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岡井ちゃんが階段から落ちた 登場人物 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 番外編 その1 うめちさ温泉 01 02 03 その2 ちさあいり○○ 01 02 03 04 05 06 その3 ちさまい逃避行 01 02 03 04 05 その4 ちさあいりデート 01 02 03 04 05 06 07 08 その5 ちさまいみメイド(?) 01 02 03 04 05 06 07 08 09 その6 ちさかんなデート 01 02 03 04 05 06 07 08 その7 悩める全力リーダー(その6のなっきぃ視点) 01 02 03 04 その8 チーム℃-uteの尾行作戦(その6のなっきぃ視点) 01 02 03 04 その9 八つ裂き○○ 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 その10 ちさあいりお泊り 01 02 03 04 05 06 07 08 その11 2009年お誕生日 01 02 03 04 その12 お嬢様→岡井ちゃん?? 01 02 03 04 05 06 07 08 09 その13 愛理お誕生日 01 その14 梅さんお誕生日 01 その15 お嬢様お誕生日 01 02 03 04 05 その16 マイマイ暴走 01 02 03 04 05 06 07 08 09 その17 お○っきぃ 01 02 03 04 05 06 07 08 その18 うめちさ卒業前デート 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 その19 ぷちちさまい 01 その20 わっふるわっふる 01 その21 千聖のお腹には○○の… 01 02 その22 お○っきぃふたたび 01 その23 薬指に輝く指輪… 01 その24 ユメ、カナウ 01 その25 リア充爆発しろ 01 その26 梨沙子と愛理とお嬢様(?) 01 02 03 その27 お嬢様は悪女 01 その28 好きな姉のこと 01 02 その29 nkskstk疑惑 01 その30 お嬢様の下着 01 02 その31 対照のふたり 01 その32 どう対処すれば正解か 01 その33 舞ちゃんのお姉ちゃん 01 その34 どれでもだいすき 01 その35 舞vs桃姉ちゃん 01 その36 岡井ちゃんの結婚生活予想 01 02 その37 選択小説 舞ちゃんも階段から落ちた 01 02 03 その38 あの人。 01 その39 キスを返品。 01 02 03 04 その40 寝顔は可愛い 01 その41 あの血迷ったセリフを3回(ry 01 その42 舞の、だから 01 その43 恋は盲目 01 その44 夏焼雅事件簿File1 01 その45 ホラー映画を観た夜に 01 02 その46 目の毒なので。 01 その47 ココロノイタミ。 01 その48 もうちさとはやめます。 01 02 03 その49 2011年お誕生日 ver Airi 01 02 03 04 その50 2011年お誕生日 ver Mai 01 02 03 04 05 その51 9期メンは見た 01 02 03 その52 夏焼雅事件簿File2 01 その53 ハワイでもっと進んだカンケイに 01 02 03 04 05 06 07 08 09 その54 選択番外 ぬるエロ? 01 02 03 04 05 その55 先輩命令と困った後輩 01 02 03 04 その56 2011年お誕生日短編集 01 02 03 04 05 06 番外者さんの番外編 その1(番外編その9 八つ裂き○○別視点) 01 02 03 番外者さんの番外編 その2 2008クリスマス 01 番外者さんの番外編 その3 2009クリスマス 01 02 番外者さんの番外編 その4 SHINES 01 番外者さんの番外編 その5 栞菜の愛犬が階段から落ちた 01 番外者さんの番外編 その6 優柔不断×2(人格) 01 番外者さんの番外編 その7 妄想シリーズ ある日帰ったら。 01 番外者さんの番外編 その8 写真集を出せるワケ 01 番外者さんの番外編 その9 ハロウィン2010 01 番外者さんの番外編 その10 1 05と2 23 01 TOP
