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『可愛いあの子と家ゆっくり』 33KB 愛で いじめ 観察 小ネタ 愛情 日常模様 希少種 現代 独自設定 お久しぶりです、ほぼ愛で? 近頃気になっていることがある。 さみしい一人暮らし、夜中にふと目が覚めることもあるだろう。 そんなときシンと静まり返った部屋にふと耳を澄ますと、窓ガラスをなでる風の音や遠くに聞こえるボイラーの駆動音に混じって、 聞き逃してしまいそうなほどかすかにではあるが、こんな音が聞こえるのだ。 『ゆ・・・ゆ・・・』 いや、訂正しよう、これはおそらく”音”ではなく”声”だろう。 ついに我が城にもあいつらがやってきたのだ。 あいつらの名前は”家ゆっくり”という種類のゆっくり。 ゆっくりは外にでてちょっと自然が多いところや暗がりに行けば、大抵居るといって過言ではないポピュラーな生き物で、 あんなにたくさんいるのに、いまだにイマイチよくわからない生体系の謎の生き物だ。 やつらは人間でいうところの生首のような外見で、体長は成体でサッカーボールほどで、ほとんどの場合雑食、多繁殖、不衛生。 そして人間にとってこいつらの害のうちもっとも嫌がられているのが”鳴き声”だろう。 『ゆっくりしていってね!』 ゆっくりといえばこれ。 出会いがしらに「ゆっくりしていってね」から始まる大音量のうるさい鳴き声。 これは我々人間が理解できる言葉そのもので、犬猫の「わんわん」「にゃーにゃー」と違い、 何を言われても分かってしまう、そして向こうはこちらがその言葉を聞いてどう思っているかなんて考えちゃいない、 というところが非常に重要なのだ。 おっと、つい長くなってしまった、というのも俺が日ごろ奴らと出会うたびに、 「おいくそじじい!あまあまよこすのぜ!」 だの 「ゆふふっ!れいむのかわいいあかちゃんみせてあげるね!」 『ゆくちー!』 だの 一々プチイラッとさせられ続けているせいだろう。 はっきりいって俺は奴らゆっくりってやつが大大大嫌いだ。 世の中には可愛い愛らしいと野良のゆっくりに餌付けしているようなやつらもいるが後ろから頭を叩いてやりたい気分だ。 と、また脱線してしまった、今回の本題は”家ゆっくり”だ。 名前だけ見ると家に住むゆっくりっていうことは飼われているのか?と思うかもしれないがそんな生易しいものじゃない。 ようはゴキブリだ、いやゴキブリ以下のド畜生だ。 奴らの体調は大きくても2・3センチ程度、小さいものだと数ミリのものも存在する。 どこからか侵入し、家具の隙間に入り込み巣をつくり、その家にあるあらゆる食えるものを捕食する。 そして排泄物をそのままにし、2匹以上が同テリトリーにいるとまず子づくりをしてぽんぽん増える。 前述したように普通のゆっくりと同じでなき声もでかい。 数センチ程度の家ゆの放つ声も、数が増えれば普通に聞こえてこちらの神経をがりがり削ってくる。 まだ家ゆに侵入を許したことのない諸兄も想像してみてほしい。 耳を澄ませば箪笥や冷蔵庫の裏、はては通風孔、荷物の段ボールの中、etc…から 『ゆっ、ゆっ、ゆっ』 『かわいいよー、かわいいよー』 『れいむはきょうもびゆっくりなのぜー!』 『むーしゃむーしゃしあわせー!』 虫唾が走り背筋が凍り吐き気を催し精神異常者じゃなくても全身を掻き毟って死にたくなるだろう。 え?俺だけ?いやそんなはずないさ。 「と、いうわけで店員さんにホイホイすすめられて買ってきました『マジ!ユル☆サン』!! 説明しよう!『マジ!ユル☆サン』我らがゆっくり嫌いの救世主株式会社らいゆんの誇る 対ゆっくり用無差別殺戮兵器『ユル☆サン』をさらに進化させた究極のウェポンだ! これが噴き出す霧を吸い込んだ瞬間憎き家ゆどもは苦しみ嘔吐し断末魔を上げる暇もなく絶命するのだ! ハーーーーッハッハッハッハ!覚悟しろ畜生共!とぅぅう!!!」 薬局で商品を購入してからアゲっぱなしのテンションのまま製品を床にセットする。 ここまではよかったのだが使い方がわからず結局説明書片手に四苦八苦し、やっと起動することに成功した。 円柱状の製品から、勢いよく白い霧が噴き出していく。 「えーっと何々、人体には無害ですが使用後はなるべく換気をしてください、ね、ってか無害なのかこれ」 確かに霧のにおいをかいでもわずかに辛いようなにおいがするだけで特別気分が悪くなったりするようなことはなかったので、 俺はそのままテレビをつけてくつろぐことにする。 早めの発見早めの処理が害ゆ退治には一番重要なのだ、上機嫌の俺はビールととっておきのつまみを取り出して勝利の晩酌をすることにした。 すると… 「ぐわああああ!ぐ、ぐるぢいいいい!!」 「えっ?」 断末魔の悲鳴を上げながら家具の隙間から飛び出したのは、想像していた豆饅頭ではなく、 小さい女の子が遊ぶのに使う人形のような大きさの小人だった。 「ぢんじゃう・・・じんぢゃうよ・・・おっぉお・・・うっ・・・」 全身茶色の服に身を包み、ぽっこりと膨らんだ大きなスカートからは可愛い足がのぞいている。 顔を伏せた黄色の髪の毛の後頭部には服と同じ色の大きなリボンで、これまた大きなポニーテールが揺れていた。 苦しみでもがくように伸ばした手は、やがてゆっくりと力を失い床に下される。 「おっ、おい大丈夫か!?」 訳が分からず思わず駆け寄り、手ですくってやる。 掌の上で横たわる姿はほほの丸い小さな女の子そのもので、なぜこんな子が隙間から飛び出してきたのか全く分からない。 女の子は眉間に皺を寄せながら口をパクパクとさせる。 「な、なんだ!?どうした!?」 「くうきが・・・からいのぉ・・・どうして・・・?やま・・・わるいこと・・・して・・・」 「ちょ、ちょっとまってくれ」 どうやら女の子は『マジ!ユル☆サン』の霧にやられてしまったらしい、あまりに不憫なので急いで窓を開けて霧を外に追い出した。 しばらくすると女の子は顔色もよくなり、テーブルの上でちょこんと座って微笑んでいる。 「ありがとーおにーさん!」 「はは、どういたしまして…」 あまりに無垢な微笑みに、アレを焚いたのは俺だということは言い出せなかった。 「ところでキミは誰なんだ?」 「ゆ?やまめ?やまめはやまめだよ!」 「やまめちゃんっていうの、ふうん…やまめちゃんはえーっと、もしかして俺にしか見えない妖精さん?」 こんな小さな女の子が突然!なんて何年前のアニメみたいな話、とてもじゃないけどまともに受け止められない。 もしかしたら日ごろの疲れとかが見せた幻覚かもしれないと、一応聞いてみる。 本人に聞くのもどうかとは思うが。 「ようせいさん?なにいってるの?やまめはゆっくりだよ?」 「うっそだー!俺はやまめちゃんみたいなかわいいゆっくり見たことないぞ、ゆっくりってのはもっとこう小憎たらしくて…」 そういいながらそばに置いてあったスマートフォンで検索をかける。 『ゆっくり やまめ』検索クリック、便利な時代になったものだ。 検索マークがゆっくりと回転し、結果が表示される、何かがひっかかったらしい。 だが文字だけではよくわからないのでそのまま画像検索に移行することにした。 「・・・まぢかよ」 画面に表示されたのは、金髪ポニーテールの生首だった、それはまさに目の前のやまめちゃんそっくりの生き物だ。 「いったでしょ?やまめはやまめだよ!」 「ん~・・・ってことはなにかい、君はもしかしてゆっくりやまめで胴付きで家ゆなわけ?」 「いえゆ~?」 「家ゆっていうのは人間さんのおうちに住むちっちゃいゆっくりのことだよ、ここはお兄さんのおうちなんだけど、やまめちゃん知ってた?」 「しらなかったー!おにーさんよろしくね!」 「はいはいよろしく…」 やまめちゃんは相当マイペースなようだ、今一つ会話のキャッチボールがうまくいかない。 俺は俺のつまみに目をつけて小さな口でかぶりつき始めたやまめちゃんを後目に、携帯を続けて操作した。 『家ゆ やまめ』…どうやらやまめ種も家ゆにはごく稀に存在するらしい。 『家ゆ 胴付き』…あまり情報は引っかからない、だが愛玩用の小さな胴付きゆっくりは存在しているので、居ないということはないようだ。 『家ゆ やまめ 胴付き』…まさかの情報なし、引っかかったといってもブログや掲示板の他愛ない書き込みが主だ。 画像検索をかけてみても有益そうな画像はひっかからなかった。 「ってことはもしかして新種発見やまめっちってやつ?」 ”やまめ”に反応して名前を呼ばれたとおもったのか、やまめちゃんは小首を傾げてこちらを仰ぎ見る。 一瞬勃発したかとおもった小人騒動は、一転して本来の家ゆ退治という目的の原因が目の前にいるという状況に変わってしまったようだ。 といっても正直ゆっくり嫌い、家ゆ大っ嫌いの俺をもってしても、今すぐやまめちゃんを叩き潰そうなんていう考えは起こらなかった。 愛らしい外見、ふつうのゆっくりとは違いほほがまるいという以外にはほぼ人型のそれを握りつぶしたりすれば、目覚めが悪くなることうけあいだろう。 アルコールが回って少々霞がかかった頭をぼりぼりと掻いて、ふぅとため息をついてから俺はやまめちゃんに告げた。 「ま、やまめちゃん、うちでゆっくりしてくかい」 「うん!やまめゆっくりするよ!」 こうして俺とやまめちゃんの同居生活が始まったのだ。 あとで聞いた話では俺が知らなかっただけでそれなりに長い付き合いだったらしいが…。 さて同居生活と一口にいったところで、今までのように自由に家のスペースを貸し出すということは難しい相談だ。 やまめちゃんだって生き物だ、外見は頬の丸い美少女だとしても、食事をとれば糞もする。 彼女曰く”うんうん”らしいが、それはそれ、たとえ仮に本人が場所を決めていたとしても床にされて気分のいいものではない。 俺は押し入れにつっこんであった、はるか昔のもう何に使ったかすら覚えていない小さな虫かごを、やまめちゃんのお家にしてあげることにした。 所詮ペットと言ってしまえばそこまでだが、そこはある程度意思疎通の図れるゆっくり、 彼女の意向をなるべく聞き入れる形でそこを生活スペースにしてもらうことにしよう。 「ゆぅ・・・せませまだよー」 何もない虫かごの中に入り、端から端まで歩いて透明な壁に手をつき頬をむにゅうと押し当てるやまめちゃん。 「ま、そこは我慢してくれ、いい子にしてくれたらもう少し大きなおうちを買ってあげるから」 「ほんと?たのしみ!」 やまめちゃんは壁の向こうの俺に向かって、にぱっと微笑みを投げかける。 虫かごの中の小さな少女という光景は、見様によってはなかなか背徳的な雰囲気だ。 「やまめちゃん、なにかほしいものはあるかい?」 「ん~、べっどさんがほしいよ!」 欲しい物がベッドとは、なかなかハイカラな生き物だと思わず苦笑してしまう。 「ベッドねぇ」 人形用の小さなベッドなんてものがあるわけではない、どうしたものかと考えていると、やまめちゃんはかごの壁をぺしぺしと叩いて俺を呼んだ。 「なんだい」 「やまめのべっどさんあるよ、とってきてもいい?ここからだして!」 一瞬、逃げるための口実か?などと思ったが、無邪気な顔を見ると邪推でしかないかという気がして、 俺は素直にかごから出してしばし自由にしてやることにする。 するとやまめちゃんは迷いなく家具の隙間に体を滑らせ、なにやらごそごそと音を立てながら戻ってきた。 「おかえり・・・って、げげっ!」 「べっどさ~ん!」 誇らしげな笑みを浮かべながら何かを引きずってきたやまめちゃん。 俺はそれをみて思わず声をあげてしまった。 それはよくよく見るといつか失くしたはずの俺の靴下で、小さな手がつかむ靴下の口からは、 何に使ったかわからないようなティッシュの残骸が顔をのぞかせていた。 「うわあああああ」 おそらく靴下の形状からするとそれと同じティッシュか何かが中にも詰まっているのだろう、 小動物の寝床らしいといえばらしいが、とても中を見る気にはなれず、俺は素早くそれを奪ってゴミ箱にボッシュートする。 「やまめのべっどさんがぁーー!!どうしてひどいことするのぉ!?」 「あーあーあーきこえなーい」 家に寄生する勝手な同居人ということは分かってはいたつもりだったが、 やはり根本的な考え方のミゾは埋められそうもないな…などとセンチな気分になってしまった、ぶっちゃけ引いた。 ぷりぷりと怒るやまめちゃんを無視して、俺は次の休みには絶対家具裏を徹底的に掃除してやろうと心に誓う。 すっかり機嫌を損ねてしまったやまめちゃんを捕まえてかごに戻す。 俺の使い古しの靴下(使用済みティッシュ入り)が相当お気に入りだったのか、半べそかいてすらいる。 仕方ないので俺は洗って干してある新しめの靴下を提供してやることにした。 「いいの!?」 「ああいいよ、汚いのより千倍マシ」 できるだけ元の状態を再現してやったほうがいいかと思い、ティッシュを数枚与えると、 やまめちゃんは嬉々としてそれを受け取り、小さな両手を使って器用にまるめたり折ったりして靴下の中に巣を作っていく。 しばらくすると突然勢いをつけてずぼりと頭から靴下にダイブし、足だけを残して埋まってそのまま微動だにしなくなった。 たっぷり数十秒その状態を維持してから、もぞもぞと後ずさりで這い出てくる。 「あ、ノーパンなんだ・・・」 いかんいかん何を見ているんだ俺は………。 「んふぅ~、とってもゆっくりできるよ!」 夢中になって作業してほんのり赤みを帯びた頬に、無造作に突っ込んだせいで乱れた髪の毛や衣服がちょっぴりエロっぽかった。 新しいねぐらは思いのほか快適だったらしい。 その後も有り合わせのもので、ご飯用スペースやらおトイレやらを設置していく。 といっても俺は彼女が欲しいといったものを与えるだけだったり、こういうのどう?と提案する程度で、 実質的な内装づくりは全てやまめちゃんが行っていった。 そこらへんは種族が違っても女の子、といったところなのだろう。 一通り作業が終わり、虫かごの中がまさに我が城というような状態になったところで、 やまめちゃんはこちらを向いて誇らしげに胸を張って言い放った。 「ここをやまめのゆっくりぷれいすにするよ!」 全身をつかった作業でとっちらかった髪の毛や、汚れのついた頬もそのままに、 実に嬉しそうにお家宣言をするやまめちゃん。 ついついこっちも微笑ましい気分にさせられてしまう。 「ふふっ、どうぞゆっくりしていってね」 「おにーさんもゆっくりしていってね!」 ゴキブリか家ゆか、と言われているほどの嫌われ者退治を行ったところの今回の騒動。 これにて一件落着! …と、そうそううまくは行かないのが世の常である。 ちょっと変わったペットを手に入れたぞ、という程度で終わったと思いすっかり気を抜いてしまった俺。 不幸やアクシデントっていうやつはこういう気持ちの隙間を、わざわざ狙いすましてやってくるものなのだ…。 俺とやまめちゃんが出会ってから数日後の夜。 『ゆ・・・ゆ・・・』 大音量というわけではないが耳につくあの声が、俺を眠りの淵からひっぱりだした。 「うぅ~ん・・・やまめちゃんうるさいぞぅ・・・」 結局俺が悩まされていた家ゆ騒動の原因はやまめちゃんだったので、あとはやまめちゃんが静かにしてくれればいいだけだ。 だけどここ数日思い出したかのようにやまめちゃんが夜泣きを初めてしまった。 俺は明日ことは注意してやるぞと思いながら、もぞもぞと布団をかぶって頭を覆い隠し再び深い眠りにつく。 だが、次の日の朝、靴下ベッドに下半身を突っ込みながら、 餌として与えていたピーナッツを齧るやまめちゃんに詰め寄った俺は、違和感を覚えることになる。 「ゆ?やまめはずっとおねむだったよ?」 「ずっとって、夜中も?」 「よなかってまっくらなとき?」 「そうそう、真っ暗な、俺が寝てるとき」 「おにーさんがねてるならやまめもねてるよ?」 「でもほら、夜中に起きてちょっとお歌を歌ってみたくなったりとか」 「なあにそれ?まっくらならやまめはねて、あかるくなったらやまめはおきるよ」 「そ、そう・・・」 あまりに無邪気な反応に、どうせやまめちゃんが犯人だろう、いやそうに違いないと思っていた俺は、かるい罪悪感さえ抱いてしまう。 でもやまめちゃんじゃないとしたら一体…考えられるとしたら選択肢は一つ、いやでも…。 そんな思いを抱えながら、俺は会社へと出勤するのだった。 帰宅後、いつものように部屋着に着替え、やまめちゃんの餌やフン置き場をチェックして、ぼんやりと過ごしていると、 やまめちゃんが虫かごの壁をティッシュで拭き掃除しながら、俺に話しかけてきた。 「ねーねーおにーさん」 「なんだいやまめちゃん」 「さっきそこでれいむをみたよ」 「はっ!?え、れいむってゆっくりの?」 「そだよ、おにーさんがいってた”いえゆ”ってやつだとおもうよ」 「ま・・・まじか、そうか、やっぱり・・・」 前にユルサンを炊いた時に、出てきたやまめちゃん以外居ないとすっかり思い込んでいた。 というよりも、仮にいたとしてもあれ以来しばらく平和な日々が続いたので、 あの時やまめちゃん以外は全て死滅していたと思っていた、思いたかったのだ。 考えても見れば、侵入経路と住み着きやすい状態さえあれば、害獣っていうやつはそうそういなくなるものではない。 たかが一回程度駆逐したところで、所詮それは気休めに過ぎなかったのだ。 「お、おのれ家ゆっくり・・・」 絶対に許さない!絶対にだ! 俺がメラメラと黒い闘志を燃やしていると、やまめちゃんがクスクスと笑って俺に声をかける。 「おにーさんって、ほんといえゆがきらいなんだね」 「ああ、だいっきらいだ!」 「おもしろいねおにーさん、ねえねえ、やまめがいえゆやっつけてあげようか?」 「へ?」 「だして~」 「あ、おう」 小さな手でぺしぺしとプラスチックの壁を叩くやまめちゃん。 俺は突然のことに思わずすんなりとやまめちゃんを出してやってしまう。 「じゃあいってくるね、ちょうどあまあまがたべたかったんだ~」 「い、いってらっしゃい」 やまめちゃんは軽く俺に手をふって、大きなスカートとポニーテールをゆらゆらと揺らしながら、 家具の隙間に向かってパタパタと走っていく、そして器用に身を滑らせて家具の隙間に入って行ってしまった。 「ん?どういうこと?」 俺はやまめちゃんが走って行った方向を見つめながら呆然としてしまう。 やまめちゃんの言った、『俺は家ゆが嫌い』『家ゆをやっつける』そして『あまあまが食べたい』が、今一つ俺の中でつながらない。 彼女は一体なにをしたかったのだろうと考え出したとき、俺の耳にクソうるさい不快な声が飛び込んできた。 「うわああああああああああああああああ!」 「やまめだあああああ!!!」 「おちびちゃんにげてえええええ!!!」 「やまめちゃんだぞ~」 「うるっせ・・・」 思わず俺は耳をふさいでしまう、それでも聞こえる叫び声。 どこか聞き覚えのあるうるさくムカつく悲鳴、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのものだろう。 「いやだぜええ!しにたくないのぜ!しにたくゆ”っ!!!」 「まりざあああああ!やめでねごないでねれいむだけはたすけゆ”っ!!!」 「ゆっくちにげりゅよっ!」「ゆっくちこないでにぇ!」「ゆんやああおうちきゃえりゅうう!!」 「おとなしくしろぉ~」 緊迫感と絶望感あふれる叫び声に混じって、間延びしたやまめちゃんの声が聞こえるのが、かなりシュールだった。 にゅっ、ぷるんっ! 効果音にするとそんな感じだろうか、けれどこれを見た俺は思わず鳥肌ものの映像が目の前で繰り広げられる。 やまめちゃんが入っていった隙間とは反対側の小さな隙間から、大きさ一センチ前後くらいだろうか、 とにかく小さな家ゆっくり達が顔を出し、飛び出してきた。 おそらくさっき聞こえた悲鳴から察するに、子れいむと子まりさなのだろう。 一匹、二匹、三匹…十数匹が次々飛び出しては蜘蛛の子を散らすようにでたらめに走り去っていく。 吐き気と軽い眩暈に襲われながらふと我に返り、手近にあった雑誌を丸めて応戦しようとしたところで、 別の隙間からやまめちゃんが颯爽と飛び出す。 「あっはははははーー!!」 妙にテンションの上がったやまめちゃんが、普段ののんびりとしたイメージとは真逆の俊敏な動きで一匹また一匹と、 逃げ惑うゆっくり達をとらえていく。 あるものはつかんで投げ飛ばされ、あるものは脳天を踏みつぶされ、動きを止めていく。 やまめちゃんはあっという間に奴らを全員仕留め、一か所に固めてその上にまたがった。 「いやじゃ・・・いやじゃよぅ・・・」「たしゅけてね、れいみゅをたしゅけてね・・・」「ゆぴぃぃぃぃ・・・」 まだ息のある子ゆ達の命乞いや鳴き声がスカートの中から聞こえてくる。 「んっあっぁ・・・」 それらを無視して、何故かやまめちゃんは突然恍惚とした表情を浮かべ、ぷるぷると震え出した。 「ふぅ・・・」 うっとりと息を吐いてからその場をどいたやまめちゃん、やまめちゃんがいた場所には、子ゆ達と入れ替わって白い塊が置いてあった。 「おにーさん、これたべていーい?」 「え、それ食べるの?」 「うん!」 「べつにいいけど・・・」 「やった~」 俺の答えに、やまめちゃんは両手を挙げてひらひらとさせ、喜びを全身で表す。 いい運動になったのか、頬は紅潮し、実に満足そうだった。 「おかたづけしてくるね」 やまめちゃんはそういうと、最初に入っていった隙間に再び潜り、さっきと同じような白い塊をいくつも運び出してくる。 「ふう、これでおわりー、ねえねえおにーさん、これおうちにいれてくれない?」 集め終わった白い塊を指して、やまめちゃんは俺におねがいをする。 「別にいいけど、ってなんだこりゃ」 白い塊を触った俺は、なんだかネバつく感触に思わず顔をしかめてしまう。 「なあやまめちゃん、これなにさ」 「いえゆだよ?」 「まじで」 「まじだよ?」 やまめちゃんは手近にあった塊の一つに手を差し込み、ぶちぶちと音と立てて割り開く。 すると中から、うつろな目をして息絶えているれいむが顔をだした。 「げっ、キモ」 「おいしいよ?」 やまめちゃんはれいむの顔の一部を手でちぎると、そのまま口に運び、笑顔になった。 「あまあま~しあわせ~」 「よ、よかったね・・・」 バイオレンスなその光景に、思わず胸やけしてしまう。 「おにーさんもたべる?」 「遠慮します、ところでその白いのはなんなのさ」 「ねばねばさん?」 「ねばねばさんっていうの?これ、これはなんなの」 「ねばねばさんは、ねばねばさんだよ、みててね」 そういうとやまめちゃんは俺に背を向けて、おもむろにスカートをまくりあげ、軽く足を開いた。 まるくて可愛いおしりが俺の目に映る。 「んっ・・・あっ!」 悩ましげな声を上げてやまめちゃんが力むと、おしりの間から白い糸状のものが勢いよく床に降り注ぐ。 「これが・・・ねばねばさんだよ・・・」 頬を紅潮させたやまめちゃんは、スカートを下して床にたまった糸をすくい、俺に差し出した。 たしかにそれはさっき見た塊のように白くてねばねばしていて、まるで蜘蛛の糸のようなものだった。 全ての塊を片付け終わってやまめちゃんをかごに戻すと、やまめちゃんは収穫物を自らの餌箱のそばに置いて、実に満足そうだ。 「ねえねえやまめちゃん、また家ゆが出たら退治してくれる?」 俺が思いきって相談すると、やまめちゃんは俺に笑顔でピースサインを送った。 「まっかせてー!いままでもそうだったんだよ?」 その後聞いた話では、今までうちに住んでいたやまめちゃんは、発生した家ゆを駆逐して食糧にして生活していたらしい。 俺はあの日家ゆを退治するつもりでユルサンを炊いて、やまめちゃんを捕獲した。 それが結果として家ゆの繁栄をもたらすことになってしまっていたとは、なんとも本末転倒な話である。 その日俺は、虫かごはそのまま家として利用してもらうことにして、 やまめちゃんが自由に箱から出入りすることができるようにかごを改造してやった。 やまめちゃんはきれい好きで、たとえ自由に外に出ることができたとしても、糞尿をまき散らかしたりはしなかったし、 おうちの虫かごを気に入ってくれていて、普段はそこ居て俺に愛くるしい姿を楽しませてくれる。 そしてなんと、頼めば今まで家ゆ達が残していったうんうんや、その他生活汚れを隙間に潜って綺麗にしてくれたりもしたのだ。 まさにやまめちゃんさまさまである。 全てが上手くいき、これからが順風満帆に進むと思っていた…。 ある日俺が帰宅すると、部屋の隅にやまめちゃんが立っていた。 けれどそのやまめちゃんは、俺が毎日見ていたものよりもずっと体が小さく、 俺と目があった瞬間に肩をビクリとさせ、どこかよそよそしい。 疑問に思った俺はやまめちゃんのかごの中の靴下のベッドをつつくと、靴下がもぞもぞと動き、やまめちゃんが顔を出す。 「あれ?いたんだ」 「ゆ?おにーさんおかえりー」 やまめちゃんは眠っていたのか、むにむにと目をこすって大きなあくびをする。 俺がさっき目撃した小さなやまめちゃんは、再びそこを見るとすでにいなくなってしまっていた。 「ん~??変だな」 「どうしたの?」 「いやね、さっきそこに小さいやまめちゃんがいた気がしたんだよ、疲れてるのかな・・・」 「!!?うそ!おにーさんそれほんとう!?」 俺のつぶやきに、やまめちゃんは珍しく声を張り上げて食いついてくる。 「あー、見間違いじゃなきゃ、たぶん」 俺がそういうと、やまめちゃんは突然そわそわとして、居ても立っても居られないという様子になってしまった。 「どうしたのさ」 「あのね、ずーっとまえにね、ゆめでままがいってたの」 「夢で、ママ?」 「うん、ままはやまめになんでもおしえてくれてね、かりのしかたや、 ひとりでいきていくほうほうも、ぜんぶままからおしえてもらったの」 「そうなのか」 そういえば聞いたことがある、ゆっくりは最低限必要な知識や記憶の一部を、親からそのまま受け継ぐことができるのだそうだ。 やまめちゃんが言っているのは、きっとそういうことなんだろう。 神妙な面持ちで語るやまめちゃんに、俺は思わずかしこまって聞き入ってしまう。 「それでね、ままが、ひとりでいきてていつかおとなになったら、やまめをさがしにいきなさいって、 それかいつかやまめをべつのやまめがむかえにきたら、ついていきなさいって、いってたの」 「え、それって・・・」 やまめちゃんはどこかさみしそうに眼を伏せた。 「ごめんなさい、やまめ、いかなきゃ・・・」 「ま、待ってくれよ、突然すぎるって」 そう、あまりに突然のことだ、俺はやまめちゃんのことを気にいっていたし、これからもずっとうまくやっていけるって信じていた。 「夢のことなんて、もしかしたら本当じゃないかもしれないじゃないか、もっとここでゆっくりしていきなよ」 思わず必死になって引き留めようとする俺、しかしやまめちゃんは顔を上げてはくれなかった。 「おにーさんには、いっぱいいっぱいありがとうってきもちでいっぱいだよ、でもままのいうことはきかないといけないの・・・」 「そうか・・・」 全身の力が抜けてしまったように、その場で呆然と立ち尽くしてしまった。 やまめちゃんの表情は俺からは見えない、やまめちゃんも心苦しいのか、重たい空気が二人の間に横たわっていた。 「さっき見たやまめは、あっちにいたよ、今追いかければ会えるかもよ、いきな」 そんな空気に耐えられなくなって、俺はできる限り明るい声を出したつもりでやまめちゃんを促す。 けれど自分でもわかってしまうほどに、こみ上げる何かが俺の声を少しずつ鼻にかかったような声にしていく。 「ごめんなさい、もしもちがったら、かならずすぐにもどってくるから!」 やまめちゃんは結局俺のほうを見ないまま、俯いた状態で俺の指差す方向に駆け出していった。 これでいい、これでいいんだ、俺は何度も自分に言い聞かせる。 今振り向かれたら、もしかしたら閉じ込めてでも引き留めてしまうかもしれない、そんな予感さえしていた。 やまめちゃんは滑り込むように家具の隙間に入っていき、結局その日俺のもとに戻ってくることはなかった。 「ただいま」 部屋の中にむなしく響く声、返ってくる音はせいぜいボイラーの駆動音くらい。 温かみのない部屋と、意識すると耳にこびりつく単調な音の波、一人なのだということを認識させられる。 やまめちゃんと過ごしたほんの短い時間、指折り数えられる程度の日数の中に、 こんなに未練が残ることがあるなんて思ってもいなかった。 あれから数週間が立った。 やまめちゃんが去って行った次の日、俺は部屋を掃除し、家具の裏に小さな穴を発見する。 忌々しい家ゆはあの穴から侵入していたのだろう、 けれど俺はやまめちゃんとの繋がりを消してしまう気がして、その穴をふさぐことはできなかった。 俺が与えたやまめちゃんの虫かごのお家は、今もそのままに置いてある。 もちろん適度に餌箱の中身を新しくして、手入れをしている、 そんなことが意味のないことなのかもしれないことは、十分わかっているつもりだ。 着替えを済ましてテレビをつけ、コンビニで買ってきた飯を食う。 何を考えるわけでもなくぼんやりとしていると、部屋の隅で小さな物音がした。 「まさか!」 思わず声を上げる、居てもたってもいられなかった。 「なんだ・・・」 立ち上がり音のする方向を見やるとすぐに落胆が俺を襲う。 「ゆっ!ゆっ!しあわせー!」 遠くからでも聞こえる声は、耳につく不快な声。 まん丸の体に、ぎょろぎょろと動く大きな目から涙なんか流して飯を貪る家ゆの姿がそこにあった。 まだあいつは気づいていない、そこにあるのは俺がやまめちゃんと別れて少ししてから買ってきた、 『アニキ印の家ゆっくりホイホイチャーハン』だ。 何故チャーハンなのかはよくわからないが、これは簡単に言えば家ゆ用のネズミ取り。 つまりのうのうと食事をしているあいつはすでに檻の中、かったるいが後で処分することにしよう。 やまめちゃんがいなくなってから、壁に開いた穴を修理することもなかったせいで、 たびたび家ゆの被害にあうようになってしまった。 けれどユルサンを炊くことはできない、運よくあの時のように出会えたらいいものの、 万一この家のどこかや穴の向こうに住んでいるかもしれないやまめちゃんを、 殺してしまうような危険を冒すことはできなかった。 「ゆゆっ!?うんうんでるよ!うーんうーん!」 「チッ・・・」 飯を食ったらクソを出す、生物として当たり前といえば当たり前の行動なのだが、 どうしてゆっくりっていうやつは見ていてこんなにも不快なのか。 実はやまめちゃんは家ゆっくりなんかじゃなくて妖精で、俺の妄想が生み出した架空の存在だったのではないだろうか。 この目の前で丸いケツをゆがめてクソをひりだしている饅頭と、 やまめちゃんが同類であるという事実よりは、そっちのほうがマシなような気がしてきた。 「あーあ、めんどくせ」 苛立ちともやもやで胃がムカムカとしてきた、俺は晩酌用に買ってきたビールをあおってティッシュを数枚引き出す、これがクソ饅頭の棺桶になる。 「ゆふー、まんっぞくっしたよ!おうちかえる!・・・ゆんやあ!どうしてでられないのお!?」 あの間抜けは小さな身体を檻の細かい網目に食い込ませて、今度は絶望の涙を流している、どうやらやっと自分の置かれた状況に気付いたらしい。 いや、正確に言うとまだ出られない箱の中に閉じ込められたという程度の認識だ、 おそらくこの後自分が何のためらいもなく殺されるなんて思ってもいないだろう。 俺はその現実を思い知らせてやるため、あくまで事務的に箱を開け、ティッシュでくるんでそいつを圧殺し、ゴミ箱に捨てた。 なんてことはない、単なる害虫駆除だ、一寸の虫にも五分の魂というが、 人間様には自分たちの衛生的に悪いだの不快であるという殺すべき十分な理由がある。 だけど決して晴れた気分ではない、一匹見たら十匹五十匹、こんな無益な一方的な殺戮とストレスとの戦争が続くのかと思うと辟易してしまう。 再び罠として活用するために、先ほど哀れな家ゆをとらえた檻を利用可能な状態に持っていく。 