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【名前】岸辺露伴 【属性】漫画家、スタンド使い 【大きさ】 人間大 【攻撃力】本体は人並み。スタンドで一応殴れる。 【防御力】本体は人並み 【素早さ】移動速度は人並み。 ぶち切れ状態のクレイジーD(スタープラチナと互角)の パンチが数cmくらいまで迫ってから 腕を動かして数十㎝くらい 離れた机の上の原稿を取り、 セリフを言いながら相手に見せることが出来るほど速い反応と腕の速度を持つ。 スタープラチナ:亜光速のチャリオッツの剣の速度を覚え、 それを上回るアヌビス神の剣撃が40~50cmまで迫ってから カウンターパンチをぶち込める速度。 更に上記の自分のカウンターパンチの速度を覚え 更に加速したアヌビス神の剣を真剣白羽取りが可能。 * 下記設定原文 あまりにスゴイスピードのため光の速度を超え、 全盛期(18才の時)最大5秒時を止めることができた (ここでいうスピードとは反応速度や攻撃速度など のことであり、移動速度ではない) 【特殊能力】スタンド ヘブンズドアー * 相手を指差して本にする。その本に書き込んで相手に命令することができる。 命令できる射程は20~30m(ジャンケン小僧戦参照) 例、「岸辺露伴を攻撃できない」「今起こったことはすべて忘れる」 「自殺する」 「時速70キロで吹っ飛ぶ」など * 相手に文字を書き込むことで支配する力は 絶大で、対象者がどれだけ拒絶しようと逆らうことはできず、 「ほんの僅かな期間でネイティブ並みの語学力を身に付けさせる」 「後方に時速70キロの速度で吹き飛ぶ」など、 本来相手には実行不可能な事をさせることも可能 (何処まで自由に出来るのかは明らかでない。 例えば、「身体が核爆発する」と書いて本当にそうなるのかは不明である) * 直接触って書き込めば相手は意識を失う。 * 動物、幽霊などにも命令可能。 * 直接書かずに「文字」だけを飛ばして相手に書き込むこともできる * 相手の皮膚の僅かな面積だけを捲るようにして書き込むなど、器用な芸当も可能 【長所】ヘブンズドアー 【短所】機械には命令できない。運命は読めない 【戦法】「岸辺露伴に攻撃できない」→「自殺する」 相手の防御が高く、相手の攻撃力では自殺できないようなら 『岸辺露伴に攻撃できない』→『岸辺露伴との勝負に敗北する』と書き込む 『岸辺露伴に攻撃できない』と書き込まれた場合は岸辺露伴への攻撃に繋がる 行為は、 間接的、直接的等に関係無く、できない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『岸辺露伴』に関する過去の考察ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1スレ目 10 :格無しさん:2008/07/22(火) 23 09 00 チャリオッツレクイエムは間違いなくトップだろ。 個人的には露伴とDIOが微妙だと思う、露伴のハンドスピードのが早ければ 露伴、DIOの時止め発動のが早ければDIOのが上位かな。 条件によってはハイウェイ・スター(本体入院中)も強いと思う。 両者の全長分間合い取る場合以外のランキングも検討する。 ↑これの詳細を決めるとするか 13 :格無しさん:2008/07/22(火) 23 37 03 10 個人的には露伴とDIOが微妙だと思う DIOの時止めが承太郎と同等だとするとブチキレクレイジーDの拳を ギリギリ寸前で時止めで回避できる位。 露伴はブチキレクレイジーのDの拳が寸前まで迫っても 余裕尺尺で原稿を取って見せられてるし露伴の手のが早いと思う。 44 :格無しさん:2008/07/23(水) 02 16 27 基本性能の差からDIO>承太郎は確定 プッチ神父は加速前に時止め負け、 DIO>承太郎>プッチ神父 岸辺露伴はスタプラと同等のクレイジー・Dより相当速い 時止め発動より速く指を指せるか 岸辺露伴>DIO>承太郎>プッチ神父 ヴァニラはパワーは高いが素早さがない 岸辺露伴>Dio・Brando>空条承太郎>エンリコ・プッチ神父>ヴァニラ・アイス 常時睡眠効果レクイエムは普通にトップ シルバー・チャリオッツ・レクイエム>岸辺露伴>Dio・Brando>空条承太郎>エンリコ・プッチ神父>ヴァニラ・アイス .
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襲われてからどれ程経ったろうか……康一とイギーは敵の攻撃を警戒し、クツのムカデ屋から未だ動けずにいた。 しかしいくら何でももういないはず。そう考えた康一は移動を決意する。 (まだ居たりは……さすがにないかな?でも一応裏口から出よ) 康一は行くアテも無くとりあえず北に向かってみた。 イギーも(コイツ何かアテあんのか?いつでも守れるわけじゃあねぇんだぞ)と心の中で悪態を付きながらも付いて行く。 警戒しながらの移動のため慎重に慎重に進む。 するとある曲がり角に差し掛かった時にイギーが唸り出した。 「どうしたの?何かこの先にあるのかい?」 と康一が呑気な質問をする。 (何もなかったら唸らねぇよこのボケ!どんな頭してやがんだ? しかし何だ?人間の匂いじゃない) イギーの様子に異変を感じた康一はエコーズで上空から様子を見る事にした。するとそこにいたのは…… 「亀?ただの亀じゃないか」 康一は何も警戒せずに亀に近寄る。 「何でこんなところに亀がいるんだろう?ん?何か背中に付いてる。鍵……かな?」 康一は亀の背中の鍵を何と無しに外した。すると…… 「ふーん、なるほど。鍵を外されると中にいる人間は外に出されてしまうんだな」 どこからともなく人が現れた。 「どうだい?驚いた?」 「ろ、ろろろ、露伴先生ィィィッ?どっから出てきたんですかァッ?!」 (何だァコイツ?いきなり現れやがった!コイツも何かのスタンド使いか?) 三者三様の反応……いや、康一とイギーは驚いてるので三者二様か? いずれにせよ亀の鍵を外したところ岸辺露伴がどこからともなく現れたのだ。これは驚かない方が無理である。 「いやいや康一君。驚かせて悪かったよ。いや、実はね……」 露伴から康一とイギーは事の顛末を聞く。 この亀は鍵を背中にはめ込むと中に入れる事、露伴が巻き込まれた戦いの事、これは夢でも何でもないという事…… 康一は驚くも自分達も戦いを仕掛けられた事を考えるとそれは事実であろうと納得する。が、康一は一つ気になっている事があった。 「でも露伴先生、漫画を描くって言ってシュトロハイムさんとジョナサンさんと別れたのに何でこんなとこにいるんですか?」 「ん?あぁ……せっかくこんなイベントに巻き込まれたんだ。取材をしてしっかりとした物を描きたいからね。ハハハ……」 露伴は家から移動した理由を説明する。だが、ホントの理由はそれだけではなかった。 30分程時間を溯ろう。露伴は自宅で漫画を描いていた。 「スゴいッ!まさかこんなに描き進むなんてッ!やっぱり杜王町に引っ越してきて良かったなぁ……こんなイベントに巻き込まれた僕は漫画家として非常に幸せ者だなぁ」 かつてない程絶好調らしい。 露伴はハイになっていた。しかし! 「ん?何の音だ?ピシッ?ミシッ?メキッ?」 露伴が疑問に思った直後、露伴の家は徐々に倒壊を始めた。 「何だとーッ!これは……ヴァニラの野郎のせいかッ!」 露伴の察しの通りヴァニラ・アイスの『クリーム』のせいである。 大きな館ならいざ知らず露伴の家は普通の家より少し大きい程度。 そんな家の至るところに穴が空いていたらその内崩壊するのはコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実である。 露伴が仕事場の窓から脱出するのとほぼ同時、露伴の家は完全に倒壊した……それがつい30分程前の出来事。 それから彷徨い歩いて今に至る。康一に会ったのも偶然以外の何物でもない 「っていうかそんな事どうだって良いだろうッ!家で漫画描いてようが外歩いてようが僕の勝手だ!」 露伴は康一に半ギレでまくし立てている。まぁ無理もない。 せっかくの原稿も瓦礫の下である。一刻も早く忘れたかったであろう傷に触れた康一の罪は重い。 (殺し合い?何だとそりゃーッ!) 露伴が康一にキレている間、イギーは露伴の話を聞いた事により混乱していた。 (コイツら実はかなーり危ねぇんじゃねぇか!しかも爆発する首輪?嫌だ!関わりたくねぇ! オレは無関係だ……帰らせてもらう!……ってそういやオレの首にも何か……) イギーは嫌な予感がした。そして道路脇の鏡を見上げる。 (オレの首に付いてるのは……やっぱり爆発する首輪じゃねぇかァァァッ!冗談じゃねぇぇぇぇッ!) イギーは厳しい現実に打ちのめされた。現実は非情なのである。 「ところで康一君、そこで悶えてる犬はなんだい?君の犬かい?どうやら僕らと同じ首輪が付いてるけど」 「道で会ったんで拾ってきたんですよ。このままじゃ死んじゃうと思ったんで…」 今度は康一が露伴に今までの説明をする。 「ふーん……『ヘブンズ・ドアー』!」 露伴はいきなりイギーに攻撃を仕掛けた。 「ちょっとぉぉぉぉッ!岸辺露伴ンンンン!犬に何してんですかッ!」 「一応念のためだよ。さっきの話聞いてたろ?この亀はスタンドが使える。 鼠の話も承太郎から聞いたろ?だったらこの犬もスタンド使いかも知れない」 康一は渋々納得する。 「何々?名前はイギー……やはり当たりだ。ここ見なよ。スタンド名『愚者(ザ・フール)』砂を操る能力。康一君を襲ったのはこの犬じゃないのか?」 康一は驚いた。最初に自分を攻撃して来たのは一緒に行動していた犬だったのだ!でも…… 「でも……でも!僕を襲うつもりならいくらでも襲うチャンスはあったはずなのに攻撃してこなかった!」 「まぁな。実際は最初の攻撃が効かなかったから無駄だと思ったか何かじゃないか? とりあえず後で『岸辺露伴と広瀬康一を攻撃出来ない』『今あった事を忘れる』って書いておこう」 露伴はイギーの記憶を読み続ける。 「ったく…コイツ生意気にも人間より格上って思ってやがるぞ…… !!!康一君、ここを見るんだ」 「えーっと……承太郎さんにジョセフさんッ?!」 「ああ。どうやらこの犬はあの二人と知り合いの様だな。 他の仲間は……アブドゥル……ああ最初に荒木にのされた奴か。スタンドは『魔術師の赤』 次はポルナレフ……スタンドは『銀の戦車』……補足欄にバカ間抜けアホドジって書いてある。ハハッ、散々な言われようだな。 最後は花京院……『法皇の緑』……コイツだけ詳しい能力がわからないな」 露伴は必要な情報を引き出すと『岸辺露伴と広瀬康一を攻撃出来ない』、『今あった事を忘れる』、そして『二人のピンチには協力する』、さらに『合図するまで寝てろ』と書き込んだ。 「こう書き込んでおけば安心だろ?僕らの身も守ってくれるぞ。眠らせとけば暴れる事もないから持ち運びにも便利だ!」 露伴は何故かハイだ。それに対してちょっと鬱の入った康一が返す。 「はぁ……というか僕もう疲れちゃいましたよ……」 「まぁ弱音を吐くなって。とりあえず僕も一緒に行かせてもらうよ。君に付いて行った方が安全に取材出来そうだ」 康一は内心拒否したい気持ちでいっぱいだった。 何しろこの男は物事に対して手段を選ばないところがあるのである。 (うーん……でも仲間は多い方が良いかな?) 「ほら行くよ康一君。とっととその犬を連れてきな。さぁ冒険の旅だ!まるで自分が漫画の世界に迷い込んだみたいにワクワクするぞ」 (早速仕切ってる……もうしょうがないなぁ) 康一はイギーを抱き抱えるともうワクワクを止められない早足の露伴を追いかけた。 「東に行きません?駅の方は誰かいそうですし」 「それもそうだな。だが断る!危険とわかっていても好奇心を煽られたらそれを避けずにはいられない!駅の方に行くぞッ!」 一人の冒険家気分の漫画家、それに振り回される少年、少年に抱き抱えられる犬、二人+一匹の珍道中が始まる。 次第に空は明るくなってきた。 (あれ?そういえばあの砂の攻撃がこの子ならあの人は何だったんだろう?一般人……の訳ないか) 【小道(E-4)/一日目/黎明~早朝】 【岸辺露伴探検隊】 【広瀬康一】 [スタンド] 『エコーズACT1・ACT2』 [状態] 疲弊 [装備] なし [道具] 支給品一式、シャボン液 [思考・状況] 1)何か疲れちゃったよ…… 2)しかしあの砂がイギーのせいならあの人(F・F)はなんだったんだろ? 【イギー】 [スタンド] 『ザ・フール』 [状態] 疲弊/露伴の能力で寝てる [装備] なし [道具] なし [思考・状況] 1)何でオレがこんなのに巻き込まれたんだァァァッ!? 2)ただし今は寝てる 【岸辺露伴】 [スタンド] 『ヘブンズ・ドアー』 [状態] 健康/ワクワクしてる [装備] [道具] 支給品一式、ココ・ジャンボ [思考・状況] 1)漫画のネタ探しする 2)殺人ゲーム……なんてワクワクするんだ!まるで冒険漫画の主人公みたいだ! 3)康一がエコーズACT3を出せないのは知りません D-4の露伴の家が倒壊して瓦礫の山になりました。 また、イギーは康一達に能力を知られた事を当然知りません。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 26 『誰が為に砂は舞う』 広瀬康一 61 Dancing In The Street 26 『誰が為に砂は舞う』 イギー 61 Dancing In The Street 25 岸辺露伴の奇妙な取材 岸辺露伴 61 Dancing In The Street
