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俺は以前から実ゆっくりを使ってヤリタイ実験があった・・・そのためにわざわざ山奥まで行きにんっしんっ!したれいむを3匹ほど連れてきた。幸い1匹のゆっくりから5本ほどの茎が生えていたので材料には事欠かない・・・・ その日は夜遅かったのでわくわくしながら眠りについた 次の日 「ゆっくりしていってね!」 「ごはんしゃんをもってきてね!」 「このくそじじい!」 まー五月蝿い五月蝿い 爽やかな朝を阻害された気分だが我慢しよう 「わかったよ、今持ってくるからね☆」と棒読みで言い三角コーナーの生ごみをあげた しかしこいつらは俺を見ても「おじさん誰なの?」とか言わないあたりかなりのバカだな・・・・まあ扱いやすいからいいけど そんなことを考えている間にも 「うんめっ!めっちゃうんめっ!」 「幸せえええ!!!!」 「ゆっ!ゆっ!」 うぜぇ・・・・・ 蹴りたくなるが我慢我慢 やつらが食っている間に準備は完了した 実験の開始だ! まずは茎ごと実ゆっくりを採る 「でいぶのあ゛がぢゃあああああん!!」 「じねえええ!ごどぐぞに゛んげえええええん!」 「うんめっ!うんめっ!・・・・ゆ?ゆあああああ゛あああ!お゛ぢびぢゃああああん!」 うむ、いい返事だ!・・・1匹遅れた奴いたけど その茎合計10本をそれぞれのある液体に突っ込む 「おちびちゃんがゆっくりできるように最高のあんこを吸わせてるんだよ!」 となりのおばちゃんがうるさい、と言ってきたので親を諭した 「ゆ、ゆっくり理解したよ!」 「どれいのくせによくやるね!」 「ゆっふっふふう、赤ちゃんの美貌にひれ伏したんだね!」 途端に横柄になるゆっくりども 1週間後にはこれが絶望の顔になるんだろう・・・俺は実ゆっくりが見えるのと親ゆっくりの反応を記録するためビデオカメラを設置した 1週間後 結果が出た 素晴らしい結果だ!! ハバネロスープにつけてたのは何ともいい表情で死んでいたし、廃油につけていたのはすべて欠ゆとなって生まれていた 塩水の飽和水溶液はうまれたはいいがなぜか水が飲めなくなっていた。 あとの7匹が楽しみだ 「あ゛がぢゃああああん!ゆっぐりぢでええええ!」 「ゆっぐりじでいっでね!・・・・どぼじでへんじじでぐれないのおおおおお!」 「お゛びずのんでえええええええ!」 続く 作者より 初めてゆっくり虐待SSを書いてみました 中3なので駄文なのは生暖かい目で見つめてやってください 3話に分ける予定です
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『おおきな実ゆっくり』 8KB いじめ 制裁 小ネタ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「なにごれぇぇぇ?!どーじででいぶのおちびちゃんが、こんなにおおきぐなっでるのぉぉぉ?!」 我が家の飼いゆっくりが朝から大声で騒いでいる。 こいつは先日れいむからでいぶにクラスチェンジしたもので、大変ふてぶてしい顔と体で見る者を不快にさせてくれる我が家の粗大ゴミだ。 でいぶは両目を飛び出さんばかりに見開いて、気持ち悪い揉み上げをブンブンと振り回しながら、たるんだ体をグネグネと動かしている。 でいぶが騒いでいる原因は、額から伸びた茎に付いた物体。 異常に肥大した一匹の実ゆっくりだ。 大きさは肥え太ったでいぶよりも少し大きく、一緒に実っていた他の実ゆっくり達をその体で押し潰しているほどだ。 異常に成長しているのは体のみらしく、髪の毛やお飾り等は頭部にめり込んだ茎と共に埋もれてしまって、何の種族なのかは解らない。 だが、でいぶはそんな事にも気がつかないくらい動揺し、自らの子を目の前に、百面相のように表情をコロコロと変えて大慌てだ。 自分の子供と認識しているのは、おそらく頭から茎が生えているからだろうか。 揉み上げで実ゆっくりを触ってみたり、品定めでもするかのように実ゆっくりを隅々まで眺めている。 何故こんな事になったかと言えば、それはこのでいぶが、でいぶになったからである。 飼い始めた頃は素直な性格だったれいむだが、この個体も例に漏れることなく、すくすくと増長し肥え太る事となった。 多少愛らしいかもと思えた程度の顔は、今ではすっかり変わり果てて憎らしい笑みしか浮かべない。 運動不足の為に体は洋ナシのように歪になり、満足に飛び跳ねることもできなくなっていた。 こうなる前にきつく叱っておくべきだったのだろうが、それも今となってはすべて手遅れである。 そしてでいぶになったれいむが次にした事は、これまたテンプレ的な野良とのけっこん&子作りである。 でいぶ更生計画を考えていた矢先の出来事だったので、更生計画から一気に破棄計画にプランを変更せざる負えなかった。 だが、これだけ厚かましい物体をそのまま始末したのでは、私の怒りが収まらない。 どうせなら、徹底的に苦しんでから死んでもらおうと思ったのだ。 そこで今回実行したのが、このでいぶ破棄計画、「びっくり実ゆっくり作戦」である。 某ゆっくりサイトで見つけた、未熟な実ゆっくりの成長を促す方法を、このでいぶの実ゆっくりで試してみたのだ。 小さい実ゆっくりに、砂糖水を霧吹きなどで吹き付けると、成長が促進されるそうだ。 それでも効果がない場合は、コップ一杯ほどの砂糖水を、チューブで実ゆっくりに直接流し込むといいそうだ。 未熟な実ゆっくりが自らチューブで砂糖水を吸い上げ、それを栄養にして健康に育っていくそうなのだが、私はこの方法を普通の実ゆっくりで試してみたのだ。 この方法で実ゆっくりを成長させすぎると、母体である親ゆっくりに負担がものすごくかかるらしい。 これはとても面白そうだったので、早速実行してみる事にした。 まずは鬱陶しいでいぶをラムネで眠らせ、3個実っている内の1つの実ゆっくりにチューブを突き刺す。 用意した砂糖水はバケツ一杯分ほどで、それを実ゆっくりに刺したチューブで吸わせてみる事にした。 すーすーすー…ちゅっぴ! チューブを刺した途端、それまで幸せそうに寝ていた実ゆっくりが、苦しそうに顔をしかめて小さな声で鳴いた。 実ゆっくりは居心地悪そうに体を小さく振り、何やらモゾモゾと不気味に皮をうねらせる。 おそらく刺さったチューブを外そうとしてるのだろうが、簡単にチューブは外れない。 そうしている間にも、少しずつ顔色が悪くなっていく実ゆっくり。 ちゅー…ちゅー…ちゅっく…ち……ちゅ? このまま失敗して枯れるのかと思ったその時、突然実ゆっくりの顔色が良くなり始めた。 どうやら、チューブから流れ込む甘い砂糖水を吸い上げてすっかり満足したようで、何やらニヤニヤと笑う様に口元を緩めて幸せそうに体を揺らす。 私はその顔を見て、でいぶの嫌らしい笑みと態度を思い出し、少し気分が悪くなったので実ゆっくりを軽く指で抓ってやった。 ちゅ?!ちゅー! 実ゆっくりは不快そうに尻を振りながら、涙を流して体を揺らす。 気のせいか、吸い上げている砂糖水の料が少し増えたように感じられる。 試しに私は、爪楊枝で実ゆっくりを軽く突付いてみた。 ちゅ!ちゅっち! するとその痛みを紛らわそうとしているのか、実ゆっくりは先程よりも勢いよく砂糖水を吸い上げた。 私はそれが面白くなり、実ゆっくりを抓ったり突付いたりして小一時間ほど遊んでしまった。 その結果が、でいぶが仰天するほどに膨れ上がったこの実ゆっくりである。 結局実ゆっくりはバケツ一杯分の砂糖水を全て吸い上げ、水風船のごとく急激に肥大化したのだ。 「こんなにおおきくなるなんて、そだちざかりすぎるでしょぉぉぉ?!でも、こんなにかわいいおちびちゃんをみたら、おねーさんは、でいぶをあがめたてまつるよぉぉ!!」 でいぶが揉み上げで実ゆっくりを突付きながら、意味不明な事を口走る。 当然私はこんな奇形ゆっくりを見て可愛いとも思わないし、でいぶを崇め奉る気も起きない。 むしろ一秒でも早くこの奇形とその親をばらして、生ゴミとして始末したいと思っているくらいだ。 私はでいぶの妙に得意そうなその顔が気に入らなかったので、ダブダブに膨れ上がった実ゆっくりの頬に強めの平手打ちをお見舞いした。 ちゅっぴぃ!! 「おねーざぁぁぁぁん?!でいぶのかわいいおちびちゃんに、なんでごどずるのぉぉぉぉぉ?!どぼじ………ゆっひ?!」 その途端実ゆっくりは、弛んだ皮を波打たせながら涙目になり、か細い鳴き声を上げた。 でいぶもそれに少し遅れると、体をグネグネと左右に振りながら汚い声で騒ぎ出す。 そしてワンテンポ遅れて、でいぶに変化が現れる。 「ぐっ!ずっぎゅぅぅぅぅぅ?!ずばれるぅぅぅ?!でいぶのあんごがおちびにずばれでるぅぅぅぅ!!」 実ゆっくりが痛みを紛らわそうとそて、でいぶの餡子を勢いよく吸い始めたのだ。 でいぶは急に顔色が悪くなり、ガタガタと震えながら揉み上げをワサワサと震わせる。 そう、これは私が実ゆっくりで遊んでいた時に気が付いた現象だ。 実ゆっくりは不快な事が起こる度に、砂糖水を勢いよく吸い上げていた。 だが今はそれがなく、その代わりに茎からでいぶの餡子を吸い上げて、痛みや不快な記憶を紛らわそうとしているのだろう。 何よりも「ゆっくり」を求めるその本質は、実ゆっくりでも変らないようだ。 しばらく苦しそうにしていた実ゆっくりの表情は次第に穏やかになり、でいぶはさらに苦しそうにもがきながら涙と涎を飛び散らせている。 普通のサイズの実ゆっくりならば、多少餡子を吸われても親の負担にはならない。 だが、実ゆっくりの数が増えたり、このような巨大な実ゆっくりが一気に餡子を吸い上げれば、親ゆっくりにかかる負担が増大する。 時にはそれで親ゆっくりが死んだりする事もあるほどだ。 「ゆっぎぃぃぃぃ!やべろぉぉぉ!!このくそちびぃぃぃ!!でいぶのあんこざんをずうなぁぁぁぁぁぁ!!」 でいぶも身の危険を感じたのか、鬼のような形相で実ゆっくりを睨みつける。 そして両揉み上げを振り上げると、実ゆっくりを拳で殴りつけるように何度も何度も叩き始めた。 ちゅぴ…!ちゅぴ!ちゅぴぃぃ!! それまで幸せそうに体を揺らしていた実ゆっくりだったが、でいぶに殴られ再び苦しそうに顔をしかめて鳴き出した。 でいぶはその様子に満足したのか、胸を張るかの様に仰け反り、得意そうに勝ち誇る。 「ゆっふっふ!せいさいかんりょうだよ!あくはほろんだ…よ?…!………ゆっぎぃぃぃ!まだだぁぁぁ!まだあんごをずっでるぅぅぅぅ!!」 だがやはり、苦しそうにしていた実ゆっくりが餡子を吸い上げ始め、でいぶも両目を飛び出さんばかりに見開いて苦しみだした。 でいぶは少しげっそりとした顔になり、歯を食いしばってガタガタと震え始める。 あの揉み上げラッシュにどれだけの威力があるのかは知らないが、実ゆっくりにとっては余程不快なものだったのだろう。 「やべろぉぉぉ!やべろぉぉぉぉぉ!あんござんをずうぁぁぁぁぁぁ!やべろぉぉぉぉぉぉ!ゆっころずよぉぉぉぉぉ!!」 ちゅ!ちゅぴぃ!ちゅっぴぃぃぃぃ!ちゅっぴぃぃぃぃぃぃ!! 餡子を吸われるのを阻止しようと、必死に実ゆっくりを殴り続けるでいぶ。 それが原因で、でいぶから餡子を吸い続ける実ゆっくり。 お互いに一歩も引かぬ戦いになっているように見えるが、実はただでいぶが自分の首を絞めているだけ。 まあゆっくりに絞める首はないが。 そうとも知らず、己の強さと未来を信じ、でいぶはひたすら揉み上げを振るい続ける。 少しずつ萎んでいくでいぶとは対照的に、実ゆっくりはぶくぶくと不恰好に肥え太っていく。 「やべろぉぉぉ!ずうなぁぁぁぁ!ごのぐぞちびがぁぁぁぁ!!じねぇぇぇ!ゆっぐぢじねぇぇぇぇぇ!!」 ぢゅー!ぢゅび!ぢゅっび!びゅっぢ! それでもでいぶは実ゆっくりを殴るのを止めない。 少しずつ顔色が悪くなりながらも、一心不乱に実ゆっくりを殴り続けるのだった。 「ゆっひ…がが…やべ…ど……あんご…ずう…な……ごのくぞ……っひ……ゆっぐぢ……ぢ……」 ぢゅび!ちゅっぢ!ぢゅっぢ!びびー! 20分ほど経っただろうか。 萎れた風船のようになりながらも実ゆっくりを叩いていたでいぶだったが、揉み上げの動きが大分鈍くなってきた。 そして最後に実ゆっくりを揉み上げで撫でるように叩くと、白目をむいて動かなくなった。 だが実ゆっくりはそうとも知らず、か細い悲鳴を上げながら体を左右に揺らす。 やがてでいぶはただの皮となり、それでも餡子を吸い足りない実ゆっくりは、ピーピーと唸りながらウネウネと体を揺らす。 私はでいぶの死を見届けると、そんな実ゆっくりに何度も平手打ちをしてた。 そして実ゆっくりと枯れたでいぶを持ち上げると、台所の三角コーナーに投げ捨てた。 ぢゅんぶ!…ぢゅ!ぢゅ!ぢゅっびぃ! 実ゆっくりは着地の衝撃で少し餡子を吐き出し、皮も一部破れて体の形を崩しながら餡子をはみ出させた。 そしてか細い声で苦しそうに唸ると、そのままガタガタと痙攣し始める。 もうこれ以上吸い取る餡子もなく、痛みから逃れる方法もないのは相当な苦痛なのだろう。 だがでいぶを始末した後では、こいつはもう用済みのゴミだ。 このまま放っておけば、数分の内に生ゴミになっているだろう。 私は実ゆっくりに水を少しかけてやると、そのまま台所を後にした。 完 徒然あき 挿絵:
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俺は以前から実ゆっくりを使ってヤリタイ実験があった・・・ そのためにわざわざ山奥まで行きにんっしんっ!したれいむ(でいぶ)を3匹ほど連れてきた 幸い1匹のゆっくりから5本ほど茎が生えていたので材料には事欠かない その日はわくわくしながら眠りについた 次の日 「ゆっくりしていってね!」 「くそどれいはゆっくりはやくごはんさんをたくさん持ってきてね!」 「くそじじいはあまあまをおちびちゃんのためにさっさとよこしてね!」 まー五月蝿い五月蝿い 爽やかな朝を阻害されたような気分だが我慢しよう 「分かったよ 今持ってくるからNE☆」と胡散臭い笑顔に棒読み口調でさっさとキッチンに行った ちょうど生ごみが溜まっていたのでコンポストとして活用した 腐ってるのもあるけどゆっくりだし、いいや 「おじさんだれなの?」とか言わないあたりこいつらは扱いやすいな… そう思ってる間にも 「うんめっ!めっちゃうめっ!!」 「幸せえええええええ!!」(幸せを頭の中で死遭わせと変換する) 「ゆっ!ゆっ!」 うぜぇ・・・・握りつぶしたくなるが我慢我慢、奴らが食っている間に準備は完了した 実験の開始DAAAA! まずは茎ごとゆっくりを採る! 合計したところ13個の茎が集まった 「でいぶのあ゛がぢゃああああん!!」 「じね゛ええええええ!ごどぐそに゛んげええええん!」 「うんめっ!うんめっ!・・・ゆ?ゆああああ゛あああ!お゛ぢびぢゃああああん!」 うむ!いい返事(?)だ! 1匹遅れた奴いたけど その茎の3本をそれぞれハバネロsoup、廃油、塩水(飽和水溶液)に入れ、あとの7本は冷蔵庫へシュウウウッ! 超exciting! ぎゃーぴー流石にうるさいので「最高にゆっくりしたおちびちゃんになるようにしているんだよ」と言ったら 「ゆ、てんさいのれいむはゆっくり理解したよ!」 「さすがはれいむのくそどれいだね!れいむのうんうん食べてもいいよ!」 「ゆっふふうう!おちびちゃんの美貌にひれ伏したんだね!」 途端に横柄になりやがった・・・1週間後にはどんな表情になるのか 俺は実ゆっくりと親ゆっくりの顔を記録するためにカメラを設置した 1週間後 素晴らしい結果が出た! ハバネロsoupにつけていたのは素晴らしい(虐待鬼威山目線で)表情で死んでいた 廃油につけていたのは全て欠ゆとなって生まれていたし、塩水は生まれたはいいが水の拒否反応がすさまじかった あとの10匹も有効活用したいところだ 「あ゛がぢゃあああん!ゆっぐりじでえええええ!」 「ゆっぐりじでいっでね!・・・どぼじでへんじしでぐれな゛いのおおおおお!!」 「お゛びず飲んでえええええ!」 続く 作者より 初めてssを書いてみました 中3なので駄文は生暖かい目で見つめてやってください、3話に分ける予定です 最後に・・・・ゆ虐は超exciting!
