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このページはこちらに移転しました 終わらないイノチ 作詞/タマムシ 牢獄での老後苦 重ねた罪は死をもって許され 年老いた躰に 与えられる罰は 終わらないイノチ 枯れた心 枯れた躰 枯れないのはコノイノチだけ 荒れた肌に 荒れた躰 荒れないのはコノイノチだけ 摩れば垢が 落ちる 汚れたこの躰 摩れば赤が 落ちる 崩れたこの躰 牢獄での老後苦 重ねた罪は死をもって許され 年老いた躰に 与えられる罰は 終わらないイノチ
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さいげつ 収録作品:東方萃夢想[PC] 作曲者:あきやまうに 概要 最終ステージ前の会話で流れるBGM。 うに氏によると盛り上がって欲しいエセ和風な会話曲で、分かりやすくサビっぽいメロディーだけで構成されているとのこと。 そのため1ループは短いものの、すんなりと耳に入ってくるような明るく馴染みやすい楽曲であり人気が高い。 「砕月」というタイトルの通り、最終ステージの背景ではひび割れた大きな月が登場している。 本作の「萃夢想」「砕月」「東方萃夢想」は前半部分は異なるもののサビ部分は同じメロディ(正確には若干異なる)が使われており、サントラ収録の「東方萃夢想 (Arrange)」は3曲の集大成とも言えるアレンジメドレーに仕上がっている。 「砕月」と「東方萃夢想」は混同されることがしばしばあるが、おそらく前述のサビ部分が同じメロディであるところによるものと思われる。 ステージ間の会話シーンの曲なのでキャラのテーマ曲ではないが、最終ステージの対戦相手はどのキャラを選んでも伊吹萃香になるので、この曲=伊吹萃香のテーマという認識が強く、次作の『東方緋想天』では正式に伊吹萃香のテーマとして採用された。 『東方緋想天』ではうに氏のセルフアレンジが使われており、前半に「東方萃夢想」のパートや後半にオリジナルパートが加わっているなど曲の尺がより長くなっている。 うに氏は別の曲のコメントで 「盛り上がる曲にする必要があるのに、後に控えている格闘部分よりは抑えなくてはならない、という微妙な位置なのが格闘ゲームの会話曲」 と最初は考えていたというが、この曲に関して言えば結果的に会話曲が格闘本編の曲になってしまい、真逆の形になってしまったと言える。 二次創作スマートフォンゲーム『東方ダンマクカグラ』では、ゲームでプレイできる曲として2022年7月2日に登場。 原曲音源から一部調整した萃夢想版と緋想天版を繋げた特別な構成の音源となっており、1曲で2度楽しめるものとなっている。 ※参考:うに氏による砕月の繋がり方の解説 過去のランキング順位 第4回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 329位 第6回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 729位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 722位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 479位 第9回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 628位 第10回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 568位 第11回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 847位 第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 638位 みんなで決める格闘ゲームBGMランキング 60位(原曲)、334位(東方緋想天) みんなで決める和風曲ランキング 62位 みんなで決める夜曲ランキングベスト100 77位 みんなで決める東方ProjectBGMランキング 35位 みんなで決めるアレンジBGMランキング 176位(東方緋想天) サウンドトラック 幻想曲抜萃 東方萃夢想 ORIGINAL SOUND TRACK 東方ダンマクカグラ ミュージックコレクション・幻(AQUA STYLE) ※ダンマクカグラに収録された音源で、砕月 [2022 music game size]として収録。
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砕月/Saigetu マナコスト (3)(W) タイプ ソーサリー レアリティ レア 砕月をプレイするための追加コストとして、エンチャントを1つ生け贄に捧げる。 あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、そのカードを場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。 場に出ているエンチャントを好きなものに交換できる。 参考 カードセット一覧/東方萃夢想 サーチ ソーサリー レア 東方萃夢想 白 4マナ
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autolink DC/W23-093 カード名:姉妹の“イノチ” 香澄 カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:3000 ソウル:1 特徴:《霊》? 【自】[① このカードを思い出にする]他のあなたのキャラが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、そのキャラを手札に戻す。 レアリティ:C illust.
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東方萃夢想 ~ Immaterial and Missing Power. 砕月 birthLapis moss / 花蝶風月 / こばきょん Day s more feat. ryotoSEA SPARROWS / 東方携帯食 / ryoto Day s more feat. ryoto (single cut)SEA SPARROWS / 東方携帯食 / ryoto innocentAniPix / innocent / 市松 椿、綾倉 盟 INNOCENT GUARDIANRhyth / 東方スクランブル! / 葉月 奈乃 PUZZLEQ-BIT / STARDUST MELODY / タダオ SaigetsuAlstroemeria Records / PLASTIK WORLD / 綾倉 盟、mikan* 伊吹の囁きDandelion Trio / 東方幻夢譚~Les re^ves de livres dans la nuit noire. / 蒼羽 零 愛き夜道魂音泉 / Chill★Now / ランコ、雨天決行、たまちゃん 映る月、ガラス玉の中で ~ 酔月歌味玉定食 / AZITAMASPARK!! / 味玉定食 笑顔の鏡Frontier Records / Happiness ~少女は幻想で恋を唄う~ / 井上 みゆ 鬼ごっこAria Rhythm / カリスマ / 泉 想月38beets / No Title / 柚子 片恋いの月Kraster / 東方霧幻境 / 羽丘 淳、Ne;on 紅月勇女ふぉれすとぴれお / SPRING★ / 南条 あきら 国境Frontier Records / Wind / 井上 みゆ Frontier Records / Dawn Star / 井上 みゆ 歳月魂音泉 / World s End Garden / たまちゃん 水彩スケッチ (Another view of "萃歌")Human Error / 幻想になれなかった人のために / 氷雨月 璃紅 天涯UNDEAD CORPORATION / 鬼伽草子 / 桂琳 華散里音塚 / 東方編曲粋 / みぃ (複数曲混合)Crime WaveALiCE S EMOTiON / TAILWINDS /野宮 あゆみ (複数曲混合)Primitive SpringDigitalic Party / Clamshell Relation / ゆきまめ (複数曲混合)萃夢想歌Silver Forest / Reincarnation / Nano
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ですろり~イノチ~(前編) ◆iDqvc5TpTI 命の価値は平等なんかじゃない。 旅をする中、何度もそんな言葉を耳にした。 清く正しくなければならない勇者としては唾棄すべき理論だ。 しかしユーリルは口では違うと反論しつつも、心の底から否とは言い切れなかった。 彼自身が何よりも尊い命として生かされた存在だからだ。 命の価値が真に平等であるのなら、あの日あの時故郷の皆は勇者を守って死ぬ必要はなかった。 必要なんてなかったんだ。 ユーリルはそのことを認めたくなかった。 血はつながっていなくとも優しく暖かく育んでくれた父と母。 魔族の襲撃に怯えながらも恐怖を表に出すことなくよき隣人として接してくれた村の人達。 好きだった、もしかしたら初恋だったのかもしれない幼なじみ。 そんな本当に大切だった故郷の皆の死を意味のないものだとは思いたくなかった。 けれど、今になって考え直す。 やっぱり命の価値は平等だったのだ。 平等に――無価値だったのだ。 気付くのが遅すぎた。 馬鹿みたいだ。 命の価値も知らず、知ろうともせず、闇雲に守ってきたなんて。 ああ、そうだ。 そうだとも。 “イノチ”には、価値なんて無い。 それそのものには、何の価値も無い。 よく言うじゃないか。 大事なのは生まれじゃない、何をしてどう生きるかだ、って。 その通りなんだ。 何かを“する”、そこに価値がある。 何が“できる”か、そこにこそ意味がある。 それは……イノチの価値じゃない。 ――チカラの価値だ 生きていると“働ける”ことがあるから生きていた方がいい。 その程度。 分かりやすく言えばその人じゃなくても同じ作業をしてくれる代わりがいれば困らない。 例えばそう、世界を救うのが勇者とされた人間じゃなくても構わないように。 その代わりは命あるものでなくとも構わない。 マシンでもゴーレムでも、命令を聞いてくれて能力のある存在なら何でもいいのだ。 ……誰でもいいのだ。 「殺す」 それはあの聖女だって同じこと。 彼女が死んだところで代わりなんていくらでもいるだろう。 だったら殺しちゃいけない理由なんて無い。 勇者でなくなった身に人殺しを咎められる謂れはない。 人間は物。本来、何の価値も無いただの物体。 それを斬り殺すのも、草木を刈るのも本質的には何も変わらない。 命とはその程度のもの。 「――見つけた」 ただ一つ、違うところがあるとすれば。 「消えてくれ、アナスタシア・ルン・ヴァレリアっ!!」 そこに感情が絡むか絡まないか。 それだけのことだった。 ▼ ――INTERLUDE 最強証明―― 赤が、世界を侵食していく。 街も港も海さえも赤く染まりゆく。 煌めく赤。燃え上がる赤。豪炎の赤。 赤い世界を引き連れているのは黒髪の男だった。 凝り固まった憎悪と憤怒を人型に押し込めたどす黒い男だった。 「面白いな、おれ以外にも“これ”ができる奴がいたとは」 刀身についた血を払うようにルカ・ブライトが火の粉をまき散らせる。 ユーリルを捨て置いた彼とユーリルを探していたマッシュ達3人が遭遇するのは必然だった。 初撃とはいえルカに手を抜くなどという発想はない。 必殺の念をもって紋章剣を発動させ三人丸ごと葬る気で薙ぎ払った。 