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キン肉マンII世からベルモンドを召喚 ゲーッ!熊の爪の使い魔-01 第一話 やってきたクマ ゲーッ!熊の爪の使い魔-02 第二話 オーバーボディの神秘 ゲーッ!熊の爪の使い魔-03 第三話 クマのいる生活 ゲーッ!熊の爪の使い魔-04 第四話 洗濯超人ベルモンド ゲーッ!熊の爪の使い魔-05 第五話 人気者のクマ ゲーッ!熊の爪の使い魔-06 第六話 食堂の変 ゲーッ!熊の爪の使い魔-07 第七話 ヘルズ・ベアー ゲーッ!熊の爪の使い魔-08 第八話 その名はウォーズマン ゲーッ!熊の爪の使い魔-09 第九話 使い魔からの期待 ゲーッ!熊の爪の使い魔-10 第十話 ウォーズマンのいる日常 ゲーッ!熊の爪の使い魔-11 第十一話 使い魔のお披露目 ゲーッ!熊の爪の使い魔-12 第十二話 三重殺 ゲーッ!熊の爪の使い魔-13 第十三話 破壊力の方程式 ゲーッ!熊の爪の使い魔-14 第十四話 すごいね、人体
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■熊の爪を集めてくりゃれ 世界樹の迷宮Xで登場するクエスト。 ネイピア商会の店主の依頼で、森の破壊者の爪を倒して持ってきてほしいというクエスト。 これ系クエストの常だが受諾時点で条件満たしてしまっている事が多々ある 衛兵さんがくれた熊の爪で達成したギルドも多い事だろう。 くりゃれってかわいい コメント
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 ゲーッ!熊の爪の使い魔 第十一話 使い魔のお披露目 さて、とうとう使い魔のお披露目の日がやってきた。 学園の生徒たちも普段と違い、緊張したり湧き立ったりしていた。 そしてそんな中、トリステイン王女アンリエッタが学園に到着した。 そして生徒達からのお披露目がはじまった。 アンリエッタは今日この日に喜びを感じていた。 多くの使い魔を見れるから、というわけではない。 自分にとっての親友、大切な幼馴染に会えるからだ。 幾人かの紹介が続く中、ついに待ち望んだ人物が現れた。 ああ、久しぶりだけどあなたは変わっていない。 あのころのままね、ルイズ。 ……でも、どうして心なしか顔が引きつっているのだろう? そんな疑問をよそに、先に上がってきたルイズは続いて使い魔の紹介を行う。 「えー…、その、私の使い魔の、ベ、ベルモンド、です……」 「くうーん」 そして現れたのは、大きなクマちゃんだった。 「まあ、かわいいクマちゃん!」 アンリエッタはその姿に感嘆の声を上げた。 それを聞いたルイズはさらに顔を引きつらせ、歯切れ悪く続けた。 「で、では…、この、ベ、ベルモンドが、踊り、を、披露します…」 そうして使い魔のクマちゃんが踊り出す。 クルクル回ったり、手を振ったり、それはとても可愛らしく、楽しい気分になるものだった。 「まあ、なんて素敵なんでしょう!」 自然とアンリエッタは拍手をしていた。 ただ、こんな素敵なのになんで周りの生徒たちも顔が引きつっているんだろう? お披露目が終わった後、少し離れた庭でルイズは頭を抱えていた。 「ああ、私はなんてことを…」 「あれ、どうしたの、ルイズ?」 「どうしたの?じゃないわよ!姫様を謀るようなことをしちゃうなんて!」 「まあ、そこまで気にしなくてもいいんじゃないかな?」 「気にするわよ、って言うかその話し方やめなさいよ、ウォーズマン!」 「えー、でも今の僕はベルモンドだし」 「おかしいわよそれ!」 前日、姫様に見せられるようなマイルドな芸が思いつかなかったルイズに対し、ウォーズマンが提案したのだった。 「よし、俺はベルモンドになろう」 立派な貴族らしさ、などと言っている割には姿を変える、言ってみれば正体をごまかすこと、 に対してウォーズマンは全く抵抗がないようだった。 これもひとえに旧友の前にでもオーバーボディをまとって現れた経験によるものだったが、ルイズには知る由もなかった。 結局他にいい案も浮かばず、その案を採用したのだった。 しかし罪悪感は消えない。なんだか話も通じないのでベルモンドからも離れてうんうん唸っていたが、 それが一気に吹き飛ぶようなことが起きた。 いきなり巨大なゴーレムが現れて塔を殴りつけ始めたのだ。肩には何物かが乗っている。 