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前編から ・・・月日は流れ。 さて、そろそろこないだのゆっくりの巣を見て回ってこよう。 まずは5匹の赤ゆを育てていた、れいむとまりさの巣。 季節は繁殖期の春・夏を終えて秋に差し掛かっていた。 本来なら赤ゆは子ゆっくりから成体に近いサイズに成長していてもいい時期で巣立ちをする頃だ。 たくさんの子ゆっくりと同居したまま冬を迎えればそれは一家全滅の危機につながる。 それどころか、今回は赤ゆのまま冬突入という死亡フラグが立っていた。 「そろそろ、おちびちゃんにもかりのしかたをおしえたほうがいいんだぜ!」 「ゆっ、だめだよ!おちびちゃんはまだあかちゃんだよ!」 「みゃみゃー、ごはんまだー?」 「ねぇねぇまりしゃのごはんは?」 「れいみゅたちいつまでおうちにいればいいの?そろそろおちょとであそびたいよ!」 冬越えに備えて大量の食料を貯めないといけないのだが 餌をとってくるのは親まりさばかり、親れいむは赤ちゃんの世話のため巣から出ることができず、ずっと引きこもっていた。 朝から晩まで駆けずり回って採れる餌も親れいむと赤ゆ5匹が食べてしまえば、明日の蓄えすらない。 季節の移り変わりに気づいていない親れいむはともかく、親まりさは焦っていた。 「このままだと冬さんがきて、みんなゆっくりできなくなるよ!れいむもいっしょにごはんあつめてね!」 「なにいってるの!あかちゃんをそだてるのがれいむのしごとだってまりさもいってたでしょ! ごはんをとってくるのはまりさのしごとなんだから、ゆっくりしないでさっさとごはんもってきてね!」 最近はずっとこんな口喧嘩が続いている。 「それなら、まりさがみんなのごはんをあつめてくるよ!」 暗がりから、帽子の先が欠けている子まりさが出てくる。 飾りが欠けていることで親れいむや赤ゆの虐めにあっていたまりさだが、食事量が他の赤ゆよりも少ない割りに 成長抑制飴を食べなかったことで立派な子まりさに成長していた。 「おまえは、そこからでてこないでね!ごきんじょさんに見られたらとおもうとゾッとするよ!」 「ゆぅ~ん・・・」 「ゆっくちできにゃいおねーちゃんは、みんなのうんうんをかたづけるしごちょしててね!」 「こんにゃまりしゃが、かぞくだとおもわれたらみんなゆっくちできにゃいよ!」 「ばぁ~きゃ!ばぁ~きゃ!」 親れいむに合わせて、赤ゆたちも子まりさをキャッキャっと罵倒する。 そんな様子を毎日見てきた親まりさは、ある疑問を感じていた。 親れいむが可愛がっている赤ちゃんたちは、ちっとも大きくならず幼いままだ 逆に、虐められている子まりさはすくすくと大きくなっている いままでは帽子が欠けている子まりさの事を障害のあるゆっくりと思っていたが、実は逆なんじゃないだろうか? その夜、親まりさは決心し 皆が寝静まってから子まりさを巣の外へと連れ出した。 「ゆぅ?おとーしゃんこんなじかんにどうしたの?おそとにでたらまりさおこられちゃうよ」 「ゆっくりきいてねまりさ!おとーさんは働かないれいむにあいそがつきたよ!これからは二人でくらすよ!」 冬はもうそこまで来ている! 子育てと称して働かないれいむや食べてうんうんするだけの赤ゆ達の分まで集めている余裕はもうないのだ。 ぽい~ん、ぽい~んっと元気よく旅立つ2匹。 新しい巣穴は、れいむたちが住んでいる巣穴からさほど遠くない場所に作った。 それでも引きこもっている彼女達がここを見つけることは出来ないだろう。 朝、親まりさがいない事に気づいたれいむ一家。 「ゆっ、きっとお日様がのぼるまえにごはんあつめにでかけたんだね! 赤ちゃんたちが大きくならないのはまりさがゆっくりしたごはんをとってこれないからだよ! はんせいしてたくさんとってくるきになったんだね!」 「ゆっくちできにゃいおねーちゃんもいないよ!」 「ほんちょだ、うんうんかたづけるしかのうのないまりしゃがいないね!」 「これでれいみゅたちがたべるぶんがふえるよ!」 「おうちもひろくなるし、せいせいするね!」 この日から、もうこの家にごはんを持ってきてくれる者はいなくなった。 それに気づくのはいつだろうか? 冬前にもう一度観察に来てみよう。 次は、実ゆっくりで成長が止まっている れいむとありすのつがいの巣を見てみよう。 「おちびちゃんたち、なんで産まれてくれないのぉ!」 「やめてねありす!赤ちゃんたちはいまお昼ね中なんだよ!」 れいむの頭上の実ゆっくりは目を閉じたままだが、「ゆぅ♪」とか「みゅ~♪」とか返事をするので 間違いなく生きていることはわかる。 しかし、まるで造花実ゆっくりが頭に挿されているだけの様に待っても待っても産まれてきてくれないのだ。 だから、ありすは毎日たくさんの食べ物をとってきてはれいむに与えた。 れいむは以前よりもでっぷりと太っているだけで結局1匹も赤ゆっくりは落ちてこない。 ありすは限界だった。 れいむの植物型出産が終わったら、次は胎生妊娠をしようねと約束していたにもかかわらず いつまでもそれが出来ない。 ありすは赤ゆっくりとゆっくりしたい以外に性欲をも我慢し続けていたのだ。 「もう、ありすは限界だわ!れいみゅぅう!ありすとすっきりしてねぇええ!すっきり!すっきりぃ!すっきりぃい!」 「やめてね!赤ちゃん達が見てるよ!それにすっきりとか言葉をつかうと・・・」 「ゆぅ~ちゅっきり♪」「みゅ~・・・すっきゅり♪」 「ほらぁ!赤ちゃん達がへんなことばをおぼえちゃうでしょぉおお!」 でっぷりと太った体でありすを突き飛ばす。 毎日、たくさんのごはんを食べ続けていたれいむは、いまやありすの倍は大きかった。 「いたっ!やめてっ!ごめんなさい・・・ひぃ!」 「ありすのとってくるごはんが少ないから赤ちゃん達も産まれないんだよ! わかったらゆっくりしないで、もっとごはんを持ってきてね!」 「こんなの、ぜんぜんとかいはじゃないわぁああ!」 巣穴から逃げるように泣きながら飛び出していくありす。 それでも、ありすはれいむも実ゆっくりも見捨てる気はなかった。 れいむの頭上にいる実ゆっくりは、ありすにとっても可愛くて、特にカチューシャをつけている2匹の実ゆっくりは 自分にそっくりで都会派だったからだ。 れいむに横になってもらい、実ゆっくりとほほをすり合わせて「すーりすーり♪」した時は 「みゃみゃ・・・♪」「ちょかいは♪」と返事をしてくれてそれが一層の励みになった。 こうやってれいむと喧嘩をした時は、きまってありすは普段よりもたくさんのごはんをとってきた。 さつまいもに、にんじん、キャベツに大根 れいむと仲直りするために、危険を冒してもゆっくりしたごはんをとってくるのだ。 そんな都会派なありすの背中を見送って 次の巣に向かうことにした。 「ぎゅびぃびゃぁああああぁぁあ・・・うひぃぃいいいいい!」 洞窟から聞こえてくるのは、耳をつんざくようなまりさの悲鳴。 ここには善良な50センチサイズの胎生妊娠をしたまりさがれいむと住んでいる。 「まりざぁあああ!ゆっっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 しきりに、れいむがまりさを気遣って声をかけているが まりさのために何も出来ることがなくまりさの周囲をぐるぐると跳ねて泣きじゃくっていた。 以前来たときにあった敷き詰められた葉はそこらじゅうに散らばり、山の様にあった果実は暴れるまりさに踏み潰され それが腐り異臭を放っていた。 「おい、これはいったいどうしたんだ!」 「ゆっ、にんげんさん助けてね!まりさが赤ちゃんがなかなか産まれないから 心配して、お腹に力をいれて無理に産もうとしたんだよ! そうしたら、急にまりさが苦しんでそれからずっとこうなのぉおお!」 「ゆびぃぃいいいいぃい!ぐるじいぃぃいいい!もうまりざをごろじでぇええええ!」 まりさの全身に脂汗が滲み、苦痛からすこしでも逃れようと身をよじってごろごろと転がる。 れいむによると、もう数日もこの状態なんだそうだ。 ゆっくりは餡子が体から漏れない限りなかなか死なない、その生命力が災いしてまりさを苦しめ続けていた。 「まりざぁあああ!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 もう、まりさは「ゆっくりしていってね!」に反応しないくらい精神が擦り切れていた。 こいつらは善良なゆっくりだ。出来れば助けてやりたい。 なにかないかとポケットを探ってみるとなぜかトングが出てきた。 トングとは、ピンセットを大きくしたような道具で 焼肉をひっくり返したりバーベキュー等で使う料理器具だ。 それがなぜ、この状況で俺のポケットから出てきたのかはわからない。 きっと、なにか見えざる力がこの善良なゆっくりとトングとを引き合わせたのだと考えるしかなかった。 さっそく、トングをまりさの産道に突き刺す。 「ゆびゅぅぅういいいぃいいいいいいいいいぃいいい!」 それから、トングを内部で広げる。 「ぎゅぴゅうぅぅううううぃいいぃいい!」 あまりの激痛にまりさは泡を吹いて白目を剥いていたが、これもまりさを助けるためだ。ゆっくり我慢してね♪ トングの間に何かまるっこいものがひっかかる。これをキャッチ。 「まりざぁぁあああ!がんばっでぇええええ!」 れいむの声援と唾が後ろから飛んできてうざい。 フンッ!と一気にトングを産道から引っこ抜くと そこには、1匹の子れいむがひっかかっていた。 「ゆぎぃぃいい・・・いぢゃいよぉぉおおお!」 続けて、もう一度まりさの産道にトングを突き刺すと今度は子まりさ、子れいむが出て 最初の子れいむと合わせて合計3匹の子ゆっくり。 まりさの苦痛はとれた様で、悲鳴はぜぃぜぃという息遣いに変わり命に別状はなさそうだ。 「ゆぎぃぃいいいぃいい!あかちゃんがぁああああ!」 代わりに悲鳴をあげたのはれいむだ。 3匹の子ゆっくりは未熟児で 最初の子れいむは目がなく、2匹目の子まりさは口がなく、3匹目の子れいむはその両方がない。 成長抑制により、胎児の状態で成長が止まってしまったのだろう。 「いぢゃいよぉ!みえないよぉ!おがぁしゃんどこいるのぉお!」 「ばでぃさのあがじゃんぐぁぁああ!」 「なんでおべべがないのぉ!おぐちがないのぉ!りょうぼおないのぉ!」 口がない子まりさは、その目で両親にしきりに「なんで、まりさはおくちがないの?」と 目も口もない子れいむは、口がないはずなのに体の内部から「うぼぉおおぉおお」と奇怪な音をさせていた。 長い苦痛から産まれた赤ちゃんがこの仕打ちで親れいむも親まりさも心が折れかけていた。 これでは、この一家は冬越え前に生きる気力を失って死んでしまうかもしれない。 それじゃ面白くないよね。 「れいむ!まりさ!しっかりしろ!お前らは親だろ! 子供達はもっと苦しいんだ!悲しいんだ! なのに、お前らときたらなんだ?あまったれるな! お前らがしっかりして、この子達をゆっくりさせてやらないと誰がこの子達をしあわせにしてやれるんだ!」 思いついたセリフをまんま言ってみた。 どういうわけか親ゆっくりどもの目に生気が戻る。 「ゆっ、そうだよ、この子達はまりさの子供だよ!目や口がなくたって、この子達はまりさとれいむの愛から 生まれた、ゆっくりした可愛い子供だよ!」 「ごめんねおちびちゃんたち!れいむよりもつらいよね!?かなしいよね!? れいむ一生懸命この子達を幸せにするよ!」 俺は腕を組んで、うんうんと頷いた。 頑張って子ゆっくりを育てろよ!間違っても殺すとか捨てるとかして 代わりに健康な赤ちゃんを産もうとか思いつくなよ! さて、冬越え前にまたこいつらの様子を見に来ようかな。 俺は善良なゆっくりの巣を後にすることにした。 冬は、早朝 雪の降りたるは言うべきにもあらず、霜のいと白きもまたさらでも、 いと寒きに・・・ 肌に突き刺さるような寒さを我慢して、さっそくゆっくりの巣を訪れた。 「みゃみゃ~・・・おにゃかすいちゃよぉ~・・・」 「ゆっくちしちゃごはんたべんちゃいよぉ・・・」 「ゆぅ・・・おとーしゃんかえっちゃきちぇ・・・」 「うるさいよ!おなかすいてるのはおかーさんだっていっしょだよ! それもこれも、まりさがわるいんだよ!」 まりさが帰ってこなくなってから、親れいむ1匹で餌を集め生きながらえていた。 餌を集めると言っても、普段狩などしたことがないため巣の周辺に生えていた草を引っこ抜いては持ち帰るという適当な採取で 甘い草とそうでない草の区別がついていない上、すっかり採り尽くして遠くまで行かなければ草一本生えていない状況まで追い込まれていた。 これは、もう数日もすれば共食いなり餓死なりして全滅だろうな。 ほっといても破滅する巣に興味をなくし次の巣へと向かおうとしたその時、1匹のゆっくりがこの巣へやってきた。 見つからないように気配を消して様子を伺う。 帽子の先が欠けているあのまりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってね!まりさ、みんなのためにたくさんごはんあつめたよ!」 帽子の中には、秋の終わりに集めた木の実やキノコ、食べられる草がぎゅうぎゅうに詰まっていた。 親まりさと一緒に冬を越えるための大切な食料であったが、まりさは自分の分を家族に分け与えるという選択をしたのだった。 得意満面の子まりさ しかし、家族の反応は冷ややかだ。 シーンっと静まり返っていた一家は噴出すように喚きだす。 「こにょばきゃまりさ!じぶんだけごはんをひとりじめしてたんだよ!」 「ゆっくちよこちぇー!くちょまりちゃー!」 「こいつのせいでおうちのまわりのごはんがなくなっちゃんだ!そんにゃにとっちゃから!」 「ゆぅ・・・ちがうよ、これはまりさがいっしょうけんめいあつめ・・・ゆべっ!」 まりさの背中の皮が千切れ餡子が漏れ出す。 親れいむがまりさを噛み付いたのだった。 「・・・なんで、おかーしゃん・・・」 「ゆっ、これでゆっくりふゆをこせるよ!おちびちゃんたちもたくさんたべておおきくなってね!」 「むっちゃむっちゃ!ちあわちぇー♪」 「このきのこゆっくちしてておいちーよ!」 「こっちのきのみ、かちゃ~い!みゃみゃやわらきゃくちてね!ゆんゆ~ん♪」 「ゆ・・・ゆ”ゆ”・・・ゆ”・・・」 まりさはまだ息があるようだったが時間の問題だろう。 そのうち物言わぬ餡子になり、こいつらの冬越えのたしになるのか・・・。 憎たらしい親れいむや赤ゆどもを叩き潰したい衝動にかられたが、それは今回の観察の趣旨に反するのでこらえることにした。 赤ゆが一生赤ゆから成長しない以上は、いずれゆっくり出来ない事態に陥る事を祈り次の巣へと移動する。 れいむとありすのつがいはどうなっただろうか 巣穴を覗くと、そこには頭上に実ゆっくりを生やしている親れいむしかいなかった。 そして4個ついていた実ゆっくりは3個に減っている。 ちょっと状況がわからなかったので、姿を見せて親れいむから事情を聞いてみる。 「ゆっ、このまえのあまあまさんをくれたおにいさん、ゆっくりしていってね!」 「ちゅっきりちていっちぇね!」 「ちゅっくち!」 「ゆぅ~ちゅっくちー!」 頭上の実ゆっくりは目を閉じたままだが、親れいむの”ゆっくりしていってね”に反応していた。 ありすがあんまり「すっきり」と言うものだから実ゆっくりに伝染し「ちゅっきりしていってね!」と覚えてしまったそうだ。 「つがいのありすはどうしたんだい?」 ありすの事を聞かれたれいむは目を伏せて暗い表情を浮かべている。 その目線の先には、ありすのカチューシャがあった。 冬越えのためにありすは一生懸命食料を集めたが、いっこうに落ちてこない実ゆっくりに業を煮やし 気に入っていた実ありすをもぐ事にした。 自分で生まれることが出来ないのなら手伝ってあげればいいと考えたからだ。 