とかふぅ…とか感嘆を漏らす。 来栖家に訪れたことはあったが、前は部屋までは上がらなかったからなぁ。 「入口に突っ立ったままで、なに呆けてんの」 飲み物と菓子を乗せた盆を手に部屋の主がやって来る。 手は塞がっているので、半開きの戸を小笠原流で器用に開きながら。 「はしたない」 「カノジョの部屋に入って第一声がそれかよ? 他にあるだろ、せめて用意してきた飲み物に礼を言うとかさ」 「そりゃそうだ。サンキュー」 盆ごと受け取って近くのテーブルに下ろすと、クッションをホイと寄越された。 察するに座布団代わりということらしい。 「そのしれっとした顔、すっとぼけた感じが癪だなぁ……こっちは結構緊張してたってのにさ」 「そ、そういうものか?」 「前に言ったっしょ。男が女を部屋にあげるのとはニュアンスが違うんだって」 言わせんな恥ずかしい、と小声で続ける加奈子。 思わず、抱き締めたいなマイハニー!という衝動に駆られるが、今はまだ紳士たらんと理性を総動員。 その後は、持ってきてくれた麦茶を飲みつつ、なんてこたない雑談に興じる。 ハンガーにかけられた服を可愛いと言えば、いま狙ってる似合いのボトムスがあるから買って欲しいとせがまれ。 CDラックにウチにないポップスを見かけて話題にすれば、貸してやるから聴いて気に入ったら新譜を買って(ry 「お前、彼氏を財布あつかいすんのも大概にしろよ…」 「四の五の言わない。これぐらいで加奈子を独占できるんだから、安い買い物じゃん。 京介があんまり渋るならいつかみたくナンパ待ちでもしようかな~?」 と、ろくでもない事をサラッと言うので さすがに聞き捨てならず、加奈子を掴まえて言い聞かせる。 「そういう冗談は、好かねえ」 「あ、ウソウソ。本気にすんなってば」 釘をさす意味で怒った風を強調してみたつもりだが、 所詮装いなのは筒抜けだったのか、加奈子は慌てた様子もなく笑みすら浮かべている。 「しないから、もうあんなこと。アタシにはもう京介って彼氏がいるんだし。安心していいよ」 屈託なく笑い、躊躇いもなく抱き着いてくる彼女はこの上なく愛らしい。 俺が折角なけなしの節制を振り絞ったというのに。 こうもアッサリ動揺させられるとは… 「あのなぁ、自分ちの中だからって無頓着すぎだ。いくら俺でもその気になりかねんぞ」 「いいよいいよ。むしろカモン? 家に上がるとき、家族は留守にしてるってちゃんと言ったじゃん」 確かに言ってたな…… 例によって、これなんてエロゲ?的な思考が走ったのを覚えている。 「あほ。それならこっちこそ言った筈だ。お前が高校出るまで一線は越えないってな」 「え~、これだけ御膳立てしてもまだ意地張っちゃってんの。カタイんだって京介は」 両想いの恋人なんだから欲望に忠実になっちゃえば、と煽る加奈子。 こいつがこんなだと余計に、俺がブレーキかけなくてどうするって意識が働く。 この通り加奈子の積極性が優勢で甚だ頼りない決意ではあるが… 「今は我慢しとけっつーの。お前のこと大事に思ってるからこう決めたんだ、わかれ」 「言ってる意味はわかるけど。それならそれで『加奈子のこと大事に思ってる』のを態度で示してくんない?」 ぶっちゃけ欲求不満なんだよねー、と絡んでくる加奈子。 これじゃあムードもへったくれも無いなと苦笑を誘われ、 同時にここは彼氏として相応に応えてやるべきかという気持ちが湧く。 「わかったよ、ホラこっち来い」 「ん」 改めて加奈子を抱き寄せる。数日ぶりの、恋人の距離だ 「寂しい思いさせてたなら、悪かった、気付いてやれなくて」 「謝んないでいーよ。加奈子のが、その…欲しがりなんだろーし…」 「かもな」 俺たちはごく自然に口付けをかわす。 陶然と薄目になった加奈子の唇に舌を滑らせると、繋いだ手に小さく震えが走った。 そのまま、上気した頬に逆の手を添えて軽く撫でる。 それを合図に加奈子も両手を俺の首の後ろへ回してきた。 開いた唇を交差させるようにして口内で貪りあう。 互いを求めてより強く抱き寄せる腕の感触と、荒い呼吸に時折混じって漏れ伝わる声が俺たちの全てだった 理性の「り」の字までかき消えてしまう前にと、辛うじて踏みとどまり顔を離す。 一瞬、二人の間に名残惜しむように唾液が糸を引いた。 未だ焦点の定まらない目をこちらに向ける加奈子の、てらてらと艶かしく光る唇をハンカチで拭いてやる。 じきに落ち着きを取り戻してきた加奈子が俺の胸に顔を埋めて呟いた 「ちょーしあわせ……頭ヘンになっちゃう、ね……」 「あぁ。俺も幸せだよ、加奈子」 「でも、足りない。もっとして。京介…」 「ちょtt」 結局この日俺たちは指折り数え切れないほどキスをして、 同じくらいかそれ以上に「幸せ」「好き」と睦み言を交わし、 陳腐な言い方になるが時の経つのも忘れて愛し合った。 それでもどうにか据え膳食わずを貫いたのが少し不服だったようだが。 帰り際、絶対にあと三年ももたせないんだからと宣言する加奈子に、敗北の予感が脳裏をよぎる。 俺の彼女がこんなに小悪魔なわけがない おわり
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257382677/871-873 俺の幼馴染がこんなに不人気なわけがない 最近のきょうちゃんの様子がどこかおかしいのは気付いていた。 小さな変化は結構前からあって、ちょうど一年前ぐらいからだった気がする。妹の桐乃ちゃんに『人生相談』を持ちかけられて、それを解決しているうちに少し険悪だった兄妹仲が改善されたらしい。 それ以来どことなくきょうちゃんはいろんな人に優しくなった気がする。元からお節介焼きで優しかったけど、それがさらに二割から三割増しぐらいで優しくなった。 それと「お兄ちゃん」って呼ばれてみたいらしい。三年生に進級する少し前ぐらいにきょうちゃんの家で、ぱそこんの画面に映っていた可愛らしい女の子の絵にもそう呼ばせていた。きょうちゃんは全力で否定してたけど、これも兄妹仲が良くなった影響なんだろうなぁ。 桐乃ちゃんがアメリカに行ってからは、きょうちゃんは「気にしてねぇよ。むしろせいせいすらぁ」と強がりを言っていたけれど、やはり少し元気を無くしてしまっていた。 こういうときこそ幼馴染の私が少しでもきょうちゃんの心の穴を埋めれれば良いのになぁ……と、あのとき私はそんなことを考えていた。 でも、その役目は、どうやら素敵な先約がいたらしい。いんたーねっとで知り合ったお友達で、同じ高校の後輩となった黒猫さん(本名は五更さんというらしい)にスポットライトは当てられた。 それから数ヶ月、私が気付いた時にはいろんなことが変わっていた。 きょうちゃんは三年生という時期になったというのに部活に入ったそうだ。 黒猫さんと同じ部活動で、げーむ研究会だそうだ。機械が苦手な私には全く何をするのか想像出来ないが、ときおり聞かされる話によると何やら大変面白いらしい。 その代わり、私ときょうちゃんがいっしょに下校する回数は減ってしまった。 放課後は部活動だけでなく、黒猫さんの掃除のお手伝いをしてあげたこともあった。 どうも黒猫さんがクラスで打ち解けていないらしくそれが心配なようだ。私も心配だったので黒猫さんのために手伝ってあげた。 その代わり、私がきょうちゃんに図書館で勉強を教える回数は減ってしまった。 休日も黒猫さんとよく会っているらしい。げーむを作って、それをお披露目する発表会があるため、そのげーむのでばっくという作業をやっていたとのこと。 きょうちゃんは休日返上でお節介を焼いていて、やっぱり優しいなぁと思った。 その代わり、私の家にきょうちゃんが遊びに来る回数は減ってしまった。 黒猫さんと遊んでいるときょうちゃんは本当に楽しそうな顔をしている。私にもたまに微笑みかけてくれるけど、それとはどこか違う心底楽しそうな笑いを黒猫さんには見せている。 私は幼馴染。だからきょうちゃんの隣に私が居るのは当たり前の日常のこと。 黒猫さんは……。 これは多分、きょうちゃんの隣に黒猫さんが居るのは特別な非日常のことなのだ。 きょうちゃんにとって私の存在は普通であって、決して特別な存在ではない。 ここ数ヶ月ばかり、そのことをひしひしと我が身に感じていた。 隣に居ると安心して、とっても地味で、気を置かないで話ができる幼馴染の女の子。 それが私の限界なんだと。きょうちゃんの中で存在する私の限界なんだと。 そんなことを考え感じていたここ最近であったが、ついに私は私の限界を現実に突きつけられる光景をこの目で見てしまった。 忘れもしないあの日の校舎裏。時刻は三時半だった。 アメリカに居る桐乃ちゃんから来ためーるを見てから、どこか顔色が悪くなって、 私の携帯電話を借りてあやせちゃんに電話をした後に、「ヤボ用ができた」と言って一人で学校へと戻っていったきょうちゃん。 