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114 名前:綺麗なお姉さんは好きですか? 1/6 :2011/03/31(木) 20 26 02.91 ID ??? まだ朝靄も残る早朝。 いつものようにロランが朝食の準備に取り掛かるため台所へ向かうと、 何やらいい香りがしてくる。 リズムよくまな板を叩く音も聞える。 長兄のアムロだろうか? ロランを気遣い、代わりに朝食を作ってくれることがたまにある。 今回もそうだと思い、ロランは少し足を早めた。 ロラン「おはようございます!アムロに・・・」 台所に立っていた人物を見て、ロランは固まった。 ???「おはよう、ロラン。まだ寝てていいのに」 ロラン「ゆ、ゆ、ゆ」 ???「ロラン?」 ロラン「ユニヴァァーーーーーーーース!」 ロランの大声にアムロは慌てて部屋を飛び出した。 アムロ「奴らこんな朝っぱらから!」 ガンダムハンマーを片手に、声が聞えた台所へ一目散に向かう。 アムロ「シャア!グエン卿!お前らいい加減に・・・ん?」 BR 台所に居たのはロランと見知らぬ女性が一人。 ???「ロランが急に大声を出すから、兄さんが起きちゃったじゃない」 どこかで聞いたことがある声だ。 それも、すごく身近な人物だった気がする。 髪をアップにして、レースのエプロンが更に小奇麗に見える。 アムロは一度目を擦ると、何故か部屋に戻ってまたベッドに寝直した。 数分後、また走って台所へ向かう。 アムロ「夢を見ている自覚があるのに全く覚めないとは・・・」 ロラン「アムロ兄さん、その気持ちよく判りますが現実ですよ」 そんな二人のやり取りを見て、女性は笑った。 ???「二人とも朝から変ね」 アムロ「変なのはお前だ。セレーネ」 115 名前:綺麗なお姉さんは好きですか? 2/6 :2011/03/31(木) 20 27 24.36 ID ??? セレーネ「私のどこが変だって言うのよ。おかしなこと言うわね。 あ、ロラン、私はこれから下の子達を起こしてくるからお鍋が 吹き零れないように見ててくれる?」 ロラン「わ、判りました」 セレーネがいなくなると、ロランとアムロは恐る恐る鍋の中身を確認する。 具はシンプルにネギと豆腐だ。 ダシもちゃんと取ってあり、普通においしい。 焼き魚も焦げてない。 ロラン「三度の飯よりAIに夢中な姉さんが朝から料理・・・」 アムロ「ゴロゴロするどころか、自分から兄弟を起こしに行くとは・・・」 ガロ&ジュド「「ぎゃぁぁぁあああああああ!!」」 キラ&ウソ「「これなんてエロゲ!?」」 どこかで予想していたが、案の定、二階がガタガタと騒がしくなった。 何人かが階下に慌しく下りてくる。 ドモン「アムロ兄さん!セレーネ姉さんがおかしいんだ!!」 カミーユ「姉さんが誰かに修正された!?」 マイ「おかしいな・・・目から汗が出るんです」 アムロ「お前ら落ち着け」 その日のガンダム家は違った朝を迎えた。 セレーネ「全くあんた達には失礼しちゃうわ。人の顔見るなり絶叫するなんて」 ガロード「(いや、するだろ。姉さんが今まで聞いたことないような優しい声で起こすんだから)」 ジュドー「(何かの嫌がらせかと・・・見ろよ、この寒イボ)」 ガロード「(例のアレがばれたのか?)」 ジュドー「(その前にアレを壊したことじゃないの?)」 思い当たる節がありすぎる。 二人はこそこそと言い合いながら、朝食を準備する姉をチラチラと盗み見る。 コウ「う・・・ニンジンサラダ・・・」 セレーネ「好き嫌いはダメよ。コウ」 コウ「こればっかりは・・・」 セレーネ「はい、あーん」 コウ「これなんて(ry」 116 名前:綺麗なお姉さんは好きですか? 3/6 :2011/03/31(木) 20 28 08.08 ID ??? アムロ「いつからだ・・・いつからこんな真人間に・・・もしや種割れ!?」 シロー「昨晩、俺が仕事から戻ると入れ違いに外に出て行ったけど、あの時はいつもの姉さんだったな」 キャプテン「スウェンと星を見に行くと言っていた。戻りは深夜の2時48分を記録している」 アムロ「うーん・・・別にそれは初めてのことじゃないしなぁ・・・セレーネ」 セレーネ「なに?兄さん」 アムロ「昨日、スウェン君と星を見に行って何かあったのか?」 セレーネ「え・・・(ぽっ)」 アムロ「え」 シロー「え」 マイ「φ(。_。)メモメモ」 ドモン「え」 コウ「(顔を真っ赤にする)」 カミーユ「セッ」 ジュドー「カミーユ兄さん!今それはヤバイ!!」 シーブック「なんとぉーっ!?」 ロラン「今日はお赤飯ですね!」 キラ「早速姉ルートのフラグが折れたね、ウッソ」 ウッソ「キラ兄さんおかしいですよ。いつの間に立ててたんですか」 シン「スウェンて言ったらステラのとこの・・・」 刹那「もぐもぐ(よく判っていない)」 ヒイロ「もぐもぐ(よく判っている)」 ガロード「姉さんに先越されるなんて・・・」 アル「そういえば昨日、流星群だっけ?あったんだよね」 シュウト「ちょっとしか流れないみたいだったから、僕は寝ちゃったな」 アル「同じく」 ‐‐‐ピンポーン シュウト「あ、誰だろ?」 