確かあそこは宝物庫のはず、じゃあ、こいつは賊! そう考えるとルイズはゴーレムに対す呪文を唱える。 しかし起きるのは爆発だけ、しかもゴーレムではなく宝物庫の壁が。 このとき賊は見ていた。固定化のかかった壁が傷ついたことに。 同時に、それで存在に気付かれたルイズに対してゴーレムが手を伸ばす。 「え、きゃあぁぁ!」 そしてそのままなす術なく掴み上げられる。 ああ、殺される、そう思ったとき、 「スクリュードライバー!」 ベルモンドの腹を突き破り、ウォーズマンが爪を突き出し回転しながら突っ込んできた。 ガガガッ!! そしてそのままルイズを掴むゴーレムの腕を穿つと、放り出されたルイズを抱えて着地した。 だが、ゴーレムは腕を飛ばされたというのに気にしたそぶりもなく 二人が離れた場所に降りたのを見ると宝物庫に向き直り、 ある一点、ルイズの爆破で傷がついた場所を殴り抜いた。 そのまま賊は空いた穴に入ると目当てのものを奪い、ゴーレムに乗って去って行った。 そしてあとには、秘宝である「破壊の爪」を奪ったという巷を騒がしている盗賊、フーケからの犯行声明と、 「賊が押し入ったって、大丈夫ですか?ミスヴァリエール、ウォーズマンさん」 「ああ、俺たちは無事だ、シエスタ。やつは逃がしてしまったがな。 ところですまないが頼みがある、もう一度こいつを直してくれないか?」 またしても破れたベルモンドの着ぐるみが残ったのだった。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第一話 やってきたクマ 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 もう何度繰り返したかわからない使い魔を呼び出すための文句。今度こそは、そう信じて少女は再び呪文を唱えた。しかし起きたのはまたしても爆発。また失敗した、皆がそう思っていた中、初めに異変に気付いたのは「実況」の二つ名をもつ学生だった。 「あーっと、あれはなんだーっ!煙の中から何かの影がーっ!」 その声に少女、ルイズも下げていた顔をあげる。確かに煙に隠れてはっきりとは見えないが何かがいる。 やった、ついに成功したの?そう期待を込めて煙が晴れていく様を見詰める。 そして現れたのは、 「ルイズが呼び出したのは、大きなクマちゃんだー!!」 人の大きさほどもあるかわいい茶色いクマのぬいぐるみ、だった。 「見ろよ、ゼロのルイズがぬいぐるみを呼び出した」 「今晩から一人はさびしいよーとか言って抱きしめて一緒に寝ちゃったりすんのか?」 などと「実況」以外の生徒からも馬鹿にした声が上がり始める。そして、ルイズは目の前のクマちゃんを前に声もなく立ち尽くしていた。 が、気を取り直すと教師のコルベールへと向かった。 「ミスタ・コルベール!」 「なんだね?」 「もう一度召還させてください!」 しかし へんじはにべもないものだった。 サモン・サーヴァントで呼び出したものはたとえなんであれ契約を結ばないといけないと告げられただけだった。 しかしそれで納得するわけにもいかない。 「契約も何もあれはぬいぐるみ、モノですよ!使い魔になんかなるわけないじゃないですか!」 が、そのぬいぐるみは、 「くうーん」 「喋った!?」 なんか鳴き出して起き上がってきたのだった。 「あれ、ここはどこなの?何か光にのかべに入って包まれたところまでは覚えてるんだけど」 が、ルイズにはそんなことよりも聞くべきことがあった。 「なに、あんた喋れるの?って言うかあんたいったい何なのよ?」 「ボク?ボクの名前はベルモンドだよ」 これが、ルイズと漆黒の使い魔との出会いだった。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第四話 洗濯超人ベルモンド 天気の良い早朝、メイドのシエスタはいつものように洗濯をしようと洗濯場へと向かっていた。 そんな彼女に呼びかける者がいた。シエスタが振り向くとそこには、 洗濯物を抱えたクマちゃんがいた。 シエスタの体に衝撃が走る。 昨日の使い魔の召喚でクマちゃんが召喚されていたというのは聞いていた。かわいらしいとも。 だが、実際に見てみるとここまで愛らしいものだとは。 こんな可愛いクマちゃんと毎日を過ごせるなんて。正直ルイズがうらやましい。 「ねえ、どうしたの?」 と、そこにベルモンドから声が掛けられる。 正気に返ったシエスタはごまかすようにベルモンドの用件を聞きなおした。 