私はそのまま家に帰ろうと思ってたけど、どうしてもきょうちゃんが気になってしまった。めーるを見たあとに垣間見たきょうちゃんは、どうにもただならぬ様子だったからだ。 私はきょうちゃんの後を追って学校に着き、下駄箱にきょうちゃんの靴がないのを見て屋外に居るのだろうと思いきょろきょろと校舎外を探し続け、校舎裏できょうちゃんともう一人の人影が見えた。 もう一人の人影が黒猫さんであることがわかるぐらいまで近づいたそのとき、私はまるで鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を受けた。 好奇心から後をつけようなどという卑しい気持ちは無く、ただ純粋に心配で追いかけていっただけなのに。 好奇心から隠れて覗こうなどという卑しい気持ちは無く、ただ偶然にもその光景を見てしまっただけなのに。 きょうちゃんのピンチに私が颯爽と現れて助けてあげれば、今までみたいに私の相手をもっとしてくれるようになるかもしれないなどという卑しい気持ちは無く、ただ、ただ、ただ。 本当に、ただ本当に、きょうちゃんの助けになりたかっただけなのに。 私の見間違いで無ければ、黒猫さんはきょうちゃんの頬に背伸びして口付けをしていた。 このっ……、このっ……、このっ………………! 泥棒猫ぉッ……!! こんな汚い言葉を、今すぐに叫んでしまいたいほどの衝動に私は駆られ、それでも何とかその衝動を押さえつけ私はその場から駆け足で立ち去っていた。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257382677/739-746 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第028回 木曜の夜、俺は自室のPCでネット検索をしながら桐乃が来るのを待っていた。 明日の祝日から三連休だ。今晩から日曜日の夕方まで加奈子は我が家で過ごすことになっている。本来加奈子は多忙らしく、こんな機会はなかなか無いと桐乃は言っていた。 桐乃に事前に与えた指示は三つ。一つ目は加奈子を桐乃のベッドに寝かせ、桐乃は床に敷いた布団で狸寝入りをして加奈子が寝込むのを待つこと。拘束する為にはベッドの方が都合がいい。動きさえ封じてしまえば存分に好きなことが出来る。 二つ目は酒に興味が出るように会話を誘導して実際に飲ませ、酔わせた上で眠らせること。これは拘束している間に目を覚ました場合を考え、前もって抵抗する力と意識を弱めておく為だ。その後も協力してもらう予定の桐乃には、一緒に飲む振りをしてろと命じてある。 三つ目は栄養剤などと理由を付け、予め避妊薬を飲ませておくこと。ちなみに桐乃にも麻奈実にも毎日薬を飲むように言いつけてある。調教が上手くいけば、加奈子にも先々そうさせるつもりだ。但し、月に一週間ほどは薬を飲まずに生理期間を作る必要があるらしい。 そういう訳でネット上のアダルトサイトや淫具の通信販売サイトなどを見ながら、加奈子の調教計画を見直していると、待望のノックの音がした。 「入っていいぞ」 言葉を受けてドアが開き、パジャマを着た桐乃が姿を見せた。 「寝たみたい。多分、大丈夫」 「じゃあ、始めるか」 俺はパジャマと下着を脱いで全裸になると、クローゼットからバッグを取り出した。中には必要な品々が入っている。 「お前も裸になって付いて来い」 「うん、判った」 微笑みながら服を脱いでいく桐乃の顔には、親友を罠に嵌めたことに対する罪悪感の陰はない。俺に犯されるのが加奈子の為だと本気で思っているようだ。しかし途中で気が変わられても困る。念の為にもう一押ししておくか。 「その前に、まずお前を可愛がってやる。ドアの鍵を閉めて、ベッドの上で四つん這いになれ」 桐乃は嬉しそうに笑って扉を閉めて鍵をかけ、指示通りに尻を差し出してきた。見れば、もう秘所を濡らしている。 「じゃあ、挨拶からだ」 「うんっ。桐乃の濡れ濡れオマンコに、勃起オチンポ入れて、好きなだけオチンポ汁出してくださいっ」 俺は薄く笑いながら、陰茎を桐乃の膣口に押し当てた。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第029回 「ふえっ? あにこれ? え? 桐乃? あにこれっ?」 ベッドの上で全裸に剥かれた加奈子が、その傍に同じく全裸で立つ俺と桐乃を見比べて声を上げた。俺の勃起した陰茎に怯えることも忘れているようだ。両手足首に付けた手錠を通してべッドの支柱へと繋がれ、仰向けになって大の字に固定され、薄い胸も無毛に近い秘所も丸見えになっている。幼い身体つきだろうとは思っていたが、背が低いこともあり、見た目は小学生と変わらない。普段はツインテールにしている髪を下ろしているので、幾分大人しそうにも見える。準備も終わったことだし、このまま少しは怯えた顔を楽しむのもいいだろう。 「大丈夫だよ、あたしも最初は怖かったけど、今は気持ちいいだけだから」 「ちょっ、あに言ってんのよ、桐乃っ。加奈子をどうする気っ?」 「犯すに決まってんだろが。徹底的にな」 俺は剥き出しになっている加奈子の平らな胸に触れてみた。小さ過ぎて難しいが、七〇というところか。 「ひゃっ、ちょっとっ、胸さわんないでよっ!」 「ちょっと我慢すれば、後でちゃんと大切にしてくれるから。安心して、加奈子」 「あァ? さっきから桐乃、あに言ってんのよッ! 早くこれ取りなよッ!」 うっとりとした表情の桐乃とは対照的に、加奈子は眉間に皺を寄せて叫び出した。当然の反応だ。他の部屋ならともかく、桐乃の部屋はリフォーム時に防音工事もしたらしいので、少々騒がれても問題はない。が、耳障りな声ではある。精神を嬲る為にも封じた方がいいと思い、俺は加奈子の口にギャグボールを咬ませてやった。ついでにローションも容器から直接秘所に垂らしてやる。 「んむぐっ、もごっ、ぐももっ、んぐむおっ、んんんもっ」 「さて、取り敢えずはこれでよし、と。じゃあ入れるか。桐乃は胸でも揉んでやれ」 「うんっ。任せて加奈子っ、気持ちよくしたげるからね」 「んむぐもっ、むんむごごももっ!」 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第030回-1 俺が考えた加奈子の調教計画はこうだ。まずは調教可能時間の確認。金曜の0時から始め、日曜日の十八時に帰らせるとして計六十六時間。予め予備時間を六時間だけ差し引いて残りを四段階に等分する。途中、時間が足らなければ予備時間を充て、余るようなら必要な段階へ回す。当然、全ての行為は録画しておく。 まずは第一段階として金曜の0時から十五時までは延々と犯す。泣こうが痛がろうが何だろうが休まずに犯して全て中出ししてやる。加奈子は避妊薬を呑まされたことを知らない為、妊娠することに怯えるに違いない。そうなるように言葉でも詰り尽す。俺が休んでいる間は桐乃にバイブ調教をさせておく。 段階に関わらず食事は与えるが、桐乃から聞いた話では加奈子は食べ物の好き嫌いが多いとのことで、その嫌いなものばかりを無理矢理食べさせる。栄養剤と称して避妊薬も呑ませておく。大便は桐乃に付き添わせてトイレに行かせるが、小便は桐乃の部屋でさせ、その都度別のカメラで動画に撮って直後に本人に見せてやる。睡眠に関しては決して第四段階まで眠らせない。眠ろうとすれば叩き、鼻穴に小便を注ぎ込み、陰核を捻り上げてやる。気絶した時も同様だ。 以降、第二段階として金曜の十五時から土曜の六時までは一度も性交せずに愛撫だけを与える。乳首、陰核、Gスポット、尿道口、肛門の五箇所、一箇所に付き約三時間かけて、他の場所も交えながら桐乃と交代で休みなく執拗に愛撫し続ける。両耳はヘッドホンで塞ぎ、エロゲやAVから抽出した淫語交じりの喘ぎ声だけをずっと聞かせてやる。性感を開発し、淫語に対する抵抗感をなくすことが目的だ。 心には妊娠という恐怖を、貧弱な肉体には快楽を覚えさせた後、第三段階として土曜の六時から二十一時の間は淫具による調教を行う。膣にも尿道にも尻穴にもバイブを入れ、乳首と陰核にはローターを付け、全身にローションを塗った上で、前段階と同じく愛撫を続け、時に放置しておく。それまで一度も睡眠を取らせずに朦朧とした意識下での愛撫と放置だ。快感を覚え込まされた身体が反応しない訳がない。更には様々な媒体から抽出した罵声と嘲笑の音声ファイルを、ヘッドホンを通して大音量で間断なく聞かせておく。生まれてきたことを悔やむような、そんな精神状態にさせることが狙いだ。 そして第四段階、土曜の二十一時から日曜の十二時までは一転、思い切り優しくしてやる。当初は恐怖だけで隷属させようと思っていたのだが、緩急使い分けた方が短期集中の調教には向いていると考えたからだ。抱き上げて髪を撫で、耳元で愛情溢れる言葉を囁き、風呂場で身体を洗ってやり、大好物ばかりを食べさせ、抱き締めたまま安らかに眠らせてやる。