その意に反して煉獄の剣は誰一人飲み込むこと叶わず宙を赤く染めたのみ。 魔剣の襲撃を食い止めた技の名前は“ひらいしん”。 本来雷を逸らすはずの道具の名を冠した技が炎さえも逸らしたのだ。 「……っ!」 それを為したクロノの表情に安堵はない。 打ち払ったはずの炎がクロノ達を取り囲むように燃えている。 即ち相殺せんと放った極光の刃は炎の魔剣を殺し切れなかったということ。 「気をつけて、マッシュ、日勝。こいつ、かなり強い」 クロノの魔力は戦士にしては十分実戦で使える程には強い。 身につけて日は浅いとはいえ普段から連携技としては使い慣れている。 しかも二人の仲間との特訓で物にしていたのに。 これ程容易く押し負ける等よっぽどの相手でなければありえない。 冷や汗を流しつつも魔力供給量を倍化させより一層剣を輝かせる。 「ふん、クズでもその程度は分かるか。とはいえ分かったところでどうしようもあるまい。 貴様ら三人が束になったところで、このおれに勝てはしない!!」 ルカも再び天より炎の龍を招来させる。 孤を描きルカへと宿る紅蓮の龍の数は二。 一匹でもサンダガソードを上回る魔力からなる炎は確かに脅威だ。 けれどかってラヴォスを倒す旅をした時がそうであったように、今のクロノにも頼り甲斐のある仲間がいる。 「へっ、言ってくれるぜ。勝てないかどうかはやってみねえとわかんねえだろ」 「だがその前に一つ質問に答えてもらおうか―。てめえ、まさかユーリルにも手を出しちゃいねえだろな?」 クロノの左右を固める二人。 日勝が臆すことなく不敵な笑みを浮かべ、マッシュが最も気がかりだった問いを放つ。 実はユーリルは街を出てすぐアナスタシアと出会った背塔螺旋に最寄の小屋へと転移していた。 そのことを知らないクロノ達からすれば、ユーリルらしき足跡を追って行った先にルカがいたのだ、心配しないはずがない。 「ユーリル? 知らんな、そんな奴は。……む? なんだ、あのゴミのことか。 そうかそうか、貴様達はあのゴミの仲間か! はははははははははははは!!! 聞いたことがあるぞ。ゴミは豚の餌になると!! なるほどクズはクズなりに豚どもを呼び寄せる役に立ったというわけか!!」 「……ゴミなんかじゃない。人間は、人間はゴミなんかじゃない! ユーリルは俺たちの仲間だ!」 生み出した熱風に黒髪とマントを翻らせ狂皇子は嘲笑う。 仲間を侮辱された怒りをぶつけてくるクロノにも歪んだ笑を濃くし吐き捨てた。 「何を憤る必要がある? 強い者は全てを奪い、弱い者は死ぬ。それが、この世の仕組みだ」 「そうやってお前はユーリルの命も奪ったっつうのかよっ!」 「勘違いするな。あんなクズ、殺す価値すらない」 安堵する三人、しかし続くルカの切り出しに再び緊張せざるをえなかった。 「俺がこの地で殺してきたのは……」 思わせぶりに一拍の間をおくルカ。 「ティナ・ブランフォード、都市同盟の女、メガネの女、からくり仕掛けの女。それだけだ」 「「!?」」 男から語られた大切な仲間の名前にマッシュが僅かに動揺し、幼なじみを思わせる少女の死にクロノも息を飲む。 刹那とはいえ明らかな隙だ。 元よりそれを狙って情報をくれてやったルカが逃すはずがなかった。 「揺らいだな、馬鹿めがっ!!」 身に宿した炎を吹かしが踏み込む。 マッシュもクロノも歴戦の戦士だ。 本来ならすぐさま気を持ち直し回避へと移れただろう。 だがルカを前には許されない。 たかが一瞬とはいえ、息を吸うように人を殺してきた狂皇子には二人を始末するには十分過ぎる。 半瞬、ルカの刺突と狂笑は既にクロノの眼前。 返す刃でマッシュを貫けばそれで終りだ。 「させるかよ!」 そうはさせじと横合いから伸びた腕が剣を掴む。 炎を宿した刃だ、熱くないはずはない。 しかしそれを為した男は焼け爛れた手を気にすることなく、より力を込め素手で剣を握り締める。 あろうことかそのまま握り砕かんとしているのだ。 流石のルカも武器を失うわけにはいかず、バックステップを踏み後退。 その下がった分だけ意趣返しとばかりに炎を纏った男が前に出る。 日勝だ。 マッシュから学んだ鳳凰の舞を応用し、咄嗟にクロノを庇ったのだ。 「貴様!!!小ざかしいまねを!!」 自分の猿真似とも思える技で邪魔をした日勝をルカが忌々しげに睨みつける。 神をも射殺さんとする狂皇子の瞳に日勝もまた怒りで返した。 「強くなろうとする事、そいつは決して悪いこっちゃねえ。 力があるからこそ、高みを目指すからこそ得られるものもいっぱいあるのは知っている……」 日勝は思い出す。 最強を目指して戦いに明け暮れた日々を。 思い出と共に刻んだ強敵たちの拳の数々を。 彼らは強かった。 皆が皆一歩間違えれば負けていたのは日勝の方だったと素直に認められるレベルの好敵手だった。 日勝は視線をおのが右拳へと落とす。 マッシュ直伝の闘志の炎で護られていたはずの拳は肉が焼け落ち白い骨さえ浮かんでいた。 燃え尽きなかった方が奇跡。 それ程の火力をルカの炎は誇っていたのだ。 間違いなく強者。 今まで戦ったことのある誰よりも強い相手だ。 だけど。 「けど、けどなあ!テメエは断じて最強なんかじゃねえ!」 単に強いことは最強であることに直結しない。 拳を合わせても湧き上がる熱さがないのだ。 楽しくて、楽しくて、互いに笑いあいながらボロボロになるまで戦って認め合った好敵手達とは違う。 これはオディ・オブライトと同質のものだ。 かの殺戮者を軽く上回る殺意と憎悪で凝り固まった禍々しき刃だ。 日勝には認められない。 こんなものが強さだと現代最強の漢は断じて認めるわけにはいかない! 「教えてやる、俺が、俺の目指す真の強さをっ!」 啖呵を切った日勝の拳を光が包み込む。 習得したばかりのオーラの力ではない。 もっと別の魔法の力。万物を癒す優しい力。 「俺の、俺たちのだろ、日勝」 マッシュがケアルガを施しつつウインクを投げてよこす。 クロノも無言で大きく頷く。 日勝は最強の仲間達に笑顔で応えた。 「そうだな、俺が俺たちの怒りが「「「てめえをブッつぶす!!」」」 異口同音の声がゴングとなり、激戦の幕が切って落とされた。 ▼ 「ちょこ達これから教会に行くの! ひとのこいじをじゃまする奴は……なんだっけ?」 ユーリルの襲撃からちょこがアナスタシアを庇う形で始まった戦闘はあまりにも一方的に進んでいた。 当たらない、効かない、超えられない。 一合ごとに幸せを犠牲にしてまで手にいれたユーリルのチカラが否定されていく。 どれだけ拳を振ろうとも少女の身体を貫くこと叶わず。 どのような魔法を放とうともより強力な魔法に押し返される。 明かに本気を出していない相手に文字通り遊ばれていた。 (冗談じゃない) 水流に打ち消されたメラも。 巨岩の槍の前にあっけなく潰されたギラも。 異形の柱からの光爆の数分の一程度の威力しか出せなかったイオラも。 どれもこれもユーリルが寝る間も惜しんで習得した呪文だった。 恐怖を押さえ込んでモンスターと何度も戦ってその果てにやっと得た力の数々だ。 それが大した時も生きていないような幼い子どもに何てことなく足蹴にされるのが堪らなく悔しい。 許せるはずが無かった。認められるはずが無かった。 こんな、こんな、苦しいことも悲しいことも知らないとばかりに無邪気な笑みを浮かべる存在を! (死ね) 大振りの拳が空を切る。 (死ね、死ね) 分身したちょこの蹴りがユーリルを地に這わす。 (死ね、死ね、死ね) 追撃の不死鳥をマホステで何とか凌ぐも、守ってばかりでは勝てるわけがない。 (死ね、死ね、死ね、死ね) そしてユーリルに縋れる手は最早一つのみ。 (速く死んでくれ!) ギガデイン。 勇者のみに使えると信じていたユーリルが一人で撃つことのできる最強の呪文。 勇者の特権性が失われようと、その力までもが減衰したわけではない。 万魔に振り下ろされる破邪の鉄槌は健在なはずだ。 けれどユーリルは一向に召雷呪文を唱えようとはしなかった。 勇者が生贄に等しいと気付かされた今、生贄の証である呪文を進んで使う気にはなれなかったのだ。 それに恐怖もある。 もしその最後の拠り所となる威力さえ否定されたら? 勇者のみに使えるという特権性を否定されてしまった雷呪文が、その力さえ否定されたとしたら? 「ああああああああああああああああああああああっ!」 破れかぶれに拳を叩き込む。 ひょいっと少女に避けられるががむしゃらに打ち続ける。 一撃、二撃、三撃、四撃。 「わーいのー! イーガおじさんみたいなのー」 一発足りとも当たらず、どころか強化した慣れぬ腕力に振り回されたユーリルは大地の起伏に足を取らてしまう。 無様に転がりゆく中、少女に合わせて揺れるデイパックの覗いた口から、確かに見えた。 特徴的な刀身を持つ一振りの剣が。 天空人の血を引く者の接近に伴い光り輝き使えと訴えてくる愛剣の姿が。 (僕は、何を迷ってたんだ……?) 旅の中何度も何度も命を救ってくれた剣の輝きに感じたのはかってのような心強さではなかった。 勇者の為の剣が勇者を辞めた人間の心を推し量ることなく変わらず尻尾を振り続けている。 その程度にしか思えなかった。 振り返るのは数時間前の光景。 勇者でもない人間が雷を操る悪夢の絵図。 雷は特別な勇者の証なんかじゃない。 ただのチカラだ。 ならば何を躊躇う必要がある。 利用すればいいのだ、雷も、剣も。 ユーリルの濁った目に光が宿る。 暗い、暗い炎が燃える。 「来たれ、覇邪の雷」 詠唱に従い天を黒き雷雲が覆い隠す。 ほれ見たことか。 ユーリルは十八番を温存していた愚を嘲笑う。 勇者を辞めた筈の彼に未だにデイン系の魔法は応えてくれる。 それこそがこの魔法が勇者の証なんかじゃないという証拠だ。 いや、もしかしたらもしかすれば。 ユーリルは考え直し、濁った瞳でちょこを写す。 可愛らしい少女だった。 だがそれが、こんな存在が。 ただの人間の少女であるはずがない。 ユーリルは知っている。 彼女を表すに相応しい強さと恐ろしさ、底知れなさを持つ存在を。 聖なる雷が勇者を辞めた者に力を貸してまで滅ぼそうとしてもおかしくない巨悪を。 (魔王だ……) 家族を、村の人々を、幼馴染を、幸福を、人生を。 全てをユーリルから奪った存在。 それでいて尚、“勇者”であったが故に恨みを晴らせず終った怨敵。 ユーリルの大切な人たちを生き返えらせることもできた世界樹の花で一人幸せを取り戻した男。 ふつふつとそれまで封じ込めてきた憎悪が湧き上がる。 アナスタシアへの憎しみに誘発されるように地獄の釜は蓋を開け、かつてと今の憎しみを混ぜ合わせる。 (こいつは、魔王だ……) ユーリルの目にちょこはもう人間として写っていなかった。 彼に見えているのは進化の秘法で醜くグロテスクに変化したデスピサロそのものだった。 「死ねぇぇぇぇぇぇぇ! 魔王!!」 びくりと、少女の身体が一瞬硬直する。 これまで掴むことの無かった好機にユーリルは詠唱を中断し手を伸ばす。 少女にではない。 最強バンデージによる筋力増強効果があろうとも少女を打ちぬくには足りなすぎる。 せめてアリーナなりの格闘技術がユーリルにあれば話は別だが、無いものねだりだ。 ユーリルが使うのはそこにあるもの。 少女の持つデイパックの中身にこそ用が有る。 「まさか!」 ちょこに戦いを任せ、離れた場所に避難していたアナスタシア声をあげる。 彼女にはユーリルの行動に心当たりがあった。 互いの支給品を検分して入れ替えたときまず最初に彼女が我が物としたのは絶望の大鎌。 殺し合いを勝ち抜くにおいて武器が最も重要なのは言うまでも無い。 ただ何も有用な武器は絶望の鎌だけだったわけではなかった。 むしろもう片方の武器の方が紛いなりにも剣を得物とした事のある少女には扱いやすかっただろう。 しかしアナスタシアは使い慣れた刀剣類よりも癖のある大鎌を選んだ。 気に入らなかったのだ。 鍔に刻まれた“英雄”に通じる文句が。 だがもしも、もしもアナスタシアが嫌った言葉が指し示していたのが“勇者”のことだったなら。 「ちょこちゃん、デイパックを守って!」 アナスタシアの絶叫が空しく響く。 ちょこは普段の快活さが嘘のように唖然とした顔のまま微動だにしない。 