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前へ 「岡井ちゃんさ、娘。に入る気ない?」 「は・・・」 私の手から、ハンバーグが刺さったままのフォークが落ちた。 夕刻のファミリーレストラン。 今、私の前には道重さん、高橋さん、新垣さんが座っている。 つい1時間ほど前、学校が終わって家でのんびりしていたら、見知らぬアドレスからメールが入っていた。 どなたかしら・・・。本文に目を通すと、冒頭に“ガキさんですけどー!”という一行。 メールだというのに、思わず背筋が伸びた。読み進めていくと、事務所近くのファミリーレストランで、夕食をご馳走してくださるとのことだった。 今日は明日菜がチンジャオロースを作ってくれると言っていたけれど・・・先輩からのせっかくのお誘いを、お断りするのは気が引けた。でも、明日菜のチンジャオは美味しいから食べたい。でも、夕食・・・・ 「明日菜。私、ちょっと出かけてくるわ。チンジャオ、もう出来上がってるかしら?良かったら、食べさせてくれる?」 「いいよー」 まったく、こんなことをしているから、舞さんやえりかさんに“大福”なんて言われてしまうんだ。 ミニ丼にしてもらったチンジャオを食べ終えると、ちょっと膨らんだおなかをさすりながら、私は家を出た。そして、今に至る。 「あの・・・私が、モーニング娘。さんに・・・ですか?」 「そうだよ。ってかホントにキャラ違うんだねー!ウケんだけど!」 ケラケラ笑う高橋さんを、「コラッ」と新垣さんが窘めた。 そう、私は今、本来の私の人格じゃない。 以前の私はとても明るくて、声も大きいから、どこで何をしていてもわかるようなキャラクターだったらしい。 それが、階段から落ちて頭を打ってから、こういう性格に変わってしまった。といっても、私にはあまりその自覚はないけれど。 当初は、そのことは家族やマネージャーさんやいつもお世話になるスタッフさん、そして℃-uteの皆さんの中だけの秘密だった。 それが、ひょんなことからベリーズの皆さんも周知のこととなり、℃-ute内の話し合いの結果、それなら今後何かと関わりがあるであろうモーニング娘。さんや、ガッタスの先輩方にも・・・というお話になった。 ベリーズの皆さん同様、モーニング娘。の皆さん方も、広い心で私を受け入れてくれた。それで、しばらくは穏やかに過ごしていたのだけれど・・・どうして唐突に、こんな話が。 「あのね、岡井ちゃん。今の娘。には起爆剤が必要だと思うんだ。」 「はぁ・・・」 「岡井ちゃんのそのキャラを、娘。で存分に活かさない?」 「あの・・・」 「岡井ちゃん、よろセンの時もすごく周りが見えてて賢い子だなってさゆみ思ったの。こういう子、娘。にいたらいいかもって」 「でも・・・」 「大丈夫やよー!結構楽しいよ、娘。も。みっつぃーも、岡井ちゃんに会いたがってたし」 畳み掛けるような矢継ぎ早の説得を受けて、思わずうなずいてしまいそうになる。いけない。とりあえず、落ち着いて考えよう。 「あの、期間限定、ということですか?」 「ううん。ずっとだよ」 「・・・℃-uteは・・」 「娘。に入るなら、抜けてもらうことになるのかなぁ」 「それは、」 口を挟もうとする私の唇を、新垣さんが手で覆った。真面目な顔をしている。 「岡井ちゃん。言っておくけど、別にイロモノとして岡井ちゃんを入れようっていうんじゃないから。岡井ちゃんはかなり歌えるし、ダンスだってたまにポーンと抜けちゃう以外はいけてると思うんだよね。 トークもフガフガしてるけど面白いし。 ぶっちゃけ、今のままじゃ岡井ちゃんもったいないっていう気持ちもあるんだ。言ってる意味わかるよね? うちらはそれだけ、岡井ちゃんのことを買ってるわけ。」 「・・・・・あの、」 「ま、今すぐじゃなくていいから。よーく検討しておいて。あと、このことは岡井ちゃんとうちらの秘密ってことで。」 「はい・・・」 私は何も言えなくなって、黙ってうなずいた。そこまで真剣に、私について考えてくれている先輩に、即座に返答することはできなかった。たとえ、私の答えは決まっていたとしても。 「じゃあ、そろそろお開きにしようか。ごめん岡井ちゃん、これから娘。ミーティングあるからさ。良かったら、手つけてないのとか食べて帰って。まったく、愛ちゃんオーダーしすぎだから!」 「それじゃ、またね、岡井ちゃん。」 忙しい時間の間を縫って、私と会ってくださったのかもしれない。早足でレジへ向かう背中を見て、私はとある出来事を思い出し、ため息をついた。 “岡井ちゃんさ、音楽ガッタスに入らない?” 実は3日前にも、私は吉澤さんと石川さんからそんなお誘いを受けていた。 吉澤さんから電話をいただいた私は、以前、えりかさんに連れて行ってもらったところよりも、さらに敷居の高い中華料理屋さんに連れて行ってもらった。 個室の座敷で、おいしいコース料理をご馳走になりながらの話だった。 ただし、今の新垣さん達ほど熱心でもなかったし、お2人はいつも私に色んないたずらを仕掛けてくるから、またからかわれたのかな、何て思っていた。 それに正直、そのことよりも、私は豪華な食事に心を奪われていた。・・・まったく、我ながら情けない。 その時は・・・何ておっしゃってたかしら。 新垣さんとは違って“もちろん、℃-uteの活動をしながら、無理のない範囲で考えてくれていいから”とか。 “気楽に考えてね。岡井ちゃんがその気なら、いつでも連絡して。ただし、今日のことは誰にも言っちゃだめだから。”とか。 そんな感じだったと思う。 だから、私の中では、その話はそこで終わっていたつもりだった。まさか、今こんなことになるまでは。 