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#38 愛のバクダン 愛のバクダン Fever 甘く優しい微熱 愛のバクダン(TV STYLE) 愛のバクダン(GUITAR SOLO LESS)
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通常盤 初回限定盤 リリース 2005年3月9日 追加収録 愛のバクダン (TV STYLE)愛のバクダン (GUITAR SOLO LESS) 規格 マキシシングル 収録時間 22分12秒(初回限定盤)13分21秒(通常盤) レーベル VERMILLION RECORDS プロデュース 松本孝弘 「愛のバクダン」(あいのバクダン)は、B zの38作目のシングル。 14thアルバム『THE CIRCLE』からの先行シングル。 前年のソロ活動明けからの再始動第1弾となった作品。ジャケットは複数の幼稚園児たちによって描かれたもの。また、TVCMは2人がサングラスで無表情のままブランコに乗っている、というものだった。 本楽曲を色々な人にコピーしてもらいたいということで、初回限定盤のみ「愛のバクダン (TV STYLE)」(カラオケ)、「愛のバクダン (GUITAR SOLO LESS)」の2トラックを追加収録しており、また、ギタータブ譜も付属されている。 B zのシングルで最も収録曲数が多い作品であり、4th beat、5th beatが存在するのは、このシングルの初回盤のみである。初回盤・通常盤ともCDのジャケットは同じだが、ケースのメンバー2人の写真が異なる。 この作品でオリコン首位獲得週数が51週となり、松田聖子の首位獲得週数(50週)を抜いて、ピンク・レディーの首位獲得週数(63週)に続いて単独2位となった。 参加ミュージシャン 松本孝弘:ギター・全作曲・編曲 稲葉浩志:ボーカル・全作詞・編曲 徳永暁人:ベース・全曲編曲 シェーン・ガラース:ドラム・パーカッション 収録曲 愛のバクダン Fever 甘く優しい微熱 愛のバクダン (TV STYLE) ※初回限定盤のみ 愛のバクダン (GUITAR SOLO LESS) ※初回限定盤のみ 名前 コメント
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「愛のバクダン」(あいのバクダン)は、B zの楽曲。作曲は松本孝弘、作詞は稲葉浩志。略称は「愛バク」。 38thシングル「愛のバクダン」表題曲。 元々は、14thアルバム『THE CIRCLE』からの先行シングルがなかなか決まらなかったため、一般のバンドでも簡単にコピーできる曲にしようと、レコーディングの終盤に制作された楽曲だった。松本によると、当初はオリエンタルなテイストを取り入れたアレンジだったが、シンプルにしたいという意向で、現在のアレンジに落ち着いたという。 最初タイトルの「バクダン」は漢字表記だったが、物騒な雰囲気がするということで、カタカナ表記になった。 PV PVは3種類存在する。 始めにブランコのシーンがサビで挿入されているもの。これは沖縄の石垣島と竹富島で撮影されたもので、ソロ活動を経た2人が沖縄で出会い復活を告げるという内容だった。ブランコのシーンは元々計画にあったものではなく、たまたま通った小学校のブランコを見て急遽撮影されることが決まった。 火薬が飛び交うスタジオで演奏しているもの。こちらが3種類のPVの中で唯一フルのバージョンである。映像の中にはベストアルバム『B z The Best Treasure 』のクイズの応募はがきで正解者10万人が貰えたB z人形も登場している。『B z The Best XXV 1999-2012』の初回特典DVDにはこちらの映像が収録された。まだ映像に合わせてイントロと間奏のアコースティック・ギターの部分がエレクトリックギターに差し替えられている。サポートメンバーとして徳永暁人と山口昌人も出演。 『THE CIRCLE』のプロモーション用で制作されたロサンゼルスヴァージョン。CD音源と同じくサポートメンバーとして徳永暁人とシェーン・ガラースも出演。 バージョン 愛のバクダン Ai No Bakudan海外配信限定アルバム『B z』に収録。日本で発表されたトラックと大きな違いは見られないが、若干ベースとドラムが強調されており、サビ直前のコーラスの音程が異なる。 Love Bomb配信限定アルバム『B z』に収録。全英語詞となっており、間奏では1964年アメリカ合衆国大統領選挙運動中のロナルド・レーガンのスピーチ (A Time for Choosing) の一節が挿入されている。 参加ミュージシャン 原曲、Ai No Bakudan 松本孝弘:ギター・作曲・編曲 稲葉浩志:ボーカル・作詞・編曲 徳永暁人:ベース・編曲 シェーン・ガラース:ドラム・パーカッション Love Bomb 松本孝弘:ギター・作曲・編曲 稲葉浩志:ボーカル・作詞・編曲 寺地秀行:編曲 シェーン・ガラース:ドラム・作詞 バリー・スパークス:ベース ライブ披露 B z SHOWCASE 2005 網走番外編 B z LIVE-GYM 2005 CIRCLE OF ROCK B z SHOWCASE 2006 横須賀MONSTER B z LIVE-GYM 2006 MONSTER S GARAGE B z Network LIVE IN JAPAN supported by dwango B z SHOWCASE 2007 19 B z SHOWCASE 2007 B z In Your Town (鳥栖、宮崎公演を除く) B z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS- B z LIVE-GYM 2010 Ain t No Magic B z LIVE-GYM 2011 -long time no see- Music for Relief - Secret Show for Japan テレビ朝日ドリームフェスティバル2011 PEPSI NEX presents B z PREMIUM LIVE OSAKA/TOKYO(「Love Bomb」での演奏) B z LIVE-GYM 2012 -Into Free-(「Love Bomb」での演奏) B z LIVE-GYM 2012 -Into Free- EXTRA(「Love Bomb」での演奏) B z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-(ホールツアーの都城、鳥栖、豊岡、富士、丸亀、盛岡公演とドーム・スタジアムツアーのみ演奏) AEROSONIC タイアップ 原曲 テレビ東京「JAPAN COUNTDOWN」3月エンディングテーマ ゼスプリ・ゴールドキウイ CMソング Love Bomb ペプシコーラ「ペプシネックス」Summer Line篇CMソング 収録作品 原曲 CD作品 リリース日 タイトル 備考 2005年3月9日 愛のバクダン 初回限定盤にはTV STYLE、GUITAR SOLO LESSも収録 2005年4月6日 THE CIRCLE 2005年11月30日 B z The Best Pleasure II 2006年6月7日 SPLASH! 初回限定盤の特典DVDにライブ映像を収録 2008年6月18日 B z The Best ULTRA Pleasure 2008年9月17日 B z The Best ULTRA Treasure 「2CD+DVD」版のDVDにライブ映像を収録 2013年6月12日 B z The Best XXV 1999-2012 初回限定盤の特典DVDにはPVを収録 映像作品 リリース日 タイトル 規格 備考 2006年12月20日(DVD)2010年12月22日(Blu-ray) B z LIVE-GYM 2006 MONSTER S GARAGE DVDBlu-ray 2008年2月20日 B z LIVE in なんば DVD 2009年2月25日(DVD)2010年12月22日(Blu-ray) B z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS- DVDBlu-ray 2010年7月28日 B z LIVE-GYM 2010 Ain t No Magic at TOKYO DOME DVDBlu-ray 2010年12月22日 B z LIVE in なんば 2006 & B z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo Blu-ray 2013年2月27日 B z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK- DVD 2014年1月29日 B z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST- DVDBlu-ray 「ツアーファイナル日産スタジアム公演」のみに収録 Ai No Bakudan 配信限定作品 リリース日 タイトル 2007年4月3日 B z Love Bomb 配信限定作品 リリース日 タイトル 2012年7月25日 B z CD作品 リリース日 タイトル 規格 2015年3月4日 EPIC DAY 初回限定盤の特典DVDに「B z LIVE-GYM 2012 -Into Free- EXTRA」でのライブ映像を収録
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りんご飴は強さという物を求めていた。 子供の頃から退屈という物が我慢ならない性質で、変わり映えのしない日々が大嫌だった。 じっとしていると体の内側で泥水のようなモノが澱み、どうしようもなく暴れたくなる。 その性質故か、騒がしさや賑やかさが好きで、特に祭りの雰囲気が好きだった。 祭りと聞いては喜び駆け付けて、りんご飴を片手に屋台を冷やかしまわったものだ。 ただそれが賑やかであればあるほど、祭りの終わりの侘しさは強くなる。 それが嫌いで、未練がましく最後まで残って祭りが終わる様をいつまでも見ていた。 退屈は嫌いだ。侘しさも静けさも嫌になる。 だから退屈を埋めるためなら、何でもした。 数えきれないほど危ない橋も渡ったし、中学に入る前には大抵の火遊びはやり尽くしていた。 そんな手の付けられない問題児に、親も教師もそろって匙を投げたのは当然のことと言える。 何故そんな風になってしまったのかと、嘆くように女親が問う。 だがそれはむしろ、こちらが聞きたい疑問だった。 他の人間は、どうしてそんな退屈な生き方が出来るのか。 どうやってこんな溺死しそうな息苦しさに耐えていられるのか、甚だ疑問で仕方ない。 刺激のない人生なんて死んでるのと同じだ。 そうじゃなければ生きている意味がない。 変わり続けなければ生きていく価値がない。 そういう物だろ? 大人たちに見切りをつけられた俺は彼らに見切りをつけて一人で生きてゆく事にした。 その決断をしたのはまだ中学に入る前の頃だったが、その行動になんの未練も躊躇もなかった。 一人で生きていく事よりも、別の生き物みたいに価値観が違う連中と足並みに揃えて生きていく方がよっぽど難しかった。 金と住居は金を持ってそうなオッサンどもを適当に見繕って貢がせた。 そいつらはこっちの性別は知ってるくせに女装して尻を振ってやれば喜んで金を落とすような変態どもで。 そう言う『いい趣味』をした連中は世の中には少なくなく、独自のネットワークも持っているため、そいつらを辿って食いつないでゆけば生きていくだけならば簡単な事だった。 だけど飯を食わなきゃ生きていけないように、刺激がなければ生きていけない。息ができなくなる。 その時点で出来る大抵の事はやり尽くしてた後だったし、何か新しい刺激を追求していた。 脳がしびれるような刺激が得られるんなら、仕事でもゲームでもスポーツでもボランティアでもドラッグでもセックスでも善行でも悪行でもそれこそ恋愛でも、何でもよかった。 それが結果として闘争という結論に落ち着いたのは、それが一番ギリギリだからである。 一歩間違えば死がそこにある、そのスリルがどうしようもなく心を惹きつけた。 そういう意味では登山なんかでもよかったのかもしないし、その方がよっぽど健全だったかもしないけれど、そこは現代の若者らしく手っ取り早くインスタントに。 その辺の誰かに喧嘩を売れば味わえるお手軽さがたまらない。 強い奴には悪人が多いのか、悪人には強い奴が多いのかは知らないけれど、自然と狩りの標的は悪人ばかりになっていた。 それを何を勘違いしたのか、ヒーローなんかから勧誘されたこともあった。 正義の味方なんかに興味はないし、正義という響きには虫酸が走るが、ヴィランどもと優先的に戦えるという特典は正直魅力的だった。 それに一言にヒーローと言っても、その辺の正義感とかが緩い奴もいるらしく、気の合うようなどうしようもない同類とも出会えた。 