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2003年6月。兵庫県西宮市にて。 ある、『スタンド』に纏わる『事件』が発生した。 事件の中心人物は、『矢』を所持する一人の『スタンド使い』。 名を、『小野大輔』と言った。 小野大輔の『矢』によって、西宮市内では、三週間のうちに十数名の『スタンド使い』が産みだされ 彼らは、小野大輔が『標的』とする『スタンド使い』の軍団。 通称、『SOS団』への刺客として送り出された。 その事件は、6月下旬。SOS団との戦闘の末に、小野大輔の敗北という形で幕を閉じた。 そして―――SOS団と小野大輔の刺客との戦いが繰り広げられていた、その裏で。 人知れず、彼は動いていた。 彼が望むものは、ひとつ。自らの好奇心を満たす事。 彼の名は、岸辺露伴。職業は―――漫画家。 キョンの憂鬱な冒険 -アフターロック- 外伝 『岸辺露伴の憂鬱』 前編 「おい」 それは、『事件』の最中。岸辺露伴と、森園生、朝比奈みくるの三名が、『夢の世界』から生還した二日後にあたる、金曜日の午後。 岸辺露伴は、『病院』の四階、入院病棟の廊下にて。 不意に、視界の端に留まった、見覚えのある後姿に声をかけた。 それと同時に、水面を伝うように、均一に、機械的に行われていた、その人物の歩行が止まる。 薄い上半身が露伴を振り返る。短めに切りそろえられた、細く透き通った色の前髪の下で。ガラス玉のような瞳の中に、露伴の顔が映った。 「……君は、たしか『長門有希』だったな」 「そう」 長門の精神に、露伴に声をかけられたことで、果たしてどのような移ろいが発生したのか。 まるで、道端の街路樹を前にしたような普遍的な表情で、長門は、露伴の言葉に、短い返答を寄越した。 「何?」 続けて、先の二文字と、なんら変わりのないイントネーションで、彼女の喉が鳴る。 その表情や語調から、彼女が、露伴をうっとうしがっている様子は感じられない。しかし、好意的なわけでもない。 それこそ、ただそこに在るだけの街路樹のような雰囲気を漂わせた、その少女を、露伴が呼び止めた理由とは。 「いや、何。前から、君と話がしてみたいと思っていてな。思わぬところで見かけたもんでね、つい声をかけちまったよ」 露伴が、目の前の少女について知る情報。 古泉や森、キョンら、『SOS団』の面々から聞かされた、その『正体』。 露伴の興味は、ただ一点。 『長門有希』が『宇宙人』である。その情報に向けられていた。 「あなたが、平日の放課後の時間帯に外出することは、推奨出来ないことであると伝わっているはず」 あまりに無機質につむがれる長門の言葉から、その意味を理解するのには、常人との会話においてのそれよりも、いくらか余分に時間が掛かる。 数秒後。露伴は、つまり。長門は、こう言いたい訳だ。 『おい、どうしてこんなところでテメーに会うんだ。 テメーと涼宮ハルヒが顔をあわせるとまずいから 好き勝手に外をウロつくんじゃねーと言っただろうが』 ……と。 ふん。馬鹿馬鹿しい。岸辺は、己に課せられた理不尽で過剰な行動制限と それを馬鹿正直に厳守することを求めている、目の前の少女に向けて、沸き立ったイラつきを隠さずに吐き出す。 「あのなァー。この、お前らの学校から三キロちかくも離れた救急病院に 『涼宮ハルヒ』がやってくるわけが無いだろうが! 大体、この時間、お前らは『団活』とやらの最中のはずじゃあないのか? ぼくのほうが聞きたいぜ、お前がどうしてこんなところにいるんだ?」 時刻は四時へ差し掛かる頃合いだ。彼らの学校が、どのような時間割のもとに回っているか知らないが、普通の高校なら、授業が終わった直後というところだろう。 涼宮ハルヒと行動を共にしているはずの長門有希が、何故、この『機関』の『病院』に居るのか。 長門は、露伴の言葉を聴いた後、数秒ほど。思案をめぐらせる様な沈黙をはさんだ後に、口を開く。 「涼宮ハルヒには、私は急用のため、団活を休むと、古泉一樹から伝わっているはず」 「急用だって? 御神体みたいに涼宮のことを優先するお前らが、SOS団以上に優先する急用なんてもんがあるのか?」 「ある。なければ、私は今、ここを訪れてはいない」 長門の言葉に、感情は込められていない。 しかし、そのがらんどうで、押し我意の無い無機質さに、露伴は、まるで自分が馬鹿にされているかのような錯覚を抱いた。 「ほう、そりゃあいったい何だ? 実に興味があるな、ぜひとも教えてもらいたい。 この『病院』に、それがあるってのかい? この先には入院患者の病室しかないぜ。 まさか、『宇宙人』の君が、両親や兄弟姉妹のお見舞いに来たってわけじゃあないんだろ?」 「……あなたがこの『異常』に関わるのは、あまり喜ばしくないこと」 再び、数秒の沈黙の後で。長門は言った。 「『異常』だって?」 「……先日から、この病院内で、これまで観測されていなかった次元の『歪み』が発生している。 その歪みを初めて観測した時刻は、あなたが『夢の世界』から帰還した時刻と一致する」 「『歪み』? ……言っていることがよくわからんな。 そりゃあつまり、あの『夢の世界』の『スタンド』の影響なのか?」 「……その原因が『スタンド』である可能性はゼロではない。 しかし、『歪み』自体と『スタンド』は無関係。 『スタンド』によって発生したものであれば、情報統合思念体の持つ概念では観測できない」 「『概念』……やっぱりよくわからんな。適当にそれらしい言葉を並べて、ぼくを追い払おうとしているんじゃあないだろうな?」 元々は、『長門有希』そのものに向けられていたはずの岸辺露伴の興味の矛先は、いつの間にか、彼女がこの場所に居る理由へと向け代えられていた。 「あなたが関与することは推奨出来ないと言ったはず。 あなたは、自分の目的を遂行し、速やかにホテルへ帰るべき」 やはり、長門の表情は変わらない。 しかし、その口走る言の葉は、明らかに、露伴を追い払おうという意志を孕んだものに変わっている。 しかし。岸辺露伴という人間は。自分の好奇心、興味の前に立ち塞がるものには、決して従いはしない。 「ぼくの用事なんかどうだっていい! お前が推奨するかしないか、そんなことも知らん! お前らと僕は無関係じゃあない。 仮にあの『夢』の『スタンド』が原因で、その『歪み』とやらが生まれたなら ぼくにだってその正体を知る権利があるんじゃあないか? ぼくはな、よくわからんことをよくわからんままにしておくのが嫌いなんだ。 『概念』だの『異常』だの、お前がブチ撒いた言葉の意味を知らんと気がすまないんだよ」 「……言語では説明できない」 「だ・か・ら! ぼくはお前に『ついていく』と言っているんだよ、長門有希! お前の行く先には、たったの四部屋病室があるだけだ。 この何の変哲も無い廊下の先に、お前は歩いていこうとしていたよな? この先に『歪み』とやらがあるっていうのか? なんでもいい。 ぼくはこう言っているんだ。 長門有希、ぼくにそれを『経験』させろ、とな!」 「…………」 細い肩に掴みかかりながら声を張り上げる露伴を、まるで気にも留めずに。長門は、あの均一で、機械的な歩行を再開する。 接着剤で固定された風見鶏のようなその態度に、再び、露伴は苛立つ。 「おい、ぼくを無視しようってのか? だがな、ぼくはお前についていくぞ、長門。 何なら、ぼくの『スタンド』で、お前に命令をすることだって出来るんだ。ぼくを『つれていけ』ってな!」 「それは推奨出来ない」 ……推奨。幾たび目かの、その単語が、長門の口から飛び出した。 「情報統合思念体は、『スタンド』の属する概念による事象を、観測、干渉することが出来ない。 もし、私が『スタンド』の影響を受ければ、私自身が、情報統合思念体の『概念』から切り離されてしまう可能性が懸念される」 露伴を見ずに、ただ、ゆっくりと前方に歩みを進めながら。長門は言う。 つまり。長門は露伴の要求を『受け入れた』と言うことだ。 長門の言う『異常』、『歪み』の正体の解明。その旅路に、露伴は、同行することを許されたのだ。 「……だがな、長門。 ぼくの見た限りで、この先に何も『歪み』なんてもんは見当たらないぞ? 401号室、402号室はもう通り過ぎてきた。 今、ぼくらの真横にあるこの部屋が403号室だろ? この先にあるのは、404号室。例の『スミレ』のいる病室だけだ。 まさか、『歪み』はその部屋にあるとでもいうのか?」 「……黙ってて」 「何だと?」 不意に。長門の口から発せられた、やや強く、露伴を制する言葉に対し。露伴は、納まりかけた怒りに再び炎をともす。 「おい、待て! お前なァー! 宇宙人だかなんだか知らんが、人を馬鹿にするのも大概に……」 露伴の怒りをまったくに気に留めず、長門は歩みを進めてゆく。そのスピードがやや速まっている。 これまでの三部屋同様に、長門は、404号室の前を、通り過ぎ、更にその先へと歩いてゆく。 露伴は、それを早足で追いかける…… 「おい、聞いてるのか…………!」 ……露伴は、ふと。長門がまっすぐに見据える先……目の前に広がる光景に、違和感を覚える。 これまでに。長門と露伴は、この廊下に在る、四つの病室の扉の前を通り過ぎてきた。 スミレの入院している404号室を通り越した先には、壁がある。廊下はそこで終わっているはずなのだ。 しかし。露伴の目の前には…… 「……何だ? こりゃ……なんで、404号室の先にも『廊下』が続いているんだッ!?」 露伴は、背後を振り返り、確認する。……入り口は、確かに四つ。既に通り過ぎてきた廊下の壁に張り付いている。 この廊下には、間違いなく、病室は四部屋しかなかったはずだ。数日前、露伴は、その突き当りの『404号室』で、『スミレ』のスタンドを見つけたのだから。 まさか。これが、長門の言う『歪み』だというのか。 「い、いつの間に……こんな『先』が現れたんだッ!? これが、『歪み』なのか……?」 「『404号室』の病室前に該当する空間に『次元断層』を観測した。『歪み』の正体は、それ」 「『次元断層』? なんだ、そいつは? どうもお前の言うことは、いちいち小難しいんだよ。 さっきからしち面倒くさい言葉ばっかりをわざと選んで、ぼくをからかっているんじゃあないだろうなぁー?」 「……この空間に、通常空間とは位相の異なる空間が存在している。 本来は、我々には観測、干渉が不可能なもの。 しかし、局地的に、二空間の位相が同期している空間が発生していた。その地点が、この場所。」 ……長門なりに、言葉を噛み砕いたつもりなのだろうか。 露伴は考える。そして、彼なりに、長門の言葉から、大まかなことの概要を読み取り、組み立てる。 「つまり……あの『夢の世界』のような別世界があり、お前の言う『歪み』、『次元断層』があったという、あの病室の前が。その入り口だったということか?」 「少し違う。完全に異なる次元上に存在しているわけでなく、この空間は、もともと、通常空間と重複していたと思われる。 この位相に近い波長を持っている人間にならば、視認でき、行き来が可能だった。 ……『スタンド』と『スタンド使い』の概念に近い」 「何だって?」 長門は、露伴の瞳をまっすぐに見つめながら、淡々と言葉をつむぐ。 「『スタンド』は、常人が視認、干渉することはできない。 本来、人間が持ち得る波長では同調し得ない位相上に存在する。 しかし、存在する次元が異なっているわけでなく、通常空間と重複して存在している。 『スタンド使い』とは、スタンドの存在する位相と同調し得る波長を持っている。 おそらく、その波長を齎すのが『矢』。 そして、スタンドとスタンド使いの間では、お互いの存在する位相の同期が発生している。 その同期を通じて、『スタンド』は通常空間への干渉を行う事ができる」 成る程。露伴の頭の中で、ようやく『ピン』と来た。 相変わらず言葉は難解ではあるが、身近なものに例えて考えれば、それだけ理解も早い。 「つまりだ。この、これまでは無かったはずの『先』が『スタンド』で。 その『次元断層』だとかいうものは、人間が『矢』に刺されて、『スタンド』と同期とやらをするように。 スタンドにおける『矢』にあてはまるような、なんらかの理由で生まれた『繋がり』だってわけか」 「そう。しかし、この空間と通常空間との位相のズレは、スタンドのそれほど大きくはない。 おそらく、常人でも、この空間を認識し、干渉を行える個体は存在すると思われる。 先ほど、この空間へのアクセスコードを解析し、私とあなたの座標をこの空間に移行させた」 ……露伴は、眼前に広がる『異なる空間』を前に。胸の奥から湧き上がってくる、炎のような高揚感を覚える。 そうだ。露伴がこの『長門有希』に期待していたものとは、まさしく『これ』なのだ。 露伴一人では決して巡り合えない、しかし『存在』するものとの遭遇! 『面白い』! 露伴は、この新境地で、これからいったいどのような体験ができるのか。 それを考えるだけで、全身に武者震いが走った。 「おい、長門! それで……『これ』はいったい何なんだ? お前は、この『先』が、もともと存在してたものだと言ったな? そして、こいつが見える人間もいる、と言ったな? しかし、ぼくにはいまいちピンとこないぞ。 この『異なる空間』は、『夢の世界』でも『スタンド』でもないんだったな?」 「……有機生命体の認識上で最も近い表現は……『幽霊』」 「! ……幽霊だって? ……どういう事だ? 幽霊ってのは、生き物がなるものじゃあないのか? この『廊下』が幽霊だっていうのか?」 「そう。……正確には、意識を持つ『幽霊』を中心に構築された、擬似的空間」 ……幽霊が構築した、空間だって? その言葉に、露伴は眉を顰める。 『幽霊』。露伴にとって、その概念の存在は、決して驚きを覚えるものではない。 露伴は、既に『幽霊』と対面した経験がある。……しかし、その幽霊……彼女には、何かを構築するような力はなかった。 「――――ン……お、おい、長門?」 露伴が思案を巡らせる中。 長門が、眼前に続く、『幽霊の廊下』を歩み進め始める。 「この空間を構築している中心を探す。 ここはおそらく、自我を持つ思念体が構築したもの。 その思念体が、通常空間に存在する生命体に害をなす存在であった場合、殲滅する必要がある」 言いながらも、長門はすっくすっくと、早足で、幽霊の廊下の奥へと進んでゆく。 