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東方魂花 ~The first acceleration~ サークル:STEP×STEP Number Track Name Arranger Vocal Original Works Original Tune Length 01 神童例祭 STEP×STEP 夢違科学世紀 童祭 ~ Innocent Treasures [03 02] 02 桜々絢華 STEP×STEP 東方妖々夢 さくらさくら ~ Japanize Dream... [05 05] 03 想昔帰航 STEP×STEP иaяuмi 東方花映塚 彼岸帰航 ~ Riverside View [05 11] 04 鋼鉄彼女 STEP×STEP 東方紅魔郷 U.N.オーエンは彼女なのか? [03 06] 05 雨下桜恋 STEP×STEP 稀翁玉 桜花之恋塚 ~ Flower of Japan [03 57] 06 彩伝幽雅 STEP×STEP 東方妖々夢 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life [05 51] 07 仰空哀歌 STEP×STEP 東方萃夢想 仰空 [03 34] 08 赤白護郷 jessica иaяuмi 東方幻想郷 アリスマエステラ [04 22] 09 儚誠 STEP×STEP иaяuмi 東方風神録 信仰は儚き人間の為に [05 00] 10 瞑紅楼閣 STEP×STEP 東方紅魔郷 紅楼 ~ Eastern Dream... [04 54] 詳細 博麗神社例大祭6(2009/03/08)にて頒布 イベント価格:---円 ショップ価格:1050円(税込) レビュー 名前 コメント
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デッドマンズQ ~幻想郷~ ―東方魂録書― デッドマンズQ ~幻想郷~ デッドマンズQ ~幻想郷~ ―東方魂録書― その(1) デッドマンズQ ~幻想郷~ ―東方魂録書― その(2) デッドマンズQ ~幻想郷~ ―東方魂録書― その(3) TOPページへ
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さて、この侵入者について幾つか分かったことがある。一つは侵入者が幽霊であること。どうしてなのかは 何となくとしか言いようがないが、前に会ったあの白玉楼の亡霊と似た雰囲気を持っていた。だから多分幽霊なのでしょう。 一つは彼がワリと慎重であること。あの白黒泥棒みたいに堂々と玄関をぶっ壊して侵入してきたり、 壁に大穴を開けてこっそり入ってくるような豪快な強盗まがいのことをせず、 逆にこっそりとばれないように慎重にしながらまるでドブネズミみたいに侵入してきた。 一つはお目当てが白黒泥棒と同じように図書館にあるパチュリー様の本がお目当てのようだということ。 現に彼の右腕には数冊の本が入った袋が握られている。つまり彼は自分の仕事を終え、今正に帰ろうとしている。 まったく、こんなところにもネズミがいたなんて、やれやれだわ。あんだけ大掛かりなことをしておいたのに、 特製の猫イラズはあんまり役に立っていないようね。またパチュリー様に叱られてしまうわ。 彼が何のために、誰のために、本を持っていくのかなんて私にとっては本当にどうでもいいこと。 今の私にとって重要な仕事は、彼をここから追い出すこと。いいえ、それだけでは不十分だわ。 彼には刻み込まなければならない。彼の魂に敗北を、2度と紅魔館に挑んで来たいと思わせないように 『完膚なきまでに勝つ』必要があるッ! 彼女はどこからか銀製のナイフを取り出すと吉影に向かって投げる。しかし時の止まった空間において 彼女の手を離れたナイフは吉影に届く前に止まる。それでもお構いなしに、彼女はそれらをいったいどこに 入れておいたのか、新たなナイフを取り出すとさらに吉影の方向に投げる。それを繰り返していくと 吉影の周りには二重、三重のナイフの円が、刃先は彼に向かってできていた。無論、本の入った袋に ナイフが当たらないようにはしてあるが。ナイフを投げ終わると咲夜は吉影からは離れて止まった世界を 再び動かそうとする。 ―――――そして時は動き出す――――― ―東方魂録書― その(2) 瞬間、何が起こったのかわたしには理解できなかった。目の前、いやわたしの周りにあるそれが何だったのか 最初はわからなかった。 「なッ!?」 その次に、少なくとも体感できたことは、わたしが大量の何かに貫かれたことだった。 それは生命に触られたような感触であったし、鋭い刃物で貫かれたような感じでもあった。 それがもたらしたものは、トンでもない激痛。 「うおおおおあああああ――ッ!!?」 なんて……こった。どうやら無事に仕事を終えられるかと思ったら、そう、うまい話があるわけではなかったようだ。 辺りを見る。わたしを貫いたものはナイフらしい。辺りに散らばっていた。 腕や脚、体が焼けるように痛い。痛みというものを久々に思い出した。ここまで辛いものだっただろうか? しかしまだ手足は取れていない。腕や脚のない生活を送る必要はまだない。だが誰が、いつの間に、 どうやってこんなにも大量のナイフを投げたんだ? 「あら、まだ無事みたいね。意外としぶといのね、ネズミも幽霊も。」 女の声が聞こえた。目の前にいたのはメイド服を着た人間だった。妖精ではない。幽々子の話だと人間のメイドが この館のメイド長で、時間を操るとか言っていた。このナイフの量と目の前の人間から判断すると、こいつが メイド長か。時間を操るってのはかなり厄介だ。 「さて、これから貴方がその荷物をこちらに返して、『もう二度とこの館には近づきませんので、どうか 許してください。お願いします。』と泣きながら土下座して謝るなら、まあ許してあげるかもしれない。」 冗談じゃあない。どうしていきなり目の前の人間に泣きながら土下座なんかしなくちゃあならないんだ…!? しかもこの本はちゃんと持ち主に『許可』をとって借りたものだ。それをなんで何も知らない従者に邪魔されないと いけない?そう思い、口を開こうとした。しかし1本ナイフが飛んできた。 「…ふう。私も暇じゃあないの。貴方の言い訳なんて聞いてる時間もないの。喋っていいのは謝罪の言葉か 反省の弁だけよ。」 どうやらこいつも話の聞かない従者らしい。この世界の従者は話を聞かない奴しかいないのか。 そしたらこんなの相手にしないで逃げた方がいいな。だがどうやって逃げる?そうやって考え込んでいると 「!?」 またナイフの環がわたしの方に刃を向けてできていた。避けきれずにナイフの雨を再び受ける。 「どうやらまだわかっていないようね…。貴方が置かれた立場というものが。」 再び激痛がわたしの魂を支配する。 「あぐわっ!?」 「逃げられるような状況じゃあないの。今貴方の首には死刑囚みたいに縄がかかって、それを絞めるかどうかを 判断するのが私。絞められないように命乞いする立場にいるのよ貴方は。」 こいつは妖夢以上にヤベー奴だな。自分の行動には確実な自信と誇りを持っていやがる。こういうのは能力とかよりも その性格の方がよっぽど厄介だ。わたしは反撃のために幽霊の銃を奴に向ける。 「あらあら。よっぽど舐められてるわね。銃で私が倒せると思って?」 その言葉を無視し引き金を引く。しかし銃を出た弾丸の先にはメイドはおらず、弾丸ははるか遠くに飛んでいった。 代わりにメイドは 「はあ、廊下の壁に穴が開いたら私が直さなきゃいけないのよ。まったく。」 そう言ってナイフを投げてきた。 「うおっ!」 何とかナイフを避ける。こんな危なっかしい奴と戦いたくはない。わたしは近くの部屋に逃げようと思い、 さっさとドアを通り抜けようとした。 「……ン!?」 しかしダメだ。誰かいるのか、入れなかった。早く逃げないとまたナイフのシャワーを浴びることになってしまう。 別の近くのドアに触れる。やっぱりそこにも潜り込めそうにはなかった。 「ッチィ」 さらにまた別のドアを調べる。今度も無理だった。 「……何なんだ一体!?さっきはどこの部屋も開いてたぞッ!?こんな時に限って……」 こんな時……ハッ!まさか………!? 「あらあら残念ね。私がこの辺の部屋に結界を仕掛けなければ、貴方は部屋を通って私から逃げられたのに。」 この女、そんなことまでできるのかよ…。まったく厄介すぎるぞ。しかしどうする? このままあいつに土下座して、理由を説明してどうにかしてもらうか?いや土下座したといってそのまま この館から逃がしてくれたり、本を貸してくれたりなんてことを期待できるほど甘い相手じゃあなさそうだ。 じゃあどうする?ここから逃げられる場所なんてあるか?……一つだけあるな。 「さて、そろそろ土下座する準備と覚悟はできたかしら?」 その言葉をわたしは無視し、あいつに向かって本の入った袋を放り投げた。 「えっ!?ちょ、ちょっと!?」 あの幽霊が抵抗するなり謝るなりなんかすると思ってはいたが、まさかいきなり本を投げ返すなんて思っても いなかった。だから私は時を止めるのも忘れて、放り投げられた本を受け取った。パチュリー様の大事な本に 傷が付いてはいけないので、空から落ちてくる女の子を抱え上げるように、できるだけ丁寧に受け取った。 「貴方!一体何のつもり……」 本をキャッチした後、奴の真意を聞こうとしたが、既にそこにはあの幽霊の姿はなかった。幽霊自体は 幻想郷でもそう珍しいものではないが、本当に幽霊みたいにドロンと消えてしまった。 「はあ、一体何なんだったのかしら?」 私のナイフが効き過ぎて成仏してしまったのだろうか。それならそれでいいが。パチュリー様の本は返してもらったし、 ここに忍び込むネズミが一匹減っただけだから何の問題もない。それよりも早くこの本をパチュリー様に返さないと。 パチュリー様が言うには図書館の本には見るだけでも死んでしまうような本もあるとか。