なんでも主人のルイズに洗濯ものを頼まれたのだが洗濯の場所が分からなくて困っていたそうだ。 なお、ルイズは朝起こされた時にベルモンドに抱きついて寝ていたことに気付き、 恥ずかしさをごまかすように洗濯を命じて部屋から追い出してしまっていた。 今現在は着替えも命じればよかったと後悔したり抱き心地が良かったなあとにやにやしたりと忙しい。 それはさておきシエスタは、クマちゃんと一緒にいたかったこともありちょうど自分も向かうところだったからと快く案内をすることにした。 互いに自己紹介しながら洗濯場へ着くとそれぞれの洗濯物を洗い始めた。 だが、 「あの、手、大丈夫なんですか?」 悲しいかなベルモンドのぬいぐるみの手は水を吸い、おまけに泡立ってびしょびしょのぶくぶくに。 すかさずシエスタは持ち前の親切心とかわいいクマちゃんのためという思いからベルモンドの分の洗濯も引き受けた。 別に苦にはならない。いつもの仕事が少し増えただけだし、 それに手を胸の前で握り合わせてギュッギュッと水を絞るベルモンドの仕草はとても可愛かったからだ。 ああ、これだけでご飯三杯はいける。 シエスタが再び正気にかえったときいつの間にか洗濯は終わってしまっていた。 「じゃあ、あとは干してしまいましょう」 そう言って洗濯物を持とうとしたシエスタを、 「さっきのお礼にボクが持ってあげるよ」 とベルモンドが押しとどめた。 「そんな、悪いですよ」 そう遠慮したが、 「そんなことないよ。ここまで案内してくれた恩もあるしこれくらいさせてよ」 とそれを押し切ると、自分の分と一緒にシエスタの洗濯物もひょい、と持ち上げてしまった。 洗った後の水を吸った洗濯物というのは重い。今までもシエスタは一人で運んでいたとはいえ何度かに分け苦労して運んでいたのだ。 それをあっさりと持ち上げ、ベルモンドは物干し台へと別段変わらない足取りで歩いていく。 「うわあ、ベルモンドさんって力もちなんですね!」 「うん、ボク鍛えてるんだ。でも改めて言われると照れるなあ」 正直、このクマちゃんが鍛えているというのには違和感を感じた。 だが、照れているベルモンドを見ているとそんなものはどこかへ吹き飛んでしまった。 ああ、かわいい。 こんな使い魔を持っていいなあミスヴァリエール。 だが考えてみれば自分だってこうしてベルモンドに会えるのだ。 そう思いシエスタはこれから毎日洗濯を一緒にしようという約束を交わした。 洗濯を自分が、運ぶのをベルモンドが、そういう約束を。 洗濯物を干し終わった後ベルモンドと別れるのはさびしかったがそれでも足取りは軽かった。 これからは毎日このかわいいクマちゃんに会える。シエスタには日々が明るくなっていくように感じられていた。 今の彼女にはベルモンドの真実は知る由もなかった。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第十二話 三重殺 フーケの襲撃を受けた後の学園、その学長室の中ではもうフーケは去ったというのに喧々囂々の有様を示していた。 教師たちの責任のなすりつけ合い、 その場にいた当事者として呼ばれていたルイズは 同じ貴族として彼らの行いを苦い思いで見つめていた。 情けなくて口を挟む気にもなれなかったが、そのうちに話は思いもしない方向へ進んでいった。 なんと責任を学園に来ていたアンリエッタ王女に負わせようというのだ。 もちろんそんなことをはっきりと口にする者はいないが王女がいた時に起きた事件であるからとかで、 言外に彼女の立場が悪くなるようなことを示唆するような流れになってきたのだ。 たまらずルイズは声を上げようとしたが、 「いいかげんにしなさい!今回の件は我々学園にいたもの全ての責任、 このようなことを話すのではなくどう解決するかということが重要なのじゃ」 その前にオスマンが皆を一喝して鎮めた。 それで少しは頭が冷えたのか教師から声が上がる。 「しかしどうにかするといってもあの悪名高いフーケのことですし王室の力に頼るべきでは」 「ならん、この件はこの学園で起きたこと、なら我々の手で解決するのが筋というものじゃろう。 そもそも王室へ連絡を入れている間にフーケは姿をくらませてしまうわい」 「しかしすでに一晩経っていることですしやつの居場所が分からないのではどうしようも」 その時学長室にオスマンの秘書のロングビルがやってきた。 「フーケの居場所が分かりました」 といって。 