その行く手には、二股に分岐する突き当りが見える。窓や部屋は見当たらない。証明の類は見当たらないが、不思議と、暗闇に包まれてはいなかった。 殲滅だって? 冗談じゃない。露伴は、心中で呟く。 『建物の幽霊』を作り出す、病院に憑いた『幽霊』。これほど興味を引くものが、この世に存在するだろうか? ぜひとも『取材』がしたい。しかし、露伴の能力では、幽霊の『死後』の記憶を読むことが出来ないことは、既に実証されている。 直接会話がしたい……だが、長門の言うように、その『幽霊』が、露伴たちに対して攻撃的であれば、それは難しい…… 「……おい、待て長門。殲滅するというが、そいつは可能なのか? ぼくのスタンドは攻撃向きではないぞ? お前は確か、『スタンド使い』でないんだったよな?」 「問題ない。この位相上であれば、情報統合思念体による干渉が可能。 対象が我々に害意を持っていれば、情報連結の解除を行う」 「情報連結解除? 何だい、そりゃあ?」 「名称通り。当該対象を構築する情報を解析し……端的に表現すれば、消滅させる」 「『消滅』ッ!? おい待て、冗談でなく言っているのか、それは!? そんなことが可能なのか、その『統合思念体』とやらは!」 「情報の解析が可能な位相上の存在であれば可能。生命体の肉体を再構成するのとメカニズムは同じ」 肉体の再構成。それは露伴も経験したことがある。 この西宮市で、初めて『スタンド使い』に遭遇し、『森園生』と共に戦ったあの日。 突如現れた長門が、露伴の体の傷に手をかざした途端に。 見る見るうちに、傷が治っていった、あの不思議な現象のことだろう。 『治す』だけでなく、問答無用で『壊す』こともできるというのか、『情報統合思念体』とやらは。 なんという万能な能力だろうか。露伴は思う。 まるで弱点がないじゃないか。露伴の作品には、とてもではないが登場させられない。 ……しかし、それならば。 「おい、なら何故、お前はその『解除』とやらで、スタンド使いたちと戦わないんだ?」 「その理由はさっきも話した。 私が『スタンド』による影響を受けることは、情報統合思念体にとって非常に危険。 『スタンド』という『概念』は、情報統合思念体には解析不可能な次元に存在する」 「……何だと?」 そこで、初めて。長門が、幽霊の廊下を突き進む足を止め、背後の露伴を振り返る。 再び、あの水晶の瞳が、露伴を写す。 「……この世界は、数多の『概念』が重なり合って構築されている。 あなた達『有機生命体』が標準とする『概念』や 『思念』のみによって構築される『幽霊』の概念。 その他に無数の『概念』が、同一の次元上に存在しながら、異なる位相、波長の上に存在し、共存している。 『情報統合思念体』もまた、それら概念の一つに属する。 そして、情報統合思念体は、多くの他の概念への観測、解析を行うことが可能。 しかし、『スタンド』は。決して『情報統合思念体』に観測できない位相に存在する。 恐らく、この世界で最も高位の『概念』に属する」 「なッ……!?」 ……露伴は、古泉やキョンから、長門有希という存在が、いかに強大なスケールの元に在る人物であるのかを、少なからず聞かされている。 まさに、あらゆる『概念』への干渉が可能な、全能と呼ぶべき力。 しかし、その長門にさえも、決して干渉出来ない『概念』。 まさか。―――露伴の持つ。 そして、その他にも、無数の人間に備わっている、『スタンド』という能力が。 その『先』に在る存在だというのか? 「……情報統合思念体の操作を持ってしても、決して。 私に『スタンド』への干渉を行う力を付加することは不可能。 もし、情報統合思念体という概念によって産み出された私という個体に、『スタンド』の概念が介入した場合…… 私という個体が、情報統合思念体の『概念』から切り離されてしまう事態も懸念される。 それが、『スタンド』。……我々が観測対象としている、『涼宮ハルヒ』の持つ世界改変の能力も、その概念に分類される」 ……『動揺』。そして、『驚愕』。 岸辺露伴の精神を、その二つの感情が埋め尽くす。 露伴の興味を惹いた、長門有希の、全能たる能力。 しかし。露伴自身の持つ、『スタンド能力』は―――それすらをも超えた位置に存在する能力だというのか!? 「……こっち」 いつの間にか、立ち止まっていた露伴を振り返り。 長門は、たどり着いた突き当りの丁字路の、右方向を指差し、呟いた。 「……気をつけて。この先に、無数の『思念』……『幽霊』が停留している」 「! 何だと? おい、待て。 この『幽霊の廊下』は、一人の『幽霊』が創ったものだと言ったじゃあないか。 何故、『幽霊』が無数に居るんだ?」 「わからない。しかし、この先に居る『幽霊』は、この空間を構築している思念とは別のもの。 ……あなたは『スタンド使い』。しかし、精神はあくまで常人のもの。 『思念』……『幽霊』の持つ『怨念』は、時として、常人の精神に影響を及ぼし得る」 「……ハンッ、ぼくを甘く見てんじゃァーないぞ? 死んだ人間の念なんてなァ、生きてるぼくにはまったく関係ないねッ! どうして、とっくに終わっちまった連中に、まだ先のあるぼくが気を乱されなきゃいけないってんだ?」 「……そう」 長門は、それだけの会話を済ませると。露伴から視線を逸らし、自らが指差した方向へと歩き始める。 露伴は、ほんの僅かな躊躇いのあとで。たった今、自分が口にした台詞を、頭の中で反芻しながら、大またで長門のあとを追う。 ……くそ。いつの間にか、完全に、長門のペースに飲み込まれている。 どうしてこの岸辺露伴が、宇宙人だかなんだか知らんが、他人の。しかも、少なくとも見た目においては、とうに年下の女に、主導権を握られなければいけないのだ。 「……おい、長門。ぼくの『スタンド』はな、例え幽霊にだろうと能力を発揮できるスタンドなんだ。 ぼくが先に行く。どうせ道は一本道だろう、お前はぼくの後ろにいろ」 早足で長門を追い越しながら、たった今まで、自分の先を歩いていた、華奢な肉体に向けて言い放つ。 「……あなたが先をゆく必要性は感じられない。あなたは、その『スタンド』で、自分の身を守ることを優先するべき」 背後から、長門が言う。 露伴は思う。お前のその態度に、ぼくはイラついているんだよ。 情報統合思念体だかなんだか知らんが、何者であろうと、この岸辺露伴の先を行くものなど居ては為らないのだ。 第一。今さっき、お前は。ぼくの『スタンド』の方が、自分の能力よりも上であると言ったばかりじゃあないか。 「うるせェーな! お前は黙って、ぼくの後ろにいりゃァいいんだよ!」 「……そう」 そう呟いたきり、長門は何も話さなかった。 いまいち煮え切らない。 露伴は苛立ちを晴らしきれぬまま、『幽霊の廊下』を歩み進んだ。 しかし、行く手には、ただ、代わり映えのしない、窓も扉もない廊下が続いて行くのみ。長門の言ったような『幽霊』たちの姿は、一向に現れない。 「……おい、長門。お前の言う『無数の思念』とやらは、一体どこに居るってんだ?」 「……気づいていない?」 「何?」 ……痺れを切らした露伴が、長門を振り返り、訊ねた……その、瞬間だった。 露伴の視界に映ったのは……長門有希の、小柄な肉体。そして―――― 「なッ……これはッ……なんだァ――――!!?」 ……長門の体に、今にも掴みかからんという勢いで、無数に伸びる『腕』。 それらは、よく見ると、左右の壁から伸びている―――いや。壁ではない! 露伴は、前方へと向き直る――――そして、初めて、気づく! 行く手の、左右の壁に―――『鉄格子』が、際限なく続いている事に!! 「ばッ……なんだ、こりゃァ―――!!? さっきまで、こんなもんは無かったぞォ―――ッ!?」 鉄格子だけではない。その向こうには、さながら牢獄の如き空間が広がっており…… そして、そこに幽閉された囚人の如き、無数の人々が。鉄格子に噛り付き、その隙間から! 露伴たちに向けて、手を伸ばしているのだ!! 「……あなたの無神経さが、これまで、彼らの怨念に気づかせなかった。 ……そのまま進むべきだった」 「なッ……!!」 ……行く手は、いまだに闇に包まれている。 そして、この永久と思えるほどに長い廊下が続く限り。『鉄格子』は続いている。 これが……長門の言っていた、無数の『思念』だというのかッ!? 「お、おい……こりゃ、何だッ!? こいつらの一人一人が、『幽霊』だってェ―――のかッ!?」 「そう。……この思念体たちは、この病院内、もしくはそれに近い場所で、生命活動を停止した有機生命体の思念。 ……恐らく。この空間を構成するものによって、強制的に、『幽霊』として、この空間に留められている」 迫り来る、磯巾着の触手の如き、痩せ細った腕の群れを見つめながら。長門は、言う。 「何だって……この世に未練があるわけでもない連中が、無理やり『幽霊』にされてるってのかッ!?」 「おそらく。……あなたがこの存在に気づかなければ、このまま進むつもりだった。 しかし、気づいてしまった今、あなたの精神が保つかどうか分からない。このエリアを突破する」 「なッ……!?」 再び、露伴が長門を振り返った時。 長門の口から、何やら、人語を極端に高速再生したかのような、奇妙な機械的音声が放たれた。 それと、同時に―――!! 露伴の身体が! 進行方向に向けて吹き飛ばされ、一瞬、周囲一帯が暗闇に包まれた、宇宙のような空間に投げ出される! 「うおおおおッ!? なっ、何をしたんだッ、長門有希イ――――ッ!!?」 『吹き飛ばされる』力は止まらない! 露伴は、暗黒に包まれた空間の中を、後方へと吹き飛ばされ続ける!! 「……落ち着いて。この『思念体』たちの居る空間から、あなたを切り離した」 体が空間を切り裂く、ビュウビュウという音にまぎれて。露伴の耳に、どこかから、長門の声が届く。 「目を閉じて。元の次元に戻す際に、閃光が生じる」 「なッ……ふざけるなァ―――、余計な事をしやがってッ!!」 「目を閉じて」 ……二度繰り返された、その言葉に。露伴の意思とは無関係に、瞼が落ちてくる! これも『情報操作』とやらか!? いや、違う! 露伴は、精神の根底で! 理解している―――この長門有希は、自分よりも高い場所に居る存在なのだと!! 「ううッ!!」 露伴の瞼が降り、視界が暗闇に包まれた瞬間。瞼の上から、白とも黄金ともつかない、強烈な閃光が降り注ぐ。 それはほんの一瞬だった。一秒にも満たないほどの僅かな期間だ。 「く……」 「……無事?」 露伴が瞼を開くと。そこには、これまでと変わらぬ表情で、露伴を見下ろす、長門の姿が有った。 ……助けられたと言うのか。この少女に。あの、無数の悔念が渦巻く回廊から、この岸辺露伴が。 「ここは、どこだッ?」 露伴は、体を起こし、周囲を見回す。 ……これまでと変わらない、『幽霊の廊下』。 しかし、あの『鉄格子』のエリアではない。露伴は念を入れて、背後と正面に続く道を、幾度も見比べて見る。しかし、『鉄格子』は現れない。 「『思念体』が停留している空間からは脱出した。おそらく、この先に、この空間を構築している『本体』がいる」 「『本体』……そいつが、あの大量の幽霊たちを、あの鉄格子の中に閉じ込めてるっていうのか?」 「おそらく。この空間は、危険。 有機生命体の睡眠時の波長は、この位相……『幽霊』の概念と同調しやすい。 あの『幽霊』の存在は、院内の入院患者に悪影響を及ぼす可能性が高い」 ……要するに、あの病院は、完全に『憑かれて』いるというわけだ。 しかし、露伴が恐ろしく感じるのは、それ以上に。 あの幽霊たちが、『無理矢理幽霊にさせられた』存在であるということだ。 一体、いつからだったというのだろうか。 あの無数の手の数だけ、その犠牲者はいるのだろうか…… 「……岸辺露伴」 「!」 不意に。そして、おそらく、初めて。長門に名前を呼ばれ、露伴は僅かに驚く。 「……あなたの背後。私の視界内に、当該対象を視認した」 何だって? その瞬間。露伴の背筋に、冷たい痺れのようなものが走る。 ……覚えのある感覚。これは、そう。 あの、『振り返ってはいけない道』で、背後に感じたような…… 「……人間の姿をしている。視覚上、問題はない。しかし、恐ろしければ振り返らないでいい」 「……長門有希……どこまでもぼくを甘く見やがって」 恐ろしい、だって? 確かに。露伴は今、恐怖を感じている。 先ほど目の当たりにした、あの『幽霊』たちが発していた怨念に。 そして、この邪悪な『幽霊』が。人知れず、いつかから、この病院に取り憑いていたという事実に。 しかし―――彼にとって。 「この岸辺露伴にとって……『恐怖』など、『興味』の対象でしかない!」 背後に確かに感じる、その『存在』。 一息だけ、深く息をついた後……露伴は。眼前の長門が視線を注いでいる、自分の背後の空間を―――振り返った!! to be contiuend↓
