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手のひらに芽生えた揺るがぬ光 ◆qB2O9LoFeA 「だぁーっ!追ってくんなっつーのに!」 深夜の月海原学園初等部。その校舎をその幼女は走っていた。 まだ小学生になったばかりと思われる小さな体。 獣のひっかき傷のようなものが多数ついたランドセル。 そしてその手のひらにある似合わない刺青のような痣――令呪。 それがいま、やたらと好戦的な小動物に襲われている幼女、高遠いおりの持てる全てである。 (くっそー、これが『聖杯戦争』かよ。えげつなすぎんだろ。てかなんだあれ!?ネズミ!?ものすごい追ってくんだけど使い魔とかっ、そういうのか?だめだ、息が続か、なオエッ!」 息を切らして走る幼女の体がふらつく。既に彼の小さな体は小動物との逃走劇の末に限界を迎えていた。 もつれた足を立て直そうとするも足は鉄の棒のように硬く動かない。強引に動かしてなんとか走り続けようとするが、背後から小動物が飛びかかってくる気配を感じてスライディングのように倒れこんだ。滑りながら見えた視界には、自分の首があった辺りを跳んでいる小動物の姿がある。とっさにスライディングをしなかったら首もとを噛みつかれていただろう。 (こんななんでもありなのかよ、聖杯戦争って!) 口には出せず、悪態をつくいおり。が、その顔は直ぐに小動物の方へ向く。 すぐに態勢を立て直したその生き物は彼の喉笛めがけて飛び込んできた。 その日、高遠いおりは学校で不思議な噂を聞いた。 ――いわく、最近転校する生徒が多いのは秘密結社の陰謀だとか。 ――いわく、毎日のように火事が起きるのは幽霊のせいだとか。 ――いわく、町のあちこちで不思議なことが起こるのは宇宙人のしわざだとか。 そんな噂をともだちから聞いて、デタラメなんか信じないと肝試し感覚で夜の学校に忍び込んだのだ。 ――そこがサーヴァント同士の戦いの場だとも気づかずに。 結果、それらのサーヴァントとマスターにあっさり見つかって先ほどのように追われることになったのだ。 幸いにしてサーヴァントに襲われるという展開は避けれたが、代わりに謎の小動物に襲われる。そしてその小動物は今まさに目の前で飛びかかって―― (って!俺はマスターなんだからサーヴァントを呼べる!?) そう彼が思いつくと同時に、前方が光輝くと。 「はあッ!」 目の前に突如現れた青い服の女性が飛びかかっていた小動物を叩き落とす。 (よかった、これで、俺もマスターが――) サーヴァントを召喚したことに安堵すると、いおりは魔力の消耗で眠るように気絶した。 「これでいい、かな?」 繁華街にあるホテル。そのベッドで眠る自分のマスターを見て、ランサー、アリシア・メルキオットは一息ついた。 いちおう出てきて早々に戦っていることを考えてもいたが、まさか本当に戦うことになるとは思ってもみなかった。使い魔でなかったら召喚されて一秒と経たずに脱落していただろう。 予想外に反応できた自分にちょっとうれしくなりつつ、ランサーは自分の小さな主を見る。 彼女には殺しあってまで聖杯にかける願いはないが、既にマスターは参加してしまっている。幼い子どもがどうして聖杯戦争に参加してしまったのかはわからないが生きて帰さねばならないだろう。 「うん、頑張ろう、マスター。」 眠るマスターにそう声をかけるとランサーは霊体化した。 彼女は知らない。目の前の幼女が本当はほとんど年の違わない男性だということを。 偶然とはいえ、聖杯にかける願いを持つことを。 【マスター】 高遠いおり@一年生になっちゃったら 【参加方法】 結女のラボにあったゴフェルの木片に触ったりした。 【マスターとしての願い】 元の体(男子高校生)に戻りたい。 でもそれより帰りたい。 【weapon】 なし。 【能力・技能】 軍事オタク。 戦史と近代重火器の知識がある。 【人物背景】 道に飛び出した女子小学生を庇って車に跳ねられたら男子高校生。 瀕死の重症を負うも手術の結果一命をとりとめる。そのさいパーツが足りないという理由で小学生の体になり、せっかくだからという悪ノリで女にさせられる。 現在、自分を手術(もとい改造)した草薙結女博士とその妹で同級生の草薙みくるの三人で生活している。 巨乳好き。小学生はムリです。 【方針】 聖杯戦争の苛烈さにショックを受けたが、とりあえず死なないように死なせないように立ち回る。 ※令呪は右手のひらにあります。 【クラス】 ランサー 【真名】 アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア 【パラメーター】 筋力E 耐久E+ 敏捷D+ 魔力C+ 幸運B 宝具B 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 【保有スキル】 仕切り直し A 戦闘から離脱する能力。 不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 戦闘続行 B 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 千里眼 C 視力の良さ。 遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 勇猛 D 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 格闘ダメージを向上させる効果もある。 気配遮断:E サーヴァントの気配を絶つ。 相手の側面や後方に回り込むのが得意。 【宝具】 『戦場の戦乙女(ヴァルキュリア・クロニクルズ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1 アリシアの人種としての能力と戦場での武勲が、宝具として昇華された。発動時には銀髪赤眼になるため宝具を看破されやすい。 筋力、耐久、敏捷をワンランク上げ、その内マスターの任意の能力を更に倍加する。 マスターの命令次第で圧倒的な火力も防御も俊敏性も得られるその力は神代の光景を現す。 『戦乙女の槍と盾(ウィッシュ・ユア・スマイル)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:5 『戦場の戦乙女』発動中に発動できる。 ヴァルキュリアの象徴たる槍と盾。 攻撃、または防御を行うとき通常の判定に加えて幸運値の対抗判定を行いそれを計算に入れる。 アリシアの高い幸運と相まって幸運値が低いサーヴァントにとっては天敵となる。 【Weapon】 『無銘・ライフル(ガリアン)』 半自動装填のライフル。相手の防御を下げやすい。 『無銘・手榴弾』 いわゆる手榴弾。 【人物背景】 ガリア公国の英雄ウェルキンの副官であり、古代に絶大な力を奮ったヴァルキュリア人の末裔。 第二次ヨーロッパ大戦に弱冠十九歳で義勇軍として参戦、戦場で頭角を現し開戦当初圧倒的に劣勢であったガリア公国を勝利へと導いた。 戦争中にヴァルキュリア人として目覚め、何十発と銃弾を喰らっても死なない、そもそも零距離射撃してんのにあたらない、なんか気がついたら後ろに回り込まれてヘッドショットされた、などの伝説を作り上げる。 本人はパン屋を夢見る少女。 強い正義感とお節介焼きなところがあり、その人間性は戦後のウェルキンとの家庭でもしっかりもの奥さんとして現れている。 ちなみにパン屋になれた。 【聖杯への願い】 ガリアのこととかイサラのこととか考えていないわけではないが、殺しあってまで叶えていい願いかというと‥‥ ただマスターは守る。 【基本戦術、方針、運用法】 実はアーチャーとアサシンのクラス適性があるため、スナイパーのような行動もとれる。 もっとも真骨頂は素早い移動なのでやはり打ってでるのがベター。 宝具はそれなりに強いが本人の技量は三騎士クラスではそうとう低いのでマスターを狙うべき。 また宝具使用時はランサーにあるまじき燃費の悪さになるためマスターの戦略眼が重要になる。 ちやみに魂食いはできればNG。
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━━最初はちょっとした好奇心だったんです。本当に。 「だぁーっ!追ってくんなっつーのに!」 ━━それがまさかあんなことになるとは━━高遠いおり 深夜の某小学校。その校舎を一人の幼女が走っていた。 まだ小学生になったばかりと思われる小さな体。 獣のひっかき傷のようなものが多数ついたランドセル。 そしてその手のひらにある似合わない刺青のような痣━━令呪。 それがいま、やたらと好戦的な小動物に襲われている幼女、高遠いおりの持てる全てである。 (くっそー、これが『聖杯戦争』かよ。えげつなすぎんだろ。てかなんだあれ!?ネズミ!?ものすごい追ってくんだけど使い魔とかっ、そういうのか?だめだ、息が続か、なオエッ!」 息を切らして走る幼女の体がふらつく。既に彼の小さな体は小動物との逃走劇の末に限界を迎えていた。 もつれた足を立て直そうとするも足は鉄の棒のように硬く動かない。強引に動かしてなんとか走り続けようとするが、背後から小動物が飛びかかってくる気配を感じてスライディングのように倒れこんだ。 滑りながら見えた視界には、自分の首があった辺りを跳んでいる小動物の姿がある。とっさにスライディングをしなかったら首もとを噛みつかれていただろう。 (こんななんでもありなのかよ、聖杯戦争って!) 口には出せず、悪態をつく幼女こと高遠いおり。が、その顔は直ぐに小動物の方へ向く。 すぐに態勢を立て直したその生き物は彼の喉笛めがけて飛び込んできた。 『幽霊パーティー?』 その日、高遠いおりは学校で不思議な噂を聞いた。 ━━いわく、最近転校する生徒が多いのは秘密結社の陰謀だとか。 ━━いわく、毎日のように火事が起きるのは幽霊のせいだとか。 ━━いわく、街のあちこちで不思議なことが起こるのは宇宙人のしわざだとか。 そんな噂をともだちから聞いて、デタラメなんか信じないと肝試し感覚で夜の学校に忍び込んだのだ。 ━━そこがサーヴァント同士の戦いの場だとも気づかずに。 結果、それらのサーヴァントとマスターにあっさり見つかって先ほどのように追われることになったのだ。 幸いにしてサーヴァントに襲われるという展開は避けれたが、代わりに謎の小動物に襲われる。 