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御上神社 滋賀県野洲市に鎮座する御上神社の御朱印です。 御神名の御朱印「天之御影命」です。 摂社・若宮神社の御朱印です。 摂社。三宮神社の御朱印です。 ★この神社にはオリジナル御朱印帳があります。 御上神社の御朱印帳です。16cm×11cmです。 ★住所 滋賀県野洲市三上838 - 名前 コメント
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御上堅士郎 Kenshirou Mikami 年齢:27 性別:男 PL:灰人 種族:人間 メイン:兵士 サブ:探索者 エクストラ:シールダー 外見イメージ:岩谷尚文(盾の勇者の成り上がり) 参加卓:夜明けの時代5/2019/戦国劇場 【キャラクターシート】 「好きにやってくれ。どの道、端から期待しちゃいない」 外見 短いがくせっ毛の多い黒髪、 全身を覆えるほどの外套、軽装に各所に当てられた皮装備など 見てくれよりも実用性を意識した冒険者のような様相。 特徴的なのは片腕に通されたアイロン型の小型盾と 全てを警戒しているかのような鋭く、尖った目つきだろう。 人格 性格は偽悪的であり、良い印象を得ようとする意思が自らに全く無い。 積極的に協調行動を取らず、人を信じず、簡潔に言ってしまえばやさぐれている。 とはいえ、自身の役割は忠実にこなすし道理と利害が見合うならば 相手を利用するしされることも厭わない。ただしそこに嘘や裏切りは許さず。 やられたことは根に持つし、その報復に手段を辞すつもりもない。 +パーソナリティ パーソナリティ ランク ★★☆☆☆ 所属 地軍 出身世界 異世界 所属国 骨牌国→地国→柾良国 住居 長屋『本能路』 特徴技能 専門技能:工作、料理上手 アライメント 中立・偽悪(中庸) イメージカラー darkgreen(#006400) イメージソング - +行動範囲 行動範囲 柾良城 陳情窓口 柾良城下町 侍町 刀鍛冶『村柾』 足軽町 茶屋『あけぼの』 町人地 左善通り、屋台裏道、長屋『本能路』銭湯「かぽん」、魔道具屋『花咲堂』 寺町 - 城下町郊外 - 来歴 +召喚 およそ10年前、しがない学生だった御上は骨牌国への召喚を受け戦国劇場へとやってきた。 元々非魔法使いであった御上はこの時に魔法使いとしての能力、シールダーに目覚める。 召喚時の星は2つと平均以下であり、将としては劣ってはいるものの能力に依らない工作技術や 工学知識その他を活かしつつ、慣れない環境に悪戦苦闘しながらも力を身に着けていく。 しかしてその努力は最悪の形によって裏切られることとなる。 +追放 召喚後しばらくして、国主であった錦蔵が逝去。後継として円頓寺銀治郎が国主となる。 代替わりから数ヶ月ほどした頃、御上は同時期に来たはずの被召喚者達、 それも低ランクの者が減り始めていることに気づく。そのことについて探りを入れた結果 偶然にも裏骨牌の存在へと行き着くがその矢先に兵士によって拘束。 独力でたどり着いた能力を見込まれ恭順を求められるがこれを拒否。 不用意に殺せば民たちに不審がられる故に、御上はあらぬ罪を着せられ 地国へと強制的に転移させられた。 +脱出、柾良へ 地国、流刑区送りとなった御上の処遇は語るまでもない。 防御手段しか持たない御上にとってただ死を待つだけしか無い この場所で御上の心身は共に疲れ果て、荒み切った。 それでも、御上は生き続けた。 自身を裏切り、このような目に合わせたことへの復讐を成すその一心で ありとあらゆる物を利用し地国で10年を生き延びる。 その過程で助けた少女を連れ、守人区へと脱出。 その後、骨牌が未だ動いてないことを知った御上は骨牌に近い柾良へと向かうことを決める。 『骨牌に柾良侵攻の兆しあり』の情報を携え、骨牌の策謀を阻止し復讐を果たすために。 +たまかずらの易 たまかずらの易 踏みしめる地を慈しみ駆ける者。 故郷、旅先、危地。大地を通じて天と人を知る。 「地を慈しみ駆ける?俺が?……的外れも良いところだな」 「ですが、あなたはここまで戻ってきた。天を求めるわけでもなく、人を求めるわけでもなく」 「その理由は、貴方自身が最も理解しているのではないでしょうか」 「余計なお世話だ。いいさ、別に何処だって構わない。」 関係キャラクター 名称 関係 ドラマ 円頓寺錦蔵 自身を召喚した大名。故人。思う所は特にはない。 - 円頓寺銀治郎 錦蔵の後継ぎ。骨牌国国主。こいつだけは絶対に許さない。 - 御上陽々季 地国できまぐれに拾い、育てた少女。年の離れた妹のようなもの - Pick Up 自己防衛主体のシールダー。行動値を上げすばやく防御を固める。 探索者と忍具による4D探索基本セット。 緊急障壁、応急手当によるサブ聖職性能も保持