「どういうことなのかしら・・・?」 手付かずのいちごパフェをスプーンで崩しながら、冷たいシャーベットに舌鼓を打つ。美味しいけれど、よく冷えすぎていて、こめかみがズキンと痛んだ。 ふと、まるで今の自分の気持ちのようだと思った。 自分のことを必要としてくれる人達がいて、嬉しくてしょうがないのに、同時に、胸を重くする感情が湧き上がっている。それが何なのか、今の私にはまだわからなかったけれど。 なぜか寂しい気持ちを覚えた私は、いてもたってもいられず、携帯電話を開いた。 電話の履歴を辿れば、舞さんや早貴さんの名前が飛び込んでくる。だけど、一体、誰に、何を話す?誰にも言わないという約束を破る?そんなことをして、何になるというのだろう。 散々悩んだ挙句、誰にも連絡は取らずに、ひとまず家に帰ることにした。 優しくて温かい家族とのんびり過ごして、少し心を落ち着けよう。 とりあえず自宅に電話しようと、アドレスを辿っていく。 ―♪♪♪ 「きゃっ」 突然、メール受信画面に切り替わる。少し時間が遅くなってしまったから、もしかしてお母様から? カフェオレで喉を潤しながらしばらく待っていると、受信完了通知とともに、2件のメールが目に飛び込んできた。 1通目の表題。 【極秘ですヨ!】☆★S/mileageに入りませんカ★☆【花音です!】 2通目の表題。 マノチサトって、どうでしょう??(。・∀・。) 「・・・・」 もはや、言葉も出てこない。 私は力なくソファにもたれて、店員さんが空いた食器を片付けていくのを、しばらくぼんやりと見ていた。 “前の千聖より、ちょっと鈍くなったよね。” 私はたまに舞さんに、そんな風に言われることがある。 だけど、そんな私でも、さすがに違和感を感じざるをえない。一体、何が起こっているんだろう。 自分の手には負えない、とても大きな力が動いているような気がして、サーッと鳥肌が立つ。 「あ・・・」 再び、メール着信音。一瞬心臓が跳ねたものの、それは家族――明日菜からのメールを知らせる音だったから、安心して本文へ目を走らせた。 本文。 これ内緒の話ね。お姉ちゃんは、エッグの活動に、興味ないですか?℃-uteを続けながら、新人公演―― 「ふ、ふふふふふ」 もはや、笑いがこみあげてきた。新人って。一体、明日菜は何を言っているんだろう。これは何かの夢なのかしら? 周りの人がいぶかしげにこっちを見る。でも、もう感情をセーブするブレーキが壊れてしまっていた。 「うふ、ふふふ、うふふふふ。うふふふふふ」 心配したウエイトレスさんがお水を持ってきてくれるまで、私はたっぷり5分間、笑い続けた。 次へ TOP
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フーパの映画見てきました(遅) 7/20(月)8 07 2014/12/17(水) 9 35 色違いラッキー孵化ちゅう
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【愛理さん舞美さん】岡井ちゃんが遠くに行ってしまった件(ソースあり)【ごきげんようってなんだよ】(329) ちっさーのキャラ替えを断固阻止したい人の数→(773) 「ああぁ~・・・」 パソコンの前で、私は頭を抱えた。これはおそらく昨日のキューティーパーティーのことだろう。(とは言っても何が書いてあるのか怖いので、私はいつもマイミスライムしか見てない) 冒頭でいきなり「ごきげんよう」をかまされた時は本当にあせった。 愛理が即「はい、千聖お嬢様。」と返したから、その場は何とか切り抜けることができた。 千聖も空気を読んで、お嬢様語を封じて明るい雰囲気を出してくれたのだが、いつも聞いてくれるファンの人達にはやっぱり違和感を覚えさせてしまったみたいだ。 「もー本当・・・私のせいだ。ダメだ。本当私最悪だ。」 あの時、私が千聖にちょっかいを出さなければ。体勢を崩した千聖を支えてあげていれば。こんな事態にはならなかったはずだ。 私もえりと同じで、最初は千聖の悪ふざけを疑った。 服装まで変えて、ウケるねーなんてのんびり話していたけれど、千聖はいつまでたっても元の千聖に戻らなかった。 可愛らしいスカートを履く。食事のときにレースのハンカチを膝に敷く。 そんなことが積もり積もって、私はようやくこれはあの時の後遺症なんだと気づいた。 それに、千聖はお調子者でいたずらっ子だけれど、みんなを困らせてまでそれを続けるような子じゃない。 動揺するみんなを見て泣きそうな顔をする千聖を見ていたら、間違いないと確信できた。 同時に、千聖から取り返しの付かない何かを奪ってしまったという絶望感と罪悪感で胸が押しつぶされそうになってしまった。 千聖の顔を見ると、涙が出そうになる。そして目をそらす。千聖が悲しそうに私を見つめる。そんな悪循環がずっと続いた。 みんなが徐々に新しい千聖を受け入れるようになっても、私はほとんど会話をすることができなかった。 リーダーなのに、こんなんじゃ駄目だと思ってはみても、じゃあどうしたらいいのかがわからない。 えりは千聖のキャラがつぼにハマって盛大にふいた後、「あれは演技じゃないからもう私は認める」と言い、徐々に順応してきているみたいだ。 でも私は自分に責任がある以上、そんなに簡単に新しい千聖を受け入れるわけにはいかないのだった。 「おはよーございまーす・・・」 今日も又、イマイチ元気が出ないままレッスンスタジオに向かう。 「舞美ちゃん、大丈夫?ずーっと元気ないね。飴でも舐める?」 「ん、大丈夫。体調でも悪いのかな?あはは・・・」 学校帰りなのだろう、まだ制服を着たままの早貴が気を使って話しかけてくれた。 私は何をやってるんだろう。リーダーなのにみんなを心配させて、リーダーなのに困っているメンバーを助けてあげることもできない。 あ、ヤバイ。ちょっと泣きそう。最近は柄にもなく感傷的になりがちだ。 「ごめん、早貴ちゃん。ちょっと私・・・」 「うん?」 「私・・・」 「・・・うん・・・」 「走ってくる!」 「ええ!?ちょっと!」 「みんなによろしく!」 そう言い残して、私は屋外のちょっとしたグラウンドみたいな場所に向かった。 クサクサしてるときは、やっぱり体を動かすのが一番だ。隅のほうでストレッチをしていると 「舞美さん。」 いきなり後ろから声をかけられた。 「あ!千聖!!おはよー!!!今日まだ会ってなかったね!!!ところで何してるの!?」 うわあ我ながらひどい空元気。千聖も目をパチクリさせている。 「ええ、ごきげんよう。少し早く着いてしまったものですから、体を動かそうと思って。」 千聖は濃い目のピンク地に小さな黄色いドットが入った可愛らしいジャージを着ていた。 こういうレッスン着ひとつにも変化を感じられて、また少し気持ちが重くなってしまった。 「もし嫌でなければ、一緒に何かしませんか?」 「え?あ、うん」 「じゃあ、ひとまず一周走りましょうか。よーい、ドン!」 いきなり掛け声をかけて、千聖が走り出した。 「ちょっとちょっと!千聖!」 慌てて追いかけるけれど、千聖はさすがにお嬢様になっても足が速い。なかなか距離が縮まらず、私の闘争本能に火がついた。 「あは、あははははははは」 笑いながら加速する私に少し驚きながらも、千聖はいたずらっ子のようにニヤッとしてさらにスピードを上げた。 戻らない私たちを心配したのか、いつのまにかみんなが集まってきていた。 楽しげな私たちをあっけに取られたように見ている。 やっぱりこの子は千聖でいいんだ、と私は思った。 こんな風に無心で走ることの楽しさを共有できるのは、千聖しかいない。 キュートのリーダーとしてはまだ、これからどうしていけばいいのかはわからないけど、 私は今の千聖の中に元の千聖を見つけられることができて、少し心が軽くなった。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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プログラミングをはじめるあなたへ。 こんにちは。ふわふわです。主に、高専や未来大でプログラミングを勉強しようとしている人向けに、これから色々書いていこうと思っています。 「プログラミング」って何? という人向けに参考程度に資料を作っていこうと思っています。 そもそもプログラミングって何? はじめのうちにやる「プログラミング」というのは、簡単に言ってしまえば、コンピュータに直接命令を与えることです。 たとえば、四則演算などなど。データを入力して、それを計算して出力する。こんな感じです。 プログラミングをはじめるまえに まず、肩の力を抜きましょう。プログラミングをするにあたり、別に身構える必要は全くありません。気楽に、気楽に。これがプログラミングの第1歩です。
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食べ物はムダにしない主義だった私は、ここ最近それを覆さなければならない事態に陥っている。 頭打ってお嬢様キャラに変わった千聖を見てチーズケーキを床に落とし、 日傘を差してごきげんようと挨拶してきた千聖を見てマックシェイクを鼻から出し、 ついさっきはお昼にみんなでバカ話をしている時に、15秒遅れて「うふふ」と笑った千聖のせいでカップラーメンミルクシーフードをなっきーにぶっかけてしまった。 おかしいよ。特に愛理。みんな最初はとまどっていたものの、新しい千聖を受容しつつあるみたいだ。責任を感じている舞美や複雑な表情をしている舞ちゃんはまた違うみたいだけど・・・。 私は未だに、千聖がわるふざけをしているようにしか思えない。千聖はいたずらを思いつくのが天才的に上手だから、ただ単にこの「お嬢様ごっこ」のやめ時がわからなくなってるんじゃないかって考えていた。 それに、これがもし本当に千聖の演技ならば、早くやめてくれなければ困る。 千聖のお嬢様らしい振る舞いは、いちいち私のツボにはまるのだ。 おしとやかモードの千聖の背後に、大口開けて一緒にギャハギャハ騒いでいた時の千聖の顔が浮かんで、どうにも耐えられない。 私は、笑ってはいけないというプレッシャーにものすごく弱い。