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アニメネタ一覧>少年よこれが絶望だ アニメ出身のカードが産廃化してOCGに登場した、 高額カードが再録されたと思ったらノーマル(笑)と判明したなど、テンションが下がった時に発せられる言葉。 テンションが上がった際に言われるふぉおおおおお!とは対になっているとも言える。 元ネタはアニメ5D s141話。 自身のプレイングによりジャックと龍可が窮地へと追いられていく中 絶望の番人アポリアから龍亞へ投げつけられた 「少年、これが絶望だ。ターンエンド」というセリフから。 元ネタ通り「ターンエンド」を語尾に付けたり、単に「絶望」とだけ言う、 更には「少年よこれが○○だ」などと○○の部分に別の単語を入れるなど派生が非常に多い。 ちなみに、2010年最後の放送のセリフである。
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837 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/08/27(金) 13 34 00 ID ??? アスナ「胸って、でかすぎると肩がこるんだってー」 ノエル「あんたはその心配がなさそうだけどね」 アスナ「ひどい! 今のひどい!!」 エリシア「形はそれなりに良いと思いますけど・・・・ほらっ!」 アスナ「にぁあ~~~!? だ、だめ~~~~!」 ノエル「おーおー。女二人の絡み合う姿は映えますなー」 ティエリア「なあ、ロックオン。ボクは、女性というものに絶望してしまいそうだ」 ロックオン「あっはっは。スメラギさん見てたら、とっくの昔に諦めついちまうって♪」
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少年よ、涙を拭え エディ 羽ばたきの村 AP 敵Lv Wave 経験値 ゴールド 経験値効率 (1) 9 9 5 150 100 16.66 (2) 5 300 200 33.33 (3) 5 450 300 50 報酬(1) アルカナコイン100,ゴールド150 報酬(2) ゴールド300 報酬(3) なし BONUS 成長のアルカナⅠ(戦士) (1) +... Wave エネミー HP 通常攻撃 スキル スキル効果 備考 1 ゴブリンシールド・攻×3 1200 75 2 ゴブリンシールド・攻 ゴブリンウォリアー×2 900 120 3 ゴブリンシールド・攻×4 4 ゴブリンシールド・攻×3 ゴブリンウォリアー 5 ゴブリン将軍・盾 240 回復 360 BOSS ゴブリンシールド・攻×2 コメント (2) +... Wave エネミー HP 通常攻撃 スキル スキル効果 備考 1 ゴブリンシールド・攻×3 1200 75 2 ゴブリンシールド・攻 ゴブリンウォリアー×2 900 120 3 ゴブリンシールド・攻×5 4 ゴブリンシールド・攻×3 ゴブリンウォリアー×3 5 ゴブリンシールド・攻×2 ゴブリン将軍・盾 9000 192 回復 288 BOSS コメント (3) +... Wave エネミー HP 通常攻撃 スキル スキル効果 備考 1 ゴブリンシールド・攻×3 1200 75 2 ゴブリンシールド・攻 ゴブリンウォリアー×2 900 120 3 ゴブリンシールド・攻×6 4 ゴブリンシールド・攻×3 ゴブリンウォリアー×3 |BGCOLOR(lightgray) CENTER 5|ゴブリン将軍・盾|11000|240|回復|360|BOSS|5780 ゴブリンシールド・攻×2 ゴブリンアーチャー 600 105 狙撃 210 コメント
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狼少年よ、走れ タイトル:狼少年よ、走れ 作者:要 掲載号:2013年文化祭特別誌「citrus」 とある時代とある荒野にぽつんと一つの街があった 首都と港を繋ぐ道の途中の宿屋街として栄えていた そこにやせっぽっちの少年が一人いた 両親は流行り病で死に、年老いた時計職人のお爺さんが唯一の家族だった ある日少年は言った 「お爺さん、僕は働きたい。子供にも出来る仕事はない?」 お爺さんは仕事の手を止めて言い含めるように言った 「馬鹿言うんじゃない。そんなひょろひょろな体で何をするというのじゃい。それよりもこの部分をちぃとみてくれ」 お爺さんは目が悪くなり始め物がよく見えなくなっていた 少年はいつもお爺さんの目になって仕事を手伝った 残念ながら不器用なので自分では時計をつくれなかったが 時間があると少年は街に繰り出し自分でも出来そうな仕事を探すのだが、大半が力仕事でそうでないものは手先の器用さを求めるもので、少年にはできそうもなかった 少年は半分あきらめお爺さんのお手伝いを続けるのだった しかしお爺さんは手もだんだん上手く動かせなくなってしまい、品物を作ることが出来なくなりはじめてしまった 少年は時計を作れない 貯えもほとんどなく少年はまた仕事を探し始めた しかし前と変わらず少年が出来そうな仕事はなく、少年は途方に暮れた このまま仕事が無ければ、お爺さんも自分も、食べ物を買うお金も、暖炉にくべる薪を買うお金もないのだ そんなある冬の日の昼 街の外れのほうから空気を裂くような鐘の音と、獣の遠吠えが聞こえて来た おじいさんは慌てて店仕舞いを始め、少年に言った 「椅子と机をドアに。入られたら大変じゃ」 「椅子と机はこの間薪にしちゃったよ」 少年がそう言うと、おじいさんは黙って店の一番の振り子時計を扉の前に引き倒した 「なにしてるのさ!」 おじいさんがその時計を気に入っていて売りに出していないことを知っている少年は、思わず叫んだ 「こわれちゃうよ!」 「しーっ。あいつらが来る前に奥に隠れるぞ」 おじいさんは、細い腕のどこからそんな力が出ているのかわからないほどの力で少年を引っ張った 「あいつらって?」 少年は驚きつつも聞いた 「北の谷の狼さ」 お店の奥まったところに工具の山に囲まれながら、二人は座った 「お前が生まれる少し前、わしがもう少し若くて元気だったころにな、突然狼の群れがこの街を襲ったのじゃ」 オォーーン…… 遠吠えは近いところに来ているようだった 「たかが狼の群れと侮ったのが間違いでな。奴らは一斉に街の人々を襲ったり、店の物を掻っ攫ったり壊したりしていってな」 外から悲鳴が聞こえる 狼だーっと叫ぶ声も聞こえる 「兵隊さんに助けてもらってなければ今頃わしも死んでたかもしれん」 店の通り側の窓にはさっきから人ならぬ者の影がちらほらしていて狼だーっと叫んでいた声も今や沈黙に呑まれていた 「その時から街の周りにはいくつか見張り台が設けられたんじゃが……」 突然、店のドアが乱暴に叩かれた 二人は揃ってびくりとしましたが無理矢理開けようとして、先程の振り子時計にドアが当たり開けられず、舌打ちのような声が聞こえただけでまた静かになる 止めていた息を吐き、おじいさんはまた喋り始めた 「……気が緩んでいたんじゃな。何年も狼が襲って来なかったのじゃから仕方ないか」 外は静寂に包まれていた 凶悪な足音は遠くへ消え去り、ざわめきが漏れ始めていた 「そろそろ大丈夫じゃろうて」 おじいさんが言うと外から狼が帰ったぞーっと言う声が聞こえ、バタバタと扉を開けたり抱き合って泣いたり、街は騒々しくなった 「外の様子を見てくるよ」 少年はそういって振り子時計を退かして外に出た そして そこに見たのはまるで地獄で 先程までの活気溢れる街はどこに行ったのかと言いたくなるほどの惨状が、目の前に広がっていた 肉屋はあらかたの商品を食い尽くされ、ある民家はドアを破られて食べ物を取られ、引っ掻かれて血を流している人もいた 死人も出ているようで、名前を呼ぶ悲痛な叫びが街にこだましていた 道には幾筋もの血の跡や肉のかけら、そして無数の足跡が残っていた 少年はその惨劇を見て、憤りを感じた 二度とこのような惨劇を繰り返してはならないと 狼たちをこの街に入れてはいけないと思った 狼騒ぎもようやく収まりを見せ、荒らされた街も少し、元に戻り始めた頃 少年は街の外縁にいた 今回の騒ぎを受け、見張り台が増やされ、その分必要となった見張り役を募集し始めたのだ 少年はその仕事を受けようと思い、やってきた しかし見張りのおじさんは苦笑しながら言った 「おいおい。そんなちっけぇ体で大丈夫か? 見張りって言ったって、一用は兵隊さんってことだ。結構辛い仕事になるがぁ、どうだ?」 「大丈夫です。視力には自信があるので、役に立てると思います」 少年は毅然とした態度でおじさんを見た おじさんは少し迷ったような顔をして言った 「……うん、そこまで言うなら仕方ねぇな」 おじさんは机の上に置いてあった紙を手にとって、続けた 「ここにサインしてくれればいいんだが、お前さん字は書けるかい?」 「いえ、あ、でも自分の名前くらいなら書けます」 ぎこちなく名前を書くとおじさんは少し悲しい顔をしてその紙を受け取りじっと少年の顔を見た かつて、おじさんにも息子がいましたが、戦争で死んでしまったのだ 無づこが戦争に行くと言い出したときのことを思い出しておじさんは悲しくなりました 少年はその時の息子と同じ顔をしていたのです 「それじゃあ明日から頼むよ。朝の鐘が鳴るまでにこの見張り台に来て欲しい。わかったか?」 