あっけなく奪われるデイパック。 ユーリルは手馴れた感触の剣を抜き放ちちょこへと突き立てる。 それまでいかなる攻撃も寄せ付けなかった少女の肌をあっけなく異形の刃が貫いていく。 苦悶の声を上げるちょこ。 少女の頑強さに苦しめられ続けた勇者はその悲痛な声さえも無視し中断していた呪文を完成させる。 「ギガデイン!」 空を引き裂く音と共に稲妻の竜が寸分違わず剣へと降臨。 雷龍がうねり狂いちょこを体内から灼き尽くす。 変則型ギガソードといったところか。 幼き身体が白銀の光に蝕まれ痙攣する。 突き刺したままの剣を通してユーリルにも振動が伝わってくる。 その振動はしばらく続き、そして止んだ。 「はは……」 ユーリルの口から乾いた笑みが零れた。 最初は小さく、次第に大きく。 「はははははははは、あははははははははははははは!」 彼は、嗤っていた。 抑圧していた感情を解き放ち魔族を打ち破った暗き愉悦に酔っていた。 次はお前だ。 ユーリルは剣をアナスタシアの方へと向ける。 刃を伝った少女の血はアナスタシアが目を背けた柄に刻まれた語句をくっきりと浮かび上がらせていた。 MI TI BI KA RE SI MO NO――導かれし者 “生贄”である“英雄”と“勇者”を虚飾するその語句を。 ▽ 導かれし者などではない。 アナスタシア・ルン・ヴァレリアはただの人間だった。 一人の夢見る少女だった。 年頃の女の子がそうであるように白馬の王子様にだって憧れていた。 いつか自分の前に素敵な人が現れる。 ピンチな時に颯爽と駆けつけてくれる。 そんな取り留めのないことを夢見ていた。 分かっていた。 下級とはいえ貴族だ。 王子様が物語りの中の存在みたいに素晴らしいものなんかじゃないことくらい百も承知だ。 (でも夢くらい見たっていいじゃない) そんな風に思ってしまうから馬鹿を見る。 アナスタシアは天空の剣を手にして近づいてくるユーリルを一瞥すると溜息を吐いた。 「やっぱり王子様なんていないのね」 今更なことだった。 王子様がいるのならあの焔の七日間に助けにきてくれていたはずだ。 しかし実際は王子様どころか親友の不死の少女以外誰も来てはくれなかった。 よってアナスタシアも『勇者』に大した期待はしていなかったはずなのだが。 本当にそうならば落胆することなんてない。 どうやら心の何処かでは自分の生きた時代の人間ではない彼ならば、あの時助けてくれたのではという希望を持っていたみたいだ。 「それが蓋を開けてみれば最悪の結果とは皮肉よね」 「死ね。死ね死ね死ね死ね死ね。お前がいなければ、僕は勇者でいられたのに!」 自暴自棄になって殺し合いに乗って人を殺して欲しいとは思っていたが、そのターゲットが自分とは。 ぴくりとも動かないちょこを尻目にアナスタシアは苦笑する。 考えてみれば十分可能性としてありうる展開だったのだ。 自棄の果てに心の拠り所を奪ったアナスタシアを殺しにこようとすることなんて。 「そう……。あなたは未来を奪われた私と違って今を失い続けてきたのね」 アナスタシアにはユーリルが泣き喚いている子どもに見えた。 あるいはこれが少年の本当の姿なのかもしれない。 彼は勇者という称号に誇りを抱いていると思っていたが、本当はそう思い込んでいなければ耐えられなかっただけだったのでは。 勇者だから怖くない、勇者だからモンスターとも戦える、勇者だから、勇者だから、勇者だから……。 そうやって彼は実質七日間しか戦っていない自分よりも遥かに長い時間を勇者であることに捧げ続けたのだろう。 英雄になることを望み名前も生身の身体も捨て、抱いていた願いさえも忘れてしまっていたどこかの誰かのように。 「私を殺したところであなたに未来は無いわ。 一度操り糸を断ち切られた人形はどれだけ蜘蛛の糸に縋ろうとももう元には戻れない。 ねえ、考えているの? この後どうするのかって」 「うるさい、黙れ、お前を、お前を殺しさえすれば僕は……っ!」 「救われないわ。それじゃあなたは一生。あの娘の様に“英雄”の確執から解き放たれでもしない限り」 土台無理な話だ。 どれだけ勇者を辞めたと言おうとも、アナスタシアを殺そうとしている理由こそ未だに彼が勇者に拘っている側面でもあるのだから。 ユーリルは救われない。アナスタシアの時間軸のカノンのように救われはしない。 「そんなあなたに私の未来を渡す気なんて更々ないわ」 勇者を辞めたユーリルに問うべきことはない。 絶望の鎌へと闇を集わせる。 ちょこが破られた時の保険として持していた鎌は味方の死を喰らい力とする魔王の武具。 ユーリルも鎌の持つ禍々しい力を本能的に察したのだろう。 御託は終りだと鎌が暗黒の力を纏いきるより先に止めを刺すつもりで剣を突き出す。 アナスタシアも殺されるよりも先に殺すとリーチを頼りに鎌を振り抜いた。 相手を殺す。 絶対に生き残る。 真逆の一念にして同一の結果しか導き用の無い斬撃が交差する。 だから誰も死ぬことなく終わったのは別の結果を望んだ子どもがいたからこそ。 右手に勇者の剣を食い込ませ、左手を盾に魔王の鎌を受け止めていながら、 「そんなことしちゃ、メッー! お兄さんもお姉さんもメッなの!」 少女は大きく口を開いて一声を発した。 絶望の鎌を覆わんとしていた影はいつしか霧散していた。 ▼ ――INTERLUDE 夢喰い―― 少女が一鬼当千ならば狂皇子はまさしく一騎当千だった。 自身の三倍もの人数を相手にし、持ちこたえるどころか明かに押していた。 クロノ達が弱いわけではない。 むしろたった3人であのルカ・ブライトと真っ向勝負を成立させる人間がいると知ればどこぞの軍師辺りは目を剥くだろう。 ルカ・ブライトとはそれ程までの怪物なのだ。 矢で全身を射抜かれようとも18人の精鋭を相手に一歩も引かなかった化物なのだ。 横切り、縦切り、刺突。 クロノが一太刀入れんとする間にもルカは魔速の剣で攻めこんでくる。 俊敏にして怒濤、苛烈にして鋭利。 男の激情そのままに押し寄せてくる斬撃の渦を防ぎ切る手立てはない。 こちらから打って出ても無駄だ。 その動きは天の魔法を使いこなすクロノよりよほど稲妻じみていた。 まさに津波だ。 押し寄せては半端な攻撃を飲み込み、いかな防御も押し砕く、万物を蹂躙する憎悪の波だ。 「クロノはやらせねえ! オーラキャノン!」 「無駄だ、豚共があ!!」 防戦一方に追い込まれたクロノの援護に放たれた気弾も驚くべき反応速度で切り払われる。 それでも並の戦いならひとまず勢いを止められた時点でマッシュはひとまず目的を達していただろう。 だが恐るべき事にルカはオーラキャノンを薙ぎ払った動作のままに今度は日勝へと斬りつける。 「うおっ!?」 オーラキャノンを受け止めた隙にと狙っていたものの出端をくじかれる形になってしまう。 慌てて前に出しかけていた拳を止め、後方に跳ぶ。 刹那、すれすれのところを凶刃が空を切る。 仕掛けようとしていたのが対刃技の山猿拳だったのが幸いだった。 他のどの技でもこうすぐには回避動作に切り替えられなかった。 日勝は今は亡き本来の技の担い手に心の底から感謝する。 「なんせおかげでこいつをぶっとばせるんだからな!」 いつしか日勝の前には魔力で編まれた門がそびえ建っていた。 ルカの注意が日勝へと移った内に残り二人が魔法の力で生成しておいたのだ。 其は雷、其は冷気。 二つの属性が鬩ぎ合うことで生まれた新たな理。 開け、冥府の扉よ! 「日勝!」「高原!」 おうよ!と日勝は応えて地面を爆ぜさせる。 大量の砂塵が舞う中、魔力塊へと跳び込みつつ、前方宙返りを加える。 勢いのままに振り上げた片足が狙うは狂皇子の頭部。 冥府のエネルギーを纏い憎悪の獣を地獄に送り返さんと叩きつける。 サンダガ+ブリザガ+あびせげり=…… それは本来有り得なかったファイナル《最後》の後を継ぐ技。 故にクロノは奇跡的な巡り合わせにより得た仲間達との絆の技をこう名付けた。 ネクスト《繋がりゆくもの》―― 「ネクストキィィィィィィックゥゥゥゥゥ!!」 死者を地獄へ蹴り返さんと一条の破魔の矢と化した日勝が燃える空を飛ぶ。 「馬鹿どもめがぁ!!! 無駄だということがまだ分からんか!!」 ルカも我が身を炎の破城槌と変え迎え撃つがその言葉はそっくり返されることとなる。 三人でそれぞれ攻撃するのと三人で力を合わせた一撃を放つのとでは威力に歴然とした差が生じるのだ! 「貫けええええええ!!」 「ガッ……ウオオオォォォッッッ!!」 矛にして盾、盾にして矛。 日勝の全身を包むエネルギーフィールドは炎などものともしなかった。 冷気と雷による対消滅はルカから炎の鎧を剥ぎ取っていく。 守る術を失ったルカへと突き刺さる蹴りは最早矢を超えた銃弾の一撃だった。 圧倒的なスピードとエネルギーに弾かれ、巻き上げられ、ルカは街の外へと吹き飛ばされる。 クロノ達三人も勝利の余韻に浸ることなくそれを追う。 ルカがこの程度で倒しきれたとは到底思えなかったからだ。 果たして狂皇子は頭部から血を流しながらも、折れた木々を押しのけ、突き刺さる枝々を焼き尽くして立ち上がった。 「蛆虫どもがぁぁ、おれの剣はまだ折れてはいないぞ!!」 「だと思ったよ」 一寸の陰りも無い殺気を前にしても追いついたマッシュは余裕の表情だった。 想定済みの事態になら対処のしようはいくらでもある。 幾度目かの炎を呼び寄せようとするルカに対しマッシュはクロノへとアイコンタクトを送る。 「クイック」 すると目を焼くほどに赤かった紅蓮の炎が灰色に染まり虚空へと縛り付けられた。 炎だけではない。 クロノを除くありとあらゆるものが人も無機物も現象も問わず色を失い停止していた。 話には聞いていたがまさか本当に人一人の手でタイムフリーズを起こす方法があるとは。 驚嘆しつつも凍った時の中、炎の柱となったルカを見据える。 第一回放送後の手合わせの中我が物にしたこの魔法は強力な分消費魔力も大きい。 クロノがマッシュに代わり唱えたのも大呪文を唱えるだけの魔力残量があるかないかによるものだった。 ならばこそ応えなければならない。 覚えたてのクロノを信じ、恰好のチャンスを託してくれた二人の仲間達へと。 クロノ最強の剣技、みだれぎりをもって! 「疾っ!」 クロノは仰け反るように大上段に剣を構え、まるで駒のように回転を開始。 勢いを止めることなく――いや、勢いを倍化させて一歩を踏み出す。 風のようになどと形容するのもおこがましい。その様――剣の竜巻だ! 四刃一合。 超速旋回するクロノがルカの護りを切り刻んでいく。 一刃、二刃、三刃―― 停止していた炎が、身を守っていた鎧が歩むのを止めた時ごと砕け散る。 これでもうクロノの剣を妨げる壁はない。 死刃――文字通り最後の一撃をルカの首へと伸ばし 「っ!?」 クロノは信じられないものを見た。 自分以外の全てが停止した時間の中。 ぎょろりとルカ・ブライトの瞳が動いたのだ。 瞳につられるように口が歪み半月の形に裂け、そのまま―― 驚愕に動きを鈍らせたサンダーブレードを噛み砕いた。 「……そんな、タイムフリーズが」 「おいおい嘘だろ!? 時を止めたんだぜ!?」 「っつうかお前ら何やったんだ?」 鋼が砕ける音に合わせて、世界が色を取り戻す。 あのケフカを破るのにも一役買った必殺必勝の呪文が破られた事態にマッシュは目を見張った。 一人日勝だけが訳が分からないという顔をしているが、 「時間は全てを解決してくれるそうだな……くだらん」 ルカからすれば時間停止を破ったことなど誇るべくことでも何でも無かった。 「このおれの身体の隅々、皮膚の下にまで渦巻く憎悪が時間ごときでどうにかできると思ったか?」 時間など魂にまでこびりついた憎しみの前には意味をなさない。 時がどれだけ経とうとも、時計の針が動くことが無くなろうとも。 永久不朽の憎しみには関係の無い話だ。 つまらなげに吐き捨てると用を足さなくなった鎧の残骸から拳大の石を拾い上げる。 [もういい、死ね] 右手を高く掲げる狂皇子。 握られた紫のサモナイト石から竜の吐息が漏れ出る。 「ハイランド国王ルカ・ブライトが命じる……」 捩れる空間、開くゲート。 