約 9,824 件
https://w.atwiki.jp/airmysken-wiki/pages/78.html
「火刑法廷」読書会ネタバレまとめ1 同じ話題はなるべくまとめてあります。そのためタイムラインの発言とは時系列が変わっております。 (@rufa9) 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 感想と新訳について youmoutei 「それでは、開廷します」 air_doku ということで、第11回エアミス研読書会(ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』)を始めたいと思います。参加者の皆様は、実施要領( http //t.co/LKSO1ggn )に気をつけて、遠慮なく積極的な発言をお願いします。 #air_mys_ken youmoutei 最初に読んだのは20年くらい前でしたが、恥ずかしながらラストの意味がすぐにはわからなかった記憶がw bubumitsu 少し遅れてしまったけど、私もミステリを愛してるから…ほんとうに愛してるから…苦しまずに…仲間になれまs…ゲフンゲフン、参加します。よろしくお願いします。 youmoutei bubumitsu ちょwww よろしくお願いします。 youmoutei その後2回読んで、今回は[新約版]を読みましたが、やっぱり傑作ですね。 bubumitsu わたしはカーと乱歩に関しては良い読者ではないのでアレなのですが…高木彬光のオマージュ作品を先に読んでしまったため、ラストの一撃の印象が薄かったです。ただ、再読してみて「どちらとも取れる」というのがやはり巧いと。 youmoutei 私の記憶では、確か2作目のカー(『皇帝のかぎ煙草入れ』の次)だったので、今にして思えばちょっともったいなかったかな、と。 youmoutei bubumitsu しかもそこまでの持っていき方がうまいですよね。 bubumitsu youmouteiミステリ的な方面で見ると「解決編の合理性はあるがどこかあやふや」みたいな印象があるのが巧いですね。「首と体が」発言のほかにも尋問シーンで、ルーシーが絵を見ながらフランス語を口走るシーンなどは「あやふやな怖さ」が際立っていました。 youmoutei bubumitsu そのフランス語のところは、自分で読んだときにはそんなに感じなかったんですが、ブブミツさんのツイートを見てから読み返してみると、じわじわきました。 rufa9 「一人のフォロワが羊毛亭の傍に住んでいた……」 ──これはある未完に終わった物語の好奇心をそそる書き出しである。 こんにちは…… 私は1976年に訳された版を再読してみました。新訳バージョンは読みやすくなっているのでしょうか? youmoutei rufa9 いらっしゃいませ~。私はどっちも読みにくいとは思わなかったのですが(読みにくいカー作品はもっともっと読みにくいw)、旧訳の方が読みやすいという意見もありましたね。 youmoutei ちなみに、まとめはこちら→ http //togetter.com/li/195393 rufa9 youmoutei いつもまとめをありがとうございます。新訳も読んでみようかしら。羊毛亭さんのカーコレクション(訳違い、版違い)をおうかがいしてみたいです。『かぎ煙草』はすごい種類ありそうですね。 youmoutei rufa9 んじゃ、ちょっと脱線しますが、『皇帝のかぎ煙草入れ』が訳違い×3冊とカバー違い1冊、『白い僧院の殺人』と『孔雀の羽根』がカバー違いで2冊、『帽子収集狂事件』が訳違いで3冊、とか。 youmoutei rufa9 あと『火刑法廷』・『魔女の隠れ家』・『夜歩く』・『死者のノック』・『火よ燃えろ』・『アラビアンナイトの殺人』・『爬虫類館の殺人』・『剣の八』・『パンチとジュディ』・『仮面荘の怪事件』が訳違いで2冊ずつですね。 rufa9 youmoutei うはぁ、そういうお話うかがうとワクワクします! いいねいいねっ! それぞれ再読用・保存用があったり……? 何度も改訳されているというのは、長い間愛されてるんですね。大昔のトンデモ訳とか楽しそうです。 bubumitsu youmoutei rufa9 わたしも訳違いは興味あります。ハヤカワ旧版の解説で松田氏が言われているとおり、カーは密室とオカルトだけではなく見事なストーリーテラーだと思いますので。 rufa9 bubumitsu 松田さんの解説いいですよね! 「読者にサービスしすぎの悪いくせ」……なんて、カーの特色を適切に言い表していて誰うまです。 youmoutei bubumitsu rufa9 ああ、旧訳版の解説は松田道弘氏でしたね。正直、新訳版の解説はちょっと……。 bubumitsu rufa9サービス過剰な部分はありますね。しかもそのサービスが困ったことにおもしろいw『火刑法廷』だと納骨堂のシーン辺りは下手なホラーよりもゾクゾクしました。 rufa9 bubumitsu 読者を怖がらせたり、楽しませたり、エンタテイメントに徹していますね。自分だったら親友の頼みでも、夜中にお墓あばくなんてこわいこといやですよーw youmoutei ちなみに旧訳版の名台詞「その女の首はぴったり躯にくっついていなかったような気がするんです」は、新訳版では「その女性の首は、完全に胴体とつながっていなかったかもしれない」とされていて、前の方がよかったかな、と。 rufa9 あの台詞はすばらしいゾワゾワポイントでした。プリミティブな表現の方が、雰囲気が伝わってきますね。結末まで読むと、鏡のトリックでも、アレでも、どっちの解釈でもできるあたりがすごいです。youmoutei 旧訳版の名台詞 bubumitsu 旧訳の方が、ギロチンでの断首刑というのがありありと想像できますね。RTyoumoutei 旧訳版の名台詞 bubumitsu あと羊毛亭さんの書評を読んでいて、こんなことをいうのは失礼なのですが、わたしはこの作品、フェル博士かH.M卿最後の事件として発表してほしかったです! youmoutei うわ、それはすごいですね。それは読んでみたかった。 RT bubumitsu あと羊毛亭さんの書評を読んでいて、こんなことをいうのは失礼なのですが、わたしはこの作品、フェル博士かH.M卿最後の事件として発表してほしかったです! bubumitsu いや、時代やその他もろもろの諸事情はあったのでしょうが、もしそれをやったらカーは今以上に伝説になったんじゃないかとw youmoutei bubumitsu 伝説というか、アレがアレなら、下手するとそれまでの 事件が全部ひっくり返りかねないということにw youmoutei しかし、3年前にサイトに書いた内容をすっかり忘れてる私って……orz 多面的な読み方… とヤンデレについて bubumitsu youmouteiただまぁ、この作品に関してはサスペンス重視ということで、シリーズ探偵は必要ないかなぁとも…。あ、あとヤスミンの『ロイス殺し』が生まれなくなるので(キリッ youmoutei bubumitsu シリーズ探偵が出ないわ、代わりに出てくるのがアレだわでw、安心感がないんですよね。それが地味に貢献してると思います。……にしても、「ロイス殺し」もいいですよね。 youmoutei とにかくこの作品は、最初から最後まで雰囲気の作り方や動かし方(?)が絶妙で、「普通ならそんなことしないだろう」という深夜の墓暴きから何から、ありえなさそうなことを飲み込まされてしまう感じです。 bubumitsu 読了後、自分なりに『奇蹟を解く男』のグリーン兄弟につづく、第4の解決も考えたりしていた…が、あいにく本作の登場人物が出てくる『仮面劇場の殺人』が未読という事実。 youmoutei bubumitsu 『仮面劇場の殺人』では、うちのサイトの『火刑法廷』のネタバレ感想で引用したくらいしか言及されてはいないです。 bubumitsu 人物リンクはカーのお遊びと考えて良いみたいですね。RTyoumoutei 『仮面劇場の殺人』では、うちのサイトの『火刑法廷』のネタバレ感想で引用したくらいしか言及されてはいないです。 rufa9 youmoutei 雰囲気作り、読ませ方が抜きんでていますよね。今回再読して、主人公エドワードが出版社のエリートで別荘持ってて美人の奥さんもいて… 32歳という設定にたまげましたw カーもこの作品を書いたとき31歳くらいだったので、ありだったんでしょうね。 bubumitsu エドワード…勝ち組だったのか…。マリーはある意味でヤンデレ(いろいろな意味で)羨ましいw youmoutei それはwww そう考えると確かにうらやましい……のかw? RT bubumitsu エドワード…勝ち組だったのか…。マリーはある意味でヤンデレ(いろいろな意味で)羨ましいw rufa9 結末近くのヤンデレ描写はいろんな意味でツボです。 youmoutei そうかヤンデレ(いろいろな意味で)かあ……。そういう読み方をしたことはなかったので、新鮮ですw bubumitsu なんというか、やはりそっち系の話になってしまって申し訳ないですwあ、ハヤカワ旧訳版p218の「性的に興奮しているようでしたわ」も自分的にはゲフンゲフン!! RT rufa9結末近くのヤンデレ描写はいろんな意味でツボです。 rufa9 そんなバナナと思って読み返してみたら、あったあったよ○○ータン(←伏せ字になってない)、 こいつはブブミツさんお目が高い!RT bubumitsu ハヤカワ旧訳版p218の「性的に興奮しているようでしたわ」も自分的にはゲフンゲフン!! youmoutei そこは新訳版だと「性的興奮を抑えきれない女性のようでした」とされていてw RT bubumitsu なんというか、やはりそっち系の話になってしまって申し訳ないですwあ、ハヤカワ旧訳版p218の「性的に興奮しているようでしたわ」も自分的にはゲフンゲフン!! bubumitsu youmouteiこう読んでいると、新訳版は読みやすくて、旧訳版は味がある…といったところですねw youmoutei bubumitsu いやいや、「抑えきれない」もなかなか……w グリーンとヤスミン youmoutei bubumitsu そういえば、ダグラス・G・グリーンのあれを「 第三の解決 」というのはどうなのかと前から思っているんですが……グリーンは 作中では超自然的解決が真とされている と考えているんですかね? bubumitsu 兄の方がhttp //t.co/5j7psO4lと推理しており、弟さんのダグラス本人は羊毛亭さんがいうように作中のアレを信じているっぽいですね。 youmouteiそういえば、ダグラス・G・グリーンのあれを「 第三の解決」 youmoutei でもアレだと、 普通のどんでん返しになっちゃってもったいない(?)ですよね。 RT bubumitsu 兄の方がp.tl/oQhpと推理しており、弟さんのダグラス本人は羊毛亭さんがいうように作中のアレを信じているっぽいですね。 bubumitsu 確かに。この作品の良さはhttp //t.co/bhVeu7kvな部分と思いますからね。 RTyoumouteiでもアレだと、普通のどんでん返しになっちゃってもったいない(?)ですよね。確かに。 bubumitsu あと読み返していて意外だったのが、作中作の存在でしたね。あの中の人物関係が「現実」の登場人物と重なるなど巧妙だなーと。しかもその作中作の『魔術の歴史』までもが本書と同じリドル・ストーリーというのがなんともにくい演出です。 youmoutei しかも著者が「グリモー」てw RT bubumitsu あと読み返していて意外だったのが、作中作の存在でしたね。あの中の人物関係が「現実」の登場人物と重なるなど巧妙だなーと。しかもその作中作の『魔術の歴史』までもが本書と同じリドル・ストーリーというのが// youmoutei 話は変わりますが、 小林泰三=ゴーダン・クロス説という電波を受信。 bubumitsu ちょwwなるほど、だからヤスミンの作品はあぁいう構造のが多いのかと妙に納得ですwさて、作中の彼が妙なポーズをとるシーンを探す作業に戻るか… RTyoumoutei話は変わりますが、小林泰三=ゴーダン・クロス説という電波を受信。 youmoutei bubumitsu よく考えてみると、「ロイス殺し」でのつじつま合わせ能力はゴーダン・クロスを髣髴とさせるすごいものだと思いますw bubumitsu youmoute『ロイス殺し』のあれはすごかったですね。よくあれだけの情報からここまでのものがとw あと何気に某神話ネタを挿入していた部分は「らしいなぁ」と思いましたがw 正解のない物語 bubumitsu この物語は決着をつけてはいけない物語なのはわかっているのですが、読み終わった後も、ずっとこの宙ぶらりんな気持ちがうずきだすのですw ただの合理的解決→不合理浮上の物語とは一線を画しているのはその辺りにありますね。 bubumitsu あ、あと本書の「解決編」でのトリックとして使った「鏡」に映った人物自身が魔女というのは考えすぎでしょうか? youmoutei それは 看護婦(看護師)のことですよね? それは私もちょっと疑ってます。 RT bubumitsu あ、あと本書の「解決編」でのトリックとして使った「鏡」に映った人物自身が魔女というのは考えすぎでしょうか? bubumitsu youmoutei 犯人たちが使った道具に本物が映ったということですね。なんというか、説明不足で申し訳ないです。 youmoutei ああ、そういうことですか。なるほど。そこまでは考えなかったですね。 RT bubumitsu 犯人たちが使った道具に本物が映ったということですね。なんというか、説明不足で申し訳ないです。 youmoutei どちらでも成立するというより、どちらにしても割り切れない感じが残るようなところでしょうか。 RT bubumitsu //読み終わった後も、ずっとこの宙ぶらりんな気持ちがうずきだすのですw// bubumitsu まさにそんな感じです。ジャンルが「融合」よりも「対立」していて、その対立具合もあやふや。しかしそれが心地よい RT youmoutei どちらでも成立するというより、 どちらにしても割り切れない感じが残るようなところでしょうか。 youmoutei いい意味での(?)落ち着かなさ、ですかね。 RT bubumitsu まさにそんな感じです。ジャンルが「融合」よりも「対立」していて、その対立具合もあやふや。しかしそれが心地よい 詰めの甘い名探偵 rufa9 この物語で画期的だったのは、探偵に全面的にかばってもらった真犯人が「あんたなんかお呼びじゃないわよ」と探偵をぬっ殺してしまう結末。かなり予想外。でもこれぞ悪女って感じである意味痛快でした。 bubumitsu rufa9 その読み方は新しいですwww…そうか、だからわたしは最後であんなにも興奮したのか。そうか…タイプだったのか。 youmoutei ちょwww それはw RT bubumitsu rufa9 その読み方は新しいですwww…そうか、だからわたしは最後であんなにも興奮したのか。そうか…タイプだったのか。 rufa9 bubumitsu ゴータンはかなり有能な探偵なのに 報われないですね… やはりエドワードは勝ち組。*ただしイケメンに限る、なのでしょうかw youmoutei rufa9 そういえば、 『黒い仏』の読書会の時に、 (ほんのちょっと『黒い仏』ネタバレ→)http //t.co/yK6uYlEx ということで言及してらっしゃいましたよね。 rufa9 youmoutei 羊毛亭さんの記憶力すごいです(驚 そういった関係性なのに、どちらの物語も、導き出されるであろう『予定調和』におさまっておらず、不穏な予感を残して終わりますね。そこがイイ! bubumitsu rufa9 youmoutei その読み方も新しいですね。確かに奇妙な操りテーマにも読めます。http //t.co/zHgmvrJN(Sさんのアレ ←殊能将之先生の某作)はそれを極北まで推し進めた感じに思えます。 rufa9 bubumitsu なるほど! Sさんのアレは今回の反対ですね。操りテーマが極北までいってしまうと、一周回って (殊能将之先生の某作のライトなネタバレです→)http //t.co/h42s8PHH bubumitsu rufa9ゴータン、若い頃の写真は知的とか言われていますが、まぁ、今はアレですからね。・・・どこが良かったんだろうとw youmoutei ゴータンwww よく考えてみると、ゴータンにはそこはかとなく ロジャー・シェリンガムに通じるものが……w rufa9 自信満々ドヤ顔なのに、ときどき詰めの甘いあたりが… RT youmoutei ゴータンにはそこはかとなく // youmoutei rufa9 最大の見せ場でアレですからねえ……w bubumitsu 正直ゴータンの場合、作中で「彼はこうだ!」って決められていないので、探偵役か、ただの迷探偵か迷うところはありますね。ただ、間違いなく女運は悪いw youmoutei bubumitsu とはいっても、あのタイミングで出てきますからねえ(しかもあの態度で)。 rufa9 bubumitsu あんなにご奉仕したのにバッサリ切られて不憫なり、ゴータン… bubumitsu youmouteiカーは案外バークリーの影響があるかもしれませんね。ゴータンの人物造形は羊毛亭さんがいった探偵もそうですが、チタウィック氏にも似ている(一発屋探偵、操り…)的な意味でw youmoutei bubumitsu ああ、なるほど。そっちもそんな感じですね。 読書会前半お開き youmoutei おっと、時間になったのでそろそろひとまず締めましょうか。 rufa9 youmoutei bubumitsu はーい、羊毛亭さん、ブブミツさん、どうもありがとうございました。面白かったです! bubumitsu もう評決の時間ですか。ありがとうございます。これから『火刑法廷』を読むときはゴーダンがゴータンとしか読めないw rufa9 注:ゴータンの本名はゴータン・クロスではありません。ゴーダン・クロスです。変な呼び方してごめんよゴータン。 youmoutei bubumitsu rufa9 お疲れ様でした~。夜の部でもゴータンて呼びそうですw bubumitsu カーが生み出した異色作についてここまで語り合えたのは初めてでした。羊毛亭様、琉花様ありがとうございました。夜の部は携帯電話から覗いています。 air_doku それではこの辺で、第11回エアミス研読書会(ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』)を一旦お開きに。参加者の皆様、お疲れ様でした。21 00頃より夜の部を始めますので、参加される方はよろしくお願いします。 youmoutei 「当法廷は、これより評決……もとい、休憩に入ります」
