約 105,548 件
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/178.html
【常盤台中学】 学園都市の中でも5本の指に入る名門校であり、同時に世界有数のお嬢様学校。 共用地帯『学舎の園』を形成する学校の一つである。 義務教育終了までに世界に通じる人材を育成する、が基本方針。 生徒数は200人弱でレベル5二名、レベル4四十七名、それ以外は全員レベル3。 在学条件の一つにレベル3以上である事が含まれているとんでもない学校。 全寮制で、寮は学舎の園の内部と外部に一つずつ存在。 門限は8時20分で外出時には制服の着用が義務付けられている。 また、噂では不測の事態に備え学バスは耐防爆弾仕様だと囁かれている。 なおこの学校には『派閥』というものが存在している。 基本的にはお遊びグループのようなものだが、 同じ目的を持った者達が集まって学校から設備を借りたり資金を調達し、 研究分野などで名を残すという部活のような性質を持つ。 大きな派閥は人脈や金脈、独自の知識などまでも収めており、 第一線で活躍する生徒の中にはそれらの力を借りて功績を挙げる者も多い。 そのため大きな派閥は学校の外にまで影響を及ぼす大きな力を持つ事になる。 ゆえに大きな派閥に属する事が一種のステータスとなり、 その派閥の創始者ともなれば並ではない名声を得るのだとか。 2年生には御坂美琴、婚后光子らが、 1年生には白井黒子、薄絹休味、湾内絹保、泡浮万彬らが在学。 更にはレベル5であり常盤台最大派閥の女王サマ、食蜂操祈も在学している。 【制服】 夏服:灰色のプリーツスカートに半袖のブラウス+袖無しのサマーセーター 冬服:ベージュのブレザーに紺系チェック柄のスカート 門限は8時20分で外出時には制服の着用が義務付けられている。 とある魔術の禁書目録 Indexより引用 http //www12.atwiki.jp/index-index/pages/311.html 関係者 •教師 野茨姫子 •生徒 一年 彦由思降 鬼ヶ原嬌看 遠藤近衛 真珠院珊瑚 綺羅川光琉 宇導凪世 海老奈紅色 可児波沙魅 沓沢彩 天寺京嵐 千住蓮鹿 殊外延珠 朱善寺佑乃 光迫明媚 二年 清水川潤 蜂峰永 フィーサ=ティベル マーガレット=ワトソン 果無火煉 月ノ宮向日葵 美坂未琴 許堂舞子 樋本狛江 赤堀凪子 晴依不思議 湖上梓抱 振角古街 央津貝姪科 常盤台バカルテット 金束晴天 銀鈴希雨 銅街世津 鉄鞘月代 三年 津久井浜憐憫 一厘鈴音 追敷風潮 形製流麗 苧環華憐 静河真琴 菜水晶子 外幕彩花 天鵞絨紡績
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/984.html
とある男子高校生と常盤台中学① ―常盤台学生寮で目覚める界刺。そこに現れたのは、常盤台中学が誇るお馬鹿お嬢様集団・・・その名も“常盤台バカルテット”!!― とある男子高校生と常盤台中学② ―“常盤台バカルテット”に女性の敵と見做された界刺の運命や如何に!?― とある男子高校生と常盤台中学③ ―既知、無知、未知― とある男子高校生と常盤台中学④ ―界刺得世VS常盤台生 午前の部㊤― とある男子高校生と常盤台中学⑤ ―界刺得世VS常盤台生 午前の部㊦― とある男子高校生と常盤台中学⑥ ―女性不信症を克服せよ!!― とある男子高校生と常盤台中学⑦ ―新グループ結成の巻― とある男子高校生と常盤台中学⑧ ―Risk one’s life for what?― とある男子高校生と常盤台中学⑨ ―3つの目的。“傭兵”・“自己満足”・“負け犬”― とある男子高校生と常盤台中学⑩ ―界刺得世VS常盤台生 午後の部㊤― とある男子高校生と常盤台中学⑪ ―界刺得世VS常盤台生 午後の部㊥― とある男子高校生と常盤台中学⑫ ―界刺得世VS常盤台生 午後の部㊦― とある男子高校生と常盤台中学⑬ ―界刺得世様!パーティーのお時間です!!― 【登場人物】(敬称略・順不同) 界刺得世,形製流麗,金束晴天,銀鈴希雨,銅街世津,鉄鞘月代,真珠院珊瑚, 一厘鈴音,苧環華憐,月ノ宮向日葵,津久井浜憐憫,菜水晶子, 遠藤近衛,フィーサ=ティベル,マーガレット=ワトソン,鬼ヶ原嬌看
https://w.atwiki.jp/wspsp_wiki/pages/196.html
autolink RG/W10-105 カード名:常盤台中学の生徒 黒子 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:500 ソウル:1 特徴:《超能力》・《風紀委員》 【永】応援 このカードの前のあなたのキャラすべてに、パワーを+500。 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) いきますわよ初春! レアリティ:TD illust.- このカードをTCG版wikiで調べる
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/2567.html
autolink RG/W10-105 カード名:常盤台中学の生徒 黒子 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:500 ソウル:1 特徴:《超能力》?・《風紀委員》? 【永】応援 このカードの前のあなたのキャラすべてに、パワーを+500。 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) いきますわよ初春! レアリティ:TD illust.- 2010/03/17今日のカード。 手札アンコールつきの応援キャラ。 応援持ちは基本的にサイズが低く、除去されやすいという弱点を持っているためある意味正しい…のだが… あくまで応援は+500に過ぎず、素のサイズも500と小さいため僅差での戦いでもなければ利点は少ない。 一応ではあるが後列に2体並べることで「水着のエリカ」を9500にすることが出来るが、場所を選ばない生徒会パンプ兼アンコール持ちの美鶴がいるため、このカードと組み合わせる意味はあまり無い。
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/2565.html
autolink RG/W10-102 カード名:常盤台中学の生徒 美琴 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:4500 ソウル:1 特徴:《超能力》?・《カエル》? 【自】このカードがリバースした時、このカードとバトル中のキャラのレベルが2以下なら、あなたはそのキャラをリバースしてよい。 【自】バトル中のこのカードがリバースした時、あなたは自分のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1000。 ほら、黒子行くよ! レアリティ:TD illust.- 2010/03/16 今日のカード 言ってしまえばレベル2版μ。 同系統の完二&ロクテンマオウや最大の恐怖アインと比べると、CXが必要無くコストも軽いと考えれば使いやすい。 パワー環境の強い禁書目録&超電磁砲をはじめ、最近の高レベル帯におけるパワーインフレには持ってこいの能力。 レベルダウン系のカードと組み合わせれば、レベル3も狩れる。 ちなみに竜王の顎を使ったレベル0のあの馬鹿も道連れにしてしまい、信じた正義 黒子ともシナジーが取れてしまうという、上条さん使いには天敵のような1枚。 しかしLv0ならともかく、レベル2になって+1000では心もとない。パワーがかなり拮抗していなければ、あまり役に立たないだろう。 《超能力》?であるため、“冥土帰し”のアンコール付加での再利用も視野に入れると良い。 《カエル》?は水着の美琴&黒子ともシナジーするため、デッキタイプによっては有用性が上がるだろう。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/311.html
【種別】 学校名 【初出】 一巻 【解説】 【校風】 【設備】 【派閥制度】 【学校生活】 【名前が判明している在学生】3年生 2年生 1年生 学年不明 【御坂美琴1年生編(本編時系列1年前)当時の在学生】3年生 2年生(現在の3年生) 1年生(現在の2年生) 【関連】常盤台中学に関係する立場の人物 施設等 【解説】 7人存在する超能力者(レベル5)のうち第三位と第五位の2人を擁する、 学園都市の中でも5本の指に入る名門校であり、同時に世界有数のお嬢様学校。 共用地帯『学舎の園』を形成する学校の一つである。 生徒数はおよそ200人。 全寮制で、寮は学舎の園の内部と外部に一つずつ存在する(→常盤台中学学生寮)。 良家の令嬢が数多く在籍していることから、セキュリティは極めて厳重。 「不測の事態に備え、学バスは耐防爆弾仕様になっている」とも噂され、 シャワー室では半導体工場から供給される理論純水が使用されている。 他にも生徒のDNAマップの漏洩を防ぐため、美容院を利用する際は教員の許可を得るか、学校指定の店舗を利用する規則になっている。 アストラル・バディの描写によれば、経営者は統括理事を務める「老化恐怖症の女」らしい。 孫がいることから考えて、実年齢はおそらく高め。 【校風】 名門校なのは名ばかりではなく、 「義務教育終了までに世界に通じる人材を育成する」を基本方針に掲げ、 あらゆる分野においてトップクラスの英才教育を行なっている。 例えばペルシャ絨毯のほつれの直し方や金絵皿の箔の修繕方法といった職人芸のような家庭科や、 選択授業に宇宙事業に関する物が組み込まれていたり、語学の授業で生徒達は数カ国語を当然のように扱ったりと、 中学どころか難関大学もかくやといった授業を展開している。 そのため中学生でありながら、生徒達は論文の執筆も当たり前のように行う。 (ただし、必ずしも中学卒業と同時に社会人となるわけではなく、他の高校へ進学することもありうる) ちなみに常盤台中学は授業と生徒達個人の予習・復習で学業を補完するため、宿題という概念はない。 当然夏休みの宿題もない。 在学条件の一つに強能力者(レベル3)以上である事が含まれており、 生徒数約200人の内訳は超能力者(レベル5)二名、大能力者(レベル4)四十七名、それ以外の生徒も原則的に全員がレベル3。 レベル3未満の能力者は王侯貴族であっても籍を置けず、 某国の姫を超能力面で落としたせいで国際問題に発展しかけたこともあるという。 北条彩鈴のように、他校との交換留学生として例外的にレベル3未満の生徒が一時的に在籍することはある模様。 神苑小路曰く、レベル5の輩出は「常盤台の長年の悲願」だったらしく、 美琴と食蜂以前にレベル5が在籍したことはなかったらしい。 全生徒の能力干渉レベルを総合すると生身でホワイトハウスを攻略出来るとも噂されており、 大覇星祭では、能力開発で学園都市ナンバーワンを誇る長点上機学園には惜しくも敗北したものの、前年に引き続き2年連続準優勝となっていた。 とはいえ、一部の例外を除けば生徒達の実戦経験は皆無に等しく、奇策や不意打ちには脆い。 もちろんその辺は学校側も把握しており、大覇星祭のような機会に 下位能力者の奇策に敗北を喫させることで慢心を戒めている。 【設備】 世界有数のお嬢様学校と評されるだけあって設備も通常の学校とは一線を画している。 「学舎の園」の中央に位置し、学校の敷地は隣接する他の四つのお嬢様学校と共有することで、 互いに費用を出し合って強固なセキュリティ体制を作っている。 理由として常盤台は能力開発の名門でもあることが挙げられ、 良家の令嬢のプライバシー保護はもちろんのこと、 能力開発技術の漏洩・薬品や高度な機材の盗難を防ぐための当然の配慮といえる。 学舎の園の各施設は外観が洋風で統一されているため、校舎も大理石風の白亜の館といった風情がある(アニメではレンガ調になっている)。 校庭も大英博物館前広場のような石畳風であるが、 あくまで石畳「風」であり、その素材は学園都市製の特殊建材のため寸分の凹凸や傾きすらない。 校庭(運動場エリア)には汚れ一つなく何千万本もの光ファイバーが垂直に埋め込まれており、 それらが放つ光点が集まって電光掲示板のように光のラインを自在に描くことで、 競技に使うトラックのラインや能力測定用のラインを引いている。能力値の測定結果も地面に表示される。 校舎内はエアコン完備、窓は薄型でも防音性能をキープする特殊ガラスになっているため外の騒音は聞こえない。 学内の環境は200人程度の生徒規模に対して、余裕のある広さと落ち着いた雰囲気が提供され狭苦しさとは無縁である。 図書室は三階吹き抜けになっておりホテルのエントランスのような重厚なデザインになっている。 自習室もあり特別教室よりも大きな空間に細かく間仕切りで区切ることで、 ネット喫茶にあるような小部屋が並んでいる。 小部屋には勉強机と椅子一つのみで内側から施錠できる。 食堂の他にもカフェテラスが備わっており、生徒がアフタヌーンティーを嗜む姿が作中で見られる。 原作の設定上、風紀委員の支部は各学校に設置されており、 常盤台中学は「風紀委員活動第〇〇三支部」である(*1)。 体育館は特殊なワックスでピカピカ磨かれているため、専用シューズに履き替える必要がある。 プールは屋外・屋内合わせて複数あり、授業の他に水泳部や美琴の能力測定に使用される。 他にもテニスコート、弓道場、音楽の校内試験の会場に使用された講堂などがあり、 身だしなみを整えるためなどの目的としてシャワールームも3つ存在する。 詳細は関連項目参照。 景観が与える心理的効果や授業の実習等を考慮して敷地内は緑が多く、 中庭や裏庭のほか、林業実習用の人工林も存在し、リスなどの小動物も生息している。 その中には常盤台で代々伝わっている「伝説の樹」がある。 最近では新約17巻で美琴がA.A.A.を組み立てる際に学校へ部活として申請し、 数日の内に教室4つ分の広さのガレージを敷地の一角に建てている。 私立の学校がこれだけの設備と高度な機材を維持するためには、学園都市全体の助成金だけではとうてい足りず、 毎年、継続的に生徒が入ってこないと経営が破綻すると言われるほどの莫大な資金が使われている。 生徒200人程度といえど、常盤台がお嬢様の巣窟だからこそ成り立っているといえる。 【派閥制度】 常盤台中学の特色のひとつに、『派閥』という制度が挙げられる。 一般的な学校組織である生徒会や部活動などと異なり、 同じ研究・学習目的や趣味を持った生徒同士が自主的に結成・加入する非公認サークルのようなものであるが、 派閥活動用の「派閥棟」校舎も存在していることから、実態としては学校公認の団体。 ただし顧問などはおらず、派閥間でトラブルなどが起きた場合でも教職員は手出し無用。 詳細は派閥および各派閥のページを参照。 【存在する派閥】 食蜂派閥(最大派閥) 雅王院派閥(2位派閥) 加巳野派閥 国蝶派閥 亥織派閥 戌伏派閥 熊守派閥 辰伎派閥 【過去に存在した派閥】 沙派閥(1年前に存在した派閥。当時の最大派閥) 水鏡派閥(1年前に存在した派閥。当時の2位派閥) 支倉派閥(1年前に存在した派閥。当時の3位派閥) 【学校生活】 当然ながら生徒会や、水泳部などの部活動も存在する。 『アストラル・バディ』では、生徒が風紀委員に相談すべきか「生徒会案件」か迷っていたりなど、 常盤台中学学内の治安維持について生徒会が特別な権限を有していると推測できるシーン・描写がある。 