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御上陽々季 Hibiki Mikami 年齢:14 性別:女 PL:灰人 種族:ゴリラ メイン:兵士 サブ:ゴリラ エクストラ:伝承術士(ヨーガ) 外見イメージ:ユウキ(SAO) 参加卓:夜明けの時代5/2019/戦国劇場 【キャラクターシート】 「うんうん、乙女は強くなくっちゃね!」 外見 腰に届く程度の紫紺色の髪と紅色の瞳、背丈は小さく少女然とした姿。 銀灰色の胸当てが鈍く光ることを除けば全体的に軽装であり、 特徴的な物を上げるとすれば、腰に差した異様な気を放つ長剣だろうか。 人格 性格は天真爛漫。明るく、元気な姿をよく見せている。 人懐こく、誰とでも別け隔てなく接するためか自然と人がついてくる。 その表面からは察しにくいが敵と味方の区別は内々できっちりと付けている。 信のおけないものは例え味方であっても、そして敵であるのならば当然のように 容赦はせず、自分の味方を守るためにも全力で対処する。 +パーソナリティ パーソナリティ ランク ★★★★☆ 所属 人軍 出身世界 異世界 出身国 地国 住居 長屋『本能路』 特徴技能 専門知識:軍学 アライメント 中立・善 イメージカラー 紫紺(#460e44) イメージソング - +行動範囲 行動範囲 柾良城 陳情窓口、練兵所 柾良城下町 侍町 - 足軽町 茶屋『あけぼの』 町人地 屋台裏道、長屋『本能路』銭湯「かぽん」 寺町 寺子屋通り 城下町郊外 - 来歴 +出会い 物心がつき、少女が初めて感じたのは”さむい”だった。 ジパングの北の果て、地国。その流刑区に少女はいた。 それより過去のことについては知る由も無い。 欲望と悪徳の坩堝である流刑区において、少女の存在は限り無く弱者だった。 似たような境遇の孤児の中に紛れ、わずかに得られる食料を掠める。 廃棄物の山の中に隠れ棲み寒さを凌ぎ、また一日を生き延びる。 そんな折に、少女はとある男と出会う。 紆余曲折を経て、少女はそれ以来その男、御上堅士郎と行動を共にすることとなった。 +陽々季 打算・目論見はあれど、悪意が介在しない堅士郎の施しに少女は少しずつ感化されていく。 ある日、出会った際、名前を知らないと答えた自分に”陽々季”という名前をもらう。 その時に、自身の中で何かが噛み合った。この人は自分を必要とし、同時に与えてくれる。 だからこそ、自分もこの人のために生きることにしよう。この人が盾を持ち私を守るのなら 私は剣を持ちこの人を守ろう。そう心に決めた。 +旅立ち それから少女、陽々季は急激に成長していった。その小さく、細い身体からは想像できない 凄まじい力でもって軽々しく長剣を取り回し、並の大人では歯が立たないまでの武力。 また知識の吸収、それも戦闘に関するものがとりわけ早く堅士郎が覚えている知識や 流刑区と妖怪区の競り合いを眺め、その動きからも情報を取り込み独学で軍学を学んでいく。 そのうちに、陽々季の力に乗っかろうといくつかのコロニーから人が集まり、陽々季を旗印とした勢力ができる。 それらを利用することで地国から脱出。堅士郎に付いて、柾良国へと旅立った。 +たまかずらの易 たまかずらの易 遥か高み、天を望み頂く者。 天理のためなら人を遣い地を征すことも厭わない。 「ふーん……これってつまりどういうこと?」 「貴女には天軍としての素養がある、ということです。人を遣う才がある。」 「なるほどねぇ……そっか、それじゃあ」 「それ以外にしよっかな、そういうのボク興味ないし」 陽々季は天軍に相応しいという易が出ていた。それが本来の資質なのだろう。 しかしながら、陽々季自身はそれを拒む。高みは望まない、柾良自体にもさほど興味はない。 あくまで、堅士郎のためになることを望む。と言う。 その答えに「で、あるならば」と たまかずらは人軍に入ることを薦めた。 関係キャラクター 名称 関係 ドラマ 御上堅士郎 お義父さん。自身の行動理念における最優先対象 - Pick Up 物理攻撃偏重の兵士。ダイス目は意味をなしたりなさなかったりする。 ゴリラ由来の筋力、知力由来判定のバフ、危機感知力の高さをたまに生かせるかも 3種揃えた集団戦闘スキルが唸って吠えるし、自己回復はヨーガで解決。