https://w.atwiki.jp/airmysken-wiki/pages/79.html
「火刑法廷」読書会ネタバレまとめ2 同じ話題はなるべくまとめてあります。そのためタイムラインの発言とは時系列が変わっております。 (@rufa9) 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 後半から参加された方の感想 youmoutei 「それでは、当法廷の審理を再開します air_doku ということで、第11回エアミス研読書会(ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』)、夜の部を始めたいと思います。参加者の皆様は、実施要領( http //t.co/LKSO1ggn )に気をつけて、遠慮なく積極的な発言をお願いします。 longfish801 墓を暴く時間が来たぜヒャッハー。 youmoutei longfish801 いらっしゃいませ~。私は寝起きなので後はよろしく(←) longfish801 エー……実を言うと、カーの長編を読むのは初めてだったりします。お手柔らかにお願いします。 kirie9 恐々参加… youmoutei kirie9 いらっしゃいませ~。まずはざっと感想などを。 kirie9 同じく初心者ですー youmoutei え!?(心の底から驚愕) RT longfish801 エー……実を言うと、カーの長編を読むのは初めてだったりします。お手柔らかにお願いします。 rufa9 youmoutei (おや、目が覚めたようね… せっかくワインと卵の飲み物に、あれを2グレインほど盛ったというのに……) youmoutei 栄養剤あざーす。 RT rufa9 youmoutei (おや、目が覚めたようね… せっかくワインと卵の飲み物に、あれを2グレインほど盛ったというのに……) rufa9 longfish801 kirie9 みんなで墓をあばこうぜヒャッフー! あ、俺じょうごでカンテラに油入れる係ね♪ youmoutei じゃあ私は何も気づかずに寝てる係で。 RT rufa9 longfish801 kirie9 みんなで墓をあばこうぜヒャッフー! あ、俺じょうごでカンテラに油入れる係ね♪ weisen_heimer こんばんは。初参加です。よろしくお願いします。 youmoutei weisen_heimer いらっしゃいませ~。よろしくお願いします。 longfish801 とりあえず普通に感想。実を言うと私、この手の「実は嘘つきがいました♪」という真相が物凄く嫌いで……。 longfish801 ただこの作品は、嘘つきを隠すための構成力、心理的な誘導が素晴らしいと思いました。人物に対するイメージの誘導の仕方ですね。恐らく、二十代の頃の私だったら、こういう肯定的な見方はできなかったように思います。齢を重ねることもまた楽しからずや。 longfish801 (まあ、某竜騎士07に鍛えられたという事情もある) longfish801 要するに、ハッタリのうまさですね。不可能興味というと私はどうしてもパズルとしての解答に期待してしまうんですが、上手に情報の提示を調整し、ハッタリを効かせることで読者を思考不能状態に導く手際の見事さに魅せられました。 youmoutei ああ、その辺は確かに、カー作品の中でも有数の出来かなと思います。 RT longfish801 ただこの作品は、嘘つきを隠すための構成力、心理的な誘導が素晴らしいと思いました。人物に対するイメージの誘導の仕方ですね。// Pukasan こんばんは。夜の部参戦ですー。旧訳版(表紙がタロットと毒薬瓶のやつ)読んで参戦です。 youmoutei Pukasan いらっしゃいませ~。存分に語ってくださいませ。 steelstealstill こんばんは!新参者で、初参加になります。よろしくお願いしますー。 youmoutei steelstealstill いらっしゃいませ~。よろしくお願いします。 kirie9 最初は嫁の秘密を知らなければ…な夕鶴的話かと思って心臓がきゅーっとなりながらちびちび読み出したのですが、廟の描写で(ダジャレか!)ぐっときてそこらへんからはするする読めました youmoutei 木下順二吹いたw RT kirie9 最初は嫁の秘密を知らなければ…な夕鶴的話かと思って心臓がきゅーっとなりながらちびちび読み出したのですが、廟の描写で(ダジャレか!)ぐっときてそこらへんからはするする読めました kirie9 嫁には翻弄されました… youmoutei すでにご存知かとは思いますが、こちらにまとめています。→ http //togetter.com/li/195393 Pukasan 「常にうちの妻は魔女なのか否か?」という不安感と「次は自分が殺されちゃったりする?」という緊張感が、作品の最初から最後まで絶妙なバランスで維持されてて、ドキドキするけど読み進めちゃう、という魅力ある作品でしたね。 weisen_heimer 実を言いますと、カー作品は『火刑法廷』しか読んでいないので、つまりは初のカーが『火刑法廷』だったわけですが…。『火刑法廷』が初のカー作品だったが故に非常に驚けた部分がありましたね。(逆にピンとこなかった部分もあったと思いますが) youmoutei ふむ、どの辺でしょう? RT weisen_heimer //『火刑法廷』が初のカー作品だったが故に非常に驚けた部分がありましたね。(逆にピンとこなかった部分もあったと思いますが) longfish801 youmoutei 他のカー作品も、こんな密度なんでしょうか? ものすごいスピード感でしたが。 youmoutei スピード感のある作品は他にもありますが、そちらはめまぐるしい展開で読ませる感じで。静かにぐわーっと進んでいくのはこの作品だけかも。異色ですね。 RT longfish801 他のカー作品も、こんな密度なんでしょうか? ものすごいスピード感でしたが。 youmoutei 読むのは4回目になるんですが、改めて感心しました。葬儀屋の話など小出しにしていくやり方とか。 longfish801 (そして読者が飽きてきたかなと思ったところで元祖イラキャラ・オグデンを登場させる作者の柔軟さ) rufa9 longfish801 オグデンのキャラメイキングはうまいですね。身近にいそうでイラっと感倍プッシュ! ひっかきまわし役によし、目くらましによしです。 longfish801 rufa9 半世紀前にもこういう人物がいたんだなーと。案の定、殴られるしwww。 longfish801 youmoutei そうですね、怪奇小説としては少しずつ非日常が忍び寄ってくる。けれど時間軸に沿ったイベントは盛り沢山かつ急展開が続く。そのうえで人物像のイメージ転換を最後のほうに寄せることで不可能性を成立させる。まさにはなれわざ。 kirie9 葬儀屋のじいちゃんイイ! kirie9 あと揺り椅子揺らし過ぎてずんずんずり下がるヘンダーソンにむふむふ rufa9 葬儀屋のおじいさんといい、簡潔な描写でキャラクターの印象を描き出してるのがさすがですね。RT kirie9 あと揺り椅子揺らし過ぎてずんずんずり下がるヘンダーソンにむふむふ kirie9 皆キャラがたってるので翻訳物にありがちな人物の混同が少なかったです!RT rufa9 葬儀屋のおじいさんといい、簡潔な描写でキャラクターの印象を描き出してるのがさすがですね。RT kirie9 あと揺り椅子揺らし過ぎてずんずんずり下がるヘンダーソンにむふむふ kirie9 登場人物全員疑わしい感が出てて選り取りみどりでした…しかし謎解き役がアノ人ってのはびっくりしました kiyomumibu こんばんは&はじめましてになります。読書会参加させていただきます! ずっと楽しみにしておりました~(といいつつ、読み終わったのはついさっき)どうぞよろしくお願いします。 youmoutei kiyomumibu いらっしゃいませ~。よろしくお願いします。 steelstealstil 内容には関係ないんですが、今回出た新訳版の表紙よりも、小倉多加志訳の表紙のほうがかっこいいですね。著者名の斜字体がダサい……。 カーに日常もの依頼した結果がこれだよ! youmoutei 「グロテスクなものを排した日常的な状況の作品を」という依頼でこれを書いてしまうカーの度胸がすごいですw RT longfish801 そうですね、怪奇小説としては少しずつ非日常が忍び寄ってくる。// longfish801 youmoutei 「俺の日常は毒殺魔と墓暴きと幽霊でいっぱいなんだよっ!」と……。 RT 「グロテスクなものを排した日常的な状況の作品を」という依頼でこれを書いてしまうカーの度胸がすごいですw youmoutei そ、そんな……w RT longfish801 「俺の日常は毒殺魔と墓暴きと幽霊でいっぱいなんだよっ!」と……。 kirie9 ?!カーにとっては日常の謎ものだったので… youmoutei 「グロテスクなものを排した日常的な状況の作品を」という依頼でこれを書いてしまうカーの度胸がすごいですw longfish801 そうですね、怪奇小説としては少しずつ非日常が忍び寄ってくる。// weisen_heimer なるほど。そのような背景があったのですね。 RT youmoutei 「グロテスクなものを排した日常的な状況の作品を」という依頼でこれを書いてしまうカーの度胸がすごい kiyomumibu 私も初カーでした~でも黄金の羊毛亭さんの解説で、はじめて読むにはおすすめしない、って書かれてて「あれっ(・w・)」ってなりました(笑)読みながら、なんども「お、おもしろい!」ってなったので。 youmoutei kiyomumibu ありがとうございますw まあ、カー作品の中でも異色なので最初の一冊にはあまりおすすめしない、くらいの意味で、出来はいいですよ。 kiyomumibu 私はミステリによくある「いかにも怪しい人物」が大好きなのでとてもおもしろかったです! youmoutei なるほど、怪しい人物ばかりでしたからねw RT kiyomumibu 私はミステリによくある「いかにも怪しい人物」が大好きなのでとてもおもしろかったです! kirie9 唯一最後の方まで混じってたのがマーガレットとマイラ・コーベット。部屋の位置とか職業とかがゴッチャに(致命的) bubumitsu 話題違いかもですが、羊毛亭さんの中で、カーの中で一番日常的(密室もオカルトも排除されたミステリ)な話はなんですか?RTyoumoutei グロテスクなものを排した日常的な状況の作品を」という依頼でこれを書いてしまうカーの度胸がすごいですw youmoutei 難しいですねえ……密室は出てきますが、最も「日常」のイメージがあるのは『死者のノック』かな、と思います。 RT bubumitsu 話題違いかもですが、羊毛亭さんの中で、カーの中で一番日常的(密室もオカルトも排除されたミステリ)な話はなんですか?// bubumitsu youmouteiありがとうございます。早速チェックしてみました。>『死者のノック』 ゴータンの人気に嫉妬 bubumitsu ゴータンの波平カットくんかくんか!! rufa9 皆の前で華麗なる推理を開陳する波平……(ゴクリ RT bubumitsu ゴータンの波平カットくんかくんか!! longfish801 (言えない……ゴータンが芸術的犯罪者に憧れる厨二病が治らないまま老境に入ってしまった人にしか見えないなんて言えない……) kiyomumibu longfish801 さりげなく自分の罪をばらしていくところとか厨二ぽかったですねえ youmoutei つ 小林泰三「ロイス殺し」(『完全・犯罪』などに収録) RT longfish801 (言えない……ゴータンが芸術的犯罪者に憧れる厨二病が治らないまま老境に入ってしまった人にしか見えないなんて言えない……) rufa9 しかも、いかす推理を披歴したのにあの結末てんてn… ご褒美なの? そうなの? RT longfish801 (言えない……ゴータンが芸術的犯罪者に憧れる厨二病が治らないまま老境に入ってしまった人にしか見えないなんて言えない……) weisen_heimer ゴーダンが登場してきたとき、実を言うとシリーズ探偵だと思ってしまったので、その後の彼の展開にびっくりしたわけです。これは他のカー作品についてよく知っている人よりも驚愕の度合いが高かったんじゃないかな、と RT youmoutei youmoutei なるほど。いや、でも、そうじゃなくてもびっくりしましたよw RT weisen_heimer ゴーダンが登場してきたとき、実を言うとシリーズ探偵だと思ってしまったので、その後の彼の展開にびっくりしたわけです。// weisen_heimer 確かに。急転直下の展開でしたからポカーンってなっちゃいましたねw RT youmoutei なるほど。いや、でも、そうじゃなくてもびっくりしましたよw longfish801 ゴータンの登場シーン自体もびっくりしました。いや、必然性からして登場するとは思ってましたが、せいぜい情報提供者として端役扱いなんだろうなと。なにか衒学的なことをべらべらしゃべる役割の人物だと思っていたのに、そこはイーディスがみつけた本で代用されるという。 bubumitsu longfish801一応物語上ゴータンがこの事件を解決する必然性みたいなものはあるのですよね。物語的にも作者的にもこの登場人物でなければ駄目だったという。 kirie9 ゴータンは実際登場するまではヤな奴なんだろうなと思ってたら意外とイイ奴でほっこり…してたらラストお人好し過ぎて泣けた;頑張れゴータン次こそは…! longfish801 いや、世間一般的にはあまりいい人ではなさそうなw。ちょっと完全犯罪したいときには相談にのってもらえそうですけどw。RT ゴータンは実際登場するまではヤな奴なんだろうなと思ってたら意外とイイ奴でほっこり…してたらラストお人好し過ぎて泣けた;頑張れゴータン次こそは kiyomumibu kirie9 来世では幸せになってもらいたいです<ごーたん rufa9 なんかほのぼのしたお話に見えてくる不思議w 不憫よのう… 次こそは!の秘める意味がすごいですね。 RT kirie9 ゴータンは実際登場するまではヤな奴なんだろうなと思ってたら意外とイイ奴でほっこり…してたらラストお人好し過ぎて泣けた;頑張れゴータン次こそは…! youmoutei 果たしてゴータンに次はあるのか?! RT kirie9 ゴータンは実際登場するまではヤな奴なんだろうなと思ってたら意外とイイ奴でほっこり…してたらラストお人好し過ぎて泣けた;頑張れゴータン次こそは…! kirie9 あるよ!たぶん…;; RT youmoutei 果たしてゴータンに次はあるのか?! kirie9 ゴータンは実際登場するまではヤな奴なんだろうなと思ってたら意外とイイ奴でほっこり…してたらラストお人好し過ぎて泣けた;頑張れゴータン次こそは…! kirie9 次もいいように使われるだけかもだけど…賢いけれど馬鹿なのよ~♪ rufa9 すごいわ、これほどゴータンを適切に表現した言葉が、かつてあっただろうか… RT kirie9 次もいいように使われるだけかもだけど…賢いけれど馬鹿なのよ~♪ kirie9 皆さまけっこうゴータン推しでww bubumitsu ゴータン関連のツイートを読んでいると、あの最期もわざとのように想像してしまいます。操られテーマとでもいうのでしょうかw 魅力的なキャラクターたち kirie9 女性キャラで良かったのは‘美しい鬼女’イーディス。有無を言わせず朗読し出したときのぷっつんぷり(とドヤ顔)素敵 kiyomumibu 私が一番気に入ったのはマリー・スティーヴンズでした<いかにも怪しい人>自分が単純なのか、「どうせ何でもないんだろ!」と思いつつも、展開に「やっぱり何かあるのかも……」とはらはらしたりして。 