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背中から割ってはいけない 5KB 小ネタ 稲川怪談風 ほんのり黒二行作 ゆっくり、胴無しのゆっくり。 そのゆっくりを背中から割ってはいけない、という話があるんです。後頭部じゃないですよ、背中です。 ある男がですね、まりさを飼っていたわけです。 ある夏の日だ。どうにもまりさが暑そうだったから、少し髪の毛を切ってやろうかってね、まあ、冗談半分ですよ。 帽子を取ってね、最初はハサミでチョキチョキやっていたんですけど、だんだん面倒臭くなっちゃて。 カミソリ持ってきてね、それで髪の毛をすいてやることにしたんですよ。 シャッ、シャッ、シャッ、シャッ。 刃を動かす度にブロンドの毛がパラパラと落ちていく。 当のまりさはね、気持ちいいのか、寝息を立てていたんです。 ゆぴー、ゆぴー。 そこで飼い主のお兄さんがね、イタズラ心がムラムラと湧いてきて。後ろ頭を思いっきり刈り上げてやった。 ジョリッ。 後姿が不自然につるっつるになった饅頭を見て、いよいよお兄さんは面白がっちゃって。 起きないのをいいことに、たった今禿げ上がった場所を背中にしようと思い付いたんです。 頭だけの生き物に背中を作る。随分グロテスクな思いつき。 カミソリの刃がゆっくりまりさの肌を削っていくわけです。少しずつ少しずつ彫刻のように。 サクッ、サクッ、サクッ。 サクッ、サクッ。 サクッ。 手先が器用だったんでしょうね。背骨と肩甲骨がうっすら浮き上がった立派な背中を、カミソリ一本で作り上げちゃったんです。 で、まりさはまだ寝てる。いい加減起こして、驚かそうと頭だけの生き物をちょっと揺らす。 ふと気づくと、まりさの背中に亀裂のような一筋の傷。ああ、うっかり切っちゃってたのかなあと、そっと手を添えた。 そうすると傷口を中心に綺麗に裂けていって、音もなくまりさが割れていくんです。まるでお食べなさいをしたかのように。 男は慌ててね。そりゃそうだ。それなりに可愛がってた飼いゆですから。 バッと持ち上げると、もう繋がってるのは顔の皮一枚だけ。餡子という餡子がデロデロと流れ出していく、落ちていく。 ベチョッ、ベチョッ、ベチョッ。 やがて顔の裏側が見えてきて、白玉の目玉が浮かび上がってくるんだけど、どうもおかしい。 お面を反対側から見ているようなもんなんですから、そこはのっぺりしてなきゃおかしいんですよ。 だけどゆっくりまりさの裏に張り付いてるのは、筋張った表情。まるで皺くちゃの年寄みたいなのが、男の手の上にあるわけです。 むき出しの唇からのぞく歯がカチカチと音を立ててね、まるでバイブレーターでも仕込んでるように、顔全体が小刻みに震えている。 特に男から見て右側のまぶたが、脈打っているように酷く痙攣しているんです。 やがて目玉がぐるんとひっくり返って、黒目が男を見上げる。 そのまま何かを呟くように口をパクパクさせた頃には、もう男はすっかり青ざめちゃって、まりさだったものを床に投げつけた。 水風船が割れたような音がして、フローリング中に餡子が飛び散る。 部屋は派手に汚れてしまったけれど、もうさっきまでの不気味な顔はいなくなっていました。 その時点で、ああ、あれは何かの見間違いだったんだなと思い込んでおけば、それだけの話だったんですけど。 あれ以来、彼はどうにも気になっちゃってね。 本当にゆっくりの顔の後には、あの妙なものが張り付いてるのか確かめようと思い立ったわけです。 近所のゆっくりショップで、処分品のれいむとまりさの番を買ってきて。 ラムネ食ってよく眠ってる汚い番。妙にれいむだけ太っていてね。 部屋の床の上に新聞紙を敷いて、まずはまりさを寝かすんです。そして、包丁でもって一気に顔を削ぎ落とす。 まさに縁日で売られてるお面みたいになった。ひっくり返して裏側を見る。 皮の中にみっちり餡子は詰まっている。それだけ。 古墳で発掘作業してる人みたいに、ツラの中の餡子をこそいでみたりしたけど、あの時のような筋張った顔は出てこない。 じゃあこっちだと気を取り直して、れいむというかでいぶを、手に取った。 後頭部に威勢良く包丁突き立てて、饅頭も合わせて「ゆぎっ」とか言っちゃったりしてね。 無事真後ろに切れ目も入ったんで、そこから2つに裂いていこうとするんですけど、綺麗に割れない。 ミチミチッと不快な音を立てながら、思い切り力を入れて、袋とじを無理やりこじ開けるような、みっともない破れ方なんです。 息を切らしながら、爪の間まで餡子塗れにして、ようやく顔の裏が現れたんだけど、やっぱり老婆のような顔なんて出てこない。 ああ、これは紛れもない徒労だ。男はぐったりして、もう寝ようと。 すると、今しがた息絶えた餡の塊の中から、何やら音がする。 ゆぴー、ゆぴー。 