アル「兄さん達が固まってるから、僕見てくる」 アルフレッドが玄関に向かうと、そこには一人の青年が立っていた。 アル「あ、噂のスウェンさんだ」 アムロ「な、なにぃ!?まだ式場の手配が済んでないぞ!」」 ロラン「兄さん!気が早いですよ!」 シロー「いや、姉さんの気が変わらないうちに押さえておくべきだ!」 アムロ「あ、あれか!俺は『どこの馬の骨ともわからない男に妹はやれん!』とか 言えばいいのか!?」 シーブック「ケーキは何段くらいがいいかな?」 ドモン「その前に結納とか色々あるだろ」 シン「上の兄さん達が珍しくテンパってるな」 アル「スウェンさん、姉さんに用だって」 セレーネ「今行くわ」 117 名前:綺麗なお姉さんは好きですか? 4/6 :2011/03/31(木) 20 30 42.45 ID ??? スウェン「すまない。こんな朝早くに・・・あの後普通に帰してしまったが、大丈夫か? 少し、顔色が悪いように見えるが・・・」 セレーネ「大丈夫だって言ったじゃない。ほら、この通りピンピンしてるわ」 スウェン「俺が不甲斐無いせいで、辛い目に合わせた・・・」 セレーネ「気にしないでって言ったでしょ。確かに初めてで、ちょっと恥ずかしかったけど・・・ でも私、何だか生まれ変わったような気がするもの」 マイ「ベビーベットを置く場所を考えないといけませんね」 ガロード「ぶっ(鼻血)」 アムロ「や、やぁスウェン君」 スウェン「アムロさん、おはようございます」 アムロ「おはよう・・・今日は一体何の用で来たんだい?」 セレーネ「兄さん!何でもいいでしょ!」 アムロ「いや、俺はガンダム家の長男として妹の行く末を見守る義務がある」 スウェン「セレーネ、やはりちゃんと言わせてくれ」 セレーネ「スウェン・・・」 アムロ「(つ、ついに来るか!)」 スウェン「アムロさん、すみませんでした。妹さんをミンチにしてしまって」 スウェンはその場で深々と頭を下げた。 アムロ「みん、チ・・・?」 スウェン「昨晩、二人で流星群を見に行ったんです」 ~~~回想~~~ セレーネ「星空観察のお供には缶チューハイとスルメ、これに限るわ」 スウェン「ほどほどにしておけよ・・・(あ、今一つ流れた)」 セレーネ「最近兄さんがまた結婚する気は無いのかってうるさくてうるさくて、ゲイザーちゃんと しっかり愛を育んでるって言ってんのに・・・それよりも自分の身辺整理しなさいよねって 感じだ・・・あべしっ!」 スウェン「!?セレーネに隕石が落ちてミンチより酷いことに!」 ~~~回想終了~~~ ガロード「回想みじかっ!」 シロー「しっ!静かに!」 118 名前:綺麗なお姉さんは好きですか? 5/6 :2011/03/31(木) 20 32 21.28 ID ??? スウェン「日付を跨いだら元に戻ったんですが、その後どうも様子がおかしいので・・・ 本人は平気だって言うので家に帰したんですが・・・すみません、俺がもっとしっかり してればこんなことには・・・」 アムロ「こんな石ころなら押し返すまでも無い」 セレーネ「だから聞かせたくなかったのよ。スウェンもほら、何でも無いって判ったなら戻りなさい。 あなただって下の子の面倒があるでしょ?私もこれから洗濯と掃除を・・・ごふっ」 セレーネの身体がぐらりと揺れて片膝をついたと思ったら、突然血を吐いた。 そしてそのまま意識を失った恰好になる。 アムロ「セレーネ!?」 ドモンが咄嗟に身体を支えたのでセレーネは頭をぶつける事は無かったが、顔色は真っ青に変色していた。 目も深く閉じられている。 シロー「ガロード!テクス先生に連絡入れておけ!」 ガロード「お、おう!」 アル「きゅ、救急車呼んだよ!」 120 名前:綺麗なお姉さんは好きですか? 6/6 :2011/03/31(木) 20 35 18.99 ID ??? アムロは心配する学生組をとにかく学校へ向かわせ、自分は職場に休暇の連絡を入れた。 スウェンも付き添うと言ったが、これ以上彼が責任を感じてしまってもいけないと思い、アムロはそれを 丁重に断った。 そしてロランと共にセレーネを病院へと連れて行く。 診察を終えたテクスは難しい顔をして二人の前に現れた。 テクス「胃に穴が開いていた。相当なストレスがかかったと見える」 アムロ「ストレス・・・」 テクス「朝から普段と違う行動をしていたと聞いたが」 ロラン「真新しい服に違えて、誰よりも早く起きて朝食を作っていたんです」 テクス「それが血を吐いてまで倒れる原因だと?」 アムロ「恐らく・・・orz」 テクスは苦笑を浮かべた。 しかし彼は次には真面目な顔になり、本題を口にした。 深層意識が今の自分に拒絶反応を起こし、身体に異常を来している。 このままではセレーネの体は弱る一方だと。 アムロ「先生、一体どうすれば・・・」 テクス「やはり元の性格に戻すしかないだろう。典型的な直し方にショック療法という手もあるが・・・ 確か、ガンダム家には伝家の宝刀『斜め45度打ち』があるとかないとか」 アムロ「出来れば、この綺麗な状態をデフォにしたいんですが」 ロラン「兄さん!往生際が悪いですよ!僕だって姉さんが綺麗なままでいてほしいですけど・・・ 苦しんでまで成っててほしいとは思いませんから」 アムロ「・・・そう、だな・・・悪かったよ。