そう言うやつがいなければ協力者としても手を貸すことはなかっただろう。 そこからの日々はそれなりに面白おかしくやっていったと思う。 けれど、どれだけ楽しかろうと同じことを続けていればいつかは飽きる。 なにせ俺は最悪なほどに飽きやすい。 愉しみ続けるためには、より強い刺激を追い求め続けるしかない。 前倒した相手よりも強い相手を。 今倒した相手よりも強い相手を。 ステージは自然と上がってゆき、相手はチンピラからヤクザへ、ヤクザからヒットマンへ。 より多くを求めるのならば足はアンダーグラウンドな世界に踏み入ってゆくしかない。 闇に生きる殺し屋たち、人から外れた妖魔の類、裏の世界の怪人ども。 様々な奴らを相手取って、奥へ奥へ、闇の深い奥底へ沈むように堕ちてゆく。 そして、泥ついたヘドロの深海の奥底で聳え立つ山脈より高い頂点に出会った。 裏の世界における最強。 彼との戦いは最高にギリッギリで、退屈なんて感じる暇がない程の充実した時間だった。 だが、結果は惨敗。 奴の相手をするにはまだこちらの力が足りなかった。 その力の差故に見逃されたと言うのもあるだろうが、それではだめだ。 極上のスリルを味わうためには、自らもより高い相応のステージに上ってゆく必要があった。 奴と同じステージに立つことが出来れば、より最高な絶頂を味わう事が出来るはずだ。 より強い奴と、より楽しく殴り合い、より可笑しく殺し合いを。 そのために強さを求め。 そのために強くなった。 そのためにこの殺し合いだって生き残って見せる。 ■ 放送を聞いたりんご飴は、可愛い可愛いりんご飴ちゃんの足を潰してくれたあの魔王と吸血鬼の二人がどうなったのかを確認しようと思ったが。 よく考えればりんご飴はあの二人の名前を知らない事に今更ながらに気づいた。 だがまあ、あれほどの強さを持った奴等がそう簡単に死ぬわけがないだろう。 嘗められっぱなしは好きじゃないので、いずれ殺すとして。 差し当たっては『ハッスル☆回復錠剤』の副作用で6時間以内に一人、12時間以内に三人殺害しなければならない。 薬の使用から三時間近く経過した今現在で、既に二人殺しているが、ノルマ達成までにはあと一人殺さなくてはならない。 まだ時間的に余裕はあるが、こういう縛りは早めにクリアしておくに限る。 ヒーローの協力者なんてものをやっているもののりんご飴は正義の味方ではない 次に出会うであろう顔も知らない誰かを自分の為に殺す事に迷いはない。 通りすがりの誰かに喧嘩を売るなんてことはこれまで散々やってきたことだ。 売られた方はたまったモノではないだろうが、弱者が強者の食い物になる。それが世の摂理である。 恨むのならば、出会ってしまった不運を恨むべきだろう。 まあ、出会ったのが火輪珠美みたいな知り合いだった場合はその時はその時である。 戦うかどうかはその時の気分で考えるとしよう。 しばらく進んで誰も出会わぬまま山道に差し掛かったところで。 山頂から下る獣道からスラリとした妙齢の女性が現れた。 知らない女だ。 なら躊躇う理由はない。 「よぅ。殺し合おうぜ、おねーさん」 言うが早いか、りんご飴は出会い頭に鍵爪で相手の喉笛を切り裂いた。 ■ 三条谷錬次郎は強さという物に憧れていた。 あの惚れ薬を飲んでからずっと、ただ流されるだけの人生だった。 抗おうにもその流れは洪水の様に激しく、逆らうのは困難である。 自分では決してその濁流には抗えないと理解しながら、それでも抗えたならばどれだけいいかと想像してまう。 だから、何があろうと決して揺るがぬ鉄杭のような強さに憧れていた。 そんなものは存在しないと、達観したように諦められたのなら、幾分は生きやすかったのかもしれない。 けれど、そんな存在が実在する事を錬次郎は知っている。 強さの象徴ともいえる存在を、その目で確かに見たのだから。 あれは中学の頃だった。 惚れ薬の影響で多くの心的外傷を受け、散々懲りて反省と対策を取り始めた頃。 徹底的に女性を避ける生活を送る事により、僅かばかりだが生活は平穏を取り戻していた。 小学校から中学校へと環境を変えたと言う点も大きいのだろう。 欲望丸出しの女たちから獲り合われ、嫉妬に駆られた男たちからは忌み嫌われていた、そんな過去を知らない同性の友人も少ないながらにできた。 それも同性愛者と勘違いされていただけという事が判明して、すぐに壊れてしまったけれど。 それでも暴力的な事件は少なくなっていたと思う。 だがしかし、それでも完全にノントラブルとはいかなかった。 人間社会で生活する以上、人類の半数を占める種を完全に避けて通るなんてことは現実的に不可能なことである。 クラスメイトは元より、買い物をする店の店員、道すがらすれ違う相手。 人それぞれ耐性はあるようだけれど、それだけで錬次郎に惚れるちょろイン体質な女も多く存在していた。 それらから全力で逃げた所で、相手が勝手に盛り上がって錬次郎の見えない所で凶行に走るなんてことも少なからずあった。 そして当然のように、そのとばっちりは錬次郎の元へとやってくるのである。 恋愛感情なんて厄介の種を撒き散らすだけの害悪である。 善し悪しはなく等しく悪だが、大小という意味では区別はあった。 中には大きな厄事を運んでくる、そんな地雷女は往々にして存在するのだ。 その日咲いた災厄の種は、そんな巨大な種だった。 錬次郎は、県境にある河川敷で厳つい連中に取り囲まれ因縁を付けられた。 今回は何でも彼の惚れている女が逃げ回る錬次郎に悲観して自殺未遂をしたとか、そんな理由だった気がする。 そこから妙な嫉妬と義憤に駆られた男どもに殴られるという所まで含めて、ここまでならいつもの事だ。 もうこんなことは数えきれないほど繰り返してきた。取り立てるほどの事でもない。 ただ今回運が悪かったのが、因縁をつけてきた相手がそれなりに大きな暴走族の総長だったという事である。 加えて、この総長が卑怯な手段を好まず男気溢れる漢というフィクションにあるステレオタイプの不良像ではなく。 女を惹きつける以外に何のとりえもない中坊相手に、全力で兵隊駆り出し容赦なくリンチしようというネジの跳んだ輩だったという事だ。 さすがにこれだけの人数に取り囲まれたのは錬次郎にとっても初めての経験である。 彼を取り囲む奴等は誰も彼もが、社会から見放された、暴力を絶対と信じた不適合者ばかりだ。 加減など言葉すら知らないようなこんな奴等にリンチされれば、もしかしたら死ぬかもしれない。 なんて、どこか他人事のように考えていた。 錬次郎の中に余り恐怖のような感情はなかった。 こんな状況に慣れてしまった、というのもあるだろうけれど。 ちょうど信じていた友人たちに裏切られた時期と重なったというのもあるだろう。 惚れ薬に振り回されるだけのこんな人生が終わるならそれもいいという諦めが心の奥底にあったのかもしれない。 「あんだぁああ、テメェその態度は、嘗めてんのかおらぁ!」 だが、怯えるでもなく妙に落ち着いているその態度が気に障ったのか、白い特攻服を着たリーゼントが怒鳴りを上げ錬次郎を蹴り飛ばした。 躱すこともできず鳩尾に直撃を受けた錬次郎は吹き飛ばされ地面に転がり地を舐める。 地面に蹲る錬次郎に抵抗するなどという選択肢はなく、ただこのまま嵐が過ぎ去るのを待つだけだ。 通常であればそれで終わる、だが、ネジの外れた奴らのここで終わるはずもなく、リンチはここからが本番である。 「――――ぁんだよ、つまんねぇな」 だが、その前に橋の上から声が響いた。 決して大きい声ではなかったが、その場にいた全員が何かに惹きつけれるように橋の上へと視線を向ける。 錬次郎も、伏せていた顔を上げて空を見た。 そこにいたのは橋の淵に腰かける背丈の小さな少年だった。 そのサイズから一瞬小学生かと思ったが、見ればその服装は着崩しているものの学校の制服の様である。 たしか隣の県にある桜花中学の制服だったように思う。 「あ゙んだぁぁぁテメェは!? 見せモンじゃねぇんだよ、関係ねぇ奴はすっこんでろ! 殺されてぇえか!!?」 制裁に水を差されたのが余程癪に障ったのか、錬次郎に因縁をつけていた総長が橋の上の少年目がけて吠えた。 見ている錬次郎ですら竦んでしまいそうな恫喝ではあったが、その声を受けた張本人である少年は全く動じていなかった。 どころか、そもそも聞いていないような態度でつまらなさそうに息を吐く。 「…………下んねぇ」 そう言うと、少年は座った体制のまま倒れ込み、投身自殺でもするように橋の上から落下した。 落下する少年は空中でクルリと縦回転を決めると、人垣でできた輪の中心、つまり錬次郎の目の前に何事もなかったかのように両の足で着地する。 錬次郎の日常では彼の気を引くべく空から美少女が降ってくることはよくあることだが(そのまま地面にグシャリだけれど)空からヤンキーが降ってきたのは初めての事である。 驚いているのは錬次郎だけではないらしく、あれ程粋がっていた連中も突然現れた謎の少年に完全に言葉を失っていた。 「ったくよぅ。こんだけ兵隊集めて囲んでっから、どんな強ぇえ奴相手にしてんのかと思ったら、ただの弱い者いじめかよ。 強ぇえ奴なら俺が相手してもらおうと思ってたのに、これじゃまるっきり時間を無駄ねぇか、どうしてくれんだ、あ゙ぁ゙ん?」 聞いている錬次郎でも分るほどの全く持って理不尽な言葉を放ちながら、この状況に自ら飛び込んできた少年は目を見開き周囲に凄んだ。 息が詰まる。その小さな体のどこからそんな圧力が出ているのか、その威圧感は先ほどの総長の非ではない。 「……総長、こ、こいつアレですよ、最近噂の………」 少年の正体に心当たりがあったのか。 人壁を構成する暴走族の一人が少年を指さし震える声で言った。 「――――桜中の悪魔」 ざわめきが広がるのが錬次郎にも分かった。 人付き合いの少ない錬次郎は聞いたことがなかったが、界隈では有名なのかもしれない。 その名にどれほどの意味があったのか。 恐怖に震える物まで現れる始末だ。 恐怖に駆られた人は、冷静な判断力を失う。 気が動転した一人の男が目の前の恐怖を払拭すべく、持っていたバールのようなものを振り上げ、後方から少年の頭部を打った。 完全に不意を打たれたのか、頭蓋を叩く鈍い音が響き、直撃を受けた少年の体がぐらついた。 だが、少年は倒れることなく、足で地面を掴むようにしてその場に踏みとどまる。 割られた頭からドロリと赤い血が溢れだし、少年の顔面を赤く染めた。 そして、はっ、とどこか嬉しげに息を吐いて悪魔は血塗れで笑う。 同時にバールのようなものを持っていた男の体が吹き飛んだ。 この時錬次郎は初めて暴虐という物を見た。 錬次郎は暴力は嫌いだ。 それは常にその被害に晒される立場だったからである。 だが、その光景を見ていたとき、確かに彼の心は震えたのだ。 目の前で振るわれているこれが暴力だと言うのなら、これまで己が受けていた物は児戯に等しい。 何事においても全てを圧倒する存在という物を見たとき、人は否応なしに胸を高鳴らせてしまう。 その高鳴りに、他ならぬ錬次郎が戸惑った。 強さに憧れるなどという、まっとうな男としての感覚が自分に残っていた事に驚く。 まるでヒーローショーに目を輝かせる子供のように、錬次郎はその光景を見続けた。 そして戦いは終わった。 本当に錬次郎を助けようとした訳ではなかったのだろう。 一つの暴走族を壊滅に追いやった少年は、戦いが終わると錬次郎を見向きもせずその場を立ち去ろうと踵を返した。 「…………ま、待って!」 思わず、立ち去ろうとする少年を思わず引き留めていた。 「あ?」 まさか引き止められるとは思っていなかったのか、足を止めた少年は怪訝そうに視線だけで振り返った。 このまま行かせてしまえば二度と会えないかもしれない。 そう思ったらいつの間にか引き留めていた。 だが、引き留めたはいいが、何か考えがあった訳ではない。 このまま黙っていたら、立ち去ってしまう。 錬次郎は必死に質問を絞り出す。 「どうやったら…………君みたいに強くなれるんですか?」 そんな問いに少年は「強い?」と煩わしそうに小さく反復した後。 「……お前には、そう言う風に見えるのか」 錬次郎の質問に答えるでもなく、呟きのようにそう言って悪魔と呼ばれた少年は今度こそ振り返らず、その場を後にした。 その言葉が熱烈だった圧倒的な暴力よりも、どしてか記憶に焼きついた。 彼は覚えてもいないだろうけれど。 彼が忘れても錬次郎は覚えている。 その強さを、憧れを、錬次郎は覚えている。 どう見ても彼は強かった。 暴走僕を一人で壊滅できる暴力が強くなくて何なのか。 しかし彼は自分をそう思っていないように見えた。 彼の捉える強さと、錬次郎の言う強さは違うのか。 だとしたら、強さとは何なのか。 考える。 もし惚れ薬を飲んだのが錬次郎ではなく彼だったら、こんな事にはなっていないだろう。 仮に彼にあの圧倒的な暴力がなかったとしたらどうか。 それでも結果は違ったかもしれない。 分からない。 分かるのは錬次郎は弱く、何も現実を変えられないという事だけ。 弱者は全てを諦めて生きるしかないのだと、どうしようもない残酷な事実だけだった。 ■ 喜び勇んで喧嘩を売りに行ったりんご飴であったのだが、今現在どういう訳か戦うでもなく逃げるように走っていた。 身に纏っていたセーラー服は所々が焦げ落ちるように欠けて、もはやただの布きれといった風である。 