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「この岸辺露伴が金やちやほやされるために マンガを描いてるとでも思っていたのかァ─────ッ!!」 『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する人物。 スピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』にも登場し、物語が展開する中心となっている(あくまで主人公ではない)。 虹村形兆の「矢」によってスタンド使いになり、その後東方仗助達と出会うことになる。 よく勘違いされるが岸部露伴ではない。 担当声優は『オールスターバトル』(ASB)及び『アイズオブヘヴン』(EOH)では 神谷浩史 氏、 2016年のTVアニメ版以降は『黄金の風』でブローノ・ブチャラティを演じた 櫻井孝宏 氏。 また、2020年から年末に制作・放送された実写ドラマ版『岸辺露伴は動かない』では、 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で敵組織ボスであるバンドーラの息子カイを演じていたこともある高橋一生氏が演じており、 櫻井氏もラジオのDJとしてゲスト出演している。 ちなみに冒頭の画像の通り頭に緑色のギザギザの部分があるが、これはヘアバンドである。実写版なら判別しやすいだろう。 + キャラ設定(ネタバレ注意) 仗助達と同じM県S市杜王町に住む漫画家。代表作に『ピンクダークの少年』がある。 ある日広瀬康一が、以前の出来事で知り合った間田敏和に誘われ、彼の家に遊びに来るという形で初登場する。 訪ねてきた康一に対しスタンド能力を使い、自らと似た能力を持つ者が他にもいることと、その能力がスタンドと呼ばれるものであると知る。 康一のスタンドについての知識、また康一自身の性格がマンガのネタに使えると思った彼は、康一からなりふり構わず記憶を奪ってしまう。 次の日、康一からさらに記憶を奪うためスタンド能力により知らず知らずの内に家へ引き寄せたが、 その康一の様子を見ていた仗助と虹村億泰が彼の家にやってくる。 記憶を返すまいと康一と億泰をスタンド能力で退け、残ったのは仗助1人。 仗助は露伴のスタンド能力を受けないように目を瞑って近付こうとするが、 康一の記憶からその性格を予め知っていた露伴は、わざと仗助の髪を貶して怒らせ目を開かせようとする。 目論見通り仗助は目を開いたが、髪を貶された怒りで周りが見えなくなった仗助に露伴のスタンドは通用せず、 そのままクレイジー・ダイヤモンドでボコボコにされ怪我が治るまで休載する羽目になってしまった。 尤も、ボコボコにされながらも仗助の髪型の由来を聞いて「漫画のネタになる」と喜び、 「死にかける感覚」と一緒にメモに残そうとしており億泰と康一に呆れられているのだが。 この出来事の後、彼は第4部の物語に深く関わってくるようになる。 + 露伴の過去 1983年8月13日(4歳)の夜、彼は杉本家に外泊していた際に吉良吉影による杉本一家の惨殺事件に遭遇している。 露伴も危うく殺されてしまいそうな状況だったが、杉本鈴美によって助けられ、事件現場よりただ一人だけ生還した。 その後家族揃って東京に引っ越し、漫画家としてデビュー。 やがてゴチャゴチャした環境でマンガを書くことに嫌気が差し、単身で再び杜王町に戻ってくる。 しかしこの頃には、杉本一家の事件については既に忘れてしまっていた。 彼は仗助達に出会った後、杜王町を調べている際に杉本鈴美の霊に遭遇したことをきっかけにこの事件を思い出し、 その後仗助達と吉良との戦いに巻き込まれていくのであった…。 面白いマンガを描くことに何よりも情熱を注いでおり、その為のネタ集めには手段を選ばず、人に迷惑をかけようと気にしない。 また、負けん気が非常に強く、そのために大人げないことをすることもしばしばある。 人付き合いを嫌っており、「自分が一番」「オレ様」な所があると評される。 その性格のためか、アシスタントもおらず他の4部メンバー(主に年下のキャラ)のことも基本的には鬱陶しがっている。 特に仗助に対しては、上記の事件が原因で激しく嫌っており、恨んでさえいる(その経緯は完全に自業自得だが)。 ただし、康一の性格は相変わらず気に入っているようで、彼に対しては友好的に接している。 年長者であるジョセフ・ジョースターに対しても基本的に礼儀正しい言葉遣いをしており、 一応、(パラレルの可能性もあるが)時系列的には第4部の後にあたる『岸辺露伴は動かない』や『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では、 康一を交えてとはいえ仗助達と一緒に食事に行く程度には付き合いがある模様 (ちなみにその露伴がメインのスピンオフ作品では、仗助だけは登場しても顔が描かれていない)。 かなり癖が強く我の強い人物なのは事実だが、初登場時以降は決して人格や良識・倫理観が破綻している訳ではないという描写がされていった人物でもある。 マンガにとって一番大事なのは「リアリティ」であると考えており、「リアリティ」を追求するあまり常人には理解し難い行動を取ることが多い。 一例として、珍しい蜘蛛を見つけた彼は写生はおろか、筋肉や内臓の位置を調べる為に解剖し、更に味見と称して蜘蛛の体液を舐めている。 マンガを描く腕は凄まじく、下書き無しで直接ペンを入れ、ペン先からインクを飛ばしてはみ出さずにベタを塗り、 何本も持ったペンで一気に効果線を書き入れるなど人間離れした技術を持つ。 かなり素早く漫画を描けるようで、第6部の終盤、あるスタンドの影響で「全世界の生物以外の時間が加速する」という状況になった際、 描く前にペン先のインクが乾いてしまう・数時間で一日が終わるというような状況の中、「唯一締め切りを守れる」漫画家として名前のみ登場している。 『岸辺露伴は動かない』では「デジタル作画を試したところペンで描いた方が早かった」というエピソードも披露している。 彼がマンガを描く理由はずばり「読んでもらうため」であり、金や名声といったものには興味が無いようだ。 そして、数多くの名言が存在する『ジョジョ』シリーズの中で恐らく最も有名であろうセリフが彼にはある。 + その前のあらすじ ある時露伴はバスに乗っている途中、トンネル内に謎の部屋が存在し、そこに誰かがいるのを目撃する。 バスを降りた後単身トンネルに行き、その部屋を調査しようとした所、敵のスタンド「ハイウェイ・スター」が現れ、それに捕らわれてしまう。 謎の部屋は、ハイウェイ・スターが仗助達を誘き寄せるための罠だったのだ。 スタンドを使えないほどに弱った露伴の前に、バスに一緒に乗っていた仗助が様子のおかしかった彼を探しにやってくる。 露伴を助けに行きたいが、部屋の中を警戒しなかなか部屋に入ってこない仗助。 それを見たハイウェイ・スターは、露伴に「仗助を部屋の中に入れれば、おまえは助けてやる」(露伴を開放して仗助を捕らえる)と取引を持ちかける。 元々露伴は仗助を嫌っている上、この前日には仗助に持ちかけられたチンチロリンの最中に家が全焼しており、 さらにバスの中でも仗助といがみ合っていた。 この2人の関係性から、ハイウェイ・スターと読者は仗助を差し出すと思っていたのだが…。 + ... 「あ… あいつをひき込めば… あいつを差し出せば… ほ…… ほんとに… ぼくの「命」…は… 助けてくれるのか?」 「ああ~ 約束するよ~~~~~~~~~っ やつの『養分』と引き換えのギブ アンド テイクだ 呼べよ…早く呼べ!」 「ナニッ!!」 「この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは 自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ…」 露伴はそれに応じるかと思いきや、ハイウェイ・スターの誘いを退ける。 露伴のプライドの高さ、険悪なムードだった仗助との奇妙な友情が窺えるセリフである。 この直後に露伴は仗助に対し逃げるよう指示するが、結局仗助は露伴を助けるため部屋の中に入ってきてしまう。 その後の露伴の助けもあって結果的に仗助はハイウェイ・スターに勝利し、露伴との熱い友情を期待したものの、 露伴の言う通りにしなかったために憎まれ口を叩かれ、2人の関係は以前のままであった。 その(セリフ一言での)汎用性の高さから、「ジョジョは知らないけど「だが断る」は知っている」という人は多い。 ただし前後のやりとりと本来の意味を正しく理解している人はあまり多くなく (ジョジョの台詞ということもあってか「だが断るッ!」等と末尾に「ッ!」がつけられていることも。露伴は原作では冷静に言っている)、 また元ネタのような状況になることが稀なためか、 ただ断るだけのセリフとして使っている人が多数なようだ。『ASB』ですら誤用で使ってるし 本来このセリフは、相手の取引に応じないと自分の身が危うい状況で、敢えてそれを突っぱねるものである。 正しく使いたいなら、あなたが「NO」と言えない状況になった時に相手の要求を飲むと見せかけ、そこで「だが断る」と言ってやるとベネ。 優位に立っていた相手を黙らせられる か も。逆にさらに追い込まれることも 荒木先生自身も気に入っているようで、第7部でもセルフパロディとして「でも断る」というセリフが登場する (セリフのセルフパロディはこれ以外にもあるが)。 また、『岸辺露伴は動かない』のエピソードの1つ『密漁海岸』にて、露伴は「だから気に入った」というセリフを発している。 こちらは相手の(露伴にとってはハイリスクローリターンでしかない)申し出を断ると見せかけた後に承諾するセリフであり、 「だが断る」とは正反対のセリフと言える。 第9部『TheJOJOLands』でもまさかの登場を果たした。 第4部の露伴本人ではなく第9部の世界での露伴だと思われるが、 第7部以降、かつての世界線にいた人物と同姓同名の人物が複数登場しているものの、 それぞれ性格やスタンド能力などは似通っている事こそあったが同じではない事例ばかりだった中で、 容姿はおろかスタンド能力まで変わらず登場したのは露伴が初である。 漫画家のキャラクターということで、「作者の荒木飛呂彦氏自身を投影したキャラクター」と思われがちだが、 これに関して氏は否定しており、「漫画家として理想の姿」と明言している。 余談だが、『荒木飛呂彦の漫画術』には荒木氏と露伴が密接に抱き合うイラストが表紙に描かれていたりする。 また、同じくジャンプで連載されていた『武装錬金』の武藤カズキは露伴の大ファンという設定(作者の和月伸宏氏もジョジョファン)で、 彼の描く絵は露伴風(というか、荒木氏風。ただし第3部ぐらいまでの頃の)になる。 これを受けてか、露伴も(作者が同じ)『るろうに剣心』の単行本を所持していることが判明している。諸事情で生活に困った露伴に売られたけど 「露伴は『るろ剣』を全巻持っている」という設定に和月氏は「天国の扉が開いた気分」と感激のコメントを残している。 + スタンド「ヘブンズ・ドアー(天国の扉)」 「わたしの能力…『ヘブンズ・ドアー(天国の扉)』によって 心の扉は開かれる」 破壊力 - D スピード - B 射程距離 - B 持続力 - B 精密動作性 - C 成長性 - A 使用するスタンドは「ヘブンズ・ドアー(天国の扉)」。 人間を「本」に変えてしまうスタンドで、露伴の描いたマンガの原稿を見せることが能力発現のトリガーとなっている。 だが、原稿を見せてもそれが何か分かっていない相手には効果が無い。 初登場時はスタンド像がなく、相手に漫画の生原稿をある程度読ませないと能力も発動しなかったが、物語の中で成長していき、 初登場エピソードの中では一コマ見ただけで相手を「本」にすることが可能となり、 中期には空中に指の残像で「ピンクダークの少年」の主人公の顔を描いて見せることでも能力を発動出来る様になった。 最初にこの技を見せた時は残像を絵と認識できる相手にしか効かなかったが、 最終的には「ピンクダークの少年」の主人公を模したようなスタンド像(上記の画像)を確立し、 それが相手に触れることでも能力が働くようになっている。 人間だけでなく、ある程度の知能を持った生き物や、スタンドに対しても能力を行使出来る。 能力を受けた相手は顔や体の一部が薄く剥がれ「本」のようになり、そこには生まれてからの本人の記憶が (誰々を犯したいという願望や初潮の来た時期なども)全て記されている。 ただし露伴自身の遠い記憶などは読み取ることが出来ない。 スタンド使いならばスタンド能力についても書かれているが、発現していることに本人が気付いていない場合は書かれていない。 「仗助に効く挑発」と「仗助の髪型の由来」をそれぞれ知ってはいたが、 結び付けて記憶していなかった康一の記憶を参照したために予想外のリアクションを招いてしまった一幕など、 相手の認識次第では同じものに関する記述が分散することもあるようだ。 本のページは破り取ることもでき、破り取られた相手はその部分の記憶がなくなり、体重が激減してしまう(見た目にはほとんど変化は無い)。 記憶をただ読み取る以外に、ペンや消しゴムを使い記憶を書き換えたりも出来る他、ノートの余白部分には命令を書き込むことが出来る。 命令はかなり融通が効き、本人が抵抗しても書き込まれた命令には逆らえず、 「時速70kmで背後に吹っ飛ぶ」というような人間の能力を超えた命令も出来る。 条件付きだが行動に制限を設けたり自害させることも可能。 戦闘能力には乏しいが、一度本になった相手はほぼ露伴の思い通りになるため、非常に強力なスタンドである。 しかし、分かりやすく強力なスタンド使いの宿命か、作中では能力を封じられたり、 逆に「知った者は死ぬ」系のスタンドを相手にしたり能力が仇になってしまうシーンが多く見られた。 実際『岸辺露伴は動かない』は「知りたい事は一通り知れたので興味を失う」「これ以上は自分の役目ではないと身を引く」 のと同じくらい「自分では対処しようのない相手だと判明したのでさっさと逃げる」というケースがままあり、 それ故に「動かない(動けない)」というのがタイトルの由来だと言われている。 実写版『動かない』ではスタンドのヴィジョン(というか「スタンド」という用語そのもの)が登場せず、「ヘブンズ・ドアー!」と叫びながら、 露伴自身が相手の方を指したりページをめくる動作などをする事で本にする描写に変更された(原作通りの「原稿を見せる」使い方もしている)。 この変更に関しては特に説明はされておらず、「本作ではヴィジョンが存在しない」とも「視聴者に見えないだけ」ともとれるようになっている。 また幽霊には効かない、死体に使用したらインクをぶちまけるが如くページが黒く染まっていく等の設定も追加されている他、 『D.N.A』では体の一部を本にするのではなく「本そのもの」に変えるという使い方も披露している。 + 実写版『岸辺露伴は動かない』 2020年から、年末に2~3話ほどの連続ドラマとして放送されている。