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永遠フレンズ 永遠フレンズ アーティスト Printemps 発売日 2014年11月12日 レーベル ランティス デイリー最高順位 1位(2014年11月13日) 週間最高順位 1位(2014年11月18日) 月間最高順位 1位(2014年11月) 年間最高順位 15位(2014年) 初動売上 38546 累計売上 73630 ゴールド 週間1位 月間1位 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 永遠フレンズ ラブライブ! 2 小夜啼鳥恋詩 ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 11/18 1 新 38546 38546 2 11/25 4 ↓ 8876 47422 3 12/2 6 ↓ 5901 53323 2014年11月 1 新 53323 53323 4 12/9 14 ↓ 2158 55481 5 12/16 12 ↑ 1859 57340 6 12/23 16 ↓ 1398 58738 7 12/30 8 ↑ 3311 62049 8 15/1/6 8 → 1972 64021 2014年12月 13 ↓ 10698 64021 9 1/13 10 ↓ 1211 65232 10 1/20 10 → 1737 66969 11 1/27 11 ↓ 1357 68326 12 2/3 ↓ 1047 69373 2015年1月 14 ↓ 5352 69373 13 2/10 881 70254 14 2/17 685 70939 15 2/24 465 71404 16 3/3 417 71821 2015年2月 ↓ 2448 71821 17 3/10 326 72147 18 3/17 277 72424 19 3/24 234 72658 20 3/31 266 72924 2015年3月 1103 72924 21 4/7 217 73141 22 4/14 208 73349 23 4/28 281 73630 2015年4月 706 73630 関連CD Pure girls project WAO-WAO Powerful day! 秋のあなたの空遠く
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永遠フレンズ ◆Z9iNYeY9a2 前回のパラレルワールド・バトルロワイヤル、織莉子編! わた…最愛の友、呉キリカを看取った織莉子! 「私は―――――――――進みます」 その足は鹿目邸へと一直線に向かう! ―――わたし(あなた)の世界を救うためなら、私はどんな罪を背負う事になろうとも、構わない そしてようやく見つけた抹殺対象・鹿目まどか、しかしその行く先を阻む憎き存在は小さな魔法少女・美遊。 「本当に、道化のような、哀れなお話」 「そんな犠牲のことを、絶対に救いとは認めない!!」 そして始まる織莉子と美遊の魔法少女対決。 (お願いキリカ、力を貸して――――!) 激闘の末、まどかに重症を追わせることには成功。でも疲れちゃってそのままダウンしちゃった。 一体どうなっちゃうんだ織莉子~?!頑張れ織莉子ー! ◇ 「ねえ、キリカ」 「何だい織莉子」 そこはのどかな昼下がりの、自宅の庭。 唯一の心許せる者との、安らぎの一時だった。 「あなたには夢はあるのかしら?」 「あははは、何を今更。私は織莉子といられるなら何も望まないよ」 何を分かりきったことを聞くのか、とでも言わんばかりに笑うキリカ。 そんないつも通りの彼女の姿に思わず微笑む織莉子。 「そういう織莉子、君はどうなんだい? 鹿目まどかを殺した後のことは、どうするのかとか考えてるのかい?」 「私?私は……特に考えてないわね。彼女を殺すことに自分の全てをかけるつもりだし、もしそれが果たされるならこの生命が終わっても構わないと思ってるから」 そう答えると、キリカは突然織莉子の目の前に体をズイ、と乗り出す。 「そんなのダメだよ!織莉子はこれまでたくさん苦しんできたんだから! だから世界を救って皆を守ったんだったら、もっともっと幸せになる権利があるはずだよ!」 「でも、私はそれまでに色んな人を傷つけてきたわ。全を救うための犠牲と割りきって多くの無関係なはずの魔法少女達を傷つけ、殺して。 世界を救うことはその贖罪よ。だから幸せになる権利なんて――――」 「全くもう!どうして君はそう、いつも自分のことを見ないんだ!」 うがー!と怒るように織莉子に迫るキリカ。 微笑ましくなる姿だが、キリカの言葉もあってあまりそんな気持ちにはなれない。 「織莉子、私にとって一番の幸せはね、君と一緒にいられることだけどさ。 その次だって言えるくらいには君の笑顔が好きなんだよ」 キリカは真剣な表情で、じっとこちらを見据えてそう告げる。 「君と一緒にいられるなら、君が笑顔で居られるなら、例え世界の全てが敵に回ることがあっても織莉子の傍にいたいって、本気で思ってるんだからね」 「…ふふっ。でも本当に敵になられるってのも困りそうよね。何しろ私の守りたいもの全部が敵に回るんですもの」 「え、…あ、え~っと、それはあれだ、言葉の綾だよ!喩え話だよ!」 「本気で思ってるって言ってなかった?」 「も~!この話終わり!」 顔を真っ赤にして腕をブンブン振り回すキリカ。 そんな彼女の姿を見ていると自然と笑いがこみ上げてきた。 が、しばらく経ち落ち着くと、また真剣な顔になって織莉子の顔を見つめて話し始めた。 「まあ、そうは言っても一番の幸せだった織莉子の傍にいるってのは、もう無理になっちゃったわけだしさ。 だからせめて、君には笑っていて欲しいんだ。 辛いこともたくさんあるかもしれないけど、それでもきっと幸せになってて欲しいってさ」 「キリカ…?」 「うん、そろそろ時間のようだね。短い時間だったけど楽しかったよ。 織莉子、私はずっと織莉子のこと見守ってるから。君は一人じゃないから。 だから、こっちに来ようなんてことは絶対に思っちゃダメだからね」 キリカの言葉の意味が分からない。 ただ、何か嫌な予感がしていた。 ここで彼女と別れたら、もう二度と会えないような―――― いや、待て。確か、キリカは…もう。 「体がなくなったとしても、私はずっと織莉子の傍にいるから。 例え世界の全てが敵に回ったとしても永遠に君の、君だけの味方だからね。織莉子」 「待って、キリカ!まだあなたと―――――」 キリカの呟きと共に、彼女との距離が手を伸ばしても届かないほどに遠ざかっていき。 同時に、周囲の庭の風景も闇色に暗転していく。 まるでその光景は、最初から幻だったとでもいうかのように。 「だから、君は頑張って、君の幸せを見つけてくれ、織莉子」 「待って、キリカ!!」 遠ざかっていくキリカに向けて、織莉子は届かぬ手を伸ばし。 ◇ 「――――キリカ!!」 ガバッと身を起こす織莉子。 そこは見知らぬ天井、見知らぬ部屋。 あの庭ではないし、己の家の部屋でもない。 見ず知らずの民家の、その一室で寝かされていたようだった。 「…ここは?」 「目が覚めたか」 そしてその部屋の隅で、ニドキングを呼び出した状態で支給品を広げているサカキ。 「全てが終わった様子だったから見に行けば、ボロボロになった家で君が気絶していたのでな。 すぐ近くの家に移らせてもらった。 しかしずいぶんと派手にやったものだな」 チラリと窓の外を見ると、鹿目邸が視界に移る。 そこにあった家には、2階部分は見る影もなくなり、その他の場所もところどころにヒビの入って窓は無事なものがない。 チラチラと壁に刺さっている岩は自分の使ったものだ。 「…、あの後家から飛び出したものはどこに向かって行ったか分かりますか?」 「方角的には西だろう。そこに向けてものすごい速さで飛び出していく光が見えたからな。 しかしそれを追うのは諦めた方がいいだろう。何せ、君が眠ってから既に一時間近くの時間が経過している」 「…!そんなに……」 慌てて時計を取り出し時間を確認する織莉子。 すると確かにあの戦闘の前よりも一時間近くの時間を経ている。 今から追ったとしても見つけることは難しいだろう。 「で、どうする?追うというのなら別に止めはせんが」 「いえ、今は保留にしておきます。アレが飛び出す瞬間、私は確かに致命傷を入れたはず。 次の放送で生存が確認できた際に、改めて探し出します」 あの傷は時間が経過すれば死に至るほどのもののはず。 もし彼女が命を落としてくれたなら、探すだけ時間の無駄だ。 不安こそあるが、次の放送で名前が呼ばれなかった時に改めて彼女を狙うとしよう。 もしそこに不安要素があるとすれば、あの場で口にしたことをキュウべえが耳にしていたら、ということだが。 だがそれも鹿目まどかの生存が確認できないうちに気にしていても仕方のないことだ。 未来視がはっきりと行えない現状の自分が疎ましい。 加えて、万が一生きていたとすればあの処置が間に合ったということ。 その場合これから向かう予定の病院に鹿目まどかの姿がある可能性は高い。 もしそこで生存を確認できたなら、そこで改めて決着をつけるだけだ。 「なるほど、では当面は君は目的を達成できたことにする、という認識でいいのかね?」 「はい。彼女に関しての行動は次の放送までは保留とします」 「ふむ。では、今後のことになるが」 サカキは織莉子が目的を達した後のことについての相談を始める。 予定としては市街地を巡った後で病院へと向かう予定のはずだった。 しかし、現状織莉子の目的が達された以上、市街地を探索する意味は果たしてあるのだろうか。 「…サカキさん、私が眠っている間、あそこに何者かが近付いてきた形跡はありましたか?」 「いや、特に誰もやってくるような様子はなかったな」 「では市街地の散策は無意味でしょう。 あれだけの戦闘音を立てたのですから、もし誰かいるなら寄ってくるはずですし、そうでないならもう離れてるはずです。 少なくとも他者を探す、という観点においてはこの市街地に留まる意味はないでしょう」 「そうか、ではもうしばらく休息をとった後で病院に向かうとするか」 「あ、いえ。もう大丈夫です。休憩ならもう十分です」 そう言って起き上がろうとする織莉子を、サカキは止める。 「まあ待て。現状の君にはそう行動を急がねばならない理由もない。 ならば十分に休んで万全の状態で行動を始めるべきだろう。 少なくとも疲弊して肝心な時に失敗するような同行者と一緒に行動したいと思う者はいないぞ」 「…………」 確かに鹿目まどかの件を現状保留とした以上、行動を急ぐ理由もないはずだ。 ソウルジェムを見ると、濁り自体は決して少ないものではないが、しかし魔力さえ節約できるならまだ余裕はある。 自分の魔力を用いて疲労を回復させるよりも、自然回復を待った方がいいだろう。 「そうですね、もうしばらくここで休ませてもらいます」 「懸命な判断だ」 ◇ そうしてしばらく、サカキは支給品に混じっていたわざマシンの操作に入り始めた。 先ほどニドキングが覚えたステルスロックという技ともう一つ。 あのステルスロックという技は、本来は入れ替わり毎に場に現れる相手のポケモンにダメージを与えるというものであり、バトルにおいては後退や逃走に対する心理的な圧力になるとか。 もう一つのわざマシンの方はマジカルシャインといい、ニドキングでは覚えることのできないものであるため使えないらしいが。 しかしそのわざマシンにはどうにも分からないことが多かった。 ジムリーダーを兼業している以上それなりにポケモンに関する知識を持っていたはずのサカキにも聞いたことのない技だ。 タイプもまた、フェアリータイプと聞き覚えのないものが登録されている。 もしかしたら自分の知らないポケモンのタイプか何かだろうか。 あるいはオーキド博士のようなポケモンに詳しい人間ならば何か情報を持っていたかもしれない。 その者も先の放送で名を呼ばれもうこの世にはいないのが惜しまれる。 「フェアリー…、妖精ですか。確かにこの子には不似合いに見えますが」 「こいつはこう見えても海上を泳いだり電撃を発したりという芸当も可能なのだよ。あまり外見で判断するのは関心せんな」 「ちなみにこれはどのような技なのですか?」 「強力な光を発して相手を攻撃するものらしい。攻撃範囲も広く、相手が複数なら一度にまとめて攻撃することも可能だとか」 「なるほど…。そういえばこの機械って、ポケモンにしか使えないものなのですか?」 「ああ、少なくとも人間が習得できるようなものではない」 それは、ほんの好奇心だったのかもしれない。 織莉子はその返答に対してこう答えていた。 「では、それをもし私のような魔法少女やそれに類する者が使った場合はどうなるのでしょう?」 「ハハハ、やってみるかね?」 受け取ったそれを、聞いた使い方通りに使用してみる織莉子。 トゥトゥ わざマシンを起動した! 中にはマジカルシャインが記録されていた! マジカルシャインを覚えさせますか? はい 織莉子はマジカルシャインを覚えた! テテテテーン 「……えっと、できたみたいです」 「…………」 「…………」 「ギャ?」 わけも分からず沈黙する織莉子と、絶句するサカキ。 そしてそんな2人を見て首をかしげるニドキング。 「…まあ、魔法少女は不条理を覆す存在だって言ってた者もいましたし」 「それが君がポケモンの技をわざマシンで覚えられた説明にはならないと思うのだが」 「ですよね」 どうやら美国織莉子の魔力を以って相手を攻撃する能力とそのマジカルシャインという技は相性がよかったらしい。 マジカルシャイン―――魔法の光。 世界を照らそうとする美国織莉子という輝き――――。 (なら、あるいは他にもポケモン以外にわざマシンを使える者がいるということか?) 少なくともこれまでの自分であればポケモン以外の、それも人間に対してそんなことが起こり得るなどという発想はすることなどなかっただろう。 そんな常識を、こんな子供にひっくり返されるなど。 (―――面白い) 「そういえば、まだ聞いていなかったが」 「はい?」 「君が殺さねばならないと言っていたターゲットは殺した……まあまだ分からないというがそう仮定しておこう。 その後は君はこの殺し合いの儀式を打破したいと、そう言っていたな」 「はい」 「では、その後は何かあるのか? 殺さねばならない相手は抹殺したとして、その後のことは」 サカキが聞きたいのは、おそらくその抹殺対象を殺した後で織莉子がやりたいと思っていることを聞いているのだろう。 今はまだいい。殺し合いの打破という目的を持っているのだから。 しかし、その後はどうするつもりなのだろうか。 「詳しい内容まで聞くつもりはない。ただあるかないかに対してイエスかノーかで答えてくれるだけでいい」 「……特に、考えてないですね。そもそも当初の目的のためになら命を投げ出す覚悟でしたし」 「なるほどな」 特に隠している、という様子もない。 別に隠していたところでそれを追求するつもりもない。ただそれを持っているかどうかという事実が重要だっただけだ。 持っていないのであれば、その先の話に繋げることができる。 「ではどうだろう?ここから抜け出した際には、私の部下――とは言わないが協力者になる、というのは」 「協力者、とは?」 「私はここに連れてこられる直前まで、私自身が作った組織を再建するための修行をしていてね。 まだその時ではない、と思っていたのだが私を慕っていた部下に呼びかけられて、再度表舞台に出ようと思っていたところだったんだよ。 もし何も考えてない、何もないと言うのなら私の組織を建て直すことに協力する、というのはどうだろう?」 それはロケット団に勧誘しようというものだった。 彼女を自分の組織に、という決断にはサカキなりの根拠がある。 ポケモンバトルにも応用することができる特殊能力。 まだ子供ながらも自分のような大人にも屈せずに腹芸を行える度胸。 若さ故か経験の浅さもないわけではないが、逆にいえばそれは可能性の塊ということだ。年齢が評価を下げる要因にはし難い。 実際自分を負かしロケット団を解散するという決断をさせた者はこの少女よりも年下の子供だったのだ。 「君の存在があれば、私の組織もまた違う形で変わることもできるのではないかと、そう思うのだよ」 「…サカキさんの組織に、ですか」 「ああ、別にすぐに返事を、とは言わんさ。この殺し合いから抜け出すまでに答えを出していてくれればいい」 「そうですね、少し考えさせて欲しいことではありますが、その前に。 サカキさんの組織、というのは一体どのようなことをされているのですか?」 ◇ 「お断りします」 そうして自分の組織・ロケット団について軽く掻い摘んで説明してみたところ、織莉子の返答はにべもなかった。 まあそういう反応自体も別に全く想像していなかったわけではないが。 「ははは、やはり悪事をやっている組織、というものは気に入らんか」 「そうですね、もしこのような場でなければ真っ先に敵対対象ともなったでしょう」 他者のポケモンや財産を奪うこと、そうして儲けた金でさらに組織を巨大化させ多くの街を、地域を制圧すること。 漠然としているが、やっていることはおそらく織莉子の知識でいうならばマフィアのそれとあまり変わりはしないだろう。 ただ、何となくそれが組織の目標だと言われれば納得してしまいそうな風格をサカキが備えていたのも事実だ。 しかしそれでも、元来強い正義感と正しくあるように心がけてきた織莉子にとっては、その組織は受け入れられるものではなかった。 「ふむ、一考にも値せんか?」 「はい」 その瞳には一欠片の迷いも感じられない。 まるでかつて自分を倒したあのトレーナーのようにも見える。 これ以上は無駄だろう。この話はここで終わりだ。 「分かった。じゃあこの話は無かったことにしよう。 しかしどうして私がこんな話を持ちかけたか、君には分かるか?」 問題はここからだ。 「…いえ」 「君は未来を見ることができると言っていたが、しかしその割に君自身の未来というものは形を持っていない。 特に目的というものを達した後のビジョンが君には無いようにも見える。 それは生きる意思にも繋がる重要なものだ。特にこのような場所ではな。 私とて死ぬわけにはいかない。生存確率は上げておく必要がある。 ならば、同行者の不安要素は取り除いておきたいのだよ」 正直余計なお世話かもしれないし、これまで一線を引いてきた上では少し踏み込み過ぎた話かもしれない。 だが、この娘に対して興味深いものを感じたこと、それなりに高く買っていることも事実だ。 そして、そうした評価を下した自分の観察眼が間違ったものであるということも認めたいものではない。 「私の、ビジョンですか」 「ああ。私としては自殺志願者予備軍に近い者と一緒に行動したくはないからな」 言われて、織莉子は考える。 自分のやることは何か、と。 鹿目まどかを殺し。 この儀式を打破した後に何をするのか。 しかし、考えれば考えるほどに自分には何もないことに思い至ってしまう。 唯一あったものはキリカとの絆だったが、それももう望むべくもないものだ。 思い返せば、色んな未来を見てきはしたが、自分のもっと先の未来を見たことは一度もなかった。 せいぜい戦闘中の動きについてのものくらいだ。 (こんな時だったら、キリカは何ていうのかしらね…) ふと思わず、もういないはずの友人に思いをはせてしまう。 やはりあの子がいなければダメなのだろうか、とそう思って手を下ろした時。 何か固いものに触れた。 何だろうと思いながらもそれを手に取る。 服に引っ付いていたものは真っ赤に濡れていた跡がある。おそらくは血がついていたのだろう。 そしてその血が乾いた影響で服とくっついてこの場まで持ってきてしまったということか。 それは、宝石の破片。 他でもない、鹿目まどかに一糸報いるために使われたもの。 そして織莉子にとっては大切な意味を持った、彼女の遺品。 ―――――例え世界の全てが敵に回ったとしても永遠に君の、君だけの味方だからね。 ―――――だから、君は頑張って、君の幸せを見つけてくれ、織莉子。 そんな会話をした覚えなどないというのに、何故かそんなことを言われた気がする。 私自身の幸せ。私としての願い。 キリカのいる世界を、あの子と共にいられる場所を守るため。 どこかで聞いたそんな言葉が本当にキリカの言ったものであるのならば。 私の守るべきものは―――― 「そうですね…。いくら考えてもあなたの組織に協力などできませんね」 そこはきっと譲れないだろう。 だが。 「ですが、サカキさんの世界であなたの組織の活動を食い止めて人々を守る、くらいのことはできそうな気がします」 例え見えなくてもキリカがずっと傍にいるという言葉が夢でないというなら。 守るべきは自分自身。自分が自分でいられるような場所。 「フッ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 そんな返答を受けたサカキは笑っていた。 それはこの協力関係に終わりがくれば敵対する、という宣言であるはずなのに。 「やはり面白いやつだ、君は。 ならば私は君に潰されるようなことのないような強い組織を作り直す必要があるな」 「ええ、ですが」 「分かっている。その前に今はこの状況を打開することが優先だ。それまでは協力関係は続く。 それでいいんだろう?」 「それで問題ありません」 結局この一線を引いた距離感そのものはこの場では縮まることはないだろう。 だけど、距離は変わらずとも、その関係自体には若干の変化があったような、そんな気がしていた。 ◇ 「さて、ではそろそろ出るか。 向かう先は病院、でいいのだよな?」 「はい。しかしもし私が戦った彼女がまだ生きているということが分かれば、全てにおいてそちらを優先させていただきますが」 「構わんさ。だが他の目的を忘れてもらっては困るぞ?」 「その点に関してはご心配なく」 そうして2人は、病院に向けて出発した。 草加雅人が言っていた、Lなる人物と待ち合わせを予定している場所。 しかし織莉子の見た未来から、あるいは何かしらの危険な何かが発生している可能性もある。 あれから時間も経過してしまっている以上、収まっている可能性もあるが、まだ何かしらの危険が残っている可能性も逆に有り得る。 あるいはそれがあの黒き騎士によるものであるとするのならば。 (…落ち着きなさい美国織莉子、復讐に我を忘れては身を滅ぼすだけよ) 復讐に身を焦がして本来の目的を忘れることもまた愚行。 今の残り魔力を鑑みて配分も考えた上で、冷静に対処しなければならない。 死ぬためではない。生きるために。 キリカの生きた証として、私が生きていくために。 囚われた過去ではない、未来を生きていくために。 【D-6/町村地帯/一日目 午後】 【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】 [状態]:ソウルジェムの穢れ(4割)、白女の制服姿、疲労(小)、ダメージ(小) [装備]:グリーフシード(濁り 満タン)、砕けたソウルジェム(キリカ、まどかの血に染まっている) [道具]:共通支給品一式、ひでんマシン3(なみのり)@ポケットモンスター(ゲーム) [思考・状況] 基本:何としても生き残り、自分の使命を果たす。 1:鹿目まどかの抹殺を優先するのはその生存が確定されるまで保留。最遅でも次の放送。 2:優先するのは自分の使命。そのために必要な手は選ばない。しかし使命を果たした後のことも考えておく 3:キリカを殺した者(セイバー)を必ず討つ。そのために必要となる力を集める。 4:ポケモン、オルフェノクに詳しい人物から詳しく情報を聞き出す。 5:積極的に殺し合いに乗るつもりはない。ただし、邪魔をする者は排除する 6:サカキと行動を共にする。 7:美遊・エーデルフェルトの在り方に憤り。もし次にあったら―――――? [備考] ※参加時期は第4話終了直後。キリカの傷を治す前 ※ポケモン、オルフェノクについて少し知りました。 ※ポケモン城の一階と地下の入り口付近を調査しました。 ※キュゥべえが協力していることはないと考えていましたが、少し懐疑的になっています。 ※鹿目まどかに小さくない傷を負わせたことは確信していますがその生死までは確信できていません。 未来視を以ってしても確認できない様子です。 ※マジカルシャインを習得しました。技の使用には魔力を消費します。 【サカキ@ポケットモンスター(ゲーム)】 [状態]:左腕に裂傷(軽度) [装備]:高性能デバイス、ニドキングのモンスターボール(ダメージ(小)疲労(小))@ポケットモンスター(ゲーム) [道具]:共通支給品一式 、技マシン(ステルスロック)@ポケットモンスター(ゲーム) [思考・状況] 基本:どのような手段を使ってでも生き残る。ただし、殺し合いに乗るつもりは今のところない 1:『使えそうな者』を探し、生き残るために利用する 2:織莉子に同行する。暫くは自由にさせるが主導権は渡さない。 3:病院へ向かう。 4:ポケモン、オルフェノク、魔女に詳しい人物から詳しく情報を聞き出す。 5:力を蓄えた後ポケモン城に戻る(少なくともニドキングとサイドンはどうにかする) 6:『強さ』とは……何だ? 7:高性能デバイスの存在は伏せておく。 8:他にわざマシンが存在しないか、またそれをポケモン以外の者が使えるかどうかも確認したい。 [備考] ※『ハートゴールド・ソウルシルバー』のセレビィイベント発生直前の時間からの参戦です ※服装は黒のスーツ、その上に黒のコートを羽織り、黒い帽子を頭に被っています ※織莉子の予知能力について大凡明確に理解しました。 ※ポケモン城の一階と地下の入り口付近を調査しました。 ※サイドンについてはパラレルワールドのものではなく、修行中に進化し後に手放した自身のサイドンのコピーだと思っています。 122 マドルチェプリンセスの憂鬱 投下順に読む 124 閃光の真実と深淵の影 時系列順に読む 112 Fragment Hope 美国織莉子 126 憎悪-Badblood mind サカキ
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永遠フレンズ ◆yX/9K6uV4E ――――今だけだと言わないでよ。 永遠だよ……友達だよ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 思い出すのは、楽しいこと。 二人で歌っていた歌。 幸せだった頃の歌。 親友同士だった頃の歌。 ただ、友達で騒いで、思いあってるだけで良かった日の事。 今も、忘れるわけがない。 二人だけの楽しい思い出。 「ハッピース! 私達、出会えてよかったよね!」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「夕美……ちゃん……?」 携帯端末に表示された名前に、高森藍子は困惑してしまう。 大切な親友、行方が唯一解らない仲間。 ずっと心配だった彼女との邂逅が、まさかこんな形になるとは思いもよらなかったから。 でも、それと同時にどういうことだろうと藍子は考える。 この端末を手にした時、調べたけれども通話の機能なんて見つからなかった。 もしそんな機能があったとしたら、皆とっくに使っていただろう。 なのに、夕美ちゃんだけなんでできるんだろう? 疑問に思考が停止する。 一瞬、脳裏に浮かんだのは『悪役』という言葉。 存在するかもしれない主催者の息がかかったアイドルという。 そんな存在なら通話も可能だろうか。 相葉夕美は、もしかして…… 「ううん……そんな筈ないよ」 違う、と藍子は思った。 それはほぼ確信めいたいもので。 親友を信じるからこその確信。 彼女が悪役になんてなるはずがないのだから。 それはあり得ないはずなのだ。 「………………どうしよう」 振動が止まらない携帯端末を手に、藍子は逡巡する。 出なくては、いや心の底から夕美と話がしたいと思う。 けれど、余りに唐突すぎて戸惑いが生じてしまうのだ。 ついさっき、友紀とあんな別れ方をしたところにかかってくるなんて。 今、どんな言葉を自分自身が言うかわからなくて。 ぐるぐると思考が周り、端末を握り締めたまま、少し時間がたったその時だった。 「…………あっ」 藍子の持つ端末の震えが止まり、通話待機の文字が消えた。 通話が切れたという事だろう。 藍子は電話に出なかったことを後悔する。 けど、すぐにその考えを振り払うかのように首を振った。 「大丈夫、きっとまた……かかってくる」 何故だろう、そう思ったから。 相葉夕美が危険な目にあってるから電話を切った。 やっぱり話したくないから電話を切った。 そんな風には全然思わなかった。 むしろ、絶対にもう一度かかってくる。 そういう確信が藍子の中にあった。 「だって、私と夕美ちゃんは、親友なんだから」 なぜなら高森藍子と相葉夕美は親友なのだから。 それ以上に必要とする理由なんて、藍子の中には存在しない。 それだけで充分なのだから。 安心して、夕美がもう一度かけて来るのを信じられる。 「今はとりあえず……帰らないと」 隣にいるブリッツェンにいくよと一声かけて、藍子は歩き始める。 元居た場所、警察署へ。 走り回ってる茜と友紀への心配。 そして夕美への期待とかすかな不安を抱えながら。 それでも高森藍子は後ろを振り返らず前だけを見据えて歩いていった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「はい……あっ……美穂ちゃん」 「…………うん」 こんこんと控えめな音に、栗原ネネは部屋の中に入ってくるよう促した。 入ってきた人物は遠慮しがちに、そして気まずそうにネネの表情をうかがっている。 小日向美穂、ネネに毒を飲ませた張本人が、ネネの目の前にいる。 その後ろには、見守るように、矢口美羽がいた。 あの騒動以降、そういえばまだ美穂とまともに話をしていない。 いや、美穂が避けていたのだろうとネネは思う。 どう言葉を交わせばいいのか、解らないのかなとネネは思ったから。 「あの……ネネちゃん」 「なぁに?」 美羽にそっと背を押され、美穂は小さく口を開く。 その瞳は揺れながらも、決意に満ちていて。 だから、ネネもそっと返事をする。 美穂はおずおずと、それでもしっかりと言葉を口にする。 「あの……ごめんなさいっ!」 謝っても謝りきれないけれど。 それでも、謝らないといけない。 ぺこりと頭を下げて、美穂はそのままあげようとせず。 ずっと頭を下げていた。 「わたし、とんでもないことしちゃって、ネネちゃんを傷つけて、後に残るかもしれないのに、わたし、わたし……どうしよう……ごめんなさい」 取りとめなく、言葉がどんどんと溢れる。 兎に角思いついた言葉を美穂は言ってるようで。 とても必死に見えて、ネネより年上なのに、ずっと小さく見えて。 許されないとわかっても、でも心の底から謝りたい。 そんな気持ちが本当に伝わってきて。 だから、ネネは目を閉じて 「……美穂ちゃん」 「だから……だから……ひゃい?!」 「もう、過ぎたことなんですよ」 「で、でも」 「そう、終わってしまったこと。だからもういいんです。何も変わることはない」 ただ、そう短く滔々と言った。 変わらない、終わったこと。 どんなことであっても、それはどうしようもなく変わりようがないのだから。 どんなに悔やんでも、哀しんでも。 栗原ネネの身体がこうなってしまったことは変わらない。 「……実際は、美羽ちゃんを狙ったんですよね?」 「うん……でも、ネネちゃんに……」 「そう……」 ネネは気落ちする美穂を横目に、美羽の表情をうかがう。 美羽は困ったように微笑んで、でもすっきりしたような表情で美穂を見ていた。 ということは、きっと、それはもう彼女達の中で解決したのだろう。この一件は。 それはきっと二人の未来にとってより良い形で。 ならば、もうネネがこのことに対して言うことは何もない。 「……そう、何も変わらない」 「ネネちゃん……」 「私が毒を飲んだことも、美穂ちゃんが飲ませてしまったことも、何も、何も」 「……っ」 「過去を変えることなんて出来ないんですよ」 「……あ……う……」 美穂の表情が歪んでいくのが目に見えてわかる。 ネネは少し心を痛めながらも、視線を美穂から美羽に移す。 