ああ恐ろしい恐ろしい。 本の管理はメイドの仕事の範囲外だからさっさと渡してしまいましょう。 十六夜咲夜は侵入者を退治したと思い込み、自分の銀製ナイフを拾い集め片付けると、本を本来の持ち主の 元へ届けようとした。しかし彼女は知らない。その袋の中の1冊、あの透明でダークブラウンの本が消えていることに。 彼女が袋を受け取る瞬間、袋の中に小さなスキマが発生して、そこにその本が吸い込まれたことに、 紅魔館のメイド長は気づけなかった。 ここは紅魔館の地下、図書館とは別の場所にあたる、薄暗い地下室である。そこに侵入者、吉良吉影はいた。 そう、彼は地下、つまり廊下の床には結界が張っておらず、そこに潜り込めることに気づいた。だから咲夜に 袋を投げつけ、その隙に地下に潜り込んだのである。幸い、咲夜は時を止めなかったので、吉影が地下に逃げ込んだことに 気づかなかった。 「しかし……、地下に逃げ込んだのはいいが……、ここはどこだ?」 地下に行けばあのだだっ広い図書館に行けると吉影は思ってはいたが、見当違いのようだった。図書館ならば またあの魔法使いにでも会えば何とかなると思っていた彼にとっては少々残念な結果になってしまった。 「まあ、いい。同じ地下ならすぐに図書館にでも行けるだろう。」 彼はさっさと薄気味悪い暗い空間から出ようとした。しかし彼に不幸の女神が再び微笑んだ。この部屋の住人に 見つかってしまったのだ。 「あなた、だあれ?」 なんだ?こんな地下に誰かいるのか?ただの倉庫だと思っていたが、誰か住んでいるのか?メイドのせいで疲れたから 早く仕事を終わらせたいのだが…。 「ねえ、あなたは誰なの?私と遊んでくれるの?」 声と言葉を聴く限り、ただのガキのようだ。それなら別に気にする必要はないな。適当にあしらえばいいか。 「すまないな。オレはこれから仕事があって君とは遊んでいられないんだ。悪いんだが別のやつを当たってくれないか。」 「え~そんなのやだーッ!退屈で退屈でしょうがないのよッ!さっきは誰か来て暴れてたみたいだけど、 私は完全に蚊帳の外。そんなの知ったら私も暴れたくてしょうがないんだって。」 やれやれ。ガキっていうのはどうしてこう我侭なやつしかいないんだ。それにわたしはこの館の人間じゃないんだ。 ガキの世話をするのは保護者の役割だ。わたしの仕事じゃあない。 「本当に悪いな。オレはすごく疲れていて君の相手をできそうにない。メイドにでも相手してもらえ。」 わたしはそう言って扉の前へ行こうとした。 「ふーん。そう。遊んでくれないなら…」 「壊れちゃえ」 躓いた。いや躓いたというよりは引っ掛けられたというか、とにかく転んでしまった。何があったのか足元を見る。 ないのだ。わたしの右足が吹っ飛んでいた。右足はわたしの体を離れて一つの物体となってそこにあった。 「なッ!????」 「アーーッハハハハハハハハハハハハハハ。いいわねその表情!さいっこうよーッ!」 い、一体何をされた?奴はあそこにいる…。弾幕か何かで切ったか?いやそれなら気づくはず…。 「アハハハハ、感謝しなさいよッ!ちゃんと私と遊べるように足は"破壊"せずに"切り取って"あげたんだからさあッ! 前にパチュリーに聞いたことあるんだけどさあ、幽霊って壊されてもパーツさえあればくっつくんだって? ねえ、そうならその足くっつけて見せてよ!そして私と遊ぼうよッ!」 目の前の薄黄色い髪の、変なカラフルな宝石みたいな物をぶら下げた枝を背中につけたガキが 気味悪く歪んだ表情で笑う。このガキッ……!こいつが何でも破壊する能力を持つっていう吸血鬼か……。 それにしてもこいつ、どっかおかしいんじゃないか?吸血鬼ってそういうものなのか?とりあえずわたしは 右足を拾い、それを繋げる。脚のない生活なんて苦痛だ。 「へえー、本当にくっつくんだ。妖怪みたいね。人間の幽霊のくせにサッ!それじゃあ弾幕ごっこを始めましょ!」 ふざけんじゃないッ!どうして吸血鬼なんかと戦わなきゃいけないんだ。足が戻ったしわたしはこんな危険な 部屋に長居する気はない。わたしは扉に向かう。しかし扉はわたしの侵入を拒んでいるようだった。 「なんだ?出れないぞ?どういうことだッ!?」 「クスクス。うふふふ、やっぱり。パチュリーはもう一つ言ってたわ。幽霊はどこでも通れるように見えるけど 実はそうじゃないって。決められた道とか開いてる穴とかしか通れないって。特に"許可された場所"じゃないと 誰かのいるところは通れないらしいんだって。ねえ、そうなんでしょ!?だから私は許可しないわ。 『私と遊ばないとこの部屋から出さない』ってね!」 な、なんだとおおおおおおおおおおーーーーーッ!?ふざけんじゃないこのガキャああああ。さっきのメイドのせいで 今にも消えちまいそうなのに………、冗談じゃあないッ!冗談じゃあないぞおおおおおおおッ!! 「アッハッハ!それじゃあ始めましょ!楽しい楽しい弾幕ごっこをサァッ!!」 場所は変わって大図書館。パチュリーは整理と掃除を終え、優雅にお茶をしていた。そばにはあのメイド長がいた。 「咲夜、どうして貴女がそれを持っているのよ。」 咲夜はお茶と一緒に吉影から受け取った袋を持ってきていた。そして今それをパチュリーに渡そうとしていた。 「えっ?これ館に侵入してきた幽霊が持っていたのですが、図書館から盗まれた本ではないのですか?」 「ハァ。貴女は肝心なときには仕事しないで、どうして、しなくてもいい仕事はするのかしら。」 パチュリーはため息混じりに咲夜の仕事を評価する。あんまり芳しくない評価である。 「どういうことでしょうか。」 「ま、ちゃんと貴女に教えなかった私にも責任はあるのかもね。その本は私が幽霊に"ちゃんと"貸してあげたよ。」 そう言って彼女は咲夜に説明した。吉影は確かに館に侵入してきたこと。しかし目的は図書館の本だけだということ。 その本もきちんとパチュリーに断って借りたこと。今度からきちんと玄関から入ってくるように約束したこと。 「そうでしたか。それでもここに侵入してきたことには変わりありませんわ。」 「幽霊は彷徨うのが仕事よ(彼の場合は違うけど)。幽霊が1匹2匹入ってきたぐらいで騒がないの。 それに魔理沙から本を守ることの方が重要よ。そっちの仕事をきちんとしてくれないと困るわ。」 その言葉を聴いて一瞬咲夜の顔がムッとした表情になったような気がしたが、 「失礼しました。」 そう言って頭を下げた。さっきの表情は気のせいのようだ。 「それで彼はどうしたの?まさか成仏させたわけではないわよね?」 パチュリーは吉影の安否について聞いた。彼を心配しているわけでもないが、彼の依頼主が地獄の裁判員なので 何かあるとこっちに問題がくるかもしれない。それはそれで面倒だ。 「……さあ?彼から本を返してもらったらいつの間にかいなくなってしまって…。」 「……とりあえず詳しいことを教えてもらおうかしら。」 今度は咲夜がパチュリーに吉影と戦ったときの状況を説明した。 「……ふーん、もしかしたら彼、成仏したのかもね。そうなったら面倒だわ。」 パチュリーは咲夜の話を聞いて、彼の現状を推測した。吉影の安否が絶望的なことから、これから起こるであろう 出来事に彼女は一抹の不安を感じていた。いくら彼に問題があったからといって殺してしまったのは少々やりすぎだ。 とりあえず、入れられた紅茶を一口飲む。豊かで鮮やかな香りが彼女の精神を落ち着かせる。 「ふう、今日の紅茶は随分と美味しいわね。」 地下の日の当たらない暗い部屋で、僅かながらの蝋燭の光の中、華麗な弾幕が舞っていた。色とりどりの 光弾が円形や放射状、格子状などの様々な形を描きながら飛んでいた。外から眺める分には綺麗な映像であったが、 中ではほぼ一方的ともいえる戦いが起こっていた。部屋の住人、フランドールは弾幕を描くものであった。 彼女は彼と戦うために弾幕を撃っていた。その弾幕の中にいるのは吉影だった。彼は全力で弾幕を避けていた。 が、メイドとの戦いにおいて随分と疲労を溜めていた彼にとって、彼女の弾幕はとてもじゃないが避けられるものではなかった。 色とりどりの弾幕は容赦もなく彼を襲う。腕、脚、体、頭と避けようとしても言うことの聞かない体に当たってしまう。 そんな中でも彼は自分の銃で彼女を弾幕の隙間から狙い、撃つ。しかし相手は吸血鬼。満身創痍の吉影の撃つ 狙いの甘い弾など目を瞑っていても避けられた。彼は体のない自分の体がやけに重く感じられた。 自分の頭の中が霧がかかった様にぼんやりとしてきた。 そして、フランの表情にも変化があった。最初は新しいおもちゃを手に入れた子供のように随分と 楽しそうに弾幕を撃っていた。しかし、彼の反撃が余りにないと、表情も曇ってくる。手に入れたゲームが だんだんとクソゲーだと判明すると、顔が段々と絶望の表情を映していくように、彼女の顔も段々と変化する。 一方的なゲームは最初は楽しいが、すぐに飽きる。彼の動きがあまりにも鈍いことが彼女の娯楽を つまらなくしていたのだ。だから飽きた。だから弾幕を止めた。 「ハァ、ハァ、ハァ、……?」 彼は幽霊であったが、肩で呼吸をしていた。生きていたときの癖が出たのだろうか。彼の思考は疲れと痛みで ほとんどまわらなかった。どうして彼女が弾幕を止めたのか。弾幕を止めたとはどういうことなのか。今の彼には 考え付かなかった。そしてフランは目の前の今にも消えてしまいそうな幽霊を前にして 「ツマラナイわ。こんな虫けらにも劣るようなものと弾幕ごっこなんかしても、何にも楽しくないわ。」 と『かわいそうだけど、あしたの朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね』って感じの養豚場のブタでも みるかのように冷たい、残酷な目で彼を見ながら言った。 「まあいいわ。遊び終わったらキチンと片付けないといけない、って咲夜が言ってたわね。」 という言葉と共に彼女は自分の手を強く握った。その瞬間吉影の右足が"破壊"され消え去った。 「!?」 「へえ、幽霊ってそんな風に破壊されちゃうんだ。