それは服だけが溶ける液体を浴びせられた、という訳ではなく。 腕を振るだけで散弾のように強酸の飛沫を飛ばしてくる相手の攻撃を紙一重で躱し続けた結果こうなったと言うだけだ。 防弾仕様の特殊セーラー服ではあるのだが、防酸仕様ではなかったようである。 その背後を追って迫りくるのは、宇宙からの侵略者セスペェリア。 この舞台に切られたジョーカーの一枚である。 とは言え、彼女に殺し合いの進行のために積極的に動く義理も義務もないのだが、襲ってきた相手を笑って許してやるほど優しくもない。 襲ってきたのは別段興味をそそられる素体ではなさそうだった事もあり、スペェリアはりんご飴を殺す事になんの躊躇いも抱かなかった。 ボロボロの服でスペェリアに背を追われるりんご飴の様は敗走しているようにも見えるが、彼の名誉のために言っておくが、決してそう言う訳ではない。 勝敗はまだついてはいない。勝負は未だ継続中である。 走り抜けるりんご飴は森林に差し掛かったところでスライディングの様に低く地面を滑った。 りんご飴は逃げていたのではなく、事前に仕込んだワイヤートラップへと敵を誘導していたのだ。 木々の間に張り巡らされたワイヤーは光の加減で巧みに隠され、見事りんご飴の狙い通りに獲物は網にかかった。 駆け抜ける速度で踏み込めば八つ裂きにもなりかねないだろう。 だが、セスペェリアは何事もなかったように踏み込み、ワイヤーの檻をそれこそ幽霊のようにすり抜けた。 「ちっ! このっ、だったらぁ!」 舌を打ちながらりんご飴はディパックに腕を突っ込みその中にあるグランバラスの柄を掴む。 狙うは抜刀ならぬ抜斧。 ワイヤーを抜けてきた相手に、振り向きざま腕を振り抜いた。 しかしグランバラスの超重量を腕だけで振るうなど本来の持ち主であるガルバインですら不可能な事だ。 これを実現するために、ディパックの中に収めた道具の重量と質量を無視する不可思議な特性を利用する。 道具が表に出るまではその重量は無視される。 取り出すまでの一瞬の間に加速と勢いを稼ぎ、通常ではありえぬ超重量の超神速を実現させる。 振り抜かれた巨斧は、後方のワイヤーごとセスペェリアの体を一刀両断に切り裂いた。 いかに軟体であろうとも、完全に切り離されてしまえばどうしようもないはずだ。 だが、その予測も虚しく、上下に泣き別れた体は動きを止めず、ほぼ同時に渦を巻きながら水槍を突き放つ。 振り抜いた巨斧の慣性に振り回されるりんご飴はこれを躱せない。 ならばと、りんご飴は斧を止めるのではなくむしろ加速させ、もう半回転して地面に斧を叩きつけた。 そして巨大な刃の腹を盾にして水槍を防ぐ。 斧の側面に水槍がぶち当たり飛沫となって周囲に飛んだ。 何とか防げた事に息をつく暇もなく、周囲に飛び散った飛沫がまるで意思を持っているかのように蠢いた。 目ざとくこの動きを見逃さなかったりんご飴は、とっさの判断で重しにしかならないグランバラスを手放し、後方へと飛び退く。 同時にそれまでりんご飴がいた位置に幾重もの水の矢が雨の様に降り注いだ。 「くそ、何なんだ、こいつは!」 軟体、などと言う次元ではない。 ヒーロー、ボンバーガールのバディとして幾多の怪人、改造人間を相手取ってきたが、こんな相手は初めてだ。 動物などの実在生物を元にした第一世代。 神や幻想種などの非実在生物を元にした第二世代。 偉大なる者をモチーフとした最新の第三世代。 ブレイカーズにおける改造人間の分類、そのどれにも当てはまらない。 怪人や改造人間は人をベースにしている以上、ここまでの無茶は効かないはずである。 ここまで来ると、もはや『人』ですらない。 妖怪の類かと思ったが、その手の話に詳しい輩に茶飲み話で聞いた限りでは、こんな妖しの話は聞いた事がない。 完全液体生物。 出会い頭に首を切り裂いた時もそうだが。 切ろうが裂こうが分断しようがまるで手ごたえがない。 どうにも噛みあわない。 こういう手合いはストレスがたまる。 純然たる実力差こそあったものの、手ごたえのあった魔王の方がまだましだ。 あっちの方が楽しめた。 「彼方、弱いわね」 イラついているりんご飴の様子を嘲笑うかのように分断された体を結合したセスペェリアが言う。 勇んで挑んできたかと思えば、無様に逃げ回り弄するのは小細工ばかり。 単純な身のこなしも黒衣の男に遠く及ばない。 そうそう評価を下すのは仕方ないだろう。 だが、りんご飴は強さを求めてきたはずだ。 彼が弱いままで終わるはずがない。 「慌てるなよ水BBA。お楽しみはここからだ。りんご飴ちゃんの真骨頂を見せてやんよ」 遭遇戦が主であるこの戦場ではそのスタイルは生かしづらいが、りんご飴は基本的に徹底的に敵を調べ弱点を付く戦闘スタイルである。 これまでは相手の情報を収集するため、いわば戦闘の下準備をしていたに過ぎない。 無様に逃げ回っているように見えたところで恥や外聞などには拘らない。 そんなものに拘る人間なら、こんな生き方はしていない。 セスペェリアに対しては物理攻撃、特に斬撃は効果が薄い。 この手の生物の倒し方として核となる部分を見つけ出して破壊するというのが定石だろうが。 どうにもりんご飴の観察眼をもってしてもそういう物は見当たらなかった。 核があるのなら、先ほど両断した時に核のある方と無い方で動きに違いがあるはずである。 だが、上半身と下半身の動きは全くの等価。言うなれば全てが本体だった。 そうなると、取れる手段は一つ。 圧倒的に完膚なきまでに跡形もなく磨り潰す。 「例えば、爆破で消し飛ばす、なんてのはどうだ?」 そう言って、荷物から取り出したM24型柄付手榴弾をセスペェリアの足元へと投げつけた。 侵略の先兵たる彼女には地球の兵器の知識が粗方インプットされている。 それがなんであるかを瞬時に判断したセスペェリアは、咄嗟に手榴弾を踏みつけ自らの中に取り込むと、火薬に水分をしみこませ起爆を不発に終わらせた。 攻撃が不発に終わったりんご飴であったが、確信したように口を吊り上げニィと笑った。 なにせ、これまで攻撃を躱そうともしなかった相手が、手榴弾の爆破は事前に消し止めたのだ。 それはつまり、爆破は有効だと言っているようなものだ。 それを理解して、りんご飴はひょいと軽い調子で手持ちにある最後の手榴弾を惜しげもなく放り投げた。 今度は相手の足元に落とすのではなく、自分と相手の調度中間辺りにで爆発するよう調節して。 流石のセスペェリアも、距離が離れていては咄嗟に爆破を止める事は不可能である。 だが、同時にこの距離では有効打にはならない。精々爆風に怯む程度だ。 そしてその程度で十分だった。 爆発はただ目晦まし。 相手も弱点ともなれば決して無視できない。 爆破に注意を引いている間にりんご飴は人間大のマネキンを担ぐように盾にながら爆炎を凌いで、セスペェリアの懐へと入り込んだ。 その片腕にはバチィと乾いた音を響かせるスタンガンが。 相手が液体だと言うのならば電撃は弱点のはずである。 接近したりんご飴は盾にしていた形状記憶マネキンを放り投げると、電力を最大にした改造スタンガンをセスペェリアへと押し当てた。 液体を電撃が駆け抜ける。 「…………な、に?」 だが、電撃は通らなかった。 セスペェリアが咄嗟に体成分を作り変えたのだ。 水が電気を通すのはその成分にイオンが含まれているからである。 故に、不純物を含まない純水は電気を通さない 純水の生成など液体生物であるセスペェリアには容易い。 虎の子の手榴弾を使用した攻撃は失敗に終わり、セスペェリアの反撃が始まる。 襲撃が失敗した以上、懐に入り込んだりんご飴は餌食となるしかない。 アメーバが花開く様にりんご飴へと襲い掛かった。 「くぁああああ!!」 全身を酸の海に晒され叫びを上げてゴロゴロと転がるようにしてりんご飴は逃げ惑う。 その無様を見送るセスペェリア。 とどめを刺すべく、追撃の水槍を放とうとした所て、ふと気付いた。 逃げ惑うように転がり回るりんご飴の口元が勝利を確信したように吊り上がっていることに。 同時に足元に転がる焼けこげたマネキンに一本のナイフが突き立てられていることに気づく。 それは美しく光り輝く、クリスタルの様な透明なナイフだった。 そのセスペェリアの気づきに、りんご飴はもう取り繕う必要がない事を察して、俯きながら嗤って言った。 「―――――――どっか~ん」 瞬間。ナイフが爆発した。 ■ 武器製造を生業とする悪党商会では、幹部クラスの面々には特別にカスタマイズされた専用武器が用意される。 社長である森茂に『三種の神器』がある様に、開発部部長の半田主水には『スレッジハンマー』があり。 悪党商会情報部部長、近藤・ジョーイ・恵理子にも、専用武器『クリスタルジャック』がある。 ゴールデン・ジョイの放つ太陽光を蓄積して解放するという特殊デバイスである。 普通に使用する分にはただ切れ味の悪いナイフでしかないが。 その特性の応用性は高く、太陽光のみならず受けたエネルギーを吸収することができ、無論これも任意のタイミングで解放することが可能である。 りんご飴は爆風の盾となったマネキンにこれを刺す事により、爆発のエネルギーを吸収させ解き放ったのだ。 爆炎に巻き込まれたセスペェリアの体は爆発四散し、周囲一帯に飛び散った。 肉のないセスペェリアの体の痕跡は周囲に水たまりを幾つか作る。 だが、その状態になってもセスペェリアは生きていた。 地球外生命体であるセスペェリアは、生命体としての在り方が根本から違う。 人間で言うならば全細胞がそれぞれが生きているようなものだ。 全てに差はなく、全てが等価で、全てが彼女だ。 彼女を殺すには、10億2400万の細胞を例外なくすべて消滅させるしかない。 そうじゃなければ、死んだ細胞を破棄して、生きた細胞のみで再構築を行うだけである。 とは言え、今の爆破で細胞の60%が死亡してしまった この体積では人間体に戻ったところで子供程度の大きさにしかなれないだろう。 出来ることも制限がつく。 まったく厄介な事をしてくれた。 りんご飴。 弱いという評価は変わらないが脅威判定を更新する。 何をしてくる変わらない侮れなさがある。 相手がまだ爆薬を持っている可能性もあるし、何を隠し持っているのか分からない以上ここは引くのが正解だろう。 セスペェリアはりんご飴に気づかれぬよう、生きている細胞を再集結させる。 だが、一カ所だけ、りんご飴のちょうど背後に飛び散った少量のセスペェリアだけは回収せずその場に残した。 りんご飴はセスペェリアの生存に気づいていない。 最後にあいさつ代わりのお礼だけはしておくとしよう。 ■ 強さとは何か。 自らの弱さに嫌気がさしていた錬次郎はその問いについて、いつも考え続けていた。 そして、いつしか自分なりの答えにたどり着いた。 強さとは腕力や、まして権力ではない。 強さとは自らの意思を貫き通す力である。 例え世界一の腕力を持った人間であろうとも、自らの望みを叶えられないのならばそれは弱者であり。 ささやかでも自ら望んだ生き方を貫き通しいているのならば、それは強さだ。 そういう意味では、流され続けた錬次郎は、どうしようもない弱者である。 だからこそ、自らの中に初めて湧いたこの意思は。 彼女に抱いたこの恋だけは貫き通したいと願った。 走る。 愛に向かって錬次郎は走る。 走り抜けた道の果てで少女の、りんご飴の姿が見えた。 追いついた。 追いつくことができた。 その喜びに胸が満たされる。 何と声をかけよう。 今度こそ嫌われないようにしなくては。 そんな当たり前の男子のような甘酸っぱい思いが頭をよぎる。 その悩みも錬次郎には嬉しかった。 「あの――――――――」 声をかけようとしたところで、少女の背後で何かが太陽の光に反射して輝くのが見えた。 視れば、針の様に研ぎ澄まされた一本の水の槍が、少女を狙って蠢いていた。 「――――危ない!」 その軌道に割り込むように飛び出す。 レーザーの様な水流が投げ出した臓腑を抉った。 ■ 背後を振り向いたりんご飴が見たのは、水槍に貫かれる錬次郎の姿だった。 水槍の正体など考えるまでもない。 「なっ!? テメェ、生きて」 りんご飴が辺りを見渡し見つけた時には、既にセスペェリアの体は遠く離れていた。 小学生ほどの体格になっていたが間違いない。 恐らく、錬次郎を貫いた一部だけがここに残っていたのだろう。 「ちっ!」 これだけ離れていては追跡は困難だろう。 りんご飴は舌を打つと、気を取り直し自らを庇って倒れこんだ錬次郎へと向き直る。 「よう。錬次郎、元気かい」 この呼び声に応えるように、錬次郎は痛みで歪む顔を緩ませ力なく笑った。 「…………よかった、無事だったんだね」 自分の傷よりも助けられたことがうれしいと言った様子である。 そんな錬次郎をりんご飴は怪訝な目で見つめる。 それもそうだろう、りんご飴からすれば錬次郎は叩きのめして荷物を奪った相手だ。 恨まれる理由はあっても心配される理由も助けられる理由もない。 「ま、一応礼は言っとくぜ。助けられた借りは返す」 そう言ってりんご飴は荷物から二つの薬を取り出した。 「自分は助かるが他人を三人ほど殺さなくっちゃならない薬と、化け物になっちまう代わりに効果は絶大って薬がある。 まあお前の荷物からいただいたものだから知ってるか。選ばせてやるよ、どっちがいい?」 選択を迫る。他者を犠牲にするのか、自己犠牲か。 