ここから先は、とても大切な事だから。 「美羽ちゃん」 「はい……?」 「お願いがあります。美穂ちゃんと二人でいさせてくれませんか?」 「……えっと」 美羽は少しだけ戸惑い、美穂とネネを交互に見る。 やがて、ネネだけを見て。 視線を合わせて。 ネネの澄んだ瞳をみて。 「……うん、いいよ」 「ありがとう」 「外で待ってるからね。『二人』が笑ってるのを、楽しみにしてるから」 「……ええ」 安心したように、美羽は頷いて、外に出て行った。 美穂は縋るように外に出ていく美羽を見たが、美羽は笑うだけで。 頑張ってという言葉を残して、美穂は一人で、ネネと向かわなければならない。 ネネの表情はとても落ち着いていて、美穂にとってそれがとても怖かった。 「……正直、他の人に本当のことを伝えるかまだ迷っているので。でも、あなたには伝えないといけないと思うから」 「……何ですか?」 「私の身体、まだどうなるかわかりません」 「……どういうことです?」 「二回目の発作が来るかもしれません……いえ、多分来ます。それが一週間後かもしれないし、明日かもしれないし、もうすぐかもしれない」 「……っ」 「肺に来て……喉にも来て。そしたら、もう、歌えなくなります」 今はまだ楓と瑞樹、そして泉しか知らないネネが飲んだ毒の真実。 二回目の発作こそ、この毒の本領だということ。 そして、それは肺と喉を襲う、アイドルにとって致命的なものだということ。 それを聞いた瞬間、美穂の顔が真っ青になって、涙がぼろぼろとあふれはじめた。 ああ、とんでもない事をしてしまった。 どうにもならない間違いを犯してしまった。 取り返しのつかないことをしてしまった。 ことの重大さに気づいて、美穂はただ震えるだけで。 「わ、わた……し……と、とんでもな…………あぁ……!」 「…………でも、それも変わらない。あなたが選んだ道だから」 「あっ……う……」 「そして、私が先延ばしにしてしまった答えのツケかもしれない」 でも、とネネは言葉を続ける。 そう、何も変わらない。 たとえ、どんなに悔やんだとしても。 でも、 「あなたが私に毒を飲ませた結果。それは変わらなくて……でも終わったこと」 「…………」 泣いて、言葉が出ない美穂。 きっと、心の底から悔いてるのだろう。 胸を押さえて、でも美穂はネネから視線を外さない。 それが、傷ついた心を持ちながらも、美穂が手に入れた、ちっぽけかもしれないけど、大切なものなのだろう。 「……だから、大切なのは、今を見ることだと思うんです」 「……今?」 「小日向美穂が栗原ネネに毒を飲せた。そして栗原ネネの身体が蝕まれている。それは変わらない。そして、もう終わったことです」 「…………はい」 「だから、今を、未来を見ましょう。どう生きるかって」 だから、ネネは、その美穂が手に入れたものを尊いと思う。 そして、自分が手に入れた輝くものを、信じられるのだろう。 それは、希望といえるものなのかもしれないけど。 兎に角、今、ネネを突き動かしているものは、生きるということ。 「変わらないことを悔やんでも……何も帰ってこない。輝子さんの命も帰ってこない」 「……」 「だから、その選択を無下にしない為にも、私は私の命を精一杯、生きるしかないと思う」 「……せいいっぱい」 「ええ……私はまだ、歌いたい。アイドルとして。妹のために。それが私がアイドルになった理由だから」 「うん……」 「だから、私は生きるんだ……どんな時でも、哀しみを言い尽くしても始まらない。なら、歌おう。いつも、何度でも」 そう、変わらないことは変わらないことだ。 もう、終わったことだ。 でも、それを無かったことになんて出来ない。 選択したということはいつまでも残り続ける。 なら、無下にしない為に、ネネは生き続けることを選ぶ。 歌って、歌って。 アイドルであることを証明し続けて。 妹の為になると信じて。 たとえ、喉が潰れて、肺が動かなくなっても。 きっと、その選択を後悔しない。 「ねぇ、美穂ちゃん。だから私に毒を飲ませてしまったことは変わらない。そのことにいつまでも後悔しないで」 「……えっ」 「必要なのは、今、それを見つめることだと……思うんです。ねぇ、美穂ちゃん……」 ネネはそっと美穂の胸に手を向ける。 心をさ刺すように、優しく微笑みながら。 「貴方がやったことは許されることじゃないかもしれない。けど、貴方の弱さは、それを選んでしまった心の傷は、きっと貴方の輝くものに変わる」 「……そんなこと無いよ……ただ、人を殺そうとしただけ」 「……そう思わないで。貴方の弱さ、貴方の心の傷はきっと誰にも無い『力』になる」 「『力』?」 「はい。きっと、誰かを救えるくらいの力に」 小日向美穂はどこまでも弱い。 恋に揺れ、今もなお心に傷を負っている。 けれど、その弱さと傷こそ、小日向美穂しか持ってない力だろう。 弱いまま、きっと彼女は強くなれる。 それはきっと、いつか誰かを救えるくらいに。 ネネは、そう思えてならないかから。 そう、思いたいから。 「そんな、でも……わたしは」 「だから……だから……」 思いたいから。 自分がした選択を後悔しないと、思いたいから。 気がついたらネネの声は自分でもわかるくらいに震えていた。 「私に、そう思わせてくださいよ! 正直言うと、怖いんです……!」 何もかも限界だった。 襲い掛かる死の恐怖。 今が終わってしまうことが怖い。 歌えなくなることが怖くないわけがない。 「私はまだ、歌いたい! 妹のために……私のために……なのに、どうしてあなたは、私をこんな身体にしてしまったんですか!」 静かに喋っていた筈なのに、もう怒鳴り散らすぐらいになっていた。 感情の昂ぶりが抑え切れなくて。 でも、ネネは美穂を睨まず、俯いてじっと自分の手の平を見ていて。 そこに、ぽつぽつと雫が落ち始めて。 「怖いよ、怖い……嫌だ……嫌だ……やめてよ……どうして……どうして、私なんですか」 そこにあったのは、アイドルでもない栗原ネネの姿。 小さな小さな、美穂より幼い少女が。 静かに泣いていた。 「私は歌いたいのに……あなたが……あなたが!」 恨みが無いなんてわけがない。 許したくない気持ちだって沢山ある。 それでも、 「でも……! ……私は……私は……!」 ネネは顔上げて、美穂の方を見つめる。 泣きながら、叫んだ。 「これ以上、友達を責めたくないから、恨みたくないから!」 それでも、栗原ネネと小日向美穂は友達だから。 そのままでいたいから。 大切な友人だから。 だから。 「終わったこと……変わらないこと……そういうことにしてください……お願いだから!」 それが、栗原ネネの精一杯の強がり。 栗原ネネの偽りの無い、心からの想いだった。 ネネは我に返ったように、涙をぬぐって。 「……美穂ちゃん」 「……はい」 「だから、私にしたことを決して忘れないで。ずっと抱えていて。そして、それを未来に繋げてください」 美穂は、目を閉じて。 そっと、胸を撫でる。 心の傷は、まだ残っている。 そこに、ネネにやってしまったことはずっとある。 そして、アイドルとして、ただ一人の少女としてのネネの独白。 受け止めるのも精一杯だけど。 でも、それを力に、未来に昇華する為に。 ゆっくりと心を撫でて。 美穂はゆっくりと目を開けた。 涙は流れてなかった。 「はい、わたし、ずっと抱えて……それでも、生きていきますから」 それが、美穂の決意で。 ネネへの贖罪に変わるのだろう。 そう思ったから。 だから、ネネも笑って。 「はい、それで赦します」 「……あっ」 「うん、もういいから」 「うぅ……ぅう……ごめん……ごめんねぇ……」 「もう、また泣きそうなってるよ……いいから、うん、いいんだよ」 これで、美穂がネネにしてしまったことも終わり。 でも、二人が生きる道は、ずっと続いていく。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 持ち帰ったものは希望であった筈なのに。 どうしてこんなことになってるんだろう。 私――大石泉は頭を抱え、目の前に立つ藍子さんを睨んでしまう。 解っている、彼女に悪気があったわけじゃない。 しかしそれでも穏やかな心持ちではいられなかった。 「どうして、単独行動してるんですか? 誰にも言わずに……ああ、もう……」 「ごめんなさい。でも、友紀ちゃんがいなくなって……」 「わかってます……でも、川島さんにぐらい一声かけられなかったんですか、……それに茜さんを止められなかったんですか?」 「もう、気づいたときには遠く……」 「ああ、もう……」 私がここを離れている間に、友紀さんが勝手に警察署から出て行ったという。 『悪役』を倒すために。仲間を護るために。 ……ああ、何で、そんな理由で。 私の、私のミスで、私の責任だ。 『悪役』だなんて言い出さなければ。 予定してた通りに図書館へと同行させておけば。 あぁ、もう……後悔ばかりが募る。 それに釣られて茜さんまでもが行ってしまうだなんて。 あの性格なら仕方がない気もするけど、それでも。 ……わかってる。わかってるつもり。 友紀さんが勝手に離れれば藍子さんが大人しくしていられないことくらい。 雨の中、あの二人が重要な話をしていたのもわかる。 私はその中に入ることが出来なかったし、しなかったけれど。 きっとそれも起因しているのだろう。 だから、わかる。わかるけど……納得しきれない。 「…………泉ちゃん。藍子ちゃんを責めても変わらないわ」 「わかってます……」 「落ち着いて。今、友紀ちゃんと茜ちゃんが此処にいない。これは変わらない。だから、これからどうするか、考えましょう」 「…………わかりました」 こういう時、諌めてくれるのはいつも川島さんで。 私は彼女のこういう言葉に落ち着かされる。 頼りきり……なのかな。 でも、助かっている。 私は彼女の言葉を受けて、もう一度藍子さんを見つめる。 彼女は苦笑いを浮かべて、 「私、お茶を入れてきますね」 「……すいません」 「いえいえ。私のせいだから」 私達の前から理由をつけて離れていく。 私が苛立ってるのもあって、気を使わせただろうか。 また彼女自身も居辛いと思ったからか。 その両方か。 それは、わからないけど、今はそれが有難い。 川島さんと楓さん――大人の人達とみんなの前では言い辛いことを話せるから。 「……で、正直不味いのよね?」 「……ええ、まぁ、そうです。人手が少なくなるのは正直……茜さんがすぐ帰ってくればいいのですが……」 「茜ちゃん、ロケットみたいな子だからそう器用に戻ってこれるかしら……?」 「はい、だから今いる人達でどう動くか、考えなければなりません」 横合いから楓さんが直球を投げてくるが、その通りだと頷くしかない。 いい状況かというとそんなことはない。 とっても悪い状況だ。 「今居るのが七人……ですが、ネネさんを動かすことはしたくありません」 「……そうね」 「私は首輪を解除するためにこれからまた調べものがあります。けれど、それと同時に港へと船を確認しに行き、……学校ももう一度調べたい」 「泉ちゃんがここに残るとして、残り五人。……私が船を見る組に入るのは決定として……学校か」 「はい……学校に回す手が足りない……そして、警告もなされた今……なにより時間がありません」 ネネさんは重病人だからここから動けない。 私が首輪解除の為にここに残るとしても、ネネさんを診る人も別に必要だ。 更に探索すべき場所はもう二箇所ある。 川島さんを船を捜す組に入れるのは確定だが、そうすると学校を再捜索する人員が揃わない。 学校を一度でも探索した事がある私か川島さんがいないと、わざわざ改めて探索する意味合いが薄いからだ。 じゃあ、私と川島さんがそれぞれの用件を終わった後でというと……今度は時間が足りない。 それに加えて、 「やはり、茜さんと友紀さん、同時にいなくなったのが……」 活動的で体力がある二人がいないのは痛い。 色々な足になる彼女達がいないのは本当に……辛い。 人員を分割するにあたって体力が無いメンバーばかりになるのは不安だ。 でも、現状そうせざるを得なくて。 ならば、どこかで妥協するのか? けれど、そんな余裕はないはずで、見えてくるのは……手詰まり。 私は喉元まで上がってきたその言葉を口にするのが怖くて……。 「――――あの、ちょっといいですか?」 ぞわりと背中に冷たいものが走った。 それは川島さんや楓さんも同じようで、強張った顔が私からはよく見えて。 ぎこちなく声がした方を振り返る。 そこに、細く暗い廊下の上にぽつんといたのはひとりの少女。 「智絵里……ちゃん?」 「はい」 緒方智絵里だった。彼女は川島さんの言葉に、場に相応しくないはにかみを見せて。 けれど、その両手にはしっかりと武器を、爆弾を握っていて。 なにか言わなくちゃ、動かなくちゃと思うも、口も足も凍りついたように動かなかった。 「あっ、……えっと、驚かせてごめんなさい。話し声が聞こえて、……危ない人だといけないから、足音立てないように、その……」 止めていた息を吸って吐く。 どうやら彼女は私達を殺そうとしていたのではないと知って、少しだけ緊張が解ける。 けど、その気があったならもうとっくに殺されていたわけで、役場で襲われたことを思い出しぞっとしてしまう。 私達はこんなにも儚げなのだと。いつ、どこで死んでもおかしくないのだと。 「わかったわ、智絵里ちゃん。……それで、貴女はどうしてここに? それと、一人かしら?」 「はい、それは偶然……ここかなって。私一人で、……それで、聞きたいことと、話したいことがあって……」 「……そう、いいわ。お話しましょう。新しい仲間は歓迎よ。だから、その手に持ったものは、ね?」 「あっ、ごめんなさい! はい、これは、もう……!」 川島さんになだめられ、ようやく緒方さんは爆弾を握り締めていた手を解き、それを仕舞った。 そこでようやく彼女に私達を殺すつもりがないのだと安心して、空気が和らぐ。 「とりあえず……、どこか部屋に入りましょうか。こんなところで立ち話をしているのは無用心なようだし」 「ええ、そうね。智絵里ちゃんもいいかしら?」 「はい、大丈夫です……」 そうして私達は手近なドアを開けると部屋――会議室の中へと入った。 会議室の中は暗く、空気が重い。 そこにいるのは私――大石泉と、川島さん、楓さん、緒方さん。そして、川島さんを探してやって来た美羽さん。 ネネさんと同じく怪我人である川島さんの姿が長く見えないので不安になったそうだ。 ともかく。 新しい人物である緒方智絵里は私達からの視線を一身に受けていて。 苦しそうな顔で、何度も言いよどんだ後、ようやくその言葉を口にした。 「…………私は……殺し合いに乗っていました」 「……えっ?」 思わず聞き返すほどに驚いて、 「主催者に唆されて……悔やんでも悔やみきれないけど、でも今はそうじゃないです。そして……多分、同じ立ち位置に回ってしまった人のことを聞きたいんです」 「同じ立ち位置?」 「姫川友紀さん……此処にいませんでしたか?」 続く言葉にもう一度驚いた。 緒方智絵里。 行方知れずだった彼女は、自分は『悪役』だと言い、そしてもうそこから降りたと言う。 そして、彼女が聞きたいと言ったのは、私達の仲間。 仲間だった人。 その人が、『悪役』になったという。 ……そんな。 「えっ、友紀ちゃん? 友紀ちゃんが……えっ?」 美羽さんがひとり目を白黒とさせる。 彼女だけはなにもわかってないようで。 逆に私達は言葉の意味をわかることができて、戦慄していた。 「やっぱり、いっしょだったんですね」 「……そうね。友紀ちゃんとはずっといっしょだったわ」 「お願いです……彼女のこと聞かせてください」 「いいけど……」 川島さんはまだ戸惑っていた。 この話は長くなりそうだ。ちらりと扉のほうを見る。お茶を汲みに行くと言っていた藍子さんはまだ戻ってこない。 呼びに行ったほうがいいだろうかと少し考える。 「……ありがとうございます」 「なら、先ず貴女のほうから話を聞かせてもらえるかしら? 智絵里ちゃん」 「はい川島さん……えっと、友紀さんに会った話からすればいいのかな……?」 「……ええ。彼女が今どうしているのか聞きたいわ」 「はい」 姫川友紀。 私達の仲間。 その人が『悪役』の側に回ったなんて、思いたくない。 だから、 「教えてください、彼女を何をしようとしていたか」 私は彼女のことが聞きたい。 仲間なのに、此処を離れた彼女のことを。 その先に待ってるのが絶望であるなんて考えもせずに。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……あっ、美穂ちゃん」 「あ、藍子ちゃんもお茶ですか?」 「うん、そんな感じかな……」 「お湯沸いてますよ」 「ありがとう、でもちょっと休憩してから淹れようかな」 「じゃあ、藍子ちゃんのお茶淹れて、一緒に休憩しましょう」 「いいんですか?」 「うん、それくらい大したことじゃないし」 まるで逃げるように向かった給湯室では、小日向美穂がお茶を淹れていた。 美穂はまるで憑き物が落ちたように、穏やかではにかみながら笑っている。 それは藍子から見てもとても愛らしくて、この姿が本来の小日向美穂なのだろうと思う。 きっと自分らが外に出ている間に美羽やネネと話しあい、そこでよい結論を出したに違いない。 壁を乗り越えた美穂はどこか輝いて見えて。 それが今、友紀のことで悩んでいる藍子には、少しうらやましく思う。 「はい、お茶です」 「ありがとう」 給湯室に備えつけの小さなテーブルにつくと、携帯端末を取り出しなにも表示されてない画面を見る。 あれから夕美からの新しい着信はまだ、無い。 向こう側でなにかがあったのだろうか。けど、絶対にもう一度かかって来ると藍子は信じている。 それはただの希望でしかないけれど。 真剣に端末を見つめている藍子を不思議に思うと、美穂は自分もテーブルにつく。 そして湯気を上げるカップを前に、ふーっと大きな息を吐いた。 やっと落ち着けたのかもしれない。 この半日であまりにも色んなことが起き過ぎた。 両手では抱えきれないぐらいの。 それでも、壊れずにやってこれたのはきっと、救ってくれた人がいたから。 どんな時でも手をさし伸ばし続けた人がいたから。 そう、今目の前にいる少女が。 小日向美穂という少女をどこまでも見捨てなかったから。 だから、今ももここにいることができる。 「あの……藍子ちゃん」 「うん」 「美羽ちゃんとネネちゃんとちゃんと話すことができたんです」 「そっか……よかった」 「美羽ちゃんは困った風に笑って、そして許してくれて」 「美羽ちゃんだからね」 藍子には、美羽ならそうすることがわかっていた。 そういう子だから。 フラワーズの末っ子の妹はそういう子だから。 だから、何も言わずとも安心していた。 それが信頼だから。 「ネネちゃんは……きっと心の底では納得できてないと思います」 「……そう」 「でも、当然のことです。殺されかかって、そしても今も引き摺って……だから、わたしはとんでもないことをしたんだなって」 でも、だからこそ 「わたしは思ったんです。してしまったことをちゃんと受け止めていかなきゃって……生きていかなきゃって」 「……うん」 「だから、ネネちゃんはこれでおしまいって。済んでしまったことだって。きっとネネちゃんは強いんだ……本当」 「……」 「わたしはネネちゃんに比べて、弱いけど……」 いつだって美穂は弱かった。 けれど、今はなぜだろう? 弱さのなかに一つの芯が通っている。 そんな風に、藍子は思えてならなくて。 「なんだか、わたしはその弱さを忘れちゃいけないのかなって。それがきっと、未来に繋がる……そう、ネネさんにも言われて」 「……うん……うん」 「それが、私がしてしまった罪への贖罪の仕方で、わたしはこの心の傷をきちんと受け止めて、前に行かなきゃ……じゃなきゃ、あの二人が許してくれた意味が無くなると思うの」 「……美穂ちゃん」 「だから、前を向く。忘れないで受け止めて。それでも、こんな弱い私でも、きっとできることがあるって思いたいから……ううん、思うから」 そう言い切って美穂ははにかみながら、前を向いた。 途端恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にしてお茶を飲み干そうとする。 それもまた熱くて失敗してしまったけれど、美穂はずっと笑っていた。 美穂自身、今もまた後悔に苛まれ続けているだろう。 苦しくて哀しくて、泣き出しそうなぐらいに。 でも、その弱さごと抱えて生きていくことを、美穂は選んだのだ。 きっと、そのことに美穂は後悔しないのだろう。 「うん、頑張ろう……一緒に」 「はい」 「私も……きっと……」 藍子は、そんな美穂を見て一緒になって笑う。 そうだ、自分も頑張らないと。 友紀のことを考え、強く、そう思う。 だってそれは藍子自身が解決しないといけないことだから。 きっと道を違えてしまった原因は、間違いなくこちらのほうにある。 藍子はそう思って、唇を強くかみ締め、拳に力を入れた。 そう、これは自分の、フラワーズ問題なのだから。 「……藍子ちゃん?」 「ん?」 「あのね……」 そんな藍子の様子が、美穂はどうしても気にかかる。 いつもふわっとした笑顔を浮かべる藍子が、どこか彼女らしくない表情を浮かべているのだ。 それは真剣というか、張り詰めているというか、まるで自分を、追い詰めてるような。 何か、あったのだろうか。友紀との間に。 そしてそんな藍子に美穂は何か言葉をかけてあげたいと思う。 一人で悩んでる藍子に、助けてもらった恩返しがしたい。 その為に、手をさし伸ばしたいって。 美穂は思ったから。 前に進みたい、から。 「もし困って……」 「あ、藍子ちゃん此処に居たのね」 「あっ……楓さん。どうかしたんですか……?」 「御免ね、ちょっと来てもらってもいいかしら」 「何かあったんですか?」 「ええ、新しく人が来てね。……姫川さんのこともあるから、貴女ともいっしょに話をしたいの」 「……本当ですか!?」 勇気を出して話を切り出そうとした瞬間、給湯室の入り口から声がかけられ、美穂は口をつぐんでしまう。 入り口の方を向くと、高垣楓が藍子のことを冷めた目で見ていて。 そんな楓の様子に、美穂は何かあったんだろうと察してしまう。 来訪者というのも気になるが、美穂は彼女らの間に口を挟むことはできなかった。 「わかりました、すぐにいきます」 「ええ」 「それじゃあ、美穂ちゃん。またね」 「……う、うん」 ばたばたと慌てて藍子は立ち上がり、楓と一緒に給湯室から出て行く。 そんな一連の流れを美穂はぽかんとしながら眺めていて。 やがて美穂一人になった時、ふーっと大きな息を吐いた。 ちょっと前に進めるかなと思ったけれど、タイミングが悪かったらしい。 少し残念だなと思うけれど、機会はいくらでもある。 だって前に進もうと思っているから。 手をさしのばすことなんて、思いさえあればいつでもできる。 それが、きっと前を向いて生きることだと思うから。 「うん。また後で聞いて…………あれ? ……藍子ちゃん、忘れてるや」 自分もネネ達の下に戻ろう、そう立ち上がろうとした時、美穂はテーブルの上の忘れものに気づいた。 それは藍子の携帯端末で、なぜかお茶を飲んでいる間ずっと見つめていたものだった。 楓に急に呼ばれて、慌てて出て行ったせいで忘れたのだろう。 美穂はそれを手に取り、うーんと考え込む。 どうしよう、藍子に届けにいこうか。 それとも、重要な話し合いをしてるみたいだし後にしようか。 でも大事なものだし。 美穂は少しそんな風に思案して、そして。 いきなり端末が手のなかで振動を始めて。 美穂は予想外の出来事に慌ててしまい、 「あわっ!? あわわわ!?」 端末を床に落としそうになるも、なんとかキャッチした。 冷や汗をかきながら、美穂は改めて落ち着き、画面を見て、そのまま固まってしまう。 予想外の出来事がもう一つ、起きた。 『相葉夕美』 そう、端末に表示されている名前。 藍子の仲間である夕美からの電話に、美穂は固まってしまう。 端末にこんな機能がある事を美穂は当然知らないし、誰からも聞いたことがない。 藍子の端末だけにそんな機能があるとは思えなかったし、彼女がそれを無闇に隠したりしないだろうとも思う。 なら、これはきっと本当にイレギュラーな事態なのだろう。 どうしよう、藍子に届けにいこうか。 美穂はそう考えるも、届けに行ってる最中に切れたら元も子もない。 ならば、自分が今ここで出るしかないのだろうか。 藍子の友達である相葉夕美からの電話を。 出ていいのだろうか。 それは駄目なんじゃないか。 「……でも……」 出たい。出なきゃ。 前に進みたい。 藍子のことをもっと知りたい。 そのためにこの人から話を聞きたい。 色々知りたいから。 知って前に進みたいから。 だから、これは美穂の独断でしかないけれど。 「……あの、もしもし?」 恐る恐る話しかける。 でも、意志はしっかりと篭っていた。 そう、美穂は話を聞きたかったのだ。 高森藍子の親友である、相葉夕美に。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「…………友紀ちゃんが、え? ……だって、さっきまで、……それに、友紀ちゃんは」 「美羽ちゃん、大丈夫?」 「わ、私…………」 緒方智絵里のもたらした情報は、矢口美羽を絶望させるに十分以上のものだった。 傍から見てもそれがわかるほど青褪めている。 青褪めているのは彼女だけでなくて。 それだけ、智絵里が持ってきた情報は泉達にとって大きく、絶望的なものだった。 「悪役……やっぱりいたなんて……それも五人も」 「その内二人はすぐに落ちた……けど、何人もいたということは確か。……ねぇ、貴女達以外のことはわからないの?」 「えっと、その……楓さん。……それは、わかりません。けれど、少なくとも、私を含めた五人は確実にそうだったんだと思います」 泉達が、最初に提起した、殺し合いを促進させるための『悪役』という存在。 それに近しい立場にいたのが、緒方智絵里を含めた五人だという。 智絵里の他は、若林智香、五十嵐響子、大槻唯、相川千夏という同じプロデューサーにプロデュースされているアイドルだ。 そのアイドル達は、共通の装備を持って他のアイドルと区別されていた。 「それが、その爆弾って言う訳ね……あの役場で火災を起こした……」 「手榴弾。……けど、楓さん。彼女達の誰かが私達を襲ったわけではないと思いますよ」 「泉ちゃん……どういうこと……?」 「歌鈴さんが死んだのは、二回目の放送から三回目の間。その間、既に亡くなっていた二人を除くと、緒方さんと五十嵐さんは飛行場に」 「はい、そこで私は響子ちゃんの死を看取りました」 「そして、相川千夏さんは水族館にいたことが明らかになってます。だから、あの時私達に向けて爆弾を使ったのはまた別の人です」 「じゃあ……」 川島瑞樹の声に泉はこくりと頷く。 あの役場の前には若林智香の遺体があった。彼女から爆弾を奪った者があそこで待ち伏せていたという可能性がある。 もしくは、どこかで大槻唯から爆弾を奪った者が自分達をあそこで偶然見つけたのかもしれない。 「誰かが……あの爆弾で……」 智絵里がぽつりと呟く。 自分の仲間が殺されて爆弾が奪われたこと、その爆弾が更に他の人を殺すために使われていること、それが悲しいのかもしれない。 「しかし、これでひとつ不可解だったことが解明されました」 パズルのピースがひとつ揃うと、次に当てはまる所が見つかるようにもたらされた情報は不明だった事実を明らかにする。 それは、歌鈴が死んだのと同じ時間帯で起きた事だ。 「水族館で亡くなった岡崎泰葉さんと喜多日菜子さんら二人は……」 「……相川千夏によって殺された?」 「川島さんもそう思いますか?」 「そう考えれば辻褄があうという話だけれどね」 「双葉杏は逃げる事が出来たか……」 「もしくは手を組んだか。……勿論、可能性の話よ」 「いずれにせよ、状況はよくないわ」 水族館で死んだ岡崎泰葉と喜多日菜子。 何故死んだのかは、その場にいた相川千夏が悪役だったということで大方想像できてしまう。 殺し合いに乗ってないと嘘をついて潜り込み、隙を突いて二人を殺した。 それが納得できる答えで、そうでなければ二人の死に理由がない。 同行している双葉杏は、逃げる事が出来たか……同じく殺し合いに乗っていたか。 想像は出来るものの、後の方はあまり考えたくない話だ。 「留美ちゃん、やっぱり……」 「楓さん?」 ぽつりと呟かれた楓に床を見ていた美羽が頭を上げる。 けれど、楓は美羽のことを振り返ることなく智絵里へと質問を投げかける。 「ええと、もう一度確かめるけど。智絵里ちゃんと留美ちゃんが飛行場で二人。そして響子ちゃんの三人を殺したのね?」 「……はい、そうです。……それで、あの、楓さん」 「何?」 「ナターリアちゃんや光ちゃんの最期。どんな風にに生きたか、聞かなくて――」 それは美羽も気になることだった。 あのきらきらと輝く眩しさを持った二人がどうなってしまったのか。なにか残ってはいないのか。 なのに、 「ううん。聞きたくないわ」 「……どうして、ですか?」 「そんなことを聞いても、辛くなるだけでしょ?」 楓はそれを聞かなかった。 聞けば辛くなる。それは正しい言葉で、でも美羽はそれは本当ではない気がして。 ただ、何も言えなくて、楓の無表情な横顔を見てるだけだった。 そして、そんな楓は留美が二人を殺したと聞いてひとり心の中で笑みを浮かべていた。 やはり推理していた通りで、その通りに留美がナターリアと光を殺した。 本当にそうなるかはわからなかったが、そうなって良かった。 だからもう、どう生きたか、どう死んだかなんて、彼女達のことなんて、どうでもいい。 緒方智絵里が、困惑したように見てくるが、楓には知ったことではなかった。 そして、泉達にとって最も大切な情報。 この警察署をたったひとりで離れていってしまった仲間。 泉と瑞樹は沈痛な表情で、その名前を呼んだ。 「…………そして、友紀さん」 「……彼女も、悪役……ね」 「…………どうして……そんな……」 「……本当に、悪役になったと彼女は言ったのよね……?」 「はい」 「……そう、バカね……あの子も……私も」 姫川友紀。 様子がおかしくなっていると思ったが、まさか彼女自身が悪役になろうとしていたとは泉も瑞樹も予想していなかった。 彼女がそんな重たい決断をしていたことに気づけなかった自分自身にも不甲斐なさを感じて。 しかも、 「……茜ちゃんはいなかったのよね?」 楓の冷徹な声が響く。 「はい。そんな気配は……」 「まどろっこしいから、もう直に聞くわね」 「楓さん……?」 「姫川友紀は、『誰か』を殺していそうだった? 直接会ったというのなら、そうかそうでないかはわかりそうなものだけど」 あまりに直球な言葉に、智絵里だけでなく、泉と瑞樹も絶句する。 それは誰もが思っていたことで。 友紀を追った日野茜は未だに帰ってきてない。 なのに友紀は一人だった。 友紀が逃げ切ったともいえるが、なら茜はどこにいるのだろう。 彼女なら友紀を探して島中を走り回るかもしれないし、今もどこかを走っているかもしれない。 けれど、それは楽観論だ。 もっとわかりやすく道理の通った答えがある。 姫川友紀が日野茜を殺した――可能性がある。 そして、それを判断できるのは、友紀と会い、自分も殺し合いに乗っていた智絵里しかいなくて。 皆が注目する中、智絵里は目を閉じて、友紀のことを、あの時のことを思い出す。 まるで血を吐きながら、それでも進もうとする友紀は。 もう戻れないことを知っているような友紀は。 そして、自分に銃を向けた友紀は。 「……はい。そう、だと思います」 嘘はつけないと思った。 あんな躊躇いも無く引き金を引いた友紀はきっと、もう自分が戻れないと思っているから。 そんな所までいってしまったから。 それは余りにも哀しくて。 「……そう」 「……っ」 何故、彼女はそこまで追い込まれたのだろう。 どうして相談してくれなかったのだろう。 きっと彼女はいつも、助けてほしいとメッセージを放っていたはずで。 どうしてそれに気づくことができなかったのか、泉と瑞樹は心の中を悔恨の念で埋め尽くす。 「…………ねぇ、それなら藍子ちゃん呼んできたほうがいいと思うのだけれど」 「そう、ね。きっと彼女も聞く必要があると思うわ。……美羽ちゃん?」 ころころと口を挟む間もなくその可能性は肯定されてゆき。 友紀が茜を殺したということにされて。 それは理解できることだけれど、理解したくないことで。 美羽はただ悲鳴をあげないように口を塞いでいることしかできなかった。 どれだけ頭の中で理屈がわかっても、心がそれを拒否している。 「…………美羽ちゃんに呼びに行ってもらうのは無理っぽいわね。いいわ、私が行ってきます」 一度、ぽんと美羽の頭に手を乗せると、楓はそう言って部屋を出て行った。 振り返った、自分を見る楓の表情はこちらを気遣って、いつもの優しい楓さんで。 美羽はほっとすると同時に、どれが本当の彼女の顔なのか疑問が浮かんで、友紀もそうだったのかなと思う。 あの自分を励ましてくれた友紀も、誰にも言わずになにかを抱えて――、 「あっ、私……、ネネさんのところに戻って、ネネさんのこと一人にしておけないからっ!」 「美羽ちゃん!? ちょっと……!」 美羽は部屋を飛び出した。 頭を抱えて暗い廊下を走る。どこに向かっているかもわからないで。 その中を満たしてるのはひとつの可能性。 フラワーズの為に『悪役』になる。 それは自分の言葉で。友紀にぶつけた言葉で。自分が叶えられなかった言葉だから。 「……どうしようっ! どうしようっ!」 涙の溢れる両目を押さえ、美羽は真っ暗な廊下を走っていく。 「泉ちゃん……大丈夫?」 「……ええ……ですが、状況は……どんどん悪くなって……こんな……そんな……」 ただ耐えるように立っている泉に、瑞樹は小さく溜息をつく。 美羽のことは放っておけず不穏で、けれど、顔を手で押さえて俯く泉は、本当に苦しそうで。 どんどん袋小路に追い込まれていく気がした。 「和久井留美が殺し合いに乗っている側で、相川千夏は悪役だった……双葉杏も乗っている疑いがあって……そして、友紀さんが悪役になったとして……」 「……殺し合いに乗っている人物が多いわね」 「……ええ、悠長に首輪解除している暇なんてあるのかさえ……」 「でも、首輪を解除しなきゃ、私達は……」 「解っています……だから、もう」 緒方智絵里がもたらした情報は、殺し合いを打倒しようとするアイドル達にとっては良くない事ばかりだ。 和久井留美、相川千夏、双葉杏、そして姫川友紀が殺し合いに乗っているならば。 殺し合いに乗っている人物は推測以上にいたことになる。 しかも、智絵里の話によれば留美も千夏も相当な人を殺めている。 そんな状況で悠長に首輪を解除している暇などあるのか。 だが、首輪を解除しなければ何時までも縛られたままだ。 それに脱出手段もまだ確保できていないのだ。 どうすればいい、どうしたらいいのか。 「もう……なんだろ……これ」 そして、泉の口が漏れる言葉は 「……ぜつ――」 『絶望』 その余りにも、全てが終わった言葉を口にしようとして。 「――――それは、違う」 絶望を、『希望』がとめた。 泉が振り返ると、そこには輝きを無くしていない智絵里がいて。 俯かず、ただ、前を向いていて。 「諦めちゃ駄目なんです。どんなに苦しくても、困難が待っていても」 「でも、実際、追い込まれているのは確かですよ」 「けれど、まだ終わっていない。わたし達は終わりじゃないんです。夢を叶える為に、わたし達は強く在れる」 「夢……?」 「わたしは……いろんな人の夢を背負っています。自分の意志で。追い込まれてるからって諦めたくない」 ナターリアの夢。 南条光の夢。 そして、五十嵐響子の夢。 全部、大切な夢で、そして自分の夢でもある。 だから、苦しいからって。 だから、追い込まれているからって。 「こんなのへっちゃらです。いつだって乗り越えてきたんだ。そしてこれからも乗り越えられる。だってわたし達は『アイドル』だから」 諦めることは絶対しない。 いつだって自分達の前には壁があって。 それを乗り越えて、此処まで来たのだから。 アイドルってそういうものだと思うから。 「だから、泉さん……諦めないでください。壁があるなら乗り越えればいい……わたし達は独りじゃないんです。仲間とプロデューサーが、いる」 そして、独りじゃなかった。 智絵里には、背を押してくれる友達がいて。 そして、見守ってくれるプロデューサーがいた。 だから、こんな所で挫ける訳にはいかない。 「まだ、独りじゃないんだ。哀しみも苦しみも、皆で乗り越えよう……だから、まだそんなのじゃないですよ」 独りじゃないなら絶望じゃない。 此処には同じ志を持つ仲間がいるんだ。 だから、乗り越えていける。 智絵里は、そう思うから。 だから、泉にも諦めないでいて欲しい。 「緒方さん……」 泉はその言葉を受けて、胸に手を当てて考える。 そうだ、まだ、まだ早い。 何より、私は彼女にこういったじゃないか。 『彼女が諦めないなら! 私が、諦めるわけには、行かない! 彼女が私を信じてくれてるから! 私も彼女を信じる!』 きっと栗原ネネは諦めてない。 泉を信じて、今も戦っているだろう。 いつ再発するかも解らない発作の恐怖に。 それなのに、自分は諦めようとする。 なんて、独りよがりだろう。 そうだ、独りじゃないんだ。 だから 「はい……そうですね。まだ、やれる。病院にも仲間がいるのだから……まだ終わってない。私達はまだ諦めたりしない」 「はいっ!」 諦めるわけには、いかなかった。 泉は決意を新たに、パシンと気合を入れるように頬を強く叩く。 まだ、まだ終わってない。 だからこそ、しっかり前をむいてなきゃ。 まだ、何も絶たれていないのだから。 「………………智絵里ちゃん、本当強くなったわね」 「…………えっ?」 「何となく、そう思っただけよ」 その様子を見ていた瑞樹は、緒方智絵里の変わり様に驚いていた。 この子は励まされる事はあったとしても、励ます側に回る子ではなかった。 それが今や、泉をこんなにも支えて。 智絵里自身も、自信に満ち溢れてるようにさえ思える。 智絵里が経験した響子との別離に、彼女を変える切欠があったのだろうか。 その姿は、まるでちひろが言っていた『希望』そのもので。 (もしかして、ちひろはこの子のような――――) 瑞樹がちひろの意図を何か掴もうと考えようとした時。 「藍子ちゃんを連れてきたわよ」 不安と期待の両方を胸に秘めた、藍子が会議室に顔を出した。 智絵里が、藍子に気づくとぺこりと頭を下げて、 「あ、あの緒方智絵里といいます……よろしく、お願いしますね」 「はい、よろしくお願いしますねっ、智絵里ちゃん。高森藍子です」 簡単な自己紹介をする。 とはいっても、智絵里は高森藍子のことは、知っていた。 フラワーズのリーダーで事務所の顔なのだから知っていても当然と言えば当然で。 改めて自己紹介することが少し変な感じもした。 「細かい事は後にして……、智絵里ちゃん、藍子ちゃんに友紀ちゃんの事、出きる限りで話してもらえるかしら」 「……会ったんですか!?」 「……はい。今から話しますね」 瑞樹に、促されるように智絵里は友紀のことを話し始める。 智絵里が友紀に会った事に藍子は驚いていた。 まさかこんなにも早く人伝に彼女のことを聞くとは思ってなくて。 そして、智絵里が会っているということは…… 「………まず、わたしは殺し合いに乗っていました」 「……えっ」 「悪役として……けど、わたしはその立場が降りて、アイドルとしてもう一度、いきたいと思って」 「……よかった」 智絵里が悪役だったというのに、藍子は驚いて、アイドルに戻ったと聞いて、心の底から安心したようだった。 アイドルという言葉に、藍子が過敏に反応していたのを見て、智絵里は不思議に思うも、話を続ける。 藍子にとっての本題はこれじゃない。 「そして、友紀さんに会いました」 「友紀ちゃん一人……?」 「はい。そして、わたしが悪役だったと言う事を告げると……」 二の句を告げる前に、智絵里は藍子の顔を見つめる。 不安でたまらないという表情で。 更に曇らせてしまう事を理解したうえで、真実を続けた。 「……わたしを殺そうとしました。 全く容赦はなかったです」 「……っ!?」 「気付かなきゃ、多分わたしは殺されていました。友紀さんは、仲間を護るために『悪役』になったって言いました」 「……そんな」 友紀が人を殺そうとした事実。 友紀が悪役になった事実。 藍子にとって、その何もかもが重たくて。 思わず智絵里から、顔を背けてしまう。 智絵里はそんな藍子に、追い討ちをかけるように言葉を続ける。 辛いだろうけど、彼女が知らなきゃいけない事だから。 「仲間達の夢を護る為に……って。悪役を殺すって……そして」 「……」 聞きたくない。 藍子がそう思ってるのは、理解できた。 でも、告げなきゃ。 「――――もう人を、殺していると思います」 姫川友紀が犯したであろう罪を。 「……………………そう……ですか」 藍子は、それを目を背け顔を青くしながらも、でもちゃんと聞いていた。受け入れていた。 嘘だろう、憶測だと叫ぶ事だって出来たのに。 そう、言えなかった。 それが事実である事を、察した、信じた。 だって、友紀と別れた時の友紀の表情を思えば、そうとしか思えない。 そして、殺したというのなら 「……茜ちゃんって可能性は高いわね」 「……か、楓さん……そんなことないですよ。友紀ちゃんが茜ちゃんを殺す理由なんて」 「じゃあ、何で彼女はまだ帰ってきてないの? 貴方が帰ってきて大分たつし……それに、姫川友紀は一人で智絵里ちゃんと会ってるのよ?」 日野茜である可能性は、極めて高い。 楓は、静かにそう継げた。 藍子は慌ててそれを否定するが、虚しく響くだけで。 今、この場に茜が戻ってきていない。 友紀が独りで智絵里とあったこと。 もう、それが答えのように、感じてしまう。 「連絡をよこさない子でもないし……いずれにせよ……それは、次の放送でわかることだわ」 「……っ……そんな、茜ちゃん……なんで」 「……『なんで?』 貴方が『なんで?』というの?」 藍子が自失気味に呟いた言葉に、楓はどこに触れたのか強く反応した。 楓は藍子を真正面に捕らえて、ただ睨む。 「貴方が、姫川友紀を止めようとするのは、勝手。けれど、そこに茜ちゃんを巻き込んだ貴方が、なんで?というの?」 「でも、茜ちゃんは自分から……」 「危険があるなら、止める事も出来たでしょう? 茜ちゃんがついてくるのはわかるでしょう」 「……それは」 「勝手に行動する事の危険性は、泉ちゃんも私も……皆説明したでしょう?」 日野茜が死んだというならば。 藍子に責任がないとはいえない。 友紀が勝手に離れたとはいえ、それを相談もなしに追いかけようと決めたのは藍子なのだから。 藍子が行くというなら、茜がついてくることも想像できたはずだ。 「そして、姫川友紀が茜ちゃんを殺した」 「で、でも、私は友紀ちゃんがまだ戻れるって思って、同じフラワーズの仲間だから……皆同じ『アイドル』なんだから、きっと戻れるって」 「……そういう貴方の子供じみた理想で、茜ちゃんが死んだのかもしれないのよ?」 あぁ、今ようやく解った。 楓は、そう心のなかで思った。 なんで、今こんなに藍子に苛立ち、弾劾するように言葉をぶつけているのか。 その理由が。 「貴女の独りよがりの理想で、姫川友紀を説得するのは貴女の勝手。フラワーズの仲間だものね。 でも、巻き込まれた茜ちゃんは違う。いつだって、貴女が止めれば、貴女自身が止まれば、止まったはず。 なのに、貴女が意地を貫いて、自分で全てを解ったように、巻き込んだから、彼女は止まらなかったよ」 まるで、一緒だ。 佐久間まゆを殺しておいて。 勝手に自分達のなかで解決して。 進もうとしたあの子達のようで。 高森藍子の思いは、きっと、そういうものなんだ。 「それが、茜ちゃんを殺したとしても、貴女は、その考えを貫くの? ……いいえ、貫くでしょうね、貴女ですもの」 そして、きっと彼女は変わらない。 だって、ほら、彼女を表情を見てみろ。 こんなにも、糾弾されてるのに。 高森藍子は、困ったように笑って。 全てを受け入れようとしている表情なのだから。 そんなの、残された人間が全部を受け入れることなんてできないのに。 「……楓ちゃん、止めなさい」 楓を静止したのは、やはり瑞樹だった。 今回ばかりは瑞樹も、険しい表情を浮かべていた。 仲間を強く否定したのだから、当然ともいえるのだが。 「茜ちゃんがどうなったかはまだ言えないわ……憶測で全てわかったように語っては駄目よ」 「それも、そうね……ごめんなさい」 「兎も角、今は友紀ちゃんが明確に、仲間を護る為に『悪役』として動いている事……人を殺したかもしれないこと……藍子ちゃん、それだけを理解してちょうだい」 「……わかり、ました」 茜がどうなったかはわからない。 確かにそうなのだが、もう皆何となく理解している。 だから、瑞樹の制止もこれ以上事態がエスカレートしないのを止めるだけでしかない。 けれど、それで今は充分。 藍子が、友紀のしたことを受け止めればいいのだから。 「……解りました……御免なさい、泉さん、瑞樹さん……ちょっと、一人で考えさせてもらっていいですか?」 「……そうですね、いいですよ。少し休んできてください」 「……解りました」 そうして、また逃げ去るように、藍子は会議室から出て行く。 楓と一緒にいたくなかったのかもしれないと、泉はそんな風に彼女の後姿に思った。 「貴方も、少しは仮眠をとりなさい、泉ちゃん」 「……え?」 「全く寝てないでしょ。寝なさい」 「でも……」 「でも、もないの。少しでも寝ないと、肝心な時にいい仕事ができないわよ」 「……解りました」 瑞樹に言われて、泉もようやく気づく。 そういえば、殺し合いが始まったてからずっと、一睡もしていない。 休んでいる暇は無いと自分に言い聞かせて、此処までそれを無視してきた。 けれど、もう丸一日以上起きている。 それを意識したら、途端に眠気がやってきて。 「御免なさい……ちょっと休んできます……すぐに戻ってきますので」 泉は、重い体を引き摺って、会議室から出て行く。 その様子をみて、瑞樹はふーっと息をつく。 彼女は自分自身が思っている以上に疲弊していて、顔色にもそれが表れていた。 「…………本当……上手くいかないわね」 吐き出すようなその一言が、今の状況を全て、物語っていて。 はぁと、もう一度、大きなため息を、瑞樹は吐いた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 仮眠室のベッドにたどり着く頃には、私の意識は大分朦朧としていた。 やはり思ってた以上に、身体は疲労していたんだろう。 一度そうだと気づいてしまえば、後は雪崩のように押し寄せてきて止まらなくなる。 私はそのまま、服が皺になるのを躊躇わずにベッドに倒れこんだ。 うつぶせのまま、そして……意識が落ちるまでの間に今とこれからのことを考える。 正直、友紀さんと茜さんの離脱はこの上無く辛い。 人数が減るだけではなく。 彼女達は、私達の中でも特に体力があって活動的な二人だったからだ。 その運動神経の塊のような二人が抜けるというのは、それを必要とする場面でそれが得られないことを意味する。 探索からなにかしらのお使い、ものの移動、とか? 港に動く船を捜しにいくのも、学校にまたスタッフの手がかりを探しに行くのも、もう残っている人の中でしなくちゃいけない。 けれど、ネネさんはああなってしまったし、川島さんだってそう見せないけど重症の身だ。 どちらもつきそいが必要だ。 ネネさんはいつ発作が起きるかわからないし……あ、図書館から持ち帰った医療の本に目を通しておかなくちゃ。 そういえば、川島さんがここまで乗ってきた車椅子は今どこにあるっけ? …………戻ってくるまでは全てが順調だと思えたのに。 考えが甘かったんだろうか。たったひとつの躓きで予定は全て崩れて、行き先はもう見えない。 よかったと言える点は緒方智絵里がこちらに加わったことか。 人手にもなるし、なにより彼女の持っている情報は私達だけだと知りえなかったものばかりだ。 もしかすれば彼女から千川ちひろや運営のことも知ることができるかもしれない。 起きたら、また話を………………。 ……あぁ、話といえば、茜さんと友紀さんのことをみんなに知らせるのは気が重たいな。 ………………。 後。 北の病院に向かった渋谷さんのことを信じよう。 彼女が病院にいるグループのみんなと、そして探している島村さんと帰ってくればそれだけでも十人になる。 この島にはまだ行方の知れない人もいるし、私達の仲間は……。 ………………。 人数が増えればできることも増える。 適切に配置すれば、抜けた分の穴を埋めることも……。 ああ、いやだな。 大事なアイドルとしての仲間をまるでゲームの駒みたいに。 駄目だ、そんなの。 それじゃあ、私達に殺し合いをさせている誰かと一緒じゃないか。 私達は、アイドルで、誰もがひとりひとりかけがえのない輝く光なんだ。 きっと、私だって。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……んー」 泉も去り、最後に会議室に残ったのは、智絵里と瑞樹だった。 楓も休むといってこの部屋を去っていった。 みんなバラバラで、それはまるで今の状況をそのまま表しているようで。 しかしそんな考えを振り切るように瑞樹は頭を振る。 そして、智絵里に声をかけた。 「ねぇ、何か気になることがあるのかしら?」 「……えっ、ええ……」 彼女はずっと何かを言いたそうにしていた。 それでも言えないのは、いつもの彼女らしくて、瑞樹は話せるようにと助け舟を出す。 「言い辛いこと?」 「……はい」 「なら、今なら私しか居ないわ。言ってくれないかしら」 「……憶測ですよ?」 「それでも、いいから」 智絵里は一度俯くと、顔を上げて小さな声で話し始めた。 それは泉から殺し合いに反対している人物の情報を聞いてからずっと、疑問に、或いは不安に思っていたことだ。 「……北の病院に集まってる人……少なくとも、第三回放送ぐらいには居たんですよね?」 「恐らく、そうだと思うわ」 「そして、今もいる可能性が高いんですよね」 「そうね」 「だとするなら…………」 すっと、智絵里は自分の懸念を口にする。 「――――とても危ないと、思います」 「どういうこと……?」 「病院ですよ? 怪我した人が集まってると思うから……きっと、殺そうとする人も近寄ります。 実際、わたしはあの病院に一度行っています。響子ちゃんもそうでした」 「…………なるほど」 「そして、北には……留美さんがいるんです」 「…………っ! まさか」 「長居したら……いけないと思います」 瑞樹は、智絵里の指摘にはっとしたように、驚く。 病院は平時には怪我をしたり病気になった人がいく施設だ。 殺し合いの舞台でも、大きな怪我をしたなら向かおうとするだろう。 そこに、何かしらの治療器具や薬があるはずだから。 実際、瑞樹達も可能であるなら向かおうとしていたし、今病院にいるアイドル達もそういった理由で病院にいる。 殺し合いに乗ってない人物が、そこを拠点にするのはある意味、理にかなっているだろう。 だがそれは、裏を返せば殺し合いに乗ってる人物にとっては絶好の獲物が集まる場所ということになる。 ずっと留まっているというなら、殺し合いに乗っている人物に遭遇する可能性はその分高まる。 そして、北には、和久井留美がいる。 和久井留美が病院に行ったら……、 「…………それは……ちょっとどころじゃなく不味いわね」 「だから、わたし……此処を拠点しているのは流石だなと思ったんです」 「それは?」 「えっと……武器があると思うから……逆に殺し合いにのってる人は迂闊に乗り込みたくない」 警察署には何かしらの武器があると考えられるだろう。 だが、殺し合いに乗っている人物が安易にそこに寄って来るかというと、少し違う。 もうすでに他の人物が、殺し合いに乗っているいないにしろ、いるとすると、外から攻めるほうが不利に決まっている。 瑞樹達が警察署を選んだのは偶然の部分が大きい。 それに実際には警察署に武器はあっても、倉庫には鍵がかかっていて使えなかったのだから。 けれど、智絵里の説明に瑞樹は感心した。 「私も怖かったですけど……、こっそりするのは得意だから。……えへへ」 そう無邪気に笑う智絵里が、瑞樹からは少し怖い。 瑞樹は考える。 (役場で襲われた時は一瞬だった。いきなりで……、さっきだって智絵里ちゃんがその気なら、今頃は……) 殺しあうということそのものをまだどこかで甘く見ているんじゃないかと。 誰だって、いつもは虫も殺せないような智絵里ですら一度は『悪役』になって、自分達の隙を突いてみせた。 歌鈴が殺されてしまうところを実際に目の当たりしたというのに、同じアイドルだからという言葉に逃げていたのだろうか。 だとすれば、もう一度、しっかりと向かい合わないといけないのかもしれない。 アイドルがアイドルを殺すということ。 怠れば、待つのは死なのだろう。 姫川友紀が、人を殺してしまったように。 覚悟さえ、あれば、人は引き金を引ける。 自分には、それが無かっただけで。 殺意さえ、あれば、人は人を殺せるのだから。 「病院にいる人達と連絡を取る手段を考えた方がよさそうね」 「はい……それがいいと思います」 「教えてくれてありがとう」 「いえ……わたし、藍子さんのところに言ってもいいですか……彼女の話聞いてみたいんです」 「いいわよ」 そうして、智絵里はぺこりとお辞儀をして、会議室を出て行く。 残されたのは瑞樹だけで。 「………………ねぇ、ちひろ。こんなにも絶望的な状況を作り出して、その先に……貴女、何を見ているの?」 そうして呟いた言葉は、誰にも届くことなく、ただ残されていった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 『……あの、もしもし?』 決死の思いで、私は電話をかけたのに聞こえてきたのは、藍子ちゃんの声じゃなかった。 少しおどおどして、此方を探るような声。 フラワーズの誰でもない、初めて聞く声だった。 「藍子ちゃんは?」 だけど、今はその声の主が誰かなんて気にしていられない。 私が電話をかけたのは藍子ちゃんで、藍子ちゃんの端末に繋がるはず。 それなのに、別の人が出るなんて、藍子ちゃんに何かあったのか。 それが、気になってまず藍子ちゃんの安否を確認する。 『今、離れていて。でもすぐ、戻ってくると思いますよ。藍子ちゃんは、大丈夫です』 「……そう、よかった」 『……あの、相葉夕美さん……ですよね?』 「うん、そうだよ……えっと、貴方は……?」 藍子ちゃんの無事を確認して、私はやっと今話している人を訪ねる。 生き残ってる人は大分少なくなったけれど、それでも知らない人は知らない。 相手は、私のことを知っていたみたいけれど。 それとも、通話がかかってきた時点で、私の名前が出ていたのかも。 『あっ……小日向美穂といいます』 「……あぁ、あの」 小日向美穂。 名前は知っている。 というか彼女のプロデューサーを知っているからその縁で。 どういう子はあまりよく解らないけど。 「藍子ちゃんが無事なら、よかった。じゃあ、またかけ直すね」 私は、そのまま電話を切ろうとする。 正直な所、藍子ちゃんと話せればいい。 藍子ちゃんが無事なら安心もした。 かけ直せるかは解らなかったけど、千川ちひろが藍子と話さない結末なんて選ばせないだろう。 だから、通話をきろうとボタンをタッチしようとして。 『待って!……切らないで!』 大人しそうな声から、一転して切羽した声が聞こえてくる。 最初の臆病そうな印象からすると、信じられないくらい大きな声だった。 私は何でだろうと思って、彼女に声をかける。 「何かな……?」 『あの……貴方の事、聞きたいんです』 「私?」 『フラワーズの歌姫……そして、高森藍子の親友である貴方に。藍子ちゃんのこと……貴方のこと……聞きたい』 「……親友か」 『はい……駄目ですか?』 親友、親友か。 今は、その言葉が怖い。 私は本当に彼女の友達だった? 殺そうとしたというのに。 解らない、解らない。 今、私は私のことと、藍子ちゃんの事を話せるのだろうか。 それに、私はこの子と話す理由がない。 だから、断る方がいい。 今は藍子ちゃんの事だけを考えていたい。 「私には貴方と話す理由がないよ」 『わたしがあるんです』 「……そっか」 正直、煩わしい。 なんでこの子は、そんなに私に拘るのだ。 フラワーズなら、他にも居るだろう。 友紀ちゃんも美羽も死んでいない、生きているのだから。 『わたし知らなきゃ……駄目だから……色んなこと、解らなきゃ、駄目だから……』 「そうなんだ……」 『だから、教えてください……! 傷を傷で終わらせない為に』 「…………」 切実。 その一言で、彼女の様子を語れるぐらい、彼女は必死だった。 私はその声を聞いて、どうしようかと思う。 すぐに切る事は出きる。 けど、今の私の心をみて。 「解った。いいよ。その代わり……私も、貴方のこと、藍子ちゃんのこと、教えてもらってもいいかな?」 彼女と話す事もいいかなって。 千川ちひろに惑わされた心はまだ揺れている。 そして、私は自分の心がよく解らなくて。 こんな私じゃきっと全部さらけ出してしまう、藍子に。 いいこともわるいことも、全部。 それはどうしても嫌で。 だから、彼女と話して、私は心を落ち着けよう。 そう考えたのだ。 『は、はい!』 「うん、じゃあまず私から聞いてもいい?」 『はい』 「藍子ちゃんは、『アイドル』だった?」 まず、何より藍子ちゃんのことが聞きたい。 そう思って口にした言葉は、私にとっても意外な言葉だった。 元気とか、怪我してないとかじゃない。 何故か、アイドルでいることを私は聞いた。 やはり、ちひろに心を乱されているままなのだろうか。 考えなくても、解るというのに。 『え、ええ。そうですよ。フラワーズのリーダーとして、彼女は居続けた……と思います』 「そう。いつも通りだった?」 『いつも通りなのか、私には解らないけど……友紀さんも、美羽ちゃんも変わらないと言ってました』 「……そう、他の皆は一緒に居るんだね」 『……今は、美羽ちゃんだけですけど』 藍子ちゃんは、やっぱそのままだった。 美羽ちゃんや友紀ちゃんから見ても、そう見えるぐらい。 あの子はフラワーズのリーダーとして其処に居たのだろう。 あの子は、あの子のまま。 多分、きっと。 友紀ちゃんが居ないのは、千川ちひろの通話で何となく察した。 彼女はきっと、道をたがえたのだろう。藍子ちゃんと。 ……私達を護る為に。 「ねぇ、貴方はずっと藍子ちゃんと居たの?」 『ううん、わたしは一回目の放送があった後に、出会いました』 「そうなんだ」 『でも、わたしは彼女と反発しあってました』 反発……か。 藍子ちゃんがアイドルとしてあろうとするなら。 それは起きることなのかもしれない。 全てから逃げていた私には解らないかもだけど。 「なんで?」 『わたしは一緒に居た人を、同じアイドルだった人に殺されました』 「……っ……そう」 『そうして、傷ついてた時、彼女……藍子ちゃんに出会ったんです』 人が死んでいるということは、殺してる人がいる。 今までそれを絵空事に捉えていたけど、それは紛れもない現実なのだと、思い知らせる。 隣にもし、誰が居て。 その人が殺されたら、私はどう思うんだろう? そんな事考えたらブルッと身震いが起きた。 もし、そんな時、藍子ちゃんに会ったら。 あの子は何をするんだろう。 ううん、あの子はきっとやる事なんて決まってる。 きっと、立ち直るまで傍によりそ―― 『あの人は、私に、アイドルで居るように、一緒にいた子の分も継いで、一緒に頑張ろうと手を差し伸ばしました』 えっ……なに、それは。 あの、藍子ちゃんがそんな事を。 そんな傲慢で、彼女自身の強さを押し付けるのか。 馬鹿な、あり得ない。 私が知る藍子ちゃんは、違う。 あの子は、優しくて、いつも寄り添う形で……えっ……そんな筈がないよ。 「そ、そうなんだ……」 私の声はきっと驚くぐらい震えていたと思う。 あり得ない事を聞いて、動揺しているのが自分自身でもよく解る。 でも、今、彼女を否定する事は出来なかった。 彼女自身がとても嘘をついているようには、聞こえなかったから。 もしかしたら、藍子ちゃんのその変わり様が解ると思ったから。 だから、今は彼女の話を聞くことにした。 『でも、わたしは拒絶しました。わたしは、そんな彼女のように強くはなかった、決して……私は弱いままだったから』 藍子ちゃんの諦めない、あの強さは、時として刃になる。 そんな事は藍子ちゃん自身が何よりもわかっているはずなのに。 だから、藍子ちゃんは、いつも寄り添うはずなのに。 その人の位置でずっと、優しく。 なのに、どうして……? 『そうやって反発しあって。わたしはわたしの弱さから、悪魔の誘惑に負けそうになって』 悪魔としか、彼女は言わなかった。 でも、それで誰かは何となく解った。 色々介入しているようだったし、きっと彼女にも何かやったんだろう。 相変わらず小狡い女だなぁ。 公平性も何もない。 『わたしは、かたくなな彼女を、藍子ちゃんを壊してみたいと思いました、大事なものを奪ってみたいって』 「かたくな……?」 『彼女は、反発している間も、ずっと私を『アイドル』にしたがってたから……何故かはあの時解らなかったけど』 …………どうして? あの子が、そんなに拘るなんて。 ……なんでだろう。 これ以上、藍子ちゃんのことを聞きたくない。 頭の中で、藍子ちゃんのことが解らなくなっていく。 私が知っている、私の藍子ちゃんは…… どうしよう、不安になってきて。 これ以上、藍子ちゃんの話を聞きたくなかった。 だから、 「でも、貴方……今は前を向いてるみたいな感じがするけど、どうかな?」 『ええ、その後、彼女に救ってもらったから』 「……そう。なら、私、貴方のこと、聞きたいな。小日向美穂という貴方自身を」 この子の事を聞こうと思った。 救うという言葉にまた不安になるも、今はこの子の事を聞きたい。 自分自身をただ弱いと言うこの子の事を。 それでいて、今はもう芯がしっかりと入っているように感じるこの子の事を。 私は不安から逃げつつも、純粋にこの子の事が聞きたかった。 「わたしのこと……?」 「そう。ねぇ、小日向美穂さん。貴方確か道明寺歌鈴さんと同じプロデューサーだよね?」 『はい、どうして……それを?』 「私のプロデューサーと知り合いだから……それで、私、逆にそれしか知らないの。貴方の事」 『プロデューサーと……』 「だから、教えてほしいな。貴方はどうして藍子ちゃんのことを知りたいのか。そして、貴方の弱さを」 小日向美穂。 私が知っているのは道明寺歌鈴と同じプロデューサーである事ぐらいでしかなかった。 だから、他の人と違ってこの子がどのように、この島で生きていたかは思い浮かばない。 ただ、自分の事を弱いと言う彼女はどうして、そうなったのか。 それを聞きたくて、私は彼女の言葉を待つ。 彼女はゆっくりと一回息をはいて、そして。 『わたしは、プロデューサーに恋をしていました。どうしようもないぐらい、切ないぐらい。大好きでした』 想いの告白。 自分を導いていく人への恋心を。 私はその言葉に胸をつくように感じていた。 それは、私も、そうだったから。 『でも、彼には、相手が居ました。それはわたしの親友でした。道明寺歌鈴という、わたしの大切な親友と想いあっていて』 そして、それすら、私と一緒だった。 道明寺歌鈴と彼女のプロデューサーが付き合っているのは噂で何となく知っていたけれど。 彼女に親友が居て、その親友――小日向美穂も同じ人を好きになってるなんて、知りようもない。 何だろう、これ……まるで自分の事を聞いてるようで。 どうして、そうなるんだろう。 『それはどうしようもない位、苦しくて、哀しくて、親友と大切な人が一緒になるから、嬉しい、祝福しようと思って』 まるで、自分の心の言葉を聴いているようで。 端末を握る手が強くなっていく。 『でも、そんなの出来る訳が無かったっ! でも、恨む事も当然出来なかったっ! 大切な人同士だから……もうごちゃ混ぜになっていって』 親友と好きな人が結ばれる。 それは私にとっても嬉しい筈で。 祝福できるはずなのに。 何故だろう、とてもそれをしたくなかった。 何もかもごちゃ混ぜになっていて。 でも、藍子ちゃんなら仕方ないかなって。 諦めようって思ったんだ。 だって、私は藍子ちゃん大好きだから。 『そんな時、わたしはこの殺し合いに巻き込まれました。 わたしはよく解らないまま流されて、藍子ちゃんとぶつかり合って』 それが、小日向美穂の恋。 それが、相葉夕美の恋。 一緒じゃない。 けれど、それは余りにも似ていた。 