もがれた実ありすは柔らかい葉っぱに落ちて、目を開いて赤ゆっくりとなんらかわらない様に見えたが 横向きのままで自分では立つことも出来なかった。 口があっても挨拶はしないし、どんな餌を口に運んでも噛むことも飲み込むことも出来ない。 それでも、ありすが顔を近づけて「すーりすーり」とほおずりをすると、実ありすは「ゆっ♪ゆっ♪」と喜んで 確かに実ありすが生きていることがわかった。 それから、半日もしないで実ありすは萎れてきて、ありすは餌をよく噛んであげて口移ししたりお水を飲ませようとしたが 結局、最後には「ゆ”ゆ”」と苦しそうな声をあげながら痙攣し干からびてしまった。 悲しみに沈むありすは我を忘れて、れいむの頭上にいる他の実ゆっくりももごうとしたため、止めるれいむと揉みあいになり 気がつけばありすは潰れていたという。 ふと親れいむを見ると、実ゆっくりのために過剰に食料を食べていたため太ましく大きい。 連日の餌採りに疲弊して痩せたありすにはひとたまりもなかった事が伺えた。 「おにーさん、またあまあまをちょうだいね!」 このまま、このれいむを放置してもいいが実ゆっくりごと餓死するだけなのは目に見えている。 それでは、もう観察する面白さがない。 先日、捕まえたコンポスト用の赤ゆも替え時なのでコイツを新たなコンポストにしよう。 実ゆっくりのために、たくさん生ゴミも腐ったゴミも食べてくれるに違いない。 「ゆっ、おにいさんはなしてね!れいむがいくらかわいくてもゆうかいしないでね!」 右手でジャンケンのチョキの形をつくり、そのチョキが綺麗にれいむの両目に突き刺さる。 「ゆぎゅ!」 これで少し大人しくなった。 善良なゆっくりの巣は意外にも幸せそうだった。 3匹いた子ゆっくりのうち、口のないまりさと目も口もないれいむは餌を食べることが出来ずにすでに死んでいたが その分、目の見えないれいむ1匹を可愛がっていた。 「きょうは、寒いからおかーさんたちとくっついてすーりすーりしながら寝ようね!」 「まりさはおちびちゃんのために、葉っぱさんの服をつくってあげたよ!」 「おかーしゃん、すーりすーり♪はっぴゃのふくあっちゃか~い♪」 大き目の葉を、まるで桜餅の様に縦に着ている子れいむ。 成長抑制剤のおかげで体の大きさは一生そのままだが、目が見えずとも親の愛を一身に受けて育っていた。 子れいむにしても生まれたときから目が見えないわけで自分が不幸である事を自覚していない。 だから、自分が幸せなのだと思っていられる。 障害を抱えた子供を殺すに殺せずに苦しみ続けているという状況を想像していただけに 逆に幸せなゆっくり一家を見せ付けられるとどうにも気持ち悪い。 いっそのこと一度、子れいむに光を与えてみるか。 時に希望は絶望への最高のスパイスになりうるのだ。 「ゆっ、この間のおにーさん!」 「おにーさんのおかげで、ひとりだけおちびちゃんを助けられたよ!」 「ゆっくちしていってね!」 こいつらの中では、苦しむまりさを手術して助けてくれた人間という事になっていた。 「その子ゆっくりが心配でね、今日はその目を治しにきたのさ!」 コンポストで育てた赤ゆは今では子ゆっくりサイズになっており、1匹締め上げ目玉をくり貫いて持ってきた。 それを目が見えない子れいむに填め込んでやりオレンジジュースをかける。 眼球の大きさは個体差が少なく、同じれいむ種のものを使えば一応は見えるようになる。 それから小麦粉を溶いてまぶたをつくってあげた。 「ゆっ・・・」 おそるおそる、目を開く子れいむ。 生まれて初めて感じる光 洞窟の中は薄暗いが、それでも子れいむには色とりどりの美しい世界 そして初めて見る親れいむと親まりさ なにもかもが輝いてそのキラキラしたおめめに飛び込んできた。 「ゆっくちしていってね!ゆっくちしていってね!」 「おちびちゃん、おめめが!おめめがあるよ!」 「とってもかわいいおめめだよ!すごくゆっくりしてるよぉ!」 大きな体でまるで赤ゆっくりの様に洞窟内を飛び跳ねる親れいむと親まりさ 初めての妊娠している事がわかった時にも、こんなに喜んだことはなかった。 その姿を見た子れいむも、一緒になって飛び跳ねたりほほをすり合わせたりして、今確かにゆっくり出来ている事を実感する。 だが、これは一時的なものなのだ。 目が見えるとはいえ、自分の体と完全に同化したわけではなく、この移植された目は死んだままだ。 だから数日もすれば朽ちて腐敗し、また暗闇の世界へと帰ることになる。 あー、ごほんごほんっと咳払い それから親ゆっくりに説明をした。 「ゆぅ・・・おちびちゃん、また目が見えなくなっちゃうの?」 「そんなのだめだよ!ずっとゆっくりさせてあげたいよ!」 「れいむ、おかーしゃんたちがみえなくなるのいやだよ・・・ゆえぇ~ん」 そこで提案する。 「また、新しい目を移植すればいいんだよ」 他の子ゆっくりの目をくり貫いて、この子に与える。 癒着させるためにはオレンジジュースでなくても水で溶いた餡子でもいい。 「ゆぅ・・・」 「ゆゆ・・・」 「ゆわあぁ~ん・・・おかーしゃんたちみえなくなるのやだよぉお!」 何しろ善良なゆっくりのつがいだ 他人を不幸にして自分が幸せになろうなんて思ったこともないに違いない。 すぐには答えを出せないだろう。 一通りゆっくりの巣を見て回ったし家路につくことにした。 もっとも、自分の幸せではなく子の幸せなら 最後に出す答えは始めから決まっているんだけどね。 だけど、それを選択したら一生続けることになるよ、ゆっくりできない餡子まみれの生活を・・・ なにしろ、その子は一生大人になることがないのだから。 台所の三角コーナーには、冬前に拾った赤ゆが数匹詰まっている。 蓋が閉まるタイプなので、カシカシっと内側から壁を叩く音はしても声までは伝わらない。 しかし、何が言いたいのかはだいたいわかっている。 蓋を開けた。 「れいみゅ、にゃんでもたべまちゅからごはんをくだしゃい、にがきゅてもからきゅてもいいでしゅ」 「なにかまりしゃわるいことしましちゃか?あやまりましゅ・・・あやまりゅのでごはんをくだしゃい・・・」 「ありしゅはくさったにょでもよろこんでたべましゅ・・・おいししょうにたべまちゅから・・・」 3匹ともカビの生えた使いかけの古い石鹸をこね合わせたように緑色やオレンジ色、紫色のグラデーションが外皮に 紋様を浮かべていた。 初日こそ「あまあまよこちぇじじー!」だの「こんにゃのたべるくりゃいならしんだほうがまちよ!」なんて反抗的だったが 結局は餓死の地獄の苦しみには耐えられず、なんであろうと口にした。 目に見えて変色してくると、もはや末期だ。 ゆっくりコンポストは生ゴミを餡子に変化させるから価値がある。 しかし、ここまでくると生ゴミを食べても生ゴミを排泄してしまうのだ。 「釈放だよ・・・」 彼らに向かってニッコリっと満面の笑顔を見せてそう告げた。 不要になっても潰したりはしない。 よく働くように希望を持たせるため刑期を終えたら自由にしてやると約束をし、キチンとそれを守る。 素手で掴むと異臭のする汁が肌に触れてしまうため三角コーナーごと庭に持っていくとひっくり返して外に捨てた。 「おうちかえりゅよ・・・れいみゅ・・・みゃみゃにあいちゃいよ・・・れーみゅしゅーりしゅーりしちゃいよ・・・」 「まりしゃのおかーしゃん・・・ゆっくちちていっちぇね・・・まりしゃこれからおうちかえりゅよ」 「ありしゅ・・・もっとゆっくち・・・しちゃか・・・ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 ずりずりとナメクジの様に這って進む赤ゆども。 腐敗物だろうとカビだろうと何でも好き嫌いなく食べれる彼らは道の草だろうと犬の糞だろうと食べて餓死を免れ 本当に親元まで帰れるかもしれないな。 親がこいつらを見てどういう態度をとるかは知らない。 思い出は、きっと思い出にしておいたほうが美しいんだろう。 「ここはどこなのぉ!せまくてゆっくりできないよ!」 円筒タイプのゴミ箱の底に設置した生まれない実ゆっくりを生やしているれいむが目を覚ました。 とりあえず一週間前に食べ残した弁当箱の中身を捨てよう。 食べなくてもかまわない。 それが二週間前の食べ残しになってから餡子になるだけのことさ。 「くしゃいぃー!こんなのたべれるわけないでしょ!ばかなのしぬの?あまあまもってきてよね!」 蓋を閉めると、内側をガシガシと叩く音だけが響いていた。 おまけ 子まりさ1匹が帽子一杯に貯めた食料などたかがしれていた。 それに加えて狩をまりさにまかせっきりだったれいむは冬越えのための食料を節約しないといけないという事もわかっていなかったので 親れいむ、赤まりさ、赤れいむ3匹でお腹一杯に食べれば3日で尽きてしまった。 それから、死んだ子まりさの餡子をむさぼり それも尽きると今度は親れいむが赤まりさに噛り付き、赤まりさを食料にした。 「それもこれもまりさがわるいんだから、まりさがせきにんとってね!」 「まりしゃがたべられればいいんだよ!」 「ばーきゃ!ばーきゃ!」 「ひとりだけちがうこなんてゆっくちできにゃいよ!」 「いちゃい!やめちぇね!まりしゃはおかーしゃんのあかちゃ・・・ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 どれくらい時間が流れただろうか その赤まりさを食べつくした頃、突如入り口を塞いでいた枝や葉が取り除かれて 冷たい風が吹き込んできた。 親れいむはお帽子のシルエットに、まりさが帰ってきたんだ! 反省して、やっとみんなのごはんを採ってきて帰ってきたんだと思った。 その影が近づいてくると、成体よりもはるかに大きいまりさであることがわかり別人であることに気づく。 つづいて、同サイズのれいむが入ってきた。 「ごめんね、まりさのおちびちゃんのためにおめめをちょうだいね!」 「ていこうしなければいのちまではとらないよ!ほしいのはおめめだけだよ!」 その年、冬篭りが終わると 目を失ったれいむ種ばかりが巣穴から這い出てきたので人間たちはその森が呪われていると恐れ 結果的に、以後数年に渡りゆっくりたちを脅かす者がいなくなり やがて、ゆっくりプレイスと呼ばれるようになったそうな。 「れいぶ・・・なんでもたべますから・・・ごはんをください くさっていても、にがくてもおいしそうにたべます・・・どうかどうかあかちゃんのためにもごはんをください・・・」 「ゆぅ・・・」「みゅ~・・・」「ちゅっきり・・・」 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 ゆっくりいじめ系1993 加工場産の赤ゆっくりを育てる 前編 ゆっくりいじめ系1994 加工場産の赤ゆっくりを育てる 中編 ゆっくりいじめ系2110 加工場産の赤ゆっくりを育てる 後編1 ゆっくりいじめ系2111 ゆっくり二世帯住宅 ゆっくりいじめ系2143 いっしょうのおねがい 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2333.html
前編?から ・・・月日は流れ。 さて、そろそろこないだのゆっくりの巣を見て回ってこよう。 まずは5匹の赤ゆを育てていた、れいむとまりさの巣。 季節は繁殖期の春・夏を終えて秋に差し掛かっていた。 本来なら赤ゆは子ゆっくりから成体に近いサイズに成長していてもいい時期で巣立ちをする頃だ。 たくさんの子ゆっくりと同居したまま冬を迎えればそれは一家全滅の危機につながる。 それどころか、今回は赤ゆのまま冬突入という死亡フラグが立っていた。 「そろそろ、おちびちゃんにもかりのしかたをおしえたほうがいいんだぜ!」 「ゆっ、だめだよ!おちびちゃんはまだあかちゃんだよ!」 「みゃみゃー、ごはんまだー?」 「ねぇねぇまりしゃのごはんは?」 「れいみゅたちいつまでおうちにいればいいの?そろそろおちょとであそびたいよ!」 冬越えに備えて大量の食料を貯めないといけないのだが 餌をとってくるのは親まりさばかり、親れいむは赤ちゃんの世話のため巣から出ることができず、ずっと引きこもっていた。 朝から晩まで駆けずり回って採れる餌も親れいむと赤ゆ5匹が食べてしまえば、明日の蓄えすらない。 季節の移り変わりに気づいていない親れいむはともかく、親まりさは焦っていた。 「このままだと冬さんがきて、みんなゆっくりできなくなるよ!れいむもいっしょにごはんあつめてね!」 「なにいってるの!あかちゃんをそだてるのがれいむのしごとだってまりさもいってたでしょ! ごはんをとってくるのはまりさのしごとなんだから、ゆっくりしないでさっさとごはんもってきてね!」 最近はずっとこんな口喧嘩が続いている。 「それなら、まりさがみんなのごはんをあつめてくるよ!」 暗がりから、帽子の先が欠けている子まりさが出てくる。 飾りが欠けていることで親れいむや赤ゆの虐めにあっていたまりさだが、食事量が他の赤ゆよりも少ない割りに 成長抑制飴を食べなかったことで立派な子まりさに成長していた。 「おまえは、そこからでてこないでね!ごきんじょさんに見られたらとおもうとゾッとするよ!」 「ゆぅ~ん・・・」 「ゆっくちできにゃいおねーちゃんは、みんなのうんうんをかたづけるしごちょしててね!」 「こんにゃまりしゃが、かぞくだとおもわれたらみんなゆっくちできにゃいよ!」 「ばぁ~きゃ!ばぁ~きゃ!」 親れいむに合わせて、赤ゆたちも子まりさをキャッキャっと罵倒する。 そんな様子を毎日見てきた親まりさは、ある疑問を感じていた。 親れいむが可愛がっている赤ちゃんたちは、ちっとも大きくならず幼いままだ 逆に、虐められている子まりさはすくすくと大きくなっている いままでは帽子が欠けている子まりさの事を障害のあるゆっくりと思っていたが、実は逆なんじゃないだろうか? その夜、親まりさは決心し 皆が寝静まってから子まりさを巣の外へと連れ出した。 「ゆぅ?おとーしゃんこんなじかんにどうしたの?おそとにでたらまりさおこられちゃうよ」 「ゆっくりきいてねまりさ!おとーさんは働かないれいむにあいそがつきたよ!これからは二人でくらすよ!」 冬はもうそこまで来ている! 子育てと称して働かないれいむや食べてうんうんするだけの赤ゆ達の分まで集めている余裕はもうないのだ。 ぽい~ん、ぽい~んっと元気よく旅立つ2匹。 新しい巣穴は、れいむたちが住んでいる巣穴からさほど遠くない場所に作った。 それでも引きこもっている彼女達がここを見つけることは出来ないだろう。 朝、親まりさがいない事に気づいたれいむ一家。 「ゆっ、きっとお日様がのぼるまえにごはんあつめにでかけたんだね! 赤ちゃんたちが大きくならないのはまりさがゆっくりしたごはんをとってこれないからだよ! はんせいしてたくさんとってくるきになったんだね!」 「ゆっくちできにゃいおねーちゃんもいないよ!」 「ほんちょだ、うんうんかたづけるしかのうのないまりしゃがいないね!」 「これでれいみゅたちがたべるぶんがふえるよ!」 「おうちもひろくなるし、せいせいするね!」 この日から、もうこの家にごはんを持ってきてくれる者はいなくなった。 それに気づくのはいつだろうか? 冬前にもう一度観察に来てみよう。 次は、実ゆっくりで成長が止まっている れいむとありすのつがいの巣を見てみよう。 「おちびちゃんたち、なんで産まれてくれないのぉ!」 「やめてねありす!赤ちゃんたちはいまお昼ね中なんだよ!」 れいむの頭上の実ゆっくりは目を閉じたままだが、「ゆぅ♪」とか「みゅ~♪」とか返事をするので 間違いなく生きていることはわかる。 しかし、まるで造花実ゆっくりが頭に挿されているだけの様に待っても待っても産まれてきてくれないのだ。 だから、ありすは毎日たくさんの食べ物をとってきてはれいむに与えた。 れいむは以前よりもでっぷりと太っているだけで結局1匹も赤ゆっくりは落ちてこない。 ありすは限界だった。 れいむの植物型出産が終わったら、次は胎生妊娠をしようねと約束していたにもかかわらず いつまでもそれが出来ない。 ありすは赤ゆっくりとゆっくりしたい以外に性欲をも我慢し続けていたのだ。 「もう、ありすは限界だわ!れいみゅぅう!ありすとすっきりしてねぇええ!すっきり!すっきりぃ!すっきりぃい!」 「やめてね!赤ちゃん達が見てるよ!それにすっきりとか言葉をつかうと・・・」 「ゆぅ~ちゅっきり♪」「みゅ~・・・すっきゅり♪」 「ほらぁ!赤ちゃん達がへんなことばをおぼえちゃうでしょぉおお!」 でっぷりと太った体でありすを突き飛ばす。 毎日、たくさんのごはんを食べ続けていたれいむは、いまやありすの倍は大きかった。 「いたっ!やめてっ!ごめんなさい・・・ひぃ!」 「ありすのとってくるごはんが少ないから赤ちゃん達も産まれないんだよ! わかったらゆっくりしないで、もっとごはんを持ってきてね!」 「こんなの、ぜんぜんとかいはじゃないわぁああ!」 巣穴から逃げるように泣きながら飛び出していくありす。 それでも、ありすはれいむも実ゆっくりも見捨てる気はなかった。 れいむの頭上にいる実ゆっくりは、ありすにとっても可愛くて、特にカチューシャをつけている2匹の実ゆっくりは 自分にそっくりで都会派だったからだ。 れいむに横になってもらい、実ゆっくりとほほをすり合わせて「すーりすーり♪」した時は 「みゃみゃ・・・♪」「ちょかいは♪」と返事をしてくれてそれが一層の励みになった。 こうやってれいむと喧嘩をした時は、きまってありすは普段よりもたくさんのごはんをとってきた。 さつまいもに、にんじん、キャベツに大根 れいむと仲直りするために、危険を冒してもゆっくりしたごはんをとってくるのだ。 そんな都会派なありすの背中を見送って 次の巣に向かうことにした。 「ぎゅびぃびゃぁああああぁぁあ・・・うひぃぃいいいいい!」 洞窟から聞こえてくるのは、耳をつんざくようなまりさの悲鳴。 ここには善良な50センチサイズの胎生妊娠をしたまりさがれいむと住んでいる。 「まりざぁあああ!ゆっっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 しきりに、れいむがまりさを気遣って声をかけているが まりさのために何も出来ることがなくまりさの周囲をぐるぐると跳ねて泣きじゃくっていた。 以前来たときにあった敷き詰められた葉はそこらじゅうに散らばり、山の様にあった果実は暴れるまりさに踏み潰され それが腐り異臭を放っていた。 「おい、これはいったいどうしたんだ!」 「ゆっ、にんげんさん助けてね!まりさが赤ちゃんがなかなか産まれないから 心配して、お腹に力をいれて無理に産もうとしたんだよ! そうしたら、急にまりさが苦しんでそれからずっとこうなのぉおお!」 「ゆびぃぃいいいいぃい!ぐるじいぃぃいいい!もうまりざをごろじでぇええええ!」 まりさの全身に脂汗が滲み、苦痛からすこしでも逃れようと身をよじってごろごろと転がる。 れいむによると、もう数日もこの状態なんだそうだ。 ゆっくりは餡子が体から漏れない限りなかなか死なない、その生命力が災いしてまりさを苦しめ続けていた。 「まりざぁあああ!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 もう、まりさは「ゆっくりしていってね!」に反応しないくらい精神が擦り切れていた。 こいつらは善良なゆっくりだ。出来れば助けてやりたい。 なにかないかとポケットを探ってみるとなぜかトングが出てきた。 トングとは、ピンセットを大きくしたような道具で 焼肉をひっくり返したりバーベキュー等で使う料理器具だ。 それがなぜ、この状況で俺のポケットから出てきたのかはわからない。 きっと、なにか見えざる力がこの善良なゆっくりとトングとを引き合わせたのだと考えるしかなかった。 さっそく、トングをまりさの産道に突き刺す。 「ゆびゅぅぅういいいぃいいいいいいいいいぃいいい!」 それから、トングを内部で広げる。 「ぎゅぴゅうぅぅううううぃいいぃいい!」 あまりの激痛にまりさは泡を吹いて白目を剥いていたが、これもまりさを助けるためだ。ゆっくり我慢してね♪ トングの間に何かまるっこいものがひっかかる。これをキャッチ。 「まりざぁぁあああ!がんばっでぇええええ!」 れいむの声援と唾が後ろから飛んできてうざい。 フンッ!と一気にトングを産道から引っこ抜くと そこには、1匹の子れいむがひっかかっていた。 「ゆぎぃぃいい・・・いぢゃいよぉぉおおお!」 続けて、もう一度まりさの産道にトングを突き刺すと今度は子まりさ、子れいむが出て 最初の子れいむと合わせて合計3匹の子ゆっくり。 まりさの苦痛はとれた様で、悲鳴はぜぃぜぃという息遣いに変わり命に別状はなさそうだ。 「ゆぎぃぃいいいぃいい!あかちゃんがぁああああ!」 代わりに悲鳴をあげたのはれいむだ。 3匹の子ゆっくりは未熟児で 最初の子れいむは目がなく、2匹目の子まりさは口がなく、3匹目の子れいむはその両方がない。 成長抑制により、胎児の状態で成長が止まってしまったのだろう。 「いぢゃいよぉ!みえないよぉ!おがぁしゃんどこいるのぉお!」 「ばでぃさのあがじゃんぐぁぁああ!」 「なんでおべべがないのぉ!おぐちがないのぉ!りょうぼおないのぉ!」 口がない子まりさは、その目で両親にしきりに「なんで、まりさはおくちがないの?」と 目も口もない子れいむは、口がないはずなのに体の内部から「うぼぉおおぉおお」と奇怪な音をさせていた。 長い苦痛から産まれた赤ちゃんがこの仕打ちで親れいむも親まりさも心が折れかけていた。 これでは、この一家は冬越え前に生きる気力を失って死んでしまうかもしれない。 それじゃ面白くないよね。 「れいむ!まりさ!しっかりしろ!お前らは親だろ! 子供達はもっと苦しいんだ!悲しいんだ! なのに、お前らときたらなんだ?あまったれるな! お前らがしっかりして、この子達をゆっくりさせてやらないと誰がこの子達をしあわせにしてやれるんだ!」 思いついたセリフをまんま言ってみた。 どういうわけか親ゆっくりどもの目に生気が戻る。 「ゆっ、そうだよ、この子達はまりさの子供だよ!目や口がなくたって、この子達はまりさとれいむの愛から 生まれた、ゆっくりした可愛い子供だよ!」 「ごめんねおちびちゃんたち!れいむよりもつらいよね!?かなしいよね!? れいむ一生懸命この子達を幸せにするよ!」 俺は腕を組んで、うんうんと頷いた。 頑張って子ゆっくりを育てろよ!間違っても殺すとか捨てるとかして 代わりに健康な赤ちゃんを産もうとか思いつくなよ! さて、冬越え前にまたこいつらの様子を見に来ようかな。 俺は善良なゆっくりの巣を後にすることにした。 冬は、早朝 雪の降りたるは言うべきにもあらず、霜のいと白きもまたさらでも、 いと寒きに・・・ 肌に突き刺さるような寒さを我慢して、さっそくゆっくりの巣を訪れた。 「みゃみゃ~・・・おにゃかすいちゃよぉ~・・・」 「ゆっくちしちゃごはんたべんちゃいよぉ・・・」 「ゆぅ・・・おとーしゃんかえっちゃきちぇ・・・」 「うるさいよ!おなかすいてるのはおかーさんだっていっしょだよ! それもこれも、まりさがわるいんだよ!」 まりさが帰ってこなくなってから、親れいむ1匹で餌を集め生きながらえていた。 餌を集めると言っても、普段狩などしたことがないため巣の周辺に生えていた草を引っこ抜いては持ち帰るという適当な採取で 甘い草とそうでない草の区別がついていない上、すっかり採り尽くして遠くまで行かなければ草一本生えていない状況まで追い込まれていた。 これは、もう数日もすれば共食いなり餓死なりして全滅だろうな。 ほっといても破滅する巣に興味をなくし次の巣へと向かおうとしたその時、1匹のゆっくりがこの巣へやってきた。 見つからないように気配を消して様子を伺う。 帽子の先が欠けているあのまりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってね!まりさ、みんなのためにたくさんごはんあつめたよ!」 帽子の中には、秋の終わりに集めた木の実やキノコ、食べられる草がぎゅうぎゅうに詰まっていた。 親まりさと一緒に冬を越えるための大切な食料であったが、まりさは自分の分を家族に分け与えるという選択をしたのだった。 得意満面の子まりさ しかし、家族の反応は冷ややかだ。 シーンっと静まり返っていた一家は噴出すように喚きだす。 「こにょばきゃまりさ!じぶんだけごはんをひとりじめしてたんだよ!」 「ゆっくちよこちぇー!くちょまりちゃー!」 「こいつのせいでおうちのまわりのごはんがなくなっちゃんだ!そんにゃにとっちゃから!」 「ゆぅ・・・ちがうよ、これはまりさがいっしょうけんめいあつめ・・・ゆべっ!」 まりさの背中の皮が千切れ餡子が漏れ出す。 親れいむがまりさを噛み付いたのだった。 「・・・なんで、おかーしゃん・・・」 「ゆっ、これでゆっくりふゆをこせるよ!おちびちゃんたちもたくさんたべておおきくなってね!」 「むっちゃむっちゃ!ちあわちぇー♪」 「このきのこゆっくちしてておいちーよ!」 「こっちのきのみ、かちゃ~い!みゃみゃやわらきゃくちてね!ゆんゆ~ん♪」 「ゆ・・・ゆ”ゆ”・・・ゆ”・・・」 まりさはまだ息があるようだったが時間の問題だろう。 そのうち物言わぬ餡子になり、こいつらの冬越えのたしになるのか・・・。 憎たらしい親れいむや赤ゆどもを叩き潰したい衝動にかられたが、それは今回の観察の趣旨に反するのでこらえることにした。 赤ゆが一生赤ゆから成長しない以上は、いずれゆっくり出来ない事態に陥る事を祈り次の巣へと移動する。 れいむとありすのつがいはどうなっただろうか 巣穴を覗くと、そこには頭上に実ゆっくりを生やしている親れいむしかいなかった。 そして4個ついていた実ゆっくりは3個に減っている。 ちょっと状況がわからなかったので、姿を見せて親れいむから事情を聞いてみる。 「ゆっ、このまえのあまあまさんをくれたおにいさん、ゆっくりしていってね!」 「ちゅっきりちていっちぇね!」 「ちゅっくち!」 「ゆぅ~ちゅっくちー!」 頭上の実ゆっくりは目を閉じたままだが、親れいむの”ゆっくりしていってね”に反応していた。 ありすがあんまり「すっきり」と言うものだから実ゆっくりに伝染し「ちゅっきりしていってね!」と覚えてしまったそうだ。 「つがいのありすはどうしたんだい?」 ありすの事を聞かれたれいむは目を伏せて暗い表情を浮かべている。 その目線の先には、ありすのカチューシャがあった。 冬越えのためにありすは一生懸命食料を集めたが、いっこうに落ちてこない実ゆっくりに業を煮やし 気に入っていた実ありすをもぐ事にした。 自分で生まれることが出来ないのなら手伝ってあげればいいと考えたからだ。 もがれた実ありすは柔らかい葉っぱに落ちて、目を開いて赤ゆっくりとなんらかわらない様に見えたが 横向きのままで自分では立つことも出来なかった。 口があっても挨拶はしないし、どんな餌を口に運んでも噛むことも飲み込むことも出来ない。 それでも、ありすが顔を近づけて「すーりすーり」とほおずりをすると、実ありすは「ゆっ♪ゆっ♪」と喜んで 確かに実ありすが生きていることがわかった。 それから、半日もしないで実ありすは萎れてきて、ありすは餌をよく噛んであげて口移ししたりお水を飲ませようとしたが 結局、最後には「ゆ”ゆ”」と苦しそうな声をあげながら痙攣し干からびてしまった。 悲しみに沈むありすは我を忘れて、れいむの頭上にいる他の実ゆっくりももごうとしたため、止めるれいむと揉みあいになり 気がつけばありすは潰れていたという。 ふと親れいむを見ると、実ゆっくりのために過剰に食料を食べていたため太ましく大きい。 連日の餌採りに疲弊して痩せたありすにはひとたまりもなかった事が伺えた。 「おにーさん、またあまあまをちょうだいね!」 このまま、このれいむを放置してもいいが実ゆっくりごと餓死するだけなのは目に見えている。 それでは、もう観察する面白さがない。 先日、捕まえたコンポスト用の赤ゆも替え時なのでコイツを新たなコンポストにしよう。 実ゆっくりのために、たくさん生ゴミも腐ったゴミも食べてくれるに違いない。 「ゆっ、おにいさんはなしてね!れいむがいくらかわいくてもゆうかいしないでね!」 右手でジャンケンのチョキの形をつくり、そのチョキが綺麗にれいむの両目に突き刺さる。 「ゆぎゅ!」 これで少し大人しくなった。 善良なゆっくりの巣は意外にも幸せそうだった。 3匹いた子ゆっくりのうち、口のないまりさと目も口もないれいむは餌を食べることが出来ずにすでに死んでいたが その分、目の見えないれいむ1匹を可愛がっていた。 「きょうは、寒いからおかーさんたちとくっついてすーりすーりしながら寝ようね!」 「まりさはおちびちゃんのために、葉っぱさんの服をつくってあげたよ!」 「おかーしゃん、すーりすーり♪はっぴゃのふくあっちゃか~い♪」 大き目の葉を、まるで桜餅の様に縦に着ている子れいむ。 成長抑制剤のおかげで体の大きさは一生そのままだが、目が見えずとも親の愛を一身に受けて育っていた。 子れいむにしても生まれたときから目が見えないわけで自分が不幸である事を自覚していない。 だから、自分が幸せなのだと思っていられる。 障害を抱えた子供を殺すに殺せずに苦しみ続けているという状況を想像していただけに 逆に幸せなゆっくり一家を見せ付けられるとどうにも気持ち悪い。 いっそのこと一度、子れいむに光を与えてみるか。 時に希望は絶望への最高のスパイスになりうるのだ。 「ゆっ、この間のおにーさん!」 「おにーさんのおかげで、ひとりだけおちびちゃんを助けられたよ!」 「ゆっくちしていってね!」 こいつらの中では、苦しむまりさを手術して助けてくれた人間という事になっていた。 「その子ゆっくりが心配でね、今日はその目を治しにきたのさ!」 コンポストで育てた赤ゆは今では子ゆっくりサイズになっており、1匹締め上げ目玉をくり貫いて持ってきた。 それを目が見えない子れいむに填め込んでやりオレンジジュースをかける。 眼球の大きさは個体差が少なく、同じれいむ種のものを使えば一応は見えるようになる。 それから小麦粉を溶いてまぶたをつくってあげた。 「ゆっ・・・」 おそるおそる、目を開く子れいむ。 生まれて初めて感じる光 洞窟の中は薄暗いが、それでも子れいむには色とりどりの美しい世界 そして初めて見る親れいむと親まりさ なにもかもが輝いてそのキラキラしたおめめに飛び込んできた。 「ゆっくちしていってね!ゆっくちしていってね!」 「おちびちゃん、おめめが!おめめがあるよ!」 「とってもかわいいおめめだよ!すごくゆっくりしてるよぉ!」 大きな体でまるで赤ゆっくりの様に洞窟内を飛び跳ねる親れいむと親まりさ 初めての妊娠している事がわかった時にも、こんなに喜んだことはなかった。 その姿を見た子れいむも、一緒になって飛び跳ねたりほほをすり合わせたりして、今確かにゆっくり出来ている事を実感する。 だが、これは一時的なものなのだ。 目が見えるとはいえ、自分の体と完全に同化したわけではなく、この移植された目は死んだままだ。 だから数日もすれば朽ちて腐敗し、また暗闇の世界へと帰ることになる。 あー、ごほんごほんっと咳払い それから親ゆっくりに説明をした。 「ゆぅ・・・おちびちゃん、また目が見えなくなっちゃうの?」 「そんなのだめだよ!ずっとゆっくりさせてあげたいよ!」 「れいむ、おかーしゃんたちがみえなくなるのいやだよ・・・ゆえぇ~ん」 そこで提案する。 「また、新しい目を移植すればいいんだよ」 他の子ゆっくりの目をくり貫いて、この子に与える。 癒着させるためにはオレンジジュースでなくても水で溶いた餡子でもいい。 「ゆぅ・・・」 「ゆゆ・・・」 「ゆわあぁ~ん・・・おかーしゃんたちみえなくなるのやだよぉお!」 何しろ善良なゆっくりのつがいだ 他人を不幸にして自分が幸せになろうなんて思ったこともないに違いない。 すぐには答えを出せないだろう。 一通りゆっくりの巣を見て回ったし家路につくことにした。 もっとも、自分の幸せではなく子の幸せなら 最後に出す答えは始めから決まっているんだけどね。 だけど、それを選択したら一生続けることになるよ、ゆっくりできない餡子まみれの生活を・・・ なにしろ、その子は一生大人になることがないのだから。 台所の三角コーナーには、冬前に拾った赤ゆが数匹詰まっている。 蓋が閉まるタイプなので、カシカシっと内側から壁を叩く音はしても声までは伝わらない。 しかし、何が言いたいのかはだいたいわかっている。 蓋を開けた。 「れいみゅ、にゃんでもたべまちゅからごはんをくだしゃい、にがきゅてもからきゅてもいいでしゅ」 「なにかまりしゃわるいことしましちゃか?あやまりましゅ・・・あやまりゅのでごはんをくだしゃい・・・」 「ありしゅはくさったにょでもよろこんでたべましゅ・・・おいししょうにたべまちゅから・・・」 3匹ともカビの生えた使いかけの古い石鹸をこね合わせたように緑色やオレンジ色、紫色のグラデーションが外皮に 紋様を浮かべていた。 初日こそ「あまあまよこちぇじじー!」だの「こんにゃのたべるくりゃいならしんだほうがまちよ!」なんて反抗的だったが 結局は餓死の地獄の苦しみには耐えられず、なんであろうと口にした。 目に見えて変色してくると、もはや末期だ。 ゆっくりコンポストは生ゴミを餡子に変化させるから価値がある。 しかし、ここまでくると生ゴミを食べても生ゴミを排泄してしまうのだ。 「釈放だよ・・・」 彼らに向かってニッコリっと満面の笑顔を見せてそう告げた。 不要になっても潰したりはしない。 よく働くように希望を持たせるため刑期を終えたら自由にしてやると約束をし、キチンとそれを守る。 素手で掴むと異臭のする汁が肌に触れてしまうため三角コーナーごと庭に持っていくとひっくり返して外に捨てた。 「おうちかえりゅよ・・・れいみゅ・・・みゃみゃにあいちゃいよ・・・れーみゅしゅーりしゅーりしちゃいよ・・・」 「まりしゃのおかーしゃん・・・ゆっくちちていっちぇね・・・まりしゃこれからおうちかえりゅよ」 「ありしゅ・・・もっとゆっくち・・・しちゃか・・・ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 ずりずりとナメクジの様に這って進む赤ゆども。 腐敗物だろうとカビだろうと何でも好き嫌いなく食べれる彼らは道の草だろうと犬の糞だろうと食べて餓死を免れ 本当に親元まで帰れるかもしれないな。 親がこいつらを見てどういう態度をとるかは知らない。 思い出は、きっと思い出にしておいたほうが美しいんだろう。 「ここはどこなのぉ!せまくてゆっくりできないよ!」 円筒タイプのゴミ箱の底に設置した生まれない実ゆっくりを生やしているれいむが目を覚ました。 とりあえず一週間前に食べ残した弁当箱の中身を捨てよう。 食べなくてもかまわない。 それが二週間前の食べ残しになってから餡子になるだけのことさ。 「くしゃいぃー!こんなのたべれるわけないでしょ!ばかなのしぬの?あまあまもってきてよね!」 蓋を閉めると、内側をガシガシと叩く音だけが響いていた。 おまけ 子まりさ1匹が帽子一杯に貯めた食料などたかがしれていた。 それに加えて狩をまりさにまかせっきりだったれいむは冬越えのための食料を節約しないといけないという事もわかっていなかったので 親れいむ、赤まりさ、赤れいむ3匹でお腹一杯に食べれば3日で尽きてしまった。 それから、死んだ子まりさの餡子をむさぼり それも尽きると今度は親れいむが赤まりさに噛り付き、赤まりさを食料にした。 「それもこれもまりさがわるいんだから、まりさがせきにんとってね!」 「まりしゃがたべられればいいんだよ!」 「ばーきゃ!ばーきゃ!」 「ひとりだけちがうこなんてゆっくちできにゃいよ!」 「いちゃい!やめちぇね!まりしゃはおかーしゃんのあかちゃ・・・ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 どれくらい時間が流れただろうか その赤まりさを食べつくした頃、突如入り口を塞いでいた枝や葉が取り除かれて 冷たい風が吹き込んできた。 親れいむはお帽子のシルエットに、まりさが帰ってきたんだ! 反省して、やっとみんなのごはんを採ってきて帰ってきたんだと思った。 その影が近づいてくると、成体よりもはるかに大きいまりさであることがわかり別人であることに気づく。 つづいて、同サイズのれいむが入ってきた。 「ごめんね、まりさのおちびちゃんのためにおめめをちょうだいね!」 「ていこうしなければいのちまではとらないよ!ほしいのはおめめだけだよ!」 その年、冬篭りが終わると 目を失ったれいむ種ばかりが巣穴から這い出てきたので人間たちはその森が呪われていると恐れ 結果的に、以後数年に渡りゆっくりたちを脅かす者がいなくなり やがて、ゆっくりプレイスと呼ばれるようになったそうな。 「れいぶ・・・なんでもたべますから・・・ごはんをください くさっていても、にがくてもおいしそうにたべます・・・どうかどうかあかちゃんのためにもごはんをください・・・」 「ゆぅ・・・」「みゅ~・・・」「ちゅっきり・・・」 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 ゆっくりいじめ系1993 加工場産の赤ゆっくりを育てる 前編 ゆっくりいじめ系1994 加工場産の赤ゆっくりを育てる 中編 ゆっくりいじめ系2110 加工場産の赤ゆっくりを育てる 後編1 ゆっくりいじめ系2111 ゆっくり二世帯住宅 ゆっくりいじめ系2143 いっしょうのおねがい 作者:まりさ大好きあき
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ペット用ゆっくり向けに”成長抑制剤”という薬品がある。 飼いゆっくりは栄養状態が良いため、野生種と比べて体が大きい。 それでは可愛くないと感じる飼い主が多く、好みのサイズまで成長したら この成長抑制剤を投与することでそれ以上は大きくならないのだ。 成体サイズになる前に投与すれば去勢をする必要もなくなり ゆっくりを傷つけたくない愛護派を中心に喜ばれた。 最近では飴玉状に加工して砂糖と果実のフレーバーをふんだんに使い ゆっくりに気づかれることなく食べさせるだけで成長を止める事ができるという商品も発売し 誰でも購入することが出来るようになっていた。 今回は、その成長抑制飴をペット目的以外での使用を試みることにする。 「ゆっくりしていってね!」 森の中、いかにもゆっくりが住んでそうな洞穴を見つけると、さっそく声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「ゆっくちしていっちぇね!」」」」」 洞穴は枝や葉っぱで入り口を偽装してあったが、本能的に「ゆっくりしていってね!」に反応してしまうため まったくの無駄。 さっそく、入り口を塞いでいる枝を取り除くと中には成体れいむ1匹と 赤れいむが3匹、赤まりさが2匹いた。 つがいの成体まりさは餌でも探しに出ているのだろう。 「ゆっ、ここはれいむたちのおうちだよ!かってにはいってこないでね!」 れいむは、入り口に立ち塞がりプクーっと顔を膨らませてこちらを威嚇している。 その脇からピョコっと赤れいむと赤まりさがこちらを覗いていた。 「おにいさんはゆっくりできる人だよ、その証拠にあま~い飴玉を君たちにあげるよ!」 包み紙をとってあげて、コロコロとしたビー玉の様な成長抑制飴を差し出す。 「ゆゆっ!あめさんゆっくちたべちゃいよ!」 「まりしゃにもちょーだいね!」 「おにいさんはとってもゆっくちしてるよ!」 「あまあま~♪」 「おにーさん、ゆっくりしてるね!おちびちゃんたちがかわいいからおかしをくれるんだね! とくべつに、かわいいかわいいれいむのあかちゃんをみていってもいいよ!ゆっへん!」 赤ゆ1匹につき1個食べさせる。 飴だから「ぺーろぺーろ」と舐めるのかと思いきや、飲み込むようにがっついて野生種の下品さを思い知らされた。 「「「「「ちあわちぇ~♪」」」」」 これで、この可愛い赤ちゃんとやらは永遠に可愛い赤ちゃんのままです(笑) 親ゆっくりは一生餌をとってくる仕事を頑張ってね! ん?よく見ると、1匹の赤まりさだけ奥のほうへ引っ込んだまま飴を舐めに来ない。 お~い、赤まりさ!飴をやるからこっちこいよ!と呼んでみた。 「ゆっ、そのおちびちゃんはいいんだよ!かわいくないあかちゃんなんだから!」 飴をその赤まりさの方へ転がしてやると、自分に飴を与えようとしているのだと気づいて 明るいところまで出てきた。 「まりしゃにもあめしゃんくれりゅの?」 その赤まりさは帽子の先が欠けていて、まるで折れたトンガリコーンの様になっていた。 ゆっくりにとって飾りは命よりも大切なものだ。 きっと、これが原因で親からも姉妹からも苛められているのだろう。 「おまえはいいんだよ!あめなんてもったいないでしょ! おまえがせけんさまにみられるとめいわくだから、そこからでてこないでね!」 親れいむが赤まりさを突き飛ばす。 「ゆぅ・・・」 「ゆっくちできにゃいおねーしゃんにあまあまはもっちゃいないよ!」 「これはれーみゅがもらうね!」 そして、赤まりさの分の成長抑制飴は姉妹に横取りされてしまった。 これじゃ、あの赤まりさだけ普通に成長してしまうなぁ 無理やり食べさせるのも面倒だし、まあいいかと巣を後にする。 来月あたり様子を見に来よう。 しばらく、ゆっくり探索に森を徘徊していると、ひどい雑音のれいむの子育て歌が聞こえてきた。 「ゆっゆっゆっ~♪れいむのあかちゃんゆっくりしたいいこにそだってねー♪」 「ゆっくりしていってね!」 れいむの頭には1本の茎が生えており、その茎には4個の実がついていた。 れいむ種2匹、ありす種2匹と飾りまでハッキリ見分けられるほど成長しているので もうそろそろ生まれてくるころだろう。 「ゆぅ」「ゆゆぅ」「くぴー」「みゅー」 などと寝息を立てている。 「ゆっ?おにいさんはにんげんさん?」 「やあ、お兄さんはゆっくりできる人間だよ。 今日は子育てを頑張ってるれいむのごほうびにあま~い飴をあげにきたのさ。」 実ゆっくりは茎から親の栄養を吸って成長するため口から餌を食べることはできない。 それなら親ゆっくりに成長抑制飴を飲ませれば、この実ゆっくりはどうなるのだろうか? 前例がないだけに分量がわからず多めに10個ほど与えた。 「あまあま~♪こんなにおいしいんだから、きっとれいむのあかちゃんたちもすごくゆっくりできるよ!」 これで、成長抑制の成分が実ゆっくりに伝わるのかと実ゆっくりを観察してみると 「あみゃあみゃ~♪」「ゆっくち・・・ゆぅゆぅ♪」「ゆぅ~ん♪」「ゆっくち~♪」 目は開かないが笑顔で喜んでいるように見える。 これで永遠に実ゆっくりのままなのかね? 一生、実のままゆっくりしていってね! つがいのありすが帰ってくる前に退散した。 また、しばらくゆっくり探索をしていると、今度は大きめの洞窟を発見した。 ゆっくりどもが生息しているところを見ると猛獣などの野生動物がこの森に住んでいることはない。 代わりに、こういう雨風しのげそうな場所にはたいがいゆっくりがいるのだ。 洞窟内部は人間でも余裕があるくらい広々としている。 その中心に50センチサイズはある、大きなゆっくりまりさとれいむがいた。 「ゆっ、おにいさんどうしたの?ここはまりさたちのおうちだよ」 「れいむたちはもうすぐあかちゃんうまれるんだからじゃましちゃだめだよっ!」 まりさの下あご部分が大きく膨らんでいるので胎生妊娠していることがすぐにわかった。 このつがいは、れいむが父役として餌を集め、まりさが妊娠し子供を産むという珍しい組み合わせだ。 まりさの下には葉っぱが幾重にも敷き詰められていて座布団のようにして座して 巣の奥にはリンゴや柿、桃に葡萄といった果実が山のように蓄えられていた。 こいつらが集めたんだろうか? 「ふ~ん、あかちゃんうまれるんだ ところで一つ聞くけど、れいむたちは人間の畑からお野菜を取ったりするゆっくりかい?」 「ゆゆっ、れいむたちはそんなことはしないよ!それはわるいことだよ! ごはんは、じぶんたちであつめるよ!」 野良には珍しく、善良なゆっくりのようだ。 これは、ごほうびをあげないといけないな。 「そうかそうか、それでは飴さんをあげよう! まりさは妊娠してるみたいだし、特にたくさん食べさせてあげなさい。 きっとお腹の中の子ゆっくりも喜ぶさ!」 赤ゆっくりの成長を止めれば、そのまま一生赤ゆっくり 実ゆっくりの成長を止めれば、茎から一生落ちてこない それじゃあ胎生妊娠で産まれる子ゆっくりは、いったいどうなるんだろう? そんな素朴な疑問の答えを求めるべく成長抑制飴を与えた。 「まりさよかったね!ゆっくりできるにんげんさんがあめさんをたくさんくれたよ!」 「あまくておいしいね!でもぜんぶたべたらもったいないから、あかちゃんのぶんもとっておこうね!」 なるほど、産まれてきた赤ちゃんのために飴をとっておこうというのか 自分の事よりも子供を大切にする・・・お兄さん感動した! これだけ良ゆっくりだと、ますます行く末が楽しみですな。 「子供の分もちゃんと用意してあるんだよ。 袋の中の飴さんを全部あげるから、それは君たちで食べなさい!」 袋をひっくり返してバサバサっとありったけの飴を吐き出す。 中途半端に与えると、今度は冬越え用にとっておくとか言い出しかねないので本当に全部くれてやった。 「おにーさんありがとう!このおんはいっしょうわすれないよ!」 「まりさのあかちゃんがうまれたら、おにいさんもみにきてね!きっととってもかわいいこがうまれるよ!」 洞窟を出るまで、れいむが見送ってくれた。 お礼にと、葡萄を1房差し出したが「いいよいいよ」と断る。 尚もれいむが勧めるので、何度も断るのは失礼かなと思って結局受け取った。 帰り道、葡萄を1粒1粒食べて皮を捨てていくと 後からどこかの赤ゆっくりがピョンピョンッとついてきていた。 「あみゃあみゃさんがおちてくるよ!」 無視して、そのまま食べ歩いていると いつの間にか後をつけてくる赤ゆっくりが増えている。 「れいみゅにもあみゃあみゃさんちょーだいね!」 「まりしゃもまりしゃも!」 葡萄を全部食べ終えると捨てる皮もなくなって後をつけてきていた赤ゆどもが騒がしい。 「れいみゅのぶんのあまあまさんがないよ!ぷんぷん!」 「まりしゃもまだもらってないよ!」 「あまあまをくれにゃいにんげんさんはとかいはじゃないわ!」 そんなに食べたければ家に持ち帰ってコンポストにでも使うか。 たらふく”なにかの皮”を毎日食わせてやろう。 ヒョイっと摘み上げて次々とポケットの中にしまう。 「ゆぅ~おそらをとんでるみちゃい♪」 「ゆっ、まっきゅらでなにもみえないよ!」 「ここはどこにゃの!こんにゃのとかいはじゃないわ!みゃみゃー!」 後編へ
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ペット用ゆっくり向けに”成長抑制剤”という薬品がある。 飼いゆっくりは栄養状態が良いため、野生種と比べて体が大きい。 それでは可愛くないと感じる飼い主が多く、好みのサイズまで成長したら この成長抑制剤を投与することでそれ以上は大きくならないのだ。 成体サイズになる前に投与すれば去勢をする必要もなくなり ゆっくりを傷つけたくない愛護派を中心に喜ばれた。 最近では飴玉状に加工して砂糖と果実のフレーバーをふんだんに使い ゆっくりに気づかれることなく食べさせるだけで成長を止める事ができるという商品も発売し 誰でも購入することが出来るようになっていた。 今回は、その成長抑制飴をペット目的以外での使用を試みることにする。 「ゆっくりしていってね!」 森の中、いかにもゆっくりが住んでそうな洞穴を見つけると、さっそく声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「ゆっくちしていっちぇね!」」」」」 洞穴は枝や葉っぱで入り口を偽装してあったが、本能的に「ゆっくりしていってね!」に反応してしまうため まったくの無駄。 さっそく、入り口を塞いでいる枝を取り除くと中には成体れいむ1匹と 赤れいむが3匹、赤まりさが2匹いた。 つがいの成体まりさは餌でも探しに出ているのだろう。 「ゆっ、ここはれいむたちのおうちだよ!かってにはいってこないでね!」 れいむは、入り口に立ち塞がりプクーっと顔を膨らませてこちらを威嚇している。 その脇からピョコっと赤れいむと赤まりさがこちらを覗いていた。 「おにいさんはゆっくりできる人だよ、その証拠にあま~い飴玉を君たちにあげるよ!」 包み紙をとってあげて、コロコロとしたビー玉の様な成長抑制飴を差し出す。 「ゆゆっ!あめさんゆっくちたべちゃいよ!」 「まりしゃにもちょーだいね!」 「おにいさんはとってもゆっくちしてるよ!」 「あまあま~♪」 「おにーさん、ゆっくりしてるね!おちびちゃんたちがかわいいからおかしをくれるんだね! とくべつに、かわいいかわいいれいむのあかちゃんをみていってもいいよ!ゆっへん!」 赤ゆ1匹につき1個食べさせる。 飴だから「ぺーろぺーろ」と舐めるのかと思いきや、飲み込むようにがっついて野生種の下品さを思い知らされた。 「「「「「ちあわちぇ~♪」」」」」 これで、この可愛い赤ちゃんとやらは永遠に可愛い赤ちゃんのままです(笑) 親ゆっくりは一生餌をとってくる仕事を頑張ってね! ん?よく見ると、1匹の赤まりさだけ奥のほうへ引っ込んだまま飴を舐めに来ない。 お~い、赤まりさ!飴をやるからこっちこいよ!と呼んでみた。 「ゆっ、そのおちびちゃんはいいんだよ!かわいくないあかちゃんなんだから!」 飴をその赤まりさの方へ転がしてやると、自分に飴を与えようとしているのだと気づいて 明るいところまで出てきた。 「まりしゃにもあめしゃんくれりゅの?」 その赤まりさは帽子の先が欠けていて、まるで折れたトンガリコーンの様になっていた。 ゆっくりにとって飾りは命よりも大切なものだ。 きっと、これが原因で親からも姉妹からも苛められているのだろう。 「おまえはいいんだよ!あめなんてもったいないでしょ! おまえがせけんさまにみられるとめいわくだから、そこからでてこないでね!」 親れいむが赤まりさを突き飛ばす。 「ゆぅ・・・」 「ゆっくちできにゃいおねーしゃんにあまあまはもっちゃいないよ!」 「これはれーみゅがもらうね!」 そして、赤まりさの分の成長抑制飴は姉妹に横取りされてしまった。 これじゃ、あの赤まりさだけ普通に成長してしまうなぁ 無理やり食べさせるのも面倒だし、まあいいかと巣を後にする。 来月あたり様子を見に来よう。 しばらく、ゆっくり探索に森を徘徊していると、ひどい雑音のれいむの子育て歌が聞こえてきた。 「ゆっゆっゆっ~♪れいむのあかちゃんゆっくりしたいいこにそだってねー♪」 「ゆっくりしていってね!」 れいむの頭には1本の茎が生えており、その茎には4個の実がついていた。 れいむ種2匹、ありす種2匹と飾りまでハッキリ見分けられるほど成長しているので もうそろそろ生まれてくるころだろう。 「ゆぅ」「ゆゆぅ」「くぴー」「みゅー」 などと寝息を立てている。 「ゆっ?おにいさんはにんげんさん?」 「やあ、お兄さんはゆっくりできる人間だよ。 今日は子育てを頑張ってるれいむのごほうびにあま~い飴をあげにきたのさ。」 実ゆっくりは茎から親の栄養を吸って成長するため口から餌を食べることはできない。 それなら親ゆっくりに成長抑制飴を飲ませれば、この実ゆっくりはどうなるのだろうか? 前例がないだけに分量がわからず多めに10個ほど与えた。 「あまあま~♪こんなにおいしいんだから、きっとれいむのあかちゃんたちもすごくゆっくりできるよ!」 これで、成長抑制の成分が実ゆっくりに伝わるのかと実ゆっくりを観察してみると 「あみゃあみゃ~♪」「ゆっくち・・・ゆぅゆぅ♪」「ゆぅ~ん♪」「ゆっくち~♪」 目は開かないが笑顔で喜んでいるように見える。 これで永遠に実ゆっくりのままなのかね? 一生、実のままゆっくりしていってね! つがいのありすが帰ってくる前に退散した。 また、しばらくゆっくり探索をしていると、今度は大きめの洞窟を発見した。 ゆっくりどもが生息しているところを見ると猛獣などの野生動物がこの森に住んでいることはない。 代わりに、こういう雨風しのげそうな場所にはたいがいゆっくりがいるのだ。 洞窟内部は人間でも余裕があるくらい広々としている。 その中心に50センチサイズはある、大きなゆっくりまりさとれいむがいた。 「ゆっ、おにいさんどうしたの?ここはまりさたちのおうちだよ」 「れいむたちはもうすぐあかちゃんうまれるんだからじゃましちゃだめだよっ!」 まりさの下あご部分が大きく膨らんでいるので胎生妊娠していることがすぐにわかった。 このつがいは、れいむが父役として餌を集め、まりさが妊娠し子供を産むという珍しい組み合わせだ。 まりさの下には葉っぱが幾重にも敷き詰められていて座布団のようにして座して 巣の奥にはリンゴや柿、桃に葡萄といった果実が山のように蓄えられていた。 こいつらが集めたんだろうか? 「ふ~ん、あかちゃんうまれるんだ ところで一つ聞くけど、れいむたちは人間の畑からお野菜を取ったりするゆっくりかい?」 「ゆゆっ、れいむたちはそんなことはしないよ!それはわるいことだよ! ごはんは、じぶんたちであつめるよ!」 野良には珍しく、善良なゆっくりのようだ。 これは、ごほうびをあげないといけないな。 「そうかそうか、それでは飴さんをあげよう! まりさは妊娠してるみたいだし、特にたくさん食べさせてあげなさい。 きっとお腹の中の子ゆっくりも喜ぶさ!」 赤ゆっくりの成長を止めれば、そのまま一生赤ゆっくり 実ゆっくりの成長を止めれば、茎から一生落ちてこない それじゃあ胎生妊娠で産まれる子ゆっくりは、いったいどうなるんだろう? そんな素朴な疑問の答えを求めるべく成長抑制飴を与えた。 「まりさよかったね!ゆっくりできるにんげんさんがあめさんをたくさんくれたよ!」 「あまくておいしいね!でもぜんぶたべたらもったいないから、あかちゃんのぶんもとっておこうね!」 なるほど、産まれてきた赤ちゃんのために飴をとっておこうというのか 自分の事よりも子供を大切にする・・・お兄さん感動した! これだけ良ゆっくりだと、ますます行く末が楽しみですな。 「子供の分もちゃんと用意してあるんだよ。 袋の中の飴さんを全部あげるから、それは君たちで食べなさい!」 袋をひっくり返してバサバサっとありったけの飴を吐き出す。 中途半端に与えると、今度は冬越え用にとっておくとか言い出しかねないので本当に全部くれてやった。 「おにーさんありがとう!このおんはいっしょうわすれないよ!」 「まりさのあかちゃんがうまれたら、おにいさんもみにきてね!きっととってもかわいいこがうまれるよ!」 洞窟を出るまで、れいむが見送ってくれた。 お礼にと、葡萄を1房差し出したが「いいよいいよ」と断る。 尚もれいむが勧めるので、何度も断るのは失礼かなと思って結局受け取った。 帰り道、葡萄を1粒1粒食べて皮を捨てていくと 後からどこかの赤ゆっくりがピョンピョンッとついてきていた。 「あみゃあみゃさんがおちてくるよ!」 無視して、そのまま食べ歩いていると いつの間にか後をつけてくる赤ゆっくりが増えている。 「れいみゅにもあみゃあみゃさんちょーだいね!」 「まりしゃもまりしゃも!」 葡萄を全部食べ終えると捨てる皮もなくなって後をつけてきていた赤ゆどもが騒がしい。 「れいみゅのぶんのあまあまさんがないよ!ぷんぷん!」 「まりしゃもまだもらってないよ!」 「あまあまをくれにゃいにんげんさんはとかいはじゃないわ!」 そんなに食べたければ家に持ち帰ってコンポストにでも使うか。 たらふく”なにかの皮”を毎日食わせてやろう。 ヒョイっと摘み上げて次々とポケットの中にしまう。 「ゆぅ~おそらをとんでるみちゃい♪」 「ゆっ、まっきゅらでなにもみえないよ!」 「ここはどこにゃの!こんにゃのとかいはじゃないわ!みゃみゃー!」 後編へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/2259.html
前編?から ・・・月日は流れ。 さて、そろそろこないだのゆっくりの巣を見て回ってこよう。 まずは5匹の赤ゆを育てていた、れいむとまりさの巣。 季節は繁殖期の春・夏を終えて秋に差し掛かっていた。 本来なら赤ゆは子ゆっくりから成体に近いサイズに成長していてもいい時期で巣立ちをする頃だ。 たくさんの子ゆっくりと同居したまま冬を迎えればそれは一家全滅の危機につながる。 それどころか、今回は赤ゆのまま冬突入という死亡フラグが立っていた。 「そろそろ、おちびちゃんにもかりのしかたをおしえたほうがいいんだぜ!」 「ゆっ、だめだよ!おちびちゃんはまだあかちゃんだよ!」 「みゃみゃー、ごはんまだー?」 「ねぇねぇまりしゃのごはんは?」 「れいみゅたちいつまでおうちにいればいいの?そろそろおちょとであそびたいよ!」 冬越えに備えて大量の食料を貯めないといけないのだが 餌をとってくるのは親まりさばかり、親れいむは赤ちゃんの世話のため巣から出ることができず、ずっと引きこもっていた。 朝から晩まで駆けずり回って採れる餌も親れいむと赤ゆ5匹が食べてしまえば、明日の蓄えすらない。 季節の移り変わりに気づいていない親れいむはともかく、親まりさは焦っていた。 「このままだと冬さんがきて、みんなゆっくりできなくなるよ!れいむもいっしょにごはんあつめてね!」 「なにいってるの!あかちゃんをそだてるのがれいむのしごとだってまりさもいってたでしょ! ごはんをとってくるのはまりさのしごとなんだから、ゆっくりしないでさっさとごはんもってきてね!」 最近はずっとこんな口喧嘩が続いている。 「それなら、まりさがみんなのごはんをあつめてくるよ!」 暗がりから、帽子の先が欠けている子まりさが出てくる。 飾りが欠けていることで親れいむや赤ゆの虐めにあっていたまりさだが、食事量が他の赤ゆよりも少ない割りに 成長抑制飴を食べなかったことで立派な子まりさに成長していた。 「おまえは、そこからでてこないでね!ごきんじょさんに見られたらとおもうとゾッとするよ!」 「ゆぅ~ん・・・」 「ゆっくちできにゃいおねーちゃんは、みんなのうんうんをかたづけるしごちょしててね!」 「こんにゃまりしゃが、かぞくだとおもわれたらみんなゆっくちできにゃいよ!」 「ばぁ~きゃ!ばぁ~きゃ!」 親れいむに合わせて、赤ゆたちも子まりさをキャッキャっと罵倒する。 そんな様子を毎日見てきた親まりさは、ある疑問を感じていた。 親れいむが可愛がっている赤ちゃんたちは、ちっとも大きくならず幼いままだ 逆に、虐められている子まりさはすくすくと大きくなっている いままでは帽子が欠けている子まりさの事を障害のあるゆっくりと思っていたが、実は逆なんじゃないだろうか? その夜、親まりさは決心し 皆が寝静まってから子まりさを巣の外へと連れ出した。 「ゆぅ?おとーしゃんこんなじかんにどうしたの?おそとにでたらまりさおこられちゃうよ」 「ゆっくりきいてねまりさ!おとーさんは働かないれいむにあいそがつきたよ!これからは二人でくらすよ!」 冬はもうそこまで来ている! 子育てと称して働かないれいむや食べてうんうんするだけの赤ゆ達の分まで集めている余裕はもうないのだ。 ぽい~ん、ぽい~んっと元気よく旅立つ2匹。 新しい巣穴は、れいむたちが住んでいる巣穴からさほど遠くない場所に作った。 それでも引きこもっている彼女達がここを見つけることは出来ないだろう。 朝、親まりさがいない事に気づいたれいむ一家。 「ゆっ、きっとお日様がのぼるまえにごはんあつめにでかけたんだね! 赤ちゃんたちが大きくならないのはまりさがゆっくりしたごはんをとってこれないからだよ! はんせいしてたくさんとってくるきになったんだね!」 「ゆっくちできにゃいおねーちゃんもいないよ!」 「ほんちょだ、うんうんかたづけるしかのうのないまりしゃがいないね!」 「これでれいみゅたちがたべるぶんがふえるよ!」 「おうちもひろくなるし、せいせいするね!」 この日から、もうこの家にごはんを持ってきてくれる者はいなくなった。 それに気づくのはいつだろうか? 冬前にもう一度観察に来てみよう。 次は、実ゆっくりで成長が止まっている れいむとありすのつがいの巣を見てみよう。 「おちびちゃんたち、なんで産まれてくれないのぉ!」 「やめてねありす!赤ちゃんたちはいまお昼ね中なんだよ!」 れいむの頭上の実ゆっくりは目を閉じたままだが、「ゆぅ♪」とか「みゅ~♪」とか返事をするので 間違いなく生きていることはわかる。 しかし、まるで造花実ゆっくりが頭に挿されているだけの様に待っても待っても産まれてきてくれないのだ。 だから、ありすは毎日たくさんの食べ物をとってきてはれいむに与えた。 れいむは以前よりもでっぷりと太っているだけで結局1匹も赤ゆっくりは落ちてこない。 ありすは限界だった。 れいむの植物型出産が終わったら、次は胎生妊娠をしようねと約束していたにもかかわらず いつまでもそれが出来ない。 ありすは赤ゆっくりとゆっくりしたい以外に性欲をも我慢し続けていたのだ。 「もう、ありすは限界だわ!れいみゅぅう!ありすとすっきりしてねぇええ!すっきり!すっきりぃ!すっきりぃい!」 「やめてね!赤ちゃん達が見てるよ!それにすっきりとか言葉をつかうと・・・」 「ゆぅ~ちゅっきり♪」「みゅ~・・・すっきゅり♪」 「ほらぁ!赤ちゃん達がへんなことばをおぼえちゃうでしょぉおお!」 でっぷりと太った体でありすを突き飛ばす。 毎日、たくさんのごはんを食べ続けていたれいむは、いまやありすの倍は大きかった。 「いたっ!やめてっ!ごめんなさい・・・ひぃ!」 「ありすのとってくるごはんが少ないから赤ちゃん達も産まれないんだよ! わかったらゆっくりしないで、もっとごはんを持ってきてね!」 「こんなの、ぜんぜんとかいはじゃないわぁああ!」 巣穴から逃げるように泣きながら飛び出していくありす。 それでも、ありすはれいむも実ゆっくりも見捨てる気はなかった。 れいむの頭上にいる実ゆっくりは、ありすにとっても可愛くて、特にカチューシャをつけている2匹の実ゆっくりは 自分にそっくりで都会派だったからだ。 れいむに横になってもらい、実ゆっくりとほほをすり合わせて「すーりすーり♪」した時は 「みゃみゃ・・・♪」「ちょかいは♪」と返事をしてくれてそれが一層の励みになった。 こうやってれいむと喧嘩をした時は、きまってありすは普段よりもたくさんのごはんをとってきた。 さつまいもに、にんじん、キャベツに大根 れいむと仲直りするために、危険を冒してもゆっくりしたごはんをとってくるのだ。 そんな都会派なありすの背中を見送って 次の巣に向かうことにした。 「ぎゅびぃびゃぁああああぁぁあ・・・うひぃぃいいいいい!」 洞窟から聞こえてくるのは、耳をつんざくようなまりさの悲鳴。 ここには善良な50センチサイズの胎生妊娠をしたまりさがれいむと住んでいる。 「まりざぁあああ!ゆっっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 しきりに、れいむがまりさを気遣って声をかけているが まりさのために何も出来ることがなくまりさの周囲をぐるぐると跳ねて泣きじゃくっていた。 以前来たときにあった敷き詰められた葉はそこらじゅうに散らばり、山の様にあった果実は暴れるまりさに踏み潰され それが腐り異臭を放っていた。 「おい、これはいったいどうしたんだ!」 「ゆっ、にんげんさん助けてね!まりさが赤ちゃんがなかなか産まれないから 心配して、お腹に力をいれて無理に産もうとしたんだよ! そうしたら、急にまりさが苦しんでそれからずっとこうなのぉおお!」 「ゆびぃぃいいいいぃい!ぐるじいぃぃいいい!もうまりざをごろじでぇええええ!」 まりさの全身に脂汗が滲み、苦痛からすこしでも逃れようと身をよじってごろごろと転がる。 れいむによると、もう数日もこの状態なんだそうだ。 ゆっくりは餡子が体から漏れない限りなかなか死なない、その生命力が災いしてまりさを苦しめ続けていた。 「まりざぁあああ!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 もう、まりさは「ゆっくりしていってね!」に反応しないくらい精神が擦り切れていた。 こいつらは善良なゆっくりだ。出来れば助けてやりたい。 なにかないかとポケットを探ってみるとなぜかトングが出てきた。 トングとは、ピンセットを大きくしたような道具で 焼肉をひっくり返したりバーベキュー等で使う料理器具だ。 それがなぜ、この状況で俺のポケットから出てきたのかはわからない。 きっと、なにか見えざる力がこの善良なゆっくりとトングとを引き合わせたのだと考えるしかなかった。 さっそく、トングをまりさの産道に突き刺す。 「ゆびゅぅぅういいいぃいいいいいいいいいぃいいい!」 それから、トングを内部で広げる。 「ぎゅぴゅうぅぅううううぃいいぃいい!」 あまりの激痛にまりさは泡を吹いて白目を剥いていたが、これもまりさを助けるためだ。ゆっくり我慢してね♪ トングの間に何かまるっこいものがひっかかる。これをキャッチ。 「まりざぁぁあああ!がんばっでぇええええ!」 れいむの声援と唾が後ろから飛んできてうざい。 フンッ!と一気にトングを産道から引っこ抜くと そこには、1匹の子れいむがひっかかっていた。 「ゆぎぃぃいい・・・いぢゃいよぉぉおおお!」 続けて、もう一度まりさの産道にトングを突き刺すと今度は子まりさ、子れいむが出て 最初の子れいむと合わせて合計3匹の子ゆっくり。 まりさの苦痛はとれた様で、悲鳴はぜぃぜぃという息遣いに変わり命に別状はなさそうだ。 「ゆぎぃぃいいいぃいい!あかちゃんがぁああああ!」 代わりに悲鳴をあげたのはれいむだ。 3匹の子ゆっくりは未熟児で 最初の子れいむは目がなく、2匹目の子まりさは口がなく、3匹目の子れいむはその両方がない。 成長抑制により、胎児の状態で成長が止まってしまったのだろう。 「いぢゃいよぉ!みえないよぉ!おがぁしゃんどこいるのぉお!」 「ばでぃさのあがじゃんぐぁぁああ!」 「なんでおべべがないのぉ!おぐちがないのぉ!りょうぼおないのぉ!」 口がない子まりさは、その目で両親にしきりに「なんで、まりさはおくちがないの?」と 目も口もない子れいむは、口がないはずなのに体の内部から「うぼぉおおぉおお」と奇怪な音をさせていた。 長い苦痛から産まれた赤ちゃんがこの仕打ちで親れいむも親まりさも心が折れかけていた。 これでは、この一家は冬越え前に生きる気力を失って死んでしまうかもしれない。 それじゃ面白くないよね。 「れいむ!まりさ!しっかりしろ!お前らは親だろ! 子供達はもっと苦しいんだ!悲しいんだ! なのに、お前らときたらなんだ?あまったれるな! お前らがしっかりして、この子達をゆっくりさせてやらないと誰がこの子達をしあわせにしてやれるんだ!」 思いついたセリフをまんま言ってみた。 どういうわけか親ゆっくりどもの目に生気が戻る。 「ゆっ、そうだよ、この子達はまりさの子供だよ!目や口がなくたって、この子達はまりさとれいむの愛から 生まれた、ゆっくりした可愛い子供だよ!」 「ごめんねおちびちゃんたち!れいむよりもつらいよね!?かなしいよね!? れいむ一生懸命この子達を幸せにするよ!」 俺は腕を組んで、うんうんと頷いた。 頑張って子ゆっくりを育てろよ!間違っても殺すとか捨てるとかして 代わりに健康な赤ちゃんを産もうとか思いつくなよ! さて、冬越え前にまたこいつらの様子を見に来ようかな。 俺は善良なゆっくりの巣を後にすることにした。 冬は、早朝 雪の降りたるは言うべきにもあらず、霜のいと白きもまたさらでも、 いと寒きに・・・ 肌に突き刺さるような寒さを我慢して、さっそくゆっくりの巣を訪れた。 「みゃみゃ~・・・おにゃかすいちゃよぉ~・・・」 「ゆっくちしちゃごはんたべんちゃいよぉ・・・」 「ゆぅ・・・おとーしゃんかえっちゃきちぇ・・・」 「うるさいよ!おなかすいてるのはおかーさんだっていっしょだよ! それもこれも、まりさがわるいんだよ!」 まりさが帰ってこなくなってから、親れいむ1匹で餌を集め生きながらえていた。 餌を集めると言っても、普段狩などしたことがないため巣の周辺に生えていた草を引っこ抜いては持ち帰るという適当な採取で 甘い草とそうでない草の区別がついていない上、すっかり採り尽くして遠くまで行かなければ草一本生えていない状況まで追い込まれていた。 これは、もう数日もすれば共食いなり餓死なりして全滅だろうな。 ほっといても破滅する巣に興味をなくし次の巣へと向かおうとしたその時、1匹のゆっくりがこの巣へやってきた。 見つからないように気配を消して様子を伺う。 帽子の先が欠けているあのまりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってね!まりさ、みんなのためにたくさんごはんあつめたよ!」 帽子の中には、秋の終わりに集めた木の実やキノコ、食べられる草がぎゅうぎゅうに詰まっていた。 親まりさと一緒に冬を越えるための大切な食料であったが、まりさは自分の分を家族に分け与えるという選択をしたのだった。 得意満面の子まりさ しかし、家族の反応は冷ややかだ。 シーンっと静まり返っていた一家は噴出すように喚きだす。 「こにょばきゃまりさ!じぶんだけごはんをひとりじめしてたんだよ!」 「ゆっくちよこちぇー!くちょまりちゃー!」 「こいつのせいでおうちのまわりのごはんがなくなっちゃんだ!そんにゃにとっちゃから!」 「ゆぅ・・・ちがうよ、これはまりさがいっしょうけんめいあつめ・・・ゆべっ!」 まりさの背中の皮が千切れ餡子が漏れ出す。 親れいむがまりさを噛み付いたのだった。 「・・・なんで、おかーしゃん・・・」 「ゆっ、これでゆっくりふゆをこせるよ!おちびちゃんたちもたくさんたべておおきくなってね!」 「むっちゃむっちゃ!ちあわちぇー♪」 「このきのこゆっくちしてておいちーよ!」 「こっちのきのみ、かちゃ~い!みゃみゃやわらきゃくちてね!ゆんゆ~ん♪」 「ゆ・・・ゆ”ゆ”・・・ゆ”・・・」 まりさはまだ息があるようだったが時間の問題だろう。 そのうち物言わぬ餡子になり、こいつらの冬越えのたしになるのか・・・。 憎たらしい親れいむや赤ゆどもを叩き潰したい衝動にかられたが、それは今回の観察の趣旨に反するのでこらえることにした。 赤ゆが一生赤ゆから成長しない以上は、いずれゆっくり出来ない事態に陥る事を祈り次の巣へと移動する。 れいむとありすのつがいはどうなっただろうか 巣穴を覗くと、そこには頭上に実ゆっくりを生やしている親れいむしかいなかった。 そして4個ついていた実ゆっくりは3個に減っている。 ちょっと状況がわからなかったので、姿を見せて親れいむから事情を聞いてみる。 「ゆっ、このまえのあまあまさんをくれたおにいさん、ゆっくりしていってね!」 「ちゅっきりちていっちぇね!」 「ちゅっくち!」 「ゆぅ~ちゅっくちー!」 頭上の実ゆっくりは目を閉じたままだが、親れいむの”ゆっくりしていってね”に反応していた。 ありすがあんまり「すっきり」と言うものだから実ゆっくりに伝染し「ちゅっきりしていってね!」と覚えてしまったそうだ。 「つがいのありすはどうしたんだい?」 ありすの事を聞かれたれいむは目を伏せて暗い表情を浮かべている。 その目線の先には、ありすのカチューシャがあった。 冬越えのためにありすは一生懸命食料を集めたが、いっこうに落ちてこない実ゆっくりに業を煮やし 気に入っていた実ありすをもぐ事にした。 自分で生まれることが出来ないのなら手伝ってあげればいいと考えたからだ。 もがれた実ありすは柔らかい葉っぱに落ちて、目を開いて赤ゆっくりとなんらかわらない様に見えたが 横向きのままで自分では立つことも出来なかった。 口があっても挨拶はしないし、どんな餌を口に運んでも噛むことも飲み込むことも出来ない。 それでも、ありすが顔を近づけて「すーりすーり」とほおずりをすると、実ありすは「ゆっ♪ゆっ♪」と喜んで 確かに実ありすが生きていることがわかった。 それから、半日もしないで実ありすは萎れてきて、ありすは餌をよく噛んであげて口移ししたりお水を飲ませようとしたが 結局、最後には「ゆ”ゆ”」と苦しそうな声をあげながら痙攣し干からびてしまった。 悲しみに沈むありすは我を忘れて、れいむの頭上にいる他の実ゆっくりももごうとしたため、止めるれいむと揉みあいになり 気がつけばありすは潰れていたという。 ふと親れいむを見ると、実ゆっくりのために過剰に食料を食べていたため太ましく大きい。 連日の餌採りに疲弊して痩せたありすにはひとたまりもなかった事が伺えた。 「おにーさん、またあまあまをちょうだいね!」 このまま、このれいむを放置してもいいが実ゆっくりごと餓死するだけなのは目に見えている。 それでは、もう観察する面白さがない。 先日、捕まえたコンポスト用の赤ゆも替え時なのでコイツを新たなコンポストにしよう。 実ゆっくりのために、たくさん生ゴミも腐ったゴミも食べてくれるに違いない。 「ゆっ、おにいさんはなしてね!れいむがいくらかわいくてもゆうかいしないでね!」 右手でジャンケンのチョキの形をつくり、そのチョキが綺麗にれいむの両目に突き刺さる。 「ゆぎゅ!」 これで少し大人しくなった。 善良なゆっくりの巣は意外にも幸せそうだった。 3匹いた子ゆっくりのうち、口のないまりさと目も口もないれいむは餌を食べることが出来ずにすでに死んでいたが その分、目の見えないれいむ1匹を可愛がっていた。 「きょうは、寒いからおかーさんたちとくっついてすーりすーりしながら寝ようね!」 「まりさはおちびちゃんのために、葉っぱさんの服をつくってあげたよ!」 「おかーしゃん、すーりすーり♪はっぴゃのふくあっちゃか~い♪」 大き目の葉を、まるで桜餅の様に縦に着ている子れいむ。 成長抑制剤のおかげで体の大きさは一生そのままだが、目が見えずとも親の愛を一身に受けて育っていた。 子れいむにしても生まれたときから目が見えないわけで自分が不幸である事を自覚していない。 だから、自分が幸せなのだと思っていられる。 障害を抱えた子供を殺すに殺せずに苦しみ続けているという状況を想像していただけに 逆に幸せなゆっくり一家を見せ付けられるとどうにも気持ち悪い。 いっそのこと一度、子れいむに光を与えてみるか。 時に希望は絶望への最高のスパイスになりうるのだ。 「ゆっ、この間のおにーさん!」 「おにーさんのおかげで、ひとりだけおちびちゃんを助けられたよ!」 「ゆっくちしていってね!」 こいつらの中では、苦しむまりさを手術して助けてくれた人間という事になっていた。 「その子ゆっくりが心配でね、今日はその目を治しにきたのさ!」 コンポストで育てた赤ゆは今では子ゆっくりサイズになっており、1匹締め上げ目玉をくり貫いて持ってきた。 それを目が見えない子れいむに填め込んでやりオレンジジュースをかける。 眼球の大きさは個体差が少なく、同じれいむ種のものを使えば一応は見えるようになる。 それから小麦粉を溶いてまぶたをつくってあげた。 「ゆっ・・・」 おそるおそる、目を開く子れいむ。 生まれて初めて感じる光 洞窟の中は薄暗いが、それでも子れいむには色とりどりの美しい世界 そして初めて見る親れいむと親まりさ なにもかもが輝いてそのキラキラしたおめめに飛び込んできた。 「ゆっくちしていってね!ゆっくちしていってね!」 「おちびちゃん、おめめが!おめめがあるよ!」 「とってもかわいいおめめだよ!すごくゆっくりしてるよぉ!」 大きな体でまるで赤ゆっくりの様に洞窟内を飛び跳ねる親れいむと親まりさ 初めての妊娠している事がわかった時にも、こんなに喜んだことはなかった。 その姿を見た子れいむも、一緒になって飛び跳ねたりほほをすり合わせたりして、今確かにゆっくり出来ている事を実感する。 だが、これは一時的なものなのだ。 目が見えるとはいえ、自分の体と完全に同化したわけではなく、この移植された目は死んだままだ。 だから数日もすれば朽ちて腐敗し、また暗闇の世界へと帰ることになる。 あー、ごほんごほんっと咳払い それから親ゆっくりに説明をした。 「ゆぅ・・・おちびちゃん、また目が見えなくなっちゃうの?」 「そんなのだめだよ!ずっとゆっくりさせてあげたいよ!」 「れいむ、おかーしゃんたちがみえなくなるのいやだよ・・・ゆえぇ~ん」 そこで提案する。 「また、新しい目を移植すればいいんだよ」 他の子ゆっくりの目をくり貫いて、この子に与える。 癒着させるためにはオレンジジュースでなくても水で溶いた餡子でもいい。 「ゆぅ・・・」 「ゆゆ・・・」 「ゆわあぁ~ん・・・おかーしゃんたちみえなくなるのやだよぉお!」 何しろ善良なゆっくりのつがいだ 他人を不幸にして自分が幸せになろうなんて思ったこともないに違いない。 すぐには答えを出せないだろう。 一通りゆっくりの巣を見て回ったし家路につくことにした。 もっとも、自分の幸せではなく子の幸せなら 最後に出す答えは始めから決まっているんだけどね。 だけど、それを選択したら一生続けることになるよ、ゆっくりできない餡子まみれの生活を・・・ なにしろ、その子は一生大人になることがないのだから。 台所の三角コーナーには、冬前に拾った赤ゆが数匹詰まっている。 蓋が閉まるタイプなので、カシカシっと内側から壁を叩く音はしても声までは伝わらない。 しかし、何が言いたいのかはだいたいわかっている。 蓋を開けた。 「れいみゅ、にゃんでもたべまちゅからごはんをくだしゃい、にがきゅてもからきゅてもいいでしゅ」 「なにかまりしゃわるいことしましちゃか?あやまりましゅ・・・あやまりゅのでごはんをくだしゃい・・・」 「ありしゅはくさったにょでもよろこんでたべましゅ・・・おいししょうにたべまちゅから・・・」 3匹ともカビの生えた使いかけの古い石鹸をこね合わせたように緑色やオレンジ色、紫色のグラデーションが外皮に 紋様を浮かべていた。 初日こそ「あまあまよこちぇじじー!」だの「こんにゃのたべるくりゃいならしんだほうがまちよ!」なんて反抗的だったが 結局は餓死の地獄の苦しみには耐えられず、なんであろうと口にした。 目に見えて変色してくると、もはや末期だ。 ゆっくりコンポストは生ゴミを餡子に変化させるから価値がある。 しかし、ここまでくると生ゴミを食べても生ゴミを排泄してしまうのだ。 「釈放だよ・・・」 彼らに向かってニッコリっと満面の笑顔を見せてそう告げた。 不要になっても潰したりはしない。 よく働くように希望を持たせるため刑期を終えたら自由にしてやると約束をし、キチンとそれを守る。 素手で掴むと異臭のする汁が肌に触れてしまうため三角コーナーごと庭に持っていくとひっくり返して外に捨てた。 「おうちかえりゅよ・・・れいみゅ・・・みゃみゃにあいちゃいよ・・・れーみゅしゅーりしゅーりしちゃいよ・・・」 「まりしゃのおかーしゃん・・・ゆっくちちていっちぇね・・・まりしゃこれからおうちかえりゅよ」 「ありしゅ・・・もっとゆっくち・・・しちゃか・・・ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 ずりずりとナメクジの様に這って進む赤ゆども。 腐敗物だろうとカビだろうと何でも好き嫌いなく食べれる彼らは道の草だろうと犬の糞だろうと食べて餓死を免れ 本当に親元まで帰れるかもしれないな。 親がこいつらを見てどういう態度をとるかは知らない。 思い出は、きっと思い出にしておいたほうが美しいんだろう。 「ここはどこなのぉ!せまくてゆっくりできないよ!」 円筒タイプのゴミ箱の底に設置した生まれない実ゆっくりを生やしているれいむが目を覚ました。 とりあえず一週間前に食べ残した弁当箱の中身を捨てよう。 食べなくてもかまわない。 それが二週間前の食べ残しになってから餡子になるだけのことさ。 「くしゃいぃー!こんなのたべれるわけないでしょ!ばかなのしぬの?あまあまもってきてよね!」 蓋を閉めると、内側をガシガシと叩く音だけが響いていた。 おまけ 子まりさ1匹が帽子一杯に貯めた食料などたかがしれていた。 それに加えて狩をまりさにまかせっきりだったれいむは冬越えのための食料を節約しないといけないという事もわかっていなかったので 親れいむ、赤まりさ、赤れいむ3匹でお腹一杯に食べれば3日で尽きてしまった。 それから、死んだ子まりさの餡子をむさぼり それも尽きると今度は親れいむが赤まりさに噛り付き、赤まりさを食料にした。 「それもこれもまりさがわるいんだから、まりさがせきにんとってね!」 「まりしゃがたべられればいいんだよ!」 「ばーきゃ!ばーきゃ!」 「ひとりだけちがうこなんてゆっくちできにゃいよ!」 「いちゃい!やめちぇね!まりしゃはおかーしゃんのあかちゃ・・・ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 どれくらい時間が流れただろうか その赤まりさを食べつくした頃、突如入り口を塞いでいた枝や葉が取り除かれて 冷たい風が吹き込んできた。 親れいむはお帽子のシルエットに、まりさが帰ってきたんだ! 反省して、やっとみんなのごはんを採ってきて帰ってきたんだと思った。 その影が近づいてくると、成体よりもはるかに大きいまりさであることがわかり別人であることに気づく。 つづいて、同サイズのれいむが入ってきた。 「ごめんね、まりさのおちびちゃんのためにおめめをちょうだいね!」 「ていこうしなければいのちまではとらないよ!ほしいのはおめめだけだよ!」 その年、冬篭りが終わると 目を失ったれいむ種ばかりが巣穴から這い出てきたので人間たちはその森が呪われていると恐れ 結果的に、以後数年に渡りゆっくりたちを脅かす者がいなくなり やがて、ゆっくりプレイスと呼ばれるようになったそうな。 「れいぶ・・・なんでもたべますから・・・ごはんをください くさっていても、にがくてもおいしそうにたべます・・・どうかどうかあかちゃんのためにもごはんをください・・・」 「ゆぅ・・・」「みゅ~・・・」「ちゅっきり・・・」 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 ゆっくりいじめ系1993 加工場産の赤ゆっくりを育てる 前編 ゆっくりいじめ系1994 加工場産の赤ゆっくりを育てる 中編 ゆっくりいじめ系2110 加工場産の赤ゆっくりを育てる 後編1 ゆっくりいじめ系2111 ゆっくり二世帯住宅 ゆっくりいじめ系2143 いっしょうのおねがい 作者:まりさ大好きあき
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ペット用ゆっくり向けに”成長抑制剤”という薬品がある。 飼いゆっくりは栄養状態が良いため、野生種と比べて体が大きい。 それでは可愛くないと感じる飼い主が多く、好みのサイズまで成長したら この成長抑制剤を投与することでそれ以上は大きくならないのだ。 成体サイズになる前に投与すれば去勢をする必要もなくなり ゆっくりを傷つけたくない愛護派を中心に喜ばれた。 最近では飴玉状に加工して砂糖と果実のフレーバーをふんだんに使い ゆっくりに気づかれることなく食べさせるだけで成長を止める事ができるという商品も発売し 誰でも購入することが出来るようになっていた。 今回は、その成長抑制飴をペット目的以外での使用を試みることにする。 「ゆっくりしていってね!」 森の中、いかにもゆっくりが住んでそうな洞穴を見つけると、さっそく声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「ゆっくちしていっちぇね!」」」」」 洞穴は枝や葉っぱで入り口を偽装してあったが、本能的に「ゆっくりしていってね!」に反応してしまうため まったくの無駄。 さっそく、入り口を塞いでいる枝を取り除くと中には成体れいむ1匹と 赤れいむが3匹、赤まりさが2匹いた。 つがいの成体まりさは餌でも探しに出ているのだろう。 「ゆっ、ここはれいむたちのおうちだよ!かってにはいってこないでね!」 れいむは、入り口に立ち塞がりプクーっと顔を膨らませてこちらを威嚇している。 その脇からピョコっと赤れいむと赤まりさがこちらを覗いていた。 「おにいさんはゆっくりできる人だよ、その証拠にあま~い飴玉を君たちにあげるよ!」 包み紙をとってあげて、コロコロとしたビー玉の様な成長抑制飴を差し出す。 「ゆゆっ!あめさんゆっくちたべちゃいよ!」 「まりしゃにもちょーだいね!」 「おにいさんはとってもゆっくちしてるよ!」 「あまあま~♪」 「おにーさん、ゆっくりしてるね!おちびちゃんたちがかわいいからおかしをくれるんだね! とくべつに、かわいいかわいいれいむのあかちゃんをみていってもいいよ!ゆっへん!」 赤ゆ1匹につき1個食べさせる。 飴だから「ぺーろぺーろ」と舐めるのかと思いきや、飲み込むようにがっついて野生種の下品さを思い知らされた。 「「「「「ちあわちぇ~♪」」」」」 これで、この可愛い赤ちゃんとやらは永遠に可愛い赤ちゃんのままです(笑) 親ゆっくりは一生餌をとってくる仕事を頑張ってね! ん?よく見ると、1匹の赤まりさだけ奥のほうへ引っ込んだまま飴を舐めに来ない。 お~い、赤まりさ!飴をやるからこっちこいよ!と呼んでみた。 「ゆっ、そのおちびちゃんはいいんだよ!かわいくないあかちゃんなんだから!」 飴をその赤まりさの方へ転がしてやると、自分に飴を与えようとしているのだと気づいて 明るいところまで出てきた。 「まりしゃにもあめしゃんくれりゅの?」 その赤まりさは帽子の先が欠けていて、まるで折れたトンガリコーンの様になっていた。 ゆっくりにとって飾りは命よりも大切なものだ。 きっと、これが原因で親からも姉妹からも苛められているのだろう。 「おまえはいいんだよ!あめなんてもったいないでしょ! おまえがせけんさまにみられるとめいわくだから、そこからでてこないでね!」 親れいむが赤まりさを突き飛ばす。 「ゆぅ・・・」 「ゆっくちできにゃいおねーしゃんにあまあまはもっちゃいないよ!」 「これはれーみゅがもらうね!」 そして、赤まりさの分の成長抑制飴は姉妹に横取りされてしまった。 これじゃ、あの赤まりさだけ普通に成長してしまうなぁ 無理やり食べさせるのも面倒だし、まあいいかと巣を後にする。 来月あたり様子を見に来よう。 しばらく、ゆっくり探索に森を徘徊していると、ひどい雑音のれいむの子育て歌が聞こえてきた。 「ゆっゆっゆっ~♪れいむのあかちゃんゆっくりしたいいこにそだってねー♪」 「ゆっくりしていってね!」 れいむの頭には1本の茎が生えており、その茎には4個の実がついていた。 れいむ種2匹、ありす種2匹と飾りまでハッキリ見分けられるほど成長しているので もうそろそろ生まれてくるころだろう。 「ゆぅ」「ゆゆぅ」「くぴー」「みゅー」 などと寝息を立てている。 「ゆっ?おにいさんはにんげんさん?」 「やあ、お兄さんはゆっくりできる人間だよ。 今日は子育てを頑張ってるれいむのごほうびにあま~い飴をあげにきたのさ。」 実ゆっくりは茎から親の栄養を吸って成長するため口から餌を食べることはできない。 それなら親ゆっくりに成長抑制飴を飲ませれば、この実ゆっくりはどうなるのだろうか? 前例がないだけに分量がわからず多めに10個ほど与えた。 「あまあま~♪こんなにおいしいんだから、きっとれいむのあかちゃんたちもすごくゆっくりできるよ!」 これで、成長抑制の成分が実ゆっくりに伝わるのかと実ゆっくりを観察してみると 「あみゃあみゃ~♪」「ゆっくち・・・ゆぅゆぅ♪」「ゆぅ~ん♪」「ゆっくち~♪」 目は開かないが笑顔で喜んでいるように見える。 これで永遠に実ゆっくりのままなのかね? 一生、実のままゆっくりしていってね! つがいのありすが帰ってくる前に退散した。 また、しばらくゆっくり探索をしていると、今度は大きめの洞窟を発見した。 ゆっくりどもが生息しているところを見ると猛獣などの野生動物がこの森に住んでいることはない。 代わりに、こういう雨風しのげそうな場所にはたいがいゆっくりがいるのだ。 洞窟内部は人間でも余裕があるくらい広々としている。 その中心に50センチサイズはある、大きなゆっくりまりさとれいむがいた。 「ゆっ、おにいさんどうしたの?ここはまりさたちのおうちだよ」 「れいむたちはもうすぐあかちゃんうまれるんだからじゃましちゃだめだよっ!」 まりさの下あご部分が大きく膨らんでいるので胎生妊娠していることがすぐにわかった。 このつがいは、れいむが父役として餌を集め、まりさが妊娠し子供を産むという珍しい組み合わせだ。 まりさの下には葉っぱが幾重にも敷き詰められていて座布団のようにして座して 巣の奥にはリンゴや柿、桃に葡萄といった果実が山のように蓄えられていた。 こいつらが集めたんだろうか? 「ふ~ん、あかちゃんうまれるんだ ところで一つ聞くけど、れいむたちは人間の畑からお野菜を取ったりするゆっくりかい?」 「ゆゆっ、れいむたちはそんなことはしないよ!それはわるいことだよ! ごはんは、じぶんたちであつめるよ!」 野良には珍しく、善良なゆっくりのようだ。 これは、ごほうびをあげないといけないな。 「そうかそうか、それでは飴さんをあげよう! まりさは妊娠してるみたいだし、特にたくさん食べさせてあげなさい。 きっとお腹の中の子ゆっくりも喜ぶさ!」 赤ゆっくりの成長を止めれば、そのまま一生赤ゆっくり 実ゆっくりの成長を止めれば、茎から一生落ちてこない それじゃあ胎生妊娠で産まれる子ゆっくりは、いったいどうなるんだろう? そんな素朴な疑問の答えを求めるべく成長抑制飴を与えた。 「まりさよかったね!ゆっくりできるにんげんさんがあめさんをたくさんくれたよ!」 「あまくておいしいね!でもぜんぶたべたらもったいないから、あかちゃんのぶんもとっておこうね!」 なるほど、産まれてきた赤ちゃんのために飴をとっておこうというのか 自分の事よりも子供を大切にする・・・お兄さん感動した! これだけ良ゆっくりだと、ますます行く末が楽しみですな。 「子供の分もちゃんと用意してあるんだよ。 袋の中の飴さんを全部あげるから、それは君たちで食べなさい!」 袋をひっくり返してバサバサっとありったけの飴を吐き出す。 中途半端に与えると、今度は冬越え用にとっておくとか言い出しかねないので本当に全部くれてやった。 「おにーさんありがとう!このおんはいっしょうわすれないよ!」 「まりさのあかちゃんがうまれたら、おにいさんもみにきてね!きっととってもかわいいこがうまれるよ!」 洞窟を出るまで、れいむが見送ってくれた。 お礼にと、葡萄を1房差し出したが「いいよいいよ」と断る。 尚もれいむが勧めるので、何度も断るのは失礼かなと思って結局受け取った。 帰り道、葡萄を1粒1粒食べて皮を捨てていくと 後からどこかの赤ゆっくりがピョンピョンッとついてきていた。 「あみゃあみゃさんがおちてくるよ!」 無視して、そのまま食べ歩いていると いつの間にか後をつけてくる赤ゆっくりが増えている。 「れいみゅにもあみゃあみゃさんちょーだいね!」 「まりしゃもまりしゃも!」 葡萄を全部食べ終えると捨てる皮もなくなって後をつけてきていた赤ゆどもが騒がしい。 「れいみゅのぶんのあまあまさんがないよ!ぷんぷん!」 「まりしゃもまだもらってないよ!」 「あまあまをくれにゃいにんげんさんはとかいはじゃないわ!」 そんなに食べたければ家に持ち帰ってコンポストにでも使うか。 たらふく”なにかの皮”を毎日食わせてやろう。 ヒョイっと摘み上げて次々とポケットの中にしまう。 「ゆぅ~おそらをとんでるみちゃい♪」 「ゆっ、まっきゅらでなにもみえないよ!」 「ここはどこにゃの!こんにゃのとかいはじゃないわ!みゃみゃー!」 後編へ
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「れいむのあかちゃんが生まれるよ!ゆっくり産まれてきてね!!」 「ゆゆ~ん!まりさとれいむのあかちゃん凄くゆっくりしてるね!」 実ゆっくりが震える。 ついに出産の時が来たのだ。 「生まれるよ!れいむの可愛い赤ちゃんがうまれるよ!」 「まりさの赤ちゃん!ゆっくりしてね!」 ポト。 最初に茎から落ちたのはれいむ種の赤ゆっくりだった。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 パチっと目を開き大きな声で第一声を上げる赤れいむ。 そのゆっくりした姿に親れいむと親まりさは感動した。 「ゆゅーん!!れーみゅ ゆっくちうまりぇちぇ しゅごーくゆっきゅりしてるよ!」 楽しそうに跳ねる赤れいむ。 産まれてきた喜びを全身で表現しているのだ。 「ゆっくちちたら うんうんしゅるよ!ちゅっきりちゅるよ!」 ブリブリ。 ビチビチ。 ブショワー。 赤れいむからこんもりと山のように餡子が垂れる。 ついでに砂糖水も噴き出す。 「ゆがああああああ!?れいむのおチビちゃんが餡子を出しちゃったよ!?」 「餡子が出るとゆっくりできなくなるよ!おチビちゃんゆっくりしていってね!!」 その行動に親れいむと親まりさは大慌てになる。 しかし当の赤れいむは全く気にしていなかった。 「ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅっきりいいいいい!!!!もっちょ うんうんと ちーちーちて ちゅっきりちて ゆっきゅりだよ!!!」 ブリブリブリブリ………。 ブショー。 赤れいむは更に糞と尿をひねり出す。 「ゆあああ!!れいむの貴重なおチビちゃんがあああああ!!!」 「どぼじでぞんなごどじでるのおおおお!?」 「ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっきりいいいい!!!」 ブリブリとシーシーは止まらない。 ついに赤れいむは皮だけになってしまった。 「もっちょ…………ちゅっき…り……ちちゃかっ………た……………」 それが赤れいむの最期の言葉だった。 その後生まれてきた赤ゆっくり達もみな糞尿を撒き散らして死んでいった。 「どぼじでれいむのおチビちゃんがああああ!!!?」 「なんでゆっぐりじでぐれないのおおおお!?」 皮だけになった10匹の赤ゆっくりを見ながら2匹の親ゆっくりは絶望した。 だが絶望はこの2匹で終わることはなかった。 世界中のゆっくりがその日を境に究極の進化を遂げたのだ。 汚物ゆっくりとしての最終進化だ。 産まれた瞬間から糞尿を撒き散らす究極の生命。 それから間もなくゆっくり種は絶滅した。 このSSに感想をつける