この普通の少年がどちらを選ぶのか少しだけ興味があった。 「いや…………僕よりも、まず君の怪我に使ってくれ…………」 「あん?」 そう言えば、懐に忍び込んだ際に酸の海を浴びた時に受けた傷があった。 確かに多少痛むが、致命傷と言うほどのものはない。 「この程度、大した傷じゃあねぇよ。 それに俺ぁもう三人殺さなきゃならねぇ薬の方を使っちまってるからな これは一度きりしか効かない薬だって話だ、使いようがねぇよ」 そう、とそのりんご飴の言葉を聞いて、錬次郎は何かを考えるように仰向けのまま空を見た。 「それで、どっちを選ぶんだ錬次郎」 りんご飴の問い。 その問いに。 「…………だったら、だったら僕は…………君の為に死にたい」 「――――――――――」 その答えに、りんご飴が言葉を呑んだ。 三人殺さくちゃ死んでしまうりんご飴のために、この命を使いたいと言っていた。 これ以上ない程熱烈な愛の告白だった。 そう言えば、最初に会った時もそんな事を言っていたかと、嘘と切って捨てた愛の言葉を思い出す。 「いいね、今のは少しグッと来たぜ」 そう言って、りんご飴は錬次郎の唇に自らの唇を重ねた。 性別にこだわる性質でもない、ドキドキさせてくれるやつは大好きだ。 情熱的なキスは名残惜し気な糸を残して離れた。 「お前の望み叶えてやるよ」 そう言って、りんご飴はサバイバルナイフを取り出す。 成立を望まず、愛されることを恐れる錬次郎の恋愛観が成就するには愛に準じて死ぬしかない。 他人の愛だの恋だのに振り回さる人生だった。 ならばせめて、最期くらいは自分の愛に殺されたい。 流されるだけの人生だったけれど、この愛だけは貫き通す事が出来た。 それが、少しだけ誇らしく思えた。 【三条谷錬次郎 死亡】 【E-9 草原/日中】 【りんご飴】 [状態]:疲労(中)、全身に火傷 [装備]:クリスタルジャック、ただの布きれ [道具]:基本支給品一式×3、鍵爪、サバイバルナイフ、超改造スタンガン、お便り箱、デジタルカメラ、ブレイカーズ製人造吸血鬼エキス、ハッスル回復錠剤(残り2錠) [思考・行動] 基本方針 殺し合いの中でスリルを味わい尽くす。優勝には興味ないが主催者は殺す 1 ディウスと空谷葵を殺す 2 参加者のワールドオーダーを殺す。 3 ワールドオーダーの情報を集め、それを基に攻略法を探す ※ロワに於けるジョーカーの存在を知りましたが役割は理解していません ※ワールドオーダーによって『世界を繋ぐ者』という設定が加えられていました。元は殺し屋組織がいる世界出身です 【クリスタルジャック】 悪党商会幹部、近藤・ジョーイ・恵理子の専用武器。 エネルギーを蓄積して解放することができる特殊デバイス。 見た目はクリスタルで出来た透明なナイフだが、ナイフとしての切れ味は悪い。 【E-9 草原/日中】 【セスペェリア】 [状態]:体積(40%) [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、電気信号変換装置、地下通路マップ、ランダムアイテム0 #65374;4、アイスピック [思考・行動] 基本方針 ジョーカーとして振る舞う 1 次の調査対象を探す 2 ワールドオーダーと話をする ※この殺し合いの二人目のジョーカーです ※小学生の様な大きさです 120.悪魔を憐れむ歌 投下順で読む 122.三人寄れば文殊の知恵 時系列順で読む CROWS/WORST りんご飴 炎のさだめ ジョーカーVSジョーカー? セスペェリア インベーダー 彼にとっての恋は、 三条谷錬次郎 GAME OVER
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◇ 「こ、これが『モノレール』!?」 「これは…何とも奇怪な……」 駅で待つこと、数分―――対岸より天井に敷かれた線路を伝い、駅構内に到来したのはモノレール。 そのスケールに圧巻されるムネチカとライフィセット。 現代社会においては、さぞ珍しくもない乗り物ではあるが、二人が元いた日常では、このような電動の大型車両は普及していない。 尤もムネチカの世界では、先代の旧人類こと『大いなる父』(オンヴィタイカヤン)の時代には珍しくもない代物だったはずだが、それはまた別の話。 プ シ ュ ― ! と自動ドアが開くと、ライフィセットは雪崩れ込むように、モノレールの中へと駆け込んだ。 「待たれよ、ライフィセット殿! もう少し警戒を―――」と、ムネチカも慌ててこれに続く。 未知との遭遇に、ムネチカは気を引き締めるが、彼女とは対照的に、ライフィセットは、「うわぁ〜!」と感嘆の声を上げ、車内を探索する。 少年のエメラルド色の瞳はキラキラと輝いている。 「まもなく、発車します…」 発車ベルと同時に、μの無機質な声が木霊すると、車両は対岸に向けて動き出した。 「わぁ動いた! 凄いよッ、この乗り物! どんな仕組みで動いてるのかなぁ? あっムネチカ、海だよ、海ッ! 海に出たよッ!」 「う、うむ。そのようだな」 二人を乗せた鉄の方舟は、駅を後にすると、直ぐに海上エリアへと飛び出す。 ライフィセットは、この大型車両の運行に、えらく感激したようだ。 興奮気味に窓に手を押し当て、車外の景色を楽しんでいる。 無邪気にはしゃぐライフィセットを見て、ムネチカもまた頬を緩ませる。 好奇心に満ちた少年の姿は、殺し合いの真っ只中にあるということを忘却させるほど、底抜けに眩く、『ヤマトの盾』とうたわれた武士(もののふ)の心を和ませるに足るものであった。 (ここは海上…。であれば、敵からの襲撃はありえぬか……) ライフィセットの愛らしい姿によって、幾分と緊張の糸がほぐれたムネチカは、ふぅ…と短い溜息とともに座席へと腰掛ける。 デパートを出てからは、常時気を張り詰めていたムネチカにとって、これは束の間の休息と言えるだろう。 相も変わらず窓の外の世界に夢中なライフィセットを微笑ましげに眺めながら、ムネチカは今後のことを思案する。 (聖上…何処(いずこ)に……) 殺し合いが始まって、ここまで接触した他参加者はライフィセットのみ。 デパートを出発してからここに至るまで、誰一人として遭遇することはなかった。 殺し合いに乗った人間に襲撃されることはなかったという点を鑑みると喜ばしいことではあるが、その反面、アンジュを始めとした自身の仲間達やライフィセットが探す人々の情報は掴めておらず、手掛かりがないのが現状だ。 もう暫くすると、会場にも日が昇り、「放送」なるものが始まると聞いている。 時間は着実に流れていっているというのに、知り合いはおろか、他の参加者の情報すら得られていないのは、好ましい状況とは言えない。 否―――思い返せば、気になるものは一点だけ発見していた。 (志乃乃富士……) デパート内で、四角い箱に映し出された“アレ”は一体なんだったのだろうか。 聖上に献上せんと拝借した書物に描かれた「志乃乃富士」が、穢れを知らないライフィセットには到底見せることのできない、いかがわしい行為を行なっていた。 ムネチカには高度な術式の知見はない。 したがって、ここからは先は完全な推測となる。 仮に、あの四角い箱が高度な術式で動く代物で、逓信衆(ティリリャライ)が使用する念話よりも高度な術式を応用し、何処の光景を即時的に伝達する類のものだとしよう。 だとすれば、アレを見せつけてきた術者は一体何者だろうか? 箱の中で嬌声を上げていた「志乃乃富士」か? それとも第三者の手によるものか? また、その目的も測り知れない。 アレを、我々に披露して一体何となる? 術者に一体何の得があるというのだ? (―――やはり、小生の浅い思慮では、考察に限界があるな……。かような時、オシュトル殿がおれば、皆が納得する答えを導いてくれるやもしれぬが……。) 何れにせよ、前途多難か…と、ムネチカは再度溜息をつきながら、頭を抱えて、現状を憂うのであった。 ◇ 所変わって、ここはテレビ局の主調整室(マスター・コントロール・ルーム)。 その機械の前に張り付く黒髪の少女が一人。名前は佐々木志乃。 志乃は、公共の電波に自身の痴態を晒されたことを知り、その原因を突き止めんと、こうしてテレビ局に戻ってきた。 唐突に降り掛かった理不尽に対して、志乃の心は、羞恥と怒り―――そしてそれ以上に、焦燥に満ちていた。 (もしも、アレが―――あかりちゃんの目に留まりでもしたら……きっと、あかりちゃんに嫌われちゃう……) 志乃はこの殺し合いにおいて、アリア以上の戦果を挙げて、あかりの心を鷲掴みにすることを目論んでいた。 しかしそれ以前に、自分の変態行為を、あかりに見られてしまい、ドン引きされてしまっては元も子もない。アレが原因で絶交なんかされたら、死んでも死にきれない。 故に志乃は、焦っていた。 元はと言えば、身から出た錆ではあるのだが、あいにくと焦燥する志乃には、そこまで考える理性は残っていなかった。 「何でッ!? どうして、止めることが出来ないよのぉッ!!」 志乃は、キーボードから手を放すと、苛立ちと共に、その拳を机に叩きつける。 局内を探索すること小一時間。放送をコントロールするコンピュータを発見はした。 しかし、放送を止めようとコンピュータを弄るものの、放送内容のキャンセルは受け付けられなかった。横に添えられているマニュアルによると、一度配信設定された内容は、何があってもキャンセルは受け付けられないとのことだ。 したがって、志乃のあかりちゃん行為は第一回放送が始まる午前六時までは、配信され続けることとなる。 コンピュータ自体の破壊も考慮したが、マニュアル曰く、コントロールパネルが破損しても、設定された放送の内容が中断されることはないとのことだ。 (そ、そんな……) 悲観に暮れ、絶望する志乃。 配信を止められない以上、もはや、あかりがあの映像が触れないことを祈るしかない。 もしくはあの映像について弁明する配信を行うという案も、一瞬思いついたが、そもそもあの行為に弁明できる余地など存在しなかった。 (―――あの二人……!!) ここで志乃の脳裏に浮かんだのは、警備室の映像アーカイブに映っていた二人の参加者の姿であった。 志乃は主調整室の前に、警備室にも訪れていたのだが、其処で過去の映像アーカイブを確認。自分と同じ時間帯に、局内には他に二人の参加者がいたことを知った。 マニュアルによると、テレビ局が流す配信の設定は、この殺し合いの参加者のみが行えるという。 となれば、あの志乃の痴態を配信したのは、過去にテレビ局にいた、あの二人組だという結論に至る。 何が目的でアレを垂れ流したのかは不明だが、悪意を以て行ったのは間違いないだろう。 特にあの怪しげなマスクを被った参加者については、怪しさ満点だ。 (もしも、鉢合わせることがあれば―――その時は覚悟してもらいますからね……) 志乃は激情をどうにか抑え込み、諸悪の根源と思わしき二人組への復讐を誓う。 主催者による、第一回放送が始まったのは、それから間もなくのことであった。 ◇ 『それでは皆様、次は正午の放送でまたお会いしましょう、ご機嫌よう〜。』 テミスと名乗った女による告知が終わると同時に、μと呼ばれた白の少女が歌を奏で始める。 破壊衝動と闘争。人間の心の奥底にあるドス黒いものを煽るような歌詞。 先程出会った「茉莉絵」なる少女の姿を彷彿させるようなその曲調に、ジオルドは不快感を覚えながら、テミスの放送内容を回顧する。 「君は先に逝きましたか、キース……」 キース・クラエス―――カタリナ・クラエスの義弟。 彼もまた、ジオルドと同様にカタリナに魅かれる者の一人であり、何かにつけてジオルドとカタリナが二人きりになる機会に割って入り、妨害してきた。 「いい加減、姉離れしてはどうですか?」と苛立ちとともに牽制すると、「いやいや、姉さんに、もしものことがあってはいけませんから」と笑顔で返してくる。あのやり取りが遠い昔のように感じた。 彼のことだ。この殺し合いの場でも、幼き日より慕う姉のために奔走したに違いないだろう。 正直疎ましいと感じることも多々あったが、彼もまた、カタリナと過ごす色彩に溢れた日常の一部であり、幼き日よりの友人であることに違わなかった。 だからこそ、彼の死にジオルドは心を痛めた。 「―――これからどうしましょうか……」 人を人だと思わず、悪意を撒き散らかすあの少女から逃げるように、南下してきたジオルド。 13人という数値が示すように、ジオルド以外にも、殺し合いに乗っている参加者は多々いるようだ。 事実、ジオルド自身も『産屋敷邸』の一同を襲撃した白い少年とその同伴者や、同行者を愉しげに虐殺したあの少女を見てきた。 こと人数を減らすことに関しては、彼女らのような積極的に殺し回る連中に委ねて、ジオルドは殺せそうな人間は間引いていき、強大な敵がいようならば、無理はせずに彼女らにぶつけていくのが得策ではないだろうか。 「ははっ―――結局のところ、僕が辿るのも、彼女と同じ血塗られた道という訳ですか」 ふと振り返り、如何に効率よく人殺しを行い、優勝を目指すべきか模索する自分自身に乾いた笑みを零した。 その瞳は、カタリナ達と過ごしたあの日々のように煌くことはなく、濁りきり、まるで幽鬼の如く、南方の方角を見据えるのであった。 ◇ H-6にある所謂埠頭エリア。周囲には無数の荷役機械やコンテナが散見される、この何とも殺風景な場所を横断するのは二つの人影。 人生初のモノレール体験を経て、興奮冷めやらぬ様子のライフィセットは、ムネチカを伴って、ウキウキした足取りで、バンエルティア号を目指していた。 『参加者の皆様方、ご機嫌よう』 ……しかし、唐突にその瞬間は訪れた。 午前六時の到来と同時に、第一回放送が始まる。 まるで愛玩動物に言い聞かせるような口調を以って。底なしの悪意を孕みながら。テミスは、死亡者の名前を告げていく。 「エレ、ノア……?」 エレノアが死んだ―――。 彼女の名前が告げられた時、ライフィセットの思考は掻き乱された。 死亡者の告知が終わっても、尚も放送は続くがライフィセットにとって、それは「ノイズ」に過ぎなかった。 本来は「器」たるエレノアが死んだ場合、ライフィセットの業魔化を抑制するものは無くなってしまう。 その場合は暴走が懸念されるが、今のところライフィセットが、ドラゴンに化けるような片鱗は見せていない。 尤も、ライフィセットはこの会場に来てから、エレノアとの繋がりを感じとることはなかった。何らかの力によって、そういった類の理は掻き消されているやもしれない。 だが、今のライフィセットにそのような理性的な考察は出来ない。 かけがえのない大切な仲間―――エレノア・ヒュームが死んだ。 ただその事実だけが、ライフィセットの心にスッポリと穴をあけた。 生真面目で優しかったエレノア。 ライフィセットが思い悩んだとき、何かと気遣ってくれて、真摯に相談に乗ってくれていたのも彼女だ。 涙が溢れてくる。これが【大切な人を亡くす】という感覚なのだろうか。 もう二度と彼女と会話をすることも、笑い合うことも出来ないと思うと、心が張り裂けそうになる。 やがて「ノイズ」は止んだ。ライフィセットの周辺は静寂に包まれる。 強いて言うならば、涙を流すライフィセットの嗚咽が虚しく響いているくらいだった。 その他は、一切の無音であった。 悲しみに暮れるライフィセットであったが、とある違和感に気付く。 それをトリガーとして、まるで靄が晴れるように、その思考は現実へと引き戻される。 ―――いくら何でも静かすぎる。 その違和感の正体を探るべく、ライフィセットは背後へと振り返る。 「―――っ!? ムネチカっ!!?」 ライフィセットは目を見開く。 そこには、白銀に光る刃を自らの腹部に突き立てんとするムネチカがいた。 彼女の表情にもはや生気はなく、その瞳は淀んでいた。 「何やってんだよ、ムネチカっ!?」 慌てたライフィセットは、ムネチカに飛び付き、果物包丁を握る腕を抑え込もうとする。 が、ムネチカもまた抵抗。揉み合いとなる。 「放されよッ、ライフィセット殿! 聖上はお隠れになられた――小生は務めを果たすことができなかったのだ……! この失態、命を以って償うしかありえませぬッ!」 「駄目だよ、そんなのッ!」 「小生は身命を賭して聖上をお護りすると誓った……。 だが、その聖上が危機に瀕していたにもかかわらず、小生はそれを察する事もできず、うつつを抜かしていたのだ……! これを生き恥と評さず、何とするかッ! 武士(もののふ)として、小生はこれ以上の、生き恥を上塗りすることなどできぬッ!」 不甲斐ない己自身への憤怒、嫌悪、後悔―――感情を爆発させたムネチカが、力を込めて腕を振り払う。 ヤマトにその者ありと言わしめた女傑の腕力に、ライフィセットの小さな体躯は、ボールのように弾かれ、地面をバウンドする。 「ぐぅぅ……」と呻くライフィセットの姿に、申し訳なさを感じたムネチカは眉根を寄せる。 「―――すまぬ、ライフセット殿……。」 ポツリと懺悔の言葉を漏らし、再度両の手でナイフを天高く突き上げ、今度こそ、自らの腹部に突き刺さんとするのだが。 「……霊子解放! 仇為す者に―――」 「なっ!?」 途端に、ムネチカの周囲に霊力の鎖が出現し、その身体を拘束する。 ライフィセットは折れていなかった。尚も立ち上がり、術式を展開している。 「秩序をもたらせ! バインド・オーダー!」 「がはぁッ!」 ライフィセットが掌底で解き放つと、今度はムネチカの身体が真後ろへと吹き飛ばされ、コンクリートの地に転がる。 その掌からは果物ナイフが零れて、ライフィセットはそれを拾い上げる。 「これは預からせてもらうよ、ムネチカ……」 「ライフィセット殿……。何故―――何故ッ! 小生の邪魔をするッ!? 小生にはもはや生きる意味など―――」 「うるさい、だまれえっっ!!」 「…っ!?」 予想だにしなかったライフィセットの剣幕に、ムネチカは圧倒され、口を噤む。 「エレノアが死んだんだ! 僕に優しく接してくれた大切な仲間(ひと)が! 僕はこれ以上、誰かを失いたくないっ!!」 「ライフィセット殿……」 「出会って間もないけど、僕はムネチカも失いたくない―――ムネチカに『生きること』を止めてほしくない! ムネチカが絶望したって知るもんか!!」 少年は、ボロボロと溢れる涙を拭い、顔を真っ赤にして訴える。 一言で言ってしまえば、これはライフィセットの我儘。 ムネチカは主人を失い絶望。文字通り、生きる意味を見失っている。 そんなムネチカに、ライフィセットは無理矢理に立ち上がれと促しているのだ。 「―――小生に、これ以上の生き恥を晒せと……、そう申されるのか……?」 「ムネチカは本当にこれで終わりで良いの!? 亡くなったアンジュさんは、ムネチカにこんなことを望むような人なの!?」 「……っ! 小生は―――」 出会って半日も経っていない少年を相手に、ムネチカは言葉を詰まらせる。 そして、逡巡する。主君を失ってしまった武士(もののふ)の今後の在り方についてを―――。 ◇ 一悶着の後、ムネチカは思い詰めた様子で「暫し、猶予をいただきたい」と申し出た。 ライフィセットは「分かった、待ってるから」と返して、鎮座するムネチカを残し、周辺の探索に出掛けた。 じっくりと己と向き合って、「生きる意味」を見出して欲しい―――そんな希望から、ライフィセットは彼女を一人にした。 振り返ってみると、ムネチカには酷なことを言ってしまったかもしれない。 だけど、彼女には死んで欲しくない―――そう強く思ったからこそ、感情を爆発させて我儘をぶつけた。 「そういえば、あの時もそうだったなぁ…」 ふとライフィセットの脳裏に浮かんだのは、池脈空間での出来事。 全てに絶望して、カノヌシに喰べられようとしたベルベットを連れ戻したあの時も、頭に血が上った。 「ベルベット……」 思い返すうちに、自ずと少年の口からは、彼女の名前が漏れた。 ライフィセットが、護り抜くと誓った大切な人。 彼女は今どこで何をしているのだろうか。 エレノアの死も相まって、彼女の安否が心配になってくる。 そうこう考えながら、ぶらついていると、前方のコンテナの影から一つの人影が飛び出して、ライフィセットとバタリと遭遇する。 「……っ!?」 「―――今度は子供ですか……」 「ええっと…貴方は……?」 ライフィセットが見上げるは、如何にも身分の高そうな衣服を見に纏う、金髪碧眼の青年。 端正な顔立ちではあるが、心なしか、少しやつれているようにも見える。 青年はライフィセットを値踏みするように、じっくりと見つめる。 「僕は、ジオルド・スティアートと言います。君の名前は……?」 「ライフィセット…です……」 「どなたか同伴されている方はいないのですか?」 「今は一人だよ」 「そうですか……」 ライフィセットは、あえてムネチカの情報を伏せた。 今は一人にしてあげたいから、というムネチカへの気配りによるものだった。 ジオルドは濁った眼差しを向けたまま、沈黙。無言の圧が暫く続いて、ライフィセットは困惑する。 「あの―――」と言い掛けたところで、ようやくジオルドは口を開くが、それは思いも寄らない内容だった。 「ライフィセット……予め断っておきますが、僕はこの殺し合いに乗っています」 「えっ?」 「そして、僕はこれから貴方に襲いかかります。 殺されたくなければ、抵抗してください」 目を丸くするライフィセット。 しかし、少年に驚く暇はなかった。 次の刹那―――その幼い身体を焦がさんと、紅色の炎が差し迫る。 冒険で刷り込まれた戦闘経験から、反射的に後方へと跳躍して、これを回避し、事なきを得る。 「―――その反応……。ただの子供ではなかったということですか」 「ジオルド、どうして!?」 「無駄口を叩くつもりはありませんッ!!」 ジオルドは会話に応じるつもりはない、ただ目の前の障害を排除すべく魔力を駆使―――再び紅蓮の嵐が生じて、ライフィセットに襲い掛かる。 「白黒混ざれ! シェイドブライト!」 しかし、ライフィセットもやられっぱなしとはいかない。 詠唱とともに、聖隷術を展開―――光の弾と闇の弾が交わりながら放出。 二つの弾は、そのままジオルドの炎と正面衝突を果たして、轟音とともに大爆発が生じる。 (やはり…彼もまた、一筋縄とはいきませんか……!) ジオルドは苦い表情を浮かべつつ、潮風に揺れる爆煙を眺める。 これまでジオルドが遭遇してきた参加者が曲者揃いだったこともあり、一見大人しそうなライフィセットもまたその類の者ではないかと予感はしていた。 それでも、何の罪もないような少年に不意打ちで殺しに掛かるのは、心苦しかったため、前もって警告を発した。 もしかすると、この非合理的な行動には、殺し合いを嬉々として楽しむウィキッドの姿を目の当たりにした影響もあったかもしれない。 自分は彼女とは違う―――それを自分自身に言い聞かせるための行動であったということは否定できない。 しかし、その結果がこの有様だ。 虚を突けばあっという間に討ち取れていたかもしれないのに、こうして厄介な戦闘へと招いてしまった。 (本当に、何をやっているんでしょうね、僕は……) ジオルドは、自らの体たらくを心中で自虐する。 しかし、その思考は、黒煙の向こう側の声によって打ち切られる。 「聖泡散り行き魍魎爆ぜよ―――」 (来るっ……!!) 少年の攻撃に備えて、ジオルドも魔法を発動。 炎を腕に纏い、迎撃に備える。 「セイントバブル!」 「っ……!」 煙の彼方から現れたのは、浮遊する四つの大きな水泡であった。 それぞれの水泡は、まるで生き物のように、ジオルドを飲み込まんと差し迫る。 (水の魔法……!? 成る程、僕の炎を殺しに来ましたか……!) 古来より、火を鎮めるのに用いられてきたのは水である。 相性の良い属性の魔法を使って攻めてくるのは、定石通りの戦略と言ってよいだろう。 だが、それでもジオルドは退くわけにはいかない。 「はぁあああっーーー!!!」 ありったけの魔力を込めて、眼前に聳え立つ水の塊を突き破らんと、炎を撃ち込む。 愛する者と平穏な日々に戻るため、魔法の相性などで、臆するにはいかない。 ジオルドの執念が宿った火の渦は、水泡に直撃。水泡はたちまち四散する――― だが……。 「なっ……? ゴハァッ……!!」 破裂した水泡から、小さく細かい無数の水泡が弾け飛び、弾丸のような速度で、ジオルドの身体を撃ち抜いた。 セイントバブル―――ライフセットが展開したそれは、ある種の破片手榴弾。 大きな泡を発生させ、それを破裂させることにより、攻撃する上級譜術である。 無双の水の弾丸は、ジオルドの華奢な体に穴をあけさせるほどのものではなかったが、その威力を侮るなかれ。国の次代を担う王子の身体は、ボロ人形のように宙に舞い、地面にグシャリと落下する。 その衝撃は内臓にも達したのだろうか、ジオルドは口からゴボリと盛大に吐血する。 「ごめんね、ジオルド。でも僕は死ぬ訳にはいかないんだ……」 倒れ伏せるジオルドの元に、ライフィセットは駆け寄る。 苦しそうに息をするジオルドと、それを気遣うライフィセット。 二人の視線が交差する。 「僕を…殺しますか……?」 「ううん、そんなことはしないよ。だけど、拘束はさせてもらうようよ。 そして、聞かせて欲しい。何故ジオルドがこんなことをしているのかを」 ライフィセットは、申し訳なさそうな表情を浮かべつつ、ジオルドの身体を引き起こそうとした。 ダメージの深刻さが伺える身体に負担を掛けないよう、出来るだけゆっくりと。 ズ ブ リ 体内に侵入した異物感を知覚したライフィセットは、自身の腹部に視線を落とす。 そして、ジオルドが突き立てた先端の尖った凶器が、自分の中に深く突き刺さっていることを視認した。 「えっ…ぁっ……?」 「―――本当に甘いですね、君は……」 凶器が引き抜かれると同時に、ライフィセットは引力に引っ張られるように、バタリと倒れる。 そんなライフィセットをジオルドは冷ややかに見下ろす。 (だめだ……ちから……出ない……) 歯を食い縛り、立ち上がろうとするも叶わず。 回復術式も展開できず、意識が遠のいていく。 「さようなら、ライフィセット……僕を恨んでくれて構わない」 決着を確信したジオルドは、痛む身体を引き摺るような形で、ピクピクと痙攣するライフィセットに背を向け、歩き出す。 その手元に握られる凶器は「どくばり」。本来は霧雨魔理沙に支給されたものであるが、 巡り巡って、今はジオルドの手元にある。 説明書には 「稀に致死量の毒を流し込こみ、対象を猛毒状態にすることがある。 猛毒状態となった対象は、6時間以内に解毒しないと、死に至る。」 と書いてある。 致死量の毒が流し込まれるとのことだが、成る程、効果に偽りはないようだ。 打ち込まれた当人は、直ぐに脱力し虫の息となっていた。 