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君嶋麻耶さん 私は昨日、君嶋麻耶さんのブログを読みました。 君嶋麻耶さんは、もともとはモデルをされていて、今は、ドラマや映画などにも出演され、俳優としても活動しておられる方です。 君嶋麻耶さんを知ったきっかけは、幼稚園に入る前からの幼なじみが君嶋麻耶さんのファンで、ブログに君嶋麻耶さんのことを書いていて、知りました。 おしゃれで、かっこ良い方です。 ブログにUPされている私服がおしゃれで、文章も素敵で、いつも楽しく読んでいます。 http //www.twodragonsfilmstudios.com/
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忘却の彼方 前編 忘却の彼方 後編 忘却の彼方 完結編
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【名称】 :忘却の彼方 【カテゴリー】:エレメント 【ランク】 :中級C-2 【初出作品】 : 【他登場作品】:【コスプレ戦士キョウカ ep.1】 【備考】 : 黒い触手の塊あるいはタコのように見えるラルヴァ 触手で捕らえた生き物の記憶を食べていると考えられている その本質はエネルギー体であり触手などは体に触れられるほど凝縮したガス状のモノである 大きい個体ほど凝縮している密度が高く魂源力以外の攻撃が効きにくくなる 数センチ程度なら家庭用の扇風機でも散らすことが出来る 中心部を壊すと忘却エネルギーが周囲に拡散して消える 最長でおよそ6時間程度の記憶を無くさせたという記録があるが 今の所忘却の彼方が起こした事件でで深刻な記憶障害に陥った例は無い トップに戻る 上に戻る
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ぼうきゃくのかなた【登録タグ いたる ほ 曲 鏡音レン】 作詞:いたる 作曲:いたる 編曲:いたる 唄:鏡音レン 曲紹介 歌は、映画のアヴァロン2001が大好きなので忘却の王冠を被って船に乗って人生を旅してもらいました。(投稿コメントより) 映画『アヴァロン2001』をモチーフにしたファンタジックなハウス。 いたる氏初の鏡音レンAppend初使用曲。歌わせた際、滑舌の良さに驚いたらしい。 歌詞 (PIAPROより転載) 魂の眠る島 忘却の彼方 僕は船を進め 海をさまよう 頼りない明かり 行く先を照らし 目的の島は遠く遠くに 僕らたくさん持っていたはずなのに 知らず知らずになくしてく 大切な何かを今はそれすらも・・・ 僕は分からないけど あの島で待つ君は微笑んで 先になくしたもの見つけててそれを大事に… 生まれたときは 何も無くて 生きていくうちに 手に入れていき 生きていくうちに 手を離れてゆく 目的の島は近く近くに 僕らはなくしていくんだ 世界も言葉も息も だけどだけどそのときに そのときに僕は気づくんだ 僕は知ったあの島に 全部あったんだということを 先に待つ君が大切に しまっていてくれてること だから君も悲しまないでお願い たくさんのものを失うとしても 僕が先にあの彼方の島にいき 君の大事なものをしまっておくよ コメント なんとなく気になって聴いたら凄いハマったwwPVのレン君かわええ← -- ヘタレ獅子 (2011-07-21 18 50 52) 名前 コメント
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忘却の彼方亭のログ置き場です。 GMはセンスがないのでタイトル募集。 第一話
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映画館から出ても泣き止もうとはしない蒼星石を、俺はあやそうと試みる。 しかし何を言ってもなかなか泣き止んでくれない。子どもに気に入られないパパさんの気持ちが多少わかった気がした。 「どんなに悲しいことがあっても、いつまでも引きずらず、前を向くんだ。そうしないとレバー(肉)はお預けな。」 「うっ・・・なら・・・泣き止むよ。・・・でもどうしても涙が止まらないんだ。」 と、手で顔を拭うがなかなか涙は止まらない。このままでは大粒涙洪水警報が発令されるな。そう思った俺はポケットから ハンカチを取り出して、蒼星石に手渡した。蒼星石はそれを受け取ると、四つに折りたたまれていたハンカチを開き、顔に ぐっと押し付けた。しばらく経つと蒼星石はハンカチを顔から離し、再び四つに折ってから俺に返した。ハンカチは水の張った バケツに突っ込んだんじゃないかってぐらい濡れていた。 「うん・・・。これで大丈夫だよ・・。マスター、レバー買ってね。」 と潤んでいるおかげでより透き通って見える瞳が俺を凝視する。もちろん、買うさ。約束する。 ようやく泣き止んでいつものように戻った蒼星石と俺は、車の独壇場となっている道路の前で止まる。信号は赤く光っていた。 すると割と近くで、 「ひったくりよぉ!誰か捕まえて!」 と低くしわがれた声が俺と、その周りにいた人々の鼓膜を振動させた。それから1秒ほどで、そのひったくり犯らしき人間が 俺と蒼星石の前に走ってやってきた。俺は意識していないが、どうやらそいつの進路を塞いでいる様だ。人間とは醜い動物だ。 思考が混乱状態に陥ると、本能で行動するようになる。そしてそいつも本能がするべきことを割り出したんだろう。そいつは 俺よりはるかに小さい蒼星石の方へ走り、蒼星石を手で押しのけた。不意を着かれた蒼星石は例によって車が独占している道路へ 倒れる。ひったくりは蒼星石を押しのけたことによって得た活路を、そのまま突き進んでいった。 俺は無意識に道路へ飛び込んでいた。蒼星石を抱き上げ、もとの歩道へ放った。そして自分も逃げようとしたとき、1台の軽自動車 が俺に襲い掛かった。そのあとは・・・よく覚えていない。 ここはとある県立病院。先ほど、自分を助けようとして車に跳ねられてしまった我が主を、扉越しに待っている蒼星石が 居た。手術室の扉の上にあるランプが消え、中から医者が出てくる。蒼星石は無我夢中で手術室の中へ入ろうとしたが、医者により 止められた。医者によると、ベッドに寝かせるから少々待てと言うことだった。 蒼星石はマスターの部屋を教えてもらい、部屋へ行くことにした。命は助かったというのに医者はなぜか暗い顔をしていた。 マスターの命が無事だったという思いだけで満たされていた、蒼星石の心はそんなことなどこれっぽっちも考えていなかった。 扉を静かに開け、蒼星石はマスターの居るベッドへ近づいていった。マスターは額と両腕に包帯を巻いていた。蒼星石はそれを 見て心が痛んだが、それより先に、再び涙が目からほとばしり、包帯を体中に巻いたマスターに優しく抱きついた。 マスターは、 「君は・・・誰だ?」 とだけ言った。 「誰って・・・マスター、覚えてないの?僕だよ・・・蒼星石だよ?」 「わからない・・・なんで俺がここに居るかもよく知らないんだ・・・。 君は俺がここに居る理由を知ってるかい?」 彼は命こそ助かったものの、打ち所の悪さで記憶をすべて失ってしまったのだった。 「そんな・・・。マスター、思い出してよ!さっきまで二人で映画を見てたじゃないか! なのに・・・ない・・こんなことってないよ!?」 蒼星石はマスターのいたずらだと信じ、彼の体を小さな体で思いっきり揺さぶる。マスターは揺さぶられた衝撃で頭を 両手で抱える。 「うっ・・ぐ・・・。思い出せない・・・思い出せない・・・!」 うめくマスターの声を聞きつけたのか、医者が看護士を連れてドアを思いっきり開けて入ってくる。 蒼星石はついに、最愛のマスターから離されてしまった。 頭を苦しそうに抱える彼を目の当たりにし、蒼星石は自分のせいでマスターを苦しめてしまったと思い、部屋から走って 出て行った。そのまま病院をも抜け、海を見渡せる海岸までやってきた。 ついさきほど枯れてしまったと思われていた涙が再びこんこんと湧き出てくる。それをいくら袖で拭おうと、いっそ枯らそうと 涙をこぼしながら立ち尽くしていても、涙は止まることは無かった。蒼星石は、海岸にある小さな石の上に腰を降ろし、夜を過ごした。 翌日。マスターが事故で記憶を失った次の日。彼は出された朝食を食べる前に看護士に質問をした。 「あの・・・昨日俺に泣きついていた子はどうしましたか?」 「さあ、私は知らないけどねぇ。」 「そうですか・・・」 彼は見ず知らずの蒼星石を新しい記憶の上に刻み込んでいた。なぜか泣き顔が忘れられないという。 一方、蒼星石は例の海岸で考えていた。 「どうしよう・・・もう一度マスターに会いたいけど僕を覚えていない・・・。会ったらマスターに 負担をかけてしまうかも・・・」 そう悩んでいた蒼星石は、不意に目の前に現れた人物に心底驚かされた。 「マスター?」 「昨日、俺が悪いことしたなら謝る。でも本当に君を覚えていないんだ。すまん・・・!」 そういって頭を包帯に包み、入院服を身にまとった彼は申し訳なさそうに頭を垂れた。 「それと、俺の脳が君に言っておきたい言葉を確かに記憶してたんだ。それは "どんなに悲しいことがあっても、いつまでも引きずらず、前を向くんだ。そうしないとレバー(肉)はお預けな。"」 その言葉を聞くと、蒼星石はまだ枯れていない涙でべちょべちょに濡らした顔をマスターに向けた。 それは確かに彼が言った言葉だった。泣いている蒼星石に対して放った言葉だ。 しかしそれでもやはり泣き止むことができない蒼星石を見かねて彼がハンカチを差し出した。あの時とは別のハンカチだったが 蒼星石はそれを震える手で受け取ると、顔に押し付けた。しばらくすると顔からハンカチを離し、折りたたまずに彼に渡した。 蒼星石はただ一言、「ありがとうマスター。そして・・・さようなら。」と言い、彼の前から去っていった。彼は何かよく わからない面持ちだったが、直に理解していった。 「ハンカチ・・・べちゃべちゃだな。」 それから1年後。彼はすでに我が家と定義づけられた家へと帰っていた。そこには彼が最後に出かける前のまま、保存されていた。 唯一存在しないものは、異様に大きな鞄ととあるドールだけだった。 蒼星石は双子の姉である翠星石とそのマスターの家に居候していた。今は誰とも契約をしていない。そしてこれからも彼女は 契約をすることは無いだろう。たとえ過酷なアリスゲームが始まっても。 元蒼星石のマスターである彼は、朝起きた時に1年かかってようやく忘却の彼方に放られていたあるひとつの単語を口にした。 「――蒼星石。」 しかし彼にはそれが何なのかを忘却の彼方から引きずり出すことはできず、ただどこか懐かしいその単語を口にするのみであった。
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【タイトル】魔物語 【サブタイトル】~忘却の彼方へ~ 【作者名】dot. 【プレイ時間】約180分 【紹介文(19文字×2行)】 記憶喪失の魔物と時空魔導士の少女の物語 仲間選択・隠しダンジョン・裏エンドあり 【公開日時】なし(うpロダのみ) 【フレンドコード】(0175-2852-5429) 【鍵の有無】無 【無断再配布の可否】可 【その他追加点】 関連作品:魔物語 ~悲しみの連鎖~ 右に進むよ→どこまでも 横スクロールアクション その他ツクラーの方々の作品(使用承諾済) 直接配布するのは難しい状況なので、うpロダのみの参加となります ご了承ください 10/8 修正 重大なバグが発見されたため修正 他変更点:イベントでの不具合・ウェイト等を修正、住民のセリフを一部追加 ↓プレイレビュー(修正前)↓ +コンテスレ711 711 :こくないのだれか:2011/10/07(金) 20 16 16.75 ID VkQXsNA60 535 クリアしたので感想です これぞRPGといった感じの終盤にかけてのストーリーの盛り上がりや 低めの戦闘難易度のおかげでプレイ時間は比較的長いもののダレる事無く 最後までプレイできました 取得経験値が多くガンガンLvが上がり気持ちよかったです 前作は未プレイですが特に問題はありませんでした 気になったのは吹き出しが見切れる場面が多い、マップの接続の仕方、 一瞬聞こえてしまうBGM等、細かい部分に気が回っていない点です 終盤になっても村人の会話は初期のままなので、主人公達は大変な事に なっているのにあまり緊張感を感じとれないのも残念でした ↓プレイレビュー(修正後)↓ +コンテスレ785 785 :747:2011/10/10(月) 16 39 24.13 ID awBx/Cmc0 746 魔物語 クリアしたので感想を書かせて頂きます。 プレイ時間は4時間半くらいだと思います。レベルは42~47くらい。 通常EDしかやっておりません。 本格的なRPGでした。戦闘は終始良バランス。 初期レベルが高めである為もあるでしょうが、経験値が高めでレベルアップも早いです。 それに比べると入手Gが低く感じました。回復アイテムも高額で装備品も全体的に弱く、購入する必要性を感じず、序盤はあまり買い物せずに進めました。 しかし、やり終えてみるとそれでも問題無く進められたので、良かったかと思います。 ダンジョンが複数あり、長さもちょうど良く、宝箱の配置も絶妙だと思いました。 ストーリー含め、プレイしていて特に詰まるとかそういうことは無い様に思います。 ちょっと気になったのが、MP回復の特技です。名前の割にはMP吸収なのが不思議に思いました。 どんな意図があったのでしょうか?…って細かいですねスミマセン。 とにかく丁寧に作られたスタンダードなRPGでした。 夢中になって遊べました、プレイさせて頂きありがとうございます! +コンテスレ2スレ目341 341 :こくないのだれか:2011/12/17(土) 21 36 08.14 ID hqWbINUD0 「魔物語(修正版)」をクリアしましたので感想を書きます。 記憶喪失の獣人の正体と過去の記憶を、回想シーンを交えながら進むストーリーが面白かったです。 通常戦闘のシステムが良い味出していると感じました。 出会いの酒場で仲間を増やす 火力の高い特技メインの戦闘バランス エレナの時空魔法 時々、ダンジョンの鍵が必要なダンジョンがあるのがシンプルながら良かったです。 だだっ広い迷路を進むダンジョンより、目的意識を持って移動できますし 帰り道や2回目に訪れた時など、ショートカットできますし 魔法障壁のトラップも盛り上がれるので好きな類です。 細かい演出では、回想シーンの犬のシロの鳴き声 こわがっている時やなつく時の効果音が合っていて、しっくりきます。 十字路で画面が青くなってから、アースガルドに行かず 別の所へ行き、十字路に戻るとBGMが元に戻る点が1つ気になりました。 以上です +コンテスレ2スレ目543 543 名前:こくないのだれか[sage] 投稿日:2012/01/08(日) 23 35 51.91 ID RSWQgwLu0 前スレ 535さん 「魔物語」(修正版)の感想ですよ。 総プレイ時間は約200分。 通常エンド→裏エンドの順に攻略。 裏エンド達成時のレベルは50、大剣士56、火竜50、黒魔導士56でした。 「物語」と「攻略」のバランスが巧くとれているRPGでした。 主人公の二人を中心に展開される一本道モノでしたが、 その分、残り枠でパーティーを自由に編成出来たりと、 ゲームとして遊べる部分もしっかりあって、終始楽しめました。 ストーリーはロウガとエレナの関係が丁寧に描かれていて◎でした。 エレナの幼いころの回想場面には特に温かみがあって、ちょっとグッと来ました。 一方で、砂漠に誘導される際のドリフターズ的なフリや、 話の本筋とは何ら脈絡の無い、裏エンドのフラグを満たすためだけのわらしべイベント、 隠しダンジョンで唐突に出現する重要人物と、乾いたやり取りを経て渡される重要アイテム。 更には少女の些細な戯れの果てに、いとも容易く封印されてしまう超重要キャラなど、 やや強引な展開も散見されましたが、 核心となっている事件の因果関係は破綻無く整理されていて、 作品を魅せる大事な部分に力を込めている事が伝わってきました。 戦闘バランスについては易し目で、ボス戦も程良い塩梅でした。 お金があまり入らず、装備品を選択せざるをえない点も、この位のボリュームならアリだと思います。 また前述の通り、パーティー編成によって戦い方が変わってくるのが面白いですね。 公開スレで頂いた際は、ゴブと妖精を引き連れての防御型&毒麻痺全開のチキンプレイでしたので、 今回は火力特化させてパーっとやりました。 なんだか2周目の俺つえープレイをしているようで楽しかったです。 以上、自作絵も素敵な良RPGゲーでした。 面白かったです! 携帯用のレビュー一覧はこっち→魔物語 ~忘却の彼方へ~ のレビュー 作品掲示板 DS用データコンバータ所持者向けデータのDLはコチラ
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今日は梅雨入りしてジメジメしている最中、最高気温30度と、俺に今年最初の不快感を感じさせてくれる。 蒼星石は台所で朝食をこしらえてくれている。台所は夏場でもっとも嫌われる場所の一つなのだが、蒼星石は汗一筋 も垂らしていない様子だった。これは余談だが、以前俺の所為で蒼星石を泣かせてしまったことがあった。文字通り、 蒼星石は人間と同じとでしか言えない目から、確かに液体を溢れさせていた。と、いうことはドールには涙腺はあるが 汗腺はない、という結論が出る。俺の中では。 すごくつまらない事かも知れないが、俺にとっては大発見だ。しかしどこから涙やらが絞られてくるんだ? 「マスター朝ごはんができたよ」 久しぶりに深く思考を張り巡らせていた俺は、不意にかけられた蒼星石の声によって現実へ引き戻される。蒼星石が 運んできたお盆の上には、栄養士顔負けの色取り、そして鮮やかな料理がそこにあった。今日は純和風のようだ。 「ご飯に味噌汁に、そして卵焼きと鮭の塩焼きか・・・。まさに日本の朝ごはんの見本だな」 「そ、そんなこと言ってもデザートに杏仁豆腐はでないよ!」 「そうか、ならデザートは杏仁豆腐なんだな。把握した」 などと、新婚夫婦のようでそうでない朝のやりとりを交わす。見た目も完璧だったが、味も完璧だった。 食事が終わり、俺が台所の流しに食器を運ぶ。蒼星石は一身上の都合で泡には触れられないらしい。なので食器洗いは 俺の役目だ。いつも身の回りの世話をしてもらってる恩返しのつもりだが、とても足りない。そこで俺は切り出すことにした。 「なあ、蒼星石。」 「ん?何、マスター?」 蒼星石は人間用に作られた杏仁豆腐を飲み下してから俺に反応をよこしてくれた。 「今日2人で出かけようと思うんだが、どこに行きたい?」 「2人って、誰?彼女でもできたの?僕の行きたいところを聞いてもその人の好みには・・・」 蒼星石は顔色を変えずに答えをよこす。俺の伝え方が悪かったのか、あらぬ方向に勘違いをしている。 俺はそのことを、簡潔にそして複雑に説明する。 「えっ、僕とマスターが?えっと・・・そんなことをいきなり聞かれても・・・その」 今度はいきなり恥じらい始める。態度が180度一変する。ついこんな蒼星石を見ると、もっと言語でいじりたくなるのだが、 その考えを脳の中でゴミ箱へ放る。 「まあ、なんでもいいぞ。映画館とか映画館とか映画館とか。」 「うーん・・・じゃあ映画館で。」 「おっし、きまり!映画館だ映画館!」 蒼星石は、「誘導尋問反対」と表情で俺に語りかける。知ったこっちゃない。なぜなら映画館がもっとも都合がいいのだ。 ここからは少し回想をする。3日前に、高校で俺はとある親しい友人から映画のチケットをもらったのだ。本来そいつが その映画を見に行くはずだったのだが、サンクリとかに行くからといって俺に譲ってくれたのだ。ペアで。 つまり、どうしても映画へ蒼星石と一緒に行きたかったのだ。しかも内容はラブストーリーときた。生まれてこの方ラブホ ・・・いや、ラブストーリーは見る気がしなかった俺だが、蒼星石と一緒ならなんでもできるぜ。そういう心境で俺は最寄の 映画館へ行く決意をしたのだった。 家を出てから20分。今、最寄の映画館へ到着し、チケットを門番的な立ち位置にいる人へ差し出す。俺はその人からチケットを ちぎった半券をもらう。映画を見た後ではいつも捨てる俺だが、今回は一生の思い出にするために捨てないで保管しておこう。 内部のクーラーで冷えた空間に俺と蒼星石は体をめりこませるように入る。その温度差のおかげで俺は体をぶるっ、と振るわせる。 蒼星石は怪しくも壮大な雰囲気の映画館の構造に興味を示している。そんな蒼星石を呼び、ポップコーンとドリンクをチョイス させてみる。すると、 「ジャンクフードと炭酸飲料は体に毒だよマスター。それに、ドリンクは必要ないし・・・」 と、蒼星石は言う。蒼星石はいつのまにか手にポットと、紅茶の葉を持っていた。どこから出したのだろうか。マジック? ゲートオブバビロン?念能力?スタンド?と考えているうちに蒼星石は店員に向かって、 「お湯いただけますか?それとポットを暖めてもらうと幸いです」 などといい始めた。さすが蒼星石。俺にはとてもできないことを平然とやってのける。しびれたりはしないが。店員はというと 蛇ににらまれた蛙のようになり、数秒経ってからポットを手に抱えて奥へと引っ込んでいった。店員が戻ってきて、蒼星石 が紅茶を淹れる。店員はまじまじとその様子を見ていた。なぜか手も蒼星石の動作を追いかけながら動く。メニューに加える 気なのか? 「紅茶が入ったよマスター。」 「あ、おおサンキュー」 俺は蒼星石が淹れてくれた紅茶が注がれた紙コップを手に持った。熱かったけど我慢した。 店員はそのあと再び奥の方に引っ込んでいくと、メニューに紅茶を加えましょう、と悲願したそうな。 俺は熱々の紙コップを手に、もう一方の手で「8」と刻まれた扉を押して入る。入ってすぐの角を右に曲がると巨大なスクリーン が最初に目に映る。蒼星石はその白い布のようなものを、目を丸くして凝視していた。テレビのようにブラウン管から通じて 映像が出ると考えているのかもしれない。 俺たちの席は一番後ろの列だ。その他の席は人でいっぱいだった。指定の席に腰を下ろすと同時に室内の照明が消され、 ただでさえほの暗かった室内が純度100%の闇に飲まれていく。しかしそれも長くは続かず、スクリーンに映像が投影される。 最初はCMから始まるが、そのときの轟音が耳になれずに頭がキンキンする。どうしてもこの感覚は消し去れないようだ。 蒼星石はまたも目を丸にしてスクリーンを睨んでいた。今でもブラウン管から映像が送られてるものと考えていそうだ。 そんな蒼星石を想像、もとい妄想すると吹き出しかけてしまった。 そんなこんなでついに映画が始まった。内容は、階段から落ちた女性を助けようとした青年までもがそれに巻き込まれ階段の 根元へ落下する。そんなことから仲良くなっていく二人。しかし青年が癌であることが発覚。それも末期だという。余命2,3年 と宣告された青年は日に日に体が自在に動かせなくなっていく。女性は彼を励まそうとするがそんな彼女を冷たく突き放す青年。 その後、しばらく青年のお見舞いに行かなかった女性の元に一本の電話。内容は彼の容態が一変したため、緊急手術を行うという ものだった。女性は急いで病院へ駆けつけた。手術室へ運ばれる彼の手を握り、ただ一言「大丈夫」と話し掛ける。手術は成功し、 なんとか一命を取り留めた青年は、彼女とも仲直りし、入籍することを決意した。しかしそれを彼女に伝える前に、青年は看護士の 手違いで糖ではない別の物を摂取させ、殺してしまう。彼女はその看護士を恨めしく思うが、生前、彼の言っていた「いくら相手が 悪くてもうらんで、殺そうと考えてはいけない。そんなことがあれば僕は君を見限ってしまう」という言葉を思い出す。悲しみを ばねに彼のことをいつまでも忘れずに、生涯を独身で過ごす女性の話だった。 映画が終わると俺は腰の悲痛な叫びを無視し、無理に立ち上がった。背伸びをする俺の傍らで蒼星石は涙で顔を濡らしていた。 心のそこから感動してしまったのだろう。こんな顔の蒼星石は二度と見れないかもな。 しかし俺はそれ以上に顔を大粒の涙で濡らす蒼星石を見る羽目になる。いや、「俺」というのはおかしいかもしれないな。
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―恐くて震えていた夜があった もう駄目だと全てが嫌になって 逃げ出そうとした時も 想い出せばこうしてたくさんの 支えの中で歩いて来た 「マスター、今日のご飯、レバニラ炒めでいい?いいよね?」 「ぬふぅ、それ五日連続だぞ。まぁ、蒼星石のはおいしいから許す」 「おだててもデザートはプルーン以外でないよ」 蒼星石とマスターが会った時から2ヶ月後のとある1日だった。彼は連続レバニラ炒めに顔色を変えず、 元気に食べていた。 ―悲しみや苦しみの先に それぞれの光がある さあ行こう 振り返らず走り出せばいい 希望に満ちた空へ… 「マスター!ごっ、ごごゴキブリが!」 「何ぃ!どこだ?俺がひねりつぶしてやる!」 「あっ、マスターの背中についてる!」 「え?ってうわああ!!」 ある日の朝。台所でゴキブリを見た蒼星石はマスターに助けを求めるも、マスター撃沈。 結局蒼星石自身で追い払った。 ―誰にも見せない泪があった 人知れず流した泪があった 「うっ・・・あうっ・・・」 「どうした?泣いてるのか?」 「いや・・・なんでもないよ・・・うぅっ」 冬で寒い夜のこと。タマネギをみじん切りにしたが、タマネギの作用で涙する蒼星石。 結局マスターには隠し切れずに涙を拭ってもらった。 ―いくつもの日々を越えて 辿り着いた今がある だからもう迷わずに進めばいい 栄光の架橋へと… 終わらないその旅へと 君の心へ続く架橋へと… 「マスター・・・」 「どうしたです?蒼星石?」 ホームシックに順ずる何かになりかけている蒼星石に、翠星石がたずねた。 「いや・・なんでもないよ。」 冷静を装う蒼星石。しかし姉の翠星石は蒼星石の頬を舐め・・・ぐっとつまむと、少し引っ張って見せた。 「これは嘘をついてるほっぺたの硬さですぅ。蒼星石!」 双子の特権により、蒼星石は嘘をつけないと悟った。前マスター(俺)との思い出を振り返っていたことを翠星石に 話した。 「ふうん・・・。そのミーディアムはよっぽどいい人なんですね。姉として嬉しいことですぅ。 ・・・でも考えてて悲しくはならないですか?」 「うん。もう泣かない事に決めたし、これからもずっと契約はしないって決めたんだ。」 淡々と話していた蒼星石。翠星石には以前にもまして蒼星石が成長したことを、その背中を見て直感した。 「本当に契約はしないですか?」 「うん、しない。僕のマスターはあの人だけなんだ。たとえ記憶を失ってもマスターはマスター。 今も昔も、そしてこれからも彼は僕のマスターだよ。」 そのとき蒼星石は不意にマスターの声が聞こえた気がしてあたりを見回した。 そして数回首を捻って彼の姿を探した後、フッ、と笑い、言った。 「おかえり、マスター」 「・・・ただいま、蒼星石。」