youmoutei カーは割と女性を描くのが下手だといわれてるんですが、この人は色々な意味で魅力的ですね。 RT kiyomumibu 私が一番気に入ったのはマリー・スティーヴンズでした// kiyomumibu Ⅳ説示まで読み終わった時はスティーヴンズ夫妻は勝ち組&ハッピーエンドだなあと思ったのですがそうでもなかったというか、最後の評決の意味がいまいちわかってないのですが……みなさんどう解釈されたんでしょう?? youmoutei どちらにしても(?)その伏せ字は正解です(キリッ RT kiyomumibu Ⅳ説示まで読み終わった時はスティーヴンズ夫妻は勝ち組&ハッピーエンドだなあと思ったのですが// bubumitsu kiyomumibuあのヤンデレ妻に愛されているのはやっぱり勝ち組かなと…。最後に関しては「自分なりの解決」を持っても良いし、「考えることを放棄」しても良い…と思っております。 utsuken 遅れましたがよろしくお願いします。新訳版を読んで参りました。評決を読んで思考停止した状態ですが。 youmoutei utsuken いらっしゃいませ~。ある意味ニヤニヤというか何というか。 rufa9 utsuken こんばんは~、よろしくお願いします! kiyomumibu utsuken よろしくお願いします~同じくです(笑)<評決で思考停止 longfish801 そういえば、ルーシーとイーディスをわける必然性は無かった、かな? RT youmoutei カーは割と女性を描くのが下手だといわれてるんですが、この人は色々な意味で魅力的ですね。 RT kiyomumibu 私が一番気に入ったのはマリー・スティーヴンズでした kirie9 人の好い嫁と気の強い妹を一人に?妹は朗読やら男供を問い詰める役割があるからヒスっぽいとこが欲しいが嫁にそれをやらすと2号と被るような(普通そういうのは反対の性格を選びそう) ラストと評決の真相 youmoutei あれ? よく考えてみると、「評決」がアレってことは、もしかして カーの想定した真相はアレで確定ってことですかね? longfish801 私も最後のほうを読み返していたんですが……マリーが伝説の毒殺魔だったとすると ゴータンを騙して毒を飲ませたわけで、問題はそれがただの妄想か否かなわけですが、決め手が無いような……。 kirie9 いや、疑惑を確定させる為に自ら…だと思うのですが longfish801 よし、第三の真相はこれだ→ ゴータンが次の犯罪のためマリーの生まれを利用して妄想を植え付けたら殺されちゃった。 youmoutei 決め手はないですが、「評決」というタイトルを考えると……。 RT longfish801 //問題はそれがただの妄想か否かなわけですが、決め手が無いような……。 utsuken 決め手は無いような気がしますね kiyomumibu 私はマリー・スティーヴンスも厨二っぽいなあと思ってました(笑)個人的には妄想よりはマリー・スティーヴンス=伝説の毒殺魔 が個人的には好みですが longfish801 ああ、そうか、墓場から死体が消えたほうの真相はマーク・デスパードの犯行かと思いこんでいたんですが、こっちも両義的なままなんですね。というかマーク・デスパードはどこへ行ったのかしらん。 youmoutei 暖炉で焼かれたとか。 RT longfish801 //というか マーク・デスパードはどこへ行ったのかしらん。 youmoutei 話を元に戻すと、グラスに毒を入れる機会が気になるところですが、どうもはっきり描かれていないんですよね。 longfish801 いや、新聞記事に寄れば、 グラスには入れずにカプセル状の薬に入れたものを事前に渡して飲ませた のでは。RT youmoutei 話を元に戻すと、グラスに毒を入れる機会が気になるところですが、どうもはっきり描かれていないんですよね。 bubumitsu 「そっち」を選ぶとぞっとしますね。 kiyomumibu すでに殺されてそうですねえ…… RT というかマーク・デズパードはどこへ行ったのかしらん。 longfish801 あるいは霊廟で、漏斗が嫌いになるようなことをされているとか……うふふふふ。RT youmoutei 暖炉で焼かれたとか。 RT longfish801 //というか マーク・デスパードはどこ youmoutei それは 弁護士の主張ですよね。本当に グラスには入れずにカプセル状の薬に入れたものを事前に渡して飲ませただとすれば、あの人には機会がないはず。 RT longfish801 いや、新聞記事に寄れば、グラスには入れずにカプセル状の薬に入れたものを事前に渡して飲ませたのでは。// kirie9 「具合を悪くする少量の…と偽ってじつは…」という弁護側の主張の意味が分からない。彼らはゴータンにそれを飲まなければならないどんな理由があったと思ったのだろう…まぁいいか所詮蚊帳の外の人達のやり取りだし youmoutei kirie9 看護婦が犯人という決定的な証拠にするためでは? kirie9 悪い子にはお仕置き☆ですね RT longfish801 あるいは霊廟で、漏斗が嫌いになるようなことをされているとか……うふふふふ。 steelstealstill 首に関する謎をどう解決するんだろうとわくわくしながら読みましたが、結局そこは合理的な説明がされなかったのが、ちょっと残念でした kiyomumibu 私も昨日お布団の中で読んで「怖っ(・w・;;」ってなりました RT steelstealstill //「その女の首はぴったり躯にくっついていなかったような気がするんです」の台詞だけは、ぼくも強く印象に残ってます kirie9 そか!普通はほんとに死んだりしないものだからか← RT youmoutei kirie9 看護婦が犯人という決定的な証拠にする ためでは youmoutei 名言(迷言?)が! RT kirie9 そか!普通はほんとに死んだりしないものだからか← longfish801 うーん、ゴータンが事件を調査し、謎解きはその翌日の午後ですから、謎解きの前(夜or午前)にこっそり会って渡したというところでしょうか。RT youmoutei 本当に グラスには入れずにカプセル状の薬に入れたものを事前に渡して飲ませたとすれば、あの人には機会がないはず youmoutei あ、すみません。私が書いた「あの人」は逆の方です。 グラスに毒が入ってないと、看護婦には犯行が不可能かと。 RT longfish801 //謎解きの前(夜or午前)にこっそり会って渡したというところでしょうか longfish801 あれ? Ⅳの終わりでブレナンが説明していることを真に受けていたんですが、ちがいましたっけ? RT youmoutei あ、すみません。私が書いた「あの人」は逆の方です youmoutei そうそう、ブレナンはそう説明していますが、本当に グラスに毒を入れる機会があったのかどうか、はっきりしないところが。 RT longfish801 あれ? Ⅳの終わりでブレナンが説明していることを真に受けていたんですが、ちがいましたっけ youmoutei まあ、そこは信用するべきなんでしょうね longfish801 ああ、なるほど。RT youmoutei そうそう、ブレナンはそう説明していますが、本当にグラスに毒を入れる機会があったのかどうか、はっきりしないところが kirie9 つーかこの裁判を勘違いしてた; kirie9 なんだそんなことかよと思ったけど紐の謎の真相によりその後のゴータンの話もアハハーそーだったのね!となった訳で重要だったんだなと kirie9 自分は首云々の証言はやり過ぎじゃね?ばぁちゃん絶対ふかしてんだろと思いました; tondamochi ところで、もし真相が「不死」云々はマリーの妄想だとすれば、どのようしてマイルズにヒ素を盛ったのかという点にはっきりとした答えを思いつけないのですが、どうなんでしょう・・・ youmoutei その場合は マークと看護婦の犯行ということになるのでは? RT tondamochi ところで、もし真相が「不死」云々はマリーの妄想だとすれば// k_funabashi 初めて読んだときは壷の中に死体を隠すのくだりで「ん?」ってなった思い出が。そんなに上手くいくものかと youmoutei いらっしゃいませ。そこは確かにちょっと気になりますが、それをラストでうまいことカバーしてある、という見方もできるかと。 RT k_funabashi 初めて読んだときは壷の中に死体を隠すのくだりで「ん?」ってなった思い出が。そんなに上手くいくものかと longfish801 酔っぱらったパーティントンが突然戻ってきて、ドリフのBGMが。「マーク、後ろ、後ろ!」 RT k_funabashi 初めて読んだときは壷の中に死体を隠すのくだりで「ん?」ってなった思い出が。そんなに上手くいくものかと k_funabashi どもです。そこでもこの話の肝であるところの二重の解釈が存在感を主張するわけですね。やっぱ凄いやこの話。 RT youmoutei いらっしゃいませ。そこは確かにちょっと気になりますが、それをラストでうまいことカバーしてある ディティールも個性的 tondamochi こんばんは。こっそりと初参加です。時間も残り少ないような気がしますが・・・よろしくお願いします。 youmoutei tondamochi いらっしゃいませ~。よろしくお願いします。 kiyomumibu というか、エアミス研さんの過去の課題図書のラインナップから、ちょっとアレ(≒非現実的)なところがある課題図書が多い!=『火刑法廷』もここに選ばれるからにはソレな真相なのかもドキドキ と思いながら途中読んでたり(・w・ youmoutei 「ちょっとアレ」吹いたw RT kiyomumibu というか、エアミス研さんの過去の課題図書のラインナップから、ちょっとア(≒非現実的)なところがある課題図書が多い!=『火刑法廷』もここに選ばれるからにはソレな真相なのかも// steelstealstil ぼくも最初見て驚きました。ぶっとんだのから古典まで、チョイスがおもしろいです(笑) RT kiyomumibu youmoutei いや、ぶっとんだのが多いことは否定できませんw RT steelstealsti ぼくも最初見て驚きました。ぶっとんだのから古典まで、チョイスがおもしろいです(笑) kiyomumibu 過去の課題図書で私がすでに読んだことがあるのがたまたま「ちょっとアレ」ばっかりだった ということもあると思いますがw まだ読んでないのも読みたいですねえ…… kiyomumibu 章の区切り方もいいなあと思ってました。ありがちな手法ですが、どきっとさせるようなセリフで切られてるのが。 youmoutei 昼の部でも話に出ましたが、「その女の首はぴったり躯にくっついていなかったような気がするんです」という台詞がたまらないですね。 RT kiyomumibu 章の区切り方もいいなあと思ってました。ありがちな手法ですが、どきっとさせるようなセリフで切られてるのが。 steelstealstill 旧訳版でだいぶ前に読んで、あまり覚えてなかったりするのですが、「その女の首はぴったり躯にくっついていなかったような気がするんです」の台詞だけは、ぼくも強く印象に残ってます。 weisen_heimer ネット上の感想をいろいろ見てみると、他のカー作品を読んでカーの作風を知っているからこその『火刑法廷』の驚き、という感想がけっこうあって、羊毛亭さんの「“最初に読むカー作品”としてはおすすめできません」という記述にも納得しました。 youmoutei weisen_heimer 実は私自身が早い段階で読んで、ちょっともったいなかったな、と思ったもので schizophonic weisen_heimer youmoutei あとはミステリ初心者でもガツンときます。ミステリそのものが、ふつう合理的な解決する という前提を覆してしまうので weisen_heimer youmoutei そうですね。いきなりカーの(意外性も含めて)おいしい所ばかり味わっちゃったような気がします weisen_heimer schizophonic youmoutei そう言われてみれば、どんでん返しのあるミステリはいろいろ読んできましたが、合理的に説明がつかない部分が物語の怪奇性・幻想性に寄与するミステリは初めて読みましたね longfish801 結び目のある紐も地味にこわい……。 rufa9 あれ怖いですね。脳のいやーなところをさらっとついてくる描写が印象に残りますね。 RT longfish801 結び目のある紐も地味にこわい……。 longfish801 『うみねこのなく頃に』に、誰も置けるはずがないのにいつの間にか出現する魔女からの手紙という謎がありまして、ぶっちゃけ人が置いただけだと理解していても地味に怖いんですよね。 RT あれ怖いですね。脳のいやーなところをさらっとついてくる描写が印象に残りますね。 longfish801 なんというか……『そして誰もいなくなった』の、殺人が起きるたびに壊されるインディアン人形に似た怖さがあります。ちゃちいトリックだとはわかっているんですが、犯人の超人性を印象づけられるというか……「お前なんて手の平の上なんだぞ」というこわさ。 謎は尽きない utsuken 終章でマリーの言う「~が仲間になる, 仲間が増える」という表現に混乱しているのですが、そんな(怪奇?)設定は出てきてましたっけ kiyomumibu 仲間って、つまり何なんでしょうね…… youmoutei kiyhomumibu utsuken それについては、新訳版だと274頁、旧訳版だと247頁の記述ですかね utsuken なるほど、たしかにありますね。ありがとうございます。 RT youmoutei @air_doku kiyhomumibu utsuken それについては、新訳版だと274頁、旧訳版だと247頁の記述ですかね。 tondamochi ところで、もし真相が「不死」云々はマリーの妄想だとすれば、どのようしてマイルズにヒ素を盛ったのかという点にはっきりとした答えを思いつけないのですが、どうなんでしょう・・・? bubumitsu 妄想が行き過ぎ自分を魔女だと思う=「妄想の中」で昔の自分を処刑したデスパード家に対する復讐という考えもできますね。RT tondamochi ところで、もし真相が「不死」云々はマリーの妄想だとすれば// tondamochi bubumitsu うーん なるほど・・ youmoutei おそらくそういうことになるんじゃないでしょうか。 RT tondamochi その場合は「評決」の中でgoogle.co.jp/search?rlz=1C1…・・・というか、google.co.jp/search?rlz=1C1…ということでしょうか tondamochi youmoutei なるほど・・・; 何だかツイート失敗してしまってすみません; longfish801 ああ、よくよく考えてみると、マーク・デスパードのスキャンダル自体は別に毒殺魔は関わっていないわけで、それが不可能状況を解けない理由になっていたのは偶然が強すぎるなあ。 youmoutei ん? 後半がちょっとよくわかりません。 RT longfish801 ああ、よくよく考えてみると、マーク・デスパードのスキャンダル自体は別に毒殺魔は関わっていないわけで、それが不可能状況を解けない理由になっていたのは偶然が強すぎるなあ。 longfish801 霊廟から死体が消えた謎は、 マーク・デスパードという人物への信頼(この人が嘘をつくはずがない)によって不可能性を保証されていたわけで(続く) RT youmoutei ん? 後半がちょっとよくわかりません。 longfish801 (承前)ゴータンがスキャンダルを捏造して偽の解決を作ったならわかるんですが、実際は偶然を利用してこじつけただけなんだなーと。 RT youmoutei ん? 後半がちょっとよくわかりません。 youmoutei なるほど、そういう意味ですね。 RT longfish801 (承前)ゴータンがスキャンダルを捏造して偽の解決を作ったならわかるんですが、実際は偶然を利用してこじつけただけなんだなーと。 rufa9 マーク・デスパードがその後どうしているか。二通り考えてしまいます。マリーやオグデンといった、いかにも怪しい人たちが目くらまししたせいで、ゴータンがドヤするまで犯人と目されなかった真のワル。緻密なトリックの達成できる男。だからどこかに高飛びしている…という説。 rufa9 もう一つは、マークがマリーの罪をかっつけられる格好の相手だったため、全て彼のせいにされて、もう消されているパターン。裁判関係者もオカルトがかった面倒な議論は避けたい。ゴータンの件も含め、こまけぇこたぁいいんだよ!の精神で安易な結論を選ぼうとしている。 weisen_heimer rufa9 最初に読んだときは、前者を想像しましたね。再読したらまた印象が変わるかも… rufa9 彼に限らず、ある登場人物が、悪党なのか、罪をなすりつけられる被害者なのか、周りにも正確には判断できず、もやーっと流されそうなところが怖いです。 自分の足場を揺るがされるような… そんな印象を残してくれる傑作ですね。 weisen_heimer そういえば、旧訳版ではマリー・ドーブリーでしたが、新訳版ではマリー・ドブレーとなってましたね。どうやらMarie D Aubrayという綴りらしいのですが… 話は尽きませんが、そろそろお開き longfish801 お、いつのまにか十二時。 youmoutei お、もう日付も変わりましたね。んじゃ最後に、作中でちょっと語られているゴータンの若い頃の出来事に興味がおありの方は、ぜひ小林泰三「ロイス殺し」(『完全・犯罪』などに収録)をお読みになってくださいませ。 longfish801 結び目のある紐と漏斗を抱えて寝るとしよう。おつかれさまでした~。 youmoutei というところで、お開きにしたいと思います。「評決は?」>longfish801 longfish801 「火炙りだヒャッハー♪」 bubumitsu 火あぶり……あぁ……よかった……仲間が……増える…。お疲れ様でした。 weisen_heimer youmoutei ありがとうございました~ utsuken おつかれさまでした~w rufa9 謎はつきませんが、すごい盛り上がって楽しかったです! 皆様ありがとうございました。 youmoutei 皆様おつかれさまでした。ご参加ありがとうございました。 weisen_heimer 皆さまお疲れさまでした。ありがとうござました。 air_doku それではこの辺で、第11回エアミス研読書会(ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』)をお開きにしたいと思います。参加者の皆様、お疲れ様でした。 youmoutei 「それでは、これにて閉廷」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3999.html