空にぽっかりと空いた黒い穴から漏れ出る人知を超えた存在感にクロノが、マッシュが、日勝が無意識に息を呑む。 ただ一人ルカだけが受け入れるように両手を広げ高らかにその名を告げた。 「出よ、聖 鎧 竜 ス ヴ ェ ル グ !!!!!!!!!!!!」 聖鎧竜スヴェルグ、再臨。 ▼ 「死ねぇぇぇぇぇぇぇ! 魔王!!」 瞼の裏に焼き付いたのは憎悪に染まった少年の姿。 思い出の中の大好きな人と重なってちょこの脳裏から離れなかった。 (父さま……) 剣士ラルゴ。 モンスターに家族を奪われ復讐を誓った男。 剣士でありながら愛する者を守れなかった己の運命を呪い、憎しみのままに力を欲しった男。 魔剣に心を奪われ、モンスターを見付けては復讐の為に殺し続ける存在となり、遂には魔王セゼクを倒した男。 父の亡骸に泣きつく少女に死んだ娘を思い出し、魔剣の魔力から解放され、その魔族の娘から力と記憶を奪い別の名前を与えた男。 もう語るまでも無いであろう。 男が付けた名前は。死んだ娘の名前は。幼き魔人の名前は。 “ちょこ” ――父さま? 私達の父上は魔王セゼクただ一人よ 虚空より聞こえたその言葉に偽りはない。 血縁関係で言うのならちょこの父は間違いなくセゼクであり、声の主にとっては屈辱的だがセゼク本人もちょこを娘と呼んだ。 けれどもそんなこと少女には関係なかった。 少女には難しいことは分からない。 それでも胸を張って言える。 (違うもん。ちょこの父さまは、ちょこの大好きな父さまは、ラルゴって名前だもん) もう二度と会えない今でもその想いは変わらない。 ちょこにとっての父はラルゴでこれからもずっと大好きなのだ。 そんなちょこに、 (おにーさんはきっと父様と似てるの) ユーリルを放っておけるはずがなかった。 少女は覚えている。 大切な娘だと言ってくれたあの日、自分に出会うまでの過去を語ってくれた時の父の声を、表情を、込められた感情を。 泣きそうな顔だった。張り裂けそうな声だった。悔やんでも悔やみきれない後悔が滲み出ていた。 最後はちょこを人間として育てたせいで辛い思いをさせてしまったと涙ながらに謝ってばかりだった。 それはいつもいつも優しく微笑んでいてくれた父が初めて見せた曇り顔で。 まだまだ子どものちょこにはその複雑な感情の全てを推し量りうるはずもなく。 少女はただただ悲しい顔を見ていたくなくて。 あるべき輪廻へと還ろうとする父の魂に何度も何度もハンバーグのお代わりをせがんだ。 こうすれば父が困り笑いをしつつもお代わりを作ってくれると少女は知っていたから。 父さま行かないでと心の中で叫びつつ、必死に何度も何度もわがままを言って引きとめようとした。 駄目だった。 父は少女に大切な言葉と幾つもの謝罪を残して天へと還った。 少女は最後の最後で父に困らせることしか言えなかった。 ありがとうも、さよならも、大好きも言えなかった。 それはとても寂しいことなのだと、少女は目を覚ました時に知って。 少女はいっぱい後悔した。 悔やんで、泣いて、泣きつかれて、眠くなって。 その時決めたのだ。 今度夢で父に会えたら、あの時言えなかったことを全部全部伝えようと。 そうすればあんな寂しそうな笑顔よりももっともっと明るい笑顔を父は浮かべられるだろうと。 (ちょこ、もうあんな悲しそうな顔、見たくない。させたくない) アナスタシアを襲ったユーリルの表情は魔王セゼクと対した時のラルゴそのものだった。 ならばその結末さえも同じ道を辿ってしまうかも知れない。 そんなのちょこは嫌だった。 (悲しみや憎しみのままに力を解放したらダメだって、父さまが言ってたこと、おにーさんにも伝えるの) 幼い胸に決意の炎を燃やし目を開け、立ち上がろうとする。 少女の意思に応えるように泳いだ後、髪の毛に巻いてもらったリボンがうっすらと光を発する。 身も心も現世へ戻とうとする少女を引き止めるようにまたしても声がした。 ――あなたがそれを言うの? 感情のままにイノチを弄んだあなたが? かって少女は知らなかった。 なまじ力があった為にイノチの価値に気付けなかった。 感情のままに開放したチカラで奪ったイノチを偽りの肉体に縛り付け、自らの慰めとした。 あまつさえそのイノチを弄ぶ行為をなしたことを忘れ、一人平穏な世界で生き続けた。 でも今は違う。 閉じた円環から一歩を踏み出し、世界を救う旅の中幾多もの想いに触れた今なら。 最愛の父との離別を経験し、辛い記憶と無くした過去を受け入れる覚悟を決めた今なら。 分かる。 イノチの価値が。 それは、想い。 その人に生きていて欲しい。 その人じゃなければダメ。 チカラの価値や世界のルールでは語れない何か。 貧弱で曖昧だけど確かに胸の奥にあるもの。 (誰だって言っていいの。言っちゃだめなんかじゃないの) ――っ、父上…… 他の誰でもない。 ちょこの父への愛は、ちょこが口にするから意味がある。 ただ生きていて欲しいと想うから、ただ生きていて嬉しいと想えるから、イノチには価値がある。 そしてちょこが生きていて欲しいと想う命に―― きっときっと限りなんてない。 ちょこは何百年もずっと一人で生きてきた。 成長する事も、新しい物を生み出す事も出来ないただの記憶の集合体の中に身を置いていた。 深い、深い地の底で、アーク達に出会うまでずっとずっと少女の世界にイノチは一つだけだった。 だから今は。 時の止まった森から一歩踏み出し多くのイノチを感じられた今なら。 ただ、誰かがどこかで生きている。 ちょこはそれだけで嬉しいのだ。 だって生きていてくれるならいつでも会いにいけるから。 どれだけ時間をかけようとも繋がることはできるから。 少女にとって全てのイノチに価値がある。 ラルゴの行いは実を結んだ。 魔人の少女はチカラの限界の先にある“何か”を、人間のココロを育んでいた。 (ちょこ行ってくる) 引き止める声はしなかった。 今度こそちょこは立ち上がる。 父に似た少年を救うために。 誰も死なせないために。 だってちょこは問答無用でいい子なのだから。 時系列順で読む BACK△096 僕は泣くNext▼095-2 ですろり~イノチ~(後編) 投下順で読む BACK△094 銀の交差Next▼095-2 ですろり~イノチ~(後編) 089 空虚の輪郭 ユーリル 095-2 ですろり~イノチ~(後編) クロノ 日勝 マッシュ ルカ 085 ノーブルディザイア アナスタシア ちょこ ▲
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ですろり~イノチ~(後編) ◆iDqvc5TpTI ▽ 「おにーさんもおねーさんもそんなことしちゃ、メッー! とにかくメッなの!」 ユーリルは困惑していた。 倒したはずの魔王が蘇えったことにでも、少女が大怪我も気にせず場違いな口調で話しかけてきたことにでもない。 よくよく考えてみればギガソードもどきとはいえ一撃で倒れるようでは魔王とは呼べない。 驚いたのはもっと別のことにだ。 一瞬、ほんの一瞬だが、少女の背に翼が見えたのだ。 「天……空人?」 何を馬鹿な、魔王にそんなものがあるはずがない。 目をつむり、開く。 ユーリルを見上げる少女に翼なんてなかった。 「父さまは教えてくれた。悲しみや憎しみのままに力を解放したらダメだって」 ユーリルが戸惑い剣を振ることも忘れ目を開け閉めしているうちに、ちょこは言葉を紡ぎ出す。 決して多くはない語彙で精一杯伝えたいことを口にする。 憎しみに囚われてはダメだと。 「父さまは苦しんでた。チカラにおぼれ、人としてのココロを失い、さつりくのかいかんによってた過去に!」 復讐は人のココロを救ってはくれないのだと。 「ちょこ見たくないの。もうあんな苦しそうな人、見たくないの」 大切な思い出と幼いココロを丸ごとユーリルへとぶつけてきた。 ちょこがやっているのはお世辞にも説得と呼べたものではなかった。 本人には分かっているつもりだがちょこの訴えにはあまりにも言葉が足りていない。 脈絡も無く、説明もなく、理論も無い。不親切極まりないものだった。 それにちょこは意図していないが少女の訴えは問題のすり替えだった。 そもそもちょこはアナスタシアとユーリルの会話を寝ていたため聞き逃している。 故にユーリルが何を悩み、何に苦しんでいるのか少女は知らない。 ちょこに分かっているのはユーリルが憎しみのままに、感情のままにチカラに溺れてしまっているということ。 父のようにココロを失い、自分のように独りになってしまいそうだということ。 だからちょこの訴える声は的外れもいいとこで、“勇者”を救うものなんかじゃない。 “勇者”が“生贄”だったことへの憎しみを払うものでもない。 人間の身勝手さに対する反論ですらない。 けれどもユーリルは少女の声を無視することはできなかった。 家族を奪った魔王への憎しみを思い出させた少女。 その少女が家族のことを語るのが許せなかった。 憎しみという“人間らしさ”を取り戻してしまった少年のココロに。 “勇者”であることを辞めて開放した抑えようのない数多の感情に。 理論も何もなく心をぶつけてくる少女を振り払うことはできなかったのだ。 「黙れっ、黙れ魔王!」 「やっ! このままじゃおにーさん一人になっちゃうもん」 「一人? ああそうさ。僕はお前に奪われた。故郷も、村のみんなも、父さんも、母さんもシンシアも!」 「そう、私は奪った。体の中からどんどん力があふれてきて、悲しくて、どうしようもなく悲しくて。 不安や怒りや憎しみがうずまいて、どんどん、どんどん大きくなって、そして、私は力を解放した」 もう二人ともぐちゃぐちゃだった。 憎しみという“人間らしさ”を取り戻してしまった少年は抑えようのない数多の感情に振り回されていた。 図らずとも自らが過去に行った所業と被る罪をきせられてしまった少女は違うと答えることができず俯いてしまった。 「お前が悲しかったなんて言うな! 悲しかったのは僕だ。 不安も怒りも憎しみも悲しみも抱いていたのは僕だ!」 ユーリルはそんな少女に更に畳み掛ける。 何故家族を殺した魔王が憎いのか? それはユーリルが家族の死を悲しいと思ったからだ。 憎しみから悲しみの感情を引き出し、ユーリルは取り戻す。 「悲しかったのは悲しかったもん。独りになって寂しかった……」 「僕だって寂しかった。一人になって寂しかった! この魔王め! お前のような存在が家族のことを語るな!」 項垂れる少女に対しユーリルは更に食らいつく。 どうして家族の死を悲しいと思ったのか? 寂しかったからだ。大好きな人がいなくなってしまって寂しかったからだ。 悲しみかに続き寂しさの感情へとユーリルはシフトする。 そうだ、ユーリルは寂しかった。 大好きな人達がいてくれた暖かい日々。 もう二度と戻ってくることのない過去が堪らなく愛しい。 彼らはユーリルの名前を知っていた。 彼らはユーリルに戦いを押し付けなかった。 彼らはユーリルと嬉しいことも悲しいことも共有してくれた。 彼らはユーリル一個人を見てくれた。勇者像の幻想なんて―― (本当に? 本当にそうなのか? そもそも村のみんなは僕が“勇者”だと分かっていた。 知っていて匿っていた。だったらあの日々だって幻想なんじゃないのか? 僕の知らないところで勝手な期待をかけていたんじゃないか?) 一度浮き上がった疑念はどんどん大きくなっていく。 勇者としてでない、ユーリルとしての綺麗な思い出まで自らの手で黒く染め上げそうになってしまう。 その寸前でちょこの懸命な叫びがユーリルへと届いた。 「魔王の娘だからって関係ないもん! ちょこ、ちょこ、父さまのこと大好きだもん!」 関係ない。 そうだ、関係ないのだ。 村の住人が全員死んだ今本当のことは分からない。 だけどユーリルにははっきりと分かっていることはある。 「僕だって、僕だってみんなが大好きだった!」 いなくなって寂しいと思うのはその人達のことが好きだったから。 そして好きというオモイは事実や真実に関係なく自分独りがそう思えるなら成立するのだ。 そのユーリルのオモイを肯定するかのように少女は続ける。 「父さまも言ってくれた! わたしと暮らした日々はとても楽しかったって。 