これが案外と難しい、餌をセットするのには扉部分を上げてセットし、抑えたままひっかけを組んで…。 「痛てっ!」 バチンと音がして、俺の腕に金属のパーツが食い込む。 酒が入ったおぼつかない手と、濁った思考ではスムーズに作業が進まなかった。 俺は苛立ちに任せてぽいと檻を投げる、壁に当たって床に落ち、ガチャリと無機質な音が部屋に響いた。 「あーあ、やまめちゃん帰ってきてくれよ・・・」 深いため息をつき、その場にうなだれて愚痴を吐く。 当然その声に返すものはいない…はずだった。 「よんだ?おにーさん」 「やまめちゃん!?」 家具の影からひょっこりと顔を出したのは、まぎれもなくやまめちゃん。 一瞬酔って見た幻覚かと思った、けれどあまりの驚きにビール一本分の酔いなんて吹き飛んでしまう。 「本当に本物のやまめちゃん!?」 「ほんとーにほんとのやまめだよ、いなくなってごめんね・・・」 「いいんだ、いいんだよ、お帰り、帰ってきてくれたんだよな!」 あまりの嬉しさについ語調が強くなる、駆け寄るように近づいて、俺はやまめちゃんを手ですくい上げた。 「ひゃっ!びっくりしちゃうよ」 「ごめんごめん、何か食べたいものとかあるかな、今すぐ用意するよ」 「ううん、とくにないよ、ありがとう」 すっかり歓迎ムードで一人浮かれきっている俺に対して、やまめちゃんの表情はあまり明るい物ではない。 「やまめちゃん、どうかした?」 そこで初めて俺はやまめちゃんの異変に気付く、身体全体に力が入っていない、 やまめちゃんは俺の掌の上でぐったりと身を投げ出し、横たわったままだった。 「どうもしないよ、だいじょうぶ」 「全然大丈夫じゃないじゃないか、えっと、こういう時どうしたらいいんだ、病院とかって今からやってるのかな」 あわてふためく俺に、やまめちゃんはゆっくりと笑顔になって、俺を止める。 「ほんとうにだいじょうぶだよ、でもごめんね、せっかくあえたのに、やまめはきょうおにーさんにおわかれをいいにきたの」 「そんな・・・」 やまめちゃんの、俺を安心させるための驚くほどやさしい笑顔、 でもそれはとてつもなく儚げで、今にも消えてしまいそうだった。 その醸し出す雰囲気に、俺は思わず動くのをやめ、掌の上のやまめちゃんとじっと見つめあってしまう。 「おにーさん、ほんのみじかいあいだだったけど、やまめはおにーさんとあえてしあわせーだったよ」 「おい、やめろよ、なんでそんなこと言うのさ、それじゃまるで・・・」 言葉が詰まる、もうわかっていた、きっとこのまま、今からやまめちゃんは俺の手の中で死ぬ。 俺の掌の上で、わずかな重みが軽くなるかのように、どんどんやまめちゃんの体から力が抜けていく、もう頭しか動いていない。 「きいて、おにーさん・・・」 「ああわかった、聞く、最後まで聞く」 涙がにじむ、だけど俺はやまめちゃんの最後をしっかり目に焼き付けようと、袖で目をぐいぐいと拭う。 やまめちゃんが言う言葉の一つ一つを決して逃すまいと、耳をそばだて、じっとやまめちゃんの顔を見つめた。 「あのね、やまめしあわせーだったよ、おにーさんとあえて・・・ ずっとひとりだったけど、さみしくなかったけど・・・おにーさんとあって、もっともっといっしょにいたいっておもってた・・・ だから、だから・・・」 「うん、うん・・・俺もやまめちゃんとあえてよかっだ!」 鼻水をすする音も煩わしい、涙と鼻水でぐちゃぐちゃの俺の顔を見て、やまめちゃんがほにゃりと笑った。 「おにーさん、へんなかお・・・ふふっ、あのね、これからもずーっと、やまめを・・・よろしくね・・・」 「ああ、約束する、ずっと一緒にいてやるから!」 「あり・・・がと・・・」 やまめちゃんが静かに目を閉じる、俺の目から落ちた涙がぼたぼたとやまめちゃんの頬に落ち、 俺がそれを拭ってやっても、もうやまめちゃんが目を覚ますことはなかった。 どうしてこんな結果になってしまったのかわからない、けれどやまめちゃんは最後に俺のところに会いに来てくれた、 もう二度と会えないと思っていたけど、最後の最後にほんの少しだけでもあえた、それが純粋にうれしかった。 やまめちゃんとの再開と、あまりにも早い永遠の別れ、その悲しみに泣き崩れそうになったところで、やまめちゃんの身体がもぞもぞと動いた。 「えっ?」 いや、正確に言おう、やまめちゃんの大きなほっこりと膨らんだあのスカートが、あまりに不自然にもぞりもぞりと動いている。 左右にふわりふわりなんて可愛いものじゃない、上下左右縦横無尽に、荒ぶっている。 「えっ、ちょっ、何?えっ!?」 あまりの突然の現象に思わずやまめちゃんを落としそうになってしまう、パニックを起こしそうになったところで、それは起こった。 ぞわぞわぞわぞわ!!!!! 『ゆゆゆゆっゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっゆゆゆ』 「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 今度こそ、本当に申し訳ないけどやまめちゃんの体をぼとりと床に落とす、 その光景は後にも先にも本当に一生涯ないだろうというほど衝撃的だった。 やまめちゃんのスカートの中から現れた、粒、粒、粒、ほんの小さな何かの大群。 一や二じゃない、もしかしたら百、それ以上。 それらはやまめちゃんのスカートの中から飛び出すと、床に広がっていき、思い思いに散って、次第に動きをとめ、 一斉にこちらを向いた。 『おにーさーん!!』 「ひっ!」 ちょっとしたホラー映像だった。 バクバクと高鳴る心臓を無理やり押さえつけて、あくまで冷静にそれらを観察する。 大体個々の大きさは一センチあるかないか程度、すべてが見覚えのある顔をしていた。 「やまめ・・・ちゃん?」 『やまめだよー!』 おにーさんおにーさん、やまめだよ、きゃっきゃうふふとその子たちが一斉に騒ぎ始める。 一つ一つの音は小さくても、それは確かな波になって俺の耳に届いていた。 聞き覚えのある愛嬌のある声、見覚えのある顔、いや、というかそこで横たわっている大きなやまめちゃんと同じ顔。 半分以上は2.5投身程度の体のある個体だったが、顔だけの子もいる、それら全てが”やまめちゃん”だった。 結論から言おう、我が家の家ゆ被害はまさに0、まったくなくなったわけである。 それはなにを隠そう家ゆのおかげ、そう、やまめちゃんのおかげ。 「ただいま」 『おかえりなさーい!』 やまめちゃんは、いや、やまめちゃん達はあの後ほとんどが外の世界に旅立っていき、うちに残ったのは5匹だった。 ここから離れた子達も、元気に生活していることを祈るばかりだ。 だいぶにぎやかになったやまめちゃんハウスは、いまや虫かご程度では収まらず、 結局棚にしていたカラーボックスの下の段を貸し出す形でペットにしてはだいぶリッチな生活を送れるようになっている。 彼女らはもう半分同居人だ、我が家に侵入する不届きものは、家ゆや害虫を問わず俺に知られないうちに狩られている。 成長したやまめちゃん達から聞いたところ、とどのつまりあの時やまめちゃんがいなくなったのは、交配のためだったわけだ。 家に住み着くゆっくりという特殊な形態で生活していると、 交配相手が現れたら一も二もなく繁殖を優先させるというのは、種としての当然の本能なのだろう。 「あそんであそんでー」 「おにーさんだっこー!」 「おなかへったよー」 「きょうはさんびきもやっつけたよ!みてー!」 「うんうんでーるー」 うちに残ってくれたのは一部といっても、数は当初の5倍、姦しさは10倍といったところだろう。 「はいはい、ちょっと落ち着けって」 生まれた時から一緒に過ごしているおかげで、すっかりお父さん気分だ。 やまめちゃん達の一挙手一投足が微笑ましく愛しい。 ひょんなことから始まった俺とやまめちゃんの同居生活だったが、何の因果かこんなことになってしまった。 ゆっくりの記憶や経験は親から子に受け継がれる、それがどれくらいの割合だとか難しいことはわからないけど、 それが本当だというのなら、俺はなおさら”やまめちゃん”との約束を破るわけにはいかない。 もちろん破ろうだなんて気持ちはこれっぽっちもないけれど。 約束通り、俺とやまめちゃんは一緒、これからも、きっとずっと。 終わり。 ------------------------------------ お久しぶりですばや汁です。 家ゆ設定お借りいたしました、相変わらずの胴付きものになってしまいましたけど。 前作から約半年も間が空いてしまいました、久しぶり過ぎて感覚が取り戻せません・・・。 去年は後半まったく活動していなかったので、今年はもちょっと頑張って作品を出していけたらなと思います。 ご意見ご感想是非是非よろしくお願いいたします。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ 過去作はこちら。 ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html ばや汁でした。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3069.html
一方その頃 万能お兄さんの村の近くの山から、ゆっくり一家が山を下りてきた。 れいむとまりさ、そして子れいむ3匹、子まりさ4匹といった割合の家族である。 この一家は冬にすっきりして、子供が出来たせいで越冬の食料が足りなくなったために下りてきたのだ。幸いに今日は冬でも比較的暖かったおかげで、外へ出ることが出来る。 一家は、山の近くの万能お兄さんの家に近づいていった。彼の家は山に近い上に、村でもかなりの敷地量を誇るため、無能なゆっくりでも大きい家と一目見てわかる。 そして畑へと近づき 「今からここのおやさいさんたちをたべるんだぜ!!」 と親まりさが意気揚々と宣言した。 「ゆー!おやしゃいたべたい!!」 「ゆっくちできるんだにぇ!!」 と、喜びの声をあげる一家。一家は畑を隅々まで調べ、目当ての野菜を食べようとした。が 「どぼじでおやざいがないのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 すぐに悲劇へと変わった。無理もない、今は真冬である。こんな時期に野菜を作っているところなど、滅多にいない。 この一家は野菜は自然に生えるということをかたくなに信じている、まごうことなき野生のゆっくりであった。 だから冬でもあると信じていたが、見つからなかった。 「まりざあああああああ!!!おやさいないじゃないいいいいいいいいいいい!!!!!!」 伴侶のれいむが泣き、まりさを責める。子ゆっくり達も 「おとーしゃんのうしょちゅきーーー!!!」 「ゆっくちできにゃいおとーしゃんはゆっくちしにぇ!!!」 と口々に責め始めた。 「やめるんだぜええええええええ!!!!まりさわるくないんだぜええええええええ!!!!!!!!」 家族に責められまりさも泣く。するとまりさの目に家が入った。万能お兄さんの家だ。 彼女は責任を逃れるために 「こんどはあのいえをゆっくりぷれいすにするんだぜ!!」 と家族に話した。家族はすぐさまそちらのほうに興味が行き 「とてもおおきないえだね!!まりさおてがらだよ!!!」 「ゆーん!!はやくはいってゆっくちちたいよ!!」 「ゆっくちはやくはいりょうにぇ!!」 家族は家へと移動を開始する。玄関の前まで行き、玄関を開けようとしたが、硬く閉ざされている。 家族は 「あけるんだぜ!!はやくあけないとひどいめにあわせるんだぜ!!」 「はやくあけないとゆっくりさせないよ!!」 「ゆっくちはやくあけてにぇ!!」 と要求した。だが、今万能お兄さんの家には誰もいない。留守番のゆっくりさえもいない、子ゆっくりはいるが声はとどいていない。反応があるわけなく、家族は 「「「「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」」」」 と泣き始めた。だが、ゆんゆん泣いていつまでたっても一向に反応なし。仕方ないので、畑のほうの縁側へと移動した。 縁側の扉は鍵付き障子だったが、彼は戸締りをしたとき、ここを閉めるのを忘れていたようだ。障子に一生懸命体当たりをして、見事あけさせ、一家は中へと入った。 突然のよそ者に、家子ゆっくり達は無論驚いた。だが、まずは挨拶をしてみた 「そとからはいってきたよそものしゃん、こんにちわ!ゆっくりしていっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 挨拶程度なので問題なく挨拶を交わすゆっくり一家と家子ゆっくり。 だが、ゆっくり一家には目的があって来たのだ。 「ゆーん!!すっごくひろいね!!」 「ここはわたしたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!」 「ゆっくちできるよ!!」 「ゆ!!だめだよ!!ここはおとーしゃんたちのおうちなんだよ!!かってにおうちせんげんしにゃいでにぇ!!」 「うるさいよ!!きょうからここはわたしたちのゆっくりぷれいすだよ!!」 と、家子ゆっくりの注意も聞かず宣言する。 本来なら、野生のゆっくりは人の家のものを際限なく荒らし、壊し、食べるだろう。 だが、事前に片付けていたお陰で、ゆっくり達が遊べそうなものや、食べられるものなどなにもなく、あったとしても到底手の届かない場所においてあったりした。 戸締りは忘れるくせに、こういうところはしっかりとしている。なんとも、彼は間抜けなのか切れ者なのかがわからなくなる。 「どうじでだべものがないんだぜえええええええええええええ!!!!!!!!」 「おにゃかしゅいたあああああああああああ!!!!!!!」 食料がなくなって、それを食べに村に来て、せっかく家に入ったというのに食べ物にありつけず、家族は泣き始めた。 すると、家子ゆっくり達の巨大ゲージが目に入った。透明なので中になにがおいてあるのかもわかる。中にはゆっくりで来そうな寝場所や遊具、さらには食事まであった。 それをほしがらない理由はない。 「ゆっくりごはんをみつけたよ!!」 「わたしたちにたべられてね!!!」 「れーみゅたちのものだよ!!」 とゲージにむかって突進するが、激突して跳ね返った。 「ゆうっ!!なんでたべられないんだぜええええええええええええ!!!!!!!!」 「いだいよおおおおおおおおおおおお!!!!ゆっぐりでぎないよおおおおおおおおおおおお!!!」 野生のゆっくりなので人間が作った透明なゲージなどみたこともなく、なぜぶつかるのかもわかるはずもなかった。 家子ゆっくり達は、急に突進して勝手にぶつかってきた侵略者達を 「だいじょーぶ?ゆっきゅりいたいのとんでいってにぇ!」 「そんにゃにいしょぐと、ゆっくちできにゃくにゃるよ!!」 と心配し、声をかけた。 本来なら、普通のゆっくりであれば 「ゆっゆっゆ!!!とってもばきゃなゆっくりだにぇ!!!はやくここからでていってにぇ!!」 などと調子に乗った事を言うが、そこはやはり万能お兄さんとそのゆっくり達の子。生まれたときから優秀であった。無闇に他人を馬鹿にしようとはしない。 だが、せっかく心配してくれた子ゆっくりの心を踏みにじるかのように 「うるさいんだぜ!!とっととそのごはんをまりさとまりさたちのあかちゃんによこすんだぜ!!!」 「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだからあなたたちははやくここからでていってね!!!」 と暴言を吐いた。ここまで無碍にされると、いかに優秀な子ゆっくりといえどこれ以上は相手にはしたくない。 「ゆぇ〜ん、こわいよ〜」 「ゆぅ……しんぴゃいしたけどゆっくちしてにゃいよ……」 「みゅきゅう、これじゃああいてにしにゃいほうがいいわにぇ」 子ゆっくり達はこの一家に話すのは無駄だと悟り、ゲージのなかの遊具などでゆっくり楽しむことにした。 「ゆっくりするなあああああああああああ!!!!!!でていけえええええええええええ!!!!!!!!!」 「それはまりしゃたちのものだよ!!!あなたたちはゆっくりでていってにぇ!!!」 「れーみゅもあそびたいよ!!!!はやくそれをこっちにちょーらいね!!!」 だが無視された 「むじずるなああああああああああああああ!!!!!はやくここからでていけええええええええええええ!!!!!!!!!」 「ゆえええええええええええええん!!!まりしゃも遊びたいよおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「おにゃかしゅいたあああああああ!!!ゆっくちできにゃいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」 だが、しばらくすると疲れたのか、侵入者達はそれぞれ寝息を立て始めた。同時に、子ゆっくり達も遊びつかれたのか寝始めた。 ゆっくり一家が家に侵入して30分後、万能お兄さん達は帰ってきた。 「……ご主人様、なにかおかしい」 玄関の扉を開けようとしたら、ふらんが話しかけてきた。彼も玄関に手をかけたときに、なにか違和感を感じた。 「んー、もしかしたらゆっくりが家に侵入してるかもね」 彼はのんきにいって、家に入る。すると居間にゆっくり一家が堂々と居座って、寝息を立てていた。 「あっちゃー、やっぱりか」 縁側の障子から入ってきたのか、開いたままの縁側の障子を見て、彼は悟った。 彼の呟きに反応して、一家が目覚め 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 「ここはまりさたちのおうちだよ!!」 「にんげんはゆっくりでていってね!!!」 「でていくのにゃら、れーみゅたちにごはんをみってきちぇにぇ!!」 と元気よく定番の台詞を言ってきた。なんともむかつく。家ゆっくり達は、侵入者達に対して臨戦態勢をとったが 「こいつらは無視しろ、それより各自被害の有無を確認。それぞれチェックだ、散れ!」 万能お兄さんの一喝のもと、家ゆっくりたちは侵入者を無視して、家の隅々をチェックした。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおお!!!!!!」 「むじじないで、ばやぐまりざだぢにごばんをもっでぎでね!!!」 無視されたことに憤り、嘆く家族。それらを無視して彼はゆっくりたちの報告を待った。5分後、ゆっくり達は彼の下に集い、報告する。 「まど、いじょうなし!!」 「台所、異常ありません(ヒュンヒュン)」 「しょくりょうこ、あらされていませんぜ!!」 「むきゅ、こわされたものもないです」 「すべていじょうありませんよー、だいじょうぶですよー」 「よしよし、皆ご苦労」 事前に片付けて置いてよかった、それに子ゆっくりたちをゲージに隔離しておいたこともよかった。だが念のために 「子供達、大丈夫かい?どこにも怪我はないかい?なにかされなかったかい?」 と彼は声を掛けた。その心配する様は親が子を心配する様と同じだ。 「おとーしゃん!!しらにゃいひとがはいってきちゃよ!!」 「ゆっくちしてにゃくてこわきゃったけど、わたしちゃちはだいじょうぶだにょ!!」 「まりしゃたちいいこにしてちゃよ!!ほめて!!ほめて!!」 どうやら無事なようだ。羽付きの子ゆっくりも外にでてないみたいだし、彼は安堵した。 「ご主人様、こいつらどうするんですどぅー」 「侵入者は速やかに排除しなければいけませんね(ヒュンヒュン)」 家ゆっくり達は敵愾心をあらわにして、一家ににじりよる。捕食種もまじったゆっくり達に囲まれ、ゆっくり一家は身の危険を感じてガタガタと震え始めた。 だが、万能お兄さんは家ゆっくりを制して、一家に向かってやさしく説いた 「君達、人の家に侵入したことはゆるせないが、今は気分がいい。はやく山に帰りなさい」 だが、一家は 「ここはれいむたちがみつけたおうちなんだよ!!」 「でていくのはおまえたちのほうなんだぜ!!」 「そんにゃこともわからにゃいの?ばきゃなの?しにゅの?」 「でていくにゃら、まりしゃにごはんをもってきてにぇ!!」 と堂々と言い放った。目の前に捕食種もいるというのに、なんとも堂々としたものである。 勇気があるのか、バカなのか。おそらく後者だろう。むしろ人間に対してはなめた態度をとるのが理由かもしれないが。 せっかくご主人様が見逃すというのに、あろうことかお家宣言をし、図々しくも食べ物を要求するこの家族に激怒し、ふらんは、 「うー!!ゆっくりしね!!!!」 と殴りかかった。だが、その渾身のパンチを主人が手で受け止める。 「ご、ご主人様!?」 「やめなさい、ふらん。君はかしこい子だろう。君が怒っているのもわかるし、うれしいけど、僕はこいつらを殺せとは一言も言っていないよ?」 「で、ですが」 「いいから、ね?」 と笑顔を向けられ、ふらんは赤くなりながらしぶしぶ下がった。 彼はもう一度家族に向かって 「ここは僕の家なんだけど……、出て行こうとしないのかい?逃げるなら今のうちだよ?」 「ゆっ!!でていくのはそっちだよ!!さっきのはなしをきいていなかったの?ばかなの?しぬの?」 「ついでに、まりささまにごはんをもってくるんだぜ!!」 同じような台詞をだしたので、彼はやれやれといって首をすくめた。そして家ゆっくり達に向かって 「みんな、この聞き分けのない家族には完全無視の罰を与える。こいつらに構っちゃダメだよ?そして決してこの居間からださないこと。でも自己防衛なら許す。 ただし、殺してはダメだ。OK?」 「「「「ゆっくりりかいしました!!!」」」」 「ちなみに、僕はレポート目的と子供達への教育のためにやっているんだからね。間違ってもこいつらに慈悲なんかでていないから安心してね」 「「「「ゆっくりあんしんしました!!!!」」」」 そういうと、彼は2階の自分の部屋へと上がり、ゆっくり達は段ボール箱のジョロキアなどのトウガラシを協力して倉庫へと運んだ。 やることのないほかのゆっくり達は居間に入って、ゆっくり休む。 一家が 「とてもきれいなれいむね!!わたしたちとゆっくりしようね!!」 「ありすはとてもきれいだから、とくべつにわたしたちの家でゆっくりさせてやるんだぜ!!」 「ゆっくちしていっちぇにぇ!!」 と話しかけるが、皆無視する。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 そして、家ゆっくりはお兄さんが片付けておいたゆっくり専用トランポリンや、トランプなどの遊具をひっぱり出して遊び始めた。 「ゆっ!!わたしたちのおうちにあるものだから、それはわたしたちのものだよ!!」 「ゆっくりかわってね!!」 「れーみゅにあそばせてにぇ!!」 「はやくまりしゃにかわってね!!!」 だが無視する。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 「れーみゅにかわってよおおおおおおおお!!!!!!!」 「まりしゃもあしょびたいよおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 せっかくはなしかけたのに、なんで無視するんだろう。ここは私達の家なのに。 私達がここに特別にゆっくりさせてあげてるのに、なぜ無視するのだろう。 そのトランポリンも、トランプも、私達の家にあったから私達のものだ。それを独り占めするなんてゆるせない。 私達より美人だからって、ゆるせない。 「わたしたちをむしするゆっくりはゆっくりしね!!」 とれいむは家れいむに体当たりをした。だが、家ゆっくりは野生のゆっくりより1回りか2回りほど大きい。それに彼のゆっくりたちはプラチナバッジを持つほど鍛えられている 野生のゆっくりの体当たりごときで怪我などしないのだ。それほどまでに頑丈である。 蚊に刺されたかのような感じで、家れいむはれいむを一瞥するとまたも無視した。 「むじずるなああああああああああああああああああああああ!!!!!!!じねえええええええええええええええ!!!!!!!!!」 さらに何回も体当たりをする。が、まったく効かない。だが何回もやられれば鬱陶しい。家れいむは体当たりをしたれいむを軽く突き飛ばした。 「ゆげっ!!」 家れいむにとっては「軽く」であるが、大きさも力も上なのである。軽くのつもりでも、れいむからすればものすごく痛い。 壁に激突して、れいむは痙攣したあと気絶した。 「おがあああああああしゃああああああああああん!!!!!」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおお!!!!!」 「おかーしゃんをいじめるやつはゆっくちちねええええええええ!!!!!」 「ゆっ!!おちびちゃんたちだめだよ!!このれいむはつよいからかてないよ!!!」 親まりさが子をとめる。先ほどのれいむの体当たりをなんとも思わず、一撃でれいむを気絶させた。それをみて、まりさはこのれいむは相当に強い。 私達が叶う相手ではないと悟った。 そして、この家のゆっくり達が私達を無視していることが怖かった。無視されるのは嫌だ、だがしつこく言えば痛い目にあう。先ほどのれいむがいい例だ。 ゆっくり一家はおびえながら、居間の隅のほうで固まっていた。 夕方、居間の隅で固まったままの一家を一瞥した。皆おびえている。一家はお兄さんをみると、希望を見出したのか 「おにいさん!!わたしたちをたすけてね!!」 と助けを求めた、だが彼は無視して台所へと向かい、夕食を作り始めた。 居間のほうから悲鳴が聞こえたが、彼は無視して、野菜を切りはじめた。生ゴミはゆゆこが自ら進んで残さず食べてくれるので、ゴミ問題に貢献している。 「みんな、今日は鍋だよー!!」 居間のコタツの上にカセットコンロをおき、その上に鍋を置いた。グツグツに煮え、美味しい香りが居間を瞬く間に包む。 ゆっくりたちは、コタツのまわりに綺麗に並び、彼と胴付き4匹は手がないゆっくり達の分を注ぎ分けていた。 ちなみに、育ち盛りの子ゆっくり達は親より多めである。 一家はおいしそうなにおいに反応して、辺りを見回した。コタツのところからにおいがする。 まりさとれいむは 「おいしそうなにおいがするよ!!」 「ぜんぶまりさたちのものなんだぜ!!」 「まりしゃたちにちょーらいね!!」 と、お兄さんに近づいて要求した。だが反応はない。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおお!!!!!!!わたしたちがたべたいっていっているでしょおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 れいむが怒りに任せて体当たりした。 「うわっ!!」 鍋をお椀に注いでいる状態で、いきなり衝撃が加われば危険である。おわんに注がれた熱いお汁が波打ち、彼の指を襲った。 「熱っ!」 思わず悲鳴を漏らす。だがお椀は消して手放さない。はなせば、周りの子ゆっくり達に熱い鍋汁が襲い掛かり、もっと酷いことが起きるからだ。 彼は我慢して、おわんをもちつづけた。れいむが、先ほどの攻撃が彼に効いているということがわかると 「ゆっゆっゆ!!ばかなおにいさんだね!!!わたしたちのいうことをきかないからだよ!!これにこりたらはやくごはんをよういしてね!!!」 と勝ち誇った表情で見下す。だが、彼は無視しておわんに注ぎ始めた。 「むしするなあああああああああ!!!!!!しねええええええええええええええええ!!!!!!!!」 またもや体当たりをかまそうとするれいむを、ふらんが立ちはだかり、彼を守る。 「うあああああ!!!!!ころすぞゆっくりぃぃぃいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!」 ふらんは大声をあげ一家を威嚇し、主人に攻撃したれいむにパンチを繰り出した。れいむはそのまま吹き飛ばされ、壁へと激突する。 ふらんのパンチがあまりにも強かったせいか、壁に餡子を撒き散らしてしまった。だが、まだ生きており「ゆ゛っゆ゛っ…」とうめき声を上げている。 彼の言ったことはきちんと守っているようだ。蛇ににらまれた蛙のように、捕食種ににらまれた他の一家は動けなくなる。今攻撃すれば、確実に死ぬ。本能で理解する。 万能お兄さんは、家子ゆっくり達から 「おとーしゃんらいじょーぶ!!」 「れーみゅがゆっきゅりなみぇるからゆっきゅりなおしちぇにぇ!!」 と火傷を負った手をたくさんの子ゆっくり達から舐められていた。 「ああ、子供達ありがとう。心配かけてごめんね」 「みゅきゅう、はやくよくなってにぇ」 「みんにゃでおとーしゃんをなみぇればなおるよー」 「うんうん、子供達ありがとうね。お父さんうれしいよ」 彼は子ゆっくり達に感謝しつつ、オレンジジュースをふらんに渡して、れいむにかけさせた。 まだうなっているが、しばらくすれば回復するだろう。 「ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……」 「うう……でいぶぅ………でいぶぅ………」 「おにゃかしゅいたよぅ……」 「ゆっくちできにゃいよう……」 結局、一家はなにもできず、その場で固まったままだった。ごはんにもありつけなかった。攻撃しようとすれば、さきほどのれいむのように死の淵をさまよう。 一家は瀕死のれいむのそばに寄り添って、ただただそこで惨めに固まっているだけだった。 全員につぎあてたのを確認すると、彼は挨拶をした。 「ではみなさん、ご一緒に」 「「「「「いただきます!!」」」」」 熱々の鍋を火傷しないように、ふーふーしながら食べる。野菜は家ゆっくり達が丹精込めて作ったものだ。 皆静かに食べて、ゆっくり味わった後、万能お兄さんを含めた全員が 「「「「「しあわせー♪」」」」」 と喜びの声をあげた。 彼等の周りで雑音が聞こえるが、皆食べることに夢中で聞こえない。 「それはまりさたちのものなんだぜ!!!ゆっくりたべないではやくよこすんだぜ!!!!」 「れいむたちにもちょうだいね!!!かぞくがいるんだよ!!!」 「おにゃかしゅいたよ!!ゆっくちたべていにゃいで、わたしたちにもちょーらいね!!!」 れいむが回復したせいか、一家は図々しくも言い放つ。先ほど酷い目にあったというのに(主にれいむが)すぐ忘れるところは定番の餡子脳である。 だが、それらを無視して、万能お兄さん一家は黙々と食べ始めた。 全員が食べ終わった後、 「「「「ごちそうさま!!」」」」 と挨拶をした。 「どぼじでごはんくれないのおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「それはまりさたちのものなんだぜええええええええええええ!!!!!!!!!」 「おにゃかしゅいたああああああああ!!!!ゆっくちできにゃいいいいいいいいい!!!!!!!!」 そんな悲鳴を聞きながら、彼は家ゆっくり達に感謝した。 「今年も、君達が作ってくれた野菜のお陰でゆっくりすごせるよ。皆有難う。今日僕が生活できるのも、ひとえに君達のお陰だよ」 家ゆっくり達も主人に感謝する。 「ごしゅじんさまがわたしたちをそだててくれなかったら」 「いまごろ、こんなこぎたないいっかみたいになっていたんですぜ!!」 と、一家を一瞥してまりさが言う。 「むきゅ、ご主人様がわたしたちを家族として迎え入れたことは、今までのどんなことよりもうれしいですわ」 「おやさいさんをそだてるというとかいはなことを、ご主人様はおしえてくれたわ!」 「ゆっくりしないではたらけば、いままでいじょうにゆっくりできることをおしえたのもおにいさんだよー。」 「ご主人様の恩恵は山よりも高く(ヒュンヒュン)」 「海よりも深いのです(ヒュンヒュン)」 「うー☆ご主人様のおかげでいつもたのしくすごせるんですどぅー☆」 「うー!ご主人様大好き!!」 「「「「ご主人様大好き!!!!」」」」 「「「「おとーしゃん大好き!!!!」」」」 「ありがとう、僕も君達が大好きだよ」 彼らは非常にゆっくり過ごしていた。侵入者を除いて 次の日。 「……ご主人様、きてください」 「どうしたんだい、ゆうか?」 「……チューリップの花が咲きます」 「なんだって!やったなゆうか!!」 彼は喜んで居間へと向かった。すでにほかのゆっくり達が、コタツの上に置かれたチューリップをわくわくして見ている。 ゆっくり達が主人が来たのを確認し、座布団を用意して彼はそこに座り、花が咲くのを待った。 「ゆっへっへ!うまそうなはながさくんだぜ!!」 「おいしそうだね!!さいたられいむにちょうだいね!!」 「そのはなはまりさたちのものなんだぜ!!」 無論無視される。 しばらく待つと、花がどんどん開いていった。時間はすごくかかるが、ゆっくりにとっては苦痛にはならない。そして見事満開となり、一同 「「「「「おおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜」」」」」 と感動の声をあげる。花が咲いたのを狙って、まりさとれいむが飛び掛ってきた。 「まりささまにたべられるんだぜ!!!」 「れいむたちのごはんだよ!!ゆっくりたべられてね!!」 だが、その願いは家ゆっくりによって阻まれ叶わず、床に叩きつけられて「ゆべえっ!!」と悲鳴を上げる。 それでもまりさはめげずに、あきらめようとしなかった 「そのはなをひとりじめするんじゃないんだぜ!!ひとりじめはずるいんだぜ!!」 「……ひとりじめなんかしてないわ」 ゆうかが答える。 「ゆうかはそれをたべるつもりなんだぜ!!みんなだまされちゃいけないんだぜ!!」 まりさは家ゆっくりを扇動する、だが面白い物を見ているかのような目で家ゆっくり達はまりさを見ていた。 「……わたしはこれをたべたりなんかしないわ。見るのをたのしむのよ」 「う……うそなんだぜ!!はなをたべないゆっくりなんていないんだぜ!!!」 「……ここに住んでるゆっくり達は花をたべるなんてやばんなことはしないわ」 「うそをいうなああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 信じられなくてさけぶまりさ。だが、花が咲いたチューリップを家ゆっくり達は食べようともしない、それぞれ 「きれいなはなをみると、とってもゆっくりできるね!!」 「こころがやすらぐようなんだぜ!!」 「このおはなしゃんはゆっくちできるにぇ!!」 「とってもきれいね!すっごくとかいはだわ!!」 「むきゅん!!きぶんがおちつくわー」 「とってもゆっくりさいているんだねーわかるよー」 「おお、美しい美しい」 「なんでたべないんだぜぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!!??????」 全くもって理解できない。花はえさだ。草と同じくゆっくりにとって基本ともいえる食事だ。だがこの家のゆっくり達は花を愛でている。 理由は、飼いゆっくりは野生と違い、食事に困らないからだ。困らない分、花を愛でるという、心にゆっくりと余裕を持つことが出来る。 この家のゆっくりは、最初花を愛でるということがわからなかったが、彼に教えてもらうにつれ、心をゆっくりさせることができると理解したときには自然と涙が出ていた。 普段そういうことを考えたことなどなかったからだ。それに気づいたときの感動はいかばかりか。ゆっくりにも心に余裕を持たせることが出来るのである。 しかし、野生のゆっくりなどにわかるはずもなく、頭が痛くなって、まりさは気絶してしまった。 また次の日。 彼は居間でゆっくり達を膝の上に乗せ、身だしなみを綺麗にしていた。 一匹一匹丁寧に櫛で髪をとき、飾りをはずして綺麗にし、終わったゆっくりにはクッキーを上げていた。 彼の横には、家ゆっくりたちがきちんと整列して待っていた。飼いゆっくりならではの礼儀正しさである。 だが野生にはそんの関係ない。身だしなみが綺麗になる上、お菓子も食べることができる。列を無視して割り込み、彼に向かって元気よく言い放った。 「ゆ!わたしたちもきれいにしてね!!」 「「きれいにしちぇね!!」」 「そしてさっさとクッキーをよこすんだぜ!!」 「「よこしちぇね!!」」 無論、無視。 家ゆっくりも無視。彼は一家を無視して、ならんでいたぱちゅりーを拾って櫛で髪をとき始めた。 「むじずるなああああああああ!!!!!くぞじじいいいいいいいいいいいい!!!!!」 まりさが泣き始めたのを皮切りに、一家も泣き始める。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおお!!!!!!!!」 「れーみゅたちをむちちないでにぇ!!!」 「まりしゃおにゃかしゅいたああああああああ!!!!!!!」 「ゆっくちできにゃいいいいいいいいいい!!!!!!!」 彼の周りをピョンピョンとびはね訴える。体当たりもする。だがことごとく無視される。 すると彼の横においてあった、ジッパーで留められたクッキーの袋をまりさは見つけ、はしゃぎはじめた。昨日から何も食べていないのでいつもより喜ぶ 「ゆっ!!おいしそうなクッキーだよ!!まりさにたべられてね!!!」 「まりさずるいよ!!わたしたちにもわけてね!!!!」 「うるさいよ!!きのうからなにもたべてないんだよ!!これはまりさのものだよ!!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 「おとーしゃんひとりじめちないでね!!!!」 まりさは家族の訴えを無視して袋を破ろうとした。だが口しかつかえないゆっくりに袋が破けるわけもなく 「どぼじでだべられないのおおおおおおおおおおお!!!!!!」 「ひとりじめしたまりさにばつがあたったんだよ!!!!」 「おとーしゃんのしぇいだ!!!」 「ひとりじめするおとーしゃんはゆっくちちね!!!」 「そんなこといわないでえええええええええええええ!!!!!!!!」 家族で喧嘩を始めた。なんともやかましいものである。だがその喧嘩を彼は無視して、袋を取り上げた。 「ばかなじじいだぜ!!そのふくろはあけられないんだぜ!!!」 まりさがバカにする。が、ジッパーの袋を悠々と開け、綺麗にしたぱちゅりーにクッキーを上げた。 「むきゅん!ご主人様、綺麗にしてくれて、おやつもくれて、いつもありがとうございます!!」 「うん、僕のほうこそいつもありがとね」 なんとも礼儀正しいものだ、周りを飛び跳ねている野蛮なゆっくりとは天と地ほどの差がある。 「なんでたべれるのおおおおおおおおおおおお!!!!!」 そりゃジッパーでしっかり閉じているんだから、あけれるのは当たり前だ。まりさが泣いているのを尻目に次のゆっくりの髪をとこうとした。 「もういやだ!!おうちかえる!!!」 「こんなところはゆっくりできないよ!!!ぱちゅりーはもらっていくからね!!!」 親れいむとまりさはそういうと、ぱちゅりーを連れ出そうとした。ぱちぇりーの高い頭脳は野生でも役に立つ。その知識を利用しようとした2匹だが 「ぱちゅりー!!いっしょにここからでよう!!」 「いやよ」 「ここだとゆっくりできないよ!!」 「むきゅ、それはあなたたちがでしょ」 「外でおいしいものをたべようよ!!」 「ここのほうがとてもおいしいわ、あなた達みたいに汚い連中が私に話しかけないでね!」 「「なんでそんなこというのおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」 飼いゆっくりを誘うとは、すばらしく前向きな性格だ。誘うのなら今以上の良い生活ができるなら普通の飼いゆっくりはホイホイついていくだろう。 だが、そんな誘いに乗る飼いゆっくりなどいない。野生に戻っても百害あって一利なし。危険な生活があるだけである。 泣いた2匹は、強硬手段に出た。まりさがぱちゅりーの帽子を取ったのだ。 「ゆっへっへ!!かえしてほしかったらまりさたちのいうことをきくんだぜ!!!」 「ぱちゅりーの帽子をかえしてほしかったら、わたしたちにごはんをもってきてね!!そしてじじいはさっさとでていってね!!!」 「むぎゅうううううう!!!!帽子返してええええええええええええええええ!!!!!!!!!」 と、普通のぱちゅりーならばここで泣くことだろう。だが、彼女は何も言わず、ただ2匹をじっとみつめていた。ぱちゅりーのみならず他のゆっくりも2匹を見つめていた。 珍しい生き物を見るかのような目で。 皆からの視線に違和感を感じるまりさとれいむだが、気にせずに 「ゆっへっへ!!!なにをぐずぐずしているんだぜ!!!はやくごはんをもってくるんだぜ!!!」 「……」 「ゆっくりしないではやくしてね!!!れいむおなかがすいたんだよ!!!」 「……」 「そこのぱちゅりーはわたしたちにごはんをもってきちぇにぇ!!!」 「……むきゅ、言いたいことはすんだかしら?」 「「どぼじでいうごどぎがないのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」」 「そこのちぇん!ぱちゅりーはぼうしがないんだぜ!!ゆっくりできないこいつをはやくころすんだぜ!!」 「だからなにー?いいたいことはそれだけなのー?」 「そこのありす!あのぱちゅりーはぼうしがないのよ!!はやくおいださないとゆっくりできなくなるよ!!!」 「いやだいやだ、これだからいなかものは」 親まりさとれいむは家ゆっくり達をこうして扇動した。が、家族という固い絆で結ばれた者が、万能お兄さんという人に育てられたゆっくりが、 飾りがなくなったくらいで、相手を認識できなくなるということはないのだ。 「「どぼじでなにもじないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」」 ゆっくりにとって、命と同じくらい大切な飾り。それをとられても、怯えることなく、泣くこともなく、冷ややかな目でみる家ゆっくり達。 野生のルールなど、飼いゆっくりに通用しないのだ。 「「ゆっくりできないぱちゅりーのぼうしなんてこわれてしまえええええええええええええ!!!!!!!」」 まりさとれいむはぱちゅりーの帽子を引きちぎった。ビリビリと音を立てて破れ、崩れるぱちゅりーの帽子。 「ゆ……ゆ……ゆっへっへへっへ!!まりささまのいうことをきかないからこうなるんだぜ!!!」 「れいむたちはわるくないよ!!ぱちゅりーがわるいんだからね!!!」 これでゆっくりできないぱちゅりーは思い知ったことだろう。そして私達に恐れをなして言うことを聞くだろう。 そしてあのじじいは私達の奴隷となるだろう。 ゆっくりらしい短絡的な思考で2匹は考えた、だが万能お兄さんはぱちゅりーの頭に手を置き 「ぱちゅりー」 「むきゅ?」 「帽子なくなっちゃったね?なにかほしい帽子はあるかい?」 「むきゅん!うれしいですわ!でも高いのじゃなくて、安い帽子で結構ですわ。ご主人様に迷惑はあまりかけたくないですわ」 「はっはっは、うれしいことをいってくれるねぱちゅりーは。今度一緒にお買い物に出かけようか」 「そんなことしなくても、加工所で帽子がもらえればそれでいいですわ」 「「なんでほのぼのしてるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!そのぱちゅりーはかざりがないんだよおおおおおおお!!!!!!!!」」 「だからどうしたの?うちの優秀なゆっくり達は飾りがなくなったくらいで相手を認識できなくなるということはないよ」 彼の言うとおりだ。目の前で帽子を引きちぎっても、この家のゆっくり達は身じろぎ一つしない。それどころか 「ぼうしがなくなっちゃったねぱちゅりー」 「このぼうしをつかってよー、ぱちゅりーならかぶってもいいよー」 「まりさのぼうしをかぶってもいいんだぜ!!」 「ぼうしがなくなってもぱちゅりーはぱちゅりーだからね!」 と慰めている。まりさやちぇんはぱちゅりーに帽子を貸したりしている。 飾りのみならず、このゆっくり達は頭も良い。 人生ゲームで彼とゆっくり達が遊んでいる所を、まりさが邪魔をして手元においてあった所持金をバラバラにしてしまった 「ゆっへっへ!!そのてもとにあつめたものがバラバラになればわからないんだぜ!!これにこりたら」 「れいむ、覚えているかい?」 「ゆっ!わたしが50万、まりさが20万、ふらんが30万、ぱちゅりーが60万、ちぇんが45万、ありすが32万、そしてご主人様が3000円です!!」 「うん、ありがとう。にしても君達は強いなぁ。3000円の僕はどうやっておいつこうかな…」 「ご主人様!ひとえに運ですぜ!!」 「そうよ、今回は運が悪かっただけですわ」 「ツキがなかったんですねー、わかりますよー」 「なんでおぼえているんだぜえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」 他にも殺されない程度の邪魔をした、だがそんなものは全く効果がなかった。 なんだこの家は、このゆっくり達は。2匹は恐怖し、混乱した。2日前からまったく理解できないことばかりだ。 この家のじじいはゆっくり達にごはんを作り、身だしなみも整えている。つまり私達より下等の存在だ。 それなのに、この家のゆっくり達はこのじじいに感謝している。決して命令したりしていない、いや、命令しているのはむしろこのじじいだ。 わけがわからない。 それに、飾りをなくせばゆっくりできないはずなのに、このぱちゅりーはゆっくりしている。周りも何とも思っていない。 そのうえ、私達にとっては絶対に行きたくない加工所で帽子を作ってもらえるといっている。 私達以上に頭が良いのに、私達よりたくさん働いてゆっくりできていないのに、なんで私達よりゆっくりしているんだ? なんだなんだなんだなんだ。理解できない理解できない。 本能的に恐怖を感じ逃げようとしても逃げられない、この居間の扉はゆっくり達がしっかりと見張っている。 「ほんと、やせいのゆっくりはいなかものでやばんだわ」 「こんなやつらがいるだけではきけがするよー」 「むきゅ、ごうまんで、むのうで、本当に救いようがないわ」 「うー!さっさと死ねば良いのに!」 「ゲラゲラゲラゲラ」 「おお、おろかおろか」 今や、この一家は見世物小屋の珍妙な生物のごとく見られていた。そして異口同音に一家に向かい 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだぜ」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだわ」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだよー」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「「「「「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」」」」」 そして、耐え切れなくなったまりさがとうとう発狂してしまった 「ゆゆゆゆゆっくりびっくりいいいいいいいいいいいい亜jbjだじょれにべふじごれこdまお!!」 「まりざあああああああ!!!じっがりじでえええええええええええ!!!!!!!」 「ゆきっ!!!ゆきききききぅっっき!!!!ゆきぇぇぇぇあああああああああああ!!!!!!!!」 まりさに寄り添うれいむ、だがもうまりさ散々飛び跳ねた後、自ら壁に激突し、口から致死量の餡子を吐き出して死んでしまった。 「ばあああああありいいいいいざあああああああああああああ!!!!!!!!!」 「おどおおおおおおおおおおおじゃああああああああああああんんんんんんん!!!!!!!!」 「ゆえええええええええええん!!!!!ゆええええええええええええん!!!!!!!」 ゆんゆんむせび泣く一家。彼はそれを見て。 「えー、プラチナバッジのゆっくりと一緒に一家がいると、3日で発狂……と」 紙とペンを取り出し、メモしはじめた。様子もしかとビデオに収める。 「むきゅ、ご主人様。レポートは完成しましたか?」 「うん、結論を言うと『成体ゆっくりは躾が難しい、ゴールドゆっくりと一緒にいると、飼いゆっくりのルールが野生にわかるはずもなく5日程で発狂するので、 プラチナならなお更である。プラチナだからいいというわけではない。躾けるならやはり赤ゆっくりからに限る』と」 「むきゅん!すばらしいですわ!!これで計画もうまくいきますわね!!」 「うん、ありがとう。いいデータが取れたのも君達のお陰だよ。これでゆっくりんピースへの信頼をまた一つ獲得できるよ」 彼のレポートはゆっくりんピースへのゆっくりの飼い方について、一つの教えとなるだろう。 ゆっくりの飼い方についてはすでに決まったようなものだ。だが時として、その飼い方が当てはまらない場合もあるのである。 なにせ相手はゆっくり。ものすごくいい加減な生物。だから飼い方に不規則要素があってもおかしくはない。 彼は満足し、れいむをみた。伴侶であるまりさの横に親子そろってゆんゆん泣いている。 「もう用済みだから、こいつらは君達の好きにしていいよ。ゆっくり楽しんでね。」 「「「「「ありがとうございます!!ゆっくりたのしむよ!!」」」」」 そう礼を述べた家ゆっくり達は残された一家へとにじり寄る。恐怖に怯えるゆっくり一家。 ゆっくり一家はなすすべもなく、1匹1匹嬲られるように家ゆっくり達に虐待され、殺され、食べられた。 子ゆっくりは、家子ゆっくり達のおもちゃとされ、惨めに死んでいった。 「おがあああああああああじゃあああああああああああん!!!」 「いだいよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「ゆぎぎぎぎいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!」 「もっどゆっぐぢぢだがっだあああああああああああああああああ!!!!!!」 その様子を見た後、彼は 「お家宣言した結果がこれだよ」 と呟いて自分の部屋へと戻った。 ちょっとイレギュラー要素があったが、うまく利用できた。 子ゆっくりへの躾にもなったし、問題はない。計画は順調だ。 ゆっくりいじめ系1832 万能お兄さん5_6に続く
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※かなりの俺設定があります ※人と共存しているゆっくりがかなりいます 万能お兄さん4の続きです。 冬。 この時期になると、一部を除いた人間のほとんどはやることがなく、家でごろ寝をしているところがほとんどである。 それは人間のみならず、自然の生物も同じであった。 ただ、生物達にとっては、四季の中でもっとも過酷な時期を過ごさねばならない。蓄えがなければ冬を越せずに死んでしまう。 それは人間も同じだ。だが、人間は生物ほど過酷ではないので大丈夫である。 この村は比較的裕福なので、するべき仕事もなく、皆それぞれ家でゆっくり過ごしていた。 万能お兄さんのみならず、他の3人のお兄さん達も、それぞれ冬を過ごしていた。 虐殺お兄さんは、ゆっくりは冬になると外に出なくなるので、虐殺はなし。農家の仕事もなし。 代わりに家で家族と楽しく過ごしていた。 「くらえ!波動ビーム!!」 「ぐおっ!!死んだぁぁぁあああ!!」 「へへっ、兄ちゃんおしかったね、あと少しで僕を倒せたのに」 「くっ!!まだまだだ!!兄である俺が弟に負けるわけにはいかん!!もう一回だもう一回!!」 「はいはい、わかったわかった」 彼は弟と格ゲーを楽しんでいるようだ。 だが、今のところこの兄弟は3:7の比率で弟が有利のようだ。肉体においては勝るが、こういったものにおいては弱いようだ。 「兄より強い弟などいないっ!!」 どこかで聞いたような台詞を言って、彼はまた弟に挑戦していた。 愛でお兄さんは、家のゆっくりと共に楽しく過ごす傍ら、ブリーダーとしてゆっくりんピースから依頼された新しいゆっくりれいむを躾けていた。 いづれ人に渡すであろうこのれいむは、人の家で住んでも迷惑をかけないようにしなくてはならない。愛でお兄さんとはいえ、躾を手抜くような ことは絶対にしない。一人前の飼いゆっくりとなるべく、挨拶の躾をしていた。 「よし、じゃあ主人が帰ってきたらなんていうのかな?」 「おかえりなさい!!」 「よしよし、じゃあご飯を食べるときはなんていうのかな?」 「いただきます!!」 「うんうん、じゃあ食べ終わったらなんていうのかな?」 「ごちそうさま!!」 「うん、でも一言足りないよ?」 「ゆっ!ゆーっと・・・、いつもごはんをつくってくれてありがとうございます!!」 「よしよし、ちゃんと感謝の言葉を忘れちゃだめだよ?」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「こらこら、敬語で言わないとね」 「ゆっくりりかいしました!!」 ペットのれいむとまりさの助けもあり、順調に躾が進んでいた。 彼は、穏やかにゆっくりと過ごしていた。 虐待お兄さんは 「ほーれほーれ、暖かい暖炉だぞー」 「ゆっ!!寒いよ!!ゆっくり暖めてね!!」 「ああ、もちろん」 そういうと、暖炉の火にれいむを当てる。足に当たる底面がじりじりと焼け、部屋にいいにおいが漂ってきた 「ゆぎゃああああああああああ!!!!あづいよおおおおおおおおおお!!!」 「んー?お前が暖めてほしいっていったんだろうが、贅沢抜かすんじゃねぇ!!」 「ゆぎぃぃぃいぃぃいいいい!!!!!!暖めてほしいんであって、焼いてほしいんじゃないよおおおおおおおおお!!!」 「黙れ腐れ饅頭がっ!!!」 そういい、じりじりと焼いておく。 程よく焼けたところで、彼は底面を齧った。焼き饅頭になっているので、うまい。それに、体の芯から温まる。 冬でやるととてもおいしい焼き饅頭である。冬のみの楽しみの一つと言ってもよい。 れいむの半分を食べると、彼は小麦粉を断面にかけ、オレンジジュース適量をたらした。 しばらくすると、みるみる皮ができていく、さすが生きた饅頭。だが、食べられた分の餡子はもどるわけがなく、れいむの体は半分程の大きさ になっていた。 「おら、飛べ」 そういい、れいむを床に置く。れいむはぴょんぴょん飛び跳ねると 「ゆっくり治ったよ!!」 と喜び、お兄さんに向かい 「じじいはゆっくりしね!!おうちかえる!!」 と言って、逃げようとした。無論逃がすはずもなく、蹴飛ばして動かなくなったところを掴み上げ、発情ありすのケースに放り投げる 「うほおおおおおおおお!!!!れいむううううううううう!!すっきりしようねぇぇぇぇえええええええ!!!!!」 「いやああああああああ!!!こっちにこないでえええええええええええ!!!!」 と、ありすにレイプされ、しばらくすると頭から茎を生やした。お兄さんが食べたせいで、餡子の量がたりずに黒ずんでいく。だが、元の大きさは 成体なので、体は黒く朽ちても子は宿すことが出来る。 赤ゆっくりはいづれ虐待するのにとっておく。楽しみで仕方がない。 彼は冬ならではの虐待を楽しんでいた。 3人のうち、万能お兄さんは今年はいろいろなことがおこり、彼にとってはとてもとても長い冬であった。 計画のために色々奔走し、道を作り、ゆっくりとの間に子をつくったりと大変だったが、充実していた。 万能お兄さんは冬でも少量だが、色々やるべきことがあった。 もっとも、それは少し先なので彼は読書をしようとおもい、1階の居間へむかう。 居間は家で最も広く、ゆっくりの寝場所兼遊び場でもある。暖房もつけており、ゆっくり達はこの上なくゆっくり過ごしていた。 居間にお兄さんが大量の本を抱えてやってきた。それをみたゆっくりたちは起き上がり、 「ご主人様、どくしょですか?」 「うん、いつものたのむよ」 そういうと、彼は座布団の上に座り、足をのばす。伸ばした足の先にはてんこがいて、彼はてんこの頭の上に足を乗せる。 背中にれてぃが近づいたのを確認すると、彼は背をれてぃに預ける。 ゆっくりの中で、最も大きいれてぃならではの役である。背中は柔らかくて気持ちがよく、体がゆっくりと沈む、おかげで腰を痛めずにすむ。 次にれいむとまりさが近づいて、彼の肘掛となる。家のゆっくりは、野生のゆっくりより1〜2回りも大きい。お兄さんの育て方が良いからだ。 肘掛も柔らかく、高さもちょうど良い。おかげで腕を疲れさせない。2匹は少しへこむが、気にしないどころか喜んでいる。 これでゆっくり椅子の完成である。 柔らかい饅頭の背もたれと肘掛はとても気持ちがよく、じんわりと暖かいので疲れることはない。足のやわらかい感覚もいい。 万能お兄さんのゆっくり達ならではの、出来る事であった。 他のゆっくりたちも、主人である彼に寄り添い、彼はゆっくりに囲まれる形となる。 体の周りにさまざまな種類のゆっくり達が集まり、足の上には胴付きたちも寝そべったりする。 彼は体の上に本とぱちゅりーを置き、ぱちゅりーもお兄さんと一緒に本を読む。読書する速度はお兄さんより早いので、 彼は気兼ねなく本を読める。 読み終わった本を左に出すと、めーりんが「じゃおっ!」と威勢良く返事をして掴み、新たな本を彼に手渡す。 後はこの繰り返しである。ゆっくり達も、主人と一緒に寄り添っているおかげで気持ちよくなったせいか、皆静かに寝息を立て始めた。 今、この部屋は非常にゆっくり時間が過ぎ、種に関係なくゆっくりがゆっくりできるゆっくりぷれいすであった。 午後三時。念のためにセットしておいた時計が鳴り、彼は起きた。本を読んでいる最中寝てしまったようだ。 「もう三時か、はやいなー」 そういうと、彼は自分の体の上で寝ているゆっくり達をやさしくどかして、倉庫に向かった。 「おやつ用」と書かれた柵の中には、加工所で安く買ったゆっくりれいむとありすがいる。 「ゆっ!! おにいさんここはれいむとありすのおうちだよ!!」 「とかいはのこのいえにきやすくはいらないでね!!」 といつもどおりの抗議をする。その抗議を無視して、掴み上げた。無論「ゆっくりはなしてね!!」と抗議をするがこれも無視。 そして居間に持って行き 「みんなーおやつの時間だよー」 と声を掛ける。 家のゆっくり達は、れいむとありすを見て、おやつがなんなのかをすぐさま理解し、喜びの声を上げる。 「ゆっ!? おやつ!! ゆっくりたべたいよ!!」 「はやくとかいはのわたしによういしてね!!」 と、2匹も自分達もおやつが食べられると思い声を上げた。そして、居間にいるゆっくり達を見て 「ゆうっ!! とってもきれいなまりさだよ!!」 「ほんとね!! とかいはみたいにうつくしいわ!!」 「ほかにもたくさんいるよ!! みんなとてもきれいだよ!!」 「ゆふん! みんなとかいはみたいだわ!!」 「ゆぎゃああああああ!!! れみりゃだああああああああああ!!!」 「ふらんもいるうううううう!!! とかいはじゃないわ!!ゆっくりどこかにいってね!!」 と、ゆっくりをみてそれぞれ反応した。 家のゆっくり達はそれをみてゲラゲラとあざ笑う。 「わらってないでたすけてね!!れいむ、おねがいだよ!!」 と、れいむは同族の家れいむに助けを求めるが、ニヤニヤと笑うばかりである。ありすも同族の家ありすに助けを求めるが、こちらも同じである。 お兄さんは居間のコタツの上に二匹を置いた。 コタツの周りにはゆっくり達が囲むようにして二匹を見ている。二匹は、ゆっくり達に囲まれ怯えている。 「お兄さん、はやくこいつらをおいだしてね!!ゆっくりできないよ!!」 「そしてここはとかいはであるわたしのいえだから、お兄さんもでていってね!!」 万能お兄さんは無視して、薬ビンと注射器、オレンジジュースを取りに行った。無視されたのがわかり 「どぼじでむじずるのぉぉぉおおおおおお!!!!」 「わだじのばなじをぎいでよおおおおおおおおおお!!!!!」 と2匹は泣き喚いた。 「よし、ではみんな。今から三時のおやつにしましょう」 彼はそういうと、薬ビンと注射器をとりだし、薬ビンの液体をれいむに注射した。 「いだああああああああああいいいいいい!!」 そして、ありすとれいむを振動させ、発情させる 「「ゆっゆっゆっゆっ」」 二匹が声をあげ、顔が赤くなったところでやめる。二匹はそれぞれ顔を見合すと 「れいむううううううううう!!!!あいしてるうううううううううううう!!!!!」 「ありすううううううううううう!!!わたしもおおおおおおおおおお!!!!!!!」 と交尾を始めた。 周りの者達を気にせず励む二匹。それを楽しむようにして見守る家ゆっくりとお兄さん。 「すっきりー!!」 「すっきりー!!」 と交尾を済ませた。 れいむの頭から茎がどんどん生えてくる。ただ違うところは、茎の伸びる速さが早かった。先ほどお兄さんが注射したのはゆっくりの成長を促す 促進剤だ。高価な市販品より強力で、自作なのでコストも安い。 「ゆっ!! れいむ!! もうあかちゃんができてるよ!!」 「ほんとだね!! あかちゃんたちゆっくりそだってね!!」 しかし、赤ゆっくりはゆっくりらしからぬ速度でどんどん大きくなった。 「ゆっ!! この赤ちゃん大きくなるの早いよ!!」 「ほんとだ!! 赤ちゃん早すぎだよ!!」 だが、赤ちゃんが大きくなるのはうれしいようだ。しばらくすると、赤ゆっくりがそれぞれ種類がわかり、れいむが4、ありすが5といった割合だ。 そして、一匹の赤れいむが落ちて 「ゆっくちちていってにぇ!!」 と声を上げた。二匹は感動し、声を掛けようとしたが 「ゆっくりしてい・・・」 言い終わらぬうちに、万能お兄さんが赤れいむを手に取り食べた。 「ゆぴゅっ!!」 「うん、やっぱりできたては美味いな。」 「ゆぎゃああああああああああ!!!!!! あがぢゃんがああああああああああ!!!!!!!」 「ありずのごどもがああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 生まれたばかりの赤ちゃんを食われ、二匹は絶叫を上げる。 「あーうるさいうるさい」 すると、彼はまだ大きくなっていない赤ありすを茎からちぎる。 「きゅぴっ!!」 と悲鳴を上げたが、意も介さずにそのまま口に運んだ。 「うお、凄く甘いな。でもうまいや」 「ありずのごどもがああああああああああああああああ!!!!! じねぇぇぇぇええええええええええ!!!!!!!!」 ありすが泣き叫びながら万能お兄さんに体当たりをする。が、その先には彼が注射器を突き出していて、見事に刺さった。そして薬を注入される。 「いだいいいいいいいいいいい!!!!!!!」 「はいはい、どんどんおやつを作ってねー」 「ご主人様!! おやつ! おやつ!! 食べたいですー!!」 「はいはいー、順番に並ぼうねー」 そういうと彼はれいむの赤ちゃんを全て茎からちぎり、家ゆっくり達に分け与えた。 「れいむのあがぢゃんがあああああああぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!! どぼじでぇぇぇえええええ!!!!!」 「「「「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー♪」」」」 家ゆっくり達は順番におやつとなる赤ゆっくり達を与えられる。だが数が足りないので、この二匹を更に振動させ、子供を作らせる。 れいむだけではたりないので、先ほど注射したありすにも作らせた。 二匹は、先ほどの出来事で赤ちゃんがどうなるかを理解し 「赤ちゃん、ゆっくりうまれないでね!!!」 「生まれたらゆっくりできなくなるよ!!!」 と懸命に声を掛けるが意味はない。次々と作られ、次々と食べられ、衰弱すればオレンジジュースをかけられて、またすっきりさせられる。 目の前で赤ちゃんが出来ることに喜び、そして食べられることに嘆き、それの繰り返しが30分ほど繰り返された。 しばらくして、家ゆっくり全てが十分な量を食べたので、子作りはやめることにした。 家ゆっくりは皆大満足である。 「ご主人様!!おやつありがとうございます!!」 「そこのれいむとありすもありがとね!!」 「あなたたちの赤ちゃんおいしかったよ!!」 と、家ゆっくり達は主人と二匹に感謝を述べた。行っている行為は残酷だが二匹にも感謝を述べるところをみると、彼の教育の行き届きがよくわかる。 そして、万能お兄さんは30分も繰り返された喜びと悲しみにより精神が崩壊した二匹を手に取り、それぞれ齧り付いた。 「「ゆぎゃあああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!」」 目を覚ましたように悲鳴を上げる。 「あー美味しい。やはりいじめた後はうまいもんだねぇ」 と、二匹とも3分の1まで食べたところで、満足したので食べるのをやめた。 そして、なくなった皮を小麦粉とオレンジジュースで治し、倉庫へと放り込んだ。しばらくはショックで動かないだろう。 だが、問題はない。またおやつ製造機として働いてもらうだけだ。お菓子の一個でもあげれば、餡子脳は嫌な記憶などすっかり忘れるものだ。 なんとも便利な存在である。 居間に戻り、彼は思い出したように家ゆっくり達に語りかけた。 「そういや「計画」のために頭数が足りない。だからだいぶ前約束していた通り君達の子供を作りたいんだ。君達はどんな相手がいいんだい?だれでもいいよ」 家ゆっくり達は顔を明るくした。普通のゆっくりと違い家ゆっくり同士で勝手にすっきりはしない。万能お兄さんが彼女達全てをHENTAIお兄さんから伝授したテクで すっきりさせたりはするが、子供を作らせたことはない。 だが「計画」の人数あわせのために作るというのは約束していた。無論、ブリーダーとして誰かに譲ったりもせず、この家で育てる。今がその時期だ。 待ちに待った子供を作ることが出来る……。そのうれしさを感じて、家ゆっくり達は自分の相手を考えた。 だが、皆同じことを考えていたようだ。 「「「「「私達は…………」」」」」 「ん?」 「「「「「ご主人様がいいです!!!!!!!」」」」」 「……え?」 顔を真っ赤にしながら全てが異口同音に答えた。これには彼も面食らった。 まさか自分を選ぶとは考えてもいなかったのだ。だが、先ほど誰でもいいと言ったので、断ることはできない。しばらく考えた後彼も意を決して 「ほ、本当に僕でいいのかい?」 「ご主人様はわたしたちゆっくりをとってもゆっくりさせてくれました!!」 「野生より幸せで、はたらくよろこびをおしえてくれて、わたしたちをやさしくしてくれたのはご主人様だけですぜ!!」 「むきゅ。それに、捕食種たちとも一緒にゆっくりさせることもしてくれたのもご主人様だけですわ!!」 「ゆっくりというしゅぞくが一つになって生活できるのはご主人様だけなんですよー」 「おお、偉大偉大」 「もこたん、ご主人様とインしたいお!!」 「ご主人様と合体してこどもつくりたいんだみょん!!ちーんぽ!!」 「ふふふ……ご主人様のアレはすぐおいしい……すごくおいしい」 「だからご主人様」 「「「「おねがいします!!!」」」」 後半になって若干官能的になったのは多少気になったが、こうまでして僕のことを思ってくれたのか……。彼は目頭を熱くした。 「……わかった。じゃあ方法を考えるからゆっくりまっててね」 「「「ゆっくりまつよ!!!」」」 「うーん、でもすぐにいい考えが浮かばないから栄養補給だ」 方法を考えながらも、彼は唐突にれいむとちぇん、ふらん、れみりゃをそれぞれ一口ずつ齧った。 「「ゆんっ!」」 嬌声にも似たような声をあげる。齧ったところはみるみる治っていく。これもひとえに彼が改造したからだ、家ゆっくり達はおかげでれみりゃやふらん並みの 再生能力を獲得している。便利なものである。 普通成体ゆっくりは大きくなるにつれ、外側も硬くなり、中身の餡子もパサパサしてまずいものだが、彼のゆっくり達は外は成体以上に丈夫(ゆっくり基準)だが齧ると弾力があり、 中身は特別おいしいというような感じだ。白餡に変えたのか、彼の教育が良いのかのどちらか、もしくは両方だろう。 「やっぱりお前達はおいしいね。あの二匹も美味しかったけど、お前達には遠く及ばないよ」 最高の褒め言葉を受け取り、齧られたゆっくり達はそれぞれ感動して 「「「もっと食べていいですよ!」」 と元気よく言った。 「でも、もうおなか一杯だよ。ありがとう、気持ちだけは取っておくね」 と4匹にそれぞれ感謝の口付けをする。された4匹はメロメロだ。 「よし、じゃあ皆人生ゲームをしようか!」 「「「「「ゆっくり遊ぶよ!!」」」」」 と、家のゆっくり達と人生ゲームをし始めた。他にもババ抜きや七並べ、モノポリーなどを楽しむことができる。 万能お兄さんのゆっくりだからこそ、ゲームを理解でき遊ぶことが出来る。 彼は、これと似たようなことを繰り返して冬を楽しく過ごしていた。 四天王と言える4人は、それぞれ冬を楽しく過ごしていた。 一方その頃。 北の村を占拠したドスまりさたちの群れは、かなり安定した冬篭りをしていた。 人間の溜め込んだ食料も大量にあるし、なにより家に住むというのがよい。 ゆっくり史上世にも珍しい、ゆっくりによる村の占拠は、ゆっくりにとってとてもゆっくりできるゆっくりぷれいすとなっていた。 「ドス、にんげんの家ってとってもゆっくりできるわね!!」 クイーンありすがドスに言う。 「うん!!みんなもとてもゆっくりできているし、うれしいよ!!」 眼帯をつけたドスまりさも答える。 それぞれの民家には、ゆっくり達が人間の物を壊したり、動かしたりして遊んでいる。 この民家の持ち主は、この光景をみたら、ゆっくりたちを皆殺しにするだろう。 だが、その持ち主はこの群れの襲撃により、この村から消え去った。 だから、この村には人が来ない。家のものをどんなに壊しても、殺される心配はない。 いや、心配どころか、この家は、いやこの村は、もうこの群れの物となったのだ。 数多くのゆっくりたちが典型的に語る 「ここはわたしのいえだよ!」 の自分の家宣言は、めずらしく成功しているのだ。 それも、このゆっくりたちにとってはとてもうれしいことだった。 「ゆっくちー」 「とてもゆっくりできるよー」 「にんげんのいえはとかいはのわたしにぴったりねー」 多くのゆっくりたちがとてもゆっくりしていて、ドスとクイーンはその光景をほほえましく見ていた。 「ねぇ、ドス……」 「ゆっ、どうしたの?」 「こどもがほしいな……」 「うん、まりさもほしいよ。でも、いまつくると冬をこせなくなるから、春になったらつくろうね!」 「うん!!いっぱいいっぱいつくろうね!!」 と、ドスとクイーンは固い約束をした。 群れにも、今すっきりすると、群れの存亡が危うくなるので、ドスはすっきりすることは固く禁じた。 群れのゆっくりたちも、春になればたくさんすっきりでき、こどもとゆっくりできるとドスの宣言を快く受け入れ、今こうしてゆっくりしている。 だが、この群れのドスは村を占拠したことによって、一つの約束を忘れてしまった。本来、ドスのようなものならば簡単にものを忘れたりはしない。 だが、自分の群れをゆっくりさせる使命にとらわれ、そして村を手に入れたことにより、自分達は人間に勝てるということを確信してしまったのだ。 それらが一人の人間の入れ知恵にすぎないのだが、そんなことも知らず、自分達だけで全て出来ると、考えてしまったときにはすでに遅かった。 今、ドスの頭の中には「群れをゆっくりさせるために、下等な人間を跪かせる。人間より強い私は負けるはずがない」と 硬く信じてやまなかった……。その片目がなぜ失ったのかも忘れて……。 だが、そんなドスが変わったことも知らず群れのゆっくりたちは、静かに冬がすぎるのをゆっくり待っていた……。 ゆっくりいじめ系1828 万能お兄さん5_2に続く
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一方その頃 万能お兄さんの村の近くの山から、ゆっくり一家が山を下りてきた。 れいむとまりさ、そして子れいむ3匹、子まりさ4匹といった割合の家族である。 この一家は冬にすっきりして、子供が出来たせいで越冬の食料が足りなくなったために下りてきたのだ。幸いに今日は冬でも比較的暖かったおかげで、外へ出ることが出来る。 一家は、山の近くの万能お兄さんの家に近づいていった。彼の家は山に近い上に、村でもかなりの敷地量を誇るため、無能なゆっくりでも大きい家と一目見てわかる。 そして畑へと近づき 「今からここのおやさいさんたちをたべるんだぜ!!」 と親まりさが意気揚々と宣言した。 「ゆー!おやしゃいたべたい!!」 「ゆっくちできるんだにぇ!!」 と、喜びの声をあげる一家。一家は畑を隅々まで調べ、目当ての野菜を食べようとした。が 「どぼじでおやざいがないのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 すぐに悲劇へと変わった。無理もない、今は真冬である。こんな時期に野菜を作っているところなど、滅多にいない。 この一家は野菜は自然に生えるということをかたくなに信じている、まごうことなき野生のゆっくりであった。 だから冬でもあると信じていたが、見つからなかった。 「まりざあああああああ!!!おやさいないじゃないいいいいいいいいいいい!!!!!!」 伴侶のれいむが泣き、まりさを責める。子ゆっくり達も 「おとーしゃんのうしょちゅきーーー!!!」 「ゆっくちできにゃいおとーしゃんはゆっくちしにぇ!!!」 と口々に責め始めた。 「やめるんだぜええええええええ!!!!まりさわるくないんだぜええええええええ!!!!!!!!」 家族に責められまりさも泣く。するとまりさの目に家が入った。万能お兄さんの家だ。 彼女は責任を逃れるために 「こんどはあのいえをゆっくりぷれいすにするんだぜ!!」 と家族に話した。家族はすぐさまそちらのほうに興味が行き 「とてもおおきないえだね!!まりさおてがらだよ!!!」 「ゆーん!!はやくはいってゆっくちちたいよ!!」 「ゆっくちはやくはいりょうにぇ!!」 家族は家へと移動を開始する。玄関の前まで行き、玄関を開けようとしたが、硬く閉ざされている。 家族は 「あけるんだぜ!!はやくあけないとひどいめにあわせるんだぜ!!」 「はやくあけないとゆっくりさせないよ!!」 「ゆっくちはやくあけてにぇ!!」 と要求した。だが、今万能お兄さんの家には誰もいない。留守番のゆっくりさえもいない、子ゆっくりはいるが声はとどいていない。反応があるわけなく、家族は 「「「「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」」」」 と泣き始めた。だが、ゆんゆん泣いていつまでたっても一向に反応なし。仕方ないので、畑のほうの縁側へと移動した。 縁側の扉は鍵付き障子だったが、彼は戸締りをしたとき、ここを閉めるのを忘れていたようだ。障子に一生懸命体当たりをして、見事あけさせ、一家は中へと入った。 突然のよそ者に、家子ゆっくり達は無論驚いた。だが、まずは挨拶をしてみた 「そとからはいってきたよそものしゃん、こんにちわ!ゆっくりしていっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 挨拶程度なので問題なく挨拶を交わすゆっくり一家と家子ゆっくり。 だが、ゆっくり一家には目的があって来たのだ。 「ゆーん!!すっごくひろいね!!」 「ここはわたしたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!」 「ゆっくちできるよ!!」 「ゆ!!だめだよ!!ここはおとーしゃんたちのおうちなんだよ!!かってにおうちせんげんしにゃいでにぇ!!」 「うるさいよ!!きょうからここはわたしたちのゆっくりぷれいすだよ!!」 と、家子ゆっくりの注意も聞かず宣言する。 本来なら、野生のゆっくりは人の家のものを際限なく荒らし、壊し、食べるだろう。 だが、事前に片付けていたお陰で、ゆっくり達が遊べそうなものや、食べられるものなどなにもなく、あったとしても到底手の届かない場所においてあったりした。 戸締りは忘れるくせに、こういうところはしっかりとしている。なんとも、彼は間抜けなのか切れ者なのかがわからなくなる。 「どうじでだべものがないんだぜえええええええええええええ!!!!!!!!」 「おにゃかしゅいたあああああああああああ!!!!!!!」 食料がなくなって、それを食べに村に来て、せっかく家に入ったというのに食べ物にありつけず、家族は泣き始めた。 すると、家子ゆっくり達の巨大ゲージが目に入った。透明なので中になにがおいてあるのかもわかる。中にはゆっくりで来そうな寝場所や遊具、さらには食事まであった。 それをほしがらない理由はない。 「ゆっくりごはんをみつけたよ!!」 「わたしたちにたべられてね!!!」 「れーみゅたちのものだよ!!」 とゲージにむかって突進するが、激突して跳ね返った。 「ゆうっ!!なんでたべられないんだぜええええええええええええ!!!!!!!!」 「いだいよおおおおおおおおおおおお!!!!ゆっぐりでぎないよおおおおおおおおおおおお!!!」 野生のゆっくりなので人間が作った透明なゲージなどみたこともなく、なぜぶつかるのかもわかるはずもなかった。 家子ゆっくり達は、急に突進して勝手にぶつかってきた侵略者達を 「だいじょーぶ?ゆっきゅりいたいのとんでいってにぇ!」 「そんにゃにいしょぐと、ゆっくちできにゃくにゃるよ!!」 と心配し、声をかけた。 本来なら、普通のゆっくりであれば 「ゆっゆっゆ!!!とってもばきゃなゆっくりだにぇ!!!はやくここからでていってにぇ!!」 などと調子に乗った事を言うが、そこはやはり万能お兄さんとそのゆっくり達の子。生まれたときから優秀であった。無闇に他人を馬鹿にしようとはしない。 だが、せっかく心配してくれた子ゆっくりの心を踏みにじるかのように 「うるさいんだぜ!!とっととそのごはんをまりさとまりさたちのあかちゃんによこすんだぜ!!!」 「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだからあなたたちははやくここからでていってね!!!」 と暴言を吐いた。ここまで無碍にされると、いかに優秀な子ゆっくりといえどこれ以上は相手にはしたくない。 「ゆぇ〜ん、こわいよ〜」 「ゆぅ……しんぴゃいしたけどゆっくちしてにゃいよ……」 「みゅきゅう、これじゃああいてにしにゃいほうがいいわにぇ」 子ゆっくり達はこの一家に話すのは無駄だと悟り、ゲージのなかの遊具などでゆっくり楽しむことにした。 「ゆっくりするなあああああああああああ!!!!!!でていけえええええええええええ!!!!!!!!!」 「それはまりしゃたちのものだよ!!!あなたたちはゆっくりでていってにぇ!!!」 「れーみゅもあそびたいよ!!!!はやくそれをこっちにちょーらいね!!!」 だが無視された 「むじずるなああああああああああああああ!!!!!はやくここからでていけええええええええええええ!!!!!!!!!」 「ゆえええええええええええええん!!!まりしゃも遊びたいよおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「おにゃかしゅいたあああああああ!!!ゆっくちできにゃいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」 だが、しばらくすると疲れたのか、侵入者達はそれぞれ寝息を立て始めた。同時に、子ゆっくり達も遊びつかれたのか寝始めた。 ゆっくり一家が家に侵入して30分後、万能お兄さん達は帰ってきた。 「……ご主人様、なにかおかしい」 玄関の扉を開けようとしたら、ふらんが話しかけてきた。彼も玄関に手をかけたときに、なにか違和感を感じた。 「んー、もしかしたらゆっくりが家に侵入してるかもね」 彼はのんきにいって、家に入る。すると居間にゆっくり一家が堂々と居座って、寝息を立てていた。 「あっちゃー、やっぱりか」 縁側の障子から入ってきたのか、開いたままの縁側の障子を見て、彼は悟った。 彼の呟きに反応して、一家が目覚め 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 「ここはまりさたちのおうちだよ!!」 「にんげんはゆっくりでていってね!!!」 「でていくのにゃら、れーみゅたちにごはんをみってきちぇにぇ!!」 と元気よく定番の台詞を言ってきた。なんともむかつく。家ゆっくり達は、侵入者達に対して臨戦態勢をとったが 「こいつらは無視しろ、それより各自被害の有無を確認。それぞれチェックだ、散れ!」 万能お兄さんの一喝のもと、家ゆっくりたちは侵入者を無視して、家の隅々をチェックした。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおお!!!!!!」 「むじじないで、ばやぐまりざだぢにごばんをもっでぎでね!!!」 無視されたことに憤り、嘆く家族。それらを無視して彼はゆっくりたちの報告を待った。5分後、ゆっくり達は彼の下に集い、報告する。 「まど、いじょうなし!!」 「台所、異常ありません(ヒュンヒュン)」 「しょくりょうこ、あらされていませんぜ!!」 「むきゅ、こわされたものもないです」 「すべていじょうありませんよー、だいじょうぶですよー」 「よしよし、皆ご苦労」 事前に片付けて置いてよかった、それに子ゆっくりたちをゲージに隔離しておいたこともよかった。だが念のために 「子供達、大丈夫かい?どこにも怪我はないかい?なにかされなかったかい?」 と彼は声を掛けた。その心配する様は親が子を心配する様と同じだ。 「おとーしゃん!!しらにゃいひとがはいってきちゃよ!!」 「ゆっくちしてにゃくてこわきゃったけど、わたしちゃちはだいじょうぶだにょ!!」 「まりしゃたちいいこにしてちゃよ!!ほめて!!ほめて!!」 どうやら無事なようだ。羽付きの子ゆっくりも外にでてないみたいだし、彼は安堵した。 「ご主人様、こいつらどうするんですどぅー」 「侵入者は速やかに排除しなければいけませんね(ヒュンヒュン)」 家ゆっくり達は敵愾心をあらわにして、一家ににじりよる。捕食種もまじったゆっくり達に囲まれ、ゆっくり一家は身の危険を感じてガタガタと震え始めた。 だが、万能お兄さんは家ゆっくりを制して、一家に向かってやさしく説いた 「君達、人の家に侵入したことはゆるせないが、今は気分がいい。はやく山に帰りなさい」 だが、一家は 「ここはれいむたちがみつけたおうちなんだよ!!」 「でていくのはおまえたちのほうなんだぜ!!」 「そんにゃこともわからにゃいの?ばきゃなの?しにゅの?」 「でていくにゃら、まりしゃにごはんをもってきてにぇ!!」 と堂々と言い放った。目の前に捕食種もいるというのに、なんとも堂々としたものである。 勇気があるのか、バカなのか。おそらく後者だろう。むしろ人間に対してはなめた態度をとるのが理由かもしれないが。 せっかくご主人様が見逃すというのに、あろうことかお家宣言をし、図々しくも食べ物を要求するこの家族に激怒し、ふらんは、 「うー!!ゆっくりしね!!!!」 と殴りかかった。だが、その渾身のパンチを主人が手で受け止める。 「ご、ご主人様!?」 「やめなさい、ふらん。君はかしこい子だろう。君が怒っているのもわかるし、うれしいけど、僕はこいつらを殺せとは一言も言っていないよ?」 「で、ですが」 「いいから、ね?」 と笑顔を向けられ、ふらんは赤くなりながらしぶしぶ下がった。 彼はもう一度家族に向かって 「ここは僕の家なんだけど……、出て行こうとしないのかい?逃げるなら今のうちだよ?」 「ゆっ!!でていくのはそっちだよ!!さっきのはなしをきいていなかったの?ばかなの?しぬの?」 「ついでに、まりささまにごはんをもってくるんだぜ!!」 同じような台詞をだしたので、彼はやれやれといって首をすくめた。そして家ゆっくり達に向かって 「みんな、この聞き分けのない家族には完全無視の罰を与える。こいつらに構っちゃダメだよ?そして決してこの居間からださないこと。でも自己防衛なら許す。 ただし、殺してはダメだ。OK?」 「「「「ゆっくりりかいしました!!!」」」」 「ちなみに、僕はレポート目的と子供達への教育のためにやっているんだからね。間違ってもこいつらに慈悲なんかでていないから安心してね」 「「「「ゆっくりあんしんしました!!!!」」」」 そういうと、彼は2階の自分の部屋へと上がり、ゆっくり達は段ボール箱のジョロキアなどのトウガラシを協力して倉庫へと運んだ。 やることのないほかのゆっくり達は居間に入って、ゆっくり休む。 一家が 「とてもきれいなれいむね!!わたしたちとゆっくりしようね!!」 「ありすはとてもきれいだから、とくべつにわたしたちの家でゆっくりさせてやるんだぜ!!」 「ゆっくちしていっちぇにぇ!!」 と話しかけるが、皆無視する。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 そして、家ゆっくりはお兄さんが片付けておいたゆっくり専用トランポリンや、トランプなどの遊具をひっぱり出して遊び始めた。 「ゆっ!!わたしたちのおうちにあるものだから、それはわたしたちのものだよ!!」 「ゆっくりかわってね!!」 「れーみゅにあそばせてにぇ!!」 「はやくまりしゃにかわってね!!!」 だが無視する。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 「れーみゅにかわってよおおおおおおおお!!!!!!!」 「まりしゃもあしょびたいよおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 せっかくはなしかけたのに、なんで無視するんだろう。ここは私達の家なのに。 私達がここに特別にゆっくりさせてあげてるのに、なぜ無視するのだろう。 そのトランポリンも、トランプも、私達の家にあったから私達のものだ。それを独り占めするなんてゆるせない。 私達より美人だからって、ゆるせない。 「わたしたちをむしするゆっくりはゆっくりしね!!」 とれいむは家れいむに体当たりをした。だが、家ゆっくりは野生のゆっくりより1回りか2回りほど大きい。それに彼のゆっくりたちはプラチナバッジを持つほど鍛えられている 野生のゆっくりの体当たりごときで怪我などしないのだ。それほどまでに頑丈である。 蚊に刺されたかのような感じで、家れいむはれいむを一瞥するとまたも無視した。 「むじずるなああああああああああああああああああああああ!!!!!!!じねえええええええええええええええ!!!!!!!!!」 さらに何回も体当たりをする。が、まったく効かない。だが何回もやられれば鬱陶しい。家れいむは体当たりをしたれいむを軽く突き飛ばした。 「ゆげっ!!」 家れいむにとっては「軽く」であるが、大きさも力も上なのである。軽くのつもりでも、れいむからすればものすごく痛い。 壁に激突して、れいむは痙攣したあと気絶した。 「おがあああああああしゃああああああああああん!!!!!」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおお!!!!!」 「おかーしゃんをいじめるやつはゆっくちちねええええええええ!!!!!」 「ゆっ!!おちびちゃんたちだめだよ!!このれいむはつよいからかてないよ!!!」 親まりさが子をとめる。先ほどのれいむの体当たりをなんとも思わず、一撃でれいむを気絶させた。それをみて、まりさはこのれいむは相当に強い。 私達が叶う相手ではないと悟った。 そして、この家のゆっくり達が私達を無視していることが怖かった。無視されるのは嫌だ、だがしつこく言えば痛い目にあう。先ほどのれいむがいい例だ。 ゆっくり一家はおびえながら、居間の隅のほうで固まっていた。 夕方、居間の隅で固まったままの一家を一瞥した。皆おびえている。一家はお兄さんをみると、希望を見出したのか 「おにいさん!!わたしたちをたすけてね!!」 と助けを求めた、だが彼は無視して台所へと向かい、夕食を作り始めた。 居間のほうから悲鳴が聞こえたが、彼は無視して、野菜を切りはじめた。生ゴミはゆゆこが自ら進んで残さず食べてくれるので、ゴミ問題に貢献している。 「みんな、今日は鍋だよー!!」 居間のコタツの上にカセットコンロをおき、その上に鍋を置いた。グツグツに煮え、美味しい香りが居間を瞬く間に包む。 ゆっくりたちは、コタツのまわりに綺麗に並び、彼と胴付き4匹は手がないゆっくり達の分を注ぎ分けていた。 ちなみに、育ち盛りの子ゆっくり達は親より多めである。 一家はおいしそうなにおいに反応して、辺りを見回した。コタツのところからにおいがする。 まりさとれいむは 「おいしそうなにおいがするよ!!」 「ぜんぶまりさたちのものなんだぜ!!」 「まりしゃたちにちょーらいね!!」 と、お兄さんに近づいて要求した。だが反応はない。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおおお!!!!!!!わたしたちがたべたいっていっているでしょおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 れいむが怒りに任せて体当たりした。 「うわっ!!」 鍋をお椀に注いでいる状態で、いきなり衝撃が加われば危険である。おわんに注がれた熱いお汁が波打ち、彼の指を襲った。 「熱っ!」 思わず悲鳴を漏らす。だがお椀は消して手放さない。はなせば、周りの子ゆっくり達に熱い鍋汁が襲い掛かり、もっと酷いことが起きるからだ。 彼は我慢して、おわんをもちつづけた。れいむが、先ほどの攻撃が彼に効いているということがわかると 「ゆっゆっゆ!!ばかなおにいさんだね!!!わたしたちのいうことをきかないからだよ!!これにこりたらはやくごはんをよういしてね!!!」 と勝ち誇った表情で見下す。だが、彼は無視しておわんに注ぎ始めた。 「むしするなあああああああああ!!!!!!しねええええええええええええええええ!!!!!!!!」 またもや体当たりをかまそうとするれいむを、ふらんが立ちはだかり、彼を守る。 「うあああああ!!!!!ころすぞゆっくりぃぃぃいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!」 ふらんは大声をあげ一家を威嚇し、主人に攻撃したれいむにパンチを繰り出した。れいむはそのまま吹き飛ばされ、壁へと激突する。 ふらんのパンチがあまりにも強かったせいか、壁に餡子を撒き散らしてしまった。だが、まだ生きており「ゆ゛っゆ゛っ…」とうめき声を上げている。 彼の言ったことはきちんと守っているようだ。蛇ににらまれた蛙のように、捕食種ににらまれた他の一家は動けなくなる。今攻撃すれば、確実に死ぬ。本能で理解する。 万能お兄さんは、家子ゆっくり達から 「おとーしゃんらいじょーぶ!!」 「れーみゅがゆっきゅりなみぇるからゆっきゅりなおしちぇにぇ!!」 と火傷を負った手をたくさんの子ゆっくり達から舐められていた。 「ああ、子供達ありがとう。心配かけてごめんね」 「みゅきゅう、はやくよくなってにぇ」 「みんにゃでおとーしゃんをなみぇればなおるよー」 「うんうん、子供達ありがとうね。お父さんうれしいよ」 彼は子ゆっくり達に感謝しつつ、オレンジジュースをふらんに渡して、れいむにかけさせた。 まだうなっているが、しばらくすれば回復するだろう。 「ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……」 「うう……でいぶぅ………でいぶぅ………」 「おにゃかしゅいたよぅ……」 「ゆっくちできにゃいよう……」 結局、一家はなにもできず、その場で固まったままだった。ごはんにもありつけなかった。攻撃しようとすれば、さきほどのれいむのように死の淵をさまよう。 一家は瀕死のれいむのそばに寄り添って、ただただそこで惨めに固まっているだけだった。 全員につぎあてたのを確認すると、彼は挨拶をした。 「ではみなさん、ご一緒に」 「「「「「いただきます!!」」」」」 熱々の鍋を火傷しないように、ふーふーしながら食べる。野菜は家ゆっくり達が丹精込めて作ったものだ。 皆静かに食べて、ゆっくり味わった後、万能お兄さんを含めた全員が 「「「「「しあわせー♪」」」」」 と喜びの声をあげた。 彼等の周りで雑音が聞こえるが、皆食べることに夢中で聞こえない。 「それはまりさたちのものなんだぜ!!!ゆっくりたべないではやくよこすんだぜ!!!!」 「れいむたちにもちょうだいね!!!かぞくがいるんだよ!!!」 「おにゃかしゅいたよ!!ゆっくちたべていにゃいで、わたしたちにもちょーらいね!!!」 れいむが回復したせいか、一家は図々しくも言い放つ。先ほど酷い目にあったというのに(主にれいむが)すぐ忘れるところは定番の餡子脳である。 だが、それらを無視して、万能お兄さん一家は黙々と食べ始めた。 全員が食べ終わった後、 「「「「ごちそうさま!!」」」」 と挨拶をした。 「どぼじでごはんくれないのおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「それはまりさたちのものなんだぜええええええええええええ!!!!!!!!!」 「おにゃかしゅいたああああああああ!!!!ゆっくちできにゃいいいいいいいいい!!!!!!!!」 そんな悲鳴を聞きながら、彼は家ゆっくり達に感謝した。 「今年も、君達が作ってくれた野菜のお陰でゆっくりすごせるよ。皆有難う。今日僕が生活できるのも、ひとえに君達のお陰だよ」 家ゆっくり達も主人に感謝する。 「ごしゅじんさまがわたしたちをそだててくれなかったら」 「いまごろ、こんなこぎたないいっかみたいになっていたんですぜ!!」 と、一家を一瞥してまりさが言う。 「むきゅ、ご主人様がわたしたちを家族として迎え入れたことは、今までのどんなことよりもうれしいですわ」 「おやさいさんをそだてるというとかいはなことを、ご主人様はおしえてくれたわ!」 「ゆっくりしないではたらけば、いままでいじょうにゆっくりできることをおしえたのもおにいさんだよー。」 「ご主人様の恩恵は山よりも高く(ヒュンヒュン)」 「海よりも深いのです(ヒュンヒュン)」 「うー☆ご主人様のおかげでいつもたのしくすごせるんですどぅー☆」 「うー!ご主人様大好き!!」 「「「「ご主人様大好き!!!!」」」」 「「「「おとーしゃん大好き!!!!」」」」 「ありがとう、僕も君達が大好きだよ」 彼らは非常にゆっくり過ごしていた。侵入者を除いて 次の日。 「……ご主人様、きてください」 「どうしたんだい、ゆうか?」 「……チューリップの花が咲きます」 「なんだって!やったなゆうか!!」 彼は喜んで居間へと向かった。すでにほかのゆっくり達が、コタツの上に置かれたチューリップをわくわくして見ている。 ゆっくり達が主人が来たのを確認し、座布団を用意して彼はそこに座り、花が咲くのを待った。 「ゆっへっへ!うまそうなはながさくんだぜ!!」 「おいしそうだね!!さいたられいむにちょうだいね!!」 「そのはなはまりさたちのものなんだぜ!!」 無論無視される。 しばらく待つと、花がどんどん開いていった。時間はすごくかかるが、ゆっくりにとっては苦痛にはならない。そして見事満開となり、一同 「「「「「おおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜」」」」」 と感動の声をあげる。花が咲いたのを狙って、まりさとれいむが飛び掛ってきた。 「まりささまにたべられるんだぜ!!!」 「れいむたちのごはんだよ!!ゆっくりたべられてね!!」 だが、その願いは家ゆっくりによって阻まれ叶わず、床に叩きつけられて「ゆべえっ!!」と悲鳴を上げる。 それでもまりさはめげずに、あきらめようとしなかった 「そのはなをひとりじめするんじゃないんだぜ!!ひとりじめはずるいんだぜ!!」 「……ひとりじめなんかしてないわ」 ゆうかが答える。 「ゆうかはそれをたべるつもりなんだぜ!!みんなだまされちゃいけないんだぜ!!」 まりさは家ゆっくりを扇動する、だが面白い物を見ているかのような目で家ゆっくり達はまりさを見ていた。 「……わたしはこれをたべたりなんかしないわ。見るのをたのしむのよ」 「う……うそなんだぜ!!はなをたべないゆっくりなんていないんだぜ!!!」 「……ここに住んでるゆっくり達は花をたべるなんてやばんなことはしないわ」 「うそをいうなああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 信じられなくてさけぶまりさ。だが、花が咲いたチューリップを家ゆっくり達は食べようともしない、それぞれ 「きれいなはなをみると、とってもゆっくりできるね!!」 「こころがやすらぐようなんだぜ!!」 「このおはなしゃんはゆっくちできるにぇ!!」 「とってもきれいね!すっごくとかいはだわ!!」 「むきゅん!!きぶんがおちつくわー」 「とってもゆっくりさいているんだねーわかるよー」 「おお、美しい美しい」 「なんでたべないんだぜぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!!??????」 全くもって理解できない。花はえさだ。草と同じくゆっくりにとって基本ともいえる食事だ。だがこの家のゆっくり達は花を愛でている。 理由は、飼いゆっくりは野生と違い、食事に困らないからだ。困らない分、花を愛でるという、心にゆっくりと余裕を持つことが出来る。 この家のゆっくりは、最初花を愛でるということがわからなかったが、彼に教えてもらうにつれ、心をゆっくりさせることができると理解したときには自然と涙が出ていた。 普段そういうことを考えたことなどなかったからだ。それに気づいたときの感動はいかばかりか。ゆっくりにも心に余裕を持たせることが出来るのである。 しかし、野生のゆっくりなどにわかるはずもなく、頭が痛くなって、まりさは気絶してしまった。 また次の日。 彼は居間でゆっくり達を膝の上に乗せ、身だしなみを綺麗にしていた。 一匹一匹丁寧に櫛で髪をとき、飾りをはずして綺麗にし、終わったゆっくりにはクッキーを上げていた。 彼の横には、家ゆっくりたちがきちんと整列して待っていた。飼いゆっくりならではの礼儀正しさである。 だが野生にはそんの関係ない。身だしなみが綺麗になる上、お菓子も食べることができる。列を無視して割り込み、彼に向かって元気よく言い放った。 「ゆ!わたしたちもきれいにしてね!!」 「「きれいにしちぇね!!」」 「そしてさっさとクッキーをよこすんだぜ!!」 「「よこしちぇね!!」」 無論、無視。 家ゆっくりも無視。彼は一家を無視して、ならんでいたぱちゅりーを拾って櫛で髪をとき始めた。 「むじずるなああああああああ!!!!!くぞじじいいいいいいいいいいいい!!!!!」 まりさが泣き始めたのを皮切りに、一家も泣き始める。 「どぼじでむじずるのおおおおおおおお!!!!!!!!」 「れーみゅたちをむちちないでにぇ!!!」 「まりしゃおにゃかしゅいたああああああああ!!!!!!!」 「ゆっくちできにゃいいいいいいいいいい!!!!!!!」 彼の周りをピョンピョンとびはね訴える。体当たりもする。だがことごとく無視される。 すると彼の横においてあった、ジッパーで留められたクッキーの袋をまりさは見つけ、はしゃぎはじめた。昨日から何も食べていないのでいつもより喜ぶ 「ゆっ!!おいしそうなクッキーだよ!!まりさにたべられてね!!!」 「まりさずるいよ!!わたしたちにもわけてね!!!!」 「うるさいよ!!きのうからなにもたべてないんだよ!!これはまりさのものだよ!!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 「おとーしゃんひとりじめちないでね!!!!」 まりさは家族の訴えを無視して袋を破ろうとした。だが口しかつかえないゆっくりに袋が破けるわけもなく 「どぼじでだべられないのおおおおおおおおおおお!!!!!!」 「ひとりじめしたまりさにばつがあたったんだよ!!!!」 「おとーしゃんのしぇいだ!!!」 「ひとりじめするおとーしゃんはゆっくちちね!!!」 「そんなこといわないでえええええええええええええ!!!!!!!!」 家族で喧嘩を始めた。なんともやかましいものである。だがその喧嘩を彼は無視して、袋を取り上げた。 「ばかなじじいだぜ!!そのふくろはあけられないんだぜ!!!」 まりさがバカにする。が、ジッパーの袋を悠々と開け、綺麗にしたぱちゅりーにクッキーを上げた。 「むきゅん!ご主人様、綺麗にしてくれて、おやつもくれて、いつもありがとうございます!!」 「うん、僕のほうこそいつもありがとね」 なんとも礼儀正しいものだ、周りを飛び跳ねている野蛮なゆっくりとは天と地ほどの差がある。 「なんでたべれるのおおおおおおおおおおおお!!!!!」 そりゃジッパーでしっかり閉じているんだから、あけれるのは当たり前だ。まりさが泣いているのを尻目に次のゆっくりの髪をとこうとした。 「もういやだ!!おうちかえる!!!」 「こんなところはゆっくりできないよ!!!ぱちゅりーはもらっていくからね!!!」 親れいむとまりさはそういうと、ぱちゅりーを連れ出そうとした。ぱちぇりーの高い頭脳は野生でも役に立つ。その知識を利用しようとした2匹だが 「ぱちゅりー!!いっしょにここからでよう!!」 「いやよ」 「ここだとゆっくりできないよ!!」 「むきゅ、それはあなたたちがでしょ」 「外でおいしいものをたべようよ!!」 「ここのほうがとてもおいしいわ、あなた達みたいに汚い連中が私に話しかけないでね!」 「「なんでそんなこというのおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」 飼いゆっくりを誘うとは、すばらしく前向きな性格だ。誘うのなら今以上の良い生活ができるなら普通の飼いゆっくりはホイホイついていくだろう。 だが、そんな誘いに乗る飼いゆっくりなどいない。野生に戻っても百害あって一利なし。危険な生活があるだけである。 泣いた2匹は、強硬手段に出た。まりさがぱちゅりーの帽子を取ったのだ。 「ゆっへっへ!!かえしてほしかったらまりさたちのいうことをきくんだぜ!!!」 「ぱちゅりーの帽子をかえしてほしかったら、わたしたちにごはんをもってきてね!!そしてじじいはさっさとでていってね!!!」 「むぎゅうううううう!!!!帽子返してええええええええええええええええ!!!!!!!!!」 と、普通のぱちゅりーならばここで泣くことだろう。だが、彼女は何も言わず、ただ2匹をじっとみつめていた。ぱちゅりーのみならず他のゆっくりも2匹を見つめていた。 珍しい生き物を見るかのような目で。 皆からの視線に違和感を感じるまりさとれいむだが、気にせずに 「ゆっへっへ!!!なにをぐずぐずしているんだぜ!!!はやくごはんをもってくるんだぜ!!!」 「……」 「ゆっくりしないではやくしてね!!!れいむおなかがすいたんだよ!!!」 「……」 「そこのぱちゅりーはわたしたちにごはんをもってきちぇにぇ!!!」 「……むきゅ、言いたいことはすんだかしら?」 「「どぼじでいうごどぎがないのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」」 「そこのちぇん!ぱちゅりーはぼうしがないんだぜ!!ゆっくりできないこいつをはやくころすんだぜ!!」 「だからなにー?いいたいことはそれだけなのー?」 「そこのありす!あのぱちゅりーはぼうしがないのよ!!はやくおいださないとゆっくりできなくなるよ!!!」 「いやだいやだ、これだからいなかものは」 親まりさとれいむは家ゆっくり達をこうして扇動した。が、家族という固い絆で結ばれた者が、万能お兄さんという人に育てられたゆっくりが、 飾りがなくなったくらいで、相手を認識できなくなるということはないのだ。 「「どぼじでなにもじないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」」 ゆっくりにとって、命と同じくらい大切な飾り。それをとられても、怯えることなく、泣くこともなく、冷ややかな目でみる家ゆっくり達。 野生のルールなど、飼いゆっくりに通用しないのだ。 「「ゆっくりできないぱちゅりーのぼうしなんてこわれてしまえええええええええええええ!!!!!!!」」 まりさとれいむはぱちゅりーの帽子を引きちぎった。ビリビリと音を立てて破れ、崩れるぱちゅりーの帽子。 「ゆ……ゆ……ゆっへっへへっへ!!まりささまのいうことをきかないからこうなるんだぜ!!!」 「れいむたちはわるくないよ!!ぱちゅりーがわるいんだからね!!!」 これでゆっくりできないぱちゅりーは思い知ったことだろう。そして私達に恐れをなして言うことを聞くだろう。 そしてあのじじいは私達の奴隷となるだろう。 ゆっくりらしい短絡的な思考で2匹は考えた、だが万能お兄さんはぱちゅりーの頭に手を置き 「ぱちゅりー」 「むきゅ?」 「帽子なくなっちゃったね?なにかほしい帽子はあるかい?」 「むきゅん!うれしいですわ!でも高いのじゃなくて、安い帽子で結構ですわ。ご主人様に迷惑はあまりかけたくないですわ」 「はっはっは、うれしいことをいってくれるねぱちゅりーは。今度一緒にお買い物に出かけようか」 「そんなことしなくても、加工所で帽子がもらえればそれでいいですわ」 「「なんでほのぼのしてるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!そのぱちゅりーはかざりがないんだよおおおおおおお!!!!!!!!」」 「だからどうしたの?うちの優秀なゆっくり達は飾りがなくなったくらいで相手を認識できなくなるということはないよ」 彼の言うとおりだ。目の前で帽子を引きちぎっても、この家のゆっくり達は身じろぎ一つしない。それどころか 「ぼうしがなくなっちゃったねぱちゅりー」 「このぼうしをつかってよー、ぱちゅりーならかぶってもいいよー」 「まりさのぼうしをかぶってもいいんだぜ!!」 「ぼうしがなくなってもぱちゅりーはぱちゅりーだからね!」 と慰めている。まりさやちぇんはぱちゅりーに帽子を貸したりしている。 飾りのみならず、このゆっくり達は頭も良い。 人生ゲームで彼とゆっくり達が遊んでいる所を、まりさが邪魔をして手元においてあった所持金をバラバラにしてしまった 「ゆっへっへ!!そのてもとにあつめたものがバラバラになればわからないんだぜ!!これにこりたら」 「れいむ、覚えているかい?」 「ゆっ!わたしが50万、まりさが20万、ふらんが30万、ぱちゅりーが60万、ちぇんが45万、ありすが32万、そしてご主人様が3000円です!!」 「うん、ありがとう。にしても君達は強いなぁ。3000円の僕はどうやっておいつこうかな…」 「ご主人様!ひとえに運ですぜ!!」 「そうよ、今回は運が悪かっただけですわ」 「ツキがなかったんですねー、わかりますよー」 「なんでおぼえているんだぜえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」 他にも殺されない程度の邪魔をした、だがそんなものは全く効果がなかった。 なんだこの家は、このゆっくり達は。2匹は恐怖し、混乱した。2日前からまったく理解できないことばかりだ。 この家のじじいはゆっくり達にごはんを作り、身だしなみも整えている。つまり私達より下等の存在だ。 それなのに、この家のゆっくり達はこのじじいに感謝している。決して命令したりしていない、いや、命令しているのはむしろこのじじいだ。 わけがわからない。 それに、飾りをなくせばゆっくりできないはずなのに、このぱちゅりーはゆっくりしている。周りも何とも思っていない。 そのうえ、私達にとっては絶対に行きたくない加工所で帽子を作ってもらえるといっている。 私達以上に頭が良いのに、私達よりたくさん働いてゆっくりできていないのに、なんで私達よりゆっくりしているんだ? なんだなんだなんだなんだ。理解できない理解できない。 本能的に恐怖を感じ逃げようとしても逃げられない、この居間の扉はゆっくり達がしっかりと見張っている。 「ほんと、やせいのゆっくりはいなかものでやばんだわ」 「こんなやつらがいるだけではきけがするよー」 「むきゅ、ごうまんで、むのうで、本当に救いようがないわ」 「うー!さっさと死ねば良いのに!」 「ゲラゲラゲラゲラ」 「おお、おろかおろか」 今や、この一家は見世物小屋の珍妙な生物のごとく見られていた。そして異口同音に一家に向かい 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだぜ」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだわ」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだよー」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」 「「「「「ゆっくりできていないなんてかわいそうだね」」」」」 そして、耐え切れなくなったまりさがとうとう発狂してしまった 「ゆゆゆゆゆっくりびっくりいいいいいいいいいいいい亜jbjだじょれにべふじごれこdまお!!」 「まりざあああああああ!!!じっがりじでえええええええええええ!!!!!!!」 「ゆきっ!!!ゆきききききぅっっき!!!!ゆきぇぇぇぇあああああああああああ!!!!!!!!」 まりさに寄り添うれいむ、だがもうまりさ散々飛び跳ねた後、自ら壁に激突し、口から致死量の餡子を吐き出して死んでしまった。 「ばあああああありいいいいいざあああああああああああああ!!!!!!!!!」 「おどおおおおおおおおおおおじゃああああああああああああんんんんんんん!!!!!!!!」 「ゆえええええええええええん!!!!!ゆええええええええええええん!!!!!!!」 ゆんゆんむせび泣く一家。彼はそれを見て。 「えー、プラチナバッジのゆっくりと一緒に一家がいると、3日で発狂……と」 紙とペンを取り出し、メモしはじめた。様子もしかとビデオに収める。 「むきゅ、ご主人様。レポートは完成しましたか?」 「うん、結論を言うと『成体ゆっくりは躾が難しい、ゴールドゆっくりと一緒にいると、飼いゆっくりのルールが野生にわかるはずもなく5日程で発狂するので、 プラチナならなお更である。プラチナだからいいというわけではない。躾けるならやはり赤ゆっくりからに限る』と」 「むきゅん!すばらしいですわ!!これで計画もうまくいきますわね!!」 「うん、ありがとう。いいデータが取れたのも君達のお陰だよ。これでゆっくりんピースへの信頼をまた一つ獲得できるよ」 彼のレポートはゆっくりんピースへのゆっくりの飼い方について、一つの教えとなるだろう。 ゆっくりの飼い方についてはすでに決まったようなものだ。だが時として、その飼い方が当てはまらない場合もあるのである。 なにせ相手はゆっくり。ものすごくいい加減な生物。だから飼い方に不規則要素があってもおかしくはない。 彼は満足し、れいむをみた。伴侶であるまりさの横に親子そろってゆんゆん泣いている。 「もう用済みだから、こいつらは君達の好きにしていいよ。ゆっくり楽しんでね。」 「「「「「ありがとうございます!!ゆっくりたのしむよ!!」」」」」 そう礼を述べた家ゆっくり達は残された一家へとにじり寄る。恐怖に怯えるゆっくり一家。 ゆっくり一家はなすすべもなく、1匹1匹嬲られるように家ゆっくり達に虐待され、殺され、食べられた。 子ゆっくりは、家子ゆっくり達のおもちゃとされ、惨めに死んでいった。 「おがあああああああああじゃあああああああああああん!!!」 「いだいよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「ゆぎぎぎぎいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!」 「もっどゆっぐぢぢだがっだあああああああああああああああああ!!!!!!」 その様子を見た後、彼は 「お家宣言した結果がこれだよ」 と呟いて自分の部屋へと戻った。 ちょっとイレギュラー要素があったが、うまく利用できた。 子ゆっくりへの躾にもなったし、問題はない。計画は順調だ。 ゆっくりいじめ系1832 万能お兄さん5_6に続く
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※かなりの俺設定があります ※人と共存しているゆっくりがかなりいます 万能お兄さん4の続きです。 冬。 この時期になると、一部を除いた人間のほとんどはやることがなく、家でごろ寝をしているところがほとんどである。 それは人間のみならず、自然の生物も同じであった。 ただ、生物達にとっては、四季の中でもっとも過酷な時期を過ごさねばならない。蓄えがなければ冬を越せずに死んでしまう。 それは人間も同じだ。だが、人間は生物ほど過酷ではないので大丈夫である。 この村は比較的裕福なので、するべき仕事もなく、皆それぞれ家でゆっくり過ごしていた。 万能お兄さんのみならず、他の3人のお兄さん達も、それぞれ冬を過ごしていた。 虐殺お兄さんは、ゆっくりは冬になると外に出なくなるので、虐殺はなし。農家の仕事もなし。 代わりに家で家族と楽しく過ごしていた。 「くらえ!波動ビーム!!」 「ぐおっ!!死んだぁぁぁあああ!!」 「へへっ、兄ちゃんおしかったね、あと少しで僕を倒せたのに」 「くっ!!まだまだだ!!兄である俺が弟に負けるわけにはいかん!!もう一回だもう一回!!」 「はいはい、わかったわかった」 彼は弟と格ゲーを楽しんでいるようだ。 だが、今のところこの兄弟は3:7の比率で弟が有利のようだ。肉体においては勝るが、こういったものにおいては弱いようだ。 「兄より強い弟などいないっ!!」 どこかで聞いたような台詞を言って、彼はまた弟に挑戦していた。 愛でお兄さんは、家のゆっくりと共に楽しく過ごす傍ら、ブリーダーとしてゆっくりんピースから依頼された新しいゆっくりれいむを躾けていた。 いづれ人に渡すであろうこのれいむは、人の家で住んでも迷惑をかけないようにしなくてはならない。愛でお兄さんとはいえ、躾を手抜くような ことは絶対にしない。一人前の飼いゆっくりとなるべく、挨拶の躾をしていた。 「よし、じゃあ主人が帰ってきたらなんていうのかな?」 「おかえりなさい!!」 「よしよし、じゃあご飯を食べるときはなんていうのかな?」 「いただきます!!」 「うんうん、じゃあ食べ終わったらなんていうのかな?」 「ごちそうさま!!」 「うん、でも一言足りないよ?」 「ゆっ!ゆーっと・・・、いつもごはんをつくってくれてありがとうございます!!」 「よしよし、ちゃんと感謝の言葉を忘れちゃだめだよ?」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「こらこら、敬語で言わないとね」 「ゆっくりりかいしました!!」 ペットのれいむとまりさの助けもあり、順調に躾が進んでいた。 彼は、穏やかにゆっくりと過ごしていた。 虐待お兄さんは 「ほーれほーれ、暖かい暖炉だぞー」 「ゆっ!!寒いよ!!ゆっくり暖めてね!!」 「ああ、もちろん」 そういうと、暖炉の火にれいむを当てる。足に当たる底面がじりじりと焼け、部屋にいいにおいが漂ってきた 「ゆぎゃああああああああああ!!!!あづいよおおおおおおおおおお!!!」 「んー?お前が暖めてほしいっていったんだろうが、贅沢抜かすんじゃねぇ!!」 「ゆぎぃぃぃいぃぃいいいい!!!!!!暖めてほしいんであって、焼いてほしいんじゃないよおおおおおおおおお!!!」 「黙れ腐れ饅頭がっ!!!」 そういい、じりじりと焼いておく。 程よく焼けたところで、彼は底面を齧った。焼き饅頭になっているので、うまい。それに、体の芯から温まる。 冬でやるととてもおいしい焼き饅頭である。冬のみの楽しみの一つと言ってもよい。 れいむの半分を食べると、彼は小麦粉を断面にかけ、オレンジジュース適量をたらした。 しばらくすると、みるみる皮ができていく、さすが生きた饅頭。だが、食べられた分の餡子はもどるわけがなく、れいむの体は半分程の大きさ になっていた。 「おら、飛べ」 そういい、れいむを床に置く。れいむはぴょんぴょん飛び跳ねると 「ゆっくり治ったよ!!」 と喜び、お兄さんに向かい 「じじいはゆっくりしね!!おうちかえる!!」 と言って、逃げようとした。無論逃がすはずもなく、蹴飛ばして動かなくなったところを掴み上げ、発情ありすのケースに放り投げる 「うほおおおおおおおお!!!!れいむううううううううう!!すっきりしようねぇぇぇぇえええええええ!!!!!」 「いやああああああああ!!!こっちにこないでえええええええええええ!!!!」 と、ありすにレイプされ、しばらくすると頭から茎を生やした。お兄さんが食べたせいで、餡子の量がたりずに黒ずんでいく。だが、元の大きさは 成体なので、体は黒く朽ちても子は宿すことが出来る。 赤ゆっくりはいづれ虐待するのにとっておく。楽しみで仕方がない。 彼は冬ならではの虐待を楽しんでいた。 3人のうち、万能お兄さんは今年はいろいろなことがおこり、彼にとってはとてもとても長い冬であった。 計画のために色々奔走し、道を作り、ゆっくりとの間に子をつくったりと大変だったが、充実していた。 万能お兄さんは冬でも少量だが、色々やるべきことがあった。 もっとも、それは少し先なので彼は読書をしようとおもい、1階の居間へむかう。 居間は家で最も広く、ゆっくりの寝場所兼遊び場でもある。暖房もつけており、ゆっくり達はこの上なくゆっくり過ごしていた。 居間にお兄さんが大量の本を抱えてやってきた。それをみたゆっくりたちは起き上がり、 「ご主人様、どくしょですか?」 「うん、いつものたのむよ」 そういうと、彼は座布団の上に座り、足をのばす。伸ばした足の先にはてんこがいて、彼はてんこの頭の上に足を乗せる。 背中にれてぃが近づいたのを確認すると、彼は背をれてぃに預ける。 ゆっくりの中で、最も大きいれてぃならではの役である。背中は柔らかくて気持ちがよく、体がゆっくりと沈む、おかげで腰を痛めずにすむ。 次にれいむとまりさが近づいて、彼の肘掛となる。家のゆっくりは、野生のゆっくりより1〜2回りも大きい。お兄さんの育て方が良いからだ。 肘掛も柔らかく、高さもちょうど良い。おかげで腕を疲れさせない。2匹は少しへこむが、気にしないどころか喜んでいる。 これでゆっくり椅子の完成である。 柔らかい饅頭の背もたれと肘掛はとても気持ちがよく、じんわりと暖かいので疲れることはない。足のやわらかい感覚もいい。 万能お兄さんのゆっくり達ならではの、出来る事であった。 他のゆっくりたちも、主人である彼に寄り添い、彼はゆっくりに囲まれる形となる。 体の周りにさまざまな種類のゆっくり達が集まり、足の上には胴付きたちも寝そべったりする。 彼は体の上に本とぱちゅりーを置き、ぱちゅりーもお兄さんと一緒に本を読む。読書する速度はお兄さんより早いので、 彼は気兼ねなく本を読める。 読み終わった本を左に出すと、めーりんが「じゃおっ!」と威勢良く返事をして掴み、新たな本を彼に手渡す。 後はこの繰り返しである。ゆっくり達も、主人と一緒に寄り添っているおかげで気持ちよくなったせいか、皆静かに寝息を立て始めた。 今、この部屋は非常にゆっくり時間が過ぎ、種に関係なくゆっくりがゆっくりできるゆっくりぷれいすであった。 午後三時。念のためにセットしておいた時計が鳴り、彼は起きた。本を読んでいる最中寝てしまったようだ。 「もう三時か、はやいなー」 そういうと、彼は自分の体の上で寝ているゆっくり達をやさしくどかして、倉庫に向かった。 「おやつ用」と書かれた柵の中には、加工所で安く買ったゆっくりれいむとありすがいる。 「ゆっ!! おにいさんここはれいむとありすのおうちだよ!!」 「とかいはのこのいえにきやすくはいらないでね!!」 といつもどおりの抗議をする。その抗議を無視して、掴み上げた。無論「ゆっくりはなしてね!!」と抗議をするがこれも無視。 そして居間に持って行き 「みんなーおやつの時間だよー」 と声を掛ける。 家のゆっくり達は、れいむとありすを見て、おやつがなんなのかをすぐさま理解し、喜びの声を上げる。 「ゆっ!? おやつ!! ゆっくりたべたいよ!!」 「はやくとかいはのわたしによういしてね!!」 と、2匹も自分達もおやつが食べられると思い声を上げた。そして、居間にいるゆっくり達を見て 「ゆうっ!! とってもきれいなまりさだよ!!」 「ほんとね!! とかいはみたいにうつくしいわ!!」 「ほかにもたくさんいるよ!! みんなとてもきれいだよ!!」 「ゆふん! みんなとかいはみたいだわ!!」 「ゆぎゃああああああ!!! れみりゃだああああああああああ!!!」 「ふらんもいるうううううう!!! とかいはじゃないわ!!ゆっくりどこかにいってね!!」 と、ゆっくりをみてそれぞれ反応した。 家のゆっくり達はそれをみてゲラゲラとあざ笑う。 「わらってないでたすけてね!!れいむ、おねがいだよ!!」 と、れいむは同族の家れいむに助けを求めるが、ニヤニヤと笑うばかりである。ありすも同族の家ありすに助けを求めるが、こちらも同じである。 お兄さんは居間のコタツの上に二匹を置いた。 コタツの周りにはゆっくり達が囲むようにして二匹を見ている。二匹は、ゆっくり達に囲まれ怯えている。 「お兄さん、はやくこいつらをおいだしてね!!ゆっくりできないよ!!」 「そしてここはとかいはであるわたしのいえだから、お兄さんもでていってね!!」 万能お兄さんは無視して、薬ビンと注射器、オレンジジュースを取りに行った。無視されたのがわかり 「どぼじでむじずるのぉぉぉおおおおおお!!!!」 「わだじのばなじをぎいでよおおおおおおおおおお!!!!!」 と2匹は泣き喚いた。 「よし、ではみんな。今から三時のおやつにしましょう」 彼はそういうと、薬ビンと注射器をとりだし、薬ビンの液体をれいむに注射した。 「いだああああああああああいいいいいい!!」 そして、ありすとれいむを振動させ、発情させる 「「ゆっゆっゆっゆっ」」 二匹が声をあげ、顔が赤くなったところでやめる。二匹はそれぞれ顔を見合すと 「れいむううううううううう!!!!あいしてるうううううううううううう!!!!!」 「ありすううううううううううう!!!わたしもおおおおおおおおおお!!!!!!!」 と交尾を始めた。 周りの者達を気にせず励む二匹。それを楽しむようにして見守る家ゆっくりとお兄さん。 「すっきりー!!」 「すっきりー!!」 と交尾を済ませた。 れいむの頭から茎がどんどん生えてくる。ただ違うところは、茎の伸びる速さが早かった。先ほどお兄さんが注射したのはゆっくりの成長を促す 促進剤だ。高価な市販品より強力で、自作なのでコストも安い。 「ゆっ!! れいむ!! もうあかちゃんができてるよ!!」 「ほんとだね!! あかちゃんたちゆっくりそだってね!!」 しかし、赤ゆっくりはゆっくりらしからぬ速度でどんどん大きくなった。 「ゆっ!! この赤ちゃん大きくなるの早いよ!!」 「ほんとだ!! 赤ちゃん早すぎだよ!!」 だが、赤ちゃんが大きくなるのはうれしいようだ。しばらくすると、赤ゆっくりがそれぞれ種類がわかり、れいむが4、ありすが5といった割合だ。 そして、一匹の赤れいむが落ちて 「ゆっくちちていってにぇ!!」 と声を上げた。二匹は感動し、声を掛けようとしたが 「ゆっくりしてい・・・」 言い終わらぬうちに、万能お兄さんが赤れいむを手に取り食べた。 「ゆぴゅっ!!」 「うん、やっぱりできたては美味いな。」 「ゆぎゃああああああああああ!!!!!! あがぢゃんがああああああああああ!!!!!!!」 「ありずのごどもがああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 生まれたばかりの赤ちゃんを食われ、二匹は絶叫を上げる。 「あーうるさいうるさい」 すると、彼はまだ大きくなっていない赤ありすを茎からちぎる。 「きゅぴっ!!」 と悲鳴を上げたが、意も介さずにそのまま口に運んだ。 「うお、凄く甘いな。でもうまいや」 「ありずのごどもがああああああああああああああああ!!!!! じねぇぇぇぇええええええええええ!!!!!!!!」 ありすが泣き叫びながら万能お兄さんに体当たりをする。が、その先には彼が注射器を突き出していて、見事に刺さった。そして薬を注入される。 「いだいいいいいいいいいいい!!!!!!!」 「はいはい、どんどんおやつを作ってねー」 「ご主人様!! おやつ! おやつ!! 食べたいですー!!」 「はいはいー、順番に並ぼうねー」 そういうと彼はれいむの赤ちゃんを全て茎からちぎり、家ゆっくり達に分け与えた。 「れいむのあがぢゃんがあああああああぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!! どぼじでぇぇぇえええええ!!!!!」 「「「「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー♪」」」」 家ゆっくり達は順番におやつとなる赤ゆっくり達を与えられる。だが数が足りないので、この二匹を更に振動させ、子供を作らせる。 れいむだけではたりないので、先ほど注射したありすにも作らせた。 二匹は、先ほどの出来事で赤ちゃんがどうなるかを理解し 「赤ちゃん、ゆっくりうまれないでね!!!」 「生まれたらゆっくりできなくなるよ!!!」 と懸命に声を掛けるが意味はない。次々と作られ、次々と食べられ、衰弱すればオレンジジュースをかけられて、またすっきりさせられる。 目の前で赤ちゃんが出来ることに喜び、そして食べられることに嘆き、それの繰り返しが30分ほど繰り返された。 しばらくして、家ゆっくり全てが十分な量を食べたので、子作りはやめることにした。 家ゆっくりは皆大満足である。 「ご主人様!!おやつありがとうございます!!」 「そこのれいむとありすもありがとね!!」 「あなたたちの赤ちゃんおいしかったよ!!」 と、家ゆっくり達は主人と二匹に感謝を述べた。行っている行為は残酷だが二匹にも感謝を述べるところをみると、彼の教育の行き届きがよくわかる。 そして、万能お兄さんは30分も繰り返された喜びと悲しみにより精神が崩壊した二匹を手に取り、それぞれ齧り付いた。 「「ゆぎゃあああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!」」 目を覚ましたように悲鳴を上げる。 「あー美味しい。やはりいじめた後はうまいもんだねぇ」 と、二匹とも3分の1まで食べたところで、満足したので食べるのをやめた。 そして、なくなった皮を小麦粉とオレンジジュースで治し、倉庫へと放り込んだ。しばらくはショックで動かないだろう。 だが、問題はない。またおやつ製造機として働いてもらうだけだ。お菓子の一個でもあげれば、餡子脳は嫌な記憶などすっかり忘れるものだ。 なんとも便利な存在である。 居間に戻り、彼は思い出したように家ゆっくり達に語りかけた。 「そういや「計画」のために頭数が足りない。だからだいぶ前約束していた通り君達の子供を作りたいんだ。君達はどんな相手がいいんだい?だれでもいいよ」 家ゆっくり達は顔を明るくした。普通のゆっくりと違い家ゆっくり同士で勝手にすっきりはしない。万能お兄さんが彼女達全てをHENTAIお兄さんから伝授したテクで すっきりさせたりはするが、子供を作らせたことはない。 だが「計画」の人数あわせのために作るというのは約束していた。無論、ブリーダーとして誰かに譲ったりもせず、この家で育てる。今がその時期だ。 待ちに待った子供を作ることが出来る……。そのうれしさを感じて、家ゆっくり達は自分の相手を考えた。 だが、皆同じことを考えていたようだ。 「「「「「私達は…………」」」」」 「ん?」 「「「「「ご主人様がいいです!!!!!!!」」」」」 「……え?」 顔を真っ赤にしながら全てが異口同音に答えた。これには彼も面食らった。 まさか自分を選ぶとは考えてもいなかったのだ。だが、先ほど誰でもいいと言ったので、断ることはできない。しばらく考えた後彼も意を決して 「ほ、本当に僕でいいのかい?」 「ご主人様はわたしたちゆっくりをとってもゆっくりさせてくれました!!」 「野生より幸せで、はたらくよろこびをおしえてくれて、わたしたちをやさしくしてくれたのはご主人様だけですぜ!!」 「むきゅ。それに、捕食種たちとも一緒にゆっくりさせることもしてくれたのもご主人様だけですわ!!」 「ゆっくりというしゅぞくが一つになって生活できるのはご主人様だけなんですよー」 「おお、偉大偉大」 「もこたん、ご主人様とインしたいお!!」 「ご主人様と合体してこどもつくりたいんだみょん!!ちーんぽ!!」 「ふふふ……ご主人様のアレはすぐおいしい……すごくおいしい」 「だからご主人様」 「「「「おねがいします!!!」」」」 後半になって若干官能的になったのは多少気になったが、こうまでして僕のことを思ってくれたのか……。彼は目頭を熱くした。 「……わかった。じゃあ方法を考えるからゆっくりまっててね」 「「「ゆっくりまつよ!!!」」」 「うーん、でもすぐにいい考えが浮かばないから栄養補給だ」 方法を考えながらも、彼は唐突にれいむとちぇん、ふらん、れみりゃをそれぞれ一口ずつ齧った。 「「ゆんっ!」」 嬌声にも似たような声をあげる。齧ったところはみるみる治っていく。これもひとえに彼が改造したからだ、家ゆっくり達はおかげでれみりゃやふらん並みの 再生能力を獲得している。便利なものである。 普通成体ゆっくりは大きくなるにつれ、外側も硬くなり、中身の餡子もパサパサしてまずいものだが、彼のゆっくり達は外は成体以上に丈夫(ゆっくり基準)だが齧ると弾力があり、 中身は特別おいしいというような感じだ。白餡に変えたのか、彼の教育が良いのかのどちらか、もしくは両方だろう。 「やっぱりお前達はおいしいね。あの二匹も美味しかったけど、お前達には遠く及ばないよ」 最高の褒め言葉を受け取り、齧られたゆっくり達はそれぞれ感動して 「「「もっと食べていいですよ!」」 と元気よく言った。 「でも、もうおなか一杯だよ。ありがとう、気持ちだけは取っておくね」 と4匹にそれぞれ感謝の口付けをする。された4匹はメロメロだ。 「よし、じゃあ皆人生ゲームをしようか!」 「「「「「ゆっくり遊ぶよ!!」」」」」 と、家のゆっくり達と人生ゲームをし始めた。他にもババ抜きや七並べ、モノポリーなどを楽しむことができる。 万能お兄さんのゆっくりだからこそ、ゲームを理解でき遊ぶことが出来る。 彼は、これと似たようなことを繰り返して冬を楽しく過ごしていた。 四天王と言える4人は、それぞれ冬を楽しく過ごしていた。 一方その頃。 北の村を占拠したドスまりさたちの群れは、かなり安定した冬篭りをしていた。 人間の溜め込んだ食料も大量にあるし、なにより家に住むというのがよい。 ゆっくり史上世にも珍しい、ゆっくりによる村の占拠は、ゆっくりにとってとてもゆっくりできるゆっくりぷれいすとなっていた。 「ドス、にんげんの家ってとってもゆっくりできるわね!!」 クイーンありすがドスに言う。 「うん!!みんなもとてもゆっくりできているし、うれしいよ!!」 眼帯をつけたドスまりさも答える。 それぞれの民家には、ゆっくり達が人間の物を壊したり、動かしたりして遊んでいる。 この民家の持ち主は、この光景をみたら、ゆっくりたちを皆殺しにするだろう。 だが、その持ち主はこの群れの襲撃により、この村から消え去った。 だから、この村には人が来ない。家のものをどんなに壊しても、殺される心配はない。 いや、心配どころか、この家は、いやこの村は、もうこの群れの物となったのだ。 数多くのゆっくりたちが典型的に語る 「ここはわたしのいえだよ!」 の自分の家宣言は、めずらしく成功しているのだ。 それも、このゆっくりたちにとってはとてもうれしいことだった。 「ゆっくちー」 「とてもゆっくりできるよー」 「にんげんのいえはとかいはのわたしにぴったりねー」 多くのゆっくりたちがとてもゆっくりしていて、ドスとクイーンはその光景をほほえましく見ていた。 「ねぇ、ドス……」 「ゆっ、どうしたの?」 「こどもがほしいな……」 「うん、まりさもほしいよ。でも、いまつくると冬をこせなくなるから、春になったらつくろうね!」 「うん!!いっぱいいっぱいつくろうね!!」 と、ドスとクイーンは固い約束をした。 群れにも、今すっきりすると、群れの存亡が危うくなるので、ドスはすっきりすることは固く禁じた。 群れのゆっくりたちも、春になればたくさんすっきりでき、こどもとゆっくりできるとドスの宣言を快く受け入れ、今こうしてゆっくりしている。 だが、この群れのドスは村を占拠したことによって、一つの約束を忘れてしまった。本来、ドスのようなものならば簡単にものを忘れたりはしない。 だが、自分の群れをゆっくりさせる使命にとらわれ、そして村を手に入れたことにより、自分達は人間に勝てるということを確信してしまったのだ。 それらが一人の人間の入れ知恵にすぎないのだが、そんなことも知らず、自分達だけで全て出来ると、考えてしまったときにはすでに遅かった。 今、ドスの頭の中には「群れをゆっくりさせるために、下等な人間を跪かせる。人間より強い私は負けるはずがない」と 硬く信じてやまなかった……。その片目がなぜ失ったのかも忘れて……。 だが、そんなドスが変わったことも知らず群れのゆっくりたちは、静かに冬がすぎるのをゆっくり待っていた……。 ゆっくりいじめ系1828 万能お兄さん5_2に続く
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一ヵ月後。 真冬の吹雪の中、万能お兄さんはきめぇ丸B、ぱちゅりーと共に山の中を歩いていた。雪が積もっている中、ゆっくりのみならず人間も行動する事は危険なのは承知している が、それでもやらなければならないことだった。 ぱちゅりーは雪の中を跳ね回らせるわけには行かないので、苦しくないように上等な毛布で体を包み、彼の背中に赤ん坊のようにおんぶしている。 きめぇ丸は空を飛べるのでおんぶする必要はないが、ぱちゅりーのように人肌で暖めることが出来ないので、ぱちゅりーより厚着している。 彼らが歩いていたところは、吹雪でわかりづらいが杭と杭の間だけを見ると道の後をしており、彼は一定間隔で目印となる杭を打っていた。 「今、どれくらいかな?」 「ちょうど半分ですよ、ご主人様」 きめぇ丸が空から確認する。 「そうか、じゃあぱちゅりー。杭を打った時間を省いて、普通に目印に沿って歩いたらここまでどれくらいで着くかな?」 「むきゅむきゅ、ざっと1時間ってとこですわ」 「この道はだいぶ使われていないから、よく見ないと迷ってしまって、中間まで3時間はかかってしまうけど、やはり目印をつけるだけでだいぶ違うね」 と彼は言った。 この山道は、今は誰も使っていないがいずれ使われる。大量の人間がここを通ってくる。 彼はそのために、この道を新たに道として作っているのだ。杭を打っているだけだが、杭と杭の間は彼が秋に山の中で散歩したときに見た地形の中で、 もっとも平坦で、荷車なども通りやすいような場所を選んでいる。 暫定的だが山道だ。いづれ計画が見事成就した暁にはしっかりとした山道をつくる。この杭はそれまでに山道としての役割を果たしてもらう。 今彼は、使われなくなった山道を使えるようにし、尚且つ効率的に人が通れるように改造している。 この山道の存在を知っているものは「村から村へは半日はかかるといわれる」と知っているが、きめぇ丸に観測させて、 彼が実際にあらたに道を作ってみたところ、かなりずさんなものだということがわかった。 しかも、この山道はあの北の村が作ったらしい。閉鎖的で、よそ者が来るのを嫌うためだろうか、わざと疲れるように山道が作られてある。 半日どころか、中間で1時間なのだから、2時間もあれば村へ着くということがわかり、彼は驚嘆した。 「なにからなにまで、あの村は忌々しいなぁ……」 と、杭を打ちながらつぶやいた。 杭をここまで打つのに、ざっと3時間はかかってしまった。 だが、真冬の最中これをやるのは、人に見られずにすみ、外敵も現れないからだ。 至極きついが、もっとも安全且つ誰にも邪魔されずに効率的に、そして誰にも見られることなくひそかにできることが強みだ。 ひとえに計算どおりといったところである。 この調子ならあの村にたどり着ける。自分達が生まれた村。 春に起きるであろう、ゆっくりとの戦。それが終わったあとは、最愛の妹が目覚め、そして彼は妹との約束を果たすことが出来る。 愛する妹のために、彼はがんばって杭を打ち続けた。 3時間後、彼はたどり着いた。 ついに道が完成した。 目の前の開けたところには、民家がぽつぽつと建っている。10年前となにもかわっていなかった。 変わっていない……。いや、変わろうとしなかっただけなのだ。利益に固執したために、変わらなかったのだ。 10年経ち、自分はこうも変わったのに、あの村はなにも変わっていないのを感じると、どこか懐かしさを感じた。 どの家も静かにしていた。それもそうだ、あの家にはあのゆっくりの群れが住んでいるのだ。 だが、今あの群れには用はない。春になったら自分の計画のために十分利用させてもらう。 道もできたことだし、これ以上、ここに留まる必要はない。それまであの群れはゆっくりしているといい。 あいつらに見られるのもまずいので、彼らは早々にその場を立ち去った。 「ゆぅ〜?あそこにだれかいるよ?」 「ゆー、どこぉ〜?あ、ほんとだー」 「どこかでみたことがあるとおもうけど…。わたしたちにはかんけいないね」 「うん、こんなさむいなかそとをあるいているなんて、おろかおろか」 「わたしたちはわたしたちでゆっくりしようよ」 「ゆっくりするよ!」 村の民家から2匹のゆっくりが気づいたが、すぐに興味を失い、ゆっくりすることに決めた。 彼が作った、杭と杭の間だけの山道を通ると、驚くほど歩きやすい。山の中ということを忘れるくらいだ。 「むきゅ、ご主人様はやっぱり天才だわ。山道が通りやすいですもん」 「さすがは、私達の愛するご主人様。いつも以上に尊敬しますよ」 「はっはっは、僕だけじゃないさ、君達の協力があってからこそ、この道が出来たんだ。いわばこの道は3人で作ったんだよ。 僕のほうこそ、君達に感謝しているよ。家に帰ったらふらん達がホットココアを作っているだろうから、ゆっくり温まろうね。」 「「さんせーい」」 「「「「ご主人様、おかえりなさい!!」」」」 「うん、ただいま」 と、彼は体の雪を払いながら答える。2匹の雪も丁寧に払い、居間へと入った。 「ご主人様、ココアを温めておきました」 「ついでにクッキーもやいたんですどぅ〜☆」 「ああ、ありがとう。2匹とも気が利くね、うれしいよ」 彼はふらんとれみりゃに感謝の印として頬に口付けをする。みるみるうちに2匹は顔を真っ赤にした。 「あ〜、寒かった。みんな僕を温めてくれないか?」 「「「ゆっくりあたためるよ!!」」」 主人を包むようにして、ゆっくりたちが寄り添い、彼を温める。 彼はゆっくり達に感謝の言葉を述べ、ココアを飲み始めた。 後は、皆でクッキーを食べたり遊んだりとゆっくりするだけで、時間を悠然と過ごした。 計画は順調に進行している。なんら問題はない。 次の日。ついにゆっくり達と人間の間に子を作らせる方法を考えた。といっても思いつきなのでぶっつけ本番である。 ちなみに、この場合は胴なしの通常ゆっくりだけであり、家にいるきめぇ丸A,Bとれみりゃ、ふらんの胴付き4匹はベッド・インして作ることに成功した。 4匹とも顎の下が膨れている。使ったのは下のほうなのになんとも不思議である。さすがゆっくり。いい加減な生物。 彼は4匹とのベッド・インのときに、残る27匹のための少なからずの量の自分の子種を出した。はっきりいってしんどかった。 27匹ともなるとさすがに量が半端なくなる。これには彼もさすがに目の前がぼやけるほど疲れた。 だが、この試みが成功すれば、その苦労をねぎらうことが出来るのだ。手始めに、ゆっくりの精子餡を研究し、自分で似たような餡子を作ってみる。 他のゆっくりの遺伝子が含まれているわけではないので、これを注入しても子はできない。基本となる遺伝子がないからである。 それに、自分の子種……。いわゆる精子だが、これを適量いれて混ぜる。混ぜたこの餡子をゆっくりたちのまむまむに注入する。 しかし、ただ注入するだけではつまらないので、彼は27匹全てを絶頂させた。 「んほおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 「ごしゅじんさまあああああああああああああああ!!!!!!」 「あいじでるうううううううううううううう!!!!!!!」 「むぎゅううううううううううううううううう!!!!!!!!!」 砂糖水まみれになりながらも、HENTAIお兄さんから伝授したテクをつかって絶頂させたゆっくりから順に、まむまむに特性餡子を注入していった。 あとはしばらく待つのみである。 翌日には結果が出ていた。ゆっくり達の下あごが膨れていたのだ。 「ご主人様!!赤ちゃんが!赤ちゃんができました!!」 思い思いを主人に伝えるゆっくり達。だが、彼は不安があった。本来彼はこういったことは念入りに研究してからやるものだが、いかんせん時間がたりなかった。 だから、これで生まれるのかどうかが心配なのだ。ちゃんと生まれてくるよう彼は願い、それと同時に子が生まれるのを心配する父とはこういうものかと思った。 だが彼の不安はなくなることとなる。翌日には結果が出た。彼のゆっくり達は、彼が育てたせいか、子が出来るのも早かった。 それゆえに出産するのも早く、2日目にはすでに出産体制へと移っている。 居間でゆっくり達総勢31匹が苦しそうな顔を浮かべている。普段物事に動じない彼でも、これには心から心配した。なぜなら苦楽を共にした家族だからだ。 そして、それぞれがほぼ同時に勢い良く顎下から子を生み出した。31匹が1匹ずつ同時に生んだので31匹の子ゆっくりが生まれた。 子ゆっくり達は、ぷるぷると震え目を瞑ったまま「ゅ…ゅ…ゅ…ゅ…」と小さな声を出していた。 親となったそれぞれのゆっくり達は 「あかちゃん!おかーさんだよ!!ゆっくりあいさつしようね!!」 と懸命に声を掛ける。だがしばらく経っても目を瞑り、小さな声を出すだけだ。 さすがに心配してきて、万能お兄さんも 「赤ちゃん!ゆっくりしよう!!ゆっくりしていってね!!」 と親ゆっくり達にまじって声を掛け始めた。 願いが通じたのか、しばらく震えた後、目を少しずつ開けていき、そして舌足らずの声が31匹分重なり 「「「「「「「「ゅ…ゅ…ゅ…ゅ…ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!!!!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!!!」」」」」」」」」 親子が元気良く挨拶を交わす。特に親となった家ゆっくりたちは初めて出来る子に感動の涙を流していた。 ああ、初めての子が出来た。 この家に来て、暖かい食事と寝床。捕食種など垣根なくゆっくり過ごすことができ、互いに協力して野菜を作り、最愛の主人との間にも 子を宿すことが出来、そして生まれた。 今までよりも、どの出来事よりもうれしい。今私たちは最高に幸せだ。 これで愛する主人の計画が上手くいく。これで愛する主人を「ゆっくりさせる」ことができる。 親となった家ゆっくり達は我が子を見て滝のような涙を流している。 彼はこれを見て安堵し、そして彼自身も挨拶を交わす。だが、彼を驚かせることが起きた 「みんなゆっくりしていってね!!!」 子ゆっくりに元気良く挨拶した万能お兄さんを、31匹の子ゆっくり達は 「「「「「「「「おとーしゃん、ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!!!!」」」」」」」」 「………………なん……だと……?」 これには彼は仰天した。なにせ自分は人間である。ゆっくり達が人間である自分を親と認識することはないと思っていたからだ。 刷り込みにしても、すでに親ゆっくりを見ているからこっちを親と認識することはないのに…… 彼は気を取り直して質問した。 「えーと、君達、僕は人間だけど君達からみればお父さんなのかい?」 「ゆっ?おとーしゃんはおとーしゃんだよ?」 「おとーしゃんはにんげんだけどおとーしゃんなのにはかわりにゃいよ?」 と答えてくれた。どうやら自分の子種のせいなのだろうか。家ゆっくり達は、子が生まれたのは主人が自分に子種を入れてくれたから生まれたもの、と考えており、 赤ゆっくり達が万能お兄さんを父と認めていることについては疑問にも思っておらず、むしろ喜んでいる。 これは新しい発見なのか……?そういえば、人間とゆっくりの間に生まれた子がいて、姿は人間だが中身にゆっくりが混じっているというのを聞いたことがある。 これは姿も中身もゆっくりだが、相手となった人間を親と認識するタイプのようだ。もしかしたら新発見……? と考えていたが 「おとーしゃん、むじゅかしいかおをしてらいじょーぶ?」 「ありしゅたち、おとーしゃんがしんぴゃいだよ」 「みゅきゅう、おとーしゃんゆっくりちていっちぇにぇ」 と健気に彼に寄り添いすりすりしてくる。これを見て彼は純粋にうれしく感じた。子ができるとはこういうことなのか。難しく考えるのをやめ、 「皆!僕がお父さんだよ!!ゆっくりしようね!!」 ゆっくり達と共に子育てすることをはじめた。 3日後。 「ごめんくださーい」 と玄関から声がしたので、行ってみた。 すると愛でお兄さんが、透明な箱を持っていた。中には寝ている子ゆっくりが3匹確認できる。 「やぁやぁ愛でお兄さん。どうしたんだい?」 「実はゆっくりんピースから頼まれてゆっくりを躾けているんだけどさ、ちょっとこのままだと、数が多くて間に合わないんだ。 だから君にも手伝ってほしいんだけど……。いいかな?」 「どんなゆっくりなんだい?」 「れいむ、ありす、まりさと基本的な3匹だよ。3匹とも子ゆっくりだ」 「ならまだ許容範囲内だ。手伝うよ。」 「ありがとう、助かるよ。この礼はいつか必ずするからさ」 「いいって、最近ゆっくりブリーダーとして躾けていなかったからさ、ちょうどよかったよ。でも、もしものときは……わかるね?」 「ああ、子がどうしようもなくゲスだったときは君の好きにしていいよ。君の名は知れているから、君が諦めたとなれば、協会もわかってくれるさ」 「うん、それさえ確認できればいいよ、僕は」 「でも、君は今までゲスだからといって殺したことはないけどね……。プラチナブリーダーの名誉会員さん」 「よしてくれ、確かに名誉会員だけど、僕はゆデスファミリーにも属しているからさ。こういうとき自分の中途半端さがややこしく感じるよ。 それに、ゆっくりんピースの幹部である君にはかなわないさ」 「ははっ。でも君はその中途半端さがいいんじゃないか。両方の協会に属していて、尚且つ反感を買っていないなんて普通に考えてすごいよ。 じゃあ、ゆっくりのことはお願いするね」 「ああ、まかしてくれ。人前に出しても恥ずかしくないように躾けるよ」 愛でお兄さんは、万能お兄さんに透明の箱に入った3匹の子ゆっくりを渡すと帰っていった。 居間に戻ると、家ゆっくりたちは愛でお兄さんの来訪と、彼が渡した3匹の子ゆっくりをみて、何のことなのか理解したようだ。 知能が高いお陰で、説明する手間が省けて助かる。 赤ゆっくり達も3日経っただけで子ゆっくりへと成長した。胎生型妊娠したせいもあるが、親が優秀なお陰で子も優秀な子に育っている。 新しくきた3匹の子ゆっくりに、家子ゆっくり達は興味津々だ。 「ご主人様。その子達の躾ですか?」 「うん、頼まれたんだ。君達、この3匹を一人前にしてくれるかな?」 「「「「ゆっくりしつけるよ!!」」」」 過去に何回もやったことがあるので、躾はお手の物だ。彼自身も躾は得意だが、ゆっくりはゆっくりに任せたほうが飲み込みがはやい。餅は餅屋だ。 透明な箱から3匹を取り出し、家ゆっくりたちと3匹の子ゆっくりは元気よく 「「「「「ゆっくりしていってね(ちていっちぇね))!!」」」」」 「「ゆっくちちていっちぇね!!」」 とお互い挨拶した 「とってもとってもきれいないおねーしゃんたちだれ?ここはゆっくちできるの?」 「きょうからわたしたちは、あなたたちをいちにんまえのゆっくりにさせるためにいろいろとおしえるのよ」 「ゆっくちできるの!?」 「でも、ゆっくりするにはきまりをまもらないといけないの。ゆっくりおしえるからあせらずゆっくりりかいしてね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!!」」 と、家のゆっくりたちはそれぞれ3匹を一人前とするべく、基本的なことを教え始めた。マナーからはじまり、食事の作法にはじまり、 飾りがなくてもゆっくりを識別できるようにした。これらはゴールドバッジを手に入れるために必要なものである。 4日たっただけで、もう赤ちゃんことばもほとんど抜けている。ひとえに家ゆっくり達の教育がいいからだ。無論、自分の子達も躾けることも忘れない。 だが、家子ゆっくりのほうが物覚えは速いが、赤ちゃんことばはまだ少し抜けていなかった。 ほとんどのことは口で教えるが、たまに居間のビデオを使って、子ゆっくりに直接見せたりした。 「いい?おやさいさんはしぜんにはえるんじゃないのよ?こうしてにんげんさんがつくっているからできるの」 「へー」 「すごーい」 と、人間が野菜を育てているビデオを見せる。すると、どこからともなくゆっくりがきて、畑の作物を食べ始めた。 『ここはゆっくりできるところだね!!』 『きょうからおれたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!』 『とってもとかいはなばしょだわ!わたしたちにぴったりね!!』 一般的に現れる、作物を荒らすゆっくりだ。それをみた子ゆっくりたちは 「ゆぅ、このおねーしゃんたちなにいってるの?」 「せっかくにんげんさんがそだてたおやさいさんをかってにたべるなんていけないんだぜ!」 「とってもやばんで、とかいはじゃないわ」 子ゆっくり達は口々に感想を言う。 ビデオを見せる前の教育がいいせいか、飲み込みが早い。 「このゆっくりたちは悪いゆっくりなんだよ。わるいゆっくりはこうなってしまうんだよ」 と、教育係のトップのれいむが優しく教える。 すると、人間が畑を荒らしたゆっくりたちを殺し始めた 「「ゆぅぅぅぅう〜〜」」 子ゆっくり達は恐怖におびえている。 荒らしたゆっくりは『にんげんたちはでていくんだぜ!』『ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!』 と定型文を言ったが、人間を余計怒らせただけだ。 「いい?にんげんはとってもつよいの。それに、せっかくつくったものをたにんにとられたら、あなたたちはどうおもう?」 「「ゆっくりゆるせないよ!!」」 「でしょう?だから、にんげんのものをかってにたべたり、あらしたりしたらこの悪いゆっくりみたいになっちゃうからね」 「「ゆっくりりかいしたよ!!」」 「じゃあこんどはゆっくりやさいをつくろうね。そしてものをそだてるよろこびをりかいしようね」 「「ゆっくりがんばるよ!!」」 後は、室内でも栽培できるプチトマトを作らせ作物を作る喜びを教えたり、捕食種とであったときの逃げ方や、体を鍛えたりさせた。 といっても、ここらへんはゴールドバッジを手に入れるためには不必要なのだが、プラチナブリーダーとして彼は教えていた。 「まつんだどぅ〜☆」 れみりゃが3匹を追いかける。3匹は3方向にそれぞれ散開し、その3匹のうちのれいむをれみりゃはおいかけはじめた。 「「「ゆっくりにげるよ!」」」 訓練の賜物か、子ゆっくりとは思えない速度で逃げる。それをれみりゃが追いかける。とうとう追いつかれそうになり、れみりゃが 「つかまえたんだどぅ!」 と手をすばやく掴んだ瞬間、普通のゆっくりには出来ない動きで華麗によけた。家れみりゃも彼に鍛えられているとはいえ、掴むことが出来なかった。 「ごうかくよ!」 と家れいむが掛け声をして、追いかけっこは終わった。 「てんてきである、れみりゃやふらんにであったら、このようりょうをわすれないでにげるのよ!いつもにんげんがまもってくれるとおもわないこと! じぶんのみはじぶんでまもるようにすること!いいね!」 「「ゆっくりりかいしたよ!!」」 「じゃあくんれんおわり!あそんでいいよ!!」 と、れいむの声を皮切りに、3匹はそれぞれ家ゆっくりたちと遊び始めた。 先ほど追いかけ役だったれみりゃに高い高いをさせてもらったり、自分達の先輩である、れいむやまりさとすりすりしたりと、非常にゆっくりしていた。 自分と同じサイズの家子ゆっくり達とも仲良く遊び、ゆっくり過ごしていた。 日付を見ると、12月25日。ちょうどクリスマスだ。 預かって1ヶ月は経つが、もうどこに出しても恥ずかしくない、一人前の飼いゆっくりとなった。 彼が躾けた場合、出来る範囲での雑務をこなしたり、家庭菜園を作ることができるので、彼が育てたゆっくりを飼いたがってる人はたくさんいる。 それらも彼のゆっくりんピースでの肩書きである「プラチナブリーダーの名誉会員」の効果のおかげでもある。 ちょっとした臨時収入かな。彼は喜び、愛でお兄さんに躾が完了したことを報告し、家の親ゆっくりを全匹つれて彼と一緒に町へと向かった。 子ゆっくり達を連れて行くのはさすがに危険なので、お留守番をしてもらう。居間の3分の1ほど占める巨大な透明ゲージに31匹の子ゆっくりを入れて、彼は語りかけた。 「いいかい?僕達はちょっとお出かけするから、みんな仲良く待っててね。いいこにしてたらお土産上げるからね」 「ゆっ!!おみやげほしいよ!!ありしゅたちゆっくりいいこにまってるよ!!おとーしゃんたちゆっくりでかけていってね!!」 子ゆっくり達は、まだ危険だということを言えば少しも不満に思わない。なんとも親ゆっくりに似て賢くて助かる。 家族総出で町へ出かけるのは、色々とすることがあるからである。 ちなみに、今日は冬でも暖かい日なので、家ゆっくり達に防寒をあまり施さなくてよかったので助かった。 真冬でもこの日のような、暖かい日は必ずある。だから真冬でも、野生のゆっくりが現れたりする。万能お兄さんはもしものためを考え、戸締りをしたほか、 野生のゆっくりが勝手に家に入っても、家のものを荒らされないように片付けておいた。 これならば、たとえ勝手に入っても、あらされても問題ないものがおいてあるだけだし、食料は厳重に締まっているため食べられることはない。 子ゆっくり達は頑丈なゲージに入れておいたし、これで外敵がきても安心である。こんな日にゆっくりが入ってきたこともあったので、念には念を入れておいた。 満足した後、愛でお兄さんと31匹と共に町へと向かった。 ゆっくりいじめ系1829 万能お兄さん5_3に続く
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月日はすぎて、季節は春。 村では野菜を作るためにそれぞれの家が畑を耕している。 虐殺お兄さんとその弟も、次の収穫のために汗水流して働いていた。 万能お兄さんの家は畑仕事はゆっくりが全てやってくれるので、彼はそれを手助けするだけでいい。非常にラクだ。 その彼の家に一人の男がやってきた。望遠鏡や折りたたまれた簡易テントなどを背負っている。 「ただいま」 と言うと、彼は万能お兄さんの家へと入った。 「おかえり、観察お兄さん。ご飯が出来てるけど食べるかい?」 「ああ、ありがとう」 迎えたのは万能お兄さんだ。 観察お兄さんは、北の村を占拠したドスの群れを観察するためにこの村へとやってきた。 しばらくは、山から望遠鏡を使ってドスの群れを観察するが、一定期間で食料はなくなるので、村に帰ってくる。 その間、万能お兄さんは自分の家を宿代わりにして、彼を泊まらせている。彼も宿探しをしないですむし、食料も無料で補給できるので助かった。 「で、首尾はどうだった?」 食事を済ませ、お茶をだしながら、万能お兄さんは彼に尋ねた。 「ああ、日に日に増えている。春でゆっくりが外を出歩けるようになったからな。あそこの群れの数は今は500は下らない。2週間で200匹増えたぞ。」 「やっぱりか」 「全ては、君の目論見どおりというわけだな」 お茶を飲み干して、彼は万能お兄さんを見た。 「うん」 笑顔を崩さず、彼は答える。 「君が事を話してくれたときは驚いたよ。まさか君が村一つ滅ぼした黒幕だったなんてな」 「……ひとえに復讐だからね。責めてもいいよ。真摯に受け止めるから」 「責めたりなんかしないさ、君の生い立ちを知ったら責めることなんて出来ない……だがどうする。これから1000匹も殺すんだろ?一筋縄じゃいかんぞ」 「すでにゆデスファミリーには協力を申し出てるから問題ないよ。会長が喜んで協力してくれるって言ったからね」 「その点は確かにすごい。愛でと虐待両方に属しているのは君くらいだ。それらもひとえに君が長年作り上げた『信頼』のおかげだろう。 だが、私が気になるのはそこではない」 「と、言うと?」 「いづれ誰かが気づくんじゃないのか?君の所業に」 万能お兄さんは目を細めた。確かにその可能性はある。世の中、隠し事などをしても隠しきれないことなんてザラなのだ。 ましてや、彼は間接的にとはいえ村一つを滅ぼしたのは紛れもない事実。今のところこの事を知るものは観察お兄さんと村長くらいしかいない。 だが、村の連中にもいつかばれるだろう。 その時はどうするか……。開き直るか? それとも自分がやったと素直に話すか? 自分が作り上げた『信頼』に全てを賭けて……。 やるなら後者だ。何も自分の全てをさらけ出す必要はない。村人達には悪いが、綺麗な自分を見ていてほしい。 「大丈夫だよ」 「ずいぶん自信があるな……その根拠はなんだ?」 「無論、君がさっき言った『信頼』さ」 「ずいぶんな自信だが、全てに対応できる君が言うと納得できるな」 「もうすでに手は打ってある。こちらの入れ知恵により、ドスの群れも武装していただろう?」 「ああ……君が入れ知恵したおかげで、少なからずの対抗手段を得たようだぞ。大丈夫なのか?」 「大丈夫大丈夫、さっきも言ったように手は打ってある。うちのゆっくり達を使って、野生の良いゆっくり達にも協力を申し込んであるしね」 「じゃあ、ここも必要になるだろう」 観察お兄さんは、地図を開くと赤いマーカーを示した。万能お兄さんは地図で示された場所をみてすぐさまなんなのかを理解した。 「ああ、うーぱっくの巣かい?ありがとう。もしかして先手を打ってここを懐柔しておけっていいたいんでしょ?」 「相変わらず鋭いな、その多方面に対応できる能力はさすがとしか言いようがないな」 「だけどさ、君みたいな専門職には敵わないんだよ」 「なぜだ?」 「そりゃ、僕は多方面に対応できるけど器用貧乏な「万能お兄さん」だからさ」 お茶をすすりながら彼は答えた。 春になって、冬篭りをしていた生物が活発に動き回る。冬で腹をすかせた分、今この時期にたくさん食べるのだ。 それはゆっくりにとっても例外ではなかった。 今、家子ゆっくり達の子育てが楽しかった。31匹のさまざまな種が1匹ずつ生んだので、数が単純に2倍となり家はにぎやかとなった。 なにより、親がとても優秀なお陰なのと、胎生出産のお陰で、親の知識などを大部分受け継いでいるみたいなので、子育てが非常にラクである。 それに、だいぶ前に侵入した一家を反面教師として利用したおかげで、さらにラクになった。 主人である万能お兄さんが優秀なお陰で、家ゆっくり達も優秀となり、さらにその子ゆっくり達も優秀であった。これには彼は大満足だった。 プラチナバッジから生まれた子はゴールドバッジを無条件で入手できるので、いづれゆっくりんピースへ申請してバッジをもらおう。 そして、人間をゆっくりにとって親と認識させる方法も少しばかりわかった。これにより、更なる信頼を獲得できそうだ。 といっても、その方法は今のところ男性限定になるが。 と、居間で31匹の子ゆっくり達と戯れながら考えていた。 親ゆっくり達は外で働いているので、彼が子育てを代わりにするのである。立場がまるで逆ではあるが、なんら問題はなかった。 「と、いうわけで。今の季節は春。君達ゆっくりにとって活動しやすい時期の一つだ。それ故に、人里にきて悪さするものがいるんだよ」 「ゆー、ゆっくりりかいしました」 「ほらごらん。あそこに一家がいて、僕の畑に近づいているよ?」 と彼が指差した方向には、ゆっくり一家がいた。畑に近づき、のっとろうとしているのがミエミエである。 『ここはとてもゆっくりできるところなんだぜ!!きょうからここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!』 畑の外側の土中に埋めた集音マイクと箱に入れた監視カメラによって、まりさの声と姿がはっきりとわかる。 定番の台詞を、畑でまだ働いているゆっくりがいるというのに堂々と言い放つ。 言い放つことが出来るのは、畑で働いているゆっくりが、野菜を食べていると勘違いしているからだろう。 「むきゅう、やせいのゆっくりはとてもやばんなのね」 「なんでこいつらはこんなことをいうんだぜ?」 「全くもって理解できないだろう?じゃあ、ここで問題。彼ははなぜおうち宣言などをするのでしょうか?」 しばらくしたあと、ありすが元気良く返事をした 「ゆーっと。じぶんたちがみつけたからじぶんたちのもの。というおろかでいなかものな考えによってせんげんするんです!」 「正解っ!!では、後一つはなにかなー?」 つぎはきめぇ丸が手を上げた。親に似て胴付きである。 「後は、愚かにもあいての力量を知らずに、自分は強いと勘違いしているからです(ヒュンヒュン)」 「GOOD!!よくわかっているね。その通りだよ。ごらん、今からそれがよくわかるから」 お兄さんが監視カメラを指差すと、一家が家ゆっくり達に囲まれていた。 『おまえたちなんなんだぜ!!ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ!!』 『うるさいんだどぅー!はたしごとのじゃまするわるいやつはたべるんだどぅー!ぎゃおーー!!』 『ゆぎゃああああああああああああああああ!!!だじげでえええええええええええ!!!!』 『おがああああああああああああじゃあああああああああああああん!!!!』 『ゆぎいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!いだいよおおおおおおおおおおおおおお!!!!』 たちまち、家ゆっくり達に袋叩きにされていまい、後に残ったのは飛び散った餡子と皮だけであった 「ゆー!!おかーさんつよいー!!」 「まんまとってもつよいんだどぅー☆」 「おお、おろかおろか」 「よくわかっただろう?自分の力量を知らずにあんなことを言うとどうなるかを。ちゃんと自分の力量を見極めていればあんなことにはならないんだよ」 「「「ゆっくりりかいしました!!」」」 「むきゅう、じゃあおとーさんはおかーさんたちよりつよいのね」 子ぱちゅりーが感心したように言う。他の子ゆっくり達も彼を見る。 「はっはっは、鋭いところをつくね。確かに僕は人間だからね、彼女達を僕が育て、野生のゆっくりより強いとはいえ、人間である僕にはかなわないねぇ」 「だでぃはまんまよりもつよいなんて、すごいんだどぅー☆」 「おとーさんはとってもとかいはでいだいね!!」 「でも、わたしたちとおとーさんは、なんでちがうのー?わからないよー?」 子ちぇんが疑問を出した。もっともな疑問だ。最初こそは父と認識していた子ゆっくり達だったが、大きくなるにつれて、一向に父のような人間になることができない。 胴付きの子も、なぜ父とおなじような人間の形でも、中身が違うのかが理解できない。 親からの遺伝と教育もあり、人間はすばらしくて恐ろしいというのを教えてもらっていた。だから父である万能お兄さんが人間だから、自分達も人間になるのでは? と期待をしていたが、一向に人間とならないので理解できなかった。もしかしたら、自分達はゆっくりできなくなるのでは? 「もしかして、ありすたちはのぞまれない子なの?わたしたちゆっくりできないの?」 子ゆっくり達が最も恐れていたことを、子ありすが口走った。皆子ありすを見るが、誰も非難はしない。 今までの教育のおかげで、この子ゆっくり達がとても美しく、賢く育った。だが賢い故に、そういったことについての疑問もすぐさま浮かび上がった。 教育のなかで、れいぱーありすに犯され、望まれない子をにんっしんしたゆっくりは大半がその赤ゆっくりを殺すのも見てきた。 だから、私達も望まれない子なのでは……………………。 ゆっくり達が疑問と恐怖を感じながら彼を見る。だが、彼は子ゆっくり達を見渡して優しく語りかけた。 「確かに、僕は人間で君達はゆっくりだ。胴付きの子もいるけど、中身が違うのは理解していると思う。でも、僕は君達の母親達が僕と結ばれたいと願ったから それを叶えたんだ。君達は僕と彼女が望んで生んだ子なんだよ。姿と形と中身が違っても、君達はまぎれもない僕と彼女達の子供だよ」 「「「「「「ゆ……ゆ…………ゆ…………ゆわあああああああああん!!おとおおおおおおさあああああああああん!!!」」」」」 その言葉を聞いて、子ゆっくり達は彼の元へ集まりむせび泣いた。自分達を子として認識してくれる彼の優しさに。 「よしよし」 なだめながら、子ゆっくり達を優しくなでる。 有能な物は最大限に使わせてもらう。家ゆっくりだってそうだ。それについては彼女達も理解しているし、反対もしない。 だから君達も、妹のためにがんばって育ってね。 彼はそう考えながら、子ゆっくり達と楽しくすごしていた。 そして、村のそばの山から彼の畑の様子をみていたゆっくり達が 「あれがドスのいっていたむらなんだぜ!!」 「とってもおおきいむらだね!!とくにてまえのいえとはたけがすごいよ!!」 「あのむらをてにいれればしょくりょうもんだいもかいけつされるんだぜ!!」 「そしてにんげんどもをどれいにするのね!!」 「あのゆっくりたちもどれいにして、すっきりのどうぐにするんだぜ!!」 とゆっくり達は話していた。 ドスが放った偵察隊である。先ほど畑を襲ったゆっくりは口八丁でだましたゆっくりで、敵情偵察のためにだましたのだ。 お陰で家ゆっくり達の様子もよくわかった。山二つ越えてまで偵察しに来た甲斐があった。 「あのしんだゆっくりたちにはもうしわけないけど、わたしたちのたいぎのためなんだぜ!!」 「ひつようなぎせいなんだねーわかるよー。」 「なるほど、ドスも頭脳がよくなっているわけですね」 「そうなんだぜ!!ドスは偉大なんだぜ!!ぶそうもできるし、あたまもいいし、にんげんなんかいちころなんだぜ!!」 「おお、こわいこわい。これはご主人様に報告しなければ」 「ゆっ!?だれなんだぜ!!」 ついつい質問に答えてしまったまりさ。いまこの偵察隊の中にはきめぇ丸なんていないはずだ。 ゆっくりせずに周りを見渡すと 「あ、あそこに!!」 れいむが見上げた方向にはきめぇ丸が飛んでいた。それも大量に。そのうちの1匹が万の字が入ったプラチナバッジをつけている。きめぇ丸Bだ。 「ききき、きめえ丸がたいりょうなんだぜえええええええええええええ!!!!!!!!!」 「これがあの北の村のドスの群れのゆっくりですか」 「おお、外道外道」 「全くもって度し難い存在ですね」 「私達の住みかを奪った仇なのですね」 「永遠にゆっくりさせましょうか」 きめぇ丸達はその偵察隊をまりさだけ残すと、後はなぶり殺しにした。 残されたまりさは死なない程度に痛めつけられた。そして気づかれないように、きめぇ丸Bは髪に赤いリボンをつける。 「これにこりたら人里に来ないことです」 きめぇ丸Bが釘を刺して逃がしたが、意味はないことは彼女自身が良く知っている。だがこれも計画通り。 「どうやら、あそこはあなたが言ったようにとてもゆっくりできる場所ですね」 きめぇ丸Bに誘われたきめぇ丸の群れの代表が、万能お兄さんの家の感想を述べた きめぇ丸Bが代表に尋ねる 「先ほどの件についての答えは出ましたか?」 「はい、あそこならば生活が苦しい私達も暮らせそうです」 「あそこできちんと働けば、衣食住には困りませんよ。それに主人は有能なものは対等に扱いますので、奴隷として働くことはまずありません」 「わかりました、ですがその前にあなたの主とお話したいのですがよろしいですか?」 「了解しました、ではついてきてください」 やりとりをした後、きめぇ丸Bはきめぇ丸の群れを万能お兄さんへと紹介した。 彼は居間で茶を代表に出して対談を始めた。群れは主にきめぇ丸で集まったもので、胴付き胴なし、きめら丸と多種多様なきめぇ丸がいた。数は30匹ほどといったところだ。 お互いが正座をして、話し始める。 「では、君達は僕の家に住みたいと?」 「はい、食べる物と住む場所に困った私達はそれしか術がありません」 代表は事情を話した。この群れは北の村近くの山ですんでいたのだが、ドスが村を占拠し、春になったとたんに数が増え、山の食べ物を根こそぎ持っていったために 食糧難に陥ったのだ。 当初は捕食種であるゆえに、この群れを討伐しようとも考えたのだが、春になってから1月も経たないうちに爆発的に増えた数に対抗できなくなり、その山から離れるしか なかったのだ。 そして、南下してこの村の近くの山に来てみたものの、先ほどの偵察隊のように、ドスはまだ勢力を伸ばそうとしていたのに気づいて絶望した。 これ以上の住みかはほとんど残っていなかったため、自滅の道をたどるしかなかったところを、きめぇ丸Bの提案により光明を見出した。 内容は「万能お兄さんの物になるか」という提案だ。 当初は、物になるという提案に不安を感じたが、提案をしにきた彼女と家のゆっくり達を見る限り、ゆっくり達は皆生き生きとして働いている。 決して、農家が農奴としてゆっくりをこき使っているようなところは微塵も見当たらない。捕食種という種族の垣根を越えてゆっくりしているのを見て、 代表とその群れは希望を見出した。 ほかにも、生活に困った良いゆっくり達を、家ゆっくりを使ってこちら側に引き込む手はずを整えている。 提案するにあたり、彼は自分がいつも使っている方法を使って選別している。にとりを試したときのように、ゆっくりの群れに強引な提案内容を聞かせて、 それでも受け入れることが出来るもののみ迎え入れている。きめぇ丸Bが群れに使ったのも、彼から教わったことをしただけだ。 後はこの方法を使って、使える手駒を集めるだけだ。良いゆっくりを選別すれば、ゆっくりを駆除するにあたり、間違って駆除しなくもなるし、 ゆっくりんピースにも顔をたてることが出来るし、一石二鳥である。 必要な数がそろったら、後はあの群れを消すだけだ。 そして、今。きめぇ丸の群れは、その提案を呑み、彼に頼み込んでいるのだった。 それらの群れの行動は、観察お兄さんの観察により全てわかっていたことだったが、彼は表情に出さず代表の話を聞いた。 「どうかお願いいたします。私達はドスの群れに住みかをあらされてしまいました。私達はここに住ませて貰うしか道がありません」 「でもいいのかい?君達はうちのきめぇ丸の提案を聞いたんだろう?『僕の物になるのか?』って。自由じゃなくなるけどそれでいいのかい?」 「構いません。どのみちあのままでは自滅するしか道はありませんでしたし。それに……あなたはゆっくりを物にしているとはいえ、大切にしているのに気づきました。 だから、私たちもあなたのご期待に添えるべく粉骨砕身働く所存です。なにとぞ、よろしくお願いします」 群れ一同が頭を下げる。彼はそれを見て非常に満足した。乱暴な提案をしつつも、その裏の真意を理解しているかを知りたかったのだ。 やはりきめぇ丸は頭が良い。しっかりと理解していた。 「わかった。じゃあよろしくお願いします」 「「「「よろしくお願いします」」」」 お互いが頭を下げた。これにて、きめぇ丸の群れを手に入れることに成功した パズルのピースが一つ埋まったのを、彼は確信した。 「じゃあ君達は今日から家族だ、僕のことは好きに呼んで良いよ」 「では、ご主人様と呼ばせてもらってよろしいですか?」 「君達も僕の事をそう呼ぶのかい?まぁいいけどさ……」 呼ぶこと自体は強制はしていないのだが、どうもうちに来たゆっくり達は僕のことをご主人様と呼ぶようだ。なんでだろうなぁ? とゆっくりのように答えのでない考えを彼はし始めた。 一方そのころ 「ゆぎぃ、はやく…………はやくドスのところにもどらないといけないんだぜ」 きめぇ丸Bに痛めつけられたまりさが体を這いずりながら、北の村へと戻っていた。 途中で、虫や草を食べて体力を回復はしたが、まだ痛みが残っている。 それに日はもう落ちている。れみりゃに襲われてしまう。 不安を感じつつも、懸命に這いずりながら向かっていたところに、きめぇ丸Aがやってきた。バッジはつけていない。 「どうも、清く美しいきめぇ丸です」 「ゆっ!!ぎめぇ丸!!ゆっぐりじねぇぇぇ!!…………ゆ?もしかしてドスと親しいきめぇ丸?」 「はい、そうですよ。覚えていたようで光栄です」 「きめぇ丸!!おねがいだよ!!まりさを群れにつれていっでね!!つたえないといけないことがあるんだよ!!!」 「そうですか、わかりました。では失礼します」 きめぇ丸Aはまりさを掴んで空を飛び始めた。今のまりさには「おそらをとんでるみたい〜」なんて事をいう気力はないようだ。 まりさはゲスだが頭は良かった。痛めつけられ、命からがら逃げたが、そのあと隠れてあのきめぇ丸の群れが話していたことをしっかりと聞いていた。 あのきめぇ丸の群れはあの村の人間に懐柔されている。あの村は、私達が奪いに来ることを知っている! 対抗策を練っているはずなので、それを知った私はあの村に行くのをやめるよう伝えなければ成らない。あのままいけば、群れは全滅してしまう!! ゆっくりにしては珍しい頭のよさをもっていたまりさ。 だが、痛みと疲れと夜風が気持ちよくなったのか、寝息を立て始めた。 きめぇ丸Aは寝たのを確認すると 「おお、計画通り計画通り」 と呟いた 後書き 言い訳ですが、諸事情とかで書くのが非常に遅くなりました。前のを読んでくれた人には申し訳ありません。 ものすごい俺設定ですみません。 なんとか終わらすことが出来そうです。すみません。 書いたもの 万能お兄さん1〜4 虐殺お兄さんの弱点 わがままは遺伝する
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一ヵ月後。 真冬の吹雪の中、万能お兄さんはきめぇ丸B、ぱちゅりーと共に山の中を歩いていた。雪が積もっている中、ゆっくりのみならず人間も行動する事は危険なのは承知している が、それでもやらなければならないことだった。 ぱちゅりーは雪の中を跳ね回らせるわけには行かないので、苦しくないように上等な毛布で体を包み、彼の背中に赤ん坊のようにおんぶしている。 きめぇ丸は空を飛べるのでおんぶする必要はないが、ぱちゅりーのように人肌で暖めることが出来ないので、ぱちゅりーより厚着している。 彼らが歩いていたところは、吹雪でわかりづらいが杭と杭の間だけを見ると道の後をしており、彼は一定間隔で目印となる杭を打っていた。 「今、どれくらいかな?」 「ちょうど半分ですよ、ご主人様」 きめぇ丸が空から確認する。 「そうか、じゃあぱちゅりー。杭を打った時間を省いて、普通に目印に沿って歩いたらここまでどれくらいで着くかな?」 「むきゅむきゅ、ざっと1時間ってとこですわ」 「この道はだいぶ使われていないから、よく見ないと迷ってしまって、中間まで3時間はかかってしまうけど、やはり目印をつけるだけでだいぶ違うね」 と彼は言った。 この山道は、今は誰も使っていないがいずれ使われる。大量の人間がここを通ってくる。 彼はそのために、この道を新たに道として作っているのだ。杭を打っているだけだが、杭と杭の間は彼が秋に山の中で散歩したときに見た地形の中で、 もっとも平坦で、荷車なども通りやすいような場所を選んでいる。 暫定的だが山道だ。いづれ計画が見事成就した暁にはしっかりとした山道をつくる。この杭はそれまでに山道としての役割を果たしてもらう。 今彼は、使われなくなった山道を使えるようにし、尚且つ効率的に人が通れるように改造している。 この山道の存在を知っているものは「村から村へは半日はかかるといわれる」と知っているが、きめぇ丸に観測させて、 彼が実際にあらたに道を作ってみたところ、かなりずさんなものだということがわかった。 しかも、この山道はあの北の村が作ったらしい。閉鎖的で、よそ者が来るのを嫌うためだろうか、わざと疲れるように山道が作られてある。 半日どころか、中間で1時間なのだから、2時間もあれば村へ着くということがわかり、彼は驚嘆した。 「なにからなにまで、あの村は忌々しいなぁ……」 と、杭を打ちながらつぶやいた。 杭をここまで打つのに、ざっと3時間はかかってしまった。 だが、真冬の最中これをやるのは、人に見られずにすみ、外敵も現れないからだ。 至極きついが、もっとも安全且つ誰にも邪魔されずに効率的に、そして誰にも見られることなくひそかにできることが強みだ。 ひとえに計算どおりといったところである。 この調子ならあの村にたどり着ける。自分達が生まれた村。 春に起きるであろう、ゆっくりとの戦。それが終わったあとは、最愛の妹が目覚め、そして彼は妹との約束を果たすことが出来る。 愛する妹のために、彼はがんばって杭を打ち続けた。 3時間後、彼はたどり着いた。 ついに道が完成した。 目の前の開けたところには、民家がぽつぽつと建っている。10年前となにもかわっていなかった。 変わっていない……。いや、変わろうとしなかっただけなのだ。利益に固執したために、変わらなかったのだ。 10年経ち、自分はこうも変わったのに、あの村はなにも変わっていないのを感じると、どこか懐かしさを感じた。 どの家も静かにしていた。それもそうだ、あの家にはあのゆっくりの群れが住んでいるのだ。 だが、今あの群れには用はない。春になったら自分の計画のために十分利用させてもらう。 道もできたことだし、これ以上、ここに留まる必要はない。それまであの群れはゆっくりしているといい。 あいつらに見られるのもまずいので、彼らは早々にその場を立ち去った。 「ゆぅ〜?あそこにだれかいるよ?」 「ゆー、どこぉ〜?あ、ほんとだー」 「どこかでみたことがあるとおもうけど…。わたしたちにはかんけいないね」 「うん、こんなさむいなかそとをあるいているなんて、おろかおろか」 「わたしたちはわたしたちでゆっくりしようよ」 「ゆっくりするよ!」 村の民家から2匹のゆっくりが気づいたが、すぐに興味を失い、ゆっくりすることに決めた。 彼が作った、杭と杭の間だけの山道を通ると、驚くほど歩きやすい。山の中ということを忘れるくらいだ。 「むきゅ、ご主人様はやっぱり天才だわ。山道が通りやすいですもん」 「さすがは、私達の愛するご主人様。いつも以上に尊敬しますよ」 「はっはっは、僕だけじゃないさ、君達の協力があってからこそ、この道が出来たんだ。いわばこの道は3人で作ったんだよ。 僕のほうこそ、君達に感謝しているよ。家に帰ったらふらん達がホットココアを作っているだろうから、ゆっくり温まろうね。」 「「さんせーい」」 「「「「ご主人様、おかえりなさい!!」」」」 「うん、ただいま」 と、彼は体の雪を払いながら答える。2匹の雪も丁寧に払い、居間へと入った。 「ご主人様、ココアを温めておきました」 「ついでにクッキーもやいたんですどぅ〜☆」 「ああ、ありがとう。2匹とも気が利くね、うれしいよ」 彼はふらんとれみりゃに感謝の印として頬に口付けをする。みるみるうちに2匹は顔を真っ赤にした。 「あ〜、寒かった。みんな僕を温めてくれないか?」 「「「ゆっくりあたためるよ!!」」」 主人を包むようにして、ゆっくりたちが寄り添い、彼を温める。 彼はゆっくり達に感謝の言葉を述べ、ココアを飲み始めた。 後は、皆でクッキーを食べたり遊んだりとゆっくりするだけで、時間を悠然と過ごした。 計画は順調に進行している。なんら問題はない。 次の日。ついにゆっくり達と人間の間に子を作らせる方法を考えた。といっても思いつきなのでぶっつけ本番である。 ちなみに、この場合は胴なしの通常ゆっくりだけであり、家にいるきめぇ丸A,Bとれみりゃ、ふらんの胴付き4匹はベッド・インして作ることに成功した。 4匹とも顎の下が膨れている。使ったのは下のほうなのになんとも不思議である。さすがゆっくり。いい加減な生物。 彼は4匹とのベッド・インのときに、残る27匹のための少なからずの量の自分の子種を出した。はっきりいってしんどかった。 27匹ともなるとさすがに量が半端なくなる。これには彼もさすがに目の前がぼやけるほど疲れた。 だが、この試みが成功すれば、その苦労をねぎらうことが出来るのだ。手始めに、ゆっくりの精子餡を研究し、自分で似たような餡子を作ってみる。 他のゆっくりの遺伝子が含まれているわけではないので、これを注入しても子はできない。基本となる遺伝子がないからである。 それに、自分の子種……。いわゆる精子だが、これを適量いれて混ぜる。混ぜたこの餡子をゆっくりたちのまむまむに注入する。 しかし、ただ注入するだけではつまらないので、彼は27匹全てを絶頂させた。 「んほおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 「ごしゅじんさまあああああああああああああああ!!!!!!」 「あいじでるうううううううううううううう!!!!!!!」 「むぎゅううううううううううううううううう!!!!!!!!!」 砂糖水まみれになりながらも、HENTAIお兄さんから伝授したテクをつかって絶頂させたゆっくりから順に、まむまむに特性餡子を注入していった。 あとはしばらく待つのみである。 翌日には結果が出ていた。ゆっくり達の下あごが膨れていたのだ。 「ご主人様!!赤ちゃんが!赤ちゃんができました!!」 思い思いを主人に伝えるゆっくり達。だが、彼は不安があった。本来彼はこういったことは念入りに研究してからやるものだが、いかんせん時間がたりなかった。 だから、これで生まれるのかどうかが心配なのだ。ちゃんと生まれてくるよう彼は願い、それと同時に子が生まれるのを心配する父とはこういうものかと思った。 だが彼の不安はなくなることとなる。翌日には結果が出た。彼のゆっくり達は、彼が育てたせいか、子が出来るのも早かった。 それゆえに出産するのも早く、2日目にはすでに出産体制へと移っている。 居間でゆっくり達総勢31匹が苦しそうな顔を浮かべている。普段物事に動じない彼でも、これには心から心配した。なぜなら苦楽を共にした家族だからだ。 そして、それぞれがほぼ同時に勢い良く顎下から子を生み出した。31匹が1匹ずつ同時に生んだので31匹の子ゆっくりが生まれた。 子ゆっくり達は、ぷるぷると震え目を瞑ったまま「ゅ…ゅ…ゅ…ゅ…」と小さな声を出していた。 親となったそれぞれのゆっくり達は 「あかちゃん!おかーさんだよ!!ゆっくりあいさつしようね!!」 と懸命に声を掛ける。だがしばらく経っても目を瞑り、小さな声を出すだけだ。 さすがに心配してきて、万能お兄さんも 「赤ちゃん!ゆっくりしよう!!ゆっくりしていってね!!」 と親ゆっくり達にまじって声を掛け始めた。 願いが通じたのか、しばらく震えた後、目を少しずつ開けていき、そして舌足らずの声が31匹分重なり 「「「「「「「「ゅ…ゅ…ゅ…ゅ…ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!!!!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!!!」」」」」」」」」 親子が元気良く挨拶を交わす。特に親となった家ゆっくりたちは初めて出来る子に感動の涙を流していた。 ああ、初めての子が出来た。 この家に来て、暖かい食事と寝床。捕食種など垣根なくゆっくり過ごすことができ、互いに協力して野菜を作り、最愛の主人との間にも 子を宿すことが出来、そして生まれた。 今までよりも、どの出来事よりもうれしい。今私たちは最高に幸せだ。 これで愛する主人の計画が上手くいく。これで愛する主人を「ゆっくりさせる」ことができる。 親となった家ゆっくり達は我が子を見て滝のような涙を流している。 彼はこれを見て安堵し、そして彼自身も挨拶を交わす。だが、彼を驚かせることが起きた 「みんなゆっくりしていってね!!!」 子ゆっくりに元気良く挨拶した万能お兄さんを、31匹の子ゆっくり達は 「「「「「「「「おとーしゃん、ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!!!!」」」」」」」」 「………………なん……だと……?」 これには彼は仰天した。なにせ自分は人間である。ゆっくり達が人間である自分を親と認識することはないと思っていたからだ。 刷り込みにしても、すでに親ゆっくりを見ているからこっちを親と認識することはないのに…… 彼は気を取り直して質問した。 「えーと、君達、僕は人間だけど君達からみればお父さんなのかい?」 「ゆっ?おとーしゃんはおとーしゃんだよ?」 「おとーしゃんはにんげんだけどおとーしゃんなのにはかわりにゃいよ?」 と答えてくれた。どうやら自分の子種のせいなのだろうか。家ゆっくり達は、子が生まれたのは主人が自分に子種を入れてくれたから生まれたもの、と考えており、 赤ゆっくり達が万能お兄さんを父と認めていることについては疑問にも思っておらず、むしろ喜んでいる。 これは新しい発見なのか……?そういえば、人間とゆっくりの間に生まれた子がいて、姿は人間だが中身にゆっくりが混じっているというのを聞いたことがある。 これは姿も中身もゆっくりだが、相手となった人間を親と認識するタイプのようだ。もしかしたら新発見……? と考えていたが 「おとーしゃん、むじゅかしいかおをしてらいじょーぶ?」 「ありしゅたち、おとーしゃんがしんぴゃいだよ」 「みゅきゅう、おとーしゃんゆっくりちていっちぇにぇ」 と健気に彼に寄り添いすりすりしてくる。これを見て彼は純粋にうれしく感じた。子ができるとはこういうことなのか。難しく考えるのをやめ、 「皆!僕がお父さんだよ!!ゆっくりしようね!!」 ゆっくり達と共に子育てすることをはじめた。 3日後。 「ごめんくださーい」 と玄関から声がしたので、行ってみた。 すると愛でお兄さんが、透明な箱を持っていた。中には寝ている子ゆっくりが3匹確認できる。 「やぁやぁ愛でお兄さん。どうしたんだい?」 「実はゆっくりんピースから頼まれてゆっくりを躾けているんだけどさ、ちょっとこのままだと、数が多くて間に合わないんだ。 だから君にも手伝ってほしいんだけど……。いいかな?」 「どんなゆっくりなんだい?」 「れいむ、ありす、まりさと基本的な3匹だよ。3匹とも子ゆっくりだ」 「ならまだ許容範囲内だ。手伝うよ。」 「ありがとう、助かるよ。この礼はいつか必ずするからさ」 「いいって、最近ゆっくりブリーダーとして躾けていなかったからさ、ちょうどよかったよ。でも、もしものときは……わかるね?」 「ああ、子がどうしようもなくゲスだったときは君の好きにしていいよ。君の名は知れているから、君が諦めたとなれば、協会もわかってくれるさ」 「うん、それさえ確認できればいいよ、僕は」 「でも、君は今までゲスだからといって殺したことはないけどね……。プラチナブリーダーの名誉会員さん」 「よしてくれ、確かに名誉会員だけど、僕はゆデスファミリーにも属しているからさ。こういうとき自分の中途半端さがややこしく感じるよ。 それに、ゆっくりんピースの幹部である君にはかなわないさ」 「ははっ。でも君はその中途半端さがいいんじゃないか。両方の協会に属していて、尚且つ反感を買っていないなんて普通に考えてすごいよ。 じゃあ、ゆっくりのことはお願いするね」 「ああ、まかしてくれ。人前に出しても恥ずかしくないように躾けるよ」 愛でお兄さんは、万能お兄さんに透明の箱に入った3匹の子ゆっくりを渡すと帰っていった。 居間に戻ると、家ゆっくりたちは愛でお兄さんの来訪と、彼が渡した3匹の子ゆっくりをみて、何のことなのか理解したようだ。 知能が高いお陰で、説明する手間が省けて助かる。 赤ゆっくり達も3日経っただけで子ゆっくりへと成長した。胎生型妊娠したせいもあるが、親が優秀なお陰で子も優秀な子に育っている。 新しくきた3匹の子ゆっくりに、家子ゆっくり達は興味津々だ。 「ご主人様。その子達の躾ですか?」 「うん、頼まれたんだ。君達、この3匹を一人前にしてくれるかな?」 「「「「ゆっくりしつけるよ!!」」」」 過去に何回もやったことがあるので、躾はお手の物だ。彼自身も躾は得意だが、ゆっくりはゆっくりに任せたほうが飲み込みがはやい。餅は餅屋だ。 透明な箱から3匹を取り出し、家ゆっくりたちと3匹の子ゆっくりは元気よく 「「「「「ゆっくりしていってね(ちていっちぇね))!!」」」」」 「「ゆっくちちていっちぇね!!」」 とお互い挨拶した 「とってもとってもきれいないおねーしゃんたちだれ?ここはゆっくちできるの?」 「きょうからわたしたちは、あなたたちをいちにんまえのゆっくりにさせるためにいろいろとおしえるのよ」 「ゆっくちできるの!?」 「でも、ゆっくりするにはきまりをまもらないといけないの。ゆっくりおしえるからあせらずゆっくりりかいしてね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!!」」 と、家のゆっくりたちはそれぞれ3匹を一人前とするべく、基本的なことを教え始めた。マナーからはじまり、食事の作法にはじまり、 飾りがなくてもゆっくりを識別できるようにした。これらはゴールドバッジを手に入れるために必要なものである。 4日たっただけで、もう赤ちゃんことばもほとんど抜けている。ひとえに家ゆっくり達の教育がいいからだ。無論、自分の子達も躾けることも忘れない。 だが、家子ゆっくりのほうが物覚えは速いが、赤ちゃんことばはまだ少し抜けていなかった。 ほとんどのことは口で教えるが、たまに居間のビデオを使って、子ゆっくりに直接見せたりした。 「いい?おやさいさんはしぜんにはえるんじゃないのよ?こうしてにんげんさんがつくっているからできるの」 「へー」 「すごーい」 と、人間が野菜を育てているビデオを見せる。すると、どこからともなくゆっくりがきて、畑の作物を食べ始めた。 『ここはゆっくりできるところだね!!』 『きょうからおれたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!』 『とってもとかいはなばしょだわ!わたしたちにぴったりね!!』 一般的に現れる、作物を荒らすゆっくりだ。それをみた子ゆっくりたちは 「ゆぅ、このおねーしゃんたちなにいってるの?」 「せっかくにんげんさんがそだてたおやさいさんをかってにたべるなんていけないんだぜ!」 「とってもやばんで、とかいはじゃないわ」 子ゆっくり達は口々に感想を言う。 ビデオを見せる前の教育がいいせいか、飲み込みが早い。 「このゆっくりたちは悪いゆっくりなんだよ。わるいゆっくりはこうなってしまうんだよ」 と、教育係のトップのれいむが優しく教える。 すると、人間が畑を荒らしたゆっくりたちを殺し始めた 「「ゆぅぅぅぅう〜〜」」 子ゆっくり達は恐怖におびえている。 荒らしたゆっくりは『にんげんたちはでていくんだぜ!』『ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!』 と定型文を言ったが、人間を余計怒らせただけだ。 「いい?にんげんはとってもつよいの。それに、せっかくつくったものをたにんにとられたら、あなたたちはどうおもう?」 「「ゆっくりゆるせないよ!!」」 「でしょう?だから、にんげんのものをかってにたべたり、あらしたりしたらこの悪いゆっくりみたいになっちゃうからね」 「「ゆっくりりかいしたよ!!」」 「じゃあこんどはゆっくりやさいをつくろうね。そしてものをそだてるよろこびをりかいしようね」 「「ゆっくりがんばるよ!!」」 後は、室内でも栽培できるプチトマトを作らせ作物を作る喜びを教えたり、捕食種とであったときの逃げ方や、体を鍛えたりさせた。 といっても、ここらへんはゴールドバッジを手に入れるためには不必要なのだが、プラチナブリーダーとして彼は教えていた。 「まつんだどぅ〜☆」 れみりゃが3匹を追いかける。3匹は3方向にそれぞれ散開し、その3匹のうちのれいむをれみりゃはおいかけはじめた。 「「「ゆっくりにげるよ!」」」 訓練の賜物か、子ゆっくりとは思えない速度で逃げる。それをれみりゃが追いかける。とうとう追いつかれそうになり、れみりゃが 「つかまえたんだどぅ!」 と手をすばやく掴んだ瞬間、普通のゆっくりには出来ない動きで華麗によけた。家れみりゃも彼に鍛えられているとはいえ、掴むことが出来なかった。 「ごうかくよ!」 と家れいむが掛け声をして、追いかけっこは終わった。 「てんてきである、れみりゃやふらんにであったら、このようりょうをわすれないでにげるのよ!いつもにんげんがまもってくれるとおもわないこと! じぶんのみはじぶんでまもるようにすること!いいね!」 「「ゆっくりりかいしたよ!!」」 「じゃあくんれんおわり!あそんでいいよ!!」 と、れいむの声を皮切りに、3匹はそれぞれ家ゆっくりたちと遊び始めた。 先ほど追いかけ役だったれみりゃに高い高いをさせてもらったり、自分達の先輩である、れいむやまりさとすりすりしたりと、非常にゆっくりしていた。 自分と同じサイズの家子ゆっくり達とも仲良く遊び、ゆっくり過ごしていた。 日付を見ると、12月25日。ちょうどクリスマスだ。 預かって1ヶ月は経つが、もうどこに出しても恥ずかしくない、一人前の飼いゆっくりとなった。 彼が躾けた場合、出来る範囲での雑務をこなしたり、家庭菜園を作ることができるので、彼が育てたゆっくりを飼いたがってる人はたくさんいる。 それらも彼のゆっくりんピースでの肩書きである「プラチナブリーダーの名誉会員」の効果のおかげでもある。 ちょっとした臨時収入かな。彼は喜び、愛でお兄さんに躾が完了したことを報告し、家の親ゆっくりを全匹つれて彼と一緒に町へと向かった。 子ゆっくり達を連れて行くのはさすがに危険なので、お留守番をしてもらう。居間の3分の1ほど占める巨大な透明ゲージに31匹の子ゆっくりを入れて、彼は語りかけた。 「いいかい?僕達はちょっとお出かけするから、みんな仲良く待っててね。いいこにしてたらお土産上げるからね」 「ゆっ!!おみやげほしいよ!!ありしゅたちゆっくりいいこにまってるよ!!おとーしゃんたちゆっくりでかけていってね!!」 子ゆっくり達は、まだ危険だということを言えば少しも不満に思わない。なんとも親ゆっくりに似て賢くて助かる。 家族総出で町へ出かけるのは、色々とすることがあるからである。 ちなみに、今日は冬でも暖かい日なので、家ゆっくり達に防寒をあまり施さなくてよかったので助かった。 真冬でもこの日のような、暖かい日は必ずある。だから真冬でも、野生のゆっくりが現れたりする。万能お兄さんはもしものためを考え、戸締りをしたほか、 野生のゆっくりが勝手に家に入っても、家のものを荒らされないように片付けておいた。 これならば、たとえ勝手に入っても、あらされても問題ないものがおいてあるだけだし、食料は厳重に締まっているため食べられることはない。 子ゆっくり達は頑丈なゲージに入れておいたし、これで外敵がきても安心である。こんな日にゆっくりが入ってきたこともあったので、念には念を入れておいた。 満足した後、愛でお兄さんと31匹と共に町へと向かった。 ゆっくりいじめ系1829 万能お兄さん5_3に続く
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ほとんどコピペです すいません 魔理沙、友達思いで行動力のあるリーダー、仲間のために自分が犠牲になることも。 魔理沙、ずる賢く自分が助かるためならどんな事でもする汚い性格。 霊夢、純真無垢で人を疑うことを知らない優しい子。 霊夢、群れて調子に乗る上に我が儘ですぐぐずるウザいまんじゅう。 お母さん霊夢、子供達を心の底から愛し、最後まで子供を守る優しいお母さん。 お母さん霊夢、自分が飢えると子供を食ってしまう般若に変身するお母さん。 アリス、とかいはを自称しプライドが高いが、ツンデレで面倒見もいい。 アリス、一考えてることの逆を言う習性があるようだ。 アリス、とかいはとかいはと無駄にプライドが高く、自分を他より特別な存在と思い込んでいる。 アリス、発情すると子供はおろか死体にまで性交を試みる色欲の塊。 パチュリー、病弱だが知識は他のゆっくりより高く、群れのブレーンを勤める。 パチュリー、病弱な振りをし同情を誘おうとする汚い性格。 パチュリー、チラシの類でも本と認識するらしい パチュリー、識字能力は他のゆっくりと大差は無い パチュリー、部屋に文字のある物があると、その部屋を自分のとしょかんと言い張って読みたがる。(体つきに主にみられる特徴) みょん、ちーんぽっ! ちぇん、わかるわかるよー ちぇん、虐待厨は死ね!に始まる罵詈雑言を浴びせかけてくる。 レミリア、うーうーとしか言えないおしゃまなお嬢様。希少種だが紅魔館付近には多く生息する。 レミリア、ぷでぃんぷでぃん煩く、困ると咲夜に助けを求める。自身を紅魔館の主と思い込んでいる。 フラン、残虐非道なハンター、獲物をなぶり殺す事を最大の快楽とする。 レティ、巨大で鈍重なハンター、素早く動く舌で器用に獲物を捕る。頬に獲物を溜める性質も。 幽々子、巨大だが俊敏なハンター、恐るべき速度で移動しながらゆっくりをむさぼり食う。 幽々子、俺の胃袋は、宇宙なんだよ… 幽々子、こぼねー ゆうか、綺麗な花が咲く所によく見られる。 のうかりん、田舎に住んでいる幽香の母親。時々収穫物を幽香に送る。 のうかりん、スレ住民にらっきょうを育てる方法を教えてくれる。 天子、ブロント様。 天子、ドM。 きめぇ丸、強いものには逆らわない、ゆっくり種が大嫌い。 きめぇ丸、突如首を高速で振動させるという奇癖を持っている。 美鈴、何かを守る習性を持つ他のゆっくりを思いやる優しいゆっくり。「じゃおおおん!」と鳴く。 美鈴、ずっと寝てばかりいる癖に報酬は要求する怠け者。 チルノ、お馬鹿だけど優しく花も育てたりするゆっくり。息は冷たく、ゆっくり程度なら凍らせられる。 チルノ、後先考えずに行動するから他の生き物に迷惑をかけるゆっくり。 神奈子、背中にオンバシラという飴を背負い、それを飛ばして攻撃する。 神奈子、しめ縄っぽいのはドーナッツ。うめぇ、めっちゃうめぇ! 諏訪湖、ゆっくりを食う帽子を被り、ゆっくりを食べさせたり自分が食べられたりしている。
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万能お兄さんは会館からすこしいったところへと、足を運んだ。 すると、野良れいむの親子が歌を歌っていた。親れいむ1匹、子れいむ5匹といった割合だ。 「「「ゆ〜♪ゆ〜♪ゆ〜っくり〜♪して〜♪いってね〜♪」」」 道行く人々は無視している。これが飼いゆっくりで、そばに飼い主も居たなら、そこにある空き缶にお金を入れてもらっただろう。 だが野良ゆっくりなので、皆基本的に無視だ。しばらくすれば、虐待お兄さんが来て、こいつらを掻っ攫うだろうな。 そう考えた万能お兄さんは、自然とこの親子の前で足を止めていた。親子は、歌を聞いてくれる人と思い、彼に話しかけた。 「どう!れいむたちのうた、うまかったでしょ!!なにかちょうだいね!!」 「「「ちょーらいね!!」」」 まいったな。こう勝手に言われたら、後はこいつらしつこくついて来るんだよなー。ちょっと困った表情を見せた彼に、ふらんが 「ご主人様。こいつらウザかったら殺しますけど、どうします?」 と耳打ちしてきた。 「いやいや、こんな人目がある場所で殺しちゃだめだよ。あと、考えがあるから安心していいよ。」 そういって、ふらんを下がらせると、彼は親子に話しかけた。 「うん、君達は上手かったよ。でもそれだけじゃあげることはできないな」 「ゆっ!?どうして!うまいならちゃんとなにかちょうだいよ!!」 「「「ちょうらいよ!!」」」 「だってね、僕のゆっくり達より上手くないんだもん」 「「「ゆゆっ!!ほんとう!?」」」 そういうと、彼は親子にゆっくり達を見せた。31匹どれもが美しく、親れいむのみならず、子供達も見とれていた。 「いいかい?僕のゆっくり達が歌を歌うから、よく聞いてね」 そういうと、彼はゆっくり達に合図をした。 31匹それぞれが奏でるハーモニーが通りを満たす。信じられないことに聖歌を歌っていた。 ゆっくり基準の美声ではなく、人間基準の美声だ。道行く人々は、思わずその声に足を止める。 基本ゆっくりは歌はうまくない、が、ゆっくりとは思えない美声が、人々の歩みをとめ、しばらくすると人垣ができていた。 歌を終えた後、拍手が辺りを包む。人々は、親子の缶に少なからずの心づけを入れていった。 彼とゆっくり達は、周りに丁寧に挨拶をし、そして親子に話しかけた。 「どうだい?」 親子はあまりの出来事に、心ここにあらずといった感じであった。今まで聞いたどの歌よりも美しかった。 しばらくして、われに返った親子は彼らをほめたたえた 「ゆっ!!すごいよ!!とてもうまかったよ!!」 「「「うまかっちゃよ!!!」」」 「そうかいそうかい。じゃ、なにか頂戴ね」 「「「頂戴ね!!!」」」 と、彼らは親子に要求した。請求する側が、請求される側へと逆転した。親子は突然の請求に戸惑ったが 「ゆっ!!このお金があるよ!!」 親れいむは、缶に入ったお金を差し出した、だが彼はお金を取り上げ 「それはさっきまで入っていなかったじゃないか、これは僕のゆっくり達が歌ったから入ったんだ、悪いけどそれは僕のものだよ」 「ゆぅぅ……」 と、お金を上げようとしたが、彼が言っているのは正論なので反論できない。上げる物がないので、 「ゆぅ……あげるものはなにもないよ……」 「そうかい、じゃあ体で払ってもらうよ」 そういうと、彼は指を鳴らした。彼らのゆっくり達が、親子を捕まえる。 「ゆっ!なにするの!!わたしたちをはなしてね!!」 「だからいっただろ?体で払ってもらうって。それとも、代わりに命を差し出すかい?」 「ゆっ!!……ゆっくりわかったよ」 親れいむは諦めると、抵抗するのをやめた。彼は公衆電話で、ある人に連絡をすると、ゆっくり達をひきつれて歩いていった。 たどり着いた場所は、カフェ「ゴミクズ」。 中に入ると、さっそくショーをやっていた。すると店の中から、恰幅のよいおじさんに声を掛けられた。 「おお、まっていたぞ万能お兄さん」 「会長。わざわざご足労有難うございます」 先ほど連絡を取ったのは、ゆデスファミリーの会長だった。 もうすぐ、村をせめるであろうドスの群れに対して話したいことがあるので、わざわざ出向いてもらった。 「いやいや、君が村からわざわざ来てくれたんだ。感謝するのはこっちのほうさ。さぁ、ゆっくりの虐待を肴にしながら話そうか。」 「そうですね、肴はこちらで用意しておきました」 彼はマスターを呼ぶ。かっこいい口ひげが特徴のダンディなお方だ 「これはこれは、会長に万能お兄さん。お久しぶりですね」 「お久しぶりです、マスター。さっそくですが、虐待ショーを見たいんですが……」 「喜んで。といいたいところですが、先ほどのショーでちょうどゆっくりが切れてしまったんですよ……申し訳ありません」 「むう、それは残念だな……」 会長も残念そうに言う。が 「ご安心を、ゆっくりはこちらに居ます。」 すると、彼は先ほどの歌を歌っていた親子を差し出した。 「ほう、これはなかなかの親子ですな。しかしよろしいので?」 「大丈夫です。先ほど話はつけましたから」 「ゆっ!!おにいさん、わたしたちをどうするの!!」 親れいむはわけがわからず、声をあげる。 「だからいっただろ?体で払ってもらうって、さっきの僕達の歌の対価を今ここで払ってもらうんだよ」 そういうと、彼はマスターに親子を引き渡した。 「ありがとうございます。して、お飲み物はいかがなさいますか?」 「わしはエメラルドマウンテンを」 「僕はカフェオレと親子の死体をジュースにしたやつを、あとこの子達にはクッキーをお願いします」 「かしこまりました」 「あと、うちのふらんを使って、闘技場の演出をお願いします」 「よろこんで、あなたのゆっくり達が織り成す飛び入り虐待ショーは当店でも人気があるんですよ」 そういうと、マスターは親子を店の中心の見せ場へと入れた。まわりはガラスとなっており、店のどこからでも見ることが出来る。 『レディース・エン・ジェントルメン!そちらのお客様からいただいたれいむ親子と、お客様の飼いふらんによる闘技場をどうぞ!!』 店長がそういうと、スポットライトを浴びた万能お兄さんと闘技場が写される。万能お兄さんは、店の客から拍手をもらっていた。 闘技場内のふらんは手をポキポキならし、れいむ親子は恐怖に震えている。 「ゆぅ、おかーしゃん、こわいよぉおおお!!」 「だいじょうぶだよ!!おちびちゃんたちはわたしがまもるからね!!」 『でははじめ!!』 ゴングが鳴ると、ふらんは先ほど怖いといった子れいむめがけて飛び 「ゆっくりしね!!」 というと、子れいむをすばやく掻っ攫い、手を高々と上げ握りつぶした。 「ゆぴょっ!!!」 破裂した子れいむの残骸が飛び散る。返り血ならぬ返り餡子をあびたふらんは、高々と手を上げアピールした。 観客から拍手が沸き起こる。過去に何回も演出したことがあるので、観客を賑わせる術は心得ているようだ。 「でいぶのあがぢゃんがあああああああぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」 「おでいぢゃあああああああああああああん!!!!」 「いもうどがああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 親子は泣き叫ぶ。そして、復讐にかられ、ふらんへと攻撃を開始した。ふらんにとって、おなじゆっくりの攻撃を受けるとさすがにダメージを受ける が、それは一般的なふらんだった場合である。相手は飼いゆっくり、しかも万能お兄さんの育てたゆっくり。勝てるわけがなかった。 だが、ふらんは楽しむためと、観客をにぎわすために、そして愛する主人を満足させるためにわざと力をセーブして、たまに攻撃を受け、 「ゆっ!!きいてるよ!!みんなでがんばってこうげきするんだよ!!」 と、親子たちを調子に乗らせた。 その様子を楽しみながら、彼と会長は話し始めた。 「して、その群れとは?」 会長がそういうと、2つのものを見せられた。村をゆっくりたちが乗っ取っていた写真と、新聞の切り取りだ。前者はきめぇ丸Aが上空からとった写真である。 「こいつは確か……1週間前の朝刊の隅にのっていたやつか?」 「ええ、その通りです」 つい最近ニュースに上がったものだった。といっても1週間前だし、知名度が低い村だったので、一般人の記憶からすでに忘れさられていた。 だが、ゆっくりを虐待する会長はしっかりと覚えていた。 「だが、1000匹も増える根拠はなにかね?」 「理由は2つあります。 まず一つ目は、ゆっくりが占拠した村というのは、ゆっくり達にとってはとても素晴らしいゆっくりぷれいすに見えるでしょう。 過去にゆっくりが人間に勝ったことなどほとんどありませんからね。だから、まず最初にここに大量のゆっくりが集まります。2つ目の根拠は、 じつはこの中にクイーンありすがいるんですよ、普段滅多に姿を出さないけど。クイーンだから、一度発情したら止められなくなりますね。 クイーンになる過程で相当な欲求不満に成っていると思います。だからドスとすっきりしたらもう止められないでしょう。 そして、ドスみたいなでかいやつがにんっしんっしたら、その数は通常のゆっくりよりも多いでしょう。または、発情して、とめられなくなった ありすが、まわりのゆっくりたちを奪ってでもすっきりすると思います。そうなると、群れの数は1ヶ月もあれば1000匹にはなるでしょう」 「なるほど、たいした観察眼だ」 そういうと、会長は闘技場へと目を移した。わざとやられているふらんだが、実はしっかりと反撃している。それにより、子れいむはあと1匹になっていた。 「どぼじでじなないのおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」 勝てると思っていて、がんばって攻撃したのに、愛する我が子が1匹1匹確実に減らされ、れいむは号泣した。 「ごわいよおおおおおおおお!!!ちにたくにゃいよおおおおおおおお!!!」 最後の子れいむは泣き叫ぶ。あのふらん一匹に、姉を、妹を全て殺されたからだ。 ふらんは頃合をみて、れいむに話しかけた。 「そこのれいむ!!わたしと決闘だ!!あんたが私に勝てば、その子は殺さないでおく!!」 「ゆぐっ!!」 『おおーっと!ふらんかられいむへの決闘だーっ!』 れいむとしては、たった一匹になってしまったこの子を守りたかった。どのみち、このままでは殺されてしまう。 れいむに選択肢などなかったのだ。 「ゆっ!!うけてたつよ!!」 『れいむ、ふらんからの挑戦をうけたぁぁーーーっ!!全ゆっくり最強の攻撃力をもつふらんが勝つのか!? それとも、母の愛が勝つのか!?その結果はこの決闘にかかっているぅーっ!!』 マスターがノリにのって実況する。それにしてもこのマスター、ノリノリである。たちまち、客達も拍手をし始めた。 「ゆっ!!わたしのおちびちゃんたちをころしたふらんはゆっくりしねぇぇぇぇえええええええええええ!!!!」 先手必勝。れいむはふらんへ、先ほどとは思えない体当たりをかました。ふらんはそれを直に喰らい、ふきとばされる、ように見せた。 次に、倒れたふらんは一生懸命起き上がろうとしていた、ように見せる。それをれいむが追い討ちをかけるように、上にのり、ジャンプを繰り返して 攻撃する。 ふらんはうめき声を上げ、力が残っていないように見せた。れいむは、とどめとばかりに 「しねぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!! ちびちゃんたちのかたきいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」 と、高々とハイジャンプ。そのままふらんを潰した・・・。 と思いきや、ふらんは突然起き上がり、ニヤリと笑みを浮かべ、落ちてきたれいむに貫手をくらわせる。 カウンターヒット!こうかはばつぐんだ!! カウンターもあり、れいむはふらんの腕に串刺し状態になる。まだ状況が読み込めていないれいむは 「ゆぅ……。どうしてふらんがしんでいないの?」 と尋ねた。自分が致命傷を負っているのに気づいていない、痛みをあまり感じていないようだ。 「私の勝ちね!だからあんたのガキは殺す!!ゆっくりしね!!」 「いやぁぁぁぁああああ!!おかああしゃんだずげでぇぇぇぇええええええ!!!!!」 目の前で子をじわじわと強く握られていき、そしてついに 「もっと……ゆっくち……ちたか……ゆぶゅぇっ!!」 乾いた音を出して、破裂した。 ふらんは串刺し状態のれいむを乱暴に抜き取り、地面へと叩きつける。れいむは、最後の一匹になった子れいむの死体へと寄り添い 「お……おちびちゃん……目を開けて……。挨拶しようよ……。ゆっくりしていってね!……ゆっくりしていってね!! ゆっくりしていってね!!!ゆっくりしていってねぇっ!!!!ゆっくりしていってねぇぇぇえええええ!!!!!ゆっくりしていって……ね…… ゆっくりして…………いって…………ね……。……もっと……ゆっくりしたかっ…………た」 壊れたラジオのように同じフレーズを繰り返す親れいむ、しばらくした後、その声もだいぶ小さくなっていき、彼女はなにもしゃべらなくなった。 死んだのを確認したふらんが、勝利の咆哮を上げる。 『決まったァーーー!!勝者ふらんッーーーー!!皆様、彼女に惜しみない拍手をお願いします!!』 と、マスターの宣言を皮切りに、ふらんと、この闘技場を演出してくれた万能お兄さんに拍手が送られる。 中には客が彼のところによってきて 「俺もふらん飼っているけど、あんたんところのはすげぇー美人だしつえーな!!」 「久しぶりにいい虐待ショーがみれたぜ!!ありがとな!!」 「こいつぁいいもんを見せてくれた、俺からの感謝のおごりだ!!うけとってくれや!!」 と、肩をバンバン叩かれ、笑いに包まれながら酒やつまみを彼らは万能お兄さんにあげた。 彼は酒をもらい、つまみはゆっくり達に分け与えた。 マスターは親子の死骸を丁寧に取り、彼のオーダー通り餡子ジュースを作った。彼は一口飲んで 「うまいっ!!」 と思わず声をあげる。やはり虐待された餡子は美味だ。しばらくすると、マスターに体を綺麗にしてもらったふらんが戻ってきた。 「ご主人様、ただいま戻りました」 「「「「ふらん、おつかれさま!!」」」」 「うん、ご苦労様。楽しかったかい?」 「はい!久しぶりに親子を殺してすっきりしました!!」 「うんうん、僕らも楽しかったし、君も楽しんだようでうれしいよ。ほら、ご褒美だ」 そういうと、彼はふらんを抱き上げると、自分の膝の上にのせ餡子ジュースを飲ませた。 ふらんは親子を殺していたときより喜んだ表情を見せて、彼に思いっきり甘えた。 彼もご褒美として、甘えてくるふらんをたっぷり撫でてかわいがった。 家ゆっくりたちは 「ふらんいいなー」 「わたしもご主人様の膝にすわりたいんだぜ!!」 「むきゅ、でもふらんはがんばったからね、当然よ」 「ご褒美なんだねー、わかるよー」 と、ふらんを羨望のまなざしで見つめる。万能お兄さんから家ゆっくりへの至高のご褒美の一つである、「膝の上でゆっくり」である。 とてもすばらしいことをしたゆっくりに、彼が膝の上に乗せてたっぷりとかわいがるのだ。効果はほぼ一日と長い。 主人を愛してやまない家ゆっくりたちからすれば、とてもうらやましいことである。 「いつもながら、君のゆっくりは素晴らしいな」 「お褒めに預かり光栄ですよ」 「とりあえず、今度村を襲う群れについては理解した。今から……2ヵ月後だったかな?」 「ええ、もうすぐ春が来ますしね。ただ2ヵ月後というのはあくまで予測です。正確な観察までは出来ませんので、ずれるかもしれません」 「そうか、なら観察お兄さんに頼んでおこう。彼からすれば、村を乗っ取ったゆっくりなどこの上なく珍しいからな」 「彼ですか。彼ならば、観察データも正確になるでしょうね。ありがとうございます、彼にもお礼を言ってください」 「あいわかった。では私はこれで失礼する、いつも虐待できるゆっくりを教えてくれてありがとうな」 そういうと、会長は店を後にした。彼は、マスターから写真を取らせてほしいといわれ、家ゆっくり31匹と彼とマスターが入った写真を撮った。 マスターいわく、お得意様は写真を撮るとか。まぁ、彼自身何回もとられているが、プラチナバッジ付きのを31匹もつれてきたのは今回初めてなので、マスターとしても 撮りたかったのだろう。 ゆデスファミリーの会長からの頼みとあらば、観察お兄さんも断れないだろう。彼は内心喜びながらも、撮影スマイルで写真をとっていた。 彼と、ゆっくり達はマスターに感謝して店を後にした。次は病院である。 受付で手続きを済ませると、彼は病室へ向かった。 病院の個室のベッドに少女が横たわっていた。健やかに寝息を立てている、今にも起きそうだ。 だがかれこれ7年は眠ったままなのである。 彼は、妹の横に座り、手を握り締めると静かに涙を流した。 ゆっくり達も静かに泣く。家族だからこそ、彼の悲しみを理解しているし、彼が妹の存在を大事にしていることも理解している。 彼は一緒に泣いてるゆっくり達をみて、思い出した。彼女達を初めてここにつれてきたときのことを。 2年前にゆっくり達を飼い始めて、初めてここにつれられたときまで、ゆっくり達は妹の存在など知らなかった。 目の前の眠っている少女を見て、ゆっくり達は尋ねる。 「ご主人様、この人はだれ?」 「僕のたった一人の家族さ、君達にとってはお嬢様ってとこかな。」 「うー☆おじょうざまおねむなんでずどぅー☆」 「むきゅ、ねむっているけど、おきないんですか?」 「ずっとねているんだねー、わかりますよー」 「…………」 「……ご主人様?」 彼は静かに涙を流していた。ゆっくり達も驚く。自分達を育ててくれた優しい主人が、今まで涙を流したことなどなかったから。 「僕の妹はね……ずっと眠ったままで起きない病気なんだ。今もこうして、手を握って起きることを願っているけど…… 起きて……くれないんだ。5年……、もう5年経っているけど……。起きないんだ……」 「ご主人様ごべんなざいぃぃぃいいいいい!!!」 「むぎゅぅぅぅうううううじらながっだんでずぅぅぅぅうううう!!!!」 「じづれいなごどをいっでずびばぜんでじだぁぁぁぁあああ!!!!」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!お゛じょう゛ざま゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ああああ!!!」 「どうじでおぎでぐれないのーーー!!わがらないよーーーー!!!」 家ゆっくり達は、次々と泣き始めた。利口な彼女達は、彼の悲しみもすぐさま理解してくれた。 「泣いてくれるんだね……うれしいよ」 「だっでがぞぐなんでずもん!!がぞぐがごんなになっだらだえられないでずぅぅぅぅうう!!!」 「ご主人様のがなじみはわだじだぢのがなじみでずううううううう!!!!!!!!」 れいむが泣いてくれる。まりさやぱちぇりー、ありす、ちぇん、れみりゃ達も。 彼はうれしくて、ゆっくり達を抱いて泣いた。ゆっくり達も彼につられて更に泣いた。 あのときから2年経ったのか……。しずかに涙をぬぐって、彼は改めて妹を見た。 「むきゅぅ……、お嬢様目覚めないですね……」 「ゆぅ……、はやくおきるといいですね……」 悲しむゆっくり達を、励ますように彼はいった。 「でも、大丈夫。僕の計画が上手くいけば……妹は起きるよ」 「あのドスが鍵を握っているんですねー、わかりますよー」 とちぇんが答える。その通りだ。あのドスが妹を目覚めさせる鍵を握っている。 長い熟成をかけたドスの中枢餡子は、特効薬となりえるのだ。そのために、村を襲ったときはドスを見逃した。 ひとえに生成されるのを願って見逃したのだ。無論成功するとは限らない。 だが、それでも賭けるしかなかった。 「お嬢様のためにも」 「がんばらなければなりませんね」 きめぇ丸姉妹が答える。 「ああ、その通りだ。だから……ゆっくりがんばろう」 「「「「ゆっくりがんばるよ!!!!!」」」」 病院を後にした彼は、野菜卸売りセンターへと足を運んだ。 野菜を卸す人にとっては、ゆっくりは天敵である。彼らは万能お兄さんのゆっくり達に戸惑い追い出そうとしたが、つけているプラチナバッジが安全であることを 示している。バッジを見た業者達は、すぐに警戒を解いた。 万能お兄さん達も、悠然と市場を横切る。安全なゆっくりとわかった業者は、ゆっくり達を撫でたりした、ゆっくり達も喜び、忙しい業者に安らぎを与えていた。 事務所にたどり着き、社長に会った。事前に電話を入れておいて正解だった。 「社長、連絡したとおりもらいに来ました!」 「おう!まっていたぞ。さあこっちだ」 そういうと、社長は倉庫へと彼らを連れて行った。 倉庫の中には山積みのダンボールがある。 「全部トウガラシだ。廃気品だが、それは見てくれが悪かったりして、売れないだけだ。味まで悪くなっていないから安心しろ」 「ありがとうございます。これでなんとかなりそうですよ」 「はっはっは、礼は野菜をこのセンターに納めることで十分だ。だがかなり量があるぞ、大丈夫か?」 「ご安心を、うちのゆっくり達が運んでくれますので。」 このために、彼は全てのゆっくりを町へ連れて来た。彼女達もまっていたといわんばかりに 「「「「「ゆっくりはこぶよ!!!!!」」」」」 と器用に頭の上にダンボールを載せ、運び始めた。無論飛び跳ねず、ずりずりと這っている。 道行く人々は珍しそうに、彼のゆっくり達を見た。無理もない、31匹と数も多く、すべてプラチナバッジで礼儀正しくみな美しい。 ペットの飼いゆっくりと子供を連れた母親が 「こんにちは!うちの子供とゆっくりにさわらせてもいいですか?」 と尋ねてきたので快く了承した。 飼いゆっくりと子供は、ゆっくり達とふれあいをはじめ、彼は母親と話に花を咲かせ、しばらくした後その様子を見た人たちが 次々とよってきてゆっくり達を触り始めた。 荷物を運んでいた途中だったが、楽しいので別に気にならない。 しばらくした後、人々に礼と別れを告げ、彼とゆっくり達は家へと帰っていった。 ゆっくりいじめ系1831 万能お兄さん5_5に続く