刹那じゃないけど、兄弟皆揃ってこそガンダムだからな」 ロラン「そうですよ!」 ~~~後日~~~ セレーネ「キャプテンちょっといじいじさせて、ちょっとチラ見するだけだから、本当にちょっとよ ちょっとでいいの(;´Д`)ハアハア」 キャプテン「だが断る」 アムロ「・・・短い夢だったな(遠い目)」 スウェン「でも、俺は今の彼女の方が・・・」 アムロ「ん?何か言ったかい?スウェン君」 スウェン「いえ、何でも」 スタゲ視聴記念に。 国語2(5段階)の実力なので、存分に罵ってくれ(Mだから) 123 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/03/31(木) 21 37 28.32 ID ??? 面倒な事最後に言いやがって。わざわざ国語2とか罵ってくれとか 白々しいんだよ いい作品だったって言われたいのが見え見えじゃねえか 乙女連合最高 126 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/03/31(木) 22 35 24.01 ID ??? 123 言葉攻め・・・(*´Д`)ハァハァ シャクティ「!・・・(ものすごい速さで原稿を仕上げていく)」 ウッソ「燃料を与えないでください!」
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第034話 綺麗なお姉さんは好きですか? ◆z.M0DbQt/Q 一条誠(男子3番)は、自分の体に異常がないことを確認すると震える拳を握りしめた。 恐怖のために震えてるわけでない。 それは、純粋な怒りのためだった。 「……ふざけやがって……!」 中学生(チューボー)の頃はそれこそ神崎と組んで無茶苦茶やってきたし、楽園高校(ラクコー)にいっても色んな騒動に巻き込まれっぱなしだった。 自慢じゃないが結構な修羅場を潜ってきている自信はある。 だが……ここまで無茶苦茶な状況は初めてだ。 悪趣味。悪質。外道。どんな言葉も足りやしねぇくらい腐ってやがる。 誰が殺し合いなんかするかよ。 誰がテメェらの思い通りになんかなるかよ。 高校生(ガキ)だからってなめんじゃねぇぞ……! 必ず一泡吹かせてやる! 怒りを静かに燃え上がらせ、俺は支給されたデイバックを広げた。 水と食料。この島の地図。コンパス。時計。 それに。 「なんだこりゃ?」 木のバット……か?それにしても気味悪ぃな。 こんなびっしりとなんか怪しげな文字がかかれたバットなんて誰が使うんだよ。 あまり役には立たなさそうだな、と思いそのバットをバックの中に戻す。 次に手が掴んだモノは、名簿だった。 「日々野とイブ……春香先生……それに……」 知っている名が4つある。 あまりにも唯我独尊で無茶苦茶……だけど今では誰よりも信頼している仲間(ダチ)の日々野。 いつもいつも予測不可能なヤツだが、流石に殺しまではやらねぇだろう。 アイツがそう簡単に死ぬはずねぇんだから、誰が心配なんてしてやるか。 春香先生は……危ねぇんじゃねぇか。 正義感の固まりみたいな人だ。 ゲームに乗ったクソヤローにでも出会ったら、逃げるどころか立ち向かって行きかねない。 早いトコ探し出さねぇと……。 イブは、まぁ、大丈夫だろう。 そこら辺のチンピラじゃ、アイツには到底太刀打ちできっこねぇし。 「もう馬鹿な真似はしない」って約束したし、ゲームに乗るようなことはしないはずだ。 だが……最後の一人。 神崎狂。 自分とイカれた中学時代を共に過ごし――――決別したかつてのツレ。 日比野とイブは大丈夫だ。こんな腐ったゲームに自ら乗るようなバカじゃねぇ。春香先生は言うまでもねぇ。 だが神崎は……正直言って、乗る可能性の方が高い。 日比野との真っ向勝負に敗れ、自ら出頭した神崎が、今も日比野に勝つことを熱望していないとは思えない。 きっとアイツは日比野を捜すだろう。 「…………」 こんな所でジッとしていてもどうしようもない。 とりあえずは日々野とイブと春香先生を……そして神崎を捜すか。 日々野とイブは、一緒にあのジジイ共に一泡吹かせるために。 春香先生は守るために。 神崎は、……何かしでかしそうならそれを止めるために。 広げた荷物を再度デイバックに突っ込み、俺は人里があると思しき方へ歩き始めた。 目が覚めたら隣で物凄い寝相の女の子が寝ていた。 俺、何の夢見てんの?…………そういう夢? てゆうかなんで俺、こんな所にいんの? だってここ、どう見ても林の中じゃん。 俺ん家・菊丸家はいたって普通の家だからこんな生い茂る系の庭なんてないし。 どこだよ、ここ。 「そっか、俺…」 一気に色んな記憶が甦る。 初めて聞く、ブラウン管を通さない銃声。 焦げたような火薬の匂い。 そして、どす黒い、赤。 俺……誘拐されたんだ。いつのまにか。 そして「殺し合え」って言われた。 見たこともないじいさん達に。 「……マジ……?」 思わず出た言葉と一緒に冷や汗が頬を伝う。 どうすればいいんだよ。なんでだよ。なんでこんなことになってんの?! …………あああ駄目だ!! 頭ん中グチャグチャしてて何も考えられないよ。 