黒いものをかき分けると、いた。出産直前だったんでしょうね。丸々太った赤れいむがイビキなんてかいている。 なんだ、やたら太っていたのはこのせいかと思いながら、ふと、男はまた思い付いちゃったんです。 ふらっと立ち上がってカミソリを持ってきて、まるで取り憑かれたように、刃を動かす。 シャッ、シャッ、ジョリッ。 後頭部が綺麗に剃り上がる。 そこへ、さらに刃物の光が入った。 サクッ、サクッ、サクッ。 サクッ、サクッ。 サクッ。 あの時と全く同じ背中、背骨と肩甲骨がうっすら浮き上がったように見える背中を彫り上げた。 違うのは大きさだけ、まるで精巧なミニチュアだ。 そしてやっぱり、まるで作った覚えのない鮮やかな裂け目が、背中を上から下へ走ってる。 ふっと指で触れる。 ぱっかりと割れる。 ベチョッ。 ほんの一握りの餡子が流れ落ちると、皺くちゃの顔がれいむの裏側に張り付いている。 凍えるように震えて、イラつくように右側のまぶたが痙攣してる。 白目が裏返って、黒目と男が目を合わせて。 そうして小さな唇を開き、今度ははっきりとした声で、こう言った。 「また、会ったなあ」 ゆっくりを背中から割ってはいけない。 それは、見なくてもいいものを見てしまうからだそうです。 (終) 感想板:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852937/ 過去作:http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/392.html
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27 名前:名無しの心子知らず[] 投稿日:2005/07/02(土) 13 33 56 ID HMyowVqU 赤子の脇の下を洗う時や、体温計を差し込む時は、 前からより背中側からの方がやり易い。
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Q: 214 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/07/31(火) 12 53 57 ID gAuC2Yzf 先日グラヴィトンハンマー(棘が一杯付いてる奴です)を背負ったハンターが ベッドに背中から思いっきりダイブしてました。しかも即寝です。 あれでは彼の背中はかなり酷い事になっていると思うのですが、 ダメージを食らうどころか回復していました。理不尽です。 一体どういう事になっているんでしょうか。気になって夜も眠れなくて寝不足なのでこれから寝ます。 A: 216 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/07/31(火) 16 13 25 ID BYEvPALb 214 モンハンの世界には魔術(錬金術があるんだからあってもいいだろ)により 物体の大きさと質量を小さくする技術があります。例を挙げるなら収納ボックス。 あんな縦横1メートルもない箱に装備やら頭やら普通の状態では入るわけないでしょう。 寝転ぶ時に一瞬で装備が消えますよね。あのときに装備をストラップ大にしてたので 針でも痛くなかったわけです。なぜ戦闘中に利用しないか?アレを使うには精神の集中がいるんです。 なぜ使える魔術はそれだけか?あの次元は某『』からもちかえった魔術がそれだけで ほかの人々は抑止力(のちのモンスターとなる超上生物)に殺されたので魔術体系がそれしかないのです。 ちなみに放出系などの魔術もないため某管理局からはこの次元での魔法文化は0判定です。 217 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/07/31(火) 22 24 42 ID nHKdaMqX 216 Wikiなどを参照すればわかりますがモンハンの世界に魔術はありません。 強引な回答ならまだしも理不尽な回答はどうかと思います 217 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/07/31(火) 22 24 42 ID nHKdaMqX 214 大人の事情により省略されています。 アイテムボックスからアイテムを取り出す時も、わざわざボックスを漁りませんよね? それと同じで、ゲームに出力される段階で「武器を安全な場所に置く」という動作を省略しています。 他にも省略系は無限にありますが、全て同じ答えです。 でなければキリがありませんしね。 