少年は頷いて家の歩に向かって駆けていった 「……これでよかったのかねぇ」 おじさんは複雑そうな顔で見送ったのだった 少年は興奮していた 初めて自らの手でお金を稼ぐことができるのだ お爺さんに無理をさせずに済む そしてなによりも、あの狼達からこの街を守る一員となれたことが嬉しかったのだ 家に帰ってみると、お爺さんはうまく動かない手を憎々しげに見ながら、時計の修理にいそしんでいた もちろん見張りになったことはお爺さんには話していなかった 反対されることは明白だったからである 少年は心に誓った この街とお爺さんを、ぼくは守るんだと 次の日、少年は約束通り早起きして見張り台に向かった 見張り台にはすでに、昨日のおじさんがいて 「寝坊せずに来たか」 にやりと笑いながらおじさんは言った その日は仕事内容を教えてもらうことに終始した 狼の根城は北の谷にあるため、狼がこの街を襲う時にはこの見張り台から見えるという しかし草木茂る街の外では、なかなか狼たちを見つけることはできない この間の襲撃も見張りが気づくことができず、狼の侵入を許してしまったらしい 結局初日はレクチャーだけにとどまり、見張り自体の仕事はまた次の日となった それから何週間かして、少年は見張り台にいた ようやく仕事にも慣れてきて、同僚、というには年が離れすぎた他の見張りの人とも仲良くなり始めた頃 もはや見慣れてきた草原を見ていると、遠くの方で何かが動いた 少年はお喋りをやめてその方向を注視し、灰色の背中が草むらの中を蠢いているのが見えたとき、少年は叫んだ 「狼だ!」 彼らは身をかがめ、草むらをかき分け、ひたすら進む 十数頭の狼の群れは、街めがけて一心不乱に進んでいた 「この間は傑作でしたな、兄貴」 一頭の狼が声を潜めながらもにやりとして言った 声をかけられたリーダー格の狼は花を鳴らして答えた 「フン。あいつら気が抜けてやがるぜ。少しばかり襲わないでやってたら俺らの怖さを忘れちまったみてぇだ」 その獰猛な顔つきをさらに凶悪に歪めながら笑う 「鐘を鳴らす前に俺らはあの街に入れた。所詮人間ってとこだろうさ」 周りの狼も笑う 「さぁて、今日も狩りをはじめるか」 颯爽と、しかし油断なく進む彼らは、想像だにしない音を聞いた 唐突に響く、鐘の音を 街は慌しくなっていた 鐘の音が響き、一気に緊張が走ったのだ この間の惨劇を忘れた人なんていない 多くの人は我さきにと家に帰り、狼にはいられないように対策をしていた その中でおじいさんは少年が帰ってこないのを心配して家先で少年を待っていた しかしいつまで待っても帰ってこないため、裏の勝手口以外を締め切って、狼に備えた しかし一番驚いたのは狼たちである 「おい、気づかれたぞ、どういうことだ!?」 一頭が慌てたように歩みを止めた この距離では着いた頃には、何らかの対策を取られているだろう 「…このままいっても成果はないだろう。今日は引き上げるぞ」 狼たちは一斉に向きを変えて谷の方向へ帰っていった その姿を見ていた少年ら、見張りの人々からは歓声の声が上がった 「あいつら諦めていったな! まぁこんなに早く発見されるとは思ってなかったんだろ」 にやりとしながら、あのおじさんは言った 少年は自分の視界から一匹も狼がいなくなるのを確認して、鐘の係りの人に、警戒解除の鐘を鳴らしてもらうことにした 一方街では、人々が鐘を聞き、こもっていた家から次々と出てきていた 「結局狼は来なかったな」 「見張りが過敏に反応して鐘を鳴らしちゃったのよ」 安心した人々は日々の営みに戻り、雑談を交わしてゆく お爺さんはひと安心しながら、少年がどこに行ったのか、知り合いに聞いてみることにした その日、少年が仕事から戻ると、おじいさんにこっぴどく叱られた お爺さんは知り合いから、少年が見張りの仕事についていることを聞いたのであった 「まったく、今回は無事だったからいいものを。危険な仕事をなぜやる」 お爺さんはそう問いかけた 少年は言いった みんなを守るためだと おじいさんはそれを黙って聞くと、静かにため息をついて、自分の仕事を始めた 少年はうつむいて、でもすぐに前を向き直し、自分の部屋に戻った それから二年が過ぎようとしていた 何度か狼は襲撃に来たものの、その度少年が早期に見つけ、一度も被害を受けずに済んだ 「それにしても、どうしてこの頃は襲撃が多いんだろうな」 「ああ。昔はもっと間隔は長かったのに」 見張りの人は言う 「数年に一度とかだったんだろ? 今はコイツの目があるから安心だけどよ」 もう一人は少しあまり成長していない少年の肩を抱きながら言う その場は笑いに包まれ、それからは仕事に集中した しかし少年は先ほどの話題が気になっていた どうして狼は人の街なんかを襲うのだろうか、と その日は何事もなく過ぎ、少年は帰宅した 狼達は飢えていた なかなか獲物を見つけることができない日々が続いているのだった 「……兄貴、どうしてこんなに獲物がすくねぇんでしょうかね」 一頭の狼がそう問う 尋ねられたリーダー格の一頭は、目を細めながら言った 「人間さ。あいつらが片っ端から取っちまう。兎も猪もこのへんにいた奴らはみんな食われちまったのさ」 憎々しげに唸る声が聞こえる 「やっぱり行くしかねぇんじゃないでしょうかね」 一頭が言う 「……」 しばらくの沈黙とともに、一頭が立ち上がった 「明日だ」 狼が大きな決断を下した次の日のこと 少年ら見張りは、いつものように見張り台にいた 少年は地平線に目を凝らすが、狼達は来ていないようだった 街はいつもどおり賑やかで、狼たちのことなぞ、もう気にしていなかった 見張りのおかげてこの二年間は平和だった 少年は、賑やかな街を向いていた目を、また荒野に移した 地平線に目をやり、少しずつ目を移していく と、視界の下の方で何やら動く気配がした 少年が不審がって目を向けると、 「!?」 さきほとまで静まり返っていた草むらから、突如、十数匹の狼が湧いて出てきたのだ 「狼だ!」 「なんでこんな近くに!」 少年は思った 彼らは潜んでいたのだ 夜じゅうずっと 昼になって多くの物が店先や家先に出てくる時間帯を狙って、彼らは飛び出してきた 「鐘を!」 狼が来ることを知らせる鐘を鳴らす いつもよりも発見した位置が街に近いため、あまり猶予はない しかし、街に目を向けた少年の目には、信じがたい光景が映っていた そこには慌てふためく人々の姿はなく、常の日常が広がっていたのだ 街に鐘の音が響いた それを聞いた人々は五月蝿そうに音源を一瞥して、日常に戻っていく 「鐘がなったな」 「どうせ今日も来ないでしょ。最近来たことなんてないし」 「まぁそうだな。それよりもこの間の…」 人々は日常に戻っていく 鐘の音を気にせずに 少年は焦った 見れば、見張り台に近い区画は結構準備しているものの、奥の地区は変わらず人々が行き交っている このままでは街は大変なことになる 「おいおい、皆どうしたってんだよ…」 おじさんが顔を引きつらせながら言う 少年はいてもたってもいられなくなり、見張り台から降りた 「おい! 危険だぞ! もう狼がそこまで迫ってる!」 少年は声を無視して走った 狼よりも早く、ちゃんと伝えないと! 人々は平和に慣れてしまった またあんな光景を見たくはない 急がないと……! 少年は走った かつてないほど全力で走った 街に入り、声高に叫ぶ 狼が来るぞと そしてまた走り出す 後ろから狼が近づいてくる足音が聞こえるような気がした 足がもつれる 崩れそうになる体を支えながら、自分に言い聞かせる ここで倒れたら、多くの人が死んでしまう みんなに狼の襲来を知らせないと! なんども叫ぶ 狼が来たぞと それでも多くの人は信じなかった 後ろに迫る遠吠えを聞くまで彼らは信じない それでも少年は走った そして少年の鬼気迫る様子を見た人はようやく気づいた 本当に狼が来るのだと 少年は走った 後ろからは狼の息遣いが聞こえる それでも走る まだ気づいていない人のもとに 狼は去っていった 突然の襲来、そして多くの人々が警戒を怠って鐘が鳴っても準備をしなかったこともあり、被害はゼロとまではいかなかったものの、二年前程にはならなかった 一人の少年が、命に代えて勝ち取った成果である
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881日登町よ、これがダイマだ2017/03/25(土) 15 32 14.68ID khVhKCxq0 874 ダリル「うおおおおお!」 イオ「死ねえええええええ!!」 セレーネ「あらら……」 マイ「またやってますねあの二人」 イオ「そんなアッガイごときで俺のアトラスガンダムに勝てるかよ!」 ダリル「このアッガイは仲間が俺の為に用意してくれたものだ! お前なんかに負けはしない!」 イオ「青臭えこと言いやがって! このアトラスはてめえのサイコザクにリベンジするために用意した新たな力だ! 先日配信が始まった『機動戦士ガンダムサンダーボルト』第五話でも大活躍してるぞ!」 ダリル「ぐうっ、なんてパワーだ! 3月24日より各動画配信サイトで大好評配信中の『機動戦士ガンダムサンダーボルト』第五話で見せた性能は伊達じゃなかったのか!」 イオ「それだけじゃねえ、4月28日には第6話が配信予定だ! そこでてめえを更に追い込む!」 ダリル「負けるか! 俺には守るべき人も信じ合う仲間もいる!なにより『機動戦士ガンダムサンダーボルト』シーズン2は全8話だ! こんなところで負けられるかよ!」 イオ「そしてなんと! 今なら俺たちの因縁の始まりを描いた『機動戦士ガンダムサンダーボルト』シーズン1が、公式サイトで期間限定無料配信中だ!」 ダリル「なんだって!? そんなの……観るしかないじゃないか!!」 イオ「『機動戦士ガンダムサンダーボルト』シーズン1は3月31日までの期間限定無料配信!」 ダリル「シーズン1全4話を再編集した『機動戦士ガンダムサンダーボルトDECEMBER SKY』もブルーレイDVDで好評発売中ー!!」 イオ・ダリル「「うおおおおおおおおおおおお!!」」 セレーネ「なんつー露骨な宣伝……!」 マイ「じつは仲いいんじゃないんでしょうかあの二人」