「ライフィセット殿ッーーー!!!」 唐突に、ライフィセットのものでもなく、ジオルドのものでもない、第三者の悲鳴に近い叫びが木霊した。 ジオルドは背後を振り返る。 そこには、ぐったりとしているライフィセットを抱き寄せる、仮面を装着した女性がいた。 ◇ 時は少し遡る。 ライフィセットが去ってから、ムネチカは目を瞑り、コンクリートの上で鎮座していた。 防波堤に寄せる波の音をBGMにして、今後の在り方について見つめていた。 主君と仰ぐアンジュが死んだ。 先代の帝の時代より、アンジュの教育係として、彼女を導き、守護ることを己が使命としていたムネチカにとって、彼女の存在は絶対的な存在であった。 その彼女が亡くなり、ムネチカは使命を失い、心にすっぽりと穴が開いてしまった。 生きる意味を見失ったムネチカは、自害を選んだが、ライフィセットはそれを許さなかった。 では、これからどうするべきか。 この催しの主催者は、死者を蘇生させることが可能と言っていた。 現に、死んだはずのマロロやヴライが参加者として名を連ねていることから、その言葉には真実性を帯びていた。 では、アンジュを蘇生さるべく、この殺し合いに乗るべきか。 否―――ムネチカは臣下である前に、一人の武士(もののふ)である。 忠節を尽くすために、外道に手を染めるようなことはあってはならない。 「それでは―――小生は何を為せばよいのだ……」 ムネチカは、眉間にしわを寄せて、更なる自問を続けるが。 ヒ ュ ン ! と風を裂く音が聞こえた瞬間に、正座の体勢を解いて、後方の宙へと翻った。 「あら残念、あまりにも隙だらけだったので、手っ取り早く斬れるかと思ったのですが……」 「―――無粋であるぞ……。むっ貴殿は……」 突然の襲撃者に、ムネチカをさらに顔を顰めて、臨戦態勢を取る。 しかし、妖しく光る刀を掲げる、その襲撃者の面貌には覚えがあった。 「志乃乃富士……」 「……しのの…何ですか? ―――まあ良いわ、先程は失礼しました。 お聞きしたいことがあって、少しお話しをさせていただいても宜しいでしょうか?」 「生憎と小生、ヒトの寝込みを襲うような俗物と、言葉を交わす器量は持ち合わせておらぬ」 「まぁ…そうなりますよね……」 ―――しくじった……。 襲撃者の志乃乃富士こと、佐々木志乃は、ムネチカと睨み合いをしつつ、内心で舌打ちをする。 志乃としては、ムネチカに特段殺意があって、斬ろうとした訳ではない。 妖刀・罪歌でムネチカを支配下において、彼女が知っている情報を提供してもらうのを目論んでの行動であった。 支配下にさえ置いてしまえば、仮にムネチカが殺し合いに乗っていれば、それを無力化することも可能だ。更にそこから、嘘偽りない情報を迅速に得られることになり、運が良ければ、そこからあかりに関する情報を得られるかもしれないからだ。 志乃があかりの探索に逸るのには理由がある。 それは、先程の第一回放送で発表された、十三名という死亡者数。 この数字は、志乃の想定を遥かに上回る数であった。それだけこの殺し合いに乗っている参加者が多いことを意味する。 あかりは武偵ではあるが、未だ危ういところが多々ある。 だからこそ、早急に合流して、もしものことがないように身辺を警護しなければならない。 だからこその行動であったが、結果はこの有様―――完全に裏目に出てしまっている。 相手側からしても、唐突に斬りかかってきた志乃に対する心象は最悪だろう。 (誤解を解くのも、至難の業ですね……。ならばっ!) 「……っ!」 ここは話し合いよりも、罪歌で斬ってしまったほうが手短に収めることができると結論づけ、志乃は交戦の意思を固め、ムネチカの元へと駆け抜ける。 そして、一気に懐へと滑り込み、その胴元へと妖刀を振るう。 しかし。 「―――遅いッ!」 ムネチカは斬撃を難なく躱すと、お返しとばかりにカウンターの右拳を振るう。 ムネチカの拳は、志乃の頭蓋へと差し迫る。 志乃も上体を反らし、これを回避するがーーー。 「きゃあっ!!」 直撃は避けたものの、ムネチカの拳によって生じた風圧は想像を絶する者であった。 まるで突風が吹いたかのようなその圧力に、志乃の華奢な身体はものの見事に後方へと吹き飛ばされ、コンテナの壁に衝突する。 「ガハっ……!」 「生憎と小生、今は気が立っているが故、加減を知らぬ…」 混濁する意識をどうにかつなぎ止め、前方に視線を送る志乃。 しかし、其処にはムネチカはいない。 「覚悟めされよ、志乃乃富士ッーーー!!」 上空から降りかかる声に反応して、見上げると拳を突き立て、突貫してくるムネチカの姿があった。 「っ……!」 志乃は退避。 ムネチカの拳は、勢いそのままコンテナへと突き刺さる。 その刹那。 ガゴンッ!とド派手な衝撃音とともに数トンはあるであろう、コンテナはその拳の威力によって横転し転がった。 その様子をゴクリと生唾を飲んで、目の当たりにする志乃。 瞬間、志乃の脳内で、声が反芻された。 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 目の前の女 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 人間ではない 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 化け物 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 想定外の事態に対する恐怖と焦燥により、ピンと張りつめていた志乃の精神は、罪歌の干渉を許してしまい、彼女の中は妖刀の警鐘で溢れ返る。 「化け物……。」 そんな罪歌の声に釣られるような形で、ポツリと言葉を零す志乃。 ムネチカは志乃へと振り向き、更なる追撃をせんと、身構える。 しかし、その瞬間。 ド ゴ ォ ン ッ ! ! 明後日の方向から凄まじい爆発音が生じた。 呆気にとられるムネチカと志乃。 しかし、ムネチカは唐突にハッとした表情を浮かべて、慌てた様子で、その音源の元へと飛び立った。 唖然とその後ろ姿を見送る志乃をポツリと残してーーー。 ◇ ムネチカは焦燥して、爆音が鳴り響いたその場所へと駆けつける。 焦燥に揺らぐその瞳は、疎らな炎と黒煙が生じる一帯にて、先程自分を叱咤してくれた幼い少年が倒れていることを認めた。 「ライフィセット殿ッーーー!!!」 倒れているライフィセットに駆け寄り、抱き寄せる。 しかし、当人は目を瞑り、苦しそうに呻き声を上げるだけ。 と、そこでムネチカは、自分たちを凝視する視線に気付く。 こちらを振り返るような形で凝視する金髪の青年。 高貴な装束を身に纏っているが、その実はボロボロ。 その手には、鮮血が付着した大針のようなものが握られている。 状況を鑑みて、誰が下手人なのかは明らかだった。 「貴様かぁッーーー!!!」 激昂するムネチカ。ライフィセットを横たえると、拳を握りしめ、下手人たるジオルドへと詰め寄ろうとする。 そんなムネチカの様子を見て、ジオルドはふっ、と嘲笑を浮かべた。 「何がおかしいっ!!」 「察するに僕と戦うつもりのようですが……。良いのですか? 彼をそのままにしておいて……?」 「どういう意味だっ!?」 「僕が彼に突き刺したこれは『どくばり』。 説明書によれば、これによって毒されたものは、『6時間以内に解毒しないと、死に至る』そうですよ」 「なっ!?」 息を飲むムネチカ。 咄嗟にライフィセットの服を捲る。 顕になったライフィセットの肌は基本的には雪のように白かった。 しかし、患部は既に濃厚な紫色へと変色していた。 「っ…!?」 「―――さて、どうします? それでも、彼を見捨てて僕と戦いますか?」 「こ、この卑劣漢めがぁっ!!」 ムネチカは青筋を浮かべて怒鳴りつけると、ライフィセットを抱きかかえて、ジオルドの元から走り去っていく。 「卑劣漢か…ははっ、言い逃れできませんね」 ムネチカの背中を見送るジオルドは、乾いた笑いを浮かべる。 ライフィセットとの戦闘を経てズタボロとなっている状況下、新手との戦闘はどうしても避けたかった。 故に激昂するムネチカを唆して、こうして戦闘を避けることは出来た。 だが自己の生存のために採った言動は、まさに「卑劣漢」と乏められるに値する浅ましいものであった。 この一連の出来事を通じて、改めてジオルドは、自分が徐々に殺し合いの泥沼に浸っていき、 現在進行で自分が自分ではなくなっていることを実感した。 「……カタリナは、今の僕を見ても、受け入れてくれるでしょうか?」 それでも、ジオルドは、愛する少女の存在を希望として、地獄の中で足掻き続けるしかないのであったが、 次の瞬間―――。 彼の視界は紅色に染まるのであった。 ◇ 「ライフィセット殿、お気を確かにっ……!」 朝陽が照らす大地の上を、白い影が駆け抜ける。 ムネチカは疾走しつつ、抱きかかえるライフィセットに懸命に呼び掛ける。 「―――ベル…ベット……」 意識が朦朧とするライフィセットは、うわ言を繰り返すだけ。 身体に伝う体温は上がっていき、徐々に衰弱しているのは見て明らかであった。 (絶対に……絶対に死なせはせぬッ!!) 既に死のカウントダウンは始まっている。 風前の灯と化しているライフィセットの生命を護るべく、ムネチカは焦燥とともに、大地を蹴り上げる脚に力を込めるのであった。 【H-4/埠頭/黎明/一日目】 【ムネチカ@うたわれるもの 二人の白皇】 [状態]:精神的疲労(極大)、疲労(中)、焦燥、全力疾走中 [服装]:いつもの服装 [装備]:ムネチカの仮面@うたわれるもの、タイタンナックル@テイルズ オブ ベルセリア [道具]:基本支給品一色、大きなゲコ太のぬいぐるみ@とある魔術の禁書目録(現地調達)、 クリスチーネ桃子(夾竹桃)作の同人誌@緋弾のアリアAA(現地調達) [思考] 基本:????? 0:とにかく今は、ライフセットの治療(解毒)の当てを探す。絶対に死なせない。 1:ライフィセットと共に行動し、護る 2:ヴライ、金髪の青年(ジオルド)、志乃乃富士を警戒 3:聖上……。 [備考] ※参戦時期はフミルィルによって仮面を取り戻した後からとなります ※女同士の友情行為にも理解を示しました。 ※画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。 【ライフィセット@テイルズ オブ ベルセリア】 [状態]:気絶、猛毒、腹部に刺し傷 [服装]:いつもの服装 [装備]:ミスリルリーフ@テイルズ オブ ベルセリア(枚数は不明) [道具]:基本支給品一色、果物ナイフ(現実)、不明支給品2つ(本人確認済み)本屋のコーナーで調達した色々な世界の本(たくさんある) [思考] 基本:ベルベットを護り、皆と共に殺し合いから脱出する 0:(気絶中) 1:ムネチカと共に行動する 2:仲間達と合流するため、バンエルティア号へ向かう 3:エレノア……。 [備考] ※参戦時期は新聖殿に突入する直前となります ※異世界間の言語文化の統一に違和感を持っています。 ※志乃のあかりちゃん行為はほとんど見てません。 ※どくばりを刺されました。第二回放送あたりまでに解毒をしないと絶命いたします。 尚、毒による衰弱で、回復術式にて自己回復することも出来ない状態です。 ◇ 「―――ここまでが、僕が把握している情報の全てになります、母さん」 「成程……。さっきの獣耳の女に加えて、不死の怪物ですか……。この会場には魑魅魍魎が蔓延っているということね」 罪歌で斬り、自らの支配下においたジオルドに、彼が知りうる限りの全ての情報を吐かせた志乃。 ジオルドから聞いた情報と、自分が先程体験した出来事と併せて、この殺し合いには人ならざるものが多数参加していることを知る。 先程の獣耳の女のデタラメな戦闘能力を考えるに、こういった人外の類が仮に殺し合いに乗った場合は、唯の人間は簡単に狩られてしまうだろう。 であるならば、あかりがそういった輩と出会う前に、排除する必要があるのではないだろうか。 あの獣耳の女はともかく、ジオルドから聞いた桜川九郎なる不死身の化け物は、殺し合いには乗っていなかったと聞く。 しかし、そんな彼でも少しでも気が変わりでもしたら、あかりのような、か弱い人間は、忽ち犠牲になってしまうだろう。 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 化け物なんかに 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 人間(あかりちゃん)は渡さない 愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛 「―――ええ、化け物は排除しないといけませんね……。」 人間をただ愛する妖刀に、付け入る隙を与えてしまった志乃は、知らぬうちに人外に対する敵意が増長されてしまっていた。 志乃は、妖刀に植え付けられた敵意に従い、人外の類の討伐を決意する。 それが、自分とあかりのためになるものだと信じて。 そして―――。 「あなたにも手伝ってもらいますよ、ジオルドさん」 と、朱く目を光らせるジオルドに対して、刀を突きつけて宣告し、ジオルドもこれに頷く。 本来であれば、ジオルドは殺し合いに乗った人物。 