短編『とある三月の二〇一巻』では「常盤台中学生徒会直属の『アレ』」なるものへの言及がある。 制服は、 夏服:ベージュ々のニットベスト+袖ブラウス+灰色無地のプリーツスカート 冬服:キャメル色のブレザー+臙脂色のリボン+長袖ブラウス+紺青系チェック柄プリーツスカート であり、他に合服(春・秋・冬)用に紺色の長袖カーディガンも存在している( 超電磁砲6巻の扉絵 参照)。 なお夏は白いハイソックス、冬服は紺色ハイソックスが標準であるようだが、 美琴や黒子、食蜂、支倉のように、ルーズソックスやオーバーニーハイソックス、黒のタイツなど、 学校指定外と思わしきソックスを着用している生徒もいる。 校則や寮則はかなり厳しく、外出時には休日でも制服の着用が義務付けられており、寮の門限は20時20分。 当然ながら、化粧や華美な格好は許されず、薬用リップやハンドクリーム等までもが禁止されている。 このことから、教員にバレないよう非常に薄く化粧をするというある種の伝統が存在し、 このスタイルは常盤台に憧れる他校生などの間で 「淑女の嗜み(レディライクマナー)」と称して一部で流行しているらしい。 上条曰く常盤台の生徒はラッシュ時の駅の中でも何故か見分けが付くほど気品爆発しているらしい。 下は強能力者(レベル3)から上は超能力者(レベル5)までという、 学園都市全体から見ても極めて高い戦力を有する学校ではあるが、 お嬢様学校である事も相まって、実際に「自分達の能力を活かして生き残る」場面には大半の生徒は長いこと縁が無かった。 実際に彼女達が自らの力の強さを認識したのは大熱波とエレメントが発生した時のこと。 あれほどの非常事態になっても生き残れてしまうほどの力を自分達が持ち合わせている…という事実を受け止めきれず、 結果的にごく一部の戦闘慣れした生徒や 以前から経験と時間をかけて段階的にその事実を結果的に受け止められた生徒達を除いて、 大半が恐怖から行動不能になってしまった。 その後、水晶の塔のブラフにより木原唯一に学舎の園共々襲撃され、 美琴がA.A.A.を所持していたことで唯一の逆鱗に触れたこともあり、特に壊滅的な被害を受けた。 続く新約17巻では、校内にある能力開発用の機材や薬品を狙う群衆達の略奪に遭い、 御坂美琴の心に大きな傷を与えることとなった。 【名前が判明している在学生】 3年生 口囃子早鳥(食蜂派閥) 北条彩鈴(特別交換留学生。正式には別の中学校所属) 帆風潤子(食蜂派閥、『縦ロール』の少女) 弓箭入鹿(派閥不明、弓道部部長) 阿里希茶(現食蜂派閥、元支倉派閥) 2年生 雅王院司(雅王院派閥、生徒会副会長) 切斑芽美(派閥不明) 婚后光子(無派閥) 食蜂操祈(食蜂派閥) 御坂美琴(無派閥) 蜜蟻愛愉(派閥不明) 1年生 泡浮万彬(無派閥、水泳部) 薄絹休味(ドラマCDにのみ登場) 白井黒子(無派閥、風紀委員) 牧上小牧(食蜂派閥、風紀委員) 湾内絹保(無派閥、水泳部) 学年不明 安堂(新約16巻のみ登場) 七海(新約16巻のみ登場) 亥織真白(亥織派閥) 郁島(名前のみ登場) 戌伏(戌伏派閥、名前のみ登場) 加巳野(加巳野派閥) 紀伊(食蜂派閥、『ゆるふわウェーブ』の少女) 熊守手綱(熊守派閥) 国蝶舞結(国蝶派閥) 辰伎美麗(辰伎派閥) 芽生(食蜂派閥、『ツインテール』の少女) 山白(名前のみ登場) なお、上記の名前が明かされている生徒以外にも、切斑の友人として登場する生徒二名や、 食蜂派閥の主要メンバーとして登場する生徒(縦ロールの少女、艶ぼくろの少女、ツインテールの少女ほか)など、 複数回あるいは頻繁に登場するものの、名前や能力などが明かされていないままのキャラクターが複数存在している。 このうち「縦ロールの少女」については、『アストラル・バディ』の主人公に抜擢された際に、 「ツインテールの少女」と「ゆるふわウェーブの少女」については『心理掌握』で、それぞれ名前と能力が明かされた。 これらの食蜂派閥主要メンバーについては食蜂派閥を参照。 【御坂美琴1年生編(本編時系列1年前)当時の在学生】 【名前が判明している在学生】の項で記載した生徒を除く 3年生 朝倉・オリビア・萌亜(水鏡派閥) 天乃綾音(未編集) (支倉派閥) 安賭蜴吹禾(支倉派閥) 潤井葵花(水鏡派閥) 花山院つかさ(水鏡派閥) 神苑小路瑠璃懸巣(無派閥) 支倉冷理(支倉派閥) 水鏡凪紗(水鏡派閥) 2年生(現在の3年生) 炎乗香炭(支倉派閥) 角坂凛奈(水鏡派閥) 沙淡扇(沙派閥) 助澤世菜(水鏡派閥) 林麗華(沙派閥) リリー(沙派閥) 1年生(現在の2年生) 潔斎雪紫(支倉派閥) 欧陽茜(沙派閥) 【関連】 常盤台中学に関係する立場の人物 →海原光貴:学園理事長の孫 →坂島道端:学園指定美容院店主 →寮監 →綿辺(わたなべ):教諭 →赤鮫(あかざめ):女教師 施設等 →常盤台中学学生寮(ときわだいちゅうがくがくせいりょう) →帰様の浴院(かえりさまのよくいん)
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/331.html
【種別】 施設名 【初出】 三巻 【解説】 常盤台中学の学生寮は学舎の園の内と外に一つずつあり、それぞれ内部寮・外部寮とされている。 原作小説や漫画などで頻繁に登場する、御坂美琴と白井黒子が住まう寮は外部寮の方である。 当然ながら、どちらも女子寮である。 【常盤台中学外部寮】 第七学区に存在する。常盤台中学学生寮前というバス停も存在する。 近代的な街並みの中にドカンと建てられた石造り三階建ての洋館じみた建物。 庭はなく歩道沿いに建っている。 外観を見た上条は、 古めかしくは見せているが最新式のセキュリティ満載なんだろうと当たりをつけていた。 玄関を入るとホールで、階段と左右に向かう廊下があり、全体に貴族の邸宅のような雰囲気になっている。 部屋自体はホテルのような感じになっているようだ。 アニメとある科学の超電磁砲19話や同作二期のとある科学の超電磁砲Sでは、 図書館と言っても差し支えのない規模の図書室や、ステージを組める程の専用庭の存在も確認された。 御坂美琴と白井黒子はここに入寮している。 二人はルームメイトで部屋番号は二〇八号室。 黒子は美琴の本来のルームメイトではなく、別の同居人が居たのだが、 美琴と敵対する立場にあったようで、 黒子曰くあくまでも合法的に出て行ってもらったらしい。 ちなみに土御門舞夏も学校の実習でこの寮にはよく出入りしている。 帆風潤子もここの寮生であることがアストラル・バディ第2話で明かされた。 寮の朝の生活リズムは、 午前七時:起床、以後三十分以内に身だしなみを見苦しくない程度に整える。 午前七時三十分:食堂へ集合、点呼を取ってから午前八時までに食事を完了させる。 というもの。 また、寮則により、寮内での能力の使用は堅く禁じられているらしく、大っぴらに能力を使用してしまうと、 鬼の寮監がやって来て、レベル4だろうが、レベル5であっても、恐ろしい目に遭うようだ。 夏頃には「常盤台中学女子寮盛夏祭」という行事も催される。 【常盤台中学学舎の園内部寮】 学舎の園の内にあり、婚后光子が転入の際に美琴に案内してもらっていた。 食蜂操祈も学舎の園内部の方の寮に入っている。 これには万一の場合に備え、強大な能力を持つ二人の超能力者を別々に管理することで、二人が協力して行動することを防ぐ狙いがある模様。 【所属寮が判明している学生】 常盤台中学学舎の園内部寮 婚后光子 食蜂操祈 常盤台中学外部寮 帆風潤子 御坂美琴 白井黒子
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/983.html
「これで・・・よし。皆には心配掛けちゃったし・・・。これは、後で埋め合わせみたいなことをしないといけないかな?」 ここは、学生寮にある図書室。寮なのに図書館並みの広さと貯蔵量を誇っている所に、常盤台の拘りを感じる。 この図書室には、2階へと続く階段があった。おそらくは、2階に住むお嬢様達の部屋とを繋ぐ廊下に通じているのだろう。 界刺は、午前中はここで過ごすことにしていた。今は、不動達『シンボル』のメンバーに自分が無事である旨のメール送信を終えたばかりである。 「余り金無いんだけどなぁ。どうしようか・・・・・・」 今この図書室に居るのは、界刺と常盤台生1人であった。その常盤台生が、先程から本を読むフリをしながらチラチラとこちらに視線を向けていた。 「・・・チラッ」 大和撫子と形容すればいいのか、和の雰囲気漂う黒髪ロング姫カットの少女―鬼ヶ原嬌看―の視線に界刺も偶然を装って自らの視線を合わす。 「・・・チラッ」 「ビクッ!!・・・・・・」 すると、鬼ヶ原はすぐに視線を逸らして手に持っている本の影に顔を隠してしまう。このやり取りが、もう数回発生しているのだ。 何故彼女がそんなことをするのか、またそんな行動を繰り返すのかは界刺にもわからない。唯、こうもチラチラされてはこちらとしても何だか落ち着かない。 「(・・・そういや、肝心なことを忘れてた。俺ってば、絶賛女難中なんだよな。しかも、ここには女しか居ない。・・・もしかして、俺ってヤバイんじゃあ・・・)」 界刺は、背中に冷や汗をかく。ここ最近は、女性と関わると碌なことにならない状態がずっと続いている。 「(何つったか・・・“常盤台バカルテット”だったか?あの連中に、今朝は酷い目を喰らったし。『食物奉行』のお嬢様2人には命を脅かされるし。 サニーや珊瑚ちゃんは別にするとしても、バカ形製やリンリン、苧環には色んな被害を被ってるし。もしかしたらあの娘も・・・チラッ)」 「ビクッ!!!・・・・・・」 思考中の界刺をまたしてもコソっとチラ見していた鬼ヶ原は、彼の視線を受けてまた引っ込んだ。これは・・・本格的にまずいかもしれない。 先程も、月ノ宮や真珠院が自分の部屋に案内すると執拗に迫ってきたり、“常盤台バカルテット”の4名は隙あらば自分に色んなイタズラを仕掛けてきたり等、 こちらの事情を一切無視した言動に界刺は呆れ果てていた。女という生き物は、男の事情ガン無視ですか?というのが、率直な本音だった。 「(・・・何かイライラするな。気が昂ぶってるっていうか。昨日のアレのせいか?ったく、ホントツイてない)」 思い出すのは、昨夜の死闘。凄まじい殺気を振り撒く殺人鬼と命のやり取りを繰り広げた界刺は、普段の無気力さを醸し出す彼には珍しく気が昂ぶっていた。 そして、その雰囲気とは全く別種の、しかし自分にとって“不愉快”なお嬢様集団やこの空間にも、似たような苛立ちを覚えていた。 「(・・・・・・チッ。噂をすればみたいな感じか?)」 そんな時、界刺は看破する。己が能力『光学装飾』によって。・・・本当なら、今は相手にしたくは無いのだが、 放置していれば向こうが余計な真似をして来ないとも限らない。 故に、界刺はある行動に出る。これもまた、普段の彼には珍しい・・・強硬手段。その足掛かりとして、界刺は立ち上がる。 「・・・チラッ」 「え~と、光学関係の本はっと・・・」 鬼ヶ原の視線を無視し、界刺は本棚に近寄る。そして、懐から警棒を取り出す。もちろん、『光学装飾』によって偽装し、己の挙動を誰にも悟られないようにした上で。 予定の位置に着いた。角度も十分。これで、条件は整った。そして、男は後ろを振り返り・・・警棒をブン投げる。 ドコッ!!! 「「キャッ!!?」」 「・・・そんな所でコソコソ隠れてないで、とっとと出て来たらどうだ、リンリン?それと、珊瑚ちゃんも?」 『光学装飾』を使用することで、界刺が投げる姿及び投射された警棒は隠れていた一厘と真珠院の目には映らなかった。 2階に居る自分達の、すぐ近くにある壁に警棒がぶつかった音―彼女達にとっては不意に発生した音―に、一厘と真珠院は身を竦ませる。 「そこの壁の傷は、君達が弁償するんだよ。イライラしている俺を、更にイラつかせる真似をした君達の責任だ。それと、その警棒を持って俺の前に来い。いいね?」 「わ、わかりました・・・」 「・・・申し訳ありません」 「(や、やっぱり・・・男の方って恐い!!)」 予想外な界刺の行動にビビる一厘と真珠院。一方、鬼ヶ原は自分の中にある男性への見方に確信を持つ。 一厘と真珠院は、界刺の言う通り警棒を持って界刺の前に立つ。そして、真珠院が界刺へ警棒を手渡した。 「・・・・・・」 「ご、ごめんなさい。け、決して界刺さんを驚かそうとかそんなことを考えていたんじゃ無いんです」 「・・・やっぱり『光学装飾』なのですか?私と一厘先輩の存在に気が付かれたのは?」 「・・・そうだよ。これはもう前もって言っておくけど、君達が姿を隠したりとか、変装したりしても、体の一部分が露出さえしていれば俺にはすぐに誰かわかるから。 何故なら、俺は君達の血流パターンを覚えているからね。これは、“静脈認証”と言った方がわかりやすいか?」 「“静脈認証”・・・。赤外線を使った、個人を特定する方法の一種ですね」 「そう。厳密には“近赤外線”だけどね」 “静脈認証”。人の静脈を流れる血流パターンを、体の何処かに“近赤外線”を透過させることで識別する認証方法の一種。 界刺は、この応用を含めた光操作で暗闇や霧濃い時でも人間を瞬時に識別している。 特に“静脈認証”による血流パターンは、人1人のものであるために識別において重宝している。 「だから、今後はこんなくだらない真似は一切するな。俺に用があるんなら、堂々と真正面から来い。次は・・・警告じゃ済まねぇぞ?」 「・・・はい」 「肝に・・・命じます」 界刺の厳しい言葉に、2人の少女は項垂れる。そうして、界刺は少女達を自分が座っているテーブルへと促す。 少女達は、彼に怒られたこともあってか椅子に力無く座る。そのしょんぼりした様子に、界刺も怒りの表情を解く。 「・・・で?俺に何の用だ?」 「え、え~と・・・」 「・・・一厘先輩から先に・・・」 「・・・俺は言ったよな?俺に用があるなら堂々としろって。ここまで来て『やっぱいいです』なんて口走りやがったら・・・潰すぞ、コラ?」 「(・・・!!か、界刺さん、すっごくご機嫌ナナメだ!!ヤ、ヤバイ!!!)」 「(・・・!!生半可な気持ちで臨んではいけない・・・そう心に誓った筈!!こんな醜態を、これ以上得世様に晒すわけにはいかない!!!)」 少女達は猛省する。心の何処かで、自分達が目の前の男に甘えていたことを。それが、この男の機嫌を損ねたのも。 これは、自分達の問題なのだ。自分達の問題に関する相談をこの男に持ち掛けるために、ここに来たのだ。 ここに来てようやく覚悟を決めた少女達は、自分達の先を歩く男へ言葉を放つ。 「実は・・・私達の能力について界刺さんのアドバイスを貰いたいなと思ったんです」 「アドバイス?え~と、リンちゃんの『物質操作』についてはわかっているけど・・・珊瑚ちゃんの能力って何なの?」 「私は、レベル3の『念動使い』。タイプとしては、一厘先輩と同種ということになります」 「念動力系か・・・。俺って光学系だから、そこまで念動力系に詳しくないんだけど?」 「そんな得世様だからこそ、応用力に富んでいるあなた様だからこそ、私はご相談させて頂きたいのです!!」 「うおっ!?」 勢い余ってテーブルを叩く真珠院の真剣さに、界刺も瞠目する。その勢いに負けじと、一厘も身を乗り出す。 本当なら、『必ず追い付いてみせる』と宣言した相手に頼るのは筋違いかもしれない、否、筋違いだろう。 だが、四の五の言ってはいられない。こんな機会は、そう何度も無いのだ。それに、界刺が居るのは今日1日だけ。それは、一厘にとっては短すぎる時間。 自分の能力を最大限に活かせる方法を見出す切欠を掴むためにも、一厘は恥も外聞も捨てて目の前の男に頼み込む。 「界刺さん!!どうか、あなたの知恵を貸して頂きたいんです!!私が、私達の未来が懸かっているんです!!!」 「未来って・・・!!大げさだなぁ」 「大げさじゃ無いんです!!」 「得世様!!どうか・・・!!」 「ッッ!!・・・わかった、わかったよ。(・・・何か面倒な流れになって来たぞ)」 少女2人の懇願に、男は嫌々ながらも相談に乗ることを決断する。先程の厳しい接し方に、多少の負い目を感じていたが故に。 相談内容は、以下の通り。 真珠院珊瑚の能力『念動使い』は、文字通り念じたものを動かす能力である。 彼女の場合、念動力自体の強さや動かせる重量、精密さ等に大きなアドバンテージがある反面、 対象の物体に触れないと動かすことができないという致命的な欠点があった。 レベル3認定を受けているのはそのアドバンテージ故であり、この欠点が解消すれば間違い無くレベル4認定を受けられるとまで言われていた。 真珠院は、欠点による己の能力が応用力に乏しい現状を憂いていた。この打開の術を、界刺のアドバイスによって見出そうと考えていた。 一方、一厘鈴音の能力『物質操作』は、自分の周囲(自身を中心に半径30m)にある個体の物質を意のままに動かす能力である。 操作するのに接触の有無は関係無く、特に精度の面においては真珠院さえも上回る力量を持つが、一つの物質に割ける重量が15kgという大きなハンデを抱えている。 元来レベル4認定を受けるレベルでは無いのだが、その精度がずば抜けているため認定されている。ようは、レベル4でも下位に位置するのだ。(一厘自身も自覚している) 一厘は、自身の能力を最大限に活かせる方法を見出すための切欠を、界刺に求めたのだ。 「ふ~ん。念動力系とは言っても、色んなタイプがあるんだな。当たり前だけど」 「私は、真珠院の重量制限値の高さが羨ましいな。私も合計で1tくらいまでなら操作できるんだけど、その限界値を殆ど活かせてないから」 「あら、私からすれば一厘先輩の『接触の有無は関係無く』念動力を行使できる点が、大変羨ましいですわ」 一厘と真珠院の会話を聞きながら、界刺は色んなことを頭に思い浮かべる。自身の経験や、仲間のこと等を。そして、界刺が語り始める。 「応用と一口に言っても、自分が何を目指すのかによって色々変わって来る。それは、君達もわかっているよね?」 「「はい!」」 「まずは珊瑚ちゃん。君は、どういう『念動使い』を目指したいんだい?」 「私は・・・とにかく接触しなくても念動力が使えるようになりたいです。例えば、今の私では熱された物体を操作することはできませんから」 「・・・そんなに『今の』能力は不満かい?」 「・・・はい。今の能力は、正直な所自分の理想としているものではありません。触れることなく自由自在に物体を操ることができれ・・・」 「そんじゃさ、君は『念動使い』で地面とかを隆起させることはできるの?」 「えっ!?そ、それは・・・」 「(始まった・・・。界刺さんの『詐欺話術 ペテンステージ 』が!!)」 一厘が個人的に名付けた、他者の心を容赦無く抉り取る界刺の話術。それが、生粋のお嬢様である真珠院に襲い掛かる。 「その反応だと、無理みたいだね。君が言ってた重量限界値の高さも、案外大したこと無いのかな?こりゃ、お嬢様が誇ってた精度の方も期待外れか?」 「得世様・・・!!それは、私に対する侮辱ですか・・・!?」 「いんや、唯の感想。君ってさ、生粋のお嬢様なんだよね?もしかして、ナイフやフォーク以外の重い物を持ったことはありません的な過去があったとかそんなクチ?」 「!?ど、どうしてそれを・・・!?」 「だって、君って苦労した経験が殆ど無さそうな風に見えるからさ。・・・だから逃げるんだろ? 自分がぶち当たった“壁”から目を逸らしたくて、そんなできもしない願望に縋ってるんだろ?」 「ッッ!!!」 「・・・ふ~ん。君って、そんな恐そうな顔もできるんだね。能天気な天然系お嬢様でも、図星を言い当てられればそんな顔になるのか」 界刺の瞳に映るのは、普段の様子を知る者ならば驚愕するであろう、怒りと屈辱が浮き彫りになった真珠院の表情。 「君さ、本当に『今の』能力でやり残したことって無いわけ?俺は専門外だから頓珍漢なことを言ってるのかもしれないけど」 「やり残したこと・・・!?」 「そう。例えば・・・今さっき言った地面を隆起させたりとか。 『念動使い』ってのは、応用力に富んだ使い方もできるし、パワー勝負に活かしたりできる能力だと俺は思うわけ。 言い換えれば、『念動使い』は『パワー勝負にも応用できる』という考え方が可能なんだよ、珊瑚ちゃん?」 「!!」 それは、真珠院が今まで思い付きもしなかった考え方。応用力に欠けると考えていた己の能力それ自体が、1つの応用であると男は言う。 「突き詰めて考えていくと、パワー型の念動力系能力者ってのは相当ヤバイと思うんだ。 もしかしたら、『ビルの根元を無理矢理引っこ抜いて、それを自在に振り回す』なんて芸当も可能かもしれない。 これも、立派な応用の1つだ。能力の種類だけじゃ無い、能力が作用する物質をどうやって扱うのかってのも自分の応用力が試されるもんだぜ?」 そう言って、界刺は自分の懐から警棒を取り出す。 「これは、何時も俺が持ち歩いている伸縮型の警棒なんだけど、これは直接的な攻撃力に欠ける俺が編み出した数少ない攻撃手段の1つだ」 もちろん、強烈な光線で目に障害を与えることもできるが、界刺自身は好まない。そのために考えた応用の1つ。 「俺自身を不可視状態にして、敵を惑わせている間に警棒でぶん殴る。拳とかで殴るよりも威力あるしね。これも、応用の1つ。 まぁ、この警棒は前まで持っていたヤツとは違う“改良型”だけど。珊瑚ちゃん、君が言う程君の能力は応用に乏しいわけじゃ無いんだよ? それは、能力者である君の頭が悪いだけ。気付いていないだけ。思い付かないだけ。 決して君の才能である『念動使い』のせいじゃ無い。結局さ・・・君がバカでアホでマヌケなだけ。違う?」 「・・・!!!」 真珠院は、界刺の言葉を浴びて呆然となる。『バカ』、『アホ』、『マヌケ』。いずれも、今まで一度たりとも言われたことの無い侮辱の数々。 しかも、今日あったばかりの異性に容赦無くこき下ろされたのだ。普段は温厚な自分でも、これだけのことを言われて反論しないわけにはいかない・・・筈だった。 それなのに・・・言葉が出ない。喉の奥から言の葉が出て来ない。その理由がわからないから・・・少女は呆然とするしか無かった。 そんな少女の表情を見て、男は矛先をもう1人の少女へ変える。 「リンちゃん?」 「は、はい!」 「君はこう言ったね。『自分の能力を最大限に活かす方法を見出したい』ってさ。 だったら・・・最大限じゃ無いにしろ、自分の能力に見合ったそれなりの応用方法は考えているんだろ?」 「・・・よくわかりましたね」 「だって、“以前”のこともあるんだし、俺の性格も君は知ってるよね?もし、これで君が何も考えずに俺に相談しに来ていたら、俺は君を確実に見限っていたよ?」 「(あ、危ねええぇぇっ!!!!)」 一厘は、内心で冷や汗を幾つも流す。もし、自分が界刺の言う通り何も考えていなければ、ここで終わりだったのだ。自分が界刺へ抱く“想い”も全て。 その有り得たかもしれない現実に恐怖しながら、一厘は界刺の問いに返答する。 「今は・・・これを完璧に使いこなそうと思って訓練しています」 「・・・これは?」 「消しゴム?」 一厘がポケットから取り出したのは、一見すれば消しゴムに見える何かであった。 界刺と一厘が会話している間に何とか呆然状態から脱した真珠院と、質問側の界刺が訝しむ。 その反応を予想していた一厘は、種明かしをするために『物質操作』により消しゴムのようなものを宙へ浮かし・・・スイッチを入れる。 バチバチ!!! 「うおっ!?」 「キャッ!?」 消しゴムのような何かから聞こえたのは・・・電撃の音。 「これは、『DSKA―004』と呼ばれるスタンガンです。最近スタンガンを集める機会が多かったんですけど、その時に見付けた一品です」 「スタンガン!?」 「そうです。ちなみに、『DSKA―004』を覆っていたのはゴムじゃ無い物質です。意外に脆くできているので、『物質操作』の強さ程度で除去できるんです。 スタンガンであるのを隠すには便利ですよね。最大で250万ボルトまで電圧を上げられるので、攻撃手段としても有効じゃないかなって」 一厘は、界刺や春咲と共に過激派の救済委員と戦った際に、己の戦闘方法の未熟さを痛感させられていた。このままでは駄目だ。 その思いから、直ぐに行動を開始した。目的は、『物質操作』で操作できる範囲内で有効な武器として使える何かを探し出すこと。 その時に一厘が目に付けたのがスタンガン。夜遅くまであちこちの店を巡り、買い漁り、見付けたのがこの『DSKA―004』。 「名前の由来は『D』電極を『S』刺した『K』カエルの『A』足、そして4号機から取ってるんですって。 今は、これを常時20機持っています。何時もは通学鞄に入れておいて、いざという時にこれを用いて戦闘を」 「一厘先輩・・・!!」 「・・・成程。いいと思うよ、リンリン」 「あ、ありがとうございます」 界刺に褒められるとは思っていなかった一厘は、少し照れながらも会話を続ける。 「でも、これだけじゃあ足りないんです。私が目指すのは、こんなちっぽけな物を操作することじゃ無い。 あの“花盛の宙姫”みたいに、もっと色んな物体を自由自在に操作したい!!そう考え・・・」 一厘の脳裏に思い浮かぶのは、あの戦場で自身畏怖した“花盛の宙姫”の姿。 空を自由に飛行し、重量級の物体を幾重にも操作し、液体さえも自在に振るったあの姿がどうしても一厘の頭から離れない。自分が目指すのは・・・あの姿。 「ん~ふっふっふ」 そこへ聞こえて来るのは、自身がアドバイスを希った男の苦笑い。 「リンリン~。さっき俺が君を褒めたばかりなのに、何でそんなこと言うかな。これじゃあ、折角の俺の行為が無駄になっちゃうじゃないか」 「・・・いけないことですか?私には無理だって言いたいんですか?あの“宙姫”のような才能が私には無いって・・・ウッ!?」 あわや一厘が激昂しかけたタイミングでそれを阻んだのは、界刺の手に浮かんだ小さな光球。 「・・・俺が君の年の頃にはこれを発生させるのがやっとだった。これ以外のことは、殆どできなかった」 「えっ!?」 「得世様が・・・!?」 カミングアウト。それは、界刺にとっても苦い思い出。 「こんな光球を生み出せた所で、一体何の意味がある?この学園都市には、この光球の代わりなんて腐る程ある。それは、外の世界にも。 リンちゃん。珊瑚ちゃん。質問しよう。これを生み出すのがやっとな能力者が、 自分の能力における応用方法に悩んでいたとして、君達は一体どんなアドバイスを送れるんだい?」 「そ、それは・・・!!」 「ッッ・・・!!!」 一厘と真珠院は、界刺の問いに返答できない。界刺の言う通り、この程度の光球を生み出すのがやっとな光学系能力者に、自分達はどんな助言を送れるというのだ。 少なくとも、今の自分達にはその能力者に有益なアドバイスを送ることなんて不可能だ。精々精神論くらいかもしれない。 「・・・まぁ、色々悩んだよ。きっと、君達の何倍も深く、深く。能力だけじゃ無い。自分自身の存在価値についても強く、強く。 幸か不幸か、その間にレベルが急激に上がってね。悩んだおかげかどうかは知らないけど、 レベルが上がったことに浮かれて、はしゃいで・・・ボッコボコにされたこともあったな」 「「・・・!!!」」 少女達は知る。目の前の男にも、自分達のように悩み苦しんだ時期があったことを。 「だからさ、リンリン。君は、まだ全然悩み抜いていないと思うんだよ。自分の身にある君の『物質操作』についても。俺から見たら・・・ね。 他の人から見たら違うかもしれないけど。これは、珊瑚ちゃんにも言えることだね。 敢えて言わせて貰えれば・・・君達は『今の』自分が持つ能力を把握し切れていないんだよ。 そんな君達が、幾らデッカイことを叫んでも大言壮語にしかならないと思うよ。そもそもさ、自分の能力を把握できていない奴に一体何が成し遂げられるって言うんだい?」 男は容赦無く断言する。自分の言葉が、少女達が成長する一助になることを願って。 「・・・これは、あくまで俺の見方だから。それが違うってんなら、無視すればいい。俺が絶対に正しいってわけじゃ無い。間違ってることもあるだろう。 俺は、君達のことを全部知ってるわけじゃ無いしね。後は・・・君達次第だ」 「・・・それってずるくないですか?私達次第って?」 「でも、事実だし」 「確かに・・・私達次第ですよね。得世様の言葉を、どう受け止めるのかは」 「そ。珊瑚ちゃん、大正解!少しは頭が良くなったのかな?」 「・・・今度常盤台の授業に出る問題を解いてみませんか?教材なら、幾らでもお貸ししますよ、得世様?」 「いや、いい」 相談は終了。界刺の雰囲気から、一厘と真珠院はそう判断する。 「ちなみに・・・今の界刺さんって光を操作できる範囲ってどれくらいなんですか?」 「今?今は自分を中心にして、半径250mって所かな?」 「2、250m!!?」 「直径500m・・・!!広いですね・・・!!」 「俺が、まず自分の能力で向上させたかった部分だからね。最初の方は、特に重点的に訓練したよ?」 逆に界刺は、一厘と真珠院の雰囲気から、彼女達がもう少しアドバイスを貰いたいと考えていることを見抜き、会話を続ける。 「さっきも言ったけど、当時の俺は自分にできることがすっごく限られていたからね。逆に言うと、自分の能力を把握すること自体は結構容易かったんだ。 だから、まずは自分にできる範囲や得意不得意を認識することに努めた。次に、どの方向へ自分の能力を伸ばしたいのかを考えた。 俺が持っている警棒のように、自分の能力と相性のいい又は弱点を補えるような手段も一緒に。頭が痛くなるくらいに考えた。何日も・・・何日も!! そこからは、ひたすら訓練あるのみ。さて、リンリン。俺が言いたいことが何かわかるか?」 「・・・私達は、あなたの言う訓練段階にさえ達していない・・・ですか?」 「そう。さっき俺が君を褒めたのは、君がようやく自分の能力を把握して、向上させる方向を決めて練習し始めたと思ったからだ。どうやら、俺の勘違いだったようだけど」 「グッ・・・!!」 突き付けられる無慈悲で非情な断言。 他者の持つ世界(こころ)に詐欺(ことば)を突き刺し、他者に新たな世界を得る機会を与える舞台(にんげん)。故に・・・界刺得世。名は体を表す。 「そういや君等ってさ、派閥とか入ったりしていないの?」 「えっ!?え、え~と、入っていないです。風紀委員活動が忙しいですし」 「私は、まだどの派閥に入るかを決めかねています。これといって入りたいと思う派閥もありませんし」 急な方針転換を図る界刺の意図が読めない2人であったが、とりあえず質問には答える。 「君等さ・・・失念しているかもしれないけど、何も能力向上ってのは1人で取り組まなくてもいいんだぜ?」 「そ、それはわかってますよ!」 「いんや、わかってない。リンちゃん。君は涙簾ちゃんと組んだこともあったでしょ?あの時、君はどう思ったの?」 「あ、あの時ですか・・・?・・・・・・・・・『水楯さんって凄いなぁ』って・・・」 ドスッ!! 「痛っ!?な、何でいきなりチョップを・・・!!」 「・・・嘘は良くないなぁ、リンリン?君は嘘が下手だね?この俺を騙せるとでも思ったかい?」 「ううぅぅ・・・。で、でも・・・」 ガシッ!!グリグリ!!! 「キャアアアアァァッッ!!!!痛い!!痛い!!」 「さぁ、洗いざらい吐くんだ。もし嘘を貫くってんなら、俺の必殺技『警棒をお尻に突き刺す刑』を敢行するぜ?(真っ赤な大嘘)」 「ええぇっ!!?い、嫌!!嫌です!!!それだけは!!!」 「そんじゃあ吐け!!」 「うううううぅぅぅっっ!!!!」 「(・・・そんなおぞましい技があるのですね。世の中は不思議ですね~)」 「ビクビクビク!!」 うつ伏せバージョンのマウントポジションを取り、一厘に馬乗りした状態でこめかみをグリグリする界刺。 一厘の叫び声が図書室に響く中、真珠院は他人事のように思案に耽り、存在感皆無な鬼ヶ原はビビりっ放しであった。 「・・・それって嘘を吐くようなことか?ようは、俺の言葉から自分の行動を省みただけの話じゃん」 「ううううぅぅぅっっ・・・!!」 (何とか『警棒をお尻に突き刺す刑』は免れた)一厘が語った言葉に、界刺が疑問を呈す。 「だ、だってぇ・・・。さっき界刺さんに駄目出しを連発されたし・・・グスン。 私、また界刺さんに『成長していないなぁ』って言われたく無かったから・・・。それで・・・。うううううぅぅぅっっ!!!」 「(・・・少しやり過ぎたか?)」 肉体的ダメージよりも精神的ダメージの方がでかそうな一厘に対して、界刺は思わず髪を掻き毟る。 「うううううぅぅぅっっ!!!」 「・・・・・・チッ。おい、一厘。ちょっと来い!」 「!!・・・はい」 『一厘』。界刺からは渾名で呼ばれることが殆どな一厘にとって、彼が自分の名前をちゃんと呼ぶ時は・・・彼が真剣である証。 それを知っている一厘は、涙を拭きながら界刺の下へ近寄った。 「簡潔に聞くわ。お前、俺にどうして貰いたい!?」 「!!それって・・・」 「つまりだ!お前は、自分の能力の在り方について悩んでんだろ?そんでもって、俺にアドバイスを求めて来た。 だが、肝心のお前自身が勘違いしてる部分もあるし、俺を気にして自分の本音を中々明かさねぇ。こんなんじゃ、俺のアドバイスも活かされるかどうか知れたモンじゃ無ぇ。 一厘鈴音!お前はどうしたいんだ?俺に何を求めるんだ?今ここで・・・ハッキリさせろ!!」 「・・・!!!」 これは、界刺の冷酷で、無慈悲で、容赦無い“温情”。それを理解した一厘は、ようやく自分の本音を語る。 「わ、私は・・・私は!!界刺さんに教えて貰いたいんです!!私の行く道を!!私の在り方を!!1人で悩み苦しむのが・・・辛いんです!! 進まないといけないのはわかってるんです!!でも、自分は今何処を歩いているんだろうって・・・この方向で合ってるのかなって・・・どうしても不安になるんです!! あ、あな、あなたの背中が・・・とても遠くに感じられて・・・。不安で・・・不安で・・・すごく苦しいんです・・・!!!」 「(一厘先輩・・・!!得世様のことを・・・!!)」 本当はいけないことはわかってる。これは、独力で解決しないといけないこと。誰かに教えて貰うとか、誰かに任せるとかじゃいけないこと。 でも、とても大きな不安が自分を苛める。苦しい。すごく苦しい。だから・・・だから・・・ 「なぁ、珊瑚ちゃん。常盤台の派閥間で交流とかあったりすんの?」 「えっ?わ、私にも詳しいことはわかりませんが、それ程盛んでは無いようです。 むしろ、派閥に属する生徒を他の派閥が引き抜いたり、新入生の勧誘等における競争さえ発生しているようです。唯、派閥間の衝突はそれ程大きな問題にはなっていません。 そもそも常盤台においては、大きな派閥に属することが一種のステータスになっていますし、その創始者ともなれば高い名声を得るとさえ言われています。 例えば、常盤台に君臨する最大派閥の創始者である学園都市第五位のレベル5、食蜂操祈様の場合は・・・」 「もういい。それだけわかれば十分だ。派閥争い・・・か。はぁ・・・本当にクソ面倒臭ぇ」 真珠院の回答を受け、界刺は改めて一厘に相対する。 「一厘。君は、自分の能力を把握したいか?『どんな手を使ってでも?』」 「・・・!!は、はい!!!」 「わかった。それと、君ってすぐ泣くね。泣き虫さんだね。今度から“泣き虫リンリン”って呼ぼうか?語呂もいいし」 「うぅっ!!」 「感情豊かなのは結構だけど・・・。珊瑚ちゃん。君はどうだい?」 「・・・得世様のお力添えを頂けるのですか?」 「まぁ、見方を変えればそういうことにもなるかな?別の言い方をすれば、君達に試練を与えることになるけど」 「でしたら・・・私はあなた様が出されるあらゆる試練を乗り越えてみせます!私の進むべき道を見出せるというのなら、どんな障害も踏破してみせます!」 「・・・覚悟ありか。んふっ・・・上等!!」 「(な、何だろう?何かとんでも無いことが起こりそうな気がする・・・!!あの男の方は、この常盤台に何をもたらすつもりなの!?)」 鬼ヶ原は、畏怖する体が起こす震えを止められない。あの界刺という男は、一体何をするつもりなのだ? 「よければ君も来るかい、大和撫子さん?」 「ビクッ!!?」 チラ見しているのが界刺にバレていた鬼ヶ原に不意打ち的な声が掛かる。それに驚いた鬼ヶ原は・・・ 「(しまった!!『発情促進』をあの方に!?)」 界刺へ向けて能力を行使してしまう。鬼ヶ原の能力『発情促進』は、対象者に行使すると男女問わず自分へ向けて発情させてしまうという、ある意味恐ろしい能力である。 今では制御できるようになったものの、昔はうまく制御できなかったがために男性に襲われたこともしばしばあったために、彼女は今尚男性不信状態である。 しかし、驚いた時等に能力が暴発する癖は完全には直ってはおらず、今回界刺へ『発情促進』を行使してしまったのはその暴発であった。 「(ま、まま、まずい!!は、早くここから逃げないと!!!)」 鬼ヶ原は、自分を襲って来るであろう碧髪の男から逃れるために動こうとする。しかし・・・ 「反応無しか・・・。まぁ、いいや。それじゃあ、一緒に寮監さんの所へ許可を貰いに行くぜ?泣き虫リンリン!珊瑚ちゃん!」 「許可・・・ですか?それと、その渾名・・・」 「わかりました」 「(あ、あれ?あの男の方・・・こっちに来ない。確かに『発情促進』はあの方へ行使したのに?どうして・・・)」 一厘と真珠院を連れ立って図書室から退室する界刺に対して、己の能力が効かないことに疑問ばかりが浮かぶ鬼ヶ原。 ちなみに、『発情促進』が界刺に効かなかったのは、今の彼が絶賛女難中だからである。 最近会った女性の殆どが、自分に対して様々な種類の“不愉快さ”を持ち込んで来たために、今の界刺は所謂女性不信状態に陥っていた。 参考 『界刺得世女難遍歴(現時点における判明分。自業自得分含む)』 ○『恵みの大地』にて、自分のファッションを店長・“常盤台バカルテット”、形製等に笑われて恥をかく。(「とある男子高校生と美しさ」より) ○形製の『分身人形』による洗脳で、腕立て伏せ・腹筋・背筋を300回ずつやらされる。(「とある男子高校生とスキルアウト③」より) ○形製の脅しにより筋肉痛に苦しむ中、『だるまさんが転んでも漢は踏み止まれゲーム』に強制参加させられる。(「とある男子高校生とスキルアウト⑤」より) ○本来味方である筈の月ノ宮に泣かれ、参加者全員から非難と侮蔑の視線を浴びる。(「とある男子高校生とスキルアウト⑥」より) ○ゲームの顛末によりボロボロになり、気絶中に苧環に腹への一撃を喰らう+スキルアウト討伐へ強制参加させられる。(「とある男子高校生とスキルアウト⑦~⑪」より) ○『軍隊蟻』の煙草の情報により、彼等の“お嬢”が界刺の首を狙っていることが判明する。(「とある男子高校生とスキルアウト⑪」より) ○風紀委員第159支部の面々とバイキングで食事をしていた際に、春咲に利用された鉄枷の一撃を左頬に喰らう。(「とある男子高校生とレベル」より) ○春咲の救済委員活動に同行する羽目になる。(「とある男子高校生と心の叫び」及び「とある男子高校生と救済委員」全般より) ○救済委員活動に同行している間、日常的な睡眠不足及びテストの成績悪化。(「とある男子高校生と救済委員④」より) ○救済委員活動に同行したことにより、救済委員の1人である雅艶にボコボコにされる。(「とある男子高校生と救済委員⑤~⑥」より) ○『恵みの大地』にて形製のスネ虫に付き合わされた挙句に、店長の大地から激辛タバスコ満載のアンパンを食べさせられる。(「とある男子高校生と救済委員⑫」より) ○一厘の、春咲への懺悔等に付き合わされる。(「とある男子高校生と救済委員⑭」より) ○救済委員活動に同行したことにより、救済委員の1人である刈野に春咲へ貸していた自分のスーツを燃やされる。(「とある男子高校生と救済委員⑯」より) ○昔、赤毛少女に名前を尋ねた時に回答拒否+股間への蹴りを何発も喰らったことを思い出す。(「とある男子高校生と救済委員⑱」より) ○春咲に鳩尾をぶん殴られる。(「とある男子高校生と救済委員22」より) ○林檎に『音響砲弾』による大音量攻撃及び蹴りを何度も喰らう。(「とある男子高校生と救済委員29」より) ○春咲との問答にイライラ、躯園の言動にイライラ、破輩との問答にイライラ、一厘をおんぶして歩く羽目になってイライラ等。(「とある男子高校生と救済委員」全般より) ○月ノ宮に体当たりを喰らい、追い掛け回され、焔火に顔面へ突き刺さる跳び蹴りを喰らい、喋るのが困難となる。(「とある男子高校生と尾行①~②」より) ○春咲に鉄拳制裁を喰らう。(「とある男子高校生と長たる者①」より) ○苧環に泣き喚かれ、苧環を尾行していた殺人鬼と戦闘する羽目になり、その殺人鬼に気に入られる。(「とある男子高校生と長たる者②」及び「とある男子高校生と傭兵」より) ○形製への贈り物に多額の出費をさせられた挙句、形製へ贈り物を届ける最中に負傷する。(「とある男子高校生と長たる者③」より) ○形製にヘッドロックを掛けられる。(「とある男子高校生と常盤台中学①」より) ○金束と銅街にタックルを、銀鈴には氷漬け、津久井浜と菜水には、気分が優れないのに朝食の完食を脅しでもって強要される。(「とある男子高校生と常盤台中学②」より) ○静かに過ごしている最中に一厘と真珠院がコソコソ近付いて来たのでイラつき、口頭による実り少ない相談に付き合わされる。(「とある男子高校生と常盤台中学③」上記まで) 以上、暫定23個。今後も増加予定。 故に、今の界刺は異性に発情等しない。 (=形製や春咲、一厘や真珠院達を女(性・恋愛対象)として見ていない。そのために、普通に付き合えているとも言えるが。もちろん、同姓にも) 昨日の殺人鬼との戦闘が及ぼした影響も大きかったのかもしれないが、とにもかくにも今この時において、鬼ヶ原の『発情促進』は界刺には効かなかったのだ。 「(初めてだ・・・。『発情促進』が効かない男の方なんて。あの人は光を操る能力者だから、私の『発情促進』を防ぐなんてことはできない筈なのに・・・)」 だが、それとは関係無しに、否、関係していたからこそ、とある1人の少女を動かす契機になる時もある。 「(・・・何だろ。この胸の高鳴りは・・・)」 少女は、自分の体から発する鼓動を強く感じる。 「(一厘先輩や真珠院さんが認める方・・・。確かに恐い面もあるけど、それだけじゃ無いのはさっきのやり取りからもわかる)」 厳しくも、怒りながらも、けなしながらも、それでも一厘や真珠院を突き放さなかった男。そして、その男の言葉に少女は確かな説得力を感じていた。 「界刺・・・得世・・・」 実際に言葉に出した後に、人差し指で自分の唇をなぞる少女―鬼ヶ原嬌看―の頬は・・・何時しか赤く染まっていた。 ガヤガヤガヤ 「苧環様!!界刺様達は、一体何を始めるつもりなんですか!?」 「さ、さぁ?ね、ねぇ形製!い、今から一体何が始まるの!?」 「そ、そんなことあたしだって知らないよ!?あのバカ界刺、今度は一体何を企んでるんだ!?」 ここは、学生寮にある広大な庭。日差しを防ぐ木も多く立ち並び、その気になればステージを組めるほど広大なここに、寮に住む常盤台生の殆どが集っていた。 「アイツと一緒に居るのは、珊瑚と一厘先輩!?希雨、アイツが何をしようとしてるかわかる!?」 「う~ん~。ここで能力戦闘とかかな?でも、寮内での能力使用って固く禁じられてるしね~」 「希雨は、さっきそるで寮監にこってりしぼられたき、説得力が違うったいね」 「そ、それじゃあ一体あの方と一厘先輩達は何を・・・?」 「あらあら、あの殿方がまた何かを始めようとしていらっしゃるの?」 「また光を使った面白い芸でも披露して頂けるんでしょうかね、津久井浜さん?」 庭の中心で立っているのは界刺、一厘、真珠院の3名。彼等彼女等は寮監に特別に許可を取り、この庭を使った“とある講習”を始めるつもりであった。 「あ!あの殿方、懐から警棒みたいなのを取り出しましたよ!!」 「フム。これは・・・もしかしたら本当に能力を使った戦闘を始めるつもりかも。後、マーガレット!貴方はできるだけ静かにしなさいね?五月蝿いから」 「も、申し訳ありません、フィーサ様。しかし、あの者は一体どのような手段で寮監の説得を・・・」 「界刺・・・得世・・・」 午前11時30分時を回り、夏の日差しが強烈に注ぐ。カラっとしたそよ風が庭を吹き抜けて行くが、周囲を賑わす蝉は相変わらずであった。 「「よろしくお願いします!!」」 「了解。そんじゃ、おっ始めるか!」 一厘と真珠院の挨拶に、界刺が軽く応える。“とある講習”は、じきに始まる。それを声高らかに宣言するために、界刺は大きく息を吸って思いっ切り声を張り上げる。 「さあて!!今から常盤台に通うお嬢様達の実力を測らせて貰うぜ!!!どうせ、『レベルが高いから強いんだ』的な“素人集団”だろうけどな!!!」 「「「「「「「「「「「「「!!!!!」」」」」」」」」」」」」 月ノ宮向日葵が、苧環華憐が、形製流麗が、金束晴天が、銀鈴希雨が、銅街世津が、鉄鞘月代が、津久井浜憐憫が、菜水晶子が、 遠藤近衛が、フィーサ=ティベルが、マーガレット=ワトソンが、鬼ヶ原嬌看が、真珠院珊瑚が、一厘鈴音が、他の常盤台生全員が、 予想だにしない界刺得世の挑発に驚愕する。 「言っとくが、俺は相手が女だからって手加減するつもりは無ぇぞ?最近だと、俺に危害を加えてきた中学生の女の子をボコボコにして病院送りにしてやったこともあるしな。 名門常盤台のお嬢様だって、例外じゃ無ぇぞ?寮監さんの許可も取ったしな。俺と戦うってんなら、それ相応の覚悟で来い。いいな、一厘鈴音!!真珠院珊瑚!!」 「は、はい!!」 「わかりました・・・!!」 「もし、そこで見学している“素人集団”の中で俺達との戦闘に参加したい奴が居れば、何時でも参戦して構わないぜ?んふっ。それだけの度胸があればの話だけどな?」 人を不愉快にさせる笑みに加え、度重なる挑発を敢行する界刺。その身から漂う雰囲気は、食堂で見たものとは一変していた。 「最後に忠告しといてやる。手加減はするな。でなきゃ、1分も経たずにお前等は地べたに這い蹲ることになるぜ!? 俺も、『その気』で行かせて貰う。今日のパーティーに無様な格好で出席したく無けりゃあ・・・俺を殺す気で来い!!」 「(あの界刺さんと・・・本気で戦う!!・・・ビビるな、一厘鈴音!!ここで踏ん張らなきゃ、女が廃るってもんよ!!)」 「(ゴクッ・・・!!今の私にできる全てを、得世様へ示す。それだけに集中する!!)」 一厘は幾多の『DSKA―004』を宙に浮かし、真珠院は傍にある木に触れる。対する界刺は両手に“改良型”警棒を持ち、臨戦態勢に入る。もうすぐ、戦闘が始まる。 「(あれは・・・あの目は!!)」 そんな中で形製だけが気付いたそれは、色。自身が唯1人“恐怖”した男、界刺得世の目に『本気』の色が見え隠れし始めていたが故に。 continue!!
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/54005.html
登録日:2023/04/30 Sun 07 48 04 更新日:2023/10/31 Tue 16 47 12NEW! 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 お嬢様学校 とあるシリーズ とある科学の心理掌握 とある科学の超電磁砲 とある魔術の禁書目録 アストラル・バディ エリート校 中学校 全寮制 名門校 変人養成機関 奇人の巣窟 女子校 学園都市 学校 学舎の園 常盤台 常盤台中学 教育機関 架空の学校 派閥 異能集団 私立常盤台中学校 超能力者 隠しても隠しきれない人格破綻者の集まり 私立常盤台中学校とは、『とある魔術の禁書目録』に登場する架空の学校。 外伝の『とある科学の超電磁砲』や更にそのスピンオフである『アストラル・バディ』・『とある科学の心理掌握』にも登場しており、こちらで判明した情報も多い。 【概要】◆学舎の園 ◆派閥 ◆生徒会選挙 【主な在籍者及び関係者】◆一年生 ◆二年生 ◆三年生 ◆OG(美琴が一年生の時の三年生) ◆職員 【概要】 数多く存在する『学園都市』の学校の中でも屈指の名門校。 男女別学のいわゆる女子校で、全寮制のお嬢様学校。生徒数は二百人。 中等教育学校かつ私立校だが、初等科や高等部、付属大学といった系列校は存在しない。 「世界に通用する人材の育成」を掲げており、中学校ながら大学レベルの教育を行っている。 基本的に入学を許可されるのは『レベル3(強能力者)』以上の能力者から。 そのせいで以前に某国の王族が足切りに合い、入学不許可とされたため国際問題に発展した事も。 学園都市全体でも七人しか存在しない『レベル5(超能力者)』が二人在籍している事でも有名。 それ以外にも『レベル4(大能力者)』が47人、『レベル3(強能力者)』が151人在籍しており、常盤台中学の全戦力をもってすればホワイトハウスを攻略可能とさえ噂されている。 名門校であるからか、在籍者は良くも悪くもエリート意識が強い。 とある生徒曰く「貴顕淑女の皆様が切磋琢磨しながらライバルを蹴落とす機会を虎視眈々と伺っていたり、卒業後を見据えて人脈を構築しつつも在学中に上下関係を分からせ、社会に出た後もマウントを取れるよう計らう場所」とのこと。 ◆学舎の園 第七学区の南西端に存在する五つのお嬢様学校の共用地帯。 常盤台中学以外に枝垂桜学園の名前が判明しており、それ以外の学校名は不明。 これら五つの学校は、いずれも学園都市に存在する学校の中でも屈指の名門校で、中でも常盤台中学はずば抜けた存在。 一般的な学校の十五倍以上の面積を持ち、周囲には大きな柵が張り巡らされている。 内部は小さいながらも「街」となっており、白い建物と石畳の多い街並みと言う洋風の外観。 道路標識や信号機も外とは違うデザインという徹底ぶりで、敷地内には全部で2458台の監視カメラが配備されており、治安の悪い『学園都市』の中では比較的治安も良好。 敷地内には五つのお嬢様学校の関係者しか居らず、基本的に生徒や教員等以外の立ち入りは禁止されているが、外部の友人を招待する等の理由なら立ち入り許可が下りる模様。 学校施設に加え各校の学生寮や実験施設の他、喫茶店や洋服屋といった生活必需品の店も揃っており、『学舎の園』の内部と外部では物価が二桁違うとのこと。 『学舎の園』内の店舗は外部と比べて閉店時間が早く夕刻には閉店するが、これは恐らく学校の最終下校時刻に合わせているのだと推測される。 ちなみに常盤台中学の学生寮は、『学舎の園』の内部と外部に二つ存在しており、美琴と黒子は外部寮で生活している。 ◆派閥 常盤台中学の学生達によって結成された私的なサークルのようなもの。 同系統の能力の研究会だったり、人格形成の為のサロンだったりと目的は様々。 それらの中でも特に大きいものは学校内に留まらず社会に影響を及ぼす事もある。 中でも最大派閥を一年以上かつ卒業まで維持した学生は『永代女王(マジェスティ)』と呼ばれ統括理事の椅子を始めとする出世コースを約束されるとのこと。 食蜂派閥 常盤台中学の最大派閥。 学園都市全体でも七人しか存在しない『レベル5(超能力者)』の一人である食蜂操祈が率いる派閥。 沙派閥 外伝の『とある科学の超電磁砲』の過去編で登場。 常盤台三大派閥の一つで美琴が入学した時点での最大派閥。 当時二年生だった沙淡扇が率いる派閥で全校生徒の23%を占める。 『有力者(ギフテッド)の責務』という理念の下、慈善活動を行っており、派閥員も奉仕精神に溢れるメンバー揃いで人望と実力を兼ね備えている。 ここ最近、五本指の中で常盤台の評判が際立っているのは沙派閥のおかげとさえ言われている。 美琴が二年生の時点では、常盤台中学の最大派閥の座を食蜂派閥に奪われているが、理由は不明。 派閥のメンバーの一部が食蜂派閥に所属している事から何らかの理由で解散している可能性が高い。 水鏡派閥 外伝の『とある科学の超電磁砲』の過去編で登場。 常盤台三大派閥の一つで美琴が入学した時点での第二派閥。 当時三年生だった水鏡凪紗が率いる派閥で全校生徒の19%を占める。 水鏡の能力に惹かれ集まった欲望に正直なグループで、水鏡の『油性操作(オイルディレクション)』の能力を用いて身体の脂肪を操作し、自身の胸を大きくしたり、ウエストを細くしたりする事を目的としている。 派閥に貢献した人間だけが能力の対象になる為、熱量は三大派閥でも随一。 支倉派閥 外伝の『とある科学の超電磁砲』の過去編で登場。 常盤台三大派閥の一つで美琴が入学した時点での第三派閥。 当時三年生だった支倉冷理が率いる派閥で、全校生徒の17%を占める。 名門常盤台中学の学年主席である支倉のカリスマ性に魅かれ集まった集団。 常盤台三大派閥の中では最も古株だが、美琴が入学した時点では後発の水鏡派閥と沙派閥に抜かれ三番手に甘んじている。 執行部を持たない全員平等な組織運営が特徴で、周りを蹴落としてでも上に行こうとする向上心溢れる肉食系派閥。 所属する派閥メンバーは精鋭揃い。食蜂の評価によると人数では劣るものの実際の戦力は支倉派閥>水鏡派閥>沙派閥とのこと。 ◆生徒会選挙 アメリカの大統領選挙に近い二段階選挙制。 立候補するには派閥に所属していることが必須。 選挙で選出されるのは生徒会長のみで、役員などは生徒会長が任命する形式のため、所属派閥のメンバーが任命される事が多い模様。 【前半:派閥選挙】 全校生徒が派閥に投票する『派閥選挙』。 全校生徒の過半数の票を得た派閥があれば決着。 過半数を獲得した派閥がなければ、本選挙へと移行する。 【後半:本選挙】 『派閥選挙』における上位三派閥の代表者が最終候補者となる。 下位五派閥の代表者が『選挙人(エレクター)』となって、最終候補者に投票する。 【禁止事項】 投票人を洗脳するなどの投票結果を直接操作するような能力の行使は失格。 派閥を小分けにして複数派閥を作っても失格。 【主な在籍者及び関係者】 ◆一年生 白井黒子(しらいくろこ) 美琴の後輩でルームメイト。 常盤台中学の『風紀委員(ジャッジメント)』を務めている。 能力は『レベル4(大能力者)』の『空間移動(テレポート)』。 詳細は個別項目を参照。 泡浮万彬(あわつきまあや) 白井黒子の級友で水泳部員。 婚后光子と湾内絹保とは友人でよく3人で行動している。 能力は『レベル3(強能力者)』の『流体反発(フロートダイヤル)』。 自身とその周囲の物体にかかる浮力を操作できる能力。 湾内絹保(わんないきぬほ) 白井黒子の級友で水泳部員。 婚后光子と泡浮万彬とは友人でよく3人で行動している。 能力は『レベル3(強能力者)』の『水流操作(ハイドロハンド)』。 自身から18mの範囲の水塊を自由に操作できる能力。 但し、自由と言っても細かな塊を大量に保持することはできず、同時に操作できる水塊の数は4つに限られる。 全体で保持できる水の量は300L前後で、大体冷蔵庫一個分位の量の水を操る事が可能。 牧上小牧(まきがみこまき) 常盤台中学の『風紀委員(ジャッジメント)』。 レベルは不明だが光学系の能力者で、自身と触れたものを透明にする能力を持つ。 風紀委員(ジャッジメント)としては新米だが、自分の教育係にも関わらず「もはや始末書を書くのが趣味のレベル」で規則違反ばかりしている先輩の黒子に若干呆れている。 食蜂派閥のメンバーでもあるが、「女王」と呼ぶのは恥ずかしいので食蜂の事は「さん」付けで呼んでいる。 ◆二年生 御坂美琴(みさかみこと) 学園都市全体でも七人しか存在しない『レベル5(超能力者)』の一人。 『電撃使い(エレクトロマスター)』で「超電磁砲(レールガン)」の異名で呼ばれている常盤台中学のエース。 詳細は個別項目を参照。 食蜂操祈(しょくほうみさき) 学園都市全体でも七人しか存在しない『レベル5(超能力者)』の一人。 常盤台中学の中でも最大派閥を誇る食蜂派閥の長で「常盤台の女王」の異名で呼ばれている。 詳細は個別項目を参照。 婚后光子(こんごうみつこ) 美琴の級友。 常盤台中学には他校から二年生の時に編入してきた。 能力は『レベル4(大能力者)』の『空力使い(エアロハンド)』。 詳細は個別項目を参照。 蜜蟻愛愉(みつありあゆ) 以前は常盤台中学に所属していたが、現在は不明。 精神系の能力者で『レベル3(強能力者)』の『心理穿孔(メンタルスティンガー)』を持つ。 雅王院司(がおういんつかさ) 常盤台中学の生徒会副会長。 食蜂派閥に次ぐ第二派閥である雅王院派閥を率いる。 常盤台中学の敷地内ですら道に迷うほどの重度の方向音痴。 生徒会長選挙の立候補者の一人で、常盤台中学に存在する全派閥の解体を公約に掲げている。 潔斎雪紫(けっさいきよし) 美琴の元ルームメイト。 レベルは不明だが蒸気を発生させる能力を持つ。 支倉派閥のメンバーで、美琴のルームメイトが内部寮に移動し、美琴との相部屋に空きが出たため、派閥の幹部である阿里希茶の命令で監視役として送り込まれた。 苗字は別だが実は沙派閥の長である沙淡扇の妹で、支倉派閥だけではなく姉の沙にも情報を流している。 二年時では美琴のルームメイトは彼女から白井黒子に代わっているが、黒子曰く「前のルームメイトは裏切者だったので立ち退いてもらった(意訳)」とのこと。 欧陽(オウヤン)茜(あかね) 食蜂派閥のメンバーの一人。 1年生時は沙派閥に所属していた。 『レベル4(大能力者)』の能力者で鳥類を呼び寄せ操る能力。 単純な命令であれば千羽同時に操る事が出来る。 また、鳥と視界を共有する事も可能だが、激しい乗り物酔いに襲われるため好んではいない。 切斑(きりふ)芽美(めぐみ) 能力は『レベル4(大能力者)』の『念動力(テレキネシス)』。 自身の能力を用いて常盤台中学に転入してきた直後の婚后光子を揶揄っていた。 大覇星祭ではバルーンハンターに参加。 敵校の男子生徒を撃破して油断していた処を隠れ潜んでいた念動力(テレキネシス)の女子生徒から不意打ちを受け撃破された。 アニメ版三期ではアニオリで上条の同級生・姫神の夢の差し替えで登場。 夢の中でバルーンハンターで撃破された際のことを思い出しながら、「ドヤ顔であんなチョンボしてほんと恥ずかしい」と後悔していたが、先輩の口囃子早鳥(こばやしさとり)に励まされていた。 ◆三年生 帆風潤子(ほかぜじゅんこ) 食蜂操祈の側近で食蜂派閥のNo.2。通称「縦ロールちゃん」。 能力は『レベル4(大能力者)』の『天衣装着(ランペイジドレス)』。 電気で身体能力を強化する能力。 詳細は個別項目を参照。 口囃子早鳥(こばやしさとり) 食蜂派閥の幹部。 能力は『レベル3(強能力者)』の『念話能力(テレパス)』。 虫全般が苦手で特に蜘蛛が大嫌い。 阿里希茶(あさときさ) 食蜂派閥の幹部。口元に艶ぼくろがあるのが特徴。 2年生時は支倉派閥に所属しており支倉冷理の卒業後に食蜂派閥入りしたと思われる。 本人曰く「支倉派閥の悪巧み担当」で人の良い支倉玲理に代わって、派閥の取りまとめのための裏工作や諜報活動などを行っている。 ちなみに好物はパンケーキ。 末吹華散(みぶきかざん) 食蜂派閥の幹部。黒髪のロングヘアーのメガネっ子。 素手で帆風潤子とも渡り合えるほどの武闘家で合気道に似た武術の使い手。 2年生時は支倉派閥に所属しており支倉冷理の卒業後に食蜂派閥入りしたと思われる。 沙淡扇(シア=タンシャン) 美琴が1年生の時の先輩で常盤台三大派閥の一つ沙派閥の長。 沙派閥は当時の常盤台では最大派閥を誇っており、『永代女王(マジェスティ)』に最も近かった人物。 病弱で保健室に居る事が多いため『保健室の女帝』なる異名を持つ。 黒髪のロングヘアーのメガネっ子。食蜂を凌駕するほどの巨乳の持ち主だがノーブラ派。 パンダの人形を持ち歩いており会話の際は人形を通じて会話する。 能力は『レベル4(大能力者)』の『読心能力(サイコメトリー)』。 遺物を対象にした読心能力者で情報を読み取るだけではなく、短時間であれば物理的に出力も可能。 出力された対象は生物であれば動き、声を発する。ただし、使用した物体は能力の使用後に黒い塵となって消えてしまう為、基本的に使い捨てとなる。 能力を応用して他人の能力を再現し使用する事も可能だが、再現された能力はオリジナルの能力に比べると精度が若干落ちる模様。 支倉派閥と水鏡派閥の派閥抗争の真の黒幕。 自派の最大派閥の維持の為に支倉冷理の海外の学会でのデモンストレーション成功による支倉派閥の伸長阻止という目的で支倉派閥と水鏡派閥の派閥抗争を演出した。 苗字は別だが実は美琴の元ルームメイトである潔斎雪紫の姉で、妹の雪紫をスパイとして支倉派閥に送り込んでいる。 炎乗炭香(えんじょうすみか) 支倉派閥のメンバーの一人。 能力は『レベル3(強能力者)』の『念動力(テレキネシス)』。 ひも状の織物を自在に操る事が可能。 実家は地方の旧家。 助澤世菜(すけざわせな) 水鏡派閥のメンバーの一人で派閥の長である水鏡凪紗の側近。 『レベル3(強能力者)』の能力者で、カルシウムを操る能力。 サプリメントを摂取して自身の骨や歯を超強化したり、地中のカルシウムを集めて武器や防具を作り出す事が可能。 子供の頃に実家の別荘の湖でカエルが大量発生していらいカエルが大の苦手。 カエルのキャラクターも嫌い。 支倉派閥との抗争が終結した後、水鏡の能力で胸を大きくしてもらった。 角坂凛奈(かくさかりんな) 水鏡派閥のメンバーの一人で派閥の長である水鏡凪紗の側近。 『レベル3(強能力者)』の能力者で、甲殻類の殻や昆虫の外骨格のようなキチン質の鎧を生成する能力。 戦艦並みの装甲を作り出す事も可能だが、実際にやると鎧が重くなりすぎて身動きが取れなくなる。 支倉派閥との抗争が終結した後、水鏡の能力で体脂肪を減らしてもらった。 リリー 沙派閥の幹部。沙派閥の実質的なNo.2。 支倉派閥と水鏡派閥の抗争の際は、食蜂操祈が裏で糸を引いているのではと考え、派閥のメンバーを引き連れ食蜂を問質すべく独断で接触を試みるも、護衛である帆風潤子に返り討ちに合った。 林麗華(リン=レイファ) 沙派閥のメンバーの一人。 『レベル4(大能力者)』の能力者で、植物の成長速度を操る能力。 奥の手として大量の花粉を生産させ砂嵐ならぬ花粉嵐を巻き起こす事が出来るが、 嵐の中心に自分が居る事が条件のため使用の際はガスマスクが必須。 弓箭入鹿(ゆみやいるか) 常盤台中学の弓道部主将。 『才人工房(クローンドリー)』第三研究室『内部進化(アイデアル)』の出身。 暗部組織『スクール』のメンバーである弓箭猟虎(ゆみやらっこ)の妹。 コミュ障の姉を支えていた影響で面倒見が良いが、ややスキンシップが過剰。無意識に相手にキスする癖がある。 帆風潤子の影響で隠れゲコラーになっており、彼女との弓道勝負で手に入れたゲコ太ポーチを大切にしている。 常に陣頭に立ち好戦的に見えるが本来は参謀ポジションを好み、権謀術数を駆使して闘わずして相手を屈服させ悦に入るタイプ。 能力は『レベル4(大能力者)』の『波動使い(ヴェブコンダクター)』。 光や音など『波動的な性質を持つもの』を操る能力で、波動を収縮・増幅させる事で、攻撃に転用する事が可能。 波動の発生源が手元に有る方が能力を操作し易い為、戦闘時には大型の懐中電灯とレーザーポインターを使用する。 ◆OG(美琴が一年生の時の三年生) 支倉冷理(はせくられいり) 常盤台三大派閥の一つ支倉派閥の長。実家は京都にある茶道の大家。 常盤台中学の学年主席であり、能力者としても食蜂操祈と御坂美琴が入学するまではトップだった。 能力は『レベル4(大能力者)』の『水素結合(ハイドロジェンステーション)』。 水素を操る能力を持ち、四つのサイクル・磁気冷凍・ペルチェ効果まで自在に操れる。 試したことは無いが、水素に水素を埋め込む事で重水素を生み出し、核融合反応を起こす事も理論上は可能。 必殺技は物質を絶対零度まで冷却する『全般量子個体変化(フリーズチェックメイト-273)』。 総合力では『レベル5(超能力者)』にも劣らない完璧超人で、自己肯定力が強いが、最近は「最大派閥の長だった(・・・)人」「元(・)常盤台最強」など過去の人扱いされる事が多く、地味に凹んでいる。 水鏡凪紗(みかがみなぎさ) 常盤台三大派閥の一つ水鏡派閥の長。 能力は『レベル3(強能力者)』の『油性操作(オイルディレクション)』。 主に人体の脂肪を増減させることができる能力。 詳細は個別項目を参照。 神苑小路瑠璃懸巣(しんえんこうじるりかけす) 通称「ルリ先輩」。 教師も手を焼くほどの自由人で、魔の自動販売機に1万円札を呑まれた美琴に自販機蹴りの技を伝授した人物。 美琴とは気が合うのか放課後は大抵二人で行動している。 実は黒子の前任者で常盤台中学の『風紀委員(ジャッジメント)』を務めている。 安賭蜴吹禾(やすとばすいか) 支倉派閥のメンバーの一人。 派閥のメンバーからも「狂犬」と言われるほどの武闘派。 両手で触れている物体の支点と作用点を自在に変化させる能力を持ち、戦闘の際は鎖分銅を使用する。 単独で『レベル3(強能力者)』の能力者2人を圧倒する高い戦闘能力を持つ。 水鏡派閥との抗争の際は、単身水鏡凪紗を襲撃するも返り討ちに合ってしまった。 派閥の長である支倉冷理に心酔しているが、派閥のメンバーからは若干孤立気味で、本人もその事を気にしている。 ちなみに在学生の中では一番の長身。 天乃綾音(あまのあやね) 支倉派閥のメンバーの一人。 能力は『レベル4(大能力者)』の『気圧操作(エアプレッシャー)』。 気圧を操り壁に張り付いたり真空波で遠くにいる敵を切り裂く事が可能。 以前から『レベル5(超能力者)』の実力を知りたがっており、美琴が派閥抗争に介入した際に単身決闘を挑んだ。 潤井葵花(うるいきか) 水鏡派閥のメンバーの一人。 『レベル4(大能力者)』の能力者で、天然ゴムを生成し操る能力。 水鏡派閥のなかでも強気な発言が目立ち、支倉派閥との抗争にも積極的。 以前は自分で派閥を立ち上げる事も考えていたが美容整形目的で水鏡派閥入りした。 朝倉(あさくら)オリビア萌亜(もあ) 水鏡派閥のメンバーの一人。 体表の角質を変化させる能力。 能力を使用するとまるで悪魔のような角とカギ爪が形成される。 自身の容姿に不満はないが、友達付き合いで水鏡派閥に入った。 雑誌では「角爪」と呼ばれていたが単行本化の際に苗字が変更された。 花山院(かざんいん)つかさ 水鏡派閥のメンバーの一人。 『レベル4(大能力者)』の『空力使い(エアロハンド)』。 圧縮空気で対象を自在に切断・研磨・締め付ける事が可能。 出力は並だが精密さは巧緻を極める. 名家の出身で、成り上がり者の平民が常盤台中学に入学する事を快く思っていない。 美術部に所属しており、その筋では将来有望な若手彫刻家として知られている。 ◆職員 寮監 常盤台中学校の学生寮の寮監。 詳細は個別項目を参照。 綿辺(わたなべ) 常盤台中学校の教師。 理事長 学園都市の頂点に立つ12人の統括理事の一人で海原光貴の祖母。 学園都市統括理事会には老化恐怖症の女が二人居り各々の方法で若さを競っているらしく、その内の一人が彼女。 食蜂操祈との取引で『才人工房(クローンドリー)』の被験者の子供達を常盤台中学に入学させた。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 今まで気が付かなかったけど実は学園都市の項目も無いのね -- 名無しさん (2023-04-30 09 38 58) 学園都市は構造が複雑化し過ぎて項目にまとめられるのか感ある。九龍城みたいになってんぞ -- 名無しさん (2023-04-30 15 40 29) 卒業したらって社会でマウント取るっていうけど学園都市から出れるのだろうか……今なら出れそうだけど -- 名無しさん (2023-04-30 16 37 36) 全戦力投入すればホワイトハウスの攻略「可能」止まりってむしろホワイトハウスどんだけ強いんだ -- 名無しさん (2023-04-30 19 08 17) ふりがなが…ふりがなが多い!! -- 名無しさん (2023-04-30 20 42 42) 権力争いで生徒同士が能力(凶器)で襲撃かましたりと相当アレなお嬢様学校ですな -- 名無しさん (2023-04-30 23 27 40) 日本版ホグワーツ -- 名無しさん (2023-05-01 01 10 23) 最近読んでないけど、キャラ増えたな -- 名無しさん (2023-05-01 01 27 09) イメージ的には女の子版鈴蘭男子校ってイメージ -- 名無しさん (2023-05-01 01 40 56) ↑6禁書本編でアメリカ大統領が登場してるがまああのオッサンが指揮してたらそうそう落とせないだろうな↑2美琴の中1時代の過去編が今やっててその時の先輩が大量に登場したからな(同時に今の常盤台はその時に比べるとかなり穏健ってのもわかったが) -- 名無しさん (2023-05-01 09 19 08) 大学クラスの授業をする中学生を見たことあるけど、学校という名のガチガチの国家。先生が干渉するまでもなく縦社会作ってるの、怖いの -- 名無しさん (2023-05-01 10 09 22) 超能力持ちしか居ないから、マウントとりも「野放図に力つかうなら上から抑えるぞ」という抑止にも思える -- 名無しさん (2023-05-01 19 05 46) こう見ると常盤台の戦力やべえな -- 名無しさん (2023-05-02 18 51 40) 理事長は老化恐怖症らしいから外見的には相当若作りなんだろうけど実は素性を隠して常盤台に学生として潜り込んでいたりして -- 名無しさん (2023-05-08 12 40 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/1041.html
金束晴天は、常盤台に通う中学2年生である。とある財閥の令嬢なのだが、幼稚園の頃から学園都市で生活していたせいか、お嬢様っぽさ皆無である。 彼女自身、親の期待に応える為に必死になって勉学・能力開発に努め、結果無事に学園都市において5本指に入る名門校常盤台中学へ入学することができたのだが、 入学してみたら周りには派手な能力ばかり。その上、同級生に超能力者が居るという現実が彼女に襲い掛かった。 入学後に、自身の能力が伸び悩んでいるのも手伝ったのだろう。今では、腐ってはいないもののすっかり“負け犬根性”が染み付いてしまっていた。 金束自身は、この“負け犬根性”というのを割りと肯定的に受け取っていた。常盤台に通う生徒は、総じてお嬢様なせいか矜持(プライド)の高い性格が多かった。 その中で、高過ぎる矜持を捨てることで何かを為すこともできる筈だ。レベルの高さや能力の強さだけに囚われていては、何時か足元を掬われる。 そう考え、今まで必死こいて生きて来た。その過程で、銀鈴、銅街、鉄鞘というかけがえの無い親友を持つこともできた。 『ブラックウィザード』と呼ばれるスキルアウトから助けたことで、真珠院という後輩を持つこともできた。何時しか、金束自身にも、ある種の自信が付き始めていた。 “負け犬”にしては順風満帆な学生生活を送っていた・・・そんな時に現れた碧髪の男。成瀬台高校2年生の界刺得世。 彼は、金束が定義する『レベルが高いから強いんだ』的な高位能力者では無い。また、自身が持つ能力の強さに溺れていない。その上矜持も高くない。それ故に・・・強い。 事実、一厘・真珠院・津久井浜・苧環・フィーサ・マーガレットの6名がこの男に挑み、いずれもが敗北を喫した。 その姿は・・・かつて金束自身が思い描いていた『自分の在り方』。常盤台へ入学する前の自分が目指していた姿。 “負け犬”でも『レベルが高いから強いんだ』的な人間でも無い。本当の意味で強い人間。自分が憧れて・・・目指して・・・でもなれなかった理想。 そんな、自分にとっての理想に居る男が自分の“負け犬根性”を叩き潰すと宣言した。その言葉を聞いた瞬間・・・金束晴天は微かに震えた。 「・・・1つ聞きたいんだけど」 「ん?何かな、晴ちゃん?」 「・・・ハァ。・・・何でアタシ達との勝負を受ける気になったの?最初は『面倒臭い』って言ってたくせに」 太陽は隠れ、風も強く吹き始めたこの庭には界刺と“常盤台バカルテット”が立っている。 「気が変わったから」 「はっ!?何それ!?」 「『ブラックウィザード』について色々話していた時に、ふと思い出したんだ。君が“負け犬”どうこう言ってたことを。 んふっ、思い出さなかったら君達との勝負を受けるつもりはなかったんだけど、思い出しちゃったからね。 この際、叩き潰しておこうかなって思って。後腐れの無いように、ボッコボコにしとこうって」 界刺が、“バカルテット”の“講習”への参加を認めた理由を聞いて唖然とする金束、銀鈴、銅街、鉄鞘。ようは、唯の気紛れなのだ。 「ンフフ~♪晴ちゃんをボコボコにするんですか~♪・・・そんなことを許すとでも・・・!?ンフフ~♪返り討ちにしてあげます~」 「アタイ達がおまんをボコボコにしたるけん、覚悟しぃや!!」 「私の友達を傷付ける人は・・・絶対に許しませんです!!」 「・・・君等が俺に勝負を挑んで来たんじゃなかったっけ?まぁ、いいや。そんな君達に、1つ忠告しておこう」 「忠告?何よ?」 銀鈴達の言葉に呆れる界刺が言い放つ忠告。それは、真剣勝負の意味。 「今回は、少しだけ『本気』で行くよ?周りが見えなくなる程『本気』を出すわけじゃ無いけど」 「「「「!!?」」」」 界刺の『本気』。それは、『相手を殺す気』。今までの“講習”でついぞ見せなかった『本気』の断片を、 よりにもよって自分達に出すと碧髪の男は忠告して来たのである。 「ど、どうしてよ!?ア、アタシ達なんかより、フィーサや苧環先輩と戦っていた時に出すようなモンじゃ無いの!?」 「ふ~ん。そんなに、俺が恐いのか?・・・最初に俺に見せた威勢の良さは何処へ行った・・・晴天・・・!!?」 「!!!」 界刺の目が、変わった。目は見開かれ、瞳孔も開いている。背丈の関係から自然と見下される形になっているその視線には・・・殺気が含まれていた。 「情けねぇな。たかが、俺の『本気』の断片だぜ?俺と戦うっていうテメェ等の本気度はその程度かよ?ハハッ、こりゃ幼稚園児並の小心さだな」 声にも殺気が含まれ始める。醸し出す雰囲気が一変する。 「だが、何処ぞの“負け犬”よろしく尻尾巻いて逃げるなんて選択肢をテメェ等に与えるつもりは無ぇ。一度、このステージに立ったんだ。 テメェ等がこのステージから降りる手段は2つだけだ。テメェ等が俺をボコボコにするか、俺がテメェ等をボコボコにするか、2つに1つだ」 碧髪の男は、懐から ダークナイト を取り出す。そして、ある赤外線通信を行う。 「これが、さっき言っていた ダークナイト 。テメェ等も、午前の“講習”で見ただろ?」 「そ、それが何だって・・・」 「今さっき、ある赤外線通信を行った。それは、『閃光剣』を起動させるための通信だ。テメェ等には光の“剣”って言った方がわかりやすいか?」 「光の・・・“剣”・・・!!」 「そ、それって・・・!!」 金束達も見た、それは一厘や真珠院が操作する土の塊を融解した光の“剣”。 「これは、千度単位の熱を纏う熱剣だ。当然、人体に当たりゃあ火傷なんかじゃ済まねぇ。当たり所が悪かったら・・・ヤバイな」 「ま、まさか・・・」 「そのまさかだよ。テメェ等と戦う時は、最初から『閃光剣』を使わせて貰う」 『光学装飾』により装飾された『閃光剣』に切っ先を、金束達に勢い良く向ける。 「んふっ、大怪我を負いたくなけりゃあテメェ等も死に物狂いで来い。余力なんて出し惜しみする暇なんて無いぜ? 1つの油断、1つの判断ミスが自分の身を脅かすんだ。全力で俺に挑むんだな」 「「「「・・・!!!」」」」 金束達は、今ここに至ってようやく自分達が置かれた境遇の切迫さを理解する。自分達の甘さを理解する。 相手は、そんな自分達の甘さを見透かすかのように、己が持つ『本気』の断片まで引っ提げて“講習”に臨もうとしていた。 「そんじゃあ、とっとと始めるか・・・」 「ちょ、ちょっと待った!!」 「あぁ?何だ、怖気付いたのかよ?だが、逃げるなんて真似は・・・」 「ち、違う!!さ、作戦タイム!!」 「・・・はっ?」 金束は、自分達の体勢を立て直すために作戦タイムを要求する。 「ちょ、ちょっとこっちの作戦を見直したいだけよ!!に、逃げる気なんて無いから!!本当よ!!?」 「そ、そうそう!!せ、晴ちゃんがあなたから逃げるわけないですよ!!」 「ア、アタイ達が全力で行くことにゃー変わりないけん!!」 「うんうん!!皆さんの言う通りです!!」 金束、銀鈴、銅街、鉄鞘の4名はいずれも冷や汗ダラダラで弁明する。その必死さに、界刺も渋々納得する。 「・・・いいぜ。さっさと作戦を立てて来いよ。言っとくが、逃げるなんて真似を取った時点で俺がどういう行動に出るか・・・わかってるよな!?」 「「「「(コクンコクン)」」」」 「OK。そんじゃあ、作戦タイム開始・・・」 ダダダダダァァァッッ!!!! 「・・・逃げ足はやっぱり速ぇな。さぁて、どんな作戦で来るか。俺も“らしくない”真似をしてるんだ。 少しは歯応えのある作戦を立てて来いよ、“バカルテット”・・・!!」 “バカルテット”の逃げ足の速さにまたも呆れながら、しかし彼女達が立てて来る作戦について思いを馳せる界刺。 その視線の先から・・・金髪の少女が歩いて来る。それに気付くのに然程時間は掛からなかった。 「界刺・・・!!」 「形製・・・」 “バカルテット”相手に『閃光剣』を持ち出した時点で、界刺が『本気』になりかけていることを察知した少女―形製流麗―は疑念渦巻く表情で言葉を発した。 「な、何考えてんのよ、あの男は!?アタシ達に対して、殺す気で来てどうすんのよ!?」 「ど、どうする晴ちゃん!?」 「うん?この風の匂い・・・」 「こ、恐いです。ほ、本気で私達を殺す気・・・そ、そんなの嫌です!!」 “常盤台バカルテット”の面々は、他の常盤台生が見学している一角にまで避難した。 “バカルテット”の緊迫した雰囲気と、金束と鉄鞘が言葉に出した『殺す気』という言葉に、周囲の少女達も騒ぎ始める。 「こ、殺す気・・・!?う、嘘・・・!!」 「ま、まさか本当にそんな真似を!?」 「あの男なら有り得る・・・のか?こ、これは“講習”を止めた方が・・・。で、でもあの男が反発したら・・・私達にまで牙を向けてくるんじゃあ・・・!!」 お嬢様である少女達には無縁の言葉。その言葉が現実となる可能性は、今まで目の当たりにした碧髪の男の実力を考えれば決して低くは無かった。 「か、金束様!!な、得世様が本当にそんなことを仰ったんですか!?」 「さ、珊瑚!!ア、アイツ、アタシ達に『本気』を出すって言って来たのよ!!」 「『本気』!?な、得世様・・・!!どうして・・・!?」 「ね、ねぇ、銀鈴?界刺さんは、本当に『本気』を出すって言ったの?」 「一厘先輩・・・。正確には、少し『本気』を出すだけらしいんですけど、あの人の雰囲気が丸っきり変わって来て・・・」 「・・・!!あなた達に『閃光剣』を繰り出すくらいだもんね。遠目から見ていても、界刺さんの雰囲気が変わったのは感じたけど・・・苧環・・・」 「今形製の奴が界刺さんの所へ行ってるわ。とにもかくにも、それ待ちね」 「あの男・・・。私との勝負では『その気』すら失いかけていたのに・・・!!」 「フィーサ様・・・」 「で、でもあの人、私達が“講習”を辞退するのは許さないって言ってましたです。 “講習”から降りれるとしたら、私達があの人をボコボコにするか、あの人が私達をボコボコにするか、2つに1つだって・・・」 「ど、どうなっちゃうんだろう?遠藤には皆目見当が付きません!!」 「サニー先輩・・・。界刺様は・・・」 「鬼ヶ原さん・・・。あの人がそう言ったのなら、その2つのどちらかしか無いと思います。界刺様は・・・こういう時は絶対に容赦しないです!!」 “バカルテット”の会話に色んな少女が加わり、騒然となり始める。 ここで、1つ確認しておこう。この場に居る少女達は全員レベル3以上の能力者である。 もし、“講習”を中止するべきと判断し、反発するであろう界刺に対して彼女達が束になって挑めば、さしもの界刺でも“講習”を続行するのは困難である。 だが、そんな当たり前の選択肢が、今この時の少女達には存在しなかった。それだけ、界刺という男のインパクトが大きかったとも言えるが。 「く、くそ!!八方塞がりとはこのことね!!で、でもこのままだと・・・」 「元の作戦だと晴ちゃんとせっちゃんが前面で、私と月ちゃんが後方だったけど、あの人の『閃光剣』の威力を考えると晴ちゃんも前面に出るのは危険かも・・・」 「希雨!?そ、それだと世津の負担が・・・」 「せっちゃんの反射神経なら、『閃光剣』もかわせる筈。それに、せっちゃんなら『光学装飾』の大半は“効かない”し。月ちゃんもある意味においては。 でも、晴ちゃんや私は『光学装飾』をどうしても喰らってしまう。あの人の光に惑わされている間に『閃光剣』を喰らったら、それこそマズイわ!!」 「で、でも・・・!!それじゃあ、アタシがアイツに勝負を挑む意味が・・・!!」 「そんなのは、どうでもいいの!!!」 「!!!」 「ぎ、銀鈴さん・・・!?」 銀鈴の大声に金束と鉄鞘は驚愕する。こんな銀鈴は、今まで一度たりとも見たことが無い。 「このままだと、晴ちゃんが大怪我を負っちゃう可能性が高い!!そんな、そんなこと許せるわけ無い!!私は晴ちゃんのためを思って・・・!!」 「それは、違う!!希雨!!アンタは、間違ってる!!アンタは、アタシを思うばかりに世津に危険を押し付けてるだけよ!!」 「ち、違う!!こ、これはちゃんと考えて出した作戦なの!!わ、私はせっちゃんのことも・・・!!」 「だったら、アタシも世津と一緒に前面に出る。世津1人に、危険を押し付けるわけにはいかない!!」 「だ、駄目!!それだけは、駄目!!お、お願いだから・・・!!晴ちゃん・・・私の言うことを聞いて・・・!!」 「そんなお願い、聞けるわけないじゃん!!アイツの目的はアタシなのよ!?そのアタシが前面に出ないってことは、アタシは戦わずにアイツに屈したことになるのよ!?」 「・・・それでいいじゃない」 「・・・希雨?」 金束は、己が親友の言葉に耳を疑う。その親友は、何時しか涙を目に浮かべながら己が親友に問い掛ける。 「晴ちゃん、何時も言っているじゃない。自分は“負け犬”だって。“負け犬”って・・・そういうことでしょ?自分より実力が高い人には、最初から挑まない。 最初から自分の負けを認める。“自分自身”の敗北を。あの人は・・・強い。私達からすれば、あの人は強過ぎる。 そんな人が・・・私達を殺す気で来る。絶対に勝てっこない。も、もしかしたら、今から皆で謝ればあの人だって許してくれるかもしれない。そ、そうだ。その手があった」 「希雨・・・!!アンタはそれでいいの!?幾らアイツがアタシ達より強いからって、最初から何もかも諦めるって言うの!?」 「晴ちゃんが無事なら、私はそれでかまわない!!!」 「銀鈴さん・・・!!・・・・・・」 銀鈴にとって、最優先すべきは金束の身の安全。それは、金束と友達になってからずっと変わらない銀鈴の優先順位。 引き篭もりで友達も居なかった自分を引っ張ってくれた、自分に色んな景色を見せてくれた金束のためなら、銀鈴は何でもする。金束の意思に反してでも。 パアァッン!! 「・・・銀鈴さんは間違っていますです」 「月代・・・!!」 「月ちゃん・・・!!」 そんな視野狭窄に陥っている友を目覚めさせるために、鉄鞘は銀鈴の頬を引っ叩く。 「友達って、そんな程度なんですか?私が今まで付き合って来た友達は、友達の意思を踏み躙ったりするような人間なんですか!?」 眼鏡の奥に見える瞳は、涙色に彩られながらも確かな強さを持ち合わせていた。 「友達が楽しんでいるなら、自分も楽しくなるです。友達が困っているなら、自分が助けるです。その逆もです。 でも、友達が抱く譲れない思いを踏み躙るのは間違っているです。金束さん、銀鈴さん、銅街さん、そして私は共に歩いて来た仲間じゃないですか。 これからも・・・これからも一緒に歩いて行きたいです。かけがえの無い友達として・・・皆さんと共に!!」 金束とルームメイトになって以来、鉄鞘の学生生活は一変した。友達が起こす色んな騒動に巻き込まれた。時には怒り、時には泣き、時には笑い合った。 鉄鞘月代にとって、金束達と過ごす時間は何時しかかけがえの無いものとなっていた。だから、彼女は言う。 これからも、一緒に頑張ろうと。共に居ようと。どんな困難が立ちはだかっても、皆で協力して乗り越えようと。 「(アタシは・・・アタシは・・・)」 銀鈴と鉄鞘、2人の友達の言葉を受け金束は考える。自分が今何をするべきなのかを。 『君は“負け犬”なのかい?“レベルが上がる”なんて誘い文句に身を委ねた連中のように?』 “負け犬”。あの男の言葉が、鋭い痛みを放つ。今まで受け入れて来たその有り様が、何故か今の金束には異物のように感じられる。 「(アタシは・・・“負け犬”なのか?アイツが言う、甘い言葉に誘われて努力を怠るような人間なのか・・・?アタシが・・・?・・・・・・違う)」 例えレベルが上がらずとも、能力が上がるように研鑽を積んで来た。“負け犬”の有り様を受け入れた後も、それなりの努力はして来た(勉学面は・・・だが)。 結果は伴っていない。伴わなければ、意味等無いのかもしれない。でも・・・ 「(もしアタシが“負け犬”なら、希雨の言う通りアイツに土下座してでも謝る選択肢だって考える筈。でも、アタシはそんなことを考えもしなかった)」 胸の内から湧き上がって来る感情。それは・・・対抗心という名の熱き感情。 「(・・・負けたくないんだ。アタシは、アイツに負けたくないんだ!!何でかはわかんないけど、アタシは界刺得世に負けたくないんだ!!!)」 それは、自分が理想とする姿に対しての憧憬に端を発する対抗心であることに金束は気付かない。 “負け犬”になる前の・・・未来に対して光り輝く可能性を期待していた頃の自分が、今の金束晴天の心を強く後押しする。 「・・・希雨。月代。アタシは、アイツに挑むのを止めない。アタシは・・・アイツに負けたくない!!絶対に!!!」 「晴ちゃん・・・」 「金束さん・・・」 一度心に強く決めたのなら、その通りに動く。それが、“常盤台バカルテット”を引っ張る少女、金束晴天の在り方。 「無謀なのはわかってる!!もしかしたら、希雨の言う通り酷い目に合うかもしれない。 でも・・・それでもアタシはアイツに背を向けたくない!!アイツから逃げたくない!!アイツに屈した・・・“負け犬”になりたくない!!! だから・・・皆の力をアタシに貸して頂戴!!アタシは・・・界刺得世に絶対に勝つ!!!」 晴天の名の如く、金束の瞳は爛々と光り輝いていた。その瞳に秘められたるは、『自分の在り方』。絶対に屈さないという鋼の意志。 「・・・わかったよ、晴ちゃん。ハァ・・・一度本気で決めたら私の制止も聞かないんだから・・・」 「希雨・・・」 「でも・・・晴ちゃんらしいかな。ごめんね、1人で泣き喚いちゃって。月ちゃんに引っ叩かれて目が覚めたよ」 「あ、そ、その・・・こ、これはつい手が出ちゃったというか・・・。つ、つつ、つまり・・・ごめんなさいです!!!」 「ううん。ありがとう、月ちゃん。2人のおかげで、私は私の大事な友達を踏み躙らなくて済んだんだもの」 「銀鈴さん・・・」 金束、銀鈴、鉄鞘は互いに笑みを浮かべる。下手をすれば、友達関係が壊れかねなかった今回の衝突を、少女達は見事乗り切った。 「さぁて、後はアイツに勝つだけね!!・・・・・・どうしようっか?」 「・・・・・・本当に晴ちゃんは晴ちゃんだね。計画性が全然無いっていうか・・・」 「そろそろあの人も痺れを切らすかもしれませんです。な、何とかいい案を・・・」 「あらあら、でしたらわたくしがその材料程度は提供させて頂きますわよ?」 「津久井浜先輩!?」 如何にして界刺に打ち勝つか。再び悩み始めた3人に、午前の“講習”にて界刺に敗れた津久井浜が声を掛ける。隣には、菜水も居る。 「津久井浜さんってば、ずっとあの人の戦闘を観察していましたからね。余程負けたのが悔しい・・・」 「あらあら、菜水さん?『発熱爆弾』・・・味わってみますか?菜水さんの肥えた舌に見合うだけの味を備えていると思いますよ?」 「い、いえ!!結構です!!」 思わぬ被害を被りそうになった菜水は、ブンブンと首を振る。 「貴方達は、どういう作戦を立てていますの?」 「え、えっと・・・希雨!」 「・・・ハァ。・・・既に立てていた作戦だと、晴ちゃんとせっちゃんが前面、私と月ちゃんが後方という形ですね」 「何故その戦法に?」 「晴ちゃんは『肉体強化』による白兵戦が得意ですし、せっちゃんは身体能力自体が超人的です。 特にせっちゃんの場合は、『精密処理』によって五感が非常に冴えている関係から、“聴力だけ”であの人の居場所を特定できると踏みました」 銅街の能力『精密処理』は、脳の情報処理能力を飛躍的に向上させる能力で、これによる五感の鋭さは人並みはずれていた。 今回の場合で言えば、目を瞑りながらも戦闘可能という点が重要な要素であった。界刺の『光学装飾』の大半は、目を瞑っている人間には効かない。 銅街の場合は超人的な身体能力も持ち合わせていることから、強力な対界刺得世対策になり得るのだ。 「後方メンバーの選出理由は?」 「月ちゃんは、『絶対嗅覚』であの人の居場所を匂いで特定できます。晴ちゃんや私が『光学装飾』で惑わされても、月ちゃんなら確実に居場所を特定できます。 もし、せっちゃんが戦闘不能になっても、あの人の正確な位置を探れる月ちゃんは後方に。私は、月ちゃんの護衛ですね。いざという時は、私も前面に出るつもりでした」 鉄鞘の能力『絶対嗅覚』は、犬並みの嗅覚を発揮できる能力で、銅街以外に『光学装飾』下に居る界刺の正確な居場所を特定できる人間である。 その正確さだけなら、おそらく銅街以上。但し、戦闘能力はからっきしなので後方に。 銀鈴は、自分の居場所を特定し得る鉄鞘を潰そうと攻撃を仕掛けて来るであろう界刺から鉄鞘を守るために後方に身を置く。そういう段取りであった。 「あらあら、それ程までに綿密な作戦を・・・。これでは、わたくしがアドバイスする余地が無いも同然ではありませんか」 「・・・でも、あの人の『閃光剣』の威力を考えると無闇に白兵戦を仕掛けるのは危険です。何とか、あの人の動きを封じる作戦を考えないと・・・」 「そがなことなら、アタイにいい案があるったい!!」 「せ、せっちゃん!?それ、ホント!?」 「世津・・・。そういえば、アンタ今の今までアタシ達のやり取りに参加していなかったけど、何をしていたの?」 津久井浜と銀鈴が会話をしている途中に、今まで作戦タイムに参加していなかった銅街が割り込んで来る。 彼女は、しきりに空へ視線を彷徨わせていた。雲は急速に黒みを増し、風も生暖かくなっていた。 「もうすぐ、雨が来るとよ」 「えっ!?」 「あっ・・・雨」 そこに、降って来たのは雨。ポツンポツンと、しかし確かに降り出した雨が少しずつ強くなって来る。 「そういえば、今日は午後から少しだけ雨が降るって予報・・・いえ、予言でしたわね」 「そうでしたね・・・。これは、“講習”の方もどうなるんでしょうね?」 津久井浜と菜水が、降って来た雨に関する感想を言い合う。その脇で、銀鈴は銅街の発言の真意を理解する。 「そうか・・・。これなら・・・。せっちゃん、ナイス!」 「こんで、ちーとはアタイや晴天の負担ば軽うなるやろ?」 「せっちゃん・・・」 銅街の労わりが、銀鈴の心に染み渡る。銅街自身、先程の銀鈴の取り乱しようを見て、何とかあの男に勝つ方法が無いか、 その可能性を上げる材料が無いかを必死に考えていた。 その時に思い付いたのが、作戦タイムに入る前に匂った雨の匂い。 銅街は、その鋭敏な感覚と田舎暮らしという経験から、短時間における天気の変化を言い当てることができた。 「うん・・・!!これなら、何とかできるかも!少なくとも、あの人の動きを少しでも封じられる可能性は高い!! 晴ちゃん!せっちゃん!月ちゃん!こっちに来て!!あのね・・・(ゴニョゴニョ)」 「(ゴニョゴニョ)。・・・さすがは、アタシの親友!!これなら、アイツにも勝てる・・・かも」 「(ゴニョゴニョ)。・・・さすがったいね、希雨」 「(ゴニョゴニョ)。銀鈴さん・・・すごいです!!それと、金束さん。『かも』じゃ無くて、絶対に勝ちましょうです!!」 「そ、そうね!!ここまで来て弱気になったていたら話にならないわ!!希雨!世津!月代! アタシ達“常盤台バカルテット”の底力をあの男に見せ付けてやるわよ!!そんでもって、絶対に勝つ!!!いいわね!!?」 「「「おおううぅ!!!」」」 「津久井浜さん・・・。何だか無駄骨でしたね」 「あらあら、そんなことは無いわ。だって、こんな眩しい笑顔を見ることができたんだもの。それだけで、私は満足よ」 「えぇ、そうですね。(自分が何の役にも立たなかったことの言い訳じゃないかしら?)」 「・・・菜水さん?何か、とても不愉快なことを考えておられませんか?」 「い、いえ!!」 “常盤台バカルテット”の威勢に当てられ、周囲の常盤台生にも元気が戻って来る。 この娘達なら何とかしてしまうんじゃないか。そんな希望を思わず抱いてしまう程、彼女達の笑顔は眩しかった。 ピカッ!! 「「「「!!??」」」」 空に光球が浮かぶ。それは、作戦タイムの終了を告げる合図であった。碧髪の男―界刺得世―は雨脚が強まり始める中、雨避けに使っていた木から姿を現した。 「ゴクッ・・・!!時間切れ・・・ね。そんじゃ、行くわよ!!」 「うん!!」 「おう!!」 「はいです!!」 対する“常盤台バカルテット”の面々も雨降る中に身を投じる。いよいよ、最後の“講習”が始まる。 「形製!!界刺さんは何て言っていたの!?」 「形製さん・・・!?」 同時に、界刺の下へ向かった形製が戻って来た。苧環や一厘が駆け寄る中、形製は濡れた髪や制服に気を留めずに“講習”のステージに視線を送る。 「・・・君達もよく見ておくといい。今から・・・界刺の『本気』の断片を目の当たりにできるよ」 「『本気』・・・!!」 「界刺さん・・・・!!」 苧環や一厘が、形製の言葉を受けて視線を界刺に送る。一方、形製は先程の会話を思い出す。 『あいつに染み付いた“負け犬根性”ってのは、ちっとやそっとのことで拭えるようなモンじゃ無ぇ』 『だからって、何も「本気」を出すようなことじゃあ・・・!!』 『俺があいつに関われるのは今日この時だけだ!そんな短い時間の中であいつの“負け犬根性”を叩き潰すためには、 こっちも「本気」の断片くらいは出さなきゃなんねぇ』 『そんなに“負け犬根性”というのが嫌いなのか、君は!!』 『・・・あいつは“負け犬”なんかじゃ無ぇよ。あいつは、“自分自身”に“負け犬”を押し付けてるだけだ。それが・・・気に食わねぇ・・・!!』 『えっ・・・』 『だからこそ、今この時にあいつの“負け犬根性”を叩き潰す!! もし、あいつが本当に“負け犬”なら、それ相応の無様さを披露するさ。それに、“負け犬”じゃ無かったとしても面倒臭いことには変わりねぇ。 これは、それを見極めるための“講習”でもあるんだ。そのために必要なのが・・・「本気」の断片。そういう判断なんだよ』 『・・・“らしくない”ね、今日の界刺は。普段の界刺は、そんなに積極的じゃ無いよ。 無気力でぐーたらで面倒臭がりで。自分に関係無いのなら、とことん関わらないのに』 『・・・俺も何時まで生きられるかわかんねぇしな。あの殺人鬼に目を付けられた以上』 『!!?』 『それに、あの殺人鬼と対峙した時は「本気」で臨む以上、俺も「本気」の出し方を復習しておかないとな。 久しく俺も「本気」を出していないし、ここら辺で慣らし運転をしとかねぇと。まぁ、俺なりの事情もあるんだよ、形製』 『界刺・・・。い、嫌だからね。君が死ぬなんてこと・・・あたしは絶対に認めないからね!!』 『形製・・・』 『あたしは・・・あたしは・・・君が居ない世界なんか、絶対に認めないから!!』 『ふぅ・・・。お前も面倒臭い男に惚れちまったな(ポン)』 『!!?』 『(ポンポン)。まぁ、少なくとも自分から死ぬつもりは無ぇよ。それだけは、約束する。俺の命に懸けて。 んふっ、この台詞は涙簾ちゃんにしか言ったことが無かったな。どうだ、形製。少しはカッコ良くキメれたんじゃない?』 『・・・バカ。それに、気付いていたんなら気付いてたって言ってよ。1人で騒いでいた自分が馬鹿みたいじゃないか。・・・そうだよ、あたしは君が好きなんだ』 『・・・』 『あたしは、君が好きだ。世界中の誰よりも。あたしは、君と共に居たい。君の居ない世界なんて嫌だ。 だから・・・約束して。絶対に死なないって!相手が殺人鬼だろうが何だろうが、絶対に死なないって!!』 『・・・そりゃ、無理だろう。人間何時死ぬかわかったもんじゃ・・・(ムニュ)。・・・!!!』 『(ムニュ)。・・・勝手に約束させて貰ったから。あたしは、君と共にこの世界を歩く。界刺は、約束を守るんでしょ? だったら、この形製流麗の口付け(やくそく)も守ってみせて!!君と共に歩くという、あたしにとって命と同じくらい重い口付けを!!!』 『・・・・・・ハァ。善処はするよ。何せ、お前のファーストキスだし。ちなみに、俺にとってもファーストキスだったがな。まさか、お前に奪われるとは・・・!!』 『な、何だよ!!何か、文句でもあるって言うの!?』 『大アリだ。まぁ、それ程ショックじゃ無いけどな。お前にキスされても、“そっち系”の感情が全然波立たないからな。 んふっ、これなら他の女とキスしても全然大丈夫そうだ』 『なっ・・・!!!』 『華憐にはさっき告白されたし、リンリンや珊瑚ちゃん、嬌看や桜は俺のことが好きみたいだし。いや~、モテる男は辛いね』 『なっ・・・なっ・・・!!!』 『この際、色んな女の唇を味わってみるっていうのもいいかもな。女性不信状態っていうのも、案外悪くないかも。女は強く出れないし、俺も罪悪感を全く感じないし』 『か、界刺~!!!』 『んふっ。ということで今後の楽しみも増えたからさ、それを堪能し切るまでは死んでも死に切れねぇよ。・・・これでいいか、形製?』 『・・・!!!・・・もう。本当に卑怯だよ。バカ界刺のバカバカバカ』 『痛いな~。全くこれだから、バカ形製は・・・。んふっ!』 『・・・フフフ。・・・わかった。君の好きなように戦えばいいよ。あたしは、君を心の底から信頼しているから』 『・・・ありがとな。それと・・・心配掛けて済まねぇ。きっと、これからも掛けると思うけど』 『・・・いいよ。君が生きてくれるなら、あたしはそれだけで十分だ。 君があたしを恋人(パートナー)として選んでくれるなら、もっと嬉しいけど。だから・・・生きてよ?』 『なるたけ頑張る』 形製の視線の先には、“講習”を開始した界刺の姿が映っている。その姿を見て、自然と己が指を唇に乗せる。 自身のファーストキスを贈った男の姿を確と瞼に焼き付けるように、少女は“講習”に集中する。 「(あたしも、もっと強くならなくちゃ!!どんな脅威からも界刺を守れるくらいに!!)」 少女は決意する。愛する人を守れるだけの能力を、己が実力を高めるための、それは決して解けない誓い。 continue!!