『火刑法廷』 55KB 制裁 家族崩壊 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 透明な箱 現代 25作目 「ありがとうございましたー」 男は小さなケーキの箱をぶら下げ、夕暮れの商店街をのんびりと歩いている。 箱の中には二つ。一つは男の好物のチーズケーキ、もう一つはゆっくり用に甘味を調整され た特製のチョコレートケーキだ。 「今日は一周年だからなぁ」 男がちぇんを飼い始めたのは、大学三年生の頃だったろうか。 初めは、就活のストレスを最近話題のゆ虐で発散しようと考えていたのだ。ところが、ゆっ くりショップに立ち寄って、安い銅バッジのちぇんを購入してみたところ、猫に似た何とも言 えぬ愛らしい様子に、晴れて愛で派に転向したのである。 ショップの店員が教えてくれたことによれば、どうもちぇんは同じケースで飼われていたゆ っくりまりさに苛められていたらしい。 発覚してすぐに、まりさはれみりゃの生き餌にされたものの、時既に遅し。ちぇんは生来の 明るさに欠けたやや暗めのゆっくりになってしまったのである。 飼われた当初こそ、男にビクビクしていたものの一年経ち二年経ち……帽子の銅バッジが銀 になる頃には、ちぇんもすっかりと明るさを取り戻していた。 ただ、これは生来のものなのか。相変わらずちぇん種としては大人しい方であった。 別段、何の害にもならないので男はよしとしていたが。 そうして、ちぇんの励ましによって空前の大氷河期と言われた就活もどうにか潜り抜け、今 日が社会人となって一年目。 そのお祝いと、もう一つのお祝いも兼ねて男はケーキを購入したのである。 安アパートの一階、その隅がちぇんと男の部屋だ。いつものようにドアを開き、ちぇんに呼 びかける。 「ただいまー」 しん、と静寂。いつもなら「おかえりなさーい」と駆け寄ってくるはずのちぇんが、呼びか けに応じない。 「……寝たのかな?」 首を傾げつつ、男は靴を脱いで狭い廊下の扉を開いた。 「ゆ、ゆっくりおかえりなさいなんだぜ! まり……ちぇんなんだぜ! わかるよーっ!」 バサリと、男が手にしていたケーキの箱が床に落ちた。 「……なん、だ」 嫌な予感に、全身が震えた。目の前にいるのは、薄汚い野良まりさだ。 だが、問題は一つ。まりさのトレードマークとも言える帽子が、男の飼っているちぇんの帽 子にすり替わっていた。 『火刑法廷』 マンネリあき ……野良まりさは、焦っていた。 「どうしようまりさ……おちびちゃんが、おちびちゃんがしんじゃうよぅ……」 妻である親れいむの、情けない声。 既に子まりさ、子れいむの二匹がいるにも関わらず、二人は夜の急な寒さを防ぐためにすー りすーりを行い、結果、更に二匹の赤まりさ、赤れいむを生んでしまったのだ。 野良の群れに所属はしているものの、リーダーであるまりさは厳しく、余程のことがない限 り食料など分け与えない(元よりその余裕はない)。 そればかりか、「おちびちゃんばっかり作る役立たず」として追放されるかもしれないのだ。 「どうしよう、どうしよう……」 「ゆえええん……おにゃかすいちゃよぅ……」 「ゆっ、ゆっ、ゆぅっ……」 「いもーちょ……いもーちょお……」 「ゆっくりちたい……ちたいよお……」 力無く横たわる四匹のおちびちゃんを見て、まりさは以前から考えていた案を実行に移す決 意をした。 「なくんじゃないんだぜ、れいむ! おちびちゃん! おとうさんがなんとかするんだぜ!」 彼らはゲスでこそないが、善良かと言われるとそうでもない。人間の恐ろしさは身に染みて いるが、人間を真に理解している訳ではない。 家族を心より愛し、家族のみを「ゆっくりさせるべき存在」と認識している、ごくごく平凡 なゆっくりである。 「ど、どうするの……? まりさ、にんげんはおうちせんげんをりかいしてないんだよ……?」 親れいむの言葉に、親まりさはニヤリと笑った。 「わかってるんだぜ! だから、おうちせんげんじゃなくてかいゆっくりになるんだぜ!」 「ゆゆ!? むりだよまりさ! のらはかいになんて――」 「こーしょ、こーしょ、こーしょ!」 親まりさの囁きに、親れいむの顔は見る見る内に明るさを取り戻した。 それほどまでに、親まりさの提案は見事なものだったのだ。 「おちびちゃん、もうちょっとだけがんばるんだぜ! いまからかいゆっくりになって、たっ ぷりのあまあまでゆっくりできるんだぜ!」 「ゆ……あみゃ……あみゃ……」 「むーしゃむーしゃしゅるよ……」 「あみゃ……あみゃ……」 「ゆっくち……しゅるよ……」 子供たちがほんの少しだけゆっくりを取り戻したことを確認し、六匹家族は息せき切って出 発した。 ● ● ● 「ゆっふっふ! さあ、ちぇん! そのぼうしをよこすんだぜ!」 「い……いやだよ……このおぼうしさんはわたせないんだねー……」 「ごちゃごちゃいわずにわたせえええええええ! おちびちゃんがゆっくりしてもいいってい うのかあああああああああああ!」 「……」 「こうなったらちからづくでやるんだぜ!」 「いだっ! やめ……やめてよ……! むりだよ、おにいさんにはそんなの……いだいっ! やめで! やめでええええええええええええ!」 「にげるなだぜえええええ! にげるとどうなるかわかってるんだぜ!?」 「……っ!」 「ゆふふふふ! このおぼうしさんがあれば! このおぼうしさんがあれば! まりさたちは かいゆっくりになれるんだぜ! かいゆっくりにいいいいいいいいいいいいい!」 「もうこのちぇんはようなしだね! でも、せっかくだからちぇんはおちびちゃんのために、 ごはんさんになってもらうよ!」 「いだっ! いだいっ! やめっ……やめでっ……おにいさんは……にんげんさんは……きか ない……いだあああああああいいいいいいいっ!」 「むーしゃむーしゃ! あまあま! あまあまだよおちびちゃん!」 「「「「むーちゃむーちゃ、しあわせー!」」」」 「ごめ……なさ……おに……さ……ね……こ……よろ……しく……」 ● ● ● 「ちぇんをどこにやったこのクソ野郎があああああああああああああああああ!」 男は狂ったようにまりさを蹴る。 「いだい! やめで!? やめでええええ!? ちぇんだよおおお! まりざはちぇんだよおおお おおおおおおおおおおおお!」 男は親まりさの頭に載せてあった帽子を掴み、奪い取った。 「ゆゆ! かえすんだぜ! かえすんだぜにんげん! それがないとまりさだぢががいゆっぐ りになれな…………ゆわぁっ!!」 親まりさは絶句した。これまで、蔑みの目で人間たちに見られることはあった。みっともな い、薄汚いゆっくりだとバカにされることはあった。 だが、男の目は違う。 憎悪、殺意、憤怒……そういう、人間がゆっくりに対して滅多に当てることのない感情を、 叩きつけていた。 たちまち、だらしなくおそろしーしーが垂れ流される。 男はそれを一瞥すらせずに、親まりさの目を見て告げた。 「……答えろ。俺のちぇんは、どこにいる」 「ぞ、れは……」 「むーちゃむーちゃ、あみゃあみゃ! あみゃあみゃあああああああ!」 「……!?」 「ゆわあ! おちびちゃんゆっくりしずかにするんだぜ!」 窓を開けたところにある小さな庭。そこから、他のゆっくりたちの声がした。 「……まさか」 「ゆわ……ゆわわわわ……」 ガタガタと震える親まりさを蹴り飛ばし、男は靴下のまま庭に飛び出した。蠢く草むらを掻 き分け、「ちぇん!」と叫んだ。 そして、見た。 「むーちゃむーちゃ……ゆゆ!? に、にんげんさんだ!」 「おちびちゃん、おちついてね! げ、げんきよくごあいさつするんだよ!」 「むーしゃむーしゃ! うめぇ! まじうめぇ! あみゃあみゃちあわしぇえ!」 「むーちゃむーちゃ……れいみゅたち、きゃいゆっくちになれりゅんだから、おぎょうぎよく ちないとね! むーちゃむーちゃ! ちあわしぇええ!」 「むちゃむちゃむちゃ! むちゃむちゃむちゃ! うんうんしゅっきり! むちゃむちゃむち ゃ! ちあわちぇええええ!」 ゴミにたかる蛆虫のように、ちぇんの体を貪る四匹のゆっくり。 一匹などうんうんする時間も惜しいのか、チョコレートを舐めながら薄汚い茶色の餡子を排 泄していた。 そんな彼らを庇うように、親れいむが立ちはだかる。 彼女は自信満々に男に告げた。 「まり……ちぇんのおよめさんになったれいむだよ、よろしくね! これはれいむたちのかわいいかわいいおちびちゃんだよ! これから、ずっとずっとゆっくりさせてね! もちろんおちびちゃんもだよ!」 「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――あ」 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 それは、怒りの咆吼だった。 のんびりとちぇんの体を貪っていた四匹が跳び上がって、しーしーを漏らした。 親れいむもちょろちょろと垂れ流しながら、絶叫する男におずおずと告げる。 「ゆ……ゆっくり、ゆっくりしていってね。ゆっくり………………ぴいいいい!」 男が親れいむを睨み、もみあげを乱暴に掴むと部屋の中へ放り込んだ。 「お、おきゃあしゃんになにすりゅんだじぇくしょにんげ……」 「……ゆ、ゆああ……」 「ゆっくち……ちてにぇ? ゆっくちちてりゅよ……じゃから……ゆっくち……」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 子ゆっくりと赤ゆっくりは抗議の声をあげようとして、途中で止めた。 「…………」 殺意が滲み出る男の表情は、一切を拒絶している。 ……故に。次に起こったことは奇跡的とも言える出来事だった。 男は無言で四匹の子ゆと赤ゆを掴み、握り潰すことなく運んだのである。 「ゆ、ゆっくりしていってね……まりさは……ちぇんだよ……ちぇんなんだぜ……?」 「そ、そうだよ……」 既に帽子が取っ払われているにも関わらず、ちぇんだと言い張る親まりさを軽く蹴り飛ばし、 何かに使おうと思ってしまいっぱなしだった引っ越し用のダンボールに六匹を放り込んだ。 「ゆ! や、やめでね! くらいくらいさんはゆっくりできないよ! おちびちゃんたちがこわがるでしょお!?」 「ゆんやああああ! きょわいよおおお! まっきゅらいやああああああ!」 「だすんだぜ! かいゆっくりのまりさをだすんだぜ! だすんだぜ!」 男は一切を無視して、ガムテープで念入りに蓋を接着すると、スコップを持って庭の土を掘 り始めた。 「……ちぇん、ごめんな……」 男は涙を流してただ謝った。 「もうちょっとしたら、お前におちびちゃんを作ってやるはずだったのに……」 ちぇんとてゆっくり。時に、おちびちゃんを羨ましそうに眺めていることに男は気付いてい た。相性の良いらん種ならば、大人しいちぇんでも上手くやっていけるだろう。 そう考えて、ちぇんの承諾があれば明日にでもゆっくりショップに行くつもりだったのだ。 だが、それもこれも全部潰えた。 男はちぇんを思い、怒り、悲しむ。 生きたまま食われるというのは、どれほど辛くて痛い出来事だったのか。 自分がもう少し、もう少し早く家に帰っていれば……。 ――でも、どうしてだ? ちぇんは、不用意に窓を開くような奴じゃないんだが。 埋め終わった男は、念のために窓を確認した。割れてはいない。今日もきちんと鍵を締めて いったはずだ。 それに、男が飼っていたちぇんは外の散歩があまり好きではない。 いじめられていた経験が未だに尾を引いているのか、どうにも引っ込み思案だったのだ。 もちろん、いくら臆病でもちぇんは野良の脅しに負けて窓を開けたりするほど愚かな訳でも ない。 「……まあ、どうでもいいか」 どうでもいい。ちぇんは自分の飼いゆっくりだった。 そして、ちぇんを殺したのがあの六匹のクソ野良だったというだけだ。 アイツらは、これ以上ないくらい残酷な目に遭わせてやる。 簡素な墓に手を合わせ、男は呟く。 「ちぇん。今までありがとうな。たくさんゆっくりさせてくれて、ありがとうな。 ……あいつらは、俺が地獄に叩き落としてやるから」 男は涙を拭いて立ち上がり、彼らの「刑」を執行するための道具を集め出した。 ● ● ● ダンボールの揺れが、まりさ一家の不安を否応なしに掻き立てていた。 「どうしよう……まりざぁ……どうじよう……」 「……だ、だいじょうぶなんだぜ。まりさが、みんなをまもるんだぜ……」 ガタガタと震えながら、親まりさと親れいむはすーりすーりする。 子ゆっくり、そして赤ゆっくりたちも恐怖を少しでも抑えるためだろう、いつまでもすーり すーりを繰り返していた。 これほどすーりすーりを繰り返せば、分泌液が出てすっきりに及ぶこともあるのだが、彼ら はそんな液が出ないほどに、緊張……ゆっくりできなくなっていたのだ。 「おとうしゃん……どうちて? きゃいゆっくりになれたんだよにぇ……?」 「ゆ……」 親まりさは、口をつぐんだ。 ――どうして、うまくいかなかったのだろう。 親まりさの計画は完璧だった。上手く誘い出した飼いゆっくりのちぇんから帽子を奪い、彼 に成り済ます。 あのちぇんは相当に可愛がられていたのは調査済みだ。 「れいむとうんっめいのであいをはたしたんだぜ! もうおちびちゃんもたくっさんいるんだ ぜ! みんなゆっくりしてるんだぜ!」 ……と言えば、飼い主は言うことを聞いてくれるはずだった。 このまりさは、やはり人間を理解していなかった。 人間は「野良ゆっくり」に対しては冷たいが、「飼いゆっくり」に対しては奴隷のように何 でも言うことを聞いてくれる。 そして――人間も、ゆっくりと同じで。 「おかざりを取り替えれば見分けがつかない」 そんなことを、本気で信じていたのだ。 がたがたと揺れていたダンボールが、不意に停止した。 「ゆっくり……とまったんだぜ?」 「ゆ……」 不安そうに寄り添う一家、その頭上から突然大きな音が鳴り響いた。 ビリビリビリビリビリ! 「ゆわっ! なになにこれなに!?」 「て、てんじょうさんがあああ!」 「あかりゅくなっちゃよおおおお!」 ダンボールが雑なやり方で引き千切られ、蓋が開いた。 途端、ぐるんと世界が回転した。 「ゆっ! ゆああああああああああああああ!」 「めがまわりゅううううううううううう!」 「たちゅけちぇええええええええええええ!」 ごろごろごろごろ。 転がったまりさたちは、全身の痛みを堪えながら周囲を見回した。 「かわ、さん……?」 隣にあるのは、いつもまりさたちに水と死を提供してくれる川だった。 そして、彼らには分からなかったが周囲にはバケツ、水、オレンジジュースのボトル、消火 器、ミニバーベキュー用のテーブル、トング、その他様々なものが集められていた。 助かった……の? そんな有り得ない希望を、頭上からの声が打ち砕いた。 「おい」 そう声を掛けられた途端、親まりさたちは一斉にしーしーを噴出した。 「ゆびゃああ!」 「ゆび! ゆび! ゆびぃ!」 「きょわいよおおおお!」 醜く喚き散らしながら暴れ回るゆっくりたちに、男はハエ叩きで軽くぶちのめした。 「話を聞け、このクソゆっくりどもッ!!」 「……ッ!」 男の怒声に、ゆっくりたちは震え上がった。 しばしの沈黙。 赤ゆっくりたちは、重圧に耐えかねて餡子を吐き出しそうになっていた。それを悟った子ゆ っくりたちが、懸命にすーりすーりをしている。 「お前ら、自分たちが何をしでかしたか分かっているのか?」 男の言葉に、 「ま、まりさたちは……」 「れいむたちはかいゆっくりになりたいだけだよ!」 親まりさが何か言うより先に、親れいむが意を決して前に出た。 親れいむは我慢ならなかったのだ。 野良というだけでバカにされ、蔑まれ、命の危険すらあるゆん生に。 いや、自分だけならいい。自分だけなら我慢できる。 でも、自分たちの可愛い可愛いおちびちゃんたちだけは、こんなゆん生を歩ませたくなかっ たのだ。 