そうして壊れかかった心を懐かせた後、総決算としての性交を加奈子が帰る時間、日曜の十八時まで行う。多少は時間の変動を考慮するが、基本的にはこの流れだ。そして日曜日の夕方、その目論見はどうやら正しかったとの結論を得た。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第030回-2 「んはああっ……お兄ちゃあん……あふくあっ……お兄ちゃあん……」 以前は侮蔑した口調で「桐乃のお兄さん」と俺のことを呼んでいた加奈子は、優しくしてやってから甘えるように「お兄ちゃん」と呼ぶようになった。拘束をされず自由に逃げられる状態で、俺に正常位で貫かれていても嫌がる素振りは全くない。それどころか、恍惚感に満ちた表情で自ら俺の唇にキスをしてくる始末だ。特に様々なことを教え込んではいないものの、半ば堕ちたと言っていいだろう。貧弱な身体も見慣れればそれなりに愛らしい。素直に甘えてくるのならば、桐乃に言った通り大切に扱ってやってもいい。ちなみに桐乃は俺と加奈子の性交を見ながら、同じベッドの上で飽きることなく自慰を続けている。 「ほら、加奈子、どこが気持ちいい? 何て言うんだ?」 「ひうふあっ……オマンコぉ……んくああっ……加奈子のオマンコぉ……くふはあっ……オマンコが気持ちいいのぉ……あはふあっ……加奈子のオマンコが気持ちいいのぉ……」 恥ずかし気もなく加奈子は淫語を口にし、全く揺れることのない薄く平らな乳房の先を勃起させ、今では愛液もそれなりに溢れさせるようになった。そんな様子を見ていると、俺もどんどん昂ぶってくる。見た目は幼女相手の淫行という背徳感が心地いい。 「加奈子、そろそろ出すぞ。どこに欲しい?」 「んくんくぁ……オマンコの奥うぅ……ひうふあっ……奥に出してえぇ……あひふあっ……赤ちゃん産みたいのおぉ……はひふあっ……お兄ちゃんの赤ちゃん産むのおぉ……」 毎日呑ませている避妊薬のことは既に加奈子に伝えてある。妊娠などしないことは理解している筈なのだが、その危機感を高めてやった為に、今ではその不安を楽しみたいのかもしれない。それなら合わせてやるべきか。 「じゃあ妊娠しながらお前もイけ、おらっ」 「んっくひあっ……きたあっ……あひふあはっ……赤ちゃんきたよおっ……あふっくひぁ……赤ちゃんとイくのおおぉ……イっ……くぅ……イくうっ……オマンコイくうううううっ!」 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第031回 月曜日から二日間、俺は風邪を引いて寝込んでしまった。加奈子の調教で無理が祟ったのは明らかだ。幸いたいしたことはなかったものの、桐乃を見直すいい機会だった。桐乃は自分も学校を休み、俺の介抱をしてくれたのだ。食事を作るのは以前から俺と交代制でやっていたとは言え、身体を拭き、添い寝をし、食べたいものがあれば買ってきてくれた。以前の桐乃だったら絶対に考えられないことだ。聞けば、モデルの仕事も休んだと言う。調子が狂うことに、そんな桐乃に対して俺は本当に愛情を抱いてしまっていた。だが、以前にも思ったように、今更全てをなかったことになどする気はない。尽くしてくれた分以上に快楽と精液をくれてやるのが俺なりの愛情表現だ。 二日目の夕方、俺の注文した苺ゼリーを買いに桐乃がコンビニに出かけている時、チャイムの音がした。パジャマの上からカーディガンを羽織り、玄関の扉を開けると、桐乃の友人が立っていた。加奈子同様に何度か見たことのある、明るく人当たりのいい黒髪の美少女だった。 「あ、お兄さん、こんにちはーっ! お風邪大丈夫ですか? 寝てらしたんですか?」 「えっと、桐乃に用かな? 今、出かけてんだけど。すぐ戻ると思うから、入って待ってる?」 「あ、そうなんですか。ご、ご迷惑でしたか?」 本当に申し訳なさそうに少女が言った。 「いや、特に迷惑なんてことはねえけど」 「昨日も今日も学校休んでて、お兄さんの看病ってメールは貰ってたんですけど。前にも二日間休んでたんで、ちょっと心配になって……。たまたま用があって、近くまで来たので寄ってみただけです。すぐに帰ります」 「もう俺も具合がいいし、桐乃も明日には学校に行けると思うから。桐乃のこと、これからもよろしくな」 「もちろんですっ! わたしたち、親友ですからっ! あっ、そうだっ!」 少女は制服のポケットから携帯電話を取り出し、俺の前へと突き付けてきた。 「具合がよろしいんでしたら、せっかくの機会ですから、アドレス交換しましょう。電話番号とメールの」 「俺と?」 「はいっ! あ、ごめんなさい! 申し遅れました、わたし、新垣あやせと言います」 そう言ってあやせは屈託なく笑った。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第032回 翌日の放課後、俺は桐乃と待ち合わせて近隣の都市の繁華街へと出かけた。看病の礼に何か買ってやろうと言ってやると、桐乃ははしゃいだ調子で俺の腕を取り、それならば服が欲しいと言ってきた。桐乃用の服ならば既に何着も購入してあるのだが、まだ当人には内緒にしてある。自室のクローゼットの奥に隠してあるそれらは、全て日常着られるような服ではなかったからだ。俺は頷いて店の選択を桐乃に任せた。 桐乃に連れていかれたのは行き付けらしい小奇麗なブティックだった。裾にフリルの付いた黒のワンピースを買ってやると、桐乃は店名ロゴの入ったビニール袋を嬉しそうに強く抱きしめた。たいした金額ではないし、モデルをしている桐乃の収入ならば幾らでも買えそうなものだが、俺に買ってもらったことを素直に喜んでいるようだった。そんな桐乃の姿に俺は胸が熱くなり、同時に陰茎もたぎり始め、足早に店を出て近場のデパートへと向かった。 人目を盗んでデパートの男性用トイレの中に桐乃を連れ込むと、俺は個室の中でズボンとパンツを下げた。 「桐乃、口」 「うんっ」 はにかみながら屈み込み、桐乃は陰茎に舌を丁寧に這わせていく。 「んれっ、ろれっ、あはっ、ちょっと今日は臭いがキツいかも、んおろっ、んちゅっ、でも久し振り、んらっ、ぺおっ、前より味が濃くなったみたい、んれろっ、んぷれおっ」 夢中になって臭いと味を確かめるのも理解できなくはない。加奈子の調教中、そして風邪をひいていた間、桐乃はずっとお預けを喰らったままだったからだ。 「もういいぞ、今度はケツ」 「うんっ、ちょっと待って」 手早くショーツを膝まで下ろし、桐乃はセーラー服のスカートを捲くって尻を向けてきた。俺は一物に手を添え、亀頭を桐乃の尻穴へと押し当てた。 「えっ? そ、そっち?」 「少ししか入れねえから安心しろ。中にザーメン出すだけだ」 初の尻穴性交に怯える桐乃に優しく言ってやり、俺はそのまま自慰を始めた。桐乃も感じているのか、小振りな尻を上下左右に動かしている。そんな様子を楽しんでいると、ブティックから我慢していただけに、すぐに限界がやって来た。亀頭の半分ほどを強引に尻穴に入れ、直腸に精を放ってやる。 「ひやああっ、ちょっと痛いっ、はうあっ、やだ熱いのがぁっ、んんくっ、染みるうっ」 痛いと口にしながらも桐乃は切なげに息を吐き、排泄器官で精液を受け止め続けた。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第033回 デパートから出て他の買い物を済ませ、自宅に戻った時には夜になっていた。この間、桐乃は尻から漏れ出した粘液をショーツの中に受け止め続けたままだ。時々気持ち悪そうな顔をしてスカートの中に手を入れていたが、特に文句を言ってくることはなかった。 いつものように二人で食事をして風呂に入った後、俺は数日振りに桐乃を抱いてやることにした。が、桐乃は珍しく条件を付けてきた。聞いてみると、先日の加奈子のように動けない状態にしてくれと言う。買ってやったゲームの効果もあるのだろうが、どうやら間近で見せられた加奈子の拘束が羨ましかったらしい。俺が了承して加奈子同様にベッドに拘束してやると、それだけで桐乃は愛液を垂らし始めた。被虐性を高めるいい機会だと思い、俺はその状態で桐乃を放置し、自慰を始めた。 そして十数分後。 「桐乃、出そうだ。どこにかけて欲しい?」 「中ぁ、中に出してよぉ、オマンコの中ぁ。なんで、なんで入れてくんないのよぉ?」 当初はうっとりした顔で俺の自慰を見つめていたのだが、途中で我慢できなくなったのか、桐乃は切なそうに身体をくねらせながら延々と性交を求め続けてきた。デパートの中でお預けを喰ったせいもあり、少しだけ以前の小生意気な口調に戻っている。とは言え、そんな桐乃を焦らすのも面白い。 「まずは臭いな、おら」 そう言って俺は桐乃の鼻穴に亀頭を当てて性液を注入した。