幽霊は破壊したことなかったから。」 彼は自分の右足に何が起こったのか理解できなかった。ただ倒れるしかなかった。 「―――――――ッ!!」 言葉のない叫びをする。そのとき、彼の手元にあのダークブラウンの本があった。その本は風がほとんどない部屋の 中でペラペラと、ひとりでにページをめくっていた。まるで誰かにめくられるように自らの目的のページを探していた。 「さてと、幽霊の壊れ方も分かったし、お片づけをしないとね。」 吉影は恐怖した。そして、恐怖の中で彼は自分の消失を覚悟していた。自分の魂は、意思はこのまま消えて なくなってしまうだろうと予測していた。自分はここで終わりだろうと悪態をついていた。 そんな彼の絶望とは無関係に手元の本はめくる事を止めていた。目的のページを探し当てていたのだ。 その本に彼の右手は触れている。 「じゃあね、幽霊さん」 彼女はまた手を開き、何かを手に乗せる。それと同時に吉影の右手は本を持ち、彼の薄れいく意思を無視して腕を上げた。 そして開かれたページをフランに突きつけ、見せた。吉影には自分が何をしたのか分からなかったが、 フランは手を握る刹那、そのページを見た。いや彼女にはページどころかその本すら見えなかったろう。 しかし彼女の魂はそのページに書いてある出来事は認識できた。彼女の魂は見たこともない大きな鉄の箱が、 馬より速いスピードで彼女に衝突したと確信した。たとえどんなに肉体が強い妖怪でも、天狗だろうが吸血鬼だろうが、 魂の確信したことに疑いを持つ者はいない。魂が確信したことに強靭な肉体であろうとも従わなければならない。 結果、フランの体は服の内側から軋み、砕け、粉砕された。 「グェハッ!」 フランの口から血が出る。感じたこともなかった強烈な激痛が彼女を襲う。自分に何が起こったか理解できなかった。 今の今まで絶対的に自分が勝っていた。相手はボロボロで消えてしまいそうだったのに。いつ?どうやって? 彼女は疑問を感じながら意識を失う。通常、吸血鬼の体はそんなことでは倒れない。だがそこに記述されていたのは 人間の魂についてのことだった。その記述に従って彼女は気を失った。 その様子を見て吉影はあらゆる疑問を感じた。何故わたしはこの本を持っているのか。何故その本を彼女に 見せているのか。そして何故彼女はこの本を見ていきなり倒れたのか。しかしその疑問は疲労とダメージによって ボロボロになった彼の意思が途切れることで考察されることはなかった。 彼らが気絶して数分後、咲夜とパチュリーがフランのいる地下室にやってきた。彼女らはこの部屋が いつになく騒がしくなっているとの報告を聞きつけて、フランの様子を見に来たのだ。また何かやらかしたのだと 始めは思っていた。 「失礼します。フランドー…」 扉を開けてまず最初に目に付いたのは、血まみれで倒れているフランの姿だった。 「!だ、大丈夫ですか!フランドールお嬢様!」 「とりあえず手当てしないと!」 咲夜はフランに駆け寄り彼女を抱き上げた。普段の吸血鬼の雰囲気を持った、狂気を伴う覇気を醸し出す いつもの姿はなく、一人の幼い少女の、痛々しい大怪我した姿がそこにあった。パチュリーはフランに 応急処置の治癒魔法をかけると、一体ここで何があったのかを知るために周りを観察した。 騒がしいといっても、精々ここに忍び込んだ妖怪か妖精と弾幕ごっこでもやってるもんだと思っていた。 それがこんな大怪我を負うなんて、吸血鬼の彼女には普通には考えられないことである。何が彼女にこれほどまでの 傷を負わせたのだろう?そして彼女は発見した。右足を失い、今にも消えてしまいそうな、霞のような幽霊が フランの近くに倒れているのをだ。 「いったい、一体何なのよ……。」 彼女はこの惨劇は何を持って引き起こされたのか、その謎に頭を抱えるのであった。 To Be Continued → 前へ 目次へ 次へ
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東方魂花 ~The first acceleration~
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東方魂録書 その(3) 今住んでいる白玉楼は素晴らしいところだ、とわたしは実感している。住まいは落ち着いた雰囲気の日本家屋で 誰にも騒がれずに本を読むことができる。外を見れば、今ならば大量に植えられた桜を楽しむことができる。 幽々子は妖夢を半人前だとは言うが、庭師としてはなかなかの腕を持っていると思う。しかし、たまにこういう 洋室で紅茶の香りを楽しむのも悪くはない。派手で煌びやかな部屋の調度品は、住むのにはくど過ぎるがたまに 眺める分には心を躍らせるいい美術品だ。こんな部屋には優雅なクラシックが似合いそうだが、生憎ここには 音楽を奏でるものがないらしい。あのとき見つけたシューベルトの『白鳥の歌』でもかけたら良いだろうな。 こういう場所ならばあのメイドも相応しい存在だな。そんなことを考えながら入れられた紅茶を一口含む。 「……そろそろあそこで何が起こったのか教えてくれないかしら。」 そのメイドがわたしに聞いてきた。名前は十六夜咲夜とかいったかな。やれやれ、またこいつと会うとはな。 「だから、さっきも言ったようにオレはあんた達の言う『妹様』と弾幕ごっこで遊んでた、いや正確には『遊ばれていた』 といった方が正しいか?そのせいでオレは『妹様』に足をぶっ壊されてあの場所で倒れてたんだ。」 そう、わたしはその『妹様』(名はフランドールだっけ?)とかいう吸血鬼の遊び相手にされて危うく消える寸前だった。 しかし、どういう幸運か、『妹様』はわたしに止めを刺す前にいきなりぶっ倒れて、わたしもぶっ倒れたという結果になった。 そこに咲夜とパチュリーが来た。わたしは門番に『気』を入れられて(門番は気を使う程度の能力を持つとか) どうにか復活したんだそうだ。パチュリー曰く、幽霊というものは精神力で動くから『気』とかその類の精神的な エネルギーになりえるものを入れれば割と簡単に復活するらしい。一方、『妹様』はかなり重体のようだ。 普通ならばあの程度の怪我は吸血鬼だからそんなに時間がかからずに治るらしい。だが今回の場合、一向に良くならない のだとか。だから永遠亭の永琳を呼んで彼女を見てもらった。(ついでにわたしの足も治してもらった。) その結果、彼女の治癒力は"人間並み"にまで落ちたのだと。だから彼女の怪我の治り具合も人間並みにまでなったのだと 言っていた。そこで永琳は治癒力を吸血鬼程度まで戻す薬を置いていった。これで『妹様』の怪我の問題も解決した。 さて、ここで次の問題を考える必要が有る。『なぜフランドールがそこまでの怪我を負ったのか?』わたしには 彼女をあそこまで怪我させるような力は残っていなかった。では一体何が起こったのか。 「いい加減に白状しなさいッ!何故貴方を介抱したのか分かっているの?親切心や同情でやったと思っているの!? 貴方があの現場にいて、あの状況を説明できるのが貴方しかいないからよッ!」 「少し静かにしなさい。貴方が怒鳴ったって彼は答えないわ。」 フンッ!これだから頭の固い従者は嫌だ。話は聞かないくせに自分の欲しい結果だけは求めたがる。まったくもって 鬱陶しい。 「とりあえず、状況を整理しましょう。貴方は咲夜に襲われて、地下に逃げ込んだそうね。」 「そうだ。時を操る能力には勝てそうになかったからな。地下に逃げれば図書館に行くだろうと考えていたし、ほとぼりが 冷めた後本をもう一回アンタに借りればいいと思っていたからな。」 「できればもう少し丁寧に本を扱って欲しかったわ。……それで地下に行ったらそこは妹様の部屋だったわけね。」 そこでわたしはフランドールの言葉を思い出した。彼女は幽霊についてパチュリーから聞いていた、と言っていた。 「そういえばフランドールはアンタから幽霊の話を聞いたと言ってたな。」 「なに?貴方が死に掛けたのは私のせいだ、とでも言いたいの?」 「いや、別にそういうわけじゃあないが……。すでに咲夜にやられていたしな。」 とチラリと咲夜のほうを見る。咲夜は「貴方が悪いんでしょ。」と言いたげな表情でわたしを睨み返してきた。 「話を戻すわ。妹様と弾幕ごっこを始めたのね。」 「向こうが一方的に始めたようなもんだがな。オレは弾幕なんてもの撃てないから内容も一方的なもんだ。 そのくせ、そのうち飽きた、なんて言ってオレの足を破壊しやがって。」 「しょうがないわ。あの娘はそういう性格だから。」 オイオイ、あれを性格で説明すんのかよ。まったく幻想郷って所は常識で捉えちゃいけない場所なのかね。 「……それで今の話でどうフランドールお嬢様の怪我を説明するのかしら。」 と痺れを切らした咲夜が突っ込んできた。それが分かったら苦労しないんだよ。 「落ち着きなさい咲夜。焦っても何も問題は解決しないわ。」 「でもッ!パチュリー様、この幽霊が嘘をついている可能性だってあるんですよ。もしかしたら何か能力を持っていて それでお嬢様を怪我させたのかも…。」 「…それはないわね。よく考えなさい。そんな能力があったら怪我をしていたのは妹様でなく貴女だったはずよ。」 「私ならば時を操れますから、それで……」 「それだったら妹様と弾幕ごっこを始める前にその能力を使うはずよ。気絶する直前に使うなんてギリギリもいいところよ。」 「だったらボロボロにならないと使えない、とかはどうです?」 「貴女との戦いでボロボロになっていたんじゃないの?」 とありもしないわたしの能力について議論を始めていた。まったくもって無駄な議論であるが。 「……こんなこと言い合っても仕方ないわ。ねえ、何か思い出さない?」 とパチュリーはどうでもいい議論を終えてわたしに聞いてきた。 「何か、と聞かれてもねえ…。」 「何でもいいわ。弾幕ごっこの最中でも、妹様が怪我するときでも、貴方が気絶するときでも、どんなことでもいいわ。 何か変わった事なかった?」 そう聞かれてわたしはそのときのことを考える。