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少年よ、我にかえれ ◆1yqnHVqBO6 レオが生まれたところは厳しい風雪に毎日覆われ、 強力な機械たちが村を囲むように徘徊していた。 外にでることを少年だったレオは決して許されず。 蟻の巣のようなコミュニティがレオの世界だった。 しかしある日、村を防っていた老いた防人がついに倒れ。 村に機械が大挙して押し寄せ。 少年の前で彼の家族が殺されたとき。 少年の心は、少年の世界は壊れた。 壊れたものは痛みを訴える。 欠けたものを補うために。 壊れた心が発する衝動はレオの頭を蹂躙し、 痛みで狂いかけたレオは縋るように願い、防人となった。 空高く、陽はまだそこにあるというのに 流星がいくつもいくつも舞い落ちる。 赤い線は虹の軌道で地へと落ち、 しかし落ちきることなく霧散する。 人がそれを見たら“願い”を託したか。 たとえその流星を創り出しているのが 年若い二人の少年のぶつかりあいだったとしても。 「“願い”は正義と言ったな」 レオの焔剣が不規則的な筋で杉村へと襲いかかる。 「なら正義はなんだ」 しかし杉村は掌に空気の塊を集めると 剣にぶつけ逸らし、流れるようにレオの懐に潜りこむ。 「どこにでもあるものだ」 肩を護神像と合体し装甲に包まれたレオの胸部に 押し当て、踏み込みをもってレオに体当りする。 後方にステップしたレオは杉村が上段後ろ回し蹴りを 左腕でガードし、足払いを放った。 「抽象的だな。おまえの正義はそんなものか」 レオは失望に鼻を鳴らし。 対する杉村の表情は窺い知れない。 「おまえはこの殺し合いを破壊するんだろう。 だが仮に脱出して、おまえたちは何をするつもりだ」 レオが語り始めると杉村は構えたまま耳を傾ける。 「オレには帰る場所はない。 そんなのはオレだけじゃないだろう。 “願い”を求めることでしか 自分の居場所を確立できない奴は」 「……帰るところは俺にだってないさ」 「そうか。なら“願い”を叶えるチャンスを 奪おうしているのがわかってるか? 人を殺さなくても“願い”は叶うとでも言うつもりか? 笑わせるな。常人と隔絶した力を得ても 壊れた心の鎮痛剤にしかならないというのに」 「そうだな。俺はお前の言葉を否定することはできない」 「否定できないなら。おまえの正義はそんなものだ。 おまえの“願い”も結局は人を壊してでしか成り立たない」 沈黙したままの杉村を見限るかのように レオは焔剣を更に大きくする。 「絆を結ぶなんて世迷いごとは通用しねえんだよ」 高く振り上げた焔剣は太陽の光をも吸い込むほどの 熱を出している。周囲の草や花がちりちりと焼け焦げていった。 レオは大きく足を前に出し、剣を振り下ろす。 「否定もできず、無力なまま死ね」 「俺はお前を否定できない。 そう、否定できないし――――」 焔剣は杉村の中心線を綺麗になぞるかたちで 降ろされる。それはギロチンよりも鮮やかに彼を殺すだろう。 彼の命と“願い”を灰に変えて。 「――――俺は誰も否定するつもりはない」 杉村の体が二つにわかたれる寸前。 大地を蹴った杉村は空高く飛び上がる。 レオの追撃が牙となって再び杉村へ噛みつくより早く、 杉村は宙に産みだした空気の塊を蹴った。 自身の体を一個のミサイルに見立て 杉村はレオへと突き刺さらんとする。 レオは舌打ちすると迷わず焔剣を捨て、 拳で杉村を迎え撃つ。 アシャが産みだした炎を纏った拳は 体重と速度を乗せることで 何をも砕き燃やす槌となるだろう。 「俺の正義は」 交差する拳と拳。 相手に当たるのは僅差でレオの方が早い。 横殴りに打ちつけることで 杉村の体当たりを逸らす。 しかし、 「俺の正義は!」 杉村の拳が開かれるとそこから かすかに輝く光が舞った。 太陽が眩しいほどに周囲を照らし。 暴力的な赤い炎が杉村とレオ以外を 世界から追い出しても。 その光は 「俺だけのものじゃないからだ!」 レオの心に触れた。 衝撃がレオの視界を揺さぶり。 たまらずレオはエネルギーのぶつかり合いで開いた クレーターの底に埋まる。 レオの脳に護神像の“願い”を インストールするときのように 自らのものとは違う記憶が流れこんでくる。 腕の中で幼馴染の少女が息絶え、 少年の目の前で命が零れ落ちていく。 愛情を向けていた少女に別れを告げられ 徐々に閉じられていく世界。 ずきん。と、レオの脳が疼きだした。 それは、赤き血の洗礼により 失われた者のはずだったのが。 記憶に触れ、忘却の砂漠に 沈んでいくはずの痛みが浮かび上がる。 「痛っ……。なら言ってみろよ! テメエの正義が。この記憶の先の“願い”が何か!」 クレーターの底から跳び上がったレオは 彼と同じように記憶の奔流に 顔をしかめていた杉村に問いかける。 叫びながら、癇癪を起こした少年の様に。 「俺は思い出したんだ! 俺は強く在りたかったんだって!」 「だからなんだ!」 「俺は今まで刻んできたんだ。 雛苺の言葉を! 貴子の気高さを! ガッシュの強さを! 刻んで、願ったんだ!」 「何を!」 「みんなの陽のあたる場所を守りたいって! 誰かじゃない、みんなが笑顔でいられる心であればいいと!」 「みんな!? みんなと言ったか!」 杉村の言葉に掘り起こされる脳の痛みに耐え、 レオの顔に脂汗が滲んでいる。 「そんなのは不可能だって――」 「不可能でもいい!」 杉村は拳を突き出し、 「不可能なことが俺の“願い”でも! 歩みを止める気はない! 誰にもできないことでも、 誰かと絆を結べばたしかにそれは近づくんだ!」 「だからオレとも絆を結ぶってか!? あの人形を死に追いやったのが誰だと思ってる! オレが痛みから逃れるためにどれだけの “願い”を喰らったと思ってる!」 レオは足を大きく開き腰を落とし 重心を低くする。 「わかりあえるわけがないだろう!」 「わかりあえないからこそ!」 瞳を黒い布で覆った杉村の両眼が 熱く燃え上がるのがわかる。 純粋な、一片の枯れ木すらない竜巻が 渦巻いているのがわかる。 「絆を結ぶんだ! いつか、おまえの陽の当たる 場所を守りに行けるその時のために! 俺の世界が、心が更に広がるように!」 酷くなっていく頭痛を振り払おうと大きく息を吐き。 苛立ちを隠しもせずにレオは口を開く。 「……教えてやるよスギムラ・ヒロキ。 オレにもひとつだけまだあるんだ。 失いたくないものが」 しっかりと確認するために レオは両手を開き、再び握り締める。 「防人であるオレだ。 オレにたくさんのことを教えて、 いままで一緒に生きてきた護神像アシャだ」 レオの声は今までとは一転して静かな声だった。 静かに、迫り来る、追いかけてくる者を諦観に見る声だった。 「防人は山ほどの“願い”を背負う。 そしてその中でも貫ける 自分の“願い”がなければいけない」 けれど、とレオは自重に口を歪め。 杉村を投げやりに見やった。 「オレはもう願うものがないんだ。 機械への憎しみも。偏頭痛を治す“願い”も。 みんなここでなくなったんだ」 レオの言葉がどう聞こえたのか。 杉村は沈痛な面持ちで口を引き結ぶ。 「防人は願うのをやめたら自我そのものを喪うんだ。 だからオレは“願い”を知りたいんだ。 それが赤き血の神のものでも。 知って、なにかを”願い”たいんだ」 水を打ったような静けさの中、 レオは告げる。これから繰り出す技を。 「これは、仮面ライダー龍騎が使っていた技だ。 おまえの“願い”が本物なら耐えられるはずだ。 そしてオレを殺して先に行けばいい。 どうせ先がないんだからな」 開いていた足を更に開き。 両腕を旋回し、それと連動するように アシャの炎で作った炎龍を背後に置く。 「オレは防人で、“願い”がなければ 喰われる運命だ。だからおまえと絆を結んでも オレは戦いをやめることはできない」 「……違う」 「違わねえよ」 炎龍に十分な炎が蓄えられ、 周囲の景色が蜃気楼に歪む。 レオが天高く跳躍すると、 追いかけるように炎龍を空へと昇り。 炎龍はひとつの槍となり滞空する レオの背中を強く強く押し出す。 「…………わかった。 なら俺はすべてを賭けてお前に応えよう」 右足を後ろに置き、 体重を後方に置いた杉村は飛来するレオを迎える。 「ははっ……けっきょく殺し合いになるんだ。 わかっただろスギムラ」 摩擦熱により更なる炎を纏いレオは空を落ちていく。 「違う。違うんだ」 風圧が杉村にレオの位置を教える。 杉村は掌にありったけの空気を込め。 燃えるサジタリウスの矢となったレオの蹴りを受け止める。 「何が違うんだ」 「……これは言葉だ」 「……なに?」 「俺の武器は言葉だ防人。 俺が語り手でおまえが聞き手だ。 誰も死ぬ必要はない。 そして言葉でも足りないのなら…… 言葉では拾えきれない思いを、 拳に…………乗せる!」 爆発した空間の中、 右手で空気のシールドを展開し、 杉村はその場に踏みとどまる。 「だから、無意味だって言ってるだろ! オレは何を言われようと止まる気はねえ!」 「“願い”がないから。 誰かの“願い”を知りたいという お前のそれはなんだ!? それこそが、心を突き動かす想いなんじゃないのか!?」 「違う! これは! オレでいたいからそうするんだ!」 「ならそうし続ければいい! 前に走り続ければいい!」 「できるわけねえだろう!? 世界は狭かったんだよ!」 「できる! 俺達が広げる世界なら!」 「オレは今まで――」 そのとき、杉村は叫んだ。 爆風が風に掻き乱され、 風景が混濁としたなか、たしかに。 「今まで!? 俺もおまえも違う世界で、 時代で、人生で生きてきて! 今、このとき初めて会ったんだ!」 「そんなことは言われなくても……!」 「わかってないだろう! 俺も、お前も今の今まで互いを 殺し合いと“願い”という尺度でしか見ていなかったんだ!」 「当然だ!」 爆風の渦の中、レオは最後の力を振り絞り、 アシャの炎を産み出し、右脚に展開する。 「悲しい話だ! 違う世界にある可能性を見ないなんて。 走り続ける今を明日への道だと思わないなんて!」 突き出した左腕をくるりと捻り、 杉村が手の甲を外側にする。 それに合わせて空気も捻じれ、レオの炎を幾分削る。 「そんな小細工で!」 憤りに声を荒げても杉村は心を穏やかに保ったまま。 伸びきった左腕、その肘に右の拳を添えた。 レオは知らない。 この動きが、仮面ライダーファムを 打倒した際のものと同じであると。 「だから俺はこの拳にさらに世界をこめる! 大人に捨てられ。大切な人を守れず、 怪物の前では震えることしかできなかった俺の世界を!」 「上等だ、やってみろ! どの道、今のままじゃ何も手に入れられねえんだ」 左手を捻り、相手の攻撃をわずかに逸らす。 そして、左腕をカタパルトに見立て、 添わせた右手を左腕を引くと同時に前へと打つ。 「両眼を失って、仲間に守られて、仲間を失って。 そのとき抱いた傷を抱きしめて。 俺はこのままじゃ嫌だってわかったんだ。 このまま終わるのは嫌なんだよ防人!」 「奇遇だな! オレもこのままじゃいられねえんだよ!」 中国拳法では初歩の技。 護神像のデータにもあった レオも知っていたその技。 名を――――崩拳という。 地を走るのではなく、 空を崩すように飛ぶ拳。 右手がレオの蹴りを遂に押し返し、 炎の壁をついに消失し、レオの鳩尾へと 吸い込まれるように進み。ついに砕いた。 だがそれでも。 「おまえは生身で。 オレは鋼だ。惜しかったな」 装甲が砕け散った先に現れた 金髪の少年の体には届かず。 杉村の拳は空を………………。 「……雛苺が俺に言ったんだ。 明日をくれてありがとうと。 みんなの明日を守れと」 杉村の拳を暖かく包んだ光があった。 綿毛のようにやさしくたおやかに瞬く命。 決勝の欠片。そこにさらなる風が集まり。 「これでも足りないのなら さらに“願い”をこめる。 言葉にも、拳にもならない、 世界から溢れ出る“願い”を。 だからこれは俺の正義で――」 とん、と音がして、 レオの腹部に杉村の右手が優しく触れた。 優しく触れ、そこに篭った風が。 「――俺達の“願い”だ!」 ――――――。 頭痛は治まり、レオの前に空が広がる。 「本当に殺さなかったとはな」 皮肉に笑みを浮かべ、 レオは隣に立つ杉村を見た。 「……たしかに、世界は広いな」 「ああ」 「そもそもお前がほとんど一般人っていうのが…… 赤き血の神は化け物か」 「お前とそんなに変わらないと思うんだけどなあ」 杉村は困惑して鼻の頭に指を当てる。 「オレはな杉村」 レオは体を起こして瞳を閉じ、暗闇を見た。 自分に流れる血と同じ黒色を。 「初めて頭痛もノイズもない眼で 世界を見たとき、思ったんだ」 杉村はレオに顔を向け、 紅く滲んだ布地越しにレオを見つめる。 「世界はきれいなんだなって」 「そう……だな」 自分の心のどこを探しても かつて抱いていた、焼けつくような衝動は見当たらない。 だけれど、レオの胸の中にはなにかに疼く心があるのを 今のレオは受け入れることができた。 「これからどうするんだ?」 「キャンチョメたちのところへ行く」 迷いなく断言する杉村を見て レオは目を細め呆れて肩を落とした。 「忙しいもんだな。正義の味方は」 「お前も来るんだろ?」 躊躇なく差し伸べられた杉村の手を レオは逡巡の後に握った。 「自己紹介がまだだったな。 オレはレオナルド・エディアール」 力強く頷く少年に意地悪か 自虐に頬を歪めて付け加えた。 「防人の運命から逃げ続ける男だ」 【E-6/一日目/日中】 【レオナルド・エディアール@WaqWaq ワークワーク】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、軽度の打撲、 [装備]:アシャ@WaqWaq ワークワーク、 [道具]:基本支給品一式 [思考・状況] 基本行動方針:自分で在り続けるために走り続ける。 1:キャンチョメのところへ戻る。 ※由乃の返り血を浴びています。 【杉村弘樹@バトルロワイアル】 [状態]:疲労(大)、精神的疲労(小)、心の力消費(中) 、全身裂傷、 ダメージ(中)、指の爪剥離、両眼失明、勇気を刻みました、覚醒 [装備]:英雄の証@ブレイブ・ストーリー~新説~ 、雛苺のローザミスティカ [道具]:基本支給品×2、 [思考・状況] 基本行動方針:正義 1:キャンチョメのところへ戻る [備考] この殺し合いを大東亜帝国版プログラムだけでなく、 それとよく似た殺し合いの参加者も集められていると暫定的に推測しています。 仮面ライダーへの変身の仕方を理解しました。 カードの使い方も大体把握しました。 覚醒した杉村は空気を読むことで周囲100mの状態を把握することができます。 参戦時期:琴弾と合流後、桐山襲撃直後 First bet 投下順 循環型悲劇症候群 First bet 時系列順 循環型悲劇症候群 けれど彼は前を見る レオナルド・エディアール 僕達は強がって笑う弱虫なのさ 杉村弘樹
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少年よ、大志を抱け。 ◆wIGwbeMIJg “―――問おう。貴方が、私のマスターか” あの時、あの場所で。 セイバーは、俺の剣になると誓った。 同時に、俺も彼女の助けになると誓ったのだ。 丁度今日のような、綺麗で淡白な月光が彼女を濡らしていたと思う。 それから俺とセイバーの物語は始まった。一言や二言じゃ、言い表せない程の記憶。 セイバーは笑っていた。怒っていた。だけど、泣き顔だけは見た事がなかった。 そんな希望は、もう二度と戻る事はない。 走馬灯のように浮かんでは消えるそれが、俺の心を深く抉る。 ――許される訳がなかった。 俺は彼女を、セイバーを。 この手で、血に塗れた手で。 思い出ごと、殺めることを決めたのだ。 ”正義の味方”という理想を捨ててまで、桜という一人の少女を救う事を決意した。 その為に立ち塞がったセイバーをライダーと共に打倒し、殺すことを選んだ。 桜を助けるために、親しい人を、最期まで俺を守ってくれた少女を―― だから、許されない。 後悔も懺悔も、許されない。 刻まれた記憶(おもいで)と決別して、俺はセイバーの胸に刃を突き立てた。 ――はず、だった。 短剣を振り下ろした瞬間、俺はあの白い空間に佇んでいた。 そして、言峰から告げられる殺し合い。無慈悲に、なんの脈絡もなく、衛宮士郎(おれ)の意思は奪われたのだ。 狼狽するよりも先に、俺の頭を埋め尽くしたのは疑問だ。何故、言峰が殺し合いなどを開いたのか。 俺の知る言峰は、理解し合える事は出来ずとも、共に桜を救うことに協力出来た人間だった。 桜を生かす理由がどうあれ、刻印虫を摘出したのは紛れもない言峰本人。 言峰の素性はよく知らない。だが、こんな酔狂な真似をするとは到底思えなかった。 だからこそ、言峰が殺し合いの説明をしていた時には何者かに操られているのではないか、とさえ疑った。 女の子の首輪が、爆発するまでは。 「――っ、――!」 込み上げる吐き気を、烈しい怒りが抑え込む。 虫を潰すかのように殺されたあの子は、最後まで”お姉ちゃん”と、”助けて”と叫んでいた。 だがあいつは、言峰綺礼という邪悪は、表情一つ変えずに彼女の命を奪い去ったのだ。 その瞬間、俺は確信した。 言峰綺礼は、自分の意思で殺し合いを開いたのだ、と。 わけのわからない力で肉体の自由を封じられた俺は、怒りのままに言峰の名を叫んだ。 だが、それさえも許されない。大量の空気を吐き出せど、その名を口にする事さえ出来なかった。 ――あの場で衛宮士郎という男は、どうしようもなく無力だったのだ。 その事実を認めてしまった自分が、嫌になる。 言峰綺礼は確かに憎いし、殺意さえ覚えたのも事実。 だが結局のところ、俺が一番憤りを覚えているのは俺自身に対してだった。 救えたかもしれない命を取り零し、それを見ている事しか出来なかった自分に対して。 「――――さく、ら……」 名前を、呼んだ。 俺にとって一番大切な、理想を捨ててまで救うと誓った女の子。 今まで自分が支えにしてきた信念を捨て、道徳を捨て、衛宮士郎たる所以だった想いを捨て、救う事を決めた女の子。 ”この世、すべての悪(アンリマユ)”だとか、自分が知っている桜じゃないとか、関係ない。 間桐桜という存在を、救うのだ。 それは、この場においても変わらない。 ――本当に救えるのか? 俺の声が、俺に訊ねる。 ――救ってみせるさ、必ず。 俺の声が、俺に答えた。 「……迷ってる暇なんか、ない」 そうだ、救えるか救えないかじゃない。 悩んでいる時間があるのならば、一秒でも行動に移すべきだ。 吹っ切れた訳ではない。まだ俺の心には、迷いも疑問もある。 だけどそれ以上に、桜を救いたい――その気持ちが、俺を突き動かした。 「桜、俺はお前がどんな姿になって救ってみせる。 だからお前も、俺が行くまで……死ぬんじゃないぞ」 最後の言葉は、懇願に近かった。 俺の手の届く限りは桜の事を守れる。けど、届かない場合は? 勿論桜との再会は急ぐつもりだが、すぐに出会えるかどうかと聞かれれば首を横に振るしかない。 願わくば、桜が彼女を守れる人物と出会える事を。優しい人物と出会える事を。 「……よし」 覚悟はとうに決めた。 もう、立ち止まる必要はない。 一通り目を通した名簿をバッグに詰め込み、月を見上げた。 綺麗な月だった。儚く、淡く――それでいて、力強く俺を照らしている。 その光と決別するように、俺は勢い良く振り返った。 「――そこの者ぉぉぉぉおおおおおおおッ!!」 「……へ?」 その直後に、目に飛び込んできたのは。 「私のっ!仲間にぃっ!!」 「え、えっ……ちょ、待っ――」 目にも止まらぬ速さで駆け抜ける。 「なってくれぇぇぇえええええええッ!!!」 「ごふ”ぅっ――!?」 金色の砲弾だった。 ◇ ◆ ◇ ガッシュ・ベルに迷いはなかった。 もはや説明するまでもないだろうが、彼にゲームに乗るつもりなど毛頭ない。 言峰の説明を聞いた時から、見せしめとして平沢憂が殺された時から、殺し合いの場に放り出された時から。 ガッシュの方針はただ一つ。仲間を集め、”やさしい王様”としてこの殺し合いを破壊する事だけだ。 その為ロクに支給品の確認もせず(単に忘れていただけだが)、周囲を駆け回り徹底的に人探しに没頭した。 そして見つけたのが、赤毛の少年だった。 迷う事なくガッシュは少年へと疾駆し、その胸へと飛び込んだ。 悪い人間かも知れないと、そんな可能性は微塵も考えずに。 ガッシュ自身に見る目があったとか、少年が良い人そうだったとか、そういう訳ではない。 人の姿を見つけたから飛び込んだ。ただ、それだけだった。 その結果、勢い余って少年を吹っ飛ばす事になってしまったのだが。 「あっ……」 錐揉み回転し吹っ飛んでゆく少年。その行く先は、静かに波を立てる海だった。 ――びちゃーんっ! 盛大な水音と共に顔面から海に突っ込む少年。 その体はピクピクと二、三度震えた後、ぐったりと海に沈み込んでしまった。 今さっき自分のしでかした事を数秒遅れて理解したガッシュは、口と目を大きく開き冷や汗を大量に落とす。 だがそれは一瞬で消失し、晴れやかな、開き直るような笑顔に戻った。 「……まぁ、よいかっ!」 「よくなぁぁぁぁいっ!!」 水飛沫を上げながら勢いよく立ち上がる少年に、ガッシュはひっ、と後退る。 しかし少年はガッシュの腕をがっちりと掴んでおり、引き攣った笑顔を浮かべていた。 かつての清麿と同等かそれ以上の悪寒を感じたガッシュは咄嗟に両手を地に付け、土下座の体勢に。 「ご、……ごめんなさいなのだぁっ!!」 「……よろしい」 びしょ濡れの少年、衛宮士郎はガッシュの姿を見下ろしながら満足気に頷く。 無論士郎に子供に土下座させて悦ぶ趣味などはないが、いきなり突撃をかまされれば話は別だ。 まぁそれでもいつまでも頭を下げさせているのは何となく居心地が悪いらしく、すぐに頭を上げさせる。 その際にガッシュは”清麿よりも優しいっ!”と感激していたが、それは結果的に清麿は意地悪な人間だと言っているようなものだ。 だが士郎は、その清麿という人間も苦労しているのだろう。という、どこかお節介に似た感情を募らせていた。 「で、なんで突然突っ込んできたりしたんだ?」 「ウヌ!お主が最初に見つけた人間だったからつい勢い余っての!」 「……それで、ダイブしちゃったと?」 「ウヌッ!」 はぁ、と思わず溜息が漏れた。 思った通り、この子供は無茶苦茶な奴だった。 こういうタイプは死んでも治らないタイプだと、士郎は知っている。 衛宮士郎自身が、そうであるように。 「お前、もしも俺が危ない奴だったら……どうするつもりだったんだ?」 だからこそ、こんな質問をしたのだろう。 そして、その回答は―― 「それならば私が更生させるまでだっ!そして友達になればよいっ!」 ――あまりにも、予想通りだった。 「……ぷっ、はは……ははははっ!」 気が付けば士郎は、腹を抱えて吹き出していた。 その様子にガッシュは首を傾げる。何かおかしいことでも言ったか、そう問い掛けるように。 そう、この少年は――同じだった。 一度捨てたはずの”正義の味方”を目指していた自分と。 アーチャーがそうであったように、自分も今、古い鏡を見せつけられている。 その道がどんな修羅の道であっても、突き進んでやるという揺るぎない決意。 士郎はガッシュという少年を知らない。 魔物も、魔界も、戦いも、知らないことが多すぎた。 だけど、それでも、たった一言二言会話を交わしただけでも、分かった事がある。 この少年は、自分が捨てた理想を本気で叶えようとしているのだと。 「……衛宮士郎だ」 「ム……?」 散々甘いと、理想を捨てろと言われ続けてきた。 士郎自身、正義の味方という理想が高すぎるものだと理解していた。 その道は果てしなく地獄であり、辿り着く先もまた地獄。 士郎もそれを知って尚、正義の味方で在りたいと願っていた。 「ガッシュ!!私の名は、ガッシュ・ベルだっ!!」 そんな自分よりも、甘い存在が居たのだ。 皮肉なものだと思う。理想を捨てた直後に、その理想を拾い上げるように少年が姿を見せたのだから。 もう二度と、振り返らないと決めた。だがこの瞬間、衛宮士郎は――隔絶された記憶を、呼び覚ます。 無謀でも、無様でも、ひたすらに誰かの為に在りたいと願った少年の姿を。 ■ 「なるほどな、ガッシュにはパートナーが必要なのか」 「ウヌ、ここに来る前は清麿と一緒だったのだが……今は離れ離れになってしまっているからのう」 衝撃的な出会いから約30分。 士郎とガッシュは互いの情報を交換し終えていた。 互いに最初に出会った参加者であること、互いに知り合いがこの殺し合いに参加させられていること。 その知り合いというのがまた、士郎にとっては頭を抱える要因となっていた。 ガッシュは清麿とブラゴの二人であるのに、士郎は五人も名前に心当たりがあるのも原因だ。 だがそれ以前にアーチャーとランサーは士郎の知る限りでは闇に取り込まれ、命を落としているはずだった。 同名の人物が参加させられているとも考えられるが、その可能性は限りなく薄いだろうと士郎は理解している。 考えられるのは言峰が何らかの細工を仕掛け、二人の命を蘇らせたことだ。 あの時の言峰の言葉、”優勝すればどんな願いも叶える”というのが本当なら、その程度造作もないだろう。 しかし、それはあまりにも――命というものを、冒涜しているように思えた。 それが殺し合いをさせる為だというのだから、尚更に―― そして、これはガッシュが一方的に持ちかけた事だが、簡単に互いの境遇を打ち明けた。 それは先程のアーチャーとランサーの件で沈んでいた士郎を少しでも元気づける為にと、彼なりに気を使って提案した話題だ。 結果、情報交換の時間の2/3ほどがその話題だったので、どうやら効果は望めたらしい。 「……魔界だとか、王を決める戦いだとか……正直、容易に信じられるものじゃない」 「ウヌゥ……だが本当なのだ」 当然、士郎は魔術師や聖杯戦争の事は話すつもりはなかった。何しろ余りに非現実的な内容だから。 しかし、ガッシュの話はそれを優に超えていた。現実性の無さにおいては、聖杯戦争の上を行くだろう。 「ああ、知ってるさ。……ガッシュは俺の話、信じるか? 正直言って、ガッシュの話と同じくらい信じられるものじゃないぞ」 だからこそ、ガッシュがそうしたように士郎も嘘偽りなく話した。 と言っても聖杯戦争、英霊、魔術師などの根本的な内容を大まかに説明しただけだが。 「当然だっ!士郎は魔法使い?なのだなっ!」 「魔法……うーん、ちょっと違うけどそんな感じだな」 ガッシュの話が真実かどうかは士郎には分からない。 だが、ガッシュは士郎の話を信じて疑わなかった。 本来ならば笑われてもおかしくないような、途方もない話だというのに。 「なら俺も信じるさ、ガッシュの事を」 「なにっ!?本当か士郎っ!?」 「ああ、本当だ」 だがそれはきっと、お互い様なのだろう。 ”やさしい王様”という理想を語るガッシュの姿があまりにも無邪気で、眩しくて。 自分が捨ててしまった理想を、この少年なら叶えられる――そう、衛宮士郎は思ってしまった。 それが意味する事がどんなに罪深く、許されることがなくても。 士郎にとってガッシュ・ベルは、一つの”希望”だったのだ。 「ウヌ……?」 だから士郎は自然と、手を伸ばす。 かつて衛宮切嗣という男が、正義の味方になりたかった男がそうしたように。 笑ってしまうほど不器用な手付きで、金色の髪を乱雑に撫でた。 「ガッシュならなれるさ、”やさしい王様”ってやつに」 「……ウヌッ!」 ガッシュが、釣られて士郎が笑う。 その笑顔を祝福するように、月の光が二人を濡らした。 ■ 「士郎、士郎っ!」 「ん……ガッシュ、どうしたんだ?」 あの後、二人は北にある温泉を目指し歩みを進めていた。 温泉を目指していた理由は体を流したいから、というのもあるが、それ以上に他の参加者が集まりやすいであろうという士郎の判断だ。 もしかすれば互いの知り合いとも出会えるかもしれないという、願望に近い期待を抱いて。 その最中、不意にガッシュが士郎の前へと躍り出てぴょこぴょこと小さな体を跳ねさせる。 彼の両腕には大切そうに赤色の一冊の本が抱き抱えられていた。 「これを預かって欲しいのだ!」 「……いいのか?」 「ウヌ!清麿がいない今、パートナーとなってくれる者が必要だからの」 「パートナー……」 ガッシュから聞いていた情報を、士郎は改めて整理する。 ガッシュの能力は確かに強力だが、自らの意思で術を放つ事が出来ない。 それは即ち術を唱える存在が必要ということだ。彼の言い方に合わせるなら、パートナーの存在が。 士郎にとっては断る理由などはないし、ガッシュも士郎を信頼して魔本を預ける事を提案している。 だが一瞬、ほんの一瞬だが――士郎の脳裏に、ある英霊の姿が過ぎった。 “―――問おう。貴方が、私のマスターか” 「――ああ、俺で良ければ……ならせてくれ」 かつての日の言葉を返すように、力強く士郎は頷く。 その言葉はどうやらガッシュの期待通りだったようで、キラキラと宝石のように瞳を輝かせていた。 そしてすぐさまガッシュは猛烈な勢いで士郎に近づき、ウヌウヌと激しく頷きながら自身の魔本を押し付ける。 余程士郎の言葉と、その決意に満ちた表情が嬉しかったのか、ガッシュの浮かべる表情はあまりにも年相応で。 「ならば士郎よ、我がパートナーとして共に戦おうぞっ!」 「おう!ガッシュ、お互いに頑張ろうなっ!」 こうして、一組のパートナーが誕生した。 その二人は決して心が通じ合っているわけでも、長年付き添った相棒というわけでもない。 ただ、ほんの少し――ほんの少しだけ、似た者同士であるだけ。 ◆ ◇ ◆ (……セイバー) 果てしなく続く闇の中に現れた、俺を照らし出す光。 その光には、何度も助けられた。俺と、俺の大切な人を、何度も何度も。 だからこそ彼女は俺の手で、決着を付けたかった。 (お前も、呼ばれてるんだな) 名簿で彼女の名を見た時、俺はどこか安堵していたんだと思う。 だって、セイバーがこの場に居れば俺が止めてやることが出来るから。 自分でも歪んでると思う。こんな場所に連れて来られる事なんて、あっていい訳がないのに。 それでも、彼女と決着を付ける事は――彼女の事を一番知っている、俺でなければならない。 (お前の事は俺が止めてやる、だから――) ――無事でいろよ。 あまりに身勝手で、あまりに残酷な言葉を呑み込んで。 夢から目を覚ますように、柔らかな月光を握り締めた。 【D-7/北部/一日目 深夜】 【衛宮士郎@Fate/stay night】 [状態]:健康、びしょ濡れ [装備]:ガッシュ・ベルの魔本@金色のガッシュ!!、アーチャーの左腕(投影可能回数残り5回)@Fate/stay night [道具]:支給品一式、ランダム支給品(確認済み)(1~3) [思考・状況] 基本行動方針:言峰を倒し、このゲームを破壊する。桜を救う。 1.ガッシュと共に互いの仲間の捜索。桜を優先的に探す。 2.ガッシュのパートナーとして相応しい行動をとる。 3.魔物、魔本についてもう少し調べたい。 4.もしもセイバーと出会ったら、決着をつける。 5.アーチャーとランサー……まさか、生きていたのか? ※参戦時期は桜ルートのセイバーオルタにトドメを刺す直前。 ※名簿を確認しました。 ※アーチャーの腕は未開放です。 ※ガッシュのおおまかな呪文、そしてその効果を知りました。 ※金色のガッシュ!!の世界の情報を大まかに聞きました。 【ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!!】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式、ランダム支給品(確認済み)(0~2) [思考・状況] 基本行動方針:”やさしい王様”として皆を導く。 1.士郎と共に互いの仲間の捜索。出来れば清麿優先。 2.清麿が見つかるまで士郎とパートナーになる。 3.士郎が優しい人間で良かった。 4.ブラゴ……。 ※参戦時期はファウード戦後。 ※名簿を確認しました。 ※Fate/stay nightの世界の情報の一部を聞きましたが、理解できているかは不明です。 000 オープニング 投下順に読む 002 夢のかけら 時系列順に読む 000 オープニング 衛宮士郎 初登場 ガッシュ・ベル
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照準が定められ、引き金が引かれる。 タン、タン、タン、と軽快な鉄が弾ける音が響く。 発射された弾丸が、メビウスの輪を模した的を射抜いたのはその直後の事だった。 「精が出るね、マスター」 喜ぶでもなく、落胆するでもなく、結果を静かに受け止める背中に、声がかけられる。 落ち着いた少年の声だ。誰のものであるかは一瞬で分かった。 海のすぐ傍に秘密裏に作らせた射撃場の的から、背後に立つ少年へと向き直る。 「あぁ、この聖杯戦争から帰還すれば、ホワイマンのいる宇宙へと漕ぎ出す事になる。 ストーンワールド初の宇宙飛行士のトロフィーは何としても───」 「欲しい?」 「そうだ。聖杯戦争中とはいえ、訓練を怠るわけにはいかん」 さも当然というような顔で、七海龍水は不敵に笑った。 その笑みを見て、感嘆するような、呆れる様な感慨をライダー“キャプテン・ネモ”は抱かざるを得なかった。 万能の願望器巡る争乱という超弩級の非日常ですら、自分の主にとっては踏破すべき通過点でしかないのだから。 「それで、訓練の時間にここへ来たという事は何か報告があるのか?」 「うん、僕の方もだけど、先ずはフランソワの報告を聞くと良い」 ネモが名を呼ぶと同時に「はい」と声を上げて、彼の傍らに控えていた礼服の紳士、或いは麗人が進み出る。 彼の名(ここでは便宜上彼としておく)を、フランソワと言った。 龍水の懐刀である執事兼シェフにして、彼が唯一この聖杯戦争の全てを明かしたNPCだった。 報告を頼む、と龍水が一言告げると、淀みなくフランソワは報告を開始する。 「まず、最初にご依頼された調査の結果ですが──やはり、石神千空という少年は、 この東京に存在する学府や研究機関の何処にも在籍していない様子です。戸籍のラインから辿る事も試して見ましたが、やはり此方も確認はできませんでした」 「クク、万能の願望器も流石に奴らは再現できなかったらしいな」 腕を組みつつ、泰然とした態度で龍水は報告を受け止めた。 予選期間中、彼がまず行ったのは同じ原始の世界(ストーンワールド)から集められた参加者、つまり仲間がマスターとして選ばれていないかの確認作業であった。 もし石神千空やあさぎりゲン等がこの街に存在しているのなら、聖杯戦争解明の上で絶対的に信頼を寄せられる同志となる。 そう目論んでの調査だったが、結果は全て空振り。 石神千空を筆頭に科学王国の仲間はそもそもこの東京に存在していないらしい。 本選通貨の通達が為された事で、これからマスターとして現れる可能性も潰えた。 「時に龍水様。その石神千空という少年についてですが───」 「科学屋だ。俺が知る限りでも一番の、な。奴が此処にいるなら絶対に欲しかったぜ」 「……そうですか、私は千空様を存じ上げませんが、私もその方の不在は残念に思います」 「居ないのならば仕方あるまい。調査は一旦ここで打ち切りその予算は別の所へ回す」 唯一の例外たったのが、龍水の腹心であるフランソワだ。 彼だけは、このストーンワールドから遠く離れた地においても変わらず龍水の隣にいた。 やはりと言うべきか、あの原始の世界を生きた記憶までは再現されていない様子だったが。 それでも、フランソワの龍水への忠誠は何ら変わることなく再現されている。 龍水が聖杯戦争の事を打ち明けた時、何の逡巡もなく受け止めたのがその証明だ。 それから彼は、日夜休むことなく聖杯戦争に纏わる調査に心血を注いでいる。 フランソワ以外の科学王国の仲間がいないことは痛手ではあるが、致命的ではない。 サーヴァントであるライダーと合わせて、十分“勝てる”手札だ。 その確信を抱きながら、龍水はもう一枚のエースカードに問いかける。 「ライダー、お前の艦の改修作業はどうなっている?」 「……あまり芳しくはないね。ここから先は僕ら単独だと頭打ちだ。 ま、実際に見てもらった方が話が早い、ついてきて」 かつかつとヒールの音を立てて先導するネモに連れられ、射撃場を後にする。 射撃場から目的地である船のドッグには一分ほどで付いた。 元々東京湾の港湾ドッグの内部に作らせた射撃場なので移動もあっという間だ。 龍水とフランソワ以外の立ち入りを一切禁止しているドッグの内部に入ると、ネモの“切り札”である巨艦が姿を現す。 全長にして約70メートルの潜水艦と、その周りをせわしなく動く、水兵服を纏ったネモにうり二つの少年たち。 潜水艦ノーチラス号と、ネモの分身体であるネモ・マリーンズだった。 「はーいマスター、早速ですが、私が現状の報告をさせていただきます~」 龍水がドックに入ってくると同時に、ぺたぺたと素足で音を立ててマリーンズとは別のネモの分身が歩み寄ってくる。 女性の様な長髪に大きな眼鏡をかけた、ネモ・プロフェッサーと呼ばれる個体だった。 ネモ達の中でも技術や電算能力を担当する彼女も加わって報告を行うらしい。 「まず現状ですが、キャプテンも報告した通り我々単体ではこれ以上の改修を行っても これ以上のノーチラスの多機能化と性能向上は見込めません~。 霊基とノーチラス本体に残された情報から以前、大幅に性能向上した時の機体を再現しようとしましたが、 マスターの魔力と現状の我々のスペックでは従来通り潜水艦としての運用しか現実的ではないですね~」 と、そこでプロフェッサーは眼鏡をくい、と直し、ノーチラスの側面を指さす。 指を刺された側面には潜水艦にはおおよそ似つかわしくない翼と、エンジンのような物がついていた。 その他にも、飛空艇の様な回収が施されているのは龍水にも分かった。 「残った情報にあった飛行能力を再現してみましたが、現状では出力が余りにも足りないですね~。速度が出ないので実戦投入はとても無理かと。 例えばアーチャー相手にのろのろ飛んだりしたらただのでかい的ですから~」 プロフェッサーが語るには、現在の自分達はかつてノーチラス号の大幅な改修を行った時のスペックを発揮させるのは不可能だという。 今の自分達の手元にあるのは霊基に残された虫食いの情報…かすれた設計図くらいで、 大幅な性能向上を目的とした改修を行うための材料も、改修した機体を運用するための燃料も生憎持ち合わせてはいない。 そもそもの話をするのであれば、そのかすれた設計図が残っているだけでも座に情報を持ちこすことのできないサーヴァントの法則に背いているのだが。 「座の記憶は基本的に新しく召喚された時に持ち越されないけど…僕は成り立ちからして特殊なサーヴァントだ。最初にこの姿で成立した時の情報はある程度地続きで辿れる。 と言っても全てではないし、本当はこの姿で召喚される事自体がまずありえない事態ではあるんだけど……」 言葉の通り、ライダー…キャプテン・ネモは特殊極まるサーヴァントだ。 本来であれば幻霊程の力しか持たないネモ船長とギリシャの神格、ポセイドンの一子である神霊トリトンを掛け合わせた霊基となっている。 故に厳密には彼は祖国インドのイギリスからの独立を悲願とし、ノーチラス号を操ったネモ船長ではなく。 誰からも愛された旅路の祝福者トリトンでもない。誰でもない者(ネームレス)。 通常の召喚を行った所で決して召喚されるはずもない英霊なのだ。 だというのに厳然たる事実として彼は此処にいる。 「あぁ、だがここでのwhyは重要ではないな。実際できてるんだ。 今はそれよりも……この船をより美しく、強靭にするために、まず最優先で何が必要だ」 龍水がそう尋ねるとほぼ同時に、プロフェッサーが「はーい」と手を挙げる。 そして、今最も欲している最優先対象を述べた。 「現状では何を置いてもまず燃料ですね~。マスターの魔力ではもう天井ですから。 我々の領海内(テリトリー)であれば機動戦闘を行っても魔力の枯渇の心配はありませんけどぉ… ノーチラス号そのものの飛躍のためには霊基そのものの出力が向上するような良質な燃料が必要です~。強化手段、と言ってもいいかもしれません」 今、龍水がネモに供給している魔力が原油だとするならば。 ノーチラスのパワーアップを望むのであれば精製したガソリンが必要だとプロフェッサーは語った。 そしてそのガソリンに当たる代物が、現状の自分達ではどう頑張っても用意できない事も。 「はっはー!!無いのなら手に入れれば良い。違うか? 古今東西の英雄が集っているのならそう言った力を持つサーヴァントもいるだろう」 「その根拠は?」 「勘だ。船乗りの勘は当たるものだぜ、ライダー」 「勘か…」 全く根拠が無いはずなのに、マスターが言うと不思議な説得力を持つから不思議なのモノだ、とライダーは思った。 だがまぁ、まだ確かめてもいないのに悲観的になる方がここでは愚かと言う物だろう。 実際当てがない訳でもない。件のサーヴァントが協力してくれるかどうかは別として。 「当てがない訳ではないけど…前に話した、関東卍會という組織を支配してる サーヴァントとの接触は現段階では反対だ。いくら何でもリスクが高すぎる」 その当て、とはライダーが有するノーチラスのレーダーで捕捉した国会議事堂を占拠したサーヴァントだ。 関東卍會なる英霊に匹敵する尖兵を集め、国会議事堂を異界化した件のサーヴァントは、推論の段階でもかなり卓越した魔術師であることが伺える。 協力者にこぎつけられればノーチラスの改修作業も、聖杯戦争の解明でも大いに役に立ってくれるだろう。 だが、ライダーはそうなる可能性は低いと踏んでいた。 堂々と国会議事堂を乗っ取り、関東卍會なんて愚連隊を率いているのだ、 現状では議事堂を占拠した以外は目立った動き(?)は無い物の、聖杯戦争に対してとても消極的とは思えなかった。 補足している主従の中では、警戒度は最高値となるだろう。 無策で接触を図る事の出来ない手合いであることだけは間違いない。 そう考えての進言だった。しかし。 「あぁ、その関東卍會だが、既にアプローチはかけた」 「えっ」 龍水は、ライダーの想定を遥かに超える手の速さだった。 無論の事であるが、そんな話は聞いていない。 俄かに困惑した顔を浮かべるライダーに、龍水は笑みを浮かべて経緯を述べ始める。 「正確には、SNSを通じて関東卍會という組織に出資をしたいと持ち掛けた。 いずれその関東卍會を掌握しているマスターの耳にも入るだろう。SNSに登録している構成員のアカウントを探し出し、そのほぼ全てにローラー作戦を仕掛けたからな。」 「………?」 話が見えない。 国会議事堂を掌握できる様なサーヴァントが今更資金面で不自由するとは思えないからだ。 金などそれこそ魔術を使えば幾らでも手に入るだろう。 いや、百歩譲って向こうが乗ってきたとしても。 それはまず間違いなく此方を金づるとして使い倒そうという姿勢になるはずだ。 そんなライダーの思考を読んだように、龍水は引き続き話を続ける。 「幾ら魔術を使えば資金面に不自由しないと言っても、態々サーヴァントが出向かなければならないというのは中々に手間だ。翻って俺から融資を受ければ寝ていても金が入ってくる。 今の関東卍會が魔術を用いた資金調達をしているのか、それとも反社や半グレを資金源にしているのかは知らないが、前者だとしてもより効率よく、 後者だとしたら現在のスポンサーの最低五倍は出す。数百人規模の私兵を生み出し、それ維持する主従など絶対に欲しいからな!!」 相変わらず強欲な事だと思いながら、ライダーは顎に手をやり思案を巡らせる。 確かに、マスターの言葉を鑑みれば向こうにとってはメリットのある話かもしれない。 数百人規模の組織であれば維持には少なくない額の資金が必要だろうし、それを調達する為に態々都度サーヴァントが力を使うよりは手軽だ。 だが、逆に言えば此方に協力させるにはまだまだメリットが弱い。 結局のところ、資金は魔術を用いればどうにでもなる、と言う大前提は崩れていないのだから。 何百億積んだところで不可侵条約が限界、やはり此方に協力までさせるのは難しいだろう。 「問題ない。出資するにあたって此方から条件は一切出さない」 「…どう言う意味?まさか怖気づいて無償で反社組織の資金源になりに行くなら… 見損なったと言わざるを得ないけど」 ライダーの性格上、戦略的な合理性があれば関東卍會という犯罪や非道を働く組織に資金を流す事も飲み込める。 だが、「金は渡すからどうか見逃してください」という逃げ腰姿勢の話であればとても首を縦には振れない。 マスターとの関係性も見直す必要がある。 そのため、龍水の不興を買う可能性を承知の上で冷淡な言葉を吐いた。 しかし、龍水は気にする様子もなく、むしろ得意げに。 「フゥン、問題ないと言っただろう。何故なら向こうが話に乗ってきた時点で俺の目的は達成される。俺が関東卍會と言う組織に対して一番欲しいのは…… 奴らと取引を成功させたという実績だ。これから協力者を集めるにあたってな。 これは俺の仲間の蝙蝠男が言っていた事だが───」 ───龍水ちゃんは元から大富豪でモテモテだからあんまり馴染無い事かもだけど… ───良~い女の子がなびいたってウワサが、モテるのに一番手っ取り早いんだよねー その言葉によって龍水が行おうとしている関東卍會への資金援助への真意が実像を結ぶ。 成程確かに、現状で他の主従に対して最もネームバリューを有している主従は関東卍會を牛耳るサーヴァントとそのマスターに他ならない。 強力な軍勢を率いた彼等と取引を成功させたという実績と、関東卍會と繋がりがあるという“ハッタリ”はそれだけで一定以上の力を持つ。 「もし奴らが精々金づるに使ってやろうと考えればむしろ僥倖だ。目下最大勢力の主従と繋がりがあるという事はそれだけで他の主従の牽制にも、勧誘材料にもなる。 資金源である此方を切るタイミングは奴ら自身が掌握したいと導線を引くことができれば、他の主従に勝手に討ち取られるのは困る、という方向にも持っていける」 ───取引(ディールゲーム)のコツはねぇ。相手を凹ますんじゃなくて… ───しめしめ、してやったりって偽りの花道を用意してあげることだよ。 龍水の脳内で、そんなぺらっぺらの蝙蝠男の声がリフレインする。 「なるほど、筋は通ってる…かな。けど、それにしたってリスクが高くないかい? 向こうが話に乗るフリをして、此方を始末して資金だけ奪おうとする可能性だってあると思うけど」 「それについても手を打ってある。金を出すのは俺でも、七海財閥でもないからな」 パチンと指が弾かれ。 再び訝し気な表情を浮かべるライダーの前に、電子タブレットを抱えたフランソワが進み出てくる。 目の前に翳されたタブレットの画面には、とある会社の紹介が映っていた。 『新時代IT企業の雄。株式会社トリリオンゲーム』 デカデカと目立つポップ文字の下には、無駄に装飾されているがその実中身のない広告文が続いている。 会社情報や実績などは一切記載されていない。何の情報も得られそうにない。 早い話、どう見てもダミー企業のホームページだった。 「その会社に予選期間中俺が稼いだ資金を600億程電子クレジットでプールしている。もし関東卍會が話に乗ってきた場合交渉は電子上のやりとりで済ませ、 何人かの仲介人を通してそこから資金を放流する。当初に誰が資金を用意したのかは俺達にしか分からん」 「よく分からないな。そんな手間のかかる事をする必要があったのかい? ……と言うか、君が勝手に使ってる取締役の写真、これ僕だよね」 ホームページの下部に唯一表示されている代表役は名前こそ偽名なものの、写真は間違いなくライダーだった。 予選期間中、スーツに着替えて髪型も変え、ついでにサングラスをして欲しいと頼まれたことがあったがこんなことに使われるとは思わなかった。 ライダーの姿が子供にしか見えないのも相まって、胡散臭い事この上ない。 それを見て釈然としない己の従僕の問いに対して、主は淀みなく「当然だ」と返した。 「七海財閥の資金は強大だが自在に動かせるものではないし、兎に角目立つ。 だから取り回しがきいて、俺に直接繋がらない資金が必要だった 財閥の資金が大砲だとするなら、これは俺自身が持つ拳銃だな」 「今誤魔化さなかった?…しかし、よく予選期間中にここまで資金を用意できたね」 「昔取った杵柄だ。七海一族と言う幻の信頼をチップにあらゆるトレードで保険数理的に有利なオプション売りやアンダーライターを掘って膨らませた。 一族の力に依らず俺個人でもここまでできるという証明にもなるからな」 理解する。 七海龍水は金を生む天才だ。 例え無一文で原始の世界に放り出されたとしても、彼は一日で富を為すはずだ。 同時に、納得もできた。 話に乗って来るかは分からないが、関東卍會に対しては現状では待ちの姿勢でいいだろう。 ライダーがそう結論付けるのを計ったかのように、龍水は話題を切り替える。 「勿論、向こうがアクションを起こすまで何もせず待っているというわけにもいかん。 そこでだ……フランソワ!!」 「はい、龍水様が依頼されていたお二人の所在については既に調査済みです」 フランソワがその手にあるタブレットの画面を切り替える。 映し出されたのは、二人の少年の写真だった。 一人は、染めたと思しき金髪をリーゼントに纏め、特攻服を着た少年。 「八三抗争、血のハロウィン、聖夜決戦、関東事変などで数々の活躍をされた 関東卍會の前身組織、東京卍會の中心人物───花垣武道様」 画面が切り替わり、もう一人の写真が拡大される。 もう片方の少年も金の髪をしており、学ランを着た育ちの悪そうな少年だった。 「もう一人───此方は巷で実しやかに囁かれている正義のヒーロー、チェンソーマン…の関係者と思わしきデンジ様ですね。この二名については、聖杯戦争の関係者の可能性が高いかと」 花垣武道とデンジ。 この二人の少年が、七海龍水がこの聖杯戦争でまず目をつけた存在だった。 「関東卍會もいずれ手に入れる以上、事情に通じている人間は是非とも欲しい。 そこで現在関東卍會に非所属であり、尚且つ関東卍會の前身組織の中心人物だったこの男に当たりをつけた」 関東卍會がこの東京に台頭してきた頃、七海財閥の資金を投入してその調査を行ったが、大した情報を得る事は出来なかった。 龍水の意向で関東卍會の構成員に調査員を接触させることを控えさせたからだ。 となれば後できる事は警察や周辺関係者からの聞き込みしかないが、その過程で関東卍會の前身組織である東京卍會の中心人物の姿が殆ど確認できない事に龍水は気づいた。 情報ではいるはずなのに、花垣武道以外の幹部はその殆どが姿を確認できなかった。 まるで聖杯がただの不良であるはずの彼らを再現することを厭った様に。 よって、龍水は得た情報の中の特異点となる花垣武道にコンタクトを取ることを決めた。 マスターであれば早速協力体制を取る勧誘をしたいし、そうでなくとも関東卍會に対する貴重な情報源と成り得るからだ。 「もう一人のデンジと言う男についてだが…こいつに関して言えば、聖杯戦争の関係者である可能性はより高いと踏んでいる」 何故、龍水がこのデンジと言う少年に目を付けたか。 理由は非常にはっきりとしている。 その答えはこの東京で、既にテレビなどでもツチノコ扱いで取り上げられる怪人、 もとい正義のヒーロー、チェンソーマン本人ないし非常に近い関係者である可能性が高いからだ。 夜な夜な東京の街に現れ、悪魔を狩っていくと噂される電ノコ男。 サーヴァントかマスターかは定かではないが、そんな者が聖杯戦争と無関係なはずがない。 それはライダーも理解できる。だがその少年が、正義の味方チェンソーマンの関係者である根拠は? そうライダーが尋ねると、フランソワは無言で動画のアプリを起動した。 『俺の予想じゃチェンソーマンは猫を食べてねぇと思いますネ!』 『俺の学校じゃチェンソーマンはみんな好き。いいよねカレ!』 『グロいけどそこが格好いいんだよね!』 『チェンソーマンは俺の予想だときっとすげぇマジでいい奴です!』 『ちなみに俺の予想ではチェンソーマンの電話番号は───』 あぁ、うん。 これはきっと。まぁ、間違いないだろう。 ライダーは凄く納得がいった。 この少年がチェンソーマンなのか、それともサーヴァント・チェンソーマンを従えているのかは分からないが。 「理解したようだな。先ずはこの二人だ。 俺達の最終目標を達成するにあたってまず──この二人を仲間として手に入れる」 そこでぱちんと指を鳴らし。 龍水は再び不敵な笑みを浮かべる。 そして、指を一本立てて、ライダーに宣言した。 「報酬は100億。当然協力期間中は七海財閥が全力で衣食住の面倒を見る。 正式に組むなら同じ船に乗る仲間になる以上、不自由はさせん」 二人合わせて二百億。一瞬で億万長者(ミリオネア) 十分出せる金額とは言え、まるで小学生が考えたような数字だ。 だが、これがスタートダッシュになる事を考えれば倍額出しても惜しくはない。 関東卍會とのつながりはまだ使えず(と言っても、使える可能性はもともとそう高くはないが)、ライダーの船も未完の大器である現状、 一番自分達が持っている中で強力なカードは七海財閥の資金力を置いて他にない。 聖杯戦争が進みサーヴァントの戦闘が激化すれば社会的混乱も広がるだろう。 そうなっても金の力というものは早々喪われるものではないが、一番唸るほどの資金力が力を持つのは今この瞬間であると龍水は判断した。 故に、全力投球。 相手方からしても、七海財閥と言う後ろ盾ができるのはマイナスにはならないだろう。 協力者が増えれば、戦力も増え、今よりも更に積極的に協力者を募ることができる。 この二人を足掛かりに、聖杯戦争の解明と言う壮大な計画は始まるのだ。 「…マスター、追加で欲しいものと、言っておきたい事がある。いいかい?」 自信に満ちた主にある種の水を差すように、語り掛ける。 一つはそう大したことではない。ノーチラスをかつてのフルスペックでの運用を目指すならば、絶対に欲しい物がもう一つあるというだけの話だ。 だが、代わりになる物が見つかる公算は低いと踏んでいる。 だから、話の優先度で言えばその後に続く話よりも幾段か落ちる。 「もう一つ、欲しいのはペーパームーンと言う礼装…僕の宝具を使った時の切り札になる虚数潜航って技術を補助する羅針盤みたいなものなんだけど、 この技術を安定してつかうならこれに類するものが絶対に欲しい」 現状でも虚数潜航は行えるが、羅針盤たるペーパームーンが無ければ精々潜航出来て最大で数十秒。 それ以上の時間を潜れば異空間である虚数空間から実数空間に戻れず、虚数空間の藻屑となる可能性が高くなる。 逆にそれらが揃えば───ノーチラスは時空を超える箱舟となる。 この異界の東京から脱出することすら、現実味を帯びてくる。 そうなれば、聖杯戦争を解明するという最終目標にも必ず役に立つはずだ。 勝ち残らずとも、帰還の手段を確保できればその分だけ選択肢は増える。 交渉で協力者にできる消極的な参加者もいるかもしれない。 最悪でも、マスターが生きて元の世界に帰る事を保障することができるのだから。 勿論、簡単に見つかると思うほどライダーは楽観的ではないが。 「はっはー!任せろ!!船乗りにとって羅針盤と言われれば是が非でも欲しい!違うか?」 マスターはやはり、欲しいという欲求に何処までも真摯なのだった。 何処までも、欲しい物を諦めるという事を知らない。 本当に、つくづくとんでもないマスターに呼ばれたものだ。 でも、だからこそ言っておかねばならない。 「もう一つは…ノーチラスに、同じ艦に乗せるかどうかは僕も判断させてもらう。 総司令(アドミラル)は君だけど、船長(キャプテン)は、僕だ。 当然、君がよくても僕がダメだと判断した人間を乗せるわけにはいかない」 マスターは基本的に来るもの拒まずだ。 彼自身のスタンスはそれでいい。 けれど、だからこそ、同じ艦乗る人間が信用できるかどうかは自分が見極めなければならない。 マスターを利用し、艦を危険に晒そうとする主従が近づいてこないとも限らないし、これからコンタクトを取ろうとしている二人がそうでないとも限らないのだから。 だから、憎まれ役は自分がやる。 そう、決意しての言葉だった。 だが、その言葉を告げられた龍水の反応は、当然の事を大仰に言われた様に訝し気な物で。 「何を無粋な事を言っているライダー。そんな事は当たり前だろう。 貴様は俺が一人で勝手に何でも決めると思っていたのか?」 「え…?」 「俺達は“一緒に”全てを手に入れるんだぞ?お前の判断も仰ぐのは当然だ」 想定とは違っていた。 てっきり、俺を信じてついてこい何て返答が帰ってくると思っていた。 だってキャプテン・ネモの瞳から見て、七海龍水と言う男は。 自信家で、諦めを知らず、何処までも唯我独尊で─── 「──ライダー様。龍水様は、一度でも貴女に…何かをやれと命令しましたか?」 フランソワが穏やかな笑みで、そう尋ねてくる。 …そう言えば、何時もマスターは一緒にやる事を前提に、していた気がした。 「結局の所、少数精鋭の内は一緒にやりたいかどうか、タッグを組みたいかどうかだ。 命を預けるかもしれない相手ともなればなおさら、本音でいい」 ……どうやら、まだ自分はマスターの事を十分に測りかねていたらしい。 認識を修正する。 マスターは欲しいという欲求に対して諦めを知らないかと思えば、酷く現実的な視座も持ち合わせている。 単に寝物語を語る夢追い人では決してないのだ。 「これは一本取られてしましたね~キャプテン」 脇を見ればプロフェッサーがにやにやと笑いながら此方を見てくる。 いやはや全くもってその通り。完全に見誤っていた。 嘆息して、マスターを見つめなおす。 交わった視線の先のマスターの瞳は、何処までも真っすぐだった。 「マスター、どうやら僕の中で君の認識に対してズレが生じてたみたいだから修正したい。 そのために、もう一つ、聞きたいことがあるんだけど…」 「何だ、ライダー」 「君は、魔法(ファンタジー)を科学にすると言っていたけど、どうしてそこまで科学を信じられるんだい?」 唐突に過ぎる確認作業。主に対する認識のすり合わせ。 だが、特に問われた本人は動じることなく、世界一の欲張りの返答は簡潔だった。 「そんなものは決まっている。奇跡(せいはい)はたった一人にしか微笑まん、だが……」 それを聞いた時、確信へと変わる。 あぁ、このマスターは本当に、世界一の欲張りだ 何もかもを諦めたくないのだ、自分の事も、他人の事も。 「科学は万人を平等にする。だからこそ、賭けられる」 その言葉を聞いた後、一呼吸おいて。 不思議と、笑みが零れた。 冷静沈着で感情表現が苦手なキャプテン・ネモにとって珍しい出来事だった。 そして、浮かべた笑みの形は、彼の主が浮かべる物とよく似ていた。 「一日だ」 「何?」 「約束するよ、物さえ揃えば───」 「僕は一日で、必ず君の“欲しい”を満たす、最高に唆る艦を用意する。 あらゆる嵐を超えて、どんな過酷な航海も踏破する最高の艦を」 ニッと不敵に笑って。 その小さな体躯に自信を漲らせた様相で。 ライダー“キャプテン・ネモ”はそう宣言した。 「───はっはー!!その意気だライダー! 始めるぞ、この聖杯戦争で全てを手に入れる、その第一歩を。 俺達の欲しいは────世界一だ!!」 ───先ずは、これから来る客人のもてなし。 世界一の欲張りと、その欲張りに呼ばれたもう一人の船長と、執事の。 全てを手に入れるための聖杯戦争(トリリオン・ゲーム)はきっとここから。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 未知なる道を既知に 弱点をCharm Pointに 幼き夢を現実に 愛を力に変えて 進もう明日はいつだって 前人未到の秘境だ その叡智と勇気が 生きている証 【港区・七海財閥管理下の港/一日目・午後】 【七海龍水@Dr.STONE】 [状態]:健康 [令呪]:残り三画 [装備]:石化装置(使用不能) [道具]: [所持金]:超莫大 [思考・状況] 基本方針:全てを手に入れる。 0:先ずは見つけたマスター候補二人にコンタクトを取る。 1:他の協力者を募る。魔術に精通したサーヴァントが望ましい。 【ライダー(キャプテン・ネモ)@Fate/Grand Order】 [状態]:健康 [装備]:我は征く、大衝角の鸚鵡貝 [道具]: [所持金]: [思考・状況] 基本方針:マスターとの航海の遂行。 [備考] Back←002 名前のない怪物 Character name Next→004 Baccano! 000 空白と逆光 七海龍水 ライダー(ネモ)
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「99決定版」の中日固有シナリオ 難易度☆☆ 優勝へ走りたい本拠地最終戦、9回に守護神の宣がまさかの逆転3ラン被弾。しかし9回裏、再逆転のお膳立てが整い、山崎武が打席に立つ。 実際の試合と同様、山崎武のサヨナラ3ラン本塁打で試合を決めてしまいたい。
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仮面ライダー響鬼 ED 「少年よ」 あああ をけあ ぐびい むえう ゆかげ しるん けぜよ むたう のだた でねだ わごも ごうと げつみ ぞつび ぞねぶ ぎねげ もごと んのか つあめ ええぜ んねぬ いえい ゆぬご ききそ へけい ひすび のへだ あない ちあす えたと せもだ せせろ びすぐ くかで いうち すむく