主演の岸辺露伴役は高橋一生氏。 発表された当初は実写映画版『ダイヤモンドは砕けない』の大コケが記憶に新しいファンから不安視されたものの、 放送開始後はその不安を見事払拭。実写でありながら、随所に『ジョジョ』らしさを散りばめた絶妙な完成度はファンからも大好評であった。 なお『ジョジョ』を知らない視聴者への配慮のためか、「スタンド」という言葉は使われず「ギフト」と呼ばれ、スタンドも可視化されていない。 またテレビの文字放送をオンにすると、人物の台詞における「ッ」や「ォ」、「じゃあないか」など、ジョジョ特有の台詞回しがそのまま画面に表示され、 ファンなら「ジョジョらしさ」をより一層感じられるという心憎い演出もあった。 2023年には同キャストによる実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も公開された。 ゲームにおける岸辺露伴 スタンド能力からしてあまり格闘戦向きではなく、本人の格闘シーンも殆ど無いが、 バンダイナムコゲームスより発売された格闘ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』(以下ASB)、 及び2on2対戦アクションゲーム『アイズオブヘヴン』(以下EOH)にプレイアブルキャラクターとして登場している。 オールスターバトル スタイルは「スタンド」。本体モードとスタンドモードを切り替えて戦う。 本体モードでは通常技が無く、代わりに特殊技「安全装置(セイフティーロック)」が使える。 この技は出が遅い代わりに持続が長く、命中すれば相手の攻撃を封印出来る。 封印は一定時間経過するか露伴が攻撃を受けることで解除される。 弱、中、強によってそれぞれ相手のしゃがみ攻撃、立ち攻撃、空中攻撃を封印する。 他にもペン先を投げつける飛び道具「ぼくがマンガの主人公ならこの場合どうするか?」などが使用可能。 通常技がないためコンボになる技が使えず全体的に技の発生が遅いため、中~遠距離で牽制しながら戦うのがおすすめ。 スタンドモードでは技の出が速く派生技などでコンボに繋げられる「ぼくは成長しているッ!」が優秀。 他にもコマンド投げ「うむを言わせず先手必勝さ!」からのコンボが強力だが、出が遅いため使い所が難しい。 1ゲージ使用のHHA「君の『リアリティ』をぼくのものとさせてもらうぞーーーーッ!!」はコマンド技を封印し、 2ゲージ使用のGHA「ヘブンズ・ドアー」では全ての攻撃を封印する。 これらの技を当てた相手には当然隙が生まれるため、そこで確実にコンボを決めることが重要である。 露伴自身の性格を表したような、トリッキーな性能を上手く使いこなせるかがカギとなる。 MUGENにおける岸辺露伴 あまりもの氏が製作したものが存在。 ドット絵は自作で、性能はこれまでのジョジョキャラと違い『ASB』準拠のものになっている。 代表的なものを載せると ゲージ数が3本 自分側にガードゲージあり 体力が30%以下になると「ゴゴゴモード」が発動し、攻撃力が1.2倍、ゲージ回収量は1.1倍になる。 弱攻撃を連続で繰り出すことで、簡単にゲージ技まで繋ぐことが出来る「イージービート」が使える。(露伴の場合はSon時のみ)。 攻撃動作中に特定のボタンを押すと「プッツンキャンセル」が発生。1ゲージ消費して行動をキャンセルでき、コンボや攻撃後の隙消しに活用出来る。(あまりもの氏の他のジョジョキャラにも搭載されている) 3部ゲームと同じく本体モードとスタンドモードがあるが、スタンドクラッシュはなく、Son時にダウンすると本体モードに移行する。 Son「僕は成長している」発動中にスタンドボタンを入力することで本体が行動可能になり(要0.25ゲージ)、スタンドとの同時攻撃が可能になる。(「スタンドラッシュ」) 特殊技「安全装置」中にスタンドボタンを入力することでその攻撃をキャンセルしてスタンドONに移行出来る。(「クイックスタンドオン」、本来はSoff通常技中に使える技なので原作ゲームで露伴は使えない) 相手の攻撃を受ける直前にガード入力することで、自分のガードゲージを減らしながらジョジョ立ちで相手の攻撃を回避(上中下段、ガード不可無視)する。(「スタイリッシュムーブ」) これまでのMUGENジョジョキャラのスタンダードだった3部ゲームの要素も 一部(回りこみ、アドバンシングガード、ガードキャンセル)引き継いでいるが、システムの兼ね合いから弱体化されている。 またオリジナル要素として、『密漁海岸』で登場したタコを召喚する技と「テンションゲージ(Tゲージ)」が存在する。 Tゲージは特定の攻撃を当てることで上昇し、ゲージが溜まっている分だけ攻撃力が上昇する他、 MAXまで溜めることで即死攻撃の「記憶を全て消す」が使えるようになる。 10~12Pのカラーは特殊カラーとなっており、それぞれのカラーで技の性能が強化されている。 更新によりConfigでオリジナル技や3部ゲーのシステム(アドガや回り込みなど)のON・OFFを細かく設定可能になった。 AIは未搭載だったが、更新で天窟カリヤ氏による簡易AIが同梱されている。 この他に0011氏及びヅァギ氏によって外部AIが製作されている。 ヅァギ氏AIは10段階にレベル調整が可能な他、一撃必殺技の使用条件や小ジャンプを使用するか否かが設定可能。 氏曰く「AIの動き的にも小ジャンプ可能に設定してくれるとありがたいです」とのこと。 ただし、残念ながら現在は公開を終了している。 また、SANZU SANRI氏が音声をTVアニメ版のものに変更するボイスパッチを公開している。 6 51~ 「ぼくのスタンド ヘブンズ・ドアー…自分の遠い記憶と…運命は読めない……か」 出場大会 真のIKEMENは誰だ!真夏のオンライン大戦 MUGEN祭 並盛りシングルトーナメント 版権VSオリジナル 交代制サバイバルトーナメント MUGEN祭 並盛りタッグトーナメント たぶん永久vs即死トーナメント 友情の属性タッグサバイバル 新規襲名 交代式ランセレトーナメント JUS風キャラトーナメント ピカ様主催!凶チュウ位シングルランセレバトル 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント 更新停止中 KOFごっこ2nd 非表示 東西アシスタントーナメント 大体、凶ランクくらいの大会で勝ちあがるにはどうすりゃいいですか? 出演ストーリー MUGEN STORIES INFINITY
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Case. A ripple errand and a A machinery soldier ~波紋使いとナチス軍人~ ここは閑静な住宅街―――岸辺露伴は赤信号にもかかわらず横断歩道を渡っていた。 最もそれは十分に安全を確認した上での行動だったが。 彼は道路を走っている車どころか人間の姿さえここ数十分で一度も見かけていない。 閑静にも程がある。 「……妙だな。真夜中とはいえ車の一台も走っていないとは。あの荒木とかいう男が町から人を消したのか?」 だとしたら、恐ろしい力―――――スタンド?――――――だ。 「この岸辺露伴を殺し合いなどという無粋なゲームに参加させるとは……いいネタになりそうだが……それとこれとは別だ」 許せん、と彼は荒木に対する憤りを覚える。 「しかしあの男何故か他人の気がしないな……」 顔に見覚えはなく、名前も聞いたことはないがなんとなく……本能で知っているような……? 「それにしてもこの辺りは確か……ぼくの家の近くだな。いつまでも外をうろついてるとまずい……よし、家を根城にするか」 自分の家に向かうことにした露伴は方向を変えて真っ直ぐ歩き始めた。 交差点が見えたところで―――――。 「このように我がドイツ軍人としての誇りを踏みにじられるとはァァァァァァ!!!屈辱!屈辱ゥ!!!」 「………なんだありゃ?」 交差点の真ん中で右目だけを覆う妙な眼鏡を掛けた男が絶叫している。 「しかしッ!!ナチスの科学は世界一ィィィィィィィ!!! 『柱の男』共を更にパワーアップした我が体で討ち倒し…… ついでにJOJO達と合流し共に荒木とかいう無礼者を斃してくれるゥくれェェェるゥゥゥゥわァァァァ!!!」 右手を天に掲げた体勢で絶叫というかもう発狂している男を見ながら露伴は電柱の裏に隠れていた。 「殺し合いに乗る気はないように見えるが……罠かも知れんな。どちらにしてもあまり関わりたくないタイプの人間だが……」 罠だとすればどこに参加者がいるかもわからないのに大声を上げるという行動は相手が複数でも勝てるという自信を表している。 そうでなければ只の馬鹿か、リアルに狂ってしまったかだ。 「そういえば今あいつナチスと言ったな……国家社会主義ドイツ労働者党は五十年以上前に崩壊している……やはり狂人か」 露伴はそう決定づけると自分の家に向かおうとした……しかし。 「あいつは交差点の真ん中にいる……これじゃ通れないぞ……どうする…?」 と、男が妙な動きを始めた。 「とりあえず体の機能のチェックをしておかなくてはな。……まずは関節動作」 人間の常識を超えた方向に男の左腕が曲がり、頭の裏から右腕の指先に左腕の指先が触れる。 「ッ!? なんだあれは!?」 露伴も思わず目を見張る。 「異常なしッ! 次に重機関砲のテストを始めるッ!」 「重……?」 耳を疑う暇もなく男の服が肌蹴、巨大な銃身が現れる。 「発射!」 銃撃……いや砲撃音が響き、たまたま標的に選ばれたバス停で停止していたバスが撃ち抜かれ、爆発炎上する。 「異常なしィ!」 「あれはスタンドか?康一くんの記憶で見た億泰の兄の『バッド・カンパニー』はたしか軍隊の群体型スタンドだったな。 しかしクレイジーだな……今ここに凶悪な参加者がくれば下手すりゃぼくまで巻き込まれてしまうじゃないか。全く……」 仕方ない、と露伴が電柱から姿を現さずに声を上げる。 「おいッ! そこの男!」 「むっ!!! どこだ!?」 キョロキョロと見回す男。 「こちらに敵対する意思はない! お前……『スタンド使い』か?」 「ハアァァ~~~? 『イカンぞ歯科医』ィィ~~? 何を言ってるのか良く聞こえんぞォォ」 耳に手を当てて聞き返してくる男、まだキョロキョロしている。 (かなり離れているからな、無理もないか……) 露伴はさらに声を張り上げ、半身を現して手を振る。 「とにかく話がしたいッ! ぼくはここだッ!」 三度目の正直でようやく男は露伴を見つけた。 (フン、どうやら一人か。居場所を教えたってことは本当に敵対の意思はないようだが……) 露伴の声は本当は最初から男にはっきり聞こえていた。男は相手の様子を探るためにトボけていたのだ。 (まあこのシュトロハイムの肉体は我がゲルマン民族の最高知能の結晶!どっちにせよ困らんがなぁ) 迷いなく歩みを進める男。露伴は何故か再び電柱の裏に隠れている。 (恥ずかしがっているのかァ~~~?) 電柱は目前。 「さて、どんな顔かな~~?」 電柱に到達し、覗き込んだ男の眼には―――何も映っていなかった。 「馬鹿なッ……!? 確かに今ここに……移動していたはずがない! 私は眼を離さなかっ……」 「『ヘブンズ・ドアー』!!」 先程の男の声が聞こえ、男の意識が遠のいていく……。 「名前はルドル・フォン・シュトロハイム……1938年爆薬によって死に掛けサイボーグに……サイボーグ?まあいい。 サイボーグになり、ドイツ軍大佐に昇進。なお国家社会主義ドイツ労働者党に所属……1939年更に強化される…… これから後は載っていない……それにジョセフ・ジョースター……どういうことだこれは?」 シュトロハイムの本のページのようになった顔を覗き込みながら露伴は疑問を感じた。 「サイボーグだというならこの若さも頷けるが今は1999年……丸々60年分の記憶がないというのはおかしい」 露伴はページを隈なく捲ってその疑問を解消する記述を探したが、見つからない。 「……狂人ではなかったようだな。しかしなにかおかしいヤツなのは確かだ。念のために『岸辺露伴を攻撃できない』と書いておくか」 さらに『今あったことを全て忘れる』と書き込む。 「放っておいてこの場を去ってもいいんだが……この男に少し興味が湧いてきたぞ」 露伴は能力を解除する。 シュトロハイムは起き上がって露伴を見つけた。 「ぼくの名前は岸辺露伴。漫画家をやっている。よろしく」 「フン、若造ではないか……ジャップか? まあいい……私はドイツ将校ルドル・フォン・シュトロハイムだ。よろしくな」 挨拶を交わすと、シュトロハイムの方から話題が切り出された。 「で、何の用だ? 一緒に行動したいというなら……」 「いや、取材がしたいんだ。ドイツ将校と言ったが……どんな戦争に参加したんだい?」 「フハハ、こやつめ! そんなに私の武勇伝を聞きたいかァァーーーッ! では存分に…」 「おっと、ここではまずい。近くにぼくの家があるからそこで……いや、そこまで歩きながら話そう」 露伴はチラリと炎上しているバスを見遣ると、先導して歩き出した。 「……というわけで私はこれからスイスに向かい、吸血鬼めらを滅ぼす予定だったのだッ!」 「なるほど……ありがとう」 取材を終え、露伴は確信する。 (やはりこの男は1939年時点からこの場所に連れてこられているようだ……だとすれば、あの荒木のスタンドは……) 家まではあと少し。 吸血鬼、波紋使い、柱の男、エイジャの赤石……興味と好奇心は絶えないが、歩き続けで少し疲れた。 (とりあえず家で休むか) 露伴はそう思い、前を向いた。 そこに男が立っていた。 ――――否、厳密には"立って"はいない。浮いているのだ。 両腕と口が付いている顔以外の体を口が飲み込んでいるビジョン。 醜悪な悪魔の自らを喰らった巨大な口の中からその男の顔が覗いている。 「今貴様等……吸血鬼のことを話していたな?」 男はいきなり高圧的に話しかけてくる。 「なッ……何だその姿はァーーーッ!?」 シュトロハイムが後ずさってオーバーに驚く。 「質問しているのはわたしだ」 表情を変えずに言う男。露伴が答える。 「ああ……それがどうしたんだい?」 「私の名はヴァニラ・アイス。つい先程知ったのだがわたしも吸血鬼らしいのでな。我が『クリーム』が見えるということは…… 貴様等もスタンド使いか。"滅ぼす"などと聞けば貴様等を黙って生かしておくわけにはいかん。何故なら我が主も……」 「吸血鬼かァァァァーーーーーッッ!!!!」 男が言い終わらないうちに、シュトロハイムの胸部に備えられた兵器が発動する。 「紫外線照射装置ィィィィィィィィィィ!!!!」 光が奔り、一直線に男に向かって飛んでいく。 (これが吸血鬼に対抗する為の武器か……ん?) 『ヘブンズ・ドアー』の射程に男が入るのを待っていた露伴は興味深そうにシュトロハイムの攻撃を見ていたが、違和感に気付く。 「なあ大佐。興味本位で聞くんだが……その紫外線照射装置ってのは一瞬で吸血鬼を消せるのかい?」 「何ィ?一匹程度ならそう時間はかからんが、流石に一瞬では……なんだ? 紫外線が……逆に消えているだとォー!?」 徐々に徐々に、光が飲み込まれている。 何も無いはずの空間にだ。 「それどころかッ! あの吸血鬼までも消えているだと!? 一体どうなって……」 ガオンッ! 岸辺露伴の家は仕事場でもある。 よってそこにはもちろん漫画を書くための部屋があり、そこには漫画を書くための道具が沢山ある。 画材や資料、原稿用紙など、岸辺露伴の性格もあってかきちんと整頓されて置かれている。 その部屋に土足で上がりこみ、無頓着にそれらの仕事道具を引っ張り出して読んでいる男がいた。 「これはなんだろう……野草の図鑑かな? 素晴らしい……こんなに細かく生息地や生態が書かれているなんて!」 彼はジョナサン・ジョースター。貴族出身の考古学者の卵で、波紋を修めて吸血鬼との戦いに翻弄された数奇な人生の持ち主である。 「それにしても気になるのはこの図鑑の出版年数! 1998年というのはどういうことだろう?」 疑問を抱きつつも大きな椅子に腰掛け、図鑑を読むジョナサン。 だが彼の意識は、やはりこの殺し合いのゲームに対する不安に傾いていた。 エリナとの新婚旅行でアメリカに向かっていた船上で首だけになって尚生きていたディオ。 その直後にここに送られ……垣間見たディオは新たな肉体を手に入れていた。 そして最大の懸念材料はこのゲームに参加している顔見知り。 スピードワゴン……彼は自分の友達だ。死なせるわけにはいかない。 ディオ(DIO?)……決着を付けなくてはならない。 そしてウィル・A・ツェペリ、ダイアー、ジョージ・ジョースター1世、黒騎士ブラフォード、タルカス。 彼らは死んだはずだ……ディオが屍生人として蘇らせたのか?だとすれば……。 「許さないぞ、ディオ!」 師匠と父……最も自分の心に成長を与えてくれた二人を死してなお現世に呼び戻したディオにジョナサンは怒りを感じていた。 そして、このゲームに参加している人間を彼らが殺さないうちに再び安らかな眠りにつかせなくてはならないという責任を。 ジョースターの名を持っている人間には興味を示したが、その名前には見覚えがない。親戚ではなかろう。 ツェペリの名を持つ人間もいたが、こちらは検証しようがない。 「やはりここでボサッとしている暇はないな……そろそろ出発しようか」 屍生人や吸血鬼は昼間は活発には動かない。誰かを襲うとすれば今時分、深夜だ。 こうしている間にも愛する父親がゾンビと化して人を殺しているのではないかと思うと気が気ではない。 立ち上がって部屋を出ようとするジョナサン。 「……なにやら下が騒がしいな」 窓から外を見下ろすと、一体どういうことか軍服を着た男がスゴイ勢いでこの家に向かって飛んできている。 よく見ると男がもう一人、軍服を着た男にしがみ付いている。 「あっ! 止まった……この家に入ってくるぞ」 ジョナサンは支給品のアイアンボールボーガンを握り、ディバックを背負って下の階へと降りていった。 「うむぅぅ……今のは一体? いきなり私の体が加速して逃げることが出来たが……」 「『ヘブンズ・ドアー』!!」 眼を回していたシュトロハイムを本に変えると、露伴は『岸辺露伴のスタンドに関することを忘れる』と書き、すぐに能力を解除する。 「ここは? ……露伴、お前の家か?」 「ああ、いい家だろ。さっきの奴は恐らく追ってきている筈だ……作戦を練らないとな」 悪びれる様子もなく言う露伴。 シュトロハイムは自分の右腕が無くなっていることに気付き、口をあんぐりとあける。 「なっ……なんじゃこりゃァァァ!? 何故私の……ゲルマン民族の誇りである腕が……」 「吸血鬼の攻撃だ……ぼくが咄嗟に行動していなかったら体ごと消えていたぞ。恐ろしいスタンドだ。 サイボーグだから血が出なくてよかったな」 露伴は呟くと、階段を降りてくる男に気付いた。 「誰だお前ッ!? 人の家で何をしている!?」 「僕はジョナサン・ジョースター! 勝手に家に上がった非礼は詫びよう! だが聞かせてくれ! 今君が言った『吸血鬼』とやらの特徴を!」 ジョナサンは真っ直ぐな目で露伴を見つめて答える。 「ジョースター……?」 「JOJOかッ!?」 二人がそれぞれ違う人間を思い浮かべる。だがジョナサンはそのどちらでもなかった。 「頼む、答えてくれ! その男は僕の宿敵かもしれないんだ!」 ガオンッ! ジョナサンの言葉と同時に、玄関のドアに穴が開く。 「来たか!」 露伴はシュトロハイムを立たせるとジョナサンの側に駆け寄り、降りてきた階段を登らせる。 「話は後だ! その吸血鬼がきている……お前の宿敵はスタンド使いか?」 ジョナサンが何を言っているのか分からないというような顔をすると、露伴は舌打ちして自分の仕事場へと誘導する。 「なら今来ている敵はお前の宿敵じゃない……うおっ!」 すぐ後ろの床に穴が開き、天井にも穴が開いた。 「どうやら完全にこちらから見えなくなっているときは外の様子もわからないようだな……」 三人は仕事場に辿り着くと、ドアを閉めて部屋の真ん中に集合した。 「どうする、露伴……紫外線照射装置も効かないあの得体の知れん吸血鬼……ハッキリ言って全く対抗策が思いつかんッ!」 シュトロハイムが心配そうな顔で言う。 「策はある……だがそれが実行できるかどうかは別だがね」 ガオンッ! ドアに穴が開き、『クリーム』の口が姿を現した。 その中から先程の男が全身を現す。 「ここにいたか。DIO様に危害を加える恐れのあるものは全て殺す……この私に吸血鬼の力を与えてくださったあの方の為に……」 「ディオ……!? まさかお前は屍生人か?」 ジョナサンが男の言葉に反応する。 「DIO様を知っているのか? おまえは誰だ?」 「ジョナサン・ジョースター」 男が急に沈黙する。 露伴は怪訝な顔をしながらもバックから何かを取り出す。その行動には誰も気付いていない。 「ジョナサン……ジョースターだと? 馬鹿な……だが確かにその体には見覚えが……」 ブツブツと呟いている男。やがて顔を上げ、この上ない笑顔を見せながら跳躍する。 「どういうことかは知らんが……DIO様に最高の土産が出来た! 貴様の血ならばきっと悦んでくださるだろうッ!」 空中で『クリーム』が男を貪り、口の中に再び入れる。 (ジョナサンを消すわけにはいかぬから、攻撃されるリスクを背負っても顔を出してギリギリまで外の様子を見ていなければならない…… 全てはDIO様のため。まずこの変な髪形の男と機械の男を消し、その後ジョナサンを死なない程度に痛めつけてDIO様を探す!) 男を口に入れた『クリーム』は最適な軌道を探すため三人の周りを回り始める。 直ぐに軌道を発見し、一旦止まって真っ直ぐに突っ込んでくる。 「クッ!」 シュトロハイムが重機関砲を構え、発射しようとする。だが。 「大佐、待て。ぼくに考えがある」 露伴に止められる。 「考え……だと? だがやつはそこまで……」 目前に迫った『クリーム』は、もうジョナサンを巻き込むことはないと確信し、完全に消えた。 これでもう攻撃は通らない。 「う、うおおおおおッ!?」 シュトロハイムは眼には見えない殺意を感じ――――。 『クリーム』が露伴の仕事場に姿を現した。 スタンドの像は出したまま、外の空間に体を出す男の名はヴァニラ・アイス。 「さて、ジョナサンを痛めつけなくてはな……スタンド使いではないらしいから簡単……?」 振り向くと、ジョナサンがいない。無論機械の男も、妙な髪形の男もいない。 「何?確かにジョナサンを巻き込むはずのない攻撃だったのだが……」 焦るヴァニラの頭に雫のようなものが垂れる。 「上……?」 そこには。 『天井に張り付いた亀の甲羅から出ている巨大なボーガン』があった。 「なっ……これは亀の糞……!?」 動揺する暇もなく発射される。といっても普通のボーガンのように矢が発射されるのではない。鉄球だ。 一瞬でヴァニラ・アイスの顔面に到達。 鼻から下を抉り取り、顎を粉々に砕いて胸にめり込んだ。 「ごえっ」 昏倒するヴァニラ・アイス。 亀が天井から落ちてきて、その甲羅からジョナサンと露伴がのそりと姿を現す。 「知能が低い動物はより簡単に操れるッ!」 「ディオのことを教えてもらう……といいたいところだがそれでは喋れないな」 波紋を練りながらヴァニラ・アイスに近づくジョナサン。 「§○△ЯБ~~~!!」 声にならない声を上げながら『クリーム』を発動させるヴァニラ・アイス。 だが、本体の口がないため『クリーム』の口も無くなっている。 『クリーム』の腕がジョナサンに迫る―――が、その腕が止まる。本体も止まっている。 「『ヘブンズ・ドアー』。名前はヴァニラ・アイスか。ディオって奴の居場所は知らないようだ」 露伴がスタンドを使っていた。知りたい情報を見つけるとすぐに解除する。 その間にもジョナサンはヴァニラ・アイスに迫っていた。 ヴァニラ・アイスは何が起こったのかもわからず、自分の頭に迫る鉄拳を見るともなく見つめていた。 「山吹色の波紋疾走ーーーッ!!」 完全に波紋が決まり、ヴァニラ・アイスの顔が、体が融けていく。 決着はついた。 ―――――岸辺露伴の支給アイテムは『ココ・ジャンボ』。 複数の人間を収容できる空間を作る『ミスター・プレジデント』のスタンド能力を持つ亀だ。 最初にシュトロハイムと遭遇した時もこれを活用した。 先程は『ココ・ジャンボ』に入って『クリーム』の攻撃をかわしたあと、ヴァニラ・アイスが出てくる前に『ヘブンズ・ドアー』で 天井に放り投げ、亀に『天井に張り付く』という命令を書いたのだ。 その『ココ・ジャンボ』から出た後、仕事場で露伴はジョナサンに取材を行っていた。 ディオについて、波紋について、吸血鬼について……。 「なるほど、ありがとう……参考になったよ」 「そうかい?僕はこれからディオや屍生人達、それにスピードワゴンを探しにいかないといけないんだ。君はどうする?」 露伴は肩をすくめる。 「遠慮しとくよ……今から漫画を書きたいしね」 (まあ本音はコイツと一緒に行っても吸血鬼にインタビューするのは無理そうだから、だがね……) 露伴はよりリアルに漫画を描くため、吸血鬼に対抗している波紋使いとその敵である吸血鬼、両方から取材がしたいと思っていた。 「大佐はどうする?」 シュトロハイムはじっとしているより吸血鬼と戦いに行きたいと言い、ジョナサンについていくことにした。 「では、昼になったら一度ここに戻るよ……君は本当に大丈夫かい?」 ジョナサンが心配そうに尋ねるが、露伴はうっとおしそうに答えた。 「別に戻ってこなくてもいい……ぼくは大丈夫さ」 こうして三人は二組に分かれた。 ジョナサンとシュトロハイムは南に向かうことになり、露伴は自宅で漫画を描く。 果たして、彼らは再開することが出来るのだろうか。 「……おかしいな、ここに植物図鑑を置いてあったはずなんだが」 To be contenued・・・ 【機械化ジョースターズ】 【市街地(D-04)・1日目 黎明】 【ジョナサン・ジョースター】 [能力] 波紋 [時間軸] エリナとのハネムーンでアメリカに向かう途中の船上でディオに再開した直後。 [状態] 肉体は異常なし。父親と師匠が屍生人化したと思い、かなりショック [装備] アイアンボールボーガン(小)(弾数一発のみ。再利用推奨) [道具] 支給品一式、植物図鑑 [思考・状況] 1) ディオの殺害 2) ツェペリ、ジョージを人間を殺めないうちに安らかに眠らせたい 3) スピードワゴンを探す 4) 屍生人の駆除 【シュトロハイム】 [能力]:サイボーグ [時間軸] スイスに向かう直前。 [状態] 右腕喪失。だが痛みはない。 [装備] ゲルマン民族の誇りである自らの肉体 [道具] 支給品一式 (アイテム不明) [思考・状況] 1) ナチスの科学は世界一ィィィィィィィ!!! 2) ジョセフ・ジョースター、シーザー、リサリサと合流 3) カーズに雪辱を晴らしたい 【岸辺露伴宅-仕事場(D-04)・1日目 黎明】 【岸辺露伴】 [スタンド] 『ヘブンズ・ドアー』 [時間軸] 四部終了後。 [状態] 割と疲れている。 『シュトロハイム』の全記憶を閲覧 [装備] ペン [道具] 支給品一式、ココ・ジャンボ [思考・状況] 1) 漫画を描く 2) ネタを集める(特に吸血鬼に取材をしたい) 3) 生き残る 4) 康一、承太郎、ジョセフと合流 (シュトロハイムの記憶でジョセフの名前を見た事から、昔の時点から呼び出された可能性もあると思っている) 5) クソったれ仗助にあほの億泰、プッツン由花子にはできれば関わりたくない 6) 吉良吉影が少し気になる ※露伴は自分のスタンドの能力により荒木が『時空を超える力』を持つことに薄々感づいています。 【ヴァニラ・アイス 死亡】 ※ヴァニラ・アイスはDIOに影響され支給品一式(アイテム不明)を街中(D-04の周囲一マスのどこか)に捨てています。 どこにあるかは後の書き手さんに任せます。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む ジョナサン・ジョースター 41 《運命》の使徒 シュトロハイム 41 《運命》の使徒 岸辺露伴 31 岸辺露伴の奇妙な冒険 ヴァニラ・アイス