何か変わった事か…。…そういえば一つ、異常なことがあったな。 「…おかしなことが一つあったな。」 「…!それは何かしら。」 二人は驚いた表情をしてわたしに聞いてきた。何らかの進展が見えそうなことだからか興味深そうにこちらを見ている。 「彼女がオレの足をぶっ壊した後、体を破壊しようとしてきて、オレはもう駄目だと思った。そのとき右手に本があったんだ。」 「本?」 「ああ、知らず知らずのうちにオレはその本を開いて彼女に突きつけていた。ちょうど本の中身を見せるようにな。」 「それで…?」 「そしたら彼女は倒れた。多分そのとき怪我をしたんだろうな。そしてその後オレは気を失った。」 「……!!どうしてそんな重要なこと先に話さないのよ!」 と咲夜は切れてきた。まあ当たり前だ。明らかに核心を突く話だからな。 「…しょうがないだろう。その辺りはダメージ受けすぎて意識が朦朧としていた。だから今まで思い出せなかったわけだ。」 「…!…そんな言い訳が通るわけないでしょッ!」 「ハア…。いいからそのナイフをしまって落ち着きなさい。それでその本っていうのは…」 「さあな。あのときのことはあまり覚えていないが、多分あの本だっただろう。」 「……パチュリー様、あの本とは?」 咲夜があの本について聞いてきた。わたしが見つけた、幽霊よりも透明で存在が希薄なダークブラウンの革製のあの本だ。 記憶は定かでなかったし、部屋は暗かったから確信はなかったが、なんとなくあの本だとは思っていた。パチュリーは その本について咲夜に説明している。 「……はあ。でも本当にそんな本なんてありましたの?その男の狂言ではなくて?」 と奴は疑いの眼でわたしを見つめ、疑心の思いを隠さずに言い放った。 「あるわよ。幽霊以上に虚ろで稀有なその本は。」 「「「えッ!?」」」 どこからか、聞いたことのある、だが聞きたくはない声が聞こえてきた。 「ハァ、どうして貴女がここにいるのよ…。」 声の方向には空間にスキマを開けて何が楽しいのか良く分からないが楽しそうに笑っている妖怪がいた。 胡散臭い八雲紫である。 「あら、ここは客人にお茶も出さないのね。」 「貴女を呼んだ覚えはありませんわ。」 「へえ、それじゃあ彼は誰かが呼んだのかしら?」 どうしてこいつに会わなきゃいけないんだ。こいつは話したがりの癖に、話の内容は雲をつかむようなよく分からないことを 話す。話していて頭の痛くなる相手だ。奴の言ってる事が本当か嘘かも曖昧でどうも厄介だ。おそらく今まであった中で一番 ややこしい。 「それで、今日はどういった企みで?」 「もう!まるで私がいつでも暗躍してるみたいな言い方じゃない。」 「ホントのことでしょ。」 「失礼ね。今日はただ見守るだけよ。彼のおつかいをね。」 たしかに紫の能力は誰かを観察するにはかなり便利な能力だ。事実、暇なときには幻想郷の騒がしそうなヤツを見てるらしい。 どうせ幽々子に今日の仕事のことを聞いたのだろう。うらやましいな、暇そうで。 「それで、ただ見守るだけの貴女がどうして出てきたの?」 と咲夜は仕方なさそうに紅茶を紫に出しながら、鬱陶しそうに聞いた。 「いやね、このまま見ていても進展しなさそうだったから、ちょいと助け舟でも出そうかと思ってね。」 「はあ、一体どんな気まぐれだ?めんどくさがりで他人にちょっかいしか出さないアンタが。」 「つまらない茶番を見るよりはちょっかい出してでも楽しくした方がいいじゃない。」 と胡散臭い笑顔で答えてきた。こいつに助け舟を借りて大丈夫なんだろうか。ただ事態をややこしくしそうで嫌だ。 「…それで、一体何をしてくれるんだ?」 わたしはとりあえず、話だけは聞くことにした。聞いても碌でもないことを言い出しそうだったが。 「貴方の荷物を依頼主に届けてあげるわ。」 「…なんだって?」 「あら、聞こえなかった?私がその本を届けてあげるって言ってるのよ。」 予想外の出来事だった。てっきりこの茶番とやらを引っ掻き回すようなことをしてくるのかと思いきや、 いともたやすく仕事を終わらせてくれそうなことを言ってきた。だがそのことが逆に怪しい。紫がそんな簡単に 仕事を手伝ってくれるわけがない。何か裏があるはずだ。 「何をする気だ?」 わたしは、どうせ答えないだろうが一応その真意を聞いてみた。 「あら別に。私はたださっさと終わらせたいだけよ。それとも私は信用できないとでも。」 ここにいる全員が『誰がお前を信用できるか』という気持ちでいっぱいであろう。 「私の本に何かするつもり?」 パチュリーにとってそれは最も危惧すべき問題である。散々魔理沙とやらに本をボロボロにされたとなっては これ以上本を悲惨な状態にされるのは勘弁なんだろう。 「だから私は"本を届ける"だけだって。貴女の本に用があるわけでもないの。なんなら私に『呪い』でも掛けても いいわよ。」 「……貴女に呪いをかけてもしょうがないじゃない。」 どうやら紫は本気で"本を届ける"だけのようだ。しかし何でだ?何が狙いでわたしの仕事を手伝う? …そういえばこの仕事は幽々子から経由されてきた依頼だ。何か企んでいるとしても邪魔をすることはないだろう。 この仕事が失敗すれば幽々子や白玉楼の名に傷がつく。あの紫でも旧友を裏切るような行為はするまい。 このままここにいても進展はなさそうだ。奴に話を聞くよりは素直に行ってもらった方が早く終わるんじゃないか? 「…わかった。それじゃあアンタに持っていってもらおうか。パチュリーもいいか?」 「……本を汚したり破ったりしなければべつにいいわ。もう。」 パチュリーにも許可をもらった(諦められた?)し、紫の気が変わらないうちにさっさと行ってもらおうか。 「ふふふ、了解したわっ!それじゃあ、ご注文のお品、たしかに受けとりましたわ。」 そういうと彼女はスキマの中に本の入った袋とともに消え、そしてそのスキマもまるで存在しなかったかのように 消滅してしまった。 「あー…、アイツから本の事聞き出せなかったわ。…まあ、聞いても答えてくれるわけなさそうだったけど。」 と咲夜はほんのちょっぴり残念そうにため息を吐いた。 (……あれ?そういえば…) パチュリーはとあることを思い出していた。誰かとの世間話であったか、それともあまり信用できない天狗の新聞 だっかか、それとも人間の里にあった本だったか。どこで知ったかは忘れてしまった。だが何となく気になることを 思い出していた。 (紫って確か四季映姫が苦手だったような…。私の勘違いかしら?) しかし (でも、私には関係ないことだし、別にいいか。あの紫が誰かを苦手なんて眉唾ものだもの。) とさして気にはしなかった。 ここは、三途の川を渡った先にある死後の世界。そこのとある場所で四季映姫・ヤマザナドゥはある死者について 考えていた。 (あの彼は一体何者なんでしょう…) そう、先日ここに来た『浄玻璃の鏡』に生前の姿が表れなかったあの死者である。白玉楼に彼の唯一の手がかり、 紅魔館の図書館での調査を依頼した後にも、独自に彼を調べてみた。しかしながら鏡に過去のことが映らなかった事と、 記憶がないこと以外は特に問題はなく、一般的な死者と何の変りはなかった。 (手がかりは鏡に映ったあの図書館だけですか…。白玉楼からの連絡を待つ以外に取る手だベホハァ) 彼女が考えに耽ってる途中、頭に強烈な物理的衝撃が走った。何かが彼女の頭に激突したのである。 「イタタタ、い、一体何事です!?」 と彼女は落ちてきたものを確認すると、何やら本が入った袋のようであった。そして近くにはメモらしき紙がある。 それを見ると 白玉楼からのご依頼の品、確かにお送り致しました。 中身の方、ご確認用お願いします。 by スキマ運送 p.s. 中の本には魔導書の類も含まれているそうなので、 くれぐれも中身を見る際には気をつけてください。 ですって。後きちんと返さないと呪うわよ。と 図書館の司書さんがおしゃっていたので読み終わったら 早く返した方がよさそうよ。それでは。 と書いてあった。犯人はどう見ても紫である。しかしそれをどうにかするよりは、来たものを確認した方がいい。 そう考えた彼女は袋の中の本を軽く確認した後、ある場所に向かった。 またここは別の場所。とある部屋。そこは窓がなく、戸が一つだけあるだけだった。その一つだけある戸の前に 小野塚小町がおり、その反対側には例の死者がいた。そこで小町もこの少年のことを考えていた。 (しっかし変な奴だねぇ。記憶がないだけでなく、鏡にも映らないなんて。でもおもしろくない奴だね。 話してもずっと無口だし。死のショックで記憶がなくなる奴は五万といるが、ここまで無表情な奴も、いたもんだね。) そう、彼はここに来てからまったくもって、表情というものを変化させたことがない。人形か仮面でも被っているのかと 疑われたこともあるが、四季映姫の調査によって彼は少なくとも人間であったようだ。 (にしてもつまらないね。こうも話がいの無い奴と二人っきりていうのは。) 彼女の場合、彼の身が心配だとか、知的好奇心だとかそういうもののために彼について考えていたのではなく、 単に暇が潰せないことが、ただただ不満だったに過ぎない。そこにコンコン、と戸を叩く音がした。 「はーい、どなたですかぁ?」 あまりにも暇過ぎて適当な返事をする小町。 「…私です、小町。」 「あ、あああ、はい!はい、今開けますねっー。」 と急に上司が来たので、慌てて気を入れ直し、彼女はその戸を開けた。 「…ちょっと気を抜きすぎですよ、小町。」 「す、すいません、四季様。」 いつも通り謝りをする。彼女はいつもサボってばっかなので、この光景はもはや地獄の一種の名物とまでなっていた。 「まあいいわ。今白玉楼に頼んでいたものが届いたわ。これで彼の記憶が分かるかもしれないわ。今からそれを調べるから 知らせにきたの。まあまだどうなるかは調べてみないと分からないだろうけど。」 「あら、届いたんですか。意外と早いですねえ。」 「まあ、ね」 と何やら複雑な表情をする映姫。一瞬疑問にも思ったが、まあいいやと打ち消した。 「それじゃあこれから調べる作業に入るわ。