そしてその小動物は今まさに目の前で飛びかかって━━ (って!俺はマスターなんだからサーヴァントを呼べる!?) そう彼が思いつくと同時に、前方が光輝くと。 「はあッ!」 目の前に突如現れた青い服の女性が飛びかかっていた小動物を叩き落とす。 (よかった、これで、俺もマスターが━━) その光景を見て、自分がサーヴァントを召喚できたことに安堵すると脳震盪のような症状に襲われる。 そのことを疑問に思う間もなくいおりは魔力の消耗で眠るように気絶した。 「これでいい、かな?」 学校から少し離れた公園。そこに備えつけられたイスに寝かされ、自身の膝枕で眠るマスターを見て、ランサー、アリシア・メルキオットは一息ついた。 いちおう出てきて早々に戦っていることを考えてもいたが、まさか本当に戦うことになるとは思ってもみなかった。使い魔でなかったら召喚されて一秒と経たずに脱落していただろう。 予想外に反応できた自分にちょっとうれしくなりつつ、ランサーは自分の小さな主を見る。 彼女には殺しあってまで聖杯にかける願いはないが、既にマスターは参加してしまっている。幼い子どもがどうして聖杯戦争に参加してしまったのかはわからないが生きて帰さねばならないだろう。 「うん、頑張ろう、マスター。」 眠るマスターにそう声をかけるとランサーは静かに頭を撫でた。 彼女は知らない。目の前の幼女が本当はほとんど年の違わない男性だということを。 偶然とはいえ、聖杯にかける願いを持つことを。 【東京/2014年7月31日(木)0000】 【マスター】 高遠いおり@一年生になっちゃったら 【参加方法】 結女のラボにあったゴフェルの木片に触ったりした。運営用AIの説明を話し半分で聞いていたら参戦することに。 【マスターとしての願い】 元の体(男子高校生)に戻りたい。 でもそれより帰りたい。 【weapon】 なし。 【能力・技能】 軍事オタク。 戦史と近現代重火器の知識がある。 【人物背景】 道に飛び出した女子小学生を庇って車に跳ねられたら男子高校生。 瀕死の重症を負うも手術の結果一命をとりとめる。そのさいパーツが足りないという理由で小学生の体になり、せっかくだからという悪ノリで女にさせられる。 現在、自分を手術(もとい改造)した草薙結女博士とその妹で同級生の草薙みくるの三人で生活している。 見た目は幼女中身はミリオタ、その正体は巨乳好き。 小学生はムリです。 【方針】 聖杯戦争の苛烈さにショックを受けたが、とりあえず死なないように死なせないように立ち回る。 ※令呪は右手のひらにあります。 【クラス】 ランサー 【真名】 アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア 【パラメーター】 筋力E 耐久E+ 敏捷D+ 魔力C+ 幸運A 宝具B 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 【保有スキル】 仕切り直し A 戦闘から離脱する能力。 不利になった戦闘を戦闘開始前ターン(1ターン目前)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 戦闘続行 B 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 千里眼 C 視力の良さ。 遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 勇猛 D 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 格闘ダメージを向上させる効果もある。 気配遮断:E サーヴァントの気配を絶つ。 相手の側面や後方に回り込むのが得意。 【宝具】 『戦場の戦乙女(ヴァルキュリア・クロニクルズ)』 ランク:B 種別:対人(己)宝具 レンジ:1 最大捕捉:1 アリシアの人種としての能力と戦場での武勲が、宝具として昇華された。発動時には銀髪赤眼になるため宝具を看破されやすい。 筋力、耐久、敏捷をワンランク上げ、その内マスターの任意の能力を更に倍加する。 マスターの命令次第で圧倒的な火力も防御も俊敏性も得られるその力は神代の光景を現す。 『戦乙女の槍と盾(ウィッシュ・ユア・スマイル)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:5 『戦場の戦乙女』発動中に発動できる。ヴァルキュリアの象徴たる槍と盾を呼び出す。 攻撃、または防御を行うとき通常の判定に加えて幸運値の対抗判定を行いそれを計算に入れる。 アリシアの高い幸運と相まって幸運値が低いサーヴァントを相手にすれば最強の矛にも盾にもなる。 【Weapon】 『無銘・ライフル(ガリアン)』 半自動装填のライフル。相手の防御を下げやすい。 『無銘・手榴弾』 いわゆる手榴弾。 【人物背景】 ガリア公国の英雄ウェルキンの副官であり、古代に絶大な力を奮ったヴァルキュリア人の末裔。 第二次ヨーロッパ大戦に弱冠十九歳で義勇軍として参戦、戦場で頭角を現し開戦当初圧倒的に劣勢であったガリア公国を勝利へと導いた。 戦争中にヴァルキュリア人として目覚め、何十発と銃弾を喰らっても死なない、そもそも零距離射撃してんのにあたらない、なんか気がついたら後ろに回り込まれてヘッドショットされた、などの伝説を作り上げる。 本人はパン屋を夢見る少女。 強い正義感とお節介焼きなところがあり、その人間性は戦後のウェルキンとの家庭でもしっかりものの奥さんとして現れている。 ちなみにパン屋になれた。あと子持ち。 【聖杯への願い】 ガリアのこととかイサラのこととか考えていないわけではないが、殺しあってまで叶えていい願いかというと‥‥ ただマスターは守る。 【基本戦術、方針、運用法】 実はアーチャーとアサシンのクラス適性があるため、スナイパーのような行動もとれる。 もっとも、真骨頂は素早い移動なのでやはり打ってでるのがベター。ただし、本人の技量は三騎士クラスでは相当低いのでマスターを狙うべき。 また宝具はランサーであるにも関わらず幸運値を参照する。マスターの適性もあり高かった幸運値が更に上昇しているが、使用時はランサーにあるまじき燃費の悪さになるためマスターの戦略眼が重要になる。 真価を発揮するのは同盟を組んだとき。偵察や奇襲、突撃に陽動など一通りのことができるため万能ともいえる立ち回りをできる。ただし、やはり本職のサーヴァントには劣るので同盟が大規模化すればするほど器用貧乏になってしまう。 なお、魂食いはできればNG。 ※東京23区内のどこかの小学校でサーヴァントの戦闘がありました。 小動物を戦力にできるサーヴァントかマスターがいるようです。
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【作品名】手のひらの宇宙 【ジャンル】歌 【名前】私 【属性】手のひらに宇宙がある人 【大きさ】一人称が私であり、子供とは思えない歌詞なので成人女性か 【攻撃力】大きさ相応 ただし、手のひらに収まる程度の宇宙を持っている 【防御力】大きさ相応 【素早さ】大きさ相応 どこへでも飛んでゆけるので飛行可能 飛ぶことできらめく夜明けの風をあつめられるので 動き回らなければいけないことを考えると走る速さ程度の飛行速度はあるか 【特殊能力】時を止めれる、発動条件や止めていられる限度は不明 【長所】あなたを待ちつづけてた 【短所】胸の奥が懐かしくて何も言えなくなる 【戦法】飛びまわりながら殴る蹴る、持っている宇宙はダメージになるか不明なので投げて牽制に使う 【備考】起点世界は「空のある世界」なので宇宙は現実相応より小さい扱い old 【作品名】 手のひらの宇宙 【ジャンル】 歌 【名前】 私 【属性】 手のひらに宇宙がある人 【大きさ】 手のひらに宇宙がある人並み 【攻撃力】 【防御力】 【素早さ】 大きさ相応 【特殊能力】 時を止めれる。発動条件や止めていられる限度は不明 【長所】 あなたを待ちつづけてた 【短所】 胸の奥が懐かしくて何も言えなくなる 参戦vol.94 修正vol.100 vol.100 256 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/04/30(水) 17 37 04.85 ID DarIrGh0 [5/10] 私(手のひらの宇宙) 再考察 空を飛べる牽制道具持ちの成人女性 同じく空を飛べる成人女性であるわたし(KissからはじまるMiracle)より牽制道具分有利 それ以上は牽制道具を持っていようが素の能力的にわたし(Kiss~)と戦績が大差ないので以下の位置に >水無灯里withゴンドラ>私(手のひらの宇宙)>わたし(KissからはじまるMiracle)> vol.95 421 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/13(月) 12 08 15.06 ID XpC+QfzO (省略) 377の指摘見て思ったが瞳に宇宙系のキャラは単に宇宙が目に映ってるだけじゃね あと手のひらの宇宙は冒頭に空とか出てくるからそこが起点世界になって 手のひらの宇宙が普通の宇宙より小さいことになるだけだと思う 464 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/14(火) 05 04 36.97 ID gd+oGJv+ (省略) 私(手のひらの宇宙)について 421 歌詞の冒頭に空が登場しており、起点世界が「空のある世界」になり宇宙が小さい扱いになる可能性あり (省略) vol.94 372 :格無しさん:2013/12/16(月) 07 40 36.09 ID VAryJvu3 私(手のひらの宇宙)考察 時止めは考慮できまい ほぼ同スペックのヤクシと= イリュージョンNo.17の存在確立0というのはどう扱えばいいんだろうか?物理透過+肉体無し? 「自分と同じ物理透過の相手に接触し、そいつの存在確率を引き上げて物理干渉ができるようにすることも可能と思われる。」というけど物理透過相手を触ることは可能なのか? 「思われる」ってことは作中やったことがあるわけではないのか?