なんでも昨晩から付けており、やつの隠れ家を見つけたらしい。 それを受けてオスマンはフーケの討伐隊を募るも、誰も名乗りを上げない。そんな中、 「私が志願します」 と、今度こそルイズが声を上げる。 さらにそれに張り合うようにキュルケ、そして付き合うようにタバサが志願する。 当然生徒が行くことに対して反対の声が上がるが、 「だって誰も行こうとしないじゃないですか!というかそもそもここにいない人もいますし。 ミス・シュヴルーズやミスタ・コルベールはどうしてるんです?ここで何もしないなんて貴族の名折れです!」 それに対してオスマンが答える。 「……あー、その、君の使い魔がこの前決闘をしたじゃろう」 「え、ええ。でも挑まれただけですしそもそも今は関係ないでしょう」 「いや、そこで君の使い魔がクマの中から登場した際にじゃな、 シュヴルーズ君は気絶して倒れ、コルベール君も引き付けを起こしての、 二人とも現在療養中じゃ。よっぽどショックじゃったんじゃな。」 「……じゃ、じゃあミスタ・ギトーは?いつも風こそが最強だって言ってたじゃないですか!」 「ギトー君もの、件の決闘でクマからキャストオフしたのを見て暇を取って旅に出てしもうた。 過酷な現実を見つめなおしたいそうじゃ。 これによってベルモンドの三重殺が成ったわけじゃ」 「どうしてそんなに弱い大人なのっ!」 思わず敬語も忘れて声をあげてしまう。 しかしさすがに咎めることもせず、オスマンは逆に志願したルイズたちを 功績や実力、それに使い魔の点から捜索隊として認める。 さらにはロングビルも、 先の決闘でまだ生徒とは言えメイジを破った使い魔を持つルイズは適任だ、ぜひ行くべきだ、 と強く推薦した。 結果ここに、案内役のロングビル、メイジのルイズとキュルケとタバサ、使い魔のウォーズマン、 そして実況役の「実況」の二つ名をもつ生徒による討伐隊が結成されたのだった。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第二話 オーバーボディの神秘 なるほど、分かった。こいつの名前はベルモンドでぬいぐるみなんかじゃなくて普通に動いて口も利ける。 それに可愛い。うん、これなら契約してもいいかな……ってそんなわけあるか。 自分で動くってことはようは着ぐるみってことじゃない。 わざわざこんなクマの格好してるやつを使い魔にしろって言うのか?冗談じゃない。 自分の使い魔はもっと強く美しくなんていうかすごいものであるべきなのだ。どうしてこんなやつと 「というわけで君は彼女の使い魔としてここトリステインの魔法学校に呼び出されたんだ。 いきなり呼び出して悪いとは思うがどうか彼女と契約を結んでくれないだろうか?」 「うーん、僕がその使い魔ってやつになるとルイズっていう子が助かるの?」 「ああ、ぜひお願いできないかい」 「……ってなに勝手に話を進めてるんですか!まだ契約するなんて一言も!」 というか何と気さくにクマに話しかけているのかこの禿は。わざわざ相手の都合まで聞いているし。 なぜだかふと幻視できた。呼ばれたのがただの平民でそいつの都合など一切聞かずただルイズに契約するよう迫る禿の姿が。 なのにこいつは今クマに親切に話しかけルイズと契約してくれるよう、お願いまでしている。こいつ、実はクマが好きなのか? そういうルイズの内心を無視してコルベールは話を続ける。 「さきほどもいったように一度呼んだものとはきちんと契約する、これがルールです。出ないとこのままあなただけ進級できませんよ。」 「うっ」 進級できない、それだけはどうしてもお断りしたい。例えこの着ぐるみと契約することになっても。 「というわけでベルモンド君、彼女を助けると思って契約してやってくれないか、ほら、ルイズ君からもちゃんとお願いして」 「何でこっちからお願いしないといけないんですか!……でもいいわ、あんたと契約してあげる。 でもいい、勘違いしないで!仕方なくなんだから、あんたで納得してるわけじゃないんだから!」 「うん、いいよ。それで君のためになれるのなら。人助けはいいことだからね」 「うう、じゃあ契約するから顔見せて」 「顔?もう見せてるよ?」 「その顔じゃない!頭とって中の顔見せなさいって言ってんのよ!じゃないと契約できないのよ!!」 「ルイズ君、顔をとれなんて、なんてことを言うんだね!」 「えーと?これが僕の顔だよ。契約ってどうやってやるのかわからないけどこのままで問題ないと思うよ」 「そんなわけないでしょ!