まるで本当に娘が帰って来たようだったって」 皆が自分を守って死んだのはずっと世界を救う勇者を守る為だと思ってた。 本当にそうなのか。 本当にそれだけなのか。 父は、母は何よりも親として息子を守ろうしたんじゃないか? 幼なじみはユーリルを好きだったからこそ庇ってくれたんじゃないか? 村のおじさんやおばさんはユーリルに死んで欲しくなくて戦ってくれたのでは? ならばその死は、そのイノチは、平和に捧げられた生贄なんていう無価値なものなんかじゃない。 ユーリルに生きていて欲しいと願った全ての人々のオモイの価値だ。 ユーリルは村のみんなのイノチの価値を受け入れた。 村での十七年間を汚すことなくありのまま受け入れ、大切だったことに気付かされた。 「ちょこを大切な娘だって、笑っていってくれたもん! ちょこも父さまと一緒の時、すごく、すごく、楽しかった!」 だからこそ、支離滅裂な手順を踏み、ようやく辿り着いた少女の最も伝えたかったこと。 人のココロを救ってくれるのは復讐なんかじゃない、もっと別のものなのだと伝える為のその言葉に、 「僕だって父さんや母さんが帰ってきてくれたら。 そうじゃなくともあの忘れえぬ日々に似た毎日が過ごせるのなら楽しいに決まってる」 ユーリルは言い返すことなんてできなかった。 ちょこはユーリルに想いが届いたことに大輪の笑顔を浮かべ、 「だったら、おにーさん! ちょこと、友達になろ」 いつかの日、深い地の底で出会った精霊の勇者にそうしたように、ちょこは天空の勇者へと手を伸ばし、 「トモ……ダチ?」 同時に、ユーリルが見ようとしなかった聞こうとしなかった数刻前の出来事へと触れてしまった。 『ユーリル。日勝が教えてくれたんだ。野球って言うんだ』 ありありと過去の情景が心のなかに再生される。 『日勝は仲間との絆を深める為にやりたがってる。……日勝のことだからもっと単純にみんなでやれたら面白いからかもしれない』 マッシュ達が港の調査から戻ってきてからの一幕。 『それでいいいと思う。面白そうだから、楽しいから。その想いはきっと大事だと思う』 日勝達が出払っていた時同様、クロノはずっと笑顔でユーリルに話しかけていてくれた。 『……そしてそれは俺も同じだ。ユーリル。俺はお前と魔王を倒す仲間としてでだけでなく』 どころか心ここにあらずとなっていたユーリルに手を差し伸べてくれて、そして。そして。 『友達に、なりたいんだ。だから落ち着いたらでいい。一緒に遊ぼう』 ユーリルと友達になりたいと言ってくれた。 ユーリルが“勇者”だと知りながらも友達として相対し遊びに誘ってくれる人間なんていなかった。 (いなかったんだ……なのに) ユーリルはクロノの手を掴めなかった。 “勇者”になって以来欲していたのだろう懐かしい情景への扉を自ら閉ざしてしまった。 「あ、あああ……」 「おにーさん、大丈夫? どうしたの、どこか痛いの?」 最悪とは重なるもの。 クロノの手を掴めなかった罪悪感か、少女の手から逃れるように後ずさってしまったたユーリルは見た。 そのタイミングに合わせたようにユーリルはクロノ達を置いてきた港町の方角に巨大な竜が降り立つのを。 スヴェルグだ。 クロノ達が戦っていたE-2エリアとユーリル達が戦っていたH-2エリアは間に何を挟むこともなく直線上に位置するのだ。 マスタードラゴンを優に超える大きさを誇る上に光り輝くスヴェルグは嫌でも目に入った。 あんなものユーリルはクロノ達から存在を聞いていはいない。 それが意味することは即ち―― 「あああああ、ああああああ、ああああああああ」 故郷が滅びる様を思い出したばかりのユーリルに楽観的観測なんて不可能だった。 クロノ達が巨龍に襲われている。 得られたかもしれない懐かしい日々が脅かされている。 大事な人が、友達が、また死ぬ。 「うわあああああああああああああああああああああああ!」 その恐怖に負けユーリルは跳んだ。 クロノ達の無事な姿を見て安心したいがためにルーラで港町へと再転移した。 あるいはそれは剣を突きつけてしまった少女からの逃亡でもあったのだろう。 ユーリルが“勇者”でも“抜け殻”でもなく人間だった日々。 彼は憎悪に駆られようとも人を殺したいなんて思ったことは一度もなかったのだから。 ▽ アナスタシアはため息を吐いた。 事態は何一つ解決していない。 ユーリルからアナスタシアへの憎悪は一切消え去ってはいないだろう。 ちょこがやったのはユーリルの憎悪を解消したのではなく、幸せになる方法を教えただけだ。 彼が見失っていた幸せを突きつけただけだ。 ユーリルが“勇者”として生きている時に振り返ろうとしなかった幸せ。 “勇者”を辞めてからも虚無感や憎悪が先行し思い出すことも忘れていた幸せ。 その幸せの名は――“日常”。 アシュレー・ウィンチェスターがそれ以上にイノチを賭けるものがないと断言したもの。 アナスタシア・ルン・ヴァレリアが数百年前に無くしてしまったもの。 “勇者”になる前はユーリルも当たり前のように甘受していた、失って初めて気付く大切なもの。 アナスタシアはユーリルとクロノ達との関係を知らない。 だからどうして急にユーリルがルーラを使ったのかは分からない。 (封じていた感情をいっきに複数個も呼び起こされて錯乱したのかな) ただ一つ確かなことは。 アナスタシアにとってもユーリルにとっても問題を先延ばしにしただけだということ。 ユーリルが再び“日常”に身を染める道を選ぶならやはりアナスタシアを殺した上で平和に暮らすというのが一番早い。 あれだけの憎しみを抱いたまま日々を穏やかに暮らすことなど不可能だからだ。 厄介なことにちょこがした父の話でも、父は復讐を完遂してしまっている。 その上失ったものの大切さを知った反動で余計に“生贄”にされたことへの憎悪の炎に油が注がれた可能性すらある。 けれど、アナスタシアが今この時を生き延びれたのは間違いなくちょこのおかげだった。 一人になるのが怖いという弱さを抱えつつも、誰も一人にしたくないという強さを併せ持っている幼き少女のおかげだった。 アナスタシアは賢者の石でちょこを治療しつつ、これまで何度かしてきた問いを口にする。 「ねえ、ちょこちゃん。あるところに世界を救う代わりに消えてしまった少女がいるの。ちょこちゃんはこの話を聞いてどう思う?」 「んっとねー、ちょこ、お弁当持ってそのおねーさんのところに遊びに行くの。それで一緒にハンバーグ食べるの」 予想もしていなかった答えにアナスタシアは鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。 そんなアナスタシアをよそに疲れきっていたのだろう、ちょこは癒しの光に包まれながら目を閉じ眠りについていた。 可愛らしい寝息を立て身を委ねてくるイノチの温かさを腕の中で感じつつふと呟く。 口元を嬉しげに緩めながら。 「そっか。王子様はいなかったけど、善い魔法使いはいたんだね……」 その日、剣の聖女は。 ほんの少しだけ救われた。 【H-2平野 一日目 午後】 【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】 [状態]:健康 [装備]:絶望の鎌@クロノ・トリガー、賢者の石@ドラゴンクエストⅣ [道具]:不明支給品0~1個(負けない、生き残るのに適したもの)、基本支給品一式 [思考] 基本:生きたい。そのうち殺し合いに乗るつもり。ちょこを『力』として利用する。 1:イスラから聞いた教会に行く。 2:施設を見て回る。 3:また現れるかもしれないユーリルは……。 [備考] ※参戦時期はED後です。 ※名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。 ※ちょこの支給品と自分の支給品から、『負けない、生き残るのに適したもの』を選別しました。 例えば、防具、回復アイテム、逃走手段などです。 尚、黄色いリボンについては水着セットが一緒に入っていたため、ただのリボンだと誤解していました。 ※アシュレーやマリアベルも参加してるのではないかと疑っています。 【ちょこ@アークザラッドⅡ】 [状態]:腹部貫通(賢者の石+自動治癒で表面上傷は塞がっている)、全身火傷(中/賢者の石+自動治癒) [装備]:黄色いリボン@アークザラッド2 [道具]:海水浴セット、基本支給品一式 [思考] 基本:おねーさんといっしょなの! おねーさんを守るの! 1:おにーさん、助けてあげたいの 2:『しんこんりょこー』の途中なのー! 色々なところに行きたいの! 3:なんか夢を見た気がするのー [備考] ※参戦時期は不明(少なくとも覚醒イベント途中までは進行済み)。 ※殺し合いのルールを理解していません。名簿は見ないままアナスタシアに燃やされました。 ※アナスタシアに道具を入れ替えられました。生き残るのに適したもの以外です。 ただ、あくまでも、『一般に役立つもの』を取られたわけでは無いので、一概にハズレばかり掴まされたとは限りません。 ※放送でリーザ達の名前を聞きましたが、何の事だか分かっていません。覚えているかどうかも不明。 ※意識が落ちている時にアクラの声を聞きましたが、ただの夢かも知れません。 オディオがちょこの記憶の封印に何かしたからかもしれません。アクラがこの地にいるからかもしれません。 お任せします。後々の都合に合わせてください。 ▼ ――INTERLUDE ファイナル幻想水滸伝―― 極彩色の牢獄と黄金色の結界がせめぎ合っていた。 片や収縮し捕らえた獲物を圧殺しようとする球状の断罪の無限牢。 片やドーム状に展開し押し寄せる牢獄を内側から跳ね除けんとするシャイニング。 共に強大な光の力の発露は、しかし、徐々に、徐々に、無限牢がシャイニングを押込め始めている。 大天使七体が合一したスヴェルグとたった一人の人間にしか過ぎないクロノとでは魔力の保有量に差があり過ぎるのだ。 「……このままじゃ」 両手を天に掲げたままクロノは苦しげに呟く。 クイック、シャイニングと人が使える魔導の極地を連発した彼は見るからに疲労していた。 このままでは長く持たない。 押しつぶされるのは時間の問題だった。 「諦めるな、クロノ! お前の強さはそんなものなのか? 違うだろ!お前は力だけじゃねえ、ハートもつええはずだ!」 「日勝……」 「そうだぜ、クロノ。そこの馬鹿の言うとおりだ」 マッシュが自分達を守るべく光を放出しているクロノよりも前に出る。 そこは無限牢とシャイニングの境界線。 シャイニングが覆う守護領域と無限牢が支配する攻性領域の狭間。 「実はさ、俺も王様なんだ。だったらよ誰かの後ろなんかにいられるかってんだ」 ルカ・ブライトは国王だと名乗った。 そうかい、そいつはついていなかったな。 マッシュは見ず知らずのハイランド国民に同情した。 彼は知っている、誰よりも王として兄として立派だった男を。 きっとあの兄はこの夜明けも訪れない世界でも誰かを導かんとしていたはずだ。 マッシュは口元に強い、強い笑を浮かべる。 ならその弟で、紛いなりにも現フィガロ国王である自分がこのまま仲間達の危機を手を拱いて見ているわけにはいかない。 マッシュは一歩を踏み出した。 途端幾重にも編まれたマナの重圧がマッシュから体力を奪い取る。 重い。身体が思うように動かせない。 その上無限牢は文字通り無限を思わせる広大な牢獄だった。 何者の逃亡も許さないと何重にも空間を圧縮して生み出されているのだ。 外への距離は果てしなく遠い。 それでもマッシュは前進を止めない。 今にも全てを引き裂こうとする闘気の嵐を身に纏い、マナの干渉を強引に遮断して突き進んだ。 歩みはいつしか疾走となり、闘気はいつしか猛虎を模していた。 巨大な虎が無限牢を踏破する。 爆裂するオーラの光は無限に続くはずの紫電の牢獄を遍く照らし染め上げる。 それほどまでに、閃光と呼ぶにはあまりにも荒々しく凄まじい。 音の壁を遥かに超えたスピードがマッシュに纏わせたソニックブーム。 それと闘気が混じり合い爆発を起こし無限牢を軋ませる。 マッシュが模しているのは虎だ。 天を支配する竜に並び立つ陸の王者だ! 聖鎧竜に抗えぬはずはない! 「俺は死なねえ! 死なせねえ! たとえ無限の檻に閉ざされようと、俺の力でこじあける!」 マッシュは手を伸ばす。 ただただ明日を掴むために前へ前へと。 無骨な腕だった。 力になると決めた兄一人守れない腕だった。 それでも兄を助けようと磨き続けた力は決して無駄なんかじゃなかった。 己の全てはこのためにあった。 誰かを救うため、守るために。 (見えた……) 超速の空間を走り続けたその果てに、遂に無限の終りへとマッシュは到達する。 限界を突破して開放し続けていたオーラは既に虎の形を失わんとしていた。 爪は砕け、四肢は吹き飛んでいた。 だがまだ牙はここにある。 「タイガァアアアブレイクッ!」 背を預けられる友もいる! 「……虎咆精気法」 虎は群れるはしないというがそんなのは知ったことか! 「今だああああああ! やれ、日勝!」 「心山拳奥義……」 マッシュが作った闘気の道を身体能力を極限まで活性化した日勝が突き進む。 明鏡止水。 力だけでなく心も最強を目指す男はあらゆる負の念を捨て去り遂にその境地へと至る。 心のなかに広がる水鏡に映るはただ一つのビジョン。 強い肉体とそれ以上に強い心により可能となる心山拳の最終奥義。 最後の継承者ごと失われたはずの拳が、今ここに蘇る! 「旋牙連山拳ッ…!!」 マッシュに日勝とも劣らない闘気を噴出させた日勝がタイガーブレイクの蹴撃が入れた罅に拳を抉り込む。 咆哮、乱打はさらにスピードを上げ回転数を上げていく。 殴り、広げた穴を今度は蹴り飛ばす。 連なる山をも揺るがす連撃の嵐をあらゆる方向から一点に浴びせていく。 人知を超えた速度は終いには日勝を四人に分身させる。 見守るマッシュには分かる。 あれは残像などという生易しいものではない。 殴るという一念を何重にも重ねた闘気は現実に干渉するだけの質量を得ているのだ。 「フィイイニイイッシュ!」 東西南北四神招魂。 縦横無尽に交差した四人の日勝の拳が無限牢を一片の欠片も残さず打ち砕いた。 これで残る障害は迫り来る両巨腕のみ。 無限牢を破られたことで最大出力で直接握り潰しにかかってくるスヴェルグ。 マッシュと日勝はお互いににやりと笑を交わしそれぞれ満身創痍の身で左右の腕へと跳びかかった。 やることはこれまでと何も変わらない。 ただ倒れるまで殴り続けるのみ! 「「夢幻闘舞!!」」 それが格闘家の生き方なのだ。 ならば剣士は? 巨龍と打ち合い、強固な鎧に覆われたその体躯を前に拳が潰れ、足が折れてまで抗い続ける味方になんとする? 簡単だ。 剣を振り上げ下ろすのだ。 自身の数百倍の大きさの竜をも斬殺できるような、鎧ごと断ち切れるような巨大な剣を! 「幻獣、召喚……」 ルカがそうしたようにクロノも魔石を掲げありったけの魔力を込める。 違うのは召喚獣を従わせているルカと違いクロノはマッシュから幻獣とは心を通わせる仲間だと教えられたこと。 使役するのではなく絆を力に共に戦う仲間を今ここに。 「来てくれ、ギルガメッシュ!」 果たして聖鎧竜に匹敵するだけの巨人がどこからか姿を表す。 同時、降り注ぐは三本の剣。 うち一本を伝説の剣豪は抜き放つ。 かの剣こそ剣の中の剣、聖剣エクスカリバー。 スヴェルグが誇る聖鎧といえども同ランクの聖剣の前には無力。 両腕で白刃取りしようにも、食いついて離れない二人の格闘家に動きを封じられていた。 「「「いっけええええええええええええええ!」」」 振り下ろされる幻想の刃。 ハイロゥを輝かせスヴェルグは兜で受け止めようとするも拮抗は一瞬。 エクスカリバーは止まることなく聖鎧竜を縦一文字に両断する。 その友の偉業を祝福するように遥か空から翼を生やし鬣を靡かせる緑の鬼が飛来する。 最終幻想。 ギルガメッシュと親友エンキドウからなる強力無比の最強コンボ。 クロノ達三人の結束に相応しい召喚術の締めを飾るべく聖鎧竜の骸の奥にいるであろうルカに鎌鼬を見舞う。 大地を引き裂く真空の刃。 巻き起こされた粉塵が止み、巨大な傷跡を刻んだ大地の姿が浮かび上がってきた時 ――そこにルカ・ブライトはいなかった。 「……え?」 呆然としたクロノの眼前に口元を血に染めた狂笑の華が咲く。 ルカは自分をあの手この手で敗北寸前へと追い込んだ相手を過小評価してはいなかった。 聖鎧竜に攻撃を指示しながらも、より確実に葬るために自身も突撃を敢行していたのだ。 正気の沙汰とは思えない。 クロノ達がスヴェルグを打ち破れなければ間違いなく自らもかの強大な竜の攻撃の余波に巻き込まれていた。 構わなかった。 ルカ・ブライトには絶対の自信があった。 クイックを打ち破った時のように彼は心の奥底から信じていた。 ――このおれの憎悪がたかだか聖鎧竜如きに討ち滅ぼせるものかっ!!!!!! マッシュが他の二人をかばおうと両手を広げ立ち塞がるが無駄だ。 皆殺しの剣の前にはいかな盾も用をなさない。 「ルカナン」 一閃。 紙と化した肉の盾ごと魔炎の剣が全てを薙ぎ払う。 六つの肉塊が地へと落ちた。 ▽ ▼ 「はっ、はっ、はっ、は……!」 ユーリルは全速力で走っていた。 ルーラで文字通り跳んで戻った港町は焼け落ち廃墟と化していた。 あの竜のことといいただならぬ何かが起きたことは間違いない。 そしてユーリルにはその何かに心当たりがあった。 あの男だ。 見ているだけで本能的な恐怖を駆り立てられるような、獰猛極まりないあの男だ。 あの男がクロノ達と……っ! それは気付いてしかかる展開だった。 ユーリルが見逃されたのはたまたまの話。 斬る価値もないと狂皇子に見限られるほどユーリルが空っぽだったからだ。 でもクロノ達は違う。 自分にはない何かをもっていて“勇者”という称号に縋るまでもなく自らの意思で世界を救う程の強さを持つ彼らなら。 あの男が見逃すはずはない。 (マッシュ、日勝、クロノッ! 無事で、無事でいてくれ!) 何をいまさら。 ユーリルの中で“勇者”が嗤う。 “勇者”なら仲間に危機を教えていた。 “勇者”なら皆殺しの剣の特徴も伝えていた。 そうはせずクロノ達を危機に陥れたのはユーリルが“勇者”を辞めたからじゃないか。 巨大な竜が見えた方向へと焦りにかられて逃げるように走る。 やがて拓けた平野でユーリルを待っていたのは二つの死体と一人の死にゆく人間だった。 「クロノ!」 ユーリルの声が聞こえたのだろう。 両手を前へと突き出し、のろのろと上半身を起こそうとしていたクロノは、安堵したかのような表情を浮かべユーリルを見た。 ユーリルは急ぎ駆け寄る。 近づくに従いユーリルの顔はみるみる険しくなる。 クロノにはあるべきはずのものがなかった。 身体の下半分が焼き切られていた。 これではザオラルもベホマも意味をなさない。 今のユーリルにクロノを救う術はない。 だというのに。 当の本人、クロノは笑っていた。 身体を抱き起こしたユーリルの腕の中で、笑のまま、爪は砕け、草と泥に汚れた両手を差し出してきた。 拳の先に揺れるのはクロノ同様ボロボロのデイパック。 クロノは何も言わない。 けれど、初めて会った時と同じように、ユーリルはクロノの目から彼の意思を読み取れた。 「僕に、クロノ達三人が?」 ユーリルはクロノが掴んでいるデイパックを受け取ることを躊躇した。 これまでユーリルが人々から託されてきたものはどれもこれも少年の重りになるものだったからだ。 勇者の称号。魔王討伐の重責。全人類分の悲哀や恐怖や辛苦。自己犠牲の精神。 その事実がクロノの手を取ろうとしたユーリルの動きを遅くした。 なまじクロノ達三人がオディオを倒さんと意気込んでいたことを知っていたが故にためらってしまった。 そして、ユーリルが迷っているうちにクロノの命は燃え尽きた。 「……あ」 笑顔を浮かべたまま、クロノの瞳が力を失う。 ユーリルへと差し出していた腕も地に落ちる。 抱えられていたデイパックも転がって、ユーリルの前に中身を吐き出した。 最後にクロノが残してくれたものを。 それは魔王を倒すための剣じゃなかった。 見知らぬ誰かを守るための盾でもなかった。 傷ついても進むための鎧とも違った。 たい焼きとバナナクレープだった。 ただユーリルに笑って欲しいだけの、元気を出して欲しいだけの、 美味しいと喜んでもらいたいがだけの、甘い、甘いお菓子だった。 ユーリルは泣いた。 勇者になったあの日以来初めて声を出して延々と泣き続けた。 初めての友達がくれたお菓子はちっとも甘くなんてなかった。 【E-2平野 一日目 午後】 【ユーリル(DQ4男勇者)@ドラゴンクエストIV】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、精神疲労(極)、アナスタシアへの強い憎悪、押し寄せる深い悲しみ [装備]:最強バンテージ@LIVEALIVE、天使の羽@FFVI、天空の剣(開放)@DQⅣ、湿った鯛焼き@LIVEALIVE [道具]:基本支給品一式×2(ランタンは一つ) [思考] 基本:??? 1:??? [備考]: ※自分とクロノの仲間、要注意人物、世界を把握。 ※参戦時期は六章終了後、エンディングでマーニャと別れ一人村に帰ろうとしていたところです。 ※オディオは何らかの時を超える力を持っている。 その力と世界樹の葉を組み合わせての死者蘇生が可能。 以上二つを考えました。 ※アナスタシアへの憎悪をきっかけにちょことの戦闘、会話で抑えていた感情や人間らしさが止めどなく溢れています。 制御する術を忘れて久しい感情に飲み込まれ引っ張りまわされています。 ※ルーラは一度行った施設へのみ跳ぶことができます。 ただし制限で瞬間移動というわけでなくいくらか到着までに時間がかかります。 【E-2荒野とE-3森林の境界 一日目 午後】 【ルカ・ブライト@幻想水滸伝Ⅱ】 [状態]上半身鎧全壊、精神的疲労(極)、ダメージ大(頭部出血を始め全身に重い打撲・斬傷、口内に深い切り傷) [装備]皆殺しの剣@DQIV、魔石ギルガメッシュ@FFVI [道具]工具セット@現実、基本支給品一式×6、カギなわ@LIVE A LIVE、死神のカード@FFVI 魔封じの杖(4/5)@DQⅣ、モップ@クロノ・トリガー、スーパーファミコンのアダプタ@現実、 ミラクルショット@クロノトリガー、トルネコの首輪 、武器以外の不明支給品×1 [思考]基本 ゲームに乗る。殺しを楽しむ。 1:会った奴は無差別に殺す。ただし、同じ世界から来た残る2人及び、名を知らないアキラ、続いてトッシュ優先。 [備考]死んだ後からの参戦です 。 ※皆殺しの剣の殺意をはね除けています。 ※聖鎧竜スヴェルグ及びギルガメッシュ、エンキドウという巨大召喚獣が激突したため、 E-2エリア全域は荒野やら断層やらでひどいことになっています。 当然両者の激突はかなり遠くからも目視可能だったと思われます。 ※D-1港町は全焼しました。 ※聖鎧竜スヴェルグ@サモンナイト3、サンダーブレード@FFⅥは破壊されました。 表裏一体のコイン@FF6はマッシュの遺体の右手が握り締めています。バナナクレープ×1@LIVEALIVEは消費されました。 ▼ ――INTERLUDE QED―― 時はほんの少しだけ遡る。 それは三人の死体から目ぼしい支給品を回収したルカがE-3エリアへと去った後の物語。 生者のいなくなったはずの地で、しかし何かが音を立てていた。 人だった。胴より下を失った一人の少年だった。 少年――クロノは地を這っていた。 残った両腕を無くした足の代わりにし、大地を掴み、押しのけ、少しずつ、少しずつ進んでいた。 その姿を人々が見ればどう思うだろうか? 痛ましいと嘆くか。はたまた無様だと見下すか。 この場におけるただ一人の観客の感想はそのどちらでもなかった。 両手の腕力だけで身体を起こし、木々にもたれかたった青年――日勝にとっては地を這うクロノの姿はどこまでも輝いて見えた。 「お前も、そう思うだろ、マッシュ……」 咳き込み血を吐き出しながらも日勝は傍らに転がるマッシュへと話しかける。 返事はない。 当然だ、マッシュは日勝とクロノに残る命を注ぎ込み一足早くこの世を去ったのだから。 スパイラル・ソウル。 日勝がルカと戦うまでにマッシュからラーニングできなかった二つの技の一つ。 タイガーブレイク、スパイラルソウル共々命に関わる技だったため手合わせでは見こと叶わなかったのだ。 そのマッシュの二つの取っておきをこんな形とはいえ体感できたことを格闘家として日勝は素直に喜んだ。 「マッシュ、やっぱお前はすごい格闘家だったんだな」 傷はちっとも癒えてはいない。 魂を代償にしての蘇生絶技といえど上下に分断された身体を繋ぎ合わせるような力はない。 所詮は一時凌ぎ。 効果が発揮されるまで随分とタイムラグがあったとはいえこうして息を吹き返せただけでも十分に奇跡だ。 きっとマッシュは結果がどうなるかなんて考えもしなかったのだろう。 ただクロノや日勝に生きていて欲しい。 それだけを思い死にゆく中、命の炎を極限まで燃やし日勝達に分け与えたのだ。 あくまでも日勝の想像にしか過ぎないけれど、恐らく間違ってはいない。 「あんがとよ、マッシュ」 聞こえていないことは分かっていても、口にしたい言葉を口にしていけないはずはない。 強く右拳を握り締め、最後の最後まで自分の大切なものを守り通した男に礼を言う。 「お前のおかげで俺は最強になれる」 チカラではルカに負けてしまったけれど、日勝が目指していた最強とはチカラだけの強さじゃない。 チカラと共に求めていたのはココロの強さ。 死にたくないという本能、チカラでも最強になりたかったという未練、生きていたいという欲望を超えられる強さ。 抱いたオモイを成し遂げるために、一番大切なイノチさえ受け渡すことのできる強さ。 その強さを日勝は今手にしていた。 「俺の分も持ってけ、クロノ」 このままではいつ燃え尽きるかもしれないクロノのイノチの灯火。 クロノ一人分では、到底そこに辿り着くまでに保ちはしまい。 だけどそこに日勝の分を加えたら。 日勝が覚えたばかりのスパイラルソウルをもう一度クロノに使えば。 クロノは思わず前進を止めかけた。 これからなそうとしているのは、あくまでもクロノ個人のオモイによるものだ。 なんとしても成し遂げたかったが、友の最後の時間を奪う気にはなれなかった。 「止まるな、クロノ。俺も、多分死んじまったマッシュもお前と想いは同じだぜ。 勝手に置いていっちまうユーリルに、悲しみだけを置いていきたくねえ」 振り向いたクロノと日勝の目と目があう。 二人の瞳はここにはいない一人の姿を写していた。 「だから、行ってこい。あいつのハートに光を当てれんのは、俺じゃなくてお前なんだ」 日勝は知っている。 クロノがユーリルにすぐ渡せるようにと、二つ持っていたデイパックのうち一つに皆で食べたお菓子を分けて入れていたことを。 狂皇子に奪われないよう、一度死ぬ前に咄嗟に森の方にそれを投げ込んでいたことを。 クロノはユーリルのことをそこまで思っているのだ。 なら自分が行くよりもクロノが行ってくれた方がユーリルは喜んでくれる。 そう力強く断言した日勝だったが、本人の口から否定されてしまった。 「……日勝、マッシュが言ったこと忘れている。俺達で、だ」 クロノは笑っていた。 大量の血を失い青白くなった顔に、太陽も押し負けるような熱く明るい笑みを浮かべていた。 死にゆく時に笑える人間は強いという話は、どうやら本当だったようだ。 そんなことを思いつつ日勝もまた笑って答えた。 「はは、悪い。すぐ前のことなのに忘れちまうなんて、馬鹿だな、俺」 「……どうやら俺もそうみたいだ」 「そっか。じゃあマッシュの奴も仲間に入れてやらねえとな! 行こうぜ、馬鹿三人でよ! ユーリルに会いに!」 日勝がクロノへと手を伸ばす。 クロノも日勝へと手を伸ばした。 二人の両手の間には数メートルの距離が横たわっていたけれど。 その時確かに二人は強く拳を交し合った。 ――スパイラル・ソウル マッシュから貰ったイノチと自分のイノチ。 二つのイノチがクロノへと注がれていく光の中、日勝は思う。 技のネーミングセンスでは、マッシュの極めていたダンカン流が最強だったかもしれないと。 日勝はこれまで多くのものを受け継いできた。 ナムキャットの足技、グレート・エイジャの飛び技、ハンの関節技、ジャッキーの力、 モーガンのパワー、森部生士の奥義、レイ・クウゴの心山拳、マッシュ・フィガロの魂。 イノチもまたそうなのだろう。 人から人へ、オモイと共に受け継がれていくのだ。 (スパイラルソウル……連なり進む命って訳であってんのか? へへ、いい技名じゃねえか) それを最後に日勝は光に溶ける。 ――かくしてイノチは受け継がれた 【クロノ@クロノ・トリガー 死亡】 【高原日勝@LIVE A LIVE 死亡】 【マッシュ・レネ・フィガロ@ファイナルファンタジーVI 死亡】 【残り28人】 時系列順で読む BACK△095-1 ですろり~イノチ~(前編)Next▼097-1 妖星乱舞 投下順で読む BACK095-1 ですろり~イノチ~(前編)Next▼096 僕は泣く 095-1 ですろり~イノチ~(前編) ユーリル 098-1 Fate or Destiny or Fortune? アナスタシア ちょこ ルカ 104 red tint クロノ GAME OVER 日勝 マッシュ ▲
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砕月 サークル:laughing out loud Number Track Name Arranger Original Works Original Tune Length 01 砕月 -Remix- lol 東方萃夢想 砕月 [-- --] 02 砕月 -Trance mix- lol 東方萃夢想 砕月 [-- --] 03 砕月 -Prototype mix- lol 東方萃夢想 砕月 [-- --] 04 砕月 -Acoustic mix- lol 東方萃夢想 砕月 [-- --] 詳細 博麗神社例大祭7(2010/3/14)にて無料頒布(購入者特典) イベント価格:0円 ショップ価格:なし レビュー 名前 コメント
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砕月 ◆jU59Fli6bM (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第162話 「ふう~、食った食った!俺食料持ってないから助かったっぜ!」 「おまwwパンで満腹かよww俺は物足りなすぎる、なあロールちゃんwww」 「だからってグルメテーブルかけを使おうとしないで下さい!」 もうそろそろ真夜中。萃香さんが塔を出てから随分と時間が経ちました。 あれから私はこの相変わらずの騒がしさの中で過ごしています。 宴会っていうのも楽しそうだし、本当は萃香さんが戻ってから食事をしたかったんですが…。 「萃香さん、遅いですね…。仲間を連れてくるだけって言って…」 「不利なだけかと思ってたが我ながらなんという節約法ッ!!体がミクロンならパン1個で十分でっていう!」 「うはwwなんという新事実wwお前本当はもっとでかいのかよwww」 はあ、聞いちゃいない…。 どうやらお互いかなり意気投合したようで、ずっとこの調子。 初めは騒がしいのがまた増えて手に終えないと思ってたけど、逆に2人で勝手に盛り上がってるから私が疲れる頻度が減 ったみたいです。 結果的には一安心、だけど…何だかこうなると寂しい気もするなあ…。 まあそんなわけで、萃香さんが待ち遠しい私は塔の下を監視中です。 脱出の為の話し合いも、あの2人とじゃまともに進まないだろうし、揃ってからがいいですよね。 萃香さん、何か面倒なことに巻き込まれてないといいけど…。 「なんか俺もう眠いから寝るわwwwお前護衛だし後は頼んだwww」 はいはい、あなたは寝てたほうがいいですね。これでやっと静かになる…。 「ちょwww待てww俺だって疲れてんダルシム!って少しお前の口調うつっちまったじゃねーかこのスットコドッコイ!」 って、KASさんもいたか…もう少し静かにならないものですかね…。 どうせ寝るならロールちゃんの膝枕がいいwwwと言って寄ってきたニートを軽く沈め、私は再び外を覗いた。 すると月明かりでわずかに写し出される下の風景に、動くものが。 「あっ、萃…!」 大きな角のシルエットが見えて、思わず大声を出しそうになるのをすんでの所でおさえる。 危ない危ない、辺りに誰が潜んでるか分からないんでしたね…。 って、あれ?登って来るのかと思ってたら塔の前を素通りしてる? 何かあったんでしょうか?そういえば、仲間っていう人は…。 もう一度萃香さんの影を目を凝らして見えたのは、萃香さんにしては不自然な影。 連れてきた仲間かなぁ…それにしてはぐったりしてるなぁ。 仲間の人を背負って、どこへ行くんでしょうか…。 「え?」 そう思ってから私は気づきました。 それが悪い予想でも、どうしても気づいてしまったんです。 …あの人が動かないのは何でかって。 「ニ、ニート!、KASさん!萃香さんが着いたみたいなので、ちょっと行ってきます!」 私は、どうしても気になって、いてもたってもいられずに走り出した。 なんでだろう…何か、嫌な予感がする。 「何だ?ロルーちゃんとやらはやけに急いでるナポリタン!お前もそう思わないか!」 「……ZZZ…」 「こ、この無職…!さっき天昇したかと思ったらそのまま寝てやがるッ…!」 「ZZZ…萃香ちゃんも…来る仲間も俺の嫁…」 【E-4 塔内部/一日目・真夜中】 【KAS@KAS動画】 [状態]:チビマリオ、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、やっぱりハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?) [装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ [道具]:支給品一式(食料全て消費) [思考・状況] 1.一応ロールの護衛をする。でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい 2.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい 3.あいつ(谷口)の死の責任を取る!! 4.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ? 5.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて 悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!! ※第三放送を禁止エリア、死亡者共に聞き逃しました。一応禁止エリアの方は最後の-4というところだけは聞こえました。 ※チビマリオ状態ですがマント、フラワー、キノコの何れかを手に入れれば元の大きさに戻ります。 ※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。 【ニート@現実&新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~】 [状態]:疲労、SOS団名誉会員、頭にたんこぶ 、熟睡 [装備]:ケンジのカメラ@ポケットモンスター、塊@塊魂 [道具]:支給品一式(水無し)、うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ) [思考・状況] 1.朝まで起こすなよなwwwww 2.ハルヒとトミーどこにいるんだろうなwwww 3.部下たちとか知り合いとかとっとと探すかwwwwww? 4.またロールちゃんに嫌われたぜwwww 5.あの化け物(レッドベジーモン)どうなったんだろうなwwwwww [備考] ※ニートは性能がへっぽこなので、技能はほとんど成功しませんが、楼船・教唆の技能は、能力に無関係な技能なので 、通常通り発動します。 ※海馬、外山に関しては「社長」「活動家」として名前を覚えている為、ニートには認知されていません。 ※ニートは馬鹿なので駅で体験した事も次第に忘れていきます。 ■ 「何なんだよ…これ」 私は今…赤黒い塊が大量に散らばっている草原を目の前にして立っている。 見渡す限り、バラバラの肉塊と、そこから飛び出している内臓と、その周りを染めつくす血と狂気の地獄絵図。 いくら殺し合いの場だからといっても、いくら人間をさらって殺してきた鬼の一族だからといっても、私はこのあまりに異常な風景を受け入れることができないでいた。 幻想郷の人食い妖怪でも、これほどのことをしでかす奴は誰一人いないだろう。 …どうしてこんな所に来たんだっけ? あいつらはここにティアナを埋めたがっていたんだっけ? あまりに呆然としていたので、ティアナを持っている手が緩んでいたことも分からなかった。 ティアナの体がガクンと背から滑り落ち、私はようやく我に帰る。 「おっと、すまない。…そうだよな、あいつらがこんなことやれる訳無いよな…」 落ちついてよく見れば、目印だと言っていた鉈も見当たらない。 他の誰かがここに埋葬したあいつらの仲間を掘り返し、鉈を使ってバラバラにしていった。 そう考えるのが自然だろう、だけどそうする理由が分からない。 よっぽど狂った奴がやったことなのだろうから、理由なんて無いに等しいかもしれないけど。 「なら、私は…もう一度土に戻すしかないか。……あいつらにこんなの見せられないしな」 こうして私の大仕事は始まった。 戻すといっても1つの胴体を運んでいくのにも一苦労だ。死んでから半日も経っていないであろう肉体は冷たい血を私の服に滲ませていく。 元々埋まっていただろうと思われる穴をいくつか見つけ、その周りに体の一部であった肉片を運ぶ。 にしても…多いな。一体何人埋まっていたんだ? 歩くたびにグチャッ、プチプチと音が鳴る地面に顔をしかめる。 よく見えないけど…内臓とか脳みそを踏んでいるんだと思う。 夜で良かった。 こんな絶景、私でも直視は願い下げだね。 今だって本当は勘弁して欲しい感じだ。それに元々ここまでやる義理なんて無い。 でも私はやるべきだと思ってやっている。勝手に穴を掘り返してるのは私も同じ。 だから今のこの作業は私が"やりたいこと"になるんだと思う。 変な話だけど、ね。 運べるものは残らず集め、半ば転がすように穴に埋めていく。 乾いた血が地面に付いて固まり、一部のものは引き剥がそうとすると簡単に形が変わる。 まだ乾いていない血濡れの肉塊も気持ち悪い音をたてて落ちていく。 正直、いちいち気にしてたら簡単に狂ってしまうだろう。 私は何も考えないように勤め、ここに埋まっていた人数を数えながら淡々と作業を続ける。 体は誰のものだか分からないほど無残な状態だったから、私は唯一その人のものだということが分かる"頭部"を数えて いくことにした。 1…元は腕だったらしいモノに、草が絡まっているのに気づいた。これに気付かないほど驚いてたのかな、私…。 2…ほとんど全員の体に草や蔓が絡まっている…寄生してるのか。 3…腸って運びにくい…放置。 4…千葉って言いにくいよね…。 5…血の腐ったような臭いがきつい…息苦しい。 6…人間じゃないけど。 7…頭はこれで最後…かな。 ……7? これ全員、あいつらの仲間なの? いや、いくらなんでも多すぎる。誰か乗っている奴で、よほど激戦区だったのかな…。 …いざ考察しようとすると、頭が割れるような臭いが気になって考えるどころじゃなかった。 まあ、いいや。そろそろこの仕事も終わる。 後はティアナを埋めれば終わる。 そうしたら、さっきのと今の出来事を早く塔のみんなに伝えないとな…。 そう思いながらまた別の穴を見つけ、血のかからない場所に置いたティアナを埋めようと振り返った時。 一番会いたくない人物と目が合った。 「ロー、ル…?」 懸命に動いて火照った体が、一気に冷えていくように感じる。 「萃香…さん…なんで…?」 何で…こっちが何でだよ、何でここにいるの…? もう少しだったのに。もう少しで終わっていたのに。…まさか、始めから見られていたの? 「ひと…ころして…こんな…」 誤解だ。 そう言おうとしても、口が動かない。 あまりに予想外のことに、私は何も言えずにただ立っている。 言ったとしても、私の体は、手は、白かった服はこんなに真っ赤に染まっているから、弁解なんてできない気がした。 「…嘘、ですよね?…嘘だったん…ですか?」 嘘。 私が一番嫌いな言葉。 「嘘なんてついてない!」 今度は自然と大声が出た。そんな誤解だけは、御免だ。 歯を食いしばって、ロールの元へ歩いていく。 ロールの体は静かに後退りをした後、震えが走ったように見えた。 「ロール、話を聞いてくれ。私は…!」 「あ…あぁ…、いや…!来ないでッ!!人殺し!!!」 私が伸ばした手は虚空を掴み、ロールは塔に向かって走り去っていく。 残された私は、ただその後ろ姿を見送ることしかできなかった。 ■ どうすればいいんだろう。 ロールにはあの状況が理解できなかったはずだ。けど私が嘘つきの殺人鬼に見えたのは事実だ。 塔に戻ってから話しても信じてくれないかもしれない。 …ニートやKASとやらは、ロールから話を聞いたらどう思うのだろう。 私から逃げるようにいなくなるんだろうか。他の奴らに嘘つき鬼だと言いふらすんだろうか。 急に不安の波が押し寄せてくる。 それに押し潰されそうになりながら、なんとか残った仕事であるティアナの埋葬を済ませた。 再び土へ還った死者達に手を合わせ、先ほど見つけた墓標を立てる。 ようやく一仕事終えることが出来た。 血で汚れた服をまた新調し、手や足に付いた血も分離させる。…その血の量に嫌悪感を覚えた。 私はあいつの、ティアナの遺志を継ぐと決めたんだ。 我ら鬼は嘘なんてつかない。 誤解を与えてしまった以上、ロールをどうにかして説得しないと私は嘘つきの称号のまま知れ渡ってしまうだろう。 それにロールとニートの護衛、その約束も破るつもりはない。 あいつらが疑おうが、私は筋を通す。 結局は行動で示すしかないんだから。 もう一度ティアナの墓に目を向ける。 「あいつらに頼まれた分、確かにやり終えたよ。寝心地は良くないかもしれないけどね。 …心配しなくていい。約束は守るよ」 そう言って私は覚悟を決める。踵を返し、塔に向かって歩き始めた。 【E-5 草原/一日目・真夜中】 【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】 [状態]:精神的疲労、軽い怪我、体力中回復、妖力小回復、魔力中回復、機動六課代行 [装備]:ミニ八卦炉@東方project [道具]:支給品一式*2(食料、水1食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド、ワイン A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)、塔組の推理メモ [思考・状況] 1.塔に戻って、ロールを説得する。(城へは必ず向かいたい) 2.機動六課の意地とやらを、自分なりに考えて主催者にぶつける。 3.負けたからには、ニートに従うとするか 4.つるぺた保護。ついでにニート保護。 5.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。 6.巨乳死すべし? 7.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい 8.貧乳はステータスだ!希少価値だ! ※巨乳に対する絶対的悪意が薄れつつあります。 ※自分の心境の変化は、なのはのリンカーコアを取り込んだ影響だと思っています。真偽はわかりません。 ※リンカーコアの黒い部分によって、なのはの性格が変わっていたのではと推測しました。真偽はわかりません。 ※塔組と情報交換しました。 KASの情報は、海馬の名前しか知りません。 ■ こんな、こんなのありえない。 私は、萃香さんの背負ってる人が死んでるんじゃないかって、埋めに行くんじゃないかって、そう思ったけど、だけど、信じていたのに… 萃香さんの背負っていた人は、嫌いと言っていた胸の大きい女の人だった! 元々仲間なんていなかったんだ。ニートとの約束を破って、殺してきたんだ! 何が「鬼は嘘はつかない」だ、嘘ばっかり! でも、それより私の心を占めていたのは…あの場所で見たもの。 あの時萃香さんがやってた、あれが何かなんて、わかりたくもない。 思い出したくないのに、さっきから頭の中をぐるぐる回っている、あの光景。 思考回路がショートするような、あたまがからっぽになるような、もうよくわからない。 わからないけど、わからないけど、あんなの、くるってる。 あんなにいやなにおいがあるわけないじゃないですか? あんなにきもちわるいおとがずっときこえるわけないじゃないですか? じめんがあんなにまっかなわけないじゃないですか? すいかさんがちまみれで、うでのきれはしをにぎってるわけないじゃないですか? …狂ってる。 それが嫌だから私は走り続けてるの? 私の頭の中を、何度も何度も同じ光景が覆い、私をその中に沈めていく。 もう、何がおかしくて、何が普通なのか分からない。 臭いも、音も、真っ赤な血の色も、…それを平然と映し出す月も、 みんな。 【E-4 塔前/一日目・真夜中】 【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】 [状態]:健康、軽度の精神的疲労、ニートマスター、萃香への疑心、少し錯乱状態 [装備]: AK74(17/30)@現実、予備弾薬各100発@現実 [道具]:支給品一式(水一本消費)、バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り20回)@ドラえもん ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実、 マネキンの腕、傘@現実 塔の『バグ』について纏めた紙 [思考・状況] 1.塔に帰って2人に萃香のことを伝える 2.ニーKASから得た情報をどうすれば生かせるかな。とりあえず紙に纏めたけど 3.ハルヒさんを助けて、富竹さんを治す。どこにいるんだろう。 4.ニートもKASももういいよ 5.遊戯達の知り合い(海馬他)も探す 6.ロックマンと再開したい ※ニートの扱いを何か悟ったようです。これからはあまり疲れることはないでしょう。 ※E-5に7人分の体を埋めた墓と、ティアナの墓があります。 sm161:Crystal Break~英雄の条件~ 時系列順 sm163:変態、改心、カーチェイスにて。(前編) sm161:Crystal Break~英雄の条件~ 投下順 sm163:変態、改心、カーチェイスにて。(前編) sm152:二人合わせばレッドベジーモンの知恵(後編) KAS sm172:東方萃夢竜(前編) sm152:二人合わせばレッドベジーモンの知恵(後編) ニート sm172:東方萃夢竜(前編) sm156:Stars Strike(後編) 伊吹萃香 sm172:東方萃夢竜(前編) sm152:二人合わせばレッドベジーモンの知恵(後編) ロールちゃん sm172:東方萃夢竜(前編)
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砕月/Break the Moon 砕月/Break the Moon(3)(W) ソーサリー 砕月を唱えるための追加コストとして、エンチャントを1つ生け贄に捧げる。 あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、そのカードを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。 参考 天楽抜萃-レア