次いでもう片方の穴にも注ぎこんでやる。 「んかはぁ、かはっ、ぶもごもっ、くはぁ、んびぶげもっ、んあはぁ、もぼべもばっ」 「ほら、味も楽しめ」 桐乃は鼻呼吸を粘液で阻害され、大きく口を開けて喘いでいた。そこに未だ射精中の陰茎を挿し込んでやる。 「ごぶっ、んごぶっ、もげごぼっ、んべもぶばっ、げぶげもぶっ、もべもごばっ」 「お前、明日は学校休め。俺も風邪をぶり返したってことにして休むから。このまま可愛がってやる」 目を見開いて苦しそうに精液を飲み下しながらも、すぐに桐乃は頷いた。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/140.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266820218/85-88 俺の幼馴染がこんなに不人気なわけがない 俺は自宅を華麗にスルーして歩いて行き、商店街のなかにある一軒の店の前にたどり着いた。 いつもなら麻奈実と雑談しながら歩いて到着するのが、この俺の眼前にある和菓子屋田村屋なのだが、当然のごとく今日は俺一人で静かにここまで来た。 やけに学校から田村屋までの距離が短く感じたのはいつもの雑談が無かったからだろう。 いや、決して早歩きで来たから短く感じたとかないからね。途中で少し走ったのも赤信号に変わりかけた横断歩道だけだからね。 べ、別に寂しくて一秒でも早く着きたかったとかないんだぞ! ……はぁ、最近俺は自分で自分の首を絞めることがやけに多くなった気がする。 くやしい…! でも…感じちゃう! という性癖を持った記憶は無いのだが。 まぁくだらない言い訳はここらへんにしておこう。 あぁそうだよ。高校生にもなって放課後に全力疾走だ、文句あっか。 やっぱり素直に心配なわけだ。どんなに落ち着こうと考えても身体は正直だ。一秒でも早く麻奈実を見ていろんな意味で安心したかった。 いつ見ても二十一世紀から取り残されたかのような古風なたたずまいをしている田村屋の店内を覗いて見ると、珍しくカウンターのところで店番をしているロックの姿があったので俺は勝手口に回らず直接正面から田村屋に入ることにした。 「おうっす、ロック。久しぶりだな」 「……おー、あんちゃんか」 こいつとは久しぶりに会ったがいつの間にかヘアースタイルを五厘刈りで定着させたらしい。しかしながらいつもと比べ様子がおかしい。 いつものこいつはどれだけ売っても売れ残るほどのハイテンションの持ち主だ。それなのに今日は俺が話しかけても反応は鈍い。 おまけに旧式のレジスターがある会計台に突っ伏した状態で、顔をあげるようともしない。 なんだなんだ、ロックよお前まで風邪かなんか引いたのか? まさか俺の知らない間に田村家では何か凶悪なウィルスが大横行していたというのか。 今にも五厘刈りから毒キノコが生えてきそうなほどのどよんどした空気が流れる店内であったが、それまで半死のような状態であったロックの身体が突然ビクリと動き、がばぁっと顔を上げる。 「……ぁ、あ、あ、あああんちゃん!? 本当にあんちゃんなのか!!」 「うぉっ!? なんだ、なんだってんだよ急に」 突然死者が目覚めまるで親の仇を見るかのような目で睨みつけてきた。なんだロックのやつ元気じゃねぇか。 「あ、あんちゃん! もう、お、おっ、おっおっおっおおっ……」 「おっ、落ち着けロック!」 いやいや冗談じゃなくやばいって! 瞳孔開いんてじゃねぇっのって勢いでロックの両の目が見開いてやがる。 しかも呂律も回っていないもよう。第一おっおっおっを言いすぎだろ。 …………なんだ? まさかこいつこの後、「おえぇぇぇっ!」つって吐くんじゃねぇんだろうな!? いやもうなんかそんな空気がするぞ! この奇行というかおかしい振る舞いは体調がおそろしく悪いゆえの行動としか思えない。 これは実にまずい。マジで泣きたい五秒前! だがしかしこのまま何もしないほどあきらめの悪い俺ではなく、バケツかなんかねぇのかと店内を見回した。 そうしてロックから目を離した次の瞬間、俺にとって想定外の出来事が起こった。 「遅えぇんだよあんちゃんのバカヤロー!」 凄まじい音量の罵倒が俺の両耳に鳴り響く。よもやロックに本気でバカ呼ばわりさせる日が来ようとは。 さっきまでのあれは「遅えぇんだよ」って言いたかったのね。吐しゃ物と共に「おえぇ」じゃなくて良かったよ。 ただし俺の顔には思いっきり叫んだロックのツバが大量にとんできたけどね。 「バカはてめぇだコラァ! 汚えぇじゃなぇかよぉオイ!」 俺はただちにカウンター越しにいるロックの五厘刈り頭に対してヘッドロックをかけてやった。 「あいたたたぁっ! あんちゃんロープロープッ!!」 身体がカウンターの向こう側から引っ張られて大変痛々しいことになっているが、いつもかけているプロレス技と同じくらいの力加減にはしておいてあるので大丈夫だろう。さぁ俺にかけたツバと同じ量の涙を流してもらおうかロックよ。 しかしながら、さっきのロックが叫んだ内容の意味は理解できたぜ。 麻奈実が体調を崩してずっと学校を休んでいたのに何でもっと早くお見舞いに来ないんだって言いたかったんだろう? なんだかんだで姉想いなやつである。 でもそのことについて麻奈実からちょっとした小言を言われるならまだしも、お前にマジギレされるのはお門違いだろうが。 「あのなぁ、俺にだっていろいろ都合ってもんがあるんだよ。特に最近はいろいろあってな、今日になってようやく一段落着いたところなんだ。それで、麻奈実の調子はそんなに悪いのか? ことと次第によっちゃ今すぐ麻奈実の部屋で看病しはじめる気マンマンだから、さっさと現状を教えやがれ」 俺は長々しくそう言い終わると同時に、ロックにかけていた技をほどいてやる。するとロックは技から開放されたことよりも先に、重要なことを思い出したと言わんばかりの表情で俺に詰め寄ってきた。 「そうなんだよ! ねーちゃんがおかしいって言うか……なんつうかさぁ、とにかく変なんだよ!」 まじめな声を出すな息を吹きかけるな顔が近いんだよ気色悪い。本日二度目のこのセリフである。 それにしてもロックがこれほど狼狽するとは珍しい。どうやらすぐにでも麻奈実の様子を見に行った方が良さそうだ。 「これロック、うるさいわい! ……って、きょ、きょ、きょ、きょうちゃん! お、お前さんって奴はお、おっ、おっ、おっ、おっ、おおぉっ!」 「まじめな声を出すな息を吹きかけるな顔が近いんだよ気色悪い。それと遅くて悪かったなジジイ。ロックみたいに叫んだら、奴と同じ目にあってもらうぞ。それで、ジジイの目から見て麻奈実の様子はどうなんだ?」 おそらく今の麻奈実より元気であろうご老体が店の奥から出てきて同じ事の繰り返しになりそうだったので釘を刺しておく。 俺の目の前までわざわざ迫ってきた麻奈実のジジイは、喉元まで来ていたであろう叫びを押さえこみながら、俺の質問にしっかりと返答してきた。 「麻奈実の様子がおかしいって言うか……なんというか、とにかく変なわけよ!」 「ロックの言ったのと同じ情報しか含まれてねぇ!?」 「えぇ!? ワシってばロックと同じこと言ったの? マジでショックなんですけど!」 こいつらは本当に家族みんな天然揃いだなオイ! あーあ、ロックが「えっ!? 爺ちゃんが俺と同じこと言ったよ。マジでショックなんですけど!」って顔をしてやがる。 しかしまぁ、こんなところでこの二人のリアクション芸に付き合ってやるほどの暇も心の余裕も無さそうだ。 ひとまず俺は爺さんが出てきた居間と店内をつなぐところで、俺の顔を見て天の救いを求めるかのような視線を向けてくる麻奈実の親父さんとその後ろにいる婆ちゃんに小さく会釈をした。 田村家の居間には買い物に出かけた母と麻奈実を除いた四人と俺が机を中央に皆それぞれの顔が見渡せるように座る。 婆ちゃんが入れてくれたお茶を少し口にするが、いつもより温度が高い気がしたので冷めるのを待つことにしよう。 居間に座った俺は役に立たないロックとジジイを尻目に、親父さんから聞かされた話を頭の中で整理しながらある一つの結論にたどり着いた。 「それって……引き篭もりってことか?」 麻奈実の親父さんから聞いた話によると、俺がアメリカに飛び立った日から麻奈実の様子はおかしくなったらしい。家に帰ってくるやいなや何も言わず二階の自室に飛び込んでいったそうで、何か急ぎの用でもあったのかとさして誰も気に止めなかったらしい。 しかし、夕飯の時間になっても姿を見せずロックが呼びにいったが部屋から出てくる気配は無く、麻奈実が部屋から出てくるのはトイレか風呂に入るときだけだそうだ。 「まぁ今時の言い方だと、それが一番正しいんだろうねぇ……」 俺の言葉に婆ちゃんが困惑した表情でそう返した。 それにしても麻奈実が引き篭もりをするなんて俺は未だに信じられない。 