「うーん…」 唐突に上げられた声に、体が一気に硬直する。 おそるおそる振り向くと、ゴロン、て寝ている女の子が寝返りを打っていた。 ……え、と……。 仰向けになられるとボタン全開になったブラウスが際どい感じになっちゃうんだけど。 てゆうかスカートやばいって! その……、いちご柄のパ(以下略)がかなりの勢いで見えてるよ! 普段ならかなり嬉しい状況だけど今はそれどころじゃない。 目のやり場に困るので、俺はとりあえず着ていたジャージの上着を彼女にかけてあげた。 これでも太もものあたりは際どいけどパ(以下略)丸見え状態よりはまし! 見た感じ小学生……制服っぽいの着てるしおチビと同じくらいなのかな。中1ってとこ? いくら年下の子とはいえ、やっぱこんな姿を見るのは気まずいよなぁ。 「起こしたほうがいいのかな…」 どうしよう。 ああ…この子のこともどうしようだけど俺もこれからどうしよう。 俺、よく考えたら全国大会の途中じゃん。 右手を痛めて自らレギュラーを降りた――――しかも相方の俺に一言の相談もなしに!俺まだ怒ってるんだかんな――――とまたやっと組めることになったのに。 二人でダブルスの無限の可能性を見つけるはずだったのに。 「そういえば…」 名簿、なんてのがあるんだっけ。 あぁ、あった。これだ。 順番に辿っていくと知ってる名前が3つあった。 手塚とおチビ。後、竜崎桜乃ちゃん。 「とりあえず……手塚だよなぁ」 なんか、手塚ならこんな状況もなんとかしてくれる気がする。メガネだし。部長だし。 無表情で面白味がないから苦手なんだけど、そんなこと言ってる場合じゃないし。 おチビはかわいい後輩だけど、神経太いしそんな簡単に誰かに殺されることなんてない……と思う。 竜崎さんは今頃きっと怖がってるんだろうな。……泣いてるかも。 俺だってちょっと泣きたいくらいだし。 早く見つけてやんなきゃな。 てゆうかおチビ、同じ学年なんだから早く見つけてやれよな。 竜崎さんだって俺よりおチビが迎えに来たほうがうれしいだろうし。 よおーし! 手塚とおチビと竜崎さんをさっさと見つけて、さっさと帰ろう! んでもって、全国制覇するんだ! どうやって帰るのかは……とりあえず手塚に考えてもらおう。 怖くって震えそうになる体を無理矢理立ち上がらせ、気合いをいれるためにパン、と両頬を叩く。 その時。 ――――――――――――ガサ ……なんか、音しない?草の音?……足音? ――――――――――――ガサ また、だ。足音?それっぽくない? 誰か来るってこと? どうしよう。逃げる? でもこの子はどうすんの? このまま放ってはおけないじゃん! どうする?どうする俺?! 「……ここどこぉ?」 不意の声に振り向くと、いつのまにか下着だけになった女の子が起きあがって目を擦っていた。 歩き始めて数分。 山の中にいたらしい俺は、草を掻き分けながら歩き続けている。 つーか、山道ってのはマジで歩きづれぇな。 念のため静かに移動してえのに、どうしたって音が出ちまう。 ん?誰か……いる? チラリと見えた山の色以外の色に、俺は足を止めた。 ……どうする? あまり考えたくねぇが、ゲームに乗ったヤツかもしれない。 そいつが素手ならなんとかなるが、飛び道具なんか持たれてたらヤベーな。 色々な憶測が頭をよぎるが……結局俺はそっちの方に足を向けた。 ……足音なんざさっきからさせまくりだしな。今更様子見とかは無理だろう。 だったら正面きってぶつかるまでだ。 腹を決めて、草を掻き分ける。 そうして――――――――出くわした光景は、全くもって予想外なものだった。 下着姿の女――――見た目、小学生くらいか?――――と、中学生くらいの男が向かい合って口論していた。 「あ」 男が俺に気が付く。 女が盛大に悲鳴を上げる。 「……なんなんだ……」 全くもって状況が掴めない俺は、しばらくの間、口をあけて間抜け面を晒すことしかできなかった。 「最っ低――――!!」 「だから自分で勝手に脱いだんじゃん!」 さっきからコレの繰り返しだ。 まったく緊張感てもんがなさ過ぎるぜ。 騒ぎに騒ぎまくるガキ二人を宥め、場所を移動した俺は大きなため息をついた。 女の方は南戸唯。 男の方は菊丸英二。 二人ともごくフツーの……俺と比べてもマジでフツーの生活を送っていたらしい。 つまりはこんなことに巻き込まれる心当たりは全くないってことだ。 ちなみに二人の知り合いもごくフツーの学生らしい。 「わけわかんねぇな……」 あのジジイ共が何を考えてこんなことをしてんのかマジでわからねぇ。 「ちょっと!」 考え込む俺の目の前で、南戸が両手に腰を当てて仁王立ちしている。 もちろん、もう服はちゃんと着ている。 「キミもちゃんとさっきの忘れてよね!」 「は?」 「唯のセクシーショットのこと!」 「セクシー?何言ってんだ。俺ァガキには興味ねぇよ」 「唯はガキじゃないもん!高校2年生なんだからね!! ――――――――――――――――――――――――――――え 「年上?!」 俺と菊丸の声が見事にハモった。 【F-07/林/1日目・午前0時すぎ】 【男子03番 一条誠@BOY】 状態:健康 装備:なし 道具:支給品一式、蛇神のバット@Mr.FULLSWING 思考:1.