「かいゆっくりはずるいよ! あまあまをむーしゃむーしゃできて! いっせいくじょっもこ わくなくて! あめさんもゆきさんもへいきで! ずるいずるいずるいずるいずるいんだよおおおおおおおおおおおおおお! ぜめで! ぜめで! おぢびじゃんだげはかいゆっぐりにじであげだがったんだよおおおお おおおおおおお! なんで! なんでぞんなごどがりがいできないのおおおおお!」 「黙れゴミ屑」 「ぶべ!」 男はそんな身勝手で、独善的な発言を無視して親れいむを踏んづけた。 「やめろ! やめるのぜ! れいぶのきれいなおかおざんをふむんじゃないぜえええ!」 うねうねと必死になってまとわりつく親まりさも、ついでに踏む。 「ゆひっ、ゆひっ、ゆひぃっ……!」 「おい、お前ら」 「ゆひっ!」 「ゆぢぃっ!」 「きょわいよぉお!」 「お、おとうしゃんをはなしゅんだじぇ! ぷきゅーっ!」 「なあお前ら、ちぇんは美味しかったか?」 男の問い掛けに、親まりさと親れいむは踏まれている状況も忘れて凍りついた。 「ちぇん?」 「ああ、違うか。お前らがさっき食ってたあまあまだよ。美味しかったか?」 子ゆっくりたちは顔を見合わせ、幸せいっぱいという表情で叫んだ。 「とーーーーーーってもおいちかったのじぇ!」 「とってもゆっくちちてたにぇ!」 「まちゃむーしゃむーしゃしたいよ!」 「あんなあみゃあみゃをむーちゃむーちゃできりゅなんちぇ、おかあしゃんのいっちゃちょお り、かいゆっくちはじゅるいんだにぇ!」 「…………そうか」 別段許す気はなかった。ただ、これで何があろうと我慢できると思った。こいつらに地獄を 味わわせるためなら、殺意の衝動で楽に潰し殺すなんてことはもう有り得ない。 「そろーり……そろーり」 親まりさが逃げようとしているのを、横目に見て男は言った。 「無駄だ。まりさ。お前らには見えないだろうが、周りは壁に囲まれている」 加工所特製、大型の透明な箱。それがまりさたちの牢獄であった。 「さて。これからお前たちをどうするかだが……お前たちに決めさせてやる。 死刑か、火刑か。どちらがいい?」 「ゆっ! し、しけい!? しけいってえいえんにゆっくりさせるってことだよね!?」 親れいむが跳び上がってそう叫ぶと、たちまち家族に伝染した。 「し、しぬのいやだ! いやだよおお!」 「どうちてまりちゃたちがしななきゃいけないのおおおおおおおおお!」 「しぬのやじゃあああ! やじゃやじゃあああ!」 「たちゅけちぇえええ! どちゅううう! どちゅううう!」 「れいみゅまだむーちゃむーちゃしちゃいよおおおおおおおお!」 「なら、火刑がいいのか?」 「か、かけいさんって……どん、なの……?」 男は冷然と告げる。 「答える義務はない。ただ、死ぬかもしれないが……死なないかもしれない。 そういう刑だ」 「ゆ……」 男は両手を広げた。 「俺がこの指を全部折りたたむ前に答えろ。さもなければ、自動的に死刑にする」 「ゆゆ! まっでね! まっでまっで! おぢづいでがんがえざぜでぐだざい!」 「まず一本目」 「ゆああああっ! れいぶ! れいぶ! どうしようどうしようどうしよおおお!」 「どうずるもごうずるもわがらないよおおおおおおおおおおおお!」 「おとうしゃん! おとうしゃあああん!」 親まりさはパニックになって、救いを探す。 見たこともないドスが来てくれないか。 顔見知りのゆっくりたちが助けに来てくれないか。 天使のような愛でお兄さんが助けてくれないか。 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助け て助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助け て助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助け て助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて! 指は二本、三本とどんどん折りたたまれていく。 親まりさの思考はこれ以上にない高速回転を行っているが、結論が出るはずもない。 でも、そんな親まりさにも一つだけ。たった一つだけ理解できたことがある。 死刑は嫌だ! 死刑はゆっくりできない! 死刑だけは、絶対絶対絶対にいやだ! 「がげいっ!」 「……火刑で、いいんだな?」 親まりさは無我夢中で頷いた。 「がげいでいいでず! まりざだぢはがげいをうげまず!」 「ゆはっ、ゆひっ、ゆっぐぢぢだい……ぢだいよお……」 「「「「おきゃあしゃあん!」」」」 家族たちがゆんゆんと泣きじゃくるのを眺めながら、男は頷いた。 「よし。なら、まりさの望み通りにしてやる。……火刑を、始めよう」 ● ● ● 男はライターとフマキラーを取り出した。 「なに、それ……」 おどおどと、不思議そうな表情で親まりさが尋ねてくる。 思った通りだ、と男はほくそ笑んだ。この街はかなり厳しめの禁煙条例が敷かれている。野 良で生き続けてきたゆっくりたちは、滅多に「火」というものを体験することがない。 暑い、寒いくらいはあるだろう。夏のマンホールで火傷するということも体験したかもしれ ない。だが、それはあくまで「太陽」の熱だ。 間近に、「火」を見たことがあるゆっくりとはそれほど数があるまい。 「教えてやるよ」 ライターの火がつき、その輝きに目を奪われたのも一瞬。 フマキラーの噴射で、炎が舐めるようにまりさ一家たちの頭上を襲った。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああ!?」 「なにごれえええええええええええ! あぢゅい! あぢゅいよおおお!」 「だずげでええええええええええええええ!」 男は当然、こんなことで死なせるつもりはない。すぐに火を消してやった。 「げほっ、げほっ、げほっ……なに、これぇ……」 「これが、火だ。今からお前たちは、あの火をもっともっとたっくさん味わうことになる。覚 悟しておけ」 「……や、やじゃああああああああああああああ! ゆっぐりじだい! ゆっぐりざぜで! ゆっぐりゆぐりゆっぐりいいいいいいいい!」 涙を流し、小便を流して暴れ回る親まりさに向けてライターとフマキラーを近付ける。 「ゆびぃっ!」 ぶりぶりと、恐怖のあまり脱糞までしたまりさは壁に自分の体を押しつけて叫んだ。 「かべざんどいでね! ゆっぐりひさんがちかづいでぐるよ! だがらどいでね! おねがい、 おねがいだがらどいでええええええええええええ! あづいのいやだよおおおおおおおおおお おおおお!」 「……心配するな。最初はお前じゃない」 男はそう言って笑い、フマキラーを遠ざけた。 「よし、じゃあ本番行くぞ。最初は――」 既に男は決めていた。 親まりさは当然生き地獄。 そしてちぇんの体を貪っていた四匹の内、うんうんしながら貪っていた赤まりさ――以外は、 せいぜい苦しめて殺してやろう。 ライターを持っていた方の手で、男が赤れいむをつかんだ。 「おしょっ…………ゆびいいいいいいいいいいいいいっ!」 ぷりぷりもるんもるんと、赤れいむがうんうんだらけの尻を振る。 雨のように、うんうんが降り注ぐがさすがに現状では誰も気にするゆっくりはいない。 「おぢびじゃん! れいむぞっぐりのがわいいおぢびじゃん! だずげで! まりざ! だず げであげでね! おねがいだよ!」 「だずげられないよおおおお! だずげでええええええええええええええ!」 「「いもーじょ! いもーじょおおおお!」」 「れいみゅーっ! れいみゅーっ! ゆー、ゆゆーっ!」 「や、やめちぇね! れいみゅのきゃわいいぷりちぃなあにゃるさんをいじめないでにぇ! そんなごどやるのはへんだいざん……ゆんやああああああがががががががあああああ!」 男は鉄串を握り、中枢餡を避けるようにあにゃるから串をじっくりじっくりと突き刺してい く。時々、ぐーりぐーりと回転させながら。 「おびょ! おびょびょ! ぶびょおおおおおおおおおおおおお!」 やがて、脳天から串が飛び出した。 中枢餡を見事に避けきったせいで、赤れいむはまだまだ元気いっぱいに体を振り回そうとし ては、その激痛に悲鳴をあげていた。 ここからが、難しいところだ。 殺さぬように、慎重に焼かねば。 「ゆっ……ゆっ……!」 びくんびくんと痙攣する赤れいむ。だが、薄らぐ意識の中で、自分が何か熱いものに近付け られていることは分かった。 「やめ……ちぇね……れいみゅ……あちゅいの……いやぁ…………いやだよぉ…………」 「じゃ、焼くぞ」 男はそう淡々と告げて、赤れいむをバーベキュー用の網に押しつけた。 当然、網は既に熱せられている。 「ゆ゛っ゛……!」 びくんと、一度痙攣。 赤れいむはぱくぱくと口を開き、そうして――絶叫した。 「ゆっぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 「お、おぢびじゃん! どうじだんだぜえええええええええええええ!」 「おぢびじゃああああああああああああん! おぢびじぢじびびびびびびいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいい!」 両親が絶叫するのも無理はない。 赤れいむの叫びは、それほど絶望的で切羽詰まったものだった。 「あづいいいいいいい! あぢゅい! やげる! やげる! ぐざい! ぎぼぢばるい! やじゃああああ! やげるうううう! だずげでええええええええええ!」 想像を絶する痛みと熱さだった。太陽の「ぽかぽかさん」など比較にならない。 更に、自分の皮が焼き焦げる臭いがどうしようもなく気持ち悪い。 彼らにとっては、死臭に近いものがするのだろう。 赤れいむには、全くもって何が何だか分からなかっただろう。 「まりさたちは、かいゆっくりになるんだぜ!」 「かいゆっくりになれば、あまあまさんむーしゃむーしゃしほうだいだよ!」 その言葉を信じた。 実際にあまあまをむーしゃむーしゃさせてもくれたのだ。 なのに、そこから全てが狂った。 鬼のような人間が現れ、ゆっくりできない存在に相応しく怒鳴り散らした。 そして今、人間は自分を殺そうとしていた。 「あぎがおkjgうぇいじょいあjごいうぇあjごいjわおいjg」 あにゃるを刺し貫かれ、自身の体に途方もない痛みと異物感が赤れいむを責め立てる。 「ぢぬうう! ぢぬのいやあああああああああああああ! おとうじゃあああん! おきゃあ じゃあああああああああああん!」 ――もう、やめて。 家族がそう絶叫しようとした瞬間、男は絶妙のタイミングで赤れいむを引き上げた。 「……よし。死んでない」 ガッツポーズ。男は赤れいむが死なないよう、慎重に慎重を重ねて串から引き抜いた。 「おぢびじゃああああああああああああああん!」 両親たちが壁の向こう側に置かれた赤れいむに駆け寄る。 「がべざんどげえええええ! どぐんだあああああああああ! まりざだぢがおぢびじゃんをばぼるんだああああああああああああああああああ!」 「どげええええええええ! べーろべーろざぜるんだあああああああああああ!」 「あー、ぺーろぺーろなんてすると死ぬぞ。どうでもいいが」 男はそう言いつつ、ひょいと子れいむを摘み上げた。 「ゆびぃっ! やじゃやじゃやじゃ! ぷーすぷーすさんはやべでえええええ!」 「それ以外だったら、何でもやるか?」 「なんでもやりゅうううううう! じゃがらぶーずぶーずごーげごーげざんはやめでぐだざい いいいいい!」 「――――そうか」 男はゾッとするほど凄惨な笑みを浮かべた。 たまたま、それを見た親まりさは嫌な予感が餡子中を駆け巡るのを感じた。 「おぢびじゃん! だめなんだぜ! そのぐぞにんげんのいうごどぎいだらだめなんだぜ!」 「うるじゃあああああああああい! ぷーずぷーずざれるよりまじだあああああ!」 これだけは、確かに親まりさの言う通りであった。 男は告げる。 「この赤れいむを食え」 「……………………………………………………………………………………ゆ?」 「だから、この赤れいむを食べるんだ。お前が」 「……ゆ? ゆゆ? ゆ? にゃに……いっちぇる……にょ? じゃって……いもーちょ、じゃよ……? れいみゅの、きゃわいいきゃわいいいもうちょじゃよ……?」 男は無言で、鉄串を取り出した。まだ熱いそれを近付けられただけで、子れいむはぽろぽろ と涙とおそろしーしーを零し始めた。 「やめ、ちぇね……? れいみゅ、きゃわいいでちょ……? おまきぇにきゃいゆっくちにな れちゃんじゃよ……? やめちぇね、やめちぇ、やめちぇ、やめちぇやめちぇ……!」 「じゃあ、食え。次は刺すぞ」 「……ゆびぃ……! ゆび、ゆび、ゆびぃ……!」 最後の救いを求めて、子れいむは両親を見やる。 だが、両親は壁に醜く顔を押しつけてぽろぽろと泣いているだけだ。 「ゆーっ! ゆーーー! ゆゆーっ!」 子まりさと赤まりさは訳も分からず喚き散らしているだけ。 救いはない。 肌はうんうん色に焼き焦げ、片目は潰れ、歯はみっともなく溶けて、髪の毛もリボンも醜く 爛れている赤れいむは、それでも「ゆ……ゆち……ゆっ」と必死に生きていた。 「た……ちゅ……」 赤れいむが、片目から透明な涙を零す。目の前にいるのは優しい優しいお姉ちゃん。 一緒にいつも遊んで、一緒にゆっくりしてきた大切な家族。 ゆっくりと近付いてくる。 (しゅーりしゅーりちてにぇ……おねーしゃん……) 最早、赤れいむが現状を確認できるはずもない。 「ごめんにぇ……ごめんにぇ、いもーちょ……れいみゅも……いきちゃいんだよ……」 (なんで……おねえしゃん……あやみゃるにょ……? あやみゃるのは……このにんげんでし ょ………………ゆびっ!?) 子れいむは小さく口を開け、素早く赤れいむの皮をついばんだ。 「ゆ……びゃぁっ!? びゃ、びゃびゃっ!」 「そうそう。口はすぼめてな。ちょっとずつちょっとずつ食えよ? 大口開けてみろ、お前の 喉をこれで突くからな」 「ゆっぐりぃ……ゆっぐりぃ……!」 涙を流しながら、子れいむは小さく頷くと咀嚼を開始した。 「やべ……ちぇにぇ……れいみゅ……いちゃ……い……」 途切れ途切れの懇願にも、子れいむは耳を貸さない。 ――じにだぐないじにだぐないじにだぐないじにだぐない。 思うのはただそれだけ。とりあえず言うことさえ聞いていれば、痛いことだけはされない。 子れいむの心からは、既に家族愛のようなものは消え去っている。 このまま成ゆんになったとしても、間違いなく家族を作ることはできないだろう。 ……とは言え、それは余計な心配である。 「ちゅーるちゅーる……」 「……ゆ……べ……ぼ……」 少しずつ少しずつ、子れいむは妹を咀嚼していく。小さく小さく皮を千切り、やや固くなっ た餡をちゅるちゅると吸い取っていく。 そして子れいむが何かをする度、赤れいむがビクンビクンと激しく痙攣する様は、何とも滑 稽だった。 「おい。一口ごとにちゃんとアレ言え、しあわせーって言え」 男の言葉に、子れいむは涙を流しながら頷いた。 「むーちゃ……むーちゃ……しあわしぇー」 加速度的に甘くなっていく赤れいむの餡子は、確かにゆっくりたちにとっては垂涎のあまあ まだった。だが、それはあくまで「ゆっくりの中身」と自覚しない状態での話。 どれほど美味であろうとも、家族の内臓を貪り食って平気な人間は存在しないだろう。 赤れいむはあまりにも激しい痛みのせいで、意識が飛んでは戻り飛んでは戻りを繰り返して いる。あまりの痛みに意識を失った途端、あまりの痛みに意識が戻るのだ。 ただ、そんな赤ゆっくりにも一つだけ理解できていることがあった。 自分は、食べられているということ。 そして、食べているのは自分の姉だということ。 (どうちて……? れいみゅ……どうちてたべられてりゅの……? どうちておねえしゃんがれいみゅをむーしゃむーしゃしゅるの……? やじゃよ……こんなの……やじゃよ……) 苦痛と絶望に、涙も涸れ果てている。 「ゆ゛っ゛……ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 赤れいむは、ギネスに掲載されるような勢いで非ゆっくり症状になった。 だが、不幸にも赤れいむの陥った症状は第一段階。つまり、意識はハッキリしているのに口 がゆっくち! と叫ぶだけのもの。無論、餡の硬化現象による激痛は存在する。 内側まで鉄串で熱せられたせいだろう。 全身の神経を、火箸で焼かれるようなものだ。生まれてすぐのおちびちゃんでは、耐えられ るはずもない。 「ゆ゛っ゛!!」 もっとゆっくりしたかった、というお馴染みの言葉すら残せず、赤れいむは体の半分を貪り 食われたところで死んだ。 死んだ後も、子れいむはもそもそと赤れいむを食していた(そもそも、死んだことに気付い てすらいない)が、しばらくするとぷんと死臭が漂い始めた。 「ぐええええええ! ぐじゃい! ぐじゃいよおおおおおお!」 子れいむは赤れいむから飛び退いた。 「あ、ああ……おちびちゃんが……かわいいかわいいれいぶのおぢびじゃんがあああああああ あああああああ!」 「ゆんやあああああああああああああああああああ!」 「どう……どうじで! どうじでええええええええええええええええええええ!」 男は冷然とした態度を崩さず、餡子を吐き出そうとしていた子れいむの口を、手にしたホッ チキスで無理矢理縫い止めた。 口を引っ張り、躊躇いもなくバチンバチンと針を打ち込んでいく。 「びぇぅぶ!? びぇ! ぼぉぉぉぉ!?」 「餡子を吐くと永遠にゆっくりするからな。感謝しろよ」 感謝などできるはずもない。気が狂いそうな吐き気と痛みが子れいむの全身を蹂躙する。 あにゃるからうんうんが流れだし、何とそれでも飽きたらずにしーしー穴からも餡子がちび りちびりと飛び出ていた。 尿道から砂糖水以外を排出するという、本来有り得ない状態に子れいむは凄まじい苦痛を抱 く。 