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#blognavi こんなに熱心に日記かかなくてもいいんだけど。 あんまりな体験なので書いときます ガクブル みなさん、怪奇現象って体験したことあります? 私ほとんどないです。 が・・・ 夢を見ました。 よくわからないけど、誰かにパーカー?みたいな羽織るものを借りて歩いてました。 正確にいうと、パーカーだけは自分のじゃないことを認識していた、って感じ。 次に記憶にあるのは、よくわからないんだけど、何故か野原みたいなとこを走ってました。 同じ服装で。 で、やけに服が重く感じるな・・・と思っていたら、パーカーが首を絞め始めたのです。 え?こんなことあるの?結構きつくなってきた。やばひ! ってところで目が覚めたんですが。 視界がおかしいんです。 ちょっとエスニックっぽい太陽が、目に張り付いてる感じ。 どこ見ても太陽の中に部屋の様子が見える状態です。 なんだこれ・・・と思って手のひらをかざしてみたりして、 天井にもうつる 手のひらにもうつる 両目とも同じようにうつる といったことから、目の問題ではなく脳の方かな?なんて冷静に現状把握とかしてみました。 とりあえず電気をつけて、特に自分に異常がないことを確認。明るくなると太陽もみえなくなります。 安心してもういちど寝ようとしたんですが。 暗くなるとまた太陽が見えるのはいいとして、なにかグオングオンうるさいんです。 うるさくて眠れない。 幻聴か?とか思ってたんですが、なんか聞いたことがある音・・・ まさか・・・エアコンついてる!? 関東にいる方はわかると思うんですが、ここ数日(もっとかも)暖かい日が続き、エアコンなんて触った記憶すらありません。 確かにエアコンはついていました。 音の正体は室外機の音でした。 まじで怖いです (´;ω;`) 2 00BDとか出てたらもう怖くて寝れないかも (´;ω;`) カテゴリ [謎] - trackback- 2006年03月22日 22 36 53 夢遊病です 謎 -- 羽央 (2006-03-22 23 34 23) (´・∀・`)バブ病です。 -- mamo (2006-03-23 01 37 24) すばらしく緊張感のないコメント、ありがとうございます ○┓ペコリ おかげで怖くなくなってきたw (´・∀・`)バブ -- ふぁいあ (2006-03-24 02 48 04) 陽気なメキシコ人が寒いだろうと思ってつけてくれたんだよ。 -- おまへ (2006-03-24 19 14 35) メキシコ人がウチでWBCアメリカ戦祝勝会やってたのかっw ドンタコス関東ではもぅ売ってませんw -- ふぁいあ (2006-03-24 19 58 56) 名前 コメント #blognavi
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【検索用 てのひら 登録タグ 2009年 VOCALOID て 初音ミク 図書延滞P 山吹 巡音ルカ 曲 曲た】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:図書延滞P 作曲:図書延滞P 編曲:図書延滞P イラスト:山吹 唄:巡音ルカ・初音ミク 曲紹介 曲名:『手のひら』(てのひら) ゆったりとしたメロディーとせつなく温かい歌詞。やさしい声のルカ、GEN上げめの声なミクが歌う。 歌詞 (ピアプロより転載) 夜道淡く照らす あの窓明かり 奥には君がいる そんな気がした ずっとここにいれば もう一度だけ 君の笑い声を 聞ける気がした 手のひらを 二つ重ね合う 片方は 君の手 そんな夢 見て目を覚ませば 君はもう いないよ あてどなく歩いて 星を眺める 同じ夜空君も 見てたら良いな 君にいつか聞いた 星座の見方 こうしてるといつも 記憶にのぼる 手のひらを 遠い君の背に 思い切り 伸ばして どうしても 触れられなかった 届かない 今でも 手のひらを 伝ってこぼれる 言えなかった 言葉が 足元に 高く積み上がる 動けない どこにも コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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手のひら 大石秀一郎という人物は、人の変化を見抜くのがうまい。 たとえば、嫌なこと、困ったこと、悲しいことがあったときにそれを見抜いて理解し、気を使うことが出来る。 そういったとき、彼は大抵にっこりと笑って、対象の相手の頭をなでてやる。 悩み事その他は解決はしないものの前向きに取り組む姿勢になれるかも、という彼なりの気遣いかも知れない。 頭をなでてもらう、という行為は人が安らぎを感じる行為の中のひとつであるからだ。 ___ 手塚国光は悩んでいた。 理由は彼の自宅にある。 『ガチャンッ』 『あ…』 しまった、と思ったときにはもう遅かった。 手塚は彼の祖父が大切にしていた茶碗を落としてしまったのだ。 彼の祖父は典型的な文武両道で、剣道、柔道、華道、茶道そして書道も心がけており、また陶器にも興味があるようだ。 花器や茶器の展示、個展などがあればよく行くようだし、時には気に入った器を買ってくる。 落とした茶碗もその中のひとつだった。 手塚は完璧主義である。意図としてそう振舞っているわけではなく、祖父の影響でそうなってしまった。 なので不測の事態があるととたんに弱くなる。 彼にとって茶碗を割るということは不足の事態。思考が固まってしまい、数分後には目をそらしてしまった。 これは夢だ、俺が茶碗を割ったはずがない。目を瞑って言い聞かせるも…以前、割れた茶碗がそこにあるのだ。 陶器の残骸をどう片していいかわからない手塚は、朝練を理由にほったらかしにしてきてしまった。 これが彼の悩みの一連の流れである。
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技名 SHIMATCH/手のひら飛行機 演技者 SHIMATCH/手のひら飛行機 出典 ポプラ社 けん玉の技百選 p.48 説明 手のひらにけんと玉を乗せて構える。けん先が自分と反対側を向くようにするとよい。 けんに回転を与えつつ上に投げる。 玉をキャッチして飛行機を決める。 備考 特になし タグ 空中技 飛行機 コメント 名前
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毎度おなじみ不思議探索の日。俺達はこれまたおなじみの喫茶店で、お茶なんかしてたわけなんだが。 そこでの俺と長門のやりとりを、じっと見ていた人物がいる。皆様ご存知の涼宮ハルヒだ。 「今日は…ん? おすすめ品のホンジュラス…飲んだ事ないしこれにするか」 「わたしも」 長門がコーヒーとは珍しいなと思いつつ、俺はウェイトレスのお姉さんにホンジュラス2つとオーダーをした。 オーダーする俺の姿をじっと見る長門。何も言ってこないんだが、なんとなく感じた事を口にしてみた。 「そうだよな、長門もたまにはコーヒーが飲みたい気分になる事もあるよな」 「そう」 当たっていたようだ、当たってなくても「そう」とか言われそうな気もするがな。 残りの面子も好き勝手にオーダーをする。待つ事しばし、お姉さんが品物を運んできた。いい香りだ。 沸き立つ湯気に含まれる香気を吸い、俺は一口目を味わう。甘みがあり酸味もしつこくない、結構いいなこれ。 ふと、正面を見ると、カップを手に動かない長門。 「長門、熱いならふーふーすればいい」 「わかった」 俺の指示に従い、ふうふうする長門。なんだかリスとかそういう動物のようだ。 俺が二口目を口にすると、また長門が固まっている。 「長門、無理してブラックで飲む事はないぞ、苦いなら砂糖だけでも入れたらどうだ」 「入れる」 俺はシュガーポットを長門の方へ差し出す、長門は砂糖を2つ入れてくるくるとスプーンを回した。 「あの…」 俺の隣の古泉が少しばかり固い笑顔で語りかけてくる。ハルヒには聞こえない様に囁く。 「ん? どうした古泉。なにかあったのか」 「いえ、あなたはなぜ長門さんとそれだけコミュニケートできるのか、それがどうも気になって」 くぴくぴとコーヒーを飲む長門を見る、そういや何でだろうな。何となくそんな気がするじゃ、古泉も納得……しねえか? 「あれだ、ほとんど当たってないが長門が気を利かせて……とかはどうだ」 「あなたは的確に私の意志を汲んでいる」 古泉の笑顔がさらに固くなった。多分俺も微妙な顔をしていると思う。 長門はどうしたの? みたいな顔をして首を傾げているが、これも俺くらいしかわかってないんだろうか。 「あのですね、先程からのお二人を涼宮さんがかなり意識していまして、今もあなた方を見ているんですよ」 確かにハルヒは鷹の眼の様な鋭い眼光で、ちらっちらっとこちらを伺っている。後ろめたい事は全く無いのだがいまいち気になる。 とはいえ、ストレートに言えば恐らくハルヒの事だ、それは地雷源にフライングボディーアタックをするのに等しい行為となるだろう。 「ハルヒ。そろそろ組分けしないか」 どうにもハルヒの視線に居心地の悪さを感じた俺は、普段であれば恐らく自分からはしないであろう提言をハルヒにする。 「あんたから言ってくるなんて珍しいわね。まあ、いいわ。時間は限られているもの、それを有効に活用しないなんて愚か者のする 事だしね。じゃあ、くじ引きをするわよ」 結果、俺・ハルヒ・長門の組と古泉・朝比奈ペアという組み合わせとなった。 なんつーか、居心地の悪さから脱出しようとしたらさらに悪くなったという状況である。 「今日は何処へ行くんだ、ハルヒ」 「そうね…調べたい物もあるし図書館へ行きましょう」 一方的に宣言すると、ハルヒは長門の手を取り俺を置いていかんばかりの勢いで歩き出す。やれやれだな。 ハルヒは図書館に到着すると、目当ての書籍があるであろうコーナーへずんずんと歩いていく。 長門もこれはまあ何時ものごとく、ふらふらと本の海にダイブしていくわけだ。 しばらく長門を眺めていると棚の一番上の本に手を伸ばしている。だが、背の低さ故に届かない様だ。 俺は長門に近づき、恐らくこれであろうという本を棚から取る。長門にこれで良いかと尋ねると、僅かに首を縦に振る。 ありがとう、と言い残して長門は次の獲物を求めてふらふらと歩いていった。 残された俺はどうしたものかと、目に止まった文庫コーナーなどを見て回る。 俺は『智恵子抄』という詩集を手に取った、これは中学の国語でその内の一編をやった物だ。 確か『レモン哀歌』だったっけか、僅か2年前ではあるが少しばかり懐かしむ気持ちがあったのだろう、俺は文庫を手に空いている シートに腰掛けた。 とは言えだな、国語の教科書では現代文に訳されていた。が、文庫では本来の旧仮名遣いなもんでいささか読み難い。 まあ、気が付けば俺は授業中の様に深い眠りについてしまっていた訳で。 俺の傾いた頭が隣に座る長門の肩に乗っているのに気付いたのは、ハルヒの怒鳴り声で起こされてからだ。 「このバカキョン。あんた何有希にセクハラしてんのよ」 いまだにぼんやりする頭を振りながら、俺は長門の方を向く。 「ん、あぁ。長門すまんな、またやっちまったか」 ひたすら本のページに目をやっていた長門は、俺の言葉に「いい」とだけ返事をして、本の貸し出し手続きをする為にカウンター へと姿を消した。 「あんたさぁ。またって言い方するって事は、いつも有希にあんな事してんの?」 「いや、そうじゃなくて前にも長門とここに来た時に寝ちまったんでな」 ふーんと言いながら、機嫌の悪そうなハルヒはすたすたと出口へ向かっていく。 「おい、長門がまだだぞ。ちょっと待てよハルヒ」 「あんたが待っててやんなさい。あたしは先に行くわ」 俺は自分で持ち出した文庫を返さないとなと周りを見回すが、何故か見当たらない。あれ…どこ行ったんだ? 「わたしが借りた」 いつの間にか長門が傍らに立っていた。ああ、長門が借りたのか、無くなったかと思って少し慌てたぞ。 「あなたが読んでいた物に興味があったから、黙って借りてごめんなさい」 「いやいや、全然かまわんさ。おっと、もう行かないとハルヒがまた何言い出すかわからんぜ」 俺は長門と連れ立って、出口に向かう。長門の方を見ると、重そうではないが嵩張るのか本を持ちにくそうにしている。 そりゃ両手にごっそり持ってりゃ持ちにくいわな。 「長門、半分持ってやるよ。ずいぶん持ちにくそうだしな」 「……ありがとう」 長門と俺は随分と先に行くハルヒの背中を眺めながら、のんびりと集合場所へと移動した。 さて、午後からの組分けをバーガーショップにて済ませた俺達は、厳正なるくじに従い不思議とやらを探す事になったわけだが。 「さあ、キョン。グズグズしないでさっさと行くわよ」 と、まあ、ハルヒに引っ張られて街を歩いていた。他の3人は何処へ行ったのやら、もう姿が見えないな。 「お前と2人でってのも、滅多に無い事だな。少し新鮮だよな」 「ふん、至高の存在たる団長のお供ができるなんて、あんたにはもったいない事だわ。神に感謝しなさい」 どーして、こう言うかねこの女は。もう少し素直に受け答えが出来んのか、なんつうかこう『まるでデートみたいね』なーんて漫画の ようなセリフでも吐いてくれれば俺ももうちょっとだな… 「言うかそんな事っ。このバカキョンっ」 あれ? 口に出していってたのか俺は。おいハルヒ、ちなみにどの辺から俺は口に出していたんだ。 「もう少し素直にって辺りよ。有希みたいに素直でなくて悪かったわね」 なんで長門が出てくるんだ。あいつはあいつで意外と思い込んだら頑固な所もあるし、いや素直って部分は大体において俺も同意 ではあるんだが、しかし今この会話においてそれが関係あるかというと俺には無いとしか思えんのだ。 「長門は関係ないだろう、どうしたんだいきなり」 「いーわよねぇ、有希と仲良しでさ。目と目で通じ合っちゃうっていうの? あんたあの娘の考えてる事、何でもお見通しって感じじゃない」 はぁ。いきなり何を言うのかと思えば、何なんだこいつは。やれやれとばかりに肩を竦めて俺はハルヒに言い返す。 「とは言うがな。お前だって最初に比べれば、長門の意思表示を理解できてるだろう」 「そりゃあたしもそう思いたいけど、あんたの勘の良さは異常よ。会話無しで意思疎通ができるのってお互いによっぽどの信頼が なきゃ無理よ」 なんだろうな、俺と長門のハルヒが言う所の信頼関係とやらに、やきもちでも焼いているのか。 恐らく長門とより仲良くなりたいって事の裏返しなんだろうが、俺に当たってどうするんだ、まったく。 「お前が俺以上に長門と仲良くしたいってのはわかった。長門の場合おとなしくて、それでいてほっとけない感じの妹って風だよな。 うちの妹の時も満足に喋れない頃は、おんなじ様に扱っていた覚えがある」 長門も体はともかく、生まれてから4年くらいらしいし扱い方としては間違ってないよな。……間違ってるか? 「あんた、まるっきりわかってないわね。確かに有希とはもっと仲良くなりたいけど、あたしが仲良くしたいのは」 そこまで言い掛けて、ハルヒは口を閉じた。言い掛けてやめるなよって言ったら蹴りを入れられた。わけわかんねぇ。 とまあ、何だかよくわからないのだが、ハルヒは機嫌が悪く、そして俺は何が悪かったのかわからないという状況のまま、お話は 月曜日の学校から始まるわけだ。前置きが随分長いんじゃないかと思うが、まわりくどい記し方になっているのは素直に謝ろう。 「おはよう、ハルヒ」 遅刻ギリギリのいつもの時間に教室に入る、当然ハルヒは既に席についているんだが、返事が無い。やれやれだ。 と、思ったら何故か俺の手を取るハルヒ。俺が疑問に思う間もなく、自らの指で俺の手のひらを弄くりはじめた。 何なんだ、これは。くすぐったいが、それ以上に…その、恥ずかしい。俺の顔の表面温度がぐいぐい上昇中だ。 しかし、一向にハルヒの意図が読めない。熱っぽい頭で必死に考えていると、岡部がおはようなんて言って教室に入ってきた。 「あー、すまんハルヒ。岡部が来たからまた後でな?」 前を向こうとする俺が最後に見たのは、凄く切なげな顔をするハルヒだった。 今週の予定やらなんやらを説明した岡部は最後にこんな事を言った。 「ところで涼宮なんだが、喉を悪くしてしまったらしく、しばらく声が出せないそうだ。治療そのものは済んでるのであとは回復待ちと お母さんから連絡があった。何かと不便があるだろうから皆よろしくたのむぞ」 岡部の奴、俺を見て言いやがった。が、それは置いといてだ。なるほどさっきのあれは何かを伝えたかったのか、ハルヒよ。 俺は振り向いてハルヒを見る。むすっとした顔のハルヒがそこにいた。 「さっき何か言いたかったんだろ。気付かなくてごめんな」 ハルヒはびっくりした様な顔をして、ぷるぷると顔を横に振る。…気にすんなって事かと問うとぶんぶんと顔を縦に振る。 しまいには先程までのむすっとした顔から一転してにっこりとした顔になってやがる、色々と忙しい奴だな。 ま、そんなわけでその後の授業は特に何の問題も無く終了した。そして昼休みになり、いつもならダッシュで学食に行くハルヒは、 今日に限って席に座ったままだ。財布でも忘れたのかね。 「今日は弁当なのか」 ――違うらしい。 「もしかして、喉のせいで食事できないのか?」 ――これも違う様だ。 俺は少しばかり考え込むと、カバンから弁当箱を取り出した。 「んーと、喋れないから学食で注文もできないし、購買でパンも買えない。でいいのか」 ――ビンゴらしい。 まあ、あの戦場の様相を呈している、学食及び購買だ。メモかなんか持っていっても濁流に飲まれる小枝の如しと言った所か。 落ち着いて注文できる頃に残されたものといえば、学食なら変な具のおにぎり、購買ならラスク程度だろう。 下手をすればそれすら無かったりするし、なんにせよ困難な状況なのは間違いないな。 「ハルヒ。今日は俺の弁当を食えよ。俺はパンでも買ってくるわ」 ハルヒの机に弁当箱を置き、俺はさっさと購買へと足を運んだ。もみくちゃになりながら手に入れたパン2個を持ち、教室へ帰還する。 席に戻るとハルヒが弁当箱を前にしてじっとしていた。…もしかして食べてないのか。 「何遠慮してんだよ。さっさと食わないと時間無くなっちまうぞ」 ハルヒは俺の手を取りぐりぐりし始める。ああ、ちょっと待てハルヒ。 俺はポケットからパンのついでに買ってきたメモ帳を取り出す。 「これやるから、こっちに書け。筆談の方が効率がいいだろ」 ハルヒはペンを出しさっとメモに書き込む。 ―あたしがパン食べるからあんたは自分のお弁当食べなさい。 ふむ、こいつがパン2つ如きで満足する女ではない事は承知している。俺は黙ってパンにかじりついた。 「パンじゃ足りんだろ、いいから食えよ。俺は意外と少食なんだ」 ハルヒは俺の顔と弁当箱を交互に見て、おもむろに俺の手を取ると手のひらにありがとうと指で書いた。 「なんだろな、メモ書きよりも気持ちがこもってるって感じだな。まあ、それはさておき遠慮なく食ってくれ」 花の様な笑顔で弁当の包みを開けるハルヒ、こいつ、か…いや、なんでもない、気のせいだろう。 ―ごちそうさま。おいしかった。 食うの早いなと思ったが、丁寧に俺の手のひらに礼を書くハルヒを見て、そんな事はどうでもよくなった俺がそこにいた。 「いや、おそまつさま。母さんに言ったら喜ぶよ、実際言うかはまあ、別にしてな」 ハルヒは満面の笑顔で俺の手を持ったままだ、俺は何も言わずにされるがままだったがこれはやっぱり恥ずかしいな。 「あー、すまん。ちょっとトイレに行ってくるわ、弁当箱は机の上にでも置いといてくれ」 気持ち赤くなった顔を気にしながら、そそくさと教室を出てトイレで顔を洗う。ふう、今日はどうかしているな俺。 さて、さっぱりした事だし戻るかね。…お、長門が向こうから歩いてくる、部室からの帰りかな。 「よう、長門」 ほんのりと頷いたように見える、いつもの長門の挨拶だな。 「あなたが先日読んだ文庫本を部室で読んでいた」 ああ、あれか。結構良かったろ、俺にはいささか読みにくかったが、中学の授業で読んだ時は結構好きだったんだ。 と言いながらクラスの連中の前で朗読させられた事を思い出し、俺は微妙な思い出を噛み締め、これまた微妙な表情をしていたのだ。 「感想はどうだ? ユニークだったか」 「……うまく言語化できない」 そうか、と一言言って俺は長門の肩を二度ぽんぽんと叩く。そりゃ俺もどうかと聞かれれば、作者の気持ちなんてわからんし、 なんか色々考えるのも本を読み込んでいくって事なんだろうし、なんて言っていいのかわからないなら、それはそれでいいんだろう。 「ま、何度か読んで好きな様に考えるって感じでいいんじゃないか、テストじゃないんだし、どう考えるにしても長門の自由だ」 こくりと頷き、長門は自分のクラスへ戻って行った。おっと、俺も戻らんといかんな。 始業間際に俺が自分のクラスに戻ると、そこには相変わらずにこやかなハルヒが待っていた。 俺は自分の席に置いてある弁当箱をカバンにしまい、残り僅かな昼休みをハルヒの方に向いて過ごす事にした。 「今日は放課後どうするんだ? 病院とか行かなくていいのか」 ハルヒはさらさらとペンを走らせ、メモを俺に見せる。 ――もう病院は行かなくても平気だけど、だんまりじゃなんだし今日は団もお休みにしましょう 「そうか、じゃあ古泉達には俺から伝えておく」 ハルヒは3センチばかり頷くと、俺の手を取って指で何やら書き始める。メモは使わんのかハルヒ。 ――今日、あたしとどっか行かない? 近場でいいからさ。 どういう風の吹き回しなんだろうな、これは。俺は何かの罠かとか俺にとって何か不利益のある役でもやらされるのかとか、色々考えて みたがどうにもよくわからんので、ここは素直に誘いに乗ることにしてみた。 俺はハルヒの手を取って、指で「いいぞ」と書く。後でよくよく考えても、なんで口で言わなかったのかはわからなかったが、その時は そうすべきと思ってそんな返事の仕方をした。くすぐったそうに、そして嬉しそうに俺の指を目で追うハルヒを、俺はえらく素直にかわい いと思ってしまった。いや、マジで。 というわけで、俺達2人は学校を後にし街まで出てきている。とりあえず目指すのは今週末オープンのショッピングモール。 今はプレオープン期間でその上各種イベントやセールが行われている。平日だというのにえらい人で溢れている、暇人の多いこって。 と、自分の事は棚に上げていた俺は、いきなりで何だがハルヒと逸れている事に気付いた。 「マジかよ。こんだけ人だらけじゃ見つけらんないぞ」 正直焦ったね。普段なら何てことはないとは思うんだが、今のハルヒは声が出せない。 俺が見つけてやらないと、もしあいつが俺を見つけたとしても、声も掛けられず俺は移動してしまうかもしれない。 俺は文字通り、血眼で周囲を見回した。 あまり移動せず、かつ周囲の探索は綿密に…かれこれ10分が経過しただろうか、俺の視界の端っこに黄色い物が映り込んだ。 「ハルヒ」 俺は人波に逆らいハルヒの元へ行く、全方位に向けてすいませんの連発だ。 ハルヒの名をもう一度呼び、振り向いたハルヒの手を握る。そのまま隅の人の流れの無い場所へハルヒを引っ張っていく。 ハルヒは少し涙目で、なおかつお怒りの様子であった。 「ごめんな、ハルヒ。心細かったか?」 返事の代わりにパンチが来たね。俺はもう一度ごめんなと言うと、手を繋いだまま歩き出した。 「こうして手を握ってれば、もう逸れないだろ」 耳まで真っ赤にしたハルヒは俺の手を握り返して、離さないでよねと言った。はいはい、かしこまりました。 それから、混雑を避けた俺達は買い物をしたり、様々な物を見て回ったりと短い時間ではあったが十分に楽しんだと思う。 ハルヒも楽しかったと言ってくれたし、なんだろうね、こんな普通の放課後ってのもいい物だなとその時は考えていた。 また明日ね、バイバイキョンと別れ際に手を振りつつハルヒは言い、俺もまた明日な、気を付けて帰れよと返す。 そろそろ読んでておかしいなと思われる方もいらっしゃるだろう。逸れたハルヒと再会した後、俺達は普通に会話をしているような書き 方をしているわけだが、別にハルヒは声が出せる様になった訳でもなく、かと言って俺が幻聴を聞いていた訳でもない。 これは一体どういう事なのかと言うとだな。俺はハルヒの考えている事が、正確に言うと俺に対して向けている、本来ならば言葉として 発せられる思考がわかるようになっていた。 何でだよと問われれば、逆に俺が問いたい、何でだよ。 自宅にてこの異常事態に思い悩む俺は、着信を知らせる携帯電話によって現実に引き戻される。発信者は長門有希。 「きて」 わかった。と、一言で通話を終わらせる。説明を受けるのは長門の部屋に着いてからでいい。 俺は愛車に跨り、ペダルを踏み込む。薄っすらと汗をかきエントランスに着いた俺は長門の部屋をコールした。 俺は長門の部屋へ上がり、お茶などを頂きつつ長門の説明を待つことにした。 「ここ数日、涼宮ハルヒ及びその周辺の人物に情報操作が行われた痕跡を発見した。涼宮ハルヒには身体的な改変、周辺人物には 記憶の改変が認められる」 「それって、何かやっかいな団体なり勢力の攻撃なのか? ハルヒは大丈夫なのか」 長門はゆるやかに首を振り否定の意思を示す。改変そのものはハルヒによって行われたとの事、またなのか、ハルヒよ。 「まず、涼宮ハルヒが喉の治療を受けたという事実は無い。そして周囲の人々には涼宮ハルヒが喉を悪くし治療を受けたという偽の記 憶が植えつけられている。涼宮ハルヒが現在発声不可能な状態になっているのは、自己による身体情報の改変によるもの。現段階で は危険は無い、けれど涼宮ハルヒが現状を受け入れてしまった場合には最終的に涼宮ハルヒの声が失われる」 頭から血の気が引く感覚ってのは何度体験しても気分が悪い。これが行き過ぎれば多分倒れるんだろう。ハルヒの声が失われるだと? なんでそんな事になる、ハルヒが受け入れたらって、そんな状況受け入れるわけ無いだろう。 「涼宮ハルヒはあなたに並々ならぬ好意を抱いている。彼女はわたしとあなたの意思疎通方法を見て嫉妬心を抱いた。彼女の性格から、 わたしの様に通常時に口数を少なくするというのは不可能。よって強制的に発声できない状況を作り出した」 はぁ…ハルヒが俺に好意ねぇ。それにしたってやり方が乱暴過ぎるし、俺があいつの心を読めるようになったのはどういうわけだ。 「おそらくそれも彼女の性格からくるものと推測できる。要は『あたしの気持ちに気付きなさい、バカキョン』という事」 長門にバカキョンって言われた。すまん長門、ハルヒが言う風にってのはわかるが軽くショックだぜ。 「わたしの気持ちに気付いて、バカキョン」 大事な事じゃないから二度言うな長門。いや、それはいい。問題はハルヒの声だ、どうすればいいかを考えないとな。 「彼女が望んだ『あなたと通じあいたい』という願いが現在叶えられている。それに彼女が満足してしまえば、最悪の場合状況が固定される。 その後に涼宮ハルヒに訪れるのは絶望、彼女には今しか目に入っていない、非常に危険」 要はあいつが現状に満足しないで、声を出すことを望むように誘導してやらなきゃならんってか。 「そう」 「古泉はこの事を把握してんのか?」 長門は頷き肯定する。それなら話は早い、あいつにも協力してもらわんとな。 「でも、例えば声を失ってもあいつが望めば復活するんじゃないのか」 「涼宮ハルヒの改変能力は強力かつ頑固。再改変しようとするならばこの世界ごとでなければ無理と予測される」 はぁ、あいつらしいっちゃあいつらしいが、程々にしてほしいもんだな。じゃあ、とりあえず古泉を呼ぶか。 「いやぁ、お待たせいたしました」 待ってねえよ、何で電話してから3分で来るんだよ。古泉は相変わらずのハンサムフェイスに微笑を浮かべ、俺達の前に現れた。 「いやはや、出前迅速って奴でしょうか。さて、それはさておき涼宮さんの件ですね」 出前って顔かよ。まあいい、涼宮ハルヒ対策会議といこうぜ。長門と古泉は互いの情報を出し合ったが、特に差異は無かったようだ 「ふむ、ではあなたには涼宮さんの意図を読むことをやめていただきましょう。目と目で通じ合うという、何とも甘い関係は僕としては賛成 なのですが、事態が事態ですからね。なるべく涼宮さんの意図から外れる行動を取り、かつ不機嫌にならない様にしなければいけません。 恐らくあなたの担当が一番ヘヴィかと思われますが、あなたならお任せできますよ」 「おおよそ、その様な流れで問題ないがその中で鍵となる言葉があるはず、あなたにはそれを探し出し、涼宮ハルヒに伝えなければならな いとわたしは考えている。責任は重大」 「また、そうまたですね。あなたに頼ってしまうのはこれで何度目でしょうか。僕としても申し訳ない気持ちで一杯なのですが、この役目だけ はあなたでないと務まらない、お願いします涼宮さんを助けてあげてください」 「ふん、持ち上げても何も出んぞ。世界を救えとでも言いやがったら、知るもんかって思ったがな。お前はハルヒを助けろって言ってくれた からな、俺はその役目を請け負うぞ。安心しろとは言わんが俺なりにやってみる」 古泉は随分真面目な顔でありがとうございますと礼を言い、僕の方でも出来るだけの事はしますのでと長門の部屋を後にした。 「さて、それじゃあ俺も帰るわ。また明日な、長門」 長門の部屋を出てエントランスに下りる。古泉を探すがもう奴の姿は何処にも見えなかった、早いね行動が。 ペダルを踏みしめ帰路につく俺は、どうするかと足りない頭を捻るそぶりで、実の所は言葉を失ったハルヒの事ばかり考えていた。 翌日、教室にてハルヒと出会った俺は、前日の協議に基づいて行動するべくとりあえず朝の挨拶なんぞをしてみた。 「よう、ハルヒ。おはよう」 俺の頭の中には当然の様に、ハルヒの声で『おはよう、キョン』と聞えてくるのだが、ここはぐっと我慢だな。 ハルヒはニコニコしている、昨日の続きで意思疎通ができていると思っているのだろう。 俺は少しばかり胸の奥に痛みを感じつつも、ハルヒに向けて手のひらを差し出した。 『どうして? 昨日はあんなに通じていたのに』 正直胸が痛いどころじゃない、どんな拷問だこれは。ハルヒは下を向いて小刻みに震えている。 「おい、ハル」 ハルヒは俺の言葉を遮る様に立ち上がり、溢れる涙を止めようともせず教室から飛び出した。 「待てよ、ハルヒ」 岡部と入れ違いに俺はハルヒを追って教室を出る。岡部が何か言っていたような気がするがどうでもいい。 古泉よ、お前もまさか朝の挨拶如きで、こんな激しく反応するとは思ってなかったんだろうなぁ。ま、俺もだがな。 飛び出したハルヒは思いのほか簡単に見つかった。中庭の木の下、1人寂しく震えながら泣いていた。 「ハルヒ、ちょっとばかし聞いて欲しいんだが」 俺に気付いたハルヒは脱兎のごとく駆け出した。校門にたどり着いた時には既にハルヒの姿は何処にも無かった。 ちくしょう、話すら聞かない気かよ。閉められた校門を乗り越えようとすると、HRを終えた岡部が駆け寄ってきて俺は無様にも捉えられた。 それから、ハルヒが戻ってくる事も無く授業は終わり放課後となる。部室には長門が居るのみだ。 「古泉一樹は閉鎖空間の処理に奔走している。援護は期待できない」 いや、それだけでも十分だ。帰ってきたらコーヒーの一本でも奢ってやることにしよう。 「そう」 じゃあ、俺は俺の出来る事をやんなきゃな。長門、ちょっくら行ってくるわ。部室から出ようとした俺の袖を長門が掴み制止する。 「あなたはあなたが一番望むことをするべき」 それだけ言って長門は窓際に戻っていく。俺の一番望む事…ねぇ。一旦部室を出ようとした俺は、自分の席に戻り携帯を取り出し コールする。相手はもちろんハルヒだ。3コール目でハルヒが出る、当然何も言わないがな。 「よう、いきなり切る様なマネだけはしてくれるなよ、今から言う事を聞いて欲しい。えっと…昨日からさ、俺はどうも物足りないって思 ってたんだよ。それが今では物足りないどころか我慢ならん程になっているんだ。何がって言われれば、今のお前にこんなこと言う のは、デリカシーに欠けるってのも承知の上だが、その…お前の声が聞けないのは寂しいんだよ、いつもの元気な声で俺のことを 呼んで欲しいんだ。そりゃあ目と目で通じ合うってのもいいけどさ、それは会話があるってのが前提だと思うわけだ。えーと、何が 言いたいのかっていうと、俺は…その、なんだ、ハルヒ、俺はお前の声が聞きたいんだ」 言いたい事は言った、俺が今一番望む事は『ハルヒの声が聞きたい』ただそれだけだ。電話の向こうのハルヒは何も言わない、そりゃ これだけでハルヒの声が元通りになるとは思ってはいないが、これがトリガーになると自惚れ半分ではあるが俺は思う。 だが、ハルヒには何の変化も無かったのだろうか、通話は切られてしまった。 「あなたの気持ちは涼宮ハルヒに届くと思われる、わたしの予想では今のセリフはかなり効くはず」 うわっ、長門聞いていたのか。って、さっき窓際にいたはずなのに、いつの間にか俺の背後にいるのは何故だ。 「気のせい」 「そうか、気のせいならしょうがないな。……んなわけあるかい」 長門は何事も無かったかのように窓際に戻る。やれやれと首をすくめる俺は、無言で本を読む長門にお茶を淹れてやった。 結局この日は、俺と長門だけしか部室に来なかった。後で聞いたら朝比奈さんは進路指導とやらだったそうだ。 何をするというわけでもなくただぼんやりとしているだけであったが、意外にも長門が早々と本を閉じ立ち上がる。 長門と連れ立って下校したところまでは覚えているが、どうにもその後が思い出せない。 まあ、何の事は無い、俺はただひたすらハルヒの事を考えていただけだ。ふらふらと夢遊病にでもなったかの様にな。 夕飯を食べ、自室で何をするでもなくただだらだらとしていた俺は、窓に何かが当たる音を聞いたような気がした。 いや、気がしたではないな。間違いなく何かが当たり、コツンと音がしている。誰の悪戯かと窓際に寄り、がらりと開け放つ。 すると俺のおでこに狙ったかの様に小石が当たる。どこのどいつだ、ふざけた真似しやがって。 家から漏れる明かりで薄っすらと照らされた庭に立つのは、他の誰でもない涼宮ハルヒであった。 「何やってんだ、人の家に悪戯するくらいなら上がって来い」 時間は7時を過ぎたところ、妹は風呂のようだ。これならハルヒをあげても気付かれずに済むな。 俺は玄関まで降りて、母親に友達が来たと伝える。学校の課題の事で来たが1時間程度で帰るだろうと言っておいた。嘘だがな。 「外は寒いだろ、早く上がれ」 ドアを開けてハルヒを迎え入れる。後方を警戒し母親が見てないかを確認、迅速にハルヒを部屋へと案内する。 台所でお茶を用意し、あれこれと質問してくる母親をかわしつつ、妹がまだ風呂にいる事を確認して部屋へ戻る。 「ほら、お茶のんで暖まれよ。少し暖房もいれた方がいいな」 リモコンを操作して暖房を入れる、ハルヒを見ると、紅茶の入ったカップを手に黙ったままじっとしている。 「ハルヒ、お茶が熱過ぎるならふーふーすりゃいいだろ」 ハルヒはこくりと頷いて、カップのお茶をふうふうしながら冷ましている。普段ならクソ熱いお茶でも飲み干すのにな。 俺は勉強机の椅子に座り、ハルヒはベッドに腰掛けて2人でお茶を飲んでいる。しかも黙ってだ。 「なあハルヒ。さっきの電話なんだけど、その…すまなかった。ちょっと配慮が足りなかったと思う、だけどあれは俺の正直な気持ち なんだ」 ハルヒは立ち上がり俺の側にきて手を取る。『気にしていない』と指で手のひらに書く。 「そうか、ありがとな」 なんとなく、雰囲気が柔らかくなった様な気がした。しかし机の上に携帯が震えだし、送られてきたメールの内容を見た瞬間、俺の 心臓は何者かに鷲掴みにされたかの様に、締め付けられる。 発信者は長門。内容は『緊急事態。本日、23 59 59をもって、涼宮ハルヒの能力により現在の状態が固定される。 』 マジか長門。日付が替わればハルヒはこのまま話すことが出来なくなる……冗談じゃない、そんな事が許せるか。 ハルヒを見れば、どうしたの? って感じで俺を見ている。俺はとっさに、長門がレンジでゆで卵を作ろうとして爆発させたと誤魔化す。 いや、誤魔化せたのかはわからんが、ハルヒは可笑しそうにニコニコしている。 ここで俺は考えた。俺の持つ何枚かのカード、その中でも切り札とも言うべき物が何枚かある。 言っとくが『ジョン・スミス』では無いぞ。ジョンのカードは言うなればスペードスートのA。 しかし、今から切ろうとするカードは切り札中の切り札、ゲームによっては邪魔者以外の何者でもないが、ルールに則った使い方 次第ではこれがなければ成り立たない役もある。そう、ジョーカーのカードだ。 いいかげん自分でも何言ってるんだかよくわからんな。まあ、あんまり深く考えないでほしい。 ああ、もう時間も無い、迷う事は無いな。俺は覚悟を決めて、ジョーカーを切る事にした。 「ハルヒ、さっきの事に関連してなんだが、もう一つ言いたい事がある」 ハルヒの肩に手を置き目を見て、俺は軽く息を吸った。緊張するな、これ。 「ハルヒ。俺はお前の事が好きだ」 まあ、いきなりこんな変な事言われりゃ固まるよな、ちょうど目の前のハルヒみたいにさ。 「態度とか視線とかそんなんじゃなくて、何よりお前の言葉で返事が聞きたい」 真っ赤な顔でわなわなと震えるハルヒ、もう今の俺にはハルヒの心の声は聞えていない。俺は手のひらを差し出しハルヒに言った。 「ごめんな。お前が大変な時にこんな事言っちまって。ダメならここに×って書いてくれよ、それだけでいい」 ハルヒは俺の手を取り、指さきを当てる。ああ、振られちまうってのは考えてなかったな、長門、お前の予想はハズレみたいだぜ。 だが、ハルヒは指を動かす事もなく、ただじっとしている。 「うぁ…」 ハルヒが呻き声のようなものを上げた。と、思ったら俺は手を引っ張られ、そのままハルヒに抱きつく形となってしまう。 「バカ、バカキョン。あたしも、うぅ。あたしもあんたが好き、大好き」 ハルヒから声が出た。と喜んだのもつかの間、俺の頬にはハルヒからのビンタが命中していた。 それから後は、バカキョンと言いながら泣き続けるハルヒをなだめるのに随分と時間を費やす事となる。 「あんたがいけないんでしょ。あんな聞き方ずるいどころじゃないわ、強制じゃないの」 はい、誠に申し訳ございません。仰るとおりです、わたしがすべて悪いです。いや、本気で悪いと思ってるぜ? 「大体あんた、あたしがあんたの事好きだって知ってて、あんな聞き方したんでしょ」 「あー、ハルヒ。さっきはお前の声が聞きたいって言ったけどさ、前言撤回してその口塞いでもいいか?」 ま、返事なんか聞かないけどな。俺は自分の唇でハルヒの唇を塞ぐと、ハルヒの表情を見ないように目を閉じた。 で、結論を言うとたっぷりと甘いキスを頂いた後に、先程と反対側の頬にビンタを頂いたわけで。 ハルヒ曰く、誤魔化すようなキスには罰を与えるとの事だそうで。はい、反省しますです。 ……でも、何はともあれハルヒの声がまた聞けて俺は嬉しいよ。 翌日、掃除当番のハルヒを置いて、俺は文芸部室に先に来ていた。 「僕が閉鎖空間を飛びまわっている間に解決してしまうとは、流石としか言いようがありませんね」 お前は黙ってろ、ほれ、お駄賃のコーヒーだ。俺は部室に入ってきたニヤケ面にぬるまった缶コーヒーを放り投げる。 「しかし、長門からのメールをもらった時は肝を冷やしたぜ。後数時間しかないなんて、ほんとにどうしようかと思ったわ」 窓際で本を読む少女はゆっくりと顔を上げ、俺の方を向いた。 「最後まで読んだ?」 何だ、最後って? 俺は携帯を取り出し改めてメールを見てみる。『…現在の状態が固定される』で終わりじゃないのか? カーソルキーをいじると空白が続いている。ずいずいとスクロールさせてみると、いいかげん指が痛くなる頃に最後の一言がある。 『ジョーク』 何だこれ。おい長門、これってどういう意味なんだ。 「そのままの意味、あれは嘘。あなた達を見ているのがもどかしくて、焚きつけるつもりで送った。情報統合思念体からの許可も受け ている。あの状況でメールを見れば、あなたは必ず動くとわたしは確信していた。結果オーライ」 はぁ、俺は長門にまんまと騙されたってわけか。携帯を閉じると、何故だか笑いがこみ上げて来た。 「どうしたの?」 「いや、長門には感謝しないとな。俺みたいなヘタレの後押ししてくれたんだからな。ありがとな、長門」 「いい」 長門は再び本に目を落とす。ふと俺の前を見れば、詐欺師張りの笑顔が目に入る。何か言いたそうな、いや、聞きたそうな顔だな。 「お前に言う事は無い。解決の手段とかその後とかは特にな」 「おや、そこが一番聞きたい所なんですがね。どうしてもダメですか?」 駄目だ。俺は自分の分の缶コーヒーをぐっと飲み干し、大きく伸びをした。 「あなたに言い忘れた事がある」 長門がいつの間にか俺の横に来ている。ちょっとびっくりしたぞ。 「わたしはレンジでゆで卵を作ろうとして爆発させる様な愚かな真似はしない。おかげで涼宮ハルヒに散々笑われた」 ああ、すまん長門。あの時は仕方なくだな、って俺の事を騙したんだからお互い様じゃないか。 「だめ、あなたはわたしに賠償するべき。具体的には今度の日曜日に図」 長門が何かを言いかけたところで、爆発するかのような勢いで部室のドアが開く。言うまでも無いハルヒだ。 「みんな、お待たせ。元気してる?」 お前が元気ありすぎたろう。逆に部室のドアの元気がどんどん無くなっていく気がするぞ。 「うっさいわね。このくらいでどうにかなるようなドアならとっくに壊れてるわよ」 まったく、壊れさえしなければいいのかよ。俺はいつかこのドアが壊れた時、満面の笑みを浮かべたハルヒに手渡されるであろう 大工道具達を思い浮かべながら、いつもの様に、いつものポーズで肩を竦めるのだった。 それからしばらくして遅れて部室に現れた朝比奈さんを交え、それぞれ好き勝手に活動をしはじめる。 まあ、これも相変わらずというのが相応しい、古泉とのゲームなんだがな。 白星を重ねたところで、長門の本が閉じられる。さて、今日もよく活動したなと。 「キョン、一緒に帰るわよ。みんなまた明日ね、バイバイ」 言うが早いかハルヒは俺の手を掴み走り出す。校門を出たところで走るのを止め、俺の隣に並びゆっくりと歩き出した。 「別にみんなと一緒に帰ってもいいんじゃないか?」 「いいの、学校から帰る時はキョンだけのあたしなんだから。この時間を大切にしたいのよ、あたしは」 こいつはピンポイントで急所を突いてくるな。ちぃっとばかしクラクラ来たぜ。 「ねえ、キョン。あんたの手って大きいわよね。あったかいし」 「んあ? そりゃまあ男なわけだし、あったかいのは知らんけどな。そういうお前の手もあったかくて俺は好きだぞ」 さっきのお返しとばかりに言い返す。狙いどおり真っ赤になってるなハルヒは。 真っ赤になりつつむくれた顔をしたハルヒは、握った俺の手をぐっと引き寄せ手のひらに文字を書きはじめる。 おいおい、またそれをやるのかよ。と言う俺に、気に入ってるのよこれ、と返すハルヒ。手のひらに書かれた言葉は。 ―あたしもだいすき。 そんなわけで、俺達の関係を変えたちょっぴり騒がしい事件は終わりを告げる。 おそらくこの先も、ハルヒは何かしら騒ぎなり事件を巻き起こしていくのだろう。それがどんな事なのかは、その時にならないと わからない。けれども、いつでも、いつまでもこいつの側にいて付きあってやる。 日の沈みかけた通学路を歩き、お互いの手の暖かさを感じながら、俺はそんな事を考えていた。 手のひらの革命 おしまい コメント 今のところ最長の作品となりました、それでも30kバイトしかないですけどね。 書き始めの頃は「あのこになりたい」という仮題でもっと長門が絡んでくる予定でしたが、それだと「長門さんと涼宮さん」と 変わらない展開になりそうで途中で止めて、これとなりました。 とは言え自分の書いたSSらしく、無駄に長門が絡んでいるのはご愛嬌ってことで。 正式タイトルになった「手のひらの革命」は某恋愛シュミレーションのキャラが歌うキャラソンのタイトルです。 科学を信奉し恋愛を否定するクールな女の子です、声優はちびまる子の藤木役を演ずる中友子というのがちょっと意外です。 非常にかっこいい曲です。作詞者がセルフカバーをした「掌の革命」というポップンミュージックで使われた曲もありますが やはり原曲のかっこよさには敵わないと自分は思います。探すと見つけやすいのは『掌』の方なんですけどね。 しかしまあ、タイトルを取ったといっても内容は全然今回の話とはシンクロしてません、ただ手のひらというキーワードだけで 戴いただけなんです。ただそれだけなのですよ。
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2004年11月作成。これも古い曲。 丘に立ったときのイメージ。 歌詞 忘れられない あの丘に響く 忘れられない 君の思い出 静かな雨と やさしい声響く 大切な沈黙と とまどいの夜 二人に生まれた 一つの繋がり つっつきながら 感触を想う 手のひらの丘はただ やさしい手で 浮き出ては 溢れる想い 二人に生まれた 手のひらの丘は コード 音源 デモ メロディー好きです。 -- ゆこ (2006-01-27 20 30 35) 名前 コメント
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【検索用 てのひらすいせい 登録タグ VOCALOID inuha て 初音ミク 曲】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:inuha 作曲:inuha 編曲:inuha 絵:麦牛乳 唄:初音ミク 曲紹介 どこへ向かうのか。 曲名:『手のひら彗星』(てのひらすいせい) 歌詞 (動画説明欄より転載) 部活帰り いつの間にか鼻血が出ていた コントラストの洪水の中をどうやって歩こうか たまに君をからかいたくなるのはなんでか 時間は流れ空間は変わり 手は繋いだまま 彗星たちは魚のように泳いでどこへ向かうのか 「あのときのこと覚えてる?」 覚えてないよ 恐竜の末裔が円になって歌っている 珍しい植物が妖しい光を放っている 僕らはなぜ生まれて なぜ死ぬんだろう 遠くのものは小さく見える 掴めそうな気がする もうあんなところにある たまに僕は ふと悲しくなるのはなんでか 四季は巡り 月 満ち欠け 手を強く握った 彗星たちは魚のように泳いでどこへ向かうのか 「あのときのこと覚えてる?」 覚えてないよ あのときのこと以外は 部活帰り そんな空想をするのが好きだった 街灯の下で靴についた鼻血が気になった コメント 名前 コメント