……いいわ、そこまで言うならやるけどだめだったらひどいからね」 「ルイズ君、ベルモンド君になんて言い方を!」 妙に熱くなっている禿は無視して 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司る ペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 呪文を唱え、クマの口の部分に口付けた。 布とその奥の綿の感触。こんなんで契約できるわけがない。だというのに、 「ク、クピーッ!」 ベルモンドは左手を抑えて苦しみ出し、 「落ち着くんだ、ベルモンド君。使い魔のルーンが刻まれているだけだ、すぐに落ち着く。苦しませてしまってすまない」 親身になっている禿の脇からみるとその手には確かに、 ルーンが刻まれていたのだった。 なぜ、キスした感触は確かに着ぐるみのものだった。というかところどころ縫い目だって見えてる。 まさか本当にぬいぐるみ自体が本体だとでも言うの? もうなんだか訳がわからなくなってきた。なので一応契約できたと、いうことだけ考えてもう戻ることにした。 細かいことは後で考えればいい。そう思い、ベルモンドをつれて、 「何か困ったことがあったいつでも言ってくれたまえ、それと君のルーンのことも調べておくからね。私は何時でも力になるよ」 今やクマ好きであることがあらわになった禿の声を聞きながら部屋へと帰ったのだった。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第十三話 すごいね、人体 これまでのあらすじ なんと盗まれた秘宝「破壊の爪」はウォーズマンのベアークローだった。 ウォーズマンはベアークロー二刀流によってビッグボディチーム三番手の ゴーレムマンの超人強度580万パワーを上回る1200万パワーを発揮しフーケのゴーレムを打ち破ったのだった。 「やったじゃない、ウォーズマン」 「すごい力」 「いや、これもルイズがベアークローを渡してくれたおかげだ」 ゴーレムが崩れ落ちたのを見ると、皆がウォーズマンのもとに集まってくる。 「でも、なんであんたのベアークロー、が秘宝になってるの?」 「わからん、これはかつて失ったものだ。それがどうしてここに…?」 そんな中、一人の女性が一向に近づいてきた。 「皆さん、無事だったんですね」 「ミス・ロングビル、あなたも大丈夫だったんですか」 「はい、フーケは見つけられませんでしたがゴーレムが崩れたのを見て何があったのかと一旦戻ってみたんです」 「そうなんですか。まあ、秘宝の奪還はできたしいいとしましょうか。 離れてたのならわからなかったでしょうけどこの爪確かにすごい力を持ってましたよ」 そう言いながらロングビルに近づくルイズ、だが、 「ええ、それはよく分かっていますよっ!」 いきなりルイズの背後に回って抑えると、杖を突きつけた。 「な、何の真似ですか!?」 「いいからお前ら動くんじゃないよ!」 「…なるほど、お前がフーケというわけか」 「へえ、見た目と違って筋肉バカってわけじゃないんだね、話が早くて助かるよ。 それじゃあその破壊の爪を渡しな、あんたがもともと持ってたやつも一緒に、 出ないとあんたの主人がどうなるか分からないよ!」 「……わかった」 ウォーズマンはフーケにベアークローを両方差し出す。 「なんと!ミスロングビルの正体はフーケだったーー! そして今、日本の破壊の爪、いや、ベアークローを手にしたー!」 それを受けて「実況」の名をもつ生徒が叫ぶ。 「そ、そんな。でも、それじゃあどうして私たちを連れてきたりしたの!? さっさと逃げてしまえばよかったのに?」 そして出てきた当然の疑問に対し、フーケは答えた。 「初めはそのつもりだったよ、でもさあ苦労して盗んでみたらほんとに爪じゃないか、これ。 マジックアイテムって感じもしないしね。 でもよく見たらこれってこの前召喚されたクマの中身がつけてる爪とおんなじじゃないか。 それであんたに使い方を見せてもらおうと思って連れてきたのさ。 まあ、さっきまで見させてもらったけどこの爪はすごいってことしか分んなかったけどね。 というわけで破壊の爪の使い方を直接教えてもらおうと思ってね。 で、どうやったらあんな技が出せるんだい?」 「……スクリュードライバーは自らの鍛えた肉体をもってして放つ技だ。 