生かしておくと、あかりと志乃のためにはならない。 しかし、現在は罪歌によって、志乃の支配下にある。 であるならば、駒として有効活用するのが得策だろうと志乃は結論づけた。 尤も、この思考についても「ジオルドは紛れもない『人間』であるから、平等に愛して、支配下に置きたい」という罪歌の意思が働いていたことを、志乃は自覚していなかった。 「それでは、行きましょうか、ジオルドさん」 「はい……」 先行く志乃の後を追うジオルド。 罪歌の子として、その目は確かに朱く光っていた。 しかし―――。 「―――僕は…カタリナを―――」 「……? 何か言いましたか?」 「何でもありません……母さんに従います……。」 ジオルドの内でも罪歌の精神干渉とカタリナへの想いがせめぎ合っていた。 今は、罪歌に圧し負けているはいるが、状況が転じれば、彼が自我を取り戻すのはあり得ない話ではないかもしれない。 【H-5/埠頭/朝/一日目】 【佐々木志乃@緋弾のアリアAA】 [状態]:健康、焦燥、罪歌による精神汚染(小)、人外に対する嫌悪 [服装]:制服 [装備]:罪歌@デュラララ!!、あかりちゃんボックス@緋弾のアリアAA [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1 [思考] 基本方針:あかりちゃんと共に生きる。その為にあかりちゃんに危害を加えそうな人外の参加者は予め排除していく。 1:所謂人外の参加者を見つけたら、あかりちゃんを護るため排除 2:あかりちゃんとの合流。あかりちゃんを愛でる。 3:アリアや高千穂以上に武貞として活躍しあかりちゃんに愛される。 4:平和島静雄...最強...?どうでもいい。一般人なら保護すればいいだけでしょう。あかりちゃんと×××する。 5:あかりちゃん愛してる。 6:ジオルドについては徹底的に利用する 7:テレビ局にいた二人組(臨也とStork)は見つけ次第、斬る 8:人外の参加者(九郎、ムネチカ)と、殺し合い乗っている参加者(ウィキッド)を警戒。 ※参戦時期は高千穂リゾートへ遊びに行った後です。 ※罪歌の愛を侵食しあかりちゃんに変換しました。 ※罪歌の影響で気分が高揚していますが、あかりを斬るつもりは一切ありません。 ※テレビを通じて、自身のあかりちゃん行為の映像を見ました。 ※洗脳したジオルドより、彼が会場内で見聞きした情報、知り合いの情報を得ました。 ※焦燥状態により、罪歌の精神汚染を多少受けており、所謂人外に対する敵愾心が増幅しております。 【ジオルド・スティアート@乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…】 [状態]:疲労(大)、顔面打撲(中)、右肩に銃痕、全身打痕(大)、罪歌による洗脳状態(不安定) [服装]:いつもの服装 [装備]:峯沢維弦のレイピア@Caligula Overdose [道具]:基本支給品一色、双眼鏡@デュラララ!、無人駆動鎧のリモコン@とある魔術の禁書目録、どくばり@ドラゴンクエスト ビルダーズ2、不明支給品0~1、魔理沙の支給品0〜1 [思考] 基本:母さんの命令通りに動く 0:母さん(志乃)に付き従う 1:ウィキッドを嫌悪。 2:白い少年(累)とその同伴者(チョコラータ)は警戒 3:僕はカタリナのために……。いや、今は母さんのために動く。 [備考] ※ カタリナがシリウスの闇魔法によって昏倒していた時期からの参戦となります。 ※ 新羅、九郎と知り合いについての情報交換を行いました。但し九郎は、自身や琴子の能力については明かしておりません。 ※ ウィキッドと情報交換をして、カリギュラ勢と王についての情報を把握しました。 但し、ジオルドは他のはめふら勢のことはウィキッドに伝えておりません。 ※ 罪歌によって洗脳されておりますが、母への帰属意識とカタリナへの思いで揺れています。今後の展開次第では、カタリナへの想いによって罪歌の洗脳が塗り替えられる可能性があります。 【支給品紹介】 【どくばり@ドラゴンクエスト ビルダーズ2】 霧雨魔理沙に支給。 植物のイバラを加工したどくのついた武器。 原作においては、稀に敵を即死させることができるが、本バトルロワイアルにおいては、稀に致死量の毒を流し込こみ、対象を猛毒状態にすることがある。 猛毒状態となった対象は、6時間以内に解毒しないと、死に至る。 前話 次話 方針決定 投下順 ハナガサイタヨ 前話 キャラクター 次話 異文化交流会 ムネチカ 「会えてよかった」 異文化交流会 ライフィセット 「会えてよかった」 愛されるよりも、愛したい真剣(マジ)で 佐々木志乃 愛 want you! ~Scarlet Eyes~ 裏切りの朝焼け ジオルド・スティアート 愛 want you! ~Scarlet Eyes~
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攻撃行動 基本知識ターゲットの決定 移動・攻撃 詳細情報 誘導全員で退く ジェットパックを使う 高所の壁に張り付く ライドレールを使う 高所に立つだけ バクダンリフト テッパンを利用する:タクシー 倒し方ボムで倒すヘビボム カタパボム 高低差を利用したボム 事前撃ち:予約曲射 後退前進撃ち 複数のバクダンは位置を揃えて同時に倒すと得 タマヒロイやテッパンやヘビに注意する バクダン撃破による爆風ダメージバクダン利用テッパンやり 霧WAVEでの注意 攻撃行動 頭上にボムを生成し、標的に向かって投げつける。それほど遠くには飛ばない。 攻撃モーションは全体で約4秒。頭上で爆弾を膨らませたあと、放り投げる。この爆弾のダメージは180/80/30。 基本知識 ボムの威力は非常に強力、かつ投げられた後は高速回転でこちらのインクを弾いてくる*1一方で、この投げる前のボムが唯一の弱点となり、これを撃ち、自爆させることで倒す。 このために攻撃のチャンス自体が少なく、弱点が高所に出るために対応できる状況やブキ種も限られがちになるうえ、ザコシャケを引き連れていることも多く、対処にはチームの連携が求められる。 「移動速度が遅い」「ターゲットを固定できない」「誘導するために取らなければいけない距離が長い」「ターゲットの選定方法が複雑で位置のコントロールが難しい」「一度攻撃反応すると再誘導におよそ4秒かかる」などの特徴を持ったオオモノシャケ。誘導が非常に難しいが、タワーとカタパッドよりはマシといったところ。 ターゲットの決定 生存しているプレイヤーのうち、三次元空間における直線距離が最短のプレイヤーをターゲットにする。「現在のターゲットが誰か」は常にアップデートされるため、モグラやテッパンのように「タゲを誰かに固定する」ということはできない。 バクダンの座標基準は「足元真ん中」、プレイヤーの位置基準も「足元真ん中」で同じ。したがって、プレイヤーがイカ状態でもヒト状態でも、バクダンにとっては変わりない。 ターゲットの決定プロセスにおいては、ライドレールに乗っているプレイヤーがいても位置の補正は行われず、プレイヤーの位置がそのまま参照される。 移動・攻撃 次の攻撃条件①~④をすべて満たすならば、攻撃態勢に入る。ひとつでも満たさないならば、ターゲットに向かって最短経路で移動する。 条件①:ターゲットとの水平距離が200 DU未満。 条件②:ターゲットとの高低差が50 DU未満。 条件③:いまバクダンがいる場所が「攻撃不可エリア」ではない。 条件④:バクダンの頭が壁や上層の床にめり込んでいない。 DUは距離の単位で、50 DU = 試し撃ち場のライン1本分。 移動・攻撃の判断プロセスにおいて、ターゲットがライドレールに乗っている場合、バクダンはターゲットがレール終端にいるかのように錯覚する。 ステージの一部のエリアは「攻撃不可エリア」に設定されており、そこにいるバクダンは攻撃することができない。※ 一般に「水中」「頭上に金網がある場所」は攻撃不可エリアである他、難破船ドン・ブラコの「リフト上」「リフト脇」、海上集落シャケト場の「門の真下」なども攻撃不可エリアとなっている。 バクダンが一度足を止めて攻撃態勢に入ると、起動範囲が拡大し、連続で起動しやすくなる。水平距離は200 DUから250 DUに、高低差は50 DUから70 DUにまで広がる。ターゲットがこの拡大した範囲から離れると、バクダンは再び動き始め、起動範囲の大きさも元に戻る。 ターゲットが「バクダンよりも50 DU以上高い場所」(しばしば「目線よりも上」と表現される)に位置している場合、バクダンはターゲットとの水平距離がどれだけ近くとも攻撃することができず、ひたすらターゲットへの接近を続ける。この性質とジェットパックなどを組み合わせて、バクダンを誘導するテクニックが存在する。 詳細情報 体力 300(弱点)/1000(本体) ダメージ 180(近距離)/80(中距離)/30(遠距離) イクラ合計 15(攻撃8/撃破7) 誘導 バクダンの起動範囲は「水平距離200 DU未満」かつ「高低差 50DU未満」である。したがって、バクダンを起動させずに誘導するためには「水平距離200 DU以上」または「高低差50 DU以上」の距離をとればよい。 全員で退く 誰もバクダンの半径200 DU以内に入らないように、全員で退く。最もシンプルな誘導テクニックである。たとえば、バクダンをコンテナ横まで寄せたいならば、全員でコンテナから200 DU退けばよい。 シンプルゆえにいくつかの問題点がある。 問題点①:誰かひとりでも退くのが遅れると、バクダンがその人に反応して起動してしまう。もし「あのバクダンは寄せたい!」と思ったら、あなたはいち早くその意思を味方と共有する必要がある。 問題点②:仕事量が減りがち。全員でコンテナから退くとなると、当然ながら誰も納品できなくなる。また射程が短いブキの場合、バクダンの奥の敵に対して一切手出しできなくなる。もし逆サイドに仕事があるならば、バクダンを寄せている間にそちらで仕事をするのがよいだろう。 この誘導法は「全員で水平距離を200 DU以上確保する」というシンプルな内容だが、次以降に紹介する誘導法は「誰かひとりが高低差50 DU以上を確保した状態でバクダンに接近し意図的にタゲを取る」という非常にテクニカルな内容になっている。 ジェットパックを使う ジェットパックのジェット噴射で浮かんだときの高度はおよそ40 DUほどである。したがって、ただ平面で浮かんでいるだけではバクダンの起動範囲から外れることはできないが、10 DU以上の高さを持つオブジェクトの上で浮かぶことで、バクダンを起動させないまま自身にバクダンを引き付けることができる。 10 DUと言われてもピンと来ないかもしれない。足場にするオブジェクトの高さは、スプラッシュボム1個分で十分である。 【参考資料】スプラッシュボム1個分の小さな段差にジェッパで浮かぶことでバクダンを誘導する バクダン誘導の足場として利用可能なのは、コンテナ、段差や上り坂、ステージに配置されているドラム缶や燻製機他、テッパンの装甲など。 【参考資料】高台上ジェッパによるバクダン誘導 【参考資料】カゴ上ジェッパによるバクダン誘導 ジェットパックによるバクダン誘導は、「全員で退く」シンプルな誘導における問題点①②をある程度解決してくれる。 問題点①の解決:タゲを強引に取りやすい。バクダンの起動範囲から外れた上で水平方向の距離を縮めることができるので、タゲを強引に奪って誘導を決めることができる。 問題点②の解決:誘導しながら仕事ができる。ジェットパックの長い射程を生かして、バクダンの奥にいる敵をあらかじめ間引いておくことができる。また、自分が強引にタゲをとっているので、味方3人も比較的のびのびと行動することができる。 一方で、新たに生じる問題点もある。 新たな問題点①:SPを消費してしまう。ジェットパックという強力なSPを消費してしまうこと自体が大きなデメリットである。「全員で退くだけでOK」な状況でわざわざジェットパックを使ってバクダンを誘導をするのは、ただのムダ吐きになりかねない。 新たな問題点②:コウモリを止めてしまう。全員で退く場合に比べて、コウモリの誘導を止めやすいというデメリットがある。 高所の壁に張り付く 海上集落シャケト場で可能なテクニック。主に部屋内の壁の、バクダンの目線よりも上の部分に張り付くことで、バクダンを部屋の中へと誘導することができる。 ちなみに海上集落シャケト場では、部屋の左右の門の真下が「攻撃不可エリア」に設定されている。そのため、門の真下にいるバクダンは、ターゲットとの距離に関係なく起動することができない。したがって、壁に張り付いてバクダンが門の真下に来た時点で、ターゲットは壁から降りてかまわない。 ライドレールを使う バクダンのターゲットが「ライドレールに乗っている」または「ライドレールの途中でジャンプしてから着地していない」間、バクダンはそのターゲットがライドレールの終端にいるかのように錯覚する(移動・攻撃を判断するプロセスにおいてのみ)。 このことを利用し、「直線距離では自分が最短に位置取ることで強引にバクダンのタゲを取りながら」「バクダンをライドレール終端に向かわせる」ことが可能である。 