「――――――――――――――――――ッ!」 涙を流し、じたばたと暴れる子れいむに泣きじゃくっていた家族がやっと気付いた。 「ごんどはなんなのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「うっがあああああああ! やめるのぜ! いまずぐやめるのぜ! いまずぐ! いまずぐ やべでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 親まりさが、とうとう我を忘れて怒り始めた。 男は待っていましたとばかりに、ニヤリと笑ってフマキラーとライターを突きつける。 「ゆびゃ!」 たちまち怯えたように、親まりさは透明な箱の中を右往左往して逃げ惑う。だが、大型の箱 と言えども、その中は全て人間の射程距離である。 ライターに火が灯り、親まりさを軽く火で炙った。 「ごめんなざい! ごめんなざい! やべで! やべでぐだざいいいいいい!」 悲鳴を上げ、ぷりぷりとうんうんまみれの薄汚い尻を振る親まりさ。 「おい。大事なおぼうしさんに火がついてるぞ」 男の言葉に、親まりさはゆ゛と呟いて自分の帽子を舌で外した。 硬直。 先端に、小さな火が燃え移っていた。 「ゆ……ぶぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!? めらめらざんやべで! ゆっぐりじで! ゆっぐりじでおぼうじがえじで! ぺーろぺー……う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! あづいぃぃぃ! めっぢゃあづいいいいいいいいいいいいいい!」 火を舐めて消そうとして、その熱さに暴れ回る親まりさ。 不幸中の幸いか、親れいむにぶつかって跳ね返った拍子に自分の帽子をごろごろと押し潰し、 結果的に消火することはできた。 そのコントめいた状況に、さすがに呆れたように男も笑った。 「火を舐めたらどうなるかも分からないのか? バカな奴」 「ゆびぃ……ぺーろ゛ぺーろ゛……ぺーろ゛ぺーろ゛……ゆぐっ……ゆぐり゛っ゛ な゛お゛っ゛でね゛……」 死んだ目をしたまま、親まりさは先端部分が焦げた帽子を舐めていた。だが、自分で押し潰 した上に焦げた帽子が治ることはもうない。 醜く平べったくなった帽子を、親まりさは泣きながら頭に戻した。 「よし。それじゃあ、子れいむ」 たらふく赤れいむを食わされ、吐くこともできなくなっている子れいむは男の呼びかけにも 答える余裕がない。 ぽろぽろと涙を零し、先ほどからひっきりなしにうんうんを出し続けている。それはうんう んというよりは、食した赤まりさを体内から追い出そうとしているようだった。 「次はお前だ。最初の選択通り、火刑を執行する」 「ゆ……!? まっで! までえええええええええええええええええ! おぢびじゃんは! おぢびじゃんはぼう「がげい」をうげだでじょおおおおおおお!」 親れいむが、泣きながら食ってかかった。 男はフマキラーとライターを構えて、親れいむに向ける。 「バカかお前。今の赤れいむは、子れいむへのご褒美だ。 今から、ちゃんとした刑をするぞ」 「…………っ!」 子れいむは、自分の置かれた立場を理解したらしい。 最初はわずかな怒りが支配したものの、網やフマキラーを見てその怒りはたちまち恐怖へと 取って代わる。 男は子れいむを菜箸で掴んだ。 「ぼぼぼぼぼぼぼぼ!」 ……恐らく。「おそらをとんでるみちゃい」とでも言ったのだろう。こんな状況でも、本能 には逆らえないのか、と男は苦笑した。 予め準備しておいた携帯コンロと鉄鍋、そこに並々と注がれたてんぷら油に子れいむを近付 ける。 (きょわ……きょわい……よぉ……!) ちょろちょろとしーしーが垂れ流され、ぷりぷりとうんうんがひり出された。 ジュウウウウウウウウッ! 「…………!」 子れいむが、自分の真下で起こった激しい音に身を竦ませる。 「聞こえたか?」 (にゃに……きょれ……) 「お前も野良なら、天ぷらのカスを食ったことがあるだろ? あれと同じさ。野良ゆっくりの天ぷらか。あまり食ってみたくはねえなあ」 (ゆっくちできりゅ……てんぷら……しゃん? でも、てんぴゅらになりゅのは……れいみゅ ……?) その言葉の恐ろしさを、次第に理解し始めたのだろう。 がたがたと体が震え始めた。 男は無言で笑い、菜箸を油の中へと突っ込んだ。 (――――――ゆび?) 一瞬、どろどろぬるぬるとした心地よい感覚が子れいむを支配した。 だが、それは所詮一瞬のことである。 たちまち、煮えたぎった油が子れいむの全身に襲いかかった。 (fわえjごいあjk;lgじぇわおいjfglk;えあrsjごいあdslk;gじゃぉき dsfjglk;あもきgjかldsんgmkぁsbjvlkじゃlktじぇwkぁjfgl くぁjklfhじゃslkfんlkさjflkさんlkふぇwjか!!!!!!!!) これがお湯ならば、まだしもマシだった。煮えたお湯ならばたちまち皮を溶かして餡子を流 出させ、死ぬ時間は比較的短くて済んだに違いない。 だが、煮えたぎった油は肌を溶かすのではない。 揚げるのだ。 (じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛だずげでじぬ゛じぬ゛じぬ゛だずげでじぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛ じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛だずげでじぬ゛じぬ゛だずげでじぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛だ ずげでじぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛だずげでじぬ゛じぬ ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛だずげでじ ぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛じぬ゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い ゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛だずげでい゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛だずげでい゛ い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛だずげでじゃ゛い゛い゛じ ゃ゛い゛だずげでい゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛だずげでい゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛ じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛じゃ゛い゛い゛ じゃ゛い゛だずげで!!!!!!!!!!!!!!) 中枢餡は周囲の異常に劇的な反応を示し、ひっきりなしに苦痛のシグナルを全身へ叩き込む。 もう、どこが痛いのか子れいむには分からなかった。自分のゆん生に何があったのか、自分 はどんなゆっくりだったのか、自分はれいむだったのか、自分は何なのか……何もかも、頭か ら消えた。 今の子れいむは、ただ痛いだけ。ただ絶望だけだった。 真っ暗闇の中、子れいむは何の意志も見せなかった。早く終わって欲しいと願うことすらも できず、ただただ苦痛にのたうち回った。 「もういいかな、っと」 子れいむを引き上げ、ぴくりとも動いてないことを確認すると、男はそのまま死骸をまりさ 一家に差し出した。 「「「「ぶびょおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」 生き残りの四匹は、一斉におそろしーしーを噴出した。 子れいむの悲鳴は聞こえなかった。 だが、この苦悶を通り越した絶望の表情と、その凄まじいまでの死臭は子れいむがいかに苦 しみ、いかに絶望していたかをよく現していた。 「さて、次だ」 男の手は休まらない。 赤れいむ、子れいむと続けて死んだ。なので、次は子まりさにすることにした。 別に、母れいむでも良かったのだが、彼女は子供が死ぬたびぎゃあぎゃあ泣き喚くので、胸 がスッとするのだ。 「あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 濁った悲鳴をあげる子まりさ。 もう理解しているのだろう。自分は今から、苦しんで苦しんで死ぬのだと。 男は持ってきたゆっくりホイホイ用の粘着シートを小さく切り取ったものに子まりさを貼り 付けた。 彼の手が離れた途端、子まりさはあんよを動かそうと懸命に体を動かした。 「ゆっぐり! ゆっぐりにげるよ! まりじゃのあんよざん! ゆっぐりじないではやぐうご いでね! いづもやっでるぴょんぴょんだよ! だいじょうぶだよね! やれるよね!? ゆっぐりぴょん! ゆっぐりぴょん! ゆっぐりぴょ……どぼじでうごいでくれないのおお おおおおおおおお! まりざのあんよざん! まりざのぐぞあんよ! ゆっぐりじないでうご げえええええええええええ!」 姉妹の中で、誰よりしゅんっそくなあんよが自慢だった子まりさ。 手が離れた途端、子まりさは希望を見出した。 逃げられると希望を持ってしまった。これが男の狙いだった。あんよを怪我していないので、 子まりさはまだ希望を持っている。 その希望が、次第に絶望へと変わっていく様は男を実にゆっくりとさせた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! な゛ん゛で! な゛ん゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 男はフマキラーとライターを突きつけた。 「ゆべぇっ!」 あんよに夢中になっている内に、男のことを忘却しかかっていたのだろう。 だが、フマキラーとライターを見た瞬間に全てを思い出したらしい。 「お前はこのまま、じっくりと燃やしてやるさ。正統派の火刑だな、嬉しいか?」 「……あ゛……あ、あぁ゛」 「やべでね! れいぶががわりにやりまず! れいぶががわりにげいをうげまず! だがら! まりざににだかっごいいおぢびじゃんだげはどうが!」 「……ぐぞにんげん! ぐぞにんげんぐぞにんげんぐぞにんげん! ががっでごい! まりざばおまえなんがよりずっどずっど、づよいんだ! ごろじでやるがら、ごごがらだぜええええええええええええええええ!」 その言葉にああ、と男は頷いて粘着シートを箱の中に移動させた。 「おぢびじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!!!!!」 親れいむが駆け寄ろうとする。 「い゛ま゛だずげるんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 親まりさが助けようとする。 「おねーじゃ! ゆっぐりじようね! ゆっぐりでぎるね!」 勘違いした赤まりさは、目に涙を浮かべている。 「じゃ、点火」 三文喜劇を防ぐが如く、男はライターに火をつけ、フマキラーを噴出した。 「ゆ゛!?」 「びぃ!?」 「ぐり!?」 そのあまりの熱さに、両親はたちまちあんよをストップさせる。 自分たちの目の前で、真っ赤な真っ赤な炎の中に、子まりさが叩き込まれていた。 「あ゛っ゛………………あ゛づい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ ぃ゛ぃ゛!!!!!!!」 子まりさは、絶叫した。 何の工夫もなく、ただただ炎で全身を焼き尽くされる。 工夫など必要ない。そもそも、火とはそれほどに凄まじい破壊力を持つのだ。 人間ですら、何の工夫もなく素肌に火を浴びせかけられれば絶叫するだろう。 それが、ゆっくりの脆弱な――そして、痛覚が人並み以上な肌ならば尚更のこと。 「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!! だずげで! がばい゛い゛ばばばばばばばばり゛り゛り゛り゛り゛り゛ざざざざざざざざざ ざだあああああああああずううううううううううげえええええええでええええええ!!!」 「お゛ぢびじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!」 「だず……だずげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 両親はただ泣き喚くだけだ。 火の恐ろしさが、本能レベルで刻み込まれたのだろう。 目に入れても痛くないほどに可愛がっていたおちびちゃん。おちびちゃんのためなら、どん な苦しい生活も、怖い怖い野良犬も戦ってやると決意していたのだろう。 だが、そんな二匹ですら炎の前には立ちすくむしかない。 「助けないのかー?」 火を浴びせかけながら、男は言う。 「…………っ!!!」 「だずげでぐだざい! おねがいでず! だずげでぐだざい!」 親まりさは恥辱に顔を歪め、親れいむは土下座して懇願した。 ――ピタリ、と炎が止まる。 「ゆ!?」 半ば諦めていたのだろう、両親は揃って絶句した。恐る恐る――儚い希望を持って、男を見 る。 「……一つ、条件がある。それを飲めば助けてやらんこともない」 「な゛ん゛でぼやりまず! やらぜでぐだざい!」 「ありがどうございまず! ゆっぐりじでぐだざい! ゆっぐり! ゆっぐり!」 男は涙を流して喜ぶ両親の前に、笑って――それを、置いた。 「「ゆ?」」 それは、帽子だった。 ちぇんのお飾り、そう――「あの」ちぇんの帽子である。 「…………ゆ?」 男は告げた。 「俺の飼っていたちぇんを生き返らせろ。そうすれば、助けてやるさ」 「――――――ゆ?」 「ゆ、ゆ、ゆ?」 なにを、いって、いるのだろう。 この、にんげんさんは。 男は再び殺意の篭もった瞳で両親を睨み、眼前で叫んだ。 「俺のちぇんを生き返らせろって言ってんだよ! 俺のちぇん! 俺が飼っていた大切な、大 切な家族をだ! 生き返らせてくれたら、お前たちの家族だって生き返らせるさ! やれよ! さあ、やれってんだろ!」 「あ、ああ……ああ、あああああああああああ……」 「ゆびっ、ゆびびびっ、ゆびぃぃぃぃっ…………!」 ――ようやく、両親は揃って後悔した。これは男が意図した訳ではない。ただ、希望を持た せて突き落とそうと思っただけであったが、思わぬ副産物だった。 「ちぇ……ちぇん……ちぇんざま……」 「ちぇんざま……」 やがて、絶句していた両親はのたのたとちぇんの帽子に向かった。 「野良の汚い舌で舐めたら殺すぞ」 その言葉に、びくりと二匹が停止する。どうやら、帽子をぺーろぺーろすれば生き返るとで も思っていたらしい。 「……ちぇんざま……いぎがえっでぐだざい……もどってぎでぐだざい……」 「わるいのばまりざだぢでず……いっばいいだいいだいじでごめんなざい……」 二匹が、ちぇんの帽子に向かって土下座した。 「おねがいじまず……いぎがえっで……いっじょにゆっぐりじまじょう……」 「まりざのだがらもの、なんでもあげまず……だがら、だがら……」 「ちぇんざま、いぎがえっでぇぇぇっ!!!」 「もどにもどっでぐだざいいいいいいいいいいい!!!」 それから十分、男は待ってやった。 無様な踊り、お歌、それをやることでちぇんが帰ってくると、両親たちは無理矢理信じ込ん だ。思い込もうとした。 だが、いかなゆっくりでも不可能なことはある。 「残念だったな。ま、期待なんざしてなかったが」 「まっでぐだざい! もうじょっどっ! もうじょっどだげ!」 「おじびを! おじびをぐだざい! にんげんざま! にんげんざまあああ!」 「続けるぞ」 男のフマキラーライターが、既に息絶える寸前だった子れいむにトドメを刺した。 「ゆ……び……」 子まりさが息絶えてからも、男は延々と炎を燃やし続け――。 「あ゛、あ゛あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「おぢびじゃあああああああああああああああああああああああん!!!」 かつて子まりさだったものは、ただの炭の塊になっていた。 泣いてすーりすーりしようとする親れいむを掴み、持ち上げる。 「いじゃいいいいい!」 目の前で起こった悲劇を乗り越えようとする暇もなく、親まりさは親れいむを見上げた。 「あ……あああああああああああああ! やべでぐだざい! まりざのれいぶなんでず! おだがいのばーじんをざざげだじゅんあいっがっぷるなんでず! どうがっ! どうがああああああああああああああああああああああ!!!」 親まりさの懇願に、男は鼻で笑って答えた。 「おいおい、違うだろ……まりさ?」 「…………ゆ?」 「こいつは、『ちぇん』の嫁で俺の飼いゆっくりだ。お前みたいな野良の妻じゃない。 そこのとこ、ゆっくり理解してね!」 「…………っ!!!」 そうだ、そうだった。 自分はちぇんを騙り、れいむを妻として紹介しようとしたのだ。 ――ずっとゆっくりすると誓い合った、恋人であり夫婦。 そんな絆すら、親まりさは自分でいつのまにか打ち砕いていたのだ。 親れいむは、ぎゃんぎゃんと泣き喚きながら片方のもみあげを懸命に伸ばす。 「まりざあああああああああああああ! だずげでええええええええええ!」 だが、親まりさはそれに答えられなかった。ただ、涙をホロホロと流すだけ。 次に男が取り出したのは、子ゆっくりと親ゆっくりの中間にあたる亜成体ゆっくり用の箱で ある。彼はそこに、親れいむを詰めた。 「むぎゅ! むぎゅうう! ぐるじいい! ぐるじいよおおおお!」 男は、蓋を開いた天井に親れいむの顔が来るように押し込めていた。野良のせいで、やや痩 せ気味とはいえ、無理矢理詰め込まれた苦痛は相当なものなのだろう。 既に「じぬ! じんじゃう!」などと叫んでいる。 男はラムネを水で溶かし、薄めたものをスプレーした。これは麻酔になるほどの濃度はなく、 一種の鎮静剤として機能する。 「…………ゆ」 「じゃあ、お前への火刑はこれだ」 男は箱を動かし、親れいむの顔が立つようにすると、バーベキュー用のテーブルで直火で焼 いた石を見せた。 「いじ……ざん?」 「ただの石じゃないぞ」 次に、男はバケツの水を見せてから、そこに石を入れた。 ジュウウウウウウウウウウウウウウッ!!! 蒸気が噴出し、湯気が出る。 「だにごれ……」 「冷たい水を、お湯にするほどの「あついあついさん」がこの石に篭められていたんだ」 「や゛……やべでね! やべでね! ゆっぐり! ゆっぐりじよう! ゆっぐりいい!」 割に聡い方だった親れいむは、すぐに理解した。自分に科せられる火刑がどれほどの地獄か ようやく理解した。 「じゃ、いくぜ。……最低、五つくらいは耐えてみせろ」 男はそう言って、再び親れいむを空に向けさせた。 そうして、焼いた石をトングで掴み――ゆっくりゆっくり、親れいむに近付けていく。 「びゅびゃあああああああああああああ! ぼぼおおおおおおおおおおおおお!」 少しだけ迷ったが、男はまず口で味わわせることにした。親れいむが口を閉じて、歯を剥き 出しにする。男は嗤った。 石が砂糖細工の歯に触れた瞬間、どろりと溶けた。 「びょぶううううううううううううううううう!?」 想像を絶する熱に、咥内が蹂躙される。だが、詰め込まれた箱は頑丈で親れいむの暴れにも 微動だにしない。 「ごっがげわがlkgjくぁjgkゎjklgじゃkl!!! あぢゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! びょびょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 歯が溶け、舌も溶けたせいだろう。親れいむの口調はろれつが回っていない。 「一個目終わり。じゃ、二個目な」 と言っても、一個目の石は喉を通り越して箱の底に到着しただけだ。 凄まじい熱と痛みが、親れいむに襲いかかっていた。 「ばぶべ! ばぶべべべべべ!」 どうやら「助けて」と叫んでいるらしい。男は当然それに構わず、二個目の石を額付近に潜 り込ませた。たちまち、どろどろと皮を溶かして餡子へと潜入していく。 「お゛ぢぢぢぢびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 男は今の叫び声に首を傾げ、すぐに理解した。どうやら、もうおちびちゃんを作れないとで も叫んだらしい。この期に及んで、と男は笑った。 痛みは二倍ではない。二乗した。 「べあgばbgかgkばjghkさjgkjlkdさjlkdsklglks!!!!」 親れいむの叫び声は、最早何の意味も為さない。 三個目。 次は、自慢の髪の毛を溶かしていく。髪を撫でるたび、親れいむの目が狂ったようにぐりん ぐりんと動くのが、男の笑いのツボを突いた。 四個目。 片方があればいい、どうせ見えてないだろうと男は眼球に焼けた石を落とした。 「あぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 親まりさと赤まりさはどうしたのだろう、と男は振り返る。 二匹は、ただガタガタと震えているだけだ。 ああ、そうか……こいつらには親れいむが何をされているのか分からないのだ。 失敗したな、と頭を掻く。 そして五個目。 もうどこでもいいか、と空いてる部分にそっと置いた。中に抉り入れるのではなく、表皮が 焼けるだけだが、これはこれでまた別ベクトルの苦痛だろう。 六個目。 どうやらもう限界が近いということが分かって、男は箱を倒した。 つまり、顔を親まりさと赤まりさの方へと向けたのだ。 「ぶっびゃああああああああああああああああああああああああ!」 「おぎゃああああじゃあああああああああああああああああああああああん!!!」 親れいむは、野良ゆっくりの基準から言えばそこそこの美ゆっくりだった。その妻の顔が、 最早何かの前衛芸術かのように、奇怪で醜悪な風貌になっていた。 「…………………………………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………………………………… ………………………………………………………………………………………………………y゛」 何かを言おうとして、ドロドロに溶けた舌を微かに動かして。 それで、親れいむは死んだ。 親まりさと、赤まりさはただひたすら慟哭した。 泣き叫び、親れいむの名を呼ぶことしかできない。ただそれだけだった。 ● ● ● 男は荷物を手早く片付け、再びダンボールの中に二匹を放り込んだ。 「おどうじゃ……おどうじゃああ……」 ただ一匹残った赤まりさ。 もしかすると、自分は死ぬかもしれない。でも、せめて。せめて、このおちびちゃんだけは 助けて貰えないのだろうか。 そんな希望を抱いて、親まりさは恐怖に震える赤まりさをすーりすーりし続けた。 結論から言うと、親まりさの希望は叶った。 否、それどころではない。親まりさ自身も、殺されることなく飼いゆっくりになれたのだ。 ただし、それが果たして幸せなのかどうかは疑問の余地が残るが。 男は最初から決めていたのだ。 この二匹を、絶対に生かし続けると。 地獄になど落としてやるのは、寿命で死ぬまでだ。 それまでは、徹底的に絶望させてやる。そう、男は決心していた。 自宅に戻った男は、二匹をダンボールから転がり落とした。 「にんげんざん! おばなじぎいでぐだざ――――」 親まりさが何か言うより先、男は注射を打ち込んだ。 「………………」 「…………おどーじゃ、」 続いて、赤まりさにも。 ちくりとした痛み。あの火に比べれば、さほどではない。 これは一体、どういうことな――――。 「聞こえるか? 聞こえるだろう。目がパチパチしているから、眠っているって訳ではないだ ろうからな」 男は正面に二匹を立たせ、凄絶な笑みを浮かべて告げる。 「お前たちは今、意識があるが体は動かない状態だ。嘘だと思うなら、おさげでも何でも揺ら してみろ。喋ることすらできないだろう?」 男が注射したのは、ラムネとタバスコを一定の割合で混合したものである。 ラムネでゆっくりは麻酔にかかるが、タバスコの刺激が否応なく意識を覚醒させる。 つまり、この混合注射は「意識を保ったまま、動かなくさせる」ことが可能なのだ。 無論、痛覚などは当然ある。ただ、中枢餡が痛覚信号を送っても、餡子が麻酔を受けて動か ないだけだ。 「ここからが、本番だ。ゴミみたいな考えで、俺のちぇんを潰したクソまりさ。 ……その子供というだけで忌々しいのに、俺のちぇんを食いながらクソを垂れ流していた赤 まりさ。お前らは、生きながらにして地獄に叩き落としてやる」 男は赤まりさを掴んだ。微動だにしない赤まりさだが、まさか怯えてないはずはない。 男は片手に赤まりさ、片手に小型のナイフを持ってゆっくりと皮に切れ込みを入れ始めた。 (いじゃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! やべで! まりじ ゃの! まりじゃのもーちもーちすーべすーべのおはだざんを! ぎらないでえええええ!) 男はある程度、まるでリンゴの皮を剥くようなやり方で赤まりさの皮を剥がすと、ナイフを 一旦置いた。そうして、次にチャッカマンを手にする。 火をつけ、剥き出しの餡をゆっくりと炙り出した。 (びょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛! あんござんが! まりぢゃのゆっぐりじだあんござんが! あぢゅあぢゅあぢゅあぢゅあぢ ゅあぢゅあぢゅあぢゅあぢゅあぢゅあぢゅあぢゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!) 一通り炙り終わると、また皮を剥き始める。 徐々に徐々に、剥き出しの部分の比重が皮で覆われている部分より多くなっていく。 (おぢびじゃん! おぢびじゃんがあああああ! やべで! やべでえええええ! ぞんなぎ もぢのわ゛る゛い゛おぢびじゃんにじないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!) 親まりさは、何もできずに見つめていた。 (だずげでおどうじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! あんござんが! まりじゃのゆ っぐぢぢだあんごじゃんが! いだぐでいだぐでだばらないのおおおおおおお!) 人間とて、転んで擦り剥いただけでかなりの苦痛を感じるのだ。それが、全身となったらと てもではないが正気でいられまい。通常なら、途中で暴れ狂った末に餡子を大量に流出させて 死ぬ。 ところが、このやり方であれば餡子は漏れないのだ。固く焼かれたために流出しようがない のである。 「……よし。初めてにしては上出来だな」 親まりさの眼前に、ソレが置かれた。 「…………」 「…………」 ――これ、なに? 白い肌が残らず削り取られ、赤黒い餡子が剥き出しになったその姿。 唇がないため、歯茎も当然剥き出しだ。瞼もない、目はカッと見開かれたまま。 ――ばけもの。 親まりさの感想は、愛しい我が子に対してあまりに残酷で……もっともな感想であった。 男が手を伸ばし、親まりさを掴む。 「さあ、メインイベントだ」 「…………」 「お前はデカいからな。気合いを入れていくぞ」 たとえ有給休暇を全て使い果たしても、そのことで文句を言われようとも男はこれを成し遂 げるつもりだった。 その憎悪の前では、親まりさと赤まりさの家族愛など――何の意味もなかったに違いない。 ぞりぞりぞりぞり。 (――やべでぐだざい) ごぅごぅごぅごぅ。 (――いだいでず、やめでぐだざい) ぞりぞりぞりぞり。 (――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛お゛ね゛がい゛い゛い゛!) 激痛が襲いかかる中、親まりさはどうしてこうなったのだろうと考える。 上手くいくと思ったのに、絶対に上手くいくと思ったのに。 せめて、ちぇんを殺さなければ良かった……。ゆっくりごろしはゆっくりできないはずなの に。どうしてゆっくりしていたちぇんを殺してしまったのだろう。 どうして、どうして、どうして……。 後悔と絶望、そして苦痛。 親まりさがこの一日で味わい続けたものの、まさに集大成であった。 ● ● ● 「……できた」 疲れ果てた表情で、男は二体のゆっくりを見やる。 「ゅ……」 「ぃ……」 白い肌は全て取っ払われた。髪の毛も、おさげも、何もかも全て。 残されたのは剥き出しの瞳、剥き出しの口、そして唯一無事なのがあんよだ。 だが、まりさたちは動けない。 動くと崩れる、そんな恐怖が本能レベルで刻み込まれているため、絶対に動けない。 たとえこのまま蟻にたかられても、そのまま食い殺されることを選ぶだろう。 男は慎重に、二匹を透明な箱の中に入れた。 成体ゆっくり用の箱だが、皮が削れてスペースが少し減ったせいだろう。親まりさの近くに 赤まりさも置いてあげることができた。 そうして、二体を向かい合わせる。 途端、二体の瞳から涙が零れ始めた。 (おどうじゃん……) (おぢびじゃん……) 目の前に居る、醜い醜いバケモノ。 それが、そのまま自分なのだと互いに理解していた。 ――数日後。 休日、男はぼんやりと窓を眺めていた。復讐は終わり、途方もなくスッキリしたが、それで もやはり悲しいものは悲しい。 「ちぇん……どうしてだ?」 そして、ちぇんが死んでからずっと心に引っかかっていたもの。 何故、ちぇんは窓を開いたのだろう。 それが分からないままでは、男は前に進めずにいた。 にゃん。 か細い、何かの鳴き声。 男は慌てて窓を開き、草むらを掻き分けた。 「猫……?」 小さく、弱々しく震える子猫がそこにいた。 足が不自由なのか、片足を引き摺っている。にも関わらず、子猫は敵意を篭めて男を睨んで いた。 「大丈夫だよ、こっちへおいで……」 不意に子猫が何かに気付き、にゃんと大きく啼いた。 男ではない。子猫の視線を追うと、男の隣に置いていたちぇんの帽子があった。 ちぇんの帽子に懐く子猫。 足の怪我。 窓を開いた理由。 瞬間、男は全てを悟った。 「な、なあお前……この帽子の、持ち主、知ってるのか……?」 言葉を理解できるはずもないのに、男はそう呼びかけてちぇんの帽子を差し出した。 子猫は、まるで母に甘えるように帽子にその身を擦りつけた。 ――そうか、そうに違いない。 あの親まりさは、恐らくこの子猫を人質に取ったのだ。 野良猫を恐れるゆっくりたちの中で、ちぇんは例外的に猫と仲良くなることがある。 男の飼っていたちぇんも、散歩の際には幾度となく猫と交流を温めていた。 ひょっとすると、その中の一匹かもしれない。 だが、親猫ならともかくとして、か弱い子猫では成体のゆっくり相手ではいかんともし難い。 まして、恐らく一匹で生きてきたのだろう。子猫はガリガリに痩せ細っていた。 足に怪我をさせたか、元々怪我をしていたのか、いずれにせよ……親まりさは、外道の手段 を選んだのだ。 男は泣いた。 ちぇんがこの窓を開いた理由を理解し、納得してただ泣いた。 分かっていたのだろう、この窓を開くことがどういう恐ろしいことになるか。 だが、それでも開かずには居られなかったのだ。 ぺろぺろと、子猫がちぇんの帽子を舐めている。男は優しく、猫の喉を撫でた。 もしかすると、ちぇんの匂いがまだ残っているのかもしれない。ごろごろと機嫌よさげに鳴 らし、子猫は男に懐きだした。 ――よし、もういいか。 男は、ようやく立ち直った。もちろん、ちぇんを失った悲しみが消える訳ではない。 だが、それでもようやく前に進もうと思えることができた。 「なあ、俺と一緒に暮らさないか?」 子猫は同意するように、にゃんと鳴いた。 ● ● ● ――そうして。親まりさと赤まりさはまだ男に飼われ続けている。 「さあ、今日は散歩に行くぞ」 男はそう言って、透明な箱を大型の袋に入れた。 (やべで……ぼう、やべでぐだざい……) 親まりさは枯れることのない涙を流す。 あれから、結局殺されなかった。剥き出しのまま、全身に激痛が走ったままであるが、とも かく生かされ続けた。 餌は背中に突き刺さったチューブから与えられ、排泄は同じくチューブで強制的にさせられ ている。 ところが、ここ最近になって男は自分たちがいる箱を外に持ち出すことが多くなっていた。 「ゆっわああ……きもちわるいんだぜ……」 「ひさんね……こんなになって、まだいきてるのね……むきゅ」 「いなかものどころか……なにものでもないわ……」 「おちびちゃんにはみせられないね……」 蔑み、恐れ、嫌悪感を剥き出しにした視線と言葉が、二匹の親子に突き刺さる。 そう、男はまるで見世物小屋のように、野良ゆっくりや野生ゆっくりに、むきだしゆっくり を見せに行くのであった。 「うわ、ないてる! きもぢわるい! おえええ!」 泣き顔すら、気持ち悪いと餡子を吐き出される。 こうやって散歩に行くたび、自分たちの無惨な姿を理解して――彼らは絶望するのだ。 ――ごろじでぐだざい。おねがいじまず、ごろじでぐだざい。このみにぐいまりざを、おろ がなまりざを、わるいまりざを、どうが、ごろじでぐだざい。 男は、その願いを叶える気は当面ない。 火刑法廷は、もう終わったのだから。 <あとがき> 40kb以上もいけるのかー、よかった。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3403.html 挿絵:車田あき 挿絵:
https://w.atwiki.jp/airmysken-wiki/pages/77.html
エアミス研読書会 第11回 ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』 (2011-10-02(日) 15 00頃~18 00頃+21 00頃~24 00頃 開催予定) 作品紹介 1937年発表 ハヤカワ文庫 広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう……伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ! 消える人影、死体消失、毒殺魔の伝説。無気味な雰囲気を孕んで展開するミステリの一級品。 ([新訳版]ハヤカワ文庫カバーより) まとめ エアミス研読書会第11回(ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』)携帯版 ネタバレURL展開まとめ前半(編集後) ネタバレURL展開まとめ後半(編集後)
https://w.atwiki.jp/kakuran/pages/26.html
ここでの格付けの定義 大どんでん返しのあるミステリー小説作品に対して、意外性の高い順に、格付けを行う。意外な真犯人については犯人が意外すぎるミステリーで扱う。 格付け表 A (予測不可能。叙述トリックがすごい) 人形館の殺人 葉桜の季節に君を想うということ B (一部で予測困難な展開がある) 月長石 すべてがFになる Zの悲劇 大誘拐 魔術師 迷路館の殺人 容疑者Xの献身 アクロイド殺し そして誰もいなくなった 本陣殺人事件 C (伏線などで予測可能) オリエント急行殺人事件 十角館の殺人 犬は勘定に入れません あるいは消えたビクトリア朝花瓶の謎 ウォッチメイカー ABC殺人事件 火刑法廷 皇帝の嗅ぎ煙草入れ ハサミ男 びっくり館の殺人 闇からの声 補足 誤字、脱字があったら修正をします。他の作品も追加してください。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3403.html
マンネリあきのSS感想用掲示板はこちら anko4304 ウルトラ全否定(野生編) anko4180 非加工所 anko3956 火刑法廷 anko3937 子まりささいっきょう論 anko3834 ゆっくりだいちゅうぜつ anko3789 優しい罰 anko3774 シティ・ジャーロ anko3728 めんどくさい anko3672 ゆっくりすーさいど anko3627 強制家族崩壊 anko3551 ゆっくりつみをあがなうよ!(後編) anko3550 ゆっくりつみをあがなうよ!(前編) anko3495 ゆっくり地獄山 anko3478 ぷーすぷーすぷーす! anko3446 まりさ一家の転落ゆん生 anko3428 子まりさと仲良し家族 anko3368 ぷりぷりもるんもるん anko3358 くらくなるまでまってね! anko3342 テンプレ的自滅シークエンス anko3312 れうこくろりぐる anko3300 何もしない 赤ゆ編 anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3238 ゆ虐思考 anko3216 愛するでいぶ
https://w.atwiki.jp/kakuran/pages/23.html
ここでの格付けの定義 良質と思われる海外の小説、劇曲作品に対して、質の高い順に、格付けを行う。なお、翻訳の良し悪しについては、格付けの基準に入れない。 格付け表 AAA (優秀作品) 火星年代記 罪と罰 指輪物語 (全シリーズ) 若きウェルテルの悩み など AA (秀作) 赤毛のアン 怒りの葡萄 宇宙戦争 歌う船 大いなる遺産 オセロ オペラ座の怪人 火刑法廷 ゲド戦記 影との戦い 航路 神曲 (ダンテ) The Legend (邦題は「地球最後の男」、「アイ アム レジェンド」など) 薔薇の名前 星を継ぐもの 真夏の夜の夢 ライ麦畑でつかまえて 老人と海 など A (良作) アッシャー家の悲劇 IT インマウスを覆う影 Xの悲劇 消えた子供たち クリスマスのフロスト クリムゾン・リバー 深海のYrr (イール) 水滸伝 世界の中心で愛を叫んだけもの ゼロ時間へ タイムマシン ダヴィンチ・コード 誰が為に鐘は鳴る 樽 (F・W・クロフツ) 透明人間 非(ナル)Aの世界 ナルニア国ものがたり 2001年宇宙の旅 ハムレット はてしない物語 ハリーポッターと賢者の石 羊たちの沈黙 ファウスト (ゲーテ) 魔術師 (ジェフリー・ディーヴァー) リア王 ロスト・シンボル ロミオとジュリエット Yの悲劇 など 補足 誤字、脱字があったら修正をします。他の作品も追加してください。
https://w.atwiki.jp/tomcatsimple/pages/11.html
MS社(-しゃ) 出展:推理 大手探偵業者。瑣末な依頼や、やっかいな事件を下請けに出すことがある。 関連:隅野、隅野会長 アイリス 出展:爆弾処理班 白ローズ系列の民間軍事組織。BBとはライバルにあたる。 関連:クリス・ミッドフォード 火刑法廷(かけいほうてい) 出展:鑑識官 カメリア・エンジニアリング 出展:爆弾処理班 赤ローズ系企業。技術開発部門。 関連:ジュディ・ハート カロン 出展:爆弾処理班 軍需企業。いわゆる死の商人。世界各地で戦争を起こさせるために暗躍している。 石油資本が母体で、バイオ燃料や水素エンジンといった新興技術を敵視している。 ジェラシックアーミー隊(-たい) 出展:爆弾処理班 強化ドッグ21分隊 関連:ジョー、ディーノ デザートウルフ 出展:爆弾処理班 中東に拠点を持つテロリスト集団。テロ事件の30%はこの組織によるものと言われている。 作中で教育キャンプが破壊されたが、組織自体は健在。 ボムバスター 出展:爆弾処理班 略称「BB」。赤ローズ系列の民間軍事組織。爆弾処理業から出発し、現在は通常の警備業などにも事業展開している。 関連:M、アポロ、ゴンザレス、ディーノ、バート、ミカ、苗、レオン 南東京市科学捜査研究所(みなみとうきょうしかがくそうさけんきゅうじょ) 出展:鑑識官 通称「南東京科研」。半民半官の捜査機関のひとつで、管轄は南東京市。奇人変人の溜まり場として、高級官僚からの印象が悪く、取り潰しの危機に陥ったこともある。 関連:芦茂伊作、指宿シモーヌ、岩原、江波識子、植木虫介、かんこさん、車早太郎、遠山・ゴールディ・桜、古畑、物部理太郎 南東京警察署(みなみとうきょうけいさつしょ) 出展:推理、鑑識官 関連:江波徹子、落葉、寒川怜、若葉 ローズ財団(-ざいだん) 出展:推理、爆弾処理班 関連:グラン・ローゼン、ジュディ・ハート、バージニア
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/168.html
2011年11月12日 韓国の出版社・三中堂(さんちゅうどう/サムジュンダン)(삼중당)が1978年から1981年にかけて刊行したミステリ叢書《三中堂ミステリ名作》全40巻のリスト。 訳者の一人であるファン・ジョンホ(黄鍾灝)氏の「韓国推理小説の現状」(『日本推理作家協会会報』1984年6月号(No.426))ではこの叢書は全48巻とされているが、韓国国立中央図書館の蔵書データを検索したところ40巻までしか見つからなかった。韓国のミステリファンのサイトなどを見ても、実際は全40巻というのが正しいようである。 三中堂ミステリ名作(1978-1981年、全40巻) 韓国語表記:삼중당 미스테리 명작 [三中堂미스테리名作] 韓国のcaspiさんのブログの記事で何冊かの表紙の写真が見られる → リンク 日本の作品は青で示す。 作者 一般的な邦題 作者名韓国語表記 韓国語タイトル 訳者 出版年 01 コナン・ドイル (シャーロック・ホームズの冒険 1) A. C. 도일 『셜록 호움즈의 모험 1』(셜록 호움즈의 冒險 1) イ・ガヒョン(李佳炯) 1978 02 コナン・ドイル 『恐怖の谷』 A. C. 도일 『공포의 계곡』(공포의 溪谷) ファン・ジョンホ(黄鍾灝) 1978 03 G・K・チェスタトン (ブラウン神父の冒険) G. K. 체스터튼 『브라운 신부의 모험』(브라운 神父의 冒險) チョン・ビョンジョ(鄭炳祖) 1978 04 E・C・ベントリー 『トレント最後の事件』 E. C. 벤틀리 『트렌트최후의 사건』(트렌트最後의 事件) チョン・ソンファン(鄭成煥) 1978 05 A・A・ミルン 『赤い家の秘密』 A. A. 밀른 『빨간집의 비밀』(빨간집의 秘密) チョン・ソンファン(鄭成煥) 1978 06 アガサ・クリスティ 『アクロイド殺し』 A. 크리스티 『애크로이드의 살해』(애크로이드의 殺害) ホン・ジュニ(洪俊憙) 1978 07 アガサ・クリスティ 『そして誰もいなくなった』 A. 크리스티 『열개의 인디언 인형』(열개의 인디언 人形) オ・イオン(呉理蘊) 1978 08 ニコラス・ブレイク 『章の終り』 N. 블레이크 『종장』(終章) チョン・ビョンジョ(鄭炳祖) 1978 09 エリック・アンブラー 『武器の道』 E. 앰블러 『무기의 통로』(武器의 通路) イム・ヨン(林英) 1978 10 イアン・フレミング 『007/カジノ・ロワイヤル』 I. 플레밍 『카지노 르와얄르』 ホン・スンビョン(洪淳昺) 1978 11 ロバート・マーカム 『007/孫大佐』 R. 마아캄 『손대령』(孫大領) チョン・ビョンジョ(鄭炳祖) 1978 12 ジョン・ル・カレ 『寒い国から帰ってきたスパイ』 J. 르카레 『추운나라에서 온 스파이』 チャン・ワンノク(張旺禄)シム・ミョンホ(沈明鎬) 1978 13 コナン・ドイル (シャーロック・ホームズの冒険 2) A. C. 도일 『셜록 호움즈의 모험 2』(셜록 호움즈의 冒險 2) イ・ガヒョン(李佳炯) 1978 14 エラリー・クイーン (エラリー・クイーンの冒険) 엘러리 쿠인 『엘러리 쿠인의 모험』(엘러리 쿠인의 冒險) イ・ガヒョン(李佳炯) 1978 15 E・S・ガードナー 『大胆なおとり』 E. S. 가아드너 『대담한 유혹』(대담한 誘惑) キム・ジェナム(金在枏) 1978 16 レイモンド・チャンドラー 『大いなる眠り』 R. 찬들러 『크나큰 잠』 チョン・ドゥビョン(千杜昺) 1978 17 ロス・マクドナルド 『地中の男』 R. 맥더널드 『지하인간』(地下人間) イ・ガヒョン(李佳炯) 1978 18 エド・マクベイン 『レディ・キラー』 에드 맥베인 『레이디 킬러』 キム・ウタク(金遇鐸) 1978 19 高木彬光 『破戒裁判』 다까기 아끼미쓰 『파계재판』(破戒裁判) チャン・ベギル(張伯逸) 1978 20 水上勉 『死の流域』 미나까미 쓰도무 『죽음의 유역』(죽음의 流域) キム・サンイル(金相一) 1978 21 コナン・ドイル 『緋色の研究』 A. C. 도일 『주홍색의 연구』(주홍색의 硏究) チョ・ウンジェ(趙雲済) 1979 22 アガサ・クリスティ 『オリエント急行の殺人』 A. 크리스티 『오리엔트특급의 살인』(오리엔트特急의 殺人) ペク・キルソン(白吉善) 1979 23 ジョン・ディクスン・カー 『火刑法廷』 J. D. 카아 『화형법정』(火刑法廷) ファン・ジョンホ(黄鍾灝) 1979 24 エドガー・アラン・ポー (ポー推理名作選) E. A. 포우 『포우 추리명작선』(포우 推理名作選) キム・ジョンス(金貞洙) 1979 25 レックス・スタウト 『料理長が多すぎる』 R. 스타우트 『요리장이 너무많다』(料理長이 너무많다) ユン・ジョンヒョク(尹鍾爀) 1979 26 エド・マクベイン 『はめ絵』 에드 맥베인 『찢겨진 사진』(찢겨진 寫眞) チョン・スンゴル(千勝傑) 1979 27 ペール・ヴァールーマイ・シューヴァル 『笑う警官』 P. 왈루우M. 슈왈 『웃는 경관』(웃는 警官) イ・ガヒョン(李佳炯) 1979 28 横溝正史 『蝶々殺人事件』 요꼬미조 세이시 『나비부인 살인사건』(나비부인 殺人事件) チェ・イルス(崔一秀) 1979 29 黒岩重吾 『真昼の罠』 구로이와 주우고 『대낮의 함정』(대낮의 陷穽) クォン・イルソン(権逸松) 1979 30 森村誠一 『野性の証明』 모리무라 세이이찌 『야성의 증명』(野性의 證明) キム・ジョンウ(金貞宇) 1979 31 F・W・クロフツ 『フレンチ警部最大の事件』 F. W. 크로프츠 『프렌치경감 최대의 사건』(프렌치警監 最大의 事件) イ・ギソク(李基錫) 1980 32 サマセット・モーム 『アシェンデン』 S. 모옴 『어센덴』 ハ・ヨンジン(河永辰) 1980 33 J・D・カー 『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』 J. D. 카아 『황제의 코담배갑』(皇帝의 코담배갑) ファン・ジョンホ(黄鍾灝) 1980 34 ジョルジュ・シムノン 『黄色い犬』 G. 시므농 『황견』(黃犬) キム・イジョン(金義貞) 1980 35 坂口安吾 『不連続殺人事件』 사까구찌 앙고 『불연속살인사건』(不連續殺人事件) ヒョン・ジェフン(玄在勲) 1980 36 佐野洋 『金色の喪章』 사노 요오 『금색의 상장』(金色의 喪章) キム・ジョンウ(金貞宇) 1980 37 (世界推理傑作選) 『세계추리걸작선』(世界推理傑作選) イ・ガヒョン(李佳炯) 1980 38 アガサ・クリスティ 『無実はさいなむ』 A. 크리스티 『나는 결백하다』 (文龍) 1981 39 ジョン・ディクスン・カー 『魔女の隠れ家』 J. D. 카아 『마녀의 은신처』(魔女의 은신처) イ・ガヒョン(李佳炯) 1981 40 E・S・ガードナー 『義眼殺人事件』 E. S. 가아드너 『유리눈의 사나이』 イ・ガヒョン(李佳炯) 1981 01 『シャーロック・ホームズの冒険 1』 8編収録「ボヘミアの醜聞」、「赤毛組合」、「花婿の正体」、「ボスコム谷の惨劇」、「五つのオレンジの種」、「くちびるのねじれた男」、「青い柘榴石」、「まだらの紐」 13 『シャーロック・ホームズの冒険 2』 6編収録「技師の親指」、「独身の貴族」、「緑柱石の宝冠」、「ぶなの木屋敷の怪」、「銀星号事件」、「黄色い顔」 03 『ブラウン神父の冒険』 8編収録「飛ぶ星」、「イズレイル・ガウの誉れ」、「狂った形」、「神の鉄槌」、「アポロの眼」、「折れた剣」、「青い十字架」、「天の矢」 14 『エラリー・クイーンの冒険』 3編収録「七匹の黒猫の冒険」、「は茶め茶会の冒険」、「神の灯」 24 『ポー推理名作選』 5編収録「モルグ街の殺人」、「マリー・ロジェの謎」、「盗まれた手紙」、「「お前が犯人だ」」、「黄金虫」 34 ジョルジュ・シムノン『黄色い犬』 2編収録「黄色い犬」、「メグレのパイプ」 37 『世界推理傑作選』の収録作ドロシー・L・セイヤーズ「疑惑」 F・W・クロフツ「ブーメラン」(別題「一石二鳥」) サマセット・モーム「密林の足跡」 カーター・ディクスン 不明(直訳:「密室の犯罪」) M・D・ポースト 不明(直訳:「神の裁判」) ダシール・ハメット「カウフィグナル島の略奪」 E・S・ガードナー 不明(直訳:「怒った証人」) ヘンリー・スレッサー 不明(直訳:「悪人は地獄に」) 松本清張「顔」 (※以上のリストは韓国国立中央図書館の蔵書データを検索して作成した。) 主要翻訳者紹介 イ・ガヒョン(李佳炯):『シャーロック・ホームズの冒険』1・2、『エラリー・クイーンの冒険』、『地中の男』、『笑う警官』、『魔女の隠れ家』、『義眼殺人事件』、『世界推理傑作選』を翻訳 ファン・ジョンホ(黄鍾灝):『恐怖の谷』、『火刑法廷』、『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』を翻訳 ヒョン・ジェフン(玄在勲):『不連続殺人事件』を翻訳 以上の3人については、河西出版社《世界推理文学全集》(全20巻)、《河西推理選書》(全36巻)の翻訳者紹介で紹介している。
https://w.atwiki.jp/bokuserve/pages/535.html
【元ネタ】史実 【CLASS】アサシン 【マスター】 【真名】マリー・マドレーヌ・ドルー・ドブレー 【性別】女性 【身長・体重】161cm・50kg 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力B 幸運C 宝具C 【クラス別スキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を断てば発見する事は難しい。 【固有スキル】 道具作成:C 魔術的な道具を作成する技能。 特に毒薬を作ることに秀でている。 精神汚染:B 精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。 ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。 【宝具】 『毒殺遊戯(マルキス・ド・ブランヴィリエ)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大捕捉:30人 愛人サンクロワより調合法を教えられた毒薬。 ブランヴィリエ夫人の周囲には常に、自身の作成した毒薬が霧状となって漂っており、 周囲に存在する者に、常に毒によるダメージを与え続ける。 また、その毒霧を操り、対象に纏わりつかせることで、 徐々に対象の身体に、毒を浸食させてゆくことができる。 この毒霧は、無色、無臭で魔力の気配も遮断するため、発見することは非常に難しい。 【解説】 パリの司法官アントワーヌ・ドルー・ドブレーの長女として生まれる。 21歳でブランヴィリエ侯爵アントワーヌ・ゴブランに嫁いだが、愛人との派手な不倫生活をおくった。 愛人と共謀して、遺産目当てに父親を毒殺するため慈善病院に熱心に通いつめ、病人相手に人体実験を繰り返して毒の効果を試した後、父親に少しずつ毒を盛って殺害した。 その後、遺産を独り占めにするために兄弟たちも始末し、その娘や夫たちも狙った。 しかし愛人が事故死し、自宅から犯行の記された手紙を警察に押収されたことから、国外に脱出してヨーロッパ各地を転々とし、最後に修道院に身を潜めた。 そこでひっそりと生活しながら告白録を執筆したが、刑事におびき寄せられて外に出た所を逮捕された。 裁判では全く罪悪感を見せなかったが、火刑法廷で拷問されるとさすがに反省した。 死刑を宣告され、即刻斬首された。