日々野、イブ、春香を捜す(春香優先) 2.神崎を見つけたら止める 3.主催者達に一泡吹かせて脱出する 【男子10番 菊丸英二@テニスの王子様】 状態:健康 装備:なし 道具:支給品一式、ランダムアイテムは不明(本人未確認) 思考:1.手塚、越前、竜崎を捜す 2.脱出して帰る 【女子13番 南戸唯@いちご100%】 状態:健康 装備:なし 道具:支給品一式、ランダムアイテムは不明(本人未確認) 思考:1.現状維持 備考:唯と美鈴は原作上、面識がありません 投下順 Back 決別、そして目覚め Next 後悔先に立たず 時間順 Back キャプテン Next 覗き小平次 初登場 一条誠 俺達にできること 初登場 菊丸英二 俺達にできること 初登場 南戸唯 俺達にできること
https://w.atwiki.jp/rokee/pages/29.html
社交界に舞い降りる可憐な菫ですよ
https://w.atwiki.jp/nandemoii/pages/17.html
たいした理由もないんですが、サプリや、マイクロダイエットについてチェックしてみようと思います。 FAQサイトなどを見ても、「寝る間の脂肪燃焼を助けるサプリ」とか、「マイクロダイエットと同じ他のダイエット方法について」っていう悩みがあるみたいです。 専門家の人などに聞く前に、こういうところで質問する人がかなりいるんですね。 実用的な商品もあるんですね。「らくらくサプリカロリーセーブSuper/マイクロダイエット」だったり、「男性の為のサプリ・DHEA」などがありました。 こういう商品もチェックしてみようと思います。 あとは、こういうサイトとかも見るといいかもしれませんね。 http //www.freepe.com/i.cgi?kireinako きれいなお姉さんは好きですか うーん、本とかで調べなくても、ネットでかなりのデータが手に入るので、助かりますね。
https://w.atwiki.jp/aohanatuki/
☆kininaru tango (気になる単語) Function 機能 idea 考え promise 約束 ☆link☆ Gengaku Dead men tell no tales
https://w.atwiki.jp/yurina0106/pages/2199.html
タグ 作品名S Sweet Home ~Hなお姉さんは好きですか?~ 曲名 歌手名 作詞 作曲 ジャンル カラオケ OP My Sweet Home 民安ともえ・貴水はるな・安保さゆり 江幡育子 細江慎治 電波
https://w.atwiki.jp/giuliagta/pages/20.html
Beauty ここは美容に関わるものについてのコーナーです。 基礎アイテムとカラーメイクなど。 基礎はノー合界。ノータール。 カラーメイクはノータールであればアル程度許容。 basemake-ベースメイク colormakeーカラーメイク maketoolーメイクツール
https://w.atwiki.jp/beautysalonnn/pages/13.html
Beautysalon Nへようこそ Beautysalon Nで心も体もリラックスして栄養を補給して毎日の暮らしをパワーアップさせていただきたいです。
https://w.atwiki.jp/shibumakubungei/pages/28.html
Beauty and Beauty ある日の事――ある日なんてのは世の中のいつの日であろうと言える事であって、何年何月何日、まして地球が何回周った頃? なんてのは訊いてはいけません。因みにこの質問、『周る』なのか『回る』なのかで答えが変わったりするんで一概に『バーカ地球は一日に一回しか回んねーよ』とドヤ顔は出来ません――、とあるお城でとある事件が起きました。 とある城と云うのは、かの有名な……えーっと、名前何だっけ? っていうかあったけ? ……兎に角、あの『元』野獣の住む城です。有名ですね。有名ですよね? 有名という事にして下さい。 そしてとある事件と云うのは他でもない……ベルが、野獣になっていたのです。 「「「「「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」 この事態に五人は大慌て。五人というのは『元』野獣の王子「うん」、執事頭コグスワース「どうも」、給仕頭ルミエール「こんにちは」、メイド頭のポット夫人「はぁい」と、ベルの父である発明家モーリス「よろしく」です。皆さん、挨拶は別に要りませんよ? ところで、召使には他にもワードロープやらフェザーダスターやら、何やら他の作品にも使えそうな立派な名前があるのに、王子だけは『王子』って……要らん世話ですか。 「あら、そう驚く事でも無いじゃない?」 そう言いながら驚く五人を笑うのは、当事者であり王子の婚約者のベル「御機嫌よう」だから挨拶は良いってば。 後、『別に大した事無い』って口調ですが、それはお前の考えがおかしい。 「大事だ! しかしどうして……」 うろたえる王子、はい、この反応が通常です。別に王子がヘタレな訳では有りません。 「さぁ……朝起きたらこうなっていたけど」 本人も知らぬ間にこうなってしまった模様。これは原因究明に骨が折れそうです。 「王子! 魔女から手紙が!!」 そんな事は無かった。 「どれ……何と書いてある?」 当のベルは楽しそうに歌ったり回ったり。もう少し危機感を持って欲しいところです。それを横目に五人が手紙を覗くと……。 『取り敢えずリア充うぜぇからリア獣にしてやった』 「「「「「あんの野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」 見事に声を合わせる五人に、流石のベルもビクッとします。というかモーリス元気ですね。 「どういう事だよ!? 別に『心が醜い』とかじゃなくて!?」 「これは……完全に私怨ですよね」 「私怨と云うより、僻みじゃなぁい?」 「しかも最終的には駄洒落じゃないか……」 ルミエール、コグスワース、ポット夫人とモーリスが順に感想を述べます。しかし、王子だけは違いました。 「……で、どうすれば元に戻るんだ?」 流石、一度でも野獣になった人は違いますね。呆れつつも現状打開策を模索します。 「ねぇ、私、もう少しこのままで居たいんだけど……」 余計な事を言うなお姫様。 「そう言うな、野獣としての生活は大変なんだぞ……」 経験者かく語りき。やはり言葉の重みが違いますね。 「あら、例えば?」 それに対し食い下がるベル。何でしょうこの姫マゾなんでしょうか。 「まず第一にその姿は恐れられる。ほら、お前……も……?」 そうだろう、と言おうとして、王子は改めてベルを見ます。 「?」 ネコの様なしなやかな体つき、狸やらアライグマを混ぜたような丸い顔につぶらな瞳。早い話が…… (か、可愛い……?) そう、このベル獣ver.、予想外に可愛いのです。これは立派な愛玩動物レベル。決して王子の目がおかしい訳ではありません。 (何てことだ……! 普段のベルはどちらかと言うと『美しい』が相応しいが、今の姿は当に『可愛い』! こ、これはこれで……) 前言撤回。どう見てもおかしいです。 「……そんなに私、醜いかしら?」 黙り込んでしまった王子を見て、ベルが少し落ち込みます。それを見てルミエールがすかさずフォロー。 「いえいえ姫様、貴女の美しさは健在ですよ。ベルという名がぴったりだ」 「そうです。流石の魔女も貴女の名前には勝てなかった!」 ここにコグスワースが合いの手。この二人、愚痴を言い合う割には相性が良いみたいです。 余談ですが『ベル』はフランス語で『美しい』の意味であり、原題の La Belle et la Beteには英題と同じBeauty and The Beast と同じ意味しか有りません。 「そうですよね、王子?」 コグスワースが同意を求めると、王子はやっと我に返ります。 「あ……あぁ、あぁ、そうだとも!! 名は体を示すとは当に君の事。何ならその一格言で論文を一本……「それは結構」 語り出したら止まりそうに無い王子に、モーリスが待ったをかけます。流石お父さん。 「体に特に不調は無いんだな?」 「えぇお父様。今なら大木一本だって薙ぎ倒せる程元気です」 「そうか、なら良い」 良くないと思うんですけど。普通の女性は一人で土木工事は出来ません、良い子は真似しないように。 「お前が落ち込んでないのは一番の救いだが……その体では不便が多いだろう。解決策が見つかり次第元に戻す、良いな?」 「落ち込むとすればその言葉にでしょうね……良いわ、お父様が言うのであれば」 ベルはしぶしぶ頷きます。さっきから見てると、王子はヘタレと云うより発言力が無い感じですが、人はそれをヘタレと謂うのでした。 「では、手分けして魔女を探せ!! 他にも解決のヒントとなる物を各自探す事!!」 「「「御意に」」」 王子が高らかに言うと、頭三人はパッと姿を消しました。この三人、実はかなりのやり手なのでは。 「ベルは俺と一緒に居る事……では、何をしようか?」 現在ベルの上背は180cm強、王子より少し高い位です。 「そうねぇ……森に行きたいわ」 あぁ、どうしてまた何か事件が起きそうな場所を選ぶかな…… さて、舞台は変わって森の中。 「はぁ、はぁ……」 この息荒く歩く青年をご存知でしょうか……そう、あのベルを無理矢理手篭めにしようとした街一番のイケメン狩人、ガストンです。 かつては一人を除く町中の娘が憧れたその容姿は影も無く、服はボロボロ、目は腫れ足を引き摺り歩く姿は醜悪そのものでした。 「畜生……野獣め……殺してやる……」 物騒な発言が飛び出します。醜悪ななりでも、その目だけはギラギラと野獣の様に光っています。 本編のラスト、野獣を殺そうとして逆に城から転落したガストンでしたが、運良く生き残り、今尚復讐心に燃えて森を彷徨っている訳です。 「おい……おい、ル・フゥ!」 「はいはい、何でしょう」 こちらのル・フゥも未だに彼にくっついています、何が彼をそこまでさせるんでしょうね。 「この道はどっちに行けばいい!?」 「えー、っと……あぁ、はい、こっちですね」 「良し、行くぞ!!」 そうして彼らは歩き続けます。 片方は、いつしかの復讐の成就を夢見て城へ。 片方は、堕ちた英雄の改心を夢見て森の外へ。 「あら木苺。貴方も食べる?」 「うん? ……あぁ、貰おう」 「はい、どうぞ」 野生の木苺を食べながら、二人は無言で森を歩きます。 (……気まずい!) これがお互いの心情。まるで初々しいカップルの様ですね。あながち間違いじゃありませんが。 お互いが同じ様に思っているとも知らず、中々会話が弾みません。 「野獣は……どうだ?」 王子が切り出します。 「どう……とは?」 「いや、生き心地というか、気分というか……まぁ、そういうものが」 「とっても素敵、言ったでしょう?」 「あ、あぁ……そうだったか」 言葉尻を濁す王子を見て、ベルはくすくすと笑い出します。 「な……何がおかしい」 「いえ……何だか、出会った初めの頃の様で」 父親の代わりに、あの城に来た日。 姿は違えど、目の前の彼は何も変わっていません。 「無愛想で、でも実は口下手なだけで……」 「悪かったな」 子供の様に顔を背ける王子に、またくすりとベルが笑います。 「土台俺は、人付き合いが苦手なのだ。野獣になろうと……人間だろうと」 「あら、それは違うわ」 拗ねた王子の呟きに、ベルは否定を返します。 「野獣だろうと人間だろうと、貴方には『愛』が、『真実の愛』が有った……だからこそ、あのバラは枯れなかったのでしょう?」 「それは、君が……「私ね」 王子の言葉を遮って、ベルは言います。 「今朝、野獣になった理由は知らないと言ったでしょう? ……あれは、嘘」 彼女は本当は知っていました。自分の心の醜さ――『野獣』を。 「初めて貴方を見たときに、私思ったの、『なんて醜いケダモノかしら!』って」 「それは……仕方ない、誰でも思う事だ」 王子は否定しますが、ベルの独白――まるで懺悔の様な――は続きます。 「その心を隠して、押し殺して、私は貴方と過ごしてきた……でも、心の片隅にはいつも、在った」 なんて醜悪、なんて劣悪。 野獣だなんて……死んでしまえば良い。 「でもね」 一度言葉を切り、王子に向き直って言いました。 「町の皆が貴方を討とうとしてる事を聞いたときに、もう足はこの城へ走っていたの」 何が出来る訳でも無いのに。何をしたいかも分からないのに。 「走っていて気付いたの……私は貴方を愛していると」 私が貴方に愛を教えたのではなく。 貴方が私に愛を教えた。 「だから、この姿は私の過去の『醜さビースト』」 忘れないために、永遠にこの姿で居るのも悪くは無い。 「心から謝ります……ごめんなさい」 この醜悪な姿を見ても、貴方は私を愛せますか? 深く頭を下げるベルを見て、王子は深く溜息を吐きます。 「……馬鹿者が」 その頭を、そっと撫でます。 「言ったろう? ……お前は、その姿でも美しいと」 実際に言ってはいませんがね、肯定しただけです。 「ならばお前の『醜さビースト』は美しいのだ……美しい過去は、只の思い出だ」 そこまで言うと、王子はいきなりどもって「そ、それにだな!」と付け加えます。ついでに、声が裏返ってます。 「そ、その姿はっ、か……かっ、可愛いっ、と、思う、ぞ……?」 顔が真っ赤ですね。何この王子可愛い。寧ろ王子が可愛い。 言われたベルも真っ赤です。その真っ赤な顔を綻ばせて 「ありがとう」 と言いました。 そして二人は手を取り合い、城へと帰って行きました…… 「野獣ぅぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁ!」 ……あー、此処に、空気の読めない馬鹿が一人。 ル・フゥは全力で後悔していました。まさか二人が城の外に出ているなんて! ……確かに二人とも城に篭りがちですが、この言い方だと二人が引きこもりみたいじゃないですか。 ル・フゥが止めるより早く、ガストンは野獣に飛び掛っていきました。今でこそあの野獣はベルですが、王子が野獣だとしたら素手では到底勝てないと思うのですが……仕方有りません。 折れた刃は、ガストンその人の脚に刺さっているのですから。 「ひっ」 その鬼気迫る形相・気迫・容姿の三拍子に、振り向いた途端怯むベル――野獣といえども女性ですから――、その隙を突いて飛び掛るガストン。 普通間近で見れば己の宿敵との違いに気付くでしょうが、今のガストンには野獣=敵という本物の獣の方がまだ良い物持ってそうな脳しか無いので、仕方無いと言えば仕方無い。 そのままベルはガストンに押し倒されました、こうなるともう本当にガストンの方が野獣ですよね。ブレンドは人と悪魔と鬼と……失礼。 その暴挙を当然王子が許す筈も無く、人に戻ったとは言えそれと比肩する力でガストンを引き離します、ついでに投げられたガストンは、樹に背を打ち付け呻き声を上げました……ね? 王子ヘタレじゃ無いでしょう? 「ガストン……貴様、生きていたのか!!」 普通はその言葉から対峙が始まるわけですが……如何せん相手がせっかちだったので。 王子人間ver.、つまりはガストンの知らない人間から宿敵の声が聴こえる訳ですから、これにはガストンも驚きです。 「貴様こそ……その姿はどうした!?」 いいえ、これが正しい姿です。 「恐れながらガストン様……野獣の元の姿かと」 ル・フゥが的確な進言をします。頭良いなコイツ。 「では……では! その後ろの野獣は何者だ!」 ベル本人はと言えば、怯えて王子の後ろに隠れ、声も出せません。 「愚かなガストンよ、仮初にも己が愛した女を忘れたか!」 王子憤慨。そりゃまぁ好きな人間、面影とかで思い出せて当然というのが王子の持論です……身長が少なくとも20センチは伸び、体毛は茂り、顔は獣になっている人に面影があるかどうかは別として。 「馬鹿な! そんな醜い野獣がベルの筈はない……そいつこそ、醜い貴様におあつらえ向きの妻! さぁベルを返して貰おうか!」 空気が読めない馬鹿というのは、何処まで行っても馬鹿の様です。相手が誰であろうと、女性に『醜い』のワードはご法度ですよ? ほら見なさい、ベルが泣いて森の奥に走って行っちゃったじゃないですか。今なら憂さ晴らしに本当に樹でも引っこ抜きそうです。 「…………ガストンよ」 静かに、あくまで静かに、王子は言います。 「貴様があの状況から、その姿になろうとも生き、尚も俺を殺そうとしたその執念は認めよう」 ガストンは動きません……動けません。当然です。 「しかし愛した女を忘れ、更には俺の妻を、俺の最愛の人間を貶した罪……許しはせんぞ」 王子からは、彼が野獣だった時より、遥かに恐ろしい殺気が発せられているのですから。 「無手には無手で相手しよう……かと言って、生きてこの森を出られると思うな」 一番に恐ろしいのは、醜い野獣でも、復讐に駆られた野獣でもありません。 理性を持った……人を愛する事を知った、人間ビーストです。 小さな湖のほとりで、ベルは泣いていました。 幸い周囲の樹は無事ですが……此処に辿り着くまでに数本、折れたり倒れたりしています。 『そんな醜い野獣が……』 どこぞの馬鹿の言葉が、頭の中で木霊します。どんなに好きな人間に褒められようと、他人の一言でそれが崩れてしまったりするものです。 湖には先程から波紋が広がり続けています……一瞬でも自分の顔が映らないよう、ベルが、次から次へと石を投げるから。 貶される覚悟はありました……少し、心の強さが足りなかっただけで。 「っ……、っ……!」 声にならない泣き声が、叫びが、涙が、石となって水面に当たります。 「…………っ、っはぁ、はぁ……」 元々が文学少女ですので、泣いて走って投げてのコンボで一気に体力は削られます……今、赤ゲージ入りました。 「……………………」 ごろん、と横になると、たちまち地面に水たまりが出来上がります。 「もう、戻れないのかしら……」 そこでベルは気付きます……あの人は、長い間こんな思いを? 先程ベルは『野獣の何が辛いのか』を問いました。その時彼が即答できなかったのは、長い間の様々な事を思い出して……? 実際は貴女の可愛さに我を忘れていただけなんですが。そんな無粋な事は言いませんよ、えぇ。 だとしたら、私は彼に酷い事を…… 「っ「此処に居たか」 振り向くと、今まさに会いに行こうとした相手が。服に所々血が付いています。 それにしても、道中折れたり倒れたりした樹が在った筈なんで、『此処に居たか』って随分ともったいぶった台詞ですね。 「だ、大丈夫?!」 「あぁ……返り血だ、問題ない」 出血レベルで人を殴るという王子も、珍しいんじゃないだろうか。 王子に駆け寄り、無事を確認します。目立った外傷が無いのを見ると、ベルはそのまま王子に抱きつきました。 「!?」 この王子、ヘタレではないけれどこういう展開には弱い様です。さっきまでの雄姿は何処へ行ったんでしょうね。 「ごめんなさい……ごめんなさい」 ベルは抱きついたまま先程の非礼を詫びます。それを聞いた王子は 「いや……謝ることはない」 とやんわりと断ります。そりゃまぁ、『貴女に見惚れていました』だなんて、この雰囲気で言える筈もないですしねぇ。 そのまま、暫く時が止まりました。 また時が動き出すと、ベルは王子から少し離れ、深呼吸を一つ。 「こんなに醜い私でも、貴方と一緒に居て、良いでしょうか?」 『真実の愛』を知らない私に、人を愛する権利はあるのか? これを聞くと王子は長い溜息を吐き、きっぱりと一言だけ言いました。 「二度は言わない」 同時に自分より背の低いその体を抱き、美しい顔を近付け…… 「かーっ! 見ていられるかいこんなもの!」 どこか、暗い実験室の様な部屋で一人の老婆が喚きます。 「腹いせに野獣にしてやったというのに……これじゃ逆効果じゃないか!」 どうやら、この人が今回の事件の発端である魔女の様です。年の割にリア充って言葉知ってるんですね。 「……まぁ、気付けたのなら良しとするかね」 呟いて、今まで見ていた水晶に背を向けます。 「どうもあいつら、お互いが今一つ分かっていなかった……互いの総てを知ってこそ、真の伴侶だというのに!」 嫌がらせなのか親切なのか、魔女と云うより只のお節介なお婆さんな気もしますが。 「まぁ良い、次の獲物は決まっているんだ……ヒヒッ」 言いながら、魔女は新たな呪文を唱え始めました……成程、こういう姿は魔女っぽい。 「さぁ、次の話はどう転がるかな……」 笑う魔女の後ろにある水晶には、とある城での結婚式の様子が映っていました。
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