俺の知る限り麻奈実は精神的に病んで病んで参っちまうなんてたちじゃないし、俺がアメリカに行った日から引き篭もりはじめたというのだから、あいつが何かもの凄く気の病むような出来事が起こった記憶も無い。 「本当にどっか身体が悪いってことはないんだな?」 「それは間違いないってあんちゃん。みんな心配して病院に診てもらおうかって言ったら、ねーちゃんが部屋の中からだけど『身体は本当に大丈夫だから!』って、すっげぇ強く言ってきたしさ」 「ふーん……飯はどうしてるんだよ? トイレと風呂のときしか出てこないんだろ?」 「お盆にのせてねーちゃんの部屋の前に置いとくんだよ。……でも、ほとんで食ってないみたいだ。ご飯もおかずも半分以上残してるし」 「なんだよそりゃ、やっぱ病気なんじゃねぇのか? 無理矢理にでも部屋に入って、様子見たほうが良いだろうよ!」 「それが無理なんだよ。ねーちゃんがどうしても一人になりたいって言うんだから。一回だけ無理矢理入ろうとしたんだけど、そしたらねーちゃん中から凄ぇ声で絶対入っちゃだめって叫んだんだ。俺、ねーちゃんがあんな大きい声出すの初めて聞いたよ……」 「むっ……そうか。…………チッ」 あまりの苛立ちと歯痒さに俺は思わず舌打ちをしてしまった。どうやら今までには無いほど麻奈実は不安定な状態らしい。 実際にその声を聞いたわけではないが、その異常さは話だけでも片鱗が伝わってくる。 なんせこんなしょぼくれて心配そうな表情のロックは初めて見たからな。 なぜこんなことになってしまったのか、俺にはまったく思い当たる節が見当たらない。それ故に明確な改善の方法も思いつかない。 しかも俺がアメリカに行った日に引き篭もりはじめるという、まるで悪魔的に絶妙なタイミングである。 原因がわからなくても、引き篭もりはじめた初日から毎日通っていれば麻奈実は今頃普通に過ごしていることが出来たかもしれない。 例え引き篭もりが続いていたとしても、麻奈実の心に何らかのアプローチはかけれたはずだ。 俺のアメリカ行きの件を麻奈実は知らないから、結果的には俺がずっとあいつを放置していたことになってしまう。というか、麻奈実にそうとられてもおかしくない。いや、おそらくあいつはそう思っているだろう。 今日の昼にかけた電話に出なかったということは、散々知らんぷりを決め込んでおいて何を今更という許せない気持ちだったに違いない。 そう考えたら、俺にはこの場にこれ以上一秒でも長く留まっていることは本能が許してくれなかった。 「……行ってくるぜ。麻奈実の部屋に」 すっかりぬるまってしまった婆ちゃんが入れたお茶をズズッと一気飲みをして、俺は力強く立ち上がり居間から廊下へと歩きはじめた。 気づいたことがある。どうやらお前の入れてくれたお茶じゃないと、俺の口には合わないらしい。 田村家の面々は俺を止める気は無い。むしろこの未曾有の危機を唯一解決できるかもしれぬ英雄の出陣を見守る平民のように、期待の込められた視線を送ってきているようだ。 他人に話したら、家族すら入り込む余地が無いのにたかが幼馴染が何になると鼻で笑われるかもしれない。 だがな、そんなことを言う輩には俺からはこの一行をメール便で百通ぐらい送ってやる。 たかが幼馴染、されど幼馴染だ。 その一行は、言うなれば長年培ってきた俺と麻奈実の絆がなせることだろう。 想像してみろよ。大して変わった会話も無く、いっつも同じようなゆったりとしただけの日々を何年もの間過ごして、飽きることなく大学までいっしょに行こうとしているんだぜ? しかも大学卒業後でも、きっと今までと変わらない日が続くと心のどこかで思い期待している。 悪いがもう俺と麻奈実はすでに家族みたいなもんなんだよ。 ……あぁ、心の中でとはいえ何て恥ずかしいこと言わせやがる。こんな状態にならねぇ限りと二度と言わないからな。 田村家の二階にある麻奈実の部屋に行くために階段を上りながら、俺が行けばきっと大丈夫などとまるで暗示か何かのようにずっとそう唱えていた。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/131.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266820218/11-14 俺の幼馴染がこんなに不人気なわけがない 「…………うっ」 ジリリリリッと、けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音がうらめしい。 まだ時差ボケが残っているせいか身体がだるいが、このまま二度寝をするわけにはいかない。 この俺高坂京介は妹の桐乃の身を案じて、数日前に桐乃が留学しているアメリカまで飛んでいき、見事説得に成功して数日後には日本へと兄妹そろって帰国した。 帰国直後の空港には黒猫が待ち構えていて、開口一番に桐乃と憎まれ口を叩きあっていた。その様を傍で見ながら、あぁ桐乃が帰って来たんだなぁとニヤニヤしていると、桐乃と黒猫二人から声を揃えて「キモい」と言われてしまい、俺は苦笑するしかなかった。 せっかく来てくれた黒猫をそのまま帰すなんて野暮なことは出来ないので、外で待っていた親父の車に乗せて送ることにしてやった。 親父は初めて生で見たゴスロリ衣装を身に纏う黒猫に一瞬言葉を失ったが、少しずつオタク業界の知識をしっかりと取り入れているので流石にその場で卒倒するまでには到らなかった。 桐乃の趣味を認めさせるために写真では一度黒猫の写る姿を見せたことはあったが、一般人には多少刺激強い格好だったかもしれない。 黒猫も帰国初日から我が家に来て久しぶりの家族水入らずを邪魔するようなことはせず、我が家に到着すると後は自分の足で帰るとだけ言ってそそくさと帰ってしまった。例の「呪い」についてお礼を言おうかとも思ったが、なんとなく止めておいた。 べ、別に恥ずかしがってるわけじゃないだからな! 思い出しただけで顔真っ赤とかそんなこともねぇから! ……そこぉ、なにニヤニヤしてんだこらぁ。あんましそんな暖かい目で見守ってると、終いには泣くぞ。 まぁそんなことは置いといて、アメリカから帰国した俺と桐乃を家で待ち構えていたものはお袋とお袋の努力の結晶が垣間見えるご馳走の数々であった。 お袋も桐乃が帰ってきてくれてやはり嬉しかったんだろう、俺の誕生日の十倍は豪華な食事を用意していやがった。正直なところとても食いきれる量ではないのだが、そんなことは誰に気にせず久しぶりの家族四人揃って食卓に座り食べることになった。 食事のあいだ桐乃は少ししかアメリカ留学の話題には触れなかった。途中で諦めて帰ってきたという気持ちがやはりどこかであるのか、その話題についてのことを言うとわかりやすいまでに言葉が詰まっていた。 俺も親父もお袋もその話についてはあまり触れないようにし、俺が代表で桐乃の心が落ち着いたてから話したくなってから話せば良いと言っておいた。 それを聞いた桐乃がしおらしく頷いて素直に「ありがとう」と言うもんだから、その可愛らしさに俺は感涙しかけてしまった。 絶対にシスコンと呼ばれること受けあいであったので、『あぁ、俺の妹はこんなに可愛いかったのか』という心の中から沸いたツイートは、一生俺の心に秘めておくことにした。俺の脳内なう。 その後はただ笑って話していたことしか覚えていない。 年に一回見たら十分であった強面親父の笑顔も、この日は腐るほど見せられた。 さて、そんな大団円が開かれていたのがつい昨日の出来事。昨日の今日で俺もいろいろとあったので、今日は一日家でゆっくり休もうかとも考えていたのだが、なんとも間が悪いことに昨日は日曜日だった。 つまり今日は月曜日で平日。早い話が俺は学校へ行かねばならんのだ。 元々俺がアメリカに行くと決めた勢いそのままに親父が許可をくれたので、冷静に考えれば俺はアメリカに居た数日間高校を休んでいたことになる。 警察に勤めている真面目な親父がこれ以上体調を崩しているわけでもないのに、学校を休ませてくれるはずもなく、昨日の夜に上機嫌な笑みを浮かべたまま明日は学校に行けよと釘を刺されてしまった。 親父よ、そんな微笑みを浮かべながら忠告しないでくれ。真顔で言われるより怖いから。 まぁそんなわけで俺は未だに気だるい身体を何とかベッドから起こし、学校へ行く準備をし始めた。 「おはよう親父、お袋」 「あぁ、おはよう」 「おはよう京介」 食卓には新聞を広げる親父の姿とお茶をすすっているお袋の姿があった。 テーブルに並べられている料理は朝食にしてはとても豪華……もとい昨日のご馳走のあまりものだ。 お袋は朝食作りでサボタージュしたというのに俺は真面目に学校である。しかしいつもより頑張った朝食のように見える不思議ッ! じゃねぇよこのやろー。レンジで温めただけじゃねぇか! それでもいつもより箸が進むペースが速いので、文句を言えた義理じゃない。 