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《公開済》SEV000538 シナリオガイド 公式掲示板 追試が受けられなきゃ、春休みもナシ!? 担当マスター 神明寺一総 主たる舞台 蒼空学園 ジャンル 冒険 参加者募集開始日 参加者募集締切日 アクション締切日 リアクション公開予定日 2010-03-22 2010-03-24 2010-03-28 2010-04-07 リアクション公開日 2010-04-07 サンプルアクション (シナリオ参加者の方にお願い、サンプルアクションの具体的な内容を補完していただけないでしょうか)(サンプルアクション名の下の四角をクリックするとでてくる「部分編集」をクリックすると登録できます)(もしくはサンプルアクション登録用掲示板へお願いします。) 御上先生を連れ去ったゴブリン達と戦う。 +... [部分編集] ▼プレイヤーの意図 ▼キャラクターの目的 ▼キャラクターの動機 ▼キャラクターの手段 先生を助け、傷を治す。 +... [部分編集] ▼プレイヤーの意図 ▼キャラクターの目的 ▼キャラクターの動機 ▼キャラクターの手段 シーフとしてかっこいい活躍がしたい。 +... [部分編集] ▼プレイヤーの意図 ▼キャラクターの目的 ▼キャラクターの動機 ▼キャラクターの手段 その他補足等 [部分編集] 【タグ:SEV 冒険 正常公開済 神明寺一総 蒼空学園】
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じいちゃん。腰が爆発してる。
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BACK INDEX NEXT 416 :早明浦観測会 ◆ghfcFjWOoc :2008/09/14(日) 11 41 11 ID imiILW/R 今日は週の始めの月曜日。 休みが終わり、新しく訪れる五日間に憂鬱なものを感じながら登校した御上は教室に入るなり更にテンションを落とした。 その日は早く目が覚めたので教室で一眠りしようとしていた事もあり教室にいる人間は少ない。 が、一人の少女が席に座って本を読んでいた。 長い黒髪は艶やかで美しいのだが、前髪まで長く、表情を隠しているのが原因か陰鬱な雰囲気を漂わせている。 夜道で遭遇すれば幽霊と間違えること請け合い。 この少女こそ御上の天敵と言っても過言でない存在だった。 天敵だとはっきり認識しているなら無視すれば良いのだが、生憎と彼女の席は御上の隣だったりするので無視しても向こうから接触してくる。 そうして基本的にヘタレな御上は相手のペースに乗せられて会話を始めてしまうのだ。 しかし、それは何となく面白くないので最初くらいは能動的に行こうと思うのは彼のくだらない自尊心だった。 「……来たのか。一週間ぶりだな」 鞄を机の上に乱暴に放り投げ何気ない口調で話しかける。 向こうは読んでいた本に白詰草の押し花で作った栞を挟んでパタンと閉じる。 「……ええ…………百六十時間ぶりね」 声に色があるとしたらこいつの声は間違いなく黒系統だ、と御上は確信を持って言える。 この女の名前は綾嶺槙葉(あやみねまきは) 本人曰く、現世での名前らしい。 そして早明浦観測会の部長である。 余談になるが、人数の関係で御上は仕方なく副部長をやっている。 しかし、部長の登校状況は教師陣にとっては周知の事実なので連絡事項はすべて副部長に伝えられている。 「毎度の事だが、休んでいる間なにをやってた?」 「…………世界の平和を……影ながら」 一年前から変わらぬ返答。 完全な予定調和である。 「……そうかい。そりゃご苦労様。感謝状でも贈ろうか?」 「別に……見返りが…………目的じゃないから」 「あっそ」 生返事をしながら椅子を引いて席につく。 会話が一段落した事を察したのか、相手は本を開いて読書を再開する。 本は黒いハードカバーで表紙はよく見えないが指の隙間から黒魔術という単語が確認出来る。 記憶を呼び起こすと一週間前は陰陽道関連でその前はアメリカ発の創作神話だった。 その読書傾向から分かるように彼女はちょっとアレな所がある。 だが、別にそれは構わないと昔の御上は思っていた。 人の嗜好までとやかく言うつもりはなかった。 他人に押し付けさえしなければ。 彼女に言わせると御上は「未だ目覚めぬ精錬の御子」らしい。 期待されても一生目覚めないと御上は思う。 それと巫女や皇子や神子もいるらしいが深く考えないようにしている。 高校二年にもなって何を言ってるんだろうな。 そういうのは三年前に卒業しろよ。 御上としては、少年少女による凶悪事件が起きるたびにマスコミが熱心に主張する漫画やゲームの悪影響を肯定する訳ではないが、こいつといるとちょっと揺らぎそうになる。 まあ、彼女はオタクともちょっと違うが、周囲にとっては十把一絡げだ。 そして、これが学年トップクラスの成績なのだからこの世界は間違っている。 なので「一週間も休んで大変だな。俺のノートを見せてやるぜ!」などという気遣いの心が沸き上がる余地はまったくない。 尤も、御上のノートは字が汚い上に黒板を全部写している訳ではないので他人に見せられる代物ではないのだが。 ふと、黒板の上にかかった時計を見上げると長針が「11」を指している。 HRまで時間があるので御上は当初の予定通り机に突っ伏して瞼を閉じる。 時間が経つにつれ生徒が増え教室内がざわめきだす。 週明けなのか、いつもより明るく、賑やかな気もする。 そんな中、退屈ながらも平和だった日常は呆気なく終了し、また今日から始まるだろう波乱に満ちた日々の予感に御上は背筋を震わせるのだった。 BACK INDEX NEXT
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BACK INDEX NEXT 190 :とある昼下がり ◆Ev9yni6HFA :2008/09/05(金) 23 05 47 ID FNS7tzWE 「御上、昼飯を食おう」 四時間目の終了を告げるチャイムが鳴り、教師も出ていったので席を立って友人の所に移動する。 「ぅん? しょうごか?」 その友人は教科書を立てて顔を伏せていた。 どうやら授業の間は夢の中にいたらしい。 尤も、自分も夢心地だったので非難する事は出来ない。 「授業は終わってたか・・・・・・」 御上は瞼を擦りながら机の横に下げた鞄から弁当箱を取り出す。 二人での昼食なら一つの机で十分だし、前の席の生徒は食堂に行っていて不在なので丁度いい。 御上の弁当はピラフに唐揚げにシューマイに鮭の切り身。 見事に冷凍食品で構成されている。 その事を指摘すると眉を潜めてムッとした表情になる。 「お前と違って一人暮らしは家事が大変なんだよ」 「非難した訳じゃないけどな」 自分も昨日の残りの炊き込みご飯と漬物なので大差はない。 「たくあんくれ」 「ほらよ」 たくあんを二つ、箸で御上の弁当箱に移し代わりに唐揚げを貰う。 食事中は等価交換が基本なので文句は出ない。 「そういえば、あの話は考えたか?」 「あの話? ああ、あれか」 御上は箸の動きを止め、持っていた弁当箱を机に置く。 食べたままでも問題なかったが変な所で律儀な男だ。 「二年になってから部活を変わるつもりはない。運動部なら尚更だ」 「あの変な部よりは有意義だと思うが?」 「ボケッとしてても注意されない分、あっちの方がマシだ」 それで意思表示を終えたのか食事を再開する。 部費増額の野望はあっという間に潰えた。 「俺は構わないがな。あの噂の信憑性が強固になるだけだし」 つまらないのでちょっとからかって見る。 「あの噂?」 おお、食いついた。 そうなると残酷な嗜虐心が鎌首をもたげてくる。 「知らないか? いや、この手の噂は本人のいない所でするものか」 「だから何だよ」 周囲に視線を走らせ御上に顔を近付ける。 これから内緒話をしますよと暗に仄めかす。 「お前は元々部長と付き合っていたが可愛い新入生が入ってきたのであっさりそっちに乗り換えた。 捨てられた部長はショックで学校に来なくなった。みたいな」 御上は目を見開き、口をパクパクさせて絶句する。 箸を持つ手は力を失い箸は音を立てて机に落ちる。 だが、御上にとっては些末な問題らしく両手を力強く机に叩きつけ激しい剣幕で捲し立てる。 「おかしいだろ! あいつは一年の頃から不登校だったろうが」 「お前が暴力を振るったんじゃないかって」 「第一、なんで俺があいつと付き合ってるって話になんだよ!」 「それに関しては仕方ないだろ。一年が入るまであんな部に二人だけでいればな」 御上は言葉に詰まり顔の筋肉をひくひくと痙攣させる。 「彼女もそんなに悪くないと思うがな」 「てめえのセンスが壊滅的に狂ってる事はよく分かった」 「楽しいし面白いし」 「一歩引いた所から傍観してりゃあな」 その発言はそれとなく親密だと匂わせているのだが、本人は気付いていない。 「噂の出所は?」 噂なんて下手に否定しても逆効果なので無視するのが一番の解決だと思うが御上は元を絶つ気らしい。 「九条……」 「九条か!?」 「九条だ」 「あの女……!」 自分達の知り合いには何人もの九条がいるのだが、どうやら二人とも同じ人間を連想出来たらしい。 これも幼馴染みの為せる業か。 「この時間は何処だ?」 「食堂で女友達と食事か談笑だろ」 よし、と頷く御上の目には怪しい光がある。 大方文句を言いに行くつもりだろう。 そして、相手の出方にもよるが高確率で話し合いには留まらない。 「御上。殴り込むのは勝手だが、放課後にしろ」 「何でだ? 校外でやれってか?」 「場所は関係ない。ただ、食後すぐだと周囲の人間が大変だろ。掃除が」 「舐めんじゃねえ。あの女にはいい加減思い知らせてやらないとな」 御上はそのセリフを一ヶ月に一度のペースで言い続けている。 つまり一回も成功していないのだ。 あの二人の力関係は子供の頃からなので今更変えられるとこっちが困るのだが。 御上は食べかけの弁当を鞄にしまうと一目散に教室から駆け出す。 教室にいた人間が何があったのかとこちらを向くが曖昧に濁しておく。 才色兼備で(表面上の)性格も良くクラスの中心人物である九条恭華に喧嘩を売るとはいい度胸だと称賛を送りたい。 まあ、御上の評価が下がる前にさっさと決着がつきそうなのは奴にとって幸いだろう。 そも、さっきの“噂”は昨日恭華と話していた事であり、つまりは出鱈目だ。 なので御上の行動は徒労だったりする。 とは言え、あの二人が付き合っているのではないかというのは二年生なら誰でも一度は考える事なのであながち出鱈目とも言えないが。 「しかし」 あそこまで露骨な反応を示すとは思わなかった。 一年もの付き合いだし、ないがしろに扱う事もないだろうに。 五時間目が始まる直前、御上は壁に手を付き、這う這うの体で教室に帰還した。 全身に埃やゴミが付着し、髪はぼさぼさで制服はよれよれだが、言及しないのがせめてもの情けだろう。 “噂”は自分のでっちあげだったのだが、御上は場所も弁えず言ったのだろう。 「俺があいつと付き合ってるとか捨てたとかふざけた噂を流しやがったな」と。 そして、それだけで事情を察した恭華の奴は煽ったのだ。 それはもう執拗に。 これもまた幼馴染みの為せる業である。 194 : ◆Ev9yni6HFA :2008/09/05(金) 23 11 30 ID FNS7tzWE 以上です 今回からトリップを付けましたが。 93-94、 140-143と同一人物です 「早明浦観測会」人物紹介 部長 ・不登校気味の早明浦観測会部長 ・御上との仲が噂されているので女性だと思う、多分 先輩 ・姓は御上で名前は不明 ・部活に対しては無気力だが部室には来ている 後輩 ・常に元気いっぱいな早明浦観測会新入部員 ・御上から一人でも姦しいと言われたので女である BACK INDEX NEXT
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BACK INDEX NEXT 492 :早明浦観測会 ◆ghfcFjWOoc :2008/09/16(火) 02 14 28 ID AmeFRriW 昼休みになったので友人の捷護と昼食にしようと思った御上だったが、肝心の捷護の姿が見えない。 いつも一緒に食べる訳ではないし、向こうには向こうの付き合いがあるのでその事に不満はない。 不満があるとするなら、さも当然のように机を引っ付けて弁当箱の包みをほどいている部長殿の事か。 尤も、これも一年前からよくある事なので今更やめろとは言いづらい。 だがしかし。 最近知った事だが、周囲は自分とあいつが付き合っていると思っているらしい。 御上にしてみればとんでもない誤解なのだが、こうして一緒に昼食をとったりしているとどんどん否定材料が減っていく気がする。 なので、どうやって自然に同席を断ろうか考えを巡らせる必要があった。 「……御上君?」 「何だよ」 先手を打たれた。もう何を言っても無駄だ。今日は大人しく一緒に飯を食うしかない。 早々と降参した御上はそそくさと昼食の準備を始める。 こうなると捷護の姿が見えないのは幸いかもしれない。 「夏期合宿の予定だけど……」 「……今年もやる気か?」 「……勿論……ハルカちゃんも入った事だし」 「俺はパスしちゃ駄目か? 夏休みの間はずっと実家に帰省してようかな~とか思ったり」 「副部長の自覚が足りないのね」 「殆んど幽霊部員の部長に自覚を説かれるとは思わなかった」 痛い所を突いたらしく相手は沈黙。 御上は僅かばかりの優越感に浸るが、その刹那。 「……雷堂寺さんから聞いた話なんだけど」 何の脈絡も伏線もなく唐突に話題が変更された。 なんでも学園のプールに幽霊が出るとか出ないとか。 「アホらしい」 「他にも幾つかの心霊スポットの情報を入手したから……今度三人で巡ってみましょ」 「お前なぁ、そういうのはオカ研とやれ。あの新聞部の部長とでもいいぞ」 「御上君は一人暮らしだから遅くなっても大丈夫だけど……問題はハルカちゃんよね……」 御上の提言は何事もなくスルーされた。 寮は寮で門限があるのだが、彼女の中では部で行う事は既に決定事項のようだ。 「場合によっては御上君と二人でやるしかないわね……御上君って写真撮影すると変なモノが写ったりするタイプ?」 「心霊写真を撮った事は今まで一度もない」 答えながら御上は会話の内容を変えるタイミングを伺っていた。 別に幽霊が怖い訳ではない。 断じて。 「そういえば、もしかしてお前、休んでる間に心霊スポットとやらを調べてたのか?」 「いいえ……これは……本当は先週の火曜日に話すつもりだった」 一週間先延ばしになった事は喜ぶべきか御上には判別出来なかった。 別に幽霊が怖い訳ではない。 