今日は千聖と栞菜と私で、僕らの輝きの歌とダンスの再確認があるというのに、相当まずい状況に追い込まれてしまった。 「千聖。」 意を決して、愛理と楽しげに髪型をいじっている千聖を隅っこに呼び出し、問い詰める。 「あのね、もうそろそろやめにしない?」 「・・・あの、何のお話でしょうか。ごめんなさい私、心当たりがございません。」 千聖が追い詰められたチワワのような瞳でじっと見つめてくる。この時点でかなりやばかったけれど、どうにか視線を下げて言葉を続けた。 「だから、そろそろ元気な千聖に戻ってほしいの。お嬢様キャラも面白いんだけどさ。舞美もずっと落ち込んでるし、安心させてあげたいじゃない?」 「えりかちゃん、そんなこと言ってもダメだよ。本当に千聖は変わったの。演技じゃないんだよ。」 いつの間にか近づいてきていた愛理が、千聖を庇うように間に入ってきた。千聖も安心したように、愛理の二の腕をやんわりと握っている。 たしかに、これが演技なら千聖はものすごい女優になってしまう。 本物のお嬢様である愛理と比べても遜色ない。だけどやっぱり私の脳裏に焼きついているのは、牛乳を口に含んで栞菜と笑っちゃいけないゲームをしてるようないつもの千聖の姿なのだった(ちなみに千聖が負けて楽屋を牛乳まみれにした)。 「でもね愛理」「じゃあ梅田有原岡井、そろそろ準備して。」 ちょうど折り悪く、マネージャーが入ってきてしまった。 「じゃあね、頑張って、千聖。」 「はい、ありがとうございます。」 何言ってんの千聖。アホか。あああ笑いたい。爆笑してスッキリしたい。でも私の最後の良心が、それを押し留めていた。 「はい、じゃあまずダンスの確認から~」 「♪いーさーまっしいー」 CDの千聖の声を合図に、三人で立ち位置を確認しながらダンスをこなしていく。 千聖はいつもどおりに踊っている・・・つもりなのかもしれないけれど、何だかとてもふわふわゆるゆるした動きをしている。決して間違った振りをしてるわけじゃないので、先生も栞菜も困惑したように千聖を見ている。 「岡井、調子悪い?」 「いいえ、そんなことはありませんわ。それにこの曲は、私の大好きな曲ですの。」 「デスノ!?」 アーヤメテー!ヤバイー! 「梅田も大丈夫?」 「ハ、ハイワタシノコトハキニシナイデクダサイ」 もう千聖の顔をまともに見ることができない。私は必死で、最近あった悲しい出来事を頭の中に並べ立てて平静を保っていた。 「じゃあ先に、歌の確認やろうか。岡井、出だしいける?」 「はい。」 ちょ、ちょっと待って。歌は、歌はやめて!千聖! 「い~さ~ま~しい~~か~が~や~きの~」 小さな鈴が音を立てるような、生まれたての天使の産声のような愛らしい声で、両手を胸にそっと重ね、慈愛に満ちた表情で千聖が歌いだした。 「ぶはははははははははははh」 「えりかちゃん!?」 私はそのままたっぷり20分笑い続け、強制的に早退させられることになったのだった・・・・。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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「おーいいねいいね!岡井ちゃん萌えちゃんとかいってw」 「は、恥ずかしいです私」 白レースをふんだんにあしらったドレスに、ヘッドドレスをつけたちっさーを見て、私は手足両方を使って拍手をした。よく似合ってるのに、自信なさげにもじもじしてるのが可愛い。 「舞美さん・・・あの、私はいいので、何かお召しになっては?」 ああ、そうかあ。自分はキャミとパンツ一枚で、ちっさーをお人形にすることに夢中になっていた。 「あっじゃあさ、ちっさーが選んでよ。私に似合いそうなの。」 私がそうもちかけると、ちっさーは目を輝かせてクローゼットに張り付いた。 スカートやビスチェを私の前にいくつか並べて、なにやら独り言を言いながらクフフと楽しそうに笑っている。 「舞美さん、ちょっと御髪を。」 ちっさーが両手を私のうなじにまわして、髪をハーフアップになるように軽く持ち上げてきた。 ちょっとぷくっとふくらんだ小麦色の二の腕と、子犬みたいなキラキラ黒目を見ていたらふとイタズラを思いついた。 「ちっさー。」 名前を呼ぶと、ちっさーはキョトンと目を開いて動きを止めた。 私の髪を持ったまま固まった手首を捕まえて、思いっきり引き倒した。 「きゃっ!」 「うっひゃー助けてー!お嬢様におーそわーれるー!とかいってw」 あおむけに寝っころがった私の上に、ちっさーが倒れこんでいる。 「お、襲っ!?そんな、私」 赤くなったり青くなったりして、ちっさーはおろおろしだした。体を離せないように腕を掴んでいるから、あわててジタバタする可愛い姿を堪能できた。 この遊びは一部(栞菜とえり)には大好評だけれど、まだちっさーにやったことはなかった。(ちなみに残りの人たちにはマジ説教されたり気まずくなったり首絞められそうになったり) 期待通りのリアクションを見れて大満足だったので、体を開放してあげようとした。 「あはっもう冗談冗談、もういいよちっさー・・・・・ちっさー?」 手を緩めたけれど、ちっさーはそのまま仰向けの私の顔を真顔で覗き込んでいる。あ、こう見るとやっぱりイケメンだな岡井少年は。 と余計なことを考えていると、いきなりちっさーの手がキャミの肩紐をペロンと剥いだ。 「うおっ!」 「が、頑張ります私」 遠慮がちに私の手を押さえて、どうにかキャミを脱がそうとしているみたいだ。 「ちょ、ちっさー!」 そうだ、さっきちっさーは「珍しいことは何でも経験してみたい」とか言ってたんだった。 しかもお嬢様ちっさーはなっきぃ並みに何でも本気にしてしまうタイプだった。 ということは、今は一生懸命変質者になろうとしているのか。 「ちっさー冗談だってば!こら、聞いてるのかっ!」 私が体をひねると、バランスを崩したちっさーは短い悲鳴を上げて胸に飛び込んできた。 「そんな悪い子にはお仕置きだ!とかいってw」 「ま、舞美さん!あっあっそんな・・・」 カタン ドアの前で物音がして、振り向いたらお兄ちゃん(次男)が立っていた。 ―紅茶のおかわりを ―持って行くように言われ ―たの ―です、が あとずさりとともに徐々に声が遠くなって、静かに扉が閉まったと思ったら階段から人が落ちるすさまじい音がした。 ほぼ下着姿の妹がゴスロリ服の小さな美少女に押し倒されていて、反撃にスカートに手を突っ込んでいたらそれは驚くだろう。 ごめんね、お兄ちゃん。でも誰にも言いませんように。ていうかいつから見られてたんだろう。 「・・・さ、そろそろ服選びの続きしようか、ちっさー。」 「・・・そうですね。」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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「あ・・・おかえり、千聖。」 はしたないところを見られてしまった。正気に戻った私は恥ずかしくなって、すぐに椅子から降りようとした。 「ふ、ふふ」 「千聖?」 「グフフフッ愛理ぃ、何やってんの?ウケるぅ!」 千聖が私の椅子に飛び乗って、右手をかざして一緒に宣誓してきた。 「これぇ、何の誓い?」 私の顔を覗きこむその顔は、長年見知った半月眼のクシャクシャ笑顔だった。ちょ、ちょっとまさか元に戻ったの? 「よ、よかったね?ちっさー。うん、これでいいんだよ、ね?」 ・・・栞菜。 「私も元に戻ると思ってました」 ・・・えりかちゃん! 「ほら、これでよかったじゃないか!これで愛理と舞も仲直り・・・ってちっさー!?ちょっと!」 いきなり、肩にミシッと重い感触。 視線を向けると、千聖が腕にしがみついて体を持たれかけさせてきていた。 「ご、ごめんなさい、愛理。これが限界みたい。」 「へぇぇ?」 またお嬢様千聖の、わたあめみたいにふわふわした喋り方に戻った。 「・・・もしかして、今の全部」 「そう、千聖の演技。すごくない?女優になれるよ。舞もびっくりした。」 舞ちゃんが無理矢理栞菜側の椅子によじのぼって、私の手から千聖をもぎとろうとした。 させるか! 千聖の小さい体を抱え込んで遠ざけると、舞ちゃんはムッとした顔になった。 「何だー演技か!でも本当すごいよ!舞もちっさーも頑張ったじゃないか!」 「へへへ。今は短かったけど、3分ぐらいならずっとあのテンション維持できるんだよ!ね、千聖?」 3分て。ウルトラマンか。 「でも、こんなにぐったりしちゃうんじゃ千聖が可哀想。千聖の心はオモチャじゃないのに。」 「オモチャだなんて思ってないよ。大体、こっちが本来の千聖なんだよ。それを愛理がさぁ」 「待って、舞さん、愛理も。」 口論になりかけたところで、千聖が口を開いた。 「ありがとう、2人とも私のことを思ってくれているのよね?とても嬉しい。」 そんな風にニッコリされてしまうと、何も言えなくなる。 「あんまり無理しないように気をつけるから、このまま訓練を続けたいわ。でも、できれば今の私のことも好きになって欲しいの。」 前半は私の顔を、後半は舞ちゃんの顔を見つめながら千聖は腕に力を込めてきた。 「なっ、そ、と、とにかく、千聖の訓練は今までどおりしゅいこうしましゅから!舞の話はここまで!」 あ、今のちょっと可愛い。 舞ちゃんは今までみたくお嬢様千聖にあたれなくなって、照れて体をあちこちぶつけながら床に下りた。 「愛理ぃ。」 「・・・わかったって。さっき言ったとおり、キャラ作りには協力する。」 あんな天使みたいな笑顔で頼まれたら、しょうがないなあなんて甘くもなってしまう。 「よし、じゃあキュート集合!残り時間は特訓に使うよ!ちっさー、まずはノートの86ページを・・・」 コンコン 「誰かいますかー?」 コンコン 「愛理、いる?梨沙子だよー」 げっ 「梨沙子と、桃子だ。どうする?忙しいって言う?」 「いいよ。逃げることない。これはいい実戦になるよ。千聖、さっきの桃ちゃぁん!て言い方思い出して。」 ちょっとこめかみに青筋を立てながら、みんなのとまどいをまるっと無視して舞ちゃんがドアを開けた。 舞ちゃん、アグレッシブ! 「いらっしゃい。」 こうしてお嬢様千聖をめぐる、ベリVSキュートの第1ラウンドが幕を開けた。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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「あっ違う星って言っても、本当は私も千聖も地球人だってわかってるよ。でも、今までと違うっていう意味で」 「いや、そこはわかるから。」 熊井ちゃんはせっかく面白い例えを使うのに、変に生真面目だから、わざわざ説明をしないと気がすまないみたいだ。 うまく誘導しないと、こうやっていつまでたっても本題に入らなくなってしまう。 「何か、今までの千聖は思ったことは全部ポンポン言ってたのに、今は一度立ち止まって考えてから喋ってる気がする。話の内容はそんなに変わってないんだけど、あんまり暴走してないっていうか。」 ちょっとつまんなそうに、熊井ちゃんは口を尖らせた。 「私も結構そういうとこあるし、千聖はこっち側の人だと思ってたんだけどな。仲間が減って残念。何で変わっちゃったんだろう。・・・ねえ、聞いてる?」 空いてる部屋や控え室、自販機の近くのベンチなんかを探索しながらフンフンと生返事をしてたら、わき腹にチョップを食らった。 「うわうわっ、聞いてるよ!多分、熊井ちゃんがそう思うなら本当に変わっちゃったんだよ。熊井ちゃんだって、ちゃんと千聖のこと見てるんじゃん。優しいね。」 「嘘、本当に?嬉しいなぁ~」 熊井ちゃんは小さいことでも顔をくしゃくしゃにして、大きい赤ちゃんみたいに喜んでくれる。 ちょっと曇りに差し掛かっていた私の心も、この笑顔で簡単に快晴になった。 「もも、いないね~」 「楽屋も見てみる?でもちょっと遠いし先に他のとこ・・・あれ?ちょっと、熊井ちゃん隠れて」 私たちは近くの部屋に飛び込んで、隙間から頭だけ覗かせた。 すぐ前のトイレから、千聖が出てきたところだった。 もっと近くのトイレ行けばいいのに。 ウ●コ?と思ったけれど、熊井ちゃんはこの手の下ネタにマジギレすることがあるから、とりあえず黙っておくことにした。 「千聖、戻らないのかな?」 千聖はなぜか引き返さずに、みんなのいる部屋とは反対方向に歩いていった。 「わかった、多分うちらと一緒だよ。もものこと探してるんじゃない?」 「そっか!じゃあせっかくだし一緒に行きたいよね。茉麻、ちょっとシーッね。」 熊井ちゃんはいたずらを思いついた時のわくわくした顔になって、抜き足差し足で千聖の後をつけはじめた。 でも身軽で早足な千聖と、のんびり屋の熊井ちゃんでは、全然距離が縮まらない。 だんだん苛々しだした熊井ちゃんは、少しずつ大またになって競歩みたいな足取りで、千聖を追いかける。 「熊井ちゃん、バレちゃうよ。」 私の小声とほぼ同時に、気配に気づいたのか千聖がふと足を止めた。 「だーれだ!!」 振り向かれる前に、と慌てた熊井ちゃんが、千聖に手で目隠しをした・・・・はずだった。 「んぎゃんっ!」 千聖が瀕死の小犬のような声をあげた。 「あっ!やだ、違う!」 何事!?急いで千聖の前に回ると、熊井ちゃんの長い指が思いっきり顎と喉の境に食い込んでいた。 かなりの長身の熊井ちゃんと、ちっちゃい千聖では身長差が30cm近くある。 慌てたのと、うまく位置を掴めなかったせいで、目標よりだいぶ下のほうを捉えてしまったみたいだ。 「ひーん、どうしよう!千聖ごめんね、息できる?大丈夫?」 「ケホッケホッ・・・え、えと、ふわぁっ」 慌てた熊井ちゃんは、半泣きで首から手を離して肩をガクガク揺さぶった。 千聖は目を白黒させている。 「熊井ちゃん、とりあえず落ち着いて!ゆすっちゃ駄目だよ。」 熊井ちゃんはイマイチ自分の体のことをわかっていない。 舞美ちゃんみたいなスポーツ系じゃないとはいえ、十分上背はあるんだから、加減しないと思わぬ事故が起こるんだ。そう、今みたいに。 「やだーやだーもう!どうしよう、痛かったよね?」 「う、ん?びっくりした・・・ケホッ」 「ごめんねー、千聖。ジュース奢るから、ちょっとまぁたちに付き合ってくれる?」 パニックになってる熊井ちゃんを落ち着かせたかったので、とりあえず3人連れ立って自販機まで戻ることにした。 「はい、紅茶でいい?」 ベンチに座っている2人に、紙コップのミルクティーを差し出す。 「う、うん。ありがとう。本当にいいの?私お金払うよ。」 「いいって。びっくりさせちゃったお詫びで。」 千聖の喉元は真っ赤になっている。慌てた熊井ちゃんが全力でさすってあげたのかもしれない。 困惑した顔でカップに口をつける千聖は、横にいる熊井ちゃんを何とか励まそうとしているみたいだ。 「熊井ちゃーん。千聖は大丈夫だよ?びっくりして変な声出しちゃっただけ。」 熊井ちゃんは声もなくがっくりと肩を落としている。 整った顔立ちの熊井ちゃんは、黙っていると少し怖い感じになる。 その顔で落ち込んでいると、まるでこの世の終わりみたいな悲愴な表情になってしまう。 「本当だよ・・・別にそんなに落ち込まなくても。」 「だって私、こんな小っちゃい千聖に」 「「1歳しか違わないよ!」」 突っ込みが綺麗に綺麗にそろった。 「ク゛フフッ」 「あはっ」 いいなあ、この感じ。 千聖と私はこういうしょうもないことのタイミングがよく合う。 さっきは千聖が変わっちゃったなんて思ったけど、このノリが消えてないならまあ別にいいかな。 熊井ちゃんも私たちの方をチラッと見て「ふへっ」と少し笑った。 戻る TOP 次へ
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「千聖。ちょお~っと後ろ向いてて。」 肩を掴んでくるりと反転させると、私はおもむろにワンピースを脱ぎ捨てた。 「これ、使って。」 後ろから手を回して、自分がつけていたブラを千聖の胸にあてがう。 「えっ!で、でも、これ・・・えりかさんの・・・」 「大丈夫。私は、えーっと、よく考えたらもう一枚持ってた!だから気にしないで、つけて?」 背中のホックを止めてあげる間、ちょっと下に首を傾けて大人しくしてくれる姿が可愛らしい。 もし本物の妹がいたら、こういうふわふわした子がいいな。 お嬢様の千聖はこちらが困ってしまうほど従順で柔らかくて素直で、何でもしてあげたくなってしまう。 ああ、こんなに可愛いならもっと早く新しい千聖と接しておけばよかった。 一人で悶々としてる時間は無駄だった。 私はどうも、考えすぎて二の足を踏んでしまう傾向があるみたいだ。 私だけはみんなと千聖を客観的に見守るだなんて単なる口実で、結局ヘタレえりかだから千聖から逃げていただけだったんじゃないか。 これからは、もっとこっちの千聖とも積極的に関わっていこう。可愛いし。 「んー・・・ちょっと、アンダーが、緩い?あんまり動かなければ平気かな。」 体格差がかなりあるから仕方ないけど、最近お菓子の食べすぎを自認している身としてはちょっとへこまされる。 胸の形を整えてあげて、洋服をかぶせると、見事なお椀が2つできあがった。 「おぉ~いいね!千聖、隠すよりこうした方が絶対いいよ。女らしくて綺麗。」 「そ、そうですか。あの、ありがとうございます。」 もともとブラに備わっているぬいつけパット的なもののせいで、立派なおっぱいがさらに立体的になっているのは仕方ない。(舞美のに比べたら偽装にもならない程度!) 「えりかさん、本当にいろいろご迷惑をかけてしまって。」 「いいって~キュートの仲間じゃないの。これからも何でも言ってよ。」 「はい。」 前の千聖も、今の千聖も、やっぱり笑顔が抜群に可愛い。 この顔を見せられると、つられてにっこりしてしまう。 皆がお嬢様千聖に甘くなってしまうのがなんとなくわかる気がした。 楽屋に戻るとすぐ、私はマネージャーの元へ急行した。 「ちょっと、お耳を拝借・・・・」 「・・・・というわけなんだよ、なっきぃ。いろいろ心配かけてごめんね。」 衣装合わせを終えた私は、なっきぃを誘って、隅っこの方で私と千聖の空白の数十分について説明をした。 目線の先には、胸元を押さえてうらめしそうにこちらを見るマネージャー(巨乳)。 「う~ん。それはいい話だねといいたいところなんだけど、1個言ってもいい?」 「はい。」 「別に、えりかちゃんが千聖にブラジャー貸す意味なくない?その行動ムダじゃない?えりかちゃんはそのまま自分のブラつけてればよかったんじゃない?」 「うっ」 「ていうか、すぐ近くにスーパーあるんだから買いに行けばよかったと思うんだけど。何もマネージャーから剥ぎ取らなくても。頼んでくれればなっきぃが行ったよぅ。」 「ぐっ」 「もーびっくりしたよ。えりかちゃんいきなりマネージャーに脱いで!とか言い出すんだもん。ちょっと冷静になればさぁ・・・ってえりかちゃん!そんなへこまないでよぅ。」 「1個じゃなくていっぱい言ったね・・・」 本当におっしゃるとおりすぎて、さっきまでの得意げな気分はしぼんでしまった。 要領がいい悪い以前に、判断がめちゃくちゃじゃないか、私。 いつもより心もとない胸元に、余計に風が吹きすさんだ。 「ごめんごめん。なっきぃつい言いすぎちゃうね。でも、千聖が嬉しそうだからこれで良かったんだと思うよ本当に。うん。それに、えりかちゃんが千聖のこと気にかけてたってわかってなっきぃも安心した。」 「・・・本当?」 なっきぃが指差す方向を見ると、ちょうど千聖がサイヤ人のような衣装を合わせているところだった。私となっきぃの姿を確認すると、軽く手を振ってきた。 「明るくなったよね、お嬢様。きっとえりかちゃんのおかげだよ。」 「なっきぃ・・・」 お姉ちゃんみたいな口調でなっきぃに励まされて、じんわり胸が熱くなった。 「あーでも、あの胸はちょっとヤバいね。えりかちゃんのパットのせいだ。キュフフ」 「・・・もうしわけありませんでした。」 数日後、私のプチ偽装ブラを気に入ってくれた千聖が、ライブトークの時にまでそれを装着して【ロケットおっぱい】【メロンπ】【( 三 ) 】などと話題をかっさらうことになったのはご愛嬌。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -