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帰るべき場所 レアリティ:R コスト:5 大属性:光 小属性:地 このカードの効果は3ターン続く。 そのターンに受けたダメージを、効果ターン分だけ軽減し、 軽減した分だけHPを回復する。 もしもこのカードが最終ターンに使われた場合、 全てのダメージを軽減し軽減した分だけ相手にダメージを与える。 シーズン1 補足 効果ターン分というのは 使ったターンは3、次のターンは2、次の次のターンは1のダメージを軽減するという意味です 回復はダメージを軽減した分のため、3軽減できる状態でも1しかダメージを食らわなければ1しか回復しません ダメージは戦闘ダメージに限らないため、「凶器はシャープペンシル」や恵美の効果等のダメージも軽減し その分累積で回復していきます 例:帰るべき場所の次のターンに恵美がシャープペンシルを使った場合 シャープペンシルのダメージ4のうち2を軽減し、2ダメージ 恵美の効果によるダメージ2を全軽減し0ダメージ 通常攻撃5のうち2を軽減し3ダメージ 累計5ダメージ 軽減した分の累計6なので6回復 回復のタイミングはターン終了時のためそれまでにHPが0になったら回復されません また軽減する効果とHPを回復する効果は全く別の効果です 従って「軽減した分だけHPを回復」は全く関係無い理由による軽減にも適用されます 例:帰るべき場所の次のターンに「心残りの後輩」を使用した場合は2+3で5軽減され、5点回復する 例:帰るべき場所の次のターンに「仕方ないじゃないか」を使用した場合は全ダメージ軽減され、ダメージ分すべて回復する 全ダメージ軽減には回復対象になりますが、攻撃無効化は対象になりません ○回復対象になるもの 心残りの後輩(3点) 朝食はぶれっくふぁーすと(3点) あちき負けないぴょん!(2点) 俺だってやってやる(2点、負けた時1点) 伊川・志緒の効果(1点・重ねがけ可能) 仕方ないじゃないか(全ダメージ) 一時の別れ(全ダメージ) ダブルハリセンコンボ(全ダメージ) ×回復対象にならない ハリセン一閃 馬鹿ども阿呆ども 大事な居場所 祭りの夜(最終ターン) 逃れられない呪縛(相手が共存無しで使った場合含む) 長谷・唯の効果 (以前は回復対象になったものも含まれてますが修正された模様) 未検証 かけがえのない仲間(5点) 最終ターンに使用した場合にのみ効果がダメージ反射に変わります この時は回復効果は発動しません
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沖縄で生活を始めて数週間。 キャンという子の助けで灯台で隠れながら生活をしている俺達の耳にも、イナズマキャラバンが沖縄に来た、という情報は入っていた。 おそらく特訓している間に誰かに見られたんだろう、「炎のストライカー」と呼ばれる豪炎寺の姿を。 確かに、俺も豪炎寺も特訓をしてそれぞれ奥義を身に付けた。けど… 帰るべき場所 昼間俺と豪炎寺はイナズマキャラバンをこっそり見た。 キャラバンから降りて俺達を探す鬼道達。 …見ていて辛かった。帰りたい…けどそれはまだ、できない。 夜になって横になっている俺を、豪炎寺が抱き締める。 沖縄の夜だ。そう寒くもないのに、豪炎寺は毎晩俺を抱き締めたまま眠る。 なんで抱き締めるのか、わからない。 「豪炎寺…寒いのか?」 そう言うと豪炎寺が驚いたように目を見開く。 もう俺が眠っていたと思ったんだろうか。 しばらくすると豪炎寺が腕の力を強めた。 「…帰りたいか?」 …不安なんだろう、自分の問題も解決していないのに1人になるのが。 確かに俺はみんなのところに帰りたい。サッカーがしたい。 でも、それ以上に豪炎寺を放っておくわけにはいかなかった。 「…帰るときは、お前も一緒だろ?それに言ったよな、お前を1人にさせたくないって。」 「……ああ。」 俺は豪炎寺の胸に顔を埋めて目を閉じた。 それが豪炎寺を安心させると思ったから。 数分もしないうちに、豪炎寺の心地いい体温が俺を眠りへと誘う。 円堂はもう寝てしまったようだ。 不規則な寝息がそれを証明している。 「…ありがとう、守…」 こんなことで不安になる自分が嫌だった。 円堂を信用していないようで、そんな弱い自分が嫌だった。 …だけど円堂はそんなことも気にせずに俺の欲しい言葉をくれる。 本当は円堂のしたいようにさせてやりたい。 きっと円堂はそう言っても俺の傍にいると言うだろう。その優しさに俺は縋っている。そして救われている。 「一緒に帰って、それからもずっとお前の傍にいる…身勝手だけど、それが何度も俺を救ってくれたお前への誓いだ…守。」 起こさないように、円堂にそっと口づけをする。 当の本人は安らいだ表情ですやすやと寝息を立てていた。 ―いつか、帰るべき場所に。 その時は、2人で一緒に… あとがき なんだかこのパロだと豪炎寺が情けない気がする。気がする、じゃないな( まぁ中学生だからこんな状況辛いだろう、と。うん…だけど豪炎寺は口に出さないと思います。 精神的にどっちが上かよくわからないです。でもちょっとキャプテンは大人すぎると思うんだ。特にアニメのほう。 それにしても灯台の豪炎寺の部屋は1回きりしかいけないなんて!なんでだ!なんでなんだ! 「豪炎寺の匂いがする」ってもう一度聞きたい、豪炎寺の目の前で言ってよ( ちなみに豪炎寺の身勝手な誓い( はアニメ5~6話あたりだったかな。 夕香に勝ち続ける誓いを立てるセリフから若干パクってる気がする( あのセリフがフットボールフロンティア優勝フラグだったんですよね… しかし1期の豪炎寺は喋ってるし目立ってるなー…と思います。 それに豪炎寺の優しげな表情はほんとたまらん円堂にだけ見せてくれ( アニメの空気っぷりといいゲームではキックが1だけ吹雪に劣るとか…まぁシューズの差で豪炎寺の方がキック高いし、ばくねつストームもつい先日G5になりましたが( ウルフレジェンド覚えたら吹雪外してカノン君入れようかな…(酷 カノン君といえばフューチャーも気になるというか…W豪円ができるじゃないですか(
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かえるべきばしょに【登録タグ Masayoshi_n か 初音ミク 曲】 作詞:Masayoshi_n 作曲:Masayoshi_n 編曲:Masayoshi_n 唄:初音ミク 曲紹介 ノスタルジックな感じの温かみがあるバラードに仕上げました。 歌詞 空は日ごとに色を 変えて移ろう模様 雨は静けさを呼ぶ 風がざわめく中を 時が刻んでいった 影は現在(いま)に伸びてる 遥か遠くの軌跡 追憶に消えてゆくけれど いつも変わることのない思い抱き 前に足を進め続けている 胸に眠る記憶が絶えることなく懐かしさと重ね合わさると 星がそっと誘うよ温かい火が灯る 戻ろう帰るべき場所に 海が紡ぐ音色を 頼り遠くまで来た 特にわけもないけど 今の自分がいる場所には 人の流れに迷うこともあるけど そんな日々の繰り返しの中に いつか今を振り返る時 胸にこみ上てくる感情は熱く 時に走り続けることに少し疲れたのなら あの時の場所に いつも思いは駆け巡るよ 目に映る景色全て変わり果てても 絶えず色あせることのない安らぎ求め 戻ろう帰るべき場所に コメント 名前 コメント
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/*/ 芝村: エステルはフル装備だよ。 芝村: レーザー銃をもっている 時雨: フル装備!? 時雨: 場所はどんなところですか? 芝村: そりゃもう。エンダーという名前の模擬0G戦闘ルームさ。 時雨: うわ、宇宙戦ですか。 芝村: 無重量空間でチームに別れて戦いあう、そういう娯楽施設だ 芝村: エステルは嬉しそう。 時雨: 「楽しそうですね」 エステル: 「いけませんか?」 芝村: あ。不機嫌になった 時雨: 「そんなことないですよ」 時雨: 「ああ、ごめんなさい。そういう顔をあまり見たことがなかったので」 芝村: エステルはツンとして不機嫌そうにルームに入った。 芝村: 味方? 敵? 時雨: 味方の方で。 芝村: はい。 芝村: エステルは宇宙のエステルだ。 芝村: 目をつぶって浮遊感を楽しんでる。 時雨: 「上も下もないというのはなんだか、不思議な感じですね……」 芝村: エステルは目を開いた。 芝村: 戦闘開始。3秒で終わった。 時雨: ちょ 芝村: エステルは全部の敵を撃ちぬいた。 時雨: …… 時雨: 呆然半分、惚れ惚れ半分という感じです 時雨: 「すごい……」 芝村: 終わりのアナウンスを聞いてエステルはえー!とかいってる エステル: 「どういう終わりですか!」 芝村: エステル文句いいまくり 時雨: 「いや、もう敵のチーム全滅したじゃないですか」 エステル: 「弱い!」 時雨: 「あなたが強いんですよ」 芝村: エステルは泣きそうな顔している。 時雨: ええ!? 芝村: エステルは銃をおいて、しょんぼりかえった 時雨: あー、どこか休めるところってありませんか 時雨: そこでできれば話をしたいんですが 芝村: 追いかけたがいいと思うぞ 時雨: あ、はい。追いかけます追いかけます 時雨: (一緒だと思ってました) 時雨: 「エステルさん!」 芝村: おいついた。 エステル: 「なんですか……」 芝村: まだ泣きそう。 時雨: 「何ていっていいか……ごめんなさい」 エステル: 「いえ。別に。敵が弱いのは・・・」 エステル: 「ただ、無重量が懐かしかっただけです……」 時雨: 「……」 時雨: 「……宇宙に、帰りたいんですか?」 時雨: 「あなたのそんな顔は、初めて見ました……」 エステル: 「宇宙こそは母なる海です」 時雨: 「そして、戦場こそがあなたの故郷……」 時雨: 近づいて、手を握ります。目をまっすぐ見て。 エステル: 「なんですか……」 芝村: ちょっと不機嫌そう。 時雨: 「今まで何度か、助けてもらいました」 時雨: 「今まで何度も、あなたに迷惑をかけてしまいました」 時雨: 「そのお返しをずっとしたかったんです」 エステル: 「?」 時雨: 「どうしたらいいか、でも、わかりませんでした」 時雨: 「今わかりました。あなたを宇宙の戦場に帰します」 エステル: 「私は失艦者です」 時雨: 「それなら、あなたのために船を用意します」 エステル: 「……そこまでしてもらう必要はありません」 時雨: 「時間はかかるかもしれませんけど。僕たちの国にとっても、宇宙は戦場です」 時雨: 「恩返しだけじゃない。あなたのことが好きだから、あなたには幸せでいてほしいから」 エステル: 「……最近良くいいますね。その言葉」 時雨: 「……そうですか?」 時雨: 「でも、本心です」 エステル: 「はぁ」 芝村: エステルにはよくわかってないようだ 時雨: 「あなたと一緒に居たいんですよ。頼りになるとか、そういうのだけじゃなくて」 エステル: 「今そうしてるじゃないですか」 時雨: 「これからも、ずっと。次の戦いが始まっても、あなたが宇宙に行っても、戦いが終わっても」 エステル: 「最初の戦いで戦死しないといいですね」 時雨: 少し笑って「そうならないように、強くなります」 エステル: 「はあ。まあ、なんというか」 エステル: 「頑張ってください」 時雨: 「はい」 芝村: エステルは少し照れて早歩きで歩いた。 時雨: エステルの早歩きってことはこっちの普通の歩き方ですよね。ついて行きます 芝村: ええ エステル: 「もう一度ゲームします」 時雨: 「はい。何度でも、付き合いますよ」 芝村: エステルは黙ってもどりはじめた。 /*/ 芝村: はい。お疲れ様でした。 時雨: あれ、ミスしましたか!? 芝村: 評価+1+1です(笑) (雑談中略) 芝村: はい。では解散しましょう。 時雨: はい、ありがとうございました。お疲れ様です。 芝村: 再開したら秘宝館に+1+1で注文できます。 時雨: はい、楽しみです(笑) 時雨: それでは失礼します。今日はありがとうございました。 芝村: ではー
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翼をもがれた鳥 第12話――帰るべき場所―― 「さっ、帰ろう。せつなっ!」 せつなはラブに手を引かれる。そして、圭太郎とあゆみに挟まれるようにして歩き出した。 全員と、おそるおそる顔を合わせる。その全てから返ってくる優しい微笑み。 せつなは安心してついていく。 これは夢なんじゃないかって疑いながら。 もしも夢なら、もう少しだけ覚めないでほしいと願いながら。 やがて一件の家の前に着く。優しい肌色の壁に、ピンクの屋根。赤い色のひさし。 手入れの行き届いた広めの庭。二階には植物を這わせてあるバルコニー。 決して大きくは無いけれど、温かみを感じさせる家だった。 「ここがあたしの家だよ、せつな」 「そして、今日から君の家でもある」 「ようこそ桃園家へ、せつなちゃん。ううん、せっちゃんね」 「えっ?」 それまで後ろを歩いていた圭太郎とあゆみが前に出る。 家の扉を開けて、せつなを迎え入れる。 そして、あゆみが満面の笑みでせっちゃんと呼んだ。せつなは意味がわからずキョトンとする。 「いいでしょ? だって、今日から家族になるんですもの」 「そうだな、家族だ。僕もせっちゃんと呼ぼう」 「だめかしら?」 不安そうな顔で、あゆみがせつなの様子をうかがう。 びっくりして、声が出せなかった。 せつなは住まいを与えてもらったつもりでいた。一緒に住むことを許してもらえる。そう思っていた。 家族として迎える? 自分に、家族ができる? 素性も知れないのに、どうして……。 たった一言が、せつなの心を激しく揺さぶる。大きすぎる愛情が、せつなの小さな体には収まりきらない。 笑顔すら作ることができなくて―― ただ、大きく首を振った。 これじゃ駄目、これじゃ肯定か否定かすらわからない。ううん――自分でもよくわかっていない。 何か言わなくちゃ。せつなは懸命に言葉を探すが、何も出てこない。 心は喜びに震える。理性は玄関から先に進むのを拒否する。ここは駄目だ。ここは温かすぎるって。 そんなせつなの手をラブが引いた。早く上がろうって。 つんのめるように、バランスを崩してせつなが家の中に上がりこむ。 転びそうになったせつなをあゆみが支えた。自然と抱き寄せるような格好になる。 上がってしまったことで、温もりを感じてしまったことで、せつなの最後の自制心が砕けてしまった。 必死に涙をこらえながら、たった一言だけ、やっとの思いで紡いだ。 「よろしくお願いします」 あゆみの――腕の中で。 『翼をもがれた鳥――帰るべき場所――』 夜も遅い時間、もう起きている家庭は少ない。そんな中、居間とキッチンに煌々と照明が灯る。 決して大きくは無い部屋。木材をふんだんに使い、温かみのある色合いで整えられた生活空間。 ところどころに配置された観葉植物。 絨毯、カーテン、座布団、いくつもの装飾品。果ては食器に至るまで、工夫と遊び心に溢れていた。 各々が好きな形、好きな色合いで揃えてきたのだろう。 生活観のある温かい部屋。それは、せつなにとって初めて目にする世界だった。 決して美しくはない。なのに、どうしてだろう。 こんなにも――心が惹かれるなんて。 こんなにも温かくて――心が安らぐなんて。 「せっちゃん、もしかしてずっと食べてないの?」 「あ、はい……」 「そう、じゃあ急にしっかりした物を食べるのも良くないわね」 あゆみは冷蔵庫の中を思い出しながら思案する。 せつなは、その様子を不思議そうに見つめる。 あゆみ……おばさま。ラブの母親。病室で一回会ったらしい、それだけの関係。 怪我をしているはずだった。それなのに、当たり前のように、せつなのお腹の具合を最優先に考えている。 ラブも当然と受け止めている様子だった。救急箱を取り出して、テキパキとあゆみの手当てをしていった。 「何か作っておくから、もう少し我慢して先にお風呂を済ませていらっしゃい」 「それより、お怪我は大丈夫ですか?」 「大したこと無いわ。ラブ、ここはいいからせっちゃんを案内してあげて」 「うん。こっちだよ、せつな」 お風呂場に案内される。シャンプー、リンス、ソープ。お湯の出し方なんかを教えてもらう。 心細そうな表情をしていたのだろうか、ラブが一緒に入ろうかと申し出る。せつなはびっくりして断った。 「タオルはあたしのを使ってね。パジャマもサイズ一緒だと思うんだ」 「ありがとう」 何日ぶりかのお湯の感覚に身をゆだねる。緊張がほぐれ、現実感が増してくる。 これは夢じゃない。夢に見ることすら、許されないと思うのに。 せつなはふと気が付く。やっと一人になれたことに。押し寄せる愛情に流されるようにここに来てしまった。 ラブだけじゃない。ほとんど面識の無いご両親までもが自分を愛そうとしている。 この世界に来て、人々の暮らしを学んで、ずいぶんわかったつもりになっていた。 ほんとうは、何もわかってなかったんだと気が付く。 信頼とは、一つ一つの積み重ねで築いていくものなんじゃないのか。 愛情とは、一日一日の積み重ねで育てていくものなんじゃないのか。 この家の人たちは、信じることから始めようとしている。愛することから始めようとしている。 何のために? それだけはわかる。東 せつなという少女の――幸せのためにだ。 だけど――どうして。 それだけは、いくら考えてもわからなかった。 お風呂から上がり、ラブのピンク色のパジャマに袖を通す。髪を梳いて鏡を見る。 嬉しそうな、でも、不安そうな顔をしていた。笑っているのか、泣いているのかわからないような表情だった。 何度か、笑顔の練習をする。今度は任務じゃなくて、自分自身のために。 自分を受け入れようとしてくれている、やさしい人を安心させるために。 「まあっ! すごく可愛いわ。見違えたわよ、せっちゃん。ラブのパジャマも似合ってるわね」 「でしょ~。せつなってすごく素敵なんだよ」 「私はそんなんじゃ……」 ラブはまるで自分が誉められたかのように、エッヘンと胸を張りながら自慢する。 あゆみが最初にせつなと出会ったのは病室だった。そして、次は暗い公園だった。 この家に来てからも、乱れた服装と髪ではさすがの美貌も大きく損ねられていた。 柔らかな黒髪が艶を帯びて輝く。透き通るような真っ白な肌が、お湯に温められてほんのり赤く染まる。 緊張していた硬い表情が、お風呂でリラックスすることによって柔らかく解ける。 今、目の前にいるせつなは、滅多に見かけないほどに美しく可愛らしい子だった。 せつなは容姿を誉められて赤くなる。自分は美しい。それを意識するようになったのはラブと出会ってからだった。 ラビリンスで容姿を誉められることはない。美しくて当然だから。個人差はあっても、全員がそうだから。 目立ちすぎるのは好ましくない。そう気がついてからは、わざと地味な服装を好んだ。 でも、美しく見せるのもその逆も、全ては任務のため。自分の容姿に関心を持ったことなんてなかった。 自分の胸に湧き上がる感覚に動揺する。 誉められて、嬉しい。そして、恥ずかしい。 相手に好かれたい。より好感を持ってもらいたい。そんな気持ちが働いているのだろうか? それだけではないような気がした。相手が喜んでくれているのが嬉しい。自分の姿が相手に笑顔を与えているのが嬉しい。 相手の反応が嬉しい。これも、初めての体験だった。 「はい、できたわ。雑炊を作ってみたの。これなら消化もいいから」 「ありがとう。いただきます」 レンゲを持つ手が震える。手を付けるのが恐れ多くて―― それは、これまで口にしてきた食事とは、全く違ったものだと思った。 栄養を補給し、命を繋ぐための配給品ではない。 せつなの空腹を満たすために、せつなを笑顔にするために、心を込めて作られたもの。 生まれて初めて口にする、せつなのためだけに作られた食事だった。 動かないせつなの手に、あゆみの手が添えられる。 見上げると、優しい微笑があった。 湯気の立ち昇る雑炊を、せつなは上品に口に運ぶ。 食べるのは初めてだが、作法は心得ている。潜入を得意とするせつなは、そういった術に長けていた。 しかし、それも始めの数口のこと。やがて急くように、夢中になって食べ始めた。 柔らかな味と香りが口の中で広がる。温かなスープが、疲労と空腹で弱った体に染み渡る。 「おいしい。すごく――おいしいです」 「そう、よかった」 「あのっ!」 「お話は明日にしましょう。今夜は食べたら休みなさい」 食事を終えて、あゆみと圭太郎に挨拶をする。 ラブにつられるように、せつなもたどたどしく口にして、深々と頭を下げる。 「おやすみなさい」 知識はあった。ラビリンスにだってその習慣はあった。でも、それを実際に口にするのは初めてだった。 嬉しくて、恥ずかしくて、くすぐったくて、あたたかな気持ちになる。 家族ができた。そんな実感があらためて胸に湧き上がる。 そんな日が来るなんて、思ってもいなかった。 「せつなの部屋は明日みんなで作ろうね。今夜はあたしの部屋でいいよね」 「うん、ありがとう」 「あ、タル! じゃなくて、ちょっと待ってて。少し部屋片付けてくるから」 「うん、わかった」 「おまたせ、入って!」 「お邪魔します」 ラブの部屋に入れてもらう。ミユキという女性のポスターが貼ってあることに気がつく。 ダンスユニット、トリニティのリーダー。ラブの憧れの人で、ダンスのコーチ。 そして、四人目のプリキュアとおぼしき人物。 せつなが何度も襲い――傷付けた人。 ラブとの仲を裂こうと企んだこともあった。 ズキン! と胸が痛む。 自分はどうしてここにいるんだろう? そんな資格なんてあるはずがないのに。 手に持った幸せの素の欠片を握りしめる。それを砕いたのも自分なのに。 ラブにすがる資格なんて、あるはずがないのに。 言わなくちゃ! 苦しくても、辛くても、これ以上ラブを欺くなんて許されない。 自分が――許さない! 「ラブ、聞いて。ミユキ……さんとの占いは嘘だったの。あなたたちを別れさせるために、私は!」 「もう……いいよ。もう、いいから泣かないで。あたしまで悲しくなっちゃうよ」 「よくないわっ! 私は他にも――」 「守るからっ! せつなは、あたしが守るから。どんなことからも守るから……」 だから、もう悲しいお話はやめようよ。ラブはそう言ってせつなに抱きついた。 その体が、ラブの体が震えていることに気がついた。 ラブも傷付いていたんだって、今さらながらにやっと気がついた。明るく振舞っていたからわからなかった。 ラブだってこの二日間、不休で自分を探し続けていたんだって。 いつだってそう。自分はラブを傷付けてばかりいる。自分と出会ってから、ラブは悲しい顔ばかりするようになった。 私は泣いてなんかいないわ。せつなはそう言おうとして、本当に涙が出てきた。 懺悔するように、きつく欠片を握りしめる。それに、ラブが気がついて尋ねた。 「せつな、何を持っているの?」 「これは――」 とっさに隠そうとして、思いとどまる。これも、自分の罪。 何より、ここまで尽くしてくれているラブに、隠し事なんて許されるはずが無かった。 そっと、手を開いて差し出す。 「ごめんなさい。これしか――見つからなかったの」 「探してくれたんだ……。ありがとう、せつな」 両手に乗せて、差し出そうとした。その手の上からラブは自分の手を被せて握らせる。 「きっと、見つかるよ。見つけようよ、せつなの幸せ」 「私は、私には――」 ラブは幸せの素の欠片を一緒に握ったまま、優しく語りかける。 きっと、砕け散った欠片の、その残った一つがせつなの分だったんだと。 だから、大丈夫だって。砕けた部分は、自分と美希と祈里で埋めるからって。 その夜は、ラブのベッドで一緒に眠ることになった。 布団は他にもあるけど、バタバタしてて干すのも忘れてたからって。 ラブは嬉しそうに体を寄せてくる。これからは、毎日一緒だねって。 いくらもしないうちに寝息を立てはじめる。 あまりにも無防備で、信頼しきっていて、それだけに愛しかった。 ラブの鼓動を聞きながら、その温かな体温を感じながら、せつなは想いにふける。 ラブにも、ご両親にも言えなかった。違う、口に出してはいけない気持ち。 幸せはとっくに見つかっている。そして、浸っている。 でも、自分にはそれを手に入れる資格はないんだって。 この素敵な家も、優しい家族も、美味しい食事や暖かいお布団も、自分には過ぎたもの。 だから、こうしている間も自分は罪を重ねているんだって。 それでも、今はこの優しさに甘えよう。このぬくもりに、身をゆだねよう。 自分には、やらなければならないことがあるのだから。 その時がきたら、きっと全てを清算しよう。 その時がきたら、この命を正しく使おう。 そして――必ず守ってみせるから。 ラブの幸せそうな笑みを浮かべた寝顔に、せつなはそっと、そう誓うのだった。 第13話 翼をもがれた鳥――相反する想い――へ続く
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赤い翼の輪舞曲 第20話――最終話 帰るべき場所―― チッ、チッ、チッ、 耳元で、小鳥のさえずりが聞こえる。 サワサワとそよ風が吹いて、森の葉が揺れる。 穏やかな陽気の、春の昼下がり。太陽がわずかにオレンジ色を帯びて、西の空に傾いている。 こちらの世界が、まだ冬だった四つ葉町とは季節が違っていたことに、せつなは今になってようやく気が付いた。 激しかった一日が、無事に終わりを告げようとしている。 せつなは爽やかな空気を胸いっぱいに吸い込んで、もうじき別れる、この世界の優しい自然の調べに耳を傾ける。 あれから数時間――街は大騒ぎだった。 ボロボロになった広場や道路。そして、いくつもの建物。街が元の様相を取り戻すには、それなりの月日がかかることだろう。 メイジャーランドの住人たちは、メフィストとアフロディテ、それに三銃士たちの働きによって、次々と帰還しつつある。あの国を立て直すのも、並大抵のことではないだろう。 それでも―― 双方の世界が得た交流と絆は、きっといつか、そんな被害の何倍もの恩恵を伴って、みんなを幸せへと導くに違いない。 今のせつなには、そう信じることができるのだった。 『赤い翼の輪舞曲――最終話 帰るべき場所――』 「どうしたの? せつな。こんなところでポツンとして」 「そうよ。一人でしょんぼりしてると、こっちまで楽しくなくなっちゃうじゃない」 「響、奏。相変わらず、ハッキリと言うのね。私はしょんぼりしてるんじゃなくて、ちょっと考え事をしていたのよ」 何日か泊まって行けと勧める響たちの誘いを断って、せつなたちはすぐに元の世界に帰ることを望んだ。 もともと、外泊の準備など何もしていないのだ。きっと、おとうさんやおかあさんたちは、死に物狂いで自分たちを探していることだろう。 「え~っ、ズル~イ! あたしたちは必死になって探し回ってたのに、せつなったらケーキなんて食べてたんだ!」 「そうニャ! ハミィだってメイジャーランドに行ってたから、カップケーキ食べ損なったんだニャ!」 「あんさんらの頭ん中は、オヤツのことばっかりかいな……」 「ピィー! ピィー!」 「そうだそうだって……」 「もう! ピーちゃんはみんなの分まで食べてたでしょ?」 少し離れた所から、ラブとハミィの不満そうな声が聞こえてくる。 タルトがツッコミ、ピーちゃんが更にボケる。エレンとアコが呆れて、美希と祈里は楽しそうに笑う。シフォンは、ピルンが出したカップケーキを食べるのに忙しいようだった。 ラブ、美希、祈里は、こちらの世界に来たばかりで、これまでの経緯をほとんど知らない。 せつながこの世界に来てからのこと。それ以前の響たちの戦いや、ピーちゃんのことなんかを、色々と詳しく聞いているらしい。 「響たちこそ、大丈夫なの? プリキュアのこと、街中の人にバレちゃったんでしょ?」 「あ~、うん。表向きは災害とか、集団幻覚だとか、適当な言い訳をつけて誤魔化してくれるみたいなの。パパが心配いらないって笑ってたし」 「でも、これからはもっと、加音町とメイジャーランドの行き来が盛んになると思うわ」 「それは素敵ね」 せつなが静かに微笑む。その顔を見て、奏が心配そうに口を開いた。 せつなの悩み。せつなの夢。どうしても確かめておきたかった。今を逃せば、またいつ会えるかもわからないのだ。 「せつなは、答えが見つかったの?」 「答えって?」 「ほら、前に言ったでしょ? せつなは、どうやってラビリンスを幸せにするつもりなの、って」 「あぁ……」 せつなは納得したように頷いて、そのまま口をつぐむ。先ほどの続きとばかりに思索に耽り、ここ数日の出来事に想いを馳せる。 奏が言っているのは、ラッキースプーンの厨房での会話のことだった。 あの時、自分はラビリンスを、四つ葉町のような笑顔と幸せに溢れる国にしたいと言った。 それが自分の夢なんだと思った。でも、たとえそれが本当の夢であったとしても―― (じゃあ、みんなの幸せってなに?) 奏の言葉が、脳裏に蘇る。 自分は、まるで己の目に映る四つ葉町を、唯一絶対の幸せであるかのように考えていたんじゃないのか? この世界で見てきた、加音町やメイジャーランドの住人たち。彼らの幸せの在り方は、四つ葉町とはまた違っていたように思う。 共通するのは、みんなが自分の意思で、自由に生きているということ。自由であることが幸せなんだとしたら、それは一体、何をするための自由なんだろう? (私は、手段こそ夢だと思うな。響が好きなのはケーキだけじゃないし、響を笑顔にする方法なら他にもたくさんあると思う。でも、私は自分の焼くケーキで笑顔になってもらいたいの) 自分は、間違っていたのかもしれない。どれほどみんなの幸せを願おうと、自分が描いた幸せは、自分が夢見る幸せでしかない。 人はひとりひとり違うから、それぞれの人生があるのだから。 だとしたら―― ラビリンスが得た自由とは、「みんなが自分だけの幸せ」を、追い求めるための自由なんじゃないのか? 光が見えてくる。答えは、すぐそこにある気がした。 イースとしてではなく、キュアパッションとしてでもなく、東せつなとして、自分がやらなければならないことは―― せつなは、奏と響の顔を見つめて、少し照れ臭そうに笑う。そして、口を開きかけた瞬間、目の前が真っ暗になる。 「だーれだっ!」 「きゃ! もう、ラブったら! 今、大事なことを考えてたのに!」 突然後ろから、ラブが目隠しついでに抱きついてくる。 全く――誰だも何も、ないものだと思う。自分に一切の警戒を抱かせずに、背後を取れるのはラブしかいない。 ごめ~ん……としょぼくれるラブに、せつなはクスリと笑った後、真剣な表情で向き合った。 「まぁいいわ。私のこれからのことを考えていたんだけど、今、ハッキリと答えが出たから」 「えっ! なになに? わたしにも聞かせて、せつな!」 「私も聞きたい。このまま別れたら、心配で仕方ないもの」 ラブに続いて、響と奏も身を乗り出して聞き入る。せつなは想いを整理するかのように、ポツポツと語り始めた。 「この世界に来る前、四つ葉町の広場で、ラブはこう言ったわよね?」 (うん、そうだね。美希たんとブッキーには、夢があるもんね。でもさ、せつなはずっと一緒だよね!) 「本当を言うと、私はダンスを辞めてラビリンスに戻るつもりだったの。あの国を、四つ葉町のような幸せな世界にしようって」 「そう――なんだ……。うん、そうじゃないかって、思ってたんだ」 「聞いて! でも、やっぱり私、四つ葉町に残ることにする。私ね、この世界に来て、元の世界に帰りたいって思った。そして、その世界はラビリンスじゃなかったの」 「えっ? それって……」 「それに、フュージョンと戦ってわかったことがあるの。幸せは、一人一人が、自分で見つけていくものなんだって。 みんなを笑顔にする方法なら、きっとたくさんあると思う。でも、私はラブと一緒にダンスを踊って、みんなに笑顔になってもらいたい」 「じゃあ! じゃあ、本当に!?」 「ええ! 私はラブと一緒に、プロのダンサーになるわ。団おじさまにも負けないくらいの、“本物”になってみせる。そして、いつかラビリンスにこの喜びを伝えたいの」 無数にある幸せのカタチの中の、その一つとして―― と、せつなは締めくくった。 「それなら、帰ったらさっそく練習ね!」 「ダンス大会決勝戦は、また延期になっちゃったみたいだけど」 「美希っ!? ブッキーも! いいの? クローバーは解散するんじゃ……」 「ノンノン! 完璧なアタシが、優勝もしないで投げ出すワケないでしょ?」 「わたしも一緒にやらせて。ラブちゃんとせつなちゃんなら、きっと夢が叶うって信じてる」 「また……クローバーでダンスが踊れるんだね? やったぁ~、幸せゲットだよ!」 いつの間にか話を聞いていた、美希と祈里が会話に加わる。 ダンスユニット・クローバーの活動再開――それが、四人のとびきりの笑顔と共に決定した。 「おめでとう、せつな。素敵な答えね! なんだか安心しちゃった」 「わたしも、四つ葉町に行ってみたいな。そこでピアノを弾いてみたい。クローバーのダンスを観てみたい。いつか――必ず!」 「ええ、約束しましょう! 世界は交わり、人は繋がり、そこから音楽は生まれるのよね。だったら――!」 「ここで決めなきゃ、女がすたる!」 「精一杯、頑張るわ!」 せつなと響は、決めゼリフを言い合ってクスリと笑う。 遠い遠い世界だから、簡単には会えないかもしれない。でも、これっきりにするつもりなんてない。 いつか二つの次元が交わって、助け合って、より大きな幸せを導くと信じたいから。 「ところで、エレンとアコは?」 響が、この場に居ない二人の名前を口にする。 「私なら、ここよ」 「ホラッ、奏太も早く。またしばらく会えなくなっちゃうのよ?」 二人はせつなたちとの別れが近いことを感じて、奏太を探しに行ってくれていたようだった。 アコに手を引っ張られ、エレンに肩を押されるようにしてやって来た奏太は、せつなに向かって、大事そうに握りしめていた右手を開いた。 掌の上にあったのは、銀の鎖が付いた、緑色の小さなハート型のペンダント。あの日、せつなが奏太の机の上に置き去りにした、幸せの素だった。 「せつな姉ちゃん。恥ずかしいから会うのやめようかと思ったんだけど、これ、返してなかったからさ」 「奏太君……。それは、あなたにあげたつもりだったのよ」 「無理すんなよ。大事な物だってことくらい、見ればわかるって」 「ありがとう。私は他に、あなたにあげられるようなものが何もないけれど……」 「なら、今度会う時は、俺がとっておきのプレゼントを用意するよ。だから、さよならは言わないぜ!」 「ええ、約束ね。こんな歌が、私たちの世界にはあるの。指切りげんまん、嘘ついたら~」 「針千本、の~ます! だろ? 俺たちの世界にもあるよ。じゃ、元気でな!」 奏太はそれだけ言うと、せつなに背を向けて走り去った。その頬から、幾滴かのしずくを振り落としながら。 せつなも、クルリとみんなから背を向ける。同じように頬を濡らすものが流れたのかどうかを、確かめられた者はいなかったけれど。 「アカルン、帰りましょう! 私たちの街――四つ葉町の広場へ!」 弾けるような加速によって、瞳に映る景色が溶けていく。太陽の光も、星々の輝きも、全てが一つに交じり合う。 加音町を発った一行は、数多の世界を渡り、故郷へと帰還する。 混沌の闇を越えて、光の門を潜り抜ける。その先には、七色に彩られた不思議な空間が広がる。 世界を繋ぐ奇跡の花、プリズムフラワーの力が作り出す虹の回廊。果てしない道のりを、アカルンの力で一気に翔け抜ける。 再び、真っ白な光に包まれる。あまりの眩しさに目を閉じる。一呼吸してから、そっとまぶたを持ち上げた。 大好きな街、四つ葉町の公園の景色が映る。瞳が潤み、わずかに視界が歪む。 冬の夜の、澄んだ空気が胸いっぱいに広がる。 大気の綺麗な世界なら、他にもあった。景観の美しい世界なら、他にもあった。 でも、心が安らぐようで、それでいてときめくような、こんな不思議な気持ちにさせられる場所はここしかない。 「帰って――来たね。せつなっ!」 「ええ!」 「お父さんとお母さん、心配してるだろうなぁ……」 「早く帰って、安心させてあげなきゃね」 全力で走っているのに、意地悪なくらいにゆっくりと景色が流れる。 早く――早く――帰りたい。 やがて見えてくる、優しい肌色の壁に、ピンクの屋根。赤い色のひさし。 手入れの行き届いた広めの庭。二階には、植物を這わせてあるバルコニー。大きくはないけれど、温かみを感じさせる家。 ノックなんて必要ない。だって、自分の家なんだから。 もどかしい気持ちをぶつけるように、やや乱暴にドアを開ける。 パタパタと、転がるように出て来る二人。たまらなく会いたかった、大切な家族だった。 「それで、なんであんたたちがこの世界で暮らしてるのよ!?」 ダンスレッスンの帰り、せつなたちがカオルちゃんのドーナツカフェで休憩していた時のこと。 彼女たちのドーナツを運んできたのは、あろうことかウエスターだった。 「なぜって、そりゃあ、カオルちゃんに弟子入りしたからに決まってるじゃないか」 いかにも、「当然だろ?」と言わんばかりに、ウエスターは不思議そうな顔をする。 あれだけ、自分をラビリンスに誘ったのは何だったのか? せつなの肩が怒りでワナワナと震えだす。 「答えになってないわ、ウエスター! あなたラビリンスに帰ったんじゃなかったの? どうしてドーナツ揚げてるのよ?」 「ああ、あれから色々考えたんだが、幸せなんて、結局人それぞれだからな。俺は美味いドーナツを作れるようになって、あいつらに食わせてやりたくなったんだ」 「………………」 「落ち着いて、せつな。口調がイースになってるわよ?」 見かねた美希が口を挟む。せつなはもう、二の句も告げない有様だった。 自分が遥か遠い異世界、いや異次元の加音町にまで行って、命がけでフュージョンと戦って得た教訓を、いともあっさりと……。 なんとか気持ちを持ち直して、今のやり取りの間、ひたすら沈黙を守っていたもう一人の方に向き直る。 「余計に疲れそうだけど、一応聞かせて……。サウラーは、どうしてここに居るの?」 「僕かい? 僕は、個性のないラビリンスに、この世界のファッションを学んで広めようかと思ってね」 「続きはアタシが説明するわ。この人、ママの美容院でアルバイトしてるの。しかも……しかもよ!? いきなりアタシの所属する事務所に、アタシと同じモデルとしてスカウトされちゃったの!」 「違うよ。いいかい? 君は読者モデル、僕は専属モデルだ。一緒にされては困るね」 「キィ――ッ! これなのよ、腹が立つでしょ!?」 「美希こそ、言葉使いが壊れてるわよ。落ち付いて……」 それでも彼らは、週に一度はラビリンスに戻っているらしい。ただし、政治や統治に、一定の距離を置くことにしたのだとか。 同じように、ラビリンスで訓練を受けていた一部の者は、各パラレルに散って失われた文化を学んでいるらしい。 もっとも、せつなの目には、二人は自分のために楽しんでやってるようにしか見えなかったのだが……。 それはそれで、きっと正しいことなのだろう。 「そうだっ! 今夜、あたしの家でせつなの『お帰り』パーティーをやるの。良かったら、隼人さんと瞬さんも来ない?」 「うん、賑やかな方が楽しいもんね」 「アタシは構わないわよ。どーせ、ママが誘うだろうし……」 ラブは気にした風もなく、自宅のパーティーに二人を誘う。まるで知り合いがこの街に留まってくれたのを、喜んでいるかのようだった。 祈里もニコニコと笑って、ラブの提案に賛成する。美希は諦めたという風を装って、それでも賛同の意を表した。 せつなはやれやれといった感じで、ため息を一つ吐く。しかし、その表情はどことなく嬉しそうだった。 「ラッキー! お祭りは大好物だ。ぜひ行かせてもらおう。俺の特製ドーナツを持って行くぞ!」 「僕も寄らせてもらうよ。ウエスター君の焦げたドーナツはいらないけどね」 「よかった! せつなの焼いた、とっておきのカップケーキもあるんだよ!」 「奏から教わったっていう、アレね?」 「わたしも楽しみ」 「ええ! 気合のレシピ、見せてあげるわ!」 せつなは自信たっぷりにそう言って、幸せそうに微笑んだ。 ~~ La fin ~~
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「ただいま帰りました」 「お帰り~」 玄関の戸を開けると、中から母の元気な声がしました。 その後すぐに『あ、すみません……』という声が。 どうやら電話で話をしていたようです。 私は自分の部屋に戻った後、すぐに出掛ける準備をしました。 今日は泉さんたちが誕生日パーティーを開いて下さるそうで……何だかとても楽しみです。 「それじゃあお母さん、行ってきま――」 「ああ、ちょっと待って~」 靴を履こうとしたとき、受話器を置く音とともに母に呼び止められました。 一体何でしょうか? 「どうしました――」 リビングに足を踏み入れた瞬間、 「おめでとう~!」 パンッ!と母の手に握られていたクラッカーが弾けました。 「きゃっ!」 突然の出来事でしたので思わず悲鳴をあげてしまいます。 「あら、大丈夫?怪我しなかった?」 「は、はい。平気です」 瞑っていた目を開けました。 すると母は、今度は手にオレンジ色の手袋を持っていました。 「はい、これ」 「これは……?」 「みゆきへの誕生日プレゼント。お母さんの手作りよ」 母はそのまま言葉を続けます。 「みゆき、今から泉ちゃんのお宅で皆で誕生日パーティーやるでしょ?でも帰ってきてからじゃみゆきにも迷惑かかっちゃうから、今のうちにと思って」 そしてその手の上に置かれた手袋を差し出してきました。 「だから……はい。お誕生日おめでとうみゆき。これからもずっと、頼れる娘でいてね」 「お母さん……」 手袋を手に取ります。 と同時に、母の温かい言葉を思い出して急に涙がにじんできました。 「お母さん……私……ひっく」 「ほら、みゆき。泣いちゃ駄目よ~」 母は私の頭を撫でながらそっと呟きます。 「その涙は、泉ちゃんたち皆のお祝いにとって置かなちゃ……ね?」 「ぐすっ……はい、お母さん」 流しかけていた涙を堪えます。 と、そのときに外から秋の寒さを伝える少し強い風の音がしました。 「あの……」 「なあに、みゆき?」「この手袋、早速使わせてもらっていいでしょうか……?」 「もちろんよ~。むしろそのほうがお母さんが編んだ甲斐があるわ」 「それでは……」 母から受け取った手袋を手にはめました。 ……何だか母のぬくもりが伝わってくるようで、とても温かい気がします。 「ほら。早くしないと泉ちゃんたち待ちくたびれちゃうわよ?」 ふと時計を見ると、約束の時間が迫ってきていました。 「あ。……は、はい」 急いで玄関に向かいます。 「すみません。帰りは遅くなりますので……」 「大丈夫よ~。ゆっくり、いっぱい楽しんできてね」 いつもとあまり変わらない言葉。 それすらも、今の私にはありがたく聞こえます。 「それでは、行ってきます」 「行ってらっしゃい~」 母の言葉を心に。 母の手袋を手に。 私は、玄関の扉を開きました。 コメントフォーム 名前 コメント いいね -- 名無しさん (2009-11-07 00 40 28)
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かえるべきところ 収録作品:天地創造[SFC] 作曲者:小林美代子 概要 主人公の故郷であるクリスタルホルムで流れるBGM。また地表のストークホルムでも使われている。 暖かい故郷を感じさせるようなとても穏やかで優しく、そして切ない音楽である。 主人公の冒険はこのクリスタルホルムから始まり、長い旅路を経て再びこの場所に帰ってくる。 その時には、旅立ちの時に比べてこの故郷の感じ方が、ずいぶんと変化しているはずである。 それでも主人公にとって最後に帰るべき場所はこのクリスタルホルムであったのか、スタッフロールの曲である「帰路」もこの曲のアレンジであり、エンドタイトルの「THE END」でもこの曲が流れる。 まさにこのゲームの最初と最後を表した曲であり、プレイした人にとってはとても印象に残りやすい。 みんなで決める癒しBGMランキングでは同じ票数の曲が2つありながらも、平均順位の高さから見事1位に輝いた。 またスタッフロール直前の「最後の一日」でのクリスタルホルムではこの帰るべき所のアレンジが使用されている。 シーンに合った美しく切ないアレンジで人気が高い、小林美代子氏が「別れの前に」という仮の曲名を付けている。 過去ランキング順位 第2回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 282位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 633位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 973位(別れの前に) 第10回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 933位 みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 271位 第2回みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 252位(別れの前に) みんなで決める町曲ベスト100 49位 みんなで掘り出すゲーム音楽ベスト100 60位 みんなで決める癒しBGMランキング 1位 みんなで決めるスーパーファミコンBGMベスト100 103位(別れの前に)、108位(原曲) みんなで決める泣き曲ランキング 43位(別れの前に) サウンドトラック 天地創造 クリエイティブサウンドトラック
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あるべき場所 "Where Credit s Due" 回収の仕事がある。カーソン・アベニューにある美容院のオーナーにホットピンクのザイオンを奪われた。マネーロンダリング業のオーナーにはもったいない車だ。税金をごまかすやつは許さない。裏に停められているから、奪ってディーラーに届けてくれ。 あるべき場所 "Where Credit's Due"概要 詳細 ミッション攻略 動画 概要 ザイオンを回収してショールームに届ける 詳細 差出人 解除ランク プレイヤー人数 チームのライフ数 シミオン 5 1~2人 1 制限時間 失敗の条件 無し 全滅・ザイオン破壊 時刻 時間帯設定 手配度発生 天候設定 変化 不可 有り 不可 ミッション攻略 1. font (#0000e0){ザイオン}を回収しろ 場所はカーソン・アベニュー。バゴスの縄張りである集合住宅の裏手、そこの店舗裏にエンペラーと並んで駐車されている。 近くの持ち主の女が車を回収すると取り戻そうとして来るが、気にせず発進しよう。 2. 警察の追跡を振り切れ 回収して少しすると手配度☆1が付く。 3.ザイオンをディーラーに届けろ 追っ手は出てこないので、警察さえ撒けば何の問題もなく運べる。 動画
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あるべき場所 "Where Credit's Due" 回収の仕事がある。カーソン・アベニューにある美容院のオーナーにホットピンクのザイオンを奪われた。マネーロンダリング業のオーナーにはもったいない車だ。税金をごまかすやつは許さない。裏に停められているから、奪ってディーラーに届けてくれ。 あるべき場所 "Where Credit's Due"概要 詳細 ミッション攻略 動画 概要 ザイオンを回収してショールームに届ける 詳細 差出人 解除ランク プレイヤー人数 チームのライフ数 シミオン 5 1~2人 1 制限時間 失敗の条件 無し 全滅・ザイオン破壊 時刻 時間帯設定 手配度発生 天候設定 変化 不可 有り 不可 ミッション攻略 1. ザイオンを回収しろ 場所はカーソン・アベニュー。バゴスの縄張りである集合住宅の裏手、そこの店舗裏にエンペラーと並んで駐車されている。 近くには持ち主の女が別の女と共に一服中。車を回収すると取り戻そうとして来るが、気にせず発進しよう。また周辺にバゴスメンバーがたむろしてる場合は騒ぎを聞きつけて容赦なく発砲して来るので、乗り込んだらさっさとその場を離れた方が無難。 2. 警察の追跡を振り切れ 回収して少しすると手配度☆1が付く。ザイオンはスピードが速く、近くには地下鉄の線路もあるので余裕で撒けるはず。 ☆1なので警察の追跡もかなり緩い。慣れればパトカーを避けながらディーラーに直行することも可能。手配中はマップにナビが表示されないので、駐車場から北方面にあるアミュネーションへ向かって運転するとよい(ディーラーはその隣)。ディーラーにたどり着いても☆がついたままの場合は、店の裏に隠れていればそのまま解除される。 3.ザイオンをディーラーに届けろ 追っ手は出てこないので、警察さえ撒けば何の問題もなく運べる。 動画 youtubeの動画とURLリンクを記載する所です。