「俺には余り関係ない話だが、お前、出席日数ヤバいだろ」 それが原因で部長殿は一年の頃に留年しかけている。 危うく一年の部長と二年の副部長という奇妙な構図が完成する所だった。 「そうね……だから今日は放課後から補習……ハルカちゃんにもそう言っておいて」 黙っていても後輩は普通に欠席だと思うだけで特に問題ないと思うが、登校報告の代わりにでもするつもりだろうか。 余談だが、不登校常習者の彼女が補習でどうにかなるのは一重にその学力のお陰らしい。 有名大学にも現役合格出来そうな優秀な生徒をみすみす留年、ましてや退学にするのは勿体無い、と。 あくまで噂なのでどこまで本当かは分からないし、恭華が言うには完全なデマで別の理由もあるらしいのだが、御上は大して気にしていなかった。 どうせ、あと二年もすれば別れる相手だ。 日本人の平均寿命を考えれば高校の三年間などあっという間だし。 「ねえ……御上君……」 「何だ?」 「私が来ない間……寂しかった?」 「いや、全然。むしろ静かで心が休まった」 後輩といい、何故寂しがるという結論に達するのか、御上の理解の範疇を超えていた。 一瞥したあいつの表情が何処となく曇っていたのもただの見間違えだろう。 そもそもだ。 部員が一人しかいないのは大変だろうな、と妙な気遣いを起こしたのが間違いだったのだ。 あの一時の気の迷いのせいで散々な目に遭った。 二人一緒に行動したのに自分だけ被害を受けたのも気に喰わない。 最初に会った時は綺麗な女の子だと…… そこで御上は思考を一旦中断する。 思考が脇道に逸れまくっている。 普段ならあいつが会話の話題を提供するので意図せず思考が途切れるのだが、今回はなかなか新しい話題が出てこない。 さっきの返答は流石に冷たかったかな。寂しかったというべきだったか、と御上は自省しながら彼女の方を見て、気付いた。 微かに俯いているので目は髪に隠れてよく見えないが、口元が緩んでいる。 こういう時は大抵、変な妄想に浸っているのだ。 「お前、なに考えてた?」 「……聞きたい?」 そこはかとなく嬉しそうな表情になったのを見て、やっぱやめとこうかなと思ったのも束の間。 「授業中に武装したテロリストが侵入して学校を占拠」 「はあ?」 「でも偶然トイレに行っていて難を逃れた御上君が見回りに来た下っ端を倒して反撃開始」 「人を勝手に妄想の材料に使うな!」 「今は二階の教室に仕掛けられた爆弾を解体した所」 「知るか!」 御上は立ち上がりざまに机を思いっきり叩いて大声を上げた。 こいつの頭の中の俺はどういうキャラ設定なんだ? 捷護や恭華じゃあるまいし、一介の高校生にテロリストが倒せる訳がないだろう。 その時になって教室の視線が自分に集中している事に気付いた御上は気恥ずかしさを感じながら席に着いた。 「行儀が悪いわよ」 「誰のせいだ、誰の」 無言で自分に向けれた人差し指をへし折りたい衝動に駆られた。 ついでに何時の間にかこっちを見てニヤニヤしている捷護の奴も。 カウンターで掌底の一発でも貰いそうなので出来ないが。 「あー、もう昼休みあんまりないじゃねーかよ」 「……どうせ時間があっても御上君って日々を無為に過ごしてるでしょ?」 「うるさい! 地味に気にしてる事を言うな!」 懲りもせず、再び声を荒げてしまう。 しかし、ここまで心置きなく怒鳴れる相手も少ない。 幼馴染連中以外ではこいつくらいか。 だからこそ、今までも愚痴を言いつつも奇行に付き合ったのだろう。 そして多分これからも惰性で付き合ってしまいそうな予感がする。 まあいい。どうせ、高校の三年間なんてあっという間だ。 BACK INDEX NEXT
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架空職業は、診断メーカー『仕事屋さんになったー』から触発されツイッター上でメンバーが投稿しているお遊び企画です。 内容が増えてきたので話を作る際の資料としてまとめました。 世界観 現在の東京を舞台としているが、名称は『帝都』、国名も『この国』といった具合にぼかされていることが多い。 東京の各名所は作品中出てくることがある。 公にできない仕事を請け負う『仕事屋』という裏家業が存在し、各キャラクターはこの仕事屋の中のいずれかの職についている。 仕事屋には御上登録者とギルド登録者が存在する。 ほとんどのキャラは必ずこのどちらかに登録している。 キャラクターによっては両方登録していることもある。 どちらにも登録なしのキャラもいるが、相当の実力と、権力者との繋がりがないと難しい。 『異能者』と呼ばれる特殊能力者は仕事屋の中でもトップクラスの実力と知名度であることが多い。 (異能の種類については使役型や術者型などさまざま) 仕事屋の種類 護り屋(木船田ヒロマル、木船田アズサ、メイ) 運び屋(眼鏡、ナヲ、流桜、留桜、ハンナ) 監視屋(ときお、紫織、天音、トゥインクル(仮名)) 奪い屋(豆太、うりゅう) 修復屋(李燕(リー・イェン)、ケイタ、鴉魔) 始末屋(カラス、タヌキ) 情報屋(原、箱島、ペッソーノ、鈴木、小春) なんでも屋(しゆう) 掃除屋(傀儡子、ムー) 探し屋(蝙蝠) (探し屋は診断メーカーに出てこないオリジナル) 御上 この国を統治する組織。政府。異能者の研究施設や特殊任務を遂行するエージェントなどを所有している。 エージェント(D.C) また、御上の仕事を紹介する下請け業者のようなことをやっている者もいる。 仕事屋が直接御上と交渉するよりもいい条件で仕事を斡旋する代わり、その依頼料の何割かを仲介料として頂くシステム。 アザミ 御上に仕事屋登録をした場合、安定した収入を得る代わりに御上の事情に振り回されることもあり、「政府の狗」と揶揄されることもある。 ギルド 仕事屋専門の仕事斡旋組織。さまざま種類がある。 下記は現在出ている各ギルドメンバー。 始末屋ギルド(代表は虹蛇)フクロウ、白カラス 特殊ギルド(代表は浄法寺)台丸谷 ギルド登録をした場合、安定した収入は見込めないが御上に拘束されない。 御上嫌いの仕事屋はこちらに登録をしている。 暗黒街 国際社会では『存在していない』と国がしている特別区域の事。 A地区とB地区の二つが存在し、普通はそれら全てを『暗黒街』と呼んでいるが、厳密にはA地区が暗黒街、その周りをぐるりと囲むB地区はいわゆるスラム街。 A地区とB地区では治安も格段に違う。 A地区は犯罪者の坩堝で、政府ですらも手を出せない危険区域。 御上は表向き暗黒街の一掃を掲げているが、裏で繋がっている要人も多い。 過去編キャラクター 各キャラクターの過去編でのみ登場するキャラクター。 李暁丹(リー・シャオダン) 李燕の師匠。 N.Y 少年時代のときおがいた犯罪集団のナンバー2。 番外編 それぞれのキャラクターの運命が変わった場合の『ifルート』。 白き矛、黒き盾(登喜男、闇マル、アイ、サングラス)ときおとヒロマルの運命がお互い正反対になった場合のifルート。 帝都陥落(仮)(黒ときお、暴走ケイタ)ときおが『その人』消失直後にケイタと出会っていた場合のifルート。 おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問合せフォームからご連絡ください。
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BACK INDEX NEXT 663 :早明浦観測会 ◆ghfcFjWOoc :2008/09/27(土) 23 44 28 ID 572OYTap うっかりしてた。 寮に帰り、ドアを開けて中に入った瞬間、御上は冷蔵庫が空っぽだった事を思い出した。 朝は覚えていたのに学園にいる間にすっかり忘れてしまっていたのだ。 財布の中身を確認するとあまり手持ちがない。 買い物の前に銀行に行かなければならない。 頭の中で予定を考えながら制服を脱いでハンガーにかけ、私服に着替える。 向かったのは高杜モールにあるスーパー。 惣菜などが安いのでこちらに来てからは重宝している。 米二キロとレトルト各種、カップ麺を数個に二リットルの飲料水と冷凍食品、あとお菓子も少々。 もっと買いたかったが、一人では限界がある。 両手に買い物袋を下げて高杜モールから出た御上はその直後、腹部に突然の圧迫を受けた。 不意の衝撃に視線を落とすと、すぐにその原因が判明した。 何という事はない。 子供がぶつかってきたのだ。 小学校低学年か中学年くらいの少女で、長い髪に華奢な手足、人形のように整った顔立ちは可憐で愛くるしい。 ぶつかった時のダメージから結構な勢いで走っていたと思われるが、不思議と少女の息は切れていなかった。 その少女は驚いたように目を瞬かせ、御上に何度も頭を下げる。 人通りの多い往来で子供にそんな事をされてはばつが悪い。 「ごめんなさい」 「あ、いや、別に怒ってないし」 宥めようとする御上だが、少女は相変わらず謝るばかり。 彼等の背後で買い物帰りの主婦がひそひそと会話を始める。 その空気に耐えられなくなった御上は、少女を抱えるようにしてその場から退却する。 後で人から聞いた話だが、その日、高杜モール周辺に女児誘拐犯が出没したらしい。 物騒な話だ。 664 :早明浦観測会 ◆ghfcFjWOoc :2008/09/27(土) 23 46 04 ID 572OYTap 逃げ出した御上はモール近くの公園にあるベンチに座る。 夕日が沈み始める時間なので遊んでいる子供の数も少ない。 ビニール袋の中を漁って買ったばかりのスナック菓子をさっそく開封する。 少女は最初、初対面の相手の出した物に警戒したのか、なかなか手を付けようしなかったが、暫くすると少しずつだが、手に取って食べるようになる。 「美味しいか」 「……うん」 「そりゃ良かった。勝手に連れてきちゃったが、どっかに行く予定とかあった?」 少女は無言で首を横に振る。 良かったと内心で安堵した御上は、肝心な事を忘れている事に気付いた。 「そういえば、名前聞いてなかったな。俺は御上、御上錬冶」 少女はまたしてもだんまりだったが、肩から下げていたポショットから一枚の名刺を取り出した。 迷子になった時の為に親が持たせていたのだろうか。 その名刺には大きな字で「雨都みか」と書かれその上に小さく「あまさと みか」と書かれていた。 「へえ、みかちゃんか。よろしくな」 「……うん」 それから二人は色々な事を話した。 とは言っても、御上が一方的に話し続け、みかがそれに相槌を打つという形だったが。 「ロリコン」 突然の声に誰だよ、と振り向くと、公園の入り口から一人の女がこっちを見ていた。 高杜学園高等部の女子の制服、肩口で切り揃えられた黒髪。 左手で鞄を持ち、右手で日傘を差している。 同級生の九条恭華だ。 日傘って何処のお嬢様だよ、と思うが実際に恭華はいいとこの令嬢だったりする。 「可哀想なまきちゃん。まさかあなたが幼女趣味だったなんて」 失礼な事を言いながら隣に座る。 「部活の帰りか?」 「ええ」 人の買い物袋の中からペットボトルを取り出して当然のように飲み始める。 「腕の立つ弁護士を紹介してあげるし、慰謝料が払えないならといちで貸してあげる」 こいつの中では自分は完全に性犯罪者扱いだ。 「俺はペドじゃない」 「さあ、お姉さんと一緒に帰りましょう」 御上の言葉を恭華は無視。 鞄の取っ手を手首にかけ、日傘を持ち替えて空いた手を差し出すが、みかは顔を伏せて無反応。 しばらくそうしていたが、手を掴まれる事はない。 気まずいのを誤魔化す為か、恭華はスナック菓子に手を伸ばす。 「これガーリック味? 私は嫌いなんだけど」 「知るか。いや、知ってるけど」 勝手に飲み食いされた挙句に文句を言われたのでは堪ったものではない。 一度手に取ったものを戻すのは抵抗があるらしく、恭華は渋々と言った表情で口に放り込む。 「飲み物、スポーツドリンク以外にないの?」 「ない。欲しかったら自分で買え」 「じゃあ、いいわ」 「お前、飲み食いした分は金払え」 「そうだ。記念に写真撮りましょう」 自然に聞き流して鞄の中から携帯を取り出してこちらに向ける。 対象は自分ではなく、みかだろう。 本人の了承を聞かぬまま、携帯はパシャリと音を鳴らす。 「聞いてなかったけど、名前は? 私は九条恭華」 尋ねるが、みかはもじもじするだけでなかなか答えようとしない。 人見知りでもするのだろうか。 仕方ないので代わりに御上が答える。 「雨都みか」 「あまさとみか……どんな字?」 「空から降る雨に京都の都にみかは平仮名だ」 「ふーん」 呟きながら親指を素早く動かして携帯に文字を打っていく。 「そんなの記録してどうするつもりだよ」 「別に深い意味はないけど」 記録が終わったのか、携帯を鞄に仕舞って再び日傘を持ち替え、こちらを向いたまま後ずさりする。 「じゃあね、みかちゃん。また会えるといいわね」 鞄を持った手をぶんぶん振りながら公園から出ていく。 慌ただしい女だと御上は嘆息する。 昔からあの行動力には振り回されっぱなしだ。 まあ、あれで意外と体が弱く、貧血で倒れる事もしばしばあったが。 「……あの人、怖い」 「はは。取って食ったりはしないさ。っと、こんな時間かそろそろ帰んないとな」 公園内の時計を見ると意外に時間が経っていた。 それだけ熱中していたという事か。 「送っていくよ」 こんな時間まで付き合わせた以上はそれが最低限の礼儀だ。 しかし、そんな御上の思いとは裏腹にみかは首を横に振る。 「大丈夫。一人で帰れる」 「まだ小さいだろ」 「近いから」 「だとしても暗くなってきてる」 「暗くてもちゃんと見える」 そんな問答が一頻り続いたが、遂にみかは根負けし、御上が送って行く事を承諾した。 みかの家は南部の住宅街にある一軒家だった。 なかなか立派な家だと感心しながら表札に雨都とあるのを確認。 玄関の前には植木鉢が並び、ドアには手製のネームプレートがかかっており、そこには「香々斗、瀬尾、みか」と書かれていた。 「……」 家の前に来た時から気になっていたが、もう暗いのに、家に電気が点いていない。 「二人とも居ない」 悲しげにみかが説明する。 共働きか。 まだ小さい子供がいるのにどうかとは思うが、人様の家の事情にまで首を突っ込む訳にはいかない。 みかは鍵を開けてとぼとぼと家の中に入っていく。 「なあ、みかちゃん。また、今度一緒に遊ぼう」 振り向いた時の彼女の表情が今でも記憶に残っている。 冷凍食品は自然解凍されていたが些細な問題である。 BACK INDEX NEXT