『そして、悪魔の囁きの後、気付いたんです……私はこの恋をまだ、諦められない。それが初恋だったから』 私は……私は諦められるのかな。 解らない。 けれど、このまま終わるのがいいのかと言われると、よくない感情が確かに、あった。 悔しいと言う思いがあった。 それは誰に? 藍子ちゃんに? プロデューサーに? 大切なものをとられるから? 『そして、わたしは思ってしまったんです』 そうして、二人は私の届かないところにいっちゃうから? そんな事を私は考えていたのかな? 私にとって二人は大切だから。 それは本当……? 『一瞬でさえ、道明寺歌鈴が居なければいいと。親友が居なければ、恋が叶うって』 …………っ。 私……は。 私は藍子ちゃんが居なければ恋が叶うって。 私は藍子ちゃんが居なければ夢が叶うって。 ねえ、思っていた? 解らない。 あぁ、彼女の言葉なのに。 まるで、自分自身のように、感じてしまう。 『それが、わたしの弱さの一つでした。 その弱さ故に、わたしはアイドルである藍子ちゃんが許せなかった』 「藍子ちゃんを」 『何もからも、強く『アイドル』であろう藍子ちゃんが。藍子ちゃんは何からも怖がってなかった』 「怖がってないってどういうことかな?」 『殺し合いに巻き込まれてもなお、自分の『アイドル』を貫こうとしていた藍子ちゃんが、羨ましくて、なんかずるくて』 藍子ちゃんは『アイドル』だった。 解っている、あの子はそういう強さを持つ子だ。 どんな時だって、ずっと。 でも、今はそれがなんだか怖い。 『正しいと思います。その姿は。でも、わたしはそれが認められない。ただの『恋する少女』だと思い込んでいたわたしには……』 ねぇ…… 私はどっちなのかな。 『恋する少女』? それとも『アイドル』? それとも、『高森藍子の親友』? 『だから、藍子ちゃんを苦しめようとしました。わたしは美羽ちゃんを狙うつもりで毒物を飲ませようと……御免なさい』 「…………そう。でも、今はいいよ。聞かせて」 貴方のことを。 私のことを。 何かがわかるような気がしたから。 『結果は行き違いがあって、わたしの友達が毒を飲みました。そして、わたしはその呵責に囚われた時思ったんです……何もかも中途半端だと……そして、死のうとした』 中途半端な自分。 藍子ちゃんのことが好きだ。 藍子ちゃんの応援をし続けていたい。 でもそれと同時に思うんだ。 どうして、私ばかりが諦めなきゃいけないんだ。 かなわないと思わないんだといけないんだ。 貴方ばかり……貴方ばかりと。 『でも』 そこで彼女は区切った。 まるで自分を見ているような彼女の独白は、形を変えようとしていた。 『高森藍子に助けられた』 あぁ……この子は、藍子ちゃんに救われたんだ。 藍子ちゃんはきっと手を差し伸ばしたんだ。 生きろって言ったんだ。 それは、私が知る藍子ちゃんとちょっと違う気がしたけれど。 それでも、この子は、『高森藍子』という存在に救われたんだ。 『彼女は言った。夢も恋も諦めないでって。それはとても強い想いの花束でした。 藍子ちゃんは、わたしと一緒だった』 アイドルであろう夢。 アイドルであろう恋。 あぁ、それは私にも確かにあって。 『『恋をして、そうやって、ずっと磨かれた、糧にして、今も強く、恋している!』と言って。それは、わたしが目指したアイドルで、なりたかったアイドルで』 わたしがなりたかったアイドルはなんだろう。 今はそれが解らなくて。 でも、この子はその言葉で救われたのだろう。 『あの子が、弱かった少女から強くなれたように、わたしも『アイドル』で居たいって』 誰だって強くなれる。 あの震えるだけだった、自信が無かった藍子が強くなれるように。 誰だって。 でもね、それだけじゃないんだよ。 強くても……弱くなることだってあるんだ。 『わたしは、弱いです。きっと今も……でも、わたしは前を向いていたい。やりたい事が一杯ある。歌鈴ちゃんの恋を応援したい』 「彼女は亡くなったのに?」 『それでも、彼女の想いを伝えなきゃいけないから……そして、わたしの罪にも向き合って、弱さにも向き合いたい』 彼女の罪は傍から聞いても許されるものではないだろう。 人を殺そうとしたんだもん。 けれど、 『それを抱えて生きて行く。この先どんな事あっても』 それは、一種の弱さから来る強さで。 『だから、わたしは知りたかった。生きて行くために。わたしを救ってくれた人の為に。いつか力になることがある時あったら、寄り添っていられるように」 そんな彼女は一種の正しさがあった。 …………あぁ。 この子は私だ。 恋に迷い。 友情に迷い。 そして、それに揺れた彼女は、中途半端に揺れて。 諦め切れなかった彼女は、私だ。 けれど、私であって、私でない。 私はそんなに、私自身の弱さを見つめてられない。 そんな弱さを抱えたまま、あの子の傍に居れない。 だから、私であって、私じゃない。 それでも、とても、『相葉夕美だった存在』に近しい。 「美穂ちゃん。教えてくれて、ありがと。 だから、教えてあげる。私のこと、藍子ちゃんのこと」 私は、きっと、彼女に、何もかも…… 「私は、貴方にそっくり。恋に惑って、諦めきれなくて。そんな半端な状態が嫌な貴方は、私みたい」 『えっ』 「私はね、藍子ちゃんが好きなんだ。優しくて、暖かで、前を向いているあの子が」 私は藍子ちゃんがやっぱり大好きだ。 それは変わりようもない事で。 だって、彼女の笑顔が私にとって、最高なんだから。 「彼女が、笑ってるのを見るのが好きで、彼女の『アイドル』は素敵で。だから、私は傍で応援しようと思ってたんだ」 『……そうなんですか』 「いつだって、傍で。一緒にいる事が幸せだった。彼女が幸せであればいいと思った……だって……」 『だって?』 「親友ってそういうものでしょ?」 「……はい」 私は藍子ちゃんの親友。 それは、何も変わらない。 だから、今、そう思えるうちに、伝えておこう。 「それが、私。 御免ね、上手く言えないんだけど……私は、きっと貴方にそっくりなんだよ……それが私が貴方に教えられる、私のこと……だから」 『だから?』 「藍子ちゃんを、よろしくね。ずっと傍に居てあげてね」 きっと、彼女だけは藍子ちゃんの傍に居て欲しい。 まるで、託すように、そう思えた。 だって、彼女は、私のようで。 私が『私だった頃』のようだった。 だって、今はもう、よく解らない。 悪魔に乱された私は、あの子が望む、あの子の親友でいられない。 なんだか、そう思うから。 「藍子ちゃんはね。ああ見えて、本当は臆病で、凄い弱いんだ。強いように見えるよね? でもね、違う。本当は泣きたいことも一杯ある。きっと、今も泣きたいのを抑えてるんだ。 でも、きっとそれをしない。あの子は、優しいから、泣けないんだ」 高森藍子という子は、臆病で、凄い弱い。 あの子は、何時だって優しいから、何時だって強いようにみえるだけ。 でも、あの子は優しいから泣けないの。 「だからね、支えてあげて。 私が知っている藍子ちゃんは、優しい子。 日向のような子」 藍子ちゃんの笑顔が蘇る。 優しい日向のような笑みが。 その陰で、悪魔が言った囁きが蘇る。 それは、私自身が抱えてる闇そのものだった。 美穂ちゃんが語った藍子の違和感。 まるで、強さを振り回すような藍子だった。 今の藍子が、正直解らない。 だから。 「そんなの子……貴方だけは、最後まで藍子の友達で居てあげて」 私が言えることは、それだけだった。 だって、私は 「きっと、私はもう無理だろうから」 『……それって』 今の相葉夕美は、 心の底から、高森藍子のことを信じてあげられないから。 「私、貴方と話せてよかった」 『……お願い、もう少し詳しく教えて……ください』 「……嫌だ」 『どうしてですかっ! これじゃまるで、別れ……』 あの子が語った藍子ちゃんは私にとって違和感しか生まれなかった。 きっと、これ以上はなしても齟齬で苦しんでしまうから。 そして、 「何もかも吐き出しそうになるから。言いたくないから。だから、藍子をよろしくね。それで、いいんだよ」 全部抱えてるもの言っちゃうから。 だから、私は此処でおしまいにする。 それは、本当に嫌なんだよ。 貴方は私に似ているから。 きっと、全部言っちゃう。 それが、嫌。 それに、時間だろう。 だって、多分 『そんな……『……美穂ちゃん?』……あっ』 そろそろ、藍子ちゃんが戻ってくると思ったから。 「うん、美穂ちゃん……藍子ちゃんにかわって欲しいな」 そして、始まる。 ――――私と藍子の待望の会話が。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……美穂ちゃん?」 まるで逃げるように会議室に去って藍子は、暫く警察署を彷徨っていた。 何となく自分の心を落ち着かせるのに、ただひたすらと歩いていて。 闇雲に歩いている最中に、携帯端末を給湯室に忘れている事に、藍子はやっと気付いた。 そして、慌てて戻っている時に、ネネに会ってきたと言う智絵里と目を赤くした美羽と合流し、美穂の下に向かうと、電話している姿が見えて。 藍子はその瞬間、状況を察して 「……もしかして、夕美ちゃん?」 「……はい」 それが、夕美からの電話だと、すぐにわかった。 だから、藍子は一回目を閉じて、そしてゆっくりとあけて気持ちを入れかえる。 友紀の事は、哀しいし、不安で、気にかかって仕方がない。 だけど、今は、藍子の親友である夕美と、話がしたかった。 だから、ちゃんと夕美と話したいと思って、今は夕美だけの事を考えて、電話を受け取る。 美羽は驚きながら、藍子を見て、智絵里もそれにつられて藍子を見ていた。 美穂は何処か不安そうに藍子を見ていた。 藍子は、それらを気にせず、ずっと会いたかった友達の名前を呼ぶ。 「……夕美ちゃん?」 『や、私だよ。元気にしてた?』 「勿論、私は元気だよ」 『そっか、よかった』 「夕美ちゃんは?」 『うん、まあ元気にしてたよ』 電話から、聞こえる夕美の声は一見いつもとかわらなさそうで藍子は少し、安心する。 未だに行方が解らなかったから、怪我をおって動けない。 そんな想像すら、していたから。 「今、何処にいるの?」 『んー南の浮き島の辺り?』 「……そんなところに居たんだ」 『そんな所に居たんだよ。ちひろさんも酷いよねー、そんな所に置くなんて』 これも、嘘じゃないだろう。 藍子はそう思いながら、言葉を紡ぐ。 何でそんな所におかれたか藍子には到底わからないが、それでは見つからないはずだ。。 「こっちは友紀ちゃんや美羽ちゃんにも会ったよ」 『うん、知ってる』 「友紀ちゃんは今居ないけれど……美羽ちゃんとかわろうか?」 『いや……いいよ。今は藍子ちゃんと話したいな』 友紀の名前を、口にするとき、藍子は少し心がちくっとした。 友紀の事を、夕美にも相談したかった。 けれど、電話から聞こえる夕美の声はやがて、藍子にとって少し違和感を感じるものに変わって来て。 美羽より藍子を優先した夕美に、それが徐々に確信めいた何かを感じ始めている。 何か、切羽詰ったものを夕美から感じて。 「……夕美ちゃん?」 『うん? どうしたのかな?』 「い、いや……なんでもないよ。色々話したくて、話したい事一杯で何から話そうかな……」 『そっか。いいよ、藍子ちゃんのペースで、ね』 それが、徐々に自分の胸騒ぎに変わっていくのを感じる。 夕美が、何かされたのではないか。 唐突にかかってきた電話。 殺し合いに巻き込まれたのに、余りにも普段と変わらないようにしようとする夕美。 考えれば、考えるほど不自然に思えてきて。 「ねえ、夕美ちゃん……この通話って、どうして出来たの?」 『言わないとダメ?』 「出来れば教えてほしいかな」 『藍子ちゃんは、しょうがないなぁ……ちひろさんに寂しいから、藍子ちゃんとお話したら、どうって』 「そう」 『それだけ。だから、もっと楽しい事話そうよ。 独りで寂しくてさ』 嘘だと、藍子は思う。 そんな理由でちひろが電話をさせてあげるほど、ちひろが優しいと藍子には思えなくなったから。 きっと何か打算があって夕美にかけてきたとしか思えない。 夕美まで何かされてると考えると、藍子はもう耐えられない。 『あは、そういえばこうやって話すのも久々だね』 「そういえば……そうだね」 『昔……そんな前でもないか。こうやって電話で色々話してたよね。藍子ちゃんが不安で眠れないとか』 「も、もう。そんなこともあったけれど!」 『あははっ……懐かしいねぇ』 いつものように、話す夕美は、もう藍子には違うようにしか感じられない。 ずっと一緒に居たから。 友達だから、親友だから。 今の、相葉夕美は、可笑しい。 まるで何かを必死に抑えてるようで。 『ふふっ……藍子ちゃんは、笑えてるようだね。良かった』 「夕美ちゃんも笑えてる?」 『私?……うん、大丈夫、笑えてるよ』 嘘だ。 絶対。 楽しく笑えてない。 『ねぇ、藍子ちゃん覚えてる?』 「……何かな?」 『藍子ちゃんが私の隣で、最後に泣いた日の事』 「……忘れるわけがないよ。あれは私にとっても、とても大切な日だから」 『そっか。あのね、私は――』 ねぇ。 夕美ちゃん。 どうして、どうして。 そんな声出すの。 やめて。 『あの時、聞いた夢。藍子ちゃんの想い、凄いと思ってるんだ。今でも。本当だよ』 「夕美ちゃん……」 『その夢を一緒に、フラワーズの皆で、一緒に叶えようって思った」 「私もだよ!」 『そんな夢を目指す藍子ちゃんが大好―――』 夕美ちゃんが、違う。 とても哀しそう。 とても辛そう。 いやだ、そんな、夕美ちゃん 見たくない。 だから。 「夕美ちゃん!」 私は、貴方を救いたい。 貴方が哀しんでいるなら。 私は貴方を助けたい。 だって、私は貴方の、親友なんだから。 『な、何かな?』 「夕美ちゃん、どうしたの。凄く辛そう……」 『そ、そんなことないよ……』 「ううん、何か必死に抑えてる。ちひろさんに何かされたの?」 考えられるのはちひろさんしかいなくて。 私はそのまま夕美ちゃんに言葉をぶつける。 『そんな事ないって。藍子ちゃん、やめよう……そんな事』 「いや……辛い夕美ちゃん見たくない!」 『だから藍子ちゃん、そんな事じゃないって……!』 だって、夕美ちゃん。 声震えてるよ。 苦しいそうだよ。 ダメだよ。 そんなの。 「ねえ、夕美ちゃん。苦しいなら、言って。哀しいなら言って」 私が、全部聞くから。 私に、全部言って。 あの時、私が泣いた時のように。 今度は夕美ちゃんの隣に私がいるから。 「優しい気持ち大事だよ? 大丈夫だよ、夕美ちゃん強いもん。一緒に居よう?」 優しくなれば、きっとまた笑える。 夕美ちゃん強いもん。 私達と一緒に居ようよ。 「此処には皆、居る。アイドルの皆が。皆で居れば、きっと大丈夫。独りはダメだよ?」 一緒に居ればいいよ。 私と美羽ちゃんと、ここにはいないけど友紀ちゃんも絶対連れてくるから。 「そうして、プロデューサーに会おう。フラワーズ皆で!」 だから、夕美ちゃんも一緒に居て欲しい。 「私、独りで抱え込む夕美ちゃん見たくないよ。辛いなら哀しいなら……」 だから。 「私は何度だって、笑って、夕美ちゃんに手をさしのばすから」 優しくなれるように。 お願い、私の傍にいて。 「だって、私、夕美ちゃんの親友だもんっ!」 わたしの、大切な親友。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ああ。 やめて、藍子ちゃん。 耐えられなくなる。 何これ、藍子ちゃん。 なんで、そんな事言うの? 「ううん、何か必死に抑えてる。ちひろさんに何かされたの?」 どうして、そうやって決め付けるの。 私が頑張って必死に吐き出さないようにしてるのに。 どうして、藍子ちゃんは…… 「いや……辛い夕美ちゃん見たくない!」 やめてよ。そんな事言わないで。 我慢してるんだよ、これでも。 ずっと、ずっと! 「ねえ、夕美ちゃん。苦しいなら、言って。哀しいなら言って」 言える訳ないじゃない。 言いたくないことだって一杯ある。 哀しみを貴方に言える分けない。 だって、貴方が大好きなんだから。 それを言ったら貴方を傷つける。 「優しい気持ち大事だよ? 大丈夫だよ、夕美ちゃん強いもん。一緒に居よう?」 どうして? 私は強くない。 なんで、なんで! 藍子ちゃんは、そんな変わったの? 嫌だ、違和感しか感じない。 貴方はそんな優しさというものを上から振りかざす人じゃない。 強さを押し付ける人じゃない! 私が知ってる藍子ちゃんじゃない! 私の藍子ちゃんじゃない! 「此処には皆、居る。アイドルの皆が。皆で居れば、きっと大丈夫。独りはダメだよ?」 私は貴方がいればよかったんだよ。 私はそれで終われたのに。 止めてよ、それ以上そんな言葉かけないでよ。 「そうして、プロデューサーに会おう。フラワーズ皆で!」 やめて。 あの人が望んでいるのは貴方なんだよ。 私じゃないんだよ! そんな風に勝ち誇るのはやめてよ! いやだよ 「私、独りで抱え込む夕美ちゃん見たくないよ。辛いなら哀しいなら……」 だから、もう 「私は何度だって、笑って、夕美ちゃんに手をさしのばすから」 あぁ。 あぁぁぁあぁああぁ! そうやって、そうやって! 貴方はそうやって! 私を見下すんだ。 どうにも届かない高いところから。 貴方は手をさしのばすんだ。 「だって、私、夕美ちゃんの親友だもんっ!」 私は、高森藍子の親友 ――だったのに。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 何かが、壊れるような音がした。 きっと、それは、私の心だった。 「いつだって、藍子ちゃんはそうだ。もううんざりだよ。 やめてよ。それ以上そんな事いうのやめてよ。 だめなんだってそういうの……もう、耐える事できないよ…… いつだって貴方はそう。そうやって上から何でも解ったようにいてさ。 いつも、いつもいつも! 私がどれだけ我慢してるか、貴方わかる!? 解らないよね! たくさんなんだよ、もう本当沢山。そういうの、いつだって私してきたよ。 くるしいよ。藍子ちゃんがそうやって言葉かけてくるの。見下してるんでしょ。 なんども、なんどもさあ。貴方のそういう無神経なところ苦しめられて。 いつも、我慢するのは、遠慮ょするのは、私だもの! あぁもう、そういうところがいつもイラついてたんだ。 いつも無神経で、誰の心も考えてない。 これだって、そうだ。私のこと何も思ってないじゃない。 たすけるなんて、凄い上から見て。強いね、藍子ちゃんは すごいよ、藍子ちゃんは。いつだって強くて、私、貴方が羨ましい。 けどね、そういうのもう、我慢できない。 てを差し伸べるだって」 高森藍子のことが大好きだった。 あの子のいい所、喜ぶこといっぱい言えるよ。 けど、それと同時に。 あの子の悪いところ、傷つくこともいっぱい言えた。 「あーあー。 もう言っちゃうね ――藍子さぁ、そういう所、うざいんだって、やめてよ。そういう藍子、大嫌い」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 一度、吐き出したらもう止まらなかった。 あの子に感じてた悪い事、嫌いなことを、全部いえそうだった。 『……えっ』 「ねえ、藍子さあ。私ね、凄い頑張ってたんだよ。 やっとアイドルになれて。フラワーズというグループもらえて でも、気が付いたら貴方が一番になってて。私はいつもその次で。それなのに、貴方はいつでも、皆を立てて。 まるで、自分が一番じゃないかのように振舞って。そういうのむかつくんだよ? 傷つくんだよ?」 藍子がいつの間にかリーダーになっていた。 最初は私のグループだったはずのに。 そしたら、どんどん先に行って。 私は実力的にも評判も、全部貴方の後ろ。 それなのに、貴方はいつも一番じゃないって言う。 何でよ、そんなの明白じゃない。 そういうの、プライドが傷つくんだよ。 私だって一番になりたかった。 それでも、貴方に勝てなかったのに。 貴方がそれを認めないの、やめてよ。 「ただ、惨めになるだけ。 私はいつだって、そう貴方に負けてないといけない。 どうして? ねえ、どうして? 貴方と私に、どれだけの差がついた? それなのに、貴方は認めないの? やめてよ。そういうの、大嫌い」 そうやって、悔しい思いにも頑張って耐えて。 私は本当は一人でデビューしたかった。 相葉夕美として。 フラワーズの相葉夕美じゃなくて。 それで人気を得たかった。 「それだけじゃ知らず、優しさ振り舞いて、時に私を見下してたでしょ」 『ち、ちが……』 「違うくない! 今だってそうやってた! 悔しいよ! 私、かなわないんだもん! 藍子に! なのに、いつも貴方はそうじゃないって!」 かなわないことはわかってた。 でも、それでもよかったのに。 なのに、そうやって勝ち誇られてた。 優しさでいつも私を立ててた。 でも、それは同時に高みから見る見下しだ。 「昔の藍子は、そうじゃなかった。藍子は、私の藍子は、傍で、一緒にいてくれる子だったのに!」 『今だってそうだよ……ねえ、夕美ちゃん……やめて』 「違う! 今の藍子は違う! 藍子じゃない、私の藍子じゃない!」 どんどん、届かないところにいってしまう。 私の手から離れていってしまう。 藍子が、どんどん遠くに行ってしまう。 私の傍から離れていく。 もう、何処にも届かない事に。 「想いだって叶わない……だって、私だって、好きだったんだよ?」 『えっ』 「プロデューサーの事……貴方と同じくらい、藍子と同じくらい、大好きだった」 『そんなの知らない……』 「だって、いえるわけじゃないじゃない! 私は貴方のことが好きで、大切で! 貴方のことを思ったら言えるわけなかった!」 祝福したかった。 でも、できなかった。 苦しかった。 そうだそうなんだ。 「貴方の笑顔みてて、藍子が幸せそうで、でも、それでよかったのに……貴方に勝てないのいつまでも、見せ付けられて 私だってあの人のこと好きだったのに。 でも、仕方ないと思った。 けど、苦しくて、哀しくて。 あの人と貴方が幸せなればいい。でも、そうすると、二人とも、もう、届かない」 辛かった。 私の思いがかなわないのが。 「それなのに、藍子は想いを隠して優しくしてさ! 好きなら好きといってよ! 祝福したのに……遠慮してさ……やめてよ……」 ただ、それが辛かった。 「ねえ、どうして、どうして? 私ばかり我慢しなきゃならないの? 私だけ諦めなきゃならないの? 私は藍子を立て続けなきゃならないの? 何時までも?」 いつだって、私は我慢してた。 いつだって、私は諦めてた。 藍子が幸せならそれでいい。 だって、藍子が好きだったから。 だって、藍子の笑顔が見るのが好きだった。 でも、どうして、私だけなの? でも、どうして、私だけがこうなるの? 「藍子も、あの人も大好きなのに、大切なのに、皆、離れていく。嫌だよ……なんでなの……苦しいよ、哀しいよ」 藍子のことが好きで。 でも、藍子はいつだって私のことに気付いてくれない。 私が我慢してることも、譲ってることも。 そして、私を離した高みの上で見下してる。 「そういうの、嫌いなんだよ。藍子」 わたしはね。 「藍子さあ、そういう、優しければいいみたいの、私ダメなんだ、なんか、見下されているようで。 私は藍子の親友だって。思い続けていたよ。 でも、なんかどんどん藍子が遠くに言っちゃう。 藍子にかなわない。 それならそれでいい。 でも、貴方はそうやって高みから見下す。 ――――そういうの、私、大嫌いだよ」 ただ、そういうのが、そういう藍子が嫌いだった。 「フラワーズだって、そうだ。貴方が一番だったのに。 貴方がそれを認めない。 貴方の為のグループになっていたのに。 皆そう思ってたのに、あなた自身が何時までも認めない。 藍子、そういうの私、傷つくんだ」 だから 「そういう藍子、嫌いだったよ」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 言ってしまった言葉があって。 まだ言い足りない事もあって。 続けようとして。 『ねえ……夕美ちゃん……夕美ちゃんにとって、フラワーズは、私はただの重い枷だったのかな?』 震えた、藍子の言葉で。 私は吐き出した言葉が戻らない事も知っているのに。 ただ、我に返った。 「ち、違う。違うよ……藍子……あぁ……あああああああああああああああ!!!!!」 そして、狂ったような声が、私からあふれでた。 涙と共に、強い叫びがあふれでた。 言いたくなかった。 なのに、言ってしまった。 抑えたかった思いがあふれでた。 「藍子、藍子……私は、それでも、藍子のことが好きだったんだよ」 弁明のように言葉を紡ぐ。 嘘じゃない。 それも真実だった。 「藍子の温かいところが、優しいところがそれでも、好きだった。本当だよ! 大好き!」 とめどなく出た想い。 すきという感情。 これも本当だった。 まるで、うそっぱちに響くだろうけど。 「ごめんね……ごめん……御免なさい……」 そして、謝るしかなかった。 言うべき感情じゃなかったのに。 言ってしまった。 「ごめんね。もう何も、元通りといかいかないよね」 だから、後は壊れるだけだから。 私はもう一つの本当のことも言おう。 「だから、最後に、いうね。藍子。 私は、それでも、そう思っていても。 藍子が友達だと思った。 私が我慢していた事、傷ついていた事、諦めた事も沢山あった。 でも、それと同時に、藍子から、幸せな事、嬉しい事、励まされた事一杯あった。 一緒に居たかったいつまでも。 ずっと、傍に居て。 笑いあって居たかった。 こんな重たいものを持っていても。 私は居たかった。 なんでって? それ位、藍子のことが嫌い以上に、大好きだったから。 だから、藍子、最後に」 息を吐いて言葉を紡ぐ。 「貴方の笑顔に、貴方に想いに私は 救われてたよ。 私は独りじゃなくて本当によかった。 プロデューサーと幸せに。 藍子今まで、ありがとう。 大好きだよ……私の、親友。 ごめんね……大嫌いで大好きな人」 その言葉が箍で外れたように、涙が出てきて。 藍子が、電話を落とした音が聞こえてきた。 それで、終わりなのだろう。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 『夕美ちゃん!』 「……美羽」 でも、まだ通話は続いていて。 美羽の声が聞こえてくる。 美羽が電話を拾ったのだろう。 『ねえ、どうしたの! 夕美ちゃん』 「……よかった美羽はそのままなんだね」 『何がなんだか、わかんないよ! 藍子ちゃんは固まっているし……』 「千川ちひろに、全部グチャグチャにされた。だから、もうお仕舞」 美羽は最初の声でわかった。 この子は何も変わってない。 何もされてない。 だから、安心して託す事が出来る。 「美羽、聞いて」 『な、何を……?』 「千川ちひろは、きっとフラワーズを潰すつもりなんだと思う」 『……えっ』 「友紀ちゃんもそうなって、藍子も……だから、美羽。千川ちひろに負けない為にも」 愛しいフラワーズの末妹。 勇気の花。 ポピーの美羽。 「貴方だけはフラワーズの美羽のままで居てね」 『……うん』 「約束だよ」 『……う、ん』 「ほら、泣かない。強い子なんだから」 『うん』 「じゃあ、さよなら。美羽」 貴方の事 ううん、フラワーズの事も。 大好きだったよ。 だから 「どうか、健やかにね」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そうして、通話を切ろうとする。 美羽の声も藍子の声も聞こえない。 私が終わらせたから。 『ダメッ! そんなの、絶対に! 絶対に!』 なのに、聞こえてきた声。 『親友同士の別れが、こんな終わりで終って、たまるものか! わたしが感じた哀しみを藍子ちゃんに感じさせるものか!』 聞こえてきた声は、さっき始めてあった子の声。 『夕美ちゃん! そんなので終らせない!』 小日向美穂の声だった。 「美穂ちゃん……もういいんだよ。終ったんだよ」 『そんな事認めない。 詳しい事は解らないけど……哀しいことが起きたんだよね……でも、貴方も、藍子ちゃんも生きている!』 何が彼女をかきたてているのか。 『わたしの我侭だけど、終わってほしくない! わたしと歌鈴ちゃんはもう話せないんだ! 謝る事も、好きだって事も、伝える事が出来ない!」 彼女の親友は死んだ。 話さないまま。 ただ、それだけの事で。 『だから、大事な親友なら、失ってほしくないから! 夢を見て、笑ってほしいから! もう一度だけしっかり話して!』 ねえ、どうして。 「どうして、貴方はそんなに頑張るの?」 『だって解るから。わたしが――――』 それは、私がいった言葉だった。 『貴方だというなら、大好きな人とつないだこの手を、離したくないから。 大好きな人と、哀しみで終らせないで!」 あぁ。 そうだ。 私は藍子ちゃんと―――― ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「聞こえますか? 夕美ちゃん」 「うん」 「良かった」 「……藍子」 「大丈夫。全部解ったから。色んな想い、伝わったから」 「御免ね、本当ごめん……」 「正直、夕美ちゃんの気持ち全くわかってなくてごめんね」 「藍子が謝る事じゃないよ」 「ううん……気づけなかったのは、親友である私のせいだから」 「藍子……」 「あのね」 「なぁに」 「夕美ちゃんにこれだけは、伝えるね」 「辛い時も、哀しい時も一緒にいよう……ううん、楽しい時も、嬉しいときも、会いたいときも、ずっと一緒にいよう、一緒にいればいいじゃない!」 「その言葉は……」 「うん、私が言ってもらった言葉。嬉しかった。だからね、今の事も、哀しくないんだ」 「どうして?」 「一緒に言葉を交わせたから、一緒にいれたから それが、よかったから」 「っ!?」 「だからね、私、夕美ちゃんのことが大好き。今も、これからも、永遠に」 「藍子……ちゃん……藍子ちゃん……」 「夕美ちゃんはどう?」 「私――――藍子ちゃんのことが、大好きっ! ずっと、ずっと、ずっと大好き!」 「うん!」 「ねえ、藍子ちゃん」 「なあに?」 「私達――――出会えてよかったよね?」 「勿論だよ」 「「ありがとう、私の大好きな大好きな親友」」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そこで、通話が、切れた。 哀しくも、幸せだった事をねがった結末が、そこにあった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「どうして! どうして!」 通話が終わり、美羽は泣いていた。 泣きながら、藍子の胸をひたすら叩いていた。 藍子を睨みながら、ぽかぽかと。 「どうして、貴方が泣いてあげないんですか! 藍子ちゃん!」 それは、藍子が泣いていないから。 困ったように笑っているだけだから。 「夕美ちゃん、死ぬつもりですよ! あれで、最期かもしれないのに!」 「……」 誰も彼も、解っていた。 相葉夕美が、生きて会うつもりが無い事を。 それなのに、親友の藍子が何も泣いてない。 「貴方が一番泣いてあげなくて、誰が一番泣いてあげるんですか! 夕美ちゃんの為に!」 「……」 「何とか言ってくださいよ! お願いだから!」 ぽかぽかと胸を叩き続けて。 美羽はふと藍子の顔を見る。 そこに在ったのは、余りにも、暗いクライ瞳があって。 「……っ!」 美羽は驚いて、そのまま後ずさってもう一度、藍子の顔を見る。 そこには何も、変わらない藍子の困ったような笑みだった。 見間違いだろうか。 解らないけど。 でも、今はもう 「もう……いいです!」 この人と一緒に居たくなかった。 美羽ははじけ飛ぶように、部屋から出て行く。 智絵里はただ傍観していただけだったけれど、やがて美羽を追っていて。 残されたのは二人だけ。 困ったように笑い続ける藍子と、それを見つめる美穂だけで。 美穂は、美羽の言葉を、違うと心中、想い。 高森藍子が泣かない理由に、やっと気付いた。 この子は泣かないんじゃない。 多田李衣菜と木村夏樹の死に泣いたのを茜から聞いた。 他人の為にこの子は泣ける。 なのに、何で自分のことになると途端に泣かないのか。 いや、『泣けない』のだ。 自分に関わる哀しみに。 決して、高森藍子は泣かない。 何故だろう。 考えて、考えて。 そして理解した。 それは、きっと高森藍子が望んだ姿なのだろう。 『アイドル』高森藍子の姿がそこに在るんだ。 ああ、と美穂は思う。 それはきっと、アイドルとして一種の正しい姿なのだろう。 他人の為に泣く事は出来るけど、自分の周りの哀しみに、泣かずに笑顔を振りまく姿。 でも、それは正しい一方で、とても間違っている。 それがアイドルと言うなら、あまりにも、哀しすぎる。 けれど、間違っていることを否定できない。 それが、アイドル高森藍子の姿なのだから。 だから、美穂は傍に居ようと思う。 正しいものの、間違っているところまで、理解して、愛そう、信じようと。 その間違いを言ってしまったら。 きっと、藍子は壊れてしまうから。 どんな強いものだってきっと。 美穂は何も言わずに、自分の胸に藍子を抱き寄せていた。 それでも藍子は泣く事はなかったけれど。 ただ、身体の震えけは、どうしても伝わってきて。 今はきっと、それでいいと思う。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「楓さん」 「何、智絵里ちゃん」 その部屋には楓を探して見つけて、傍で泣いている美羽。 何で泣いているか、解らず困ったように美羽を見ていた楓。 そして、その楓を見据えていている智絵里が居た。 智絵里は、藍子と夕美が悲しい別れをしたのを、何となく理解できた。 それは、余りにも哀しくて。 哀しみで終らしていいものなんて、やっぱり何処にもないと智絵里は思う。 だから、知る必要があるんだと思う。 「貴方は知らなきゃ、やっぱりダメです」 「何を?」 彼女が、終らせたかもしれない命の事を。 「南条光さんと、ナターリアさんの最期、聞いてください」 哀しみに先にあるものの為に。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 相葉夕美は、ただ泣いていた。 泣いて。 泣いて。 それだけだった。 何もない、涙だけがずっと流れていて。 そして、忘れようもない思い出がずっと傍にあって。 声を上げて、泣く事しか出来なかった。 そんな彼女を、沢山の星を見つめいていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そして。 『なにものでもない少女』が屋上から、星を見ていた。 だんだん、明るくなってきて星が見えなくなっていく。 そして、押し寄せる哀しみに必死に耐えていて。 フェンスに、身体を押し付けていて。 やがて、その身体ごと、膝から崩れ落ちて行く。 両手はフェンスを握り締めながら。 ただ、もう、立てなくなって。 ずっと、ずっと身体を震わしていた。 そして、 『なにものでない少女』はそれでも、涙を流す事ができなかった。 ――いつでも側にいること、普通に感じていたけど、もっと大事にしよう 夢見て笑っていよう 失いたくない 【G-5・警察署 / 二日目 黎明】 【高森藍子】 【装備:少年軟式用木製バット、和服、ブリッツェン】 【所持品:基本支給品一式×2、CDプレイヤー(大量の電池付き)】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:殺し合いを止めて、皆が『アイドル』でいられるようにする。 0:?????? 1:????? 2:自分自身の為にも、愛梨ちゃんを止める。もし、“悪役”だとしても。 【小日向美穂】 【装備:クリスマス用衣装】 【所持品:基本支給品一式×1、草刈鎌】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:恋する少女として、そして『アイドル』として、自分の弱さを、大切にしながら、それでもなお強く生きる。 0:藍子ちゃんの理解して、傍にいよう。 1:美羽ちゃんの友人になれるようがんばろう。 2:歌鈴ちゃんの想いをプロデューサーさんまで届ける。 3:ネネちゃんにした事を絶対忘れない。 ※装備していた防護メット、防刃ベストは雨に濡れた都合で脱ぎ捨てました。(警察署内にあります) 【栗原ネネ】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式×1、携帯電話】 【状態:憔悴】 【思考・行動】 基本方針:輝くものはいつもここに 私のなかに見つけられたから。 1:未来を見据え生き抜くことを目標とし、選び続ける。 2:美穂を許したことにする。 ※毒を飲みましたが、治療により当座の危機は脱しました。 ※1日 #65374;数日の間を置いて、改めて容体が悪化する可能性が十分にあります。 【川島瑞樹】 【装備:H K P11水中ピストル(5/5)、婦警の制服】 【所持品:基本支給品一式×1、電動車椅子】 【状態:疲労、わき腹を弾丸が貫通・大量出血(手当済み)】 【思考・行動】 基本方針:プロデューサーを助けて島を脱出する。 0:本当大変ね…… 1:友紀ちゃんのことが心配。 2:夜が明けたら漁港へと使える船があるか確認しに行く? 3:お酒、ダメ。ゼッタイ。 4:ちひろはなにを考えて……? 【大石泉】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式x1、音楽CD『S(mile)ING!』、爆弾や医学に関する本x数冊ずつ、RPG-7、RPG-7の予備弾頭x1】 【状態:睡眠中、右足の膝より下に擦過傷(応急手当済み)】 【思考・行動】 基本方針:プロデューサーを助け親友らの下へ帰る。脱出計画をなるべく前倒しにして進める。 0:私だって…… 1:首輪解除の準備を始めたいけど……? 2:医学書を読んでできることがあれば栗原ネネにできるだけの治療や対処を行う。 3:夜が明けたら、漁港へと川島さんを派遣して使える船があるか見てきてもらう? 4:放送待って、茜の安否を核に。 友紀が心配。 5:学校を再調査する。 6:緊急病院にいる面々が合流してくるのを待つ。また、凛に話を聞いたものが来れば受け入れる。 7:“悪役”、すでに殺しあいにのっているアイドルには注意する。 8:依然として行方の知れないかな子のことが気になる。 【緒方智絵里】 【装備:アイスピック ニューナンブM60(4/5) ピンクの傘】 【所持品:基本支給品一式×1(水が欠けてる)、ストロベリー・ボム×16】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:心に温かい太陽を、ヒーローのように、哀しい夢を断ち切り、皆に応援される幸せな夢に。 0:貴方は知らなきゃダメです。 1:他のアイドルと出会い、『夢』を形にしていく。 2:大好きな人を、ハッピーエンドに連れて行く。 3:姫川友紀を止める。 その為に姫川友紀のことを聞く。 【高垣楓】 【装備:仕込みステッキ、ワルサーP38(6/8)、ミニパト】 【所持品:基本支給品一式×2、サーモスコープ、黒煙手榴弾x2、バナナ4房】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:アイドルとして、生きる。生き抜く。 0:????????? 1:まゆちゃんの想いを伝えるために生き残る。 2:お酒は生きて帰ってから? 【矢口美羽】 【装備:鉄パイプ】 【所持品:基本支給品一式、ペットボトル入りしびれ薬、タウルス レイジングブル(1/6)、歌鈴の巫女装束】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:?????? 0:??????? 【G-7 大きい方の島/二日目 早朝】 【相葉夕美】 【装備:ライフジャケット】 【所持品:基本支給品一式、双眼鏡、ゴムボート、空気ポンプ、オールx2本 支給品の食料(乾パン一袋、金平糖少量、とりめしの缶詰(大)、缶切り、箸、水のボトル500ml.x3本(少量消費)) 固形燃料(微量消費)、マッチ4本、水のボトル2l.x1本、 救命バック(救急箱、包帯、絆創膏、消毒液、針と糸、ビタミンなどサプリメント各種、胃腸薬や熱さましなどの薬) 釣竿、釣り用の餌、自作したナイフっぽいもの、ビニール、傘の骨、ブリキのバケツ(焚き火)、アカガイ(まだまだある?)】 【状態:慟哭、『絶望(?)』】 【思考・行動】 基本方針:???????????????????????? 0:?????????????????????????? 前:THE 愛 投下順に読む 次:欺瞞 前:彼女たちが生きてこそと知るクラッシュフォーティー 時系列順に読む 次:欺瞞 前:彼女たちのかつて、そして現在のサーティーナイン 大石泉 次:彼女たちの誰もが愚者を演じるフォーティスリー 川島瑞樹 高垣楓 矢口美羽 栗原ネネ 小日向美穂 前:彼女たちがそれを選んだサーティエイトスペシャル 高森藍子 前:Shangri-La 緒方智絵里 前:もうひとりじゃないよ 相葉夕美 次: ▲上へ戻る
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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……美穂ちゃん?」 まるで逃げるように会議室に去って藍子は、暫く警察署を彷徨っていた。 何となく自分の心を落ち着かせるのに、ただひたすらと歩いていて。 闇雲に歩いている最中に、携帯端末を給湯室に忘れている事に、藍子はやっと気付いた。 そして、慌てて戻っている時に、ネネに会ってきたと言う智絵里と目を赤くした美羽と合流し、美穂の下に向かうと、電話している姿が見えて。 藍子はその瞬間、状況を察して 「……もしかして、夕美ちゃん?」 「……はい」 それが、夕美からの電話だと、すぐにわかった。 だから、藍子は一回目を閉じて、そしてゆっくりとあけて気持ちを入れかえる。 友紀の事は、哀しいし、不安で、気にかかって仕方がない。 だけど、今は、藍子の親友である夕美と、話がしたかった。 だから、ちゃんと夕美と話したいと思って、今は夕美だけの事を考えて、電話を受け取る。 美羽は驚きながら、藍子を見て、智絵里もそれにつられて藍子を見ていた。 美穂は何処か不安そうに藍子を見ていた。 藍子は、それらを気にせず、ずっと会いたかった友達の名前を呼ぶ。 「……夕美ちゃん?」 『や、私だよ。元気にしてた?』 「勿論、私は元気だよ」 『そっか、よかった』 「夕美ちゃんは?」 『うん、まあ元気にしてたよ』 電話から、聞こえる夕美の声は一見いつもとかわらなさそうで藍子は少し、安心する。 未だに行方が解らなかったから、怪我をおって動けない。 そんな想像すら、していたから。 「今、何処にいるの?」 『んー南の浮き島の辺り?』 「……そんなところに居たんだ」 『そんな所に居たんだよ。ちひろさんも酷いよねー、そんな所に置くなんて』 これも、嘘じゃないだろう。 藍子はそう思いながら、言葉を紡ぐ。 何でそんな所におかれたか藍子には到底わからないが、それでは見つからないはずだ。。 「こっちは友紀ちゃんや美羽ちゃんにも会ったよ」 『うん、知ってる』 「友紀ちゃんは今居ないけれど……美羽ちゃんとかわろうか?」 『いや……いいよ。今は藍子ちゃんと話したいな』 友紀の名前を、口にするとき、藍子は少し心がちくっとした。 友紀の事を、夕美にも相談したかった。 けれど、電話から聞こえる夕美の声はやがて、藍子にとって少し違和感を感じるものに変わって来て。 美羽より藍子を優先した夕美に、それが徐々に確信めいた何かを感じ始めている。 何か、切羽詰ったものを夕美から感じて。 「……夕美ちゃん?」 『うん? どうしたのかな?』 「い、いや……なんでもないよ。色々話したくて、話したい事一杯で何から話そうかな……」 『そっか。いいよ、藍子ちゃんのペースで、ね』 それが、徐々に自分の胸騒ぎに変わっていくのを感じる。 夕美が、何かされたのではないか。 唐突にかかってきた電話。 殺し合いに巻き込まれたのに、余りにも普段と変わらないようにしようとする夕美。 考えれば、考えるほど不自然に思えてきて。 「ねえ、夕美ちゃん……この通話って、どうして出来たの?」 『言わないとダメ?』 「出来れば教えてほしいかな」 『藍子ちゃんは、しょうがないなぁ……ちひろさんに寂しいから、藍子ちゃんとお話したら、どうって』 「そう」 『それだけ。だから、もっと楽しい事話そうよ。 独りで寂しくてさ』 嘘だと、藍子は思う。 そんな理由でちひろが電話をさせてあげるほど、ちひろが優しいと藍子には思えなくなったから。 きっと何か打算があって夕美にかけてきたとしか思えない。 夕美まで何かされてると考えると、藍子はもう耐えられない。 『あは、そういえばこうやって話すのも久々だね』 「そういえば……そうだね」 『昔……そんな前でもないか。こうやって電話で色々話してたよね。藍子ちゃんが不安で眠れないとか』 「も、もう。そんなこともあったけれど!」 『あははっ……懐かしいねぇ』 いつものように、話す夕美は、もう藍子には違うようにしか感じられない。 ずっと一緒に居たから。 友達だから、親友だから。 今の、相葉夕美は、可笑しい。 まるで何かを必死に抑えてるようで。 『ふふっ……藍子ちゃんは、笑えてるようだね。良かった』 「夕美ちゃんも笑えてる?」 『私?……うん、大丈夫、笑えてるよ』 嘘だ。 絶対。 楽しく笑えてない。 『ねぇ、藍子ちゃん覚えてる?』 「……何かな?」 『藍子ちゃんが私の隣で、最後に泣いた日の事』 「……忘れるわけがないよ。あれは私にとっても、とても大切な日だから」 『そっか。あのね、私は――』 ねぇ。 夕美ちゃん。 どうして、どうして。 そんな声出すの。 やめて。 『あの時、聞いた夢。藍子ちゃんの想い、凄いと思ってるんだ。今でも。本当だよ』 「夕美ちゃん……」 『その夢を一緒に、フラワーズの皆で、一緒に叶えようって思った」 「私もだよ!」 『そんな夢を目指す藍子ちゃんが大好―――』 夕美ちゃんが、違う。 とても哀しそう。 とても辛そう。 いやだ、そんな、夕美ちゃん 見たくない。 だから。 「夕美ちゃん!」 私は、貴方を救いたい。 貴方が哀しんでいるなら。 私は貴方を助けたい。 だって、私は貴方の、親友なんだから。 『な、何かな?』 「夕美ちゃん、どうしたの。凄く辛そう……」 『そ、そんなことないよ……』 「ううん、何か必死に抑えてる。ちひろさんに何かされたの?」 考えられるのはちひろさんしかいなくて。 私はそのまま夕美ちゃんに言葉をぶつける。 『そんな事ないって。藍子ちゃん、やめよう……そんな事』 「いや……辛い夕美ちゃん見たくない!」 『だから藍子ちゃん、そんな事じゃないって……!』 だって、夕美ちゃん。 声震えてるよ。 苦しいそうだよ。 ダメだよ。 そんなの。 「ねえ、夕美ちゃん。苦しいなら、言って。哀しいなら言って」 私が、全部聞くから。 私に、全部言って。 あの時、私が泣いた時のように。 今度は夕美ちゃんの隣に私がいるから。 「優しい気持ち大事だよ? 大丈夫だよ、夕美ちゃん強いもん。一緒に居よう?」 優しくなれば、きっとまた笑える。 夕美ちゃん強いもん。 私達と一緒に居ようよ。 「此処には皆、居る。アイドルの皆が。皆で居れば、きっと大丈夫。独りはダメだよ?」 一緒に居ればいいよ。 私と美羽ちゃんと、ここにはいないけど友紀ちゃんも絶対連れてくるから。 「そうして、プロデューサーに会おう。フラワーズ皆で!」 だから、夕美ちゃんも一緒に居て欲しい。 「私、独りで抱え込む夕美ちゃん見たくないよ。辛いなら哀しいなら……」 だから。 「私は何度だって、笑って、夕美ちゃんに手をさしのばすから」 優しくなれるように。 お願い、私の傍にいて。 「だって、私、夕美ちゃんの親友だもんっ!」 わたしの、大切な親友。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ああ。 やめて、藍子ちゃん。 耐えられなくなる。 何これ、藍子ちゃん。 なんで、そんな事言うの? 「ううん、何か必死に抑えてる。ちひろさんに何かされたの?」 どうして、そうやって決め付けるの。 私が頑張って必死に吐き出さないようにしてるのに。 どうして、藍子ちゃんは…… 「いや……辛い夕美ちゃん見たくない!」 やめてよ。そんな事言わないで。 我慢してるんだよ、これでも。 ずっと、ずっと! 「ねえ、夕美ちゃん。苦しいなら、言って。哀しいなら言って」 言える訳ないじゃない。 言いたくないことだって一杯ある。 哀しみを貴方に言える分けない。 だって、貴方が大好きなんだから。 それを言ったら貴方を傷つける。 「優しい気持ち大事だよ? 大丈夫だよ、夕美ちゃん強いもん。一緒に居よう?」 どうして? 私は強くない。 なんで、なんで! 藍子ちゃんは、そんな変わったの? 嫌だ、違和感しか感じない。 貴方はそんな優しさというものを上から振りかざす人じゃない。 強さを押し付ける人じゃない! 私が知ってる藍子ちゃんじゃない! 私の藍子ちゃんじゃない! 「此処には皆、居る。アイドルの皆が。皆で居れば、きっと大丈夫。独りはダメだよ?」 私は貴方がいればよかったんだよ。 私はそれで終われたのに。 止めてよ、それ以上そんな言葉かけないでよ。 「そうして、プロデューサーに会おう。フラワーズ皆で!」 やめて。 あの人が望んでいるのは貴方なんだよ。 私じゃないんだよ! そんな風に勝ち誇るのはやめてよ! いやだよ 「私、独りで抱え込む夕美ちゃん見たくないよ。辛いなら哀しいなら……」 だから、もう 「私は何度だって、笑って、夕美ちゃんに手をさしのばすから」 あぁ。 あぁぁぁあぁああぁ! そうやって、そうやって! 貴方はそうやって! 私を見下すんだ。 どうにも届かない高いところから。 貴方は手をさしのばすんだ。 「だって、私、夕美ちゃんの親友だもんっ!」 私は、高森藍子の親友 ――だったのに。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 何かが、壊れるような音がした。 きっと、それは、私の心だった。 「いつだって、藍子ちゃんはそうだ。もううんざりだよ。 やめてよ。それ以上そんな事いうのやめてよ。 だめなんだってそういうの……もう、耐える事できないよ…… いつだって貴方はそう。そうやって上から何でも解ったようにいてさ。 いつも、いつもいつも! 私がどれだけ我慢してるか、貴方わかる!? 解らないよね! たくさんなんだよ、もう本当沢山。そういうの、いつだって私してきたよ。 くるしいよ。藍子ちゃんがそうやって言葉かけてくるの。見下してるんでしょ。 なんども、なんどもさあ。貴方のそういう無神経なところ苦しめられて。 いつも、我慢するのは、遠慮ょするのは、私だもの! あぁもう、そういうところがいつもイラついてたんだ。 いつも無神経で、誰の心も考えてない。 これだって、そうだ。私のこと何も思ってないじゃない。 たすけるなんて、凄い上から見て。強いね、藍子ちゃんは すごいよ、藍子ちゃんは。いつだって強くて、私、貴方が羨ましい。 けどね、そういうのもう、我慢できない。 てを差し伸べるだって」 高森藍子のことが大好きだった。 あの子のいい所、喜ぶこといっぱい言えるよ。 けど、それと同時に。 あの子の悪いところ、傷つくこともいっぱい言えた。 「あーあー。 もう言っちゃうね ――藍子さぁ、そういう所、うざいんだって、やめてよ。そういう藍子、大嫌い」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 一度、吐き出したらもう止まらなかった。 あの子に感じてた悪い事、嫌いなことを、全部いえそうだった。 『……えっ』 「ねえ、藍子さあ。私ね、凄い頑張ってたんだよ。 やっとアイドルになれて。フラワーズというグループもらえて でも、気が付いたら貴方が一番になってて。私はいつもその次で。それなのに、貴方はいつでも、皆を立てて。 まるで、自分が一番じゃないかのように振舞って。そういうのむかつくんだよ? 傷つくんだよ?」 藍子がいつの間にかリーダーになっていた。 最初は私のグループだったはずのに。 そしたら、どんどん先に行って。 私は実力的にも評判も、全部貴方の後ろ。 それなのに、貴方はいつも一番じゃないって言う。 何でよ、そんなの明白じゃない。 そういうの、プライドが傷つくんだよ。 私だって一番になりたかった。 それでも、貴方に勝てなかったのに。 貴方がそれを認めないの、やめてよ。 「ただ、惨めになるだけ。 私はいつだって、そう貴方に負けてないといけない。 どうして? ねえ、どうして? 貴方と私に、どれだけの差がついた? それなのに、貴方は認めないの? やめてよ。そういうの、大嫌い」 そうやって、悔しい思いにも頑張って耐えて。 私は本当は一人でデビューしたかった。 相葉夕美として。 フラワーズの相葉夕美じゃなくて。 それで人気を得たかった。 「それだけじゃ知らず、優しさ振り舞いて、時に私を見下してたでしょ」 『ち、ちが……』 「違うくない! 今だってそうやってた! 悔しいよ! 私、かなわないんだもん! 藍子に! なのに、いつも貴方はそうじゃないって!」 かなわないことはわかってた。 でも、それでもよかったのに。 なのに、そうやって勝ち誇られてた。 優しさでいつも私を立ててた。 でも、それは同時に高みから見る見下しだ。 「昔の藍子は、そうじゃなかった。藍子は、私の藍子は、傍で、一緒にいてくれる子だったのに!」 『今だってそうだよ……ねえ、夕美ちゃん……やめて』 「違う! 今の藍子は違う! 藍子じゃない、私の藍子じゃない!」 どんどん、届かないところにいってしまう。 私の手から離れていってしまう。 藍子が、どんどん遠くに行ってしまう。 私の傍から離れていく。 もう、何処にも届かない事に。 「想いだって叶わない……だって、私だって、好きだったんだよ?」 『えっ』 「プロデューサーの事……貴方と同じくらい、藍子と同じくらい、大好きだった」 『そんなの知らない……』 「だって、いえるわけじゃないじゃない! 私は貴方のことが好きで、大切で! 貴方のことを思ったら言えるわけなかった!」 祝福したかった。 でも、できなかった。 苦しかった。 そうだそうなんだ。 「貴方の笑顔みてて、藍子が幸せそうで、でも、それでよかったのに……貴方に勝てないのいつまでも、見せ付けられて 私だってあの人のこと好きだったのに。 でも、仕方ないと思った。 けど、苦しくて、哀しくて。 あの人と貴方が幸せなればいい。でも、そうすると、二人とも、もう、届かない」 辛かった。 私の思いがかなわないのが。 「それなのに、藍子は想いを隠して優しくしてさ! 好きなら好きといってよ! 祝福したのに……遠慮してさ……やめてよ……」 ただ、それが辛かった。 「ねえ、どうして、どうして? 私ばかり我慢しなきゃならないの? 私だけ諦めなきゃならないの? 私は藍子を立て続けなきゃならないの? 何時までも?」 いつだって、私は我慢してた。 いつだって、私は諦めてた。 藍子が幸せならそれでいい。 だって、藍子が好きだったから。 だって、藍子の笑顔が見るのが好きだった。 でも、どうして、私だけなの? でも、どうして、私だけがこうなるの? 「藍子も、あの人も大好きなのに、大切なのに、皆、離れていく。嫌だよ……なんでなの……苦しいよ、哀しいよ」 藍子のことが好きで。 でも、藍子はいつだって私のことに気付いてくれない。 私が我慢してることも、譲ってることも。 そして、私を離した高みの上で見下してる。 「そういうの、嫌いなんだよ。藍子」 わたしはね。 「藍子さあ、そういう、優しければいいみたいの、私ダメなんだ、なんか、見下されているようで。 私は藍子の親友だって。思い続けていたよ。 でも、なんかどんどん藍子が遠くに言っちゃう。 藍子にかなわない。 それならそれでいい。 でも、貴方はそうやって高みから見下す。 ――――そういうの、私、大嫌いだよ」 ただ、そういうのが、そういう藍子が嫌いだった。 「フラワーズだって、そうだ。貴方が一番だったのに。 貴方がそれを認めない。 貴方の為のグループになっていたのに。 皆そう思ってたのに、あなた自身が何時までも認めない。 藍子、そういうの私、傷つくんだ」 だから 「そういう藍子、嫌いだったよ」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 言ってしまった言葉があって。 まだ言い足りない事もあって。 続けようとして。 『ねえ……夕美ちゃん……夕美ちゃんにとって、フラワーズは、私はただの重い枷だったのかな?』 震えた、藍子の言葉で。 私は吐き出した言葉が戻らない事も知っているのに。 ただ、我に返った。 「ち、違う。違うよ……藍子……あぁ……あああああああああああああああ!!!!!」 そして、狂ったような声が、私からあふれでた。 涙と共に、強い叫びがあふれでた。 言いたくなかった。 なのに、言ってしまった。 抑えたかった思いがあふれでた。 「藍子、藍子……私は、それでも、藍子のことが好きだったんだよ」 弁明のように言葉を紡ぐ。 嘘じゃない。 それも真実だった。 「藍子の温かいところが、優しいところがそれでも、好きだった。本当だよ! 大好き!」 とめどなく出た想い。 すきという感情。 これも本当だった。 まるで、うそっぱちに響くだろうけど。 「ごめんね……ごめん……御免なさい……」 そして、謝るしかなかった。 言うべき感情じゃなかったのに。 言ってしまった。 「ごめんね。もう何も、元通りといかいかないよね」 だから、後は壊れるだけだから。 私はもう一つの本当のことも言おう。 「だから、最後に、いうね。藍子。 私は、それでも、そう思っていても。 藍子が友達だと思った。 私が我慢していた事、傷ついていた事、諦めた事も沢山あった。 でも、それと同時に、藍子から、幸せな事、嬉しい事、励まされた事一杯あった。 一緒に居たかったいつまでも。 ずっと、傍に居て。 笑いあって居たかった。 こんな重たいものを持っていても。 私は居たかった。 なんでって? それ位、藍子のことが嫌い以上に、大好きだったから。 だから、藍子、最後に」 息を吐いて言葉を紡ぐ。 「貴方の笑顔に、貴方に想いに私は 救われてたよ。 私は独りじゃなくて本当によかった。 プロデューサーと幸せに。 藍子今まで、ありがとう。 大好きだよ……私の、親友。 ごめんね……大嫌いで大好きな人」 その言葉が箍で外れたように、涙が出てきて。 藍子が、電話を落とした音が聞こえてきた。 それで、終わりなのだろう。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 『夕美ちゃん!』 「……美羽」 でも、まだ通話は続いていて。 美羽の声が聞こえてくる。 美羽が電話を拾ったのだろう。 『ねえ、どうしたの! 夕美ちゃん』 「……よかった美羽はそのままなんだね」 『何がなんだか、わかんないよ! 藍子ちゃんは固まっているし……』 「千川ちひろに、全部グチャグチャにされた。だから、もうお仕舞」 美羽は最初の声でわかった。 この子は何も変わってない。 何もされてない。 だから、安心して託す事が出来る。 「美羽、聞いて」 『な、何を……?』 「千川ちひろは、きっとフラワーズを潰すつもりなんだと思う」 『……えっ』 「友紀ちゃんもそうなって、藍子も……だから、美羽。千川ちひろに負けない為にも」 愛しいフラワーズの末妹。 勇気の花。 ポピーの美羽。 「貴方だけはフラワーズの美羽のままで居てね」 『……うん』 「約束だよ」 『……う、ん』 「ほら、泣かない。強い子なんだから」 『うん』 「じゃあ、さよなら。美羽」 貴方の事 ううん、フラワーズの事も。 大好きだったよ。 だから 「どうか、健やかにね」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そうして、通話を切ろうとする。 美羽の声も藍子の声も聞こえない。 私が終わらせたから。 『ダメッ! そんなの、絶対に! 絶対に!』 なのに、聞こえてきた声。 『親友同士の別れが、こんな終わりで終って、たまるものか! わたしが感じた哀しみを藍子ちゃんに感じさせるものか!』 聞こえてきた声は、さっき始めてあった子の声。 『夕美ちゃん! そんなので終らせない!』 小日向美穂の声だった。 「美穂ちゃん……もういいんだよ。終ったんだよ」 『そんな事認めない。 詳しい事は解らないけど……哀しいことが起きたんだよね……でも、貴方も、藍子ちゃんも生きている!』 何が彼女をかきたてているのか。 『わたしの我侭だけど、終わってほしくない! わたしと歌鈴ちゃんはもう話せないんだ! 謝る事も、好きだって事も、伝える事が出来ない!」 彼女の親友は死んだ。 話さないまま。 ただ、それだけの事で。 『だから、大事な親友なら、失ってほしくないから! 夢を見て、笑ってほしいから! もう一度だけしっかり話して!』 ねえ、どうして。 「どうして、貴方はそんなに頑張るの?」 『だって解るから。わたしが――――』 それは、私がいった言葉だった。 『貴方だというなら、大好きな人とつないだこの手を、離したくないから。 大好きな人と、哀しみで終らせないで!」 あぁ。 そうだ。 私は藍子ちゃんと―――― ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「聞こえますか? 夕美ちゃん」 「うん」 「良かった」 「……藍子」 「大丈夫。全部解ったから。色んな想い、伝わったから」 「御免ね、本当ごめん……」 「正直、夕美ちゃんの気持ち全くわかってなくてごめんね」 「藍子が謝る事じゃないよ」 「ううん……気づけなかったのは、親友である私のせいだから」 「藍子……」 「あのね」 「なぁに」 「夕美ちゃんにこれだけは、伝えるね」 「辛い時も、哀しい時も一緒にいよう……ううん、楽しい時も、嬉しいときも、会いたいときも、ずっと一緒にいよう、一緒にいればいいじゃない!」 「その言葉は……」 「うん、私が言ってもらった言葉。嬉しかった。だからね、今の事も、哀しくないんだ」 「どうして?」 「一緒に言葉を交わせたから、一緒にいれたから それが、よかったから」 「っ!?」 「だからね、私、夕美ちゃんのことが大好き。今も、これからも、永遠に」 「藍子……ちゃん……藍子ちゃん……」 「夕美ちゃんはどう?」 「私――――藍子ちゃんのことが、大好きっ! ずっと、ずっと、ずっと大好き!」 「うん!」 「ねえ、藍子ちゃん」 「なあに?」 「私達――――出会えてよかったよね?」 「勿論だよ」 「「ありがとう、私の大好きな大好きな親友」」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そこで、通話が、切れた。 哀しくも、幸せだった事をねがった結末が、そこにあった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「どうして! どうして!」 通話が終わり、美羽は泣いていた。 泣きながら、藍子の胸をひたすら叩いていた。 藍子を睨みながら、ぽかぽかと。 「どうして、貴方が泣いてあげないんですか! 藍子ちゃん!」 それは、藍子が泣いていないから。 困ったように笑っているだけだから。 「夕美ちゃん、死ぬつもりですよ! あれで、最期かもしれないのに!」 「……」 誰も彼も、解っていた。 相葉夕美が、生きて会うつもりが無い事を。 それなのに、親友の藍子が何も泣いてない。 「貴方が一番泣いてあげなくて、誰が一番泣いてあげるんですか! 夕美ちゃんの為に!」 「……」 「何とか言ってくださいよ! お願いだから!」 ぽかぽかと胸を叩き続けて。 美羽はふと藍子の顔を見る。 そこに在ったのは、余りにも、暗いクライ瞳があって。 「……っ!」 美羽は驚いて、そのまま後ずさってもう一度、藍子の顔を見る。 そこには何も、変わらない藍子の困ったような笑みだった。 見間違いだろうか。 解らないけど。 でも、今はもう 「もう……いいです!」 この人と一緒に居たくなかった。 美羽ははじけ飛ぶように、部屋から出て行く。 智絵里はただ傍観していただけだったけれど、やがて美羽を追っていて。 残されたのは二人だけ。 困ったように笑い続ける藍子と、それを見つめる美穂だけで。 美穂は、美羽の言葉を、違うと心中、想い。 高森藍子が泣かない理由に、やっと気付いた。 この子は泣かないんじゃない。 多田李衣菜と木村夏樹の死に泣いたのを茜から聞いた。 他人の為にこの子は泣ける。 なのに、何で自分のことになると途端に泣かないのか。 いや、『泣けない』のだ。 自分に関わる哀しみに。 決して、高森藍子は泣かない。 何故だろう。 考えて、考えて。 そして理解した。 それは、きっと高森藍子が望んだ姿なのだろう。 『アイドル』高森藍子の姿がそこに在るんだ。 ああ、と美穂は思う。 それはきっと、アイドルとして一種の正しい姿なのだろう。 他人の為に泣く事は出来るけど、自分の周りの哀しみに、泣かずに笑顔を振りまく姿。 でも、それは正しい一方で、とても間違っている。 それがアイドルと言うなら、あまりにも、哀しすぎる。 けれど、間違っていることを否定できない。 それが、アイドル高森藍子の姿なのだから。 だから、美穂は傍に居ようと思う。 正しいものの、間違っているところまで、理解して、愛そう、信じようと。 その間違いを言ってしまったら。 きっと、藍子は壊れてしまうから。 どんな強いものだってきっと。 美穂は何も言わずに、自分の胸に藍子を抱き寄せていた。 それでも藍子は泣く事はなかったけれど。 ただ、身体の震えけは、どうしても伝わってきて。 今はきっと、それでいいと思う。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「楓さん」 「何、智絵里ちゃん」 その部屋には楓を探して見つけて、傍で泣いている美羽。 何で泣いているか、解らず困ったように美羽を見ていた楓。 そして、その楓を見据えていている智絵里が居た。 智絵里は、藍子と夕美が悲しい別れをしたのを、何となく理解できた。 それは、余りにも哀しくて。 哀しみで終らしていいものなんて、やっぱり何処にもないと智絵里は思う。 だから、知る必要があるんだと思う。 「貴方は知らなきゃ、やっぱりダメです」 「何を?」 彼女が、終らせたかもしれない命の事を。 「南条光さんと、ナターリアさんの最期、聞いてください」 哀しみに先にあるものの為に。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 相葉夕美は、ただ泣いていた。 泣いて。 泣いて。 それだけだった。 何もない、涙だけがずっと流れていて。 そして、忘れようもない思い出がずっと傍にあって。 声を上げて、泣く事しか出来なかった。 そんな彼女を、沢山の星を見つめいていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そして。 『なにものでもない少女』が屋上から、星を見ていた。 だんだん、明るくなってきて星が見えなくなっていく。 そして、押し寄せる哀しみに必死に耐えていて。 フェンスに、身体を押し付けていて。 やがて、その身体ごと、膝から崩れ落ちて行く。 両手はフェンスを握り締めながら。 ただ、もう、立てなくなって。 ずっと、ずっと身体を震わしていた。 そして、 『なにものでない少女』はそれでも、涙を流す事ができなかった。 ――いつでも側にいること、普通に感じていたけど、もっと大事にしよう 夢見て笑っていよう 失いたくない 【G-5・警察署 / 二日目 黎明】 【高森藍子】 【装備:少年軟式用木製バット、和服、ブリッツェン】 【所持品:基本支給品一式×2、CDプレイヤー(大量の電池付き)】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:殺し合いを止めて、皆が『アイドル』でいられるようにする。 0:?????? 1:????? 2:自分自身の為にも、愛梨ちゃんを止める。もし、“悪役”だとしても。 【小日向美穂】 【装備:クリスマス用衣装】 【所持品:基本支給品一式×1、草刈鎌】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:恋する少女として、そして『アイドル』として、自分の弱さを、大切にしながら、それでもなお強く生きる。 0:藍子ちゃんの理解して、傍にいよう。 1:美羽ちゃんの友人になれるようがんばろう。 2:歌鈴ちゃんの想いをプロデューサーさんまで届ける。 3:ネネちゃんにした事を絶対忘れない。 ※装備していた防護メット、防刃ベストは雨に濡れた都合で脱ぎ捨てました。(警察署内にあります) 【栗原ネネ】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式×1、携帯電話】 【状態:憔悴】 【思考・行動】 基本方針:輝くものはいつもここに 私のなかに見つけられたから。 1:未来を見据え生き抜くことを目標とし、選び続ける。 2:美穂を許したことにする。 ※毒を飲みましたが、治療により当座の危機は脱しました。 ※1日 #65374;数日の間を置いて、改めて容体が悪化する可能性が十分にあります。 【川島瑞樹】 【装備:H K P11水中ピストル(5/5)、婦警の制服】 【所持品:基本支給品一式×1、電動車椅子】 【状態:疲労、わき腹を弾丸が貫通・大量出血(手当済み)】 【思考・行動】 基本方針:プロデューサーを助けて島を脱出する。 0:本当大変ね…… 1:友紀ちゃんのことが心配。 2:夜が明けたら漁港へと使える船があるか確認しに行く? 3:お酒、ダメ。ゼッタイ。 4:ちひろはなにを考えて……? 【大石泉】 【装備:なし】 【所持品:基本支給品一式x1、音楽CD『S(mile)ING!』、爆弾や医学に関する本x数冊ずつ、RPG-7、RPG-7の予備弾頭x1】 【状態:睡眠中、右足の膝より下に擦過傷(応急手当済み)】 【思考・行動】 基本方針:プロデューサーを助け親友らの下へ帰る。脱出計画をなるべく前倒しにして進める。 0:私だって…… 1:首輪解除の準備を始めたいけど……? 2:医学書を読んでできることがあれば栗原ネネにできるだけの治療や対処を行う。 3:夜が明けたら、漁港へと川島さんを派遣して使える船があるか見てきてもらう? 4:放送待って、茜の安否を核に。 友紀が心配。 5:学校を再調査する。 6:緊急病院にいる面々が合流してくるのを待つ。また、凛に話を聞いたものが来れば受け入れる。 7:“悪役”、すでに殺しあいにのっているアイドルには注意する。 8:依然として行方の知れないかな子のことが気になる。 【緒方智絵里】 【装備:アイスピック ニューナンブM60(4/5) ピンクの傘】 【所持品:基本支給品一式×1(水が欠けてる)、ストロベリー・ボム×16】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:心に温かい太陽を、ヒーローのように、哀しい夢を断ち切り、皆に応援される幸せな夢に。 0:貴方は知らなきゃダメです。 1:他のアイドルと出会い、『夢』を形にしていく。 2:大好きな人を、ハッピーエンドに連れて行く。 3:姫川友紀を止める。 その為に姫川友紀のことを聞く。 【高垣楓】 【装備:仕込みステッキ、ワルサーP38(6/8)、ミニパト】 【所持品:基本支給品一式×2、サーモスコープ、黒煙手榴弾x2、バナナ4房】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:アイドルとして、生きる。生き抜く。 0:????????? 1:まゆちゃんの想いを伝えるために生き残る。 2:お酒は生きて帰ってから? 【矢口美羽】 【装備:鉄パイプ】 【所持品:基本支給品一式、ペットボトル入りしびれ薬、タウルス レイジングブル(1/6)、歌鈴の巫女装束】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:?????? 0:??????? 【G-7 大きい方の島/二日目 早朝】 【相葉夕美】 【装備:ライフジャケット】 【所持品:基本支給品一式、双眼鏡、ゴムボート、空気ポンプ、オールx2本 支給品の食料(乾パン一袋、金平糖少量、とりめしの缶詰(大)、缶切り、箸、水のボトル500ml.x3本(少量消費)) 固形燃料(微量消費)、マッチ4本、水のボトル2l.x1本、 救命バック(救急箱、包帯、絆創膏、消毒液、針と糸、ビタミンなどサプリメント各種、胃腸薬や熱さましなどの薬) 釣竿、釣り用の餌、自作したナイフっぽいもの、ビニール、傘の骨、ブリキのバケツ(焚き火)、アカガイ(まだまだある?)】 【状態:慟哭、『絶望(?)』】 【思考・行動】 基本方針:???????????????????????? 0:??????????????????????????
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【検索用 みけ 登録タグ み イラストなし】 ミケとは、フレンズのキャラクターである。 概要 年齢 一人称 二人称 好きなもの 苦手なもの 立場など 誕生日 作成日 不明 登場作品 フレンズ 見た目 人物 技など 技など 内容
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真のフレンズ(しんのふれんず)は、たつきショック以降のけものフレンズプロジェクト(KFP)に悪印象を抱かない人々への総称。あるいはテレビアニメ『けものフレンズ』を含むirodori作品が嫌いな人への蔑称。 略称は「真フレ」で、略称で呼ばれるケースが大半。 現在は、KFPアンチらが敵対視している人物、勢力へのレッテル貼りとなっている。 当wikiではこれを蔑称として扱い、引用以外での使用を禁じている。 概要 経緯 「真のフレンズ」と認定されている勢力 KFPアンチから見た特徴 関連項目 外部リンク 蔑称 この用語は蔑称として用いられているものです。当Wikiでは引用以外での使用を禁じています。 概要 かつては「KFPの盲目的な信者」「『けものフレンズ2』のみを盲目的に崇める者」「たつきアンチ」と認識された人および勢力に対する蔑称として、専らKFPアンチに使われることがほとんどである。さまざまな価値観の人を包括しているが、大まかに括ると「KFPに悪印象を抱かない人」に集約されている。 元々認定の基準がかなり雑多で大雑把であり、時期によってもその定義や用法は変遷しているため、人によってどこから「真のフレンズ」に該当するのか、その線引きは不明確なものである。 近年では「こいつは気に食わないから『真フレ』」あるいは「問題を起こしたから『真フレ』」という理由から認定され、けものフレンズとは無関係もしくは限りなく遠いことが多い。 KFPまたは吉崎観音をはじめとする関係者を擁護、KFP擁護派を擁護または与する、たつきなどのヤオヨロズ関係者への批判、KFPアンチへの批判を行えば、ほぼ無条件で真のフレンズとして扱われることとなり、けものフレンズ界隈の内外を問わず不特定多数が対象となる可能性がある。 KFPアンチの間でも、過激なKFPアンチが意見が異なる者や自らの主張に反論した者を真フレと見做したケースも確認されている。 ツイッターなどで特定できるアカウントで、KFPアンチに対してロジハラ行為を行い、KFPアンチから特に敵愾心を持たれるようになると「カミノ」認定される場合があり、マークされてしまう。 語源 はっきりしない。 ニコニコ大百科内に於いては「5ちゃんねるの書き込みが元である」と「あるtwitterユーザーのつぶやきが元である」という二つの説が提唱されている。 5ちゃんねる 5ちゃんねるのとあるスレッドに書き込まれた以下の文言が元であるとする説。 KFPアンチによる「愚劣な真フレの盲目的な『ムク崎』ないしKFPへの信仰心」のプロパガンダに多用され、界隈外に至るまで最も知られているこの説であるが、広く知られているにも拘わらずどのスレに書き込まれた物なのかという情報が欠落しており、存在しない。 そのため、この説自体が「信仰心溢れる愚かな真フレ」というイメージを喧伝するための捏造である可能性も否定できない。 真フレとは(シンノフレンズとは) - ニコニコ大百科 より引用 ちょっと待って欲しい……真のフレンズならば、どんな展開も優しく受け入れるべきではないのか……? また、2018年2月2日に発表された『けものフレンズぱずるごっこ』に絡んだ騒動で、Twitter内においてKFPを擁護するツイート(*1)があり、それに対する5ちゃんねるの書き込みが元になっているとする説もある。 ただし、『けものフレンズぱずるごっこ』の情報公開前の時点で既にこの言葉が使われていたレスが発見されており、上記のツイートもあるため正確なものではない。 けものフレンズ 1683匹目より 228名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW e324-YNir [123.1.37.223])2018/02/03(土) 16 07 45.56ID WJJxJrkl0 一人の人間がたつきアンチ現行けもフレ支援の「真のフレンズ」になるところを見てしまった けものフレンズ 1678匹目より 74名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/01(木) 21 46 40.54 ID RGo3WVN2 吉崎先生でtwitter検索かけると「真のフレンズ」がたくさんいてそれなりにその人たちの呟きがフィードバックをもらえているから吉崎はまだまだ安泰やと思うで… どんなアッラーや… けものフレンズ 1678匹目より 213名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/01(木) 22 37 40.94ID gN6yHuju0 ぱびりおんのセルランはサービス開始から上昇傾向が続いていたが、今日は初の下降を記録。さっさとテコ入れせんと真のフレンズ(笑)にも愛想尽かされるぞ Twitter Twitterでは、たつきショック以前に行われた「コミックマーケット92」コスプレイヤーの写真の投稿において、真のフレンズという言葉が用いられている。 ハシビロコウにコスプレする屈強な男性と、かばんにコスプレしショットガンを手にする男性の写真を投稿したTwitterアカウント(@todoshiori)は、ハシビロコウにコスプレしている男性を「「真のフレンズは目で殺す」と言わんばかりの屈強なハシビロコウさん」と表現している。 真のフレンズという単語を使用しているツイート(魚拓) とー ど一 @todoshiori 「真のフレンズは目で殺す」と言わんばかりの屈強なハシビロコウさんとセルリアンを片っ端から撃ち殺しそうなかばんさん #C92コスプレ 午後2 56 · 2017年8月14日·Twitter for Android たつきショックが発生した時点で、真のフレンズという言葉を使用しているTwitterアカウントも確認されている。 たつきショックによってニコニコ動画ではプレミアム会員を解約する運動が流行していた。 これを受け、超次元レイ○!時空の支配者と化した先輩(@jtmpdmapm)はたつきの降板について「低予算3Dアニメがちゃんとしたアニメになってちゃんとした予算と監督のもとで生まれ変わるって話なんだから真のフレンズなら喜ぶべきでしょ。」と一蹴している。 超次元レイ○!時空の支配者と化した先輩の2017年9月26日のツイートより(魚拓) 超次元レイ○!時空の支配者と化した先輩 @jtmpdmapm たつき監督がクビになってプレミアム会員解約とか盛り上がってるけど低予算3Dアニメがちゃんとしたアニメになってちゃんとした予算と監督のもとで生まれ変わるって話なんだから真のフレンズなら喜ぶべきでしょ。 午前10 14 · 2017年9月26日·Twitter for iPhone 『テイルズオブゼスティリア』が由来とする説 上記二説とは異なり、主にKFP擁護側及び界隈外で主張されている説。 2015年のバンダイナムコのRPG『テイルズ オブ ゼスティリア』内において使われた「真の仲間」という単語と、それを巡る騒動が元ネタではないかとする説。 「真の仲間」とは、要約するとゲーム内においてパーティーの初期メンバーが新メンバーと入れ替わりになって永久離脱する際、それまで共に旅をしてきた他のメンバーが「新メンバーの方が主人公の真の仲間に相応しい」と旧メンバーをこき下ろすようにも受け取れる反応を示し、それが一部のプレイヤーの反感を買われてしまった事に由来する。 経緯 現在のようなKFP擁護派らへの蔑称として「真のフレンズ」が用いられるようになったのは、2018年2月2日に発表された『けものフレンズぱずるごっこ』がテレビアニメ『けものフレンズ』の3DCGモデルを流用したとする疑惑が持ちあげられ、福原慶匡も「看過できない」というツイートを発したことで、KFPアンチの間で批判されるようになったのがきっかけである。 『ぱずるごっこ』への批判ムードが高まるなか、1人のTwitterアカウントが自身、もしくはKFP擁護者を「真のフレンズ」と自称しKFP公式を擁護するようなツイートを投稿したことが確認される。 ただし、該当のツイートは現在削除されており、魚拓が存在しないため具体的にどのようなツイートだったのか確認する術がない。(*2) けものフレンズ 1683匹目より 228名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW e324-YNir [123.1.37.223])2018/02/03(土) 16 07 45.56ID WJJxJrkl0 一人の人間がたつきアンチ現行けもフレ支援の「真のフレンズ」になるところを見てしまった たつき擁護派のはるりん(@Harlin0420)が該当のツイートを引用し、「そんなのが真のフレンズなら僕は偽のフレンズでいいですよもう」と不貞腐れるツイートを投稿。 はるりんの2018年2月4日のツイートより(魚拓) はるりん @Harlin0420 そんなのが真のフレンズなら僕は偽のフレンズでいいですよもう https //twitter.com/kinect023/status/959850753136316416… 午後9 52 · 2018年2月4日·Twitter for iPhone 圭のリプライより ※現在削除により閲覧不可 圭 @keihuzimiya Replying to @Harlin0420 私、コンテンツに関しては出来るだけネガティブな事を言わないようにしてるし、騒動にも言及しないようにしてるから、周りの方からしたらこういう「真のフレンズ」と同じように見られてるんでしょうね……そんな私でも、この真の人には賛同できないですね、さすがに。 はるりんのリプライより(魚拓) はるりん @Harlin0420 返信先 @keihuzimiyaさん 一つのものを妄信することは避けたいですね。 それでコンテンツの寿命を削ってしまうかもしれないですし 午後9 57 · 2018年2月4日·Twitter for iPhone 圭のリプライより ※現在削除により閲覧不可 圭 @keihuzimiya これまでの騒動にしても、今回のことにしても色々思うところはあるんですよ。口に出さないだけで問い合わせや何やらもしてたりしますし。黙ってる人間が全てコンテンツを丸ごと受け入れてるわけじゃないと思うんですけどね……。 それがだめ、と言われたらどうしようもないですが。 ガープのリプライより(魚拓) ガープ @fum034 返信先 @keihuzimiyaさん, @Harlin0420さん ただ黙ってるだけならそこまで問題ではないと思いますよ 個人の黙りは何か問われてない限りは肯定でも否定でもないのですから ここで言う「真のフレンズ」とはコンテンツの為だと嘯いて腐敗を積極的に進める人の事を指しています 重要なのはそこです。中立やゼロはいいんです。マイナスが駄目なんです 午後10 10 · 2018年2月4日·Twitter Web Client 圭のリプライより ※現在削除により閲覧不可 圭 @keihuzimiya リプありがとうございます。騒動に関して明確に何も言わない、それどころかコラボに参加している私のような人間は「犬」に映るんだろうなあ、と思っていました。 同じけものフレンズを好きな人間として、色々な立場、考えの方とは争わず学びあいながらいけたらいいと思っています。ただし公式は別! ポリゴンZZのリプライより ※現在凍結により閲覧不可 🌿ポリゴンZZセーバルEXE.Friends @ZZ55673467 概ねこんな感じ。 無理して騒がなくても良いのよ ガープのリプライより(魚拓) ガープ @fum034 返信先 @ZZ55673467さん, @keihuzimiyaさん まああくまで「概ね」ですなw マイナスを生み出す「真のフレンズ」にさえならなければ、黙っていようがコラボに参加しようがその人は本物なんです こういうのは攻撃役に任せとけ、なのです 午後10 22 · 2018年2月4日·Twitter Web Client 圭のリプライより ※現在削除により閲覧不可 圭 @keihuzimiya ありがとうございます。 逃げるという選択肢はないですね……。 とはいえ出ている情報が少なすぎて、今はどうにもならないというのが本音です。推測も結局は自分が出したい答えへの後付でしかない場合が多いので。ひとまず公式と福原Pがどういう風に動くか、注意していたいと思います。 ポリゴンZZのリプライより ※現在凍結により閲覧不可 🌿ポリゴンZZセーバルEXE.Friends @ZZ55673467 分かりましたー♪ お互い宜しくお願いします♪ これ以降、KFPアンチの間では「真のフレンズ」をKFP擁護者への蔑称として使われるようになった。 KFPアンチのガープはTwitterで積極的に使用するようになり、KFP擁護派の間ではガープが「真のフレンズ」という蔑称を広めたと目されている。 ガープの2018年2月24日のツイートより(魚拓) ガープ @fum034 公式のぱずるへの声明を受けて尚「公式にクソリプ送るな」とか「雰囲気壊れる」とか「ファンがいるのに」とか言う人は、恐らく今すぐけもフレ界隈から完全に逃げた方が身の為だと思う 午前11 30 · 2018年2月24日·Twitter Web Client ガープの2018年2月24日のツイートより(魚拓) ガープ @fum034 いや、そういう人に文句を言いたい訳じゃないんだ ただ今回の事を受けて尚それを言うっていうのは、KFPを擁護してるも同然な訳なのよ あるいは現実を直視出来ないどころか頑なに拒否してるって事なのよ 午前11 30 · 2018年2月24日·Twitter Web Client ガープの2018年2月24日のツイートより(魚拓) ガープ @fum034 つまり君等は自分の発言とその意味に自分自身が耐えて行けるの?って話なんだよね 真のフレンズ(=狂信者)以外には無理だよきっと 現実をずっと拒否し続けるなんて常人に出来る訳がないんだから 午前11 30 · 2018年2月24日·Twitter Web Client 「真のフレンズ」と認定されている勢力 現状、KFPアンチに反抗的かつ批判的な態度をとった者は、けものフレンズ界隈の内外を問わず「真のフレンズ」認定を受け、敵対勢力と見做される恐れがある。 KFPアンチのククリーナは、同じKFPアンチのスタンスであるマツタケを「真のフレンズ」認定して敵対勢力と見做している(*3)ため、同じKFPアンチであっても「真のフレンズ」認定を受けないとは限らない。 KFPアンチからは常に一括りにされているが、精力的に活動を続ける人の理念や思想はそれぞれ異なっている。 「真のフレンズ」と認定されている勢力 けものフレンズプロジェクト関係者 けものフレンズプロジェクトと関わりを持つ人物 けものフレンズプロジェクト擁護派(KFP擁護派) けものフレンズプロジェクトアンチアンチ(KFPアンチヲチ勢を含む) 現行のけものフレンズファン KFPアンチの言動に批判的な界隈外の人物 たつきアンチ(KFPアンチヲチ勢を含む) ヤオヨロズアンチ(KFPアンチヲチ勢を含む) KFPアンチ側に不利な言動をとったKFPアンチ(なりすまし認定を受けたKFPアンチ) KFPアンチが個人的に気に食わない人物 また、以前はKFPアンチに迎合していた榊正宗に対するアンチ(榊正宗アンチ)も「真のフレンズ」認定を受けていたが、のちに榊がKFPアンチを袂を分けたことで一転してKFPアンチから敵視されるようになったため、現在は榊正宗アンチに対する誹謗中傷は途絶えている。 認定の基準 当初はたつきへの批判者や『けものフレンズ2』を擁護するものについてのみ「真のフレンズ」という言葉が使用されていたが、時がたつにつれて「自分達の仲間でないか、そうでないか」で判断する傾向が強くなり、けもフレ3限定品転売騒動等では『ケムリクサ』のグッズを転売されたたつきも被害者側であるにもかかわらず、自分達の仲間を擁護するために転売を批判する人間達を「真のフレンズ」と断定し、対立に至った。 また、当人の意図は別として、たつき及びたつきファンへの悪印象を拡散する可能性のある人物、もしくは普段はたつきファンであるが失態を演じた人物もKFPアンチにより真のフレンズと認定される。 勢力の規模 具体的な規模は判明していないが、KFPアンチの間では「498」「2.6%」が具体的な人数として信じられている。 また、5ちゃんねるのアニメサロン板にある「けもフレ信者アンチスレ」は、「3人の真フレが多人数を装って動かしている」とする説が信じられている。 KFPアンチから見た特徴 陰謀論 ここでは、根拠の乏しい主張や陰謀論について取り扱っています。あくまで解説目的で取り上げるものであり、当Wikiの見解・主張では御座いません。予め御了承下さい。 KFPアンチは「真のフレンズ」とされる人物たちは以下によって構成されていると考えている。 KFPの工作員 「貴殿は工作員でしょうか?」から始まる根強い考え。 氷村ふぁねるが細谷伸之と信じられていることや、テレビ東京のIPからKFPアンチを攻撃するかのような書き込みがあったとされることから、「真のフレンズ」に該当する人物にはKFPの関係者が存在すると信じられている。 このため、後述にある通りKFPは最大のたつきアンチ=真フレであると信じられている。 「明らかに角川が悪いのに庇うなんて、糾弾を邪魔しようとするなんて角川から金をもらっているに違いない」と考え、擁護派を雇われた工作員としている。 また、擁護派やたつきアンチが少数派であるという前提にも関わらずそれに反する事実、ニコニコ大百科の掲示板で真フレに有利な論調で占拠されることに対し、一人が複数アカウントを使い工作を行なっているとされる。 その他にも不都合な事態を引き起こしたKFPアンチ側の人間としてここに当てはめ、正当化と建前上の自浄を行うこともある。この行為はパージと揶揄されている。 Yahoo!知恵袋より引用 たどころっちの質問 ベストアンサー luncheon_mattress(*4)の回答 犯罪者および反社会的勢力 「真のフレンズ」とされる勢力の中には、何かしらの犯罪を犯した者、もしくは反社会的勢力である暴力団とされている。 また、Discordログ流出騒動でのどーじによって流出された情報が、「真のフレンズ」が犯罪者たる決定的な証拠とされている。 けものフレンズ3公式が「プレゼントキャンペーン当選賞品の転売行為」についての声明を発表 転売常態化で企画断念の恐れ - けもちゃん より ※魚拓 50名無しの来園者2021/09/18(土) 11 11 20ID JkMDE0YT 案の定足立始めイキりだした真フレ達 自分達の犯罪行為は棚に上げて確定してない事を決めつけて責めるの好きだよな真フレ ナチスドイツと同一の悪質性 KFPアンチのマサムネ内記は、真フレの中でも『けものフレンズ2』を評価する人物をナチスと同等とする主張を展開したことがあった。 マサムネ内記の2021年1月3日のツイートより(魚拓) マサムネ内記 @masamune_nike 「#けものフレンズ2 は再評価すべき」 「#けもフレ2 は実は名作だった」 と今触れ回っている人は一旦落ち着くべきでしょう。 貴方達の行為は ・アウシュビッツ跡地でユダヤ人見学者相手にナチス式敬礼するネオナチ に等しい。 作品が好きなのは分かるが、傷ついた人達の前で騒ぐのは避けるべきです。 午後7 35 · 2021年1月3日·Twitter for Android 社会不適合者またはサイコパス ニコニコ生放送の配信において、『けものフレンズ2』最終話を評価した「2.6%」という割合を「社会における異常者の割合」と判断。 『けものフレンズ2』を批判しない者は人の心がないと主張している。 関連項目 けものフレンズプロジェクト擁護派 製作委員会ファン 「カミノ」シリーズ Discordログ流出騒動 外部リンク 真フレとは(シンノフレンズとは) - ニコニコ大百科 真フレ (しんのふれんず)とは - ピクシブ百科事典 真フレ - 膨大なページ数Wiki
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【検索用 みけ 登録タグ み イラストなし】 ミケとは、クロフレンズのキャラクターである。 概要 年齢 18歳 一人称 二人称 好きなもの 苦手なもの 立場など クロの仲間 誕生日 作成日 不明 登場作品 クロフレンズ 見た目 人物 技など 技など 内容
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フレンズの会(フレンズのかい)は、2017年に開催されたアニメ『けものフレンズ』のトークイベント。全2回。 愛知県名古屋市に存在するNPO法人「フレンズの会」とは無関係である。 概要 チケット販売時のトラブル 参加者による記録探偵学院愛弗部員のレポート ねてたひとのレポート にせねこのレポート 関連項目 外部リンク 概要 2017年4月29日に初回が、6月3日に「第1回」と題した再公演(*1)が開催された。 登壇者はアニメ『けものフレンズ』の制作スタッフであるたつき(監督)、伊佐佳久(作画監督)、白水優子(美術監督)、細谷伸之(テレビ東京プロデューサー)、福原慶匡(アニメプロデューサー)の5名。会場は第1回、再公演ともにユナイテッド・シネマ アクアシティお台場であった。 初回では当初アニメ1期の全12話に関するトークショーを予定していたが、あまりにも話す内容が増えてしまったため、第1話~第4話の内容のみとなった。 また、チケット販売時のトラブル(後述)により多くのアニメ1期ファンが参加できなかったため、再公演では初回と同じ内容を話すことを報告して、更に「第1回」とナンバリングを改めて、今後もイベントを継続して最終話までの内容を語っていくこととされていた。 しかしこのイベントは、9月25日にたつきショックが発生したこともあって第2回以降は開催されていない。 アニメ1期に関する制作実態について、『けものフレンズ BD付オフィシャルガイドブック』や他媒体のインタビューに並び、重要な資料となっている。 また、irodoriの制作時の内情や、福原・細谷の人間関係の推移を検証する際の根拠としても扱われる。 なお、このイベントは公式レポートは存在しないため、参加者によるメモや記録が検証の中心となっている。 チケット販売時のトラブル 2017年4月はアニメ1期への注目度が高かった時期でもあり、第1回のチケットはアニメ1期ファンによる争奪戦となった。 会場となっているユナイテッド・シネマ アクアシティお台場は4月21日12時から公式サイトでのチケット販売を行う予定であったが、当日になって販売時刻を14時に変更すると発表した。(*2) (*3) しかし、実際の販売は12時30分頃から行われており、購入制限も1人10枚までとなっていたことも相まって、12時40分前後にはほぼ完売状態となった。(*4) ユナイテッド・シネマは13時40分頃に公式サイトに「システムトラブルにより一部購入が出来ない状況となっておりました」として、14時よりチケット販売を再開すると発表したが、完売状態での販売再開にアニメ1期ファンは混乱。(*5)14時を過ぎたのちにユナイテッド・シネマは正式にチケットの完売報告を行った。(*6) また、一部のチケットはインターネット上で転売される事態となった。 この混乱には登壇者のたつき・福原も以下のような謝罪を行った。 たつきの2017年4月21日のツイート(魚拓) たつき/irodori @irodori7 フレンズの会のチケットがバタついてるようですみません。大事なお昼休みなどの時間をすり潰したり、面倒なアクションを起こしてまで、画やお話まわりの事を聞きたいと動いて下さったのに申し訳ないことです… 応えて良い形に落ち着くように動きます、少々おまちください 午後0 59 · 2017年4月21日·Twitter Web Client 福原慶匡の2017年4月21日のツイート(魚拓) 福原慶匡 @fukuhara_ystd フレンズの会に関して皆様が時間を作ってチケット購入スタンバイして下さっていたのに、情報混乱によるご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんでした。諸々対応を協議しておりますので続報をお待ち下さい。 午後2 43 · 2017年4月21日·ついっぷる 同日18時42分、ユナイテッド・シネマは公式Twitterアカウントで販売の不手際を謝罪した。販売時間の度重なる変更と購入制限がほとんどない状態での販売形式に怒りを覚えたアニメ1期ファンは、このツイートに批判のリプライを多く寄せることとなった。 ユナイテッド・シネマ公式の2017年4月21日のツイート(魚拓) ユナイテッド・シネマ公式 @UNITED_CINEMAS お客様各位 本日の「フレンズの会」のチケット販売において、不手際があり、予定していた正午の販売が遅れてしまいましたこと、お詫び申し上げます。 今後、このようなことのないよう努めてまいります。 ユナイテッド・シネマ 午後6 42 · 2017年4月21日·Twitter Web Client 参加者による記録 探偵学院愛弗部員のレポート 2017.4.29けものフレンズ監督トークショー「フレンズの会」冒頭部分レポ - 探偵学院愛弗部員 @gakuin_idol_bu(魚拓)2017年4月29日に行われたフレンズの会の冒頭部分をレポートしたもの。探偵学院愛弗愛部員(*7)が2017年4月30日に投稿。「また、メモと記憶から書き起こしたので、抜けている部分も多々あります。ごめんなさい。」と注釈されている。以下、一部抜粋 福原P、細谷Pが登場。 福原)制作プロデューサー福原です。 細谷)テレビ東京プロデューサー細谷です。 福原)監督トークの前に委員会側の話をして温めてからつなぎましょう。笑ってもらって。 細谷)え?笑わせるの? 福原)監督達は、笑わせる感じでないので…。 細谷)頑張るぞー! 福原)今回、発券について、ごめんなさい。次回、同じ話をする会を開催したい。メモする方は、ソーシャルに上げるのは、次回以降に上げるようにして下さい。次回も監督から同じような話をするので、次回来た方のネタばれになるので。 細谷)今日はニコニコ超会議から来ました。かばんちゃん、かばんさんいました。サーバルちゃんもいた。 福原)けものフレンズは2次利用を認めています。推奨してるけど、 結構良いものが、結構な高額な値段で出ている。ちょっと頒布の域を超えてる? 細谷)委員会としては…。あんまり高額だと、お金もらおうか?なんてね(苦笑) 福原)「売れてるの?」と聞いて、「はい、すっごい売れています」と言われても、あ、そうなんだ…、というか。何とも言い難いですね。 福原)細谷さんは、いつからけものフレンズに参加されました? 細谷)2015年秋くらいです。 福原)その時は放送枠が決まってなかった。吉崎先生と夕方が良いよね、と話してた。 細谷)それ言うんだ(苦笑)、夕方は大変なのよ。6局ネットや、電波料というのもあって…。 福原)細谷さんは最近、アイカツ、ヴァンガード、闇図鑑、闇芝居もやってますね。 けものフレンズの話が来たときはどうでしたか? 細谷)どんな話か分からなかった。絵しか無かった。 何となく、かばんちゃんが冒険するのかな?という程度。 次に、各話3行くらいのあらすじが来たのが昨年。 細谷)普通は、まず、シリーズ構成の人から、全体の流れ、ここでケンカして、ここで仲良くなって、こう成長して…というのが出る。 次に4~5人の脚本さんが書いて、こういうセリフは言わないかかな?という確認を、脚本を読んで4回くらい会議して直す。 次にコンテ作って、読んで会議。次に台本、そして編集という作り方。 各話3行のあらすじしか来なかったのは、ちょっと…。 ずーと「大丈夫です」しか言わない。詳細を「下さい」と頼んでも、「あ、送ります」と言われて、実際には来ない。そんな感じでした。社内でも、吉崎先生のアニメなので注目されて聞かれるけど、分からないまま「大丈夫です」と答えるしかなかった。 福原)そんなこんながあったから、良いのが出来た(笑) 細谷)私の功績は途中であきらめたこと。 「たつきを信じろ」です。 福原)けものフレンズは、ヤフーのトピックになり、Mステにも出た。 細谷)他局さんに貸し出すとき、テレビ東京が窓口になる。1日1局は電話がかかってくる。 先日はEPGに「〇○のフレンズ集合」というのもあった。えー、サブタイトルだけ使うの?(笑) 福原)最近は、特にNHKの動きが早い。サーバル特集とか。 福原)プロデューサーは、みんないろいろ担当していて、それぞれ各地で「どうやってヒットしたの?」と聞かれるけど、「分からない」としか言えない。 細谷)分からない。もし、ヒットの方法が分かったら独立しよう。 福原)普通は何人かプロデューサーいると「俺の功績だ」という話も出るんだけど、けものフレンズは誰も言わない。委員会も「たつきを信じろ」でした。 福原)今日オープンしたカフェ行った人? 客席より)(数名、手が挙がる) 細谷)すごーい 客席より)店員さんがどたばたしてた 福原)ごめんなさいね。 細谷)どったん、ばったんですね 福原)東武動物公園行った人? 客席より)(たくさん手が挙がる) 細谷)どうですか? 客席より)疲れました。 細谷)動物園は広いからね。 福原)パネルは、フルルは、フンボルトペンギンに好かれていますか? 客席より)(パネルを気に入って)1時間動かなかった。 福原)ファミマでネットプリントのサーバーが落ちました。その前に、1月にはwebのサーバーが落ちた。 今でこそ、構えているけど、従来は、そこまで注目されると思わず、今までどおりの構えで落ちた。 福原)LINEスタンプが出ました。 細谷)使い勝手良いよ。 福原)6話の時点でファン投票でスタンプ決めた。LINEさんは使い勝手の良いものを、という審査基準がある。最初、バスにひかれるスタンプは、使い勝手の基準でNGだった。でも、「使い勝手ではなく、どうしてもお願いします」と話して通して貰った。 細谷)あれって、使った回数のデータ出るの? 福原)一旦サーバー通すから、使用回数のデータあると思う。 みんなスタンプ使って下さい。みんながスタンプ使うとLINEさんも納得する。 細谷)LINEスタンプ第2段も出る? 福原)話は決まってないけど…。 客席より1名大きな声で)やってー 福原)ほらぁ、1人しかいない。 細谷)みんなで言おう 客席大勢)ほしーい! 福原)5月26日に12話までの一挙生放送がある。前回の一挙と合わせて、ニコ生の歴代1位2位を取るかも。 細谷)劇場でLVがある。 福原)全国30館!コメントも流す。 細谷)おかしいでしょ(笑) 誰か「はい」って言ったの? (中略) 福原)特に今日ここにいる人は濃い。声優さん誰もいないのに来てくれた。 ここにいる人の属性を知りたい。声優さんも興味あるけど、お話の中身に興味ある人? 客席より)(大勢、拍手) 福原)普通はスタッフトークはロフト開催ですね。 細谷)ですよね。声優さん無しで、ここまでは集まらない。 福原)あと、舞台があります。 http //www.nelke.co.jp/stage/kemono-friends/ 細谷)舞台は元から決まっていた話で、企画書の最初からあった。急に決まった訳ではない。 福原)舞台、応募した人? 客席)(大勢、手があがった) 福原)最近、テレビ東京の社長がすごい。 細谷)twitterで、テレビ東京社長がけものフレンズ再放送とあった。 アニメ沢山あるので社長は最初見てなかった。途中から勉強して、社長会見で急に言うようになった。 細谷)今、うちの影が薄い。Mステ、NHK、各局での放送。 みなさん、「あにてれ」という動画配信サイトもあるので宜しくお願いします。 http //www.tv-tokyo.co.jp/anime/ 福原)では、監督の方々をお呼びしたいと思います。みなさん拍手でお迎え下さい。 以上、フレンズの会の冒頭部分のメモでした。監督トークパートのメモも手元にありますが今日は掲載しません。お読み頂き、ありがとうございました。 探偵学院愛弗部員がイベント会場で福原にどこまでレポートして良いか訊ねたところ、「監督の話は、また次回も同じ話をするのでネタバレになるのでダメですが、その前の所は書いて良いです」と返事をもらう。そのため、レポートでは冒頭の細谷と福原の会話部分しか掲載されておらず、たつきのトークパートはネタバレ防止のため未掲載となった。 また、探偵学院愛弗部員はTwitter上福原にリプライを投稿し、たつき登壇前のトークパートのレポートの掲載がOKであることを福原に確認。当時、インターネット上でレポートの掲載が全面禁止であるという誤解を解くためのものであった。 探偵学院愛弗部員の2017年5月3日のツイートより(魚拓) 探偵学院愛弗部員💚💛💖💙🖤🤍 @gakuin_idol_bu @fukuhara_ystd 先日はお疲れ様でした。終演後に「監督登場前のお2人の話は書いて良いですか?」「監督の話はネタバレになりますが、監督登壇前はok」と確認させて頂いた者です。福原さんから、この旨ツイート頂けるとみんなの誤解(全面禁止)が解けるので、出来たらお願いします 午前10 56 · 2017年5月3日·Twitter for Android 福原慶匡の探偵学院愛弗愛部員への回答※削除により閲覧不可、魚拓なし2017.4.29けものフレンズ監督トークショー「フレンズの会」冒頭部分レポより引用 問い合わせあったのでお知らせします。 フレンズの会のプロデューサートークショー部分はイベントレポートあげても大丈夫です‼️監督陣のトーク部分は次回再演過ぎまでお待ち下さい、楽しみにしてくださってる人にネタバレさせたくなくって。 御賢察よろしくお願い申し上げます。 — 福原慶匡(ラブ米4月より放送開始) (@fukuhara_ystd) 2017年5月3日 ねてたひとのレポート フレンズの会のまとめ - けものフレンズっぽいブログ(魚拓) フレンズの会という密会の情報のまとめ 覚えてる範囲で印象的だった話 どうせ完全なレポはどっかで上がると思うので、適当に所感とか混ぜて書きます 脳内メモなので一部間違い、勘違いあるかもしれません、ご容赦ください 更新日時:2017/06/05 19 00 更新内容:その他、2話の船、表現変更、アクシスジカ 基本情報 たつき 監督 伊佐佳久 作画監督 白水優子 美術監督 3人はirodoriのメンバー 主要メンバーにすら隠されたシナリオ 最も印象的だったのが、制作手法 通常は大所帯でアニメを作るため、設定資料などを固めて作るのだが、このチームでは作っていない様子だった はじめは「スモールチームで必要がないから作っていないのかな?」と思っていたが、どうやらたつき監督は2人にすら設定などを故意に隠しているようだった(本人はいやいやと言っていたが) さすがに6話くらいまでくると全体像が明らかになったらしいが、最初のうちはジャパリパークの全体像や、設定なんかもあまり教えられず、監督の頭のなかにしかなかったらしい 白水さんが「パークの広さがわからず、地平線などどこまで描いていいのかわからなかった」というのが印象的だった たつき監督といえば、視聴者を煙に巻くのが上手い人だと思う ストーリーの過程でうまく視聴者を驚かせるとか、雑誌でインタビューでシリアスエンドを匂わせるとか、そういった手法で周りを楽しませるのだが それが仕事の現場にまで及んでいるらしい 監督への信頼 そういった、秘密主義の人間が上司だったら普通反発を生むものだが 少なくとも、伊佐さん、白水さん、あと福Pはたつき監督を非常に信頼しているようだった もちろんそれは私が受けた印象でしかないが 上司と部下というよりは、師匠と弟子みたいな雰囲気を感じた 特に伊佐さんは、言葉の端々から「かばんちゃんはね、すごいんだよ!」みたいな雰囲気が出ていた 最後の挨拶では伊佐さんが「監督の表現したいことを劣化させていると思うので、より無劣化状態でお届けしたい」とも言っていた たつき監督「楽しんで作ってもらおうと」 秘密主義(?)に関して、監督は「(スタッフにも)楽しんで作ってもらおうと」とか「先入観を持たずに作ってもらおうと」などと言っていた 特に声優に対しては、先々どうなるか、分からないようにした上で演技してもらったらしい。この件についてはガイドブックの方が詳しいかも (ただやはり監督はどこまでも秘密主義で、その理由すら冗談に聞こえる。だから、本音ではどう思ってるのかわからない) でも確かに2人は作っていて楽しかったようだ 白水さんは、何で4話で出口に溶岩があるのかわからず描いていて、12話でようやく分かったと言っていた (それに対して監督は「え、何でなんですか?」という返しをしてまたすっとぼけるのだが) ちなみに福Pは「それがたつき流監督」みたいなことを連呼して たつき監督に「流行らそうとしてるんですか?」とツッコまれていた いつのまにか仕込まれる伏線 ただ、面白くしてやろうとか思ってるのは監督だけではないらしく 監督も気づいていなかった小ネタなどもあるらしい 後から気づいて面白がるのだとか 忘れられる伏線 監督は、はぐらかしていくうちに自分でもよく分からなくなることがあるようだ 例えば、2話でボスが後ろ歩きでポンコツを発揮したが 11話では後ろ向きのバスの操縦をうまくやってのけた それは関連付けて考えたいたらしいが、「後ろ歩き!!」というメモだけが取り残されていて何のことだったか自分でも思い出せなかった、とか言っていた そういう、本人が忘れるくらいにとにかくネタをツッコんでいった結果、考察が捗るような深みのある作品になったんだろうなと感じた 周りが散々はぐらかされた結果 本当のところについて、はぐらかすことが多い監督だが その結果、周りも何となくしか全貌が分からず、福Pにも何となくしか分からず、細谷Pが泣きをみるという展開に至ったようだ 放送直前まであらすじ3行しか伝わってこなくて、視聴者と一緒に驚いたり発見したりという状況だったらしい 細谷P「何も上がってこないから福原Pのこと最初嫌いだった」 →会場笑 細谷P「たつき監督を信じてよかった。自分が一番最初に信じた(笑)」 →会場笑 監督が言い張ることは、だいたい当たってる じゃあどうやって制作していたかというと 伊佐「監督が『◯◯について調べて』と言うとだいたい当たってて、監督すげーなってなる」 だそうで、白水さんも同意していた 例えば、「サバンナにもきっと崖や川などがある」「ロープウェイは頂上行った後少し下ってる」、「橋の主塔の存在」、「土を舐めるアクシスジカが居る」など(※もっとあった気がする) 最初は疑ってかかるのだが、実際調べるとたしかにそうだから、信用して突き進めるのだろうね 廃墟好き、背景好き 福P「そういうのどこで仕入れるの?」という質問があった 明確な答えはなかったが、広く浅くいろんなところからフックしてくるそうだ あと皆とにかく写真を撮っているらしい(日々ネタを探し続けている) ちなみに監督は(予想通り?)元々廃墟好きらしいのだが、伊佐さんの方が廃墟好きは強いらしく、昔軍艦島に乗り込んだことがあるとも (ガイドブックには吉崎さんと廃墟トークで持ち上がったとあるので、結論みんな廃墟大好きチームである) 1話、2話は何度か作り直している これも印象的だった話で 1話、2話は当初からだいぶ構成をかえたらしい 当初は1話2話がサバンナパートで、1話が乾季、2話が雨季、1話ラストにミライさんが出てきて、サーバルちゃんがバスに轢かれ、2話ラストでボスと出会うような構成だったそうだ それを大分変更して1話に作り直した (「シャベッたー」で反応した人も居たし、結果的によかったね。とは福Pの感想) 理由については色々あるが、まだチームがけものフレンズについて理解が深まっていない頃だったので、一度しっかりと作ってみたらしい 2話は、最初カワウソではなくサル系のフレンズだったらしいが、この段階で出すにはあまりにも人に近いため、カワウソに変えたとのこと(そこら辺バッサリ全カット。サルが木にぶら下がる動きはとても良く出来ていたらしい) こういう試行錯誤は、一挙放送やガイドブックでも監督が言っていたように、「普通の現場ならありえない」「アニメーターから刺される」らしいが、よりいいものを作り上げるために大きな変更を入れたらしい もちろん、この現場であってもその影響は甚大だったようで、この話をするときは若干張り詰めた空気が漂っていた 「やややややべぇよ」みたいな感じだ 1度しか出てこない背景の話 けものフレンズの特徴の一つに美麗な背景があると思う 普通のアニメでは省力化のため、背景を簡略化したり、効果背景を使う事が多いが、けものフレンズではでかでかと背景が映る構成だ(福P) けものフレンズでは省力化できそうな壁すらなかったので、最初「どうにか省力化のため壁を作れないか」などと模索があったようだが 最終的には、壁を用意せず引きの画面を多用するようなかなりストイックな構成になった(監督「OVAくらいのカロリーなんですよね」) 加えて、けものフレンズでは1話1ちほーという構成なので、同じ背景は使われない おまけに色んな気候の背景が出てくるため、知識が追いつかないという苦労があったようだった サバンナとか熱帯雨林のシダ植物とか普段描かないし、サバンナはどの程度水気があっていいのか、サバンナの崖や川はどういう感じなのか(そもそも存在するのか)、サバンナの池はどのくらい透き通ってしまうのか、などなど 設定(伊佐さん)、見た目(白水さん)双方大変悩んだ様子だが、上手く連携して乗り切ったようだ ちほーの常識や描き方に慣れた頃に、次の話が来るので大変だった(白水さん) 1話2話なんかはブラシの数が十種類以上増えたりと大変だった(白水さん) 背景メインであっても1枚に1日はかけられない(白水さん) などと、あの素晴らしい背景の陰には相応の大変さがあったらしい 「1ちほー1フレンズはしょっぱいやろ」 監督は二重人格のような性格らしく 設定を決めるときには視聴者視点で「こういうのが見たい」と決めるのだが、作る時になって制作者の立場からキレるそうだ(福Pの指摘) 1クールで40体近くのフレンズをモデリングすることになった時、福Pは「死ぬ気か」と思ったらしいが、たつき監督自身もそう思っていたそうだ ただ、「1ちほー1フレンズはしょっぱいやろと思って」と漏らしていたので、フレンズがいっぱい出る作品を思い描いたのだと思う アラフェネパートで復習できる感じいいよね フレンズ作成、細部設定作り込み、背景が1話で終わってしまうので そういう意味ではアラフェネパートは作っている方からしても嬉しかったそうだ ただし監督はアラフェネパートのことをすっかり忘れてる様子(これは一挙放送の方が詳しい) ジャパリバスは40回以上作り直した フレンズ、背景、設定が1話につき1回きりなのに対して、ジャパリバスは長く映るものだ そのため、見た目には相当こだわったらしく、リテイクが多かったらしい(ガイドブック2巻でも語られていた) 最終的に伊佐さんが最終的に40種以上提出して、ようやく決めたとか そういう経緯で思い入れもあるそうで、ファンが作ったジャパリバスのプラモデル(?)なんかはそうとう嬉しかったらしい ちなみにこの話のときも「やややややべぇよ」という雰囲気があった 大分大変だった様子 (リテイクされ続けた伊佐さん的にはどう思ってるのかな?と顔色をうかがったがよくわからなかった。だけどあのデザインの出来栄えには皆納得しているように感じた) ジャガー橋渡しの試行錯誤 2話に出てくるジャガーが運んでいる船(?)も試行錯誤あったようだった ジャガーが橋渡しをやっているところが決まって、じゃあ何を引っ張るのか?というところから、橋の一部を使う案がたつき監督から出たそうだが、「これじゃ浮かないよね」という点でデザインが難しく、ここも伊佐さんが苦労したらしい 皆ストーリーボードを触る 一応の役割としては、監督が全体や構成を見て、伊佐さんがストーリー・設定・モデリング周りをやって、白水さんが背景を描くというような体制らしいが 3人の役割は大分被っているらしく 皆がストーリーボード(絵コンテ)を触るし、モデリングもやるような体制だそうだ (ココらへんもガイドブックに書かれている) {{3Dアニメは常識がまだ用意されていなく難しい 2Dの作品は、「◯◯したいときの表現方法」みたいなのがある程度業界内でバンク化してあるらしいが、3Dはそもそもそういう常識がない だから、例えばキャラの震えとか、3話のトキと飛んでいる時の上下など、どの程度動かしていいかに模索があったとのこと 1話2話、11話12話あたりとのバランス 1話2話には相当力を入れたが、それで11話、12話が薄くなってしまってはよくない そのためある程度の配分で1話2話の労力を最後の方に回した経緯もあったそうだ ちなみに1話がちょっと粗めだったのは、先行上映が影響したらしい 声優について (小林ゆう、金田朋子) 小林ゆう、金田朋子は細谷Pが0話時点で決めたとのこと キャラに当てたのは別の人だが、金田朋子をトキのような静かなキャラにあてるのは最初大丈夫かなと思った(福P)らしい しかし、二人は(※それぞれツチノコ、トキを知らなかった二人だが)それぞれいい働きをしてくれてありがたかったと皆言っていた 金田朋子に関しては、監督的に2回目くらいで良い歌が録れたと思ったが、自ら何度か取り直しを申し出てもらって、最終的に”良い下手な歌”になったとのこと 特に3話ラストなんかは「下手だけど前よりちょっとうまい歌」という難しいオーダーだったが上手くこなしてもらえたとか 3話の橋の上の歌も、実はかばんちゃんが先に歌っていて難しい状況だったという話もあった 小林ゆうに関しても、ツチノコがそもそも3つくらい役割がある難しいキャラクターだが、期待以上の演技をしてもらえて、逆に声に動きを合わせて行ったりもしたそうだ 声優について(サーバル尾崎、みゆはん) この二人はちょっと似ていて、素がキャラに似ていて、演技するとかけ離れていく そしてもっと頑張るとまた戻ってくるというサーバル曲線を描く(たつき)らしい みゆはんについてはかなり心配だったらしいが、蓋を開けてみるとすごくいい演技でよかったとのこと 福P「でも自分で演技すると誰かわからなくなるよね」 →会場笑 エンディングについて 気づいているかもしれないが、少しずつ動いている 背景が写真1枚なようでいて、オブジェクト化したり書き込んだりと意外と手間がかかっている 気づいてもらえたかな? ツチノコについて 存在しているかも怪しいツチノコが、「人間を調査している」というあたりを面白く感じてもらえたら、と言っていた 「あいつ絶滅してなかったのか」に「お前が言うんかい」とツッコんで欲しい感じ あと、3話4話あたりで視聴者に作品の裏側に気づいてもらえたらと思っていて、そういう意味で「調査している存在」を描いたそうだ スタッフ間では未だに「かばんちゃん」と呼べずに居る 最初の頃、名前が決まっていなくてずっと「主人公」と呼んでいたらしく だから今でも「かばんちゃん」と呼ぶことに照れくささがある 前職の社長から褒めてもらえた(白水さん) 白水さん、伊佐さんはけものフレンズのタイミングで前職を離れているらしい(これはガイドブック情報)が 白水さんはBambooの社長に「好きなことをやったほうがいい」と背中を押されたらしく、更にその後けものフレンズを褒めてもらえたとのこと(確か3話くらい?) 伊佐さんも前職の同僚からの反応が多く、ガイドブックも買ってもらえたとか 監督のモデリングに勝てない(伊佐さん) モデリングは主に監督と伊佐さんがやってるらしい 例えば大体ざっくり監督がモデリングを作り、細部を伊佐さんが詰めるような(?) ただ、同じように作るのにレンダリング時間が全然監督に勝てないと伊佐さんが言っていた (レンダリング時間は1時間以上かかることもあるため、クオリティを上げるにはその短縮が重要らしい) モデルの質の面でも及ばないのにレンダリング時間も及ばないので、一体どうなってるのかと ちなみに監督と福Pはそれに対して たつき「もちろん考えてやってますよ」 福P「他の現場だとレンダリング中に飯とか行く(レンダ飯)けど、うちあまりないよね」 たつき「もし待ち時間に手が空くならPC2台持ち込む」 とか怖いことを言っていた 4話までに作品の上限を説明した 後から新設定が出てくるとずるい感じになるので、4話までに上限を作った 例えば2話のサーバルちゃんのジャンプがバカの限界ライン(バス持って飛べるのかよ!) 3話でサーバルちゃんが崖から落ちたのがフィジカルの限界ライン(落ちても平気なのかよ!) 4話のツチノコがフレンズの限界ライン(UMAも居るのかよ!) 3話あたりでサーバルちゃんのフィジカルとメンタルがだいぶ強いことが分かって安心して見れる存在になった たつき監督「11話のラッシュの時に泣きました」 たつき「なんや不憫な人生やなって」←会場笑 その他小ネタ 4話のスナネコの落書きは白水さんの絵で、描いたのは「寂しそうだったから」 福P「(ファミマでジャパリまん)何でやらないだろ。やってくれたらいいのに」 Amazonデジタルミュージックランキングで、2位ようこそジャパリパークへ、4位ぼくのフレンド オープニングに出て来た板と縄は、そういう話があったが入れられなかった 3話のカフェはシャッツキステを参考にしている 監督と伊佐さんはシャッツキステで仕事をしていた頃があったが、その後でシャッツキステコラボが決まって「(自分の行動が)ばれてる!? カドカワ怖い」と思ったらしい CG本に提供する画像は、ボツシーンにわざわざ手を加えて渡した グッズ欲しい(売り切れてて買えない) 例の顔を仕上げたのは伊佐さん シマウマも伊佐さん(なんか謝ってた) 3人の経歴がネットでバレてて恐怖 サーバル流デキる上司の話し方の話題 → 福P「俺らめっちゃネット見てるからね」 伊佐さん白水さんは、乾季と雨季の対比として乾燥を際立たせようとしていたが、それができなくなったそうだ。雨季も見てみたい たつき監督「おっさんとおばはんの話にこんなに集まってもらって、皆さん大丈夫ですか? 何か間違ってませんか?」 → 会場笑 たつき監督「このテンションですわ」(めっちゃ声小さい) → 会場笑 これで全体の7割くらいかなぁ 思い出したらまたまとめます(`・ω・´)ゞ にせねこのレポート 「フレンズの会」まとめ - にせねこメモ(魚拓) プロデューサーパート プロデューサー・細谷(テレビ東京)、アニメーションプロデューサー・福原(ヤオヨロズ) 4/29 ニコニコ超会議でけものフレンズのキャラ(のグッズを売ってるところがあった)2次創作推奨してるけどちょっと頒布のレベルを超えてるというか… ヤオヨロズのやり方は何がなんだか分からない(細谷) 3行位の各話のあらすじが去年の夏前に普通はシリーズ構成の人が全体の骨子をかき、シナリオライター・脚本の人がシリーズで4~5人、あと何度も見ていく 「作り方違うっぽいんで大丈夫です」(と言っていた) (細谷) 最初の方嫌いでした(細谷) 最大の功績はあきらめたこと(細谷) 委員会十何社、何でヒットしたか誰もわからない(福原) 黙ってたことだけが仕事(細谷) 「たつきを信じろ」が、委員会でも同じ感じ(福原) ファミマプリント、サーバーが落ちた 基本全部落ちてる ラインスタンプ、使い勝手がよい6話までのファン投票 『ゔっ』(バスにはねられるサーバル)は使い勝手が悪いからだめだとライン社に言われたが、通した 5/26一挙配信 LV30館くらい 舞台 結構前から決まってた 6/3 三行のあらすじだけで10月、11月までひっぱった 前特番のバラエティ(0話)に金田さんと小林さんを使いたかったので本編に入れてもらった(細谷)金田さんはトキを、小林さんはツチノコを知らなかった 0話をいつにするか会議をしていた。初めにしてよかった(7話位に入れる案もあった, 制作側としては途中で挟まった方が楽) ほか権利的な話、けものフレンズは二次創作を推奨してるけれど、商業みたいなのはちょっと…みたいな話。同人の範囲なら、とか 関連項目 けものフレンズ(テレビアニメ) たつき 伊佐佳久 白水優子 細谷伸之 福原慶匡 外部リンク フレンズの会とは - ニコニコ大百科
https://w.atwiki.jp/kemonokaiwai/pages/75.html
けものフレンズ2とは、アニメけものフレンズの二期目にあたる作品。たつきショック直後の作品であり、KFPアンチからの攻撃を最も受けている作品。 概要 作品に関わる事件 評価 内容についての言及 評価に対する反論 売上 炎上の影響・余波 炎上後のコンテンツ展開 外部リンク 概要 アニメけものフレンズの放送後、たつきショックを経て公開された作品。その為たつきファンからは「たつきを追い出して作った作品」と見做されており、目の敵とされている。その為KFPアンチはこの作品の放送前から2022年現在に至るまで様々なネガティブキャンペーンを実行している。 公開前から双界隈の各種問題行動が頻出し炎上として取り上げられた事が作品の評価の下落に繋がり、最終回放送後は「平成最悪の作品」としてニコニコ動画内で放送された際のアンケート結果が有名となった。対抗馬として同時期に放送されたたつきの『ケムリクサ』との明確な差が表現された為にKFPアンチを勢いづかせ、これが以降の問題行動に繋がった。 またこの作品をもって声優ユニットGothic×Luckが誕生したが、けものフレンズ2関係者という理由で枕営業アイドルである等誹謗中傷が大々的に拡散された。 メディアミックス作品 けものフレンズ2は2018年より、以下の3つの作品で展開されている。 内藤隆作の漫画版『けものフレンズ2』については当該項目を参照。 『けものフレンズ2』(テレビアニメ) 『けものフレンズ』(角川つばさ文庫、全2巻) 『けものフレンズ2』(漫画) 大元となっているのはテレビアニメであり、小説はテレビアニメの内容をほとんどなぞるものとなっている。また、漫画はテレビアニメのコミカライズとして連載が始まったが、一部描写が変更されている。 作品に関わる事件 2017年9月25日に発生したたつきショックによる炎上は、2018年に入ってからは小康状態にあった。しかし、『けものフレンズ2』の放送決定後、KFPアンチや降板に納得していないたつきファンによる反発が再び起きることとなった。 当時のYouTubeは低評価数もカウントされる仕様となっておりそれによると公開直後のPV低評価数は5万と類を見ない結果となっている。後にこれら低評価の連投はクリエイターに対する誹謗中傷や妨害とみなされ、YouTubeでは低評価カウント機能が廃止されたことで現在はこの痕跡を確認することはできなくなっている。 こうした反KFPの動きは、新ユニットオーディション台本剽窃事件やたつきの脚本費・脚本印税未払い発言事件を経ることで更に高まり、アニメ制作会社であるトマソンへの妨害工作が盛んに行われた。 沼田心之介のツイートより 沼田心之介/地方創生クリエイター@shinnosukenuma どなたかわかりませんが… 勝手に僕の名前と会社の代表メールアドレスを使い、様々なサービスに登録をしている方がいます。 昨日、今日で会社宛に200件のメールと数十件の電話問い合わせがありました。小さい会社なので、CG部の人間も電話対応しなければならず、本業が滞ってしまいます。 10 15 PM · Dec 13, 2018·Twitter for iPhone 制作会社トマソンへ多数のいたずら電話をはじめ、大量のピザの注文や無関係の同名店舗へのいやがらせ等妨害工作が始まった。 これを受けて沼田心之介がツイートで注意喚起を行うが、「クソアニメが出来ることの言い訳を作っている」と実質的なヒットコールとして扱われ妨害工作はさらに過激になっていった。 また、KFPに関わる細谷伸之が氷村ふぁねるのアカウント所持者であると拡散された事やけものフレンズ2の監督である木村がTwitter上でKFPアンチと言い争いを行ったことも作品の評価を著しく下げる原因となっている。 評価 『けものフレンズ2』の評価において一番有名とされる数字は「2.6%」もしくは「95.3%」。これはニコニコ動画内で行われた最終話のアンケートに投票した割合である。前者は「1.とてもよかった」に入れた割合で後者は「5.よくなかった」に入れた割合であり、この事から『けものフレンズ2』は非常に評判の悪い作品であるとされている。 KFPアンチにとってこの評価は決定的なものとなり、KFPはこれまで以上に叩いていい存在と見做され後の多発する問題行動につながる事になる。 『2』の放送から年月が経った2022年現在でもブログやTwitter、YouTubeチャンネルで『2』を批判する内容を投稿する者は絶えず、けものフレンズコンテンツのファンではないネットユーザーの間ではインターネット上で非常に評価の低い映画・アニメ・ゲームと並列して扱われている。 KFP擁護派の見解 評判を不当なものとして納得していない者もいれば、評判を受け入れつつもそれを大義名分として問題行動を起こすKFPアンチを批判する声を上げる者もいる。 2の評判を受け入れつつKFPアンチを批判する意見の一例 62799ななしのよっしん 2022/06/12(日) 19 35 13 ID mCgvPCbTCk 62797 そもそも2については「クソアニメつくりやがって」で済む問題だからなこれ。 どんだけ大きく見ても「クソつまんない作品つくった監督、脚本家、Pは降板しろ」(これも普通に見れば脅迫だが)ってだけで済む話題を スタッフについての反社認定の陰謀論を平然と言ったり、2期に出ただけで声優の枕営業認定したりした時点でアウトなんだわ。 しかしKFPアンチからは全ての擁護派はけものフレンズ2は至高の作品であると盲信し、けものフレンズ2を批判する者に対して犯罪すら厭わず日々テロリズム活動を行なっていると信じられている。 KFPアンチKuronekoVXが語るKFP擁護派の心情 KuronekoVX @KuronekoVX 返信先 @hor11さん, @Arita_641さん 彼らの中では2は不当な評価を受けているだけで本当は1期を超える名作という認識なんですよ。 そして世間の評価が間違っているから正さなければと考えているんです。自分達が作品を好きならそれでいいと考えられれば良いのですがそうではないのです。 午前0 42 2022年6月2日 Twitter Web App KFPアンチの見解 たつきへの悪意に満ちたヘイト作品であるため批判されて当然として上記評価に非常に満足しており、この作品はKFPやコンテンツが挽回不可能な致命傷を負った瞬間として語られる事が多い。またアンケートの数値を社会全体に置き換える傾向があり、自身の正義を確信する材料としても使われる。 けものフレンズ+i作者クイック賄派による声明 -1+i話「おうち」(魚拓)、13+i話「うなばら」(その1)(魚拓)より キャプション文の一部から抜粋 【追記】 作者はirodoriを100%支持します。 向こうがやったことはファンが大切にしてきた作品世界を悪意をもって踏みにじりファン同士の憎悪を煽る道具にするような、言語道断の行為です。あらゆる創作行為に対する侮辱であると思うし、反社会的な、明確な「悪」であると考えます。私はそのような行為をはっきりと明確な意志をもって否定し、軽蔑し、敵視します。 どうしてただ作品世界を好きだっただけの人たちが、作品世界に心を救われたファンの人たちが作品を嫌いになるまで傷つけられなければならないのか。 そんなことはもう二度と繰り返してはならないし、そのためにも向こうがやったことを絶対に許してはならないと思います。誰かを傷つけたり踏みにじったりするものに対して寛容は成立しません。きちんと否定しなければならないと思っています。 私はあの世界に救われた方々の心と、そしてあの世界の尊厳を守るために、この作品に自分の命と尊厳を捧げたいと思う。 内容についての言及 各種炎上の他に、作品そのものの出来も史上最低として論される事も多い。これらは炎上とは一切関係のないものとされてはいるが、公開直後のPVへ低評価が5万以上入った事やその後の振る舞いから、たつきショックから地続きの悪意ある炎上騒動の一環、各種問題行動の大義名分として利用したと言われている。 演出、技術面 そもそも全体的に技術が足りていないとする批判。 KFPアンチのネメコルは「『2』のキャラクターは目線が合っていない、視線によるコミュニケーションができていない」と主張。同じくKFPアンチのマサムネ内記は「右から左に進む演出は悪」とする主張を行った。 これらはインターネット上の『2』へのアンチムードの高まりもあって多く拡散され、支持を得ることとなった。 次回予告 キクチミロが作画を手掛ける次回予告パートはけものフレンズ2の内容としては珍しくKFPアンチから受け入れられていた。当時は「たつきの魂を感じる」「こういうのでいいんだよ」と評価を受けていたが、放送終了後に開催されたけものフレンズ屋形船において、当該シーンの脚本担当がますもとたくやであることが明かされて以降は一転して批判を受けるようになった。 PPP回ライブシーン 1期では使われなかったモーションキャプチャーを活用したライブシーンは卑怯かつ人の手が入っていない温かみの無い演出として批判を受けた。 またライブ後、変装の疑いをかけられて髪の毛を引っ張られるシーンは「1期では考えられない前代未聞の暴力シーン」と言われている。 前作主人公とサーバル サーバルが記憶喪失、かばんの成長と1期で一切失敗しなかったにも関わらず管理ミスによるセルリアン発生させた事が「かばんの産みの親であるたつきへの悪意」として批判を受けた。 なお一期のかばんに失敗はしないという設定はない上、1話でセルリアンから逃げようとして転倒したり、ジャパリバスを渡河させようとして溺れかけている等、失敗はしている。 これを受けて一部のたつきファンは1期かばんと2期かばんを別キャラとして区分けし、2期かばんをクソワカメや腐ったワカメと呼んでいる。 これはたつきファン界隈においてけものフレンズ2がヘイト創作であるとする大きな根拠の一つとなっている。もちろんネクソン版から1期への園長、ミライの扱いは無視したうえでの根拠とする。 イエイヌ回 イエイヌが関わるエピソードの最後にキュルルがイエイヌに対し「おうちにおかえり」と言い別れた事をKFPアンチは全国の愛犬家を侮辱するものと主張し、キュルルが外道である証拠の一つともしている。 この発言はイエイヌがキュルル*5への執着を断つ為にイエイヌ自らそう言ってくれと願った結果であったが、KFPアンチ内ではキュルルがイエイヌを捨てて一方的に別れを告げたセリフと曲解されている。 この事から「#イエイヌちゃんを救い隊」というハッシュタグが流行。ここでいう救済とはイエイヌを住処から出して仲間に加える事を指す。 また、「ケムリクサのメインキャラがイエイヌを仲間に加える=救済する」コンセプトの作品が生まれ、けものフレンズRではイエイヌをメインキャラに据えるようになった。なお、イエイヌには「家の主人が戻るまでその留守を守る」という役目があるのだが、これを無視したうえで批判を展開する者も多かった。 アムールトラの扱い 最終回でアムールトラが瓦礫に押し潰されて死亡したと認定してこれを批判をしている。これには明確に反論されており、公式からもアムールトラの生存が言及されている。 ファンによる図解 おれ@けもフレ@panyanoroba なんか3年経っても未だにビーストが瓦礫に〜という勘違いが聞こえてくるので分かり易いように図にした 本編内の描写から得られる情報で構成しています 評価に対する反論 KFP擁護派の中には評価や扱いに納得がいっていない者や、上記評価を大義名分として問題行動を起こすKFPアンチへの批判を行う者がおり、彼らは下された評価が純粋なものか懐疑的であると主張している。下記に評価の正当性に疑念を持つ要因を記載する。 アンケート実施場所の偏り けものフレンズ2が視聴できるサービスは各種あり、その中の一部だけとする意見。 アンケートが行われたニコニコ動画はたつきショック以降、同じカドカワ系列のサービスにも関わらずKFPアンチ一色であり、放送前・放送中に良識から外れた動画の投稿やコメントが散見された。ファン層があえて批判一色のニコニコ動画やその他無料サービスで見るメリットは薄く、その他の方法で視聴を選んでいた可能性は少なくはないとしている。 しかしこれは後述する売上の数値を理由に否定される事が多い。 民度の低下によるコンテンツからの脱却 視聴方法が違う為ネットでの空気を知らない人や『2』から見始めた人は少なからず存在していて、Twitter上で『2』に好意的な発言をする事もあった。そういったツイートや意見、アニメファンサイトの記事に対し、KFPアンチはリプライや記事コメントで訂正と修正の要請を建前に誹謗中傷を仕掛け、中には「けものフレンズちゃんねる(現けもちゃん)に晒して集団で攻撃する」と明言した脅迫が行われた事例もあり、これを起点としてTwitterの個人アカウントに対しても悪質なリプライや誹謗中傷を飛ばし、アカウント削除まで至ったケースも多数存在している。 また2に批判的内容に偏って掲載していないとしてKFPアンチから脅迫を受けた某ブログ(*1)はその後も誹謗中傷や捏造情報の流布等の被害を受け、最終的にけものフレンズ関連の記事を全て非表示するに至った。 このようにKFPアンチによる攻撃を恐れてけものフレンズへの言及を避けるようになったのではないかとする説が挙げられている。 工作の可能性 上記二点の理由により、ネット上では批判一色に染まっていたが、そもそも上記の通りPVの時点から低評価が大量に押されており、最初から正しく評価する意志が無かった可能性もあると言われている。 低評価を下された場所はどれも無料で視聴・評価ができるサービス内の話であり、有料サービス内での視聴では上記のような評価ではなかった。特にけものフレンズ関連の動画が充実している「あにてれ」内でその傾向が見られ、KFPアンチは「あにてれ」を敵視していた。その為「あにてれ」サービス終了発表の際、KFPへのヘイト誘導または他作品ファンを蔑ろにして「あにてれ」終了を喜ぶツイートが散見された。 悪意ある主張 内容についての上記主張はニコニコ動画やけものフレンズちゃんねるで即座に拡散されたものであり、それらサイトがKFPアンチが大多数を占めていた事や拡散した人物が名の知れたKFPアンチであること、またPV公開前から低評価を連投する等の行動からはじめから貶める目的で悪意を持って悪い解釈を意図的にしていたのではないかとKFP擁護派からは疑われている。 また作中の暴力描写や死亡描写については前作内でも描かれており、それらを平然と受け入れていたにも関わらず今作では声高々に批判をする様子をダブルスタンダードだとも批判している。 売上 実際の正確な売上はけものフレンズ(テレビアニメ)と同じく不明である。 Amazonで集計された週間販売数では458枚と表示されていた事から、KFPアンチはけものフレンズ2の総円盤販売数は458とされており、けものフレンズの失敗の証拠、あるいはニコニコアンケートの正当性を証明するものとして挙げられる他、この数値はそのまま真フレの人数の実数値として信じられており、ケムリクサとの対比として各サイトで拡散されている。 反論 上記458枚という売上はAmazonの販売数のみを切り取った数値であり、Amazonでの販売開始5週前からカドカワストアにて販売されていた。つまり458枚とはカドカワストアで4週間の間先行販売されていた数を除外してその後Amazonで販売された際の初週を抜き取った集計であり、その数値にKADOKAWA直販等は省かれている為けものフレンズ2全体売上ではないとKFP擁護派は主張している。 これを受けKFPアンチはKADOKAWAが品薄商法を行い、1から4週まで10枚ずつしか売っていなかった可能性も提示している。つまり10+10+10+10+458=498枚がけものフレンズ2の限界であると計算し、15000枚に遠く及ばないと主張している。 また、カドカワストア内でパワースポット関連の書籍よりもランキングが下であったこともけものフレンズ2の爆死の証拠とも言われているが、作者によると「パワースポットカードも当初は500セットの予定だったのですが、それをはるかにしのぐ1000セット以上売れています。」との事であり、裏付けは取れていないが、このパワースポットカードは1000万程の売上が出たと言う情報と、けものフレンズ2が売れていないように見せる為にKFPアンチが購入したと言う噂もある。 53377ななしのよっしん 2021/11/13(土) 09 34 44 ID 1Nsj9sP/hp そもそもカドカワストアで先行発売してたんで500足らずってのは「五週目の売上」でしかない ところで例のパワースポットカード、ふたばの方で「あれを買ってけもフレ2の一位を阻止しようキャンペーン」やってたってマジ? 53378ななしのよっしん 2021/11/13(土) 09 46 48 ID wmH6nzlDkq 53377 それは知らないけどパワースポットカード自体は1000万円以上売り上げてたはず 実際の所正確な販売枚数は不明だがカドカワ株式会社 第5期定時株主総会において経営陣の井上伸一郎氏は、Blu-rayの売上で発売数は平均よりも高く、プロモーションには見合っているとの回答があった。 引用:スズキオンライン 炎上の影響・余波 インターネット上での炎上は拡大して、多くの方面や関係者に被害や悪影響をもたらすこととなった。 けものフレンズR、その他派生作品の登場 祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝祝により、下痢便要素を抜いた(原文まま)作品としてともえというキャラクター、そしてそれを主とした『けものフレンズR』が二次創作コンテンツとして考案、また同じくけものフレンズ2を除外した続編二次創作である『けものフレンズ+i』等が登場し、これらはたつきファンやKFPアンチを中心に高い評価を受けた。 詳細は個別記事を参照。 京都アニメーション放火事件、KFP陰謀論説の展開 2019年7月に発生した放火事件に対して、事件にKFPが関与しているとする陰謀論がインターネット上で展開された。 詳細は個別記事を参照。 石川由依殺害予告事件発生 キュルル役を務めた声優の石川由依をはじめ、制作に関わった吉崎観音、細谷伸之、木村隆一への殺害予告がインターネット上に書き込まれた。 詳細は個別記事を参照。 別作品への誹謗中傷 テレビアニメの監督である木村隆一が携わった『アイカツ』シリーズなどに対して、「『けものフレンズ2』に関わっていた」という理由で批判、誹謗する書き込みが増加した。 また、脚本を担当したますもとたくやに関しても、同じく脚本として参加していた『ゾンビランドサガ』に対しても誹謗する書き込みがなされた。 ななしのぺンタン2019年07月03日 20 12 ゾンビランドサガの5話はますもとたくやの脚本は牢屋の中だけと言う話ですね。 取材にも同行してなく取材に行った若手たちが頑張ったそうです(監督談) ブロ主2019年07月07日 03 15 1 その情報本当ですか!?まあ5話の牢屋話は面白かったからいいですけど。それじゃあゾンサガ全話中一番面白かったガタリンピックの脚本を担当してないとかストーリー構成の脚本家として擁護できる要素無いじゃないですか() 炎上後のコンテンツ展開 インターネット上で稀に見る炎上が発生したものの、その後も『けものフレンズ2』としてのコンテンツは継続した。 『けものフレンズ2』(漫画)の連載 内藤隆によるコミカライズは『月刊少年エース』2020年9月号まで連載が続いた。テレビアニメで問題とされた描写が軒並み変更されたため、テレビアニメに否定的であった層からは一定の評価を得るようになった。ただし、コミカライズに否定的な意見も存在し、評価は分かれている。 コラボレーションの実施 テレビアニメの放送から1年が経過したのちも「けものフレンズコラボ」と銘打って、ソーシャルゲーム「マビノギ」や「テイルズウィーバー」などとのコラボレーション企画を実施していた。ゲストキャラクターにはキュルルをはじめとして『けものフレンズ2』に登場するキャラクターが選出されているほか、作中に登場したアイテムなどが配布されている。 ただし、インターネットで広く炎上したため、「カスタムキャスト」のコラボレーション先のスタッフが騒動を揶揄する等のトラブルも発生していた。 グッズ販売の継続 けものフレンズ2のデザインで作成されたグッズは多数展開されており、2021年9月まで『けものフレンズ2』にまつわるグッズが新規生産されている。 Gothic×Luckの活躍 けものフレンズ2に誕生した声優ユニットGothic×Luckはその後もツアーを続けており、webラジオ等多岐にわたって活躍している。そして2022年5月をもって解散する際に、ラストライブではカタカケフウチョウとカンザシフウチョウの衣装を来て歌う場面があり、けものフレンズ2の声優ユニットとして最後の幕を閉じた。 けものフレンズ3 プロモーションへの影響 2018年9月3日の『けものフレンズ2』放送決定とともに、新作ゲーム『けものフレンズ3』の開発が発表された。テレビアニメの放送中は『けものフレンズ3』のCMも放送され、3月31日のセガフェスでは内容の一部公開と声優ユニットのお披露目が行われるなど、『けものフレンズ2』と連動する形でプロモーションが行われていた。 しかし、『けものフレンズ2』がインターネット上で広く炎上し、KFPに関するネガティブな情報が拡散されたことにより、『けものフレンズ3』に対してもネガティブなイメージがつきまとうようになった。のちに『ちょこっとアニメ けものフレンズ3』やグラフィックの質が好評になったこともあり『けものフレンズ3』自体のイメージは好転したものの、インターネット上では「2の尻拭い」「2が炎上しなかったらもっと盛り上がっていた」などと評されることがある。 ゲームへの影響 ゲーム内では『けものフレンズ2』で登場したキャラクターがメインで活躍するイベントストーリーが展開されており、チーターとプロングホーン、プロングホーンとG・ロードランナーの2組は、それぞれの出会いを描いたイベントシナリオが2本も存在するなど、別格の扱いを受けている。また、シナリオ中では『けものフレンズ2』の展開を想起するような場面が見られる、『けものフレンズ2』で初出の情報が作中の基礎設定となっているなど、過去作である『けものフレンズ2』を組み込んだものとなっている。 けものフレンズキングダム 2022年5月31日にアジア圏にてソーシャルゲーム『けものフレンズキングダム』が配信された。時間軸としてはアニメ版を軸にして展開しているため時系列上ではけものフレンズ2の続きとなる。しかしながら現時点では配信直後のためどのように関係してくるかは未知数である。 外部リンク けものフレンズ2騒動まとめ KFPアンチ側の視点でけものフレンズ2に関する騒動についてまとめられたWiki。 けものフレンズ2以外の事柄もまとめられている。 けものフレンズ2炎上事件記事 けものフレンズ2に関わる炎上騒動についてまとめられていた記事。ニコニコ大百科記事改訂騒動により、リダイレクトされている。
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けものフレンズ+i (けものふれんずぷらすあい)は、同人作家・クイック賄派が執筆していたテレビアニメ『けものフレンズ』の二次創作シリーズの総称。 『けものフレンズ+i』の呼称はニコニコ大百科の単語記事から用いたものである。 概要 各話リスト 方針 +i話シリーズの位置付けについて 『けものフレンズ2』への敵意 問題点 論旨の破綻 方針の不徹底 関連用語 外部リンク 概要 クイック賄派が2017年5月24日から2020年11月18日にかけてpixivで連載していた二次創作作品。「+i」という符号はアニメ1期ファンから「愛」という意味があるとされる。 頒布された同人誌などでは「けものフレンズ+i話世界線シリーズ」、pixivでは「irodori作品+i話シリーズ」と題されている。テレビアニメアニメ『けものフレンズ』第12話の後を想定しており、サーバル・かばん・アライグマ(*1)・フェネックの一行がゴゴクエリア(ゴゴクチホー)に上陸して旅する内容となっていた。初回となる「-1+i話「おうち」」は、キャプション文によると「irodori版が終わって寂しかった」ことをきっかけとして「アライさんとフェネックの馴れ初め漫画を描きました。」としている。初回を投稿した2017年5月24日から年を跨いだ2018年3月29日に「13+i話「うなばら」(その1)」が公開され、シリーズ化に至った。 2021年6月27日、「二次創作から足を洗いたい」とのことで『けものフレンズ+i』の在庫を「全数廃棄する」とのツイートがあり、『けものフレンズ+i』は終了となった。(*2) 作者のクイック賄派は熱烈なアニメ1期ファン・たつきファンであり、アニメ1期を「irodori版」と称していた。たつきショック以後のクイック賄派はたつきを擁護し、『けものフレンズ2』の炎上時には反KFPのスタンスを鮮明にしたこともあり、KFPアンチやけものフレンズ2アンチから同シリーズは「アニメ1期を尊重する二次創作」として称揚された。本シリーズはたつきショック以前から執筆されており、その作品の内容自体にはKFP・『けものフレンズ2』などへのヘイト要素は含まれていないものの、作者の主張や思想からけものフレンズファンには敬遠されている。 各話リスト 掲載日時 タイトル 2017年5月24日 01 35 -1+i話「おうち」 『けものフレンズ(テレビアニメ)』の本編開始以前の時系列で、アライさんとフェネックの馴れ初めと、アライさんとフェネックがさばくちほーに潜む大型セルリアンと対峙する様子が描かれている。 2018年3月29日 01 35 13+i話「うなばら」(その1) 『けものフレンズ(テレビアニメ)』の本編より後の時系列。バスで海を渡っていたサーバルたちがマイルカ、バンドウイルカ、シナウスイロイルカと出会う。海の底にある火山による噴火でバスが水没しそうになるも、マイルカたちの協力でごこくエリアに辿り着く。そこで発電設備を発見し、バスの電池を充電するためにかばんとサーバルが探索をすることになる。 2018年4月20日 00 17 13+i話「うなばら」(その2) 発電施設でバスの電池を充電するサーバルとかばん。充電に1時間かかるため、近くにあった灯台を探検する。灯台の望遠鏡からは『けものフレンズ(テレビアニメ)』の舞台となったきょうしゅうエリアやマイルカたちの姿が見えた。灯台を降りるとアオツラカツオドリと出会うが、アオツラカツオドリはすぐに飛び立ってしまった。バスの充電が完了するが、日が落ちてきたので砂浜で野宿をすることに。夜、サーバルとかばんはアライさんとフェネックから『ばすてき』での経緯を聞くことになった。しかし、その話が終わるとサーバルとフェネックがなにかに勘付く。 2018年5月31日 00 50 13+i話「うなばら」(その3) サーバルとフェネックは海の方角から誰かがセルリアンに襲われていることに気付いたのであった。サーバルとかばんは灯台へ向かい、フェネックとアライさんはバスに乗って海へ向かう。海では大きなセルリアンにアオツラカツオドリが捕まっていたが、かばんが灯台の灯りをつけセルリアンの注意をひきつけたことで救出に成功する。サーバルに海にいた理由を訊ねられたアオツラカツオドリは、泳いでいるマイルカたちを空から見ていた、一緒に泳ぎたかったと答える。アオツラカツオドリは「うなばら」(その1)の海底火山の噴火で誕生したフレンズだったのだ。かばんはアオツラカツオドリにフレンズによって得意なことは違う、今のままでいいと諭した。翌日、マイルカたちがセルリアンに襲われるもアオツラカツオドリの攻撃によってセルリアンは撃破される。これをきっかけにアオツラカツオドリはマイルカたちと親交を深めることができた。サーバルたちはバスに乗って陸路を進むが、ラッキービーストがサーバルたちの前に現れる。 2018年6月30日 00 44 14+i話「ちくりん」(その1) 方針 +i話シリーズの位置付けについて +i話シリーズの位置付けについて クイック賄派の2019年2月27日のツイートより抜粋(魚拓) 【改訂版v2.00】+i話シリーズの世界の位置づけについて クイック賄派の2019年2月27日のツイートより抜粋(魚拓) クイック賄派の認識では、『けものフレンズ』(ゲームアプリ)は「irodori版けものフレンズ」の一部とされ、そこに『ケムリクサ』(自主制作版)から「わかばんちゃん」(*3)とともに「たつきのエッセンス」とされる諸要素が持ち込まれた作品が「irodori版けものフレンズ」であるとされている。(*4) (*5) そのため、作品に登場するキャラクターはアニメ1期に登場したキャラクターのほか、「irodoriのけものフレンズの一部」と認定したネクソン版のキャラクターに限定すると明言していた。このような方針をとった理由としては、吉崎観音デザインのフレンズは「irodori版けものフレンズとは無関係」と思い込み、使用しないとする考えがあった。 このような思想から、『けものフレンズ2』はテレビアニメ・コミカライズともども「無関係」として、その存在を認めていないほか、舞台版や『けものフレンズぱびりおん』などといった他コンテンツも「irodori版けものフレンズ」とは認めていない。 上記の図解は、図解に描かれた「irodori版けもフレ宇宙」の形状から「コンドーム」という蔑称が付けられている。 『けものフレンズ2』への敵意 『けものフレンズ2』の放送終了後、クイック賄派は過去のPixivに投稿した作品のキャプション文に以下の文章を追記した。『けものフレンズ2』およびその制作陣に対する激しい怒りの内容であり、「私はあの世界に救われた方々の心と、そしてあの世界の尊厳を守るために、この作品に自分の命と尊厳を捧げたい」とまで発言している。クイック賄派の主張は、当時勢力を誇っていた『けものフレンズ2』アンチやKFPアンチから激賞された。 -1+i話「おうち」(魚拓)、13+i話「うなばら」(その1)(魚拓)よりキャプション文の一部から抜粋 【追記】 作者はirodoriを100%支持します。 向こうがやったことはファンが大切にしてきた作品世界を悪意をもって踏みにじりファン同士の憎悪を煽る道具にするような、言語道断の行為です。あらゆる創作行為に対する侮辱であると思うし、反社会的な、明確な「悪」であると考えます。私はそのような行為をはっきりと明確な意志をもって否定し、軽蔑し、敵視します。 どうしてただ作品世界を好きだっただけの人たちが、作品世界に心を救われたファンの人たちが作品を嫌いになるまで傷つけられなければならないのか。 そんなことはもう二度と繰り返してはならないし、そのためにも向こうがやったことを絶対に許してはならないと思います。誰かを傷つけたり踏みにじったりするものに対して寛容は成立しません。きちんと否定しなければならないと思っています。 私はあの世界に救われた方々の心と、そしてあの世界の尊厳を守るために、この作品に自分の命と尊厳を捧げたいと思う。 しかし、クイック賄派は「irodoriを100%支持する」姿勢を表明しているが、irodoriは「けものフレンズプロジェクト、『2』製作スタッフが作品世界に対して悪意を持って踏みにじった」という主張、またはそれに近い発言はしていない。 問題点 論旨の破綻 『けものフレンズ+i』にはアニメ1期で登場していないフレンズが多数登場している。 そもそも、サーバルをはじめとしたアニメ一期のアニマルガールのほとんどは吉崎観音がデザインしたキャラクターであるため、「たつきがデザインした」とされるかばん以外のキャラクターを使用したことは、自身で課した方針を自ら破っていることとなってしまう。 さらに、クイック賄派の主張する「ネクソン版がirodoriのけものフレンズの一部に含まれる」という論説について具体的な論拠は示されたことがなく、クイック賄派自身の個人的認識に基づいており、その内実を読者側が窺い知るのは不可能である。 余談だが、ネクソンは『ようこそジャパリパーク』の製作に協力している他、『マビノギ』『テイルズウィーバー』等で『けものフレンズ』とのコラボを行う(*6)、『けものフレンズ3』スタッフと対談しているなどKFPから離脱した後も好意的な関係を保っている。 方針の不徹底 上記の通り「けものフレンズ+i」においては「『けものフレンズ(テレビアニメ)』と『けものフレンズ(ゲームアプリ)』に登場したフレンズは全てirodori版として取り扱う」と定義されているが、当シリーズに登場するアニマルガールはほとんどがクイック賄派が定義する「irodori版」から外れた吉崎デザインの物である。ナミチスイコウモリもネクソン版ではなく吉崎がリファインしたEX版(*7)となっており、アカギツネ、アオツラカツオドリ、イエイヌ(シバイヌ)などネクソン版、アニメ双方と無縁のアニメルガールも存在する。 作者曰く「たーのしー」世界から引用された「ネクソン版フレンズ」はイヌワシのみ。また、最終エピソードである「18+1話 らぼ」に登場するチンパンジーのみネクソン版とは異なる作者の完全なオリジナルデザインとなっている。(*8) ネクソン版に登場したアニマルガールについてはイラストが小さいながらも書籍「けものフレンズ オフィシャルガイドブック プロジェクトの軌跡」で纏められている他に稼働している当時の攻略サイトも残っており、ネクソン版とリファイン版のデザインの差異を確認する事は難しくなく、なぜ敢えて作者が「irodori版に連なる『たーのしー』世界」であると認定したネクソン版ではなく「irodori版から要素を引用しただけの無関係な世界」である吉崎によるリファイン版を採用したのかは謎である。 余談だが、本作に登場するフレンズは前述のナミチスイコウモリ、イヌワシ、チンパンジー以外全て吉崎観音デザインの「けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック」に収録されているフレンズ(*9)である。 関連用語 クイック賄派 けものフレンズ(テレビアニメ) けものフレンズ2 ケムリクサ irodori 外部リンク 「irodori作品+i話シリーズ」/「クイック賄派」 - pixiv けものフレンズ+iとは(ケモノフレンズプラスアイ)[単語記事] - ニコニコ大百科 アニメ1期に登場したアルパカ・スリの口調で説明されている。 irodori版けものフレンズ(いろどりばんけものふれんず) - ピクシブ百科事典