あぁそうだよ、箸が進むペースも速いから自然と家を出る時間も早くなったさ。これじゃ欠席どころか遅刻すらしそうにないぜ。 ちなみに桐乃はアメリカ留学中も日本の義務教育制度に従って中学三年生へと進級していて、今日は月曜日なので中学校があるはずなのだが、手続きの都合上2~3日休みらしい。 昔は桐乃との待遇の差に泣いたもんだが、やつが帰ってきて早々それを思い切り突きつけられるとは思わなかったよド畜生。 「京介。学校には家庭の事情で数日間欠席すると伝えてある。学校に行ったら先生方に誤解の無いよう話をするのだぞ」 「わかった」 一晩明けてもニヤニヤが抜けていない親父に少々不安を覚えながらも、俺は短く返事をして食卓から立ち上がると真っ直ぐ玄関へと向かった。 「いってきま~す」 玄関の扉を開けてやる気なさげにそう言うと、お袋から小さく返事が来た。 やれやれ朝食作りをサボタージュしてんだから朝の見送りぐらいしてほしいもんだね。 あーあ、こんな日には俺の心のマイ・スイート・エンジェル・あやせたんといっしょに登校したいもんだぜ。フヒヒ。 ……あぁん? 黒猫といっしょに……なん、だと……? コホン、諸君よ。もうそれは一旦勘弁しといてくれねぇかな!? ただでさえ桐乃を連れ戻すために燃やしていた闘志の炎が落ち着いて、ようやく身体の熱が下がり始めてるってのによ。また俺のお熱が上がっちゃうだろうが! あぁ、もうさっさと学校行くぞ学校! ……あぁん? だから、別に一秒でも早く黒猫に会いたいから行くんだろとか言うなそこ! 聞こえてるぞ!! 学校に着いた俺はまず職員室へと行って、担任に今日からいつも通り授業に出席する旨を伝えた。 担任は心配そうな表情を浮かべながらも、俺の言葉に少し安心したようだった。 まぁ受験を控えた三年生のこの時期に、家庭の事情で欠席しますと俺から直接ではなく親から連絡されれば、否が応でも教師側には緊張が走るだろうさ。 その家庭の事情が、アメリカ留学している妹が心配で心配で仕方ないから説得をし帰国させるという事と知ったら、 一体どんな顔をされるだろうかと思いながら、俺はその事情の内容についてはぼかしを入れながら話をした。 担任も俺がわざと内容をぼかしているのを話しづらい事情があるのだろうと悟ったらしく、細かい内容についての追及はせず、ひとまず安心したと笑顔を浮かべながら俺を解放した。 帰国直後の疲れが抜けていない俺はこれ以上の精神的負荷がかからなかったことに歓喜した。 長々とめんどくさく追及される可能性もあったし、実際にそうなっていたら相手の追及をかわすのはとても骨が折れる作業だったに違いない。 俺は軽い足取りで職員室を後にして、数日振りにのぼる校舎の階段を一段一段踏みしめながら我が教室へと入っていった。 「おーっ、大丈夫だったか高坂?」 「あぁ……まぁいろいろとあったが大丈夫だ。もう問題ない」 教室に入ると一番に赤城が話しかけてきた。柄にもなく心配そうな面しやがって、ちょっと嬉しいじゃねぇか。 ……しかし、今この胸に浮かんだ喜びは絶対口にしないことにしよう。 こいつの妹の瀬菜が聞いたらまた変な妄想で悶えるに違いない。 何度か見たことあるが、あいつの眼鏡の下に浮かぶグヘヘと笑う表情は思い返すだけで背筋が震えそうになる。 偏見を無くそうと思えばそういう方面にも慣れればならないのだろうが、逆に慣れてしまう方が問題の気もするので難しい。 …………ん? ふと瀬菜の顔を思い浮かべたとき、どことなく今の自分に違和感を覚えた。 アメリカから帰国してようやく普段の日常に戻ったのに、まだ俺が本調子じゃない気がするのは単なる時差ボケではあるまいに。 瀬菜かー、瀬菜と言えば……やっぱしあの巨にゅ……よりも先に眼鏡だな眼鏡。うん、ビバ眼鏡である! しかし俺にとって眼鏡といえばやっぱり。 「あれっ、そういや麻奈実はどうしたんだ?」 やれやれ、眼鏡を思いうかべてようやく麻奈実を思い出すとは、俺も随分疲れがたまっていたらしい。 冷静に考えてみれば今朝は登校するときも会わなかったし、普通数日間学校を休んだ後に学校へ復学したらまず一番に話すのは麻奈実だろうが。 麻奈実という俺の中での絶対的不動な地位にいるあいつは、俺にとっての心のオアシス、隣に居るだけでその場所が癒しの空間となりえる幼馴染だ。 そうか、俺が本調子じゃないのは数日間一言も麻奈実と会話をしていないからだ。そうだそうに違いない。 しかし麻奈実を探そうと教室中を見回してみるが、その姿はどこにも見当たらない。 すると赤城が驚いたような表情で俺に迫ってきた。 「えぇっ? いやっ、それは俺が言いたかった台詞なんだが……」 「はぁ、なんだそりゃ?」 まじめな声を出すな息を吹きかけるな顔が近いんだよ気色悪い。 赤城の驚いた表情に驚きたいのはむしろ俺のほうである。 俺が言いたかった台詞だと。なんだ、麻奈実に何かあったのか? 「……いや、知らないなら良いんだ」 「良くねぇよ。俺が休んでる間に麻奈実に何かあったのか?」 「いやまぁ大したことじゃないんだが。田村さんも学校休んでんだよ」 「いつからだ?」 「お前が家庭の事情で休み始めた日から今日までずっと」 なんてこったい! せっかく平和な日常に舞い戻ったと思っていたのに、 その俺の求めるいつもと変わらぬ平穏平和な日常をその身体で体現しているとも言える麻奈実が学校を欠席しているだと。 アメリカに行っている間は連絡をとるほど心の余裕は無かったし、帰国した昨日もいろいろあって麻奈実の近況を知るすべなどなかった。 「だからさ、みんなで噂してたんだよ。お前と田村さんがかけおちでもしたんじゃねぇかって」 「はぁ!? なんでそうなるんだよ!」 その発想が一番の驚きであった。 確かに麻奈実との仲はすこぶる良好であったが、二人が同時のタイミングで長めの欠席をしたらかけおちした勘ぐるとかおかしだろそれ。 あーそういえば前に俺と麻奈実はクラス連中からすれば付き合っているようにしか見えないらしいな。 ちくしょう。こうなったらクラス中に広がる朝の小さな喧騒も、 麻奈実とかけおちしたはずの俺が一人で学校に来ていることについて、ひそひそと論争しているように思えてきたぜ。 ちょっとした男女の友情をすぐさま恋愛認定とか、発情期の犬かって話だ。 「良いか赤城。もう一度言っておくが、麻奈実と俺はそういう関係じゃないんだ」 「へいへい、わーったよ。そういうことにしとけば良いんだろ」 「だーかーらー」 あーあ、もうこの先は聞いてないな。そういう顔してやがる。 やれやれと思いながら俺はいたしかたがたなく麻奈実が来るのを期待して、 ホームルームが始めるまでの時間を赤城とのたわいも無い会話で過ごすが結局麻奈実は担任の先生が教室に入ってきても登校してくる気配は無かった。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257382677/844-849 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第044回 昼過ぎまで眠り、目覚めた時には隣に桐乃の姿がなかった。関係を持って以来、就寝時は俺の自室か桐乃の部屋で一緒に寝ているのだが、どうも出かけたらしい。このまま週末最後の惰眠を貪るのも悪くはないが、腹も減っている。俺は桐乃のベッドから抜け出し、何か適当な食事でも取ることにした。 階段を下りてリビングに入り、部屋の電気を点ける。と、灯りが完全に点いた瞬間、俺は飛び跳ねそうになった。何故なら目の前のソファに全身黒尽くめの女が悠然と腰掛けていたからだ。まるで玉座に坐す女王のように、透徹した氷の眼差しで俺を見据えている。よく見ると、桐乃のオタク仲間の黒猫だった。 「ふ、よくぞここまでたどり着いたものね。褒めてあげるわ」 悪の親玉のような笑みを浮かべて、仰々しく黒猫が言った。以前に家に来た時に判ったのだが、これが平素の口調らしい。遊びに来たのだろうが、リビングに桐乃の姿はなく、事前に何も聞かされてはいない。 「何やってんだ、お前?」 「別に、何も」 「桐乃はどした?」 「……出かけたわ」 「お前を置いてか?」 俺の問い掛けに、黒猫はふいっとそっぽを向いてしまった。何を考えているのか全く判らないが、好みの美少女だけあってそんな姿も可愛い。だが、まだ押し倒す訳にはいかない。仮にこの場で強引に犯しても、週末は今日で終わりだ。加奈子のように調教するには時間が足りない。 「沙織は? 桐乃と一緒に出かけたのか?」 「最初から来ていないわ」 「何でだ?」 「急用で欠席だそうよ」 「じゃあ、今日はお前と桐乃だけか?」 「……そう」 聞けば、本当は三人でアニメ鑑賞会を行う予定だったらしい。