【参考資料】ターゲットがライドレールに乗ることでバクダンがライドレールの終端に向かう動画 ちなみに、「ライドレールの終端でジャンプしたあと」はライドレールに乗っていることにならない。単に空中にいるときと同じであり、「ライドレールの終端にいるかのような錯覚」も生じない。 しかし、ライドレールの終端でのジャンプを繰り返す(Bボタン押しっぱなしで左スティックをライドレールの進行方向の逆側に倒す)ことで、ジェットパックと同様に高さを生かしてバクダンを誘導することが可能である。その際はスティックの入力量を抑え、バクダンが逆に行かないように注意する必要がある。 【参考資料】ライドレール終端でのジャンプを繰り返してバクダンを誘導する 高所に立つだけ 坂や段差の高所に立っているだけである程度誘導が可能な場合がある。たとえば、朽ちた箱舟ポラリスの桟橋を向いて左側のライドレール乗り場など。 【参考資料】朽ちた箱舟ポラリスで左レール乗り場に立つだけのバクダン誘導 また、次の図は、「円の部分にターゲットが立っているときにバクダンがどこで起動するか」を同色の線で示したものである。(「円部分と線部分の高低差がちょうど50 DU」ということ) トキシラズいぶし工房 バクダン立つだけ誘導マップ バクダンがこの線に到達する直前にターゲットが「ジャンプ」することで、通常よりもほんの少しバクダンを寄せることが可能である。 また補足しておくと、先述のジェットパックでバクダンを誘導するテクニックを使う際、バクダンがこの線を越える前にジェットパックを使ってしまうのはジェットパックの時間がムダになる恐れがある。 ただし、サーモンランはプレイヤー間でシャケの位置ずれが頻発するゲームである。たとえば自分がゲストのとき、ホスト視点のほうがバクダンの進行が速いことがありえる。その際、自分視点でぎりぎりバクダンが起動しないタイミングでジェッパ誘導を行っても、ホスト視点では「そのジェッパは遅い」ということでバクダンが起動してしまい、そしてバクダンの起動が同期されることで結局自分視点でもバクダンが起動し、誘導が失敗に終わることがある。このことを考慮すると、ジェッパは早めでもよいかもしれない。 バクダンリフト 難破船ドン・ブラコでのみ使用可能なテクニック。船外のバクダンをリフトに乗せてからプロペラを回すことで、バクダンを船上に持ち上げることができる。解説は次の動画が詳しい。 【サーモンラン】裏マニュアル:バクダンリフト解説・完全版【ゆっくり解説】 (YouTube) 手順をざっくりまとめると、次のようになる。 バクダンの奥側の頬がリフトの柱を通過する瞬間にジャンプしながら飛び込み、バクダンをリフトに引き入れる。 自分の体を船体にぴったり付け、バクダンが船体にめり込むのを待つ。 リフトを持ち上げ、左スティックには触れずにバクダンに押し出されるようにして船上に移動する。 テッパンを利用する:タクシー バクダンよりもテッパンのほうが「移動速度が速い」また「重い」ため、テッパンにバクダンを押してもらうことでバクダンを迅速に寄せることができる。(バクダン移動速度:0.55DU/F<テッパン移動速度:1.44DU/F) 参考動画 ① シェケナダム 通常潮 左金網 ② トキシラズ 干潮 ③ ポラリス 通常潮 前方向 中段 ④ ポラリス 通常潮 最下段から前方向中段 倒し方 攻撃受付時間はおよそ80F。80Fで300ダメージを与えればよい。バクダンを倒すと、「倒したイカタコの攻撃扱い」の爆風が発生する。この爆弾のダメージはおよそ500(テッパンを破壊できるが、スタンはさせられない)。倒すのは簡単に思われるが、弱点部分が高い位置にあるので射程に注意。また周囲にザコシャケがいると近づくのが難しくなるので、周囲のザコシャケはあらかじめ減らしておくこと。 ボムで倒す 「ヘビボム」「カタパボム」、または高低差を利用したボムで直撃の180ダメージを与えることが可能。また、バクダンの足元にボムを転がしても、爆風の30ダメージが入る。(参考:ラピエリのバクダン1ターンキル) ヘビボム ヘビの「背骨」にボムを当てることで、ボムを即爆発させ、周囲の敵にボムのダメージを届かせることができる。バクダンが弱点を露出したときに、近くにいるヘビの背骨にボムを投げることで、ボムの直撃180ダメージをバクダンに与えることができる。 参考動画① 背骨ではなくカーテン部分にボムを当てても即爆発するが、その場合ダメージがカーテンに吸われてしまい周囲の敵に届かないので注意。狙い目は背骨。 カタパボム バクダンの側にあるカタパの箱にボムを入れると、バクダンの弱点部分にちょうど直撃180ダメージが入る。「バクダンの起動と同時にボムを投げる」とよい。( 参考資料 ) 高低差を利用したボム シェケナダムのコンテナ横高台や、ポラリス最上段などにおいて、バクダンの弱点の高さにちょうど足場があるとき、ボムを転がすことで直撃180ダメージを与えられる。 事前撃ち:予約曲射 弱点を露出するよりも前から、あらかじめ弾を撃っておく。その際、曲射可能なブキなら曲射気味に撃つ。すると、攻撃受付時間中に当たる弾の数が増えるので、キル速度が上がる。 後退前進撃ち スプラトゥーン2には現実世界同様「慣性の法則」があり、弾の速度にはイカタコの移動速度が加わる。したがって、弾は「前進しながら撃つと加速する」「後退しながら撃つと減速する」。したがって、弱点が露出する前は「後退撃ち」、弱点が露出してからは「前進撃ち」することで、より弾が混み合い、攻撃受付時間中に当たる弾の数が増える。 Rブラスターエリートなど、ふつうに撃ったのでは確定数分の射撃を与えるのがギリギリになるブキにおいて極めて有効。 (※バクダンの攻撃受付時間80F。バクダンの体力300。Rブラの連射間隔40F。直撃180ダメージ、爆風60ダメージ。直直爆の合計3発が必要) 参考動画① またこれは、ジェットスイーパーなどにおいても意識するとよい場合がある。 (※バクダンの攻撃受付時間80F。バクダンの体力300。ジェッスイの連射間隔8F。1発35ダメージ。9発必要) 前進後退による弾速の加減速は射程にも影響がある。 参考ツイート Rブラスターエリートでバクダンをワンターンキルする際の射撃タイミングについてはこちらも。 参考ツイート 複数のバクダンは位置を揃えて同時に倒すと得 複数のバクダンが近づいてきていて、片方は近く、片方は遠い。というときに、バクダンの位置を揃えることができる。バクダンの位置を揃えると「こちらが一気に近づくことで同時に起動させることができて」「片方を倒せばもう片方は爆風で倒せる」という利点がある。やり方はこう。まず、先頭のバクダンをわざと起動させる。すると、そのバクダンは約4秒を攻撃モーションに費やす。その間に後ろのバクダンに追いついてもらう。そして、先頭のバクダンから一気に距離を取る(バクダンは「一度起動すると、再び移動し始めるまで、攻撃開始半径を広げる」という性質を持っている。そのため、一度起動したバクダンを再誘導するには、起動させたときよりも距離を取る必要がある)。すると、2匹のバクダンの位置差が縮まる。 また、前後左右上にテッパン(弱点部がバクダン側を向いている場合)、コウモリ(傘装甲から本体が出ている状態、もしくは飛翔中)、ヘビがいる場合も同様に誘爆により倒すことができる。これにより、大幅な時間とインクの節約が可能です。 タマヒロイやテッパンやヘビに注意する バクダンは他のシャケに非常に押されやすい。特にタマヒロイやテッパンやヘビの尻尾(本体)などは、バクダンを力強く押しのける。バクダンの近くにタマヒロイやテッパンやヘビがいるときは注意すること。( シャケの重さに関する参考資料 ) バクダン撃破による爆風ダメージ バクダンを倒すと、周囲に500ほどのダメージが発生する。テッパンをスタン(600ダメージ)させるには及ばないが、隣の起動しているバクダンや、ヘビ、テッパン本体を倒すことができ、またタワーも全段落とし切れるか、削れることが多い。無論、周囲のザコシャケも一掃できる。 これの活用方法と注意点を紹介する。 バクダン利用テッパンやり バクダンとともにコンテナに寄せた(もしくは寄ってきた)テッパンをバクダンの前で止め、バクダンを撃破することでテッパンを倒すことができる。これは前述したテッパンによるタクシーとの相性もよい他、単純にインク効率・時間効率ともによい。(※たとえば自分一人でテッパンを倒そうとする場合、スタン600ダメージ+本体500ダメージが必要になるが、バクダンを利用する場合、テッパンを止める1発+バクダンへの300ダメージで事足りる) 霧WAVEでの注意 バクダンを撃破したときに周囲に与えられるダメージでキンシャケを倒してしまうことがある。(霧キンシャケの体力は500)霧でバクダンを倒すときは、キンシャケが近くにいないかよく確認するのが重要である。また、通話などをしている場合には、キンシャケが来ている方向の報告などができるとよいだろう。近くにキンシャケがいる場合、バクダンの撃破を留まる判断も必要な場合がある。 ちなみに、霧キンシャケの移動速度はとてつもなく遅く、ドスコイと同等である(0.55DU/F)。この速度はバクダン(0.65DU/F)よりも遅い。
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愛バクは、B zのシングル『愛のバクダン』の略称。また、その1st beat「愛のバクダン」の略称。 名前 コメント
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「ピクミン2」と「ピクミン」の「バクダン岩」はゲーム的に全くの別物である。 「ピクミン2」 一度攻撃すると起動し、一定時間たつと爆発する。小チャッピー?程度の大きさがある。 ピクミンが攻撃しても、オリマーパンチをしても起動する。紫以外のピクミンを当てても弾かれるだけ。 紫ピクミンは近くに投げるだけで起動し、当てるとすぐ爆発するので注意。 他の敵の近くまで押したり敵を誘導し、爆発で敵を倒すこともできる。 サクレウラメ?はこのバクダン岩を作りだし、投げつけてくる。 投げて地面に落ちると起動し、一定時間で爆発する。 また、突然落下した場合は地面に落ちた瞬間に起動し、一定時間で爆発する。 VSモードではバクダン岩の方向に進むと掴むことができ、投げることもできる。 「ピクミン」 ふつう一定の場所に固めて置かれている。黄ピクミンが持てる程度の大きさである。 黄ピクミンを近くに投げるか押しつけると持ってくる。 その黄ピクミンを投げて呼ぶとバクダン岩を置いてくる。一定時間後爆発する。 投げて触れると持ったまま来る。解散するとどちらでも持ったまま来る。 カベの近くに投げるとバクダン岩を置いてくる。一定時間後爆発。 敵の近くに投げるとバクダン岩を投げる。 爆発がバクダン岩に当たるとそれも爆発し、大きな音と爆発になるが、あまりに多くのバクダン岩が爆発すると 本体かソフト(未検証)に不具合が起きる可能性があるのでやめよう。
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「ピクミン2」と「ピクミン」の「バクダン岩」はゲーム的に全くの別物である。 「ピクミン2」では一度攻撃すると起動し、一定時間たつと爆発する。小チャッピー程度の大きさがある。 ピクミンが攻撃しても、パンチをしても起動する。紫以外のピクミンを当てても弾かれるだけ。 紫ピクミンは近くに投げるだけで起動し、当てるとすぐ爆発するので注意。 他の敵の近くまで押したり敵を誘導し、爆発で敵を倒すこともできる。 サクレウラメはこのバクダン岩を作りだし、投げつけてくる。 投げて地面に落ちると起動し、一定時間で爆発する。 また、突然落下した場合は地面に落ちた瞬間に起動し、一定時間で爆発する。 VSモードではバクダン岩の方向に進むと掴むことができ、投げることもできる。 「ピクミン」ではふつう一定の場所に固めて置かれている。黄ピクミンが持てる程度の大きさである。 黄ピクミンを近くに投げるか押しつけると持ってくる。 その黄ピクミンを投げて呼ぶとバクダン岩を置いてくる。一定時間後爆発する。 投げて触れると持ったまま来る。解散するとどちらでも持ったまま来る。 カベの近くに投げるとバクダン岩を置いてくる。一定時間後爆発。 敵の近くに投げるとバクダン岩を投げる。 バクダン岩持ち黄ピクミンをオニヨンに入れるとバクダン岩を真下に置く。もちろん爆発はしない。 爆発がバクダン岩に当たるとそれも爆発し、大きな音と爆発になるが、あまりに多くのバクダン岩が爆発すると 本体かソフト(未検証)に不具合が起きる可能性があるのでやめよう。
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あ あいかわらずなボクら 愛と憎しみのハジマリ 愛のバクダン 愛のバクダン(TV STYLE) 愛のバクダン(GUITAR SOLO LESS) 愛のprisoner 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない