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昨年中に発表された日本短編SFをご推薦ください。 作品名 作者 初出 備考 ※推薦作品に何か一言あれば以下のコメント欄にどうぞ。 一言どうぞ。 -- (管理者) 2006-03-28 17 56 22 名前 コメント すべてのコメントを見る
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一言どうぞ。 -- (管理者) 2006-03-28 17 56 22
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略歴 1990年広島県東広島市生まれ、北海道札幌市在住。 これまでの商業発表作は『最後にして最初のアイドル』、『エヴォリューションがーるず』の二作のみ。 慶應義塾大学環境情報学部卒。在学中は慶應大SF研に所属していた。現在は北海道大学理学院博士課程に在学中。 2016年に『ラブライブ!』同人誌に『最後にして最初の矢澤』を発表。この作品を改題・改稿した『最後にして最初のアイドル』で第4回ハヤカワSFコンテスト特別賞を受賞しデビュー。同作品で2017年の第56回日本SF大会ドンブラコンLLにて第48回星雲賞日本短編部門、第16回センス・オブ・ジェンダー賞〈未来にはばたけアイドル賞〉を受賞。同時にその常識外れの言動によって第27回暗黒星雲賞ゲスト部門を受賞。 概要 今後の活躍が期待される、日本SF界の超新星である。 「ヤバさ」という危うさと科学的な論理が見事に融合した先にあるものが原々の作品である。 本人曰く、将来的にヒューゴー賞をとる予定らしいので、日本人初の受賞をぜひ期待している。 代表作 『最後にして最初のアイドル』 早川書房 電子書籍/伊藤計劃トリビュート2(ハヤカワ文庫JA)収録 2016年 『エヴォリューションがーるず』 早川書房 電子書籍のみ 2017年
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1.著者紹介 神林長平 本名は高柳清。1953年7月10日,新潟県新潟市生まれ。 1979年第5回ハヤカワ・SFコンテストに「狐と踊れ」が佳作入選しデビューを果たす。以降1983年「言葉使い師」で第14回星雲賞日本短編部門を受賞。1984年 「敵は海賊・海賊版」で 第15回星雲賞日本長編部門と「スーパー・フェニックス」で日本短編部門を受賞(ダブル受賞は初)。1985年 「戦闘妖精・雪風」で 第16回星雲賞日本長編部門,1987年 「プリズム」で 第18回星雲賞日本長編部門,1995年「言壺」で 第16回日本SF大賞,1998年「敵は海賊・A級の敵」で 第29回星雲賞日本長編部門,2000年「グッドラック 戦闘妖精・雪風」で 第31回星雲賞日本長編部門を受賞。 2001年から二年間,日本SF作家クラブ会長(11代目)をつとめる。 代表作品 火星三部作『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』『膚の下』 「敵は海賊」シリーズ 『敵は海賊・海賊版』 『敵は海賊・猫たちの饗宴』 『敵は海賊・海賊たちの憂鬱』 『敵は海賊・不敵な休暇』 『敵は海賊・海賊課の一日』 『敵は海賊・A級の敵』 『敵は海賊・正義の眼』 『敵は海賊・短篇版』 「戦闘妖精・雪風」シリーズ 『戦闘妖精・雪風』 『グッドラック ― 戦闘妖精・雪風』 『戦闘妖精・雪風(改)』 『アンブロークンアロー ― 戦闘妖精・雪風』 『七胴落とし』 『宇宙探査機 迷惑一番』 『太陽の汗』 『蒼いくちづけ』 『機械たちの時間』 『ルナティカン』 『親切がいっぱい』 『猶予の月』 『天国にそっくりな星』 『永久帰還装置』 『プリズム』 『今宵、銀河を杯にして』 『過負荷都市』 『Uの世界』『狐と踊れ』『麦撃機の飛ぶ空』『言葉使い師』 ほか多数 「敵は海賊・猫たちの饗宴」は1989年にアニメ化され, 「戦闘妖精・雪風」もアニメ化・OVA化・コミカライズされている。 ……以上wikiより。 2.登場人物 降旗勝(ふるはたまさる) 情報少尉。30歳。長野県松本市出身。 知念翔起(ちねんしょうき) 情報軍曹。36歳。祖父の代までは新潟で僧職をしていた。 大黒桂(だいこくかつら) 一等情報士。おはぎ。 斉藤進(さいとうすすむ) 元都知事。 病死。 壊れた都庁にぶら下がっていたところを降旗たちに助けられ、完全に死後の世界へ。 メッセンジャー(金井) チャネリング・ヘッドの開発に携わるが,そのため情報軍にメッセンジャーとして目をつけられ殺される。 大黒生還後の世界では,軍の研究員となり病死している。 重柳(しげやなぎ) 情報軍中佐。八〇一開発技研隊の技術将校。降旗少尉ほか2名をマタタビ作戦に送り込む。 オットー アメリカ大統領から首相に贈られた猫。三つ子。脳に重要な情報を埋め込まれており,死ぬときにその情報をすべて発信する。死後,人間の干渉をのがれようと死後の世界を飛び回る。*神林作品にはオットーをはじめ,『敵は海賊』シリーズのアプロなど猫が多く登場する。神林長平自身もゲンマイとビタニャという猫を飼っていたり,猫コラムを信濃毎日新聞(シンマイ!)に載せたりしていて愛猫家みたい。SFファンは猫ずきが多いのはほんとなのかも。ロリではないよ。 3.あらすじ 一日目 ネコさがし部隊はオットーを発見し,マタタビ装置を起動させた。瞬間,彼らは別世界へと飛ばされる。ゴミの山に埋もれた信州,松本市。降旗少尉は「自分たちは死んでおり,ここは死後の世界である」と発表。降旗の考えでは,死とはコミュニケーションがまったく不可能になることであり,情報軍本部と連絡がとれず,周りの世界も今までとは連続性のないという彼らの状態はまさしく死である。 知念は哨戒中に夢の中の降旗と会話する。マタタビ装置は脳が死の直前に発する情報をインターセプトして再生する機械なのだろうか? 二日目 降旗と大黒は周囲を探査に行く。人間がいるが,コミュニケーションは成立しない。 帰り道,突如降ってきた都庁ビルにぶら下がっている死体を発見。ザイルを切る。その夜,死体は秋月を訪れる。今降旗たちがいる世界は,三途の川のほとりなのかもしれない。これは知念の夢? 夢と現実が入り混じる。 オットーの反応をとらえるが逃げられる。月へ。 月面基地 死刑囚の男と会う。彼は軍のメッセンジャーとして,ノイズの少ない月面基地で殺され送り込まれた。 メッセージの内容「オットーを捜せ。われわれは死を正常なものにしなくてはならない」____個体の死と同時に,意識を含むその全情報はあの世(??)へ向かって発信される。しかしオットーのせいか,情報は正常にあの世へ行かず,インターセプトされてこの世で再生を繰り返される。そのため,今の現世では生きている人間はだれもおらず,すべてインターセプトされた意識の再現である。ネコさがし小隊は死んでいるが,完全に死んだわけではない。オットーを捕まえることで任務も終わり,生死ははっきりする。 知念はチャネリング・ヘッドでメッセンジャーの記憶世界を見る。重柳との会話……仮想空間で仮想の死者を再現し,コミュニケーションをとることができるチャネリング・ヘッドは,インターセプトされた死者の意識が再現される現実の世界のモデル。インターセプトしているのは神か? もう一度,今度は降旗がチャネリング・ヘッドをかぶる。メッセンジャーの日常生活。チャネリング・ヘッドの開発場面から。ノイズ・キャンセラー能力をつけたチャネリング・ヘッドを試すが現実と仮想がないまぜになっていく。メッセンジャーはチャネリング・ヘッドのノイズ・キャンセラーのデザインに携わったことで軍に逮捕される。「現実の」身体感覚情報をキャンセルするという機能は,実際は仮想現実除去機能であり,自分が意識している自己意識はだれかが生じさせた仮想のものであり,人間の意識世界は実は仮想空間だった。 再び松本 メッセンジャーはいつのまにかいなくなり,三人はとりあえずマタタビ装置を調べてみる。床のパネルが開いた瞬間,マタタビ装置内にいたオットーの兄弟がとび出し,秋月は再び一九九一年八月三日の松本市にやってくる。ネコさがし小隊はオットーを発見,追跡。降旗の生家の旅館で祖父母と会い,マタタビ装置と一体化したオットーをつかまえる。 元の世界へ マタタビ装置を作動すると,秋月は情報軍の格納庫へ戻り,本部とも通信が可能になる。しかし,本部からは三人は死体に見えるらしい。議員会館前でマタタビ装置を作動させて以来,秋月はずっと情報軍の基地にいたという。マタタビ装置からの情報転送が終われば三人は完全に死ぬことになる。知念と大黒は,転送中に秋月を降りる。降旗は知念に日誌を手渡して秋月に残り,正常な死を迎える。 秋月を降りた大黒は生きかえったが,知念は死んでいた。大黒は鎮静剤を打たれて入院し,重柳と会う。マタタビ作戦はやはり軍の実験だったが,今までの話しとはくい違っている。大黒は死んだはずの母親に会う。今起きていることが現実かどうかわからなくなり,大黒は自殺を図るが未遂で終わり,生まれ変わった知念に会う。知念は降旗の日誌を持っていた。降旗は死に,大黒と知念を元の世界に帰すことで,ふたりの持っている任務中の情報(死後の情報)をエラーとする世界に変化させて軍による死のコントロールを防いだのだ。 4.簡易用語集 電子戦闘情報車(秋月) 情報軍最新鋭の戦車。マイクロバスほどの大きさで,強力な対電磁シールドを持つ。内部は外の世界と完全に独立し,電磁暗室のようになっている。マタタビ装置が組み込まれている。 マタタビ装置 有機生態システムの一種。オットーの兄弟たちの脳が埋め込まれており,オットーと同じ意識を持つ。秋月内部と情報軍とに2つある。オットーの脳が発する電磁波を受信し,情報を引き出すものと説明されている。オットーに限らず,死につつある脳には自己を現実空間(あの世)へ発信する機能があり,それをインターセプトして再生する機械。ネコさがし小隊は彼らの意識をマタタビ装置に捕えられている。 マタタビ作戦 大鳥井首相の猫,オットーを見つけだすか,オットーが死の直前に放出する情報をキャッチするためのもの。しかし,実際は死後の世界との通信実験だった。そのため,ネコさがし小隊に課せられた任務は「死んでも通信手段をとれ」。 ネコさがし 降旗,知念,大黒のマタタビ作戦に従事する小隊のコード名。 オットー 大鳥井首相の飼っていた猫。重要な情報を頭につめられ,情報猫としてアメリカ大統領から送られた。オットーの持っている情報……「聖書」,世の終わりは近い 首都圏情報防衛軍団 情報収集・探査・通信確保を使命とする。具体的には放送波の攪乱,偽情報発信,敵の暗号波の解析,通信手段の確保など。 八〇一開発技研隊 「人間の脳は高度な通信機である」という考えをもとに,マタタビ作戦をおこし死後の世界との双方向通信を図る。 メッセンジャー 軍の送り込んだメッセンジャー。非言語情報を入力され,チャネリング・ヘッドの形でネコさがし小隊に伝えた。 バーチャルヘッド 仮想空間と脳とのインターフェイス・マシン。ビジネスの世界で広く使われている。 霊界通信機 仮想現実とのチャネリング・ヘッド。メッセンジャーの男がデザインした。死者のデータ・ソフトを入力し,仮想現実の世界で死者とコミュニケートすることができる。(→脳自体がチャネリング・ヘッドであり,この世は仮想空間?) 仮想現実をよりリアルに体験するため,身体感覚情報をノイズとしてキャンセルするという,電磁暗室のような機能を持つ。(→ノイズが(仮想の)現実を生じさせているなら,霊界通信機は「現実を見せる」機械,仮想現実除去機能) 名前 コメント
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「アメリカン・ブッダ」柴田勝家 著者 柴田勝家。1987年東京生まれ。成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻博士課程修了。外来の民間信仰の伝播と信仰の変容を研究しており、民俗学を扱った作品に定評がある。2014年、『ニルヤの島』で第2回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞しデビュー。2018年「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」で第49回星雲賞日本短編部門を受賞。戦国武将・柴田勝家を敬愛し、本人も完全に柴田勝家である。デレマス成宮由愛P。 ちょっとした解説 解説とは銘打っているものの、実態は仏教を適当に聞きかじった人間が元ネタを出してきているだけである(なので所々解釈が怪しいところがあるかもしれない)。詳しく知りたい方は三蔵などの仏典を参考にしてください。あるいは手塚治虫『ブッダ』なんかを読んでもいいのかも。キリスト教やインディアンの信仰に関してもこの作品に関連する話題はあるが、ここでは仏教のみにとどめておく。 阿含 阿含経とは、仏教の最初期に作られた経典である。明らかにアゴン族というのはここから採用している。いわば仏陀の直接の言行に一番近い経典だが、それを名乗る部族がはるか遠方の北アメリカに存在するのが面白いところである。軽く調べたところアゴン族なるものは存在しない。 四苦・八苦 生老病死を四苦、それに愛別離苦(愛するものと分かれる)、怨憎会苦(嫌いな人物と会う)、求不得苦(求めるものが得られない)、五蘊盛苦(五蘊が空でないことを悟れない)を含め八苦と言われる。本作では仏陀が満ち足りた生活をしていた時に、コヨーテが大地の四方にあるとしてこれを教えた。仏教では四門出遊というエピソードとして知られているが、本作もこれを踏襲している。しかし微妙にアレンジは加えられており、生老病死のある方角などは異なる。仏陀に苦しみを教えるのももともとは動物ではなく人間。これは伝承のうちに四神と混ざり合ったと考えるのが妥当だろう。おそらくこのあたりが著者の研究領域。 六道輪廻 仏教は輪廻転生が考えられているが、人間は人間として生まれ変わるのではなく、生前の行いによって天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道のいずれかに生まれ変わるとされる。本作では星の人々(スターピープル)、人間、戦士、獣、精霊、悪霊の生涯がそれにあたる(餓鬼が精霊になるのはいまいちピンとこないが、かといって他に適当なものも思い浮かばないため、仕方ないのだろう)。そう考えると人間道より上の天道に住む者が、人間によって救われる形となっており、これが作品の良さにもつながっている。 八正道 正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八つ。これらを実践することにより、苦を滅することができる。おそらくこれが仏教修行の本質なのだろうか。本作では仏陀が得た四つ目の真理として現れる。 弥勒菩薩 仏陀入滅の56億7千万年後に現れると言われている菩薩。要するにすごい未来に現れ、皆を救ってくれるすごい人なわけだが、ミラクルマンがその人だった、ということが明かされるのが本作のオチである。ミラクルと弥勒の語呂合わせもあり、なかなかに胸の熱くなるラストとなっている。仏像としては広隆寺の国宝、木造弥勒菩薩半跏像が有名。半跏思惟と呼ばれるポーズをとることが多い(木造弥勒菩薩半跏像もこのポーズ)。 感想 完全に出オチタイトルである。しかしタイトルが最高打点とはならず、そこから後半になるほど面白くなっていくのが作者の面目躍如。四苦八苦、六道輪廻、八正道など、仏教を知っているとさらに面白い(私自身あまり仏教について知らないので、詳しく教えられるほどではないが)。 仏教、キリスト教、インディアンの信仰を掛け合わせ、民俗学でダメを推す。異なるものをクロスオーバーさせる、というのはテッド・チャンがよく使っているようにSF的な発想を得るにはうってつけの手法だが、それゆえに異なるものを物語の上で自然に繋げるうまさが求められる。しかし本作は、(おそらく)弥勒とミラクルの語感の類似から出発し、自分の専門分野を活かしてインディアンの信仰の上に仏教を溶け込ませることに成功していると言えるだろう。星の人々が人間に救われるなど、物語としても胸アツなポイントをおさえており、SFの面白さを分かりやすく伝えてくれる良質な作品。これからもこのような良質な作品を作り、SFの面白さをより多くの人々に伝えてほしい。
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年次日本SF大会におけるSF賞選定に関する規定 第一条 名称 本賞の名称を「星雲賞」とする。 第二条 目的 本賞は日本SF大会参加者の投票により、優秀SF作品及びSF活動に対し与えられるものとする。 第三条 部門 本賞は以下の九部門に分かれる。 a 日本長編部門 b 海外長編部門 c 日本短編部門 d 海外短編部門 e メディア部門 f コミック部門 g アート部門 h ノンフィクション部門 i 自由部門 第四条 対象 前年一月一日から十二月三十一日までに発表された作品、及び顕著な活動を対象とする。ただし雑誌はその月号に準じ、一月号から十二月号までとする。また雑誌掲載時に参考候補作にあがらなかった場合に限り、単行本収録時点でも対象となる。なお、あくまでもプロフェッショナルな活動を対象とする。 A 日本長編部門、海外長編部門、日本短編部門、海外短編部門 期間中に初めて発表・翻訳されたSF小説を対象とする。ただし、SF専門誌に発表された作品はその終了時に、それ以外の作品は単行本収録時をもって対象とする。(SF専門誌の範囲は別に定める。また、連続性のある作品群についてはその終了時においても一括して賞の対象とする。) B メディア部門 期間中に、映画、演劇、その他視聴覚メディアを通じて発表された作品を対象とする。(連続性を持つ作品については前項に準ずる。) C コミック部門 期間中に初めて発表されたコミック作品を対象とする。(連続性を持つ作品については前項に準ずる。) D アート部門 期間中におけるアート作家の顕著な活動を対象とする。 E ノンフィクション部門 前年度初めて発表・翻訳されたSFに関するノンフィクション作品(研究、評論などをはじめとする出版物)を対象とする。それ以外はA項に準ずる。 F 自由部門 期間中に発生したA~E項に含まれないSFに関する事象(物、事柄、及び科学技術上の成果など)を対象とする。それ以外はA項に準ずる。 第五条 参考候補作の選定 本投票に先立ち、その参考に資するため、一般及び日本SFファングループ連合会議加入グループによる候補作選定を行い、投票権所有者に通知するものとする。 第六条 投票権所有者 投票権所有者は当該日本SF大会参加者とする。 第七条 発表及び授与式 「星雲賞」発表及びその授与式は、当該日本SF大会の期間内に行う。 第八条 事務 投票及び集計は、大会主催グループの協力により、日本SFファングループ連合会議がこれを行う。 平成十四年二月十日改正
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2006年度星雲賞候補作品 a日本長編部門 b海外長編部門 c日本短編部門 d海外短編部門 eメディア部門 fコミック部門 gアート部門 hノンフィクション部門 i自由部門 規約に目を通した上で各ページを編集し、推薦作品を追加してください。 最低限、作品名と作者名、初出年月(連載終了年月)は記載してください。(アート部門は除く) 規約上対象外の作品の推薦、推薦作品情報以外の記載は管理者が削除することがございます。ご了承ください。
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このページでは、SF用語について軽く解説します SFは難しそうでちょっと、と言う方がこのページで少しでも興味を持っていただけたらと思います SF そもそもSFってなんだ? となるのがこのジャンルの難しいところ。 SFファンの間でもどの作品をSFとするかには大きな違いがあり、しばしば議論や口論に発展する。 「センス・オブ・ワンダー」のないものはSFじゃないとか、そもそもSFが「サイエンス・フィクション」なのか、「スペキュレイティヴ・フィクション」なのか「すこし不思議」なのかも定まっていない。 ここでは大森望の分類を引用したい。 センス・オブ・ワンダー SFを語る上で避けられないもの。 一般的には、「物事がちょっと変わって見える感覚」のことを言う。 例えば「ある星新一のショートショートを読んで、星のものの見方に驚き、その見方で世界をながめたら世界が変わって見えた」というものがこれに当たる。
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昨年中に発表された海外短編SFをご推薦ください。 作品名 作者 初出 備考 ※推薦作品に何か一言あれば以下のコメント欄にどうぞ。 一言どうぞ。 -- (管理者) 2006-03-28 17 56 28 名前 コメント すべてのコメントを見る
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東北大SF研 読書部会 『横浜駅SF』 柞刈湯葉 著者紹介 福島県出身。年齢非公開。現在著作は『横浜駅SF』『横浜駅SF 全国版』(以上KADOKAWA)『重力アルケミック』(星海社)の3冊。また、SFマガジン2018年4月号に短篇の馬鹿SF『宇宙ラーメン重油味』が掲載されている。 現在は大学で生物学の研究者をしている。元々は「イスカリオテの湯葉」という名で活動していたが、書籍化に伴い今の筆名に改める。椎名誠のファンらしい。 本作は2017年の「このラノベがすごい!2018」の「単行本・ノベルズ部門」で新作ランキング1位を獲得したほか、日本SF大賞候補作にもなり、赤野工作『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』や碌石らせん『黄昏のブッシャリオン』をはじめとするカクヨム出身の作品の先駆けとなった。 あらすじ 本州の99%は横浜駅になっていた。通常、駅構内には「Suika」がないと進入できないが、ヒロトは「18きっぷ」で5日間限定の入場権を得る。この5日間のうちに、横浜駅のすべての秘密が隠されている「42番出口」を目指すことになった。 横浜駅の中で、JR北日本の工作員ネップシャマイや「キセル同盟」のケイハなどと出会い、彼らの助けもあってヒロトはついに「42番出口」にたどり着く。ヒロトが「非常停止ボタン」を押したことで、横浜駅は死んだ。今すぐには崩壊しないが、やがて横浜駅は自己増殖を止め、完全に崩壊することだろう。 用語解説 横浜駅構造体 鉄道路線を回路にもつ自己複製コンピュータだったもの。今は暴走しており、周囲の人工物を依り代にして際限ない自己増殖を繰り返している。免疫組織として「改札」を有しており、後述の構造遺伝界をもたないものがエキナカに侵入すると、すぐさま「改札」が侵入者を排除する仕組みになっている。 ちなみに、続編となる『横浜駅SF 全国版』ではわれらが青葉山も登場している。青葉山は山の内部まで横浜駅化が進んでおり、全国でも珍しい光景だという。(どうみても東西線です 本当にありがとうございました) 構造遺伝界 横浜駅を構成する物質に伝わる、特殊な振動数をもつなにか。これが伝わったものは横浜駅の一部として取り込まれることになる。逆の位相をもつ「構造遺伝界キャンセラー」を使えば、構造遺伝界を打ち消して横浜駅を構成する物質を非横浜駅化出来る。 この構造遺伝界はコンクリートやアスファルトといった人工物に伝播しやすく、特に金属製品(すなわち鉄道路線)は非常に構造遺伝界を伝えやすい。そのため、鉄道路線で横浜駅と接続していた本州の鉄道路線はまたたくまに横浜駅化してしまった。ただ、電解質を含んだ水には弱く、構造遺伝界が散逸してしまう。 42番出口 伝説の馬鹿SF、ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』における「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」である「42」から。 そういえば作中における某コンピュータの機構と横浜駅構造体の機構は似ている気がする。 各章題の元ネタ 第1章「時計じかけのスイカ」 ディストピアものの名作、アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』より。 第2章「構内二万営業キロ」 海洋SFの傑作、ジュール・ヴェルヌ『海底二万海里』より。 第3章「アンドロイドは電化路線の夢を見るか?」 SFでも屈指の知名度を誇る名作、フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』より。 第4章「あるいは駅でいっぱいの海」 ヒューゴー賞受賞作、アブラム・デイヴィッドスン『さもなくば海は牡蛎でいっぱいに』の旧題である『あるいは牡蛎でいっぱいの海』より。または、同作から題名をとった筒井康隆『あるいは酒でいっぱいの海』より。 第5章「増築主の掟」 ロボットとのファーストコンタクトを扱ったジェイムズ・P・ホーガン『造物主の掟』より。 第6章「改札器官」 現代日本SFの最高傑作、伊藤計劃『虐殺器官』より。 所感 題名と設定だけの馬鹿SFと思って読み始めた作品だったが、しっかりと考えられたSF的な設定に舌を巻くばかりだった。大正以来改修工事の絶えない横浜駅を、そういう生命環をもった一種の生命体と規定することで、ハードSFとしても楽しめるようになっている。まだ設定だけで話に直接かかわってはいないが、「冬戦争」なるものによって荒廃した世界を描いており、ポストアポカリプスものとしても魅力的である。 この作品の魅力は、なんといっても、全編通してすっとぼけ通したその雰囲気と、様々なパロディネタの秀逸さ、そして横浜駅の九龍城塞っぽさ(アジアンカオス)にあるだろう。「Suika」や「18きっぷ」など、実在するものを巧みに物語に持ち込み、独特な雰囲気を構築している。このように現実世界のものを作品世界に持ち込むだけでなく、SF的想像力をふんだんに使い、甲府や長野、京都といった盆地にある都市が発展しているといった作品世界の奥行きを増すような展開があるのも魅力のひとつである。 今作で随所に示された「ユキエさん」なる謎の存在は、次作『横浜駅SF 全国版』でも解決されていない。第三作があるかどうかは分からないが、あるのであればぜひその解決を願いたい。 日本SF大賞は逃したものの、近年のSFは「ちょっと先の現実になりそうな未来」を描いた実直で堅い作品ばかりだったので、ここまで馬鹿に振り切れた作品があって非常に嬉しかった。この作品に並ぶような作品を探し出すのは難しいかもしれないが、電子の海の玉石混淆な中から、気に入った作品を探し出す楽しみを味わってほしい。 下村