テーブルの上に置かれたDVDケースやジュースの入ったグラス、締め切ったカーテンなどから察するに、桐乃と二人でアニメを見ていたのだろうが、黒猫は不機嫌ながらも寂しそうに見える。桐乃と黒猫は嗜好性が異なる筈だが、一緒にアニメを見ていたとなると……。 「また桐乃と喧嘩したのか?」 「……ふん、分かっているじゃない。そういうことよ」 つまり、黒猫がアニメ鑑賞会の為に遊びに来たものの、喧嘩になって怒った桐乃は出かけてしまった。残された黒猫はリビングで黄昏ていた、と。本来なら沙織が調停役となるのだろうが、不在では仕方がない。しかし、桐乃の性格を考えると黒猫を放置したままで置くとは思えない。自分からは謝らないにしても、冷静になれば帰ってくる筈だ。 「桐乃なら、すぐに戻ってくると思うけどな。仲直りできそうか?」 「あの超低脳なお子様の出方次第ね」 実の兄に向かって言う台詞じゃないが、まあ、いいか。加奈子のオヤジ言葉よりは耳に優しい。 「そう言うなって。何だったら、俺と一緒にアニメ見て待ってるか?」 「変な気を使わないで頂戴。同情は御免だわ」 何様のつもりかしらないが、そんな物言いの黒猫も悪くはない。いずれは足コキとか覚えさせよう。 「別に嫌ならいいけどよ。桐乃が帰るまでこの部屋にいるつもりか? 俺の部屋のパソコンでネットとかやって待ってるか?」 その俺の言葉に、黒猫はニヤリと口元を歪めて笑った。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第045回 「この裸の子は小学生でしょう? 異常ね、変態だわ」 黒猫の辛辣な口様に頭を掻きながら、俺は自らの失態を少しだけ悔やんでいた。ネットでもやらせておけばいいかと思っていた俺の目論見は見事に外され、黒猫はパソコンデスクの前に座ってから僅か数分で階層の奥底へと隠しておいた秘蔵のフォルダを見つけ出し、順に閲覧を始めたのだ。パソコンには詳しいようで、止めさせようとすると「OSを起動できなくさせてもいいのよ? BIOSの設定を変える方がいいかしら?」とか言ってくる。BIOSの設定ぐらいならどうということもないが、OSのシステムフォルダとかを削除されたら確かに面倒だ。 「こっちは何かしら? これは、……呆れたわ、この子の無修正画像ばかり集めたのね?」 だが、ヌード画像などを見ても恥じ入る様子がないということは、その分ガードが弱いのかも知れず、それならば好都合だ。オタク少女である黒猫の性知識がどの程度のものかは知らないが、殊更過激なものを見せ、性行為に対する興味を深めてやるのも面白い。 「……ちょっとトイレに行って、リビングの片付けもしてくる。けど、俺がいないからって、外付けハードディスクの中とか覗くなよ?」 俺の言葉に黒猫は薄く微笑むと、マイコンピュータのアイコンを開いて接続ドライブを確認し始めた。これなら絶対に見るだろう。 「聞いてんのか? 絶対に見るなよ?」 「……判ったわ」 自室を出てトイレに行って小便を済ませると、俺はリビングのテーブル上の諸々を片付け、ソファに座って時間を潰してから部屋に戻ることにした。本当に見られて困るものは、ケーブルを外してクローゼットの奥に隠してある別の外付けハードディスクの中だ。現在接続中の方には、近い内に桐乃に見せてやろうと思って用意しておいた無修正のSM調教動画と緊縛画像しか入れていない。一見して拒絶する可能性もあるが、これまでの言動から察するに、恐らく黒猫には加虐性がある。流石に食い入るように見ることはないと思うが、何らかの興味を示しはする筈だ。 時計を見ると部屋を出てから数十分が経過していた。そろそろいいだろう。俺が部屋に戻った時に黒猫がどんな顔をするのか楽しみだ。 ゆっくりとリビングを出て階段を上り、ドアをノックしてから間髪入れずに部屋の中へ入ると、黒猫は慌てた様子でマウスを操作しているところだった。 「見てねえだろうな?」 「み、見ているわけないじゃないの」 黒猫は俯きながらそう言ってきたが、頬が赤く、手を小刻みに震えさせている。見たことは間違いない。それなりの衝撃を与えることにも成功したようだ。こんなに初心な素振りをしているということは、まだ処女で何の経験もないのかもしれない。 「それならいいんだけどよ」 「や、約束したもの。み、見てないわ」 拗ねた口調で繰り返す黒猫の身体つきを眺めながら、俺は目の前の少女を堕とす為の案を練り始めた。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第046回 「ほ、ほんとにこんなとこでするの?」 「早く下着脱いでケツ捲くれ」 「う、うん」 麻奈実はスカートの中に両手を入れて白いショーツを下げると、尻を俺に差し出し、スカートを捲って陰部と尻穴を曝け出した。俺は自分の制服のズボンとパンツを下げると、陰茎を麻奈実の膣へと根元まで一気に挿入してやった。 「はふくんああっ、そんないきなり奥までぇ、んくふぁ、ちょっと痛いよぉ」 現在は三時限目だが、俺と麻奈実のクラスは自習時間だ。来年取り壊すという学校の旧校舎には俺たち以外には全く人影がなく、多少の声を上げても気付かれる心配はない。元は一年生の教室だったというその場所で、麻奈実は立ったまま黒板に手を突いて俺の一物を体内に取り込み、僅かに背を反らしている。 「痛かったら、さっさと濡らせ。こっちだって引きつって痛えだろうが。早く腰振れ」 俺はそう言って麻奈実の尻に平手を喰らわせた。桐乃より大きな尻に俺の手形が赤く残る。 「んくふあっ、う、うん、ふうああっ、ちょっ、ちょっと待ってて」 麻奈実は揺ら揺らと腰を動かし始め、少しずつ愛液を分泌し始めた。とは言え、まだ少し痛むのか、いつもより動きがぎこちない。俺はもう一度尻を打った。一昨日の桐乃との行為で、今ではスパンキングに面白味を感じている。 「痛くてもちゃんと振れ。今度からは始める前に自分で弄って濡らしとけよ?」 「んくひいっ、わ、判ったよぉ、はんふあっ、どうぉ? うくはあっ、気持ちいいかなぁ?」 確かに動きは少し良くなったが膣内の滑りが足りない。俺は面倒臭くなり、麻奈実の腰を片手で抱えて自分も動くことにした。今では麻奈実の膣内の弱いところは判りきっている。ついでに陰核も指で擦り上げてやると、やっと膣内が平素並みに濡れてきた 「まったくお前は世話が焼けるよな、判ってんのか、おらっ」 「あくふあっ……ごっ、ごめんなさいっ……ふくああっ……もっと頑張るからっ……はうんあっ……きょうちゃんそこダメっ……うはんあっ……オマンコダメになっちゃううっ……」 「何がダメになっちゃうだ、どうせ乳首も勃起させてんだろうが。ちゃんと言ってみろ」 言いながら、俺の動きに合わせて揺らしてくる麻奈実の尻を、何度も何度も叩いてやる。 「んひいいっ……してるしてるよおっ……うくひあっ……勃起してるのおっ……くはひあっ……わたしの乳首ぃ……あんくあっ……下着の中で勃起してるよおっ……」 嬲られながら全身をくねらせて喘ぐ麻奈実の様子を見ると、被虐的な資質は桐乃よりありそうだ。こいつは特にマゾ奴隷として育てて行くことにしよう。加虐的な資質のある加奈子に調教させてもいいし、麻奈実を嫌悪している桐乃に任せても面白そうだ。 「尻も叩かれて気持ちいいんだろ? 何されて、どうなってんのか、ちゃんと言ってみろ」 「かはああっ……きょうちゃんに勃起オチンポ入れられてえっ……んくはあっ……乳首勃起させてるのおっ……はふうあっ……お尻も叩かれて気持ちいいのおっ……あくひいっ……オマンコ濡れて溶けそうなのおおっ……んくひあっ……ダメもうオマンコきちゃうよおおっ……」 「まだイくな、我慢しろ」 そう言いながらも我慢できないように俺は腰の動きを速め、ついでに麻奈実の尻穴に強引に親指を突っ込んでやった。 「んくひいいっ……それ痛いよおおっ……はぎひいいっ……お尻は嫌だよおおっ……」 「口答えしてんじゃねえ。捨てるぞ?」 「はくひうあっ……嫌嫌嫌ああっ……かふくはあっ……我慢するから捨てないでえっ……ふくはひあっ……お尻も我慢するからあっ……くふはうあっ……何でもするからあっ……」 「なら、ケツ穴弄られながらイってみろ。このままザーメンくれてやる、ほらよっ」 そう言って俺は親指の腹で腸壁を擦りながら、麻奈実の膣内へと精液をぶち撒けた。 「あくひうああっ……お尻痛いのに気持ちいいっ……んくあはあっ……オマンコ熱くて染みて気持ちいいよおおっ……んくひっ、き、きちゃううっ、凄いのきちゃうううっ、んかあはっ、くっ……あひっ……オっ、オオっ、オマンコイくイく、イくううううううっ!」 何度も腰を跳ね上げた後、麻奈実は黒板に力なく凭れ掛かり、俺が射精を終えて陰茎と親指とを引き抜くと、膣から精液を垂れ流しながらズルズルと床へと崩れ落ちていった。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第047回 その日の放課後、俺は近所の書店へと向かった。毎月購入している雑誌の発売日だったからだ。目当ての本を手に他のコーナーを巡っていると、見覚えのある顔と出会った。 「瀬菜ちゃん?」 「ひえええっ、あっ、こ、高坂先輩?」 別に俺は瀬菜の中学校出身ではないのだが、赤城の家で話した時にも先輩と呼ばれている。瀬菜なりの目上の人間に対する敬称なのだろう。急に声を掛けられて驚いたのか、瀬菜は跳び上がって数歩後退った。 「あ、悪ぃ。驚かすつもりはなかったんだけど」 「えっ? えっ? えっ? ななな、なにしてるんですかっ、こんなところでっ?」 瀬菜は青い顔をして更に後ろに下がって行く。見ると、後ろ手に雑誌を隠しているようだ。それまで立っていた場所に並べられた本を見て、俺は漸く以前の瀬菜の豹変振りに納得がいった。そこにあったのはBL系の雑誌だったからだ。 「そっか、瀬菜ちゃん、腐女子だったんだな」 そう言った途端、瀬菜は眉間に皺を寄せながら近付いて俺の手首を握ると、書店の隅へと引き立てていった。壁際に俺を押し付け、詰め寄るように身体を密着させてくる。 「……こんな場所で腐女子とか言わないでくださいよ」 口調は怒っているが、小声で言ってくるところを見ると、自分の嗜好を恥じているらしい。セーラー服越しに大きな乳房が俺に当たってことにも気付いていないようだ。 「家に行った時、どうも様子がおかしいと思ったんだよ。瀬菜ちゃん、赤城と俺とで妄想してたんだな?」 「ぎゃーッ、忘れてくださいッ!」 俺の制服の襟首を捻り上げ、瀬菜は必死な顔で迫ってきた。強く押し付けられた乳房の感触から推察するに、九十前後はありそうだ。恐らくは沙織よりでかい。巨乳腐女子中学生か、面白い。脳の病気でないのなら、容姿はまあまあ好みでもある。それなりの対処をしてやろう。 「このことを知ってんのは誰? 赤城は知ってんだろ?」 「……兄だけです」 俺の首元から手を離し、恥じ入るように瀬菜は俯いた。知っているのが赤城だけなら好都合だ。あいつなら仮に殴り合いになっても勝てる。 「安心しろよ。誰にも言わねえよ」 「えっ? 黙ってて貰えるんですか?」 「当たり前だろ。けど、隠すことはねえと思うぞ? 趣味なんて人それぞれなんだし」 「それはそうですけど、でも……」 「自分で絵とか描いたりすんのか? 漫画か? それとも小説とか?」 「……下手なんですけど、全部やってます」 顔を上げ、照れたように笑いながら瀬菜が言った。気後れした様子がなくなっている。 「やっぱアニメとか題材にすんのか?」 「好きなのはゲームのキャラで、その、サムライとか斧戦士とか」 「へぇ。その場合だと、斧戦士が攻めか」 「ななっ、なに言ってんですかッ! 判ってないっ、先輩っ、全然判ってないですッ!」 唐突に瀬菜は激昂し、凄まじい形相で俺を睨み付けてきた。身体を震わせながら腰まで強く押し付けてくる。俺の半勃起状態の陰茎が下腹部に当たっているのだが、気にもしていないようだ。 「サムライが攻めに決まってるじゃないですかっ。病弱そうなサムライが、強靭な肉体の斧戦士を犯すのが当たり前ですっ。刀の柄をお尻に入れて焦らして、その上で絡むんですよっ。そんな超萌えシチュが判んないなんて、先輩おかしいですっ、異常ですッ!」 異常はお前だよ、という言葉を呑み込んで、俺は何度も頷いてみせた。 「死霊術師も絡んできて、同時に口も塞ぐんですよっ。斧戦士のお尻に『肉便器』って落書きしたり、あ、その前に鎖に繋いでおきましょう。それから、えっと……」 「判ったから、こんなとこで大声出すのは止めようぜ。で、もし暇だったら場所変えて、俺に色々と説明してくんねえかな? ちゃんと話を聞くから」 誠実振った口調で俺がそう言うと、瀬菜は笑顔で頷いた。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第048回 「なんかご機嫌だね、いいことでもあったの?」 その日の夕食時、一緒のテーブルに着いていた桐乃が問い掛けてきた。 「お前と飯、喰ってるからな」 取り敢えずはそう言っておく。まあ、本音でもあるのだが、瀬菜のことを話す訳にはいかない。いずれは一緒に楽しむつもりだが、現時点ではまだ早い。 書店を出てレンタルルームに行き、三時間近く話を聞いてやると、瀬菜は携帯電話の番号を教えてくれた。俺が望むならカップリングやその他のレクチャーをいつでもしてくれるとのことだ。その手の話題を話せる相手が実兄しかおらず、色々と溜め込んでいたらしい。これで瀬菜攻略の糸口は掴めた。後はこの状態からどうやって堕とすかだが……。 「――聞いてんの? ねえっ?」 我に返ると桐乃がテーブルの向かいから身を乗り出し、俺に問い掛けてきていた。慌てて手のひらで押し止める仕草をし、俺は桐乃に問い返した。 「悪い、聞いてなかった。何だ?」 桐乃は自分の椅子に座り直すと、不貞腐れた態度で口を開いた。 「あのクソ猫が前に作った同人誌の話よ。まったく、あんな変な文章書いちゃって。秘密にしてるあたしのブログの方がマシだっつーの」 クソ猫とは黒猫のことだろうと察しはついたが、あいつは同人誌も作ってたのか。いや、それよりも、秘密のブログ? 初耳だぞ? 「お前のブログって何だ?」 俺が尋ねると、桐乃は大きく目と口とを開いた。恐らくは、しまった、とでも思っているのだろう。 「え、えっと、な、なんでもない」 両手を振り続けながらそう言ってきたが、誤魔化すような笑みを浮かべているところを見ると、何か隠しているようだ。 「もう一度聞くぞ? お前のブログって何だ?」 強い口調で問うと、桐乃は手をそのままに深く項垂れた。 俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない 第049回 「おいこら、桐乃」 「な、なにかな?」 「お前のブログのこれ、『妹空』とかいうこれは何だ?」 俺は自室のパソコンの前でモニター画面を指差しながら、床に正座して俯いている桐乃に問い掛けた。件の秘密のブログ自体は以前からやっていたようだが、最近始めたらしい『妹空』というコンテンツには、破瓜の時点からの俺との性行為が赤裸々に記されている。言わばセックス日記だ。例えば『兄貴ったらオチンポ勃起させてるくせに、クリトリスうんと舐めてくれて、あたしのことばっか気持ちよくしてくれんの。でもオチンポに触ってあげたら、可愛い声出して寝そべったあたしの身体に乗っかってきて、オマンコの中に三回も出されちゃった。幸せでどうにかなっちゃいそう』と、一見、駄文散文の類に見えるものの、その日の大凡の体位や回数が書いてある。流石に俺や桐乃の名前や加奈子の調教の件などは記されていないが、ブログの管理人の名前は『理乃』とあり、放置しておくには危険過ぎる。と言うか、十四歳の小娘が淫語使って日記書いてんじゃねえ。 「えっとね、その、小説?」 「何で黙ってた?」 「……だって、怒られるかと思って」 「このブログをお前がやってるって知ってるのは誰だ?」 「……誰にも秘密にしてある。クソ猫たちにも内緒」 俺は少しばかり安堵の溜息を吐いた。それならまだ対処の方法はある。仮に周囲の人間が見ても、内容と管理人の名前だけで俺と桐乃の関係を疑うことはないとは思うが、先々どうなるかは判らない。ここは矢張り削除だろう。 「パスワードは?」 「えっ? ど、どうすんの?」 「このコンテンツだけでも削除する」 「それはダメっ!」 桐乃は立ち上がって俺の背中に抱きついてきた。身体を使って懐柔する気かと思ったが、そのまま黙って手を離すと、再び床に正座して両手を着き、俺に向かって頭を下げた。桐乃の土下座なんて見るのは初めてのことだ。正直に言って俺は狼狽えた。 「……それだけは許して、お願いだから」 「……そこまでするほどのことか?」 「だって、兄貴との思い出だよ? ずっとこんな関係になりたくって、やっとなれたから、その思い出を残しておきたいから書いたんだよ? あたしにしてくれたこと思い出して書いた、何より大事な記録なんだから。だから絶対に削除は嫌っ」 言ってから桐乃はゆっくりと身体を起こし、真剣な眼差しで俺をじっと見つめてきた。どうにか説得してパスワードを聞き出し、削除すること可能だろうが、桐乃の気持ちも判らなくはない。となれば条件を付け、定期的に俺がブログを監視するしかないだろう。その気になれば削除はいつでも出来る。 「個人名やその他の特定されるようなことは絶対に書かないって約束できるか? プロフィールなんかも詳細をこれから確認して、場合によっては手直しして貰うぞ?」 「それなら削除しなくてもいいの? ほんとに?」 「ああ。但し、定期的に確認して、約束が守れてなければ削除する。いいな?」 「うんっ!」 桐乃は再度立ち上がって俺に抱き付き、今度は嬉しそうに頬を摺り寄せてきた。