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岸辺露伴とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第四部の登場人物である。 杜王町に住む若手漫画家で、自分の描く漫画こそが一番であるという確固たる自信とプライドを持っている。 虹村形兆の持つ『弓と矢』に射抜かれたことでスタンド使いとなった。 岸辺露伴のスタンド『ヘブンズ・ドアー』は、対象の生物を本にすることで対象がそれまでに経験した出来事や記憶を読み取ることができる。 また、本となった対象に命令を書き込むことで相手を自由に操ったり、動かしたりすることが可能(「お前の体は時速70kmで後ろに吹っ飛ぶ!」など)。 初めの内は自分が描いた漫画の原稿を相手に見せないと『ヘブンズ・ドアー』の能力が発動できなかったが、後に自らのスタンド像が出現するようになり、『ヘブンズ・ドアー』の能力を自在に使えるようになった。 恐るべき速さで漫画を描き上げる能力を持っているが、これが生まれつきの才能なのかスタンド能力の一環なのかは不明。 パラメーター 体・15 攻・15 防・25 速・45 (スピード) 文字色・黄緑 アイコン・無名~12 台詞 攻撃「『ヘブンズ・ドアー』!%tekiは自分で自分を殴るッ!」 回避「%tekiは、この岸辺露伴を攻撃することはできない」 命中「なぜ『ヘブンズ・ドアー』の術中に落ちないんだ?」 会心「『ヘブンズ・ドアー』ッ!!『%tekiは体力が0以下になって逃げ出す』」 勝利「他人を負かすってのは、そんな難しい事じゃあないんだ・・・」 敗北「この岸辺露伴・・・こんな屈辱は初めてだ・・・!」 逃走「こっ、この%teki何者だ!?ま・・・まさか、%tekiもスタンド使いか!?」 台詞解説 「他人を負かすってのは、そんな難しい事じゃあないんだ・・・」 ジャンケン小僧との戦いの時の台詞。この後、「最も難しい事は、自分を乗り越える事さ!」と続く。 今までに描いた漫画のページ数 - ページ
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岸辺露伴 ■070924 ┗ROHAN! M県出身が歌ってみた、ロハンサントーク 【ジョジョ4部 作って歌ってみた】 ┗聲ver.4部【作ったり歌ったり】 ■070916 ┗岸辺露伴は見抜けない ~ジョジョ4部 露伴替え歌 作ってみた~、ROHAN! ~ジョジョ4部 露伴替え歌 カラオケ版~ ■070908 ┗ROHAN! を歌わせていただいた。追加です。 Vocal off 岸辺露伴ならだいじょーぶ(歌ってみて) http //www.nicovideo.jp/watch/sm393951 さよなら露伴先生(低画力) http //www.nicovideo.jp/watch/sm708862 魅惑のツンデロハン(歌詞だけ&ついでに露伴の頬染めてみた) http //www.nicovideo.jp/watch/sm757295 ヘブンズDays(歌詞のみ) http //www.nicovideo.jp/watch/sm747163 ヘブンズDays(カラオケver) http //www.nicovideo.jp/watch/sm753708 はがして!チープ・トリック【歌詞のみ】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm768958 ROHAN!~4部 露伴替え歌 作ってみた~ ※露伴ファン注意 http //www.nicovideo.jp/watch/sm975432 岸辺露伴は見抜けない ~ジョジョ4部 露伴替え歌 作ってみた~ http //www.nicovideo.jp/watch/sm1057465 ROHAN! ~ジョジョ4部 露伴替え歌 カラオケ版~ http //www.nicovideo.jp/watch/sm1058874 Vocal on 岸辺露伴ならだいじょーぶ(ジョジョ+ハルヒの流れに乗ってみた) http //www.nicovideo.jp/watch/sm388703 岸辺露伴ならだいじょーぶ「なんとなく歌ってみた」 http //www.nicovideo.jp/watch/sm430225 岸部露伴なら大丈夫 歌ってみた (ジョジョ ハルヒ) http //www.nicovideo.jp/watch/sm523903 岸辺露伴ならだいじょーぶ(歌わせて頂いた) http //www.nicovideo.jp/watch/sm935840 ヘブンズDays[台詞いれて歌ってみた] http //www.nicovideo.jp/watch/sm776898 ヘブンズDaysを歌わせて頂きました。 http //www.nicovideo.jp/watch/sm775484 ヘブンズDays【歌ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm799486 ヘブンズDays 歌ってみた http //www.nicovideo.jp/watch/sm872578 「雫」 ver.ジョジョ4部(岸辺露伴) 作者がノリでやってしまった。 http //www.nicovideo.jp/watch/sm799295 はがして!チープ・トリック【歌ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm958544 ROHAN! を歌わせていただいた。 http //www.nicovideo.jp/watch/sm992265 ROHAN! M県出身が歌ってみた http //www.nicovideo.jp/watch/sm1099083 ロハンサントーク 【ジョジョ4部 作って歌ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1121030
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ヘブンズ ヘブンズ ド・アー! Gペン握ってカリカリカリカリ 真っ白なケント紙 下書き無用 インクを飛ばしてベタ塗り完了 「良作のためなら記憶もs(ダメーーーーーーーー!)」 露伴嫌いとか言ってるヤツには ま、別にいいさ 「おくやすアホの子 プッツンゆかこに じょーすけは くそったれ」 記憶を覗いて ヘブンズ・ドアー! 求めるものは リアリティ ちょっと 何するの 露伴せんせいk(クモ舐めないでえええええ) 気持ち悪いとか言ってるヤツには 同じ体験させちゃうぜ? サイン下さい!そんなファンには さらりと書いて SPECIAL THANX! 二次元を超えた リアルな漫画 凡庸なヤツらは 異端扱い 「リアルすぎて」や「気持ち悪い」は むしろ褒め言葉 1・2・3・4・5・6・7・8 全部で16枚(先生いつもお早いお仕事で!) 笑う編集者 4日で出来るさ もはや速記レベル チープな言葉でおべっか使って 無意味な賛辞のあらし(じゃ、来週もお願いしますね!) 付き合いきれない 気分を変えて カフェ・ドゥ・マゴでにも この岸辺露伴が金やちやほや されるためにマンガを 描いてると思っていたのかァーー! いいかい? もっとも『むずかしい事』は! 『自分を乗り越える事』さ! だが断る ぼくはえがく 読者のために 伝えたい話があるのならば たとえ 世界が 一巡しても それがぼくの生きる全てだから 読み終わっても 心のどこかに 構想はすでに 7部まで あるんだぜ? 原曲【初音ミクオリジナル「初音ミクの暴走」(sm1342044)】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/nm3535674】
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「……解析が完了した。間違いなく この『思念体』が、この空間を構築している根源」 ……露伴が、はじめに憶えたのは。 『意外と、普通だな』という、なんともあっけのない印象だった。 キョンの憂鬱な冒険 -アフターロック- 外伝 『岸辺露伴の憂鬱』 後編 『男』だった。 年齢は、今ひとつ分からない。顔つきからして、日本人ではないようだ。 緑色の……しかし、済んだ緑ではない。 水底の苔を薄めたような色の長髪を、後頭部で一纏めにしている。 袖が長く、たけの短いカットソーと、ローライズのパンタロンを身に纏った、色白の男。 そして……それは、死者であるが故なのか。 それとも、生前からのものなのかはわからないが。 どこかへと注がれていながら それでいて何も見つめていないかのような、淀んだ瞳が、露伴と長門を、無感情に見つめている。 この男が……この、『幽霊の廊下』の、主である―――『幽霊』だというのか。 「……『お前たちは』」 「!」 不意に。『幽霊』は、表情を変えないまま、声を発した。 『日本語』ではない……しかし。聞き知らぬ言語でありながら。 露伴には、『幽霊』の言葉から、その念を読み取ることができる。奇妙な感覚だ。 「『生きている』のか? ……何故、生きているものが、オレの前にやってこれたんだ……?」 幽霊の男は、言葉を連ねる。 やはり、日本語ではない……しかし、男の思考は確かに、露伴の頭の中に入ってくる。 「……解析、完了」 男の言葉など、耳には入っていないかというように。 長門は、一歩、男に歩み寄り、呟いた。 「パーソナルネームの解析が不可能……しかし、情報連結解除に支障はない」 「ちょっと、待て、長門有希! ……こいつをすぐに倒すつもりかッ!? 冗談じゃない、何のためにぼくがここに来たと思っている!」 「……早急に処理するべき。 この思念体と意思の疎通を行う必要性はない」 「ぼくにはあるんだよ! 邪魔をするなら、『スタンド』をくらわせるぞッ!?」 「……」 長門が、眼前に差し出そうとした手を止める。 よし。長門は『スタンド』に弱い。これは、露伴にとって好都合だ。 なんとしても、露伴は。目の前のこの『幽霊』を取材したい……しかし。 「おまえたちは、何を言っている……? いや、きさま……そっちの男は別だが、女……『人間』じゃあないな? わたしには分かる……『感情』がない。 意思、オレへの敵意はあるようだが、感情がない…… 『感情』があるものならば、それは必ずオレに届くはずなんだ…… めずらしいぞ……こんな『もの』は初めてだ。興味がある……」 幽霊の男は、露伴と長門を見比べながら、白い指先を顎にあて、ぶつぶつと言葉を発する。 「……そっちのきさまからは、逆に、おれへの『興味』を感じるな…… オレが『幽霊』だからか? それとも、この『病院』についてか?」 「! な、何だ……まさか、この『幽霊』!」 露伴の脳裏に、一瞬。あの『吉良の父親』がよぎる…… 目の前の男は、まるで、露伴の心を読んだかのように。 露伴の『感情』を言い当てた。 まさか、こいつは……露伴と似たようなタイプの…… 『スタンド』を持っている幽霊なのかッ!? 「……なあ。わたしは、お前たちと、すこし話がしたい…… どういうわけか、オレがどうやっても抜け出せないこの『病院』に。 死人でない、生きた人間が入ってくるなんてのは初めてだ…… それに、そこのお前…… 感情がない『もの』が何者かも、興味があるしな……」 男は、言葉をつむぐ……右手の中で、何か小さな、サイコロのようなものを転がしながら。 そして、その端々に散らかった単語が、露伴の脳裏に引っかかる。 「……何だって? 抜け出せない?」 「ああ……いつからかはよく分からん。 しかしわたしはこの『病院』から抜け出せんのだ。 どこにも出口がないからな…… しかし、どこからか、ここには死んだ人間が入ってくる。 次から次へとやってきては、そいつらはここに留まり続けるんだ…… あわなかったか? あの幽霊どもに。 一体、この『病院』が何なのか、何故わたしはここにいるのか。 まったく『知らない』んだ。 オレはただ、気がついたら、この『病院』にいた…… 持っていたのは、この洋服と、こいつ……」 そう言いながら、男が、右手を差し出す。 さきほど、露伴がサイコロと見間違えた、小さな四角い物体が、三つ。 しかし、それはサイコロではない。何の数字を表すシンボルも描かれていない、真っ白なブロック状の物体。 「……角砂糖?」 「ああ、そのようだ。わたしの『部屋』には、こいつが大量にある。 何なら、食うか? わたしは食いたくもないから、もてあましているんだ。 幽霊どもに時々くれてやるが、次々と湧いて出てくるんだ」 男からの、奇妙な薦めに対し、露伴と長門は、無言で拒否の意を伝える。 幽霊の持つ角砂糖。……とてもではないが、やすやすと口にしたいとは思えない。 それにしても、男の言葉が真実ならば。 ……こいつは。あの『幽霊』たちを、故意に集めているわけではない、というのか。 「お前は……自分が何者なのかも、分かっていないというのか?」 「……そうだな。おれはどうやら幽霊らしいということは分かっている。 しかし、いつ死んだのか、どのように死んだのかは覚えていない…… そもそも、自分が何者だったかもほとんど覚えていない。 ただ、オレは他人の『感情』に、奇妙なほど敏感でな。 表情を見れば、そいつがどんな気分でいるのかが大体分かるんだ…… もっとも、そいつはあの『幽霊』どもにしか試したことがなかったが…… 生きているらしいお前にも通用した。 どうも、こいつはオレが生きている頃から持っていたもののようだな……」 馬鹿な。『記憶』がないというのならば、露伴の『スタンド』は通用しないじゃあないか…… 「この空間を構築しているのは、あなた自身」 「……何?」 不意に。露伴と幽霊の男の会話に、鈴の音のような声が転がり込む。 長門だ。 「この『病院』は、オレが作っているものだと……そう言いたいのか?」 「そう。作っているという表現は異なる…… この『病院』は、本来、あなたと同一の存在。 あなたの精神から分離した、『記憶』の『怨念』が構築したもの」 長門の言葉に。幽霊の男の表情が、一瞬。僅かな驚きの色を帯びる。 「長門、それはつまり…… この『病院』は、この男の『記憶』の『幽霊』だと言うのか……?」 「そう。そして、その『記憶』の怨念が、機関の病院に取り憑き、死者の思念を集め、幽閉している」 本来の『精神』とは分離していながら 『死者を幽霊にし、留まらせる』などという、邪悪であり、強力な存在を創り上げるほどの『怨念』。 一体、それは、どれほどまがまがしいものなのか…… 露伴には、想像もつかない。 「……『おれ』はそんなことをしていたのか……? なるほど……それで、お前たちは、おれを…… おれと、この『病院』を『成仏』させに来たというんだな」 「『精神』はあなたにある。 あなたが消滅すれば、『病院』を構築している『怨念』も消滅する。 抵抗は、無意味」 「……べつに構わないな。おれの記憶が、何がしたかったのかは知らんが…… 今のおれは……お前の言う、『精神』としてのおれは。 この『病院』の中で幽霊でいることに、未練なんか一つもありは―――」 ……幽霊の男がそう言った、瞬間だった。 露伴たちの眼前に、無数の光り輝くものが降り注いだのは―――!! 「なッ――――何ィィ――――ッ!!?」 ……それが、何なのか! 露伴には、瞬間的には理解できなかった。 ただ、それは。露伴たちの前方の『天井』から、突然現れ。 露伴と長門の体にめがけて、降り注いできたのだ。 「うぐぅぅっ!?」 これは……『刃物』だ! 露伴は、自分の体が切り裂かれた感覚で、それを理解する! 「何だ……ッ!? オレは、何もしていないぞッ!? どうしてこんなところに『メス』が降ってくるんだッ!!?」 叫んだのは、幽霊の男だ。……演技をしている様子はない。 男は、突如、露伴たちを襲った『攻撃』に対して、純粋にうろたえている。 『メス』! そう―――それは、無数のメスだった。 体を見下ろして確認できるだけでも、十本近くのメスが、露伴の体に突き刺さっている! 「ぐおおおッ!?」 「これは……」 露伴の背後で、長門が呟く。 振り返ると……彼女の体にも。露伴と同じように、無数の細い金属が突き刺さっている。 ―――まさか! 「ぐッ……『病院』が……! この『病院の幽霊』のほうが、ぼくらを攻撃しているのか……ッ!?」 『精神』とは別離していながら、『病院』に取り憑き 『死者』を集め続ける『幽霊』となるほどの、『怨念』! その『怨念』が……自らの『消滅』を、拒んでいる――― そして、露伴たちを『攻撃』している! 「―――情報連結を、解―――ッ!」 長門の言葉を遮ったのは。 彼女の真横の壁から飛び出した、無数の―――『注射器』! 細く、鋭い金属の針が、長門の体に突き刺さる…… 宇宙人とはいえ、肉体があるならば、『痛み』はあるはずだ。 そして、その先には『死』がある! 「長門おおッ―――!!」 たまらず、露伴は、体中に金属の雨を浴びた長門に向かって、手を伸ばす――― しかし、露伴に何ができる!? 「待て! ……動くな、動かなければ、攻撃はないんだ!」 不意に。幽霊の男が叫ぶ。 「何……ッ!?」 「……おれが。オレの『怨念』が、お前たちを攻撃しているんだ…… だが、お前たちがオレを『成仏』させようとしなければ、攻撃はしないはずだ! ……分かるんだ、感じるんだ。 この『病院』……オレの『怨念』の『感情』が、伝わってくるんだ…… それに……これは、まさか……少しづつだが…… 『記憶』が、オレに戻ってきている……ッ!? お前が言うとおり! オレの『記憶』が、オレから切り離されて、この『病院』を作っていたなら…… 今! 『病院』は……『記憶』が、再び、オレに戻りはじめている!」 別離した『記憶』が、『精神』である、男へと戻りつつある…… それは、つまり! 『意思』と『怨念』が! 別離していたそれらが、再び一つになりつつあるということ――!! 「う……た、頼むッ!! 逃げてくれ……おれの、記憶が!! 『病院』が、オレの意思を使って、攻撃をしようとしているんだ……!! お前たちを殺すために……だが、何だ!? この恐怖は……お前たちを殺してしまうこと以上に!! おれにこれ以上記憶が戻ったら……うぐうううッ!! どッ、どうなってしまうんだッ……!! おれは! いったい、どれほど恐ろしい『記憶』と離れ離れになっているんだッ―――!!?」 露伴は、目の前で。 『記憶』が蘇ってゆくことに恐れわななく、幽霊の男の姿を見て――― そして。頭の中で、全てが『重なり合う』音を聞いた。 「……そういう、事か……!」 ……『邪悪な精神』を持つ人間が、『怨念』と『意思』に分かれた『幽霊』となった、その理由。 『記憶』と『精神』を分離させなければいけなかった、その『理由』―――!! 「……人間は、恐怖のあまり……特定の記憶を忘れてしまうことがあるらしいな……」 「なっ……?」 誰にともなく。露伴は、呟く。 「そうしなければ……『精神』を『保てない』場合にッ!! 人は、『記憶』を『切り離す』―――!!」 体に突き刺さったメスを引き抜き―――露伴は、立ち上がる! その、瞬間! 露伴の『敵意』を感じ取ったのだろう――― 露伴の眼前の床から。金属づくりの『ストレッチャー』が、飛び出してくる!! しかし! "『岸辺露伴は動かない』” 露伴は、ストレッチャーを回避しない―――その代わりに! 自らの―――自らから湧き出した、その『腕』を、ストレッチャーにめがけて振り下ろす! 「"『天国への扉(ヘブンズ・ドア――――)』ッ!!"」 『ヘブンズ・ドアー』――――岸辺露伴の、『スタンド』は! 『精神を持つもの』を『本』へと変える、そのスタンドは―――!! "『病院の幽霊』の『一部』である、その『ストレッチャー』を、『本』へと変える"!! 「……悪いが、すべて『元通り』にさせてもらうぞ…… バラバラになったお前の『精神』も……『お前の行くべき道』も!」 『ヘブンズ・ドアー』の腕は。 迫り来るストレッチャーを、『紙』の束へと変えながら―――『幽霊の廊下』の床までを、『殴り抜ける』!! その瞬間、リノリウムの床に良く似た『幽霊の床』に……僅かな亀裂が生じ―――― 無数の『切れ目』となり、床を伝い、壁を伝い、周囲の空間へと広がってゆく! 「――――うおおおおおおおッ―――!? これはっ……これがっ、おれの『記憶』ッ―――!!?」 『本』となった廊下の上で、幽霊の男は呻く。 「ああ、そうだ……すべて書いてあるぜ。お前が何者なのか。 お前が死ぬまでに、何を経験してきたのか――― お前が死に際に、何を味わったのか。 ぼくの能力……『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』によって。 心の扉は、開かれる。 お前の心は再び――――『ひとつ』となる!」 『紙』の迷宮となった『幽霊の廊下』が! その無数の『ページ』が、幽霊の男の体へと引き寄せられてゆく! 「ああああああ……ぎゃあああああああっ!! おっ、思い出したァァァァアアア!!! オレはっ! オレが、死んだのは…… オレを『殺した』のはァァァアアアアア――――ッ!!!」 幽霊の男が発する、絶叫を聴きながら。 露伴は、『ページ』となった廊下の上に倒れ伏す、長門有希の体を抱き上げる。 『注射器』と『メス』は、既に無い。 幽霊の一部であったそれらは、『ページ』となり、幽霊の男へと還っていくのだ。 「やめろおおおおおォォォ!!! オレを殴る……『ゆっくり』と『殴った』アアアア!! なんてっ……なんて酷い野ッ……うわあああッ!! この、記憶はァァアアアア!!! オレに帰ってくるなアアアァアァァアア――――!!!!」 果てしなく広がっていた『幽霊の廊下』の全てが、『ページ』となり。 幽霊の男の体へと引き寄せられ…… やがて。『それ』は、『消滅』してゆく。 「――――言い忘れていたが……ぼくは。 この世の『未練』とか何とか言ってないで…… さっさとあの世に行くってのが、正しい『幽霊』のあり方だという意見の持ち主でな―――」 ――― ……全てが『消滅』した後。 露伴は、『スミレ』のいる、404号室の前に立っていた。 そして……腕の中には、長門有希の体がある。 「……いつの間に、お前が治したのか? ぼくの傷も、お前の傷も」 「そう」 金属の雨の名残りとして、制服のいたるところに、小さな血痕を纏った、華奢な肉体。 露伴が、僅かに体をかがめると。 長門はするりと、露伴の腕の中をすり抜け、リノリウムの床の上に降り立った。 「……感謝する」 幽霊などではない、正真正銘の『病院の廊下』で。 長門は、露伴を振り返り、呟いた。 「あなたに助けられなければ、私の負傷は、より深刻なものになっていた」 「……例を言っているとは思えない、相変わらずの無表情だな。 ぼくは自分の身を守ろうとしただけだぜ。お前のためなんかじゃあないね」 「そう」 やはり、変わらぬ表情で。長門は、再び露伴に背を向ける。 露伴は、短いため息をついた後、腕時計を見る…… 面会時間は、とうの昔に過ぎている。看護士に見つかったら、面倒なことになりそうだ。 「また、今度」 「ん?」 ふと。長門の呟きが聞こえ、露伴が、視線を腕時計から戻すと。 いつの間にか。長門有希の姿は、跡形も無く消え去っていた。 ……宇宙人は、瞬間移動もできるというのか。 そう考えた直後。露伴は、自分が当初、『宇宙人』である長門について 『取材』がしたかったのだということを、思い出す。 「ちっ……何も収穫なし、タダ働きじゃないか…… まったく、この街じゃあろくなことが無いな……」 誰にとも無く、ひとり愚痴た後。 露伴は、自らの拠点であるホテルの部屋を目指し、ひとり、歩き出した。 岸辺露伴―― 取材終了↓
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【作品名】『岸辺露伴は動かない』シリーズ 【ジャンル】漫画 【名前】岸辺露伴 【属性】漫画家、スタンド使い 【大きさ】 人間大 【攻撃力】本体は人並み。スタンドで一応殴れる。 【防御力】本体は人並み 【素早さ】移動速度は人並み。 ぶち切れ状態のクレイジーD(スタープラチナと互角)の パンチが数cmくらいまで迫ってから 腕を動かして数十㎝くらい 離れた机の上の原稿を取り、 セリフを言いながら相手に見せることが出来るほど速い反応と腕の速度を持つ。 スタープラチナ:第6部の時点でスタンドのスピードの速度が無限大設定のメイド・イン・ヘブンに反応できるので 主人公である全盛期の第3部でも無限速反応、かつ戦闘速度も無限速 【特殊能力】スタンド ヘブンズドアー * 相手を指差して本にする。その本に書き込んで相手に命令することができる。 命令できる射程は20~30m(ジャンケン小僧戦参照) 例、「岸辺露伴を攻撃できない」「今起こったことはすべて忘れる」 「自殺する」 「時速70キロで吹っ飛ぶ」など * 相手に文字を書き込むことで支配する力は 絶大で、対象者がどれだけ拒絶しようと逆らうことはできず、 「ほんの僅かな期間でネイティブ並みの語学力を身に付けさせる」 「後方に時速70キロの速度で吹き飛ぶ」など、 本来相手には実行不可能な事をさせることも可能 (何処まで自由に出来るのかは明らかでない。 例えば、「身体が核爆発する」と書いて本当にそうなるのかは不明である) * 直接触って書き込めば相手は意識を失う。 * 動物、幽霊などにも命令可能。 * 直接書かずに「文字」だけを飛ばして相手に書き込むこともできる * 相手の皮膚の僅かな面積だけを捲るようにして書き込むなど、器用な芸当も可能 【長所】ヘブンズドアー 【短所】機械には命令できない。運命は読めない 【戦法】「岸辺露伴に攻撃できない」→「自殺する」 相手の防御が高く、相手の攻撃力では自殺できないようなら 『岸辺露伴に攻撃できない』→『岸辺露伴との勝負に敗北する』と書き込む 『岸辺露伴に攻撃できない』と書き込まれた場合は岸辺露伴への攻撃に繋がる 行為は、 間接的、直接的等に関係無く、できない。 vol.4参戦 95 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2012/07/19(木) 20 25 21.27 ID 3GtATsnP [2/2] 岸辺露伴 考察 惑星破壊から下がる ×山田正蔵 悪臭負け ×BAZUSU 気絶負け ×TAGOSAKU 魂吸収負け ○黄天化 ヘブンズドアー勝ち ×ルルーシュ 指刺すより相手の方が速い ○申公豹 ヘブンズドアー勝ち ○燃燈道人 ヘブンズドアー勝ち ○仮面ライダーカブト ヘブンズドアー勝ち ×刹那・F・セイエイwithダブルオークアンタ 機械相手ではどうしようもない ライザーソード負け ×イタリア 大きさ負け ○ヤミー・リヤルゴ 幽霊にも効くなら効くだろう ヘブンズドアー勝ち ○ゾマリ・ルルー 同上 ○藍染惣右介 同上 ○不動遊星withDホイール バイクに乗ってるだけなら問題ないだろう ヘブンズドアー勝ち ×デルタスター・ウルトラマン でかすぎる 惑星破壊負け ×獅子王凱withジェネシック・ガオガイガー 機械相手はどうしようもない ハンマー負け ×武藤遊戯(闇遊戯) 離れすぎ 近づく前に攻撃され負け ○神凪厳馬 ヘブンズドアー勝ち ○DIO ヘブンズドアー勝ち ○空条承太郎 ヘブンズドアー勝ち ○紅麗 ヘブンズドアー勝ち ○星矢 ヘブンズドアー勝ち 黄天化=ルルーシュ(スパロボZ)=岸辺露伴>申公豹