その間も彼の事よろしくね。寝ちゃダメよ。」 「わ、分かってますって。」 そういうと映姫は自分の部屋に戻って行った。部屋から見送った後、小町は彼に話しかけた。 「おーよかったじゃん。もしかしたら記憶が戻るかもしれないし。いや、四季様のことだ。きっと戻るな。 だから元気だしなよ!」 と彼を軽く励ましてはみたものの、彼のポーカーフェイスが崩れることはなかった。小町はついに不気味に思った。 記憶が戻るかもしれない。こういう状況に陥った人間というのは、素直にそのことに希望を持ってポジティブに喜ぶか、 逆に記憶が戻ることに不安になってネガティブになるか、どちらかになるはずである。しかしながら目の前の死者は 映姫と小町の会話を聞いても、小町の励ましを聞いても、仮面のような表情に変化が起こることはなく、仏像のように 無表情な顔をしたままそこにいるだけであった。映姫は彼は普通の死者と変わりないと言った。しかし小町には そのことが到底信じられなかった。 (いったい、一体こいつは何者なんだッ!?) 彼女は同情や好奇心でなく、ある種の恐怖心からこの疑問を抱いた。そして考える。 (しかしどうしたもんか。こいつとはさっきから一緒にいるが何考えてんかまったく分からん。…そりゃ向こうが なーんにも話してくれないからなあ。とりあえず、こっちからコミュニケーションしてみるか。 …さっきからしてるけどなあ。ま、コミュニケーションは根気だ、と誰かも言ってたしな。) 考え込んでいたために頭を下げていたので、彼とコミュニケーションを取るために頭を上げ、彼の方に話しかけた。 「ところでさあ、おまえさ…」 しかし彼の方を見るとそこにいるべき死者の姿は見当たらず、部屋の壁があるだけだった。 「えっ!?うそーん…。」 この部屋には戸は一つしかない。その戸の前に小町がいたので、この部屋から出ようとしたら彼女が気づくはずである。 そしてこの部屋(正確にはこの建物、さらにはこの周辺一帯)は死者が簡単に成仏したり消滅しないように特殊な作りに なっている。むろん部屋の壁も簡単には通り抜けできない。つまりこの部屋から出るには小町の後ろにある戸を通らないと いけないのである。 「えー…っと、かくれんぼでもしてんのかい。」 返事などなかった。 そんなことがあったことは露知らず、映姫は届けられた本を読み調べていた。が、芳しい結果はでなかった。 中に書いてあった内容はその死者の記憶についてではなく、幽霊の記憶の戻し方とか、幽霊の記録についてだとか が書いてあるのが大半だった。そういうことはある種専門家でもある閻魔であるから、特に得られた情報はほとんど なかった。 「……ふう、これも駄目、ですか…。」 そう言って本を閉じる。袋の中にあった本はこれで最後であった。 「うーん…、もう一回持ってきてもらいましょうか…。それとも直接私が見てきた方が…」 と次の策を考えながら本を片付けるために袋を手に取った。 「……あれ?」 彼女はその中にまだ本があることに気づいた。おかしい、と思いながらもその本を手に取る。その本は半透明であり、 質量は感じないが、400ページには満たない、ハードカバーの単行本サイズのダークブラウンの革製の表紙の本であった。 「さっき見たときにはこんな本無かったような…。」 そう言いながらも、彼女はある種の勘でこれがこの出来事の鍵になるんじゃないかと感じていた。明らかに雰囲気の違う、 いかにも何らかの秘密の込められていそうな不思議な本を目の前にして、彼女はほんのチョッピリ興奮した。 「とりあえず、この本にかかっている"術"を調べて、それを解除しないと…」 それまでの本と同じように本にかかっている魔法や呪いなどの術式を調べ、調べるときに邪魔にならないように その術式を解除する作業をした。しかし 「特に何かかかっているわけでもなさそうですね…。」 術式を調べる段階で、その本は何の反応も返さなかった。つまりこの本は誰でも安全に読めるはずである。 「とりあえず、読んでみましょう。」 彼女はその本を手に取り、本を開いた。最初の数ページは何も書いていない白紙のページだった。特に変わった様子は ない。あるページから本は始まっていた。言語は日本語だった。そこに書かれていた内容は暗闇だった。日本語に存在する いろんな種類の言葉や比喩を用いてあらゆる文字が暗闇を表現していた。彼女はその内容を読み取る度暗闇に 吸い込まれていく感覚を覚えた。彼女は、自分自身に起こっている事に気づいた途端、その本から目を離し、読むことを 中断した。彼女の精神はその本の内容に、引き込まれていた。その文章によって彼女の心の中に、恐怖だとか不気味だとか そういう感情が生まれていた。そんなことは本来、彼女にはありえないことであった。彼女は閻魔であるから ありとあらゆる精神の流れを見てきた。どす黒い心の持ち主の常人なら狂ってしまいそうな思想を見ることも良くある。 あまりにも悲劇的で、物語にしたら二度と読まれなさそうな人生を見ることもあった。だが閻魔という役割が、 たとえどんな運命であろうとも、客観的に評価できる精神を作り上げていた。だからどんな死者の過去を見たとしても 彼女の心が大きく動くことは無かった。 しかし、今彼女の心は2つの恐怖を持っていた。1つはこの本の内容に対する恐怖。暗闇というものに対する普通の 人間が抱くような恐怖心。もう1つはそんな恐怖心を、よりによって閻魔に抱かせてしまった、この本に対する恐怖。 しかしながら、彼女は、だからこそこの本は、あの異常事態を解決する鍵になるんじゃないかとさらに確信した。 そして彼女は、もう1度本を開く決心をした。今度は適当に少し進んだあたりを開こうとした。 「ハァ…。何て言ったらいいのかねぇ…。」 小町は部屋からあの死者が消えた後、部屋の中を懸命に探した。しかし元々部屋には机や椅子ぐらいしかなく、 隠れられそうな場所などそうそう無かった。仕方ないので、仲間の死神にもお願いして部屋の外や、建物のまわりなど そこら中を探し回った。だが結局それらしい死者などどこにもいなかった。しょうがないので、映姫に報告し、 どうすべきなのかを伺いにいこうとしているのだが、 「ハア、言われたそばから見失うなんてねえ…。」 さっきからため息ばかりつきながら、重い足取りで映姫の元へ向かっていた。 映姫の部屋の前まで着いた。彼女は恐る恐る部屋の戸を叩いた。しかし何も返ってこない。いつもなら「どなたですか?」 だとか「開いてますよ。」とかノックに対する返事があるはずだった。小町は本を調べるのに夢中にでもなっている のだろうと再び戸を叩き、 「四季さまー。えっ…とぉ、ちょっと報告したい事があるのですがぁ…。」 としどろもどろになりながら彼女の返事を待った。だがやっぱり返ってこない。 「あのー、四季様、いらっしゃらないのですかぁ?」 と言いながら戸に手をかける。鍵はかかっていない。小町は戸をそっと開け、中の様子を見る。 「あれっ四季様いるんじゃないですか。どうしたんですか?」 映姫は机に俯せになっていた。 「あれぇ、やだなあ。四季様も居眠りですか?人には説教しといて。」 と起こすために映姫の肩に触れた。その時、小町はその体に異様な熱気があることに気づいた。 「へっ!?」 とっさに手を離す。顔をよく見ると赤くなって、脂汗が浮いていた。額に手をやると熱を持っていた。 「ゲホォッ!ゴホォッ!」 と、とてもひどい咳もした。その表情はとてもとても辛そうだった。息はあがっており、今すぐ布団で眠らせないと さらに病状が悪化しそうであった。 「ど、どうして…。」 疑問に思いながらも小町は映姫を担ぎ、安静に休める場所まで連れて行った。 小町は映姫と今日一日過ごしてきたが、彼女が風邪で苦しんでいる様子を見ることは今まで無かった。 咳をしている様子も、鼻を啜っているようなことも、喉を痛めて声がガラガラになっていることも、顔を赤くして 発熱している姿も無かった。今の季節は急に風邪をひくような季節ではない。特にこの辺で風邪が局地的に流行っている という事実もない。さっき部屋で会話した時にも風邪をひいていた様子は無く、むしろ健康そうだった。どうして彼女が 急に酷い風邪をひいたのか。 それを知っているのは、彼女が先ほどまで読んでいた、机の上にある幽霊のような本だけである。 『もしもこの世界で、究極の小説があったとしたら……』 An ultimate novel... 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デッドマンズQ ~幻想郷~ ―東方魂録書― ここ白玉楼は、転生とか成仏を告げられた死者が幽霊となってそれを待つ場所らしい。 あいつの言う『あの世』はここにあった。よかったな。惜しむことは実際にあるかどうかを あいつ自身でなくわたしが確かめたことだが。そんなことを考えながらわたしの雇い主である 幽々子の元へ行った。 「おはよう、吉影。今日もいい天気ねぇ。」 「ああ、おはよう。」 挨拶を返す。今日も呑気な顔をしていた。ま、いい天気だという点では同意だが。 「ところでね、吉影、早速だけど頼みたいことがあるの。」 と彼女は言ってきた。つまり仕事の依頼である。わたしは彼女からの仕事をする代わりに 部屋を借りて、ある程度の賃金をもらっている。だから断る必要もないし意味もない。 「あなたにね、探し物をしてもらいたいの。」 今回の仕事は探し物をすることらしい。一体何を探せばいいのだろうか。旬の食べ物とかか。 「あら、あなたきっと『食べ物でも探して来いとでも言いそうだな』とか思ってたでしょ?失礼ね。」 なぜかばれてしまった。考えていることでもわかるのだろうか。 「まったく、妖夢もあなたも失礼しちゃうわね。」 …そういうわけでもないらしい。どうやら妖夢もいつも苦労してるようだ。 わたしはここに来て数週間ほどしか経っていないが、幽々子の性格はなんとなくわかってしまった。 幽霊のくせに食い意地が張ってるという評価は間違いじゃあなさそうだ。だがどこか侮れない部分がある。 のほほんと呑気にしていて、決して食えない奴。あの女坊主以上にだ。 「それじゃあ探し物について順に説明するわね。」 彼女の説明が始まった。どうやら珍しく食べ物関連のことではないらしい。 「冥界にはね、閻魔様に転生や成仏を命じられた幽霊がいるの。その閻魔様は死者の生きてる間の行いを見て 地獄に行くべきか、成仏すべきかを判決するの。」 冥界があるのだから地獄があるのだろうとは予測していたが、本当にあったらしい。 あいつは死んだらどっちに行くのだろうか? 「それでね、閻魔様は『浄玻璃の鏡』を使って死者の行いを見るの。ほとんどの死者はそれで 地獄か成仏かが決まるんだけど…」 「それで見れない死者が現れたよ。前代未聞の出来事ね。映らないと地獄行きか成仏かも判断できないもの。 その代わり、映ったのはある場所。」 「閻魔様は考えたわ。きっとそこに死者の人生について何か手がかりがあると。だからあなたにはそこに行って 死者の人生を知るのに手がかりになりそうなものを探して欲しいの。」 「おいおい、何を探してきて欲しいかはわかったが、どうしてオレが行かなきゃ行けないんだ? 死者を裁くのはその閻魔様の仕事なんだろ?だったらその閻魔様が探せばいいじゃないか!?」 別に仕事をするのが嫌なのではない。『仕事』を『生きがい』にしておけば幸福になれるかもしれない。 だが他人のすべき仕事を押し付けられるのは納得がいかない。 「その閻魔様が忙しいのなら部下にでも頼めばいいだろうに。」 「うーん、それなんだけどね、あそこも色々厄介なのよ。一人の死者に色々施すのも不公平、というのもあるし、 そもそも裁けない死者なんて本当に前代未聞の出来事なのよ。だからあまり公に動くことできないらしいのよ。」 「だから代わりにこっちが動くのか。」 「そういうこと。ここも幽霊という死者を扱ってるしね。」 「…ま、いいさ。依頼人の立場なんてオレはどうでもいい。」 どこの世界も組織というのは面倒なものらしい。それは外の世界も幻想郷も地獄も変わらない。 だけど死んで『魂』だけになった自分に組織なんて何の価値もない。バカな上司にヘーコラする気も、 アホな部下に怒鳴る気もさらさらない。そんなものは心の平穏からは最も遠いものだ。 「それでオレはどこに行き、どうすればいい?手がかりって言ったって具体的に何を探せばいいんだ。」 「そうね、その閻魔様が言うには鏡には紅魔館という館の図書館が映っていたらしいわ。 図書館、というからには本じゃあないかしら?もしかしたらその死者の日記でもあるのかもしれないし。」 図書館に日記はないだろうと思ったが、世の中には偉人の人生をまとめた伝記というのがある。 そういうものでも探せばいいのだろうか。だが伝記になるような人間なのに裁けないとはどっかおかしい気がする。 いや逆にそういう人間だから裁けないのか?しかしそんなことはわたしには関係ない。 「それで紅魔館はどこにあるんだ?図書館に行くにはどうしたらいい?」 「そうね、紅魔館は……霧の湖のそばだったかしら?たしかその辺にあったと思うわ。 まあ地図を渡すからそっちで確認しておいてね。図書館は館の地下にあるらしいわ。」 「……まあいいさ。地図があるならな。それでそこの住人はどうなってる?」 「主はレミリア・スカーレットという吸血鬼ね。あとは妖精のメイドがたくさんいて それを束ねているのは人間のメイド長、十六夜咲夜よ。彼女は人間だけど能力を持ってるわ。 時間を操る程度の能力だったかしら。図書館には魔法使いが住んでるわ。たしか パチュリー・ノーレッジという名前ね。あとは紅魔館の門を守る門番もいたわね。」 吸血鬼にメイドに魔法使い……まさしく幻想郷って世界だな。 「特に気をつけてほしいのは時を操るメイド長さんね。時を操られたら厄介だもの。 …そういえばあそこにはもう一人吸血鬼がいるらしいわ。なんでも ありとあらゆるものを破壊する程度の能力をもってるって噂よ。ありとあらゆるものってことは 幽霊でも破壊しちゃうのかしら?そしたら危ないから気をつけて探してきてね。」 つまり今回の仕事は初めての危険な仕事ってわけか。厄介そうだが何とかなるだろう。 探し物さえすればいいわけだからな。しかし本当に呑気そうにしゃべるな。 自分がやるわけでないからそんなに呑気なんだろうか? 「死者の特徴はどうなんだ?そいつがどんなやつかわからないと手がかりも何もないからな。」 「うーんそうね、だいたい20歳前後くらいで死んだ若い男の子らしいの。 閻魔様から聞いた情報はこれくらいしかないわ。」 あまり大した情報はないらしい。ないからこうして探す必要があるのだろう。 「……まあ、大体のことはわかった。つまり紅魔館の図書館に行き、その男の人生の手がかりを 探せばいいわけだな。」 「そういうことね。お願いできる?」 「そういう『契約』だからな。オレはただ『仕事』をするだけさ。」 わたしは幽々子からここから紅魔館までの地図を受け取ると、早速紅魔館に出向くことにした。 幽々子は朝ごはんを食べていかないかと誘ってきたが、あいにく彼女と違ってわたしは食べ物を口に する幽霊ではなかったので遠慮することにした。それに今日は天気がとてもいい。 春の陽気も相まって、歩いて出かけるにはちょうどいい日だった。こんな日を少しでも多く味わいたい。 だからわたしはゆっくりと桜の香りと春風を受けながら、まずは霧の湖を目指す。 吉良が白玉楼を出たあと、朝食を終えた幽々子達が庭で会話を楽しんでいた。 妖夢は役目を終えた桜の花びらを掃除している。その中には幽々子の友人である 八雲紫の姿があった。彼女は境界を操る妖怪である。厄介ごとを持ち込む能力もあるとかないとか。 「それじゃあ、紫、よろしくね~。」 幽々子は紫に何か頼みごとをしたようだ。胡散臭く、信用ならない性格の彼女に 頼み事なんてできるのは呑気で惚けた性格を持ち、彼女の友人である幽々子ぐらいである。 「わかったわ。そんな面白そうなこと見逃すわけにはいかないしね。」 そう言うと紫は楽しそうに空中にスキマを開けて、中に入る。彼女の姿が消えると同時に スキマも消え、そこには何もなかったようにいつもの風景を映し出していた。 「幽々子様、紫様に何を頼んだのですか?」 「吉影の初めてのお使いだから、陰ながら見守って欲しいって頼んだの。」 「吉影さんは子供でもないし、初めてでもありません。」 妖夢は呆れながらつっこんだ。 「いいえ、これは初めてなのよ。」 幽々子は惚けて微笑みながら、しかしながら何か狙いがあるような油断ならない雰囲気でつっこみ返した。 「でも大丈夫ですかね。紅魔館も変わった人たちが多いからちょっと心配です。」 幻想郷で数少ない素直で常識人(?)、それ故にいじられ易い妖夢は吉影を心配した。 「大丈夫よ、貴女みたいに半人前じゃないし。」 そしてやっぱり幽々子に弄られる。 「それにしてもどうなるのかしらね?『記録のない』幽霊が『記録のない』死者を助けるなんて……。」 そう言いながら、心配でなく楽しそうな表情で、お茶を啜っていた。 霧の湖に着くと、地図を広げて紅魔館の場所を確認する。それにしても今日はとても暖かい。 気温は外で眠っても空気が布団になってくれそうな温度であり、湿度はその暖かさを保持できるように かつ不快な気分になんてさせてくれなさそうなちょうどいい塩梅であった。こんな日は寝っ転がって昼寝を 楽しみたい。そんなことを考えながらわたしは紅魔館に向けて歩き出した。 紅魔館の姿が霧の中から出てきた。どうやらもうすぐ紅魔館だ。ここまでくることに問題はない。 たとえどんな妖怪が出てこようとわたしは幽霊だ。わたしが恐れるのはそんな不可思議なものでない。 紅魔館の前まで来ると、わたしは幽々子が門番がいる、と言っていたことを思い出した。 門番という存在は面倒だ。それはつまり主の魂が館に入ることを『許可』しないという明確な意思であり、 わたしのような存在にとっては非常にはた迷惑な存在だということだ。 だが、目の前にいる門番はわたしと違って仕事をしていなかった。今日の陽気に包まれて、 暖かい日光の下で器用にも立ちながら眠っていた。羨ましい。しかし都合がいい。 わたしは門番から離れ、適当な位置で"壁から"屋敷の敷地内に侵入する。 眠っている、ということは扉を開けっ放しにしておくようなもんだ。そんな奴を門番にするなんて この館はそんなに平和なのか、それともそんな奴しか雇えなかったのか…。 しかし、そんなことはわたしには関係ないしどうでもいい。館の周りを誰かに見つからないように 探索しながら誰もいないような部屋を探し出し、そこからまた館の内部に入り込んだ。 その頃居眠りをしていた門番は、ハッと自分が寝ていたことに気づいた。そして前に だれか人間が立っていることに気づいた。彼女はそれが館を仕切っているメイド長だと思い、 「眠ってなんかいませんよ!ええ眠ってなんか。ただちょっと暇だったんでウツラウツラしてただけなんです。 本当なんです信じてください。」 と誰も何も言っていないのに言い訳を言い始めた。これはどう見ても逆効果である。 「なんだ。別に寝てて良かったのに。その方が簡単に入れたんだがな。」 どうやら目の前の人間は咲夜ではなかったようだ。その点で言えば良かったことである。 だが悪いことは目の前の黒い魔法使いが、この館に"また"侵入しようとしていることである。 「あ、また貴女ですか。いい加減にして下さい!貴女のせいで何回ご飯抜きになったと思うんですか!」 「いいじゃあないか、妖怪なんだから。別に腹が減っても死にはしないだろう? いざとなったら人を食えばいいだろうに。」 「そんなことしたら紅白の巫女に退治されるじゃないですか!!」 「そしたら線香ぐらいはあげてやってもいいぜ。」 なんとも物騒な、その巫女が聞いたら呆れ怒りそうな会話を続けていた。 「今日という今日は侵入させませんよ!させませんったら!!」 「う~~ん、面倒だな。しょうがない、これを使うか。」 何がしょうがないのかよくわからないが、その魔法使い、霧雨魔理沙は懐から八卦炉を取り出すと 「行くぜ!全力全開!!『恋符』マスタースパアアァァク!!!」 と流石に本当に全力は出していなかったが、かなりの威力の光線が門番と門に襲い掛かった。 その威力は絶大な爆発音と共に周囲に、門が破壊され、門番が吹っ飛ばされたことを知らせていた。 「い、いきなり撃つなんてひきょうだぁ~。」 「スペルカードルールにいきなりボムを撃っちゃあいけないなんてルールはないぜ。」 と誇らしげに、吹き飛ばされて息たえたえな門番に魔理沙は言い放った。 わたしが部屋に侵入すると同時に、地震が起きたような揺れと、同時に爆発音が聞こえた。 一瞬何が起きたかよくわからなかったが、 「魔理沙接近中!魔理沙接近中!第一防衛ライン突破されました!館にいるメイドは魔理沙防衛シフトに移動 して下さい!繰り返します。魔理沙接近中!…」 とどうやらわたしと同じ侵入者が来たようだ。侵入者としては少々乱暴だがな。だが彼女のおかげで 妖精メイド達は侵入者を迎え撃つために自分の持ち場を離れたようだ。これで仕事がしやすくなる。 さて、図書館は地下にあると言っていたか。わたしは侵入者に対する防衛による戦闘音を遠くに聞きながら、 まずは地下に向かうための階段を探すことにした。 それから数十分間、妖精メイドに見つからないように慎重に歩いて、ようやく地下へ向かう階段を見つけた。 この建物は外見よりも広く感じた。そのせいかわからないが、思った以上に時間が掛かってしまった。 戦闘が終わったのか妖精メイドも戻り始めており、わたしは急いで地下の図書館に向かうことにした。 図書館は意外と階段のそばにあり、少し歩いただけで見つけることができた。しかも図書館の扉は開いており、 あらゆる者を受け入れようとしていた。だからわたしはその図書館へと入っていった。 わたしがその図書館に入るとそのあまりの大きさに驚嘆してしまった。わたしは図書館が好きだった。 あらゆる人間が出入りできて、特に許可の要らない、静かな空間をくれる図書館が好きだった。 あらゆる人間はそこで本を楽しむことができ、それでいて自由に休むことができ、そして 騒ぐことの許されない空間であった。古今東西の本が並べられて、それを自由に読むことのできる。 邪魔をすることは許されない。それはどれだけの幸福だろうか。仕事の終わったあとはよく図書館で カフカの『変身』や『罪と罰』を読んだりもした。静かにそして好きなだけ本を読める図書館は理想であった。 そんな図書館が、まるで都会のビル全てを図書館にしたようなスケールでそこにあったのだ。 心が躍るようだった。周りはまだ戦闘中らしくて五月蝿くてかなわなかったが。 だが今の仕事を考えると喜んでいるだけにはいかなかった。 この中から死者の手がかりを探さなきゃあいけないわけだ。この膨大の書籍の中から 何を探せばいいのかわからない手がかりを探すとなるとなかなかの難易度だ。 幽霊に骨はないが、骨が折れそうだ。わたしは本の森を歩きながらそういうことを考えていると ふと目の前に奇妙な本があることに気づいた。いや本というよりは最初は"空間"だと思っていた。 これだけ広い図書館でありながら本棚にはほとんど隙間はなく、びっしりと本が埋まっていた。 だからそこに隙間があるのはちょっとした違和感だった。しかし近づいてよく見るとそれは 本だった。半透明というには透明すぎる本だった。向こう側が良く見え、本と認識するには 近づいてみるしか方法がなかった。その本はハードカバーの単行本サイズで、ダークブラウンの革製の表紙だった。 厚さは400ページ弱くらいだろう。その本を持ったとき、直感でこれはあの死者に関する本なのではないか? と考えた。わたしがその本を読もうとページをめくろうとした時、誰かの声がかかった。 「ちょっと、あなたそんなところで何をしているの!?」 どうやらいつの間にか戦闘は終わっており、この本に夢中になっている間に彼女に見つかったらしい。 紫色の長髪に紫色の瞳、服装は紫の服と帽子をかぶっている。この状況は戦うべきだろうか? しかし下手に戦って誰かに見つかったら面倒だ。できれば穏便に済ませたい。 今回の任務は『始末』することでなく『発見』することだ。戦う必要はまるでない。 「ちょっと人に探し物を頼まれてね。この図書館で探し物をしていた。」 「…それで誰に頼まれたの?そしてこの図書館でないと駄目な物なの?」 正直に話してみたが、信じてくれるのだろうか。しかしこれ以上詳細に言うべきか? 幽々子の話だとあまりべらべらと話されたくはないようだ。しかし、これだけの書籍の中から 手がかりを一人で探すというのはあまりにも無謀だ。もし彼女がこの図書館を管理しているならば 彼女に協力を頼むというもの手だ。それに図書館であまり騒ぎたくはない。 「その質問に答えるために、失礼だが君に答えて欲しいことがある。君がこの図書館を管理しているのか?」 「……そうね、一応自己紹介しておきましょう。私はこの大図書館に住む魔女、パチュリー・ノーレッジよ。 ここの本を管理するのは私の仕事であり、私そのものよ。」 嘘をついている様子はない。それに事前に聞いた情報と一致する。一応信用して良さそうだ。 「わかった。オレは冥界の白玉楼に住む吉良吉影だ。オレはある者の頼みでこの図書館に探し物をしに来た。」 「それはさっき聞いたわ。」 「…あんたは口が固いか?誰かにベラベラと喋る様なことをするか?」 「私は何処かの鴉天狗みたいにテキトウな情報を話す気はないわ。それにあまりこの図書館からは出る気はしないわ。」 それならば彼女に協力を頼んだ方がいいか?よくよく考えたら別に閻魔様の秘密がばれたからって自分に 何か影響はあるだろうか。あまり秘密にしすぎて時間がかかりすぎても駄目だろう。物を探すとしたら誰か協力者 がいた方がいい。 「なら大丈夫か。実は閻魔様に頼まれてね。死者の手がかりを探している。………」 「……つまり、その死者の記憶の手がかりがここにあるって言うの?」 「ま、そういうことになるな。」 一通りわたしが受けた任務を彼女に話した。彼女の協力があれば早く手がかりを見つけられるかもしれない。 「ふーん、なるほどね。それでその閻魔様って四季映姫って名前じゃない?」 「さあな?名前までは聞いていない。」 「でも幻想郷で閻魔様、て言ったら彼女しかいないわね。休みの日に幻想郷まで来て説教を言うぐらいだから ちゃんと返してはくれそうね…。」 とパチュリーはなにやら考え事をしている。 「……いいわ。本を貸してあげる。本当に閻魔様からの依頼なら確認すればわかることだしね。 …嘘だったらあなたを木にしてあげるわ。」 どうやら協力してくれるようだ。だがさらっと怖いことを言ってきたような気がする。流石魔女だ。 「別にね、本を貸すぐらいならいいのよ。何も問題はないわ。でもね、ここから本を借りていくような 奴に限って言えば大問題なのよ!本を借りて借りっぱなし、死んだら返すとか。返しに来たと思えば ほとんどの本がボロボロか、焼け焦げているか、変な薬で滲んじゃって読めなくなったようなものばかり! 果ては借りた本を香霖堂に売るって何よ!借りたものを売るっていくら幻想郷でもそんなのは 非常識よ!どうして私が図書館の本を身銭を切って買い戻さなきゃいけないのよ!! 私何か悪い事した!?」 とどうやら何か悪い物を踏んでしまったようだ。さっきの戦闘もそいつのせいなのかもしれないな。 「……ごほん、失礼したわね。私が言いたいのはちゃんと返してくれれば本は貸してあげる、ってことよ。」 「そうか、感謝するよ。」 「別にいいわ。変にテキトウな本を盗まれる方が問題になるから。でも今度は玄関から入って欲しいわ。」 「……わかった。」 門番を相手にするのが面倒だったとか寝てたからという理由でここに侵入してきたが、今度からは ちゃんと門番に話をつけて入るか。もちろん相手がちゃんと職務を全うしていたらの話だが。 そこでわたしはこの本の事を思い出した。明らかに怪しい本である。図書館の管理人がいるのだから 早速聞いてみることにした。 「ところでこの本について聞きたい。この透明な本は一体なんなんだ?」 「本?本なんてどこにあるのよ?」 自分の手を確かめてみる。かなり透明だが、その本はそこにあった。 「この本が見えないのか?かなり透明で見づらいが、確かにここにあるぞ。」 と自分の右手にある本をパチュリーに見せてみた。しかし 「??どこにあるのよ。からかわないで頂戴。」 本当に見えないらしい。つまりわたしには見えて、彼女には見えないということになる。 これは一体どういうことだろうか。わたしが混乱していると彼女は少し考えて 「……ところでその本どこにあったの?」 「ああ、そこの本棚の…その上から4段目の赤い本と青い本の間だ。」 「……うーん、そうね………。」 と、なにやら考え込んでいる。記憶の棚から何か情報を検索しているようだ。 「そこにはね、いつも"何もなかった"の。そこに本を入れようとしてもいつの間にかその隙間が開いてたの。 本を詰めようとしてもその空間はなくならないし、その空間を操ろうとしてもその隙間だけは どうにもできなかった。でもそこに何があるかわからなかったし、魔法でもどうにもできなかった。」 そういうと彼女は本があった本棚にいき、開いたスペースを埋めようと、本を詰めようとした。 彼女の働きによって本は綺麗につめられ、新たに本が入れられるスペースができた。 彼女は開いたスペースに、手に持っていた本を入れる。その本はぴったりとその本棚のスペースにはまり、 きちんと綺麗に収納された。無論、その本が落ちたりすることはなかった。 「……ふーん、確かにこの本棚にあった『何か』はなくなっているようね。でも私にはその本は見えないし 感じられないわ。ほんとにそこにあるの?」 わたしは再度その本を確かめる。かなり色彩は薄いが見えているし、手触りもある。わたしには その本が存在しているとしか感じられなかった。 「ああ、確かにオレには見えているし、触っている。ここに本はある。なんなら読んでみるか?」 「…それは止めておいた方がいいわ。ここには普通の本だけでなく魔道書や怪しい本がたくさんあるわ。 むしろ普通の本の方が少ないわね。そういう本は読んだだけでダメージを受けたり、呪いがかかったりするわ。 特にあなたは幽霊だし、その影響は普通の生き物に比べて大きいと思うの。しかも私にも読めないとなると 対策もしづらいわね。だから読むことはお勧めしないわ。」 どうやら彼女に声をかけられたおかげでわたしは助かったようだ。そこも感謝しなければならない。 それにしても今日は幸運が続いている。このまま無事に仕事が終わればいいが…。 「でもそうなるとこの本が手がかりかどうかわからないな。」 「別にいいんじゃない?閻魔様ならきっとそういう本を安全に読めるようにできるでしょ。 なんていったって閻魔様なんだし。」 それもそうだ。わたしは手がかりになりそうな本を探すのが役目なんだ。それが本当に手がかりになるかどうかなんて 閻魔様にしかわからないんだからな。 その後、わたしはパチュリーからさらに数冊、死者の手がかりになりそうな本を借りた。それらの本を渡すと 彼女は 「さっき魔理沙と暴れたところを整理しなくっちゃ。」 と言って何処かへ行ってしまった。先ほどの戦闘の後片付けをしにいくようだ。こんな素晴らしい図書館なのに ここで戦うなんてその魔理沙って奴はマジに情緒がない奴なんだな。きっとパチュリーが言っていた本を大事に しない奴はその魔理沙なんだろう。別にわたしに被害が及ばないなら何をしようと構わないが、もし何かあるようなら 場合によっちゃあ"死んでもらう"かもしれないな。 わたしは図書館を出ると階段を上って玄関のある1階に出た。さて、メイド共の見つからないように さっさと帰るか。帰ればわたしの任務は終了だ。あとは帰ってこの本を閻魔様に渡してもらえばいい。 そうすればまた縁側で桜の香りが楽しめる。明日晴れたら太陽の下で草原の上で昼寝でも楽しもうか。 吉良はそんなことを考えながら、妖精メイドの目に付かないように気をつけながら、館から脱出するのに 有用なルートを探していた。そんな吉良を見つめるメイド姿の人間が一人いた。彼女が一呼吸おくと、 時間が止まった。物質、生き物は例えどんな位置、運動をしていようともその位置に止まっていた。 それは吉良も例外でなく、その場に立って動かなくなった。この瞬間、あらゆる物は 時間の停止に束縛されていた。例外はただ一人、この館のメイド長、十六夜咲夜だった。 To Be Continued → 前へ 目次へ 次へ
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東方project 基本用語 用語集トップへ戻る 東方はガチ これがなければ始まらない。 同人サークル「上海アリス幻樂団」が製作・頒布しているゲーム作品の総称。 2009年8月時点で第12作まで(および外伝的作品が数点)が発売されている。 シリーズものではない、とされているため、「東方シリーズ」というのは正しくない。 初期の作品のプラットホームはPC-98(第1弾~第5弾)、後にWindows(第6弾以降)。 なお、東プロの登場人物はこの第6弾以降を対象としている。 基本的には縦スクロールシューティングだが、公式番外編として、別サークルの「黄昏フロンティア」と 共同製作をした格闘ゲームもある(2009年8月時点で3作)。 登場人物がほぼ女性のため、ギャルゲー扱いされることもあるが、 その計算し尽くされた弾幕の美しさは、硬派なシューターをも虜にする。 また、元が同人ゲームと敷居が低く、「上海アリス幻樂団」側もむしろ奨励しているところから 二次創作が非常に活発で、このシリーズのみを対象とした即売会も行われるほどの人気を誇る。 ただし、商業作品への展開は非常に慎重であると言われており、通常これほどの人気であれば 大手の出版社によるマルチメディア展開が行われるはずながら、今のところは商業誌への漫画の 連載に留まっている。 なお、通常「公式」「本家」と呼ばれるのは、この東方Project上での設定を指す。 東方Projectの各作品の概要については、オススメ資料庫の東方関係の欄を参照されたし。 外部リンク 上海アリス幻樂団 このページを編集
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東方六⑨録 サークル:milktub Number Track Name Arranger Lyrics Vocal Original Works Original Tune Length 01 おてんば恋娘 milktub ? bamboo 東方紅魔郷 おてんば恋娘 [02 41] 02 君の元へ Iemitsu. - - 夢違科学世紀 童祭 [04 32] 03 フラワリングナイト milktub ? コロボックリ 東方花映塚 フラワリングナイト [03 26] 04 希望の旋律 Iemitsu. DEARDROPS 芳谷 律穂 東方幻想郷 星の器 [04 53] 05 神さびた古戦場~ Suwa Foughten Field milktub - - 東方風神録 神さびた古戦場 [03 23] 06 幻想望郷歌(Iemitsu. Remix) Iemitsu. milktub bamboo 東方花映塚 春色小径 [04 11] 07 最も澄みわたる空と海 milktub - - 卯酉東海道 最も澄みわたる空と海 [04 19] 詳細 博麗神社例大祭7(2010/3/14)にて頒布 イベント価格:?円 ショップ価格:?円(税込:?円) Guest Iemitsu. レビュー 名前 コメント
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東方儚月抄 オススメ資料庫へ戻る 東方Projectの公式外伝、口さがないファンによると公式二次創作。 ちなみに、読み方は「とうほうぼうげっしょう」 内容的には『東方永夜抄 ~ Imperishable Night.』の後日談で、 媒体の違い(シューティングゲームと漫画・小説)もあって、かなり 長いスパンで物語が描かれている。 (儚月抄の途中で『東方風神録』の事件が発生・解決している) 儚月抄のエピソード自体は、『東方緋想天』の前には終わっているようである。 東方三月精と並び、東方Projectでは数少ない、商業作品かつ手軽に書店で購入できる作品。 東方儚月抄は以下の3作品が存在する。 漫画版『東方儚月抄 ~ Silent Sinner in Blue.』 東方儚月抄シリーズの基本となる作品。原作:ZUN、作画:秋☆枝 単行本全3巻(上中底) 小説版『東方儚月抄 ~ Cage in Lunatic Runagate.』 漫画版や永夜抄の補完的な小説。作:ZUN、挿絵:TOKIAME 単行本全1巻予定 4コマ版『東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡』 上記2作品とは離れた、のんびりとした永遠亭やその周辺の物語を鈴仙・優曇華院・イナバを中心として描く。原案:ZUN、作画:あらたよしひら (この作品のみは、あらたが自由に作りZUNはそのチェックをしているだけという話であり、そのため公式二次と呼ばれることも) このページを編集
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東方緋想天 / 東方非想天則 東方緋想天 東方projectシリーズ外伝 第10.5作。 2007年初出、2008年正式リリース 東方非想天則 東方projectシリーズ外伝 第12.3作。 2009年初出・正式リリース オススメ資料庫へ戻る 黄昏フロンティア製作の東方外伝シリーズ。 東方萃夢想と同じく本家東方projectの神主ZUN氏が関与しているため 準公式シリーズとなる。 東方緋想天は発表当初は9.8作だったが、後に10.5作となった。 東方萃夢想と同じ「対戦弾幕格闘ゲーム」だが、システムはかなり変更されている。 登場メンバー 博麗霊夢 霧雨魔理沙 十六夜咲夜 アリス・マーガトロイド パチュリー・ノーレッジ 魂魄妖夢 レミリア・スカーレット 西行寺幽々子 八雲紫 伊吹萃香 鈴仙・優曇華院・イナバ 小野塚小町 射命丸文 永江衣玖 比那名居天子 以上15名。 前作「東方萃夢想」の登場キャラクターに加え、当時は出ていなかった(正確には違うが) 東方永夜抄から鈴仙、東方花映塚から小町、文が参加している。 イクサンこと永江衣玖とGM天子こと比那名居天子が初登場。 ドリルやサタデーナイトフィーバー関係は全てこちらから。 シナリオ上博麗神社が倒壊している。 +まさか 東プロ本筋でも博麗神社が壊滅するとは誰が思っただろうか…。 東方非想天則は、作品のナンバリングでも判るとおり、時間軸上では東方星蓮船の後の話であり、 そちらを踏まえた会話も出てくるので注意。 2009年1月現在運営本部側のスタンスにより一部のみ登場です。 本放送で登場公開されるまで当該人物については編集されません。 登場メンバー 東風谷早苗 チルノ 紅美鈴 洩矢諏訪子 博麗霊夢 霧雨魔理沙 アリス・マーガトロイド パチュリー・ノーレッジ 以上9名 ※ただし、緋想天を既にインストール済みの環境であれば、そちらの登場メンバーもすべて使用可能。 東方星蓮船に続いてダブル自機昇格を果たした我らが早苗様や、チルノ総帥の参戦、そして 今やU3級を代表する存在となった美鈴が満を持して再登場といった、東プロファンには堪えられない ラインナップとなっている。 +ちなみに 妖夢のアナザーカラーにM.D.そっくりのカラーリングが存在する。 なぜ妖夢のアナザーカラーに採用したのか?そもそも本当にM.D.を意識しているのか? 真相は本人の正体同様謎であるが、少なくともM.D.を愛する東プロファンには歓迎されている模様である。 このページを編集