222 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/08/01(水) 01 25 37 ID YtlH0zow 214 モンハン世界には我々の世界では理解出来ない特殊な力学、 「アタリハンテイ」という物が存在します。 彼らの世界でも完全に判明で来ている訳では無く、まだまだ研究中の分野ですが それによって工房で鍛えられた武器は大抵の生物には直撃しますが、無機物の多くを透過すると言う不思議な性質を持っています。 そのため壁の中にめり込んだりしても大丈夫なんですね。 ちなみに家屋は床下材にアタリハンテイを持つ岩石(火山などによく分布)を利用する事で、 武器を万一落としても引っ掛かるように加工されています。 アタリハンテイを持たない地殻で武器を落とすと二度と拾う事が出来なくなるので、ハンターは何があっても戦場で武器を離さないのです。 なお、狩り場に存在する見えない壁もアタリハンテイの力場の一種だと言われています。 今後の研究が期待されますね。 225 ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン 2007/08/01(水) 13 43 23 ID s0o/cey7 222 アタリハンテイ力学に衝撃を覚えた。 アタリハンテイ力学 ベッド 武器
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ある女性が気味の悪い無言電話に悩まされていました。 「もしもし?」 「………」 「もしもし?」 「………」 いつもはここで恐くなって電話を切ってしまうところでしたが、我慢できなくなって、彼女は叫びました。 「いい加減にしてよね!」 すると受話器のむこうから、押し殺したような声が聞こえたのです。相手が喋ったのはこれが初めてでした。 「…殺してやる…」 さすがに恐くなって身の危険を感じた彼女は、だめでもともとと警察に相談してみました。 ところが最近は、そういったストーカーの犯罪が深刻化しているためか警察は詳しく話を聞いた上で彼女の電話に逆探知機を設置して捜査を行ってくれることになったのです。 次の日もやはり、無言電話はかかってきました。慎重に受話器を取り上げ、耳に押し当てる女性。 「もしもし?」 「…殺してやる…」 昨晩のあの声でした。そのときです。彼女の携帯電話が鳴りました。警察からです。 「すぐに部屋から出なさい!」 「は?」 「逆探知の結果、電話はあなたの家の中からかかっています。犯人はあなたの家の2階にいるんですよ!」 .
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■Ragnarok Online EP7.0 Lv3317 たくあん■ http //ex24.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1242954828/ 476 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 13 10 54 ID XH82XCgq 電車の中からつさく 先頭記号で豚フル感染 478 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 13 54 01 ID eZKAZq+M 476 電車の中からつさく 先頭記号で豚フル感染  ̄ ̄ ̄| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ [ ゚д゚]( A`) ν ノノ ] ( ヽ[] 送信・・・と ΓΓ ̄ 77 ハッ [゚д゚ ] ( A`;) ノノ ] ( ヽ[] ΓΓ ̄ 77 479 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 13 59 54 ID xKN5J7Rv ・・・ [゚д゚ ] ( A`;)[゚д゚*] ノノ ] ( ヽ[]_ ノノ ]_ ΓΓ ̄ 77 キノセイカ… [゚д゚ ] ( A`)[ ゚д゚] ノノ ] ( ヽ[]_ [ヽヽ_ ΓΓ ̄ 77 480 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 14 03 00 ID Lw/6EJ9B [ 。д。] [゚д゚ ] (; A`)[ ゚д゚] ノノ ] ( ヽ[]_ [ヽヽ_ ΓΓ ̄ 77 481 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 14 03 26 ID yd5O4SOW [゚д゚ ] ( A`)[ ゚д゚] ノノ ] ( ヽ[]_ [ヽヽ_ Γ「[ ゚д゚]77 [゚д゚ ] 482 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 14 04 22 ID tzzMGKiI [゚д゚ ] (A` ) [ ゚д゚] ノノ ] ( ヽ[д゚ ][ L_ ΓΓ ̄ 77 77 [゚д゚ ] ( A`) [ ゚д] ノノ ] ( ヽ[]_ [ L_ ΓΓ ̄ 77 77 483 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 14 04 49 ID NylKd1Ts [゚д゚ ] ( A`) [ ゚д゚] ノノ ] ( [゚д゚]_ [ヽヽ_ Γ「[ ゚д゚]77 [゚д゚ ] 484 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 14 08 56 ID 9eJBYH5s 裏 [ ] ( ) [ ] ノノ ] [( )_ [ヽヽ_ Γ *゚д゚* ] 485 名前:ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 14 10 12 ID tzzMGKiI あらやだアソコあいてるわ! [゚д゚ ]( A`) [ ゚д゚] J( ∀`)し ノノ ] ( ヽ[] [ヽヽ_ ( ) 「「[ ゚д゚]77 [゚д゚ ] | | ヨッコラセックス!! [゚д゚](; AJ( ∀`)し;゚д] ノノ ] ( ヽ ( )[ヽヽ_ 「「[ ゚д゚]77 77 [゚д゚ ]
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★6 地中からの刺客 報酬金 4000z 制限時間 50分 獲得HRP 400pt 成功条件 ドスガレオスの討伐 飛竜 ドスガレオス 報酬素材 魚竜の顎 ×1 4% 竜の爪(7) ×1 20% 魚竜の牙(3) ×1 20% 竜骨【大】 ×1 5% ハレツアロワナ(5) ×1 25% バクレツアロワナ(3) ×1 20% 砂竜のヒレ ×1 5% エビの大殻 ×1 1%
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砂中からの攻撃 果てなき運命 OPERATION O-89 緑 1-2-0 C (常時):《R》「砂漠」を持つ自軍ユニット1枚は、ターン終了時まで+1/+1/+1を得る。 砂漠を持つユニットをパンプアップするオペレーション。 砂漠デッキへの投入が考えられるが、周りが砂漠デッキばかりならいざ知らず、多くは熱砂の攻防戦で事足りるので、採用されることはほとんどない。しかしそれと比べても、合計国力も低く、宇宙適性も持つ砂漠ユニットをパンプアップでき、さらに配備エリアで防御力を上げることもできるので、一概に下位互換とは言い切れない。 参考 「果てなき運命」の、特定のユニット1枚をパンプアップするオペレーションのサイクル。 ウェイブライダー 執拗な攻撃 遠隔操作 月が見えた! シルエットシステム
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水中からの侵入 [部分編集] 第6弾 COMMAND 06C/C GN044R 2-緑1 (攻撃ステップ):自軍ユニット1枚を廃棄する。その場合、敵軍ユニット1枚は、このターン、出撃できない。 束縛 緑-0080 自軍ユニット1枚の廃棄と引換に、敵軍ユニット1枚の出撃に制限をかけられる。 このカードと、対象となるユニット(及びそれにセットされたキャラ等のセットカード)という大きな代償を求められる。 予め使っておく性質上、「元々出撃する予定が無かった」ユニットに対して使っては損失だけであり、アドバンテージ面でも痛手になる。 相手のフィニッシャーを一時的に出撃制限を掛けるなり、相手の場に高機動持ちのユニットに対して使用したりと、対象は慎重に選びたい。 このカードの本当の利点は「自軍ユニット(とセットカード)を能動的に廃棄できる」という点にある。 同弾ではハーディ・シュタイナー等のサイクロプス隊のキャラが存在し、その多くが廃棄を起動条件とするので、それらを自分から狙って廃棄を狙えるだけでも利用価値があると言える。 ウーイッグ爆撃等で破壊されたユニットに対して使用しても、「破壊されて廃棄された場合、○○する」という意図の効果は起動しない(「破壊された結果として廃棄した」訳でなく「自軍効果によって単に廃棄された」と認識される為)
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2車の中から幻想入り 動画リンク コメント 車の中から幻想入り 何人目の幻想入りか 344(旧339)人目らしい 作者 瓜(うり) ひとこと 絵の下手さを努力でカバー・・・します 主人公 うり(♂) 見た目特徴:草っぽアホ毛 年齢:20ぐらい 職業:大学生 性格:温厚、非戦闘的→臆病、マイペース、ロリコン 装備:紫からもらった服、静葉の椛2枚 ゾッコン:リリーホワイト 人間ではないらしい ブログです進行具合も書く予定ですhttp //nbom.blog64.fc2.com/ mylist/5627902 ピクシブhttp //www.pixiv.net/member.php?id=274908 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー 344番さん -- (名無しさん) 2008-09-03 17 06 24 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを募集しています。レビューについては、こちらをご覧下さい。
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闇の中から来た女 闇の中から来た女 題名:闇の中から来た女 原題:WOMAN IN THE DARK,1933 作者:DASHIELL HAMMETT 訳者:船戸与一 発行:集英社 1991年4月25日 初版 定価:\1,200(本体\1,165) 白状しますが、ぼくはハメットの作品はこれまで読んでいない。ジュニア版で『マルタの鷹』を読んだのは中学生になり立ての頃のことだが、当時はアイリッシュのスリラーやカーやクイーンの推理小説の方が面白く、ハードボイルドは少しも面白く感じなかった。しかし二十歳を越えるとさすがにチャンドラーやスピレインの虜となった。虜となりながら、チャンドラー、スピレインでさえ、十分古臭さを感じているのに、ハメットではさらに古典だからかび臭いんだろうな、という意識が強く、そのまま読む機会を逸してしまっているのだ。 だからこの作品はぼくにとってはハメット作品に初めてちゃんと取り掛かった第一冊なのです。しかしこれは小冊子のように薄での本。文庫にしたら100ページ程度の中編作品を挟んでロバート・B・パーカーが前書きを書き、翻訳と後書きとを船戸与一が担当している。ハメット-パーカー-船戸の黄金トリオが売り物の本なのだろう。もっとも3人とも経路の違ったタイプの作家だから、なんだか一冊の本に、しかも一作の作品をめぐってこうして整列されることに、こちらが戸惑いを覚えないと言えばまるで嘘になってしまう。 現に船戸はパーカーの前書きをこっ酷くこき下ろしているし(その気持ちはわかるのだが)、またハメットの作品評にしてはいかにも内容が「叛アメリカ史」である(ぼくは豊浦名義作品は読んでないけど)。もっともハードボイルドは時代の歪みがもたらしたもうた人間臭いアンチヒーローたちのドラマではあると思うので、時代とか国に関する考察は基本であるのかもしれない。しかしそれにしたって、癖の強い二人の作家がハメットを読者の側ではなく作家の立場で評していることは確かだし、癖の強さがまた一段とこの作品をばらばらな方向に引き裂いている気もする。それがこの本の楽しみのひとつ。 作品そのもの。ぼくにとってはハメット初体験のようなものだけど、作品は中編なりの面白さ。キャラクターのすべてが疲れ果てていて、とても子供には読み切れないだろうが、まあちょっとした西部劇の面白さが見える。金持ちに追われる女が、刑務所を出たばかりの無口で腕っぷしの強い男の家に転がり込む。金持ちは権力で警察や医者を思うままに動かし、二人は逃げ、闘い、そして……というストーリー。とてもシンプルなハードボイルド小説で、つまりぼくはこういう物語が好きだ。当然時代が古いからモノクロ画像のイメージ。感情などはほとんど描写されず、ただ現象として現われた事柄を坦々と書き綴る。このように突き放された視点も、ぼくは好きだ。 最後に翻訳であるが、船戸の役であるから覚悟の上であるとは言え、相当の意訳がされているようである。というのは三人称複数の視点で描かれた文章を、ヒロイン一人の視点に統一してあるそうなのだ。また意訳と言うより半創作と言ったほうがいいほど、文章自体を水増ししているらしく、もしかしたらこれは水増しハードカバー化という作意の可能性も否定できないそうである。ちなみにぼくはそういう翻訳は方法としてたまらなく嫌いである。嫌いな人の方が多いに違いないとも信じている。 この本は極めて短時間に読めるので、ハメットをまだ読んだことがないという人には格好のきっかけに使えると思う。現にぼくはこの作品のおかげで、時代というギャップを越えてでもハメットの主要作品を読もうという気に一応なりましたから。 (1991.07.24)