ベアークローの力で放っているわけじゃない」 「冗談を言うんじゃないよ!あんなグルグル回ったりピカーって光ったり、なんの力も借りずにできるもんかい! 真面目に答えないとこいつの命はないよ!」 そりゃそうよ。 それにはルイズも同意した。 確かにウォーズマンの体つきはすごいけどだからと言ってそれだけであんな技が出せるわけでもないじゃない。 はぐらかして隙を伺ってでもいるつもりなのかもしれないけど、人質である私のことをもっと考えてよ、 何かあったらどうするつもりなのよ! 「……わかった、話そう」 するとルイズの気持ちをくんでくれたのかウォーズマンも正直に話しだした、 と思ったのだが、 左手を突き出すと 「一度的を絞れば後は畏怖を捨て思いきりと勇気を持ち…」 何を言い出すのだ、こいつは? 「身は弩弓の様に拳は箭の様に回打し…」 使い方を話すんじゃなかったの!? しかしそんな回りの困惑をよそにウォーズマンのコンピューターは目標をロックしていた。 そして、 「敵を穿つーーっ!」 のばした左手を軸に全身を回転させ突っ込んできたのだった。 「くらえ、マッハ・パルバライザーー!」 「えええぇーー!?」 手をこちらに突き出していたとはいえ何も持っておらず 飛び道具などが来ることもないだろうと思っていたが、そこに予想外の攻撃。 とっさの反応が遅れたフーケは杖をはじかれてしまった。 ウォーズマンはその勢いのまま背後にあった岩にぶつかり、そして、 バリバリガシャァァ! 「なんとーーっ!!岩がまるで陶器の如く砕けていく――っっ!! これは正に超人削岩機!! ベアークローなどただの補助に過ぎなかったのか!? これはまさしくウォーズマン本人の力だーー!!」 「いやー、おでれえた。すごいね、人体」 「実況」の生徒と解説のデルフも驚きの声を上げる。 そしてウォーズマンは今の一撃でフーケから逃れたルイズに叫んだ。 「ルイズよ、今こそお前の手でけりをつけるのだー!」 「え、う、うん!」 それを聞きルイズはとっさにフーケへ杖を向け呪文を唱える。 もちろんいきなり魔法が成功するわけもなく当然失敗する、 しかしそんなことは問題ではない。 ドゴオォォン! 「ぐえっ!」 失敗による爆発は、見事にフーケをノックアウトしたのだった。 前ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第十話 ウォーズマンのいる日常 さて、ギーシュとの決闘やルイズたちとの話を経てウォーズマンには新たな日常がやってきていた。 ウォーズマンの朝は早い。 日も昇る前から起き出すと、学園の敷地の一角に用意してもらったスペース (もともと使われておらず空いていたため使わせてもらっている)でトレーニングを始める。 いらなくなったぼろきれを巻きつけた棒に向かいタックルを繰り返し、 同じくいらなくなったボロ屑などをもらってきてそれをつめて作ったサンドバックに拳を打ち込み、 ダンベルを持ち上げ筋力トレーニングを繰り返す。 もちろん器具を用いないストレッチや腕立て伏せといった練習も欠かさない。 そして日が出てくると、ルイズのものに加えシエスタの洗濯物も持って行ってやり、一緒に洗濯をする。 ウォーズマンが正体を表して以来ルイズは彼に洗濯を頼んでもいいのか不安になっていたが、 シエスタの手伝いをするということもあり今でも洗濯は行ってくれている。 もちろん、今のウォーズマン相手にさすがに着替えまでは頼めなかったが。 それはさておき、オーバーボディを脱いだウォーズマンはもう普通に洗いものもできるようになり、 シエスタを二人で洗いものを洗濯して干していく。 そしてそれが終わるとシエスタと別れルイズを起こしに行く。 なお、ウォーズマンに起こされるとルイズはスパッと起きていた。 もちろん怖いからだ。 眠さよりも恐怖が上回る。 だが、それでも数日続けると少しはこの起床リズムにも慣れてきていた。 そしてルイズを食堂へ送ると再びトレーニングを始める。 そして食後にはルイズとともに授業に出る。 この世界で戦っていくためには魔法についてより深く知る必要があると考えたからだ。 そしてそのあともルイズの昼食の間はトレーニングし、午後の授業を一緒に聞く。 その後はさらにトレーニングを始めるがそこにはもう一人が加わることになる。 ギーシュである。 ウォーズマンはトレーニングの傍ら、ギーシュに稽古をつけてやっていたのだ。 このことを知ると皆は一様に意外そうな顔をするのだが、 ウォーズマンはギーシュに自分と同じにおいを感じ取っていたのである。 さまざまな世界で、召喚された使い魔の実力を見せるていのいいやられ役、 そう、かませ犬のにおいである。 ステカセのかませにされ、牛のかませにされ、体内をリングにされ、真っ先にマスクを狩られ、象にはウギャアされ、 その後20年余り、作中時間では三十四年たった後、再び老害仮面とメシウママンモスにゴーヒューな目にあわされた自分と同じにおいを。 だからこそ、自分のふがいなさを自覚し向上しようとしているギーシュに声をかけ、技や戦法を教えている。 また、ウォーズマンもギーシュに錬金でダンベルなどの金属製の練習器具を準備してもらったり、 稽古の成果を試すことも兼ねてワルキューレを相手にスパーリングを行ったりしている。 そしてルイズの夕食後は、ルイズやシエスタたちに何か用事や困ったことがないか聞いた後、 トレーニングをしてから与えられた自分の部屋で休む。 当初はルイズと一緒の部屋にいたのだが、ルイズに限界が来た。 さすがに一緒にベッドで寝る気にはなれなかったので、 もらってきた毛布を重ねて敷いて布団のようにしていたのだがその結果、、 夜中静かなところでコーホーコーホー、 おまけに壁には修繕の終わった中身のない着ぐるみがだらんと掛けられている。 怖すぎる。 結局ルイズがマルトー達に頼み込み、寝れさえすればどこでもいいということで 物置に使われていた小さい部屋を整理して空けて、ウォーズマンの寝床にしている。 これが平日の一日。 休日の虚無の曜日には、シエスタたちに手伝えることがあればそれを手伝い、 そのあとの時間は一日中トレーニングとギーシュへの指導。 何でもギーシュは今では前のように女生徒に声をかけて回ることはなくなり、 モンモランシーとだけ付き合っているらしい。 そして空いた時間でウォーズマンに指導を受けている。 なお、一度ルイズに休日に剣を買ってあげるといわれたが、ウォーズマンは断固拒否した。 「俺は正義超人レスラー、用いるのはこの鍛え抜かれた五体とリングのみ。 凶器など使わない」 「え、でもあんたこの前爪つけてたじゃない……」 「ベアークローはおれの一部だ」 「でも凶器になるんじゃ、」 「俺の一部だ」 というわけで結局この話は流れた。 「……あれ、このデルフリンガーさまの出番は?」 その時どこぞの武器屋ではそういう声が上がったという。 そんな日常に変化がやってきた。 「大変、ウォーズマン!今度姫様が学園にこられてそのとき使い魔のお披露目をするんですって。 皆、何か特技とかを披露しないといけないそうなの」 「そうか、ならこのおれの鍛えた技を、」 「ごめんなさい、姫様の前だしあまり荒々しいことはやめてほしいの」 「そ、そうなのか……」 「うーん、攻めて笑顔とかできれば、でもその仮面じゃあ」 「それなら問題ない」 「え、できるの、どうやって?じゃあちょっとやって見せて」 そう言われるやいなや、 「ウォーズマンスマイル!」 なぜ笑うのにわざわざ叫ぶのか、一瞬そう思ったが、そんなルイズの前で黒いマスクの口がパカッと…… 「ひぃいいやあああぁぁぁああああああああああぁーーーーー」 結局、笑顔は取り止めになったという。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
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前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第八話 その名はウォーズマン 静寂の中、最初に声を上げたのは「実況」だった。 「なんとー! ベルモンドの中から何かが飛び出しワルキューレの胴体を圧倒的破壊とともに抉り開けたーー! そして現れたのは……左手に爪をもつ鍛え抜かれた肉体をもった、仮面をつけた漆黒の男だーー!!」 この声を皮切りに回りも声を上げ始める。 「いやーー、クマちゃんがホラーになったー!」 「きゃーー、いやーー!!」 と女生徒が叫びをあげ、 「きゅ、きゅい、きゅいいぃぃ……ブクブク」 と、とある竜が泡を吹いて落下し、 「私、あれに添い寝してもらってたの……」 とルイズは絶句し、 「そ、そんな、嘘ですよねベルモンドさん……」 とシエスタは現実から目をそむけた。 そしてこの戦いを冷静に見ていた二人も、 「これがタバサが予感していた正体だってわけね、ってどうしたの?」 「クマちゃんが、クマちゃんが、クマちゃんが……」 「何であれだけ冷静に考察してたタバサがショック受けてるのよ!?」 とやはり混乱していた。 そんな中、ただ一人全く声を上げていない者がいた。 ギーシュである。 彼の真正面には件の使い魔。そしてその後ろには破壊されたワルキューレ。 はっきりいてこんな破壊をできる方法はギーシュにはそうそう心当たりはなかった。 ワルキューレは金属製とはいえ比較的強度の低い青銅だ。 メイジでなくとも大剣や斧でなら切り裂くこともできるだろう。 それなりのメイジなら風や氷塊を打ち出したり、より強いゴーレムで殴るなどして砕くことも可能だろう。 だが、この使い魔はワルキューレの胴体を抉り飛ばした。 完膚なきまでにずたずたに削り引き裂き、穿ち抜いた。 範囲こそ狭いものの徹底的に破壊して見せた。 高位の魔法でもそうそうできるものではない。 そしてこの行為をなした使い魔は今目の前に立っている。 何かをしゃべろうにも口からはヒューヒューと音が漏れるだけだった。 全身がすくみあがり声を出すことも指一本動かすこともできない。 そしてその漆黒の男は表情のない仮面で正面の自分をとらえ、ゆっくりと歩み寄ってきた。 ついでに 「コーホー」 といいながら。 死ぬ。 殺される。 食堂でシエスタが感じたものよりも強く、圧倒的重圧と現実感を持った実感がギーシュを包んでいた。 そして眼前に立つと、 「今度こそ負けを認めるか?」 と声をかけた。 間違いなく殺されると思っていたギーシュはこの言葉がすぐには理解できなかったが、すぐに 「はい、僕の負けです!降参です、どうか許してください!」 と必死に許しを請うた。 「その言葉、うそ偽りはないな」 「はい、ありません!もうあんな真似はしません、間違いなく僕の負けです!」 「……そうか、ならいい。だが、ギーシュよ、これだけは言っておこう。 男なら一度口に出した言葉をたがえるべきではない。 戦いにおいてはフェイントをかけることは勿論、 他にも弱ったふりなどをして相手のすきを誘うといったこともよいだろう。 だが、そのためであっても負けた、などと口にすることは許されない。 ギーシュ、戦い続けるのであればおまえは先ほど敗北を認める言葉を口にするべきではなかった。 逆にそれを口に出したのならその言葉に自ら従うべきだったのだ」 「は、はい。もう二度と、口にしたことを違えたりしません!」 「そうか、じゃあ約束どおりまずはルイズたちに謝るんだ」 「……え?あ、は、はい!」 それを聞くと漆黒の男はボロボロになったクマの着ぐるみを抱え、ギーシュをつれてルイズたちのもとへと向かった。 その周りにも生徒はいたが、彼が近付くと道を作るかのようにさっと後ろに引いた。 正直怖かったからだ。 そんな様子を無視すると彼はギーシュとともにルイズの前に来た。 なんというか、何を言えばいいのか分からないでいる二人に対し、 「その、ルイズ、君のことを侮辱して済まなかった。 それにメイドの君、先ほどはあのような振る舞いをして悪かった。 確かに彼の言う通りこのようなことは貴族のすることではなかった。 もう二度とこんなことはしないと誓う。どうか許してほしい」 とギーシュが詫び、頭を下げる。 「そ、そう、ならいいのよ。ええと、あんたシエスタっていったっけ? シエスタももういいでしょ」 「は、はい。もう結構です、顔を上げてください」 「そうか、ありがとう。ではあっさりしているようですまないが次はモンモランシー達のところへ行ってくるよ。 僕のせいで傷つけた彼女たちにもきちんと詫びなくては」 そう言ってもう一度頭を下げるとギーシュは去って行った。 後には二人の少女と漆黒の使い魔が残された。 「ええと、それがあんたの本当の姿なの、ベルモンド?」 と、おずおずとルイズが問いかける。 「違う」 「え」 「ベルモンドではない。 俺の名はウォーズマン。 ファイティングコンピューターウォーズマンだ」 一方そのころ、学院長室では 「そっそんなーー!ベ、ベルモンド君がー!ウッウッウアーーッ!」 と、こめかみに四つの穴を持つ超人のような叫びをあげるコルベールを尻目に オスマンは遠身の鏡を見ながらわなわなとふるえていた。 「な、なぜあの使い魔が「破壊の爪」を……!?」 オスマンの視線はウォーズマンの左手に注がれていた。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